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▶ シュティミッツ アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】刺激デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/40 20060101AFI20231016BHJP
   A61N 2/04 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A61N1/40
A61N2/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518109
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2021076269
(87)【国際公開番号】W WO2022063931
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】01210/20
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(31)【優先権主張番号】01346/20
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520296347
【氏名又は名称】シュティミッツ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー-ブルーン, ロニヤ
(72)【発明者】
【氏名】デーゲン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フェンゲルス, ディルク
【テーマコード(参考)】
4C053
4C106
【Fターム(参考)】
4C053LL05
4C053LL09
4C053LL12
4C106AA03
4C106BB25
4C106CC03
4C106FF01
4C106FF13
(57)【要約】
本発明は、人間又は動物の体内の目標組織又は横隔膜を活性化するための人間又は動物の体内の第1及び第2の横隔神経を刺激するための刺激デバイスを開示し、刺激デバイスは、以下を備える:第1の横隔神経を刺激するために人間又は動物の体に配置されるように構成された第1のコイルユニットと、第2の横隔神経を刺激するために人間又は動物の体に配置されるように構成された第2のコイルユニット。第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線のそれぞれは、らせん状に可変半径を有して巻かれ、少なくとも1つの基本的に直線状の辺を有する。第1及び第2のコイルのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線は、積み重ねられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間又は動物の体内の横隔膜などの目標組織を活性化するための前記人間又は動物の体内の第1の横隔神経及び第2の横隔神経を刺激するための刺激デバイス(1)であって、
前記第1の横隔神経を刺激するために前記人間又は動物の体に配置されるように構成された第1のコイルユニット(10)と、
前記第2の横隔神経を刺激するために前記人間又は動物の体に配置されるように構成された第2のコイルユニット(20)と
を備え、前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれが、らせん状に可変半径を有して巻かれた少なくとも2つのコイル巻線(11、21)を備え、そして、
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、積み重ねられた、刺激デバイス(1)。
【請求項2】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、D型である、請求項1に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項3】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、涙の滴型である、請求項1に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項4】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、2つの直線状の辺(111、211)を有する、請求項1に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項5】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)の前記2つの直線状の辺(111、211)が、互いに実質的に平行である、請求項4に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項6】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)の前記2つの直線状の辺(111、211)が、互いに平行であり、1つの平面内にない、請求項4又は5に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項7】
