(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】組換えACE2-FC融合分子、その製造方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 38/48 20060101AFI20231013BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20231013BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20231013BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20231013BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20231013BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20231013BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20231013BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20231013BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231013BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20231013BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20231013BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20231013BHJP
C12N 9/48 20060101ALN20231013BHJP
【FI】
A61K38/48
A61P31/12 ZNA
A61P31/14
A61P11/00
A61P9/12
A61K47/68
A61K39/395 Y
A61K9/08
A61K47/02
A61K47/14
C07K19/00
C07K16/00
C12N9/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520067
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 US2021053052
(87)【国際公開番号】W WO2022072757
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517218697
【氏名又は名称】システィミューン, インク.
【氏名又は名称原語表記】SYSTIMMUNE, INC.
(71)【出願人】
【識別番号】522263714
【氏名又は名称】バイリ-バイオ(チェンドゥ)ファーマスーティカル シーオー.,エルティーディー.
【住所又は居所原語表記】139 Baili Road, Wenjiang District, Chengdu, Sichuan 611130, the People’ s Republic of China.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ツング-アイ
(72)【発明者】
【氏名】ガレット,デニス アール.
(72)【発明者】
【氏名】マック,ガー シー アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイト,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ランディ, スティーブン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハリ, ジャハン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ, サ
(72)【発明者】
【氏名】ディン, ミュラン
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー, シー
(72)【発明者】
【氏名】ツー, ハイ
(72)【発明者】
【氏名】ツー, イ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076BB15
4C076CC35
4C076CC41
4C076DD09
4C076DD23
4C076DD60
4C076DD67
4C076EE23
4C076EE59
4C084AA02
4C084BA44
4C084DC22
4C084MA23
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA421
4C084ZA591
4C084ZB331
4C084ZC192
4C085AA33
4C085BB42
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA75
4H045DA89
4H045EA20
(57)【要約】
対象におけるウイルス感染を予防、リスク低減若しくは治療する方法、又はウイルスによって引き起こされる症状を予防若しくは治療する方法であって、前記方法は、前記対象に有効量の融合タンパク質を投与することを含み、前記融合タンパク質は、Fcドメインに共有結合で融合したバリアントアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む、方法。前記バリアントACE2ドメインは、配列番号1を有する全長野生型ACE2と比較してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含み、前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する。前記ウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2又はMERS-CoVであってもよい。前記症状は、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、肺動脈高血圧(PAH)又はコロナウイルス感染症2019(COVID-19)を含む。
【選択図】
図17a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるウイルス感染を予防、リスク低減若しくは治療する方法、又はウイルスによって引き起こされる症状を予防若しくは治療する方法であって、
前記方法は、前記対象に有効量の融合タンパク質を投与することを含み、
前記融合タンパク質は、Fcドメインに共有結合で融合したバリアントアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含み、
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号1を有する全長野生型ACE2と比較してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含み、
前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有し、
前記ウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2又はMERS-CoVを含み、
前記症状は、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、肺動脈高血圧(PAH)又はコロナウイルス感染症2019(COVID-19)を含む、方法。
【請求項2】
前記融合タンパク質は、配列番号15、16、17又は18と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
治療ごとに投与される前記融合タンパク質の用量は、約3mg/Kgから約70mg/Kg体重である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1日あたりに投与される前記融合タンパク質の用量は、約140mg/Kg体重以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記融合タンパク質は、約70mg/Kg体重以下の用量で1日2回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記融合タンパク質は、点滴によって毎日投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記融合タンパク質は、筋肉注射によって毎日投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記融合タンパク質は、液体製剤として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記融合タンパク質は、塩と界面活性剤を含む溶液中の懸濁液として投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記液体製剤は、約5mg/mlから約10mg/mlの濃度で前記融合タンパク質を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記融合タンパク質の投与は、前記対象が前記SARS-CoV-2ウイルスに感染することを防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記融合タンパク質の投与は、前記対象が前記SARS-CoV-2ウイルスに感染するリスクを減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象が入院することを防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象が入院するリスクを減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の入院期間を短縮させる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の酸素化と換気を防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の酸素化と換気の必要を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の死亡を防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の死亡リスクを減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記SARS-CoV-2ウイルスは、実質的にδ株を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記SARS-CoV-2ウイルスは、スパイクタンパク質変異体を含み、前記変異体は、前記ACE2ドメインに対するウイルスの結合親和性を向上させる構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記融合タンパク質の投与は、SARS-Co2-2ウイルス感染症を患っている対象のCOVID症状の重症度を軽減する、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記対象は、
65歳以上の年齢、
中等度又は重度の免疫システムの低下、
メタボリックシンドローム、
COVIDワクチンに対するアレルギー、
及びCOVIDワクチン接種後に免疫反応が低い又はないこと、
からなる群より選択される少なくとも1つのリスク因子を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記対象は、がん、慢性腎臓病、慢性肺疾患、糖尿病、又は心臓病を患っている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記対象は、ヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
融合タンパク質を含む液体組成物であって、
前記融合タンパク質は、Fcドメインに共有結合で融合したバリアントアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含み、
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号1を有する全長野生型ACE2と比較してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含み、
前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する、液体組成物。
【請求項27】
用量あたり前記融合タンパク質の含有量は、約100mgから約10,000mgである、請求項26に記載の液体組成物。
【請求項28】
前記融合タンパク質の濃度は、約0.5重量%から約1重量%である、請求項26に記載の液体組成物。
【請求項29】
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号3と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の液体組成物。
【請求項30】
前記Fcドメインは、配列番号6と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の液体組成物。
【請求項31】
前記融合タンパク質は、配列番号7、9、11、13、15、16、17、18、19又は21と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の液体組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.119(e)に基づいて2020年10月1日に出願された米国仮出願第63/086,593の優先権を主張し、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が関与する疾患、症状又は病状(例えば、コロナウイルス感染症2019(COVID-19))及び関連病状の予防又は治療に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で別段の指示がない限り、このセクションに記載されている資料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることによって先行技術であるとは認められない。
【0004】
COVID-19は、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる感染性疾患であるである。COVID-19の合併症は、長期肺損傷、肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、末梢神経及び嗅神経損傷、多臓器不全、敗血症性ショック、及び死亡を含み得る。2020年1月にThe Lancetに掲載されたCOVID-19が確認された最初の41例の研究では、症状の発症の最も早い日付は2019年12月1日であると報告された。2020年3月11日までに、世界保健機関(WHO)はCOVID-19のアウトブレイクをパンデミックと宣言した。2020年9月26日の時点で、188の国と地域で3,260万人以上の症例が報告されており、99万人以上が死亡しており、そのうち750 万人以上の症例と205,000人の死亡者が米国から報告されている。
