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▶ フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】発光ダイオードの保護層
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/44 20100101AFI20231017BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20231017BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20231017BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H01L33/44
H01L33/08
H01L33/50
G09F9/33
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521342
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 US2021050219
(87)【国際公開番号】W WO2022076133
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】17/066,278
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ガーウェン,マリヌス ヨハネス ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ミッソン,ロンジャ
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン,ヨルク
(72)【発明者】
【氏名】ベクテル,ハンス-ヘルムート
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5C094AA08
5C094BA23
5C094CA19
5C094DA13
5C094ED13
5C094FB02
5C094FB14
5F142BA32
5F142CB22
5F142CB23
5F142CD02
5F142CG14
5F142DA14
5F142DA72
5F142DA73
5F142DB24
5F142DB32
5F142DB38
5F142DB58
5F142FA26
5F142GA29
5F241AA07
5F241AA44
5F241CA04
5F241CA40
5F241CA75
5F241CA77
5F241CB22
5F241CB23
5F241CB36
5F241FF06
(57)【要約】
粒子層が、発光ダイオードの光出力面の上に位置付けられる。透明な保護層が、光出力面と粒子層との間で光出力面および粒子層と接触して位置付けられる。粒子層は、多数の光学的に散乱する或いは発光する粒子と、多数の材料を被覆する透明な材料の薄いコーティング層とを含む。粒子は、約1.0μmよりも大きく且つ約30.μm未満であるD50によって特徴付けられる。コーティング層は、約0.20μm未満の厚さを有する。保護層は、約0.07μm未満の厚さであり、コーティング層の材料と異なる1つ以上の材料を含む。保護層およびコーティング層は、それぞれ、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含むことができる。対応する光出力面に対する、酸化物前駆体の反応性は、コーティング層材料のためよりも、保護層材料のためにより少ない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)各半導体発光ダイオードが対応する光出力面を有する、1つ以上の半導体発光ダイオードと、
(b)各光出力面の上に位置付けられ、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50によって特徴付けられる複数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、前記複数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層であって、約0.30μm未満の厚さを有するコーティング層とを含む、対応する粒子層と、
(c)各光出力面と前記対応する粒子層との間で各光出力面および前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する透明な保護層であって、約0.07μm未満の厚さであり、前記コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む、保護層と、を含む、
装置。
【請求項2】
(i)各保護層の材料は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、(ii)前記コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、且つ(iii)各保護層の材料は、前記コーティング層の材料を特徴付ける酸化物前駆体反応性よりも少ない、前記対応する光出力面に対する1つ以上の酸化物前駆体反応性によって特徴付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
(i)前記保護層の材料は、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、(ii)前記コーティング層の材料は、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、且つ(iii)各光出力面は、GaN、AlN、AlGaN合金、GaP、AlGaP、またはAlInGaP合金材料表面である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記保護層は、HfOを含み、前記コーティング層は、Alを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上の半導体発光ダイオードは、対応する光出力面を有する半導体発光ダイオードのアレイを形成し、各発光ダイオードは、(i)約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、且つ(ii)前記アレイの隣接する発光ダイオードから約0.10ミリメートル未満だけ分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
各発光ダイオードは、約5μm未満の厚さのn-ドープ層、活性層、およびp-ドープ層の組み合わせ厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の粒子は、発光性の粒子を含み、各粒子層は、前記対応する発光ダイオードの対応する蛍光体波長変換層を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記対応する粒子層上で前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する蛍光体波長変換層を更に含み、各粒子層は、前記対応する蛍光体波長変換層を前記対応する保護層に接着する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コーティング層材料は、各光出力面の屈折率と整合するか或いはほぼ整合する屈折率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
(A)1つ以上の半導体発光ダイオードの各半導体発光ダイオードの対応する光出力面上に、各光出力面と接触する対応する透明な保護層を形成するステップであって、前記保護層は、約0.07μm未満の厚さである、保護層を形成するステップと、
(B)各光出力面上の前記対応する保護層上に、前記対応する保護層上で前記対応する保護層と接触して位置付けられる対応する粒子層を形成するステップであって、各保護層は、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50によって特徴付けられる複数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、前記複数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層とを含み、該コーティング層は、約0.30μm未満の厚さを有し、前記保護層は、前記コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む、
方法。
【請求項11】
(A’)前記保護層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、1つ以上の対応する保護層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成され、
(B’)前記コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、前記1つ以上の保護層酸化物前駆体とは異なる1つ以上の対応するコーティング層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成され、且つ
