(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ガンマ-ヒドロキシ酪酸誘導体の調節放出組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/198 20060101AFI20231016BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20231016BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20231016BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231016BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20231016BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20231016BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20231016BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20231016BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20231016BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20231016BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20231016BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20231016BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20231016BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20231016BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A61K31/198
A61K9/16
A61K47/38
A61K47/02
A61K47/12
A61K9/10
A61P25/00
A61P25/16
A61P21/00
A61P25/18
A61P25/20
A61P25/28
A61P25/22
A61P31/04
A61P3/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520555
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 US2021053640
(87)【国際公開番号】W WO2022076466
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522491188
【氏名又は名称】エックスダブリューファーマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャン、ジャ - ニン
(72)【発明者】
【氏名】カラボルニ、サミ
(72)【発明者】
【氏名】キャナファクス、ダニエル、エム.
(72)【発明者】
【氏名】シャン、ウィリアム、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ティエン、ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ティール、ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】ポルリンガー、ノーバート
(72)【発明者】
【氏名】グレイブ、アネット
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA22
4C076AA31
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC09
4C076CC21
4C076CC32
4C076DD28
4C076DD41
4C076EE32
4C076EE33
4C076FF31
4C076FF33
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA53
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA61
4C206MA72
4C206NA02
4C206NA12
4C206ZA02
4C206ZA05
4C206ZA08
4C206ZA16
4C206ZA18
4C206ZA94
4C206ZB35
4C206ZC21
(57)【要約】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含有するコアを取り囲む機能性コーティングを有する医薬造粒物が開示される。機能性コーティングは、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の即時放出又は調節放出を提供する。医薬造粒物は、経口医薬組成物において使用され得る。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコーティングされた顆粒を含む調節放出医薬造粒物であって、
前記コーティングされた顆粒が、コアと、前記コアを取り囲む調節放出コーティングと、を含み、
前記調節放出コーティングが、
80重量%~90重量%のマトリックスポリマーと、
10重量%~20重量%の帯電防止剤と、を含み、
重量%が、前記調節放出コーティングの総重量に基づき、
前記コアが、85重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記コアの総重量に基づく、調節放出医薬造粒物。
【請求項2】
前記医薬造粒物が、200μm~400μmの粒径分布(PSD)(D50)を特徴とし、PSDが、ふるい分析によって決定される、請求項1に記載の医薬造粒物。
【請求項3】
前記医薬造粒物が、50重量%~90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記医薬造粒物の総重量に基づく、請求項1又は2に記載の医薬造粒物。
【請求項4】
前記マトリックスポリマーが、水不溶性ポリマーを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項5】
前記水不溶性ポリマーが、エチルセルロースを含む、請求項4に記載の医薬造粒物。
【請求項6】
前記マトリックスポリマーが、0重量%~10重量%の孔形成ポリマーを含み、重量%が、前記マトリックスポリマーの総重量に基づく、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項7】
前記孔形成ポリマーが、水溶性ポリマーを含む、請求項6に記載の医薬造粒物。
【請求項8】
前記水溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項7に記載の医薬造粒物。
【請求項9】
前記帯電防止剤が、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項10】
前記コアが、前記コーティングされた造粒物の総重量の65重量%~85重量%を表し、
前記調節放出コーティングが、前記コーティングされた造粒物の総重量の15重量%~40重量%を表す、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項11】
前記調節放出コーティングが、5μm~30μmの厚さを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項12】
前記医薬造粒物が、2重量%未満の水含有量を有し、重量%が、前記医薬造粒物の前記総重量に基づく、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項13】
前記コアを取り囲むシールコーティングを更に含み、前記調節放出コーティングが、前記シールコーティングを取り囲む、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項14】
前記シールコーティングが、
ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース及びタルク、又は
ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルク、を含む、請求項13に記載の医薬造粒物。
【請求項15】
前記医薬造粒物が、2重量%~15重量%の前記シールコーティングを含み、重量%が、前記医薬造粒物の前記総重量に基づく、請求項13又は14に記載の医薬造粒物。
【請求項16】
前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の30%~80%が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、2時間以内に前記医薬造粒物から放出される、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項17】
前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の50%~90%が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、4時間以内に前記医薬造粒物から放出される、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項18】
前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の60%~100%が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、6時間以内に前記医薬造粒物から放出される、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項19】
前記調節放出医薬造粒物が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、
図6、12、及び15のうちのいずれか1つに示される溶出プロファイルに生物学的等価である溶出プロファイルを示す、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項20】
前記調節放出医薬造粒物が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、
図6、12、及び15のうちのいずれか1つに示される溶出プロファイルに生物学的等価である溶出プロファイルを示す、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項21】
前記医薬造粒物が、可塑剤を含まない、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項22】
請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬造粒物を含む、医薬組成物。
【請求項23】
前記医薬組成物が、経口組成物である、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記経口組成物が、
調節放出構成成分であって、調節放出部分が、前記医薬造粒物を含む、調節放出構成成分と、
即時放出構成成分と、を含む、請求項22又は23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記即時放出構成成分が、5分未満内に水中に溶解する、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記経口組成物が、BID製剤である、請求項23~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記経口組成物が、QD製剤である、請求項23~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記医薬組成物が、500mg当量~12g当量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記医薬組成物が、持続放出経口組成物、遅延放出組成物、即時放出組成物、又は前述のうちのいずれかの組み合わせを含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記医薬組成物が、患者の疾患を治療するための治療有効量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、前記疾患が、ナルコレプシー、カタプレキシー、過度な日中の眠気、線維筋痛、慢性疲労、及び遅発性ジスキネジアから選択される、請求項22~29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
患者の疾患を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項22~30のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含み、前記疾患が、ナルコレプシー、カタプレキシー、過度な日中の眠気、線維筋痛、慢性疲労、及び遅発性ジスキネジアから選択される、方法。
【請求項32】
前記疾患が、ナルコレプシーに関連するカタプレキシーである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記疾患が、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記疾患が、パーキンソン病を患う患者における過度な日中の眠気である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記疾患が、パーキンソン病を患う患者における慢性疲労である、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
投与することが、経口投与することを含む、請求項31~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
経口投与すること絶食状態で投与すること、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
経口投与すること摂食状態で投与すること、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
造粒物をコーティングする方法であって、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む複数の顆粒を含む医薬造粒物にコーティング組成物を塗布することを含み、前記コーティング組成物が、
6重量%~14重量%の固体と、
0重量%~20重量%の水と、
70重量%~95重量%のエタノールと、を含み、
重量%が、コーティング製剤の総重量に基づく、方法。
【請求項40】
前記固体が、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はそれらの組み合わせから選択されるマトリックスポリマーと、
タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせから選択される帯電防止剤と、を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
塗布することが、噴霧することを含む、請求項39~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
医薬組成物であって、
即時放出(IR)構成成分であって、前記即時放出構成成分が、1.2g当量のγ-ヒドロキシブチレート~4.0g当量のγ-ヒドロキシブチレートを含む、即時放出(IR)構成成分と、
調節放出(MR)構成成分であって、前記調節放出構成成分が、
3g当量のγ-ヒドロキシブチレート~9g当量のγ-ヒドロキシブチレートを含む、調節放出(MR)構成成分と、
請求項1~21のいずれか一項に記載の調節放出造粒物と、を含む、医薬組成物。
【請求項43】
前記即時放出構成成分及び前記調節放出構成成分の各々が、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む、請求項42に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記γ-ヒドロキシブチレート当量が、γ-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の形態にある、請求項42又は43に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記即時放出構成成分が、10重量%~50重量%の前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
前記調節放出構成成分が、50重量%~90重量%の前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
重量%が、前記医薬組成物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく、請求項43又は44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記即時放出構成成分が、形態2g~7gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
前記調節放出構成成分が、7g~15gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む、請求項43~45のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記即時放出構成成分が、形態1g当量~4g当量のγ-ヒドロキシブチレートを含み、
前記調節放出構成成分が、3.5g当量~8.5g当量のγ-ヒドロキシブチレートを含む、請求項42~46のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記即時放出構成成分中のgm当量のγ-ヒドロキシブチレートの、前記調節放出構成成分中の前記gm当量のγ-ヒドロキシブチレートに対する重量比が、1.5~3.5である、請求項42~47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記即時放出構成成分が、複数の即時放出マイクロ粒子を含む、請求項42~48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記即時放出マイクロ粒子が、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記即時放出マイクロ粒子の総重量に基づく、請求項49に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記即時放出マイクロ粒子が、200μm~500μmの体積平均直径D(4.3)を有する、請求項49又は50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記即時放出構成成分が、経口投与に好適な溶液を含む、請求項42~51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記調節放出構成成分が、複数の調節放出マイクロ粒子を含む、請求項42~52のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記調節放出構成成分が、経口投与に好適な調節放出マイクロ粒子の懸濁液を含む、請求項42~53のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
前記調節放出マイクロ粒子が、コア、及び前記コアを取り囲む調節放出コーティングを含む、請求項53又は54に記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記コアが、85重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記コアの前記総重量に基づく、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項57】
前記コアが、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記コアの前記総重量に基づく、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項58】
前記コアが、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む即時放出マクロ粒子を含む、請求項55~57のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項59】
前記調節放出マイクロ粒子が、10重量%~50重量%の前記調節放出コーティングを含み、重量%が、前記調節放出マイクロ粒子の総重量に基づく、請求項53~58のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記調節放出マイクロ粒子が、
24重量%~34重量%の前記調節放出コーティング(MR2)、
28重量%~38重量%の前記調節放出コーティング(MR3)、又は
32重量%~42重量%の前記調節放出コーティング(MR1)、
重量%が、前記調節放出マイクロ粒子の前記総重量に基づく、請求項53~59のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項61】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR構成成分の経口投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の血漿薬物動態プロファイルが、0.3時間~0.5時間の平均t
1/2、0.8時間~1.0時間の平均T
max、14μg/mL~18μg/mLの平均C
max、14h×μg/mL~18h×μg/mLの平均AUC
0-6、14h×μg/mL~18h×μg/mLのAUC
0-inf、及び44L/h~52L/hのCL/Fを特徴とする)、請求項42~60のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項62】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルが、0.4時間~0.8時間の平均t
1/2、1.1時間~1.5時間の平均T
max、76μg/mL~96μg/mLの平均C
max、219h×μg/mL~259h×μg/mLのAUC
0-6、226h×μg/mL~266h×μg/mLのAUC
0-inf、及び21L/h~41L/hのCL/Fを特徴とする、請求項42~61のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項63】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルが、4.9~6.9のC
max比、及び14~26のAUC
0-inf比を特徴とし、前記比が、γ-ヒドロキシブチレート値の、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸値に対する比を指す、請求項42~62のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項64】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR1)組成物の経口投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の血漿薬物動態プロファイルが、0.5時間~0.9時間の平均t
1/2、1.4時間~1.8時間の平均T
max、2μg/mL~6μg/mLの平均C
max、7h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC
0-6、7h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び818L/h~858L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~63のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項65】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR1)組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルが、0.9時間~1.3時間の平均t
1/2、2.2時間~2.6時間の平均T
max、17μg/mL~37μg/mLの平均C
max、76h×μg/mL~96h×μg/mLの平均AUC
0-6、75h×μg/mL~115h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び85L/h~105L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~64のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項66】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR1)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルが、6.2~7.2のC
max比、及び9.0~11.0のAUC
0-inf比を特徴とし、前記比が、前記γ-ヒドロキシブチレート値の、前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸値に対する前記比を指す、請求項42~65のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項67】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR2)組成物の経口投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の血漿薬物動態プロファイルが、0.5時間~0.9時間の平均t
