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特表2023-544363外科用デバイスの構成要素との通信能力
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】外科用デバイスの構成要素との通信能力
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20231016BHJP
   A61B 90/98 20160101ALI20231016BHJP
【FI】
A61B17/068
A61B90/98
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520158
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 IB2021058927
(87)【国際公開番号】W WO2022070085
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】17/062,501
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】クリーマー・パトリック・エル
(72)【発明者】
【氏名】アダムス・シェーン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC23
4C160CC40
(57)【要約】
外科用器具は、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を制御する。外科用器具は、外科用器具及び取り外し可能な構成要素に関連付けられたパラメータを決定してもよい。パラメータに基づいて、外科用器具は、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信のレベル又は段階を決定する。外科用器具は、以下のレベルであって、構成要素との一方向静的通信、構成要素との双方向通信、構成要素との実時間の双方向通信、及び外科用ハブとの通信、のレベルのうちの1つ以上を構成することを決定してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
前記外科用器具又は前記外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
【請求項2】
前記外科用器具が外科用ステープラであり、前記取り外し可能な構成要素が外科用ステープルカートリッジである、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、データが前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間で通信されているかどうか、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信が単方向であるか若しくは双方向であるか、又は、電力が前記外科用器具から前記取り外し可能な構成要素へと伝達されているかどうか、のうちの1つ以上を決定するように更に構成されている、請求項1又は2に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上に基づいて、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記システム制御パラメータが、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、又は購入レベルのうちの1つ以上を含む、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、前記取り外し可能な構成要素から前記外科用器具への一方向データ通信が利用可能であると決定するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の双方向通信が利用可能であることを決定するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の実時間通信が利用可能であることを決定するように構成されている、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
外科用器具であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
前記外科用器具又は前記外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
【請求項10】
前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信を提供するように構成されていることを決定するように構成されている、請求項9又は10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記プロセッサが、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信に適合するソフトウェア及び/又はハードウェアで構成されていることを決定するように構成されている、請求項11に記載の外科用器具。
【請求項13】
通信アレイを更に備え、前記通信アレイが、命令及びデータを前記取り外し可能な構成要素に通信し、前記取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成されている、請求項9~12のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記プロセッサが、前記通信アレイを介して前記取り外し可能な構成要素からデータを受信するように更に構成されており、前記受信されたデータが、前記取り外し可能な構成要素によって実行されたセンサ読み取りに関連する、請求項13に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記プロセッサが、前記受信したデータを処理して、前記外科用器具が組織に対して適切に位置付けられているかどうかを決定するように更に構成されている、請求項14に記載の外科用器具。
【請求項16】
外科用器具であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
前記外科用器具又は前記外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の実時間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、請求項16に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが実時間の双方向通信を提供することに適合するソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて構成されていることを決定するように構成されている、請求項16又は17に記載の外科用器具。
【請求項19】
通信アレイであって、前記通信アレイが、命令及びデータを前記取り外し可能な構成要素に通信し、前記取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成された、通信アレイと、
電力通信アレイであって、前記電力通信アレイが、前記取り外し可能な構成要素に電力を伝達するように構成された、電力通信アレイと、を更に備える、請求項16~18のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項20】
前記プロセッサが、
前記通信アレイを介して前記取り外し可能な構成要素から実時間データを受信することと、
前記受信された実時間データを監視することと、
前記受信された実時間データを外科用ハブに通信することと、を行うように更に構成されている、請求項19に記載の外科用器具。
【請求項21】
前記外科用器具が外科用ステープラを備え、前記取り外し可能な構成要素が外科用カートリッジを備え、前記外科用ステープラが、ハンドルと、シャフトと、前記ステープルカートリッジを取り外し可能に受容するために前記シャフトの遠位端部に取り付けられた細長いチャネルと、前記外科用ステープルカートリッジと前記細長いチャネルとの間に位置付けられた通信アレイと、を備え、前記通信アレイが、前記外科用ステープルカートリッジに電力を伝達するか又はデータを通信するように構成された連結手段を備える、請求項1~20のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項22】
前記通信アレイが、前記外科用ステープルカートリッジからのデータを通信するように更に構成されている、請求項21に記載の外科用器具。
【請求項23】
前記細長いチャネルが、前記細長いチャネルの近位端部に近接して位置付けられた第1の感知アレイを備え、任意選択的に、前記第1の感知アレイから長手方向に変位され、前記細長いチャネルの遠位端部に近接して位置付けられた第2の感知アレイを更に備える、請求項21又は22に記載の外科用器具。
【請求項24】
前記外科用ステープルカートリッジが、前記カートリッジを前記外科用ステープラと通信可能に連結するように位置付けられた1つ以上の通信デバイスを備える、請求項21~23のいずれか一項に記載の外科用器具。
【請求項25】
前記1つ以上の通信デバイスが、任意選択的に前記カートリッジのスレッド内に位置付けられた、第1の通信デバイス、任意選択的に無線IDチップ(RFID)、を備え、前記第1の通信データが、前記外科用ステープラカートリッジを識別するデータ及び/又は前記カートリッジの状態を識別するデータを通信するように構成されている、請求項24に記載の外科用器具。
【請求項26】
前記1つ以上の通信デバイスが、第2の通信デバイス、任意選択的に第2のRFID、を備え、前記第1の通信デバイスが、前記ステープルカートリッジの近位部分に近接して位置付けられ、前記第2の通信デバイスが、前記ステープルカートリッジの遠位部分に近接して位置付けられ、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスが、前記外科用ステープルカートリッジによって検出された測定値に関するデータなどのデータを前記外科用器具に通信するように構成されており、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスが、前記外科用ステープラ及び前記感知アレイから前記ステープルカートリッジに電力を伝達するように更に構成されている、請求項24又は25に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、同時に出願された以下の出願に関連し、これらのそれぞれの内容は、本明細書中に参照として組み込まれる。
・代理人整理番号END9287USNP1、発明の名称:METHOD FOR OPERATING TIERED OPERATION MODES IN A SURGICAL SYSTEM。
【背景技術】
【0002】
外科用器具は、取り外し可能な構成要素を組み込んでもよい。例えば、外科用ステープラ器具は、複数の離間したステープル列を含む取り外し可能なカートリッジを受容するエンドエフェクタを備えてもよい。取り外し可能なカートリッジは、外科用ステープラ器具と連結され、外科用ステープラは、外科手術中にカートリッジからステープルを駆動する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の様々な実施形態によれば、以下の実施例が提供される。
1.外科用器具であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定することと、を行うように構成される、外科用器具。
2.外科用器具は外科用ステープラであり、取り外し可能な構成要素が外科用ステープルカートリッジである、実施例1に記載の外科用器具。
3.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、データが外科用器具と取り外し可能な構成要素との間で通信されているかどうか、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信が単方向であるか又は双方向であるか、又は、電力が外科用器具から取り外し可能な構成要素へと伝達されているかどうか、のうちの1つを決定するように更に構成されている、実施例1又は2に記載の外科用器具。
4.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上に基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されている、実施例1~3のいずれか1項に記載の外科用器具。
5.システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、又は購入レベルのうちの1つ以上を含む、実施例4に記載の外科用器具。
6.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素から外科用器具への一方向データ通信が利用可能であると決定するように構成されている、実施例1~5のいずれか一項に記載の外科用器具。
7.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の双方向通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施例1~5のいずれか一項に記載の外科用器具。
8.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の実時間通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施例7に記載の外科用器具。
9.外科用器具であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
10.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
11.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信を提供するように構成されていることを決定するように構成されている、実施例9又は10に記載の外科用器具。
12.プロセッサは、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが、双方向通信に適合するソフトウェア及び/又はハードウェアで構成されていることを決定するように構成されている、実施例11に記載の外科用器具。
13.通信アレイを更に備え、通信アレイは、
命令及びデータを取り外し可能な構成要素に通信し、取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成されている、実施例9~12のいずれか一項に記載の外科用器具。
14.プロセッサは、通信アレイを介して取り外し可能な構成要素からデータを受信するように更に構成されており、受信されたデータが、取り外し可能な構成要素によって実行されたセンサ読み取りに関連する、実施例13に記載の外科用器具。
15.プロセッサは、受信したデータを処理して、外科用器具が組織に対して適切に位置付けられているかどうかを決定するように更に構成されている、実施例14に記載の外科用器具。
16.外科用器具であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の実時間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
17.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
18.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが実時間の双方向通信を提供することに適合するソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて構成されていることを決定するように構成されている、実施例16又は17に記載の外科用器具。
19.通信アレイであって、通信アレイは、命令及びデータを取り外し可能な構成要素に通信し、取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成された、通信アレイと、電力通信アレイであって、電力通信アレイは、取り外し可能な構成要素に電力を伝達するように構成された、電力伝達アレイと、を更に備える、実施例16~18のいずれか一項に記載の外科用器具。
20.プロセッサは、通信アレイを介して取り外し可能な構成要素から実時間データを受信することと、受信された実時間データを監視することと、受信された実時間データを外科用ハブに通信することと、を行うように更に構成されている、実施例19に記載の外科用器具。
21.外科用器具が外科用ステープラを備え、取り外し可能な構成要素が外科用カートリッジを備え、外科用ステープラが、ハンドルと、シャフトと、ステープルカートリッジを取り外し可能に受容するためにシャフトの遠位端部に取り付けられた細長いチャネルと、外科用ステープルカートリッジと細長いチャネルとの間に位置付けられた通信アレイと、を備え、通信アレイが、外科用ステープルカートリッジに電力を伝達するか又はデータを通信するように構成された連結手段を備える、実施例1~20のいずれか一項に記載の外科用器具。
22.通信アレイは、外科用ステープルカートリッジからのデータを通信するように更に構成されている、実施例21に記載の外科用器具。
23.細長いチャネルは、細長いチャネルの近位端部に近接して位置付けられた第1の感知アレイを備え、任意選択的に、第1の感知アレイから長手方向に変位され、細長いチャネルの遠位端部に近接して位置付けられた第2の感知アレイを更に備える、実施例21又は22に記載の外科用器具。
24.外科用ステープルカートリッジが、カートリッジを外科用ステープラと通信可能に連結するように位置付けられた1つ以上の通信デバイスを備える、実施例21~23のいずれか一項に記載の外科用器具。
25.1つ以上の通信デバイスが、任意選択的にカートリッジのスレッド内に位置付けられた、第1の通信デバイス、任意選択的に無線IDチップ(RFID)、を備え、第1の通信データが、外科用ステープラカートリッジを識別するデータ及び/又はカートリッジの状態を識別するデータを通信するように構成されている、実施例24に記載の外科用器具。
26.1つ以上の通信デバイスが、第2の通信デバイス、任意選択的に第2のRFID、を備え、第1の通信デバイスが、ステープルカートリッジの近位部分に近接して位置付けられ、第2の通信デバイスが、ステープルカートリッジの遠位部分に近接して位置付けられ、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスが、外科用ステープルカートリッジによって検出された測定値に関するデータなどのデータを外科用器具に通信するように構成されており、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスが、外科用ステープラ及び感知アレイからステープルカートリッジに電力を伝達するように更に構成されている、実施例24又は25に記載の外科用器具。
【0004】
上記の実施例は、スマートステープルカートリッジを有するスマート外科用ステープラなどの外科用器具の取り外し可能な構成要素との通信能力を有する外科用器具を提供する。スマート外科用ステープラは、ステープラとカートリッジとの間の通信能力に応じて、スマートステープルカートリッジにデータ及び/又は電力を送達してもよい。外科用器具は、ステープルカートリッジの適切な使用を達成するために外科用ステープラとステープルカートリッジとの間のデータの通信及び/又は電力の伝達を更に制御するために使用され得る、外科用器具の取り外し可能な構成要素、例えばステープラカートリッジとの通信能力を決定することが可能にされる。
【0005】
実施例3により、通信能力は、外科用器具、例えば外科用ステープラが、以下の通信段階であって、外科用ステープルカートリッジとの一方向静的通信、外科用ステープルカートリッジとの双方向通信、外科用ステープルカートリッジとの実時間の双方向通信、及び外科用ハブ又はその他のコンピューティングシステムとの通信、の通信段階のうちの1つ以上において、取り外し可能な構成要素、例えば外科用ステープルカートリッジと通信することを可能にし得る。この通信能力を検出すると、データ及び/又は電力は、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信を可能にすることができる。実施例9~15は、双方向通信モードにおける通信に対する選択的制御を可能にする。実施例16~19は、実時間の双方向通信モードにおける通信に対する選択的制御を可能にする。
【0006】
実施例4~8により、通信能力は、選択的通信段階に更に対応し得る通信制御パラメータの選択的リストから決定されてもよい。これは、例えば、器具、デバイスに取り付けられた構成要素、デバイスの操作者、デバイスの所有者、又はその他の関連要素に関連付けられたパラメータ又はデータに応じて、ステープラとカートリッジとの間に適切な通信モードが確立されることを可能にする。
【0007】
外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を制御するための技術が、本明細書に開示される。本発明の一実施形態によれば、外科用器具は、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの1つ以上に関連付けられたパラメータを決定するように構成されてもよい。外科用器具は、例えば、デバイスの所有者若しくは操作者、外科用器具及び/若しくは構成要素に含まれるハードウェア、外科用器具及び/若しくは構成要素に含まれるソフトウェア、並びに/又は外科用器具及び/若しくは構成要素に関連付けられた購入レベルあるいはサブスクリプションレベルに関連付けられたパラメータの値を処理してもよい。
【0008】
外科用器具は、考慮されるパラメータに基づいて、外科用器具と構成要素との間の通信能力を決定してもよい。例えば、外科用器具は、外科用器具又は取り付けられた構成要素に関連付けられた購入レベル又はサブスクリプションレベルを示すパラメータに基づいて、外科用器具と構成要素との間の通信の種類及び程度を決定してもよい。外科用ステープラなどの外科用器具、又は外科用器具に取り付けられた外科用ステープルカートリッジなどの取り外し可能な構成要素が、低いサブスクリプションレベルに関連付けられている場合、外科用ステープラは、外科用器具が外科用構成要素から外科用器具への一方向静的通信を提供し得ると決定してもよい。外科用器具又は構成要素がより高いサブスクリプションレベルに関連付けられている場合、外科用器具は、外科用器具が外科用器具と構成要素との間の実時間の双方向通信を提供し得ると決定してもよい。
【0009】
更なる実施形態によれば、外科用器具は、外科用器具及び/又は構成要素に含まれるハードウェア及び/又はソフトウェアに関するパラメータに基づいて、外科用器具と構成要素との間の通信能力を決定してもよい。外科用器具に取り付けられた構成要素が古いソフトウェアで構成されている場合、外科用器具は、構成要素との通信能力が構成要素から外科用器具への一方向静的通信を含み得ることを決定してもよい。外科用器具に取り付けられた構成要素が最近更新されたソフトウェアで構成されている場合、外科用器具は、構成要素との通信能力が双方向実時間通信を含み得ると決定してもよい。
【0010】
外科用器具は、決定された通信能力と一致する取り外し可能な構成要素と通信してもよい。通信能力が取り外し可能な構成要素との一方向通信を含むと外科用器具が決定した場合、外科用器具は、構成要素との一方向通信を実行する。通信が取り外し可能な構成要素との実時間の双方向通信を含むと外科用器具が決定した場合、外科用器具は、実時間の双方向通信を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】コンピュータ実装対話型外科手術システムのブロック図である。
図2】手術室内で外科手術を行うために使用されている代表的な外科手術システムを示す。
図3】視覚化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具と対にされた代表的な外科用ハブを示す。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ以上の手術室、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置しているモジュール式デバイスをクラウドに接続するように構成された通信ハブを有する外科用データネットワークを示す。
図5】コンピュータ実装対話型外科手術システムを示す。
図6】モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える代表的な外科用ハブを示す。
図7】代表的な外科用器具及びツールを示す。
図8】様々な機能を実行するために起動され得るモータを有する、代表的な外科用器具又はツールを示す。
図9】代表的な状況検査式感知外科手術システムを示す。
図10】外科手術における各工程で検出されたデータから外科用ハブが作成し得る、例示的な外科手術及び推論の代表的なタイムラインを示す。
図11】コンピュータ実装対話式外科手術システムのブロック図である。
図12】代表的なコンピュータ実装対話型外科手術システムの機能アーキテクチャを示す。
図13】モジュール式デバイスのための制御プログラム更新を適応的に生成するように構成されている、代表的なコンピュータ実装対話型外科手術システムを示す。
図14】コントローラ及びモータを有するハンドルと、ハンドルに解放可能に連結されるアダプタと、アダプタに解放可能に連結される装填ユニットと、を含む、代表的な外科手術システムを示す。
図15A】動作モードを決定し、決定されたモードで動作するための代表的なフローを示す。
図15B】動作モードを変更するための代表的なフローを示す。
図16】動作可能にそこに連結された代表的な交換式シャフトアセンブリを有する、代表的な外科用器具の斜視図を示す。
図17図16の代表的な外科用器具の一部分の分解アセンブリを示す。
図18】代表的な交換式シャフトアセンブリの一部分の分解アセンブリを示す。
図19図16の代表的な外科用器具のエンドエフェクタの分解図を示す。
図20A】本開示の少なくとも1つの態様による、2枚の図面にまたがる、図16の外科用器具の制御回路のブロック図を示す。
図20B】2枚の図面にまたがる、図16の代表的な外科用器具の制御回路のブロック図を示す。
図21】ハンドルアセンブリと電源アセンブリとの間、及びハンドルアセンブリと代表的な交換式シャフトアセンブリとの間のインターフェースを示す、図16の代表的な外科用器具の制御回路のブロック図を示す。
図22】代表的な医療デバイスを示す。
図23】組織を取り囲む代表的な医療デバイスの代表的なエンドエフェクタを示す。
図24】組織を圧縮する代表的な医療デバイスの代表的なエンドエフェクタを示す。
図25】組織を圧縮する代表的な医療デバイスのエンドエフェクタによって及ぼされる例示的な力を示す。
図26】組織を圧縮する代表的な医療デバイスのエンドエフェクタによって及ぼされる例示的な力を示す。
図27】代表的な組織圧縮センサシステムを示す。
図28】代表的な組織圧縮センサシステムを示す。
図29】代表的な組織圧縮センサシステムを示す。
図30】代表的な外科用器具のエンドエフェクタを示す。
図31】代表的な外科用器具の制御システムを示す。
図32】代表的な外科用器具のエンドエフェクタの部分図を示す。
図33】能動素子及びセンサを含む代表的なステープルカートリッジの斜視図を示す。
図34】代表的な能動センサアセンブリのブロック図を示す。
図35】一対のデータ要素を含む代表的なカートリッジの斜視図を示す。
図36】カートリッジに関連付けられたデータ要素からデータを検出及び/又は受信するための代表的なセンサアセンブリのブロック図を示す。
図37A】代表的な外科用ステープルカートリッジを示す。
図37B】代表的な外科用ステープルカートリッジを示す。
図38】代表的な電力通信及びデータ通信を示す。
図39】代表的な外科用ステープラ及び代表的なステープルカートリッジの構成要素を示す代表的なブロック図を示す。
図40】通信能力を決定するための代表的な処理を示す。
図41】通信能力を決定するための代表的な処理を示す。
図42】通信能力を決定するための代表的な処理を示す。
図43】通信能力を決定するための代表的な処理を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願の出願人は、それぞれ、その全体が参照として本明細書に組み込まれる以下の米国特許出願、特許公報、及び特許を所有する。
・米国特許公開公報第20190200981号(米国特許出願第16/209,423号、2018年12月4日に出願)、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」(2019年7月4日に公開)、
・米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(2015年7月5日に発行)、
・米国特許公開公報第20140263541号(米国特許出願第13/803,086号、2013年3月14日に出願)、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」(2014年9月18日に公開)、
・米国特許公開公報第20140263551号(米国特許出願第13/800,025号、2013年3月13日に出願)、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(2014年9月18日に公開)、
・米国特許公開公報第20140263552号(米国特許出願第13/800,067号、2013年3月13日に出願)、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(2014年9月18日に公開)、
・米国特許公開公報第20190000478号(米国特許出願第15/636,096号、2017年6月28日に出願)、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COUPLED WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」(2019年1月3日に公開)、
・米国特許公開公報第20160256156号(特許出願第14/852,982号、2015年9月14日に出願)、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINS STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」(2016年9月8日に公開)、
・米国特許第10,695,081号、発明の名称「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」(2020年6月30日に発行)、
・米国特許公開公報第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号、2018年12月4日に出願)、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」(2019年7月4日に公開)、
・米国特許公開公報第2019-0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号、2018年12月4日に出願)、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」(2019年7月4日に公開)、
・米国特許公開公報第2019-0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号、2018年12月4日に出願)、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」(2019年7月4日に公開)、
・米国特許公開公報第2017-0296213(A1)号(米国特許出願第15/130,590、2016年4月15日に出願)、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」(2017年10月19日に公開)、
・米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(2016年5月24日に発行)、
・米国特許公開公報第2014/0263552号(米国特許出願第13/800,067号、2013年3月13日に出願)、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(2014年9月18日に公開)、及び
・米国特許公開公報第2018/0360452号(米国特許出願第15/628,175号、2017年6月20日に出願)、発明の名称「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」(2018年12月20日に公開)。
【0013】
例えば外科用ステープラなどの外科用器具と、例えばステープルカートリッジなどの取り外し可能な構成要素との間の通信能力を制御するためのシステム及び技術が開示される。外科用器具は、外科用器具及び取り外し可能な構成要素に関連付けられた1つ以上のパラメータを決定してもよい。例えば、外科用器具は、外科用器具又は構成要素のうちの1つに関連付けられたソフトウェアバージョンを表すパラメータを決定してもよい。外科用器具は、1つ以上のパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間で行われ得る通信の種類及び程度を決定してもよい。例えば、外科用ステープラは、外科用器具及び/又は取り外し可能な器具が最近のソフトウェアバージョンを含むことを示すパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間で双方向通信が実行され得ることを決定してもよい。
【0014】
図1を参照すると、コンピュータ実装対話型外科手術システム100は、1つ以上の外科手術システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージデバイス105に連結されたリモートサーバ113を含み得るクラウド104)と、を含んでもよい。各外科手術システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する、少なくとも1つの外科用ハブ106を含んでもよい。一実施例では、図1に示すように、外科手術システム102は、可視化システム108と、ロボットシステム110と、手持ち式インテリジェント外科用器具112と、を含み、これらは、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成されている。いくつかの態様では、外科手術システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個の手持ち式インテリジェント手術器具112と、を含んでもよく、M、N、O及びPは1以上の整数であってもよい。
【0015】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示すように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理ユニットと、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイと、を含んでもよい。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS及びEMR用のインターフェースを含んでもよい。視覚化システム108の様々な構成要素は、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」(2018年12月4日に出願)における「高度撮像取得モジュール(Advanced Imaging Acquisition Module)」という見出しの下で説明されている。
【0016】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114の操作者に見えるように滅菌野に配置される。なお、可視化タワー111が、滅菌野の外に配置される。可視化タワー111は、互いに反対側を向いている第1非滅菌ディスプレイ107、及び第2非滅菌ディスプレイ109を含んでもよい。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109及び119を利用して、滅菌野の内側及び外側の操作者への情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上に手術部位のライブ映像を維持しながら、撮像デバイス124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109に表示させてもよい。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットにより、例えば、非滅菌操作者が、外科手術に関連する診断工程を実行することを可能にし得る。
【0017】
一態様では、ハブ106はまた、可視化タワー111にいる非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌野内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台にいる滅菌操作者が見ることができるように構成されてもよい。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることができる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットへの修正の形態であり得る。
【0018】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科手術において外科手術システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されてもよい。例えば、米国特許公開公報第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」(2018年12月4日に出願)において、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる。可視化タワー111にいる非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ106によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイ115に送ることができ、これを外科用器具112の操作者が見ることができる。外科手術システム102と共に使用するのに好適な代表的な外科用器具は、例えば、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」(2018年12月4日に出願)に記載されている。
【0019】
図2は、手術室116内の手術台114上に横たわっている患者に対して外科手術を実行するために使用されている外科手術システム102の実地例を示す。ロボットシステム110は、外科手術において外科手術システム102の一部として使用されてもよい。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(手術用ロボット)と、手術用ロボットハブ122とを含んでもよい。外科医が外科医のコンソール118を通じて手術部位を見る間、患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開部を通じて、少なくとも1つの着脱可能に連結された手術具117を操作し得る。手術部位の画像は医療用撮像デバイス124によって取得されるが、この医療用撮像デバイスは、撮像デバイス124を配向するように患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール118を通じて、外科医に表示し得る。
【0020】
