(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】治療における使用のためのRAG1の置き換え
(51)【国際特許分類】
C12N 15/12 20060101AFI20231017BHJP
C12N 15/864 20060101ALI20231017BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20231017BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20231017BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20231017BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20231017BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20231017BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231017BHJP
A61K 35/28 20150101ALI20231017BHJP
A61K 35/15 20150101ALI20231017BHJP
C12N 5/0789 20100101ALN20231017BHJP
C07K 14/52 20060101ALN20231017BHJP
C12N 15/55 20060101ALN20231017BHJP
C12N 9/22 20060101ALN20231017BHJP
【FI】
C12N15/12 ZNA
C12N15/864 100Z
C12N15/09 110
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61P37/02
A61K35/28
A61K35/15
C12N5/0789
C07K14/52
C12N15/55
C12N9/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521740
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2021078222
(87)【国際公開番号】W WO2022079054
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514194370
【氏名又は名称】オスペダーレ サン ラファエレ エス.アール.エル
(71)【出願人】
【識別番号】511262290
【氏名又は名称】フォンダツィオーネ テレトン イーティーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィラ,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】ジェノベーゼ,ピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】ナルディーニ,ルイージ
(72)【発明者】
【氏名】サケッティ,ニコロ
(72)【発明者】
【氏名】カスティエロ,マリア カルミナ
(72)【発明者】
【氏名】フェラーリ,サムエレ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
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4B065AA57X
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4B065AA90X
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4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
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4C087ZB07
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA05
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、RAG欠損免疫不全症の処置に使用するための、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含む単離されたポリヌクレオチドに関する。
【選択図】
図1-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含む単離されたポリヌクレオチド。
【請求項2】
(i)第1の相同領域がRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域がRAG1イントロン1の第2の領域と相同であるか;又は
(ii)第1の相同領域がRAG1イントロン1若しくはRAG1エクソン2の第1の領域と相同であり、第2の相同領域がRAG1エクソン2の第2の領域と相同である、
請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項3】
第1の相同領域がRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域がRAG1イントロン1の第2の領域と相同である、請求項1又は請求項2に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項4】
(i)第1の相同領域がchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36569298の下流領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域がchr 11: 36573790の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36573793の下流領域と相同であるか;
(iii)第1の相同領域がchr 11: 36573641の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36573644の下流領域と相同であるか;
(iv)第1の相同領域がchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36573354の下流領域と相同であるか;
(v)第1の相同領域がchr 11: 36569080の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36569083の下流領域と相同であるか;
(vi)第1の相同領域がchr 11: 36572472の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36572475の下流領域と相同であるか;
(vii)第1の相同領域がchr 11: 36571458の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36571461の下流領域と相同であるか;
(viii)第1相同領域がchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36571369の下流領域と相同であるか;
(ix)第1の相同領域がchr 11: 36572859の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36572862の下流領域と相同であるか;
(x)第1の相同領域がchr 11: 36571457の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36571460の下流領域と相同であるか;
(xi)第1の相同領域がchr 11: 36569351の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36569354の下流領域と相同であるか;又は
(xii)第1の相同領域がchr 11: 36572375の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36572378の下流領域と相同である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項5】
(i)第1の相同領域がchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36569298の下流領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域がchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36573354の下流領域と相同であるか;又は
(iii)第1の相同領域がchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36571369の下流領域と相同であり、
好ましくは第1の相同領域がchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域がchr 11: 36569298の下流領域と相同である、請求項1から4のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項6】
第1の相同領域がchr 11: 36569245からchr 11: 36569294を含む領域と相同であり、及び/又は第2の相同領域がchr 11: 36569299からchr 11: 36569348を含む領域と相同である、請求項1から5のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項7】
第1の相同領域の3'末端配列が、配列番号7と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、及び/又は第2の相同領域の5'末端配列が、配列番号19と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる、請求項1から6のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項8】
第1の相同領域が、配列番号31と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか若しくはそれからなり、及び/又は第2の相同領域が、配列番号32と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか若しくはそれからなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項9】
第1及び第2の相同領域が、各々、長さが50~1000bp、長さが100~500bp、又は長さが200~400bpである、請求項1から8のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項10】
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、配列番号4又は配列番号5と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、請求項1から9のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項11】
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、配列番号6と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、請求項1から10のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項12】
スプライスアクセプター部位が、配列番号33と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、請求項1から11のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項13】
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、ポリアデニル化配列に作動可能に連結されており、必要に応じてポリアデニル化配列がbGHポリアデニル化配列である、請求項1から12のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項14】
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、配列番号35と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるポリアデニル化配列に作動可能に連結されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項15】
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、Kozak配列と作動可能に連結されており、必要に応じてKozak配列が、配列番号36と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、請求項1から14のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項16】
ポリヌクレオチドが、配列番号39と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、請求項1から15のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
【請求項18】
ベクターがウイルスベクターであり、必要に応じてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、例えばAAV6ベクターである、請求項17に記載のベクター。
【請求項19】
配列番号41~52又は53~55のいずれかと少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNAであって、必要に応じてガイドRNAが、配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる、ガイドRNA。
【請求項20】
ガイドRNAの5'末端及び/又は3'末端の1~5個の末端ヌクレオチドが、安定性を増強するために化学的に修飾され、必要に応じてガイドRNAの5'末端及び/又は3'末端の3個の末端ヌクレオチドが、安定性を増強するために化学的に修飾され、必要に応じて化学修飾が、2'-O-メチル3'ホスホロチオエートによる修飾である、請求項19に記載のガイドRNA。
【請求項21】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド、又は請求項17若しくは18のいずれか一項に記載のベクターを含む、キット、組成物又は遺伝子編集システム。
【請求項22】
キット、組成物又は遺伝子編集システムが、請求項19又は請求項20に記載のガイドRNAをさらに含む、請求項21に記載のキット、組成物、遺伝子編集システム。
【請求項23】
キット、組成物又は遺伝子編集システムが、RNAガイドヌクレアーゼをさらに含み、必要に応じてRNAガイドヌクレアーゼがCas9エンドヌクレアーゼである、請求項21又は請求項22に記載のキット、組成物又は遺伝子編集システム。
【請求項24】
細胞又は細胞集団を遺伝子編集するための、請求項1から16のいずれか一項に記載の単離されたポリヌクレオチド、請求項17若しくは18のいずれか一項に記載のベクター、請求項19若しくは20のいずれか一項に記載のガイドRNA、又は請求項21から23のいずれか一項に記載のキット、組成物又は遺伝子編集システムの使用。
【請求項25】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチドを含む単離されたゲノム。
【請求項26】
請求項1から16のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド又は請求項25に記載のゲノムを含む単離された細胞。
【請求項27】
細胞が、造血幹細胞(HSC)、造血前駆細胞(HPC)、又はリンパ系前駆細胞(LPC)である、請求項26に記載の単離された細胞。
【請求項28】
細胞がCD34+細胞である、請求項26又は請求項27に記載の単離された細胞。
【請求項29】
請求項26から28のいずれか一項に記載の1つ以上の単離された細胞を含む細胞集団。
【請求項30】
細胞集団の少なくとも50%がCD34+細胞である、請求項29に記載の細胞集団。
【請求項31】
細胞集団の少なくとも20%が、請求項25に記載のゲノムを含むCD34+細胞である、請求項29又は請求項30に記載の細胞集団。
【請求項32】
細胞集団を遺伝子編集する方法であって、
(a)細胞集団を提供するステップ、並びに
(b)RNAガイドヌクレアーゼ、請求項19又は請求項20に記載のガイドRNA、及び請求項17又は請求項18に記載のベクターを細胞集団に送達させて、遺伝子編集された細胞集団を得るステップ
を含む方法。
【請求項33】
対象におけるRAG欠損免疫不全症を処置する方法であって、
(a)細胞集団を提供するステップ、
(b)RNAガイドヌクレアーゼ、請求項19又は請求項20に記載のガイドRNA、及び請求項17又は請求項18に記載のベクターを細胞集団に送達させて、遺伝子編集された細胞集団を得るステップ、並びに
(c)遺伝子編集された細胞集団を対象に投与するステップ
を含む方法。
【請求項34】
細胞集団が、HSC、HPC、及び/若しくはLPCを含むか若しくはそれからなり、並びに/又は細胞集団がCD34+細胞を含むか若しくはそれからなる、請求項32又は請求項33に記載の方法。
【請求項35】
細胞集団が予め活性化され、必要に応じて細胞集団が、1つ以上の初期作用サイトカイン、例えばTPO、IL-6、IL-3、SCF、FLT3-L;1つ以上の形質導入エンハンサー、例えばPGE2;及び1つ以上の拡大エンハンサー、例えばUM171、UM729、SR1から選択される1つ以上のサイトカインとともに培養される、請求項32から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
RNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAが、ベクターの前に及び/又はベクターと同時に送達される、請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
RNAガイドヌクレアーゼがCas9であり、必要に応じてCas9及びガイドRNAがCas9 RNPとして予め組み立てられて送達される、請求項32から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
方法が、p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーを送達するステップをさらに含み、必要に応じてp53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーが、RNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAと同時に送達される、請求項32から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
遺伝子編集された細胞集団が、請求項29から31のいずれか一項に定義されている、請求項32から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
請求項32から39のいずれか一項に記載の方法によって得られる遺伝子編集された細胞集団。
【請求項41】
RAG欠損免疫不全症を処置する方法であって、請求項26から28のいずれか一項に記載の単離された細胞、請求項29から31のいずれか一項に記載の細胞集団、又は請求項40に記載の遺伝子編集された細胞集団を、それを必要とする対象に投与するステップを含む方法。
【請求項42】
対象におけるRAG欠損免疫不全症の処置に使用するための、請求項26から28のいずれか一項に記載の単離された細胞、請求項29から31のいずれか一項に記載の細胞集団、又は請求項40に記載の遺伝子編集された細胞集団。
【請求項43】
RAG欠損免疫不全症が、T-B-重症複合免疫不全症(SCID)、オーメン症候群、非定型SCID又は肉芽腫/自己免疫を伴う複合免疫不全症(CID-G/AI)である、請求項41に記載の方法、又は請求項42に記載の使用のための単離された細胞、細胞集団、若しくは遺伝子編集された細胞集団。
【請求項44】
対象がRAG1欠損を有する、請求項41若しくは請求項43に記載の方法、又は請求項42若しくは請求項43に記載の使用のための単離された細胞、細胞集団、若しくは遺伝子編集された細胞集団。
【請求項45】
対象が、RAG1遺伝子、必要に応じてRAG1エクソン2における突然変異を有する、請求項41、43若しくは44のいずれか一項に記載の方法、又は請求項42から44のいずれか一項に記載の使用のための単離された細胞、細胞集団、若しくは遺伝子編集された細胞集団。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば重症複合免疫不全症の処置としての、RAG1ポリペプチドを導入するために細胞を遺伝子編集する方法に関する。本発明はまた、前記方法における使用のためのポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、及び遺伝子編集システムに関する。本発明はまた、前記方法によって得られた又は得られるゲノム及び細胞に関する。
【背景技術】
【0002】
RAG1及びRAG2タンパク質は、V(D)J組換えを開始し、T細胞及びB細胞の多様なレパートリーの生成を可能にする(Teng G, Schatz DG. Advances in Immunology. 2015;128:1-39)。ヒトにおけるRAGの突然変異は、T- B- SCID、オーメン症候群(OS)、非定型SCID(AS)、及び肉芽腫/自己免疫を伴う複合免疫不全症(CID-G/AI)を含む幅広いスペクトルの表現型を生じる(Notarangelo LDら、Nat Rev Immunol. 2016;16(4):234-246)。
【0003】
造血幹細胞移植(HSCT)は、一致した兄弟姉妹以外のドナーからの移植後の全生存率が約80%である、T- B- SCID、OS、及びASを含む重症型のRAG1欠損症の主要因である(Haddad Eら、Blood. 2018;132(17):1737-49)。しかし、非一致兄弟姉妹ドナーにおける全生存率はそれより低く、骨髄破壊的な又は低強度の前処理の非存在下では、高率のグラフト不全並びにT細胞及びB細胞の免疫再構成の不良が観察される。ドナーの型及び前処理に加えて、HSCTの後の不良な転帰に付随するその他の因子には、年齢(3.5か月を超える)及び移植時の感染が含まれる。
【0004】
HSCTに伴う障害を克服する代替のアプローチは遺伝子治療によって代表される。RAG活性の非存在で生じるT細胞及びB細胞のブロックを克服するための遺伝子を修正した造血幹細胞(HSC)の選択的な利点は、そのような戦略を開発するための論拠を表している。近年、レンチウイルスベクターが、目的の導入遺伝子を送達し、好適なプロモーターの制御の下にその発現を可能にするための選択戦略となってきた(Naldini L, Nature. 2015;526:351-360)。RAG1欠損症の場合には、内因性RAG1遺伝子発現が細胞サイクルの間及びリンパの発達の間に厳しく調節されているという観察が、異所性の又は異常調節された遺伝子発現が免疫調節異常又は白血病をもたらすというリスクにさらす可能性がある(Lagresle-Peyrou Cら、Blood. 2006;107(1):63-72; Pike-Overzet Kら、Leukemia. 2011;25(9):1471-83; 及びPike-Overzet Kら、Journal of Allergy and Clinical Immunology . 2014;134:242-243)。いくつかのグループが、皮膚、肺、肝、腎における細胞浸潤及び循環系中の抗二本鎖DNAの存在を伴う不良な免疫再構成又は重篤な炎症の兆候を示す前臨床モデルにおけるRAG欠損症のためのレンチウイル媒介遺伝子療法の安全性及び有効性を検討した(van Til NPら、J Allergy Clin Immunol. 2014;133(4):1116-23)。
【0005】
全体として、これらのデータは次善のレベル及び無秩序なパターンの遺伝子発現を可能にする従来のRAG1遺伝子療法ベクターの臨床使用に重大な懸念を提起している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、RAG1欠損症に対する改善された処置への需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、遺伝子の全コード配列を含有する第2エクソンの5'に位置するゲノム領域を標的化することによって、RAG1遺伝子における突然変異を修正するための遺伝子編集戦略を開発した。
【0008】
本発明者らは、CRISPR-Cas9ヌクレアーゼのパネルを設計及び選択し、ヒトRAG1遺伝子の第1イントロンの非反復領域における特異的部位を同定した。本発明者らは、CRISPR-Cas9ヌクレアーゼリボ核タンパク質複合体の送達のためのガイドRNA及び最適条件を同定した。並行して、本発明者らは、ヒトRAG1 cDNAを有するドナーDNAを開発した。
【0009】
遺伝子編集戦略は、RAG1発現を欠損し、組換えカセットを発現する代理細胞系と、動員末梢血(mPB)から得られたヒトCD34+HSCの両方において、高レベルの活性(NHEJ突然変異誘発の頻度として測定した)及び標的化効率(GFP発現として測定した)を可能にする。動員末梢血(mPB)CD34+細胞において、遺伝子編集法を使用して高い編集効率に到達した。
【0010】
一態様では、本発明は、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドを提供する。
【0011】
別の態様では、本発明は、5'から3'に、第1の相同領域、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドを提供する。
【0012】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1イントロン1の第2の領域と相同であるか;又は
(ii)第1の相同領域はRAG1イントロン1若しくはRAG1エクソン2の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1エクソン2の第2の領域と相同である。
【0013】
一部の実施形態では、第1の相同領域はRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1イントロン1の第2の領域と相同である。
【0014】
一部の実施形態では、第1の相同領域はRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1エクソン2の第2の領域と相同である。
【0015】
一部の実施形態では、第1の相同領域はRAG1エクソン2の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1エクソン2の第2の領域と相同である。
【0016】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域はchr 11: 36573790の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573793の下流領域と相同であるか;
(iii)第1の相同領域はchr 11: 36573641の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573644の下流領域と相同であるか;
(iv)第1の相同領域はchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573354の下流領域と相同であるか;
(v)第1の相同領域はchr 11: 36569080の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569083の下流領域と相同であるか;
(vi)第1の相同領域はchr 11: 36572472の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572475の下流領域と相同であるか;
(vii)第1の相同領域はchr 11: 36571458の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571461の下流領域と相同であるか;
(viii)第1の相同領域はchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571369の下流領域と相同であるか;
(ix)第1の相同領域はchr 11: 36572859の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572862の下流領域と相同であるか;
(x)第1の相同領域はchr 11: 36571457の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571460の下流領域と相同であるか;
(xi)第1の相同領域はchr 11: 36569351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569354の下流領域と相同であるか;又は
(xii)第1の相同領域はchr 11: 36572375の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572378の下流領域と相同である。
【0017】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域はchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573354の下流領域と相同であるか;又は
(iii)第1の相同領域はchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571369の下流領域と相同である。
【0018】
好ましい実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同である。
【0019】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36573790の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573793の下流領域と相同である。
【0020】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36573641の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573644の下流領域と相同である。
【0021】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573354の下流領域と相同である。
【0022】
一部の実施態様では、第1の相同領域はchr 11: 36569080の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569083の下流領域と相同である。
【0023】
一部の実施態様では、第1の相同領域はchr 11: 36572472の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572475の下流領域と相同である。
【0024】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36571458の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571461の下流領域と相同である。
【0025】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571369の下流領域と相同である。
【0026】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36572859の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572862の下流領域と相同である。
【0027】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36571457の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571460の下流領域と相同である。
【0028】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569354の下流領域と相同である。
【0029】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36572375の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572378の下流領域と相同である。
【0030】
好ましい実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569295からchr 11: 36569294を含む領域と相同であり、及び/又は第2の相同領域はchr 11: 36569299からchr 11: 36569348を含む領域と相同である。
【0031】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、及び/又は第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる。
【0032】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号31と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか若しくはそれからなり、及び/又は第2の相同領域は、配列番号32と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか若しくはそれからなる。
【0033】
一部の実施形態では、第1及び第2の相同領域は、各々、長さが50~1000bp、長さが100~500bp、又は長さが200~400bpである。
【0034】
一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号4又は配列番号5と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0035】
一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号6と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0036】
一部の実施形態では、スプライスアクセプター部位は、配列番号33と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0037】
好ましい実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ポリアデニル化配列に作動可能に連結されており、必要に応じてポリアデニル化配列はbGHポリアデニル化配列である。
【0038】
一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号35と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるポリアデニル化配列に作動可能に連結されている。
【0039】
一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、Kozak配列と作動可能に連結されており、必要に応じてKozak配列は、配列番号36と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0040】
一部の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号39と少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0041】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0042】
一部の実施形態では、ベクターはウイルスベクターであり、必要に応じてアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、例えばAAV6ベクターである。一部の実施形態では、ベクターは、レンチウイルスベクター、例えば組込み欠損レンチウイルスベクター(IDLV)である。
【0043】
別の態様では、本発明は、配列番号41~52のいずれかと少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNAを提供する。
【0044】
別の態様では、本発明は、配列番号53~55のいずれかと少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNAを提供する。
【0045】
好ましい実施形態では、ガイドRNAは、配列番号41と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。好ましい実施形態では、ガイドRNAは、配列番号53と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号42と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号43と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号44と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号45と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号46と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号47と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号48と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号49と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号50と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号51と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号52と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号54と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号55と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0046】
一部の実施形態では、ガイドRNAの5'末端及び/又は3'末端ヌクレオチドの1から5個は、安定性を増強するために化学的に修飾され、必要に応じてガイドRNAの5'末端及び/又は3'末端の3つの末端ヌクレオチドが、安定性を増強するために化学的に修飾され、必要に応じて化学的修飾は、2'-O-メチル3'ホスホロチオエートによる修飾である。
【0047】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド又はベクターを含むキットを提供する。
【0048】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド又はベクターを含む組成物を提供する。
【0049】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド又はベクターを含む遺伝子編集システムを提供する。
【0050】
一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、本発明のガイドRNAをさらに含む。一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、RNAガイドヌクレアーゼをさらに含み、必要に応じてRNAガイドヌクレアーゼはCas9エンドヌクレアーゼである。
【0051】
別の態様では、本発明は、細胞又は細胞集団を遺伝子編集するためのポリヌクレオチド、ベクター、キット、組成物、又は遺伝子編集システムの使用を提供する。一部の実施形態では、使用は、エクスビボ又はインビトロ使用である。
【0052】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むゲノムを提供する。
【0053】
別の態様では、本発明は、スプライスアクセプター配列及びRAG1イントロン1又はRAG1エクソン2に位置するRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むゲノムを提供する。一部の実施形態では、スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、RAG1イントロン1に位置する。
【0054】
一部の実施形態では、
(i)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36569295~chr 11: 36569298を置換するか;
(ii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36573790~chr 11: 36573793を置換するか;
(iii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36573641~chr 11: 36573644を置換するか;
(iv)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36573351~chr 11: 36573354を置換するか;
(v)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36569080~chr 11: 36569083を置換するか;
(vi)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36572472~chr 11: 36572475を置換するか;
(vii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36571458~chr 11: 36571461を置換するか;
(viii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36571366~chr 11: 36571369を置換するか;
(ix)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36572859~chr 11: 36572862を置換するか;
(x)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36571457~chr 11: 36571460を置換するか;
(xi)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36569351~chr 11: 36569354を置換するか;又は
(xii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36572375~chr 11: 36572378を置換する。
【0055】
一部の実施形態では、
(i)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36569295~chr 11: 36569298を置換するか;
(ii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36573351~chr 11: 36573354を置換するか;又は
(iii)スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36571366~chr 11: 36571369を置換する。
【0056】
一部の実施形態では、スプライスアクセプター配列及びRAG1をコードするヌクレオチド配列は、chr 11: 36569295~chr 11: 36569298を置換する。
【0057】
別の態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、又はゲノムを含む細胞を提供する。
【0058】
別の態様では、本発明は、本発明の1つ以上の細胞を含む細胞集団を提供する。
【0059】
別の態様では、本発明は、細胞集団を遺伝子編集する方法であって、本発明のポリヌクレオチド又はベクターを細胞集団に送達させて、遺伝子編集された細胞集団を得るステップを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、方法は、エクスビボ又はインビトロ方法である。
【0060】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象における免疫不全症を処置する方法であって、本発明のポリヌクレオチド又はベクターを細胞集団に送達させて、遺伝子編集された細胞集団を得るステップ、及び遺伝子編集された細胞集団を対象に投与するステップを含む、方法を提供する。
【0061】
別の態様では、本発明は、本発明の方法によって得られる遺伝子編集された細胞集団を提供する。
【0062】
別の態様では、本発明は、対象における免疫不全症の処置に使用するための、ポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、又は遺伝子編集システムを提供する。
【0063】
別の態様において、本発明は、本発明の細胞、細胞集団、又は遺伝子編集された細胞集団を対象に投与するステップを含む、対象を処置する方法を提供する。
【0064】
別の態様において、本発明は、本発明の細胞、細胞集団、又は遺伝子編集された細胞集団を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象における免疫不全症を処置する方法を提供する。
【0065】
別の態様では、本発明は、医薬として使用するための、本発明の細胞、細胞集団、又は遺伝子編集された細胞集団を提供する。
【0066】
別の態様では、本発明は、対象における免疫不全症の処置に使用するための、本発明の細胞、細胞集団、又は遺伝子編集された細胞集団を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1-1】NALM6 Cas9及びK562 Cas9細胞系の生成を示す。A) 遺伝子修正アプローチの概略図。
【
図1-2】B) K562 Cas9及びNALM6 Cas9細胞系の生成のためのプロトコールの概略図; C) ddPCRによって測定した、組み込まれたCas9含有カセットのベクターコピー数(VCN)、ノーマライザーとしてテロメラーゼを用いた; D) NALM6 Cas9 (左パネル)及びK562 Cas9 (右パネル)細胞系においてqPCRによって測定した、用量を増減したドキシサイクリンについてのCas9の発現、アクチンに対する倍数変化として表した。
【
図2】最適性能のgRNAの選択を示す。A) 試験した様々なgRNAが標的とするイントロン及びエクソンの遺伝子座の概略図; B) 実験プロトコールの概略図; C) 様々なガイドをコードする様々な用量のプラスミドで処理されたK562 Cas9におけるNHEJ誘導インデルのパーセンテージ、トランスフェクションの7日後、n=1; D) ガイド3、7、及び9をコードする様々な用量のプラスミドで処理されたNALM6 Cas9におけるNHEJ誘導インデルのパーセンテージ、トランスフェクションの7日後、n=1; E) in vitroで予め組み立てられたRNPとしての様々な用量のガイド3及び9で処理されたNALM6 Cas9におけるNHEJ誘導インデルのパーセンテージ、トランスフェクションの7日後、n=1。
【
図3-1】ドナーDNAの最適化を示す。A) RT-qPCRによって測定し、293T細胞系におけるRAG1の発現に対する倍数変化として表したRAG1遺伝子の発現、ノーマライザーとしてアクチンを用いた; B) 試験した様々なSA_GFP DNAドナーの概略図; C) SA_GFP_SDドナーによるスプライシング機構の概略図; D) GFP+細胞としてフローサイトメトリーによって測定した標的細胞のパーセンテージ、トランスフェクションの7日後; E) GFP +事象についてゲーティングした平均蛍光強度(MFI)として測定したGFPの発現レベル。
【
図3-2】F) 代表的なFlowJoプロット; 一方向ANOVA、多重比較のためのGeisser-Greenhouse補正、n=3、P値: *<0.05; **<0.005; ***<0.0005; ****<0.0001。平均±SDを示す。
【
図4-1】オフターゲット解析を示す。A) 表は、ガイド9についてin silico COSMIDツールによって予測された上位10個のオフターゲット部位を示す。オフターゲット配列、PAMの型、スコア、ミスマッチの数、及び染色体の位置を示す。B-C) NHEJ(D)のパーセンテージとして測定した切断効率及び標的部位におけるdsDNAタグ組み込み(ODN)をK562細胞中のRFLPによって評価する。
【
図4-2】D-E) プロットは、ガイド9(D)及びガイド7(E)のオンターゲットリード(第11染色体)並びに拘束を緩和することによってガイド7について同定されたオフターゲットリード(第20及び第9染色体)のカバレッジを示す。
【
図5-1】遺伝子編集プロトコールの最適化、ガイド3の効率を示す。A) 遺伝子編集プロトコールの概略図; B) ゲーティング戦略の概略図。
【
図5-2】C) in vitroで予め組み立てられたRNPとしての様々な用量のガイド3及び9で処理されたhCB-CD34
+細胞におけるNHEJ誘導インデルのパーセンテージ、n=2; D) hCD34
+ゲートにおけるGFP
+細胞としてフローサイトメトリーによって測定した、ガイド3を用いる標的細胞のパーセンテージ、n=1; E) hCD133 hCD90の発現についての3つの主要なhCD34+細胞サブ集団におけるGFP
+ 細胞としてフローサイトメトリーによって測定した、ガイド3を用いる標的細胞のパーセンテージ、n=1。
【
図6-1】遺伝子編集プロトコールの最適化、ガイド9の効率を示す。A) 4日目に7AAD
-/アネキシンV
- としてフローサイトメトリーによって測定した生存細胞のパーセンテージ; B) 3日目と比較した倍数増加として表した7日目における全細胞数; C) フローサイトメトリーによって測定した7日目におけるhCD34
+細胞の頻度; D) 7日目のhCD133及びhCD90の発現に基づいてフローサイトメトリーによって測定した3つのhCD34
+細胞サブ集団の分布。
【
図6-2】E) 7日目のhCD133及びhCD90の発現に基づいて3つのhCD34
+細胞サブ集団中のGFP
+細胞としてフローサイトメトリーによって測定した標的細胞の頻度; F) 7日目にddPCRによって測定した標的細胞のパーセンテージ、ノーマライザーとしてテロメラーゼのゲノム部位を用いた; G) ddPCRによって標的細胞の頻度について計算した7日目における編集された細胞の全数。一方向ANOVA、多重比較のためのGeisser-Greenhouse補正、n=3。P 値: *<0.05; **<0.005; ***<0.0005; ****<0.0001。平均±SDを示す。
【
図7-1】遺伝子編集されたhCB-CD34
+細胞のin vivo移植を示す。A) 4日目にddPCRによって測定した標的細胞のパーセンテージ、ノーマライザーとしてテロメラーゼのゲノム部位を用いた。B 末梢血(PB)中のhCD45
+細胞の頻度としてフローサイトメトリーによって測定した処理細胞の生着。C) hCD45
+ゲートにおけるGFP
+細胞の頻度としてフローサイトメトリーによってPB中で測定した標的細胞の生着; D、F、H) それぞれhCD45
+ゲートにおけるhCD19
+細胞(D)、hCD3
+細胞(F)、hCD13
+細胞(F)のパーセンテージとして測定したPB中のB細胞、T細胞、及び骨髄性細胞の頻度。E、G、I) それぞれhCD19
+ (E)ゲート、hCD3
+ゲート(G)、及びhCD13
+ゲート(I)におけるGFP
+細胞として測定したPB中のB細胞、T細胞、及び骨髄性細胞のコンパートメントの中の標的細胞; L) 骨髄中のhCD45
+細胞の中のフローサイトメトリーによって測定したhCD34
+細胞の頻度; M) 骨髄中のhCD34
+細胞の中のGFP
+細胞としてフローサイトメトリーによって測定した標的細胞の頻度; N) 胸腺(hCD4及びhCD8の発現による)、末梢血及び脾(hCD3、hCD4、及びhCD8の発現による)における様々なT細胞の発達ステージの中のフローサイトメトリーによって測定したGFP
+発現細胞の頻度、移植後17週。移植後17週におけるMann-Whitney検定。グループサイズ: SA_GFP n=5; PGK_GFP n=4。P値: *<0.05; **<0.005; ***<0.0005; ****<0.0001。平均±SDを示す。
【
図8-1】hMPB-CD34
+細胞についての修正ドナーの試験を示す。A) 修正ドナーの概略図; B) 実験プロトコールの概略図。
【
図8-2】C) 4日目にhCD133及びhCD90の発現によって選別したhCD34
+細胞サブ集団についてddPCRによって測定した標的細胞のパーセンテージ、ノーマライザーとしてテロメラーゼのゲノム領域を用いた; D) 0日目と比較した倍数増加として表した4日目における全細胞数。N=3。
【
図9-1】HD及びRAG1患者由来の編集されたhMPB-CD34
+細胞のin vivo移植を示す。A) 実験群の概略図; B) 4日目にddPCRによって測定した標的細胞のパーセンテージ、ノーマライザーとしてテロメラーゼのゲノム領域を用いた。C) hCD45
+細胞の頻度としてPB中でフローサイトメトリーによって測定した細胞の生着; D) 移植8週後のPB中のddPCRによって測定したヒト細胞中の標的細胞の頻度、ノーマライザーとしてテロメラーゼのゲノム領域を用いた。
【
図9-2】E) hCD45
+ゲートにおけるhCD19、hCD3、及びhCD13の発現によるフローサイトメトリーによって測定したHD処理及び未処理の細胞のMPB-CD34
+を移植したマウスのPB中における免疫細胞の分布; F) hCD45+ゲートにおけるhCD19、hCD3、及びhCD13の発現によるフローサイトメトリーによって測定した処理及び未処理のRAG1患者由来のMPB-CD34
+細胞を移植したマウスのPB中における免疫細胞の分布; G、H) フローサイトメトリーによってhCD45
+細胞の頻度として測定したヒト生着の割合(左パネル)及びddPCRによってHDRとして測定した標的効率(右パネル)の骨髄(G)及び脾(H)における解析。平均±SDを示す。
【
図10】遺伝子編集操作の前後におけるHD及びRAG1患者由来のhMPB-CD34
+細胞のマルチパラメーター解析を示す。A、B)健康なドナー(HD、A)及びRAG1患者(Pt、B)由来のMPB-CD34
+細胞においてフローサイトメトリーによってHSPC組成の解析を実施した。解析は増殖相の前(-3日目)及び遺伝子編集手順(GE)の1日後に実施した。未処理の細胞(UT)も、編集した細胞と同じ日に解析した。グラフは、造血幹細胞(HSC)、多能性前駆細胞(MPP)、マルチリンパ系前駆細胞(MLP)、初期T前駆細胞(ETP)、B及びNK細胞前駆細胞(Pre-B/NK)、骨髄球性共通前駆細胞(CMP)、顆粒球-単球前駆細胞(GMP)、巨核赤血球前駆細胞(MEP)、巨核球前駆細胞(MKp)、及び赤血球前駆細胞(EP)を含むリニエージ陰性(Lin
-)CD34
+ゲートにおいて解析した20種のサブタイプを示す。
【
図11-1】RAG1編集のためのドナーのスクリーニングを示す。A)ドナー構築物の概略図。HA_L, 左相同アーム、HA_R, 右相同アーム、SA, スプライスアクセプター、SD, スプライスドナー、BGHpA, ウシ成長ホルモンポリA、WPRE, ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント、IRES, 内部リボソーム侵入部位配列、PEST, プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、及びスレオニン(T)。B) 実験プロトコールの概略図。
【
図11-2】C) フローサイトメトリーによって経時的に測定したGFP+ 事象でゲーティングした平均蛍光強度(MFI)として示すGFP発現レベル(d、編集後の日数)。D) 血清飢餓細胞におけるGFP発現の調節を、飢餓細胞のGFP MFI (-FBS)及び非飢餓細胞のGFP MFI (+FBS)の比として示す(1つの実験が3つを代表)。
【
図12】RAG1遺伝子座のHDR効率に対する編集エンハンサーの影響を示す。A) 遺伝子編集プロトコール(上のパネル)及び人工胸腺オルガノイド(ATO)プロトコール(下のパネル)の概略図。B) 編集の7日後にddPCRによって測定した編集済みアレルのパーセンテージとしてHDR効率を示す; C) 編集の7日後にhCD34
+サブセットの中のGFP
+細胞としてフローサイトメトリーによって測定した標的細胞の頻度; D) 健康なドナー由来のMPB又はBMのCD34
+細胞においてフローサイトメトリーによってHSPC組成の解析を実施した。解析は増殖相の前(0日目)及び遺伝子編集手順の1日後(GE、4日目)に実施した。未処理の細胞(UT)も、編集した細胞と同じ日に解析した。グラフは、造血幹細胞(HSC)、多能性前駆細胞(MPP)、マルチリンパ系前駆細胞(MLP)、初期T前駆細胞(ETP)、B及びNK細胞前駆細胞(Pre-B/NK)、骨髄球性共通前駆細胞(CMP)、顆粒球-単球前駆細胞(GMP)、巨核赤血球前駆細胞(MEP)、巨核球前駆細胞(MKp)、及び赤血球前駆細胞(EP)を含むリニエージ陰性(Lin
-)CD34
+ゲートにおいて解析した20種のサブタイプを示す。
【
図13-1】T細胞の分化可能性に対する編集エンハンサーの影響を示す。未処理の細胞(UT)又はHDRエンハンサーあり又はなしで編集した細胞とともに人工胸腺オルガノイド(ATO)を播種した4週後のATOの代表的な画像。B) ATO播種の4週後にATOから収穫した細胞の全数。
【
