(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】手術台のパワーアシストモビリティ
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20231016BHJP
A61G 13/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A61B34/30
A61G13/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519670
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 IB2021058606
(87)【国際公開番号】W WO2022069999
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】カルバー・ブライアン・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】コビントン・トラヴィス・シー
(72)【発明者】
【氏名】ヒル・アレン・カルダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェールマン・スヴェン
【テーマコード(参考)】
4C130
4C341
【Fターム(参考)】
4C130AA02
4C130AA04
4C130AA07
4C130AA13
4C130AA17
4C130AA22
4C130AA32
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4C130AB01
4C130AC03
4C130AC07
4C130AC11
4C130AD08
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4C130BA02
4C130BA06
4C130DA06
4C341MM04
4C341MP01
4C341MQ02
(57)【要約】
ある特定の態様は、剛性基台と、物理環境において剛性基台を支え、移動させるように、剛性基台の第1の側に結合された1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を含む移動式医療プラットフォームのためのシステム及び技法に関する。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、車輪と、車輪をステアリングするように構成された第1のモータと、車輪を転がすように構成された第2のモータと、を含む。車輪は、第1の軸及び第1の軸とは異なる第2の軸それぞれを中心として回転するように構成されている。第1のモータは、第1の軸及び第2の軸のうちのそれぞれの軸を中心として位置付けられ、第1の軸は、第2の軸と位置合わせされ、車輪の無視できるキャスタ角がもたらされる。移動式医療プラットフォームを操作する方法も開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
物理環境において前記剛性基台を支え、移動させるように前記剛性基台の第1の側に結合されている1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
車輪と、
前記車輪をステアリングするように構成されている第1のモータと、
前記車輪を転がすように構成されている第2のモータと、を含む、移動式医療プラットフォーム。
【請求項2】
前記第1のモータが、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記車輪をステアリングするように構成され、
前記第2のモータが、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として前記車輪を転がすように構成されている、請求項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項3】
前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、請求項2に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項4】
前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に備える、請求項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項5】
前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に備える、請求項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項6】
前記それぞれの車輪組立体が、
第1のバネと、
前記第1のバネより下に位置する第2のバネと、を更に備え、前記第2のバネが、前記車輪より上に位置し、前記第1のバネのバネ定数が、前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、請求項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項7】
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記第1のモータ又は前記第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記車輪を移動させる、メモリと、を更に備える、請求項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項8】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、請求項7に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項9】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、請求項8に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項10】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、請求項8に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項11】
前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには、第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、請求項10に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項12】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、請求項7に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項13】
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することには、
前記それぞれの車輪組立体の前記車輪を同時にステアリングし、転がすように、前記それぞれの車輪組立体の前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御することが含まれる、請求項12に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項14】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、請求項7に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項15】
前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、請求項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項16】
剛性基台と、
前記剛性基台の第1の側に結合され、前記剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
第1の軸及び第2の軸を中心としてそれぞれ回転するように構成されている車輪であって、前記第2の軸が、前記第1の軸とは異なる、車輪と、
前記第1の軸及び前記第2の軸のうちのそれぞれの軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、を含み、前記第1の軸が前記第2の軸と位置合わせされていることにより、前記車輪の無視できるキャスタ角がもたらされている、移動式医療プラットフォーム。
【請求項17】
前記第1のモータが、前記第1の軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられ、
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記第2の軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられた第2のモータを更に備え、
前記第2の軸が、前記剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である、請求項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項18】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネを更に備える、請求項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項19】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネを更に備える、請求項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項20】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、
第1のバネと、
前記第1のバネよりも下に位置する第2のバネと、を更に備え、前記第1のバネのバネ定数が前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、請求項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項21】
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記第1のモータに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記車輪を移動させる命令を記憶するメモリと、を更に備える、請求項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項22】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成に回転させるように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、請求項21に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項23】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、請求項22に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項24】
前記それぞれの車輪組立体が第2のモータを更に含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザに対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、請求項21に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項25】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、請求項21に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項26】
前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、請求項25に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項27】
前記それぞれの車輪組立体が第2のモータを更に含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記第1の軸と前記第2の軸とを中心として前記それぞれの車輪組立体の前記車輪を同時に回転させるように、前記それぞれの車輪組立体の前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御させる、請求項21に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項28】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、請求項21に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項29】
前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、請求項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項30】
移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
前記剛性基台の第1の側に結合され、前記移動式医療プラットフォームの移動中に前記剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
車輪と、
前記車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、
前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネと、
前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネと、を含む、移動式医療プラットフォーム。
【請求項31】
前記第2のバネが前記第1のバネより下に位置し、
前記第2のバネが前記車輪より上に位置し、
前記第1のバネのバネ定数が前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、請求項30に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項32】
前記第1のモータが、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられ、
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として前記車輪を転がすように位置付けられた第2のモータを更に含む、請求項30に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項33】
前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、請求項32に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項34】
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記第1のモータ又は前記第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記車輪を移動させる、メモリと、を更に備える、請求項32に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項35】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、請求項34に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項36】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度で配置されていることを含む、請求項35に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項37】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、請求項35に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項38】
前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには、第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、請求項37に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項39】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御させる、請求項34に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項40】
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することには、前記それぞれの車輪組立体の前記車輪を同時にステアリングし、転がすように、前記それぞれの車輪組立体の前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御することが含まれる、請求項39に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項41】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、請求項34に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項42】
前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、請求項30に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項43】
剛性基台と、
前記剛性基台に結合され、前記剛性基台を支える少なくとも4つの車輪組立体であって、前記少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
それぞれの車輪、及び
前記それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられたそれぞれの第1のモータを含む、少なくとも4つの車輪組立体と、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が第1の時間に共通方向に位置合わせされ、
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が、前記第1の時間とは異なる第2の時間に事前設定制動構成に配置され、前記剛性基台が動かなくなるように、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪のステアリングをもたらす、メモリと、を備える、移動式医療プラットフォーム。
【請求項44】
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が、前記事前設定制動構成にある間に、共有点に向けられる、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項45】
前記共有点が、前記少なくとも4つの車輪組立体の重心である、請求項44に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項46】
前記それぞれの第1のモータが、前記剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられ、
前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として前記それぞれの車輪を転がすように位置付けられたそれぞれの第2のモータを更に含む、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項47】
前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、請求項46に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項48】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記それぞれの第1のモータ又は前記それぞれの第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記それぞれの車輪を移動させる、請求項46に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項49】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスから1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御させる、請求項46に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項50】
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することには、前記それぞれの車輪組立体の前記それぞれの車輪を同時にステアリングし、転がすように、前記それぞれの車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することが含まれる、請求項49に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項51】
前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に備える、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項52】
前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に備える、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項53】
前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、
それぞれの第1のバネと、
前記それぞれの第1のバネより下に位置するそれぞれの第2のバネと、を更に備え、前記それぞれの第2のバネが、前記それぞれの車輪より上に位置し、前記それぞれの第1のバネのバネ定数が前記それぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項54】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を前記事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項55】
前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項56】
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項57】
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が共通方向に位置合わせされ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従って、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が、事前設定制動構成に配置される、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項58】
前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、請求項57に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項59】
前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、請求項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【請求項60】
方法であって、
請求項1に記載の移動式医療プラットフォームにおいて、
前記移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力を受信することと、
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の少なくとも1つの車輪を移動させることであって、
前記車輪を前記ユーザ入力に対応するそれぞれの方向に配向するように、前記第1のモータを作動させること、及び
前記車輪を転がすように、前記第2のモータを作動させること、のうちのいずれかを含む、移動させることと、を含む、方法。
【請求項61】
前記車輪が前記それぞれの方向に配向された後に前記第2のモータが作動し、前記車輪の配向が前記それぞれの方向に維持されている間に前記車輪が前記第2のモータによって転がされる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第1のモータと前記第2のモータとが同時に作動する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記車輪をそれぞれの方向に配向するように前記第1のモータを作動させることには、前記第1のモータによって、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記車輪をステアリングすることが含まれ、
前記車輪を転がすように前記第2のモータを作動させることには、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として転がるように、前記第2のモータによって前記車輪に動力供給することが含まれる、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記車輪組立体が、前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に備える、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記車輪組立体が、前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に備える、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記車輪組立体が、第1のバネ及び第2のバネを更に備え、
前記第2のバネが、前記車輪より上かつ前記第1のバネより下に位置し、
前記第1のバネのバネ定数が前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記方法が、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることと、を更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることには、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の軸が異なる角度で配置されるように、前記それぞれの第1のモータによって、前記4つの車輪組立体の前記隣り合う車輪の軸を中心として前記それぞれの車輪を回転させることが含まれる、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記移動式医療プラットフォームを移動させるための前記ユーザ入力が、1つ又は2つ以上の入力デバイスから受信される、請求項60に記載の方法。
【請求項72】
前記剛性基台の要求された移動を実現するように2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させることを更に含み、前記剛性基台の前記要求された移動が前記ユーザ入力に対応する、請求項60に記載の方法。
【請求項73】
前記移動式医療プラットフォームが、前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含み、前記ロボット手術システムが、テーブルトップ及び1つ又は2つ以上のロボットアームを含み、前記方法が、前記1つ又は2つ以上のロボットアームを前記テーブルトップに対して移動させることを更に含む、請求項60に記載の方法。
【請求項74】
方法であって、
請求項1に記載の移動式医療プラットフォームを利用することを含み、前記移動式医療プラットフォームが、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記少なくとも2つの車輪組立体が、
1つ又は2つ以上の入力デバイスから、前記移動式医療プラットフォームを移動させるための入力を受信し、
前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御するための1つ又は2つ以上の制御命令を生成するためものであり、前記生成することには、
前記入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、
前記入力が前記第1の基準とは異なる第2の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、が含まれる、方法。
【請求項75】
前記入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記それぞれの第1のモータを作動させることと、
前記それぞれの車輪を転がすように、それぞれの第2のモータを作動させることと、が更に含まれ、前記第1のモータと前記第2のモータとが同時に作動する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記それぞれの第1のモータを作動させることと、