前記第1のコイルユニット(10)の前記少なくとも2つのコイル巻線(111、211)が、第1の方向に巻かれ、前記第2のコイルユニット(20)の前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、第2の方向に巻かれ、前記第1の方向が、前記第2の方向とは反対である、請求項1から6のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項8】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)の前記少なくとも1つの直線状の辺(111、211)が、前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)の同等の球径の半分より大きい長さを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項9】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれが、それぞれの少なくとも2つのコイル巻線(11、21)を包含するための筐体(12)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項10】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの筐体(12)が、互いに電気的に分離された前記それぞれの少なくとも2つのコイル巻線(11、21)を保持するように構成されたらせん分離部材(13)を備える、請求項9に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項11】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)の前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、直列に互いに電子的に接続された、請求項1から10のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項12】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)が、前記人間又は動物の体に個々に置くことが可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項13】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)が、実質的に軸上に配置された、請求項1から12のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項14】
刺激を活性化する又は防ぐための条件を含む既定義のセキュリティポリシに従って前記刺激を開始するように構成された制御ユニットをさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項15】
二相性インパルスを前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれが生成するように構成された、請求項1から14のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項16】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、同じリッツ線によって形成される、請求項1から15のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項17】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、基本的に同一の形を有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項18】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)のそれぞれが、基本的に平坦である、請求項1から17のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項19】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)のそれぞれが、円錐形又は湾曲などの非平坦である、請求項1から18のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項20】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)のそれぞれが、4cmから20cmの、又は6cmから12cmの半径で湾曲する、請求項1から19のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項21】
