(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20231016BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
H01L29/78 656B
H01L29/78 652K
H01L29/78 653A
H01L29/78 652D
H01L29/78 652F
H01L29/78 652T
H01L29/78 654Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520213
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-22
(86)【国際出願番号】 US2021052376
(87)【国際公開番号】W WO2022076199
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】クオ-チャン ロバート ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ソリン エス ジョーゼスク
(57)【要約】
調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタが本明細書において説明されている。横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタは横型ゲートとトレンチゲートとの両方を含む。横型ゲートは表面チャネルを調節し、トレンチゲートは制御可能な深さを含む。制御可能な深さは出力静電容量を有益に調節するために変えられ得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型電界効果トランジスタであって、前記縦型電界効果トランジスタが、
基材と、
前記基材上に形成されたドリフト領域と、
少なくとも1つのアクティブセルと、
を備え、
前記少なくとも1つのアクティブセルが、
前記ドリフト領域の伝導率を調節するように構成されたトレンチゲートであって、前記トレンチゲートが、前記少なくとも1つのアクティブセルの出力静電容量を少なくとも部分的に決定するために調節された制御可能な深さをもつ、前記トレンチゲートと、
前記少なくとも1つのアクティブセルの表面チャネルを調節するように構成された横型ゲートと、
を備える、
縦型電界効果トランジスタ。
【請求項2】
前記トレンチゲートが前記ドリフト領域内に延びた、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項3】
前記トレンチゲートが前記基材内に延びた、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのアクティブセルがクローズドセルパターンを含む、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項5】
前記ドリフト領域の前記伝導率を調節するように構成された第2のトレンチゲートを更に備える、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項6】
前記トレンチゲートと前記横型ゲートとが電気的に結合されている、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項7】
トレンチゲート酸化物厚さが横型ゲート酸化物厚さより大きい、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項8】
前記横型ゲートが反転領域を生じさせるように構成された、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項9】
前記トレンチゲートが蓄積領域を生じさせるように構成された、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項10】
前記基材が高濃度にドープされたN型物質を含み、
前記ドリフト領域が低濃度にドープされたN型物質を含む、
請求項1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項11】
前記低濃度にドープされたN型物質が勾配をつけられている、
請求項10に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【請求項12】
基材とアクティブセルの表面との間に積層されたドリフト領域と、
前記表面に拡散されたボディと、
前記ボディ内に拡散されたソースと、
前記ドリフト領域内に延びた、および、前記ドリフト領域の伝導率を調節するように構成された、トレンチゲートであって、前記トレンチゲートが調節可能な深さをもつ、前記トレンチゲートと、
前記表面において前記ボディの上方に位置する、および、前記ソースと前記トレンチゲートとの間において横方向に延びた、横型ゲートと、
を備える、電界効果トランジスタ。
【請求項13】
前記横型ゲートと前記トレンチゲートとが電気的に結合されている、
請求項12に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項14】
前記調節可能な深さが、前記調節可能な深さの関数として前記アクティブセルの出力静電容量を変えるように構成された、
請求項12に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項15】
前記トレンチゲートが前記基材内に延びている、
請求項12に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項16】
前記電界効果トランジスタがNチャネル電界効果トランジスタである、
請求項12に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項17】
前記電界効果トランジスタがPチャネル電界効果トランジスタである、
請求項12に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項18】