図13-2】C) ATO播種の4週後にバルクの分化したT細胞におけるddPCRによって測定した編集済みアレルのパーセンテージとしてHDR効率を示す。D) ATO播種の4週後のフローサイトメトリーによって、特徴のあるT細胞サブ集団の中のGFP+細胞のパーセンテージとしてHDR効率を測定する。
【
図14】イントロン修正戦略のためのドナー構築物を示す。イントロン修正戦略のために用いたSA_coRAG1 CDS_BGHpA (A)及びSA_coRAG1 CDS_SD (B)ドナー鋳型の概略図。HA, 相同アーム、SA, スプライスアクセプター、SD, スプライスドナー、coRAG1 CDS, コドン最適化RAG1コード配列、BGHpA, ウシ成長ホルモンポリA、Ex., エクソン、gRNA, ガイドRNA、3'UTR, 3'未翻訳領域、HDR, 相同組換え修復。
【
図15】NALM6.Rag1KO細胞における修正ドナー比較を示す。(A) 2種のドナー: SA_coRAG1 CDS_BGHpA対SA_coRAG1 CDS_SDドナーの修正有効性を比較するために実施した実験の概略図。(B) 種々のNALM6.Rag1KO編集クローンにおいてRT-qPCRによってRAG1 CDSの発現を評価し、ハウスキーピングベータ-アクチンに対する相対的発現として測定した。(C) 形質導入した細胞についてフローサイトメトリーによってゲーティングしたGFP+細胞の割合として、血清飢餓の7日後に組換え活性を評価した。
【
図16-1】HD-HSPCにおける修正ドナー比較を示す。(A) 造血幹細胞及び前駆細胞を、SA_coRAG1 CDS_BGHpA又はSA_coRAG1 CDS_SDドナーとの組合せでRNPとしてのガイド9及びCas9によって編集した。編集の4日後に、バルクHSPCにおけるddPCRによって、編集されたアレルの割合を評価した。(B) 細胞選別によって単離されたHSPCサブセットにおけるddPCRによって、編集されたアレルの割合を評価した。(C) 指示されたドナー、用量、及び遺伝子編集(GE)後の日数による、未処理の(UT)又は編集されたHSPCにおける細胞増殖の速度論。(D) 播種の14日後に赤色(赤血球性)、白色(骨髄性)、及び混合コロニーの数を顕微鏡で計数することによって、未処理の又は編集されたHSPCについてコロニー形成単位(CFU)アッセイを実施した。(E) 編集の4日後に解析したhCD133及びhCD90の発現に基づいてフローサイトメトリーによって測定したCD34+細胞サブ集団及びCD34-細胞の分布。
【
図16-2】(F) ATO播種の7週後にフローサイトメトリーによって解析したT細胞の分化ステージの代表的なプロット。
【
図16-4】(G) ATO播種の6週後にフローサイトメトリーによって、バルク、CD4+ CD8+二重陽性(DP)細胞及びCD4- CD8-二重陰性(DN)細胞における編集済みアレルの割合としてHDR効率を測定する。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本明細書で使用される場合及び添付した特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈によって明確に他が指示されない限り、複数の指示対象も含むことに留意しなければならない。
【0069】
本明細書で使用される用語「含む(comprising、comprises、及びcomprised of)」は「含む(including、includes、又はcontaining、contains)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであって、さらなる言及していないメンバー、エレメント、又は方法ステップを除外しない。用語「含む(comprising、comprises、及びcomprised of)」も、用語「からなる(consisting of)」を含む。
【0070】
数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。他に指示しない限り、いずれの核酸配列も5'から3'への配向において左から右へ書かれ、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの配向においてそれぞれ左から右へ書かれる。
【0071】
言及する全てのゲノムの位置はヒトゲノムアセンブリーGRCh38.p13 (GCF_000001405.39)に基づいている。当業者であれば、代替のゲノムアセンブリーにおける対応するゲノムの位置を同定することができ、それに従って、言及したゲノムの位置を変換することができる。例えば、RAG1はアセンブリーGRCh38.p13のchr 11: 36510353~36579762及びアセンブリーGRCh37.p13のchr 11: 36532053~36601312に位置している。
【0072】
本明細書で論じる出版物は、本出願の提出日以前のそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書の中のいずれも、そのような出版物が本明細書に添付した特許請求の範囲に対する先行技術を構成することを認めると解釈すべきではない。
【0073】
組換え活性化遺伝子1(RAG1)
本発明は、例えば重症複合免疫不全症の処置としてRAG1ポリペプチドを導入するために細胞を遺伝子編集する方法に関する。本発明はまた、前記方法における使用のためのポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、及び遺伝子編集システム、並びに前記方法によって得られた又は得られるゲノム及び細胞に関する。
【0074】
「RAG1」は組換え活性化遺伝子1によってコードされるポリペプチドの略称であり、RAG-1、RNF74、及び組換え活性化1としても知られている。
【0075】
RAG1は、V(D)J組換えの間のDNA切断相を媒介するマルチプロテイン複合体であるRAG複合体の触媒成分である。V(D)J組換えは、様々なV(可変)、ある場合にはD(多様)、及びJ(接合)遺伝子セグメントの再配置によるBリンパ球及びTリンパ球の発達において免疫グロブリン及びT細胞受容体の遺伝子の多様なレパートリーを組み立てる。RAG複合体において、RAG1は、保存された組換えシグナル配列(RSS)へのDNAの結合を媒介し、RSSと隣接するコーディングセグメントとの間に二本鎖切断を導入することによって、DNA切断活性を触媒する。RAG2は触媒成分ではないが、全ての既知の触媒活性のために必要である。
【0076】
「RAG1ポリペプチド」はRAG1活性を有するポリペプチドであり、例えばRAG複合体を形成し、RSSへのDNAの結合を媒介し、RSSと隣接するコーディングセグメントとの間に二本鎖切断を導入することができるポリペプチドである。好適には、RAG1ポリペプチドは野生型RAG1と同じ又は同様の活性を有することができ、例えば野生型RAG1ポリペプチドの活性の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、又は少なくとも150%を有し得る。
【0077】
RAG1ポリペプチドはRAG1の断片及び/又はRAG1のバリアントであってよい。
【0078】
「RAG1の断片」は、完全長のRAG1ポリペプチドと同じ又は同様の活性を有する完全長のRAG1ポリペプチドの部分又は領域を意味し、即ち、断片は機能性断片であり得る。断片は、完全長のRAG1ポリペプチドの活性の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は100%を有し得る。当業者であれば、RAG1の既知の構造的及び機能的な特性に基づいて断片を生成することができる。これらは、例えばArbuckle, J.L.ら、2011. BMC biochemistry, 12(1), p.23; Ru, H.ら、2015. Cell, 163(5), pp.1138-1152; 及びKim, M.S.ら、2015. Nature, 518(7540), pp.507-511に記載されている。
【0079】
触媒のために必要なRAG1の最小領域は同定されている。これらの領域はコアタンパク質と称される。コアRAG1は、ノナマー結合ドメイン(NBD、残基389~464)、中央ドメイン(残基528~760)、及びC末端ドメイン(残基761~980)ドメインと称される多数の構造ドメインからなっている。NBD及び中央ドメインによってそれぞれRSSノナマー及びヘプタマーを認識する能力に加えて、コアRAG1は必須の酸性活性部位残基を含む(Arbuckle, J.L.ら、2011. BMC biochemistry, 12(1), p.23)。好適には、RAG1の断片は、ノナマー結合ドメイン、中央ドメイン、及び/又はC末端ドメインを含む。
【0080】
「RAG1バリアント」は、野生型RAG1ポリペプチドと少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%同一、必要に応じて少なくとも95%又は少なくとも97%又は少なくとも99%同一であってよいアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を含み得る。RAG1バリアントは野生型RAG1ポリペプチドと同じ又は同様の活性を有することができ、例えば野生型RAG1ポリペプチドの活性の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、又は少なくとも150%を有し得る。当業者であれば、RAG1の既知の構造的及び機能的な特性に基づいて、及び/又は保存的置換を用いて、RAG1バリアントを生成することができる。
【0081】
RAG1をコードする遺伝子(NCBI遺伝子ID: 5896)は、ヒトゲノムのchr 11: 36510353~36579762に位置している。
【0082】
いくつかの代替のmRNAがRAG1遺伝子から転写される。転写バリアント1(NM_000448)は2つのエクソン及び1つのイントロンを有している。本明細書で使用される場合、転写バリアント1の第1エクソンに対応するRAG1遺伝子の領域は「RAG1エクソン1」と称され、転写バリアント1のイントロンに対応するRAG1遺伝子の領域は「RAG1イントロン1」と称され、第2エクソンに対応するRAG1遺伝子の領域(これはRAG1ポリペプチドをコードする)は「RAG1エクソン2」と称される。
【0083】
好適には、RAG1エクソン1はchr 11: 36568006~chr 11: 36568122に由来し、RAG1イントロン1はchr 11: 36568123~chr 11: 36573290に由来し、及び/又はRAG1エクソン2はchr 11: 36573291~chr 11: 36579762に由来する。
【0084】
好適には、RAG1エクソン1は配列番号1のヌクレオチド配列又はそのバリアントからなり、RAG1イントロン1は配列番号2のヌクレオチド配列又はそのバリアントからなり、及び/又はRAG1エクソン2は配列番号3のヌクレオチド配列又はそのバリアントからなる。
【0085】
実例的なRAG1エクソン1(配列番号1)
agaaacaagagggcaaggagagagcagagaacacactttgccttctctttggtattgagtaatatcaaccaaattgcagacatctcaacactttggccaggcagcctgctgagcaag
【0086】
実例的なRAG1イントロン1(配列番号2)
gtaacactcatacttttcatgccttgagccaaaatatttattacatttttatgtttctaactagaagtgcttgagctttttttccttccaggtgatgaggggatggaatgagcaaagctacatcaatttttttttaatgtatgaaaataaaaaaggtacaagaggccaagtttagggccactgaaggttcatagaaagatgcaaaatatctgaattactataaatgaatgctattgtcagaggaaaggtttaaggagtgcttcttgaatgaatgtgtacaaatcagcagaaggtaaggtgtgagactcttggaaatgaatactggtagttcaggtgagaaaaataatcaggaacataatagggtgggaggaaatgtatggtttcccaggtattaacaagtattgccaggcatttcctgaactagattggcctaagtaggagaccaatgtttctcaaaatattcactcattttagaatcactgaatgtttaaaaatgcaatttctggattccttcccaaacagccagactctttgggacctgatgatctgcatttctttttaaaaacaaactcgctcatgattctgatttgtattaattttgagaattgccatggtagagaccctgctttgaggttatgttcttgagtcaggattcctggccagggattgtgatgatatatttctctttctgaagtggttcatgcaagaggttgtctgaaggaagagcaagaattgtagtgttattttgtggatacttgagacttataaaaaggctttttattttgtcacatttttgatacatgatgtttggcaaaaaacagacgatagtatttgcagagtgaatgaataagtggaacaggtgtgataatgagaggtcacacttgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtcgagatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcacatatacagctagtctttaaaacagttttatccaaaataaatgtatcacaaaattaataaaaatagttacttgcttgttttgaataattcaaatgatacaaaaattaataaaataaaaagtgcaaaaggccctcttatcaatgccaattctatttttttcagaaattaaacactgttaagattttagtgtgtatcctttcagaattcctgtgatttcatatatgtacaaatacaaacgtatctacataaagggaatcctactatacttgctattgtcattctattctctgctttttcatgtgagcatctttccatgtcactgatgcatacagaaattgcacatatgcatcagtgcatacagaaaattaaattttctgcatggttttccactgtatgtctggaccatagtttatttaataataatgccctttgggtaattatttatattgtttcctgctttttcaaagtaacagcttttgaaacaaatctctctctgtctttatataaatattgttgcattcctgtggaaatgtttctattggataacttcccaaaaggagatttattgcatcaaagataatatattcaaaaattttaaagatattgctaaattgtctagtaggtattttataccaatttatactcctcccaagaatgtatggagatatcttaatttctccatgccttcattaatgctgaaccatataagtagttttaatctttgctaattgaatagataaaaaatatctaatctaagtctagttcttaaaagttctatcttctaccaaaagtaatacacgtctattttagggagtaaaaatcacaagtaaggataaaaaatagtgcagcaataaacacaggagtgtagatgtctctgaacatactgatttaacttcctttggataaatacccagtagtaggactgctggatcatataataattctatctttagtttttttgaggacctccatactattcttcatagtggctgtactaatttacattcctaccaactgtgtatgaaggttcccttttctctacatccttgccagcattcattattgcttgtcatttggatacaatctattttaactggggtgagatgacatctcattgtagttttgatatgcatttctctgatgatcagtggtgttgagcaccttttcatatacctgtttgccatttgtatgtcttcctttgagaaatgtctattcagatattttacctattttaaaatcggattattagattgtttcctgtagagttgtttgagctccttgtatattctggttattaatctcttgtcagatgcatagcttacaaatattttctcccatcatgtggattgtgtcttcactttgtggattgtttactttgctgtgcagaagcttttaacttgatgcaatcccatttgtccacttttgctttggttgccttccacaggagtatttaaataaatgtagtttggtagattttggtatagtaatgcaggccagtgggagtcaggggagaaatgtgtagggaagtgagatagttctaaggatcctacaaacatgccttatgattgacttactcaatgtgaaagtcaatattaaacttgatgagctctagagatggtcatgcattttaaaaagaattactcaaaatattgtcttggaataccagagagcaagtgctttaagtataggctgggaagtaaaatgctaaaggaatgagaaggcatttggggttgagttcaacctaagaggcaggggagccacagggaaagacctagcacctgccacagaagagaattaggaagcagaattgaactataagcaattttgaggtgttcgttgggctgcagttgaaatattttttgaggttaatgagacatttgaaatggccgtgtattgtttaactcttgcatagtcctgcatagggaacaatctaataggatttctctgtgaatcaagtcttagaaatttgcttttaatttttatgaaaaacgcccatttctttgtttttgagacagagtcctgctctgtcatccaggctgggttgcagtggcgtgatcttggcccactgcaatctctgcctcctgggttcaggcaattttcctgtctcagcctcccgagtagctgggatttcaagtgcctgccaccatgcccggctaaatttttttgtatttttggtacagatggagtatcaccatgttggccaggctggtctcgaactcctgacctcaagtgattcaccagccttgacctcccaaagtgttgggatcacaggcatgagccactgtgcctgtgccccaaaacaccaatttctgatgtgtgatgcatgtaagatagaacaaacttcagtaaagcggggacttgaaaagaggctttggtaacagctgtcagcattaacccttgcccctccgtacctcctaatcccacccctgctcaaagtatgttcatctgagaatttgtctccataactatgtgactataaaaattctcatcgattttgttagttgatcaattgagggaaaaacatatgttacttgatataactggtgggtcaaaagaattaacccaggcaaatttgagataggtggatgggatgatggattgaaaatacagctgctctctttccaatcatgtactaagtaatttgggaaagattgatctaattgggtctagagagtacacttcacatggcattgtttgactttttttctgcatcgctagcgatctgtgcattacaactcaaatcagtcgggtttcctggcatatgtaattgccaatgttttttaccagaagagaaacattactcccacctcttcttattatgttacaaactatagtgctaatgaccatcgaccaacagtgactttcaggatgacctgtgtgagttttatctgaaaccatgtgaatttttcatcttaaaagtcccttagaatctcagtctatgtacactcaggtttgttgcaggtttagagttccgtgttttttgtttctaatgtagacacagccttataatttacaacagcattcactaattaaaattgtaagcataattactatccacgatacttattattagtttgcattcataaagctcaaaattcacttcatcctttcaagtagtgaataattagtttctttgggtttgcagctttatcatccttttatgacccatttggaagaaataaacaaccaaccccctggaagactgctttaaaaagctggaaatacattgtccagctagtacaatgaggctaatacaatgtggaaaatattacttttctttgattttagtagcctgtttatctttacatttactgaacaaataactattgagcacctaatgtatactgggacccttggggaggcaaagatgaatcaaagattctgtccttaaagaccttaaggtttttgtggaaggaaataaaactttacatgtatatatttaagcacttatatgtgtgtaacaggtataagtaaccataaacactgtcagaagaggaaataactctatgatcagcacctaacatgatatattaaggtagaagatttaatacatatcttttggaatacatgaataaataattgaatgtatttatttttattatttataagatacatcagtgggatattgatattggtcttaatatgacttgttttcattgttctcag
【0087】
実例的なRAG1エクソン2(配列番号3)
gtacctcagccagcATGGCAGCCTCTTTCCCACCCACCTTGGGACTCAGTTCTGCCCCAGATGAAATTCAGCACCCACATATTAAATTTTCAGAATGGAAATTTAAGCTGTTCCGGGTGAGATCCTTTGAAAAGACACCTGAAGAAGCTCAAAAGGAAAAGAAGGATTCCTTTGAGGGGAAACCCTCTCTGGAGCAATCTCCAGCAGTCCTGGACAAGGCTGATGGTCAGAAGCCAGTCCCAACTCAGCCATTGTTAAAAGCCCACCCTAAGTTTTCAAAGAAATTTCACGACAACGAGAAAGCAAGAGGCAAAGCGATCCATCAAGCCAACCTTCGACATCTCTGCCGCATCTGTGGGAATTCTTTTAGAGCTGATGAGCACAACAGGAGATATCCAGTCCATGGTCCTGTGGATGGTAAAACCCTAGGCCTTTTACGAAAGAAGGAAAAGAGAGCTACTTCCTGGCCGGACCTCATTGCCAAGGTTTTCCGGATCGATGTGAAGGCAGATGTTGACTCGATCCACCCCACTGAGTTCTGCCATAACTGCTGGAGCATCATGCACAGGAAGTTTAGCAGTGCCCCATGTGAGGTTTACTTCCCGAGGAACGTGACCATGGAGTGGCACCCCCACACACCATCCTGTGACATCTGCAACACTGCCCGTCGGGGACTCAAGAGGAAGAGTCTTCAGCCAAACTTGCAGCTCAGCAAAAAACTCAAAACTGTGCTTGACCAAGCAAGACAAGCCCGTCAGCACAAGAGAAGAGCTCAGGCAAGGATCAGCAGCAAGGATGTCATGAAGAAGATCGCCAACTGCAGTAAGATACATCTTAGTACCAAGCTCCTTGCAGTGGACTTCCCAGAGCACTTTGTGAAATCCATCTCCTGCCAGATCTGTGAACACATTCTGGCTGACCCTGTGGAGACCAACTGTAAGCATGTCTTTTGCCGGGTCTGCATTCTCAGATGCCTCAAAGTCATGGGCAGCTATTGTCCCTCTTGCCGATATCCATGCTTCCCTACTGACCTGGAGAGTCCAGTGAAGTCCTTTCTGAGCGTCTTGAATTCCCTGATGGTGAAATGTCCAGCAAAAGAGTGCAATGAGGAGGTCAGTTTGGAAAAATATAATCACCACATCTCAAGTCACAAGGAATCAAAAGAGATTTTTGTGCACATTAATAAAGGGGGCCGGCCCCGCCAACATCTTCTGTCGCTGACTCGGAGAGCTCAGAAGCACCGGCTGAGGGAGCTCAAGCTGCAAGTCAAAGCCTTTGCTGACAAAGAAGAAGGTGGAGATGTGAAGTCCGTGTGCATGACCTTGTTCCTGCTGGCTCTGAGGGCGAGGAATGAGCACAGGCAAGCTGATGAGCTGGAGGCCATCATGCAGGGAAAGGGCTCTGGCCTGCAGCCAGCTGTTTGCTTGGCCATCCGTGTCAACACCTTCCTCAGCTGCAGTCAGTACCACAAGATGTACAGGACTGTGAAAGCCATCACAGGGAGACAGATTTTTCAGCCTTTGCATGCCCTTCGGAATGCTGAGAAGGTACTTCTGCCAGGCTACCACCACTTTGAGTGGCAGCCACCTCTGAAGAATGTGTCTTCCAGCACTGATGTTGGCATTATTGATGGGCTGTCTGGACTATCATCCTCTGTGGATGATTACCCAGTGGACACCATTGCAAAGAGGTTCCGCTATGATTCAGCTTTGGTGTCTGCTTTGATGGACATGGAAGAAGACATCTTGGAAGGCATGAGATCCCAAGACCTTGATGATTACCTGAATGGCCCCTTCACTGTGGTGGTGAAGGAGTCTTGTGATGGAATGGGAGACGTGAGTGAGAAGCATGGGAGTGGGCCTGTAGTTCCAGAAAAGGCAGTCCGTTTTTCATTCACAATCATGAAAATTACTATTGCCCACAGCTCTCAGAATGTGAAAGTATTTGAAGAAGCCAAACCTAACTCTGAACTGTGTTGCAAGCCATTGTGCCTTATGCTGGCAGATGAGTCTGACCACGAGACGCTGACTGCCATCCTGAGTCCTCTCATTGCTGAGAGGGAGGCCATGAAGAGCAGTGAATTAATGCTTGAGCTGGGAGGCATTCTCCGGACTTTCAAGTTCATCTTCAGGGGCACCGGCTATGATGAAAAACTTGTGCGGGAAGTGGAAGGCCTCGAGGCTTCTGGCTCAGTCTACATTTGTACTCTTTGTGATGCCACCCGTCTGGAAGCCTCTCAAAATCTTGTCTTCCACTCTATAACCAGAAGCCATGCTGAGAACCTGGAACGTTATGAGGTCTGGCGTTCCAACCCTTACCATGAGTCTGTGGAAGAACTGCGGGATCGGGTGAAAGGGGTCTCAGCTAAACCTTTCATTGAGACAGTCCCTTCCATAGATGCACTCCACTGTGACATTGGCAATGCAGCTGAGTTCTACAAGATCTTCCAGCTAGAGATAGGGGAAGTGTATAAGAATCCCAATGCTTCCAAAGAGGAAAGGAAAAGGTGGCAGGCCACACTGGACAAGCATCTCCGGAAGAAGATGAACCTCAAACCAATCATGAGGATGAATGGCAACTTTGCCAGGAAGCTCATGACCAAAGAGACTGTGGATGCAGTTTGTGAGTTAATTCCTTCCGAGGAGAGGCACGAGGCTCTGAGGGAGCTGATGGATCTTTACCTGAAGATGAAACCAGTATGGCGATCATCATGCCCTGCTAAAGAGTGCCCAGAATCCCTCTGCCAGTACAGTTTCAATTCACAGCGTTTTGCTGAGCTCCTTTCTACGAAGTTCAAGTATAGGTATGAGGGAAAAATCACCAATTATTTTCACAAAACCCTGGCCCATGTTCCTGAAATTATTGAGAGGGATGGCTCCATTGGGGCATGGGCAAGTGAGGGAAATGAGTCTGGTAACAAACTGTTTAGGCGCTTCCGGAAAATGAATGCCAGGCAGTCCAAATGCTATGAGATGGAAGATGTCCTGAAACACCACTGGTTGTACACCTCCAAATACCTCCAGAAGTTTATGAATGCTCATAATGCATTAAAAACCTCTGGGTTTACCATGAACCCTCAGGCAAGCTTAGGGGACCCATTAGGCATAGAGGACTCTCTGGAAAGCCAAGATTCAATGGAATTTTAAgtagggcaaccacttatgagttggtttttgcaattgagtttccctctgggttgcattgagggcttctcctagcaccctttactgctgtgtatggggcttcaccatccaagaggtggtaggttggagtaagatgctacagatgctctcaagtcaggaatagaaactgatgagctgattgcttgaggcttttagtgagttccgaaaagcaacaggaaaaatcagttatctgaaagctcagtaactcagaacaggagtaactgcaggggaccagagatgagcaaagatctgtgtgtgttggggagctgtcatgtaaatcaaagccaaggttgtcaaagaacagccagtgaggccaggaaagaaattggtcttgtggttttcatttttttcccccttgattgattatattttgtattgagatatgataagtgccttctatttcatttttgaataattcttcatttttataattttacatatcttggcttgctatataagattcaaaagagctttttaaatttttctaataatatcttacatttgtacagcatgatgacctttacaaagtgctctcaatgcatttacccattcgttatataaatatgttacatcaggacaactttgagaaaatcagtccttttttatgtttaaattatgtatctattgtaaccttcagagtttaggaggtcatctgctgtcatggatttttcaataatgaatttagaatacacctgttagctacagttagttattaaatcttctgataatatatgtttacttagctatcagaagccaagtatgattctttatttttactttttcatttcaagaaatttagagtttccaaatttagagcttctgcatacagtcttaaagccacagaggcttgtaaaaatataggttagcttgatgtctaaaaatatatttcatgtcttactgaaacattttgccagactttctccaaatgaaacctgaatcaatttttctaaatctaggtttcatagagtcctctcctctgcaatgtgttattctttctataatgatcagtttactttcagtggattcagaattgtgtagcaggataaccttgtatttttccatccgctaagtttagatggagtccaaacgcagtacagcagaagagttaacatttacacagtgctttttaccactgtggaatgttttcacactcatttttccttacaacaattctgaggagtaggtgttgttattatctccatttgatgggggtttaaatgatttgctcaaagtcatttaggggtaataaatacttggcttggaaatttaacacagtccttttgtctccaaagcccttcttctttccaccacaaattaatcactatgtttataaggtagtatcagaatttttttaggattcacaactaatcactatagcacatgaccttgggattacatttttatggggcaggggtaagcaagtttttaaatcatttgtgtgctctggctcttttgatagaagaaagcaacacaaaagctccaaagggccccctaaccctcttgtggctccagttatttggaaactatgatctgcatccttaggaatctgggatttgccagttgctggcaatgtagagcaggcatggaattttatatgctagtgagtcataatgatatgttagtgttaattagttttttcttcctttgattttattggccataattgctactcttcatacacagtatatcaaagagcttgataatttagttgtcaaaagtgcatcggcgacattatctttaattgtatgtatttggtgcttcttcagggattgaactcagtatctttcattaaaaaacacagcagttttccttgctttttatatgcagaatatcaaagtcatttctaatttagttgtcaaaaacatatacatattttaacattagtttttttgaaaactcttggttttgtttttttggaaatgagtgggccactaagccacactttcccttcatcctgcttaatccttccagcatgtctctgcactaataaacagctaaattcacataatcatcctatttactgaagcatggtcatgctggtttatagattttttacccatttctactctttttctctattggtggcactgtaaatactttccagtattaaattatccttttctaacactgtaggaactattttgaatgcatgtgactaagagcatgatttatagcacaacctttccaataatcccttaatcagatcacattttgataaaccctgggaacatctggctgcaggaatttcaatatgtagaaacgctgcctatggttttttgcccttactgttgagactgcaatatcctagaccctagttttatactagagttttatttttagcaatgcctattgcaagtgcaattatatactccagggaaattcaccacactgaatcgagcatttgtgtgtgtatgtgtgaagtatatactgggacttcagaagtgcaatgtatttttctcctgtgaaacctgaatctacaagttttcctgccaagccactcaggtgcattgcagggaccagtgataatggctgatgaaaattgatgattggtcagtgaggtcaaaaggagccttgggattaataaacatgcactgagaagcaagaggaggagaaaaagatgtctttttcttccaggtgaactggaatttagttttgcctcagatttttttcccacaagatacagaagaagataaagatttttttggttgagagtgtgggtcttgcattacatcaaacagagttcaaattccacacagataagaggcaggatatataagcgccagtggtagttgggaggaataaaccattatttggatgcaggtggtttttgattgcaaatatgtgtgtgtcttcagtgattgtatgacagatgatgtattcttttgatgttaaaagattttaagtaagagtagatacattgtacccattttacattttcttattttaactacagtaatctacataaatatacctcagaaatcatttttggtgattattttttgttttgtagaattgcacttcagtttattttcttacaaataaccttacattttgtttaatggcttccaagagccttttttttttttgtatttcagagaaaattcaggtaccaggatgcaatggatttatttgattcaggggacctgtgtttccatgtcaaatgttttcaaataaaatgaaatatgagtttcaatactttttatattttaatatttccattcattaatattatggttattgtcagcaattttatgtttgaatatttgaaataaaagtttaagatttgaaaa
【0088】
実例的なRAG1エクソン2(配列番号3)において、大文字はRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を示す。
【0089】
RAG1ポリペプチド
RAG1ポリペプチドはヒトRAG1ポリペプチドであり得る。好適には、RAG1ポリペプチドは、UniProtKBアクセッションP15918のポリペプチド配列又はその断片若しくはバリアントを含むか又はそれからなることができる。
【0090】
本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドは、配列番号4と少なくとも70%同一のアミノ酸配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、RAG1ポリペプチドは、配列番号4と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一のアミノ酸配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0091】
一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドは、配列番号4若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0092】
RAG1ポリペプチドアイソフォーム1、UniProtKBアクセッションP15918 (配列番号4)
MAASFPPTLGLSSAPDEIQHPHIKFSEWKFKLFRVRSFEKTPEEAQKEKKDSFEGKPSLEQSPAVLDKADGQKPVPTQPLLKAHPKFSKKFHDNEKARGKAIHQANLRHLCRICGNSFRADEHNRRYPVHGPVDGKTLGLLRKKEKRATSWPDLIAKVFRIDVKADVDSIHPTEFCHNCWSIMHRKFSSAPCEVYFPRNVTMEWHPHTPSCDICNTARRGLKRKSLQPNLQLSKKLKTVLDQARQARQHKRRAQARISSKDVMKKIANCSKIHLSTKLLAVDFPEHFVKSISCQICEHILADPVETNCKHVFCRVCILRCLKVMGSYCPSCRYPCFPTDLESPVKSFLSVLNSLMVKCPAKECNEEVSLEKYNHHISSHKESKEIFVHINKGGRPRQHLLSLTRRAQKHRLRELKLQVKAFADKEEGGDVKSVCMTLFLLALRARNEHRQADELEAIMQGKGSGLQPAVCLAIRVNTFLSCSQYHKMYRTVKAITGRQIFQPLHALRNAEKVLLPGYHHFEWQPPLKNVSSSTDVGIIDGLSGLSSSVDDYPVDTIAKRFRYDSALVSALMDMEEDILEGMRSQDLDDYLNGPFTVVVKESCDGMGDVSEKHGSGPVVPEKAVRFSFTIMKITIAHSSQNVKVFEEAKPNSELCCKPLCLMLADESDHETLTAILSPLIAEREAMKSSELMLELGGILRTFKFIFRGTGYDEKLVREVEGLEASGSVYICTLCDATRLEASQNLVFHSITRSHAENLERYEVWRSNPYHESVEELRDRVKGVSAKPFIETVPSIDALHCDIGNAAEFYKIFQLEIGEVYKNPNASKEERKRWQATLDKHLRKKMNLKPIMRMNGNFARKLMTKETVDAVCELIPSEERHEALRELMDLYLKMKPVWRSSCPAKECPESLCQYSFNSQRFAELLSTKFKYRYEGKITNYFHKTLAHVPEIIERDGSIGAWASEGNESGNKLFRRFRKMNARQSKCYEMEDVLKHHWLYTSKYLQKFMNAHNALKTSGFTMNPQASLGDPLGIEDSLESQDSMEF
【0093】
本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドは、配列番号5と少なくとも70%同一のアミノ酸配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、RAG1ポリペプチドは、配列番号5と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一のアミノ酸配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0094】
一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドは、配列番号5若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0095】
RAG1ポリペプチドアイソフォーム2、UniProtKB アクセッションP15918 (配列番号5)
MAASFPPTLGLSSAPDEIQHPHIKFSEWKFKLFRVRSFEKTPEEAQKEKKDSFEGKPSLEQSPAVLDKADGQKPVPTQPLLKAHPKFSKKFHDNEKARGKAIHQANLRHLCRICGNSFRADEHNRRYPVHGPVDGKTLGLLRKKEKRATSWPDLIAKVFRIDVKADVDSIHPTEFCHNCWSIMHRKFSSAPCEVYFPRNVTMEWHPHTPSCDICNTARRGLKRKSLQPNLQLSKKLKTVLDQARQARQHKRRAQARISSKDVMKKIANCSKIHLSTKLLAVDFPEHFVKSISCQICEHILADPVETNCKHVFCRVCILRCLKVMGSYCPSCRYPCFPTDLESPVKSFLSVLNSLMVKCPAKECNEEVSLEKYNHHISSHKESKEIFVHINKGGRPRQHLLSLTRRAQKHRLRELKLQVKAFADKEEGGDVKSVCMTLFLLALRARNEHRQADELEAIMQGKGSGLQPAVCLAIRVNTFLSCSQYHKMYRTVKAITGRQIFQPLHALRNAEKVLLPGYHHFEWQPPLKNVSSSTDVGIIDGLSGLSSSVDDYPVDTIAKRFRYDSALVSALMDMEEDILEGMRSQDLDDYLNGPFTVVVKESCDGMGDVSEKHGSGPVVPEKAVRFSFTIMKITIAHSSQNVKVFEEAKPNSELCCKPLCLMLADESDHETLTAILSPLIAEREAMKSSELMLELGGILRTFKFIFRGTGYDEKLVREVEGLEASGSVYICTLCDATRLEASQNLVFHSITRSHAENLERYEVWRSNPYHESVEELRDRVKGVSAKPFIETVPSIDALHCDIGNAAEFYKIFQLEIGEVYKNPNASKEERKRWQATLDKHLRKKMNLKPIMRMNGNFARKLMTKETVDAVCELIPSEERHEALRELMDLYLKMKPVWRSSCPAKECPESLCQYSFNSQRFAELLSTKFKYRN
【0096】
RAG1ポリヌクレオチド
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、コドン最適化されてもよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ヒト細胞中での発現のためにコドン最適化されてもよい。
【0097】
異なる細胞は、特定のコドンの使用において異なる。このコドンの偏りは細胞型における特定のtRNAの相対的存在量の偏りに対応する。対応するtRNAの相対的存在量と一致するように調整するために配列中のコドンを変化させることによって、発現を増大させることが可能である。同様に、対応するtRNAが特定の細胞型において稀であることが知られているコドンを意図的に選択することによって発現を低減させることが可能である。したがって、さらなる程度の翻訳制御が利用可能である。コドン使用表は哺乳動物細胞(例えばヒト)について、並びにその他の多種の生命体について、当技術で既知である。
【0098】
本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号6と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号6と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0099】
本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、配列番号6のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0100】
RAG1ポリペプチドをコードする例示的なヌクレオチド配列(配列番号6)
atggccgcctccttcccacctacccttggattgtcctccgcccctgacgaaattcaacatccccacatcaaattctcggagtggaagttcaagctctttcgcgtgcgctcgttcgaaaagacccccgaggaagcccaaaaggagaagaaagactcattcgaaggaaaacccagcctcgaacagtccccggccgtcctggacaaggccgacgggcagaagcctgtgccgacccagccgctgctgaaagcgcacccgaaattctccaagaagtttcacgataacgagaaggcccggggaaaggccatccaccaagcaaaccttagacacctgtgccgcatctgtgggaactcattcagagccgacgaacataaccggagataccctgtgcatggccctgtcgacggaaagaccctggggctcctgagaaagaaggagaagagggcgacatcctggccggacctgatcgcaaaggtgttcagaatcgacgtgaaggcagatgtggacagcatccacccaaccgagttctgccacaactgctggagcattatgcaccggaagttcagctcagcgccctgtgaagtgtacttcccgcgcaacgtgactatggagtggcatccacacactccgtcctgcgacatctgtaacactgctcggcgcggactcaagaggaagtccctgcagccgaatctgcagctgagcaagaagcttaagaccgtgctggaccaggctcggcaggcccgccagcacaagcgacgcgcccaggcccggatctcatctaaggatgtgatgaagaagatcgccaattgcagcaaaatccacctgtctaccaagctgctggcggtggacttcccggagcacttcgtgaagtccatcagctgtcagatctgcgagcatattctcgccgaccccgtggagactaattgcaagcacgtgttctgccgcgtgtgcatcctgcgctgcctgaaggtcatgggctcctattgcccttcctgccggtacccctgtttccctactgatctggagtccccggtcaagtccttcttgtccgtgctgaactccctgatggtcaaatgtcccgcaaaggagtgcaatgaggaagtgtccctggaaaagtacaaccaccacatcagcagccacaaggagtccaaagaaatctttgtgcacattaacaagggcggtcggccccggcagcatctgctctcgctgactcgccgggcccagaagcacaggctccgggagctgaagctgcaagtcaaggccttcgccgacaaggaagagggaggagatgtgaagtccgtgtgcatgaccctgtttttgctggcgctgcgggctcggaacgaacacagacaagctgatgaactggaggccatcatgcagggcaaaggatcgggactccagccggctgtgtgtctcgccatccgcgtcaacacattcctctcatgctcccaataccacaagatgtacaggactgtgaaggccatcaccggacggcagatctttcagccactccacgcccttcggaacgcagaaaaggtcttgctgccgggataccatcatttcgaatggcagccgcccttgaaaaacgtgtcctcgtccaccgacgtgggcattattgatgggctgagcggcctgtcctcctctgtggatgactaccctgtggataccatcgccaaacggttcagatacgattccgcgctggtgtcggccctgatggacatggaggaggacatcctggagggaatgagatcacaagatctggacgactacctcaacgggcccttcacggtggtggtcaaggaatcgtgcgatggaatgggcgacgtgtcggagaagcacggttccggacctgtggtgccggaaaaggccgtgcgcttctccttcaccatcatgaagatcaccattgcgcatagctcccagaacgtcaaagtgttcgaagaggccaagccgaactcagagctctgctgcaagccgctgtgcctgatgttggcggacgagagcgatcacgaaaccctgaccgccattctgtcgcctctgatcgcggagagggaggccatgaagtcctccgaactgatgctggagctgggcggtattttgcggacttttaagttcatcttccggggaaccggttatgacgaaaagctcgtgcgcgaagtggagggcctggaagcctcaggctccgtctacatctgcactctctgcgacgccacccggctggaggcgtcacagaatcttgtgttccactcgatcactaggtcccacgcggagaacctggaacgctatgaggtctggcgctctaacccataccacgaatccgtggaagaacttcgggacagagtgaagggagtgtcagcaaagcctttcattgaaaccgtgcctagcatcgacgccctccattgcgacatcggcaacgccgccgagttctacaagatcttccagcttgagatcggggaagtgtacaagaacccgaacgcctccaaggaagaaagaaagcggtggcaggctacccttgacaaacacctccgcaagaagatgaacctgaagcccattatgcggatgaacggaaacttcgctaggaagctgatgactaaggaaacggtcgacgcggtctgtgaactgatccccagcgaagaacgacatgaagcgctgcgcgaactcatggacctgtacctgaagatgaagcctgtctggcggagctcgtgccctgccaaggagtgcccggagtcgctgtgtcagtacagctttaacagccaaaggttcgcagagctgctgtcgaccaagttcaagtacagatacgaaggaaagattaccaactacttccacaagactctcgctcacgtgcccgagattatcgaacgcgatggttccatcggggcctgggcctccgagggcaacgagtcgggcaacaagttgttccgccggtttagaaagatgaacgcccgccagtccaagtgctacgaaatggaagatgtgctgaagcatcactggctgtatacctccaagtacctccagaagttcatgaacgcacataacgccctcaagacctccgggttcaccatgaacccccaggcctccctcggtgaccctctgggaattgaagatagcttggagagccaggactcgatggaattcta
【0101】
ポリヌクレオチド及びゲノム
一態様では、本発明は、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、単離されたポリヌクレオチドであり得る。ポリヌクレオチドは、DNA分子、例えば二本鎖DNA分子であり得る。
【0102】
適切には、本発明のポリヌクレオチドは、ベクター(例えばアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、例えばAAV6)に挿入されるのに適したサイズに限定され得る。適切には、本発明のポリヌクレオチドは、全サイズが5.0kb以下、4.9kb以下、4.8kb以下、4.7kb以下、4.6kb以下、4.5kb以下、4.4kb以下、4.3kb以下、4.2kb以下、4.1kb以下、4.0kb以下であり得る。一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、サイズが4.1kb以下又は4.0kb以下である。
【0103】
別の態様では、本発明は、スプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むゲノムを提供する。適切には、ゲノムは、本発明のポリヌクレオチドを含むことができる。ゲノムは単離されたゲノムであり得る。ゲノムは、哺乳動物ゲノム、例えばヒトゲノムであり得る。
【0104】
相同領域
「相同領域」(「相同アーム」としても公知である)は、挿入されるヌクレオチド配列(「ヌクレオチド配列挿入物」、例えばスプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列)の上流又は下流に位置するヌクレオチド配列である。本発明のポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列挿入物の1つの上流(「第1の相同領域」)及びヌクレオチド挿入物の1つの下流(「第2の相同領域」)の2つの相同領域を含む。
【0105】
各々の「相同領域」は、ヌクレオチド配列挿入物が相同組換え修復(HDR)によって二本鎖切断(DSB)部位のゲノムに導入され得るように設計される。当業者は、所望の挿入部位(すなわち、DSBの部位)に応じて相同アームを設計することができる(例えば、Ran, F.A.ら、2013年. Nature protocols、8巻(11号)、2281~2308頁を参照されたい)。各々の「相同領域」は、DSBの一方側の領域と相同である。例えば、第1の相同領域はDSBの上流領域と相同であり得、第2の相同領域はDSBの下流領域と相同であり得る。
【0106】
本明細書で使用される場合、用語「相同」とは、ヌクレオチド配列が類似又は同一であることを意味する。例えば、ヌクレオチド配列は、少なくとも70%同一、少なくとも75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、少なくとも98%同一、少なくとも99%同一、又は100%同一であり得る。
【0107】
本明細書で使用される場合、「上流」及び「下流」はともに、DNA又はRNA中の相対的位置を指す。DNA又はRNAの各鎖は、5'末端及び3'末端を有し、慣例により、「上流」及び「下流」は、それぞれRNA転写が行われる5'から3'方向に関連する。例えば、二本鎖DNAを考慮する場合、「上流」は対象の遺伝子(例えばRAG1)のコード鎖の5'末端に向かい、下流は対象の遺伝子(例えばRAG1)のコード鎖の3'末端に向かう。
【0108】
相同領域は、HDRに適した任意の長さであり得る。相同領域は、同じであっても異なる長さであってもよい。適切には、相同領域は、各々独立して、長さが50~1000bp、長さが100~500bp、又は長さが200~400bpである。例えば、第1の相同性は、長さが50~1000bpで、DSBの上流領域と相同であり得、第2の相同領域は、長さが50~1000bpで、DSBの下流領域と相同であり得る。
【0109】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1イントロン1の第2の領域と相同であるか;又は
(ii)第1の相同領域はRAG1イントロン1若しくはRAG1エクソン2の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1エクソン2の第2の領域と相同である。
【0110】
一部の実施形態では、第1の相同領域はRAG1イントロン1の第1の領域と相同であり、第2の相同領域はRAG1イントロン1の第2の領域と相同である。
【0111】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域はchr 11: 36573790の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573793の下流領域と相同であるか;
(iii)第1の相同領域はchr 11: 36573641の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573644の下流領域と相同であるか;
(iv)第1の相同領域はchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573354の下流領域と相同であるか;
(v)第1の相同領域はchr 11: 36569080の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569083の下流領域と相同であるか;
(vi)第1の相同領域はchr 11: 36572472の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572475の下流領域と相同であるか;
(vii)第1の相同領域はchr 11: 36571458の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571461の下流領域と相同であるか;
(viii)第1の相同領域はchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571369の下流領域と相同であるか;
(ix)第1の相同領域はchr 11: 36572859の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572862の下流領域と相同であるか;
(x)第1の相同領域はchr 11: 36571457の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571460の下流領域と相同であるか;
(xi)第1の相同領域はchr 11: 36569351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569354の下流領域と相同であるか;又は
(xii)第1の相同領域はchr 11: 36572375の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572378の下流領域と相同である。
【0112】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域はchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573354の下流領域と相同であるか;又は
(iii)第1の相同領域はchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571369の下流領域と相同である。
【0113】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同である。
