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特表2023-544399抗体精製方法における宿主細胞タンパク質含有量を減少させるための方法及び宿主細胞タンパク質含有量を減少させた抗体組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】抗体精製方法における宿主細胞タンパク質含有量を減少させるための方法及び宿主細胞タンパク質含有量を減少させた抗体組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20231016BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20231016BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20231016BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20231016BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20231016BHJP
【FI】
A61K39/395 N
C07K16/18 ZNA
C07K16/46
A61K39/395 D
A61K47/42
C12P21/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520389
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 US2021053407
(87)【国際公開番号】W WO2022072934
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】63/086,915
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】ボウズ,ブライアン デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,リホア
(72)【発明者】
【氏名】クレブス,ララ エレン
(72)【発明者】
【氏名】プリクタ,スティーブン エイ
(72)【発明者】
【氏名】リチャー,サラ エム
【テーマコード(参考)】
4B064
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG26
4B064AG27
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE10
4B064CE12
4B064DA01
4C076EE41
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB11
4C085BB36
4C085DD33
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA75
4H045DA76
4H045FA74
4H045GA21
4H045GA26
(57)【要約】
本開示は、患者への投与を意図した抗体の製造プロセスにおいて、宿主細胞内で組換えによって産生された抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させるための方法に関する。開示された方法は、宿主細胞タンパク質を減少させた治療用抗体調製物を調製するために実施され得る。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、前記方法が、
a.前記タンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供するステップと、
b.弱酸及び強酸を含む酸の組み合わせを用いて前記クロマトグラフィーカラムから前記抗N3pGlu Aβ抗体を溶出して、前記抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液を得るステップと、
c.前記溶出液のpHを約pH5.0超に上昇させるステップと、
d.前記溶出液をデプスフィルターに供して、濾過されたタンパク質調製物を得るステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記クロマトグラフィーカラムが、プロテインA、プロテインG又はプロテインLアフィニティークロマトグラフィーカラムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記弱酸及び前記強酸が、約pH7.3までの一価の酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記弱酸が、酢酸であり、前記強酸が、リン酸又は乳酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酢酸の濃度が、約20mMであり、前記強酸が、リン酸であり、前記リン酸の濃度が、約5mM~約10mMである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酢酸の濃度が、約20mMであり、前記強酸が、乳酸であり、前記乳酸の濃度が、約5mMである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ウイルス不活性化を行うステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ウイルス不活性化を行うステップであって、前記クロマトグラフィーカラムからタンパク質を溶出する前記ステップからの前記溶出液の前記pHを約pH4.0未満に調整することを含み、前記溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記溶出液の前記pHを調整する前記ステップが、前記溶出液の前記pHを約pH3.3~約pH3.7に調整することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記溶出液の前記pHが、約pH3.5に調整される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記溶出液の前記pHを調整することが、HCl、リン酸、又は酢酸及びリン酸の組み合わせのうちのいずれか1つを添加することを含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記溶出液の前記pHを上昇させる前記ステップが、前記pHを約pH6.5~約pH7.5に上昇させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記溶出液の前記pHが、約pH7.0に上昇される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記溶出液の前記pHを上昇させる前記ステップが、トリスを添加することを含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記pHを約5.0超に上昇させる前記ステップにおける前記溶出液が、約10mM~約45mMのイオン強度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
デプスフィルター処理された前記タンパク質調製物を、以下の精製及び/又は研磨ステップ:ウイルス不活性化、イオン交換クロマトグラフィー、ウイルス濾過、タンジェンシャルフロー濾過のうちの1つ以上に供して、抗N3pGlu Aβ抗体を含む原薬調製物を得ることを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記デプスフィルターが、セルロース/珪藻土ベースのフィルターである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記デプスフィルターが、B1HCフィルター、X0HCフィルター、又はZeta Plus(ZB Media)フィルターである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デプスフィルターが、合成フィルターである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記デプスフィルターが、C0SPフィルター、X0SPフィルター、又はEmphaze AEX Hybrid Purifierフィルターである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記デプスフィルターが、X0SPフィルターである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記デプスフィルターの孔径が、少なくとも約9μ~約0.1μである、請求項17~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記デプスフィルターの孔径が、少なくとも約2μ~約0.1μである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記デプスフィルターの孔径が、約0.1μである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記デプスフィルター上の前記溶出液の前記pHが、約5.0である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記デプスフィルター上の前記溶出液の前記pHが、約6.0である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記デプスフィルター上の前記溶出液の前記pHが、約7.0である、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記哺乳動物細胞が、CHO細胞である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記タンパク質調製物が、採取した細胞の培養液、捕捉プール、又は回収タンパク質プールを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、IgG1抗体である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、KSSQSLLYSRGKTYLN(配列番号17)であり、LCDR2が、AVSKLDS(配列番号18)であり、LCDR3が、VQGTHYPFT(配列番号19)であり、HCDR1が、GYDFTRYYIN(配列番号20)であり、HCDR2が、WINPGSGNTKYNEKFKG(配列番号21)であり、HCDR3が、EGITVY(配列番号22)である、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)であり、前記HCVRが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)である、請求項32又は33に記載の方法。
【請求項35】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、ドナネマブである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記濾過されたタンパク質調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、100ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記濾過されたタンパク質調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1のうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項32~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A6(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約10ppm未満のホスホリパーゼB様2タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のカリクレイン-11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満の補体C1r小成分(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満の熱ショック同族71kDaタンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項37~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記原薬調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、100ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記原薬調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1のうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項32~35及び50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A6(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
前記原薬調製物が、約10ppm未満のホスホリパーゼB様2タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のカリクレイン-11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記原薬調製物が、約5ppm未満の補体C1r小成分(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記原薬調製物が、約5ppm未満の熱ショック同族71kDaタンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項51~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、RASQSLGNWLA(配列番号27)であり、LCDR2が、YQASTLES(配列番号28)であり。LCDR3が、QHYKGSFWT(配列番号29)であり、HCDR1が、AASGFTFSSYPMS(配列番号30)であり、HCDR2が、AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号31)であり、HCDR3が、AREGGSGSYYNGFDY(配列番号32)である、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)であり、前記HCVRが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号25)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号26)である、請求項64又は65に記載の方法。
【請求項67】
前記濾過されたタンパク質調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、10ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記濾過されたタンパク質調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項64~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のポリユビキチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68又は69に記載の方法。
【請求項71】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記濾過されたタンパク質が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満の40Sリボソームタンパク質S28(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のチオレドキシンアイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満の基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満の尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のガレクチン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のコーニフィンアルファ(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項68~79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記原薬調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、10ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項64~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記原薬調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項64~66及び81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のポリユビキチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82又は83に記載の方法。
【請求項85】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記原薬が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記原薬調製物が、約1ppm未満の40Sリボソームタンパク質S28(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のチオレドキシンアイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記原薬調製物が、約1ppm未満の基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記原薬調製物が、約1ppm未満の尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のガレクチン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のコーニフィンアルファ(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項82~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
請求項1~94のいずれか一項に記載の方法によって産生された、組成物。
【請求項96】
哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、前記方法が、
a)前記タンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供するステップと、
b)前記クロマトグラフィーカラムから前記抗N3pGlu Aβ抗体を溶出して、前記抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液を得るステップと、
c)必要に応じて、前記溶出液のpHをpH5.0~pH7.5に調整し、前記溶出液をデプスフィルターに供し、濾過されたタンパク質調製物を得るステップであって、前記デプスフィルターが、完全合成デプスフィルターであるステップとを含む、方法。
【請求項97】
前記クロマトグラフィーカラムが、プロテインA、プロテインG又はプロテインLアフィニティークロマトグラフィーカラムを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
前記デプスフィルターの孔径が、少なくとも約9μ~約0.1μである、請求項96又は97に記載の方法。
【請求項99】
前記デプスフィルターの孔径が、少なくとも約2μ~約0.1μである、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記デプスフィルターの孔径が、約0.1μである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記デプスフィルターが、X0SPフィルターである、請求項96~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記デプスフィルター上の前記溶出液の前記pHが、約5.0である、請求項96~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記デプスフィルター上の前記溶出液の前記pHが、約6.0である、請求項96~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記デプスフィルター上の前記溶出液の前記pHが、約7.0である、請求項96~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記哺乳動物細胞が、CHO細胞である、請求項96~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記タンパク質調製物が、採取した細胞の培養液、捕捉プール、又は回収タンパク質プールを含む、請求項96~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である、請求項96~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、IgG1抗体である、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、KSSQSLLYSRGKTYLN(配列番号17)であり、LCDR2が、AVSKLDS(配列番号18)であり、LCDR3が、VQGTHYPFT(配列番号19)であり、HCDR1が、GYDFTRYYIN(配列番号20)であり、HCDR2が、WINPGSGNTKYNEKFKG(配列番号21)であり、HCDR3が、EGITVY(配列番号22)である、請求項96~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)であり、前記HCVRが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)である、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)である、請求項109又は110に記載の方法。
【請求項112】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、ドナネマブである、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記濾過されたタンパク質調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、100ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項109~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記濾過されたタンパク質調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1のうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項109~113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A6(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114又は115に記載の方法。
【請求項117】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約10ppm未満のホスホリパーゼB様2タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のカリクレイン-11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満の補体C1r小成分(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満の熱ショック同族71kDaタンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約5ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項114~125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
原薬調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、100ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項109~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記原薬調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、ペルオキシレドキシン-1のうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項109~112及び127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A6(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128又は129に記載の方法。