【0005】
2020年12月2日、英国医薬品・ヘルスケア製品規制庁(MHRA)はファイザー・バイオのNTech mRNAワクチンの一時的な規制当局の承認を与え、ワクチンを承認した最初の国、及び西側諸国で新型コロナウイルス感染症ワクチンの使用を承認した最初の国となった。それ以来、より多いタイプのワクチン(2種類のRNAワクチン(それぞれPfizer-BioNTech、Moderna製);3種類の従来の不活化ワクチン(それぞれSinopharm、Bharat Biotech、Sinovac製);3種類のウイルスベクターワクチン(それぞれSputnik V、Oxford-AstraZeneca、Janssen製);1種類のペプチドワクチン(EpiVacCorona))は、少なくとも1つの国の規制当局によって公的使用が承認されている。
【0006】
2021年8月16日の時点で、CDCのワクチン有効性研究により、利用可能なRNA COVID-19ワクチンが臨床試験環境と同様に現実世界の条件でも保護する証拠が提供される。このワクチンは、完全にワクチン接種を受けている人の新型コロナウイルス感染症、特に重篤な病気のリスクを軽減する。ワシントン州の研究では、ワクチン接種を完全に受けている人と比較して、ワクチン接種を受けていない人は新型コロナウイルス検査で陽性反応を示す可能性が6倍高く、入院する可能性が37倍高く、死亡する可能性が67倍高いことを示している。CDCのデータによると、ワクチン接種を受けていない人は、感染する可能性が5倍、入院する可能性が10倍、死亡する可能性が11倍高い。
【0007】
アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)は、主に肺胞細胞、小腸のエンテロサイト、動脈及び静脈の内皮細胞、動脈の平滑筋細胞、並びに肺、動脈、心臓、腎臓、腸及び他の組織の他の細胞系の細胞膜に存在する亜鉛含有金属酵素である。ACE2は、心血管系、腎臓系、呼吸器系のアンギオテンシン変換酵素活性に対抗することにより、レニン-アンギオテンシン系を調節し、血圧を制御する重要な役割を示している。ACE2は、高血圧、心機能、心機能及び糖尿病の生理学において保護的な役割を果たしている。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)において、ACE、AngII及びAT1R は疾患の発症を促進するのに対し、ACE2及びAT2R は ARDSから保護する。また、ACE2は、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスの受容体として同定され、重症急性呼吸器症候群(SARS)の発症において重要な役割を果たしている。コロナウイルスのファミリーのうち、少なくとも3つのウイルス(SARS-CoV、MERS CoV及びSARS-CoV-2)は、それらのウイルスタンパク質の一つ(スパイクとしても知られている)によりヒト宿主細胞の表面にあるACE2タンパク質に結合し、ヒト細胞にウイルス侵入する。
【0008】
SARS-CoV-2は、ヒトに感染する既知の7つのコロナウイルス(2003年にアジア、2012年に中東でSARSのアウトブレイクを引き起こしたSARS-CoV-1及びMERS CoVウイルス)の一つである。SARS-CoV-2ウイルスに対する免疫応答には、細胞性免疫と抗体産生の組み合わせが含まれる。1億人以上の感染者がCOVID-19から回復したが(2021年1月現在)、SARS-CoV-2ウイルスに対する自然免疫が個体内で長期間持続するかどうかはまだ不明である。ウイルスの継続的な突然変異の蓄積により、ウイルスの抗原性スペクトルが変化し、ウイルスの変異株による再感染が発生する懸念がある。2021年1月の時点で、ヨーロッパと南アフリカで特定されたSARS-CoV-2ウイルスの変異株が急速に広がっていたようである。これらの変異株は、最終的にウイルス認識と宿主細胞への感染を強化する変異を保有する可能性があることで、感染性及び/又は病原性が増加する。
【0009】
もう1つの懸念は、抗体依存性増強(ADE)の現象に関する。ADEは、不適切な抗体の結合が宿主細胞へのウイルス侵入を促進する場合に発生する。コロナウイルスにおいて、ウイルススパイク(S)糖タンパク質を標的とする抗体はADEを促進する(Wan et al.,J.Virol.2020)。SARS-CoV-1ウイルスの場合、ほとんどのバリアントを中和する抗体は、変異ウイルスの免疫細胞への侵入を強化できることが発見され、その結果、予防のためにワクチンがデザインされた疾患は悪化する場合がある。したがって、ワクチンが不適切な抗体の産生を引き起こす可能性があるため、ADEはワクチンの開発を妨げる恐れがある。このような状況において、ワクチン以外の予防戦略は、SARS-CoV-2ウイルスへの暴露の前後にもかかわらず、ADEを回避する実行可能な代替手段と見なされる。
【0010】
パンデミックの初期には、感染者数が少なかったため、「変異」バリアントウイルスがほとんど存在しないことから、エスケープ変異が出現する機会が少なかった。時間が経つにつれて、SARS-CoV-2は多くのバリアントに進化し始め、感染力が高くなった。いくつかのSARS-CoV-2バリアントは、感染力の増加、毒性の増加、又はそれらに対するワクチンの有効性の低下を引き起こす可能性があるため、特に重要である(Planas et al.,Nature,2020;Kim et al.,bioRxiv,2021)。SARS-CoV-2バリアントの分類では、祖先型は「A」型、派生型は「B」型となる。B型は、主要な世界的バリアントの祖先であるB.1を含むさらなる型に変異した。WHOは、α(B.1.1.7,2020年11月)、β(B.1.351、2021年1月)、γ(P.1、2021年1月)、κ(B.1.617.1)、δ(B.1.617.2、2021年5月)、λ(C.37)及び他のバリアントに命名した。αバリアントとδバリアントはどちらも、2020年の初めに確認された元のウイルスよりも感染力が顕著に高い。
【0011】
δバリアントはαバリアントよりも感染力が約40%高く、2021年春には優勢株となった。2021年8月下旬までに、米国の感染者数の99%がδバリアントであり、ワクチン接種を受けていない人が重症化及び入院のリスクが2倍になることが発見され、RNAワクチンによるワクチン保護さえも91%から66%に低下した。CDCの調査によると、COVID-19ワクチンは、感染に対して55%、症候性感染に対して80%、入院に対して少なくとも90%の防御効果をもたらした。最近の研究では、ワクチンの有効性が53.1%、42~76%、又は64.6%低下することが実証されており、この低下はおそらく免疫力の低下と感染性の高いδ株に対する防御力の低下によるものと考えられる(Nanduri,et al.,MMWR.2021;Puranik et al.,medRxiv,2021;Seppala et al.,Eurosurveillance,2021)。CDCは、米国でワクチン接種を完全に受けている7,500万人以上の人のうち、5,814人がブレイクスルー感染(即ち、ワクチン接種を受けた人が、ワクチンが予防する筈のものと同じ病原体に感染してしまう)を発生し、74人が死亡したことを報告した。ブレイクスルー感染とそれに関連する死亡率は非常に低い可能性があり、これは、ワクチンの有効性を実証している。一方、イスラエルで実証されているように、δウイルスのような新型ウイルス株では、ブレイクスルー感染がより頻繁に発生する可能性が高い。イスラエルでは、2021年8月の症例と入院の半数以上が完全にワクチン接種を受けた人に発生した(Wadman,M.Science 2021)。ブレイクスルー感染に罹患している個々の患者、特に虚弱な高齢者では、重症化、せん妄、入院、死亡のリスクが非常に高い(Antonelli,et al.,Lancet,2021)。
【0012】
SARS-CoV-2の病原性を軽減するための2つの主要な医療介入には、能動免疫と受動免疫(即ち、ワクチン接種、モノクローナル抗体療法、及び以前に感染した患者からの回復期血漿を用いた治療)が含まれる(Taylor et al.,Nat Rev Immunol.,2021;Yan et al.,Pharmaceuticals.2021)。これらの戦略はそれぞれ、ウイルス抗原、特にACE2受容体を持つ宿主細胞へのウイルスの侵入を媒介するスパイクタンパク質の受容体結合ドメインの抗体結合と中和に依存する。スパイクタンパク質の構造に影響を与えるウイルスの変異は、スパイクに結合して中和する抗体の能力に影響を与える可能性があり、これによって、ほとんどの既存のワクチンや治療薬の有効性が低下する可能性がある。
【0013】
したがって、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)(例えば、SARS-CoV2、特にそのより毒性の高い変異株)が関与する疾患又は病状のための効果的な治療又は予防は、依然として非常に必要とされている。
【発明の概要】
【0014】
以下の概要は説明のみを目的としており、制限を意図したものではない。上述の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、及び特徴は、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0015】
本出願は、とりわけ、ウイルス感染を予防、リスク軽減、もしくは治療するための方法、又は対象におけるウイルスによって引き起こされる症状を予防もしくは治療するための方法を提供する。
【0016】
一実施形態において、前記ウイルスは、コロナウイルスであってもよい。一実施形態において、前記ウイルスは、SARS-CoV、SARS-CoV-2、MERS-CoV又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0017】
一実施形態において、前記症状は、コロナウイルスによって引き起こされるあらゆる症状であってもよい。一実施形態において、前記症状は、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)、又はそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態において、前記症状(疾患又は病状)には、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が関与する。一実施形態において、前記症状は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、それらの断片、又は組み合わせの感染などのウイルス感染であってもよい。
【0018】
一実施形態において、前記SARS-CoV-2ウイルスは、実質的にδ株を含む。一実施形態において、前記SARS-CoV-2ウイルスは、スパイクタンパク質変異を含む。一実施形態において、前記変異は、ACE2ドメインに対するウイルスの結合親和性を向上させるように構成される。
【0019】
一実施形態において、前記方法は、前記対象に有効量の融合タンパク質又は融合タンパク質複合体を投与するステップを含む。一実施形態において、前記融合タンパク質は、Fcドメインに共有結合で融合したバリアントアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む。前記バリアントACE2ドメインは、配列番号1を有する全長野生型ACE2と比較してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含んでもよい。前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する。
【0020】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、Fcドメインに共有結合したバリアントアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む。一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、全長野生型ACE2に対してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含む。一実施形態において、前記全長野生型ACE2ドメインは、配列番号1と少なくとも70%、80%、90%、95%、97%又は98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する。
【0021】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、全長野生型ACE2のアミノ酸配列セグメントと少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態において、前記セグメントは、全長野生型ACE2の残基1-17から選択されるアミノ酸残基から始まり得る。一実施形態において、前記セグメントは、全長野生型ACE2の残基615-740から選択されるアミノ酸残基で終わり得る。例えば、前記バリアントACE2ドメインは、全長野生型ACE2の残基1から残基615、残基2から残基618、残基2から残基740、残基4から残基615、残基17から残基615、残基18から残基740、又はこれらの開始残基と終了残基の他の組み合わせのアミノ酸配列セグメントと少なくとも98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0022】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、配列番号3と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0023】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対する結合親和性が全長野生型ACE2よりも高い。例えば、バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対する結合親和性が0.1nMから100nM(KD)であり得る。
【0024】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対するアビディティが全長野生型ACE2よりも高い。例えば、バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対するアビディティが10nM(KD)未満であってもよい。
【0025】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、κバリアントに対するアビディティが1.0E-12未満である。一実施形態において、前記融合タンパク質は、δSARS-CoV-2株に対する結合親和性がWuhan-Hu-1株よりも高い。一実施形態において、δSARS-CoV-2株に対する結合親和性は、Wuhan-Hu-1株の少なくとも3倍である。
【0026】
