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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】モジュール式混合用インペラー
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/00 20220101AFI20231016BHJP
   B01F 27/07 20220101ALI20231016BHJP
   B01F 27/111 20220101ALI20231016BHJP
   B01F 27/1111 20220101ALI20231016BHJP
   B01F 27/191 20220101ALI20231016BHJP
   B01F 27/93 20220101ALI20231016BHJP
【FI】
B01F35/00
B01F27/07
B01F27/111
B01F27/1111
B01F27/191
B01F27/93
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511828
(86)(22)【出願日】2021-10-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-15
(86)【国際出願番号】 US2021053196
(87)【国際公開番号】W WO2022072843
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】63/086,628
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513307933
【氏名又は名称】パーカー-ハネフィン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】PARKER-HANNIFIN CORPORATION
【住所又は居所原語表記】6035 Parkland Blvd. Cleveland, OH 44124 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シューラー,ブレンダン・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4G037DA21
4G037DA30
4G037EA04
4G078BA05
4G078BA09
4G078CA19
4G078DA21
4G078DA30
4G078DB10
4G078DC01
(57)【要約】
1つ以上の接続チューブ126、及び1つ以上の接続チューブ126に組み付けられるよう構成された1つ以上のインペラー100を含む、モジュール式混合用インペラー組立体140。1つ以上のインペラー100はそれぞれ、複数の混合ブレード102を有する。1つ以上のインペラー100はそれぞれ、少なくとも1つの接続チューブ126に対して摩擦嵌合によって組み付けられ、これによって1つ以上のインペラーがそれぞれ、それが取り付けられた接続チューブ126と共に回転するよう構成され、インペラー100と接続チューブ126との間の上記組み付けにより、気密性及び水密性の封止が生成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の接続チューブ;
前記1つ以上の接続チューブに組み付けられるよう構成された1つ以上のインペラーであって、前記1つ以上のインペラーはそれぞれ複数の混合ブレードを有する、1つ以上のインペラー
を備える、モジュール式混合用インペラー組立体であって、前記1つ以上のインペラーはそれぞれ、少なくとも1つの接続チューブに対して摩擦嵌合によって組み付けられ、これによって前記1つ以上のインペラーはそれぞれ、前記インペラーが組み付けられた前記少なくとも1つの接続チューブと共に回転するよう構成され、インペラーと接続チューブとの間の前記組み付けにより、気密性及び水密性の封止が生成される、モジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項2】
前記1つ以上のインペラーはそれぞれ、貫通する穿孔を有する中心ハブを含み、前記穿孔はドライブシャフトを収容するよう構成される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項3】
前記中心ハブの第1の側部は、前記複数の混合ブレードから軸方向に離れるように第1の方向に延在し、前記中心ハブの第2の側部は、前記複数の混合ブレードから離れるように、前記第1の方向の反対の第2の方向に延在する、請求項2に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項4】
前記中心ハブの前記第1の側部は、前記1つ以上の接続チューブのうちの1つへの取り付けを容易にするためのホースバーブを含む、請求項3に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項5】
