(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】フローサイトメータにおけるベースラインノイズの連続測定方法およびそのためのシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 15/14 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
G01N15/14 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518477
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021046111
(87)【国際公開番号】W WO2022066316
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】マージュ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ウィアイ,リンジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,デイビッド,エー.
(72)【発明者】
【氏名】オウズリー,キーガン
(57)【要約】
本開示の態様は、(例えば、粒子分析器の光検出システムにおける)光検出器のベースラインノイズを決定するための方法を含む。特定の実施形態に係る方法は、粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射することと、照射されたフローストリームから光検出器で光を検出することと、検出された光からデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して光検出器のベースラインを決定することとを有する。主題の方法を実施するための光源と光検出器を有する光検出システムとを備えるシステム(例えば、粒子分析器)も記載される。集積回路および非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子分析器における光検出器のベースラインノイズを決定する方法であって、
粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射することと、
照射されたフローストリームから光検出器で光を検出することと、
検出された光からデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して、前記光検出器のベースラインノイズを決定することと
を有する、方法。
【請求項2】
前記照射されたフローストリームの粒子非含有成分からの光を検出することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
粒子間のフローストリームから発せられる光を検出することを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、
複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定して、複数のベースラインノイズ信号を生成することと、
前記所定のンプリング期間にわたって前記ベースラインノイズ信号を合計することと、
合計されたベースラインノイズ信号を、前記所定のサンプリング期間にわたって生成された前記ベースラインノイズ信号の数で除算することと
を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μs、好ましくは1μsから10μsの持続時間を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度、好ましくは1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度、より好ましくは1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度による所定の時間間隔で、前記生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算することを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプルが、重なる蛍光スペクトルを有する複数のフルオロフォアを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が、集積回路上で計算される、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記集積回路がフィールドプログラマブルゲートアレイである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射するように構成された光源と、
照射されたフローストリームからの光を検出するための光検出器を有する光検出システムと、
動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサと
を備えており、
前記メモリは命令を有し、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると前記プロセッサに、
検出された光からデータ信号を生成させ、
生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して、前記光検出器のベースラインノイズを決定させる、
システム。
【請求項13】
前記システムが粒子分析器である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記粒子分析器が、フローサイトメータの一部である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
粒子分析器の光検出システムにおける光検出器のベースラインノイズを決定するようにプログラムされた集積回路であって、
フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、集積回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
光検出は、例えばサンプルが疾患または病状の診断にて使用される場合、サンプル(例えば、生物学的サンプル)の成分を特徴付けるためにしばしば使用される。サンプルが照射されると、光はサンプルによって散乱され、サンプルを透過し、サンプルによって(例えば、蛍光により)放出される可能性がある。形態、吸収性、および蛍光標識の存在などのサンプル成分の変動は、サンプルによって散乱、透過、または放出される光の変動を引き起こし得る。これらの変動は、サンプル中の成分の存在を特徴付けて識別するために使用されることができる。これらの変動を定量化するために、光が収集され、検出器の表面に向けられる。
【0002】
光検出を利用してサンプル中の成分を特徴付ける技術の1つは、フローサイトメトリである。検出光から生成されたデータを使用して、成分の分布を記録することができ、所望の材料がソーティングされ得る。フローサイトメータは典型的には、血液サンプルなどの流体サンプルを受容するためのサンプルリザーバと、シース流体を含有するシースリザーバとを含む。
【0003】
フローサイトメータは、流体サンプル中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに輸送する一方で、シース流体をフローセルに向ける。フローセル内では、液体シースがセルストリームの周りに形成され、セルストリームに実質的に均一な速度を付与する。フローセルは、ストリーム中の細胞を流体力学的に集束させて、フローセル内の光源の中心を通過させる。光源からの光は、散乱または透過分光法として検出されることができ、または、サンプル中の1つ以上の成分によって吸収されてルミネセンスとして再放出されることができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、(例えば、粒子分析器の光検出システムにおける)光検出器のベースラインノイズを決定するための方法を含む。特定の実施形態に係る方法は、粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射することと、照射されたフローストリームから光検出器で光を検出することと、検出された光からデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して光検出器のベースラインノイズを決定することとを有する。主題の方法を実施するための光源と光検出器を有する光検出システムとを備えるシステム(例えば、粒子分析器)も記載される。集積回路および非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0005】
主題の方法を実施する際、粒子を含むサンプルがフローストリーム内で照射され、フローストリームからの光が検出される。フローストリームから検出される光は、散乱光(例えば、側方散乱光または前方散乱光)または放出光であり得る。いくつかの実施形態では、主題の方法に従って検出される光は放出光である。特定の実施形態では、サンプルは1つ以上のフルオロフォアを含み、光検出器によって検出される光は蛍光である。検出された光から光検出器によってデータ信号が生成され、光検出器のベースラインノイズを決定するために移動平均二乗誤差が計算される。いくつかの実施形態では、光は、例えばフローストリーム中を流れる粒子間で発せられる光など、フローストリームのうちの粒子非含有成分から検出される。いくつかの実施形態では、生成されたデータ信号の二乗誤差の移動平均は、10ms以上、例えば50ms以上、例えば100ms以上、例えば250ms以上の時間間隔にわたって計算され、500ms以上の時間間隔にわたって生成されたデータ信号の二乗誤差の移動平均を計算することも含まれる。
【0006】
いくつかの実施形態では、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することを有する。特定の場合には、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、所定のサンプリング期間にわたって複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定して複数のベースラインノイズ信号を生成することと、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計することと、合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算することとを有する。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間である。他の場合には、所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間である。特定の実施形態では、主題の方法は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算することを有する。例えば、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差は、1ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算される。いくつかの実施形態では、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差は、1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算される。他の実施形態では、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差は、1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算される。特定の実施形態では、方法は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算することを有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、サンプルは、フルオロフォアが重なる蛍光スペクトルを有する場合など、複数のフルオロフォアを含む。いくつかの場合には、フルオロフォアはサンプルの粒子と機能的に関連している。特定の場合には、フローストリームは、サンプルの粒子と機能的に関連していない1つ以上の遊離フルオロフォア(例えば、フローストリーム中の結合していないフルオロフォア)を含む。特定の実施形態では、方法は、光検出器でサンプル中の遊離フルオロフォアからの光を検出することと、検出された光からデータ信号を生成することと、サンプル中の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することとを有する。いくつかの場合には、方法は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてスペクトル分離行列を計算することによってなど、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解することをさらに有する。特定の場合には、スペクトル分離行列は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用して計算される。いくつかの実施形態では、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて重み付けされる。特定の実施形態では、光検出器のベースラインノイズは、フィールドプログラマブルゲートアレイなどの集積回路を使用して決定される。他の実施形態では、スペクトル分離行列は、集積回路上で重み付け最小二乗アルゴリズムを使用して計算される。
【0008】
本開示の態様は、また、主題の方法を実施するためのシステム(例えば、粒子分析器)を含み、関心対象のシステムは、光源と光検出器を含む光検出システムとを備える。いくつかの実施形態では、光検出システムは、照射されたフローストリームからの光を検出するための1つ以上の光検出器、例えば2つ以上の光検出器、例えば5つ以上の光検出器、例えば10個以上の光検出器、例えば25個以上の光検出器、例えば50個以上の光検出器、例えば100個以上の光検出器、および1000個以上の光検出器を含む。いくつかの実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを含み、メモリはそこに格納された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、照射されたフローストリーム中の粒子からの光からデータ信号を生成させ、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させて、光検出器のベースラインノイズを決定させる。いくつかの実施形態では、メモリは命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる。特定の実施形態では、メモリは、所定のサンプリング期間にわたって複数の生成されたデータ信号と計算ベースラインデータ信号との二乗差を測定して複数のベースラインノイズ信号を生成すること、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計すること、および合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算することのための命令を含む。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間である。他の場合には、所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間である。
【0009】
いくつかの実施形態では、メモリは命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算させる。他の実施形態では、メモリは、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算させる命令を含む。例えば、メモリは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100msごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算するための命令を含む。いくつかの実施形態では、メモリは、1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するための命令を含む。他の実施形態では、メモリは、1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するための命令を含む。特定の実施形態では、メモリは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するための命令を含む。
【0010】
特定の実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを含み、メモリはそこに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、光検出器でサンプル中の遊離フルオロフォアからの光を検出させ、検出された光からデータ信号を生成させ、サンプル中の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる。いくつかの場合には、メモリは、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解するための命令を含む。特定の場合には、メモリは、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによって、各タイプのフルオロフォアからの光を分解するための命令を含む。特定の場合には、メモリは、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用することによりスペクトル分離行列を計算するための命令を含む。いくつかの実施形態では、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて重み付けされる。特定の実施形態では、システムは、フィールドプログラマブルゲートアレイなどの集積回路を備える。
【0011】
本開示の態様は、また、フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた集積回路を備える。いくつかの場合には、集積回路はフィールドプログラマブルゲートアレイである。他の場合には、集積回路は特定用途向け集積回路である。さらに別の場合には、集積回路はコンプレックスプログラマブル論理デバイスである。
【0012】
いくつかの実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路は、複数のベースラインノイズ信号を生成するために所定のサンプリング期間にわたって複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定し、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計し、合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算するようにプログラムされる。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間である。他の場合には、所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間である。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示の集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算するようにプログラムされる。いくつかの場合には、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされる。例えば、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされ得る。他の実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされる。さらに他の実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するようにプログラムされる。
【0014】
特定の実施形態では、集積回路は、光検出器でサンプル中の遊離フルオロフォアからの光を光検出器で検出し、検出された光からデータ信号を生成し、サンプル中の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされる。いくつかの場合には、集積回路は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解するようにプログラムされる。特定の場合には、集積回路は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてスペクトル分離行列を計算することによって、各タイプのフルオロフォアからの光を分解するようにプログラムされる。特定の場合には、集積回路は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用してスペクトル分離行列を計算するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号を重み付けするようにプログラムされる。
【0015】
本開示の態様は、また、粒子分析器の光検出システムの光検出器のベースラインノイズを決定するための、そこに格納された命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、複数のベースラインノイズ信号を生成するために所定のサンプリング期間にわたって複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定するためのアルゴリズムと、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計して合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算するためのアルゴリズムとを含む。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間である。他の場合には、所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間である。
【0016】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含む。例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含み得る。他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含む。さらに他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するためのアルゴリズムを含む。
【0017】
特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出器でサンプル中の遊離フルオロフォアからの光を光検出器で検出するためのアルゴリズム、検出された光からデータ信号を生成するためのアルゴリズム、およびサンプル中の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解するためのアルゴリズムを含む。特定の場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによって、各タイプのフルオロフォアからの光を分解するためのアルゴリズムを含む。特定の場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用することによってスペクトル分離行列を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号を重み付けするためのアルゴリズムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、添付の図面と併せて読まれると、以下の詳細な説明から最もよく理解され得る。図面には次の図が含まれる。
【0019】
【
図1】特定の実施形態に係る光検出器のベースラインノイズを測定するためのフロー図を示す。
【
図2A】特定の実施形態に係るフローストリーム中の粒子を含む照射サンプルから検出されたベースラインノイズの図を示す。
【
図2B】特定の実施形態に係る遊離フルオロフォアを有するサンプルから決定されたベースラインノイズを示す。
【
図2C】特定の実施形態に係る異なる濃度に滴定されたフルオロフォアを有するサンプルから決定されたベースラインノイズを示す。
【
図3A】特定の実施形態に係るフローストリーム中で照射された粒子を含むサンプルからの蛍光をスペクトル分解するためのシステムのブロック図を示す。
【
図3B】特定の実施形態に係る通常の最小二乗アルゴリズムおよび重み付け最小二乗アルゴリズムを使用して蛍光をスペクトル分解することからシミュレートされたスペクトル分離不確実性の例を示す。
【
図4A】特定の実施形態に係る計算ベースのサンプル分析および粒子特徴付けのための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。
【
図4B】特定の実施形態に係るフローサイトメータを示す。
【
図5】特定の実施形態に係る粒子分析器制御システムの1つの例の機能ブロック図を示す。
【
図6】特定の実施形態に係るコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の態様は、(例えば、粒子分析器の光検出システムにおける)光検出器のベースラインノイズを決定するための方法を含む。特定の実施形態に係る方法は、粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射することと、照射されたフローストリームから光検出器で光を検出することと、検出された光からデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して光検出器のベースラインを決定することとを有する。主題の方法を実施するための光源と光検出器を有する光検出システムとを備えるシステム(例えば、粒子分析器)も記載される。集積回路および非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0021】
