(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】脱落防止能力を有するハウジング
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20231013BHJP
【FI】
G01R31/26 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520034
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 US2021053213
(87)【国際公開番号】W WO2022072858
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593104095
【氏名又は名称】ジョンズテック インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チャートランド、ボブ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】シェポッシュ、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス、マイク
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AH07
(57)【要約】
試験システムのためのコンタクタ・アセンブリが開示される。アセンブリは、接点後部を有する接点と、上面および底面を有するハウジングとを備える。スロットは、上面から底面へハウジングを通じて延び、ハウジングの第1の内側側壁および第1の内側端部壁を形成する。接点は、スロットに受け入れ可能である。接点後部は、傾斜した終端を含む。リテーナは、第1の内側側壁上に配設される。傾斜した終点が、第1の内側端部壁と係合するとき、リテーナの少なくとも一部は、断面視において接点と重複して重複領域を形成し、それによって、ハウジングの上部側からの接点の除去を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路デバイスを試験するための試験システムのためのコンタクタ・アセンブリであって、
接点頭部、接点本体、および接点後部を有する接点と、
第1の平坦な側面、および前記第1の面とは反対にある第2の平坦な側面を有するハウジングと、を備え、
前記ハウジングは、上面、および前記上面とは反対にある底面を備え、スロットが、前記上面から前記底面まで前記ハウジングを通じて延び、前記スロットは、前記ハウジングの第1の内側側壁、前記第1の内側側壁と対向する前記ハウジングの第2の内側側壁、前記ハウジングの第1の内側端部壁、および前記第1の内側端部壁と対向する前記ハウジングの第2の内側端部壁を形成し、
前記接点は、前記スロットに受け入れ可能であり、前記接点後部は、平坦な部分および傾斜した終端を含み、
リテーナが、前記ハウジングの前記第1の内側側壁に配設され、
前記接点の前記傾斜した終端が、前記ハウジングの前記第1の内側端部壁と係合するとき、前記リテーナの少なくとも一部は、断面視において前記接点と重複して重複領域を形成する、コンタクタ・アセンブリ。
【請求項2】
前記ハウジングは、第1の穴および第2の穴を含み、
前記第1の穴および前記第2の穴は、前記第1の平坦な側面から前記第2の平坦な側面まで延びる、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の穴および前記第2の穴は、本質的に円筒形である、請求項2に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項4】
前記第1の穴を通って延びる第1のエラストマーと、
前記第2の穴を通って延びる第2のエラストマーと、をさらに備える、請求項2に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項5】
前記第1のエラストマーおよび前記第2のエラストマーは、本質的に円筒形であり、
前記第1のエラストマーおよび前記第2のエラストマーは、非導電性である、請求項4に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項6】
前記第1のエラストマーおよび前記第2のエラストマーのうちの少なくとも一方は、前記接点を付勢するように構成される、請求項4に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項7】
前記第1の穴のサイズは、前記第2の穴のサイズより小さい、請求項2に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項8】
前記スロットの厚さは、前記接点の厚さよりも大きい、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項9】
前記接点は、導電性である、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項10】
前記リテーナは、前記ハウジングの機械加工された一体的な部分である、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項11】
前記リテーナは、前記ハウジングの前記第1の内側側壁に対して取り付けられた挿入物である、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項12】
前記スロットは、上面視においてトラック形状を有する、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項13】
前記リテーナは、前記スロットの第1の端部から前記スロットの第2の端部に向かう方向に延びる、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項14】
前記リテーナは、前記スロットの第1の端部から前記ハウジングの前記第1の内側側壁に向かう方向において湾曲している、請求項1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【請求項15】
集積回路デバイスを試験するための試験システムであって、
1つ以上の端子を有する被試験デバイスと、
コンタクタ・アセンブリであって、
接点頭部、接点本体、および接点後部を有する接点と、
第1の平坦な側面、および前記第1の面とは反対にある第2の平坦な側面を有するハウジングと、を備える、コンタクタ・アセンブリと、を備え、
前記ハウジングは、上面、および前記上面とは反対にある底面を備え、スロットが、前記上面から前記底面まで前記ハウジングを通じて延び、前記スロットは、前記ハウジングの第1の内側側壁、前記第1の内側側壁と対向する前記ハウジングの第2の内側側壁、前記ハウジングの第1の内側端部壁、および前記第1の内側端部壁と対向する前記ハウジングの第2の内側端部壁を形成し、
前記接点は、前記スロットに受け入れ可能であり、前記接点後部は、平坦な部分および傾斜した終端を含み、
リテーナが、前記ハウジングの前記第1の内側側壁上に配設され、
前記接点の前記傾斜した終端が、前記ハウジングの前記第1の内側端部壁と係合するとき、前記リテーナの少なくとも一部は、断面視において前記接点と重複して重複領域を形成し、
前記被試験デバイスの前記1つ以上の端子は、試験中に前記接点頭部と係合するように構成される、試験システム。
【請求項16】
前記被試験デバイスの前記1つ以上の端子は、パッドである、請求項15に記載の試験システム。
【請求項17】
前記被試験デバイスの前記1つ以上の端子は、ピンである、請求項15に記載の試験システム。
【請求項18】
負荷ボードをさらに備え、
前記負荷ボードの端子は、試験中に前記接点後部の前記平坦な部分と係合するように構成される、請求項15に記載の試験システム。
【請求項19】
前記負荷ボードの前記端子は、パッドである、請求項18に記載の試験システム。
【請求項20】
コンタクタ・アセンブリの接点ハウジングにおいて、集積回路デバイスを試験するための試験システムにおいて前記コンタクタ・アセンブリの接点を保持する方法であって、前記コンタクタ・アセンブリは、接点頭部、接点本体、および接点後部を有する前記接点と、第1の平坦な側面、および前記第1の面とは反対にある第2の平坦な側面を有する前記ハウジングと、を備え、前記ハウジングは、上面、および前記上面とは反対にある底面を備え、スロットが、前記上面から前記底面まで前記ハウジングを通じて延び、前記スロットは、前記ハウジングの第1の内側側壁、前記第1の内側側壁と対向する前記ハウジングの第2の内側側壁、前記ハウジングの第1の内側端部壁、および前記第1の内側端部壁と対向する前記ハウジングの第2の内側端部壁を形成し、前記方法は、
前記接点を前記スロットに受け入れられるように構成する工程であって、前記接点後部は、平坦な部分および傾斜した終端を含む、工程と、
前記ハウジングの前記第1の内側側壁にリテーナを設置する工程と、