その他の種類のロボットシステムを、外科手術システム102と共に使用するように容易に適合させ得る。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な実施例は、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2019-0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号)、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」(2018年12月4日に出願)に記載されている。
【0021】
クラウド104によって実行され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベースの分析の様々な実施例は、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2019-0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号)、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」(2018年12月4日に出願)に記載されている。
【0022】
様々な態様では、撮像デバイス124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ以上の光学構成要素とを含んでもよい。好適な画像センサとしては、電荷連結素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられてもよいが、これらに限定されない。
【0023】
撮像デバイス124の光学構成要素は、1つ以上の照明源、及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は手術器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信してもよい。
【0024】
1つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成されてもよい。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトルや発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に応答する。
【0025】
不可視スペクトル(例えば、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0026】
様々な態様では、撮像デバイス124は、低侵襲性処置において使用するように構成されている。本開示と共に使用するために好適な撮像デバイスの実施例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃カメラ)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
撮像デバイスは、トポグラフィーと下層構造とを区別するために、マルチスペクトルモニタリングを用いてもよい。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離されてもよい。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、青の受容体では取り込むことができない追加情報を抽出することが可能である。マルチスペクトル撮像の使用は、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」(2018年12月4日に出願)における「高度撮像取得モジュール(Advanced Imaging Acquisition Module)」という見出しの下で詳細に説明される。マルチスペクトルモニタリングは、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ以上を実行するための手術タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。いかなる外科手術においても手術室及び手術機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療デバイス及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。上記の滅菌プロセスの一部としては、撮像デバイス124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、あるいは滅菌野は、外科手術の準備が整った患者の直ぐ周囲の領域と見なされ得ることが理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含んでもよい。
【0028】
ここで図3を参照すると、可視化システム108、ロボットシステム110及び手持ち式インテリジェント外科用器具112と通信するハブ106が示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、及び手術室マッピングモジュール133を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。外科手術中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科手術中に絡まり合うことが多い。外科手術中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式エンクロージャ136は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科手術において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブエンクロージャと、ハブエンクロージャのドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。一態様では、上記の流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブエンクロージャ内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在している。一態様では、ハブエンクロージャは、流体インターフェースを備える。一部特定の外科手術は、2つ以上のエネルギーの種類を組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギーの種類は、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギーの種類は、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用し得、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用し得る。本開示の態様は、ハブのモジュール式エンクロージャ136が様々な発生器を収容して、これらの間の対話型通信を促進するように構成されているという解決法を提示する。ハブのモジュール式エンクロージャ136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科手術で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用エンクロージャは、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を促進するように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。図3を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128との、モジュール式統合を可能にするハブのモジュール式エンクロージャ136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式エンクロージャ136は、モジュール140とモジュール126とモジュール128と間の対話型通信を更に促進する。発生器モジュール140は、ハブのモジュール式エンクロージャ136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。発生器モジュール140は、単極デバイス142、双極デバイス144、及び超音波デバイス146に接続するように構成され得る。代替的に、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式エンクロージャ136を介して相互作用する一連の単極発生器モジュール、双極発生器モジュール及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式エンクロージャ136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式エンクロージャ136にドッキングされた発生器間の対話型通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0029】
図4は、医療施設の1つ以上の手術室、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置するモジュール式デバイスを、クラウドベースのシステム(例えばストレージデバイス205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える、外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203はまた、ローカルコンピュータシステム210に連結されて、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供し得る。外科用データネットワーク201は、パッシブ、インテリジェント又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つのデバイス(又はセグメント)から別のデバイス(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称されてもよい。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次にパケットを正しいポートに転送する。
【0030】
手術室に位置するモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、デバイス1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続してもよい。デバイス1d~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。デバイス1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式デバイス2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、デバイス2a~2mをクラウド204に接続してもよい。デバイス2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。デバイス2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0031】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数のデバイス1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容されてもよい。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科手術中に、デバイス1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、デバイス1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式デバイスの中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用デバイスに連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられてもよい。
【0032】
一態様では、外科用データネットワーク201は、デバイス1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ、ネットワークスイッチ及びネットワークルータとの組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結されたデバイス1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、実時間でデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナルデバイスを有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することが理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用されてもよく、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの様々なサービスは、インターネットを介して、手術室(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続されたデバイスに送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持されてもよい。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ以上の手術室内に位置するデバイス1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であってもよい。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット及び手術室内に位置するその他のコンピュータ化デバイスによって収集されたデータに基づいて多数の計算を実施し得る。ハブハードウェアは、複数のデバイス又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0033】
デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的結果の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供し得る。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いてもよい。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織のサンプルの画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いてもよい。これには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれてもよい。撮像デバイスと一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像デバイスによって捕捉された画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いてもよい。画像データを含む、デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを決定することによって、外科手術の結果を改善するために分析されてもよい。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に用いてもよく、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0034】
手術室デバイス1a~1nは、ネットワークハブに対するデバイス1a~1nの構成に応じて有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置するデバイス1a~1nに接続性を提供してもよい。ネットワークハブ207は、パケットの形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信してもよい。ネットワークハブ207は、いかなるデバイスデータを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶しない場合がある。デバイス1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信し得る。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有し得ず、全てのネットワークデータを各コネクション全体及びクラウド204上のリモートサーバ213(図4)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出し得るが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0035】
手術室デバイス2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置するデバイス2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスであってもよい。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信してもよく、全二重モードで機能する。複数のデバイス2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信し得る。ネットワークスイッチ209は、データを転送するためにデバイス2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用してもよい。
【0036】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結されてもよい。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、デバイス1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケットの形態のデータをクラウド204に送信してもよく、全二重モードで機能する。複数のデバイスが同時にデータを送信し得る。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0037】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSBデバイスをホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、デバイスをホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張してもよい。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含んでもよい。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置するデバイス1a~1nとデバイス2a~2mとの間の通信のために用いられてもよい。
【0038】
実施例では、手術室デバイス1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイルデバイスから短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信してもよい。手術室デバイス1a~1n/2a~2mは、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信してもよく、このような規格又はプロトコルとしては、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、new radio(NR)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G及びそれ以降と指定される任意のその他の無線及び有線プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどのより短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどのより長距離の無線通信専用であってもよい。
【0039】
モジュール式通信ハブ203は、手術室デバイス1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱ってもよい。フレームは、デバイス1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送してもよい。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載されるように、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによって、このデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0040】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンのデバイスとして使用されてもよいか、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であり得るため、モジュール式通信ハブ203は手術室デバイス1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0041】
図5は、コンピュータ実装対話型外科手術システム200を示す。コンピュータ実装対話型外科手術システム200は、多くの点で、コンピュータ実装対話型外科手術システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装対話型外科手術システム200は、多くの点で外科手術システム102と類似する1つ以上の外科手術システム202を含む。各外科手術システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装対話型外科手術システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット及び手術室内に位置するその他のコンピュータ化デバイスなどの複数の手術室デバイスに接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図6に示すように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。
【0042】
図5の実施例に示すように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結され得る撮像モジュール238、エネルギーデバイス241に連結され得る発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意選択的にディスプレイ237に連結されるスマートデバイス/器具235及び非接触センサモジュール242に連結されてもよい。手術室デバイスは、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結されてもよい。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。とりわけ、デバイス/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載されるように、有線又は無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、デバイス/器具ディスプレイ及び/又はその他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、モジュール式制御タワーに接続されたデバイスから受信されたデータを、画像及び重ね合わせられた画像と共に表示してもよい。
【0043】
図6は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続デバイスなどのモジュール式通信ハブ203と、例えばローカルでの処理、可視化及び撮像を行うためのコンピュータシステム210と、を備えてもよい。図6に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続されてもよいモジュール(例えば、デバイス)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送してもよい。図6に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチのそれぞれは、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含んでもよい。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続されてもよい。クラウド204への通信は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルのいずれかを介して行われてもよい。
【0044】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を用いて、手術室の寸法を測定し、また超音波非接触測定デバイス又はレーザ型非接触測定デバイスのいずれかを使用して、手術室のマップを生成してもよい。センサモジュールが、手術室のサイズを決定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成されている、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」(2018年12月4日に出願)における「手術室内での外科用ハブ空間認識(Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room)」という見出しの下で説明されているように、超音波系の非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射した場合のエコーを受信することによって、手術室を走査してもよい。レーザ系の非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術室を走査し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して手術室のサイズを決定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整してもよい。
【0045】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244と、ネットワークインターフェース245と、を備えてもよい。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250及び入力/出力インターフェース251に連結されている。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかの種類のバス構造のうちのいずれかであってもよく、それらのアーキテクチャの実施例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺デバイス相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(SCSI)又は任意のその他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよく、例えば、このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくはその他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及び/又は、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含み、なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0047】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの、2つのコントローラ系の群を含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0048】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられてもよい。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0049】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体、例えばディスク記憶デバイスなどを含んでもよい。ディスク記憶デバイスとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられ得るが、これらに限定されない。なお、ディスク記憶デバイスは、上記の記憶媒体を、独立して、又はその他の記憶媒体との組み合わせで含むことができるが、その他の記憶媒体としては、コンパクトディスクROMデバイス(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるが、これらに限定されない。ディスク記憶デバイスのシステムバスへの接続を促進するために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0050】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含んでもよいことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられてもよい。ディスク記憶デバイス上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能してもよい。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶デバイス上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用してもよい。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装され得ることを理解されたい。
【0051】
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力デバイスを介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力してもよい。入力デバイスとしては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられてもよいが、これらに限定されない。これら及びその他の入力デバイスは、インターフェースポートを介し、システムバスを通じてプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力デバイス(複数可)は、入力デバイス(複数可)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、コンピュータシステムからの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在し得ることを示すために提供されてもよい。出力アダプタとしては、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられてもよいが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。リモートコンピュータ(複数可)などのその他のデバイス及び/又はデバイスのシステムは、入力能力及び出力能力の両方を提供してもよいことに留意されたい。
【0052】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータなどの1つ以上のリモートコンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作し得る。遠隔クラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス又はその他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、リモートコンピュータと共に、メモリストレージデバイスのみが示される。リモートコンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続されてもよい。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含してもよい。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられてもよい。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタルサブスクリプション者回線(DSL)が挙げられてもよいが、これらに限定されない。
【0053】
様々な態様では、図6のコンピュータシステム210、図5図6の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めてもよい。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施し得る。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0054】
通信接続部(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのため通信接続部はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続部はまたコンピュータシステム210の外部にあり得る。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられてもよい。
【0055】
図7は、本開示の1つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は、制御回路を備えてもよい。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含んでもよい。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ以上が、プロセッサ462に実時間なフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を決定するように構成されてもよい。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を決定するようにプログラム又は構成され得るプロセッサ462に提供されてもよい。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示してもよく、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせてもよい。
【0056】
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0057】
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0058】
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含んでもよい。電気モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。その他のモータドライバを、絶対位置決めシステを備える追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。絶対位置決めシステムに関する詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開公報第2017/0296213号、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」(2017年10月19日公開)に記載されている。
【0059】
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られてもよく、これが実際のフィードバックの決定に使用される。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスをとる好適な調整された値であってもよく、これにより、システムに及ぼす外部の影響を検出し得る。
【0060】
いくつかの実施例では、モータ482は、モータドライバ492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって用いられ得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。いくつかの実施例では、モータ482としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられてもよい。モータドライバ492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの実施例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0061】
モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラであってもよい。ドライバ492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備えてもよく、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し得、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にし得る。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を提供するために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護されてもよい。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。その他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。
【0062】
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路配置を備えてもよい。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供してもよい。いくつかの実施例では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表してもよい。いくつかの実施例では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表してもよい。いくつかの実施例では、変位部材は、発射バー又はIビームを表してもよく、それらのそれぞれは、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る。したがって、本明細書で使用する場合、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の可動部材を指すために使用され得る。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結され得る。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡し得る。様々な態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0063】
