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  • 特表-RF電源の同調方法 図1
  • 特表-RF電源の同調方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】RF電源の同調方法
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
H05H1/46 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520849
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2022-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2022074097
(87)【国際公開番号】W WO2023029371
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111020439.7
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522134975
【氏名又は名称】四川英杰電気股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】邱 文杰
(72)【発明者】
【氏名】劉 洋
【テーマコード(参考)】
2G084
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA04
2G084DD55
2G084HH05
2G084HH23
2G084HH25
2G084HH52
(57)【要約】
RF電源の同調方法を開示し、RF電源が、周波数制御モジュールと閉ループ制御装置とを備え、RF電源の周波数を変更することにより、複素平面内で対応する曲線を形成し、複素平面内の任意の1つの点を始点とし、複素平面の原点または原点の付近の1つの点を終点とし、始点と終点とにより基準ベクトルを作成し、曲線がターゲット曲線であるか否かを判断し、ターゲット曲線ではない場合、曲線変換により修正曲線を作成し、前記基準ベクトルにより、ターゲット曲線または修正曲線を左右の領域に区画し、ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値の左右の領域での位置に基づいて、RF電源の周波数を調節する。本開示に係るRF電源の同調方法は、計算方式が簡単でありながら効率的で、従来技術における非ターゲット曲線に対して周波数調節を行うことができない欠陥を克服することができ、より優れる適応性を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数制御モジュールと、閉ループ制御装置とを備えるRF電源の同調方法であって、
RF電源の周波数を変更することにより、複素平面内で対応する曲線を形成し、
複素平面内の任意の1つの点を始点とし、複素平面の原点または原点の付近の1つの点を終点とし、始点と終点とにより基準ベクトルを作成し、
曲線がターゲット曲線であるか否かを判断し、ターゲット曲線ではない場合、曲線変換により修正曲線を作成し、
前記基準ベクトルにより、ターゲット曲線または修正曲線を左右の領域に区画し、
ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値の左右の領域での位置に基づいて、RF電源の周波数を調節し、
前記曲線変換は、基準ベクトルに基づいて非ターゲット曲線を2つの部分に分割し、関数変換により2つの部分の曲線をそれぞれ左、右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を作成するように行われ、または、関数変換によりそのうちの一方を左または右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を作成するように行われる
ことを特徴とするRF電源の同調方法。
【請求項2】
前記ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値が基準ベクトルの左側の領域に位置する場合、RF電源の周波数を上昇または低下させ、ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値が基準ベクトルの右側の領域に位置する場合、左側区域に位置する場合の調節と逆である
請求項1に記載のRF電源の同調方法。
【請求項3】
前記始点は、ターゲット曲線または修正曲線の始点と終点とを結ぶ線上に位置し、または始点と終点とを結ぶ線の延長線上に位置し、または始点と終点とを結ぶ線またはその延長線の一側に位置する
請求項1に記載のRF電源の同調方法。
【請求項4】
前記原点の付近の1つの点は、反射係数絶対値が0.5以下である領域内の、またはRF電源伝達効率が75%以上である領域内の1つの点である
請求項1に記載のRF電源の同調方法。
【請求項5】
前記関数変換は、行列または転置行列を利用し、Zがインピーダンスがであり、前記修正曲線がZrであり、前記転置行列がZTであり、
【数1】
であり、θが、変換角度である
請求項2に記載のRF電源の同調方法。
【請求項6】
【数2】
T>0を満たす場合、周波数制御モジュールにより、RF電源の周波数を上昇させ、T<0を満たす場合、周波数制御モジュールにより、RF電源の周波数を低下させる
請求項5に記載のRF電源の同調方法。
