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特表2023-544524パーソナルケア装置のユーザとのインタラクト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】パーソナルケア装置のユーザとのインタラクト
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/38 20060101AFI20231017BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20231017BHJP
【FI】
B26B19/38 Z
G16H20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518465
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 EP2021075171
(87)【国際公開番号】W WO2022063628
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】20197720.4
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ルー
(72)【発明者】
【氏名】ブールキン ヤニク パルリアン ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】エレン ムスタファ トルガ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルギーズ バブ
(72)【発明者】
【氏名】パレロ ジョナサン アランブラ
【テーマコード(参考)】
3C056
5L099
【Fターム(参考)】
3C056JE01
5L099AA15
(57)【要約】
一態様によれば、パーソナルケア装置102のユーザとインタラクトするためのコンピュータ実施方法300が提供される。方法300は、パーソナルケア装置が該パーソナルケア装置の使用インスタンス中にユーザにより使用される態様を示す装置使用データを受信するステップ302であって、該装置使用データが定められた組の装置使用パラメータのうちの1以上に関するものである、ステップ302と、使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを受信するステップ304であって、該パフォーマンスデータが定められた組のパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関するものである、ステップ304と、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータの1以上が、各々、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータから、定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップ306とを有する。装置、システム及びコンピュータプログラム製品も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするためのコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法は、
前記パーソナルケア装置が該パーソナルケア装置の使用インスタンスの間において前記ユーザにより使用される態様を示す装置使用データを受信するステップであって、該装置使用データが定められた組の装置使用パラメータのうちの1以上に関するものである、ステップと、
前記使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを受信するステップであって、該パフォーマンスデータが定められた組のパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関するものである、ステップと、
前記受信された装置使用データ及び前記受信されたパフォーマンスデータの1以上が、各々、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータから、定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、前記ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップと
を有する、コンピュータ実施方法。
【請求項2】
前記パーソナルケア装置の使用インスタンスに関するユーザ入力を受信するステップと、
受信された前記ユーザ入力に従って前記定められた閾値量を調整するステップと
を更に有する、請求項1に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項3】
前記ユーザ入力要求が、前記受信された装置使用データ及び前記受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上の確認の要求を含む、請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項4】
前記ユーザ入力要求が、定められた組の知覚されたパフォーマンスパラメータの1以上に関する前記使用インスタンスの前記ユーザの知覚された結果の指示情報の要求を含む、請求項1から3の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項5】
前記パーソナルケア装置はシェービング装置を備え、
各知覚されたパフォーマンスパラメータが、前記シェービング装置を用いて達成された髭剃りの知覚された綿密さ、前記使用インスタンスに起因する何らかの知覚された皮膚刺激の兆候、及び、前記使用インスタンス後の知覚された快適さの指標を有する群から選択される結果パラメータを含む、
請求項4に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項6】
各装置使用パラメータが、前記パーソナルケア装置の動き、前記パーソナルケア装置により前記ユーザの身体の表面に加えられる圧力、前記パーソナルケア装置の移動速度、及び、前記パーソナルケア装置の移動方向を有する群から選択される使用パラメータを含む、請求項1から5の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項7】
前記パーソナルケア装置がシェービング装置を備え、
各結果パラメータが、前記シェービング装置を用いて達成された髭剃りの綿密さ、前記使用インスタンスに起因する皮膚刺激の兆候、及び、前記使用インスタンスに起因する皮膚の発赤の兆候を有する群から選択される結果パラメータを含む、
請求項1から6の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項8】
前記使用インスタンスの間における前記パーソナルケア装置のユーザの環境を示すコンテキストデータを受信するステップと、
前記コンテキストデータが、記録された基準コンテキストデータから定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、ユーザ入力要求を生成するステップと
を更に有する、請求項1から7の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項9】
前記受信された装置使用データ及び前記受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上が、各々、記録された基準装置使用データ及び記録された基準パフォーマンスデータから、2以上の装置使用パラメータ又はパフォーマンスパラメータに関して、定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、前記ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップであって、該ユーザ入力要求が最大の決定された相違に対応する前記装置使用パラメータ又はパフォーマンスパラメータに関するものである、ステップ
を更に有する、請求項1から8の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項10】
前記記憶された基準装置使用データ及び前記記憶された基準パフォーマンスデータのうちの少なくとも1つが、前記ユーザによる前記パーソナルケア装置の少なくとも1つの以前の装置使用インスタンスに関するデータを含む、請求項1から9の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法。
【請求項11】
パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするための装置であって、請求項1から10の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法のステップを実行するプロセッサを有する、装置。
【請求項12】
記憶装置を更に有し、