電気モータ482は、変位部材上の駆動歯の組又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能に作用する回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくつかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくはその他の接続によって回転アクチュエータに接続され得る。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示してもよい。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表してもよい。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表し得る。
【0064】
位置センサ472と関連付けられたセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材に連結されたセンサ素子が1回転した後に変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離であってもよい。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して連結されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了させてもよい。
【0065】
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1よりも大きい整数である)が、単独で、又はギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ461にフィードバックされてもよく、マイクロコントローラ461は、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を決定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0066】
位置センサ472は、例えば、全磁界又は磁界のベクトル成分を測定するかどうかに従って分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両種類の磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいてもよい。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられてもよい。
【0067】
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461とインターフェースされて絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり得、磁石の上方に位置し得る位置センサ472のエリアに、4つのホール効果素子を含む。また、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられてもよい。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられてもよい。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に送信されてもよい。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供してもよい。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0068】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。その他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、その他のセンサが設けられてもよい。いくつかの態様では、その他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第9,345,481号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(2016年5月24日に発行)、その全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許公開公報第2014/0263552号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」(2014年9月18日に公開)、及びその全体が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/628,175号、発明の名称「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」(2017年6月20日に出願)に記載されているものなどのセンサ配置を挙げられ得る。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備えてもよい。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れてもよい。
【0069】
絶対位置決めシステムは、単にモータ482がとった前方又は後方へのステップの数を計数してデバイスアクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供してもよい。
【0070】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示し得る、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成されてもよい。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供されてもよい。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに印加される閉鎖力を測定し得る。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに印加される発射力を測定し得る。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用し得る、鋭利な切刃を含んでもよい。代替的に、モータ482により引き込まれる電流を測定するために、電流センサ478が用いられ得る。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に対応し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供されてもよい。
【0071】
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に印加される力を測定し得る。治療されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結し得る。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成され得る微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備えてもよい。一態様では、歪みゲージセンサ474は、組織圧縮を示し得る、クランプ動作中にエンドエフェクタの顎部部材に及ぼされる歪みの振幅又は規模を測定し得る。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供され得る。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定し得る。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いられ得る。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0072】
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用され得る。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶してもよい。
【0073】
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図5及び図6に示されるようにモジュール式通信ハブ203と通信するための有線通信回路又は無線通信回路を備えてもよい。
【0074】
図8は、様々な機能を実施するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の場合には、第1のモータを起動させて第1の機能を実施し得、第2のモータを起動させて第2の機能を実施し得、第3のモータを起動させて第3の機能を実施し得、第4のモータを起動させて第4の機能を実施し得る、といった具合である。特定の場合には、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせ得る。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達され得る。
【0075】
特定の場合には、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。特定の場合には、モータ602によって生成される発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又はIビーム要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。モータ602の方向を逆転させることによって、Iビーム要素を後退させてもよい。
【0076】
特定の場合には、外科用器具又は手術具は閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、エンドエフェクタは、例えば、組織を捕捉する、開放構成から接近構成へと移行してもよい。モータ603の方向を逆転させることによって、エンドエフェクタは、開放位置に移行してもよい。
【0077】
特定の場合には、外科用器具又はツールは、例えば、1つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結されてもよい。特定の場合には、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動してもよい。
【0078】
本明細書に記載されるように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の場合には、外科用器具又はツールの複数のモータは、その他のモータが停止した状態を維持している間に、個別に又は別個に起動させて、1つ以上の機能を実施し得る。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させ得る。代替的に、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止した状態を維持している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は切刃を前進させ得る。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
【0079】
特定の場合には、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いられ得る、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の場合には、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応してもよい。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータに対して個々に連結可能かつ分離可能であり得る。特定の場合には、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の場合には、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に個別にかつ選択的に係合し得る。特定の場合には、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうちの一方とのインターフェース接続から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちのもう一方とのインターフェース接続へと選択的に切り替えられ得る。
【0080】
少なくとも1つの実施例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えられ得る。少なくとも1つの実施例では、図8に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は移行され得る。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、例えば、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の場合には、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の場合には、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
【0081】
モータ602、603、606a、606bのそれぞれは、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、顎部の外側の力センサによって、又は顎部を作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の様式で感知されてもよい。
【0082】
様々な実施例では、図8に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ以上のHブリッジFETを備え得るモータドライバ626を備えてもよい。モータドライバ626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の場合には、本明細書に記載されるように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を決定し得る。
【0083】
特定の場合には、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の場合には、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶してもよく、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の場合には、メモリユニット624のうちの1つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
【0084】
特定の場合には、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の場合には、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「電源パック」)を含んでもよい。特定の場合には、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の場合には、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0085】
様々な実施例では、プロセッサ622は、モータドライバ626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御してもよい。特定の場合には、プロセッサ622は、モータドライバ626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されるモータを停止及び/又は無効化し得る。「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用される場合、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理デバイス(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合したその他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的プログラマブルデバイスであってもよい。これは、内部メモリを有してもよいので、逐次的デジタル論理の一実施例であり得る。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作してもよい。
【0086】
プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の場合には、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な機能の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。その他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0087】
特定の場合には、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータのそれぞれを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させてもよい。
【0088】
例えば、センサ630などの1つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警報し得る。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連付けられたプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警報してもよい。特定の場合には、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連付けられたプログラム命令を使用してもよく、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用してもよい。
【0089】
図9は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科手術システム5100の図を示す。いくつかの例証では、データソース5126は、例えば、モジュール式デバイス5102(患者及び/又はモジュール式デバイス自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含み得る)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者モニタリングデバイス5124(例えば、血圧(BP)モニタ、及び心電図(EKG)モニタ)を含む。外科用ハブ5104は、例えば、受信したデータの特定の組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、データから外科手術に関するコンテキスト情報を導出するように構成され得る。受信されたデータから推測されるコンテキスト情報は、例えば、実施される外科手術の種類、外科医が実行している外科手術の特定の工程、手術されている組織の種類、又は処置の対象である体腔を含み得る。受信されたデータから外科手術に関する情報を導出又は推測するための外科用ハブ5104のいくつかの態様に係わるこの機能は、「状況認識」と称され得る。一例証では、外科用ハブ5104は、受信されたデータから外科手術に関連付けられたコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込み得る。
【0090】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信されたデータから、コンテキスト情報を導出するように構成され得る。一例証では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者モニタリングデバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102からのデータ)を、外科手術に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含み得る。換言すれば、機械学習システムは、提供された入力から外科手術に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練され得る。実施例では、状況認識システムは、外科手術に関する事前に特性評価されたコンテキスト情報を、そのコンテキスト情報に対応する1つ以上の入力(又は、入力の範囲)と関連付けて記憶する、ルックアップテーブルを含み得る。1つ以上の入力によるクエリに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式デバイス5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返し得る。実施例では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ以上のモジュール式デバイス5102の特定の制御調節、又は一連の制御調節に関連付けられ得る。実施例では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供された際、1つ以上のモジュール式デバイス5102の1つ以上の制御調節を生成又は読み出す、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又はその他のそのようなシステムを含み得る。
【0091】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科手術システム5100に多くの利点をもたらし得る。1つの利点は、検知及び収集されたデータの解釈を改善することを含んでもよく、これは、外科手術の過程中の処理精度、及び/又はデータの使用を改善させる。以前の実施例に戻ると、状況認識外科用ハブ5104は、どの種類の組織が手術されているかを決定することができるので、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織種類に合わせて外科用器具のモータを正しく加速、あるいは減速させ得る。
【0092】
手術されている組織の種類は、特定の組織間隙測定用の手術用ステープリング及び切断用器具の圧縮速度と負荷閾値になされる調節に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、実行されている外科手術が胸部手術であるのか、又は腹部手術であるのかを推測し得、これにより、外科用ハブ5104は、手術用ステープリング及び切断用器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺であるのか(胸部手術の場合)、又は胃であるのか(腹部手術の場合)を決定することが可能である。次に、外科用ハブ5104は、手術用ステープリング及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織の種類に合わせて適切に調節し得る。
【0093】
送気処置中に手術されている体腔の種類は、煙排出器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、手術部位が(外科手術が送気を利用していると決定することによって)圧力下にあるかどうかを決定し、処置種類を決定し得る。一般に、ある処置種類が特定の体腔内で実行されるので、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に煙排出器のモータ速度を制御し得る。したがって、状況認識外科用ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方用に一貫した量の煙排出を提供し得る。
【0094】
実行されている処置の種類は、超音波外科用器具、又は高周波(RF)電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。例えば、関節鏡処置では、超音波外科用器具、又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるので、より高いエネルギーレベルを必要とする場合がある。状況認識外科用ハブ5104は、外科手術が関節鏡処置であるかどうかを決定し得る。次に、外科用ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調節し得る。関連して、手術されている組織の種類は、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、どの種類の外科手術が実行されているかを決定し、次に、外科手術について予想される組織形状に従って、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズし得る。更に、状況認識外科用ハブ5104は、単に処置ごとにではなく、外科手術の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調節するように構成され得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科手術のどの工程が実行されているか、又は引き続き実行されるかを決定し、次に、発生器、及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科手術の工程に従って予想される組織種類に適切な値までエネルギーレベルを設定し得る。
【0095】
実施例では、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から導き出される結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータを導出することも可能である。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式デバイス5102から受信したデータを、その他のデータソース5126から外科手術に関して構築したコンテキスト情報で強化し得る。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、医療用撮像デバイスから受信されたビデオ又は画像データに従って、止血が行われたかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まったかどうか)を決定するように構成され得る。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的ではない可能性がある。したがって、一例証では、外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104へと通信可能に接続されたBPモニタで検知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104へと通信可能に連結された医療用撮像デバイス124(図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶着の完全性に関する決定を行うように更に構成され得る。換言すれば、外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、可視化データを分析する際に追加のコンテキストを提供し得る。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用となり得る。
【0096】
例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続の工程で器具の使用が必要とされると決定された場合に、RF電気外科用器具が接続されている発生器を積極的に起動させ得る。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行する工程が完了すると直ぐに器具を使用準備完了にすることが可能であり得る。
【0097】
状況認識外科用ハブ5104は、外科医が見る必要があると予想される手術部位の形状部(複数可)に従って、外科手術の現工程、又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なるビューや倍率を必要とするかどうかを決定し得る。次に、外科用ハブ5104は、表示されたビュー(例えば、可視化システム108用に医療用撮像デバイスから供給される)を適切に積極的に変更し得、これにより、ディスプレイは外科手術にわたって自動的に調節する。
【0098】
状況認識外科用ハブ5104は、外科手術のどの工程が実行されているか、又は次に実行されるか、及び特定のデータ又はデータ同士の比較が外科手術の該当工程に必要とされるかどうかを決定し得る。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待つことなく、実行されている外科手術の工程に基づいて、データスクリーンを自動的に呼び出すように構成し得る。
【0099】
外科手術のセットアップ中、又は外科手術の過程中にエラーがチェックされてもよい。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、手術現場が、実行されるべき外科手術用に適切に又は最適にセットアップされているかどうかを決定し得る。外科用ハブ5104は、実行されている外科手術の種類を決定し、対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップ要件を(例えば、メモリから)読み出し、次に、現在の手術現場のレイアウトを、実行されていると外科用ハブ5104が決定した外科手術の種類の標準レイアウトと比較するように構成され得る。いくつかの例証では、外科用ハブ5104は、処置のための項目リスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされたデバイスのリストを、所与の外科手術のための項目及び/又はデバイスの推奨される又は予想されるマニフェストと比較するように構成され得る。リスト同士に分断が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式デバイス5102、患者モニタリングデバイス5124、及び/又はその他の手術用物品が欠落していることを示すアラートを提供するように構成され得る。いくつかの例証では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサによってモジュール式デバイス5102及び患者モニタリングデバイス5124の相対距離又は相対位置を決定するように構成され得る。外科用ハブ5104は、デバイスの相対位置を、特定の外科手術用に推奨又は予測されるレイアウトと比較し得る。レイアウト同士に分断が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科手術の現在のレイアウトが推奨レイアウトから逸脱していることを示すアラートを提供するように構成し得る。
【0100】
状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は、その他の医療従事者)が誤りを犯しているかどうか、又は外科手術の過程中に予想される一連のアクションから逸脱しているかどうかを決定し得る。例えば、外科用ハブ5104は、実行されている外科手術の種類を決定し、機器使用の工程又は順序の対応リストを(例えば、メモリから)読み出し、次に、外科手術の過程中に実行されている工程又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が実行されていると決定した外科手術の種類について予想される工程、又は機器と比較するように構成され得る。いくつかの例証では、外科用ハブ5104は、外科手術における特定の工程で想定外のアクションが実行されているか、又は想定外のデバイスが利用されていることを示すアラートを提供するように構成され得る。
【0101】
外科用器具(及びその他のモジュール式デバイス5102)は、各外科手術の特定のコンテキストに合わせて調整されてもよく(異なる組織種類への調整など)、外科手術中の動作を検証してもよい。次の工程、データ、及びディスプレイ調整は、処置の特定のコンテキストに従って、手術室内の外科用器具(及びその他のモジュール式デバイス5102)に提供されてもよい。
【0102】
図10は、例示的な外科手術のタイムライン5200と、外科手術の各工程でデータソース5126から受信されたデータから外科用ハブ5104が導出され得るコンテキスト情報と、を示す。図9に示されるタイムライン5200の以下の説明では、図9も参照されたい。タイムライン5200は、手術現場のセットアップで始まり、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程中に、看護師、外科医及び他の医療従事者がとるであろう一般的な工程を示し得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科手術の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ5104とペアリングされたモジュール式デバイス5102を使用するたびに生成されるデータを含むデータを、データソース5126から受信してもよい。外科用ハブ5104は、ペアリングされたモジュール式デバイス5102及びその他のデータソース5126からこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実行されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出し得る。外科用ハブ5104の状況認識システムは、例えば、報告を生成するために処置に関するデータを記録すること、医療関係者によって採用されている工程を検証すること、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供すること、コンテキストに基づいてモジュール式デバイス5102を調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスのFOVを調整する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更する)こと、及び本明細書に記載される任意のその他のこのような動作を行うことが可能であり得る。
【0103】
この例示的な処置における第1工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから、患者のEMRを読み出してもよい。EMRにおいて選択された患者データに基づいて、外科用ハブ5104は、実行される処置が胸部手術であることを決定する。第2の5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンしてもよい。外科用ハブ5104は、スキャンされた物資を様々な種類の処置において利用され得る物資のリストと相互参照し、物資の組み合わせが、胸部処置に一致することを確認する。更に、外科用ハブ5104はまた、処置が楔形切除術ではないと決定されることが可能であってもよい(入来する用品が、胸部楔形切除術に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸部楔形切除術に対応していないかのいずれかであるため)。第3の5206では、医療従事者は、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたスキャナ5128を介して患者バンドをスキャンしてもよい。次に、外科用ハブ5104は、スキャンされたデータに基づいて患者の身元を確認し得る。第4の5208では、医療職員が補助デバイスをオンにする。利用されている補助機器は、外科手術の種類、及び外科医が使用する技術に従って変動し得るが、この例示的なケースでは、排煙器、送気器及び医療用撮像デバイスが挙げられる。起動されると、モジュール式デバイス5102である補助デバイスは、その初期化プロセスの一部として、モジュール式デバイス5102の特定の近傍内に位置し得る外科用ハブ5104と自動的にペアリングし得る。次に、外科用ハブ5104は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式デバイス5102の種類を検出することによって、外科手術に関するコンテキスト情報を導出し得る。この特定の実施例では、外科用ハブ5104は、ペアリングされたモジュール式デバイス5102のこの特定の組み合わせに基づいて、外科手術がVATS手術であると決定してもよい。患者のEMRからのデータの組み合わせ、処置に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式デバイス5102の種類に基づいて、外科用ハブ5104は、外科チームが実施する特定の処置を一般に推定し得る。外科用ハブ5104が、何の特定の処置が行われているかを知ると、次に外科用ハブ5104は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出し、次に接続されたデータソース5126(例えば、モジュール式デバイス5102及び患者モニタリングデバイス5124)からその後受信したデータを相互参照して、外科手術のどの工程を外科チームが実行しているかを推定し得る。第5の5210では、職員は、EKG電極及びその他の患者モニタリングデバイス5124を患者に取り付ける。EKG電極及びその他の患者モニタリングデバイス5124は、外科用ハブ5104とペアリングしてもよい。外科用ハブ5104が患者モニタリングデバイス5124からデータの受信を開始すると、外科用ハブ5104は、例えば、プロセス5207で説明するように、患者が手術室にいることを確認してもよい。第6の5212では、医療関係者は患者において麻酔を誘発してもよい。外科用ハブ5104は、例えば、EKGデータ、血圧データ、人工呼吸器データ又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式デバイス5102、及び/又は患者モニタリングデバイス5124からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推測し得る。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部が開始する。
【0104】
第7の5214では、(換気が対側肺に切り替えられる間に)手術されている患者の肺が虚脱されてもよい。外科用ハブ5104は、例えば、患者の肺が虚脱されたことを人工呼吸器データから推測され得る。外科用ハブ5104は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出し得る)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であり得ると決定し得る。第8の5216では、医療用撮像デバイス5108(例えば、スコープ)が挿入され得、医療用撮像デバイスからのビデオ映像が開始されてもよい。外科用ハブ5104は、医療用撮像デバイスへの接続を通じて医療用撮像デバイスデータ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信してもよい。医療用撮像デバイスデータを受信すると、外科用ハブ5104は、外科手術の腹腔鏡部分が開始したことを決定し得る。更に、外科用ハブ5104は、行われている特定の処置が、肺葉切除術とは対照的に区域切除術であると決定し得る(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形切除術は外科用ハブ5104によって既に考慮に入れられていないことに留意されたい)。医療用撮像デバイス124(図2)からのデータを利用して、様々な方法で、例えば、患者の解剖学的構造の可視化に対して配向されている医療用撮像デバイスの角度を決定することによって、利用されている(すなわち、起動されており、外科用ハブ5104とペアリングされている)数又は医療用撮像デバイスをモニタリングすることによって、及び利用されている可視化デバイスの種類をモニタリングすることによって、行われている処置の種類に関するコンテキスト情報を決定し得る。例えば、VATS肺葉切除術を実行するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置するが、他方、VATS区域切除術を実行するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前方の肋間位置に配置してもよい。状況認識システムは、例えば、パターン認識技術又は機械学習技術を使用して、患者の解剖学的構造の可視化に従って、医療用撮像デバイスの位置を認識するように訓練され得る。VATS肺葉切除を実行するための代表的な技術は、単一の医用撮像デバイスを利用してもよい。VATS区域切除を実行するための代表的な技術は、複数のカメラを利用する。VATS区域切除術を実行するための1つの代表的な技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブへと通信可能に連結され得る)を利用するが、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像デバイス5108からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ5104は、行われている特定の種類の外科手術、及び/又は特定の種類の外科手術に使用されている技術を決定し得る。