本発明をより詳細に説明する前に、この発明は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、もちろん様々であり得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明するためだけのものであり、限定を意図するものではないことも理解されたい。
【0022】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間における各介在値、および、その記載範囲における任意の別様記載のまたは介在する値は、本発明に含まれることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立してより小さな範囲に含まれ得、また、記載範囲において特に除外された任意の限界を条件として、本発明に含まれる。記載範囲が一方または両方の限界を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0023】
本明細書では、特定の範囲が示され、数値の前に「約」という用語が付いている。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、ならびにその用語が先行する数に近い数かまたはほぼその数に対する文字通りのサポートを提供するために使用される。数が、具体的に記載された数に近いかまたはほぼ等しいか否かを決定する際に、近いかまたは近似する不記載の数は、それが提示される文脈において、具体的に記載された数についての実質的均等をもたらす数であり得る。
【0024】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、この発明が属する技術の当業者によって共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または均等の任意の方法および材料もまた、本発明の実施または試験にて使用することができるが、代表的な例示的方法および材料がここに記載されている。
【0025】
この明細書で引用されるすべての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれ、出版物が関連して引用されている方法および/または材料を記述および記載するために参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の引用は、出願日より前のその開示についてであり、本発明が先行発明のためにそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される発行日は、個別に確認する必要があり得る実際の発行日とは異なり得る。
【0026】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の任意選択的要素を除外するために起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連して「単独」、「のみ」などの排他的な用語を使用する、または「否定的な」制限を使用するための先行する基礎として機能することを目的としている。
【0027】
この開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に記載および図示された個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または精神から離れることなく他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離またはそれと組み合わされ得る別個の構成要素および特徴を有する。列挙された任意の方法は、列挙されたイベントの順序で、または論理的に可能な任意の他の順序で実行することができる。
【0028】
装置および方法は、機能的な説明を伴って文法的流動性のために説明されているか、または説明されるが、35U.S.C.§112の下で明示的に定式化されていない限り、特許請求の範囲は、「手段」または「ステップ」の制限の構築によっていかなる場合であっても必ずしも制限されると解釈されるべきではなく、均等法論の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味および均等物の全範囲を与えられるべきであり、特許請求の範囲が35U.S.C.§112に基づいて明示的に定式化されている場合には、35U.S.C.§112に基づく完全な法定均等物が付与されると明示的に理解されるべきである。
【0029】
上記で要約したように、本開示は、(例えば、粒子分析器の光検出システムにおける)光検出器のベースラインノイズを決定するための方法を提供する。本開示の実施形態をさらに説明すると、粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射することと、照射されたフローストリームから光検出器で光を検出することと、検出された光からデータ信号を生成することと、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することとにより、ベースラインノイズを決定する方法を、より詳細に最初に説明する。次に、主題の方法を実施するための光源と光検出器を有する光検出システムとを備えるシステムについて説明する。集積回路および非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0030】
光検出システムにおける光検出器のベースラインノイズを測定する方法
本開示の態様は、光検出システム(例えば、フローサイトメータの粒子分析器)における光検出器のベースラインノイズを決定するための方法を含む。いくつかの実施形態では、光検出器のベースラインノイズを決定するための方法は、フローストリーム内のサンプルの照射中など、ベースラインノイズのリアルタイム測定値を提供する。以下でより詳細に説明するように、主題の方法は、ベースラインノイズのサンプル固有の測定値を提供する。本開示の実施形態に従ってベースラインノイズのサンプル固有の測定値をリアルタイムで取得することは、光検出システム内の各個々の光検出器のバックグラウンドノイズへの寄与、例えば、レーザフォーカスのドリフト、レーザアライメントのドリフト、フローストリームの流量およびフロープロファイルの時間依存変化、ならびにトランスインピーダンスアンプなどの検出器コンポーネントの熱ドリフトによる電子ノイズの増加を含むがこれらに限定されない、時間変化パラメータからの寄与を決定することを提供する。特定の実施形態では、主題の方法は、光検出器の信号対雑音比が5%以上、例えば10%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、および99%以上、増加する場合など、光検出器からのデータ信号の信号対雑音比の増加を提供する。特定の場合には、主題の方法は、光検出器の信号対雑音比を2倍以上、例えば3倍以上、例えば4倍以上、例えば5倍以上、および10倍以上、増加させる。
【0031】
主題の方法の実施において、光検出器からのベースラインノイズが計算される。「ベースラインノイズ」という用語は、本明細書では、光検出器からのベースライン電子信号(例えば、光検出器の動作電子部品または光検出システムの光学部品に由来する電子信号)を指す、その従来の意味で使用される。特定の場合には、ベースラインノイズは、光源またはシステムの他の電子サブコンポーネントによって生成されるものなど、光検出システムに存在する電子信号を含む。他の実施形態では、ベースラインノイズは、システムの構成要素からの振動または熱効果から生じる電子信号を含む。さらに他の実施形態では、ベースラインノイズは、システム内の照射源からの(例えば、フローサイトメータに存在する1つ以上のレーザからの)光などの光信号を含む。
【0032】
主題の方法を実施する際、フローストリームは光源で照射され、フローストリームからの光は、1つ以上の光検出器を有する光検出システムで検出される。いくつかの実施形態では、粒子を含むサンプルがフローストリーム内で照射される。特定の実施形態では、サンプルは生物学的サンプルである。実施形態では、フローストリーム(例えば、粒子がそこを流れているサンプルを伴う)は、光源からの光で照射される。いくつかの実施形態では、光源は広帯域光源であり、例えば、50nm以上、例えば100nm以上、例えば150nm以上、例えば200nm以上、例えば250nm以上、例えば300nm以上、例えば350nm以上、例えば400nm以上、および500nm以上にわたる、広範囲の波長を有する光を放出する。例えば、1つの適切な広帯域光源は、200nmから1500nmの波長を有する光を放出する。適切な広帯域光源の別の例には、400nmから1000nmの波長を有する光を放出する光源が含まれる。方法に広帯域光源での照射が含まれる場合、関心対象の広帯域光源プロトコルには、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを備えた広帯域LED、スーパールミネセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広帯域LED白色光源、マルチLED統合白色光源、その他の広帯域光源、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0033】
他の実施形態では、方法は、特定の波長または狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源で、例えば、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下、例えば10nm以下、例えば5nm以下、例えば2nm以下の範囲のような狭い範囲の波長で光を放出する光源、および特定の波長の光(例えば、単色光)を放出する光源で照射することを有する。方法が狭帯域光源で照射することを有する場合、関心対象の狭帯域光源プロトコルには、狭波長LED、レーザダイオード、または1つ以上の光バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、もしくはそれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0034】
特定の実施形態では、方法は、1つ以上のレーザで照射することを有する。前述したように、レーザの種類および数は、サンプルならびに収集する所望の光によって様々であり、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、またはキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、またはそれらの組み合わせなどのガスレーザであり得る。他の場合には、方法は、スチルベン、クマリン、またはローダミンレーザなどの色素レーザでフローストリームを照射することを有する。さらに他の場合には、方法は、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザまたは金レーザ、およびそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザでフローストリームを照射することを有する。さらに他の場合には、方法は、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YCa4O(BO3)3レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Y2O3レーザまたはセリウムドープレーザ、およびそれらの組み合わせなどの固体レーザでフローストリームを照射することを有する。
【0035】
フローストリーム(例えば、流動する粒子を有するサンプルを伴う)は、上記の光源のうちの1つ以上、例えば2つ以上の光源、例えば3つ以上の光源、例えば4つ以上の光源、例えば5つ以上の光源、および10個以上の光源で照射され得る。光源は、光源のタイプの任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、および1つ以上の固体レーザを有するアレイなどのレーザのアレイでフローストリームを照射することを有する。
【0036】
フローストリームは、200nmから1500nm、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nm、および400nmから800nmの範囲の波長で照射され得る。例えば、光源が広帯域光源である場合、サンプルは、200nmから900nmの波長で照射され得る。他の場合には、光源が複数の狭帯域光源を含み、サンプルは、200nmから900nmの範囲内の特定の波長で照射され得る。例えば、光源は、200nmから900nmの間の波長範囲を有する光をそれぞれ独立して放出する複数の狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。他の実施形態では、狭帯域光源は、1つ以上のレーザ(レーザアレイなど)を含み、サンプルは、上述したようなガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、および固体レーザを有するレーザアレイなど、200nmから700nmまでの範囲の特定の波長で照射される。
【0037】
1つ超の光源が使用される場合、フローストリームは、光源で同時にまたは順次に、またはそれらの組み合わせで照射され得る。例えば、フローストリームは、光源のそれぞれで同時に照射され得る。他の実施形態では、フローストリームは、光源のそれぞれで順次に照射される。サンプルを順次に照射するために1つ超の光源が採用される場合、各光源がサンプルを照射する時間は、独立して、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法は、0.001マイクロ秒から100マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒から75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒、および5マイクロ秒から10マイクロ秒の範囲の持続時間の間、光源(例えば、レーザ)でサンプルを照射することを有し得る。フローストリームが2つ以上の光源で順次に照射される実施形態では、サンプルが各光源によって照射される持続時間は、同じであるかまたは異なり得る。
【0038】
各光源による照射の間の時間間隔も、所望に応じて様々であり得、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上の遅延で独立して分離される。例えば、各光源による照射の間の時間間隔は、0.001マイクロ秒から60マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒、および5マイクロ秒から10マイクロ秒の範囲であり得る。特定の実施形態では、各光源による照射の間の時間間隔は10マイクロ秒である。フローストリームが2つ超(すなわち、3つ以上)の光源によって順次に照射される実施形態では、各光源による照射間の遅延は、同じであるかまたは異なり得る。
【0039】
フローストリームは、連続的にまたは離散的間隔で照射され得る。いくつかの場合には、方法は、フローストリーム(例えば、粒子を有するサンプルを伴う)を光源で連続的に照射することを有する。他の場合には、フローストリームは、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、および1000ミリ秒ごとなどの離散的間隔、または何らかの他の間隔にて光源で照射される。
【0040】
光源に応じて、フローストリームは、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上、および50mm以上など様々である距離から照射され得る。また、照射の角度も様々であり得、10°から90°、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°、および30°から60°までの範囲、例えば90°である。
【0041】
特定の実施形態では、方法は、粒子を有するサンプルをフローストリーム内で周波数シフト光の2つ以上のビームで照射することを有する。上述したように、レーザとレーザ光を周波数シフトするための音響光学デバイスとを有する光ビーム生成器構成要素が、使用され得る。これらの実施形態では、方法は、音響光学デバイスをレーザで照射することを有する。出力レーザビームで生成される光の所望の波長に応じて(例えば、フローストリーム中のサンプルを照射する際に使用するために)、レーザは、200nmから1500nmまでで様々である、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nm、および400nmから800nmの特定の波長を有し得る。音響光学デバイスは、1つ以上のレーザ、例えば2つ以上のレーザ、例えば3つ以上のレーザ、例えば4つ以上のレーザ、例えば5つ以上のレーザ、および10個以上のレーザで照射され得る。レーザは、レーザの種類の任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、および1つ以上の固体レーザを有するアレイなどのレーザのアレイで音響光学デバイスを照射することを有する。
【0042】
1つ超のレーザが採用される場合、音響光学デバイスは、レーザで同時にまたは順次に、またはそれらの組み合わせで照射され得る。例えば、音響光学デバイスは、レーザのそれぞれで同時に照射され得る。他の実施形態では、音響光学デバイスは、レーザのそれぞれで順次に照射される。音響光学デバイスを順次に照射するために1つ超のレーザが使用される場合、各レーザが音響光学デバイスを照射する時間は、独立して、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法は、0.001マイクロ秒から100マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒から75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒、および5マイクロ秒から10マイクロ秒の範囲の持続時間の間、音響光学デバイスをレーザで照射することを有し得る。音響光学デバイスが2つ以上のレーザで順次に照射される実施形態では、音響光学デバイスが各レーザによって照射される持続時間は、同じであるかまたは異なり得る。
【0043】
各レーザによる照射の間の時間間隔も、所望に応じて様々であり得、0.001マイクロ秒以上、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば15マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、および60マイクロ秒以上の遅延で独立して分離される。例えば、各光源による照射の間の時間間隔は、0.001マイクロ秒から60マイクロ秒、例えば0.01マイクロ秒から50マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒から35マイクロ秒、例えば1マイクロ秒から25マイクロ秒、および5マイクロ秒から10マイクロ秒の範囲であり得る。特定の実施形態では、各レーザによる照射の間の時間間隔は10マイクロ秒である。音響光学デバイスが2つ超(すなわち、3つ以上)のレーザによって順次に照射される実施形態では、各レーザによる照射間の遅延は、同じであるかまたは異なり得る。
【0044】
音響光学デバイスは、連続的にまたは離散的な間隔で照射され得る。いくつかの場合には、方法は、音響光学デバイスをレーザで連続的に照射することを有する。他の場合には、音響光学デバイスは、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、および1000ミリ秒ごとなどの離散的間隔、またはなんらかの他の間隔にてレーザで照射される。
【0045】
レーザに応じて、音響光学デバイスは、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば2.5mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば15mm以上、例えば25mm以上、および50mm以上など様々である距離から照射され得る。また、照射の角度は、10°から90°、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°、および30°から60°の範囲、例えば90°の角度と様々であり得る。
【0046】
実施形態では、方法は、無線周波数駆動信号を音響光学デバイスに印加して角度偏向レーザビームを生成することを有する。2つ以上の無線周波数駆動信号、例えば3つ以上の無線周波数駆動信号、例えば4つ以上の無線周波数駆動信号、例えば5つ以上の無線周波数駆動信号、例えば6つ以上の無線周波数駆動信号、例えば7つ以上の無線周波数駆動信号、例えば8つ以上の無線周波数駆動信号、例えば9つ以上の無線周波数駆動信号、例えば10個以上の無線周波数駆動信号、例えば15個以上の無線周波数駆動信号、例えば25個以上の無線周波数駆動信号、例えば50個以上の無線周波数駆動信号、および100個以上の無線周波数駆動信号を音響光学デバイスに印加して、所望の数の角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成し得る。
【0047】
無線周波数駆動信号によって生成された角度偏向レーザビームはそれぞれ、印加された無線周波数駆動信号の振幅に基づく強度を有する。いくつかの実施形態では、方法は、角度偏向レーザビームを所望の強度で生成するために十分な振幅を有する無線周波数駆動信号を印加することを有する。いくつかの場合には、印加された各無線周波数駆動信号は独立して、約0.001Vから約500V、例えば約0.005Vから約400V、例えば約0.01Vから約300V、例えば約0.05Vから約200V、例えば約0.1Vから約100V、例えば約0.5Vから約75V、例えば約1Vから50V、例えば2Vから40V、例えば約3Vから約30V、および約5Vから約25Vの振幅を有する。印加された各無線周波数駆動信号は、いくつかの実施形態では、約0.001MHzから約500MHz、例えば約0.005MHzから約400MHz、例えば約0.01MHzから約300MHz、例えば約0.05から約200MHz、例えば約0.1MHzから約100MHz、例えば約0.5MHzから約90MHz、例えば約1MHzから約75MHz、例えば約2MHzから約70MHz、例えば約3MHzから約65MHz、例えば約4MHzから約60MHz、および約5MHzから約50MHzの周波数を有する。
【0048】
これらの実施形態では、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームは空間的に分離される。印加された無線周波数駆動信号と出力レーザビームの所望の照射プロファイルとに応じて、角度偏向レーザビームは、0.001μm以上、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上、および5000μm以上、分離され得る。いくつかの実施形態では、角度偏向レーザビームは、出力レーザビームの水平軸に沿って、例えば隣接角度偏向レーザビームと重なる。隣接角度偏向レーザビーム間の重なり(ビームスポットの重なりなど)は、0.001μm以上の重なり、例えば0.005μm以上の重なり、例えば0.01μm以上の重なり、例えば0.05μm以上の重なり、例えば0.1μm以上の重なり、例えば0.5μm以上の重なり、例えば1μm以上の重なり、例えば5μm以上の重なり、例えば10μm以上の重なり、および100μm以上の重なりであり得る。
【0049】
特定の場合には、フローストリームは、周波数シフト光の複数のビームで照射され、フローストリーム中の細胞は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Dieboldら、Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載、ならびに米国特許第9,423,353号;第9,784,661号;第9,983,132号;第10,006,852号;第10,078,045号;第10,036,699号;第10,222,316号;第10,288,546号;第10,324,019号;第10,408,758号;第10,451,538号;第10,620,111号;および米国特許公開第2017/0133857号;第2017/0328826号;第2017/0350803号;第2018/0275042号;第2019/0376895号および第2019/0376894号に記載されているものなどの周波数符号化画像を生成するために、無線周波数標識放出(FIRE)を使用する蛍光イメージングによって画像化される。
【0050】
上述したように、実施形態では、照射されたサンプルからの光は、光検出システム(以下でより詳細に説明される)に運ばれ、1つ以上の光検出器によって測定される。いくつかの実施形態では、方法は、波長範囲(例えば、200nm~1000nm)にわたって収集された光を測定することを有する。例えば、方法は、200nm~1000nmの範囲の1つ以上の波長にわたって光のスペクトルを収集することを有し得る。さらに他の実施形態では、方法は、収集された光を1つ以上の特定の波長で測定することを有する。例えば、収集された光は、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nmの1つ以上、およびそれらの任意の組み合わせで測定され得る。特定の実施形態では、方法は、フルオロフォアの蛍光ピーク波長に対応する光の波長を測定することを有する。いくつかの実施形態では、方法は、サンプル中の各フルオロフォアの蛍光スペクトル全体にわたって収集された光を測定することを有する。
【0051】
収集された光は、連続的に、または離散的間隔で測定され得る。いくつかの場合には、方法には、光を連続的に測定することが含まれる。他の場合には、光は、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、1000ミリ秒ごとが含まれ、またはなんらかの他の間隔で光を測定するなど、離散的な間隔で測定される。
【0052】
収集された光の測定は、主題の方法の間に1回以上、例えば2回以上、例えば3回以上、例えば5回以上、および10回以上、行われ得る。特定の実施形態では、光伝搬は2回以上、測定され、特定の場合にデータは平均化される。
【0053】
