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特表2023-544628運転者データに依存して走行機能を動作させる車両運転システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】運転者データに依存して走行機能を動作させる車両運転システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20231017BHJP
   B60W 30/14 20060101ALI20231017BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20231017BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20231017BHJP
【FI】
G08G1/16 F
B60W30/14
B60W40/08
B60W50/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521722
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2021077588
(87)【国際公開番号】W WO2022078850
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】102020126676.6
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】イュルディズ・ムハンメド
(72)【発明者】
【氏名】ドリナイ・ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】イェンシュ・マルティン
(72)【発明者】
【氏名】アディプラジト・バルトノ
(72)【発明者】
【氏名】ヒェルヒェト・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・マクシミリアン
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ・ユリウス
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA01
3D241BA57
3D241CC03
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE05
3D241DC02Z
3D241DC05Z
3D241DC59Z
3D241DD04Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
5H181LL15
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】信号表示ユニットを信頼性をもってしっかりと考慮するように構成された、車両の自動化された長手方向運転のための走行機能、特に運転者支援機能を提供する。
【解決手段】信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する車両運転システムであって、走行機能の動作中に、車両運転システムが、
-車両100の1つ又は複数の周囲センサの周囲データに基づき、車両100が走行する車線において走行方向における車両の前方に配置された第1の信号表示ユニット200,210を検知するように、
-走行機能の監視時の車両100の運転者の注意力についての運転者データを検出するように、及び
-運転者データに依存して、第1の信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転についての走行機能を動作させるように
構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する車両運転システム(101)であって、走行機能の動作中に、車両運転システム(101)が、
-車両(100)の1つ又は複数の周囲センサ(103)の周囲データに基づき、車両(100)が走行する車線において走行方向における車両の前方に配置された第1の信号表示ユニット(200,210)を検知するように、
-走行機能の監視時の車両(100)の運転者の注意力についての運転者データを検出するように、及び
-運転者データに依存して、第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転についての走行機能を動作させるように
構成されていることを特徴とする車両運転システム。
【請求項2】
車両運転システム(101)が、
-車両(100)の自動化された長手方向運転のための走行機能において第1の信号表示ユニット(200,210)が考慮されることができないことを周囲データに基づいて特定するように、及び
-これに応答して、車両(100)の自動化された長手方向運転のための走行機能において第1の信号表示ユニット(200,210)が考慮されないことについて車両(100)の運転者に通知するために、車両(100)の運転者に利用不可能性出力をもたらすように
構成されており、利用不可能性出力は、運転者データ、特に、運転者データによって示される走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いに依存することを特徴とする請求項1に記載の車両運転システム(101)。
【請求項3】
車両運転システム(101)が、
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも大きいことを運転者データが示す場合に、視覚的な利用不可能性出力のみ、特に利用不可能性表示をもたらすように、及び
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さいことを運転者データが示す場合に、視覚的な利用不可能性出力に加えて、聴覚的及び/又は触覚的な利用不可能性出力をもたらすように
構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両運転システム(101)。
【請求項4】
車両運転システムが、
-視覚的な利用不可能性出力を利用不可能性時点でもたらすように、
-運転者データに基づき、利用不可能性時点での運転者の注意力の度合いを検出するように、及び
-視覚的な利用不可能性出力に加えて、聴覚的及び/又は触覚的な利用不可能性出力がもたらされるかどうかを、利用不可能性時点での運転者の注意力の度合いに基づいて決定するように
構成されていることを特徴とする請求項3に記載の車両運転システム(101)。
【請求項5】
車両運転システム(101)が、
-第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転についての車両(100)の走行挙動の変更を走行機能がもたらすか、又はもたらしたいことを特定するように、及び
-運転者データに依存して、走行挙動の変更についての情報を車両(100)の運転者へ出力するように
構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の車両運転システム(101)。
【請求項6】
車両運転システム(101)が、
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも大きいか、又は小さいかを運転者データに基づいて特定するように、及び
-運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さいことが特定される場合に、特にこの場合にのみ、走行挙動の変更についての情報を車両(100)の運転者へ出力するように
構成されていることを特徴とする請求項5に記載の車両運転システム(101)。
【請求項7】
車両運転システム(101)が、
-第1の信号表示ユニット(200,210)の信号グループ(201)の色が変化したことを周囲データに基づいて特定するように、及び
-これに応答して、特に第1の信号表示ユニット(200,210)における自動化された減速を終了又は開始するために、第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転についての車両(100)の走行挙動の変更を走行機能がもたらすか、又はもたらしたいことを特定するように
構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両運転システム(101)。
【請求項8】
車両運転システム(101)が、
-第1の信号表示ユニット(200,210)が車両(100)の自動化された長手方向運転において既に考慮される変更時点において、走行機能が車両(100)の走行挙動の変更をもたらすか、又はもたらしたいことを特定するように、及び
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いについての運転者データを変更時点において検出するように
構成されていることを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の車両運転システム(101)。
【請求項9】
車両運転システム(101)が、
-第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転についての車両(100)の走行挙動の変更を走行機能がもたらすべきことを周囲データに基づいて特定するように、及び
-運転者データに依存して、車両(100)の走行挙動を自動的に変更するように
構成されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の車両運転システム(101)。
【請求項10】
車両運転システム(101)が、
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも大きいか、又は小さいかを運転者データに基づいて特定するように、及び
-運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも大きいことが特定される場合に、特にこの場合にのみ、走行挙動を自動的に変更するように
構成されていることを特徴とする請求項9に記載の車両運転システム(101)。
【請求項11】
車両運転システム(101)が、
第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転における車両(100)の減速及び/又は加速、特に減速及び/又は加速の時間的な推移を運転者データに依存してもたらすように
構成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の車両運転システム(101)。
【請求項12】
車両運転システム(101)が、
走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さいことを運転者データが示す場合に、第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転に際して、特に第1の信号表示ユニット(200,210)における自動化された減速の開始において、時間的に分離された躍動をもたらすように
構成されていることを特徴とする請求項11に記載の車両運転システム(101)。
【請求項13】
車両運転システム(101)が、
第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の、自動化された減速の開始の時点及び/又は自動化された減速の減速度値を運転者データに依存して設定するように
構成されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の車両運転システム(101)。
【請求項14】
車両運転システム(101)が、
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いの向上につれて、時点が時間的に更に後ろへずらされるように、及び/又は
-走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いの向上につれて、減速度値が高められるように
運転者データに依存して時点及び/又は減速度値を検出するように
構成されていることを特徴とする請求項13に記載の車両運転システム(101)。
【請求項15】
信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する方法(550)であって、走行機能の動作中に、方法(550)が、
-車両(100)の1つ又は複数の周囲センサ(103)の周囲データに基づき、車両(100)が走行する車線において走行方向における車両の前方に配置された第1の信号表示ユニット(200,210)を検知すること(551)、
-走行機能の監視時の車両(100)の運転者の注意力についての運転者データを検出すること(552)、及び
-運転者データに依存して、第1の信号表示ユニット(200,210)における車両(100)の自動化された長手方向運転についての走行機能を動作させること(553)
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号表示ユニットに関連して車両の走行機能、特に運転者支援機能を動作させる車両運転システム及び対応する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両は、車両の運転時、特に長手方向運転時に車両の運転者を支援する1つ又は複数の走行機能を備えることが可能である。車両の長手方向運転を支援する例示的な走行機能は、アダプティブクルーズコントロール(ACC)機能であり、当該アダプティブクルーズコントロール機能は、例えば、車両を設定された設定(セット)走行速度あるいは目標走行速度で、及び/又は車両の前方を走行する先行車両に対して設定された目標距離において長手方向運転するために道路上又は高速道路上で用いられることが可能である。
【0003】
都市範囲では、車両は、道路上での走行において、1つ又は複数の他の交通経路(例えば他の道路、歩道など)を有する、車両が走行する道路のジャンクションにしばしば出会う。ジャンクションには、ジャンクションでの優先通行権を規定する信号灯設備及び/又は交通標識(例えば一時停止標識)が配置されていることがある。優先通行権及び/又はジャンクションへの進入許可あるいはジャンクションの通過許可を設定するための信号灯設備及び/又は交通標識を、本明細書では一般に信号表示ユニットという。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、走行機能の可用性及び/又は安全性及び/又は快適性を向上させるために、信号表示ユニットを信頼性をもってしっかりと考慮するように構成された、車両の自動化された長手方向運転のための走行機能、特に運転者支援機能を提供するという技術的な課題に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
当該課題は、各独立請求項によって解決される。有利な実施形態は、とりわけ従属請求項に記載されている。独立請求項に従属する請求項の追加的な特徴は、独立請求項の特徴なしに、又は独立請求項の特徴の一部との組合せにおいてのみでも、固有の、及び独立請求項の全ての特徴の組合せから独立した発明を形成することができ、当該発明は、独立請求項、分割出願又は後出願の対象に対して行われ得ることを指摘しておく。このことは、独立請求項の特徴のうち1つから独立した発明を形成し得る、明細書に記載された技術的な示唆についても同様に当てはまる。
【0006】
1つの態様によれば、車両の自動化された長手方向運転(長手方向ガイド(加減速、車間距離の制御など))のための走行機能を提供する車両運転システムが説明される。走行機能は、特に、信号表示ユニットにおいて、及び/又は信号表示ユニットと関連して自動化されて車両を長手方向運転するように設定されることが可能である。このとき、走行機能はSAEレベル2により形成されることが可能である。換言すれば、走行機能は、場合によっては、SAEレベル2による、自動化された走行及び/又は(長手方向運転についての)走行支援を提供することが可能である。走行機能は、車両の長手方向運転に制限されることが可能である。車両の横方向運転(横方向ガイド(操舵制御など))は、動作中に、運転者によって手動で、又は別の及び/若しくは別々の走行機能によって(例えばレーンキープアシストによって)提供されることが可能である。
【0007】
車両運転システムは、設定速度あるいは目標速度に従い、及び/又は車両の前方(直前)を走行する先行車両に対する目標距離に従い車両を自動的に長手方向運転するように構成されることが可能である。この目的のために、車両運転システムは速度制御装置を提供することができ、当該速度制御装置によって、設定速度あるいは目標速度に従い車両の実際の速度が調整、特に閉ループ制御される。これに代えて、又はこれに補足して、距離制御装置を提供することができ、当該距離制御装置により、先行車両に対する車両の実際の距離が目標距離に従い調整、特に閉ループ制御される。関連する先行車両がない場合、又は先行車両が設定速度あるいは目標速度よりも高速で走行する場合には、車両の走行速度を閉ループ制御することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、先行車両が設定速度あるいは目標速度よりも低速で走行する場合には、先行車両に対する車両の距離を閉ループ制御することが可能である。したがって、車両運転システムは、アダプティブクルーズコントロール(ACC)運転者支援機能を提供することが可能である。
