(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール及びそれを含むエネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6555 20140101AFI20231016BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231016BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20231016BHJP
H01M 10/6568 20140101ALI20231016BHJP
【FI】
H01M10/6555
H01M10/613
H01M10/6556
H01M10/6568
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520232
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 KR2022004896
(87)【国際公開番号】W WO2022216016
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0044323
(32)【優先日】2021-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】サン-ヒュン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-ボム・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン-ヘ・ク
(72)【発明者】
【氏名】ハン-キ・ユン
(72)【発明者】
【氏名】ユ-ダム・コン
(72)【発明者】
【氏名】ジン-キュ・シン
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031KK08
(57)【要約】
本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、冷却液流路を備える冷却部材、及び前記冷却部材の両面上に配置される複数のバッテリーセルを含むサブモジュールが複数積層されて形成されるサブモジュール積層体と、前記サブモジュール積層体の一側及び他側に結合されて前記複数のバッテリーセルを電気的に接続する一対のバスバーフレームアセンブリと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却液流路を備える冷却部材、及び前記冷却部材の両面上に配置される複数のバッテリーセルを含むサブモジュールが複数積層されて形成されるサブモジュール積層体と、
前記サブモジュール積層体の一側及び他側に結合されて前記複数のバッテリーセルを電気的に接続する一対のバスバーフレームアセンブリと、を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記複数のバッテリーセルに備えられる一対の電極リードは、前記冷却部材の幅方向に沿って互いに反対方向にそれぞれ延長され、
前記複数のバッテリーセルは、前記冷却部材の両面上において前記冷却部材の長手方向に沿って配置されている、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記冷却液流路は、
前記冷却部材の長手方向の一側と他側との間を往復しながら前記冷却部材の幅方向の一側から他側まで延長される、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記冷却部材は、
第1流路溝を備える第1流路プレートと、
前記第1流路溝と結合されて前記冷却液流路を形成する第2流路溝を備える第2流路プレートと、を含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記第1流路プレート及び第2流路プレートは、樹脂材質からなり、
前記第1流路プレートと第2流路プレートとの接合界面には、超音波融着部が形成されている、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記第1流路プレートは、
前記第1流路溝の両側にそれぞれ形成される超音波融着ベースを備える、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記第2流路プレートは、
前記第2流路溝の両側にそれぞれ形成される少なくとも一つの超音波融着リブを備える、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記超音波融着リブは複数備えられ、