前記電界効果トランジスタがシリコン電界効果トランジスタである、
請求項12に記載の電界効果トランジスタ。
【請求項19】
カスコードデバイスであって、前記カスコードデバイスが、
高電圧デプレッション型デバイスと、
前記高電圧デプレッション型デバイスに電気的にカスコード結合された低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタと、
を備え、
前記低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタが、
制御可能な深さをもつ少なくとも1つのトレンチゲートであって、前記制御可能な深さが前記低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタの出力静電容量を調節するために変えられる、前記少なくとも1つのトレンチゲートと、
前記低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタの表面チャネルを調節するように構成された少なくとも1つの横型ゲートと、
を備える、
カスコードデバイス。
【請求項20】
前記高電圧デプレッション型デバイスが窒化ガリウム高電子移動度トランジスタである、
請求項19に記載のカスコードデバイス。
【請求項21】
前記高電圧デプレッション型デバイスが炭化ケイ素電界効果トランジスタである、
請求項19に記載のカスコードデバイス。
【請求項22】
前記高電圧デプレッション型デバイスが炭化ケイ素接合型電界効果トランジスタである、
請求項19に記載のカスコードデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2020年10月5日に出願された米国仮特許出願第63/087,433号の利益を主張し、同出願は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して縦型電界効果トランジスタに関し、特に、トレンチを含む縦型電界効果トランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
電界効果トランジスタはチャネルを通る多数キャリアの流れ、すなわち多数キャリア電流を可能にする。チャネルの伝導率はゲートバイアスにより調節される。順バイアス状態のもとで、チャネルは電流を伝導し、逆バイアス状態のもとで、チャネルは電流を遮断する。横型電界効果トランジスタでは、チャネルは表面に形成され、電流は横方向に流れる。
【0004】
縦型トレンチゲート電界効果トランジスタでは、活性領域内にトレンチをエッチングすることにより電界効果トランジスタにトレンチゲートが製造される。ゲートチャネル領域は、縦方向に電流をゲーティングするためにトレンチの壁に沿って縦方向に形成される。ゲートチャネルは、逆バイアス印加ゲート電位のもとでは電流を遮断し、順バイアス印加ゲート電位のもとでは電流を促進する。縦型トレンチゲートの利点は、縦方向への電流の閉じ込め(confinement)である。
【0005】
電界効果トランジスタは、入力静電容量、出力静電容量、および逆伝達静電容量(reverse transfer capacitance)により特徴付けられ得る。入力静電容量はゲート対ドレイン静電容量およびゲート対ソース静電容量により決定される。出力静電容量はドレイン対ソース静電容量およびゲート対ドレイン静電容量により決定され、逆伝達静電容量はゲート対ドレイン静電容量により決定される。
【発明の概要】
【0006】
調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの非限定的かつ非網羅的な実施形態が以下の図を参照しながら説明され、異なる図の中の同様の参照符号は別段の指定がない限り同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本明細書における教示による調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタを備えるカスコードデバイスの概略図を示す。
【
図2】
図2は、実施形態による調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタのアクティブセルの断面を示す。
【
図3】
図3は、
図2の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの実施形態による部分的ストライプセルレイアウトの平面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、
図2の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの実施形態によるクローズドセルレイアウトの平面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aのクローズドセルレイアウトのセル配置パターンを示す平面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、
図2の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの別の実施形態によるクローズドセルレイアウトの平面図を示す。
【
図5B】
図5Bは、
図5Aのクローズドセルレイアウトのセル配置パターンを示す平面図を示す。
【
図6】
図6は、別の実施形態による調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタのアクティブセルの断面を示す。
【
図7A】
図7Aは、
図6の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの実施形態によるクローズドセルレイアウトの平面図を示す。
【
図7B】
図7Bは、
図7Aのクローズドセルレイアウトのセル配置パターンを示す平面図を示す。
【
図7C】
図7Cは、
