(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-20
(54)【発明の名称】3次元(3D)ダイスタッキングのために表側バックエンドオブライン(FS-BEOL)と裏側バックエンドオブライン(BS-BEOL)のスタッキングを採用する集積回路(IC)パッケージ、および関連する製作方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20231013BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
H01L25/08 H
H01L23/12 501P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527077
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 US2021071915
(87)【国際公開番号】W WO2022109513
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー・スンチュル・ソン
(72)【発明者】
【氏名】バーラニー・チャヴァ
(57)【要約】
3次元(3D)ダイスタッキングのために表側バックエンド(FS-BEOL)と裏側バックエンドオブライン(BS-BEOL)のスタッキングを採用する集積回路(IC)パッケージ。ICパッケージに積み重ねられたICダイの間のダイ間相互接続のための追加の電気ルーティング経路を設けることを容易にするために、ICパッケージの積み重ねられたICダイの第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体が、積み重ねられたICダイの第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接して積み重ねられる。積み重ねられたICダイの間のダイ間相互接続のための電気ルーティング経路は、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体から第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体に設けられる。ICダイにおける半導体デバイスの性能をより高速かつ/または適合性があるものにするために、より低い抵抗のかつ/またはより低いキャパシタンスのダイ間相互接続のために、FS-BEOLメタライゼーション構造体よりも、より薄いBS-BEOLメタライゼーション構造体に、より短い電気ルーティング経路を形成することがより適している可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)パッケージであって、
第1の表側(FS)-バックエンドオブライン(BEOL)(FS-BEOL)メタライゼーション構造体、
第1の裏側(BS)-BEOL(BS-BEOL)メタライゼーション構造体、および
前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第1の半導体層
を含む、第1のICダイと、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体、および
前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第2の半導体層
を含む、第2のICダイと
を含む、ICパッケージ。
【請求項2】
ICパッケージをさらに含み、
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体がパッケージ基板に隣接している、
請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項3】
前記第2のICダイが、垂直方向に前記第1のICダイの上方に配設される、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項4】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のダイ相互接続部を含む第2の金属相互接続層を含み、
1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つに結合される、
請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項5】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、請求項4に記載のICパッケージ。
【請求項6】
1つまたは複数の基板相互接続部を含むパッケージ基板と、
前記パッケージ基板に隣接した前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の中の少なくとも1つの第1のダイ相互接続部に電気的に結合された、前記1つまたは複数の基板相互接続部の中の少なくとも1つの基板相互接続部と
をさらに含み、
前記1つまたは複数の基板相互接続部に電気的に結合された1つまたは複数の導電性バンプをさらに含む、
請求項5に記載のICパッケージ。
【請求項7】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項8】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部および前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1の垂直相互接続アクセス(ビア)をさらに含み、
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部および前記第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のビアをさらに含む、
請求項4に記載のICパッケージ。
【請求項9】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション構造体をさらに含む、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項10】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のダイ相互接続部を含む第2の金属相互接続層を含み、
前記中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の中間相互接続部を含む少なくとも1つの中間金属相互接続層を含み、
前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに結合され、
前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の前記少なくとも1つを前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の前記少なくとも1つに電気的に結合するために、前記1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに結合される、
請求項9に記載のICパッケージ。
【請求項11】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、請求項10に記載のICパッケージ。
【請求項12】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体と、
前記第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第3の半導体層と
を含む、第3のICダイ
をさらに含み、
前記第3のICダイが、前記第2のICダイに横方向に隣接して配設され、前記第2のICダイと前記第3のICダイとの間にボイド領域を形成するために間隙距離だけ前記第2のICダイから分離され、
前記中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の中間相互接続部を含む少なくとも1つの中間メタライゼーション層を含む、請求項9に記載のICパッケージ。
【請求項13】
前記ボイド領域に配設され、前記中間メタライゼーション構造体の前記1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに電気的に結合されたビアをさらに含む、請求項12に記載のICパッケージ。
【請求項14】
第4の半導体層を含む第4のICダイをさらに含み、前記第4のICダイが前記第2のICダイに隣接して配設され、
前記ビアが前記第4の半導体層に電気的に結合される、
請求項13に記載のICパッケージ。
【請求項15】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記中間相互接続部の前記1つまたは複数の少なくとも1つに結合される、
請求項12に記載のICパッケージ。
【請求項16】
前記中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の再配線層(RDL)を含む、請求項9に記載のICパッケージ。
【請求項17】
セットトップボックス、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、固定ロケーションデータユニット、モバイルロケーションデータユニット、全地球測位システム(GPS)デバイス、モバイルフォン、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、タブレット、ファブレット、サーバ、コンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、装着型コンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、モニタ、コンピュータモニタ、テレビ、チューナー、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、ポータブルデジタルビデオプレーヤ、自動車、車両構成要素、アビオニクスシステム、ドローン、およびマルチコプターからなるグループから選択されたデバイスに組み込まれた、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項18】
集積回路(IC)パッケージを製作する方法であって、
第1の裏側(BS)バックエンドオブライン(BEOL)(BS-BEOL)メタライゼーション構造体を形成するステップ、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第1の半導体層を形成するステップ、および
前記第1の半導体層に隣接した第1の表側(FS)-BEOL(FS-BEOL)メタライゼーション構造体を形成するステップであって、前記第1の半導体層が、前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設される、形成するステップ
を含む、第1のICダイを形成するステップと、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップ、
前記第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2の半導体層を形成するステップ、および
前記第2の半導体層に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップであって、前記第2の半導体層が、前記第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設される、形成するステップ
を含む、第2のICダイを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
前記第2のICダイを前記第1のICダイに接合するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した中間メタライゼーション構造体を形成するステップと、
前記中間メタライゼーション構造体の中間金属相互接続層の1つまたは複数の中間相互接続部の中の少なくとも1つの中間相互接続部を、前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体の1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の中の少なくとも1つの第1のダイ相互接続部に結合するステップと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのビアを、前記1つまたは複数の中間相互接続部の中の前記少なくとも1つの中間相互接続部に結合するステップと、
前記少なくとも1つのビアの上面を露出するために前記第1のICダイ上のモールドコンパウンドを取り除くステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接したパッケージ基板を形成するステップと、
前記第1の半導体層に結合された前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の金属相互接続層の1つまたは複数の第1の基板相互接続部の中の少なくとも1つの第1の基板相互接続部を、前記パッケージ基板に電気的に結合するステップと
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のICダイを形成するステップが、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の表面が基板の第1の表面に隣接して配設されるように、前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体を前記基板上に形成するステップ
を含み、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の前記第1の表面の反対側の前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第2の表面にキャリアウエハを形成するステップと、
前記基板の前記第1の表面の反対側の前記基板の第2の表面に前記第1の半導体層を形成するステップと、
前記第1の半導体層に隣接した前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップと、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体から前記キャリアウエハを取り除くステップと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記基板の前記第1の表面の反対側の前記基板の前記第2の表面に前記第1の半導体層を形成する前に、薄くするステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の金属相互接続層の1つまたは複数の第1の基板相互接続部に結合された前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した1つまたは複数の導電性バンプを形成するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
第3のICダイを前記少なくとも1つのビアに結合するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年11月20日に出願された、「INTEGRATED CIRCUIT (IC) PACKAGES EMPLOYING FRONT SIDE BACK-END-OF-LINE (FS-BEOL) TO BACK SIDE BACK-END-OF-LINE (BS-BEOL) STACKING FOR THREE-DIMENSIONAL (3D) DIE STACKING, AND RELATED FABRICATION METHODS」という名称の米国特許出願第17/100,060号の優先権を主張する。
【0002】
本開示の分野は、半導体ダイに電気的インターフェースを提供するパッケージ基板に結合された、積み重ねられた半導体ダイを採用するダイモジュールを含む集積回路(IC)パッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路(IC)は、電子デバイスの基礎である。ICは、「半導体パッケージ」または「チップパッケージ」とも呼ばれるICパッケージにパッケージングされる。ICパッケージは、半導体ダイに物理的支持および電気的インターフェースを提供するためにパッケージ基板に取り付けられ、電気的に結合された1つまたは複数の半導体ダイをICとして含む。ICパッケージはまた、パッケージ基板に結合されたダイモジュールに、3次元(3D)の積み重ねられた半導体ダイを含む場合がある。パッケージ基板は、たとえば、1つまたは複数の誘電体層の埋め込み型電気トレースと、半導体ダイ間の電気的インターフェースを提供するために電気トレースを互いに結合する垂直相互接続アクセス(ビア)とを含む、埋め込み型基板(embedded trace substrate: ETS)であることがある。パッケージ基板はまた、再配線層(redistribution layer: RDL)として形成されることもある。半導体ダイは、パッケージ基板の電気トレースに半導体ダイを電気的に結合するために、パッケージ基板の最上層に露出した相互接続部に取り付けられ、電気的にインターフェースされる。
【0004】