【請求項131】
前記原薬調製物が、約10ppm未満のホスホリパーゼB様2タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のカリクレイン-11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記原薬調製物が、約5ppm未満の補体C1r小成分(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~136のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記原薬調製物が、約5ppm未満の熱ショック同族71kDaタンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
前記原薬調製物が、約5ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項128~139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、RASQSLGNWLA(配列番号27)であり、LCDR2が、YQASTLES(配列番号28)であり。LCDR3が、QHYKGSFWT(配列番号29)であり、HCDR1が、AASGFTFSSYPMS(配列番号30)であり、HCDR2が、AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号31)であり、HCDR3が、AREGGSGSYYNGFDY(配列番号32)である、請求項96~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項142】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)であり、前記HCVRが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)である、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号25)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号26)である、請求項141又は142に記載の方法。
【請求項144】
前記濾過されたタンパク質調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、10ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項141~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記濾過されたタンパク質調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項141~144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のポリユビキチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145又は146に記載の方法。
【請求項148】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
組成物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満の40Sリボソームタンパク質S28(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のチオレドキシンアイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満の基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満の尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のガレクチン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記濾過されたタンパク質調製物が、約1ppm未満のコーニフィンアルファ(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項145~156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
前記原薬調製物中の前記宿主細胞タンパク質含有量が、10ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項141~143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
前記原薬調製物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項141~143及び158のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のポリユビキチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158又は160に記載の方法。
【請求項162】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~161のいずれか一項に記載の方法。
【請求項163】
前記原薬が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~162のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記原薬調製物が、約1ppm未満の40Sリボソームタンパク質S28(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~163のいずれか一項に記載の方法。
【請求項165】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のチオレドキシンアイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~164のいずれか一項に記載の方法。
【請求項166】
前記原薬調製物が、約1ppm未満の基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~165のいずれか一項に記載の方法。
【請求項167】
前記原薬調製物が、約1ppm未満の尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~166のいずれか一項に記載の方法。
【請求項168】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のガレクチン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~169のいずれか一項に記載の方法。
【請求項171】
前記原薬調製物が、約1ppm未満のコーニフィンアルファ(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項158~170のいずれか一項に記載の方法。
【請求項172】
請求項96~171のいずれか一項に記載の方法によって産生された、組成物。
【請求項173】
ヒトN3pGlu Aβに結合する抗体(抗N3pGlu Aβ抗体)を含む医薬組成物であって、前記抗N3pGlu Aβ抗体が、哺乳動物宿主細胞から前記抗N3pGlu抗体を精製することを含むプロセスによって調製され、前記組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)の総含有量が、約100ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、医薬組成物。
【請求項174】
前記哺乳動物細胞が、CHO細胞である、請求項173に記載の医薬組成物。
【請求項175】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である、請求項173又は174に記載の医薬組成物。
【請求項176】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、IgG1抗体である、請求項175に記載の医薬組成物。
【請求項177】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、KSSQSLLYSRGKTYLN(配列番号17)であり、LCDR2が、AVSKLDS(配列番号18)であり、LCDR3が、VQGTHYPFT(配列番号19)であり、HCDR1が、GYDFTRYYIN(配列番号20)であり、HCDR2が、WINPGSGNTKYNEKFKG(配列番号21)であり、HCDR3が、EGITVY(配列番号22)である、請求項173~176のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項178】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)であり、前記HCVRが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)である、請求項177に記載の医薬組成物。
【請求項179】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)である、請求項177又は178に記載の医薬組成物。
【請求項180】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、ドナネマブである、請求項179に記載の医薬組成物。
【請求項181】
前記組成物が、以下の宿主細胞タンパク質:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1のうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項173~180のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項182】
前記組成物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A6(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181に記載の医薬組成物。
【請求項183】
前記組成物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181又は182に記載の医薬組成物。
【請求項184】
前記組成物が、約10ppm未満のホスホリパーゼB様2タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~183のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項185】
前記組成物が、約5ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~184のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項186】
前記組成物が、約5ppm未満のユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~185のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項187】
前記組成物が、約5ppm未満のカリクレイン-11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~186のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項188】
前記組成物が、約5ppm未満のセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~187のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項189】
前記組成物が、約5ppm未満の補体C1r小成分(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~188のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項190】
前記組成物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~189のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項191】
前記組成物が、約5ppm未満のアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~190のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項192】
前記組成物が、約5ppm未満の熱ショック同族71kDaタンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~191のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項193】
前記組成物が、約5ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項181~192のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項194】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、RASQSLGNWLA(配列番号27)であり、LCDR2が、YQASTLES(配列番号28)であり。LCDR3が、QHYKGSFWT(配列番号29)であり、HCDR1が、AASGFTFSSYPMS(配列番号30)であり、HCDR2が、AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号31)であり、HCDR3が、AREGGSGSYYNGFDY(配列番号32)である、請求項173~176のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項195】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)であり、前記HCVRが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)である、請求項194に記載の医薬組成物。
【請求項196】
前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記LCが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号25)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体の前記HCが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号26)である、請求項194又は195に記載の医薬組成物。
【請求項197】
前記組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)の前記総含有量が、約10ppm未満(LCMSにより測定した場合)である、請求項194~196のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項198】
前記組成物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項197に記載の医薬組成物。
【請求項199】
前記組成物が、約1ppm未満のポリユビキチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198に記載の医薬組成物。
【請求項200】
前記組成物が、約1ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198又は199に記載の医薬組成物。
【請求項201】
前記組成物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~200のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項202】
前記組成物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~201のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項203】
前記組成物が、約1ppm未満の40Sリボソームタンパク質S28(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~202のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項204】
前記組成物が、約1ppm未満のチオレドキシンアイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~203のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項205】
前記組成物が、約1ppm未満の基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~204のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項206】
前記組成物が、約1ppm未満の尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~205のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項207】
前記組成物が、約1ppm未満のアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~206のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項208】
前記組成物が、約1ppm未満のガレクチン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~207のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項209】
前記組成物が、約1ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項198~208のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組換えタンパク質製造の分野に関する。より具体的には、本発明は、治療用若しくは診断用抗体、又はその抗原結合断片などの、患者への投与を意図したタンパク質の製造方法において、宿主細胞内で組換えによって産生されたタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させるための方法を提供する。開示された方法は、宿主細胞タンパク質含有量を減少させた抗体組成物を産生するために実施され得る。
【背景技術】
【0002】
宿主細胞タンパク質(HCP)は、細胞の維持及び増殖、並びにタンパク質の合成及びプロセシングに関与する宿主細胞のタンパク質である。しかしながら、治療用又は診断用タンパク質の領域では、HCPの存在は、凝集、触媒活性による生成物の断片化、及び/又は免疫原性などの問題を引き起こし、製品の品質及び患者の安全を脅かす。したがって、HCPは、タンパク質製剤の重要品質特性(CQA)として特定されている。望ましくない凝集体の形成及び生成物の断片化は、HCPを減少させる/除去するための追加の精製ステップを必要とし、これらの追加の精製ステップは、多くの場合、所望のタンパク質の収量を減少させ、全体的な製造コストを増加させる。
【0003】
製造方法からHCPを排除するという課題、及びHCPを減少させる方法を改善する試みが、例えば、Gilgunn et al;Goey et al.,Biotechnology Advances 36(2018)1223-1237、及びCurrent Opinion in Chemical Engineering 2018,22:98-106に開示されている。しかしながら、HCPを除去するためのこれらの方法には限界がある。例えば、場合によっては、これらの開示は、HCPの不完全な除去、凝集につながるHCPの除去における方法の不一致、所望のタンパク質及びHCPの同時精製、製品機能の低下、患者における免疫原性の懸念、及び/又は半減期などの薬物動態特性の低下のうちの1つ以上を示している。更に、HCPを除去するために開発された方法は、多くの場合、例えば、作業量が多く、追加の精製ステップを必要とし、製造コストが増加し、収率が低下することが多い。場合によっては、この方法の適用可能性は、特定の分子及び/又は形態に限定される。そのため、治療用又は診断用タンパク質の精製方法においてHCPを減少させる代替方法が必要とされている。このような代替方法は、好ましくは、最終的に製品の品質を維持するために、製品の安定性、収率、又はコストに影響を与えることなくHCPを減少させ、大規模な製造に適しており、患者の安全を保障する。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明は、治療用若しくは診断用タンパク質、又はその抗原結合断片の調製においてHCPを減少させる代替方法を提供することによって、上記の問題のうちの1つ以上に対応する。本発明の方法は、HCPの除去に非常に効果的である一方で、抗体の安定性を維持し、凝集を低減し、生成物の収率を維持し、免疫原性のリスクを低下させる可能性を有する、再現可能な方法を提供する。そのような方法は、抗体調製量を増加する必要なく、HCPを効果的に除去することができる。驚くべきことに、本発明の方法は、<100ppmの業界許容基準を十分に下回るHCP数を達成した。驚くべきことに、本発明の他の実施形態は、タンパク質の安定性を維持し、凝集を低減し、生成物の収率を維持しながら、<50ppmのHCP数を達成した。更に驚くべきことに、本発明の他の実施形態は、タンパク質の安定性を維持し、凝集を低減し、生成物の収率を維持しながら、<20ppm、<10ppm、<5ppm、<1ppm、又は約0ppmのHCP数を達成した。更に、本発明の実施形態は、広範囲の分子に適用可能なHCP除去の方法を提供する。本発明の他の実施形態は、追加の精製ステップの排除を可能にし、バッチ処理時間の短縮、及び製造コストの削減をもたらす。開示された方法は、宿主細胞含有量を減少させた抗体組成物を産生するために実施することができ、抗体組成物の宿主細胞含有量は、<100ppm、<50ppm、<10ppm、<5ppm、<1ppm、又は約0ppmである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
したがって、抗N3pGlu Aβ抗体(「抗N3pG抗体」)調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法が提供される。いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞宿主細胞などの哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生される。
【0006】
したがって、特定の実施形態では、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生されたタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0007】
したがって、特定の実施形態では、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生されたタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することと、ウイルス不活性化を行うことと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、タンパク質を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含むを含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0008】
したがって、特定の実施形態では、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸であり、酢酸の濃度が、約20mMであり、リン酸の濃度が、約5mM~約10mMである、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、乳酸であり、酢酸の濃度が、約20mMであり、乳酸の濃度が、約5mMである、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約50ppm未満、約20ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、溶出液のpHを調整する当該ステップが、約20mMのHClを溶出液に添加することを含み、溶出液のpHが、約pH3.3~約pH3.7に調整され、溶出液が、約0分~約180分間約pH3.3~約pH3.7に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、溶出液のpHを調整する当該ステップが、約20mMのHClを溶出液に添加することを含み、溶出液のpHが、約pH3.5に調整され、溶出液が、約0分~約180分間約pH3.5に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0以上に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0013】