前記中心ハブの前記第2の側部は、前記1つ以上の接続チューブのうちの1つへの取り付けを容易にするためのホースバーブを含む、請求項3に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項6】
前記1つ以上のインペラーのうちの少なくとも1つは、前記中心ハブから半径方向外向きに延在するプレート部を含み、前記複数の混合ブレードはそれぞれ、前記プレート部の周囲部分に取り付けられる、請求項2に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項7】
前記複数の混合ブレードはそれぞれ、前記ブレードの時計回り方向の回転が混合物を第1の方向に軸方向に流し、前記ブレードの反時計回り方向の回転が前記混合物を前記第1の方向の反対の第2の方向に軸方向に流すように、前記プレート部に対してある角度で傾斜している、請求項6に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項8】
前記複数の混合ブレードはそれぞれ、前記ブレードの時計回り又は反時計回り方向の回転が混合物を前記ブレードから半径方向外向きに流すように、前記プレート部に垂直に取り付けられる、請求項6に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項9】
前記プレート部は1つ以上の開口を有する、請求項6に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項10】
前記プレート部は、前記プレート部の周上において120°離れた3つの開口、又は前記プレート部の前記周上において90°離れた4つの開口、又は前記プレート部の前記周上において60°離れた6つの開口を有する、請求項9に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項11】
隣接するインペラーの各ペアは、別個の接続チューブによって接続される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項12】
前記1つ以上の接続チューブの長さは可変であり、これにより、所与の用途のために使用されるインペラーの個数を、前記1つ以上の接続チューブの長さを変更することによって増減させることができる、請求項11に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項13】
前記1つ以上のインペラーは、直列構成で配設される複数のインペラーであり、各前記インペラーは、隣接する混合ブレードに対して軸方向に離間した関係で配置される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項14】
封止された前記チューブの長さは可変であり、これにより前記モジュール式混合用インペラー組立体を、可変個数のインペラーを含むよう構成できる、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項15】
前記1つ以上の接続チューブと、前記1つ以上のインペラーそれぞれの穿孔とに挿入される、ドライブシャフトを更に備え、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトを回転させる外部モータに接続されるよう構成される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項16】
前記ドライブシャフトは、前記1つ以上のインペラーの各前記穿孔の六角形断面に対応する六角形断面を有し、これにより、前記ドライブシャフトの回転が、前記1つ以上のインペラーのそれぞれ、及び前記1つ以上の接続チューブのそれぞれを回転させる、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項17】
前記1つ以上の接続チューブのうちの少なくとも1つは、可撓性材料から作製される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項18】
前記可撓性材料はプラスチックである、請求項17に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項19】
前記1つ以上の接続チューブうちの少なくとも1つは、透明材料から作製される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項20】
直列構成で配設され、またそれぞれが隣接する混合ブレードに対して軸方向に離間した関係にある、複数のインペラーを更に備え、隣接するインペラーの各ペアは、別個の接続チューブによって接続される、請求項1に記載のモジュール式混合用インペラー組立体。
【請求項21】
貫通する穿孔を有する中心ハブであって、前記穿孔はドライブシャフトを収容するよう構成され、前記中心ハブは、少なくとも1つの接続チューブに対して封止接続されるよう構成される、中心ハブ;
前記中心ハブから半径方向外向きに延在する、プレート部;及び
前記プレート部の周囲部分に取り付けられる複数の混合ブレード
を備える、モジュール式混合用インペラー。
【請求項22】