実施形態では、光検出器からのデータ信号は、フローストリームからの光に応答して生成される。いくつかの実施形態では、光は、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出される。「粒子非含有」成分からの光とは、散乱光または放出光、例えば、粒子にコンジュゲートされたまたは物理的に関連付けられた1つ以上のフルオロフォアからの蛍光など、(例えば、サンプルの)照射された粒子から発せられないフローストリームからの光を意味する。いくつかの実施形態では、フローストリームの粒子非含有成分から発せられる光は、サンプル中の遊離フルオロフォアからの蛍光である。「遊離フルオロフォア」という用語は、粒子にコンジュゲート(すなわち、共有結合)されたまたは物理的に関連付け(例えば、水素結合、イオン相互作用)されたフルオロフォアなどの、フローストリーム中の粒子と関連付けられないフルオロフォアを意味する。方法が、照射されたフローストリームの粒子非含有成分からの光を検出することを有する場合、データ信号は、0.001μsから100μs、例えば0.005μsから95μs、例えば0.01μsから90μs、例えば0.05μsから85μs、例えば0.1μsから80μs、例えば0.5μsから75μs、例えば1μsから70μs、例えば2μsから65μs、例えば3μsから60μs、例えば4μsから55μs、および5μsから50μsの持続時間を有するサンプリング期間から生成され得る。特定の場合には、データ信号は、1μsから10μsの持続時間を有するサンプリング期間にわたって、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出された光から生成される。
【0054】
主題の方法を実施する際、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が計算される。いくつかの実施形態では、移動平均二乗誤差は、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって計算される。特定の場合には、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、所定のサンプリング期間にわたって、複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定して複数のベースラインノイズ信号を生成することと、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計することと、合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算することとを有する。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μs、例えば0.005μsから95μs、例えば0.01μsから90μs、例えば0.05μsから85μs、例えば0.1μsから80μs、例えば0.5μsから75μs、例えば1μsから70μs、例えば2μsから65μs、例えば3μsから60μs、例えば4μsから55μs、および5μsから50μsの持続時間である。
【0055】
特定の実施形態では、主題の方法は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算することを有する。例えば、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差は、0.0001ms以上ごとに1回、例えば0.0005ms以上ごとに1回、例えば0.001msごとに1回、例えば0.005ms以上ごとに1回、例えば0.01ms以上ごとに1回、例えば0.05ms以上ごとに1回、例えば0.1ms以上ごとに1回、例えば0.5ms以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば2ms以上ごとに1回、例えば3ms以上ごとに1回、例えば4ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10msに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算される。いくつかの実施形態では、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差は、1秒ごとに1回、例えば2秒ごとに1回、例えば3秒ごとに1回、例えば4秒ごとに1回、例えば5秒ごとに1回、例えば10秒ごとに1回、例えば15秒ごとに1回、例えば30秒ごとに1回、および60秒ごとに1回の頻度で計算される。他の実施形態では、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差は、1分ごとに1回、例えば2分ごとに1回、例えば3分ごとに1回、例えば4分ごとに1回、例えば5分ごとに1回、10分ごとに1回、例えば15分ごとに1回、例えば30分ごとに1回、例えば60分ごとに1回の頻度で計算される。特定の実施形態では、方法は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算することを有する。
【0056】
特定の実施形態では、方法は、サンプリングウィンドウにわたってベースラインノイズ信号の平均二乗誤差を連続的に計算および更新することを有する。例えば、サンプリングウィンドウの持続時間は、1μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、例えば100μs以上、例えば500μs以上、例えば1ms以上、例えば10ms以上、例えば25ms以上、例えば50ms以上、例えば100ms以上、例えば500ms以上、例えば1秒以上、例えば5秒以上、例えば10秒以上、例えば25秒以上、例えば50秒以上、例えば100秒以上であり得、500秒以上のサンプリングウィンドウ持続時間にわたることも含まれる。これらの実施形態では、平均二乗誤差は、サンプリングウィンドウ持続時間の全部または一部、例えばサンプリングウィンドウの持続時間の5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、およびサンプリングウィンドウ持続時間の99%以上にわたって計算され得る。特定の実施形態では、平均二乗誤差は、サンプリングウィンドウ持続時間全体(100%)にわたって連続的に計算される。
【0057】
いくつかの実施形態では、各光検出器のベースラインノイズは、現在のサンプル値と計算されたベースラインとの間の差の二乗として測定される。いくつかの場合には、これらの実施形態におけるベースラインノイズは、2^ベースラインウィンドウサイズクロックにわたって2^ベースラインサンプル間隔クロックごとにサンプリングされ、累積される。ベースラインノイズサンプルの合計をそして、累積されたノイズサンプルの数で除算し、平均二乗ベースラインノイズ測定値を取得する。特定の実施形態では、この値の概算平均が各サンプルに対して使用され、例えば各サンプルに対して、本開示の実施形態に従って以下のように二乗ノイズの合計が継続的に更新される:(現在の合計)-(現在の平均)+(新しいベースラインノイズの二乗サンプル)。特定の実施形態では、ベースラインサンプリングは、データ取得の過程で周期的に更新され、その頻度として1μs以上ごとに1回、例えば10μs以上ごとに1回、例えば25μs以上ごとに1回、例えば50μs以上ごとに1回、例えば100μs以上ごとに1回、例えば500μs以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、例えば500ms以上ごとに1回、例えば1秒以上ごとに1回、例えば5秒以上ごとに1回、例えば10秒以上ごとに1回、例えば25秒以上ごとに1回、例えば50秒以上ごとに1回、例えば100秒以上ごとに1回、および500秒以上ごとに1回、ベースラインサンプリングが更新される。
【0058】
特定の実施形態では、各光検出器のベースラインノイズは、(例えば、サンプル中の粒子が光で照射される直前の光検出器のベースラインノイズを決定して)サンプル中の粒子から光が検出される前の所定の時間で更新される(すなわち、主題の方法に従って計算される)。例えば、いくつかの場合には、各光検出器のベースラインノイズは、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する直前に更新される。他の場合には、各光検出器のベースラインノイズは、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する前の、0.0001μsから500μs、例えば0.0005μsから450μs、例えば0.001μsから400μs、例えば0.005μsから350μs、例えば0.01μsから300μs、例えば0.05μsから250μs、例えば0.1μsから200μs、例えば0.5μsから150μs、更新され、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する前の1μsから100μs、各光検出器のベースラインノイズが更新される場合も含まれる。
【0059】
図1は、特定の実施形態に係る光検出器のベースラインノイズを測定するためのフロー図を示す。ステップ101では、粒子を含むサンプルがフローストリーム内で照射される。ステップ102で、照射されたフローストリームからの光が光検出器で検出され、ステップ103で、各光検出器によって検出された光に応じてデータ信号が生成される。各光検出器のベースラインノイズは、ステップ104で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することによって決定される。いくつかの実施形態では、サンプル中のフルオロフォアからの光は、ステップ106および106aで、最小二乗アルゴリズムを使用してスペクトル分離行列を計算することによってスペクトル分解される。いくつかの場合には、各光検出器の計算されたベースラインノイズで最小二乗アルゴリズムを重み付けすることによって、スペクトル分離行列が計算される。特定の場合には、ステップ105でベースラインノイズの帯域幅を調整して、サンプル中の粒子を照射することによって生成されるデータ信号の帯域幅と一致させる。
【0060】
特定の実施形態では、方法は、各光検出器について計算されたベースラインノイズの帯域幅を調整することを有する。いくつかの場合には、計算されたベースラインノイズの帯域幅を調整することは、帯域幅を例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、増加させること、および計算されたベースラインノイズの帯域幅を99%以上、増加させることを有する。例えば、計算されたベースラインノイズの帯域幅は、0.0001μs以上、例えば0.0005μs以上、例えば0.001μs以上、例えば0.005μs以上、例えば0.01μs以上、例えば0.05μs以上、例えば0.1μs以上、例えば0.5μs以上、例えば1μs以上、例えば2μs以上、例えば3μs以上、例えば4μs以上、例えば5μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、増加され得、計算されたベースラインノイズの帯域幅を100μs以上、増加させることも含まれる。他の場合には、計算されたベースラインノイズの帯域幅を調整することは、帯域幅を、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、減少させること、および計算されたベースラインノイズの帯域幅を99%以上、減少させることを有する。例えば、計算されたベースラインノイズの帯域幅は、0.0001μs以上、例えば0.0005μs以上、例えば0.001μs以上、例えば0.005μs以上、例えば0.01μs以上、例えば0.05μs以上、例えば0.1μs以上、例えば0.5μs以上、例えば1μs以上、例えば2μs以上、例えば3μs以上、例えば4μs以上、例えば5μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、減少され得、および計算されたベースラインノイズの帯域幅を100μs以上、減少させることが含まれる。特定の実施形態では、方法は、計算されたベースラインノイズの帯域幅を、サンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅と一致させることを有する。例えば、計算されたベースラインノイズの帯域幅は、サンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅の50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、例えば99%以上になるように調整され得、計算されたベースラインノイズの帯域幅がサンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅の99.9%以上になるように調整される場合も含まれる。特定の実施形態では、計算されたベースラインノイズの帯域幅は、サンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅に一致する(100%)。
【0061】
いくつかの実施形態では、サンプルは、複数のフルオロフォアを含み、フルオロフォアの1つ以上が、重なる蛍光スペクトルを有する。いくつかの場合には、方法は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてスペクトル分離行列を計算することによってなど、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解することをさらに有する。特定の実施形態では、方法は、フローストリームからの光のスペクトルの重なりを決定することと、重なる検出光スペクトルへのそれぞれの寄与を計算することとを有する。特定の実施形態では、方法は、スペクトル分離行列を計算して光検出器によって検出された光信号への各寄与の存在量を推定することを有する。特定の場合には、スペクトル分離行列は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用して計算される。いくつかの実施形態では、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号は、光検出器の計算されたベースラインノイズに基づいて重み付けされる。
【0062】
特定の実施形態では、方法は、例えば、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる2019年12月23日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/068395号、2020年2月7日に出願された米国仮特許出願第62/971,840号および2020年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/010,890号に記載されているように、複数の光検出器によって検出された(例えば、各光検出器の計算されたベースラインノイズを使用して重み付けされた)光をスペクトル分解することを有する。例えば、複数の光検出器によって検出された光をスペクトル分解することは、1)重み付け最小二乗アルゴリズム、2)シャーマン-モリソン反復逆アップデータ、3)行列が下三角(L)行列および上三角(U)行列の積に分解されるようなLU行列分解、4)修正コレスキー分解、5)QR分解による、および6)特異値分解による重み付け最小二乗アルゴリズムの計算の1つ以上を使用してスペクトル分離行列を解くことを有し得る。
【0063】
図2Aは、特定の実施形態に係る、フローストリーム中の粒子を含む照射サンプルから検出されたベースラインノイズの図を示す。
図2AのパネルAは、ベースラインノイズがない場合の照射粒子からのデータ信号を示す(例えば、レーザフォーカスのドリフト、レーザアライメントのドリフト、フローストリームの流量およびフロープロファイルの時間依存変化、トランスインピーダンスアンプなどの検出器コンポーネントの熱ドリフトによる電子ノイズ)。
図2AのパネルBは、光バックグラウンドノイズがないフォトニックショットノイズの存在下で照射された粒子からのデータ信号を示す。
図2AのパネルCは、光バックグラウンドノイズを伴うフォトニックショットノイズの存在下で照射された粒子からのデータ信号を示す。パネルCは、また、データ信号を復元するベースライン後の照射粒子からのデータ信号も示す。
図2AのパネルDは、フォトニックショットノイズおよび電子ノイズの存在下であってベースラインが復元された、照射された粒子からのデータ信号を示す。
【0064】
図2Bは、特定の実施形態に係る遊離フルオロフォアを有するサンプルから決定されたベースラインノイズを示す。骨髄細胞を染色した2つのサンプル(カラーパネル1およびカラーパネル2)を遠心分離して細胞を除去し、遊離フルオロフォアを含む上澄みのみを残した。サンプルは、28の異なるフルオロフォアを含む。各サンプルの遊離フルオロフォアからのバックグラウンドベースラインノイズを測定し、コントロールとして水のみを含むサンプルに対してプロットした。
図2Cは、特定の実施形態に係る異なる濃度に滴定されたフルオロフォアを伴うサンプルから決定されたベースラインノイズを示す。100%、75%、および50%の抗体滴定で細胞を染色したサンプルパネルを照射し、各サンプルパネルのベースラインノイズレベルを決定した。
図2Cに示すように、ベースラインノイズレベルは、各サンプルにおける遊離フルオロフォアのレベルに依存する。
【0065】
実施形態では、フローストリーム中のサンプルは粒子を含む。いくつかの実施形態では、サンプルは生物学的サンプルである。「生物学的サンプル」という用語は、生物全体、植物、菌類、または動物組織のサブセット、細胞、または特定の場合には血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、羊水臍帯血、尿、膣液および精液に見られ得る構成部分を指すために、その従来の意味で使用される。したがって、「生物学的サンプル」は、天然生物またはその組織のサブセット、ならびに生物またはその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物または抽出物の両方を指し、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚、呼吸器、胃腸、心血管および泌尿生殖器のセクション、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含むがこれらに限定されない。生物学的サンプルは、健康な組織および病気の組織(例えば、癌性、悪性、壊死性など)の両方を含む、任意のタイプの生物組織であり得る。特定の実施形態では、生物学的サンプルは、血液もしくはその派生物、例えば、血漿、または他の生物学的液体サンプル、例えば、涙、尿、精液などの液体サンプルであり、いくつかの場合には、サンプルは血液サンプルであり、静脈穿刺または指穿刺から得られた血液などの全血を含む(血液は、アッセイ前に防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と混合されてもされなくともよい)。
【0066】
特定の実施形態では、サンプルの供給源は「哺乳類」または「哺乳動物」であり、これらの用語は、哺乳類綱に属する生物を表すために広く使用されており、肉食動物目(例えば、イヌおよびネコ)、齧歯目(例えば、マウス、モルモット、およびラット)、ならびに霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、およびサル)を含む。いくつかの場合には、対象はヒトである。方法は、性別および任意の発達段階(すなわち、新生児、乳児、少年、青年、または成人)のヒト対象から得られたサンプルに適用され得、特定の実施形態では、ヒト対象は、少年、青年、または成人である。本開示の実施形態は、ヒト対象からのサンプルに適用され得るが、方法は、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜およびウマなどであるがこれらに限定されない他の動物対象(すなわち「非ヒト対象」)からのサンプルに対しても実施され得ることを理解されたい。
【0067】
特定の実施形態では、生物学的サンプルは細胞を含む。サンプル中に存在し得る細胞には、真核細胞(例えば、哺乳動物細胞)および/または原核細胞(例えば、細菌細胞または古細菌細胞)が含まれる。サンプルは、インビトロ供給源(例えば、培養物で増殖させた実験室細胞からの細胞懸濁液)からまたはインビボ供給源(例えば、哺乳動物対象、ヒト対象など)から得られ得る。いくつかの実施形態では、細胞サンプルはインビトロ供給源から得られる。インビトロ供給源は、原核(例えば、細菌、古細菌)細胞培養物、原核および/または真核(例えば、哺乳動物、プロテスト、真菌など)細胞を含む環境サンプル、真核細胞培養物(例えば、確立された細胞株の培養物、既知または購入した細胞株の培養物、不死化細胞株の培養物、初代細胞の培養物、実験用酵母の培養物など)、組織培養物などを含むがこれらに限定されない。
【0068】
生物学的サンプルが細胞を含む場合、本開示の方法は、細胞断片、断片化された細胞膜、オルガネラ、死細胞または溶解細胞などの細胞の成分を特徴付けることを有し得る。いくつかの実施形態では、方法は、細胞の細胞外小胞を特徴付けることを有する。細胞の細胞外小胞の特徴付けは、細胞内の細胞外小胞の種類を特定すること、または、細胞内の細胞外小胞のサイズを決定することを有し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、方法は、サンプルの1つ以上の粒子(例えば、細胞)をソーティングすることをさらに有する。「ソーティング」という用語は、本明細書ではその従来の意味で使用され、サンプルの成分(例えば、細胞、生体高分子などの非細胞粒子)を分離することを指し、いくつかの場合には、分離された成分を1つ以上のサンプル収集容器に送達することを指す。例えば、方法は、2つ以上の成分、例えば3つ以上の成分、例えば4つ以上の成分、例えば5つ以上の成分、例えば10個以上の成分、例えば15個以上の成分を有するサンプルをソーティングすることを有し得、25個以上の成分を有するサンプルをソーティングすることも含まれる。サンプル成分の1つ以上、例えば2つ以上のサンプル成分、例えば3つ以上のサンプル成分、例えば4つ以上のサンプル成分、例えば5つ以上のサンプル成分、例えば10個以上のサンプル成分をサンプルから分離し、サンプル収集容器に送達し得、15個以上のサンプル成分をサンプルから分離し、サンプル収集容器に送達することも含まれる。
【0070】
いくつかの実施形態では、サンプルの成分をソーティングする方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,960,449号;第4,347,935号;第4,667,830号;第5,245,318号;第5,464,581号;第5,483,469号;第5,602,039号;第5,643,796号;第5,700,692号;第6,372,506および第6,809,804号に記載されているような粒子(例えば、生物学的サンプル中の細胞)をソーティングすることを有する。いくつかの実施形態では、方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,551,643号および第10,324,019号、米国特許公開第2017/0299493号および国際特許公開第WO/2017/040151号に記載されているものなど、粒子ソーティングモジュールでサンプルの成分をソーティングすることを有する。特定の実施形態では、サンプルの細胞は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2019年12月23日に出願された米国特許出願第16/725,756号に記載されているもののような、複数のソーティング決定ユニットを有するソーティング決定モジュールを使用してソーティングされる。
【0071】
光検出器のベースラインノイズを測定するシステム
本開示の態様は、また、主題の方法を実施するためのシステム(例えば、粒子分析器)を含み、関心対象のシステムは、光源と、光検出器を含む光検出システムとを備える。実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、メモリはそこに格納された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、光検出器によって検出された光からデータ信号を生成させ、光検出器のベースラインノイズを決定するために生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる。いくつかの実施形態では、主題のシステムは、フローストリーム中のサンプルの照射中など、光検出器のベースラインノイズのリアルタイム測定値を決定するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、ベースラインノイズのサンプル固有の測定値をリアルタイムで取得するように構成される。特定の実施形態では、システムは、そこに格納された命令を有するメモリ含み、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、光検出システム内の各個々の光検出器のバックグラウンドノイズへの寄与、例えば、レーザフォーカスのドリフト、レーザアライメントのドリフト、フローストリームの流量およびフロープロファイルの時間依存変化、およびトランスインピーダンスアンプなどの検出器コンポーネントの熱ドリフトによる電子ノイズの増加を含むがこれらに限定されない時間変化パラメータからの寄与を決定させる。前述したように、ベースラインノイズという用語は、光検出器からのベースライン電子信号(例えば、光検出器の動作中電子部品または光検出システムの光学部品から発生する電子信号)を指す。特定の場合には、ベースラインノイズは、光源またはシステムの他の電子サブコンポーネントによって生成されるものなど、光検出システムに存在する電子信号を含む。他の実施形態では、ベースラインノイズは、システムの構成要素からの振動または熱効果から生じる電子信号を含む。さらに他の実施形態では、ベースラインノイズは、システム内の照射源からの(例えば、フローサイトメータに存在する1つ以上のレーザからの)光などの光信号を含む。
【0072】
実施形態では、システムは、フローストリーム(例えば、粒子を有する流体サンプル組成物を伝播するフローストリーム)を照射するための光源を備える。光源は、任意の便利な光源であり得、レーザ光源および非レーザ光源を含み得る。特定の実施形態では、光源は、特定の波長または狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源などの非レーザ光源である。いくつかの場合には、狭帯域光源は、例えば、50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下、例えば10nm以下、例えば5nm以下、例えば2nm以下の狭い範囲の波長を有する光を放出し、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源が含まれる。狭波長LEDなど、任意の便利な狭帯域光源プロトコルが採用され得る。
【0073】