半導体ダイおよびパッケージ基板は、成形コンパウンドなどのパッケージ材料に封入されて、ICパッケージを形成する。ICパッケージはまた、ボールグリッドアレイ(BGA)では外部はんだバンプを含む場合があり、これらはパッケージ基板の最下層に露出した相互接続部に電気的に結合されて、パッケージ基板の電気トレースにはんだバンプを電気的に結合する。はんだバンプは、ICパッケージにおいて半導体ダイに外部電気的インターフェースを提供する。ICパッケージがプリント回路板(PCB)に取り付けられるとき、はんだバンプは、PCB上の金属接点に電気的に結合されて、ICパッケージのパッケージ基板を通してICチップにPCBの電気トレース間の電気的インターフェースを提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する態様は、3次元(3D)ダイスタッキングのために表側バックエンドオブライン(front side back-end-of-line: FS-BEOL)と裏側バックエンドオブライン(back side back-end-of-line: BS-BEOL)のスタッキングを採用する集積回路(IC)パッケージを含む。関連するチップパッケージ、およびICパッケージを製作する方法もまた開示される。ICパッケージは、少なくとも2つ(2)の、3次元(3D)の積み重ねられた半導体ダイ(個々に「ICダイ」または「ダイ」とも呼ばれる)を含むダイモジュールを含む。FS-BEOLおよびBS-BEOLメタライゼーション構造体は、ダイ相互接続のために半導体層に電気信号をルーティングするための電気的相互接続部を含む1つまたは複数の金属層を含むメタライゼーション構造体である。FS-BEOLは、ICダイの半導体層の表側に隣接して配設されるメタライゼーション構造体である。BS-BEOLは、ICダイの半導体層の裏側に隣接して配設される別のメタライゼーション構造体である。ICダイモジュールはまた、ICダイへの外部電気ルーティングならびにICダイ間の内部ダイ間ルーティングを提供することができるメタライゼーション構造体(たとえば、埋め込み型基板(ETS)または再配線層(RDL))に結合される。電気ルーティング経路は、積み重ねられたダイの間にダイ間相互接続をもたらすためにパッケージ基板を通して形成され得る。
【0006】
積み重ねられたICダイの間のダイ間相互接続のために主要なおよび/または追加の電気ルーティング経路を設けることを容易にするために、例示的な態様では、ICパッケージの積み重ねられたICダイの第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体が、積み重ねられたICダイの第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接して積み重ねられる。積み重ねられたICダイの間のダイ間相互接続のための電気ルーティング経路は、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体から第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体に設けられる。BS-BEOLメタライゼーション構造体は、一般にFS-BEOLメタライゼーション構造体よりも薄い構造体である。したがって、FS-BEOLメタライゼーション構造体よりもBS-BEOLメタライゼーション構造体に電気ルーティング構造体(たとえば、シリコン貫通ビア(TSV))を形成することがより適している可能性がある。また第1のダイのより薄いBS-BEOLメタライゼーション構造体から第2のダイへの電気ルーティングが、ダイ間相互接続のために第1および第2のICダイ間により短い電気ルーティング経路を設けることを可能にする。ダイ間相互接続により短い電気ルーティング経路を設けると、より低い抵抗のかつ/またはより低いキャパシタンスのダイ間相互接続をもたらして、ICダイにおける半導体デバイスの性能をより高速かつ/または適合性があるものにすることができる。
【0007】
別の例示的な態様では、ICパッケージにおいてさらなる電気ルーティングの柔軟性を与えるために、ICモジュールは、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に形成された中間メタライゼーション構造体をさらに含むことができる。中間メタライゼーション構造体は、たとえば1つまたは複数のRDLを含んでもよい。中間メタライゼーション構造体は、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のICダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体との間のダイ間相互接続の再配置を容易にして、ダイ間の電気ルーティングの柔軟性およびダイ接続密度をより大きくする。中間メタライゼーション構造体はまた、積み重ねられたICダイのICダイに隣接し、中間メタライゼーション構造体を通る、追加の電気ルーティング経路の形成を容易にすることができる。たとえば、積み重ねられたICダイのICダイに隣接したICパッケージに利用可能な空白または間隙空間があってもよく、それは、ICパッケージに追加の電気ルーティング経路を設けるために追加の電気ルーティング構造体を支持することができる。これらの追加の電気ルーティング構造体は、積み重ねられたダイのダイに対する追加のダイ相互接続を容易にするために、中間メタライゼーション構造体を通してルーティングされ得る。
【0008】
この点について、例示的な一態様では、ICパッケージが提供される。ICパッケージは、第1のICダイを含む。第1のICダイは、第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体を含む。第1のICダイはまた、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体を含む。第1のICダイはまた、第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第1の半導体層を含む。ICパッケージはまた、第2のICダイを含む。第2のICダイは、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体を含む。第2のICダイはまた、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体を含む。第2のICダイはまた、第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第2の半導体層を含む。
【0009】
別の例示的な態様では、ICパッケージを製作する方法が提供される。この方法は、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップと、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第1の半導体層を形成するステップと、第1の半導体層が第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設されるように、第1の半導体層に隣接した第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップとを含む、第1のICダイを形成するステップを含む。この方法はまた、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップと、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2の半導体層を形成するステップと、第2の半導体層が第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設されるように、第2の半導体層に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップとを含む、第2のICダイを形成するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ダイ間相互接続を容易にするために3次元(3D)ダイスタッキングのために表側(FS)バックエンドオブライン(BEOL)(FS-BEOL)メタライゼーション構造体と裏側(BS)BEOL(BS-BEOL)メタライゼーション構造体のスタッキングを採用する半導体ダイ(「ICダイ」)モジュールを採用する例示的な集積回路(IC)パッケージの側面図である。
【
図2】さらなる詳細を示す、
図1のICパッケージの側面図である。
【
図3】3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用する別の例示的なICパッケージの側面図である。
【
図4】限定はしないが、
図1および
図2のICパッケージを含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図5A】3Dダイスタッキングを提供するためにICパッケージにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを容易にすることができるICダイを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図5B】3Dダイスタッキングを提供するためにICパッケージにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを容易にすることができるICダイを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図5C】3Dダイスタッキングを提供するためにICパッケージにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを容易にすることができるICダイを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【
図6A】
図5Aのプロセスの例示的な製作段階を示す図である。
【
図6B】
図5Aのプロセスの例示的な製作段階を示す図である。
【
図6C】
図5Aのプロセスの例示的な製作段階を示す図である。
【
図6D】
図5Bのプロセスの例示的な製作段階を示す図である。
【
図6E】
図5Bのプロセスの例示的な製作段階を示す図である。
【
図6F】
図5Cのプロセスの例示的な製作段階を示す図である。
【
図7】3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用する別の例示的なICパッケージの側面図であって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、図である。
【
図8】3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用する別の例示的なICパッケージの側面図であって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続および隣接するICダイ間の空白空間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、図である。
【
図9A】限定はしないが、
図7および
図8のICパッケージを含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートであって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、フローチャートである。
【
図9B】限定はしないが、
図7および
図8のICパッケージを含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートであって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、フローチャートである。
【
図9C】限定はしないが、
図7および
図8のICパッケージを含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートであって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、フローチャートである。
【
図9D】限定はしないが、
図7および
図8のICパッケージを含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートであって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、フローチャートである。
【
図9E】限定はしないが、
図7および
図8のICパッケージを含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する別の例示的なプロセスを示すフローチャートであって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む、フローチャートである。
【
図10A】
図9Aのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10B】
図9Aのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10C】
図9Aのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10D】
図9Bのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10E】
図9Bのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10F】
図9Cのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10G】
図9Cのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10H】
図9Dのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10I】
図9Dのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10J】
図9Dのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10K】
図9Eのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10L】
図9Eのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図10M】
図9Eのプロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す図である。
【
図11】限定はしないが、
図1、
図2、
図7、および
図8のICパッケージを含み、
図5A~
図6Fおよび
図9A~
図10Mの製作プロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用する1つまたは複数のICパッケージで提供され得る例示的なプロセッサベースのシステムのブロック図である。
【
図12】限定はしないが、
図1、
図2、
図7、および
図8のICパッケージを含み、
図5A~
図6Fおよび
図9A~
図10Mの製作プロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用する1つまたは複数のICパッケージで提供される無線周波数(RF)構成要素を含む例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に図面を参照しながら、本開示のいくつかの例示的な態様について説明する。「例示的」という語は、本明細書では「例、事例、または例示として機能すること」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明するいかなる態様も、必ずしも他の態様よりも好ましいまたは有利なものと解釈されるべきではない。
【0012】
本明細書で開示する態様は、3次元(3D)ダイスタッキングのために表側バックエンドオブライン(front side back-end-of-line: FS-BEOL)と裏側バックエンドオブライン(back side back-end-of-line: BS-BEOL)のスタッキングを採用する集積回路(IC)パッケージを含む。関連するチップパッケージ、およびICパッケージを製作する方法もまた開示される。ICパッケージは、少なくとも2つ(2)の、3次元(3D)の積み重ねられた半導体ダイ(個々に「ICダイ」または「ダイ」とも呼ばれる)を含むダイモジュールを含む。FS-BEOLおよびBS-BEOLメタライゼーション構造体は、ダイ相互接続のために半導体層に電気信号をルーティングするための電気的相互接続部を含む1つまたは複数の金属層を含むメタライゼーション構造体である。FS-BEOLは、ICダイの半導体層の表側に隣接して配設されるメタライゼーション構造体である。BS-BEOLは、ICダイの半導体層の裏側に隣接して配設される別のメタライゼーション構造体である。ICダイモジュールはまた、ICダイへの外部電気ルーティングならびにICダイ間の内部ダイ間ルーティングを提供することができるメタライゼーション構造体(たとえば、埋め込み型基板(ETS)または再配線層(RDL))に結合される。電気ルーティング経路は、積み重ねられたダイの間にダイ間相互接続をもたらすためにパッケージ基板を通して形成され得る。
【0013】
積み重ねられたICダイの間のダイ間相互接続のために主要なおよび/または追加の電気ルーティング経路を設けることを容易にするために、例示的な態様では、ICパッケージの積み重ねられたICダイの第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体が、積み重ねられたICダイの第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接して積み重ねられる。積み重ねられたICダイの間のダイ間相互接続のための電気ルーティング経路は、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体から第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体に設けられる。BS-BEOLメタライゼーション構造体は、一般にFS-BEOLメタライゼーション構造体よりも薄い構造体である。したがって、FS-BEOLメタライゼーション構造体よりもBS-BEOLメタライゼーション構造体に電気ルーティング構造体(たとえば、シリコン貫通ビア(TSV))を形成することがより適している可能性がある。また第1のダイのより薄いBS-BEOLメタライゼーション構造体から第2のダイへの電気ルーティングが、ダイ間相互接続のために第1および第2のICダイ間により短い電気ルーティング経路を設けることを可能にする。ダイ間相互接続により短い電気ルーティング経路を設けると、より低い抵抗のかつ/またはより低いキャパシタンスのダイ間相互接続をもたらして、ICダイにおける半導体デバイスの性能をより高速かつ/または適合性があるものにすることができる。