前記中心ハブの第1の側部は、前記複数の混合ブレードから軸方向に離れるように第1の方向に延在し、前記中心ハブの第2の側部は、前記複数の混合ブレードから離れるように、前記第1の方向の反対の第2の方向に延在する、請求項21に記載のモジュール式混合用インペラー。
【請求項23】
前記中心ハブの前記第1の側部及び前記第2の側部はそれぞれ、前記少なくとも1つの接続チューブに対して摩擦嵌合によって組み付けられるよう構成され、これによって前記インペラーは前記少なくとも1つの接続チューブと共に回転するよう構成され、インペラーと接続チューブとの間の前記組み付けにより、気密性及び水密性の封止が生成される、請求項22に記載のモジュール式混合用インペラー。
【請求項24】
前記中心ハブの前記第1の側部及び前記第2の側部のうちの少なくとも一方は、前記少なくとも1つの接続チューブへの取り付けを容易にするためのホースバーブを含む、請求項22に記載のモジュール式混合用インペラー。
【請求項25】
前記複数の混合ブレードはそれぞれ、前記ブレードの時計回り方向の回転が混合物を第1の方向に軸方向に流し、前記ブレードの反時計回り方向の回転が前記混合物を前記第1の方向の反対の第2の方向に軸方向に流すように、前記プレート部に対してある角度で傾斜している、請求項21に記載のモジュール式混合用インペラー。
【請求項26】
前記複数の混合ブレードはそれぞれ、前記ブレードの時計回り又は反時計回り方向の回転が混合物を前記ブレードから半径方向外向きに流すように、前記プレート部に垂直に取り付けられる、請求項21に記載のモジュール式混合用インペラー。
【請求項27】
前記穿孔は六角形断面を有する、請求項21に記載のモジュール式混合用インペラー。
【請求項28】
前記プレート部は円形であり、前記穿孔とプレート部とは同心である、請求項21に記載のモジュール式混合用インペラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、製薬又は生命科学産業におけるもののような、成分の混合のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生命科学産業といった特定の産業において、流体製品を外部の汚染物質のない状態に確実に保つことは、高品質製品を製造するために重要である。これらの製品は、様々な精製済み材料の組み合わせから生成されることが多く、これらは所望の結果をもたらすように強制的に混合される。従ってこれらの製品は、混合プロセス中の製品の汚染又はその他の損傷なしに、最適な混合結果を確実に達成するために、高度に専門的な混合プロセスを必要とする。
【0003】
無菌容器と共に使用するために設計された大半の混合用システムは、磁気撹拌バーとスピンプレートとの組み合わせを使用するものであり、円筒形の磁石が容器の底部に配置されており、容器の下に配置された専用のプレートと相互作用するにつれてスピンする。撹拌バーのスピン作用により、容器の内部の材料が混合される。しかしながら、これらのシステムは典型的には、十分な混合を保証するために50リットル以下のサイズに制限される。より大型のシステムは典型的には、使用後その都度専門的な清掃が必要となる混合用プローブを挿入するために混合用容器を開放するか、又は容器の頂部、底部、若しくは縁部に近接してセンタリングされた、事前に設置されたインペラーを使用する必要がある。このような混合用システムの大半は単一のインペラーを有するように設計されるが、容器のサイズが増大するにつれてその混合能力は大幅に低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書中で開示される本発明の実施形態は、上で詳述した欠点の一部に対処する。本発明のこれらの及び他の利点、並びに本発明の更なる特徴は、本明細書中で提供される本発明の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明の実施形態は、1つ以上の接続チューブ、及び上記1つ以上の接続チューブに組み付けられるよう構成された1つ以上のインペラーを含む、モジュール式混合用インペラー組立体を提供する。上記1つ以上のインペラーはそれぞれ、複数の混合ブレードを有する。上記1つ以上のインペラーはそれぞれ、少なくとも1つの接続チューブに対して摩擦嵌合によって組み付けられ、これによって上記1つ以上のインペラーはそれぞれ、それが取り付けられた上記接続チューブと共に回転するよう構成され、インペラーと接続チューブとの間の組み付けにより、気密性及び水密性の封止が生成される。
【0006】
ある特定の実施形態では、上記1つ以上のインペラーはそれぞれ、貫通する穿孔を有する中心ハブを含み、上記穿孔はドライブシャフトを収容するよう構成される。特定の実施形態では、上記中心ハブの第1の側部は、上記複数の混合ブレードから軸方向に離れるように第1の方向に延在し、上記中心ハブの第2の側部は、上記複数の混合ブレードから離れるように、上記第1の方向の反対の第2の方向に延在する。
【0007】
上記中心ハブの上記第1の側部は、上記1つ以上の接続チューブのうちの1つへの取り付けを容易にするためのホースバーブを含んでよい。
【0008】
同様に、上記中心ハブの上記第2の側部もまた、上記1つ以上の接続チューブのうちの1つへの取り付けを容易にするためのホースバーブを含んでよい。