一実施形態において、Fcドメインは、免疫グロブリンのFcドメインに由来する。免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1(d-IgA1、S-IgA1)、IgA2、IgD、IgE又はIgMであり得る。一実施形態において、Fcドメインは、Fcヒンジ領域を有し得る。一実施形態において、Fcヒンジ領域は、C220Sとなるようにエンジニアリングされてもよい。一実施形態において、Fcドメインは、野生型Fcドメインに比べてK322A、L234A及びL235Aから選択されるヌル変異を含み得る。一実施形態において、野生型Fcドメインは、配列番号5と少なくとも98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0027】
一実施形態、Fcドメインは、エフェクター機能を欠いていてもよい。一実施形態において、Fcドメインは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)及び補体依存性細胞傷害(CDC)を欠いていてもよい。一実施形態において、Fcドメインは、IgG1 Fcドメインを含む。
【0028】
一実施形態において、Fcドメインは、配列番号6と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0029】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、配列番号7、9、11、13、15、16、17、18、19又は21と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0030】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、分子量が約50kDaから250kDaであり得る。一実施形態において、前記融合タンパク質は、分子量が50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDa、100kDa、120kDa、150kDa、180kDa、200kDa、250kDa又はそれらの間の任意の数字であり得る。
【0031】
一実施形態において、前記融合タンパク質複合体は、本明細書に開示の融合タンパク質のホモ二量体である。一実施形態において、前記融合タンパク質複合体は、2つのバリアントACE2ドメインを含む。一実施形態において、前記融合タンパク質複合体は、少なくとも2つの融合タンパク質を含む。一実施形態において、2つの前記融合タンパク質は、1つ又は2つのジスルフィド結合を介してペアとなる。一実施形態において、前記ジスルフィド結合は、前記Fcドメインのヒンジにある。
【0032】
一実施形態において、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質又はそれらの断片に対して結合親和性を有する。一実施形態において、前記結合親和性は、0.1nM、0.5nM、1nM、2nM、3nM、5nM、10nM、20nM、25nM、30nM、40nM、50nM、60nM、80nM、又はそれらの間の任意の数字以下の平衡解離定数(KD)を有する。
【0033】
一実施形態において、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質又はそれらの断片に対してアビディティを有する。一実施形態において、前記アビディティは、1.0E-12、0.001nM、0.01nM、0.05nM、1nM、2nM、3nM、5nM、10nM、又はそれらの間の任意の数字以下の平衡解離定数(KD)を有する。
【0034】
一実施形態において、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体は、約50pmol/min/μgから約5000pmol/min/μgの特異的な酵素活性を有する。一実施形態において、前記融合タンパク質は、約568pmol/min/μgの特異的な酵素活性を有する。
【0035】
前記融合タンパク質は、本明細書に開示される感染症又は疾患を治療及び予防するための有効量で投与される。一実施形態において、治療ごとに投与される前記融合タンパク質の用量は、約1mg/Kgから約200mg/Kg、約5mg/Kgから約100mg/Kg、約3mg/Kgから約70mg/Kg、又は約10mg/Kgから約150mg/Kg体重である。
【0036】
一実施形態において、前記融合タンパク質の1日あたりの投与量は、約100、120、140、150、180、200mg/Kg体重以下である。一実施形態において、前記融合タンパク質は、約25、50、70、90、100、150、200mg/Kg体重以下の用量で1日2回投与される。
【0037】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、液体製剤として投与される。一実施形態において、前記融合タンパク質は、溶液中の懸濁液として投与される。一実施形態において、前記溶液は、塩、炭水化物、界面活性剤、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態において、前記塩は、塩化ナトリウム、塩酸ヒスチジン、又はそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態において、前記炭水化物はスクロース、グルコース、又はそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態において、前記界面活性剤はポリソルベート80であってもよい。
【0038】
一実施形態において、前記液体製剤は、約2mg/mlから約20mg/ml、約5mg/mlから約10mg/ml又は約5mg/mlから約20mg/mlの濃度で前記融合タンパク質を含んでもよい。
【0039】
本発明で開示される方法は、対象におけるウイルス感染、急性呼吸促拍症候群、肺動脈高血圧又は急性肺損傷の治療又は予防に使用できる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、前記対象がSARS-CoV-2ウイルスに感染することを防止することができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、前記対象のSARS-CoV-2ウイルス感染のリスクを減少することができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルス感染を有する前記対象が入院することを防止することができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の入院のリスクを減少させることができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の入院期間を短縮させることができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の酸素化と換気を防止することができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の酸素化と換気の必要を減少させることができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の死亡を防止することができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-CoV-2ウイルスに感染した対象の死亡のリスクを減少させることができる。一実施形態において、前記融合タンパク質の投与は、SARS-Co2-2ウイルス感染を有する対象のCOVID症状の重症度を軽減することができる。
【0040】
一実施形態において、前記方法は、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体を静脈内、皮下、経鼻腔(例えば、点鼻薬)又は経肺腔投与するステップを含んでもよい。一実施形態において、前記融合タンパク質は、毎日の点滴によって投与されてもよい。一実施形態において、前記融合タンパク質は、毎日の筋肉内注射によって投与されてもよい。
【0041】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、抗ウイルス剤、免疫調節試薬又はそれらの組み合わせと共投与されてもよい。一実施形態において、前記抗ウイルス剤は、ファビピラビル、リバビリン、ガリデシビル、レムデシビル、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0042】
一実施形態において、前記対象は、ヒトである。本発明で開示される方法は、65歳以上の年齢、中等度又は重度の免疫システムの低下、メタボリックシンドローム、COVIDワクチンに対するアレルギー、及びCOVIDワクチン接種後に免疫反応が低い又はないことからなる群より選択される少なくとも1つのリスク因子を有する対象に使用できる。一実施形態において、前記対象は、がん、慢性腎臓病、慢性肺疾患、糖尿病、又は心臓病に罹患している。
【0043】
さらなる態様において、本発明は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が関与する疾患又は病状を治療するための医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記医薬組成物は、本明細書で開示される融合タンパク質又は融合複合体と、薬学的に許容される担体とを含む。一実施形態において、前記医薬組成物は、抗ウイルス剤をさらに含む。一実施形態において、前記医薬組成物は、本明細書で開示されるタンパク質複合体と、薬学的に許容される担体とを含む。
【0044】
一実施形態において、本発明は、本明細書で開示される融合タンパク質を含む液体組成物を提供する。一実施形態において、前記液体組成物は、融合タンパク質の含有量が、用量ごとに約100mgから約20,000mg、約200mgから約10,000mg、約100mgから約10,000mg又は約500mgから約10,000mgである。
【0045】
一実施形態において、前記液体組成物は、約0.1重量%から約10重量%、約0.5重量%から約5重量%、約0.5重量%から約1重量%、又は約0.5重量%から約2重量%の濃度で前記融合タンパク質を含む。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本開示の前述及び他の特徴は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示に従って構成されたいくつかの実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解して、本開示は、添付の図面を使用することにより、追加の具体性及び詳細とともに説明される。
【0047】
【
図1】
図1Aは、ACE2機能ドメインと改変されたFc(ヌル)断片との組換え融合タンパク質(SI-69R2及びSI-69R4)の図である。
図1Bは、SI-F019融合タンパク質(N末端17アミノ酸シグナルペプチドを欠く翻訳後修飾SI-69R2)の配列を示す。
図1Cは、SI-F019融合タンパク質複合体がホモ二量体であることを示すサイズ排除クロマトグラフィーである。
図1Dは、SI-F019-スパイクタンパク質複合体の図である。
【0048】
【
図2】SI-69R4ではなく、SI-F019はTMPRSS2依存性加水分解に耐性であること(2A)、及びSI-F019の酵素活性はインビトロ蛍光アッセイで定量化できること(2B)を示す。
【0049】
【
図3】試験において、VeroE6細胞への生SARS-CoV-2感染のSI-F019用量依存的遮断がウイルスの3つのMOI全てで100%に達したことを示す。
【0050】
【
図4】10fM以上のSI-F019の添加は、SARS-CoV-2又はSARS-CoV-1ウイルスを0.01MOIで感染させた1時間後、Vero E6細胞の一部が細胞溶解を受けるのを防止したことを示す。
【0051】
【
図5】シュードウイルスとプレインキュベーションした後、SI-F019はウイルス感染を用量依存的に阻害し、比較的高い濃度で完全な阻害を達成することを示す(IC50=32.56nM)。
【0052】
【
図6】内在化/感染媒介アッセイの結果を示す。具体的には、試験した濃度のSI-F019で前処理した場合、シュードウイルス(PsV)の存在を示すGFPシグナルの取り込みがない一方、低GFPシグナルはSI-69C1(抗S1抗体)及びSI-69R3(SARS-CoV-2 ACE-2 Fc WT)、並びに培地、緩衝液(Buffer)及びACE2-his(SI-69C1)に関連した(48時間後、THP1(pH7.2)(6A)、THP1(pH6.0)(6B)及びDaudi(6C))。
【0053】
【
図7】PsV感染の兆候であるGFPシグナルによって測定されるように、SI-F019は、天然抗SARS-CoV-2抗体又はACE2-Fc(野生型)融合タンパク質のいずれかと競合してFc媒介抗体依存性増強(ADE)をブロックすることができることを示す。
【0054】
【
図8】抗スパイク抗体及び抗ヒトFc抗体を用いて検出された、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。
【0055】
【
図9】幾何平均蛍光強度(gMFI)によって測定された、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞へのSI-F019の用量依存的結合を示す。
【0056】
【
図10】抗体依存性細胞傷害(ADCC)アッセイのFACS分析を示す。具体的には、カルセイン-AM及びヨウ化プロピジウム染色によって測定されるように、ヒト抗S1抗体(SI-69C3)は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞を標的とするようにヒトNK細胞をダイレクトする。
【0057】
【
図11】ヒト抗S1抗体(SI-69C3)と比較した場合のADCCアッセイにおけるHEK293-T細胞に対するSI-F019及び対照分子の用量結合応答を示し(11A)、SI-F019は100fMから100nMの治療用量でADCCを媒介しなかったのに対し、野生型Fcを含むそのバリアント(SI-69R3)は活性レベルが低いにもかかわらず、用量依存的に媒介したことを示す(11B)。
【0058】
【
図12】SARS-CoV-2 Sタンパク質を発現するHEK293-T細胞の生存率によって測定されるように、Fcヌル(null)変異により、SI-F019はインビトロで血清媒介補体依存性細胞傷害(CDC)を減少させることを示す。
【0059】
【
図13】様々な処理後にSARS-CoV-2 Sタンパク質を発現するHEK293-T細胞の生存率を測定した結果、SI-F019はインビトロで血清補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導しないこと(13A)、SI-F019のFcヌル変異はインビトロで処理した96時間後の細胞増殖に影響を与えないこと(13B)を示す。
【0060】
【
図14】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカイン((14A)IFN、(14B)TNF、(14C)GM-CSF、(14D)IL-2、(14E)IL-10、(14F)IL-6、(14G)IL-1、(14H)IL-12p70及び(14I)MCP-1)の放出を誘導しないことを示す。
【0061】
【