(C’)前記1つ以上の保護層酸化物前駆体は、前記1つ以上のコーティング層酸化物前駆体が示す酸化物前駆体反応性よりも少ない、前記対応する光出力面に対する反応性を示す、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化物前駆体は、1つ以上のハロゲン化物金属またはハロゲン化物半導体、アミド類、アルキルアミド、またはアルコキシド、または有機金属化合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(i)前記保護層の材料は、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、(ii)前記コーティング層の材料は、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、且つ(iii)各光出力面は、GaN、AlN、AlGaN合金、GaP、AlGaP、またはAlInGaP合金材料表面である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
(i)前記保護層は、HfOを含み、(ii)前記保護層酸化物前駆体は、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMe)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMeEt))またはテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(Hf(NEt)のうちの1つ以上を含み、(iii)前記コーティング層は、Alを含み、且つ(iv)前記コーティング層酸化物前駆体は、トリメチルアルミニウム(Al(CH)またはジメチルアルミニウム水素化物(HAl(CH)のうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の半導体発光ダイオードは、対応する光出力面を有する半導体発光ダイオードのアレイを形成し、各発光ダイオードは、(i)約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、且つ(ii)前記アレイの隣接する発光ダイオードから約0.10ミリメートル未満だけ分離される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
各発光ダイオードは、約5μm未満の厚さのn-ドープ層、活性層、およびp-ドープ層の組み合わせ厚さを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の粒子は、発光性の粒子を含み、各粒子層は、前記対応する発光ダイオードの対応する蛍光体波長変換層を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
対応する粒子層を用いて、各光出力面上の前記対応する保護層に、前記対応する粒子層上で前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する蛍光体波長変換層を接着することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記コーティング層材料は、各光出力面の屈折率と整合するか或いはほぼ整合する屈折率を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
各対応する保護層および前記コーティング層は、約150℃未満の温度で形成される、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、発明者Meyer el atおよび出願人Lumileds LLCの名前で2020年10月8日に出願された「Protection layer for a light emitting diode」という名称の米国非仮出願第17/066,278号の優先権を主張し、当該出願は、その全体が本明細書に記載されているかのように参照により援用されている。
(技術分野)
本発明は、概して、発光ダイオードおよび蛍光変換発光ダイオードに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光ダイオードおよびレーザダイオード(本明細書では「LED」と総称する)は、現在利用可能な最も効率的な光源のうちの1つである。LEDの発光スペクトルは、典型的には、デバイスの構造によって並びにデバイスが構成される半導体材料の組成によって決定される波長で単一の狭いピークを示す。デバイス構造および材料系の適切な選択により、LEDは、紫外波長、可視波長、または赤外波長で作動するように設計されることがある。
【0003】
LEDは、LEDによって放射された光を吸収し、相応して、より長い波長の光を放射する、1つ以上の波長変換材料(本明細書では一般的に「蛍光体(phosphors)」と称する)と組み合わされることがある。そのような蛍光体変換LEDs(「pcLEDs」)について、蛍光体によって吸収されるLEDによって放射される光の割合は、LEDによって放射される光の光路中の蛍光体材料の量、例えば、LED上または周囲に配置される蛍光体層中の蛍光体材料の濃度および層の厚さに依存する。
【0004】
蛍光体変換されたLEDは、LEDによって放射された光の全てが1つ以上の蛍光体によって吸収されるように設計されることがあり、その場合、pcLEDからの発光は、完全に蛍光体からである。そのような場合、蛍光体は、例えば、LEDによって直接的に効率的に生成されない狭いスペクトル領域の光を放射するように選択されることがある。
【0005】
代替的に、pcLEDsは、LEDによって放射された光の一部のみが蛍光体によって吸収されるように設計されることがあり、その場合、pcLEDからの発光は、LEDによって放射された光と蛍光体によって放射された光との混合物である。LED、蛍光体、および蛍光体組成の適切な選択により、そのようなpcLEDは、例えば、所望の色温度(color temperature)および所望の演色特性(color-rendering properties)を有する白色光を放射するように設計されることがある。
【0006】
複数のLEDは、アレイを形成するために単一の基板上に一緒に形成されることができる。そのようなアレイは、スマートフォンおよびスマートウォッチ、コンピュータディスプレイまたはビデオディスプレイ、またはサイネージにおいて利用されるもののような、アクティブ照明ディスプレイを形成するために利用されることができる。1ミリメートル当たり1つまたは幾つかまたは多くの個別デバイス(例えば、約1ミリメートル、数百ミクロン、または100ミクロン未満のデバイスピッチ、および100ミクロン未満または数十ミクロン以下の隣接デバイス間の間隔)を有するアレイは、典型的には、miniLEDアレイまたはmicroLEDアレイ(代替的にμLEDアレイ)と称される。そのようなminiLEDアレイまたはmicroLEDアレイは、多くの場合、上述のような蛍光体変換器(コンバータ)も含むことができ、そのようなアレイは、以下の説明では、pc-miniまたはpc-microLEDアレイと称されることができる。
【発明の概要】
【0007】
1つ以上の半導体発光ダイオードの各々について、対応する粒子層が、各発光ダイオードの対応する光出力面の上に位置付けられる。対応する透明な保護層が、各光出力面と対応する粒子層との間で各光出力面および対応する粒子層と接触して位置付けられる。粒子層は、多数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、多数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層とを含む。粒子は、約1.0μmよりも大きく且つ約30.μm未満であるD50によって特徴付けられ、コーティング層は、約0.20μm未満の厚さを有する。保護層は、約0.07μm未満の厚さであり、コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む。保護層の材料は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含むことができ、コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含むことができる。保護層の材料は、コーティング層の材料を特徴付ける酸化物前駆体反応性よりも少ない、対応する光出力面に対する1つ以上の酸化物前駆体反応性によって特徴付けられることができる。1つ以上の発光ダイオードは、対応する保護層および粒子層と共に、LEDアレイ、pcLEDアレイ、miniLEDアレイ、pc-miniLEDアレイ、microLEDアレイ、またはpc-microLEDアレイとして構成されることができる。
【0008】
LED、pcLED、miniLEDアレイ、pc-miniLEDアレイ、microLEDアレイ、およびpc-microLEDアレイに関する目的および利点は、図面に例示され且つ以下の記述または添付の特許請求の範囲に開示される例示的な実施形態を参照するときに明らかになることがある。