いくつかの特定の実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0~約pH7.5に上昇させることであって、約250mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む、上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶出液のpHを約pH5.0~約pH7.5に上昇させることは、約100mM~約1000mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0超~約pH7.5に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH7.0に上昇させることであって、約250mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む、上昇させることと、抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、濾過された抗体調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶出液のpHを約pH6.5~約pH7.5(例えば、約pH7.0)に上昇させることは、約100mM~約1000mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む。いくつかの実施形態では、pHを約pH6.5~約pH7.5(例えば、約pH7.0)に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることであって、デプスフィルターに供される溶出液が、約10mM~約45mMのイオン強度を有する、得ることと、を含む、方法を提供する。好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0016】
特定の実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸、又は乳酸である、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整することであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持され、ウイルス不活性化が達成される、調整することと、を含む、方法を提供する。
【0017】
本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供することと、弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出することであって、弱酸が、約20mMの濃度で酢酸を含み、強酸が、リン酸、ギ酸、又は乳酸のうちのいずれか1つを含み、強酸の濃度が、約5mM~約10mMである、溶出することと、クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、溶出液のpHを調整する当該ステップが、HCl、リン酸、クエン酸、酢酸、又はそれらの組み合わせ(例えば、酢酸とリン酸の組み合わせ、又は酢酸及びクエン酸の組み合わせ)のうちのいずれか1つを溶出液に添加することを含み、pHが、約pH4.0未満に調整され、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、調整することと、溶出液のpHを約pH5.0~約pH7.5に上昇させることと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、pHを約pH5.0~約7.5に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。
【0018】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0019】
更なる実施形態では、溶出ステップは、酢酸及びリン酸、酢酸及び乳酸、又は酢酸及びギ酸のうちのいずれか1つの組み合わせを含む溶出緩衝液を含み、pHを約pH4.0未満に調整するステップは、HCl、リン酸、クエン酸、酢酸、又はそれらの組み合わせ(例えば、酢酸とリン酸の組み合わせ、又は酢酸及びクエン酸の組み合わせ)のうちのいずれか1つを添加することを含む。更なる実施形態では、溶出ステップは、約20mMの酢酸及び約10mMのリン酸、約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸、又は約20mMの酢酸及び約5mMのギ酸のうちのいずれか1つの組み合わせを含む溶出緩衝液を含み、pHを約pH4.0未満に調整するステップは、約20mMのHCl、約15mM~約200mMのリン酸、約1000mMのクエン酸、又は約20mMの酢酸及び約10mMのリン酸の組み合わせのうちのいずれか1つを添加するステップを含む。そのような実施形態では、pHを約6.0超のpHに上昇させるステップからの溶出液のイオン強度は、約10mM~約45mMである。
【0020】
本発明の一態様では、本発明は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、
哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供するステップと、
弱酸及び強酸の組み合わせを含む緩衝液を用いてクロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出するステップであって、弱酸が、酢酸であり、強酸が、リン酸又は乳酸である、ステップと、
クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出する当該ステップからの抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液のpHを約pH4.0未満に調整するステップであって、溶出液が、約0分~約180分間約pH4.0未満に維持される、ステップと、
溶出液のpHを約pH5.0以上(例えば、約pH6.0以上、又は約pH7.0以上)に上昇させるステップと、
抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供するステップと、
抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得るステップと、を含む、方法を提供する。
【0021】
好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は減少する。より好ましくは、抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、又は約1ppm未満まで減少する。
【0022】
本発明の更なる実施形態では、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pGlu Aβ抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、方法が、
a)タンパク質調製物をアフィニティークロマトグラフィーカラムに供するステップと、
b)クロマトグラフィーカラムから抗N3pGlu Aβ抗体を溶出して、抗N3pGlu Aβ抗体を含む溶出液を得るステップと、
c)必要に応じて、溶出液のpHをpH5.0~pH7.5に調整し、溶出液をデプスフィルターに供し、抗N3pGlu Aβ抗体を含む濾過されたタンパク質調製物を得るステップであって、デプスフィルターが、完全合成デプスフィルターである、ステップと、を含む、方法が提供される。
【0023】
好ましくは、クロマトグラフィーカラムは、プロテインA、プロテインG又はプロテインLアフィニティークロマトグラフィーカラムを含む。更に好ましくは、デプスフィルターの孔径は、少なくとも約9μ(ミクロン)~約0.1μである。なお更に好ましくは、デプスフィルターの孔径は、少なくとも約2μ~約0.1μである。なお更に好ましくは、デプスフィルターの孔径は、約0.1μである。なお更に好ましくは、デプスフィルターは、X0SPフィルターである。本発明の代替の実施形態では、デプスフィルター上の溶出液のpHは、約5.0である。本発明の更に代替の実施形態では、デプスフィルター上の溶出液のpHは、約6.0である。本発明の更に代替の実施形態では、デプスフィルター上の溶出液のpHは、約7.0である。
【0024】
この特定の実施形態は、酢酸、クエン酸、リン酸、塩酸、ギ酸、及び乳酸を含むが、これらに限定されない、任意の一般的に使用される弱酸又は強酸を用いて、アフィニティークロマトグラフィーカラムから抗N3pG抗体を溶出する方法を包含する。
【0025】
フィルター上の溶液のpHが、5.0~7.0での完全合成フィルターの使用は、多くの従来のセルロース/珪藻土ベースのフィルターと比較して、HCPの減少及び/又は除去に非常に効果的であることが見出された。
【0026】
開示された方法は、抗N3pGlu Aβ抗体又はその抗原結合断片を含む調製物中の宿主細胞タンパク質(HCP)を減少させて、HCP含有量を減少させた抗体組成物を得るために実施され得る。いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、IgG1抗体であるか、又はIgG1抗体のFc部分を含有する。本明細書に開示されるのは、抗SARS-COV-2抗体である。
【0027】
開示された方法及び開示された方法によって産生された組成物のいくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、ドナネマブである。いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)のアミノ酸配列中に存在するLH相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域(LH)を含み、抗N3pG抗体は、アミノ酸配列QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)中に存在するVH相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、KSSQSLLYSRGKTYLN(配列番号17)のLCDR1、AVSKLDS(配列番号18)のLCDR2、VQGTHYPFT(配列番号19)のLCDR3、GYDFTRYYIN(配列番号20)のHCDR1、WINPGSGNTKYNEKFKG(配列番号21)のHCDR2、及びEGITVY(配列番号22)のHCDR3を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(LC)、及びQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)のアミノ酸配列を含む可変重鎖(HC)を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、及びQVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、gatattgtgatgactcagactccactctccctgtccgtcacccctggacagccggcctccatctcctgcaagtcaagtcagagcctcttatatagtcgcggaaaaacctatttgaattggctcctgcagaagccaggccaatctccacagctcctaatttatgcggtgtctaaactggactctggggtcccagacagattcagcggcagtgggtcaggcacagatttcacactgaaaatcagcagggtggaggccgaagatgttggggtttattactgcgtgcaaggtacacattacccattcacgtttggccaagggaccaagctggagatcaaacgaactgtggctgcaccatctgtcttcatcttcccgccatctgatgagcagttgaaatctggaactgcctctgttgtgtgcctgctgaataacttctatcccagagaggccaaagtacagtggaaggtggataacgccctccaatcgggtaactcccaggagagtgtcacagagcaggacagcaaggacagcacctacagcctcagcagcaccctgacgctgagcaaagcagactacgagaaacacaaagtctacgcctgcgaagtcacccatcagggcctgagctcgcccgtcacaaagagcttcaacaggggagagtgc(配列番号33)のDNA配列によってコードされたアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、及びcaggtgcagctggtgcagtctggggctgaggtgaagaagcctgggtcctcagtgaaggtttcctgcaaggcatctggttacgacttcactagatactatataaactgggtgcgacaggcccctggacaagggcttgagtggatgggatggattaatcctggaagcggtaatactaagtacaatgagaaattcaagggcagagtcaccattaccgcggacgaatccacgagcacagcctacatggagctgagcagcctgagatctgaggacacggccgtgtattactgtgcgagagaaggcatcacggtctactggggccaagggaccacggtcaccgtctcctcagcctccaccaagggcccatcggtcttcccgctagcaccctcctccaagagcacctctgggggcacagcggccctgggctgcctggtcaaggactacttccccgaaccggtgacggtgtcgtggaactcaggcgccctgaccagcggcgtgcacaccttcccggctgtcctacagtcctcaggactctactccctcagcagcgtggtgaccgtgccctccagcagcttgggcacccagacctacatctgcaacgtgaatcacaagcccagcaacaccaaggtggacaagaaagttgagcccaaatcttgtgacaaaactcacacatgcccaccgtgcccagcacctgaactcctggggggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccctgaggtcaagttcaactggtacgtggacggcgtggaggtgcataatgccaagacaaagccgcgggaggagcagtacaacagcacgtaccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcctgcaccaggactggctgaatggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaagccctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaagccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggacgagctgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctatcccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacgccccccgtgctggactccgacggctccttcttcctctatagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacgcagaagagcctctccctgtctccgggt(配列番号34)のDNA配列によってコードされたアミノ酸配列を含む重鎖(HC)を含む。
【0032】
開示された方法及び開示された方法によって産生された組成物のいくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、米国特許第10,647,759号において「抗体201c」と称される抗体であり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)のアミノ酸配列中に存在するLH相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域(LH)を含み、抗N3pG抗体は、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)のアミノ酸配列中に存在するVH相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域(VH)を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、RASQSLGNWLA(配列番号27)のLCDR1、YQASTLES(配列番号28)のLCDR2、QHYKGSFWT(配列番号29)のLCDR3、AASGFTFSSYPMS(配列番号30)のHCDR1、AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号31)のHCDR2、及びAREGGSGSYYNGFDY(配列番号32)のHCDR3を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(VL)、及びEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)のアミノ酸配列を含む可変重鎖(VH)を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号25)のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、及びEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号26)のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体は、gacatccagatgacccagtctccttccaccctgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcacttgccgggccagtcagagtcttggtaactggttggcctggtatcagcagaaaccagggaaagcccctaaactcctgatctatcaggcgtctactttagaatctggggtcccatcaagattcagcggcagtggatctgggacagagttcactctcaccatcagcagcctgcagcctgatgattttgcaacttattactgccaacattataaaggttctttttggacgttcggccaagggaccaaggtggaaatcaaacggaccgtggctgcaccatctgtcttcatcttcccgccatctgatgagcagttgaaatctggaactgcctctgttgtgtgcctgctgaataacttctatcccagagaggccaaagtacagtggaaggtggataacgccctccaatcgggtaactcccaggagagtgtcacagagcaggacagcaaggacagcacctacagcctcagcagcaccctgacgctgagcaaagcagactacgagaaacacaaagtctacgcctgcgaagtcacccatcagggcctgagctcgcccgtcacaaagagcttcaacaggggagagtgc(配列番号35)のDNA配列によってコードされたアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)、及びgaggtgcagctgttggagtctgggggaggcttggtacagcctggggggtccctgagactctcctgtgcagcctctggattcacctttagcagctatcctatgagctgggtccgccaggctccagggaaggggctggagtgggtctcagctattagtggtagtggtggtagcacatactacgcagactccgtgaagggccggttcaccatctccagagacaattccaagaacacgctgtatctgcaaatgaacagcctgagagccgaggacacggccgtatattactgtgcgagagaggggggctcagggagttattataacggctttgattattggggccagggaaccctggtcaccgtctcctcagcctccaccaagggcccatcggtcttcccgctagcaccctcctccaagagcacctctgggggcacagcggccctgggctgcctggtcaaggactacttccccgaaccggtgacggtgtcgtggaactcaggcgccctgaccagcggcgtgcacaccttcccggctgtcctacagtcctcaggactctactccctcagcagcgtggtgaccgtgccctccagcagcttgggcacccagacctacatctgcaacgtgaatcacaagcccagcaacaccaaggtggacaagaaagttgagcccaaatcttgtgacaaaactcacacatgcccaccgtgcccagcacctgaactcctggggggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccctgaggtcaagttcaactggtacgtggacggcgtggaggtgcataatgccaagacaaagccgcgggaggagcagtacaacagcacgtaccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcctgcaccaggactggctgaatggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaagccctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaagccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggacgagctgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctatcccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacgccccccgtgctggactccgacggctccttcttcctctatagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacgcagaagagcctctccctgtctccgggt(配列番号36)のDNA配列によってコードされたアミノ酸配列を含む重鎖(HC)を含む。
【0037】
本発明の別の態様において、本発明は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、
宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物を、アフィニティークロマトグラフィーカラム、例えば、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーカラムに供するステップと、
抗N3pG抗体を、酢酸及びリン酸の組み合わせ、又は酢酸及び乳酸の組み合わせを含む緩衝液で溶出するステップと、
約20mM HClの添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを調整するステップであって、pHが約pH3.3~約pH3.7に調整され、溶出液が約0分~約180分間約pH3.3~約pH3.7に維持される、ステップと、
約250mMのトリス緩衝液の添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを上昇させるステップであって、pHが約pH5.0~約pH7.5に上昇される、ステップと、
抗N3pG抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供し、濾過された抗N3pG抗体調製物を得るステップと、を含み、