【0105】
第9の5218では、外科チームは、処置の切開工程を開始してもよい。外科用ハブ5104は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定し得る。外科用ハブ5104は、受信したデータを外科手術の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると決定し得る。第10の5220では、外科チームは、処置の結紮工程に進んでもよい。外科用ハブ5104は、器具が発射されていることを示すデータを外科用ステープル留め及び切断器具から受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定し得る。前工程と同様に、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出し得る。第11の5222では、処置の区域切除術の部分が実行され得る。外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータ(そのカートリッジからのデータを含む)に基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定し得る。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又は種類に対応し得る。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されるので、カートリッジのデータは、ステープリング及び/又は横切開されている組織の種類を示し得る。この場合、発射されているステープルの種類は実質組織(又はその他の同様の組織種)に利用され、これにより、外科用ハブ5104は、処置の区域切除術の部分が実行されている推定することが可能である。続いて第12の5224で、結節切開工程が実施される。外科用ハブ5104は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す、発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定し得る。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、これにより外科用ハブ5104がこの推定を行うことができる。異なる器具が特定のタスクに対してより良好に適合するので、外科医が、処置中の特定の工程に応じて、手術用ステープリング/切断器具と手術用エネルギー(例えば、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープリング器具/切断器具及び手術用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実行しているかを示し得る。第12の5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始されてもよい。
【0106】
第13の5226では、患者の麻酔が解かれ得る。外科用ハブ5104は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定し得る。最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者モニタリングデバイス5124を除去する工程であってもよい。したがって、外科用ハブ5104は、ハブがEKG、BP、及び患者モニタリングデバイス5124からのその他のデータを喪失した場合に、患者が回復室に移送されていると推定し得る。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ5104と通信可能に連結された各種データソース5126から受信したデータに従って、外科用ハブ5104は、所与の外科手術の各工程が発生しているときを決定又は推定し得る。
【0107】
図10に示されるタイムライン5200の第1の工程5202に示されるように、EMRデータベース(複数可)からの患者データを利用して、実行される外科手術の種類を推定することに加えて、患者データはまた、状況認識外科用ハブ5104によって利用されて、ペアリングされたモジュール式デバイス5102の制御調整を生成し得る。
【0108】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装対話型外科システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装対話型外科手術システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術現場又は医療施設を含む様々な外科手術システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成されてもよい。コンピュータ実装対話型外科システムは、クラウド系の分析システムを含んでもよい。クラウド系の分析システムは、外科手術システムとして記載されてもよいが、必ずしもそのように限定されるものではなくてもよく、クラウド系の医療システムであり得る。図11に示すように、クラウド系の分析システムは、(器具112と同じ又は類似であってよい)複数の外科用器具7012と、(ハブ106と同じ又は類似であってよい)複数の外科用ハブ7006と、外科用ハブ7006を(クラウド204と同じ又は類似であってよい)クラウド7004に連結するための(ネットワーク201と同じ又は類似であってよい)外科用データネットワーク7001と、を含んでもよい。複数の外科用ハブ7006のそれぞれは、1つ以上の外科用器具7012に通信可能に連結されてもよい。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装対話型外科手術システムのクラウド7004に通信可能に連結されてもよい。クラウド7004は、様々な外科手術システムの動作に基づいて生成されたデータを記憶、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアのリモートの集中型供給源であってもよい。図11に示すように、クラウド7004へのアクセスはネットワーク7001を介して達成され、このネットワーク7001は、インターネットであってもよく、又はその他の好適なコンピュータネットワークであってもよい。クラウド7004に連結され得る外科用ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(すなわち、クラウド系の分析システム)と見なすことができる。外科用器具7012は、本明細書に記載される様々な外科手術又は動作の制御及び実施のために、外科用ハブ7006とペアリングされてもよい。
【0109】
なお、外科用器具7012は、(これも送受信機を備え得る)対応する外科用ハブ7006へのデータ伝送、及び外科用ハブ7006からのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。外科用器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば、病院)内の手術現場などの、特定の位置を示してもよい。例えば、外科用ハブ7006のメモリは、位置データを記憶してもよい。図11に示すように、クラウド7004は、(リモートサーバ7013と同じ又は同様であってもよい)中央サーバ7013、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入出力(「I/O」)インターフェース7006を含む。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアントモジュール7006による要求をモニタリングし、その要求を実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することを含む。中央サーバ7013のそれぞれは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリデバイス7010に連結された1つ以上のプロセッサ7008を備えてもよい。メモリデバイス7010は、実行されると、プロセッサ7008に、クラウド系のデータ分析、動作、推奨、及び以下で説明するそのその他の動作のためのデータ分析モジュール7034を実行させる、機械実行可能命令を含んでもよい。更に、プロセッサ7008は、独立して、又はハブ7006によって独立して実行されるハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール7034を実行し得る。中央サーバ7013はまた、メモリ2210内に存在し得る集約された医療データのデータベース2212を含んでもよい。
【0110】
ネットワーク7001を介した様々な外科用ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な外科用器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集約し得る。このような集約されたデータは、クラウド7004の集約された医療データベース7012内に記憶されてもよい。具体的には、クラウド7004は、有利にも、集約されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、洞察をもたらし、及び/又は個別のハブ7006がそれ自体では達成できない機能を実行してもよい。この目的のために、図11に示すように、クラウド7004と外科用ハブ7006とは、情報を送受信するために通信可能に連結されている。I/Oインターフェース7006は、ネットワーク7001を介して複数の外科用ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7006は、外科用ハブ7006と集約された医療データデータベース7011との間で情報を転送するように構成され得る。したがって、I/Oインターフェース7006は、クラウド系の分析システムの読み出し/書き込み動作を促進してもよい。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介してハブ7006に送信され得る。I/Oインターフェース7006は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド7004をハブ7006に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含んでもよい1つ以上の高速データポートを含んでもよい。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、外科用ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、かつ供給するように構成されてもよい。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブアプリケーションによるハブ7006を介する要求を管理し、集約された医療データのデータベース7011へのアクセスを制御し、負荷分散を実行してもよい。データ分析モジュール7034について、図12を参照して更に詳細に説明する。
【0111】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、外科用器具7012、112などの医療用デバイスを使用して実行される医療手術及び処置のコンテキストにおいて生じる様々な問題に対処するように設計されてもよい。特に、外科用器具7012は、外科手術の成績を改善するための技術を実施するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル外科用デバイスであってよい。様々な外科用器具7012及び/又は外科用ハブ7006は、臨床医が外科用器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御できるように、タッチ制御されたユーザインターフェースを含んでもよい。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のためのその他の好適なユーザインターフェースもまた使用され得る。
【0112】
図12は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装対話型外科システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。クラウド系の分析システムは、医療分野において特に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含んでもよい。図12に示すように、クラウド系のデータ分析モジュール7034の機能は、外科用ハブ7006上でアクセスしてもよいハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して、支援されてもよい。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために連携して動作してもよい。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応する一連のプロトコル及びルーチンを定義してもよい。加えて、API 7016は、アプリケーション7014の動作のために集約された医療データベース7012へのデータの記憶及び検索を管理してもよい。キャッシュ7018はまた、データを(例えば、一時的に)記憶してもよく、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な検索のためにAPI 7016に連結されてもよい。図12のデータ分析モジュール7034は、リソース最適化7020、データ収集及び集約7022、認可及びセキュリティ7024、制御プログラムの更新7026、患者転帰分析7028、推奨7030、並びにデータ分類及び優先順位付け7032のためのモジュールを含んでもよい。その他の好適なデータ分析モジュールもまた、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装され得る。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、転帰、及びその他のデータの分析に基づいて特定の推奨に使用されてもよい。
【0113】
例えば、データ収集及び集約モジュール7022は、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、及び手術によってグループ化することができるが、必ずしも実際の外科手術日付及び外科医に一致していないペアリングされたデータセットへのデータの保存を含む、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用され得る。特に、外科用器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血事象などの二項分類を適用することを含み得る。より一般的には、二項分類は、望ましい事象(例えば、成功した外科手術)又は望ましくない事象(例えば、誤発射又は誤使用された外科用器具7012)のいずれかとして特徴付けられてもよい。集約された自己記述型データは、外科用ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに対応してもよい。したがって、データ収集及び集約モジュール7022は、外科用ハブ7006から受信した生データに基づいて、集約メタデータ又はその他の編成されたデータを生成し得る。この目的のために、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集約された医療データのデータベース7011に動作的に連結し得る。データ収集及び集約モジュール7022は、集約された編成データを集約された医療データのデータベース2212に記憶してもよい。
【0114】
資源最適化モジュール7020は、この集約されたデータを分析して、特定の医療施設又は医療施設のグループに関する資源の最適な使用を決定するように構成され得る。例えば、資源最適化モジュール7020は、外科用ステープル留め器具7012の対応する予測される要求に基づいて、医療施設のグループに関する外科用ステープル留め器具7012の最適な発注点を決定してもよい。資源最適化モジュール7020はまた、資源使用を改善することができるかどうかを決定するために、様々な医療施設の資源使用又はその他の動作構成を評価してもよい。同様に、推奨モジュール7030は、データ収集及び集約モジュール7022から集約された編成データを分析して推奨を提供するように構成され得る。例えば、推奨モジュール7030は、特定の外科用器具7012が、例えば、誤り率が予測よりも高いことに基づいて改善されたバージョンにアップグレードされるべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に推奨し得る。加えて、推奨モジュール7030及び/又は資源最適化モジュール7020は、製品再注文点などのより良好なサプライチェーンパラメータを推奨し、異なる外科用器具7012、その使用、又は手術結果を改善する手順工程の提案を提供し得る。医療施設は、対応する外科用ハブ7006を介してそのような推奨を受信し得る。様々な外科用器具7012のパラメータ又は構成に関する、より具体的な推奨もまた提供され得る。ハブ7006及び/又は外科用器具7012はそれぞれ、クラウド7004によって提供されるデータ又は推奨を表示するディスプレイ画面もまた有し得る。
【0115】
患者転帰分析モジュール7028は、外科用器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析し得る。患者転帰分析モジュール7028はまた、その他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価してもよい。これに関連して、推奨モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらのその他の潜在的な動作パラメータを使用して推奨し得る。例えば、推奨モジュール7030は、対応するステープル留め外科用器具7012に特定のカートリッジを使用する場合に関する推奨を、外科用7006に送信し得る。したがって、クラウド系の分析システムは、共通変数を制御しながら、収集された大規模な生データを分析し、複数の医療施設にわたって(有利には、集約されたデータに基づいて決定される)集中的推奨を提供するように構成されてもよい。例えば、クラウド系の分析システムは、医療行為の種類、患者の種類、患者の数、同様の種類の器具を使用する医療提供者間の地理的類似性などを、1つの医療施設が単独で独立して分析することはできない方法で、分析、評価、及び/又は集約し得る。制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新された場合に、様々な外科用器具7012の推奨を実施するように構成され得る。例えば、患者転帰分析モジュール7028は、特定の制御パラメータを成功した(又は失敗した)結果と結び付ける相関関係を識別し得る。このような相関関係は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して外科用器具7012に送信される場合に対処されてもよい。対応するハブ7006を介して送信される器具7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集約モジュール7022によって収集されかつ分析された集約された成績データを組み込んでもよい。加えて、患者転帰分析モジュール7028及び推奨モジュール7030は、集約された成績データに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別し得る。
【0116】
クラウドベースの分析システムは、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認可及びセキュリティモジュール7024によって管理されてもよい。各外科用ハブ7006は、ユーザ名、パスワード、及びその他の好適なセキュリティ資格情報などの関連する固有の資格情報を有し得る。これらの資格情報は、メモリ7010に記憶され、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けられ得る。例えば、正確な資格情報を提供することに基づいて、外科用ハブ7006は、クラウドと所定の範囲まで通信するアクセスを付与されてもよい(例えば、特定の定義された種類の情報の送信又は受信を行ってもよい)。この目的のために、クラウド7004の集約された医療データのデータベース7011は、提供された資格情報の正確さを検証するための認定された資格情報のデータベースを含んでもよい。異なる資格情報は、クラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど、クラウド7004との相互作用のための様々なレベルの許可に関連付けられてもよい。更に、セキュリティ目的のために、クラウドは、ハブ7006、器具7012、及び禁止されたデバイスの「ブラックリスト」を含んでもよいその他のデバイスのデータベースを維持し得る。具体的には、ブラックリスト上に列挙された外科用ハブ7006は、クラウドと相互作用することを許可されなくてもよい一方で、ブラックリスト上に列挙された外科用器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さなくてもよく、かつ/又は対応するハブ7006とペアリングされたときに完全に機能することが防止されてもよい。追加的に又は代替的に、クラウド7004は、不適合性又はその他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立ててもよい。このようにして、偽造医療用デバイス、及びそのようなデバイスの、クラウド系の分析システム全体での不適切な再使用を識別し、対処し得る。
【0117】
外科用器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認可資格情報を表し得る無線信号を送信してもよい。有線送受信機もまた、信号を送信するために使用されてもよい。このような認可資格情報は、外科用器具7012のそれぞれのメモリデバイスに記憶され得る。認可及びセキュリティモジュール7024は、認可資格情報が正確であるか又は偽造であるかを決定し得る。認可及びセキュリティモジュール7024はまた、強化されたセキュリティのために、認可資格情報を動的に生成してもよい。資格情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化され得る。適切な認可を送信すると、外科用器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得し送信する準備ができていることを示してもよい。これに応答して、クラウド7004は、集約された医療データのデータベース7011に記憶するための医療データを受信することが可能な状態に遷移してもよい。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上の光インジケータによって示され得る。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、外科用器具7012に信号を送信し得る。クラウド7004は、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが適切な外科用器具7012にのみ送信されるように、特定の部類の外科用器具7012(例えば、電気外科器具)に向けられた信号を送信し得る。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認可資格情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システム全体のソリューションを実装するために使用され得る。例えば、外科用器具7012のグループが共通の製造欠陥を有するものとして識別される場合、クラウド7004は、このグループに対応する認可資格情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実施してもよい。
【0118】
クラウド系の分析システムは、改善された実務を決定し、それに応じて変更を推奨する(例えば、推奨モジュール2030を介して)ために、複数の医療施設(例えば、病院のような医療施設)をモニタリングすることを可能にしてもよい。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータをその他の医療施設に関連付けられたその他のデータと集約し得る。グループは、例えば、同様の操作行為又は地理的位置に基づいて定義され得る。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループに幅広い分析及び推奨を提供してもよい。クラウド系の分析システムはまた、強化された状況認識のために使用され得る。例えば、プロセッサ7008は、(全体的な動作及び/又は様々な医療処置と比較して)特定の施設に対するコスト及び有効性に関する推奨の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の施設に関連付けられたコスト及び有効性はまた、その他の施設又は任意のその他の同等の施設の対応するローカル領域と比較され得る。
【0119】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重大性(例えば、データに関連付けられた医療イベントの重篤度、意外さ、不審さ)に基づいてデータを優先順位付けし分類してもよい。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベースの分析及び動作を改善するために、上記のその他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用されてもよい。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集約モジュール7022並びに患者転帰分析モジュール7028によって実行されるデータ分析に対する優先度を割り当てられ得る。異なる優先順位レベルは、迅速応答のための上昇、特別な処理、集約された医療データのデータベース7011からの除外、又はその他の好適な応答などの、(緊急性のレベルに対応して)クラウド7004からの特定の応答をもたらし得る。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する外科用器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信し得る。プッシュメッセージは、支持又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらし得る。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドがその不規則性の原因を決定することができない状況で必要とされてもよい。中央サーバ7013は、例えば、データが所定の閾値を超えて予測値と異なると決定された場合、又はセキュリティが含まれていたと見られる場合など、特定の重大な状況において、このプッシュメッセージをトリガするようにプログラムされてもよい。
【0120】
説明された様々な機能に関する更なる例示的な詳細を、以下の説明において提供する。様々な説明のそれぞれは、ハードウェア及びソフトウェアの実装の一実施例として図11及び図12に記載されるように、クラウドアーキテクチャを利用してもよい。
【0121】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式デバイス9050のための制御プログラム更新を適応的に生成するように構成されている、コンピュータ実装適応外科手術システム9060のブロック図を示す。いくつかの例証では、外科手術システムは、外科用ハブ9000と、外科用ハブ9000に通信可能に連結された複数のモジュール式デバイス9050と、外科用ハブ9000に通信可能に連結された分析システム9100と、を含んでもよい。単一の外科用ハブ9000が示されてもよいが、外科手術システム9060は、分析システム9010に通信可能に連結される外科用ハブ9000のネットワークを形成するように接続され得る、任意の数の外科用ハブ9000を含み得ることに留意されたい。いくつかの例証では、外科用ハブ9000は、そこに記憶された命令を実行するためのメモリ9020に連結されたプロセッサ9010と、データが分析システム9100に送信されるデータ中継インターフェース9030と、を含んでもよい。いくつかの例証では、外科用ハブ9000は、ユーザからの入力を受信するための入力デバイス9092(例えば、電気容量性タッチスクリーン又はキーボード)と、ユーザに出力を提供するための出力デバイス9094(例えば、ディスプレイスクリーン)と、を有するユーザインターフェース9090を更に含んでもよい。出力は、ユーザによって入力されたクエリからのデータ、所与の処理において使用するための製品又は製品の混合の提案、及び/又は外科手術の前、間、若しくは後に行われる行為のための命令を含み得る。外科用ハブ9000は更に、モジュール式デバイス9050を外科用ハブ9000に通信可能に連結するためのインターフェース9040を含んでもよい。一態様では、インターフェース9040は、無線通信プロトコルを介してモジュール式デバイス9050に通信可能に接続可能な送受信機を含んでもよい。モジュール式デバイス9050は、例えば、外科用ステープル留め及び切断器具、電気外科用器具、超音波器具、吸入器、人工呼吸器、及びディスプレイ画面を含み得る。いくつかの例証では、外科用ハブ9000は更に、EKGモニタ又はBPモニタなどの1つ以上の患者モニタリングデバイス9052に通信可能に連結され得る。いくつかの例証では、外科用ハブ9000は更に、外科用ハブ9000が位置する医療施設のEMRデータベースなどの1つ以上のデータベース9054又は外部コンピュータシステムに通信可能に連結され得る。
【0122】
モジュール式デバイス9050が外科用ハブ9000に接続された場合、外科用ハブ9000は、モジュール式デバイス9050から周術期データを感知又は受信し、次に、受信した周術期データを外科手術結果データと関連付け得る。周術期データは、外科手術の過程でモジュール式デバイス9050がどのように制御されたかを示してもよい。処置結果データは、外科手術(又はその工程)からの結果に関連付けられたデータを含み、それは、外科手術(又はその工程)が肯定的な結果又は否定的な結果を有したかどうかを含み得る。例えば、結果データは、患者が特定の処置による術後合併症に罹患したかどうか、又は特定のステープル若しくは切開ラインにおいて漏出(例えば、出血又は空気漏出)があったかどうかを含み得る。外科用ハブ9000は、外部ソースから(例えば、EMRデータベース9054から)データを受信することによって、結果を(例えば、接続されたモジュール式デバイス9050のうちの1つを介して)直接検出することによって、又は状況認識システムを通して結果の発生を推測することによって、外科手術結果データを取得し得る。例えば、術後合併症に関するデータをEMRデータベース9054から検索し得、ステープル又は切開ラインの漏出に関するデータを状況認識システムによって直接検出又は推測し得る。外科手術結果データは、モジュール式デバイス9050自体、患者モニタリングデバイス9052、及び外科用ハブ9000が接続されるデータベース9054を含む、種々のデータソースから受信されるデータから、状況認識システムによって推測され得る。
【0123】
外科用ハブ9000は、関連付けられたモジュール式デバイス9050のデータ及び結果データを、そこで処理するために分析システム9100に送信し得る。モジュール式デバイス9050がどのように制御されるかを示す周術期データと、処置結果データとの両方を送信することによって、分析システム9100は、モジュール式デバイス9050を制御する異なる様式を、特定の処置種類のために手術結果と相関させ得る。いくつかの例証では、分析システム9100は、外科用ハブ9000からデータを受信するように構成されている分析サーバ9070のネットワークを含んでもよい。分析サーバ9070のそれぞれは、メモリと、受信されたデータを分析するためにそこに記憶された命令を実行しているメモリに連結されたプロセッサと、を含み得る。いくつかの例証では、分析サーバ9070は、分散コンピューティングアーキテクチャで接続されてもよい、及び/又はクラウドコンピューティングアーキテクチャを利用してもよい。この対にされたデータに基づいて、分析システム9100は、次に、様々な種類のモジュール式デバイス9050のための最適又は好ましい動作パラメータを学習し、現場のモジュール式デバイス9050の制御プログラムに対する調整を発生させ、次に、モジュール式デバイス9050の制御プログラムに対する更新を送信(又は「プッシュ」)し得る。
【0124】
外科用ハブ9000及びそこに接続可能な種々のモジュール式デバイス9050を含む、コンピュータ実装対話型外科手術システム9060に関する追加の詳細は、図5図6に関連して説明される。
【0125】
図14は、本開示による外科手術システム6500を提供し、有線又は無線接続を介してローカルエリアネットワーク6518又はクラウドネットワーク6520を通じてコンソール6522又はポータブルデバイス6526と通信し得る、外科用器具6502を含んでもよい。様々な態様では、コンソール6522及びポータブルデバイス6526は、任意の適切なコンピューティングデバイスであってもよい。外科用器具6502は、ハンドル6504と、アダプタ6508と、装填ユニット6514とを含んでもよい。アダプタ6508は、ハンドル6504に解放可能に連結し、装填ユニット6514は、アダプタ6508が駆動シャフトから装填ユニット6514に力を伝達するように、アダプタ6508に解放可能に連結する。アダプタ6508又は装填ユニット6514は、装填ユニット6514に及ぼされる力を測定するために、その中に配置される力ゲージ(明示的に図示せず)を含んでもよい。装填ユニット6514は、第1の顎部6532及び第2の顎部6534を有するエンドエフェクタ6530を含んでもよい。装填ユニット6514は、装填ユニット6514を再装填するために装填ユニット6514が手術部位から除去される必要なく、臨床医が複数の締結具を複数回発射することを可能にする、原位置装填ユニット又はマルチ発射装填ユニット(MFLU)であってもよい。
【0126】
第1の顎部6532及び第2の顎部6534は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通して締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成されてもよい。第1の顎部6532は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成されてもよい、又は交換される前に2回以上発射されてもよい複数の締結具(例えば、ステープル、クリップ等)を含む交換可能なマルチ発射締結カートリッジを含むように構成されてもよい。第2の顎部6534は、締結具がマルチ発射締結カートリッジから排出される際に、締結具を変形させるか、又はその他の方法で組織の周りに固定するアンビルを含んでもよい。
【0127】
ハンドル6504は、駆動シャフトの回転に影響を及ぼすように駆動シャフトに連結されるモータを含んでもよい。ハンドル6504は、モータを選択的に作動させるための制御インターフェースを含んでもよい。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及び任意のその他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含んでもよく、これらは、モータを起動するために臨床医によって係合され得る。
【0128】
ハンドル6504の制御インターフェースは、ハンドル6504のコントローラ6528と通信して、モータを選択的に作動させ、駆動シャフトの回転に影響を及ぼしてもよい。コントローラ6528は、ハンドル6504内に配置されてもよく、制御インターフェースからの入力、及びアダプタ6508からのアダプタデータ、又は装填ユニット6514からの装填ユニットデータを受信するように構成されている。コントローラ6528は、モータを選択的に作動させるために、制御インターフェースからの入力と、アダプタ6508及び/又は装填ユニット6514から受信されたデータと、を分析してもよい。ハンドル6504はまた、ハンドル6504の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、器具6502の発射前、発射中、又は発射後に、アダプタ又は装填ユニットデータの部分を表示するように構成されてもよい。
【0129】
アダプタ6508は、その中に配置されるアダプタ識別デバイス6510を含んでもよく、装填ユニット6514は、その中に配置される装填ユニット識別デバイス6516を含む。アダプタ識別デバイス6510は、コントローラ6528と通信してもよく、装填ユニット識別デバイス6516は、コントローラ6528と通信してもよい。装填ユニット識別デバイス6516は、装填ユニット識別デバイス6516からコントローラ6528への通信を中継又はパスするアダプタ識別デバイス6510と通信し得ることが、理解されるであろう。
【0130】
アダプタ6508はまた、アダプタ6508又は環境の種々の状態(例えば、アダプタ6508が装填ユニットに接続されている場合、アダプタ6508がハンドルに接続されている場合、駆動シャフトが回転している場合、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ6508内の温度、アダプタ6508の発射回数、発射中のアダプタ6508のピーク力、アダプタ6508に印加される力の総量、アダプタ6508のピーク後退力、発射中のアダプタ6508の休止回数等)を検出するために、その周囲に配置される複数のセンサ6512(1つが示される)を含んでもよい。複数のセンサ6512は、データ信号の形態でアダプタ識別デバイス6510に入力を提供してもよい。複数のセンサ6512のデータ信号は、アダプタ識別デバイス6510内に記憶されてもよい、又はアダプタ識別デバイス6510内に記憶されたアダプタデータを更新するために使用されてもよい。複数のセンサ6512のデータ信号は、アナログ又はデジタルであってもよい。複数のセンサ6512は、発射中に装填ユニット6514に及ぼされる力を測定するための力ゲージを含んでもよい。
【0131】