図6の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの実施形態による部分的ストライプセルレイアウトの平面図を示す。
【
図8】
図8は、実施形態による横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタのシミュレーションによるアクティブセルを示す。
【
図9】
図9は、
図8の実施形態のシミュレーション結果を示す。
【
図10A】
図10Aは、第1の実施形態によるシミュレーションによるアクティブセルを示す。
【
図10B】
図10Bは、第2の実施形態によるシミュレーションによるアクティブセルを示す。
【
図10C】
図10Cは、第3の実施形態によるシミュレーションによるアクティブセルを示す。
【
図11】
図11は、トレンチ深さ実施形態によるシミュレーションによる逆回復特性対時間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が対応するコンポーネントを示す。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれているとは限らないことを理解する。例えば、図中の要素および層のうちの幾つかの寸法は、本明細書における教示の様々な実施形態をより理解しやすくするために他の要素より誇張される場合がある。更に、市販に適した実施形態において有用なまたは必要な、一般的だが良く理解される要素、層、および/または工程ステップは多くの場合、調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタのこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように図示されていない。
【0009】
以下の説明では、調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの十分な理解を提供するために多くの具体的な詳細事項が記載される。しかし、本明細書における教示を実施するために特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが当業者に明らかである。他の例において、本開示を不明瞭にしないために、よく知られた材料または方法は詳細には説明されていない。
【0010】
本明細書中での、「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例と関連して説明される特定の特徴、構造物、方法、処理、および/または特徴が、調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」といった表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関連するとは限らない。更に、特定の特徴、構造物、方法、工程、および/または特徴が、1つまたは複数の実施形態または例において任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされてもよい。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていること、および図面が一定の縮尺で描かれているとは限らないことが理解される。
【0011】
本出願の文脈では、電界効果トランジスタを包含するトランジスタが「オフ状態」または「オフ」であるとき、トランジスタは電流を遮断し、および/または実質的に電流を流さない。逆に、トランジスタが「オン状態」または「オン」であるとき、トランジスタは実質的に電流を流すことができる。更に、本開示の目的において、「グランド」または「グランド電位」は基準電圧または基準電位を表し、この基準電圧または基準電位に対して、電子回路、デバイス、または集積回路(IC:Integrated circuit)の全ての他の電圧または電位が規定され、または測定される。
【0012】
電界効果トランジスタは、電界効果トランジスタが動作し得る、および電流を遮断し得る最大電圧により更にカテゴリ分けされ得る。例えば、(例えば何百ボルトもの)高電圧で遮断するように、および/または動作するように設計された電界効果トランジスタは、高電圧電界効果トランジスタと分類され得るのに対し、低電圧(例えば30ボルトから50ボルト)で遮蔽するように、および/または動作するように設計された電界効果トランジスタは、低電圧電界効果トランジスタとして分類され得る。
【0013】
更に、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)は、エンハンスメント型またはデプレッション型であり得る。エンハンスメント型デバイスは、ゲートバイアスが印加されていないとき(すなわちゲート対ソースバイアスがゼロであるとき)に電流を遮断する(すなわちオフである)トランジスタ(例えば電界効果トランジスタ)を表し得る。対照的に、デプレッション型デバイスは、ゲート対ソースバイアスがゼロであるときに電流を通す(すなわちオンである)トランジスタを表し得る。
【0014】
更に、本出願の文脈では、電界効果トランジスタは、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal oxide semiconductor field effect transistor)として実現され得る。低電圧MOSFETを包含する電界効果トランジスタおよびMOSFETは、高電圧カスコードデバイスを生成するために高電圧デプレッション型窒化ガリウム(GaN)または炭化ケイ素(SiC)デバイスと組み合わされ得る。例えば、高電圧カスコードデバイスは、低電圧エンハンスメント型MOSFETとカスコードされた高電圧デプレッション型GaN高電子移動度トランジスタ(HEMT:high-electron mobility transistor)を備え得る。
【0015】