【0009】
上記1つ以上のインペラーのうちの少なくとも1つは、上記中心ハブから半径方向外向きに延在するプレート部を含んでよく、上記複数の混合ブレードはそれぞれ、上記プレート部の周囲部分に取り付けられる。
【0010】
特定の実施形態では、上記複数の混合ブレードはそれぞれ、上記ブレードの時計回り方向の回転が混合物を第1の方向に軸方向に流し、上記ブレードの反時計回り方向の回転が上記混合物を上記第1の方向の反対の第2の方向に軸方向に流すように、上記プレート部に対してある角度で傾斜している。
【0011】
代替実施形態では、上記複数の混合ブレードはそれぞれ、上記ブレードの時計回り又は反時計回り方向の回転が混合物を上記ブレードから半径方向外向きに流すように、上記プレート部に垂直に取り付けられる。
【0012】
更に、いくつかの実施形態では、上記プレート部は1つ以上の開口を有する。例えば上記プレート部は、上記プレート部の周上において120°離れた3つの開口、又は上記プレート部の上記周上において90°離れた4つの開口、又は上記プレート部の上記周上において60°離れた6つの開口を有してよい。
【0013】
特定の実施形態では、隣接するインペラーの各ペアは、別個の接続チューブによって接続される。
【0014】
更に、特定の実施形態では、上記1つ以上の接続チューブの長さは可変であり、これにより、所与の用途のために使用されるインペラーの個数を、上記1つ以上の接続チューブの長さを変更することによって増減させることができる。
【0015】
上記複数のインペラーは、直列構成で配設してよく、各上記インペラーは、隣接する混合ブレードに対して軸方向に離間した関係で配置される。このような構成では、封止された上記チューブの長さは可変であってよく、これにより上記モジュール式混合用インペラー組立体を、可変個数のインペラーを含むよう構成できる。
【0016】
上記アセンブリは更に、上記1つ以上の接続チューブと、上記1つ以上のインペラーそれぞれの穿孔とに挿入される、ドライブシャフトを含んでよく、上記ドライブシャフトは、上記ドライブシャフトを回転させる外部モータに接続されるよう構成される。
【0017】
上記ドライブシャフトは、上記ドライブシャフトの断面のサイズ及び形状が上記穿孔の断面のサイズ及び形状に一致するように、上記穿孔に摺動可能に嵌合できる。例えば上記ドライブシャフトは、上記1つ以上のインペラーの各上記穿孔の六角形断面(又はその他の多角形及び/若しくは非円形断面)に対応する六角形断面(又はその他の多角形及び/若しくは非円形断面)を有してよく、これにより、上記ドライブシャフトの回転が、上記1つ以上のインペラーのそれぞれ、及び上記1つ以上の接続チューブのそれぞれを回転させる。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の接続チューブのうちの少なくとも1つは、可撓性材料から作製される。上記可撓性材料は例えばプラスチックであってよい。好ましくは、上記1つ以上の接続チューブは透明材料から作製される。
【0019】
別の態様では、本発明の実施形態は、貫通する穿孔を有する中心ハブを含む、モジュール式混合用インペラーを提供する。上記穿孔は、例えば上記穿孔に摺動可能に嵌合されるドライブシャフトを収容して、これに回転可能に連結されるよう構成してよい。上記中心ハブは、少なくとも1つの接続チューブに対して封止接続されるよう構成される。プレート部は上記中心ハブから半径方向外向きに延在し、複数の混合ブレードは上記プレート部の周囲部分に取り付けられる。
【0020】
ある特定の実施形態では、上記中心ハブの第1の側部は、上記複数の混合ブレードから軸方向に離れるように第1の方向に延在し、上記中心ハブの第2の側部は、上記複数の混合ブレードから離れるように、上記第1の方向の反対の第2の方向に延在する。好ましくは、上記中心ハブの上記第1の側部及び上記第2の側部はそれぞれ、上記少なくとも1つの接続チューブに対して摩擦嵌合によって組み付けられるよう構成され、これにより、上記インペラーは上記少なくとも1つの接続チューブと共に回転するよう構成され、インペラーと接続チューブとの間の上記組み付けにより、気密性及び水密性の封止が生成される。
【0021】
上記中心ハブの上記第1及び第2の側部のうちの少なくとも一方は、上記少なくとも1つの接続チューブへの取り付けを容易にするためのホースバーブを含んでよい。
【0022】
更に、上記複数の混合ブレードはそれぞれ、上記ブレードの時計回り方向の回転が混合物を第1の方向に軸方向に流し、上記ブレードの反時計回り方向の回転が上記混合物を上記第1の方向の反対の第2の方向に軸方向に流すように、上記プレート部に対してある角度で傾斜していてよい。あるいは、上記複数の混合ブレードはそれぞれ、上記ブレードの時計回り又は反時計回り方向の回転が混合物を上記ブレードから半径方向外向きに流すように、上記プレート部に垂直に取り付けてよい。
【0023】
上記穿孔は好ましくは、上記ドライブシャフトを摺動可能に挿入して回転可能に連結するよう適合された嵌合用表面を画定し、これにより、組み付け時に上記インペラーはドライブシャフトと共にスピンする。本発明のいくつかの実施形態では、上記穿孔は六角形断面を有する。好ましくは上記プレート部は円形であり、上記穿孔とプレート部とは同心である。