深層濾過後の抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量が、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmまで減少し、抗N3pG抗体が、IgG1抗体である、方法を提供する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物を、プロテインAクロマトグラフィーカラムに供することと、約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約10mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約5mMの乳酸の組み合わせを含む緩衝液を用いて、クロマトグラフィーカラムからの抗N3pG抗体を溶出することと、約20mM HClの添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、pHが約pH3.3~約pH3.7に低下され、溶出液が約0分~約180分間約pH3.3~約pH3.7に維持される、調整することと、約250mMのトリス緩衝液の添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを上昇させることであって、pHが約pH5.0~約pH7.5に上昇される、上昇させることと、抗N3pG抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、濾過された抗N3pG抗体調製物を得ることであって、濾過された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量が、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmであり、抗N3pG抗体が、IgG1抗体である、得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶出液のpHを約pH5.0~約pH7.5に上昇させることは、約100mM~約1000mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物を、プロテインAクロマトグラフィーカラムに供することと、約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約10mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約5mMの乳酸の組み合わせを含む緩衝液を用いて、クロマトグラフィーカラムからの抗N3pG抗体を溶出することと、約20mM HClを用いて抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、pHが約pH3.5に調整され、溶出液が約0分~約180分間約pH3.5に維持される、調整することと、約250mMのトリス緩衝液を用いて抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを上昇させることであって、pHが約pH5.0~約pH7.5に上昇される、上昇させることと、抗N3pG抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、濾過された抗N3pG抗体調製物を得ることとであって、濾過された抗N3pG抗体中の宿主細胞タンパク質含有量が、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmであり、抗N3pG抗体が、IgG1抗体である、得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶出液のpHを約pH5.0~約pH7.5に上昇させることは、約100mM~約1000mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物を、プロテインAクロマトグラフィーカラムに供することと、約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約10mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約5mMの乳酸の組み合わせを含む緩衝液を用いて、クロマトグラフィーカラムからの抗N3pG抗体を溶出することと、約20mM HClの添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、pHが約pH3.5に低下され、溶出液が約0分~約180分間約pH3.5に維持され、ウイルス不活性化が達成される、調整することと、を含む、方法を提供する。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物を、プロテインAクロマトグラフィーカラムに供することと、約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約10mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約5mMの乳酸の組み合わせを含む緩衝液を用いて、クロマトグラフィーカラムからの抗N3pG抗体を溶出することと、約20mM HClの添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、pHが約pH3.3~約pH3.7に低下され、溶出液が約0分~約180分間約pH3.3~約pH3.7に維持される、調整することと、約250mMのトリス緩衝液により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを上昇させることであって、pHが約pH7.25に上昇される、上昇させることと、抗N3pG抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、濾過された抗N3pG抗体調製物を得ることであって、抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量が、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmであり、抗N3pG抗体が、IgG1抗体である、得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶出液のpHを約pH7.25に上昇させることは、約100mM~約1000mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物を、プロテインAクロマトグラフィーカラムに供することと、約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約5mMのリン酸の組み合わせを含む緩衝液、又は約20mMの酢酸及び約5mMの乳酸の組み合わせを含む緩衝液を用いて、クロマトグラフィーカラムからの抗N3pG抗体を溶出することと、約20mM HClの添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを調整することであって、pHが約pH3.5に低下され、溶出液が約0分~約180分間約pH3.5に維持される、調整することと、約250mMのトリス緩衝液の添加により抗N3pG抗体を含む溶出液のpHを上昇させることであって、pHが約pH7.25に上昇される、上昇させることと、抗N3pG抗体を含む溶出液をデプスフィルターに供することと、濾過された抗N3pG抗体調製物を得ることであって、抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量が、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmであり、抗N3pG抗体が、IgG1抗体である、得ることと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、溶出液のpHを約pH7.25に上昇させることは、約100mM~約1000mMのトリス緩衝液を溶出液に添加することを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、本発明は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供する、
【0044】
開示された方法及び開示された方法によって産生された抗体組成物のいくつかの実施形態では、抗体は、突然急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質に対する抗体である。いくつかの実施形態では、抗SARS-CoV-2抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞などの哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生される。好適な抗SARS-CoV-2抗体には、バムラニビマブ、エテセビマブ、及びベブテロビマブが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗SARS-CoV-2抗体は、バムラニビマブである。いくつかの実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、配列番号1のアミノ酸配列を含む可変重鎖(VH)と、配列番号2のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(VL)と、を含む。いくつかの実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)と、配列番号4のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)と、を含む。他の実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、エテセビマブである。更に他の実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、配列番号5のアミノ酸配列を含む可変重鎖(VH)と、配列番号6のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(VL)と、を含む。なおも更なる実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)と、配列番号8のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)と、を含む。いくつかの実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、ベブテロビマブである。更に他の実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を含む可変重鎖(VH)と、配列番号10のアミノ酸配列を含む可変軽鎖(VL)と、を含む。なおも更なる実施形態では、抗SARS-COV-2抗体は、配列番号11のアミノ酸配列を含む重鎖(HC)と、配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖(LC)と、を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、治療用又は診断用抗体は、哺乳動物細胞において産生される。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、マウスハイブリドーマ細胞、又はマウス骨髄腫細胞である。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明は、デプスフィルターに供した後に宿主細胞内で組換えによって産生された抗体調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法が、更なる精製及び/又は研磨ステップに更に供されて、原薬調製物を得る、方法を提供する。原薬は、疾患の診断、治癒、緩和、治療、若しくは予防において薬理活性若しくはその他の直接的な効果をもたらすこと、又は人体の構造若しくはいずれかの機能に影響を与えることを目的とした有効成分としてFDAによって定義されているが、このような成分の合成に使用される中間体を含まない。製剤は、一般に、しかし必ずしもそうではないが、1つ以上の他の成分と関連して、原薬を含有する、ヒト患者への投与に好適な完成した剤形、例えば、錠剤、カプセル、又は溶液である。いくつかの実施形態では、更なる精製及び/又は研磨ステップは、以下:ウイルス不活性化の実施、イオン交換クロマトグラフィーの実施、ウイルス濾過の実施、及び/又はタンジェンシャルフロー濾過の実施のうちの1つ以上を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、約0ppmに減少する。
【0048】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、PLBL2を含み、PLBL2含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、PLBL2含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、PLBL2含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、PLBL2含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、PLBL2含有量は、約0ppmに減少する。
【0049】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、リソソーム保護タンパク質を含み、リソソーム保護タンパク質含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、リソソーム保護タンパク質含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、リソソーム保護タンパク質含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、リソソーム保護タンパク質含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、リソソーム保護タンパク質含有量は、約0ppmに減少する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、タンパク質S100-A6を含み、タンパク質S100-A6含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A6含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A6含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A6含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A6含有量は、約0ppmに減少する。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、タンパク質S100-A11を含み、タンパク質S100-A11含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A11含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A11のタンパク質含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A11含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、タンパク質S100-A11含有量は、約0ppmに減少する。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27aを含み、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a含有量は、約0ppmに減少する。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、カリクレイン-11を含み、カリクレイン-11含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、カリクレイン-11含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、カリクレイン-11含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、カリクレイン-11含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、カリクレイン-11含有量は、約0ppmに減少する。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1を含み、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1含有量は、約0ppmに減少する。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、補体C1r小成分を含み、補体C1r小成分含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、補体C1r小成分含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、補体C1r小成分含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、補体C1r小成分含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、補体C1r小成分含有量は、約0ppmに減少する。
【0056】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1を含み、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1含有量は、約0ppmに減少する。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、熱ショック同族71kDaタンパク質を含み、熱ショック同族71kDaタンパク質含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、熱ショック同族71kDaタンパク質含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、熱ショック同族71kDaタンパク質含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、熱ショック同族71kDaタンパク質含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、熱ショック同族71kDaタンパク質含有量は、約0ppmに減少する。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、ポリユビキチンを含み、ポリユビキチン含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、ポリユビキチン含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、ポリユビキチン含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、ポリユビキチン含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、ポリユビキチン含有量は、約0ppmに減少する。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、ペルオキシレドキシン-1を含み、ペルオキシレドキシン-1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、ペルオキシレドキシン-1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、ペルオキシレドキシン-1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、ペルオキシレドキシン-1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、ペルオキシレドキシン-1含有量は、約0ppmに減少する。
【0060】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1を含み、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1含有量は、約0ppmに減少する。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、40Sリボソームタンパク質S28を含み、40Sリボソームタンパク質S28含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、40Sリボソームタンパク質S28含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、40Sリボソームタンパク質S28含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、40Sリボソームタンパク質S28含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、40Sリボソームタンパク質S28含有量は、約0ppmに減少する。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、チオレドキシンアイソフォームX1を含み、チオレドキシンアイソフォームX1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、チオレドキシンアイソフォームX1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、チオレドキシンアイソフォームX1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、チオレドキシンアイソフォームX1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、チオレドキシンアイソフォームX1含有量は、約0ppmに減少する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1を含み、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1含有量は、約0ppmに減少する。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質を含み、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質含有量は、約0ppmに減少する。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、ガレクチン-1を含み、ガレクチン-1含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、ガレクチン-1含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、ガレクチン-1含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、ガレクチン-1含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、ガレクチン-1含有量は、約0ppmに減少する。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量は、コーニフィンアルファを含み、コーニフィンアルファ含有量は、約100ppm未満に減少する。他の実施形態では、コーニフィンアルファ含有量は、約50ppm未満に減少する。他の実施形態では、コーニフィンアルファ含有量は、約20ppm未満に減少する。他の実施形態では、コーニフィンアルファ含有量は、約10ppm未満、5ppm、又は1ppmに減少する。他の実施形態では、コーニフィンアルファ含有量は、約0ppmに減少する。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含む宿主細胞タンパク質含有量のタンパク質調製物を減少させる方法を提供し、タンパク質調製物は、深層濾過に供される。いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物は、デプスフィルターに供され、デプスフィルターは、B1HCフィルター、X0SPフィルター、C0SPフィルター、X0HCフィルター、Emphaze(商標)AEX Hybrid Purifierフィルター、若しくはZeta Plus(ZB Media)フィルター(Zeta Plus(60ZB05A)フィルター、Zeta Plus(90ZB05A)フィルター、若しくはZeta Plus(90ZB08A)フィルターなど)、又はB1HCフィルター、X0SPフィルター、C0SPフィルター、X0HCフィルター、Emphaze(商標)AEX Hybrid Purifierフィルター、若しくはZeta Plus(ZB Media)フィルター(Zeta Plus(60ZB05A)フィルター、Zeta Plus(90ZB05A)フィルター、若しくはZeta Plus(90ZB08A)フィルターなど)のうちのいずれかと同じ性能特性を有するデプスフィルターのうちの1つ以上である。
【0068】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物は、デプスフィルターに供され、デプスフィルターは、B1HCフィルター、X0HCフィルター、若しくはZeta Plus(ZB Media)フィルター(Zeta Plus(60ZB05A)フィルター、Zeta Plus(90ZB05A)フィルター、若しくはZeta Plus(90ZB08A)フィルターなど)、又はB1HCフィルター、X0HCフィルター、若しくはZeta Plus(ZB Media)フィルター(Zeta Plus(60ZB05A)フィルター、Zeta Plus(90ZB05A)フィルター、若しくはZeta Plus(90ZB08A)フィルターなど)のうちのいずれかと同じ性能特性を有するデプスフィルターのうちの1つ以上である。
【0069】
いくつかの実施形態では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物は、デプスフィルターに供され、デプスフィルターは、X0SPフィルター、C0SPフィルター、X0HCフィルター、若しくはEmphaze(商標)AEX Hybrid Purifierフィルター、又はX0SPフィルター、C0SPフィルター、若しくはEmphaze(商標)AEX Hybrid Purifierフィルターのうちのいずれかと同じ性能特性を有するデプスフィルターのうちの1つ以上である。
【0070】
開示された方法のいくつかの実施形態では、方法で利用されるデプスフィルターは、完全合成フィルター媒体を含む完全合成デプスフィルターである。いくつかの実施形態では、デプスフィルターの孔径は、約9ミクロン~約0.1ミクロンである。いくつかの実施形態では、デプスフィルターの孔径は、約2ミクロン~約0.1ミクロンである。いくつかの実施形態では、デプスフィルターの孔径は、約0.1ミクロンである。