【0014】
別の例示的な態様では、ICパッケージにおいてさらなる電気ルーティングの柔軟性を与えるために、ICモジュールは、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に形成された中間メタライゼーション構造体をさらに含むことができる。中間メタライゼーション構造体は、たとえば1つまたは複数のRDLを含んでもよい。中間メタライゼーション構造体は、第1のダイのBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のICダイのFS-BEOLメタライゼーション構造体との間のダイ間相互接続の再配置を容易にして、ダイ間の電気ルーティングの柔軟性およびダイ接続密度をより大きくする。中間メタライゼーション構造体はまた、積み重ねられたICダイのICダイに隣接し、中間メタライゼーション構造体を通る、追加の電気ルーティング経路の形成を容易にすることができる。たとえば、積み重ねられたICダイのICダイに隣接したICパッケージに利用可能な空白または間隙空間があってもよく、それは、ICパッケージに追加の電気ルーティング経路を設けるために追加の電気ルーティング構造体を支持することができる。これらの追加の電気ルーティング構造体は、積み重ねられたダイのダイに対する追加のダイ相互接続を容易にするために、中間メタライゼーション構造体を通してルーティングされ得る。
【0015】
この点について、
図1は、半導体ダイモジュール102(本明細書では「ICダイモジュール102」とも呼ぶ)を採用する例示的なICパッケージ100の側面図である。
図1に示すように、ICダイモジュール102は、3DスタッキングのためにZ軸または垂直方向に複数の積み重ねられたICダイ104(1)~104(3)を含む。ICダイモジュール102は、水平面のX軸およびY軸方向に配設される。ICダイモジュール102は、ICダイ104(1)~104(3)に外部相互接続を与えるために、メタライゼーション構造体であるパッケージ基板106上に配設される。パッケージ基板106は、例として積層基板、または再配線層(RDL)基板であってもよい。パッケージ基板106は、ICダイ104(1)~104(3)間のダイ間相互接続を与えることを容易にすることもできる。パッケージ基板106は、例として埋め込み型基板(ETS)であってもよく、または再配線層(RDL)として形成されてもよい。パッケージ基板106は、信号ルーティング、および異なる層間の電気トレースを互いに結合するための垂直相互接続アクセス(ビア)のための相互接続を形成する、電気トレースの1つまたは複数の金属相互接続層108(1)~108(3)を含む。パッケージ基板106は、その上にICダイモジュール102を配設し、支持することができる、支持構造としての機能も果たす。ICダイ104(1)~104(3)に外部電気的インターフェースを提供するために、導電性バンプ110(たとえば、はんだバンプ、ボールグリッドアレイ(BGA))が、パッケージ基板106の最下金属相互接続層108(3)の相互接続部と接触して形成される。パッケージ基板106は、導電性バンプ110とICダイ104(1)~104(3)との間に導電性ルーティング経路を設けるために、外部導電性バンプ110を通してプリント回路板(PCB)に取り付けることができる。
【0016】
ICダイ104(1)~104(3)までパッケージ基板106を通る電気ルーティング経路を設けるために、パッケージ基板106の最上金属相互接続層108(3)に電気的に結合されるビア112もまた、ICパッケージ100に形成される。
【0017】
図1の例示的なICパッケージ100では、ICダイ104(1)は、例として汎用プロセッサなど、特定用途向けダイとすることができる。ICダイ104(2)、104(3)の1つは、別の例として、ICダイ104(1)への電力を管理するための電力管理機能を制御する電力管理IC(PMIC)とすることができる。ICダイ104(2)、104(3)の別の1つは、別の例として、モデムまたはベースバンドプロセッサなど、特定のプロセッサとすることができる。
図1のICパッケージ100では、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)モジュール116の形態のダイ114が提供され、ビア112を通してパッケージ基板106に電気的に結合される。DRAMモジュール116は、ビア112を通してDRAMモジュール116に電気的に結合されたパッケージ基板106の金属相互接続層108(1)~108(3)の電気ルーティング経路を通してICダイ104(1)にアクセス可能であるメモリを提供する。ICダイ104(1)は、ダイ相互接続部118を通してパッケージ基板106の金属相互接続層108(1)~108(3)に結合される。積み重ねられたICダイ104(1)~104(3)間では、ICダイ104(1)~104(3)がともに接合されるとき、互いに接触するダイ相互接続部120(1)~120(3)の間で、ダイ間相互接続が行われ得る。
【0018】
図2は、
図1のICパッケージ100の側面図である。以下で説明するように、ICパッケージ100は、改善されたダイ間相互接続を容易にするためのICダイ104(1)~104(3)の3Dダイスタッキングを提供するために、FS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを含む。この点について、
図2に示すように、ICダイモジュール102の第1の、最下ICダイ104(1)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体200と、BS-BEOLメタライゼーション構造体202とを含む。ICダイ104(1)は、ICダイ104(1)のFS-BEOLメタライゼーション構造体200とBS-BEOLメタライゼーション構造体202との間に配設された半導体層204を含む。半導体層204は、ICダイ104(1)においてアクティブ半導体デバイスが形成される場所である。たとえば、半導体層204に形成されるアクティブ半導体デバイスは、電界効果トランジスタ(FET)であってもよい。FETは、たとえば正(P)型FET(PFET)および負(N)型FET(NFET)として半導体層204に形成される、相補型金属酸化物半導体(CMOS)回路の一部であってもよい。ICダイ104(1)のFS-BEOLメタライゼーション構造体200は、この例では電気的インターフェーシングおよび機械的支持を提供するためにパッケージ基板106に隣接して、その上に配設される。FS-BEOLメタライゼーション構造体200は、ICダイ104(1)の表側FS
1に位置するメタライゼーション構造体である。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体200は、半導体層204の表側FS
1に隣接して配設される。FS-BEOLメタライゼーション構造体200は、導電性バンプ110とICダイ104(1)の半導体層204のデバイスとの間で電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層206を含む。BEOLは、通常、半導体層204に形成された個々のアクティブデバイスが、ダイ接続インターフェーシングを提供するために金属相互接続層206の金属線に相互接続される、IC製作の第2の部分である。半導体層204の表側FS
1に配設されたFS-BEOLメタライゼーション構造体200は、ICダイ104(1)のフロントエンドオブライン(front-end-of-line: FEOL)プロセスにおいて形成される。
【0019】
この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体200は、パッケージ基板106の最上金属相互接続層108(1)に電気的に結合されたダイ相互接続部208を含む。ダイ相互接続部208は、ICダイ104(1)にダイ相互接続を与えるために半導体層204のアクティブ半導体デバイスにも電気的に結合される。FS-BEOLメタライゼーション構造体200のダイ相互接続部208は、パッケージ基板106の金属相互接続層108(1)~108(3)の金属トレースを通して、ICダイ104(1)への外部相互接続を容易にするために導電性バンプ110に電気的に結合され得る。この点について、パッケージ基板106は、導電性バンプ110と金属相互接続層108(1)~108(3)との間に電気的接続経路を形成するために、最下金属相互接続層108(3)および導電性バンプ110に電気的に結合された基板相互接続部210を含む。
【0020】
引き続き
図2を参照すると、ICダイモジュール102の最下ICダイ104(1)は、ICダイ104(1)の裏側BS
1にBS-BEOLメタライゼーション構造体202もまた含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体202は、半導体層204の裏側BS
1に隣接して配設される。BS-BEOLメタライゼーション構造体202はまた、ICダイ104(1)のFEOLプロセスで形成される。BS-BEOLメタライゼーション構造体202は、ICダイ104(1)の半導体層204の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層212を含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体202は、ICダイ104(1)の裏側BS
1からICダイ104(1)にダイ相互接続を与えるために半導体層204のアクティブ半導体デバイスに電気的に結合されたダイ相互接続部214を含む。
【0021】
図2のICパッケージ100のICダイ104(1)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体200が、この例ではZ軸方向に、半導体層204の表側FS
1の下に、それに隣接して配設されるように、ひっくり返されていることに留意されたい。BS-BEOLメタライゼーション構造体202は、この例ではZ軸方向に、半導体層204の裏側BS
1の上に、それに隣接して配設される。
【0022】
引き続き
図2を参照すると、ICパッケージ100のICダイモジュール102は、ICダイ104(2)およびICダイ104(3)である、2つの他のICダイを含む。ICダイ104(2)および104(3)は、3Dスタッキング配置のために、垂直の、Z軸方向に、ICダイ104(1)の上に積み重ねられる。またICダイ104(2)、104(3)に電気的インターフェースを提供することが望ましい。これらの電気的インターフェースは、パッケージ基板106および導電性バンプ110を通して外部電気的インターフェーシングを含むことができる。これらの電気的インターフェースはまた、他のICダイ104(1)~104(3)との、およびこれらの間での、ダイ間相互接続を含むことができる。
【0023】
この点について、
図2のICダイモジュール102の第2のICダイ104(2)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体216と、BS-BEOLメタライゼーション構造体218とを含む。ICダイ104(2)はまた、ICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216とBS-BEOLメタライゼーション構造体218との間に配設された半導体層220を含む。半導体層220は、ICダイ104(2)においてアクティブ半導体デバイスが形成される場所である。ICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216は、この例では積み重ねられた構成で、ICダイ104(1)に隣接して、その上に配設される。たとえば、ICダイ104(2)は、たとえば熱圧着などの接合で、ICダイ104(1)に接合され得る。FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、ICダイ104(2)の表側FS
2に位置するメタライゼーション構造体である。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、半導体層220の表側FS
2に隣接して配設される。FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、ICダイ104(2)の半導体層220の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層222を含む。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、ICダイ104(1)とICダイ104(2)との間のダイ間相互接続部を設けるために、ICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202のダイ相互接続部214に電気的に結合されたダイ相互接続部224を含む。
【0024】
この例では、第1および第2のICダイ104(1)および104(2)は、BS-BEOLメタライゼーション構造体とFS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを設けるために、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202が第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216に隣接して位置するように配置される。ICダイ104(1)、104(2)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体216とBS-BEOLメタライゼーション構造体202のスタッキングで積み重ねられる。これは、たとえば、最下ICダイ304のFS-BEOLメタライゼーション構造体302に隣接して積み重ねられたICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216の代替配置を示す、
図3のICパッケージ300とは反対である。また
図2を参照すると、積み重ねられたICダイ104(1)、104(2)間のダイ間相互接続のための電気ルーティング経路は、ICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202から第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216に設けられる。第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を含む、BS-BEOLメタライゼーション構造体は、第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216を含む、FS-BEOLメタライゼーション構造体よりも、一般的には(この例ではZ軸の、垂直方向において)より薄い構造体である。たとえば、D
1として示すBS-BEOLメタライゼーション構造体202の厚さは、500ナノメートル(nm)である場合があるが、D
2として示すFS-BEOLメタライゼーション構造体216の厚さは、1500~2000nmである場合がある。これは、FS-BEOLメタライゼーション構造体が一般的に、半導体層の表側に位置しているデバイス接点を通して、それのICダイの同じ半導体層の半導体デバイス間に相互接続を提供するために金属相互接続層を含むためである。したがって、より多くの金属相互接続層が、BS-BEOLメタライゼーション構造体においてよりも、FS-BEOLメタライゼーション構造体において必要とされる可能性があり、したがってより厚いFS-BEOLメタライゼーション構造体を生じる。たとえば半導体層のためのパワーレールの電気ルーティング、または半導体層の表側へのアクセスを必要としない半導体層への他の接続のみを含む場合があるBS-BEOLメタライゼーション構造体では、たとえばより少ない金属相互接続層が必要とされる場合がある。
【0025】
したがって、この例では第1のICダイ104(1)のより薄いBS-BEOLメタライゼーション構造体202から第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216への電気ルーティングは、ダイ間相互接続のために第1および第2のICダイ104(1)、104(2)間により短い電気ルーティング経路を設けることを可能にする。ICダイ104(1)、104(2)間のダイ間相互接続のためにより短い電気ルーティング経路を設けると、より低い抵抗のかつ/またはより低いキャパシタンスのこれらのダイ間相互接続をもたらして、ICダイ104(1)、104(2)における半導体デバイスの性能をより高速かつ/または適合性があるものにすることができる。それらの間にダイ間相互接続を設けるために第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216に隣接して第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を積み重ねる別の利点は、製作上の考慮事項による場合がある。FS-BEOLメタライゼーション構造体216などのより厚いメタライゼーション構造体よりも、BS-BEOLメタライゼーション構造体202などのより薄いメタライゼーション構造体に電気ルーティング構造体(たとえば、TSV)を形成することが、より適している場合がある。たとえば、アスペクト比技術は1:10に制限するので、BS-BEOLメタライゼーション構造体202に密なTSV構造を形成することが、より容易である可能性がある。したがって、たとえば、BS-BEOLメタライゼーション構造体の厚さが500nmであった場合、50nm径のTSV電気ルーティング構造体が可能であり得る。これは、ICダイ104(1)へのより大きい密度のダイ相互接続を支持するために、たとえば第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202により大きい密度の電気ルーティング構造体が形成されることを可能にし得る。技術が進歩するにつれて、所与のダイ面積に対してより多数の半導体デバイスが、ICダイに製作されている。