【0008】
車両あるいは車両運転システムは、車両のユーザ、特に運転者との相互作用のためのユーザインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェースは1つ又は複数の操作要素を含んでおり、当該操作要素は、ユーザが設定速度あるいは目標速度及び/又は目標距離を設定することができるようにするものである。これに代えて、又はこれに補足して、1つ又は複数の操作要素により、ユーザが、あらかじめ設定された設定速度及び/若しくは目標速度並びに/又はあらかじめ設定された車両の目標距離を走行機能の動作のために承認することが可能である。1つ又は複数の操作要素は、運転者の手及び/又は指で操作されるように形成されることが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、1つ又は複数の操作要素は、車両の操舵手段(特にステアリングホイール又はステアリングリンク)に配置されることが可能である。
【0009】
例示的な操作要素は、設定速度及び/又は目標速度あるいは目標距離を増減させることが可能なボタン及び/又はロッカスイッチである。別の例示的な操作要素(特にセット操作要素)は、車両の現在の走行速度を設定速度及び/又は目標速度として設定することができ、あるいは先行車両に対する車両の現在の距離を目標距離として設定することができるボタンである。別の例示的な操作要素(特に復帰操作要素)は、あらかじめ設定された設定速度及び/又は目標速度あるいはあらかじめ設定された目標距離を新たに承認あるいは再作動させることが可能なボタンである。
【0010】
また、ユーザインタフェースは、車両のユーザへの出力をもたらすことが可能な1つ又は複数の出力要素(例えばディスプレイ及び/又はスピーカ及び/又は振動要素)を含むことが可能である。
【0011】
さらに、車両運転システムは、車両が走行する車線(特に道路)及び/又は走行ルートにおける1つ又は複数の信号表示ユニットを自動化された長手方向運転において考慮するように構成されることが可能である。信号表示ユニットは、車両が走行する車線網のジャンクション(特に交差点)における優先通行権を設定するように構成されていることがある。このとき、(例えば信号灯設備、例えばジャンクションにおける車両の1つ又は複数の異なる走行方向に対する1つ又は複数の異なる信号グループを有する交通信号設備のように)優先通行権の設定が一時的に変更可能な場合があるか、又は(例えば交通標識、例えば一時停止標識のように)不変に設定されることが可能である。
【0012】
車両運転システムは、車両の走行方向において前方に位置する信号表示ユニットについてのデータを検出するように構成されることが可能である。当該データは、車両が走行する車線網における信号表示ユニットについての地図データを含むことができる。地図データは、信号表示ユニットについてのそれぞれ1つ又は複数の属性を含むことができる。信号表示ユニットについての1つ又は複数の属性は、
・信号表示ユニットのタイプ、特に信号表示ユニットが信号灯設備であるか、又は交通標識であるか、及び/又は
・信号表示ユニットに配置されているか、あるいは信号表示ユニットに関連付けられている車線網におけるジャンクションでの異なる走行方向についての信号表示ユニットの異なる信号グループの数、及び/又は
・車線網内における信号表示ユニット及び/又は信号表示ユニットの停止線の位置(例えばGPS座標)、及び/又は
・関連する信号表示ユニットに対する停止線の相対的な距離
を示すか、あるいは含むことが可能である。
【0013】
車両運転システムは、車両の位置センサ(例えばGPS受信装置)を用いて車線網内での車両の実際の位置(例えば現在のGPS座標)を検出するように構成されることが可能である。そして、地図データに基づき、車両の走行ルートにおける(例えば次の)信号表示ユニットを検知することが可能である。また、検出された信号表示ユニットについての1つ又は複数の属性を検出することが可能である。
【0014】
これに代えて、又はこれに補足して、車両の走行方向における前方に位置する信号表示ユニットについてのデータが、信号表示ユニットについての周囲データを含むことができるか、あるいは周囲データに基づき検出されることが可能である。周囲データは、車両の1つ又は複数の周囲センサによって検出されることが可能である。例示的な周囲センサは、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサなどである。1つ又は複数の周囲データは、走行方向における車両前方の周囲についてのセンサデータ(すなわち周囲データ)を検出するように構成されることが可能である。
【0015】
車両運転システムは、周囲データに基づき(特にカメラのセンサデータに基づき)、走行方向における車両の前方に信号表示ユニットが配置されていることを検出するように構成されることが可能である。この目的のために、例えば画像解析アルゴリズムを用いることができる。さらに、車両運転システムは、周囲データに基づき信号表示ユニットのタイプ(例えば信号灯設備又は交通標識)を検出するように構成されることが可能である。また、車両運転システムは、周囲データに基づき、信号表示ユニットに関連付けられたジャンクションの通過についての許可に関する信号表示ユニットの(信号表示)状態を検出するように構成されることが可能である。特に、信号灯設備の1つ又は複数の信号グループの色(青、黄又は赤)を検出することが可能である。
【0016】
車両運転システムは、車両の自動化された長手方向運転において検知された信号表示ユニットを考慮するように構成されることが可能である。特に、車両運転システムは、検知された信号表示ユニットについてのデータに基づいて、特にデータにより表示される信号灯あるいは信号表示ユニットの信号グループの色に基づき、車両が信号表示ユニットにおいて、特に信号表示ユニットの停止線において停止する必要があるか否かを特定するように構成されることが可能である。例えば、車両に関連する信号グループが赤であるため車両が停止する必要があることを検知することが可能である。これに代えて、車両に関連する信号グループが青であるため車両は停止する必要がないことを検知することが可能である。別の一例では、信号表示ユニットが一時停止標識であるため車両が停止する必要があることを検知することが可能である。
【0017】
また、車両運転システムは、車両が信号表示ユニットにおいて停止する必要があることが特定される場合に、検知された信号表示ユニットにおいて車両を自動化して停止させるように構成されることが可能である。この目的のために、(停止状態までの)自動化された減速過程をもたらすことが可能である。このとき、車両は、自動化されて、信号表示ユニットの停止線まで、あるいは停止線の手前まで運転されることが可能である。自動化された減速過程中には、車両を(停止状態まで)制動するために、1つ又は複数のホイールブレーキ(例えば1つ若しくは複数の摩擦ブレーキ又は1つ若しくは複数の回生ブレーキ)が車両運転システムによって制御される。このとき、もたらされる減速の時間的な推移は、検知された信号表示ユニットまでの利用可能な制動距離に依存することができる。
【0018】
これに代えて、又はこれに補足して、車両運転システムは、車両が信号表示ユニットにおいて停止する必要がないことが特定される場合に、車両が信号表示ユニットにおいて通過して、特に信号表示ユニットの停止線を越えて長手方向運転されるように構成されることが可能である。このとき、設定速度あるいは目標速度に従い、及び/又は先行車両に対する目標距離に従い、速度制御及び/又は距離制御を継続することが可能である。
【0019】
したがって、車両運転システムは、信号表示ユニットを考慮してACC走行機能を提供するように構成されることが可能である。本明細書では、走行機能は、アーバンクルーズコントロール(UCC)とも呼ばれる。
【0020】
既に上述したように、車両運転システムは、走行機能において、目標速度に依存して、及び/又は車両の前方を走行する先行車両に対する目標距離に依存して車両を自動的に長手方向運転するように構成されることが可能である。また、車両運転システムは、(場合によっては検知された)信号表示ユニットが走行機能において考慮されない場合に、目標速度に依存して及び/又は信号表示ユニットにおける目標距離に依存して、特に信号表示ユニットの信号灯の色にかかわらず、通過して、特に信号表示ユニットの停止線を越えて車両を自動化して長手方向運転するように構成されることが可能である。したがって、走行機能は、(信号表示ユニットが考慮されない場合に)場合によっては、信号表示ユニット(したがってこれに関連するジャンクション)が存在しないかのように動作されることが可能である。
【0021】
車両運転システムにより、運転者が、場合によっては走行機能をユーザインタフェースを介して(例えば設定メニューにおいて)設定することを可能とすることができる。このとき、場合によっては、走行機能が自動的なモードで動作されるべきか、又は手動のモードで動作されるべきかを設定することが可能である。
【0022】
自動的なモードでは、走行機能は、車両運転システムによって検知された、走行方向において前方に位置する信号表示ユニットが走行機能の動作時に自動的に考慮される(及び場合によっては車両の自動化された制動につながる)ように動作されることが可能である。特に、(例えば検出された信号表示ユニットにおける車両の自動化された減速を必要に応じてもたらすために)車両運転システムは、自動化されたモードにおいて、地図データ及び/又は周囲データに基づき検知された信号表示ユニットを自動的に、特に車両のユーザによる承認なしに、車両の自動化された長手方向運転において考慮するように構成されることが可能である。
【0023】
他方で、走行機能は、手動のモードにおいて、検知された信号表示ユニットが車両のユーザによる承認後に初めて車両の自動化された長手方向運転において考慮される(及び場合によっては車両の自動化された減速につながる)ように動作されることが可能である。特に、車両運転システムは、手動のモードにおいて、(車両のユーザインタフェースを介して)検知された信号表示ユニットを考慮することについての提案を車両のユーザへ出力するように構成されることが可能である。例えば、信号表示ユニットが検知されたこと、及び(車両の自動化された長手方向運転において信号表示ユニットが考慮されることをもたらすために)ユーザによる応答が必要であることをディスプレイに表示することが可能である。そして、提案が(例えば操作要素、特にセット操作要素の操作によって)ユーザにより承諾されると、検知された信号表示ユニット(特に信号表示ユニットの信号表示状態)は、信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転において考慮されることが可能である。そして、場合によっては、検知された信号表示ユニットにおける車両の自動化された減速が行われる。他方で、車両運転システムは、提案がユーザによって承諾されない場合に、信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転において、検知された信号表示ユニット(特に信号表示ユニットの信号表示状態)を考慮しない、及び/又は無視するように構成されることが可能である。この場合、速度制御及び/又は距離制御は、(信号表示ユニットを考慮せずに、特に、信号表示ユニットが存在しないかのように)継続されることが可能である。
【0024】
走行機能(特にUCC走行機能)の動作のための異なる(設定可能な)モードを提供することで、走行機能の快適性を更に向上させることが可能である。
【0025】
車両運転システムは、ユーザインタフェースに基づき、走行機能のユーザに走行機能の状態について通知するように形成されることが可能である。特に、車両運転システムによって検知される、走行方向において前方に位置する信号表示ユニットが走行機能の動作時に、特に車両の自動化された長手方向運転時に考慮されるか否かについて走行機能のユーザに通知することが可能である。
【0026】
特に、車両運転システムは、走行方向において前方に位置する信号表示ユニットが走行機能の動作時に考慮されるか、あるいは考慮されることが可能であるか否かを(例えば地図データ及び/又は周囲データに基づき)特定するように構成されることが可能である。信号表示ユニットが考慮されるか、あるいは考慮されることができる場合には、前方に位置する信号表示ユニットが車両の自動化された長手方向運転において考慮される(ひいては信号表示ユニットにおける車両の自動化された減速が必要に応じて行われる)ことをユーザに通知するために、場合によっては利用可能性出力、特に利用可能性表示を発出することが可能である。
【0027】
これに代えて、又はこれに補足して、車両運転システムは、(前方に位置する信号表示ユニットが走行機能において考慮されないか、あるいは考慮されることができない場合に)前方に位置する信号表示ユニットが車両の自動化された長手方向運転において考慮されない(ひいては信号表示ユニットの信号状態に依存して車両の自動化された減速も行われない)ことを車両のユーザに通知するために、(ユーザインタフェースを介して)利用不可能性出力、特に利用不可能性表示を生じさせるように構成されることが可能である。
【0028】
利用可能性出力及び/又は利用不可能性出力の発出により、走行機能の快適性及び安全性を更に向上されることが可能である。このとき、利用可能性出力及び/又は利用不可能性出力は、それぞれ視覚的な出力、聴覚的な出力及び/又は触覚的な出力を含むことができる。
【0029】
車両運転システムは、(例えば車両が信号グループへ向けて走行している間に、又は信号グループにおいて車両が停止している間に)車両の走行方向に関連する信号表示ユニットの信号グループの信号表示状態が変化することを特定するように構成されることが可能である。例えば、赤から青への現示変更が行われることを検知することが可能である。
【0030】
さらに、車両運転システムは、(検知された現示変更に応答して)信号表示ユニットの信号グループの変化した信号表示状態についての情報を車両の運転者に知らせるように構成されることが可能である。例えば、信号グループが赤色を有している限り、ユーザインタフェースの出力要素を介して(特にディスプレイにおいて)、検知された(及び場合によっては自動化された長手方向運転において考慮された)信号表示ユニットを表示することをもたらすことが可能である。そして、青への現示変更が検知された後、表示されたシンボルは、場合によっては撤回されることができるか、あるいは出力を終了することができる。したがって、例えば信号表示ユニットにおける車両の停止後、(場合によっては自動化された)発進過程を(例えばユーザインタフェースの操作要素の操作によって)もたらすことが可能であることを信頼性をもって車両の運転者に知らせることが可能である。このとき、表示の撤回は、走行機能の自動的なモード及び/又は手動のモードにおいて画一的に行われることが可能である。
【0031】
車両運転システムは、走行機能が中止されると、車両の運転者に引継ぎ要求を出力するように構成されることが可能である。例えば、(設定速度及び/若しくは目標速度に依存して、並びに/又は目標距離に依存して)自動化された長手方向運転が継続されることができないか、又は継続されないことを検知することが可能である。例えば、(例えば車両の運転者がブレーキペダル又はアクセルペダルを操作することで)車両の運転者が(本質的に)車両の長手方向運転に介入すると、走行機能の中止が行われ得る。そして、引継ぎ要求(すなわちTake-Over-Request、TOR)を車両の運転者へ出力することが可能である。そして、長手方向運転は、再び運転者によってもたらされることができる。引継ぎ要求の出力によって、車両の動作の安全性を向上させることが可能である。
【0032】
これに代えて、又はこれに補足して、車両の長手方向運転への運転者の手動の介入が予期される場合には、引継ぎ要求を出力することが可能である。例えば、(例えば所定の目標点、例えば信号表示ユニットに到達するために)車両運転システムが長手方向運転をもはや自動的に実行することができないことを検知することが可能である。そして、これに応答して、引継ぎ要求を車両の運転者へ出力することが可能である。
【0033】
既に上述したように、車両運転システムは、走行機能の動作中に、車両の1つ又は複数の周囲センサの周囲データに基づき、車両が走行する車線において走行方向における車両の前方に配置された第1の信号表示ユニットを検知するように構成されることが可能である。
【0034】
また、車両運転システムは、走行機能の監視時の車両の運転者の注意力についての運転者データを検出するように構成されることが可能である。運転者データは、1つ又は複数の運転者センサによって検出されることができる。例えば、運転者センサは、(運転者へ向けられた)カメラ及び/又は運転者のバイタルデータ(例えば脈拍)を測定するバイタルセンサである。運転者データは、運転者の注意力の度合いを示すことができる。特に、車両運転システムは、運転者データに基づき、運転者が走行機能の監視時に十分な注意力を有しているか、又は十分な注意力を有していないかを決定するように構成されることが可能である。
【0035】