前記それぞれの車輪が前記それぞれの方向に維持された後、かつ前記それぞれの車輪の配向が前記それぞれの方向に維持されている間に、前記それぞれの車輪を転がすように、前記それぞれの第2のモータを作動させることと、が更に含まれる、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように前記それぞれの第1のモータを作動させることには、前記それぞれの第1のモータによって、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角であるそれぞれの第1の軸を中心として前記それぞれの車輪をステアリングすることが含まれ、
前記それぞれの車輪を転がすように前記それぞれの第2のモータを作動させることには、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行であるそれぞれの第2の軸を中心として転がるように、前記それぞれの第2のモータによって前記車輪に動力供給することが含まれる、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪のそれぞれの第1の軸及びそれぞれの第2の軸が、前記それぞれの第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも4つの車輪組立体を含み、
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を前記事前設定制動構成にするように前記少なくとも4つの車輪組立体をトリガすることには、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の前記第2の軸が異なる角度に配置されるように、前記それぞれの第1のモータによって、前記4つの車輪組立体の前記隣り合う車輪の第1の軸を中心として前記それぞれの車輪を回転させることが含まれる、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に備える、請求項74に記載の方法。
【請求項81】
前記少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に備える、請求項74に記載の方法。
【請求項82】
前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、それぞれの第1のバネ及びそれぞれの第2のバネを更に備え、
前記それぞれの第2のバネが前記それぞれの車輪より上かつ前記それぞれの第1のバネより下に位置し、
前記それぞれの第1のバネのバネ定数が前記それぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい、請求項74に記載の方法。
【請求項83】
前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項84】
前記剛性基台の要求された移動を実現するように前記少なくとも2つの車輪組立体の動作を連携させることを更に含み、前記剛性基台の前記要求された移動が前記入力に対応する、請求項74に記載の方法。
【請求項85】
前記移動式医療プラットフォームが、前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含み、前記ロボット手術システムが、テーブルトップ及び1つ又は2つ以上のロボットアームを含み、前記方法が、前記テーブルトップに対して前記1つ又は2つ以上のロボットアームを移動させることを更に含む、請求項74に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書において開示するシステム及び方法は、パワーアシスト機構を対象とし、より具体的には、医療プラットフォームを移動させるためのパワーアシスト機構を対象とするものである。
【背景技術】
【0002】
手術台又は病院ベッドなどの医療プラットフォームは、医療処置中に患者を支えるのに使用することができる。このような医療プラットフォームは、病院内を時々移動して、最適な病院運用及び院内物流を促進するのに必要である。従来、このような医療プラットフォームは、手で移動させていた。
【0003】
しかし、他のデバイスを載せた医療プラットフォームは、従来のベッドよりも重く、このような医療プラットフォームを移動させることが、厄介である場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
医療プラットフォームを移動させるためのパワーアシスト機構が求められている。本明細書では、手術支援ロボットシステム又は医療ロボットシステム向けのパワーアシスト移動式医療プラットフォームを開示する。このような医療プラットフォームにより、様々な医療環境への移動がしやすくなり、手術台又は病院ベッドとして働くなど、多くの必要が満たされる。また、パワーアシストモビリティを備える医療プラットフォームにより、移動時又は配置の際に医療プラットフォームの正確な移動が可能になる。例えば、パワーアシストモビリティを備える医療プラットフォームは、手で動かすことを必要とする従来の病院ベッドが簡単には進むことができない狭い角を回避することができる。別の例では、パワーアシストモビリティを備える医療プラットフォームは、手術室における最適な位置など、正にその場所に正確に位置付けることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台と、物理環境において剛性基台を支え、移動させるように剛性基台の第1の側に結合されている1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を含む。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、車輪と、車輪をステアリングするように構成された第1のモータと、車輪を転がすように構成された第2のモータと、を含む。車輪当たり2つのモータの組み合わせにより、車輪当たり2つの自由度が与えられ、これにより、移動式医療プラットフォームの正確な位置付けが容易になり、また従来のベッドでは不可能であるパワーアシスト操縦が可能になる。
【0006】
いくつかの実施形態では、第1のモータが剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として車輪をステアリングするように構成され、第2のモータが剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心として車輪を転がすように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている。
【0008】
いくつかの実施形態では、車輪組立体は、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネも含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、車輪組立体は、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネも含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、車輪組立体は、第1のバネと、第1のバネより下かつ車輪より上に位置する第2のバネと、を含む。第1のバネのバネ定数は、第2のバネのバネ定数よりも大きい。
【0011】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、1つ又は2つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータ又は第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪を移動させる、メモリと、を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、少なくとも2つの車輪組立体を含み、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成になるようステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる。
【0013】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、少なくとも4つの車輪組立体を含み、事前設定制動構成は、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の転がり軸が異なる角度に配置されていることを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、第1の基準が満たされるためには第1の自動設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む。例えば、第1の基準が、移動式医療プラットフォームの移動及び操作時にデッドマンスイッチが押されることを要求する場合がある。
【0016】
いくつかの実施形態では、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザに対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って、それぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及び第2のモータを制御することには、それぞれの車輪を同時にステアリングし、転がすように、それぞれの車輪組立体の第1のモータ及び第2のモータを制御することが含まれる。
【0018】
いくつかの実施形態では、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる。
【0019】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台に結合されているロボット手術システムを含む。ロボット手術システムは、剛性基台によって支えられているテーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台と、剛性基台の第1の側に結合され、剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を含む。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、第1の軸及び第1の軸とは異なる第2の軸それぞれを中心として回転するように構成されている車輪を含む。第1のモータは、第1の軸及び第2の軸のうちのそれぞれの軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられている。第1の軸が、第2の軸と位置合わせされる結果として、車輪の無視できるキャスタ角がもたらされる。第1の軸と第2の軸との位置合わせにより、キャスタに伴う掃引容積を減らすか又はなくすことによって、移動式医療プラットフォームの正確な位置付けが容易になる。これはまた、車輪ごとのステアリング方向の独立した選択を容易にし、それにより、制御機構を簡略化し、位置付け精度を更に向上させる。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のモータが、第1の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられ、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、第2の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられた第2のモータを更に含む。第2の軸は、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である。
【0022】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネを更に含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネを更に含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、第1のバネと、第1のバネよりも下に位置する第2のバネと、を更に含む。第1のバネのバネ定数は、第2のバネのバネ定数よりも大きい。
【0025】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、1つ又は2つ以上のプロセッサと、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪を移動させる、命令を記憶するメモリと、を更に含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含む。記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を自動設定制動構成に回転させるように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる。
【0027】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、4つの車輪組立体を含み、事前設定制動構成は、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体は、第2のモータを更に含む。記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザに対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる。
【0029】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含む。記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる。
【0030】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体は、第2のモータを更に含む。記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、第1の軸と第2の軸とを中心としてそれぞれの車輪組立体の車輪を同時に回転させるように、それぞれの車輪組立体の第1のモータと第2のモータとを制御させる。
【0032】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含む。記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる。
【0033】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含む。ロボット手術システムは、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、移動式医療プラットフォームは、剛性基台と、剛性基台の第1の側に結合され、移動式医療プラットフォームの移動の間、剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を含む。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、車輪と、車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネと、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネと、を含む。2つのバネの組み合わせにより、それぞれの車輪が、非平坦床面によって生じる衝撃又は振動を減衰させながら、床に接触したままになることが容易になる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第2のバネが第1のバネより下に位置し、また第2のバネが車輪より上に位置し、第1のバネのバネ定数が第2のバネのバネ定数よりも大きい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のモータは、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられている。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられた第2のモータを更に含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている。
【0038】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、1つ又は2つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータ又は第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪を移動させる、メモリと、を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含む。記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、4つの車輪組立体を含み、事前設定制動構成は、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含む。記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って、それぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及び第2のモータを制御することには、それぞれの車輪を同時にステアリングし、転がすように、それぞれの車輪組立体の第1のモータと第2のモータとを制御することが含まれる。
【0045】
いくつかの実施形態では、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、剛性基台の要求された移動を実現するように2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる。
【0046】
いくつかの実施形態では、移動式患者プラットフォームは、剛性基台に結合されているロボット手術システムを含む。ロボット手術システムは、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台と、剛性基台に結合され、剛性基台を支える少なくとも4つの車輪組立体と、を含む。少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの車輪と、それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられたそれぞれの第1のモータと、を含む。移動式医療プラットフォームはまた、1つ又は2つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が第1の時間に共通方向に位置合わせされ、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が第1の時間とは異なる第2の時間に制動構成に配置され、剛性基台が動かなくなるように、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪のステアリングをもたらす、メモリと、を含む。このような構成により、移動式医療プラットフォームの素早く効率的な制動が可能になり、引いては、移動式医療プラットフォームの位置付けにおける正確さと、移動式医療プラットフォームの移動における安全性が向上する。
【0048】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が、制動構成である間、共有点に向けられる。
【0049】
いくつかの実施形態では、共有点は、少なくとも4つの車輪組立体の重心である。
【0050】
いくつかの実施形態では、それぞれの第1のモータは、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心としてそれぞれの車輪をステアリングするように位置付けられ、少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心としてそれぞれの車輪を転がすように位置付けられたそれぞれの第2のモータを更に含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている。
【0052】
いくつかの実施形態では、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、それぞれの第1のモータ又はそれぞれの第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って、それぞれの車輪を移動させる。
【0053】
いくつかの実施形態では、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスから1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御することには、それぞれの車輪組立体のそれぞれの車輪を同時にステアリングし、転がすように、それぞれの車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御することが含まれる。
【0055】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの第1のバネと、それぞれの第1のバネより下に位置するそれぞれの第2のバネと、を更に含む。それぞれの第2のバネは、それぞれの車輪より上に位置し、それぞれの第1のバネのバネ定数は、それぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい。
【0058】
いくつかの実施形態では、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪を制動構成にステアリングするように、少なくとも4つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体の第1のモータをトリガさせる。
【0059】
いくつかの実施形態では、制動構成は、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が共通方向に位置合わせされ、第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が制動構成に配置される。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、ロボット手術システムが、剛性基台に結合されている。ロボット手術システムは、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む。
【0064】
いくつかの実施形態によれば、移動式医療プラットフォームにおいて行われる方法は、移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力を受信することと、剛性基台に結合されている1つ又は2つ以上の車輪組立体を移動させることであって、ユーザ入力に対応する方向に車輪を配向させるように第1のモータを作動させること、及び車輪を転がすように第2のモータを作動させることを含む、移動させることと、を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、車輪が配向された後に第2のモータが作動し、車輪の配向がそれぞれの方向に維持されている間に車輪が第2のモータによって転がされる。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1のモータと第2のモータとが、同時に作動する。
【0067】
いくつかの実施形態では、車輪をそれぞれの方向に配向するように第1のモータを作動させることには、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として第1のモータによって車輪をステアリングすることが含まれ、車輪を転がすように第2のモータを作動させることには、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心として転がるように、第2のモータによって車輪に動力供給することが含まれる。
【0068】
いくつかの実施形態では、第1の軸及び第2の軸が、第1のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている。
【0069】
いくつかの実施形態では、車輪組立体は、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、車輪組立体は、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、車輪組立体は、第1のバネ及び第2のバネを更に含み、第2のバネが、車輪より上かつ第1のバネより下に位置し、第1のバネのバネ定数は、第2のバネのバネ定数よりも大きい。
【0072】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含む。方法は、第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることと、を更に含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、4つの車輪組立体を含む。少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることには、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸を中心としてそれぞれの車輪をそれぞれの第1のモータによって回転させることであって、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度で配置されている、回転させることが含まれる。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力が、1つ又は2つ以上の入力デバイスから受信される。
【0076】
いくつかの実施形態では、剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させ、剛性組立体の要求された移動がユーザ入力に対応する。
【0077】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含む。ロボット手術システムは、テーブルトップと、1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含み、方法は、1つ又は2つ以上のロボットアームをテーブルトップに対して移動させることを更に含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、方法は、移動式医療プラットフォームを利用することを含む。移動式医療プラットフォームは、移動式医療プラットフォームを利用するための少なくとも2つの車輪組立体を含み、移動式医療プラットフォームは、少なくとも2つの車輪組立体を含み、少なくとも2つの車輪組立体を含み、少なくとも2つの車輪組立体は、1つ又は2つ以上の入力デバイスから移動式医療プラットフォームを移動させるための入力を受信し、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御するための1つ又は2つ以上の制御命令を生成するためのものである。1つ又は2つ以上の制御命令を生成することには、入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、入力が第1の基準とは異なる第2の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、が含まれる。
【0079】
いくつかの実施形態では、入力が第1の基準を満たすという判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように少なくとも2つ車輪組立体をトリガすることにはまた、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするようにそれぞれの第1のモータを作動させることと、それぞれの車輪を転がすようにそれぞれの第2のモータを作動させることと、が含まれる。第1のモータと第2のモータとが同時に作動する。
【0080】
いくつかの実施形態では、入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、少なくとも2つの車組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするようにそれぞれの第1のモータを作動させることと、それぞれの車輪がそれぞれの方向に維持された後で、それぞれの車輪の配向がそれぞれの方向に維持されている間に、それぞれの車輪を転がすようにそれぞれの第2のモータを作動させることと、が含まれる。
【0081】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの車輪のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、それぞれの第1のモータを作動させることには、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角であるそれぞれの第1の軸を中心としてそれぞれの第1のモータによってそれぞれの車輪をステアリングすることが含まれる。それぞれの車輪を転がすようにそれぞれの第2のモータを作動させることには、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行であるそれぞれの第2の軸を中心として転がるように、第2のモータによって車輪に動力供給することが含まれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、少なくとも2の車輪組立体のそれぞれの車輪のそれぞれの第1の軸とそれぞれの第2の軸とが、それぞれの第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている。
【0083】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも4つの車輪組立体を含む。少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように少なくとも4つの車輪組立体をトリガすることには、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が、異なる角度で配置されるように、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第1の軸を中心として第1のモータによってそれぞれの車輪を回転させることが含まれる。
【0084】