時間的に同時に前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)において時変電流を生成するように構成された、請求項1から20のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項22】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)において電流を誘導するように構成された刺激装置を備える、請求項1から21のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項23】
前記第1のコイルユニット(10)における誘導電流が前記第2のコイルユニット(20)における誘導電流と同じであるように構成された、請求項1から22のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項24】
1つの電流によって生成されるインパルスを誘導するように構成された、請求項1から23のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項25】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)が、基本的に対向する又は±20°以下の角度で対向する2つの前面を有する、請求項1から24のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項26】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)が、±20°で対向する2つの前面を有する、請求項1から25のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【請求項27】
前記第1及び第2のコイルユニット(10、20)のそれぞれの前記少なくとも2つのコイル巻線(11、21)が、少なくとも1つの基本的に直線状の辺(111、211)を有する、請求項1から26のいずれか一項に記載の刺激デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電場、磁場又は電磁場を使用して、それによって人間又は動物の体内の目標組織、特に、横隔膜を活性化して、人間又は動物の体内の横隔神経を刺激するための刺激デバイスに関する。本発明はまた、特に、たとえば肺疾患が原因で、人間又は動物が自身で呼吸するのが困難なときに、人間又は動物の呼吸を支援するための換気機械に関し得る。
【背景技術】
【0002】
医学では、電場又は電磁場による刺激を使用して患者の目標組織を活性化することが多目的で有益であることが知られている。患者の体内の組織のそのような活性化を達成するために、神経系の特定の部分の刺激によって組織を直接的に刺激すること又は組織を間接的に活性化することが知られている。たとえば、筋組織である目標組織は、筋組織に又は筋組織に関連する神経に電気パルスを直接提供することによって、活性化され得る。
【0003】
特に病院又は他の医学的環境の冠疾患集中治療室(CCU:critical care unit)では、横隔膜の不使用、たとえば、人工呼吸中の、の不利を防ぐために、人工呼吸する患者の横隔膜を活性化することが望ましいことがある。横隔膜筋線維の不使用萎縮が機械的換気の最初の18~69時間で既に生じ、筋線維横断面がこの時間に50%超減少したことが示された。したがって、独立した呼吸機能の効果的回復を支えるために、横隔膜の機能を維持すること、又は少なくともウィーニング期間中に横隔膜を活性化することが目指され得る。横隔膜活性化はまた、麻酔下の又は鎮静状態の患者において「呼吸ポンプ」機能を復活させ、それにより定期的に横隔膜を活性化するために、使用され得る。
【0004】
たとえば、米国特許出願公開第2016/0310730(A1)号は、人工呼吸器から換気支援を受ける患者における換気誘導の横隔膜不使用を低減するための装置について説明している。装置は、第1及び第2のタイプの電極アレイを含み、患者の横隔神経を刺激するように構成された複数の電極を備える。少なくとも1つのコントローラが、電極アレイのタイプを識別し、電極タイプの識別に基づいて患者の横隔神経を刺激するための刺激シグナルを生成する。
【0005】
別の医療分野では、DE 10 2007 013531 A1が、並置された及び主として鏡対称の少なくとも2つのコイルエリアを有するマグネットコイル配列について説明している。少なくとも2つのコイルエリアは、最高強度を有する電場がマグネットコイル配列の端の近くに配置されることを目的に、分散された場を生み出すための分散方式で形成される。
【0006】
しかしながら、2つの横隔神経のような体の内部の2つの目標神経が、刺激されるべきとき、それらの2つのコイルは、互いに近い距離に位置すべきであるのみならず、同時に操作されるべきである。両方の神経の時間同期刺激は、両方の神経の時間同期活性化とそれによる両方の横隔膜半球のバランスのとれた収縮とを可能にするのに有利である。両方の神経の時間同期刺激は、両方のコイルにおける電流がちょうど時間的に同時に誘導されるとき及び誘導された時変磁場が方向において互いに反対であるときにのみ可能である、電磁遠方場を極小化するというさらなる利点を有する。さらに、具体的に患者の頸部にある、2つの横隔神経を刺激するとき、空間は、同等に制限されており、十分な電場又は電磁場を生成する同等に小さいコイルを有することが望ましい。さらに、通常は、1つの刺激装置が、1つの刺激装置における電流を誘導するので、電流刺激装置コイルの解決法は、省電力ではない。電磁刺激のために使用される今日の刺激装置におけるコイル巻線システムは、有意な制限を有する。それらのコイル巻線システムは、通常は、1つの筐体に単一コイル又はマルチコイル式巻線を有する1つのコイルユニットにおいて電流を誘導するように、構築される。