【0026】
引き続き
図2を参照すると、ICダイモジュール102のICダイ104(2)もまた、ICダイ104(2)の裏側BS
2にBS-BEOLメタライゼーション構造体218を含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体218は、半導体層220の裏側BS
2に隣接して配設される。BS-BEOLメタライゼーション構造体218はまた、ICダイ104(2)のFEOLプロセスで形成される。BS-BEOLメタライゼーション構造体218は、ICダイ104(2)の半導体層220の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層226を含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体218はまた、ICダイ104(2)の裏側BS
2からICダイ104(2)にダイ相互接続を与えるために半導体層220のアクティブ半導体デバイスに、および別のメタライゼーション構造体230に、電気的に結合されたダイ相互接続部228を含む。たとえば、
図1に示すように、メタライゼーション構造体230は、DRAMモジュール116などの別のICダイが、ICダイモジュール102に電気的に結合されること、およびICダイ104(1)~104(3)に電気的相互接続を与えることを容易にすることができる。メタライゼーション構造体230は、たとえばETSまたはRDLなどのパッケージ基板であることがある。メタライゼーション構造体230は、電気信号をルーティングするように構成された金属トレースを含む1つまたは複数の金属相互接続層232(1)~232(2)を含む。したがって、メタライゼーション構造体230とICダイ104(2)との間のダイ相互接続部を設けるために、メタライゼーション構造体230は、金属相互接続層232(1)~232(2)の金属相互接続部を、第2のICダイ104(2)のダイ相互接続部228に接続するように、ICダイモジュール102に接合され得る。
【0027】
引き続き
図2を参照すると、
図2のICダイモジュール102の第2のICダイ104(2)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体216と、BS-BEOLメタライゼーション構造体218とを含む。ICダイ104(2)はまた、ICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216とBS-BEOLメタライゼーション構造体218との間に配設された半導体層220を含む。半導体層220は、ICダイ104(2)においてアクティブ半導体デバイスが形成される場所である。ICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216は、この例では積み重ねられた構成で、ICダイ104(1)に隣接して、その上に配設される。たとえば、ICダイ104(2)は、たとえば熱圧着などの接合で、ICダイ104(1)に接合され得る。FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、ICダイ104(2)の表側FS
2に位置するメタライゼーション構造体である。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、半導体層220の表側FS
2に隣接して配設される。FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、ICダイ104(2)の半導体層220の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層222を含む。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体216は、ICダイ104(1)とICダイ104(2)との間のダイ間相互接続部を設けるために、ICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202のダイ相互接続部214に電気的に結合されたダイ相互接続部224を含む。
【0028】
この例では、第1および第2のICダイ104(1)および104(2)は、FS -BEOLメタライゼーション構造体216とBS-BEOLメタライゼーション構造体202のスタッキングを設けるために、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202が第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216に隣接して位置するように配置される。積み重ねられたICダイ104(1)、104(2)間のダイ間相互接続のための電気ルーティング経路は、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202から第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216に設けられる。第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を含む、BS-BEOLメタライゼーション構造体は、第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216を含む、FS-BEOLメタライゼーション構造体よりも、一般的には(この例ではZ軸の、垂直方向において)より薄い構造体である。たとえば、D1として示すBS-BEOLメタライゼーション構造体202の厚さは、500nmである場合があるが、D2として示すFS-BEOLメタライゼーション構造体216の厚さは、1500~2000nmである場合がある。これは、FS-BEOLメタライゼーション構造体が一般的に、半導体層の表側に位置しているデバイス接点を通して、それのICダイの同じ半導体層の半導体デバイス間に相互接続を提供するために金属相互接続層を含むためである。したがって、より多くの金属相互接続層が、BS-BEOLメタライゼーション構造体においてよりも、FS-BEOLメタライゼーション構造体において必要とされる可能性があり、したがってより厚いFS-BEOLメタライゼーション構造体を生じる。たとえば半導体層のパワーレールの電気ルーティング、または半導体層の表側へのアクセスを必要としない半導体層への他の接続しか含まないBS-BEOLメタライゼーション構造体では、たとえばより少ない金属相互接続層が必要とされる場合がある。
【0029】
したがって、この例では第1のICダイ104(1)のより薄いBS-BEOLメタライゼーション構造体202から第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216への電気ルーティングは、ダイ間相互接続のために第1および第2のICダイ104(1)、104(2)間により短い電気ルーティング経路を設けることを可能にする。ICダイ104(1)、104(2)間のダイ間相互接続のためにより短い電気ルーティング経路を設けると、より低い抵抗のかつ/またはより低いキャパシタンスのこれらのダイ間相互接続をもたらして、ICダイ104(1)、104(2)における半導体デバイスの性能をより高速かつ/または適合性があるものにすることができる。それらの間にダイ間相互接続を設けるために第2のICダイ104(2)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216に隣接して第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を積み重ねる別の利点は、製作上の考慮事項による場合がある。たとえば、FS-BEOLメタライゼーション構造体216などのより厚いメタライゼーション構造体よりも、BS-BEOLメタライゼーション構造体202などのより薄いメタライゼーション構造体に電気ルーティング構造体(たとえば、TSV)を形成することが、より適している場合がある。これは、ICダイ104(1)へのより大きい密度のダイ相互接続を支持するために、たとえば第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202により大きい密度の電気ルーティング構造体が形成されることを可能にし得る。技術の進歩として、所与のダイ面積についてより多数の半導体デバイスが、ICダイに製作されている。
【0030】
引き続き
図2を参照すると、ICダイモジュール102のICダイ104(2)は、ICダイ104(2)の裏側BS
2にBS-BEOLメタライゼーション構造体218もまた含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体218は、半導体層220の裏側BS
2に隣接して配設される。BS-BEOLメタライゼーション構造体218はまた、ICダイ104(2)のFEOLプロセスで形成される。BS-BEOLメタライゼーション構造体218は、ICダイ104(2)の半導体層220の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層226を含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体218はまた、ICダイ104(2)の裏側BS
2からICダイ104(2)にダイ相互接続を与えるために半導体層204のアクティブ半導体デバイスに、および別のメタライゼーション構造体230に、電気的に結合されたダイ相互接続部228を含む。たとえば、
図2に示すように、メタライゼーション構造体230は、DRAMモジュール116などの別のICダイが、ICダイモジュール102に電気的に結合されること、およびICダイ104(1)~104(3)に電気的相互接続を与えることを容易にすることができる。メタライゼーション構造体230は、たとえばETSまたはRDLなどのパッケージ基板であることがある。メタライゼーション構造体230は、電気信号をルーティングするように構成された金属トレースを含む1つまたは複数の金属相互接続層232(1)~232(2)を含む。したがって、メタライゼーション構造体230とICダイ104(2)との間のダイ相互接続部を設けるために、メタライゼーション構造体230は、メタライゼーション構造体230の金属相互接続層232(1)~232(2)の金属相互接続部を、第2のICダイ104(2)のダイ相互接続部228に接続するように、ICダイモジュール102に接合され得る。
【0031】
引き続き
図2を参照すると、
図2のICダイモジュール102の第3のICダイ104(3)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体234と、BS-BEOLメタライゼーション構造体236とを含む。ICダイ104(3)はまた、ICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234とBS-BEOLメタライゼーション構造体236との間に配設された半導体層238を含む。半導体層238は、ICダイ104(3)においてアクティブ半導体デバイスが形成される場所である。ICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234は、この例では積み重ねられた構成で、ICダイ104(1)に隣接して、その上に配設される。たとえば、ICダイ104(3)は、たとえば熱圧着などの接合で、ICダイ104(1)に接合され得る。FS-BEOLメタライゼーション構造体234は、ICダイ104(3)の表側FS
2に位置するメタライゼーション構造体である。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体234は、半導体層238の表側FS
2に隣接して配設される。FS-BEOLメタライゼーション構造体234は、ICダイ104(3)の半導体層238の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層240を含む。この例では、FS-BEOLメタライゼーション構造体234は、ICダイ104(1)とICダイ104(3)との間のダイ間相互接続部を設けるために、ICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202のダイ相互接続部214に電気的に結合されたダイ相互接続部242を含む。
【0032】
この例では、第1および第3のICダイ104(1)および104(3)は、FS-BEOLメタライゼーション構造体234とBS-BEOLメタライゼーション構造体202のスタッキングを設けるために、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202が第3のICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234に隣接して位置するように配置される。積み重ねられたICダイ104(1)、104(3)間のダイ間相互接続のための電気ルーティング経路は、ICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202から第3のICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234に設けられる。第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を含む、BS-BEOLメタライゼーション構造体もまた、この例では第3のICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234よりも、(この例ではZ軸の、垂直方向において)より薄い構造体である。たとえば、D1として示すBS-BEOLメタライゼーション構造体202の厚さは、500nmである場合があるが、この例で同じくD2として示すFS-BEOLメタライゼーション構造体234の厚さは、1500~2000nmである場合がある。
【0033】
したがって、この例では第1のICダイ104(1)のより薄いBS-BEOLメタライゼーション構造体202から第3のICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234への電気ルーティングは、ダイ間相互接続のために第1および第3のICダイ104(1)、104(3)間により短い電気ルーティング経路を設けることを可能にする。ICダイ104(1)、104(3)間のダイ間相互接続のためにより短い電気ルーティング経路を設けると、より低い抵抗のかつ/またはより低いキャパシタンスのこれらのダイ間相互接続をもたらして、ICダイ104(1)、104(3)における半導体デバイスの性能をより高速かつ/または適合性があるものにすることができる。それらの間にダイ間相互接続を設けるために第3のICダイ104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体234に隣接して第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を積み重ねる別の利点は、製作上の考慮事項による場合がある。たとえば、FS-BEOLメタライゼーション構造体234などのより厚いメタライゼーション構造体よりも、BS-BEOLメタライゼーション構造体202などのより薄いメタライゼーション構造体に電気ルーティング構造体(たとえば、TSV)を形成することが、より適している場合がある。これは、ICダイ104(1)へのより大きい密度のダイ相互接続を支持するために、たとえば第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202により大きい密度の電気ルーティング構造体が形成されることを可能にし得る。技術が進歩するにつれて、所与のダイ面積に対してより多数の半導体デバイスが、ICダイに製作されている。
【0034】
引き続き
図2を参照すると、ICダイモジュール102のICダイ104(3)は、ICダイ104(3)の裏側BS
2にBS-BEOLメタライゼーション構造体236もまた含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体236は、半導体層238の裏側BS
2に隣接して配設される。BS-BEOLメタライゼーション構造体236はまた、ICダイ104(3)のFEOLプロセスで形成される。BS-BEOLメタライゼーション構造体236は、ICダイ104(3)の半導体層238の半導体デバイスに電気信号(たとえば、入力/出力(I/O)信号、電力信号)を運ぶための金属線を含む金属相互接続層244を含む。この例では、BS-BEOLメタライゼーション構造体236はまた、ICダイ104(3)の裏側BS
2からICダイ104(3)にダイ相互接続を与えるために半導体層238のアクティブ半導体デバイスに、およびメタライゼーション構造体230に、電気的に結合されたダイ相互接続部246を含む。したがって、メタライゼーション構造体230とICダイ104(3)との間のダイ相互接続部を設けるために、メタライゼーション構造体230は、メタライゼーション構造体230の金属相互接続層232(1)~232(2)の金属相互接続部を、第3のICダイ104(3)のダイ相互接続部246に接続するように、ICダイモジュール102に接合され得る。
【0035】
ICパッケージ100のICダイ104(1)~104(3)間のダイ間相互接続は、パッケージ基板106および/またはメタライゼーション構造体230を通して与えられることもあることに、同じく留意されたい。これらのダイ間相互接続は、第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234間以外の相互接続を通して、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202に与えられることがある。たとえば、