【0071】
開示された方法のいくつかの実施形態では、深層濾過に供される抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物のpHは約5.0であり、かつ/又は深層濾過後の抗N3pG抗体を含む溶出液のpHは約5.0である。他の実施形態では、深層濾過に供される抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物のpHは約6.0であり、かつ/又は深層濾過後の抗N3pG抗体を含む溶出液のpHは約6.0である。他の実施形態では、深層濾過に供される抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物のpHは約7.0であり、かつ/又は深層濾過後の抗N3pG抗体を含む溶出液のpHは約7.0である。
【0072】
いくつかの実施形態では、本開示は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、pHを約5.0以上(例えば、約6.0又は約7.0)に上昇させるステップからの溶出液のイオン強度が、約10mM~約45mMである、方法を提供する。いくつかの実施形態では、イオン強度は、約30mM未満である。いくつかの実施形態では、イオン強度は、約20mM未満である。他の実施形態では、イオン強度は、約15mM未満である。
【0073】
いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳動物宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物が、クロマトグラフィーカラムに供される方法を提供する。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィーカラムは、アフィニティーカラム、イオン交換カラム、疎水性相互作用カラム、ヒドロキシアパタイトカラム、又は混合モードカラムのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、アフィニティークロマトグラフィーカラムは、プロテインAカラム、プロテインGカラム、又はプロテインLカラムである。他の実施形態では、イオン交換クロマトグラフィーカラムは、陰イオン交換カラム又は陽イオン交換カラムである。いくつかの実施形態では、本発明は、HCPが最終生成物から十分に除去される方法を提供する。
【0074】
いくつかの実施形態では、本発明は、宿主細胞内で組換えによって産生された抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物中の宿主細胞タンパク質含有量を減少させる方法であって、抗N3pG抗体が、治療用又は診断用抗体である、方法を提供する。更なる実施形態では、治療用又は診断用抗N3pG抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である。
【0075】
別の態様では、抗N3pG抗体を含むタンパク質調製物を含む医薬組成物が本明細書に提供される。更なる態様では、本開示は、本明細書に記載の方法によって生成される組成物を提供する。更に他の実施形態では、本開示は、本明細書に記載の方法によって産生された組成物であって、組成物中の宿主細胞タンパク質含有量が、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmである、組成物を提供する。
【0076】
「宿主細胞タンパク質」(HCP)という用語は、細胞の維持及び増殖、並びにタンパク質の合成及びプロセシングに関与する宿主細胞のタンパク質である。特定のHCPは患者の免疫原性の懸念に関連しており、規制当局は免疫原性の懸念を最小限に抑えるためにHCPを減少させることを望んでいる。免疫原性分析の強力な手法の1つは、免疫情報学ツールに依存しており、バイオ医薬品及びワクチンの両方の設計において有用で、検証された信頼性の高い予測を行うことが示されている。HCPにより駆動される免疫原性に特に関連するのは、抗原提示細胞が、外来タンパク質を構成ペプチドにプロセシングするT細胞経路であり、その一部(「エピトープ」)は主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIIタンパク質によって認識され、T細胞による検査のために細胞表面にもたらされる。3成分のMHC:エピトープ:T細胞受容体複合体の形成は、初期のナイーブ応答を駆動し、その後のB細胞の活性化及び成熟を刺激することができる。したがって、多くの免疫情報学研究は、推定T細胞エピトープの信頼性の高い予測に向けられており(De Groot and Martin,Clin Immunol.2009 May;131(2):189-201、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、EpiMatrixシステムは、ペプチド:MHC結合プロファイルに基づく1つの高度に検証された方法である。EpiMatrixは、タンパク質内の個々のエピトープを特定するだけでなく、次いで、ベンチマークタンパク質と比較したエピトープ密度に従って、タンパク質の全体的な免疫原性リスクを評価することもできる(De Groot and Martin,2009)。EpiMatrixツールを使用して免疫原性を予測する際の一般的な経験則は、スコアが+20以上のものは免疫原性のリスクが高いため、最終調製物からそのようなHCPを減少させるか、又は排除することが望ましいことである。
【0077】
そのようなHCPには、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞由来のもの、例えば、ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)(GenBank登録番号354497505)、S100-A6(GenBank登録番号354478978)、タンパク質S100-A11(GenBank登録番号354490016)、リソソーム保護タンパク質(GenBank登録番号354476738)、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(GenBank登録番号354483686)、カリクレイン-11(GenBank登録番号625217455)、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(GenBank登録番号625222219)、補体C1r小成分(GenBank登録番号625183025)、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(GenBank登録番号625206860)、熱ショック同族71kDaタンパク質(GenBank登録番号350539823)、ペルオキシレドキシン-1(GenBank登録番号350537945)、ポリユビキチン(GenBank登録番号346986309)、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1(GenBank登録番号354505868)、40Sリボソームタンパク質S28(GenBank登録番号625218224)、チオレドキシンアイソフォームX1(GenBank登録番号625209431)、基底膜特異的ヘパリン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(GenBank登録番号625201352)、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(GenBank登録番号625188472)、アクチン、部分細胞質2アイソフォームX2(GenBank登録番号354497282)、ガレクチン-1(GenBank登録番号354496408)、コーニフィンアルファ(GenBank登録番号354504887)が含まれる。開示された方法のいくつかの実施形態では、抗体調製物中で減少しているHCPの含有量は、S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1、並びにそれらの組み合わせから選択されるHCPの含有量である。開示された方法を利用して、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、2ppm、及び1ppmである含有量の、S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1のうちの1つ以上を有する抗体組成物を調製することができる。
【0078】
免疫原性のリスクが高いために、ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)(GenBank登録番号354497505)、S100-A6(GenBank登録番号354478978)、タンパク質S100-A11(GenBank登録番号354490016)、リソソーム保護タンパク質(GenBank登録番号354476738)などの、+20のEpiMatrixスコアを有するこれらのHCPを除去することが特に望ましい。ペリレドキシン-1などの他のHCPは、目的のタンパク質又は抗体と共溶出する傾向があるため、非常に残留性が高く、除去が困難である。
【0079】
「弱酸」という用語は、約4より大きい最低pKaを有する酸を指す。弱酸の例としては、酢酸、コハク酸、及び2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
「強酸」という用語は、約4未満の最低pKaを有する酸を指す。強酸の例としては、リン酸、乳酸、ギ酸、リンゴ酸、マロン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、及び塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
「原子価」という用語は、原子の結合能力を指す。原子が化合物の一部として形成できる結合の数は、元素の原子価で表される。「一価」という用語は、原子、イオン、又は化学基を指し、原子価が1であるため、1つの共有結合を形成できる。
【0082】
「デプスフィルター」という用語は、媒体の表面だけでなく、媒体全体(媒体内及び媒体上)に粒子を保持する多孔性濾過媒体を使用するフィルター要素を指す。デプスフィルターは、それらが構成される材料の化学的特性に起因する吸着能力を更に有し得る。市販のデプスフィルターの例としては、B1HCフィルター、X0SPフィルター、C0SPフィルター、X0HCフィルター、Emphaze(商標)AEX Hybrid Purifier、Zeta Plus(60ZB05A)フィルター、Zeta Plus(90ZB05A)フィルター、及びZeta Plus(90ZB08A)フィルターが挙げられるが、これらに限定されない。デプスフィルターは、完全合成フィルター媒体を含む完全合成デプスフィルターであってもよい。デプスフィルターは、約9ミクロン~約0.1ミクロン、約2ミクロン~約0.1ミクロン、又は約0.1ミクロンの孔径を有し得る。「深層濾過」という用語は、不均一又は均一であり得る液体材料をデプスフィルターに通過させる行為を指す。
【0083】
溶液に言及する場合の「イオン強度」という用語は、その溶液中のイオン濃度の尺度である。イオン強度(I)は、全ての種について、種濃度c及び正味電荷zの関数である。イオン強度を決定するために、式Iが使用される。
【数1】
【0084】
「抗体調製物」は、目的の治療用又は診断用抗体又はその抗原結合断片を含有し、また様々な不純物を含有し得る、精製プロセス又は方法のために提供される材料又は溶液である。非限定的な例としては、例えば、採取細胞培養液(HCCF)、採取細胞培養材料、浄化細胞培養液、浄化細胞培養材料、1つ以上の遠心分離ステップ、及び/又は濾過ステップ後に目的の治療用若しくは診断用抗体を含有する捕捉プール、回収プール、及び/又は収集プールを挙げることができ、この捕捉プール、回収プール及び/又は収集プールは、1つ以上の精製ステップ後に目的の治療用若しくは診断用抗体を含有する。
【0085】
「不純物」という用語は、所望の抗N3pG抗体製品とは異なる材料を指す。不純物としては、宿主細胞タンパク質、CHOPなどの宿主細胞材料;浸出したプロテインA;核酸;所望の抗体の変異体、サイズ変異体、断片、凝集体又は誘導体;エンドトキシン;ウイルス汚染物質;細胞培養培地成分などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、本明細書では、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために交換可能に使用される。ポリマーは線状又は分枝状であってもよく、それは修飾されたアミノ酸を含んでもよく、それは非アミノ酸によって中断されてもよい。この用語はまた、自然に、又は介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、若しくは任意の他の操作若しくは修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲーションによって修飾されているアミノ酸ポリマーも包含する。また、定義には、例えば、アミノ酸の1つ以上の類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)、及び当該技術分野で既知の他の修飾を含有するタンパク質も含まれる。タンパク質の例としては、抗体、ペプチド、酵素、受容体、ホルモン、調節因子、抗原、結合剤、サイトカイン、Fc融合タンパク質イムノアドヘシン分子などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原に結合する免疫グロブリン分子を指す。抗体の実施形態には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性若しくは多重特異性抗体、又はコンジュゲート抗体が含まれる。抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA)、及び任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)であってもよい。
【0088】
本開示の例示的な抗体は、4つのポリペプチド鎖:鎖間ジスルフィド結合を介して架橋される2つの重鎖(HC)及び2つの軽鎖(LC)から構成された、免疫グロブリンG(IgG)型抗体である。4つのポリペプチド鎖の各々のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100~125個以上のアミノ酸の可変領域を含む。4つのポリペプチド鎖の各々のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を含有する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域から構成される。IgGアイソタイプは、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)に更に分割され得る。
【0089】
VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる、超可変領域に更に細分され得る。CDRはタンパク質の表面上に露出しており、抗原結合特異性のための抗体の重要な領域である。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成されており、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置される。本明細書では、重鎖の3つのCDRを「HCDR1、HCDR2、及びHCDR3」と称し、軽鎖の3つのCDRを「LCDR1、LCDR2、及びLCDR3」と称する。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含有する。アミノ酸残基のCDRへの割り当ては、Kabat(Kabat et al.,“Sequences of Proteins of Immunological Interest”,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))、Chothia(Chothia et al.,“Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,196,901-917(1987)、Al-Lazikani et al.,“Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins”,Journal of Molecular Biology,273,927-948(1997))、North(North et al.,“A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations”,Journal of Molecular Biology,406,228-256(2011))、又はIMGT(www.imgt.orgで利用可能な国際的なImMunoGeneTicsデータベース;Lefranc et al.,Nucleic Acids Res.1999;27:209-212を参照のこと)に記載されているものを含む、周知のスキームに従って行われ得る。
【0090】
本開示の実施形態はまた、本明細書で使用される場合、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv抗体断片、scFab、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd断片などの、抗原又は抗原のエピトープと特異的に相互作用する能力を保持する抗体の少なくとも一部を含む、抗体断片又は抗原結合断片を含む。
【0091】
開示された方法は、原薬調製物を調製するために実施され得る。
【0092】
開示された方法及び組成物は、Np3Gluアミロイドベータペプチドに対する抗体(「抗Np3G抗体」)を利用し得るか、又はそれを含み得る。抗Np3G抗体は、アミロイドベータ(Aβ)ペプチド凝集に関連する疾患の治療に使用することができる。アミロイド前駆体タンパク質(APP)の切断により、サイズが38~43アミノ酸の範囲のAβペプチドが得られる。可溶性形態から高βシート含有量を有する不溶性形態へのAβの変換、及び脳内の神経突起及び脳血管プラークとしてのこれらの不溶性形態の沈着は、アルツハイマー病(AD)、ダウン症候群、及び脳アミロイド血管障害(CAA)を含む、多くの病気に関連している。プラークに見られる沈着物は、Aβペプチドの不均一な混合物で構成されている。N3pE、pE3-X、又はAβp3-Xとも称されるN3pGlu Aβは、AβペプチドのN末端切断型であり、主にプラークに見出される。N3pGlu Aβは、ヒトAβのN末端に最初の2つのアミノ酸残基がなく、3番目のアミノ酸位置にグルタミン酸に由来するピログルタメートを持っている。N3pGlu Aβペプチドは脳に沈着したAβの微量成分であるが、研究により、N3pGlu Aβペプチドは強い凝集特性を持ち、沈着カスケードの初期に蓄積することが示されている。N3pGlu Aβに対する抗体は、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第8,679,498号は、ヒトN3pGlu Aβ抗体(例えば、B12L、LY3002813としても既知である)及びアルツハイマー病などの疾患を当該抗体で治療する方法を開示している。米国特許第10,647,759号は、「抗体201c」を含むN3pG Ab抗体、及び当該抗体を用いてアルツハイマー病などの疾患を治療する方法を開示している。開示された方法及び組成物の抗Np3Glu抗体は、Pyr-EFRHDSGYEVHHQK(すなわち、pE3-16)であるAb内に存在するエピトープに特異的に結合し得る。
【0093】
開示された方法及び組成物は、突発性急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質に対する抗体を利用又は含むことができる。本明細書で使用される「抗SARS-CoV2抗体」という用語は、SARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質に結合する抗体を指す。SARS-CoV-2スパイク(S)タンパク質のアミノ酸配列は、例えば、GenBank登録番号:YP_009724390.1に記載されている。
【0094】
「限外濾過」又は「濾過」という用語は、静水圧が液体を半透膜に押し付ける膜濾過の一形態である。水及び低分子量の溶質が膜を通過する間、高分子量の浮遊物質及び溶質は保持される。いくつかの例では、限外濾過膜は、1μm~100μmの範囲の孔径を有する。「限外濾過膜」、「限外濾過フィルター」、「濾過膜」及び「濾過フィルター」という用語は、交換可能に使用され得る。濾過膜の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン)、塩化ポリビニル、ポリエーテルスルホン、ガラス繊維、又はcGMP製造環境での使用に好適な他の濾過材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
本明細書で使用される場合、数値範囲には、範囲を定義する数値が含まれる。
【0096】
当該技術分野で認識されている「EU番号付け」という用語は、免疫グロブリン分子のアミノ酸残基の番号付けシステムを指す。EU番号付けは、例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991)、Edelman,G.M,et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78-85(1969)、及びhttp://www.imgt.org/IMGTScientificChart/Numbering/Hu_IGHGnber.html#refsに記載されている。「Kabat番号付け」という用語は、重鎖及び軽鎖可変領域内の他のアミノ酸残基よりも可変的である(すなわち、超可変的)アミノ酸残基を番号付けするシステムを指すものとして当該技術分野で認識されている(例えば、Kabat,et al.,Ann.NY Acad.Sci.190:382-93(1971)、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242(1991)を参照のこと)。「North番号付け」という用語は、重鎖及び軽鎖可変領域内の他のアミノ酸残基よりも可変的である(すなわち、超可変的)アミノ酸残基を番号付けするシステムを指し、少なくとも部分的に、(North et al.,A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations,Journal of Molecular Biology,406:228-256(2011)に記載される多数の結晶構造との親和性伝播クラスター化に基づく。
【0097】
本明細書で使用される場合、「アフィニティークロマトグラフィー」という用語は、生体分子間の特異的な可逆的相互作用に基づいて生化学的混合物(例えば、タンパク質と望ましくない生体分子種)を分離するためのクロマトグラフィー法を指す。アフィニティークロマトグラフィーの例示的な実施形態には、プロテインAアフィニティー、プロテインGアフィニティー、プロテインLアフィニティー、カッパアフィニティーリガンドクロマトグラフィー(CaptureSelect(商標)、KappaXL(商標)、KappaSelect(商標)、KappaXP(商標)など)又はラムダアフィニティーリガンドクロマトグラフィーが含まれる。
【0098】
本開示のタンパク質は、当該技術分野で周知の方法によって調製することができ、かつ、本開示のタンパク質と、1つ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤とを含む医薬組成物に組み込むことができる(例えば、一般に開業医に既知である製剤化技術の概要を提供する、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,Loyd V.,Ed.,Pharmaceutical Press,2012)。医薬組成物に好適な担体には、タンパク質と組み合わせたときに、分子の活性を保持し、かつ患者の免疫系とは非反応性である、任意の材料が含まれる。
【0099】
操作可能に連結されている遺伝子の発現を導くことができる発現ベクターは、当該技術分野において周知である。発現ベクターは、宿主細胞からのポリペプチドの分泌を促進するシグナルペプチドをコードすることができる。シグナルペプチドは、免疫グロブリンシグナルペプチド又は異種性シグナルペプチドであり得る。発現されたポリペプチドの各々は、1つのベクター内でそれらが操作可能に連結している異なるプロモーターから独立して発現され得るか、又は代替的に複数のベクター内でそれらが操作可能に連結している異なるプロモーターから独立して発現され得る。発現ベクターは、典型的には、エピソーム、又は宿主染色体DNAの一体化した部分のいずれかとして、宿主生物中で複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換されたそれらの細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えば、テトラサイクリン、ネオマイシン、及びジヒドロ葉酸レダクターゼを含む。
【0100】