【0024】
本発明の他の態様、目的、及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」を添付の図面と併せて読むと、より明らかになるであろう。
【0025】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の複数の態様を例示し、本記載と共に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明のある実施形態による、真っ直ぐなブレードを有するモジュール式混合用インペラーの斜視図である。
図2図2は、本発明のある実施形態による、傾斜したブレードを有するモジュール式混合用インペラーの平面図である。
図3図3は、本発明のある実施形態による、傾斜したブレードとプレート部の複数の開口とを有するモジュール式混合用インペラーの斜視図である。
図4図4は、本発明のある実施形態に従って構成された、モジュール式混合用インペラー組立体の斜視図である。
図5図5は、本発明のある実施形態に従って構成された、ドライブシャフトを有するモジュール式混合用インペラー組立体の斜視図である。
図6図6は、本発明のある実施形態による、ドライブシャフト及びモータを有するモジュール式混合用インペラー組立体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明するが、本発明をこれらの実施形態に限定する意図はない。むしろ、あらゆる代替形態、修正形態及び均等物を、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内に含まれるものとして包含することを意図している。
【0028】
図1は、本発明のある実施形態による、真っ直ぐなブレード102を有するモジュール式混合用インペラー100の斜視図であり、図2、3はそれぞれ、本発明のある実施形態による、傾斜したブレード122を有するモジュール式混合用インペラー120の平面図及び斜視図を示す。モジュール式混合用インペラー100、120は両方とも、中心ハブ104を含む。中心ハブ104は、穿孔106が中心ハブ104を軸方向に通過するように、長手方向軸108を有する穿孔106を有する。本出願で使用される場合、用語「軸方向に(axially)」は、長手方向軸108に沿った又はこれに平行な方向を指し、用語「半径方向に(radially)」は、長手方向軸108を通過しかつこれに垂直である、いずれの方向を指す。
【0029】
穿孔106は、ドライブシャフト110(図5、6に図示)を収容するよう構成される。本発明の実施形態では、穿孔106は六角形断面を有し、六角形断面を有するドライブシャフト110上への組み付けのために構成され、これにより、ドライブシャフト110の回転が、ドライブシャフト110に組み付けられた各モジュール式混合用インペラー100、120の同様の回転を引き起こす。あるいは、穿孔106及びドライブシャフト110は、2つの構成部品の組み付け及び回転を容易にする長方形、五角形、八角形、又はいずれの好適な形状(例えば長円形、楕円形等)であってよい。これらはいずれも、摺動可能でありかつ回転可能に連結可能な非円形の嵌合形状を提供し、他のいずれの実施形態でも使用できる。
【0030】
図1~3に示されているように、モジュール式混合用インペラー100、120はそれぞれ、中心ハブ104から半径方向外向きに延在するプレート部112を含み、複数の混合ブレード102、122はプレート部112の周囲部分に取り付けられる。本発明の特定の実施形態では、プレート部112は1つ以上の開口118を有する。例えばプレート部112は、プレート部112の周上において120°離れた3つの開口118、又はプレート部112の周上において90°離れた4つの開口118、又は図3に示されているように、プレート部112の周上において60°離れた6つの開口118を有してよい。一部の構成では、プレート部112は円形であり、穿孔106と同心である。
【0031】
図1に示されているように、複数の真っ直ぐなブレード102は、これらがそれぞれプレート部112に垂直に配設されるように取り付けられる。図示されている実施形態では、真っ直ぐなブレード102は、プレート部112の周囲から半径方向内向きに若干の距離だけ延在し、一方でプレート部112から半径方向外向きにも若干の距離だけ延在する。この真っ直ぐなブレードの構成を用いた混合用途において、ブレード102の時計回り又は反時計回り方向の回転は、混合物をブレード102から半径方向外向きに流す。この真っ直ぐなブレードの構成は、周囲の混合物を容器の壁部に向かって真っ直ぐ押し出し、これにより容器の内部で放射状の流れが生成される。この様式は典型的には、混合のニーズが材料の分散又は乳化を必要とする場合に適用される。
【0032】
図2、3のインペラー120は、プレート部112の頂面及び底面に対して何らかの垂直でない角度でそれぞれ配設されるように取り付けられた、傾斜したブレード122を示す。傾斜したブレード122も、プレート部112の周囲から半径方向内向きに若干の距離だけ延在し、一方でプレート部112から半径方向外向きにも若干の距離だけ延在する。この傾斜角度構成の結果として、混合用途において、インペラー120及び傾斜したブレード122の時計回り方向の回転は混合物を第1の方向に軸方向に流し、ブレード122の反時計回り方向の回転は混合物を上記第1の方向の反対の第2の方向に軸方向に流す。