ディスクリート型高電圧電界効果トランジスタに比べて、高電圧カスコードデバイスは、改善された逆回復特性を有益にもち得る。例えば、低電圧エンハンスメント型電界効果トランジスタおよび/またはMOSFETを含むカスコードデバイスは、低電圧MOSFET(すなわち低電圧電界効果トランジスタ)におけるボディダイオードに役立つ。低電圧MOSFETのボディダイオードは、1つのディスクリート型高電圧電界効果トランジスタからであれば実現不可能な、超低逆回復チャージQrrおよび優れた逆回復特性に役立ち得る。
【0016】
更に、高電圧カスコードデバイスの低電圧電界効果トランジスタにおいて、オン抵抗Rdsonを小さくすること、および出力静電容量Cossを制御することが望ましい。例えば、低電圧電界効果トランジスタのオン抵抗を小さくすることは、高電圧カスコードデバイスの総オン状態特性を改善する。
【0017】
更に、出力静電容量Cossの制御をすることは、スイッチングパフォーマンスを向上させ得る。例えば、出力静電容量Cossは、高電圧デプレッション型GaNまたはSiCデバイスのドレイン対ソース静電容量Cdsと一緒にスイッチングに影響を与える。出力静電容量Cossの制御をすることは、高電圧カスコードデバイスのソースにおける電圧偏位の制御に有益に役立ち得る。
【0018】
現代の高電圧カスコードデバイスは、横型低電圧エンハンスメント型電界効果トランジスタを使用する。残念ながら、横型低電圧エンハンスメント型電界効果トランジスタは典型的には、非スケーリングバックエンド金属抵抗に起因して金属制限される。例えば、典型的な横型低電圧エンハンスメント型電界効果トランジスタは、金属抵抗に起因して約15ミリオーム(15mohm)の最小オン抵抗に制限され得る。
【0019】
更に、横型低電圧エンハンスメント型電界効果トランジスタは、出力静電容量Cossの制御を可能にしない。したがって、より低いオン抵抗、および出力静電容量Cossの制御に役立つ改善された低電圧エンハンスメント型電界効果トランジスタが必要とされる。
【0020】
調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタが本明細書において説明されている。横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタは横型ゲートとトレンチゲートとの両方を含む。横型ゲートは表面チャネルを調節し、トレンチゲートは制御可能な深さを含む。制御可能な深さは、出力静電容量を有益に調節するために変えられ得る。
【0021】
図1は、本明細書における教示による調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102を備えるカスコードデバイス100の概略図を示す。カスコードデバイス100は高電圧デバイス101を更に備える。高電圧デバイス101は、デプレッション型窒化ガリウム高電子移動度トランジスタであり得る。代替的に、高電圧デバイス101は、デプレッション型炭化ケイ素電界効果トランジスタまたは炭化ケイ素接合型電界効果トランジスタであり得る。
【0022】
上述のように、高電圧カスコードデバイス100の利点は、横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102のボディダイオードにより提供される低または超低逆回復チャージQrrおよび優れた逆回復特性を含み得る。更に本明細書において説明されているように、別の重要なパラメータは横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102の出力静電容量Cossである。出力静電容量Cossは高電圧デバイス101のドレイン対ソース静電容量Cdsと一緒に、スイッチング中に高電圧デバイス101のソース電圧がどれほど高く上昇するかを決定し得る。
【0023】
本明細書における教示によると、横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102は、横型低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタ(MOSFET)に比べて、より良いオン抵抗Rdsonに役立ち得る。例えば、オン抵抗Rdsonは、15ミリオーム(15mohm)未満であり得る。他の用途ではオン抵抗Rdsonは、10ミリオーム(10mohm)未満であり得る。
【0024】
図2は、実施形態による調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102のアクティブセル200の断面を示す。アクティブセル200は、高濃度にドープされたN型(N+)基材222、N型エピタキシャル(N-EPI)層220、P型ボディ(PBODY)拡散部206、高濃度にドープされたP型(P+)ボディ接点拡散部202、および高濃度にドープされたN型(N+)ソース拡散部204を含む。N-EPI層220は、基材222に段階的なまたは一定のドーピング分布で成長させられ得る。
【0025】
アクティブセル200は、N-EPI層220を通ってN+基材222内に延びたトレンチ211a~bを含む。トレンチ211aは酸化物214aとトレンチゲート212aとを含み、トレンチ211bは酸化物214bとトレンチゲート212bとを含む。更に、酸化物214a~bは厚さtox2をもち得、トレンチゲート212a~bはN-EPI層220を通って深さdぶん延び得る。アクティブセル200の実施形態によると、トレンチ211a~bはN-EPI層220を通ってN+基材222内に深さdぶん延びている。
【0026】
アクティブセル200は、厚さtox1の表面ゲート酸化物210上に位置する横型ゲート208を更に含む。横型ゲート208は表面ゲート酸化物210上で横方向に延びており、界面216におけるフィールド制御に役立つ。実施形態によると、横型ゲート208およびトレンチゲート212a~bは多結晶シリコン(例えばN型多結晶シリコン)を含み得る。別の実施形態では、ゲート酸化物210および酸化物214a~bは、同じ材料のものおよび同じ厚さのものであり得る(すなわち、厚さtox1は厚さtox2に等しいか、または実質的に等しいものであり得る)。
【0027】