【請求項7】
閉ループ制御装置および周波数制御モジュールを利用して、RF電源の周波数に対して追跡調節を行う
請求項6に記載のRF電源の同調方法。
【請求項8】
前記曲線は、インピーダンス曲線、アドミッタンス曲線または反射係数曲線を含む
請求項1に記載のRF電源の同調方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本開示は、特許文献1:2021年09月01日に中国専利局に提出された出願番号が202111020439.7であり、名称が「RF電源の同調方法」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、RF電源同調の技術分野に属し、殊に、RF電源の同調方法に関する。
【背景技術】
【0003】
RF電源は、成膜、半導体製造などの分野に広く使用され、例えば、半導体プラズマエッチングに使用される。しかしながら、プラズマエッチングを行う過程において、通常、プロセスに対する要求に応じて、ガス成分、ガス流量、RF電源出力などを調整する。これらのパラメータの変化に伴い、負荷インピーダンスも動的に変化するため、RF電源に対して、動作全過程にわたって迅速な応答および最大電力伝達を実現できる要求がある。
【0004】
通常、周波数の同調方法として、勾配法による周波数同調を採用することが多い。反射電力または反射係数絶対値を基準値とし、該値がスカラーであり、周波数の同調方向が確定できないため、通常、反射電力を最小にまたは反射係数を最小に調整することを目標とする。周波数同調のための時間がミリ秒単位のものであり、周波数同調を迅速に制御する要求を満たすことができない。
【0005】
従来、迅速な同調を実現できる方法および装置を探求する従来技術があり、例えば、特許文献2:出願番号が2017800311002である中国出願には、複素反射係数平面内でインピーダンス曲線および基準ベクトルを生成し、基準ベクトルと、実際に測定されたインピーダンス値との間の測定角に基づいて、事前決定される定数によって測定角をスケーリングして周波数ステップを算出し、周波数ステップに基づいて、励振器の周波数を調節することが開示された。なお、該方法は、理想的なインピーダンス軌道曲線(ターゲット曲線)の場合の周波数調節のみを考慮した。図1に示すように、実際に形成されたインピーダンス曲線が、非ターゲット曲線に該当する閉曲線である場合、同一の測定角が曲線上の2つのインピーダンス点n1、n2に対応することもあり、2つのインピーダンス点の存在のため、周波数同調方向の乱れを招く。該出願に記載の調節方式を採用する場合、周波数点n1および周波数点n2が、いずれも周波数が低下する方向へ移動してしまう。この場合、調節過程において、周波数点n2が最小周波数点fminまで移動し、周波数同調最適点に調節されることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願202111020439.7
【特許文献2】中国特許出願2017800311002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、従来技術における、理想的なインピーダンス軌道曲線の場合の周波数調節のみを考慮し、インピーダンス曲線が非ターゲット曲線である場合、同一の測定角が2つのインピーダンス点に対応するため、周波数最適点に調節できない問題を克服し、実際に測定されたインピーダンス値と基準ベクトルとの空間的な相対位置関係に基づいて、RF電源周波数に対する迅速な追跡調節を実現できる、RF電源の同調方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の発明の目的を実現するため、本開示は、下記の技術案を提供する。
【0009】
周波数制御モジュールと、閉ループ制御装置とを備えるRF電源の同調方法であって、
RF電源の周波数を変更することにより、複素平面内で対応する曲線を形成し、
複素平面内の任意の1つの点を始点とし、複素平面の原点または原点の付近の1つの点を終点とし、始点と終点とにより基準ベクトルを作成し、
曲線がターゲット曲線であるか否かを判断し、ターゲット曲線ではない場合、曲線変換により修正曲線を作成し、
前記基準ベクトルにより、ターゲット曲線または修正曲線を左右の領域に区画し、
ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値の左右の領域での位置に基づいて、RF電源の周波数を調節する。
【0010】
曲線の始点と終点とを結ぶ線上の1つの基準点を原点に接続して基準線を形成し、基準線またはその延長線との交点が1つしかない曲線は、ターゲット曲線であり、逆に、非ターゲット曲線である。
【0011】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、前記曲線変換は、基準ベクトルに基づいて非ターゲット曲線を2つの部分に分割し、関数変換により2つの部分の曲線をそれぞれ左、右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を作成するように行われ、または、関数変換によりそのうちの一方を左または右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を作成するように行われる。