他の実施形態では、光源は、1つ以上の光バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、またはそれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源などの広帯域光源である。いくつかの場合には、広帯域光源は、例えば、50nm以上、例えば100nm以上、例えば150nm以上、例えば200nm以上、例えば250nm以上、例えば300nm以上、例えば350nm以上、例えば400nm以上にわたる、および500nm以上にわたるなど、広範囲の波長を有する光を放出する。例えば、1つの適切な広帯域光源は、200nmから1500nmの波長を有する光を放出する。適切な広帯域光源の別の例は、400nmから1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを伴う広帯域LED、スーパールミネセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、その他の広帯域光源、またはそれらの任意の組み合わせなど、任意の便利な広帯域光源プロトコルが採用され得る。特定の実施形態では、光源は赤外線LEDのアレイを含む。
【0074】
特定の実施形態では、光源は、連続波レーザなどのレーザである。例えば、レーザは、紫外ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、および近赤外ダイオードレーザなどのダイオードレーザであり得る。他の実施形態では、レーザは、ヘリウム-ネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの場合には、レーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、またはキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、またはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の場合には、主題のシステムは、スチルベン、クマリン、またはローダミンレーザなどの色素レーザを含む。さらに他の場合には、関心対象のレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザまたは金レーザ、およびそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。さらに他の場合には、主題のシステムは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YCa4O(BO3)3レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Y2O3レーザまたはセリウムドープレーザ、およびそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0075】
システムは、上述した光源のうちの1つ以上、例えば2つ以上の光源、例えば3つ以上の光源、例えば4つ以上の光源、例えば5つ以上の光源、および10個以上の光源を含み得る。光源は、光源のタイプの任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、および1つ以上の固体レーザを有するアレイなどのレーザのアレイを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、光源は狭帯域幅光源である。いくつかの場合には、光源は、200nmから1500nm、例えば250nmから1250nm、例えば300nmから1000nm、例えば350nmから900nm、および400nmから800nmの特定の波長を出力する光源である。特定の実施形態では、連続波光源は、365nm、385nm、405nm、460nm、490nm、525nm、550nm、580nm、635nm、660nm、740nm、770nmまたは850nmの波長を有する光を放出する。
【0077】
光源は、フローストリームから任意の適切な距離、例えば0.001mm以上、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上の距離、および100mm以上の距離に配置され得る。さらに、光源は、光検出器に対するある角度、例えば10°から90°、例えば15°から85°、例えば20°から80°、例えば25°から75°、および30°から60°などの任意の適切な角度で、例えば90°の角度で配置され得る。
【0078】
特定の実施形態では、光源は連続波光源である。いくつかの実施形態では、連続波光源は、非パルスまたは非ストロボスコープ照射を放出する。特定の実施形態では、連続波光源は、実質的に一定の放出光強度を提供する。例えば、連続波光源は、10%以下、例えば9%以下、例えば8%以下、例えば7%以下、例えば6%以下、例えば5%以下、例えば4%以下、例えば3%以下、例えば2%以下、例えば1%以下、例えば0.5%以下、例えば0.1%以下、例えば0.01%以下、例えば0.001%以下、例えば0.0001%以下、例えば0.00001%以下だけ変化する照射の時間間隔中の発光強度を提供し得、照射の時間間隔中の放出光強度の変動が0.000001%以下である場合も含まれる。光出力の強度は、スキャニングスリットプロファイラ、電荷結合素子(増強型電荷結合素子ICCDなどのCCD)、位置決めセンサ、パワーセンサ(例えば、サーモパイルパワーセンサ)、光パワーセンサ、エネルギーメータ、デジタルレーザ光度計、レーザダイオード検出器、その他の種類の光検出器を含むがこれらに限定されない任意の便利なプロトコルで測定することができる。
【0079】
特定の実施形態では、光源は、周波数シフト光の2つ以上のビームを生成するように構成された光ビーム生成器である。いくつかの場合には、光ビーム生成器は、レーザ、無線周波数駆動信号を音響光学デバイスに印加して2つ以上の角度偏向レーザビームを発生させるように構成された無線周波数生成器を含む。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザまたは連続波レーザであり得る。例えば、関心対象の光ビーム生成器のレーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、またはキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、またはそれらの組み合わせなどのガスレーザ;スチルベン、クマリンまたはローダミンレーザなどの色素レーザ;ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザまたは金レーザ、およびそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ;ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4レーザ、Nd:YCa4O(BO3)3レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、Y2O3レーザまたはセリウムドープレーザ、およびそれらの組み合わせなどの固体レーザであり得る。
【0080】
音響光学デバイスは、印加された音波を使用してレーザ光を周波数シフトするように構成された任意の便利な音響光学プロトコルであり得る。特定の実施形態では、音響光学デバイスは音響光学偏向器である。主題のシステムの音響光学デバイスは、レーザからの光および印加された無線周波数駆動信号から角度偏向レーザビームを生成するように構成される。無線周波数駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意波形生成器(AWG)、または電気パルス生成器などの任意の適切な無線周波数駆動信号源を用いて音響光学デバイスに印加され得る。
【0081】
実施形態では、コントローラは、音響光学デバイスに無線周波数駆動信号を印加して、出力レーザビームにおいて所望の数の角度偏向レーザビームを生成するように構成され、それは、3つ以上の無線周波数駆動信号、例えば4つ以上の無線周波数駆動信号、例えば5つ以上の無線周波数駆動信号、例えば6つ以上の無線周波数駆動信号、例えば7つ以上の無線周波数駆動信号、例えば8つ以上の無線周波数駆動信号、例えば9つ以上の無線周波数駆動信号、例えば10個以上の無線周波数駆動信号、例えば15個以上の無線周波数駆動信号、例えば25個以上の無線周波数駆動信号、例えば50個以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成され、100個以上の無線周波数駆動信号を印加するように構成されることも含まれる。
【0082】
いくつかの場合には、出力レーザビームにおける角度偏向レーザビームの強度プロファイルを生成するために、コントローラは、約0.001Vから約500V、例えば約0.005Vから約400V、例えば約0.01Vから約300V、例えば約0.05Vから約200V、例えば約0.1Vから約100V、例えば約0.5Vから約75V、例えば約1Vから50V、例えば約2Vから40V、例えば3Vから約30V、および約5Vから約25V、変化する振幅を有する無線周波数駆動信号を印加するように構成される。各印加無線周波数駆動信号は、いくつかの実施形態では、約0.001MHzから約500MHz、例えば約0.005MHzから約400MHz、例えば約0.01MHzから約300MHz、例えば約0.05MHzから約200MHz、例えば約0.1MHzから約100MHz、例えば約0.5MHzから約90MHz、例えば約1MHzから約75MHz、例えば約2MHzから約70MHz、例えば約3MHzから約65MHz、例えば約4MHzから約60MHz、および約5MHzから約50MHzの周波数を有する。
【0083】
特定の実施形態では、システムは、メモリがそこに格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、所望の強度プロファイルを有する角度偏向レーザビームを伴う出力レーザビームを生成させる。例えば、メモリは、2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば10個以上、例えば25個以上、例えば50個以上の、同じ強度を伴う角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得、メモリが100個以上の、同じ強度を伴う角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得る場合も含まれる。他の実施形態では、2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば10個以上、例えば25個以上、例えば50個以上の、異なる強度を伴う角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得、メモリが100個以上の、異なる強度を伴う角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得る場合も含まれる。
【0084】
特定の実施形態では、システムは、メモリがそこに格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、水平軸に沿って出力レーザビームのエッジから中心に向かって強度が増加する出力レーザビームを生成させる。これらの場合では、出力ビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、水平軸に沿って出力レーザビームのエッジにおける角度偏向レーザビームの強度の0.1%から約99%、例えば0.5%から約95%、例えば1%から約90%、例えば約2%から約85%、例えば約3%から約80%、例えば約4%から約75%、例えば約5%から約70%、例えば約6%から約65%、例えば約7%から約60%、例えば約8%から約55%の範囲であり得、水平軸に沿って出力レーザビームのエッジにおける角度偏向レーザビームの強度の約10%から約50%である場合も含まれる。他の実施形態では、システムは、メモリがそこに格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、水平軸に沿って出力レーザビームのエッジから中心に向かって強度が増加する出力レーザビームを生成させる。これらの場合では、出力ビームのエッジにおける角度偏向レーザビームの強度は、水平軸に沿って出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の0.1%から約99%、例えば0.5%から約95%、例えば1%から約90%、例えば約2%から約85%、例えば約3%から約80%、例えば約4%から約75%、例えば約5%から約70%、例えば約6%から約65%、例えば約7%から約60%、例えば約8%から約55%の範囲であり得、水平軸に沿って出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の約10%から約50%である場合も含まれる。さらに他の実施形態では、システムは、メモリがそこに格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、水平軸に沿ってガウス分布を伴う強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。さらに他の実施形態では、システムは、メモリがそこに格納された命令を含むようにプロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、水平軸に沿ってトップハット強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。
【0085】
実施形態では、関心対象の光ビーム生成器は、空間的に分離された出力レーザビームにおいて角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。印加された無線周波数駆動信号および出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは、0.001μm以上、例えば0.005μm以上、例えば0.01μm以上、例えば0.05μm以上、例えば0.1μm以上、例えば0.5μm以上、例えば1μm以上、例えば5μm以上、例えば10μm以上、例えば100μm以上、例えば500μm以上、例えば1000μm以上、および5000μm以上、分離され得る。いくつかの実施形態では、システムは、出力レーザビームの水平軸に沿って角度偏向レーザビームが隣接するなど、出力レーザビームにおいて重なる角度偏向レーザビームを生成するように構成される。隣接する角度偏向レーザビーム間の重なり(ビームスポットの重なりなど)は、0.001μm以上の重なり、例えば0.005μm以上の重なり、例えば0.01μm以上の重なり、例えば0.05μm以上の重なり、例えば0.1μm以上の重なり、例えば0.5μm以上の重なり、例えば1μm以上の重なり、例えば5μm以上の重なり、例えば10μm以上の重なり、および100μm以上の重なりであり得る。
【0086】
特定の場合には、周波数シフト光の2つ以上のビームを生成するように構成された光ビーム生成器は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Dieboldら、Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載および米国特許第9,423,353号;第9,784,661号;第9,983,132号;第10,006,852号;第10,078,045号;第10,036,699号;第10,222,316号;第10,288,546号;第10,324,019号;第10,408,758号;第10,451,538号;第10,620,111号;および米国特許公開第2017/0133857号;第2017/0328826号;第2017/0350803号;第2018/0275042号;第2019/0376895号および第2019/0376894号に記載されているようなレーザ励起モジュールを有する。
【0087】
実施形態では、システムは、1つ以上の光検出器、例えば2つ以上の光検出器、例えば3つ以上の光検出器、例えば4つ以上の光検出器、例えば5つ以上の光検出器、例えば10個以上の光検出器、例えば25個以上の光検出器、例えば50個以上の光検出器、例えば100個以上の光検出器、例えば250個以上の光検出器、および500個以上の光検出器を有する光検出システムを備える。いくつかの実施形態では、光検出器はアバランシェフォトダイオードである。特定の実施形態では、光検出システムは、光検出器のアレイを備える。これらの実施形態では、光検出器アレイは、4つ以上の光検出器、例えば10個以上の光検出器、例えば25個以上の光検出器、例えば50個以上の光検出器、例えば100個以上の光検出器、例えば250個以上の光検出器、例えば500個以上の光検出器、例えば750個以上の光検出器、および1000個以上の光検出器を備え得る。
【0088】
光検出器は、所望に応じて任意の幾何学的構成で配置され得、関心対象の構成には、正方形構成、長方形構成、台形構成、三角形構成、六角形構成、七角形構成、八角形構成、九角形構成、十角形構成、十二角形構成、円形構成、楕円形構成、および不規則パターン構成が含まれるが、これらに限定されない。光検出器アレイ内の光検出器は、10°から180°、例えば15°から170°、例えば20°から160°、例えば25°から150°、例えば30°から120°、および45°から90°などの範囲の角度で(X-Z平面で参照されるように)他方に対して配向され得る。フォトダイオードアレイは、任意の適切な形状であり得、直線的な形状、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形等、曲線形状、例えば、円、楕円、および不規則形状、例えば、平らな上部に連結された放物線状の底部であり得る。特定の実施形態では、光検出器アレイは、長方形の活性表面を有する。
【0089】
アレイ内の各光検出器は、5μmから250μm、例えば10μmから225μm、例えば15μmから200μm、例えば20μmから175μm、例えば25μmから150μm、例えば30μmから125μm、および50μmから100μmの範囲の幅、5μmから250μm、例えば10μmから225μm、例えば15μmから200μm、例えば20μmから175μm、例えば25μmから150μm、例えば30μmから125μm、および50μmから100μmの範囲の長さの活性表面を有し得、アレイ内の各光検出器の表面積は、25μm2から10000μm2、例えば50μm2から9000μm2、例えば75μm2から8000μm2、例えば100μm2から7000μm2、例えば150からμm2から6000μm2、および200μm2から5000μm2の範囲である。
【0090】
光検出器アレイのサイズは、光の量および強度、光検出器の数、ならびに所望の感度に応じて様々であり得、0.01mmから100mm、例えば0.05mmから90mm、例えば0.1mmから80mm、例えば0.5mmから70mm、例えば1mmから60mm、例えば2mmから50mm、例えば3mmから40mm、例えば4mmから30mm、および5mmから25mmの範囲の長さを有し得る。フォトダイオードアレイの幅も様々であり得、0.01mmから100mm、例えば0.05mmから90mm、例えば0.1mmから80mm、例えば0.5mmから70mm、例えば1mmから60mm、例えば2mmから50mm、例えば3mmから40mm、例えば4mmから30mm、および5mmから25mmの範囲である。したがって、フォトダイオードアレイの活性表面は、0.1mm2から10000mm2、例えば0.5mm2から5000mm2、例えば1mm2から1000mm2、例えば5mm2から500mm2、および10mm2から100mm2の範囲であり得る。
【0091】
関心対象の光検出器は、1つ以上の波長、例えば2つ以上の波長、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10個以上の異なる波長、例えば15個以上、例えば25個以上、例えば50個以上、例えば100個以上、例えば200個以上、例えば300個以上、例えば400個以上、例えば500個以上、例えば1000個以上、例えば1500個以上、例えば2500個以上、および5000個以上の異なる波長の光で収集された光を測定するように構成される。特定の実施形態では、フォトダイオードは、光のスペクトルが50nm以上、例えば100nm以上、例えば200nm以上、例えば300nm以上、例えば400nm以上、例えば500nm以上、例えば600nm以上、例えば700nm以上、例えば800nm以上、例えば900nm以上、例えば1000nm以上、および1500nm以上にわたるなど、光のスペクトルを測定するように構成される。例えば、フォトダイオードは、200nmから1500nm、例えば400nmから1100nmの範囲の光を測定するように構成される。
【0092】
光検出システムは、光を連続的にまたは離散的間隔で測定するように構成される。いくつかの場合には、関心対象の光検出器は、収集された光を連続的に測定するように構成される。他の場合には、光検出システムは、0.001ミリ秒ごと、0.01ミリ秒ごと、0.1ミリ秒ごと、1ミリ秒ごと、10ミリ秒ごと、100ミリ秒ごと、1000ミリ秒ごとに、または他の間隔で光を測定するなど、離散的間隔で測定を行うように構成される。
【0093】
特定の実施形態では、光検出システムは増幅器コンポーネントも備える。実施形態では、増幅器コンポーネントは、検出光に応答して光検出器からの出力信号を増幅するように構成される。いくつかの実施形態では、増幅器コンポーネントは、トランスインピーダンスアンプなどの電流電圧変換器を有する。他の実施形態では、増幅器コンポーネントは、加算増幅器などの演算増幅器回路を有する。実施形態では、光検出器からの出力電流は電圧に変換され、特定の場合には、加算増幅器と組み合わされ、データ信号を出力するためにプロセッサに伝搬される。
【0094】
システムは、フローストリームからの光に応答して光検出器からデータ信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、光検出システムは、照射されたフローストリームの粒子非含有成分からの光を検出するように構成される。これらの実施形態では、システムは、そこに命令が格納されたメモリを備え得、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出された光からデータ信号を0.001μsから100μs、例えば0.005μsから95μs、例えば0.01μsから90μs、例えば0.05μsから85μs、例えば0.1μsから80μs、例えば0.5μsから75μs、例えば1μsから70μs、例えば2μsから65μs、例えば3μsから60μs、例えば4μsから55μs、および5μsから50μsの持続時間を有するサンプリング期間にわたって生成させる。特定の場合には、メモリは、1μsから10μsの持続時間を有するサンプリング期間にわたって、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出された光からデータ信号を生成するための命令を含む。
【0095】
実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、メモリはそこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる。いくつかの実施形態では、メモリは、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって移動平均二乗誤差を計算するための命令を有する。特定の場合には、メモリは命令を有し、命令は、複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して、複数のベースラインノイズ信号を生成することと、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計することと、合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算することとのためである。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μs、例えば0.005μsから95μs、例えば0.01μsから90μs、例えば0.05μsから85μs、例えば0.1μsから80μs、例えば0.5μsから75μs、例えば1μsから70μs、例えば2μsから65μs、例えば3μsから60μs、例えば4μsから55μs、および5μsから50μsの持続時間である。
【0096】
特定の実施形態では、システムは、そこに格納された命令を有するメモリを備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、所定の時間間隔で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる。例えば、メモリは、0.0001ms以上ごとに1回、例えば0.0005ms以上ごとに1回、例えば0.001ms以上ごとに1回、例えば0.005ms以上ごとに1回、例えば0.01ms以上ごとに1回、例えば0.05ms以上ごとに1回、例えば0.1ms以上ごとに1回、例えば0.5ms以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば2ms以上ごとに1回、例えば3ms以上ごとに1回、例えば4ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するための命令を有し得る。いくつかの実施形態では、メモリは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1秒ごとに1回、例えば2秒ごとに1回、例えば3秒ごとに1回、例えば4秒ごとに1回、例えば5秒ごとに1回、例えば10秒ごとに1回、例えば15秒ごとに1回、例えば30秒ごとに1回、および60秒ごとに1回の頻度で計算するための命令を有する。他の実施形態では、メモリは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1分ごとに1回、例えば2分ごとに1回、例えば3分ごとに1回、例えば4分ごとに1回、例えば5分ごとに1回、例えば10分ごとに1回、例えば15分ごとに1回、例えば30分ごとに1回、および60分ごとに1回の頻度で計算するための命令を有する。特定の実施形態では、メモリは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するための命令を有する。
【0097】