いくつかの実施形態では、2つ又は3つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、2つ又は3つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの車輪と剛性基台の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、2つ又は3つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、それぞれの第1のバネ及びそれぞれの第2のバネを更に含む。それぞれの第2のバネは、それぞれの車輪より上かつそれぞれの第1のバネより下に位置し、それぞれの第1のバネのバネ定数は、それぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい。
【0087】
いくつかの実施形態では、方法は、剛性基台の要求された移動を実現するように、少なくとも2つの車輪組立体の動作を連携させることを更に含む。剛性基台の要求された移動は、入力に対応する。
【0088】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含む。ロボット手術システムは、テーブルトップと、1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含み、方法は、1つ又は2つ以上のロボットアームをテーブルトップに対して移動させることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0089】
以下では、添付の図面に絡めて、本開示の態様について説明し、図面は、本開示の態様を示すが、それに限るものではなく、同じ名称は、同じ要素を示す。
【
図1】診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置の際に配置されたカートベースのロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図2】
図1のロボットシステムの更なる態様を描写する。
【
図3】尿管鏡検査用に配置された
図1のロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図4】血管処置用に配置された
図1のロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図5】気管支鏡検査処置用に配置されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図6】
図5のロボットシステムの代替の図を提供する。
【
図7】ロボットアームを収容するように構成されたシステム例を示す。
【
図8】尿管鏡検査処置用に構成されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図9】腹腔鏡処置用に構成されたテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図10】ピッチ調整式又は傾き調整式の
図5~
図9のテーブルベースのロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図11】
図5~
図10のテーブルベースのロボットシステムのテーブルとカラムとの境界面の詳細図を提供する。
【
図12】テーブルベースのロボットシステムの代替の実施形態を示す。
【
図13】
図12のテーブルベースのロボットシステムの端面図を示す。
【
図14】ロボットアームが取り付けられた状態のテーブルベースのロボットシステムの端面図を示す。
【
図16】対の器具ドライバ付きの例示的な医療器具を示す。
【
図17】駆動ユニットの軸が器具の細長シャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替の設計を示す。
【
図18】器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す。
【
図20】一実施形態例による、
図16~
図18の器具の場所など、
図1~
図10のロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の場所を推定する位置特定システムを示すブロック図を描写する。
【
図21】いくつかの実施形態による、1つ又は2つ以上の車輪組立体を含む、移動式医療プラットフォームの一実施形態を示す。
【
図22A】いくつかの実施形態による、
図21の移動式、移動式医療プラットフォームの底面図を示す。
【
図22B】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームの底面図を示す。
【
図23A】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームの車輪組立体の斜視図を示す。
【
図23C】いくつかの実施形態による
図23A及び23Bの車輪組立体の側面図を示す。
【
図24A】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームの方向転換路の例を示す。
【
図24B】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームを枢動させる一例を示す。
【
図24C】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームを枢動させる一例を示す。
【
図24D】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームを枢動させる一例を示す。
【
図24E】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームの精密移動の一例を示す。
【
図25A】いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォームの移動を制御するための入力デバイスの一実施形態を示す。
【
図25B】いくつかの実施形態による、
図22Bの移動式医療プラットフォームの事前設定制動構成を示す。
【
図25C】いくつかの実施形態による、
図22Aの移動式医療プラットフォームの事前設定制動構成を示す。
【
図26A】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームによって行われる方法を示すフローチャートを示す。
【
図26B】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームによって行われる方法を示すフローチャートを示す。
【
図26C】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームによって行われる方法を示すフローチャートを示す。
【
図26D】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームによって行われる方法を示すフローチャートを示す。
【
図27】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームによって行われる別の方法を示すフローチャートである。
【
図28】いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォームの電子構成要素を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
1.概要
本開示の態様は、腹腔鏡などの低侵襲性と内視鏡などの非侵襲性の両方の処置を含む、様々な医療処置を行うことができるロボット対応医療システムに統合することができる。このシステムは、内視鏡処置のうち、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査などを行うことができる。
【0091】
幅広い処置を行うことの他に、このシステムは、向上した撮像及び誘導で医師を助けるなど、更なる利益をもたらすことができる。更に、システムは、厄介な腕の動きや位置を必要とせずに、人間工学的位置から処置を行う能力を医師に与えることができる。また更に、システムは、システムの器具のうちの1つ又は2つ以上をユーザ一人だけでも制御することができるような、向上した使いやすさで処置を行う能力を医師に与えることができる。
【0092】
以下では、説明の便宜上、図面に絡めて、様々な実施形態について述べる。本開示の概念の多くの他の実装態様が考えられ、本開示の実装態様で様々な利点が実現され得ることを理解されたい。本明細書には、参照に、また様々な節の位置を特定する助けとなるように、見出しを含めている。この見出しは、それに関して述べられる概念の範囲を限るものではない。本明細書全体にわたってこのような概念を適用することができる。
【0093】
A.ロボットシステム-カート
ロボット対応医療システムは、特定の処置に応じて様々な方法で構成することができる。
図1は、診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置用に配置されたカートベースのロボット対応システム10の一実施形態を示す。気管支鏡検査の間、システム10には、気管支鏡検査用の処置特有気管支鏡であり場合があるステアリング可能な内視鏡13などの医療器具を、診断用具及び/又は治療用具を送達する自然開口アクセスポイント(すなわち、この例ではテーブルに位置付けられた患者の口)に送達するための1つ又は2つ以上のロボットアーム12を有するカート11を備えることができる。示す通り、カート11は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の上部胴体に近接して位置付けることができる。同様に、アクセスポイントに対して気管支鏡を位置付けるように、ロボットアーム12を作動させることができる。消化管(Gastro-Intestinal、GI)処置を、GI処置に特化した内視鏡である胃鏡を用いて行うときにも
図1の配置を利用することができる。
図2には、カートの実施形態例をより詳細に描写する。
【0094】
図1を引き続き参照すると、カート11が適切に位置付けられると、ロボットアーム12は、ステアラブルな内視鏡13をロボットで、手で、又はそれらの組み合わせで患者にロボットアームを挿入することができる。示す通り、ステアラブルな内視鏡13には、内側リーダー部及び外側シース部などの少なくとも2つの入れ子式パートを備えることができ、各部は、器具ドライバ28のセットから別個の器具ドライバに結合され、各器具ドライバは、個々のロボットアームの遠位端に結合されている。リーダー部をシース部と同軸上に位置合わせしやすい、器具ドライバ28のこの線形配置は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12を様々な角度及び/又は位置に巧みに操ることによって空間において位置付けし直すことができる「仮想レール」29を作り出す。本明細書に記載の仮想レールは、破線を使用して図に描いており、したがって破線は、システムの如何なる物理的構造も描いていない。仮想レール29に沿った器具ドライバ28の並進は、外側シース部に対して内側リーダー部を入れ子にするか、又は内視鏡13を患者から前進若しくは後退させる。仮想レール29の角度は、臨床用途又は医師の好みに基づいて調整することも、並進させることも、枢動させることもできる。例えば、気管支鏡検査では、示す通りの仮想レール29の角度及び位置は、内視鏡13への医師のアクセスを提供することと、内視鏡13を患者の口内に曲げ入れることから生じる摩擦を最小限に抑えることとの妥協を表す。
【0095】
目標とする送り先すなわち手術部位に達するまで、ロボットシステムからの正確なコマンドを使用して、内視鏡13を、挿入後に患者の気管及び肺を進ませていくことができる。患者の肺網を通したナビゲーションを強化しかつ/又は望ましい標的に達するために、内側リーダー部を外側シース部分から入れ子状に延ばして、関節運動を強化し、曲げ半径を大きくするように、内視鏡13を巧みに操ることができる。別個の器具ドライバ28の使用により、リーダー部とシース部とが互いに独立して駆動することも可能になる。
【0096】
例えば、患者の肺内の病巣又は小結節などの標的に生検針を送達するように、内視鏡13を向けることができる。病理医によって分析される組織試料を得るように、生検針を内視鏡の長さにわたるワーキングチャネルを展開させていくことができる。病理の結果に応じて、更なる生検で、更なるツールを内視鏡のワーキングチャネルを展開させていくことができる。小結節を悪性である見極めた後、内視鏡13は、ツールを内視鏡下で送達し、潜在的な癌組織を切除することができる。場合によっては、診断処置及び治療的処置を別の処置で果たすことができる。これらの状況において、基準を送達して、標的となる小結節の場所を「マーク」するのにも、内視鏡13を使用することができる。他の例では、診断的処置及び治療的処置を同じ処置中に果たすことができる。
【0097】
システム10は、カート11に支持ケーブルを介して接続されて、カート11に対して制御装置、電子機器、流体工学、光学系、センサ、及び/又は動力に支えを提供することのできる移動式タワー30も含むことができる。タワー30にこのような機能を置くことにより、カート11のフォームファクタを小さくすることができ、手術を行う医師及びそのスタッフがより容易にカート11を調整しかつ/又は位置付けし直すことができる。更に、カート/テーブルと支持タワー30との機能分割は、手術室の乱雑さを低減し、臨床ワークフローの改善を促進する。カート11を患者の近くに位置付けてもよいが、タワー30は、処置中に邪魔にならないように離れた場所に収容することができる。
【0098】
上記のロボットシステムの支えでは、タワー30は、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内にコンピュータプログラム命令を記憶するコンピュータベースの制御システムの構成要素を含むことができる。この命令の実行により、実行がタワー30で行われるにせよ、カート11で行われるにせよ、システム全体又はそのサブシステムを制御することができる。例えば、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されると、命令は、ロボットシステムの構成要素に、当該キャリッジ及びアームマウントを作動させ、ロボットアームを作動させ、医療器具を制御させることができる。例えば、制御信号を受信したことに応答して、ロボットアームの関節にあるモータが、アームをある特定の姿勢に位置付けることができる。
【0099】
タワー30は、内視鏡13に展開することができるシステムに、制御下の灌注能力及び吸引能力を与えるために、ポンプ、流量計、弁制御、及び/又は流体アクセスも含むことができる。これらの構成要素は、タワー30のコンピュータシステムも使用して制御されてもよい。いくつかの実施形態では、別個のケーブルを介して内視鏡13に灌注能力及び吸引能力を直接にもたらすことができる。
【0100】
タワー30は、フィルタ掛けされ、保護された電力をカート11に与えるように設計された電圧及びサージ保護具を含んでもよく、それによって、カート11に電力変圧器などの補助電力構成要素を配置することが回避され、カート11が小さくなり、より移動可能になる。
【0101】
タワー30は、ロボットシステム10全体にわたって展開されたセンサ用の支持機器も含んでもよい。例えば、タワー30は、ロボットシステム10全体にわたり光センサ又はカメラから受信したデータを検出し、受信し、処理するためのオプトエレクトロニクス機器を含んでもよい。制御システムと組み合わせて、このようなオプトエレクトロニクス機器を使用して、タワー30内を含むシステム全体にわたって展開したいくつものコンソールに表示する対象のリアルタイム画像を起こすことができる。同様に、タワー30は、展開した電磁(ElectroMagnetic、EM)センサから信号を受信し、受信した信号を処理するための電子サブシステムも含むことができる。タワー30はまた、医療器具内又は医療器具上のEMセンサによる検出用のEM場発生器を収容し、位置付けるのにも使用することができる。
【0102】
タワー30は、システムの残りの部分で使用可能な他のコンソール、例えば、カートの上面に取り付けられたコンソールの他に、コンソール31も含むことができる。コンソール31は、オペレータである医師用に、ユーザインターフェース及びタッチスクリーンなどの表示画面を含むことができる。システム10にあるコンソールは、通常、ロボット制御と、内視鏡13のナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置の術前情報及びリアルタイム情報との両方を提供するように設計される。コンソール31が、医師が使用できる唯一のコンソールではない場合、看護師などの第2のオペレータがコンソール31を使用して、患者の健康又は生命及びシステムの工程をモニタするとともに、ナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置固有のデータを提供することもできる。他の実施形態では、コンソール31は、タワー30とは別個である本体に収容されている。
【0103】
1つ又は2つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を通してカート11及び内視鏡13にタワー30を結合することができる。いくつかの実施形態では、タワー30からの支え機能が、ケーブル1本だけを通してカート11に提供されることにより、手術室を簡略化し、整理整頓することができる。他の実施形態では、別個の配線及び接続部において特定の機能を結合することができる。例えば、電力ケーブル1本だけを通してカートに電力を供給することができる一方、制御装置、光学系、流体工学、及び/又はナビゲーションに対する支えを、別個のケーブルを通して与えることができる。
【0104】
図2には、
図1に示すカートベースのロボット対応システムからのカートの一実施形態の詳細図を提供する。カート11は、通常、細長支持構造14(しばしば「カラム」と呼ばれる)、カート基台15、及びカラム14の頂部にあるコンソール16を含む。カラム14は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12(
図2には3つ示している)の展開を支えるためのキャリッジ17(代替として「アーム支持体」)などの1つ又は2つ以上のキャリッジを含むことができる。キャリッジ17は、患者に対する位置付けを良くするように、直交軸に沿って回転してアーム12の基台を調整する、個々に構成可能なアームマウントを含むことができる。キャリッジ17は、キャリッジ17がカラム14に沿って垂直方向に並進するのを可能にするキャリッジ接合部19も含む。
【0105】
キャリッジ接合部19は、キャリッジ17の垂直方向の並進を案内するようにカラム14の両側に位置付けられているスロット20などのスロットを通してカラム14に接続されている。スロット20には、カート基台15に対して様々な垂直方向の高さでキャリッジを位置付け、保持するための垂直方向並進接合部が入っている。キャリッジ17の垂直方向並進により、カート11は、様々なテーブル高さ、患者の大きさ、及び医師の好みを満たすようにロボットアーム12のリーチを調整することが可能となる。同様に、キャリッジ17上の個々に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム12のロボットアーム基台21を様々な構成で角度付けすることが可能となる。
【0106】
いくつかの実施形態では、キャリッジ17が垂直方向に並進するにつれて、カラム14の内部チャンバ及び垂直方向並進接合部に汚れや流体が侵入するのを防ぐために、スロット表面と面一であり平行であるスロットカバーでスロット20を補完することができる。スロット20の垂直上下の近くに位置付けられたバネスプール対を通してスロットカバーを展開させることができる。スロットカバーは、キャリッジ17が上下に垂直方向に並進するにつれて、コイル状態から伸縮するように展開するまで、スプール内でコイル巻きにされている。スプールのバネ仕掛けにより、キャリッジ17がスプールに向かって並進するときにはカバーをスプールに引っ込める力が与えられる一方、キャリッジ17がスプールから離れるように並進するときには密封も維持する。キャリッジ17が並進するのにつれて、スロットカバーが適切に伸縮するのを確実にするために、例えば、キャリッジ接合部19にあるブラケットを使用してキャリッジ17にスロットカバーを接続することができる。
【0107】
カラム14は、ユーザ入力、例えばコンソール16からの入力に応答して生成された制御信号に応答してキャリッジ17を機械式に並進させるように垂直方向に位置合わせされた主ネジを使用するように設計されている、ギア及びモータなどの機構を内部に備えることができる。
【0108】
ロボットアーム12は、通常、一連の関節24によって接続されている一連のリンケージ23によって分けられたロボットアーム基台21とエンドエフェクタ22と備えることができ、各関節は、独立したアクチュエータを備え、各アクチュエータは、別々に制御可能なモータを備える。それぞれ別々に制御可能な関節は、ロボットアームが使用できる独立した自由度を示す。アーム12のそれぞれには7つの関節があり、引いては7つの自由度をもたらす。多数の関節により、多数の自由度がもたらされ、「冗長」自由度を可能にする。冗長自由度により、ロボットアーム12が、様々なリンケージ位置と関節角度を使用して、空間において特定の位置、配向、及び軌道で、そのそれぞれのエンドエフェクタ22を位置付けることが可能になる。これにより、システムが空間において望ましい個所から医療器具を位置付けし、方向付けることが可能になる一方、医師がアーム関節を患者から離れる臨床上都合の良い位置に移動させて、アームの衝突を回避しながらアクセスを良くするのを可能にする。
【0109】
カート基台15が、床全体にわたってカラム14、キャリッジ17、及びアーム12の重さの釣り合いをとる。したがって、カート基台15は、電子機器、モータ、電源とともに、カートの移動及び/又は固定化のいずれでも可能にする構成要素など、より重い部品を収容する。例えば、カート基台15は、処置前にカートを部屋中あちこち動き回りやすいようにする、1つ又は2つ以上の車輪組立体を含む。適切な位置に達した後、車輪ロックを使用して、1つ又は2つ以上の車輪組立体の車輪を動かないようにすることができ、処置中にカート11を動かない状態に維持するという事前設定制動構成に配置することもできる。
【0110】
カラム14の垂直端に位置付けられたコンソール16により、ユーザ入力を受信するためのユーザインターフェースとともに表示画面(又は、例えば、タッチスクリーン26などの二重目的デバイス)も、術前データと術中データの両方を医師であるユーザに提供することが可能になる。タッチスクリーン26上の考えられる術前データが、術前計画、術前コンピュータ断層撮影(Conputerized Tomograpy、CT)スキャンから導出されたナビゲーションデータ及び写像データ、並びに/又は術前の患者への問診からのメモを含むことがある。ディスプレイ上の術中データが、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ情報及び座標情報とともに、呼吸、心拍数、及び/又はパルスなどの不可欠な患者統計も含むことがある。医師に、キャリッジ17の反対側のカラム14側からコンソールにアクセスさせるように、コンソール16を位置付けし、傾けることができる。この位置から、医師は、コンソール16をカート11の背後から操作しながら、コンソール16、ロボットアーム12、及び患者を見ることができる。示す通り、コンソール16は、カート11を巧みに操り、安定させるのを助けるハンドル27も含む。
【0111】
図3は、尿管鏡検査用に配置された、ロボット対応システム10の一実施形態を示す。尿管鏡検査処置では、患者の尿道及び尿管を辿るように設計された処置専用内視鏡である尿管鏡32を患者の下腹部領域に送達するようにカート11を位置付けることができる。尿管鏡検査では、尿管鏡32が、その範囲における敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び力を抑制するように患者の尿道と直接に位置合わせされて、ことが望ましいことがある。示す通り、ロボットアーム12が尿管鏡32を、患者の尿道に直接線形アクセスするように位置付けするのを可能にするように、カート11をテーブルの脚に位置合わせすることができる。テーブルの脚から、ロボットアーム12は、尿道を通して患者の下腹部に直接に、仮想レール33に沿って尿管鏡32を挿入することができる。
【0112】
気管支鏡検査に見られるのと同様の制御技法を使用して、尿道への挿入後、診断用途及び/又は治療用途に、尿管鏡32を膀胱、尿管、及び/又は腎臓にナビゲートすることができる。例えば、尿管鏡32を尿管及び腎臓に向けて、尿管鏡32のワーキングチャネルを展開していくレーザー結石破砕デバイス又は超音波結石破砕デバイスを使用して、溜まった腎臓結石を破砕することができる。結石破砕が完了した後、尿管鏡32を展開していくバスケットを使用して、結果として得られた結石片を取り除くことができる。
【0113】
図4は、同様に血管処置用に配置されたロボット対応システムの一実施形態を示す。血管処置において、システム10は、カート11が、ステアラブルカテーテルなどの医療器具34を、患者の脚にある大腿動脈におけるアクセスポイントに送達することができるように構成され得る。大腿動脈は、ナビゲーションのためのより大きな直径とともに、患者の心臓への遠回りが比較的少ない曲がりくねった路との両方を呈し、これによりナビゲーションが簡単になる。尿管鏡検査処置に見られるように、カート11を患者の脚及び下腹部に向けて位置付けすることにより、ロボットアーム12に、患者の大腿/腰領域における大腿動脈アクセスポイントへの直接線形アクセスを仮想レール35に与えることを可能にさせることができる。動脈への挿入後、器具ドライバ28を並進させることによって、医療器具34を方向付けし、挿入することができる。その代わりとして、例えば、肩や手首の近くの頸動脈や腕動脈などの代替の血管アクセスポイントに達するために、患者の上腹部の周囲にカートを位置付けることができる。
【0114】
B.ロボットシステム-テーブル
ロボット対応医療システムの実施形態には、患者の台も組み込むことができる。患者の台の組み込みは、カートを取り外すことによって手術室内の資本設備量を減らし、患者へのアクセスを良くすることができる。
図5は、気管支鏡検査処置用に配置されたこのようなロボット対応システムの一実施形態を示す。システム36は、プラットフォーム38(「テーブル」又は「ベッド」として図示)を床全体にわたり支えるための支持構造体又はカラム37を含む。カートベースのシステムとよく似て、システム36のロボットアーム39のエンドエフェクタには、器具ドライバ42の線形位置合わせから形成された仮想レール41を通して又はそれに沿って、
図5の気管支鏡40などの細長医療器具を巧みに操るように設計されている器具ドライバ42が含まれる。実際には、エミッタ及び検出器をテーブル38の周りに置くことによって、蛍光透視撮像をもたらすためのCアームを患者の上腹部域全体にわたって位置付けることができる。
【0115】
図6には、考察上、患者及び医療器具を省いたシステム36の代替図を提供する。示す通り、カラム37が、システム36において、1つ又は2つ以上のロボットアーム39の基台となり得る、リング形状として示される1つ又は2つ以上のキャリッジ43を含むことができる。キャリッジ43は、カラム37の長さを走る垂直カラム接合部44に沿って並進して、そこからロボットアーム39を患者に達するように位置付けすることができる様々な視座を与えることができる。キャリッジ43は、カラム37内に位置付けられた機械式モータを使用してカラム37を中心として回転して、ロボットアーム39に、例えば、患者の両側などのテーブル38の複数の側面へアクセスさせることができる。複数のキャリッジを有する実施形態では、キャリッジは、カラムに別々に位置付けられてもよく、他のキャリッジとは無関係に並進しかつ/又は回転してもよい。キャリッジ43は、カラム37を取り囲む必要はなく、円形であることさえ必要はないが、図示のリング形状は、構造上のバランスを維持しながらカラム37を中心としたキャリッジ43が回転を容易にする。キャリッジ43の回転及び並進により、システムが、内視鏡及び腹腔鏡などの医療器具を患者の様々なアクセスポイントに位置合わせすることが可能になる。他の実施形態(図示せず)では、システム36は、それに並んで延在するバー又はレールの形態の調整式アーム支持体を有する患者台又は患者ベッドを含むことがある。垂直方向に調整することができる調整式アーム支持体に1つ又は2つ以上のロボットアーム39を取り付けることができる(例えば、肘関節を有する肩部を介して)。垂直方向の調整をもたらすことによって、患者台又は患者ベッドの下にロボットアーム39をコンパクトに収容することができ、その後、処置中に上げることができるのが好都合である。
【0116】
ロボットアーム39に更なる構成可能性を与えるように別々に回転しかつ/又は入れ子式に伸びることができる一連の関節を備えるアームマウントセット45を通して、アーム39をキャリッジに取り付けることができる。更に、アームマウント45をキャリッジ43に位置付けることができ、キャリッジ43が適切に回転すると、アームマウント45を、テーブル38の同じ側面(
図6に示す通り)、テーブル38の両側(
図9に示す通り)、又はテーブル38の隣り合う側面(図示せず)のいずれにでも位置付けることができる。
【0117】
カラム37は、テーブル38に支えを構造上、提供し、またキャリッジの垂直並進に路を構造上、提供する。内部に、カラム37は、キャリッジの垂直並進を案内するための主ネジと、主ネジに基づくそのキャリッジの並進を機械化するためのモータとを備えることができる。カラム37は、キャリッジ43に、またそれに取り付けられたロボットアーム39に電力信号及び制御信号を伝達することもできる。
【0118】
テーブル基台46は、
図2に示すカート11におけるカート基台15と同様の機能を果たし、テーブルベッド38、カラム37、キャリッジ43、及びロボットアーム39の釣り合いをとるためにより重い構成要素を収容する。テーブル基台46にはまた、剛性キャスタも組み込んで、処置中に安定性をもたらすことができる。テーブル基台46の底から展開するキャスタは、基台46の両側で反対方向に伸び、システム36を移動させる必要があるときには引っ込むことができる。
【0119】
引き続き