【0009】
この要約は、発明を実施するための形態で以下に更に説明される簡略化された形態において概念の選択を導入するために提供される。この要約は、特許請求される主題事項の主要な構成または本質的な構成を特定することを意図するものでなく、特許請求される主題事項の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的なpcLEDの概略断面図を示している。
【0011】
図2A】pcLEDの例示的なアレイの断面概略図を示している。
図2B】pcLEDの例示的なアレイの頂面概略図を示している。
図2C】例示的なminiLEDまたはmicroLEDアレイの頂面概略図およびアレイの3×3LEDの拡大された部分を示している。
図2D】基板上にモノリシックに形成された例示的なpc-miniLEDまたはpc-microLEDアレイの幾つかのLEDの斜視図を示している。
【0012】
図3A】pcLEDsのアレイが実装されることがある例示的なエレクトロニクス基板の概略頂面図を示している。
図3B図3Aのエレクトロニクス基板上に実装されたpcLEDsの例示的なアレイを同様に示している。
【0013】
図4A】導波路および投影レンズに関して配置されたpcLEDsの例示的なアレイの概略断面図を示している。
図4B】導波路を伴わない、図4Aの配置と同様の配置を示している。
【0014】
図5A】半導体LEDと、粒子層とを含み、LEDと粒子層との間に保護層がない、例示的なLEDの概略断面図を示している。
図5B】半導体LEDと、粒子層とを含み、LEDと粒子層との間に保護層がない、例示的なLEDの概略断面図を示している。
図5C】半導体LEDと、粒子層とを含み、LEDと粒子層との間に保護層がない、例示的なLEDの概略断面図を示している。
【0015】
図6A】半導体LEDと、粒子層とを含み、LEDと粒子層との間に保護層がある、例示的なLEDの概略断面図を示している。
図6B】半導体LEDと、粒子層とを含み、LEDと粒子層との間に保護層がある、例示的なLEDの概略断面図を示している。
図6C】半導体LEDと、粒子層とを含み、LEDと粒子層との間に保護層がある、例示的なLEDの概略断面図を示している。
【0016】
図7A】半導体LEDと粒子層との間に保護層を含む例示的なpcLEDを製造するための例示的な方法におけるステップを概略的に示している。
図7B】半導体LEDと粒子層との間に保護層を含む例示的なpcLEDを製造するための例示的な方法におけるステップを概略的に示している。
図7C】半導体LEDと粒子層との間に保護層を含む例示的なpcLEDを製造するための例示的な方法におけるステップを概略的に示している。
【0017】
図8】LEDと粒子層との間に保護層を有するLEDsおよびLEDと粒子層との間に保護層を有さないLEDsの対照的な信頼性結果を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図示される実施形態は、概略的にのみ示されており、全ての構成(features)は、完全に詳細に示されていないことがあり、或いは適切な比率で示されていないことがある。明確にするために、特定の構成または構造(structures)は、他のものと比較して誇張されるか或いは縮小されることがあり、或いは全体的に省略されることがある。図面は、縮尺通りとして明示的に示されていない限り、縮尺通りであると考えられるべきでない。例えば、個々のLEDは、それらの横方向の広がりに対して或いは基板または蛍光体の厚さに対して、それらの垂直方向の寸法または層の厚さにおいて誇張されることがある。図示の実施形態は、単なる例であり、本開示または添付の特許請求の範囲の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【0019】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面において、同一の参照番号は、異なる図面を通じて同様の要素を指す。必ずしも縮尺通りでない図面は、選択的な実施形態を描いており、本発明の範囲を限定することは意図されていない。詳細な説明は、限定としてではなく、一例として、本発明の原理を例示する。
【0020】
図1は、本明細書では全体的に「LED」と考えられる、基板104上に配置された半導体ダイオード構造102と、LED上に配置された波長変換構造(例えば、蛍光体層)106とを含む、個々のpcLED100の例を示している。半導体ダイオード構造102は、典型的には、n型層とp型層との間に配置された活性領域(active region)を含む。ダイオード構造に亘る適切な順方向バイアスの印加は、活性領域からの光の放射をもたらす。放射される光の波長は、活性領域の組成および構造によって決定される。
【0021】
LEDは、例えば、青色光、紫色光、または紫外光を放射するIII-窒化物LEDであってよい。任意の他の適切な材料系から形成され、任意の他の適切な波長の光を放射するLEDも、使用されてよい。他の適切な材料系は、例えば、III-リン化物材料、III-ヒ化物材料、およびII-VI材料を含むことがある。
【0022】
pcLEDからの所望の光学出力に依存して、任意の適切な蛍光体材料が使用されてよい。
【0023】
図2Aおよび図2Bは、それぞれ、基板202上に配置された、各々が蛍光体ピクセル(画素)106を含む、pcLEDs100のアレイ200の断面図および頂面図を示している。そのようなアレイは、任意の適切な方法で配置された任意の適切な数のpcLEDsを含むことがある。図示の例において、アレイは、共有基板上にモノリシックに形成されたように描かれているが、代替的に、pcLEDsのアレイは、別個の個々のpcLEDsから形成されることがある。基板202は、任意に、LEDを駆動するためのCMOS回路構成を含むことがあり、任意の適切な材料から形成されることがある。
【0024】
図3Aおよび図3Bに示されるように、pcLEDアレイ200は、エレクトロニクス基板300(electronics board)上に取り付けられることがあり、エレクトロニクス基板は、電力および制御モジュール302と、センサモジュール304と、LED取り付け領域306とを含む。電力および制御モジュール302は、外部ソースから電力および制御信号を受け取り、センサモジュール304から信号を受け取り、それらに基づいて、電力および制御モジュール302は、LEDsの動作を制御する。センサモジュール304は、任意の適切なセンサ、例えば、温度センサまたは光センサから信号を受信することがある。代替的に、pcLEDアレイ200は、電力モジュールおよび制御モジュールとセンサモジュールとは別の基板(board)(図示せず)に取り付けられてよい。
【0025】
個々のpcLEDsは、任意に、蛍光体層に隣接して位置するか或いは蛍光体層上に配置されるレンズまたは他の光学素子との組み合わせにおいて組み込んでよく、或いは配置されてよい。そのような光学素子は、図には示されていないが、「一次光学素子(primary optical element)」と称されることがある。加えて、図4Aおよび図4Bに示されるように、(例えば、エレクトロニクス基板300上に取り付けられた)pcLEDアレイ200が、意図される用途における使用のために、導波路、レンズまたはそれらの両方のような、二次光学素子(secondary optical elements)との組み合わせにおいて配置されてよい。図4Aにおいて、pcLED100によって放射される光は、導波路402によって集められ、投影レンズ404に方向付けられる。投影レンズ404は、例えば、フレネルレンズであってよい。この構成(arrangement)は、例えば、自動車ヘッドライトにおける使用に適している。図4Bにおいて、pcLED100によって放射される光は、介在する導波路を使用することなく、投影レンズ404によって直接的に集められる。この構成は、pcLEDsが互いに十分に近接して間隔を置くことができるときに特に適することがあり、自動車ヘッドライト用途およびカメラフラッシュ用途においても使用されることがある。miniLEDまたはmicroLEDディスプレイ用途は、例えば、図4Aおよび図4Bに示されるものと同様の光学構成を使用することがある。一般に、光学素子の任意の適切な構成が、所望の用途に依存して、本明細書に記載されるpcLEDとの組み合わせにおいて使用されてよい。
【0026】
図1Aは、例えば、100×100行列(マトリクス)、200×50行列、対称行列、非対称行列マトリクスなどのような、任意の適用可能な構成における、10,000ピクセルを超えるピクセルを含むことがある。本明細書に開示される実施形態を実装するために、ピクセル、行列、および/または基板の複数のセットが、任意の適用可能なフォーマットで構成されてもよいことも理解されるであろう。
【0027】