【0007】
したがって、2つの横隔神経の効率的刺激を可能にする、空間制約を克服する、神経の近くの組織の同時刺激効果を好ましくは避ける、及び体の適切な場所に適用するために単純である、非侵襲性刺激デバイス又はそのような刺激デバイスを有する換気機械が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
発明によれば、この必要性は、請求項1の特徴によって定義されるような刺激デバイスによって解決される。好ましい実施形態は、従属項の対象である。
【0009】
1つの態様において、本発明は、特に横隔膜などの、人間又は動物の体内の目標組織を活性化するための人間又は動物の体内の第1の横隔神経及び第2の横隔神経を刺激するための刺激デバイスである。刺激デバイスは、第1の横隔神経を刺激するために人間又は動物の体に配置されるように構成された第1のコイルユニットと、第2の横隔神経を刺激するために人間又は動物の体に配置されるように構成された第2のコイルユニットとを備える。第1及び第2のコイルユニットのそれぞれは、らせん状に可変半径を有して巻かれている及び少なくとも1つの基本的に直線状の辺を好ましくは有する少なくとも2つのコイル巻線を備える。第1のコイル及び第2のコイルのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線は、積み重ねられている。
【0010】
本明細書では、「位置」という用語及びその派生語は、通常は、要素又は成分の場所及び向きに関する。要素又は成分が、何かを行うことができるように配置される場合、それは、有利には、それぞれの機能を達成するように位置付けられ、方向付けられる。たとえば、横隔神経を刺激するように配置されている第1及び第2のコイルユニットは、それぞれのコイルユニットが生成する電場又は電磁場内に横隔神経があるように位置付けられた及び方向付けられた第1及び第2のコイルユニットに関連し得る。
【0011】
可変半径を有するらせんは、パンケーキなどの扁平な形、又は円錐らせん、たとえば、平面図としてのアルキメデスらせんを有する、などの球形らせん状の形でもよい。後者の場合、らせんは、やはりパンケーキとして見られ得るが、特に中央に、湾曲を有する表面を有する。いずれにしても、本発明によるコイル巻線は、可変半径を有し、したがって、非平坦であるときでも非円筒形である。
【0012】
本明細書では「らせん」という用語は、固定中心点から増加又は減少する距離においてその点に巻き付く平面上の任意の幾何学的形状に関連し得る。その形は、円形のらせんが生じるような連続的曲線、多角形の、すなわち、三角形、四角形、五角形、六角形又は類似の、らせんが生じるような連続的直線、或いはその任意の組合せでもよい。らせんはまた、軸と平行に移動しながら、変化する距離で軸の周りを回る3次元の形に関連し得る。
【0013】
本発明に関連して「直線状の辺」という用語は、丸くない又は曲がっていない辺に関連している。特に、円形のらせんは、通常は、連続する円形又は曲がった外縁を有するが、刺激デバイスのコイル巻線のらせんは、少なくとも1つの基本的にまっすぐな周辺の辺を有し得る。
【0014】
コイル巻線の、したがって、それぞれのコイルユニットの、そのような直線状の辺は、患者の頸部にある適切なアラインメント及び場所においてコイルユニットを並べることを可能にする。それはまた、コイル巻線の直線状の辺によって容易に傾ける又は回転させることができる。さらに、そのような直線状の辺は、横隔神経のうちの1つを特に刺激するのに適した電場又は電磁場を生成することを可能にする。刺激の中心は、コイル巻線の端の近くに提供され得、それにより、この端における焦点性を高め、それにより、頸部にある他の組織の付帯的刺激が、極小化され得る又はさらに防がれ得る。さらなる焦点性が必要な場合、コイルは、1つの端のみで刺激するために、必要に応じて、傾けられ得る。具体的には、それにより生成された電磁場は、従来の丸いコイルと比べてより多くの電場勾配を有し得るので、直線状の辺は、具体的に、横隔神経刺激に有用である。刺激の中心は、コイル巻線の端の近くに、したがって人間又は動物の頸部の近くに、提供され得る。それは、頸部における空間制約が解消され得るように、コイルの1つの辺に電場又は電磁場を移すことを可能にする。たとえば、コイルの直線又は端、たとえば、滴又はD型の直線の辺、が、頸部の前部の方を指す場合、その点の焦点は、直線により近い。したがって、コイルは、丸いコイルと比べて、さらに後方に移動され得、空間を消費する丸い辺は、後方を指す。したがって、コイルの前側は、最適化された空間であり、そして、コイルの接触及び気管切開は、回避され得る。頸部における他の組織の付帯的刺激につながる1つのコイル辺への焦点性の集中は、極小化され得る又はさらに防がれ得る。
【0015】