【0033】
図1~3に示されているように、モジュール式混合用インペラー100、120はそれぞれ、複数の混合ブレード102、122から軸方向に離れるように第1の方向に延在する第1の側部114と、複数の混合ブレード102、122から離れるように、上記第1の方向の反対の第2の方向に延在する中心ハブ104の第2の側部116とを有する、中心ハブ104を示す。以下で更に詳細に説明されるように、中心ハブ104の第1の側部114及び第2の側部116のうちの一方又は両方は、接続チューブ126(図4及び5に図示)への取り付けを容易にするためのホースバーブ124を含んでよい。
【0034】
図4は、本発明のある実施形態に従って構成された、モジュール式混合用インペラー組立体140の斜視図である。図示されている実施形態では、モジュール式混合用インペラー組立体140は複数のモジュール式混合用インペラー100を含み、これらはそれぞれ、接続チューブ126を介して、隣接するモジュール式混合用インペラー100に接続されている。特定の実施形態では、各接続チューブ126は、プラスチック等の可撓性材料又は同様の可撓性材料から作製される。他の実施形態では、各接続チューブ126は透明材料から作製され、これによりユーザは、材料が不注意にチューブの内側に入ってドライブシャフト110(図5、6に図示)と接触するかどうかを確認できる。
【0035】
上述したように、接続チューブ126は、中心ハブ104の第1の軸方向に延在する側部114又は第2の軸方向に延在する側部116に取り付けられるよう構成してよい。軸方向に延在する側部114、116上の上述のホースバーブ124は、インペラー100、120の接続チューブ126への気密性及び水密性の取り付けを容易にする。従って特定の実施形態では、中心ハブ104の第1の側部114及び第2の側部116はそれぞれ、インペラー100、120が、少なくとも1つの接続チューブ126と共に回転するよう構成されるように、少なくとも1つの接続チューブ126に対して摩擦嵌合によって組み付けられるよう構成され、インペラー100、120と接続チューブ126との間の組み付けにより、気密性及び水密性の封止が生成される。
【0036】
上で説明したように、特定の用途について、モジュール式混合用インペラー組立体140は、製品が存在する混合チャンバの場所に外部の汚染物質が入るのを防ぐために十分な様式で封止される。モジュール式混合用インペラー組立体140の下端部は様々な方法で密閉できるが、そのうちの2つを以下で説明する。
【0037】
混合物がドライブシャフト110又は他のいずれの汚染物質と接触しないように上述の気密性及び水密性の封止を維持するために、短尺管を組立体140の最後のインペラー100、120に取り付けることによって、モジュール式混合用インペラー組立体140の下端部を封止してよい。短尺管の開放端部(即ちインペラー100、120のホースバーブ124に取り付けられない端部)は、その後チューブプラグを挿入することによって塞がれる。あるいは、底部の封止は短尺シリコーン管を用いて実施でき、上記短尺シリコーン管は、その開放端部のうちの一方に液状/ゲル状シリコーンが充填されて所定の位置で硬化することによって管の該端部が塞がれる、オーバーモールドプロセスに供されている。チューブの残りの開放端部はその後、最下部のインペラー100、120に固定され、組立体140を塞ぐ。
【0038】
本発明の特定の実施形態では、複数の接続チューブ126の長さは可変であり、これにより、所与の混合用途のために使用され得るインペラー100、120の個数を、1つ以上の接続チューブ126の長さを変更することによって増減させることができる。例えば、接続チューブ126の長さを短くすることにより、ユーザは、特定のサイズの混合用ボウル内に更に多くのインペラー100、120を追加できるようになる。異なる長さの複数の接続チューブ126を単一の応用例で使用することにより、インペラー100、120間の間隔を変えることができる。
【0039】
図4の実施形態は、直列構成で配設された複数のインペラー100、120を示し、各インペラーは、隣接する混合ブレードに対して軸方向に離間した関係で配置される。このような構成では、封止されたチューブの長さは可変であってよく、これによりモジュール式混合用インペラー組立体を、可変個数のインペラーを含むよう構成できる。
【0040】
図5は、本発明のある実施形態に従って構成された、ドライブシャフト110を有するモジュール式混合用インペラー組立体140の斜視図である。図示されているように、ドライブシャフト110は、1つ以上の接続チューブ126と、各インペラー100、120の穿孔104とに挿入される。ドライブシャフト110は、ドライブシャフト110を回転させる外部モータ130(図6に図示)に接続されるよう構成される。上で説明したように、ドライブシャフト110は、1つ以上のインペラー100、120の各穿孔104の六角形断面に対応する六角形断面を有してよく(ただし上述のように他の断面形状も企図される)、これにより、ドライブシャフト110の回転が、1つ以上のインペラー100、120のそれぞれ、及び1つ以上の接続チューブ126のそれぞれも回転させる。