1/2、1.2時間~1.6時間の平均T
max、4μg/mL~8μg/mLの平均C
max、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC
0-6、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び720L/h~800L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項68】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR2)組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルが、0.8時間~1.0時間の平均t
1/2、2.2時間~2.6時間の平均T
max、34μg/mL~38μg/mLの平均C
max、102h×μg/mL~122h×μg/mLの平均AUC
0-6、110h×μg/mL~130h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び62L/h~82L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項69】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR2)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルが、5.9~6.7のC
max比、及び11.5~12.3のAUC
0-inf比を特徴とし、前記比が、前記γ-ヒドロキシブチレート値の、前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸値に対する前記比を指す、請求項42~68のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項70】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR3)組成物の経口投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の血漿薬物動態プロファイルが、0.6時間~1.0時間の平均t
1/2、0.9時間~1.3時間の平均T
max、3μg/mL~7μg/mLの平均C
max、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC
0-6、10h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び760L/h~840L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項71】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(M3)組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルが、0.9時間~1.1時間の平均t
1/2、1.7時間~2.1時間の平均T
max、26μg/mL~34μg/mLの平均C
max、82h×μg/mL~122h×μg/mLの平均AUC
0-6、90h×μg/mL~130h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び69L/h~89L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項72】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR3)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルが、6.1~6.9のC
max比、及び11.0~11.8のAUC
0-inf比を特徴とし、前記比が、前記γ-ヒドロキシブチレート値の前記4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸値に対する前記比を指す、請求項42~71のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項73】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む即時放出(IR)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイル4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びγ-ヒドロキシブチレートが、表6及び7に提示されるか、又は
図17及び18に示される前記血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である、請求項42~72のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項74】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(M1)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイル4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びγ-ヒドロキシブチレートが、表6及び7に提示されるか、又は
図17及び18に示される前記血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である、請求項42~73のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項75】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(M2)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイル4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びγ-ヒドロキシブチレートが、表6及び7に提示されるか、又は
図17及び18に示される前記血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である、請求項42~74のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項76】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(M3)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイル4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びγ-ヒドロキシブチレートが、表6及び7に提示されるか、又は
図17及び18に示される前記血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である、請求項43~74のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項77】
前記即時放出構成成分が、2g~8gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
前記調節放出構成成分が、形態8g~16gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む、請求項42~76のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項78】
前記即時放出構成成分が、20重量%~40重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
前記調節放出構成成分が、形態60重量%~80重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
重量%が、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の前記総重量に基づく、請求項42~77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項79】
前記即時放出構成成分中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の、前記調節放出構成成分中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸に対する重量比が、1:2~1:3である、請求項42~78のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項80】
絶食した健康な被験者の集団への、
4.1gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む前記IR構成成分と、
10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む前記調節放出(MR1)構成成分と、を含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、
患者の集団への集団への、前記医薬組成物の経口投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の前記血漿薬物動態プロファイルが、1.0時間~1.2時間の平均t
1/2、1.3時間~1.5時間の平均T
max、12μg/mL~18μg/mLの平均C
max、20h×μg/mL~30h×μg/mLの平均AUC
0-6、22h×μg/mL~32h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び536L/h~576L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~79のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項81】
絶食した健康な被験者の集団への、
4.1gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR構成成分と、
10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR1)構成成分と、を含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、
患者の集団への集団への、前記医薬組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの前記血漿薬物動態プロファイルが、1.0時間~1.2時間の平均t
1/2、2.5~2.9時間の平均T
max、88μg/mL~128μg/mLの平均C
max、380h×μg/mL~420h×μg/mLの平均AUC
0-6、514h×μg/mL~554h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び22L/h~42L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~79のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項82】
絶食した健康な被験者の集団への、
4.1gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR構成成分と、
10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR1)構成成分と、を含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、
患者の集団への集団への、前記医薬組成物の経口投与後、前記血漿薬物動態プロファイルが、7.0~9.0のC
max比、及び18.3~20.3のAUC
0-inf比を特徴とし、前記比が、γ-ヒドロキシブチレート値の、対応する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸値に対する前記比を指す、請求項80又は81に記載の医薬組成物。
【請求項83】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む組み合わせされた放出(CR1)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイル4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びγ-ヒドロキシブチレートが、表10及び11に提示されるか、又は
図19及び20に示される前記血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である、請求項42~79のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項84】
絶食した健康な被験者の集団への、
4.5gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR構成成分と、
10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR2)構成成分と、を含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、
患者の集団への集団への、前記医薬組成物の経口投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の前記血漿薬物動態プロファイルが、0.9時間~1.1時間の平均t
1/2、1.1時間~1.5時間の平均T
max、10μg/mL~14μg/mLの平均C
max、16h×μg/mL~24h×μg/mLの平均AUC
0-6、11h×μg/mL~31h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び660L/h~740L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~79のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項85】
絶食した健康な被験者の集団への、
4.5gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR構成成分と、
10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR2)構成成分と、を含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、
患者の集団への集団への、前記医薬組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの前記血漿薬物動態プロファイルが、0.8時間~1.0時間の平均t
1/2、2.0時間~2.4時間の平均T
max、73μg/mL~93μg/mLの平均C
max、302h×μg/mL~342h×μg/mLの平均AUC
0-6、366h×μg/mL~406h×μg/mLの平均AUC
0-inf、及び33L/h~53L/hの平均CL/Fを特徴とする、請求項42~79のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項86】
4.5gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むIR構成成分を含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、かつ
患者の集団への集団への、医薬組成物絶食した健康な被験者の集団への10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出(MR2)構成成分の経口投与後、前記血漿薬物動態プロファイルが、6.8~8.8のC
max比、及び16.3~20.3のAUC
0-inf比を特徴とし、前記比が、γ-ヒドロキシブチレート値の、対応する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸値に対する比を指す、請求項84又は85に記載の医薬組成物。
【請求項87】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む組み合わせされた放出(CR2)組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイル4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びγ-ヒドロキシブチレートが、表10及び11に提示されるか、又は
図19及び20に示される前記血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である、請求項42~79のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項88】
絶食した健康な被験者の集団への、前記医薬組成物の経口投与後6時間で、前記被験者の前記血漿中の前記γ-ヒドロキシブチレートの濃度が、15μg/mL未満、10μg/mL未満、又は5μg/mL未満である、請求項42~87のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項89】
絶食した健康な被験者の集団への、10g~20gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物の経口投与後、前記被験者の前記血漿中の前記γ-ヒドロキシブチレート濃度が、前記絶食した健康な被験者の集団への、(a)前記即時放出構成成分の経口投与後の前記γ-ヒドロキシブチレートのAUC
infと、(b)前記調節放出構成成分の経口投与後のγ-ヒドロキシブチレートのAUC
infとの合計を超える、請求項42~88のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項90】
絶食した健康な被験者の集団への、10g~20gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物の経口投与後6時間~8時間に、前記被験者の前記血漿中の前記γ-ヒドロキシブチレート濃度が、前記絶食した健康な被験者の集団への、(a)前記即時放出構成成分の経口投与後6時間~8時間の前記γ-ヒドロキシブチレート濃度と、(b)前記調節放出構成成分の経口投与後6時間~8時間の前記γ-ヒドロキシブチレート濃度との合計を超える、請求項42~89のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項91】
健康な絶食した被験者の集団への、10g~20gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物の経口投与後、投与後6時間~8時間の濃度が、前記調節放出構成成分単独での投与後の前記被験者の前記血漿中のγ-ヒドロキシブチレートの濃度を超える、請求項42~90のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項92】
絶食した健康な被験者の集団への、前記即時放出構成成分及び前記調節放出構成成分の経口投与後の前記平均γ-ヒドロキシブチレートAUC
0-infが、前記即時放出構成成分単独での経口投与後の前記平均γ-ヒドロキシブチレートAUC
0-infと、前記調節放出構成成分単独での経口投与後の前記平均γ-ヒドロキシブチレートAUC
0-infとの合計の合計を超える、請求項42~91のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項93】
被験者の集団への、前記即時放出構成成分及び前記調節放出構成成分の経口投与後の前記平均4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸AUC
0-infが、前記即時放出構成成分単独での経口投与後の前記平均4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸AUC
0-infと、前記調節放出構成成分単独での経口投与後の前記平均4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸AUC
0-infとの合計の合計よりと実質的に同じである、請求項42~92のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項94】
絶食した健康な被験者の集団への、4.52gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む即時放出構成成分と、10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出構成成分とを含む医薬組成物の経口投与後の前記平均γ-ヒドロキシブチレートAUC
0-infが、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を単独で含む即時放出構成成分の経口投与後の前記平均γ-ヒドロキシブチレートAUC
0-infと、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を単独で含む調節放出構成成分の経口投与後の前記平均γ-ヒドロキシブチレートAUC
0-infとの合計を超える、請求項42~92のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項95】
絶食した健康な被験者の集団への、4.52gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む即時放出構成成分、及び10gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出構成成分を含む医薬組成物の経口投与後の前記平均4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸AUC
0-infが、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を単独で含む即時放出構成成分の経口投与後の前記平均4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸AUC
0-infと、7.25gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を単独で含む調節放出構成成分の経口投与後の前記平均4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸AUC
0-infとの合計よりと実質的に同じである、請求項42~93のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項96】
患者におけるナルコレプシーに関連する疲労又は過度な日中の眠気を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項97】
患者における、ナルコレプシー、過度な日中の眠気、カタプレキシー、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、疲労、パーキンソン病に関連する疲労、多発性硬化症に関連する疲労、又は線維筋痛を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項98】
患者における、ナルコレプシーに関連する症状、過度な日中の眠気、カタプレキシー、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、疲労、パーキンソン病に関連する疲労、多発性硬化症に関連する疲労、又は線維筋痛を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項99】
患者における、REM睡眠行動障害、痙攣性ジストニア、統合失調症、不眠症、統合失調症に関連する不眠症、特発性過眠症、慢性疲労症候群、群発性頭痛、アルツハイマー病、本態性振戦、外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス症候群に関連する不眠症、又は不安症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項100】
患者における、REM睡眠行動障害に関連する症状、痙攣性ジストニア、統合失調症、不眠症、統合失調症に関連する不眠症、特発性過眠症、慢性疲労症候群、群発性頭痛、アルツハイマー病、本態性振戦、外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス症候群に関連する不眠症、又は不安症を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項101】
患者における細菌感染症に関連する睡眠障害を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項102】
前記細菌感染症が、COVID-19感染症である、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
神経障害を有する特許における認知機能を強化する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を経口投与することを含む、方法。
【請求項104】
投与することが、QD投与することを含む、請求項97~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
投与することが、BID投与することを含む、請求項97~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
投与することが、1晩に1回投与することを含む、請求項97~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
請求項42~95のいずれか一項に記載の医薬組成物を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月5日に出願された米国仮特許出願第63/087,515号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本開示は、機能性コーティングを有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の医薬造粒物に関する。コーティングされた医薬造粒物は、調節放出経口組成物に使用され得る。
