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特表2023-544345ロールの冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステム
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  • 特表-ロールの冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステム 図1-4
  • 特表-ロールの冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ロールの冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステム
(51)【国際特許分類】
   B21B 45/02 20060101AFI20231016BHJP
   B21B 27/10 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B21B45/02
B21B27/10 A
B21B27/10 B
B21B45/02 310
B21B45/02 320B
B21B45/02 320C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520084
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 EP2021078667
(87)【国際公開番号】W WO2022084196
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102020213287.9
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ギーゼラー・フリードヘルム
(57)【要約】
本発明は、ロールスタンド内のロール、特にロール胴の冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール及び/又は圧延材の冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステム(1)であって、
・少なくとも1つの中央の接続ブロック(1)と、
・この中央の接続ブロック(1)と接続可能な少なくとも2つの中央の拡張ブロック(20)と、
・これら中央の拡張ブロック(20)と接続可能な少なくとも2つの外側の拡張ブロック(30)と、
・これら外側の拡張ブロック(30)と接続可能な少なくとも2つの外側の接続ブロック(40)と、
・少なくとも1つの固定要素と、
を有し、
・中央の接続ブロック(1)が、スプレーバー(47)の第1の流体主通路(45)の一部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔(4)に通じる少なくとも1つの第1の流体ポート(3)と、第1の主孔(4)から横に延在しかつ第1の流体出口開口(10,11)に通じる少なくとも1つの第1の横孔(6)を有し、
・各中央の拡張ブロック(20)が、スプレーバー(47)の第1の流体主通路(45)の一部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔(21)と、第1の主孔(21)から横に延在しかつ第1の流体出口開口(25)に通じる少なくとも1つの第1の横孔(23)を備え、
・各外側の拡張ブロック(30)が、スプレーバー(47)の第1の流体主通路(45)の一部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔(31)と、第1の主孔(31)から横に延在しかつ第1の流体出口開口(35)に通じる少なくとも1つの第1の横孔(33)を備え、
・外側の接続ブロック(40)が、少なくとも、スプレーバー(47)の第1の流体主通路(45)の終端部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する片側が閉じた第1の主孔(43)に通じるそれぞれ1つの第2の流体ポート(41)を有し、
・固定要素によって、異なるブロックから構成されたスプレーバー(47)が固定可能である
こと、を特徴とするモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項2】
各ブロックが、スプレーバー(47)の第2の流体主通路(46)の一部を構成する、第1の主孔(4,21,31,43)に対して平行に延在する第2の主孔(5,22,32,44)を備えること、を特徴とする請求項1に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項3】