各コイルユニットの少なくとも2つのコイル巻線を積み重ねることによって、同等に強い電場又は電磁場が、多くの空間を必要とせずに、作成されることが、達成され得る。具体的に、必要な電場又は電磁場の所与の強さ又は強度のために、少なくとも2つのコイル巻線の積み重ねられた設計は、積み重ねられていないコイル巻線と比べて、基本的により小型の建造を可能にする。一般に、コイルサイズは、コイルの中心において磁場が体の深くに侵入することをさらに可能にしながら、積み重ねられた設計を有する刺激装置の所与の導入のために極小化され得る。円筒状タイプのコイル設計と同様に、コイルの中心における同種磁場が、作成され得、平面タイプのコイル設計と同様に、ワイヤは、皮膚に近い。故に、積み重ねられたコイルを使用して、両方の利点が、最適化され得る。
【0016】
したがって、本発明による刺激デバイスのコイルユニットは、具体的に、患者の頸部において横隔神経を刺激するのに適しており、効率的である。
【0017】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線のそれぞれは、D型又は涙の滴形でもよく、又は2つの直線状の辺を有してもよい。コイル巻線のそのような形状は、コイルユニットを効率的に実装及び適用することを可能にする。
【0018】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線の2つの直線状の辺は、実質的に平行方向に伸びる。特に、刺激デバイスの適用において、2つの直線状の辺は、好ましくは、患者の頸部に沿って又は頸部の軸に沿って伸びる。必要に応じて、2つの直線状の辺の角度はまた、互いに0°から30°の範囲内にあり得る。
【0019】
好ましくは、2つのコイルは、互いに対してミラー反転されて配置される。これは、2つのコイルによる同種の磁場の生成に有利になる。
【0020】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線のそれぞれの2つの直線状の辺又は前面は、互いに平行である。必要な場合には、2つの直線状の辺又は2つのコイル前面の角度はまた、互いに0°から30°の範囲内になり得る。
【0021】
好ましくは、第1のコイルユニットの少なくとも2つのコイル巻線は、第1の方向に巻かれ、第2のコイルユニットの少なくとも2つのコイル巻線は、第2の方向に巻かれ、そして、第1の方向は、第2の方向とは反対である。それによって、片側から見た場合に両方の巻線回転が互いに反対であるように、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線は、同一方向で巻かれるが、コイルは、互いに向き合う。たとえば、第1のコイルユニットの2つのコイル巻線は、時計回りに巻かれ、第2のコイルユニットの少なくとも2つのコイル巻線は、反時計回りに巻かれる。したがって、コイルの前面が、基本的に平行であり、対向するとき、一方のコイルの磁場方向は、他方のコイルの逆方向を指す。そのような巻線は、効率的及び有益な方式で、2つの横隔神経、たとえば、頸部にある、を刺激するための電場又は電磁場を生成することを可能にする。たとえば、互いに対向する磁場は、遠方場磁場暴露を最小限に抑えて、互いに相殺するので、同時に生成された2つの電場又は電磁場による攪乱は、低減され得る。近接場は、それぞれの他方のコイルによって有意に影響を及ぼされない。すなわち、刺激プロセスは維持され得る。
【0022】
ソースからの距離が増えるとき、電磁場の強さは、減少する。通常は、遠方場は、コイルの寸法の約10倍を超えるコイルまでの距離を有する電場及び/又は磁場に関連している。比較すると、近接場は、コイルに近い電磁場に関連している。本発明では、遠方場は、刺激デバイスの周りのその他の医療デバイス配置にマイナスに干渉し得る電磁場を表し、一方、近接場は、神経の刺激のために効果的に使用される電磁場に関連している。故に、遠方場における電磁場は、刺激中にその他の医療デバイスに影響を及ぼすのを避けるために、可能な限り小さく維持されるべきである。本発明では、近接場は、コイルまで0.1cm、0.5cm、又は4cm以下の距離を有することができ、一方、遠方場は、コイルまで30cm又は45cmの距離を有することができる。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つの直線状の辺は、少なくとも2つのコイル巻線の同等の球径の半分より大きい長さを有する。そのサイズの直線状の辺は、本発明の効率的実装形態を可能にするのに十分に大きくなり得る。
【0024】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれは、それぞれの少なくとも2つのコイル巻線を包含するための筐体を備える。この場合、少なくとも2つのコイル巻線は、筐体と形状嵌めし得る。そのような筐体は、コイル巻線を保護すること及び安全で便利な取り扱いを可能にする。
【0025】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの筐体は、それぞれの少なくとも2つのコイル巻線を保持するように及びそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線を互いに電気的に分離するように構成されたらせん分離部材を備える。そのような分離部材は、コイルユニットの完全性を確保することを可能にする。それはまた、直線状の辺を有する2つの積み重ねられたらせんなどの事前定義の形状にリッツ線を巻くために有益になり得る。