図15】バイオレイヤー干渉法によるCOVID-19 RBDバリアントに対するSI-F019(15a)及び中和抗体(バムラニビマブ(SI-69C4)(15b)、カシリビマブ(SI-69C5)(15c)、エテセエビマブ(SI-69C6)(15d)、イムデビマブ(SI-69C7)(15e)、シルガビマブ(SI-69C8)(15f)及びチサゲビマブ(SI-69C9)(15g)を含む)の結合動力学(親和性)を示す。
【0062】
【
図16】バイオレイヤー干渉法によるRBDバリアントに対するSI-F019(16a)及び中和抗体(バムラニビマブ(SI-69C4)(16b)、カシリビマブ(SI-69C5)(16c)、エテセエビマブ(SI-69C6)(16d)、イムデビマブ(SI-69C7)(16e)、シルガビマブ(SI-69C8)(16f)及びチサゲビマブ(SI-69C9)(16g)を含む)の結合動力学(アビディティ)を示す。
【0063】
【
図17】ルシフェラーゼレポーターアッセイにおいてSタンパク質パッケージシュードウイルス(NICPBP)のバリアントを用いてウイルス阻害からACE2発現293T細胞を保護するSI-F019の効力(17a)、IC50と結合親和性の線形相関(17b)、又はSI-F019による競合阻害を示すアビディティ(17c)を実証する。
【発明を実施するための形態】
【0064】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、類似の記号は、文脈上別段の指示がない限り、典型的には類似の構成要素を示す。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定的なものではない。本明細書に提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に一般的に記載され、図面に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、及び設計することができ、その全てが本明細書で明示的に企図されることが容易に理解される。
【0065】
本発明は、特に、組換えヒトACE2-Fc融合タンパク質などの融合タンパク質の生成と特性評価に関する。いくつかの実施形態において、これらの融合タンパク質は、ウイルス粒子又はウイルスからヒト宿主細胞の膜質ACE2を保護することができる。一実施形態において、前記ウイルス粒子又はウイルスは、感染後にウイルススパイクタンパク質を利用して宿主細胞に侵入することができる。一実施形態において、前記ウイルス粒子は、SARS-CoV-2ウイルス、COVID-19ウイルス、SARS-CoV-2のバリアント、及び他のコロナウイルスを含むが、これらに限定されない。一実施形態において、前記ウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすことができる。一実施形態において、SARSは、コロナウイルス感染症2019又はCOVID-19を含み得る。
【0066】
一実施形態において、前記組換えヒトACE2-Fc融合タンパク質は、ACE2亜鉛メタロペプチダーゼドメイン(ACE2細胞外ドメイン, ACE2-ECDとしても知られている)とIgG1 Fc断片との融合タンパク質であり得る。一実施形態において、前記融合タンパク質は、SI-F019である。SI-F019は、ACE2-ECDと、C220S、L234A、L235A及びK322A(EUナンバリングシステム)を有するIgG1 Fc断片との融合タンパク質である(表1及び
図1)。アクティブACE2-ECDは、ホスト受容体-ウイルス相互作用のための構造的立体配座を保持する。IgG1 Fc断片における各変異は、特定の免疫応答を激減させることができる。変異C220Sは、重鎖と軽鎖をペアにするために不対システインを除去することができ、これによって、特に、タンパク質が凝集体を形成するのを回避し、タンパク質の安定性を改善し、製造効率とスケーラビリティを促進するという技術的利点を提供することができる。L234AとL235Aの導入は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)などのFcのエフェクター機能を低下させることができる。K322A変異は、C1q結合によって引き起こされる補体依存性細胞傷害(CDC)を低下させることができる。SI-F019は、SARS-CoV-2ウイルスを中和し、より少ないエフェクター応答をトリガーするように設計される。
【0067】
本明細書で使用される用語「a」、「an」及び「the」は、文脈が不適切でない限り、「1つ又は複数」を意味し、複数を含むと定義される。
【0068】
用語「組換え融合タンパク質」とは、別々のタンパク質をコードするための2つ以上の遺伝子をコードする融合遺伝子の遺伝子工学によって製造されたタンパク質を指す。
【0069】
用語「ACE2-Fc」とは、ヒトACE2タンパク質断片と、ヒト免疫グロブリンの結晶性断片領域(Fc領域)の改変断片(engineered fragment)との組換え融合タンパク質を指す。前記ヒト免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1(d-IgA1、S-IgA1)、IgA2、IgD、IgE及びIgMを含むが、これらに限定されない。
【0070】
用語「スパイク」、「スパイクs」、「Sタンパク質」又はバリアントとは、ウイルスが(「S1サブユニット」又は「S1タンパク質」)に付着し、(「S2サブユニット」又は「S2タンパク質」)を宿主細胞の膜と融合することを可能にするタンパク質を指す。COVID-19の場合、SARS-CoV-2は、ヒト細胞上のACE2受容体に対して十分な親和性を有し、それらを細胞侵入のメカニズムとして使用する。SARS-CoV-2は、元のSARSウイルスよりもヒトACE2に対して高い親和性を有する。
【0071】
用語「Fcドメイン」、「Fc断片」及び「Fc領域」は、IgG、IgA及びIgD抗体アイソタイプにおけるFc領域(それぞれ「Fcドメイン」及び「Fc断片」)の同一ドメイン又は断片を指し、抗体の2本の重鎖のヒンジ並びに第2及び第3定常ドメイン(CH2-CH3)に由来する。
【0072】
用語「親和性」とは、2つのポリペプチド(例えば、受容体/リガンド、ACE2/スパイクタンパク質又はそのバリアント)間の引力の尺度を指す。2つのポリペプチド間の固有の引力は、特定の相互作用の結合親和性平衡定数(KD)として表すことができる。KD結合親和性定数は、例えば、バイオレイヤー干渉法によって測定することができる。
【0073】
用語「アビディティ」とは、個々の非共有結合相互作用(例えば、タンパク質受容体とそのリガンド)の複数の親和性の蓄積された強度を指し、一般的に機能的親和性と呼ばれる。そのため、アビディティは、単一の相互作用の強度を表す親和性と異なる。
【0074】
用語「抗原ドリフト」とは、抗原性がわずかに変化した新しいウイルス株が生じる感染性ウイルスのランダムな遺伝子変異を指し、前のウイルス株の感染を防止した抗体は、この新しいウイルス株に対して効果的ではない可能性がある。
【0075】
「サイトカイン放出症候群」(CRS)という用語は、サイトカインやケモカイン(例えば、インターロイキン(IL)-2、IL-6、IL-7、IL-10、腫瘍壊死因子(TNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、単球走化性タンパク質-1(MCP1;CCL2としても知られている)、マクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP1α;CCL3としても知られている)、CXC-ケモカインリガンド10(CXCL10)、C反応性タンパク質、フェリチン及びSARS-CoV-2感染に起因する中のD二量体)を含む炎症性メディエーターのレベルの上昇に関連するCOVID-19の重症例におけるCRSを指す。
【0076】
「中和抗体」という用語は、病原体又は感染性粒子のあらゆる生物学的な影響を中和することによって病原体又は感染性粒子から細胞を防御する抗体を指す。中和により、粒子は感染性又は病原性がなくなる。中和抗体は、ウイルス、細胞内細菌、微生物毒素に対する養子免疫系の体液性応答の一部である。中和抗体は、感染性粒子の表面構造(抗原)に特異的に結合することにより、粒子とそれが感染して破壊する可能性のある宿主細胞との相互作用を防止する。中和抗体による免疫は、感染が起こる前に免疫系が感染粒子を排除するため、殺菌免疫(sterilizing immunity)としても知られている。
【0077】
「ワクチン」という用語は、特定の感染症に対する能動的獲得免疫を提供する生物学的製剤を指す。ワクチンは、予防的(自然若しくは「野生」病原体による将来の感染の影響を防止又は改善する)又は治療的(すでに発生した病気と戦う)であり得る。
【0078】
「ブレイクスルー感染」という用語は、ワクチン接種を受けた人が、ワクチンが予防するはずの病気と同じ病気にかかることを指す。ブレイクスルー感染の性質はウイルス自体に依存する。ワクチン接種を受けた人が感染した場合、自然に感染した場合よりも症状が軽くなり、感染期間も短くなる。ブレイクスルー感染の原因には、年齢、ウイルスや中和抗体の変異、ワクチンの不適切な投与や保管などが含まれる。
【0079】
「殺菌免疫」とは、病原体(例えば、すべてのSARS-CoV-2バリアント)に結合し、細胞侵入に必要な分子(すなわち、変異体によってコードされたスパイク)をブロックすることで感染力を阻害することができる中和抗体による免疫であり、感染を完全に防ぐものである。ブレイクスルー感染のため、COVID-19ワクチンも中和抗体も完全な殺菌免疫を提供しない。これらの定義によれば、SI-F019は、SARS-CoV-2ウイルスのバリアント及びACE2を利用してヒト細胞に侵入する他のSARSウイルスに対する治療的な殺菌免疫を達成するための治療ワクチンとして使用することができる。
【0080】
実施例
【0081】
実施例1:組換えACE2-Fc融合タンパク質のクローニング、発現及び精製
【0082】
ヒト膜質ACE-2は、ヒトの宿主細胞へのSARS-CoVウイルスの侵入を媒介するための重要な受容体である。ヒトACE2タンパク質は、シグナルペプチド(残基1-17)、亜鉛メタロペプチダーゼドメイン(残基18-615)及びTMPRSS2プロテアーゼ切断部位(残基697-716)の少なくとも3つの機能ドメインを有する。配列番号1は、Genbank number: NP_001358344.1からの全長ヒトACE2タンパク質配列である。そのうち、SARS-CoVウイルスタンパク質であるスパイクは、亜鉛メタロペプチダーゼドメインと相互作用する(配列番号3は、残基1から615の短縮ACE2のタンパク質配列である)。一方、ヒト抗体のFc領域(配列番号5)は、多くの免疫細胞上のFc受容体(FcR)及び補体系のいくつかのタンパク質と相互作用することができる。IgG1 Fc領域の各Fc断片は、C220(EUナンバリングシステム)にシステインを含み、C220にあるシステインは、本質的にカッパ又はラムダ軽鎖のいずれかとジスルフィド結合を形成することができる。遊離システインを含むことでタンパク質が不安定化及び/又は不活性化されるリスクを減らすために、C220をセリン(C220S)又は他のアミノ酸に置換することができる。FcγR及びC1qへのFcの結合を減らすには、K322A、L234A及びL235Aなどの他の点変異を野生型IgG1 Fc断片に導入することができる。4つの変異を有するIgG1 Fc断片は、IgG1 Fcヌル(配列番号6)とまとめて呼ばれる。
【0083】
組換えヒトACE2-Fc融合タンパク質(表1)を、可溶性融合タンパク質が産生されるようにエンジニアリングした。そのうち、SI-69R2(配列番号7)は、TMPRSS2プロテアーゼ切断部位がない短縮ACE2断片と、IgG1 Fcヌル断片との組換え融合タンパク質である。IgアイソタイプのFc断片(例えば、SI-69R2-G4(IgG4 Fc、配列番号9)、SI-69R2-A1(IgA1 Fc、配列番号11)、SI-69R2-A2(IgA2 Fc、配列番号13)又は野生型IgG1 Fc断片(IgG1 Fc、配列番号19))を提供するために、他の組換え融合タンパク質を作成した。さらに、3つのドメインを全て有する短縮ACE2と、野生型IgG1 Fc断片との組換え融合タンパク質を作成した(SI-69R4、1-740、配列番号21)。全ての組換えACE2-Fc融合タンパク質のうち、シグナルペプチド(ACE2残基1-17)は、ヒトACEタンパク質又はACE2-Fc融合タンパク質の他のドメインの機能に影響を与えることなく、長さが異なる他のシグナルペプチドに置き換えることができる。
【0084】
表1に示される融合タンパク質をコードする組換え融合遺伝子をpCGS3.0(例えば、SI-69R2)又はpTT5発現ベクター(例えば、SI-69R4及びSI-69R10)にクローニングし、ExpiCHO細胞で発現させた。全ての融合タンパク質を標準的なタンパク質発現プロトコルに従って精製し、0.22umフィルターで滅菌し、4℃の凍結保存液中で保存した。発現及び精製の過程において、各組換え融合タンパク質に対して、N-グリコシル化及びN末端シグナルペプチド(17個のアミノ酸)の切断を含む翻訳後修飾を行ってもよい。SI-69R2の場合、精製された融合タンパク質は、新たにSI-F019と命名された。
【0085】
図1A及び
図1Bに示すように、SI-F019は、ヒトACE2の亜鉛メタロペプチダーゼドメイン(残基19-611)を含む短縮ACE2断片(残基18-615)を保持するが、TMPRSS2プロテアーゼ切断部位は保持しない。また、SI-F019は、Fcγ受容体への結合を欠くIgG1 Fcヌル断片を保持する。このように、可溶型のSI-F019は、末梢血中の標的細胞に結合しないと予想される。
【0086】
SI-F019融合タンパク質は、N-グリコシル化などの翻訳後修飾や、Fc領域の2つのジスルフィド結合によるホモ二量体化を受ける可能性がある。
図1Cに示すように、SI-F019二量体の実際の分子量を評価するには、分析サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)と、多角度光散乱(MALS)、吸光度(UV)及び/又は屈折率(RI)濃度検出器技術との組み合わせを用いた。この方法は、分子サイズによるクロマトグラフィー分離と、分子量標準キャリブレーションの制限がない光散乱(LS)による絶対モル質量の決定を組み合わせたものである。SI-F019の平均総分子量は209.6kDaであり(メインピーク)、そのうち、SI-F019二量体及びその調節物質(modifier)(即ち、グリカン)の分子量は、それぞれ189.3kDa及び20.3kDaであった。そのアミノ酸の理論計算では、SI-F019単量体の分子量は95.1kDaである。精製されたSI-F019融合タンパク質複合体はホモ二量体である。SI-F019タンパク質複合は、単量体又は二量体としてのSI-F019と、スパイクタンパク質及びエフェクタータンパク質などの他のタンパク質との間のタンパク質間相互作用を指す。SI-F019-スパイクタンパク質複合体の構成(
図1D)は、メカニズムの根底にある。このメカニズムによれば、SI-F019は、SARS-CoV-2ウイルスが膜質ACE2にドッキングしてヒトの宿主細胞に侵入するのを防ぐ候補阻害剤である。
【0087】
実施例2:スパイク、Fc受容体及びC1qへのSI-F019の結合
【0088】