図6によれば、システム36は、テーブルとタワーとでシステム36の機能を分けて、テーブルのフォームファクタ及び嵩を減らすタワー(図示せず)も含むことができる。先に開示した実施形態に見られるように、タワーは、処理能力、計算能力、及び制御能力、電力、流体工学、並びに/又は光学及びセンサ処理などの様々な支持機能をテーブルに与えることができる。タワーは、医師のアクセスを改善し、手術室を整理整頓するように、患者から離して位置付けられるようにも移動させることができるものである。更に、タワーに構成要素を置くことにより、ロボットアームの考えられる収容用に、テーブル基台に収納スペースを広げることが可能になる。タワーは、キーボード及び/又はペンダントなどのユーザ入力用のユーザインターフェースと、リアルタイム撮像、ナビゲーション、及び追跡情報などの術前及び術中情報を対象とする表示画面(又はタッチスクリーン)との両方を提供するマスタコントローラ又はコンソールも含むことができる。いくつかの実施形態では、タワーは、通気に使用されるガスタンク用のホルダも含むことができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、テーブル基台は、使用されていないときにロボットアームを仕舞って、保管することができる。
図7は、テーブルベースのシステムの一実施形態におけるロボットアームを収容するシステム47を示す。システム47では、キャリッジ48は、ロボットアーム50、アームマウント51、及びキャリッジ48を基台49内に収容するように、キャリッジ48を基台49の中に垂直方向に並進させることができる。基台カバー52は、キャリッジ48、アームマウント51、及びアーム50を、カラム53を中心として展開させるのに、基台カバー52を並進し、引っ込めて開き、使用しないときにはそれらを仕舞って保護するために、基台カバーを閉じることができる。基台カバー52をその開口の縁に沿って膜54で密閉して、閉じたときに汚れ及び流体の侵入を防ぐことができる。
【0121】
図8は、尿管鏡検査に構成されたロボット対応テーブルベースのシステムの一実施形態を示す。尿管鏡検査では、テーブル38は、患者をカラム37及びテーブル基台46からオフ角に位置付けるためのスイベル部55を含むことができる。スイベル部55は、スイベル部55の底部をカラム37から離して位置付けるために、枢動点(例えば、患者の頭部より下に位置する)を中心に回転又は枢動することができる。例えば、スイベル部55の枢動により、Cアーム(図示せず)を、テーブル38より下のカラム(図示せず)とスペースを奪い合うことなく、患者の下部腹部にわたって位置付けることができる。カラム37を中心としてキャリッジ(図示せず)を回転させることにより、ロボットアーム39は、尿道に達するように、仮想レール57に沿って、患者の鼠径部域に尿管鏡56を直接に挿入することができる。尿管鏡検査では、この処置にわたって患者の脚の位置を支え、患者の鼠径部域への明確なアクセスを可能にするように、テーブル38のスイベル部55にあぶみ58を固定することもできる。
【0122】
腹腔鏡処置では、患者の腹壁にある小さな切開を通して、低侵襲性器具を患者の解剖学的構造に挿入することができる。いくつかの実施形態では、低侵襲性器具には、患者内の解剖学的構造にアクセスするのに使用されるシャフトなどの細長剛性部材が含まれる。患者の腹腔の膨張後、把持、切断、アブレーション、縫合などの外科タスク又は医療タスクを行うように、この器具を方向付けることができる。いくつかの実施形態では、この器具は、腹腔鏡などのスコープを備えることができる。
図9は、腹腔鏡処置用に構成されたロボット対応テーブルベースのシステムの一実施形態を示す。
図9に示す通り、患者の両側の患者の両側の最小切開を通過して患者の腹腔に達するように、器具59をアームマウント45を使用して位置付けることができる、というテーブル38の両側に対のロボットアーム39を位置付けるように、システム36のキャリッジ43を回転させて垂直方向に調整することができる。
【0123】
腹腔鏡処置に適合させるために、ロボット対応テーブルシステムが、プラットフォームを望ましい角度に傾斜させることができる。
図10は、ピッチ調整式又は傾き調整式のロボット対応医療システムの一実施形態を示す。
図10に示す通り、システム36は、テーブル38の傾きに適合して、テーブルの一部分を他の部分よりも床から離して位置付ける。更に、アーム39がテーブル38と同じ平面関係を維持するような傾斜に一致するように、アームマウント45が回転することができる。急角度に適合するために、カラム37は、テーブル38が床に接触するか又は基台46と衝突するのを防ぐようにカラム37の垂直伸びを可能にする入れ子部60も含むことができる。
【0124】
図11には、テーブル38とカラム37との接合部の詳細図を提供する。カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変えるように、ピッチ回転機構61を構成することができる。カラム-テーブル接合部における直交軸1、2の位置付けによって、ピッチ回転機構61を使用可能にすることができ、各軸は、電気ピッチ角コマンドに応答して別々のモータ3、4によって作動する。あるネジ5に沿った回転は、ある軸1における傾き調整を可能すると考えられる一方、もう1つのネジ6に沿った回転は、もう1つの軸2に沿った傾き調整を可能にすると考えられる。いくつかの実施形態では、玉継ぎ手を使用すると、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変えることができる。
【0125】
例えば、ピッチ調整は、テーブルをトレンデレンブルグ体位に位置付けようとするとき、すなわち下腹部手術時に、患者の下腹部よりも床からより高い位置に患者の下腹部を位置付けようとするときに、特に有用である。トレンデレンブルグ体位により、重力によって患者の内臓を患者の上腹部に滑らせ、低侵襲性ツールが入って腹腔鏡前立腺切除術などの下腹部の外科処置又は医療処置を行う際に、腹腔を空にする。
【0126】
図12には、テーブルベースの手術支援ロボットシステム100の代替えの実施形態の等角図を示し、
図13には、その端面図を示す。手術支援ロボットシステム100は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上のロボットアームを支えるように構成され得る1つ又は2つ以上の調整式アーム支持体105を含む(例えば、
図14参照)。図示の実施形態では、調整式アーム支持体105が1つだけ示されているが、テーブル101の反対側に更なるアーム支持体を設けることができる。テーブル101に対して移動して、調整式アーム支持体105及び/又はそれに取り付けられた如何なるロボットアームの位置もテーブル101に対して調整しかつ/又は変えることができるように、調整式アーム支持体105を構成することができる。例えば、テーブル101に対して1つ又は2つ以上の自由度で調整式アーム支持体105を調整することができる。調整式アーム支持体105は、1つ又は2つ以上の調整式アーム支持体105及びそれに取り付けられた如何なるロボットアームもテーブル101の下に容易に収容する能力を含む、高い多様性をシステム100に与える。調整式アーム支持体105を収容位置から、テーブル101の上面より下の位置まで上げることができる。他の実施形態では、調整式アーム支持体105を、収容位置から、テーブル101の上面より上の位置まで上げることができる。
【0127】
調整式アーム支持体105は、リフト、横方向並進、傾きなどを含む、いくつかの自由度を与えることができる。
図12及び
図13の図示の実施形態では、アーム支持体105は、
図12に矢印で示している4つの自由度で構成されている。第1の自由度により、z方向における調整式アーム支持体105の調整(「Zリフト」)が可能になる。例えば、調整式アーム支持体105は、テーブル101を支えるカラム102に沿って又はそれに対して上下に動くように構成されたキャリッジ109を含むことができる。第2の自由度により、調整式アーム支持体105を傾けることができる。例えば、調整式アーム支持体105は、回転継ぎ手を含むことがあり、これにより、調整式アーム支持体105を、トレンデレンブルグ体位のベッドと位置合わせすることを可能にすることができる。第3の自由度により、調整式アーム支持体105を「ピボットアップ」させることができ、それを使用して、テーブル101の側面と調整式アーム支持体105との間隔を調整することができる。第4の自由度により、調整式アーム支持体105がテーブルの長手方向の長さに沿って並進するのが可能になる。
【0128】
図12及び
図13の手術支援ロボットシステム100は、基台103に取り付けられているカラム102によって支えられるテーブルを含むことができる。基台103及びカラム102は、支持面に対してテーブル101を支える。床軸131及び支持軸133を
図13に示す。
【0129】
調整式アーム支持体105をカラム102に取り付けることができる。他の実施形態では、アーム支持体105をテーブル101又は基台103に取り付けることができる。調整式アーム支持体105は、キャリッジ109、バー又はレールコネクタ111、及びバー又はレール107を含むことができる。いくつかの実施形態では、レール107に取り付けられた1つ又は2つ以上のロボットアームは、互いに対して並進し移動することができる。
【0130】
第1の継ぎ手113によって、キャリッジ109をカラム102に取り付けてもよく、これにより、キャリッジ109がカラム102に対して移動することが可能になる(例えば、第1の軸すなわち垂直軸123を上下するなど)。第1の継ぎ手113は、調整式アーム支持体105に第1の自由度(「Zリフト」)を与えることができる。調整式アーム支持体105は、第2の自由度(傾き)を調整式アーム支持体105に与える第2の継ぎ手115を含むことができる。調整式アーム支持体105は、第3の自由度(「ピボットアップ」)を調整式アーム支持体105に与えることができる第3の継ぎ手117を含むことができる。第3の軸127を中心にしてレールコネクタ111を回転させるにつれたレール107の配向を維持するように第3の継ぎ手117を機械式に拘束する、更なる継ぎ手119(
図13に示す)を設けることができる。調整式アーム支持体105は、第4の自由度(並進)を第4の軸129に沿って調整式アーム支持体105に与えることができる第4の継ぎ手121を含むことができる。
【0131】
図14には、2つの調整式アーム支持体105A、105Bがテーブル101の両側に取り付けられた状態の手術支援ロボットシステム140Aの端面図を示す。第1のロボットアーム142Aは、第1の調整式アーム支持体105Bのバー又はレール107Aに取り付けられている。第1のロボットアーム142Aは、レール107Aに取り付けられた基台144Aを含む。第1のロボットアーム142Aの遠位端は、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はロボット医療ツールに取り付けることができる器具駆動機構146Aを含む。同様に、第2のロボットアーム142Bは、レール107Bに取り付けられた基台144Bを含む。第2のロボットアーム142Bの遠位端は、器具駆動機構146Bを含む。器具駆動機構146Bは、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はロボット医療ツールに取り付けるように構成され得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上が、7つ以上の自由度を有するアームを備える。いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上にが、挿入軸(挿入を含む1つの自由度)、リスト(リストピッチ、ヨー及びロールを含む3つの自由度)、エルボ(エルボピッチを含む1つの自由度)、ショルダ(ショルダピッチ及びヨーを含む2つの自由度)、及び基台144A、144B(並進を含む1つの自由度)、を含む8つの自由度を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入自由度をロボットアーム142A、142Bによって与えることができるが、他の実施形態では、器具自体が、器具ベースの挿入アーキテクチャを介して挿入をもたらす。
【0133】
C.器具ドライバ及び接合部
システムのロボットアームのエンドエフェクタには、(i)医療器具を作動させるための電気機械式手段を組み込む器具ドライバ(代わりに、「器具駆動機構」又は「器具デバイスマニピュレータ」と呼ばれる)と、(ii)モータなどの如何なる電気機械式構成要素も欠いていてもよい取り外し可能な又は引き離し可能な医療器具と、が含まれる。この二分は、医療処置において使用される医療器具を滅菌する必要性と、医療器具の複雑な機械組立と敏感な電子機器とに起因して高価な資本設備を十分に滅菌することができないこと、によって引き起こされる可能性がある。したがって、医師又は医師のスタッフによる個々の滅菌又は廃棄時に、器具ドライバ(引いてはそのシステム)から引き離され、取り外され、入れ替えられるように、医療器具を設計することができる。これに対して、器具ドライバは、取り替えられなくても、滅菌されなくても済み、保護のために掛け布をすることができる。
【0134】
図15には、器具ドライバ例を示す。ロボットアームの遠位端に位置付けられた器具ドライバ62は、駆動軸64を介して医療器具に制御式トルクを与えるように平行軸を伴って配置された1つ又は2つ以上の駆動ユニット63で構成されている。各駆動ユニット63は、器具と相互作用するための個別の駆動軸64と、モータ軸回転を望ましいトルクに変換するためのギアヘッド65と、駆動トルクを発生させるためのモータ66と、モータ軸の回転速度を測定して制御回路にフィードバックを与えるエンコーダ67と、制御信号を受信して駆動ユニットを作動させるための制御回路68と、を備える。各駆動ユニット63は、他と無関係に制御され、電動化され、器具ドライバ62は、複数(
図15では4つを示す)の他と無関係の駆動出力を医療器具に与えることができる。作動時、制御回路68が、制御信号を受信し、モータ66にモータ信号を送信し、エンコーダ67によって測定された結果として得られたモータ回転速度を望ましい回転の速度と比較し、モータ信号を変調して望ましいトルクをもたらすと考えられる。
【0135】
滅菌環境を必要とする処置では、ロボットシステムに、器具ドライバと医療器具との間に位置する、滅菌ドレープに接続された滅菌アダプタなどの駆動接合部を組み込むことができる。滅菌アダプタの主な目的は、駆動軸と駆動入力との物理的分離、引いては無菌性を維持しながら、器具ドライバの駆動軸から器具の駆動入力に角運動を伝達することである。したがって、滅菌アダプタ例は、器具ドライバの駆動軸と対合することが意図された一連の回転入力及び出力と、器具への駆動入力とで構成することができる。滅菌アダプタに接続される滅菌ドレープは、透明プラスチック又は半透明プラスチックなどの薄い可撓性材料で構成され、器具ドライバ、ロボットアーム、及びカート(カートベースのシステムにおける)又はテーブル(テーブルベースのシステムにおける)などの資本設備を覆うように設計されている。ドレープの使用により、滅菌を必要としない範囲(すなわち、非滅菌野)に依然として位置している間に、資本設備を患者に近接して位置付けることが可能となる。滅菌ドレープのもう一方の側では、医療器具は、滅菌を必要とする範囲(すなわち、滅菌野)において患者と界面でつながることができる。
【0136】
D.医療器具
図16には、対の器具ドライバを備えた医療器具例を示す。ロボットシステムで使用するように設計された他の器具と同じく、医療器具70は、細長軸71(又は細長本体)及び器具基台72を備える。医師による手動相互作用が意図されているその設計により「器具ハンドル」とも呼ばれる器具基台72には、通常、ロボットアーム76の遠位端において器具ドライバ75上の駆動接合部を貫通する駆動出力74と対合するように設計されている回転式駆動入力73、例えば、レセプタクル、プーリー、又はスプールを備えることができる。物理的に接続されると、掛け金が掛けられると、かつ/又は結合されると、器具基台72の対合駆動入力73は、器具ドライバ75における駆動出力74と回転軸を共有して、駆動出力74から駆動入力73へのトルクの伝達を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、駆動出力74には、駆動入力73にあるレセプタクルと対合するように設計されているスプラインを備えることができる。
【0137】
細長軸71は、例えば、内視鏡検査に見られるような解剖学的開口若しくは管腔、又は腹腔鏡検査に見られるような低侵襲性切開のいずれでも通して送達されるように設計されている。細長軸71は、可撓性(例えば、内視鏡と同様の性質を有する)若しくは剛性(例えば、腹腔鏡と同様の性質を有する)のいずれでもよく、又は可撓性部と剛性部との両方のカスタマイズされた組み合わせを含めてもよい。腹腔鏡検査用に設計される場合、少なくとも1つの自由度を備えるクレビスから形成された関節式リストから延在するエンドエフェクタに剛性細長軸の遠位端を接続することができ、また駆動入力が器具ドライバ75の駆動出力74から受信したトルクに応答して回転するにつれて、テンドンからの力に基づいて作動することができる、例えば、把持具又ははさみなどの手術ツール又は医療器具に剛性細長軸の遠位端を接続することができる。内視鏡検査用に設計される場合、可撓性の細長シャフトの遠位端は、器具ドライバ75の駆動出力74から受信したトルクに基づいて関節運動させ、曲げることができるステアラブル屈曲部又は制御可能屈曲部を含むことができる。
【0138】
器具ドライバ75からのトルクは、細長軸71に沿ったテンドンを使用して細長軸71に伝わっていく。器具ハンドル72内の個々の駆動入力73にプルワイヤなどのこれらの個々のテンドンを個別に固定することができる。ハンドル72から、テンドンが、細長軸71に沿って1つ又は2つ以上のプルルーメンを進んでいき、細長軸71の遠位部に固定されるか、又は細長軸の遠位部にあるリストに固定される。腹腔鏡処置、内視鏡処置、又はハイブリッド処置などの外科処置中、リスト、把持具、又ははさみなどの遠位取り付けエンドエフェクタに、これらのテンドンを結合することができる。このような配置下で、駆動入力73に及ぼされるトルクは、テンドンに張力を伝達することにより、エンドエフェクタを何らかの方法で作動させると考えられる。いくつかの実施形態では、外科処置中、テンドンが、継ぎ手を軸を中心として回転させることによって、エンドエフェクタをある方向又は別の方向に移動させ得る。その代わりに、テンドンからの張力によって把持具が閉じる、細長軸71の遠位端で把持具の1つ又は2つ以上のジョーにテンドンを接続することができる。
【0139】
内視鏡検査では、接着剤、制御リング、又は他の機械的固定を介して、細長シャフト71に沿って位置付けされている(例えば、遠位端に)屈曲部分又は関節運動部分にテンドンを結合させることができる。屈曲部分の遠位端に固定して取り付けられると、駆動入力73に及ぼされるトルクがテンドンに伝わっていくことにより、より柔らかい屈曲部分(関節運動部分又は関節運動領域と呼ばれることがある)が曲がるか又は関節運動すると考えられる。非屈曲部分に沿って、個々のテンドンを内視鏡シャフトの壁に沿って(又は内側に)向ける個々のプルルーメンを螺旋状又は渦巻状にして、プルワイヤにおける張力からもたらされる半径方向の力の釣り合いをとるのが都合の良い場合がある。これらの間の螺旋及び/又は間隔の角度は、特定の目的で変えることも巧みに工作することもでき、螺旋が狭くなると、負荷力下で劣ったシャフト圧縮を呈する一方、螺旋の程度が下がると、負荷力下で優れたシャフト圧縮をもたらすが、曲げの限界も呈する。スペクトルのもう一方の端では、プルルーメンを細長シャフト71の長手方向軸に平行に向けると、望ましい曲がり部分又は関節運動式部分における制御式関節運動を可能にすることができる。
【0140】
内視鏡検査では、細長シャフト71が、ロボット処置を助けるいくつかの構成要素を収容する。細長シャフトは、手術ツール(又は医療器具)、灌注、及び/又は吸引をシャフト71の遠位端における手術部位に展開させるためのワーキングチャネルで構成され得る。細長シャフト71には、光学カメラを含むことがある光学組立体に/から遠位先端において信号を伝える、ワイヤ及び/又は光ファイバも収容することができる。細長シャフト71には、発光ダイオードなどの近位に位置する光源からシャフトの遠位端に光を運ぶための光ファイバも収容することができる。
【0141】
器具70の遠位端では、遠位先端には、診断並びに/又は治療、灌注、及び吸引のためのツールを手術部位に送達するためのワーキングチャネルの開口も備えることができる。遠位先端には、内部解剖学的空間の画像を取り込むために、ファイバスコープ又はデジタルカメラなどのカメラ用のポートも含むことができる。これに関連して、遠位先端には、カメラを使用する際に解剖学的空間を照らすための光源用のポートも含むことができる。
【0142】
図16の例では、駆動シャフト軸、引いては駆動入力軸は、細長シャフトの軸に直交している。しかし、この配置は、細長シャフト71のロール能力を複雑にする。駆動入力73を静止させながら、細長シャフト71をその軸に沿って転がすことの結果として、テンドンが駆動入力73から出て、細長シャフト71内のプルルーメンに入るにつれて、テンドンの望ましからざるもつれをもたらす。結果として生じるこのようなテンドンのもつれは、内視鏡処置中に可撓性の細長シャフトの移動を予測することを目的とする如何なる制御アルゴリズムも邪魔することがある。
【0143】
図17には、駆動ユニットの軸が器具の細長シャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替の設計を示す。示す通り、円形の器具ドライバ80は、その駆動出力81がロボットアーム82の端において平行に位置合わせされた状態の4つの駆動ユニットを備える。駆動ユニット及びそのそれぞれの駆動出力81は、その組立体83内の駆動ユニットのうちの1つによって駆動される器具ドライバ80の回転組立体83に収容されている。回転駆動ユニットによって与えられるトルクに応答して、回転組立体83は、回転組立体83を器具ドライバの非回転部84に接続する円形ベアリングに沿って回転する。電力信号及び制御信号が、器具ドライバ80の非回転部84から電気接点を通して回転組立体83に電力信号及び制御信号を伝えることができ、ブラシ付きスリップリング接続(図示せず)により回転を通して維持され得る。他の実施形態では、回転組立体83は、非回転可能部分84に一体化され、引いては他の駆動ユニットと平行ではない別個の駆動ユニットに応答することができる。回転機構83により、器具ドライバ80が、器具ドライバ軸85を中心とする単一ユニットとして、駆動ユニット及びそのそれぞれの駆動出力81を回転させることが可能になる。
【0144】
先に開示した実施形態と同じく、器具86には、細長シャフト部88と、器具ドライバ80にある駆動出力81を受け入れるように構成されている複数の駆動入力89(レセプタクル、プーリー、及びスプールなど)を備える器具基台87(考察上、透明な外部スキンで示す)と、を備えることができる。前に開示した実施形態とは異なり、軸が、
図16の設計に見られるように直交するのではなく、駆動入力89の軸に実質的に平行である状態で、器具シャフト88は、器具基台87の中心から延出する。
【0145】
器具ドライバ80の回転組立体83に結合されると、器具基台87及び器具シャフト88を備える医療器具86は、器具ドライバ軸85を中心として回転組立体83と一緒に回転する。器具シャフト88が器具基台87の中心に位置付けられているため、器具シャフト88は、取り付けられると器具ドライバ軸85と同軸になる。したがって、回転組立体83の回転により、器具シャフト88は、自らの長手方向軸を中心として回転する。また、器具基台87が器具シャフト88とともに回転するので、器具基台87にある駆動入力89に接続されたいずれのテンドンも、回転中にもつれることはない。したがって、駆動出力81、駆動入力89、及び器具シャフト88の軸の平行性は、どの制御テンドンももつれさせることなくシャフト回転を可能にする。
【0146】
図18には、いくつかの実施形態による、器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す。器具150は、上で考察した器具ドライバのうちのいずれにでも結合することができる。器具150は、細長シャフト152と、細長シャフト152に接続されたエンドエフェクタ162と、細長シャフト152に結合されたハンドル170と、を備える。細長シャフト152は、近位部154及び遠位部156を有する管状部材を含む。細長シャフト152は、その外側表面に沿った1つ又は2つ以上のチャネル又は溝158を備える。溝158は、1つ又は2つ以上のワイヤ又はケーブル180を受け入れるように構成されている。したがって、1つ又は2つ以上のケーブル180は、細長シャフト152の外側表面に沿って走っている。他の実施形態では、ケーブル180は、細長シャフト152を走ることもできる。ケーブル180のうちの1つ又は2つ以上の巧みな操り(例えば、器具ドライバを介して)により、エンドエフェクタ162の作動がもたらされる。
【0147】
器具基台とも呼ばれることがある器具ハンドル170には、通常、器具ドライバの取り付け面上で1つ又は2つ以上のトルクカプラと相互に対合するように設計されている1つ又は2つ以上の機械式入力174、例えば、レセプタクル、プーリー又はスプールを有する取り付け接合部172を備えることができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、器具150は、細長シャフト152にハンドル170に対して並進することを可能にさせる一連のプーリー又はケーブルを備える。言い換えると、器具150そのものが、器具の挿入に適合する器具ベースの挿入アーキテクチャを構成しているので、ロボットアームへの依存を最小限に抑えて、器具150の挿入をもたらす。他の実施形態では、ロボットアームが、器具の挿入に大きく関与することができる。
【0149】
E.コントローラ
本明細書に記載のロボットシステムのいずれも、ロボットアームに取り付けられた器具を巧みに操る際の入力デバイス又はコントローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラの巧みな操りが、例えばマスタスレーブ制御を介して、器具の対応する巧みな操りを引き起こすような器具とコントローラを結合させることができる(例えば、通信可能に、電気で、無線で、かつ/又は機械で)。
【0150】
図19は、コントローラ182の一実施形態の斜視図である。この実施形態では、コントローラ182には、インピーダンス制御とアドミタンス制御との両方を備えることができるハイブリッドコントローラが含まれる。他の実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス制御すなわちは受動制御だけしか活かすことができない。また他の実施形態では、コントローラ182は、アドミタンス制御だけしか活かすことができない。ハイブリッドコントローラであることにより、使用中、コントローラ182の知覚慣性を低くすることができるのが好都合である。
【0151】
図示の実施形態では、コントローラ182は、2つの医療器具の巧みな操りを可能にするように構成され、2つのハンドル184を含む。ハンドル184のそれぞれは、ジンバル186に接続されている。各ジンバル186は、位置付けプラットフォーム188に接続されている。
【0152】
図19に示す通り、各位置付けプラットフォーム188は、プリズム継ぎ手196によってカラム194に結合されたSCARAアーム(選択的コンプライアンス組立ロボットアーム)198を含む。プリズム継ぎ手196は、カラム194に沿って(例えば、レール197に沿って)並進して、ハンドル184のそれぞれがz方向に並進するのを可能にし、第1の自由度を与えるように構成されている。SCARAアーム198は、x-y平面におけるハンドル184の動きを可能にし、2つの更なる自由度を与えるように構成されている。
【0153】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロードセルがコントローラに位置付けられている。例えば、いくつかの実施形態では、ロードセル(図示せず)が、ジンバル186のそれぞれの本体に位置付けられている。ロードセルを設けることによって、コントローラ182の一部が、アドミタンス制御下で作動することができ、それによって、使用中にコントローラの知覚慣性を低減するのが好都合である。いくつかの実施形態では、位置付けプラットフォーム188がアドミタンス制御用に構成されている一方、ジンバル186がインピーダンス制御用に構成されている。他の実施形態では、ジンバル186がアドミタンス制御用に構成されている一方、位置付けプラットフォーム188がインピーダンス制御用に構成されている。したがって、いくつかの実施形態よっては、位置付けプラットフォーム188の並進自由度又は位置自由度は、アドミタンス制御を当てにすることができる一方、ジンバル186の回転自由度は、インピーダンス制御により決まってくる。
【0154】
F.ナビゲーション及び制御
従来の内視鏡検査は、蛍光透視法(例えば、Cアームを通してもたらすことができる通り)、及び他の形態の放射線ベースの撮像モダリティの使用を伴って、オペレータである医師に腔内案内を与えることができる。これに対し、本開示によって可能性が考えられるロボットシステムは、放射線への医師の曝露を減らし、手術室内の機器量を減らすために、非放射線ベースのナビゲーション手段及び位置特定手段を提供することができる。本明細書で使用する際、「位置特定」という用語は、基準座標系内の対象物の位置を判断し/又はモニタリングすることを指すことがある。術前写像、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータなどの技術を個別に又は組み合わせて使用して、放射線のない手術環境を実現することができる。放射線ベースの撮像モダリティが依然として使用される他のケースでは、術前写像、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータを個別に又は組み合わせて使用して、放射線ベースの撮像モダリティを通してのみ得られる情報を向上させることができる。
【0155】
図20は、一実施形態例による、器具の場所など、ロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の場所を推定する位置特定システム90を示すブロック図である。位置特定システム90は、1つ又は2つ以上の命令を実行するように構成された1つ又は2つ以上のコンピュータデバイスセットであってもよい。コンピュータデバイスは、上で考察した1つ又は2つ以上の構成要素における1つのプロセッサ(又は複数のプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリによって具体化されてもよい。それに限るのではなく例として、コンピュータデバイスは、
図1に示すタワー30、
図1~
図4に示すカート、
図5~
図14に示すベッドにあってもよい。
【0156】
図20に示す通り、位置特定システム90は、医療器具の遠位先端についての位置データ96を起こすように入力データ91~94を処理する位置特定モジュール95を含むことができる。位置データ96は、基準系に対する器具の遠位端の場所及び/又は配向を表すデータ又は論理であってもよい。基準系とは、患者の解剖学的構造に対する、又はEM場発生器(EM場発生器についての以下の考察を参照)などの分かっている対象物に対する基準系とすることができる。