宿主細胞は、本開示の1つ以上のタンパク質を発現する1つ以上の発現ベクターで安定に又は一過性にトランスフェクト、形質転換、形質導入又は感染された細胞を指す。本開示のタンパク質を産生する宿主細胞株の作製及び単離は、当該技術分野で既知の標準的な技術を用いて達成され得る。哺乳動物細胞は、本開示のタンパク質の発現に好ましい宿主細胞である。具体的な哺乳動物細胞は、HEK293、NS0、DG-44、及びCHOを含む。好ましくは、タンパク質は、宿主細胞が培養される培地中に分泌され、そこからタンパク質が、例えば従来の技術を用いて回収又は精製され得る。例えば、培地は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーカラム及び/又はカッパアフィニティーリガンド若しくはラムダアフィニティーリガンドクロマトグラフィーカラムに適用され、そこから溶出され得る。可溶性凝集体及び多量体を含む望ましくない生体分子種は、サイズ排除、疎水性相互作用、イオン交換、又はヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む、一般的な技術によって効率的に除去することができる。生成物を、例えば、-70℃で直ちに凍結してもよく、冷蔵してもよく、又は凍結乾燥してもよい。タンパク質精製の様々な方法が採用され得、そのような方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology 182:83-89(1990)、及びScopes,Protein Purification:Principles and Practice,3rd Edition,Springer,NY(1994)に記載される。
【0101】
抗体又はその抗原結合断片が、哺乳動物宿主細胞から抗体を精製することを含む方法によって調製された、抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物も本明細書に開示される。抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)の総含有量は、典型的には、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppm(例えば、LCMSにより測定した場合)である。開示された医薬組成物のいくつかの実施形態では、開示された医薬組成物の抗体は、ヒトN3pGlu Aβ(抗N3pGlu Aβ抗体)に結合する。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。
【0102】
開示された医薬組成物は、典型的には、抗N3pGlu Aβ抗体であり得る、抗体又はその抗原結合断片を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1抗体である。
【0103】
開示された医薬組成物は、抗N3pGlu Aβ抗体を含み得る。いくつかの実施形態では、抗N3pGlu Aβ抗体は、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、KSSQSLLYSRGKTYLN(配列番号17)であり、LCDR2が、AVSKLDS(配列番号18)であり、LCDR3が、VQGTHYPFT(配列番号19)であり、HCDR1が、GYDFTRYYIN(配列番号20)であり、HCDR2が、WINPGSGNTKYNEKFKG(配列番号21)であり、HCDR3が、EGITVY(配列番号22)である。
【0104】
開示された医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、抗N3pGlu Aβ抗体を含み、抗体が、LCVR及びHCVRを含み、LCVRが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)であり、HCVRが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)である。
【0105】
開示された医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、抗N3pGlu Aβ抗体を含み、抗N3pGlu Aβ抗体のLCが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)であり、抗N3pGlu Aβ抗体のHCが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)である。
【0106】
開示された組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、ドナネマブを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、開示される組成物は、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含む抗N3pGlu Aβ抗体を含み、軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、RASQSLGNWLA(配列番号27)であり、LCDR2が、YQASTLES(配列番号28)である。LCDR3が、QHYKGSFWT(配列番号29)であり、HCDR1が、AASGFTFSSYPMS(配列番号30)であり、HCDR2が、AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号31)であり、HCDR3が、AREGGSGSYYNGFDY(配列番号32)である。
【0108】
開示された医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、抗N3pGlu Aβ抗体を含み、抗体が、LCVR及びHCVRを含み、LCVRが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)であり、HCVRが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)である。
【0109】
開示された医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、抗N3pGlu Aβ抗体を含み、抗N3pGlu Aβ抗体のLCが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号25)であり、抗N3pGlu Aβ抗体のHCが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号26)である。
【0110】
開示された組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、米国特許第10,647,759号で参照される抗体201cを含む。
【0111】
ドナネマブなどの抗N3pGlu抗体を含み得る抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、医薬組成物は、減少した総含有量の宿主細胞タンパク質(HCP)を有し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのHCP(例えば、LCMSにより測定した場合)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、以下のHCP及びそれらの組み合わせから選択される約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのHCPを含む:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、ペルオキシレドキシン-1。
【0112】
抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのタンパク質S100-A6(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのタンパク質S100-A11(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのホスホリパーゼB様2タンパク質(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのリソソーム保護タンパク質(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのカリクレイン-11(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmの補体C1r小成分(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのアクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmの熱ショック同族71kDaタンパク質(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのペルオキシレドキシン-1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。
【0113】
抗体201cなどの抗N3pGlu抗体を含み得る、抗体を含む開示された医薬組成物において、医薬組成物は、減少した総含有量の宿主細胞タンパク質(HCP)を有し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのHCP(例えば、LCMSにより測定した場合)を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、以下のHCP及びそれらの組み合わせから選択される約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのHCPを含む:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファ。
【0114】
抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのポリユビキチン(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのリソソーム保護タンパク質(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmの40Sリボソームタンパク質S28(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのチオレドキシンアイソフォームX1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmの基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmの尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのガレクチン-1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのペルオキシレドキシン-1(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。抗N3pG抗体を含む開示された医薬組成物において、組成物は、約100ppm未満、50ppm、20ppm、10ppm、5ppm、又は1ppmのコーニフィンアルファ(例えば、LCMSにより測定した場合)を含み得る。
【実施例
【0115】
LCMSによる宿主細胞タンパク質(HCP)の測定:以下の実施例において宿主細胞タンパク質(HCP)レベルに対する精製の影響を評価するために、例えば、Thermo Scientific質量分析計に連結された超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)によるペプチドマッピング/LC-MS/MS HCPプロファイリングによって試料を分析する。HCPを検出するための方法は、当該技術分野で開示されている。(例えば、Huang et al.,“A Novel Sample Preparation for Shotgun Proteomics Characterization of HCPs in Antibodies,”Anal.Chem.2017,89,5436-5444を参照されたい。)この分析では、試料をトリプシンによる消化に供し、ジチオスレイトール(DTT)で還元/沈殿させた後、LC-MS/MS分析用のHPLCバイアルに上清を移して酸性化する。LC-MS/MSデータは、Proteome Discovererによって、抗体、スパイク、及び対照タンパク質配列を追加したCHO-K1タンパク質データベースに対して分析される。HCP濃度は、総HCP含有量(例えば、製品1mg当たりのHCPのng)に対する試料当たりのHCPの百万分率(ppm)の合計として報告される。更に、特定のHCP(例えば、ホスホリパーゼB様2タンパク質(PLBL2)及びリソソーム保護タンパク質)の濃度も提供される。
【0116】
ELISAによるHCP測定:試料中のHCPレベル濃度は、以下の実施例において、Gyrolab(登録商標)CHO-HCPキット1(Cygnus Technologies、製造者の指示に従って実施)を使用するELISAアッセイによっても評価される。HCPの結果の濃度は、総HCP含有量に対する試料当たりのHCPの百万分率(ppm)の合計として報告される。
【0117】
実施例1-mAb1(エテセビマブ)精製プロセスにおけるHCPの減少
タンパク質捕捉ステップ:殺菌したプロテインAカラム(MabSelect SuReプロテインA媒体)を平衡化し、mAb1(エテセビマブ)無細胞バイオリアクターの回収物をプロテインAカラムに負荷し、最終洗浄として20mMトリス(pH7.0)を使用してプロテインAカラムの洗浄を3回行う。5カラム体積(CV)の20mM酢酸+5mMリン酸を使用して、mAb1をカラムから溶出する。前面及び背面での吸光度に基づくピークカットを用いて、主要な生成物画分を単一のバルク画分に回収する。
【0118】
低pHウイルス不活性化ステップ及び中和ステップ:mAb1を含有する主要な生成物画分(タンパク質捕捉溶出液バルク画分)のpHを、低pHウイルス不活性化のために20mMのHClを添加することによって3.30~3.60のpHに調整する。混合物を18℃~25℃で約180分間インキュベートする。次いで、250mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用して、混合物をpH7.0に中和する。
【0119】
深層濾過ステップ:デプスフィルター(X0SP、Millipore)を注射用水(WFI)で洗い流す。低pHウイルス不活性化ステップ及び中和ステップから得られたmAb1混合物を、1200g/m(デプスフィルター膜面積1m当たりのmAbのグラム数)の負荷量でデプスフィルターに適用する。負荷されたデプスフィルターをWFIで洗い流す。デプスフィルターからの濾液は、任意選択的に負荷後のWFI洗浄液を含んでおり、250mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用してpH8.0に中和される。
【0120】
陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィーステップ:殺菌したカラム(Q Sepharose Fast Flow陰イオン交換クロマトグラフィー媒体、又はQFF)を2CVの20mMトリス(pH8.0)で平衡化する。深層濾過ステップから得られたmAb1溶液を、樹脂1リットル当たり25~100gの負荷量でカラムに負荷し、平衡緩衝液で追加の洗浄を行う。mAb1は、非結合画分と追加の洗浄によって形成されたピーク領域の前面及び背面での吸光度に基づくピークカットによって回収される。
【0121】
結果:記載した精製プロセスを用いて、LC-MSで測定された総HCPレベルは以下のとおりである:
●プロテインA溶出後 23299ppm、
●X0SP深層濾過後 13ppm、
●AEXクロマトグラフィー後 2ppm。
【0122】
mAb1のためのデプスフィルターセット1の評価:mAb1を、本質的に上記のようなプロテインA、低pHウイルス不活性化、中和、及び深層濾過ステップによって処理する。4つの異なるデプスフィルター:Emphaze(商標)AEX Hybrid Purifier、Zeta Plus BC25-60ZB05A、Zeta Plus BC25-90ZB05A、及びZeta Plus BC25-90ZB08A(3M)を、表1に示すように2000g/mの負荷量で試験する。表1の結果は、プロテインAの溶出後に観察された総HCP含有量と比較した場合、試験した4つのデプスフィルターで、LCMS及び/又はELISAによる深層濾過後に総HCP含有量が有意に減少したことを示している。
【表1】
【0123】
実施例2-mAb2(バムラニビマブ)精製プロセスにおけるHCPの減少
プロテインA溶出緩衝液の比較:mAb2は、以下の例外を除き、本質的に実施例1のmAb1について記載したように調製される:1)低pHウイルス不活性化の後、かつ深層濾過の前に、250mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用して、溶液を7.0の代わりに7.25のpHに中和する、2)mAb2は、表2に列挙した緩衝液の組み合わせを使用してプロテインA捕捉カラムから溶出される、かつ3)AEXクロマトグラフィーは、Poros XQ樹脂を使用して行う。HCP含有量(総HCPレベルとPLBL2レベルの両方)は、表2及び表3に列挙される精製単位操作の後に、LCMSによって評価される。表2及び3の結果は、深層濾過ステップの後、試験した3つの緩衝液の組み合わせ全てで、HCP及びPLBL2の総含有量が減少することを示す。具体的には、20mM酢酸+5mMリン酸及び20mM酢酸+5mM L-乳酸が、20mM酢酸+5mMクエン酸の組み合わせと比較して、深層濾過後に総HCP及びPLBL2を20ppm未満まで大幅に減少させたことを示した。
【表2】
【表3】
【0124】
デプスフィルターセット2の評価:mAb2は、以下の例外を除いて、本質的にmAb1について記載したように調製される:1)低pHウイルス不活性化の後、かつ深層濾過の前に、250mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用して、溶液のpHを7.0ではなく7.25のpHに中和する、かつ2)深層濾過は、表4に示すデプスフィルターを用いて行う。表4は、1500g/mの負荷量で様々なデプスフィルターを使用した深層濾過後のHCP及びPLBL2の総含有量を示す。試験した3つのセットの2デプスフィルターの全て(X0SP、C0SP、X0HC、(Millipore))は、深層濾過後、20ppm未満の総HCP及びPLBL2含有量の大幅な減少を示す。
【表4】
【0125】
実施例3.mAb3(ベブテロビマブ)精製プロセスにおけるHCPの減少
mAb3は、900g/mの負荷量でX0SPデプスフィルターを使用することを除いて、本質的に実施例1でmAb1について記載したように、タンパク質捕捉、低pHウイルス不活性化、中和、及び深層濾過ステップを用いて調製される。記載した精製プロセスを用いて、LCMSで測定された総HCPレベルは以下のとおりである:
●プロテインA溶出後 179964ppm、
●X0SP(Millipore)深層濾過後 77ppm。
【0126】
実施例4.二重特異性抗体(mAb4)精製プロセスにおけるHCPの減少
二重特異性抗体mAb4は、プロテインLアフィニティー捕捉カラム(Cytiva)を使用し、表5に示される緩衝系で溶出することを除いて、本質的に実施例1でmAb1について記載したように、タンパク質捕捉ステップを用いて調製される。総HCP含有量は、約1300~約2500ppmの範囲が得られるELISAによって測定される。タンパク質の捕捉に続いて、表5に列挙される滴定剤を使用することを除いて、本質的に実施例1でmAb1について記載したように低pHウイルス不活性化を行い、続いて、500mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用してpH7.0まで中和する。次に、X0SPデプスフィルターを1200g/mの負荷量で使用して、実施例1のmAb1について記載したように深層濾過ステップを行うHCP含有量は、ELISAによる深層濾過後に測定される。
【0127】
表5の結果は、深層濾過後に、エントリー1~7の総HCP含有量が、50ppm未満まで有意に減少し、デプスフィルターに適用された混合物のイオン強度が45mM未満であったことを示している。加えて、デプスフィルターに適用された混合物のイオン強度と、深層濾過後の総HCP含有量との間の相関関係。更に、エントリー2は、緩衝液を希釈することによりイオン強度を低下させることができ、深層濾過後に低HCP含有量をもたらすことができるが、希釈による体積の増加は製造プロセスに不利になる可能性があることを示している。
【表5】
【0128】
実施例5.mAb5(ドナネマブ)精製プロセスにおけるHCPの減少
mAb5調製物は、本質的に以下に記載したステップを使用して調製される:タンパク質の捕捉、低pHウイルス不活性化及び中和、深層濾過、陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー、陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィー、ウイルス濾過、並びにタンジェンシャルフロー濾過(TFF)。
【0129】
タンパク質捕捉ステップ:
残留HCP及び残留DNAなどのプロセス関連の不純物を減少させることにより、抗体を捕捉及び精製する。殺菌したプロテインAカラム(MabSelectプロテインA媒体)を平衡化し、モノクローナル抗体(CHO細胞から発現したmAb5(ドナネマブ))の無細胞バイオリアクターの採取物を、プロテインAカラムに負荷し、プロテインAカラムの3回の洗浄を、最後の洗浄として20mMトリス(pH7.0)を使用して行う。抗体は、5カラム体積(CV)の20mM酢酸+5mMクエン酸を使用してカラムから溶出される。前面及び背面での吸光度に基づくピークカットを用いて、主要な生成物画分を単一のバルク画分に回収する。
【0130】
低pHウイルス不活性化ステップ及び中和ステップ:
低pH感受性ウイルスを不活性化し、残留HCP、残留プロテインA、残留DNA、及び総凝集体を減少させる。ウイルスの不活性化は、20mM酢酸、5mMクエン酸の添加により、mAbを含有する収集された主要な生成物画分(タンパク質捕捉溶出液バルク画分)のpHを3.30~3.60のpHに調整することによって行われる。混合物を18℃~25℃で約180分間インキュベートする。次いで、250mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用して、混合物を5~7.0のpH、好ましくはpH5.0に中和する。
【0131】
深層濾過ステップ:
各試験条件(B1HCでpH 5)について、別個のデプスフィルター(B1HC、Millipore)を、注射用水(WFI)で洗い流す。低pHウイルス不活性化ステップ及び中和ステップから得られたmAb混合物を、約500~1500g/m(デプスフィルター膜面積1m当たりのmAbのグラム数)の目標負荷量でデプスフィルターに適用する。負荷されたデプスフィルターをWFIで洗い流す。デプスフィルターからの濾液は、任意選択的に負荷後のWFI洗浄液を含んでおり、250mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用してpH7.25に中和される。計算した体積の20mMトリス、1M NaCl、pH7.0の緩衝液を添加して、50mMの最終NaCl濃度にする。
【0132】
陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィーステップ:
潜在的なウイルス汚染物質を減少させる。殺菌したPoros XQ(又はSartobind Q若しくはPoros HQ)陰イオン交換(AEX)カラム(は、2CVの20mMトリス、1M NaCl、pH7.0の緩衝液、続いて3CVの平衡緩衝液の20mMトリス 50mM NaCl、(pH7.25)で事前に平衡化されている。デプスフィルター条件のその各々からのmAb溶液を、デプスフィルター条件に基づいて個別の実行でAEXカラムを通して流し、深層濾過ステップから得、樹脂1リットル当たり約100g~200g(例えば、樹脂1リットル当たり約150g)の負荷量でカラムに負荷し、平衡化緩衝液で追加の洗浄を行う。mAbは、負荷の開始から洗浄の終了まで収集される。
【0133】
陽イオン交換(CEX)クロマトグラフィーステップ:
総凝集体を減少させ、残留HCPを減少させ、残留プロテインAを減少させる。異なるAEX中間体のpHを、0.1N酢酸を加えて約7.25~5.0に調整した後、平衡化した(20%移動相B又は20mM酢酸ナトリウム、200mM塩化ナトリウム、pH5.0に相当)CEXクロマトグラフィー樹脂(POROS(商標)HS又はUNOsphere S)上に負荷した。pH5.0のAEXプロセス中間体は、CEXカラム上に負荷する時点で15%移動相B(193mM塩化ナトリウムに相当)と混合する。カラム負荷は、樹脂1リットル当たり約25グラムのmAbであった。負荷後、カラムを20%移動相B(20mM酢酸ナトリウム、200mM塩化ナトリウム、pH5.0に相当)で洗浄して、結合していない不純物の除去を促進する。次いで、mAbは、20%~55%の移動相Bの直線勾配を10カラム体積にわたって用いてカラムから溶出される(20mM酢酸ナトリウム、pH5.0緩衝液中の200~550mM塩化ナトリウム勾配)。生成物の完全な溶出を確実にするために、直線勾配の後に55%移動相B(20mM酢酸ナトリウム、550mM塩化ナトリウム、pH5.0に相当)でアイソクラチックを保持することができる。溶出中、NLT 4.8 AU/cmでの正面のUVベースのカットは、CEX溶出液の収集を開始し、裏面カットがNLT 2.4 AU/cmで行われるまでピーク頂点が続く。カラムを再生し、1N水酸化ナトリウム溶液で殺菌する。カラムは、0.01N水酸化ナトリウム中で保存することができる。次に、LCMSを使用してHCP含有量について調製物を分析する。
【0134】
ウイルス濾過:
潜在的なウイルス汚染物質を除去する。ウイルス濾過は、Viresolve Pro、Planova 20N、又はPlanova BioEX膜を通して行う。
【0135】
タンジェンシャルフロー濾過(TFF):
ウイルス濾液プロセス中間体を、最終原薬(DS)調製用の適切なマトリックスに交換し、最終DS調製用の適切な範囲に抗体を濃縮する。TFFは、30kDaのPES又は30kDaの再生セルロース膜で行う。
【0136】
原薬調剤:
TFFの後、原薬製剤を完成させるために界面活性剤が添加され、医薬品製造前に適切な温度で保管及び輸送するために承認された容器閉鎖システムに分配される。
【0137】
LC-MSによるHCP含有量の測定
HCP含有量は、以下に記載するようにLC-MSによって測定した。mAb5バッチ1及びmAb5バッチ2について、HCP含有量は、タンパク質捕捉ステップ後、低pHウイルス不活性化後、AEX後、及びCEX後に測定した。mAb5バッチ3~5については、原薬調剤前にHCP含有量を測定した。結果を、以下の表6a及び6b、並びに表7に示す。
【0138】
試料調製
各試料又は対照の約1mgのタンパク質を含有するアリコートを純水に加えて193mLにした。溶液を、5.0mLの1Mトリス-HCl緩衝液、pH8、4つのタンパク質混合物の1.0mLアリコートと混合し、次に1mLの2.5mg/mLのr-トリプシンで37℃で一晩処理した。各消化物を、2.0mLの50mg/mLのDTT溶液と混合し、90℃で15分間加熱した。沈殿物が観察された。試料を、2×30秒間激しくボルテックスした。各試料を、13200rpmで3分間遠心分離し、120mLの上清を、HPLCバイアルに移した。次いで、LC/MS分析のために、HPLCバイアル中の試料を、HO中の5.0μLの20%TFAと混合した。
【0139】
LC/MS/MS法
調製したトリプシンペプチドは、UPLC-MS/MSを使用して分析した。試料を、50μLの体積で、Waters Acquity UPLC CSH C18(Milford、MA,U.S.A.)(2.1×50mm、粒径1.7μm)上に直接注入した。分析中、カラムを60℃に加熱した。分離は、Waters Acquity UPLCシステムで、水中の0.1%ギ酸からなる移動相A、及び0%移動相Bで平衡化してアセトニトリル中の0.1%ギ酸からなる移動相Bを用いて、200μL/分で2分間、50μL/分の流量で23分かけて0%から10%まで、57分かけて20%Bまで、30分かけて30%まで直線的に増加させて行い、続いて400μL/分の流量で複数回のジグザグ洗浄サイクルを行った。質量分析は、Thermo Scientific Q Exactive Plus質量分析計(Bremen,Germany)で行った。データ依存型MS/MSは次のように行った。最初のイベントは、サーベイポジティブマススキャン(230~1500のm/z範囲)であり、その後、最初のイベントからの10個の最も豊富なイオンに対する10個のHCDイベント(28%NCE)が続いた。イオンは、15のシースガス流量、5の補助ガス流量、4kVのスプレー電圧、320℃のキャピラリー温度、及び50のS-レンズRFレベルを使用して生成した。解像度は、サーベイスキャン及びMS/MSイベントに対して、それぞれ、35000(5E6のAGC標的)及び17500(5E4のAGC標的)に設定した。最大イオン注入時間は、サーベイスキャンで250ms、その他のスキャンで300msであった。60秒の動的除外時間は、単一の繰り返し回数で使用した。
【0140】
HCPの特定及び定量化
CHO-K1_refseq_2014 Protein.fastaデータベース(http://www.chogenome.orgから2014年8月23日にダウンロード)から取得した配列で構成されるカスタマイズされたタンパク質データベースは、MS/MSデータからHCPの同一性を予測するために開発された。MS/MSデータを、10ppm及び0.02Daの質量許容差で検索し、Sequest HT検索を備えたProteome Discovererソフトウェアパッケージ、バージョン1.4又は2.3(Thermo Scientific、Bremen,Germany)を使用したこのデータベースに対して厳格な偽発見率(FDR)は1%以下であった。0のスコア及び単一のスペクトルヒットのタンパク質、又は単一のスペクトルヒット、及び10ppm以上、及び汚染されたヒトタンパク質を除外することにより、更なるペプチド/タンパク質フィルタリングを行った。各HCPについて上位3つのペプチド(可能な場合)からのタンパク質面積、及びスパイクされた3つのタンパク質、r-トリプシン、PCSK9、及びADH1についての面積を使用して、個々のHCP濃度(ppm又はng HCP/mg mAb)を計算した。
【表6-1】
【表6-2】
【表7】
【表8】
【0141】
実施例6.mAb7におけるHCPの減少
(米国特許第10,647,759号の抗体201c”)精製プロセス
mAb7(米国特許第10,647,759号の抗体201c”)(LCは配列番号25である、HCは配列番号26である)調製物は、mAb5に関して上記で本質的に記載されたステップを使用して調製されるが、以下の少しの違いがある。
タンパク質捕捉:
プロテインAカラム:MabSelect SuRe
負荷:20~40g/L
溶出:20mM酢酸/5mMクエン酸
低pHウイルス不活性化及び中和:
滴定剤:20mM酢酸/5mMクエン酸、pH3.45
時間:180分
中和:pH5.0、500mMトリス塩基
AEXクロマトグラフィー:
樹脂:POROS 50 XQ、
負荷:100~200g/L負荷
pH:7.0
CEXクロマトグラフィー:
樹脂:POROS 50 HS
負荷:20~40g/L
【0142】
HCP含有量は、実施例5に記載されるようにLC-MSによって測定した。mAb7バッチ1及びmAb7バッチ2について、HCP含有量は、タンパク質捕捉ステップ後、低pHウイルス不活性化後、AEX後、CEX後、及びTFF後に測定した。結果を、表8a及び8bに示す
【表9】
【表10】
【0143】
実施例7.深層濾過中のHCP減少に対するデプスフィルターの種類及びpHの影響-mAb5(ドナネマブ)及びmAb6
パートA-HCP減少に対するpHの影響
2つの抗体(mAb5及びmAb6)は、溶出ステップが表9に示される緩衝系で行われることを除いて、本質的に実施例1でmAb1について記載したように、タンパク質捕捉ステップを用いて調製される。総HCP含有量は、約2800~約3200ppmの範囲が得られるELISAによって測定される。タンパク質捕捉に続いて、本質的に実施例1でmAb1について記載したように低pHウイルス不活性化ステップを行い、続いて500mMトリス塩基pH未調整緩衝液を使用してpH5.0又はpH7.0のいずれかで中和ステップを行う。X0SPデプスフィルターを1000g/mの負荷量で使用して、実施例1のmAb1について記載したように深層濾過ステップを行う深層濾過ステップ後のHCP含有量はELISAによって測定される。
【0144】
表9の結果は、デプスフィルターに適用される混合物のpHが、pH7.0である場合、深層濾過後に、両方の抗体についての総HCP含有量が50ppm未満まで有意に減少したことを示している。デプスフィルターに適用される混合物のpHがpH5.0である場合、総HCP含有量はそれほど減少しない。
【表11】
【0145】
パートB:mAb5についてのHCP減少に対するデプスフィルター及びpHの影響
mAb5は、本質的に実施例5に記載されるようにタンパク質捕捉ステップを使用して調製される。溶出液は、本質的に実施例5に記載されるように、低pHウイルス不活性化及び中和に供される。深層濾過ステップでは、4つの異なるpH及びデプスフィルターの設定を評価した。
(i)B1HCフィルター+pH5.1
(ii)X0SPフィルター+pH5.1
(iii)X0SPフィルター+pH6.2
(iv)X0SPフィルター+pH7.3
【0146】
(i)B1HCフィルター+pH5.1
mAb5は、本質的に実施例5に記載されるようにタンパク質捕捉ステップを使用して調製される。500mlをガラスビーカーに入れ、テフロン撹拌子で混合する。プロテインA溶出液のタンパク質濃度は、12.5mg/mlである。ビーカーに500mlを入れると、総タンパク質含有量は、6250mg(12.5mg/ml×500ml=6250mg)になる。
【0147】
ビーカー内の溶液の開始時のpHは、3.98(温度=18.1C)である。pHを、20mM酢酸/5mMクエン酸で3.45に調整して、本質的に実施例5に記載されるように低pHウイルス不活性化ステップを行う。
【0148】
低pHのウイルス不活性化ステップが進行している間、B1HCフィルター(マイクロポッド又は23sq cm、ロットCP7NA77798、部品MB1HC23CL3)が設定される。OHAUS Scoutスケール、K434696からK434699)とともにPendoTech Filter Screening Peristalticポンプシステム(K434694)を備えたサイズ14の白金硬化シリコンチューブを使用する。全てのフィルターは、23ml/分(約600LMH)のPWTRで、フィルター当たり230ml、又は100L/sqmで洗い流される。
【0149】
pH5.0への中和は、0.25Mトリス塩基で達成される(EL19562-368、LB213、EXP4/15/2020)。pHが5に達すると溶液は濁り、最終的なpHは5.09(5.1)と測定される。濃度は、7.27mg/ml(pH5で6250mg/860ml)と計算される。pH5の溶液を撹拌しながら、997g/sqmの負荷でB1HCフィルターを通した濾過を開始する(309ml×7.27mg/ml=2.246g/0.0023sqm=997g/sqm。B1HCフィルターは、45mlのPWTRで回収フラッシュされる。フィルターは本質的に、回収フラッシュ後にポンプで乾燥される。B1HCの最終体積は、5.13mg/mlで375.5mlであり、1.926gの85.8%収率が得られる。
【0150】
(ii)X0SPフィルター+pH5.1又はpH6.3又はpH7.2
mAb5は、本質的に実施例5に記載されるようにタンパク質捕捉ステップを使用して調製される。500mlをガラスビーカーに入れ、テフロン撹拌子で混合する。プロテインA溶出液のタンパク質濃度は、15.75mg/mlである。ビーカーに500mlを入れると、総タンパク質含有量は、7875mg(15.75mg/ml×500ml=7875mg)になる。
【0151】
ビーカー内の溶液の開始時のpHは、4.05(温度=18.1C)である。pHを、20mM酢酸/5mMクエン酸で3.45に調整して、本質的に実施例5に記載されるように低pHウイルス不活性化ステップを行う。
【0152】
低pHのウイルス不活性化ステップが進行している間、3つのX0SPフィルター(マイクロポッド又は23sq cm、ロットCP9AA93251、cat MX0SP23CL3)が設定され、上記のように別々に洗い流される。
【0153】
0.25Mトリス塩基を使用して達成した中和I(EL19562-368、LB213、EXP 4/15/2020):
【0154】
第1のビーカーは、20mlの250mMトリス塩基でpHを5.1に調整した。計算された濃度は、9.04mg/mlである。
【0155】
第2のビーカーは、27mlの250mMトリス塩基でpHを6.3に調整した。計算された濃度は、8.82mg/mlである。
【0156】
第3のビーカーは、32mlの250mMトリス塩基でpHを7.2に調整した。計算された濃度は、8.67mg/mlである。
【0157】
pH6.3及び7.2の沈殿物は、ぬるぬるしているように見え(濾過の終わりに向かってガラスの底に付着するため)、pH5.1よりサイズが大きい可能性がある。
【0158】
3つの溶液を撹拌しながら、X0SPフィルターによる濾過を開始する。
【0159】
pH5.0 X0SPは、203mlの負荷で25psiに達し、その後、水回収フラッシュに切り替えた。負荷は、798g/sqm(9.04mg/ml×203ml=1.835g/0.0023 sq m=798g/sq m)として計算される。
【0160】
フィルターは、約45mlのPWTRで回収フラッシュされる。フィルターは本質的に、回収フラッシュ後にポンプで乾燥される。
【0161】
X0SP pH5.1の最終体積=5.89mg/mlで278ml=1.637g収量=1.637g/1.835=89.2%
【0162】
X0SP pH6.3の最終体積=5.76mg/mlで365ml=1.g収量=2.102g/2.58=81.5%
【0163】
X0SP pH7.2の最終体積=5.52mg/mlで365ml=2.015g/2.58=78.1%
【0164】
(iii)AEXクロマトグラフィー
深層濾過調製物の各々は、本質的に実施例5に記載されるようにAEXに供される。全てのAEX充填調製物について、pH5の濾液及びpH6の濾液(7.2の濾液ではない)を、250mMトリス塩基(ロットEL19562-368、LB213、exp 4-15-20、開発用途のため)でpHを7.25に調整し、次いで、pH7.25で0.0526×体積で、20mMトリス、1M NaCl、pH7.0(EL19562-862 LB198、exp 9-30-2020)を使用して50mMの最終濃度にNaClを添加した。全ての充填調製物は、撹拌子付きのガラスビーカーで行う。同量のAEXを負荷するために、600mgの各濾液を使用した。全てのAEX充填物のpHは、7.1~7.3であり、全ての導電率は、6.5+/-0.2mSであった。
【0165】
最終的なAEX MS(pH5での)体積、mAb5濃度、総mg、及び収量は次のとおりであった。
1.B1HC材料-3.91mg/mlで155ml=606.1mg又は101%
2.pH5.1のX0SP-5.00mg/mlで120ml=600mg又は100%
3.pH6.3のX0SP-4.96mg/mlで121ml=600.2mg又は100%
4.pH7.2のX0SP-4.79mg/mlで126ml=603.5mg又は100.6%
【0166】
(iii)CEXクロマトグラフィー
AEX調製物の各々は、本質的に実施例5に記載されるように、CEXクロマトグラフィーに供される。CEX樹脂上の実際の負荷は、次のとおりである。
(i)3.91mg/ml×負荷体積130ml×0.85=110.5ml=432.1/17.28=25.0mg/mlのB1HC調製物
(ii)5.00mg/ml 負荷体積101.7ml×0.85%=86.4ml=432/17.28=25.0mg/mlのpH5でのX0SP
(iii)4.96mg/ml 負荷体積=102.5×0.85=87.1ml=432.0/17.28ml=25.0mg/mlのpH6.3でのX0SP
(iv)4.79mg/ml 負荷体積=106.1×0.85=90.2ml=432.1/17.28=25.0mg/mlのpH7.2でのX0SP
【0167】
各条件についてのCEXメインストリーム体積、濃度、及び収率は、次のとおりである。
(i)5.83mg/ml×MS体積=64.1ml MS体積=373mg/432.1mg=86.3%のpH5.0でのB1HC
(ii)5.83mg/ml×64.8ml MS体積=377.8mg/432mg=87.5%のpH5でのX0SP
(iii)5.80mg/ml=64.8ml MS体積=375.8mg/432.0mg=87.0%のpH6.3でのX0SP
(iv)5.80mg/ml=64.7ml MS体積=375.3mg/432.1mg=86.9%のpH7.2でのX0SP
【0168】
(v)LC-MSによるHCP含有量の分析
本質的に実施例5に記載されるように、LCMを使用して、CEX調製物をHCP含有量について分析する。LC-MSデータを表10に示す。
【表12】
【0169】
表10のデータは、試験した全てのpHでX0SPフィルターを用いた深層濾過後に、総HCP含有量が、50ppm未満に大幅に減少したことを示している。これは、B1HCフィルターを用いた深層濾過後のHCP含有量の減少に有利に匹敵する。深層濾過ステップ後の収率は、低いpH5.1と比較して、pH6.3及び7.2で低いことも注目すべきである。したがって、高pHでのHCP含有量の減少は、収率の損失によって相殺される可能性がある。最適な性能は、pH5.0でのX0SPフィルターで見られる。
【0170】
実施例8.生体分子精製プロセス中のイオン強度の決定方法
ここでは、生体分子精製単位プロセス中に既知の緩衝液組成に基づいてイオン強度を推定する方法について説明する。溶液のイオン強度(I)は、その溶液中のイオンの濃度の尺度であり、全ての種について、種濃度c及び正味電荷zの関数である。イオン強度を決定するために、式Iが使用される。
【数2】
【0171】
強電解質:低濃度(例えば、50mM未満)の強電解質の場合、完全な解離が想定される。完全な解離では、組成が容易に算出され、イオン強度の計算が単純になる。例えば、50mM NaClの溶液が解離すると、0.5×[50mM×1+50mM×(-1)]=50mMのイオン強度を有する、各々50mMのNa及びClがもたらされる。別の例として、50mM NaSOが解離すると、0.5×[100mM×1+50mM×(-2)]=150mMのイオン強度を考慮して、100mMのNa及び50mMのSO 2-がもたらされる。緩衝種がない場合、これらの計算では中性に近いpHが予想されるため、水の解離によるイオン濃度はイオン強度に大きく寄与しない。水の解離定数は、[H]=10-pHでK=[H][OH]=10-14であるとみなされる(角括弧は濃度を示す)。ここでの計算のために、(例えば、ヒドロニウムイオンとは対照的に)Hイオンの物理的解釈は必要ではなく、同様に、H濃度と活性を区別する必要もない。
【0172】
緩衝系:緩衝系の場合、完全な解離を想定することはできない。緩衝液の酸解離定数を使用して、酸及び塩基形態の緩衝液の割合を決定する必要がある。H及びAに解離する一般的な酸であるHAの場合、式2は酸解離定数K及び種濃度に関連している。
【数3】
【0173】
酸解離定数は、多くの場合、pK=-log10(K)の対数形式で使用される。pKa,0として示される熱力学的pKは、目的の多くの緩衝液について文献において入手可能である。しかしながら、活量係数が1から逸脱するため、非常に希薄な溶液を除いて、緩衝液の有効pKは熱力学的値からそれる。本開示で考慮される適度に希薄な溶液については、拡張デバイ・ヒュッケル式又はデービス式を使用して、1ではない活量係数を説明した。文献に見られる定数のいくつかの値は若干異なる場合があるが、本開示における目的のイオン強度値の範囲で同様の結果が得られる。拡張デバイ・ヒュッケル式は、式3として提供される:
【数4】
【0174】
デービス式は式4として提供される:
【数5】
式中、n=2z-1であり、zはnを算出するための酸性緩衝液形態の正味の電荷である(Scopes,Protein Purification:Principles and Practices,2013)。
【0175】
pKはイオン強度の関数であるため、組成とイオン強度は独立して決定することはできないが、方程式系の一部である。方程式系には、前述のイオン強度、各緩衝液の酸解離定数、及び各緩衝液のpKの方程式が含まれ、また、各緩衝液の電気的中性条件と全種のバランスも含まれる。この方程式系を用いて、いくつかの値を推定することができる。例えば、既知の溶液のpHを用いて緩衝液製剤の酸/塩基比を推定することができ、逆に、酸/塩基比を用いて溶液のpH及び対応する滴定量を推定することができる。これらの用途のいずれにおいても、イオン強度を推定して、溶離液及び滴定剤のオプションを合理的に選択するのに役立てることができる。
【0176】
本開示の緩衝系に関連するイオン強度、例えば、深層濾過用の供給材料のイオン強度を算出するためには、溶液の緩衝液組成が必要である。この組成は、プロセスで使用される緩衝液及び滴定剤の量と組成に基づいて合理的に推定することができる。本分野で既知のイオン測定技術も、組成を推定するために使用することができる。
【0177】
溶液組成を推定するための出発点として、考えられる方法の1つは、アフィニティーカラムの溶出液プールが、溶出液プールの測定されたpHで緩衝されることを除いて、溶離液と同じ緩衝液組成を有すると想定することである。例えば、目的のタンパク質がプロテインAカラムから20mM酢酸、5mM乳酸で溶出され、溶出液プールが4.2の測定pHを有する場合、溶出液プールの緩衝液組成は、20mM酢酸塩、5mM乳酸塩、及びpHを4.2にするのに十分なNaOH(これは約8.2mM NaOHに相当する)であると仮定される。ナトリウム陽イオンNaの総含有量のみが計算に重要であるため、溶出液のナトリウム含有量が酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、又はそれらの組み合わせに由来すると想定するかどうかは問題ではなく、便宜上、ナトリウムをNaOHに帰属させるという慣習が用いられる。
【0178】
溶離液の組成及び溶出液のpHを用いて溶出液の緩衝液組成を推定した後、溶液の滴定を検討する。例えば、20mM酢酸塩、5mM乳酸塩、pH4.2で約8.2mMのNaOHの推定溶出液組成では、ウイルス不活性化のためにpHを標的値の3.45に低下させるのに必要な20mM HClの体積が開始体積の0.305倍に等しい場合、pH3.45でのそのプロセス中間体の組成は希釈から分かるであろう。酢酸塩、乳酸塩、及びNaOHは、滴定剤中に、それぞれの初期値の1/1.305倍(すなわち、約15.3mM酢酸塩、約3.8mM乳酸塩、及び約6.2mMのNaOH)で存在し、HClは、その値の0.305/1.305(約4.7mM HCl)で存在する。同様に、250mMトリス塩基による中和の場合、pHを標的であるpH7.0に上昇させるための比率がpH3.45溶液の体積の0.0743倍である場合、1/1.0743と0.0743/1.0743の比率を適用して中和溶液の最終濃度を求める(約14.3mMの酢酸塩、約3.6mMの乳酸塩、約5.8mMのNaOH、約4.4mMのHCl、約17.3mMのトリス)。全ての既知の値は、イオン強度を算出するために方程式系(式5~15)に代入される。
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【数16】
トリス、酢酸塩、及び乳酸塩のそれぞれのpKa,o値は、22℃で8.15、4.76、及び3.86であるとみなされた。深層濾過供給材料のイオン強度について得られた推定値は22.1mMである。
【0179】
本明細書に記載されているように、タンパク質製品の緩衝能力は直接モデル化されていない。したがって、滴定に強酸又は強塩基を使用する場合、計算及び経験的滴定結果の間に多少の偏差が生じる可能性がある。例えば、プロテインA溶出液をウイルス不活性化のための低いpHまで滴定する場合、緩衝液の計算は通常、必要な20mM HClの経験的量を過小評価する。必要な経験的量は、算出される推定値よりも50%程度多くなる場合がある。この違いを説明する1つの方法は、より高いpHでアフィニティーカラム溶出液をモデル化し、推定滴定量が実験値と一致するまで経験的に値を調整することである。例えば、上記の例で、20mM HClの量が最初に推定された0.305の比率よりも50%多かった場合、プロテインA溶出液はpH4.2ではなく約pH4.45としてモデル化される。モデル化にこの経験的な変更を加えると、この例の推定イオン強度は一方向に低下するが、それはごくわずかであり、最初の推定値である22.1mMから21.9mMに低下する。したがって、本開示の好ましい実施形態を導くためのイオン強度を推定するためには、どちらのアプローチでも十分であると結論付けられる。
【0180】
代替方法:イオン含有量測定方法を用いて、深層濾過供給材料の緩衝液組成を決定し、イオン強度を算出することができる。これには、測定値が、添加される滴定剤の量などの任意の既知の量と一貫性のある結果をもたらすことを確認する必要がある。アフィニティーカラム溶出液の緩衝液組成は、溶離液の緩衝液組成と同等であると想定されるが、異なるpHであるため、実際の組成の違いは、イオン含有量測定値によって決定することができる。例えば、溶離液の組成に基づく量又は測定値のいずれかを使用して、溶離液中の緩衝液成分のイオン強度を算出することができる。
【0181】
参照による組み込み
本明細書で参照される全ての特許及び刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で論じる刊行物は、本出願の出願日より前の開示のためにのみ提供される。本明細書のいかなる内容も、本発明が先行発明によりそのような刊行物に先行する権利を有していないことを認めるものと解釈されるべきではない。
【0182】
配列
以下の核酸配列及び/又はアミノ酸配列が本開示において言及され、参照のために以下に提供される。
配列番号1-バムラニビマブ可変重鎖(VH)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSNYAISWVRQAPGQGLEWMGRIIPILGIANYAQKFQGRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGYYEARHYYYYYAMDVWGQGTAVTVSS
配列番号2-バムラニビマブ可変軽鎖(VL)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLSWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTITSLQPEDFATYYCQQSYSTPRTFGQGTKVEIK
配列番号3-バムラニビマブ重鎖(HC)
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSNYAISWVRQAPGQGLEWMGRIIPILGIANYAQKFQGRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGYYEARHYYYYYAMDVWGQGTAVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号4-バムラニビマブ軽鎖(LC)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLSWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTITSLQPEDFATYYCQQSYSTPRTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号5-エテセビマブ可変重鎖(VH)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTVSSNYMSWVRQAPGKGLEWVSVIYSGGSTFYADSVKGRFTISRDNSMNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCARVLPMYGDYLDYWGQGTLVTVSS