複数の前記超音波融着リブは互いに離隔して配置されている、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記第1流路溝の深さは、前記第1流路プレートの厚さの1/2~1/5である、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記第2流路溝の深さは、前記第2流路プレートの厚さの1/2~1/5である、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記一対のバスバーフレームアセンブリは、
前記冷却部材を介在して互いに対面する一対のバッテリーセルを並列に接続し、前記冷却部材の長手方向に沿って隣接するバッテリーセルを直列に接続し、互いに隣接したサブモジュールを直列に接続している、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記バッテリーモジュールは、
前記サブモジュール積層体の下面を覆うベースプレートと、
前記サブモジュール積層体の上面を覆うトッププレートと、
前記ベースプレート及びトッププレートがモジュール積層体を押し付けるように、前記バッテリーモジュールの周りを包み囲む複数のストラップと、をさらに含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記バッテリーモジュールは、
前記冷却液流路と連結されるモジュールインレット及びモジュールアウトレットをさらに含み、
前記モジュールインレット及びモジュールアウトレットは、前記バッテリーモジュールの同一面上に備えられる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記バッテリーモジュールは、
前記サブモジュール積層体と電気的に接続される第1モジュール端子及び第2モジュール端子をさらに含み、
前記第1モジュール端子及び第2モジュール端子は、前記バッテリーモジュールの同一面上に備えられる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む、エネルギー貯蔵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール及びそれを含むESS(Energy Storage System、エネルギー貯蔵システム)に関し、より具体的には、バッテリーモジュールの全体領域にわたって温度のバラツキを最小化できる構造を有するバッテリーモジュール及びそれを含むESSに関する。
【0002】
本出願は、2021年4月5日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0044323号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
一般に、ESSに適用される従来の水冷システムには、アルミニウムなどの金属材質の冷却部材が適用されている。しかし、金属材質の冷却部材を適用する場合、金属材質の冷却部材を適用して冷却水の経路(path)を形成すると、バッテリーモジュール及び/またはESSの重量が増加し、流路形成のための工程が複雑になるという短所がある。
【0004】
他にも、ESSの構成において、金属材質の冷却部材を適用する場合、バッテリーセル及び/または電気的接続のための部品と冷却部材との接触を防止するための構造が別途に適用されねばならず、それによる構造の複雑化も発生する。
【0005】
勿論、金属材質から冷却部材を構成すると、樹脂材質などの他の材質から冷却部材を構成する場合に比べ、高い熱伝導率によって冷却が有利である。
【0006】
しかし、ESSの正常な使用状態におけるバッテリーモジュールの温度が約55℃以内であるという点を考慮すると、冷却部材自体が有する熱伝導性が金属材料よりも多少低くても、構造的な補完などの措置を通じてESSに求められる冷却性能を満たすことは可能である。
【0007】
バッテリーモジュール及び/またはESSの冷却においては、特定部位に対する冷却性能ではなく、バッテリーモジュール及び/またはESSの全体領域にわたる均一な冷却によって温度のバラツキを最小化することが重要である。
【0008】
ESSの正常な使用状態ではなく、熱暴走の発生などの異常状況においては、冷却部材の内部を流れていた冷却水が冷却部材から流出し、より迅速な冷却または消火のために使用される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、バッテリーモジュールの全体領域にわたって均一な冷却を実現することで、バッテリーモジュールにおいて位置毎に温度のバラツキが発生することを最小化することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、バッテリーモジュールを構成するバッテリーセルの熱暴走などの異常状況が発生したとき、冷却液を冷却部材の外部に流出させてバッテリーセルとの直接接触を通じた冷却を行うことで、バッテリーモジュール及び/またはESSの異常な温度上昇による火災発生を防止することを他の目的とする。