【0157】
ここで、様々な入力データ91~94についてより詳細に説明する。低用量CTスキャンの収集の使用を通して術前写像を果たすことができる。術前CTスキャンは、例えば、患者の内部解剖学的構造の切欠図の「スライス」として可視化される三次元画像に再構成される。全体として分析される場合、患者の肺網などの患者の解剖学的構造の解剖学的空腔、解剖学的空間、及び解剖学的構造を対象とする画像ベースのモデルを起こすことができる。中心線形状などの手法をCT画像から判断し、近似して、モデルデータ91(術前CTスキャンのみを使用して起こされた場合は「術前モデルデータ」とも呼ばれる)と呼ばれる患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを作成することができる。中心線形状の使用は、その内容の全体が本明細書に組み込まれている、米国特許出願第14/523,760号で考察されている。ネットワーク位相モデルもまた、CT画像から導出することができ、気管支鏡検査に特に適している。
【0158】
いくつかの実施形態では、器具にカメラを装備して、視覚データ92を提供することができる。位置特定モジュール95が、1つ又は2つ以上の視覚ベースの場所追跡を可能にするように、視覚データを処理することができる。例えば、術前モデルデータを視覚データ92と併用して、医療器具(例えば、内視鏡、又は内視鏡のワーキングチャネルを通って前進する器具)のコンピュータビジョンベースの追跡を可能にすることができる。例えば、術前モデルデータ91を使用して、ロボットシステムは、内視鏡の予想される移動路に基づいて、モデルから予測される内視鏡画像ライブラリを起こすことができ、各画像はモデル内の位置にリンクされる。手術中に、カメラ(例えば、内視鏡の遠位端にあるカメラ)に取り込まれたリアルタイム画像を画像ライブラリにあるものと比較して、位置特定を助けるために、ロボットシステムがこのライブラリを参照することができる。
【0159】
他のコンピュータビジョンベースの追跡技術では、特徴追跡を使用して、カメラ、引いては内視鏡の動きを確認する。位置特定モジュール95のいくつかの特徴は、解剖学的管腔に対応する円形幾何学形状を術前モデルデータ91において特定し、その幾何学的形状の変化を追跡し、どの解剖学的管腔が選択されたか、またカメラの相対的な回転及び/又は並進運動を確認し得る。位相マップの使用は、視覚ベースのアルゴリズム又は視覚ベースの技法を更に向上させることができる。
【0160】
別のコンピュータビジョンベースの技法であるオプティカルフローでは、視覚データ92におけるビデオシーケンス内の画像画素の変位及び並進を分析して、カメラの移動を推測することができる。オプティカルフロー技法の例としては、動き検出、オブジェクトセグメンテーション計算、輝度、動き補償符号化、立体視差測定などを挙げることができる。複数の反復にわたる複数のフレームの比較を通して、カメラ(引いては内視鏡)の移動及び場所を確認することができる。
【0161】
位置特定モジュール95では、リアルタイムEM追跡を使用して、術前モデルによって表される患者の解剖学的構造に見当合わせされ得るグローバル座標系に、内視鏡のリアルタイムの位置を起こすことができる。EM追跡では、医療器具(例えば、内視鏡器具)に1つ又は2つ以上の場所及び配向で埋め込まれた1つ又は2つ以上のセンサコイルで構成されたEMセンサ(又はトラッカ)が、分かっている場所に位置付けられた1つ又は2つ以上の静的EM場発生器によって生み出されたEM場の変動を測定する。EMセンサによって検出された場所情報は、EMデータ93として保存される。埋め込まれたセンサが検出することができる低強度磁場を生み出すように、患者の近くにEM場発生器(又は送信機)を置くことができる。磁場は、EMセンサのセンサコイルに小さい電流を誘導し、この電流を分析して、EMセンサとEM場発生器との間隔及び角度を確認することができる。患者の解剖学的構造の術前モデルにおける位置と座標系における場所1つだけを位置合わせする幾何学的変換を確認するために、この間隔及び配向を患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「見当合わせ」することができる。見当合わせされると、医療器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端)に埋め込まれたEMトラッカが、患者の解剖学的構造を通る医療器具の進行のリアルタイム表示を提供することができる。
【0162】
位置特定モジュール95がロボットコマンド及び運動学データ94も使用して、ロボットシステムに位置特定データ96を提供することができる。術前較正中に、関節運動コマンドからもたらされるデバイスピッチ及びヨーを確認することができる。術中に、これらの較正測定を分かっている挿入深度情報と組み合わせて使用して、器具の位置を推定することができる。その代わりに、これらの計算を、EM、視覚、及び/又は位相モデリングと組み合わせて分析して、ネットワーク内の医療器具の位置を推定することができる。
【0163】
図20に示す通り、位置特定モジュール95がいくつかの他の入力データを使用することができる。例えば、
図20には示していないが、形状感知ファイバを利用する器具が、位置特定モジュール95が器具の位置及び形状を確認するのに使用することができる形状データを提供することができる。
【0164】
位置特定モジュール95は、入力データ91~94を組み合わせて使用することができる。場合によっては、このような組み合わせでは、位置特定モジュール95が入力データ91~94のそれぞれから確認した場所に信頼重みを割り当てるという確率的手法を使用することができる。したがって、EMデータが信頼できない場合(EM干渉がある場合など)、EMデータ93によって確認された位置の信頼性を低下させることがあり、位置特定モジュール95は、視覚データ92並びに/又はロボットコマンド及び運動学データ94をより強く当てにすることがある。
【0165】
上で考察した通り、上記の技術のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを組み込むように、本明細書で考察するロボットシステムを設計することができる。タワー、ベッド、及び/又はカートに基づくロボットシステムのコンピュータベースの制御システムは、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に、コンピュータプログラム命令を記憶することができ、コンピュータプログラム命令は、実行されると、システムに、センサデータ及びユーザコマンドを受信、分析させ、システム全体にわたって制御信号を発生させ、グローバル座標系内の器具の位置、解剖学的マップなどのナビゲーションデータ及び位置特定データを表示させる。
【0166】
2.パワーアシスト移動式医療プラットフォーム用の車輪組立体
上記の例のうちのいくつかに示す通り、ロボット医療システムは、ベッド又はテーブルトップを含む医療プラットフォームを含むことができる。医療プラットフォームは、ロボット内視鏡検査、ロボット腹腔鏡検査、開腹術などの医療処置にわたって患者を支えるように構成され得る(例えば、上記の
図1、
図3、
図4、
図5、
図8、及び
図9を参照)。場合によっては、医療プラットフォームを移動させる必要があり、パワーアシストモビリティのための電動式車輪の使用により、巧みな操りの容易さ及び移動の正確さを医療プラットフォームに与えることができる。ベッド、具体的には、1つ又は2つ以上のロボットアームがベッドに結合されている状態のベッドの重い重さに起因して、ベッドを推進し、巧みに操ることが困難である場合がある。
【0167】
本明細書には、パワーアシストモビリティを与えるのに、1つ又は2つ以上の車輪組立体(本明細書では動力付き車輪組立体又は電動車輪組立体とも呼ばれる)を利用する移動式医療プラットフォームを開示している。車輪組立体は、1つ又は2つ以上のモータによって動力供給される車輪を含み、車輪のステアリング及び推進の両方に対するモータ駆動制御を可能にするのが好都合である。このような構成により、従来のベッドでは行いづらかった、移動式医療プラットフォームの正確な位置付けが容易になり、巧みな操りが可能になる。いくつかの実施形態では、車輪のキャスタ角は無視できるものであり、これにより、車輪をステアリングすると同時に、転がすことが容易になる。
【0168】
図21には、いくつかの実施形態による移動式医療プラットフォーム200を示す。移動式医療プラットフォーム200(例えば、患者プラットフォーム、ロボット手術プラットフォーム)は、剛性基台221と、1つ又は2つ以上の動力付き車輪組立体227(例えば、227-1~227-4)と、を含む。1つ又は2つ以上の動力車輪組立体227は、剛性基台221の第1の側228(例えば、底面)に結合され(例えば、しっかりと結合され)、移動式医療プラットフォーム200全体のパワーアシスト移動及び運搬を提供するように構成されている。
【0169】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、テーブルトップ225(例えば、手術ベッド、手術台、ロボット手術台)と、テーブルトップ225を支えるためのベッドカラム220と、を含む。テーブルトップ225は、患者を支え、病院ベッド又は手術ベッドとして機能するように構成されている。剛性基台221(例えば、手術ベッド用のテーブル基台、剛性耐荷重ハウジング、車台など)は、テーブルトップ225を支える(例えば、ベッドカラム220により)ように構成されている。
【0170】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、複数のロボットアーム205、1つ又は2つ以上の調整式アーム支持体210、及び1つ又は2つ以上のセットアップ継ぎ手215も含む。ロボットアーム205のそれぞれを調整式アーム支持体210のうちの1つによって支えることができ、今度は、調整式アーム支持体210をセットアップ継ぎ手215によって支えることができる。いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、1つ又は2つ以上のロボットアーム205に取り付けられたモニタリング機器又は撮像機器などの医療機器を含む。移動式医療プラットフォーム200は、移動式医療プラットフォーム200の無線操作用のオンボードバッテリ、及び/又は電気ソケットに差し込んで、移動式医療プラットフォーム200の動作に電気を提供することができるオンボード電源も含むことができる。この1つ又は2つ以上の動力車輪組立体227は、移動式医療プラットフォーム200に、また移動式医療プラットフォーム200によって支えられる、それに取り付けられる、それに結合される、かつ/又はそれに搭載される如何なる機器又は人にも、パワーアシストモビリティを提供するように構成されている。
【0171】
1つ又は2つ以上の車輪組立体227を含む移動式医療プラットフォーム200の例を
図22A及び22Bに関して示す。
【0172】
図22Aには、いくつかの実施形態による、4つの車輪組立体227-1~227-4を有する、
図21の移動式医療プラットフォーム200の底面図を示す。
図22Aでは、2つの車輪組立体227-1及び227-2が、剛性基台228の前端221-1に向かって配置され、2つの車輪組立体227-3及び227-4が、剛性基台221の後端228-2に向かって配置されている。
【0173】
図22Bには、3つの車輪組立体227-1~227-3を有する移動式医療プラットフォーム200の底面図を示す。2つの車輪組立体227-1及び227-2が、剛性基台の前端228-1に向かって配置され、車輪組立体227-3が、剛性基台221の後端228-2に向かって配置されている。
【0174】
それぞれ、
図22Aには、4つの動力付き車輪組立体227を含む移動式医療プラットフォーム200を示し、
図22Bには、3つの動力付き車輪組立体227を含む移動式医療プラットフォーム220を示し、移動式医療プラットフォーム200には、いくつでも(Oより大きい)動力付き車輪組立体227があってもよい。例えば、移動式医療用プラットフォーム200には、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれより多い動力付き車輪組立体227があってもよい。更に、動力付き車輪組立体227は、移動式医療プラットフォーム200を支え、それにモビリティを与えるのに、従来の車輪とともに使用され得る。例えば、
図22Bに示す移動式医療プラットフォーム200の車輪組立体227-1及び227-2は、従来の車輪に置き換えられてもよく、動力付き車輪組立体227-3は、移動式医療プラットフォーム200にパワーアシストモビリティを与えることができる。移動式医療プラットフォーム200が少なくとも1つの動力付き車輪組立体227を含む場合、移動式医療プラットフォーム200が更なる動力付き車輪組立体227を含むにせよ、従来の車輪を含むにせよ、動力付き車輪組立体227は、移動式医療プラットフォーム200にパワーアシストモビリティを与えることができる。
【0175】
図23Aには、いくつかの実施形態による、
図21の移動式医療プラットフォーム200の車輪組立体227の斜視図を示す。車輪組立体227は、回転軸231-1を中心に回転し、転がり軸231-2を中心に転がるように構成されている車輪230を含む。いくつかの実施形態では、車輪組立体227の機械構成要素が、ハウジング要素232(例えば、筐体)の内側に位置する。車輪230に動力を供給する車輪組立体227の機械構成要素を示している
図23Bに、AA’に沿った車輪組立体227の断面図を示す。
【0176】
図23Bを参照すると、車輪組立体227は、車輪230をステアリングし(例えば、回転させ)、車輪を推進する(例えば、転がす)ように構成された1つ又は2つ以上のモータを含む。
図23Bに示す車輪組立体227は、回転軸又はロール軸231-1を中心として車輪230を回転又はステアリングするように構成されているステアリングモータ233と、ロール軸231-2を中心として車輪230を転がすことによって車輪230を推進するように構成されている推進モータ234とを含む。
図23Bに示す車輪組立体227は、車輪230のパワーステアリング及び推進用の2つの異なる(例えば、区別できる別々の)モータを含むが、いくつかの実施形態では、車輪230のパワーステアリング及び推進は、モータ1つだけによって与えられてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態では、車輪組立体227の車輪230は、ステアリング軸231-1を中心として時計回り及び/又は反時計回りの方向に回転するように構成されている。いくつかの実施形態では、車輪組立体227の車輪230は、ステアリング軸231-1を中心として360°回転するように構成されている。いくつかの実施形態では、車輪組立体227の車輪230は、350°、330°、320°、300°、280°、250°、200°、90°、60°、45°、30°、又は15°など、360°未満でステアリング軸231-1を中心として回転するように構成されている。いくつかの実施形態では、車輪組立体227の車輪230は、ステアリング軸231-1を中心として少なくとも180°回転するように構成されている。
【0178】
いくつかの実施形態では、推進モータ234は、車輪230を前方及び後方の両方向に推進する(例えば、車輪230を転がり軸231-2を中心として時計回り及び反時計回りの方向に転がす)ように構成可能である。いくつかの実施形態では、推進モータ234は、車輪を一方向(例えば、転がり軸231-2を中心として時計回り方向のみ又は反時計回り方向のみ)に推進するように構成可能である。
【0179】
いくつかの実施形態では、車輪230は、バネ仕掛けであり、車輪組立体227は、車輪230に下向きの力を絶えず加える(直接的にも間接的にも)ように車輪230より上に位置付けられている下部バネ235(例えば、懸架バネ)を含む。結果として、下部バネ235は、車輪組立体227が使用されている(例えば、移動式医療プラットフォーム200を支えている)間、車輪230と地面又は表面236との接触の維持を容易にする。下部バネ235は、表面236の表面形状に関わらず、車輪230が表面236と接触したままになることを確実にする。例えば、車輪組立体227が、移動式医療プラットフォーム200を運ぶのに、又は移動式医療プラットフォーム200を平坦ではない表面(例えば、亀裂、隆起、及び/又は穴のある床)上の静止位置で支えるのに使用されている間、下部バネ235は、表面236に向かう方向に車輪230を押し下げ、それにより、車輪230が表面236との接触を維持し、移動式医療プラットフォーム200に安定した支えを与える。いくつかの実施形態では、下部バネ235は、剛性基台221の第1の側228に上向きの力を加え(直接的又は間接的のいずれかで)、移動式医療プラットフォーム200の重さを支えるようにも位置付けられている。
【0180】
いくつかの実施形態では、車輪組立体227は、車輪230が平坦でない表面又は隆起上を転がることによって引き起こされる相対移動など、移動式医療プラットフォーム200の車輪230と剛性基台221との間の相対移動を減衰させるように、車輪230よりも上に位置付けられている上部バネ237(例えば、エネルギ吸収バネ又は衝撃吸収バネ)も含む。上部バネ237は、車輪230と剛性基台221との間に位置付けられている。車輪組立体227が上部バネ237及び下部バネ235の両方を含む構成では、下部バネ235が上部バネ237と車輪230との間に配置されるように、上部バネ237は下部バネ235より上に位置する。上部バネ237のバネ定数は、下部バネ235のバネ定数よりも大きい。
【0181】
図23Cには、
図23A及び23Bの車輪組立体227の側面図を示す。車輪230の回転軸231-1及び車輪230の転がり軸231-2のオフセット距離d(キャスタと呼ばれる)及びキャスタ角θが無視できるものになるように、車輪230が位置付けられている。車輪230の回転軸231-1近くの拡大図である挿入
図Aには、車輪230の回転軸231-1と転がり軸231-2との間のオフセット距離d及びキャスタ角θを示す。車輪230の回転軸231-1と転がり軸231-2との間のオフセット距離dは、オフセット距離dが地面236との車輪の接触幅wの20%以下であるか(例えば、d<0.2w)、又は6ミリメートル未満であるとき、無視できる、実質的になくなる、又は実質的に0であるとみなされる。車輪230の接触幅wは、公称条件下又は理想的条件下で(例えば、表面236が平坦であるとき)表面236と接触している車輪230上の2つの最も遠い点間の距離である。
図23Cに示す車輪230の回転軸231-1と転がり軸231-2との間のオフセット距離d、及び車輪230のキャスタ角θは、無視できるものである(例えば、実質的に0、実質的になくされる)。車輪230のキャスタ角θ又はオフセット距離dを実質的になくすことによって、車輪230は、回転軸231-1に対する車輪230の配向とは無関係に、掃引容積をほとんど又は全く伴わずに回転軸231-1を中心として回転することができ、転がり軸231-2を中心として転がることができる。例えば、車輪230は、転がり軸231-2を中心として転がると同時に、回転軸231-1を中心として回転することができる。車輪230を回転させながら同時に車輪230を推進する能力は、車輪組立体が、キャスタ角が無視できないものである従来の車輪では不可能であるいくつかのやり方で移動式医療プラットフォーム200を巧みに操ることを可能にする。1つ又は2つ以上の車輪組立体227によって動力供給される移動式医療プラットフォーム200によってもたらされ得る様々な移動の例について
図24A~24Eに関して説明する。
【0182】
図24Aには、1つ又は2つ以上の車輪組立体227によって動力供給される移動式医療プラットフォーム200がナビゲートすることができる2つ異なる方向転換路の例を示す。破線で示す第1の方向転換路240は、動力付き車輪組立体227を使用しても、又は使用せずとも行うことができる移動式医療プラットフォーム200の典型的な方向転換路に対応する。これに対して、実線で示す第2の方向転換路242は、第1の方向転換路240よりも方向転換半径が小さい方向転換路に対応する。動力付き車輪組立体227の車輪230の回転すると同時に転がる能力により、第2の方向転換路242は、1つ又は2つ以上の動力付き車輪組立体227を含む移動式医療プラットフォーム200が行うことができ、それにより、狭い角及び小さいスペース周辺での移動式医療プラットフォーム200のより優れた操作性を可能にする。
【0183】
回転すると同時に転がることができることに加え、動力付き車輪組立体227の車輪230は、転がることなく回転することもできる。これにより、車輪230の転がり又は移動式医療プラットフォーム200の移動を開始するのに先立ち、車輪230を望ましい方向に配向することができる。例えば、
図24B~24Dに示す通り、移動式医療プラットフォーム200における動力付き車輪組立体227の車輪230は、転がされる前に望ましい位置に回転することができ、それによって、移動式医療プラットフォーム200を横方向に並進させることなく、中心位置244を中心として移動式医療プラットフォーム200を完全に回転させるか又は枢動させることができる。
【0184】
動力付き車輪組立体227の車輪230の回転と推進とを別々に制御する能力により、移動式医療プラットフォーム200の精密な移動が可能になる。例えば、移動式医療プラットフォーム200を小さな回廊又はエレベータなどの狭い空間でナビゲートするか又は位置付けるとき、移動式医療プラットフォーム200が静止している間に車輪組立体227の車輪230を配向することができるのが望ましい場合がある。
図24Eには、狭い空間(太線で表される)をナビゲートし、移動式医療プラットフォーム200を望ましい位置に正確に巧みに操る例を示す。移動式医療プラットフォーム200を前方に移動させるのに先立ち、動力付き車輪組立体227の車輪230を同一方向に位置合わせすることができ、車輪230を転がし、移動式医療プラットフォーム200を望ましい位置に移動させるのに先立ち、車輪230を異なる方向に再配向することができる。
図24Eに示す路の他に、移動式医療プラットフォーム200の動力付き車輪組立体227は、移動式医療プラットフォーム200を方向転換させかつ/又は枢動させることを含む多くの他のやり方で、
図24Eに示す角を通って移動式医療プラットフォーム200を運ぶことができる。動力付き車輪組立体227の車輪230を別々に回転させ、推進させるための自由度により、移動式医療プラットフォーム200の望ましい最終位置及び配向応じた多種多様な移動が可能になる。これにより、ユーザは、多くの物理環境において正確かつ容易に移動式医療プラットフォーム200を容易に巧みに操ることができる。
【0185】
いくつかの実施形態では、ユーザ又はオペレータは、ハンドヘルドペンダント又はコントローラなどの1つ又は2つ以上の入力デバイスを介して、移動式医療プラットフォーム200の移動を制御することができる。
図25Aには、移動式医療プラットフォーム200の移動を制御するための入力デバイス250の一例を示す。入力デバイス250は、Bluetoothなどの無線接続を介して、又は無線ネットワーク上で、又は1つ又は2つ以上の有線電気接続を介して移動式医療プラットフォーム200と通信することができる。したがって、入力デバイス250を様々なやり方で実装することができ、入力デバイス250は、ハンドヘルドペンダントであっても、コントローラであっても、ジョイスティックコントローラであってもよく、又はタブレット若しくはスマートフォンなどのタッチスクリーン表面を有するデバイスであってもよい。例えば、入力デバイス250は、移動式医療プラットフォーム200に位置しても又は取り付けられてもよく、入力デバイス250は、各車輪組立体227に電気的に接続されてもよい。別の例では、入力デバイスは、無線ネットワーク又はBluetooth接続を介して移動式医療プラットフォーム200と通信するスマートフォン又はタブレットであってもよい。スマートフォン又はタブレットは、スマートフォン又はタブレットのタッチスクリーン又はアフォーダンスにおけるユーザ入力を介して、ユーザが移動式医療プラットフォーム200の移動を制御することを可能にするように構成されているアプリケーションを含むことができる。いくつかの実施形態では、入力デバイス250は、所定の動作範囲内で移動式医療プラットフォーム200と通信することができる(例えば、移動式医療プラットフォーム200と入力デバイスとは、互いに5フィート、10フィート、20フィート、50フィート以内である)。入力装置の実装形態に応じて、移動式医療プラットフォーム200のオペレータは、移動式医療プラットフォーム200が例えば患者を運ぶのに使用されている間、移動式医療プラットフォーム200の側を歩きながら、<2669>移動式医療プラットフォーム200を押すか、又は移動式医療プラットフォーム200の移動を制御することができる。
【0186】
入力デバイス250は、移動式医療プラットフォーム200の配向(例えば、方向、進行方向)を制御するように構成されたステアリングアフォーダンス252-1と、移動式医療プラットフォーム200の動きを制御するように構成されたドライビングアフォーダンス252-2と、を含む。例えば、ステアリングアフォーダンス252-1を介して入力を与えることによって、ユーザは、無視できる横方向移動で(例えば、移動式医療プラットフォーム200の横方向並進を伴わずに)、移動式医療プラットフォーム200を時計回り又は反時計回りに回転させる又は枢動させることができる。また、ドライビングアフォーダンス252-2を介して入力を与えることによって、ユーザは、移動医療プラットフォーム200の配向を回転させることも変えることも伴わずに、移動式医療プラットフォーム200を如何なる方向(左、右、前方、後方、斜め)にも横方向に移動させることができる。移動式医療プラットフォーム200の各車輪組立体227の動作は、入力デバイス250を介してユーザが要求する通りの移動又は動きを実現するように、自動的に制御され、連携させられる。ステアリングアフォーダンス252-1及びドライビングアフォーダンス252-2は、
図25Aでは物理的なジョイスティックとして示されているが、ステアリングアフォーダンス252-1及びドライビングアフォーダンス252-2は、タッチスクリーン又はタッチパッドを介して実装されてもよく、方向アフォーダンス(例えば、左、右、前方、及び後方の方向に対応するアフォーダンス)に置き換えられてもよい。
【0187】
いくつかの実施形態では、入力デバイス250は、ディスプレイ254を更に含む。ディスプレイ254は、移動式医療プラットフォーム200の表現を提示することができ、かつ/又は如何なる警告又はエラーメッセージでも、例えば低バッテリ警告など、移動式医療プラットフォーム200に関する更なる情報を示すことができる。場合によっては、入力デバイス250は、1つ又は2つ以上の更なるアフォーダンス256を含む。1つ又は2つ以上の更なるアフォーダンス256のアフォーダンスが、移動式医療プラットフォーム200の剛性基台221に対するテーブルトップ225の高さの変更、又は移動式医療プラットフォーム200の事前設定背景などの移動式医療プラットフォーム200の他の機能に対応してもよい。
【0188】
いくつかの実施形態では、入力デバイス250は、モーションアフォーダンス258を含む。移動式医療プラットフォーム200を動かす又は制動する際の事前設定基準にモーションアフォーダンス258を関連付けることができる。例えば、事前設定基準により、移動式医療プラットフォーム200の移動を開始するために、又は車輪組立体227の車輪車輪230の推進若しくは配向を開始するために、モーションアフォーダンス258におけるユーザ入力(例えば、モーションアフォーダンス258が有効にされる、開始される、押される、押し下げられる)の検出を要求することができる。別の例では、事前設定基準により、移動式医療プラットフォーム200及び/又は車輪組立体227の車輪230が動いている間、モーションアフォーダンス258におけるユーザ入力が維持される(例えば、絶えず押下される、有効にされる、押される)ことを要求することができる。第3の例では、事前設定基準により、ステアリングアフォーダンス252-1及びドライビングアフォーダンス252-2のいずれにもおけるユーザ入力の検出を要求することができる。第4の例では、事前設定基準により、移動式医療プラットフォーム200が所定の速度を下回って操作される(例えば、移動式医療プラットフォーム200の移動が所定の速度を超えない)ことを要求することができる。また別の例では、事前設定基準により、これまで述べた条件のうちの2つ又は3つ以上が満たされることを要求することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、事前設定基準が満たされている(例えば、ユーザ入力がモーションアフォーダンス258において検出され続け、ユーザ入力がステアリングアフォーダンス252-1及び/又はドライビングアフォーダンス252-2において受信される)との判断に応答して、車輪組立体227車輪の230は、移動式医療プラットフォーム221が移動し続けるように、それまでのユーザ入力に基づいて自動的に配向される(例えば、同じ方向に)。
【0190】
いくつかの実施形態では、事前設定基準が満たされていない(例えば、ユーザ入力がモーションアフォーダンス258において検出されない、モーションアフォーダンス258におけるユーザ入力を止める、ユーザ入力がステアリングアフォーダンス252-1及びドライビングアフォーダンス252-2のいずれにおいても検出されない、又は移動式医療プラットフォーム200が所定の速度を超える速度で移動している)との判断に応答して、移動式医療プラットフォームは、自動的に不動化設定に入ることができる。例えば、移動式医療プラットフォーム200は、車輪組立体227の車輪230を事前設定制動構成に自動的に配向することにより、移動式医療プラットフォーム200を動かなくさせ、移動式医療プラットフォーム200の意図せぬ移動を防ぐ。いくつかの実施形態では、推進モータ224のモータ回転速度又はモータ方向の変化に不動化設定を対応させることができ、車輪230の減速又は制動をもたらす。
【0191】
いくつかの実施形態では、移動式医プラットフォーム200は、車輪230の転がり動を遅くさせる又は止めるために、車輪230と接触するように構成されている1つ又は2つ以上のブレーキパッドを含む。いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、展開式レバーベースの破壊機構を含み、この破壊機構は、展開すると、床(表面236など)に接触し、車輪組立体227の1つ又は2つ以上の車輪230が床に接触しないように剛性基台221を持ち上げる。それぞれ、
図25Bには、
図22Bの移動式医療プラットフォームの事前設定制動構成を示し、
図25Cには、
図22Aの移動式医療プラットフォームの事前設定制動構成を示す。
【0192】