【背景技術】
【0003】
ある特定の治療方法において、高用量の薬学的有効成分を投与することが必要である。そのような治療において患者に投与される経口医薬組成物の量を最小限に抑えるために、医薬組成物が、高含有量の薬学的有効成分を含有し、医薬賦形剤の量を最小限に抑えることが望ましい。
【0004】
経口調節放出剤形は、消化管内に所望の放出プロファイルを提供する機能性コーティングでコーティングされた顆粒を含有することができる。
【0005】
医薬品有効成分の高いかさ密度を有し、1日1回又は2回からの投薬に好適な医薬造粒物を含有する調節放出組成物が所望される。嗜好性を改善するために、医薬造粒物は、200μm~400μm等の低い平均粒径を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、調節放出医薬造粒物は、複数のコーティングされた顆粒を含み、顆粒が、コアと、コアを取り囲む調節放出コーティングと、を含み、調節放出コーティングが、50重量%~85重量%のマトリックスポリマーと、10重量%~20重量%の帯電防止剤と、を含み、重量%が、調節放出コーティングの総重量に基づく。医薬造粒物は、200μm~400μmの粒径分布(PSD)(D50)を特徴とし、PSDが、ふるい分析によって決定され、コアは、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、コアの総重量に基づく。
【0007】
本発明によれば、医薬組成物は、本発明による医薬造粒物を含む。
【0008】
本発明によれば、造粒物をコーティングする方法は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む複数の顆粒を含む医薬造粒物にコーティング組成物を塗布することを含み、コーティング組成物が、6重量%~14重量%の固体と、0重量%~20重量%の水と、70重量%~95重量%のエタノールと、を含み、重量%が、コーティング製剤の総重量に基づく。
【0009】
本発明によれば、医薬組成物は、即時放出(IR)構成成分であって、即時放出構成成分が、1.2g当量のγ-ヒドロキシブチレート~4.0g当量のγ-ヒドロキシブチレートを含む、即時放出(IR)構成成分と、調節放出(MR)構成成分であって、調節放出構成成分が、3g当量のγ-ヒドロキシブチレート~9g当量のγ-ヒドロキシブチレートを含む、調節放出(MR)構成成分と、本発明による調節放出造粒物と、を含む。
【0010】
本発明によれば、患者におけるナルコレプシーに関連する疲労又は過度な日中の眠気を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本発明による医薬組成物を経口投与することを含む。
【0011】
本発明によれば、患者における、ナルコレプシー、過度な日中の眠気、カタプレキシー、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、疲労、パーキンソン病に関連する疲労、多発性硬化症に関連する疲労、又は線維筋痛を治療する方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の本発明による医薬組成物を経口投与することを含む。
【0012】
本発明によれば、キットは、本発明による医薬組成物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
当業者は、本明細書に記載される図面が、例示のみを目的としていることを理解するであろう。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0014】
【
図1】実施例1に記載されるようにヒドロキシプロピルメチルセルロースシールコーティングを含む顆粒の粒径分布を示す。
【
図2A-2E】実施例1に記載されるように異なる倍率でのシールコーティングされた顆粒の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
【
図3】実施例2に記載されるようにヒドロキシプロピルセルロースシールコーティングを含む顆粒の粒径分布を示す。
【
図4A-4E】実施例2に記載されるように異なる倍率でのシールコーティングされた顆粒のSEM画像を示す。
【
図5】実施例3に記載されるように40%wgのエチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース機能性コーティングを含むコーティングされた顆粒の粒径分布を示す。
【
図6】実施例3に記載されるように異なる%wgを表すエチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース機能性コーティングを含有する顆粒からの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の溶出プロファイルを示す。
【
図7A-7D】実施例3に記載されるように3つの異なる倍率での40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を示す。
【
図7E】実施例3に記載されるように40%wgのコーティングされた顆粒の断面のSEM画像を示す。
【
図8】実施例4に記載されるように40%wgのエチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース機能性コーティングを含むコーティングされた顆粒の粒径分布を示す。
【
図9】実施例4に記載されるように異なる%wgを表すエチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース機能性コーティングを含有する顆粒からの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の溶出プロファイルを示す。
【
図10A-10D】実施例4に記載されるように異なる倍率での40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を示す。
【
図10E】実施例4に記載されるように40%wgのコーティングされた顆粒の断面のSEM画像を示す。
【
図11】実施例5に記載されるように40%wgのエチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース機能性コーティングを含むコーティングされた顆粒の粒径分布を示す。
【
図12】実施例5に記載されるように異なる%wgを表すエチルセルロース/ヒドロキシプロピルセルロース機能性コーティングを含有する顆粒からの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の溶出プロファイルを示す。
【
図13A-13D】実施例5に記載されるように異なる倍率での40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を示す。
【
図13E】実施例5に記載されるように40%wgのコーティングされた顆粒の断面のSEM画像を示す。
【
図14】実施例6に記載されるように40%wgのエチルセルロース機能性コーティングを含むコーティングされた顆粒の粒径分布を示す。
【
図15】実施例6に記載されるように異なる%wgを表すエチルセルロース機能性コーティングを含有する顆粒からの有効医薬成分の溶出プロファイルを示す。
【
図16A-16D】実施例6に記載されるように異なる倍率での40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を示す。
【
図16E】実施例8に記載されるように40%wgのコーティングされた顆粒の断面のSEM画像を示す。
【
図17】絶食した健康な被験者への化合物(1)の即時放出(IR)組成物又は3つの調節放出(MR1~MR3)組成物の経口投与後の、化合物(1)の平均血漿濃度を示す。
【
図18】絶食した健康な被験者への化合物(1)の即時放出(IR)組成物又は3つの調節放出(MR1~MR3)組成物の経口投与後の、平均血漿γ-ヒドロキシブチレート濃度を示す。
【
図19】絶食した健康な被験者への化合物(1)の2つの制御放出組成物の経口投与後の、化合物(1)の平均血漿濃度を示す。
【
図20】絶食した健康な被験者への化合物(1)の2つの制御放出組成物の経口投与後の、平均血漿γ-ヒドロキシブチレート濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明の目的のために、本開示によって提供される実施形態は、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形及び工程シーケンスを想定し得ることを理解されたい。更に、任意の動作の実施例以外、又は別様に示される場合、例えば、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量を表す全ての数は、全ての例において用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、かつ、等価物の見解の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有意な桁の数に照らし合わせて、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0016】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0017】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含される全ての部分範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、記載された最小値1と記載された最大値10との間の(及びそれらを含む)全ての部分的な範囲、すなわち、1以上の最小値と、10以下の最大値と、を有することが意図される。
【0018】
「機能性コーティング」としては、即時放出コーティング、制御放出コーティング、調節放出コーティング、持続放出コーティング、pH放出コーティング、脈動放出コーティング、時限放出コーティング、及び遅延放出コーティングが挙げられる。機能性コーティングは、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む造粒物に、経口投与後の消化管における所望の放出プロファイル等の所望の特性を提供するように構成される。
【0019】
「即時放出」は、経口投与後、50分未満内、40分未満内、30分未満内、20分未満内、又は10分未満内等の、経口投与後1時間未満内に、実質的に全ての薬学的有効成分を患者の消化管内に放出する医薬組成物を指す。例えば、即時放出剤形は、経口投与後、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、又は10分未満内等の、1時間未満内に、医薬組成物中の薬学的有効成分の90%超、95%超、又は98%超を消化管内に放出することができる。即時放出医薬組成物は、消化管の上部から全身循環に吸収される薬学的有効成分を投与するのに適切であり得る。
【0020】
「調節放出」医薬組成物としては、制御放出製剤、遅延放出組成物、徐放組成物、持続放出組成物、時限放出組成物、脈動放出組成物、及びpH依存性放出組成物が挙げられる。これらの組成物は、患者による経口投与後、所望の速度及び/若しくは所望の時間に、並びに/又は消化管内の特定の位置若しくは複数の位置において、及び/若しくは消化管内の特定のpHで、医薬組成物から薬学的有効成分を放出することを意図する。USPは、調節放出系を、即時放出剤形によって満たされない治療有効性又は利便性の目的を達成するために薬物放出の時間経過若しくは位置、又はその両方が選択されるものと定義する。調節放出経口剤形は、徐放及び遅延放出構成成分を含み得る。遅延放出剤形は、投与後速やかにではなく、一度に薬物を一斉に放出するものである。調節放出組成物としては、腸溶性コーティングを使用する遅延放出、結腸送達用等の部位特異的又は時限放出、例えば、ゼロ次、一次、又は二相性放出プロファイルを提供することができる組成物を含む徐放、並びに脈動放出及び遅延徐放等のプログラム放出が挙げられ得る。
【0021】
「持続放出」医薬組成物及びコーティングは、経口投与後、長期間にわたる溶出速度を提供する。持続放出コーティングを有する顆粒を含む造粒物は、持続放出造粒物と称され得る。持続放出造粒物を含む医薬組成物は、持続放出医薬組成物と称され得る。
【0022】
「pH放出」医薬組成物及びコーティングは、意図されるpHでの溶出速度の上昇を提供する。
【0023】
「脈動放出」医薬組成物及びコーティングは、放出間隔が時間、内部刺激への曝露、又は外部刺激への曝露によって決定され得る間隔で溶出速度の上昇を示す。脈動放出系の例としては、カプセル系、浸透圧系、侵食性膜を有する系、及び破裂性コーティングを有する系が挙げられる。刺激の例としては、温度、化学物質、電気刺激、及び磁気刺激が挙げられる。
【0024】
「時限放出」医薬組成物及びコーティングは、時間の関数である溶出速度を有する。時間放出性医薬組成物又はコーティングとしては、例えば、遅延放出、持続放出、及び徐放医薬組成物並びにコーティングが挙げられる。
【0025】
「遅延放出」医薬組成物及びコーティングは、投与後の意図された時間で、溶出速度の上昇を提供する。
【0026】
「即時放出構成成分」は、本開示によって提供される即時放出マイクロ粒子を含む医薬組成物の構成成分を指す。
【0027】
「調節放出構成成分」は、本開示によって提供される調節放出マイクロ粒子を含む医薬組成物の構成成分を指す。
【0028】
「制御放出医薬組成物」は、本開示によって提供される即時放出マイクロ粒子、及び本開示によって提供される調節放出マイクロ粒子を含む医薬組成物を指す。
【0029】
「顆粒」及び「マイクロ粒子」という用語は、互換的に使用される。
【0030】
「患者」は、哺乳動物、例えば、ヒトを指す。
【0031】
「薬学的に許容される」とは、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって、又は米国薬局方若しくは動物、より具体的にはヒトにおいて使用するための他の一般的に認められている薬局方に記載されている、承認された又は承認可能なものを指す。
【0032】
「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の薬理活性を有する化合物の塩を指す。そのような塩としては、無機酸、並びに親化合物内の一級、二級、又は三級アミン等の1つ以上のプロトン化可能な官能基で形成される酸付加塩が挙げられる。好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。塩は、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリルスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等により形成され得る。塩は、親化合物中に存在する1つ以上の酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオン、又はそれらの組み合わせ、あるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン等の有機塩基との配位によって置き換えられる場合に形成され得る。薬学的に許容される塩は、塩酸塩であり得る。薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩であり得る。2つ以上のイオン化可能な基を有する化合物では、薬学的に許容される塩は、二塩、例えば、二塩酸塩等の1つ以上の対イオンを含むことができる。
【0033】
「薬学的に許容される塩」という用語は、水和物及び他の溶媒和物、並びに結晶形態又は非結晶形態の塩を含む。特定の薬学的に許容される塩が開示される場合、特定の塩(例えば、塩酸塩)は塩の一例であり、当業者に知られている技法を用いて他の塩が形成され得ることを理解されたい。加えて、当該技術分野で一般に既知の技法を使用して、当業者は、薬学的に許容される塩を対応する化合物、遊離塩基、及び/又は遊離酸に変換することができるであろう。
【0034】
「パーセント重量増加」又は、「35%wg」のコーティング等の%wgは、コーティングされた顆粒又は造粒物の重量が、コーティングされていない顆粒又は造粒物の重量よりも指示されたパーセント(%)だけ多いコーティングされた顆粒又は造粒物を指す。例えば、35%wgの粒子は、コーティングされていない粒子のその重量を35%だけ増加させるコーティングを有する。例えば、100gmの初期重量を有する造粒物については、35%wgのコーティングを添加すると、造粒物の重量が135gmに増加する。コーティングは、造粒物の総重量の25.9重量%を含む。
【0035】
溶出プロファイルは、USPタイプ2溶出装置及び酢酸ナトリウム緩衝溶液を、37℃の温度及び100rpmのパドル速度で、pH4.5で使用して測定した。
【0036】
「生物学的等価」である値は、実質的に同様の薬物動態プロファイル及び/又は治療効果を示すCmax又はAUC等の薬物動態値を指す。生物学的等価性は、いくつかのインビボ及びインビトロ法によって実証され得る。これらの方法は、例えば、薬物動態学的、薬力学的、臨床的、及びインビトロ研究を含み得る。生物学的等価性は、負荷用量、定常状態用量、薬物の初期又は定常状態濃度、生物学的半減期、消失速度、曲線下面積(AUC)、クリアランス、ピーク血液又は血漿濃度(Cmax)、ピーク濃度までの時間(Tmax)、バイオアベイラビリティ、及び効能を含む、任意の好適な薬物動態測定、又は当該技術分野で既知の薬物動態測定の組み合わせを使用して実証され得る。AUC及び/又はCmaxの幾何平均が基準薬物動態値の80%~125%(例えば、90%信頼区間)である場合、値は、基準薬物動態値に生物学的等価であり得る。
【0037】
同様の又は生物学的等価の薬物動態プロファイルは、医薬組成物の平均AUC0-infが、好適に設計されたクロスオーバー試験における平均AUC0-infの80%~125%であり、医薬組成物の8時間C8hでの平均血漿濃度が、参照組成物の8時間C8hでの平均血漿濃度の40%~130%である薬物動態プロファイル、及び/又は医薬組成物の最大血漿濃度(Cmax)が、参照組成物のCmaxの50%~140%である薬物動態プロファイルを指す。
【0038】
「摂食状態」は、摂取後2時間までの食事の摂取直後の期間を指す。摂食状態は、食べた後2時間未満の期間を含み得る。
【0039】
「絶食状態」は、食事摂取後の8時間後の期間を指す。
【0040】
「プロドラッグ」は、活性薬物を提供するために体内で変換を必要とする薬物分子の誘導体を指す。プロドラッグは、必ずしもそうではないが、親薬物に変換されるまで薬理学的に不活性であることが多い。プロドラッグは、典型的には、官能基を介して、プロ部分(promoiety)を親薬物に結合させることによって得ることができる。
【0041】
疾患を「治癒する」とは、疾患若しくは障害を排除すること、又は疾患若しくは障害の症状を排除することを指す。
【0042】
疾患又は障害の「治療すること」又は「治療」は、疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状の重症度を低減すること、疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状の発症を遅延させること、及び/又は疾患又は障害の1つ以上の臨床症状を低減することを指す。
【0043】
疾患若しくは障害の「治療すること」又は「治療」は、疾患若しくは障害又は疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状を阻害すること、疾患若しくは障害又は疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状の発生を阻止すること、疾患若しくは障害又は疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状を緩和すること、疾患若しくは障害又は疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状の退縮を引き起こすこと、並びに/あるいは疾患若しくは障害又は疾患若しくは障害の1つ以上の臨床症状の安定化を指し、疾患若しくは障害の「治療すること」又は「治療」は、基礎となる疾患若しくは障害を治癒することなく、臨床的に有益な効果を生み出すことを指す。
【0044】
「治療有効量」は、疾患、又は疾患の臨床症状のうちの少なくとも1つを治療するために患者に投与されるときに、疾患又はその症状のそのような治療に影響を及ぼすのに十分な、薬学的有効成分等の化合物の量を指す。「治療有効量」は、例えば、化合物、疾患及び/若しくは疾患の症状、疾患の重症度、並びに/又は疾患若しくは障害の症状、治療される患者の年齢、体重、及び/若しくは健康、並びに処方医師の判断に応じて変動し得る。任意の所与の事例における治療有効量は、当業者によって確認され得るか、又は日常的な実験によって決定することができる。
【0045】
「治療的有効用量」は、患者における疾患又は障害の有効な治療を提供する用量を指す。治療有効用量は、化合物によって、及び患者間で異なり得、患者の状態及び送達経路等の因子に依存し得る。治療有効用量は、当業者に既知の日常的な薬理学的手順に従って決定され得る。
【0046】
「ビヒクル」とは、化合物とともに患者に投与される希釈剤、賦形剤、又は担体を指す。ビヒクルは、薬学的に許容されるビヒクルであり得る。薬学的に許容されるビヒクルは、当該技術分野で既知である。
【0047】
ここで、機能性コーティングを有する医薬造粒物、コーティングされた医薬造粒物を作製する方法、及びコーティングされた医薬造粒物を含む医薬組成物を参照する。開示されるコーティングされた医薬造粒物、コーティングされた医薬造粒物を含む組成物、及びコーティングされた医薬造粒物を作製する方法は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。それとは反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修正物、及び同等物を包含することが意図されている。
【0048】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、γ-ヒドロキシ酪酸のプロドラッグである。経口投与する場合、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、消化管から吸収され、全身循環中に代謝されて、γ-ヒドロキシ酪酸を放出する。γ-ヒドロキシ酪酸は、ナルコレプシー、カタプレキシー、過度な日中の眠気、線維筋痛、慢性疲労、及び遅発性ジスキネジア等の疾患並びに障害を治療するために使用することができる。
【0049】
本開示によって提供されるコーティングされた医薬造粒物は、患者への経口投与後に4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の調節放出を提供するために使用することができる。コーティングされた医薬造粒物は、加水分解を起こしやすい吸湿性の高度な水溶性薬学的有効成分である4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含有する。コーティングされた医薬造粒物は、調節放出経口医薬組成物を提供するために使用され得る。コーティングされた医薬造粒物を使用して、高用量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を経口投与することができる。
【0050】
本開示によって提供される調節放出造粒物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むコーティング顆粒によって調製され得る。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む顆粒は、コーティングされていないか、又はシールコーティングを含み得る。
【0051】
本開示によって提供されるコーティングされていない医薬造粒物は、複数の顆粒を含み得、顆粒は、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み得、重量%は、顆粒の総重量に基づき、かつコーティングされていない医薬造粒物は、150μm~400μm、150μm~350μm、150μm~300μm、200μm~400μm、200μm~300μm、250μm~350μm、又は225μm~275μmの粒径分布(PSD)(D50)を特徴とすることができ、PSDは、ふるい分析によって決定され、重量%は、医薬造粒物の総重量に基づく。
【0052】
コーティングされていない顆粒は、高負荷の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み得る。例えば、顆粒は、90重量%超、93重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、又は99重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされていない顆粒の総重量に基づく。コーティングされていない顆粒は、例えば、90重量%~99.5重量%、95重量%~99.5重量%のγ-ヒドロキシ酪酸誘導体、96重量%~99重量%、97重量%~99重量%、又は98重量%~99重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされていない顆粒の総重量に基づく。
【0053】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、式(1)の構造を有する。
【化1】
【0054】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、式(2)の構造を有するγ-ヒドロキシ酪酸(GHB)のプロドラッグである。
【化2】
【0055】
経口投与等の投与後、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、全身循環において代謝されて、患者の血漿中でγ-ヒドロキシ酪酸を放出する。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、60%F超の患者において、γ-ヒドロキシ酪酸の経口バイオアベイラビリティを提供する。
【0056】
本開示によって提供される医薬組成物は、機能性コーティングでコーティングされた4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の顆粒を含む医薬造粒物を含む。
【0057】