前記プロセッサが、前記受信された装置使用データ及び前記受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上を前記記憶装置に記憶する、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置使用データ及び/又は前記パフォーマンスデータを取得する1以上のセンサを更に備える、請求項11又は請求項12に記載の装置。
【請求項14】
パーソナルケア装置が該パーソナルケア装置の使用インスタンスの間においてユーザにより使用される態様を示す装置使用データ及び前記使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを取得するための1以上のセンサと、
基準装置使用データ及び基準パフォーマンスデータを記憶するための記憶モジュールと、
前記取得された装置使用データを前記記憶された基準装置使用データと比較すると共に、前記取得されたパフォーマンスデータを前記記憶された基準パフォーマンスデータと比較するための比較モジュールと、
前記取得された装置使用データが前記記憶された基準装置使用データから第1の定められた閾値量を超えて相違する又は前記取得されたパフォーマンスデータが前記記憶された基準パフォーマンスデータから第2の定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答してユーザ入力要求を提示するためのユーザインターフェースと
を有する、システム。
【請求項15】
内部に具現化されたコンピュータ可読コードを有する非一時的コンピュータ可読媒体であって、該コンピュータ可読コードが、適切なコンピュータ又はプロセッサにより実行された場合に、該コンピュータ又はプロセッサに請求項1から10の何れか一項に記載のコンピュータ実施方法を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルケア装置に関し、特に、パーソナルケア装置のユーザとのインタラクトに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア装置は、シェービング(髭剃り)、ヘアトリミング、歯磨き、フロッシング等のパーソナルケア動作を行うために使用され得る。一部のパーソナルケア装置はパーソナルケア動作が行われている間にデータを測定でき、パーソナルケア装置のユーザには、パーソナルケア動作に関連するフィードバック、例えばユーザに十分長く歯磨きをしていないと知らせるフィードバックが提供され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パーソナルケア動作に関してなされる決定及び測定は、不正確であり得、時間の経過とともに余り正確でなくなり得、当該パーソナルケア動作に関連するユーザに関して生じた変化等の関連情報を考慮しないことがあり得る。したがって、ユーザに提供されるフィードバックは、可能な程度に正確であるというものではない。
【0004】
したがって、ユーザに提供されるべきフィードバックを改善できるメカニズムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
パーソナルケア装置のユーザに提供されるべきフィードバックを改善する1つの方法は、ユーザから入力を得ることである。本開示の発明者は、パーソナルケア装置のユーザにより提供される情報を、ユーザに提供されるフィードバックを当該装置の使用に関して改善するために使用でき、場合によっては、特定のユーザに対するフィードバックを細かく調整するために使用できることを認識した。更に、発明者は、特定の場合に、適切な時点においてのみユーザ入力を要求することにより、ユーザ感覚が改善されることを認識した。ユーザが、入力を繰り返し供給することにより負担となることがなくなるからである。ユーザにより供給される入力は、パーソナルケア装置の使用に関してなされる任意の決定の精度を向上させるために使用でき、ユーザに提供される将来のフィードバックがより正確になり、ユーザが入力を供給するように求められる頻度が少なくなるようにする。
【0006】
第1の特定の態様によれば、パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするためのコンピュータ実施方法が提供され、該方法は:パーソナルケア装置が該パーソナルケア装置の使用インスタンスの間においてユーザにより使用される態様を示す装置使用データを受信するステップであって、該装置使用データが定められた組の装置使用パラメータのうちの1以上に関するものであるステップ;使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを受信するステップであって、該パフォーマンスデータが定められた組のパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関するものであるステップ;及び受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータの1以上が、各々、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータから、定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップ;を有する。
【0007】
このようにして、ユーザは、例えば使用インスタンスに関して測定されたデータを明確にする若しくは確認するために、又は測定されたデータの分析に使用されるモデルのパラメーターを調整するために必要とされる場合にのみ、入力を供給することを求められる。
【0008】
幾つかの実施形態において、当該方法は、パーソナルケア装置の使用インスタンスに関するユーザ入力を受信するステップ;及び受信されたユーザ入力に従って前記定められた閾値量を調整するステップ;を有し得る。
【0009】
前記ユーザ入力要求は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上の確認の要求を含み得る。他の実施形態において、ユーザ入力要求は、定められた組の知覚されたパフォーマンスパラメータの1以上に関する使用インスタンスのユーザの知覚された結果の指示情報(表示)の要求を含み得る。
【0010】
当該パーソナルケア装置は、幾つかの実施形態においては、シェービング装置を備え得る。各知覚されたパフォーマンスパラメータは、シェービング装置を用いて達成された髭剃りの知覚された綿密さ;使用インスタンスに起因する何らかの知覚された皮膚刺激の指示情報(兆候);及び使用インスタンス後の知覚された快適さの指示情報(指標);を有する群から選択される結果パラメータを含み得る。
【0011】
各装置使用パラメータは、パーソナルケア装置の動き;パーソナルケア装置によりユーザの身体の表面に加えられる圧力;パーソナルケア装置の移動(動き)速度;及びパーソナルケア装置の運動方向;を有する群から選択される使用パラメータを含み得る。
【0012】
当該パーソナルケア装置がシェービング装置を備える実施形態において、各結果パラメータは、シェービング装置を用いて達成された髭剃りの綿密さ;使用インスタンスに起因する皮膚刺激の兆候;及び使用インスタンスに起因する皮膚の発赤(赤み)の兆候;を有する群から選択される結果パラメータを含み得る。
【0013】
幾つかの実施形態において、当該方法は、使用インスタンスの間におけるパーソナルケア装置のユーザの環境を示すコンテキスト(前後状況)データを受信するステップ;及び該コンテキストデータが記録された基準コンテキストデータから定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答してユーザ入力要求を生成するステップ;を更に有し得る。
【0014】
当該方法は、幾つかの実施形態においては、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上が、各々、記録された基準装置使用データ及び記録された基準パフォーマンスデータから、2以上の装置使用パラメータ又はパフォーマンスパラメータに関して、定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップであって、該ユーザ入力要求が最大の決定された相違に対応する装置使用パラメータ又はパフォーマンスパラメータに関するものであるステップを有し得る。
【0015】
幾つかの実施形態において、前記記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータのうちの少なくとも1つは、ユーザによるパーソナルケア装置の少なくとも1つの以前の装置使用インスタンスに関するデータを含み得る。
【0016】
第2の特定の態様によれば、パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするための装置が提供される。該装置は、本明細書に開示される方法のステップを実行するように構成されたプロセッサを有する。
【0017】
幾つかの実施形態において、当該装置は、記憶装置を更に有し得る。前記プロセッサは、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上を該記憶装置に記憶するように構成され得る。
【0018】