特定の実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、メモリはそこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、サンプリングウィンドウにわたってベースラインノイズ信号の平均二乗誤差を連続的に計算および更新させる。例えば、サンプリングウィンドウの持続時間は、1μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、例えば100μs以上、例えば500μs以上、例えば1ms以上、例えば10ms以上、例えば25ms以上、例えば50ms以上、例えば100ms以上、例えば500ms以上、例えば1秒以上、例えば5秒以上、例えば10秒以上、例えば25秒以上、例えば50秒以上、例えば100秒以上であり得、500秒以上のサンプリングウィンドウ持続期間にわたる場合も含まれる。これらの実施形態では、システムは、サンプリングウィンドウの持続時間の全部または一部、例えばサンプリングウィンドウ持続時間の5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、95%以上、例えば97%以上、および99%以上にわたって平均二乗誤差を計算するように構成され得る。特定の実施形態では、システムは、サンプリングウィンドウ持続時間全体(100%)にわたって平均二乗誤差を連続的に計算するように構成される。
【0098】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、各光検出器のベースラインノイズを現在のサンプル値と計算されたベースラインとの間の差の二乗として測定するための命令を有するメモリを備える。いくつかの場合には、メモリは、2^ベースラインウィンドウサイズクロックにわたって、2^ベースラインサンプル間隔クロックごとにベースラインノイズをサンプリングするための命令を有する。メモリは、ベースラインノイズサンプルの合計を蓄積されたノイズサンプルの数で除算して、平均二乗ベースラインノイズ測定値を取得するための命令を含み得る。特定の実施形態では、この値の概算平均が各サンプルに対して使用され、例えば、各サンプルに対して、本開示の実施形態に従って二乗ノイズの合計が継続的に以下のように更新される:(現在の合計)-(現在の平均)+(新しいベースラインノイズ二乗サンプル)。特定の実施形態では、メモリは、データ取得の過程でベースラインサンプリングを周期的に、例えば1μs以上ごとに1回、例えば10μs以上ごとに1回、例えば25μsごとに1回、例えば50μs以上ごとに1回、例えば100μs以上ごとに1回、例えば500μs以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、例えば500ms以上ごとに1回、例えば1秒以上ごとに1回、例えば5秒以上ごとに1回、例えば10秒以上ごとに1回、例えば25秒以上ごとに1回、例えば50秒以上ごとに1回、例えば100秒以上ごとに1回の頻度で更新するための命令を有し、メモリが500秒以上ごとに1回、ベースラインサンプリングを更新するための命令を有する場合も含まれる。
【0099】
特定の実施形態では、メモリはそこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、サンプル中の粒子から光が検出される前の所定の時間期間に各光検出器のベースラインノイズを更新させる。例えば、いくつかの場合には、システムは、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する直前に、各光検出器のベースラインノイズを更新するための命令を有するメモリを備える。他の場合には、メモリは、各光検出器のベースラインノイズを、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する前の0.0001μsから500μs、例えば0.0005μsから450μs、例えば0.001μsから400μs、例えば0.005μsから350μs、例えば0.01μsから300μs、例えば0.05μsから250μs、例えば0.1μsから200μs、例えば0.5μsから150μs、更新するための命令を有し、各光検出器のベースラインノイズを、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する前の1μsから100μs、更新するための命令も含まれる。
【0100】
特定の実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、光検出器ごとに計算されたベースラインノイズの帯域幅を調整させる。いくつかの場合には、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、増加させること、および、計算されたベースラインノイズの帯域幅を99%以上、増加させることによって、帯域幅を調整するための命令を有する。例えば、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を0.0001μs以上、例えば0.0005μs以上、例えば0.001μs以上、例えば0.005μs以上、例えば0.01μs以上、例えば0.05μs以上、例えば0.1μs以上、例えば0.5μs以上、例えば1μs以上、例えば2μs以上、例えば3μs以上、例えば4μs以上、例えば5μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、増加させるための命令を有し得、計算されたベースラインノイズの帯域幅を100μs以上、増加させることも含まれる。他の場合には、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、減少させることによって、帯域幅を調整するための命令を有し、計算されたベースラインノイズの帯域幅を99%以上、減少させることも含まれる。例えば、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を0.0001μs以上、例えば0.0005μs以上、例えば0.001μs以上、例えば0.005μs以上、例えば0.01μs以上、例えば0.05μs以上、例えば0.1μs以上、例えば0.5μs以上、例えば1μs以上、例えば2μs以上、例えば3μs以上、例えば4μs以上、例えば5μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、減少させるための命令を有し得、計算されたベースラインノイズの帯域幅を100μs以上、減少させることも含まれる。特定の実施形態では、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅をサンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅と一致させるための命令を有する。例えば、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を、サンプル中の粒子から生成されるデータ信号の帯域幅の50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、例えば99%以上になるように調整するための命令を有し得、計算されたベースラインノイズの帯域幅をサンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅の99.9%以上になるように調整する場合も含まれる。特定の実施形態では、メモリは、計算されたベースラインノイズの帯域幅をサンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅に一致させる(100%)ための命令を有する。
【0101】
いくつかの実施形態では、サンプルは、複数のフルオロフォアを含み、フルオロフォアの1つ以上が重なる蛍光スペクトルを有する。いくつかの場合には、システムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを備え、メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによってなど、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解させる。特定の実施形態では、メモリは、フローストリームからの光のスペクトルの重なりを決定し、重なる検出光スペクトルへのそれぞれの寄与を計算するための命令を有する。特定の実施形態では、メモリは、スペクトル分離行列を計算して、光検出器によって検出された光信号への各寄与の存在量を推定するための命令を有する。特定の場合には、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用して、スペクトル分離行列が計算される。いくつかの実施形態では、メモリは、光検出器の計算されたベースラインノイズに基づいて、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号を重み付けするための命令を有する。
【0102】
特定の実施形態では、システムは、例えば、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる2019年12月23日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/068395号、2020年2月7日に出願された米国仮特許出願第62/971,840号および2020年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/010,890号に記載されているように、複数の光検出器によって検出された(例えば、各光検出器の計算されたベースラインノイズを使用して重み付けされた)光をスペクトル分解するように構成される。例えば、システムは、1)重み付け最小二乗アルゴリズム、2)シャーマン-モリソン反復逆アップデータ、3)行列が下三角(L)行列および上三角(U)行列の積に分解されるようなLU行列分解、4)修正コレスキー分解、5)QR分解による、および6)特異値分解による重み付け最小二乗アルゴリズムの計算の1つ以上を使用してスペクトル分離行列を解くことにより、複数の光検出器によって検出された光をスペクトル分解するための命令を有するメモリを備え得る。
【0103】
図3Aは、特定の実施形態に係るフローストリーム中で照射された粒子を含むサンプルからの蛍光をスペクトル分解するためのシステムのブロック図を示す。照射されたサンプルからの光は、検出器、増幅器、アナログベースライン復元コンポーネント、およびアナログデジタル(ADC)コンバータを含む光検出システムによって検出される。光検出システムは、計算されたベースラインノイズベクトルに基づいてベースラインノイズ決定を受信する集積回路(例えば、以下でより詳細に説明するようなFPGA)に動作可能に結合される。ベースラインノイズベクトルは、スペクトル分離行列を計算するために、重み付け最小二乗アルゴリズムでコンピュータプログラム(例えば、プロセッサのメモリに格納された)によって使用される。重み付け最小二乗アルゴリズムで解かれたスペクトル分離行列は、サンプルの粒子をソーティングするために集積回路に戻され得る。
【0104】
図3Bは、特定の実施形態に係る通常の最小二乗法(OLS)および重み付け最小二乗法(WLS)アルゴリズムを使用して蛍光をスペクトル分解することからシミュレートされたスペクトル分離不確実性の例を示す。異なるベースラインノイズ重みを伴うOLSまたはWLSを使用して、32個のフルオロフォアのランダムな発現パターンのシミュレートされた分離不確実性が計算された。すべてのシミュレーションは、完全に染色されたサンプルを表すベースラインノイズで実行された。
図3Bに示すように、「WLS、正しい重み」は、真のベースラインノイズベクトルを使用したスペクトル分離不確実性を示し、一方、「WLS、誤った重み」は、サンプルソリューションがない状態でベースラインノイズベクトルを測定した場合の分離不確実性を示し、ベースラインノイズを過小評価している。特定の場合では、誤った重みを使用して計算されたスペクトル分離は、OLSアルゴリズムを使用して計算されるように、重み係数なしで計算された場合よりもさらに大きな不確実性を示す。
【0105】
特定の実施形態では、上述した1つ以上の光検出器を備える光検出システムは、粒子ソータなどの粒子分析器の一部であるか、または粒子分析器内に配置される。特定の実施形態では、主題のシステムは、フローストリーム中のサンプルによって放出された光を検出するための光検出システムの一部としてフォトダイオードおよび増幅器コンポーネントを備えるフローサイトメトリシステムである。適切なフローサイトメトリシステムには、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、Ormerod(編)、Flow Cytometry:A Practical Approach、Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeskiら(編)、Flow Cytometry Protocols、Methods in Molecular Biology No.91、Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry、第3版、Wiley-Liss(1995);Virgoら、(2012)Ann Clin Biochem.1月;49(pt1):17-28;Lindenら、Semin Throm Hemost.2004年10月;30(5):502-11;Alisonら、J Pathol、2010年12月;222(4):335-344;およびHerbigら、(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載のものが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の場合には、関心対象のフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortess(商標)X-20フローサイトメータおよびBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータおよびBD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、およびBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ等を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、主題の粒子分析器システムは、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,006,852号;第9,952,076号;第9,933,341号;第9,784,661号;第9,726,527号;第9,453,789号;第9,200,334号;第9,097,640号;第9,095,494号;第9,092,034号;第8,975,595号;第8,753,573号;第8,233,146号;第8,140,300号;第7,544,326号;第7,201,875号;第7,129,505号;第6,821,740号;第6,813,017号;第6,809,804号;第6,372,506号;第5,700,692号;第5,643,796号;第5,627,040号;第5,620,842号;第5,602,039号に記載されているようなフローサイトメトリシステムである。
【0107】
特定の実施形態では、主題のシステムは、複数の周波数シフト光ビームを生成するために無線周波数多重化励起を使用する励起モジュールを有するフローサイトメトリシステムである。特定の場合において、主題のシステムは、Dieboldら、Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載、ならびに米国特許第9,423,353号;第9,784,661号;第9,983,132号;第10,006,852号;第10,078,045号;第10,036,699号;第10,222,316号;第10,288,546号;第10,324,019号;第10,408,758号;第10,451,538号;第10,620,111号;および米国特許公開第2017/0133857号;第2017/0328826号;第2017/0350803号;第2018/0275042号;第2019/0376895号および第2019/0376894号に記載されているようなフローサイトメトリシステムであり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0108】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されているような、密閉された粒子ソーティングモジュールで粒子をソーティングするように構成された粒子ソーティングシステムであり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態において、サンプルの粒子(例えば、細胞)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月23日に出願された米国特許出願第16/725,756号に記載されているもののような、複数のソーティング決定ユニットを有するソーティング決定モジュールを使用してソーティングされる。いくつかの実施形態では、主題の粒子ソーティングシステムは、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第10,663,476号;第10,620,111号;第10,613,017号;第10,605,713号;第10,585,031号;第10,578,542号;第10,578,469号;第10,481,074号;第10,302,545号;第10,145,793号;第10,113,967号;第10,006,852号;第9,952,076号;第9,933,341号;第9,726,527号;第9,453,789号;第9,200,334号;第9,097,640号;第9,095,494号;第9,092,034号;第8,975,595号;第8,753,573号;第8,233,146号;第8,140,300号;第7,544,326号;第7,201,875号;第7,129,505号;第6,821,740号;第6,813,017号;第6,809,804号;第6,372,506号;第5,700,692号;第5,643,796号;第5,627,040号;第5,620,842号;第5,602,039号;第4,987,086号;第4,498,766号に記載されているようなフローサイトメトリシステムである。
【0109】
いくつかの実施形態では、システムは粒子分析器であり、粒子分析システム401(
図4A)を使用して、粒子を収集容器に物理的にソーティングして、またはソーティングせずに、粒子を分析および特徴付けることができる。
図4Aは、計算ベースのサンプル分析および粒子特徴付けのための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム401はフローシステムである。
図4Aに示す粒子分析システム401は、このような本明細書に記載の方法の全部または一部を実行するように構成されることができる。粒子分析システム401は、流体工学システム402を含備える。流体工学システム402は、サンプル管405と、サンプルの粒子403(例えば、細胞)が共通サンプル経路409に沿って移動するサンプル管内の移動流体カラムとを備えるか、または、それらと結合されることができる。
【0110】
粒子分析システム401は、各粒子が共通サンプル経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過する際に各粒子から信号を収集するように構成された検出システム404を備える。検出ステーション408は一般に、共通サンプル経路の監視領域407を参照する。検出は、いくつかの実装では、粒子403が監視領域407を通過するときに、粒子403の光または1つ以上の他の特性を検出することを有することができる。
図4Aには、1つの監視領域407を伴う1つの検出ステーション408が示されている。粒子分析システム401のいくつかの実装は、複数の検出ステーションを含むことができる。さらに、一部の検出ステーションは、1つ超の領域を監視することができる。
【0111】
各信号には信号値が割り当てられ、各粒子のデータポイントが形成される。前述したように、このデータはイベントデータと呼ぶことができる。データポイントは、粒子について測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントとすることができる。検出システム404は、第1の時間間隔で一連のそのようなデータポイントを収集するように構成される。
【0112】
粒子分析システム401は、また、制御システム406を備えることができる。制御システム406は、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路および/または周波数制御回路を有することができる。図示の制御システムは、流体工学システム402と動作可能に関連付けられることができる。制御システムは、ポアソン分布と、第1の時間間隔中に検出システム404によって収集されたデータポイントの数とに基づいて、第1の時間間隔の少なくとも一部について計算された信号周波数を生成するように構成されることができる。制御システム406は、第1の時間間隔の部分におけるデータポイントの数に基づいて実験信号周波数を生成するようにさらに構成されることができる。制御システム406は、さらに、実験信号周波数を計算された信号周波数または所定の信号周波数と比較することができる。
【0113】
図4Bは、本発明の例示的な実施形態に係るフローサイトメトリのためのシステム400を示す。システム400は、フローサイトメータ410、コントローラ/プロセッサ490、およびメモリ495を備える。フローサイトメータ410は、1つ以上の励起レーザ415a~415c、集束レンズ420、フローチャンバ425、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、蛍光収集レンズ440、1つ以上のビームスプリッタ445a~445g、1つ以上のバンドパスフィルタ450a~450e、1つ以上のロングパス(「LP」)フィルタ455a~455b、および1つ以上の蛍光検出器460a~460fを備える。
【0114】
励起レーザ415a~415cは、レーザビームの形で光を放出する。励起レーザ415a~415cから放出されるレーザビームの波長は、
図4Bの例示的システムでは、それぞれ488nm、633nm、および325nmである。レーザビームは最初に、ビームスプリッタ445aおよび445bのうちの1つ以上を通過するように向けられる。ビームスプリッタ445aは、488nmの光を透過し、633nmの光を反射する。ビームスプリッタ445bは、UV光(10から400nmの範囲の波長を有する光)を透過し、488nmおよび633nmの光を反射する。
【0115】
レーザビームは、集束レンズ420に向けられ、集束レンズ420は、フローチャンバ425内のサンプルの粒子が位置する流体ストリームの部分にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のためにストリームにおいて粒子を典型的には一度に1つずつ集束レーザビームに向ける流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップサイトメータのフローセルまたはストリームインエアサイトメータのノズルチップを備えることができる。
【0116】
レーザビーム(複数可)からの光は、回折、屈折、反射、散乱、および吸収によってサンプル中の粒子と相互作用し、粒子のサイズ、内部構造、粒子上または粒子内に付着または天然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて様々な異なる波長で再放出される。蛍光発光、ならびに回折光、屈折光、反射光、および散乱光は、ビームスプリッタ445a~445g、バンドパスフィルタ450a~450e、ロングパスフィルタ455a~455b、および蛍光集光レンズ440のうちの1つ以上を通って、前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、および1つ以上の蛍光検出器460a~460fのうちの1つ以上にルーティングされ得る。
【0117】
蛍光集光レンズ440は、粒子とレーザビームの相互作用から放出された光を集光し、その光を1つ以上のビームスプリッタおよびフィルタにルーティングする。バンドパスフィルタ450a~450eなどのバンドパスフィルタは、狭い範囲の波長がフィルタを通過できるようにする。例えば、バンドパスフィルタ450aは510/20フィルタである。最初の数字は、スペクトルバンドの中心を表す。2番目の数字は、スペクトルバンドの範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトルバンドの中心の両側で10nm、つまり500nmから520nmまで拡張する。ショートパスフィルタは、特定の波長以下の波長の光を透過する。ロングパスフィルタ455a~455bなどのロングパスフィルタは、指定された光の波長以上の波長の光を透過する。例えば、ロングパスフィルタ455aは、670nmロングパスフィルタであり、670nm以上の光を透過する。フィルタは、特定の蛍光色素に対する検出器の特異性を最適化するために選択されることがよくある。フィルタは、検出器に透過される光のスペクトルバンドが蛍光色素の発光ピークに近づくように構成されることができる。
【0118】
ビームスプリッタは、異なる波長の光を異なる方向に向ける。ビームスプリッタは、ショートパスおよびロングパスなどのフィルタ特性によって特徴付けることができる。例えば、ビームスプリッタ445gは620SPビームスプリッタであり、ビームスプリッタ445gが620nm以下の光の波長を透過し、620nmよりも長い光の波長を異なる方向に反射することを意味する。1つの実施形態では、ビームスプリッタ445a~445gは、ダイクロイックミラーなどの光学ミラーを備えることができる。
【0119】
前方散乱検出器430は、フローセルを通る直接ビームから軸をわずかにずらして配置され、回折光、粒子を通るまたは粒子の周りをほとんど前方方向に進行する励起光を検出するように構成される。前方散乱検出器によって検出される光の強度は、粒子の全体的なサイズに依存する。前方散乱検出器はフォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器435は、粒子の表面および内部構造からの屈折光および反射光を検出するように構成され、粒子の構造の複雑さが増すにつれて増加する傾向がある。粒子に関連する蛍光分子からの蛍光放出は、1つ以上の蛍光検出器460a~460fによって検出することができる。側方散乱検出器435および蛍光検出器は、光電子増倍管を含むことができる。前方散乱検出器430、側方散乱検出器435、および蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換することができる。このデータは、サンプルに関する情報を提供することができる。