配列番号6-エテセビマブ可変軽鎖(VL)
DIVMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISRYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPEYTFGQGTKLEIKRTV
配列番号7-エテセビマブ重鎖(HC)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTVSSNYMSWVRQAPGKGLEWVSVIYSGGSTFYADSVKGRFTISRDNSMNTLFLQMNSLRAEDTAVYYCARVLPMYGDYLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号8-エテセビマブ軽鎖(LC)
DIVMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISRYLNWYQQKPGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQSYSTPPEYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号9-ベブテロビマブ可変重鎖(VH)
QITLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGFSLSISGVGVGWLRQPPGKALEWLALIYWDDDKRYSPSLKSRLTISKDTSKNQVVLKMTNIDPVDTATYYCAHHSISTIFDHWGQGTLVTVSS
配列番号10-ベブテロビマブ可変軽鎖(VL)
QSALTQPASVSGSPGQSITISCTATSSDVGDYNYVSWYQQHPGKAPKLMIFEVSDRPSGISNRFSGSKSGNTASLTISGLQAEDEADYYCSSYTTSSAVFGGGTKLTVL
配列番号11-ベブテロビマブ重鎖(HC)
QITLKESGPTLVKPTQTLTLTCTFSGFSLSISGVGVGWLRQPPGKALEWLALIYWDDDKRYSPSLKSRLTISKDTSKNQVVLKMTNIDPVDTATYYCAHHSISTIFDHWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号12-ベブテロビマブ軽鎖(LC)
QSALTQPASVSGSPGQSITISCTATSSDVGDYNYVSWYQQHPGKAPKLMIFEVSDRPSGISNRFSGSKSGNTASLTISGLQAEDEADYYCSSYTTSSAVFGGGTKLTVLGQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
配列番号13-ドナネマブのLCVR
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK
配列番号14-ドナネマブのHCVR
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS
配列番号15-ドナネマブのLC
DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号16-ドナネマブのHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
配列番号17-ドナネマブのLCDR1
KSSQSLLYSRGKTYLN
配列番号18-ドナネマブのLCDR2
AVSKLDS
配列番号19-ドナネマブのLCDR3
VQGTHYPFT
配列番号20-ドナネマブのHCDR1
GYDFTRYYIN
配列番号21-ドナネマブのHCDR2
WINPGSGNTKYNEKFKG
配列番号22-ドナネマブのHCDR3
EGITVY
配列番号23-抗体201c(mAb7)のLCVR
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK
配列番号24-抗体201c(mAb7)のHCVR
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS
配列番号25-抗体201c(mAb7)のLC
DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号26-抗体201c(mAb7)のHC
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
配列番号27-抗体201c(mAb7)のLCDR1
RASQSLGNWLA
配列番号28-抗体201c(mAb7)のLCDR2
YQASTLES
配列番号29-抗体201c(mAb7)のLCDR3
QHYKGSFWT
配列番号30-抗体201c(mAb7)のHCDR1
AASGFTFSSYPMS
配列番号31-抗体201c(mAb7)のHCDR2
AISGSGGSTYYADSVKG
配列番号32-抗体201c(mAb7)のHCDR3
AREGGSGSYYNGFDY
配列番号33-ドナネマブのLC DNA配列
gatattgtgatgactcagactccactctccctgtccgtcacccctggacagccggcctccatctcctgcaagtcaagtcagagcctcttatatagtcgcggaaaaacctatttgaattggctcctgcagaagccaggccaatctccacagctcctaatttatgcggtgtctaaactggactctggggtcccagacagattcagcggcagtgggtcaggcacagatttcacactgaaaatcagcagggtggaggccgaagatgttggggtttattactgcgtgcaaggtacacattacccattcacgtttggccaagggaccaagctggagatcaaacgaactgtggctgcaccatctgtcttcatcttcccgccatctgatgagcagttgaaatctggaactgcctctgttgtgtgcctgctgaataacttctatcccagagaggccaaagtacagtggaaggtggataacgccctccaatcgggtaactcccaggagagtgtcacagagcaggacagcaaggacagcacctacagcctcagcagcaccctgacgctgagcaaagcagactacgagaaacacaaagtctacgcctgcgaagtcacccatcagggcctgagctcgcccgtcacaaagagcttcaacaggggagagtgc
配列番号34-ドナネマブのHC DNA配列
caggtgcagctggtgcagtctggggctgaggtgaagaagcctgggtcctcagtgaaggtttcctgcaaggcatctggttacgacttcactagatactatataaactgggtgcgacaggcccctggacaagggcttgagtggatgggatggattaatcctggaagcggtaatactaagtacaatgagaaattcaagggcagagtcaccattaccgcggacgaatccacgagcacagcctacatggagctgagcagcctgagatctgaggacacggccgtgtattactgtgcgagagaaggcatcacggtctactggggccaagggaccacggtcaccgtctcctcagcctccaccaagggcccatcggtcttcccgctagcaccctcctccaagagcacctctgggggcacagcggccctgggctgcctggtcaaggactacttccccgaaccggtgacggtgtcgtggaactcaggcgccctgaccagcggcgtgcacaccttcccggctgtcctacagtcctcaggactctactccctcagcagcgtggtgaccgtgccctccagcagcttgggcacccagacctacatctgcaacgtgaatcacaagcccagcaacaccaaggtggacaagaaagttgagcccaaatcttgtgacaaaactcacacatgcccaccgtgcccagcacctgaactcctggggggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccctgaggtcaagttcaactggtacgtggacggcgtggaggtgcataatgccaagacaaagccgcgggaggagcagtacaacagcacgtaccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcctgcaccaggactggctgaatggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaagccctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaagccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggacgagctgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctatcccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacgccccccgtgctggactccgacggctccttcttcctctatagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacgcagaagagcctctccctgtctccgggt
配列番号35-抗体201cのLC DNA配列
gacatccagatgacccagtctccttccaccctgtctgcatctgtaggagacagagtcaccatcacttgccgggccagtcagagtcttggtaactggttggcctggtatcagcagaaaccagggaaagcccctaaactcctgatctatcaggcgtctactttagaatctggggtcccatcaagattcagcggcagtggatctgggacagagttcactctcaccatcagcagcctgcagcctgatgattttgcaacttattactgccaacattataaaggttctttttggacgttcggccaagggaccaaggtggaaatcaaacggaccgtggctgcaccatctgtcttcatcttcccgccatctgatgagcagttgaaatctggaactgcctctgttgtgtgcctgctgaataacttctatcccagagaggccaaagtacagtggaaggtggataacgccctccaatcgggtaactcccaggagagtgtcacagagcaggacagcaaggacagcacctacagcctcagcagcaccctgacgctgagcaaagcagactacgagaaacacaaagtctacgcctgcgaagtcacccatcagggcctgagctcgcccgtcacaaagagcttcaacaggggagagtgc
配列番号36-抗体201cのHC DNA配列
gaggtgcagctgttggagtctgggggaggcttggtacagcctggggggtccctgagactctcctgtgcagcctctggattcacctttagcagctatcctatgagctgggtccgccaggctccagggaaggggctggagtgggtctcagctattagtggtagtggtggtagcacatactacgcagactccgtgaagggccggttcaccatctccagagacaattccaagaacacgctgtatctgcaaatgaacagcctgagagccgaggacacggccgtatattactgtgcgagagaggggggctcagggagttattataacggctttgattattggggccagggaaccctggtcaccgtctcctcagcctccaccaagggcccatcggtcttcccgctagcaccctcctccaagagcacctctgggggcacagcggccctgggctgcctggtcaaggactacttccccgaaccggtgacggtgtcgtggaactcaggcgccctgaccagcggcgtgcacaccttcccggctgtcctacagtcctcaggactctactccctcagcagcgtggtgaccgtgccctccagcagcttgggcacccagacctacatctgcaacgtgaatcacaagcccagcaacaccaaggtggacaagaaagttgagcccaaatcttgtgacaaaactcacacatgcccaccgtgcccagcacctgaactcctggggggaccgtcagtcttcctcttccccccaaaacccaaggacaccctcatgatctcccggacccctgaggtcacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaagaccctgaggtcaagttcaactggtacgtggacggcgtggaggtgcataatgccaagacaaagccgcgggaggagcagtacaacagcacgtaccgtgtggtcagcgtcctcaccgtcctgcaccaggactggctgaatggcaaggagtacaagtgcaaggtctccaacaaagccctcccagcccccatcgagaaaaccatctccaaagccaaagggcagccccgagaaccacaggtgtacaccctgcccccatcccgggacgagctgaccaagaaccaggtcagcctgacctgcctggtcaaaggcttctatcccagcgacatcgccgtggagtgggagagcaatgggcagccggagaacaactacaagaccacgccccccgtgctggactccgacggctccttcttcctctatagcaagctcaccgtggacaagagcaggtggcagcaggggaacgtcttctcatgctccgtgatgcatgaggctctgcacaaccactacacgcagaagagcctctccctgtctccgggt
【配列表】
2023544399000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトN3pGlu Aβに結合する抗体(抗N3pGlu Aβ抗体)を含む医薬組成物であって、前記抗N3pGlu Aβ抗体が、哺乳動物宿主細胞から前記抗N3pGlu抗体を精製することを含むプロセスによって調製されたものであって、前記組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)の総含有量が、約100ppm未満(LCMSにより測定した場合)であり、前記組成物が、以下の宿主細胞タンパク質:タンパク質S100-A6、タンパク質S100-A11、ホスホリパーゼB様2タンパク質、リソソーム保護タンパク質、ユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a、カリクレイン-11、セリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1、補体C1r小成分、アクチン、大動脈平滑筋アイソフォームX1、熱ショック同族71kDaタンパク質、及びペルオキシレドキシン-1のうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記哺乳動物細胞が、CHO細胞である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、IgG1抗体である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、KSSQSLLYSRGKTYLN(配列番号17)であり、LCDR2が、AVSKLDS(配列番号18)であり、LCDR3が、VQGTHYPFT(配列番号19)であり、HCDR1が、GYDFTRYYIN(配列番号20)であり、HCDR2が、WINPGSGNTKYNEKFKG(配列番号21)であり、HCDR3が、EGITVY(配列番号22)である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記抗N3pGlu Aβ抗体のLCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体のHCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIK(配列番号13)であり、前記HCVRが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSS(配列番号14)である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記抗N3pGlu Aβ抗体のLCが、DIVMTQTPLSLSVTPGQPASISCKSSQSLLYSRGKTYLNWLLQKPGQSPQLLIYAVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCVQGTHYPFTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号15)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体のHCが、QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYDFTRYYINWVRQAPGQGLEWMGWINPGSGNTKYNEKFKGRVTITADESTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCAREGITVYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、ドナネマブである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A6(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記組成物が、約5ppm未満のタンパク質S100-A11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約10ppm未満のホスホリパーゼB様2タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記組成物が、約5ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が、約5ppm未満のユビキチン-40Sリボソームタンパク質S27a(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記組成物が、約5ppm未満のカリクレイン-11(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記組成物が、約5ppm未満のセリンプロテアーゼHTRA1アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記組成物が、約5ppm未満の補体C1r小成分(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記組成物が、約5ppm未満のアクチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記組成物が、約5ppm未満の大動脈平滑筋アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記組成物が、約5ppm未満の熱ショック同族71kDaタンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物が、約5ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項21】
ヒトN3pGlu Aβに結合する抗体(抗N3pGlu Aβ抗体)を含む医薬組成物であって、前記抗N3pGlu Aβ抗体が、哺乳動物宿主細胞から前記抗N3pGlu抗体を精製することを含むプロセスによって調製されたものであって、前記組成物中の宿主細胞タンパク質(HCP)の総含有量が、約10ppm未満(LCMSにより測定した場合)であり、前記組成物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、医薬組成物。
【請求項22】
前記組成物が、以下の宿主細胞タンパク質:ポリユビキチン、リソソーム保護タンパク質、グルタチオンS-トランスフェラーゼY1、40Sリボソームタンパク質S28、チオレドキシンアイソフォームX1、基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1、尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質、アクチン-部分細胞質2アイソフォームX2、ガレクチン-1、ペルオキシレドキシン-1、及びコーニフィンアルファのうちの1つ、組み合わせ、又は全てを含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記組成物が、約1ppm未満のポリユビキチン(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記組成物が、約1ppm未満のリソソーム保護タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記組成物が、約1ppm未満のグルタチオンS-トランスフェラーゼY1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記組成物が、約1ppm未満の40Sリボソームタンパク質S28(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記組成物が、約1ppm未満のチオレドキシンアイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記組成物が、約1ppm未満の基底膜特異的ヘパラン硫酸プロテオグリカンコアタンパク質アイソフォームX1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記組成物が、約1ppm未満の尿細管間質性腎炎抗原様タンパク質(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記組成物が、約1ppm未満のアクチン-部分細胞質2アイソフォームX2(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記組成物が、約1ppm未満のガレクチン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記組成物が、約1ppm未満のペルオキシレドキシン-1(LCMSにより測定した場合)を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記哺乳動物細胞が、CHO細胞である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異性抗体、又は抗体断片である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、IgG1抗体である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記抗N3pGlu Aβ抗体が、重鎖(HC)及び軽鎖(LC)を含み、前記軽鎖が、軽鎖可変領域(LCVR)を含み、前記重鎖が、重鎖可変領域(HCVR)を含み、前記LCVRが、アミノ酸配列LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、前記HCVRが、アミノ酸配列HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含み、LCDR1が、RASQSLGNWLA(配列番号27)であり、LCDR2が、YQASTLES(配列番号28)であり、LCDR3が、QHYKGSFWT(配列番号29)であり、HCDR1が、AASGFTFSSYPMS(配列番号30)であり、HCDR2が、AISGSGGSTYYADSVKG(配列番号31)であり、HCDR3が、AREGGSGSYYNGFDY(配列番号32)である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記抗N3pGlu Aβ抗体のLCが、LCVRを含み、前記抗N3pGlu Aβ抗体のHCが、HCVRを含み、前記LCVRが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIK(配列番号23)であり、前記HCVRが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSS(配列番号24)である、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記抗N3pGlu Aβ抗体のLCが、DIQMTQSPSTLSASVGDRVTITCRASQSLGNWLAWYQQKPGKAPKLLIYQASTLESGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPDDFATYYCQHYKGSFWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号25)であり、前記抗N3pGlu Aβ抗体のHCが、EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYPMSWVRQAPGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREGGSGSYYNGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号26)である、請求項21に記載の医薬組成物。
【国際調査報告】