また、車両運転システムは、運転者データに依存して、第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転についての走行機能を動作させるように構成されることが可能である。例えば、第1の信号表示ユニットについての情報の出力は、運転者データに依存して行われることができるか、又は防止されることができる。これに代えて、又はこれに補足して、走行機能の自動化度合いを走行データに依存して設定(調整)することが可能である。例えば、運転者データに基づき、走行機能が自動的なモードで動作されるか、又は手動のモードで動作されるかを決定することが可能である。走行機能の動作において、運転者データを考慮することで、走行機能の安全性及び快適性を向上させることが可能である。
【0036】
車両運転システムは、第1の信号表示ユニットが車両の自動化された長手方向運転において既に考慮される変更時点において、走行機能が車両の走行挙動の変更をもたらすか、又はもたらしたいことを特定するように構成されることが可能である。走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いについての運転者データを変更時点において具体的に検出することが可能である。したがって、運転者データは、走行挙動の変更の変更時点に関連付けられることが可能である。したがって、注意力に依存した走行機能の動作を特に精確な態様でもたらすことが可能である。
【0037】
車両運転システムは、(例えば車両の走行方向に関連する信号表示ユニットの信号グループを検知することができないか、又は遅すぎてのみ検知されることができることから)車両の自動化された長手方向運転のための走行機能において第1の信号表示ユニットが考慮されないことを周囲データに基づいて特定するように構成されることが可能である。そして、これに応答して、第1の信号表示ユニットが車両の自動化された長手方向運転のための走行機能において考慮されないことについて車両の運転者に通知するために、車両の運転者に利用不可能性出力をもたらすことが可能である。
【0038】
このとき、利用不可能性出力、特に利用不可能性出力の1つ又は複数の特性は、運転者データ、特に運転者データによって示される走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いに依存することが可能である。有利な一例では、車両運転システムは、走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが所定の注意力閾値よりも大きい場合に視覚的な利用不可能性出力、特に利用不可能性表示(場合によってはこれのみ)をもたらすように構成されている。さらに、車両運転システムは、走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さい場合に、視覚的な利用不可能性出力に加えて、聴覚的及び/又は触覚的な利用不可能性出力をもたらすように構成されることが可能である。
【0039】
したがって、利用不可能性出力が作用する車両の運転者の刺激(の数)は、注意力の低下につれて増大されることが可能である。したがって、走行機能の安全性及び快適性を更に向上させることが可能である。
【0040】
車両運転システムは、利用不可能性時点において視覚的な利用不可能性出力をもたらすように構成されることが可能である。また、運転者データに基づき、運転者の注意力の度合いを利用不可能性時点において検出することが可能である。そして、運転者の注意力の度合いに基づき、特に信頼性をもった態様で、利用不可能性時点において、視覚的な利用不可能性出力に加えて聴覚的及び/又は触覚的な利用不可能性出力がもたらされるかどうかを決定することが可能である。
【0041】
車両運転システムは、(検知された)第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転についての車両の走行挙動の変更を走行機能がもたらすか、又はもたらしたい(あるいは走行機能の監視時の運転者の注意力の十分大きな度合いを運転者が有しているであろうか、あるいは有している場合にもたらされるであろう)ことを特定するように構成されることが可能である。走行挙動の変更は、例えば、自動化された減速又は自動化された加速の中断及び/又は自動化された減速から自動化された加速へ(又はその逆へ)の変更を含むことができる。
【0042】
車両運転システムは、例えば、第1の信号表示ユニットの信号グループ(特に車両の走行方向に関連する信号グループ)の色が変化したことを、周囲データに基づいて特定するように構成されることが可能である。そして、検知された色の変化に応答して、特に第1の信号表示ユニットにおける自動化された減速を終了又は開始するために、走行機能が第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転についての車両の走行挙動の変化をもたらすか、又はもたらしたいことを特定することが可能である。
【0043】
また、車両運転システムは、運転者データに依存して走行挙動の変化(変更)についての情報を車両の運転者へ出力するように構成されることが可能である。車両の走行挙動の変化についての情報の限定的な出力により、走行機能の安全性及び快適性を更に向上させることが可能である。
【0044】
車両運転システムは、特に、運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さい場合に(場合によってはこの場合にのみ)、走行挙動の変化についての情報を車両の運転者へ出力するように構成されることが可能である。他方で、注意力の度合いが比較的大きい(注意力閾値よりも大きい)場合には、情報の出力を省略することができる。したがって、走行機能の特に大きな快適性を生じさせることができる。
【0045】
車両運転システムは、(例えば赤から青への色の変化時に自動化された減速から自動化された加速へ、又はゼロ加速度あるいは低減された加速度へ変更するために)走行機能が第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転についての車両の走行挙動の変化をもたらすべきであることを周囲データに基づいて特定するように構成されることが可能である。
【0046】
さらに、車両運転システムは、運転者データに依存して、車両の走行挙動を自動的に変更するように構成されることが可能である。特に、車両運転システムは、運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも大きい場合に(特にこの場合にのみ)、走行挙動を自動的に変更するように構成されることが可能である。運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さい場合には、場合によっては走行挙動の自動的な変更が行われる。したがって、走行機能の安全性を更に向上させることが可能である。
【0047】
車両運転システムは、第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転における車両の、減速及び/又は加速、特に減速及び/又は加速の時間的な推移を運転者データに依存して(特に注意力の度合いに依存して)もたらし、及び/又は適合させるように構成されることが可能である。したがって、走行機能の安全性及び/又は快適性を更に向上させることが可能である。
【0048】
車両運転システムは、例えば、走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いが注意力閾値よりも小さいことを運転者データが示す場合に、第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転に際して、特に第1の信号表示ユニットにおける自動化された減速の開始において、時間的に分離された躍動(ショック)をもたらすように構成されることが可能である。したがって、運転者の注意力を、信頼性を有し快適な態様で走行機能の監視へ戻すことができるため、走行機能の安全性が高まる。
【0049】
このとき、躍動は、車両の自動化された長手方向運転の(時間的に分離された)変更を含むことができる。特に、車両によって、自動的に、車両の(長手方向の)加速あるいは減速を時間と共に変化させることが可能である。したがって、運転者が知覚することが可能な長手方向の動的な躍動につながる車両の長手方向制御の変化をもたらすことが可能である。このとき、躍動は、専ら運転者に触覚的な信号を伝達するためにもたらされ得る。
【0050】
車両運転システムは、運転者データに依存して、第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された減速の開始の時点及び/又は自動化された減速の減速度値を設定するように構成されることが可能である。このとき、車両運転システムは、走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いの向上につれて、時点が時間的に更に後ろへずらされるように、及び/又は走行機能の監視時の運転者の注意力の度合いの向上につれて、減速度値が高められるように運転者データに依存して時点及び/又は減速度値を検出するか、あるいは適合するように構成されることが可能である。したがって、自動的な介入のダイナミクス及び/又は速度及び/又は期間は、運転者データに依存して適合されることが可能である。特に、自動的な介入のダイナミクス及び/又は速度を、運転者の注意力の度合いが大きくなるにつれて大きくすることができるか、あるいは自動的な介入の期間を、運転者の注意力の度合いが大きくなるにつれて短縮することが可能である。したがって、走行機能の快適性及び安全性を特に向上させることが可能である。
【0051】
別の1つの態様によれば、信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する方法が説明される。方法は、走行機能の動作中に、車両の1つ又は複数の周囲センサの周囲データに基づき、車両が走行する車線において車両の走行方向前方に配置された第1の信号表示ユニットを検知することを含む。さらに、方法は、走行機能の監視時の車両の運転者の注意力についての運転者データを検出することを含む。また、方法は、運転者データに依存して、第1の信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転についての走行機能を動作させることを含む。
【0052】
別の一態様によれば、本明細書で記載される車両運転システムのうち少なくとも1つを含む(道路車両)原動機付き車両(特に自家用車又は貨物自動車又はバス又は自動二輪車)が記載される。
【0053】
別の一態様によれば、ソフトウェア(SW)プログラムが記載される。ソフトウェアプログラムは、プロセッサにおいて(例えば車両の制御機器において)実行されるように、及びこれにより本明細書で記載される方法のうち少なくとも1つを実行するように構成されることが可能である。
【0054】
別の一態様によれば、記憶媒体が記載される。記憶媒体は、プロセッサにおいて実行されるように、及びこれにより本明細書で記載される方法のうち少なくとも1つのを実行するように構成されるソフトウェアプログラムを含むことが可能である。
【0055】
「自動化された走行」という用語は、本明細書の範囲では、自動化された長手方向運転及び横方向運転を伴う走行又は自動化された長手方向運転及び横方向運転を伴う自動走行と理解され得る。自動化された走行は、例えば、高速道路における時間的に比較的長い走行又は駐車若しくは操車における時間的に限定された走行であり得る。「自動化された走行」という用語は、適宜の自動化度合いを有する自動化された走行を含む。例示的な自動化度合いは、支援された走行、部分自動化された走行、高度に自動化された走行又は完全に自動化された走行である。当該自動化度合いは、ドイツ連邦道路交通研究所(BASt)によって規定された(BASt刊行物「Forschung kompakt」、2012年11月発行参照)。支援された走行では、運転者が長手方向運転及び横方向運転を継続的に行う一方、システムは、それぞれ他の機能をある程度の限度において担う。部分自動化された走行(TAF)では、システムがある程度の期間において、及び/又は特別な状況において長手方向運転及び横方向運転を担い、運転者は、支援された走行の場合のようにシステムを継続的に監視する必要がある。高度に自動化された走行(HAF)では、運転者がシステムを継続的に監視する必要なく、システムがある程度の期間において長手方向運転及び横方向運転を担うが、運転者は、ある程度の時間、車両運転を担うことができるようになっている必要がある。完全に自動化された走行(VAF)では、システムが、特別な使用事例のために、全ての状況における走行を自動的に実行し、当該仕様事例のためには運転者はもはや必要ない。上述の4つの自動化度合いは、規格SAE J3016(SAE:Society of Automotive Engineering)のSAEレベル1~4に対応している。例えば、高度に自動化された走行(HAF)は、SAE J3016のレベル3に対応している。また、SAE J3016では、最高の自動化度合いとして更にSAEレベル5が設けられており、当該SAEレベル5は、BAStの定義には含まれていない。SAEレベル5は運転者なしの走行に対応しており、当該走行では、システムが走行中全体において人間の運転者のように全ての状況を実行することができ、一般的に運転者はもはや不要である。本明細書において記載された態様は、特に、SAEレベル2により形成された走行機能あるいは運転者支援機能に関するものである。
【0056】
本明細書に記載される方法、装置及びシステムは、単独でも、また本明細書に記載される他の方法、装置及びシステムとの組合せにおいても用いられることができることに留意すべきである。さらに、本明細書に記載される方法、装置及びシステムの各態様は、様々に互いに組み合わせられることが可能である。特に、請求項の特徴を様々に組み合わせることが可能である。
【0057】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】車両の例示的な構成要素を示す図である。
図2a】例示的な信号灯設備を示す図である。
図2b】例示的な交通標識を示す図である。
図3】例示的な交通状況を示す図である。
図4】例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図5a】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5b】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5c】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5d】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5e】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5f】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5g】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5h】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5i】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図5j】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
図6】信号表示ユニットにおける車両の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0059】
冒頭で説明したように、本明細書は、車両が走行する車線あるいは道路の他の交通路とのジャンクション(合流点)における信号表示ユニットに関連して車両の機能、特に運転者支援システムの信頼性、可用性及び/又は快適性を向上させることに関するものである。
【0060】
図1には、車両100の例示的な構成要素が示されている。車両100は1つ又は複数の周囲センサ103(例えば1つ又は複数の画像カメラ、1つ又は複数のレーダセンサ、1つ又は複数のライダセンサ、1つ又は複数の超音波センサなど)を含んでおり、当該周囲センサは、車両100の周囲に関する(特に車両100前方の走行方向における周囲に関する)周囲データを検出するように構成されている。さらに、車両100は1つ又は複数のアクチュエータ102を含んでおり、当該アクチュエータは、車両100の長手方向運転及び/又は横方向運転に影響を及ぼすように構成されている。例示的なアクチュエータ102は、ブレーキ設備、駆動モータ、操舵部などである。
【0061】
制御ユニット101は、1つ又は複数の周囲センサ103のセンサデータに基づき(すなわち周囲データに基づき)、走行機能、特に運転者支援機能を提供するように構成されることができる。例えば、センサデータに基づき、車両100の走行軌道における障害物を検知することが可能である。それに基づき、制御ユニット101は、車両100を自動化して減速させ、これにより車両100と障害物の衝突を回避するために、1つ又は複数のアクチュエータ102(例えばブレーキ設備)を制御することが可能である。
【0062】