図25Bに示す通り、移動式医療プラットフォーム200が2つ又は3つ以上の車輪組立体(この例では、3つの車輪組立体227-1~227-3)を含む場合、事前設定制動構成は、それぞれの車輪230が互いに平行にならないように、少なくとも2つの異なる車輪組立体227の車輪230がそれぞれ異なる方向(破線で表される)に配向されるのに対応する。例えば、車輪組立体227-1の車輪230が、基準軸に対して第1の方向すなわち第1の角度α1に配向され、車輪組立体227-2の車輪230が、基準軸に対して第2の方向すなわち第1の角度とは異なっている第2の角度α2に配向される。いくつかの実施形態では、第1の角度と第2の角度とが、10度~170度の範囲で異なっている場合がある。
【0193】
移動式医療プラットフォーム200が4つの車輪組立体を含む構成では、自動設定制動構成は、隣り合う車輪組立体227(例えば、移動式医療プラットフォーム200の同じ端、前端228ー1、又は後端228-2にある車輪組立体227)の車輪230が、それぞれ異なる方向に配向されるのに対応する。いくつかの実施形態では、4つの車輪組立体の車輪230は、自前設定制動構成である間、少なくとも4つの車輪組立体の重心259などの共有点に向けられる。例えば、
図25Cに示す通り、4つの車輪組立体227の車輪230は、事前設定制動構成であるとき、「X」形状を成すように配向される。いくつかの実施形態では、車輪組立体227-1及び227ー2の車輪は、第1の共有点に向けられ、車輪組立体227-3及び227ー4の車輪は、第1の共有点とは異なる第2の共有点に向けられる。
【0194】
図26A~26Dには、いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォーム(例えば、移動式医療プラットフォーム200)によって行われる方法300を示すフローチャートを示す。
【0195】
移動式医療プラットフォーム200(例えば、手術ベッド、手術台、ロボット手術台)は、剛性基台221(例えば、手術台用のテーブル基台、剛性耐荷重ハウジング、車台)と、物理環境において剛性基台221を支え、移動させるように剛性基台221の第1の側228に結合されている(例えば、しっかりと結合されている)1つ又は2つ以上の車輪組立体227とを含む。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、車輪230と、車輪をステアリングするように構成された第1のモータ223(例えば、ステアリングモータ)と、車輪230を転がすように構成された第2のモータ234(例えば、推進モータ)とを含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、テーブルトップ225と、テーブルトップ225を支える剛性基台221とを含む手術用ベッである。いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、剛性基台221によって支えられている医療機器(例えば、ドッキング位置又はドッキング解除位置にあるロボットアーム205、移動式医療プラットフォーム200によって搬送されている患者に取り付けられたモニタリング機器)を更に含む。いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、移動式医療プラットフォーム200の移動中に患者を支え、移動式医療プラットフォーム200のオペレータが、移動式医療プラットフォーム200の側を歩きながら移動式医療プラットフォーム200を押すか又は移動式医療プラットフォーム200の移動を制御する。
【0197】
方法300は、移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力を受信すること(310)と、1つ又は2つ以上の車輪組立体227の少なくとも1つの車輪230を移動させること(320)であって、A)車輪230をユーザ入力に対応するそれぞれの方向に配向する(例えば、回転させる又はステアリングする)ように第1のモータ223を作動させること、又はB)車輪230を転がす(例えば、推進する)ように、第2のモータ234を作動させること、のうちのいずれかを含む、移動させる(320)ことと、を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体227の少なくとも1つの車輪230は、ユーザ入力(例えば、移動式医療プラットフォーム200のユーザ要求移動)、センサ情報、ベッド位置情報、及び/又はベッド動き情報などの1つ又は2つ以上の入力に従って移動される。
【0198】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、車輪230に下向きの力を加える(例えば、直接に又は間接的に)ように位置付けられた第1のバネ235(例えば、下部バネ235)を含む(312)。この結果、第1のバネ235は、車輪230が床(例えば、表面236)との接触を維持することを容易にする。第1のバネ235は、移動式医療プラットフォーム220の剛性基台221の第1の側228に上向きの力を加える(例えば、直接に又は間接的に)ように位置付けられ、移動式医療プラットフォーム200の重さを支える。
【0199】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、車輪230と剛性基台221との間の相対移動(例えば、車輪230が平坦ではない表面にある隆起及び/又は穴全体にわたって転がることにより引き起こされる相対移動)を減衰させるように位置付けられている第2のバネ237(例えば、上部バネ237)を含む(314)。
【0200】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、第1のバネ235(例えば、上部バネ又はエネルギ吸収バネ235)及び第2のバネ237(例えば、下部バネすなわち懸架バネ237)を含む(316)。第1のバネ235は、剛性基台221より上かつ第2のバネ237より下に位置する。第2のバネ237は、車輪230より上かつ第1のバネ235より下に位置する。第1のバネ235のバネ定数は、第2のバネ237のバネ定数よりも大きい(例えば、第1のバネ235が第2のバネ237よりも硬い)。
【0201】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力が、1つ又は2つ以上の入力デバイス(例えば、入力デバイス250)から受信される(318)。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の入力デバイスは、移動式医療プラットフォーム200と通信している(例えば、有線通信又は無線通信)。
【0202】
いくつかの実施形態では、車輪230が回転すると同時に転がる(例えば、ステアリングされると同時に進められる)ように、第1のモータ233と第2のモータ234とを同時に作動させる(321)。このような同時のステアリング操作と転がし操作により、移動式医療プラットフォームの円滑な搬送が促進される。
【0203】
いくつかの実施形態では、車輪230がそれぞれの方向に配向された(例えば、第1のモータ233によって)後に、第2のモータ234が作動し(322)、車輪230の配向がそれぞれの方向に維持されている(例えば、第1のモータ233によって)間に、車輪230が第2のモータ234によって回転する。例えば、車輪230を第2のモータ234によって望ましい方向に前進させるのに先立ち、第1のモータ233によって、望ましいその方向にステアリングすることができる。このような連続したステアリングと転がしにより、移動式医療プラットフォームの正確な位置付けが容易になる。
【0204】
いくつかの実施形態では、車輪230をそれぞれの方向に配向するように第1のモータ233を作動させることには、剛性基台221の第1の側228に対応する平面に実質的に直角である第1の軸231ー1(例えば、回転軸又はステアリング軸231-1)を中心として、第1のモータ233によって車輪230をステアリングすること(323)が含まれる。
【0205】
いくつかの実施形態では、車輪230を回転させるように第2のモータ234を作動させることは、剛性基台221の第1の側228に対応する平面に実質的に平行である第2の軸231-2(例えば、転がり軸231-2)を中心として車輪230を転がすように、第2のモータ234によって車輪230に動力を供給すること(324)が含まれる。
【0206】
いくつかの実施形態では、第1の軸231-1(本明細書では車輪230のキャスタ角θとも呼ばれる)を実質的になくすように、第1の軸231-1と第2の軸231-2とが位置合わせされ、第1の軸231-1と第2の軸231-2とのオフセット距離dは、実質的にゼロである(325)。第1の軸231-1と第2の軸231-2との間のオフセット距離dが、車輪の地面236との接触幅wの20%以下であるか(例えば、d<0.2w)、又は6ミリメートル未満であるときに、第1の軸231-1(又は車輪230)のキャスタ角θは、実質的になくされているとみなされる。例えば、オフセット距離dがゼロであるような、第1の軸231-1と第2の軸231-2とが交差する。第1の軸231-1(又は車輪230)のキャスタ角θ、オフセット距離d、及び車輪の接触幅wの図示及び考察を、
図23Cに関して提供する。キャスタ角のこのような排除又は縮小は、第1のモータによる車輪230のステアリングを容易にする。
【0207】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体227は、少なくとも2つの車輪組立体を含み(例えば、移動式医療プラットフォームは、剛性基台221の前端280-1に2つの車輪組立体を含み、
図22Bに示す際には3つの車輪組立体を含み、
図22Aに示す際には剛性基台221の四象限に4つの車輪組立体を含み、又は5つ以上の車輪組立体を含む)、方法300は、第1の基準が満たされている(例えば、事前設定自動制動基準が満たされていない)との判断に従い、第1の基準が満たされている(例えば、モーションアフォーダンス258又はデッドマンスイッチが押下され、かつ/又はドライビング入力及び/又はステアリング入力がユーザデバイス250においてユーザから受信されている)との判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を共通方向にステアリングするように(例えば、それらの転がり軸が互いに平行である状態で)、少なくとも2つの車輪組立体227のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ233をトリガすること(330)を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、方法300は、第1の基準が満たされていない(例えば、事前設定自動制動基準が満たされている、モーションアフォーダンス258又はデッドマンスイッチが放されている、剛性基台221が事前設定速度又は閾値速度よりも速く移動している)との判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を事前設定制動構成にステアリングする(例えば、位置合わせする)ように、少なくとも2つの車輪組立体(例えば、車輪組立体227-1と227-2)のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ233をトリガすること(332)を含む。例えば、剛性基台221の同じ側にある車輪231(例えば、剛性基台221の前端280-1にある車輪230、剛性基台221の後端280-2にある車輪230、剛性基台221の左側にある車輪230、剛性基台221の右側にある車輪230)の第2の軸230-2(例えば、転がり軸231-2)は、少なくとも1つの他の車輪230の第2の軸に直角である。少なくとも4つの車輪組立体を備える移動式医療プラットフォームにおける車輪の事前設定制動構成の一例を、
図25Bに関して提供する。
【0209】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、第1の基準が満たされるために第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む(334)。例えば、第1の基準により、移動式医療プラットフォーム200の移動を可能にするために、移動式患者プラットフォーム200の移動中に入力デバイス250上のモーションアフォーダンス258が絶えず押される(例えば、押し下げられる、有効にされる)か、又は常に押されることを要求することができる。
【0210】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体227は、少なくとも4つの車輪組立体を含む(例えば、移動式医療プラットフォームが、4つ以上の車輪組立体を含む)。少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を事前設定制動構成にステアリングするように少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの第1のモータ233をトリガすることは、それぞれの第1のモータ233によって、4つの車輪組立体227の隣り合う車輪230の第2の軸231-2を中心としてそれぞれの車輪230を回転させること(336)であって、4つの車輪組立体227の隣り合う車輪の第2の軸231-2が異なる角度に配置されている、回転させること(336)が含まれる。例えば、剛性基台221の同じ側にある車輪230(例えば、剛性基台221の前端280-1にある車輪230、剛性基台221の後端280-2にある車輪230、剛性基台221の左側にある車輪230、剛性基台221の右側にある車輪230)の転がり231-2は、互いに対してある角度(例えば、90度、60度など)に配向され、互いに平行ではない。別の例では、車輪230が事前設定制動構成にあるとき、
図25Cに示す通りに、剛性基台221の底228に「X」形状を成すように、車輪230を配向することができる。
【0211】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォームは、1つ又は2つ以上の展開式レバーを含み、このレバーは、展開すると、1つ又は2つ以上の車輪組立体227の車輪230が床に接触しなくなるように、床(例えば、表面236)に接触して、剛性基台221を持ち上げる。
【0212】
いくつかの実施形態では、方法300は、(340)剛性基台221の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体227の動作を連携させることを更に含む。剛性基台221の要求された移動は、ユーザ入力に対応する。例えば、前進中に、車輪230の方向を
図24Aに示す通りに連携させて、移動式医療プラットフォーム220をステアリングすることができる。別の例では、
図24B~24Dに示す通り、物理環境に対する剛性基台221のゼロ又は無視できる並進を伴う回転運動(例えば、枢動)をもたらすように、2つ又は3つ以上の車輪組立体227の車輪230を連携させることができる。
【0213】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、剛性基台221に結合されているロボット手術システム(例えば、手術支援ロボットシステム100)を含み、ロボット手術システムは、テーブルトップ225(手術テーブルトップなど)及び1つ又は2つ以上のロボットアーム205を含む。方法300は、1つ又は2つ以上のロボットアーム205をテーブルトップ225に対して移動させること(350)も含むことができる。
【0214】
いくつかの実施形態では、この方法は、移動式医療プラットフォーム200と通信している(例えば、移動式医療プラットフォーム200の1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している)1つ又は2つ以上の入力デバイス(例えば、ジョイスティック、タッチスクリーンデバイス、制御デバイスなど)から、ユーザ入力(例えば、ボタンの押下、スワイプ入力、動き、ジェスチャ)に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータ(例えば、方向、変位、並進、事前設定命令)を受信することと、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って、それぞれの車輪230を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体227のそれぞれの第1のモータ233及びそれぞれの第2のモータ234を制御することと、を含む。
【0215】
図27は、いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォーム(例えば、移動式医療プラットフォーム200)を利用する対象の別の方法400を示すフローチャートである。移動式医療プラットフォーム200は、剛性基台221と、剛性基台221の第1の側228に結合され、物理環境において剛性基台221を支え、移動させる少なくとも2つの車輪組立体227と、を含む。少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれのうちの車輪組立体227は、車輪230と、車輪230をステアリングするように構成された第1のモータ233と、車輪を転がすように構成された第2のモータ234と、とを含む。
【0216】
方法400は、1つ又は2つ以上の入力デバイス(例えば、入力デバイス250)から入力(例えば、センサ情報、ベッド位置/動き情報、ユーザ入力)を受信すること(410)を含む。いくつかの実施形態では、入力は、移動式医療プラットフォーム200を移動させるための要求に対応する。
【0217】
方法400は、少なくとも2つの車輪組立体227のそれぞれの第1のモータ233及びそれぞれの第2のモータ234を制御するための1つ又は2つ以上の制御命令を生成すること(420)も含む。1つ又は2つ以上の制御命令を生成することには、入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体227をトリガすること(430)を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、第1の基準は、移動式医療プラットフォーム200の移動に関する1つ又は2つ以上のユーザ入力を与えながらモーションアフォーダンス258を押し下げるなど、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む。
【0219】
1つ又は2つ以上の制御命令を生成することは、入力が第1の基準とは異なっている第2の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体227をトリガすること(440)を含む。例えば、モーションアフォーダンス258が押し下げられていないとき、少なくとも2つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230が、移動式医療プラットフォーム200を動かなくさせる事前設定制動構成に配向される。
【0220】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の車輪組立体227は、少なくとも4つの車輪組立体を含む(例えば、移動式医療プラットフォームが、少なくとも4つの車輪組立体を含む)。少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を事前設定制動構成にするように、少なくとも4つの車輪組立体227をトリガすることには、4つの車輪組立体227の隣り合う車輪の第2の軸231-2を中心としてそれぞれの車輪230をそれぞれの第1のモータ233によって回転させること(450)であって、4つの車輪組立体227の隣り合う車輪の第2の軸231-2が異なる角度に配置されている、回転させること(450)が含まれる。
【0221】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230は、制動構成にある間、共有点に向けられる。いくつかの実施形態では、共通点は、少なくとも4つの車輪組立体227の重心259である。例えば、
図25Cに示す通り、4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230を「X」形態で配置することができる。
【0222】
本明細書に記載の通り、移動式医療プラットフォーム200の車輪組立体は、無視できるキャスタ(及び無視できるキャスタ角)を持つことができる。キャスタの縮小又は排除は、掃引容積をほとんど又は全く伴わずに移動式医療プラットフォームの搬送を可能にし、引いては、移動式医療プラットフォームを搬送する際の位置付けの正確さを高める。これによりまた、各車輪に対するステアリング方向の別々の選択がしやすくなり、制御機構が単純になる。
【0223】
いくつかの実施形態によれば、移動式医療プラットフォーム200は、剛性基台221と、剛性基台221の第1の側228に結合され、剛性基台221を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体227と、を含む。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、第1の軸231-1(例えば、回転軸又はステアリング軸231-1)と、第1の軸231-1とは異なっている第2の軸231-2(例えば、転がり軸231-2)と、をそれぞれ中心として回転するように構成されている車輪230と、第1の軸231-1又は第2の軸231-2のうちのそれぞれの軸を中心として車輪230を回転させるように位置付けられた第1のモータと、を含む。第1の軸231-1が第2の軸231-2と位置合わせされていることにより、車輪230の無視できるキャスタ各θをもたらす。いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体227は、第1のモータと区別できる第2のモータを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体227は、第1のモータと区別できる第2のモータを含まない。
【0224】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、1つ又は2つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータ233に、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪230を移動させる、メモリと、更に含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、それぞれの車輪230組立体は、第2のモータ234を更に含む。記憶された命令は、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイス(例えば、入力デバイス260)からユーザに対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って1つ又は2つ以上の車輪組立体227のそれぞれの車輪230を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体227のそれぞれの第1のモータ233及びそれぞれの第2のモータ234を制御させる。
【0226】
本明細書に記載の通り、移動式医療プラットフォームの車輪組立体は、2つのバネの組み合わせを含むことができる。2つのバネの組み合わせにより、平坦ではない床面によって引き起こされる衝撃又は振動を減衰させながら、それぞれの車輪が床と接触したままになることが容易になる。
【0227】
いくつかの実施形態によれば、移動式医療プラットフォーム200は、剛性基台221と、剛性基台221の第1の側228に結合され、移動式医療プラットフォーム200の移動中に剛性基台221を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体227と、を含む。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、車輪230と、車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータ233と、車輪230に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネ235と、車輪230と剛性基台221との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネ237とを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体227は、車輪を転がすための第2のモータ234を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体227は、車輪を転がすための第2のモータ234を含まない。
【0228】
いくつかの実施形態では、第1のモータ223は、剛性基台221の第1の側228に対応する平面に実質的に直角である第1の軸231-1(例えば、回転又はステアリング軸231-1)を中心として車輪230を回転させるように位置付けられている。1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体は、剛性基台221の第1の側228に対応する平面に実質的に平行である第2の軸231-2(例えば、転がり軸231-2)を中心として車輪230を転がすように位置付けられた第2のモータ235も含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、移動式医療プラットフォーム200は、1つ又は2つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータ233又は第2のモータ235のうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪230を移動させる、メモリと、を含む。
【0230】
いくつかの実施形態によれば、移動式医療プラットフォーム200は、剛性基台221と、剛性基台221に結合され、剛性基台221を支える少なくとも4つの車輪組立体227と、を含む。少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体227は、それぞれの車輪230と、それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられたそれぞれの第1のモータ223と、を含む。移動式医療プラットフォーム200はまた、1つ又は2つ以上のプロセッサと、命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230が第1の時間に共通方向に位置合わせされ、少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230が、第1の時間とは異なる第2の時間に、剛性基台221が動かなくなるように、制動構成に配置される、といった、少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230のステアリングをもたらす、メモリと、を含む。いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体227は、それぞれの車輪を転がすための第2のモータを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの車輪組立体227は、それぞれの車輪を転がすための第2のモータを含まない。
【0231】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの車輪組立体227のそれぞれの車輪230は、制動構成にある間、共有点に向けられる。
【0232】
いくつかの実施形態では、共通点は、少なくとも4つの車輪組立体227の重心259である。
【0233】
本開示の実施形態は、病院ベッド又は手術台などの移動医療プラットフォームにパワーアシストモビリティを与えるためのシステム及び技術に関する。
【0234】
3.実装システム及び用語
図28は、いくつかの実施形態による、移動式医療プラットフォーム200の電子構成要素を示す概略図である。
【0235】
移動式医療プラットフォーム200は、本明細書に記載の如何なる方法(例えば、
図26A~26D及び27に関して記載の工程)でも行うための命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体282(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリなどのコンピュータ記憶素子、またハードドライブ、光ディスク、磁気テープレコーディング、又はそれらの如何なる組み合わせでも、などの他のストレージデバイス)と通信している1つ又は2つ以上のプロセッサ280を含む。1つ又は2つ以上のプロセッサ280は、入力/出力コントローラ284とも通信している(システムバス又は如何なる電気回路でも介して)。入力/出力コントローラ284は、入力デバイス(例えば、入力デバイス250に対応するユーザ入力デバイス286)から命令及び/又はデータを受信し、受信した命令及び/又はデータを1つ又は2つ以上のプロセッサ280に中継する(例えば、如何なる置き換え、変換、及び/又はデータ処理でも伴って、又は伴わずに)。入力/出力コントローラ284は、1つ又は2つ以上のプロセッサ280からも命令及び/又はデータを受信し、第1のモータ233-1~233-4及び第2のモータ234-1~234-4などの1つ又は2つ以上のアクチュエータに命令及び/又はデータを中継する。いくつかの実施形態では、入力/出力コントローラ284は、1つ又は2つ以上のアクチュエータコントローラ290-1~290-4に結合され、命令及び/又はデータを1つ又は2つ以上のアクチュエータコントローラ290-1~290-4の少なくともサブセットに与え、今度は、選択アクチュエータに制御信号を与える。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のアクチュエータコントローラ290-1~290-4は、入力/出力コントローラ284と一体化され、入力/出力コントローラ284は、制御信号を1つ又は2つ以上のアクチュエータに直接に与える(別個のアクチュエータコントローラを伴わずに)。
図28は、別個のアクチュエータコントローラ290-1~290-4(例えば、各車輪組立体に対して1つのアクチュエータコントローラ)があることを示すが、いくつかの実施形態では、使用するアクチュエータコントローラがそれより少なくてもよく(例えば、移動式医療プラットフォーム全体に対して1つのアクチュエータコントローラ、又は一対の車輪組立体に対して1つのアクチュエータコントローラなど)、更なるアクチュエータコントローラが使用されてもよく(例えば、第1のモータ又は第2のモータなどの各アクチュエータに対して1つのアクチュエータコントローラ)、又はそれらの如何なる組み合わせであってもよい。