一連の中央の接続ブロック(1)、中央の拡張ブロック(20)並びに外側の拡張ブロック(30)から選択された各ブロックが、それぞれの第2の主孔(5,22,32)から横に延在しかつ第2の流体出口開口(12,13,26,36)に通じる少なくとも1つの第2の横孔(8,9,24,34)を有すること、を特徴とする請求項2に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項4】
各外側の接続ブロック(40)が、少なくとも、第2の主孔(44)に通じるそれぞれ1つの第3の流体ポート(42)を有すること、を特徴とする請求項2又は3に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項5】
各外側の接続ブロック(40)の第2の主孔(44)は、片側が閉じていること、を特徴とする請求項4に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項6】
第2の流体主通路(46)が、第1の流体主通路(45)よりも大きい横断面を備えること、を特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項7】
各ブロック(1,20,30)が、スプレーノズルを収容するための少なくとも1つのノズルプレート(15,27,37)を有すること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項8】
各ブロック(1,20,30)が、統合された少なくとも1つの制御弁を有し、この制御弁を介して、個々の及び/又はグループのスプレーノズルが制御可能であること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項9】
各ブロック(1,20,30,40)が、隣接するブロックに向けられたその接触面に、固定要素を収容するための少なくとも1つの接続孔を備えること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【請求項10】
両外側の接続ブロック(40)が、少なくとも、スタンド内にスプレーバー(47)を結合するためのそれぞれ1つの結合要素を備えること、を特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のモジュール式のスプレーバーシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスタンド内のロール及び/又は圧延材、特にロール胴の冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのモジュール式のスプレーバーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロールスタンド内に配置されたロールの表面に冷却及び/又は潤滑媒体適用するためのスプレーバーは、従来技術から基本的に知られている。これらのようなスプレーバーは、それぞれ個々に相応のロールスタンド並びに圧延作業のために設計されかつワンピースに形成されているので、変化する圧延作業及び/又は他の設備タイプへの圧延材の適合は、常にこれらの完全な交換を必要とする。
【0003】
それで、例えば独国特許出願公開第102009040876号明細書は、ワンピースに形成され、ロールスタンド内にロール軸に対して平行な旋回軸を中心として旋回可能に配置され、個々の冷却を可能にする、ロールスタンド内に配置されたロールの冷却をするためのスプレーバーを開示する。
【0004】
更に、米国特許第4247047号明細書から、変化する圧延作業に柔軟に反応し得るために、異なるように形成されたノズルプレートをモジュール式に装備することができる、ワンピースに形成された基体を有するスプレーバーが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102009040876号明細書
【特許文献2】米国特許第4247047号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の根底にある課題は、変化する圧延作業に容易に適合可能で安価に製造可能であり、予備部品の保有を必要としないように、スプレーバーを発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、課題は、請求項1の特徴を有するモジュール式のスプレーバーシステムによって解決される。
【0008】
ロール及び/又は圧延材の冷却及び/又は潤滑を選択的にするための本発明によるモジュール式のスプレーバーシステムは、
・少なくとも1つの中央の接続ブロックと、
・この中央の接続ブロックと接続可能な少なくとも2つの中央の拡張ブロックと、
・これら中央の拡張ブロックと接続可能な少なくとも2つの外側の拡張ブロックと、