【0011】
本発明は、バッテリーモジュールの構造的改善を通じて冷却部材の漏れ防止及び/またはバッテリーセルの固定力強化及び/または電気的接続構造の簡素化及び/またはバッテリーモジュールの組み立て剛性の増大などを実現することをさらに他の目的とする。
【0012】
本発明が解決しようとする技術的課題は上述した課題に制限されず、その他の課題は下記の発明の説明から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を達成するための本発明の一態様によるバッテリーモジュールは、冷却液流路を備える冷却部材、及び前記冷却部材の両面上に配置される複数のバッテリーセルを含むサブモジュールが複数積層されて形成されるサブモジュール積層体と、前記サブモジュール積層体の一側及び他側に結合されて前記複数のバッテリーセルを電気的に接続する一対のバスバーフレームアセンブリと、を含む。
【0014】
前記複数のバッテリーセルに備えられる一対の電極リードは、前記冷却部材の幅方向に沿って互いに反対方向にそれぞれ延び得、前記複数のバッテリーセルは、前記冷却部材の両面上において前記冷却部材の長手方向に沿って配置され得る。
【0015】
前記冷却液流路は、前記冷却部材の長手方向の一側と他側との間を往復しながら前記冷却部材の幅方向の一側から他側まで延長され得る。
【0016】
前記冷却部材は、第1流路溝を備える第1流路プレートと、前記第1流路溝と結合されて前記冷却液流路を形成する第2流路溝を備える第2流路プレートと、を含み得る。
【0017】
前記第1流路プレート及び第2流路プレートは、樹脂材質からなり、前記第1流路プレートと第2流路プレートとの接合界面には、超音波融着部が形成され得る。
【0018】
前記第1流路プレートは、前記第1流路溝の両側にそれぞれ形成される超音波融着ベースを備え得る。
【0019】
前記第2流路プレートは、前記第2流路溝の両側にそれぞれ形成される少なくとも一つの超音波融着リブを備え得る。
【0020】
前記超音波融着リブは複数備えられ、複数の前記超音波融着リブは互いに離隔して配置され得る。
【0021】
前記第1流路溝の深さは、前記第1流路プレートの厚さの1/2~1/5範囲で形成され得る。
【0022】
前記第2流路溝の深さは、前記第2流路プレートの厚さの1/2~1/5範囲で形成され得る。
【0023】
前記一対のバスバーフレームアセンブリは、前記冷却部材を介在して互いに対面する一対のバッテリーセルを並列に接続し、前記冷却部材の長手方向に沿って隣接するバッテリーセルを直列に接続し、互いに隣接したサブモジュールを直列に接続し得る。
【0024】
前記バッテリーモジュールは、前記サブモジュール積層体の下面を覆うベースプレートと、前記サブモジュール積層体の上面を覆うトッププレートと、前記ベースプレート及びトッププレートがモジュール積層体を押し付けるように前記バッテリーモジュールの周りを包み囲む複数のストラップと、をさらに含み得る。
【0025】
前記バッテリーモジュールは、前記冷却液流路と連結されるモジュールインレット(module inlet)及びモジュールアウトレット(module outle)をさらに含み、前記モジュールインレット及びモジュールアウトレットは、前記バッテリーモジュールの同一面上に備えられ得る。
【0026】
前記バッテリーモジュールは、前記サブモジュール積層体と電気的に接続される第1モジュール端子及び第2モジュール端子をさらに含み、前記第1モジュール端子及び第2モジュール端子は、前記バッテリーモジュールの同一面上に備えられ得る。
【0027】
上記の課題を達成するための本発明の他の一態様によるエネルギー貯蔵システムは、上述した本発明の一態様によるバッテリーモジュールを少なくとも一つ含む。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、バッテリーモジュールの全体領域にわたって均一な冷却が行われるため、バッテリーモジュールにおいて位置毎に温度のバラツキが発生することを最小化することができる。
【0029】
また、本発明の一態様によれば、バッテリーモジュールを構成するバッテリーセルの熱暴走などの異常状況が発生したとき、冷却液を冷却部材の外部に流出させてバッテリーセルとの直接接触を通じた冷却を行うことで、バッテリーモジュール及び/またはESSの異常な温度上昇による火災発生を防止するかまたは既に発生した火災を迅速に鎮火することができる。
【0030】