特に、車両100の自動化された長手方向運転に際しては、前方車両のほかに、車両100が走行する車線あるいは道路における1つ又は複数の信号表示ユニット(例えば信号灯設備及び/又は交通標識)を考慮することが可能である。このとき、車両100が、自動化されて、自体の(計画された)走行方向に関連する赤信号においては交通信号の停止線まで減速をもたらし、及び/又は青信号においては(場合によっては再び)加速するように、特に信号灯設備あるいは交通信号設備の現状を考慮することが可能である。
【0063】
信号灯設備は、国が違えば、非常に不均一に構成されることがあるうえ、走行方向-信号灯割り当てに関して異なる複雑性であり得る。したがって、異なる走行方向が、まとめて信号の第1のグループによって、あるいは信号グループによって制御されることができ、他の方向は、他の信号グループによって制御されることが可能である。さらに、信号グループの繰り返される信号は、地理的に交差点の異なる箇所に配置されることがある。そのため、制御ユニット101(本明細書では車両運転システムともいう)にとって、交差点における信号灯設備のどの1つ又は複数の信号が車両100の計画された走行方向について関係があるのか、及び(特に車両100が信号灯設備からまだ比較的遠く離れている場合に)どれが関係ないのかをセンサデータに基づき検知することが困難であり得る。
【0064】
図2aには、例示的な信号灯設備200が示されている。図2aに図示された信号灯設備200は異なる4つの信号機201を備えており、当該信号機は、交差点への進入路における異なる位置に配置されている。左側の信号機201は、左方への矢印202を有しており、これにより、当該信号機201は左折者(車)に適用されるものであることを表示する。中央の2つの信号機201は、上方への矢印202(又は矢印なし)を有しており、これら両信号機201が直進に適用されるものであることを表示する。両信号機201の個々の灯火表示は、信号グループを形成する。さらに、右側の信号機201は、右方への矢印202を有しており、これにより、当該信号機201は右折者(車)に適用されるものであることを表示する。
【0065】
図2aに図示された信号灯設備200は、信号灯設備200のあり得る異なる多数の構成についての単なる一例である。信号灯設備200は、比較的多数の異なる特徴の特色を有し得る。例示的な特徴は、
・信号機201及び/若しくは信号グループの数、
・1つ又は複数の信号機201の位置並びに/又は
・交差点を通過するあり得る走行方向への信号機201の割り当てである。
【0066】
図2bには交通標識210としての例示的な一時停止標識が示されており、当該標識により、交通ジャンクション、特に交差点における優先通行権が規定される。車両100の制御ユニット101は、1つ又は複数の周囲センサ103のセンサデータに基づき(すなわち周囲データに基づき)、及び/又はデジタル地図情報(すなわち地図データ)に基づき、車両100が走行する道路あるいは車線における、車両100の優先通行権に関する交通標識210を検知するように構成されることが可能である。
【0067】
図3には、車線において信号表示ユニット200,201(特に信号灯設備200及び/又は交通標識210)へ向けて移動する車両100が例示的に示されている。車両100の1つ又は複数の周囲センサ103は、信号表示ユニット200,201に関してセンサデータ(特に画像データ)を検出するように構成されることが可能である。そして、センサデータは、信号表示ユニット200,210の1つ又は複数の特徴の特色を検出するために解析されることが可能である。特に、センサデータに基づき、信号表示ユニット200,210が信号灯設備200であるか、又は交通標識210であるかを検出することが可能である。また、信号灯設備200のどの信号機201が車両100の(計画された)走行方向に関連するかを検出することが可能である。さらに、関連する信号機201の(信号表示)状態(例えば、赤、黄、青のような色)を検出することが可能である。
【0068】
周囲データに基づき信号表示ユニット200,210の特徴の特色を検出することが可能である質及び/又は信頼性は、典型的には、信号表示ユニット200,210に対する車両100の距離311に依存する。さらに、現在の気象条件も、典型的には、検出される特徴の特色の質及び/又は信頼性に本質的な影響を有する。そのほか、異なる特徴についての質及び/信頼性は異なっていることがある。
【0069】
車両100は記憶ユニット104を備えることができ、当該記憶ユニットには、車両100が走行する道路網についてのデジタル地図情報(すなわち地図データ)が記憶されている。地図データは、属性として、1つ又は複数の信号表示ユニット200,210の1つ又は複数の特徴の特色を道路網において表示することが可能である。特に、地図データは、信号灯設備200について、あり得る異なる走行方向に対する1つ又は複数の信号機201あるいは信号グループ201の割り当てを表示することが可能である。換言すれば、地図データは、どの信号機あるいはどの信号グループ201がどの走行方向の許可について権限を有するのかを表示することが可能である。地図データは、場合によっては車両100の通信ユニット105を用いて、無線の通信接続(例えばWLAN通信接続又はLTE通信接続)を介して車両100において受信されることが可能である。
【0070】
車両100の制御ユニット101は、(例えば車両100の現在の位置に基づいて、計画された車両ルートに基づいて、及び/又は1つ若しくは複数の周囲センサ103の周囲データに基づいて)車両100が前方に位置する信号表示ユニット200,210へ向けて走行することを検出するように構成されることが可能である。さらに、制御ユニット101は、(記憶された、及び/又は受信された)地図データに基づき、前方に位置する信号表示ユニット200,210の1つ又は複数の特徴の特色を検出することが可能である。特に、地図データに基づき、どの信号機あるいはどの信号グループ201が車両100の現在の、あるいは計画された走行方向に割り当てられているかを検出することが可能である。そのほか、周囲データに基づき、割り当てられた信号機あるいは割り当てられた信号グループ201の現在の状況を検出することが可能である。そして、これに基づき、自動化された走行機能(例えば車両100の自動化された長手方向運転)を信頼性をもって、及び快適に実行することが可能である。特に、地図データを考慮することで、信号表示ユニット200に対して車両100の距離311が比較的大きい場合にも、信号表示ユニット200の1つ又は複数の関連する特徴の特色を検出することができ、これにより、自動化された機能の信頼性、可用性及び快適性を向上させることが可能である。
【0071】
車両100は、車両100が通過するか、又は通過した信号表示ユニット200,210に関する情報を地図データを作成及び/又は補足するために用いるように構成されることが可能である。地図データは、車両100によって局所的に、及び/又は中央ユニット300によって(例えばバックエンドサーバによって)中央で作成及び/又は捕捉されることが可能である(図3参照)。信号表示ユニット200,210の直近では、典型的には、車両100の1つ又は複数の周囲センサ103によって周囲データを検出することができ、当該周囲データは、信号表示ユニット200,210の1つ又は複数の特徴の特色を精確に表示する。特に、直近においては、検出された周囲データに基づき、精確かつ信頼性をもって、信号機あるいは信号グループ201とあり得る走行方向の間の割り当てを特定することが可能である。
【0072】
車両100は、検出された情報(例えば周囲データ及び/又は1つ若しくは複数の特徴の検出された特色)を、無線の通信接続301を介して(各信号表示ユニット200,210についての識別子に関連して、例えば信号表示ユニット200,210の位置に関連して)中央ユニット300へ伝達するように構成されることが可能である。そして、中央ユニット300は、多数の異なる信号表示ユニット200,210についてそれぞれ属性として1つ又は複数の特徴の特色を表示する、多数の車両100の提供される情報に基づいて、地図データを作成し、及び/又は更新することができる。そして、地図データは、(上述したように)自動化された走行機能の動作をサポートするために、個々の車両100に提供されることが可能である。
【0073】
車両100は、典型的には、1つ若しくは複数の操作要素及び/又は1つ若しくは複数の出力要素を有するユーザインタフェース107を含んでいる。図4には、視覚的な情報を出力するための表示ユニット400、特にディスプレイを有する例示的なユーザインタフェース107が示されている。表示ユニット400には、例えば表示ユニット401を介して、前方に位置する信号表示ユニット200,210における車両100の自動的な運転についての提案を出力することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、場合によっては、走行機能の現状(例えば作動又は非作動)を示す表示要素402を提供することが可能である。
【0074】
これに代えて、又はこれに補足して、ユーザインタフェース107は、出力要素として少なくとも1つのスピーカ420を含むことができ、当該スピーカを介して、聴覚的な出力(例えば警告音)を車両100の運転者へ発出することが可能である。
【0075】
さらに、ユーザインタフェース107は1つ又は複数の操作要素411,412,413を含むことができ、当該操作要素は、車両100の運転者が、走行機能を作動させ、及び/又はパラメータ化することを可能にする。例示的な操作要素はロッカスイッチ411であり、当該ロッカスイッチは、運転者が車両100についての設定速度(すなわち目標走行速度)を設定すること、特に増減させることを可能とするものである。別の例示的な操作要素はセット操作要素412であり、当該セット操作要素は、運転者が現在の走行速度を設定速度として設定し、及び/又は前方に位置する信号表示ユニット200,210における車両100の自動的な運転についての提案を承諾することを可能とするものである。また、ユーザインタフェース107は復帰操作要素413を含むことができ、当該復帰操作要素は、例えば、運転者が以前設定した設定速度での走行機能を再び作動させることを可能とするものである。
【0076】
車両100の制御ユニット101は、都市範囲において車両100の自動化された長手方向運転を提供するように形成されることが可能である。当該走行機能は、例えばアーバンクルーズコントロール(Urban Cruise Control(UCC))と呼ばれることがある。このとき、走行機能は、自動的なモード(aUCC)及び/又は手動のモード(mUCC)において提供されることが可能である。この場合、運転者が、場合によっては、走行機能を自動的なモードにおいて、又は手動のモードで動作させるべきかを、ユーザインタフェース107を介して設定可能とすることができる。
【0077】
車両100の制御ユニット101は、1つ又は複数の周囲センサ103の周囲データに基づき、及び/又は(車両100の位置センサ106の位置データに関連した)地図データに基づき、車両100の走行ルートにおいて前方に位置する信号表示ユニット200,210を検知するように構成されることが可能である。そして、UCC走行機能の手動のモードでは、信号表示ユニット200,210が車両100の自動化された長手方向運転において考慮されるべきか否かについて、ユーザインタフェース107を介して提案あるいは応答要求を出力することが可能である。そして、車両100の運転者は、例えば、セット操作要素412の操作によって、提案を承諾するか、又は拒否するか、あるいは無視することができる。他方では、UCC走行機能の自動的なモードでは、車両100の自動化された長手方向運転において、検知された信号表示ユニット200,210を場合によっては自動的に(すなわち運転者による必要な通知なしに)考慮することが可能である。
【0078】
検知された信号表示ユニット200,210が車両100の自動化された長手方向運転において考慮されると、(例えば赤信号又は一時停止標識において)車両100を自動的に停止状態へ移行させるために、(信号表示ユニット200,210のタイプ及び/又は(信号表示)状態に応じて)自動的な減速を生じさせることが可能である。また、(例えば信号表示ユニット200,210の(信号表示)状態の変更後(例えば青信号へ切り換わった後)に)車両100の自動的な発進を生じさせることが可能である。そして、車両100は、(先行車両に対する設定された最小間隔あるいは目標間隔を考慮して)再び自動的に設定速度へ加速されることが可能である。
【0079】
したがって、UCC走行機能により、車両100の運転者は、1つ又は複数の信号表示ユニット200,210を有する道路においても、(ACC機能を個々の信号表示ユニット200,210においてそれぞれ非作動及び再作動させる必要なく)ACC走行機能を使用することが可能となり得る。
【0080】
制御ユニット101は、前方に位置する信号表示ユニット200,210が自動化された長手方向運転において考慮され得るか否かを、周囲データに基づいて、及び/又は地図データに基づいて特定するように構成されることが可能である。前方に位置する信号表示ユニット200,210が自動化された長手方向運転において考慮されることができないことが特定されると、前方に位置する信号表示ユニット200,210が自動化された長手方向運転において考慮されることができないことを車両100の運転者に知らせるために、出力(例えば表示ユニット400,402を介した視覚的な出力)を車両100の運転者へもたらすことが可能である。当該表示を、「利用不可表示」と呼ぶことができる。そして、車両100の運転者の役目は、(例えば信号が赤に切り換わるか、信号表示ユニット200,210が一時停止標識であるために)信号表示ユニット200,210の手前で必要に応じて車両100を減速させることである。
【0081】
さらに、制御ユニット101は、(例えば車両100の長手方向運転への運転者の手動の介入がなされたために)車両100が(もはや)自動化されて長手方向運転されることができないことをUCC走行機能の動作中に検知するように構成されることが可能である。この場合、運転者に車両100の長手方向運転を手動で引き継がせるために、引継ぎ要求(すなわちTake over Request(TOR))を車両100の運転者へ発出することが可能である。
【0082】
車両100は、1つ又は複数の運転者センサ108を含むことができ、当該運転者センサは、車両100の運転者に関するセンサデータを検出するように構成されている(当該センサデータを、本明細書では運転者データともいう)。例示的な運転者センサ108は、車両100の運転者位置へ向けられたカメラである。制御ユニット101は、運転者が、運転タスクについて、あるいは走行機能の監視について十分な注意力を有しているか否かを運転者データに基づいて特定するように構成されることが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、運転タスクについての、あるいは走行機能の監視についての運転者の注意力の度合いを検出することが可能である。さらに、制御ユニット101は、検出された運転者の注意力の度合いに依存して走行機能、特にUCC走行機能を動作させるように構成されることが可能である。したがって、走行機能の快適性及び安全性を更に向上させることが可能である。
【0083】
既に上述したように、制御ユニット101は、(車両100の現在の位置に関する位置データに関連して)地図データに基づき前方に位置する信号表示ユニット200,210を認識あるいは検知するように構成されることが可能である。また、制御ユニット101は、車両100の1つ又は複数の周囲センサ103の(特にカメラの)周囲データに基づき前方に位置する信号表示ユニット200,210を認識あるいは検知するように構成されることが可能である。自動化された(UCC)走行機能は、
・信号表示ユニット200,210が地図データに基づき、及び/若しくは周囲データに基づき検知されたかどうか、
・どの検知時点において、あるいはどの検知時点から信号表示ユニット200,210が地図データに基づき、あるいは周囲データに基づき検知されたか、並びに/又は
・どの設定時点(構成時点)において、信号表示ユニット200,210の検知時点に対する(例えば自動的なモードと手動のモードの間で)UCC走行機能の設定変更(構成変更)が行われたか
に依存して、検知された信号表示ユニット200,210において動作されることが可能である。
【0084】
特に、制御ユニット101は、信号表示ユニット200,210が地図データに基づかずに、周囲データに基づいてのみ検知された場合に、検知された信号表示ユニット200,210における長手方向運転の自動化されたサポートの利用不可能性について(例えばユーザインタフェース107を介した視覚的、触覚的及び/又は聴覚的な出力によって)運転者に知らせるように構成されることが可能である。
【0085】
したがって、制御ユニット101は、場合によっては、信号表示ユニット200,210が周囲データに基づいてだけでなく、地図データに基づいても検知されるときにのみ、検知された信号表示ユニット200,210における長手方向運転の自動化されたサポートを提案及び/又は提供するように構成されることが可能である。検知された信号表示ユニット200,210における長手方向運転の自動化されたサポートを提供することができない場合には、運転者は、ユーザインタフェース107を介して、自動化されたサポートの利用不可能性について(利用不可能性出力によって)通知を受けることが可能である。したがって、UCC走行機能の確実な動作を可能とすることができる。特に、検知された信号表示ユニット200,210における長手方向運転時にサポートされると運転者が誤って考えることによって、検知された信号表示ユニット200,210の停止線を許容されない態様で越えてしまうことを信頼性をもって回避することが可能である。