当該装置は、装置使用データ及び/又はパフォーマンスデータを取得するように構成された1以上のセンサを更に備え得る。
【0019】
第3の特定の態様によれば、パーソナルケア装置が該パーソナルケア装置の使用インスタンスの間においてユーザにより使用される態様を示す装置使用データ及び使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを取得するための1以上のセンサを有するシステムが提供される。該システムは、更に、基準装置使用データ及び基準パフォーマンスデータを記憶するための記憶モジュール;取得された装置使用データを記憶された基準装置使用データと比較すると共に、取得されたパフォーマンスデータを記憶された基準パフォーマンスデータと比較するための比較モジュール;及び取得された装置使用データが記憶された基準装置使用データから第1の定められた閾値量を超えて相違する、又は取得されたパフォーマンスデータが記憶された基準パフォーマンスデータから第2の定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答してユーザ入力要求を提示するためのユーザインターフェース;を有する。
【0020】
第4の特定の態様によれば、非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供され、該コンピュータ可読媒体にはコンピュータ可読コードが具現化され、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサにより実行された場合に、該コンピュータ又はプロセッサに本明細書に開示される方法の1以上のステップを実行させるように構成される。
【0021】
これら及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするためのシステムの一例の概略図である。
図2図2は、パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするための装置の一例の概略図である。
図3図3は、パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするための方法の一例のフローチャートである。
図4図4は、パーソナルケア装置のユーザとインタラクトするための方法の他の例のフローチャートである。
図5図5は、コンピュータ可読媒体と通信するプロセッサの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
例示的な実施形態が、以下に図面を参照して例示のみとして説明される。
【0024】
本開示の様々な実施形態によれば、パーソナルケア装置のユーザが適切な時点に(例えば、ユーザにとって都合のよい時点に)入力を供給するように促され得るメカニズムが提供され、このことは、パーソナルケア装置及び/又はその使用に関してユーザに提供されるフィードバックを改善する助けとなり得る。本発明の幾つかの実施形態においては、パーソナルケア装置の使用に関するデータが取得され、該データは、例えば、ユーザがパーソナルケア動作の間においてユーザが該パーソナルケア装置をどのように使用しているかを示し得る。パーソナルケア動作の結果に関するデータ、例えば該パーソナルケア動作の結果を示すデータも取得される。パーソナルケア装置の使用に関するデータ及びパーソナルケア動作の結果に関するデータの両方は、対応する基準データと比較され、何れかが対応する基準データから定められた量を超えて変化した場合、該パーソナルケア装置のユーザは入力を供給するように促され得る。このようにして、当該装置の使用が期待どおりでない場合、又は当該パーソナルケア動作の結果が期待どおりでない場合、ユーザは入力を求められ得る。一般的に、本発明の実施形態は、いつユーザに入力を求めるか、及びどの入力をユーザに要求するかを決定する。
【0025】
特定の例において、人はシェービング装置を使用して髭を剃ることができる。シェービング装置は、人がシェービング装置(シェーバ)をどのくらい強く顔に押し付けているかを測定する力センサ、及びシェービング装置の動きに関連するパラメータ(例えば、動きの方向及び動きの速さ)を測定するための慣性測定ユニット(IMU)等の、装置の使用に関するデータを測定するように構成された幾つかのセンサを含み得る。例えば、人が装置を使用して髭を剃っている間、データが上記力センサ及びIMUにより取得される。光センサ及び/又は撮像装置等の他のセンサをシェービング装置自体又はシェービング装置の外部に設けることができ、これらはシェービング動作の結果を示すデータを測定できる。例えば、上記撮像装置は髭剃りの綿密さ(近さ)を示すことができ、光センサはシェービング動作に起因する皮膚刺激(例えば、赤さ)の徴候を検出することができる。次いで、該装置使用データは装置の使用に関する基準データと比較され、結果データはシェービング動作に関する基準結果データと比較される。測定されたデータが対応する基準データから少なくとも閾値量だけ相違すると、装置のユーザは入力を供給するように求められ得る。例えば、ユーザは、シェービング装置を皮膚に特に強く押し付けていることに気付いたか、及び/又はシェービング動作後に顔に不快感を感じるかを確認するように求められ得る。ユーザの入力がセンサを使用してなされた測定と一致する場合、ユーザにフィードバックを提供して、将来のシェービング動作のパフォーマンスを改善できる変更を提案することができる。しかしながら、ユーザの入力がセンサを使用してなされた測定と矛盾する場合、センサ感度の1以上が調整されるべきである、又は測定データを分析するために使用されるモデルが最適化されるべきであると判断され得る。このように、ユーザにより供給される入力を、シェービング装置に関連する調整又は最適化を行うために使用できる。
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、パーソナルケア装置102のユーザとインタラクトするためのシステム100の一例の概略図である。パーソナルケア装置102は、パーソナルケア動作を実行するために使用される任意のタイプのパーソナルケア装置を含み得る。幾つかの実施形態は、対象者の皮膚から髭を剃り、又は毛をトリミングするために使用される手持ちシェービング装置に関連して説明される。しかしながら、本発明はシェービング装置に限定されるものではなく、本明細書に記載される実施形態は広範囲のパーソナルケア装置において実施化され得ることが理解されるであろう。したがって、本明細書に記載されるパーソナルケア装置102は、例えば、脱毛器若しくは強力パルス光(IPL)装置等の脱毛装置、シェーバ、バリカン若しくはヘアトリマー等のヘアケア装置、電動歯ブラシ若しくはフロッシング装置等の口腔ケア装置、皮膚健康分析装置、電気マッサージ器、光線療法装置又は鎮痛装置等を含み得る。他のパーソナルケア装置も想定される。
【0027】
パーソナルケア装置102は使用中にユーザの手により保持されることを意図され得るもので、したがって、手持ちパーソナルケア装置と呼ばれ得る。パーソナルケア装置102は、本体104及び当該処理を行うための処理エレメント106を備え得る。例えば、シェービング装置の処理エレメント106はシェービングヘッド又はカッティングエレメントを有し得る一方、電動歯ブラシの処理エレメントはブラシヘッドを備え得る。本体104は、パーソナルケア装置102の1以上の構成要素を収容し得る。図1に示される例において、本体104はセンサ108a及び108bを備える。この例において、パーソナルケア装置102は2つのセンサ108を含むように示されているが、他の例では、より多くの又はより少ないセンサが含まれ得る。更に、センサ108は図1ではパーソナルケア装置102の本体104内に収容されるように示されているが、他の例において、1以上のセンサは、処理エレメント106上又は内又は本体104の表面上等の様に、パーソナルケア装置の任意の部分の上又は内に配置することができる。
【0028】
センサ108の各々は、パーソナルケア装置102の使用に関するデータ(本明細書では装置使用データと呼ぶ)を測定できる任意のセンサを備えることができる。例えば、センサ108の各々は、パーソナルケア装置の使用インスタンスの間における該パーソナルケア装置の変位等の、パーソナルケア装置102の動きを測定できる任意のセンサを備えることができる。本明細書で使用される場合、「使用インスタンス」という用語は、ユーザがパーソナルケア装置102を使用する(例えば、髭を剃る、又は歯を磨く)一定期間の動作を指すことを意図する。センサ108の1以上は、慣性測定ユニット(IMU)を備えることができる。当業者にはよく知られているIMUは、該IMUが組み込まれている装置の様々なパラメータ(例えば、特定の力、角速度及び/又は向き)を測定するために加速度計、ジャイロスコープ及び/又は磁力計を使用し得る。IMUは、使用インスタンスの間におけるパーソナルケア装置102の幾つかのパラメータ、例えば、該パーソナルケア装置の移動方向、移動速度、及びシェービング装置の場合は、当該動きがユーザの髭の方向と一致するか又は逆であるかの指示情報(時には、目方向と呼ばれる)を測定するために使用され得る。このようなセンサからのデータは、ユーザがパーソナルケア装置102を適切な速度で適切な方法で動かしているかどうかを判断するために使用できる。