顆粒に形成する前に、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、低いかさ密度を有することができる。
【0058】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、例えば、0.20g/mL未満、0.30g/mL未満、0.40g/mL未満、又は0.50g/mL未満のかさ密度を有することができる。
【0059】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、例えば、0.15g/mL~0.33g/mL、0.16g/mL~0.32g/mL、0.17g/mL~0.31g/mL、0.18g/mL~0.30g/mL、0.19g/mL~0.29g/mL、又は0.20g/mL~0.28g/mLのかさ密度を有することができる。
【0060】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、例えば、1μm~3μmのD10、6.5μm~8.5μmのD50、及び15μm~17μmのD90を特徴とする粒径分布を有することができ、粒径分布は、レーザー回折によって測定される。
【0061】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、例えば、5μm~15μm、6μm~14μm、7μm~13μm、8μm~12μm、又は9μm~11μmのD50を特徴とする粒径分布を有することができ、粒径分布は、レーザー回折によって測定される。
【0062】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、粒径を低減するためにジェット粉砕することができる。
【0063】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むコーティングされていない造粒物は、MicroPX(登録商標)微小ペレット化技術(Glatt GmbH)を使用して調製することができる。
【0064】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の高用量の医薬組成物については、特に投与前に懸濁液として再構成される場合、嗜好性を改善するために、コーティングされていない及びコーティングされた顆粒は小さな平均直径を有することが有用であり得る。
【0065】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸のコーティングされていない医薬造粒物は、例えば、75μm~450μm、100μm~400μm、150μm~350μm、200μm~350μm、200μm~300μm、250μm~350μm、又は225μm~275μmのPSD(D50)を特徴とすることができる。
【0066】
コーティングされていない顆粒は、高負荷の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み得る。例えば、コーティングされていない顆粒は、80重量%超、85重量%超、90重量%超、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、又は99重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされていない顆粒の総重量に基づく。コーティングされていない顆粒は、例えば、95重量%~99.5重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、96重量%~99重量%、97重量%~99重量%、又は98重量%~99重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされていない顆粒の総重量に基づく。
【0067】
本開示によって提供されるコーティングされていない顆粒又は造粒物は、例えば、85重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、1重量%~10重量%のケイ酸マグネシウム(タルク)等の帯電防止剤、及び1重量%~10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、顆粒又は造粒物の総重量に基づく。本開示によって提供されるコーティングされていない顆粒又は造粒物は、例えば、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、2重量%~8重量%のケイ酸マグネシウム(タルク)等の帯電防止剤、及び2重量%~8重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、顆粒又は造粒物の総重量に基づく。本開示によって提供されるコーティングされていない顆粒又は造粒物は、例えば、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、3重量%~7重量%のケイ酸マグネシウム(タルク)等の帯電防止剤、及び3重量%~7重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、顆粒又は造粒物の総重量に基づく。
【0068】
本開示によって提供されるコーティングされていない顆粒は、例えば、0.91~0.99、又は0.92~0.98等の0.90~1の真球度を特徴とすることができ、真球度は、湿潤分散粒子形状法を使用するか、又は動画像分析によって決定される。本開示によって提供されるコーティングされていない顆粒は、例えば、0.90超、0.91超、0.92超、0.93超、0.94超、又は0.95超の真球度を特徴とすることができる。
【0069】
本開示によって提供されるコーティングされていない造粒物は、例えば、0.91~0.99、又は0.92~0.98等の0.90~1のモード真球度を特徴とする複数の顆粒を含むことができ、真球度は、湿潤分散粒子形状法を使用するか、又は動画像分析によって決定される。本開示によって提供されるコーティングされていない造粒物は、例えば、0.94超、0.95超、0.96超、0.97超、0.98超、又は0.99超の平均真球度を特徴とする複数の顆粒を含むことができる。
【0070】
本開示によって提供されるコーティングされていない顆粒は固体であり、顆粒全体にわたって実質的に均質な組成物を特徴とする。
【0071】
本開示によって提供される医薬造粒物は、シールコーティングを含むことができる。シールコーティングを含む医薬造粒物は、即時放出医薬造粒物として使用することができる。
【0072】
本開示によって提供される医薬造粒物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む顆粒を被覆するシールコーティングを含むことができる。
【0073】
シールコーティングは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は本明細書に開示される水溶性ポリマーのうちのいずれか等の水溶性ポリマーを含むことができる。
【0074】
シールコーティングは、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせ等の帯電防止剤を含むことができる。
【0075】
シールコーティングは、例えば、65重量%~95重量%の水溶性ポリマー、例えば、70重量%~90重量%、又は75重量%~85重量%の水溶性ポリマー、及び5重量%~35重量%の帯電防止剤、例えば、10重量%~30重量%、又は15重量%~25重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、シールコーティングの総重量に基づく。
【0076】
シールコーティングは、例えば、0.5μm~4μm、1μm~3.5μm、1μm~3μm、又は1μm~2.5μmの厚さを有することができる。
【0077】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸をシールコートで含むコーティング顆粒の方法の例は、実施例1及び2に提供される。
【0078】
図1及び3は、シールコーティングされた造粒物の粒径分布を示す。
【0079】
図2A~2Dは、種々の倍率での、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクの1.3μm(+/-0.27μm)厚さのシールコーティングを有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸含有顆粒を示す。
図2Eは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクのシールコーティングを有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸含有顆粒の断面図を示す。
【0080】
図4A~4Dは、種々の倍率での、ヒドロキシプロピルセルロース及びタルクの2.23μm(+/-0.34μm)厚さのシールコーティングを有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸含有顆粒を示す。
図4Eは、ヒドロキシプロピルセルロース及びタルクのシールコーティングを有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸顆粒の断面図を示す。
【0081】
本開示によって提供されるコーティングされた医薬造粒物は、機能性コーティングでコーティングされた複数の顆粒を含むことができる。機能性コーティングは、例えば、制御放出コーティング、持続放出コーティング、pH放出コーティング、脈動放出コーティング、時限放出コーティング、又は遅延放出コーティング等の調節放出コーティングを含むことができる。機能性コーティングは、例えば、服用後の意図された期間にわたって、及び/又は消化管の意図された領域内で、コーティングされた顆粒から4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を放出するように構成され得る。
【0082】
本開示によって提供されるコーティングされた医薬顆粒は、1つ以上の機能性コーティングを含むことができる。
【0083】
1つ以上の機能性コーティングの各々は、独立して、例えば、50μm未満、40μm未満、30μm未満、20μm未満、15μm未満、10μm未満、又は5μm未満の平均厚さを有することができる。1つ以上の機能性コーティングの各々は、独立して、例えば、5μm~50μm、5μm~40μm、5μm~30μm、5μm~20μm、5μm~15μm、又は5μm~10μmの平均厚さを有することができる。
【0084】
コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物は、例えば、50重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、55重量%超、60重量%超、70重量%超、80重量%超、又は85重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物の総重量に基づく。
【0085】
コーティングされた顆粒又は複数のコーティングされた顆粒を含むコーティングされた造粒物は、例えば、50重量%~85重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、55重量%~80重量%、60重量%~80重量%、65重量%~80重量%、又は70重量%~75重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物の総重量に基づく。
【0086】
コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物は、例えば、50重量%未満の機能性コーティング、40重量%未満の機能性コーティング、30重量%未満、20重量%未満、又は10重量%未満の機能性コーティングを含むことができ、重量%は、コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物の総重量に基づく。コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物は、例えば、10重量%~50重量%の機能性コーティング、10重量%~45重量%、15重量%~40重量%、又は15重量%~35重量%の機能性コーティングを含むことができ、重量%は、コーティングされた造粒物の総重量に基づく。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含有するコーティングされた造粒物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の放出速度を低減する、及び/又は水分の侵入を最小限に抑える若しくは阻止することによって4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の貯蔵安定性を増加させるために厚いコーティングを有することができる。
【0087】
コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物は、例えば、50重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、55重量%超、60重量%超、70重量%超、80重量%超、又は85重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物の総重量に基づく。
【0088】
コーティングされた顆粒又は複数のコーティングされた顆粒を含むコーティングされた造粒物は、例えば、50重量%~90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、55重量%~85重量%、60重量%~85重量%、65重量%~85重量%、又は70重量%~80重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができ、重量%は、コーティングされた顆粒又はコーティングされた造粒物の総重量に基づく。
【0089】
機能性コーティングは、マトリックスポリマー又はマトリックスポリマーの組み合わせを含むことができる。マトリックスポリマー及び/又は孔形成ポリマーの組み合わせは、消化管内に4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の所望の放出プロファイルを提供するように選択することができる。
【0090】
機能性コーティングは、例えば、55重量%~95重量%のマトリックスポリマー、60重量%~90重量%、65重量%~90重量%、70重量%~85重量%、又は75重量%~85重量%のマトリックスポリマーを含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0091】
機能性コーティングは、マトリックスポリマー又はマトリックスポリマーの組み合わせを含むことができる。マトリックスポリマーの組み合わせは、消化管内に4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の所望の放出プロファイルを提供するように選択することができる。
【0092】
機能性コーティングは、例えば、55重量%~95重量%のマトリックスポリマー、60重量%~90重量%、65重量%~90重量%、70重量%~85重量%、又は75重量%~85重量%のマトリックスポリマーを含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0093】
機能性コーティングは、例えば、95重量%未満のマトリックスポリマー、90重量%未満、85重量%未満、80重量%未満、75重量%未満、70重量%未満、又は60重量%未満のマトリックスポリマーを含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0094】
機能性コーティングは、例えば、50%超のマトリックスポリマー、55重量%超、60重量%超、65重量%超、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、又は90重量%超のマトリックスポリマーを含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0095】
マトリックスポリマーは、水不溶性ポリマー又は水不溶性ポリマーの組み合わせを含むことができる。
【0096】
好適な水不溶性ポリマーの例には、エチルセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリレート、及びポリメタクリレートが挙げられる。
【0097】
エチルセルロース等の水不溶性ポリマーは、例えば、25,000ダルトン~300,000ダルトン、例えば、50,000ダルトン~200,000ダルトン、50,000ダルトン~150,000ダルトン、又は50,000ダルトン~100,000ダルトンの平均分子量を有することができる。
【0098】
エチルセルロース等の水不溶性ポリマーは、例えば、トルエン/エタノールの80:20混合物中のBrookfield粘度計を使用して決定される場合、100mPa×sec未満、75mPa×sec未満、50mPa×sec未満、25mPa×sec未満、20mPa×sec未満、又は15mPa×sec未満の粘度を有することができる。
【0099】
好適なエチルセルロースポリマーの例には、Ashlandから入手可能である、Aqualon(登録商標)T10 Pharm、N7 Pharm、N10 Pharm、N14 Pharm、N22 Pharm、N50 Pharm、及びN100 Pharmポリマーが挙げられる。好適なエチルセルロースポリマーの他の例としては、Dupontから入手可能である、Ethocel(登録商標)標準7、標準10、標準14、標準20ポリマーが挙げられる。
【0100】
マトリックスポリマーは、例えば、90重量%~100重量%の水不溶性ポリマー、91重量%~99重量%、82重量%~98重量%、又は93重量%~97重量%の水不溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。マトリックスポリマーは、例えば、90重量%超の水不溶性ポリマー、92重量%超、94重量%超、96重量%超、又は98重量%超の水不溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。マトリックスポリマーは、例えば、100重量%未満の水不溶性ポリマー、98重量%未満、96重量%未満、94重量%未満、又は92重量%未満の水不溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。
【0101】
マトリックスポリマーは、孔形成ポリマーを含むことができる。孔形成ポリマーの例としては、水溶性ポリマー、カルボマー等の膨潤又は膨張するポリマー、及び胃液に可溶性のポリマー、例えば、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー、及びポリビニルアセテートフタレートが挙げられる。孔形成ポリマーは、意図された条件下で機能性コーティングの透過性を増加させることができる。
【0102】
マトリックスポリマーは、水溶性ポリマー又は水溶性ポリマーの組み合わせを含むことができる。
【0103】
好適な水溶性ポリマーの例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポビドン、コポビドン、及びポロキサマーが挙げられる。
【0104】
ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性ポリマーは、例えば、1,000,000ダルトン未満、800,000ダルトン未満、600,000ダルトン未満、400,000ダルトン未満、200,000ダルトン未満、100,000ダルトン未満、又は50,0000ダルトン未満の平均分子量を有することができる。
【0105】
ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性ポリマーは、例えば、トルエン/エタノールの80:20混合物中のBrookfield粘度計を使用して決定される場合、7,000mPa×sec未満、5,000mPa×sec未満、3,000mPa×sec未満、又は1,000mPa×sec未満の粘度を有することができる。
【0106】
好適なヒドロキシプロピルセルロースポリマーの例には、Ashlandから入手可能である、Klucel(登録商標)HF Pharm、MF Pharm、GF Pharm JF Pharm、LF Pharm、EF Pharm、及びELF Pharmポリマーが挙げられる。
【0107】
好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマーの例としては、Shin-Etsu Chemical Coから入手可能である、Pharmacoat(登録商標)603、645、606、及び615ポリマーが挙げられる。
【0108】
マトリックスポリマーは、例えば、0重量%~15重量%の水溶性ポリマー、0重量%~10重量%、1重量%~8重量%、又は2重量%~6重量%の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。マトリックスポリマーは、例えば、0重量%超の水溶性ポリマー、2重量%超、4重量%超、6重量%超、又は8重量%超の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。マトリックスポリマーは、例えば、10重量%未満の水溶性ポリマー、8重量%未満、6重量%未満、4重量%未満、又は2重量%未満の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。
【0109】
マトリックスポリマーは、例えば、90重量%~100重量%の水不溶性ポリマー、及び0重量%~10重量%の水溶性ポリマー、92重量%~98重量%の水不溶性ポリマー、及び2重量%~8重量%の水溶性ポリマー、又は94重量%~96重量%の水不溶性ポリマー、及び4重量%~6重量%の水溶性ポリマーを含むことができ、重量%は、マトリックスポリマーの総重量に基づく。
【0110】
機能性コーティングは、流動床装置内の顆粒上に機能性コーティングの溶液、懸濁液、又は分散液を噴霧する等の任意の好適な方法によって、本開示によって提供される顆粒に塗布することができる。
【0111】
マトリックスポリマー又はマトリックスポリマーの組み合わせに加えて、機能性コーティングは、例えば、可塑剤、帯電防止剤、粘着防止剤、着色剤又は顔料、流動促進剤、粘度調整剤、又は前述のうちのいずれかの組み合わせを含むことができる。
【0112】
機能性コーティングは、帯電防止剤又は帯電防止剤の組み合わせを含むことができる。
【0113】
帯電防止剤は、機能性コーティングの塗布中に顆粒の凝集を最小限に抑える又は阻止するために有用である。
【0114】
好適な帯電防止剤の例としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び二酸化ケイ素が挙げられる。
【0115】
機能性コーティングは、例えば、5重量%~25重量%の帯電防止剤、例えば、8重量%~22重量%、又は10重量%~20重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。機能性コーティングは、例えば、25重量%未満の帯電防止剤、23重量%未満、18重量%未満、又は15重量%未満の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。機能性コーティングは、例えば、5重量%超の帯電防止剤、8重量%超、12重量%超、16重量%超、又は20重量%超の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0116】
本開示によって提供される機能性コーティングは、セバシン酸ジブチル、ポリエチレングリコール、トリアセチン、及びクエン酸トリエチル等の可塑剤を含まない。
【0117】
本開示によって提供される機能性コーティングは、例えば、70重量%~95重量%のマトリックスポリマー、及び5重量%~30重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0118】
本開示によって提供される機能性コーティングは、例えば、75重量%~90重量%のマトリックスポリマー、及び10重量%~25重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0119】
本開示によって提供される機能性コーティングは、例えば、80重量%~90重量%のマトリックスポリマー、及び10重量%~12重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0120】
本開示によって提供される機能性コーティングでは、マトリックスポリマーは、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むことができ、帯電防止剤は、ステアリン酸マグネシウム、タルク、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0121】
本開示の調節放出コーティング等の機能性コーティングは、例えば、72重量%~92重量%のエチルセルロース等の水不溶性ポリマー、0.5重量%~4重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマー、及び11重量%~22重量%のステアリン酸マグネシウム等の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。本開示の調節放出コーティング等の機能性コーティングは、例えば、74重量%~90重量%のエチルセルロース等の水不溶性ポリマー、1重量%~3.5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマー、及び13重量%~20重量%のステアリン酸マグネシウム等の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。本開示の調節放出コーティング等の機能性コーティングは、例えば、76重量%~88重量%のエチルセルロース等の水不溶性ポリマー、1重量%~3.0重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマー、及び14重量%~18重量%のステアリン酸マグネシウム等の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、機能性コーティングの総重量に基づく。
【0122】