【0086】
信号表示ユニット200、特に複数の信号グループ201を有する信号灯設備200においては、車両100についてどの信号の色が関連するものであるかをしばしば信頼性をもって検知することができない。このとき、信号グループ201は、信号灯設備200の整列した(同調した)全ての交通信号あるいは信号機を含むことができる。したがって、一方では左折者用の、他方では右折者あるいは直進者用の別々に接続された交通信号を有する交差点では、異なる2つの信号グループ201を有する進入路が存在する。
【0087】
制御ユニット101は、UCC走行機能の自動的なモード、すなわちaUCCを、場合によっては1つの信号グループ201を有する信号表示ユニット200においてのみ提供するように構成されることが可能である。異なる複数の信号グループ201を有する信号表示ユニット200では、UCC走行機能の手動のモード、すなわちmUCCを提供することができる。この場合、運転者は、ユーザインタフェース107を介して、長手方向運転におけるサポートのための提案を受け、そして、運転者は、場合によってはユーザインタフェース107の操作要素412の操作によって提案を受諾することができる(これは、例えば、赤の信号グループ201における自動化された制動につながる)。
【0088】
信号表示ユニット200がどのくらいの数の異なる信号グループを有しているか、及びどの機能特色(aUCC又はmUCC)をもって信号表示ユニット200に反応することができるかを201信号表示ユニット200への進入路において走行機能が分かるように、信号グループ201の数が地図属性として地図データ(すなわちデジタル地図情報)に記憶されていることが可能である。当該地図データが個別ケースにおいて誤りであることがあり、又は信号グループ201の数が改変措置によって変更されることがあるため、UCC走行機能が、(地図データに基づき)前方に位置する信号表示ユニット200,210において、1つの信号グループ201のみを有する信号灯設備200を想定するが、周囲データに基づき、異なる2つの交通信号の色が検知されるという状況となり得る。
【0089】
信号表示ユニット200,210についての地図属性が、車両100によって検出された周囲データに基づき検知されたものとは異なる場合には、これは、地図属性が正しくないためであるか、又は周囲データが誤って解釈されるためであり得る(誤検知(偽陽性)(False Positive))。周囲データの誤検知は、しばしば比較的短い期間についてのみ存在する。
【0090】
誤検知を推定することができるように、制御ユニット101は、車両応答がなされる前に(特に利用不可能性出力がもたらされる前に、又は手動モードでの走行機能の動作が行われる前に)、検知された偏差に応答して、あるいは周囲データと地図データの間の検知された矛盾に応答して、状況のチェックを繰り返し行うように構成されることが可能である。繰り返しのチェックにより、場合によっては、矛盾が解消され、ひいては状況に対する走行機能の改善された応答が可能となり得る。当該遅延した応答は、検知された信号表示ユニット200,210にできる限り近いが、遅延された応答後でもまだ自動化されて、及び/又は手動で信号表示ユニット200,210に確実に応答可能であるのにまだ十分な時間が残されている決定時点あるいは決定位置まで遅延される。
【0091】
したがって、UCC走行機能が、地図データによれば1つのみの信号グループ201を有する信号灯設備200への進入路において、周囲データに基づき異なる複数の交通信号の色を検知すると、信号灯設備200に対して手動で制動され得るか、又は自動で制動され得るかどうか(すなわちmUCCが実行されるか、又はaUCCが実行されるかどうか)についての決定を遅延させることができる。このことは、遅延された応答後でも信号灯設備200に対してまだ確実に応答することができるほど早期に信号グループ偏差が検知される場合に可能である。この場合、信号グループ偏差が検知されるときには、まずは、信号灯設備200に対する走行機能の応答はなされない。提案の所定の出力最小期間も、また車両100の必要な制動距離も最大の快適減速度の設定の下で遵守するために、遅くともmUCCの提案を運転者へ出力する必要がある決定時点あるいは決定位置において初めて、走行機能が自動的なモードで動作されるか、又は手動のモードで動作されるかについての決定を行うことが可能である。
【0092】
周囲データと地図データの偏差あるいは矛盾が引き続き存在する場合には、決定時点では好ましくはmUCCの提案が出力される。他方で、決定時点でもはや偏差を検知できない場合には、周囲データの(一時的な)誤検知が想定されることができ、走行機能は、自動的に(aUCCモードにおいて)信号灯設備200に制御することが可能である。
【0093】
したがって、制御ユニット101は、UCC走行機能が自動的なモードで動作されるか、又は手動のモードで動作されるかを遅くとも決定する必要がある、検知される信号表示ユニット200,210の前の決定時点あるいは決定位置を検出(算出)するように構成されることが可能である。決定時点あるいは決定位置において、周囲データに基づく信号表示ユニット200,210の検知と地図データに基づく信号表示ユニット200,210の検知との間に矛盾が存在する場合には、UCC走行機能を手動のモードにおいて動作させることが可能である。矛盾が存在しなければ、UCC走行機能を自動的なモードで動作させることが可能である。したがって、UCC走行機能の快適性及び安全性を向上させることが可能である。
【0094】
したがって、制御ユニット101は、検知された信号表示ユニット200,210について、UCC走行機能を自動的なモードにおいて動作させるか、又は手動のモードで動作させるかをフレキシブルに決定するように構成されることが可能である。したがって、UCC走行機能は、自動的に実行される自動化された制動と自動化された制動を実行するための手動の提案との混合動作において動作されることが可能である。特に、自動化された制動をジャンクション、例えば交差点の複雑性に依存して自動的に実行することができるか、又は自動化された制動の実行前に運転者承認の要求を検知することが可能である。
【0095】
換言すれば、制御ユニット101は、UCC機能が検知された信号表示ユニット200,210において自動的なモードで動作されるべきか、又は手動のモードで動作されるべきかを、地図データに基づいて、及び周囲データに基づいて、フレキシブルに決定するように構成されることが可能である。特に、検知されたジャンクションが自動化された態様で確実にコントロールされることができるか否か、及び/又は車両100に関連する信号グループ201が特定されることができるか否かを決定することが可能である。
【0096】
UCC機能が自動的なモードで動作され、車両100に関連する信号グループ201が制動に関連する色を有している場合には、自動化された制動を(車両100の運転者による承認なしに)自動的に作動させることができる。自動化された制動の自動的な作動は、ユーザインタフェース107、例えばコンビネーションメータを介して運転者に通知されることが可能である。
【0097】
交差点を確実にコントロールできない場合には、UCC機能を手動のモードで動作させることができ、自動化された制動の実行についての提案をユーザインタフェース107、特にコンビネーションメータを介して(場合によっては視覚的に)運転者に出力することが可能である。特に、どの信号灯の色が車両100によって関連するものとみなされるかを運転者に表示することが可能である。また、提案がどの操作要素412によって承諾されることができるかを運転者に表示することが可能である。そして、運転者は、提案を場合によっては(例えば操作要素412を操作することで)承諾することができ、そして、場合によっては、自動化された制動を、検知された信号表示ユニット200,210に関して作動させ、及び/又は実行することが可能である。提案を承諾しない場合には、車両100は、場合によっては、(このとき、検知された信号表示ユニット200,210が考慮されることなく)自動化されたジャンクションを越えて長手方向運転され得る。
【0098】
(検知された信号表示ユニット200,210の複雑性に応じた)自動的なモードあるいは手動のモードにおけるUCC走行機能のフレキシブルな動作により、UCC走行機能の快適性、安全性及び可用性を向上させることが可能である。
【0099】
車両100の運転者がUCC走行機能をユーザインタフェース107を介して設定(構成)することを可能とし得る。この場合、UCC走行機能が(可能であれば)自動的なモード(aUCC)において動作されるべきかどうか、又はUCC走行機能が基本的には手動のモード(mUCC)においてのみ動作されるべきかどうかを運転者が例えば設定することが可能である。設定あるいは設定の変更は、例えば設定時点(構成時点)あるいは(車線網あるいは道路網内の)設定位置(構成位置)において行われることが可能である。
【0100】
走行機能、特にUCC走行機能が設定時点あるいは設定位置において既に信号表示ユニット200,210について動作されることがあり得る。設定変更が直接的な車両アクションをもたらさない状態に車両100がある場合に初めて、設定時点あるいは設定位置において生じる走行機能の設定の変更を走行機能の動作において考慮するように制御ユニット101を構成することが可能である。
【0101】
UCC走行機能においては、場合によっては、設定変更は、所定の信号表示ユニット200,210に対するアクティブな制動を中止し得るユーザインタフェース107を介して、アクティブな制動が終了された場合、又はアクティブな制動が他の影響(例えば運転者による中止)によって中止された場合に初めて採用されることが可能である。したがって、設定変更は、信号表示ユニット200,210を有する次の走行状況に初めて影響する。したがって、交通信号200に対するアクティブな交通信号制動中にUCC走行機能が(例えば助手席乗員によって)作動解除される場合には、車両100は、交通信号200の手前で停止に至るまで引き続き制動する。制動につづいて初めて、走行機能が実際に作動解除される。
【0102】
別の一例では、UCC走行機能において、場合によっては、検知された信号表示ユニット200,210の自動的な受諾(aUCC)から手動の受諾(mUCC)へ切り換えることが可能である一方、機能は、既に所定の信号表示ユニット200,210に対して規制する。そして、好ましくは既に進行している制御の完了後に初めて変更が実施され、その結果、後続して検知される信号表示ユニット200,210に対して初めて手動の提案の出力が行われる。
【0103】
したがって、制御ユニット101は、UCC走行機能の設定変更の設定時点あるいは設定位置において既に信号表示ユニット200,210がUCC走行機能について検知されたかどうか、及び/又は検知された信号表示ユニット200,210に関する自動化された長手方向運転が既に行われるかどうかをチェックするように構成されることが可能である。肯定的な場合には、設定変更が、場合によっては後続の信号表示ユニット200,210(既に検知され、及び/又は考慮された信号表示ユニット200,210ではない)について初めて考慮される。特に、走行機能の作動解除は、場合によっては、既に検知された信号表示ユニット200,210についての自動化された長手方向運転の完了後に初めて行われることができる。したがって、UCC走行機能の特に確実な動作を生じさせることができる。
【0104】
既に上述したように、制御ユニット101は、周囲データに基づき、(及び場合によっては地図データに基づき)走行方向において車両100の前方に位置する信号表示ユニット200,210を検知するように構成されることが可能である。また、周囲データに基づき、信号表示ユニット200,210の信号グループ201の色を検出することが可能である。
【0105】
(例えば信号グループ201の色が青から黄へ比較的遅く切り換わる場合には)検知された信号に対して、(所定の設定された最大の減速度をもって)自動化された制動及び/又は手動の制動がもはや実行されることができないことがあり得る。このような場合には、検知された信号表示ユニット200,210に対して自動化された制動が行われないことを運転者に表示するために、利用不可能性出力を車両100の運転者へ発出することが可能である。しかし、利用不可能性出力、特に利用不可能性表示の発出は、このような状況においては典型的には有意義ではない。なぜなら、手動の制動は、車両100の運転者によってももはや実行されることができないか、又は実行されるべきでないためである。
【0106】
信号表示ユニット200,210が車両100の自動化された長手方向運転において考慮されることができないことが、信号表示ユニット200,210の到達直前に初めて検知される場合には、利用不可能性出力を抑制するように制御ユニット101を構成することが可能である。特に、制御ユニット101は、信号表示ユニット200,210についてのサポートの利用不可能性が認識される時点あるいは位置において、
・信号表示ユニット200,210に到達するまでの期間が所定の期間閾値以下であるかどうか、及び/又は
・信号表示ユニット200,210に到達するまでの距離311が所定の距離閾値以下であるかどうか
をチェックするように構成されることが可能である。
【0107】
このとき、期間閾値及び/又は距離閾値は、それぞれ速度に依存してよく、又は速度に依存しなくてもよい。期間閾値よりも長い期間について、及び/又は距離閾値よりも大きいな距離について、検知された信号表示ユニット200,210における車両100の停止のために、運転者による車両100の手動の制動が可能であり、及び/又は有意義であるように、期間閾値及び/又は距離閾値を設定することが可能である。このとき、例えば、車両100の最大限可能な減速度及び/又は運転者の所定の反応時間を考慮することが可能である。
【0108】
制御ユニット101は、
・信号表示ユニット200,210に到達するまでの期間が所定の期間閾値以下であること、及び/又は
・信号表示ユニット200,210に到達するまでの距離311が所定の距離閾値以下であること
が特定される場合に、利用不可能性出力の発出を予防するように構成されることが可能である。
【0109】
他方で、利用不可能性出力の発出をもたらすことが可能である。
【0110】
したがって、制御ユニット101は、誤認識によって、及び/又は後に黄へ切り換わる交通信号によって、運転者にとって重要な交通信号200への到達までの範囲において、(特に手動の制動がもはや有意義でないため)利用不可能性表示(NVA)が発出されないようにするよう構成されることが可能である。なぜなら、このようなNVAの発出が運転者にとって追加的な妨害因子となり得るためである。
【0111】
このとき、特に、交通信号200に到達する前の「m(メートル)」を単位とする所定の距離x311及び/又は「s(秒)」を単位とする時間的な間隔においてはNVAが発出されないようにすることが可能である。このとき、交通信号200の停止位置に対する最小距離xは、速度に依存することでき、場合によっては下限であってよい。そして、当該距離値の下では、場合によっては基本的にNVAの表示は行われない。時間的な基準は速度に依存することができる。そして、当該基準は、特に比較的高い速度範囲ではNVAの非発出をもたらし得る。NVAの発出を抑制することで、車両100の運転者にとっての走行機能の快適性を向上させることが可能である。
【0112】
既に上述したように、UCC走行機能は、検知された信号表示ユニット200,210における長手方向運転におけるサポートのための提案が車両100の運転者に出力される手動モードにおいて動作されることが可能である。そして、車両100の運転者は、(例えばセット操作要素212の操作によって)提案を受諾することができる。提案が受諾されると、例えば、必要に応じて、検知された信号表示ユニット200,210における自動化された制動を行うことが可能である。
【0113】
例えば車両100が直線的な車線を走行している場合に、次の前方に位置する信号表示ユニット200,210を、当該信号表示ユニット200,210に到達する前に、既に比較的大きな(時間的な、及び/又は空間的な)距離311において(周囲データに基づき)検出することがあり得る。この瞬間には、検知された信号表示ユニット200,210は、場合によっては車両100の長手方向運転にとって、及び/又は車両100の車両にとってまだ無関係であり得る。例えば、検知された信号表示ユニット200,210における自動化された長手方向運転のサポートについての提案に関する車両100の運転者への出力は、運転者にとって煩わしいものとして、及び/又は邪魔なものとして感じられることがある。
【0114】
また、信号表示ユニット200,210が後の時点で隠され、したがってもはや検知されないことがあり得る。このことは、運転者への提案の取消ひいては運転者の混乱につながりかねない。
【0115】
制御ユニット101は、検知された信号表示ユニット200,210に対する(空間的な、及び/又は時間的な)距離311が出力閾値以上であるかどうかを特定するように構成されることが可能である。また、制御ユニット101は、検知された信号表示ユニット200,210に対する(空間的な、及び/又は時間的な)距離311が出力閾値以下である場合に初めて、検知された信号表示ユニット200,210に関する出力(例えば、自動化された長手方向運転において、検知された信号表示ユニット200,210を考慮するための提案)を生じさせるように構成されることが可能である。