図1のICパッケージ100に示すように、ICダイモジュール102に、ICダイ104(1)~104(3)に隣接してビア112が設けられることがある。ビア112は、メタライゼーション構造体230および/またはパッケージ基板106の金属相互接続層232(1)、108(1)の金属線に相互接続され得る。このようにして、メタライゼーション構造体230および/またはパッケージ基板106との間に電気信号ルーティングがもたらされ得る。メタライゼーション構造体230および/またはパッケージ基板106の間にもたらされる電気ルーティングは、第1のICダイ104(1)と第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)との間のダイ間相互接続が、第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)のBS-BEOLメタライゼーション構造体218、236を通して第1のICダイ104(1)のFS-BEOLメタライゼーション構造体200を通ってもたらされることを可能にする。第1のICダイ104(1)へのこの電気ルーティングは、パッケージ基板106を通して金属相互接続層108(1)へおよび第1のICダイ104(1)のダイ相互接続部208へルーティングされる。
図2に示すように、第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)へのこの電気ルーティングは、メタライゼーション構造体230を通して金属相互接続層232(1)へおよび第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)のダイ相互接続部228、246へルーティングされる。
【0036】
「最上」および「最下」という用語は、Z軸または垂直方向に向けられているときの、
図2のメタライゼーション構造体に対する相対的な用語であることに留意されたい。しかしまた、ICパッケージ100は、上記のように、すなわち別のメタライゼーション構造体の上部に示すメタライゼーション構造体が、他のメタライゼーション構造体の下になる、
図2に示すものから180度回転して配向していることもあることに留意されたい。したがって、「最上」および「最下」という用語は、相対的な用語であり、1つのメタライゼーション構造体の別のメタライゼーション構造体に対する向きについて厳密な限定を含むよう意図されていない。
【0037】
図4は、限定はしないが、
図1および
図2のICパッケージ100を含む、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージを製作する例示的なプロセス400を示すフローチャートである。
図4のプロセス400について、
図1および
図2の例示的なICパッケージ100に関して説明する。
【0038】
この点について、プロセス400は、第1のICダイ104(1)を形成することを含む(
図4のブロック402)。第1のICダイ104(1)は、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を形成することによって形成される(
図4のブロック404)。第1のICダイ104(1)はまた、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202に隣接した第1の半導体層204を形成することによって形成される(
図4のブロック406)。第1のICダイ104(1)はまた、第1の半導体層204に隣接したFS-BEOLメタライゼーション構造体200を形成することによって形成され、第1の半導体層204は、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202と第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体200との間に配設される(
図4のブロック408)。プロセス400はまた、第2のICダイ104(2)、104(3)を形成することを含む(
図4のブロック410)。第2のICダイ104(2)、104(3)は、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体218、236を形成することによって形成される(
図4のブロック412)。第2のICダイ104(2)、104(3)はまた、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体218、236に隣接した第2の半導体層220、238を形成することによって形成される(
図4のブロック414)。第2のICダイ104(2)、104(3)はまた、第2の半導体層220、238に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234を形成することによって形成され、第2の半導体層220、238は、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体218、236と第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234との間に配設される(
図4のブロック416)。
【0039】
図5A~
図5Cは、FS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを支持するICダイを製作するための例示的な製作プロセス500を示すフローチャートである。
図6A~
図6Fは、
図5A~
図5Cの製作プロセス500に従ったICダイの例示的な製作段階を示す。
図5A~
図5CのICダイを製作するための製作プロセス500は、たとえば
図1および
図2のICパッケージ100のICダイ104(1)~104(3)のいずれかを製作するために使用される場合がある。
図5A~
図5Cの製作プロセス500について、例としてICパッケージ100のICダイ104(1)を使用して
図6A~
図6Fの製作段階と併せて以下で説明する。
【0040】
図6Aの例示的な製作段階600Aに示すように、プロセス500は、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202の第1の表面604が、基板の第1の表面606に隣接して配設されるように、基板602上に第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を形成することを含む(
図5Aのブロック502)。第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202は、例としてRDLプロセスにおいてRDL層として形成されてもよい。基板602は、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を形成するための支持構造および/または誘電体層としての絶縁を提供する。基板602は、
図6Aに示すようにZ軸方向の高さH
1を有する。基板602は、たとえば誘電材料であってもよい。
図6Bの例示的な製作段階600Bに示すように、プロセス500の次のステップは、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202の第1の表面604の反対側の第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202の第2の表面610にキャリアウエハ608を形成することである(
図5Aのブロック504)。キャリアウエハ608は、さらなる処理のために、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202および基板602にハンドルを与えるために使用される。
図6Cの例示的な製作段階600Cに示すように、プロセス500の次のステップは、基板602を薄くすることである(
図5Aのブロック506)。
図6Cの例示的な製作段階600Cでは、基板602の高さは、
図6Aおよび
図6Bの製作段階600Aおよび600Bにおける基板602の高さH
1から削減された高さであるZ軸方向の高さH
2まで薄くされる。
【0041】
図6Dの例示的な製作段階600Dに示すように、プロセス500の次のステップは、基板602の第1の表面606の反対側の薄くされた基板602の第2の表面612に第1の半導体層204を形成することである(
図5Bのブロック508)。次いで、アクティブ半導体デバイスが、たとえばFETなどの第1の半導体層204に形成され得る。第1の半導体層204に形成されたアクティブ半導体デバイスと接触して、接点もまた形成される。第1の半導体層204に隣接して、その上に、第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体200もまた形成されて、第1のICダイ104(1)を形成する。前に説明したように、第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体200は、第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体200の金属線と第1の半導体層204に形成されたアクティブ半導体デバイスとの間に電気信号ルーティングをもたらす。
図6Eの例示的な製作段階600Eに示すように、プロセス500の次のステップは、
図6Eに示すように第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体200のダイ相互接続部と接触して、はんだバンプなどの導電性バンプ110を形成することとすることができる(
図5のブロック510)。代替的に、追加の支持および電気信号ルーティングをもたらすために、
図1および
図2のパッケージ基板106などのパッケージ基板が、第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体200に形成されることがある。
【0042】
図6Fの例示的な製作段階600Fに示すように、プロセス500の次のステップは、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202の第2の表面610からキャリアウエハ608を取り除き、第2のICダイ104(2)、104(3)の第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234を、第1のICダイ104(1)の第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202に積み重ねることである(
図5Cのブロック512)。第2のICダイ104(2)、104(3)は、
図5A~
図5Bに関して上記で説明した第1のICダイ104(1)を製作するために使用された同じ製作プロセス、および
図6A~
図6Eの製作段階600A~600Eによって作成され得る。
【0043】
図1および
図2のICパッケージ100に示すように、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234は、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202に直接取り付けられる。これは、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234のダイ相互接続部224、242が、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202のダイ相互接続部214と位置合わせされることを必要とする。これは、製作プロセスにおいて遂行することおよび/またはダイ相互接続部214、224、242の位置合わせ不良の危険を冒すことなく遂行することが困難である場合があり、FS-BEOLメタライゼーション構造体216、234およびBS-BEOLメタライゼーション構造体202を通して作られるダイ間相互接続の抵抗を増やす可能性がある。FS-BEOLメタライゼーション構造体216、234およびBS-BEOLメタライゼーション構造体202のダイ相互接続部214、224、242間に相互接続を提供する際により柔軟性を与えることがより望ましい可能性がある。
【0044】
この点について、
図7は、
図1および
図2のICパッケージ100のICダイ104(1)~104(3)を採用するICダイモジュール702を採用する別の例示的なICパッケージ700の側面図である。
図7のICパッケージ700と
図1および
図2のICパッケージ100との間の共通の構成要素は、
図1および
図2と
図7との間で共通の要素番号を用いて示し、改めて説明しない。しかしながら、
図7に示すように、第1のICダイ104(1)と第2および第3のICダイ104(2)、104(3)との間のより柔軟なダイ間相互接続を容易にするために、ICパッケージ700は、第1のICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202と、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234との間に配設された中間メタライゼーション構造体704を含む。中間メタライゼーション構造体704は、一例として、RDLから形成されてもよい。
【0045】
図7を参照すると、中間メタライゼーション構造体704は、1つまたは複数の中間相互接続部708(1)、708(2)を各々含む、1つまたは複数の中間金属相互接続層706(1)、706(2)を含む。第1のICダイ104(1)の第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202の第1のダイ相互接続部214の少なくとも1つは、最下中間金属相互接続層706(1)の中間相互接続部708(1)の少なくとも1つに結合される。さらに、第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)の第2および/または第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234の第2および/または第3のダイ相互接続部224、236の少なくとも1つは、最上中間金属相互接続層706(2)の中間相互接続部708(2)の少なくとも1つに結合される。第1のICダイ104(1)の第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体202と、第2および/または第3のICダイ104(2)、104(3)の第2および/または第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234との間の望ましい電気信号ルーティングをもたらすために、中間金属相互接続層706(1)、706(2)は、それらの間に電気的接続およびルーティングをもたらし、望ましいダイ間相互接続をもたらす。
【0046】
同じく
図7に示すように、ICダイ104(2)、104(3)をICダイ104(1)に接合した結果としてICパッケージ700においてX軸方向に隣接したICダイ104(2)、104(3)間に、電気ルーティング構造体に利用可能な空きスペース710が設けられる。中間メタライゼーション構造体704が設けられると、これは、さらなる電気信号ルーティング能力のために、ICダイ104(2)、104(3)間に、中間メタライゼーション構造体704まで、追加の電気ルーティング経路が形成されることを可能にする。たとえば、第1のICダイ104(1)への追加の電気信号ルーティングを与えるために、追加のメタライゼーション構造体230と中間メタライゼーション構造体704との間に結合された1つまたは複数のビア712が、空きスペース710に形成され得る。中間メタライゼーション構造体704からのこの電気信号ルーティングは、次いで追加のメタライゼーション構造体230を通して他のICダイ104(2)、104(3)の一方または両方にルーティングされ得る。追加のメタライゼーション構造体230を通した中間メタライゼーション構造体704からの電気信号ルーティングは、
図8に示すようにビア112を通してパッケージ基板106にルーティングされることもある。
【0047】
したがって、
図7のICパッケージ700では、少なくとも3つ(3)の電気信号ルーティング経路が、ダイ相互接続のために設けられる。1つの電気信号ルーティング経路は、中間メタライゼーション構造体704を通したICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202とICダイ104(2)、104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234との間のダイ間相互接続用である。別の電気信号ルーティング経路は、中間メタライゼーション構造体704と追加のメタライゼーション構造体230との間であり、その場合、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)のBS-BEOLメタライゼーション構造体218、236を通したルーティングを提供することができる。別の電気信号ルーティング経路は、追加のメタライゼーション構造体230とパッケージ基板106との間であり、追加のメタライゼーション構造体230およびパッケージ基板106を通して第1のICダイ104(1)のFS-BEOLメタライゼーション構造体200に、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)のBS-BEOLメタライゼーション構造体218、236からの電気信号ルーティングを提供することができる。
図8に示すDRAMモジュール116など、追加のICダイが、追加のメタライゼーション構造体230に取り付けられる場合、中間メタライゼーション構造体704から空きスペース710を通って、および追加のメタライゼーション構造体230を通って追加のICダイまで、電気信号ルーティングが提供され得ることに、同じく留意されたい。
【0048】
図9A~
図9Eは、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージの製作の例示的なプロセス900を示すフローチャートであって、ICダイモジュールが、ダイ間相互接続を容易にするためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション層もまた含む。たとえば、
図9A~
図9Eのプロセス900は、
図7および
図8のICパッケージ700を製作するために使用され得る。
図10A~
図10Mは、
図9A~
