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特表2023-544234超音波ツールシステムのためのパルス制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】超音波ツールシステムのためのパルス制御
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580233
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 US2021053265
(87)【国際公開番号】W WO2022072903
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】63/086,460
(32)【優先日】2020-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.JAVA
3.PASCAL
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,コナー
(72)【発明者】
【氏名】ダウニー,アダム,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】グラ,ギョーム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ25
(57)【要約】
超音波器具の先端の振動を制御するシステムおよび方法を提供する。超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルが決定され、超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルが最大超音波エネルギーレベルに基づいて決定される。そして、いくつかの超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導するAC駆動信号が超音波器具に供給される。超音波エネルギーパルスは、決定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、決定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端と、AC駆動信号を受信したことに応じて前記先端を振動させるように構成されたドライバを含むハンドピースと、前記先端の周りに配設され、前記ハンドピースに結合されたスリーブとを備える超音波器具であって、該スリーブは、灌流液を前記先端の遠位領域に提供するための第1の経路を画定するものである、超音波器具と、
前記超音波器具の前記ドライバに提供される前記AC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、前記制御コンソールは、
前記超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
前記最大超音波エネルギーレベルに基づいて前記超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
前記決定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを前記超音波器具の前記先端内で誘導する前記超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することであって、前記超音波エネルギーパルスの各々が、hann波によって規定され、前記最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達するものである、生成することと
を行うように構成されている、超音波器具の先端の振動を制御するためのシステム。
【請求項2】
前記先端が、前記先端の前記遠位領域における吸引を提供するための第2の経路を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記有意な期間の各々が2ミリ秒以上である、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記有意な期間の各々が5ミリ秒以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記決定された最小超音波エネルギーレベルが、患者の組織をアブレーションするには不十分であり、前記制御コンソールが前記超音波器具の共振周波数を追跡するには十分である大きさを有する、前記先端内の振動に対応する、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記決定された最小超音波エネルギーレベルが、0マイクロメートルよりも大きく、20マイクロメートルよりも小さいピーク・ツー・ピーク変位を有する前記先端内で誘導された振動に対応する、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記決定された最小超音波エネルギーレベルが、0ミリアンペアよりも大きく、10ミリアンペアよりも小さい前記超音波器具内で誘導される機械電流に対応する、請求項1から6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
0における一定期間と、0と1との間に延びたhann波とを含む変調波形を記憶するメモリデバイスをさらに備え、前記制御コンソールが、前記変調波形、前記決定された最大超音波エネルギーレベル、および前記決定された最小超音波エネルギーレベルから、前記AC駆動信号を生成するように構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記制御コンソールが、
前記決定された最大超音波エネルギーレベルおよび前記決定された最小超音波エネルギーレベルに基づいてスカラを決定することと、
前記変調波形に前記スカラを乗算し、第2の波形を生成することと、
前記決定された最小超音波エネルギーレベルを前記第2の波形に加算し、第3の波形を生成することと、
前記第3の波形に基づいて前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されることによって、前記変調波形、前記決定された最大超音波エネルギーレベル、および前記決定された最小超音波エネルギーレベルから前記AC駆動信号を生成するように構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御コンソールが、
前記超音波器具のための超音波エネルギーレベルを指示するユーザ選択電力設定を受け付けることと、
前記最大超音波エネルギーレベルが、前記ユーザ選択電力設定によって指示された前記超音波エネルギーレベルよりも大きくなり、前記AC駆動信号によって前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーの平均が、前記ユーザ選択電力設定によって指示された前記超音波エネルギーレベルと実質的に等しくなるよう、前記最大超音波エネルギーレベルを決定することと
を行うように構成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記スリーブが、前記超音波器具のための前記最小超音波エネルギーレベルを決定するための係数を指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記読み出されたデータ内で指示された前記係数を、前記決定された最大超音波エネルギーレベルに適用することによって、前記超音波器具のための前記最小超音波エネルギーレベルを決定することと
を行うように構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記先端メモリ内に記憶され、前記制御コンソールによって読み出される前記先端に固有の前記データがデューティサイクルを指示し、前記制御コンソールが、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する前記超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が、前記読み出されたデータ内で指示された前記デューティサイクルに対応するよう、前記AC駆動信号を生成するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記先端メモリ内に記憶され、前記制御コンソールによって読み出される前記先端に固有の前記データがパルス動作周波数を指示し、前記制御コンソールが、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスの周波数が、前記読み出されたデータ内で指示された前記パルス動作周波数に対応するよう、前記AC駆動信号を生成するように構成されている、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記先端メモリ内に記憶され、前記制御コンソールによって読み出される前記先端に固有の前記データがhannパルス形状を指示し、前記制御コンソールが、前記読み出されたデータ内で指示された前記hannパルス形状に基づいて前記AC駆動信号を生成するように構成されている、請求項11から13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記AC駆動信号が第1のAC駆動信号として定義され、前記先端メモリ内に記憶され、前記制御コンソールによって読み出される前記先端に固有の前記データが、前記先端がパルス動作を有効にされているかどうかを指示し、前記制御コンソールが、
前記読み出されたデータに基づいて、前記先端がパルス動作を有効にされているかどうかを決定することと、
前記先端がパルス動作を有効にされていると決定したことに応じて、前記第1のAC駆動信号を生成し、前記超音波器具に供給することと、
前記先端がパルス動作を有効にされていないと決定したことに応じて、前記決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを前記超音波器具内で誘導する第2のAC駆動信号を生成し、前記超音波器具に供給することと
を行うように構成されている、請求項11から14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
前記制御コンソールが、
前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと、
前記超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、
前記印加荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記第2の周波数が前記第1の周波数よりも小さい、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記制御コンソールが、
前記印加荷重が、前記第1の既定の荷重閾値よりも大きい第2の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、
前記印加荷重が前記第2の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、前記印加荷重が前記第2の既定の荷重閾値よりも小さくなるまで、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが第3の周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項16または17に記載のシステム。
【請求項19】
前記AC駆動信号が第1のAC駆動信号として定義され、前記制御コンソールが、
前記決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを前記超音波器具内で誘導する前記超音波器具に供給される第2のAC駆動信号を生成することと、
前記第2のAC駆動信号が前記超音波器具に供給されている間に、前記超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、
前記印加荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、前記第1のAC駆動信号を生成し、前記超音波器具に供給することと
を行うように構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記制御コンソールが、
前記第1のAC駆動信号が前記超音波器具に供給されている間に、前記印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することであって、前記第2の既定の荷重閾値が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きい、決定することと、
前記印加荷重が前記第2の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、前記第2のAC駆動信号を生成し、前記超音波器具に供給することと
を行うように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記AC駆動信号が第1のAC駆動信号として定義され、前記制御コンソールが、
前記第1のAC駆動信号が前記超音波器具に供給されている間に、前記超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、
前記印加荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、前記決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを前記超音波器具内で誘導する第2のAC駆動信号を生成し、前記超音波器具に供給することと
を行うように構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記制御コンソールが、
前記第2のAC駆動信号が前記超音波器具に供給されている間に、前記印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することであって、前記第2の既定の荷重閾値が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きい、決定することと、
前記印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、前記第1のAC駆動信号を生成し、前記超音波器具に供給することと
を行うように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記制御コンソールが、
前記超音波器具の機械抵抗を算出することと、
前記超音波器具の前記機械抵抗を既定の抵抗閾値と比較することと、
前記超音波器具の前記機械抵抗が前記既定の抵抗閾値よりも大きいことに応じて、前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定することと
を行うように構成されることによって、前記超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定するように構成されている、請求項16から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記制御コンソールが、
前記超音波器具に供給された前記AC駆動信号の電圧を測定することと、
前記電圧を既定の電圧閾値と比較することと、
前記測定された電圧が前記既定の電圧閾値よりも大きいことに応じて、前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定することと
を行うように構成されることによって、前記超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定するように構成されている、請求項16から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記制御コンソールが、
前記先端の種類を決定することと、
前記先端の前記決定された種類に基づいて前記第1の既定の荷重閾値を設定することと
を行うように構成されている、請求項16から24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記スリーブが、前記先端の前記種類を指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記読み出されたデータに基づいて前記先端の前記種類を決定することと
を行うように構成されている、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記スリーブが、前記第1の既定の荷重閾値を指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記読み出されたデータから前記第1の既定の荷重閾値を決定することと
を行うように構成されている、請求項16から25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記制御コンソールが、
第1のパルス制御レベルおよび第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けることであって、前記第1のパルス制御レベルが、前記第2のパルス制御レベルよりも堅い組織をアブレーションするためのものである、受け付けることと、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記超音波器具のための前記最小超音波エネルギーレベルを、前記第1のパルス制御レベルに対応する第1の値に設定することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記超音波器具のための前記最小超音波エネルギーレベルを、前記第1の値よりも小さい前記第2のパルス制御レベルに対応する第2の値に設定することと
を行うように構成されている、請求項1から10および16から25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
前記第2の値が、患者の組織をアブレーションするには不十分であり、前記制御コンソールが前記超音波器具の共振周波数を追跡するには十分である大きさを有する前記先端内の振動に対応する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記第2の値が、0マイクロメートルよりも大きく、20マイクロメートルよりも小さいピーク・ツー・ピーク変位を有する前記先端内で誘導された振動に対応する、請求項28または29に記載のシステム。
【請求項31】
前記第2の値が、0ミリアンペアよりも大きく、10ミリアンペアよりも小さい前記超音波器具内で誘導される機械電流に対応する、請求項28から30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
前記制御コンソールが、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが、前記第1の周波数よりも大きい第2の周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項28から31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
前記制御コンソールが、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第1のデューティサイクルに対応するよう、前記AC駆動信号を生成することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの前記継続時間に対する前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスの各々の前記継続時間が、前記第1のデューティサイクルよりも小さい第2のデューティサイクルに対応するよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項28から32のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項34】
前記制御コンソールが、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、
0における一定期間と、前記一定期間から延び、1においてピークに達するhann波とを、前記一定期間の継続時間に対する前記hann波の継続時間が前記第1のデューティサイクルに対応するように含む第1の変調波形を生成することと、
前記第1の変調波形に基づいて前記AC駆動信号を生成することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、
0における一定期間と、前記一定期間から延び、1においてピークに達するhann波とを、前記一定期間の継続時間に対する前記hann波の継続時間が前記第2のデューティサイクルに対応するように含む第2の変調波形を生成することと、
前記第2の変調波形に基づいて前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記スリーブが、前記第1のパルス制御レベルに関連付けられた前記最小超音波エネルギーレベルを決定するための第1の係数、および前記第2のパルス制御レベルに関連付けられた前記最小超音波エネルギーレベルを決定するための第2の係数を指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記読み出されたデータ内で指示された前記第1の係数を、前記決定された最大超音波エネルギーレベルに適用することによって、前記最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記読み出されたデータ内で指示された前記第2の係数を、前記決定された最大超音波エネルギーレベルに適用することによって、前記最小超音波エネルギーレベルを決定することと
を行うように構成されている、請求項28から31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記先端メモリ内に記憶され、前記制御コンソールによって読み出される前記先端に固有の前記データが、前記第1のパルス制御レベルに関連付けられた第1のパルス動作周波数、および前記第2のパルス制御レベルに関連付けられた前記第1のパルス動作周波数よりも大きい第2のパルス動作周波数を指示し、前記制御コンソールが、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記読み出されたデータに基づいて、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが前記第1のパルス動作周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記読み出されたデータに基づいて、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスが前記第2のパルス動作周波数で生じるよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記先端メモリ内に記憶され、前記制御コンソールによって読み出される前記先端に固有の前記データが、前記第1のパルス制御レベルに関連付けられた第1のデューティサイクル、および前記第2のパルス制御レベルに関連付けられた前記第1のデューティサイクルよりも小さい第2のデューティサイクルを指示し、前記制御コンソールが、
前記第1のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記読み出されたデータに基づいて、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が前記第1のデューティサイクルに対応するよう、前記AC駆動信号を生成することと、
前記第2のパルス制御レベルの前記ユーザ選択を受け付けたことに応じて、前記読み出されたデータに基づいて、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの前記継続時間に対する前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスの各々の前記継続時間が、前記第1のデューティサイクルよりも小さい前記第2のデューティサイクルに対応するよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項35または36に記載のシステム。
【請求項38】
先端と、AC駆動信号を受信したことに応じて前記先端を振動させるように構成されたドライバを含むハンドピースと、前記先端の周りに配設され、前記ハンドピースに結合されたスリーブとを備える超音波器具であって、前記スリーブが、灌流液を前記先端の遠位領域に提供するための第1の経路を画定するものである、超音波器具と、
前記超音波器具の前記ドライバに提供される前記AC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、前記制御コンソールが、
前記超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
前記システムが、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているのかを決定することと、
前記システムが前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、第1の超音波エネルギーを前記超音波器具内で誘導する第1のAC駆動信号を生成することであって、前記第1の超音波エネルギーが、前記超音波器具のために設定され、前記軟組織アブレーションモードに対応する第1の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第1の期間によって相互に離間された複数の第1の超音波エネルギーパルスを含み、前記第1の超音波エネルギーパルスの各々が、前記第1の期間の各々よりも短い第2の期間にわたって前記最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと、
前記システムが前記硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、第2の超音波エネルギーを前記超音波器具内で誘導する第2のAC駆動信号を生成することであって、前記第2の超音波エネルギーが、前記超音波器具のために設定され、前記硬組織アブレーションモードに対応する第2の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第3の期間によって相互に離間された複数の第2の超音波エネルギーパルスを含み、前記第2の超音波エネルギーパルスの各々が、前記第3の期間の各々以上である第4の期間にわたって前記最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達するものである、生成することと
を行うように構成されている、超音波器具の先端の振動を制御するためのシステム。
【請求項39】
前記先端が、前記先端の前記遠位領域における吸引を提供するための第2の経路を画定する、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記第1の超音波エネルギーパルスの各々の前記第2の期間が1ミリ秒よりも短い、請求項38または39に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1の超音波エネルギーパルスの各々がhann波によって規定される、請求項38から40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
前記第1の期間の各々が2ミリ秒以上である、請求項38から41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記第1の期間の各々が5ミリ秒以上である、請求項38から41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項44】
前記第3の期間の各々が前記第2の超音波エネルギーパルスの各々の前記第4の期間に実質的に等しい、請求項38から43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記第3の期間の各々が1ミリ秒よりも短い、請求項38から44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記軟組織アブレーションモードに対応する前記第1の最小超音波エネルギーレベルが、前記硬組織アブレーションモードに対応する前記第2の最小超音波エネルギーレベルとは異なるものである、請求項38から45のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項47】
前記制御コンソールが、
前記システムが前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、前記最大超音波エネルギーレベルに基づいて前記第1の最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
前記システムが前記硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、前記最大超音波エネルギーレベルに基づいて前記第2の最小超音波エネルギーレベルを決定することと
を行うように構成されている、請求項38から46のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項48】
前記制御コンソールが、
前記システムが前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、0と1との間に延びたhann波を含む第1の変調波形を生成することと、前記第1の変調波形から前記第1のAC駆動信号を生成することと、
前記システムが前記硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、0と1との間に延びた逆hann波を含む第2の変調波形を生成することと、前記第2の変調波形から前記第2のAC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項38から47のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項49】
前記第1の変調波形が、0において一定期間を含み、該一定期間は、前記第1の期間の各々の継続時間に対応する継続時間を有する、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記第2の変調波形が、1の値において一定期間を含み、該一定期間は、前記第2の超音波エネルギーパルスの各々の前記第4の期間の継続時間に対応する継続時間を有する、請求項48または49に記載のシステム。
【請求項51】
前記制御コンソールが、
前記システムが前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、第1のパルス制御レベルおよび第2のパルス制御レベルの選択を決定することであって、前記第1のパルス制御レベルが、前記第2のパルス制御レベルよりも堅い組織をアブレーションするためのものである、決定することと、
前記第1のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、前記第1の最小超音波エネルギーレベルを、前記第1のパルス制御レベルに対応する第1の値に設定することと、
前記第2のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、前記第1の最小超音波エネルギーレベルを、前記第1の値よりも小さい前記第2のパルス制御レベルに対応する第2の値に設定することと
を行うように構成されている、請求項38から50のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項52】
前記制御コンソールが、
前記システムが前記硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、第1のパルス制御レベルおよび第2のパルス制御レベルの選択を決定することと、
前記第1のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、前記第2の最小超音波エネルギーレベルを、前記第1のパルス制御レベルに対応する第3の値に設定することと、
前記第2のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、前記第1の最小超音波エネルギーレベルを、前記第1の値よりも小さい前記第2のパルス制御レベルに対応する第4の値に設定することと
を行うように構成されている、請求項38から51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項53】
前記制御コンソールが、
前記第1のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、前記超音波器具内で誘導される前記第2の超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、前記第2のAC駆動信号を生成することと、
前記第2のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、前記超音波器具内で誘導される前記第2の超音波エネルギーパルスが、前記第1の周波数よりも大きい第2の周波数で生じるよう、前記第2のAC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記制御コンソールが、
前記システムが前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、前記超音波器具のための電圧限度を第1の電圧に設定することと、
前記システムが前記硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、前記超音波器具のための電圧限度を、前記第1の電圧よりも大きい第2の電圧に設定することと
を行うように構成されている、請求項38から53のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項55】
前記制御コンソールが、
前記先端の種類を決定することと、
前記システムが前記先端の前記決定された種類に基づいて前記硬組織アブレーションモードまたは前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているかどうかを決定することと
を行うように構成されている、請求項38から54のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項56】