【0029】
パーソナルケア装置102の運動速度及び/又は運動方向を示すデータは、スマートウォッチ等のウェアラブル装置内のセンサを使用しても測定でき、又はカメラ等の撮像装置により取得されたデータからも計算できる。
【0030】
センサ108のうちの1以上は、パーソナルケア装置102によりユーザの皮膚等の表面に加えられる力又は圧力を測定する力センサ又は圧力センサを備え得る。例えば、力センサは処理エレメント106(例えばシェービングヘッド)とユーザの皮膚との間に加えられる力を測定する。スイッチタイプのセンサ及び薄膜抵抗センサを含む、様々な力センサが当業者によりよく知られている。しかしながら、一般的に、如何なる適切な力センサも使用することができる。このような力センサからのデータは、ユーザがパーソナルケア装置102により皮膚に適切な力を加えているか否かを判断するために使用できる。
【0031】
センサ108のうちの1以上は静電容量センサを有し得る。静電容量センサは、例えば、パーソナルケア装置102の使用インスタンスの間において処理エレメント106が表面(例えば、ユーザの皮膚又は歯)と接触したままである量を測定するために使用され得る。このような静電容量センサからのデータは、ユーザが使用中にパーソナルケア装置102を適切な方法で保持しているか否かを決定するために使用できる。静電容量式センサは、肌の水分量測定を行うため、髭の長さ、密度等の髭の特性を測定するために、及び装置によりユーザの皮膚等の表面に加えられる力を測定するためにも使用できる。
【0032】
パーソナルケア装置102の周りに配置されるセンサ108a及び108bに加えて、当該パーソナルケア装置の使用インスタンスに関するデータを取得するために1以上の追加のセンサを使用することもできる。例えば、図1のシステム100は、パーソナルケア装置102の外部に位置するが、該パーソナルケア装置の使用に関するデータを測定するために使用できる追加のセンサ108c及び108dを含む。センサ108のうちの1以上(例えば、追加のセンサ108c、108d)は、パーソナルケア動作を行うためにパーソナルケア装置102が使用される使用インスタンスの画像又はビデオ映像をキャプチャするためのカメラ等の画像キャプチャ装置を備えることができる。センサ108のうちの1以上は、使用インスタンス中のユーザ及び/又はパーソナルケア装置102の前後状況(コンテキスト)を示すデータを取得するためのコンテキストセンサを備えることもできる。例えば、このようなコンテキストセンサは、ユーザの位置、ユーザの近傍の気象(例えば、温度及び/又は湿度)、及び/又はユーザの周囲環境(例えば、ユーザが屋内又は屋外にいるか)に関するデータを取得できる。このようなコンテキストセンサからのデータは、前記センサの、及び/又は何時ユーザに入力を供給するように促すかを決定するために使用されるモデルの後の調整及び最適化に使用され得る。センサ108c及び108dは本明細書ではパーソナルケア装置102の外部にあるものとして説明されているが、幾つかの例において、これらの追加のセンサの1以上は当該パーソナルケア装置内又は上に配置することもできる。他の例において、センサ108のうちの1以上は、スマートフォン、ウェアラブル装置、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はインタラクティブミラー等の他の装置内又は上に配置され得、又はその一部を形成し得る。
【0033】
センサ108の各々は、プロセッサ110と(例えば、有線又は無線接続を介して)通信することができる。プロセッサ110は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブル装置、インタラクティブミラー又はサーバのようなコンピューティング装置等の装置の一部を形成することができる。幾つかの例において、プロセッサ110及び1以上のセンサ108は、同じ装置又はデバイスの一部を形成し、又はこれらに含まれ得る。プロセッサ110は、メモリ等の記憶装置112に(例えば、有線又は無線接続を介して)接続され得、又はそれ以外でこれらと通信できる。幾つかの例において、記憶装置112及びプロセッサ110は、同じ装置又はデバイス内に配置され得る。記憶装置112は、センサ108の1以上を使用して取得されたデータ等のデータをプロセッサ110から受信して記憶するように構成され得る。記憶装置112は、センサ108の1以上を使用して取得されたデータと比較するためにプロセッサ110により使用され得る基準データを記憶するように構成され得る。
【0034】
幾つかの実施形態によれば、プロセッサ110は比較モジュール114及び分析モジュール116を備え又は利用することができる。プロセッサ110の機能は、以下で詳細に説明される。しかしながら、一般的に、プロセッサ110(例えば、比較モジュール114)は、センサ108の1以上から受信されたデータを記憶装置112に記憶された基準データと比較し、基準データからの測定データの如何なる大きな逸脱も検出する。具体的には、プロセッサ110又は比較モジュール114は、測定データが基準データから定められた閾値量を超えて相違するかを決定する。基準データからの逸脱が検出又は識別された場合、プロセッサ110はユーザ入力の要求が生成させるようにし得る。
【0035】
記憶装置112に記憶される基準データは、幾つかの実施形態においては、パーソナルケア装置102の「通常の」又は「最適な」使用で予想されるデータを含み得る。例えば、該基準データは、パーソナルケア装置102が使用インスタンスの間において製造者が意図した方法で使用されたとしたら、理想的な状況において該パーソナルケア装置に関して得られるであろうデータを表し得る。例えば、シェービング装置の場合、基準データは、ユーザの皮膚上での該シェービング装置の「理想的な」移動速度、及び該シェービング装置がユーザの皮膚に当てられるべき「理想的な」力を含み得る。他の実施形態において、基準データは、パーソナルケア装置102及び/又はユーザに関して取得された履歴データを含み得る。例えば、ユーザによるパーソナルケア装置102の1回以上の使用インスタンス中に取得されたデータを記録し、記憶装置112に記憶することができ、この履歴データを基準データとして使用できる。幾つかの例において、基準データは、複数の使用インスタンスにわたって、及び/又は定められた期間(例えば、1週間、1か月等)にわたって取得された履歴データの平均を含み得る。このようにして、各々の新たな使用インスタンスの間に取得されたデータを、ユーザの平均パフォーマンスを表すデータと比較することができ、プロセッサ110はユーザが当該装置を通常とは異なる方法で使用しているかを検出できる。幾つかの実施形態において、測定されたデータは、2組の基準データ、すなわち、パーソナルケア装置102の「最適な」使用を表す第1の組の基準データ、及び該パーソナルケア装置/ユーザの履歴使用データを表す第2の組の基準データと比較され得る。
【0036】
基準データからの逸脱は、幾つかの理由により生じ得る。上述したように、逸脱は、単に、ユーザがパーソナルケア装置102を通常とは(例えば、平均的な使用法とは)異なる方法で、又は最適な使用法とは異なる方法で操作することから生じ得る。他の例において、逸脱は、比較がなされる閾値が不適切であるか、又は変更する必要があるために検出され得る。ユーザの環境又は前後状況の変化も、基準データからの逸脱につながり得る。例えば、ユーザが湿度の高い他の場所を訪れたとしたら、このことはユーザが効果的にシェービング動作を行う能力に影響を与える可能性があり、例えば、湿度の低い環境と比較して皮膚の炎症が増加する可能性がある。
【0037】
ユーザ入力の要求は、ユーザインターフェース118を介してユーザに提供できる。ユーザインターフェース118は、ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、又はユーザに情報を提示できる何らかの他の装置の1つ以上を備え得る。幾つかの実施形態において、ユーザインターフェース118はユーザが情報を入力できるメカニズムを更に有し得る。例えば、ユーザインターフェース118は、タッチスクリーン、キーボード、マイクロフォン、又はユーザから情報を受け取ることができる何らかの他の装置を備え得る。
【0038】