ハンドル6504及びアダプタ6508は、電気インターフェースを介して、アダプタ識別デバイス6510及び装填ユニット識別デバイス6516をコントローラ6528と相互接続するように構成され得る。電気インターフェースは、直接型電気インターフェースであってもよい(すなわち、エネルギー及び信号をそれらの間で伝送するために互いに係合する電気接点を含む)。加えて、又は代替として、電気インターフェースは、エネルギー及び信号をそれらの間で無線伝送する(例えば、誘導伝送する)ための非接触電気インターフェースであってもよい。アダプタ識別デバイス6510及びコントローラ6528は、電気インターフェースとは別個のワイヤレス接続を介して、互いにワイヤレス通信し得ることも企図される。
【0132】
ハンドル6504は、コントローラ6528からシステム6500のその他の構成要素(例えば、LAN 6518、クラウド6520、コンソール6522、又はポータブルデバイス6526)に器具データを送信するように構成された送信機6506を含んでもよい。送信機6506はまた、システム6500のその他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信してもよい。例えば、コントローラ6528は、ハンドル6504に取り付けられた取り付けアダプタ(例えば、アダプタ6508)のシリアル番号、アダプタに取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット6514)のシリアル番号、及び装填ユニットに装填されたマルチ発射締結カートリッジ(例えば、マルチ発射締結カートリッジ)のシリアル番号を含む器具データを、コンソール6528に送信してもよい。その後、コンソール6522は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタにそれぞれ関連付けられたデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ6528に返信してもよい。コントローラ6528は、ローカル機器ディスプレイ上にメッセージを表示するか、又は送信機6506を介してコンソール6522又はポータブルデバイス6526にメッセージを送信して、それぞれディスプレイ6524又はポータブルデバイススクリーン上にメッセージを表示し得る。
【0133】
図15Aは、動作モードを決定し、決定されたモードで動作するための代表的なフローを示す。コンピュータ実装対話型外科手術システム及び/又はコンピュータ実装対話型外科手術システムの構成要素及び/又はサブシステムは、更新されるように構成されてもよい。このような更新は、更新前にユーザに利用可能でなかった特徴及び利益の包含を含んでもよい。これらの更新は、ユーザに機能を導入するのに適したハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェア更新の任意の方法によって確立されてもよい。例えば、交換可能/取り換え可能(例えば、ホットスワップ可能)なハードウェアコンポーネント、フラッシュ可能なファームウェアデバイス、及び更新可能なソフトウェアシステムを使用して、コンピュータ実装対話型外科手術システム及び/又はコンピュータ実装対話型外科手術システムのコンポーネント及び/又はサブシステムを更新してもよい。
【0134】
更新は、任意の適切な基準又は基準のセットを条件としてもよい。例えば、更新は、処理能力、帯域幅、解像度など、システムの1つ又は複数のハードウェア能力を条件としてもよい。例えば、更新は、あるソフトウェアコードの購入など、1つ又は複数のソフトウェア態様を条件としてもよい。例えば、更新は、購入されたサービスティアを条件としてもよい。サービス層は、ユーザがコンピュータ実装対話型外科手術システムに関連して使用する資格がある特徴及び/又は特徴のセットを表してもよい。サービス層は、ライセンスコード、eコマースサーバ認証対話、ハードウェアキー、ユーザ名/パスワードの組み合わせ、生体認証対話、公開/秘密キー交換対話などによって決定されてもよい。
【0135】
10704において、システム/デバイスパラメータが識別されてもよい。システムのパラメータ/デバイスのパラメータは、更新が条件付けられる任意の要素又は要素のセットであってもよい。例えば、コンピュータ実装対話型外科手術システムは、モジュール式デバイスと外科用ハブとの間の通信の特定の帯域幅を検出してもよい。例えば、コンピュータ実装対話型外科手術システムは、特定のサービス層の購入の指示を検出してもよい。
【0136】
10708において、動作モードは、識別されたシステムのパラメータ/デバイスのパラメータに基づいて決定されてもよい。この決定は、システムのパラメータ/デバイスのパラメータを動作モードにマッピングするプロセスによって行われてもよい。プロセスは、手動プロセス及び/又は自動プロセスであってもよい。プロセスは、ローカル計算及び/又はリモート計算の結果であってもよい。例えば、クライアント対話/サーバ対話を使用して、識別されたシステムのパラメータ/デバイスのパラメータに基づいて、動作モードを決定してもよい。例えば、ローカルソフトウェア及び/又はローカル埋込式ファームウェアが、識別されたシステムのパラメータ/デバイスのパラメータに基づいて、動作モードを決定するために使用されてもよい。例えば、保証マイクロプロセッサなどのハードウェアキーを使用して、識別されたシステムのパラメータ/デバイスのパラメータに基づいて、動作モードを決定してもよい。
【0137】
10710において、動作は、決定された動作モードに従って進行してもよい。例えば、システム又はデバイスは、デフォルト動作モードで動作するように進行してもよい。例えば、システム又はデバイスは、代替動作モードで動作するように進行してもよい。動作モードは、システム又はデバイス内に既に常駐する制御ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって指示されてもよい。動作モードは、新しくインストール/更新された制御ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって指示されてもよい。
【0138】
図15Bは、動作モードを変更するための代表的な機能ブロック図を示す。アップグレード可能な要素10714は、初期化コンポーネント10716を含んでもよい。初期化コンポーネント10716は、動作モードを決定するのに適した任意のハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含んでもよい。例えば、初期化コンポーネント10716は、システム又はデバイス起動手順の一部であってもよい。初期化コンポーネント10716は、アップグレード可能な要素10714の動作モードを決定するための相互作用に関与してもよい。例えば、初期化コンポーネント10716は、例えば、ユーザ10730、外部リソース10732、及び/又はローカルリソース10718と対話してもよい。例えば、初期化コンポーネント10716は、ユーザ10730からライセンスキーを受信して、動作モードを決定してもよい。初期化コンポーネント10716は、動作モードを決定するために、アップグレード可能なデバイス10714のシリアル番号を用いて、例えばサーバなどの外部リソース10732に照会してもよい。例えば、初期化コンポーネント10716は、利用可能な帯域幅の量を決定するためのローカルクエリ及び/又は例えば、動作モードを決定するためのハードウェアキーのローカルクエリなど、ローカルリソース10718にクエリを行ってもよい。
【0139】
アップグレード可能な要素10714は、1つ又は複数の動作コンポーネント10720、10722、10726、10728及び動作ポインタ10724を含んでもよい。初期化コンポーネント10716は、動作ポインタ10724に指示して、アップグレード可能要素10741の動作を、決定された動作モードに対応する動作コンポーネント10720、10722、10726、10728に指示してもよい。初期化コンポーネント10716は、アップグレード可能な要素の動作をデフォルト動作コンポーネント10720に指示するように、動作ポインタ10724に指示してもよい。例えば、デフォルト動作コンポーネント10720は、その他の代替動作モードが決定されていないという条件で選択されてもよい。例えば、デフォルト動作コンポーネント10720は、初期化コンポーネントの障害及び/又は対話障害の条件で選択されてもよい。初期化コンポーネント10716は、アップグレード可能要素10714の動作を常駐動作コンポーネント10722に指示するように、動作ポインタ10724に指示してもよい。例えば、特定の機能がアップグレード可能なコンポーネント10714に常駐してもよいが、動作させるためには起動を必要とする。初期化コンポーネント10716は、新たな動作コンポーネント10728及び/又は新たにインストールされた動作コンポーネント10726をインストールするようにアップグレード可能要素10714の動作を指示するように、動作ポインタ10724に指示してもよい。例えば、新しいソフトウェア及び/又はファームウェアがダウンロードされてもよい。新しいソフトウェア及び/又はファームウェアは、選択された動作モードによって表される機能を有効にするコードを含んでもよい。例えば、新しいハードウェアコンポーネントをインストールして、選択された動作モードを有効にしてもよい。
【0140】
図16図19は、再利用される場合も、又は再利用されない場合もある、切断及び締結用のモータ駆動式外科用器具150010を示す。モータ駆動式外科用器具150010に関する更なる情報は、米国特許公報第20190200981号(米国特許出願第16/209,423号、2018年12月4日に出願から)、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS,」(2019年7月4日に公開)に見出されてもよく、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。例示の実施例では、外科用器具150010は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドルアセンブリ150014を備えるハウジング150012を含む。ハウジング150012は、1つ以上の外科的タスク又は処置を実施するように構成されたエンドエフェクタ150300が動作可能にそこに連結されている、交換式シャフトアセンブリ150200に動作可能に取り付けられるように構成されている。本開示によると、様々な形態の交換式シャフトアセンブリが、ロボット制御された外科システムと関連させて効果的に用いられてもよい。したがって、「ハウジング」という用語は、交換式シャフトアセンブリを作動させるために利用できる少なくとも1つの制御運動を生成及び加えるように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は動作可能に支持する、ロボットシステムのハウジング又は類似部分を包含してもよい。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分を表してもよい。交換式シャフトアセンブリは、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第9,072,535号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」に開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられてもよい。
【0141】
図16は、本開示の少なくとも一態様による、動作可能にそこに連結された交換式シャフトアセンブリ150200を有する外科用器具150010の斜視図である。ハウジング150012はエンドエフェクタ150300を含み、エンドエフェクタ150300は、外科用ステープルカートリッジ150304をその内部で動作可能に支持するように構成された外科用切断及び締結デバイスをその中に備える。ハウジング150012は、交換式シャフトアセンブリと共に使用するように構成されてもよく、交換式シャフトアセンブリは、様々なサイズ及び種類のステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、様々なシャフト長さ、サイズ及び種類を有する。ハウジング150012は、その他の運動、並びに高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などのその他の形態のエネルギーを、様々な外科用途及び処置に関連して用いるように適合されたエンドエフェクタ構成に適用するように構成されたアセンブリを含めた、多様な交換式シャフトアセンブリと共に用いられてもよい。エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、組織を締結するために任意の好適な締結具を利用し得る。例えば、内部に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジは、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに取り外し可能に挿入され得る及び/又は取り付けられ得る。
【0142】
ハンドルアセンブリ150014は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互接続された一対の相互接続可能なハンドルハウジングセグメント150016、150018を備えてもよい。ハンドルハウジングセグメント150016、150018は協働して、臨床医によって把持及び操作され得るピストルグリップ部分150019を形成する。ハンドルアセンブリ150014は、複数の駆動システムを動作可能に支持し、駆動システムは、制御運動を生成し、そこに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応する部分に、制御運動を適用するように構成されている。ディスプレイはカバー150045の下方に設けられてもよい。
【0143】
図17は、本開示の少なくとも一態様による、図16の外科用器具150010の一部分の分解組立図である。ハンドルアセンブリ150014は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム150020を含んでもよい。フレーム150020は、「第1の」、すなわち閉鎖駆動システム150030を動作可能に支持し得、閉鎖駆動システムは、交換式シャフトアセンブリ150200に対して閉鎖及び開放運動を適用し得る。閉鎖駆動システム150030は、フレーム150020によって枢動可能に支持される閉鎖トリガ150032などのアクチュエータを含んでもよい。閉鎖トリガ150032は、枢動ピン150033によってハンドルアセンブリ150014に枢動可能に連結されて、閉鎖トリガ150032が臨床医によって操作されることを可能にする。臨床医がハンドルアセンブリ150014のピストルグリップ部分150019を把持すると、閉鎖トリガ150032は、開始位置又は「非作動」位置から「作動」位置へと、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置へと枢動し得る。
【0144】
ハンドルアセンブリ150014及びフレーム150020は、発射駆動システム150080を動作可能に支持してもよく、発射駆動システム150080は、それに取り付けられた交換式シャフトアセンブリの対応する部分に発射運動を適用するように構成される。発射駆動システム150080は、ハンドルアセンブリ150014のピストルグリップ部分150019内に位置した電気モータ150082を用いてもよい。電気モータ150082は、例えば約25,000RPMの最大回転速度を有するDCブラシ付きモータであってもよい。その他のデバイス構成では、モータとしては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又はその他の任意の好適な電気モータが挙げられてもよい。電気モータ150082は、取り外し式電源パック150092を備え得る電源150090によって給電されてもよい。取り外し式電源パック150092は、遠位ハウジング部分150096に取り付けるように構成された近位ハウジング部分150094を備えてもよい。近位ハウジング部分150094及び遠位ハウジング部分150096は、その内部に複数の電池150098を動作可能に支持するように構成されている。電池150098はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(LI)又はその他の好適な電池を含んでもよい。遠位ハウジング部分150096は、制御回路基板150100に取り外し可能かつ動作可能に取り付けられるように構成され、制御回路基板150100は電気モータ150082に動作可能に連結されている。直列に接続されたいくつかの電池150098は、外科用器具150010に給電してもよい。電源150090は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。カバー150045の下方に位置しているディスプレイ150043は、制御回路基板150100に電気的に連結されている。ディスプレイ150043を露出させるために、カバー150045を取り除いてもよい。
【0145】
電気モータ150082は、長手方向に移動可能な駆動部材150120上にある駆動歯150122の組又はラックと噛合係合で装着されるギア減速機アセンブリ150084と動作可能に作用する、回転式シャフト(図示せず)を含み得る。長手方向に移動可能な駆動部材150120は、ギア減速機アセンブリ150084の対応する駆動ギア150086と噛合係合するための、その上に形成された駆動歯150122のラックを有する。
【0146】
使用の際、電源150090によって提供される電圧極性によって電気モータ150082を時計方向に動作させ得るが、電池によって電気モータに印加される電圧極性は、電気モータ150082を反時計方向に動作させるために反転させ得る。電気モータ150082が一方向に回転されると、長手方向に移動可能な駆動部材150120は、遠位方向「DD」へと軸方向に駆動されることになる。電気モータ150082が反対の回転方向に駆動されると、長手方向に移動可能な駆動部材150120は、近位方向「PD」へと軸方向に駆動されることになる。ハンドルアセンブリ150014は、電源150090によって電気モータ150082に印加される極性を反転させるように構成され得るスイッチを含み得る。ハンドルアセンブリ150014は、長手方向に移動可能な駆動部材150120の位置、及び/又は長手方向に移動可能な駆動部材150120が移動されている方向を検出するように構成されたセンサを含んでもよい。
【0147】
電気モータ150082の作動は、ハンドルアセンブリ150014上に枢動可能に支持される発射トリガ150130によって制御され得る。発射トリガ150130は、非作動位置と作動位置との間を枢動してもよい。
【0148】
図16に戻ると、交換式シャフトアセンブリ150200はエンドエフェクタ150300を含み、エンドエフェクタ150300は、その中で外科用ステープルカートリッジ150304を動作可能に支持するように構成された細長いチャネル150302を備える。エンドエフェクタ150300は、細長いチャネル150302に対して枢動可能に支持されるアンビル150306を含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ150200は、関節継手150270を含んでもよい。エンドエフェクタ150300及び関節継手150270の構成及び動作は、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる、米国特許公開公報第2014/0263541号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に記述されている。交換式シャフトアセンブリ150200は、ノズル部分150202、150203から構成される近位ハウジング又はノズル150201を含んでもよい。交換式シャフトアセンブリ150200は、シャフト軸SAに沿って延びる閉鎖管150260を含んでもよく、閉鎖管150260は、エンドエフェクタ150300のアンビル150306を閉鎖及び/又は開放するために利用され得る。
【0149】
図16に戻ると、米国特許公開公報第2014/0263541号に記載されている方法で、例えば、閉鎖トリガ150032の作動に応答して、閉鎖管150260が遠位方向(方向「DD」)に並進されてアンビル150306を閉鎖する。アンビル150306は、閉鎖管150260を近位方向に並進させることによって開放される。アンビル開放位置において、閉鎖管150260はその近位位置へと移動される。
【0150】
図18は、本開示の少なくとも一態様による、交換式シャフトアセンブリ150200の一部分の別の分解組立図である。交換式シャフトアセンブリ150200は、スパイン150210内部で軸方向移動するように支持される発射部材150220を含んでもよい。発射部材150220は、遠位切断部分又はナイフバー150280に取り付けるように構成された中間発射シャフト150222を含む。発射部材150220は、「第2のシャフト」又は「第2のシャフトアセンブリ」と称されてもよい。中間発射シャフト150222は、近位端部に、ナイフバー150280の近位端部150282上のタブ150284を受容するように構成された長手方向スロット150223を含んでもよい。長手方向スロット150223及び近位端部150282は、それらの間の相対移動を可能とするように構成されてもよく、スリップ継手150286を備えてもよい。スリップ継手150286は、ナイフバー150280を動かさずに、又は少なくとも実質的に動かさずに、発射部材150220の中間発射シャフト150222が、エンドエフェクタ150300を関節継手150270の周りで関節運動させることを可能にし得る。エンドエフェクタ150300が適切に配向されると、長手方向スロット150223の近位の側壁がタブ150284に接触するまで中間発射シャフト150222を遠位方向に前進させてナイフバー150280を前進させ、チャネル150302内に位置するステープルカートリッジを発射し得る。スパイン150210は、その内部に細長い開口部又は窓150213を有して、スパイン150210内への中間発射シャフト150222の組み立て及び挿入を促進する。中間発射シャフト150222がその中に挿入されたら、頂部フレームセグメント150215がシャフトフレーム150212と係合されて、中間発射シャフト150222及びナイフバー150280をその中に囲い込んでもよい。発射部材150220の動作は、米国特許公開公報第2014/0263541号に見出されてもよい。スパイン150210は、発射部材150220と、スパイン150210の周りを延在する閉鎖管150260と、を摺動可能に支持するように構成され得る。スパイン150210は、関節運動ドライバ150230を摺動可能に支持してもよい。
【0151】
交換式シャフトアセンブリ150200は、関節運動ドライバ150230を発射部材150220に選択的かつ取り外し可能に連結させるように構成されたクラッチアセンブリ150400を含み得る。クラッチアセンブリ150400は、発射部材150220の周りに位置決めされるロックカラー又はロックスリーブ150402を含み、ロックスリーブ150402は、ロックスリーブ150402が関節運動ドライバ150230を発射部材150220に連結する係合位置と、関節運動ドライバ150230が発射部材150220に動作可能に連結されない係合解除位置との間で回転され得る。ロックスリーブ150402がその係合位置にある場合、発射部材150220の遠位方向移動によって、関節運動ドライバ150230を遠位方向に移動させることができ、それに対応して、発射部材150220の近位方向移動によって、関節運動ドライバ150230を近位方向に移動させ得る。ロックスリーブ150402がその係合解除位置にある場合、発射部材150220の移動は関節運動ドライバ150230に伝達されず、その結果、発射部材150220は関節運動ドライバ150230とは無関係に移動させ得る。ノズル150201は、米国特許公開公報第2014/0263541号に記載されている様々な方式で、関節運動駆動システムと発射駆動システムとを動作可能に係合及び係合解除させるために用いてもよい。
【0152】
交換式シャフトアセンブリ150200は、スリップリングアセンブリ150600を備え得、スリップリングアセンブリ150600は、例えば、エンドエフェクタ150300に及び/若しくはエンドエフェクタ150300から電力を伝導し、並びに/又は、エンドエフェクタ150300に及び/若しくはエンドエフェクタ150300から信号を通信するように構成し得る。スリップリングアセンブリ150600は、ノズル部分150202、150203内に画定されたスロットの内部に位置決めされた近位コネクタフランジ150604及び遠位コネクタフランジ150601を備え得る。近位コネクタフランジ150604は第1の面を備え得、遠位コネクタフランジ150601は、第1の面に隣接して配置され、第1の面に対して移動可能である第2の面を備え得る。遠位コネクタフランジ150601は、シャフト軸SA-SA(図16)を中心にして近位コネクタフランジ150604に対して回転し得る。近位コネクタフランジ150604は、その第1の面内に画定される、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体150602を備え得る。コネクタ150607は、遠位コネクタフランジ150601の近位側に装着し得、複数の接点を有してもよく、各接点は、導体150602のうちの1つに対応し、また、それと電気接触している。このような構成により、近位コネクタフランジ150604と遠位コネクタフランジ150601との間で電気接触を維持しながら、これらの間で相対的な回転が可能となる。近位コネクタフランジ150604は、例えば、導体150602をシャフト回路基板と信号通信させることができる電気コネクタ150606を含み得る。少なくとも1つの事例では、複数の導体を含むワイヤリングハーネスが、電気コネクタ150606とシャフト回路基板との間を延在し得る。電気コネクタ150606は、シャーシ装着フランジに画定されたコネクタ開口部を通って近位方向に延在してもよい。米国特許公開公報第2014/0263551号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」が、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる。米国特許公開公報第2014/0263552号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」が、その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれる。スリップリングアセンブリ150600に関する更なる詳細は、米国特許公開公報第2014/0263541号に見出されてもよい。
【0153】
交換式シャフトアセンブリ150200は、ハンドルアセンブリ150014に固定可能に装着されている近位部分と、長手方向軸を中心に回転可能である遠位部分とを含み得る。回転可能な遠位シャフト部分は、スリップリングアセンブリ150600を中心にして近位部分に対して回転させ得る。スリップリングアセンブリ150600の遠位コネクタフランジ150601は、回転可能な遠位シャフト部分内に位置決めされ得る。
【0154】
図19は、本開示の少なくとも一態様による、図16の外科用器具150010のエンドエフェクタ150300の一態様の分解組立図である。エンドエフェクタ150300は、アンビル150306及び外科用ステープルカートリッジ150304を含んでもよい。アンビル150306は、細長いチャネル150302に連結されてもよい。アンビル150306を細長いチャネル150302及び外科用ステープルカートリッジ150304に対する開放位置から閉鎖位置まで枢動させることを可能にするために、アンビル150306から延在するピン150152を受容するための開口150199を、細長いチャネル150302内に画定され得る。発射バー150172は、エンドエフェクタ150300内へと長手方向に並進するように構成される。発射バー150172は、1つの中実部分から構築されてもよく、又は鋼板の積み重ね体を含む積層材料を含んでもよい。発射バー150172は、Iビーム150178と、その近位端部にある切刃150182と、を備える。発射バー150172の遠位方向に突出する端部は、Iビーム150178に取り付けられて、アンビル150306が閉鎖位置にある場合に、細長いチャネル150302内に位置決めされた外科用ステープルカートリッジ150304からアンビル150306を離間して配置する手助けし得る。Iビーム150178は、Iビーム150178が発射バー150172によって遠位方向に前進されると組織を切るような鋭利な切刃150182を含んでもよい。動作時に、Iビーム150178は、外科用ステープルカートリッジ150304を発射する場合がある、又は発射する。外科用ステープルカートリッジ150304は、ステープルドライバ150192上に載置された複数のステープル150191を、それぞれの上向きに開いたステープルキャビティ150195内に保持する成形されたカートリッジ本体150194を含み得る。楔形スレッド150190は、Iビーム150178によって遠位方向に駆動され、外科用ステープルカートリッジ150304のカートリッジトレイ150196上を摺動する。Iビーム150178の切刃150182がクランプされた組織を切る間に、楔形スレッド150190はステープルドライバ150192を上向きにカム駆動して、ステープル150191を押し出してアンビル150306と変形接触させる。
【0155】
Iビーム150178は、発射の間に、アンビル150306に係合する上部ピン150180を含み得る。Iビーム150178は、カートリッジ本体150194、カートリッジトレイ150196、及び細長いチャネル150302の一部と係合するために、中央ピン150184及び下部足部150186を含んでもよい。外科用ステープルカートリッジ150304が細長いチャネル150302内に位置決めされる場合、カートリッジ本体150194内に画定されたスロット150193は、カートリッジトレイ150196内に画定された長手方向スロット150197、及び細長いチャネル150302内に画定されたスロット150189と位置合わせされ得る。使用時、Iビーム150178は、位置合わせされた長手方向スロット150193、150197、及び150189を通って摺動し得、図19に示されるように、Iビーム150178の下部足部150186は、スロット150189の長さに沿って細長いチャネル150302の底面に沿って通っている溝に係合し得、中央ピン150184は、長手方向スロット150197の長さに沿ってカートリッジトレイ150196の上面に係合し得、上部ピン150180は、アンビル150306に係合し得る。発射バー150172が遠位方向へと前進して、外科用ステープルカートリッジ150304からステープルを発射し、かつ/又はアンビル150306と外科用ステープルカートリッジ150304との間に捕捉された組織を切開する場合、Iビーム150178は、アンビル150306と外科用ステープルカートリッジ150304とを離間させるか、又はそれらの間の相対移動を制限し得る。発射バー150172及びIビーム150178を近位方向へと後退させ得、それによりアンビル150306を開放して、ステープル留めされ切り離された2つの組織部分を解放することが可能になる。
【0156】
図20A及び図20Bは、本開示の少なくとも一態様による、2つの図面にまたがる、図16の外科用器具150010の制御回路150700のブロック図である。主に図20A及び図20Bを参照すると、ハンドルアセンブリ150702は、モータ150714を含んでよく、このモータは、モータドライバ150715によって制御され得るものであり、また外科用器具150010の発射システムによって用いられ得る。様々な形態では、モータ150714は、約25,000RPMの最大回転速度を有するDCブラシ付き駆動モータであってよい。その他の構成では、モータ150714としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意のその他の好適な電気モータが挙げられてもよい。モータドライバ150715は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)150719を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ150714は、制御電力を外科用器具150010に供給するためにハンドルアセンブリ150200に解放可能に装着された電源アセンブリ150706により給電され得る。電源アセンブリ150706は、外科用器具150010に給電するための電源として使用され得る、直接に接続されたいくつかの電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源アセンブリ150706の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの実施例では、電池セルは、電源アセンブリ150706に別個に連結可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0157】
シャフトアセンブリ150704は、シャフトアセンブリ150704と電源アセンブリ150706がハンドルアセンブリ150702に連結されている間に、インターフェースを介して安全コントローラ及び電力管理コントローラ150716と通信可能である、シャフトアセンブリコントローラ150722を含んでもよい。例えば、インターフェースは、シャフトアセンブリ150704及び電源アセンブリ150706がハンドルアセンブリ150702に連結されている間にシャフトアセンブリコントローラ150722と電力管理コントローラ150716との間の電気通信を可能にするために、対応するシャフトアセンブリ電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第1のインターフェース部分150725と、対応する電源アセンブリ電気コネクタとの連結係合のために1つ以上の電気コネクタを含み得る第2のインターフェース部分150727と、を備えてもよい。インターフェースを介して1つ以上の通信信号を送信して、取り付けられた交換式シャフトアセンブリ150704の1つ以上の電力要件を電力管理コントローラ150716に伝達し得る。それに応じて、電力管理コントローラは、取り付けられたシャフトアセンブリ150704の電力要件に従って、以下に更に詳細に記載されているように、電源アセンブリ150706の電池の電力出力を変調してもよい。コネクタは、ハンドルアセンブリ150702の、シャフトアセンブリ150704及び/又は電源アセンブリ150706への機械的連結係合の後に作動され得、シャフトアセンブリコントローラ150722と電力管理コントローラ150716との電気通信を可能にすることができるスイッチを備えることができる。
【0158】
インターフェースは、例えば、ハンドルアセンブリ150702内に載置されたメインコントローラ150717を通して、このような通信信号を送ることにより、電力管理コントローラ150716とシャフトアセンブリコントローラ150722との1つ以上のこのような通信信号の伝達を促進し得る。その他の状況下では、シャフトアセンブリ150704及び電源アセンブリ150706がハンドルアセンブリ150702に連結されている間、インターフェースは、ハンドルアセンブリ150702を介した電力管理コントローラ150716とシャフトアセンブリコントローラ150722との間の直接通信回線を促進し得る。
【0159】
メインコントローラ150717は、Texas Instruments製の商品名ARM Cortexとして知られるものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。一態様では、メインコントローラ150717は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくはその他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0160】
安全コントローラは、やはりTexas Instruments製の商品名Hercules ARM Cortex R4として知られている、TMS570及びRM4xなど、2つのコントローラベースファミリを備える安全コントローラプラットフォームであってもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0161】
電源アセンブリ150706は、電力管理回路を含んでよく、電力管理回路は、電力管理コントローラ150716、電力変調器150738、及び電流感知回路150736を含んでもよい。シャフトアセンブリ150704及び電源アセンブリ150706がハンドルアセンブリ150702に連結されている間に、電力管理回路は、シャフトアセンブリ150704の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得る。電力管理コントローラ150716は、電源アセンブリ150706の電力出力の電力変調器150738を制御するようにプログラムされ得、電流感知回路150736は、電源アセンブリ150706の電力出力を監視して、電池の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ150716に提供するように用いられ得るため、電力管理コントローラ150716は、電源アセンブリ150706の電力出力を調節して、所望の出力を維持してもよい。電力管理コントローラ150716及び/又はシャフトアセンブリコントローラ150722はそれぞれ、多数のソフトウェアモジュールを記憶可能な1つ以上のプロセッサ、及び/又はメモリユニットを備えてもよい。
【0162】
外科用器具150010(図16図19)は、感覚フィードバックをユーザに提供するためのデバイスを含み得る出力デバイス150742を備えてもよい。このようなデバイスは、例えば、視覚フィードバックデバイス(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバックデバイス(例えば、スピーカ、ブザー)又は触覚フィードバックデバイス(例えば、触覚アクチュエータ)を含んでもよい。特定の状況下では、出力デバイス150742は、ハンドルアセンブリ150702に含まれ得るディスプレイ150743を備えてよい。シャフトアセンブリコントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716は、出力デバイス150742を介して外科用器具150010のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェースは、シャフトアセンブリコントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716を出力デバイス150742に接続するように構成され得る。出力デバイス150742は、代わりに、電源アセンブリ150706と一体化され得る。このような状況下では、シャフトアセンブリ150704がハンドルアセンブリ150702に連結されている間、出力デバイス150742とシャフトアセンブリコントローラ150722との間の通信はインターフェースを介して達成されてもよい。
【0163】