SI-F019は、ヒト宿主細胞上の膜質ACE2タンパク質へのスパイクタンパク質の結合を防止することによりヒトへのSARS-CoVウイルス侵入をブロックするように設計された。スパイクはコロナウイルスの最も特徴的な特徴であり、コロナ又はハローのような表面の原因となるノブ状構造である。スパイクタンパク質は、通常糖タンパク質から構成され、各スパイクは、Sタンパク質の三量体で構成され、スパイクタンパク質は、S1及びS2サブユニットから構成される。ホモ三量体スパイクタンパク質は、受容体結合及びウイルスと宿主細胞の間の膜融合を媒介する。S1サブユニットはスパイクの頭部を形成し、受容体結合ドメイン(RBD)を有する。S2サブユニットは、ウイルスエンベロープにスパイクを固定するステムを形成し、プロテアーゼ活性化により融合を可能にする。機能的に活性な状態では、S1とS2のサブユニット複合体は、プロテアーゼ(例えば、宿主細胞のカテプシンファミリーと膜貫通プロテアーゼセリン2(TMPRSS2))の作用下でウイルスが結合して宿主細胞と融合するときに個々のサブユニットに分割される。スパイクは、コロナウイルスによる感染プロセスのウイルス侵入において重要な役割を果たす。COVID-19の場合、SARS-CoV-2ウイルスは、宿主細胞表面の膜結合ACE2受容体にドッキングし、スパイクとACE2の機能ドメインとの間の相互作用は、ウイルスエンベロープと宿主細胞膜との間の融合を引き起こすことにより、ウイルスヌクレオキャプシドの宿主細胞細胞質への放出をもたらす。
【0089】
SI-F019について、ウイルススパイクタンパク質へのACE-Fc融合タンパク質の結合親和性及びアビディティを評価した。バイオレイヤー干渉分析において、スパイクタンパク質のサンプルには、SARS-CoV-2スパイク三量体、SARS-CoV-2 S1タンパク質、SARS-CoV-2 S1タンパク質RBDドメイン、及びSARS-CoV-1 RBDドメインが含まれる(表2)。これらの試薬は、ACROBiosystemsから購入された。結合親和性アッセイでは、抗ヒトIgG Fcキャプチャーバイオセンサーチップ(AHC)表面に固定化されたSI-F019の、溶液中のスパイクタンパク質又はそのサブユニットへの結合を測定した。アビディティアッセイでは、溶液中のSI-F019へのストレプトアビジンバイオセンサーチップ(SA)表面に固定化されたビオチン化スパイクタンパク質の結合を測定した。データ分析では、1:1フィッティングモデルを利用して、結合親和性とアビディティの両方を計算した。結果は、これらのスパイクタンパク質、断片、又はドメインに対するSI-F019の結合親和性及びアビディティが、それぞれナノモル(nM)スケール内のKDにあることを示している(表2)。この特徴的で有益なデータは、SARS-CoV-2バリアントの中の潜在的な抗原ドリフトを示すウイルススパイクタンパク質のバリアントを有するSI-F019タンパク質複合体を測定するための有用な参考資料になる可能性がある。実際、このタイプのウイルス変異は、SARS-CoV-2ウイルスの特定の株、例えば、膜性ACE2に対するウイルスの親和性や宿主細胞へのウイルスの侵入を変化させるスパイクタンパク質のD614G(Zhang et al.,2020)で確認されている。
【0090】
スパイクへの結合と並行して、Bio-Layer InterferometryによりヒトFcγR、C1q、FcRnへのSI-F019の結合を評価した。表3に示すように、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIaを含むFcγRへの結合は検出されず、C1qへの結合も検出されなかった。しかし、SI-F019はFcRnに結合し、結合親和性はヒトIgG1 Fc領域に匹敵する37.6nM(KD)であった。
【0091】
実施例3:SI-F019はTMPRSS2プロテアーゼ活性に耐性がある。
【0092】
ヒトACE2は、TMPRSS2による膜プロテアーゼ加水分解を受け、単量体細胞外ACE2が細胞から排出され、血清中で容易に検出できる。組換えACE2-Fc融合タンパク質において、短縮ACE2ドメインはFc断片に融合されたが、ウイルススパイクタンパク質に対する結合親和性を依然として保持している。
【0093】
SI-F019は、短縮ACE2ドメインにTMPRSS2切断部位がないようにエンジニアリングされた。
図1に示すように、SI-F019は、残基18-615を含む一方、SI-69R4は、TMPRSS2切断部位を含む全ての3つのACE2ドメイン(残基1-740、配列番号21)をコードする。SI-F019がTMPRSS2特異的タンパク質分解を受けないことを証明するために、SI-69R4を対照として使用した。TMPRSS2特異的加水分解のアッセイを実行するために、TMPRSS2(106-492)触媒ドメインをクローニングし、発現させ、Genbank:NP_001358344.1に従って精製した。
図2Aに示すように、TMPRSS2の非存在下では、SI-F019及びSI-69R4の両方は、それぞれの分子量(還元、変性条件下の単量体として)に安定して移動した。TMPRSS2を追加した場合、SI-F019はTMPRSS2に対する耐性を示した一方、SI-69R4はタンパク質分解を受け、予測どおりTMPRSS2に対する感受性を示した。したがって、SI-F019は安定しており、TMPRSS2媒介プロテアーゼ活性に耐性を有する。
【0094】
実施例4:SI-F019は、ACE2の酵素活性を発揮する。
【0095】
SI-F019は、短縮ACE2(残基18-615)とIgG1 FCヌル断片との融合タンパク質である。短縮ACE2は、亜鉛メタロペプチダーゼをコードし、その酵素活性は確立されたアッセイにより再評価することができる。MCA(7-メトキシクマリン-4-酢酸)蛍光タグ付きACE2のペプチド基質[MCA-YVADAPK(Dnp)-OH蛍光ペプチド基質]を用いてSI-F019のACE2酵素活性を測定した。MCA分子を遊離フルオロフォア定量化のための標準曲線較正として調製し、基質をDMSO中で0.97mg/mlに希釈した。SI-F019を100、200及び300ng/mlに希釈し、インビトロで蛍光ペプチドを切断して遊離MCAを放出するために使用した。アッセイを室温で20分間インキュベートし、2分間隔の時点で蛍光シグナルについてデータを収集した。
【0096】
MCA標準曲線を使用して切断されたMCAをモルで定量化した。
図2Bに示される線形曲線(時間に対するMCA数量)の傾きに基づいて酵素活性を決定した。SI-F019は、3つの濃度で良好な直線性(R2>0.99)を示し、ペプチドの安定した切断が濃度依存的であることを示している。酵素活性を計算するために、傾きをSI-F019の質量数(μg)で割った。最終の特異的な酵素活性は、568pmol/min/μgであった。SI-F019が膜質ACE2の酵素活性を保持するという事実は、ACE2のこの独立したドメインが宿主受容体-ウイルス相互作用のための構造的立体配座も保持することを示している。
【0097】
実施例5:SI-F019は、VeroE6細胞への生SARS-CoV-2感染を阻害する。
【0098】
SI-F019について、生SARS-CoV-2感染及びVeroE6(ATCC:CRL-1586)細胞の溶解をインビトロで阻害する能力を試験した。試験濃度が1.5nMから1200nMの範囲のSI-F019を3つの濃度の生SARS-CoV-2ウイルス(USA-WA1/2020株、感染多重度MOIの100倍の範囲を表す)と1時間プレインキュベートした後、90%コンフルエントの単層VeroE6細胞に加えた。1時間後、ウイルスを含む培地を除去し、試験濃度が一致するSI-F019を含む培地と交換し、試験を3回実施した。細胞生存率は72時間後のニュートラルレッド色素の取り込みにより測定され、溶菌性ウイルス感染の阻害率は各MOIでウイルスを添加したウェル(SI-F019なし)と比較して決定された。各ウイルス濃度(1MOI=40,000ウイルス粒子)の50%阻害濃度(IC50)は、GraphPad Prismソフトウェアにより計算され、各グラフに示される。SI-F019と生SARS-CoV-2とのプレインキュベーションにより、3つの全てのMOIで試験ウイルスに対する用量依存的な感染遮断は100%に達した。
図3に示すように、SI-F019は1.0MOIで40,000ものウイルス粒子を中和し、IC50は97.62nMであった。0.1及び0.01MOIで、SI-F019はそれぞれ79.95nM及び36.5nMのIC50で感染を遮断することができた。
【0099】
実施例6:SI-F019はウイルスの複製と再感染を減少させる。
【0100】
SI-F019について、複製と再感染(即ち、以前に低MOIのSARS-CoV-2又はSARS-CoV-1ウイルスで感染したVeroE6細胞へのさらなる感染)を阻害する能力を試験した。90%コンフルエントの単層(約20,000細胞)のVeroE6細胞を、SARS-CoV-2(Strain USA-WA1/2020)又はSARS-CoV-1(Strain Urbani 2003000592)に0.01MOI(ウイルス感染粒子400個として計算)で1時間曝露した。遊離ウイルス粒子を洗い流した後、SI-F019を10fMから100nMの範囲で細胞に添加(三重反復;triplicates)し、細胞培養を72時間維持した。ニュートラルレッド染料の取り込みによって細胞生存率を決定し、ウイルス細胞傷害の阻害%を計算した。100%の細胞生存率を表すウイルス又は薬剤を含まない(NVND)条件での最大吸光度により各プレートで吸光度の値を標準化し、最大細胞死を確立するウイルス/薬物なし(VND)の平均吸光度値を下式により計算した。
【0101】
%細胞生存率=[(Well OD540-VND OD540)/(NVND OD540-VND OD540)]*100
【0102】
図4に示すように、SI-F019を10fMの濃度で添加することにより、Vero E6細胞は二次感染から保護された。SARS-CoV-2又はSARS-CoV-1ウイルスを0.01MOIで1時間感染させた培養により、細胞溶解は少なくとも20%減少した。しかし、SI-F019の濃度を10倍ずつ100nMまで増加させた場合、このアッセイでは保護の有意な向上は観察されなかった。この発見から分かるように、低力価のウイルスを感染させた細胞にSI-F019を添加することで、低濃度でもウイルスの拡散と細胞毒性の程度を低下させることができる。
【0103】
実施例7:SI-F019は、HEK293T-ACE2細胞のシュードウイルス感染を阻害する。
【0104】
ヒトACE2タンパク質のレンチウイルス形質導入によりHEK293T(ATCC:CRL-3216)-3D4クローン細胞株を作成した。発現したヒトACE2の機能は、酵素基質変換アッセイ及びFACSによる特異的抗体による結合によって確認された。ルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質パッケージシュードウイルスは、国立医薬品生物製品管理研究所から入手した。試験はメーカーの指示に従って実施された。300TCID50/ウェルのウイルス負荷(virus load)を得るために、Sシュードウイルスストック溶液を培養培地において20MRDで希釈した。濃度範囲0.07nMから1500nMのSI-F019を希釈したウイルス溶液と1時間プレインキュベートした。HEK293T-3D4細胞を96ウェルプレートに分散させた。1時間後、混合物を細胞プレートに添加した。24時間のインキュベーション後にルシフェラーゼ活性を試験することによって感染細胞を測定した。GraphPad Prismソフトウェアにより、定義されたウイルス負荷の50%阻害濃度(IC50)を計算した。
図5に示すように、シュードウイルスとプレインキュベーションした後、SI-F019はウイルス感染を用量依存的に阻害し、より高い濃度で完全な阻害を達成する(IC50=32.56nM)。
【0105】
実施例8:SI-F019はADEの発生率を低下させる。
【0106】
抗体依存性増強(ADE)は、不適切な抗体へのウイルスの結合が宿主細胞への侵入を増強する現象である。COVID-19の場合、一次感染に起因して抗SARS-CoV-2抗体を有する患者又はワクチン接種を受けた個体へのSARS-CoV-2ウイルスの二次感染は、単球及びB細胞によるウイルスの取り込みの増強を引き起こす可能性がある。ウイルスと接触する抗ウイルス抗体は、特定の免疫細胞又はいくつかの補体タンパク質に発現されるFc受容体に結合する可能性がある。後者の結合は、抗体のFc領域に依存する。典型的には、ウイルスは食作用と呼ばれるプロセスにより分解され、このプロセスにより、ウイルス粒子は原形質膜を介して宿主細胞に飲み込まれる。しかし、ウイルスが抗体によって中和されていない場合、結合親和性が低いか、非中和エピトープを標的とするため、抗体の結合によってウイルスエスケープを引き起こす可能性がある。その結果、抗体により感染が増強する。
【0107】
自然免疫又はワクチン接種のいずれかによって産生された抗体は、野生型Fc領域を有する。SI-F019はアンチスパイク抗体と競合してSARS-CoV2ウイルスに結合することができるが、IgG1 Fcヌル断片はFc受容体又はC1qのいずれにも結合することができない(表3を参照)。ADEの影響を軽減する上での比較優位性性を実証するために、SI-F019の内在化、複製及び再感染における役割を評価した。
【0108】
Fc媒介内在化を測定するためのアッセイにおいて、SARS-CoV-2 Sタンパク質をGFP発現シュードウイルス(PsV)にパッケージングし、Fc受容体と補体受容体2(CR2)を発現する2つの細胞株(THP1(単球)及びDaudi(B細胞))を使用して、FcRgとCR2媒介ADEメカニズムを試験した。SI-69R3は、SI-F019の対照として使用され、野生型Fcを有するのに対し、SI-F019は、IgG1 Fcヌル修飾を有する(表1を参照)。PsVに48時間さらされた後、細胞からの緑色蛍光シグナルをPsV感染の指標として定量化した。PsV及びSI-69C1、抗S1抗体又はSI-69R3で処理した条件では、低レベルの緑色蛍光は、48時間後にTHP1(pH7.2)(6A)、THP1(pH6.0)(6B)及びDaudi(6C)細胞において測定された。この結果は、Fc受容体を介してPsVの一部の転送が発生する可能性があることを示している。対照的に、指定濃度のSI-F019を含む条件では、THP1又はDaudi細胞によるPsVの取り込みは発生せず、アッセイメディア、処方緩衝液(formulation buffer)、SI-69C1などの陰性対照条件で測定された緑色蛍光シグナルに匹敵した(
図6)。1pMから100nMの範囲の用量で細胞を処理した結果から分かるように、Fc媒介ADEの効果は用量依存的であった。これは、FcγR又はCR2メカニズムのいずれかを介してPsVの取り込みが発生する可能性があることを示している。
【0109】
実施例9:SI-F019は、PsVのウイルス負荷を減少させる。
【0110】
SI-F019は、機能的なFc断片がないため、Sタンパク質でパッケージングされたGFP発現シュードウイルス(PsV)の内在化を媒介しない可能性がある。SI-F019がシュードウイルスの取り込みを阻害できるかどうかを確認するために、SI-69R3又は天然抗SARS-CoV-2抗体との共処理としてSI-F019を競合モードで使用した。同じセットの標的細胞に感染する前に、PsVを10pMの抗SARS-CoV-2(S1)抗体又は10pMのSI-69R3とともに、1pMから100nMの用量範囲でSI-F019と1時間インキュベートした。PsV由来のGFPシグナルを感染のウイルス負荷として検出した。SI-F019は、標的細胞内のPsVのウイルス負荷を10fMから阻害することができた(
図7)。
【0111】