【0012】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、前記ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値が基準ベクトルの左側領域に位置する場合、RF電源の周波数を上昇または低下させ、ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値が基準ベクトルの右側領域に位置する場合、左側区域に位置する場合の調節と逆である。
【0013】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、前記始点は、ターゲット曲線または修正曲線の始点と終点とを結ぶ線上に位置し、または始点と終点とを結ぶ線の延長線上に位置し、または始点と終点とを結ぶ線またはその延長線の一側に位置する。
【0014】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、前記原点の付近の1つの点は、反射係数絶対値が0.5以下である領域内の、またはRF電源伝達効率が75%以上である領域内の1つの点である。
【0015】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、前記関数変換は、行列または転置行列を利用し、前記インピーダンスがZであり、前記修正曲線がZであり、前記転置行列がZであり、
【0016】
【数1】
【0017】
である。
【0018】
【0019】
【数2】
【0020】
T>0を満たす場合、周波数制御モジュールにより、RF電源の周波数を上昇させ、T<0を満たす場合、周波数制御モジュールにより、RF電源の周波数を低下させる。
【0021】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、閉ループ制御装置および周波数制御モジュールを利用して、RF電源の周波数に対して追跡調節を行う。
【0022】
具体的な一実施形態において、上記のRF電源の同調方法において、前記曲線は、インピーダンス曲線、アドミッタンス曲線または反射係数曲線を含む。
【発明の効果】
【0023】
従来技術に比べて、本開示は、以下の有益な効果を有する。
【0024】
本開示に係るRF電源の同調方法は、複素平面内でRF電源の周波数に応答する曲線を形成し、得た曲線がターゲット曲線であるか否かを判断し、非ターゲット曲線に対して曲線変換を行って修正曲線を作成し、そして、ターゲット曲線または修正曲線を左右の領域に区画するための基準ベクトルを確定し、最後、実際に測定された複素数値の基準ベクトルにより区画された左右の領域での位置に基づいて、周波数の調節方式を確定することができる。このため、計算方式が簡単でありながら効率的で、RF電源に対する追跡調節を行うことができる。さらに、従来技術における非ターゲット曲線に対して周波数調節を行うことができない欠陥を克服することができ、ターゲット曲線または非ターゲット曲線の両方に対する周波数調節に適しており、より優れる適応性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の例示的な実施例による非ターゲット曲線1を示す図である。
図2】本開示の例示的な実施例によるRF電源システムの構造を示すブロック図である。
図3】本開示の例示的な実施例によるターゲット曲線を示す図である。
図4】本開示の例示的な実施例による非ターゲット曲線2およびその変換を示す模式図である。
図5】本開示の例示的な実施例による非ターゲット曲線1の曲線変換を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施例および具体的な実施形態を用いて本開示をさらに詳細に説明する。なお、本開示の上記主題の範囲が下記の実施例に限定されず、本開示の内容をもとにして実現するすべての技術が、いずれも本開示の範囲に属すると理解すべきである。
【0027】
実施例1
図2に示す本開示の例示的な実施例によるRF電源システムは、RF電源と、同軸ケーブルと、整合装置と、負荷チャンバーとを備える。同軸ケーブルによりRF電源の出力ポートと整合装置の入力ポートとが接続され、整合装置の出力ポートが負荷チャンバーと接続される。RF電源の内部には、出力した高周波信号を検出するセンサと、周波数同調を行う周波数制御モジュールとが設置され、周波数制御モジュールに閉ループ制御装置(図2で示されていない)がさらに配置される。さらに、下記の同調方法によりRF電源に対して周波数の追跡調節を行い、具体的に、下記のことを含む。
【0028】
A.RF電源の周波数を変更することにより、複素平面内で対応する曲線を形成し、前記曲線は、RF電源の出力ポートからみた全体的インピーダンス曲線またはアドミッタンス曲線または複素反射係数曲線を含む。曲線上の、最小周波数に対応する複素数点および最大周波数に対応する複素数点は、それぞれ曲線の始点および終点となる。
【0029】
B、取得した曲線(全体的インピーダンス曲線またはアドミッタンス曲線または複素反射係数曲線)に対して、複素平面内の任意の1つの点を始点とし、複素平面の原点または原点の付近の1つの点を終点とし、始点と終点とにより基準ベクトルを作成する。前記基準ベクトルは、取得した曲線を2つの領域に区画するためのものである。
【0030】
具体的に、前記始点は、ターゲット曲線または修正曲線の始点と終点とを結ぶ線上(図5に示すA点)に位置し、または始点と終点とを結ぶ線の延長線上(図4に示すA点)に位置し、または始点と終点とを結ぶ線またはその延長線の一側(図3に示すA点)に位置する。前記原点の付近の1つの点は、反射係数絶対値が0.5以下である領域内の、またはRF電源伝達効率が75%以上である領域内の1つの点(図3に示す点線領域)である。