図9Eのプロセス900に従ったICパッケージの製作中の例示的な製作段階を示す。
図9A~
図9Eのプロセス900について、
図10A~
図10Mの製作段階と併せて、例として
図7および
図8のICパッケージ700の構成要素を参照しながら、以下で説明する。
【0049】
この点について、
図10Aの例示的な製作段階1000Aに示すように、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICパッケージを形成するための製作プロセス900のステップは、示される第1のICダイ104(1)のような製作されたICダイを個片化することである。第1のICダイ104(1)は、さらなる製作ステップにおいて、第1のICダイ104(1)を支持するキャリアウエハ1002に付けられる(
図9Aのブロック902)。必要に応じて、直接的にダイ間相互接続ではない電気ルーティング経路を形成するために、ビア112(1)もまた形成される(
図9Aのブロック902)。
図10Bの例示的な製作段階1000Bに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ICダイ104(1)およびビア112(1)を分離するために、キャリアウエハ1002に取り付けられたICダイ104(1)の上に、ビア112(1)を取り囲んで、モールドコンパウンド1004を塗布することである(
図9Aのブロック904)。
図10Cの例示的な製作段階1000Cに示すように、製作プロセス900の別のステップは、キャリアウエハ1002を取り除くことである(
図9Aのブロック906)。ステップ902~906は、次に説明する、後の製作ステップでの他のICダイとのスタッキングのために第1のICダイ104(1)を準備する。
【0050】
図10Dの例示的な製作段階1000Dに示すように、製作プロセス900の別のステップは、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)を準備することである。第2および第3のICダイ104(2)、104(3)は、さらなる製作ステップにおいて、第2および第3のICダイ104(2)、104(3)を支持するためにキャリアウエハ1006に付けられる(
図9Bのブロック908)。必要に応じて、直接的にダイ間相互接続ではない電気ルーティング経路を形成するために、ビア112(2)もまた形成される(
図9Aのブロック908)。
図10Eの例示的な製作段階1000Eに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ICダイ104(2)、104(3)およびビア112(2)を分離するために、キャリアウエハ1006に取り付けられたICダイ104(2)、104(3)の上に、ビア112(2)を取り囲んで、モールドコンパウンド1008を塗布することである(
図9Bのブロック910)。
【0051】
図10Fの例示的な製作段階1000Fに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ビア112(2)の上面1010(2)を見せるようにモールドコンパウンド1008を取り除く(たとえば、研磨する)ことである(
図9Cのブロック912)。上面1010(2)を設けるために、ビア112(2)もまた研磨される(
図9Cのブロック912)。これは、ICダイ104(1)~104(3)が後の製作ステップにおいてICパッケージ700を形成するために積み重ねられるとき、ビア112(2)が、
図10Cの第1のICダイ104(1)で形成されたビア112(1)に接続できるようにするためである。
図10Gの例示的な製作段階1000Gに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ICダイ104(2)、104(3)のFS-BEOLメタライゼーション構造体216、234の上に中間メタライゼーション構造体704を形成することである(
図9Cのブロック914)。この例では、中間メタライゼーション構造体704は、中間金属相互接続層706(2)の中間相互接続部708(2)が上記で説明したようにICダイ104(2)、104(3)のダイ相互接続部224、242と接触して形成されるように形成される。中間メタライゼーション構造体704は、一例として、RDLとして形成されてもよい。
【0052】
図10Hの例示的な製作段階1000Hに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ICダイ104(1)のBS-BEOLメタライゼーション構造体202を、ICパッケージ700の一部として中間メタライゼーション構造体704に接合することである(
図9Dのブロック916)。ICダイ104(1)のダイ相互接続部214は、上記で説明したように中間メタライゼーション構造体704の中間金属相互接続層706(1)の中間相互接続部708(1)と接触して置かれる。ICダイ104(1)は、2つの間に熱圧着を形成するために熱圧着を使用して中間メタライゼーション構造体704に接合されてもよい。ICダイ104(1)を中間メタライゼーション構造体704に接合した結果として、ビア112(1)、112(2)もまた、互いに接合される。
図10Iの例示的な製作段階1000Iに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ビア112(1)の上面1010(1)を見せるようにモールドコンパウンド1004を取り除く(たとえば、研磨する)ことである(
図9Dのブロック918)。
図10Jの例示的な製作段階1000Jに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ICダイ104(1)のFS-BEOLメタライゼーション構造体200の上にパッケージ基板106を形成することである(
図9Dのブロック920)。パッケージ基板106は、たとえばRDLとして形成されてもよい。
【0053】
図10Kの例示的な製作段階1000Kに示すように、製作プロセス900の別のステップは、パッケージ基板106の基板相互接続部210に導電性バンプ110を形成し、付けることである(
図9Eのブロック922)。
図10Lの例示的な製作段階1000Lに示すように、製作プロセス900の別のステップは、ICパッケージ700からキャリアウエハ1006を剥離することである(
図9Eのブロック924)。
図10Mの例示的な製作段階1000Mに示すように、製作プロセス900の別のステップは、追加のICダイ230/DRAMモジュール116をICパッケージ700に接合し、それをビア112(2)に結合して、パッケージ基板106への導電接続を形成することである(
図9Eのブロック926)。
【0054】
「最上」および「最下」という用語は、Z軸または垂直方向に向けられているときの、相対的な用語であることに留意されたい。しかしまた、開示するICパッケージのいずれもここでは、上記のように、または別のメタライゼーション構造体の上部に示されたそれらのメタライゼーション構造体が、他のメタライゼーション構造体の下にある、図示から180度回転された向きであることもあることに留意されたい。したがって、「最上」および「最下」という用語は相対的な用語であり、1つのメタライゼーション構造体の別のメタライゼーション構造体に対する向きについて厳密な限定を含むことを意図されていない。
【0055】
限定はしないが、
図1、
図2、
図7、および
図8のICパッケージを含む、
図5A~
図6Fおよび
図9A~
図10Mの製作プロセスによる、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージが、いずれかのプロセッサベースのデバイスに設けられる、または組み込まれてもよい。例には、限定はしないが、セットトップボックス、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、固定ロケーションデータユニット、モバイルロケーションデータユニット、全地球測位システム(GPS)デバイス、モバイルフォン、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、タブレット、ファブレット、サーバ、コンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、装着型コンピューティングデバイス(たとえば、スマートウォッチ、ヘルスまたはフィットネストラッカー、アイウェアなど)、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、モニタ、コンピュータモニタ、テレビ、チューナー、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、ポータブルデジタルビデオプレーヤ、自動車、車両構成要素、アビオニクスシステム、ドローン、およびマルチコプターが含まれる。
【0056】
この点について、
図11は、限定はしないが、
図1、
図2、
図7、および
図8のICパッケージを含む、
図5A~
図6Fおよび
図9A~
図10Mの製作プロセスによる、および本明細書で開示するいずれかの態様による、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージ1102で提供され得る回路を含むプロセッサベースのシステム1100の一例を示す。この例では、プロセッサベースのシステム1100は、ICパッケージ1102のIC1104として、およびシステムオンチップ(SoC)1106として形成されてもよい。プロセッサベースのシステム1100は、CPUコアまたはプロセッサコアとも呼ばれることもある、1つまたは複数のプロセッサ1110を含むCPU1108を含む。CPU1108は、一時的に記憶されたデータに迅速にアクセスするためにCPU1108に結合されたキャッシュメモリ1112を有してもよい。CPU1108は、システムバス1114に結合され、プロセッサベースのシステム1100内に含まれるマスターデバイスとスレーブデバイスとを相互結合することができる。よく知られているように、CPU1108は、システムバス1114を介してアドレス情報、制御情報、およびデータ情報を交換することによって、これらの他のデバイスと通信する。たとえば、CPU1108は、スレーブデバイスの一例として、メモリコントローラ1116にバストランザクション要求を通信することができる。
図11には示さないが、複数のシステムバス1114が設けられてよく、各システムバス1114は異なるファブリックを構成する。
【0057】
他のマスターデバイスおよびスレーブデバイスをシステムバス1114に接続することができる。
図11に示すように、これらのデバイスは、例として、メモリコントローラ1116およびメモリアレイ1118を含むメモリシステム1120と、1つまたは複数の入力デバイス1122と、1つまたは複数の出力デバイス1124と、1つまたは複数のネットワークインターフェースデバイス1126と、1つまたは複数のディスプレイコントローラ1128とを含むことができる。メモリシステム1120、1つまたは複数の入力デバイス1122、1つまたは複数の出力デバイス1124、1つまたは複数のネットワークインターフェースデバイス1126、および1つまたは複数のディスプレイコントローラ1128の各々は、同じまたは異なるICパッケージ1102で提供されることがある。入力デバイス1122は、限定はしないが、入力キー、スイッチ、ボイスプロセッサなどを含む任意のタイプの入力デバイスを含むことができる。出力デバイス1124は、限定はしないが、オーディオ、ビデオ、他の視覚的標識などを含む任意のタイプの出力デバイスを含むことができる。ネットワークインターフェースデバイス1126は、ネットワーク1130へのデータ、およびネットワーク1130からのデータの交換を可能にするように構成された任意のデバイスとすることができる。ネットワーク1130は、限定はしないが、有線ネットワークまたはワイヤレスネットワーク、プライベートネットワークまたは公衆ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、BLUETOOTH(登録商標)ネットワーク、およびインターネットを含む、任意のタイプのネットワークとすることができる。ネットワークインターフェースデバイス1126は、任意のタイプの所望の通信プロトコルをサポートするように構成され得る。
【0058】
CPU1108はまた、システムバス1114を通じてディスプレイコントローラ1128にアクセスして、1つまたは複数のディスプレイ1132に送られる情報を制御するように構成され得る。ディスプレイコントローラ1128は、1つまたは複数のビデオプロセッサ1134を介して表示されるように情報をディスプレイ1132へ送り、ビデオプロセッサ1134は、表示されるべき情報を処理してディスプレイ1132に適したフォーマットにする。ディスプレイコントローラ1128およびビデオプロセッサ1134は、同じまたは異なるICパッケージ1102に、一例としてCPU1108を含む同じまたは異なるICパッケージ1102に、ICとして含まれることもある。ディスプレイ1132は、限定はしないが、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイなどを含む、任意のタイプのディスプレイを含むことができる。
【0059】
図12は、1つまたは複数のIC1202から形成された無線周波数(RF)構成要素を含む例示的なワイヤレス通信デバイス1200を示し、IC1202のいずれも、限定はしないが、
図1、
図2、
図7、および
図8のICパッケージを含む、
図5A~
図6Fおよび
図9A~
図10Mの製作プロセスによる、および本明細書で開示するいずれかの態様による、3Dダイスタッキングを提供するためにFS-BEOLメタライゼーション構造体とBS-BEOLメタライゼーション構造体のスタッキングを採用するICダイモジュールを採用するICパッケージ1203に含まれ得る。ワイヤレス通信デバイス1200は、例として、上記のデバイスのうちのいずれかを含んでもよく、またはその中に設けられてもよい。
図12に示すように、ワイヤレス通信デバイス1200は、トランシーバ1204およびデータプロセッサ1206を含む。データプロセッサ1206は、データおよびプログラムコードを記憶するためのメモリを含み得る。トランシーバ1204は、双方向通信をサポートする送信機1208と受信機1210とを含む。一般に、ワイヤレス通信デバイス1200は、任意の数の通信システム向けおよび周波数帯域向けに、任意の数の送信機1208および/または受信機1210を含んでもよい。トランシーバ1204の全部または一部は、1つまたは複数のアナログIC、RF IC(RFIC)、混成信号ICなどの上に実装され得る。
【0060】
送信機1208または受信機1210は、スーパーヘテロダインアーキテクチャまたはダイレクトコンバージョンアーキテクチャで実装することができる。スーパーヘテロダインアーキテクチャでは、信号は、受信機1210に関して、複数のステージにおいてRFとベースバンドとの間で、たとえば、1つのステージにおいてRFから中間周波数(IF)に、次いで、別のステージにおいてIFからベースバンドに周波数変換される。ダイレクトコンバージョンアーキテクチャでは、信号は、1つのステージにおいて、RFとベースバンドとの間で周波数変換される。スーパーヘテロダインアーキテクチャおよびダイレクトコンバージョンアーキテクチャは、異なる回路ブロックを使用すること、および/または異なる要件を有することがある。
図12におけるワイヤレス通信デバイス1200では、送信機1208および受信機1210は、直接変換アーキテクチャで実装される。
【0061】
送信経路では、データプロセッサ1206は、送信されるべきデータを処理し、IおよびQアナログ出力信号を送信機1208に提供する。例示的なワイヤレス通信デバイス1200では、データプロセッサ1206は、データプロセッサ1206により生成されるデジタル信号を、さらなる処理のために、IおよびQアナログ出力信号、たとえばIおよびQ出力電流へと変換するため、デジタルアナログ変換器(DAC)1212(1)および1212(2)を含む。
【0062】
送信機1208内では、ローバスフィルタ1214(1)および1214(2)が、それぞれ、IおよびQアナログ出力信号をフィルタ処理して、前のデジタルアナログ変換によって引き起こされた不要な信号を除去する。増幅器(AMP)1216(1)、1216(2)は、それぞれ、ローバスフィルタ1214(1)、1214(2)からの信号を増幅し、IおよびQベースバンド信号を供給する。アップコンバータ1218は、送信(TX)局部発振器(LO)信号発生器1222から混合器1220(1)、1220(2)を通るIおよびQ TX LO信号で、IおよびQベースバンド信号をアップコンバートして、アップコンバートされた信号1224を提供する。フィルタ1226は、アップコンバートされた信号1224をフィルタ処理して、周波数アップコンバージョンにより引き起こされる不要な信号ならびに受信周波数帯域中の雑音を除去する。電力増幅器(PA)1228は、所望の出力電力レベルを取得するために、フィルタ1226からのアップコンバートされた信号1224を増幅して、送信RF信号を提供する。送信RF信号は、デュプレクサまたはスイッチ1230を通してルーティングされ、アンテナ1232を介して送信される。
【0063】
受信経路では、アンテナ1232は、基地局によって送信された信号を受信し、受信したRF信号を提供し、RF信号は、デュプレクサまたはスイッチ1230を通してルーティングされ、低雑音増幅器(LNA)1234に提供される。デュプレクサまたはスイッチ1230は、受信(RX)信号がTX信号から分離されるように、特定のRXからTXへのデュプレクサ周波数分離で動作するように設計される。受信されたRF信号は、LNA1234によって増幅され、フィルタ1236によってフィルタリングされて、望ましいRF入力信号を取得する。ダウンコンバージョン混合器1238(1)、1238(2)が、フィルタ1236の出力を、RX LO信号発生器1240からのIおよびQ RX LO信号(すなわち、LO_IおよびLO_Q)と混合して、IおよびQベースバンド信号を生成する。IおよびQベースバンド信号は、AMP1242(1)、1242(2)によって増幅され、さらにローパスフィルタ1244(1)、1244(2)によってフィルタリングされて、IおよびQアナログ入力信号を取得し、これらがデータプロセッサ1206に提供される。この例では、データプロセッサ1206は、データプロセッサ1206によってさらに処理されるようにアナログ入力信号をデジタル信号に変換するためにアナログデジタル変換器(ADC)1246(1)、1246(2)を含む。