【0114】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はchr 11: 36569245から36569294を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569299から36569348を含む領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域はchr 11: 36573740から36573789を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573794から36573843を含む領域と相同であるか;
(iii)第1の相同領域はchr 11: 36573591から36573640を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36573645から36573694を含む領域と相同であるか;
(iv)第1の相同領域はchr 11: 36573301から36573350を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36573355から36573404を含む領域と相同であるか;
(v)第1の相同領域はchr 11: 36569030から36569079を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36569084から36569133を含む領域と相同であるか;
(vi)第1の相同領域はchr 11: 36572422から36572471を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36572476から365725を含む領域と相同であるか;
(vii)第1の相同領域はchr 11: 36571408から36571457を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571462から36571511を含む領域と相同であるか;
(viii)第1の相同領域はchr 11: 36571316から36571365を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36571370から36571419を含む領域と相同であるか;
(ix)第1の相同領域はchr 11: 36572809から36572858を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572863から36572912を含む領域と相同であるか;
(x)第1の相同領域はchr 11: 36571407から36571456を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571461から36571510を含む領域と相同であるか;
(xi)第1の相同領域はchr 11: 36569301から36569350を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569355から36569404を含む領域と相同であるか;又は
(xii)第1の相同領域はchr 11: 36572325から36572374を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36572379から36572428を含む領域と相同である。
【0115】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域はchr 11: 36569245から36569294を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569299から36569348を含む領域と相同であるか;
(ii)第1の相同領域はchr 11: 36573301から36573350を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573355から36573404を含む領域と相同であるか;又は
(iii)第1の相同領域はchr 11: 36571316から36571365を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571370から36571419を含む領域と相同である。
【0116】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569245から36569294を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569299から36569348を含む領域と相同である。
【0117】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36573740から36573789を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573794から36573843を含む領域と相同である。
【0118】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36573591から36573640を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573645から36573694を含む領域と相同である。
【0119】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36573301から36573350を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573355から36573404を含む領域と相同である。
【0120】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569030から36569079を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569084から36569133を含む領域と相同である。
【0121】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36572422から36572471を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572476から36572525を含む領域と相同である。
【0122】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36571408から36571457を含む領域と相同であり、第2の相同領域は、chr 11: 36571462から36571511を含む領域と相同である。
【0123】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36571316から36571365を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571370から36571419を含む領域と相同である。
【0124】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36572809から36572858を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572863から36572912を含む領域と相同である。
【0125】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36571407から36571456を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571461から36571510を含む領域と相同である。
【0126】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36569301から36569350を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569355から36569404を含む領域と相同である。
【0127】
一部の実施形態では、第1の相同領域はchr 11: 36572325から36572374を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572379から36572428を含む領域と相同である。
【0128】
例示的な相同領域は、下記の表1に示される。
【0129】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号7~18のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、及び/又は第2の相同領域は、配列番号19~30のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる。
【0130】
【0131】
好ましくは、第1及び第2の相同領域は、表1の同じ行における第1及び第2の相同領域と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。適切には、第1の相同領域は、配列番号7~18のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、表1における対応するヌクレオチド配列(すなわち配列番号19~30)と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。例えば、一部の実施形態では:
(i)第1の相同領域は、配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(ii)第1の相同領域は、配列番号8と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号20と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(iii)第1の相同領域は、配列番号9と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号21と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(iv)第1の相同領域は、配列番号10と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号22と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(v)第1の相同領域は、配列番号11と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号23と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(vi)第1の相同領域は、配列番号12と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号24と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(vii)第1の相同領域は、配列番号13と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号25と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(viii)第1の相同領域は、配列番号14と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号26と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(ix)第1の相同領域は、配列番号15と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号27と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(x)第1の相同領域は、配列番号16と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号28と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(xi)第1の相同領域は、配列番号17と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号29と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;又は
(xii)第1の相同領域は、配列番号18と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号30と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる。
【0132】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域は、配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(ii)第1の相同領域は、配列番号10と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域は、配列番号22と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;又は
(iii)第1の相同領域は、配列番号14と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号26と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0133】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0134】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号8と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号20と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0135】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号9と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号21と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0136】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号10と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号22と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0137】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号11と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号23と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0138】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号12と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号24と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0139】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号13と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号25と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0140】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号14と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号26と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0141】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号15と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号27と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0142】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号16と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号28と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0143】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号17と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号29と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0144】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号18と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号30と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0145】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号7と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号19と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0146】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号7のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号19のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0147】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7~18のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、及び/又は第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19~30のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる。
【0148】
適切には、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7~18のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、表1における対応するヌクレオチド配列(すなわち配列番号19~30)と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0149】
例えば、一部の実施形態では:
(i)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(ii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号8と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号20と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(iii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号9と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号21と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(iv)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号10と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号22と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(v)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号11と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号23と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(vi)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号12と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号24と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(vii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号13と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号25と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(viii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号14と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号26と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(ix)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号15と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号27と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(x)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号16と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号28と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(xi)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号17と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号29と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;又は
(xii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号18と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号30と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる。
【0150】
一部の実施形態では、
(i)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;
(ii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号10と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号22と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるか;又は
(iii)第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号14と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号26と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる。
【0151】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0152】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号8と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号20と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0153】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号9と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号21と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0154】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号10と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号22と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0155】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号11と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号23と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0156】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号12と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号24と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0157】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号13と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号25と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0158】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号14と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号26と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0159】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号15と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号27と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0160】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号16と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号28と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0161】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号17と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号29と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0162】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号18と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号30と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0163】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0164】
一部の実施形態では、第1の相同領域の3'末端配列は、配列番号7のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域の5'末端配列は、配列番号19のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0165】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号31と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列又はその断片を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号32と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列又はその断片を含むか又はそれからなる。適切には、これらの断片は、長さが少なくとも50bp、例えば、長さが50~250bp又は100~200bpである。
【0166】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号31と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列又はその断片を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号32と少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列又はその断片を含むか又はそれからなる。
【0167】
一部の実施形態では、第1の相同領域は、配列番号31のヌクレオチド又はその断片を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は、配列番号32のヌクレオチド配列又はその断片を含むか又はそれからなる。
【0168】
ガイドRNA 9についての例示的な第1の相同領域(配列番号31)
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0169】
ガイドRNA 9についての例示的な第2の相同領域(配列番号32)
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0170】
ゲノム挿入部位
二本鎖切断(DSB)の部位は、任意の好適な手法によって、例えば本明細書で開示するCRISPR/Cas9システム及びガイドRNAを用いて、特異的に導入することができる。本発明では、DSBはRAG1イントロン1又はRAG1エクソン2に導入される。例えば、DSBは下の表2に引用する部位のいずれかに導入してよい。必要に応じて、DSBはRAG1イントロン1に導入される。
【0171】
【0172】
好適には、それぞれの相同領域は、DSBのいずれかの側におけるRAG1イントロン1及び/又はRAG1エクソン2の断片と相同である。例えば、第1の相同領域はDSBの上流のRAG1イントロン1及び/又はRAG1エクソン2の領域と相同であってよく、第2の相同領域はDSBの下流領域と相同であってよい。
【0173】
本発明では、ヌクレオチド配列挿入物(例えばスプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列)を、相同組換え修復(HDR)によってDSB部位に導入することができる。即ち、ヌクレオチド挿入物(例えばスプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列)を、相同領域に隣接し、DSBを含むゲノムの領域に置き換えることができる。
【0174】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド配列挿入物」は、第1の相同領域及び第2の相同領域に隣接するポリヌクレオチドの領域からなり得る。例えば、ヌクレオチド配列挿入物は、スプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含み得る。
【0175】
ヌクレオチド配列挿入物は、上の表2で引用した部位のいずれかでゲノムに導入し得る。換言すれば、本発明のゲノムは、上の表2で引用した部位のいずれかにヌクレオチド配列挿入物を含み得る。
【0176】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列挿入物は、
(i) chr 11: 36569296と36569297の間、
(ii) chr 11: 36573352と36573353の間、又は
(iii) chr 11: 36571367と36571368の間
に導入される。
【0177】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列挿入物は、chr 11: 36569296と36569297の間に導入される。
【0178】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、スプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を含み、これは
(i) chr 11: 36569296と36569297の間、
(ii) chr 11: 36573352と36573353の間、又は
(iii) chr 11: 36571367と36571368の間
に導入される。
【0179】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、スプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を含み、これはchr 11: 36569296と36569297の間に導入される。
【0180】
ヌクレオチド配列挿入物は、下の表3に引用する領域のいずれかを置き換えることができる。換言すれば、本発明のゲノムは、表3に引用する領域のいずれかを置き換えるヌクレオチド配列挿入物を含み得る。
【0181】
【0182】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列挿入物は、
(i) chr 11: 36569295~36569298、
(ii) chr 11: 36573351~36573354、又は
(iii) chr 11: 36571366~36571369
を置き換える。
【0183】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列挿入物は、chr 11: 36569295~36569298を置き換える。
【0184】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、スプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を含み、これは
(i) chr 11: 36569295~36569298、
(ii) chr 11: 36573351~36573354、又は
(iii) chr 11: 36571366~36571369
を置き換える。
【0185】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、スプライスアクセプター配列及びRAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むヌクレオチド配列を含み、これはchr 11: 36569295~36569298を置き換える。
【0186】
スプライスアクセプター及びドナーの配列
RNAスプライシングは、新たに生成した前駆体メッセンジャーRNA(pre-mRNA)転写物が成熟メッセンジャーRNA(mRNA)に形質転換されるRNAプロセッシングの一形態である。スプライシングの間に、イントロン(非コーディング領域)が除去され、エクソン(コーディング領域)が互いに結合する。
【0187】
イントロンの中では、ドナー部位(イントロンの5'末端)、分岐部位(イントロンの3'末端付近)、及びアクセプター部位(イントロンの3'末端)がスプライシングのために必要である。スプライスドナー部位は、より大きな、あまり保存されていない領域の中の、イントロンの5'末端にほとんど不変の配列GUを含む。イントロンの3'末端のスプライスアクセプター部位は、ほとんど不変のAG配列でイントロンを終止させる。AGの上流(5'方向)に、ピリミジン類(C及びU)の多い領域、即ちポリピリミジントラクトが存在する。ポリピリミジントラクトのさらに上流が分岐点である。
【0188】
「スプライスアクセプター配列」は、イントロンの3'末端でアクセプター部位として機能し得るヌクレオチド配列である。ヒトスプライス部位領域のコンセンサス配列及び頻度は、Ma, S.L.ら、2015. PLoS One, 10(6), p.e0130729に記載されている。
【0189】
好適には、スプライスアクセプター配列はヌクレオチド配列(Y)nNYAG、又は少なくとも90%若しくは少なくとも95%の配列同一性を有するバリアントを含んでよく、ここでnは10~20である。好適には、スプライスアクセプター配列は配列(Y)nNCAG、又は少なくとも90%若しくは少なくとも95%の配列同一性を有するバリアントを含んでよく、ここでnは10~20である。
【0190】
本発明の一部の実施形態では、スプライスアクセプター配列は、配列番号33と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、スプライスアクセプター配列は、配列番号33と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0191】
本発明の一部の実施形態では、スプライスアクセプター配列は、配列番号33のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0192】
例示的なスプライスアクセプター配列(配列番号33)
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0193】
本発明のポリヌクレオチドはスプライスドナー配列を含み得る。ゲノムはRAG1イントロン1にスプライスドナー配列を含み得る。好適には、スプライスドナー配列ヌクレオチド配列は、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の3'である。スプライスドナー配列は、RAG1ポリペプチド及びRAG1エクソン2を含むmRNAを提供するために用いてよい。
【0194】
「スプライスドナー配列」は、イントロンの5'末端でドナー部位として機能し得るヌクレオチド配列である。ヒトスプライス部位領域のコンセンサス配列及び頻度は、Ma, S.L.ら、2015. PLoS One, 10(6), p.e0130729に記載されている。
【0195】
本発明の一部の実施形態では、スプライスドナー配列は、配列番号34と少なくとも85%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。本発明の一部の実施形態では、スプライスドナー配列は、配列番号34のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0196】
例示的なスプライスドナー配列(配列番号34)
aggtaagt
【0197】
本発明の一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドはスプライスドナー配列を含まない。
【0198】
制御エレメント
本発明のポリヌクレオチドは、転写前又は転写後に作用し得る1つ以上の制御エレメントを含んでよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、転写前又は転写後に作用し得る1つ以上の制御エレメントに作動可能に連結されている。1つ以上の制御エレメントは、本発明の細胞におけるRAG1ポリペプチドの発現を容易にし得る。
【0199】
「制御エレメント」は、ポリペプチドの発現を容易にする任意のヌクレオチド配列であり、例えば転写物の発現を増大させるか、mRNAの安定性を増強するように作用する。好適な制御エレメントには、例えばプロモーター、エンハンサーエレメント、転写後制御エレメント、及びポリアデニル化部位が含まれる。
【0200】
ポリアデニル化配列
本発明のポリヌクレオチドは、ポリアデニル化配列を含んでよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、ポリアデニル化配列に作動可能に連結されている。ポリアデニル化配列は遺伝子発現を改善し得る。
【0201】
好適なポリアデニル化配列は、当業者には周知である。好適なポリアデニル化配列には、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化配列又は初期SV40ポリアデニル化シグナルが含まれる。本発明の一部の実施形態では、ポリアデニル化配列はBGHポリアデニル化配列である。
【0202】
本発明の一部の実施形態では、ポリアデニル化配列は、配列番号35、62、若しくは65と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、ポリアデニル化配列は、配列番号35、62、若しくは65と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、若しくは少なくとも99%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0203】
本発明の一部の実施形態では、ポリアデニル化配列は、配列番号35、62、若しくは65のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0204】
例示的なBGHポリアデニル化配列(配列番号35)
Gctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0205】
例示的なBGHポリアデニル化配列(配列番号62)
Actgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0206】
例示的なBGHポリアデニル化配列(配列番号65)
ctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0207】
Kozak配列
本発明のポリヌクレオチドはKozak配列を含んでよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、Kozak配列に作動可能に連結されている。Kozak配列は、翻訳の開始を改善するために、RAG1ポリペプチドの開始コドンの前に挿入してよい。
【0208】
好適なKozak配列は、当業者には周知である。
【0209】
本発明の一部の実施形態では、Kozak配列は配列番号36と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、Kozak配列は、配列番号36と少なくとも80%若しくは少なくとも90%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0210】
本発明の一部の実施形態では、Kozak配列は配列番号36のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0211】
例示的なKozak配列(配列番号36)
gccgccaccatg
【0212】
転写後制御エレメント
本発明のポリヌクレオチドは、転写後制御エレメントを含んでよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、転写後制御エレメントに作動可能に連結されている。転写後制御エレメントは遺伝子発現を改善し得る。
【0213】
好適な転写後制御エレメントは、当業者には周知である。
【0214】
本発明のポリヌクレオチドは、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後制御エレメント(WPRE)を含んでよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、WPREに作動可能に連結されている。
【0215】
本発明の一部の実施形態では、WPREは、配列番号37と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、WPREは配列番号37と少なくとも80%若しくは少なくとも90%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0216】
本発明の一部の実施形態では、WPREは、配列番号37のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0217】
例示的なWPRE (配列番号37)
aatcaacctctggattacaaaatttgtgaaagattgactggtattcttaactatgttgctccttttacgctatgtggatacgctgctttaatgcctttgtatcatgctattgcttcccgtatggctttcattttctcctccttgtataaatcctggttgctgtctctttatgaggagttgtggcccgttgtcaggcaacgtggcgtggtgtgcactgtgtttgctgacgcaacccccactggttggggcattgccaccacctgtcagctcctttccgggactttcgctttccccctccctattgccacggcggaactcatcgccgcctgccttgcccgctgctggacaggggctcggctgttgggcactgacaattccgtggtgttgtcggggaaatcatcgtcctttccttggctgctcgcctgtgttgccacctggattctgcgcgggacgtccttctgctacgtcccttcggccctcaatccagcggaccttccttcccgcggcctgctgccggctctgcggcctcttccgcgtcttcgccttcgccctcagacgagtcggatctccctttgggccgcctccccgcctg
【0218】
本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドは転写後制御エレメントに作動可能に連結されていない。本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドはWPREに作動可能に連結されていない。
【0219】
内因性3'UTR
本発明のポリヌクレオチドは、内因性RAG1 3'UTRを含んでよい。好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、内因性RAG1 3'UTRに作動可能に連結されている。
【0220】
本発明の一部の実施形態では、RAG1 3'UTRは、配列番号38と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、RAG1 3'UTRは、配列番号38と少なくとも80%若しくは少なくとも90%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0221】
本発明の一部の実施形態では、RAG1 3'UTRは、配列番号38のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0222】
例示的なRAG1 3'UTR (配列番号38)
gtagggcaaccacttatgagttggtttttgcaattgagtttccctctgggttgcattgagggcttctcctagcaccctttactgctgtgtatggggcttcaccatccaagaggtggtaggttggagtaagatgctacagatgctctcaagtcaggaatagaaactgatgagctgattgcttgaggcttttagtgagttccgaaaagcaacaggaaaaatcagttatctgaaagctcagtaactcagaacaggagtaactgcaggggaccagagatgagcaaagatctgtgtgtgttggggagctgtcatgtaaatcaaagccaaggttgtcaaagaacagccagtgaggccaggaaagaaattggtcttgtggttttcatttttttcccccttgattgattatattttgtattgagatatgataagtgccttctatttcatttttgaataattcttcatttttataattttacatatcttggcttgctatataagattcaaaagagctttttaaatttttctaataatatcttacatttgtacagcatgatgacctttacaaagtgctctcaatgcatttacccattcgttatataaatatgttacatcaggacaactttgagaaaatcagtccttttttatgtttaaattatgtatctattgtaaccttcagagtttaggaggtcatctgctgtcatggatttttcaataatgaatttagaatacacctgttagctacagttagttattaaatcttctgataatatatgtttacttagctatcagaagccaagtatgattctttatttttactttttcatttcaagaaatttagagtttccaaatttagagcttctgcatacagtcttaaagccacagaggcttgtaaaaatataggttagcttgatgtctaaaaatatatttcatgtcttactgaaacattttgccagactttctccaaatgaaacctgaatcaatttttctaaatctaggtttcatagagtcctctcctctgcaatgtgttattctttctataatgatcagtttactttcagtggattcagaattgtgtagcaggataaccttgtatttttccatccgctaagtttagatggagtccaaacgcagtacagcagaagagttaacatttacacagtgctttttaccactgtggaatgttttcacactcatttttccttacaacaattctgaggagtaggtgttgttattatctccatttgatgggggtttaaatgatttgctcaaagtcatttaggggtaataaatacttggcttggaaatttaacacagtccttttgtctccaaagcccttcttctttccaccacaaattaatcactatgtttataaggtagtatcagaatttttttaggattcacaactaatcactatagcacatgaccttgggattacatttttatggggcaggggtaagcaagtttttaaatcatttgtgtgctctggctcttttgatagaagaaagcaacacaaaagctccaaagggccccctaaccctcttgtggctccagttatttggaaactatgatctgcatccttaggaatctgggatttgccagttgctggcaatgtagagcaggcatggaattttatatgctagtgagtcataatgatatgttagtgttaattagttttttcttcctttgattttattggccataattgctactcttcatacacagtatatcaaagagcttgataatttagttgtcaaaagtgcatcggcgacattatctttaattgtatgtatttggtgcttcttcagggattgaactcagtatctttcattaaaaaacacagcagttttccttgctttttatatgcagaatatcaaagtcatttctaatttagttgtcaaaaacatatacatattttaacattagtttttttgaaaactcttggttttgtttttttggaaatgagtgggccactaagccacactttcccttcatcctgcttaatccttccagcatgtctctgcactaataaacagctaaattcacataatcatcctatttactgaagcatggtcatgctggtttatagattttttacccatttctactctttttctctattggtggcactgtaaatactttccagtattaaattatccttttctaacactgtaggaactattttgaatgcatgtgactaagagcatgatttatagcacaacctttccaataatcccttaatcagatcacattttgataaaccctgggaacatctggctgcaggaatttcaatatgtagaaacgctgcctatggttttttgcccttactgttgagactgcaatatcctagaccctagttttatactagagttttatttttagcaatgcctattgcaagtgcaattatatactccagggaaattcaccacactgaatcgagcatttgtgtgtgtatgtgtgaagtatatactgggacttcagaagtgcaatgtatttttctcctgtgaaacctgaatctacaagttttcctgccaagccactcaggtgcattgcagggaccagtgataatggctgatgaaaattgatgattggtcagtgaggtcaaaaggagccttgggattaataaacatgcactgagaagcaagaggaggagaaaaagatgtctttttcttccaggtgaactggaatttagttttgcctcagatttttttcccacaagatacagaagaagataaagatttttttggttgagagtgtgggtcttgcattacatcaaacagagttcaaattccacacagataagaggcaggatatataagcgccagtggtagttgggaggaataaaccattatttggatgcaggtggtttttgattgcaaatatgtgtgtgtcttcagtgattgtatgacagatgatgtattcttttgatgttaaaagattttaagtaagagtagatacattgtacccattttacattttcttattttaactacagtaatctacataaatatacctcagaaatcatttttggtgattattttttgttttgtagaattgcacttcagtttattttcttacaaataaccttacattttgtttaatggcttccaagagccttttttttttttgtatttcagagaaaattcaggtaccaggatgcaatggatttatttgattcaggggacctgtgtttccatgtcaaatgttttcaaataaaatgaaatatgagtttcaatactttttatattttaatatttccattcattaatattatggttattgtcagcaattttatgtttgaatatttgaaataaaagtttaagatttgaaaatggtatgtattataatttctattcaaatattaataataatattgagtgcagcatt
【0223】
本発明の一部の実施形態では、RAG1ポリペプチドはRAG1 3'UTRに作動可能に連結されていない。
【0224】
さらなるコード配列
本発明のポリヌクレオチドは、さらなるコード配列を含んでよい。本発明のポリヌクレオチドは、内部リボソーム侵入部位配列(IRES)を含んでよい。IRESは、さらなるコード配列の発現を増大させ又は可能にし得る。IRESはさらなるコード配列に作動可能に連結されていてよい。
【0225】
本発明の一部の実施形態では、IRESは配列番号63と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、IRESは配列番号63と少なくとも80%若しくは少なくとも90%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0226】
本発明の一部の実施形態では、IRESは、配列番号63のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0227】
例示的なIRES (配列番号63)
gaattaactcgaggaattccgCccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccaacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataatatggccacaacc
【0228】
さらなるコード配列は、セレクター(selector)、例えばNGFR受容体、例えば低親和性NGFR、例えばC末端が切断された低親和性NGFRをコードしてよい。セレクターは、細胞の富化のために用いてよい。
【0229】
本発明の一部の実施形態では、NGFRコード配列は、配列番号64と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、NGFRコード配列は、配列番号64と少なくとも80%若しくは少なくとも90%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0230】
本発明の一部の実施形態では、NGFRコード配列は、配列番号64のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0231】
例示的なNGFRコード配列(配列番号64)