一態様によれば、装置が提供される。図2は装置200の一例の概略図である。装置200は、パーソナルケア装置102等のパーソナルケア装置のユーザとインタラクトするための装置であると考えることができる。装置200は、本明細書で説明したプロセッサ110等のプロセッサを備える。プロセッサ110は、当該パーソナルケア装置の使用インスタンスの間にユーザにより該パーソナルケア装置が使用される態様を示す装置使用データを受信するように構成され、該装置使用データは定められた組の装置使用パラメータのうちの1以上に関連するものである。装置使用データは、パーソナルケア装置102上又はその内部に配置されたセンサ及び/又は該パーソナルケア装置に対して外部に配置されたセンサを含む、前述したセンサ108のうちの1以上を使用して取得できる。該装置使用データが関係する各装置使用パラメータは、パーソナルケア装置102の動き;該パーソナルケア装置によりユーザの身体の表面に加えられる圧力;該パーソナルケア装置の移動速度;及び該パーソナルケア装置の運動方向;を含み得る。パーソナルケア装置102の動き、移動速度及び運動方向は、幾つかの実施形態においては、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/又はこれらパラメータを測定するためのセンサの組み合わせを含むIMU等の構成要素を使用して測定され得る。パーソナルケア装置102によりユーザの身体の表面に加えられる圧力は、幾つかの実施形態においては、前述したような、圧力センサ又は力センサを使用して測定され得る。幾つかの実施形態において、装置使用パラメータのうちの1以上に関連するデータは、カメラ等の他のセンサ108を使用して測定され得る。幾つかの実施形態において、データはセンサ108の組み合わせを使用して取得できる。例えば、シェービング装置の運動方向は、ユーザがシェービング装置を髭の目方向(すなわち、成長方向)に一致して又は逆らって動かしているかを判断するために測定できる。目方向はカメラにより取得されたデータを使用して決定でき、シェービング装置の運動方向はシェービング装置内に配置されたIMUを使用して取得できる。
【0039】
プロセッサ110は、使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを受信するようにも構成され、該パフォーマンスデータは定められた組のパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関連する。パフォーマンスデータは、パーソナルケア装置102上又はその内部に配置されたセンサ及び/又は該パーソナルケア装置に対して外部に配置されたセンサを含む、前述したセンサ108のうちの1以上を使用して取得できる。当該パフォーマンスデータが関連する各パフォーマンスパラメータは、行われているパーソナルケア動作の結果に関連するパラメータを含み得る。例えば、歯磨き等の口腔ケア動作が行われている場合、パフォーマンスパラメータは、歯茎の損傷又は発赤の指示情報、歯茎からの出血の指示情報、歯に残っている汚れ/破片の指示情報等を含み得る。前述したように、幾つかの実施形態において、パーソナルケア装置102はシェービング装置を含み得る。このような例において、各結果パラメータは、当該シェービング装置を用いて達成された髭剃りの綿密さ;使用インスタンスに起因する皮膚刺激の指示情報;及び使用インスタンスに起因する皮膚の発赤の指示情報;のうちの1つを含み得る。
【0040】
プロセッサ110は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上が、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータから、各々、定められた閾値を超えて相違するとの決定に応答して、ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するように構成される。このように、プロセッサ110は、受信された装置使用データを記憶された基準装置使用データと比較すると共に、受信されたパフォーマンスデータを記憶された基準パフォーマンスデータと比較するように構成され得る。何れかの比較結果が、定められた閾値を超える差となる場合、ユーザ入力要求が生成される。例えば、プロセッサ110は、受信された装置使用データ(例えば、ユーザの顔上でのシェービング装置の移動速度)が記憶された基準装置使用データ(例えば、過去の使用インスタンス中のユーザによるシェービング装置の平均移動速度を示す記憶された基準移動速度)から、定められた閾値量を超えて(例えば、+/-20cm/s、又は+/-10%を超えて)相違する(例えば、速い又は遅い)と判断した場合、ユーザ入力要求を生成し得る。他の例において、プロセッサ110は、受信されたパフォーマンスデータ(例えば、使用インスタンスに続くユーザの皮膚の赤みの指示情報)が記憶された基準パフォーマンスデータ(例えば、過去の使用インスタンスに続くユーザの皮膚の平均的な赤みの指示情報)から、定められた閾値量を超えて(例えば、カラーチャート又は比色計を使用して示される定められた赤みの量を超えて)相違する(例えば、より赤くなっている)と判断した場合、ユーザ入力要求を生成し得る。閾値、閾量又は閾範囲は、装置使用データ及びパフォーマンスデータのタイプ毎に定義することができる。このように、受信された装置使用データは、装置使用閾値に関して、記憶された基準装置使用データと比較され得、受信されたパフォーマンスデータは、パフォーマンス閾値に関して、記憶された基準パフォーマンスデータと比較され得る。幾つかの例において、プロセッサ110は、例えば受信された装置使用データが履歴データの平均から逸脱する場合に、ユーザに提示されるべきガイダンスを生成することができる。
【0041】
受信されたデータと記憶された基準データとの比較は、幾つかの例においては、前述した比較モジュール114を使用して実行され得る。分析モジュール116は、単なるデータの比較以上の処理を実行すると考えることができ、例えば、該分析モジュールは受信されたデータ及び記憶された基準データを分析して、受信されたデータにおける潜在的なエラー(すなわち、センサ108のうちの1以上の障害を示す)を検出し、及び/又は比較モジュール114又は当該分析モジュールにより使用されるモデルの潜在的なエラーを検出することができる。例えば、このようなモデルは装置使用データ及びパフォーマンスデータを入力として受信することができ、該モデルは該データを特定の方法で(例えば、異なるタイプのデータに対して異なる重みを使用し、及び/又は特定の状況において一部のタイプのデータに対し他のタイプのデータよりも重く依存して)分析するように構成され得る。このようなモデルは、ユーザに何を尋ねるか(例えば、どのタイプのユーザ入力を供給するか)を決定するためのアルゴリズム、ロジック又はルールベースの処理を使用することもできる。
【0042】
プロセッサ110が記憶された基準データからの受信されたデータの逸脱を検出すると、該プロセッサはユーザからのユーザ入力を求める要求を生成する。該ユーザ情報の要求は、例えば、ユーザインターフェース118を介してユーザに提供される。幾つかの実施形態において、該ユーザ入力要求は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上の確認の要求を含み得る。例えば、受信された装置使用データが、ユーザがシェービング装置を顔面上で特に急速に動かしたことを示す場合、ユーザ入力要求は、ユーザが実際にシェービング装置を通常よりも速く動かしたことの確認の要求を含み得る。ユーザがシェービング装置の通常よりも速い動きを確認する応答を供給した場合、ユーザには、シェービング装置の使用を改善するためのアドバイス、例えばシェービング装置を一層遅く動かすようにというアドバイスが提供され得る。しかしながら、ユーザがシェービング装置を通常よりも速く動かしたことを否定する応答を供給した場合、プロセッサ110は、センサ108のうちの1以上が故障していることが疑われる、又はセンサ設定が修正されるべきであると判断し得る。
【0043】
幾つかの実施形態において、ユーザ入力要求は、定められた知覚されたパフォーマンス(知覚パフォーマンス)パラメータのうちの1以上に関連する使用インスタンスのユーザの知覚された結果(知覚結果)の表示を求める要求を含むことができる。例えば、パーソナルケア動作の結果についてのユーザの見解の表示を含む、パーソナルケア動作がどのように進んだと感じるかについてのユーザからの表示を受信することは有用であり得る。歯磨き等のオーラルケア動作が行われている例において、ユーザは、オーラルケア動作の知覚された結果の表示を、歯茎が痛むか否かの表示、歯茎から出血したか否かの表示、歯がどれだけきれいに感じられるかの表示等の、知覚されたパフォーマンスパラメータに基づいて供給するように求められ得る。パーソナルケア装置102がシェービング装置を備え、ユーザが該シェービング装置を使用して髭剃り動作を行う例において、各知覚パフォーマンスパラメータは、当該シェービング装置を使用して達成された髭剃りの知覚された綿密さ;当該使用インスタンスに起因する知覚された皮膚刺激の表示;及び当該使用インスタンス後の知覚された快適さの表示;の1つを含み得る。このように、幾つかの例において、知覚されたパフォーマンスパラメータは、受信され/測定されたパフォーマンスパラメータに対応し得る。
【0044】
ユーザ入力の要求を提供することに応答して、ユーザはユーザインターフェース118を使用して入力を供給することができる。幾つかの例において、ユーザはユーザインターフェースに回答をタイプ入力し又は発話することができる。他の例において、ユーザにはオプションのリストが提示され、該提示されたオプションのうちの1以上を選択することにより回答を供給できる。例えば、ユーザは、シェービング装置により顔に通常よりも大きな圧力を加えたと感じるか、通常と同じ量の圧力を加えたと感じるか、又は通常よりも小さい圧力を加えたと感じるかを示すように求められ得る。ユーザにより供給された応答(すなわち、ユーザ入力)に基づいて、プロセッサ110は、当該モデルのパラメータに対する又は定められた閾値に対する調整を行う等のアクションを実行できる。このように、プロセッサ110は、幾つかの実施形態においては、更にパーソナルケア装置102の使用インスタンスに関連するユーザ入力を受信し、該受信されたユーザ入力に従って定められた閾値量を調整するように構成され得る。例えば、測定されたパラメータ(例えば、シェービング装置の動き速度)がユーザの平均的な動き速度とは規則的に異なると判断されるが、ユーザにより供給された入力はユーザが当該装置を通常とは一切異なって動かしているとは感じていないことを示す場合、感度が変更されるべきであると判断され得る。したがって、当該パラメータに対して定められた閾値量が調整され(例えば、増加され)得る。