さらに、本発明の一態様によれば、バッテリーモジュールの構造的改善を通じて冷却部材の漏れ防止及び/またはバッテリーセルの固定力強化及び/または電気的接続構造の簡素化及び/またはバッテリーモジュールの組み立て剛性の増大などを実現することができる。
【0031】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は後述する発明の説明から当業者により明らかに理解されるだろう。
【0032】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを示した図である。
【
図3】
図1に示されたバッテリーモジュールから外装シートを除去した状態を示した図である。
【
図4】
図3に示されたバッテリーモジュールからトッププレート及びフロントプレートを除去した状態を示した図である。
【
図5】
図4に示されたバッテリーモジュールからバスバーフレームアセンブリを除去した状態を示した図である。
【
図9】本発明の第2流路プレートの一面を示した図である。
【
図12】本発明のバスバーフレームアセンブリによる電気的接続構造を示した図である。
【
図13】
図3に示されたバッテリーモジュールにストラップが適用された例を示した図である。
【
図14】
図3に示されたバッテリーモジュールにストラップが適用された例を示した図である。
【
図15】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一面を示した部分拡大図である。
【
図16】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一面を示した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0035】
まず、
図3~
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール1は、サブモジュール積層体10、及びサブモジュール積層体10に接続される一対のバスバーフレームアセンブリ20を含む。
【0036】
前記サブモジュール積層体10は、複数のサブモジュール100がバッテリーモジュール1の高さ方向(Z軸方向)に沿って積層されて形成される。前記サブモジュール100は、複数のバッテリーセル110、及び複数のバッテリーセル110を収容する冷却部材120を含む。一方、前記サブモジュール積層体10は、積層体の最外郭に配置される一対のサブモジュール100を覆う一対のカバーシートSをさらに含んでもよい。前記カバーシートSは、絶縁材質からなり得る。
【0037】
前記バッテリーセル110は、例えばパウチ型のバッテリーセルであり得る。前記バッテリーセル110は、その長手方向(Y軸方向)の両側にそれぞれ引き出される一対の電極リード111を備える。前記複数のバッテリーセル110は、冷却部材120の両面上に配置される。前記複数のバッテリーセル110は、冷却部材120の両面上で冷却部材120の長手方向(X軸方向)に沿って互いに隣接して配置される。これにより、前記バッテリーセル110に備えられる一対の電極リード111は、冷却部材120の幅方向(Y軸方向)に沿って互いに反対方向を延長される。
【0038】
図7~
図10を参照すると、前記冷却部材120は、その内部に形成された冷却液流路Pを備える。前記冷却液流路Pは、冷却部材120の長手方向(X軸方向)の一側と他側との間を往復しながら冷却部材120の幅方向(Y軸方向)の一側から他側まで延長される。前記冷却液流路Pは、一対の冷却液ポートP1、P2を通じて冷却部材120の外部と連通される。前記一対の冷却液ポートP1、P2の一方は、冷却部材120において冷却液インレットとして機能し、他方は冷却部材120において冷却液アウトレットとして機能する。前記一対の冷却液ポートP1、P2は同じ方向に備えられる。すなわち、前記一対の冷却液ポートP1、P2は、サブモジュール100の同一面上に備えられる。また、前記一対の冷却液ポートP1、P2は、サブモジュール100の幅方向(Y軸方向)の一側及び他側にそれぞれ備えられる。
【0039】
前記冷却部材120は、第1流路プレート120A及び第2流路プレート120Bを含む。前記第1流路プレート120Aは、第1流路溝G1を備える。前記第2流路プレート120Bは、第1流路溝G1と結合されて冷却液流路Pを形成する第2流路溝G2を備える。
【0040】
一方、本発明において、冷媒として適用される冷却液は、液相の冷媒を全て含み、例えば添加剤を含んでいない冷却水、添加剤が含まれた冷却水、または絶縁油などが本発明の冷却液として用いられ得る。
【0041】