atgggagctggtgctaccggcagagctatggatggacctagactgctgctcctgctgctgctcggagtttctcttggcggagccaaagaggcctgtcctaccggcctgtatacacactctggcgagtgctgcaaggcctgcaatcttggagaaggcgtggcacagccttgcggcgctaatcagacagtgtgcgagccttgcctggacagcgtgacctttagcgacgtggtgtctgccaccgagccatgcaagccttgtaccgagtgtgtgggcctgcagagcatgtctgccccttgtgtggaagccgacgatgccgtgtgtagatgcgcctacggctactaccaggacgagacaacaggcagatgcgaggcctgtagagtgtgtgaagccggctctggactggtgttcagctgccaagacaagcagaacaccgtgtgcgaggaatgccccgatggcacctatagcgacgaggccaaccatgtagatccctgcctgccttgtactgtgtgcgaagataccgagcggcagctgcgcgagtgtacaagatgggctgatgccgagtgcgaagagatccccggcagatggatcaccagaagcacacctccagagggcagcgatagcacagccccttctacacaagagcccgaggctcctcctgagcaggatctgattgcctctacagtggccggcgtggtcacaacagtgatgggatcttctcagcccgtggtcaccagaggcaccaccgacaatctgatccccgtgtactgtagcatcctggccgccgtggttgtgggactcgtggcctatatcgccttcaagcggtggaaccggggcatcctgtaa
【0232】
さらなるコード配列は、不安定化ドメイン、例えばプロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、及びスレオニン(T)に富むペプチド配列(PEST)をコードし得る。内因性RAG1タンパク質は、不安定化ドメイン、例えばPESTシグナルペプチドによって、プロテアソームの分解を介して不安定化され得る。
【0233】
本発明の一部の実施形態では、PESTコード配列は、配列番号66と少なくとも70%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。好適には、PESTコード配列は、配列番号66と少なくとも80%若しくは少なくとも90%同一のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0234】
本発明の一部の実施形態では、PESTコード配列は、配列番号66のヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる。
【0235】
例示的なPESTコード配列(配列番号66)
atgaggaccgaggcccccgagggcaccgagagcgagatggagacccccagcgccatcaacggcaaccccagctggcac
【0236】
プロモーター及びエンハンサー
好適には、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、プロモーター及び/又はエンハンサーエレメントに作動可能に連結されている。
【0237】
「プロモーター」は、遺伝子の転写の開始をもたらすDNAの領域である。プロモーターは、遺伝子の転写開始部位の付近で、DNAの上流に(センス鎖の5'領域に向けて)位置している。任意の好適なプロモーターを用いることができ、その選択は当業者には容易に行うことができる。
【0238】
「エンハンサー」はタンパク質(アクチベーター)が結合して特定の遺伝子の転写が生じる可能性を増大させることできるDNAの領域である。エンハンサーはシス作用性である。エンハンサーは遺伝子から1Mbp(1,000,000 bp)まで離れて、開始部位の上流又は下流に位置することができる。任意の好適なエンハンサーを用いることができ、その選択は当業者には容易に行うことができる。
【0239】
RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の転写は、内因性プロモーターによって駆動され得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドがRAG1イントロン1に挿入されれば、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の転写は、内因性RAG1プロモーターによって駆動され得る。
【0240】
本発明の一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、プロモーター及び/又はエンハンサーエレメントを含まない。本発明の一部の実施形態では、本発明のゲノムは、RAG1イントロン1にプロモーター及び/又はエンハンサーエレメント(例えば外因性プロモーター及び/又はエンハンサーエレメント)を含まない。
【0241】
例示的なポリヌクレオチド及びゲノム
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、ポリアデニル化配列、及び第2の相同領域を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
【0242】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、kozak配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、ポリアデニル化配列、及び第2の相同領域を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
【0243】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、WPRE、ポリアデニル化配列、及び第2の相同領域を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
【0244】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、kozak配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、WPRE、ポリアデニル化配列、及び第2の相同領域を含むか、又は本質的にこれらからなるか、これらからなる。
【0245】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、kozak配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、3' UTR、ポリアデニル化配列、及び第2の相同領域を含むか、又は本質的にこれらからなるか、これらからなる。
【0246】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、kozak配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、IRES、セレクター(例えばNGFR)をコードするヌクレオチド配列、ポリアデニル化配列、及び第2の相同領域を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
【0247】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、kozak配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、IRES、不安定化ドメイン(例えばPEST配列)をコードするヌクレオチド配列、スプライスドナー配列、及び第2の相同領域を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
【0248】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、スプライスドナー配列、及び第2の相同領域を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなる。
【0249】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号39と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0250】
一部の実施形態では、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号39のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0251】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、配列番号39と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0252】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、配列番号39のヌクレオチド配列を含む。
【0253】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、配列番号39のヌクレオチド297~3687又は配列番号39のヌクレオチド291~3693と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0254】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、配列番号39のヌクレオチド297~3687又は配列番号39のヌクレオチド291~3693のヌクレオチド配列を含む。
【0255】
例示的なポリヌクレオチド(配列番号39)
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggccgcctccttcccacctacccttggattgtcctccgcccctgacgaaattcaacatccccacatcaaattctcggagtggaagttcaagctctttcgcgtgcgctcgttcgaaaagacccccgaggaagcccaaaaggagaagaaagactcattcgaaggaaaacccagcctcgaacagtccccggccgtcctggacaaggccgacgggcagaagcctgtgccgacccagccgctgctgaaagcgcacccgaaattctccaagaagtttcacgataacgagaaggcccggggaaaggccatccaccaagcaaaccttagacacctgtgccgcatctgtgggaactcattcagagccgacgaacataaccggagataccctgtgcatggccctgtcgacggaaagaccctggggctcctgagaaagaaggagaagagggcgacatcctggccggacctgatcgcaaaggtgttcagaatcgacgtgaaggcagatgtggacagcatccacccaaccgagttctgccacaactgctggagcattatgcaccggaagttcagctcagcgccctgtgaagtgtacttcccgcgcaacgtgactatggagtggcatccacacactccgtcctgcgacatctgtaacactgctcggcgcggactcaagaggaagtccctgcagccgaatctgcagctgagcaagaagcttaagaccgtgctggaccaggctcggcaggcccgccagcacaagcgacgcgcccaggcccggatctcatctaaggatgtgatgaagaagatcgccaattgcagcaaaatccacctgtctaccaagctgctggcggtggacttcccggagcacttcgtgaagtccatcagctgtcagatctgcgagcatattctcgccgaccccgtggagactaattgcaagcacgtgttctgccgcgtgtgcatcctgcgctgcctgaaggtcatgggctcctattgcccttcctgccggtacccctgtttccctactgatctggagtccccggtcaagtccttcttgtccgtgctgaactccctgatggtcaaatgtcccgcaaaggagtgcaatgaggaagtgtccctggaaaagtacaaccaccacatcagcagccacaaggagtccaaagaaatctttgtgcacattaacaagggcggtcggccccggcagcatctgctctcgctgactcgccgggcccagaagcacaggctccgggagctgaagctgcaagtcaaggccttcgccgacaaggaagagggaggagatgtgaagtccgtgtgcatgaccctgtttttgctggcgctgcgggctcggaacgaacacagacaagctgatgaactggaggccatcatgcagggcaaaggatcgggactccagccggctgtgtgtctcgccatccgcgtcaacacattcctctcatgctcccaataccacaagatgtacaggactgtgaaggccatcaccggacggcagatctttcagccactccacgcccttcggaacgcagaaaaggtcttgctgccgggataccatcatttcgaatggcagccgcccttgaaaaacgtgtcctcgtccaccgacgtgggcattattgatgggctgagcggcctgtcctcctctgtggatgactaccctgtggataccatcgccaaacggttcagatacgattccgcgctggtgtcggccctgatggacatggaggaggacatcctggagggaatgagatcacaagatctggacgactacctcaacgggcccttcacggtggtggtcaaggaatcgtgcgatggaatgggcgacgtgtcggagaagcacggttccggacctgtggtgccggaaaaggccgtgcgcttctccttcaccatcatgaagatcaccattgcgcatagctcccagaacgtcaaagtgttcgaagaggccaagccgaactcagagctctgctgcaagccgctgtgcctgatgttggcggacgagagcgatcacgaaaccctgaccgccattctgtcgcctctgatcgcggagagggaggccatgaagtcctccgaactgatgctggagctgggcggtattttgcggacttttaagttcatcttccggggaaccggttatgacgaaaagctcgtgcgcgaagtggagggcctggaagcctcaggctccgtctacatctgcactctctgcgacgccacccggctggaggcgtcacagaatcttgtgttccactcgatcactaggtcccacgcggagaacctggaacgctatgaggtctggcgctctaacccataccacgaatccgtggaagaacttcgggacagagtgaagggagtgtcagcaaagcctttcattgaaaccgtgcctagcatcgacgccctccattgcgacatcggcaacgccgccgagttctacaagatcttccagcttgagatcggggaagtgtacaagaacccgaacgcctccaaggaagaaagaaagcggtggcaggctacccttgacaaacacctccgcaagaagatgaacctgaagcccattatgcggatgaacggaaacttcgctaggaagctgatgactaaggaaacggtcgacgcggtctgtgaactgatccccagcgaagaacgacatgaagcgctgcgcgaactcatggacctgtacctgaagatgaagcctgtctggcggagctcgtgccctgccaaggagtgcccggagtcgctgtgtcagtacagctttaacagccaaaggttcgcagagctgctgtcgaccaagttcaagtacagatacgaaggaaagattaccaactacttccacaagactctcgctcacgtgcccgagattatcgaacgcgatggttccatcggggcctgggcctccgagggcaacgagtcgggcaacaagttgttccgccggtttagaaagatgaacgcccgccagtccaagtgctacgaaatggaagatgtgctgaagcatcactggctgtatacctccaagtacctccagaagttcatgaacgcacataacgccctcaagacctccgggttcaccatgaacccccaggcctccctcggtgaccctctgggaattgaagatagcttggagagccaggactcgatggaattctagctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggtctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0256】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、配列番号40と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0257】
一部の実施形態では、本発明のゲノムは、配列番号40のヌクレオチド配列を含む。
【0258】
例示的なヌクレオチド配列挿入物(配列番号40)
gaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggccgcctccttcccacctacccttggattgtcctccgcccctgacgaaattcaacatccccacatcaaattctcggagtggaagttcaagctctttcgcgtgcgctcgttcgaaaagacccccgaggaagcccaaaaggagaagaaagactcattcgaaggaaaacccagcctcgaacagtccccggccgtcctggacaaggccgacgggcagaagcctgtgccgacccagccgctgctgaaagcgcacccgaaattctccaagaagtttcacgataacgagaaggcccggggaaaggccatccaccaagcaaaccttagacacctgtgccgcatctgtgggaactcattcagagccgacgaacataaccggagataccctgtgcatggccctgtcgacggaaagaccctggggctcctgagaaagaaggagaagagggcgacatcctggccggacctgatcgcaaaggtgttcagaatcgacgtgaaggcagatgtggacagcatccacccaaccgagttctgccacaactgctggagcattatgcaccggaagttcagctcagcgccctgtgaagtgtacttcccgcgcaacgtgactatggagtggcatccacacactccgtcctgcgacatctgtaacactgctcggcgcggactcaagaggaagtccctgcagccgaatctgcagctgagcaagaagcttaagaccgtgctggaccaggctcggcaggcccgccagcacaagcgacgcgcccaggcccggatctcatctaaggatgtgatgaagaagatcgccaattgcagcaaaatccacctgtctaccaagctgctggcggtggacttcccggagcacttcgtgaagtccatcagctgtcagatctgcgagcatattctcgccgaccccgtggagactaattgcaagcacgtgttctgccgcgtgtgcatcctgcgctgcctgaaggtcatgggctcctattgcccttcctgccggtacccctgtttccctactgatctggagtccccggtcaagtccttcttgtccgtgctgaactccctgatggtcaaatgtcccgcaaaggagtgcaatgaggaagtgtccctggaaaagtacaaccaccacatcagcagccacaaggagtccaaagaaatctttgtgcacattaacaagggcggtcggccccggcagcatctgctctcgctgactcgccgggcccagaagcacaggctccgggagctgaagctgcaagtcaaggccttcgccgacaaggaagagggaggagatgtgaagtccgtgtgcatgaccctgtttttgctggcgctgcgggctcggaacgaacacagacaagctgatgaactggaggccatcatgcagggcaaaggatcgggactccagccggctgtgtgtctcgccatccgcgtcaacacattcctctcatgctcccaataccacaagatgtacaggactgtgaaggccatcaccggacggcagatctttcagccactccacgcccttcggaacgcagaaaaggtcttgctgccgggataccatcatttcgaatggcagccgcccttgaaaaacgtgtcctcgtccaccgacgtgggcattattgatgggctgagcggcctgtcctcctctgtggatgactaccctgtggataccatcgccaaacggttcagatacgattccgcgctggtgtcggccctgatggacatggaggaggacatcctggagggaatgagatcacaagatctggacgactacctcaacgggcccttcacggtggtggtcaaggaatcgtgcgatggaatgggcgacgtgtcggagaagcacggttccggacctgtggtgccggaaaaggccgtgcgcttctccttcaccatcatgaagatcaccattgcgcatagctcccagaacgtcaaagtgttcgaagaggccaagccgaactcagagctctgctgcaagccgctgtgcctgatgttggcggacgagagcgatcacgaaaccctgaccgccattctgtcgcctctgatcgcggagagggaggccatgaagtcctccgaactgatgctggagctgggcggtattttgcggacttttaagttcatcttccggggaaccggttatgacgaaaagctcgtgcgcgaagtggagggcctggaagcctcaggctccgtctacatctgcactctctgcgacgccacccggctggaggcgtcacagaatcttgtgttccactcgatcactaggtcccacgcggagaacctggaacgctatgaggtctggcgctctaacccataccacgaatccgtggaagaacttcgggacagagtgaagggagtgtcagcaaagcctttcattgaaaccgtgcctagcatcgacgccctccattgcgacatcggcaacgccgccgagttctacaagatcttccagcttgagatcggggaagtgtacaagaacccgaacgcctccaaggaagaaagaaagcggtggcaggctacccttgacaaacacctccgcaagaagatgaacctgaagcccattatgcggatgaacggaaacttcgctaggaagctgatgactaaggaaacggtcgacgcggtctgtgaactgatccccagcgaagaacgacatgaagcgctgcgcgaactcatggacctgtacctgaagatgaagcctgtctggcggagctcgtgccctgccaaggagtgcccggagtcgctgtgtcagtacagctttaacagccaaaggttcgcagagctgctgtcgaccaagttcaagtacagatacgaaggaaagattaccaactacttccacaagactctcgctcacgtgcccgagattatcgaacgcgatggttccatcggggcctgggcctccgagggcaacgagtcgggcaacaagttgttccgccggtttagaaagatgaacgcccgccagtccaagtgctacgaaatggaagatgtgctgaagcatcactggctgtatacctccaagtacctccagaagttcatgaacgcacataacgccctcaagacctccgggttcaccatgaacccccaggcctccctcggtgaccctctgggaattgaagatagcttggagagccaggactcgatggaattctagctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggtctaga
【0259】
バリアント、誘導体、類似体及び断片
本明細書中に記載した特定のタンパク質及びヌクレオチドに加えて、本発明はそのバリアント、誘導体及び断片もまた包含する。
【0260】
本発明との関連においては、任意の所与の配列の「バリアント(変異体)」は、その特定の配列の残基(アミノ酸残基又は核酸残基)が、対象のポリペプチド又はポリヌクレオチドがその内在性機能の少なくとも1つを保持するように改変されている配列である。例えば、RAG1のバリアントは、RAG複合体を形成する能力を保持し、RSSへのDNA結合を媒介し、RSSと隣接するコーディングセグメントとの間に二本鎖切断を導入することができる。バリアント配列は、天然に存在するポリペプチド又はポリヌクレオチド中に存在する少なくとも1つの残基の付加、欠失、置換、修飾、交換(replacement)及び/又は変異(variation)により取得することができる。
【0261】
本明細書中で使用する用語「誘導体」は、本発明のタンパク質又はポリペプチドに関しては、その配列からの、又はその配列への1つ(又はそれ以上)のアミノ酸残基の任意の置換、変異、修飾、交換、欠失及び/又は付加を含むが、結果として生じるタンパク質又はポリペプチドは、その内在性機能のうちの少なくとも1つを保有しているものとする。例えば、RAG1の誘導体は、RAG複合体を形成する能力を保持し、RSSへのDNA結合を媒介し、RSSと隣接するコーディングセグメントとの間に二本鎖切断を導入することができる。
【0262】
典型的には、アミノ酸置換は、例えば1、2若しくは3~10個又は20個の置換としてもよいが、その改変された配列は、所要の活性又は能力を実質的に保持しているものとする。アミノ酸置換は、天然には存在しない類似体の使用を含んでいてもよい。
【0263】
本発明に使用するタンパク質は同様に、サイレント変化を生じて機能的に同等のタンパク質をもたらすアミノ酸残基の欠失、挿入又は置換を有していてもよい。計画的なアミノ酸置換は、その内在性機能が保持される限りは、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性及び/又は両親媒性という点での類似性に基づいて実施することができる。例えば、負の電荷をもつアミノ酸にはアスパラギン酸及びグルタミン酸が含まれ、正の電荷をもつアミノ酸にはリジン及びアルギニンが含まれ、また同様の親水性値を有する非荷電極性頭部基をもつアミノ酸にはアスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン及びチロシンが含まれる。
【0264】
保存的置換は、例えば下記表に従って実施することができる。2列目の同一ブロック内のアミノ酸、及び3列目の同一行内のアミノ酸は、互いに置換することができる:
【0265】
典型的には、バリアントは、野生型アミノ酸配列又は野生型ヌクレオチド配列と一定の相同性を有し得る。
【0266】
本発明に関して、バリアント配列は、対象配列と少なくとも50%、55%、65%、75%、85%又は90%の同一性、好適には少なくとも95%、96%又は97%又は98%又は99%の同一性を有しうるアミノ酸配列を含むとみなされる。バリアントを類似性(すなわち類似した化学的特性/機能を有するアミノ酸残基)の点から考えることもできるが、本発明との関連においては、配列同一性の点から表現することが好ましい。
【0267】
本発明に関して、バリアント配列は、対象配列と少なくとも50%、55%、65%、75%、85%又は90%の同一性、好適には少なくとも95%、96%又は97%又は98%又は99%の同一性を有しうるヌクレオチド配列を含むとみなされる。バリアントを類似性の点から考えることもできるが、本発明との関連においては、配列同一性の点から表現することが好ましい。
【0268】
好適には、本明細書中で詳述する配列番号のうちのいずれか1つに対してパーセント同一性を有する配列と言う時は、言及した配列番号の全長にわたって、記載したパーセント同一性を有する配列を指す。
【0269】
配列同一性比較は、目視で、又はより一般的には、容易に入手可能な配列比較プログラムを用いて実行することができる。これらの公に利用可能なコンピュータープログラムは、2つ以上の配列間のパーセント同一性を算出することができる。
【0270】
パーセント同一性は、連続した配列に対して算出してもよい、すなわち、ある配列を他の配列と整列させて、ある配列中の各アミノ酸又はヌクレオチドを他の配列中の対応アミノ酸又はヌクレオチドと一度に1残基ずつ直接比較する。これは「ギャップのない」アライメントと呼ばれている。典型的には、かかるギャップのないアライメントは、比較的少ない数の残基に対してのみ実施する。
【0271】
これは非常に単純で一貫した方法であるが、例えば、他の点では同一である配列対において、アミノ酸又はヌクレオチド配列中の1つの挿入又は欠失により次に続く残基又はコドンがアライメントから排除される場合があり、したがってグローバルアライメントを実施するとパーセント同一性の大幅な減少が生じる可能性があるということを考慮していない。その結果、大抵の配列比較方法は、全体の同一性スコアに過度にペナルティーを与えることなく考えうる挿入及び欠失を考慮した最適なアライメントを生成するように設計される。これは、配列アライメントに「ギャップ」を挿入して局地的同一性を最大化しようと試みることにより達成される。
【0272】
しかし、これらのより複雑な方法は、同じ数の同一アミノ酸又はヌクレオチドに関して、可能な限り少ないギャップ(2つの比較配列間のより高い関連性を反映する)を有する配列アライメントが多くのギャップを有する配列アライメントより高いスコアを達成するように、アライメントに生じる各ギャップに「ギャップペナルティー」を割り当てる。典型的には、ギャップの存在に対して比較的高いコストを課し、ギャップ中のその後の各残基に対してより小さいペナルティーを課す「アフィンギャップコスト」を使用する。これは最も一般的に使用されるギャップスコアリングシステムである。高いギャップペナルティーは、当然ながら、より少ないギャップを含む最適化されたアライメントを生成する。殆どのアライメントプログラムは、ギャップペナルティーを修正できる。しかし、配列比較のためにかかるソフトウェアを使用する場合は、デフォルト値を使用することが好ましい。例えばGCG Wisconsin Bestfitパッケージを使用する場合、アミノ酸配列のデフォルトギャップペナルティーは、ギャップについては-12であり、各伸長については-4である。
【0273】
最大パーセント同一性の算出は、それ故に、第1にギャップペナルティーを考慮した最適なアライメントの生成を必要とする。かかるアライメントを実行するための適切なコンピュータープログラムは、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(University of Wisconsin, USA;Devereuxら (1984) Nucleic Acids Research 12:387)である。配列比較を実施できる他のソフトウェアの例としては、BLASTパッケージ(Ausubelら (1999) 前掲 - Ch. 18を参照されたい)、FASTA(Atschulら (1990) J. Mol. Biol. 403-410)、EMBOSS Needle(Madeira, F., et al., 2019. Nucleic acids research, 47(W1), pp.W636-W641)及びGENEWORKS比較ツール集が挙げられるが、これらに限定されない。BLAST及びFASTAは共に、オフライン及びオンライン検索に利用可能である(Ausubelら (1999) 前掲, pages 7-58~7-60を参照されたい)。しかし、一部の適用については、GCG Bestfitプログラムを使用することが好ましい。別のツールBLAST 2 Sequencesもまた、タンパク質及びヌクレオチド配列の比較に利用できる(FEMS Microbiol. Lett. (1999) 174(2):247-50;FEMS Microbiol. Lett. (1999) 177(1):187-8)。
【0274】
最終的なパーセント同一性を測定できるが、アライメントプロセス自体は、典型的には、全か無かの対比較に基づくものではない。その代わりに、スコアを化学的類似性又は進化距離に基づく各ペアワイズ比較に割り当てる、スケール変換(scaled)類似性スコア行列を通常は使用する。一般的に使用されるかかる行列の例は、BLOSUM62行列(BLASTプログラム集のプログラム用のデフォルト行列)である。GCG Wisconsinプログラムは、通常は、パブリックデフォルト値、又はカスタムシンボル比較表(custom symbol comparison table)が供給されていればこれを使用する(さらなる詳細についてはユーザーマニュアルを参照されたい)。一部の適用については、GCGパッケージにはパブリックデフォルト値を、又は他のソフトウェアにはBLOSUM62などのデフォルト行列を使用することが好ましい。
【0275】
ソフトウェアにより最適なアライメントが生成されれば、パーセント配列同一性を算出することが可能である。ソフトウェアは、典型的には、配列比較の一環としてこれを行い、数値結果をもたらす。パーセント配列同一性は、参照される配列番号の全残基に対するパーセントとしての同一残基の数として計算され得る。
【0276】
「断片」もまたバリアントであり、この用語は典型的には、機能的に、又は例えばアッセイにおいて重要なポリペプチド又はポリヌクレオチドの選択された領域を指す。したがって、「断片」は、全長ポリペプチド又は全長ポリヌクレオチドの一部であるアミノ酸配列又は核酸配列を指す。
【0277】
かかるバリアント、誘導体及び断片は、標準的な組換えDNA技術、例えば部位特異的突然変異誘発を利用して調製し得る。挿入を行う場合は、挿入部位の両側の天然に存在する配列に対応する5'及び3'隣接領域と共に挿入物をコードする合成DNAを作製してもよい。それらの隣接領域は、天然に存在する配列中の部位に対応する都合のよい制限部位を含有しており、そのためこの配列を適当な酵素(複数可)で切断し、合成DNAをその切断部に連結することができる。DNAをその後本発明に従って発現させることにより、コードされたタンパク質を作製する。これらの方法は、DNA配列を操作するための当分野で公知の多くの標準的技術の単なる例示であって、他の公知技術も同様に利用可能である。
【0278】
ベクター
一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0279】
ベクターは、本発明のポリヌクレオチドを用いたゲノムの編集に適している場合がある。ベクターは、ポリヌクレオチドを細胞内に送達するために使用され得る。その後、ヌクレオチド配列インサート(挿入物)は、相同指向性修復(HDR)により二重鎖切断(DSB)の部位でゲノムに導入され得る。
【0280】
本発明のベクターは、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞を形質導入することができる。好適には、本発明のベクターは、HSC、HPC、及び/又はLPCを形質導入することが可能である。好適には、本発明のベクターは、CD34+細胞を形質導入することが可能である。好適には、本発明のベクターは、NALM6、K562、及び/又は他のヒト細胞株(例えば、Molt4、U937など)を形質導入することが可能である。好適には、本発明のベクターは、T細胞を形質導入することが可能である。
【0281】
好適には、本発明のベクターは、ウイルスベクターである。本発明のベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであってもよいが、他のウイルスベクター、例えばレンチウイルスベクター(例えばIDLVベクター)、又は一本鎖若しくは二本鎖DNAが使用され得ることが企図される。
【0282】
本発明のベクターは、ウイルスベクター粒子の形態であってもよい。好適には、本発明のウイルスベクターは、AAVベクター粒子の形態である。好適には、本発明のウイルスベクターは、レンチウイルスベクター粒子、例えばIDLVベクター粒子の形態である。
【0283】
ウイルスベクター及びウイルスベクター粒子、例えばAAVに由来するものを調製及び改変する方法は、当分野で周知である。適切な方法は、Ayuso, E.,ら、2010. Current gene therapy, 10(6), pp.423-436, Merten, O.W.,ら、2016. Molecular Therapy-Methods & Clinical Development, 3, p.16017、並びにNadeau, I.及びKamen, A., 2003. Biotechnology advances, 20(7-8), pp.475-489に記載されている。
【0284】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター
本発明のベクターはアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターであり得る。場合により、ベクターはAAV6ベクターである。本発明のベクターは、AAVベクター粒子の形態であってもよい。場合により、ベクターは、AAV6ベクター粒子の形態である。
【0285】
AAVベクター又はAAVベクター粒子は、AAVゲノム又はその断片若しくは誘導体を含み得る。AAVゲノムはポリヌクレオチド配列であり、この配列はAAV粒子の生成に必要とされる機能をコードし得る。これらの機能としては、宿主細胞におけるAAVの複製及びパッケージングサイクルにおいて作動する機能、例えばAAV粒子へのAAVゲノムのキャプシド形成が挙げられる。天然に存在するAAVは複製欠損性であり、複製及びパッケージングサイクルの完了に関してはトランスのヘルパー機能の供給に依存している。したがって、本発明のAAVベクターのAAVゲノムは典型的には複製欠損性である。
【0286】
AAVゲノムは、ポジティブセンス又はネガティブセンスのいずれかの一本鎖形態であっても、あるいは二本鎖形態であってもよい。二本鎖形態の使用により、標的細胞におけるDNA複製段階の迂回が可能となり、そのため導入遺伝子の発現を促進することができる。
【0287】
天然に存在するAAVは、様々な生物学的システムに応じて分類することができる。AAVゲノムは、AAVの任意の天然由来の血清型、単離株(isolate)又はクレードから得たものであってもよい。
【0288】
AAVはそれらの血清型の点から言及される。血清型はAAVのバリアント亜種に対応しており、このバリアント亜種は、そのキャプシド表面抗原の発現プロファイルにより、他のバリアント亜種と区別するために利用できる特有の反応性を有する。典型的には、特定のAAV血清型を有するAAVベクター粒子は、任意の他のAAV血清型に特異的な中和抗体とは効率的に交差反応しない。AAV血清型にはAAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10及びAAV11が含まれる。本発明のAAVベクターは、AAV6血清型であり得る。
【0289】
AAVは、クレード又はクローンの点から言及される場合もある。これは天然由来のAAVの系統発生関係を指しており、また典型的には、共通祖先まで遡及することが可能であり、かつそのすべての子孫を含むAAVの系統発生群を指す。さらに、AAVは、特定の単離株、すなわち自然界に見出される特定のAAVの遺伝子単離株(genetic isolate)の点で言及される場合がある。遺伝子単離株という用語は、他の天然に存在するAAVとの遺伝子混合が限定的に行われたAAVの集団を説明するものであり、それによって遺伝子レベルで認識できる程度に異なる集団が定義される。
【0290】
典型的には、AAVの天然由来の血清型、単離株又はクレードのAAVゲノムは、少なくとも1つの逆方向末端反復配列(ITR)を含む。ITR配列はシスに作用することにより機能的な複製起点を提供し、細胞のゲノムからのベクターの組み込み及び切り取りを可能にする。ITRは、治療遺伝子の隣にcisで必要とされる唯一の配列でありうる。好適には、1つ以上のITR配列が、本発明のポリヌクレオチドに隣接している。
【0291】
AAVゲノムはまた、パッケージング遺伝子、例えばAAV粒子のパッケージング機能をコードするrep及び/又はcap遺伝子も含み得る。プロモーターは、パッケージング遺伝子の各々に機能的に連結されている。かかるプロモーターの具体例としては、p5、p19及びp40プロモーターが挙げられる。例えば、p5及びp19プロモーターは、通常はrep遺伝子を発現させるために使用するが、p40プロモーターは通常はcap遺伝子を発現させるために使用する。rep遺伝子は、タンパク質Rep78、Rep68、Rep52及びRep40又はそのバリアントのうちの1つ以上をコードしている。cap遺伝子は、1つ以上のキャプシドタンパク質、例えばVP1、VP2及びVP3又はそのバリアントをコードしている。
【0292】
AAVゲノムは、天然に存在するAAVの全ゲノムであってもよい。例えば、全AAVゲノムを含むベクターを使用することにより、AAVベクター又はベクター粒子を調製し得る。
【0293】
好適には、AAVゲノムを患者への投与のために誘導体化する。かかる誘導体化は当分野では標準的であり、本発明はAAVゲノムの任意の公知の誘導体、及び当分野で公知の技術を適用することにより作製しうる誘導体の使用を包含する。AAVゲノムは任意の天然に存在するAAVの誘導体であり得る。適切には、AAVゲノムは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、又はAAV11の誘導体である。適切には、AAVゲノムはAAV6の誘導体である。
【0294】
AAVゲノムの誘導体は、インビボで本発明のAAVベクターからの導入遺伝子の発現を可能にする、AAVゲノムの任意の末端切断形態又は改変形態を含む。典型的には、最小ウイルス配列を含むが上記機能は保持するようにAAVゲノムを大きく切断することが可能である。これは、ベクターと野生型ウイルスとの組換えのリスクを低減し、また標的細胞においてウイルス遺伝子タンパク質の存在による細胞性免疫応答の誘発を回避する。
【0295】
典型的には、誘導体は、少なくとも1つの逆方向末端反復配列(ITR)、任意により1つを超えるITR、例えば2つのITR又はそれ以上を含む。ITRのうちの1つ以上は、異なる血清型を有するAAVゲノムに由来していてもよく、又はキメラITR若しくは変異ITRであってもよい。好適な変異ITRは、trs(末端分解部位)の欠失を有するものである。この欠失により、コード配列と相補配列の両方を含有する一本鎖ゲノム、すなわち自己相補型AAVゲノムを作製するためのゲノムの連続複製が可能となる。これにより、標的細胞におけるDNA複製の迂回が可能となり、またそのために加速された導入遺伝子の発現が可能となる。
【0296】
AAVゲノムは、AAVの任意の天然由来の血清型、分離株若しくはクレードからの1つ以上のITR配列又はそのバリアントを含んでいてもよい。AAVゲノムは、少なくとも1つ、例えば2つの、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、若しくはAAV11のITR、又はそのバリアントを含んでいてもよい。
【0297】
1つ以上のITRは、本発明のヌクレオチド配列に両端で隣接し得る。1つ以上のITRを含めることは、例えば宿主細胞のDNAポリメラーゼの作用による一本鎖ベクターDNAの二本鎖DNAへの変換後に、宿主細胞の核における前記AAVベクターのコンカテマー形成を補助することができる。かかるエピソームコンカテマーの形成は、宿主細胞の寿命期間中はAAVベクターを保護し、それによりin vivoでの導入遺伝子の長期発現を可能にする。
【0298】
好適には、ITRエレメントは、誘導体において天然AAVゲノムから保持される唯一の配列である。好適には、誘導体は、天然ゲノムのrep及び/又はcap遺伝子並びに天然ゲノムの任意の他の配列を含まない。これは、宿主細胞ゲノムへのベクターの組み込みの可能性を低減し得る。さらに、AAVゲノムのサイズを縮小することで、導入遺伝子に加えて、ベクター内に他の配列エレメント(例えば、調節エレメント)を組み込む際の柔軟性を高めることができる。
【0299】
したがって、次の部分:1つの逆方向末端反復(ITR)配列、複製(rep)及びキャプシド(cap)遺伝子、は本発明の誘導体では除去されていてもよい。しかし、誘導体は、1つ以上のrep及び/若しくはcap遺伝子又はAAVゲノムの他のウイルス配列をさらに含んでいてもよい。天然に存在するAAVはヒト19番染色体上の特定の部位に高頻度で組み込み、またAAVベクターの組み込み能力の保持が治療環境において許容されうるような、無視できる頻度のランダムな組み込みを示す。
【0300】
本発明はさらに、天然AAVゲノムの配列とは異なる順序及び配置のAAVゲノムの配列の提供を包含する。本発明は、1つ以上のAAV配列又は遺伝子と、別のウイルス由来の配列との又は2つ以上のウイルスに由来する配列から構成されるキメラ遺伝子との置換もまた包含する。かかるキメラ遺伝子は、異なるウイルス種の2つ以上の関連ウイルスタンパク質に由来する配列から構成されるものであってもよい。
【0301】
AAVベクター粒子は、キャプシドタンパク質によってキャプシド化されていてもよい。好適には、AAVベクター粒子は、ある血清型のITRを有するAAVゲノム又は誘導体が異なる血清型のキャプシド内にパッケージングされている、トランスキャプシド化形態であり得る。AAVベクター粒子は、2つ以上の異なる血清型に由来する非改変キャプシドタンパク質の混合物がウイルスのキャプシドを構成しているモザイク形態も含む。またAAVベクター粒子は、キャプシド表面に吸着したリガンドを有する化学修飾形態も含む。例えば、かかるリガンドとしては、特定の細胞表面受容体を標的化するための抗体を挙げることができる。
【0302】
誘導体がキャプシドタンパク質、すなわちVP1、VP2及び/又はVP3を含む場合、この誘導体は、1つ以上の天然に存在するAAVのキメラ、シャッフル(shuffled)又はキャプシド改変誘導体であってもよい。特に、本発明は、同一ベクター内へのAAVの異なる血清型、クレード、クローン、又は単離株由来のキャプシドタンパク質配列の提供(すなわちシュードタイプベクター)を包含する。AAVベクターは、シュードタイプAAVベクター粒子の形態であり得る。
【0303】
キメラ、シャッフル又はキャプシド改変誘導体は、典型的には、AAVベクターに1つ以上の所望の機能性を提供するように選択される。したがって、これらの誘導体は、天然に存在するAAVゲノムを含むAAVベクターと比較して、遺伝子送達の効率の向上及び/又は免疫原性(体液性若しくは細胞性)の低減を示す場合がある。遺伝子送達の効率の向上は、例えば、細胞表面での受容体又は共受容体の結合の改善、内部移行の改善、細胞内及び核内へのトラッフィッキング(輸送)の改善、ウイルス粒子の脱殻の改善並びに一本鎖ゲノムの二本鎖形態への変換の改善により達成してもよい。
【0304】
キメラキャプシドタンパク質には、天然に存在するAAV血清型の2つ以上のキャプシドコード配列間の組換えにより作製されるものが含まれる。これは、例えば1つの血清型の非感染性キャプシド配列を異なる血清型のキャプシド配列と共トランスフェクトし、指向性選択(directed selection)を利用して所望の特性を有するキャプシド配列について選択するマーカーレスキュー法により実施し得る。この異なる血清型のキャプシド配列は、新規キメラキャプシドタンパク質を作製するために、細胞内で相同組換えにより変更することができる。
【0305】
またキメラキャプシドタンパク質には、特定のキャプシドタンパク質ドメイン、表面ループ又は特定のアミノ酸残基を、2つ以上のキャプシドタンパク質の間、例えば異なる血清型の2つ以上のキャプシドタンパク質の間で移動させるためのキャプシドタンパク質配列の操作により作製されるものも含まれる。
【0306】
シャッフル又はキメラキャプシドタンパク質は同様に、DNAシャッフリングにより、又はエラープローンPCRにより作製してもよい。ハイブリッドAAVキャプシド遺伝子は、関連するAAV遺伝子の配列、例えば複数の異なる血清型のキャプシドタンパク質をコードする配列をランダムに断片化し、その後続いて、配列相同性を有する領域では交差も生じうるセルフプライミングポリメラーゼ反応でそれらの断片を再構成することにより、作製し得る。この方法でいくつかの血清型のキャプシド遺伝子をシャッフルすることにより作製したハイブリッドAAV遺伝子のライブラリーは、所望の機能性を有するウイルスクローンを同定するためにスクリーニングすることができる。同様に、エラープローンPCRを利用してAAVキャプシド遺伝子をランダムに変異させることで、バリアントの多様なライブラリーを作製してもよく、その後これを所望の特性について選択し得る。
【0307】
キャプシド遺伝子の配列を同様に遺伝的に改変することにより、天然の野生型配列に関して特定の欠失、置換又は挿入を導入してもよい。特に、キャプシド遺伝子は、キャプシドコード配列のオープンリーディングフレーム内への、又はキャプシドコード配列のN-及び/若しくはC-末端での非関連タンパク質又はペプチドの配列の挿入により改変し得る。非関連タンパク質又はペプチドは、有利には、特定の細胞型に対するリガンドとして作用し、それにより標的細胞への改善された結合を与えるか、又は特定の細胞集団に対するベクターの標的化の特異性を改善するものでありうる。また、非関連タンパク質は、産生プロセスの一環としてのウイルス粒子の精製を促進するもの、すなわちエピトープ又はアフィニティータグであってもよい。挿入の部位は、典型的には、ウイルス粒子の他の機能、例えばウイルス粒子の内部移行、トラッフィッキング(輸送)に干渉しないように選択される。
【0308】
キャプシドタンパク質は、人工又は変異キャプシドタンパク質であってもよい。本明細書で使用される「人工キャプシド」という用語は、キャプシド粒子が天然に存在しないアミノ酸配列を含むか、又は天然に存在するキャプシドアミノ酸配列から操作された(例えば、改変された)アミノ酸配列を含むことを意味する。言い換えれば、人工キャプシドタンパク質は、人工キャプシドアミノ酸配列及びそれが由来する親キャプシドアミノ酸配列をアライメントした場合に、親キャプシドの配列と比較してアミノ酸配列における変異又はバリエーションを含む。AAVベクター粒子は、AAV6キャプシドタンパク質を含み得る。
【0309】
レトロウイルス及びレンチウイルスベクター
本発明のベクターは、レトロウイルスベクター又はレンチウイルスベクターであってもよい。本発明のベクターは、レトロウイルスベクター粒子又はレンチウイルスベクター粒子であってもよい。
【0310】
レトロウイルスベクターは、任意の好適なレトロウイルスに由来し得るか又は由来可能であり得る。多数の異なるレトロウイルスが同定されている。例として、マウス白血病ウイルス(MLV)、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)、マウス乳房腫瘍ウイルス(MMTV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、藤浪肉腫ウイルス(FuSV)、モロニーマウス白血病ウイルス(Mo-MLV)、FBRマウス骨肉腫ウイルス(FBR MSV)、モロニーマウス肉腫ウイルス(Mo-MSV)、アベルソンマウス白血病ウイルス(A-MLV)、トリ骨髄球症ウイルス-29 (MC29)及びトリ赤芽球症ウイルス(AEV)が挙げられる。
【0311】
レトロウイルスは2つのカテゴリー、「単純(simple)」及び「複雑(complex)」に大きく分けられ得る。レトロウイルスはさらにその上7群に分けられ得る。これらの群のうち5つは発がん性を有するレトロウイルスを代表する。残りの2群はレンチウイルス及びスプーマウイルスである。
【0312】
レトロウイルス及びレンチウイルスゲノムの基本構造は、5' LTR及び3' LTRなどの多くの共通の特徴を共有する。これらの間又は内部には、ゲノムをパッケージングすることを可能にするパッケージングシグナル、プライマー結合部位、宿主細胞ゲノムへの組み込みを可能にするための組み込み部位、並びにパッケージング成分(これらはウイルス粒子のアセンブリに必要なポリペプチドである)をコードするgag、pol及びenv遺伝子が位置する。レンチウイルスはHIVにおけるrev及びRRE配列などのさらなる特徴を有し、これは、組み込まれたプロウイルスのRNA転写物を、感染した標的細胞の核から細胞質へ効率的に輸送(export)することを可能にする。
【0313】
プロウイルスでは、これらの遺伝子が長末端反復(LTR)と呼ばれる領域によって両末端に隣接(フランキング)している。LTRは、プロウイルスの組み込み及び転写に関与する。LTRはまた、エンハンサー-プロモーター配列として働き、ウイルス遺伝子の発現を制御することができる。
【0314】
LTR自体は、3つのエレメント:U3、R及びU5に分割され得る同一の配列である。U3は、RNAの3’末端に特有の配列に由来する。Rは、RNAの両末端で繰り返される配列に由来する。U5は、RNAの5’末端に特有の配列に由来する。3つのエレメントのサイズは、異なるレトロウイルス間でかなり変化し得る。
【0315】
欠損レトロウイルスベクターゲノムにおいて、gag、pol及びenvは、不在であるか又は機能的ではない。
【0316】
典型的なレトロウイルスベクターでは、複製に必須の1又は複数のタンパク質コード領域の少なくとも一部がウイルスから除去され得る。これは、ウイルスベクターの複製を欠損させる。ウイルスゲノムの一部はまた、標的宿主細胞を形質導入することができ、かつ/又はそのゲノムを宿主ゲノムに組み込むことができる候補調節部分を含むベクターを生成するために、ベクターゲノム中の調節制御領域及びレポーター部分に機能的に連結された候補調節部分をコードするライブラリによって置き換えられてもよい。
【0317】
レンチウイルスベクターは、より大きな群のレトロウイルスベクターの一部である。簡単に述べると、レンチウイルスは、霊長類と非霊長類の群に分けられる。霊長類レンチウイルスの例としては、限定されるものではないが、ヒト後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因病原体である、ヒト免疫不全ウイルス(HIV);サル免疫不全ウイルス(SIV)が挙げられる。非霊長類レンチウイルスの例としては、プロトタイプである「スローウイルス(slow virus)」のビスナ/マエディウイルス(VMV)、並びに関連するヤギ関節炎脳炎ウイルス(CAEV)、馬伝染性貧血ウイルス(EIAV)、より最近になって記載されたネコ免疫不全ウイルス(FIV)及び牛免疫不全ウイルス(BIV)が挙げられる。
【0318】
レンチウイルスファミリーは、レンチウイルスが分裂細胞及び非分裂細胞の両方に感染する能力を有する点でレトロウイルスとは異なる。対照的に、MLVなどの他のレトロウイルスは、例えば、筋肉、脳、肺及び肝臓組織を構成するものなどの非分裂細胞又はゆっくり分裂する細胞に感染することができない。
【0319】
レンチウイルスベクターは、本明細書で使用される場合、レンチウイルスに由来し得る少なくとも1つの構成部分を含むベクターである。好適には、その構成部分は、ベクターが細胞に感染する、遺伝子を発現する、又は複製される生物学的機構に関与する。
【0320】
レンチウイルスベクターは、「霊長類」ベクターであり得る。レンチウイルスベクターは、「非霊長類」ベクター(すなわち、霊長類、特にヒトに主に感染しないウイルスに由来する)であってもよい。非霊長類レンチウイルスの例としては、霊長類に自然感染しないレンチウイルス科(Lentiviridae)の任意のメンバーであり得る。
【0321】
レンチウイルスに基づくベクターの例として、HIV-1及びHIV-2に基づくベクターを以下に記載する。
【0322】
HIV-1ベクターは、単純レトロウイルスにも見られるシス作用エレメントを含む。gagオープンリーディングフレーム内に伸びる配列がHIV-1のパッケージングに重要であることが示されている。したがって、HIV-1ベクターは、翻訳開始コドンが変異しているgagの関連部分を含むことが多い。さらに、ほとんどのHIV-1ベクターはまた、RREを含むenv遺伝子の一部を含む。RevはRREに結合し、これにより、完全長又は単一スプライシングされたmRNAを核から細胞質へ輸送(transport)することができる。Rev及び/又はRREの非存在下では、完全長HIV-1 RNAが核内に蓄積する。あるいは、Mason-Pfizerサルウイルスなどの特定の単純レトロウイルスからの構成的輸送エレメントを使用して、Rev及びRREの必要性を軽減することができる。HIV-1 LTRプロモーターからの効率的な転写には、ウイルスタンパク質Tatが必要である。
【0323】
ほとんどのHIV-2に基づくベクターは、HIV-1ベクターと構造的に非常に類似している。HIV-1に基づくベクターと同様に、HIV-2ベクターもまた、完全長又は単一スプライシングされたウイルスRNAの効率的な輸送のためにRREを必要とする。
【0324】
場合により、本発明において使用されるウイルスベクターは最小ウイルスゲノムを有する。
【0325】
「最小ウイルスゲノム」とは、標的宿主細胞に感染し、目的のヌクレオチド配列を形質導入し、送達するために必要な機能性を提供するために、非必須エレメントを除去し、必須エレメントを保持するようにウイルスベクターが操作されていることを理解されたい。この戦略のさらなる詳細は、WO 1998/017815に見出すことができる。
【0326】
場合により、宿主細胞/パッケージング細胞内でウイルスゲノムを産生するために使用されるプラスミドベクターは、パッケージング成分の存在下で、標的細胞に感染することができるが、最終標的細胞内で感染性ウイルス粒子を産生するために独立した複製ができないウイルス粒子へのRNAゲノムのパッケージングを可能にするのに十分なレンチウイルス遺伝情報を有する。場合により、ベクターは、複製に必須の機能的gag-pol及び/又はenv遺伝子及び/又は他の遺伝子を欠く(欠損する)。
【0327】
しかしながら、宿主細胞/パッケージング細胞内でウイルスゲノムを産生するために使用されるプラスミドベクターはまた、宿主細胞/パッケージング細胞内でゲノムの転写を指示するためにレンチウイルスゲノムに機能的に連結された転写調節制御配列を含む。これらの調節配列は、転写されたウイルス配列(すなわち、5’U3領域)に関連する天然配列であってもよく、又はそれらは、異種プロモーター、例えば別のウイルスプロモーター(例えば、CMVプロモーター)などであってもよい。
【0328】
ベクターは、ウイルスエンハンサー及びプロモーター配列が欠失されている自己不活性化(SIN)ベクターであってもよい。SINベクターは、野生型ベクターの効力と同様の効力で、インビボで生成し非分裂細胞に形質導入することができる。SINプロウイルスにおける長末端反復配列(LTR)の転写不活性化は、複製能を有するウイルスによる動員(mobilisation)を妨げるはずである。これはまた、LTRの任意のシス作用効果を排除することによって、内部プロモーターからの遺伝子の調節された発現を可能にするはずである。
【0329】
ベクターは、組込み欠損であり得る。組込み欠損レンチウイルスベクター(IDLV)は、例えば、ベクターを触媒的に不活性なインテグラーゼ(例えば、触媒部位にD64V変異を有するHIVインテグラーゼ)でパッケージングすることにより、又はベクターLTRから必須att配列を改変若しくは欠失することにより、又は上記の組み合わせにより、作製することができる。
【0330】
アデノウイルスベクター