前記スリーブが、前記先端の前記種類を指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記読み出されたデータに基づいて前記先端の前記種類を決定することと
を行うように構成されている、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記スリーブが、前記先端が、軟組織アブレーションのために構成されているのか、それとも硬組織アブレーションのために構成されているのかを指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを備え、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記読み出されたデータ内の、前記先端が、軟組織アブレーションのために構成されているのか、それとも硬組織アブレーションのために構成されているのかの前記指示に基づいて、前記システムが前記軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも前記硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているのかを決定することと
を行うように構成されている、請求項38から55のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項58】
先端と、前記先端が結合され、複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを前記先端内で誘導するためのAC駆動信号が制御コンソールから供給されるドライバを含むハンドピースとを備える超音波器具のためのスリーブであって、
開放近位および遠位端部を有し、前記開放近位および遠位端部の間に延びた管腔を画定するスリーブ本体であって、前記先端が前記管腔を通り抜け、前記スリーブ本体の前記開放遠位端部外へ延びるよう、前記ハンドピースに取り外し可能に結合されるように適合されている、スリーブ本体と、
灌流液を前記先端に提供するための前記管腔と流体連通した灌流導管と、
前記スリーブ本体内に配設され、前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記制御コンソールによって読み出されるための前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリであって、前記データが、前記超音波器具の前記先端内で誘導される前記超音波エネルギーパルスを調節するための少なくとも1つのパルス動作パラメータを指示するものである、先端メモリと
を備えてなるスリーブ。
【請求項59】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記超音波エネルギーパルスの各々のための最小超音波エネルギーレベルを、前記超音波エネルギーパルスの各々のために決定された最大超音波エネルギーレベルの関数として決定するための係数を含む、請求項58に記載のスリーブ。
【請求項60】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記誘導される超音波エネルギーのサイクルごとの継続時間に対する前記超音波エネルギーパルスの各々のための継続時間を規定するデューティサイクルを含む、請求項58または59に記載のスリーブ。
【請求項61】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記誘導される超音波エネルギーの前記超音波エネルギーパルスのためのパルス動作周波数を含む、請求項58から60のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項62】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記誘導される超音波エネルギーの前記超音波エネルギーパルスのためのパルス形状を含む、請求項58から61のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項63】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記超音波エネルギーパルスが前記ハンドピース内で誘導されている際の前記ハンドピースのための電圧限度を含む、請求項58から62のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項64】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記先端がパルス動作を有効にされているかどうかを指示するパラメータを含む、請求項58から63のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項65】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記先端が硬組織アブレーション先端であるのか、それとも軟組織アブレーション先端であるのかを指示するパラメータを含む、請求項58から64のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項66】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記超音波エネルギーパルスが前記ハンドピース内で誘導されるパルス動作モードの起動を制御するための第1の既定の荷重閾値を含む、請求項58から65のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項67】
前記先端が、前記パルス動作モードが前記超音波器具に印加された荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいときに起動状態になり、前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも小さいときに非起動状態になる、第1のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのか、それとも前記パルス動作モードが前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも小さいときに起動状態になり、前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも大きいときに非起動状態になる、第2のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのかを指示するパラメータを、前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが含む、請求項66に記載のスリーブ。
【請求項68】
前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが、前記パルス動作モードの起動を制御するための前記第1の既定の荷重閾値よりも大きい第2の既定の荷重閾値を含む、請求項66に記載のスリーブ。
【請求項69】
前記先端が、前記パルス動作モードが前記超音波器具に印加された荷重が前記第1および第2の既定の荷重閾値の間であるときに起動状態になり、前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも小さく前記第2の既定の荷重閾値よりも大きいときに非起動状態になる、第1のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのか、それとも前記パルス動作モードが前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1の既定の荷重閾値よりも小さく前記第2の既定の荷重閾値よりも大きいときに起動状態になり、前記超音波器具に印加された前記荷重が前記第1および第2の既定の荷重閾値の間であるときに非起動状態になる、第2のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのかを指示するパラメータを、前記少なくとも1つのパルス動作パラメータが含む、請求項68に記載のスリーブ。
【請求項70】
前記データが、前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスを調節するための複数のパルス動作パラメータを指示し、前記パルス動作パラメータの各々が、異なるユーザ選択可能パルス制御レベルに関連付けられている、請求項58に記載のスリーブ。
【請求項71】
前記複数のパルス動作パラメータが、前記超音波エネルギーパルスの各々のための最小超音波エネルギーレベルを、前記超音波エネルギーパルスの各々のために決定された最大超音波エネルギーレベルの関数として決定するための複数の係数を含み、前記係数の各々が、前記ユーザ選択可能パルス制御レベルのうちの異なるものに関連付けられている、請求項70に記載のスリーブ。
【請求項72】
前記複数のパルス動作パラメータが、前記ハンドピースの前記先端内で誘導される前記超音波エネルギーパルスのための複数のパルス動作周波数を含み、前記パルス動作周波数の各々が、前記ユーザ選択可能パルス制御レベルのうちの異なるものに関連付けられている、請求項70または71に記載のスリーブ。
【請求項73】
前記複数のパルス動作パラメータが、前記ハンドピースの前記先端内で誘導される前記超音波エネルギーのための複数のデューティサイクルを含み、前記デューティサイクルの各々が、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する前記超音波エネルギーパルスの各々の継続時間を規定し、前記ユーザ選択可能パルス制御レベルのうちの異なるものに関連付けられている、請求項70から72のいずれか1項に記載のスリーブ。
【請求項74】
超音波器具の先端の振動を制御するためのシステムであって、
先端と、AC駆動信号を受信したことに応じて前記先端を振動させるように構成されたドライバを含むハンドピースと、前記先端の周りに配設され、前記ハンドピースに結合されたスリーブとを備える超音波器具であって、前記スリーブが、灌流液を前記先端の遠位領域に提供するための第1の経路を画定するものである、超音波器具と、
前記超音波器具の前記ドライバに提供される前記AC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、前記制御コンソールが、
前記先端の種類を決定することと、
前記先端の前記決定された種類に基づいて前記超音波器具のための1つまたは複数のパルス動作パラメータを決定することと、
前記決定されたパルス動作パラメータに対応する複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを前記超音波器具の前記先端内で誘導する前記超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、システム。
【請求項75】
前記スリーブが、前記先端の前記種類を指示する前記先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、前記制御コンソールが、
前記超音波器具が前記制御コンソールに結合された際に前記データを前記先端メモリから読み出すことと、
前記読み出されたデータに基づいて前記先端の前記種類を決定することと
を行うように構成されている、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記制御コンソールが、
前記先端の前記決定された種類に基づいて前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスのための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
前記超音波エネルギーパルスが前記最小超音波エネルギーレベルから各々延びるよう、前記超音波器具に供給される前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項74または75に記載のシステム。
【請求項77】
前記制御コンソールが、
前記先端の前記決定された種類に基づいて、前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する前記超音波エネルギーパルスの各々の継続時間を規定する、前記誘導される超音波エネルギーのためのデューティサイクルを決定することと、
前記誘導される超音波エネルギーの各サイクルの前記継続時間に対する前記超音波エネルギーパルスの各々の前記継続時間が、前記決定されたデューティサイクルに対応するよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項74から76のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項78】
前記制御コンソールが、
前記先端の前記決定された種類に基づいて、前記誘導される超音波エネルギーパルスのためのパルス動作周波数を決定することと、
前記超音波器具内で誘導される前記超音波エネルギーパルスの周波数が、前記決定されたパルス動作周波数に対応するよう、前記AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項74から77のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月1日に出願された、米国仮特許出願第63/086,460号に対する優先権およびその全ての利益を主張する。同出願の内容全体は本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
従来の超音波器具は、標的組織(target tissue)に接触して高速で振動することによって標的組織を除去する。従来の超音波器具によって作り出される高速振動は、高温を発生し得るので、器具の動作に影響を及ぼし、無傷のままであることを所望される周囲の組織への外傷を増大させる。
【発明の概要】
【0003】
この発明の概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに後述される概念の選択を、単純化された形で伝える。この発明の概要は、クレームされている主題の範囲を限定することも、クレームされている主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することも意図されていない。
【0004】
一態様では、超音波器具の先端の振動を制御するシステムを提供する。このシステムは、超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールを含む。制御コンソールは、超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、最大超音波エネルギーレベルに基づいて超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、決定された最小超音波エネルギーレベルにおいて有意な期間(significant period)をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導するために、超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することとを実行するように構成されている。超音波エネルギーパルスの各々はhann波(hann wave、あるいはハン窓)によって規定され、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する。
【0005】
第2の態様では、超音波器具の先端の振動を制御するシステムを提供する。このシステムは、超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールを含む。制御コンソールは、超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、システムが、軟組織アブレーションモード(soft tissue ablation mode)で動作するように設定されているのか、それとも硬組織アブレーションモード(hard tissue ablation mode)で動作するように設定されているのかを決定することと、を実行するように構成されている。システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、制御コンソールは、超音波器具内で第1の超音波エネルギーを誘導する第1のAC駆動信号を生成するように構成されている。第1の超音波エネルギーは、超音波器具のために設定され、軟組織アブレーションモードに対応する第1の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第1の期間によって相互に離間された複数の第1の超音波エネルギーパルスを含む。第1の超音波エネルギーパルスの各々は、第1の期間の各々よりも短い第2の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する。システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、制御コンソールは、超音波器具内で第2の超音波エネルギーを誘導する第2のAC駆動信号を生成するように構成されている。第2の超音波エネルギーは、超音波器具のために設定され、硬組織アブレーションモードに対応する第2の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第3の期間によって相互に離間された複数の第2の超音波エネルギーパルスを含む。第2の超音波エネルギーパルスの各々は、第3の期間の各々以上である第4の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する。
【0006】
第3の態様では、先端と、先端に結合され、複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを先端内で誘導するためのAC駆動信号が制御コンソールから供給されるドライバを含むハンドピースとを備える、超音波器具のためのスリーブを提供する。このスリーブは、開放近位および遠位端部(open proximal and distal ends)を有し、開放近位および遠位端部の間に延びた管腔を画定するスリーブ本体を含む。スリーブ本体は、先端が管腔を通り抜け、スリーブ本体の開放遠位端部外へ延びるよう、ハンドピースに取り外し可能に結合されるように適合されている。スリーブは、灌流液(irrigating fluid)を先端に提供するための管腔と流体連通した灌流導管(irrigation conduit)と、スリーブ本体内に配設された先端メモリとをさらに含む。先端メモリは、超音波器具が制御コンソールに結合された際に制御コンソールによって読み出されるための先端に固有のデータを記憶する。データは、超音波器具の先端内で誘導される超音波エネルギーパルスを調節するための少なくとも1つのパルス動作パラメータ(pulsing parameter)を指示する。
【0007】
第4の態様では、超音波器具の先端の振動を制御するシステムを提供する。このシステムは、超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールを含む。制御コンソールは、先端の種類を決定することと、先端の決定された種類に基づいて超音波器具のための1つまたは複数のパルス動作パラメータを決定することと、決定されたパルス動作パラメータに対応する複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導する超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することとを実行するように構成されている。
【0008】
上述の態様のうちの任意のものを全体的または部分的に組み合わせることができ、上述の態様のうちの任意のものを、個々に利用するのかまたは組み合わせて利用するのかにかかわらず、以下の実施形態のうちの任意の1つまたは複数と共に利用することができる。
【0009】
実施形態によっては、システムは、先端を備える超音波器具を含む。実施形態によっては、超音波器具は、AC駆動信号を受信したことに応じて先端を振動させるように構成されたドライバを含むハンドピースと、先端の周りに配設され、ハンドピースに結合されたスリーブとをさらに含み、スリーブは、灌流液を先端の遠位領域に提供するための第1の経路を画定する。実施形態によっては、先端は、先端の遠位領域における吸引(suction)を提供するための第2の経路を画定する。
【0010】
実施形態によっては、有意な期間の各々は2ミリ秒以上である。実施形態によっては、有意な期間の各々は5ミリ秒以上である。
【0011】
実施形態によっては、決定された最小超音波エネルギーレベルは、患者の組織をアブレーション(切除)するには不十分であり、制御コンソールが超音波器具の共振周波数を追跡するには十分である大きさを有する先端内の振動に対応する。実施形態によっては、決定された最小超音波エネルギーレベルは、0マイクロメートルよりも大きく、20マイクロメートルよりも小さいピーク・ツー・ピーク変位(peak-to-peak displacement)を有する先端内で誘導された振動に対応する。実施形態によっては、決定された最小超音波エネルギーレベルは、0ミリアンペアよりも大きく、10ミリアンペアよりも小さい超音波器具内で誘導される機械電流に対応する。
【0012】
実施形態によっては、システムは、0における一定期間と、0と1との間に延びたhann波とを含む変調波形を記憶するメモリデバイスをさらに備え、制御コンソールは、変調波形、決定された最大超音波エネルギーレベル、および決定された最小超音波エネルギーレベルから、AC駆動信号を生成するように構成されている。実施形態によっては、制御コンソールは、決定された最大超音波エネルギーレベルおよび決定された最小超音波エネルギーレベルに基づいてスカラを決定することと、変調波形にスカラを乗算し、第2の波形を生成することと、決定された最小超音波エネルギーレベルを第2の波形に加算し、第3の波形を生成することと、第3の波形に基づいてAC駆動信号を生成することと、を行うように構成されることによって、変調波形、決定された最大超音波エネルギーレベル、および決定された最小超音波エネルギーレベルから、AC駆動信号を生成するように構成されている。
【0013】
実施形態によっては、制御コンソールは、超音波器具のための超音波エネルギーレベルを指示するユーザ選択電力設定(user-selected power setting)を受け付けることと、最大超音波エネルギーレベルが、ユーザ選択電力設定によって指示された超音波エネルギーレベルよりも大きくなり、AC駆動信号によって超音波器具内で誘導される超音波エネルギーの平均が、ユーザ選択電力設定によって指示された超音波エネルギーレベルと実質的に等しくなるよう、最大超音波エネルギーレベルを決定することとを行うように構成されている。
【0014】
実施形態によっては、スリーブは、超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定するための係数を指示する、先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、読み出されたデータ内で指示された係数を、決定された最大超音波エネルギーレベルに適用することによって、超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定することとを行うように構成されている。
【0015】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶され、制御コンソールによって読み出される先端に固有のデータはデューティサイクルを指示し、制御コンソールは、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が、読み出されたデータ内で指示されたデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成するように構成されている。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶され、制御コンソールによって読み出される先端に固有のデータはパルス動作周波数を指示し、制御コンソールは、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスの周波数が、読み出されたデータ内で指示されたパルス動作周波数に対応するよう、AC駆動信号を生成するように構成されている。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶され、制御コンソールによって読み出される先端に固有のデータはhannパルス形状(hann pulse shape)を指示し、制御コンソールは、読み出されたデータ内で指示されたhannパルス形状に基づいてAC駆動信号を生成するように構成されている。
【0016】
実施形態によっては、AC駆動信号は第1のAC駆動信号として定義され、先端メモリ内に記憶され、制御コンソールによって読み出される先端に固有のデータは、先端がパルス動作を有効にされているかどうかを指示し、制御コンソールは、読み出されたデータに基づいて、先端がパルス動作を有効にされているかどうかを決定することと、先端がパルス動作を有効にされていると決定したことに応じて、第1のAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給することと、先端がパルス動作を有効にされていないと決定したことに応じて、決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波器具内で誘導する第2のAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給することとを行うように構成されている。
【0017】
実施形態によっては、制御コンソールは、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値(load threshold)よりも大きいかどうかを決定することと、印加荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが、第1の周波数とは異なる第2の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。実施形態によっては、第2の周波数は第1の周波数よりも小さい。
【0018】
実施形態によっては、制御コンソールは、印加荷重が、第1の既定の荷重閾値よりも大きい第2の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも小さくなるまで、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが第3の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0019】
実施形態によっては、AC駆動信号は第1のAC駆動信号として定義され、制御コンソールは、決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波器具内で誘導する超音波器具に供給される第2のAC駆動信号を生成することと、第2のAC駆動信号が超音波器具に供給されている間に、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、印加荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、第1のAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給することとを行うように構成されている。実施形態によっては、制御コンソールは、第1のAC駆動信号が超音波器具に供給されている間に、印加荷重が、第1の既定の荷重閾値よりも大きい第2の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定すること、印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、第2のAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給することとを行うように構成されている。
【0020】
実施形態によっては、AC駆動信号は第1のAC駆動信号として定義され、制御コンソールは、第1のAC駆動信号が超音波器具に供給されている間に、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、印加荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波器具内で誘導する第2のAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給することとを行うように構成されている。
【0021】
実施形態によっては、制御コンソールは、第2のAC駆動信号が超音波器具に供給されている間に、印加荷重が、第1の既定の荷重閾値よりも大きい第2の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定することと、印加荷重が第2の既定の荷重閾値よりも大きいと決定したことに応じて、第1のAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給することとを行うように構成されている。
【0022】
実施形態によっては、制御コンソールは、超音波器具の機械抵抗(mechanical resistance)を算出することと、超音波器具の機械抵抗を既定の抵抗閾値と比較することと、超音波器具の機械抵抗が既定の抵抗閾値よりも大きいことに応じて、超音波器具に印加荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定することとを行うように構成されることによって、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定するように構成されている。
【0023】
実施形態によっては、制御コンソールは、超音波器具に供給されたAC駆動信号の電圧を測定することと、電圧を既定の電圧閾値と比較することと、測定された電圧が既定の電圧閾値よりも大きいことに応じて、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいと決定することとを行うように構成されることによって、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいかどうかを決定するように構成されている。
【0024】
実施形態によっては、制御コンソールは、先端の種類を決定することと、先端の決定された種類に基づいて第1の既定の荷重閾値を設定することと、を行うように構成されている。実施形態によっては、スリーブは、先端の種類を指示する先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、読み出されたデータに基づいて先端の種類を決定することとを行うように構成されている。
【0025】
実施形態によっては、スリーブは、第1の既定の荷重閾値を指示する先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、読み出されたデータから第1の既定の荷重閾値を決定することとを行うように構成されている。
【0026】
実施形態によっては、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルおよび第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けることであって、第1のパルス制御レベルが、第2のパルス制御レベルよりも堅い組織(firmer tissue)をアブレーション(切除)するためのものである、受け付けることと、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを、第1のパルス制御レベルに対応する第1の値に設定することと、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2のパルス制御レベルに対応する第2の値に設定することとを行うように構成されている。
【0027】
実施形態によっては、第2の値は、患者の組織をアブレーションするには不十分であり、制御コンソールが超音波器具の共振周波数を追跡するには十分である大きさを有する先端内の振動に対応する。実施形態によっては、第2の値は、0マイクロメートルよりも大きく、20マイクロメートルよりも小さいピーク・ツー・ピーク変位を有する先端内で誘導された振動に対応する。実施形態によっては、第2の値は、0ミリアンペアよりも大きく、10ミリアンペアよりも小さい超音波器具内で誘導される機械電流(mechanical current)に対応する。
【0028】
実施形態によっては、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが、第1の周波数よりも大きい第2の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0029】
実施形態によっては、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第1のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することと、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が、第1のデューティサイクルよりも小さい第2のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0030】
実施形態によっては、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、0における一定期間と、一定期間から延び、1においてピークに達するhann波(hann wave)とを、一定期間の継続時間に対するhann波の継続時間が第1のデューティサイクルに対応するように含む第1の変調波形を生成することと、第1の変調波形に基づいてAC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。実施形態によっては、制御コンソールは、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、0における一定期間と、一定期間から延び、1においてピークに達するhann波とを、一定期間の継続時間に対するhann波の継続時間が第2のデューティサイクルに対応するように含む第2の変調波形を生成することと、第2の変調波形に基づいてAC駆動信号を生成することと、を行うように構成されている。
【0031】