・これら外側の拡張ブロックと接続可能な少なくとも2つの外側の接続ブロックと、
・少なくとも1つの固定要素と、
を有し、
・中央の接続ブロックが、スプレーバーの第1の流体主通路の一部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔に通じる少なくとも1つの第1の流体ポートと、第1の主孔から横に延在しかつ第1の流体出口開口に通じる少なくとも1つの第1の横孔を有し、
・各中央の拡張ブロックが、スプレーバーの第1の流体主通路の一部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔と、第1の主孔から横に延在しかつ第1の流体出口開口に通じる少なくとも1つの第1の横孔を備え、
・各外側の拡張ブロックが、スプレーバーの第1の流体主通路の一部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔と、第1の主孔から横に延在しかつ第1の流体出口開口に通じる少なくとも1つの第1の横孔を備え、
・外側の接続ブロックが、少なくとも、スプレーバーの第1の流体主通路の終端部を構成する、スプレーバー軸の方向に延在する片側が閉じた第1の主孔に通じるそれぞれ1つの第2の流体ポートを有し、
・固定要素によって、異なるブロックから構成されたスプレーバーが固定可能である。
【0009】
完全にモジュール式に構成されたスプレーバーシステムは、それぞれのブロックがスプレーバーを成すように個々に組み立て得ることによって、ロールスタンド及び/又は変化する圧延作業のそれぞれの要件に合わせた解決を可能にする。本発明によるシステムが異なる4つのタイプのブロックしか有しないので、これらの量産は、特に安価であり、それぞれの顧客は、予備部品の保有を必要としないので、付加的な保管コストを節約することができる。加えて、スプレーバー全体のモジュール式の構成は、1つ又は複数のブロックの摩耗時に、スプレーバー全体を手間をかけて分解及び整備する必要なしに、迅速な交換を可能にする。
【0010】
本発明の別の有利な形態は、従属的に表現された請求項に記載されている。従属的に表現された請求項に個々に述べられた特徴は、技術的に有効な方法で互いに組合せ可能であり、本発明の別の形態を定義することができる。更に、請求項に記載された特徴は、明細書に詳細に規定及び説明され、本発明の別の好ましい形態が示される。
【0011】
有利な実施バリエーションでは、各ブロックが、スプレーバーの第2の流体主通路の一部をそれぞれ構成する、第1の主孔に対して平行に延在する第2の主孔を備えること、が企図されている。これに関連して、特に好ましくは、一連の中央の接続ブロック、中央の拡張ブロック並びに外側の拡張ブロックから選択された各ブロックが、第2の主孔から横に延在しかつ第2の流体出口開口に通じる少なくとも1つの第2の横孔を有すること、が企図されている。ここで、全く特にこのましくは、第2の流体主通路が、第1の流体主通路よりも大きい横断面を備え、この横断面を介して、ロール胴冷却用の冷却及び/又は潤滑媒体が、スプレーバー内で、それぞれの横孔及び接続する流体もしくは冷却剤出口開口に移送可能である。加えて、異なる通路を経て、冷却及び/又は潤滑媒体は、同じ又は異なる圧力で移送することができるので、それぞれ満足すべき圧延作業への適合が保証されている。
【0012】
基本的に、第2の流体主通路は、第1の流体主通路と流体的に接続することができる。しかしながら、有利には、両流体主通路が、互いに流体的に接続されておらず、各外側の接続ブロックが、少なくとも、第2の主孔に通じるそれぞれ1つの第3の流体ポートを有すること、が企図されている。ここで、好ましくは、各外側の接続ブロックの第2の主孔は、片側が閉じていること、が企図されている。
【0013】
別の有利な実施バリエーションでは、各ブロックが、スプレーノズルを収容するための少なくとも1つのノズルプレートを有すること、が企図されている。各ノズルプレートは、有利には、上下に配置された少なくとも2つの開口を有し、これら開口内に、冷却及び/又は潤滑用のスプレーノズルが挿入可能である。この場合、特にこのましくは、全てのノズルプレートが、その寸法に関して標準化され、これにより、異なるブロックに対しても、基本タイプのノズルプレートしか必要ないこと、が企図されている。流量及びそのスプレー特性に関して広範囲に選択可能な異なるように形成されたスプレーノズルを介して、スプレーバーは、ノズル以外に相応の冷却及び/又は潤滑要件に適合させることができる。
【0014】
基本的に、各ブロックには、中央の接続ブロックを除いて、相応のスプレーノズルを有する唯一のノズルプレートを配置することができる。有利には、中央の接続ブロックが、2つのノズルプレートを有し、各ノズルプレートが、更にまた、スプレーノズル用の上下に配置された2つの開口を有すること、が企図されている。
【0015】