本発明のベクターはアデノウイルスベクターであってもよい。本発明のベクターはアデノウイルスベクター粒子であってもよい。
【0331】
アデノウイルスは、RNA中間体を経由しない二本鎖直鎖状DNAウイルスである。遺伝学的な配列相同性に基づいた6つの小群に分けられる、50種類以上の異なるヒト血清型のアデノウイルスがある。アデノウイルスの天然の標的は、呼吸器及び胃腸の上皮であり、一般的に軽度の症状のみを生じる。血清型2及び5(95%配列相同性を有する)はアデノウイルスベクター系において最も一般的に使用され、通常は若年における上気道の感染症に関連する。
【0332】
アデノウイルスは遺伝子治療及び異種性遺伝子の発現のためのベクターとして使用されてきた。その大きな(36kb)ゲノムは8kbまでの外来挿入DNAを収容することができ、補完するセルラインにおいて効率的に複製し1012までの非常に高い力価を生産することができる。アデノウイルスはしたがって初代の非複製性細胞における遺伝子発現を研究するための最良の系の1つである。
【0333】
アデノウイルスゲノムからのウイルス又は外来性の遺伝子の発現は複製細胞を必要としない。アデノウイルスベクターは受容体媒介性エンドサイトーシスにより細胞に入る。一度細胞の中に入れば、アデノウイルスベクターは滅多に宿主染色体中に組み込まれない。その代わりに、アデノウイルスベクターは宿主の核の中で直鎖状ゲノムとしてエピソーマルに(宿主ゲノムから独立して)機能する。故に組換えアデノウイルスの使用は、宿主ゲノムへのランダムな組込みに関連した問題を軽減する。
【0334】
単純ヘルペスウイルスベクター
本発明のベクターは単純ヘルペスウイルスベクターであってもよい。本発明のベクターは単純ヘルペスウイルスベクター粒子であってもよい。
【0335】
単純ヘルペスウイルス(HSV)は、遺伝子送達ベクターとして有利な特性を有する神経向性DNAウイルスである。HSVは感染力が強く、そのためHSVベクターは細胞への外来性遺伝物質の送達用の効率的なビヒクルである。ウイルスの複製は、in vitroでトランスに補完されうる前初期遺伝子でのヌル変異により容易に阻止され、このことが非病原性ベクターの高力価で純粋な調製物の簡単な産生を可能にする。そのゲノムは大きく(152 Kb)、またウイルス遺伝子の多くはin vitroでの複製に不要であるため、それらの大きいか又は複数の導入遺伝子との置換が可能になる。野生型ウイルスによる潜伏感染は、宿主の寿命の期間中の感覚ニューロン核におけるエピソームウイルスの存続をもたらす。前記ベクターは非病原性であり、再活性化して長期的に存続することはできない。潜伏中に活性を示す(latency active)プロモーター複合体をベクター設計に活用することで、神経系において長期にわたる安定した導入遺伝子発現を得ることができる。前記ウイルスにより認識される細胞受容体の発現パターンが広いため、HSVベクターは多岐にわたる組織に形質導入する。細胞侵入に関与する過程の理解を深めることで、HSVベクターの指向性(tropism)の標的化が可能となった。
【0336】
ワクシニアウイルスベクター
本発明のベクターはワクシニアウイルスベクターであってもよい。本発明のベクターはワクシニアウイルスベクター粒子であってもよい。
【0337】
ワクシニアウイルスは、およそ190 kbの線状二本鎖DNAゲノムを有する大きなエンベロープウイルスである。ワクシニアウイルスは最大でおよそ25 kbの外来DNAを収容可能であり、またこのことが、該ウイルスを大きい遺伝子の送達に有用なものとしている。
【0338】
遺伝子治療用途に適した数多くの弱毒化ワクシニアウイルス株、例えばMVA及びNYVAC株が当分野で公知である。
【0339】
RNAガイド遺伝子編集
本発明のベクターは、ポリヌクレオチドを細胞に送達するために用いることができる。続いて、ヌクレオチド配列挿入物を、相同組換え修復(HDR)によって二本鎖切断(DSB)の部位において細胞のゲノムに導入することができる。二本鎖切断(DSB)の部位は、任意の好適な手法、例えばRNAガイド遺伝子編集システムを用いることによって、特異的に導入することができる。
【0340】
「RNAガイド遺伝子編集システム」は、DSBを導入するために用いることができ、典型的にはガイドRNA及びRNAガイドヌクレアーゼを含む。CRISPR/Cas9システムは、一般に用いられるRNAガイド遺伝子編集システムの例であるが、他のRNAガイド遺伝子編集システムを用いてもよい。
【0341】
ガイドRNA
「ガイドRNA」(gRNA)は、RNAガイドヌクレアーゼに対して標的配列特異性を付与する。ガイドRNAは、相補的な標的DNA配列に結合する非コード性の短鎖RNA配列である。例えば、CRISPR/Cas9システムでは、ガイドRNAは最初にCas9酵素に結合し、gRNA配列は、得られた複合体をDNA上の特定の位置への塩基対形成を介してガイドし、Cas9は標的DNA鎖を切断することによってそのヌクレアーゼ活性を行う。
【0342】
用語「ガイドRNA」は、任意のRNAガイドヌクレアーゼとともに用いることができる任意の適切なgRNAを包含し、特定のヌクレアーゼ、例えばCas9と適合性であるgRNAのみを包含するわけではない。
【0343】
ガイドRNAは、ステムループ構造を提供するトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)、及び目的の遺伝子標的部位を切断するように設計された標的特異的CRISPR RNA(crRNA)を含み得る。tracrRNA及びcrRNAは、例えば、それらを95℃で5分間加熱し、それらを室温まで10分間ゆっくりと冷却することによってアニールすることができる。或いは、ガイドRNAは、単一の構築物としてcrRNA及びtracrRNAの両方からなる単一のガイドRNA(sgRNA)であり得る。
【0344】
ガイドRNAは、ヌクレアーゼ結合のための足場を形成する3'末端、及び異なるDNA部位を標的とするようにプログラム可能な5'末端を含み得る。例えば、CRISPR-Cas9の標的特異性は、ガイドRNAの5'末端の15~25bp配列によって決定することができる。所望の標的配列は、典型的には、CRISPRシステム、例えばCRISPR-Cas9による切断の標的とされるDNA領域に続く、通常2~6bpの長さの短鎖DNA配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)に先行する。PAMは、Casヌクレアーゼが切断するのに必要であり、典型的には、切断部位から3~4bp下流に見いだされる。ガイドRNAが標的と塩基対を形成した後、Cas9は、PAMの約3nt上流で二本鎖切断を媒介する。
【0345】
ガイドRNAを設計するための多数のツールが存在する(例えば、Cui, Y.ら、2018年. Interdisciplinary Sciences: Computational Life Sciences、10巻(2号)、455~465頁)。例えば、COSMIDは、ガイドRNAを同定及び検証するためのウェブベースのツールである(Cradick TJら、Mol Ther - Nucleic Acids、2014年;3巻(12号):e214)。
【0346】
本発明において使用するための例示的なガイドRNAのリストは、下記の表4に提供される。
【0347】
【0348】
一態様では、本発明は、配列番号41~52のいずれかと少なくとも90%の同一性又は少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNAを提供し、必要に応じてガイドRNAは、配列番号41と少なくとも90%の同一性又は少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0349】
一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号41~52のいずれかのヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、必要に応じてガイドRNAは、配列番号41のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0350】
例えば、ガイド9、3及び7の配列は、例えばcrRNAとして使用される場合、以下に示されるように伸長することができる。
【0351】
【0352】
一態様では、本発明は、配列番号53~55のいずれかと少なくとも90%の同一性又は少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNAを提供し、必要に応じてガイドRNAは、配列番号53と少なくとも90%の同一性又は少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0353】
一部の実施形態では、ガイドRNAは、配列番号53~55のいずれかのヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、必要に応じてガイドRNAは、配列番号53のヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる。
【0354】
適切には、ガイドRNAは化学的に修飾される。化学修飾は、ガイドRNAの安定性を増強することができる。例えば、ガイドRNAの5'末端及び/又は3'末端の末端ヌクレオチドの1~5個(例えば3個)は、安定性を増強するために化学的に修飾され得る。
【0355】
ガイドRNAの安定性を増強する任意の化学修飾を使用することができる。例えば、化学修飾は、Hendel Aら、Nat Biotechnol. 2015年;33巻(9号):985~9頁に記載される2'-O-メチル3'-ホスホロチオエートで修飾することができる。
【0356】
RNAガイドヌクレアーゼ
「ヌクレアーゼ」は、ポリヌクレオチド鎖内に存在するホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。適切には、ヌクレアーゼはエンドヌクレアーゼである。エンドヌクレアーゼは、鎖の中央から結合を切断することができる。
【0357】
「RNAガイドヌクレアーゼ」は、ガイドRNAによって特定の部位に対して向けられ得るヌクレアーゼである。本発明は、任意の適切なRNAガイドヌクレアーゼ、例えば、Murugan, K.ら、2017年. Molecular cell、68巻(1号)、15~25頁に記載される任意のRNAガイドヌクレアーゼを使用して実施することができる。RNAガイドヌクレアーゼには、限定されないが、II型CRISPRヌクレアーゼ、例えばCas9、並びにV型CRISPRヌクレアーゼ、例えばCas12a及びCas12b、並びにそれから誘導される他のヌクレアーゼが含まれる。RNAガイドヌクレアーゼは、それらのPAM特異性及び切断活性により、広義に定義することができる。
【0358】
適切には、RNAガイドヌクレアーゼは、II型CRISPRヌクレアーゼ、例えばCas9ヌクレアーゼである。Cas9は、クラスターを形成し規則正しい間隔を持つ短いパリンドロームリピート(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)(CRISPR)適応免疫系に関連する二重RNAガイドエンドヌクレアーゼ酵素である。Cas9ヌクレアーゼには、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes) (SpCas9)由来の十分に特徴付けられたオルソログが含まれる。SpCas9及び他のオルソログ(SaCas9、FnCa9及びAnaCas9を含む)は、Jiang, F. 及びDoudna, J.A.、2017年. Annual review of biophysics、46巻、505~529頁によって検討されている。
【0359】
RNAガイドヌクレアーゼは、ガイドRNAと複合体を形成することができ、すなわち、ガイドRNA及びRNAガイドヌクレアーゼはともにリボ核タンパク質(RNP)を形成することができる。適切には、RNPはCas9 RNPである。RNPは、例えば、RNAガイドヌクレアーゼをガイドRNAとともに室温で5~30分間インキュベートすることにより、当該技術分野において公知である任意の方法によって形成することができる。予め組み立てたRNPとしてCas9を送達することにより、ガイドRNAを細胞内分解から保護することができ、それによってRNAガイドヌクレアーゼの安定性及び活性を改善することができる(Kim Sら、Genome Res. 2014年;24巻(6号):1012~9頁)。
【0360】
キット、組成物、遺伝子編集システム
一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、本発明のベクター、及び/又は本発明のガイドRNAを含むキット、組成物、又は遺伝子編集システムを提供する。
【0361】
本明細書で使用される場合、「遺伝子編集システム」は、本発明のポリヌクレオチドを使用してゲノムを編集するのに必要な全ての成分を含むシステムである。
【0362】
一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、本発明のポリヌクレオチド及び/又はベクター、並びにガイドRNAを含む。ガイドRNAは、相同性アームによって標的化されるのと同じDSB部位に対応し得る。例えば、一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、
(i)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(ii)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36573790の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573793の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号42と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(iii)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36573641の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573644の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号43と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(iv)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36573351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36573354の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号44若しくは54(好ましくは配列番号44)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(v)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36569080の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569083の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号45と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(vi)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36572472の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572475の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号46と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(vii)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36571458の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571461の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号47と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(viii)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36571366の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571369の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに、配列番号48若しくは55(好ましくは配列番号48)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか、若しくはそれからなるガイドRNA;
(ix)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36572859の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572862の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号49と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(x)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36571457の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36571460の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号50と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;
(xi)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36569351の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569354の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号51と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA;又は
(xii)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36572375の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36572378の下流領域と相同である、ポリヌクレオチド、及び/若しくは前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに配列番号52と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなるガイドRNA
を含む。
【0363】
一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、
(i)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36569295の上流領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569298の下流領域と相同であるポリヌクレオチド、及び/又は前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに
(ii)配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNA
を含む。
【0364】
一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、
(i)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域はchr 11: 36569245から36569294を含む領域と相同であり、第2の相同領域はchr 11: 36569299から36569348を含む領域と相同であるポリヌクレオチド、及び/又は前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに
(ii)配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNA
を含む。
【0365】
一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、
(i)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域は配列番号7と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は配列番号19と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなる、ポリヌクレオチド、及び/又は前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに
(ii)配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNA
を含む。
【0366】
一部の実施形態では、キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、
(i)5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであって、第1の相同領域は配列番号31と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなり、第2の相同領域は配列番号32と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか又はそれからなる、ポリヌクレオチド、及び/又は前記ポリヌクレオチドを含むベクター;並びに
(ii)配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNA
を含む。
【0367】
キット、組成物、又は遺伝子編集システムは、RNAガイドヌクレアーゼをさらに含むことができる。適切には、RNAガイドヌクレアーゼは、使用されるガイドRNAに対応する。例えば、ガイドRNAが配列番号41~52のいずれか1つと少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる場合、RNAガイドヌクレアーゼは、適切にはCas9エンドヌクレアーゼである。例えば、ガイドRNAが配列番号53~55のいずれか1つと少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる場合、RNAガイドヌクレアーゼは、適切にはCas9エンドヌクレアーゼである。
【0368】
RNAガイドヌクレアーゼは、ガイドRNA、すなわち、ガイドRNA及びRNAガイドヌクレアーゼとともにリボ核タンパク質(RNP)を形成する複合体中にあり得る。
【0369】
細胞
一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、キット、組成物、又は遺伝子編集システムを使用して編集された細胞を提供する。
【0370】
関連する一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はゲノムを含む細胞を提供する。
【0371】
適切には、細胞は単離された細胞である。適切には、細胞は哺乳動物細胞、例えばヒト細胞である。
【0372】
適切には、細胞は、造血幹細胞(HSC)、造血前駆細胞(HPC)、又はリンパ前駆細胞(LPC)である。一部の実施態様では、細胞はHSC又はHPCであり、必要に応じて細胞はHSCである。
【0373】
本明細書で使用される場合、「造血幹細胞」は、造血細胞以外の細胞への分化能を有さない幹細胞であり、「造血前駆細胞」は、造血細胞以外の細胞への分化能を有さない前駆細胞であり、「リンパ前駆細胞」は、リンパ球以外の細胞への分化能を有さない前駆細胞である。
【0374】
細胞は、任意の供給源から得ることができる。細胞は、自家又は同種異系間であり得る。細胞は、任意の生体試料、例えば末梢血又は臍帯血から得ることができるか又は得る可能性がある。末梢血は、動員剤(mobilising agent)で処置することができ、すなわち、末梢血を動員することができる。細胞は、ユニバーサル細胞(universal cell)であり得る。
【0375】
細胞は、当業者に公知である方法を使用して、細胞表面抗原、例えばCD34に結合する市販の抗体を使用して単離され得るか又は単離することができる。例えば、抗体を磁気ビーズにコンジュゲートすることができ、所望の細胞型を回収するために利用される免疫学的手順を用いることができる。適切には、細胞は、1種以上の抗原マーカーの存在又は不存在によって同定される。適切な抗原マーカーには、CD34、CD133、CD90、CD45、CD4、CD19、CD13、CD3、CD56、CD14、CD61/41、CD135、CD45RA、CD33、CD66b、CD38、CD45、CD10、CD11c、CD19、CD7、及びCD71が含まれる。
【0376】
適切には、細胞は、抗原マーカーCD34の存在(CD34+)によって同定され、すなわち、細胞は、CD34+細胞である。例えば、細胞は、臍帯血CD34+細胞又は(動員された)末梢血CD34+細胞であり得る。細胞は、CD34+ HSC、CD34+ HPC、又はCD34+ LPCであり得、必要に応じて細胞はCD34+ HSCである。
【0377】
一部の実施形態では、細胞は、CD34の存在、及び1種以上のさらなる抗原マーカーの存在又は不存在によって同定される。さらなる抗原マーカーは、CD133、CD90、CD3、CD56、CD14、CD61/41、CD135、CD45RA、CD33、CD66b、CD38、CD45、CD10、CD11c、CD19、CD7、及びCD71のうちの1種以上から選択され得る。例えば、細胞は、CD34+CD133+CD90+細胞、CD34+CD133+CD90-細胞、又はCD34+CD133-CD90-細胞であり得る。
【0378】
適切には、細胞は、NALM6細胞、K562細胞、又は他のヒト細胞(例えば、Molt4細胞、U937細胞など)である。適切には、細胞はT細胞である。
【0379】
細胞集団
一態様では、本発明は、本発明の細胞を含む集団又は細胞を提供する。適切には、細胞集団中の細胞の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%は、本発明の細胞である。適切には、細胞集団は、本発明の細胞を少なくとも10×105個、少なくとも50×105個、又は少なくとも100×105個含む。
【0380】
関連する一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、キット、組成物、又は遺伝子編集システムを使用して編集された細胞集団を提供する。適切には、細胞集団中の細胞の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、キット、組成物、又は遺伝子編集システムを使用して編集された細胞である。適切には、細胞集団は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、キット、組成物、又は遺伝子編集システムを使用して編集された細胞を少なくとも10×105個、少なくとも50×105個、又は少なくとも100×105個を含む。
【0381】
関連する一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はゲノムを含む細胞集団を提供する。適切には、細胞集団中の細胞の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はゲノムを含む細胞である。適切には、細胞集団は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はゲノムを含む細胞を少なくとも10×105個、少なくとも50×105個、又は少なくとも100×105個含む。
【0382】
適切には、細胞集団は、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞である。細胞集団は、自家又は同種異系間であり得る。適切には、細胞集団は、末梢血又は臍帯血から得られるか又は得ることができる。細胞集団はユニバーサル細胞(universal cell)であり得る。
【0383】
適切には、細胞集団の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%は、HSC、HPC、及び/又はLPCである。適切には、細胞集団の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%は、CD34+細胞である。
【0384】
一部の実施形態では、細胞集団の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、又は少なくとも20%は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はゲノムを含むCD34+細胞である。例えば、一部の実施形態では、細胞集団の少なくとも20%は、本発明のゲノムを含むCD34+細胞である。
【0385】
一部の実施形態では、細胞集団は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター及び/又はゲノムを含む少なくとも10×105個、少なくとも50×105個、又は少なくとも100×105個のCD34+細胞を含む。例えば、一部の実施形態では、細胞集団は、本発明のゲノムを含む少なくとも100×105個のCD34+細胞を含む。
【0386】
遺伝子編集の方法
一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物及び/又は遺伝子編集システムを使用して、細胞又は細胞集団を遺伝子編集する方法を提供する。本発明はまた、前記方法によって得られるか又は得ることができる遺伝子編集された細胞集団を提供する。
【0387】
別の態様では、本発明は、細胞又は細胞集団を遺伝子編集するための、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、及び/又は遺伝子編集システムの使用を提供する。
【0388】
適切には、細胞又は細胞集団を遺伝子編集する方法は、
(a)細胞又は細胞集団を提供するステップ、並びに
(b)本明細書に記載されるキット、組成物、及び/又は遺伝子編集システムを使用して、遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を得るステップ
を含む。
【0389】
例えば、細胞又は細胞集団を遺伝子編集する方法は、
(a)細胞又は細胞集団を提供するステップ、並びに
(b)RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又は本発明のポリヌクレオチド若しくはベクターを細胞又は細胞集団に送達させて、遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を得るステップ
を含む。
【0390】
遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団は、本明細書において定義されるとおりであり得る。本発明はまた、前記方法によって得られるか又は得ることができる遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を提供する。
【0391】
ステップ(a) 細胞又は細胞集団を提供する
細胞集団は、任意の適切な供給源から得られるか又は得ることができる。適切には、細胞集団は、(動員された)末梢血又は臍帯血から得られるか又は得ることができる。細胞集団は、対象、例えば、処置される対象から得られるか又は得ることができる。適切には、細胞集団は、当該技術分野において公知である任意の方法、例えば、FACS及び/又は磁気ビーズ選別によって、生体試料から単離及び/又は富化され得る。
【0392】
適切には、細胞集団は、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞である。細胞集団は、例えば、自家又は同種異系間であり得る。細胞集団は、例えばユニバーサル細胞であり得る。
【0393】
適切には、細胞集団は、ウェルあたり細胞約1×105個~細胞約10×105個、例えば、ウェルあたり細胞約2×105個、又はウェルあたり細胞約5×105個を含む。
【0394】
細胞集団は、HSC、HPC、及び/又はLPCを含み得る。好ましくは、細胞集団の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%は、HSC、HPC、及び/又はLPCである。一部の実施形態では、細胞集団は、HSC、HPC、及び/又はLPCから本質的になるか、又はHSC、HPC、及び/又はLPCからなる。
【0395】
細胞集団は、CD34+細胞、例えば、CD34+HSC、HPC、及び/又はLPCを含み得る。適切には、細胞集団の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%は、CD34+細胞、例えばCD34+HSC、HPC、及び/又はLPCである。一部の実施形態では、細胞集団は、CD34+細胞、例えばCD34+HSC、HPC、及び/若しくはLPCから本質的になる、又はCD34+細胞、例えばCD34+HSC、HPC、及び/若しくはLPCからなる。
【0396】
細胞集団は、CD34+CD133+CD90+細胞、CD34+CD133+CD90-細胞、及び/又はCD34+CD133-CD90-を含み得る。適切には、細胞集団の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、又は少なくとも80%は、CD34+CD133+CD90+細胞、CD34+CD133+CD90-細胞、及び/又はCD34+CD133-CD90-細胞である。一部の実施形態では、細胞集団は、CD34+CD133+CD90+細胞、CD34+CD133+CD90-細胞、及び/若しくはCD34+CD133-CD90-細胞から本質的になり、又はCD34+CD133+CD90+細胞、CD34+CD133+CD90-細胞、及び/若しくはCD34+CD133-CD90-細胞からなる。
【0397】
ステップ(b)の前に、細胞又は細胞集団を培養することができる。前培養ステップは、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップを含み得、必要に応じて前培養ステップは前活性化ステップである。
【0398】
本明細書で使用される場合、「前培養ステップ」とは、細胞の遺伝的改変の前に起こる培養ステップを指す。本明細書で使用される場合、「前活性化ステップ」とは、細胞の遺伝的改変の前に起こる活性化ステップ又は刺激ステップを指す。本明細書で使用される場合、「前拡大ステップ」とは、細胞の遺伝的改変の前に起こる拡大ステップを指す。
【0399】
適切には、本方法は、
(a1)細胞集団を提供するステップ、
(a2)細胞集団を前培養(例えば、前活性化及び/又は前拡大)して、前培養(例えば、前活性化及び/又は前拡大)された細胞集団を得るステップ、
(b)RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又は本発明のポリヌクレオチド若しくはベクターを、前培養(例えば、前活性化及び/又は前拡大)された細胞集団に送達して、遺伝子編集された細胞集団を得るステップ
を含む。
【0400】
前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、任意の適切な条件を用いて行うことができる。
【0401】
前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)の間、細胞集団は、細胞約1×105個/ml~細胞約10×105個/ml、例えば、細胞約2×105個/ml、又は細胞約5×105個/mlの濃度で播種され得る。
【0402】
適切には、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、少なくとも1日、少なくとも2日、又は少なくとも3日である。適切には、細胞集団は、約3日間、前培養される(例えば、前活性化及び/又は前拡大される)。適切には、細胞集団を5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で前培養する。
【0403】
任意の適切な培養培地を使用することができる。例えば、市販されている培地、例えば、StemSpan培地を使用することができ、ウシ血清アルブミン、インスリン、トランスフェリン、及びIscoveのMDM中の補足物を含有する。培養培地には、1種以上の抗生物質(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン)を補足することができる。
【0404】
前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、1種以上のサイトカイン及び/又は増殖因子の存在下で行うことができる。本明細書で使用される場合、「サイトカイン」は、任意の細胞シグナル伝達物質であり、ケモカイン、インターフェロン、インターロイキン、リンホカイン、及び腫瘍壊死因子を含む。本明細書で使用される場合、「増殖因子」は、細胞増殖、創傷治癒、又は細胞分化を刺激することができる任意の物質である。「サイトカイン」及び「増殖因子」という用語は、重複している場合がある。
【0405】
前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、1種以上の初期作用性サイトカイン、1種以上の形質導入エンハンサー、及び/又は1種以上の拡大エンハンサーの存在下で行うことができる。
【0406】
初期作用性サイトカイン
本明細書で使用する場合、「初期作用性サイトカイン」は、HSC、HPCS、及び/若しくはLPC又はCD34+細胞を刺激するサイトカインである。初期作用性サイトカインには、トロンボポエチン(TPO)、幹細胞因子(SCF)、Flt3-リガンド(FLT3-L)、インターロイキン(IL)-3、及びIL-6が含まれる。一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、少なくとも1つの初期作用性サイトカインの存在下で行われる。任意の適切な濃度の初期作用性サイトカインを使用することができる。例えば、1~1000ng/ml、又は10~1000ng/ml、又は10~500ng/ml。
【0407】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、SCFの存在下で行われる。SCFの濃度は、約10~1000ng/ml、約50~500ng/ml、又は約100~300ng/mlであり得る。
【0408】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、FLT3-Lの存在下で行われ、FLT3-Lの濃度は、約10~1000ng/ml、約50~500ng/ml、又は約100~300ng/mlであり得る。
【0409】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、TPOの存在下で行われる。TPOの濃度は、約5~500ng/ml、約10~200ng/ml、又は約20~100ng/mlであり得る。
【0410】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、IL-3の存在下で行われる。IL-3の濃度は、約10~200ng/ml、約20~100ng/ml、又は約60ng/mlであり得る。
【0411】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、IL-6の存在下で行われる。IL-6の濃度は、約5~100ng/ml、約10~50ng/ml、又は約20ng/mlであり得る。
【0412】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、SCF(例えば、約100ng/mlの濃度)、FLT3-L(例えば、約100ng/mlの濃度)、TPO(例えば、約20ng/mlの濃度)及びIL-6(例えば、約20ng/mlの濃度)の存在下で、特に細胞集団が臍帯血CD34+細胞である場合に行われる。
【0413】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、SCF(例えば、約300ng/mlの濃度)、FLT3-L(例えば、約300ng/mlの濃度)、TPO(例えば、約100ng/mlの濃度)及びIL-3(例えば、約60ng/mlの濃度)の存在下で、特に細胞集団が(動員された)末梢血CD34+細胞である場合に行われる。
【0414】
形質導入エンハンサー
本明細書で使用される場合、「形質導入エンハンサー」は、HSC、HPCS、及び/若しくはLPCS、又はCD34+細胞のウイルス形質導入を改善することができる物質である。適切な形質導入エンハンサーには、LentiBOOST、プロスタグランジンE2(PGE2)、硫酸プロタミン(PS)、ベクトフシン-1、ViraDuctin、RetroNectin、スタウロスポリン(Stauro)、7-ヒドロキシ-スタウロ、ヒト血清アルブミン、ポリビニルアルコール、及びシクロスポリンH(CsH)が含まれる。一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、少なくとも1つの形質導入エンハンサーの存在下で行われる。任意の適切な濃度の形質導入エンハンサーを、例えば、Schott, J.W.ら、2019年. Molecular Therapy-Methods & Clinical Development、14巻、134~147頁、又はYang, H.ら、2020年. Molecular Therapy-Nucleic Acids、20巻、451~458頁に記載されるように使用することができる。
【0415】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、PGE2の存在下で行われる。適切には、PGE2は16,16-ジメチルプロスタグランジンE2(dmPGE2)である。PGE2の濃度は、約1~100μM、約5~20μM、又は約10μMであり得る。
【0416】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、CsHの存在下で行われる。CsHの濃度は、約1~50μM、5~50μM、約10~50μM、又は約10μMであり得る。
【0417】
拡大エンハンサー
本明細書で使用される場合、「拡大エンハンサー」は、HSC、HPCS、及び/若しくはLPCS、又はCD34+細胞の拡大(増殖)を改善することができる物質である。適切な拡大エンハンサーには、UM171、UM729、StemRegenin1(SR1)、ジエチルアミノベンズアルデヒド(DEAB)、LG1506、BIO(GSK3β阻害剤)、NR-101、トリコスタチンA(TSA)、ガルシノール(GAR)、バルプロ酸(VPA)、銅キレート剤、テトラエチレンペンタミン、及びニコチンアミドが含まれる。一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、少なくとも1つの拡大エンハンサーの存在下で行われる。任意の適切な濃度の拡大エンハンサーは、例えば、Huang, X.ら、2019年. F1000Research、8巻、1833頁に記載されるように使用することができる。
【0418】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、UM171又はUM729の存在下で行われる。UM171の濃度は、約10~200nM、約20~100nM、又は約50nMであり得る。
【0419】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、SR1の存在下で行われる。SR1の濃度は、約0.1~10μM、約0.5~5μM、又は約1μMであり得る。
【0420】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、UM171(例えば、約50nMの濃度)又はUM729及びSR1(例えば、約1μMの濃度)の存在下で行われる。
【0421】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、SCF(例えば、約100ng/mlの濃度)、FLT3-L(例えば、約100ng/mlの濃度)、TPO(例えば、約20ng/mlの濃度)、IL-6(例えば、約20ng/mlの濃度)、PGE2(例えば、約10μMの濃度)、UM171(例えば、約50nMの濃度)、及びSR1(例えば、約1μMの濃度)の存在下で、特に細胞集団が臍帯血CD34+細胞である場合に行われる。
【0422】
一部の実施形態では、前培養ステップ(例えば、前活性化ステップ及び/又は前拡大ステップ)は、SCF(例えば、約300ng/mlの濃度)、FLT3-L(例えば、約300ng/mlの濃度)、TPO(例えば、約100ng/mlの濃度)、IL-3(例えば、約60ng/mlの濃度)、PGE2(例えば、約10μMの濃度)、UM171(例えば、約50nMの濃度)、及びSR1(例えば、約1μMの濃度)の存在下で、特に細胞集団が(動員された)末梢血CD34+細胞である場合に行われる。
【0423】
ステップ(b) 遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を得る
RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又は本発明のポリヌクレオチド若しくはベクターを含むキット、組成物、及び/又は遺伝子編集システムを、例えば、遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を得るために使用することができる。
【0424】
RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又はポリヌクレオチド若しくはベクターは、本明細書に記載される任意の適切な組み合わせであり得る。ガイドRNAは、相同性アームによって標的化される同じDSB部位に対応し得る。RNAガイドヌクレアーゼは、使用されるガイドRNAに対応し得る。
例えば、
(i)RNAガイドヌクレアーゼはCas9エンドヌクレアーゼであり得る;
(ii)ガイドRNAは、配列番号41~52又は53~55のいずれかと少なくとも90%の同一性又は少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなるガイドRNAであり得、必要に応じてガイドRNAは、配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性又は少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる;並びに
(iii)ポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含むポリヌクレオチドであり得、第1の相同領域は、配列番号7~18のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり、及び/又は第2の相同領域は、配列番号19~30のいずれかと少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか若しくはそれからなり;又はベクターは、前記ポリヌクレオチドを含むベクターであり得る。
【0425】
一部の実施形態では、
(i)RNAガイドヌクレアーゼはCas9エンドヌクレアーゼであり得る;
(ii)ガイドRNAは、配列番号41又は53(好ましくは配列番号41)と少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性又は100%の同一性を有するヌクレオチド配列を含むか又はそれからなる;並びに
(iii)ポリヌクレオチドは、5'から3'に、第1の相同領域、スプライスアクセプター配列、RAG1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び第2の相同領域を含み、第1の相同領域は、配列番号31と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか若しくはそれからなり;第2の相同領域は、配列番号32と少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、95%の同一性、少なくとも98%の同一性、若しくは100%の同一性を有するヌクレオチド配列若しくはその断片を含むか若しくはそれからなり;又はベクターは、前記ポリヌクレオチドを含む。
【0426】
RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又はポリヌクレオチド若しくはベクターの送達
RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又はポリヌクレオチド若しくはベクターは、任意の適切な技術によって細胞に送達することができる。例えば、RNAガイドヌクレアーゼは、電気穿孔(エレクトロポレーション)、マイクロインジェクション、ビーズ負荷などを使用して直接的に、又はトランスフェクション及び/若しくは形質導入を介して間接的に送達され得る。ガイドRNA、及び/又はポリヌクレオチド若しくはベクターは、トランスフェクション及び/又は形質導入によって導入され得る。
【0427】
本明細書で使用される場合、「トランスフェクション」は、非ウイルスベクターを使用して、ポリペプチド及び/又はポリヌクレオチドを標的細胞に送達する方法である。典型的なトランスフェクション方法には、電気穿孔、DNAバイオリスティック、脂質媒介トランスフェクション、コンパクトDNA媒介トランスフェクション、リポソーム、免疫リポソーム、リポフェクチン、カチオン性薬剤媒介トランスフェクション、カチオン性表面両親媒性(CFA)及びそれらの組み合わせが含まれる。
【0428】
本明細書で使用される場合、「形質導入」は、ウイルスベクターを使用して、ポリヌクレオチドを標的細胞に送達するプロセスである。典型的な形質導入方法は、組換えウイルスベクター、例えば、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、バキュロウイルス及び単純ヘルペスウイルスベクターによる感染を含む。
【0429】
RNAガイドヌクレアーゼ及びガイドRNAは、任意の適切な方法、例えば、Wilbie, D.ら、2019年. Accounts of chemical research、52巻(6号)、1555~1564頁に記載される任意の方法によって送達することができる。適切には、RNAガイドヌクレアーゼ及びガイドRNAは、RNP複合体の形態のように、予め組み立てられて一緒に送達される。RNP複合体は、電気穿孔によって送達され得る。
【0430】
任意の適切な用量のRNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAを使用することができる。例えば、ガイドRNAは、約10~100pmol/ウェル、必要に応じて約50pmol/ウェルの用量で送達され得る。例えば、RNPは、約1~10μM、必要に応じて1~2.5μMの用量で送達され得る。
【0431】
RNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAは、ベクターの前に、及び/又は本発明のポリヌクレオチド若しくはベクターと同時に送達することができる。適切には、RNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAは、ポリヌクレオチド又はベクターの前に送達される。例えば、RNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAは、ポリヌクレオチド又はベクターの約1~100分前、約5~30分前、又は約15分前に送達することができる。
【0432】
本発明のポリヌクレオチド又はベクターは、任意の適切な方法によって送達することができる。例えば、ポリヌクレオチドがウイルスベクター中にあり得る場合、又はベクターはウイルスベクターであり得、形質導入によって送達され得る。
【0433】
任意の適切な用量のポリヌクレオチド又はベクターを使用することができる。例えば、ベクターは、約104のMOIで細胞105vg/個、必要に応じて細胞約104vg/個に送達することができる。
【0434】
p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーの送達
本方法は、p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーを送達するステップをさらに含み得る。p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーは同時に送達することができる。p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーは、RNAガイドヌクレアーゼ及び/又はガイドRNAと同時に又はその後に送達され得る。
【0435】
本明細書で使用する場合、「p53阻害剤」は、p53経路の活性化を阻害する物質である。p53経路は、DNA修復タンパク質の活性化、細胞周期の停止、及びアポトーシスの開始を含むいくつかのメカニズムによって、細胞周期、アポトーシス、及びゲノム安定性の調節又は進行において役割を果たす。編集中の送達によるこのp53応答の阻害は、処理細胞による造血再構築を増加させることが示されている(Schiroli, G.ら、2019年. Cell Stem Cell 24巻、551~565頁)。適切には、p53阻害剤は、ドミナントネガティブp53突然変異タンパク質、例えばGSE56である。
【0436】
GSE56は、アミノ酸配列:
CPGRDRRTEEENFRKKEEHCPELPPGSAKRALPTSTSSSPQQKKKPLDGEYFTLKIRGRERFEMFRELNEALELKDARAAEESGDSRAHSSYPK
(配列番号67)
を有することができる。
【0437】
一実施形態では、p53ドミナントネガティブペプチドは、GSE56の活性を保持し、例えば、p53シグナル伝達の減少又は防止における活性を保持している、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸置換、付加又は欠失を含むGSE56のバリアントである。
【0438】
一実施形態において、p53ドミナントネガティブペプチドは、配列番号67と少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0439】
本明細書で使用される場合、「HDRエンハンサー」は、HSC、HPCS、及び/若しくはLPC又はCD34+細胞におけるHDR効率を改善することができる物質である。HDRは、長期再構築性HSCにおいて制約される。任意の適切なHDRエンハンサーは、例えば、Ferrari, S.ら、2020年. Nature Biotechnology、1~11頁に記載されるように使用することができる。適切には、HDRエンハンサーは、アデノウイルス5 E4orf6/7タンパク質である。アデノウイルス5 E4orf6/7タンパク質は、国際公開第 2020/002380号(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものであり得る。
【0440】
p53阻害剤及びHDRエンハンサーは、任意の適切な方法によって送達することができる。p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーは、一時的に発現され得、例えば、p53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーは、mRNAを介して送達され得る。p53阻害剤及びHDRエンハンサーは、別々のmRNAによって、又は融合タンパク質をコードする単一のmRNA上に、必要に応じて自己切断ペプチド(例えばP2A)とともに送達され得る。任意の適切な用量のp53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーを、例えば、約10~1000μg/ml、約50~500μg/ml、又は約150μg/mlの濃度で送達することができる。
【0441】
一部の実施形態では、ステップ(b)は、
(b1)必要に応じて電気穿孔によってRNP複合体の形態で予め組み立てられた、本発明のRNAガイドヌクレアーゼ及びガイドRNAを送達するステップ、
(b2)必要に応じてp53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーを送達するステップ、並びに
(b3)形質導入によって本発明のポリヌクレオチド又はベクターを送達して、遺伝子編集された細胞集団を提供するステップ
を含む。
【0442】
遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団の培養
本方法は、遺伝子編集された細胞集団を培養するステップをさらに含むことができる。これは、拡大ステップであり得、すなわち、本方法は、遺伝子編集された細胞集団を拡大するステップをさらに含み得る。
【0443】
培養ステップ(例えば、拡大ステップ)は、任意の適切な条件を使用して行うことができる。
【0444】
培養ステップ(例えば、拡大ステップ)の間、細胞集団は、細胞約1×105個/ml~約10×105個/ml、例えば、細胞約2×105個/ml、又は細胞約5×105個/mlの濃度で播種され得る。適切には、培養ステップ(例えば、拡大ステップ)は、少なくとも1日間、又は1~5日間である。例えば、培養ステップ(例えば、拡大ステップ)は、約1日間であり得る。適切には、細胞集団を5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で培養する。
【0445】
任意の適切な培養培地を使用することができる。例えば、市販されている培地、例えば、StemSpan培地を使用することができ、ウシ血清アルブミン、インスリン、トランスフェリン、及びIscoveのMDM中の補足物を含有する。培養培地には、1種以上の抗生物質(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン)を補足することができる。培養ステップ(例えば、拡大ステップ)は、1種以上のサイトカイン及び/又は増殖因子の存在下で行うことができる。
【0446】
一部の実施形態では、ステップ(b)は、
(b1)必要に応じて電気穿孔によってRNP複合体の形態で予め組み立てられた、本発明のRNAガイドヌクレアーゼ及びガイドRNAを送達するステップ、