前記第1流路プレート120A及び第2流路プレート120Bは樹脂材質からなる。前記第1流路プレート120Aと第2流路プレート120Bとの接合界面には超音波融着部が形成される。すなわち、前記第1流路プレート120Aと第2流路プレート120Bとは超音波融着によって相互結合される。
【0042】
図6及び
図7を参照すると、前記冷却部材120は、その両面上に形成されて個々のバッテリーセル110を収納可能に区画された空間を提供する複数の隔壁121、122を含む。すなわち、前記第1流路プレート120A及び第2流路プレート120Bはそれぞれ、流路溝G1、G2が形成された面の反対面上に突設される第1隔壁121及び第2隔壁122を備える。
【0043】
前記第1隔壁121は、流路プレート120A、120Bの幅方向(Y軸方向)に沿って延長され、互いに隣接した第1隔壁121同士の間の距離はバッテリーセル110の幅に対応する。前記第2隔壁122は、第1隔壁121と連結され、第1隔壁121の長手方向(Y軸方向)の両端部にそれぞれ形成される。前記第2隔壁122は、第1隔壁121と略垂直方向に延びた形態を有する。前記流路プレート120A、120Bの長手方向に沿って互いに隣接する第2隔壁122同士の間に形成される空間を通ってバッテリーセル110の電極リード111が引き出される。
【0044】
図9~
図11を参照すると、前記第1流路プレート120Aは、第1流路溝G1の両側にそれぞれ形成される超音波融着ベース123を備える。前記第2流路プレート120Bは、第2流路溝G2の両側にそれぞれ形成される少なくとも一つの超音波融着リブ124を備える。前記超音波融着リブ124は、第1流路プレート120Aと第2流路プレート120Bとが当接して結合されるとき、超音波融着ベース123と当接するように超音波融着ベース123と対応する位置に備えられる。
【0045】
前記超音波融着リブ124は、超音波融着によって超音波融着ベース123上に接合される。前記超音波融着リブ124が複数個である場合、それぞれの超音波融着リブ124は互いに離隔して配置され得る。前記超音波融着リブ124が複数個である場合、冷却液流路Pの両側で行われるシーリングがより堅固になり、それによって冷却液が冷却液流路Pの外部に漏れることを防止することができる。
【0046】
一方、前記第1流路溝G1の深さは、第1流路プレート120Aの厚さの約1/2~1/5範囲で形成され得る。このような第1流路溝G1の厚さ範囲は、冷却効率のためであり、また熱暴走のような非常状況で第1流路溝G1の底を成している樹脂射出物を迅速に溶融させることで、冷却液が第1流路プレート120Aと接する第1バッテリーセル110Aに直接接触し、より迅速な冷却及び/または消火を可能にするためである。
【0047】
同様に、前記第2流路溝G2の深さは、第2流路プレート120Bの厚さの約1/2~1/5範囲で形成され得る。このような第2流路溝G2の厚さ範囲は、冷却効率のためであり、また熱暴走のような非常状況で第2流路溝G2の底を成している樹脂射出物を迅速に溶融させることで、冷却液が第2流路プレート120Bと接する第2バッテリーセル110Bに直接接触し、より迅速な冷却及び/または消火を可能にするためである。
【0048】
図4、
図5、
図11及び
図12を参照すると、前記一対のバスバーフレームアセンブリ20は、それぞれサブモジュール積層体10の一側及び他側に結合されて複数のバッテリーセル110同士を電気的に接続する。前記バスバーフレームアセンブリ20は、サブモジュール積層体10の側部に結合されるバスバーフレーム21、及びバスバーフレーム21上に配置されて複数の電極リード111と結合される複数のバスバー22を含む。
【0049】
前記一対のバスバーフレームアセンブリ20は、冷却部材120を介在して互いに対面する一対のバッテリーセル110A、110Bを並列に接続し、冷却部材120の長手方向(X軸方向)に沿って互いに隣接するバッテリーセル110を直列に接続する。また、前記一対のバスバーフレームアセンブリ20は、サブモジュール積層体10の高さ方向(Z軸方向)に沿って互いに隣接したサブモジュール100を直列に接続する。本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール1は、このような接続方式に従って、例えば32S2Pの電気的接続形態を有し得る。
【0050】
一方、前記バッテリーモジュール1は、バスバー22と電気的に接続される第1モジュール端子T1及び第2モジュール端子T2をさらに含み得る。前記第1モジュール端子T1及び第2モジュール端子T2は、バスバー22を介してサブモジュール積層体10と電気的に接続されてバッテリーモジュール1の高電位端子として機能する。この場合、前記第1モジュール端子T1及び第2モジュール端子T2は、バッテリーモジュール1の同一面上に備えられ、同一方向に延長される。
【0051】
図3、
図13及び