本開示によって提供される調節放出顆粒又は造粒物は、例えば、コアと、コアを取り囲む調節放出コーティングと、を含むことができる。コアは、例えば、85重量%~95重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、3重量%~7重量%等の1重量%~9重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマー、3重量%~7重量%等の1重量%~9重量%のステアリン酸マグネシウム等の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、コアの総重量に基づき、コアを取り囲む調節放出コーティングは、例えば、77重量%~87重量%のエチルセルロース等の水不溶性ポリマー、0.1w重量%~5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性ポリマー、及び14重量%~18重量%等の11重量%~21重量%のステアリン酸マグネシウム等の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、調節放出コーティングの総重量に基づく。
【0123】
本開示によって提供される調節放出造粒物は、夜間投薬1回、1日1回投薬(QD)、1日2回投薬(BID)、1日3回投薬(TID)、又は1日4回投薬(QID)を提供するように構成することができる。例えば、調節放出造粒物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の実質的に100%を、24時間の持続時間、12時間の持続時間、8時間の持続時間、又は4時間の持続時間にわたって放出することができる。
【0124】
例えば、調節放出造粒物は、例えば、
図6、9、12、及び16に実質的に示されるような溶出プロファイルを示すことができる。例えば、調節放出造粒物は、例えば、
図6、9、12、及び16に示される溶出プロファイルのうちのいずれかに生物学的等価である溶出プロファイルを示すことができる。
【0125】
調節放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して決定されるとき、例えば、80%未満の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、2時間以内に調節放出造粒物から放出され、70重量%未満、60重量%未満、50重量%未満、又は40重量%未満の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、2時間以内に調節放出造粒物から放出され、60重量%超、70重量%超、又は80重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、6時間以内に調節放出造粒物から放出される、溶出プロファイルを示すことができ、重量%は、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく。
【0126】
調節放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して決定されるとき、35重量%~75重量%、又は40重量%~70重量%等の30重量%~80重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、2時間以内に調節放出造粒物から放出される溶出プロファイルを示すことができ、重量%は、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく。
【0127】
調節放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して決定されるとき、65重量%~85重量%、又は70重量%~80重量%等の50重量%~90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、4時間以内に調節放出造粒物から放出される溶出プロファイルを示すことができ、重量%は、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく。
【0128】
調節放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して決定されるとき、65重量%~95重量%、又は70重量%~90重量%等の60重量%~100重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、6時間以内に調節放出造粒物から放出される溶出プロファイルを示すことができ、重量%は、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく。
【0129】
調節放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して決定されるとき、30%~80%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、2時間以内に調節放出造粒物から放出され、50重量%~90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、4時間以内に調節放出造粒物から放出され、60重量%~100重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、6時間以内に組成物から放出される、溶出プロファイルを示すことができ、重量%は、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく。
【0130】
調節放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して決定されるとき、25重量%~70重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、2時間以内に調節放出造粒物から放出され、50重量%~85重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、4時間以内に調節放出造粒物から放出され、60重量%~85重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、6時間以内に調節放出造粒物から放出される、溶出プロファイルを示すことができ、重量%は、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく。
【0131】
調節放出造粒物は、
図9及び12に示される溶出プロファイルのうちのいずれかに生物学的等価である溶出プロファイルを示すことができる。
【0132】
本開示によって提供されるコーティングされた造粒物は、例えば、2重量%未満、1.5重量%未満 1重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の水含有量を有することができ、重量%は、コーティングされた造粒物の総重量に基づく。
【0133】
本開示によって提供されるコーティングされた造粒物は、例えば、0.1重量%~2重量%、0.1重量%~1重量%、又は0.2重量%~0.6重量%の水含有量を有することができ、重量%は、コーティングされた造粒物の総重量に基づく。
【0134】
コーティングされた医薬造粒物は、例えば、0.55g/mL超、0.60g/mL超、0.65g/mL超、0.70g/mL超、又は0.75g/mL超のかさ密度を有することができる。
【0135】
コーティングされた医薬造粒物は、例えば、0.55g/mL~0.80g/mL、0.60g/mL~75g/mL、0.60g/mL~0.70g/mLのかさ密度を有することができる。
【0136】
かさ密度は、かさ密度シリンダーを使用して決定することができる。
【0137】
本開示によって提供されるコーティングされた医薬造粒物は、例えば、150μm~350μm、175μm~325μm、200μm~300μm、250μm~350μm、又は225μm~275μm等の、150μm~400μmのPSD(D50)を特徴とすることができる。
【0138】
本開示によって提供されるコーティングされた造粒物についての粒径分布の例は、
図5、8、11、及び15に示される。
【0139】
粒径分布は、レーザー回折又はふるい分析によって決定することができる。
【0140】
本開示によって提供される機能性コーティングは、任意の好適な機器及びプロセスを使用して、造粒物上にコーティングすることができる。好適なコーティング方法の例としては、Wurster流動床フィルムコーティングプロセス、圧縮コーティングプロセス、及び位相反転プロセスが挙げられる。
【0141】
機能性コーティングは、コーティングされていない造粒物に、又は本開示によって提供されるシールコーティングを含む造粒物に塗布することができる。
【0142】
コーティング組成物の例は、実験例に提供される。コーティング組成物は、コーティングされていない造粒物又はシールコーティングされた造粒物に塗布されて、コーティングされた造粒物を提供する組成物を指す。
【0143】
機能性コーティング組成物は、70重量%超、75重量%超、80重量%超、85重量%超、又は90重量%超のエタノール又はアセトン等の非アルコール溶媒を含むことができ、重量%は、造粒物をコーティングするために使用される機能性コーティング溶液/懸濁液組成物の総重量に基づく。
【0144】
機能性コーティング組成物は、例えば、20重量%未満の水、15重量%未満、10重量%未満、又は5重量%未満の水を含むことができ、重量%は、造粒物をコーティングするために使用される機能性コーティング溶液/懸濁液組成物に基づく。
【0145】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸等の高度な水溶性及び吸湿性薬学的有効成分については、機能性コーティング組成物中の水の量を最小限に抑えることが有用であり得る。機能性コーティング溶液/懸濁液組成物中の水のレベルを低下させることは、コーティングプロセスに問題を起こし得る静電気をもたらし得る。
【0146】
機能性コーティング溶液/懸濁液組成物は、例えば、20重量%未満、18重量%未満、16重量%未満、14重量%未満、12重量%未満、10重量%未満、8重量%未満、又は6重量%未満の固体含有量を含むことができ、重量%は、機能性コーティング溶液/懸濁液組成物に基づく。
【0147】
機能性コーティング組成物は、2重量%~20重量%、4重量%~16重量%、4重量%~12重量%、6w%~14重量%、又は6重量%~10重量%の固体含有量を含むことができ、重量%は、機能性コーティング組成物に基づく。
【0148】
流動床コーティング機器に挿入されたWursterカラムを使用したコーティングプロセス条件の例を、実験例に提供する。
【0149】
本開示によって提供される造粒物は、即時放出造粒物を含むことができる。
【0150】
即時放出造粒物は、複数のコーティングされていない顆粒、又はシールコーティングを含む複数の顆粒を含むことができる。
【0151】
複数のコーティングされていない又はシールコーティングされた顆粒を含む即時放出造粒物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸等の本開示によって提供される90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができる。コーティングされていない又はシールコーティングされた顆粒を含む即時放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度で、USPタイプ2溶出装置で試験される場合、例えば、10分未満、8分未満、6分未満、5分未満、又は4分未満で完全に溶解することができる。
【0152】
即時放出造粒物は、即時放出機能性コーティングを有する複数のコーティングされた又はシールコーティングされた顆粒を含むことができる。複数のコーティングされた顆粒を含む即時放出造粒物は、80重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができる。コーティングされた顆粒を含む即時放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度で、USPタイプ2溶出装置で試験される場合、例えば、25分未満、20分未満、18分未満、16分未満、14分未満、又は12分未満で完全に溶解することができる。コーティングされた顆粒を含む即時放出造粒物は、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度で、USPタイプ2溶出装置で試験される場合、例えば、10分未満、8分未満、6分未満、又は4分未満で、80%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を放出することができる。コーティングされた即時放出造粒物は、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はポリエチレングリコール等の水溶性ポリマーを含むコーティングを含むことができる。コーティングされた即時放出造粒物は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又は二酸化ケイ素等の帯電防止剤を含むコーティングを含むことができる。
【0153】
本開示によって提供される医薬組成物は、即時放出造粒物及び調節放出造粒物の組み合わせを含むことができる。医薬組成物は、例えば、1:1~1:4、1:1~1:3、1:1~1:2、又は1:2~1:3についての、即時放出造粒物としての4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の、調節放出造粒物としての4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸に対する重量%比を含むことができる。
【0154】
本開示によって提供される医薬組成物は、本開示によって提供されるコーティングされた造粒物を含むことができる。
【0155】
医薬組成物は、経口投与のための任意の好適な剤形を含むことができる。
【0156】
好適な経口剤形の例としては、錠剤、カプセル、カプレット、サシェ、ボトル、スティックパック、分散液、及び懸濁液が挙げられる。
【0157】
本開示によって提供される経口剤形は、例えば、0.1グラム~20グラムの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、0.1グラム~15グラム、0.1グラム~12グラム、0.1グラム~10グラム、0.2グラム~8グラム、0.5グラム~5グラム、1グラム~4.5グラム、又は1.5グラム~4グラムの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができる。経口剤形は、例えば、0.5グラム超、1グラム超、2グラム超、3グラム超、4グラム超、6グラム超、又は8グラム超 10グラム超、14グラム超、又は18グラム超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むことができる。
【0158】
本開示によって提供される経口組成物は、本開示によって提供される調節放出機能性コーティングを有するコーティングされた顆粒の経口懸濁液を含むことができる。経口組成物は、本開示によって提供される調節放出造粒物、及び即時放出造粒物を含むことができる。
【0159】
経口組成物は、本開示によって提供される即時放出造粒物と調節放出造粒物との組み合わせを含むことができる。
【0160】
本開示によって提供される経口組成物は、一定の期間にわたって、治療有効量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を提供することができる。
【0161】
例えば、本開示によって提供される経口組成物は、3時間、6時間、8時間、又は10時間の期間にわたって、治療有効量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を提供することができる。
【0162】
本開示によって提供される経口組成物は、4時間~12時間、4時間~10時間、又は4時間~8時間の期間にわたって、治療有効量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を提供することができる。
【0163】
本開示によって提供される経口組成物は、経口投与後1時間~12時間、経口投与後2時間~10時間、又は4時間~8時間の期間にわたって、治療有効量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を提供することができる。
【0164】
本開示によって提供される経口組成物は、1晩に1回の組成物であり得る。1晩に1回の組成物については、患者は、寝る前にある用量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を投与し、夜間に第2の用量を投与することなく、6時間又は8時間等の夜間を通して睡眠することができる。
【0165】
本開示によって提供される経口組成物は、患者の血漿中に治療有効量のγ-ヒドロキシ酪酸を提供することができる。
【0166】
本開示によって提供される経口組成物は、調節放出経口組成物の経口投与後、4時間、6時間、8時間、又は10時間の期間、患者の血漿中に治療有効量のγ-ヒドロキシ酪酸を提供することができる。
【0167】
本開示によって提供される経口組成物は、調節放出経口組成物の経口投与後、4時間超、6時間超、8時間超、又は10時間超の間、10μg/mL超のγ-ヒドロキシ酪酸の血漿濃度を提供することができる。
【0168】
本開示によって提供される経口組成物は、調節放出経口組成物の経口投与後、4時間超、6時間超、8時間超、又は10時間超の間、15μg/mL超のγ-ヒドロキシ酪酸の血漿濃度を提供することができる。
【0169】
本開示によって提供される経口組成物は、調節放出経口組成物の経口投与後、4時間、6時間、8時間、又は10時間の期間、患者の血漿中のγ-ヒドロキシ酪酸の治療有効量のCmax対Cmin比を3未満又は2未満から提供することができる。
【0170】
本開示によって提供される経口組成物は、式(2)のγ-ヒドロキシ酪酸誘導体を含むことができ、例えば、0.5g当量のγ-ヒドロキシ酪酸、1g当量、2g当量、3g当量、4g当量、5g当量、6g当量、7g当量、8g当量、9g当量、10g当量、11g当量、又は12g当量のγ-ヒドロキシ酪酸を含むことができる。
【0171】
本開示によって提供される医薬組成物は、治療目的のために化合物を患者に投与するために使用することができるキットに含めることができる。キットは、患者への投与に好適な即時放出構成成分及び調節放出構成成分を含む医薬組成物、並びに医薬組成物を患者に投与するための説明書を含むことができる。キットは、例えば、睡眠障害を治療するために使用することができる。キットは、即時放出構成成分及び調節放出構成成分、即時放出構成成分及び調節放出構成成分を投与するための薬学的に許容されるビヒクル、並びに医薬組成物を患者に投与するための説明書を含むことができる。
【0172】
本開示によって提供される経口組成物は、例えば、本開示を提供したコーティングされた造粒物を含有するサシェとして提供され得る。サシェは、0.5g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、11g、10g、12g、15g、又は20gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸などの異なる用量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸で提供され得る。コーティングされた造粒物は、例えば、水と組み合わせて、経口摂取可能な剤形を提供することができる。
【0173】
医薬組成物は、投与のための説明書とともに、容器、パック、またはディスペンサーに含めることができる。
【0174】
キットとともに供給される使用説明書は、例えば、電子可読媒体、ビデオカセット、オーディオテープ、フラッシュメモリデバイスとして印刷および/又は供給されてもよく、又はインターネットウェブサイト上で公開されてもよく、又は電子通信として患者及び/又は医療提供者に配布されてもよい。
【0175】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.4時間の平均t1/2、0.9時間の平均Tmax、16μg/mLの平均Cmax、16h×μg/mLの平均AUC0-6、16h×μg/mLのAUC0-inf、及び48L/hのCL/Fを特徴とすることができる)。
【0176】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.3時間~0.5時間の平均t1/2、0.8時間~1.0時間の平均Tmax、14μg/mL~18μg/mLの平均Cmax、14h×μg/mL~18h×μg/mLの平均AUC0-6、14h×μg/mL~18h×μg/mLのAUC0-inf、及び44L/h~52L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0177】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.35時間~0.45時間の平均t1/2、0.85時間~0.95時間の平均Tmax、15μg/mL~17μg/mLの平均Cmax、15h×μg/mL~17h×μg/mLの平均AUC0-6、15h×μg/mL~17h×μg/mLのAUC0-inf、及び446L/h~50L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0178】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.7時間の平均t1/2、1.6時間の平均Tmax、4μg/mLの平均Cmax、9h×μg/mLの平均AUC0-6、9h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び838L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0179】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.5時間~9時間の平均t1/2、1.4時間~1.8時間の平均Tmax、2μg/mL~6μg/mLの平均Cmax、7h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC0-6、7h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び818L/h~858L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0180】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.6時間~0.8時間の平均t1/2、1.5時間~1.7時間の平均Tmax、3μg/mL~5μg/mLの平均Cmax、8h×μg/mL~10h×μg/mLの平均AUC0-6、8h×μg/mL~10h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び828L/h~848L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0181】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.7時間の平均t1/2、1.4時間の平均Tmax、6μg/mLの平均Cmax、10h×μg/mLの平均AUC0-6、10h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び762L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0182】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.5時間~0.9時間の平均t1/2、1.2時間~1.6時間の平均Tmax、4μg/mL~8μg/mLの平均Cmax、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC0-6、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び720L/h~800L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0183】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.4時間~0.8時間の平均t1/2、1.3時間~1.5時間の平均Tmax、5μg/mL~7μg/mLの平均Cmax、9h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC0-6、9h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び740L/h~780L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0184】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.8時間の平均t1/2、1.1時間の平均Tmax、5μg/mLの平均Cmax、10h×μg/mLの平均AUC0-6、10h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び801L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0185】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.6時間~1.0時間の平均t1/2、0.9時間~1.3時間の平均Tmax、3μg/mL~7μg/mLの平均Cmax、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC0-6、8h×μg/mL~12h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び760L/h~840L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0186】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.7時間~0.9時間の平均t1/2、1.0時間~1.2時間の平均Tmax、4μg/mL~6μg/mLの平均Cmax、9h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC0-6、9h×μg/mL~11h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び780L/h~820L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0187】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.6時間の平均t1/2、1.3時間の平均Tmax、86μg/mLの平均Cmax、239h×μg/mLの平均AUC0-6、246h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び31L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0188】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.4時間~0.8時間の平均t1/2、1.1時間~1.5時間の平均Tmax、76μg/mL~96μg/mLの平均Cmax、219h×μg/mL~259h×μg/mLの平均AUC0-6、226h×μg/mL~266h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び21L/h~41L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0189】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.5時間~0.7時間の平均t1/2、1.2時間~1.4時間の平均Tmax、81μg/mL~91μg/mLの平均Cmax、229h×μg/mL~249h×μg/mLの平均AUC0-6、236h×μg/mL~256h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び26L/h~36L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0190】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、1.1時間の平均t1/2、2.4時間の平均Tmax、27μg/mLの平均Cmax、86h×μg/mLの平均AUC0-6、95h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び95L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0191】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.9時間~1.3時間の平均t1/2、2.2時間~2.6時間の平均Tmax、17μg/mL~37μg/mLの平均Cmax、76h×μg/mL~96h×μg/mLの平均AUC0-6、75h×μg/mL~115h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び85L/h~105L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0192】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、1.0時間~1.2時間の平均t1/2、2.3時間~2.5時間の平均Tmax、22μg/mL~32μg/mLの平均Cmax、81h×μg/mL~91h×μg/mLの平均AUC0-6、85h×μg/mL~105h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び90L/h~100L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0193】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.9時間の平均t1/2、2.4時間の平均Tmax、36μg/mLの平均Cmax、112h×μg/mLの平均AUC0-6、120h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び72L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0194】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.8時間~1.0時間の平均t1/2、2.2時間~2.6時間の平均Tmax、34μg/mL~38μg/mLの平均Cmax、102h×μg/mL~122h×μg/mLの平均AUC0-6、110h×μg/mL~130h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び62L/h~82L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0195】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.85時間~0.95時間の平均t1/2、2.3時間~2.5時間の平均Tmax、35μg/mL~37μg/mLの平均Cmax、107h×μg/mL~117h×μg/mLの平均AUC0-6、125h×μg/mL~135h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び67L/h~77L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0196】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、1.0時間の平均t1/2、1.9時間の平均Tmax、30μg/mLの平均Cmax、102h×μg/mLの平均AUC0-6、110h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び79L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0197】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.9時間~1.1時間の平均t1/2、1.7時間~2.1時間の平均Tmax、26μg/mL~34μg/mLの平均Cmax、82h×μg/mL~122h×μg/mLの平均AUC0-6、90h×μg/mL~130h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び69L/h~89L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0198】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.95時間~1.05時間の平均t1/2、1.8時間~2.0時間の平均Tmax、28μg/mL~32μg/mLの平均Cmax、92h×μg/mL~112h×μg/mLの平均AUC0-6、100h×μg/mL~120h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び74L/h~84L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0199】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、5.9の平均Cmax比、15.0の平均AUC0-inf比、16.2の平均AUC0-6比を特徴とし、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、4.9~6.9の平均Cmax比、14.0~16.0の平均AUC0-inf比、15.2~17.2の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むIR組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、5.4~6.4の平均Cmax比、14.5~15.5の平均AUC0-inf比、15.7~16.7の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0200】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.6の平均Cmax比、10.0の平均AUC0-inf比、9.8の平均AUC0-6比を特徴とし、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.2~7.0の平均Cmax比、9.0~11.0の平均AUC0-inf比、9.4~10.2の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR1組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.4~6.8の平均Cmax比、9.5~10.5の平均AUC0-inf比、9.6~10.0の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0201】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.3の平均Cmax比、11.9の平均AUC0-inf比、11.5の平均AUC0-6比を特徴とし、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、5.9~6.7の平均Cmax比、11.5~12.3の平均AUC0-inf比、11.1~11.9の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR2組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.1~6.5の平均Cmax比、11.7~12.1の平均AUC0-inf比、11.3~11.7の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0202】
絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.5の平均Cmax比、11.4の平均AUC0-inf比、11.4の平均AUC0-6比を特徴とし、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.1~6.9の平均Cmax比、11.0~11.8の平均AUC0-inf比、11.0~11.8の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。絶食した健康な被験者の集団への、7.25gの化合物(1)を含むMR3組成物の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.3~6.7の平均Cmax比、11.2~11.6の平均AUC0-inf比、11.2~11.6の平均AUC0-6比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0203】
医薬組成物は、即時放出構成成分及び調節構成成分を含むことができる。
【0204】
即時放出構成成分は、本明細書に開示される即時放出マイクロ粒子のうちのいずれかを含むことができる。
【0205】
調節構成成分は、本明細書に開示される調節マイクロ粒子、又は調節マイクロ粒子の組み合わせのうちのいずれかを含むことができる。
【0206】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に10重量%~50重量%の化合物(1)及びMR構成成分中に50重量%~90重量%、IR構成成分中に20重量%~40重量%の化合物(1)及びMR構成成分中に60重量%~80重量%のγ-ヒドロキシブチレート、又はIR構成成分中に25重量%~35重量%の化合物(1)及びMR構成成分中に65重量%~75重量%の化合物(1)を含むことができ、重量%は、医薬組成物中の化合物(1)の総重量に基づく。
【0207】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に10重量%超の化合物(1)及びMR構成成分中に90%未満の化合物(1)、IR構成成分中に20重量%超化合物(1)及びMR構成成分中に80%未満の化合物(1)、IR構成成分中に30重量%超の化合物(1)及びMR構成成分中に70%未満化合物(1)、又はIR構成成分中に40重量%超の化合物(1)及びMR構成成分中に60%未満化合物(1)を含むことができ、重量%は、医薬組成物中の化合物(1)の総重量に基づく。
【0208】
本開示によって提供される医薬組成物は、IR構成成分中の化合物(1)の、MR構成成分中の化合物(1)に対する重量比、例えば、1:1.4~1:3.4、1:1.6~1.3.2、1.1.8~1:3.0、1:2.0~1:2.8、又は1.22~1:2.6を有することができる。
【0209】
本開示によって提供される医薬組成物は、IR構成成分中の化合物(1)の、MR構成成分中の化合物(1)に対する重量比、例えば、1:1.4超、1:1.6超、1:1.8超、1:2.0超、1:2.2超、1:2.4超、又は1:2.6超を有することができる。
【0210】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に2.0g~6.0gの化合物(1)、IR構成成分中に2.25g~5.75g、2.5g~5.5g、2.75g~5.25g、3.0g~5.0g、3.25g~4.75g、又は3.5g~4.5gの化合物(1)を含むことができる。
【0211】
医薬組成物は、例えば、MR構成成分中に8g~12gの化合物(1)、MR構成成分中に8.5g~11.5g、9g~11g、9.25g~10.75g、又は9.5g~10.5gの化合物(1)を含むことができる。
【0212】
医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に2.0g~6.0gの化合物(1)、IR構成成分中に2.25g~5.75g、2.5g~5.5g、2.75g~5.25g、3.0g~5.0g、3.25g~4.75g、又は3.5g~4.5gの化合物(1)、及びMR構成成分中に8g~12gの化合物(1)、MR構成成分中に8.5g~11.5g、9g~11g、9.25g~10.75g、又は9.5g~10.5gの化合物(1)を含むことができる。
【0213】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、9.5g~22gの化合物(1)、10g~20gの化合物(1)、12g~18gの化合物(1)、又は14g~16gの化合物(1)を含むことができる。本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、9g超の化合物(1)、10g超、12g超、14g超、16g超、18g超、又は20g超の化合物(1)を含むことができる。
【0214】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に10重量%~50重量%のγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に50重量%~90重量%、IR構成成分中に20重量%~40重量%のγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に60重量%~80重量%のγ-ヒドロキシブチレート、又はIR構成成分中に25重量%~35重量%のγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に65重量%~75重量%のγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができ、重量%当量は、医薬組成物中のγ-ヒドロキシブチレート当量の総重量%に基づく。
【0215】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に10重量%超のγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に90%未満のγ-ヒドロキシブチレート当量、IR構成成分中に20重量%超のγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に80重量%未満のγ-ヒドロキシブチレート当量、IR構成成分中に30重量%超のγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に70重量%未満のγ-ヒドロキシブチレート当量、又はIR構成成分中に40重量%超のγ-ヒドロキシブチレート及びMR構成成分中に60重量%未満のγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができ、重量%当量は、医薬組成物中の総γ-ヒドロキシブチレート当量に基づく。
【0216】
本開示によって提供される医薬組成物は、IR構成成分中のγ-ヒドロキシブチレート当量の、MR構成成分中のγ-ヒドロキシブチレート当量に対する重量比、例えば、1:1.5~1:3.5、1:1.7~1.3.3、1.1.9~1:3.1、1:2.1~1:2.9、又は1.23~1:2.7を有することができる。
【0217】
本開示によって提供される医薬組成物は、IR構成成分中のγ-ヒドロキシブチレート当量の、MR構成成分中のγ-ヒドロキシブチレート当量に対する重量比、例えば、1:1.5超、1:1.7超、1:1.9超、1:2.1超、1:2.3超、1:2.5超、又は1:2.7超を有することができる。
【0218】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に1.1g~3.1gのγ-ヒドロキシブチレート当量、IR構成成分中に1.2g~3.0g、1.3g~2.9g、又は1.4g~2.8gのγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができる。
【0219】
医薬組成物は、例えば、MR構成成分中に4.1g~6.1gのγ-ヒドロキシブチレート当量、MR構成成分中に4.2g~6.0g、4.3g~5.9g、4.4g~6.8g、又は4.5g~6.7gのγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができる。
【0220】
医薬組成物は、例えば、IR構成成分中に1.1g~3.1gのγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に4.1g~6.1gのγ-ヒドロキシブチレート当量、IR構成成分中に1.4g~2.8gのγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に4.3g~5.9gのγ-ヒドロキシブチレート当量、IR構成成分中に1.6g~2.6gのγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に4.5g~5.7gのγ-ヒドロキシブチレート当量、又はIR構成成分中に1.8g~2.2gのγ-ヒドロキシブチレート当量及びMR構成成分中に4.7g~5.5gのγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができる。
【0221】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、6.5g~18gの化合物(1)、8g~16gのγ-ヒドロキシブチレート当量、10g~14gの化合物(1)、又は11g~13gのγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができる。本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、9g超のγ-ヒドロキシブチレート当量、6.5g超、8g超、10g超、12g超、14g超、又は16g超のγ-ヒドロキシブチレート当量を含むことができる。
【0222】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(1) 絶食した健康な被験者の投与後のγ-ヒドロキシブチレート及び4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(1)についての血漿薬物動態プロファイルを決定するための方法が実験実施例に提供される。
【0223】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、1.1時間の平均t1/2、1.4時間の平均Tmax、15μg/mLの平均Cmax、25h×μg/mLの平均AUC0-6、27h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び556L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0224】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、1.0時間~1.2時間の平均t1/2、1.3時間~1.5時間の平均Tmax、12μg/mL~18μg/mLの平均Cmax、20h×μg/mL~30h×μg/mLの平均AUC0-6、22h×μg/mL~32h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び536L/h~576L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0225】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、1.05時間~1.15時間の平均t1/2、1.35時間~1.45時間の平均Tmax、14μg/mL~16μg/mLの平均Cmax、22h×μg/mL~28h×μg/mLの平均AUC0-6、24h×μg/mL~30h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び546L/h~566L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0226】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物、及び10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、1.1時間の平均t1/2、2.7時間の平均Tmax、108μg/mLの平均Cmax、400h×μg/mLの平均AUC0-6、534h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び32L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる。
【0227】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、1.0時間~1.2時間の平均t1/2、2.5~2.9時間の平均Tmax、88μg/mL~128μg/mLの平均Cmax、380h×μg/mL~420h×μg/mLの平均AUC0-6、514h×μg/mL~554h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び22L/h~42L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0228】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、1.05時間~1.15時間の平均t1/2、2.6~2.8時間の平均Tmax、98μg/mL~118μg/mLの平均Cmax、390h×μg/mL~410h×μg/mLの平均AUC0-6、524h×μg/mL~544h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び27L/h~37L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0229】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、8.0の平均Cmax比、及び19.3の平均AUC0-inf比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0230】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、7.0~9.0の平均Cmax比、及び18.3~20.3の平均AUC0-inf比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0231】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR1組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR1)の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、7.5~8.5の平均Cmax比、及び18.8~19.8の平均AUC0-inf比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0232】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、化合物(1)血漿薬物動態プロファイルは、1.0時間の平均t1/2、1.3時間の平均Tmax、12μg/mLの平均Cmax、20h×μg/mLの平均AUC0-6、21h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び700L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる)。