(b2)必要に応じてp53阻害剤及び/又はHDRエンハンサーを送達するステップ、
(b3)形質導入によって本発明のポリヌクレオチド又はベクターを送達して、遺伝子編集された細胞集団を提供するステップ、並びに
(b4)遺伝子編集された細胞集団を培養(例え、拡大)するステップ
を含む。
【0447】
処置方法
一態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、遺伝子編集システム、細胞及び/又は細胞集団を使用して対象を処置する方法を提供する。適切には、対象を処置する方法は、本発明の細胞又は細胞集団を投与するステップを含み得る。
【0448】
関連する一態様では、本発明は、医薬として使用するための本発明のポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、遺伝子編集システム、細胞及び/又は細胞集団を提供する。適切には、本発明の細胞又は細胞集団を医薬として使用することができる。
【0449】
関連する一態様では、本発明は、医薬の製造のための本発明のポリヌクレオチド、ベクター、ガイドRNA、キット、組成物、遺伝子編集システム、細胞及び/又は細胞集団の使用を提供する。適切には、本発明の細胞又は細胞集団を、医薬の製造に使用することができる。
【0450】
好ましくは、対象を処置する方法は、
(a)細胞又は細胞集団を提供するステップ、
(b)本明細書に記載されるキット、組成物、及び/又は遺伝子編集システムを使用して、遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を得るステップ、並びに
(c)遺伝子編集された細胞集団を対象に投与するステップ
を含む。
【0451】
例えば、対象を処置する方法は、
(a)細胞又は細胞集団を提供するステップ、
(b)RNAガイドヌクレアーゼ、ガイドRNA、及び/又は本発明のポリヌクレオチド若しくはベクターを細胞又は細胞集団に送達して、遺伝子編集された細胞又は遺伝子編集された細胞集団を得るステップ、並びに
(c)遺伝子編集された細胞集団を対象に投与するステップ
を含む。
【0452】
ステップ(a)及び(b)は、上記のセクションに記載されるステップと同一であり得る。
【0453】
適切には、細胞集団の細胞は、処置される対象から単離及び/又は富化され得、例えば、細胞集団は、CD34+細胞の自家集団であり得る。適切には、細胞集団は、処置される対象の(動員された)末梢血又は臍帯血から単離され、その後、(例えば、FACS及び/又は磁気ビーズ選別によって)富化される。
【0454】
対象は免疫不全であり得、及び/又は処置される疾患は免疫不全症であり得、すなわち、医薬は免疫不全症を処置するためであり得る。本明細書で使用される場合、「免疫不全症」は、感染症及びがんと戦う免疫系の能力が損なわれているか又は完全に欠如している疾患である。免疫不全症である患者は「免疫不全状態」と呼ばれる。免疫不全症の人は、全員に影響を与える正常な感染症に加えて、日和見感染症に特にかかりやすくなる場合がある。
【0455】
RAG欠損免疫不全症
対象は、RAG欠損症、例えばRAG1欠損症を有することがある。RAG1欠損症は、RAG1遺伝子における機能喪失型突然変異、必要に応じてRAG1エクソン2における機能喪失型突然変異による場合がある。
【0456】
免疫不全症はRAG欠損免疫不全症である。本明細書で使用される場合、「RAG欠損免疫不全症」は、RAG1/RAG2活性の喪失によって特徴付けられる免疫不全症である。RAG欠損免疫不全症は、例えばRAG遺伝子における突然変異によって引き起こされ得る。
【0457】
適切には、RAG欠損免疫不全症はRAG1欠損症であり得る。RAG1欠損症は、RAG1遺伝子における機能喪失型突然変異、必要に応じてRAG1エクソン2における機能喪失型突然変異による場合がある。
【0458】
ヒトにおけるRAG遺伝子の突然変異は、感染及び自己免疫の様々な関連によって特徴付けられる異なる臨床表現型と関連する。場合によっては、環境因子がこのような表現型の不均一性に寄与することが示されている。ヒトにおいて、RAG1欠損症は、T-B-SCID、オーメン症候群(OS)、非定型SCID(AS)及び肉芽腫/自己免疫を伴う複合免疫不全症(CID-G/AI)を含む広範な表現型を引き起こすことがある(Notarangelo, L.D.ら、2016. Nature Reviews Immunology、16巻(4号)、234~246頁、Delmonte, O.M.ら、2018年. Journal of clinical immunology、38巻(6号)、646~655頁)。
【0459】
一部の実施形態では、RAG欠損免疫不全症は、T-B-SCID、オーメン症候群、非定型SCID、又はCID-G/AIである。
【0460】
重症複合免疫不全症(SCID)は、T細胞(及びある形態のSCIDにおけるB細胞)の発生と機能における重大な異常性によって特徴付けられる不均一な疾患群を含み、早期発症の重症感染症と関連している。免疫再構築が達成されない限り、通常はHSCTによりこの状態は生後早期に致死的となる。米国でSCIDの新生児スクリーニングが導入された後、RAG突然変異がSCID及びSCID関連状態の全症例の19%を占め、特に非定型SCID及びオーメン症候群の顕著な原因であることを立証することが可能になった(Notarangelo, L.D.ら、2016年. Nature Reviews Immunology、16巻(4号)、234~246頁)。
【0461】
1996年に、正常な細胞放射線感受性を有するT-B-SCIDの主な原因として、RAG突然変異が同定された。特徴的な表現型は、1965年に最初に記載されたオーメン症候群を特徴付ける。これらの患者は、IgE値の上昇を伴う早期発症の全身性紅皮症、リンパ節腫脹、肝脾腫、好酸球増加症、及び重度の低ガンマグロブリン血症を呈し、多臓器に浸潤する自己、オリゴクローナル及び活性化T細胞の存在と関連する。低形質RAG突然変異を有する一部の患者では、オーメン症候群の臨床症状を伴わない自己T細胞の残存が示された。この状態は「非定型」又は「リーキー(leaky)」SCIDと呼ばれる。RAG欠損症及び播種性サイトメガロウイルス(CMV)感染症の乳児において、自己γδT細胞(ここではγδT+ SCIDと呼ばれる)のオリゴクローナル拡大を伴う明確なSCID表現型が報告されている(Notarangelo, L.D.ら、2016年. Nature Reviews Immunology、16巻(4号)、234~246頁))。
【0462】
SCID、非定型SCID、及びオーメン症候群は未処置の場合、生後早期に致死的となることは避けられないが、近年、軽度の臨床経過及び症状発現の遅延を伴ういくつかの型のRAG欠損症が報告されている。特に、CID-G/AIの発生は、皮膚、粘膜及び内臓に肉芽腫を発現し、B細胞リンパ腫を含むウイルス感染後に重度の合併症を発症したRAG突然変異を有する3人の非血縁女児で報告された。この記載に続いて、種々の自己免疫症状(サイトパニア、白斑、乾癬、重症筋無力症及びギラン-バレー症候群など)を伴うCID-G/AIの他のいくつかの症例が報告されている(Notarangelo, L.D.ら、2016年. Nature Reviews Immunology、16巻(4号)、234~246頁))。
【0463】
RAG欠損症に関連する追加の表現型には、特発性CD4+ T細胞リンパ球減少症、共通変数免疫不全症、IgA欠損症、多糖類特異的抗体反応の選択的欠損、高IgM症候群、及び無菌性慢性多巣性骨髄炎がある(Notarangelo, L.D.ら、2016年. Nature Reviews Immunology、16巻(4号)、234~246頁)。
【0464】
当業者は、開示される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を組み合わせることができることを理解されたい。
【0465】
ここで、本発明の好ましい特徴及び実施形態を非限定的な例として記載する。
【0466】
本発明の実施は、特に断らない限り、当業者の能力の範囲内である、化学、生化学、分子生物学、微生物学及び免疫学の従来技術を採用する。このような技術は文献に説明されている。例えば、Sambrook, J., Fritsch, E.F.及びManiatis, T. (1989年) Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel, F.M.ら(1995及び定期補充) Current Protocols in Molecular Biology, Ch. 9, 13及び16、John Wiley & Sons; Roe, B., Crabtree, J.及びKahn, A. (1996年) DNA Isolation and Sequencing: Essential Techniques, John Wiley & Sons; Polak, J.M.及びMcGee, J.O’D. (1990年) In Situ Hybridization: Principles and Practice, Oxford University Press; Gait, M.J. (1984年) Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; Lilley, D.M.及びDahlberg, J.E. (1992年) Methods in Enzymology: DNA Structures Part A: Synthesis and Physical Analysis of DNA、Academic Press。これらの一般的なテキストの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0467】
[実施例]
[実施例1]RAG1遺伝子の編集
結果
本発明者らは、遺伝子標的アプローチを利用することによって、CD34+造血幹細胞を修正するプラットフォームを開発した。
【0468】
本明細書に記載したアプローチにおいて、本発明者らは、DNA二本鎖切断(DSB)をRAG1遺伝子の第1イントロンに導入するCas9リボヌクレオプロテイン(RNP)をヌクレオフェクションによって送達する。DNA DSBに続いて、AAV6ベクターによって送達された修正ドナーDNAを、Cas9切断部位に相同の、修正ドナーに隣接する2つの配列の存在を利用して、相同組換え修復(HDR)によって組み込む。修正DNAの上流の代替のスプライシングアクセプター(SA)は、RAG1の内因性プロモーターが導入遺伝子の発現を制御することを可能にする(
図1パネルA)。注目すべきことに、RAG1エクソン2は全部のコード配列を含み、したがって、エクソン2の上流の修正RAG1コード配列を組み込むことは、臨床的に関連するいずれのRAG1突然変異についても治療効果があり得る。
【0469】
NALM6及びK562 Cas9細胞系の生成
最初に、本発明者らのCas9ガイドRNAのパネルを試験するため、誘導可能なCas9発現を有する2種の細胞系を生成した。NALM6及びK562細胞系に、TET誘導可能なプロモーターの制御下のCas9カセット及びピューロマイシン耐性を付与するカセットを保持するレンチウイルスベクターを形質導入した。MOI 20での形質導入の後、2種の細胞系をピューロマイシン1.5μg/mlとともに培養中に1週間保持して、形質導入された細胞を選択した(
図1パネルB)。ピューロマイシン選択の後、NALM6 Cas9及びK562 Cas9細胞系におけるLTR特異的ddPCRによって、VCN 3.65及びVCN 4.35をそれぞれ検証した(
図1パネルC)。用量を増減したドキシサイクリンによる2日間の誘導の後で、RT-qPCRによって有効なCas9発現も検証した(
図1パネルD)。両方の細胞系において、1μg/mlのドキシサイクリンの用量で最大のCas9の発現が見出された。
【0470】
RAG1ガイド選択
RAG1イントロン1の3つの非繰り返し遺伝子座を標的とする9つのガイドのパネルを最初に同定した。さらに、内因性ATGとインフレームの修正RAG1コード配列を組み込むことを最終目的として、RAG1エクソン2の最初の200bpを標的とする3つのガイド(gRNA 1、2、3)を設計した。この戦略は内因性スプライスアクセプターを利用して、それにより、想定されるいずれの内因性スプライシング調節をも保存するものである(
図2A)。
【0471】
2つの異なる用量(100ng/ウェル及び200ng/ウェル)を考慮して、K562 Cas9及びNALM6 Cas9細胞系に、プラスミドDNAとしてガイドを電気穿孔した。電気穿孔の前日及びその後2日間、ドキシサイクリン(1μg/ml)を培地に添加することによって、Cas9の発現を誘導した。7日目にゲノムDNAを抽出し、T7ヌクレアーゼアッセイによってNHEJ媒介インデル突然変異のパーセンテージを測定して切断頻度を評価した(スキームを
図2Bに示す)。
【0472】
試験したガイドの大多数は良好な切断頻度を有しており、両方の細胞系で同様の結果を示した。特にガイド9はイントロンを標的とする最優秀のガイドであり、切断頻度はK562 Cas9において72.7%、NALM6 Cas9において78.5%までであった。同様の切断頻度はガイド7によっても達成され、これはK562 Cas9細胞系で67.5%、NALM6 Cas9細胞系で70.5%までの切断頻度を示した。ガイド3はエクソンを標的とする最優秀のガイドであり、切断頻度はK562 Cas9において58.9%(
図2C)及びNALM6 Cas9において73.5%(
図2D)までであった。注目すべきことに、NALM6 Cas9細胞系よりもK562 Cas9においてCas9の発現が高かったにも関わらず、全体の切断効率には差異が観察されなかった。NALM6 WTにおいても、ガイド9及びガイド3のin vitroで予め組み立てられたRNPを用いて、25又は50pmol/ウェルの用量で切断頻度を試験した(
図2E)。両方のガイドは良好な活性を保持しており、高いRNP用量でガイド3は71.5%までの切断頻度、ガイド9は78.5%までの切断頻度に達した。
【0473】
ドナーDNAの最適化
2つの相同アームに隣接するPGK_GFPレポーターカセットの適正な組み込みを検証するため、NALM6 Cas9及びK562 Cas9細胞系においてガイド9をさらに試験した。
【0474】
内因性RAG1プロモーターがPGKプロモーターの非存在下にGFPの発現を誘導する能力も、スプライスアクセプター(SA)を含むドナープラスミド、SA_GFPカセットを用いて評価した。RAG1の発現は、DN2 T及びプロ-B細胞のステージにおけるリンパ球の分化の間でのみ生じる。RAG1の内因性プロモーターがGFPカセットの発現を誘導することができるか否かを評価するため、RAG1を構造的に発現するプレB細胞系であるNALM6細胞系を利用した(
図3A)。述べたように、RAG1ゲノム領域は2つのエクソンからなっており、3.1Kbである全コード配列は第2エクソンによってコードされ、3.3Kbの長い3'UTR領域が続いている。本発明者らの修正戦略は、エクソン2の上流のイントロン領域を標的とする全コード配列を含むAAV6ベクターを送達することを計画している。AAV6ベクターによって収容されるサイズに限界があるので、RAG1コード配列の下流の3'UTR領域(>3 Kb)は挿入しなかった。
【0475】
RAG1の3'UTRが本発明者らの修正ドナーの効率的な発現のために必要か否かを評価するため、4つの異なるSA_GFPドナーDNAを生成した(
図3B)。
i. SA_GFPの下流のウシ成長ホルモン(BGH)ポリAを保持する構築物(SA_GFP_BGH);
ii. SA_GFPの下流、かつBGHポリAの上流のウッドチャック肝炎ウイルス転写後制御エレメント(WPRE)を保持する構築物(SA_GFP_WPRE)。WPREは一般に導入遺伝子の発現を増強することが報告されている。;
iii. SA_GFPカセットに続く同じ内因性RAG1 3'UTRを含む構築物(SA_GFP_3'UTR);
iv. 修正された配列及び内因性RAG1及びそれに続く3'UTR配列を含む融合転写物を得るためにSA_GFPカセットの下流にスプライスドナーを含む構築物(SA_GFP_SD) (
図3C)。
【0476】
Cas9を誘導するために予めドキシサイクリンで刺激したNALM6 Cas9及びK562 Cas9細胞系に、ガイド9プラスミドDNA(100ng/ウェル)及び種々の直鎖化したDNAドナー(1600ng/ウェル)をトランスフェクトした。ドナーDNAの安定な組み込みを、GFPの発現としてフローサイトメトリーによって検証した。
【0477】
PGK_GFP陽性対照は、両方の細胞系において安定に組み込まれた。特に、トランスフェクションの10日後、K562 Cas9の14%及びNALM6 Cas9の1.8%がGFP陽性であった(
図3D)。注目すべきことに、NALM6細胞系は編集が特に困難で、K562と比較して低い効率が予想された。様々なSA_GFPドナーをトランスフェクトしたNALM6 Cas9で同様のGFP+細胞の頻度が観察された一方、SA_GFPドナーをトランスフェクトしたK562細胞系ではGFP
+細胞はほとんど検出できなかった。この観察によって、内因性RAG1プロモーターがNALM6 Cas9細胞系におけるSA_GFPカセットの発現を効率的に誘導することが確認される。注目すべきことに、RAG1の発現を欠くK562 Cas9細胞系においてGFP
+細胞が存在しないことによって、NALM6において観察されたGFPの発現がRAG1プロモーター活性に特異的に依存していることがさらに確認される。
【0478】
異なる3'UTRを保持する構築物の効果を、NALM6 Cas9細胞系において、フローサイトメトリーにおけるGFP
+事象の蛍光強度(MFI)によって評価した。解析によって、内因性RAG1 3'UTRが導入遺伝子の発現に悪い影響を与えていることが示唆された。SA_GFP_SD及びSA_GFP_3'UTR構築物によるトランスフェクションによって得られたGFP MFIは、SA_GFP_BGHによって得られたMFIより有意に低かった(
図3E、
図3F)。SA_GFP_ WPREを用いても、改善は認められなかった。GFPの発現レベルを報告するこれらのデータに基づいて、本発明者らのベクターをBGHポリAによってクローニングすることを決定した。
【0479】
オフターゲット解析
予備的なin silico解析によってガイド9の有望なオフターゲットプロファイルが実証され、最も起こりそうなオフターゲットはイントロン領域にあることが示されて、オフターゲットに関連する遺伝子破壊事象のリスクが低いことが示唆された(
図4A)。ガイド7及び9のオフターゲットプロファイルのより深い特徴解析を、偏りのないオフターゲット検出アッセイ(GUIDE-seq, Tsai SQら、Nat Biotechnol. 2015;33(2):187-97)によって追求した。解析はK562細胞について50pmolのHigh Fidelity Cas9 Nuclease V3を用いて実施し、ガイド7及び9によってそれぞれ45.3%及び64.6%の切断頻度が得られた(
図4B)。ガイド7については低い(8.4%) ODN組み込みが達成されたが、ガイド9については良好な組み込み頻度(38.2%)が得られ、試料中のオフターゲットの解析が可能になった(
図4C)。デフォルトパラメーターを用いるR Bioconductor package GUIDE-seq (Zhu LJら、BMC Genomics. 2017;18(1))を用いて実施した解析によれば、両方のガイドについてオフターゲット部位は同定されなかった。極めて弱い可能なオフターゲットへの検討も深めるため、拘束を緩和した第2の解析を実施し、ガイド7についてのみ2つのオフターゲット部位を見出した。これらのオフターゲット部位はイントロン又は遺伝子間の領域に含まれ、ミスマッチの数は9を超えて頻度は低く、ガイド7のリスクプロファイルは低いことが示された。ガイド9についてオフターゲット部位が同定されなかったことは注目に値する。
【0480】
ヒト臍帯血CD34+細胞における遺伝子編集プロトコールの最適化
次いで臍帯血由来のヒトCD34+細胞(hCB-CD34)において編集手順を最適化した。この目的のため、hCB-CD34細胞を0日目に解凍し、サイトカイン(hTPO 20ng/ml、hIL6 20ng/ml、hSCF 100ng/ml、hFlt3-L 100ng/ml、SR1 1uM、UM171 50nM)を富化したStemSpan中、1×106細胞/mlを播種して3日間、前刺激した。
【0481】
3日目に、ガイド3及び9をin vitroで予め組み立てられたRNPとして電気穿孔によって送達し、2つの用量を25及び50pmol/ウェルとした。細胞の安定性を増強するため、ガイドRNAの5'及び3'末端の最後の3つの末端ヌクレオチドに2′-O-メチル 3′ホスホロチオエートからなる化学修飾を付加した。15分後に、AAV6ベクターを3つの(10
4、5×10
4、10
5)MOI用量で培地に添加した(
図5A)。フローサイトメトリーアプローチを用いて編集された細胞を容易に追跡するため、2つの切断部位のそれぞれと相同の2つのアームに隣接するPGK_GFP_BGHカセットを保持する2種のAAV6ドナー(それぞれのガイドについて1つ)を用いた。この手順の毒性は、処理の24時間後に細胞を7AAD及びアネキシンVによって染色し、壊死した細胞及びアポトーシスされた細胞の分画をフローサイトメトリーによって測定することによって評価した。電気穿孔の4日後、マルチパラメーターフローサイトメトリー解析を実施して、処理されたバルクの細胞培養液を構成する種々の細胞サブ集団の組成を評価し、これらのサブ集団の中のGFP+細胞のパーセンテージを測定した。この解析のため、原初の(CD34
+CD133
+CD90
+)、初期の(CD34
+CD133
+CD90
-)、及びより深く関与している(CD34
+CD133
-CD90
-)前駆細胞の同定を可能にする表面マーカーを利用した(
図5B)。さらに、ゲノムDNAを抽出して、T7ヌクレアーゼアッセイによってヌクレアーゼの活性を決定した。
【0482】
ガイド9はNALM6及びK562細胞系で検証された活性と同程度の活性を保持しており、25pmol/ウェルで73.9%、50pmol/ウェルで80.1%の切断頻度が観察された。ガイド3はhCB-CD34で低い活性を呈し、切断頻度は25及び50pmol/ウェルでそれぞれ16.9%及び19.3%であった(
図5C)。後者の観察と一致して、ガイド3による標的組み込みは効率が低く、25pmol/ウェルの用量、最大のMOI (10
5)で、組み込みのレベルはバルクCD34
+で18.3%、最も原初的なサブ集団で1.25%であった(
図5D、
図5E)。
【0483】
ガイド9は、PGK_GFPカセットの極めて効率的な標的組み込みを促進した。アポトーシス解析は、編集手順に付随する低い毒性を示し、試験した全ての条件について編集の翌日に生存率(7AAD
-アネキシンV
-細胞)は70%を超えていた(
図6A)。解析により、AAV6による形質導入が細胞の生存率に対してCas9トランスフェクションよりも強い影響を有していることも示唆された。この観察と一致して、MOI 10
5でのAAV6形質導入が25pmolのCas9によるトランスフェクションよりも細胞増殖を障害し、細胞の適合性が影響されたことが示唆された(
図6B)。編集条件におけるCD34
+細胞の高い頻度(87.5%)は未処理の対照と同程度であった(
図6C)。異なる条件の中の3つのCD34
+サブ集団の分布には主要な相違は観察されなかった(
図6D)。
【0484】
組み込み頻度の解析により、最も原初的なサブ集団(CD34
+CD133
+CD90
+)は、あまり容認できない分画であることが示された。このサブ集団における最大の編集頻度は、25pmolのCas9及びMOI 10
5を用いて得られた(52.8%)。低いMOIでは、特に最も原初的なサブ集団において高いCas9用量(50pmol)が編集効率を増強させ、まさにMOI 10
4における編集頻度は25及び50pmolのCas9でそれぞれ24.6%及び40.5%であった(
図6E)。フローサイトメトリーによって観察された組み込みを分子レベルで確認するため、オンターゲット組み込みに特異的なプライマーセットを用いるddPCRアッセイによってゲノムDNAを解析した。フローサイトメトリーによって測定したGFPのパーセンテージとddPCRによって得られたHDRのパーセンテージは同程度であり、大部分の組み込みはオンターゲットであることが裏付けられた(
図6F)。
【0485】
全体として、これらのデータは、最も原初的なCD34
+サブ集団においてさえ、このプラットフォームを用いて効率的なターゲティングが得られたことを示唆している。編集プロトコールは細胞の表現型に影響しない(全CD34
+細胞及びサブ集団の分布の両方に関して)。特に本発明者らは、高頻度の標的組み込みを促進するガイドRNAを同定し、毒性と標的頻度との最良の妥協を可能にする編集条件(50pmol/ウェルのCas9及びMOI 10
4Vg/細胞)を設定した(
図6G)。
【0486】
遺伝子編集されたhCB-CD34
+細胞のin vivo移植
本発明者らの手順によってHSCにおける標的組み込みが可能になる一方、HSCの長期再構築活性が保存されるか否かを評価するため、編集されたCD34
+細胞を、亜致死的に照射したNOD-scid IL2Rg
nullマウス(NSGマウス)に移植した。以前の実験で用いた同じプロトコールに従って、刺激の3日後にhCB-CD34
+細胞を50pmol/ウェルのガイド9 RNPとともに電気穿孔し、15分後にMOI 10
4Vg/細胞でAAV6を形質導入した。この実験では2種の区別されるAAV6ベクターを用いた。PGK_GFP_BGHを保持する第1のAAV6ベクターを、編集された細胞の生着を容易に追跡するための陽性対照として用いた。SA_GFP_BGHを保持する第2のドナーを、RAG1内因性プロモーターの制御下におけるGFP遺伝子のin vivo発現を評価するために用いた。編集手順の翌日、亜致死的全身照射(120rad)の6時間後に、処理されたhCB-CD34
+の350,000細胞/マウスを1群あたり4~5匹のNSGマウスに注射した。処理後の遺伝子標的効率のレベルを評価するため、僅かな細胞をさらに4日、培養中に維持した。両方のAAV6ベクターを用いて、ddPCRによって約80%の標的組み込みを測定し(
図7A)、それにより、以前の実験で得られた結果が再現された。移植したマウスから得た末梢血のフローサイトメトリー解析を、移植後6、9、13週及び17週目の犠牲死の際に実施した。末梢血中の全生細胞におけるhCD45
+細胞の頻度の解析によって、処理された細胞は長期の生着を示唆する正常なレベル(約56%まで)で、また2つの群に同様の速度論で存在していることが確認された(
図7B)。末梢血組成に関しては、マウスはサブ集団の組成において大きな非対称を示さず、両方の群でB細胞、T細胞、及び骨髄性細胞の正常な存在を示し、編集手順が複数系列分化に影響しないことが確認された(
図7D、
図7F、
図7H)。
【0487】
PGK_GFP_BGHベクターで処理された細胞を受けたマウスの群において、編集されたhCD45
+ GFP
+細胞は経時的に高いパーセンテージ(約40~50%)に維持され、したがって処理は最も原初的な細胞によって忍容されることが示唆され、そのin vivoにおける長期生存が確認された(
図7C)。同様のレベルの編集されたhCD45
+ GFP
+細胞が末梢血中のB細胞、T細胞、及び骨髄性細胞の中で見出され、編集された細胞が複数系列分化能力を維持していることが確認された(
図7E、
図7G、
図7I)。SA_GFP_BGHで処理された細胞を移植したマウスでは、in vitroで観察された効率的な標的頻度にも関わらず、末梢血中で低頻度のGFP+細胞が観察された(
図7C)。骨髄性細胞及び循環T細胞は、これら2つの細胞集団がRAG1を発現しないので、予想されたようにGFP陰性であった(
図7G、
図7I)。反対に、関連するパーセンテージ(約18%)のGFP
+細胞が循環B細胞の中で観察され(
図7E)、大多数のB細胞はCD24及びCD38を発現するので、これはおそらく未成熟の表現型によるものである。
【0488】
犠牲死の際に、骨髄の解析によって、処理されたCD34
+幹細胞の生着が確認された。さらに、PGK_GFP_BGH群において高頻度のGFP
+標的細胞(約38%)がCD34
+細胞の中で観察され、長期再構築性幹細胞の効率的な生着がさらに示唆された(
図7L及び
図7M)。NSGマウスの胸腺は萎縮して機能がないが、胸腺細胞増殖の間のGFPの発現をCD4及びCD8の発現によって解析した(
図7N)。PGK_GFP_BGHカセットによってGFPの発現は発達段階の中で均一であり、未成熟の胸腺細胞と成熟した循環T細胞との間で相違は観察されなかった。反対に、SA_GFP_BGHカセットをドナーとして用いると、GFPの発現が発達中の胸腺細胞中で見出された一方、末梢血及び脾のT細胞ではGFPの発現は殆ど検出されなかった(
図7N)。
【0489】
総合して、これらの観察は、幹細胞の生着及び複数系列分化能に影響せずに、長期再構築性幹細胞の編集のための効率的なプロトコールが確立されたことを示唆している。本発明者らのデータは、外因性プロモーターの非存在下における導入遺伝子のin vivo制御された発現パターンをさらに示唆し、発現がリンパ特異的で未成熟リンパ球に限定されていることを強調している。
【0490】
hMPB-CD34+細胞に対する修正ドナーの試験
次に、RAG1コード配列を保持する修正AAV6ベクターを設計し、試験した。特に修正ドナーは、3'及び5'の両先端に2つの相同アーム、スプライスアクセプター及びそれに続くKozak配列、RAG1コード配列、並びにBGHポリAを含み、全長4.1 Kbである(
図8A)。RAG1コード配列は、アミノ酸配列を変更せずに、より「稀な」コドンをより高頻度のコドンで置き換えてコドン最適化され、それによりタンパク質翻訳が増強されている。ドナーDNAの大きさが組み込みの効率及び/又は毒性プロファイルに影響し得るか否かを検証するため、動員された末梢血(MPB)から得られたhCD34
+細胞について新たなドナーDNAを試験した。
【0491】
正常ドナー由来のMPB-CD34+細胞(AllCells California, USから市販で購入)を解凍し、3日間、前刺激した。編集プロトコールは以下のように調整した。幹細胞因子(SCF) 300ng/ml、Flt3リガンド(Flt-3L) 300ng/ml、トロンボポエチン(TPO) 100ng/ml、インターロイキン3 (IL-3) 60ng/ml、StemRegenin1 (SR1、1μM)、及び16,16-ジメチルプロスタグランジンE2 (dmPGE2、10μM)、UM171 35nM。
【0492】
Cas9を、in vitroで予め組み立てられたRNPとして2つの用量(25pmol/ウェル及び50pmol/ウェル)で電気穿孔した。本発明者らの以前の観察によって、AAV6ベクターの高いMOIは細胞の適合性を障害する可能性が示唆されたので、2つの低いMOI (104及び2×104)を考慮した。
【0493】
細胞の増殖及び細胞の表現型を考慮し、フローサイトメトリーによって編集手順の影響を評価した。修正ドナーはレポーター遺伝子を何ら含まないので、分子アッセイによって組み込みを評価した。編集の4日後に、CD34、CD133、及びCD90の発現に基づいて細胞を選別し、原初の(primitive)、初期の(early)、及び関与している(committed)前駆サブ集団を同定し、解析した。選別したサブ集団からのゲノムDNAを抽出し、オンターゲット組み込み及びコドン最適化ドナー配列に特異的なプライマーセットを用い、ddPCRアッセイによって修正ドナーの標的組み込みを検証した(
図8B)。以前の観察と一致して、編集プロトコールはCD133及びCD90の発現に基づく細胞の表現型に影響せず(データは示していない)、全てのCD34サブ集団において高いオンターゲット組み込み頻度が観察された。特に、最も原初的なサブ集団において、50pmol/ウェルのCas9及び10
4 MOIのAAV6ベクターを用いて45.3%の標的頻度が観察され(
図8C)、高いMOIと比較して細胞増殖に対する低い影響が示された(
図8D)。効率及び毒性の両方に関して、MPB又はCBに由来するhCD34
+細胞の間で相違は認められなかった。
【0494】
HD及び患者由来の編集されたhMPB-CD34+細胞のin vivo移植
本発明者らの遺伝子編集手順が生着能力に影響し得るか否かを評価するため、編集されたhMPB-CD34+細胞を亜致死的照射したNSGマウスに移植した。以前の実験で用いた同じプロトコールに従って、刺激の3日後にhMPB-CD34+細胞を50pmol/ウェルのガイド9 RNPとともに電気穿孔し、15分後に修正AAV6をMOI 104Vg/細胞で形質導入した。編集されたHSPCによる造血再構成を低下させる以前報告した編集によって誘導されるp53応答を減弱させるため、優性阻害のp53阻害剤であるGSE56をコードするmRNAを電気穿孔混合物に添加した(Schiroli Gら、Cell Stem Cell. 2019;24(4):551-565.e8)。
【0495】
in vivo遺伝子修正を評価するため、RAG1遺伝子に低次形態の突然変異を有する患者(NIHPID0021)から得られたhMPB-CD34+細胞を入手した。注目すべきことに、NIHPID0021は、B細胞及びT細胞の残存発達を可能にするミスセンスRAG1突然変異(C1228T、G1520A)によるCID-G/AIを有する成人患者である。患者はB細胞23/μL、T細胞665/μL(8%ナイーブ)、正常のNKカウントを提示した。注目すべきことに、末梢における極めて低いB細胞数も、重症自己免疫の兆候を制御するための抗CD20 mAbによる処置のためであった。
【0496】
RAG1患者はG-CSF/Plerixaforを受けた。CD34+細胞はNIHの臨床施設によって収集し、フローサイトメトリーによってその純度を検証した(>97% CD34+)。
【0497】
2名の独立した健康なドナー由来のhMPB-CD34
+細胞(市販で購入)を並行して用いた。編集の翌日、1×10
6の処理された又は未処理の細胞を亜致死的照射(120rad)したマウスに注射した(
図9A)。処理の後の遺伝子標的効率のレベルを評価するため、僅かな細胞をさらに4日、培養中に維持した。ddPCRは患者細胞において86%の標的頻度を示した一方、2名の健康なドナーのバッチではそれぞれ89%及び80%が観察され、以前の実験で得られた結果が再現された(
図9B)。
【0498】
移植の5、8、12週後に末梢血についてのフローサイトメトリー解析を実施し、15週目にマウスを犠牲死させた。
【0499】
末梢血の解析により、hMPB-CD34
+の生着がhCB-CD34
+より有意に低いことが示された。血液中で評価したHD由来のhCD45
+細胞の頻度は全ての時点で4.4%~8.7%であり、2つのバッチの生着は一致した。反対に、CID/AGのNIHPID002患者では、PB中のhCD45
+細胞の頻度は一般に低く(最初の2つの時点で2.1~5.2%)、後の時点で減少し、生着の消耗を示唆していた。注目すべきことに、両方の場合(CID/AG患者及びHDの細胞)において、PB中のhCD45
+細胞の頻度に関して、処理された細胞と未処理の細胞との間の相違は認められず、生着能力は編集プロトコールによって影響されないことが確認された(
図9C)。
【0500】
ddPCRアッセイによって実施した分子解析によって、遺伝子編集したMPB-CD34
+HD細胞を受けたマウスの末梢血から得られたヒト細胞中、35.3%の標的頻度が明らかになり、したがって、レポーター遺伝子によって得られた以前の観察が再現され、標的手順が生着に影響しないことがさらに確認された(
図9D)。遺伝子編集したMPB患者のCD34
+細胞による移植の8週後のPBでは、低い標的頻度(9.3%)が得られた(
図9D)。
【0501】
末梢血組成に関して、処理されたHD細胞を移植したNSGマウスはサブ集団組成における主要な非対称性を示さず、処理された細胞又は未処理の細胞を受けたマウスではB細胞、T細胞、及び骨髄性細胞の同様の頻度が観察され、複数系列分化が障害されないことが確認された(
図9E)。未処理の患者細胞は、HDと比較するとB細胞及びT細胞のコンパートメントに部分的な非対称性を示し、低次形態の突然変異を有する患者の免疫表現型と一致していた(Delmonte OMら、Blood. 2020;135(9):610-9)。最後の時点で、未処理の患者細胞を受けたマウスでは、B細胞の頻度は17.2%(未処理のHDでは81.9%)、T細胞の頻度は2.3%(未処理のHDでは9.2%)であり、骨髄性細胞の頻度は19.9%(未処理のHDでは3.0%)と高かった。これらの観察により、B細胞及びT細胞の発達の欠陥にも関わらず、いくらかの循環Bリンパ球及びTリンパ球が検出できることが確認される。処理された患者細胞においてB細胞頻度のわずかな増加が観察され、これが経時的に維持されたが、末梢血の免疫組成に関して、未処理の又は処理された患者細胞を受けたマウスの間で有意差は認められなかった(
図9F)。
【0502】
移植の17週後にマウスを犠牲死させて、骨髄、胸腺、及び脾における編集された細胞の生着を解析した。骨髄及び脾では、ヒトCD45+細胞の頻度は、回収したマウス末梢血中の頻度より高かった(
図8G、
図8H左パネル、及び
図8C)。HD由来の編集されたMPB CD34細胞を移植したNSGマウスは骨髄で13.9%のhCD45
+を示した一方、未処理群では23.4%であった(
図9G、左パネル)。編集されたRAG1患者細胞を受けたマウスで同様の生着レベルが達成された(10.2%)が、未処理のRAG1患者細胞を受けたマウスではより低い割合(6.9%)のhCD45
+細胞が見出された(
図9G、左パネル)。hCD45
+細胞の生着は、HD及び患者の編集された及び未処理の細胞の両方について、脾においてさらに高かった。HD細胞を受けたマウスでは、編集された又は未処理の細胞を受けたマウスで、hCD45
+細胞の頻度は、それぞれ37.4%及び43.3%であり(
図9H、左パネル)、編集された細胞と編集されていない細胞との間に差異がないことが示された。同様に、RAG1患者由来の編集された細胞又は未処理の細胞を受けたマウスでは、hCD45
+細胞の頻度はそれぞれ24%及び23.7%であった(
図9H、左パネル)。
【0503】
骨髄及び脾から抽出されたDNA試料についてddPCRによって評価したHDR標的効率は、骨髄由来の編集された細胞において1.1%~19.6%の範囲を示した一方、患者細胞の場合には2.1%~8.5%であった(
図9G、右パネル)。脾は最大の標的頻度を示し、編集されたHD細胞を有するマウスについて6.1%~22.2%の範囲、編集された患者細胞を有するマウスについて11.9%~14.8%の範囲であった(
図9H、右パネル)。
【0504】
全体として、これらの知見によって、HD及びRAG1突然変異を有する患者に由来するHSC中のヒトRAG1遺伝子座を標的とする遺伝子編集アプローチの実施可能性が確認された。GE手順は、HSCの生着能力及び複数系列分化に影響しなかった。
【0505】
考察
遺伝子付加に基づく古典的な遺伝子療法戦略は組み込みベクターの使用に依拠している。その改善された設計がより安全な組み込みプロファイルを付与する新世代のベクターの導入は、ゲノムへのベクターの半ランダムな組み込みによって惹起される挿入突然変異のリスクを軽減したが、皆無にしてはいなかった(Doi K, Takeuchi Y. Vol. 65, ウイルス. 2015. p. 27-36)。さらに、普遍的なプロモーターの使用は、その発現が細胞特異的又は細胞サイクルの間に厳しく制御されている治療用導入遺伝子の生理的発現を劇的に妨害している。
【0506】
RAG1分子は、V(D)J組換えを開始するために必要な部位特異的DNA二本鎖切断を媒介する(Oettinger MAら、Science. 1990;248(4962):1517-23)。DNA二本鎖切断はそれ自体、病的なゲノム再配置又は染色体の転座をもたらし得る危険な損傷である。V(D)J組換えの忠実度を保証する重要な機序は、特定の発達段階にある特定の標的細胞に限定されたRAG1発現の精密な制御に存する。RAG1発現の調節は、「アレルの排除」又はBCR及びTCR受容体編集の複雑な機序による機能的で非自己反応性のリンパ球の選択のためにも不可欠である(Ten Boekel Eら、Immunity. 1998;8(2):199-207)。
【0507】
過去には、レトロウイルス又はレンチウイルスによって媒介される遺伝子トランスファーによってRAG1の欠損を修正するいくつかの試みが、次善の免疫再構成が達成された場合に炎症性の浸潤及び自己免疫の進行を伴うT細胞及びB細胞の可変の再構成をもたらしてきた(Pike-Overzet Kら、Leukemia. 2011;25(9):1471-83; Pike-Overzet Kら、Vol. 134, Journal of Allergy and Clinical Immunology. 2014. p. 242-3; Lagresle-Peyrou Cら、Blood. 2006;107(1):63-72; 及びvan Til NPら、J Allergy Clin Immunol. 2014;133(4):1116-23)。並行して、外因性で普遍的なプロモーターの使用は遺伝毒性をもたらす可能性がある(Zhang Yら、Advances in Immunology. 2010. p. 93-133; 及びPapaemmanuil Eら、Nat Genet. 2014;46(2):116-25)。
【0508】
遺伝子編集プラットフォームの開発は、従来の遺伝子付加プロトコールによって提起されたいくつかの課題を克服する戦略を提示している。本発明者らは、広いスペクトルのRAG1欠損症を修正する、HSCに基づくゲノム編集戦略に注力してきた。この目的のため、本発明者らは、第1のRAG1イントロンを標的とし、それによってエクソン2に全体が含まれるRAG1コード配列を置き換える戦略を設計した。本発明者らの戦略は、疾患を引き起こすRAG1の突然変異の大部分を治癒する一方、それ自体のプロモーターによって駆動される遺伝子の発現を保存するという利点を有している。この目的のため、本発明者らは、NALM6及びK562細胞系におけるヌクレアーゼ試薬と修正cDNAドナーとの最良の組合せを特定した。初代細胞中のCas9タンパク質の長期の持続はオフターゲット切断をもたらし、おそらく細胞のホメオスタシス及び機能性に影響を及ぼす可能性があるので、細胞中の強固で短期的な持続を保証するために、in vitroで予め組み立てられたRNPとしてCas9を電気穿孔した(Kim Sら、Genome Res. 2014;24(6):1012-9)。予め組み立てられたRNPとしてCas9を送達することはよく忍容され、gRNAを細胞内分解から部分的に保護して、それによりヌクレアーゼの安定性及び活性を改善する(Hendel Aら、Nat Biotechnol. 2015;33(9):985-9)。Cas9の活性プロファイルをさらに改善するため、オフターゲット関連毒性を低減するためのHigh Fidelity Cas9バリアントとともに化学修飾したgRNAを用いて安定性を増強した(Vakulskas CAら、Nat Med. 2018;24(8):1216-24)。Cas9を発現する細胞系を用いるgRNA活性の予測解析により、イントロンを標的とするガイド(ガイド9)についての信頼すべき結果が明らかになった。
【0509】
次に本発明者らはhCB-CD34+細胞に注目した。HDRが好ましく生じた場合に(Genovese Pら、Nature. 2014;510(7504):235-40; 及びKass EM, Jasin M. Vol. 584, FEBS Letters. 2010. p. 3703-8)、S/G2相の通過を有利にし、適度の細胞増殖をもたらす一方、CD34、CD133、及びCD90マーカーの発現を考慮して元の幹細胞性の表現型を保存するように、HSPCを予備刺激した。
【0510】
ガイド9 (50pmol/ウェル)、Cas9 RNP、及びPGK_GFPレポーターカセットを保持しているAAV6ベクター(MOI 104)を用いて、最も原初的な細胞サブ集団であるCD34+CD133+CD90+において良好なレベルの標的頻度(40.5%)を得た。ddPCR解析によって評価した分子解析により、大部分の組み込みはオンターゲットであることが示された。注目すべきことに、Cas9及びAAV6の用量の最適化の間に、高いMOIのAAV6が細胞の適合性に強い影響を有することが認められた。in vivo実験により、in vitroのデータがさらに確認された。亜致死的照射されたNSGマウスへの処理されたhCB-CD34+細胞の移植は、骨髄と末梢血の両方において長期の生着を示し、標的細胞の複数系列分化能及び長期の生着が確認された。GFPの発現がRAG1内因性プロモーターによって制御されるSA_GFPカセットも試験した。NSGマウスにおけるin vivoデータは、導入遺伝子の制御されたリンパ特異的発現パターンを示し、これはRAG1が生理的に発現される未成熟のリンパ球に限定されていた。ドナーDNAにおける内因性RAG1 3'UTRの影響を評価するため、GFPレポーター遺伝子を保持している様々なドナー構築物を試験した。内因性RAG1-3'UTRを保持しているドナーAAV6の解析によって、BGH_ポリAを有するドナーを用いて得られたレベルと比較して、GFP発現の低減が示される。これまで文献で報告されたRAG1 3'UTRにおける臨床的に関連する突然変異の欠如と関連付けられたこれらのデータは、この領域が修正ドナーの設計には重要でないであろうということを示唆している。最後に、SA_GFP_ WPREはGFPの発現において利点を示さず、WPREによって媒介される発現の増強はプロモーター及び細胞系に依存することを示唆している。この証拠に基づいて、最大の導入遺伝子発現レベルを可能にするBGHポリA配列をドナーDNAにクローニングした。さらに、タンパク質の翻訳をさらに増強するために、最終のアミノ酸配列を変更することなく、より「稀な」コドンをより高頻度のコドンで置き換えることによって、ヒトRAG1コード配列をコドン最適化した。
【0511】
新たに設計したドナーAAV6ベクター(SA配列及びそれに続くKozak配列、RAG1コドン最適化配列及びそれに続くBGH_ポリAを含む)をhMPB-CD34
+細胞でも試験した。以前のドナーで得られた同じ効率が観察され、本発明者らのプロトコールがいくつかのドナー及びいくつかのHSPC源を用いて再現可能であることが確認された。さらに、未処理の及び編集されたHD細胞におけるHSPC組成のマルチパラメーター解析は、増殖相の前に解析した細胞と比較して、培養細胞中でのHSPCサブタイプの再分布を示した(
図10A)。未処理の及び編集された細胞において、骨髄球性共通前駆細胞(CMP)を代償として、造血幹細胞(HSC)、多能性前駆細胞(MPP)、及びマルチリンパ系前駆細胞(MLP)の増殖が観察され、編集プロトコールが幹細胞性の組成を保存していることが示された(
図10A)。
【0512】
注目すべきことに、ddPCR解析は全CD34+細胞の80%を超えるHDRを示し、45%の標的頻度が最も原初的な(CD133+ CD90+)サブ集団のサブセットで観察された。処理されたhMPB-CD34+細胞を移植したNSGマウスにおけるin vivo実験は、未編集の細胞で処置されたマウスと同じく良好なレベルの生着及び複数系列分化能を示した。
【0513】
低次形態の突然変異を有し、重篤な炎症及び自己免疫の兆候に付随する複合免疫不全を呈するCID-G/AI RAG1患者に由来するhMPB-CD34
+細胞を得た。編集手順はRAG1欠損細胞におけるHSPC組成に影響しないことが確認された(
図10B)。この場合においてさえも、ddPCR解析によって示される86%の標的頻度が達成された。処理された及び未処理の細胞のin vivo移植は、NSGマウスの末梢血における編集された細胞の生着が、患者細胞においてHDドナー細胞と比較して少ないことを示した。対照的に、骨髄及び脾においては、HD及び患者で処置したマウスの間で同程度の生着が観察され、遺伝子編集された患者由来のCD34
+細胞が中枢及び末梢のリンパ器官のin vivo比較解析において生着及び複数系列分化の能力を保存していることを示唆している。CID患者で生じている重篤な炎症状態及び/又は薬物投与の影響(抗CD20モノクローナル抗体又は高用量のコルチコステロイド)がCD34
+細胞の適合性に影響している可能性がある。
【0514】
全体として、本発明者らは、RAG1欠損症の修正のための効率的で有望なゲノム編集プラットフォームを確立した。
【0515】
材料及び方法
レンチウイルスベクターの作製及び力価測定
LVは293T細胞の一過性トランスフェクションによって作製した。トランスフェクションの24時間前に、9×106個の細胞を15cmのディッシュに播種し、トランスフェクションの2時間前にIscoveの改変Dulbecco's (IMDM)培地を交換した。必要なトランスファーベクター(34μg)を、15cmのディッシュあたりVSV-Gエンベロープをコードする9μgのプラスミド、12.5μgのpMDLg/pRRE、6.25μgのREVプラスミド、及び15μgのpADVANTAGEと混合した。この混合物をリン酸カルシウム沈殿によって293T細胞に添加した。12~14時間後、培地を、1mMの酪酸ナトリウムを補足した新鮮な完全IMDMに置き換えた。この培地交換の30時間後に上清の収集及び濾過を行った。収集に続いて、LVを超遠心(2時間、20,000rpm、20℃)によって500倍に濃縮した。LVに感染した既知量の293T細胞の段階希釈を行った。3日後に様々な希釈のゲノムDNA(gDNA)をDNeasy(登録商標)Blood and Tissue Kitによって単離した。LVのベクターコピー数(VCN)はddPCRによって測定した。力価は以下の式を用いて計算した。力価 = VCN×希釈係数×感染した293T細胞の数。ベクター粒子の量を推測し、ベクター調製物の相対的感染力を計算するため、ELISAアッセイ(Abcam 218268)によるp24 HIVタンパク質。
【0516】
Cas9誘導可能な細胞系
TET誘導可能なプロモーターの制御下にCas9タンパク質を発現するレンチウイルスベクター及びTETトランスアクチベーターを構造的に発現するベクターをNALM6細胞に形質導入することによって、NALM6 Cas9細胞系を生成させた(Clackson T. Vol. 7, Gene Therapy. 2000. p. 120-5)。培養培地にドキシサイクリンを添加した場合には、TETトランスアクチベーターがCas9のプロモーターに結合して細胞中におけるその発現を誘導することができる。K562 Cas9細胞系は同じベクターによって生成させた。ヌクレアーゼの電気穿孔の24時間前にドキシサイクリンを添加した。細胞系は、10%のFBS、グルタミン、及びペニシリン/ストレプトマイシン抗生剤を補足したRPMI 1640培地(完全培地)中で維持した。
【0517】
gRNA及びRNPのアセンブリー
Cas9タンパク質及びカスタムRNAガイドはIntegrated DNA Technologies (IDT)から購入し、メーカーのプロトコールに従って組み立てた。細胞の安定性を増強するため、化学修飾したガイドRNAを用いた。簡単に述べると、crRNA及びtrRNAを、95℃で5分加熱し、室温で10分、徐冷することによってアニールした。次にCas9タンパク質をアニールしたガイドRNA断片とともに室温で15分インキュベートして、リボヌクレオプロテイン(RNP)を組み立てた。
【0518】
ガイド配列を下の表に示す。
【0519】
【0520】
RNAとして直接用いる場合には、ガイド3、7、9、及びRAG1KOについての以下のガイド配列を用いてよい。
【0521】
【0522】
ミスマッチ選択的エンドヌクレアーゼアッセイ
T7エンドヌクレアーゼ(T7E1)アッセイを用いて、NHEJによって誘導されるインデルを測定した。簡単に述べると、遺伝子編集された細胞のgDNAを抽出し、Cas9 RNP標的部位に隣接するプライマーを用いるPCRによって増幅した。PCR産物を変性し、ゆっくりと再アニーリングし、T7エンドヌクレアーゼ(New England BioLabs)によって37℃で1時間、消化した。T7ヌクレアーゼはDNA鎖の間にミスマッチがある部位、即ち再アニーリングされた野生型及び変異型アレルの間においてのみDNAを切断する。断片はLabChip GXII Touch High Resolution DNA Chip (PerkinElmer(登録商標))の上で分離し、提供されたソフトウェアによって解析した。切断されていない親断片と切断された断片との比を計算した。これは人工ヌクレアーゼのNHEJ効率の良好な推測を与える。NHEJの%の計算(切断された断片の合計)/(切断された断片+親断片の合計)×100。NHEJアッセイに用いたプライマー:
【0523】
【0524】
オフターゲット解析
オフターゲットプロファイルのin silico予測は、可能なCRISPRオフターゲット部位のためのゲノムを探索するためのCOSMID (CRISPR Off-target Sites with Mismatches, Insertions, and Deletions) (Cradick TJら、Mol Ther - Nucleic Acids. 2014;3(12):e214)を用いて実施した。GUIDE-Seq解析のため、K562細胞を50pmolのHigh Fidelity Cas9ヌクレアーゼV3ガイド7又はガイド9(RNPとして)及びdsODNとともに電気穿孔して、NHEJと一致する末端接合プロセスを介して切断点にタグ付けした。偏りのない増幅及び次世代シーケンシングを用いて、ゲノムDNAにおけるdsODN組み込み部位をヌクレオチドレベルで正確にマッピングした(Tsai SQら、Nat Biotechnol. 2015;33(2):187-97)。ライブラリーの構築及びGUIDE-Seqシーケンシングは、PCR複製物を追跡するためのUnique Molecular Identifier (UMI)を用いて、Creative Biogen Biotechnology (NY, USA)によって実施した。品質チェック及びトリミングは、それぞれFastQC及びTrim_galoreを用いてシーケンシングリードについて実施した。最適のアラインメントを達成するため、高品質のリードを、Bowtie2 (Langmead B, Salzberg SL. Nat Methods. 2012;9(4):357-9)を用い、「very-sensitive-local」モードで、ヒト参照ゲノム(GRCh38)に対してアライメントさせた。GUIDE-Seqデータ解析は、R/Bioconductor package GUIDE-seq (Zhu LJら、BMC Genomics. 2017;18(1))を採用し、リードを脱複製するためにusing UMIを用いて実施した。
【0525】
ドナー構築物
プラスミドのクローニングは、基礎的な分子生物学手法を用いて実施した。手短には、制限酵素(New England BioLabs)を用いてプラスミドを消化し、適正な断片を分離して、アガロースゲル電気泳動によって精製した。QIAquick PCR Purification Kit (QIAGEN)による精製の後で、Quick Ligase又はT4 Ligaseによって、脱リン酸化及び直鎖化した骨格の中に挿入した。ライゲーションの後で、化学的にコンピテントなTOP10大腸菌(E. coli)細菌を形質転換し、抗生剤を含むプレートに播種した。プラスミドDNAを抽出し、Wizard Plus SV Minipreps DNA Purification System (Promega)及びEndoFree Plasmid Maxi Kit (QIAGEN)を用いて精製した。制御消化によってコロニーをスクリーニングし、シーケンシングした。主な特性を有するベクター挿入物の配列を以下に報告する。
【0526】
SA_GFP_BGHポリAを保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggggatccggaacaggtgtgataatgagagatcttgcgttccaacgagaaactaatgtttctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0527】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0528】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0529】
KOZAK
gccgccaccatg
【0530】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0531】
ポリA
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【0532】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0533】
SA_GFP_WPRE_BGHポリAを保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactagtactcgacaatcaacctctggattacaaaatttgtgaaagattgactggtattcttaactatgttgctccttttacgctatgtggatacgctgctttaatgcctttgtatcatgctattgcttcccgtatggctttcattttctcctccttgtataaatcctggttgctgtctctttatgaggagttgtggcccgttgtcaggcaacgtggcgtggtgtgcactgtgtttgctgacgcaacccccactggttggggcattgccaccacctgtcagctcctttccgggactttcgctttccccctccctattgccacggcggaactcatcgccgcctgccttgcccgctgctggacaggggctcggctgttgggcactgacaattccgtggtgttgtcggggaaatcatcgtcctttccttggctgctcgcctgtgttgccacctggattctgcgcgggacgtccttctgctacgtcccttcggccctcaatccagcggaccttccttcccgcggcctgctgccggctctgcggcctcttccgcgtcttcgccttcgccctcagacgagtcggatctccctttgggccgcctccccgcctggaatggatcctaaactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggtctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0534】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0535】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0536】
KOZAK
gccgccaccatg
【0537】
GFP
Atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0538】
WPRE