制御回路150700は、電動外科用器具150010の動作を制御するように構成された回路セグメントを備える。安全コントローラセグメント(セグメント1)は、安全コントローラ、及びメインコントローラ150717セグメント(セグメント2)を備える。安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717は、加速度セグメント、ディスプレイセグメント、シャフトセグメント、エンコーダセグメント、モータセグメント、及び電力セグメントなどの1つ以上の追加の回路セグメントと相互作用するように構成されている。回路セグメントのそれぞれは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結されてもよい。メインコントローラ150717はまた、フラッシュメモリに連結される。メインコントローラ150717は、シリアル通信インターフェースもまた備える。メインコントローラ150717は、例えば、1つ以上の回路セグメント、電池、及び/又は複数のスイッチに連結された、複数の入力を備える。セグメント化回路は、例えば、電動外科用器具150010内のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)などの、任意の好適な回路によって実装されてもよい。プロセッサという用語は、本明細書で使用する場合、任意のマイクロプロセッサ、プロセッサ、1つ若しくは複数のコントローラ、又は、コンピュータの中央処理デバイス(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上に組み込んだ、その他の基本コンピューティングデバイスを含むと理解されるべきである。メインコントローラ150717は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってこれを処理し、結果を出力として提供する多目的のプログラム可能デバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一実施例である。制御回路150700は、本明細書で記載される1つ以上のプロセスを実装するように構成されてもよい。
【0164】
加速度セグメント(セグメント3)は加速度計を備える。加速度計は、電動外科用器具150010の移動又は加速度を検出するように構成されている。加速度計からの入力は、スリープモードとの間での移行、電動外科用器具の配向の識別、及び/又は外科用器具が落下した場合の識別に使用されてもよい。いくつかの実施例では、加速度セグメントは安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結される。
【0165】
ディスプレイセグメント(セグメント4)は、メインコントローラ150717に連結されたディスプレイコネクタを備える。ディスプレイコネクタは、メインコントローラ150717を、ディスプレイの1つ以上の集積回路ドライバを通して、ディスプレイに連結する。ディスプレイの集積回路ドライバは、ディスプレイと一体化されてよく、かつ/又はディスプレイとは別個に配置されてもよい。ディスプレイは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意のその他の好適なディスプレイなど、任意の好適なディスプレイを含んでもよい。いくつかの実施例では、ディスプレイセグメントは安全コントローラに連結される。
【0166】
シャフトセグメント(セグメント5)は、外科用器具150010(図16図19)に連結された交換式シャフトアセンブリ150200(図16及び図18)用の制御部、及び/又は、交換式シャフトアセンブリ150200に連結されたエンドエフェクタ150300用の1つ以上の制御部を備える。シャフトセグメントは、メインコントローラ150717をシャフトPCBAに連結するように構成された、シャフトコネクタを備える。シャフトPCBAは、強誘電性ランダムアクセスメモリ(FRAM)、関節運動スイッチ、シャフト解放ホール効果スイッチ、及びシャフトPCBA EEPROMを有する低電力マイクロコントローラを備える。シャフトPCBA EEPROMは、交換式シャフトアセンブリ150200及び/又はシャフトPCBAに固有の、1つ以上のパラメータ、ルーチン、及び/又はプログラムを含む。シャフトPCBAは交換式シャフトアセンブリ150200に連結されてもよく、かつ/又は、外科用器具150010と一体であってもよい。いくつかの実施例では、シャフトセグメントは、第2のシャフトEEPROMを備える。第2のシャフトEEPROMは、電動外科用器具150010と作用し得る1つ以上のシャフトアセンブリ150200及び/又はエンドエフェクタ150300に対応する複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、及び/又はその他のデータを含む。
【0167】
位置エンコーダセグメント(セグメント6)は、1つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダを備える。1つ以上の磁気式角度回転位置エンコーダは、外科用器具150010(図16図19)のモータ150714、交換式シャフトアセンブリ150200(図16及び図18)、及び/又はエンドエフェクタ150300の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの実施例では、磁気式角度回転位置エンコーダは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結されてもよい。
【0168】
モータ回路セグメント(セグメント7)は、電動外科用器具150010(図16図19)の移動を制御するように構成されたモータ150714を備える。モータ150714は、1つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)、及びモータコントローラを備えるHブリッジドライバにより主マイクロコントローラプロセッサ150717に連結される。Hブリッジドライバはまた、安全コントローラにもまた連結される。モータ電流センサは、モータの電引き込み電流を測定するため、モータと直列に連結している。モータ電流センサは、メインコントローラ150717及び/又は安全コントローラと信号通信している。いくつかの実施例では、モータ150714は、モータ電磁干渉(EMI)フィルタに連結されている。
【0169】
モータコントローラは、第1のモータフラグ及び第2のモータフラグを制御して、モータ150714のステータス及び位置をメインコントローラ150717に示す。メインコントローラ150717は、バッファを介して、パルス幅変調(PWM)高信号、PWM低信号、方向信号、同期信号及びモータリセット信号をモータコントローラに提供する。電力セグメントは、セグメント電圧を回路セグメントのそれぞれに提供するように構成されている。
【0170】
電力セグメント(セグメント8)は、安全コントローラ、メインコントローラ150717、及び追加の回路セグメントに連結された電池を備える。電池は、電池コネクタ及び電流センサによってセグメント化回路に連結されている。電流センサは、セグメント化回路の合計引き込み電流を測定するように構成されている。いくつかの実施例では、1つ以上の電圧変換器が、所定の電圧値を1つ以上の回路セグメントに提供するように構成されている。例えば、いくつかの実施例では、セグメント化回路は、3.3V電圧変換器及び/又は5V電圧変換器を備えてもよい。ブースト変換器は、例えば最大13Vなど、既定量までのブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器は、電力集約的な動作の間、追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を阻止するように構成されている。
【0171】
複数のスイッチは、安全コントローラ及び/又はメインコントローラ150717に連結されている。スイッチは、セグメント化回路の、外科用器具150010(図16図19)の動作を制御する、及び/又は外科用器具150010のステータスを示すように構成されてもよい。緊急離脱ドアスイッチ、及び緊急離脱用のホール効果スイッチは、緊急離脱ドアのステータスを示すように構成されている。例えば、左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、及び右側関節運動中央スイッチなどの複数の関節運動スイッチは、交換式シャフトアセンブリ150200(図16及び図18)及び/又はエンドエフェクタ150300(図16及び図19)の関節運動を制御するように構成されている。左側反転スイッチ及び右側反転スイッチは、メインコントローラ150717に連結されている。左側関節運動左スイッチ、左側関節運動右スイッチ、左側関節運動中央スイッチ、及び左側反転スイッチを備える左側スイッチは、左側可撓コネクタによってメインコントローラ150717に連結されている。右側関節運動左スイッチ、右側関節運動右スイッチ、右側関節運動中央スイッチ、及び右側反転スイッチを備える右側スイッチは、右側可撓コネクタによってメインコントローラ150717に連結されている。発射スイッチ、クランプ解放スイッチ、及びシャフト係合スイッチは、メインコントローラ150717に連結されている。
【0172】
任意の好適な機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、又は固体スイッチを用いて、任意の組み合わせで、複数のスイッチを実装してもよい。例えば、スイッチは、外科用器具150010(図16図19)又は物体の存在と関連付けられた構成要素の運動により作動されるリミットスイッチであってよい。このようなスイッチを用いて、外科用器具150010に関連付けられた様々な機能を制御してもよい。リミットスイッチは、一組の接触部と機械的につながったアクチュエータからなる、電気機械デバイスである。物体がアクチュエータと接触した場合、デバイスはその接触部を操作して、電気的接続を作成する、又は破壊する。それらの丈夫さ、取り付けの容易さ、及び動作の信頼性により、リミットスイッチは様々な用途及び環境で用いられる。リミットスイッチは、物体の有無、通過、配置、及び移動の終了を決定し得る。その他の実装形態では、スイッチは、とりわけホール効果デバイス、磁気抵抗性(MR)デバイス、巨大磁気抵抗性(GMR)デバイス、磁力計などの、磁界の影響下にて稼働する、固体スイッチであってもよい。その他の実装形態では、スイッチは、とりわけ光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、例えばトランジスタ(例えば、FET、接合FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、バイポーラなど)などの固体デバイスであってもよい。その他のスイッチは、とりわけ、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサを含んでもよい。
【0173】
図21は、本開示の少なくとも一態様による、ハンドルアセンブリ150702と電源アセンブリ150706との間のインターフェース、及びハンドルアセンブリ150702と交換式シャフトアセンブリ150704との間のインターフェースを示す、図16の外科用器具の制御回路150700の別のブロック図である。ハンドルアセンブリ150702は、メインコントローラ150717、シャフトアセンブリコネクタ150726、及び電源アセンブリコネクタ150730を備えてもよい。電源アセンブリ150706は、電源アセンブリコネクタ150732、電力管理コントローラ150716、電力変調器150738、及び電流感知回路150736を備え得る電力管理回路150734を含んでもよい。シャフトアセンブリコネクタ150730、150732はインターフェース150727を形成する。交換式シャフトアセンブリ150704及び電源アセンブリ150706がハンドルアセンブリ150702に連結されている間に、電力管理回路150734は、交換式シャフトアセンブリ150704の電力要件に基づいて電池150707の電力出力を変調するように構成され得る。電力管理コントローラ150716は、電源アセンブリ150706の電力出力の電力変調器150738を制御するようにプログラムされ得、電流感知回路150736は、電源アセンブリ150706の電力出力を監視して、電池150707の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ150716に提供するように用いられ得るため、電力管理コントローラ150716は、電源アセンブリ150706の電力出力を調節して、所望の出力を維持してもよい。シャフトアセンブリ150704は、不揮発性メモリ150721及びシャフトアセンブリコネクタ150728に連結されてシャフトアセンブリ150704をハンドルアセンブリ150702に電気的に連結する、シャフトプロセッサ150720を備える。シャフトアセンブリコネクタ150726、150728は、インターフェース150725を形成する。メインコントローラ150717、シャフトプロセッサ150720及び/又は電力管理コントローラ150716は、本明細書で記載されるプロセスの1つ以上を実装するように構成し得る。
【0174】
外科用器具150010(図16図19)は、感覚フィードバックをユーザに送る出力デバイス150742を備えてもよい。このようなデバイスは、視覚フィードバックデバイス(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバックデバイス(例えば、スピーカ、ブザー)又は触覚フィードバックデバイス(例えば、触覚アクチュエータ)を含んでもよい。特定の状況下では、出力デバイス150742は、ハンドルアセンブリ150702に含まれ得るディスプレイ150743を備えてもよい。シャフトアセンブリコントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716は、出力デバイス150742を介して外科用器具150010のユーザにフィードバックを提供し得る。インターフェース150727は、シャフトアセンブリコントローラ150722及び/又は電力管理コントローラ150716を出力デバイス150742に接続するように構成され得る。出力デバイス150742は、電源アセンブリ150706と一体化され得る。交換式シャフトアセンブリ150704がハンドルアセンブリ150702に連結されている間に、出力デバイス150742とシャフトアセンブリコントローラ150722との間の通信はインターフェース150725を介して達成されてもよい。外科用器具150010(図16図19)の動作を制御するための制御回路150700(図20A及び図20B)を記載したが、本開示はここから外科用器具150010(図16図19)及び制御回路150700の様々な構成に転じる。
【0175】
図22を参照すると、外科用ステープラ151000は、ハンドル構成要素151002、シャフト構成要素151004及びエンドエフェクタ構成要素151006を含んでもよい。外科用ステープラ151000は、図16に関連して記載されるモータ駆動式外科用切断及び締結器具150010と同様に構築され装備される。したがって、簡潔かつ明瞭にするため、動作及び構造の詳細はここでは繰り返さない。エンドエフェクタ151006は、組織を圧縮、切断、又はステープル留めするために使用されてもよい。次に、図23を参照すると、エンドエフェクタ151030は、圧縮、切断、又はステープル留めの前に、医師によって組織151032を取り囲むように位置付けられてもよい。図23に示されるように、エンドエフェクタを使用する準備をしている間、組織に圧縮は加えなくてもよい。次に、図24を参照すると、外科用ステープラのハンドル(例えば、ハンドル151002)に係合することによって、医師は、エンドエフェクタ151030を使用して組織151032を圧縮してもよい。一態様では、組織151032は、図24に示すように、その最大閾値まで圧縮されてもよい。
【0176】
図25を参照すると、エンドエフェクタ151030によって様々な力が組織151032に印加されてもよい。例えば、組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034とチャネルフレーム151036との間で圧縮される場合、垂直力F1及びF2がアンビル151034及びチャネルフレーム151036に印加されてもよい。次に、図26を参照すると、エンドエフェクタ151030によって圧縮される場合、様々な斜め方向及び/又は横方向の力が組織151032に印加されてもよい。例えば、力F3が適用されてよい。外科用ステープラ151000などの医療デバイスを操作する目的のために、エンドエフェクタによって組織に印加されている様々な形態の圧縮を感知する、又は計算することが望ましい場合がある。例えば、垂直方向又は横方向の圧縮を知ることは、エンドエフェクタがステープルの動作をより精密に又はより正確に加えることを可能にし得る、あるいは外科用ステープラをより適切に又はより安全に使用し得るように、外科用ステープラの情報を操作者に知らせてもよい。
【0177】
組織151032を貫通する方向の圧縮は、組織151032のインピーダンスから決定されてもよい。様々な圧縮水準において、組織151032のインピーダンスZは増加又は減少してもよい。電圧V及び電流Iを組織151032に印加することによって、組織151032のインピーダンスZは、圧縮の様々な圧縮水準で決定されてもよい。例えば、インピーダンスZは、印加された電圧Vを電流Iで除することによって計算されてもよい。
【0178】
次に図27を参照すると、一態様では、RF電極151038が、エンドエフェクタ151030の上(例えば、エンドエフェクタ151030のステープルカートリッジ、ナイフ、又はチャネルフレームの上)に位置決めされてもよい。更に、電気接点151040が、エンドエフェクタ151030のアンビル151034の上に位置決めされてもよい。一態様では、電気接点は、エンドエフェクタのチャネルフレームの上に位置決めされてもよい。組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034と、例えば、チャネルフレーム151036との間で圧縮される場合、組織151032のインピーダンスZは変化する。エンドエフェクタ151030によって生じる垂直方向の組織圧縮151042は、組織151032のインピーダンスZの関数として測定されてもよい。
【0179】
次に図28を参照すると、一態様では、RF電極151038が位置決めされる場合、電気接点151044は、エンドエフェクタ151030のアンビル151034の反対側の端部に位置付けられてもよい。組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034と、例えば、チャネルフレーム151036との間で圧縮される場合、組織151032のインピーダンスZは変化する。エンドエフェクタ151030によって生じる横方向の組織圧縮151046は、組織151032のインピーダンスZの関数として測定されてもよい。
【0180】
次に図29を参照すると、一態様では、電気接点151050は、アンビル151034の上に位置決めされてもよく、電気接点151052は、チャネルフレーム151036においてエンドエフェクタ151030の反対端の上に位置付けられてもよい。RF電極151048は、エンドエフェクタ151030の中央部に対して側方に位置決めされてもよい。組織151032がエンドエフェクタ151030のアンビル151034と、例えば、チャネルフレーム151036との間で圧縮される場合、組織151032のインピーダンスZは変化する。RF電極151048の両側における横方向の圧縮151054又は角度のある圧縮151056は、エンドエフェクタ151030によって生じてもよく、RF電極151048、電気接点151050及び151052の相対的な位置決めに基づいて、組織151032の様々なインピーダンスZの関数として測定されてもよい。
【0181】
図30及び図31に示すように、エンドエフェクタ26000は、癌組織に対するエンドエフェクタの近接性を表す組織の生理学的パラメータを示すセンサ信号を生成又は提供するように構成されたセンサアレイ26471を含む。図31は、センサアレイ26471に連結された制御回路を含む制御システム26470を示す。制御システム26470は、センサアレイ26471のセンサ信号に基づいて、癌組織に対するエンドエフェクタ26000の近接性を評価するように構成されている。
【0182】
一態様では、生理学的パラメータは、組織内のグルコース濃度である。低いグルコース濃度は、エンドエフェクタが癌組織に極めて近接していることを示す。
【0183】
別の態様では、生理学的パラメータはpH濃度である。低いpH濃度は、エンドエフェクタが癌組織に極めて近接していることを示す。
【0184】
様々な態様では、図32に示されるように、エンドエフェクタ26070は、6つのセンサ(Sen~Sen)、すなわち、2つの近位センサ(Sen及びSen)、2つの中間センサ(Sen及びSen)、及び2つの遠位センサ(Sen及びSen)を含むセンサアレイ26080を装備してもよい。加えられたセンサは、とりわけマイクロコントローラ461が、癌組織に対するエンドエフェクタ26070の位置をより正確に予測することを可能にする。
【0185】
エンドエフェクタ26070は、多くの点でエンドエフェクタ26000、26050と類似している。例えば、エンドエフェクタ26070は、第1の顎部26071と第2の顎部26072とを含む。第1の顎部26071及び第2の顎部26072のうちの少なくとも一方は、それらの間に組織を把持するように他方に対して移動可能である。
【0186】
上記に加えて、エンドエフェクタ26070は、第2の顎部26072内に画定されたアンビルと、第1の顎部26071内に画定されたステープルカートリッジ26075と、を更に含む。エンドエフェクタ26070によって把持された組織を治療するために、ステープルが、ステープルカートリッジ26075から把持された組織内へと配備され、アンビルによって変形される。組織を切断するために、横切開部材は、横切開部材の横切開経路26073を画定する細長いスロットに対して移動される。横切開経路26073は、エンドエフェクタ26070の対向している2つの側面26076、26077を画定する。
【0187】
上記に加えて、センサアレイ26080は、多くの点でセンサアレイ26471と類似している。例えば、センサアレイ26080はまた、マイクロコントローラ461に連結し得る。センサアレイ26080は、癌組織に対するエンドエフェクタ26070の近接性を示す組織の生理学的パラメータに従って、マイクロコントローラ461にセンサ信号を提供するように構成された6つのセンサ(Sen~Sen)を含む。その他の実施例では、センサアレイ26471のようなセンサアレイ26080は、7つ以上又は5つ以下のセンサを含んでもよい。
【0188】
センサアレイ26080のセンサは、離間配置され、ステープルカートリッジ26075の外側縁部26078、26079上に配置される。図32の例では、辺26076にSen、Sen、Senが配置され、辺26077にSen、Sen、Senが配置されている。換言すれば、横切開経路26052は、センサアレイ26080のセンサ間を延在する。
【0189】
様々な実施例では、センサ信号と信号の平均値との差は、腫瘍の近接性への洞察を与え得る。センサが腫瘍上にあることを信号が示す場合、そのセンサとその他のセンサとの差は、腫瘍が片側に沿っているか(横切開されていない)、あるいは横切開経路に沿っているか(横切されている)の洞察を与える。信号と平均との差が小さいが平均が高い場合は、エンドエフェクタ全体が腫瘍上にある。
【0190】
カートリッジセンサアセンブリ
外科用器具に利用される典型的なセンサアセンブリは、組織及び物理的環境条件を受動的に検出することができるだけであり、これは、それらが検出することができるデータの量、種類、及び詳細を制限し得る。本開示の態様は、外科用器具と共に使用するためのカートリッジが、外科手術の過程中に組織を刺激又は摂動し、続いて組織内の対応する応答を検出することによって組織を動的に評価するために利用し得る能動的センサを含む解決法を提示する。カートリッジに組み込まれた能動的センサを介して組織に刺激を適用することによって、外科用器具は、受動的センサを使用して検出された場合よりも、更なる又は異なる情報を感知し得る。
【0191】
図33は、本開示の少なくとも1つの態様による、能動的センサ27006を含むステープルカートリッジ27000の斜視図を示す。ステープルカートリッジ27000は、図16に関して説明した外科用器具150010などの外科用器具150010のエンドエフェクタ150300内に受容され得る。一態様では、ステープルカートリッジ27006は、能動的センサ27006を含み、能動的センサ27006は、能動素子27002及びセンサ27004を含む。能動的センサ27006は、能動素子27002を介してその環境を能動的に摂動又は刺激し、続いてセンサ27004を介して対応する環境応答を測定するように構成されている。能動的センサ27006は、それらの環境を受動的に測定するように構成された受動的センサとは異なる。
【0192】
能動素子27002は、ステープルカートリッジ27000が挿入されている、エンドエフェクタ150300によってクランプされた組織(すなわち、カートリッジデッキ27008とエンドエフェクタ150300のアンビル150306との間に位置決めされるか又は固定された組織)に刺激を提供するように構成されている。センサ27004は、組織に適用された摂動又は刺激に関連付けられた組織パラメータを感知し、それによって刺激から生じる組織パラメータの変化を決定するように構成されている。一態様では、能動素子27002及びセンサ27004が、互いに対して一体的に組み込まれるか、又は別の方法で関連付けられて、単一の一体型ユニットとして能動的センサ27006を形成する。別の態様では、能動素子27002及びセンサ27004は、カートリッジ上若しくはカートリッジ内で互いから離れて位置決めされるか、又は別の方法で互いに関連付けを解かれて、分散ユニットとして能動的センサ27006を形成する。
【0193】
図34は、本開示の少なくとも1つの態様による、回路27010のブロック図を示す。一態様では、カートリッジ27000は、能動素子27002と、センサ27004と、能動素子27002及びセンサ27004のそれぞれに通信可能に接続された制御回路27012と、制御回路27012に電力を供給するために制御回路27012に接続された電源27014と、を含む回路27010を含む。回路27010及び/又は制御回路27012としては、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。一態様では、制御回路27012は、能動素子27002を作動させるか、能動素子27002にエンドエフェクタによってクランプされた組織に対して刺激を放出若しくは供給させるか、又はその他の方法で能動素子27002の状態を制御するように、構成され得る。制御回路27014は、センサ27004を作動させるか、センサ27004から組織特性を示すデータ若しくは電気信号を受信するか、又は別の方法でセンサ27004を制御するように構成することができる。様々な態様では、能動素子27002及びセンサ27004のいずれか又は両方は、図33に示されるように、カートリッジ27000のデッキ27008上に露出又は位置決めされて、カートリッジデッキ27008に接して位置決めされた組織と接触し得る。一態様では、図34に示される回路27010は、フレックス回路として具現化され得る。一態様では、回路27010は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/636,096号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」(2017年6月28日に出願)に開示されるカートリッジ回路及びチャネル回路などのカートリッジ回路及び/又はチャネル回路とは分離した回路である。このような態様では、回路27010は、カートリッジ回路及び/又はチャネル回路に通信可能に連結されてもよく、又は通信可能に連結されなくてもよい。別の態様では、回路27010は、カートリッジ回路及び/又はチャネル回路に組み込まれる。
【0194】
一態様では、能動素子27002は加熱素子を含み、センサ27004は温度センサ(例えば、温度測定アレイ)を含む。この態様では、能動素子27002は、エンドエフェクタ150300によって把持され、かつ/又はカートリッジデッキ27008に接して位置決めされた組織に対し、熱又は熱エネルギーの形態で刺激(摂動)を提供するように構成されている。更に、センサ27004は、能動素子27002からの熱エネルギーが印加される組織の生理学的反応を感知するように構成されている。したがって、制御回路27012は、センサ27004から受信したデータ及び/又は信号を介して組織の生理学的反応を評価するように構成され得る。
【0195】
一態様では、能動素子27002は、エンドエフェクタ150300によって把持され、かつ/又はカートリッジデッキ27008に接して位置決めされた組織の、所定の又は限局された領域に熱エネルギーを印加するように構成されている。例えば、加熱素子は、(例えば、アルミニウム及び/又は銅から構築された)ヒートシンクを備え得るが、このヒートシンクは、(例えば、電源27014からの)電気エネルギーを熱に変換して、ヒートシンクに隣接するか又は限局された組織の所定の又は限局された領域に熱エネルギーを印加するように構成されている。別の態様では、能動素子27002は、カートリッジデッキ27008の表面の全体又は大部分にわたって熱エネルギーを印加するように構成されている。例えば、加熱素子は、カートリッジ回路の層のうちの1つ以上に内蔵された可撓性加熱グリッドを備え得る。このような態様では、加熱グリッドは、カートリッジ27000の全体又は大部分が熱エネルギーを放出するのを可能にするように構成され得る。代替的に又は追加的に、加熱グリッドは、加熱グリッドの様々な領域が活性化されて熱エネルギーを生成することができるように構成され得る。この実施例では、加熱グリッドは、組織に適用するための特定の量の熱エネルギー出力を用いて、限局された又は事前定義の加熱領域において熱エネルギーを印加するために同様に利用され得る。
【0196】
組織に熱エネルギーを印加することは、組織に関する様々な生理学的情報を導出するために利用され得る。例えば、組織の温度が上昇する速度は、その含水量の関数である。したがって、組織に熱エネルギーを印加することを利用して、印加された熱エネルギーに応答して組織の温度が上昇する速度を感知することによって、組織の全体的含水量を決定し得る。組織の含水量は、例えば組織種類に対応する。更に、組織の異なる部分に熱エネルギーを印加することを利用して、印加された熱エネルギーに応答して組織の異なる部分の温度が上昇する速度を比較することによって、含水量の高い又は低い組織の位置(単数又は複数)を決定し得る。
【0197】
一態様では、能動素子27002は加圧素子を含み、センサ27004は組織圧縮センサを含む。加圧素子としては、例えば、通電されると、形状を変形させ、それにより、それに対して位置する組織の特定の領域に局部圧力を印加するように構成された磁気又は電気活性ポリマーが挙げられ得る。加圧素子は、加圧素子がそれに対して位置する組織に接触して圧力を印加するように、例えばカートリッジデッキ27008上に配置され得る。組織圧縮センサとしては、例えば、組織のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンスセンサが挙げられ得る。組織のインピーダンスは組織の厚さ(すなわち、組織圧縮)に対応し得るため、組織インピーダンスの時間の変化率をモニタリングすることを利用して、圧力刺激に応答した経時的な組織の粘弾性特性の変化をモニタリングし得る。組織のこのような粘弾性特性としては、例えば、組織クリープ及び安定性が挙げられ得る。組織圧縮センサとしては、更に、例えば、組織に印加される力若しくは圧力を感知するように構成された力センサ((例えば、ロードセル又は力感知抵抗器)、又は、エンドエフェクタ150300の顎部(例えば図16に描かれた外科用器具150010のアンビル150306及び/若しくはチャネル150302)間の間隙若しくは距離(これは、エンドエフェクタ150300によって把持された組織が圧縮される程度に対応する)を感知するように構成された間隙センサ(例えばホール効果センサ)が挙げられ得る。
【0198】
磁気ポリマー又は電気活性ポリマーは、それらが製造される方法に基づいて、所定の方法で変形するように構成され得る。一態様では、制御回路27012は、組織圧縮に関する測定値をセンサ27004から受信するように構成され得、印加された圧力は、組織の加速クリープ態様を決定するために適用される。一態様では、制御回路27012は、組織の組織回復特性を評価するために、印加された圧力が除去された後で、組織圧力に関するセンサ27004からの測定値を受信するように構成され得る。
【0199】
組織に圧力を印加することは、組織に関する様々な生理学的情報を導出するために利用され得る。例えば、組織によって呈される粘弾性特性は、その組織種類に対応する。換言すれば、様々な種類の組織は、それぞれ一貫した粘弾性特性を示す。したがって、組織に圧力を加えることを利用して、組織が圧縮する速度、圧力が除去された場合に組織がその前の形状に戻る速度、及びその他の粘弾性特性を感知することによって、組織の粘弾性特性を決定し得る。組織の粘弾性特性をモニタリングすることに関する更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公報第2016/0256156号、発明の名称「TIME DEPENDENT EVALUATION OF SENSOR DATA TO DETERMINE STABILITY,CREEP,AND VISCOELASTIC ELEMENTS OF MEASURES」(2015年9月14日に出願)で見出され得る。
【0200】
外科用器具カートリッジは、カートリッジに関連付けられたデータ(すなわち、データ要素)を記憶又はリレーするための複数の及び/又は重複する手段を有してもよい。カートリッジに関連付けられたデータは、例えば、カートリッジの種類、カートリッジの特性、及びカートリッジが以前に発射されたかどうかを含み得る。データの冗長性は、データ要素のうちの1つにエラーが存在した場合、又はデータ要素のうちの1つが破壊された場合に、全てのデータが損失することを回避するのに有益である。しかしながら、データ要素のうちの1つがデータを不正確に記憶するか、データの記憶に失敗するか、又はデータの送信にエラーを有する場合、データ要素間の解決不可能な競合が生成される場合がある。外科用器具又は別のシステムがカートリッジからデータを読み出すことを試みる場合、データの競合は、データを読み出す外科用器具又はその他のシステムにエラーを引き起こす場合がある。本開示の態様は、データ要素のうちの1つをその他のデータ要素に勝るように優先順位付けすることにより、外科用器具がデータ記憶要素間の競合を解決するように構成されている解決を提示する。このようにして、優先順位付けされたデータ要素は、その他のデータ要素に優先されて、外科用器具又は別のシステムの制御回路によって使用される適切なカートリッジデータを選択しようと試みる際の競合を回避する。
【0201】
図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、一対のデータ要素を含むカートリッジ27200の斜視図を示す。一態様では、データ要素は、カートリッジ27200に関連付けられ、カートリッジに関連付けられたデータを記憶、表現、及び/又はリレーすることができる特徴、特性、及び/又はデバイスを含む。データ要素は、例えば、カートリッジに関するデータを記憶するように構成されたデータ記憶要素27202と、カートリッジに関連するデータを表すように構成されたデータ表現機構27204とを含み得る。いくつかの態様では、データ要素は、自動識別及びデータキャプチャ(AIDC)技術として広く特徴付けられ得る。図35に示されるカートリッジは、2つのデータ要素を含むが、代替的な態様では、カートリッジは、カートリッジのデータ記憶要素及びデータ表現機構の様々な組み合わせで、1つ又は3つ以上のデータ要素を含み得る。更に、カートリッジ27200はステープルカートリッジとして描かれているが、カートリッジ27200はとしては、RFカートリッジ及び任意のその他のこのようなカートリッジも挙げられることに留意されたい。
【0202】
様々な態様では、データ表現機構27204は、例えば、カートリッジ27200に関連付けられた又はカートリッジ27200上に配置された物理的又は視覚的に識別可能な機構又は構造を含み得る。1つのこのような態様では、データ表現機構27204は、カートリッジ本体27205が構築される材料、及び/又はカートリッジ本体27205の厚さを含み得る。外科用器具150302のエンドエフェクタ150300に関連付けられたセンサ27224(図36)によって続いて検出され得る、各カートリッジの種類に適合させた抵抗範囲を生成するために、カートリッジ本体27205の材料及び/又は厚さは、様々なカートリッジの種類で異なり得る。カートリッジ本体27205の材料及び/又は厚さを検出するためのセンサ27224は、例えば、エンドエフェクタ150300のチャネル150302内に配置され得る。このような態様では、エンドエフェクタ150300は電気的に絶縁され得る。
【0203】
別のこのような態様では、データ表現機構27204は、クランプ力の初期段階に影響を与えるように構成された、カートリッジデッキ27206上に(例えば、カートリッジデッキ27206の近位端部において)配置された材料又は構造体の層を含み得る。例えば、図35では、エンドエフェクタ150300のアンビル150306が、アンビル150306がクランプされて閉じられる場合に構造体と接触するように、データ表現機構27204は、カートリッジデッキ27206の近位端部から略直交して延在する構造体を含む。次に、アンビル150306がデータ表現機構27204に接触する際の力は、例えば、モータ電流を検出する電流センサ(アンビル150306がモータによって駆動されて閉じられる際にアンビル150306によって及ぼされる力に対応する)を介して、制御回路27222(図36)によって検出され得る。アンビル150306の閉鎖力(FTC)における様々な検出可能な応答をもたらすために、カートリッジデッキ27206上に配置されたデータ表現機構27204の材料及び/又は幾何学形状は、様々なカートリッジの種類のそれぞれに対してカスタマイズされ得る。したがって、データを表す特徴27204を検出することができるセンサに連結された制御回路27222は、最大FTCの程度又はレベル、FTC応答の特性、及び経時的に検出されたFTCのその他のこのような特性に従って、カートリッジの種類を決定し得る。例えば、第1のカートリッジの種類は、剛性材料から構築されたデータ表現機構27204を含み得、第2のカートリッジの種類は、可撓性材料から構築されたデータ表現機構27204を含み得る。制御回路27222によって検出されたFTC応答の種類に従い、制御回路27222は、アンビル150306が閉じている場合にアンビル150306が剛性又は可撓性構造体と接触しているかどうかを決定し、それによって、カートリッジ27200がそれぞれ第1のカートリッジ種類であるか、又は第2のカートリッジの種類であるかを決定し得る。
【0204】
様々な態様では、データ記憶要素27202は、例えば、カートリッジ27200に関連付けられるか、又はカートリッジ27200上に配置され得、また、データ記憶要素27202によって記憶されたデータを有線接続又は無線接続を介して送信するように構成され得る。一態様では、データ記憶要素27202は、デジタル署名を含むRFIDマイクロトランスポンダ又はRFIDチップを含む。別のこうした態様では、データ記憶要素は、電池補助受動的RFIDタグを備える。電池補助受動的RFDタグは、RFIDマイクロトランスポンダ及び/又はRFIDチップと比較して改善された範囲及び信号長を示し得る。この態様では、RFIDタグは、カートリッジ27200が発射されたかどうかなどのカートリッジ27200に関連付けられたデータを記憶するために使用され得る書き込み可能セクションを含み得る。データは、カートリッジ27200又は外科用器具の制御回路などの回路を介してカートリッジ27200の書き込み可能セクションに書き込まれ得る。続いて、外科用器具が、例えばカートリッジ27200が再発射されるべきではないと判断することができるように、その後に書き込み可能セクションが外科用器具のセンサによって読み込まれ得る。
【0205】
データ記憶要素27202が、超高周波及びより高い高周波を利用するRFIDタグを含む態様では、RFIDタグは、外科用器具のリーダ(センサ)から遠ざかる1つ超の電波波長であってもよい。したがって、単にRF信号を送信するのでは、RFIDタグからデータを通信するために十分でない場合がある。これらの態様では、RFIDタグは、信号を後方散乱させるように構成され得る。能動的RFIDタグは、機能的に分離している送信機及び受信機を含有してもよく、RFIDタグは、リーダの問い合わせ信号に関連する周波数上で応答する必要はない。
【0206】