図14を参照すると、前記バッテリーモジュール1は、サブモジュール積層体10の下面を覆うベースプレート30、及びサブモジュール積層体10の上面を覆うトッププレート40をさらに含み得る。前記ベースプレート30の幅は、トッププレート40の幅よりも広く形成され得る。また、前記バッテリーモジュール1は、ベースプレート30及びトッププレート40がモジュール積層体を押し付けるように、バッテリーモジュール1の周りを包み囲む複数のストラップ90をさらに含んでもよい。前記ストラップ90は、鋼鉄(steel)材質からなり得る。複数のストラップ90は、バッテリーモジュール1の長手方向(X軸方向)に沿って互いに離隔して配置される。
【0052】
前記バッテリーモジュール1に複数のストラップ90が備えられる場合、ベースプレート30にはストラップ90を固定するための複数のストラップ溝31が形成され得る。
【0053】
図3及び
図4を参照すると、前記バッテリーモジュール1は、サブモジュール積層体10の前面(Y-Z平面に平行な面)を覆うフロントプレート50をさらに含み得る。前記フロントプレート50は、サブモジュール積層体10の一面に備えられる冷却液ポートP1、P2及びモジュール端子T1、T2が引き出されるように形成された孔を備え得る。
【0054】
図1~
図3を参照すると、前記バッテリーモジュール1は、ベースプレート30、トッププレート40、及び一対のバスバーフレームアセンブリ20を覆う外装シート60をさらに含んでもよい。前記外装シート60は、シート形態の射出物、または絶縁性のフィルム材質からなり得る。
【0055】
図15及び
図16を参照すると、前記バッテリーモジュール1は、サブモジュール積層体10を構成するそれぞれのサブモジュール100の冷却液流路P同士を連結するための連結管70をさらに含み得る。前記連結管70は、複数備えられ得、それぞれの連結管70は、互いに隣接して異なる層に備えられる一対の冷却液ポート(P1またはP2)を連結する。
【0056】
前記バッテリーモジュール1は、サブモジュール積層体10の最上端に位置する冷却液ポートP2に連結されるモジュールインレット80A、及びサブモジュール積層体10の最下端に位置する冷却液ポートP2に連結されるモジュールアウトレット80Bをさらに含み得る。前記モジュールインレット80A及びモジュールアウトレット80Bは、バッテリーモジュール1の同一面上に備えられて同じ方向に延長される。
【0057】
上述したように、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール1は、バッテリーモジュール1の全体領域にわたって均一な冷却を実現できる構造を有することで、バッテリーモジュール1において位置毎に温度のバラツキが発生することを最小化することができる。
【0058】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール1は、バッテリーセル110の熱暴走などの異常状況が発生したとき、冷却液を冷却部材120の外部に流出させてバッテリーセルとの直接接触を通じた冷却及び/または消火を実現できる構造を有する。したがって、本発明によれば、バッテリーモジュール1の異常な温度上昇による火災発生を防止するかまたは既に発生した火災を迅速に鎮火することができる。
【0059】
また、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール1は、一対の流路プレート(120A、120B)間の接合部位における密封性を増大できる構造を有することで、冷却液の漏れを防止することができる。
【0060】
一方、本発明の他の一実施形態によるESSは、上述したような本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール1を少なくとも一つ含む。
【0061】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
1:バッテリーモジュール
10:サブモジュール積層体
100:サブモジュール
110:バッテリーセル
111:電極リード
120:冷却部材
120A:第1流路プレート
120B:第2流路プレート
P1、P2:冷却液ポート
121:第1隔壁
122:第2隔壁
123:超音波融着ベース
124:超音波融着リブ
G1:第1流路溝
G2:第2流路溝
P:冷却液流路
20:バスバーフレームアセンブリ
21:バスバーフレーム
22:バスバー
S:カバーシート
30:ベースプレート
31:ストラップ溝
40:トッププレート
50:フロントプレート
T1:第1モジュール端子
T2:第2モジュール端子
60:外装シート
70:連結管
80A:モジュールインレット
80B:モジュールアウトレット
90:ストラップ
【国際調査報告】