【0120】
当業者は、本発明の実施形態に係るフローサイトメータが、
図4Bに示されるフローサイトメータに限定されないが、当技術分野で知られている任意のフローサイトメータを含むことができることを認識する。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で様々な異なる構成の任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、および検出器を有し得る。
【0121】
動作中、サイトメータの動作はコントローラ/プロセッサ490によって制御され、検出器からの測定データはメモリ495に格納されてコントローラ/プロセッサ490によって処理されることができる。明示的に示されていないが、コントローラ/プロセッサ190は検出器に結合されて、そこから出力信号を受信し、フローサイトメータ400の電気的および電気機械的構成要素にも結合されて、レーザ、流体流動パラメータなどを制御し得る。入/出力(I/O)機能497もシステム内に提供され得る。メモリ495、コントローラ/プロセッサ490、およびI/O497は、フローサイトメータ410の一体部分として完全に提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイは、また、実験データをサイトメータ400のユーザへ提示するためのI/O機能497の一部を形成し得る。あるいは、メモリ495、コントローラ/プロセッサ490、およびI/O機能の一部または全部は、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であり得る。いくつかの実施形態では、メモリ495およびコントローラ/プロセッサ490の一部または全部は、サイトメータ410と無線または有線で通信することができる。コントローラ/プロセッサ490は、メモリ495およびI/O497とともに、フローサイトメータ実験の準備および分析に関連する様々な機能を実行するように構成されることができる。
【0122】
図4Bに示すシステムは、フローセル425から各検出器へのビーム経路内のフィルタおよび/またはスプリッタの構成によって定義されるように、6つの異なる波長帯域(本明細書では所与の検出器についての「フィルタウィンドウ」と称され得る)の蛍光を検出する6つの異なる検出器を含む。フローサイトメータ実験に使用される異なる蛍光分子は、それぞれの特徴的な波長帯域で発光する。実験に使用される特定の蛍光標識およびそれらに関連する蛍光発光帯域は、検出器のフィルタウィンドウとほぼ一致するように選択され得る。しかし、より多くの検出器が提供され、より多くの標識が利用されるにつれて、フィルタウィンドウと蛍光発光スペクトルとの間の完全な対応は可能ではなくなる。一般に、特定の蛍光分子の発光スペクトルのピークは1つの特定の検出器のフィルタウィンドウ内にあり得るが、その標識の発光スペクトルの一部が、1つ以上の他の検出器のフィルタウィンドウとも重なることは事実である。これは、スピルオーバと称され得る。I/O497は、蛍光標識のパネルと複数のマーカを有する複数の細胞集団とを有するフローサイトメータ実験に関するデータを受信するように構成されることができ、各細胞集団は複数のマーカのサブセットを有する。I/O497は、1つ以上のマーカを1つ以上の細胞集団に割り当てる生物学的データ、マーカ密度データ、発光スペクトルデータ、ラベルを1つ以上のマーカに割り当てるデータ、およびサイトメータ構成データを受信するように構成されることもできる。標識スペクトル特性およびフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データも、メモリ495に格納することができる。コントローラ/プロセッサ490は、標識のマーカへの1つ以上の割り当てを評価するように構成されることができる。
【0123】
図5は、生物学的イベントを分析および表示するための分析コントローラ500などの粒子分析器制御システムの一例の機能ブロック図を示す。分析コントローラ500は、生物学的イベントのグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実装するように構成されることができる。
【0124】
粒子分析器502は、生物学的イベントデータを取得するように構成されることができる。例えば、フローサイトメータはフローサイトメトリイベントデータを生成することができる。粒子分析器502は、生物学的イベントデータを分析コントローラ500に提供するように構成されることができる。データ通信チャネルを粒子分析器502と分析コントローラ500との間に含めることができる。生物学的イベントデータは、データ通信チャネルを介して分析コントローラ500に提供されることができる。
【0125】
分析コントローラ500は、粒子分析器502から生物学的イベントデータを受信するように構成されることができる。粒子分析器502から受信した生物学的イベントデータは、フローサイトメトリイベントデータを含むことができる。分析コントローラ500は、生物学的イベントデータの第1のプロットを含むグラフィック表示をディスプレイデバイス506に提供するように構成されることができる。分析コントローラ500は、関心対象領域を、例えば第1のプロット上にオーバレイして、ディスプレイデバイス506によって示される生物学的イベントデータの集団の周りのゲートとしてレンダリングするようにさらに構成されることができる。いくつかの実施形態では、ゲートは、単一パラメータヒストグラムまたは二変量プロット上に描画された1つ以上のグラフィカル関心対象領域の論理的組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイを使用して、粒子パラメータまたは飽和検出器データを表示することができる。
【0126】
分析コントローラ500はさらに、生物学的イベントデータをゲート外の生物学的イベントデータ内の他のイベントとは別に、ゲート内のディスプレイデバイス506上に表示するように構成されることができる。例えば、分析コントローラ500は、ゲート内に含まれる生物学的イベントデータの色を、ゲート外の生物学的イベントデータの色と区別するようにレンダリングするように構成されることができる。ディスプレイデバイス506は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、またはグラフィカルインターフェースを提示するように構成された他の電子デバイスとして実装されることができる。
【0127】
分析コントローラ500は、ゲートを識別するゲート選択信号を第1の入力デバイスから受信するように構成されることができる。例えば、第1の入力デバイスは、マウス510として実施されることができる。マウス510は、ディスプレイデバイス506上に表示されるか、またはディスプレイデバイス506を介して操作されるゲートを特定する分析コントローラ500へのゲート選択信号を開始することができる(例えば、カーソルがそこに位置しているときに所望のゲート上またはその中でクリックすることにより)。いくつかの実装では、第1のデバイスは、キーボード508、またはタッチスクリーン、スタイラス、光学検出器、または音声認識システムなどの分析コントローラ500に入力信号を提供するための他の手段として実装されることができる。一部の入力デバイスには、複数の入力機能を含めることができる。このような実装では、入力機能はそれぞれ入力デバイスと見なすことができる。例えば、
図5に示すように、マウス510は、右マウスボタンおよび左マウスボタンを含むことができ、そのそれぞれがトリガーイベントを生成することができる。
【0128】
トリガーイベントは分析コントローラ500に、データが表示される方法、データのどの部分が実際にディスプレイデバイス506に表示されるかを変更させ、および/または粒子ソーティングのために関心対象の母集団の選択などのさらなる処理への入力を提供させることができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、分析コントローラ500は、ゲート選択がマウス510によって開始されたときを検出するように構成されることができる。分析コントローラ500は、ゲーティングプロセスを容易にするためにプロットの視覚化を自動的に修正するようにさらに構成されることができる。修正は、分析コントローラ500によって受信された生物学的イベントデータの特定の分布に基づくことができる。
【0130】
分析コントローラ500は、記憶デバイス504に接続されることができる。記憶デバイス504は、また、分析コントローラ500から生物学的イベントデータを受信し、記憶するように構成されることができる。記憶デバイス504は、また、分析コントローラ500からフローサイトメトリイベントデータを受信し、記憶するように構成されることができる。記憶デバイス504は、分析コントローラ500によるフローサイトメトリイベントデータなどの生物学的イベントデータの検索を可能にするようにさらに構成されることができる。
【0131】
ディスプレイデバイス506は、分析コントローラ500からディスプレイデータを受信するように構成されることができる。ディスプレイデータは、生物学的イベントデータのプロットと、プロットのセクションを概説するゲートとを備えることができる。ディスプレイデバイス506は、粒子分析器502、記憶デバイス504、キーボード508、および/またはマウス510からの入力とともに、分析コントローラ500から受信した入力に従って提示される情報を変更するようにさらに構成されることができる。
【0132】
いくつかの実装では、分析コントローラ500は、ソーティング用の例示的イベントを受信するためのユーザインターフェースを生成することができる。例えば、ユーザインターフェースは、例示的イベントまたは例示的画像を受信するためのコントロールを含むことができる。サンプルのイベントデータの収集前に、またはサンプルの一部のイベントの初期セットに基づいて、例示的イベントもしくは画像または例示的ゲートを提供することができる。
【0133】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムをさらに含み、システムは、完全自動化または部分的自動化のための1つ以上のコンピュータをさらに備える。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムがそこに格納されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを備え、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされたとき、フローストリーム中の粒子を含むサンプルを照射するための命令、照射されたフローストリームから光検出器で光を検出するための命令、検出された光からデータ信号を生成するための命令、および生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して光検出器のベースラインノイズを決定するための命令を有する。
【0134】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出された光に応答してデータ信号を生成するための命令を有する。これらの実施形態では、コンピュータプログラムは、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出された光からデータ信号を0.001μsから100μs、例えば0.005μsから95μs、例えば0.01μsから90μs、例えば0.05μsから85μs、例えば0.1μsから80μs、例えば0.5μsから75μs、例えば1μsから70μs、例えば2μsから65μs、例えば3μsから60μs、例えば4μsから55μs、および5μsから50μsの持続時間を有するサンプリング期間にわたって生成する命令を有する。特定の場合には、コンピュータプログラムは、1μsから10μsの持続時間を有するサンプリング期間にわたって、照射されたフローストリームの粒子非含有成分から検出された光からデータ信号を生成するための命令を有する。
【0135】
実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するための命令を有する。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって移動平均二乗誤差を計算するための命令を有する。特定の場合には、コンピュータプログラムは、複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定することによって生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して、複数のベースラインノイズ信号を生成することと、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計することと、合計されたベースラインノイズ信号を、所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算することとについての命令を有する。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μs、例えば0.005μsから95μs、例えば0.01μsから90μs、例えば0.05μsから85μs、例えば0.1μsから80μs、例えば0.5μsから75μs、例えば1μsから70μs、例えば2μsから65μs、例えば3μsから60μs、例えば4μsから55μs、および5μsから50μsの持続時間である。
【0136】
特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算するための命令を有する。例えば、コンピュータプログラムは、0.0001ms以上ごとに1回、例えば0.0005ms以上ごとに1回、例えば0.001ms以上ごとに1回、例えば0.005ms以上ごとに1回、例えば0.01ms以上ごとに1回、例えば0.05ms以上ごとに1回、例えば0.1ms以上ごとに1回、例えば0.5ms以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば2ms以上ごとに1回、例えば3ms以上ごとに1回、例えば4ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するための命令を有し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1秒ごとに1回、例えば2秒ごとに1回、例えば3秒ごとに1回、例えば4秒ごとに1回、例えば5秒ごとに1回、例えば10秒ごとに1回、例えば15秒ごとに1回、例えば30秒ごとに1回、および60秒ごとに1回の頻度で計算するための命令を有する。他の実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1分ごとに1回、例えば2分ごとに1回、例えば3分ごとに1回、例えば4分ごとに1回、例えば5分に1回、例えば10分ごとに1回、例えば15分ごとに1回、例えば30分ごとに1回、および60分ごとに1回の頻度で計算するための命令を有する。特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するための命令を有する。
【0137】
特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、サンプリングウィンドウにわたってベースラインノイズ信号の平均二乗誤差を連続的に計算および更新するための命令を有する。例えば、サンプリングウィンドウの持続時間は、1μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、例えば100μs以上、例えば500μs以上、例えば1ms以上、例えば10ms以上、例えば25ms以上、例えば50ms以上、例えば100ms以上、例えば500ms以上、例えば1秒以上、例えば5秒以上、例えば10秒以上、例えば25秒以上、例えば50秒以上、例えば100秒以上であり得、500秒以上のサンプリングウィンドウ持続時間にわたる場合も含まれる。これらの実施形態では、コンピュータプログラムは、例えばサンプリングウィンドウの持続時間の5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、およびサンプリングウィンドウ持続時間の99%以上など、サンプリングウィンドウ持続時間の全部または一部にわたって平均二乗誤差を計算するための命令を有し得る。特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、サンプリングウィンドウ持続時間全体(100%)にわたって平均二乗誤差を連続的に計算するための命令を有する。
【0138】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、各光検出器のベースラインノイズを現在のサンプル値と計算されたベースラインとの間の差の二乗として測定するための命令を有する。いくつかの場合には、コンピュータプログラムは、2^ベースラインウィンドウサイズクロックにわたって2^ベースラインサンプル間隔クロックごとにベースラインノイズをサンプリングするための命令を有する。コンピュータプログラムは、ベースラインノイズサンプルの合計を蓄積されたノイズサンプルの数で除算し、平均二乗ベースラインノイズ測定値を得る命令を有し得る。特定の実施形態では、この値の概算平均が各サンプルに対して使用され、例えば各サンプルに対して、以下のように本開示の実施形態に従って二乗ノイズの合計が継続的に更新される:(現在の合計)-(現在の平均)+(新しいベースラインノイズの二乗サンプル)。特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、データ取得の過程でベースラインサンプリングを周期的に更新するための命令を有し、例えば1μs以上ごとに1回、例えば10μs以上ごとに1回、例えば25μs以上ごとに1回、例えば50μs以上ごとに1回、例えば100μs以上ごとに1回、例えば500μs以上ごとに1回、例えば1ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、例えば500ms以上ごとに1回、例えば1秒以上ごとに1回、例えば5秒以上ごとに1回、例えば10秒以上ごとに1回、例えば25秒以上ごとに1回、例えば50秒以上ごとに1回、例えば100秒以上ごとに1回の頻度であり、コンピュータプログラムがベースラインサンプリングを500秒以上ごとに1回、更新するための命令を有する場合も含まれる。
【0139】
特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、サンプル中の粒子から光が検出される前の所定の時間期間における各光検出器のベースラインノイズを更新させる。例えば、いくつかの場合には、コンピュータプログラムは、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する直前に、各光検出器のベースラインノイズを更新するための命令を有する。他の場合には、コンピュータプログラムは、サンプル中の粒子から検出された光からデータ信号を生成する前の、0.0001μsから500μs、例えば0.0005μsから450μs、例えば0.001μsから400μs、例えば0.005μsから350μs、例えば0.01μsから300μs、例えば0.05μsから250μs、例えば0.1μsから200μs、例えば0.5μsから150μs、各光検出器のベースラインノイズを更新するための命令を有し、サンプル中の粒子から光が検出される前の1μsから100μs、各光検出器のベースラインノイズを更新するための命令も含まれる。
【0140】
特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、各光検出器について計算されたベースラインノイズの帯域幅を調整するための命令を有する。いくつかの場合には、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、増加させることにより帯域幅を調整する命令を有し、計算されたベースラインノイズの帯域幅を99%以上、増加させることも含まれる。例えば、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を0.0001μs以上、例えば0.0005μs以上、例えば0.001μs以上、例えば0.005μs以上、例えば0.01μs以上、例えば0.05μs以上、例えば0.1μs以上、例えば0.5μs以上、例えば1μs以上、例えば2μs以上、例えば3μs以上、例えば4μs以上、例えば5μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、増加させるための命令を有し得、計算されたベースラインノイズの帯域幅を100μs以上、増加させることも含まれる。他の場合には、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、減少させることにより帯域幅を調整する命令を有し、計算されたベースラインノイズの帯域幅を99%以上、減少させることも含まれる。例えば、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を0.0001μs以上、例えば0.0005μs以上、例えば0.001μs以上、例えば0.005μs以上、例えば0.01μs以上、例えば0.05μs以上、例えば0.1μs以上、例えば0.5μs以上、例えば1μs以上、例えば2μs以上、例えば3μs以上、例えば4μs以上、例えば5μs以上、例えば10μs以上、例えば25μs以上、例えば50μs以上、減少させるための命令を有し得、計算されたベースラインノイズの帯域幅を100μs以上、減少させることも含まれる。特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅をサンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅と一致させるための命令を有する。例えば、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅を、サンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅の50%以上、例えば60%以上、例えば70%以上、例えば80%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、例えば99%以上になるように調整するための命令を有し得、計算されたベースラインノイズの帯域幅が、サンプル中の粒子から生成されるデータ信号の帯域幅の99.9%以上になるように調整される場合も含まれる。特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、計算されたベースラインノイズの帯域幅をサンプル中の粒子から生成されたデータ信号の帯域幅に一致させる(100%)ための命令を有する。
【0141】
特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、例えば、その開示が全体として参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月23日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/068395号、2020年2月7日に出願された米国仮特許出願第62/971,840号および2020年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/010,890号に記載されているように、複数の光検出器によって検出された(例えば、各光検出器の計算されたベースラインノイズを使用して重み付けされた)光のスペクトル分解のための命令を有する。例えば、コンピュータプログラムは、1)重み付け最小二乗アルゴリズム、2)シャーマン-モリソン反復逆アップデータ、3)行列が下三角(L)行列および上三角(U)行列の積に分解されるようなLU行列分解、4)修正コレスキー分解、5)QR分解による、および6)特異値分解による重み付け最小二乗アルゴリズムの計算の1つ以上を使用してスペクトル分離行列を解くことにより、複数の光検出器によって検出された光をスペクトル分解するための命令を有し得る。
【0142】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、および出力モジュールを備える。主題のシステムは、ハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントの両方を備え得、ハードウェアコンポーネントは、1つ以上のプラットフォームの形、例えばサーバの形をとり得、それにより、機能要素、すなわち、システムの特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理等など)を実行するシステムのそれらの要素が、システムで表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上でそれにわたってソフトウェアアプリケーションを実行することによって実行され得る。
【0143】
システムは、ディスプレイおよびオペレータ入力デバイスを備え得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであり得る。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するための命令がそこに記憶されたメモリにアクセスできるプロセッサを備える。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、および入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、および多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得、またはそれは、入手可能な、または入手可能になる他のプロセッサの1つであり得る。プロセッサはオペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムはファームウェアおよびハードウェアと周知の方法でインターフェースし、プロセッサが、本技術において周知のようにJava、Perl、C++、他の高レベル言語または低レベル言語、およびそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で書かれ得る様々なコンピュータプログラムの機能をコーディネートおよび実行することを容易にする。オペレーティングシステムは典型的には、プロセッサと連携して、コンピュータの他のコンポーネントの機能をコーディネートし、実行する。オペレーティングシステムは、また、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、ならびに通信制御および関連サービスをすべて既知の技術に従って提供する。プロセッサは、任意の適切なアナログまたはデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサには、ユーザが第1および第2の光信号に基づいて光源をフローストリームに手動で位置合わせできるようにするアナログ電子機器が含まれている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば負のフィードバック制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を備える。