ゲート電圧は、N型ソース拡散部204とN-EPI層220との間の界面216に形成されるチャネル(すなわち表面チャネル)を調節するために横型ゲート208に印加され得る。本明細書における教示によると、アクティブセル200は、エンハンスメント型として動作する横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102におけるアクティブセルであり得る。したがって、エンハンスメント閾値より高いゲート対ソース電圧(例えば正の2ボルト)に対して、界面216におけるチャネルに沿って電流が流れ得、逆に、エンハンスメント閾値未満のゲート対ソース電圧に対して、電流が遮断され得る。
【0028】
半導体デバイス物理学によると、横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102のドレインは、N-EPI層220とN+基材222とを備え得る。N-EPI層220およびN+基材222における電流の流れは縦方向であり得る。更に、横型ゲート208に印加される電圧がトレンチゲート212a~bに印加される電圧に実質的に等しくなるように、トレンチ211a~bは横型ゲート208に電気的に結合され得る。この手法により、トレンチ界面218a~bにおける伝導率調節を実現することにより、オン抵抗Rdsonの改善が実現され得る。例えば、正のゲート電位がトレンチゲート212a~bに印加されたとき、低抵抗蓄積領域がトレンチ界面218a~bに沿って形成され得る。
【0029】
更に半導体デバイス物理学およびデバイス設計によると、アクティブセル200は、低電圧のために(すなわち低ドレイン対ソース電圧のために)設計され得る。例えば、典型的な最大ドレイン対ソース電圧は、40ボルトであり得る。幾つかの用途では、ドレイン対ソースの最大絶縁破壊電圧は、50ボルトから60ボルトであり得る。
【0030】
図3は、横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102の実施形態による部分的ストライプセルレイアウト300の平面図を示す。部分的ストライプセルレイアウト300はN-EPI層220に対して描かれたトレンチ211a~bとPBODY拡散部206とを含む。参考のために、点Xから点Yまでを描写した断面は、
図2に示されているアクティブセル200の断面に対応し得る。図示されているように、トレンチ211a~bはPBODY拡散部206とともに距離LSにわたって全域に延びており、トレンチ211aは幅Wをもち得る。幾つかの実施形態では、幅Wは300ナノメートル(300nm)から1.2マイクロメートル(1.2um)の間であり得る。例えば1つの実施形態において幅Wは750ナノメートル(750nm)であり得る。
【0031】
図4Aは、横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102の実施形態によるクローズドセルレイアウト400の平面図を示す。クローズドセルレイアウト400はN-EPI層220に対して描かれたトレンチ211a~bとPBODY拡散部206とを含む。参考のために、点Xから点Yまでを描写した断面が、
図2に示されているアクティブセル200の断面に対応し得る。図示されているように、トレンチ211aは、幅W(例えば300nmから1.2umの間の幅W)をもち得る。
【0032】
図4Bは、
図4Aのクローズドセルレイアウト400のセル配置パターン450を示す平面図を示す。セル配置パターン450はセルレイアウト400を複製したクローズドセルレイアウトインスタンス400a~fを含む。楕円460および462により示されるように、6つのインスタンス400a~fより多く存在してもよい。当業者が理解し得るように、最大の指定されたドレイン・ソース電流および/または最大の指定されたオン抵抗Rdsonに少なくとも部分的に基づいて、6つのインスタンス400a~fより多くまたは少なく存在してもよい。
【0033】
図5Aは、
図2の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの別の実施形態によるクローズドセルレイアウト500の平面図を示す。クローズドセルレイアウト400の場合と異なり、クローズドセルレイアウト500では、PBODY220およびトレンチ211bがトレンチ211aの周囲に形成される。完全を期すために、幅Wがトレンチ211aに対して描かれており、点Xと点Yとの間を描写した断面はトレンチ211aの中点から描かれている。
【0034】
図5Bは、
図5Aのクローズドセルレイアウト500のセル配置パターン550を示す平面図を示す。セル配置パターン550はセルレイアウト500を複製したクローズドセルレイアウトインスタンス500a~fを含む。楕円560および562により示されるように、6つのインスタンス500a~fより多く存在してもよい。当業者が理解し得るように、最大の指定されたドレイン・ソース電流および/または最大の指定されたオン抵抗Rdsonに少なくとも部分的に基づいて、6つのインスタンス500a~fより多くまたは少なく存在してもよい。
【0035】
図6は、別の実施形態による横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102のアクティブセル600の断面を示す。アクティブセル600がトレンチ211bを含まないことを除いて、アクティブセル600はアクティブセル200と同様である。
【0036】
図7Aは、
図6の横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの実施形態によるクローズドセルレイアウト700の平面図を示す。クローズドセルレイアウト400は、N-EPI層220に対して描かれた幅Wのトレンチ211aおよびPBODY拡散部206を含む。参考のために、点Zから点Yまでを描写した断面は、アクティブセル600の断面に対応し得る。
【0037】