【0041】
図6は、本発明のある実施形態に従って構成された、ドライブシャフト110及びモータ130を有するモジュール式混合用インペラー組立体140の平面図である。図示されているように、モジュール式混合用インペラー組立体140は、混合用容器132内に配置される。モジュール式混合用インペラー組立体140の上端部では、最上部の接続チューブ126が、混合用容器132の頂部に取り付けられた軸受組立体128(図4、5にも図示)の内側の金属シャフトに取り付けられる。ドライブシャフト110は、軸受組立体128の開口と、モジュール式混合用インペラー組立体140内の各接続チューブ126及びインペラー100、120とに挿入される。図示されている実施形態では、軸受組立体128は、ドライブシャフト110と調和して回転する接続チューブ126及びインペラー100、120のように、ドライブシャフト110と共に回転しない。
【0042】
本明細書中で開示されるモジュール式混合用インペラー組立体140は、混合用ハブ又は密封型軸受128から懸架されてよく、また内部の無菌状態を維持するために使い捨て容器に直接組み込むことができる。可変長さの接続チューブ126によって、個々の又は複数のインペラーの複数の構成が可能となることにより、モジュール式インペラー100、120は様々な異なる混合用途のニーズを満たすことができる。インペラー100、120は、各インペラー100、120を混合用容器132の外側のモータ130に接続するドライブシャフト110と噛合するよう設計され、これにより各インペラー100、120はスピンできる。ある典型的な実施形態では、混合ロッドは作動前に混合用ハブ又は取り付けられた軸受に挿入され、モジュール式混合用インペラー組立体140の中心を通って摺動する。これにより、ドライブシャフト110及びいかなる外部の汚染物質も混合用容器132の内容物に接触しないことが保証される。
【0043】
本明細書中で引用される刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての引用文献は、各引用文献が参照によって援用されることが個別にかつ具体的に示され、またその全体が本明細書中に記載されているかのように、参照によって本明細書に援用される。
【0044】
本発明を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)における用語「ある(a、an)」及び「その、上記(the)」並びに同様の指示物の使用は、本明細書中に特に指示がない限り、又は文脈によってはっきりと否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含すると解釈されるものとする。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」は、特に断りのない限り、非制限的な用語(即ち「…を含むがこれに限定されない(including, but not limited to)」を意味する)として解釈されるものとする。本明細書中の値の範囲の列挙は、特に指示がない限り、該範囲内にある個々の値に個別に言及する簡便な方法として機能することが単に意図されており、個々の値は、本明細書中で個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中に特に指示がない限り、又は文脈によってはっきりと否定されない限り、いずれの好適な順序で実施できる。本明細書中で提供されるあらゆる例又は例示的な用語(例えば「…といった、…等の(such as)」)の使用は、特に主張がない限り、本発明をより良好に解明することを単に意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中の文言は、請求対象となっていない何らかの要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものとして解釈されないものとする。
【0045】
本発明の実施に関して本発明者らが把握している最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書中で説明されている。これらの好ましい実施形態の変形例は、以上の説明を読めば当業者には明らかとなり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形例を適宜採用することを予期しており、本発明者らは、本発明が本明細書中に具体的に記載されているものとは異なる方法で実施されることを意図している。従って本発明は、適用法によって許可されるように、添付の特許請求の範囲において列挙される主題の全ての修正例及び均等物を含む。更に、本明細書中に特に指示がない限り、又は文脈によってはっきりと否定されない限り、上述の要素の全ての可能な変形形態でのあらゆる組み合わせが、本発明に包含される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】