【0045】
プロセッサ110がユーザからの入力を要求する結果となるような幾つかの状況は、誤り又は欠陥結果と呼ばれ得る。具体的には、このような状況は、プロセッサ110によりデータを分析するために使用されるモデルの欠陥から生じる、又はモデルが予測されるものとは異なる出力(例えば、ユーザがパーソナルケア装置102を顔に過度に強く押し付けている表示)を提供する場合に生じると考えられ得る。幾つかの実施形態において、プロセッサ110(又は分析モジュール116)により使用されるモデルは、信頼度レベル又は関連する出力の確率を伴う出力を供給することができる。出力の信頼度又は出力の確率が低い場合、ユーザは、モデルの出力の信頼度レベルを高めるための、又は、逆に、将来の出力の信頼度レベルを高めるためにモデルの変更をもたらすための入力を供給するよう求められ得る。前述したように、ユーザは、該ユーザの行動(例えば、装置使用データからの)が慣用動作から(例えば、記憶された基準データから計算された平均から)逸脱していることを受信されたデータが示す場合、入力を供給するように要求され得る。幾つかの例においては、逸脱を検出するために異常検出技術を使用することができる。
【0046】
幾つかの実施形態において、ユーザ入力は、使用インスタンス中に装置使用データが変化する場合に要求され得る。例えば、ユーザが口腔の片側における歯を、口腔の他方の側における歯を磨く方法とは異なるように磨くことが検出された場合、又はユーザが顔の一方の側を他方とは異なって剃る場合、落ち度が疑われ得、ユーザは入力を供給するよう求められ得る。このように、記憶されたデータは、同じ使用インスタンスに関連するデータを含み得る。
【0047】
他の実施形態において、欠陥はユーザの環境が変化した場合(例えば、休暇中等のように、ユーザが他の場所にいる場合)に疑われ得る。環境の変化は、コンテキストデータを使用して判断できる。このように、幾つかの実施形態において、プロセッサ110は使用インスタンス中にパーソナルケア装置102のユーザの環境を示すコンテキストデータを受信するように構成され得る。コンテキストデータは、センサ108のうちの1以上を使用して取得できる。幾つかの実施形態において、コンテキストデータは、地理的位置の表示、温度、ローカルな天候の表示、湿度等を含み得る。プロセッサ110は、コンテキストデータが記憶されている基準コンテキストデータから定められた閾値量を超えて異なるとの決定に応答して、ユーザ入力要求を生成するように構成され得る。幾つかの実施形態においては、ユーザがパーソナルケア動作を行う通常の環境を示すデータ等の基準コンテキストデータを、記憶装置112に記憶できる。基準コンテキストデータは、例えば、以前の装置使用インスタンス中に取得されたコンテキストデータを含み得る。
【0048】
前述したように、パーソナルケア動作のパフォーマンスに改善の余地があることが検出された場合にも、ユーザは入力を供給するように要求され得る。幾つかの実施形態においては、受信された使用データを好ましいパフォーマンス(例えば、パーソナルケア装置の製造業者により意図されたパフォーマンス又はユーザにより好まれるパフォーマンス)を示す基準データと比較することにより、改善の余地があると判断され得る。例えば、ユーザはシェービング動作を開始する前に髭剃りの好ましい綿密度を指定することができ、使用インスタンス中に測定された髭剃りの綿密度を示すデータと、ユーザの好みの髭剃りの綿密度を示すデータとの間に差が検出されたら、デルタを計算することができる。該デルタは、ユーザが利用できる可能な改善の表示と見なすことができる。
【0049】
幾つかの実施形態において、記憶装置112は装置200に対して遠隔に配置でき、該装置のプロセッサ110は該記憶装置にネットワーク接続を介してアクセスできる。しかしながら、他の実施形態においては、装置200が記憶装置112等の記憶装置を備えてもよい。プロセッサ110は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータの1以上を記憶装置112に記憶するように構成され得る。このようにして、プロセッサ110は記憶装置112にローカルでアクセスできる。装置200は、幾つかの実施形態においては、装置使用データ及び/又はパフォーマンスデータを取得するように構成された1以上のセンサ(例えば、センサ108)を更に備えることができる。
【0050】
装置200の様々な例示的な使用ケースを以下に説明する。
【実施例1】
【0051】
第1の例示的使用ケースにおいて、ユーザはシェービング装置を使用してパーソナルケア動作を行う。センサ108は、ユーザがシェービング装置を前の週の平均移動速度よりも速く動かしたことを示す装置使用データを測定する。センサ108は、髭剃りの綿密さが前の週に測定された平均の綿密さと較べて減少したことを示すパフォーマンスデータも測定する。以前に記録されたデータとの比較は、プロセッサ110の比較モジュール114を使用して実行でき、該プロセッサの分析モジュール116は、更なる分析を実行して、取るべきアクション(例えば、ユーザに伝達されるべきメッセージ)を決定できる。分析は、幾つかの実施形態では、規則ベースの処理を使用して実行できる一方、他の実施形態において、分析は機械学習アルゴリズムを使用して実行できる。この例においては、シェービング装置の移動速度の増加及び髭剃りの綿密度の減少に対応するために規則ベースのデータベースが使用され得る。一例において、規則ベースのデータベースにおける斯様な規則は次のようになるであろう。
【0052】
[きれいな髭剃りと速度との相関関係が見つかる]なら、“貴方は先週より[速度の平均デルタ]だけ速く動かしていた;しかしながら、貴方のきれいな髭剃り結果は[きれいな髭剃りの平均デルタ]だけ減少しました。もっとゆっくり動かすよう試みて下さい。”とのガイダンスを出力する。
【0053】
このように、一例によれば、以下のガイダンスがユーザに提供され得る。
【0054】
“貴方は先週より50%速く動いていた;しかしながら、貴方のきれいな髭剃り結果は30%減少しました。もっとゆっくり動かすように試みて下さい。”
【0055】
代替例として、ユーザには、髭剃りがどの程度きれいであったかについての見解を例えば連続的尺度で提供することにより、髭剃りを評価する要求を提示できる。ユーザの入力に応答して、髭剃りの綿密さを測定するために使用されるセンサの閾値及び/又は設定を調整することができる。
【実施例2】
【0056】
ユーザがシェービング装置を使用してパーソナルケア動作を行う第2の例示的使用ケースにおいて、センサ108はユーザが顎の右側よりも顎の左側に大幅に大きな圧力を加えたことを示す装置使用データを測定する。センサ108は、ユーザの顎の左側の皮膚刺激のわずかな増加を示すパフォーマンスデータも測定する。ここでも、以前に記録されたデータとの比較が、プロセッサ110の比較モジュール114を使用して実行され得る。プロセッサ110により(例えば、分析モジュール116により)使用されるモデルは、増加された圧力と増加された皮膚刺激との間に相関関係があることに完全に確信はなく、したがって、ユーザ入力が要求されるべきであると判断され得る。このように、プロセッサ110はユーザに提供されるべき以下のプロンプトを生成する:
“貴方は顎の左側により大きな圧力をかけました。髭剃り後に、顎の左側に刺激を感じますか?
a)刺激を感じる
b)少し刺激を感じる
c)全く刺激を感じない”
【0057】
ユーザにより供給された回答に応じて、プロセッサ110は、何時ユーザ入力を要求すべきかの閾値を更新でき、及び/又はセンサ108の1以上の感度を調整できる。当該分析のために機械学習アルゴリズム(又は何らかの他の予測モデル若しくは人工知能技術)が使用される例においては、該アルゴリズムの1以上のパラメータ(例えば、重み)を適応できる。ユーザが“c)全く刺激を感じない”と回答するとしたら、プロセッサ110は、当該モデルで使用される(又は分析モジュール116により使用される)グランドトゥルースが上書きされるようにし、及び/又はバックプロパゲーション等の当該モデルを更新する何らかの方法が実行されるようにし得る。しかしながら、ユーザが“a刺激を感じる”と回答するとしたら、当該モデルの更新は必要とされない。代わりに、ユーザには、顎の左側を剃る場合に髭剃り技術を変化させる(例えば、加えられる圧力を減少させる)推奨が提供され得る。
【実施例3】
【0058】
第3の例示的使用ケースにおいて、ユーザは、ここでもシェービング装置を使用してパーソナルケア動作を行っている。この例において、センサ108は、ユーザが自身の顔に該ユーザの過去の使用インスタンス中にかけられた圧力と比較して大幅に小さい圧力をかけていることを示す装置使用データを測定する。プロセッサ110は、
“髭を剃っていますか?”