前記接点の前記傾斜した終端を前記ハウジングの前記第1の内側端部壁と係合させる工程と、
断面視において前記リテーナの少なくとも一部と前記接点との間に重複領域を形成する工程と、
前記コンタクタ・アセンブリが負荷ボードから除去されるとき、前記接点を適所に保持する工程と、を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、超小型回路(例えば、半導体デバイス、集積回路等などのチップ)を試験する分野に関する。より具体的には、本開示は、試験システムにおける接触保持のための脱落防止能力を備えたハウジングを有するコンタクタ・アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
超小型回路のための製造処理は、あらゆる超小型回路が完全に機能可能であることを保証することができない。個々の超小型回路の寸法は微小であり、処理工程は非常に複雑であるので、製造処理における小さな故障または微細な故障が、欠陥のあるデバイスをもたらすことが多い。欠陥のある超小型回路を回路基板上に実装することは、比較的コストがかかる。設置は、通常、超小型回路を回路基板上に半田付けすることを伴う。回路基板上に実装された後、超小型回路を除去することは、半田を2回目に溶融させるまさにその行為が回路基板を破損し得るので問題となる。したがって、超小型回路に欠陥がある場合、回路基板自体もおそらく破損されており、その時点で回路基板に対して付加された価値全体が失われることを意味する。これらのあらゆる理由から、超小型回路は、通常、回路基板上への設置前に試験される。各超小型回路は、欠陥のあるデバイスを全て識別するが、良好なデバイスを欠陥のあるものとして不適当に識別しない手法で試験されなければならない。いずれの種類の誤りも、頻繁な場合には、回路基板製造処理に対してかなりの総コストを付加する。
【0003】
超小型回路試験機器は、それ自体が非常に複雑である。第一に、試験機器は、密集した超小型回路接点の各々と、正確かつ低抵抗の一時的な非破壊的電気接触を行わなければならない。超小型回路接点の小さいサイズおよび超小型回路接点同士の間の間隔が理由で、接点作製時の小さな誤りでさえ、不正確な接続をもたらすことになる。超小型回路試験機器におけるさらなる問題は、自動試験において生じる。試験機器は、1分当たり100個またはそれ以上のデバイスを試験することがある。試験の回数そのものが、試験中に超小型回路端子に対して電気接続を行うテスタ接点の摩耗を引き起こす。この摩耗は、テスタ接点と被試験デバイス(DUT:device under test)端子との両方から、試験機器およびDUTそれら自体を汚染する導電性デブリを脱落させる。デブリは、最終的に、試験中の不十分な電気接続と、DUTに欠陥があるという誤った標識とをもたらす。超小型回路に付着するデブリは、デブリが超小型回路から除去されない限り、障害のあるアセンブリをもたらし得る。デブリを除去することは、コストを付加し、超小型回路自体における別の欠陥源を導入する。
【0004】
他の検討事項も存在する。性能が良い安価なテスタ接点は有利である。試験機器は高価であるので、テスタ接点を置換するために必要とされる時間を最小限にすることも望ましい。試験機器が通常のメンテナンスの長期間にわたってオフラインである場合、個々の超小型回路を試験するコストは増加する。使用中の試験機器は、超小型回路端子アレイのパターンを模倣する試験接点のアレイを有する。試験接点のアレイは、接点の互いに対するアラインメントを精密に維持する構造において支持される。アラインメント・ボードまたはプレートまたはテンプレートは、超小型回路自体を試験接点とアラインする。試験接点およびアラインメント・ボードは、試験接点に対して電気的接続を行う導電性パッドを有する負荷ボード上に実装される。負荷ボード・パッドは、試験機器エレクトロニクスと試験接点との間の信号および電力を搬送する回路パスに接続される。
【0005】
超小型回路信号および電力(S&P:signal and power)端子に電気的に接続する試験接点のアレイの各々は、ハウジングと、例えば、一対のエラストマーによって付勢される接点(ピンとも称され得る)とを含むコンタクタ・アセンブリと称され得る。1つの特定の用途において、接点が動作中である場合、接点の接点後部の平坦な部分は、負荷ボード(プリント回路板「PCB」)に対向し、ハウジングの後部停止部(例えば、内側端部壁)は、接点を適所に適当に位置付けられた状態に維持し得る。しかしながら、コンタクタ・アセンブリを負荷ボードから除去して、コンタクタ・アセンブリを点検または維持する場合、接点は、(断面視において)反時計回りに回転し、または接点の通常の動作位置から、接点がハウジングから落下しやすい、もしくは別のデバイス/構成要素を損傷しやすい位置へ、遠ざかるように回転する可能性がある。接点の脱落問題に対処するための1つの解決策は、コンタクタ・アセンブリのハウジングの上部カバーを使用して、接点を適所に保持し、接点がさらに反時計回りに回転し、したがって、ハウジングの上面から潜在的に落下することを防止することである(ハウジングが負荷ボードから取り外された場合、ピンがハウジングの底部から除去可能になることが期待される)。そのような解決策において、コンタクト・アセンブリのハウジングは、エラストマー(例えば、ゴムまたは他の適切な材料から作製される)に対して接点をクランプして、接点を適所にクランプしていることがある。しかしながら、特定のコンタクタ・アセンブリの場合、ハウジングは、非常に細く(例えば、長さ約1mm)、脆弱であり、強固でないことがある。上部カバー(上部)が接点を保持するために使用される場合、ハウジングは浮き上がったり/曲がったりし得る。言いかえれば、垂直方向における(例えば、ハウジングの上面から底面への方向における)ハウジングの強度は、接点を適所に保持するほど強くないことがある。
【発明の概要】
【0006】
本願明細書において開示される実施形態は、上述の問題の各々に対処する解決策を提供する。本願明細書において開示される実施形態は、特に、コンタクタ・アセンブリが実装板(例えば、負荷ボード)から除去される場合に、接点が反時計回りにさらに回転することを防止するための(例えば、接点を適所に維持し得る領域においてハウジングに材料を付加することによる)脱落防止機構を提供し得る。本願明細書において開示される実施形態によって提供される脱落防止機構は、(例えば、断面図または側面図において)接点がハウジングにおいて上向きに立たないように、コンタクタ・アセンブリが負荷ボードに実装された場合、接点が回転することを防止し、接点を適当な位置に維持し得ることが認識される。
【0007】
集積回路デバイスを試験するための試験システムのためのコンタクタ・アセンブリも開示される。コンタクタ・アセンブリは、接点頭部と、接点本体と、接点後部とを有する接点を備える。コンタクタ・アセンブリは、第1の平坦な側面と、第1の面とは反対にある第2の平坦な側面とを有するハウジングを備える。ハウジングは、上面と、上面とは反対にある底面と、を備える。スロットは、上面から底面までハウジングを通じて延びる。スロットは、ハウジングの第1の内側側壁、第1の内側側壁に対向するハウジングの第2の内側側壁、ハウジングの第1の内側端部壁、および第1の内側端部壁に対向するハウジングの第2の内側端部壁を形成する。接点は、スロットに受け入れ可能である。接点後部は、平坦な部分と傾斜した終端とを含む。リテーナは、ハウジングの第1の内側側壁に配設される。接点の傾斜した終端が、ハウジングの第1の内側端部壁と係合するとき、リテーナの少なくとも一部は、断面視において接点と重複して重複領域を形成し、重複領域の少なくとも一部においてリテーナと接点との間にクリアランスは存在しない。
【0008】
集積回路デバイスを試験するための試験システムも開示される。試験システムは、1つ以上の端子と、コンタクタ・アセンブリとを有する被試験デバイスを含む。コンタクタ・アセンブリは、接点頭部と、接点本体と、接点後部とを有する接点を備える。コンタクタ・アセンブリは、第1の平坦な側面と、第1の面とは反対にある第2の平坦な側面とを有するハウジングも備える。ハウジングは、上面と、上面とは反対にある底面と、を備える。スロットは、上面から底面までハウジングを通じて延びる。スロットは、ハウジングの第1の内側側壁、第1の内側側壁に対向するハウジングの第2の内側側壁、ハウジングの第1の内側端部壁、および第1の内側端部壁に対向するハウジングの第2の内側端部壁を形成する。接点は、スロットに受け入れ可能である。接点後部は、平坦な部分と、傾斜した終端と、を含む。リテーナは、ハウジングの第1の内側側壁に配設される。接点の傾斜した終端が、ハウジングの第1の内側端部壁と係合するとき、リテーナの少なくとも一部は、断面視において接点と重複して重複領域を形成し、重複領域の少なくとも一部においてリテーナと接点との間にクリアランスは存在しない。被試験デバイスの1つ以上の端子は、試験中に接点頭部と係合するように構成される。
【0009】