図2Aおよび図2Bは、9個のpcLEDsの3×3アレイを示しているが、そのようなアレイは、例えば、図2Cに概略的に示すように、10、10、10またはそれよりも多くのオーダで含むことができる。個々のLED911(すなわち、ピクセル)は、例えば、1ミリメートル(mm)以下、500ミクロン以下、100ミクロン以下、または50ミクロン以下の、アレイ900の平面内の幅w(例えば、側面の長さ)を有することがある。アレイ900内のLED911は、例えば、数百ミクロン、100ミクロン以下、50ミクロン以下、20ミクロン以下、10ミクロン以下、または5ミクロン以下の、アレイ900の平面内の幅wを有するストリート(道)、レーン、またはトレンチ913によって互いに離間されることがある。ピクセルピッチDは、wとwとの和である。図示された例は、対称行列において構成された矩形ピクセルを示しているが、ピクセルおよびアレイは、任意の適切な形状または個性を有してよい。LEDの複数の別々のアレイは、任意の適切なフォーマットにおいて任意の適用可能な構成において組み合わされてよい。
【0028】
約0.10ミリメートルミクロン以下のアレイの平面における寸法w(例えば、側面の長さ)を有するLEDは、典型的には、microLEDと称され、そのようなmicroLEDのアレイは、microLEDアレイと称されることがある。約0.10ミリメートル~約1.0ミリメートルの間のアレイの平面内の寸法w(例えば、側面の長さ)を有するLEDは、典型的には、miniLEDと称され、そのようなminiLEDのアレイは、miniLEDアレイと称されることがある。
【0029】
LED、miniLED、またはmicroLEDのアレイ、またはそのようなアレイの一部分は、個々のLEDピクセルがトレンチおよび/または絶縁材料によって互いに電気的に絶縁されるセグメント化されたモノリシック構造として形成されることがある。図2Dは、そのようなセグメント化されたモノリシックアレイ1100の一例の斜視図を示している。このアレイ内のピクセルは、n-コンタクト1140を形成するように充填されるトレンチ1130によって分離される。モノリシック構造は、基板1114(substrate)上に成長されるか或いは配置される。各ピクセルは、p-コンタクト1113、p-GaN半導体層1112、活性領域1111、およびn-GaN半導体層1110を含む。波長変換器材料1117が、半導体層1110(または他の適用可能な介在層)上に堆積されることがある。パッシベーション層1115が、n-コンタクト1140の少なくとも一部分を半導体の1つ以上の層から分離するために、トレンチ1130内に形成されることがある。n-コンタクト1140またはトレンチ内の他の材料は、n-コンタクト1140または他の構造または材料がピクセル間に完全なまたは部分的な光学隔離バリア1120(optical isolation barriers)を提供するように、変換器材料1117内に延在することがある。
【0030】
LEDアレイ内の個々のLED(ピクセル)は、個々にアドレス指定可能であってよく、アレイ内のピクセルのグループまたはサブセットの部分としてアドレス指定可能であってよく、或いはアドレス指定可能でなくてよい。よって、発光ピクセルアレイは、光分布の微細粒強度(fine-grained intensity)、空間的および時間的制御を必要とする、或いはそれらから利益を享受する、あらゆる用途にとって有用である。これらの用途は、ピクセルブロックまたは個々のピクセルから放射される光の正確な特別なパターン化を含むことがあるが、これに限定されない。用途に依存して、放射される光は、スペクトル的に別個であってよく、経時的に適応的であってよく、且つ/或いは環境的に応答的であってよい。発光ピクセルアレイは、様々な強度パターン、空間的パターンまたは時間磁気パターンにおいて予めプログラムされた光分布を提供することがある。放射される光は、受信されるセンサデータに少なくとも部分的に基づいてよく、光学無線通信のために使用されてよい。関連するエレクトロニクスおよび光学系は、ピクセル、ピクセルブロック、またはデバイスレベルで別個であってよい。
【0031】
幾つかの異なる理由のために、(1つ以上の半導体層102Bと1つ以上の半導体層102Cとの間に活性発光領域102Aを含む)半導体発光ダイオード102の光出力面102D上に粒子層505(particle layer)を形成することが望ましい場合がある。粒子層505は、粒子505A上に薄い透明なコーティング層505Bを含む。粒子505Aは、光学的に散乱する粒子または発光粒子またはそれらの両方であることができ、任意の適切な1つ以上の材料(例えば、ガラス、セラミック、結晶または多結晶など)を含むことができる。幾つかの例において、粒子層505は、LEDの光出力面上に波長変換蛍光体層を形成し、コーティング層505Bは、(例えば、図5Aに図示され且つ米国特許出願第15/802,273号および16/887,618号に開示されるように)粒子505Aを互いに並びに光出力面102Dに結合するように機能することができる。好適に大きな屈折率を持つコーティング材料を選択することによって、蛍光体層505の散乱効率を増加させることができ、それは、例えば、(例えば、米国特許出願第16/887,618号に開示されるように)アレイの隣接する発光ダイオード間のコントラストを増加させるために有益であり得る。幾つかの例において、粒子層505は、(例えば、図5Bに図示され且つ米国特許出願第15/802,273号に開示されるように)別個の波長変換蛍光体層106を発光ダイオード102の光出力面102Dに接着するように配置されることができる。幾つかの例において、粒子層505は、発光ダイオード102Dの光出力面と屈折率整合されるか(index-matched)或いはほぼ屈折率整合されるので、粒子層505は、(例えば、図5Cに図示され且つ米国特許出願第16/597,455号に開示されるように)光出力面102Dを通じた発光ダイオード102からの光の抽出を強化する光学結合構造として作用する。この段落で述べた3つの特許出願の各々は、その全体が参照により援用される。
【0032】
粒子505Aは、典型的には、例えば、約0.10μmより大きく且つ約20.μm未満であるD50(すなわち、中央値横方向寸法(median transverse dimension)によって特徴付けられる、サブミクロン~ミクロンスケールである。粒子505Aは、任意の適切な方法において、例えば、スプレーコーティング、沈降などによって、光出力面102Dに塗布されることができる。次に、コーティング層505Bは、粒子505Aおよび光出力面102Dの部上に堆積される。コーティング層505Bを堆積させるために、共形(コンフォーマル)堆積プロセスが使用されるので、それは粒子505Aの全ての側面を被覆する一方で、十分に薄いまま(例えば、約0.30μm未満)である。進むことが可能にされるならば、堆積されたコーティング層材料505Bは、粒子505A間の空隙を満たすことができる。典型的には、原子層堆積(ALD)または他の適切な化学気相堆積(CVD)プロセスが、コーティング層材料505Bを堆積するために使用される。典型的なALD反応は、(少なくとも)2つの部分に分けられる。第1のステップにおいて、酸化物前駆体(金属または半導体)が反応器(reactor)に送られ、表面上の反応基と吸着し且つ/或いは反応し、実質的に全ての未反応または吸着前駆体分子が反応器パージ(reactor purging)によって除去される。第2のステップにおいて、酸素源(例えば、水またはオゾン)は反応器内に送られ、粒子表面上の金属または半導体源と反応する。反応器付勢(reactor urging)は、実質的に全ての残存する酸素源分子および縮合反応によって形成される加水分解生成物を除去す。2のステップは、表面反応の自己制限的性質の故に原子層(または単分子層(monolayer))を形成する。これらの原子層反応ステップを複数回繰り返して、最終ALDコーティングを形成する。ALDプロセスの段階的な性質は、蛍光体粒子のような大きなアスペクト比を持つ構造上および構造内でも共形コーティングを可能にする。ALDプロセスは、調整された光学特性を持つ多成分層(multicomponent layers)またはナノラミネート(nanolaminates)を形成するために異なる酸化物前駆体を反応器に連続的に供給することによって、異なる組成の層の堆積を更に可能にする。
【0033】
幾つかの例において、コーティング層材料505Bは、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含む。適切な材料の例は、例えば、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、TiO、Ta、Nb、V、Y、またはZrOを含むことができる。ALDおよび他のCVDプロセスでは、所望の材料を表面上に堆積させるために反応する様々な酸化物前駆体が(気体形態において)利用される。酸化物前駆体の例は、例えば、1つ以上の金属または半導体ハロゲン化物、アミド類(amides)、アルキルアミド、またはアルコキシド、または他の金属、半導体、または有機金属化合物(炭素と金属またはメタロイド(半金属)との間の少なくとも1つの結合を含む有機金属化合物)を含む。特定の前駆体の例は、Al(CH、HAl(CH、Hf(N(CH、Hf(N(CH、TaCl、Ta(N(CH、ZrCl、Zr(N(CH、TiCl、Ti(OCH、Ti(OCH4)、SiCl、HN(CH、Si(OEt)、Si(OEt)、tert-(ブチルイミド)-トリス(ジエチルアミノ)-ニオブ、またはトリス(エチルシクロペンタジエニル)イットリウムを含むが、これらに限定されない。
【0034】