【0026】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットの少なくとも2つのコイル巻線は、直列に互いに電子的に接続される。これは、第1及び第2の横隔神経における刺激が同時に活性化される必要があるときには特に、刺激の簡単な制御を促進する。
【0027】
両方の神経の時間同期刺激は、両方の神経の時間同期活性化とそれによる両方の横隔膜半球のバランスのとれた収縮とを可能にするのに有利である。両方の神経の時間同期刺激は、両方のコイルにおける電流がちょうど時間的に同時に誘導されるとき及び非常に正確に同時である誘導された時変磁場が方向において対向する、又は±20°以内でほぼ対向するときにのみ可能である、電磁遠方場を極小化するのにさらに有利である。
【0028】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットは、人間又は動物の体に個々に置くことが可能である。「個々に置くことが可能である」という用語は、体に個々にコイルを配置することを対象にする。したがって、コイルユニットは、一般に体の1つの単一の場所に配置されず、互いに別個の2つの場所に配置される。しかしながら、コイルユニットは、個々に置くことが可能であるが、さらに互いに固定され得る。或いは、コイルユニットは、少なくともある程度、互いに対して移動可能になり得る。
【0029】
刺激デバイスは、コイルユニットを保持するためのホルダ構造を備えることができる。具体的に、ホルダ構造は、コイルユニットが固定して又は変位可能に取り付けられる、支柱又は類似の要素を有し得る。
【0030】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットは、軸上又は実質的に軸上に配置される。反対方向に巻かれた各コイルのコイル巻線と併せて、2つのコイルユニットによって生成された2つの電磁場は、完全に互いに補い合うことができる。言い換えれば、第1及び第2のコイルユニットによって生成された電磁場の合計は、第1の又は第2のコイルユニットまで40cmの距離を有する位置において約ゼロになる。
【0031】
好ましくは、刺激デバイスは、刺激を活性化する又は防ぐための条件を含む既定義のセキュリティポリシに従って刺激を開始するように構成された制御ユニットをさらに備える。このセキュリティ対策は、具体的には、刺激のために生成された電磁場による、周囲の他の医療デバイスへの影響を減らす又は避けるのに有用になり得る。
【0032】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線は、同じリッツ線によって形成される。それによって、第1のコイルユニット内の少なくとも2つのコイル巻線は、直列に電気統合される。同じものが、第2のコイルユニット内のコイル巻線に適用される。さらに、第1及び第2のコイルユニットもまた、直列に電気的に接続され得る。
【0033】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線は、基本的に同一の形を有する。このことは、コイル巻線を積み重ねること及びコイルユニットの筐体内にコイル巻線を配置することを容易にする。
【0034】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線のそれぞれは、基本的に平坦である。別法として又は加えて、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線のそれぞれは、円錐形又は湾曲などの非平坦になり得、後者は、それを頸部に配置するときに患者にとってより便利である。
【0035】
好ましくは、刺激デバイスは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれが二相性インパルスを生成するように、構成される。
【0036】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットのそれぞれの少なくとも2つのコイル巻線のそれぞれは、4cmから20cmの、又は6cmから12cmの半径で湾曲する。
【0037】
好ましくは、刺激デバイスは、時間的に同時に第1及び第2のコイルユニットにおいて時変電流を生成するように構成される。
【0038】
好ましくは、刺激デバイスは、第1及び第2のコイルユニットにおいて電流を誘導するように構成された刺激装置を備える。
【0039】
好ましくは、刺激デバイスは、第1のコイルユニット(10)における誘導電流が第2のコイルユニット(20)における誘導電流と同じであるように、構成される。
【0040】
好ましくは、刺激デバイスは、1つの電流によって生成されるインパルスを誘導するように構成される。
【0041】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットは、基本的に対向する又は±20°以下の角度で対向する2つの前面を有する。
【0042】
好ましくは、第1及び第2のコイルユニットは、±20°で対向する2つの前面を有する。