実施形態によっては、スリーブは、第1のパルス制御レベルに関連付けられた最小超音波エネルギーレベルを決定するための第1の係数と、第2のパルス制御レベルに関連付けられた最小超音波エネルギーレベルを決定するための第2の係数とを指示する先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、読み出されたデータ内で指示された第1の係数を、決定された最大超音波エネルギーレベルに適用することによって、最小超音波エネルギーレベルを決定することと、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、読み出されたデータ内で指示された第2の係数を、決定された最大超音波エネルギーレベルに適用することによって、最小超音波エネルギーレベルを決定することとを行うように構成されている。
【0032】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶され、制御コンソールによって読み出される先端に固有のデータは、第1のパルス制御レベルに関連付けられた第1のパルス動作周波数と、第2のパルス制御レベルに関連付けられた第1のパルス動作周波数よりも大きい第2のパルス動作周波数とを指示し、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、読み出されたデータに基づいて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが第1のパルス動作周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、読み出されたデータに基づいて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが第2のパルス動作周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0033】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶され、制御コンソールによって読み出される先端に固有のデータは、第1のパルス制御レベルに関連付けられた第1のデューティサイクルと、第2のパルス制御レベルに関連付けられた第1のデューティサイクルよりも小さい第2のデューティサイクルとを指示し、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、読み出されたデータに基づいて、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第1のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することと、第2のパルス制御レベルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、読み出されたデータに基づいて、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が、第1のデューティサイクルよりも小さい第2のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0034】
実施形態によっては、第1の超音波エネルギーパルスの各々の第2の期間は1ミリ秒よりも短い。実施形態によっては、第1の超音波エネルギーパルスの各々はhann波によって規定される。実施形態によっては、第1の期間の各々は2ミリ秒以上である。実施形態によっては、第1の期間の各々は5ミリ秒以上である。実施形態によっては、第3の期間の各々は第2の超音波エネルギーパルスの各々の第4の期間に実質的に等しい。実施形態によっては、第3の期間の各々は1ミリ秒よりも短い。
【0035】
実施形態によっては、軟組織アブレーションモードに対応する第1の最小超音波エネルギーレベルは、硬組織アブレーションモードに対応する第2の最小超音波エネルギーレベルとは異なる。
【0036】
実施形態によっては、制御コンソールは、システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、最大超音波エネルギーレベルに基づいて第1の最小超音波エネルギーレベルを決定することと、システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、最大超音波エネルギーレベルに基づいて第2の最小超音波エネルギーレベルを決定することとを行うように構成されている。
【0037】
実施形態によっては、制御コンソールは、システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、0と1との間に延びたhann波を含む第1の変調波形を生成することと、第1の変調波形から第1のAC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。実施形態によっては、制御コンソールは、システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、0と1との間に延びた逆hann波を含む第2の変調波形を生成することと、第2の変調波形から第2のAC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0038】
実施形態によっては、第1の変調波形は、0であり、第1の期間の各々の継続時間に対応する継続時間を有する一定期間を含む。実施形態によっては、第2の変調波形は、第2の超音波エネルギーパルスの各々の第4の期間の継続時間に対応する継続時間を有する、1の値における一定期間を含む。
【0039】
実施形態によっては、制御コンソールは、システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、第1のパルス制御レベルおよび第2のパルス制御レベルの選択を決定するように構成されており、第1のパルス制御レベルは、第2のパルス制御レベルよりも堅い組織をアブレーションするためのものである。実施形態によっては、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、第1の最小超音波エネルギーレベルを、第1のパルス制御レベルに対応する第1の値に設定することと、第2のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、第1の最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2のパルス制御レベルに対応する第2の値に設定することとを行うように構成されている。
【0040】
実施形態によっては、制御コンソールは、システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、第1のパルス制御レベルおよび第2のパルス制御レベルの選択を決定することと、第1のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、第2の最小超音波エネルギーレベルを、第1のパルス制御レベルに対応する第3の値に設定することと、第2のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、第1の最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2のパルス制御レベルに対応する第4の値に設定することとを行うように構成されている。
【0041】
実施形態によっては、制御コンソールは、第1のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、超音波器具内で誘導される第2の超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、第2のAC駆動信号を生成することと、第2のパルス制御レベルの選択を決定したことに応じて、超音波器具内で誘導される第2の超音波エネルギーパルスが、第1の周波数よりも大きい第2の周波数で生じるよう、第2のAC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0042】
実施形態によっては、制御コンソールは、システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、超音波器具のための電圧限度を第1の電圧に設定することと、システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、超音波器具のための電圧限度を、第1の電圧よりも大きい第2の電圧に設定することとを行うように構成されている。
【0043】
実施形態によっては、制御コンソールは、先端の種類を決定することと、システムが、先端の決定された種類に基づいて硬組織アブレーションモードまたは軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているかどうかを決定することとを行うように構成されている。実施形態によっては、スリーブは、先端の種類を指示する先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、読み出されたデータに基づいて先端の種類を決定することとを行うように構成されている。
【0044】
実施形態によっては、スリーブは、先端が、軟組織アブレーションのために構成されているのか、それとも硬組織アブレーションのために構成されているのかを指示する先端に固有のデータを記憶する先端メモリを備え、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、読み出されたデータ内の、先端が、軟組織アブレーションのために構成されているのか、それとも硬組織アブレーションのために構成されているのかの指示に基づいて、システムが、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているのかを決定することとを行うように構成されている。
【0045】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、超音波エネルギーパルスの各々のための最小超音波エネルギーレベルを、超音波エネルギーパルスの各々のために決定された最大超音波エネルギーレベルの関数として決定するための係数を含む。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、誘導される超音波エネルギーのサイクルごとの継続時間に対する超音波エネルギーパルスの各々のための継続時間を規定するデューティサイクルを含む。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、誘導される超音波エネルギーの超音波エネルギーパルスのためのパルス動作周波数を含む。
【0046】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、誘導される超音波エネルギーの超音波エネルギーパルスのためのパルス形状を含む。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、超音波エネルギーパルスがハンドピース内で誘導されている際のハンドピースのための電圧限度を含む。
【0047】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、先端がパルス動作を有効にされているかどうかを指示するパラメータを含む。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、先端が硬組織アブレーション先端であるのか、それとも軟組織アブレーション先端であるのかを指示するパラメータを含む。
【0048】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、超音波エネルギーパルスがハンドピース内で誘導されるパルス動作モードの起動を制御するための第1の既定の荷重閾値を含む。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、先端が、パルス動作モードが超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいときに、起動状態になり、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも小さいときに、非起動状態になる、第1のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのか、それともパルス動作モードが、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも小さいときに、起動状態になり、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも大きいときに、非起動状態になる、第2のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのかを指示するパラメータを含む。
【0049】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、パルス動作モードの起動を制御するための第1の既定の荷重閾値よりも大きい第2の既定の荷重閾値を含む。実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータによって指示された少なくとも1つのパルス動作パラメータは、先端が、パルス動作モードが超音波器具に印加された荷重が第1および第2の既定の荷重閾値の間であるときに起動状態になり、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも小さくて第2の既定の荷重閾値よりも大きいときに非起動状態になる、第1のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのか、それともパルス動作モードが、超音波器具に印加された荷重が第1の既定の荷重閾値よりも小さくて第2の既定の荷重閾値よりも大きいときに起動状態になり、超音波器具に印加された荷重が第1および第2の既定の荷重閾値の間であるときに非起動状態になる、第2のパルス動作起動モードで動作することを有効にされているのかを指示するパラメータを含む。
【0050】
実施形態によっては、先端メモリ内に記憶されたデータは、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスを調節するための複数のパルス動作パラメータを指示し、パルス動作パラメータの各々は、異なるユーザ選択可能パルス制御レベルに関連付けられている。実施形態によっては、複数のパルス動作パラメータは、超音波エネルギーパルスの各々のための最小超音波エネルギーレベルを、超音波エネルギーパルスの各々のために決定された最大超音波エネルギーレベルの関数として決定するための複数の係数を含み、係数の各々は、ユーザ選択可能パルス制御レベルのうちの異なるものに関連付けられている。
【0051】
実施形態によっては、複数のパルス動作パラメータは、ハンドピースの先端内で誘導される超音波エネルギーパルスのための複数のパルス動作周波数を含み、パルス動作周波数の各々は、ユーザ選択可能パルス制御レベルのうちの異なるものに関連付けられている。
【0052】
実施形態によっては、複数のパルス動作パラメータは、ハンドピースの先端内で誘導される超音波エネルギーのための複数のデューティサイクルを含み、デューティサイクルの各々は、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波エネルギーパルスの各々の継続時間を規定し、ユーザ選択可能パルス制御レベルのうちの異なるものに関連付けられている。
【0053】
実施形態によっては、スリーブは、先端の種類を指示する先端に固有のデータを記憶する先端メモリを含み、制御コンソールは、超音波器具が制御コンソールに結合された際にデータを先端メモリから読み出すことと、読み出されたデータに基づいて先端の種類を決定することとを行うように構成されている。
【0054】
実施形態によっては、制御コンソールは、先端の決定された種類に基づいて超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスのための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、超音波エネルギーパルスが最小超音波エネルギーレベルから各々延びるよう、超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0055】
実施形態によっては、制御コンソールは、先端の決定された種類に基づいて、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波エネルギーパルスの各々の継続時間を規定する、誘導される超音波エネルギーのためのデューティサイクルを決定することと、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が、決定されたデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0056】
実施形態によっては、制御コンソールは、先端の決定された種類に基づいて、誘導される超音波エネルギーパルスのためのパルス動作周波数を決定することと、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスの周波数が、決定されたパルス動作周波数に対応するよう、AC駆動信号を生成することとを行うように構成されている。
【0057】
さらなる態様では、態様および実施形態のうちの任意の1つまたは複数において説明された特徴のうちの任意の1つまたは複数を実行することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】超音波器具と、パルス状超音波エネルギーを超音波器具内で誘導するための制御コンソールと、を含む超音波ツールシステムを示す図である。
図2図1の制御コンソールの構成要素を示す図である。
図3図1の超音波器具の構成要素を示す図である。
図4】AおよびBは、図1の超音波器具を通る電流の流れを表す回路を示す図である。
図5】AおよびBは、図1の超音波器具内で誘導され得るパルス動作プロファイルを示す図である。
図6】AおよびBは、図1の超音波器具内で誘導され得る追加のパルス動作プロファイルを示す図である。
図7】AおよびBは、図1の超音波器具内で誘導され得るさらなるパルス動作プロファイルを示す図である。
図8】パルス状超音波エネルギーを図1の超音波器具内で誘導するための図1の制御コンソールによって生成され得る変調波形を示す図である。
図9】パルス状超音波エネルギーを図1の超音波器具内で誘導するための図1の制御コンソールによって生成され得るベースAC信号を示す図である。
図10】AおよびBは、パルス状超音波エネルギーを図1の超音波器具内で誘導するための図1の制御コンソールによって生成され得るAC信号を示す図である。
図11】パルス状超音波エネルギーを図1の超音波器具内で誘導するための方法を示す図である。
図12図1の超音波器具内で誘導されたパルス状超音波エネルギーを用いて触覚フィードバックを施術者に提供するための方法を示す図である。
図13図1の超音波器具内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数を印加荷重の関数として変更することによって、触覚フィードバックを施術者に提供することを示す図である。
図14図1の超音波器具内のパルス状超音波エネルギーを印加荷重の関数として有効および無効にすることによって、触覚フィードバックを施術者に提供することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、外科手術の最中などに、パルス状超音波エネルギーを用いて患者の組織をアブレーションするための超音波ツールシステム10を示す。超音波ツールシステム10は制御コンソール12および超音波器具14を含み得る。超音波器具14は、患者の組織と接触するように構成された先端ヘッド17を有する先端16を含み得る。動作中、制御コンソール12は、超音波器具14内で超音波エネルギーを誘導するAC駆動信号を生成し、超音波器具14に供給してもよく、これが今度は先端ヘッド17を高速に振動させる。そして、施術者は、振動する先端ヘッド17を患者の組織に当てて位置付け、接触させられた組織をアブレーションすることができる。
【0060】
組織を効果的にアブレーションするために、制御コンソール12は超音波器具14の先端16を比較的高い速度で振動させ得る。例えば、全出力では、制御コンソール12は、20~40kHzの周波数および約300マイクロメートルのピーク・ツー・ピーク変位を有する先端16の振動を生じさせ得る。先端16をこの速度で振動させることは、超音波器具14が繊維組織および骨などの硬組織を乳化することを可能にし得るが、動作中に先端16が経験する多数の振動サイクルにわたってこの速度を維持することは、超音波器具14内および手術部位において大量の熱も発生し得る。このような熱は、超音波器具14の動作に影響を及ぼし、無傷のままであることを所望される周囲の組織への外傷(trauma)を増大させ得る。
【0061】
しかし、先端16が、硬組織を切除するために一定の速度で振動させられたとき、先端16の各振動サイクルは等価の切除量を生じさせないことがある。むしろ、多数の振動サイクルは単に手術部位における発熱を増大させるのみであり、実際には組織を切除しないことがある。それゆえ、超音波ツールシステム10によって記憶された複数の所定のパルス動作プロファイルのうちの1つなどに従って、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーを周期的に低減することによって硬組織の実効的切除速度を維持しつつ発熱を低減することが可能になり得る。
【0062】
各既定のパルス動作プロファイルは、超音波器具14内で誘導されるべき超音波エネルギーのパターンを規定してもよく、超音波エネルギーパターンは、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、超音波器具14のために設定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの期間によって相互に離間されたいくつかの超音波エネルギーパルスを含む。例によっては、最大超音波エネルギーレベルを施術者によって設定してもよく、最小超音波エネルギーレベルを最大超音波エネルギーレベルに対してパルス動作プロファイルによって規定してもよい。
【0063】
超音波器具14内で誘導された超音波エネルギーは先端16を振動させ得る。先端16の振動の周波数、振幅、および速度は、誘導された超音波エネルギーのものに対応してもよく、誘導された超音波エネルギーはAC駆動信号のものにもまた対応してもよい。所与のパルス動作プロファイルについては、最大超音波エネルギーレベルが超音波器具14内で誘導された時にピーク振動振幅および速度が先端16内に生じていてもよく、最大超音波エネルギーレベルは、標的組織種を切除するために十分なレベルに設定されていてもよい。パルス動作プロファイルに従って超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーの周期的低減は、許容可能な切除速度を維持しつつ超音波器具14内および手術部位における発熱を低減し得る、ピーク振幅および速度からの先端16の振動振幅および速度の周期的低減を生じさせ得る。換言すれば、所与のパルス動作プロファイルの実施は、設定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導することと比べて、先端16がピーク速度で運動する振動サイクルの数を低減することができ、摩擦熱発生の低減をもたらす。
【0064】
硬組織を切断する際の発熱を低減することに加えて、所定のパルス動作プロファイルに従って超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーを周期的に低減することは、より軟らかい組織の切除速度を実質的に維持しつつ、より堅い組織の切除速度を遅くする先端16の振動を生じさせることによって、先端16を軟組織などの特定の組織に当てたときのより精細な切除制御を可能にし得る。換言すれば、既定のパルス動作プロファイルは、改善された組織選択性をもたらし得る。本開示のこれらおよび他の態様が以下においてより詳細に説明される。
【0065】
超音波器具14はハンドピース18を含み得る。先端16は、ハンドピース18が、異なる交換可能な先端16と共に用いられることを可能にするために、ハンドピース18に取り外し可能に結合され得る。ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な異なる先端16は異なる種類の手術のために構成され得る。例えば、ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な一部の先端16は、軟組織をアブレーションするように構成され得る。軟組織をアブレーションするように構成された先端16は、先端16を通した手術部位における吸引を提供するための管腔を画定し得る。ハンドピースに取り外し可能に結合可能な一部の先端16は、繊維組織および骨などの硬組織をアブレーションするように構成され得る。硬組織をアブレーションするように構成された先端16は、切断アクションを介して組織を除去するよう寸法設定された歯または溝を有するように形成された先端ヘッド17を特徴とし得る。ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な先端16は、異なる深さにおける患者の解剖学的構造へのアクセスを提供するために異なる長さのものにもなり得る。ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な一部の先端16を、それらの先端ヘッド17において長手方向にのみ振動するように設計することができ、その一方で、ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な他の先端16は、それらの先端ヘッド17において長手方向およびねじり方向の両方、および/または実質的なねじり方向に振動するように設計され得る。以下においてより詳細に説明されるように、超音波ツールシステム10は、用いられる特定の先端16および実行される特定の手術に合わせてパルス状超音波エネルギーを最適化するために、異なる先端16のために異なるパルス動作プロファイルを実施するように構成され得る。
【0066】
ハンドピース18は超音波器具14の近位端部を形成していてもよく、ハンドピース18に結合された先端16は超音波器具14の遠位端部を形成し得る。「近位」(proximal)を、超音波器具14を保持する施術者に向かう方で、先端16が当てられる組織から離れる方と理解してもよく、「遠位」(distal)を、施術者から離れる方で、超音波器具14の先端16が当てられる組織に向かう方と理解してもよい。
【0067】
ハンドピース18は、施術者が超音波器具14を握って操るためのハンドルを規定するハウジング20を含み得る。ハンドピース18は、ハウジング20によって画定された空隙内に配設されたトランスデューサ22も含み得る。トランスデューサ22は、圧電結晶などの、1つまたは複数のドライバ24を含み得る。ドライバ24は円板形であってもよく、端と端をつないで積み重ねてハウジング20内に配置され得る。各ドライバ24は、交流電流の印加時に、ドライバ24の長手方向軸、すなわち、ドライバ24の、近位に向いた面と遠位に向いた面との間に延びた軸に沿った瞬間的な膨張および収縮を経験する材料から形成され得る。絶縁円板が、隣接したドライバ24の間に配設され、それらにぴったりと当接し得る。さらに、トランスデューサ22が複数の磁歪要素(magnetostrictive element)を代替的に含み得ることが企図される。トランスデューサ22は、ドライバ24の共線状長手方向軸(collinear longitudinal axes)を通って延び得るチューブ26をさらに含み得る。
【0068】
ハンドピース18は、ハウジング20によって画定された空隙内に少なくとも部分的に配設されたホーン28も含み得る。ホーン28はトランスデューサ22の遠位端部に結合され得る。ホーン28は、硬質の鋼合金、チタンまたは同様の材料から構築され得る。動作時、トランスデューサ22が膨張および収縮するのに伴い、ホーン28は振動し得る。ホーン28はトランスデューサ22に取り外し可能に結合され得る。例えば、ホーン28の近位端部は雄ねじカプラ(a threaded male coupler)を含んでもよく、トランスデューサ22の遠位端部は、対応する雌ねじカプラ(female threaded coupler)を含み得る。代替的に、トランスデューサ22およびホーン28は、溶接、接着剤、または同様の接合プロセスを介して永久的に結合され得る。
【0069】
先端16はホーン28に取り外し可能に結合可能であり得る。より具体的には、ホーン28の遠位端部は、先端16の近位端部上の対応するねじと係合するように構成されたねじカプラを含み得る。さらに、他の結合方法が、先端16をホーン28に取り外し可能に結合するために利用され得ることが企図される。例えば、ホーン28の遠位端部は、先端16とのスナップ嵌め係合(snap fit engagement)を可能にする特徴を含み得る。
【0070】
超音波器具14は電気ケーブル30を介して制御コンソール12に取り外し可能に結合可能であり得る。電気ケーブル30の一方の端部は超音波器具14のハウジング20の近位端部に永久的に接続されていてもよく、電気ケーブル30の他方の端部は、制御コンソール12のソケット34に対応するアダプタ32を含み得る。ソケット34は、アダプタ32を受容するように形状設定されていてもよく、アダプタ32の電気接点に対応する電気接点を含んでいてもよく、これにより、アダプタ32がソケット34内に完全に着座させられたとき、超音波器具14と制御コンソール12との間に電気接続が形成される。
【0071】
超音波器具14を作動させると、制御コンソール12はAC駆動信号を生成し、電気ケーブル30を通じて超音波器具14に供給し得る。超音波器具14へのAC駆動信号の印加は超音波器具14内で超音波エネルギーを誘導し、対応して、超音波器具14の先端16を振動させ得る。
【0072】
より具体的には、超音波器具14は、制御コンソール12からのAC駆動信号がトランスデューサ22のドライバ24の各々に並列に印加され、これが、ドライバ24に、AC駆動信号に従ってトランスデューサ22の長手方向軸に沿って同時に膨張および収縮させ得るように設計され得る。ドライバ24のスタックは長さが1~5cmであり得る。ドライバ24の単一の膨張/収縮サイクルにわたる運動の距離または振幅は、1~10マイクロメートルであり得る。
【0073】
ホーン28は、この運動を増幅するように構成され得る。その結果、ホーン28の遠位端部そしてひいては先端16は各々、完全収縮位置と完全拡大位置との間でその長手方向軸に沿って後方および前方に運動することができ、これにより、長手方向の振動運動を生み出す。いくつかの例として、完全収縮位置から完全拡大位置までの単一の運動を表す、先端ヘッド17の最大ピーク・ツー・ピーク振動(maximum peak-to-peak vibration)は、1000マイクロメートル、または500マイクロメートル、または300マイクロメートルであり得る。上述されたように、ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な一部の先端16は、それらの先端ヘッド17において長手方向およびねじり方向の両方に、ならびに/または実質的にねじり方向に振動するように構成され得る。このような先端16は、先端16の近位端部に加えられた長手方向振動を、長手方向成分およびねじり方向成分の両方を有し、ならびに/または実質的にねじり方向成分のみを有する先端ヘッド17における振動へと変換するように構成された、螺旋溝などの、その長さに沿った特徴を含み得る。
【0074】
動作中の発熱の低減を支援するために、超音波器具14は、灌流液を先端16の遠位領域(例えば、先端ヘッド17)および手術部位に提供するための灌流経路35を画定し得る。より具体的には、超音波器具14は、灌流液を少なくとも先端16の遠位領域および手術部位に提供するための、先端16の周りに配設され、ハンドピース18、例えば、ハンドピース18のハウジング20に取り外し可能に結合されるように適合された灌流スリーブ36を含み得る。
【0075】
灌流スリーブ36は、開放近位および遠位端部を有し、開放近位と遠位端部との間に延びた管腔40を画定するスリーブ本体38を含み得る。スリーブ本体38は、先端16が管腔40を通り抜け、スリーブ本体38の開放遠位端部外へ延びるよう、ハンドピース18、例えば、ハンドピース18のハウジング20に結合されるように適合され得る。例えば、スリーブ本体38の近位端部は、ハウジング20の遠位端部へのスリーブ本体38の解放可能な結合のための結合特徴を有するように形成され得る。先端16を覆って配設され、ハウジング20に結合されたとき、灌流スリーブ36は先端16から半径方向に離間されてもよく、上述されたとおりの先端ヘッド17から長手方向に離間され得る。通常動作中に、先端16が灌流スリーブ36と接触しないように、超音波器具14の構成要素を寸法設定していてもよい。
【0076】
超音波器具14の動作中に、灌流液を、ハンドピース18から、先端16とスリーブ本体38との間の間隙内へと、そして、スリーブ本体38の開放遠位端部外へ流すことができる。より具体的には、ハンドピース18は、ハンドピース18の近位端部から遠位端部へハウジング20を通って延びた灌流導管42を含み得る。灌流導管42の近位端部は、灌流管路を受容するためのハンドピース18の近位端部から延びた超音波器具14の管継手44に結合され得る。
【0077】
灌流スリーブ36は、スリーブ本体38によって画定された管腔40と流体連通した灌流導管46を同様に含み得る。灌流導管46は、スリーブ本体38の近位領域から延び、管腔40の壁内に形成されたアパーチャ48まで管腔40に隣接して延び得る。管腔40の近位端部と遠位端部との間の管腔40の中間部分にアパーチャ48を位置付けることができ、灌流導管46からの灌流液を先端16とスリーブ本体38との間の間隙内へ提供するように構成することができる。灌流スリーブ36の灌流導管46の近位端部は、ハンドピース18の灌流導管42の遠位端部と流体係合するように適合され得る。
【0078】
したがって、超音波器具14の動作中、灌流液は、流体源から、管継手44および導管42、46を通り、アパーチャ48から管腔40内へと流れ得る。そして、このような灌流液は管腔40を遠位方向に流れ、スリーブ本体38の開放遠位端部から流れ出得る。代替例では、ハンドピース18から灌流液を受けるように構成される代わりに、灌流スリーブ36は、ハンドピース18の外部で延びた灌流管路を受容するための、灌流導管46と流体連通し、スリーブ本体38の外面上に配設された管継手を含み得る。超音波器具14の動作中、灌流液は、管継手を介して先端16とスリーブ本体38との間の間隙を通り、スリーブ本体38の開放遠位端部から出るように同様に流され得る。
【0079】