集積回路デバイスを試験するための試験システムにおいてコンタクタ・アセンブリの接点を保持する方法も開示される。本方法は、接点の傾斜した終端をハウジングの第1の内側端部壁と係合させる工程と、断面視においてリテーナの少なくとも一部と接点との間に重複領域を形成する工程と、コンタクタ・アセンブリが試験システムから除去されるときに、接点を適所に保持する工程と、を備える。コンタクタ・アセンブリは、接点頭部と、接点本体と、接点後部とを有する接点を備える。コンタクタ・アセンブリは、第1の平坦な側面と、第1の面とは反対にある第2の平坦な側面と、を有するハウジングも備える。ハウジングは、上面と、上面とは反対にある底面と、を備える。スロットは、上面から底面までハウジングを通じて延びる。スロットは、ハウジングの第1の内側側壁、第1の内側側壁に対向するハウジングの第2の内側側壁、ハウジングの第1の内側端部壁、および第1の内側端部壁に対向するハウジングの第2の内側端部壁を形成する。接点は、スロットに受け入れ可能である。接点後部は、平坦な部分と、傾斜した終端とを含む。リテーナは、ハウジングの第1の内側側壁に配設される。接点の傾斜した終端が、ハウジングの第1の内側端部壁と係合するとき、リテーナの少なくとも一部は、断面視において接点と重複して重複領域を形成し、重複領域の少なくとも一部においてリテーナと接点との間にクリアランスは存在しない。被試験デバイスの1つ以上の端子は、試験中に接点頭部と係合するように構成される。
【0010】
一実施形態において、ハウジングと接点との間には精密な/緊密な/ぴったりした嵌合があり得る。リテーナは、必ずしも、接点にちょうど接し、いかなるクリアランスも有しないように完全に寸法設計されているとは限らないことがある。製造公差を伴うことがあり、そのため、設計が、リテーナと接点との間の精密な/緊密な/ぴったりした嵌合を有するとしても、それは必ずしも重複する、またはちょうど接するとは限らないことがある。リテーナと接点との間にわずかなクリアランスがある場合でも、リテーナが接点に十分に接近しているとき、リテーナは、接点の脱落または顧客デバイスの損傷につながり得る望ましくない位置へ接点が回転しすぎることを依然として防止し得る。
【0011】
本開示の一部を形成し、本願明細書において説明されるシステムおよび方法が実施され得る実施形態を例示する、添付の図面への参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態による、試験用のDUTを受け入れるための試験システムの一部の斜視図。
【
図2A】一実施形態による、電気試験用のDUTを受け入れるための試験システムの一部の側面図。
【
図2B】一実施形態による、DUTが電気的に係合している、
図2Aの試験システムの側面図。
【
図3A】一実施形態による試験アセンブリの斜視図。
【
図3B】一実施形態による、
図3Aの試験アセンブリの一部の拡大上面図。
【
図3C】一実施形態による、
図3Aの試験アセンブリの一部の拡大底面図。
【
図3D】一実施形態による試験アセンブリの上面図。
【
図3E】一実施形態による、
図3Dの線F-Fに沿った試験アセンブリの断面図。
【
図4A】一実施形態による、コンタクタ・アセンブリのハウジングの斜視図。
【
図4B】一実施形態による、異なる角度における、
図4Aのハウジングの斜視図。
【
図4E】一実施形態による、
図4Dの線B-Bに沿ったハウジングの断面図。
【
図5A】一実施形態によるコンタクタ・アセンブリの斜視図。
【
図5B】一実施形態による、
図5Aのコンタクタ・アセンブリの側面図。
【
図5C】一実施形態による、
図5Aのコンタクタ・アセンブリの上面図。
【
図5D】一実施形態による、
図5Cのコンタクタ・アセンブリの部分Mの拡大図。
【
図5E】一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったコンタクタ・アセンブリの断面図。
【
図5F】一実施形態による、
図5Eのコンタクタ・アセンブリの部分Lの拡大図。
【
図5G】一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったハウジングの半分と完全な接点とを示す、コンタクタ・アセンブリの上面図。
【
図5H】一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったハウジングの半分と完全な接点とを示す、コンタクタ・アセンブリの斜視断面図。
【
図5J】一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったハウジングの半分と完全な接点とを示す、コンタクタ・アセンブリの別の斜視断面図。
【
図5L】一実施形態による、
図5Jのコンタクタ・アセンブリの部分Eの拡大図。
【
図5M】一実施形態による、
図5Kのコンタクタ・アセンブリの部分Eの拡大図。
【
図6A】一実施形態によるコンタクタ・アセンブリの上面図。
【
図6B】一実施形態による、
図6Aのコンタクタ・アセンブリの部分Dの拡大図。
【
図6C】一実施形態による、
図6Aの線C-Cに沿ったコンタクタ・アセンブリの断面図。
【
図7A】一実施形態によるコンタクタ・アセンブリの断面図。
【
図7B】一実施形態による、
図7Aのコンタクタ・アセンブリの側面図。
【
図7C】一実施形態による、
図7Aのコンタクタ・アセンブリの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
同様の参照番号は、全体を通じて同様の部分を表す。
コンタクト・アセンブリは、典型的には、ハウジングと、ハウジングのスロットに受け入れ可能である接点(またはピン)と、接点を付勢するための2つ以上のエラストマーとを含む。断面における変化は、電気信号の一部を反射し得る接点インピーダンスに対して変化を引き起こし得るので、コンタクト・アセンブリの性能が高まるにつれて、接点における断面形状のバリエーションに対して、より少ない許容差があり得る。いくつかの実施形態において、接点は、エラストマーとハウジング上部停止部によって保持されてもよく、ハウジング上部停止部は、特に、コンタクタが負荷ボードに実装されていない場合に、接点自由高さを制御するだけでなく、接点を保持するのにも役立つ。
【0014】
特定のコンタクト・アセンブリの場合、Gilkの特許である米国特許第7,445,465号明細書などに示されるハウジングの上部壁を使用する、従来のハウジング上部停止部は、ハウジングが細く(例えば、Z方向における高さが0.75mm程度、または1mm程度未満)、ハウジングが接点のための上部停止部として使用されるのに十分に強固ではないことがあり得るので、適切でない。コンタクト・アセンブリの性能が高まるにつれて、接点のサイズは小さくなり続け、これが生じるにつれて、いくつかのフィーチャは、材料の強度および/または製造可能性に起因して、実際的ではないことがある。最適な電気性能は、ある長さのワイヤのような形状を有する一定の断面のコンダクタによって提供され得ることが認識される。真っ直ぐまたは平坦な接点形状からの逸脱は、性能の劣化を引き起こし得る。接点が小さく、一定の断面形状からのより少ない逸脱を有して場合、接点を保持することは、より困難になり得る。
【0015】
コンタクタ・アセンブリがプリント回路板(例えば、負荷ボード)に対して固定される場合、接点は、十分に良好に保持され得るが、コンタクト・アセンブリが取り扱われる(例えば、負荷ボードから除去される)場合、エラストマー・付勢を使用する接点は、当然ながら回転して位置がずれ、ハウジングの上部面における開口部は、必然的に十分に大きいので、ピンが回転して作動位置からずれる場合、ピンは、その上部開口部を通って落下しやすい。本願明細書において開示される実施形態は、ピン位置に関わらず、ピンが上部スロットを通って落下することを防ぐために、ハウジング接点スロットに対して材料を付加する工程を提供する。この解決策は、付加された材料が、ハウジング後部停止部から接点を押しのけ、負荷ボード・パッド上での摺動(すなわち、負荷ボード・パッド寿命の短縮)を引き起こし得るという懸念、付加的な材料が、接点コンプライアンスを低減し、DUTパッドの不十分な拭き取り/クリーニング(これは望ましくない平均アシスト間隔(MTBA:Mean Time Between Assists)を引き起こし得るという懸念、および製造のコストを増加させ得る潜在的な欠点を回避するために、付加的な材料が、非常に正確に設置されなければならないことがあるという懸念にも対処し得る。
【0016】
本願明細書において開示される実施形態は、ハウジングの既存の領域(例えば、クリアランス)を移動させる。本願明細書において開示される実施形態は、コンタクタ・ハウジングが取り扱われている、または維持されている(例えば、負荷ボードから除去されている)場合に、接点をより良好に保持するのに役立つ信頼性のある、かつ/または反復可能な機能的なフィーチャを提供し得る。本願明細書において開示される実施形態は、ハウジングが負荷ボードから除去される場合に、接点が反時計回りに回転することを防止し得る。
【0017】