しかしながら、幾つかの例では、特定の酸化物前駆体への光出力面102D(典型的には、III-V半導体の表面)の露出がその表面を劣化させて、デバイス寿命または信頼性の低下を引き起こし得ることが観察されている。そのような劣化は、例えば、トリメチアルミニウム(TMA;Al(CH)を用いたGaNベースの発光ダイオードの光出力面へのAl2O3の堆積後に顕著である。コーティング層材料505Bの堆積中に光出力面102Dのそのような劣化を低減するか或いは防止することが望ましい。
【0035】
従って、(活性領域102Aと半導体層102Bおよび102Cとを含む)半導体発光ダイオード102と、粒子層505とを含む発光装置100が、その発光面102D上に、光出力面102Dおよび粒子層505の間でそれらと接触して、(例えば、図6A図6Bおよび図6Cにおけるような)保護層103を更に含むことができる。粒子層505は、光出力面102D上に位置付けられ、多数の粒子505Aと、薄いコーティング層505Bとを含む。粒子505Aは、光学的に散乱する(optically scattering)ことができ、発光性(luminescent)であることができ、或いはそれらの両方であることができ、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50(すなわち、中央値サイズ)によって特徴付けられる。透明材料のコーティング層505Bは、粒子505Aを被覆し、約0.30μm未満の厚さ、または約0.20μm未満の厚さ、または約0.10μm未満の厚さである。透明な保護層103は、光出力面102Dと粒子層505との間でそれらと接触して位置付けられる。保護層103は、約0.07μm未満の厚さ、約0.05μm未満の厚さ、約0.03μm未満の厚さ、または約0.020μm未満の厚さであり、コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む。保護層103が複数の材料を含む例において、それらの材料は、保護層103の複数の別個の副層として配置されることができ、そのような例において、それらの層の各々は、約0.020μm未満の厚さ、または約0.010μm未満の厚さであることができる。
【0036】
複数の対応する保護層103と粒子層505とを持つ複数のLED102が、LEDアレイ、miniLEDアレイ、またはmicroLEDアレイとして構成されることができる。miniLEDアレイとして構成されるならば、各発光ダイオード102は、約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、アレイの隣接する発光ダイオード102から約0.10ミリメートル未満だけ離間される。microLEDアレイとして構成されるならば、各発光ダイオード102は、(i)約0.10ミリメートル未満または約0.05ミリメートル未満の横方向寸法を有し、(ii)アレイの隣接する発光ダイオードから約0.05ミリメートル未満、約0.020ミリメートル未満、または約0.010ミリメートル未満だけ分離される。幾つかの例において、アレイの発光ダイオード102の各々は、約5.0μm未満の厚さである層102A/102B/102Cの組み合わされた厚さを有する。
【0037】
多くの例において、保護層103の材料は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、多くの例において、コーティング層505Bは、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含む。保護層103の材料は、対応する光出力面102Dに対する1つ以上の酸化物前駆体反応性(reactivities)によって特徴付けられ、それらはコーティング層505Bの材料を特徴付けるそのような酸化物前駆体反応性よりも小さい。そのような材料を選択することによって、光出力面の劣化を低減または除去することができる。保護層103のより反応性の低い酸化物前駆体は反応して、光出力面102Dの劣化がより少ないか或いは劣化がないその層を形成することができる。光出力面102Dはそのように保護されるので、コーティング層505Bは、光出力面102Dを劣化させることなく(或いは更に劣化させることなく)、その対応する酸化物前駆体を用いて形成されることができ、その劣化(または更なる劣化)は、光出力面102Dをコーティング層505Bの酸化物前駆体との接触から遮蔽する保護層103の存在によって防止される。
【0038】
幾つかの例において、保護層103の材料は、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含むことができる。それらの材料の層、特にそれらの材料から選択される異なる材料の複数の層は、水またはトリメチルアルミニウム(TMA、酸化アルミニウム前駆体)のような、気体に対して殆ど不透過性である密なピンホールのない層を形成することが知られている。そのような不透過性の層は、保護層103を形成するために望ましいことがある。幾つかの例において、コーティング層505Bの材料は、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrO2からなる群から選択される1つ以上の材料を含むことができる。保護層103のための1つ以上の特定の材料の選択は、高屈折率材料505Bのために使用される材料によって制約され得る。例えば、TiO2が高屈折率材料505Bとして使用されるならば、異なる材料が保護層505Bのために使用され、対応する酸化物前駆体は、TiOよりも反応性が低い。幾つかの例において、光出力面102Dは、GaN、AlN、AlGaN合金、GaP、AlGaP、AlInGaP合金、または他のIII-V半導体材料表面である。幾つかの例において、保護層103は、HfOを含み、コーティング層505Bは、Alを含む。
【0039】
(例えば、図6Aにおけるような)幾つかの例において、粒子505Aは、発光性粒子(ルミネッセンス粒子)を含み、粒子層505は、対応する発光ダイオードの対応する蛍光体波長変換層を形成する。コーティング層材料505Bは、粒子505Aを互いに並びに光出力面102Dに接着する。この構成は、図5Aの構成に類似しており、光出力面102Dと波長変換蛍光体層505との間に保護層103が追加されている。
【0040】
(例えば、図6Bにおけるような)幾つかの例では、別個の蛍光体波長変換層106が、粒子層505上に粒子層505と接触し位置付けられ、粒子505Aは、発光性粒子であり得るが、そうである必要はない。コーティング材料505Bは、粒子505Aを互いに、光出力面102Dに、並びに蛍光体層106に接着し、粒子層505は、波長変換層106を保護層103に、よって、LED102に接着するように機能する。その構成は、図5Bの構成に類似しており、光出力面102Dと接着/粒子層505との間に保護層103が追加されいる。
【0041】
(例えば、図6Cにおけるような)幾つかの例において、コーティング層材料505Bは、光出力面102Dの屈折率と一致するか或いはほぼ一致する屈折率を有することができる。そのような例において、粒子層505は、光学結合構造として作用して、光出力面102Dを通じるLED102からの光の抽出を強化する。その構成は、図5Cの構成に類似しており、光出力面102Dと光学結合構造505との間に保護層103が追加されている。幾つかの例において、粒子層505は、(例えば、図6Cにおけるような)光学結合構造および(例えば、図6Bにおけるような)接着層の両方として同時に機能し得ることに留意のこと。
【0042】
上述のLEDs102またはアレイのいずれも、先ず、光出力面102D上に保護層103を形成し、次に、保護層103上に粒子層505を形成することによって製造されることができる。粒子層505は、典型的には、先ず、粒子505Aを保護層103に塗布し、次に、(例えば、図7A図7Cに概略的に示すように)コーティング材料層505Bを堆積させることによって形成される。図7Aの断面図では、保護層103が、ALDまたは他の適切なCVDプロセスを使用して、半導体LED102の光出力面102D上に形成されている。図7Bでは、単一層の粒子505Aが、任意の適切なプロセスを使用して、例えば、沈降によって、保護層103上に堆積され、他の例では、複数層の粒子505Aが、堆積されることができる。図7Cにおいて、高屈折率材料505Bは、図7Cに示されるように(並びに上述のように)、粒子上に共形コーティングを形成するために、例えば、ALDによって堆積させる。図8は、HfO保護層103を持つLEDおよびHfO保護層103を持たないLEDの対照的な信頼性結果を示している。85℃で1アンペアで作動されると、保護LEDは、約50時間の動作後にほぼ完全に回復するのに対し、保護されていないLEDは、有意な非可逆的な劣化を示す。
【0043】