【0144】
システムメモリは、様々な既知のまたは将来のメモリ記憶デバイスのいずれでもあり得る。例としては、一般的に入手可能な任意のランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスクまたはテープなどの磁気媒体、読み取りおよび書き込みコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、または他のメモリ記憶デバイスが含まれる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、またはディスケットドライブを含む、様々な既知のまたは将来のデバイスのいずれでもあり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは典型的には、それぞれコンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、または磁気ディスケットなどのプログラム記憶媒体(図示せず)に対して読み書きする。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、または現在使用されている、または今後開発され得るその他のものは、コンピュータプログラム製品と見なされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は典型的には、コンピュータソフトウェアプログラムおよび/またはデータを格納する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは典型的には、システムメモリおよび/またはメモリ記憶デバイスとともに使用されるプログラム記憶デバイスに格納される。
【0145】
いくつかの実施形態では、制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)をそこに格納したコンピュータ使用可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品について説明する。制御ロジックは、コンピュータのプロセッサによって実行されるとプロセッサに、本明細書に記載の機能を実行させる。他の実施形態では、一部の機能は、例えばハードウェア状態マシンを使用して、主にハードウェアで実装される。本明細書に記載の機能を実行するためのハードウェア状態マシンの実装は、当業者には明らかである。
【0146】
メモリは、プロセッサがデータを格納および検索することができる任意の適切なデバイスであり得、例えば、磁気、光学、またはソリッドステート記憶デバイス(磁気もしくは光ディスク、またはテープ、またはRAM、または固定もしくはポータブルのいずれかの任意の他の適切なデバイスを含む)である。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から適切にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供することも、メモリに関連するそれらのデバイスのいずれかを使用して、メモリまたはなんらかの他のポータブルもしくは固定のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に事前に保存することもできる。例えば、磁気ディスクまたは光ディスクはプログラミングを担持し得、ディスク書き込み/読み取り装置によって読み取られることができる。本発明のシステムは、また、プログラミングを、例えばコンピュータプログラム製品の形での、上記の方法を実施する際に使用するアルゴリズムを含む。本発明に係るプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接、読み取られてアクセスされることができる任意の媒体に記録されることができる。このような媒体には、磁気ディスク、ハードディスク記憶媒体、および磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAMおよびROMなどの電子記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、および磁気/光学記憶媒体など、これらのカテゴリのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。
【0147】
プロセッサは、また、遠隔地にいるユーザと通信するために通信チャネルへのアクセスを有し得る。遠隔地とは、ユーザがシステムと直接、接触しておらず、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、または携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の適切な通信チャネルに接続されたコンピュータなどの外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0148】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワークおよび/または別のデバイスと通信するための受信機および/または送信機を含む。通信インターフェースは、有線または無線通信用に構成されることができ、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数識別(RFID)、Zigbee通信プロトコル、WiFi、赤外線、ワイヤレスユニバーサルシリアルバス(USB)、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、および符号分割多元接続(CDMA)またはモバイル通信用グローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むがこれらに限定されない。
【0149】
1つの実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的なデータ通信用に構成されたコンピュータ端末(例えば、医師のオフィスまたは病院環境における)などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、1つ以上の通信ポート、例えばUSBポート、RS-232ポート、または任意の他の適切な電気接続ポートなどの物理ポートまたはインターフェースを含むように構成される。
【0150】
1つの実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、または主題のシステムがコンピュータ端末および/またはネットワーク、通信可能携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、またはユーザが一緒に使用し得る任意の他の通信デバイスなどの他のデバイスと通信できるようにする任意の他の適切な無線通信プロトコル用に構成される。
【0151】
1つの実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットへ接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、またはWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0152】
1つの実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11またはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、またはIrDA赤外線プロトコルなどの共通規格を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線通信するように構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、またはノートブックコンピュータなどの別の携帯デバイス、またはデスクトップコンピュータ、アプライアンス等のより大きなデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、ならびにボタン、キーボード、マウスまたはタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0153】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、通信プロトコルおよび/または上述した機構のうちの1つ以上を使用して、主題のシステムに、例えば任意選択的データ記憶ユニットに記憶されたデータを、ネットワークまたはサーバデバイスと自動的または半自動的に通信するように構成される。
【0154】
出力コントローラは、人間であれ機械であれ、ローカルであれリモートであれ、ユーザに情報を提示するための様々な既知のディスプレイデバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。ディスプレイデバイスの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は典型的には、画素のアレイとして論理的および/または物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間のグラフィカル入出力インターフェースを提供し、ユーザ入力を処理するための既知または将来の様々なソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワークまたは他のタイプの遠隔通信を使用する代替実施形態で達成され得る。出力マネージャは、また、処理モジュールによって生成された情報を、既知の技法に従って、例えばインターネット、電話、または衛星ネットワークを介して遠隔地にいるユーザに提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技法に従って実装され得る。いくつかの例として、データには、SQL、HTMLまたはXMLドキュメント、電子メールまたは他のファイル、または他の形式のデータが含まれ得る。ユーザが追加のSQL、HTML、XML、または他のドキュメントもしくはデータをリモートソースから取得し得るように、データにはインターネットURLアドレスが含まれ得る。主題のシステムに存在する1つ以上のプラットフォームは、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォームまたは将来に開発されるタイプであり得るが、それらは典型的には、一般にサーバと呼ばれるコンピュータのクラスになる。しかし、それらは、また、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、または他のコンピュータタイプでもあり得る。それらは、ネットワーク化されているか否かに関係なく、任意の既知または将来のタイプのケーブルまたはワイヤレスシステムを含む他の通信システムを介して接続され得る。それらは同じ場所にあり得、またはそれらは物理的に分離され得る。おそらくは選択されたコンピュータプラットフォームのタイプおよび/または製造者に応じて、任意のコンピュータプラットフォーム上で様々なオペレーティングシステムを採用し得る。適切なオペレーティングシステムには、Windows NT(登録商標)、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Sun Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unixおよび他のものが含まれる。
【0155】
図6は、特定の実施形態に係る例示的なコンピューティングデバイス600の一般的なアーキテクチャを示す。
図6に示されるコンピューティングデバイス600の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントの構成を含む。コンピューティングデバイス600は、
図6に示されるものよりも多くの(または少ない)要素を備え得る。しかし、実施可能な開示を提供するために、これらの一般的に従来の要素のすべてが示される必要はない。図示のように、コンピューティングデバイス600は、処理ユニット610、ネットワークインターフェース620、コンピュータ可読媒体ドライブ630、入力/出力デバイスインターフェース640、ディスプレイ650、および入力デバイス660を備え、これらのすべてが通信バス経由で互いに通信し得る。ネットワークインターフェース620は、1つ以上のネットワークまたはコンピューティングシステムへの接続を提供し得る。処理ユニット610は、ネットワークを介して他のコンピューティングシステムまたはサービスから情報および命令を受信し得る。処理ユニット610は、また、メモリ670との間で通信し、入力/出力デバイスインターフェース640を介して任意選択的ディスプレイ650に出力情報をさらに提供し得る。入力/出力デバイスインターフェース640は、また、キーボード、マウス、デジタルペン、マイク、タッチスクリーン、ジェスチャ認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、または他の入力デバイスなどの、任意選択的入力デバイス660からの入力を受け付け得る。
【0156】
メモリ670は、1つ以上の実施形態を実装するために処理ユニット610が実行するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態ではモジュールまたはコンポーネントとしてグループ化される)を有し得る。メモリ670は一般に、RAM、ROM、および/または他の永続的、補助的、または非一時的コンピュータ可読媒体を含む。メモリ670は、コンピューティングデバイス600の一般的管理および動作において処理ユニット610によって使用されるコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム672を格納し得る。メモリ670は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令および他の情報をさらに有し得る。
【0157】
光検出システムの光検出器のベースラインノイズを測定するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体
本開示の態様は、主題の方法を実施するための命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体をさらに備える。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法を実施するためのシステムの完全な自動化または部分的な自動化のために、1つ以上のコンピュータで採用され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法による命令は、「プログラミング」の形式でコンピュータ可読媒体上にコーディングされることができ、本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行および処理のために命令およびデータをコンピュータに提供することに関与する任意の非一時的記憶媒体を指す。適切な非一時的記憶媒体の例には、そのようなデバイスがコンピュータの内部にあるか外部にあるかに関わらず、磁気ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、ソリッドステートディスク、およびネットワーク接続ストレージ(NAS)が含まれる。情報を含むファイルは、コンピュータ可読媒体に「格納」されることができ、「格納」とは、コンピュータが後日にそれにアクセスおよび取得できるように情報を記録することを意味する。本明細書に記載のコンピュータ実装方法は、任意の数のコンピュータプログラミング言語のうちの1つ以上で記述できるプログラミングを使用して実行されることができる。このような言語には、例えば、Java(Sun Microsystems,Inc.、Santa Clara、CA)、Visual Basic(Microsoft Corp.、Redmond、WA)、およびC++(AT&T Corp.、Bedminster、NJ)およびその他の多くのものが含まれる。
【0158】
いくつかの実施形態では、関心対象のコンピュータ可読記憶媒体は、そこに記憶されたコンピュータプログラムを備え、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされたときに、フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを有する命令を有する。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを有する。特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、複数のベースラインノイズ信号を生成するために、所定のサンプリング期間にわたって複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定するためのアルゴリズムと、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計して合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算するためのアルゴリズムとを有する。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間である。他の場合には、所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間である。
【0159】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算するためのアルゴリズムを有する。いくつかの場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含む。例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含み得る。他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含む。さらに他の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを含む。特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するためのアルゴリズムを含む。
【0160】
特定の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出器でサンプル中の遊離フルオロフォアからの光を光検出器で検出するためのアルゴリズム、検出された光からデータ信号を生成するためのアルゴリズム、およびサンプル中の遊離フルオロフォアから発せられる光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを含む。いくつかの場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解するためのアルゴリズムを有する。特定の場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによって、各タイプのフルオロフォアからの光を分解するためのアルゴリズムを有する。特定の場合には、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用することによってスペクトル分離行列を計算するためのアルゴリズムを有する。いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号を重み付けするためのアルゴリズムを有する。
【0161】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、ディスプレイおよびオペレータ入力デバイスを有する1つ以上のコンピュータシステムで採用され得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであり得る。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するための命令がそこに記憶されたメモリへのアクセスを有するプロセッサを備える。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、および入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、および多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得、またはそれは、入手可能な、または入手可能になる他のプロセッサの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェアおよびハードウェアとインターフェースし、当技術分野で周知のJava、Perl、C++、他の高水準言語または低水準言語、ならびにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能をプロセッサがコーディネートおよび実行することを容易にする。オペレーティングシステムは典型的には、プロセッサと連携して、コンピュータの他のコンポーネントの機能をコーディネートし、実行する。オペレーティングシステムは、また、スケジューリング、入出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、ならびに通信制御および関連サービスをすべて既知の技術に従って提供する。
【0162】
集積回路デバイス
本開示の態様は、また、フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた集積回路デバイスを含む。いくつかの実施形態では、関心対象の集積回路デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を備える。他の実施形態では、集積回路デバイスは、特定用途向け集積回路(ASIC)を備える。さらに他の実施形態では、集積回路デバイスは、コンプレックスプログラマブル論理デバイス(CPLD)を備える。
【0163】
いくつかの実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路は、複数のベースラインノイズ信号を生成するために所定のサンプリング期間にわたって複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定し、サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計し、合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算するようにプログラムされる。いくつかの場合には、所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間である。他の場合には、所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間である。
【0164】
いくつかの実施形態では、本開示の集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算するようにプログラムされる。いくつかの場合には、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされる。例えば、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を、1ms以上ごとに1回、例えば5ms以上ごとに1回、例えば10ms以上ごとに1回、例えば25ms以上ごとに1回、例えば50ms以上ごとに1回、例えば100ms以上ごとに1回、および500ms以上ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされ得る。他の実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされる。さらに他の実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算するようにプログラムされる。特定の実施形態では、集積回路は、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するようにプログラムされる。
【0165】
特定の実施形態では、集積回路は、光検出器でサンプル中の遊離フルオロフォアからの光を光検出器で検出し、検出された光からデータ信号を生成し、サンプル中の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされる。いくつかの場合には、集積回路は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアからの光をスペクトル分解するようにプログラムされる。特定の場合には、集積回路は、サンプル中の各タイプのフルオロフォアの蛍光スペクトルについてスペクトル分離行列を計算することによって、各タイプのフルオロフォアからの光を分解するようにプログラムされる。特定の場合には、集積回路は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用してスペクトル分離行列を計算するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、集積回路は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、サンプル中の遊離フルオロフォアからの光から生成されたデータ信号を重み付けするようにプログラムされる。
【0166】
キット