図1は、一実施形態による、試験用のDUT110を受け入れるための試験システム100の一部の斜視図である。
試験システム100は、DUT(例えば、超小型回路等)110のための試験アセンブリ120を含む。試験アセンブリ120は、試験アセンブリ120におけるDUT110のXおよびYの位置付けを精密に定義する開口部または開口130を有するアラインメント板160を支持する負荷ボード170を含む(座標インジケータXおよびYを参照されたい。ただし、座標Xは、座標Yに対して垂直であり、座標Zは、XおよびYの平面に対して垂直である)。DUT110が、方向付けフィーチャを有する場合、開口130において協働フィーチャを含むことが一般的である。負荷ボード170は、その表面に、信号および電力(S&P)コンダクタによってケーブル180に接続された接続パッドを載置する。ケーブル180は、DUT110のその電気試験を行うエレクトロニクスに対して接続する。試験エレクトロニクスが試験アセンブリ120に一体化される場合、ケーブル180は、非常に短く、もしくは試験アセンブリ120の内部にあり、または、試験エレクトロニクスが別個のシャーシ上にある場合、ケーブル180は、より長い。実施形態は試験システムの非限定的な例であることが認識される。負荷ボードおよび負荷ボードに対して行われる電気接続は、コンタクタ・アセンブリの機能性に影響を与えずに、説明されたものと異なっていてもよい。
【0018】
複数の個々の試験接点要素(後で詳細に説明されるコンタクタ・アセンブリ)を有する試験接点アレイ140は、DUT110の表面上に載置された端子を精密にミラーリングする。DUT110が開口130に挿入される場合、DUT110の端子は、試験接点アレイ140と精密にアラインする。試験アセンブリ120は、デバイスを組み込んだ試験接点アレイ140と互換性があるように設計される。試験接点アレイ140は、接点膜またはシートまたはソケット150上に載置される。ソケット150は、典型的には、絶縁主本体(またはハウジング)を含み、絶縁本体は、プラスチックまたは導電性金属または任意の他の適切な材料から作製され得る。アレイ140における個々の試験接点は、周知のフォトリソグラフィおよびレーザ加工処理または任意の他の適切な処理を使用して、好ましくは、ソケット150上に、およびソケットに形成される。ソケット50は、ソケット150とアラインメント板160上の対応する突出フィーチャとの精密なアラインメントを提供するアラインメント板160と負荷ボード170との間の領域に設置される、穴またはエッジ・パターンなどのアライメント・フィーチャを有する。試験接点140の全てが、ソケット150のアラインメント・フィーチャと精密にアライメントされる。このようにして、アレイ140の試験接点は、開口130と精密なアライメントされて配置される。
【0019】
図2Aは、一実施形態による、電気試験用のDUT110を受け入れるための試験システム100の一部の側面図である。
図2Bは、一実施形態による、DUT110が電気的に係合している、
図2Aの試験システム100の側面図である。
【0020】
図2Aに示されるように、DUT110が試験アセンブリ120上に配置され、電気試験が行われ、次いで、DUT110が試験アセンブリ120から除去される。任意の電気接続が、構成要素を他の構成要素と電気接触するように押すことによって行われ、DUT110の試験におけるどの時点においても、半田付けまたは半田除去はない。電気試験手続き全体が、約数分の1秒しか継続しないので、DUT100の迅速で正確な配置は、試験システム100が効率的に使用されることを保証するために重要になる。試験アセンブリ120の高スループットは、通常、DUT110のロボットによる取り扱いを必要とする。大抵の場合、自動機械システムが、試験に先立って試験アセンブリ120上にDUT110を配置し、試験が完了すると、DUT110を除去する。取り扱いおよび配置機構は、機械センサおよび光学センサを使用して、DUT110の位置を監視し、並進アクチュエータと回転アクチュエータとの組み合わせを使用して、DUT110を試験アセンブリ120上に、または試験アセンブリ120にアラインメントし、配置し得る。代替として、DUT110は、手で配置されてもよく、または手動機器と自動機器との組み合わせによって配置されてもよい。
【0021】
DUT110は、典型的には、ソケット150または他のPCBに対して接続する、信号および電力端子112(
図1Bの端子112も参照されたい)を含む。端子は、DUT100の片側にあってもよく、またはDUT110の両側にあってもよい。試験アセンブリ120において使用する場合、端子112の全てが、DUT110の片側からアクセス可能であるべきであるが、1つまたは複数の要素がDUT110の反対側にあってもよいこと、または、端子112に対してアクセスすることによって試験されなくてもよい反対側の他の要素および/もしくは端子があってもよいことが理解される。各端子112は、DUT110のボタン側の小さなパッド、または、おそらくは、DUT110の本体から突出するリードとして形成される。試験に先立って、パッドまたはリード112は、他のリードに内部で接続する電気リードに対して、他の電気構成要素に対して、および/またはDUTにおける1つもしくは複数のチップに対して、取り付けられる。パッドまたはリードの体積およびサイズは、非常に精密に制御され得、典型的には、パッド間またはリード間のサイズ・バリエーションまたは配置バリエーションによって引き起こされる困難はあまりない。試験中に、端子112は固体のままであり、半田の融解またはリフローはない。
【0022】
端子112は、DUT110の表面上に任意の適切なパターンで置かれ得る。いくつかの場合において、端子112は、全体的に方形の格子状であってもよく、これは、リード部分についてのDUT110、QFN、DFN、MLFまたはQFPを説明する表現の原点である。不規則な間隔および幾何形状を含む、矩形の格子からの逸脱もあってもよい。負荷ボード170上のパッドおよびソケット150またはハウジング上の接点の対応する位置が、端子112の位置に一致するように選ばれた状態で、端子の具体的な位置は、必要に応じて変化してもよいことが理解される。一般に、隣接する端子112間の間隔は、0.25から1.5mmの範囲にあり、この間隔は、一般的に「ピッチ」と称される。
図2Aのように、側方から見た場合、DUT110は、端子112のラインを表示し、これは、任意選択で、隙間および不規則な間隔を含み得る。これらの端子112は、典型的な製造処理により、全体的に平坦になるように、またはできる限り平坦になるように作製される。多くの場合において、DUT110上にチップまたは他の要素がある場合、チップの突出は、通常、DUT110からの端子112の突出よりも小さい。
【0023】
図2Aの試験アセンブリ120は、負荷ボード170を含む。負荷ボード170は、負荷ボード基板174と、DUT110を電気的に試験するために使用される回路構成とを含む。そのような回路構成は、1つまたは複数の特定の周波数を有する、1つまたは複数のAC電圧を生み出すことができる駆動エレクトロニクスと、そのような駆動電圧に対するDUT110の応答を感知することができる検出エレクトロニクスとを含み得る。感知は、1つまたは複数の周波数における電流および/または電圧の検出を含み得る。一般に、負荷ボード170上のフィーチャは、実装された場合に、DUT110の上の対応するフィーチャとアラインメントされることが非常に望ましい。典型的には、DUT110と負荷ボード170との両方が、試験アセンブリ120上の1つまたは複数の設置フィーチャに対して機械的にアラインメントされる。負荷ボード170は、1つまたは複数の機械的な設置フィーチャ、例えば、基準(fiducials)または正確に設置された穴および/もしくはエッジなどを含んでもよく、これらは、負荷ボード170が試験アセンブリ120上に精密に据え付けられ得ることを保証する。これらの設置フィーチャは、典型的には、負荷ボード170の横方向のアラインメント(X、Y、
図1を参照されたい)、および/または長手方向のアラインメント(Z、
図1を参照されたい)も保証する。
【0024】
一般に、負荷ボード170は、比較的複雑かつ高価な構成要素であり得る。ハウジング/試験アセンブリ120は、摩耗および損傷から負荷ボード170の接点パッド172を保護することを含む、多くの機能を行う。そのような付加的な要素は、インターポーザ膜(またはソケット)150であり得る。ソケット150は、適切な設置フィーチャ(図示せず)により、負荷ボード170とも機械的にアラインメントし、DUT110に対向する、負荷ボード170の上方の試験アセンブリ120に存在する。ソケット150は、一連の導電性接点(後で詳細に説明される、接点頭部152と接点後部153とを各々が含む、コンタクタ・アセンブリ、