というユーザに提供されるべき質問を生成する。
【0059】
ユーザが髭を剃っていないことを示す入力を供給した場合、このことは、測定値に基づいて行われた決定を確認することになる。しかしながら、ユーザの入力が髭を剃っていることを示す場合、当該モデルのパラメータは更新され得、将来における同様の圧力の測定値が当該シェービング装置の使用インスタンスに対応するものとして認識されるようにする。
【実施例4】
【0060】
ユーザがここでもシェービング装置を使用してパーソナルケア動作を行っている第4の例において、センサ108は、当該シェービング装置によりユーザの顔に大幅に大きな圧力が加えられていることを示す装置使用データを測定する一方、該センサは如何なる皮膚刺激の徴候も示さないパフォーマンスデータを測定する。プロセッサ110は、
“通常よりも大きな圧力をかけているようですね;何か皮膚の刺激を感じますか?”
というユーザに提供されるべき質問を生成する。
【0061】
ユーザが“はい”で応答した場合、プロセッサ110は、センサ108のうちの1以上(例えば、加えられた圧力を測定するセンサ及び/又は見かけの皮膚刺激を測定するセンサ)に関して、設定及び/又は閾値が調整されるようにし得る。しかしながら、ユーザが“いいえ”で応答した場合、当該モデルのパラメーターは、将来における同様の圧力の測定が皮膚刺激の疑いという結果にならないように更新され得る。
【0062】
上記説明から、ユーザ入力を要求する決定は、測定されたデータのうちの1以上が対応する基準データを定められた閾値以上超えた場合になされ得ることは明らかであるが、本発明の実施形態は、ユーザにどのような入力が要求されるべきか(例えば、ユーザに何を尋ねるべきか)に関して決定がなされることも可能にする。例えば、センサ108が、複数の測定パラメータの対応する基準データに対する違いを検出した場合、どのパラメータがユーザに対する質問の対象となるべきかの決定がなされる。例えば、センサ108は、シェービング装置の使用インスタンスに関して、圧力、移動速度及び皮膚刺激を測定するために使用され得るものとする。下記の表1は、測定されたデータが、各パラメータが通常より高い/大きい(+)、通常と同じ(0)、又は通常より低い/小さい(-)ことを示し得る3つの異なる使用インスタンスの例を示している。
【0063】
【表1】
【0064】
使用インスタンス1において、測定されたデータは、圧力の増加にもかかわらず、移動速度及び皮膚刺激の兆候は通常と同じであることを示している。したがって、この例において、ユーザは加えられた圧力に関する入力を供給するように求められ得(例えば、ユーザに、実際により大きな圧力を加えたか、及び/又はユーザが異なる感覚をうけたかを尋ねることにより)、この測定値が確認され、適切なアクション(例えば、モデルのパラメーターの変更又はセンサの感度の変更)をとることができるようにする。
【0065】
使用インスタンス2において、測定データは、圧力の増加にもかかわらず、移動速度は通常と同じである一方、皮膚刺激の兆候は通常よりも低いことを示している。この結果は驚くべきものであるため、ユーザは、例えば皮膚刺激センサが機能しているかをチェックするために、皮膚刺激測定に関する入力を供給するように求められ得る。
【0066】
使用インスタンス3において、測定データは、ユーザにより加えられた圧力は通常と同じであるが、移動速度及び皮膚刺激の兆候は共に通常よりも大きいことを示している。この例において、ユーザは、例えば該ユーザが実際に当該装置の移動速度を増加させたかをチェックして、これが皮膚刺激の増加に関連しているか否かをチェックするために、パーソナルケア装置102の移動速度に関する入力を提供するよう求められ得る。
【0067】
他の例においては、ユーザ入力要求の基礎を形成する候補測定を、例えば、標準偏差/測定誤差等の統計的パラメータに基づいて(例えば、標準偏差/測定誤差が大きいほど、測定が選択されるべき尤度が大きくなる)、又は原因及び効果の知識に基づいて (例えば、増加された圧力は一層大きな皮膚刺激の原因となり得る)選択することができ、ユーザにより当該効果が確認できるようにする。
【0068】
他の態様によれば、システムが提供される。このようなシステム100の例が、前述した図1に示されている。システム100は、装置使用データ及びパフォーマンスデータを取得するための1以上のセンサ108を備える。装置使用データは、パーソナルケア装置102の使用インスタンスの間に該パーソナルケア装置がユーザにより使用される態様を示す。パフォーマンスデータは、使用インスタンスの結果を示す。システム100は、基準装置使用データ及び基準パフォーマンスデータを記憶するための記憶モジュール(例えば、記憶装置112)も備える。前述したように、基準データは、パーソナルケア装置102の意図された使用/パフォーマンスを示すデータ、及び/又は以前の使用インスタンス中の(例えば、定められた期間中の)ユーザによる当該パーソナルケア装置の平均的使用/パフォーマンスを示すデータを含み得る。システム100は、取得された装置使用データを記憶された基準装置使用データと比較すると共に、取得されたパフォーマンスデータを記憶されたパフォーマンスデータと比較するための比較モジュール114も備える。システム100は、更に、ユーザ入力要求をユーザに提示するためのユーザインターフェース118も備える。ユーザ入力要求は、取得された装置使用データが記憶された基準装置使用データから第1の定められた閾値量を超えて相違する、又は取得されたパフォーマンスデータが記憶された基準パフォーマンスデータから第2の定められた閾値量を超えて相違するという判定に応答して提示され得る。上記第1及び第2の定められた閾値量は、絶対値、相対値、パーセンテージ又は範囲を含み得る。
【0069】
他の態様によれば、方法が提供される。図3は、パーソナルケア装置102のユーザとインタラクトするための方法等の、方法300の一例のフローチャートである。方法300は、コンピュータで実施される方法(コンピュータ実施方法)を含み得る。方法300は、ステップ302に、パーソナルケア装置102がユーザにより該パーソナルケア装置の使用インスタンスの間において使用される態様を示す装置使用データを受信するステップを含み、該装置使用データは定められた組の装置使用パラメータのうちの1以上に関するものである。ステップ304において、方法300は、使用インスタンスの結果を示すパフォーマンスデータを受信するステップを含み、該パフォーマンスデータは定められた組のパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関連するものである。これら装置使用データ及び/又はパフォーマンスデータは、本明細書で説明したセンサ108のうちの1以上から受信され得る。方法300は、ステップ306において、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上が、各々、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータから、定められた閾値量を超えて相違するとの判定に応答して、ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップを有する。
【0070】
図4は、パーソナルケア装置102のユーザとインタラクトするための方法等の、方法400の他の例のフローチャートである。方法400も、コンピュータ実施方法を含むことができ、上述した方法300の1以上のステップを含み得る。
【0071】
ステップ306において生成されたユーザ入力要求は、ユーザインターフェース118を介してユーザに提示され得る。種々の実施形態によれば、ユーザ入力要求は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上の確認のための要求;及び定められた組の知覚されたパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関連する当該使用インスタンスのユーザの知覚された結果の指示情報の要求;のうちの少なくとも1つを含み得る。幾つかの例において、当該方法は、例えば受信された装置使用データが履歴データの平均から逸脱する場合に、ユーザに提示されるべきガイダンス(例えば、提案)を生成するステップを含むことができる。
【0072】
ユーザは、上記ユーザ入力要求に応答して、入力をユーザインターフェース118を介して、又は任意の他の適切な入力装置を介して供給することができる。ステップ402において、方法400は、パーソナルケア装置の使用インスタンスに関連するユーザ入力を受信するステップを含み得る。例えば、受信されるユーザ入力は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上を確認することができ、及び/又は受信されるユーザ入力は、当該使用インスタンスのユーザの知覚された結果を示し得る。方法400は、更に、ステップ404において、受信されたユーザ入力に従って前記の定められた閾値量を調整するステップを含み得る。例えば、当該ユーザ入力に基づいて、現在の閾値量はユーザ入力要求が過度に頻繁に生成される結果になると判断された場合、該閾値量は調整さる得る。