幾つかの例において、保護層103は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、1つ以上の対応する保護層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成されることができる。幾つかの例において、コーティング層505Bは、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、1つ以上の保護層酸化物前駆体とは異なる1つ以上の対応するコーティング層酸化物前駆体を使用して、原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成される。保護層酸化物前駆体は、対応する光出力面102Dに対する反応性を示し、それらは1つ以上のコーティング層酸化物前駆体によって示されるそのような酸化物前駆体反応性よりも小さい。換言すれば、保護層103を形成することは、コーティング層505Bを形成することよりも、光出力面102Dに対する損傷がより少なく、幾つかの場合には、保護層103を形成することは、全く損傷を与えないことがある。コーティング層505Bの堆積中の保護層103の存在は、コーティング層酸化物前駆体による光出力面102Dへの損傷を低減し或いは防止する。
【0044】
幾つかの例において、(i)保護層は、HfOを含み、(ii)保護層酸化物前駆体は、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NME)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMEEt))、またはテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(Hf(NEt)のうちの1つ以上を含み、(iii)コーティング層は、Alを含み、且つ(iv)コーティング層酸化物前駆体は、トリメチルアルミニウム(Al(CH)またはジメチルアルミニウム水素化物(HAl(CH)の1つ以上を含む。
【0045】
幾つかの場合において、保護層103および高屈折率材料505Bのための材料の選択は、堆積プロセスについて許容される反応条件に対する制限によって制約され得る。幾つかの例では、LEDのアレイ102は、保護層103および粒子層505を形成する前に、駆動または制御回路基板(例えば、CMOS TFT基板)上に取り付けられることができる。回路基板上の電子コンポーネントの一部または全部は、過剰な加熱に耐えることができないので、幾つかの例において、保護層103およびコーティング層は、約150℃未満の温度で形成される。
【0046】
この開示は、例示的なものであり、限定的でない。更なる修正は、この開示に照らして当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。
【0047】
上記に加えて、以下の例示的な実施形態は、本開示または添付の特許請求の範囲の範囲内で入る。
【0048】
例1.(a)各半導体発光ダイオードが対応する光出力面を有する、1つ以上の半導体発光ダイオードと、(b)各光出力面の上に位置付けられ、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50によって特徴付けられる複数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、複数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層であって、約0.30μm未満の厚さを有するコーティング層とを含む、対応する粒子層と、(c)各光出力面と対応する粒子層との間で各光出力面および対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する透明な保護層であって、約0.07μm未満の厚さであり、コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む、保護層と、を含む、装置。
【0049】
例2.(i)各保護層の材料は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、(ii)コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、且つ(iii)各保護層の材料は、コーティング層の材料を特徴付ける酸化物前駆体反応性よりも少ない、対応する光出力面に対する1つ以上の酸化物前駆体反応性によって特徴付けられる、例1に記載の装置。
【0050】
例3.(i)保護層の材料は、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、(ii)コーティング層の材料は、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、且つ(iii)各光出力面は、GaN、AlN、AlGaN合金、GaP、AlGaP、またはAlInGaP合金材料表面である、例2または3に記載の装置。
【0051】
例4.保護層は、HfOを含み、コーティング層は、Alを含む、例1~3のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0052】
例5.1つ以上の半導体発光ダイオードは、対応する光出力面を有する半導体発光ダイオードのアレイを形成し、各発光ダイオードは、(i)約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、且つ(ii)アレイの隣接する発光ダイオードから約0.10ミリメートル未満だけ分離される、例1~4のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0053】
例6.1つ以上の半導体発光ダイオードは、対応する光出力面を有する半導体発光ダイオードのアレイを形成し、各発光ダイオードは、(i)約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、且つ(ii)アレイの隣接する発光ダイオードから約0.05ミリメートル未満だけ分離される、例1~5のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0054】
例7.各発光ダイオードは、約5μm未満の厚さのn-ドープ層、活性層、およびp-ドープ層の組み合わせ厚さを有する、例1~6のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0055】
例8.複数の粒子は、発光性の粒子を含み、各粒子層は、対応する発光ダイオードの対応する蛍光体波長変換層を形成する、例1~7のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0056】
例9.対応する粒子層上で前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する蛍光体波長変換層を更に含み、各粒子層は、対応する蛍光体波長変換層を対応する保護層に接着する、例1~8のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0057】
例10.コーティング層材料は、各光出力面の屈折率と整合するか或いはほぼ整合する屈折率を有する、例1~9のうちのいずれか1つに記載の装置。
【0058】
例11.(A)1つ以上の半導体発光ダイオードの各半導体発光ダイオードの対応する光出力面上に、各光出力面と接触する対応する透明な保護層を形成するステップであって、保護層は、約0.07μm未満の厚さである、保護層を形成するステップと、(B)各光出力面上の対応する保護層上に、対応する保護層上で対応する保護層と接触して位置付けられる対応する粒子層を形成するステップであって、各保護層は、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50によって特徴付けられる複数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、複数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層と、を含み、コーティング層は、約0.30μm未満の厚さを有し、保護層は、コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む、方法。
【0059】
例12.(A’)保護層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、1つ以上の対応する保護層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成され、(B’)コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、1つ以上の保護層酸化物前駆体とは異なる1つ以上の対応するコーティング層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成され、且つ(C’)1つ以上の保護層酸化物前駆体は、1つ以上のコーティング層酸化物前駆体が示す酸化物前駆体反応性よりも少ない、対応する光出力面に対する反応性を示す、例11に記載の方法。
【0060】
例13.酸化物前駆体は、1つ以上のハロゲン化物金属またはハロゲン化物半導体、アミド類、アルキルアミド、またはアルコキシド、または有機金属化合物を含む、例12に記載の方法。
【0061】