【0236】
本明細書に開示の実装形態は、パワーアシストモビリティを備える医療プラットフォーム用のシステム、方法、及び装置を提供する。
【0237】
本明細書で使用する際、用語「結合する(couple)」、「結合している(coupling)」、「結合された(coupled)」という用語、又は結合(couple)という単語の他の変形は、間接接続でも直接接続でも示すことができることに留意されたい。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素に「結合される」場合、第1の構成要素は、別の構成要素を介して第2の構成要素に間接的に接続されても、第2の構成要素に直接に接続されてもよい。
【0238】
本明細書に記載の移動式医療プラットフォームのパワーアシストモビリゼーション用の機能は、プロセッサ可読媒体又はコンピュータ可読媒体に1つ又は2つ以上の命令として記憶することができる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ又はプロセッサがアクセスすることができる如何なる使用可能媒体でも指すものである。それに限るものではなく一例として、このような媒体としては、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory、EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)若しくは他の光ディスク記憶域、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は命令構造若しくはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを記憶するのに使用することができ、コンピュータがアクセスできる他の如何なる媒体でも含めることができる。コンピュータ可読媒体が、有形で、非一時的であってもよいことに留意されたい。本明細書で使用する際、「コード(code)」という用語は、コンピューティングデバイス又はプロセッサによって実行可能であるソフトウェア、命令、コード、又はデータを言うことができる。
【0239】
本明細書に開示の方法は、記載の方法を実現する際の1つ又は2つ以上のステップ又は行為を含む。方法ステップ及び/又は行為は、特許請求の範囲から逸脱しない限り、互いに置き換えることができる。言い換えれば、記載の方法の正しい実施に特定の順序のステップ又は行為が必要とされない限り、特許請求の範囲から逸脱しない限り、特定のステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用を修正することができる。
【0240】
本明細書で使用する際、「複数(plurality)」という用語は、2つ又は3つ以上のことである。例えば、複数の構成要素は、2つ又は3つ以上の構成要素のことである。「判断する(determining)」という用語は、多種多様な行為に及び、したがって、「判断する」には、計算する、コンピュータで計算する、処理する、導出する、調査する、ルックアップする(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造を調べる)、確かめるなどを含めることができる。また、「判断する」には、受け取る(例えば、情報を受信する)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスする)などを含めることができる。また、「判断する」には、解決する、選択する、選出する、確立するなどを含めることができる。
【0241】
語句「に基づく(based on)」は、特に明記されていない限り、「のみに基づく」を意味するものではない。言い換えれば、語句「基づく」は、「のみに基づく」及び「少なくとも基づく」の両方を言うものである。
【0242】
本開示の実装態様のこれまでの説明は、当業者であれば、その誰もに、本発明を作る又は使用することを可能にさせるために提供される。当業者であれば、これらの実装形態に対す様々な修正がすぐに分かるようになり、本明細書に規定の一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することのない限り、他の実装態様にも適用することができる。例えば、当業者であれば、締結、取り付け、結合、又は係合ツール構成要素と同様の方法、特定の作動運動を生み出すのと同等の機構、及び電気エネルギを送達するのと同等の機構など、多くの対応する代替え、同等の構造上の細目を採用することができることが分かるであろう。したがって、本発明は、本明細書に示す実装形態に限られるものではなく、本明細書に開示した原則及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるものである。
【0243】
以下の条項により、いくつかの実施形態又は実装形態を記述する。
条項1.移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
物理環境において剛性基台を支え、移動させるように剛性基台の第1の側に結合されている1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
車輪と、
車輪をステアリングするように構成されている第1のモータと、
車輪を転がすように構成されている第2のモータと、を含む、移動式医療プラットフォーム。
条項2.
第1のモータが、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として車輪をステアリングするように構成され、
第2のモータが、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心として車輪を転がすように構成されている、条項1に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項3.第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、条項2に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項4.それぞれの車輪組立体が、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に備える、条項1~3のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項5.それぞれの車輪組立体が、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に備える、条項1~4のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項6.それぞれの車輪組立体が、
第1のバネと、
第1のバネより下に位置する第2のバネと、を更に備え、第2のバネが、車輪より上に位置し、第1のバネのバネ定数が第2のバネのバネ定数よりも大きい、条項1~5のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項7.
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータ又は第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪を移動させる、メモリと、を更に備える、条項1~6のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項8.1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、条項7に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項9.1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、事前設定制動構成が、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、条項8に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項10.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、条項8又は9に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項11.第1の基準が、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、条項10に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項12.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、条項7~11のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項13.1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御することには、
それぞれの車輪組立体の車輪を同時にステアリングし、転がすように、それぞれの車輪組立体の第1のモータ及び第2のモータを制御することが含まれる、条項12に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項14.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、条項7~13のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項15.
剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、ロボット手術システムが、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、条項~14のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項16.移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
剛性基台の第1の側に結合され、剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
第1の軸及び第2の軸を中心としてそれぞれ回転するように構成されている車輪であって、第2の軸が、第1の軸とは異なる、車輪と、
第1の軸及び第2の軸のうちのそれぞれの軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、を含み、第1の軸が第2の軸と位置合わせされていることにより、車輪の無視できるキャスタ角がもたらされる、移動式医療プラットフォーム。
条項17.
第1のモータが、第1の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられ、
1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、第2の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられた第2のモータを更に備え、
第2の軸が、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である、条項16に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項18.1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネを更に備える、条項16又は17に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項19.1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネを更に備える、条項16~18のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項20.1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
第1のバネと、
第1のバネよりも下に位置する第2のバネと、を更に備え、第1のバネのバネ定数が第2のバネのバネ定数よりも大きい、条項16~19のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項21.
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪を移動させる命令を記憶するメモリと、を更に備える、条項16~20のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項22.1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成に回転させるように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、条項21に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項23.1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、事前設定制動構成が、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、条項22に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項24.それぞれの車輪組立体が、第2のモータを更に含み、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザに対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、条項21~23のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項25.
1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、条項21~24に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項26.第1の基準が、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、条項25に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項27.それぞれの車輪組立体が、第2のモータを更に含み、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の軸と第2の軸とを中心としてそれぞれの車輪組立体の車輪を同時に回転させるように、それぞれの車輪組立体の第1のモータと第2のモータとを制御させる、条項21~26のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項28.
1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、条項21~27のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項29.
剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、ロボット手術システムが、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、条項16~28のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項30.移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
剛性基台の第1の側に結合され、移動式医療プラットフォームの移動中に剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
車輪と、
車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、
車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネと、
車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネと、を含む、移動式医療プラットフォーム。
条項31.
第2のバネが第1のバネより下に位置し、
第2のバネが車輪より上に位置し、
第1のバネのバネ定数が第2のバネのバネ定数よりも大きい、条項30に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項32.
第1のモータが、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として車輪を回転させるように位置付けられ、
1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心として車輪を転がすように位置付けられた第2のモータを更に含む、条項30又は31に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項33.第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、条項32に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項34.
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、第1のモータ又は第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って車輪を移動させる、メモリと、を更に備える、条項32又は33に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項35.1つ又は2つ以上の車輪組立体は、少なくとも2つの車輪組立体を含み、記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするようステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体うちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、条項34に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項36.1つ又は2つ以上の車輪組立体は、4つの車輪組立体を含み、事前設定制動構成は、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が様々な角度に配置されていることを含む、条項35に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項37.
1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、条項35又は36に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項38.第1の基準は、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、条項37に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項39.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、条項34~38のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項40.1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御することには、それぞれの車輪組立体の車輪を同時にステアリングし、転がすように、それぞれの車輪組立体の第1のモータ及び第2のモータを制御することが含まれる、条項39に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項41.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、条項34~40のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項42.
剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、ロボット手術システムが、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、条項30~41のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項43.移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
剛性基台に結合され、剛性基台を支える少なくとも4つの車輪組立体であって、少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
それぞれの車輪、及び
それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられたそれぞれの第1のモータを含む、少なくとも4つの車輪組立体と、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、
少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が第1の時間に共通方向に位置合わせされ、
少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が、第1の時間とは異なる第2の時間に事前設定制動構成に配置され、剛性基台が動かなくなるように、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪のステアリングをもたらす、メモリと、を備える、移動式医療プラットフォーム。
条項44.少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が、事前設定制動構成にある間に、共有点に向けられる、条項43に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項45.共有点が、少なくとも4つの車輪組立体の重心である、条項44に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項46.
それぞれの第1のモータが、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心としてそれぞれの車輪をステアリングするように位置付けられ、
少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心としてそれぞれの車輪を転がすように位置付けられたそれぞれの第2のモータを更に含む、条項43~45のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項47.第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、条項46に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項48.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、それぞれの第1のモータ又はそれぞれの第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従ってそれぞれの車輪を移動させる、条項46又は47に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項49.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、
1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスから1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、条項46~48のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項50.1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御することには、それぞれの車輪組立体のそれぞれの車輪を同時にステアリングして、転がすように、それぞれの車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを、制御することが含まれる、条項49に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項51.少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に備える、条項43~50のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項52.少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、それぞれの車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に備える、条項43~51のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項53.少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
それぞれの第1のバネと、
それぞれの第1のバネより下に位置するそれぞれの第2のバネと、を更に備え、それぞれの第2のバネが、それぞれの車輪より上に位置し、それぞれの第1のバネのバネ定数がそれぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい、条項43~52のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項54.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従って、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも4つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、条項43~53のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項55.事前設定制動構成が、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、条項43~54のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項56.記憶された命令が、1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ又は2つ以上のプロセッサに、剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、条項43~55のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項57.
第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が共通方向に位置合わせされ、
第1の基準が満たされていないとの判断に従って、少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪が事前設定制動構成に配置される、条項43~56のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項58.第1の基準が、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、条項57に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項59.剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、ロボット手術システムが、テーブルトップと、テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、条項43~58のいずれかに記載の移動式医療プラットフォーム。
条項60.方法であって、
条項1~59のいずれかに記載の移動式医療プラットフォームにおいて、
移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力を受信することと、
1つ又は2つ以上の車輪組立体の少なくとも1つの車輪を移動させることであって、
車輪をユーザ入力に対応するそれぞれの方向に配向するように、第1のモータを作動させること、及び
車輪を転がすように、第1のモータを作動させることのうちのいずれかを含む、移動させることと、を含む、方法。
条項61.車輪がそれぞれの方向に配向された後に第2のモータが作動し、車輪の配向がそれぞれの方向に維持されている間に車輪が第2のモータによって転がされる、条項60に記載の方法。
条項62.第1のモータと第2モータとが同時に作動する、条項61に記載の方法。
条項63.
車輪をそれぞれの方向に配向するように第1のモータを作動させることには、第1のモータによって、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に垂直である第1の軸を中心として車輪をステアリングすることが含まれ、
車輪を転がすように第2のモータを作動させることには、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である第2の軸を中心として転がるように、第2のモータによって車輪に動力供給することが含まれる、条項60~62のいずれかに記載の方法。
条項64.第1の軸及び第2の軸が、第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、条項63に記載の方法。
条項65.車輪組立体が、車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に備える、条項60~64のいずれかに記載の方法。
条項66.車輪組立体が、車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に備える、条項60~65のいずれかに記載の方法。
条項67.