本明細書において説明されるパルス動作技法は、パルス動作が存在しないことと比べたときの灌流スリーブ36のサイズおよび複雑さの低減を可能にし得る。具体的には、灌流液が灌流スリーブ36を通り、手術部位に向かって運動するのに伴い、灌流液と振動する先端16との間の相互作用が先端16に荷重をかけることができ、それが今度は、制御コンソール12が、荷重に打ち勝ち、先端16の振動を所望のレベルに維持するために、超音波器具14に提供される電力を増大させることを引き起こし得る。その結果、灌流液を通してより多くの電力を消散することができ、それが灌流液の加熱の増大を引き起こし得る。施術者による、または隣接組織による灌流スリーブ36との接触もまた、増大した荷重を先端16にかけることができ、灌流液の加熱の増大を同様に引き起こし得る。
【0080】
本明細書において説明されるパルス動作技法が存在しない場合には、灌流液が灌流スリーブ36を通って先端16の遠位領域へ運動するのに従って、標的組織を包囲する組織への潜在的外傷を増大させる温度まで灌流液が加熱されることを防止するために、灌流スリーブ36の幅を、先端16と灌流スリーブ36との間の間隙が比較的大きくなるように選択することができ、灌流スリーブ36の遠位端部は比較的複雑な幾何形状を組み込み得る。また、施術者は、灌流液および灌流スリーブ36が先端16にかける荷重を低減するために、灌流スリーブ36が灌流液でいっぱいになっている間に超音波器具14を上向きに保持することと、灌流スリーブ36で超音波器具14を保持することも禁止され得る。本明細書において説明されるパルス動作技法は灌流液と先端16との間の発熱相互作用を少なくし得るため、灌流スリーブ36の幅をより小さくすることができ、施術者は、場合によっては、上述の行為を行い得る。例によっては、本明細書において説明されるパルス動作技法の実施は、灌流液が、先端16の周囲ではなく、その中を通して(例えば、後述される流体経路50を通して)送られることも可能にすることができ、灌流スリーブ36は超音波器具14から完全に省略され得る。
【0081】
超音波器具14は、先端16の遠位領域(例えば、先端ヘッド17)における吸引を提供するための流体経路50も画定し得る。具体的には、トランスデューサ22のチューブ26は、トランスデューサ22の近位端部から遠位端部まで延びた管腔を画定し、トランスデューサ22を通る流体通路を作り出し得る。ホーン28は、ホーン28の近位端部から遠位端部まで延びた管腔を同様に画定し、トランスデューサ22を通る流体通路を作り出すことができ、先端16もまた、先端16の近位端部から遠位端部まで延びた管腔を画定し、先端16を通る流体通路を作り出し得る。集合的に、これらの管腔は、先端16の遠位領域からハンドピース18の近位領域まで延びた流体経路50の少なくとも部分を形成し得る。
【0082】
超音波器具14は、チューブ26に結合され、ハンドピース18の近位領域から近位方向に延びた管継手52をさらに含み得る。手術中には、吸引が管継手52を介して流体経路50に印加され、手術部位に適用された灌流液、および液内に取り込まれた手術によって形成された砕片をハンドピース18の近位端部の方へ引き寄せ、そこから引き出し得る。吸引は、先端ヘッド17の方へ組織も引き寄せることができ、これは、患者の組織を治療する際の先端16の有効性を向上させ得る。
【0083】
事例によっては、先端16の遠位領域における吸引を提供するための流体経路50は、先端16が、軟組織をアブレーションするように構成されているときにのみ存在し得る。換言すれば、硬組織をアブレーションするように構成された先端16は、流体経路50を完成させるそれを通って延びた管腔を画定しなくてもよい。
【0084】
制御コンソール12は、情報を施術者に呈示するためのディスプレイ54を含み得る。呈示される情報の非限定例としては、制御コンソール12に現在接続されている超音波器具14の、またはより具体的には、ハンドピース18および/または先端16の識別と、超音波ツールシステム10の動作状態とを挙げることができる。ディスプレイ54は、施術者が、スクリーン上制御要素などを介して、入力を制御コンソール12に提供することを可能にするタッチスクリーンディスプレイであり得る。施術者はスクリーン上制御要素と対話し、超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベル、吸引レベル、灌流レベル、アブレーションモード、およびパルス制御レベルなどの、超音波ツールシステム10の動作パラメータを設定し得る。
【0085】
超音波ツールシステム10は、制御コンソール12に結合された1つまたは複数の作動デバイスも含み得る。施術者によって起動されると、作動デバイスの各々は制御コンソール12に、超音波器具14内で超音波エネルギーを誘導し、超音波器具14の先端16に、設定された動作パラメータに従って振動させるAC駆動信号を対応して生成させ、超音波器具14に供給させ得る。
【0086】
例えば、1つまたは複数の作動デバイスはフットペダル56を含み得る。フットペダル56は、制御コンソール12に接続されたアダプタ58などを介して、制御コンソール12に無線接続され得る。押下されると、フットペダル56は、押下を指示する作動信号を制御コンソール12へ通信し得る。事例によっては、施術者が、フットペダル56を介して超音波器具14内で誘導される最大超音波エネルギーレベルを変更することを可能にするなどするために、通信される作動信号は、フットペダル56が押下された程度によって変化し得る。作動信号を受信したことに応じて、制御コンソール12は、制御コンソール12の現在の設定、および/または作動信号によって指示された押下の程度に従って振動させるAC駆動信号を先端16に生成し、超音波器具14に供給し得る。
【0087】
超音波ツールシステム10は、制御コンソール12に結合された遠隔制御装置60も含み得る。タッチスクリーンディスプレイ54と同様に、遠隔制御装置60は、施術者入力を制御コンソール12に提供するための施術者選択可能要素を含み得る。例えば、遠隔制御装置60は、超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベル、吸引レベル、灌流レベル、アブレーションモード、およびパルス制御レベルなどの、超音波ツールシステム10の動作パラメータを設定するためのボタンを含み得る。遠隔制御装置60は、制御コンソール12をオンおよびオフにするための電源ボタンも含み得る。加えて、または代替的に、制御コンソール12が、制御コンソール12をオンおよびオフにするための統合された電源ボタン62を含み得る。
【0088】
図2は、制御コンソール12と一体であり得る構成要素を示す。制御コンソール12は、プロセッサ70、信号生成器74、変圧器76、およびコンソールメモリ78を含み得る。プロセッサ70は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、および/またはコンソールメモリ78内に記憶された動作命令に基づいて信号(アナログもしくはデジタル)を操作する任意の他のデバイスから選択される1つまたは複数のデバイスを含み得る。コンソールメモリ78は、限定するものではないが、リードオンリーメモリ(ROM:read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/または情報を記憶する能力を有する任意の他のデバイスを含む、単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスを含み得る。コンソールメモリ78は、ハードドライブ、光学ドライブ、テープドライブ、不揮発性固体デバイス、および/または情報を永続的に記憶する能力を有する任意の他のデバイスなどの1つまたは複数の永続データ記憶デバイスも含み得る。
【0089】
プロセッサ70は、本明細書において説明される制御コンソール12の機能、特徴、プロセス、および方法を実施するように構成され得る。具体的には、プロセッサ70は、コンソールメモリ78内に常駐するコンピュータ実行可能命令によって具現されるソフトウェアの制御下で動作し得る。コンピュータ実行可能命令は、限定するものではないが、および単独で、もしくは組み合わせて、Java、C、C++、C#、Objective C、Fortran、Pascal、Java Script、Python、Perl、およびPL/SQLを含む、種々のプログラミング言語および/または技術からコンパイルまたは解釈実行され得る。コンピュータ実行可能命令は、プロセッサ70の実行時に、プロセッサ70に、本明細書において説明される制御コンソール12の機能、特徴、プロセス、および方法を実施させるように構成され得る。
【0090】
例えば、プロセッサ70は、制御コンソール12から超音波器具14に供給されるAC駆動信号を調節することによって、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーのレベルを制御し、対応して、先端16の振動を制御するように構成され得る。より具体的には、超音波ツールシステム10の動作中、プロセッサ70は、制御コンソール12から超音波器具14に供給されるべき目標AC駆動信号を指示する1つまたは複数の制御信号を信号生成器74へ出力するように構成され得る。信号生成器74は、変圧器76の1次巻線80の両端間に、直接デジタル合成(DDS:direct digital synthesis)および1つまたは複数の増幅器を用いるなどして、AC信号を応答して生成するように構成され得る。AC信号は、制御信号によって指示された目標AC駆動信号に比例してもよく、電気接点84などを通じて、超音波器具14に結合され得る、変圧器76の2次巻線82の両端間に目標AC駆動信号を誘導し得る。
【0091】
図3を参照すると、電気接点84は制御コンソール12のソケット34と一体であり得る。対応する電気接点86は電気ケーブル30のアダプタ32と一体であり得る。電気接点86は、超音波器具14の各ドライバ24の反対の端部にも電気接続され得る。アダプタ32がソケット34内に完全に着座させられたとき、電気接点84、86は整列し、電気接続を形成していてもよく、これにより、変圧器76の2次巻線82の両端間に発生されたAC駆動信号を各ドライバ24に印加し、超音波器具14内で超音波エネルギーを誘導し、先端16の振動を対応して生じさせ得る。
【0092】
図4Aおよび図4Bは、AC駆動信号が制御コンソール12から超音波器具14に供給されたときの超音波器具14を通る電流の流れを示す回路を示す。図示の例に示されるように、供給されたAC駆動信号の電流iは、2つの成分、超音波器具14のドライバ24に印加される電流i、および超音波器具14の機械構成要素に印加される電流i(本明細書において「機械電流i」とも称される)の等価物に分解され得る。超音波器具14の機械構成要素は、ドライバ24、チューブ26、ホーン28、および先端16などの、患者の組織を治療するために、供給されたAC駆動信号に応じて振動するそれらの構成要素を含み得る。
【0093】
ドライバ24によってもたらされるインピーダンスZは主として容量性であり得る。したがって、ドライバ24は、キャパシタンスCを有するキャパシタによって表され得る。ドライバ24のキャパシタンスCは超音波器具14の動作中に実質的に一定のままであってもよく、それゆえ、制御コンソール12への超音波器具14の接続時などに、動作に先立って決定され、制御コンソール12に提供され得る。加えて、または代替的に、制御コンソール12は、なおいっそうの精度を可能にするために超音波器具14の動作中にドライバ24のキャパシタンスCを周期的に測定するように構成され得る。
【0094】
超音波器具14の機械構成要素によってもたらされるインピーダンスZ(本明細書において「機械インピーダンスZ」とも称される)の等価物は、誘導成分、抵抗成分、および容量成分を含み得る。したがって、機械構成要素は、インダクタンスLを有するインダクタ、抵抗Rを有する抵抗器、およびキャパシタンスCを有するキャパシタによって表され得る。インダクタンスL、抵抗R、およびキャパシタンスCは超音波器具14の動作に伴って変化することができ、少なくとも抵抗R(本明細書において「機械抵抗R」とも称される)は、接触させられた患者の組織などによって、先端16に印加された荷重の関数として変化し得る。換言すれば、機械インピーダンスZ、またはより具体的には、機械抵抗Rは、先端16が当てられた組織の堅さに基づいて、および施術者が超音波器具14を組織に当てる力に基づいて変化し得る。
【0095】
超音波器具14内で誘導される超音波エネルギー、および対応して、先端16の振動は機械電流iに比例し得る。例えば、先端ヘッド17における振動の周波数は機械電流iの周波数と等しくなってもよく、超音波器具14が共振において動作している際、マイクロメートル単位の先端ヘッド17のピーク・ツー・ピーク変位はミリアンペア単位の機械電流iの振幅のおおよそ2倍になり得る。一例として、超音波器具14の共振周波数における、および150ミリアンペアの振幅を有する機械電流iは、先端ヘッド17を、おおよそ300マイクロメートルである進行路に沿って後方および前方に振動するよう誘導し得る。
【0096】
それゆえ、プロセッサ70は、信号生成器74に、目標周波数、および目標変位レベルに対応する振幅を有する機械電流iを超音波器具14内で誘導するAC駆動信号を超音波器具14に供給させる信号生成器74への制御信号を生成することによって、目標周波数および変位レベルを有する振動を先端16内に生じさせ得る。この目的を達成するために、プロセッサ70は、目標振動を先端16内で誘導するための2つの制御ループ、すなわち、AC駆動信号によって超音波器具14内で誘導される機械電流iの周波数を調節するための制御ループ、およびAC駆動信号によってハンドピース内で誘導される機械電流iのレベルもしくは振幅を調節するための制御ループを実施するように構成され得る。各制御ループは、所望の値を達成するためにAC駆動信号を効率的に調整するためのPIDコントローラを組み込むことができ、おおよそ400マイクロ秒のループ時間を有し得る。
【0097】
オームの法則を用いて、プロセッサ70は、次式を用いて超音波器具14内で誘導される機械電流iのレベルを算出するように構成され得る。
=i-j2πfC (1)
ここで、iは、超音波器具14に供給されるAC駆動信号の電流であり、fはAC駆動信号の周波数であり、Cはドライバ28のキャパシタンスであり、vはAC駆動信号の電圧である。式(1)のための説明が出願人の米国特許第10,016,209号において与えられている。同出願の内容はそれらの全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。AC駆動信号の周波数fは、超音波器具14の所望の振動特性(例えば、共振)を達成するようにあらかじめ設定されていると仮定すると、プロセッサ70は、式(1)が目標機械電流iレベルをもたらすようAC駆動信号の電圧vを設定することによって、目標機械電流iレベルと、先端16の対応する目標振動とを誘導し得る。
【0098】
上述されたように、超音波器具14と一体の特性は超音波器具14の機械的共振周波数である。機械的共振周波数は、先端16の遠位端部がピーク範囲の振動運動を経験する周波数である。換言すれば、他の電気特性は一定のままであると仮定すると、共振周波数において、先端16は、ドライバ24が、共振周波数よりも小さい、または大きい周波数で振動させられた場合に生じるであろう運動よりも大きい大きさの運動を経験する。長手方向に振動する先端16については、ピーク範囲は、先端16の遠位端部の最大前進後退距離と理解され得る。
【0099】
出願人の米国特許第10,016,209号は、超音波器具14の動作中に変化し得る、超音波器具14の共振周波数を追跡するための手段も開示している。具体的には、超音波器具14は、ドライバ28を通る電流iと機械電流iとの比の実数部が0に実質的に等しいときに共振において動作することになり得る。それゆえ、プロセッサ70は、次式が真になるようAC駆動信号の周波数fのための値を決定することによって超音波器具14の共振周波数を決定するように構成され得る。
【数1】
ここで、iは、超音波器具14に供給されるAC駆動信号の電流であり、Cはドライバ24のキャパシタンスである。式(2)を用いるなどして、超音波器具14の共振周波数を決定したことに応じて、プロセッサ70は、AC駆動信号の周波数を、決定された共振周波数に設定し、これにより、超音波器具14に共振において動作させるように構成され得る。
【0100】
プロセッサ70は、超音波器具14の反共振周波数などの、超音波器具14に固有の他の振動特性に従ってAC駆動信号の周波数を追跡および設定するようにも構成され得る。この場合には、プロセッサ70は、式(2)の左辺が実質的に1に等しくなるよう、周波数fのための値を決定するように構成され得る。
【0101】
AC駆動信号の周波数が、共振などの超音波器具14の目標振動特性に従うように調整されるのに伴って、超音波器具14の機械電流iは変化し得る。したがって、目標超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するために、プロセッサ70は、式(2)に基づいてAC駆動信号の周波数を調節する動作と、式(1)に従って算出された機械電流iが目標超音波エネルギーに対応するようAC駆動信号の電圧vを設定する動作とを繰り返し交互に行うか、またはそれらを並列に実行するように構成され得る。
【0102】
この目的を達成するために、図2を再び参照すると、プロセッサ70は、制御コンソール12と一体の1つまたは複数のセンサなどを介して、超音波器具14に供給されるAC駆動信号に対応するフィードバックデータを受信するように構成され得る。そして、プロセッサ70は、受信されたデータを、式(1)および式(2)をそれぞれ用いてAC駆動信号の周波数および電圧vを調節するループへと送り込むことなどによって、受信されたデータに基づいて、超音波器具14内に目標超音波エネルギーと、先端16の対応する目標振動とを誘導するように構成され得る。
【0103】
より具体的には、制御コンソール12は、変圧器76に隣接した、またはそれと一体の再生コイル88を含み得る、超音波器具14に供給されたAC駆動信号の電圧vを測定するためのセンサを含み得る。再生コイル88は制御コンソール12の電圧測定回路90に接続されてもよく、電圧測定回路90は次にプロセッサ70に接続されてもよい。再生コイル88の両端間の信号は、超音波器具14に供給されたAC駆動信号の電圧vと既知の関係を有し得る。再生コイル88の両端間の信号に基づいて、電圧測定回路90は、超音波器具14に供給されるAC駆動信号の電圧vの大きさおよび位相を表す信号を生成し、プロセッサ70へ通信し得る。それゆえ、プロセッサ70は、電圧測定回路90および再生コイル88を介してAC駆動信号の電圧vを測定し、それに基づいてAC駆動信号を調節するための制御信号を生成するように構成され得る。
【0104】
制御コンソール12は、変圧器76の2次巻線82から超音波器具14まで延びた導体のうちの1つにごく近接して配置されたコイル92も含み得る、超音波器具14に供給されたAC駆動信号の電流iを測定するためのセンサを含み得る。コイル92は制御コンソール12の電流測定回路94に接続されてもよく、電流測定回路94は次にプロセッサ70に接続されてもよい。コイル92の両端間の信号は、超音波器具14に供給されたAC駆動信号の電流iと既知の関係を有し得る。コイル92の両端間の信号に基づいて、電流測定回路94は、超音波器具14に供給されたAC駆動信号の電流iの大きさおよび位相を表す信号を生成し、プロセッサ70へ通信し得る。それゆえ、プロセッサ70は、電流測定回路94およびコイル92を介してAC駆動信号の電流iを測定し、それに基づいてAC駆動信号を調節するための制御信号を生成するように構成され得る。
【0105】
コンピュータ実行可能命令によって具現されるソフトウェアプログラムに加えて、コンソールメモリ78は、本明細書において説明される制御コンソール12の機能、特徴、プロセス、および方法をサポートするためのデータを記憶し得る。例えば、コンソールメモリ78は、上述されたようにパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するための1つまたは複数のパルス動作プロファイル104を規定するデータを含み得る。特定の種類の組織をアブレーションのために標的にすること、および/または骨などの硬組織を切断する際に、増大した触覚フィードバックを施術者に提供することなどの、異なる状況のために、異なるパルス動作プロファイル104が設計され得る。例によっては、施術者は、制御コンソール12のディスプレイ54と対話することなどによって、超音波器具14を動作させるための所望のパルス動作プロファイル104を選択し得る。所与のパルス動作プロファイル104の選択を受け付けたことに応じて、プロセッサ70は、パルス動作プロファイル104をコンソールメモリ78から取得し、そして、取得されたパルス動作プロファイル104に従って超音波エネルギーを先端16内で誘導するAC駆動信号を生成し、超音波器具14に供給するように構成され得る。
【0106】
コンソールメモリ78内に記憶された各パルス動作プロファイル104は、一連の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。より具体的には、各パルス動作プロファイル108は、超音波器具14のために決定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、超音波器具14のために決定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された一連の超音波エネルギーパルスを形成するために時間の関数として超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーのための異なる目標レベルを指示し得る。例えば、各パルス動作プロファイル104は、時間の関数として誘導される超音波エネルギーの上側包絡線のための異なる目標レベルを指示し得るか、または時間の関数として誘導される超音波エネルギーのための目標RMS値を指示し得る。所与のパルス動作プロファイル104を実施するために、それゆえ、プロセッサ70は、所与のパルス動作プロファイル104によって指示される異なる目標レベルに従って超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するAC駆動信号を生成し、超音波器具14に供給するように構成され得る。
【0107】
コンソールメモリ78内に記憶された各パルス動作プロファイル104は、パルス動作プロファイル104に固有の1つまたは複数のパルス動作パラメータ設定を含み得る。パルス動作パラメータは、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーパルスを調節するためのものであってもよく、限定するものではないが、誘導されるパルス状超音波エネルギーのための最小超音波エネルギーレベルを決定するための係数、パルス形状、デューティサイクル、およびパルス動作周波数のうちの1つまたは複数のものを含み得る。
【0108】
各パルス動作プロファイル104の係数は、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルの関数として超音波器具14内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのための最小超音波エネルギーレベルを規定し得る。より具体的には、各パルス動作プロファイル104は、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、超音波器具14のために設定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された一連の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。各超音波エネルギーパルスの最大超音波エネルギーレベルは最大振幅および速度の先端16内の振動に対応していてもよく、各パルスの最小超音波エネルギーレベルは最小振幅および速度の先端16内の振動に対応していてもよい。最大超音波エネルギーレベルは、施術者によって、例えば、標的組織をアブレーションするために十分なレベルに設定されていてもよく、最小超音波エネルギーレベルは、実施されるパルス動作プロファイル104に固有のものであり得る。係数は、最小超音波エネルギーレベルとして用いるための超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルの比を指示していてもよく、パルス動作プロファイル104の間で異なり得る。それゆえ、設定された最大超音波エネルギーレベルを所与とすると、各パルス動作プロファイル104は、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、パルス動作プロファイル104に固有である異なる最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された超音波エネルギーパルスを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。
【0109】
各パルス動作プロファイル104のパルス形状は、パルス動作プロファイル104に従って誘導されるパルス状超音波エネルギーの各サイクルの動的部分(「遷移超音波エネルギー期間」とも称される)のための形状を規定し得る。具体的には、超音波器具14内で誘導される各超音波エネルギーパルスは、超音波器具14のために設定された最小超音波エネルギーレベルから、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルへの超音波エネルギーの遷移と、その後、最大超音波エネルギーレベルから最小超音波エネルギーレベルへ戻る遷移とによって規定され得る。超音波エネルギーが最小および最大超音波エネルギーレベルの間で遷移している、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの期間はサイクルの動的部分と称されていてもよく、現在選択されているパルス動作プロファイル104のパルス形状によって規定され得る。換言すれば、超音波ツールシステム10の固有の電気特性によって最大超音波エネルギーレベルと最小超音波エネルギーレベルとの間の遷移が任意に形状設定される代わりに、このような遷移は、適用されたパルス動作プロファイル104のパルス形状に対応する既定の遷移関数に従うように特別に制御され得る。例として、所与のパルス動作プロファイル104のパルス形状は、hann波遷移関数(hann wave transition function)に対応するhann形状、方形波遷移関数に対応する正方形形状、三角波遷移関数に対応する三角形形状、上昇鋸歯状波遷移関数に対応する上昇鋸歯形状、下降鋸歯状形状遷移関数に対応する下降鋸歯形状、またはこれらのパルス形状のうちの任意のものの逆バージョンであり得る。
【0110】
パルス動作プロファイル104ごとのデューティサイクルは、パルス動作プロファイル104に従って超音波器具14内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのサイクルごとに、サイクルの総継続時間に対するサイクルの動的部分の継続時間を指示し得る。100%のデューティサイクルを有するパルス動作プロファイル104については、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの動的部分はサイクルの継続時間全体に及び得る。この場合には、パルス動作プロファイル104によって誘導される超音波エネルギーレベルは、常に遷移していると考えられ得る。換言すれば、100%のデューティサイクルを有するパルス動作プロファイル104によって誘導される超音波エネルギーは、パルス動作プロファイル104のパルス形状などに従って、最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルのうちの他方へ遷移する前に、ほんの一瞬(例えば、1ミリ秒未満)の間のみ最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルに達し得る。逆に、100%よりも小さいデューティサイクルに関連付けられたパルス動作プロファイル104については、誘導される超音波エネルギーの各サイクルの動的部分の継続時間は、デューティサイクルに対応するサイクル全体の継続時間の部分であり得る。サイクルの一定部分と称される、各サイクルの残りの部分は、最大超音波エネルギーレベルまたは最小超音波エネルギーレベルなどの、一定レベルに維持された超音波エネルギーの期間によって占有され得る。
【0111】
パルス動作プロファイル104ごとのパルス動作周波数は、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーパルスのための周波数を指示し得る。超音波器具14の共振周波数は10~40kHzであり得るが、パルス動作周波数は、100Hz未満など、はるかにより低くなり得る。例えば、所与のパルス動作プロファイル104のための50Hzのパルス動作周波数は、20ミリ秒ごとに生じる超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように機能するであろう。
【0112】
上述されたように、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーと、超音波器具14の対応する先端16の振動とは、超音波器具14内で誘導される機械電流iに比例し得る。それゆえ、各パルス動作プロファイル104は、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーのための、または超音波器具14内で誘導される機械電流iのためのパルス動作パターンを参照して規定され得る。換言すれば、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルは、超音波器具14のために設定された対応する最大機械電流iによって表されていてもよく、超音波器具14のために設定された最小超音波エネルギーレベルは、超音波器具14のために設定された対応する最小機械電流iによって表され得る。
【0113】
実施形態によっては、制御コンソール12は、軟組織をアブレーションするための軟組織アブレーションモード、ならびに繊維組織および骨などの硬組織をアブレーションするための硬組織アブレーションモードなどの、複数のアブレーションモードで超音波器具14を動作させるように、構成され得る。この場合には、コンソールメモリ78は、各モードのための1つまたは複数の別個のパルス動作プロファイル104を記憶するように構成されていてもよく、各パルス動作プロファイル104のためのパルス動作パラメータは、パルス動作プロファイル104が軟組織アブレーションモードに関連付けられているのか、それとも硬組織アブレーションモードに関連付けられているのかを指示するパラメータを含む。
【0114】
図5Aは、軟組織アブレーションモードに関連して制御コンソール12によって記憶され得る軟組織パルス動作プロファイル106のパルス動作パターンを示し、図5Bは、硬組織アブレーションモードに関連して制御コンソール12によって記憶され得る硬組織パルス動作プロファイル108のパルス動作パターンを示す。換言すれば、超音波器具14が、軟組織アブレーションモードで動作させられるように設定されていると決定したことに応じて、制御コンソール12は、軟組織パルス動作プロファイル106をユーザ選択のために利用可能にするように構成されていてもよく、超音波器具14が、硬組織アブレーションモードで動作させられるように設定されていると決定したことに応じて、制御コンソール12は、硬組織パルス動作プロファイル108をユーザ選択のために利用可能にするように構成され得る。制御コンソール12は、対応するユーザ入力に応じて、および/または超音波器具14から読み出されたデータに基づいて、超音波ツールシステム10が、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているのかを決定するように構成され得る。これを以下においてより詳細に説明する。
【0115】
図5Aおよび図5Bの各々は、パルス動作モードが制御コンソール12のディスプレイ54を介して施術者によって無効にされたとき、または制御コンソール12が、制御コンソール12に現在結合されている先端16がパルス動作を有効にされていないと決定したときなどに、超音波器具14内で誘導され得る一定エネルギープロファイル110も示している。
【0116】
図5Aおよび図5Bに示される一定エネルギープロファイル110は、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルなどの、一定の超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。換言すれば、一定エネルギープロファイル110が適用されたとき、プロセッサ70は、超音波器具14内で誘導される機械電流iを、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルに対応する一定レベルなどの、一定レベルに維持するAC駆動信号を生成し、超音波器具14に供給するように構成され得る。
【0117】
超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベルは、超音波器具14のための全体的な超音波エネルギー限度の割合を指示する施術者によって選択された電力設定に基づいて設定され得る。最大超音波エネルギーレベルは、フットペダル56の位置の関数としてユーザ電力設定によって指示された超音波エネルギーレベルから下方にさらに調整され得る。具体的には、制御コンソール12は、フットペダル56が完全非押下位置から完全押下位置まで動かされるのに従って、最大超音波エネルギーレベルを、最小値(例えば、0)から、電力設定によって指示されたレベルまで直線的に増大させるように構成され得る。それゆえ、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルは、施術者の電力設定選択の変更および/またはフットペダル56の押下レベルの関数として手術中に変化し得る。
【0118】
図5Aおよび図5Bに示される100%の線は、設定された最大超音波エネルギーレベルに対応し得る。上述されたように、最大超音波エネルギーレベルにおける超音波器具14の連続動作は、超音波器具14および手術部位の望ましくない加熱を引き起こすことがあり、無傷のままであることを所望される周囲の組織への潜在的外傷を増大させ得る。
【0119】
図5Aを参照すると、軟組織パルス動作プロファイル106の各々は、軟組織パルス動作プロファイル106に従って決定された超音波器具14のための最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの期間によって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成されていてもよく、超音波エネルギーパルスの各々はhann波によって規定され、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する。
【0120】
各軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導されるパルス状超音波エネルギーの動的期間は、誘導される超音波エネルギーが最小超音波エネルギーレベルから最大超音波エネルギーレベルへ遷移し、そして、軟組織パルス動作プロファイル106に従って設定された最小超音波エネルギーレベルへ遷移して戻る期間に対応し得る。換言すれば、軟組織パルス動作プロファイル106のための動的部分は、誘導される超音波エネルギーの超音波エネルギーパルスに対応し得る。したがって、軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導される超音波エネルギーの動的部分の形状を規定する、図5Aに示される軟組織パルス動作プロファイル106の各々のためのパルス形状パラメータはhannパルス形状(hann pulse shape)に設定され得る。
【0121】
図示の例に示されるように、軟組織パルス動作プロファイル106Aは100%のデューティサイクルを有していてもよく、したがって、軟組織パルス動作プロファイル106Aに従って誘導される超音波エネルギーの各サイクルの動的部分はサイクルの全体に及んでいてもよい。逆に、軟組織パルス動作プロファイル106B~106Eは、100%よりも小さいデューティサイクルを各々有し得る。したがって、軟組織パルス動作プロファイル106B~106Eに従って誘導される超音波エネルギーの各サイクルの動的部分はサイクルの部分のみに及んでいてもよく、サイクルの残りの部分は、超音波エネルギーが有意な期間にわたって最小超音波エネルギーレベルに維持される一定超音波エネルギー部分である。一定超音波エネルギー部分の継続時間は、選択された軟組織パルス動作プロファイル106に応じて変化し得る。例えば、継続時間は、一部の軟組織パルス動作プロファイル106については2ミリ秒以上であり、他のものについては5ミリ秒以上であり得る。
【0122】
一例として、軟組織パルス動作プロファイル106Bに関連付けられたデューティサイクルは90%であり得る。各軟組織パルス動作プロファイル106が、図5Aに示されるように、50Hzのパルス動作周波数を有すると仮定すると、それゆえ、軟組織パルス動作プロファイル106Bは、それぞれ継続時間が18ミリ秒であり、それぞれ継続時間が2ミリ秒である最小超音波エネルギーレベルにおける一定超音波エネルギー期間によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを誘導するように構成され得る。さらなる例として、軟組織パルス動作プロファイル106Cに関連付けられたデューティサイクルは80%であり得る。50Hzのパルス動作周波数を仮定すると、それゆえ、軟組織パルス動作プロファイル106Cは、それぞれ継続時間が16ミリ秒であり、それぞれ継続時間が4ミリ秒である最小超音波エネルギーレベルにおける一定超音波エネルギー期間によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。別の例として、軟組織パルス動作プロファイル106Eに関連付けられたデューティサイクルは50%であり得る。50Hzのパルス動作周波数を仮定すると、それゆえ、軟組織パルス動作プロファイル106Eは、それぞれ継続時間が10ミリ秒であり、それぞれ継続時間が10ミリ秒である最小超音波エネルギーレベルにおける一定超音波エネルギー期間によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。それゆえ、図5Aに示される例では、最小超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーの各有意な期間の継続時間は2ミリ秒以上(例えば、4ミリ秒以上、10ミリ秒以上)であり得る。
【0123】
図5Aに示されるように、各軟組織パルス動作プロファイル106は、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルに対して超音波器具14のための最小超音波エネルギーレベルを決定するための異なる係数も含み得る。例えば、軟組織パルス動作プロファイル106Aのための係数は80%であってもよく、軟組織パルス動作プロファイル106Aが選択されたとき、超音波器具14のための最小超音波レベルは、最大超音波エネルギーレベルの80%である値に設定されるべきであることを指示する。逆に、軟組織パルス動作プロファイル106Cのための係数は40%であってもよく、軟組織パルス動作プロファイル106Cが選択されたとき、超音波器具14のための最小超音波レベルは、最大超音波エネルギーレベルの40%に設定されるべきであることを指示する。
【0124】
図5Bを参照すると、硬組織パルス動作プロファイル108の各々は、硬組織パルス動作プロファイル108に従って決定された超音波器具14のための最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成されていてもよく、超音波エネルギーパルスの各々は、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する。
【0125】
軟組織パルス動作プロファイル106とは逆に、各硬組織パルス動作プロファイル108によって誘導されるパルス状超音波エネルギーの動的期間は、誘導される超音波エネルギーが、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルから、硬組織パルス動作プロファイル108に従って設定された最小超音波エネルギーレベルへ遷移し、最大超音波エネルギーレベルへ遷移して戻る期間に対応し得る。換言すれば、硬組織パルス動作プロファイル108のための動的部分は、誘導される超音波エネルギーの隣接した超音波エネルギーパルスの各対の隣り合ったエッジに対応し得る。したがって、硬組織パルス動作プロファイル108によって誘導される超音波エネルギーの動的部分の形状を規定する、図5Bに示される硬組織パルス動作プロファイル108の各々のためのパルス形状パラメータは、動的部分のための逆hann波に対応する、逆hannパルス形状に設定され得る。代替的に、硬組織パルス動作プロファイル108は硬組織アブレーションモードに各々関連付けられているため、硬組織パルス動作プロファイルの各々のためのパルス形状は、所望の形状(例えばhann形状)の非逆バージョン(non-inverted version)を指示していてもよく、プロセッサ70は、制御コンソール12が硬組織アブレーションモードで動作するように設定されることに基づいてパルス状超音波エネルギーを誘導する際に形状を逆さまにするように構成され得る。
【0126】
図示の例に示されるように、硬組織パルス動作プロファイル108Aは100%のデューティサイクルを有していてもよく、したがって、硬組織パルス動作プロファイル108Aに従って誘導される超音波エネルギーの各サイクルの動的部分はサイクルの全体に及び得る。逆に、硬組織パルス動作プロファイル108B~108Eは、100%よりも小さいデューティサイクルを各々有し得る。したがって、硬組織パルス動作プロファイル108B~108Eに従って誘導される超音波エネルギーの各サイクルの動的部分はサイクルの部分のみに及んでいてもよく、サイクルの残りの部分は、超音波エネルギーが有意な期間にわたって、設定された最大超音波エネルギーレベルに維持される一定超音波エネルギー部分である。換言すれば、100%よりも小さいデューティサイクルに関連付けられた各硬組織パルス動作プロファイル108(例えば、パルス動作プロファイル108B~108E)によって誘導される一定超音波エネルギー期間は、超音波エネルギーが各パルスのピークにおける最大超音波エネルギーレベルに維持される期間に対応し得る。一定超音波エネルギー部分の継続時間は、選択された硬組織パルス動作プロファイル108に応じて変化し得る。例えば、継続時間は、一部の硬組織パルス動作プロファイル108については2ミリ秒以上であり、他のものについては5ミリ秒以上であり得る。
【0127】
一例として、硬組織パルス動作プロファイル108Bに関連付けられたデューティサイクルは90%であり得る。各硬組織パルス動作プロファイル108が、図5Bに示されるように、50Hzのパルス動作周波数を有すると仮定すると、それゆえ、パルス動作プロファイル108Bは、各々の対になった隣接したパルスの隣り合ったエッジの継続時間が18ミリ秒であり、各超音波エネルギーパルスが2ミリ秒の継続時間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する超音波エネルギーを誘導するように構成され得る。さらなる例として、パルス動作プロファイル108Cのためのデューティサイクルは80%であり得る。50Hzのパルス動作周波数を仮定すると、それゆえ、パルス動作プロファイル108Cは、継続時間が4ミリ秒である超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルにおいて各々ピークに達し、そのレベルに維持された超音波エネルギーの期間を含み、一定超音波エネルギー期間が、それぞれ継続時間が16ミリ秒である動的超音波エネルギー期間によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。別の例として、パルス動作プロファイル108Eのためのデューティサイクルは50%であり得る。50Hzのパルス動作周波数を仮定すると、それゆえ、パルス動作プロファイル108は、継続時間が10ミリ秒である超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルにおいて各々ピークに達し、そのレベルにおける一定超音波エネルギー期間を含み、一定超音波エネルギー期間が、それぞれ継続時間が10ミリ秒である動的超音波エネルギー期間によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように構成され得る。それゆえ、図5Bに示される例では、最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーの各有意な期間の継続時間は2ミリ秒以上(例えば、4ミリ秒、10ミリ秒)であり得る。
【0128】
図5Bに示されるように、各硬組織パルス動作プロファイル106は、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルに対して超音波器具14のための最小超音波エネルギーレベルを決定するための異なる係数も含み得る。例えば、硬組織パルス動作プロファイル108Aのための係数は80%であってもよく、硬組織パルス動作プロファイル108Aが選択されたとき、超音波器具14のための最小超音波レベルは、最大超音波エネルギーレベルの80%である値に設定されるべきであることを指示する。逆に、硬組織パルス動作プロファイル108Cのための係数は40%であってもよく、パルス動作プロファイル108Cが選択されたとき、超音波器具14のための最小超音波レベルは、最大超音波エネルギーレベルの40%である値に設定されるべきであることを指示する。
【0129】
異なるパルス動作プロファイル106、108は、異なるレベルの組織選択性、温度制御、および触覚フィードバックなどの、異なる動作特性を提供し得る。このような動作特性の好ましいレベルは、施術者の個人的好みと、アブレーションのための標的とされている組織の種類とに依存し得る。各パルス動作プロファイル106、108によって提供されるこのような動作特性のレベルは、パルス動作プロファイル106、108のデューティサイクル、最小超音波エネルギーレベル、およびパルス動作周波数の関数であり得る。
【0130】
例えば、図5Aに示される軟組織パルス動作プロファイル106の各々は、最小超音波エネルギーレベルを決定するための異なる係数と異なるデューティサイクルとを有する。しかし、仮にデューティサイクルが軟組織パルス動作プロファイル106の間で一定のままであると仮定すると、所与の軟組織パルス動作プロファイル106によって規定された最小超音波エネルギーレベルが別の軟組織パルス動作プロファイル106に対して低いほど、所与の軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導され得る先端16の振動の平均振幅および速度は低い。同様に、仮に最小エネルギー係数が軟組織パルス動作プロファイル106の間で一定のままであると仮定すると、所与の軟組織パルス動作プロファイル106のデューティサイクルが別の軟組織パルス動作プロファイル106に対して低いほど、所与のパルス動作プロファイル106によって誘導され得る先端16の振動の平均振幅および速度は低い。所与の軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導される先端16の振動の平均振幅および速度が低いほど、先端16の振動は、より堅い組織を切除する点で効果が弱くなっていてもよく、これにより、組織選択性の増大がもたらされ、組織を切除する際に超音波器具14によって発生され得る熱は少なくなり得る。換言すれば、所与の軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導される先端16の振動の平均振幅および速度が低くなるほど、標的とされないより堅い組織の組織保存に対する、より柔らかい標的組織の切除速度の比が大きくなる。
【0131】
図5Aに示されるように、軟組織パルス動作プロファイル106の各々は、制御コンソール12に、軟組織パルス動作プロファイル106に従って超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導させるための、制御コンソール12のディスプレイ54を用いるなどして、施術者によって選択され得る異なるユーザ選択可能パルス制御レベル(例えば、lvl 1~Ivl 5)に関連付けられ得る。例によっては、パルス制御レベルは、各漸増パルス制御レベルが、増大した組織選択性および温度制御をもたらす軟組織パルス動作プロファイル106に関連付けられるよう、軟組織パルス動作プロファイル106に指定され得る。より具体的には、各選択可能パルス制御レベルは、前の選択可能パルス制御レベルに関連付けられた軟組織パルス動作プロファイル106よりも低い最小超音波エネルギーレベルおよび/またはデューティサイクルを規定する軟組織パルス動作プロファイル106に関連付けられ得る。それゆえ、順位がより低い選択可能パルス制御レベルは、順位がより高いパルス制御レベルに関連付けられたものよりも多くの組織種、またはより具体的には、より堅い組織をアブレーションするように構成された軟組織パルス動作プロファイル106に関連付けられ得る。
【0132】
軟組織パルス動作プロファイル106をこのように順位付けることは、施術者が、施術者の所望の動作特性に対応する軟組織パルス動作プロファイル106を選択し得る直感的手段を提供し得る。具体的には、施術者は、相対的により高いパルス制御レベルを選択することによって、超音波器具14の増大した組織選択性および温度制御を要求することができ、相対的により低いパルス制御レベルを選択することによって、低下した組織選択性および温度制御を要求し得る。
【0133】
図5Bに示される硬組織パルス動作プロファイル108の各々は、異なる最小エネルギー係数およびデューティサイクルを同様に規定する。しかし、仮にデューティサイクルが硬組織パルス動作プロファイル108の間で一定のままであると仮定すると、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって規定された最小超音波エネルギーレベルが別の硬組織パルス動作プロファイル108に対して低いほど、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって誘導され得る先端16の振動の平均振幅および速度は低く、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって誘導され得る先端16の最小振幅および速度は低い。このように、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって規定された最小超音波エネルギーレベルが別の硬組織パルス動作プロファイル108に対して低いほど、所与のパルス動作プロファイル104によってもたらされ得る温度制御は大きい。
【0134】
さらに、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって規定される最小超音波エネルギーレベルが別の硬組織パルス動作プロファイル108に対して低いほど、振動する先端16を異なる組織に当てた時に施術者にもたらされ得る触覚フィードバックは大きい。具体的には、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって規定された最小超音波エネルギーレベルが別の硬組織パルス動作プロファイル108に対して低いほど、施術者は超音波エネルギーパルスをより強く感じることが可能になっていてもよく、これは、硬組織を切断する際にしばしば望まれる超音波器具14を用いた後方および前方運動を行うことを施術者に促していてもよく、また、先端16にかかる荷重が増大するにつれて先端16がより失速しやすくなっていてもよく、これは、標的とされない組織の不要なアブレーションおよび/または壊死の低減を助け得る。加えて、軟組織などの特定の組織は、施術者によって感じられる振動を減衰させ得るため、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって規定された最小超音波エネルギーレベルが別のパルス動作プロファイル108に対して低いほど、先端16が手術中に硬組織を突破するか、または軟組織と不注意に接触した際に、それは施術者により気付かれやすくなり得る。
【0135】
図5Bに示されるように、硬組織パルス動作プロファイル108の各々は、制御コンソール12に、硬組織パルス動作プロファイル108に従って超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導させるための、制御コンソール12のディスプレイ54を用いるなどして、施術者によって選択され得る異なるユーザ選択可能パルス制御レベル(例えば、lvl 1~Ivl 5)に関連付けられ得る。例によっては、パルス制御レベルは、各漸増パルス制御レベルが、増大した触覚フィードバックをもたらす硬組織パルス動作プロファイル108に関連付けられるよう、硬組織パルス動作プロファイル108に指定され得る。より具体的には、各選択可能パルス制御レベルは、前の選択可能パルス制御レベルに関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108よりも低い最小超音波エネルギーレベルを規定する硬組織パルス動作プロファイル108に関連付けられ得る。それゆえ、順位がより低い選択可能パルス制御レベルは、順位がより高いパルス制御レベルに関連付けられたものよりも小さい触覚フィードバックをもたらすように構成された硬組織パルス動作プロファイル108に関連付けられ得る。
【0136】
硬組織パルス動作プロファイル108をこのように順位付けることは、施術者が、施術者の所望の動作特性に対応する硬組織パルス動作プロファイル108を選択し得る直感的手段を提供し得る。具体的には、施術者は、順位がより高いパルス制御レベルを選択することによって、より大きいレベルの触覚フィードバックを要求していてもよく、順位がより低いパルス制御レベルを選択することによって、低下したレベルの触覚フィードバックを要求していてもよい。
【0137】
図5Bに示される硬組織パルス動作プロファイル108をさらに参照すると、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって規定された最小超音波エネルギーレベルが別の硬組織パルス動作プロファイル108に対して低いほど、所与の硬組織パルス動作プロファイル108によって誘導され得る先端16の平均変位および速度は低い。このようなより低い変位および速度は、硬組織に接触して動作する際の超音波器具14の切除速度を低減し得る。所望の切除速度の維持を助けるために、図5Bにさらに示されるように、各漸増パルス制御レベルが、前のパルス制御レベルに関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108に対して低下した最小超音波エネルギーレベルを規定する硬組織パルス動作プロファイル108に関連付けられることに加えて、各漸増パルス制御レベルは、硬組織パルス動作プロファイル108が、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを誘導する期間を増大させるために、前のパルス制御レベルに関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108に対して低下したデューティサイクルも含み得る。
【0138】
図5Aおよび図5Bに示されるパルス動作プロファイル106、108の各々は同様のパルス動作周波数、すなわち、50Hzを有する。代替例では、超音波ツールシステム10によって規定された軟組織パルス動作プロファイル106のうちの2つ以上は異なるパルス動作周波数を有していてもよく、超音波ツールシステム10によって規定された硬組織パルス動作プロファイル108のうちの2つ以上は異なるパルス動作周波数を同様に有していてもよい。
【0139】
一例として、図6Aは、各漸増パルス制御レベルに関連付けられた軟組織パルス動作プロファイル106が、前のパルス制御レベルに関連付けられた軟組織パルス動作プロファイル106よりも低い最小超音波エネルギーレベル、より低いデューティサイクル、およびより大きいパルス動作周波数をもたらすよう、異なる選択可能パルス制御レベル(Ivl 1~Ivl 5)に各々関連付けられた軟組織パルス動作プロファイル106F~106Jを示す。例えば、軟組織パルス動作プロファイル106F~106Jは、30Hz、35Hz、45Hz、50Hz、および55Hzのパルス動作周波数をそれぞれ有し得る。
【0140】
さらなる例として、図6Bは、各漸増パルス制御レベルに関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108が、前のパルス制御レベルに関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108よりも低い最小超音波エネルギーレベル、より低いデューティサイクル、およびより大きいパルス動作周波数を有するよう、異なる選択可能パルス制御レベル(Ivl 1~Ivl 5)に各々関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108F~108Jを示す。例えば、硬組織パルス動作プロファイル108F~108Jは、20Hz、25Hz、30Hz、35Hz、および40Hzのパルス動作周波数をそれぞれ有し得る。
【0141】
以前の例に示されるように、超音波ツールシステム10によって規定された異なるパルス動作プロファイル106、108は様々なデューティサイクルを含み得る。代替例では、しかしながら、超音波ツールシステム10は、同じデューティサイクルを有するパルス動作プロファイル106、108を実施するように構成され得る。例えば、図7Aは、各漸増軟組織パルス動作プロファイル106が、前の軟組織パルス動作プロファイル106よりも低い最小超音波エネルギーレベル、より大きいパルス動作周波数、および同じデューティサイクル(例えば、100%)を有するよう、指定されたパルス制御レベルに従って順位付けられた軟組織パルス動作プロファイル106K~106Oを示す。同様に、図7Bは、各漸増硬組織パルス動作プロファイル108が、前のパルス動作プロファイル108よりも低い最小超音波エネルギーレベル、より大きいパルス動作周波数、および同じデューティサイクル(例えば、100%)を有するよう、指定されたパルス制御レベルに従って順位付けられた硬組織パルス動作プロファイル108K~108Oを示す。
【0142】
実施形態によっては、超音波ツールシステムは軟組織パルス動作プロファイル106のセットおよび硬組織パルス動作プロファイル108のセットを記憶していてもよく、両セットのパルス動作プロファイルは互いに対して同じパルス動作パラメータによって異なるものになる。例えば、記憶された軟組織パルス動作プロファイル106は、最小エネルギー係数、デューティサイクル、およびパルス動作周波数が異なるものになっていてもよく(例えば、図6A)、記憶された硬組織パルス動作プロファイル108は、同じパルス動作パラメータ(図6B)によって同様に異なるものになっていてもよい。代替的に、軟組織パルス動作プロファイル106のセットが異なるものになるパルス動作パラメータは、硬組織パルス動作プロファイル108のセットが異なるものになるパルス動作パラメータとは異なり得る。一例として、軟組織パルス動作プロファイル106は、最小エネルギー係数、デューティサイクル、およびパルス動作周波数によって異なるものになっていてもよく(例えば、図6A)、硬組織パルス動作プロファイル108は、最小エネルギー係数およびパルス動作周波数によって異なるものになっていてもよいが、デューティサイクルによって異なるものにならない(例えば、図7B)。換言すれば、図5A図6A、および図7Aのうちの任意のものの軟組織パルス動作プロファイル106のセットは、超音波ツールシステム10内で、図5B図6B、および図7Bのうちの任意のものの硬組織パルス動作プロファイル108と対にされ得る。
【0143】
上述の例示的なパルス動作プロファイル106、108のうちの一部は、パルス制御レベル5に各々関連付けられ得る、図5Aのプロファイル106Eおよび図5Bのパルス動作プロファイル108Eなど、0に近い最小超音波エネルギーレベルに対応する最小エネルギー係数を有する。しかし、図示の例に示されるように、これらのパルス動作プロファイル106、108の最小エネルギー係数は、最小超音波エネルギーレベルが0まで低下しきるのではなく、代わりに、0の直上まで低下するように設定され得る。これは、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーが、制御コンソール12が超音波器具14の共振周波数を追跡することができないレベルに達しないように行われ得る。換言すれば、これらのパルス動作プロファイル106、108によって規定された最小超音波レベルは、先端16内で誘導される振動が、制御コンソール12が振動を検出し、超音波器具14の共振周波数を追跡するために十分な大きさを有するように設定され得る。例えば、これらのパルス動作プロファイル106のための最小エネルギー係数は、先端ヘッド17のピーク・ツー・ピーク振動が、5マイクロメートルよりも大きく、20マイクロメートルよりも小さくなるよう、約10マイクロメートルになるように設定され得る。別の言い方をすれば、これらのパルス動作プロファイル106のための最小エネルギー係数は、3%以上に、および/または超音波器具14内で誘導される最小機械電流が、2ミリアンペアよりも大きく、10ミリアンペアよりも小さくなるよう、例えば、おおよそ5ミリアンペアになるように設定され得る。
【0144】
所与のパルス動作プロファイル104の選択に応じて、プロセッサ70は、制御コンソール12に、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するAC駆動信号を生成させ、超音波器具14に供給させるように構成され得る。具体的には、図2を参照すると、プロセッサ70は、信号生成器74に、選択されたパルス動作プロファイル104に対応するAC信号を1次巻線80の両端間に生成させる、またはより具体的には、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波エネルギーを超音波器具14内に結果的に誘導するAC駆動信号を2次巻線82の両端間に誘導する1つまたは複数の制御信号を信号生成器74へ通信するように構成され得る。
【0145】
例えば、所与のパルス動作プロファイル104の選択を受け付けたことに応じて、プロセッサ70は、パルス動作プロファイル104、またはより具体的には、パルス動作プロファイル104のためのパルス動作パラメータ設定をコンソールメモリ78から取得するように構成され得る。プロセッサ70は、取得されたパルス動作プロファイル104に対応する変調波形を生成し、信号生成器74の変調DDS111内などに記憶するようにも構成され得る。変調DDS111は、変調波形を形成する値を投入されたサンプルアレイを記憶するためのメモリデバイスを含み得る。変調波形は包括的に0と1の間に延びていてもよく、選択されたパルス動作プロファイル104によって表されるパルス動作パターンの1サイクルに対応する形状および長さを有していてもよい。
【0146】
より具体的には、変調波形は、0から延び、1においてピークに達する、選択されたパルス動作プロファイル104のためのパルス形状パラメータ設定に関連付けられた遷移関数のインスタンスを含み得る。選択されたパルス動作プロファイル104が100%のデューティサイクルを有する場合には、遷移関数は変調波形の全体に及んでいてもよい。そうでない場合には、遷移関数は、変調波形の長さに対する遷移関数の長さがデューティサイクルに対応するよう、変調波形の部分に沿って延びていてもよい。この場合には、変調波形の残りの部分は、0または1などの、一定値に維持された一定期間であり得る。例えば、選択されたパルス動作プロファイル104が、図5Aまたは図6Aに示される軟組織パルス動作プロファイル106である場合には、残りの部分は0に設定されていてもよく、選択されたパルス動作プロファイル104が、図5Bまたは図6Bに示される硬組織パルス動作プロファイル108である場合には、残りの部分は1に設定されていてもよい。図8は、図5Aに示される軟組織パルス動作プロファイル106Eの選択時にプロセッサ70によって生成され、記憶され得る変調波形を示す。
【0147】
フットペダル56の押下などを介した、超音波器具14の作動に応じて、プロセッサ70は、目標超音波周波数を信号生成器74へ、またはより具体的には、信号生成器74のベースDDS112へ通信するように構成され得る。ベースDDS112は、超音波器具14に供給することができる最大超音波周波数以上の周波数を有する正弦波形を形成するサンプルアレイを記憶し得る。このサンプルアレイから、ベースDDS112は、ベースAC信号114を生成するように構成され得る。ベースAC信号114は、プロセッサ70によって指示された目標超音波周波数に等しい周波数を有する正弦波信号であってもよく、1などの、実質的に一定の振幅を有していてもよい。
【0148】
最初は、プロセッサ70によって通信される目標超音波周波数は、以下においてより詳細に説明されるように超音波器具14から読み出されたものであり得る、既定の目標周波数であり得る。その後、プロセッサ70は、上述したように、超音波器具14の目標振動特性(例えば、共振)に対応する周波数を追跡するためのループを実施し、被追跡周波数に従ってベースDDS112によって生成されるベースAC信号114の周波数を調節する制御信号をベースDDS112へ通信するように構成され得る。図9は、ベースDDS112によって生成され得るベースAC信号114Aを示す。
【0149】
さらに、超音波器具14の作動時に、プロセッサ70は、上述したように、誘導される超音波エネルギーのための最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルを決定するように構成され得る。そして、プロセッサ70は、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波器具14内で誘導される機械電流iを調節することなどによって、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーの大きさを調節するためのループを実施するように構成され得る。ループの反復は、最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルに基づいて、誘導される超音波エネルギーのための目標超音波エネルギー波形を決定し、目標超音波エネルギー波形に基づいてAC駆動信号を生成するように機能し得る。具体的には、プロセッサ70は、決定された最大超音波エネルギーレベルおよび決定された最小超音波エネルギーレベルに基づいてスカラを決定し、変調波形にスカラを乗算し、決定された最小超音波エネルギーレベルを乗算の結果に加算し、目標超音波エネルギー波形を生成するように構成され得る。そして、プロセッサ70は、目標超音波エネルギー波形を、超音波器具14内で誘導されている超音波エネルギーと比較し、それらの間の誤差を決定し、PIDコントローラを用いるなどして、誤差を最小化するためにスカラ116を用いてベースAC信号114を調整するように構成され得る。
【0150】
より粒度の細かいレベルでは、ループの反復ごとに、プロセッサ70は、誘導される超音波エネルギーのための最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルに基づいて、目標機械電流i値の形式などによる、超音波器具14のための目標超音波エネルギーレベルを決定するように構成され得る。具体的には、プロセッサ70は、それらの間の差を決定することなどによって、最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルに基づいてスカラを決定するように構成され得る。そして、プロセッサ70は、変調DDS111のサンプルアレイからサンプルを取得し、変調波形サンプルにスカラを乗算するように構成され得る。その後、プロセッサ70は最小超音波エネルギーレベルを乗算の積から減算し、超音波器具14のための目標超音波エネルギーレベル、またはより具体的には、目標機械電流i値を生成し得る。
【0151】
目標超音波エネルギーレベルを決定するのと同時に、プロセッサ70は、上述されたように、供給されたAC駆動信号に対応するフィードバックデータに基づいて機械電流i値を算出することなどによって、超音波器具14内で誘導されている超音波エネルギーレベルを決定するように構成され得る。そして、プロセッサ70は、目標超音波エネルギーレベルと測定された超音波エネルギーレベルとを比較し、それらの間の誤差を決定し、PIDコントローラを用いるなどして、ベースAC信号114を乗算されたとき、誤差を最小化する電圧スカラを生成するように構成され得る。
【0152】
ループの反復ごとに、プロセッサ70は、アレイ内のサンプルの順位に従って変調波形サンプルアレイからサンプル値を引き出し得る。プロセッサ70が変調波形サンプルアレイからサンプル値を引き出すサンプルレートは、パルス動作周波数に対する変調波形アレイのサイズ、およびループの各反復の時間(例えば、400マイクロ秒)に依存し得る。例えば、変調波形サンプルアレイのサイズにループ時間を乗算したものが、パルス動作周波数によって表される周期に等しい場合には、ループの反復ごとに、プロセッサ70は、変調波形アレイを用いて以前に引き出されたサンプル値の直後のサンプル値を引き出し得る。逆に、変調波形サンプルアレイのサイズにループ時間を乗算したものが、パルス動作周波数によって表される周期よりも小さい場合には、プロセッサ70は、アレイ内のサンプルを飛び越すこと(例えば、5つに1つのサンプルを引き出すこと)などによって、より遅いサンプリングレートでサンプルを引き出し得る。同様に、変調波形サンプルアレイのサイズにループ時間を乗算したものが、パルス動作周波数によって表される周期よりも大きい場合には、プロセッサ70は、所与のサンプルをループの複数の反復のために用いることなどによって、より速いサンプリングレートでサンプルを引き出し得る。以下において説明されるように、プロセッサ70は、超音波器具14に印加される荷重の関数として、手術中にパルス動作レートを調整するように構成されていてもよく、これが結果としてプロセッサ70にサンプリングレートを調整させ得る。