更に、好ましくは、各ブロックが、統合された少なくとも1つの制御弁を有し、この制御弁を介して、個々のスプレーノズル及び/又はグループのスプレーノズルが個々に制御可能であること、が企図されている。
【0016】
好ましくは、各ブロックが、隣接するブロックに向けられたその接触面に、固定要素を収容するための少なくとも1つの接続孔を備える。
【0017】
スプレーバーをロールスタンドに配置しかつ固定するため、両外側の接続ブロックが、少なくとも、スタンド内にスプレーバーを結合するためのそれぞれ1つの結合要素を備える。
【0018】
加えて、別の態様では、本発明は、ロール及び/又は圧延材の冷却及び/又は潤滑を選択的にするためのスプレーバーを構成するための本発明によるスプレーバーシステムの使用に関する。
【0019】
本発明及び技術的環境を、以下で図によって詳細に説明する。本発明が、示した実施例によって限定されるべきでないことを指摘する。特に、別段明示的に述べられていない限り、図で説明したことの部分的な側面を抽出し、本明細書及び/又は図からの他の構成要素及び知見と組み合わせることも可能である。特に、図及び特に図示した大きさの関係が概略的であるに過ぎないことを指摘する。同じ符号は、同じ対象を示すので、他の図からの説明を補足的に引き合いに出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】中央の接続ブロックの実施バリエーション
図2】中央の拡張ブロックの実施バリエーション
図3】外側の拡張ブロックの実施バリエーション
図4】外側の接続ブロックの実施バリエーション
図5】ブロックから構成されたスプレーバーの実施バリエーション
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1にロール(図示せず)の冷却及び/又は潤滑を選択的にするために設けられたモジュール式のスプレーバーシステム2用の中央の接続ブロック1の実施バリエーションを示す。中央の接続ブロック1は、個々のモジュールの編成を可能にするために、実質的に直方体状の成分の形態で形成されている。このブロック並びに他の個々のブロックは、金属及び/又は非金属の材料から成り得る。
【0022】
ここに図示した実施バリエーションでは、中央の接続ブロック1は、後側に、第1の主孔4に通じる流体ポート3を有する。第1の主孔4に対して平行に、中央の接続ブロック1は、より大きい横断面を有する第2の主孔5を有する。両主孔4,5は、スプレーバー軸に沿って延在し、この場合、それぞれのスプレーノズル(図示せず)への媒体供給の一部をそれぞれ構成する。更に図1の図からわかるように、中央の接続ブロック1は、4つの横孔6,7,8,9を備え、両第1の横孔6,7は、第1の主孔4から横に延在し、両第2の横孔8,9は、第2の主孔5から横に延在し、それぞれ、接続ブロック1の前側に配置された第1もしくは第2の流体出口開口10,11,12,13に通じる。
【0023】
更に、中央の接続ブロック1は、前側で接続ブロック1にネジ止めされた2つのノズルプレート14,15を有する。各ノズルプレート14,15は、それぞれの流体出口開口10,11,12,13と整列しかつスプレーノズル(図示せず)を収容するために設けられた2つの開口16,17,18,19を備えている。
【0024】
図2には、中央の接続ブロック1と接続可能な中央の拡張ブロック20の実施バリエーションが示されている。中央の拡張ブロック20も、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔21と、この主孔に対して平行に配置された第2の主孔22を備え、これら主孔は、スプレーノズルへの媒体供給の一部をそれぞれ構成する。前側に、中央の拡張ブロック20は、第1主孔21もしくは第2の主孔22に対して横にそれぞれ延在しかつ中央の拡張ブロック20の前側に配置された第1及び第2の流体出口開口25,26にそれぞれ通じる第1並びに第2の横孔23,24を有する。接続ブロック1とは対照的に、拡張ブロック20は、中央の拡張ブロック20の前側に同様にネジ継手(図示せず)を介して取り付けられた1つのノズルプレートを有する。スプレーノズルシステム2の全てのノズルプレートが等しく形成されているので、ノズルプレート27も、それぞれの流体出口開口25,26と整列した2つの開口28,29を備える。
【0025】
図3には、中央の拡張ブロック20と接続可能な外側の拡張ブロック30の実施バリエーションが示されている。中央の拡張ブロック20のように、外側の拡張ブロック30も、スプレーバー軸の方向に延在する第1の主孔31と、第2の主孔32を備え、これら主孔は、スプレーノズルへの媒体供給の一部をそれぞれ構成する。前側に、外側の拡張ブロック30は、第1の主孔31もしくは第2の主孔32に対して横にそれぞれ延在しかつ外側の拡張ブロック30の前側に配置された第1もしくは第2の流体出口開口35,36にそれぞれ通じる第1並びに第2の横孔31,32を有する。前側に、外側の拡張ブロック30は、それぞれの流体出口開口35,36と整列した2つの開口38,39を有する1つのノズルプレート37を有する。