抗SARS-CoV-2(S1)抗体などの抗体と、SI-69R3の短縮ACE2-野生型Fc断片の融合タンパク質の両方は、SARS-CoV-2スパイクシュードタイプレンチウイルスの内在化を媒介できたのに対し、SI-F019は、機能的なFc断片を有さないため、SARS-CoV-2スパイクシュードタイプレンチウイルスの内在化を媒介できなかった。ここで、SI-F019は、10pMの抗SARS-CoV-2(S1)抗体又は10pMのSI-69R3のいずれかの存在下で、10fMの低濃度であっても、PsVのウイルス負荷の減少に役に立った。これらの結果から分かるように、SI-F019は、THP1単球及びDaudi B細胞のそれぞれにおいてFcRg及びCR2依存メカニズムによって誘導されるADEの発生率を低下させることができる。
【0112】
実施例10:SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞
【0113】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードするcDNA(Accession:YP_009724390.1)でパッケージングしたレンチウイルスを形質導入すること、及び同じ発現コンストラクト(LPP-CoV219-Lv105-050,GeneCopoeia)によって駆動されるピューロマイシン耐性に基づくIRES発現と選択により、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を安定的に発現するHEK293-T細胞(ATCC:CRL-3216)を樹立した。SARS-CoV-2スパイクタンパク質「Anti-Spike」(SKU938701、Biolegend)に特異的なヒトIgGクローンAM001414の結合によりSARS-CoV-2スパイクタンパク質の発現を確認し、ヒトIgGアイソタイプが一致したクローンQA16A12(SKU403502、Biolegend)を対照「アイソタイプ」として使用した。ポリクローナル抗ヒトFc AF647 Fab(SKU109-607-008,Jackson Immuno Research)との二次インキュベーションにより、結合したタンパク質を定量化し、FACS評価を
図8に示す。
【0114】
いずれかのSARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞及び親HEK293細胞を、内在化阻害剤アジ化ナトリウムの存在下、所定材料で37℃で30分間染色した。遊離SI-F019を除去した後、抗ヒトFc AF647 fab(SKU109-607-008、Jackson ImmunoResearch)及びフローサイトメトリー分析によりSI-F109を検出及び定量した。
図9に示すように、幾何平均シグナル強度により、SI-F019と標的細胞株の結合を定量化した。いずれかのSARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞は、COVID-19感染細胞のモデルとして使用することができる。
【0115】
実施例11:抗体依存性細胞傷害(ADCC)に対するSI-F019の影響
【0116】
抗体依存性細胞障害(ADCC)は、COVID-19の場合のSARS-CoV-2ウイルスの感染などのウイルス感染に対する重要な免疫応答の1つである。最初のウイルス感染の後に、抗ウイルス抗体はウイルス粒子に直接結合して中和及び凝集する。食細胞上のFc受容体へのウイルス-抗体複合体の結合は、食作用を引き起こし、ウイルスを破壊することができ、単球、好中球、好酸球、NK細胞などの免疫エフェクター細胞上のFc受容体への結合は、細胞傷害性因子(抗ウイルス性インターフェロンなど)の放出を引き起こし、ウイルス複製に対して敵対的な微小環境を形成することができる。
【0117】
SI-F019の効果を抗スパイク抗体と区別するために、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞にCalcein-AMをロードし、5:1のエフェクター対ターゲット比で精製ヒトNK細胞と共培養した。試験された処理には、SI-F019及びS1特異的ヒトIgGクローンSI-69C3が含まれた。SI-69C3は、入院中のCOVID-19患者から単離されたヒト抗体クローンCC12.3である(10.1126/science.abc7520)。12時間共培養した後、細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、生存率を評価した。
図10に示すように、カルセイン-AM(Calcein-AM)の発現及びヨウ化プロピジウム染色に基づく生存標的細胞頻度(集団3)の減少を細胞溶解の尺度として評価した。
【0118】
NK細胞によって媒介されるADCCは、S1特異的ヒトIgGクローンSI-69C3(クローンCC12.3)暴露されると、SARS-CoV-2タンパク質を発現するHEK293-T細胞にダイレクトされる可能性がある。SI-F019は、100nMから100fMの治療範囲内でSI-69C3と比較してADCCを媒介しなかった。これらのアッセイ条件下で、wt Fc(SI-69R3)を含むSI-F019薬物バリアントは、ADCCを用量依存的に媒介することができたが、
図11及び
図12に示すように、活性のレベルはS1特異的ヒトIgGクローンCC12.3よりも低かった。これらのデータから分かるように、SARS-CoV-2 S1特異的ヒトIgG抗体と異なり、SI-F019はNK細胞媒介ADCCを媒介しない。
【0119】
実施例12:補体依存性細胞傷害(CDC)に対するSI-F019の効果
【0120】
COVID-19患者の抗体ベースの細胞及び組織損傷の媒介における補体カスケードの役割は、自然免疫応答と中和抗体ベースの治療の両方で明らかである(Perico et al.,2021)。ウイルスと特定のIgGで形成された免疫複合体は、補体誘導性血液凝固、血栓塞栓症及び全身性微小血管障害を媒介する。COVID-19患者におけるこれらの広範な合併症は、生命を脅かす可能性があり、IgGに結合する補体タンパク質に依存する。C1qを介して赤血球と、FcγRIIAを有する血小板とを架橋するウイルス免疫複合体は、COVID-19患者の血栓塞栓症のメディエーターである(Nazy et al.,2020)。内皮血管壁への免疫複合体の固定及び補体媒介性凝固は、内皮細胞の活性化が血栓塞栓症カスケードの一部であるCOVID-19患者の主な懸念事項である。
【0121】
表3に示すように、天然IgG抗体と異なり、SI-F019はC1qに結合することができない。この特徴により、表面にSARS-CoV-2スパイクタンパク質を一過性に発現できる感染した上皮及び内皮の細胞死の誘導リスクが排除される。SI-F019のこの保護効果は、抗スパイクヒトIgG抗体と比較して実証されている。
【0122】
SI-F019の保護効果を実証するために、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞を無血清培地(Optimem)で培養し、30分間処理した後、1:10の血清対培地比でヒト血清補体を添加した。試験した処理には、SI-F019及びS1特異的ヒトIgGクローンAM001414(BioLegend)が含まれた。細胞を37℃で3時間培養した後、ヨウ化プロピジウム染色を行い、各ウェルの陽性染色細胞を計数した。
図12及び
図13に示すように、3時間後にIncucyte Zoomソフトウェアで計数した赤血球をCDC尺度として評価する。
図13に示すように、96時間後の全細胞コンフルエンスをCDC影響の尺度として評価した。
【0123】
補体損傷からの組織細胞の保護は、ヒト血清補体攻撃後にこれらの細胞がさらに増殖する能力によってさらに確認される。S1特異的ヒトIgGクローン(クローンAM4141)にさらされた場合、SARS-Cov-2 Sタンパク質を発現するHEK293T細胞に対して、無血清培地において1:10の体積対体積比でヒト血清補体によって媒介されるCDCは評価可能である。結果として、ヒト可溶性単量体ACE2及びSI-F019の両方はCDCを媒介しなかったのに対し、SI-69R3はヒトIgG抗体と比較して用量依存的にCDC活性を限定的に増加させた。処理した96時間後の十分なコンフルエンスに基づいて、CDC細胞溶解は細胞増殖の減少に反映された。
【0124】
実施例13:PBMC培養における可溶性又はプレート結合SI-F019によって誘導されるサイトカイン放出
【0125】
SARS-CoV-2は、気道及び小腸のACE2発現上皮に対して親和性を有する。サイトカイン放出症候群(CRS)を示すIL-2、IL-6、IL-7、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α)及び腫瘍壊死因子α(TNF-α)の上昇の臨床検査所見は、根底にある免疫病理学を示唆している。CRSは、生物製剤による治療の有用性を制限する可能性がある主な副作用であり、インビトロサイトカイン放出アッセイにより試験された。
【0126】
SI-F019は、ヒトACE2と、Fcγ受容体に結合できない変異型ヒトIgG1 Fcから構成される融合タンパク質である。したがって、SI-F019は、末梢血中の標的細胞に結合しないことやサイトカインの放出を誘導しないことが期待されている。5人の健康なドナーから単離された好中球を含む白血球(WBC)を、2000nM及び200nM濃度のプレート結合又は可溶性SI-F019を含む培養ウェルに入れた。
【0127】
TGN1412抗体は、このアッセイのプレート結合フォーマットでサイトカイン放出を誘導する能力が十分に実証されているため、陽性対照として同じ濃度及び同じフォーマットで使用された。SI-69R3との比較により、IgG1 Fcヌル断片がサイトカイン放出を減少させる潜在的な寄与を評価した。SI-69R3は、末梢血のいくつかの細胞型によって発現されるFcγ受容体に結合できる野生型Fc断片を有する。同様の希釈でSI-F019の処方緩衝液のみを含むWBC培養物を陰性対照として使用した。培養上清を24時間及び48時間の時点で収集し、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームにより9つのサイトカインの存在は検出された。
【0128】
サイトカインパネルには、
図14Aから14Eに示すように、T細胞関連サイトカインIFNγ、TNFα、GM-CSF、IL-2及びIL-10が含まれる。また、
図14Fから14Iに示すように、炎症誘発性非T細胞関連サイトカインIL-1β、IL-12p70、IL-6、単球走化性タンパク質MCP-1のレベルも試験された。各供血者について各ウェルを二重測定し、得られた結果の平均値を算出し、JMP14ソフトウェアを使用して95%信頼区間及び外れ値を示す箱ひげ図を作成した。
【0129】
結果から分かるように、SI-F019は、200nM及び2000nMの濃度で、プレート結合又は可溶性フォーマットのいずれにおいても、試験したサイトカインのいずれもWBCへの暴露を誘導しない。SI-F019処理サンプル中のサイトカインのレベルは、全ての条件で緩衝液対照と類似の濃度を示した。陽性対照TGN1412は、可溶性フォーマットではなく、プレート結合フォーマットの場合、ほとんどのサイトカインを強く誘導しており、これは以前に公開された結果と一致している。プレート結合ACE2-Fc野生型を使用して白血球を刺激した場合、IFNγ、GM-CSF及びTNFαの中間生成が検出され、これはSI-F019のFcヌル断片の向上した安全性を示している。
【0130】
SARS-CoV-2ウイルスに対する体液性反応の病原性役割は、最近、介入的IgG療法を受けている患者によって示唆されている(Weinreich et al.,2021;Chen et al.,2021)。小血管の過炎症反応は、血小板増加症、そう痒症、発熱、高血圧などの有害事象の根底にある。本発明では、SI-F019は、機能障害の複数の経路から組織及び臓器を保護しながら、IgG治療に匹敵するウイルス中和の効果を提供できることが実証されている。したがって、SI-F019は、ウイルス感染の治療、予防又は緩和に使用でき、特にCOVID-19の進行を予防及び管理し、臨床的合併症を軽減するために使用でき、さらに急性呼吸窮迫症候群、肺動脈性肺高血圧症又は急性肺損傷にも使用できる。
【0131】
実施例14:SARS-CoV-2 RBDバリアントに対するSI-F019の結合動力学(親和性)
パンデミックが続く中、変異と選択により、ACE2に対するより高い結合親和性を獲得してウイルス伝播速度が向上するようにSARS-CoV-2ウイルスの進化が促進され、その結果、新たに出現した感染力の強いδバリアントを含む変異株が生じる。実際、αバリアントとδバリアントはどちらも元のSARS-CoV-2ウイルスよりも感染力が高い。SARS-CoV-2バリアントの蔓延は、治療法と予防法を開発する上でまだ解決されていない課題である。SI-F019は中和剤の候補であるが、FDAは患者の治療用にb)バムラニビマブ(Eli Lilly's LY-CoV555;SI-69C4,配列番号29及び30)、c)カシリビマブ(Regeneron's REGN10933;SI-69C5,配列番号31及び32)、d)エテセエビマブ(Eli Lilly's CB-6;SI-69C6,配列番号33及び34);e)イムデビマブ(Regeneron's REGN10987;SI-69C7,配列番号35及び36);f)シルガビマブ(AstraZeneca's AZD1061;SI-69C8,配列番号37及び38)、及びg)チサゲビマブ(AstraZeneca's AZD8895;SI-69C9,配列番号39及び40)を含むいくつかの中和抗体を承認している。
【0132】
それらの中和抗体に対する組換えACE2-Fc融合タンパク質であるSI-F019の比較優位性を判断するために、Octet Red384を使用して、バイオレイヤー干渉法により、COVID-19バリアントを模倣したSARS-CoV-2 RBDバリアントへの結合相互作用の強度を定量化した。これらのバリアントタンパク質は、Sino Biologicalから購入された。まず、アッセイバッファー(1%BSA及び0.05%Tween 20を含むPBS)中の10μg/mlのSI-F019タンパク質をAHCセンサーに180秒間ロードした。180秒のベースラインステップの後、ロードされたタンパク質をアッセイバッファー中のRBDバリアントタンパク質の1:2連続希釈物(最高濃度50nM)と180秒間会合させ、その後、アッセイバッファー中で300秒の解離ステップを行った。再生は、10mMグリシン(pH1.5)で実行された。完全会合段階及び解離段階の最初の60秒を用いてデータを1:1結合モデルにグローバルフィッティングし、動力学パラメータKD、kon及びkdisを抽出した。表2と表4に示される同じバリアントと野生型RBDタンパク質の結合親和性は同等であり、ベンダーによって読み取り値は異なる可能性がある(ACROBiosystem and Sino Biological)。
【0133】
図15(a-g)は、RBDバリアントに結合したときのSI-F019及び中和抗体のセンサーグラムであり、表4(a-g)は、抽出された結合動力学(親和性)パラメータを示す。結果として、SI-F019(15a)と比較して、バムラニビマブ(SI-69C4)は、κ、γ、β及びλバリアント(15b)に結合できず、カシリビマブ(SI-69C5)は、γ及びβバリアント(15c)に対する結合親和性の顕著な低下を示し、エテセエビマブ(SI-69C6)も、γ及びβバリアント(15d)に対する結合親和性の顕著な低下を示した。他のモノクローナル抗体、例えば、イムデビマブ(SI-69C7)(4e)、シルガビマブ(SI-69C8)(4f)及びチサゲビマブ(SI-69C9)(4g)は、それらの結合親和性に顕著な変化を示さない可能性があるが、センサーグラムにより、いくつかのバリアントでは結合応答の低下が明らかになった(