aatcaacctctggattacaaaatttgtgaaagattgactggtattcttaactatgttgctccttttacgctatgtggatacgctgctttaatgcctttgtatcatgctattgcttcccgtatggctttcattttctcctccttgtataaatcctggttgctgtctctttatgaggagttgtggcccgttgtcaggcaacgtggcgtggtgtgcactgtgtttgctgacgcaacccccactggttggggcattgccaccacctgtcagctcctttccgggactttcgctttccccctccctattgccacggcggaactcatcgccgcctgccttgcccgctgctggacaggggctcggctgttgggcactgacaattccgtggtgttgtcggggaaatcatcgtcctttccttggctgctcgcctgtgttgccacctggattctgcgcgggacgtccttctgctacgtcccttcggccctcaatccagcggaccttccttcccgcggcctgctgccggctctgcggcctcttccgcgtcttcgccttcgccctcagacgagtcggatctccctttgggccgcctccccgcctg
【0539】
ポリA
actgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0540】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0541】
SA_GFP_SDを保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactggatccaggtaagttctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0542】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0543】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0544】
KOZAZ
gccgccaccatg
【0545】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0546】
スプライスドナー
aggtaagt
【0547】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0548】
PGK_GFP_BGHポリAを保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcccatggccacggggttggggttgcgccttttccaaggcagccctgggtttgcgcagggacgcggctgctctgggcgtggttccgggaaacgcagcggcgccgaccctgggtctcgcacattcttcacgtccgttcgcagcgtcacccggatcttcgccgctacccttgtgggccccccggcgacgcttcctgctccgcccctaagtcgggaaggttccttgcggttcgcggcgtgccggacgtgacaaacggaagccgcacgtctcactagtaccctcgcagacggacagcgccagggagcaatggcagcgcgccgaccgcgatgggctgtggccaatagcggctgctcagcagggcgcgccgagagcagcggccgggaaggggcggtgcgggaggcggggtgtggggcggtagtgtgggccctgttcctgcccgcgcggtgttccgcattctgcaagcctccggagcgcacgtcggcagtcggctccctcgttgaccgaatcaccgacctctctccccagggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggggatccggaacaggtgtgataatgagagatcttgcgttccaacgagaaactaatgtttctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0549】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0550】
PGKプロモーター
ccacggggttggggttgcgccttttccaaggcagccctgggtttgcgcagggacgcggctgctctgggcgtggttccgggaaacgcagcggcgccgaccctgggtctcgcacattcttcacgtccgttcgcagcgtcacccggatcttcgccgctacccttgtgggccccccggcgacgcttcctgctccgcccctaagtcgggaaggttccttgcggttcgcggcgtgccggacgtgacaaacggaagccgcacgtctcactagtaccctcgcagacggacagcgccagggagcaatggcagcgcgccgaccgcgatgggctgtggccaatagcggctgctcagcagggcgcgccgagagcagcggccgggaaggggcggtgcgggaggcggggtgtggggcggtagtgtgggccctgttcctgcccgcgcggtgttccgcattctgcaagcctccggagcgcacgtcggcagtcggctccctcgttgaccgaatcaccgacctctctccccagg
【0551】
KOZAK
ccatg
【0552】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0553】
ポリA
actgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0554】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0555】
SA_GFP_3'UTR-RAG1を保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactggatccgtagggcaaccacttatgagttggtttttgcaattgagtttccctctgggttgcattgagggcttctcctagcaccctttactgctgtgtatggggcttcaccatccaagaggtggtaggttggagtaagatgctacagatgctctcaagtcaggaatagaaactgatgagctgattgcttgaggcttttagtgagttccgaaaagcaacaggaaaaatcagttatctgaaagctcagtaactcagaacaggagtaactgcaggggaccagagatgagcaaagatctgtgtgtgttggggagctgtcatgtaaatcaaagccaaggttgtcaaagaacagccagtgaggccaggaaagaaattggtcttgtggttttcatttttttcccccttgattgattatattttgtattgagatatgataagtgccttctatttcatttttgaataattcttcatttttataattttacatatcttggcttgctatataagattcaaaagagctttttaaatttttctaataatatcttacatttgtacagcatgatgacctttacaaagtgctctcaatgcatttacccattcgttatataaatatgttacatcaggacaactttgagaaaatcagtccttttttatgtttaaattatgtatctattgtaaccttcagagtttaggaggtcatctgctgtcatggatttttcaataatgaatttagaatacacctgttagctacagttagttattaaatcttctgataatatatgtttacttagctatcagaagccaagtatgattctttatttttactttttcatttcaagaaatttagagtttccaaatttagagcttctgcatacagtcttaaagccacagaggcttgtaaaaatataggttagcttgatgtctaaaaatatatttcatgtcttactgaaacattttgccagactttctccaaatgaaacctgaatcaatttttctaaatctaggtttcatagagtcctctcctctgcaatgtgttattctttctataatgatcagtttactttcagtggattcagaattgtgtagcaggataaccttgtatttttccatccgctaagtttagatggagtccaaacgcagtacagcagaagagttaacatttacacagtgctttttaccactgtggaatgttttcacactcatttttccttacaacaattctgaggagtaggtgttgttattatctccatttgatgggggtttaaatgatttgctcaaagtcatttaggggtaataaatacttggcttggaaatttaacacagtccttttgtctccaaagcccttcttctttccaccacaaattaatcactatgtttataaggtagtatcagaatttttttaggattcacaactaatcactatagcacatgaccttgggattacatttttatggggcaggggtaagcaagtttttaaatcatttgtgtgctctggctcttttgatagaagaaagcaacacaaaagctccaaagggccccctaaccctcttgtggctccagttatttggaaactatgatctgcatccttaggaatctgggatttgccagttgctggcaatgtagagcaggcatggaattttatatgctagtgagtcataatgatatgttagtgttaattagttttttcttcctttgattttattggccataattgctactcttcatacacagtatatcaaagagcttgataatttagttgtcaaaagtgcatcggcgacattatctttaattgtatgtatttggtgcttcttcagggattgaactcagtatctttcattaaaaaacacagcagttttccttgctttttatatgcagaatatcaaagtcatttctaatttagttgtcaaaaacatatacatattttaacattagtttttttgaaaactcttggttttgtttttttggaaatgagtgggccactaagccacactttcccttcatcctgcttaatccttccagcatgtctctgcactaataaacagctaaattcacataatcatcctatttactgaagcatggtcatgctggtttatagattttttacccatttctactctttttctctattggtggcactgtaaatactttccagtattaaattatccttttctaacactgtaggaactattttgaatgcatgtgactaagagcatgatttatagcacaacctttccaataatcccttaatcagatcacattttgataaaccctgggaacatctggctgcaggaatttcaatatgtagaaacgctgcctatggttttttgcccttactgttgagactgcaatatcctagaccctagttttatactagagttttatttttagcaatgcctattgcaagtgcaattatatactccagggaaattcaccacactgaatcgagcatttgtgtgtgtatgtgtgaagtatatactgggacttcagaagtgcaatgtatttttctcctgtgaaacctgaatctacaagttttcctgccaagccactcaggtgcattgcagggaccagtgataatggctgatgaaaattgatgattggtcagtgaggtcaaaaggagccttgggattaataaacatgcactgagaagcaagaggaggagaaaaagatgtctttttcttccaggtgaactggaatttagttttgcctcagatttttttcccacaagatacagaagaagataaagatttttttggttgagagtgtgggtcttgcattacatcaaacagagttcaaattccacacagataagaggcaggatatataagcgccagtggtagttgggaggaataaaccattatttggatgcaggtggtttttgattgcaaatatgtgtgtgtcttcagtgattgtatgacagatgatgtattcttttgatgttaaaagattttaagtaagagtagatacattgtacccattttacattttcttattttaactacagtaatctacataaatatacctcagaaatcatttttggtgattattttttgttttgtagaattgcacttcagtttattttcttacaaataaccttacattttgtttaatggcttccaagagccttttttttttttgtatttcagagaaaattcaggtaccaggatgcaatggatttatttgattcaggggacctgtgtttccatgtcaaatgttttcaaataaaatgaaatatgagtttcaatactttttatattttaatatttccattcattaatattatggttattgtcagcaattttatgtttgaatatttgaaataaaagtttaagatttgaaaatggtatgtattataatttctattcaaatattaataataatattgagtgcagcatttctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0556】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0557】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0558】
KOZAK
gccgccaccatg
【0559】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0560】
3'UTR
gtagggcaaccacttatgagttggtttttgcaattgagtttccctctgggttgcattgagggcttctcctagcaccctttactgctgtgtatggggcttcaccatccaagaggtggtaggttggagtaagatgctacagatgctctcaagtcaggaatagaaactgatgagctgattgcttgaggcttttagtgagttccgaaaagcaacaggaaaaatcagttatctgaaagctcagtaactcagaacaggagtaactgcaggggaccagagatgagcaaagatctgtgtgtgttggggagctgtcatgtaaatcaaagccaaggttgtcaaagaacagccagtgaggccaggaaagaaattggtcttgtggttttcatttttttcccccttgattgattatattttgtattgagatatgataagtgccttctatttcatttttgaataattcttcatttttataattttacatatcttggcttgctatataagattcaaaagagctttttaaatttttctaataatatcttacatttgtacagcatgatgacctttacaaagtgctctcaatgcatttacccattcgttatataaatatgttacatcaggacaactttgagaaaatcagtccttttttatgtttaaattatgtatctattgtaaccttcagagtttaggaggtcatctgctgtcatggatttttcaataatgaatttagaatacacctgttagctacagttagttattaaatcttctgataatatatgtttacttagctatcagaagccaagtatgattctttatttttactttttcatttcaagaaatttagagtttccaaatttagagcttctgcatacagtcttaaagccacagaggcttgtaaaaatataggttagcttgatgtctaaaaatatatttcatgtcttactgaaacattttgccagactttctccaaatgaaacctgaatcaatttttctaaatctaggtttcatagagtcctctcctctgcaatgtgttattctttctataatgatcagtttactttcagtggattcagaattgtgtagcaggataaccttgtatttttccatccgctaagtttagatggagtccaaacgcagtacagcagaagagttaacatttacacagtgctttttaccactgtggaatgttttcacactcatttttccttacaacaattctgaggagtaggtgttgttattatctccatttgatgggggtttaaatgatttgctcaaagtcatttaggggtaataaatacttggcttggaaatttaacacagtccttttgtctccaaagcccttcttctttccaccacaaattaatcactatgtttataaggtagtatcagaatttttttaggattcacaactaatcactatagcacatgaccttgggattacatttttatggggcaggggtaagcaagtttttaaatcatttgtgtgctctggctcttttgatagaagaaagcaacacaaaagctccaaagggccccctaaccctcttgtggctccagttatttggaaactatgatctgcatccttaggaatctgggatttgccagttgctggcaatgtagagcaggcatggaattttatatgctagtgagtcataatgatatgttagtgttaattagttttttcttcctttgattttattggccataattgctactcttcatacacagtatatcaaagagcttgataatttagttgtcaaaagtgcatcggcgacattatctttaattgtatgtatttggtgcttcttcagggattgaactcagtatctttcattaaaaaacacagcagttttccttgctttttatatgcagaatatcaaagtcatttctaatttagttgtcaaaaacatatacatattttaacattagtttttttgaaaactcttggttttgtttttttggaaatgagtgggccactaagccacactttcccttcatcctgcttaatccttccagcatgtctctgcactaataaacagctaaattcacataatcatcctatttactgaagcatggtcatgctggtttatagattttttacccatttctactctttttctctattggtggcactgtaaatactttccagtattaaattatccttttctaacactgtaggaactattttgaatgcatgtgactaagagcatgatttatagcacaacctttccaataatcccttaatcagatcacattttgataaaccctgggaacatctggctgcaggaatttcaatatgtagaaacgctgcctatggttttttgcccttactgttgagactgcaatatcctagaccctagttttatactagagttttatttttagcaatgcctattgcaagtgcaattatatactccagggaaattcaccacactgaatcgagcatttgtgtgtgtatgtgtgaagtatatactgggacttcagaagtgcaatgtatttttctcctgtgaaacctgaatctacaagttttcctgccaagccactcaggtgcattgcagggaccagtgataatggctgatgaaaattgatgattggtcagtgaggtcaaaaggagccttgggattaataaacatgcactgagaagcaagaggaggagaaaaagatgtctttttcttccaggtgaactggaatttagttttgcctcagatttttttcccacaagatacagaagaagataaagatttttttggttgagagtgtgggtcttgcattacatcaaacagagttcaaattccacacagataagaggcaggatatataagcgccagtggtagttgggaggaataaaccattatttggatgcaggtggtttttgattgcaaatatgtgtgtgtcttcagtgattgtatgacagatgatgtattcttttgatgttaaaagattttaagtaagagtagatacattgtacccattttacattttcttattttaactacagtaatctacataaatatacctcagaaatcatttttggtgattattttttgttttgtagaattgcacttcagtttattttcttacaaataaccttacattttgtttaatggcttccaagagccttttttttttttgtatttcagagaaaattcaggtaccaggatgcaatggatttatttgattcaggggacctgtgtttccatgtcaaatgttttcaaataaaatgaaatatgagtttcaatactttttatattttaatatttccattcattaatattatggttattgtcagcaattttatgtttgaatatttgaaataaaagtttaagatttgaaaatggtatgtattataatttctattcaaatattaataataatattgagtgcagcatt
【0561】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0562】
SA_RAG1-CDS_BGHポリAを保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggccgcctccttcccacctacccttggattgtcctccgcccctgacgaaattcaacatccccacatcaaattctcggagtggaagttcaagctctttcgcgtgcgctcgttcgaaaagacccccgaggaagcccaaaaggagaagaaagactcattcgaaggaaaacccagcctcgaacagtccccggccgtcctggacaaggccgacgggcagaagcctgtgccgacccagccgctgctgaaagcgcacccgaaattctccaagaagtttcacgataacgagaaggcccggggaaaggccatccaccaagcaaaccttagacacctgtgccgcatctgtgggaactcattcagagccgacgaacataaccggagataccctgtgcatggccctgtcgacggaaagaccctggggctcctgagaaagaaggagaagagggcgacatcctggccggacctgatcgcaaaggtgttcagaatcgacgtgaaggcagatgtggacagcatccacccaaccgagttctgccacaactgctggagcattatgcaccggaagttcagctcagcgccctgtgaagtgtacttcccgcgcaacgtgactatggagtggcatccacacactccgtcctgcgacatctgtaacactgctcggcgcggactcaagaggaagtccctgcagccgaatctgcagctgagcaagaagcttaagaccgtgctggaccaggctcggcaggcccgccagcacaagcgacgcgcccaggcccggatctcatctaaggatgtgatgaagaagatcgccaattgcagcaaaatccacctgtctaccaagctgctggcggtggacttcccggagcacttcgtgaagtccatcagctgtcagatctgcgagcatattctcgccgaccccgtggagactaattgcaagcacgtgttctgccgcgtgtgcatcctgcgctgcctgaaggtcatgggctcctattgcccttcctgccggtacccctgtttccctactgatctggagtccccggtcaagtccttcttgtccgtgctgaactccctgatggtcaaatgtcccgcaaaggagtgcaatgaggaagtgtccctggaaaagtacaaccaccacatcagcagccacaaggagtccaaagaaatctttgtgcacattaacaagggcggtcggccccggcagcatctgctctcgctgactcgccgggcccagaagcacaggctccgggagctgaagctgcaagtcaaggccttcgccgacaaggaagagggaggagatgtgaagtccgtgtgcatgaccctgtttttgctggcgctgcgggctcggaacgaacacagacaagctgatgaactggaggccatcatgcagggcaaaggatcgggactccagccggctgtgtgtctcgccatccgcgtcaacacattcctctcatgctcccaataccacaagatgtacaggactgtgaaggccatcaccggacggcagatctttcagccactccacgcccttcggaacgcagaaaaggtcttgctgccgggataccatcatttcgaatggcagccgcccttgaaaaacgtgtcctcgtccaccgacgtgggcattattgatgggctgagcggcctgtcctcctctgtggatgactaccctgtggataccatcgccaaacggttcagatacgattccgcgctggtgtcggccctgatggacatggaggaggacatcctggagggaatgagatcacaagatctggacgactacctcaacgggcccttcacggtggtggtcaaggaatcgtgcgatggaatgggcgacgtgtcggagaagcacggttccggacctgtggtgccggaaaaggccgtgcgcttctccttcaccatcatgaagatcaccattgcgcatagctcccagaacgtcaaagtgttcgaagaggccaagccgaactcagagctctgctgcaagccgctgtgcctgatgttggcggacgagagcgatcacgaaaccctgaccgccattctgtcgcctctgatcgcggagagggaggccatgaagtcctccgaactgatgctggagctgggcggtattttgcggacttttaagttcatcttccggggaaccggttatgacgaaaagctcgtgcgcgaagtggagggcctggaagcctcaggctccgtctacatctgcactctctgcgacgccacccggctggaggcgtcacagaatcttgtgttccactcgatcactaggtcccacgcggagaacctggaacgctatgaggtctggcgctctaacccataccacgaatccgtggaagaacttcgggacagagtgaagggagtgtcagcaaagcctttcattgaaaccgtgcctagcatcgacgccctccattgcgacatcggcaacgccgccgagttctacaagatcttccagcttgagatcggggaagtgtacaagaacccgaacgcctccaaggaagaaagaaagcggtggcaggctacccttgacaaacacctccgcaagaagatgaacctgaagcccattatgcggatgaacggaaacttcgctaggaagctgatgactaaggaaacggtcgacgcggtctgtgaactgatccccagcgaagaacgacatgaagcgctgcgcgaactcatggacctgtacctgaagatgaagcctgtctggcggagctcgtgccctgccaaggagtgcccggagtcgctgtgtcagtacagctttaacagccaaaggttcgcagagctgctgtcgaccaagttcaagtacagatacgaaggaaagattaccaactacttccacaagactctcgctcacgtgcccgagattatcgaacgcgatggttccatcggggcctgggcctccgagggcaacgagtcgggcaacaagttgttccgccggtttagaaagatgaacgcccgccagtccaagtgctacgaaatggaagatgtgctgaagcatcactggctgtatacctccaagtacctccagaagttcatgaacgcacataacgccctcaagacctccgggttcaccatgaacccccaggcctccctcggtgaccctctgggaattgaagatagcttggagagccaggactcgatggaattctagctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggtctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0563】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0564】
SA
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0565】
KOZAK
gccgccaccatg
【0566】
RAG1-CDS
ctgacctcttctcttcctcccacaggtacctcagccagcatggccgcctccttcccacctacccttggattgtcctccgcccctgacgaaattcaacatccccacatcaaattctcggagtggaagttcaagctctttcgcgtgcgctcgttcgaaaagacccccgaggaagcccaaaaggagaagaaagactcattcgaaggaaaacccagcctcgaacagtccccggccgtcctggacaaggccgacgggcagaagcctgtgccgacccagccgctgctgaaagcgcacccgaaattctccaagaagtttcacgataacgagaaggcccggggaaaggccatccaccaagcaaaccttagacacctgtgccgcatctgtgggaactcattcagagccgacgaacataaccggagataccctgtgcatggccctgtcgacggaaagaccctggggctcctgagaaagaaggagaagagggcgacatcctggccggacctgatcgcaaaggtgttcagaatcgacgtgaaggcagatgtggacagcatccacccaaccgagttctgccacaactgctggagcattatgcaccggaagttcagctcagcgccctgtgaagtgtacttcccgcgcaacgtgactatggagtggcatccacacactccgtcctgcgacatctgtaacactgctcggcgcggactcaagaggaagtccctgcagccgaatctgcagctgagcaagaagcttaagaccgtgctggaccaggctcggcaggcccgccagcacaagcgacgcgcccaggcccggatctcatctaaggatgtgatgaagaagatcgccaattgcagcaaaatccacctgtctaccaagctgctggcggtggacttcccggagcacttcgtgaagtccatcagctgtcagatctgcgagcatattctcgccgaccccgtggagactaattgcaagcacgtgttctgccgcgtgtgcatcctgcgctgcctgaaggtcatgggctcctattgcccttcctgccggtacccctgtttccctactgatctggagtccccggtcaagtccttcttgtccgtgctgaactccctgatggtcaaatgtcccgcaaaggagtgcaatgaggaagtgtccctggaaaagtacaaccaccacatcagcagccacaaggagtccaaagaaatctttgtgcacattaacaagggcggtcggccccggcagcatctgctctcgctgactcgccgggcccagaagcacaggctccgggagctgaagctgcaagtcaaggccttcgccgacaaggaagagggaggagatgtgaagtccgtgtgcatgaccctgtttttgctggcgctgcgggctcggaacgaacacagacaagctgatgaactggaggccatcatgcagggcaaaggatcgggactccagccggctgtgtgtctcgccatccgcgtcaacacattcctctcatgctcccaataccacaagatgtacaggactgtgaaggccatcaccggacggcagatctttcagccactccacgcccttcggaacgcagaaaaggtcttgctgccgggataccatcatttcgaatggcagccgcccttgaaaaacgtgtcctcgtccaccgacgtgggcattattgatgggctgagcggcctgtcctcctctgtggatgactaccctgtggataccatcgccaaacggttcagatacgattccgcgctggtgtcggccctgatggacatggaggaggacatcctggagggaatgagatcacaagatctggacgactacctcaacgggcccttcacggtggtggtcaaggaatcgtgcgatggaatgggcgacgtgtcggagaagcacggttccggacctgtggtgccggaaaaggccgtgcgcttctccttcaccatcatgaagatcaccattgcgcatagctcccagaacgtcaaagtgttcgaagaggccaagccgaactcagagctctgctgcaagccgctgtgcctgatgttggcggacgagagcgatcacgaaaccctgaccgccattctgtcgcctctgatcgcggagagggaggccatgaagtcctccgaactgatgctggagctgggcggtattttgcggacttttaagttcatcttccggggaaccggttatgacgaaaagctcgtgcgcgaagtggagggcctggaagcctcaggctccgtctacatctgcactctctgcgacgccacccggctggaggcgtcacagaatcttgtgttccactcgatcactaggtcccacgcggagaacctggaacgctatgaggtctggcgctctaacccataccacgaatccgtggaagaacttcgggacagagtgaagggagtgtcagcaaagcctttcattgaaaccgtgcctagcatcgacgccctccattgcgacatcggcaacgccgccgagttctacaagatcttccagcttgagatcggggaagtgtacaagaacccgaacgcctccaaggaagaaagaaagcggtggcaggctacccttgacaaacacctccgcaagaagatgaacctgaagcccattatgcggatgaacggaaacttcgctaggaagctgatgactaaggaaacggtcgacgcggtctgtgaactgatccccagcgaagaacgacatgaagcgctgcgcgaactcatggacctgtacctgaagatgaagcctgtctggcggagctcgtgccctgccaaggagtgcccggagtcgctgtgtcagtacagctttaacagccaaaggttcgcagagctgctgtcgaccaagttcaagtacagatacgaaggaaagattaccaactacttccacaagactctcgctcacgtgcccgagattatcgaacgcgatggttccatcggggcctgggcctccgagggcaacgagtcgggcaacaagttgttccgccggtttagaaagatgaacgcccgccagtccaagtgctacgaaatggaagatgtgctgaagcatcactggctgtatacctccaagtacctccagaagttcatgaacgcacataacgccctcaagacctccgggttcaccatgaacccccaggcctccctcggtgaccctctgggaattgaagatagcttggagagccaggactcgatggaattctagctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggatccggaacaggtgtgataatgagagatcttgcgttccaacgagaaactaatgtt
【0567】
ポリA
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【0568】
HA_右
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【0569】
PGK_GFP_BGHポリAを保持するAAV6ベクター、ガイド3:
挿入物
gcaaagatgaatcaaagattctgtccttaaagaccttaaggtttttgtggaaggaaataaaactttacatgtatatatttaagcacttatatgtgtgtaacaggtataagtaaccataaacactgtcagaagaggaaataactctatgatcagcacctaacatgatatattaaggtagaagatttaatacatatcttttggaatacatgaataaataattgaatgtatttatttttattatttataagatacatcagtgggatattgatattggtcttaatatgacttgttttcattgttctcaggtacctcagccagcatggcagcctctttcccacccaccttgggactcagttctgccccagataccggtatggccacggggttggggttgcgccttttccaaggcagccctgggtttgcgcagggacgcggctgctctgggcgtggttccgggaaacgcagcggcgccgaccctgggtctcgcacattcttcacgtccgttcgcagcgtcacccggatcttcgccgctacccttgtgggccccccggcgacgcttcctgctccgcccctaagtcgggaaggttccttgcggttcgcggcgtgccggacgtgacaaacggaagccgcacgtctcactagtaccctcgcagacggacagcgccagggagcaatggcagcgcgccgaccgcgatgggctgtggccaatagcggctgctcagcagggcgcgccgagagcagcggccgggaaggggcggtgcgggaggcggggtgtggggcggtagtgtgggccctgttcctgcccgcgcggtgttccgcattctgcaagcctccggagcgcacgtcggcagtcggctccctcgttgaccgaatcaccgacctctctccccagggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggggatccggaacaggtgtgataatgagagatcttgcgttccaacgagaaactaatgtttctagaaattcagcacccacatattaaattttcagaatggaaatttaagctgttccgggtgagatcctttgaaaagacacctgaagaagctcaaaaggaaaagaaggattcctttgaggggaaaccctctctggagcaatctccagcagtcctggacaaggctgatggtcagaagccagtcccaactcagccattgttaaaagcccaccctaagttttcaaagaaatttcacgacaacgagaaagcaagaggcaaagcgatccatcaagccaaccttcgacatctctgccgcatctgtgggaattcttttagagctgatgagcacaacaggagatatccagtccatggtcctgtggatggtaaaaccctaggccttttacgaaagaaggaaaagagagc
【0570】
HA_左
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【0571】
PGKプロモーター
ccacggggttggggttgcgccttttccaaggcagccctgggtttgcgcagggacgcggctgctctgggcgtggttccgggaaacgcagcggcgccgaccctgggtctcgcacattcttcacgtccgttcgcagcgtcacccggatcttcgccgctacccttgtgggccccccggcgacgcttcctgctccgcccctaagtcgggaaggttccttgcggttcgcggcgtgccggacgtgacaaacggaagccgcacgtctcactagtaccctcgcagacggacagcgccagggagcaatggcagcgcgccgaccgcgatgggctgtggccaatagcggctgctcagcagggcgcgccgagagcagcggccgggaaggggcggtgcgggaggcggggtgtggggcggtagtgtgggccctgttcctgcccgcgcggtgttccgcattctgcaagcctccggagcgcacgtcggcagtcggctccctcgttgaccgaatcaccgacctctctccccagg
【0572】
KOZAK
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【0573】
GFP
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【0574】
ポリA
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【0575】
HA_右
aattcagcacccacatattaaattttcagaatggaaatttaagctgttccgggtgagatcctttgaaaagacacctgaagaagctcaaaaggaaaagaaggattcctttgaggggaaaccctctctggagcaatctccagcagtcctggacaaggctgatggtcagaagccagtcccaactcagccattgttaaaagcccaccctaagttttcaaagaaatttcacgacaacgagaaagcaagaggcaaagcgatccatcaagccaaccttcgacatctctgccgcatctgtgggaattcttttagagctgatgagcacaacaggagatatccagtccatggtcctgtggatggtaaaaccctaggccttttacgaaagaaggaaaagagagc
【0576】
TET_Cas9_PGK_Puroを保持するレンチウイルスベクター
挿入物
atggactataaggaccacgacggagactacaaggatcatgatattgattacaaagacgatgacgataagatggccccaaagaagaagcggaaggtcggtatccacggagtcccagcagccgacaagaagtacagcatcggcctggacatcggcaccaactctgtgggctgggccgtgatcaccgacgagtacaaggtgcccagcaagaaattcaaggtgctgggcaacaccgaccggcacagcatcaagaagaacctgatcggagccctgctgttcgacagcggcgaaacagccgaggccacccggctgaagagaaccgccagaagaagatacaccagacggaagaaccggatctgctatctgcaagagatcttcagcaacgagatggccaaggtggacgacagcttcttccacagactggaagagtccttcctggtggaagaggataagaagcacgagcggcaccccatcttcggcaacatcgtggacgaggtggcctaccacgagaagtaccccaccatctaccacctgagaaagaaactggtggacagcaccgacaaggccgacctgcggctgatctatctggccctggcccacatgatcaagttccggggccacttcctgatcgagggcgacctgaaccccgacaacagcgacgtggacaagctgttcatccagctggtgcagacctacaaccagctgttcgaggaaaaccccatcaacgccagcggcgtggacgccaaggccatcctgtctgccagactgagcaagagcagacggctggaaaatctgatcgcccagctgcccggcgagaagaagaatggcctgttcggaaacctgattgccctgagcctgggcctgacccccaacttcaagagcaacttcgacctggccgaggatgccaaactgcagctgagcaaggacacctacgacgacgacctggacaacctgctggcccagatcggcgaccagtacgccgacctgtttctggccgccaagaacctgtccgacgccatcctgctgagcgacatcctgagagtgaacaccgagatcaccaaggcccccctgagcgcctctatgatcaagagatacgacgagcaccaccaggacctgaccctgctgaaagctctcgtgcggcagcagctgcctgagaagtacaaagagattttcttcgaccagagcaagaacggctacgccggctacattgacggcggagccagccaggaagagttctacaagttcatcaagcccatcctggaaaagatggacggcaccgaggaactgctcgtgaagctgaacagagaggacctgctgcggaagcagcggaccttcgacaacggcagcatcccccaccagatccacctgggagagctgcacgccattctgcggcggcaggaagatttttacccattcctgaaggacaaccgggaaaagatcgagaagatcctgaccttccgcatcccctactacgtgggccctctggccaggggaaacagcagattcgcctggatgaccagaaagagcgaggaaaccatcaccccctggaacttcgaggaagtggtggacaagggcgcttccgcccagagcttcatcgagcggatgaccaacttcgataagaacctgcccaacgagaaggtgctgcccaagcacagcctgctgtacgagtacttcaccgtgtataacgagctgaccaaagtgaaatacgtgaccgagggaatgagaaagcccgccttcctgagcggcgagcagaaaaaggccatcgtggacctgctgttcaagaccaaccggaaagtgaccgtgaagcagctgaaagaggactacttcaagaaaatcgagtgcttcgactccgtggaaatctccggcgtggaagatcggttcaacgcctccctgggcacataccacgatctgctgaaaattatcaaggacaaggacttcctggacaatgaggaaaacgaggacattctggaagatatcgtgctgaccctgacactgtttgaggacagagagatgatcgaggaacggctgaaaacctatgcccacctgttcgacgacaaagtgatgaagcagctgaagcggcggagatacaccggctggggcaggctgagccggaagctgatcaacggcatccgggacaagcagtccggcaagacaatcctggatttcctgaagtccgacggcttcgccaacagaaacttcatgcagctgatccacgacgacagcctgacctttaaagaggacatccagaaagcccaggtgtccggccagggcgatagcctgcacgagcacattgccaatctggccggcagccccgccattaagaagggcatcctgcagacagtgaaggtggtggacgagctcgtgaaagtgatgggccggcacaagcccgagaacatcgtgatcgaaatggccagagagaaccagaccacccagaagggacagaagaacagccgcgagagaatgaagcggatcgaagagggcatcaaagagctgggcagccagatcctgaaagaacaccccgtggaaaacacccagctgcagaacgagaagctgtacctgtactacctgcagaatgggcgggatatgtacgtggaccaggaactggacatcaaccggctgtccgactacgatgtggaccatatcgtgcctcagagctttctgaaggacgactccatcgacaacaaggtgctgaccagaagcgacaagaaccggggcaagagcgacaacgtgccctccgaagaggtcgtgaagaagatgaagaactactggcggcagctgctgaacgccaagctgattacccagagaaagttcgacaatctgaccaaggccgagagaggcggcctgagcgaactggataaggccggcttcatcaagagacagctggtggaaacccggcagatcacaaagcacgtggcacagatcctggactcccggatgaacactaagtacgacgagaatgacaagctgatccgggaagtgaaagtgatcaccctgaagtccaagctggtgtccgatttccggaaggatttccagttttacaaagtgcgcgagatcaacaactaccaccacgcccacgacgcctacctgaacgccgtcgtgggaaccgccctgatcaaaaagtaccctaagctggaaagcgagttcgtgtacggcgactacaaggtgtacgacgtgcggaagatgatcgccaagagcgagcaggaaatcggcaaggctaccgccaagtacttcttctacagcaacatcatgaactttttcaagaccgagattaccctggccaacggcgagatccggaagcggcctctgatcgagacaaacggcgaaaccggggagatcgtgtgggataagggccgggattttgccaccgtgcggaaagtgctgagcatgccccaagtgaatatcgtgaaaaagaccgaggtgcagacaggcggcttcagcaaagagtctatcctgcccaagaggaacagcgataagctgatcgccagaaagaaggactgggaccctaagaagtacggcggcttcgacagccccaccgtggcctattctgtgctggtggtggccaaagtggaaaagggcaagtccaagaaactgaagagtgtgaaagagctgctggggatcaccatcatggaaagaagcagcttcgagaagaatcccatcgactttctggaagccaagggctacaaagaagtgaaaaaggacctgatcatcaagctgcctaagtactccctgttcgagctggaaaacggccggaagagaatgctggcctctgccggcgaactgcagaagggaaacgaactggccctgccctccaaatatgtgaacttcctgtacctggccagccactatgagaagctgaagggctcccccgaggataatgagcagaaacagctgtttgtggaacagcacaagcactacctggacgagatcatcgagcagatcagcgagttctccaagagagtgatcctggccgacgctaatctggacaaagtgctgtccgcctacaacaagcaccgggataagcccatcagagagcaggccgagaatatcatccacctgtttaccctgaccaatctgggagcccctgccgccttcaagtactttgacaccaccatcgaccggaagaggtacaccagcaccaaagaggtgctggacgccaccctgatccaccagagcatcaccggcctgtacgagacacggatcgacctgtctcagctgggaggcgacaaaaggccggcggccacgaaaaaggccggccaggcaaaaaagaaaaagtaaggatccggggttggggttgcgccttttccaaggcagccctgggtttgcgcagggacgcggctgctctgggcgtggttccgggaaacgcagcggcgccgaccctgggtctcgcacattcttcacgtccgttcgcagcgtcacccggatcttcgccgctacccttgtgggccccccggcgacgcttcctgctccgcccctaagtcgggaaggttccttgcggttcgcggcgtgccggacgtgacaaacggaagccgcacgtctcactagtaccctcgcagacggacagcgccagggagcaatggcagcgcgccgaccgcgatgggctgtggccaatagcggctgctcagcagggcgcgccgagagcagcggccgggaaggggcggtgcgggaggcggggtgtggggcggtagtgtgggccctgttcctgcccgcgcggtgttccgcattctgcaagcctccggagcgcacgtcggcagtcggctccctcgttgaccgaatcaccgacctctctccccagcaattcaccatgaccgagtacaagcccacggtgcgcctcgccacccgcgacgacgtccccagggccgtacgcaccctcgccgccgcgttcgccgactaccccgccacgcgccacaccgtcgatccggaccgccacatcgagcgggtcaccgagctgcaagaactcttcctcacgcgcgtcgggctcgacatcggcaaggtgtgggtcgcgg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【0577】
Cas9
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【0578】
PGKプロモーター
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【0579】
ピューロマイシン
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【0580】
rTTA
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【0581】
WPRE
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【0582】
フローサイトメトリー解析(FACS)及び細胞選別
様々な細胞型及び細胞集団におけるGFPカセットの組み込みを評価するため、解析を実施した。未染色の及び単一染色した細胞又は補償ビーズを、陰性及び陽性の対照として用いた。アポトーシス/壊死の検出のため、7-アミノアクチノマイシンD (7-AAD、BD Pharming)及びパシフィックブルー(PB)アネキシンV(Biolegend)で細胞を染色した。HSCは、フィコエリスリンシアニン7 (PECy7) CD34 (クローン: AC136、Miltenyi Biotec)、フィコエリスリン(PE) CD133 (Miltenyi Biotec)、アロフィコシアニン(APC) CD90 (BD Biosciences)で染色した。CD133/CD90編集細胞についての細胞選別は、MoFlo XDP Cell Sorter (Beckman Coulter)を用いて実施した。
【0583】
マウスの解析のため、骨髄、脾、胸腺、及び末梢血から単一細胞懸濁液を得て、以下の抗ヒト抗体、CD45 (クローンREA757)、CD3(クローンREA613) (Miltenyi biotech)、CD19 (クローンSJ25C1)、CD13 (クローンWM15) (BD Biosciences)で染色した。それぞれの染色の前に、BD Pharmingen製のヒトF-Block及びマウスCD16/CD32を用いてヒト及びマウスのFcのブロッキングを実施した。死細胞を除外するために、Live/Dead Fixable Yellow (Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA)を抗体混合物に添加した。FACSCanto II (BD)上に試料を取得し、FlowJoソフトウェア(TreeStar, Ashland, Ore)によって解析した。
【0584】
MPB-CD34+細胞のHSPC組成の解析は、Basso-Ricci Lら、Cytom Part A. 2017; 91(10):952-65に記載されたプロトコールに従って実施した。簡単に述べると、1.5×105個の細胞をCD3、CD56、CD14、CD61/41、CD135、CD34、CD45RA (Biolegend)並びにCD33、CD66b、CD38、CD45、CD90、CD10、CD11c、CD19、CD7、及びCD71 (BD Biosciences)に対する蛍光抗体で標識した。全ての試料はRainbowビーズ (Spherotech)較正の後にBD LSR-Fortessa (BD Bioscience)サイトフルオリメーターによって取得し、DIVAソフトウェア (BD Biosciences)によって生データを収集した。続いてデータをFlowJoソフトウェアバージョン9.3.2 (TreeStar)で解析し、Prism 6.0c (GraphPad software)によってグラフ出力を自動的に生成させた。
【0585】
AAV6の作製及び力価測定
AAVベクターは、リン酸カルシウムによるHEK293細胞の一過性三重トランスフェクションによって作製した。翌日、培地を無血清DMEMに交換し、トランスフェクションの72時間後に細胞を収穫した。3ラウンドの凍結解凍によって細胞を溶解してウイルス粒子を放出させ、ライセートをDNAseI及びRNAse Iとともにインキュベートして核酸を除去した。次いでAAVベクターを逐次的な2ラウンドの塩化セシウム(CsCl2)勾配によって精製した。それぞれのウイルス調製物について、TaqManを用いるPCR定量によって、物理的力価(ゲノムコピー数/mL)を決定した。
【0586】
細胞系におけるAAV6遺伝子編集プロトコール
1ウェルあたり2×105 /5×105個の細胞を、プラスミド又はRNPのいずれかとともに電気穿孔した(Lonza、SF Cell line 4D Nucleofector X Kit、K562についてプログラムFF120、又はNALM6についてプログラムDC100)。電気穿孔の15分後に、様々なMOI、即ち104、5×104、105ベクターゲノム/細胞(Vg/細胞)で、細胞にAAV6を感染させた。
【0587】
CD34+細胞