本開示の態様は、キットをさらに含み、キットは、本明細書に記載の光検出システムの構成要素のうちの1つ以上を備える。いくつかの実施形態では、キットは、コンピュータ可読媒体(例えば、フラッシュドライブ、USBストレージ、コンパクトディスク、DVD、ブルーレイディスクなど)またはインターネットウェブプロトコルもしくはクラウドサーバからプログラミングをダウンロードするための命令の形態でなど、主題のシステムのための光検出器およびプログラミングを備える。いくつかの実施形態では、キットは、関数生成器または関数生成器集積回路などのトリガー信号生成器を備える。キットには、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長分離器、ピンホール、スリット、コリメートプロトコル、およびそれらの組み合わせなどの光学調整コンポーネントも含まれ得る。
【0167】
キットは、主題の方法を実践するための説明書をさらに備え得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキットに存在し得、そのうちの1つ以上がキットに存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、適切な媒体または基材、例えば情報が印刷された一枚または複数枚の紙、キットの包装、添付文書などに印刷された情報としてのものである。これらの説明書のさらに別の形態は、コンピュータ可読媒体、例えば、情報が記録されたディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得るこれらの説明書のさらに別の形式は、移動先のサイトで情報にアクセスするためにインターネット経由で使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0168】
効用
主題の方法、システム、およびコンピュータシステムは、粒子分析器においてなど、光検出器を較正または最適化することが望ましい様々な用途での使用が見出される。主題の方法およびシステムは、生物学的サンプルなどの流体媒体中のサンプル中の粒子成分を分析およびソーティングするために使用される光検出器にも使用が見出される。本開示は、また、フローサイトメトリにおいても使用が見出され、フローサイトメータに細胞ソーティング精度の向上、粒子収集の強化、エネルギー消費の低減、粒子荷電効率の向上、より正確な粒子荷電、および細胞ソーティング中の粒子偏向の向上を提供することが望ましい。実施形態では、本開示は、フローサイトメータによるサンプル分析中のユーザ入力または手動調整の必要性を低減する。特定の実施形態では、主題の方法およびシステムは、完全に自動化されたプロトコルを提供し、それにより、使用中のフローサイトメータへの調整を、人間による入力があったとしてもほとんど必要としない。
【0169】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本明細書に記載される開示は、以下の付記によっても定義される。
1.粒子分析器における光検出器のベースラインノイズを決定する方法であって、
粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射することと、
照射されたフローストリームから光検出器で光を検出することと、
検出された光からデータ信号を生成することと、
生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して、光検出器のベースラインノイズを決定することと
を有する、方法。
2.照射されたフローストリームの粒子非含有成分からの光を検出することを有する、付記1に記載の方法。
3.粒子間のフローストリームから発せられる光を検出することを有する、付記2に記載の方法。
4.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との二乗差を測定することを有する、付記1~3のいずれか一つに記載の方法。
5.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することは、
複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定して、複数のベースラインノイズ信号を生成することと、
サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計することと、
合計されたベースラインノイズ信号を、所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算することと
を有する、付記4に記載の方法。
【0170】
6.所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間を有する、付記5に記載の方法。
7.所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間を有する、付記5に記載の方法。
8.所定の時間間隔で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することを有する、付記1~7のいずれか一つに記載の方法。
9.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が、1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算される、付記8に記載の方法。
10.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が、1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算される、付記8に記載の方法。
【0171】
11.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が、1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算される、付記8に記載の方法。
12.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算することを有する、付記1~7のいずれか一つに記載の方法。
13.サンプルが、重なる蛍光スペクトルを有する複数のフルオロフォアを備える、付記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.サンプルの粒子がフルオロフォアと機能的に関連している、付記13に記載の方法。
15.フローストリームが、サンプルの粒子と機能的に関連していない1つ以上の遊離フルオロフォアを備える、付記13または14に記載の方法。
【0172】
16.光検出器でサンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアからの光を検出することと、
検出された光からデータ信号を生成することと、
サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアから発せられる光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算することと
を有する、付記15に記載の方法。
17.サンプル中の各フルオロフォアの蛍光スペクトルについてスペクトル分離行列を計算することによって、サンプル中の各フルオロフォアからの光をスペクトル分解することをさらに有する、付記13~16のいずれか一つに記載の方法。
18.スペクトル分離行列は、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用して計算される、付記17に記載の方法。
19.光検出器から生成されたデータ信号は、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて重み付けされる、付記18に記載の方法。
20.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が、集積回路上で計算される、付記1~19のいずれか一つに記載の方法。
21.集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイである、付記20に記載の方法。
【0173】
22.粒子を含むサンプルをフローストリーム内で照射するように構成された光源と、
照射されたフローストリームからの光を検出するための光検出器を有する光検出システムと、
動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサと
を備えており、
メモリはそこに記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、
検出された光からデータ信号を生成させ、
生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算して、光検出器のベースラインノイズを決定させる、
システム。
23.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる、付記22に記載のシステム。
24.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、
複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定して、複数のベースラインノイズ信号を生成させ、
サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計させ、
合計されたベースラインノイズ信号を、所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算させる、
付記23に記載のシステム。
25.所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間を有する、付記23に記載のシステム。
26.所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間を有する、付記25に記載のシステム。
【0174】
27.メモリは、そこに記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を所定の時間間隔で計算させる、付記22~26のいずれか一つに記載のシステム。
28.メモリは、そこに記憶された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算させる、付記27に記載のシステム。
29.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算させる、付記27に記載のシステム。
30.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算させる、付記27に記載のシステム。
31.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算させる、付記22~30のいずれか一つに記載のシステム。
【0175】
32.サンプルが、重なる蛍光スペクトルを有する複数のフルオロフォアを備える、付記22~31のいずれか一つに記載のシステム。
33.サンプルの粒子がフルオロフォアと機能的に関連している、付記32に記載のシステム。
34.フローストリームが、サンプルの粒子と機能的に関連していない1つ以上の遊離フルオロフォアを備える、付記32または33に記載のシステム。
35.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、
サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアからの光を光検出器で検出させ、
検出された光からデータ信号を生成させ、
サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算させる、
付記34に記載のシステム。
36.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、サンプル中の各フルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによって、サンプル中の各フルオロフォアからの光をスぺクトル分解させる、付記32~35のいずれか一つに記載のシステム。
【0176】
37.メモリは、そこに格納された命令を有し、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、重み付け最小二乗アルゴリズムを使用してスペクトル分離行列を計算させる、付記36に記載のシステム。
38.メモリは、そこに格納された命令を備え、命令は、プロセッサによって実行されるとプロセッサに、光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、光検出器から生成されたデータ信号に重み付けさせる、付記37に記載のシステム。
39.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差が集積回路上で計算される、付記22~38のいずれか一つに記載のシステム。
40.集積回路はフィールドプログラマブルゲートアレイである、付記39に記載のシステム。
41.光源がレーザを備える、付記22~40のいずれか一つに記載のシステム。
【0177】
42.光源が複数のレーザを備える、付記41に記載のシステム。
43.光検出器がフォトダイオードを備える、付記22~42のいずれか一つに記載のシステム。
44.光検出器が光電子増倍管を備える、付記22~43のいずれか一つに記載のシステム。
45.システムが粒子分析器である、付記22~44のいずれか一つに記載のシステム。
46.粒子分析器がフローサイトメータの一部である、付記45に記載のシステム。
【0178】
47.粒子分析器の光検出システムにおける光検出器のベースラインノイズを決定するようにプログラムされた集積回路であって、
フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、集積回路。
48.生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって、生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、付記47に記載の集積回路。
49.複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定して、複数のベースラインノイズ信号を生成し、
サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計し、
合計されたベースラインノイズ信号を、所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算する
ようにプログラムされた、付記48に記載の集積回路。
50.所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間を有する、付記49に記載の集積回路。
51.所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間を有する、付記50に記載の集積回路。
【0179】
52.所定の時間間隔で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、付記47~51のいずれか一つに記載の集積回路。
53.1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、付記52に記載の集積回路。
54.1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、付記52に記載の集積回路。
55.1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するようにプログラムされた、付記52に記載の集積回路。
56.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するようにプログラムされた、付記49~55のいずれか一つに記載の集積回路。
【0180】
57.サンプルが、重なる蛍光スペクトルを有する複数のフルオロフォアを備える、付記49~56のいずれか一つに記載の集積回路。
58.サンプルの粒子がフルオロフォアと機能的に関連している、付記57に記載の集積回路。
59.フローストリームが、サンプルの粒子と機能的に関連していない1つ以上の遊離フルオロフォアを備える、付記57または58に記載の集積回路。
60.サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアからの光を光検出器で検出し、
検出された光からデータ信号を生成し、
サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアから発せられた光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算する
ようにプログラムされた、付記59に記載の集積回路。
61.サンプル中の各フルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによって、サンプル中の各フルオロフォアからの光をスペクトル分解するようにプログラムされた、付記57~60のいずれか一つに記載の集積回路。
【0181】
62.重み付け最小二乗アルゴリズムを使用してスペクトル分離行列を計算するようにプログラムされた、付記61に記載の集積回路。
63.光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、光検出器からの生成されたデータ信号を重み付けするようにプログラムされた、付記62に記載の集積回路。
64.集積回路は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)である、付記47~63のいずれか一つに記載の集積回路。
65.集積回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である、付記47~63のいずれか一つに記載の集積回路。
66.集積回路は、コンプレックスプログラマブル論理デバイス(CPLD)である、付記47~63のいずれか一つに記載の集積回路。
【0182】
67.粒子分析器の光検出システムにおける光検出器のベースラインノイズを決定するための命令をそこに格納した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
命令は、フローストリーム中のサンプルの照射粒子から検出された光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを有する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
68.生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を測定することによって生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを有する、付記67に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
69.複数の生成されたデータ信号と計算されたベースラインデータ信号との間の二乗差を所定のサンプリング期間にわたって測定して、複数のベースラインノイズ信号を生成するためのアルゴリズムと、
サンプリング期間にわたってベースラインノイズ信号を合計するためのアルゴリズムと、
合計されたベースラインノイズ信号を所定のサンプリング期間にわたって生成されたベースラインノイズ信号の数で除算するためのアルゴリズムと
を有する、付記68に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
70.所定のサンプリング期間は、0.001μsから100μsの持続時間を有する、付記69に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
71.所定のサンプリング期間は、1μsから10μsの持続時間を有する、付記70に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0183】
72.所定の時間間隔で生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムを有する、付記67~71のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
73.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1ミリ秒ごとに1回から1000ミリ秒ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを有する、付記72に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
74.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1秒ごとに1回から60秒ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを有する、付記72に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
75.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を1分ごとに1回から60分ごとに1回の頻度で計算するためのアルゴリズムを有する、付記72に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
76.生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を連続的に計算するためのアルゴリズムを有する、付記69~75のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0184】
77.サンプルが、重なる蛍光スペクトルを有する複数のフルオロフォアを備える、付記69~76のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
78.サンプルの粒子がフルオロフォアと機能的に関連している、付記77に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
79.フローストリームが、サンプルの粒子と機能的に関連していない1つ以上の遊離フルオロフォアを備える、付記77または78に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
80.光検出器で、サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアからの光を検出するためのアルゴリズムと、
検出された光からデータ信号を生成するためのアルゴリズムと、
サンプル中の1つ以上の遊離フルオロフォアから発せられる光から生成されたデータ信号の移動平均二乗誤差を計算するためのアルゴリズムと
を有する、付記79に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
81.サンプル中の各フルオロフォアの蛍光スペクトルについてのスペクトル分離行列を計算することによってサンプル中の各フルオロフォアからの光をスペクトル分解するためのアルゴリズムを有する、付記77~80のいずれか一つに記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0185】
82.重み付け最小二乗アルゴリズムを使用してスペクトル分離行列を計算するためのアルゴリズムを有する、付記81に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
83.光検出器の決定されたベースラインノイズに基づいて、光検出器から生成されたデータ信号を重み付けするためのアルゴリズムを有する、付記82に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0186】
前述した発明は、理解を明確にするために例示および例としていくらか詳細に説明されてきたが、この発明の教示に照らして当業者には、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、特定の変更および修正をそれに行い得ることが容易に明らかである。
【0187】
したがって、上記は単に本発明の原理を説明するものである。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具体化し、その精神および範囲内に含まれるさまざまな構成を考案することができることが理解される。さらに、本明細書に記載されたすべての例および条件付き言語は、主に、本発明の原理および本発明者が技術を促進するために寄与する概念を読者が理解することを支援することを意図しており、そのような具体的に列挙された例および条件に限定されるものではないと解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態を本明細書にて記載するすべての記載、ならびにそれらの具体例は、それらの構造的および機能的均等物の両方を包含することを意図している。さらに、そのような均等物には、現在知られている均等物および将来開発される均等物、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実行する任意の開発要素が含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものはすべて、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に献上することは意図されていない。
【0188】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。特許請求の範囲では、35U.S.C.§112(f)または35U.S.C.§112(6)は、請求項にて「ための手段」という正確な句または「ためのステップ」という正確な句がそのような制限の冒頭に記載されている場合にのみ、請求項の制限について適用されると明示的に定義されており、そのような正確な句が請求項における制限で使用されていない場合、35U.S.C.§112(f)または35U.S.C.§112(6)は適用されない。
関連出願への相互参照
【0189】
35U.S.C.§119(e)に従い、この出願は、2020年9月22日に出願された米国仮特許出願第63/081,660号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示はその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】