例14.1つ以上の保護層酸化物前駆体または1つ以上のコーティング層前駆体は、Al(CH、HAl(CH、Hf(N(CH、Hf(N(CH、TaCl、Ta(N(CH、ZrCl、Zr(N(CH、TiCl、Ti(OCH、Ti(OEt)、SiCl、HN(CH、Si(OEt)、Si(OEt)、第3-(ブチルイミド)-トリス(ジエチルアミノ)-ニオブ、またはトリス(エチルシクロペンタジエニル)イットリウムのうちの1つ以上を含むことができる、例12または13の方法。
【0062】
例15.(i)保護層は、HfOを含み、(ii)保護層酸化物前駆体は、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMe)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMeEt))またはテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(Hf(NEt)のうちの1つ以上を含み、(iii)コーティング層は、Alを含み、且つ(iv)コーティング層酸化物前駆体は、トリメチルアルミニウム(Al(CH)またはジメチルアルミニウム水素化物(HAl(CH)のうちの1つ以上を含む、例11~14のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0063】
例16.対応する粒子層を用いて、各光出力面上の対応する保護層に、対応する粒子層上で対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する蛍光体波長変換層を接着することを更に含む、例11~15のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0064】
例17.各対応する保護層およびコーティング層は、約150℃未満の温度で形成される、例11~16のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0065】
開示された例示的な実施形態および方法の均等物は、本開示または添付の特許請求の範囲の範囲内で入るはずであることが意図される。開示される例示的な実施形態および方法、ならびにそれらの均等物は、本開示または添付の特許請求の範囲の範囲内に留まりながら修正される場合があることが意図される。
【0066】
前述の詳細な説明では、本開示を合理化する目的のために、様々な構成(features)が幾つかの例示的な実施形態に一緒にグループ化されることがある。この開示方法は、任意の特許請求される実施形態が、対応する請求項において明示的に引用されるよりも多くの構成を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、発明的な主題は、単一の開示された例示的な実施形態のすべての構成よりも少なくある場合がある。従って、本開示は、1つ以上の構成の任意の適切なサブセットを有するあらゆる実施形態を暗示的に開示するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に開示されていないことがあるサブセットを含むそれらの構成は、本出願に図示され、記載され、或いは特許請求される。構成の「適切な」サブセットは、そのサブセットの任意の他の構成に対して矛盾せず相互に排他的でない構成のみを含む。従って、添付の特許請求の範囲は、それらの全体が詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の開示された実施形態としてそれ自体で有効である。加えて、添付の従属項の各々は、詳細な説明への請求項の前記組み込みによる開示の目的だけのために、多数従属形式で記載され、矛盾しない全ての先行する請求項に従属するかのように解釈されるべきである。添付の特許請求の範囲の累積的な範囲は、本出願に開示される主題の全体を包含することができるが、必ずしも包含するわけでないことが更に留意されるべきである。
【0067】
以下の解釈は、本開示および添付の特許請求の範囲の目的のために適用されるものとする。「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という語、およびそれらの変形は、それらが現れる場所の如何にかかわらず、オープンエンドの用語として解釈されるべきであり、明示的に別段の記載がない限り、それらの各インスタンスの後に「少なくとも」のような語句が付加された場合と同じ意味を有する。冠詞「a」は、「1つのみ」、「単一の」または他の類似の限定が特定の文脈において明示的に記載されているか或いは黙示的でない限り、「1つ以上」と解釈されるべきである。同様に、定冠詞「the」は、「そのうちの1つのみ」、「その単一の1つ」または他の類似の限定が特定の文脈において明示的に記載されているか或いは黙示的でない限り、「その1つ以上」と解釈されるべきである。「または」という接続詞は、(i)例えば、「~または~のいずれか」、「~のうちの1つのみ」または類似の言語の使用によって、他のことが明示的に言及されていない限り、或いは、(ii)列挙された選択肢のうちの2つ以上が、特定の文脈内で互換性がないか或いは相互に排他的であると(暗示的にまたは明示的に)理解されるか或いは開示されていない限り、包括的に解釈されるべきである。その後者の場合、「または」は、相互に排他的でない代替を含むそれらの組み合わせのみを含むものと理解される。一例において、「イヌまたはネコ」、「イヌまたはネコの1以上」、および「1以上のイヌまたはネコ」の各々は、いかなるネコも伴わない1以上のイヌ、または如何なるイヌも伴わない1以上のネコ、または各々の1以上として解釈される。別の例において、「イヌ、ネコ、またはマウス」、「イヌ、ネズミ、またはマウスの1以上」、および「1つ以上のイヌ、ネコ、またはマウス」の各々は、(i)如何なるネコまたはマウスも伴わない1以上のイヌ、(ii)如何なるイヌまたはマウスも伴わない1以上のネコ、(iii)如何なるイヌまたはネコも伴わない1以上のマウス、(iv)如何なるマウスも伴わない1以上のイヌおよび1以上のネコ、(v)如何なるネコも伴わない1以上のイヌおよび1以上のマウス、(vi)如何なるイヌも伴わない1以上のネコおよび1以上のマウス、または(vii)1以上のイヌ、1以上のネコ、および1以上のマウスとして解釈される。別の例では、「イヌ、ネコ、またはマウスのうちの2以上」または「2以上のイヌ、ネコ、またはマウス」の各々は、(i)如何なるマウスも伴わない1以上のイヌおよび1以上のネコ、(ii)如何なるネコも伴わない1以上のイヌおよび1以上のマウス、(iii)如何なるイヌも伴わない1以上のネコおよび1以上のマウス、または(iv)1以上のイヌ、1以上のネコ、および1以上のマウスとして解釈され、「3つ以上」、「4つ以上」などは、同様に解釈される。
【0068】
本開示または添付の特許請求の範囲の目的のために、「ほぼ等しい」、「実質的に等しい」、「ほぼ等しい」、「約~よりも大きい」、「約~よりも少ない」などのような用語が使用されるとき、数値量に関して、異なる解釈が明示的に記載されない限り、測定精度および有効桁に関する標準条約が当て嵌まる。「実質的に防止される」、「実質的に存在しない」、「実質的に除去される」、「ほぼゼロに等しい」、「無視できる」などのような語句によって記述されるヌル量について、各々のそのような語句は、問題の量が、開示される或いは特許請求される装置または方法の意図された動作または使用の文脈において実際の目的のために、装置または方法の全体的な挙動または性能が、ヌル量が実際に完全に除去された、ゼロに等しい、或いは他の方法で正確にヌルされていたならば生じたであろうものと相違しない程度に、減少された或いは除去された場合を意味する。
【0069】
本開示および添付の特許請求の範囲の目的のために、一実施形態、例、または請求項の要素、ステップ、制限、または他の部分の如何なるラベル付け(例えば、第1、第2、第3など、(a)、(b)、(c)など、または(i)、(ii)、(iii)など)も、明確性の目的のためにのみであり、そのようにラベル付けされる部分のいかなる種類の順序付けまたは優先権も暗示するものと解釈されてならない。いずれかのそのような順序付けまたは優先権が意図されるならば、それは、その実施形態、例、または請求項において明示的に記載されるか、或いは、幾つかの場合には、その実施形態、例、または請求項の特定の文脈に基づいて暗黙的であるか或いは固有のものである。添付の特許請求の範囲において、35USC§112(f)の規定が装置の請求項において発動されることが望まれるならば、「手段」という語がその装置の請求項において現れる。それらの規定が方法の請求項において発動されることが望まれるならば、「~のためのステップ」という語は、その方法の請求項において現れる。反対に、「手段」または「~のためのステップ」という語が請求項において現れないならば、35USC§112(f)の規定は、その請求項について発動されることは意図されていない。
【0070】
いずれか1つ以上の開示が参照により本明細書に組み込まれ、そのような組み込まれた開示が、本開示と部分的もしくは全体的に矛盾するか或いは本開示と範囲が異なるならば、矛盾、より広い開示または用語のより広い定義の範囲まで、本開示は支配する。そのような組み込まれた開示が互いに部分的にまたは全体的に矛盾するならば、矛盾の範囲まで、後日の開示が支配する。
【0071】