【0064】
図12のワイヤレス通信デバイス1200では、TX LO信号発生器1222が、周波数アップコンバージョンに使用するためのIおよびQ TX LO信号を生成し、RX LO信号発生器1240が、周波数ダウンコンバージョンに使用するためのIおよびQ RX LO信号を生成する。各LO信号は、特定の基本周波数を有する周期信号である。TX位相ロックループ(PLL)回路1248は、データプロセッサ1206からタイミング情報を受け取り、TX LO信号発生器1222からのTX LO信号の周波数および/または位相を調整するために使用される制御信号を生成する。同様に、RX PLL回路1250は、データプロセッサ1206からタイミング情報を受け取り、RX LO信号発生器1240からのRX LO信号の周波数および/または位相を調整するために使用される制御信号を生成する。
【0065】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムが、電子ハードウェア、メモリの中もしくは別のコンピュータ可読媒体の中に記憶されるとともにプロセッサもしくは他の処理デバイスによって実行される命令、または両方の組合せとして実装され得ることを、当業者はさらに諒解されよう。本明細書で説明するマスターデバイスおよびスレーブデバイスは、例として、任意の回路、ハードウェア構成要素、集積回路(IC)、またはICチップにおいて採用され得る。本明細書で開示するメモリは、任意のタイプおよびサイズのメモリであってよく、任意のタイプの所望の情報を記憶するように構成され得る。この互換性を明確に示すために、上記では、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、それらの機能に関して概略的に説明した。そのような機能がどのように実装されるのかは、特定の適用例、設計選択、および/またはシステム全体に課される設計制約によって決まる。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装してもよいが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0066】
本明細書で開示する態様に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。プロセッサは、マイクロプロセッサであってよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)としても実装され得る。
【0067】
本明細書で開示する態様は、ハードウェアにおいて具現化されてもよく、かつハードウェア内に記憶され、たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野において知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体の中に存在し得る命令において具現化されてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICの中に存在し得る。ASICは、リモート局内に存在してもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、個別構成要素としてリモート局、基地局、またはサーバの中に存在してもよい。
【0068】
本明細書の例示的な態様のいずれかに記載されている動作ステップは、例示および説明のために記載されていることにも留意されたい。説明する動作は、図示のシーケンス以外の多数の異なるシーケンスにおいて実行される場合がある。さらに、単一の動作ステップにおいて説明する動作は、実際にはいくつかの異なるステップにおいて実行される場合がある。さらに、例示的な態様において説明する1つまたは複数の動作ステップは、組み合わせられる場合がある。当業者には容易に明らかになるように、流れ図に示される動作ステップが数多くの異なる変更を受ける場合があることを理解されたい。情報および信号が様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表される場合があることも当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって参照される場合があるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁気粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表されてもよい。
【0069】
本開示の以上の説明は、いかなる当業者も本開示を作成または使用することが可能となるように提供される。本開示に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は他の例に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明した例および設計に限定されるものでなく、本明細書で開示した原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0070】
実装例について、以下の番号付き態様において説明する。
1. 集積回路(IC)パッケージであって、
第1の表側(FS)バックエンドオブライン(BEOL)(FS-BEOL)メタライゼーション構造体、
第1の裏側(BS)BEOL(BS-BEOL)メタライゼーション構造体、および
第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第1の半導体層
を含む、第1のICダイと、
第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体、および
第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第2の半導体層
を含む、第2のICダイと
を含む、IC。
2. ICパッケージをさらに含み、
第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体がパッケージ基板に隣接している、態様1のICパッケージ。
3. 第2のICダイが、垂直方向に第1のICダイの上方に配設される、態様1および2のいずれか1つのICパッケージ。
4. 第1のICダイの第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
第2のICダイの第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のダイ相互接続部を含む第2の金属相互接続層を含み、
1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つに結合される、
態様1から3のいずれか1つのICパッケージ。
5. 第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、態様4のICパッケージ。
6. 1つまたは複数の基板相互接続部を含むパッケージ基板と、
パッケージ基板に隣接した第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の中の少なくとも1つの第1のダイ相互接続部に電気的に結合された、1つまたは複数の基板相互接続部の中の少なくとも1つの基板相互接続部と
をさらに含み、
1つまたは複数の基板相互接続部に電気的に結合された1つまたは複数の導電性バンプをさらに含む、
態様4から5のいずれか1つのICパッケージ。
7. 第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、態様1から6のいずれか1つのICパッケージ。
8. 第1のICダイの第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、1つまたは複数の第1のダイ相互接続部および第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1の垂直相互接続アクセス(ビア)をさらに含み、
第2のICダイの第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、1つまたは複数の第2のダイ相互接続部および第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のビアをさらに含む、
態様4のICパッケージ。
9. 第1のICダイの第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のICダイの第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション構造体をさらに含む、態様1から8のいずれか1つのICパッケージ。
10. 第1のICダイの第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
第2のICダイの第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のダイ相互接続部を含む第2の金属相互接続層を含み、
中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の中間相互接続部を含む少なくとも1つの中間金属相互接続層を含み、
1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに結合され、
1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つが、1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つを1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つに電気的に結合するために、1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに結合される、
態様9のICパッケージ。
11. 第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、態様10のICパッケージ。
12. 第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体と、
第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第3の半導体層と
を含む、第3のICダイ
をさらに含み、
第3のICダイが、第2のICダイに横方向に隣接して配設され、第2のICダイと第3のICダイとの間にボイド領域を形成するために間隙距離だけ第2のICダイから分離され、
中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の中間相互接続部を含む少なくとも1つの中間メタライゼーション層を含む、態様9から11のいずれか1つのICパッケージ。
13. ボイド領域に配設され、中間メタライゼーション構造体の1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに電気的に結合されたビアをさらに含む、態様12のICパッケージ。
14. 第4の半導体層を含む第4のICダイをさらに含み、第4のICダイが第2のICダイに隣接して配設され、
ビアが第4の半導体層に電気的に結合される、
態様13のICパッケージ。
15. 第1のICダイの第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、中間相互接続部の1つまたは複数の少なくとも1つに結合される、
態様12から13のいずれか1つのICパッケージ。
16. 中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の再配線層(RDL)を含む、態様10から11のいずれか1つのICパッケージ。
17. セットトップボックス、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、固定ロケーションデータユニット、モバイルロケーションデータユニット、全地球測位システム(GPS)デバイス、モバイルフォン、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、タブレット、ファブレット、サーバ、コンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、装着型コンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、モニタ、コンピュータモニタ、テレビ、チューナー、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、ポータブルデジタルビデオプレーヤ、自動車、車両構成要素、アビオニクスシステム、ドローン、およびマルチコプターからなるグループから選択されたデバイスに組み込まれた、態様1から16のいずれか1つのICパッケージ。
18. 集積回路(IC)パッケージを製作する方法であって、
第1の裏側(BS)バックエンドオブライン(BEOL)(BS-BEOL)メタライゼーション構造体を形成するステップ、
第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第1の半導体層を形成するステップ、および
第1の半導体層に隣接した第1の表側(FS)-BEOL(FS-BEOL)メタライゼーション構造体を形成するステップであって、第1の半導体層が、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設される、形成するステップ
を含む、第1のICダイを形成するステップと、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップ、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2の半導体層を形成するステップ、および
第2の半導体層に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップであって、第2の半導体層が、第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体と第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設される、形成するステップ
を含む、第2のICダイを形成するステップと
を含む、方法。
19. 第2のICダイを第1のICダイに接合するステップをさらに含む、態様18の方法。
20. 第2のICダイの第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した中間メタライゼーション構造体を形成するステップと、
中間メタライゼーション構造体の中間金属相互接続層の1つまたは複数の中間相互接続部の中の少なくとも1つの中間相互接続部を、第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体の1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の中の少なくとも1つの第1のダイ相互接続部に結合するステップと
をさらに含む、態様19の方法。
21. 少なくとも1つのビアを、1つまたは複数の中間相互接続部の中の少なくとも1つの中間相互接続部に結合するステップと、
少なくとも1つのビアの上面を露出するために第1のICダイ上のモールドコンパウンドを取り除くステップと
をさらに含む、態様20の方法。
22. 第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接したパッケージ基板を形成するステップと、
第1の半導体層に結合された第1のICダイの第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の金属相互接続層の1つまたは複数の第1の基板相互接続部の中の少なくとも1つの第1の基板相互接続部を、パッケージ基板に電気的に結合するステップと
をさらに含む、態様20から21のいずれか1つの方法。
23. 第1のICダイを形成するステップが、
第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の表面が基板の第1の表面に隣接して配設されるように、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体を基板上に形成するステップ
を含み、
第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の表面の反対側の第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第2の表面にキャリアウエハを形成するステップと、
基板の第1の表面の反対側の基板の第2の表面に第1の半導体層を形成するステップと、
第1の半導体層に隣接した第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップと、
第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体からキャリアウエハを取り除くステップと
をさらに含む、態様18から22のいずれか1つの方法。
24. 基板の第1の表面の反対側の基板の第2の表面に第1の半導体層を形成する前に、薄くするステップをさらに含む、態様23の方法。
25. 第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の金属相互接続層の1つまたは複数の第1の基板相互接続部に結合された第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した1つまたは複数の導電性バンプを形成するステップをさらに含む、態様23から24のいずれか1つの方法。