【0153】
上述されたように、誘導されるパルス状超音波エネルギーのための最大超音波エネルギーレベルと、対応する最小超音波エネルギーレベルとは、施術者が設定パワーレベルおよび/またはフットペダル56の押下レベルを調整する結果として、手術中に変化し得る。上述のアルゴリズムは、制御コンソール12が、変調DDS111内に記憶された変調波形を変更することなくこのような変化に対応することを可能にし、これにより、システムの応答性を改善することを理解されたい。
【0154】
信号生成器74は、ベースAC信号114を受信し、ベースAC信号114に生成されたスカラ116を乗算し、変調AC信号120を生成するように構成された乗算器118をさらに含み得る。変調AC信号120はデジタルアナログ変換器121へ通信され、そして、増幅器73を通されていてもよく、増幅器73は、プロセッサ70によって調節された電力信号を電源72から受信していてもよい。増幅器73は、対応するAC信号を変圧器76の1次巻線80の両端間に生成し得る。一例として、増幅器73および電源72は、出願人の米国特許第10,449,570号に記載されているとおりに構成され得る。同出願の内容はそれらの全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0155】
1次巻線80の両端間のAC信号は、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波エネルギーを超音波器具14内に結果的に誘導するAC駆動信号を2次巻線82の両端間に誘導し得る。換言すれば、1次巻線80の両端間のAC信号は、複数の超音波パルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内に結果的に誘導し得るAC駆動信号を2次巻線82の両端間に誘導していてもよく、パルスの各々は、超音波器具14のために決定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、選択されたパルス動作プロファイル104に従って規定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間されている。図10Aは、図5Aに示される軟組織パルス動作プロファイル106Eの選択時などに、信号生成器74によって1次巻線80の両端間に生成され得るAC信号123Aを示す。図10Bは、図5Aに示される軟組織パルス動作プロファイル106Aの選択時などに、信号生成器74によって1次巻線80の両端間に生成され得る別のAC信号123Bを示す。
【0156】
代替的な実施形態では、ベースDDS112は、プロセッサ70によって指示された被追跡超音波周波数と、超音波器具14のために設定された最大超音波エネルギーレベルに対応する振幅とを有するよう、ベースAC信号114を生成するように構成され得る。具体的には、プロセッサ70は、決定された最大超音波エネルギーレベルと、超音波器具14内で誘導された測定された超音波エネルギーレベルとの間の誤差を決定するループを実施し、誤差を最小化するスカラをベースDDS112に提供するように構成され得る。この場合には、生成され、変調DDS111内に記憶された変調波形は、1と、選択されたパルス動作プロファイル104のための最小エネルギー係数との間に延び得る。そして、信号生成器74は、ベースAC信号114に変調波形を乗算し、変調AC信号120を生成するように構成され得る。
【0157】
図2および図3を再び参照すると、制御コンソール12は、超音波器具14と一体の1つまたは複数の電子メモリ記憶デバイスと通信するためのメモリリーダ122も含み得る。超音波器具14は、超音波器具14、あるいはより具体的には、ハンドピース18および/または先端16を識別し、超音波器具14に、あるいはより具体的には、ハンドピース18および/または先端16に固有の動作パラメータを規定するデータを記憶するための1つまたは複数の電子メモリ記憶デバイスを含み得る。動作パラメータの非限定例としては、AC駆動信号のための最大駆動電流、機械電流iのための最大電流、AC駆動信号のための最大駆動電圧、AC駆動信号のための最大駆動周波数、AC駆動信号のための最小駆動周波数、ドライバ24のキャパシタンスC、PID係数、使用歴、ならびに超音波器具14、またはより具体的には、先端16がパルス動作を有効にされているかどうかが挙げられ得る。超音波器具14と一体の1つまたは複数のメモリデバイスはまた、ハンドピース18に結合された先端16が軟組織をアブレーション(切除)するように構成されているのかそれとも硬組織をアブレーションするように構成されているのかと、先端16に特定的な1つまたは複数のパルス動作プロファイル104とを指示してもよい。
【0158】
例えば、超音波器具14のハンドピース18は、その内部に配設されたハンドピース(HP:handpiece)メモリ124を含み得る。非限定例として、HPメモリ124は、EPROM、EEPROM、またはRFIDタグであり得る。超音波器具14を制御コンソール12に接続したことに応じて、プロセッサ70は、メモリリーダ122を用いてHPメモリ124内に記憶されたデータを読み出し、データに基づいて制御コンソール12の動作を適合させるように構成され得る。より具体的には、制御コンソール12は、メモリリーダ122に接続された、コイル126などの、通信インターフェースを含み得る。コイル126は制御コンソール12のソケット34と一体であり得る。HPメモリ124は、ケーブル30のアダプタ32と一体であり得る、コイル128に同様に接続され得る。超音波器具14がケーブル30を介して制御コンソール12に接続されたとき、コイル126、128は整列し、信号を誘導的に交換することが可能になり得る。そして、プロセッサ70は、コイル126、128を通じてデータをHPメモリ124から読み出し、データをHPメモリ124に書き込むように構成され得る。
【0159】
メモリリーダ122は、コイル126の両端間の信号を、プロセッサ70によって可読のデータ信号に変換するように構成され得る。メモリリーダ122は、プロセッサ70からHPメモリ124に書き込まれるべきデータを受信し、データをHPメモリ124に書き込ませる信号をコイル126の両端間に生成するようにも構成され得る。メモリリーダ122の構造はHPメモリ124のものを補完し得る。それゆえ、上述の非限定例を続けると、メモリリーダ122は、データをEPROM、EEPROM、またはRFIDタグから読み出し、データをそれに書き込む能力を有するアセンブリであり得る。
【0160】
HPメモリ122に加えて、または代替的に、超音波器具14は先端メモリ130を含み得る。上述されたように、先端16はハンドピース18から取り外し可能であってもよく、これにより、ハンドピース18は交換可能な先端16と共に用いることができ、異なる先端16は異なる動作制限および用途を有し得る。例えば、一部の先端16は、軟組織をアブレーションするように構成されていてもよく、他の先端16は、繊維組織および骨などの硬組織をアブレーションするように構成されていてもよい。したがって、HPメモリ124は、ハンドピース18を識別するデータと、ドライバ24のキャパシタンスCを含む、ハンドピース18に固有の動作パラメータとを記憶していてもよく、先端メモリ130は、ハンドピース18に現在結合されている先端16を識別するデータと、先端16が軟組織をアブレーションするように構成されているのかそれとも骨などの硬組織を切断するように構成されているのかと、先端16に固有のパルス動作プロファイル104のためのパルス動作パラメータ設定とを含む、先端16に固有の動作パラメータを記憶していてもよい。先端16および灌流スリーブ36は単一のパッケージとして一緒に配布され得るため、先端メモリ130は、灌流スリーブ36、またはより具体的には、スリーブ本体38内に配設され得る。先端メモリ130はHPメモリ124と同じ種類のメモリ(例えば、EPROM、EEPROM、またはRFIDタグ)であり得る。
【0161】
超音波器具14を制御コンソール12に接続したことに応じて、プロセッサ70は、メモリリーダ122を用いてHPメモリ124および先端メモリ130内に記憶されたデータを読み出し、制御コンソール12の動作を、制御コンソール12に結合された特定のハンドピース18および先端16の組み合わせに適合させるように構成され得る。先端メモリ130はHPメモリ124と同じ動作パラメータのための値を含み得る。所与の動作パラメータのための値がHPメモリ124と先端メモリ130との間で異なる限りは、プロセッサ70は、超音波器具14の動作を管理するためにより抑制的な値を利用するように構成され得る。加えて、または代替的に、HPメモリ124および先端メモリ130がどちらも、同じ動作パラメータのための値を含む限りは、プロセッサ70は、メモリ内に記憶された値の組み合わせ(例えば、値の合計、値の平均)に基づいて動作パラメータに対する超音波器具14の動作を管理するように構成され得る。
【0162】
HPメモリ124と同様に、プロセッサ70は、メモリリーダ122およびコイル126を介してデータを先端メモリ130から読み出し、データをそれに書き込み得る。具体的には、ハンドピース18は、ハンドピース18の近位端部から遠位端部まで延びた2つの導体132を含み得る。導体132の近位端部は、ケーブル30のアダプタ32と一体であり得る、コイル128に結合され得る。導体132の遠位端部は、ハンドピース18の遠位端部に配設された別のコイル134に結合され得る。対応するコイル136が、灌流スリーブ36、またはより具体的には、スリーブ本体38の近位端部内に配設され得る。灌流スリーブ36が先端16の周りに配設され、ハンドピース18に取り付けられたとき、コイル134、136は整列し、信号を誘導的に交換することが可能になり得る。そして、ハンドピース18がケーブル30を介して制御コンソール12に接続されたとき、コイル126、128も整列し、信号を誘導的に交換することが可能になり得る。そして、プロセッサ70は、コイル126、128およびコイル134、136によって提供される誘導通信を介して導体132を通じてデータを先端メモリ130から読み出し、データを先端メモリ130に書き込み得る。
【0163】
実施形態によっては、パルス動作プロファイル104がコンソールメモリ78内にあらかじめ記憶される代わりに、先端メモリ130が、先端16に固有のパルス動作プロファイル104を指示するデータを記憶し得る。例えば、先端16が軟組織をアブレーションするように設計されている場合には、先端メモリ130は、先端16に固有の1つまたは複数の軟組織パルス動作プロファイル106を記憶し得る。代替的に、先端16が硬組織をアブレーションするように設計されている場合には、先端メモリ130は、先端16に固有の1つまたは複数の硬組織パルス動作プロファイル108を記憶し得る。いずれの場合にも、超音波器具14が制御コンソール12に結合されたことに応じて、プロセッサ70は、そのパルス動作プロファイル104を先端メモリ130から読み出し、それをユーザによる選択のためにコンソールメモリ78内に記憶するように構成され得る。
【0164】
プロセッサ70は、制御コンソール12のディスプレイ54に結合され、ディスプレイ54を駆動するようにも構成され得る。具体的には、プロセッサ70は、情報およびユーザインターフェース(UI:user interface)構成要素をディスプレイ54上における呈示のために生成するように構成され得る。ディスプレイ54上に示されるこのような情報は、ハンドピース18および先端16を識別する情報と、超音波ツールシステム10の動作状態を記述する情報とを含み得る。ディスプレイ54がタッチスクリーンディスプレイであるときには、プロセッサ70は、ディスプレイ54に、ボタンおよび他の施術者選択可能構成要素(other practitioner-selectable component)の画像を示させるようにも構成され得る。ボタンおよび他の施術者選択可能構成要素と対話することによって、施術者は、本明細書において説明されるものなどの、超音波ツールシステム10のための所望の動作パラメータを設定し得る。
【0165】
図11は、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波器具14の振動を制御するためのプロセス200を示す。制御コンソール12、またはより具体的には、プロセッサ70は、コンソールメモリ78内に常駐するコンピュータ実行可能命令の実行時などに、プロセス200を実施するように構成され得る。
【0166】
ブロック202において、誘導される超音波エネルギーのための最大超音波エネルギーレベルを決定し得る。最大超音波エネルギーレベルは、超音波器具14のための最大機械電流iを規定していてもよく、先端16の振動のための対応する最大振幅および速度を規定していてもよい。超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベルは、機械電流iによって同様に規定され得る、本明細書において、超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーレベルとも称される、超音波器具14が対応可能な定格となる(ultersonic instrument 14 is rated to accommodate)最大超音波エネルギーレベルに基づいてもよい。制御コンソール12は、超音波器具14が制御コンソール12に接続されたことに応じて、超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーレベルを、超音波器具14から、あるいはより具体的には、HPメモリ124および/または先端メモリ130から読み出すように構成され得る。
【0167】
ブロック202において決定される最大超音波エネルギーレベルは、施術者によって入力される超音波器具14のための電力設定にも基づき得る。例えば、施術者は、超音波ツールシステム10のディスプレイ54または遠隔制御装置60と対話し、超音波器具14の駆動を制限するべき最大可能超音波エネルギーレベルの割合を指示し得る、超音波器具14のための電力設定を入力し得る。割合を受け付けたことに応じて、プロセッサ70は、割合を最大可能超音波エネルギーレベルに適用することによって超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベルを決定するように構成され得る。事例によっては、プロセッサ70は、フットペダル56の押下角度に最大超音波エネルギーレベルをさらに基づかせ得る。具体的には、フットペダル56の角度は、最大超音波エネルギーレベルとして用いるべきユーザ入力電力設定に対応する超音波エネルギーレベルの割合をプロセッサ70に指示し得る。
【0168】
施術者は、施術者の個人的好みと、アブレーション(切除)のための標的とされる組織の種類とに基づいて、超音波器具14のための電力設定を設定し得る。一例として、所与の外科手術のために、施術者は、他の種類の軟組織のアブレーションを回避しつつ、特定の種類の軟組織を、キャビテーションを介したアブレーションのために標的にすることができる。この場合には、施術者は、他の組織種のキャビテーションを回避しつつ標的組織種のキャビテーションを引き起こす超音波エネルギーレベルに超音波器具14の動作を制限するように、制御コンソール12を設定し得る。例えば、脳手術に関連して、施術者は、他の種類の組織を無傷のまま残しつつ、硬膜、血管壁、くも膜硬膜、軟膜、白質、または灰白質組織のうちの1つまたは複数をアブレーションすることを望むことがある。超音波器具14は、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーが超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーのおおよそ27%であるときに、これらの種類の組織のキャビテーションを起こすように機能し得る。したがって、施術者は、制御コンソール12を、超音波器具14の動作を超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーの30%に制限するように設定し得る。
【0169】
施術者によって選択された電力設定をパルス動作プロファイル104のうちの1つと組み合わせることは、無傷のままであることを所望される組織種への潜在的外傷の低減をさらに助け得る。例えば、上述の例を続け、図5Aを参照すると、制御コンソール12が、超音波器具14の動作を超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーの30%に制限するように設定されたとき、100%の線によって指示されるとおりの、各軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導される最大超音波エネルギーレベルは、超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーの30%に対応し得る。この場合には、各軟組織パルス動作プロファイル106は、軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導される超音波エネルギーが、上述されたように、超音波器具14のための最大可能超音波エネルギーの27%に対応し得る、軟組織パルス動作プロファイル106の最大超音波エネルギーレベル付近の「キャビテーション閾値」以上であるときに、標的組織のキャビテーションを起こすように機能し得る。図5に示される各軟組織パルス動作プロファイル106によって誘導される最小超音波エネルギーレベルはキャビテーション閾値未満であり得る。このように、各軟組織パルス動作プロファイル106は、キャビテーションを標的組織内に生じさせるのに十分な超音波エネルギーを周期的に誘導することができ、それらの合間には、無傷のままであることを所望される組織種の温度とアブレーションを低下させるように機能する低減された超音波エネルギーレベルとを誘導することができる。
【0170】
図11を再び参照すると、ブロック204において、パルス動作モードが超音波器具14のために有効にされているかどうかについての決定を行い得る。具体的には、施術者は、ディスプレイ54または遠隔制御装置60を用いるなどして、制御コンソール12と対話し、パルス動作モードを有効および無効にしていてもよく、プロセッサ70は、提供された施術者設定に基づいてこの決定を行うように構成されていてもよい。パルス動作モードが有効にされていないと決定したことに応じて(ブロック204の「いいえ」の分岐)、ブロック206において、制御コンソール12は、上述された一定エネルギープロファイル110などに従って、超音波器具14を連続モードで動作させるように設定され得る。具体的には、超音波器具14の作動時に、プロセッサ70は、超音波器具14のための決定された最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波器具内で誘導するAC駆動信号を生成し、超音波器具に供給するように構成され得る。
【0171】
加えて、または代替的に、パルス動作モードが有効にされているかどうかを決定することは、先端16自体がパルス動作を有効にされているかどうかを決定することを含み得る。具体的には、ハンドピース18に解放可能に結合可能な一部の先端16は、連続モードでのみ動作するように構成され得る。先端16がパルス動作を有効にされているかどうかは、先端メモリ130内に記憶された先端16に固有のデータとして指示され得る。それゆえ、超音波器具14が制御コンソール12に結合されたことに応じて、プロセッサ70は、データを先端メモリ130から読み出し、ハンドピース18に現在結合されている先端16がパルス動作を有効にされているかどうかを決定するように構成され得る。事例によっては、先端メモリ内に記憶されたデータ130は、先端16がパルス動作を有効にされているかどうかを直接指示し得る。他の例では、先端メモリ130は、先端16に固有の識別子などを介して、先端の種類を指示していてもよく、プロセッサ70は、先端の種類に対応するコンソールメモリ78内に記憶されたデータに問い合わせ、先端16がパルス動作を有効にされているかどうかを決定するように構成されていてもよい。そうでない場合には、プロセッサ70は、この選択肢を施術者から無効にし、制御コンソール12を、上述されたように超音波器具14を連続モードで動作させるように設定するように構成され得る。
【0172】
代替的に、先端16がパルス動作を有効にされており、および/またはパルス動作モードが選択されたと決定したことに応じて(ブロック204の「はい」の分岐)、ブロック208において、超音波器具14が軟組織アブレーションモードで動作させられるべきか、それとも硬組織アブレーションモードで動作させられるべきかについての決定を行い得る。上述されたように、各モードは、モードのために特定的に設計されたパルス動作プロファイル104の異なるセットに関連付けられ得る。施術者は、ディスプレイ54または遠隔制御装置60などの、制御コンソール12に関連付けられたユーザインターフェースを用いて制御コンソール12をどちらかのモードに設定していてもよく、プロセッサ70は、提供された施術者設定に基づいてこの決定を行うように構成されていてもよい。
【0173】
代替的に、超音波器具14のハンドピース18に結合された現在の先端16と共に配布された先端メモリ130が、先端16が軟組織アブレーションのために構成されているのか、それとも硬組織アブレーションのために構成されているのかを指示するデータを含み得る。先端メモリ130内に記憶されたデータは、先端16が軟組織アブレーション用に構成されているのか、それとも硬組織アブレーション用に構成されているのかを直接指示し得るか、または先端の種類が軟組織アブレーション用であるのか、それとも硬組織アブレーション用であるのかを指示するコンソールメモリ78内に記憶されたデータに対応する先端16の種類を指示し得る。制御コンソール12は、上述されたように、超音波器具14が制御コンソール12に接続された際に、このようなデータを先端メモリ130から読み出し、超音波器具14が軟組織アブレーションモードで動作させられるべきか、または硬組織アブレーションモードで動作させられるべきかを決定するように構成され得る。
【0174】
超音波器具14が軟組織アブレーションモードで動作させられることになっていると決定したことに応じて(ブロック208の「軟組織」の分岐)、ブロック210において、制御コンソール12を、軟組織アブレーションモードで動作するように設定し得る。例えば、プロセッサ70は、制御コンソール12が軟組織アブレーションモードに設定されることに対応するフラグをコンソールメモリ78内に設定するように構成され得る。超音波器具14が硬組織アブレーションモードで動作させられることになっていると決定したことに応じて(ブロック208の「硬組織」の分岐)、ブロック212において、制御コンソール12を、硬組織アブレーションモードで動作するように設定し得る。例えば、プロセッサ70は、制御コンソール12が硬組織アブレーションモードに設定されることに対応するフラグをコンソールメモリ78内に設定するように構成され得る。
【0175】
ブロック214において、現在設定されているアブレーションモードに関連付けられたパルス動作プロファイルのうちの1つの施術者選択を受信し得る。上述されたように、コンソールメモリ78は、軟組織アブレーションモードに関連付けられたいくつかの軟組織パルス動作プロファイル106、および硬組織アブレーションモードに関連付けられたいくつかの硬組織パルス動作プロファイル108を記憶し得る。軟組織アブレーションモードに関連付けられた異なる軟組織パルス動作プロファイル106は、各漸増軟組織パルス動作プロファイル106が、増大した組織選択性および温度制御をもたらすよう、軟組織パルス動作プロファイル106に指定されたユーザ選択可能パルス制御レベルなどに従って、順位付けられていてもよく、硬組織アブレーションモードに関連付けられた異なる硬組織パルス動作プロファイル108は、各漸増硬組織パルス動作プロファイル108が、組織が接触されていること、そして、施術者が超音波器具14を用いてどのくらいの力を印加しているのかに関する増大した触覚フィードバックをもたらすよう、硬組織パルス動作プロファイル108に指定されたユーザ選択可能パルス制御レベルなどに従って、順位付けられていてもよい。それゆえ、施術者は、施術者によって所望される超音波器具14のアブレーション特性に基づいて、ディスプレイ54または遠隔制御装置60などを介して、パルス動作プロファイル104のためのパルス制御レベルを選択することによって、制御コンソール12の現在設定されているアブレーションモードに関連付けられたパルス動作プロファイル104のうちの1つを選択し得る。
【0176】
ブロック216において、制御コンソール12の設定されたアブレーションモードに関連付けられたパルス動作プロファイル104のうちの1つの施術者の選択を受け付けたことに応じて、プロセッサ70は、選択されたパルス動作プロファイル104に基づいてコンソールメモリ78に問い合わせることなどによって、選択されたパルス動作プロファイル104に関連付けられたパルス動作パラメータ設定を決定し得る。代替的に、先端16に固有であり、超音波器具14が制御コンソール12に接続された際にユーザに対して選択可能にされるパルス動作プロファイル104のためのパルス動作パラメータ設定を記憶し得る、先端メモリ130から読み出されたデータに基づいてこのようなパルス動作パラメータ設定を決定するように、プロセッサ70を構成し得る。
【0177】
ブロック218において、取得されたパルス動作パラメータ設定および/または設定されたアブレーションモードに基づいて1つまたは複数のシステムパラメータを設定し得る。例えば、決定されたパルス動作パラメータ設定、またはより具体的には、決定されたパラメータ設定によって指示された最小エネルギー係数に基づいて超音波器具14のための最小超音波エネルギーレベルを決定するように、プロセッサ70を構成し得る。
【0178】
さらなる例として、軟組織を破砕することは、通例、骨などの硬組織を破砕するほどの破砕力を必要としないため、選択されたパルス動作プロファイル104が軟組織アブレーションモードに対応する場合には、AC駆動信号のための電圧限度をより低い値に設定することなどによって利用可能な電力を低減するように、プロセッサ70を構成し得る。具体的には、選択されたパルス動作プロファイル104が軟組織アブレーションモードに対応する場合には、AC駆動信号のための電圧限度を相対的に低い値(例えば、600ボルトピーク)に設定するようにプロセッサ70を構成することができ、選択されたパルス動作プロファイル104が硬組織アブレーションモードに対応する場合には、AC駆動信号のための電圧限度を相対的に高い値(例えば、1200ボルトピーク)に設定するようにプロセッサ70を構成することができる。代替的に、各パルス動作プロファイル104は、パルス動作プロファイル104のための使用への電圧限度を指示するパルス動作プロファイル104に固有のパルス動作パラメータを含み得る。
【0179】
さらなる例として、超音波ツールシステム10のための機械電流i変化率限度は、制御コンソール12が以前の機械電流iから新たな目標機械電流iをどれほど急速に誘導することを可能にされるのかを調節し得る。連続超音波エネルギーモードで動作しているときに利用される機械電流i変化率限度はパルス動作モードのためには十分に高速でないことがあり、したがって、超音波ツールシステム10がパルス動作モードに設定されたこと、そして、パルス動作プロファイル104が選択されたことに応じて、機械電流i変化率限度をより高い値に設定するように、プロセッサ70を構成し得る。所与のパルス動作プロファイル104のために設定される機械電流i変化率限度は、パルス動作プロファイル104のパルス形状、パルス動作周波数、およびデューティサイクルに依存し得る。したがって、所与のパルス動作プロファイル104の選択に応じて、公式を用いること、またはこれらのパラメータの異なる値を異なる機械電流i変化率限度に関連付けるデータを記憶することなどによって、これらのパラメータに基づいて機械電流i変化率限度を設定するように、プロセッサ70を構成し得る。
【0180】
別の例として、超音波器具14の動作中、電源72によって提供される電力信号の電圧は、増幅器73が所望のAC信号を1次巻線80の両端間に生成することを可能にするために1次巻線80の両端間に誘導される電圧に従って変化し得る。システムの応答性を改善するために、電源72のためのPIDコントローラが変更された電圧を指示するフィードバック信号を待つのとは対照的に、1次巻線80の両端間に発生されるべき電圧に基づいて増幅器73に電源72によって提供される信号の電圧を調節するように、プロセッサ70を構成し得る。電源72によって提供される信号の電圧の調節は正の変化率限度を課されていてもよく、プロセッサ70は、連続エネルギーモードでなくパルス動作モードで動作する際には、この信号のためにより高い変化率限度(例えば、2倍)を実施するように構成されていてもよい。
【0181】
例によっては、制御コンソール12が硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているときなどには、超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベルがユーザ電力設定およびフットペダル56などを介して施術者によって設定されたレベルに等しく設定される代わりに、超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベルが施術者設定レベルよりも大きくなり、選択されたパルス動作プロファイル104に従って超音波器具14内で誘導される平均超音波エネルギーレベルが施術者設定レベルに実質的に等しくなるように超音波器具14のための最大超音波エネルギーレベルを決定するように、プロセッサ70を構成し得る。この技法は、各パルス動作プロファイル104のためにより高い切除速度およびより高い最小超音波エネルギーレベルをもたらしていてもよく、これは、骨などの硬組織を治療する際の過度の失速を防止する助けとなり得る。
【0182】
ブロック220において、決定された最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルと、上述されたとおりの選択されたパルス動作プロファイル104の他のパルス動作パラメータ設定とに基づいて、AC駆動信号を生成し、超音波器具14に供給し得る。具体的には、AC駆動信号は、選択されたパルス動作プロファイル104のデューティサイクルおよびパルス動作周波数に従って、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを有する超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように設定され得る。
【0183】
一例として、100%未満のデューティサイクルを有する軟組織パルス動作プロファイル106のうちの1つ(例えば、軟組織パルス動作プロファイル106B~106Eおよび106G~106J)の選択に応じて、AC駆動信号が、設定された最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間(例えば、2ミリ秒以上の期間)によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するよう、AC駆動信号を生成するように制御コンソール12を構成し得る。誘導される超音波エネルギーの各サイクルの継続時間に対する各超音波エネルギーパルスの継続時間は、選択された軟組織パルス動作プロファイル106に関連付けられたデューティサイクルに対応し得る。
【0184】
別の例として、100%未満のデューティサイクルに関連付けられた硬組織パルス動作プロファイル108(例えば、パルス動作プロファイル108B~108Eおよび108G~108J)の選択に応じて、AC駆動信号が、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの瞬間的期間(例えば、1ミリ秒未満)によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するよう、AC駆動信号を生成するように、制御コンソール12を構成し得る。各超音波エネルギーパルスのピークは、最大超音波エネルギーレベルにおける有意な期間(例えば、2ミリ秒以上の期間)を含み得る。隣接した超音波パルスの相接するエッジの各対の継続時間は、選択された硬組織パルス動作プロファイル108に関連付けられたデューティサイクルに対応し得る。
【0185】
さらなる例として、100%のデューティサイクルを有するパルス動作プロファイル104(例えば、パルス動作プロファイル106A、106F、106K~106O、108A、108F、108K~108O)の選択に応じて、制御コンソール12は、AC駆動信号が、最小超音波エネルギーレベルにおける瞬間的期間(例えば、1ミリ秒未満)によって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含み、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいて瞬間的に(例えば、1ミリ秒未満)ピークに達する超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するよう、AC駆動信号を生成するように構成され得る。換言すれば、超音波器具14内で誘導される超音波エネルギーを、常に変動しているものと考えることができる。
【0186】
実施形態によっては、パルス状超音波エネルギーが超音波器具14内で誘導されている間に、施術者が、例えば、パルス動作を無効にするために、超音波器具14を停止すること、またはパルス制御レベルの各々を通り抜けることを必要とすることなく、現在選択されているパルス動作プロファイル104に従ってパルス状超音波エネルギーを誘導することと、連続超音波エネルギーモードに従って超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導することとを急速に切り替えることを可能にするトグル要素を、制御コンソール12は表示し得る。この特徴は、施術者が、現在の設定の下ではアブレーションが困難な組織に遭遇した場合などに、施術者が破砕力を一時的に増大させ、そして、パルス状超音波エネルギーへ急速に戻ることを可能にし得る。
【0187】
図12は、施術者が最適量の圧力を超音波器具14に与えているかどうかを指示するために超音波器具14内で誘導された超音波エネルギーパルスを用いて触覚フィードバックを施術者に提供するための方法300を示す。施術者が超音波器具14の振動する先端16を骨などの組織に当てた時、施術者が超音波器具14に印加する圧力は、組織の切除における先端16の有効性に影響を及ぼし得る。施術者が印加する圧力が小さすぎる場合には、先端16は組織を効率的に切除することができず、施術者が印加する圧力が大きすぎる場合には、先端16は、無傷のままであることを所望される組織を潜在的にアブレーションする場合があり、および/または失速する(stall)場合がある。方法300を実施し、施術者によって印加されている圧力が小さすぎるのか、大きすぎるのか、それとも的確であるのかを指示する触覚フィードバックを施術者に提供するように、制御コンソール12またはより具体的にはプロセッサ70を構成し得る。