【0233】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.9時間~1.1時間の平均t1/2、1.1時間~1.5時間の平均Tmax、10μg/mL~14μg/mLの平均Cmax、16h×μg/mL~24h×μg/mLの平均AUC0-6、11h×μg/mL~31h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び660L/h~740L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0234】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、化合物(1)の血漿薬物動態プロファイルは、0.95時間~1.05時間の平均t1/2、1.2時間~1.4時間の平均Tmax、11μg/mL~13μg/mLの平均Cmax、18h×μg/mL~22h×μg/mLの平均AUC0-6、16h×μg/mL~26h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び680L/h~720L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0235】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.9時間の平均t1/2、2.2時間の平均Tmax、83μg/mLの平均Cmax、322h×μg/mLの平均AUC0-6、386h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び43L/hの平均値CL/Fを特徴とすることができる)。
【0236】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.8時間~1.0時間の平均t1/2、2.0時間~2.4時間の平均Tmax、73μg/mL~93μg/mLの平均Cmax、302h×μg/mL~342h×μg/mLの平均AUC0-6、366h×μg/mL~406h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び33L/h~53L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0237】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、γ-ヒドロキシブチレートの血漿薬物動態プロファイルは、0.85時間~0.95時間の平均t1/2、2.1時間~2.3時間の平均Tmax、78μg/mL~88μg/mLの平均Cmax、312h×μg/mL~332h×μg/mLの平均AUC0-6、376h×μg/mL~396h×μg/mLの平均AUC0-inf、及び38L/h~48L/hのCL/Fを特徴とすることができる。
【0238】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、7.8の平均Cmax比、及び18.3の平均AUC0-inf比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0239】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、6.8~8.8の平均Cmax比、及び17.3~19.3の平均AUC0-inf比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0240】
絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含むIR組成物と、10gの化合物(1)を含むMR2組成物とを含む組み合わされた放出組成物(CR2)の経口投与後、血漿薬物動態プロファイルは、7.3~8.3の平均Cmax比、及び17.8~18.8の平均AUC0-inf比を特徴とすることができ、この比は、γ-ヒドロキシブチレート値の化合物(1)値に対する比を指す。
【0241】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、10g~20gの化合物(1)を含む組み合わされた放出組成物の経口投与後8時間で、被験者の血漿中のγ-ヒドロキシブチレートの濃度は、40μg/mL未満、30μg/mL未満、又は20μg/mL未満である。
【0242】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、10g~20gの化合物(1)を含む組み合わされた放出組成物の経口投与後、被験者の血漿中のγ-ヒドロキシブチレートのAUCinfは、(a)即時放出構成成分の経口投与後のγ-ヒドロキシブチレートのAUCinfと、(b)調節放出構成成分の経口投与後のγ-ヒドロキシブチレートのAUCinfとの合計を超える。
【0243】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、10g~20gの化合物(1)を含む組み合わされた放出組成物の経口投与後6時間~8時間に、被験者の血漿中のγ-ヒドロキシブチレート濃度は、絶食した健康な被験者の集団への、(a)即時放出構成成分の経口投与後6時間~8時間のγ-ヒドロキシブチレート濃度と、(b)調節放出構成成分の経口投与後6時間~8時間のγ-ヒドロキシブチレート濃度との合計を超える。
【0244】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、健康な絶食した被験者の集団への、10g~20gの化合物(1)を含む組み合わされた放出組成物の経口投与後、投与後6時間~8時間の濃度は、調節放出構成成分単独での投与後の被験者の血漿中のγ-ヒドロキシブチレートの濃度を超える。
【0245】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、即時放出構成成分及び調節放出構成成分の経口投与後の平均γ-ヒドロキシブチレートAUC0-infは、即時放出構成成分単独での経口投与後の平均γ-ヒドロキシブチレートAUC0-infと、調節放出構成成分単独での経口投与後の平均γ-ヒドロキシブチレートAUC0-infとの合計の合計を超える。
【0246】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、即時放出構成成分及び調節放出構成成分の経口投与後の平均化合物(1)AUC0-infは、即時放出構成成分単独での経口投与後の平均化合物(1)AUC0-infと、調節放出構成成分単独での経口投与後の平均化合物(1)AUC0-infとの合計の合計よりと同じである。
【0247】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、4.11gの化合物(1)を含む即時放出構成成分と、10gの化合物(1)を含む調節放出構成成分とを含む組み合わされた放出組成物の経口投与後の平均γ-ヒドロキシブチレートAUC0-infは、7.25gの化合物(1)を含む即時放出構成成分単独での経口投与後の平均γ-ヒドロキシブチレートAUC0-infと、7.25gの化合物(1)を含む調節放出構成成分単独での経口投与後の平均γ-ヒドロキシブチレートAUC0-infとの合計を超える。
【0248】
本開示によって提供される組み合わされた放出組成物については、絶食した健康な被験者の集団への、4.52gの化合物(1)を含む即時放出構成成分と、10gの化合物(1)を含む調節放出構成成分とを含む組み合わされた放出組成物の経口投与後の平均化合物(1)AUC0-infは、7.25gの化合物(1)を含む即時放出構成成分単独での経口投与後の平均化合物(1)AUC0-infと、7.25gの化合物(1)を含む調節放出構成成分単独での経口投与後の平均化合物(1)AUC0-infとの合計よりと実質的に同じである。
【0249】
本開示によって提供される即時放出構成成分は、
図17に示される化合物(1)又は
図18に示されるγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である血漿薬物動態プロファイルを示すことができる。本開示によって提供される即時放出構成成分は、表6に提供される化合物(1)又は表7に提供されるγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である血漿薬物動態プロファイルを示すことができる。
【0250】
本開示によって提供される調節放出構成成分は、
図17に示される化合物(1)又は
図18に示されるγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である血漿薬物動態プロファイルを示すことができる。本開示によって提供される調節放出構成成分は、表6に提供される化合物(1)又は表7に提供されるγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である血漿薬物動態プロファイルを示すことができる。
【0251】
組み合わせされた放出組成物などの、本開示によって提供される医薬組成物は、
図19に示される化合物(1)又は
図20に示されるγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である血漿薬物動態プロファイルを示すことができる。組み合わせされた放出組成物などの、本開示によって提供される医薬組成物は、表10に提供される化合物(1)又は表11に提供されるγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルに生物学的等価である血漿薬物動態プロファイルを示すことができる。
【0252】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、ナルコレプシー、過度な日中の眠気、カタプレキシー、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、疲労、パーキンソン病に関連する疲労、多発性硬化症に関連する疲労、又は線維筋痛を治療するために使用することができる。
【0253】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、REM睡眠行動障害、痙攣性ジストニア、統合失調症、不眠症、統合失調症に関連する不眠症、特発性過眠症、慢性疲労症候群、群発性頭痛、アルツハイマー病、本態性振戦、外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス症候群に関連する不眠症、又は不安症を治療するために使用することができる。
【0254】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、神経変性障害における認知機能を強化するために使用することができる。例えば、本開示によって提供される医薬組成物は、パーキンソン病を患う患者又はアルツハイマー病を患う患者における強化された認知機能に使用することができる。
【0255】
本開示によって提供される医薬組成物は、1型又は2型ナルコレプシー等のナルコレプシーを治療するために使用することができる。ナルコレプシーの治療は、過度な日中の眠気を低減するか、又は脱力発作の頻度を低減すると定義される。様々な実施形態では、組成物は、1日1回投与されるのに十分である。例えば、組成物は、食後2時間未満の朝又は夜に投与するのに十分であり得る。医薬組成物はまた、少なくとも6~8時間の連続した時間、睡眠を誘導するのに有効であり得る。食後2時間未満に投与される医薬組成物は、少なくとも8時間の連続した時間、睡眠を誘導するのに有効である。医薬組成物は、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、又は少なくとも10時間、睡眠を誘導するのに有効であり得る。医薬組成物は、最大6時間、最大7時間、最大8時間、最大9時間、又は最大10時間、睡眠を誘導するのに有効であり得る。
【0256】
本開示によって提供される医薬組成物及び組成物は、睡眠障害、薬物乱用、アルコール及びオピオイド離脱、成長ホルモンレベルの低下、不安症、無痛覚症、パーキンソン病、アルツハイマー病、及びうつ病等の神経障害に関連する症状、内分泌障害、脳卒中若しくは心筋梗塞等の組織の低酸素症又は無酸素症、又は頭蓋内圧レベルの上昇を治療するために使用することができる。
【0257】
本開示によって提供される医薬組成物は、例えば、線維筋痛、並びに無呼吸、睡眠時間障害(sleep time disturbances)、ナルコレプシー、カタプレキシー、過度な日中の眠気(EDS)、睡眠麻痺、入眠時幻覚、睡眠覚醒、不眠症、及び夜間ミオクローヌス等の睡眠障害等の、γ-ヒドロキシ酪酸を投与することによって治療することが可能な疾患o状態を治療するために使用することができる。
【0258】
本開示によって提供される医薬組成物は、COVID-19感染症等のウイルス疾患に関連する睡眠障害を治療するために使用することができる。
【0259】
本開示によって提供される医薬組成物は、線維筋痛症候群を患う群患者における疼痛を緩和する及び機能を改善する、並びにパーキンソン病を患う患者における過度な日中の眠気及び疲労を緩和する際に、ミオクローヌス及び本態性振戦を改善する、並びに遅発性ジスキネジア及び双極性障害を低減するために使用することができる。
【0260】
本開示によって提供される医薬組成物は、パーキンソン病及びアルツハイマー病等の神経障害を患う患者における認知機能を改善するために使用することができる。
【0261】
本開示によって提供される医薬組成物及び組成物は、患者における神経変性疾患、又は自律神経系疾患に関連する状態若しくは障害を治療するために使用することができ、神経変性疾患は、例えば、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、フリードライヒ運動失調症、ハンチントン病、レビー小体病、パーキンソン病、脊髄性筋萎縮症、運動ニューロン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、原発性進行性失語、進行性核上性麻痺から選択される。神経変性疾患の他の例としては、アルパース病、バッテン病、脳眼顔骨格症候群、大脳皮質基底核変性症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、クールー病、リー病、一側下腿筋萎縮症、多系統萎縮症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症、プリオン病、進行性多巣性白質脳症、白質脳症 線状体黒質変性症、及び伝染性海綿状脳症が挙げられる。
【0262】
投与後に代謝されて、全身循環においてγ-ヒドロキシ酪酸を提供する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、ナルコレプシー、過度な日中の眠気、カタプレキシー、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、疲労、パーキンソン病に関連する疲労、多発性硬化症に関連する疲労、又は線維筋痛を治療するために使用することができる。
【0263】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、REM睡眠行動障害、痙攣性ジストニア、統合失調症の症状、不眠症、統合失調症に関連する不眠症、特発性過眠症、慢性疲労症候群、群発性頭痛、アルツハイマー病の症状、パーキンソン病の症状、本態性振戦、外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス症候群に関連する不眠症、又は不安症を治療するために使用することができる。
【0264】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸は、経口投与後に、患者の全身循環において、γ-ヒドロキシ酪酸の経口バイオアベイラビリティを提供する、γ-ヒドロキシ酪酸のプロドラッグである。
【0265】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びその医薬組成物は、γ-ヒドロキシ酪酸を投与することによって治療されることが知られているか、又は治療されることが決定された疾患を治療するために使用することができる。
【0266】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及びその医薬組成物は、γ-ヒドロキシ酪酸及び1つ以上の追加の治療剤を投与することによって治療されることが知られているか、又は治療されることが決定された疾患を治療するために使用することができる。
【0267】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及び医薬組成物は、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、パーキンソン病を有する患者における疲労、多発性硬化症を有する患者における疲労、又は線維筋痛を治療するために使用することができる。
【0268】
本開示によって提供される方法は、患者に4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸若しくはその薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物を投与することを含む、患者の全身循環において、治療有効量のγ-ヒドロキシ酪酸を提供することを含む。
【0269】
本開示によって提供される医薬組成物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸に加えて、1つ以上の薬学的有効化合物を更に含むことができる。そのような化合物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸で治療されている疾患を治療するため、又は4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸で治療されているもの以外の疾患、障害、若しくは状態を治療するために提供され得る。
【0270】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸又はその医薬組成物は、少なくとも1つの他の治療剤と併用して使用することができる。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸又はその医薬組成物は、患者における細菌感染症を治療するための別の化合物とともに患者に投与することができる。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及び少なくとも1つの他の治療剤は、相加的又は相乗的に機能し得る。少なくとも1つの追加の治療剤は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む同じ医薬組成物若しくはビヒクルに含まれ得るか、又は別個の医薬組成物若しくはビヒクルに含まれ得る。したがって、本開示によって提供される方法は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を投与することに加えて、γ-ヒドロキシ酪酸で治療される疾患以外の異なる疾患、障害、又は状態を治療するのに有効な1つ以上の治療剤を投与することを更に含む。本開示によって提供される方法は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸又はその医薬組成物及び1つ以上の他の治療剤の投与を含むが、但し、併用投与が、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸及び/若しくはγ-ヒドロキシ酪酸の治療有効性を阻害しない、かつ/又は有害な併用効果を生じないことを条件とする。
【0271】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物は、別の治療剤の投与と同時に投与されてもよく、この別の治療剤は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物と同じ医薬組成物の一部であり得るか、又はそれとは異なる医薬組成物中にあり得、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸又はその医薬組成物は、別の治療剤の投与の前又は後に投与されてもよい。併用療法のある特定の実施形態では、併用療法は、特定の薬物に関連する有害な薬物効果を最小限に抑えるためなどの、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸と、別の治療剤を含む医薬組成物との間で交互に投与することを含み得る。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、例えば、毒性を含む有害な薬物効果を潜在的に生じ得る別の治療剤と同時に投与される場合、他の治療剤は、有害な薬物反応が誘発される閾値を下回る用量で投与され得る。
【0272】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物は、例えば、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の放出、バイオアベイラビリティ、治療有効性、治療効力、及び/又は安定性を強化、調整、及び/又は制御するために、1つ以上の物質とともに投与され得る。例えば、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、又は4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物の治療有効性を強化するために、1つ以上の活性剤と同時投与して、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の消化管から全身循環への吸収若しくは拡散及び/又は輸送を増加させることができるか、あるいは患者の血液中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の分解を阻害することができる。4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む医薬組成物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸又はγ-ヒドロキシ酪酸の治療有効性を強化する薬理学的効果を有する活性剤と同時投与され得る。
【0273】
本発明の態様
本発明は、以下の態様によって更に定義される。
【0274】
態様1.複数のコーティングされた顆粒を含む、医薬造粒物であって、顆粒が、コアと、コアを取り囲む機能性コーティングと、を含み、医薬造粒物が、200μm~400μmの粒径分布(PSD)(D50)を特徴とし、PSDがふるい分析によって決定され、コアが、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、コアの総重量に基づく、医薬造粒物。
【0275】
態様2.医薬造粒物が、60重量%~90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、医薬造粒物の総重量に基づく、態様1に記載の医薬造粒物。
【0276】
態様3.機能性コーティングが、調節放出コーティングを含む、態様1又は2に記載の医薬造粒物。
【0277】
態様4.機能性コーティングが、50重量%~85重量%のマトリックスポリマーを含み、重量%が、機能性コーティングの総重量に基づく、態様1~3のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0278】
態様5.マトリックスポリマーが、水不溶性ポリマーを含む、態様4に記載の医薬造粒物。
【0279】
態様6.水不溶性ポリマーが、エチルセルロースを含む、態様5に記載の医薬造粒物。
【0280】
態様7.機能性コーティングが、0重量%~10重量%の孔形成ポリマーを含み、重量%が、マトリックスポリマーの総重量に基づく、態様1~6のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0281】
態様8.孔形成ポリマーが、水溶性ポリマーを含む、態様7に記載の医薬造粒物。
【0282】
態様9.水溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、態様8に記載の医薬造粒物。
【0283】
態様10.機能性コーティングが、10重量%~20重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、機能性コーティングの総重量に基づく、態様1~9のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0284】
態様11.帯電防止剤が、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む、態様10に記載の医薬造粒物。
【0285】
態様12.機能性コーティングが、50重量%~85重量%のマトリックスポリマー、及び10重量%~20重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、機能性コーティングの総重量に基づく、態様1~11のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0286】
態様13.コアが、コーティングされた造粒物の総重量の65重量%~85重量%を表し、機能性コーティングが、コーティングされた造粒物の総重量の15重量%~40重量%を表す、態様1~12のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0287】
態様14.機能性コーティングが、5μm~30μmの厚さを有する、態様1~13のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0288】
態様15.医薬造粒物が、2重量%未満の水含有量を有し、重量%が、医薬造粒物の総重量に基づく、態様1~14のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0289】
態様16.コアを取り囲むシールコーティングを更に含み、機能性コーティングが、シールコーティングを取り囲む、態様1~15のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0290】
態様17.シールコーティングが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びタルク、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース及びタルクを含む、態様16に記載の医薬造粒物。
【0291】
態様18.医薬造粒物が、2重量%~15重量%のシールコーティングを含む、態様17に記載の医薬造粒物。
【0292】
態様19.30重量%~80重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、2時間以内に造粒物から放出され、重量%が、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく、態様1~18のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0293】