車輪組立体が、第1のバネ及び第2のバネを更に備え、
第2のバネが、車輪より上かつ第1のバネより下に位置し、
第1のバネのバネ定数が第2のバネのバネ定数よりも大きい、条項60~66に記載の移動式医療プラットフォーム。
条項68.1つ又は2つ以上の車輪組立体が少なくとも2つの車輪組立体を含み、方法が、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、
第1の基準が満たされていないとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることと、を更に含む、条項60~67のいずれかに記載の方法。
条項69.1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、
少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることには、
4つの車輪組立体の隣り合う車輪の軸が異なる角度で配置されるように、それぞれの第1のモータによって、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の軸を中心としてそれぞれの車輪を回転させることが含まれる、条項68に記載の方法。
条項70.第1の基準が、第1の基準が満たされるために第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、条項68又は69に記載の方法。
条項71.移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力が、1つ又は2つ以上の入力デバイスから受信される、条項60~70のいずれかに記載の方法。
条項72.剛性基台の要求された移動を実現するように2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させることを更に含み、剛性基台の要求された移動がユーザ入力に対応する、条項60~71のいずれかに記載の方法。
条項73.移動式医療プラットフォームが、剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含み、ロボット手術システムが、テーブルトップ及び1つ又は2つ以上のロボットアームを含み、方法が、1つ又は2つ以上のロボットアームをテーブルトップに対して移動させることを更に含む、条項60~72のいずれかに記載の方法。
条項74.方法であって、
条項1~59のいずれかに記載の移動式医療プラットフォームを利用することを含み、移動式医療プラットフォームが、少なくとも2つの車輪組立体を含み、少なくとも2つの車輪組立体が、
1つ又は2つ以上の入力デバイスから、移動式医療プラットフォームを移動させるための入力を受信し、
少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御するための1つ又は2つ以上の制御命令を生成するためのものであり、生成することには、
第1の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、
入力が第1の基準とは異なる第2の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、が含まれる、方法。
条項75.入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、
少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、それぞれの第1のモータを作動させることと、
それぞれの車輪を転がすように、それぞれの第2のモータを作動させることと、が更に含まれ、第1のモータと第2のモータとが同時に作動する、条項74に記載の方法。
条項76.入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、
少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、それぞれの第1のモータを作動させることと、
それぞれの車輪がそれぞれの方向に維持された後、かつそれぞれの車輪の配向がそれぞれの方向に維持されている間に、それぞれの車輪を転がすように、それぞれの第2のモータを作動させることと、が更に含まれる、条項74又は75に記載の方法。
条項77.少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするようにそれぞれの第1のモータを作動させることには、それぞれの第1のモータによって、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角であるそれぞれの第1の軸を中心としてそれぞれの車輪をステアリングすることが含まれ、
それぞれの車輪を転がすようにそれぞれの第2のモータを作動させることには、剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行であるそれぞれの第2の軸を中心として転がるように、それぞれの第2のモータによって車輪に動力供給することが含まれる、条項76に記載の方法。
条項78.少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪のそれぞれの第1の軸及びそれぞれの第2の軸が、それぞれの第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、条項77に記載の方法。
条項79.
1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも4つの車輪組立体を含み、
少なくとも4つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にするように少なくとも4つの車輪組立体をトリガすることには、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されるように、それぞれの第1のモータによって、4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第1の軸を中心としてそれぞれの車輪を回転させることが含まれる、条項77又は78に記載の方法。
条項80.少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に備える、条項74~79のいずれかに記載の方法。
条項81.少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、それぞれの車輪と剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に備える、条項74~80のいずれかに記載の方法。
条項82.
少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、それぞれの第1のバネ及びそれぞれの第2のバネを更に備え、
それぞれの第2のバネがそれぞれの車輪より上かつそれぞれの第1のバネよし下に位置し、
それぞれの第1のバネのバネ定数がそれぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい、条項74~81のいずれかに記載の方法。
条項83.第1の基準が、第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、条項74~82のいずれかに記載の方法。
条項84.剛性基台の要求された移動を実現するように少なくとも2つの車輪組立体の動作を連携させることを更に含み、剛性基台の要求された移動が入力に対応する、条項74~83のいずれかに記載の方法。
条項85.移動式医療プラットフォームが、剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含み、ロボット手術システムがテーブルトップ及び1つ又は2つ以上のロボットアームを含み、方法が、テーブルトップに対して1つ又は2つ以上のロボットアームを移動させることを更に含む、条項74~84のいずれかに記載の方法。
【0244】
〔実施の態様〕
(1) 移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
物理環境において前記剛性基台を支え、移動させるように前記剛性基台の第1の側に結合されている1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
車輪と、
前記車輪をステアリングするように構成されている第1のモータと、
前記車輪を転がすように構成されている第2のモータと、を含む、移動式医療プラットフォーム。
(2) 前記第1のモータが、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記車輪をステアリングするように構成され、
前記第2のモータが、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として前記車輪を転がすように構成されている、実施態様1に記載の移動式医療プラットフォーム。
(3) 前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、実施態様2に記載の移動式医療プラットフォーム。
(4) 前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に備える、実施態様1に記載の移動式医療プラットフォーム。
(5) 前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に備える、実施態様1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0245】
(6) 前記それぞれの車輪組立体が、
第1のバネと、
前記第1のバネより下に位置する第2のバネと、を更に備え、前記第2のバネが、前記車輪より上に位置し、前記第1のバネのバネ定数が、前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、実施態様1に記載の移動式医療プラットフォーム。
(7) 1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記第1のモータ又は前記第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記車輪を移動させる、メモリと、を更に備える、実施態様1に記載の移動式医療プラットフォーム。
(8) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、実施態様7に記載の移動式医療プラットフォーム。
(9) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、実施態様8に記載の移動式医療プラットフォーム。
(10) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、実施態様8に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0246】
(11) 前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには、第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、実施態様10に記載の移動式医療プラットフォーム。
(12) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、実施態様7に記載の移動式医療プラットフォーム。
(13) 前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することには、
前記それぞれの車輪組立体の前記車輪を同時にステアリングし、転がすように、前記それぞれの車輪組立体の前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御することが含まれる、実施態様12に記載の移動式医療プラットフォーム。
(14) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、実施態様7に記載の移動式医療プラットフォーム。
(15) 前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、実施態様1に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0247】
(16) 剛性基台と、
前記剛性基台の第1の側に結合され、前記剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
第1の軸及び第2の軸を中心としてそれぞれ回転するように構成されている車輪であって、前記第2の軸が、前記第1の軸とは異なる、車輪と、
前記第1の軸及び前記第2の軸のうちのそれぞれの軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、を含み、前記第1の軸が前記第2の軸と位置合わせされていることにより、前記車輪の無視できるキャスタ角がもたらされている、移動式医療プラットフォーム。
(17) 前記第1のモータが、前記第1の軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられ、
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記第2の軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられた第2のモータを更に備え、
前記第2の軸が、前記剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に平行である、実施態様16に記載の移動式医療プラットフォーム。
(18) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネを更に備える、実施態様16に記載の移動式医療プラットフォーム。
(19) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネを更に備える、実施態様16に記載の移動式医療プラットフォーム。
(20) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、
第1のバネと、
前記第1のバネよりも下に位置する第2のバネと、を更に備え、前記第1のバネのバネ定数が前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、実施態様16に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0248】
(21) 1つ又は2つ以上のプロセッサと、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記第1のモータに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記車輪を移動させる命令を記憶するメモリと、を更に備える、実施態様16に記載の移動式医療プラットフォーム。
(22) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成に回転させるように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、実施態様21に記載の移動式医療プラットフォーム。
(23) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、実施態様22に記載の移動式医療プラットフォーム。
(24) 前記それぞれの車輪組立体が第2のモータを更に含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザに対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御させる、実施態様21に記載の移動式医療プラットフォーム。
(25) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、実施態様21に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0249】
(26) 前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、実施態様25に記載の移動式医療プラットフォーム。
(27) 前記それぞれの車輪組立体が第2のモータを更に含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記第1の軸と前記第2の軸とを中心として前記それぞれの車輪組立体の前記車輪を同時に回転させるように、前記それぞれの車輪組立体の前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御させる、実施態様21に記載の移動式医療プラットフォーム。
(28) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、実施態様21に記載の移動式医療プラットフォーム。
(29) 前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、実施態様16に記載の移動式医療プラットフォーム。
(30) 移動式医療プラットフォームであって、
剛性基台と、
前記剛性基台の第1の側に結合され、前記移動式医療プラットフォームの移動中に前記剛性基台を支える1つ又は2つ以上の車輪組立体と、を備え、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
車輪と、
前記車輪を回転させるように位置付けられた第1のモータと、
前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられた第1のバネと、
前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられた第2のバネと、を含む、移動式医療プラットフォーム。
【0250】
(31) 前記第2のバネが前記第1のバネより下に位置し、
前記第2のバネが前記車輪より上に位置し、
前記第1のバネのバネ定数が前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、実施態様30に記載の移動式医療プラットフォーム。
(32) 前記第1のモータが、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記車輪を回転させるように位置付けられ、
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として前記車輪を転がすように位置付けられた第2のモータを更に含む、実施態様30に記載の移動式医療プラットフォーム。
(33) 前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、実施態様32に記載の移動式医療プラットフォーム。
(34) 1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記第1のモータ又は前記第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記車輪を移動させる、メモリと、を更に備える、実施態様32に記載の移動式医療プラットフォーム。
(35) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、実施態様34に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0251】
(36) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度で配置されていることを含む、実施態様35に記載の移動式医療プラットフォーム。
(37) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、
前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガさせる、実施態様35に記載の移動式医療プラットフォーム。
(38) 前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには、第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、実施態様37に記載の移動式医療プラットフォーム。
(39) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスからユーザ入力に対応する1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従ってそれぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御させる、実施態様34に記載の移動式医療プラットフォーム。
(40) 前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することには、前記それぞれの車輪組立体の前記車輪を同時にステアリングし、転がすように、前記それぞれの車輪組立体の前記第1のモータ及び前記第2のモータを制御することが含まれる、実施態様39に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0252】
(41) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、実施態様34に記載の移動式医療プラットフォーム。
(42) 前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、実施態様30に記載の移動式医療プラットフォーム。
(43) 剛性基台と、
前記剛性基台に結合され、前記剛性基台を支える少なくとも4つの車輪組立体であって、前記少なくとも4つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、
それぞれの車輪、及び
前記それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられたそれぞれの第1のモータを含む、少なくとも4つの車輪組立体と、
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が第1の時間に共通方向に位置合わせされ、
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が、前記第1の時間とは異なる第2の時間に事前設定制動構成に配置され、前記剛性基台が動かなくなるように、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪のステアリングをもたらす、メモリと、を備える、移動式医療プラットフォーム。
(44) 前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が、前記事前設定制動構成にある間に、共有点に向けられる、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(45) 前記共有点が、前記少なくとも4つの車輪組立体の重心である、実施態様44に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0253】
(46) 前記それぞれの第1のモータが、前記剛性基台の第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記それぞれの車輪をステアリングするように位置付けられ、
前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として前記それぞれの車輪を転がすように位置付けられたそれぞれの第2のモータを更に含む、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(47) 前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、実施態様46に記載の移動式医療プラットフォーム。
(48) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記それぞれの第1のモータ又は前記それぞれの第2のモータのうちの少なくとも1つに、1つ又は2つ以上の入力に従って前記それぞれの車輪を移動させる、実施態様46に記載の移動式医療プラットフォーム。
(49) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信している1つ又は2つ以上の入力デバイスから1つ又は2つ以上の制御パラメータを受信させ、
前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御させる、実施態様46に記載の移動式医療プラットフォーム。
(50) 前記1つ又は2つ以上の制御パラメータに従って前記それぞれの車輪を移動させるように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することには、前記それぞれの車輪組立体の前記それぞれの車輪を同時にステアリングし、転がすように、前記それぞれの車輪組立体の前記それぞれの第1のモータ及び前記それぞれの第2のモータを制御することが含まれる、実施態様49に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0254】
(51) 前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に備える、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(52) 前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に備える、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(53) 前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、
それぞれの第1のバネと、
前記それぞれの第1のバネより下に位置するそれぞれの第2のバネと、を更に備え、前記それぞれの第2のバネが、前記それぞれの車輪より上に位置し、前記それぞれの第1のバネのバネ定数が前記それぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(54) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、事前設定自動制動基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を前記事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも4つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガさせる、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(55) 前記事前設定制動構成が、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の第2の軸が異なる角度に配置されていることを含む、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
【0255】
(56) 前記記憶された命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、前記剛性基台の要求された移動を実現するように、2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させる、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(57) 第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が共通方向に位置合わせされ、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従って、前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪が、事前設定制動構成に配置される、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(58) 前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、実施態様57に記載の移動式医療プラットフォーム。
(59) 前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に備え、前記ロボット手術システムが、テーブルトップと、前記テーブルトップに対して移動するように構成されている1つ又は2つ以上のロボットアームと、を含む、実施態様43に記載の移動式医療プラットフォーム。
(60) 方法であって、
実施態様1に記載の移動式医療プラットフォームにおいて、
前記移動式医療プラットフォームを移動させるためのユーザ入力を受信することと、
前記1つ又は2つ以上の車輪組立体の少なくとも1つの車輪を移動させることであって、
前記車輪を前記ユーザ入力に対応するそれぞれの方向に配向するように、前記第1のモータを作動させること、及び
前記車輪を転がすように、前記第2のモータを作動させること、のうちのいずれかを含む、移動させることと、を含む、方法。
【0256】
(61) 前記車輪が前記それぞれの方向に配向された後に前記第2のモータが作動し、前記車輪の配向が前記それぞれの方向に維持されている間に前記車輪が前記第2のモータによって転がされる、実施態様60に記載の方法。
(62) 前記第1のモータと前記第2のモータとが同時に作動する、実施態様61に記載の方法。
(63) 前記車輪をそれぞれの方向に配向するように前記第1のモータを作動させることには、前記第1のモータによって、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角である第1の軸を中心として前記車輪をステアリングすることが含まれ、
前記車輪を転がすように前記第2のモータを作動させることには、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行である第2の軸を中心として転がるように、前記第2のモータによって前記車輪に動力供給することが含まれる、実施態様60に記載の方法。
(64) 前記第1の軸及び前記第2の軸が、前記第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、実施態様63に記載の方法。
(65) 前記車輪組立体が、前記車輪に下向きの力を加えるように位置付けられている第1のバネを更に備える、実施態様60に記載の方法。
【0257】
(66) 前記車輪組立体が、前記車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられている第2のバネを更に備える、実施態様60に記載の方法。
(67) 前記車輪組立体が、第1のバネ及び第2のバネを更に備え、
前記第2のバネが、前記車輪より上かつ前記第1のバネより下に位置し、
前記第1のバネのバネ定数が前記第2のバネのバネ定数よりも大きい、実施態様60に記載の方法。
(68) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記方法が、
第1の基準が満たされているとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記1つ又は2つ以上の車輪組立体のうちの少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、
前記第1の基準が満たされていないとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることと、を更に含む、実施態様60に記載の方法。
(69) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、4つの車輪組立体を含み、
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にステアリングするように、前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの1つ又は2つ以上の車輪組立体のそれぞれの第1のモータをトリガすることには、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の軸が異なる角度で配置されるように、前記それぞれの第1のモータによって、前記4つの車輪組立体の前記隣り合う車輪の軸を中心として前記それぞれの車輪を回転させることが含まれる、実施態様68に記載の方法。
(70) 前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、実施態様68に記載の方法。
【0258】
(71) 前記移動式医療プラットフォームを移動させるための前記ユーザ入力が、1つ又は2つ以上の入力デバイスから受信される、実施態様60に記載の方法。
(72) 前記剛性基台の要求された移動を実現するように2つ又は3つ以上の車輪組立体の動作を連携させることを更に含み、前記剛性基台の前記要求された移動が前記ユーザ入力に対応する、実施態様60に記載の方法。
(73) 前記移動式医療プラットフォームが、前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含み、前記ロボット手術システムが、テーブルトップ及び1つ又は2つ以上のロボットアームを含み、前記方法が、前記1つ又は2つ以上のロボットアームを前記テーブルトップに対して移動させることを更に含む、実施態様60に記載の方法。
(74) 方法であって、
実施態様1に記載の移動式医療プラットフォームを利用することを含み、前記移動式医療プラットフォームが、少なくとも2つの車輪組立体を含み、前記少なくとも2つの車輪組立体が、
1つ又は2つ以上の入力デバイスから、前記移動式医療プラットフォームを移動させるための入力を受信し、
前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの第1のモータ及びそれぞれの第2のモータを制御するための1つ又は2つ以上の制御命令を生成するためものであり、前記生成することには、
前記入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、
前記入力が前記第1の基準とは異なる第2の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を事前設定制動構成にするように、前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることと、が含まれる、方法。
(75) 前記入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記それぞれの第1のモータを作動させることと、
前記それぞれの車輪を転がすように、それぞれの第2のモータを作動させることと、が更に含まれ、前記第1のモータと前記第2のモータとが同時に作動する、実施態様74に記載の方法。
【0259】
(76) 前記入力が第1の基準を満たすとの判断に従い、前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように前記少なくとも2つの車輪組立体をトリガすることには、
前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように、前記それぞれの第1のモータを作動させることと、
前記それぞれの車輪が前記それぞれの方向に維持された後、かつ前記それぞれの車輪の配向が前記それぞれの方向に維持されている間に、前記それぞれの車輪を転がすように、前記それぞれの第2のモータを作動させることと、が更に含まれる、実施態様74に記載の方法。
(77) 前記少なくとも2つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を共通方向に位置合わせするように前記それぞれの第1のモータを作動させることには、前記それぞれの第1のモータによって、前記剛性基台の前記第1の側に対応する平面に実質的に直角であるそれぞれの第1の軸を中心として前記それぞれの車輪をステアリングすることが含まれ、
前記それぞれの車輪を転がすように前記それぞれの第2のモータを作動させることには、前記剛性基台の前記第1の側に対応する前記平面に実質的に平行であるそれぞれの第2の軸を中心として転がるように、前記それぞれの第2のモータによって前記車輪に動力供給することが含まれる、実施態様76に記載の方法。
(78) 前記少なくとも2つの車輪組立体のそれぞれの車輪のそれぞれの第1の軸及びそれぞれの第2の軸が、前記それぞれの第1の軸のキャスタ角を実質的になくすように位置合わせされている、実施態様77に記載の方法。
(79) 前記1つ又は2つ以上の車輪組立体が、少なくとも4つの車輪組立体を含み、
前記少なくとも4つの車輪組立体の前記それぞれの車輪を前記事前設定制動構成にするように前記少なくとも4つの車輪組立体をトリガすることには、前記4つの車輪組立体の隣り合う車輪の前記第2の軸が異なる角度に配置されるように、前記それぞれの第1のモータによって、前記4つの車輪組立体の前記隣り合う車輪の第1の軸を中心として前記それぞれの車輪を回転させることが含まれる、実施態様77に記載の方法。
(80) 前記少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪に下向きの力を加えるように位置付けられているそれぞれの第1のバネを更に備える、実施態様74に記載の方法。
【0260】
(81) 前記少なくとも2つの車輪組立体のうちのそれぞれの車輪組立体が、前記それぞれの車輪と前記剛性基台との間の相対移動を減衰させるように位置付けられているそれぞれの第2のバネを更に備える、実施態様74に記載の方法。
(82) 前記少なくとも2つの車輪組立体のうちの前記それぞれの車輪組立体が、それぞれの第1のバネ及びそれぞれの第2のバネを更に備え、
前記それぞれの第2のバネが前記それぞれの車輪より上かつ前記それぞれの第1のバネより下に位置し、
前記それぞれの第1のバネのバネ定数が前記それぞれの第2のバネのバネ定数よりも大きい、実施態様74に記載の方法。
(83) 前記第1の基準が、前記第1の基準が満たされるためには第1の事前設定型の入力が絶えず維持される、という要件を含む、実施態様74に記載の方法。
(84) 前記剛性基台の要求された移動を実現するように前記少なくとも2つの車輪組立体の動作を連携させることを更に含み、前記剛性基台の前記要求された移動が前記入力に対応する、実施態様74に記載の方法。
(85) 前記移動式医療プラットフォームが、前記剛性基台に結合されているロボット手術システムを更に含み、前記ロボット手術システムが、テーブルトップ及び1つ又は2つ以上のロボットアームを含み、前記方法が、前記テーブルトップに対して前記1つ又は2つ以上のロボットアームを移動させることを更に含む、実施態様74に記載の方法。
【国際調査報告】