【0116】
したがって、制御ユニット101は、検知された信号表示ユニット200,210に対する必要な最小出力距離を考慮するように構成されることが可能である。最小出力距離に関する不足した条件は、運転者において邪魔となる。なぜなら、信号表示ユニット200,210(例えば赤信号)が運転者にとって(まだ)重要でないにもかかわらず、ディスプレイ400(例えばコンビネーションメータ及び/又はヘッドアップディスプレイ)には、検知された信号表示ユニット200,210における自動化された長手方向運転のサポートについての提案に関する不合理な変更が表示されることがあるためである。このような変更は、例えば、(比較的大きな距離に基づく)カメラ検知の際の不確かさにより生じ得る。
【0117】
制御ユニット101は、信号表示ユニット200,210に対する所定の距離を下回る場合にのみ信号表示ユニット200,210についての提案を出力するように構成されることが可能である。このとき、場合によっては、車両100が信号表示ユニット200,210の手前のx番目(x>1)の列にあるときには表示がなされない。したがって、誤った表示及び/又は不合理な表示を排除することが可能である。したがって、制御ユニット101は、信号表示ユニット200,210に対する所定の出力距離311を下回らない限り、提案の発出を抑制するように構成されることができる。したがって、ユーザに対する快適性を向上させることが可能である。
【0118】
制御ユニット101は、第1の信号表示ユニット200,210における車両100の長手方向運転のサポートが終了した後、車両100の長手方向運転において考慮されることができるか、又は考慮されるべき後続(直後)の第2の信号表示ユニット200,210を逐次探索するように構成されることが可能である。特に、mUCC走行機能においては、第1の信号表示ユニット200,210における制動過程の完了後に、後続の第2の信号表示ユニット200,210を考慮するための提案を出力することが可能である。これに代えて、aUCC走行機能においては、第1の信号表示ユニット200,210における制動過程の完了後に、後続の第2の信号表示ユニット200,210の自動的な考慮(及び場合によってはこれに関連する自動的な制動)を行うことが可能である。
【0119】
後続の第2の信号表示ユニット200,210の認識は、(例えば周囲データが第1の信号表示ユニット200,210についての情報を部分的にまだ表示するため)特に交通信号(すなわち第1の信号表示ユニット200,210)における発進時に損なわれることがある。このことは、車両100の運転者にとって走行機能の不合理な振舞いにつながることがある。
【0120】
制御ユニット101は、第1の信号表示ユニット200,210における車両100の発進からの期間及び/又は空間的な距離を検出するように構成されることが可能である。・期間が期間閾値以下である限り、及び/又は
・第1の信号表示ユニット200,210からの車両100の空間的な距離が距離閾値以下である限り、及び/又は
・車両100の車速が速度閾値以下である限り、
後続の第2の信号表示ユニット200,210を考慮するための提案の発出及び/又は後続の第2の信号表示ユニット200,210の自動的な考慮を抑制することが可能である。
【0121】
したがって、制御ユニット101は、車両100の発進後、所定の期間について、信号表示ユニット200,210の考慮についての全ての手動の提案及び/又は自動的な提案を抑制するように構成されることが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、手動の提案及び/又は自動的な提案の容認には、車両100の最小速度を下回ることが必要となり得る。
【0122】
特に、「走行」状態の開始から所定の時間まで全ての提案を抑制するロックタイマを車両100の発進後に開始させることが可能である。また、場合によっては所定の速度まで提案が出力されない。したがって、走行機能の快適性を更に向上させることが可能である。
【0123】
既に上述したように、車両100は1つ又は複数の運転者センサ108を含んでおり、当該運転者センサは、車両100の運転者についての運転者データ(すなわちセンサデータ)を検出するように構成されている。UCC走行機能は、運転者データに依存して動作することが可能である。特に、車両100の運転者への情報の出力は、運転者データに依存して行われることができるか、又は場合によっては防止されることができる。
【0124】
車両100の制御ユニット101は、運転者が運転タスクについて、あるいは走行機能の監視について十分な注意力を有しているか否かを運転者データに基づいて特定するように構成されることが可能である。さらに、制御ユニット101は、運転者が十分な注意力を有していないことが特定される場合に、ユーザインタフェース107のディスプレイ400に表示される利用不可能性表示(NVA)を視覚的及び/又は触覚的な信号を発出することで補足するように構成されることが可能である。したがって、UCC走行機能の快適性及び安全性を向上させることが可能である。
【0125】
利用不可能性表示は、例えば、走行機能が(例えば交通信号の遅い検知、黄への交通信号の遅い切り換わり、隠されたカメラ103などにより)もはや適時に交通信号に反応できない(したがって交通信号における自動化された制動が利用可能でない)ことが検知されたときに出力されることが可能である。NVAを、例えばコンビネーションメータ及び/又はヘッドアップディスプレイに表示することができる。NVAの発出の時点で運転者が注意力を有していない場合には、これにより、運転者が視覚的な指示を見落とすこととなり得る(さらに、交通信号200が自動化された長手方向運転において考慮されると考えられる)。
【0126】
そのため、運転者に注意を促すために、視覚的な指示に加えて、注意力がないと検知された運転者へ例えば聴覚的な信号を出力することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、ステアリングホイール振動及び/又はステアリングホイールにおける帯状光の作動を生じさせることが可能である。したがって、NVAが表示される交通信号を運転者が見落とさないことを保証することができる。
【0127】
運転者の状態を、内部空間カメラ108のセンサデータに基づき、運転者モデルを用いて検出することが可能である。運転者が注意力を有していないことが検知される場合には、利用不可能性表示に加えて、音を発出することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、追加的な触覚的な応答又は別の視覚的な応答を生じさせることが可能である。
【0128】
走行機能、特に運転者支援機能の動作中には、車両100の走行挙動の変化が生じることがある。例えば、車両100を新たに加速させるために、例えば、既に開始された制動過程を走行機能によって自動的に中止することが可能である。このことは、赤色の信号灯設備200における自動化された制動中に信号グループ201が青色へ切り換わるときに、例えばUCC走行機能において行われることができる。走行機能により生じる車両100の走行挙動の変化は、特に車両100の運転者が注意力を有していない場合には、車両100の運転者にとって、不安なもの及び/又は不快なものと感じられることがある。
【0129】
制御ユニット101は、車両100の走行機能によって生じる車両100の走行挙動が所定の変化時点において本質的に変化したか、又は本質的に変化することを特定するように構成されることが可能である。さらに、制御ユニット101は、1つ又は複数の運転者センサ108の運転者データに基づいて、車両100の運転者が変化時点において運転タスクに関して注意力を有していないことを特定するように構成されることが可能である。これに応答して、走行挙動の変化についての情報を(例えば視覚的及び/又は聴覚的な出力を介して)車両100の運転者へ出力させるができる。したがって、車両100の運転者にとっての快適性を向上させることが可能である。
【0130】
UCC走行機能は、典型的にはSAEレベル2による走行機能として設定されている。このような走行機能、特にこのような走行支援システムにおいては、運転者は、車両100の(長手方向)運転においてのみ支援され、引き続きいつでも反応することができなければならない。走行機能が車両100の走行挙動を変化させる状況において、運転者が反応する必要があるか又は少なくとも車両100を高められた注意力によって監視すべきである態様で、走行挙動の変化に関する情報が出力されるように、走行機能を形成することが可能である。
【0131】
したがって、制御ユニット101は、走行機能がその特色を大きく変更する場合、例えば制動が中止され、再び自由走行(制限のない走行)へ加速される場合に、視覚的及び/又は聴覚的及び/又は触覚的に変更について、注意力を有さないと検知された運転者に通知するように構成されることが可能である。
【0132】
UCC走行機能が交通信号200に対して自動的に制動され、制御中に当該交通信号が赤から青へ切り換わる場合には、制御ユニット101により、特に運転者が内部空間カメラ108を介して注意力を有すると検知される場合に、UCC走行機能が制動を中止し、自由走行又は(先行車両が存在する場合には)追従走行へ移行されることが可能である。当該状況で運転者が注意力を有していないと検知されると、運転者に、例えばチャイムを介して聴覚的に及び/視覚的に変更された条件を示すことができる。そして、制動は、安全性の理由から、青信号であるにもかかわらず、運転者が再び注意力を有するものと検知されるまで継続される。したがって、走行機能の安全性を更に向上させることが可能である。
【0133】
UCC走行機能における別の例は、利用不可能性表示(NVA)である。走行機能の機能限界を考慮して制動がもはや(自動化して)不可能であるほど遅く赤信号200が検知される場合には、典型的には、走行機能によって制動は開始されず、その代わり、運転者に利用不可能性表示が表示される。当該状況において運転者が独自で制動しない場合には、赤信号200を走り越す(オーバーラン)こととなり得る。この理由から、利用不可能性表示の発出と共に(特にこれと同時に)、運転者の注意力を(特に内部空間カメラ108を介して)チェックすることが可能である。運転者が注意力を有していないものとして検出されると、UCC走行機能によって制動がなされず、事情によっては運転者の反応が必要であることに対して運転者に注意を向けさせる、聴覚的なチャイムが発出され得る。したがって、走行機能の安全性及び快適性を向上させることが可能である。
【0134】
車両100の制御ユニット101は、走行機能において、特にUCC走行機能において自動的に生じる車両100の減速及び/又は加速、特に減速及び/又は加速の時間的な推移を運転者データに依存して、特に運転者の検知された注意力の度合いに依存して適合するように構成されることが可能である。したがって、走行機能の快適性及び安全性を向上させることが可能である。
【0135】
運転者の注意力を監視することで、結果的に生じる車両運動によって、自動化された制動操作の開始に運転者の注意を向けさせるように車両100の制動の推移を設定することが可能となる。したがって、車両100の運転者が高められた確率で自動化された制動を監視することとなり得る。例えば、制動を躍動(ショック)によって開始することができ、これにより、注意力を運転タスクへ向ける示唆として、(注意力を有していないとして検知された)運転者へ触覚的な信号が生じる。
【0136】
これに代えて、又はこれに加えて、車両100の減速及び/加速の時間的な推移は、設定された走行モード(スポーツ、コンフォート及び/又はエネルギー節約(エコ))に依存することが可能である。例えば、(例えばスポーツモードにおいて)車両100の減速を、より遅い時点で開始し、及び/又は、車両100の運転者が注意力を有するものとして検知される場合に、高められた減速度値で実行することが可能である。したがって、走行機能の快適性及び安全性を向上させることが可能である。
【0137】
制御ユニット101は、(特に周囲データに基づいて、及び/又は地図データに基づいて)(所定量の異なるタイプから)信号表示ユニット200,210のタイプを特定するように構成されることが可能である。例示的なタイプは、信号灯設備200又は交通標識210である。これに代えて、又はこれに補足して、制御ユニット101は、(特に周囲データに基づいて、及び/又は地図データに基づいて)車両100が再び発進することが可能である前に、車両100が前方に位置する信号表示ユニット200,210において停止する必要があると見込まれる期間についての期間情報を予測するように構成されることが可能である。したがって、(地図データ及び/又は周囲データに基づいて)前方に位置する信号表示ユニット200,210における車両100の停止に関する停止情報を検出することが可能である。
【0138】
そして、前方に位置する信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された減速は、期間情報に依存して、及び/又は信号表示ユニット200,210のタイプに依存して(すなわち停止情報に依存して)もたらされることが可能である。特に、減速の時間的な推移及び/又は減速過程の全期間は、期間情報に依存して、及び/又は信号表示ユニット200,210のタイプに依存して(すなわち停止情報に依存して)適合あるいは設定されることが可能である。例えば、赤の信号グループ201を有する信号灯設備200では、比較的緩慢な減速過程を選択することができる。(なぜなら、車両100はいずれにしても信号グループ201が青に切り換わるまで待つ必要があるためである。)他方で、一時停止標識210では、比較的迅速な減速過程を選択することができる。なぜなら、車両100は、(交差する交通路における交通が可能であれば)停止後場合によってはすぐに更に走行することができるためである。減速推移を適合することで、走行機能の快適性を向上させることが可能である。
【0139】
UCC走行機能においては、通常の場合には、車両100の停止状態まで制御される。このとき、上述のように、信号表示ユニット200,210のタイプに応じて異なる減速推移を用いることが可能である。特に、このとき、交通信号200に対する自動化された制動は、一時停止標識210に対する自動化された制動とは異なっていてよい(なぜなら、運転者は、一時停止標識210において停止した後、すぐに更に走行することができるためである)。
【0140】
これに代えて、又はこれに補足して、車両100の走行態様、特に減速度あるいは減速特性は、運転経験スイッチを介して車両100のユーザによって選択されることが可能である。走行機能は、運転者の意思により、運転経験スイッチ(例えばエコ、コンフォート、スポーツなど)を介して、交通信号200及び/又は一時停止標識210に対する異なる減速推移を受諾することが可能である。異なる減速推移は、車両100の軌道計画における1つ又は複数のパラメータの適合によってもたらされ得る。
【0141】
UCC走行機能の減速推移を信号表示ユニット200,210のタイプに適合させることで、走行機能の快適性及び安全性を向上させることが可能である。特に、例えば一時停止標識210の手前における緩慢すぎる減速時に生じ得る後続の交通の妨害を回避することが可能である。
【0142】
UCC走行機能においては、車両100の運転者には、ユーザインタフェース107を介して、特にディスプレイ400において、車両100が走行した車線において前方に位置する、車両100が停止する必要がある信号表示ユニット200,210が表示される。例えば、赤信号又は一時停止標識のシンボルをディスプレイ400に表示することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、検知された信号表示ユニット200,210についての聴覚的な出力を生じさせることが可能である。そして、信号表示ユニット200,210における停止まで、特に信号表示ユニット200,210の停止線まで、自動的に(aUCC)又は運転者による操作の後(mUCC)に車両100の自動化された制動過程を生じさせることが可能である。
【0143】
制御ユニット101は、車両100が信号表示ユニット200,210において停止している間に、(検出された周囲データに基づいて)車両100に関連する信号表示ユニット200,210の信号グループ201の(信号表示)状態、特に色を監視するように構成することができる。また、制御ユニット101は、赤から青への信号グループ201の現示変更が検知されるとき、及び/又は車両100が信号表示ユニット200,210において停止状態に至ると、信号表示ユニット200,210についての表示を変更するか、又は完全に消去あるいは撤回する(及び/又は聴覚的な出力を生じさせる)ように構成されることが可能である。したがって、車両100の運転者は、信号表示ユニット200,210がもはや車両100の長手方向運転にとって重要でないことを一義的な態様で通知されることが可能である。表示の撤回は、UCCの自動的なモード及び/又は手動のモードにおいてもたらされることが可能である。
【0144】