【0188】
ブロック302において、施術者によって選択された超音波エネルギープロファイルなどに従って、目標超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導し得る。例えば、パルス動作プロファイル104のうちの1つが、超音波器具14内で誘導されるために選択された場合には、デフォルトパルス動作周波数(例えば、50Hz)で生じる超音波エネルギーパルスを有する、選択されたパルス動作プロファイル104に従ってパルス状超音波エネルギーを目標超音波エネルギーとして超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。例によっては、各パルス動作プロファイル104は、パルス動作プロファイル104に固有のデフォルトパルス動作周波数を規定し得る。代替的に、同じデフォルトパルス動作周波数を各パルス動作プロファイル104のために用いるように、制御コンソール12を構成し得る。逆に、パルス動作モードが施術者によって無効にされた場合には、一定エネルギープロファイル110などに従って、実質的に一定の超音波エネルギーを目標超音波エネルギーとして超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0189】
ブロック304において、超音波器具14に、またはより具体的には、超音波器具14の機械構成要素に印加された荷重を監視し得る。超音波器具14の機械構成要素に印加された荷重の大きさは、先端16によって接触されている組織の物理特性と、接触された組織の方向に施術者によって超音波器具14に印加された力との関数になり得る。施術者が超音波器具14に印加する圧力が増大すると、機械構成要素に印加される荷重は増大する場合があり、施術者が超音波器具14に印加する圧力が減少すると、機械構成要素に印加される荷重は減少する場合がある。
【0190】
印加荷重の程度を指示する荷重測定値を算出することによって超音波器具14に印加された荷重を監視するように、制御コンソール12を構成し得る。例によっては、荷重測定値は、超音波器具14の機械構成要素に印加された荷重と共に増大および減少し得る、動作中に超音波器具14によって呈される機械インピーダンスZまたは機械抵抗Rであり得る。より具体的には、図4Aおよび図4Bを再び参照すると、超音波器具14が共振において動作しているとき(例えば、AC駆動信号のベース周波数が超音波器具14の共振周波数に実質的に等しい)、超音波器具14の機械インピーダンスZの誘導成分Lおよび容量成分Cは互いに打ち消し合い得る。したがって、超音波器具14が共振において動作しているとき、超音波器具14の機械インピーダンスZは、AC駆動信号の機械電流iおよび電圧vに基づいてオームの法則を用いて算出され得る、超音波器具14の機械抵抗Rに等しくなり得る。
【0191】
それゆえ、超音波器具14が共振において動作している際に、上述の式(1)を用いて決定されたものなどの、超音波器具14の機械電流i、および電圧測定回路90を用いて測定されたものなどの、AC駆動信号の電圧vに基づいて超音波器具14の機械抵抗Rを算出することによって、超音波器具14のための荷重測定値を決定するように、制御コンソール12を構成し得る。オームの法則によって、超音波器具14の機械インピーダンスZは、駆動電圧vを機械電流iで除算したものに等しくなり得る。機械インピーダンスZは共振時の機械抵抗Rに等しくなり得るため、制御コンソール12は、超音波器具14が共振において動作している際に駆動電圧vを機械電流iで除算することによって、超音波器具14の機械抵抗Rを算出するように構成され得る。
【0192】
別の例として、荷重測定値は、電圧測定回路90を用いて測定されたものなどの、AC駆動信号の電圧vであり得る。上述されたように、目標機械電流iを超音波器具14内で誘導するよう、AC駆動信号の電圧vを調整するように、制御コンソール12を構成し得る。超音波器具14の機械電流iは、動作中に超音波器具14の機械インピーダンスZまたは機械抵抗Rの関数として変化し得る。それゆえ、AC駆動信号の電圧vは、動作中に超音波器具14によって呈される機械インピーダンスZまたは機械抵抗Rの関数として変化することができ、超音波器具14の機械構成要素に印加された荷重と共に対応して増大および減少することができる。
【0193】
図12を再び参照すると、ブロック306において、最適荷重が超音波器具14に、またはより具体的には、超音波器具14の機械構成要素に印加されているかどうかについての決定を行い得る。この目的を達成するために、監視された印加荷重が、既定の下側荷重閾値レベル(TH1)および既定の上側荷重閾値レベル(TH2)によって規定された目標範囲内であるかどうかを決定するように、制御コンソール12を構成し得る。より具体的には、監視された印加荷重が下側閾値レベル(TH1)以上であり、および/または上側閾値レベル(TH2)以下であるかどうかを決定するように、制御コンソール12を構成し得る。上述されたように、印加荷重は、超音波器具14に施術者によって印加されている圧力量の関数になり得る。監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいことは、施術者が、組織を切除するために最適よりも小さい圧力を与えていることを指示する場合があり、監視された印加荷重が上側閾値レベルTH2よりも大きいことは、施術者が、組織を切除するために最適よりも大きい圧力を与えていることを指示する場合がある。監視された印加荷重が目標範囲内である場合には、最適荷重が超音波器具14に印加されていると決定するように、制御コンソール12を構成し得る(ブロック306の「はい」の分岐)。
【0194】
監視された印加荷重を規定する荷重測定値が目標範囲内であるかどうかを決定するように構成されることによって、監視された印加荷重が目標範囲内であるかどうかを決定するように、制御コンソール12を構成し得る。それゆえ、下側閾値レベルTH1および上側閾値TH2を、荷重測定値の単位で規定し得る。例えば、荷重測定値がAC駆動信号の電圧vに対応する場合には、下側閾値レベルTH1および上側閾値レベルTH2を、ボルト単位の電圧閾値によって規定し得る。代替的に、荷重測定値が超音波器具14の機械インピーダンスZまたは機械抵抗Rに対応する場合には、下側閾値レベルTH1および上側閾値レベルTH2を、オーム単位の機械インピーダンス閾値または機械抵抗閾値によってそれぞれ規定し得る。例えば、そして限定するものではないが、荷重測定値が超音波器具14の機械抵抗Rに対応するときには、下側閾値レベルTH1は2000オームであってもよく、上側閾値レベルTH2は5000オームであってもよい。
【0195】
監視された印加荷重が最適であると決定したことに応じて(ブロック306の「はい」の分岐)、方法300は、ブロック302へ戻り、目標超音波エネルギーを超音波器具14内で引き続き誘導し、印加荷重を監視し、監視された印加荷重が最適であるかどうかを決定し得る。監視された印加荷重が最適でない(例えば、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいか、または上側閾値レベルTH2よりも大きい)と決定したことに応じて(ブロック306の「いいえ」の分岐)、ブロック308において、触覚フィードバックを施術者に提供し得る。
【0196】
例えば、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいと決定したことに応じて、相対的に高いまたは低いパルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成していてもよく、監視された印加荷重が上側閾値レベルTH2よりも大きいと実際に決定したことに応じて、相対的に高い、または低いパルス動作周波数のうちの他方を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成していてもよい。例えば、そして限定するものではないが、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいと決定したことに応じて、60Hzの相対的に高いパルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成していてもよく、監視された印加荷重が上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定したことに応じて、10Hzの相対的に低いパルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成していてもよい。本例では、施術者が与えている圧力が小さすぎるときには(例えば、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さい)、施術者は、超音波器具14における相対的に速いパルス動作を感じることがあり、施術者が与えている圧力が大きすぎるときには(例えば、監視された印加荷重が上側閾値レベルTH2よりも大きい)、施術者は、超音波器具14における相対的に遅いパルス動作を感じることがある。
【0197】
ブロック302において誘導された目標超音波エネルギーが、パルス動作プロファイル104に対応するパルス状超音波エネルギーである場合には、ブロック308において、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいと決定したことに応じて、選択されたパルス動作プロファイル104に従うが、選択されたパルス動作プロファイル104に関連付けられたデフォルトパルス動作周波数よりも大きい(またはそれよりも小さい)パルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。換言すれば、相対的に高い(または相対的に低い)パルス動作周波数を誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。同様に、監視された印加荷重が上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定したことに応じて、選択されたパルス動作プロファイル104に従うが、選択されたパルス動作プロファイル104に関連付けられたデフォルトパルス動作周波数よりも小さい(またはそれよりも大きい)パルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。換言すれば、相対的に低い(または相対的に高い)パルス動作周波数を誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0198】
代替的な実施形態では、ブロック302において誘導された目標超音波エネルギーが、パルス動作プロファイル104に対応するパルス状超音波エネルギーである場合には、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいか、または上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定したことに応じて、超音波器具14の決定された最大超音波エネルギーレベル(例えば、一定エネルギープロファイル110、図5A)などの、実質的に一定の値に維持された超音波エネルギーを誘導することに遷移するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0199】
逆に、目標超音波エネルギーが実質的に一定の超音波エネルギーである場合には、ブロック308において、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいか、または上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定したことに応じて、パルス動作プロファイル104のうちの1つに従い、パルス動作プロファイル104に関連付けられたデフォルトパルス動作周波数に等しいか、または上述されたように、相対的に高いもしくは低いパルス動作周波数に等しいパルス動作周波数を有するものなどの、パルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導することに遷移するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0200】
より具体的には、目標超音波エネルギーが実質的に一定の超音波エネルギーであると仮定すると、ブロック306において、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいか、または上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定したことに応じて、ブロック308において、ユーザによって提供された設定、または先端メモリ130から読み出されたデータなどに基づいて、現在接続されている先端16が、硬組織をアブレーションするように構成されているのか、それとも軟組織をアブレーションするように構成されているのかを決定するように、制御コンソール12を構成し得る。そして、先端16が軟組織をアブレーションするように構成されていると決定したことに応じて軟組織パルス動作プロファイル106のうちの1つを誘導し、先端16が骨を切断するように構成されていると決定したことに応じてパルス動作プロファイル108のうちの1つを誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0201】
誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数は、パルス動作プロファイル104に関連付けられたデフォルトパルス動作周波数(例えば、50Hz)に設定され得るか、あるいは上述されたように、監視された印加荷重が、下側閾値レベルTH1よりも小さいか、または上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定されたかどうかに基づいて、設定され得る。例えば、監視された印加荷重が下側閾値レベルTH1よりも小さいと決定したことに応じて、相対的に高いパルス動作周波数(例えば、60Hz)を誘導するように、制御コンソール12を構成することができ、監視された印加荷重が上側閾値レベルTH2よりも大きいと決定したことに応じて、相対的に低いパルス動作周波数(例えば、10Hz)を誘導するように、制御コンソール12を構成していてもよい。
【0202】
ブロック308の後に、方法300はブロック304へ戻り、印加荷重を引き続き監視し、目標範囲と比較し、印加荷重が最適であるかどうかを決定し得る。監視された印加荷重が最適になった(例えば、下側閾値レベルTH1以上、且つ上側閾値レベルTH2以下になった)と決定したことに応じて(ブロック306の「はい」の分岐)、方法300は、ブロック302へ戻ることができ、ブロック302において、目標超音波エネルギーを超音波器具14内に再び誘導し、最適量の圧力が印加されていることを施術者に指示することができる。換言すれば、制御コンソール12は、施術者によって選択された超音波エネルギープロファイルおよび関連設定に対応する超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導し得る。
【0203】
例えば、施術者が、パルス動作プロファイル104のうちの1つを、目標超音波エネルギーにおいて超音波器具14内で誘導されるように選択した場合には、パルス動作プロファイル104に関連付けられたデフォルトパルス動作周波数に等しいパルス動作周波数を有する、選択されたパルス動作プロファイル104を誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。代替的に、施術者が、一定エネルギープロファイル110を、超音波器具14内で誘導されるよう選択した場合には、一定超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。いずれの場合にも、施術者は超音波器具14内の目標超音波エネルギーの再開(resumption)を感じることができ、このような再開を、施術者が最適な圧力を超音波器具14に与えているとの指示に関連付けることができる。
【0204】
例によっては、目標範囲内の監視された印加荷重の大きさに依存して誘導するべき、相対的に高いパルス動作周波数と相対的に低いパルス動作周波数との間の範囲のパルス動作周波数に、各パルス動作プロファイル104を関連付けられ得る。換言すれば、監視された印加荷重が目標範囲内で変化するのに従って、監視された印加荷重の関数として、変化するパルス動作周波数を決定し、超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0205】
例えば、図13を参照すると、コンソールメモリ78は、下側閾値レベルTH1と上側閾値レベルTH2との間の様々な荷重測定値を、荷重測定値が生じた際に超音波器具14内で誘導するべき独自のパルス動作周波数に各々関連付けるグラフ400を規定するデータを記憶し得る。より具体的には、データは、下側閾値レベル402、下側閾値レベル402に関連付けられた相対的に高いパルス動作周波数404、上側閾値レベル406、上側閾値レベル406に関連付けられた相対的に低いパルス動作周波数408、および遷移関数410を指示し得る。図13に示される例では、荷重測定値はオーム単位で与えられている。代替例では、荷重測定値は、上述されたように、ボルトなどの、他の単位で与えられ得る。
【0206】
遷移関数410は、下側閾値レベル402と上側閾値レベル406との間の荷重測定値にわたって、下側閾値レベル402に関連付けられた相対的に高いパルス動作周波数404から、上側閾値レベル406に関連付けられた相対的に低いパルス動作周波数408まで延び得る。換言すれば、遷移関数410は、下側閾値レベル402以上、且つ上側閾値レベル406以下の荷重測定値の各々を一意のパルス動作周波数に関連付け得る。遷移関数410は、負の勾配を有する線形関数などの、減少関数であってもよく、これにより、荷重測定値が増大するのに従って、関連付けられたパルス動作周波数は減少する。
【0207】
上述のデータに基づいて決定される異なるパルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。具体的には、施術者が、パルス動作プロファイル104のうちの1つを、超音波器具14内で誘導されるように選択したと仮定すると、超音波器具14の作動に応じて、選択されたパルス動作プロファイル104に従い、選択されたパルス動作プロファイル104に関連付けられたデフォルトパルス動作周波数(例えば、50Hz)に等しいパルス動作周波数を有するパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。その後、超音波器具14の機械構成要素に印加された荷重を監視し、監視された印加荷重およびグラフ400に基づいて超音波器具14内で誘導するべき更新されたパルス動作周波数を決定し、更新されたパルス動作周波数に従ってパルス状超音波エネルギーを超音波器具14内に生成するサイクルを繰り返すように、制御コンソール12を構成し得る。
【0208】
例えば、監視された印加荷重が超音波器具14の機械抵抗Rによって規定されると仮定すると、算出された機械抵抗Rが下側閾値レベル402以下であるのか、上側閾値レベル406以上であるのか、それとも下側閾値レベル402と上側閾値レベル406との間であるのかを決定するように、制御コンソール12を構成し得る。機械抵抗Rが下側閾値レベル402以下であると決定したことに応じて、超音波器具14内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数を相対的に高いパルス動作周波数404に設定するように、制御コンソール12を構成していてもよく、機械抵抗Rが上側閾値レベル406以上であると決定したことに応じて、超音波器具14内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数を相対的に低いパルス動作周波数408に設定するように、制御コンソール12を構成していてもよい。機械抵抗Rが下側閾値レベル402と上側閾値レベル406との間であると決定したことに応じて、超音波器具14内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数を、機械抵抗Rの関数として遷移関数410によって指示されたパルス動作周波数に設定するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0209】
このように、超音波器具14に施術者によって印加された圧力が、指定された最適圧力レベルから逸脱すると(これは、荷重測定値が下側閾値レベル402と上側閾値レベル406との間の既定の荷重測定値(例えば、3000オーム)から変化することによって指示され得る)、超音波器具14内で誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数は、直ちに、および印加された圧力が、指定された最適圧力レベルとは異なる程度に変化し得る。その結果、施術者は、指定された最適圧力レベルからの不一致を指示する触覚フィードバックを直ちに受け取ることができ、触覚フィードバックのレベルに基づいて、指定された最適圧力レベルを提供するために超音波器具14に追加するべき、またはそれから除去するべき圧力量を決定することができる。例えば、そして限定するものではないが、指定された最適圧力レベルに対応する下側閾値レベル402と上側閾値レベル406との間の既定の荷重測定値は、下側閾値レベル402と上側閾値レベル406との平均に設定され得るか、あるいは遷移関数410によって規定されるパルス動作周波数の範囲の平均または中央値に対応する荷重測定値に設定され得る。
【0210】
実施形態によっては、印加荷重が目標範囲内であるときに誘導されるべき目標超音波エネルギーを規定することの代わりに、またはそれに加えて、施術者は、印加荷重が目標範囲外であるときに誘導されるべき目標超音波エネルギーを規定することができる。このように、印加荷重が目標範囲外であり、施術者が最適圧力を超音波器具14に適用していない可能性があることを指示すると決定したことに応じて、施術者によって規定された範囲外目標超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。逆に、監視された印加荷重が目標範囲内である場合には、施術者は最適圧力を超音波器具14に適用している可能性があってもよく、施術者によって同様に規定された範囲内目標超音波エネルギーを超音波器具14内で誘導することなどによって、このような条件を指示する触覚フィードバックを提供するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0211】
例えば、超音波器具14内で誘導される範囲外目標超音波エネルギーが、上述された一定エネルギープロファイル110に従う場合には、施術者によって選択されたパルス動作プロファイル104のうちの1つなどに従って、パルス状超音波エネルギーを範囲内目標超音波エネルギーとして超音波器具14内で誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。このように、監視された印加荷重が目標範囲に対応することに応じて、超音波器具14は、施術者によって選択されたパルス動作プロファイル104に対応する振動を呈し始め得る。超音波器具14内で誘導される範囲外目標超音波エネルギーがパルス動作プロファイル104のうちの1つに従う場合には、印加荷重が目標範囲内であるとき、超音波器具14内で誘導される範囲外目標超音波エネルギーのパルス動作周波数に対して、パルス動作周波数を増大させるか、またはパルス動作周波数を減少させることなどによって、パルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数を調整するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0212】
事例によっては、監視された印加荷重が目標範囲内であるときに誘導されるパルス状超音波エネルギーのパルス動作周波数は、上側閾値レベルTH1と下側閾値TH2との間の既定の荷重値と、荷重測定値との間の距離に基づいても変更され得る。例えば、荷重測定値が既定の荷重値から下側閾値レベルTH1または上側閾値レベルTH2のより近くへ動いたことに応じて、より高い(またはより低い)パルス動作周波数を誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。同様に、荷重測定値が下側閾値レベルTH1または上側閾値レベルTH2から、既定の荷重値の方へ動いたことに応じて、より低い(またはより高い)パルス動作周波数を誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。下側閾値レベルTH1と上側閾値レベルTH2との間の値を入力として取り、既定の荷重値においてピークに達する釣鐘曲線関数などの、下側閾値レベルTH1と上側閾値レベルTH2との間の荷重測定値ごとに特定のパルス動作周波数を規定する遷移関数に従って、パルス動作周波数をこのように調整するように、制御コンソール12を構成し得る。例えば、そして限定するものではないが、下側閾値レベルTH1および上側閾値レベルTH2の平均に、あるいは遷移関数によって規定されたパルス動作周波数の平均または中央値に対応する荷重測定値に、既定の荷重値を設定し得る。
【0213】
図14を参照すると、実施形態によっては、下側閾値レベルTH1および上側閾値レベルTH2に対する監視された荷重に基づいてパルス動作を自動的に無効および有効にする施術者によって選択可能な異なるパルス動作起動モードで動作するように、制御コンソール12を構成し得る。例えば、パルス動作起動モード1では、監視された荷重が目標範囲外であるときには、施術者によって選択されたパルス動作プロファイル104のうちの1つなどに従って、パルス状超音波エネルギーを誘導し、監視された荷重が目標範囲内であるときには、実質的に一定の超音波エネルギーを誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。逆に、パルス動作起動モード2では、監視された荷重が目標範囲内であるときには、施術者によって選択されたパルス動作プロファイル104のうちの1つなどに従って、パルス状超音波エネルギーを誘導し、監視された荷重が目標範囲外であるときには、実質的に一定の超音波エネルギーを誘導するように、制御コンソール12を構成し得る。パルス動作起動モード0は、自動パルス動作起動が無効にされていることに対応し得る。
【0214】
上述されたパルス動作パラメータ、すなわち、下側閾値TH1および上側閾値レベルTH2は事前に決定され、コンソールメモリ78内に記憶され得る。事例によっては、各パルス動作プロファイル104は、パルス動作プロファイル104に固有の下側閾値レベルTH1および上側閾値レベルTH2を規定し得る。代替的に、各パルス動作プロファイル104のために同じ下側閾値レベルTH1および上側閾値レベルTH2を用いるように、制御コンソール12を構成し得る。さらなる実施形態では、パルス動作起動モードがユーザによって選択可能であることの代わりに、またはそれに加えて、各パルス動作プロファイル104は、パルス動作プロファイル104のために利用可能な特定のパルス動作起動モード(例えば、モード1または2)を規定していてもよく、施術者は、規定されたパルス動作起動モードであるか、またはそのパルス動作プロファイル104を用いている際にはパルス動作起動モードを無効にするかの選択を行ってもよい。
【0215】
本開示全体を通して上述されたように、異なる動作特性を有する異なる先端16をハンドピース18に解放可能に結合し得る。各先端16は、通常、先端16に固有の灌流スリーブ36と共に配布されるため、さらなる最適化をもたらすために、ハンドピース18に取り外し可能に結合可能な各先端16に固有である本明細書において説明されるパルス動作パラメータのために最適化された設定が、予め決定され、先端16に割り当てられた灌流スリーブ36の先端メモリ130上に記憶され得る。その後、先端16を含む超音波器具14が制御コンソール12に結合された際、先端16に固有の設定されたパルス動作パラメータを指示するデータを先端メモリ130から読み出し、上述されたように、読み出されたデータに基づいて超音波器具14を動作させるように、制御コンソール12を構成し得る。
【0216】
例えば、先端メモリ130上に記憶されたデータは、施術者によって選択可能であり得る先端16に固有の1つまたは複数のパルス動作プロファイル104を指示し得る。この目的を達成するために、先端16に固有の異なるパルス動作プロファイル104に各々関連付けられ得る、先端16に固有の1つまたは複数の最小エネルギー係数と、先端16に固有の異なるパルス動作プロファイル104に各々関連付けられ得る、先端16に固有の1つまたは複数のデューティサイクルと、先端16に固有の異なるパルス動作プロファイル104に各々関連付けられ得る、先端16に固有の1つまたは複数のパルス動作周波数と、先端16に固有の異なるパルス動作プロファイル104に各々関連付けられ得る、先端16に固有の1つまたは複数のパルス形状と、先端16に固有の異なるパルス動作プロファイル104に各々関連付けられ得る、先端16に固有の1つまたは複数の電圧限度とのうちの1つまたは複数を含む、先端16に固有の1つまたは複数のパルス動作パラメータを、先端16上に記憶されたデータは指示し得る。
【0217】
先端メモリ130上に記憶されたデータは、先端16がパルス動作を有効にされているかどうかと、先端16が硬組織アブレーション先端であるのか、それとも軟組織アブレーション先端であるのかと、先端16のための下側の既定の荷重レベルTH1と、先端16のための上側の既定の荷重レベルTH2と、先端16のためのパルス起動モードなどの、先端16に固有の1つまたは複数の他のパルス動作パラメータとを指示し得る。先端16を含む超音波器具14が制御コンソール12に結合されたことに応じて、このデータを先端メモリ130から読み出し、上述されたように、指示されたパルス動作パラメータを利用するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0218】
さらなる例として、先端種類別に上述のパルス動作パラメータを記憶するようにも、コンソールメモリ78を構成し得る。この場合には、超音波器具14が制御コンソール12に結合されたことに応じて、先端種類を指示する先端メモリ130から読み出されたデータなどから、先端16の種類を決定するように、制御コンソール12を構成し得る。そして、先端種類に固有のパルス動作パラメータについてコンソールメモリ78に問い合わせ、上述されたようにこのようなパルス動作パラメータを利用するように、制御コンソール12を構成し得る。
【0219】
いくつかの例示的な実施形態を上述の説明において説明してきた。しかし、本明細書において説明された実施例は、網羅的であること、または本発明をいかなる特定の形態に限定することも意図されていない。本明細書で使用された専門用語は、限定ではなく説明の文言の性質のものであることを意図している。多くの変更および変形が上述の教示を考慮して可能であり、具体的に説明されたもの以外の仕方で本発明を実施することができる。
【0220】
以下の番号付き条項を参照して本開示の例を説明することができる。従属条項には特定の特徴が提示されている。
I.超音波ハンドピースの振動を制御するためのシステムであって、
先端、および先端に結合されたドライバを含む超音波ハンドピースであって、ドライバが、AC駆動信号を受信したことに応じて先端を振動させるように構成されている、超音波ハンドピースと、
超音波ハンドピースのドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、制御コンソールが、
超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルおよび第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けることであって、第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルが、第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルよりも多くの組織種をアブレーションするように構成されている、受け付けることと、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを第1の値に設定することと、
第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2の値に設定することと、
設定された最小超音波エネルギーレベルにおいて有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を行うように構成されている、システム。
II.設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間の各々が2ミリ秒以上である、請求項Iに記載のシステム。
III.超音波エネルギーパルスの各々がhann関数によって規定される、請求項IまたはIIに記載のシステム。
IV.制御コンソールが、
超音波周波数および実質的に一定の振幅を有するベースAC信号を生成することと、
設定された最小超音波エネルギーレベルに対応する第3の値における有意な期間をもって分離されたhann波を含む周期変調信号を生成することであって、hann波の各々が第3の値における最小値を有する、生成することと、
変調信号を用いてベースAC信号を変調することと
を行うように構成されることによって、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波パルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導するAC駆動信号を生成することであって、超音波パルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することを行うように構成されている、請求項IからIIIのいずれか1項に記載のシステム。
V.制御コンソールが、制御コンソールによって受け付けられた超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度に基づいて最大超音波エネルギーレベルを決定するように構成されている、請求項IからIVのいずれか1項に記載のシステム。
VI.制御コンソールが、最大超音波エネルギーレベルがユーザ選択超音波エネルギー限度よりも大きくなり、AC駆動信号によって超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーの平均がユーザ選択超音波エネルギー限度に実質的に等しくなるよう、最大超音波エネルギーレベルを決定するように構成されることによって、制御コンソールによって受信された超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度に基づいて最大超音波エネルギーレベルを決定するように構成されている、請求項Vに記載のシステム。
VII.制御コンソールが、最大超音波エネルギーレベルに基づいて第1および第2の値を決定するように構成されている、請求項IからVIのいずれか1項に記載のシステム。