ヒト臍帯血CD34+細胞 (CB CD34+細胞) はLonza (Poietics(商標)、cat# 2C 101)から入手した。CB CD34+細胞/mlを、ペニシリン/ストレプトマイシン抗生剤及び初期作用性サイトカイン:幹細胞因子 (SCF) 100ng/ml、Flt3リガンド (Flts-L) 100ng/ml、トロンボポエチン (TPO) 20ng/ml、インターロイキン6 (IL- 6) 20ng/ml、StemRegenin1 (SR1) (1μM)、及び16,16-ジメチルプロスタグランジンE2 (dmPGE2) (10μM)、UM171 50nMを補足したStemSpan培地中で刺激した。患者の動員された末梢血のCD34+細胞 (CB CD34+細胞) はDr. Luigi Notarangelo (Laboratory of Clinical Immunology and Microbiology, Division of Intramural Research, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Bethesda, MD, United States)から恵与を受けた。MPB CD34+細胞/mlを、ペニシリン/ストレプトマイシン抗生剤及び初期作用性サイトカイン: 幹細胞因子 (SCF) 300ng/ml、Flt3 リガンド(Flts-L) 300ng/ml、トロンボポエチン(TPO) 100ng/ml、インターロイキン3 (IL- 3) 60ng/ml、StemRegenin1 (SR1) (1μM)、及び16,16-ジメチルプロスタグランジンE2 (dmPGE2) (10μM)、UM171 50nMを補足したStemSpan培地中で刺激した。
【0588】
CD34+細胞におけるAAV6遺伝子編集プロトコール
増殖の3日後に、1条件あたり2×105個のCD34+細胞をRNPとともに電気穿孔した(Lonza、P3 Primary Cell 4DNucleofector X Kit、CD34+プログラム)。細胞が移植を目的としている場合には、GSE56 mRNA (p53阻害剤)を150μg/mlの用量で添加した。電気穿孔の15分後に、様々なMOI、即ち104、5×104、105Vg/細胞で、CD34+細胞にAAV6を感染させた。
デジタルPCR
【0589】
標的組み込みを評価するために、デジタルPCR (ddPCR)を実施した。手短には、Nanodropを用いてgDNAを定量し、H2O中で希釈して1反応あたり5~10ng (1~2ng/μl)とした。1反応あたりのgDNAの量を増加させることは可能であるが、システムの飽和限界未満に留めることが重要である。1反応あたり11μlのddPCR Supermix for Probes (dUTPなし; BioRad)、1.1μlのプライマーミックス Primer forward + Primer reverse (最終濃度0.9μM) + Probe (最終濃度0.25μM)、1.1μlのノーマライザープライマーミックス、4.9μlのH2Oを添加することによって、ddPCRマスターミックスを調製した。最後に、17μlのddPCRマスターミックスと5μlの希釈gDNAを各ウェルに添加した(システムをバリデートするため、陰性対照としてUT及びH2Oを、陽性対照としてモノ-又はビ-アレリックなクローンを含ませた)。BioRad AutoDG Automated Droplet Generatorの上で液滴を調製し、BioRad PX1 PCR Plate Sealerを用いて液滴プレートをフォイルでシールした。シールしたプレートをBioRad T100 Thermal Cyclerの中に置き、適切なPCRプログラムを運転した。運転はBioRad QX200 Droplet Readerで読み取った。
【0590】
ゲノムあたりの計算コピー: 濃度 (コピー数/μl) 目的の遺伝子 / 濃度 (コピー数/μl) ノーマライザー遺伝子×2 HDRの計算パーセンテージ: ゲノムあたりコピー数×100。
【0591】
最適化されたPCRプログラム(40サイクル)
・ 95℃×10分
・ 94℃×30秒×40
・ 55℃×1分
・ 72℃×2分
・ 98℃×10分
・ 4℃に保持
【0592】
ddPCRアッセイに用いたプライマー及びプローブは以下の通りである。
【0593】
【0594】
マウス及び移植プロトコール
NOD-scid IL2Rgnullマウス (NSG; Charles River)はCharles River Laboratories Inc. (Calco, Italy) から購入し、特定病原体フリー(SPF)状態に維持した。亜致死的全身照射(120rad)のほぼ6時間後に、リン酸塩緩衝食塩水中の処理済みHSCPの静脈内注射によって、8~10週でマウスに移植した。感染を防止するため、移植後最初の2週間は硫酸ゲンタマイシン(Italfarmaco, Milan, Italy) (8mg/mL)を飲料水中で投与した。犠牲死までマウスを追跡し、ex vivo解析のために安楽死させた。
【0595】
統計解析
正規性の仮定が満たされない場合には、ノンパラメトリック統計検定を実施した。より多くの群を比較する場合には、多重比較事後検定を含むKruskal-Wallis検定を実施した。正規性の仮定が満たされる場合には、双方向分散分析(ANOVA)を用いた。経時的な繰り返し測定のため、Bonferroniの多重比較事後検定を含む双方向ANOVAを利用した。値は平均±SDとして表す。
【0596】
[実施例2]
結果及び考察
修正ドナーのスクリーニング
3'UTRの役割及び選択戦略をさらに探索するため、以下に5~8と番号付けしたさらなる修正ドナー配列を設計し、以下に1~4と番号付けした配列と比較した(
図11A):
1. SA_GFPの下流のウシ成長ホルモン(BGH)ポリAを保持する構築物(SA_GFP_BGH);
2. SA_GFPの下流、かつBGHポリAの上流のウッドチャック肝炎ウイルス転写後制御エレメント(WPRE)を保持する構築物(SA_GFP_WPRE);
3. 修正された配列及び内因性RAG1及びそれに続く3'UTR配列を含む融合転写物を得るためにSA_GFPカセットの下流にスプライスドナーを含む構築物(SA_GFP_SD);
4. SA_GFPカセットに続く同じ内因性RAG1 3'UTRを含む構築物 (SA_GFP_3'UTR);
5. SA_GFPカセット及びそれに続く内因性RAG1 3'UTR及びBGHポリAを含む構築物(SA_GFP_3'UTR_BGH);
6. SA_GFPカセット及びそれに続く内部リボソーム侵入部位配列(IRES)、臨床的に適合するセレクター(C末端で切断された低親和性のNGFR受容体、以下NGFRと称する)、及びBGHポリA配列を含む構築物 (SA_GFP_IRES_NGFR_BGH)。この戦略は、NGFRセレクターによる編集された細胞の富化並びにIRES及びmRNAの安定化によるGFP発現の改善を可能にすると思われる;
7. SA_GFPカセット及びそれに続くIRES、プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、及びスレオニン(T)に富むペプチド配列(PEST)、並びにスプライスドナー配列を含む構築物(SA_GFP_IRES_PEST_SD)。この構築物は、修正された配列及び内因性RAG1及びそれに続く3'UTR配列を含む融合転写物をもたらすことになる(内因性RAG1タンパク質は、PESTシグナルペプチドにより、プロテアソーム分解を介して不安定化されることが予想される);
8. 内部陽性対照としてのPGKプロモーターによって駆動されるGFP発現を含む構築物(PGK_GFP-BGH)。
【0597】
上記のドナーをスクリーニングするため、NALM6細胞にRNPとしてのガイド9及びCas9 (25pmol)並びに直鎖化DNA断片(1600ng)としてのドナーをトランスフェクトし、RPMI及び10% FBSの培養中に保持した。RAG1遺伝子が主として発現されるG0/G1相に細胞サイクルを同期化するため、トランスフェクションの16日後に細胞を血清飢餓状態にした(
図11B)。
【0598】
GFPの発現を、経時的なフローサイトメトリーによって、GFP+細胞のパーセンテージ及びGFPの平均蛍光強度(MFI)として評価した。NALM6は編集を許容し難いので、全ての条件下でGFP+細胞の割合は予想通り少なかった。SA_GFP_SD及びSA_GFP_3'UTR構築物で編集した細胞はSA_GFP_BGHによって得られた細胞より低いMFIを有することを示す
図3に記載したデータが確認された(
図11C)。さらに、SA_GFP_IRES_NGFR_BGH及びSA_GFP_IRES_PEST_SDは、他の構築物と比較して、GFPの発現を改善しなかった(
図11C)。
【0599】
RAG1プロモーターによって調節された場合の導入遺伝子発現の調節を評価するため、血清飢餓(starv)の4日、5日、及び7日後のGFPの発現を解析した。3'UTRを保持するか、内因性3'UTRを(SD配列によって)用いている全てのドナーが、飢餓に際してGFP発現の調節をもたらすことが見出された(
図11D)。
【0600】
RAG1遺伝子座のHDR効率及びT細胞の分化の可能性に対する編集エンハンサーの効果
RAG1の欠損を修正する遺伝子編集アプローチの有効性をさらに理解するため、DLL4を発現する間質細胞系(MS5-hDLL4)と、骨髄又は動員された末梢血から単離されたCD34+細胞との凝集に基づく人工胸腺オルガノイド(ATO)と称される新規なオルガノイドプラットフォームを利用した。ATOプラットフォーム(Seetら、(2017) Nat Methods)は、ヒトT細胞の分化の最初のステップを研究するための好適なツールである。T細胞の分化に対する遺伝子編集手順の影響を評価し、正確な修正がT細胞の分化の妨害の克服をどの程度可能にするかを評価するために、このプラットフォームを採用した。
【0601】
この目的のため、健康なドナー(HD)由来の動員された末梢血(MPB)又は骨髄(BM)から得られたCD34+細胞を用いてATOシステムを設定し、最適化した。編集の1日後に、CD34+細胞をMS5-hDLL4細胞とともに凝集させ、4~7週、培養中に保持して、T細胞の分化の可能性及び編集効率を評価した(
図12)。遺伝子編集されたCD34+細胞で生成したATOは、未処理のCD34+細胞を含むATOと比較して、低い細胞生存率を示した。
【0602】
おそらくp53応答の悪化によって惹起される高い毒性を克服するため、及び同時にHDR効率を増強するために、遺伝子編集エンハンサー化合物の効果を試験した。この目的のため、編集手順の間に、Ad5-E4orf6/7あり若しくはなしで、又はAd5-E4orf6/7単独で、優性阻害のp53 GSE56についてメッセンジャーRNAを利用した。Ad5-E4orf6/7は、Ad-AAV共感染におけるヘルパーとして知られているアデノウイルスタンパク質であり、生存及び細胞サイクルに関与するいくつかの成分と相互作用する。
【0603】
遺伝子編集エンハンサーであるGSE56若しくはAd5-E4orf6/7の単独又はGSE56とAd5-E4orf6/7の組合せ(COMBO)の存在下に、CD34+細胞を電気穿孔した。次いでHPSC細胞サブセット中の編集された細胞を追跡するために、細胞にAAV6ベクター、即ちスプライスアクセプター(SA)の下流にコドン最適化されたRAG1及びそれに続くBGHポリAを保持する修正ドナーベクター(SA_coRAG1_BGH polyA)又はPGK_GFP_BGHポリAを保持するAAV6ベクターを形質導入した(
図12A)。遺伝子編集の7日後に、SA-coRAG1-BGHポリAによって編集されたCD34+細胞についてddPCRによって、またPGK_GFP_BGHポリAによって編集されたCD34+細胞についてフローサイトメトリーによって、HDR効率を評価した。修正ドナーの存在下では、GSE56+Ad5-E4orf6/7 (COMBO) の存在下で実施した遺伝子編集条件において、編集されたアレルの頻度の有意な増加が分子解析によって明らかになった(
図12B)。顕著なことに、AAV6 PGK_GFP_BGHポリAによる遺伝子編集を受けたCD34+細胞は、最も原初的なHSPCサブセット(CD133+ CD90+)の中で40%のGFP陽性細胞の頻度を示した(
図12C)。
【0604】
さらに、遺伝子編集の前(0日目)及び後(4日目)に、MPB又はBM HSPC組成物のマルチパラメーター解析を実施した(
図12D)。主として増殖(拡大)プロトコールによるHSPCサブ集団の再分布を示す以前のデータ(
図10)が確認された。4日目における未処理の及び編集されたCD34+細胞において、骨髄球性共通前駆細胞(CMP)を代償として、造血幹細胞(HSC)、多能性前駆細胞(MPP)、及びマルチリンパ系前駆細胞(MLP)の相対的増殖が観察され、GSE56+Ad5-E4orf6/7 (COMBO)を用いる遺伝子編集プロトコールが組成物における幹細胞性を保存していることが示された(
図12D)。
【0605】
遺伝子編集から24時間後(4日目)に、CD34+細胞を洗浄し、計数し、MS5-hDLL4の存在下に播種して、4~7週のT細胞の分化に続く胸腺オルガノイドを形成させた。播種後4週目から開始して、ATOを解離し、修正ドナーによって編集したバルク細胞を分子解析(ddPCR)によってHDR効率について解析した一方、pGK_GFP_BGHポリA AAV6ベクターによって編集した細胞をフローサイトメトリーによって解析して、様々なT細胞サブセットの中のGFP+細胞の頻度を検出した。ATOの評価は、GSE56+E4orf6/7の組合せ作用の存在下におけるオルガノイドの形態の改善を示した(
図13A)。この知見は、Ad5-E4orf6/7によって編集されたCD34+とともに播種したATOから収穫した細胞の数の増大及びCOMBO処理による最大値への到達によって確認された(
図13B)。
【0606】
SA_coRAG1_BGHポリAによって編集されたCD34+から分化したT細胞におけるHDR頻度の分子解析によって、GSE56+Ad5-E4orf6/7の相乗効果がさらに確認され、COMBO条件における編集されたアレルの他と比較して高い割合が明らかになった(
図13C)。AAV6 PGK_GFP_BGHポリAによって編集され、形質導入されたCD34+細胞とともに播種したATOから得られた二重陰性(DN)、二重陽性(DP)、単一陽性(SP)のT細胞のフローサイトメトリー解析は、COMBO条件においてGFP+細胞の最大の頻度を示した(
図13D)。GSE56+Ad5-E4orf6/7の相乗効果は、RAG1欠損症患者には存在しない関連のサブ集団であるTCRα/β+細胞サブセットにおいて、より明らかであった。
【0607】
全体として、これらのデータは、遺伝子編集エンハンサーの使用によって、CD34+細胞におけるHDR編集効率が劇的に増強される一方、T細胞系列へ分化するそれらの細胞の能力が保存されることを示している。
【0608】
材料及び方法
ドナー構築物
プラスミドのクローニングは、一般的な分子生物学手法を用いて実施した。簡単に述べると、制限酵素(New England BioLabs)を用いてプラスミドを消化し、適正な断片を分離して、アガロースゲル電気泳動によって精製した。QIAquick PCR Purification Kit (QIAGEN)による精製の後で、Quick Ligase又はT4 Ligaseのいずれかによって、脱リン酸化及び直鎖化した骨格に断片を挿入した。ライゲーションの後で、化学的にコンピテントなTOP10大腸菌(E. coli)細菌を形質転換し、抗生剤を含むプレートに播種した。プラスミドDNAを抽出し、Wizard Plus SV Minipreps DNA Purification System (Promega) 及びEndoFree Plasmid Maxi Kit (QIAGEN) を用いて精製した。制御消化によってコロニーをスクリーニングし、シーケンシングした。さらなる挿入物の配列を以下に示す。
【0609】
SA_GFP_3'UTR_BGHを保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactggatccgtagggcaaccacttatgagttggtttttgcaattgagtttccctctgggttgcattgagggcttctcctagcaccctttactgctgtgtatggggcttcaccatccaagaggtggtaggttggagtaagatgctacagatgctctcaagtcaggaatagaaactgatgagctgattgcttgaggcttttagtgagttccgaaaagcaacaggaaaaatcagttatctgaaagctcagtaactcagaacaggagtaactgcaggggaccagagatgagcaaagatctgtgtgtgttggggagctgtcatgtaaatcaaagccaaggttgtcaaagaacagccagtgaggccaggaaagaaattggtcttgtggttttcatttttttcccccttgattgattatattttgtattgagatatgataagtgccttctatttcatttttgaataattcttcatttttataattttacatatcttggcttgctatataagattcaaaagagctttttaaatttttctaataatatcttacatttgtacagcatgatgacctttacaaagtgctctcaatgcatttacccattcgttatataaatatgttacatcaggacaactttgagaaaatcagtccttttttatgtttaaattatgtatctattgtaaccttcagagtttaggaggtcatctgctgtcatggatttttcaataatgaatttagaatacacctgttagctacagttagttattaaatcttctgataatatatgtttacttagctatcagaagccaagtatgattctttatttttactttttcatttcaagaaatttagagtttccaaatttagagcttctgcatacagtcttaaagccacagaggcttgtaaaaatataggttagcttgatgtctaaaaatatatttcatgtcttactgaaacattttgccagactttctccaaatgaaacctgaatcaatttttctaaatctaggtttcatagagtcctctcctctgcaatgtgttattctttctataatgatcagtttactttcagtggattcagaattgtgtagcaggataaccttgtatttttccatccgctaagtttagatggagtccaaacgcagtacagcagaagagttaacatttacacagtgctttttaccactgtggaatgttttcacactcatttttccttacaacaattctgaggagtaggtgttgttattatctccatttgatgggggtttaaatgatttgctcaaagtcatttaggggtaataaatacttggcttggaaatttaacacagtccttttgtctccaaagcccttcttctttccaccacaaattaatcactatgtttataaggtagtatcagaatttttttaggattcacaactaatcactatagcacatgaccttgggattacatttttatggggcaggggtaagcaagtttttaaatcatttgtgtgctctggctcttttgatagaagaaagcaacacaaaagctccaaagggccccctaaccctcttgtggctccagttatttggaaactatgatctgcatccttaggaatctgggatttgccagttgctggcaatgtagagcaggcatggaattttatatgctagtgagtcataatgatatgttagtgttaattagttttttcttcctttgattttattggccataattgctactcttcatacacagtatatcaaagagcttgataatttagttgtcaaaagtgcatcggcgacattatctttaattgtatgtatttggtgcttcttcagggattgaactcagtatctttcattaaaaaacacagcagttttccttgctttttatatgcagaatatcaaagtcatttctaatttagttgtcaaaaacatatacatattttaacattagtttttttgaaaactcttggttttgtttttttggaaatgagtgggccactaagccacactttcccttcatcctgcttaatccttccagcatgtctctgcactaataaacagctaaattcacataatcatcctatttactgaagcatggtcatgctggtttatagattttttacccatttctactctttttctctattggtggcactgtaaatactttccagtattaaattatccttttctaacactgtaggaactattttgaatgcatgtgactaagagcatgatttatagcacaacctttccaataatcccttaatcagatcacattttgataaaccctgggaacatctggctgcaggaatttcaatatgtagaaacgctgcctatggttttttgcccttactgttgagactgcaatatcctagaccctagttttatactagagttttatttttagcaatgcctattgcaagtgcaattatatactccagggaaattcaccacactgaatcgagcatttgtgtgtgtatgtgtgaagtatatactgggacttcagaagtgcaatgtatttttctcctgtgaaacctgaatctacaagttttcctgccaagccactcaggtgcattgcagggaccagtgataatggctgatgaaaattgatgattggtcagtgaggtcaaaaggagccttgggattaataaacatgcactgagaagcaagaggaggagaaaaagatgtctttttcttccaggtgaactggaatttagttttgcctcagatttttttcccacaagatacagaagaagataaagatttttttggttgagagtgtgggtcttgcattacatcaaacagagttcaaattccacacagataagaggcaggatatataagcgccagtggtagttgggaggaataaaccattatttggatgcaggtggtttttgattgcaaatatgtgtgtgtcttcagtgattgtatgacagatgatgtattcttttgatgttaaaagattttaagtaagagtagatacattgtacccattttacattttcttattttaactacagtaatctacataaatatacctcagaaatcatttttggtgattattttttgttttgtagaattgcacttcagtttattttcttacaaataaccttacattttgtttaatggcttccaagagccttttttttttttgtatttcagagaaaattcaggtaccaggatgcaatggatttatttgattcaggggacctgtgtttccatgtcaaatgttttcaaataaaatgaaatatgagtttcaatactttttatattttaatatttccattcattaatattatggttattgtcagcaattttatgtttgaatatttgaaataaaagtttaagatttgaaaatggtatgtattataatttctattcaaatattaataataatattgagtgcagcatttctaggatcctaaactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggtctagatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtg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【0610】
HA_左
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【0611】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0612】
KOZAK
gccgccaccatg
【0613】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0614】
3'UTR
gtagggcaaccacttatgagttggtttttgcaattgagtttccctctgggttgcattgagggcttctcctagcaccctttactgctgtgtatggggcttcaccatccaagaggtggtaggttggagtaagatgctacagatgctctcaagtcaggaatagaaactgatgagctgattgcttgaggcttttagtgagttccgaaaagcaacaggaaaaatcagttatctgaaagctcagtaactcagaacaggagtaactgcaggggaccagagatgagcaaagatctgtgtgtgttggggagctgtcatgtaaatcaaagccaaggttgtcaaagaacagccagtgaggccaggaaagaaattggtcttgtggttttcatttttttcccccttgattgattatattttgtattgagatatgataagtgccttctatttcatttttgaataattcttcatttttataattttacatatcttggcttgctatataagattcaaaagagctttttaaatttttctaataatatcttacatttgtacagcatgatgacctttacaaagtgctctcaatgcatttacccattcgttatataaatatgttacatcaggacaactttgagaaaatcagtccttttttatgtttaaattatgtatctattgtaaccttcagagtttaggaggtcatctgctgtcatggatttttcaataatgaatttagaatacacctgttagctacagttagttattaaatcttctgataatatatgtttacttagctatcagaagccaagtatgattctttatttttactttttcatttcaagaaatttagagtttccaaatttagagcttctgcatacagtcttaaagccacagaggcttgtaaaaatataggttagcttgatgtctaaaaatatatttcatgtcttactgaaacattttgccagactttctccaaatgaaacctgaatcaatttttctaaatctaggtttcatagagtcctctcctctgcaatgtgttattctttctataatgatcagtttactttcagtggattcagaattgtgtagcaggataaccttgtatttttccatccgctaagtttagatggagtccaaacgcagtacagcagaagagttaacatttacacagtgctttttaccactgtggaatgttttcacactcatttttccttacaacaattctgaggagtaggtgttgttattatctccatttgatgggggtttaaatgatttgctcaaagtcatttaggggtaataaatacttggcttggaaatttaacacagtccttttgtctccaaagcccttcttctttccaccacaaattaatcactatgtttataaggtagtatcagaatttttttaggattcacaactaatcactatagcacatgaccttgggattacatttttatggggcaggggtaagcaagtttttaaatcatttgtgtgctctggctcttttgatagaagaaagcaacacaaaagctccaaagggccccctaaccctcttgtggctccagttatttggaaactatgatctgcatccttaggaatctgggatttgccagttgctggcaatgtagagcaggcatggaattttatatgctagtgagtcataatgatatgttagtgttaattagttttttcttcctttgattttattggccataattgctactcttcatacacagtatatcaaagagcttgataatttagttgtcaaaagtgcatcggcgacattatctttaattgtatgtatttggtgcttcttcagggattgaactcagtatctttcattaaaaaacacagcagttttccttgctttttatatgcagaatatcaaagtcatttctaatttagttgtcaaaaacatatacatattttaacattagtttttttgaaaactcttggttttgtttttttggaaatgagtgggccactaagccacactttcccttcatcctgcttaatccttccagcatgtctctgcactaataaacagctaaattcacataatcatcctatttactgaagcatggtcatgctggtttatagattttttacccatttctactctttttctctattggtggcactgtaaatactttccagtattaaattatccttttctaacactgtaggaactattttgaatgcatgtgactaagagcatgatttatagcacaacctttccaataatcccttaatcagatcacattttgataaaccctgggaacatctggctgcaggaatttcaatatgtagaaacgctgcctatggttttttgcccttactgttgagactgcaatatcctagaccctagttttatactagagttttatttttagcaatgcctattgcaagtgcaattatatactccagggaaattcaccacactgaatcgagcatttgtgtgtgtatgtgtgaagtatatactgggacttcagaagtgcaatgtatttttctcctgtgaaacctgaatctacaagttttcctgccaagccactcaggtgcattgcagggaccagtgataatggctgatgaaaattgatgattggtcagtgaggtcaaaaggagccttgggattaataaacatgcactgagaagcaagaggaggagaaaaagatgtctttttcttccaggtgaactggaatttagttttgcctcagatttttttcccacaagatacagaagaagataaagatttttttggttgagagtgtgggtcttgcattacatcaaacagagttcaaattccacacagataagaggcaggatatataagcgccagtggtagttgggaggaataaaccattatttggatgcaggtggtttttgattgcaaatatgtgtgtgtcttcagtgattgtatgacagatgatgtattcttttgatgttaaaagattttaagtaagagtagatacattgtacccattttacattttcttattttaactacagtaatctacataaatatacctcagaaatcatttttggtgattattttttgttttgtagaattgcacttcagtttattttcttacaaataaccttacattttgtttaatggcttccaagagccttttttttttttgtatttcagagaaaattcaggtaccaggatgcaatggatttatttgattcaggggacctgtgtttccatgtcaaatgttttcaaataaaatgaaatatgagtttcaatactttttatattttaatatttccattcattaatattatggttattgtcagcaattttatgtttgaatatttgaaataaaagtttaagatttgaaaatggtatgtattataatttctattcaaatattaataataatattgagtgcagcatt
【0615】
BGH
actgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgccctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0616】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0617】
SA_GFP_IRES_NGFR_BGH-RAG1を保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactggatccgaattaactcgaggaattccgcccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccaacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataatatggccacaaccatgggagctggtgctaccggcagagctatggatggacctagactgctgctcctgctgctgctcggagtttctcttggcggagccaaagaggcctgtcctaccggcctgtatacacactctggcgagtgctgcaaggcctgcaatcttggagaaggcgtggcacagccttgcggcgctaatcagacagtgtgcgagccttgcctggacagcgtgacctttagcgacgtggtgtctgccaccgagccatgcaagccttgtaccgagtgtgtgggcctgcagagcatgtctgccccttgtgtggaagccgacgatgccgtgtgtagatgcgcctacggctactaccaggacgagacaacaggcagatgcgaggcctgtagagtgtgtgaagccggctctggactggtgttcagctgccaagacaagcagaacaccgtgtgcgaggaatgccccgatggcacctatagcgacgaggccaaccatgtagatccctgcctgccttgtactgtgtgcgaagataccgagcggcagctgcgcgagtgtacaagatgggctgatgccgagtgcgaagagatccccggcagatggatcaccagaagcacacctccagagggcagcgatagcacagccccttctacacaagagcccgaggctcctcctgagcaggatctgattgcctctacagtggccggcgtggtcacaacagtgatgggatcttctcagcccgtggtcaccagaggcaccaccgacaatctgatccccgtgtactgtagcatcctggccgccgtggttgtgggactcgtggcctatatcgccttcaagcggtggaaccggggcatcctgtaatgatctagcaacccgctgatcagcctcgactgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatggtctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0618】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0619】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0620】
KOZAK
gccgccaccatg
【0621】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0622】
IRES
gaattaactcgaggaattccgCccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccaacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataatatggccacaacc
【0623】
NGFR
atgggagctggtgctaccggcagagctatggatggacctagactgctgctcctgctgctgctcggagtttctcttggcggagccaaagaggcctgtcctaccggcctgtatacacactctggcgagtgctgcaaggcctgcaatcttggagaaggcgtggcacagccttgcggcgctaatcagacagtgtgcgagccttgcctggacagcgtgacctttagcgacgtggtgtctgccaccgagccatgcaagccttgtaccgagtgtgtgggcctgcagagcatgtctgccccttgtgtggaagccgacgatgccgtgtgtagatgcgcctacggctactaccaggacgagacaacaggcagatgcgaggcctgtagagtgtgtgaagccggctctggactggtgttcagctgccaagacaagcagaacaccgtgtgcgaggaatgccccgatggcacctatagcgacgaggccaaccatgtagatccctgcctgccttgtactgtgtgcgaagataccgagcggcagctgcgcgagtgtacaagatgggctgatgccgagtgcgaagagatccccggcagatggatcaccagaagcacacctccagagggcagcgatagcacagccccttctacacaagagcccgaggctcctcctgagcaggatctgattgcctctacagtggccggcgtggtcacaacagtgatgggatcttctcagcccgtggtcaccagaggcaccaccgacaatctgatccccgtgtactgtagcatcctggccgccgtggttgtgggactcgtggcctatatcgccttcaagcggtggaaccggggcatcctgtaa
【0624】
BGH
ctgtgccttctagttgccagccatctgttgtttgcccctcccccgtgccttccttgaccctggaaggtgccactcccactgtcctttcctaataaaatgaggaaattgcatcgcattgtctgagtaggtgtcattctattctggggggtggggtggggcaggacagcaagggggaggattgggaagacaatagcaggcatgctggggatgcggtgggctctatgg
【0625】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0626】
SA_GFP_IRES_PEST_SD-RAG1を保持するAAV6ベクター、ガイド9:
挿入物
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgtgaattcctgacctcttctcttcctcccacaggccgccaccatggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaaactggatccgaattaactcgaggaattccgcccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccaacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataatatggccacaaccatgaggaccgaggcccccgagggcaccgagagcgagatggagacccccagcgccatcaacggcaaccccagctggcacccggatccaggtaagttctagaatggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0627】
HA_左
tgagcacacagttattacttggaaattgtgtacagactaagttgaagatgttaggagggaagattgtgggccaagtaacggggtgtatgtgtgtgggtatagggtgggcagctgggatggaaatggggggctgctgctgctgctgcaccctggcctcctgaactaatgatatcactcaccagaaactactgttcctgcactgtccaagccaccccaaactagtttgtcaaaatgaatctgtgctgtgtggagggaggcacgcctgtagctctgatgtcagatggcaatgt
【0628】
スプライスアクセプター
ctgacctcttctcttcctcccacag
【0629】
KOZAK
gccgccaccatg
【0630】
GFP
atggtgagcaagggcgaggagctgttcaccggggtggtgcccatcctggtcgagctggacggcgacgtaaacggccacaagttcagcgtgtccggcgagggcgagggcgatgccacctacggcaagctgaccctgaagttcatctgcaccaccggcaagctgcccgtgccctggcccaccctcgtgaccaccctgacctacggcgtgcagtgcttcagtcgctaccccgaccacatgaagcagcacgacttcttcaagtccgccatgcccgaaggctacgtccaggagcgcaccatcttcttcaaggacgacggcaactacaagacccgcgccgaggtgaagttcgagggcgacaccctggtgaaccgcatcgagctgaagggcatcgacttcaaggaggacggcaacatcctggggcacaagctggagtacaactacaacagccacaacgtctatatcatggccgacaagcagaagaacggcatcaaggtgaacttcaagatccgccacaacatcgaggacggcagcgtgcagctcgccgaccactaccagcagaacacccccatcggcgacggccccgtgctgctgcctgacaaccactacctgagcacccagtccgccctgagcaaagaccccaacgagaagcgcgatcacatggtcctgctggagttcgtgaccgccgccgggatcactctcggcatggacgagctgtacaagtaa
【0631】
IRES
gaattaactcgaggaattccgCccctctccctcccccccccctaacgttactggccgaagccgcttggaataaggccggtgtgcgtttgtctatatgttattttccaccatattgccgtcttttggcaatgtgagggcccggaaacctggccctgtcttcttgacgagcattctaggggtctttcccctctcgccaaaggaatgcaaggtctgttgaatgtcgtgaaggaagcagttcctctggaagcttcttgaagacaaacaacgtctgtagcgaccctttgcaggcagcggaaccccccacctggcgacaggtgcctctgcggccaaaagccaacgtgtataagatacacctgcaaaggcggcacaaccccagtgccacgttgtgagttggatagttgtggaaagagtcaaatggctctcctcaagcgtattcaacaaggggctgaaggatgcccagaaggtaccccattgtatgggatctgatctggggcctcggtgcacatgctttacatgtgtttagtcgaggttaaaaaacgtctaggccccccgaaccacggggacgtggttttcctttgaaaaacacgatgataatatggccacaacc
【0632】
PEST
atgaggaccgaggcccccgagggcaccgagagcgagatggagacccccagcgccatcaacggcaaccccagctggcac
【0633】
スプライスドナー
aggtaagt
【0634】
HA_右
atggcagtggccggtggggacagggctgagccagcaccaaccactcagcctttgagatcccgaggctggtctactgctgagaccttttgttagaagagaggagatcaagcatttgcaaggtttctgagtgtcaaaatatgaatccaagataactctttcacaatcctaacttcatgctgtctacaggtccatattttagcctgctttctccatgttcatccgaaaagaaagaaaagctaagggtggtggtcatatttgaaattagccagatcttaagtttttctgggggaaatttagaagaaaatatggaaaagtgactatgagcaca
【0635】
細胞系におけるAAV6遺伝子編集プロトコール
1ウェルあたり5×105個の細胞を、プラスミド又はRNPのいずれかとともに電気穿孔した(Lonza、SF Cell line 4D Nucleofector X Kit、K562についてプログラムFF120、又はNALM6についてプログラムDC100)。ドナーDNAは、左及び右の相同アームの間の領域にわたる断片プラスミドとして、用量1600ngで電気穿孔によって送達した。
【0636】
CD34+細胞
ヒトMPB又はBMのCD34+細胞をLonzaから入手し、ペニシリン/ストレプトマイシン抗生剤及び初期作用性サイトカイン: 幹細胞因子 (SCF) 300ng/ml、Flt3リガンド(Flt3-L) 300ng/ml、トロンボポエチン(TPO) 100ng/ml、StemRegenin1 (SR1) (1μM)、及び16,16-ジメチルプロスタグランジンE2 (dmPGE2) (10μM)、UM171 35nMを補足したStemSpan培地中で刺激した。
【0637】
CD34+細胞におけるAAV6遺伝子編集プロトコール
増殖(拡大)の3日後に、1条件あたり2~5×105個のCD34+細胞を、RNPであるGSE56 mRNA (3μg/テスト)、Ad5-E4orf6/7 (1.5μg/テスト)、又はP2A自己切断ペプチドとの融合タンパク質としてのGSE56+Ad5-E4orf6/7 (5μg/テスト)とともに電気穿孔した(Lonza、P3 Primary Cell 4DNucleofector X Kit、CD34+プログラム)。電気穿孔の15分後に、CD34+細胞にAAV6を104Vg/細胞で感染させ、ペニシリン/ストレプトマイシン抗生剤及び初期作用性サイトカイン: 幹細胞因子(SCF) 300ng/ml、Flt3リガンド (Flt3-L) 300ng/ml、トロンボポエチン (TPO) 100ng/ml、StemRegenin1 (SR1) (1μM)、及びUM171 35nMを補足したStemSpan培地中で培養維持した。
【0638】
フローサイトメトリー解析(FACS)及び選別
GFP発現の解析のため、未染色の及び単一染色した細胞又は補償ビーズを、陰性及び陽性の対照として用いた。アポトーシス/壊死の検出のため、7-アミノアクチノマイシンD (7-AAD、BD Pharming)で細胞を染色した。CD34+細胞は、フィコエリスリンシアニン7 (PECy7) CD34 (クローン: AC136、Miltenyi Biotec)、フィコエリスリン (PE) CD133 (Miltenyi Biotec)、アロフィコシアニン (APC) CD90 (BD Biosciences)で染色した。CD133/CD90編集細胞についての細胞選別は、MoFlo XDP Cell Sorter (Beckman Coulter)を用いて実施した。
【0639】
MPB/BM-CD34+細胞についてのHSPC組成の解析は、Basso-Ricciら、(2017) Cytom Part A. 91: 952-65のプロトコールに従って実施した。簡単に述べると、1.5×105個の細胞を、CD3、CD56、CD14、CD61/41、CD135、CD34、CD45RA (Biolegend) 並びにCD33、CD66b、CD38、CD45、CD90、CD10、CD11c、CD19、CD7、及びCD71 (BD Biosciences) に対する蛍光抗体で標識した。全ての試料はRainbowビーズ (Spherotech) 較正の後でBD LSR-Fortessa (BD Bioscience) サイトフルオリメーターによって取得し、DIVAソフトウェア (BD Biosciences) によって生データを収集した。
【0640】
ATOからの細胞収穫の後、以下のmAb: TCRab APC (cl. IP26、eBioscience)、CD4 Alexa Fluor 700 (cl. OKT4、eBioscience)、CD19 PerCP-Cy5.5 (cl. HIB19、Biolegend)、CD56 FITC (cl. MEM-188、Biolegend)、CD8a PE/Dazzle (cl. RPA-T8、Biolegend)、CD45 V500 (cl. HI30、BD Biosciences)、CD3 BV421 (cl. UCHT1、BD Biosciences)、CD8b PE (cl. 2ST8.5H7、BD Biosciences)、LIVE/DEAD(商標)Fixable Yellow Dead Cell Stain Kit (Invitrogen)を用いるフローサイトメトリーによってT細胞の分化を解析した。全ての試料はRainbowビーズ(Spherotech) 較正の後でBD CantoII (BD Bioscience) サイトフルオリメーターによって取得し、DIVAソフトウェア (BD Biosciences) によって生データを収集した。
【0641】
続いてデータをFlowJoソフトウェアバージョン9.3.2 (TreeStar) で解析し、Prism 6.0c (GraphPad software)によってグラフ出力を自動的に生成させた。
【0642】
クローン形成アッセイ
CFU-Cアッセイは、編集手順の24時間後に、100IU/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを補足したメチルセルロース系培地(MethoCult H4434、StemCell Technologies)中で600個の細胞を播種することによって実施した。それぞれの条件について3回の技術的反復を実施した。播種の2週後にコロニーを計数し、形態学的基準に従って同定した。
【0643】
ATO培養系
ATOは、Seetら(Seetら、(2017) Nat Methods)に記載されているように生成させた。簡単に述べると、編集手順の1日後に、BM又はMPBの試料由来の5000~10000個のCD34+(市販で入手可能、Lonza)を、ATOあたり150000個のMS5-hDLL4細胞と合わせた。死細胞及びCD34-細胞を除外するフローサイトメトリー解析に従って、「真に」生きているCD34+細胞の数を正規化した。次いでそれぞれのATO(5μl)を0.4μMのMillicell Transwell挿入物に播種し、rhIL-7(5ng/ml)、rhFlt3-L(5ng/ml)、及び30μMのl-アスコルビン酸 2-ホスフェートセスキマグネシウム塩水和物を補足した1mlの完全RB27培地を含む6ウェルのプレートのウェルに入れた。それぞれの挿入物は、最大の2種のATOを含んでいた。培地は3~4日ごとに交換した。4週から9週で、MACS緩衝剤(7.5% BSA及び0.5 M EDTAを含むPBS)を各ウェルに添加し、ピペッティングしてATOを解離させることによって、ATOを収集した。次いで細胞をFACS緩衝剤(PBS 2% FBS)中に再懸濁し、計数して、以下の抗体: CD14 PE、CD45 PerCP-Cy5.5、CD1a APC、CD7 Alexa Fluor 700、CD5 PE-Cy7、CD34 VioBlue、CD56 FITC、CD8a APC、TCRab PerCP-Cy5.5、CD3 APC、CD4 PeVio770、CD8b PEで染色した。Yellow live deadを用いて死細胞を除外した。試料はFlowJoソフトウェアバージョン10.5.2 (FlowJo、LLC、Ashland、OR)を用いて解析した。
【0644】
デジタルPCR
標的組み込みを評価するために、デジタルPCR(ddPCR)を実施した。簡単に述べると、Nanodropを用いてgDNAを定量し、H2O中で希釈して1反応あたり5~10ng (1~2ng/μl)とした。1反応あたりのgDNAの量を増加させることは可能であるが、システムの飽和限界未満に留めることが重要である。1反応あたり11μlのddPCR Supermix for Probes (dUTPなし; BioRad)、1.1μlのプライマーミックス Primer forward + Primer reverse(最終濃度0.9μM) + Probe(最終濃度0.25μM)、1.1μlのノーマライザープライマーミックス、4.9μlのH2Oを添加することによって、ddPCRマスターミックスを調製した。最後に、17μlのddPCRマスターミックスと5μlの希釈したgDNAを各ウェルに加えた(システムをバリデートするため、陰性対照としてUT及びH2Oを、陽性対照としてモノ-又はビ-アレリックなクローンを含ませた)。BioRad AutoDG Automated Droplet Generatorの上で液滴を調製し、BioRad PX1 PCR Plate Sealerを用いて液滴プレートをフォイルでシールした。シールしたプレートをBioRad T100 Thermal Cyclerの中に置き、適切なPCRプログラムを運転した。運転はBioRad QX200 Droplet Readerで読み取った。
ゲノムあたりの計算コピー: 濃度(コピー数/μl)目的の遺伝子 / 濃度(コピー数/μl)ノーマライザー遺伝子×2 HDRの計算パーセンテージ: ゲノムあたりコピー数×100。
最適化されたPCRプログラム(40サイクル):
・ 95℃×10分
・ 94℃×30秒×40
・ 55℃×1分
・ 72℃×2分
・ 98℃×10分
・ 4℃に保持
【0645】
ddPCRアッセイに用いたプライマー及びプローブは以下の通りである。
【0646】
【0647】
RT-qPCR
遺伝子発現の解析のため、RNeasy Plus Micro Kit (QIAGEN)を用い、メーカーの使用説明書に従って全RNAを抽出し、RNase-free DNase Set (QIAGEN)を用いてDNase処理を実施した。cDNAはHigh Capacity cDNA Reverse Transcription kit (Applied Biosystem)を用いて合成した。次いで、Power Syber Green PCR Master Mix (Applied Biosystems)を用いるViia7 Real-time PCRサーマルサイクラーにおけるqPCRのためにcDNAを用いた。データは、Viia7 Real-Time PCRソフトウェア(Applied Biosystem)によって解析した。それぞれの標的遺伝子の相対的発現を、ベータアクチンノーマライザーに対する倍数変化(2-ΔCt)として表した。
【0648】
[実施例3]
結果及び考察
さらなる2種のドナー構築物を設計し、生成した。
i) SA_ coRAG1CDSの下流にウシ成長ホルモン(BGH)ポリAを保持し、修正RAG1 CDSの転写終止を可能にするSA_coRAG1 CDS_BGHpAドナー(
図14A);
ii) 修正されたコドン最適化配列及び内因性RAG1及びそれに続く3'UTR配列を含む融合転写物を得るためにスプライスドナー(SD)配列を含むSA_coRAG1 CDS_SD(
図14B)。
【0649】
2種の修正ドナーを試験するため、NALM6.Rag1KO細胞にRNPとしてのガイド9及びCas9(50pmol)をトランスフェクトし、SA_coRAG1 CDS_BGHpA又はSA_coRAG1 CDS_SD AAV6ドナーを2つの用量(10
4及び5×10
4)で形質導入した(
図15A)。予想されたように、HDRに媒介される編集に対するNALM6細胞の許容性が低いために、バルク編集されたNALM6.Rag1KO細胞における編集されたアレルの割合は低かった。RAG1の発現及び組換え活性に関する遺伝子編集効率を評価するため、編集されたバルクのNALM6.Rag1KO細胞をサブクローニングして、モノ-又はビ-アレリックな編集を保持する種々の単一のコロニーを単離した(
図15A)。ddPCRによって429のクローンをスクリーニングし、SA_coRAG1 CDS_BGHpAによって編集された5種のモノアレリッククローン及びSA_coRAG1 CDS_SDによって編集された11種のモノアレリッククローンを同定した。
【0650】
選択した編集済みクローンにおける2種のドナーの修正効率を比較するため、RT-qPCRによるRAG1 CDSの発現及び機能性RAG1タンパク質の存在下に組み換えられた逆転GFPカセットを保持するLVによる細胞の形質導入によって評価される組換え活性を解析した(Liang HEら、Immunity. 2002;17:639-651; Bredemeyer ALら、Nature. 2006;442(7101):466-470; De Ravin SSら、Blood. 2010;116:1263-1271; Lee YNら、J Allergy Clin Immunol. 2014;133(4):1099-10)。
【0651】
SA_coRAG1 CDS_BGHpA又はSA_coRAG1 CDS_SD AAV6ドナーによって編集された大多数のクローンにおいて、RAG1 CDSの発現(
図15B)及び組換え活性(
図15C)の増大が観察された。
【0652】
造血幹細胞及び前駆細胞(HPSC)に対する影響に関して2種のドナーを比較するため、HDの動員された末梢血に由来するHSPCを、編集エンハンサー(GSE56及びAd5-E4orf6/7)の組合せの存在下にRNPとしてのガイド9及びCas9 (50pmol)によって編集し、続いてSA_coRAG1 CDS_BGHpA又はSA_coRAG1 CDS_SD AAV6ドナーを3つの異なる用量で形質導入した。
【0653】
SA_coRAG1 CDS_BGHpA又はSA_coRAG1 CDS_SD AAV6ドナーによって編集されたHSPCの間で、用量に従って増加する同程度の編集効率が観察され(
図16A)、これは選別されたHSPCにおける編集効率の解析によっても確認された(
図16B)。未処理の細胞と比較した細胞増殖(
図16C)及びクローン形成の可能性(
図16D)に対する遺伝子編集の既知の影響に加えて、SA_coRAG1 CDS_BGHpA又はSA_coRAG1 CDS_SD AAV6ドナーによって編集したHSPCは、同様のi) 増殖の速度論(
図16C)、ii) 赤血球及び骨髄のコロニーの生成(
図16D)、並びにiii) 最も原初的なCD34+ CD133+ CD90+細胞が保存された細胞サブセット組成(
図16E)を示した。
【0654】
2種のAAV6ドナー構築物をさらに比較するため、人工胸腺オルガノイド(ATO)プラットフォームを利用し、既に述べたプロトコールを適用することによって、編集されたHSPCをT細胞の系列に向けて分化させた(
図12)。2種のドナーによって編集された造血幹細胞及び前駆細胞は、初期及び後期のT細胞サブセットにおいて同様に分化し(
図16F)、選別された二重陰性CD4- CD8-細胞及び二重陽性CD4+ CD8+細胞における編集効率のレベルは同程度であった(
図16G)。
【0655】
全体として、これらのデータは、両方の修正ドナーによって、効率的なターゲティングを得ることができる一方、最も原初的なCD34+ CD133+ CD90+細胞のサブ集団が保存されることを示している。
【0656】
上記の明細書で述べた全ての出版物は、参照により本明細書に組み込まれる。開示したポリヌクレオチド、ベクター、RNA、方法、細胞、キット、組成物、システム、及び本発明の使用の種々の改変及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかになる。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して開示したが、特許を請求する本発明は、そのような特定の実施形態に不当に限定されないことを理解されたい。まさに、本発明を実施するための開示したモードの種々の改変は、当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲の中にあることを意図している。
【配列表】
【国際調査報告】