さらに、車両100の運転者は、(特に赤から青への現示変更が検知された後に)信号表示ユニット200,210における車両100の発進をユーザインタフェース107の操作要素413を介して(例えば復帰ボタンを介して)生じさせることが可能である。特に、運転者は、操作要素413を操作することで、車両100が(先行車両に対して設定された目標間隔を考慮しつつ)設定された設定速度(セット速度)あるいは目標速度へ再び加速されることを生じさせることが可能である。(復帰)操作要素413の操作による信号表示ユニット200,210における発進は、UCCの自動的なモード及び/又は手動のモードにおいて可能であってよい。
【0145】
さらに、信号表示ユニット200,210における停止後の発進は、車両100のアクセルペダルの操作によってもたらされることが可能である。しかし、このことは、場合によってはUCC走行機能の中止につながることがある。したがって、ユーザインタフェース107の操作要素413を介した(特にボタンを介した)発進により、一連の連続した信号表示ユニット200,210におけるUCC走行機能の快適な継続が(UCC走行機能の自動的なモード及び/又は手動のモードにおいて)可能である。
【0146】
特に、UCC走行機能は、(場合によっては手動で承認される)交通信号200において、停止後及び青への変更が検知された後、交通信号200についての表示が撤回されるように形成されることが可能である。また、運転者が、ボタン413を介して発進することが可能である。したがって、UCC走行機能の快適性を向上させることが可能である。そのほか、(先行車両がない停止状態において)ACC走行機能による一貫した挙動をもたらすことが可能である。制御ユニット101は、(場合によっては手動で承認される)交通信号200において、青への現示変更の開始からタイマが作動され、当該タイマによって、車両100の停止状態から交通信号200についての赤の表示を除去させるように構成されることが可能である。
【0147】
車両100の制御ユニット101は、車両100が信号表示ユニット200,210における最初の列(最前列)にあることが検知されると、ユーザインタフェース107の操作要素411,412,413の操作に応答して、信号表示ユニット200,210における車両100の発進をブロックあるいは阻止するように構成されることが可能である。換言すれば、ユーザインタフェース107の操作要素411,412,413の操作を介した発進は、場合によっては、車両100の前方に少なくとも1つの他の先行車両100が信号表示ユニット200,210にある場合にのみ可能であり得る。したがって、UCC走行機能の安全性を向上させることが可能である。特に、車両100の運転者がユーザインタフェース107の操作要素411,412,413(特にロッカスイッチ411及び/又はボタン412,413)の不意の操作によって、(場合によっては赤の)交通信号200における発進が生じることを信頼性をもって防止することが可能である。
【0148】
したがって、運転者が例えばロッカスイッチ411を介して設定速度を設定するか、又はセットボタン412により制限提案を是認することで、赤の交通信号200における停止状態において運転者が不意に発進を生じさせることを信頼性をもって防止することが可能である。さらに、運転者のボタン操作によって車両100が再び発進し、セット速度へ加速されることとなることを防止することが可能である。このことは、車両100が停止に関連する交通信号200の手間における最初の列にある限り、操作要素411,412,413の運転者の是認による、「車両停止」という状態から「発進」という状態への移行が不可能であるか、あるいはブロックされることで達成され得る。したがって、操作要素411,412,413の操作は無効である。
【0149】
車両100の制御ユニット101は、車両100が信号表示ユニット200,210における最初の列にあるか否かを周囲データに基づいて、及び/又は(地図データに関連した)位置データに基づいて特定するように構成されることが可能である。特に、信号表示ユニット200,210の停止点あるいは停止線までの車両100の距離を検出することが可能である。そして、検出された距離に基づき、車両100が最初の列にあるか否かを特定することができる。
【0150】
信号表示ユニット200,210の状態、特に信号表示ユニット200,210の信号グループ201の色を車両100の1つ又は複数の周囲センサ103の周囲データに基づいて検知できないか、又は信頼性をもって検知できないことがあり得る。このことは、UCC走行機能の低い可用性につながることがある。
【0151】
制御ユニット101は、周囲データに基づき車両100の前方(直前)を走行する先行車両を検知するように構成されることが可能である。そして、UCC走行機能、特に車両100の自動化された長手方向運転は、先行車両の走行挙動に基づいて、信号表示ユニット200,210において実行されるか、あるいは提供されることが可能である。UCC走行機能の動作における先行車両の走行挙動を考慮することで、走行機能の可用性ひいては快適性を向上させることが可能である。
【0152】
UCC走行機能の動作中には、例えば、覆われることによって、又は良くない光条件により、交通信号200の色の検知が十分に可能でないことがあり得る。さらに、(異なる信号グループ201を有する)複雑な交差点幾何形状においては、場合によっては、異なる信号グループ201を個々の走行方向に割り当てることが不可能であり得る。長手方向制御機能の自動化度合いを向上させるために、したがって、運転者にとっての快適性を向上させるために、場合によっては、交通信号の色及び/又は地図データに基づく信号表示ユニット200,210の属性に加えて、先行車両の挙動を解析するとともに走行機能の動作において考慮することが可能である。
【0153】
先行車両が例えば前方に位置するおそらく青である交通信号200を越えて走行(通過)すれば、先行車両に場合によっては追従することが可能である。特に、周囲データに基づきおそらく関連する青の交通信号が検知される限り、自動化された制動を場合によってはキャンセルすることが可能である。換言すれば、制御ユニット101は、前方に位置する信号灯設備あるいは交通信号200の信号グループ201のうち少なくとも1つが青色を有しているかどうかを周囲データに基づいて検知するように構成されることが可能である。青色であれば、及び車両100の前方(直前)を走行する先行車両が信号灯設備200を越えて走行することが(周囲データに基づき)検知されると、(青色を有する信号グループ201が車両100の走行方向について関連しているかどうかを周囲データ及び地図データに基づき一義的に特定することができなくとも)車両100は信号灯設備200を越えて走行する。先行車両の走行挙動のこのような考慮によって、走行機能の可用性を確実に向上させることが可能である。
【0154】
これに代えて、又はこれに補足して、制御ユニット101は、車両100の停止状態における交通信号200の視界の喪失の場合、及び先行車両が発進する場合には、交通信号200が赤から青へ切り換わった(あるいは(必要な場合に動作する)一時交通信号がオフされている)と想定するように構成されることが可能である。場合によっては、車両100の自動化された発進過程を生じさせることが可能である。換言すれば、制御ユニット101は、信号表示ユニット200,210において車両100の前方(直前)に位置する先行車両が発進することを検知するように構成されることが可能である。これに基づき、信号表示ユニット200,210の(信号表示)状態の検出なしでも、(場合によっては車両100の運転者による操作要素411,412,413の操作後に初めて)車両100の自動化された発進を生じさせることが可能である。したがって、UCC走行機能の可用性を確実に向上させることが可能である。
【0155】
車両100の運転者は、典型的には、アクセルペダル及び/又はブレーキペダルの操作によってUCC走行機能の自動化された長手方向運転を無効にすることが可能である。アクセルペダル及び/又はブレーキペダルの検知された操作は、場合によっては、UCC走行機能を収容するためにも用いられることが可能である。しかし、車両100のアクセルペダル及び/又はブレーキペダルの検知された操作に応答したUCC走行機能の自動的な終了は、UCC走行機能の低い快適性及び/又は低い安全性につながりかねない。
【0156】
例えば、信号表示ユニット200,210、特に信号表示ユニット200,210の停止線における車両100の停止位置が、(特に、車両100が停止線の手前の最初の列にあり、したがって先行車両がない場合に)車両100の運転者にとって信号表示ユニット200,210の手前において離れすぎていると感じられることがあり得る。このような場合、運転者は、アクセルペダルを操作して車両100を停止線に近づくように走行する傾向があるが、これにより、UCC走行機能の中止に至ることがあり、及び/又はこれにより走行機能における自動化された発進が場合によっては防止される。
【0157】
別の一例では、車両100の運転者は、(例えば停止線までの距離を小さくするために)交通信号200の手前の第1の車線における停止状態から隣接車線に変更しようとすることがあり得る。この目的のために、運転者は、車両100を隣接車線へ走行させるためにアクセルペダルを操作する。これにより、UCC走行機能の中止ひいてはこれにつづく交通信号200における発進時の長手方向運転支援の不足に至ることがある。
【0158】
また、信号表示ユニット200,210の検知時点で運転者がアクセルペダルを操作すると(したがってUCC走行機能の支援が終了されると)、UCC走行機能により検知された信号表示ユニット200,210が車両の自動化された長手方向運転時に考慮されない(場合によっては自動化された制動なしに通り越す)こととなり得る。
【0159】
他方で、車両100の運転者にとって、例えば走行機能の誤った制動時に、信頼性をもって、及び快適な態様で(特にアクセルペダルの操作によって)UCC走行機能を無効にすることができるべきである。
【0160】
制御ユニット101は、アクセルペダルの振れ(踏込)に関する、特に振れの程度に関する振れ情報を検出するように構成されることが可能である。振れ情報は、例えば車両100のアクセルペダルセンサに基づいて検出されることが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、制御ユニット101は、アクセルペダルの操作の継続期間に関する時間情報を検出するように構成されることが可能である。そして、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転の支援が提供されるか否か、及び/又は走行機能が終了されるか否かを、振れ情報に基づき、及び/又は時間情報に基づき特定することが可能である。
【0161】
特に、制御ユニット101は、アクセルペダルの振れが(例えばアクセルペダルの最大限可能な振れの25%の)振れ閾値よりも大きいかどうか、又は小さいかどうかを振れ情報に基づき検出するように構成されることが可能である。さらに、制御ユニット101は、アクセルペダルの振れの継続期間が(例えば4秒の)時間閾値よりも大きいかどうか、又は小さいかどうかを時間情報に基づき検出するように構成されることが可能である。
【0162】
制御ユニット101は、
・アクセルペダルの振れが振れ閾値以下であること、及び
・アクセルペダルの操作の継続時間が時間閾値以下であること
が検出される場合には、UCC走行機能を終了することなくアクセルペダルの操作を許容するように構成されることが可能である。
【0163】
他方で、
・アクセルペダルの振れが振れ閾値より大きいこと、又は
・アクセルペダルの操作の継続時間が時間閾値より大きいこと
が検出される場合には、UCC走行機能の切断あるいは終了を生じさせることが可能である。
【0164】
このとき、切断あるいは中止は、場合によっては、アクセルペダルの操作につづく次の信号表示ユニット200,210のみに関するものであってよい。したがって、場合によっては、(アクセルペダルの操作に直接つづく信号表示ユニット200,210についてのみ)UCC走行機能の一時的な切断あるいは一時的な終了のみを生じさせることが可能である。
【0165】
したがって、UCC走行機能の快適性及び/又は安全性を向上させることが可能である。特に、車両100の運転者は、アクセルペダルの(軽い)操作によって、(このとき、例えば車両100の後の発進についてのUCC走行機能の自動化された支援を終了することなく)信号表示ユニット200,210の手前の停止線へ、及び/又は隣接車線へ車両100を走行させることが可能であり得る。また、運転者が(信号表示ユニット200,210が検知される間に)アクセルペダルを一時的かつ比較的軽く操作する場合にも、車両100の自動化された長手方向運転において、検知された信号表示ユニット200,210を考慮するようにすることが可能である。さらに、このように、UCC走行機能の介入の快適かつ安全な無効化を可能とすることができる。
【0166】
したがって、走行機能は、所定の走行ペダル角度を上回る場合に(初めて)走行機能を直ちに切断するように形成されることが可能である。また、走行機能の切断は、アクセルペダルの所定の時間閾値を上回るとき(かつ、振れ閾値が下回らないとき)にもたらされることが可能である。他方で、時間閾値に到達するまでの時間は、交差点の停止線へ注意して近づくために運転者によって用いられることが可能である。
【0167】
また、走行機能は、交通信号200が検知されるときに、アクセルペダルが踏み込まれている間、走行機能が切断されないように形成されることが可能である。したがって、交通信号200の応答なしの通り越しを信頼性をもって防止することが可能である。
【0168】
赤の交通信号200において停止している際に、(例えば色の切り換わりの遅延に基づき、及び/又は不検知に基づき)青への切り換わりがUCC走行機能によってまだ検知されていないため、交通信号200の青への切り換わり時に運転者がアクセルペダルを操作することが発進することがあり得る。アクセルペダルの操作は、UCC走行機能の中止(及びこれに伴う引継ぎ要求(TOR)の発出あるいはこれに関連する引継ぎ(引受)要求の発出)につながることがある。このことは、車両100の運転者にとって煩わしいものとして感じされ得る。
【0169】
制御ユニット101は、車両100の運転者がアクセルペダルの操作によって生じさせる発進過程において車両100の車速に関する速度データを検出するように構成されることが可能である。さらに、制御ユニット101は、アクセルペダルの操作によって生じる車速が所定の速度閾値をまだ上回っていない限り、自動化された長手方向運転を運転者から引き継ぐように構成されることが可能である。したがって、TORの発出及び/又はUCC走行機能の中止は、速度閾値の到達まで抑制され、及び/又は防止されることができる(走行機能による長手方向運転の引継ぎを生じさせることができる)。他方で、速度閾値(例えば10km/h)に到達するか、又はこれを上回るとき(特にこのときすぐに)TORの発出及び/又はUCC走行機能の中止が生じ得る。したがって、車両100の運転者にとっての快適性を更に向上させることが可能である。
【0170】
制御ユニット101は、異なる複数の走行モードのうち、車両100が動作される走行モードを検出するように構成されることが可能である。例示的な走行モードは、
・車両100が 比較的高い加速度値及び/若しくは減速度値をもった比較的大きな走行ダイナミクスを有するスポーツ走行モード、
・車両100が、比較的低い加速度値及び/若しくは減速度値をもった特に快適な走行態様を有するコンフォート走行モード、並びに/又は
・車両100が特にエネルギーを節約した走行態様を有するエコ走行モード
である。
【0171】
走行モードは、例えばユーザインタフェース107を介して、例えばユーザインタフェース107の1つ又は複数の操作要素を介して、車両100のユーザによって設定可能であってよい。
【0172】
また、制御ユニット101は、設定された走行モードに依存してUCC走行機能を動作させるように構成されることが可能である。特に、車両100の走行挙動、例えば減速挙動は、走行モードに依存して、前方に位置する信号表示ユニット200,210に関して適合されることが可能である。例えば、車両100が(車両100が停止すべき)検知された信号表示ユニット200,210に反応を開始する時点を走行モードに依存して適合することが可能である。エコ走行モードでは、例えば車両100の特に早期の反応が生じ得る一方、コンフォート走行モードでは後に初めて反応が生じ、スポーツ走行モードでは反応は更に後に生じる。
【0173】
これに代えて、又はこれに補足して、考慮されるべき検知された信号表示ユニット200,210への車両100の反応のタイプ及び種類は、設定された走行モードに依存して適合されることが可能である。例示的な反応のタイプあるいは種類は、
・車両100の車輪が車両100の駆動源から切り離されており、場合によっては駆動源を非作動とすることができる、車両100の惰力動作、
・車両100の車輪が駆動源を共にけん引し、これにより車両100のけん引減速につながる、車両100のけん引動作、及び/又は
・ブレーキトルクが(例えば摩擦ブレーキによって、及び/又は電気機械によって)車両100の1つ又は複数の車輪にアクティブにもたらされるアクティブな(摩擦及び/又は回生)制動動作
である。
【0174】
エコ走行モードにおいては、例えば、信号表示ユニット200,210への接近時に、まず、惰力動作に移行し、つづいてけん引動作へ移行し、最後に制動動作へ移行することが可能である。コンフォート走行モードにおいては、場合によっては惰力動作が省略され、直接けん引動作が開始され、つづいて制動動作が開始されることが可能である。スポーツ走行モードにおいては、場合によっては惰力動作及びけん引動作が省略され、直接制動動作が開始されることが可能である。