VIII.第1および第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルが制御コンソール内の第1および第2の割合にそれぞれ関連付けられており、制御コンソールが、第1および第2の割合を最大超音波エネルギーレベルにそれぞれ適用するように構成されることによって、最大超音波エネルギーレベルに基づいて第1および第2の値を決定するように構成されている、請求項VIIに記載のシステム。
IX.第1および第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルが制御コンソール内の第1および第2のデューティサイクルにそれぞれ関連付けられており、第1のデューティサイクルが第2のデューティサイクルよりも大きく、制御コンソールが、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピース内で誘導される設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間の各々の継続時間に対する超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第1のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することと、
第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピース内で誘導される設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間の各々の継続時間に対する超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第2のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、請求項IからVIIIのいずれか1項に記載のシステム
X.制御コンソールが、
超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと、
超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定することと、
印加荷重が既定のレベルよりも大きいと決定したことに応じて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが、第1の周波数とは異なる第2の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと、
を行うように構成されている、請求項IからIXのいずれか1項に記載のシステム。
XI.制御コンソールが、超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給される第2のAC駆動信号を生成することと、
超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定することと、
印加荷重が既定のレベルよりも大きいと決定したことに応じて、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間によって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導するAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を行うように構成されている、請求項IからXのいずれか1項に記載のシステム。
XII.制御コンソールが、
超音波ハンドピースの機械抵抗を算出することと、
超音波ハンドピースの機械抵抗を既定の抵抗閾値と比較することと、
超音波ハンドピースの機械抵抗が既定の抵抗閾値よりも大きいことに応じて、超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいと決定することと
を行うように構成されることによって、超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定するように構成されている、請求項XまたはXIに記載のシステム。
XIII.制御コンソールが、
超音波ハンドピースに供給されたAC駆動信号の電圧を測定することと、電圧を既定の電圧閾値と比較することと、
測定された電圧が既定の電圧閾値よりも大きいことに応じて、超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいと決定することと
を行うように構成されることによって、超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定するように構成されている、請求項XまたはXIに記載のシステム。
XIV.制御コンソールが、
超音波ハンドピースが、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも骨切断モードで動作するように設定されているのかを決定することと、
超音波ハンドピースが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導するAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと、
超音波ハンドピースが骨切断モードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給される第2のAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、それにおける有意な期間を含む、生成することと
を行うように構成されている、請求項IからXIIIのいずれか1項に記載のシステム。
XV.第2のAC駆動信号によって超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスの最大超音波エネルギーレベルにおける有意な期間が、設定された最小超音波エネルギーレベルに対応する最小値を有する逆hann波によって規定された遷移超音波エネルギー期間によって相互に離間されている、請求項XIVに記載のシステム。
XVI.超音波ハンドピースの振動を制御するためのシステムであって、
先端、および先端に結合されたドライバを含む超音波ハンドピースであって、ドライバが、AC駆動信号を受信したことに応じて先端を振動させるように構成されている、超音波ハンドピースと、
超音波ハンドピースのドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、制御コンソールが、
超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度を受け付けることと、
ユーザ選択超音波エネルギー限度に基づいて超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
最大超音波エネルギーレベルに基づいて超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
最小超音波エネルギーレベルにおける一定の超音波エネルギーの有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を行うように構成されている、システム。
XVII.超音波ハンドピースの振動を制御するためのシステムであって、
先端、および先端に結合されたドライバを含む超音波ハンドピースであって、ドライバが、AC駆動信号を受信したことに応じて先端を振動させるように構成されている、超音波ハンドピースと、
超音波ハンドピースのドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、制御コンソールが、
超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
超音波周波数および実質的に一定の振幅を有するベースAC信号を生成することと、
最大超音波エネルギーレベルまたは最小超音波エネルギーレベルに対応する一定値における有意な期間をもって分離されたhann波を含む周期変調信号を生成することと、
変調信号を用いてベースAC信号を変調することと、
変調されたベースAC信号に基づいてAC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、システム。
XVIII.超音波ハンドピースの振動を制御するためのシステムであって、
先端、および先端に結合されたドライバを含む超音波ハンドピースであって、ドライバが、AC駆動信号を受信したことに応じて先端を振動させるように構成されている、超音波ハンドピースと、
超音波ハンドピースのドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールと
を備えてなり、制御コンソールが、
超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルおよび第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けることと、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを第1の値に設定することと、
第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2の値に設定することと、
設定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、それにおける有意な期間を含む、生成することと
を行うように構成されている、システム。
XIX.超音波ハンドピースの振動を制御するための方法であって、
超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルおよび第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けることであって、第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルが、第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルよりも多くの組織種をアブレーションするように構成されている、受け付けることと、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを第1の値に設定することと、
第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2の値に設定することと、
設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を含んでなる方法。
XX.設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間の各々が2ミリ秒以上である、請求項XIXに記載の方法。
XXI.超音波エネルギーパルスの各々がhann関数によって規定される、請求項XIXまたはXXに記載の方法。
XXII.設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導するAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することが、
超音波周波数および実質的に一定の振幅を有するベースAC信号を生成することと、
設定された最小超音波エネルギーレベルに対応する第3の値における有意な期間をもって分離されたhann波を含む周期変調信号を生成することであって、hann波の各々が第3の値における最小値を有する、生成することと、
変調信号を用いてベースAC信号を変調することと
を含む、請求項XIXからXXIのいずれか1項に記載の方法。
XXIII.超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度に基づいて最大超音波エネルギーレベルを決定することをさらに含む、請求項XIXからXXIIのいずれか1項に記載の方法。
XXIV.超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度に基づいて最大超音波エネルギーレベルを決定することが、
超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度を受け付けることと、
最大超音波エネルギーレベルがユーザ選択超音波エネルギー限度よりも大きくなり、AC駆動信号によって超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーの平均がユーザ選択超音波エネルギー限度に実質的に等しくなるよう、最大超音波エネルギーレベルを決定することと
を含む、請求項XXIIIに記載の方法。
XXV.最大超音波エネルギーレベルに基づいて第1および第2の値を決定することをさらに含む、請求項XIXからXXIVのいずれか1項に記載の方法。
XXVI.超音波ハンドピースが、超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成する制御コンソールに結合されており、最大超音波エネルギーレベルに基づいて第1および第2の値を決定することが、
第1および第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルに関連付けられた第1および第2の割合を制御コンソールと一体のメモリから読み出すことと、
第1および第2の割合を最大超音波エネルギーレベルに適用し、第1および第2の値をそれぞれ決定することと
を含む、請求項XXVに記載の方法。
XXVII.超音波ハンドピースが、超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成する制御コンソールに結合されており、
第1および第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルに関連付けられた第1および第2のデューティサイクルを制御コンソールと一体のメモリから読み出すことであって、第1のデューティサイクルが第2のデューティサイクルよりも大きい、読み出すことと、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピース内で誘導される最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間の各々の継続時間に対する超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第1のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することと、
第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピース内で誘導される最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間の各々の継続時間に対する超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスの各々の継続時間が第2のデューティサイクルに対応するよう、AC駆動信号を生成することと
をさらに含む、請求項XIXからXXVIのいずれか1項に記載の方法。
XXVIII.超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスが第1の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと、
超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定することと、
印加荷重が既定のレベルよりも大きいと決定したことに応じて、超音波器具内で誘導される超音波エネルギーパルスが、第1の周波数よりも小さい第2の周波数で生じるよう、AC駆動信号を生成することと
をさらに含む、請求項XIXからXXVIIのいずれか1項に記載の方法。
XXIX.超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルに維持された超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給される第2のAC駆動信号を生成することと、
超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定することと、
印加荷重が既定のレベルよりも大きいと決定したことに応じて、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導するAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
をさらに含む、請求項XIXからXXVIIIのいずれか1項に記載の方法。
XXX.超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定することが、
超音波ハンドピースの機械抵抗を算出することと、
超音波ハンドピースの機械抵抗を既定の抵抗閾値と比較することと、
超音波ハンドピースの機械抵抗が既定の抵抗閾値よりも大きいことに応じて、超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいと決定することと
を含む、請求項XXVIIIまたはXXIXに記載の方法。
XXXI.超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいかどうかを決定することが、
超音波ハンドピースに供給されたAC駆動信号の電圧を測定することと、電圧を既定の電圧閾値と比較することと、
測定された電圧が既定の電圧閾値よりも大きいことに応じて、超音波ハンドピースに印加された荷重が既定のレベルよりも大きいと決定することと
を含む、請求項XXVIIIまたはXXIXに記載の方法。
XXXII.超音波ハンドピースが、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも骨切断モードで動作するように設定されているのかを決定することと、
超音波ハンドピースが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導するAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと、
超音波ハンドピースが骨切断モードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、設定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースへの第2のAC駆動信号供給を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、それにおける有意な期間を含む、生成することと
をさらに含む、請求項XIXからXXXIのいずれか1項に記載の方法。
XXXIII.第2のAC駆動信号によって超音波ハンドピース内で誘導される超音波エネルギーパルスの最大超音波エネルギーレベルにおける有意な期間が、設定された最小超音波エネルギーレベルに対応する最小値を有する逆hann波によって規定された遷移超音波エネルギー期間によって相互に離間されている、請求項XXXIIに記載の方法。
XXXIV.超音波ハンドピースの振動を制御するための方法であって、
超音波ハンドピースのためのユーザ選択超音波エネルギー限度を受け付けることと、ユーザ選択超音波エネルギー限度に基づいて超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
最大超音波エネルギーレベルに基づいて超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
最小超音波エネルギーレベルにおける一定の超音波エネルギーの有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波パルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波パルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を含む方法。
XXXV.超音波ハンドピースの振動を制御するための方法であって、
超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルおよび最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
超音波周波数および実質的に一定の振幅を有するベースAC信号を生成することと、
最大超音波エネルギーレベルまたは最小超音波エネルギーレベルに対応する一定値における有意な期間をもって分離されたhann波を含む周期変調信号を生成することと、
変調信号を用いてベースAC信号を変調することと、
変調されたベースAC信号に基づいて超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することと
を含んでなる方法。
XXXVI.超音波ハンドピースの振動を制御するための方法であって、
超音波ハンドピースのための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルおよび第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けることと、
第1のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを第1の値に設定することと、
第2のパルス動作超音波エネルギープロファイルのユーザ選択を受け付けたことに応じて、超音波ハンドピースのための最小超音波エネルギーレベルを、第1の値よりも小さい第2の値に設定することと、
設定された最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーによって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波ハンドピース内で誘導する超音波ハンドピースに供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々が最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達し、それにおける有意な期間を含む、生成することと
を含んでなる方法。
XXXVII.超音波器具の先端の振動を制御するためのシステムであって、
超音波器具の先端を振動させるための超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールを備え、制御コンソールが、
超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
最大超音波エネルギーレベルに基づいて超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
決定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導する超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々がhann波によって規定され、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を行うように構成されている、システム。
XXXVIII.超音波器具の先端の振動を制御するためのシステムであって、
超音波器具の先端を振動させるための超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールを備え、制御コンソールが、
超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
システムが、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているのかを決定することと、
システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、超音波器具内で第1の超音波エネルギーを誘導する第1のAC駆動信号を生成することであって、第1の超音波エネルギーが、超音波器具のために設定され、軟組織アブレーションモードに対応する第1の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第1の期間によって相互に離間された複数の第1の超音波エネルギーパルスを含み、第1の超音波エネルギーパルスの各々が、第1の期間の各々よりも短い第2の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと、
システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、超音波器具内で第2の超音波エネルギーを誘導する第2のAC駆動信号を生成することであって、第2の超音波エネルギーが、超音波器具のために設定され、硬組織アブレーションモードに対応する第2の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第3の期間によって相互に離間された複数の第2の超音波エネルギーパルスを含み、第2の超音波エネルギーパルスの各々が、第3の期間の各々以上である第4の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を行うように構成されている、システム。
XXXIX.超音波器具の先端の振動を制御するためのシステムであって、
先端を振動させるための超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための制御コンソールを備え、制御コンソールが、
先端の種類を決定することと、
先端の決定された種類に基づいて超音波器具のための1つまたは複数のパルス動作パラメータを決定することと、
決定されたパルス動作パラメータに対応する複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導する超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することと
を行うように構成されている、システム。
XL.超音波器具の先端の振動を制御するための制御コンソールであって、制御コンソールが、
超音波器具の先端を振動させるための超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための信号生成器と、
信号生成器に結合された少なくとも1つのプロセッサと
を備えてなり、少なくとも1つのプロセッサが、
超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
最大超音波エネルギーレベルに基づいて超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
信号生成器によって生成され、超音波器具に供給されるAC駆動信号を、決定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導するように調節することであって、超音波エネルギーパルスの各々がhann波によって規定され、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、調節することと
を行うように構成されている、制御コンソール。
XLI.超音波器具の先端の振動を制御するための制御コンソールであって、システムが、
超音波器具の先端を振動させるための超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための信号生成器と、
信号生成器に結合された少なくとも1つのプロセッサと
を備えてなり、少なくとも1つのプロセッサが、
超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
システムが、軟組織アブレーションモードで動作するように設定されているのか、それとも硬組織アブレーションモードで動作するように設定されているのかを決定することと、
システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、信号生成器によって生成され、超音波器具に供給されるAC駆動信号を、超音波器具内で第1の超音波エネルギーを誘導する第1のAC駆動信号に設定することであって、第1の超音波エネルギーが、超音波器具のために設定され、軟組織アブレーションモードに対応する第1の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第1の期間によって相互に離間された複数の第1の超音波エネルギーパルスを含み、第1の超音波エネルギーパルスの各々が、第1の期間の各々よりも短い第2の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、設定することと、
システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、信号生成器によって生成され、超音波器具に供給されるAC駆動信号を、超音波器具内で第2の超音波エネルギーを誘導する第2のAC駆動信号に設定することであって、第2の超音波エネルギーが、超音波器具のために設定され、硬組織アブレーションモードに対応する第2の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第3の期間によって相互に離間された複数の第2の超音波エネルギーパルスを含み、第2の超音波エネルギーパルスの各々が、第3の期間の各々以上である第4の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、設定することと
を行うように構成されている、制御コンソール。
XLII.超音波器具の先端の振動を制御するための制御コンソールであって、システムが、
超音波器具の先端を振動させるための超音波器具のドライバに提供されるAC駆動信号を生成するための信号生成器と、
信号生成器に結合された少なくとも1つのプロセッサと
を備えてなり、少なくとも1つのプロセッサが、
先端の種類を決定することと、
先端の決定された種類に基づいて超音波器具のための1つまたは複数のパルス動作パラメータを決定することと、
信号生成器によって生成され、超音波器具に供給されるAC駆動信号を、決定されたパルス動作パラメータに対応する複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導するように調節することと
を行うように構成されている、制御コンソール。
XLIII.少なくとも1つのプロセッサによって超音波器具の先端の振動を制御するための方法であって、
制御コンソールによって、超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
制御コンソールによって、最大超音波エネルギーレベルに基づいて超音波器具のための最小超音波エネルギーレベルを決定することと、
制御コンソールによって、決定された最小超音波エネルギーレベルにおける有意な期間をもって相互に離間された複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導する超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することであって、超音波エネルギーパルスの各々がhann波によって規定され、最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を含んでなる方法。
XLIV.制御コンソールによって超音波器具の先端の振動を制御するための方法であって、
制御コンソールによって、超音波器具のための最大超音波エネルギーレベルを決定することと、
制御コンソールによって、超音波器具が、軟組織アブレーションモードで動作させられるように設定されていると決定することと、
システムが軟組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、制御コンソールによって、超音波器具内で第1の超音波エネルギーを誘導する第1のAC駆動信号を生成することであって、第1の超音波エネルギーが、超音波器具のために設定され、軟組織アブレーションモードに対応する第1の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第1の期間によって相互に離間された複数の第1の超音波エネルギーパルスを含み、第1の超音波エネルギーパルスの各々が、第1の期間の各々よりも短い第2の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと、
制御コンソールによって、超音波器具が、硬組織アブレーションモードで動作させられるように設定されていると決定することと、
システムが硬組織アブレーションモードで動作するように設定されていると決定したことに応じて、制御コンソールによって、超音波器具内で第2の超音波エネルギーを誘導する第2のAC駆動信号を生成することであって、第2の超音波エネルギーが、超音波器具のために設定され、硬組織アブレーションモードに対応する第2の最小超音波エネルギーレベルにおける超音波エネルギーの第3の期間によって相互に離間された複数の第2の超音波エネルギーパルスを含み、第2の超音波エネルギーパルスの各々が、第3の期間の各々以上である第4の期間にわたって最大超音波エネルギーレベルにおいてピークに達する、生成することと
を含んでなる方法。
XLV.先端と、先端が結合され、複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを先端内で誘導するためのAC駆動信号が制御コンソールから供給されるドライバを含むハンドピースとを備える超音波器具のためのスリーブを製作するための方法であって、
開放近位および遠位端部を有し、開放近位および遠位端部の間に延びた管腔を画定するスリーブ本体を提供することであって、スリーブ本体が、先端が管腔を通り抜け、スリーブ本体の開放遠位端部外へ延びるよう、ハンドピースに取り外し可能に結合されるように適合されている、提供することと、
灌流液を先端に提供するための管腔と流体連通した灌流導管を配置することと、
超音波器具が制御コンソールに結合された際に制御コンソールによって読み出されるための先端に固有のデータを先端メモリ内に記憶することであって、データが、超音波器具の先端内で誘導される超音波エネルギーパルスを調節するための少なくとも1つのパルス動作パラメータを指示する、記憶することと、
先端メモリをスリーブ本体内に配設することと
を含んでなる方法。
XLVI.制御コンソールによって超音波器具の先端の振動を制御するための方法であって、
制御コンソールによって、先端の種類を決定することと、
制御コンソールによって、先端の決定された種類に基づいて超音波器具のための1つまたは複数のパルス動作パラメータを決定することと、
制御コンソールによって、決定されたパルス動作パラメータに対応する複数の超音波エネルギーパルスを含む超音波エネルギーを超音波器具の先端内で誘導する超音波器具に供給されるAC駆動信号を生成することと
を含んでなる方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】