要約は、特許文献内の特定の主題事項を調査する者の助けとして、必要に応じて提供される。しかしながら、要約は、そこに記載されるあらゆる要素、構成、または限定が、あらゆる特定の請求項によって必ず包含されることを暗示することを意図しない。各請求項によって包含される主題事項の範囲は、その請求項のみの記載によって決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)各半導体発光ダイオードが対応する光出力面を有する、1つ以上の半導体発光ダイオードと、
(b)各光出力面の上に位置付けられ、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50によって特徴付けられる複数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、前記複数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層であって、約0.30μm未満の厚さを有するコーティング層とを含む、対応する粒子層と、
(c)各光出力面と前記対応する粒子層との間で各光出力面および前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する透明な保護層であって、約0.07μm未満の厚さであり、前記コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む、保護層と、を含む、
装置。
【請求項2】
(i)各保護層の材料は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、(ii)前記コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、且つ(iii)各保護層の材料は、前記コーティング層の材料を特徴付ける酸化物前駆体反応性よりも少ない、前記対応する光出力面に対する1つ以上の酸化物前駆体反応性によって特徴付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
(i)前記保護層の材料は、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、(ii)前記コーティング層の材料は、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、且つ(iii)各光出力面は、GaN、AlN、AlGaN合金、GaP、AlGaP、またはAlInGaP合金材料表面である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記保護層は、HfOを含み、前記コーティング層は、Alを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上の半導体発光ダイオードは、対応する光出力面を有する半導体発光ダイオードのアレイを形成し、各発光ダイオードは、(i)約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、且つ(ii)前記アレイの隣接する発光ダイオードから約0.10ミリメートル未満だけ分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
各発光ダイオードは、約5μm未満の厚さのn-ドープ層、活性層、およびp-ドープ層の組み合わせ厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の粒子は、発光性の粒子を含み、各粒子層は、前記対応する発光ダイオードの対応する蛍光体波長変換層を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記対応する粒子層上で前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する蛍光体波長変換層を更に含み、各粒子層は、前記対応する蛍光体波長変換層を前記対応する保護層に接着する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コーティング層材料は、各光出力面の屈折率と整合するか或いはほぼ整合する屈折率を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
(A)1つ以上の半導体発光ダイオードの各半導体発光ダイオードの対応する光出力面上に、各光出力面と接触する対応する透明な保護層を形成するステップであって、前記保護層は、約0.07μm未満の厚さである、保護層を形成するステップと、
(B)各光出力面上の前記対応する保護層上に、前記対応する保護層上で前記対応する保護層と接触して位置付けられる対応する粒子層を形成するステップであって、各粒子層は、約0.10μmよりも大きく且つ約20.μm未満であるD50によって特徴付けられる複数の光学的に散乱するまたは発光性の粒子と、前記複数の粒子を被覆する透明な材料の薄いコーティング層とを含み、該コーティング層は、約0.30μm未満の厚さを有し、前記保護層は、前記コーティング層の材料とは異なる1つ以上の材料を含む、
方法。
【請求項11】
(A’)前記保護層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、1つ以上の対応する保護層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成され、
(B’)前記コーティング層は、1つ以上の金属酸化物または半導体酸化物を含み、前記1つ以上の保護層酸化物前駆体とは異なる1つ以上の対応するコーティング層酸化物前駆体を使用して原子層堆積または化学気相堆積を使用して形成され、且つ
(C’)前記1つ以上の保護層酸化物前駆体は、前記1つ以上のコーティング層酸化物前駆体が示す酸化物前駆体反応性よりも少ない、前記対応する光出力面に対する反応性を示す、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化物前駆体は、1つ以上のハロゲン化物金属またはハロゲン化物半導体、アミド類、アルキルアミド、またはアルコキシド、または有機金属化合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(i)前記保護層の材料は、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、(ii)前記コーティング層の材料は、Al、HfO、SiO、Ga、GeO、SnO、CrO、Nb、TiO、Ta、V、Y、およびZrOからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、且つ(iii)各光出力面は、GaN、AlN、AlGaN合金、GaP、AlGaP、またはAlInGaP合金材料表面である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
(i)前記保護層は、HfOを含み、(ii)護層酸化物前駆体は、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMe)、テトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウム(Hf(NMeEt))またはテトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム(Hf(NEt)のうちの1つ以上を含み、(iii)前記コーティング層は、Alを含み、且つ(iv)ーティング層酸化物前駆体は、トリメチルアルミニウム(Al(CH)またはジメチルアルミニウム水素化物(HAl(CH)のうちの1つ以上を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の半導体発光ダイオードは、対応する光出力面を有する半導体発光ダイオードのアレイを形成し、各発光ダイオードは、(i)約1.0ミリメートル未満の横方向寸法を有し、且つ(ii)前記アレイの隣接する発光ダイオードから約0.10ミリメートル未満だけ分離される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
各発光ダイオードは、約5μm未満の厚さのn-ドープ層、活性層、およびp-ドープ層の組み合わせ厚さを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の粒子は、発光性の粒子を含み、各粒子層は、前記対応する発光ダイオードの対応する蛍光体波長変換層を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
対応する粒子層を用いて、各光出力面上の前記対応する保護層に、前記対応する粒子層上で前記対応する粒子層と接触して位置付けられる対応する蛍光体波長変換層を接着することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記コーティング層材料は、各光出力面の屈折率と整合するか或いはほぼ整合する屈折率を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
各対応する保護層および前記コーティング層は、約150℃未満の温度で形成される、請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】