図7Bは、クローズドセルレイアウト700のセル配置パターン750を示す平面図を示す。セル配置パターン750はセルレイアウト700を複製したクローズドセルレイアウトインスタンス700a~fを含む。楕円770および762により示されるように、6つのインスタンス700a~fより多く存在してもよい。当業者が理解し得るように、最大の指定されたドレイン・ソース電流および/または最大の指定されたオン抵抗Rdsonに少なくとも部分的に基づいて、6つのインスタンス700a~fより多くまたは少なく存在してもよい。
【0038】
図7Cは、横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102の実施形態による部分的ストライプセルレイアウト770の平面図を示す。部分的ストライプセルレイアウト770は、N-EPI層220に対して描かれたトレンチ211a~bとPBODY拡散部206とを含む。参考のために、点Zから点Yまでを描写した断面は、
図6に示されているアクティブセル600の断面に対応し得る。図示されているように、トレンチ211a~bはPBODY拡散部206とともに距離LSにわたって全域に延びており、トレンチ211aは幅Wをもち得る。幾つかの実施形態では、幅Wは300ナノメートル(300nm)から1.2マイクロメートル(1.2um)の間であり得る。例えば、1つの実施形態において、幅Wは750ナノメートル(750nm)であり得る。
【0039】
図8は、実施形態による横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタのシミュレーションによるアクティブセル200を示す。シミュレーションによるアクティブセル200は表面多結晶シリコンゲート(例えば横型ゲート208および厚さtox1のゲート酸化物210)を備える。ゲート酸化物厚さ(すなわち厚さtox1)は、100オングストロームから250オングストロームの間の値(例えば140オングストローム)をもち得、酸化物214a~bの酸化物厚さtox2は、0.2マイクロメートルから0.3マイクロメートルの間であり得る。アクティブセル200は40ボルト動作(すなわち、40ボルトの最大ドレイン対ソース電圧)のために構成され得る。
【0040】
図9は、
図8の実施形態のシミュレーション結果900を示す。シミュレーション結果900は、ボルト(V)で表された印加されたゲート対ソース電圧の関数として、アンペア毎マイクロメートル(A/um)で表された総ドレイン電流のプロット910および912を含む。更に、シミュレーションによるドレイン対ソース電圧が一定であり得るのに対し、ゲート対ソース電圧は変えられる。
【0041】
プロット910は、ゲート対ソース電圧が横型ゲート208とトレンチゲート212a~bとの両方に印加されるように、横型ゲート208およびトレンチゲート212a~bが電気的に結合された実施形態に対応する。プロット912は、トレンチゲート212a~bが印加されたゲート対ソース電圧に依存しないグランド(すなわち0ボルト)に等しいまたは実質的に等しい一定の電位をもつ実施形態に対応する。
【0042】
シミュレーション結果900に示されるように、プロット910の実施形態は、プロット912の実施形態に比べて多くの電流を提供し得る。代替的に、および追加的に、プロット910は改善されたオン抵抗Rdsonを示し得る。例えば、プロット910および912の比較は、横型ゲート208がトレンチゲート212a~bに電気的に結合されたときの、約30パーセントのシミュレーションによるオン抵抗Rdsonの改善(すなわち低減)を示し得る。
【0043】
図10Aは、第1の実施形態によるシミュレーションによるアクティブセル200を示す。第1の実施形態は、トレンチゲート212a~bがN-EPI層220内に1.5マイクロメートル(1.5um)の深さdぶん延びた、アクティブセル200に対応し得る。
【0044】
図10Bは、第2の実施形態によるシミュレーションによるアクティブセル200を示す。第2の実施形態は、トレンチゲート212a~bがN-EPI層220内にN+基材222まで3マイクロメートル(3um)の深さdぶん延びた、アクティブセル200に対応し得る。
【0045】
図10Cは、第3の実施形態によるシミュレーションによるアクティブセルを示す。第3の実施形態は、トレンチゲート212a~bがN-EPI層220内に、および更にN+基材222内に5マイクロメートル(5um)の深さdぶん延びた、アクティブセル200に対応し得る。
【0046】
図10Dは、
図10A~
図10Cの実施形態によるシミュレーションによる出力静電容量Coss対ドレイン電圧Vdを示す。プロット1064、1062、および1060は、それぞれ、
図10A、
図10B、および
図10Cの第1の実施形態、第2の実施形態、および第3の実施形態に対応し得る。プロット1060、1062、および1064は、深さdを変えることによりファラッド毎マイクロメートル(F/um)で表された出力静電容量Cossが調節され得ることを示す。例えば、ドレイン電圧Vdが10ボルトであるとき、出力静電容量Cossは、5マイクロメートルに等しくなるように深さdを変化させることにより、約1.0E-15ファラッド毎マイクロメートルに調節され得る。代替的に、Cossは、1.5マイクロメートルに等しくなるように深さdを変化させることにより、5.0E-16ファラッド毎マイクロメートルよりはるかに小さく調節され得る。
【0047】
完全を期すために
図10Dは、横型電界効果トランジスタおよび縦型電界効果トランジスタにそれぞれ対応したプロット1070および1072を更に含む。
【0048】
図11は、
図10A~
図10Cの実施形態による電流対時間のシミュレーションによる逆回復特性を示す。プロット1162、1164、および1166は、それぞれ、
図10A、
図10B、および
図10Cの第1の実施形態、第2の実施形態、および第3の実施形態に対応し得る。
【0049】
完全を期すために、
図11は縦型電界効果トランジスタおよび横型電界効果トランジスタにそれぞれ対応したプロット1160および1168を更に含む。
【0050】