図1の140も参照されたい)を含み、これらは、ソケット150の両側で長手方向外側へ延びる。各コンタクタ・アセンブリ(152、153)は、可撓性要素、例えば、ばねまたはエラストマー材料などを含んでもよく、十分に低い耐性またはインピーダンスを有する電流をDUT110から負荷ボード170へ/負荷ボード170からDUT110へ流すことができる。各コンタクタ・アセンブリ(152、153)は、単一の導電性ユニットであってもよく、または代替として、導体要素の組み合わせとして形成されてもよい。一般に、各コンタクタ・アセンブリ(152、153)は、負荷ボード170上の1つの接点パッド172をDUT110上の1つの端子112に対して接続するが、複数の接点パッド172が単一の端子112に対して接続し、または複数の端子112が単一の接点パッド172に対して接続する試験スキームがあってもよい。簡単にするために、テキストおよび図面においては、単一のコンタクタ・アセンブリ(152、153)が単一のパッド172を単一の端子112に対して接続すると仮定するが、本願明細書において開示されるテスタ要素のいずれも、複数の接点パッド172を単一の端子112に対して接続するため、または複数の端子112を単一の接点パッド172に対して接続するために使用され得ることが理解される。
【0025】
典型的には、ソケット150は、負荷ボード・パッド172およびDUT110の底部接点面に電気的に接続する。負荷ボード170の除去および交換と比較して、ソケット150は、比較的簡単に除去および置換され得るが、この文書ではソケット150を試験アセンブリ120の一部であると考える。動作中に、試験アセンブリ120は、負荷ボード170と、ソケット150と、それらを実装し、それらを適所に(図示せず)保持する機械的な構造とを含む。各DUT110は、試験アセンブリ120に対して配置され、電気的に試験され、試験アセンブリ120から除去される。単一のソケット150は、摩耗する前に多くのDUT110を試験し得、典型的には、置換を必要とする前に数千回以上の試験に耐え得る。一般に、試験アセンブリ120が、ソケット置換のためにわずかなダウン・タイムしか被らないように、ソケット150の置換は比較的高速かつ単純であることが望ましい。いくつかの場合において、ソケット150の置換の速度は、各ソケット150の実際のコストよりもさらに重要となることがあり、テスタ・アップタイムの増加は、動作中の適切なコスト節約をもたらす。
【0026】
図2Aは、試験アセンブリ120とDUT110との間の関係を示す。各DUT110が試験される場合、DUT110の上の特定の端子112が、ソケット150上の対応するコンタクタ・アセンブリ(152、153)および負荷ボード170上の対応する接点パッド172に対して、(X、YおよびZにおいて、
図1を参照されたい)正確かつ確実に配置され得るように、各DUT110は、十分に正確な配置特性を備えた適切なロボット・ハンドラーへと配置される。ロボット・ハンドラー(図示せず)は、各DUT110を試験アセンブリ120に対して強制的に接触させる。力の大きさは、試験されている端子112の数、各端子に対して使用される力、典型的な製造およびアラインメント公差などを含む、試験の厳密な構成に依存する。一般に、力は、テスタの機械的なハンドラー(図示せず)によって印加され、DUT110に対して作用する。一般に、力は、全体的に長手方向であり、負荷ボード170の表面法線に対して全体的に平行である。
【0027】
図2Bは、コンタクタ・アセンブリ(152、153)に対して係合するようにDUT110に対して十分な力が印加され、各端子112と負荷ボード170上のその対応する接点パッド172との間の電気的接続154を形成する状態で、試験アセンブリ120とDUT110とが接触している状態を示す。上述したように、代替として、複数の端子112が単一の接点パッド172に対して接続し、または複数の接点パッド172が単一の端子112に対して接続する試験スキームがあってもよいが、簡単にするために、図面においては、単一の端子112が単一の接点パッド172に対して一意に接続すると仮定する。
【0028】
図3Aは、一実施形態による試験アセンブリ120の斜視図である。試験アセンブリ120は、コンタクト・アセンブリ150およびアラインメント板160等を含む。試験アセンブリ120の円で囲まれた部分Aは、筐体を含む。
【0029】
図3Bは、一実施形態による、
図3Aの試験アセンブリ120の一部(円で囲まれた部分「A」)の拡大上面図である。
図3Cは、一実施形態による、
図3Aの試験アセンブリ120の一部(円で囲まれた部分「A」)の拡大底面図である。
【0030】
図3Dは、一実施形態による試験アセンブリ120の上面図である。
図3Eは、一実施形態による、
図3Dの線F-Fに沿った試験アセンブリ120の断面図である。コネクト510(または後で詳細に説明されるピン、
図5A~
図5Mを参照されたい)は、第1のエラストマー240および第2のエラストマー230によって付勢される。リテーナ451(後で詳細に説明される、
図5E~
図5Mを参照されたい)は、断面視においてコネクタと重複する。コネクト510の頭部は、DUT110の端子に対して係合し、コネクト510の平坦な部分は、負荷ボード170の端子と係合する。
【0031】
試験アセンブリは、筐体220を含む。複数のS&P端子(後で詳細に説明される接点アセンブリ)210は、筐体220上に配設される。筐体は、例えば、筐体の中央の部分に開口部を有して、例えば接地ブロックを収容する。一実施形態において、接地ブロックを収容する開口部のサイズは、DUT110の接地パッドのサイズと一致することが認識される。S&P端子210は、DUT110のS&P端子とアラインメントする。
【0032】
図4Aは、一実施形態による、コンタクタ・アセンブリのハウジングの単一のスロット350を示す、ハウジング300の斜視図である。
図4Bは、一実施形態による、異なる角度におけるコンタクタ・アセンブリのハウジング300の斜視図である。
図4Cは、一実施形態による、コンタクタ・アセンブリのハウジング300の側面図である。
図4Dは、一実施形態による、コンタクタ・アセンブリのハウジング300の上面図である。
図4Eは、一実施形態による、
図4Dの線B-Bに沿った、コンタクタ・アセンブリのハウジング300の断面図である。
【0033】
コンタクタ・アセンブリは、ハウジング300と、接点(510、
図5A~
図5Fを参照されたい)と、2つ以上のエラストマーとを含む。コンタクタ・アセンブリの異なる実施形態は、米国特許第6,854,981号明細書、米国特許第7,445,465号明細書、および米国特許第9,274,141号明細書において説明されており、これらの米国特許も、それらの全体を本願明細書に援用することが認識される。図を単純化し、フィーチャを明確に示すために、例示の目的で、本願明細書において開示されるいくつかの実施形態において、エラストマーが示されないことも認識される。エラストマーの構造および機能は、上述した特許において開示されるエラストマーと同じであってもよく、または同様であってもよい。
【0034】
ハウジング300は、第1の端面310と第2の端面320とを有する。第1の端面310から第2の端面320への方向は、ハウジングの長さ(例えば、X方向、
図1を参照されたい)と称され得る。第1の端面310および第2の端面320は、平坦であってもよく、実質的に矩形または方形の形状を有し、互いに平行であり得る。
【0035】
ハウジング300は、第1の側面370と第2の側面360とを有する。第1の側面370から第2の側面360への方向は、ハウジングの厚さ(例えば、Y方向、
図1を参照されたい)と称され得る。
【0036】
ハウジング300は、上面330と底面340とを有する。上面330から底面340への方向は、ハウジングの高さ(例えば、Z方向、
図1を参照されたい)と称され得る。上面330および底面340は、平坦であってもよく、実質的に矩形または方形の形状を有し、互いに平行であり得る。
【0037】
ハウジング300は、第1の開口部(または穴)380と第2の開口部(または穴)390とを含む。第1の開口部380および第2の開口部390は、厚さ方向において第1の側面370から第2の側面360へ延びる。第1の開口部380および第2の開口部390の近くのハウジング300の底部部分は除去され、開口384および392を形成する。一実施形態において、第1の開口部380の直径(またはサイズ)は、厚さY方向(すなわち、側面図において)に見た場合、第2の開口部390の直径(またはサイズ)よりも小さい。
【0038】
ハウジング300は、スロット350を含む。スロット350は、開いた/中空の空間であり、接点(510、
図5A~
図5Fを参照されたい)の少なくとも一部と、エラストマーの少なくとも一部と収容するように構成される。スロット350は、上面330から底面340へ延びる。上面330において、スロットは、実質的にトラック形状(stadium shape)を有する。トラック形状は、一対の対向する側部において半円を有する矩形から構築される二次元の幾何学形状と称され得ることが認識される。トラック形状は、ディスコ矩形(discorectangle)、楕円形またはソーセージ体等としても知られ得る。
【0039】
上面図(