図15e、15f及び15g)。中和抗体とは対照的に、SI-F019は、伝染性の高いδバリアントを含む新しいバリアント体に対して祖先野生型RBDよりも高い結合親和性を示した(
図15a、表4a)。この観察は、SI-F019のACE2部分が、ウイルスがヒト細胞に侵入するための野生型全長ACE2の立体構造(高親和性バリアントの選択の標的)を保持しているという概念を裏付けている。したがって、SI-F019はFDAによって承認された中和抗体に対して比較優位性を有するため、結合剤及び遮断剤として使用することができる。
【0134】
実施例15:バリアントに対するSI-F019及び中和抗体の結合動力学(アビディティ)
上記の結合親和性アッセイは、抗ヒトIgG Fcキャプチャーバイオセンサーチップ(AHC)表面に固定化されたSI-F019と溶液中のSARS-CoV-2 RBDタンパク質バリアントの結合を測定する一方、アビディティアッセイは、ストレプトアビジンバイオセンサーチップ表面に固定化されたビオチン化SARS-CoV-2 RBDタンパク質バリアントと溶液中のSI-F019の結合を測定する。
【0135】
Octet Red384を使用して、バイオレイヤーによりSI-F019とSARS-CoV-2 Sタンパク質バリアントRBDドメイン間の結合相互作用の強度を定量した。試薬はSino Biologicalから購入され、NHSエステル活性化反応によって化学的にビオチン化した(ビオチン/タンパク質の化学量論比は2:1)。まず、アッセイバッファー(1%BSA及び0.05%Tween 20を含むPBS)中の2μg/mlのビオチン化RBD又はそのバリアントタンパク質をSAセンサーに180秒間ロードした。180秒のベースラインステップの後、ロードされたタンパク質をアッセイバッファー中のSI-F019タンパク質(GMPロット)の1:2連続希釈(最大濃度50nM)と300秒間会合させ、その後、アッセイバッファー中で解離ステップを600秒間行った。再生は、10mMグリシン(pH1.5)で実行された。完全会合段階及び完全解離段階を用いて、データを1:1結合モデルにグローバルフィッティングし、動力学パラメータKD、kon及びkdisを計算した。表2と表5に示される同じ変異体と野生型RBDタンパク質の結合親和性は同等であり、ベンダーによって読み取り値は異なる可能性がある(ACROBiosystem and Sino Biological)。
【0136】
図16(a-g)は、SI-F019に結合したSARS-CoV-2 RBDタンパク質バリアントのセンサーグラムを示し、表5(a-g)は、抽出された結合動力学(アビディティ)パラメータを示す。特に、SI-F019は、野生型RBDと比較して、RBDのバリアント形態に対してより高いアビディティで結合し、アビディティの増加は主により遅い解離速度によって引き起こされる。結果は、野生型RBDと比較して、RBD変異体に対するSI-F019の結合親和性が増加し、解離速度が減少し、いくつかの中和抗体では有効性が低下又は減少したことを示している。
【0137】
実施例16:中和抗体に対するSI-F019の比較優位性
中和抗体に対するSI-F019の比較優位性を証明するために、結合応答又は応答の値を使用した。応答は、
図15、16に示すように干渉パターンにおけるnmシフトとして測定され、バイオセンサーの表面に結合した分子の数に比例する。応答は、最大濃度の分析物と会合したときに達成される最大結合シグナルであり、動力学結合パラメータ、タンパク質のサイズ、アッセイ条件に依存する複雑な機能であり、相互作用するタンパク質のサイズとフォーマットが類似している限り、特定のアッセイで同等であるべきである。応答の違いは、タンパク質間相互作用の効果的な強度の違いを示すことができ、高い応答は相互作用が強いことを示し、低い応答は相互作用が弱いことを示す。
【0138】
表6は、
図15及び
図16におけるSI-F019及び中和抗体の結合親和性及びアビディティから抽出された応答(分析物の最大濃度)の値を示す。それぞれの中和剤及びバリアントの結合動力学の変化を評価するために、次の定義を適用した。1)応答<WTの10%未満の場合、結合なし;2)応答<WTの30%の場合、最小限の結合;3)応答<WTの75%の場合、低い結合;4)複雑な動力学の場合、上昇の解離、非特異的結合を含む。これらの基準を各応答に適用する場合、各中和抗体は少なくとも1つの変異体に対して低い結合を示すか、まったく結合しない。特に、アビディティアッセイでは、バムラニビマブ(SI-69C4)は、δ、κ、γ、β、λに対する結合応答が低下し、エテセエビマブ(SI-69C6)は、γ及びβに対する結合応答が低下し、カシリビマブ(SI-69C5)、イムデビマブ(SI-69C7)、シルガビマブ(SI-69C8)及びチサゲビマブ(SI-69C9)は、全てβに対する結合応答が低下した。これに対し、SI-F019は、全てのバリアントに対して結合親和性及びアビディティを保持している。
【0139】
実施例17:SI-F019は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)RBDバリアントのウイルス感染力を阻害できる遮断薬として機能する。
ウイルス感染を防ぐSI-F019の能力を試験するために、ルシフェラーゼレポーターアッセイによりウイルス感染力を評価した。ルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質パッケージシュードウイルス(NICPBP)(野生型又は変異株、Sino Biological)を、ACE2を過剰発現する293T細胞(クローン3D4)及びSI-F019の1:3連続希釈物(30μg/mlから)と共インキュベートした。トランスフェクションされた細胞上のACE2の発現は、酵素アッセイ及びFACSアッセイによって確認された。シュードウイルスは、ACE2に結合するSタンパク質を介してACE2陽性細胞に侵入することができ、これによって、ルシフェラーゼの発現が引き起こされる。したがって、発光はウイルスの感染力の読み取りとして使用される。
【0140】
特に、Sタンパク質シュードウイルスの10×ストック溶液を培地中で最終ウイルス負荷が227~394TCID50/ウェルになるように調製した。培地中のSI-F019を最大濃度150μg/ml(最終30μg/ml)で3倍に連続希釈した。3D4細胞を、トリプシンを含まない解離バッファーを使用して収集した。シュードウイルス(20μl)及びSI-F019(30μl)を96ウェルプレートのウェル中で混合し、室温で1時間インキュベートした。次に、収集した3D4細胞100μlを各ウェルに添加し(20,000/ウェル)、37℃、5%CO2で18時間インキュベートした。インキュベーション後、上清を除去し、50μlのルシフェラーゼ基質溶液を加え、混合し、室温で1分間インキュベートした。I3×プレートリーダーを使用して発光を読み取った。RLU(相対発光単位)での発光シグナルは、Sタンパク質シュードウイルスの感染力を表す。
【0141】
SI-F019を含まない条件と比較した発光の減少を計算して、感染力の阻害パーセントを決定することができる。次に、このデータをGraphPad Prism 6.0のシグモイド関数に当てはめて、シュードウイルスがSタンパク質の異なるバリアントを含む場合のシュードウイルス感染力を阻害するSI-F019のIC50値を抽出した。ウイルス阻害データを
図17aに示し、IC50値を表7に示す。結果として、SI-F019は、野生型株に対する効力と比較して2~15倍増加した効力ですべてのバリアントの感染力を阻害でき、親和性又はアビディティのIC50とKD値との間の線形相関(
図17b、17c)は、SI-F019による競合阻害を示している。インビトロ実験データにより、ACE2タンパク質、例えば、膜結合型ACE2タンパク質についてのSI-F019融合タンパク質は、感染力及び伝播性の増加とともに進化するRBD-ACE2相互作用の増加した親和性で、SARS-CoV-2ウイルスのバリアントに強く結合するだけでなく、それを阻害することもできる。
【0142】
実施例18:中国で健康な参加者を対象とした第I相臨床試験中のSI-F019(NCT04851444)
現在、3つの抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体製品は、入院していない患者の軽度から中等度のCOVID-19の治療のために食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可(EUA)を取得している。これらの患者は、検査でSARS-CoV-2感染が確認されかつ重症化や入院に進行するリスクが高い患者である。第一、バムラニビマブ+エテセエビマブは、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質RBDにおける異なるが重複するエピトープに結合する中和モノクローナル抗体である。第二、カシリビマブ+イムデビマブは、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質RBDにおける重複しないエピトープに結合する組換えヒトモノクローナル抗体である。第三、ソトロビマブは、2003年にSARS-CoV生存者から最初に同定されたモノクローナル抗体である。それは、SARS-CoVとSARS-CoV-2の間で保存されているスパイクタンパク質のRBDにおけるエピトープを標的とする。
【0143】
単一のエピトープに結合するモノクローナル抗体とは異なり、SI-F019は、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質RBDのすべてのドッキング部位へ結合するためのヒト細胞上のACE2タンパク質と競合するという技術的利点を有し、その一部はそれらのエピトープが重複する可能性がある。治療計画として2つ以上のモノクローナル抗体を組み合わせる負担と技術的困難を軽減するために、SI-F019は、現在臨床試験中であるが、重症のCOVID-19に進行するリスクが高い個体の軽度から中等度のCOVID-19の治療及びSARS-CoV-2感染症の暴露後予防(PEP)に有効な単一の治療薬として作用するという利点を有する。SI-F019は、ヒト細胞上の膜結合型ACE2タンパク質を標的とする他のコロナウイルス(例えば、SARS-CoV-1)と競合することができる(
図4)。COVID-19に加えて、SI-F019は、SARS-CoV-1ウイスルに起因する重症急性呼吸器症候群(SARS)、MERS-CoVウイスルに起因する中東呼吸器症候群(MERS)、急性呼吸促拍症候群(ARDS)、及び他の肺損傷の治療にも適用できる。そのような場合、SI-F019は必要に応じて他の治療薬と組み合わせて使用することもできる。
【0144】
第I相試験の目的は、SI-F019の単回静脈内投与の安全性、忍容性、薬物動態特性を試験することである。この試験は、SI-F019の用量を3mg/kgから70mg/kgに漸増する二重盲検、プラセボ対照及びランダム化方式で設計されている(表8a、8b)。融合タンパク質は、ヒスチジン/塩酸ヒスチジン、塩化ナトリウム、スクロース、及びポリソルベート80中の懸濁液として投与される。合計36人の参加者に1日目に単回投与が行われ、29日目まで追跡調査が行われた。治療緊急有害事象(TEAE)、治療関連有害事象(TRAE)、重症度、及び臨床検査値異常は、NCI-CTCAE v5.0によって捕捉され、等級付けされた。2021年9月16日の時点では、電子データキャプチャ(EDC)データベースはまだロックされていない。データの盲検下レヴューに基づいて、参加者36人のうち、21人が44件の有害事象(AE)を経験し、そのうち16人では31件のTRAEが発生した。すべてのAEはグレード1であり、SI-F019用量との顕著な関連性は見出されなかった(表9a、9b)。SI-F019の全体的な忍容性と安全性が良好であることは、COVID-19及びその他の関連疾患に対する予防薬及び治療薬としてのさらなる探求を裏付けている。
【0145】
表
【0146】
表1:組換えACE2-Fc融合タンパク質のクローニング、発現、及び精製
【表1】
【0147】
表2:ウイルスタンパク質へのSI-F019の親和性及びアビディティ
【表2】
【0148】
表3:Fc受容体への結合に対するFcヌル変異の影響
【表3】
【0149】
表4:Sタンパク質RBDのさまざまなバリアントに対するSI-F019(4a)及び中和抗体(バムラニビマブ(SI-69C4)(4b)、カシリビマブ(SI-69C5)(4c)、エテセエビマブ(SI-69C6)(4d)、イムデビマブ(SI-69C7)(4e)、シルガビマブ(SI-69C8)(4f)及びチサゲビマブ(SI-69C9)(4g)を含む)の結合動力学(親和性)
SI-F019は野生型RBDと比較してRBDの変異型に対して高い親和性で結合し、その主な原因は解離速度が遅いことによるものである。一方、少なくとも3つの中和抗体は少なくとも1つの変異型への結合を失った(N.D.)。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【0150】
表5:バイオレイヤー干渉法によりSタンパク質RBDのさまざまなバリアントに対するSI-F019(5a)と中和抗体(バムラニビマブ(SI-69C4)(5b)、カシリビマブ(SI-69C5)(5c)、エテセエビマブ(SI-69C6)(5d)、イムデビマブ(SI-69C7)(5e)、シルガビマブ(SI-69C8)(5f)及びチサゲビマブ(SI-69C9)(5g))の結合動力学(アビディティ)を定量化した。
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【0151】
表6a:SARS-CoV-2ウイルスRBDに対するSI-F019と中和抗体の最大結合応答(親和性)の比較分析
これらの抗体のうち4つは少なくとも1つのバリアントに対して低応答から無応答の範囲であったのに対し、SI-F019はすべてのバリアントに対して増加した応答を示した。
【表6-1】
【0152】
表6b:SARS-CoV-2ウイルスRBDに対するSI-F019又は中和抗体の結合応答(アビディティ)の比較分析
抗体は低応答から無応答の範囲であったのに対し、SI-F019は大きな変化を示さなかった。
【表6-2】
【0153】
表7:Sタンパク質パッケージドシュードウイルス(NICPBP)を用いてACE2発現293T細胞に感染させたルシフェラーゼレポーターアッセイにおけるウイルス感染性阻害のIC50値
より低いIC50値に基づいて、Sタンパク質の変異型を含むシュードウイルスのSI-F019阻害は、野生型Sタンパク質を含むシュードウイルスの阻害よりも強力である。
【表7】
【0154】
表8a:SI-F019の第I相臨床試験(NCT04851444)の人口統計概要(年齢、体重)
【表8-1】
【0155】
表8b:SI-F019の第I相臨床試験(NCT04851444)の用量漸増及び配分設計
【表8-2】
【0156】
表9a:SI-F019の第I相臨床試験(NCT04851444)の臓器分類/優先用語(SOC/PT)に基づくすべての有害事象(AE)の概要
【表9-1】
*N:AEを経験した患者の数.