【0043】
本発明による刺激デバイスについて、例示的実施形態を用いて、以下のような添付の図面を参照して、詳しく後述する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明による刺激デバイスの概略図を示す。
図2】本発明による、患者の頸部に配置されることになるコイル巻線の概略図を示す。
図3a】本発明によるコイル巻線の例示的な形を示す。
図3b】本発明によるコイル巻線の例示的な形を示す。
図3c】本発明によるコイル巻線の例示的な形を示す。
図4a】本発明によるコイルユニットの筐体を示す。
図4b】本発明によるコイルユニットの筐体を示す。
図5a】本発明による筐体内のコイル巻線の例示的な配列を示す。
図5b】本発明による筐体内のコイル巻線の例示的な配列を示す。
図5c】本発明による筐体内のコイル巻線の例示的な配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下の説明では、ある特定の用語が、便宜上の理由で使用され、発明を制限することは意図されていない。「右」、「左」、「上」、「下」、「下方」及び「上方」という用語は、図中の方向を指す。専門用語は、明示的に述べられた用語並びにそれらの派生語及び類似の意味を有する用語を含む。また、空間関連用語、たとえば、「下方」、「下」、「低い」、「上」、「上方」、「近位」、「末端」、及び同類の用語、は、図に示されたような別の要素又は特徴に対する1つの要素の又は特徴の関係を説明するために使用され得る。これらの空間関連用語は、図に示された位置及び向きに加えた使用又は動作中のデバイスの異なる位置及び向きを包含することを意図されている。たとえば、図中のデバイスが、ひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下」又は「下方」として記された要素は、次いで、他の要素又は特徴の「上」又は「上方」になる。したがって、例示的用語「下」は、上下の両方の位置及び向きを包含し得る。デバイスは、他の方法で方向付ける(90度又は他の向きに回転させる)ことが可能であり、本明細書で使用される空間関連の記述子は、それに応じて解釈される。同様に、様々な軸に沿った及びそのような軸の周りの移動の記述は、様々な特別なデバイス位置及び向きを含む。
【0046】
様々な態様及び例示的実施形態の図及び記述における繰り返しを避けるために、多数の特徴が多数の態様及び実施形態に共通であることを理解されたい。記述又は図からの態様の省略は、態様がその態様を組み込む実施形態から欠けていることを暗示しない。そうではなくて、態様は、明確にするために及び冗長な記述を回避するために、省略されてあることがある。これに関連して、以下が、本記述の他の部分に適用される:図面を明確にするために、図が、記述の直接関連する部分において説明されていない引用符号を含む場合、そのとき、それは、前の又は以下の記述切片を参照させられる。さらに、分かりやすさを理由として、図面で、ある部分のすべての特徴に引用符号が与えられない場合、それは、同じ部分を示す他の図面を参照させられる。複数の図中の類似の番号は、同じ又は類似の要素を表す。
【0047】
図1は、本発明による刺激デバイス1の例示的実施形態を示す。刺激デバイス1は、協調的方式で人間の体内の第1及び第2の横隔神経を刺激し、それによって人間の体内の目標組織としての横隔膜を活性するように設計される。刺激デバイス1は、コネクタ40を介して直列に電気的に接続された第1のコイルユニット10及び第2のコイルユニット20を備える。図1では、コイルユニット10、20は、概略的に描かれているが、そのより詳細な形状及び構成は、図4aから5cに描かれており、以下の関連記述において説明される。
【0048】
第1のコイルユニット10は、第1の横隔神経を刺激するための第1の電磁場を生成するための後述されるような第1の2つのコイル巻線11を備え、第2のコイルユニット20は、第2の横隔神経を刺激するための第2の電磁場を生成するための後述されるような第2の2つのコイル巻線21を備える。第1のコイルユニット10及び第2のコイルユニット20は、それぞれに、第1及び第2のコイル巻線11、21が配置された、たとえば、封入された、後述されるような第1及び第2の筐体12をさらに有する。
【0049】
刺激デバイスが異なるサイズの体で使用され得るために、第1のコイルユニット10及び第2のコイルユニット20は、体に個々に配置され得る。具体的には、その目的で、刺激デバイス1は、第1のコイルユニット10及び第2のコイルユニット20を機械的に連結する支えとしてブラケット構造30を有する。図1に示すように、第1のコイルユニット10及び第2のコイルユニット20は、ブラケット構造30のみを介して互いに機械的に接続される。より具体的には、ブラケット構造30は、継手部材40を介してそれらの長手方向端部のうちの1つに接続された2つのアームを備える。アーム間の角度は、継手部材40において調節可能である。継手部材40と反対の長手方向端部において、第1のコイルユニット10及び第2のコイルユニット20は、ブラケット構造30のアームに旋回可能に取り付けられる。これは、人間の体における、特に、人間の頸部における、コイルユニット10、20の個別の配置を容易にする。
【0050】