別の態様では、データ記憶要素27202は、識別データを記憶するように構成されたワンワイヤチップを含み得る。データ記憶要素27202は、カートリッジ27200がエンドエフェクタに挿入されると、又は外科用器具からのクエリを受信することに応答して、のいずれかで、記憶された識別データを外科用器具に送信又は提供するように構成され得る。こうした態様では、ワンワイヤチップは、カートリッジ27200が発射されたかどうかなどのカートリッジ27200に関連付けられたデータを記憶するために使用され得る書き込み可能セクションを含み得る。別のこうした態様では、データ記憶要素は、IスクエアC(すなわち、I-2-C)、SPI、又はその他のマルチマスタ、マルチスレーブ、パケット交換、シングルエンドシリアルコンピュータバスなどの特定の通信プロトコルを実行する集積回路(IC)を備える。カートリッジ27200と外科用器具との間の有線電気接続に関する様々な更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/636,096号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」(2017年6月28日に出願)に見出され得る。
【0207】
図35は、単一のデータ表現機構27204及び単一のデータ記憶要素27202を含むカートリッジ27200を描いているが、カートリッジ27200の異なる態様が、上述のデータ要素の様々な組み合わせを含み得るということに留意されたい。換言すれば、カートリッジ27200の様々な態様は、複数のデータ表現機構27204、複数のデータ記憶要素27202、様々な種類のデータ記憶要素27202、及び/又はデータ表現機構27204などの組み合わせを含み得る。
【0208】
データ記憶要素27202は、例えば、カートリッジの種類を識別するデータ及びカートリッジの特性(例えば、カートリッジサイズ)を識別するデータを含む、カートリッジ27200に関する様々なデータを記憶又は表現し得る。一態様では、データ記憶要素27202は、電子製品コード(EPC)を記憶するように構成され得る。データ記憶要素がRFIDタグである態様では、EPCは、RFIDプリンタによってタグに書き込まれ得、また、例えば、96ビットのデータストリングを含み得る。データストリングは、例えば、プロトコルのバージョンを識別する(例えば、8ビットの)ヘッダと、このタグ(EPC Global consortiumによって割り当てられ得る)のデータを管理する組織を識別する組織番号(例えば、28ビットの)と、製品の種類を識別する(例えば、24ビットの)オブジェクトクラスと、特定のタグに対する(例えば、36ビットの)固有のシリアル番号と、を含み得る。オブジェクトクラス及び固有のシリアル番号フィールドは、タグを発行した組織によって設定され得る。URLと同様に、EPC番号は、特定の製品を一意的に識別するためのグローバルデータベースのキーとして使用され得る。
【0209】
図36は、本開示の少なくとも1つの態様による、カートリッジ27200と関連付けられたデータ要素からデータを検出及び/又は受信するためのセンサアセンブリ27220のブロック図を示す。センサアセンブリ27220の説明においては、図35も参照されたい。センサアセンブリ27220は、カートリッジ27200を受容するように構成された外科用器具に含まれるか、又は通信可能に連結され得る。一態様では、センサアセンブリ27220は、カートリッジのデータを表現するデータ表現機構27204を検出するように構成されたセンサ27224に通信可能に接続される制御回路27222と、カートリッジのデータを記憶するデータ記憶要素27202からデータを受信するように構成されたI/Oインターフェース27228と、を含む。一態様では、センサアセンブリ27220は、米国特許出願第15/636,096号に開示されているチャネル回路などの、エンドエフェクタ150300のチャネル150302(図16)内に配置された回路の構成要素であるか、又はそれと一体化されている。別の態様では、センサアセンブリ27220は、米国特許出願第15/636,096号に開示されているチャネル回路などのチャネル回路とは異なるか、又は別個である。制御回路27222は、電源に更に接続されて、電源から電力を引き出す。センサ27224は、カートリッジ27200を識別する特定の物理的又は視覚的特徴を識別することができる任意の種類のセンサを含み得る。一態様では、センサ27224は、発射部材ストロークの少なくとも初期又はクランプ部分の間に、モータによって引き出される電流を検出し、それにより制御回路27222がFTCを決定することを可能にし、またそれにより、上述のように、エンドエフェクタ150300のアンビル150306が、カートリッジの種類を識別するカートリッジ27200上に配置された物理的機構に遭遇しているかどうかを決定するように構成されている電流センサを含み得る。別の態様では、センサ27224は、カートリッジの種類を識別する、カートリッジ27200上に配置されたアイコン、色、バーコード、又はその他のマーキング若しくは一連のマーキングを検出するように構成された光センサを含み得る。一態様では、I/Oインターフェース27228は、データを記憶するデータ記憶要素27202に電気的に接続し、有線通信プロトコル(例えば、IスクエアC)を利用してその上に記憶されたデータを受信するように構成されたバスワイヤ(例えば、米国特許出願第15/636,096号に開示されているカートリッジ及びチャネル電気接点)を含み得る。別の態様では、I/Oインターフェース27228は、データを記憶するデータ記憶要素27202に無線接続し、無線通信プロトコル(例えばBluetooth)を利用してその上に記憶されたデータを受信するように構成された無線送信機を含み得る。
【0210】
センサアセンブリ27220のその他の態様は、データ表現機構27204を検出するように構成されたセンサ27224と、カートリッジ2700と関連付けられたデータ記憶要素27202からデータを受信するように構成されたI/Oインターフェース27228と、の様々な組み合わせを含み得るが、これは、(同じ又は異なる種類の)複数のセンサ27224、(同じ又は異なる種類の)複数のI/Oインターフェース27228、I/Oインターフェース27228なし、センサ27224なし、及びこれらの全ての組み合わせを含む。カートリッジ27200に関連付けられたデータを検出するためにセンサアセンブリ27220に含まれるセンサ27224及び/又はI/Oインターフェース27228の特定の組み合わせは、カートリッジデータを記憶するためにカートリッジ27200によって利用されるデータ要素の組み合わせに対応する。
【0211】
外科用器具は、外科用器具と相互作用する構成要素と通信するように適合されてもよい。例えば、外科用ステープラであってもよい外科用器具は、外科用ステープラに取り外し可能に取り付けられた外科用ステープルカートリッジと通信するように構成されてもよい。外科用器具は、外科用器具とそれに取り付けられた構成要素との間の通信能力又は容量を制御するように、構成されてもよい。外科用器具は、外科用器具と構成要素との間の異なるレベル又は段階の通信を提供してもよい。例えば、外科用ステープラは、以下の通信段階であって、外科用ステープルカートリッジとの一方向静的通信、外科用ステープルカートリッジとの双方向通信、外科用ステープルカートリッジとの実時間の双方向通信、及び外科用ハブ又はその他のコンピューティングシステムとの通信、の通信段階のうちの1つ以上を可能にするために、取り付けられた外科用ステープルカートリッジと通信してもよい。
【0212】
外科用器具は、器具、デバイスに取り付けられた構成要素、デバイスの操作者、デバイスの所有者、又はその他の関連要素に関連付けられたパラメータ又はデータに応じて、提供する通信の種類又は程度を含む通信能力を決定するように構成されてもよい。例えば、外科用器具は、外科用器具又は取り付けられた構成要素に関連付けられた購入レベル又はサブスクリプションレベルを示すパラメータに基づいて、外科用器具と構成要素との間の通信の種類及び程度を決定してもよい。外科用ステープラ又は外科用ステープラに取り付けられた外科用ステープルカートリッジが低い購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられている場合、外科用ステープラは、外科用ステープラが外科用ステープルカートリッジから外科用ステープラへの一方向静的通信を提供し得ると決定してもよい。外科用ステープラ又は外科用ステープルカートリッジがより高い購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられている場合、外科用ステープラは、外科用ステープラが外科用ステープラと外科用ステープルカートリッジとの間の実時間の双方向通信を提供し得ると決定してもよい。
【0213】
外科用器具は、外科用器具のパラメータ及び/又は構成要素のパラメータに基づいて、外科用器具と構成要素との間の通信能力を決定してもよい。外科用ステープラに取り付けられた外科用ステープルカートリッジが比較的古いソフトウェアで構成されている場合、外科用ステープラは、外科用ステープルカートリッジとの通信能力が、外科用ステープルカートリッジから外科用ステープラへの一方向静的データ通信を含み得ると決定してもよい。外科用ステープラに取り付けられた外科用ステープルカートリッジが比較的最近のソフトウェアで構成されている場合、外科用ステープラは、外科用ステープラカートリッジとの通信能力が双方向実時間通信を含み得ると決定してもよい。
【0214】
外科用器具と外科用器具に係合される構成要素との間の通信は、例えば、感知アレイ及び通信デバイスを使用して実行されてもよい。外科用器具及び対応する構成要素は、構成要素と外科用器具とを通信可能に連結するように配置された感知アレイ及び通信デバイスを備えてもよい。図37Aは、外科用ステープラの細長いチャネル13010と、外科用ステープラと連結された外科用ステープルカートリッジ13012との間の代表的な連結を示す。示されるように、細長いチャネル13010は、チャネルの第1の側面に沿って、かつ細長いチャネル13010の近位端部に位置付けられる、第1の感知アレイ13014を備えてもよい。細長いチャネル13010は、第1の感知アレイ13014から長手方向に変位され、細長いチャネル13010の反対側に沿って、細長いチャネル13010の近位端部に近接して配置された第2の感知アレイ13016を更に備えてもよい。感知アレイ13014及び13016は、外科用ステープルカートリッジ13012内に含まれる対応する通信デバイスによって通信されるデータを感知するように、構成されてもよい。感知アレイ13014及び13016は、外科用ステープルカートリッジ13012内の対応する通信デバイスにデータ及び電力を通信するように、更に構成されてもよい。
【0215】
外科用ステープルカートリッジ13012は、例えば、無線IDチップ(RFID)13018などの1つ以上の通信デバイスを備えてもよい。RFIDチップ13018は、外科用ステープルカートリッジ13012に含まれるスレッド13020内に位置付けられてもよい。図37Aに示される実施例では、RFIDチップ13018は、初期ホーム位置に配置されてもよく、外科用ステープラの細長いチャネル13010に含まれる第1の感知アレイ13014と位置合わせしてもよい。一実施例では、RFIDチップは、外科用ステープラカートリッジ13012を識別するデータを、カートリッジの状態を識別するデータと共に感知アレイ13014に通信するように構成されてもよい。図37Aの実施例では、第2の通信アレイ13016は、外科用ステープラカートリッジ13012内の通信デバイスと位置合わせされなくてもよく、又は対応しなくてもよい。
【0216】
図37Bは、外科用ステープラの細長いチャネル13010と外科用ステープラ13012との間の代表的な通信及び電力連結を示す。示されるように、細長いチャネル13010は、チャネルの第1の側面に沿って、かつ細長いチャネル13010の近位端部に位置付けられる、第1のアレイ13014を備える。細長いチャネル13010は、第1の感知アレイ13014から長手方向に変位され、細長いチャネル13010の反対側に沿って、細長いチャネル13010の近位端部に近接して配置された第2のアレイ13016を更に備えてもよい。外科用ステープラカートリッジ13012は、カートリッジの近位端部に位置付けられる第1のアレイ13022と、カートリッジの近位端部の近くに位置付けられる第2のアレイ13024と、を備えてもよい。外科用ステープルカートリッジ13012が外科用ステープラの細長いチャネル150302とインターフェース接続される場合、第1の感知アレイ13022は、アレイ13014と位置合わせし、それと通信してもよい。第2の感知アレイ13024は、アレイ13016と位置合わせし、通信してもよい。データは、位置合わせされたアレイを使用して、外科用ステープラと外科用ステープルカートリッジ13012との間で通信されてもよい。例えば、外科用ステープルカートリッジ13012内のその他のセンサによって収集される組織測定値などの測定値に関するデータは、アレイ13022及び13024によって通信されてもよい。同様に、電力は、外科用ステープラ並びにアレイ13014及び13016からアレイ13022及び13024に伝達されてもよい。電力は、センサを動作させ、外科用ステープルカートリッジ13012によって操作される組織に関するデータを収集するために、外科用ステープルカートリッジ13012によって使用されてもよい。このデータは、アレイ13022及び13023によってアレイ13014及び13016に通信されてもよい。アレイは、任意の適切な組み合わせでデータを送受信するように構成されてもよい。
【0217】
図38は、外科用ステープル及び外科用ステープルカートリッジ内のアレイ間の通信の分離図を提供する。示されるように、図の左側に示される第1の実施例では、細長いチャネル150302内に含まれる感知アレイ13012は、外科用ステープルカートリッジ13012内のRFIDチップ13018であり得る通信デバイスと位置合わせする。一実施例では、データ及び電力の両方が、感知アレイ13014とRFIDチップ13018との間で通信されてもよい。データは、RFIDチップ13018との間で通信されてもよく、電力は、アレイ13014からRFIDチップ13018に伝達されてもよい。図38の右部分に示される第2の実施例では、感知アレイ13014は、外科用ステープルカートリッジ13012内の対応するアレイ13022に電力を伝達するように示されている。この第2の実施例では、電力は伝達されてもよいが、データは通信されなくてもよい。ステープラ内のデータ及び電力アレイは、必要に応じてデータ及び/又は電力を送受信するために、任意の好適な組み合わせでカートリッジ内の対応する通信デバイスと共に構成されてもよい。
【0218】
外科用器具は、外科用器具と外科用器具に取り付けられた構成要素との間で行われ得る通信の量及び種類を制御するように、構成されてもよい。第1の実施例又は段階では、外科用ステープラ器具は、外科用ステープルカートリッジから外科用ステープラへの一方向通信を可能にするように、ステープラとそこに取り付けられた外科用ステープルカートリッジとの間の通信を制御してもよい。外科用ステープラは、カートリッジを識別するデータ及び/又はカートリッジに関する状態を提供するデータを通信してもよい。第2の実施例又は段階では、外科用ステープラは、ステープラとそこに取り付けられた外科用ステープルカートリッジとの間の通信を制御して、外科用ステープルカートリッジに含まれるセンサによって取得された静的測定値の外科用ステープラへの通信を提供してもよい。通信は、カートリッジ、及び外科用ステープルカートリッジによって手術されている組織の位置を識別してもよい。第3の実施例又は段階では、外科用ステープラは、ステープラとそこに取り付けられた外科用ステープルカートリッジとの間の通信を制御して、ステープルカートリッジと外科用ステープルとの間のデータの連続通信を提供してもよい。外科用ステープルカートリッジは、複数の領域又はゾーンにおける圧迫などの組織特徴を連続的に検出及び測定し、経時的に外科用ステープラに連続的な測定値を提供するセンサを備えてもよい。外科用ステープラは、このような測定値を実時間で連続的に受信するように外科用ステープルカートリッジを制御してもよい。
【0219】
図39は、代表的な外科用ステープラ13008及びステープルカートリッジ13012の機能的構成要素を示す。示されるように、外科用ステープラ13008は、プロセッサ13020と、電源13022と、通信アレイ13024とを備えてもよい。プロセッサ13020は、外科用ステープルカートリッジ13012に対する外科用ステープラ13008の通信能力を決定することを含む、外科用ステープラ13008の動作に付随する機能を実行するための実行可能命令でプログラムされてもよい。プロセッサ13020は、外科用ステープルカートリッジ13012へのデータ及び電力の受信及び送信を制御してもよい。通信アレイ13024は、1つ又は複数のデータ通信アレイ13026及び/又は電力通信アレイ13028を備えてもよい。プロセッサ13008は、データ通信アレイ13026及び電力通信アレイ13028を制御し、それによって外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間のデータ及び電力の通信を制御するようにプログラムされてもよい。プロセッサ13020は、電源13022、及び電力通信アレイ13028を介した外科用ステープルカートリッジ13012への電力の通信を制御してもよい。
【0220】
外科用ステープルカートリッジ13012は、プロセッサ13030、センサ13032、及び通信アレイ13034を含んでもよい。プロセッサ13020は、データの通信及び外科用ステープラ13008からの電力の受信を含む外科用ステープルカートリッジ13012の動作に付随する機能を実行するための実行可能命令で、プログラムされてもよい。プロセッサ13030は、センサ13032を制御して、外科用ステープルカートリッジ13012及び外科用ステープラ13008によって手術される組織に関するデータを、測定及び収集してもよい。センサ13032は、組織圧縮に関するデータを測定及び収集するように構成されてもよく、プロセッサ13030によって制御されてもよい。センサ13032は、複数のエリア又はゾーン内のデータを収集し、実時間でデータを通信してもよい。通信アレイ13034は、1つ又は複数のデータ通信アレイ13036及び/又は電力通信アレイ13038を備えてもよい。プロセッサ13030は、データ通信アレイ13036及び電力通信アレイ13038を制御し、それによって外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間のデータ及び電力の通信を制御するようにプログラムされてもよい。プロセッサ13020は、センサ13032及びデータ通信アレイ13036を制御して、測定データを外科用ステープラ13008に通信してもよい。プロセッサは、外科用ステープラ13008から電力を受け取るように電力通信アレイ13038を制御してもよい。
【0221】
外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012と外科用ステープラ13008との間の通信能力を制御するようにプログラムされてもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012などの接続された構成要素によって外科用ステープラ13008と通信され得るデータ及び電力の種類及び量を決定するようにプログラムされてもよい。外科用ステープラ13008はまた、例えば、上記で説明されるような外科用ハブ106等の別個のコンピューティングシステムと通信され得るデータの種類及び量を決定するようにプログラムされてもよい。外科用ステープラ13008は、例えば、以下の通信能力又は容量であって、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008への一方向通信、外科用ステープルカートリッジ(13012)と外科用ステープラ(13008)との間の双方向通信、測定データに関する実時間の双方向通信、外科用ステープラから外科用ステープルカートリッジ13012への電力の伝達、及び外科用ステープラ13008による、例えば外科用ハブ106などの別個のサーバシステムとの通信、のうちのどれが実行されるかを制御してもよい。
【0222】
外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータの値に基づいて、通信能力を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、例えば、デバイスの所有者若しくは操作者、外科用ステープラ13008及び/若しくは外科用ステープルカートリッジ13012に含まれるハードウェア、外科用ステープラ13008及び/若しくは外科用ステープルカートリッジ13012に含まれるソフトウェア、並びに/又は外科用ステープラ13008及び/若しくは外科用ステープルカートリッジ13012に関連付けられた購入レベル若しくはサブスクリプションレベルに関連付けられたパラメータの値を処理してもよい。外科用ステープラ13008は、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上の値に基づいて、通信能力を決定してもよい。システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、購入レベル、又はサブスクリプションレベルのうちの1つ以上を備えてもよい。これら又はその他のパラメータの値に応じて、外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008と外科用ステープルカートリッジ13012との間及び/又は外科用ハブ106との間のデータの種類及び通信方法を含む、特定の通信能力を実装することを決定してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープラカートリッジ13012がエントリーレベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間の通信能力が、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008への一方向通信静的データを可能にし得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープラカートリッジ13012が中レベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間の通信能力が外科用ステープルカートリッジ13012と外科用ステープラ13008との間のデータの双方向通信を可能にし得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープラカートリッジ13012が比較的高いレベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間の通信能力が、外科用ステープルカートリッジ13012と外科用ステープラ13008との間のデータの実時間の双方向(例えば、双方向)通信を可能にし得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012がより高いレベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、通信機能が外科用ステープラ13008と外科用ステープルカートリッジ13012との間の双方向通信、並びにハブサーバ106などのサーバとの通信を含み得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012の感知能力に関連付けられたパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008から外科用ステープルカートリッジ13012に電力を伝達することを決定してもよい。
【0223】
外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008及び/又は外科用ステープルカートリッジ13012に含まれるハードウェア及び/又はソフトウェアに関するパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008と外科用ステープルカートリッジ13012との間の通信能力を決定してもよい。例えば、外科用ステープルカートリッジ13012が期限切れのソフトウェアで構成されている場合、外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012との通信能力が、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用器具への一方向静的データ通信を含み得ると決定してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012が最近更新されたソフトウェアで構成されている場合、外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012との通信能力が双方向通信を含み得ると決定してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012が組織感知アレイを含む場合、外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012との通信能力が、カートリッジとの実時間データ通信、カートリッジへの電力の伝達、及び外科用ステープラ13008から例えば外科用ハブ106などの第3のデバイスへのデータの通信を含み得ることを決定してもよい。
【0224】
外科用ステープラ13008は、通信能力が第1の段階であってもよく、ステープルカートリッジから外科用ステープラへの一方向データ通信を含んでもよいと決定してもよい。図40は、一方向通信能力の選択に関連する処理のフロー図を示す。示されるように、13040において、外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープラ13008に連結されてもよく、それが連結されたという表示を通信してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープルカートリッジ13012に物理的に連結されていることを決定してもよく、それに応じて、連結されたという指示を通信してもよい。
【0225】
13042において、外科用ステープラ13008は、通信能力を決定することに関連するパラメータの値を決定してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上の値を決定してもよい。システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、購入レベル、又はサブスクリプションレベルのうちの1つ以上を備えてもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ及び/若しくはステープルカートリッジの動作能力、ステープラ及び/若しくはカートリッジ上で動作している現在のソフトウェアバージョン、並びに/又はステープラ及び/若しくはカートリッジに関連付けられた購入若しくはサブスクリプションされたサービスのレベルを決定してもよい。
【0226】
13044において、外科用ステープラ13008は、決定されたパラメータに基づいて、外科用ステープルカートリッジ13012及び任意の追加のシステムとインターフェース接続するための通信能力を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012がエントリーレベル購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータ値に基づいて、外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間の通信能力が、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008への一方向静的データ通信を可能にし得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012が非現行ソフトウェアバージョンで構成されていることを示すパラメータ値に基づいて、通信機能が外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008への一方向静的データ通信を可能にし得ることを決定し得る。
【0227】
13046において、外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープラ13008にデータを通信してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、データ通信アレイ13036を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008内のデータ通信アレイ13026にデータを通信してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012によって通信されるデータは、ステープルカートリッジ13012の特徴及び特性に関するデータを含んでもよい。ブロック13048において外科用ステープルカートリッジ13012によって通信され、外科用ステープラ13008によって受信されるデータは、ステープルカートリッジに関連付けられたシリアル番号、ステープルカートリッジに関連付けられた色、ステープルカートリッジに関連付けられた長さ、又はステープルカートリッジに関連付けられたステータスのうちの1つ以上を含んでもよい。外科用ステープルカートリッジ13012が、図37Aに関連して上述したようなRFIDチップを含む場合、データは、RFIDチップによって送信され、外科用ステープラ13008に含まれる通信アレイ13024において受信されてもよい。
【0228】
外科用ステープラ13008は、通信能力又は容量が、ステープルカートリッジから外科用ステープラへの静的又は別個のデータ読み取り値の双方向データ通信を含む第2の段階であり得ることを決定してもよい。図41は、通信能力としての静的データの双方向データ通信の選択に関連する処理のフロー図を示す。示されるように、13050において、外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープラ13008に連結されてもよく、それが連結されたという表示を通信してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープルカートリッジ13012に物理的に連結されていることを決定してもよく、それに応じて、連結されたという指示を通信してもよい。
【0229】
13052において、外科用ステープラ13008は、通信能力を決定することに関連するパラメータを決定してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、環境パラメータ、干渉、システム能力、又は外科用ステープラ13008及び/若しくは外科用ステープルカートリッジ13012に関するシステム制御パラメータのうちの1つ以上の値を決定してもよい。外科用ステープラ13008のシステムパラメータは、例えば、ステープルカートリッジとのワイヤリングハーネス適合性、外科用ステープラに関連付けられたソフトウェア通信レベル、及び/又は外科用ステープラに関連付けられた電力供給能力を含んでもよい。外科用カートリッジのためのシステムパラメータは、例えば、アンテナアレイ、電力要件、ローカル電力アキュムレータの存在、メモリの場所、及び/又はローカル信号処理能力を備えてもよい。システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、購入レベル、又はサブスクリプションレベルのうちの1つ以上を備えてもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ及び/若しくはステープルカートリッジの動作能力、ステープラ及び/若しくはカートリッジ上で動作している現在のソフトウェアバージョン、並びに/又はステープラ及び/若しくはカートリッジに関連付けられた購入若しくはサブスクリプションされたサービスのレベルを決定してもよい。
【0230】
13054において、外科用ステープラ13008は、決定されたパラメータ値に基づいて、外科用ステープルカートリッジ13012及び/又はその他のシステムとインターフェース接続するための通信能力を決定してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープラカートリッジ13012が中レベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間の通信能力が、外科用ステープルカートリッジ13012と外科用ステープラ13008との間の個別のデータ読み取り値の双方向通信を可能にし得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012が現在のソフトウェアバージョンで構成されていること及び/又は双方向通信に適合するハードウェアを有することを示すパラメータ値に基づいて、通信能力が外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008への静的データの双方向通信を可能にし得ることを決定してもよい。
【0231】
13056において、通信能力を決定すると、外科用ステープラ13008は、データの要求を外科用ステープルカートリッジ13012に通信してもよい。要求は、別個のデータ読み取り要求を指定してもよい。要求は、外科用ステープルカートリッジ13012内に含まれるセンサによって収集されたデータ項目を提供するように指定してもよい。外科用ステープラ13008は、データ通信アレイ13026を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012に要求を通信してもよい。
【0232】
13058において、外科用ステープルカートリッジ13012は、要求を受信してもよい。要求は、データ通信アレイ13036を使用して、外科用ステープルカートリッジ13012によって受信されてもよい。要求に応答して、ブロック13060において、外科用ステープルカートリッジ13012は、要求に関連するデータを感知する。例えば、外科用ステープルカートリッジ13012は、センサを用いて、外科用ステープルカートリッジ13012及び外科用ステープラ13008によって現在操作されている組織に関するデータを収集してもよい。センサ読み取り値は、外科用ステープルカートリッジ13012のどの部分が組織と係合しているかを識別してもよい。データは、外科用ステープルカートリッジ13012に対する組織の位置を示してもよい。センサ読み取りは、組織に印加される圧力の量及び圧力読み取りの場所に関する圧力読み取り値を識別してもよい。センサ読み取り値は、組織インピーダンス、組織の場所、組織の厚さ、及び/又は組織粘弾性に関するデータを備えてもよい。
【0233】
13062において、外科用ステープルカートリッジ13012は、データ読み取り値を外科用ステープラ13008に通信してもよい。通信されたデータは、外科用ステープルカートリッジ13012によって行われたセンサ読み取りに対応するデータ項目を含んでもよい。データ項目は、別個の時点で行われた読み取りに対応してもよい。データ項目は、外科用ステープルカートリッジ13012及び/又は外科用ステープラ13008に対する組織位置に関連付けられたデータを含んでもよい。組織位置データは、静的な組織位置であってもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、データ通信アレイ13036を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008内のデータ通信アレイ13026にデータを通信してもよい。
【0234】
13064において、外科用ステープラ13008は、送信されたデータを受信してもよい。外科用ステープラ13008は、次に、その動作において、受信されたデータを使用してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、操作者のためにディスプレイ内の組織読み取り値及び組織圧縮データを使用してもよい。外科用ステープラ13008は、データを処理して、外科用ステープラがステープル留め動作を行うために組織に対して適切に位置付けられているかどうかを決定してもよい。
【0235】
外科用ステープラ13008は、通信容量又は能力が、ステープルカートリッジから外科用ステープラへの実時間データ読み取りに関する双方向データ通信を含む第3の段階であり得ると決定してもよい。図42は、通信能力としての実時間データの双方向データ通信の選択に関連する処理のフロー図を示す。示されるように、13070において、外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープラ13008に連結されてもよく、それが連結されたという表示を通信してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープルカートリッジ13012に物理的に連結されていることを決定してもよく、それに応じて、連結されたという指示を通信してもよい。
【0236】
13072において、外科用ステープラ13008は、通信能力を決定することに関連するパラメータを決定してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、環境パラメータ、干渉、システム能力、又は外科用ステープラ13008及び/若しくは外科用ステープルカートリッジ13012に関するシステム制御パラメータのうちの1つ以上の値を決定してもよい。外科用ステープラ13008のシステムパラメータは、例えば、ステープルカートリッジとのワイヤリングハーネス適合性、外科用ステープラに関連付けられたソフトウェア通信レベル、及び/又は外科用ステープラに関連付けられた電力供給能力を含んでもよい。外科用カートリッジのためのシステムパラメータは、例えば、アンテナアレイ、電力要件、ローカル電力アキュムレータの存在、メモリの場所、及び/又はローカル信号処理能力を備えてもよい。システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、購入レベル、又はサブスクリプションレベルのうちの1つ以上を備えてもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ及び/若しくはステープルカートリッジの動作能力、ステープラ及び/若しくはカートリッジ上で動作している現在のソフトウェアバージョン、並びに/又はステープラ及び/若しくはカートリッジに関連付けられた購入若しくはサブスクリプションされたサービスのレベルを決定してもよい。
【0237】
13074において、外科用ステープラ13008は、決定されたパラメータに基づいて、外科用ステープルカートリッジ13012及び/又は外科用ハブ106などのその他のシステムとインターフェース接続するための通信能力を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープラカートリッジ13012が比較的高いレベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008とステープルカートリッジ13012との間の通信能力が、外科用ステープルカートリッジ13012と外科用ステープラ13008との間のデータの実時間の双方向(例えば、双方向)通信を可能にし得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012が現在のソフトウェアバージョンで構成されていることを示すパラメータ値に基づいて、通信機能が双方向通信及び外科用ステープルカートリッジ13012内のセンサから収集されたデータの実時間通信を可能にし得ることを決定してもよい。
【0238】
13076において、通信能力を決定すると、外科用ステープラ13008は、データの要求を外科用ステープルカートリッジ13012に通信してもよい。要求は、実時間データの読み取りに関する双方向通信の要求を指定してもよい。外科用ステープラ13008は、データ通信アレイ13026を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012に要求を通信してもよい。
【0239】