26. 第3のICダイを少なくとも1つのビアに結合するステップをさらに含む、態様21から22のいずれか1つの方法。
【符号の説明】
【0071】
100 ICパッケージ
102 半導体ダイモジュール、ICダイモジュール
104 ICダイ
106 パッケージ基板
108 金属相互接続層
110 導電性バンプ
112 ビア
114 ダイ
116 ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)モジュール
118 ダイ相互接続部
120 ダイ相互接続部
200 FS-BEOLメタライゼーション構造体
202 BS-BEOLメタライゼーション構造体
204 半導体層
206 金属相互接続層
208 ダイ相互接続部
210 基板相互接続部
212 金属相互接続層
214 ダイ相互接続部
216 FS-BEOLメタライゼーション構造体
218 BS-BEOLメタライゼーション構造体
220 半導体層
222 金属相互接続層
224 ダイ相互接続部
226 金属相互接続層
228 ダイ相互接続部
230 メタライゼーション構造体
232 金属相互接続層
234 FS-BEOLメタライゼーション構造体
236 BS-BEOLメタライゼーション構造体
238 半導体層
240 金属相互接続層
242 ダイ相互接続部
244 金属相互接続層
246 ダイ相互接続部
602 基板
604 表面
606 表面
608 キャリアウエハ
610 表面
612 表面
700 ICパッケージ
702 ICダイモジュール
704 中間メタライゼーション構造体
706 中間金属相互接続層
708 中間相互接続部
710 空きスペース
712 ビア
1100 プロセッサベースのシステム
1102 ICパッケージ
1104 IC
1106 システムオンチップ(SoC)
1108 CPU
1110 プロセッサ
1112 キャッシュメモリ
1114 システムバス
1116 メモリコントローラ
1118 メモリアレイ
1120 メモリシステム
1122 入力デバイス
1124 出力デバイス
1126 ネットワークインターフェースデバイス
1128 ディスプレイコントローラ
1130 ネットワーク
1132 ディスプレイ
1134 ビデオプロセッサ
1236 フィルタ
1238 ダウンコンバージョン混合器
1240 RX LO信号発生器
1242 AMP
1244 ローパスフィルタ
1246 アナログデジタル変換器(ADC)
1248 TX位相ロックループ(PLL)回路
1250 RX PLL回路
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)パッケージであって、
第1の表側(FS)-バックエンドオブライン(BEOL)(FS-BEOL)メタライゼーション構造体、
第1の裏側(BS)-BEOL(BS-BEOL)メタライゼーション構造体、および
前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第1の半導体層
を含む、第1のICダイと、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体、および
前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第2の半導体層
を含む、第2のICダイと
を含む、ICパッケージ。
【請求項2】
ICパッケージをさらに含み、
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体がパッケージ基板に隣接している、
請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項3】
前記第2のICダイが、垂直方向に前記第1のICダイの上方に配設される、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項4】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のダイ相互接続部を含む第2の金属相互接続層を含み、
1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つに結合される、
請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項5】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、請求項4に記載のICパッケージ。
【請求項6】
1つまたは複数の基板相互接続部を含むパッケージ基板と、
前記パッケージ基板に隣接した前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の中の少なくとも1つの第1のダイ相互接続部に電気的に結合された、前記1つまたは複数の基板相互接続部の中の少なくとも1つの基板相互接続部と
をさらに含み、
前記1つまたは複数の基板相互接続部に電気的に結合された1つまたは複数の導電性バンプをさらに含む、
請求項5に記載のICパッケージ。
【請求項7】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部および前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1の垂直相互接続アクセス(ビア)をさらに含み、
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部および前記第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のビアをさらに含む、
請求項4に記載のICパッケージ。
【請求項8】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項9】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された中間メタライゼーション構造体をさらに含む、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項10】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第2の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第2のダイ相互接続部を含む第2の金属相互接続層を含み、
前記中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の中間相互接続部を含む少なくとも1つの中間金属相互接続層を含み、
前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに結合され、
前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の前記少なくとも1つを前記1つまたは複数の第2のダイ相互接続部の前記少なくとも1つに電気的に結合するために、前記1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに結合される、
請求項9に記載のICパッケージ。
【請求項11】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第3のダイ相互接続部を含む第3の金属相互接続層を含む、請求項10に記載のICパッケージ。
【請求項12】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体と、
前記第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第3の半導体層と
を含む、第3のICダイ
をさらに含み、
前記第3のICダイが、前記第2のICダイに横方向に隣接して配設され、前記第2のICダイと前記第3のICダイとの間にボイド領域を形成するために間隙距離だけ前記第2のICダイから分離され、
前記中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の中間相互接続部を含む少なくとも1つの中間メタライゼーション層を含む、請求項9に記載のICパッケージ。
【請求項13】
前記ボイド領域に配設され、前記中間メタライゼーション構造体の前記1つまたは複数の中間相互接続部の少なくとも1つに電気的に結合されたビアをさらに含む、請求項12に記載のICパッケージ。
【請求項14】
第4の半導体層を含む第4のICダイをさらに含み、前記第4のICダイが前記第2のICダイに隣接して配設され、
前記ビアが前記第4の半導体層に電気的に結合される、
請求項13に記載のICパッケージ。
【請求項15】
前記第1のICダイの前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の半導体層に電気的に結合された1つまたは複数の第1のダイ相互接続部を含む第1の金属相互接続層を含み、
前記1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の少なくとも1つが、前記中間相互接続部の前記1つまたは複数の少なくとも1つに結合される、
請求項12に記載のICパッケージ。
【請求項16】
前記中間メタライゼーション構造体が、1つまたは複数の再配線層(RDL)を含む、請求項9に記載のICパッケージ。
【請求項17】
セットトップボックス、エンターテインメントユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、固定ロケーションデータユニット、モバイルロケーションデータユニット、全地球測位システム(GPS)デバイス、モバイルフォン、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)フォン、タブレット、ファブレット、サーバ、コンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルコンピューティングデバイス、装着型コンピューティングデバイス、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、モニタ、コンピュータモニタ、テレビ、チューナー、ラジオ、衛星ラジオ、音楽プレーヤ、デジタル音楽プレーヤ、ポータブル音楽プレーヤ、デジタルビデオプレーヤ、ビデオプレーヤ、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤ、ポータブルデジタルビデオプレーヤ、自動車、車両構成要素、アビオニクスシステム、ドローン、およびマルチコプターからなるグループから選択されたデバイスに組み込まれた、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項18】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、第1の金属相互接続層を含み、
前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、前記第1の金属相互接続層に結合された第2の金属相互接続層を含む、
請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項19】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体が、複数の第1の金属相互接続層を含み、
前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体が、複数の第2の金属相互接続層を含み、
前記複数の第1の金属相互接続層の少なくとも1つの第1の金属相互接続層が、前記複数の第2の金属相互接続層の少なくとも1つの第2の金属相互接続層に結合される、
請求項18に記載のICパッケージ。
【請求項20】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と、
第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体と、
前記第3のFS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第3のBS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設された第3の半導体層と
を含む、第3のICダイ
をさらに含み、
前記第3のICダイが、前記第2のICダイに横方向に隣接して配設され、前記第2のICダイと前記第3のICダイとの間にボイド領域を形成するために間隙距離だけ前記第2のICダイから分離される、請求項1に記載のICパッケージ。
【請求項21】
前記ボイド領域に配設され、第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に電気的に結合されたビアをさらに含む、請求項20に記載のICパッケージ。
【請求項22】
集積回路(IC)パッケージを製作する方法であって、
第1の裏側(BS)バックエンドオブライン(BEOL)(BS-BEOL)メタライゼーション構造体を形成するステップ、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第1の半導体層を形成するステップ、および
前記第1の半導体層に隣接した第1の表側(FS)-BEOL(FS-BEOL)メタライゼーション構造体を形成するステップであって、前記第1の半導体層が、前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設される、形成するステップ
を含む、第1のICダイを形成するステップと、
第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップ、
前記第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した第2の半導体層を形成するステップ、および
前記第2の半導体層に隣接した第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップであって、前記第2の半導体層が、前記第2のBS-BEOLメタライゼーション構造体と前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体との間に配設される、形成するステップ
を含む、第2のICダイを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項23】
前記第2のICダイを前記第1のICダイに接合するステップをさらに含む、請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のICダイの前記第2のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した中間メタライゼーション構造体を形成するステップと、
前記中間メタライゼーション構造体の中間金属相互接続層の1つまたは複数の中間相互接続部の中の少なくとも1つの中間相互接続部を、前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体の1つまたは複数の第1のダイ相互接続部の中の少なくとも1つの第1のダイ相互接続部に結合するステップと
をさらに含む、請求項
23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのビアを、前記1つまたは複数の中間相互接続部の中の前記少なくとも1つの中間相互接続部に結合するステップと、
前記少なくとも1つのビアの上面を露出するために前記第1のICダイ上のモールドコンパウンドを取り除くステップと
をさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
第3のICダイを前記少なくとも1つのビアに結合するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接したパッケージ基板を形成するステップと、
前記第1の半導体層に結合された前記第1のICダイの前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の金属相互接続層の1つまたは複数の第1の基板相互接続部の中の少なくとも1つの第1の基板相互接続部を、前記パッケージ基板に電気的に結合するステップと
をさらに含む、請求項
24に記載の方法。
【請求項28】
前記第1のICダイを形成するステップが、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の表面が基板の第1の表面に隣接して配設されるように、前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体を前記基板上に形成するステップ
を含み、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の前記第1の表面の反対側の前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第2の表面にキャリアウエハを形成するステップと、
前記基板の前記第1の表面の反対側の前記基板の第2の表面に前記第1の半導体層を形成するステップと、
前記第1の半導体層に隣接した前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体を形成するステップと、
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体から前記キャリアウエハを取り除くステップと
をさらに含む、請求項
22に記載の方法。
【請求項29】
前記基板の前記第1の表面の反対側の前記基板の前記第2の表面に前記第1の半導体層を形成する前に、薄くするステップをさらに含む、請求項
28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のBS-BEOLメタライゼーション構造体の第1の金属相互接続層の1つまたは複数の第1の基板相互接続部に結合された前記第1のFS-BEOLメタライゼーション構造体に隣接した1つまたは複数の導電性バンプを形成するステップをさらに含む、請求項
28に記載の方法。
【国際調査報告】