図4D)において、スロット350は、長さ方向において、第1の端部352と、第1の端部352に対向する第2の端部354とを含む。スロット350は、実質的に半円の部分356aと、実質的に矩形の部分358と、実質的に半円の部分356bとを含む。部分356aにおいて、スロット350の厚さは、0(端部352における)から、ハウジング300の第1の内側側壁304からハウジング300の第2の内側側壁302までの距離によって定義される(部分358に達する領域における)最大厚さまで増加し得る。部分358において、スロット350の厚さは、最大厚さになり得る。ハウジング300におけるスロット350の厚さは、接点(510、
図5A~
図5Fを参照されたい)の厚さよりもわずかに大きく、これは、接点がスロット350に突き刺さることなく移動するための公差に余裕を持たせることが認識される。
【0040】
スロット350は、厚さ方向においてハウジング300の第1の内側側壁304と、第1の内側側壁304と対向するハウジング300の第2の内側側壁302とを形成し、長さ方向においてハウジング300の第1の端壁306と、第1の端壁306と対向するハウジング300の第2の端壁308とを形成する。
【0041】
ハウジング300の底部の近くで、第1の内側端部壁306の一部は、後部停止部382を形成する。ハウジング300の後部停止部382は、接点(510、
図5A~5Fを参照されたい)の接点後部と係合して、接点を適当に位置付けられた状態に維持するように構成される。例えば、コンタクタ・アセンブリが負荷ボード上に配置される場合、接点後部の平坦な部分が負荷ボードと係合するように、負荷ボードは、接点後部を後部停止部382の方へ押し、ハウジング300の後部停止部382は、接点がさらに押されることを防止する(停止する)。
【0042】
第1の開口部380、第2の開口部390、開口384および392、ならびにスロットは、全て接続されている。開口384および392は、第1の側面370から第2の側面360へ延びる。底面340において、スロット350は、厚さ方向において、開口384および392によって切り開かれる。一実施形態において、第1の開口部380および第2の開口部390は、本質的に円筒形である。
【0043】
図4Eは、スロット350の内部構造を示す、ハウジング300の前半部を例示する。ハウジング300の後半部は、(例えば、リテーナ・フィーチャのない)前半部と同じ(ミラー)であってもよく、または異なっていてもよいことが認識される。領域410および460において、スロットの厚さは0である(すなわち、空間またはクリアランスはない)。領域440において、スロット350は、最大厚さを有する。領域450において、リテーナ(脱落防止機構)451が提供される。一実施形態において、リテーナ451の高さ(Z方向)は、0.125mm程度(0.005インチ程度)であり、ハウジング300の高さは、0.75mm程度である。一実施形態において、リテーナ451の厚さ(これは、ハウジング300の内側側面からハウジング300の対応する側面までの距離として定義される)は、スロット350の最大厚さの半分(スロット350の厚さが0である460に到達する領域における)と、0(スロット350の厚さは最大であるが、リテーナ451の厚さは0であり得る440に到達する領域における)との間である。一実施形態において、リテーナ451は、湾曲した形状(
図4Dにおける部分356aを参照されたい)を有し、その厚さは、第1の端部352から領域440の方へ減少する。一実施形態において、リテーナ451の厚さは、所定の定数であってもよい。一実施形態において、リテーナ451は、第1の内側側壁304上に、第2の内側側壁302上に、または第1の内側側壁304と第2の内側側壁302との両方の上に配設される。一実施形態において、リテーナ451は、ハウジング300の機械加工された一体的な部分である。別の実施形態において、リテーナ451は、例えば、摩耗したリテーナを置換するために、ハウジング300の内側側壁(または両方の内側側壁)に取り付けられる挿入物であってもよい。
【0044】
図4Eにおいて、領域470では、スロット350の厚さが、0(460に到達する領域における)と、スロット350の最大厚さの半分(440に到達する領域における)との間である。一実施形態において、領域470は、湾曲した形状(
図4Dにおける部分356aと同様の)を有し、スロット350の厚さは、460に到達する領域から領域440の方へ増加する。領域430において、スロット350の厚さは、0(410に到達する領域における)と、スロット350の最大厚さの半分(440に到達する領域における)との間である。一実施形態において、領域430は、湾曲した形状(
図4Dにおける部分356bを参照されたい)を有し、スロット350の厚さは、410に到達する領域から領域440の方へ増加する。領域420において、スロット350の厚さは、0(410に到達する領域における)と、スロット350の最大厚さの半分(440に到達する領域における)との間である。一実施形態において、領域420は、湾曲した形状(
図4Dにおける部分356bと同様の)を有し、スロット350の厚さは、410に到達する領域から領域440の方へ増加する。
【0045】
図5Aは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ500の斜視図である。
図5Bは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ500の側面図。
図5Cは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ500の上面図である。
図5Dは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ500の部分Mの拡大図である。
図5Eは、一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿った、コンタクタ・アセンブリ500の断面図である。
図5Fは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ500の部分Lの拡大図である。
図5Gは、一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったハウジング300の半分と完全な接点510とを示す、コンタクタ・アセンブリ500の上面図である。
図5Hは、一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったハウジング300の半分と完全な接点510とを示す、コンタクタ・アセンブリ500の斜視断面図である。
図5Iは、一実施形態による、異なる角度で見た
図5Hである。
図5Jは、一実施形態による、
図5Cの線K-Kに沿ったハウジング300の半分と完全な接点510とを示す、コンタクタ・アセンブリ500の別の斜視断面図である。
図5Kは、一実施形態による、異なる角度で見た
図5Jである。
図5Lは、一実施形態による、
図5Jのコンタクタ・アセンブリ500の部分Eの拡大図である。
図5Mは、一実施形態による、
図5Kのコンタクタ・アセンブリ500の部分Eの拡大図である。
【0046】
コンタクタ・アセンブリ500は、ハウジング300(
図4A~
図4Eを参照されたい)と、接点(またはピン)510と、第1の開口部380を通って延びる第1のエラストマー(図示せず)と、第2の開口部380を通って延びる第2のエラストマー(図示せず)とを含む。図を単純化し、フィーチャを明確に示すために、例示の目的で、本願明細書において開示されるいくつかの実施形態において、エラストマーは示されないが、エラストマーは、コンタクタ・アセンブリ500の動作中に必要とされ得ることが認識される。例えば、
図5Bにおいて、第1のエラストマー(図示せず)は、参照番号380が指すロケーションにおいて第1の開口部380を通って延び、および/または、第2のエラストマー(図示せず)は、参照番号390が指すロケーションにおいて第2の開口部390を通って延びて、コンタクタ・アセンブリ500の動作中に接点510を付勢する。一実施形態において、第1のエラストマーおよび第2のエラストマーは、本質的に円筒形であり、非導電性である。接点510は導電性である。
【0047】
接点510は、接点頭部520と、接点本体530と、接点後部540とを含む。一実施形態において、接点本体530は、第2のエラストマーに対して係合し、支えるように構成される凹部内側エッジ532を有する。接点後部540は、第1のエラストマーに対して係合し、支えるように構成される凹部内側エッジ546を有し、第1のエラストマーは、第2のエラストマーの直径よりも小さな直径を有する。接点後部540は、平坦な部分542と、傾斜した終端544とを有する。接点510は、スロット350に受け入れ可能であり、厚さ方向においてハウジングの内側側壁と接点の側面との間にクリアランスが形成されるように、350の厚さよりもわずかに小さな厚さを有する。
【0048】