13078において、外科用ステープルカートリッジ13012は、要求を受信してもよい。要求は、データ通信アレイ13036を使用して、外科用ステープルカートリッジ13012によって受信されてもよい。要求に応答して、ブロック13080において、外科用ステープルカートリッジ13012は、要求に関連するデータを感知してもよい。例えば、外科用ステープルカートリッジ13012は、センサ13032を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012及び外科用ステープラ13008によって現在操作されている組織に関するデータを収集してもよい。センサ読み取り値は、外科用ステープルカートリッジ13012のどの部分が組織と係合しているかを識別してもよい。データは、外科用ステープルカートリッジ13012に対する組織の位置を示してもよい。センサ読み取り値は、組織に印加される圧力の量及び圧力読み取りの場所に関する圧力読み取り値を識別してもよい。センサ読み取り値は、組織インピーダンス、組織の場所、組織の厚さ、及び/又は組織粘弾性に関するデータを備えてもよい。
【0240】
13082において、外科用ステープルカートリッジ13012は、データ読み取り値を外科用ステープラ13008に通信してもよい。通信されたデータは、外科用ステープルカートリッジ13012によって行われたセンサ読み取りに対応するデータ項目を含んでもよい。データ項目は、実時間で行われる連続的な読み取りに対応してもよい。データ項目は、時間にわたって行われた組織に関するセンサ読み取りに対応してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、データ通信アレイ13036を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008内のデータ通信アレイ13026にデータを通信してもよい。通信は、外科用ステープルカートリッジ13012内のセンサによって行われる実時間測定を反映するように、実時間で連続的に行われてもよい。
【0241】
13084において、外科用ステープラ13008は、送信されたデータを受信してもよい。データは、実時間で連続的に受信されもよい。外科用ステープラ13008は、次に、その動作において、受信されたデータを使用してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、操作者への表示において、及び/又は外科用ステープラがステープル留め動作を実行するために適切に配置されているかどうかを決定するために、組織読み取り値及び組織圧縮データを使用してもよい。外科用ステープラ13008は、受信したデータを使用して、外科用ステープラ13008及び外科用ステープルカートリッジ13012によって手術されている組織の特性を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、受信したデータを使用して、組織の種類、器官の種類、及び/又は組織の硬さに関する特性を決定してもよい。
【0242】
外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008によって手術される組織の特性を連続的に監視してもよい。外科用ステープラ13008は、監視された特性を1つ以上の閾値と比較してもよい。外科用ステープラ13008が、閾値が満たされたと決定した場合、外科用ステープラは、例えば、機械的動作又は電気的動作を実行するなど、機能を実行することを決定してもよい。例えば、受信されたデータが組織の厚さに関連し、厚さがステープル留めのための閾値を満たす場合、外科用ステープラ13008は、ステープル留め動作が許可されることを操作者に示してもよい。
【0243】
外科用ステープラ13008は、通信能力又は容量が、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008への実時間データ読み取りに関する双方向データ通信、外科用ステープラ13008から外科用ステープルカートリッジ13012への電力通信、及び外科用ハブ106などの外部システムへのデータ通信を含む段階であり得ることを決定してもよい。図43は、実時間データの双方向データ通信、電力通信、及び外部システムとの通信を含む通信能力の選択に関連する処理のフロー図を示す。示されるように、13090において、外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープラ13008に連結されてもよく、それが連結されたという表示を通信してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、外科用ステープルカートリッジ13012に物理的に連結されていることを決定してもよく、それに応じて、連結されたという指示を通信してもよい。
【0244】
13092において、外科用ステープラ13008は、通信能力を決定することに関連するパラメータを決定してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、環境パラメータ、干渉、システム能力、又は外科用ステープラ13008及び/若しくは外科用ステープルカートリッジ13012に関するシステム制御パラメータのうちの1つ以上の値を決定してもよい。外科用ステープラ13008のシステムパラメータは、例えば、ステープルカートリッジとのワイヤリングハーネス適合性、外科用ステープラに関連付けられたソフトウェア通信レベル、及び/又は外科用ステープラに関連付けられた電力供給能力を含んでもよい。外科用カートリッジのためのシステムパラメータは、例えば、アンテナアレイ、電力要件、ローカル電力アキュムレータの存在、メモリの場所、及び/又はローカル信号処理能力を備えてもよい。システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、購入レベル、又はサブスクリプションレベルのうちの1つ以上を備えてもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ及び/若しくはステープルカートリッジの動作能力、ステープラ及び/若しくはカートリッジ上で動作している現在のソフトウェアバージョン、並びに/又はステープラ及び/若しくはカートリッジに関連付けられた購入若しくはサブスクリプションされたサービスのレベルを決定してもよい。
【0245】
13094において、外科用ステープラ13008は、決定されたパラメータに基づいて、外科用ステープルカートリッジ13012及び外部システムとインターフェース接続するための通信能力を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008又は外科用ステープルカートリッジ13012がより高いレベルの購入又はサブスクリプションに関連付けられていることを示すパラメータに基づいて、通信機能が外科用ステープラ13008と外科用ステープルカートリッジ13012との間の双方向通信、並びにハブサーバなどのサーバとの通信を含み得ることを決定してもよい。外科用ステープラ13008はまた、外科用ステープルカートリッジ13012に含まれるセンサに関連付けられたパラメータに基づいて、外科用ステープラ13008から外科用ステープルカートリッジ13012に電力を伝達することを決定してもよい。
【0246】
13096において、通信能力を決定すると、外科用ステープラ13008は、データの要求を外科用ステープルカートリッジ13012に通信してもよい。要求は、実時間データの読み取りに関する双方向通信の要求を指定してもよい。外科用ステープラ13008は、データ通信アレイ13026を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012に要求を通信してもよい。外科用ステープラ13008はまた、外科用ステープルカートリッジ13012に電力を伝達してもよい。外科用ステープラ13008は、電力を伝達するために電力通信アレイ13028を使用してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、受信した電力を使用して、データを収集するためのセンサを動作させてもよい。
【0247】
13098において、外科用ステープルカートリッジ13012は、データ及び電力の要求を受信する。要求は、データ通信アレイ13036を使用して、外科用ステープルカートリッジ13012によって受信されてもよい。電力は、電力通信アレイ13038において受信されてもよい。
【0248】
要求に応答して、13100において、外科用ステープルカートリッジ13012は、要求に関連するデータを感知してもよい。例えば、外科用ステープルカートリッジ13012は、センサ13032を使用して、外科用ステープルカートリッジ13012によって現在手術されている組織に関するデータを収集してもよい。センサ読み取り値は、外科用ステープルカートリッジ13012のどの部分が組織と係合しているかを識別してもよい。データは、外科用ステープルカートリッジ13012に対する組織の位置を示してもよい。センサ読み取り値は、組織に印加される圧力の量及び圧力読み取りの場所に関する圧力読み取り値を識別してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、受信した電力を用いて、要求を満たしてもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、受信した電力を用いて、要求されたデータを収集するために使用されるセンサを動作させてもよい。
【0249】
13102において、外科用ステープルカートリッジ13012は、データ読み取り値を外科用ステープラ13008に通信する。通信されたデータは、外科用ステープルカートリッジ13012によって行われたセンサ読み取りに対応するデータ項目を含んでもよい。データ項目は、実時間で行われる連続的な読み取りに対応してもよい。外科用ステープルカートリッジ13012は、データ通信アレイ13036を用いて、外科用ステープルカートリッジ13012から外科用ステープラ13008内のデータ通信アレイ13026にデータを通信してもよい。通信は、外科用ステープルカートリッジ13012内のセンサによって行われる実時間測定を反映するように、実時間で連続的に行われてもよい。
【0250】
13104において、外科用ステープラ13008は、送信されたデータを受信する。データは、実時間で連続的に受信されもよい。外科用ステープラ13008は、その動作において、受信されたデータを使用してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、組織読み取り値及び組織圧縮データを表示してもよい、及び/又は外科用ステープラがステープル留め動作を実行するために適切に配置されているかどうかを決定してもよい。外科用ステープラ13008は、受信したデータを使用して、外科用ステープラ13008及び外科用ステープルカートリッジ13012によって手術されている組織の特性を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、受信したデータを使用して、組織の種類、器官の種類、及び/又は組織の硬さに関する特性を決定してもよい。外科用ステープラ13008は、受信したデータから組織の態様を決定する際に、又は受信したデータを別様に処理するために、人工知能処理を用いてもよい。
【0251】
外科用ステープラ13008は、外科用ステープラ13008によって手術される組織の特性を連続的に監視してもよい。外科用ステープラ13008は、監視された特性を1つ以上の閾値と比較してもよい。外科用ステープラ13008が、閾値が満たされたと決定した場合、外科用ステープラは、例えば、機械的動作又は電気的動作を実行するなど、機能を実行することを決定してもよい。例えば、受信されたデータが組織の厚さに関連し、厚さがステープル留めのための閾値を満たす場合、外科用ステープラ13008は、ステープル留め動作が許可されることを操作者に示してもよい。
【0252】
13106において、外科用ステープラ13008は、外科用ステープルカートリッジ13012から受信された、又は受信されたデータから導出されたデータを、例えば外科用ハブ106などの外部システムに通信してもよい。例えば、外科用ステープラ13008は、更なる分析のために、組織測定値に関するデータを外科用ハブ106に通信してもよい。
【0253】
13108において、外科用ハブ106は、データを受信してもよい。外科用ハブ106は、データを記憶及び処理してもよい。例えば、外科用ハブ106は、受信したデータに基づいて、命令を実行する際に使用されるデータと共に更なる処理のための命令により、外科用ステープラ13080に応答することを決定してもよい。
【0254】
したがって、例えば外科用ステープラなどの外科用器具と、例えばステープルカートリッジなどの取り外し可能な構成要素との間の通信能力を制御するためのシステム及び技術が開示される。外科用器具は、外科用器具及び取り外し可能な構成要素に関連付けられた1つ以上のパラメータを決定してもよい。外科用器具は、1つ以上のパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間で行われ得る通信の種類及び程度を決定してもよい。
【0255】
プログラマブルエンドカッター又はスマートエンドカッターと、スマートカートリッジ又はインテリジェントカートリッジと、の組み合わせは、複数の異なる方法で通信を確立してもよい。通信相互接続のこれらのレベル又は段階のそれぞれは、いくつかのスマートステープラ態様(例えば、カートリッジの必要性とのワイヤリングハーネス適合性、器具のソフトウェア通信レベル、信号処理のための通信アレイ能力、電源能力、サブスクリプションレベル等)、並びにいくつかのカートリッジ能力(例えば、アンテナアレイ、電力要件、ローカル電力アキュムレータ又はメモリの場所の存在、例えば、その内容が全体として本明細書に参照として組み込まれる、米国特許第10,695,081号、発明の名称「Time Dependent Evaluation of Sensor Data to Determine Stability,Creep,and Viscoelastic Elements or Measures」に説明されるようなローカル信号処理)に依存してもよい。システムは、器具が用いられ得るカートリッジの能力を制御し得る、いくつかの段階的様式のうちの1つで接続してもよい。例として、機関が購入したサブスクリプションのレベルを使用して、器具が用いられ得るソフトウェア及びローカルハブシステムとの相互接続のレベルを決定してもよい。器具の操作者は、計画された外科手術に対して機能が利益を提供する可能性が低い場合に、その機能を無効にする選択肢を有してもよく、これにより、デバイスは、その基本又は段階1レベルの機能を実行することができる。ソフトウェアのコスト構造に応じて、これは、外科医が事例を完了するために必要とされる機能を使用することを可能にしながら、操作者が所望のハードウェアを引き出して手術室効率を増加させることを可能にすることができる。
【0256】
外科用器具制御通信能力のための更なる実施例が提供される。
【0257】
以下は、上記で説明され、及び/又は図面に示され、以下で特許請求される場合もあればされない場合もある、外科用器具制御通信能力に関する実施例の非網羅的リストである。
【0258】
1.外科用器具であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
2.外科用器具は外科用ステープラであり、取り外し可能な構成要素が外科用ステープルカートリッジである、実施例1に記載の外科用器具。
3.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、データが外科用器具と取り外し可能な構成要素との間で通信されているかどうか、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信が単方向であるか又は双方向であるか、又は、電力が外科用器具から取り外し可能な構成要素へと伝達されているかどうか、のうちの1つを決定するように更に構成されている、実施形態1に記載の外科用器具。
4.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上に基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されている、実施例1~3のいずれか1項に記載の外科用器具。
5.システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、又は購入レベルのうちの1つ以上を含む、実施例4に記載の外科用器具。
6.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素から外科用器具への一方向データ通信が利用可能であると決定するように構成されている、実施例1~5のいずれか一項に記載の外科用器具。
7.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の双方向通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施例1~5のいずれか一項に記載の外科用器具。
8.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の実時間通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施例7に記載の外科用器具。
9.外科用器具であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
10.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施例9に記載の外科用器具。
11.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信を提供するように構成されていることを決定するように構成されている、実施例9又は10に記載の外科用器具。
12.プロセッサは、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信に適合するソフトウェア及び/又はハードウェアで構成されていることを決定するように構成されている、実施例11に記載の外科用器具。
13.通信アレイを更に備え、通信アレイは、
命令及びデータを取り外し可能な構成要素に通信し、取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成されている、実施例9~12のいずれか一項に記載の外科用器具。
14.プロセッサは、通信アレイを介して取り外し可能な構成要素からデータを受信するように更に構成されており、受信されたデータが、取り外し可能な構成要素によって実行されたセンサ読み取りに関連する、実施例13に記載の外科用器具。
15.プロセッサは、受信したデータを処理して、外科用器具が組織に対して適切に位置付けられているかどうかを決定するように更に構成されている、実施例14に記載の外科用器具。
16.外科用器具であって、
プロセッサを備え、プロセッサは、
外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の実時間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
17.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施例16に記載の外科用器具。
18.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが実時間の双方向通信を提供することに適合するソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて構成されていることを決定するように構成されている、実施例16又は17に記載の外科用器具。
19.通信アレイであって、
通信アレイは、命令及びデータを取り外し可能な構成要素に通信し、取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成された、通信アレイと、
電力通信アレイであって、電力通信アレイが、取り外し可能な構成要素に電力を伝達するように構成された、電力通信アレイと、を更に備える、実施例16~18のいずれか一項に記載の外科用器具。
20.プロセッサは、通信アレイを介して取り外し可能な構成要素から実時間データを受信することと、受信された実時間データを監視することと、受信された実時間データを外科用ハブに通信することと、を行うように更に構成されている、実施例19に記載の外科用器具。
21.外科用器具は外科用ステープラを備え、取り外し可能な構成要素が外科用カートリッジを備え、外科用ステープラが、ハンドルと、シャフトと、ステープルカートリッジを取り外し可能に受容するためにシャフトの遠位端部に取り付けられた細長いチャネルと、外科用ステープルカートリッジと細長いチャネルとの間に位置付けられた通信アレイと、を備え、通信アレイが、外科用ステープルカートリッジに電力を伝達するか又はデータを通信するように構成された連結手段を備える、実施例1~20のいずれか一項に記載の外科用器具。
22.通信アレイは、外科用ステープルカートリッジからのデータを通信するように更に構成されている、実施例21に記載の外科用器具。
23.細長いチャネルは、細長いチャネルの近位端部に近接して位置付けられた第1の感知アレイを備え、任意選択的に、第1の感知アレイから長手方向に変位され、細長いチャネルの遠位端部に近接して位置付けられた第2の感知アレイを更に備える、実施例21又は22に記載の外科用器具。
24.外科用ステープルカートリッジは、カートリッジを外科用ステープラと通信可能に連結するように位置付けられた1つ以上の通信デバイスを備える、実施例21~23のいずれか一項に記載の外科用器具。
25.1つ以上の通信デバイスは、任意選択的にカートリッジのスレッド内に位置付けられた、第1の通信デバイス、任意選択的に無線IDチップ(RFID)、を備え、第1の通信データが、外科用ステープラカートリッジを識別するデータ及び/又はカートリッジの状態を識別するデータを通信するように構成されている、実施例24に記載の外科用器具。
26.1つ以上の通信デバイスは、第2の通信デバイス、任意選択的に第2のRFID、を備え、第1の通信デバイスが、ステープルカートリッジの近位部分に近接して位置付けられ、第2の通信デバイスが、ステープルカートリッジの遠位部分に近接して位置付けられ、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスが、外科用ステープルカートリッジによって検出された測定値に関するデータなどのデータを外科用器具に通信するように構成されており、第1の通信デバイス及び第2の通信デバイスが、外科用ステープラ及び感知アレイからステープルカートリッジに電力を伝達するように更に構成されている、実施例24又は25に記載の外科用器具。
【0259】
上記の実施例は、スマートステープルカートリッジを有するスマート外科用ステープラなどの外科用器具の取り外し可能な構成要素との通信能力を有する外科用器具を提供する。スマート外科用ステープラは、ステープラとカートリッジとの間の通信能力に応じて、スマートステープルカートリッジにデータ及び/又は電力を送達してもよい。外科用器具は、ステープルカートリッジの適切な使用を達成するために外科用ステープラとステープルカートリッジとの間のデータの通信及び/又は電力の伝達を更に制御するために使用され得る、外科用器具の取り外し可能な構成要素、例えばステープラカートリッジとの通信能力を決定することが可能にされる。
【0260】
実施例3により、通信能力は、外科用器具、例えば外科用ステープラが、以下の通信段階であって、外科用ステープルカートリッジとの一方向静的通信、外科用ステープルカートリッジとの双方向通信、外科用ステープルカートリッジとの実時間の双方向通信、及び外科用ハブ又はその他のコンピューティングシステムとの通信、の通信段階のうちの1つ以上を可能にするために、取り付けられた外科用ステープルカートリッジと通信してもよい。この通信能力を検出すると、データ及び/又は電力は、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信を可能にすることができる。実施例9~15は、双方向通信モードにおける通信に対する選択的制御を可能にする。実施例16~19は、実時間の双方向通信モードにおける通信に対する選択的制御を可能にする。
【0261】
実施例4~8により、通信能力は、選択的通信段階に更に対応し得る通信制御パラメータの選択的リストから決定されてもよい。これは、例えば、器具、デバイスに取り付けられた構成要素、デバイスの操作者、デバイスの所有者、又はその他の関連要素に関連するパラメータ又はデータに応じて、ステープラとカートリッジとの間に適切な通信モードが確立されることを可能にする。
【0262】
本開示は、以下の実施形態を提供する。
1.外科用器具であって、外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定することと、を行うように構成されている、プロセッサを備える、外科用器具。
2.外科用器具は外科用ステープラであり、取り外し可能な構成要素が外科用ステープルカートリッジである、実施形態1に記載の外科用器具。
3.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、データが外科用器具と取り外し可能な構成要素との間で通信されているかどうか、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信が単方向であるか又は双方向であるか、又は、電力が外科用器具から取り外し可能な構成要素へと伝達されているかどうか、のうちの1つを決定するように更に構成されている、実施形態1に記載の外科用器具。
4.プロセッサは、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上に基づいて、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されている、実施形態1に記載の外科用器具。
5.システム制御パラメータは、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、又は購入レベルのうちの1つ以上を含む、実施形態4に記載の外科用器具。
6.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素から外科用器具への一方向データ通信が利用可能であると決定するように構成されている、実施形態1に記載の外科用器具。
7.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の双方向通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施形態1に記載の外科用器具。
8.プロセッサは、外科用器具と取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の実時間通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施形態7に記載の外科用器具。
9.外科用器具であって、外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結された取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、プロセッサを備える、外科用器具。
10.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施形態9に記載の外科用器具。
11.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信を提供するように構成されていることを決定するように構成されている、実施形態9に記載の外科用器具。
12.プロセッサは、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信を提供するように構成されていることを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信に適合するソフトウェア及び/又はハードウェアで構成されていることを決定するように構成されている、実施形態11に記載の外科用器具。
13.通信アレイを更に備え、通信アレイは、命令及びデータを取り外し可能な構成要素に通信し、取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成されている、実施形態9に記載の外科用器具。
14.プロセッサは、通信アレイを介して取り外し可能な構成要素からデータを受信するように更に構成されており、受信されたデータが、取り外し可能な構成要素によって実行されたセンサ読み取りに関連する、実施形態13に記載の外科用器具。
15.プロセッサは、受信したデータを処理して、外科用ステープラが組織に対して適切に位置付けられているかどうかを決定するように更に構成されている、実施形態14に記載の外科用器具。
16.外科用器具であって、外科用器具又は外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータに基づいて、取り外し可能な構成要素と外科用器具との間の実時間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、プロセッサを備える、外科用器具。
17.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施形態16に記載の外科用器具。
18.プロセッサは、外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、外科用器具又は取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが実時間の双方向通信を提供することに適合するソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて構成されていることを決定するように構成されている、実施形態16に記載の外科用器具。
19.通信アレイであって、命令及びデータを取り外し可能な構成要素に通信し、取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成された、通信アレイと、電力通信アレイであって、電力通信アレイが、取り外し可能な構成要素に電力を伝達するように構成された、電力伝達アレイと、を更に備える、実施形態16に記載の外科用器具。
20.プロセッサは、通信アレイを介して取り外し可能な構成要素から実時間データを受信することと、受信された実時間データを監視することと、受信された実時間データを外科用ハブに通信することと、を行うように更に構成されている、実施形態19に記載の外科用器具。
【0263】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
前記外科用器具又は前記外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
(2) 前記外科用器具が外科用ステープラであり、前記取り外し可能な構成要素が外科用ステープルカートリッジである、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、データが前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間で通信されているかどうか、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信が単方向であるか若しくは双方向であるか、又は、電力が前記外科用器具から前記取り外し可能な構成要素へと伝達されているかどうか、のうちの1つ以上を決定するように更に構成されている、実施態様1又は2に記載の外科用器具。
(4) 前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、環境パラメータ、干渉、システム能力、又はシステム制御パラメータのうちの1つ以上に基づいて、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されている、実施態様1~3のいずれかに記載の外科用器具。
(5) 前記システム制御パラメータが、ソフトウェアレベル、ソフトウェアの改訂、ソフトウェア信頼性、又は購入レベルのうちの1つ以上を含む、実施態様4に記載の外科用器具。
【0264】
(6) 前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、前記取り外し可能な構成要素から前記外科用器具への一方向データ通信が利用可能であると決定するように構成されている、実施態様1~5のいずれかに記載の外科用器具。
(7) 前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の双方向通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施態様1~5のいずれかに記載の外科用器具。
(8) 前記プロセッサが、前記外科用器具と前記取り外し可能な構成要素との間の通信能力を決定するように構成されており、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の実時間通信が利用可能であることを決定するように構成されている、実施態様7に記載の外科用器具。
(9) 外科用器具であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
前記外科用器具又は前記外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
(10) 前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施態様9に記載の外科用器具。
【0265】
(11) 前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信を提供するように構成されていることを決定するように構成されている、実施態様9又は10に記載の外科用器具。
(12) 前記プロセッサが、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが双方向通信に適合するソフトウェア及び/又はハードウェアで構成されていることを決定するように構成されている、実施態様11に記載の外科用器具。
(13) 通信アレイを更に備え、前記通信アレイが、命令及びデータを前記取り外し可能な構成要素に通信し、前記取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成されている、実施態様9~12のいずれかに記載の外科用器具。
(14) 前記プロセッサが、前記通信アレイを介して前記取り外し可能な構成要素からデータを受信するように更に構成されており、前記受信されたデータが、前記取り外し可能な構成要素によって実行されたセンサ読み取りに関連する、実施態様13に記載の外科用器具。
(15) 前記プロセッサが、前記受信したデータを処理して、前記外科用器具が組織に対して適切に位置付けられているかどうかを決定するように更に構成されている、実施態様14に記載の外科用器具。
【0266】
(16) 外科用器具であって、
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
前記外科用器具又は前記外科用器具と通信可能に連結されている取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定することと、
前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記1つ以上のパラメータに基づいて、前記取り外し可能な構成要素と前記外科用器具との間の実時間の双方向通信が利用可能であると決定することと、を行うように構成されている、外科用器具。
(17) 前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが特定の購入レベル又はサブスクリプションレベルに関連付けられていることを決定するように構成されている、実施態様16に記載の外科用器具。
(18) 前記プロセッサが、前記外科用器具及び取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つに関連付けられた1つ以上のパラメータを決定するように構成されており、前記外科用器具又は前記取り外し可能な構成要素のうちの少なくとも1つが実時間の双方向通信を提供することに適合するソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて構成されていることを決定するように構成されている、実施態様16又は17に記載の外科用器具。
(19) 通信アレイであって、前記通信アレイが、命令及びデータを前記取り外し可能な構成要素に通信し、前記取り外し可能な構成要素からデータを受信するように構成された、通信アレイと、
電力通信アレイであって、前記電力通信アレイが、前記取り外し可能な構成要素に電力を伝達するように構成された、電力通信アレイと、を更に備える、実施態様16~18のいずれかに記載の外科用器具。
(20) 前記プロセッサが、
前記通信アレイを介して前記取り外し可能な構成要素から実時間データを受信することと、
前記受信された実時間データを監視することと、
前記受信された実時間データを外科用ハブに通信することと、を行うように更に構成されている、実施態様19に記載の外科用器具。
【0267】
(21) 前記外科用器具が外科用ステープラを備え、前記取り外し可能な構成要素が外科用カートリッジを備え、前記外科用ステープラが、ハンドルと、シャフトと、前記ステープルカートリッジを取り外し可能に受容するために前記シャフトの遠位端部に取り付けられた細長いチャネルと、前記外科用ステープルカートリッジと前記細長いチャネルとの間に位置付けられた通信アレイと、を備え、前記通信アレイが、前記外科用ステープルカートリッジに電力を伝達するか又はデータを通信するように構成された連結手段を備える、実施態様1~20のいずれかに記載の外科用器具。
(22) 前記通信アレイが、前記外科用ステープルカートリッジからのデータを通信するように更に構成されている、実施態様21に記載の外科用器具。
(23) 前記細長いチャネルが、前記細長いチャネルの近位端部に近接して位置付けられた第1の感知アレイを備え、任意選択的に、前記第1の感知アレイから長手方向に変位され、前記細長いチャネルの遠位端部に近接して位置付けられた第2の感知アレイを更に備える、実施態様21又は22に記載の外科用器具。
(24) 前記外科用ステープルカートリッジが、前記カートリッジを前記外科用ステープラと通信可能に連結するように位置付けられた1つ以上の通信デバイスを備える、実施態様21~23のいずれかに記載の外科用器具。
(25) 前記1つ以上の通信デバイスが、任意選択的に前記カートリッジのスレッド内に位置付けられた、第1の通信デバイス、任意選択的に無線IDチップ(RFID)、を備え、前記第1の通信データが、前記外科用ステープラカートリッジを識別するデータ及び/又は前記カートリッジの状態を識別するデータを通信するように構成されている、実施態様24に記載の外科用器具。
【0268】
(26) 前記1つ以上の通信デバイスが、第2の通信デバイス、任意選択的に第2のRFID、を備え、前記第1の通信デバイスが、前記ステープルカートリッジの近位部分に近接して位置付けられ、前記第2の通信デバイスが、前記ステープルカートリッジの遠位部分に近接して位置付けられ、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスが、前記外科用ステープルカートリッジによって検出された測定値に関するデータなどのデータを前記外科用器具に通信するように構成されており、前記第1の通信デバイス及び前記第2の通信デバイスが、前記外科用ステープラ及び前記感知アレイから前記ステープルカートリッジに電力を伝達するように更に構成されている、実施態様24又は25に記載の外科用器具。
図1
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図37A-37B】
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【国際調査報告】