【0031】
C、曲線がターゲット曲線であるか否かを判断し、ターゲット曲線ではない場合、曲線変換により修正曲線を作成する。前記基準ベクトルにより、ターゲット曲線または修正曲線を左右の領域(ここで、左右の領域は、曲線上の点と基準ベクトルとの空間的な左右関係により決められる)に区画する。ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値の左右の領域での位置に基づいて、RF電源の周波数を調節する。
【0032】
具体的に、周波数を調節する際に、センサからのインピーダンス実測値(実測値が、曲線上の1つの複素数点である)を受信し、インピーダンス実測値と基準ベクトルとの左右位置関係に基づいて周波数の調節方向を確定し、RF電源の周波数に対する迅速な追跡調節を実現する。そのうち、左右両側の周波数の調節方式が逆であり、一側で上昇させ、他側で低下させる。対応する曲線を形成する過程において、RF電源の周波数に応答して形成される曲線は、ターゲット曲線となる場合があり、非ターゲット曲線となる場合もある。図3は、本開示の例示的な実施例により得られたターゲット曲線を示し、図1図4は、それぞれRF電源の周波数に応答して形成される2種の非ターゲット曲線を示す。非ターゲット曲線である場合、曲線上の点が基準ベクトルの延長線上(図1に示すように)にあることもあり、曲線上の点と基準ベクトルとが同一直線上にある位置関係を有するため、曲線上の複素数点と基準ベクトルとの左右位置関係を確定できなくなる。したがって、ターゲット曲線に対して曲線変換を行って修正曲線を形成する必要がある。
【0033】
さらに、上記の曲線変換は、基準ベクトルの終点により非ターゲット曲線を2つの部分に分割し、関数変換により2つの部分の曲線をそれぞれ左、右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を形成するように行われ、または、関数変換により2つの部分の曲線のうちの一方を左または右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を形成するように行われる。前記関数変換は、変換行列を作成し、変換行列により、2つの部分の曲線(図5に示すように)またはそのうちの一方(図4に示すように)を左または右へ変位させて基準ベクトルの両側に位置させる修正曲線を形成するように行われる。
【0034】
【0035】
【数3】
【0036】
基準ベクトルにより分割された2つの部分BO、COのそれぞれに対してアフィン変換を行い、処理されたと、図4における点線に示すように、BOがB′Oに変換され、COがC′Oに変換される。
【0037】
アフィン変換により下記の変換行列を作成する。
【0038】
【数4】
【0039】
ただし、Zが入力インピーダンス(アドミッタンスまたは入力反射係数でZを推定してもよい)であり、ZTが、Zの転置行列であり、Zrが、アフィン変換を行ったあと得たインピーダンス曲線である。θが負の値である場合、BO曲線全体が左へ変位してB′Oになり、θが正の値である場合、CO曲線全体が右へ変位してC′Oになり、これによって、非ターゲット曲線BOCが理想的な修正曲線B′OC′に変換される。
【0040】
本開示の他の実施例において、空間外積の方式により、ターゲット曲線または修正曲線上の複素数値が基準ベクトルの左右の領域のどちらに位置するかを算出する。ベクトルの外積を行ったあと、右手の法則により複素数点と基準ベクトルとの相対位置関係、即ち、基準ベクトルの左側領域に位置するかまたは右側領域に位置するかを確定することができる。具体的に、下記のことを含む。
【0041】
【0042】
とVとにより行列式を作って、下記の外積の数学的な結果Tを算出できる。
【0043】
【数5】
【0044】
得た曲線BOCが非ターゲット曲線である場合、実際に測定されたインピーダンス値は、元のターゲット曲線上の複素数点Vであるが、修正曲線上に、該点に対応する行列変換マッピング点V′が存在する。V′m=(V′mx,V′my)は、アフィン変換を行ったあとの全体的インピーダンス(アドミッタンス)曲線または複素反射係数曲線上の任意の複素数点(すなわち、B′OC′曲線上の任意の複素数点)である。この場合、VとV′とにより式(3)の行列式を作って、V′と基準ベクトルとの相対位置関係を確定することができる。
【0045】
T>0を満たす場合、周波数制御モジュールは、周波数を上昇させ、T<0を満たす場合、周波数制御モジュールは、周波数を低下させる。また、周波数制御モジュールに、上記規則に従って周波数の追跡調節を行う1つの閉ループ制御装置が配置される。好ましくは、従来の閉ループ制御装置におけるPID制御器で、上記の制御原理に従って、周波数を迅速に変化させるように制御して、RF電源の周波数を、T=0を満たす場合に対応する周波数点に調節する。閉ループ制御装置の誤差入力がTであり、閉ループ制御装置の出力が周波数の調節量であり、これによって、RF電源の周波数に対する迅速な追跡調節を実現する。
【0046】
【0047】
上記記載は、本開示の好ましい実施例にすぎず、本開示を限定するものではない。本開示の本質および主旨から逸脱しない限り、行ったすべての変更、均等置換、改良などは、いずれも本開示の保護範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】