図2は、第1のコイルユニット10の2つの第1のコイル巻線11及び人間の頸部に配置された第2のコイルユニット20の2つの第2のコイル巻線21を示す。第1及び第2のコイルユニット10、20のそれぞれの2つのコイル巻線11、21は、積み重ねられ、それらが直線状の辺111、211を確立するようにD型で形成される。より具体的には、第1及び第2のコイル巻線11、21の直線状の辺111、211は、頸部に沿って伸び、したがって、互いに平行である。2つのコイル巻線11、21の積み重ねられた設計は、生み出される電磁場の強さを高めることを可能にする。
【0051】
図3aには、変化する半径を有してらせんに巻かれた一般コイルが、示されている。具体的には、らせんの半径は、らせんの中心をそれの外縁に向けて移動するとき、増加する。巻線は、扁平な形又はパンケーキ形を有し、すなわち、疑似コイルらせんは、平面内にある。図3bは、変化する半径を有して円錐形に巻かれた、すなわち、平面内にない、コイルを示す。
【0052】
図3cは、D型の形の及び積み重ねられた2つのコイル巻線11、21を示す。2つのコイル巻線11、21は、扁平な形の変化する半径を有して巻かれ、1つの単一リッツ線から成る。D型の形のらせんは、生成された電磁場が同等に高い電場勾配を有するので、特に、横隔神経の刺激のために有用である。したがって、刺激の中心は、それぞれのコイル巻線11、21の端に近く、それによって、人間の頸部により近い。それはまた、それぞれのコイル巻線11、21の直線状の辺111、211によって容易に傾ける又は回転させることができる。2つのコイル巻線11、21は、積み重ねられているので、サイズは、単一のコイル巻線構成と比べて小さくなり得る。したがって、刺激は、より効果的に実行され得、人間の頸部に配置されるときにその人間により多くの利便性を提供する。
【0053】
図4aは、筐体12及び2つのコイル巻線11、21を有するコイルユニット10、20のうちの1つの分解立体図を示す。図示するように、2つのコイル巻線11、21は、筐体12と形状嵌めし、コイルユニット10、20のサイズを小さくすることを可能にする。図4bは、筐体12が閉じられたときのコイルユニット10、20を示す。これは、人間の頸部に配置されているときの通常の状態である。
【0054】
図5aから5cは、コイル巻線11、21及び分離部材13を有する筐体12の異なる光景を示す。図示するように、コイル巻線11、21は、筐体に形状嵌めして配置され、分離部材13によって電気的に分離される。同時に、分離部材13はまた、コイル巻線11、21の維持又は保持機能を有し、巻線11、21を作成するときにリッツ線を効率的に巻くことを可能にする。
【0055】
本発明の態様及び実施形態を説明する本明細書及び添付の図面は、制限-保護された発明を定義する請求-としてとられるべきではない。言い換えれば、本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図解及び記述されているが、そのような図解及び記述は、実例又は例示として考えられるべきであり、制限的に考えられるべきではない。様々な機械的、組成的、構造的、電気的、及び動作的変更が、本明細書及び特許請求の趣旨及び範囲を逸脱せずに、行われ得る。いくつかの事例では、よく知られている回路、構造及び技巧は、本発明を分かりにくくしないように、詳しく示されていない。したがって、変更及び修正が、以下の特許請求の範囲及び趣旨内で当業者によって行われ得ることが理解されよう。具体的には、本発明は、前述及び後述の異なる実施形態の特徴の任意の組合せを有するさらなる実施形態を包含する。
【0056】
本開示はまた、個別に図に示されたすべてのさらなる特徴を、それらは前述又は後述で説明されていないことがあるが、包含する。また、図及び明細書に記載された実施形態の単一の代替物及びその特徴の単一の代替物は、本発明の主題から又は開示される主題から否認され得る。本開示は、請求項又は例示的実施形態において定義された特徴から成る主題並びに前記の特徴を備える主題を含む。
【0057】
さらに、本請求では、「備える(含む)」という言葉は、他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数形を排除しない。単一ユニット又はステップは、本請求において述べられたいくつかの特徴の機能を遂行し得る。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項において列挙されているという事実のみで、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことは示さない。属性又は値に関連した「基本的に」、「約」、「およそ」という用語及び同類の用語は、具体的には、それぞれ、厳密にその属性も又は厳密にその値も定義する。所与の数値又は範囲に関連した「約」という用語は、たとえば、所与の値又は範囲の20%以内、10%以内、5%以内、又は2%以内の値又は範囲を指す。連結又は接続されたものとして記述された成分は、電気的に又は機械的に直接連結され得る、或いは、それらは、1つ又は複数の中間成分を介して間接的に連結され得る。本請求におけるいずれの引用符号も、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
【国際調査報告】