【0026】
図4には、モジュール式のスプレーバーシステム2を成すように外側の拡張ブロック30と接続可能で、スプレーバー22の末端の最終要素を構成する外側の接続ブロック43の実施バリエーションが示されている。外側の接続ブロック43は、後側に、主孔46もしくは副孔4に通じる2つの流体ポート44,45を備える。この場合、両孔46,47は、スプレーバー22のスプレーノズルへの媒体供給用の通路の最終の部分をそれぞれ構成し、従って、片側が閉じている。ブロック1,23,33とは対照的に、外側の接続ブロック43は、ここにっ図示した実施バリエーションでは、横孔並びにノズルプレートを備えない。更に、外側の接続ブロック43は、スタンド(図示せず)内にスプレーバー22を固定するために使用される固定要素を有する。
【0027】
図4には、モジュール式のスプレーバーシステム2を成すように外側の拡張ブロック30と接続可能で、スプレーバーの末端の最終要素を構成する外側の接続ブロック40の実施バリエーションが示されている。外側の接続ブロック40は、後側に、第2及び第3の流体ポート41,42を備え、第2の流体ポート41は、第1の主孔43に通じ、第3の流体ポート42は、第2の主孔44に通じる。この場合、両主孔43,44は、それぞれ、スプレーバーの第1もしくは第2の流体主通路45,46の最終の部分を構成し、従って、片側が閉じている。ブロック1,20,30とは対照的に、外側の接続ブロックは、ここに図示した実施バリエーションでは、横孔並びにノズルプレートを備えない。更に、外側の接続ブロック40は、スタンド(図示せず)内にノズルバーを固定するために使用される結合要素47を有する。
【0028】
図5には、1つ又は複数の図示してない固定要素を介して互いに流体封止的に固定された、ブロック1,20,30,40から構成されたスプレーバー47の実施バリエーションが示されている。中央及び外側の拡張ブロック20,30のここに示した数は、図5に示した実施バリエーションに関連し、圧延材の所望の幅に応じて変化することができる。図からわかるように、スプレーバー47は、1つの中央の接続ブロック1と、接続ブロック1の両側に配置されたそれぞれ3つの中央の拡張ブロック20と、中央の拡張ブロック20の両側に配置されたそれぞれ3つの外側の拡張ブロック30と、スプレーバー47の両末端に配置されたそれぞれ1つの外側の接続ブロック40を有する。
【0029】
モジュール式に構成された本発明によるスプレーバーシステム2の重要な利点は、このスプレーバーシステムが、ロールスタンドのそれぞれの要件及び/又は変化する圧延作業に合わせた解決策を提供することにある。図5に図示したように、それぞれのブロック1,20,30,40は、スプレーバー47を成すように個々に組み立てることができる。加えて、異なる4つだけのタイプのブロック1,20,30,40に基づいて、システム2は、特に安価に製造することができ、それぞれの顧客は、予備部品の保有を必要としないので、付加的な保管コストを節約することができる。更に、システム2は、摩耗時に、スプレーバー47全体を手間をかけて分解する必要なしに、それぞれのブロック1,20,30,40を交換することができることによって、迅速な整備を可能にする。ここで説明した構成の主な利点は、摩耗時に、スプレーバー全体を新しく製造する必要があるのではなく、該当する構成要素しか製造する必要がないことにある。更に、利点は、圧延作業に応じて、スプレーバーは、予め製造されたモジュールから構成することができることにある。
【符号の説明】
【0030】
1 中央の接続ブロック
2 スプレーバーシステム
3 第1の流体ポート
4 第1の主孔
5 主孔
6 第1の横孔
7 第1の横孔
8 第2の横孔
9 第2の横孔
10 第1の流体出口開口
11 第1の流体出口開口
12 第2の流体出口開口
13 第2の流体出口開口
14 ノズルプレート
15 ノズルプレート
16 開口
17 開口
18 開口
19 開口
20 中央の拡張ブロック
21 第1の主孔
22 第2の主孔
23 第1の横孔
24 第2の横孔
25 第1の流体出口開口
26 第2の流体出口開口
27 ノズルプレート
28 開口
29 開口
30 外側の拡張ブロック
31 第1の主孔
32 第2の主孔
33 第1の横孔
34 第2の横孔
35 第1の流体出口開口
36 第2の流体出口開口
37 ノズルプレート
38 開口
39 開口
40 外側の接続ブロック
41 第2の流体ポート
42 第3の流体ポート
43 第1の主孔
44 第2の主孔
45 第1の流体主通路
46 第2の流体主通路
47 スプレーバー
図1-4】
図5
【国際調査報告】