【0175】
したがって、信号表示ユニット200,210への接近時の車両100の減速挙動は、設定された走行モードに適合されることが可能である。したがって、車両100の快適性を更に向上させることが可能である。
【0176】
したがって、制御ユニット101は、設定された走行モードに依存して、交通信号に対する反応についての(出力)時点を変更するように構成されることが可能である。エコ走行モードでは、交通信号表示の比較的早期の開始を、例えば惰力動作、けん引動作及び制動動作の動作順序で行うことが可能である。コンフォート走行モードでは、例えばけん引動作、制動動作の動作順序をもって、交通信号表示についての平均的な開始時点を選択することが可能である。スポーツ走行モードでは、例えば制動動作をもって直接、比較的遅く交通信号表示の開始を行うことが可能である。
【0177】
交通信号表示(特に車両100の減速推移)は、走行モードに適合することで快適に構成されることが可能である。さらに、とりわけ存在する目標物に対するダイナミクスをあらかじめ低減する予測される走行態様を「早期のアクセルオフによって」表すことができる。したがって、車両100の運転者に快適性の利益及び安全性の利益をもたらすことが可能である。走行モード(例えばエコ、コンフォート及びスポーツ)に依存して、走行モードにそれぞれ適合された特性(走行特性及び/又は減速特性)を設定可能である。したがって、ACC機能とUCC走行機能の間の調和した相互作用が可能となり得る。
【0178】
以下に、本明細書で説明される車両運転システム101の異なる態様を方法に基づき説明する。異なる方法の異なる特徴は、任意に互いに組み合わせることが可能であることを指摘しておく。
【0179】
図5aには、車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法500のフローチャートが示されている。
【0180】
方法500は、走行機能の動作中に、車両100の走行方向において前方に位置する第1(最初)の信号表示ユニット200,210に関するデータを検出すること501を含む。特に、データとして、車両100の1つ若しくは複数の周囲センサの周囲データ及び/又は車両100が走行する車線網についての地図データを検出することが可能である。
【0181】
さらに、方法500は、第1の信号表示ユニット200,210についてのデータに依存して、第1の信号表示ユニット200,210における走行機能を自動的なモード又は手動のモードにおいて動作させること502を含む。このとき、第1の信号表示ユニット200,210は、自動的なモードにおいて場合によっては自動的に、及び手動のモードにおいて場合によっては車両100のユーザによる承認後に初めて、車両100の自動化された長手方向運転において考慮されることが可能である。
【0182】
例えば、信号表示ユニット200,210の信号グループ201の車両100の走行方向にとって関連する色がデータに基づき一義的に検出され得る場合に、走行機能を自動的なモードにおいて動作させることが可能である。関連する信号グループ201の色が一義的に検出されることができない場合には、場合によっては手動のモードを用いることができる。したがって、信号表示ユニット200,210について利用可能なデータに依存して、走行機能の自動的なモード又は手動のモードをフレキシブルに用いることが可能である。自動的なモードと手動のモードの間のフレキシブルな変更により、走行機能の可用性ひいては快適性を向上させることが可能である。
【0183】
図5bには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法510のフローチャートが示されている。
【0184】
方法510は、走行機能の動作中に、車両100の設定時点又は設定位置において、車両100のユーザによって走行機能の特性の設定変更(例えば、自動的なモードから手動のモードへの変更又は走行機能の作動解除)が生じることを検知すること511を含む。
【0185】
方法510は、設定時点又は設定位置において、車両100の走行方向において前方に位置する第1(最初)の信号表示ユニット200が車両100の自動化された長手方向運転において既に考慮されることを特定すること512を更に含む。さらに、方法510は、車両100の自動化された長手方向運転の場合に第1の信号表示ユニット200,210につづく信号表示ユニット200,210において初めて、及び/又は第1の信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転の終了後あるいは完了後に(例えば第1の信号表示ユニット200,210における、停止状態までの車両100の制動後初めて)設定変更を考慮すること513を含む。このとき、第1の信号表示ユニット200,210についての自動化された長手方向運転は、設定変更の考慮なしに引き続きもたらされることが可能である。したがって、走行機能の特に確実な動作を可能とすることができる。
【0186】
図5cには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法520のフローチャートが示されている。
【0187】
方法520は、走行機能の動作中に、走行方向において車両100の前方にある車両100の周囲についての周囲データを検知すること521を含む。このとき、周囲データは、車両100の1つ又は複数の周囲センサ103によって検出されることが可能である。さらに、方法520は、周囲データに基づき、車両100が走行する車線において車両100の走行方向前方に位置する第1の信号表示ユニット200,210を検知すること522を含む。
【0188】
方法520は、周囲データに基づき検出された第1の信号表示ユニット200,210と車両100が走行する車線網についての地図データとの間に矛盾が存在することを特定すること523を更に含む。例えば、周囲データに基づき検知された第1の信号表示ユニット200,210が地図データに示されるものとは別の数(特により多くの数)の異なる信号グループ201を有していることが検知され得る。
【0189】
そのほか、方法520は、周囲データに基づき検知された第1の信号表示ユニット200,210が車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能において考慮されないことをユーザに通知するために、検知された矛盾に応答して、利用不可能性出力、特にNVAを車両100のユーザへもたらすこと524を含む。したがって、走行機能の安全性を更に向上させることが可能である。
【0190】
図5dには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法530のフローチャートが示されている。
【0191】
方法530は、走行機能の動作中に、走行方向において車両100の前方にある車両100の周囲についての周囲データを検知すること531を含む。さらに、方法530は、周囲データに基づき、車両100が走行する車線において車両100の走行方向前方に配置された第1の信号表示ユニット200,210を検知すること532を含む。
【0192】
方法530は、第1の信号表示ユニット200,210までの車両100の時間的及び/又は空間的な距離311についての距離情報を検出すること533を更に含む。そのほか、方法530は、第1の信号表示ユニット200,210についての情報の出力を距離情報に依存してもたらすか、又は抑制すること534を含む。特に、車両100が第1の信号表示ユニット200,210からまだ非常に離れている場合に、出力(特に第1の信号表示ユニット200,210における自動化された長手方向運転についての提案)を抑制することが可能である。これに代えて、又はこれに補足して、車両100が既に第1の信号表示ユニットの近くにある場合には、出力(特に利用不可能性出力)を抑制することが可能である。したがって、出力の妥当性ひいては走行機能の快適性を向上させることが可能である。
【0193】
図5eには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法540のフローチャートが示されている。
【0194】
方法540は、走行機能の動作中に、車両100が第1の信号表示ユニット200,210において発進過程を実行することを特定すること541を含む。さらに、方法540は、車両100の1つ又は複数の周囲センサ103の周囲データに基づき、車両100が走行する車線において車両100の走行方向前方に配置された、第1の信号表示ユニット200,210につづく第2の信号表示ユニット200,210を検知すること542を含む。
【0195】
そのほか、方法540は、発進過程についての1つ又は複数の発進過程条件(例えば、車両100の車速についての、及び/又は第1の信号表示ユニット200,210からの車両100の時間的あるいは空間的な距離についての1つ若しくは複数の発進過程条件)が満たされているか否かをチェックすること543を含む。
【0196】
方法540は、1つ又は複数の発進過程条件が満たされているか否かに依存して、車両100の自動化された長手方向運転において第2の信号表示ユニット200,210を考慮すること544を更に含む。このとき、特に、第1の信号表示ユニット200,210に対して時間的に又は空間的に直近において検知される第2の信号表示ユニット200,210を考慮しないままとすることが可能である。したがって、(例えば、誤って検知された信号表示ユニット200,210の出力が回避されるため)走行機能に信頼性及び快適性を向上させることが可能である。
【0197】
図5fには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法550のフローチャートが示されている。
【0198】
方法550は、走行機能の動作中に、車両100の1つ又は複数の周囲センサ103の周囲データに基づき、車両100が走行する車線において車両100の走行方向前方に配置された第1の信号表示ユニット200,210を検知すること551を含む。さらに、方法550は、走行機能の監視に際して、車両100の運転者の注意力についての運転者データを検出すること552を含む。そのほか、方法550は、運転者データに依存して、第1の信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転についての走行機能を動作させること553を含む。特に、走行機能は、運転者データに依存して、自動的なモード又は手動のモードにおいて動作されることが可能である。したがって、走行機能の安全性及び/又は快適性を向上させることが可能である。
【0199】
図5gには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法560のフローチャートが示されている。
【0200】
方法560は、走行機能の動作中に、車両100が走行する車線において車両100の走行方向前方に配置された第1の信号表示ユニット200,210を検知すること561を含む。さらに、方法560は、第1の信号表示ユニット200,210における車両100の予期される停止期間についての、及び/又は第1の信号表示ユニット200,210のタイプ(ひいてはこれに関連する予期される停止時間)についての停止情報を検出すること562を含む。
【0201】
そのほか、方法560は、停止情報に依存して、第1の信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された減速をもたらすこと563を含む。特に、減速の時間的な推移は、停止情報に依存して適合されることが可能である。したがって、走行機能の快適性及び/又は安全性を向上させることが可能である。
【0202】
図5hには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法570のフローチャートが示されている。方法570は、走行機能の動作中に、車両100が第1の信号表示ユニット200,210(特に赤信号)にあることを特定すること571を含む。さらに、方法570は、車両100の運転者が走行機能の制御のために車両100のユーザインタフェース107の操作要素411,412,413(特にボタン又はロッカスイッチ)を操作することを検知すること572を含む。方法570は、操作要素411,412,413の検知された操作に応答して車両100の自動化された発進をもたらすこと573を更に含む。したがって、信号表示ユニット200,210における快適かつ安全な発進を可能とすることができる。
【0203】
図5iには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法580のフローチャートが示されている。
【0204】
方法580は、走行機能の動作中に、車両100の前方(場合によっては直前)を走行する先行車両についての周囲データに基づき、先行車両が信号表示ユニット200,210と関連付けられた交通ジャンクションを越えて(特に交差点を越えて)走行することを特定すること581を含む。このとき、先行車両は、車両100と同一の車線にあり得る。
【0205】
さらに、方法580は、先行車両の検知された走行に応答して、信号表示ユニット200,210の状態(特に関連する信号グループ201の色)が交通ジャンクションの通過についての許可に関して一義的に検出されることができない場合に、車両100が先行車両につづいて交通ジャンクションを越えて自動的に運転されることをもたらすこと582を含む。先行車両の走行挙動を考慮することで、走行機能の可用性ひいては快適性を向上させることが可能である。
【0206】
図5jには、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能(特にUCC走行機能)を提供する、例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法590のフローチャートが示されている。
【0207】
方法590は、走行機能の動作中に、車両100のアクセルペダルが操作されることを検知すること591を含む。さらに、方法590は、アクセルペダルの操作についての、及び/又はアクセルペダルの操作により生じる車両100の応答についての操作情報を検出すること592を含む。方法590は、操作情報に依存して走行機能の動作の適合すること593、特に継続すること又は中止することを更に含む。このとき、特に、アクセルペダルの操作によって、前方に位置する検知された信号表示ユニット200,210が車両の自動化された長手方向運転において考慮されないこと(したがって、車両100が距離制御及び/又は速度制御、特にACC走行機能によって、検知された信号表示ユニット200,210を通過する)を選択的にもたらすことが可能である。操作情報を考慮することで、走行機能の可用性及び快適性を確実に向上させることが可能である。特に、このように、(信号表示ユニット200,210ごと選択的に)走行機能の快適な無効化をもたらすことが可能である。
【0208】
図6には、信号表示ユニット200,210における車両100の自動化された長手方向運転のための走行機能を提供する、別の例示的な(場合によってはコンピュータ実装された)方法600のフローチャートが示されている。方法600は、走行機能の動作中に、車両100が走行する車線において車両100の走行方向前方に配置された第1の信号表示ユニット200,210を検知すること601を含む。信号表示ユニット200,210は、例えば、周囲データに基づいて、及び/又は地図データに基づいて検知されることが可能である。
【0209】
さらに、方法600は、車両の異なる複数の走行モードのうち設定された走行モードを検出すること602を含む。このとき、走行モードは、車両のユーザ、特に運転者によって(例えば車両の操作要素を介して)設定されることが可能である。複数の走行モードは、例えば、エコ走行モード、コンフォート走行モード及び/又はスポーツ走行モードを含むことが可能である。異なる走行モードは、車両の異なる走行ダイナミクスをもたらすように形成されることができる。このとき、エコ走行モードにおける走行ダイナミクスはコンフォート走行モードにおけるよりも小さく、コンフォート走行モードにおける走行ダイナミクスはスポーツ走行モードにおけるよりも小さくてよい。
【0210】
方法600は、第1の信号表示ユニット200,210への接近時に、特に第1の信号表示ユニット200,210における減速過程時に、設定された走行モードに依存して車両100の自動化された長手方向運転をもたらすこと603を更に含む。UCC走行機能の動作において、設定された走行モードを考慮することで、走行機能の安全性及び快適性を向上させることが可能である。
【0211】
本明細書では、信号表示ユニット200,210を考慮した快適かつ安全な自動化された(SAEレベル2による)長手方向運転を提供するアーバンクルーズコントロール(UCC)走行機能の異なる態様が説明される。
【0212】
本発明は、示された実施例に限定されているものではない。特に、明細書及び図面は、提案される方法、装置及びシステムの原理のみを説明するものとなっていることに留意すべきである。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図5g
図5h
図5i
図5j
図6
【国際調査報告】