動作時、接点の傾斜した終端544が、ハウジング300の第1の内側端部壁306の後部停止部382と係合する場合、リテーナ451の少なくとも一部は、断面図(
図5Eおよび
図5Fを参照されたい)において接点510と重複して重複領域452(点線を参照されたい)を形成し、重複領域452の少なくとも一部において、リテーナ451と接点510との間にクリアランスは存在しない。一実施形態において、重複ではなく、リテーナ451と接点510との間にわずかなクリアランスがあってもよい。そのような実施形態においては、リテーナ451をどのくらい精密に製造することが可能であり得るかに基づいて、クリアランスは非常に小さくなり得る。リテーナ451についての重複領域452は、接点510の後方にあり、接点510とハウジング300の内側側壁302との間のクリアランスにある。重複領域452において、リテーナ451は、そのようなクリアランスを充填し、厚さY方向において接点を押すための厚さを有して、高さ/垂直Z方向における代わりに、厚さ方向(例えば、紙面の中へおよび紙面の外へ)において、接点510を適所に保持する。平坦な部分542は、例えば、負荷ボードのパッドと係合し、負荷ボードのパッド上に載るように構成される。接点頭部520は、DUTの端子(パッド、ピン等)と係合するように構成される。エラストマーは、接点510を付勢するように構成される。
【0049】
細いハウジング300の場合、ハウジング300の強度(特に、高さZ方向における垂直強度)は、特に、コンタクト・アセンブリ500が負荷ボードから除去されるときに、接点510を適所に保持するのに十分に強くないことがあり得ることが認識される。リテーナ451の幾何形状、構造、および配置により、例えば、コンタクト・アセンブリ500が負荷ボードから除去される場合、リテーナ451からの力は、水平方向におけるハウジング300の強い部分を利用して、垂直方向における代わりに、水平方向(例えば、長さX方向)において接点510に対して印加され得る(すなわち、ハウジング300は、垂直方向において強くないことがあり得るが、(接点510のための停止部としての役割を果たす)接点510を適所に保持するために水平方向において十分に強くなり得る。
【0050】
図5H~
図5Kにおける領域410、420、430、440、450、460、および470は、
図4Eにおける領域410、420、430、440、450、460、および470と同じまたは同様であることが認識される。領域450における(420、430、470などのクリアランス・フィーチャの代わりの)リテーナ451は、接点510に触れ、接点510の傾斜した終端544がハウジング300の第1の内側端部壁382と係合する場合に、接点510が回転して位置がずれることを防止する。リテーナ451は、(420、430、470などのクリアランス・フィーチャの)幾何形状に対する(420、430、470などのクリアランス・フィーチャからの)に非常に小さい変化であり得るので、リテーナは、コンタクト・アセンブリ500の他の部分の機能に干渉しない、またはその機能を変更しないことがあり得るが、それでも、リテーナは、接点510がハウジング300の外へ落下することを防止するのに役立ち得ることも認識される。
【0051】
領域470が、第1のエラストマー(240、
図3Eを参照されたい)領域の上方に延びる接点スロット350の一部であることも認識される。領域470は、エラストマー240が領域470の中へ流れて、エラストマー240が接点510に対して印加する力の量を制御するように構成される。領域430は、接点スロット350の端部における半径領域である。領域420も、接点スロット350の端部における半径領域である。接点スロット350は、第2のエラストマー(230、
図3Eを参照されたい)が流れるための余裕/クリアランスを提供するために、および接点510の力が高くなりすぎないように維持するために、領域430または領域430の近くにおけるよりも、領域420または領域420の近くにおいて、長く切られることが認識される。領域460は、接点510が負荷ボード170のパッド上を摺動することを防止するハウジング300の後部停止部382領域を含む。領域460は、接点スロット350の第1の端部における固体のハウジング300である。領域410は、接点スロット350の第2の端部における固体ハウジング300である。一実施形態において、ハウジング300は、K-K線に沿って接点スロット350の中央を通って切断され、K-K線に沿ったハウジング300の2つの部分は、互いのミラーリングされた複製であることがさらに認識される。一実施形態において、リテーナ451は、0.125mm程度(0.005インチ程度)の高さ(Z方向)を有する。一実施形態において、領域470から(リテーナ451が設置される)領域450への距離は、0.36mm程度である。一実施形態において、リテーナ451は、0.006mm程度(または0.0002インチ程度)の(Y方向における、例えば、ハウジングの内側側壁から重複領域452までの)厚さを有して、接点510に触れる。重複領域452aは非常に小さくてもよく、製造公差に基づいて、接点510とリテーナ451との間にわずかなクリアランスまたは干渉があり得ることが認識される。リテーナ451の1つの機能は、リテーナ451の位置付け(またはその寸法)に関して、その機能を無効にせずに、いくらかの公差があり得るように、
図7Bおよび
図7Cに示される接点510の大きな回転を防止することである。一実施形態において、リテーナ451は、最適なロケーション(
図5F、
図5Lまたは
図5Mを参照されたい)の0.1mm程度内にあってもよく、または、その最適なロケーション/寸法から0.1mm程度のオフセットを有してもよい。別の実施形態において、リテーナ451は、最適なロケーション(
図5F、
図5Lまたは
図5Mを参照されたい)の0.05mm程度内にあってもよく、または、その最適なロケーション/寸法から0.05mm程度のオフセットを有してもよい。
【0052】
図6Aは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ600の上面図である。
図6Bは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ600の部分Dの拡大図である。
図6Cは、一実施形態による、
図6Aの線C-Cに沿ったコンタクタ・アセンブリ600の断面図である。
【0053】
例示の目的で、コンタクタ・アセンブリ600において、エラストマーが除去されており、接点510が異なるロケーションに配置されていることを除いて、コンタクタ・アセンブリ600は、
図5A~
図5Eのコンタクタ・アセンブリ500と同じである(すなわち、接点の傾斜した終端544は、ハウジング300の第1の内側端部壁306の後部停止部382と係合する位置になく、したがって、リテーナ451は、断面視において接点510と重複しなくてもよい。
図6Bにおいて、厚さ方向においてハウジング300の内側側壁と接点510の側面との間のクリアランス610、620があることが示され得る。
【0054】
図5A~
図5Fを再度参照すると、接点510が(反時計回りに)移動して位置からずれることをリテーナ451が防止するために、リテーナ451が接点510に干渉し得る前に、リテーナ451は、スロット350(またはハウジングの内側壁面)と接点510との間の隙間/クリアランスを吸収するように設計される必要があり得る。すなわち、リテーナ451は、断面視において接点と重複し得る。
【0055】
図7Aは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ700の断面図である。
図7Bは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ700の側面図である。
図7Cは、一実施形態によるコンタクタ・アセンブリ700の断面図である。
【0056】
コンタクタ・アセンブリ700は、ハウジング301と、接点510と、エラストマー(図示せず)とを含む。ハウジング301において、領域454(領域450と同様)には、リテーナ451がないことを除いて、ハウジング301は、
図5A~
図6Cのハウジング300と同じである。そのため、
図7Aに示されるように、接点の傾斜した終端544が、ハウジング301の第1の内側端部壁306の後部停止部382と係合する場合、領域454は、接点510に重複せず、クリアランスは、ハウジング301の内側側壁と接点510との間に存在し得る。結果として、
図7Bおよび
図7Cにおいて、エラストマー(図示せず)は、接点510を付勢するように配設されているが、特に、コンタクタ・アセンブリ700が負荷ボードから除去される場合、接点510は、反時計回りに回転し得る。
【0057】