【0157】
表9b:SI-F019の第I相臨床試験(NCT04851444)の臓器分類/優先用語(SOC/PT)に基づくすべての治療関連有害事象(TRAE)の概要
【表9-2】
*N:TRAEを経験した患者の数
【0158】
【0159】
>Sequence ID 1: huACE2 full length protein sequence (Genbank_number:NP_001358344.1, TMPRSS2 protease cutting site)
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADQSIKVRISLKSALGDKAYEWNDNEMYLFRSSVAYAMRQYFLKVKNQMILFGEEDVRVANLKPRISFNFFVTAPKNVSDIIPRTEVEKAIRMSRSRINDAFRLNDNSLEFLGIQPTLGPPNQPPVSIWLIVFGVVMGVIVVGIVILIFTGIRDRKKKNKARSGENPYASIDISKGENNPGFQNTDDVQTSF
>Sequence ID 2: huACE2 full length DNA sequence
(Genbank_number: NM_021804.3)
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACCAAAGCATCAAAGTGAGGATAAGCCTAAAATCAGCTCTTGGAGATAAAGCATATGAATGGAACGACAATGAAATGTACCTGTTCCGATCATCTGTTGCATATGCTATGAGGCAGTACTTTTTAAAAGTAAAAAATCAGATGATTCTTTTTGGGGAGGAGGATGTGCGAGTGGCTAATTTGAAACCAAGAATCTCCTTTAATTTCTTTGTCACTGCACCTAAAAATGTGTCTGATATCATTCCTAGAACTGAAGTTGAAAAGGCCATCAGGATGTCCCGGAGCCGTATCAATGATGCTTTCCGTCTGAATGACAACAGCCTAGAGTTTCTGGGGATACAGCCAACACTTGGACCTCCTAACCAGCCCCCTGTTTCCATATGGCTGATTGTTTTTGGAGTTGTGATGGGAGTGATAGTGGTTGGCATTGTCATCCTGATCTTCACTGGGATCAGAGATCGGAAGAAGAAAAATAAAGCAAGAAGTGGAGAAAATCCTTATGCCTCCATCGATATTAGCAAAGGAGAAAATAATCCAGGATTCCAAAACACTGATGATGTTCAGACCTCCTTTTAG
>Sequence ID 3: huACE2 functional domain (residue:1-615) protein sequence
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYAD
>Sequence ID 4: huACE2 functional domain (residue:1-615) DNA sequence
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>Sequence ID 5: Fc wild type IgG1 Fc (EU numbering 216-447)
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>Sequence ID 6: Fc null version (EU numbering 216-447, with mutations: C220S, L234A, L235A, and K322A)
EPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 7: SI-69R2_huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG1 Fc (null) protein sequence (EU numbering 216-447, with mutations: C220S, L234A, L235A, and K322A)
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 8:SI-69R2: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG1 Fc (null) DNA sequence
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>Sequence ID 9: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG4 Fc protein sequence
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>Sequence ID 10: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG4 Fc DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACGAGTCCAAATATGGTCCCCCGTGCCCACCATGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTCCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
>Sequence ID 11: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA1 Fc Protein sequence
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>Sequence ID 12: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA1 Fc DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACAGCCAGGATGTGACTGTGCCCTGCCCAGTTCCCTCAACTCCACCTACCCCATCTCCCTCAACTCCACCTACCCCATCTCCCTCATGCTGCCACCCCCGACTGTCACTGCACCGACCGGCCCTCGAGGACCTGCTCTTAGGTTCAGAAGCGAACCTCACGTGCACACTGACCGGCCTGAGAGATGCCTCAGGTGTCACCTTCACCTGGACGCCCTCAAGTGGGAAGAGCGCTGTTCAAGGACCACCTGAGCGTGACCTCTGTGGCTGCTACAGCGTGTCCAGTGTCCTGCCGGGCTGTGCCGAGCCATGGAACCATGGGAAGACCTTCACTTGCACTGCTGCCTACCCCGAGTCCAAGACCCCGCTAACCGCCACCCTCTCAAAATCCGGAAACACATTCCGGCCCGAGGTCCACCTGCTGCCGCCGCCGTCGGAGGAGCTGGCCCTGAACGAGCTGGTGACGCTGACGTGCCTGGCACGCGGCTTCAGCCCCAAGGACGTGCTGGTTCGCTGGCTGCAGGGGTCACAGGAGCTGCCCCGCGAGAAGTACCTGACTTGGGCATCCCGGCAGGAGCCCAGCCAGGGCACCACCACCTTCGCTGTGACCAGCATACTGCGCGTGGCAGCCGAGGACTGGAAGAAGGGGGACACCTTCTCCTGCATGGTGGGCCACGAGGCCCTGCCGCTGGCCTTCACACAGAAGACCATCGACCGCTTGGCGGGTAAACCCACCCATGTCAATGTGTCTGTTGTCATGGCGGAGGTGGACGGCACCTGCTACTGA
>Sequence ID 13: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA2 Fc Protein sequence
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>Sequence ID 14: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA2 Fc DNA sequence
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>Sequence ID 15: SI-F019_huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgG1 Fc (null) protein sequence (with mutations at C220S, L234A, L235A, and K322A, EU numbering)
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 16: huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgG4 Fc protein sequence
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
>Sequence ID 17: huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgA1 Fc Protein sequence
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADSQDVTVPCPVPSTPPTPSPSTPPTPSPSCCHPRLSLHRPALEDLLLGSEANLTCTLTGLRDASGVTFTWTPSSGKSAVQGPPERDLCGCYSVSSVLPGCAEPWNHGKTFTCTAAYPESKTPLTATLSKSGNTFRPEVHLLPPPSEELALNELVTLTCLARGFSPKDVLVRWLQGSQELPREKYLTWASRQEPSQGTTTFAVTSILRVAAEDWKKGDTFSCMVGHEALPLAFTQKTIDRLAGKPTHVNVSVVMAEVDGTCY
>Sequence ID 18: huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgA2 Fc Protein sequence
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADSQDVTVPCRVPPPPPCCHPRLSLHRPALEDLLLGSEANLTCTLTGLRDASGATFTWTPSSGKSAVQGPPERDLCGCYSVSSVLPGCAQPWNHGETFTCTAAHPELKTPLTANITKSGNTFRPEVHLLPPPSEELALNELVTLTCLARGFSPKDVLVRWLQGSQELPREKYLTWASRQEPSQGTTTYAVTSILRVAAEDWKKGETFSCMVGHEALPLAFTQKTIDRMAGKPTHINVSVVMAEADGTCY
>Sequence ID 19: SI-69R3_human ACE2-ECD-1-615-Fc-w2(EU numbering 216-447)-protein sequence
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 20: SI-69R3_human ACE2-ECD-1-615-Fc-w2-DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTCCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACGAGCCCAAATCTTCCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATAG
>Sequence ID 21: SI-69R4-human ACE2-ECD-1-740(TMPRSS2 protease cutting site)-Fc-w2(EU numbering 216-447)-protein sequence
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADQSIKVRISLKSALGDKAYEWNDNEMYLFRSSVAYAMRQYFLKVKNQMILFGEEDVRVANLKPRISFNFFVTAPKNVSDIIPRTEVEKAIRMSRSRINDAFRLNDNSLEFLGIQPTLGPPNQPPVSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 22: SI-69R4_human ACE2-ECD-1-740-Fc-w2-DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTCCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACCAAAGCATCAAAGTGAGGATAAGCCTAAAATCAGCTCTTGGAGATAAAGCATATGAATGGAACGACAATGAAATGTACCTGTTCCGATCATCTGTTGCATATGCTATGAGGCAGTACTTTTTAAAAGTAAAAAATCAGATGATTCTTTTTGGGGAGGAGGATGTGCGAGTGGCTAATTTGAAACCAAGAATCTCCTTTAATTTCTTTGTCACTGCACCTAAAAATGTGTCTGATATCATTCCTAGAACTGAAGTTGAAAAGGCCATCAGGATGTCCCGGAGCCGTATCAATGATGCTTTCCGTCTGAATGACAACAGCCTAGAGTTTCTGGGGATACAGCCAACACTTGGACCTCCTAACCAGCCCCCTGTTTCCGAGCCCAAATCTTCCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATAG
>Sequence ID 23: SI-69R1_huACE2 functional domain (residue:1-615)- 6XHis protein sequence
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADHHHHHH
>Sequence ID 24: SI-69R1_huACE2 functional domain (residue:1-615)- 6XHis DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACCATCATCACCATCACCAC
>Sequence ID 25: SI-69R10_Human TMPRSS2 protein, His-tagged (106-492)- protein sequence
MYRMQLLSCIALSLALVTNSWKFMGSKCSNSGIECDSSGTCINPSNWCDGVSHCPGGEDENRCVRLYGPNFILQVYSSQRKSWHPVCQDDWNENYGRAACRDMGYKNNFYSSQGIVDDSGSTSFMKLNTSAGNVDIYKKLYHSDACSSKAVVSLRCIACGVNLNSSRQSRIVGGESALPGAWPWQVSLHVQNVHVCGGSIITPEWIVTAAHCVEKPLNNPWHWTAFAGILRQSFMFYGAGYQVEKVISHPNYDSKTKNNDIALMKLQKPLTFNDLVKPVCLPNPGMMLQPEQLCWISGWGATEEKGKTSEVLNAAKVLLIETQRCNSRYVYDNLITPAMICAGFLQGNVDSCQGDSGGPLVTSKNNIWWLIGDTSWGSGCAKAYRPGVYGNVMVFTDWIYRQMRADGHHHHHH
>Sequence ID 26: SI-69R10_Human TMPRSS2 protein, His-tagged (106-492)- DNA sequence
ATGTACAGGATGCAACTCCTGTCTTGCATTGCACTAAGTCTTGCACTTGTCACCAATTCGTGGAAGTTTATGGGTTCTAAATGCTCTAATAGCGGGATAGAATGTGACAGTAGTGGCACTTGCATTAACCCTTCAAACTGGTGTGATGGGGTAAGCCATTGCCCCGGGGGGGAAGATGAAAATAGATGTGTTAGGCTCTACGGTCCCAACTTTATACTCCAGGTATATTCAAGTCAACGCAAATCATGGCATCCAGTGTGTCAAGACGACTGGAACGAAAACTATGGACGCGCTGCATGTCGAGATATGGGATATAAGAATAACTTCTATAGTTCACAGGGAATCGTAGATGACTCTGGATCTACTAGTTTCATGAAACTGAACACCTCTGCCGGAAACGTAGATATATATAAAAAGCTTTACCACTCCGACGCTTGTAGCTCTAAGGCCGTAGTTAGCCTCAGATGCATCGCCTGCGGAGTAAACCTCAATTCATCTCGCCAGAGTAGGATCGTTGGCGGGGAAAGCGCCCTCCCAGGCGCTTGGCCTTGGCAAGTTTCCCTTCATGTCCAGAATGTTCATGTATGTGGCGGGTCTATAATCACCCCAGAATGGATCGTCACAGCTGCCCACTGCGTGGAGAAACCCCTCAACAATCCTTGGCATTGGACCGCATTTGCCGGAATACTGAGACAATCATTTATGTTCTATGGAGCCGGGTACCAAGTCGAAAAGGTCATTTCCCATCCCAATTATGATTCCAAAACCAAAAACAATGACATAGCCTTGATGAAACTCCAGAAGCCTTTGACATTTAATGACCTGGTCAAACCAGTGTGCCTCCCAAATCCTGGAATGATGTTGCAGCCTGAACAGTTGTGCTGGATCAGCGGTTGGGGTGCTACCGAGGAGAAGGGTAAGACAAGCGAGGTCCTTAACGCTGCAAAGGTTTTGCTGATAGAAACACAGAGATGTAACAGCCGCTATGTGTACGATAACCTGATCACCCCAGCTATGATTTGCGCCGGGTTTTTGCAAGGTAACGTCGATTCTTGCCAAGGTGACTCAGGCGGCCCTCTTGTTACATCAAAGAACAATATATGGTGGCTTATCGGCGATACATCATGGGGTTCTGGATGTGCTAAAGCCTATCGCCCAGGGGTGTATGGCAATGTAATGGTGTTTACAGACTGGATCTATAGGCAGATGCGGGCTGACGGTCACCATCATCACCATCACTGA
>Sequence ID 27: IgJ chain
MKNHLLFWGVLAVFIKAVHVKAQEDERIVLVDNKCKCARITSRIIRSSEDPNEDIVERNIRIIVPLNNRENISDPTSPLRTRFVYHLSDLCKKCDPTEVELDNQIVTATQSNICDEDSATETCYTYDRNKCYTAVVPLVYGGETKMVETALTPDACYPD
>Sequence ID 28: Secretory Component
KSPIFGPEEVNSVEGNSVSITCYYPPTSVNRHTRKYWCRQGARGGCITLISSEGYVSSKYAGRANLTNFPENGTFVVNIAQLSQDDSGRYKCGLGINSRGLSFDVSLEVSQGPGLLNDTKVYTVDLGRTVTINCPFKTENAQKRKSLYKQIGLYPVLVIDSSGYVNPNYTGRIRLDIQGTGQLLFSVVINQLRLSDAGQYLCQAGDDSNSNKKNADLQVLKPEPELVYEDLRGSVTFHCALGPEVANVAKFLCRQSSGENCDVVVNTLGKRAPAFEGRILLNPQDKDGSFSVVITGLRKEDAGRYLCGAHSDGQLQEGSPIQAWQLFVNEESTIPRSPTVVKGVAGGSVAVLCPYNRKESKSIKYWCLWEGAQNGRCPLLVDSEGWVKAQYEGRLSLLEEPGNGTFTVILNQLTSRDAGFYWCLTNGDTLWRTTVEIKIIEGEPNLKVPGNVTAVLGETLKVPCHFPCKFSSYEKYWCKWNNTGCQALPSQDEGPSKAFVNCDENSRLVSLTLNLVTRADEGWYWCGVKQGHFYGETAAVYVAVEERKAAGSRDVSLAKADAAPDEKVLDSGFREIENKAIQDPR
>Sequence ID 29: Bamlanivimab_Heavy_Chain
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSNYAISWVRQAPGQGLEWMGRIIPILGIANYAQKFQGRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGYYEARHYYYYYAMDVWGQGTAVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 30: Bamlanivimab_Light_Chain
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLSWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTITSLQPEDFATYYCQQSYSTPRTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>Sequence ID 31: Casirivimab_Heavy_Chain
QVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFSDYYMSWIRQAPGKGLEWVSYITYSGSTIYYADSVKGRFTISRDNAKSSLYLQMNSLRAEDTAVYYCARDRGTTMVPFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 32: Casirivimab_Light_Chain
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>Sequence ID 33: Etesevimab_Heavy_Chain
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>Sequence ID 34: Etesevimab_Light_Chain
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>Sequence ID 35: Imdevimab_Heavy_Chain
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> Sequence ID 36: Imdevimab_Light_Chain
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>Sequence ID 37: Cilgavimab_Heavy_Chain
EVQLVESGGGLVKPGGSLRLSCAASGFTFRDVWMSWVRQAPGKGLEWVGRIKSKIDGGTTDYAAPVKGRFTISRDDSKNTLYLQMNSLKTEDTAVYYCTTAGSYYYDTVGPGLPEGKFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 38: Cilgavimab_Light_Chain
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>Sequence ID 39: Tixagevimab_Heavy_Chain
QMQLVQSGPEVKKPGTSVKVSCKASGFTFMSSAVQWVRQARGQRLEWIGWIVIGSGNTNYAQKFQERVTITRDMSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAAPYCSSISCNDGFDIWGQGTMVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPASIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 40: Tixagevimab_Light_Chain
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQHYGSSRGWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【配列表】
【国際調査報告】