【0073】
ユーザ入力要求は、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上の確認を求める要求を含むことができる。他の例において、ユーザ入力要求は、定められた組の知覚されたパフォーマンスパラメータのうちの1以上に関連する、当該使用インスタンスのユーザの知覚された結果の指示情報を求める要求を含むことができる。
【0074】
パーソナルケア装置がシェービング装置である例において、各々の知覚されたパフォーマンスパラメータは、当該シェービング装置を使用して達成された髭剃りの知覚された綿密さ;当該使用インスタンスに起因する何らかの知覚された皮膚刺激の兆候;及び当該使用インスタンス後の知覚された快適さの指標;を含む群から選択される結果パラメータを含む。同様に、パーソナルケア装置がシェービング装置である例において、各結果パラメータは、当該シェービング装置を使用して達成された髭剃りの綿密さ;当該使用インスタンスに起因する皮膚刺激の兆候;及び当該使用インスタンスに起因する皮膚の発赤の兆候;を有する群から選択される結果パラメータを含み得る。
【0075】
各装置使用パラメータは、パーソナルケア装置の動き;パーソナルケア装置によりユーザの身体の表面に加えられる圧力;パーソナルケア装置の移動速度;及びパーソナルケア装置の動きの方向;を有する群から選択される使用パラメータを含み得る。
【0076】
他の例において、方法300、400は、本明細書で説明された様々な構成要素(例えば、プロセッサ110)により実行される機能に対応する他のステップを含み得る。例えば、方法400は、ステップ406に、使用インスタンス中におけるパーソナルケア装置のユーザの環境を示すコンテキストデータを受信するステップを更に含み得る。ステップ408において、方法400は、上記コンテキストデータが記憶された基準コンテキストデータから定められた閾値量を超えて相違するとの決定に応答して、ユーザ入力要求を生成するステップを更に含み得る。
【0077】
方法400は、ステップ410において、受信された装置使用データ及び受信されたパフォーマンスデータのうちの1以上が、各々、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータから、2以上の装置使用パラメータ又はパフォーマンスパラメータに関して、定められた閾値量を超えて相違するとの決定に応答して、ユーザに提示されるべきユーザ入力要求を生成するステップを含むことができ、該ユーザ入力要求は、最大の決定された差違に対応する装置使用パラメータ又はパフォーマンスパラメータに関するものである。例えば、先に表1に示したように、受信されたデータが記憶されたデータから複数のパラメータに関して相違する場合、ユーザは最大の差違を有するパラメータに関して入力を供給するように求められる。これが、対処すべき最も重要な問題であると考えられるからである。
【0078】
幾つかの実施形態において、記憶された基準装置使用データ及び記憶された基準パフォーマンスデータのうちの少なくとも1つは、ユーザによる当該パーソナルケア装置の少なくとも1つの以前の装置使用インスタンスに関連するデータを含む。例えば、ユーザによる各使用インスタンス中に測定されたデータは、記憶され、将来の使用インスタンスにおいて測定されるデータと比較する基準データとして使用され得る。
【0079】
他の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供される。図5は、コンピュータ可読媒体504と通信するプロセッサ502の一例の概略図である。様々な実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は非一時的コンピュータ可読媒体504を含み、該コンピュータ可読媒体は内部に具現化されたコンピュータ可読コードを有し、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサ502により実行された場合に、該コンピュータ又はプロセッサに本明細書に開示された方法300、400のステップを実行させるように構成される。プロセッサ502は、前述したプロセッサ110を含むか、又はそれに類似するものであり得る。
【0080】
プロセッサ110、502は、本明細書に記載の方法で装置200を制御するように構成又はプログラムされた1以上のプロセッサ、処理ユニット、マルチコアプロセッサ又はモジュールを備えることができる。特定の実装において、プロセッサ110、502は、本明細書に記載の方法の個々の又は複数のステップを実行するように各々構成された、又は実行するための複数のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールを備えることができる。
【0081】
本明細書で使用される「モジュール」という用語は、特定の機能を実行するように構成されたプロセッサ又はプロセッサのコンポーネント等のハードウェアコンポーネント、又はプロセッサにより実行された際に特定の機能を有する一群の命令データ等のソフトウェアコンポーネントを含むことを意図している。
【0082】
本発明の実施形態は、本発明を実施するように適合されたコンピュータプログラム、特に担体上又は担体内のコンピュータプログラムにも適用されることが理解されよう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形式等のソース及びオブジェク中間コードの形式、又は発明の実施形態による方法の実施化に使用するのに適した何らかの他の形式であり得る。そのようなプログラムは、多くの異なるアーキテクチャ設計を有し得ることも理解されるであろう。例えば、本発明による方法又はシステムの機能を実装するプログラムコードは、1以上のサブルーチンに細分することができる。これらのサブルーチン間で機能を分配する多くの異なる方法は、当業者には明らかであろう。サブルーチンは、自己完結型のプログラムを形成するために、1つの実行可能ファイルにまとめて格納することができる。そのような実行可能ファイルは、コンピュータ実行可能命令、例えばプロセッサ命令及び/又はインタプリタ命令(例えばJavaインタプリタ命令)を含むことができる。代わりに、サブルーチンの1以上又は全てを、少なくとも1つの外部ライブラリファイルに格納し、例えば実行時に静的又は動的にメインプログラムとリンクすることができる。メインプログラムは、サブルーチンの少なくとも1つへの少なくとも1つの呼び出しを含む。サブルーチンは、互いへの関数呼び出しも含み得る。コンピュータプログラム製品に関する実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの少なくとも1つの方法の各処理段階に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分され得、及び/又は静的若しくは動的にリンクされ得る1以上のファイルに格納され得る。コンピュータプログラム製品に関する他の実施形態は、本明細書に記載のシステム及び/又は製品の少なくとも1つの各手段に対応するコンピュータ実行可能命令を含む。これらの命令は、サブルーチンに細分され得、及び/又は静的若しくは動的にリンクされ得る1以上のファイルに格納され得る。
【0083】
コンピュータプログラムの担体は、プログラムを担持できる任意のエンティティ又は装置であり得る。例えば、該担体は、ROM、例えばCD ROM若しくは半導体ROM、又は磁気記録媒体、例えばハードディスク等のデータ記憶部を含み得る。更に、該担体は、電気若しくは光ケーブルを介して、又は無線若しくは他の手段により伝達され得る、電気若しくは光信号等の伝送可能な担体であり得る。プログラムがそのような信号に具現化される場合、担体は、そのようなケーブル又は他の装置又は手段により構成され得る。代わりに、担体は、プログラムが埋め込まれた集積回路であってもよく、該集積回路は、関連する方法を実行するように適合されるか、又はその実行に使用される。
【0084】
開示された実施形態に対する変形は、図面、開示及び添付請求項を精査することにより、本明細書に記載の原理及び技法を実践する当業者により理解され、実行され得る。請求項において、「有する(含む)」という言葉は他の要素又はステップを除外するものではなく、単数形は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に記載された幾つかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又はその一部として供給される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体等の適切な媒体により格納又は配布され得るのみならず、インターネット又はその他の有線若しくは無線通信システムを介して等のように、他の形態で配布することもできる。請求項における参照記号は、当該範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】