態様20.50重量%~90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、4時間以内に造粒物から放出され、重量%が、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく、態様1~19のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0294】
態様21.60重量%~100重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸が、pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び100rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置で試験される場合、6時間以内に造粒物から放出され、重量%が、造粒物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく、態様1~20のいずれか1つに記載の医薬造粒物。
【0295】
態様22.態様1~21のいずれか1つに記載の医薬造粒物を含む、医薬組成物。
【0296】
態様23.医薬組成物が、経口組成物である、態様22に記載の医薬組成物。
【0297】
態様24.医薬組成物が、調節経口組成物を含む、態様23に記載の医薬組成物。
【0298】
態様25.経口組成物が、調節放出部分を含み、調節放出部分が、医薬造粒物を含み、医薬組成物が、即時放出部分を更に含む、態様23又は24に記載の医薬組成物。
【0299】
態様26.即時放出部分が、5分未満内で水中に溶解する、態様25に記載の医薬組成物。
【0300】
態様27.経口組成物が、BID組成物である、態様23~26のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0301】
態様28.経口組成物が、QD組成物である、態様23~27のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0302】
態様29.医薬組成物が、500mg当量~12g当量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む、態様22~28のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0303】
態様30.医薬組成物が、持続放出経口組成物、遅延放出組成物、即時放出組成物、又は前述のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様22~29のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0304】
態様31.医薬組成物が、患者の疾患を治療するための治療有効量の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、疾患が、ナルコレプシー、カタプレキシー、過度な日中の眠気、線維筋痛、慢性疲労、及び遅発性ジスキネジアから選択される、態様22~30のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0305】
態様32.患者の疾患を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、治療有効量の態様22~31のいずれか1つに記載の医薬組成物を投与することを含み、疾患が、ナルコレプシー、カタプレキシー、過度な日中の眠気、線維筋痛、慢性疲労、及び遅発性ジスキネジアから選択される、方法。
【0306】
態様33.疾患が、ナルコレプシーに関連するカタプレキシーである、態様32に記載の方法。
【0307】
態様34.疾患が、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気である、態様32に記載の方法。
【0308】
態様35.疾患が、パーキンソン病を患う患者における過度な日中の眠気である、態様32に記載の方法。
【0309】
態様36.疾患が、パーキンソン病を患う患者における慢性疲労である、態様32に記載の方法。
【0310】
態様37.投与することが、経口投与することを含む、態様32~36のいずれか1つに記載の方法。
【0311】
態様38.造粒物をコーティングする方法であって、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む複数の顆粒を含む医薬造粒物にコーティング組成物を塗布することを含み、コーティング組成物が、6重量%~14重量%の固体と、0重量%~20重量%の水と、70重量%~95重量%のエタノールと、を含み、重量%が、コーティング組成物の総重量に基づく、方法。
【0312】
態様39.固体が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はそれらの組み合わせから選択されるマトリックスポリマーと、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせから選択される帯電防止剤と、を含む、態様38に記載の方法。
【0313】
態様40.塗布することが、噴霧することを含む、態様38又は39に記載の方法。
【実施例】
【0314】
本開示によって提供される実施形態は、以下の実施例を参照して更に示され、これらの実施例は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むコーティングされた医薬造粒物、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むコーティングされた医薬顆粒、経口調節放出医薬組成物、並びに本開示によって提供されるコーティングされた医薬造粒物及び顆粒を作製する方法を記載する。本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0315】
一般の方法
薬物動態分析
健康なヒト被験者における血漿中の化合物(1)及びγ-ヒドロキシブチレートの血漿中濃度を、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法を使用して測定し、Phoenix(商標)WinNonlin(登録商標)バージョン8.1(Pharsight Corporation、USA)及びMicrosoft(登録商標)Excel(登録商標)2016(Microsoft Corporation、USA)を使用して評価した。
【0316】
溶出プロファイル
pH4.5の緩衝溶液中、37℃の温度及び75rpmのパドル速度でUSPタイプ2溶出装置を使用して、調節放出マイクロ粒子についての溶出プロファイルを決定した。調節放出マイクロ粒子からの化合物(1)の放出についての溶出プロファイルを
図1に示す。
【0317】
実施例1
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の水ベースのシールコーティングされた即時放出造粒物
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸顆粒のコーティングされていないIR造粒物を噴霧コーティングすることによって、シールコーティングされた即時放出(IR)造粒物を調製した。
【0318】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むコーティングされていないIR造粒物を、MicroPX(登録商標)微小ペレット化技術(Glatt GmbH)を使用して調製した。コーティングされていないIR造粒物は、225μm~275μmの平均顆粒径(D50)を有した。コーティングされていないIR造粒物は、90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、5重量%のUSPケイ酸マグネシウム、及び5重量%のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含有し、重量%は、IR造粒物の総重量に基づく。
【0319】
シールコートを提供するために使用した組成物は、14.2重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース(Pharmacoat(登録商標)603)、2.1重量%のタルク及び85.6重量%の水を含有し、重量%は、シールコート組成物の総重量に基づく。
【0320】
組成物を、コーティングされていないIR造粒物上に噴霧コーティングして、2.23(+/-0.34)μmの厚さを有するシールコーティングを得た。
【0321】
粒子の粒径分布を
図1に示し、シールコーティングされた造粒物のSEM画像を
図2A~2Dに示し、シールコーティングされた顆粒の断面図のSEM画像を
図2Eに示す。
【0322】
実施例2
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸のアセトンベースのシールコーティングされた即時放出造粒物
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸顆粒のコーティングされていない造粒物を噴霧コーティングすることによって、シールコーティングされたIR造粒物を調製した。
【0323】
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含むコーティングされていないIR造粒物を、MicroPX(登録商標)微小ペレット化技術(Glatt GmbH)を使用して調製した。コーティングされていないIR造粒物は、225μm~275μmの平均顆粒径(D50)を有した。コーティングされていないIR造粒物は、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸含有量を有した。
【0324】
シールコートを提供するために使用した組成物は、5.4重量%のヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)EF)、2.1重量%のタルク、及び92.5重量%のアセトンを含有し、重量%は、シールコート組成物の総重量に基づく。
【0325】
組成物を、コーティングされていない造粒物上に噴霧コーティングして、1.30(+/-0.27)μmの厚さを有するシールコーティングを得た。
【0326】
シールコーティングされたIR粒子の粒径分布を
図3に示し、シールコーティングされた造粒物のSEM画像を
図4A~4Dに示し、シールコーティングされた顆粒の断面図のSEM画像を
図4Eに示す。
【0327】
実施例3
調節放出コーティング(1)を有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の造粒物
98.5重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を有し、かつ225μm~275μmの平均顆粒径(D50)を特徴とする、顆粒を含有する造粒物を使用して、調節放出(MR)コーティングを有する造粒物を調製した。
【0328】
調節放出コーティングの構成物を表1に提供する。
【表1】
【0329】
調節放出コーティングを20%wg及び40%wgで塗布した。
【0330】
40%wgを有するコーティングされた造粒物については、バルク密度は0.70g/mLであり、(乾燥減量)LODは0.55%であった。40wg%での調節放出コーティングの厚さは、10.26μm+/-1.46μm(標準)であった。
【0331】
粒径分布を
図5に示し、溶出プロファイルを
図6に示す。40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を異なる倍率で
図7A~7Dに示し、コーティングの断面図を
図7Eに示す。
【0332】
実施例4
調節放出コーティング(2)を有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の造粒物
98.5重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を有し、かつ225μm~275μmの顆粒径を特徴とする、顆粒を含有する造粒物を使用した。
【0333】
調節放出コーティング組成物の構成物を表2に提供する。
【表2】
【0334】
調節放出コーティングを塗布するための処理条件を、表3に提供する。
【表3】
【0335】
調節放出コーティングを20%wg及び40%wgで塗布した。
【0336】
40%wgを有するコーティングされた造粒物については、バルク密度は0.63g/mLであり、LODは0.37%であった。40%wgでの調節放出コーティング厚さは、10.16μm+/-2.80μm(標準)であった。
【0337】
粒径分布を
図8に示し、溶出プロファイルを
図9に示す。40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を異なる倍率で
図10A~10Dに示し、コーティングの断面図を
図10Eに示す。
【0338】
実施例5
調節放出コーティング(3)を有する4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の造粒物
98.5重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を有し、かつ200μm~425μmの顆粒径を特徴とする、顆粒を含有する造粒物を使用した。
【0339】
調節放出コーティングを塗布するためのプロセス条件は、実施例3のプロセス条件と同じであった。
【0340】
調節放出コーティングの構成物を表4に提供する。
【表4】
【0341】
調節放出コーティングを20%wg、30%wg、35%wg、及び40%wgで塗布した。
【0342】
40%wgを有するコーティングされた造粒物については、バルク密度は0.68g/mLであり、LODは0.69%であった。40%wgでの調節放出コーティング厚さは、11.58μm+/-1.45μm(標準)であった。
【0343】
粒径分布を
図11に示し、溶出プロファイルを
図12に示す。40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を異なる倍率で
図13A~13Dに示し、コーティングの断面図を
図13Eに示す。
【0344】
実施例6
コーティングされた造粒物(4)
実施例1のシールコーティングされた造粒物を出発材料として使用した。
【0345】
調節放出コーティングを塗布するためのプロセス条件は、実施例3~5のプロセス条件と同じであった。
【0346】
調節放出コーティング組成物の構成物を表5に提供する。
【表5】
【0347】
調節放出コーティングを20%wg及び40%wgで塗布した。
【0348】
40%wgを有するコーティングされた医薬造粒物については、バルク密度は0.64g/mLであり、LODは0.45%であった。40%wgでの機能性コーティング厚さは、15.03μm+/-2.24μm(標準)であった。
【0349】
粒径分布を
図14に示し、溶出プロファイルを
図15に示す。40%wgのコーティングされた顆粒のSEM画像を異なる倍率で
図16A~16Dに示し、コーティングの断面図を
図16Eに示す。
【0350】
実施例7
即時放出及び調節放出組成物の薬物動態
絶食した健康な被験者への、即時放出構成成分又は調節放出構成成分の経口投与後の化合物(1)及びγ-ヒドロキシブチレートの薬物動態を決定した。
【0351】
即時放出構成成分を調製するために、実施例1に従って調製した即時放出マイクロ粒子を30mLの水に添加し、穏やかにかき混ぜて、即時放出マイクロ粒子を溶解した。コーティングされていないIR造粒物は、225μm~275μmの平均顆粒径(D50)を有した。IR造粒物は、90重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、5重量%のUSPケイ酸マグネシウム、及び5重量%のヒプロメロースを含有し、重量%は、IR造粒物の総重量に基づく。水を添加して、総体積を250mLにして、被験者によって服用される即時放出構成成分を得た。
【0352】
調節放出組成物を調製するために、実施例5に従って調製した調節放出マイクロ粒子を30mLの水に添加し、穏やかにかき混ぜた。Ora-Plus(登録商標)(30mL)を添加し、内容物を穏やかにかき混ぜ、被験者に飲ませた。最大250mLの総体積の追加の水を使用して、容器をすすぎ、被験者に服用させた。MR1造粒物は60%wgのコーティングを有し、MR2造粒物は40wg%のコーティングを有し、MR3造粒物は50%wgのコーティングを有した。調節放出コーティングは、81.7重量%のエチルセルロース、2.0重量%のヒプロメロース、及び16.3重量%のステアリン酸マグネシウムを含有し、重量%は、コーティングの総重量に基づく。
【0353】
各構成成分は、7.25gの化合物(1)(3.172g当量のγ-ヒドロキシブチレート)を含有していた。
【0354】
絶食した健康な被験者への、即時放出(IR)又は調節放出(MR1~MR3)組成物の経口投与後の化合物(1)及びγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルを、化合物(1)については
図17に、γ-ヒドロキシブチレートについては
図18に示す。これらの結果は、7~8名の被験者についての結果に基づく平均及び標準偏差を表す。
【0355】
IR及びMRマイクロ粒子を含む組成物の経口投与後の化合物(1)及びγ-ヒドロキシブチレートについての薬物動態パラメータを、それぞれ表6及び表7に提供する。これらの結果は、7~8名の被験者についての結果に基づく平均及び標準偏差を表す。
【表6】
【表7】
【0356】
C
max比、AUC
0-inf比、及びAUC
0-8比を表8に示し、これらの比は、γ-ヒドロキシブチレート値の、対応する化合物(1)値に対する比を指す。
【表8】
【0357】
実施例8
組み合わされた放出組成物の薬物動態
即時放出マイクロ粒子(IR構成成分)及び調節放出マイクロ粒子(MR構成成分)を含む組み合わされた放出(CR)組成物の薬物動態を決定した。
【0358】
組み合わされた放出組成物(CR1及びCR2)を調製するために使用されるマイクロ粒子の量を表9にまとめている。
【表9】
【0359】
組み合わされた放出組成物を調製するために、即時放出マイクロ粒子の量を30mLの水中に溶解した。次いで、調節放出マイクロ粒子の用量を添加し、穏やかにかき混ぜた。経口懸濁ビヒクルである30(30)mLのOra-Plus(登録商標)を添加し、混合物を穏やかにかき混ぜた。次いで、被験者が溶液を飲んだ。被験者は、最大250mLの水でカップを繰り返しすすぎ、溶液を飲んだ。
【0360】
絶食した健康な被験者への、組み合わされた放出組成物(CR1及びCR2)の経口投与後の化合物(1)及びγ-ヒドロキシブチレートについての血漿薬物動態プロファイルを、それぞれ
図19及び20に示す。これらの結果は、12名の被験者に基づく平均及び標準偏差を表す。
【0361】
絶食した健康な被験者への、組み合わされた放出組成物の経口投与後の化合物(1)及びγ-ヒドロキシブチレートについての薬物動態パラメータのまとめを、表10及び11に提供する。これらの結果は、12名の被験者について得られた平均値を反映している。
【表10】
【表11】
【0362】
組み合わされた放出組成物についてのC
max比、AUC
0-inf比、及びAUC
0-8比を表12に示し、これらの比は、γ-ヒドロキシブチレート値の、対応する化合物(1)値に対する比を指す。
【表12】
【0363】
本明細書に開示される実施形態を実施する代替の方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。更に、特許請求の範囲は、本明細書で与えられる詳細に限定されるものではなく、それらの完全な範囲及びその等価物に権利を有する。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコーティングされた顆粒を含む調節放出医薬造粒物であって、
前
記顆粒が、コアと、前記コアを取り囲む調節放出コーティングと、を含み、
前記調節放出コーティングが、
50重量%~
85重量%のマトリックスポリマーと、
10重量%~20重量%の帯電防止剤と、を含み、
重量%が、前記調節放出コーティングの総重量に基づき、
前記コアが、85重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記コアの総重量に基づ
き、
前記調節放出医薬造粒物が、150μm~400μmの平均粒径(D50)を特徴とし、PSDが、ふるい分析によって決定される、調節放出医薬造粒物。
【請求項2】
前記
マトリックスポリマーが、エチルセルロース
及びヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項
1に記載の医薬造粒物。
【請求項3】
前記調節放出コーティングが、
72重量%~92重量%の水不溶性ポリマーと、
0.1重量%~10重量%の水溶性ポリマーと、を含み、
重量%が、前記調節放出コーティングの総重量に基づく、請求項1又は2に記載の医薬造粒物。
【請求項4】
前記帯電防止剤が、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項5】
前記コアが、前記コーティングされた造粒物の総重量の65重量%~85重量%を表し、
前記調節放出コーティングが、前記コーティングされた造粒物の総重量の15重量%~40重量%を表す、請求項1~
4のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項6】
前記調節放出コーティングが、5μm~30μmの厚さを有する、請求項1~
5のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項7】
前記
調節放出医薬造粒物が、2重量%未満の水含有量を有し、重量%が、前記
調節放出医薬造粒物の前記総重量に基づく、請求項1~
6のいずれか一項に記載の医薬造粒物。
【請求項8】
(
a)2g~8gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む即時放出構成成分、並びに
(b)8g~16gの4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含む調節放出構成成分及び請求項1~7のいずれか一項に記載の調節放出医薬造粒物、
を含む医薬組成物。
【請求項9】
前記即時放出構成成分が、複数の即時放出マイクロ粒子を含む、請求項
8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記即時放出マイクロ粒子が、90重量%超の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、重量%が、前記即時放出マイクロ粒子の総重量に基づく、請求項
8又は9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記即時放出マイクロ粒子が、200μm~500μmの体積平均直径D(4.3)を有する、請求項
8又は
9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記即時放出マイクロ粒子が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される75μm~450μmの平均粒子径(D50)を有する、請求項8~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記即時放出構成成分が、20重量%~40重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
前記調節放出構成成分が、60重量%~80重量%の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸を含み、
重量%が、前期医薬組成物中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の総重量に基づく、請求項8~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記即時放出構成成分中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の、前記調節放出構成成分中の4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸に対する重量比が、1:2~1:3である、請求項8~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記即時放出構成成分が、経口投与に好適な溶液を含む、請求項
8~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記調節放出構成成分が、
溶液に懸濁された調節放出
造粒物を含む、請求項
15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
ナルコレプシー、過度な日中の眠気、カタプレキシー、ナルコレプシーに関連する過度な日中の眠気、パーキンソン病に関連する過度な日中の眠気、多発性硬化症に関連する過度な日中の眠気、ナルコレプシーに関連するカタプレキシー、疲労、パーキンソン病に関連する疲労、多発性硬化症に関連する疲労、又は線維筋痛
の治療
のための請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬造粒物又は請求項8~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
REM睡眠行動障害、痙攣性ジストニア、統合失調症、不眠症、統合失調症に関連する不眠症、特発性過眠症、慢性疲労症候群、群発性頭痛、アルツハイマー病、本態性振戦、外傷後ストレス症候群、外傷後ストレス症候群に関連する不眠症、又は不安症
の治療
のための請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬造粒物又は請求項8~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
細菌感染症に関連する睡眠障害
の治療
のための請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬造粒物又は請求項8~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
認知機能を強化する
ための請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬造粒物又は請求項8~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【国際調査報告】