要約で説明される事項を含む本開示の示される例の上述の説明は、網羅的であることを意図したものではなく、開示される形態そのものへの限定であることを意図したものでもない。調節可能な出力静電容量をもつ横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタの特定の実施形態が本明細書において例示を目的として説明されるが、本開示のより広い趣旨および範囲から逸脱せずに様々な同等な変更が可能である。実際、特定の例示的なデバイス断面が説明のために提示されていること、および、本明細書の教示により他の実施形態、物質、Nチャネル工程とPチャネル工程との両方が使用されてもよいことが理解される。
【0051】
一態様において、縦型電界効果トランジスタ(例えば横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102)は、基材(例えばN+基材222)、ドリフト領域(例えばN-EPI層220)、少なくとも1つのアクティブセル(例えば少なくとも1つのアクティブセル200および/または600)を備える。ドリフト領域は、N-EPI層220であり得る。N-EPI層220は、基材(例えばN+基材222)上に形成されている。
【0052】
少なくとも1つのアクティブセルは、トレンチゲート(例えばトレンチゲート212aおよび/またはトレンチゲート212b)および横型ゲート(例えば横型ゲート208)を備える。トレンチゲートは、ドリフト領域の伝導率を調節するように構成される。例えば、トレンチゲート212aは、トレンチ界面218aにおけるN-EPI層220の伝導率を調節し得る。トレンチゲートは、出力静電容量を少なくとも部分的に決定するために調節され得る制御可能な深さ(例えば深さd)をもつ(例えば
図10A~
図10Dを参照されたい)。横型ゲート208は、表面チャネル(すなわちPBODY拡散部206における界面216に形成された表面チャネル)を調節するように構成される。
【0053】
図10A~
図10Cに関連して説明されているように、トレンチゲートは、ドリフト領域内に(すなわちN-EPI層220内に)延び得る。例えば、深さdは、
図10Aに示されているように1.5マイクロメートルであり得、および/または、
図10Cに示されているように5マイクロメートルであり得る。更に、トレンチゲートは、少なくとも
図10Cに示されるように基材(すなわちN+基材222)内に更に延び得る。
【0054】
少なくとも1つのアクティブセルは、クローズドセルパターン(例えばクローズドセルレイアウト400、500、700のうちの任意の1つ)を備え得る。縦型電界効果トランジスタは、第2のトレンチゲート212bを備え得る。第2のトレンチゲートは、トレンチ界面218bにおけるドリフト領域(N-EPI層220)の伝導率を更に調節し得る。
【0055】
トレンチゲートと横型ゲートとは電気的に結合され得る。
【0056】
トレンチゲート酸化物厚さ(すなわち酸化物厚さtox2)は、横型ゲート酸化物厚さ(すなわちゲート酸化物厚さtox1)より大きいものであり得る。
【0057】
横型ゲートは、界面216に形成された表面チャネルに反転領域を生じさせるように構成され得る。トレンチゲートは、N-EPI層220に蓄積領域を生じさせるように構成され得る。
【0058】
基材(すなわちN+基材222)は、高濃度にドープされたN型物質を含み得る。ドリフト領域(すなわちN-EPI層220)は、低濃度にドープされたN型物質を含み得る。低濃度にドープされたN型物質は勾配をつけられ得る。N-EPI層220は勾配のあるドーピング分布をもち得る。
【0059】
別の一態様において、電界効果トランジスタ(すなわち横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102)は、ドリフト領域(例えばN-EPI層220)、ボディ(例えばPBODY拡散部206)、ソース(例えばN型ソース拡散部204)、トレンチゲート212a、横型ゲート208を備える。ドリフト領域(すなわちN-EPI層220)は、基材(例えばN+基材222)とアクティブセルの表面(例えばアクティブセル200、600の表面)との間に積層される。ボディは表面に拡散されたものである。ソースはボディ内に拡散されたものである。トレンチゲートはドリフト領域内に延びており、ドリフト領域の伝導率を調節するように構成されている。トレンチゲートは調節可能な深さdをもつ。横型ゲートは表面におけるボディの上方に位置し、ソースとトレンチゲート212aとの間において横方向に延びている。
【0060】
調節可能な深さdは、深さdの関数として出力静電容量Cossを変えるように構成され得る(例えばプロット1060、1062、1064)。
【0061】
電界効果トランジスタ(すなわち横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102)は、Nチャネル電界効果トランジスタであり得る。当業者が理解し得るように、本概念は相補的なPチャネル工程に適用され得、電界効果トランジスタは、代替的に、Pチャネル電界効果トランジスタであり得る。電界効果トランジスタは、シリコン電界効果トランジスタであり得る。
【0062】
別の態様において、カスコードデバイス100は、高電圧デプレッション型デバイス(すなわち高電圧デバイス101)および低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタ(すなわち横型表面ゲート縦型電界効果トランジスタ102)を備える。低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタは、高電圧デプレッション型デバイスと電気的にカスコード結合される。低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタは、少なくとも1つのトレンチゲート212aと少なくとも1つの横型ゲート208とを備える。少なくとも1つのトレンチゲートは制御可能な深さ(すなわち深さd)をもつ。深さdは、出力静電容量Cossを調節するために変えられる。少なくとも1つの横型ゲートは界面216に形成された表面チャネルを調節するように構成されている。
【0063】