本願明細書において開示される実施形態は、接点保持能力を改善し得、ハウジングの底部/上部から機械加工され得、低コストであり得る。本願明細書において開示される実施形態により、接点は、ハウジングの後部停止部に寄りかかることができ、接点は、始動された場合に適当に転がる可能性が高くなり得、接点の接点後部が制御され得、接点の回転は十分に制御され得る。一実施形態において、リテーナおよび接点は、特に、コンタクト・アセンブリが実装されない(または負荷ボードから除去される)場合に、リテーナが接点の上部停止部として機能するように構成され得ることが認識される。
【0058】
本願明細書において述べられているような本発明およびその適用例の説明は、例示的であり、本発明の範囲を限定することを意図されていない。本願明細書において開示される実施形態のバリエーションおよび変形が可能であり、実施形態の様々な要素に対する実際的な代替案およびその均等物は、本特許文書を検討すれば、当業者によって理解される。本願明細書において開示される実施形態のこれらのおよび他のバリエーションおよび変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱せずに行われ得る。
【0059】
態様
以下の態様のいずれも互いに組み合わされ得ることに留意されたい。
態様1。集積回路デバイスを試験するための試験システムのためのコンタクタ・アセンブリであって、
接点頭部、接点本体、および接点後部を有する接点と、
第1の平坦な側面、および第1の面とは反対にある第2の平坦な側面を有するハウジングと、を備え、
ハウジングは、上面、および上面とは反対にある底面を備え、スロットが、上面から底面までハウジングを通じて延び、スロットは、ハウジングの第1の内側側壁、第1の内側側壁と対向するハウジングの第2の内側側壁、ハウジングの第1の内側端部壁、および第1の内側端部壁と対向するハウジングの第2の内側端部壁を形成し、
接点は、スロットに受け入れ可能であり、接点後部は、平坦な部分および傾斜した終端を含み、
リテーナが、ハウジングの第1の内側側壁に配設され、
接点の傾斜した終端が、ハウジングの第1の内側端部壁と係合するとき、リテーナの少なくとも一部は、断面視において接点と重複して重複領域を形成し、重複領域の少なくとも一部においてリテーナと接点との間にクリアランスは存在しない、コンタクタ・アセンブリ。
【0060】
態様2。ハウジングは、第1の穴および第2の穴を含み、第1の穴および第2の穴は、第1の平坦な側面から第2の平坦な側面まで延びる、態様1に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0061】
態様3。第1の穴および第2の穴は、本質的に円筒形である、態様2に記載のコンタクタ・アセンブリ。
態様4。第1の穴を通って延びる第1のエラストマーと、
第2の穴を通って延びる第2のエラストマーと
をさらに備える、態様2または態様3に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0062】
態様5。第1のエラストマーおよび第2のエラストマーは、本質的に円筒形であり、
第1のエラストマーおよび第2のエラストマーは、非導電性である、態様4に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0063】
態様6。第1のエラストマーおよび第2のエラストマーのうちの1つ以上は、接点を付勢するように構成される、態様4または態様5に記載のコンタクタ・アセンブリ。
態様7。第1の穴のサイズは、第2の穴のサイズより小さい、態様2乃至6のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0064】
態様8。スロットの厚さは、接点の厚さよりも大きい、態様1乃至7のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
態様9。接点は、導電性である、態様1乃至8のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0065】
態様10。リテーナは、ハウジングの機械加工された一体的な部分である、態様1乃至9のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
態様11。リテーナは、ハウジングの第1の内側側壁に対して取り付けられた挿入物である、態様1乃至10のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0066】
態様12。スロットは、上面視においてトラック形状を有する、態様1乃至11のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
態様13。リテーナは、スロットの第1の端部からスロットの第2の端部に向かう方向に延びる、態様1乃至12のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0067】
態様14。リテーナは、スロットの第1の端部からハウジングの第1の内側側壁に向かう方向において湾曲している、態様1乃至13のいずれか1項に記載のコンタクタ・アセンブリ。
【0068】
態様15。集積回路デバイスを試験するための試験システムであって、
1つ以上の端子を有する被試験デバイスと、
コンタクタ・アセンブリであって、
接点頭部、接点本体、および接点後部を有する接点と、
第1の平坦な側面、および第1の面とは反対にある第2の平坦な側面を有するハウジングと、を備える、コンタクタ・アセンブリと、を備え、
ハウジングは、上面、および上面とは反対にある底面を備え、スロットが、上面から底面までハウジングを通じて延び、スロットは、ハウジングの第1の内側側壁、第1の内側側壁と対向するハウジングの第2の内側側壁、ハウジングの第1の内側端部壁、および第1の内側端部壁と対向するハウジングの第2の内側端部壁を形成し、
接点は、スロットに受け入れ可能であり、接点後部は、平坦な部分および傾斜した終端を含み、
リテーナが、ハウジングの第1の内側側壁上に配設され、
接点の傾斜した終端が、ハウジングの第1の内側端部壁と係合するとき、リテーナの少なくとも一部は、断面視において接点と重複して重複領域を形成し、重複領域の少なくとも一部においてリテーナと接点との間にクリアランスは存在せず、
被試験デバイスの1つ以上の端子は、試験中に接点頭部と係合するように構成される、試験システム。
【0069】
態様16。被試験デバイスの1つ以上の端子は、パッドである、態様15に記載の試験システム。
態様17。被試験デバイスの1つ以上の端子は、ピンである、態様15に記載の試験システム。
【0070】
態様18。負荷ボードをさらに備え、
負荷ボードの端子は、試験中に接点後部の平坦な部分と係合するように構成される、態様15乃至17のいずれか1項に記載の試験システム。
【0071】
態様19。負荷ボードの端子は、パッドである、態様18に記載の試験システム。
態様20。コンタクタ・アセンブリの接点ハウジングにおいて、集積回路デバイスを試験するための試験システムにおいてコンタクタ・アセンブリの接点を保持する方法であって、コンタクタ・アセンブリは、接点頭部、接点本体、および接点後部を有する接点と、第1の平坦な側面、および第1の面とは反対にある第2の平坦な側面を有するハウジングと、を備え、ハウジングは、上面、および上面とは反対にある底面を備え、スロットが、上面から底面までハウジングを通じて延び、スロットは、ハウジングの第1の内側側壁、第1の内側側壁と対向するハウジングの第2の内側側壁、ハウジングの第1の内側端部壁、および第1の内側端部壁と対向するハウジングの第2の内側端部壁を形成し、方法は、
接点をスロットに受け入れられるように構成する工程であって、接点後部は、平坦な部分および傾斜した終端を含む、工程と、
ハウジングの第1の内側側壁にリテーナを設置する工程と、
接点の傾斜した終端をハウジングの第1の内側端部壁と係合させる工程と、
断面視においてリテーナの少なくとも一部と接点との間に重複領域を形成する工程と、
コンタクタ・アセンブリが負荷ボードから除去されるとき、接点を適所に保持する工程と、を備える、方法。
【0072】
本願明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することを意図されており、限定することを意図されていない。「一」、「1つ」および「その」という用語は、特に明記しない限り、複数形も含む。「備え」および/または「備えて」という用語は、本願明細書において使用される場合、述べられたフィーチャ、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他のフィーチャ、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在または追加を妨げない。
【0073】
先行する説明に関して、本開示の範囲から逸脱せずに、特に、採用されている構築材料、ならびに部品の形状、サイズ、および配置に関して、詳細において変更が行われてもよいことが理解されるべきである。本願明細書および説明されている実施形態は、例示にすぎず、本開示の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
【国際調査報告】