高電圧デプレッション型デバイスは、窒化ガリウム高電子移動度トランジスタであり得る。高電圧デプレッション型デバイスは、炭化ケイ素電界効果トランジスタであり得る。高電圧デプレッション型デバイスは、炭化ケイ素接合型電界効果トランジスタであり得る。
【0064】
本発明は請求項において規定されるが、本発明が代替的に以下の例により規定され得ることが理解されなければならない。
【0065】
例1.基材と、基材上に形成されたドリフト領域と、少なくとも1つのアクティブセルとを備える、縦型電界効果トランジスタ。少なくとも1つのアクティブセルは、トレンチゲートと横型ゲートとを備える。トレンチゲートは、ドリフト領域の伝導率を調節するように構成され、トレンチゲートは、少なくとも1つのアクティブセルの出力静電容量を少なくとも部分的に決定するために調節された制御可能な深さをもつ。横型ゲートは、少なくとも1つのアクティブセルの表面チャネルを調節するように構成されている。
【0066】
例2.トレンチゲートがドリフト領域内に延びた、例1に記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0067】
例3.トレンチゲートが基材内に延びた、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0068】
例4.少なくとも1つのアクティブセルがクローズドセルパターンを備える、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0069】
例5.ドリフト領域の伝導率を調節するように構成された第2のトレンチゲートを更に備える、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0070】
例6.トレンチゲートと横型ゲートとが電気的に結合された、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0071】
例7.トレンチゲート酸化物厚さが横型ゲート酸化物厚さより大きい、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0072】
例8.横型ゲートが反転領域を生じさせるように構成された、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0073】
例9.トレンチゲートが蓄積領域を生じさせるように構成された、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0074】
例10.基材が高濃度にドープされたN型物質を含み、ドリフト領域が低濃度にドープされたN型物質を含む、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0075】
例11.低濃度にドープされたN型物質が勾配をつけられている、前述の例のうちのいずれか1つに記載の縦型電界効果トランジスタ。
【0076】
例12.基材とアクティブセルの表面との間に積層されたドリフト領域と、表面に拡散されたボディと、ボディ内に拡散されたソースと、ドリフト領域内に延びたトレンチゲートと、表面においてボディの上方に位置する、およびソースとトレンチゲートとの間において横方向に延びた横型ゲートとを備える、電界効果トランジスタ。トレンチゲートが、ドリフト領域の伝導率を調節するように構成されており、トレンチゲートが、調節可能な深さをもつ。
【0077】
例13.横型ゲートとトレンチゲートとが電気的に結合された、前述の例のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
【0078】
例14.調節可能な深さが、調節可能な深さの関数としてアクティブセルの出力静電容量を変えるように構成された、前述の例のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
【0079】
例15.トレンチゲートが基材内に延びた、前述の例のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
【0080】
例16.電界効果トランジスタがNチャネル電界効果トランジスタである、前述の例のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
【0081】
例17.電界効果トランジスタがPチャネル電界効果トランジスタである、前述の例のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
【0082】
例18.電界効果トランジスタがシリコン電界効果トランジスタである、前述の例のうちのいずれか1つに記載の電界効果トランジスタ。
【0083】
例19.高電圧デプレッション型デバイスと、高電圧デプレッション型デバイスに電気的にカスコード結合された低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタとを備える、カスコードデバイス。低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタが、少なくとも1つのトレンチゲートと少なくとも1つの横型ゲートとを備える。少なくとも1つのトレンチゲートが、低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタの出力静電容量を調節するために変えられた制御可能な深さをもつ。少なくとも1つの横型ゲートが、低電圧金属-酸化物電界効果トランジスタの表面チャネルを調節するように構成される。
【0084】
例20.高電圧デプレッション型デバイスが窒化ガリウム高電子移動度トランジスタである、前述の例のうちのいずれか1つに記載のカスコードデバイス。
【0085】
例21.高電圧デプレッション型デバイスが炭化ケイ素電界効果トランジスタである、前述の例のうちのいずれか1つに記載のカスコードデバイス。
【0086】
例22.高電圧デプレッション型デバイスが炭化ケイ素接合型電界効果トランジスタである、前述の例のうちのいずれか1つに記載のカスコードデバイス。
【国際調査報告】