(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスカセット
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
A61M5/145
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526122
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2022040867
(87)【国際公開番号】W WO2023023314
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ギュナイ,ムラト
(72)【発明者】
【氏名】ジャドソン,ジャレッド オールデン
(72)【発明者】
【氏名】パーキンス,ラッセル ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】シャッフ,アントニー ローレンス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066EE06
4C066EE14
4C066HH02
4C066HH12
4C066QQ92
(57)【要約】
薬物送達デバイスは、針アセンブリ及びカートリッジを有するカセットを含み得る。カセットは、再使用可能なモジュールに結合し、再使用可能なモジュールから分離するように構成されている。デバイスはまた、再使用可能なハウジングなどの別のデバイスに対してカセットを配向するための配向機構を備えてもよい。デバイスは、伸長可能及び後退可能な針アセンブリを備え得る。カセット構成は、1mLの薬剤を送達するために短い移動(14mm以下)のストッパーを有するように適合されている。カセットは、2:1~1:1の高さ対直径の比を有し得る。カセットは、駆動されてストッパーを作動させて薬剤を排出し、針とリザーバとの間の制御された流体連通のために、針アセンブリを後退構成と伸長構成との間で駆動するための、一対の駆動可能なインターフェースを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイスであって、
カセットであって、
ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジと、
前記薬剤を前記カートリッジから駆動するように構成されているストッパー駆動システムであって、前記ストッパー駆動システムは、ストッパーを備えており、前記ストッパーが10mm未満移動して1mLの量の前記薬剤を送達する、ストッパー駆動システムと、
前記カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリであって、前記針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有し、前記伸長構成では、前記作動歯車が前記第2の位置にあり、前記針アセンブリが、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間の流体連通を提供し、前記後退構成では、前記作動歯車が前記第1の位置にあり、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間に流体連通は提供されない、針アセンブリと、を含む、カセット、を備える、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記カセットを受容するように構成され、駆動システムを含む再使用可能なハウジングを更に備えており、前記駆動システムは、少なくとも前記ストッパー駆動システムに動作可能に結合するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記カートリッジが前記再使用可能なハウジングに結合されたときに、前記再使用可能なハウジングに対して前記カートリッジを配向するように構成されている配向機構を更に備える、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記配向機構が突起を含み、前記再使用可能なハウジングが前記突起を受容するように構成されているスロットを備える、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記再使用可能なハウジングが、前記カセットの中心軸の周りの任意の回転位置で前記カセットを受容するように構成されている、請求項2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記ストッパー駆動システムを作動させて前記カートリッジから前記薬剤を送達するように構成されている第1のモータを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記針アセンブリの前記作動歯車を作動させるように構成されている第2のモータを更に備える、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記カセットが40mm~60mmの高さ及び20mm~40mmの直径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記カートリッジに結合されたカートリッジIDを更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記カートリッジIDが少なくとも1つの円形IDを含み、前記円形IDが前記円形IDの中心軸に対して複数の回転配向から読み取られるように構成されている、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記カートリッジIDが、RFIDインジケータ、読み取り可能なチップ、及びアンテナのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記カートリッジ、並びに前記ストッパー駆動システム及び前記針アセンブリの少なくとも一部が、ポリマーから構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
患者に薬剤を送達する方法であって、
薬物送達デバイスのハウジングを、第1の針及び第2の針を備える針アセンブリを有するカセットに結合することであって、前記針アセンブリは、カートリッジと前記針アセンブリとの間に流体連通が提供されない後退構成にある、結合することと、
前記カセットに対して前記ハウジングを配向することと、
前記薬物送達デバイスを前記患者の皮膚に接して配置することと、
前記薬物送達デバイスの前記針アセンブリを作動させて、前記第1の針を前記患者の前記皮膚内に伸長させ、前記第2の針をある量の薬剤を含むカートリッジの隔壁内に伸長させることと、
駆動システムを作動させて、前記カートリッジから前記針アセンブリを通して前記患者へ、1mLの量の薬剤について10mm未満移動するようにストッパーを駆動することと、
前記針アセンブリ内で前記第1及び第2の針を後退させることであって、そこでは、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間に流体連通が提供されない、後退させることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記配向するステップが配向機構によって実施される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記配向機構が、突起、スロット、及び歯車のうちの少なくとも1つを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記後退させるステップの後に、前記ハウジングを前記カセットから分離するステップを更に含む、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ハウジング上のカートリッジIDを読み取るステップを更に含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
薬物送達デバイスであって、
再使用可能なハウジングと、
前記再使用可能なハウジングに結合されたカセットであって、前記カセットが2:1~1:1の高さ対直径の比を有する、カセットと、
前記カセットによって支持され、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジと、
前記再使用可能なハウジングに対して前記カセットを配向するように構成されている配向機構とを備える、薬物送達デバイス。
【請求項19】
前記再使用可能なハウジングによって支持された少なくとも1つのモータを更に備えており、前記少なくとも1つのモータを前記カセットの少なくとも一部と動作可能に結合するために、前記配向機構が前記カセットを配向する、請求項18に記載の薬物送達デバイス。
【請求項20】
前記カセットに直接結合され、前記カセット内に少なくとも部分的にある、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリを更に備え、前記伸長構成では、前記針アセンブリが、前記ポリマーカートリッジと前記針アセンブリとの間の流体連通を提供する、請求項19に記載の薬物送達デバイス。
【請求項21】
再使用可能なモジュールに結合するためのカセットを備える薬物送達デバイスであって、前記カセットは、
ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジであって、中央に位置する軸に沿って近位端と遠位端との間に延在する、カートリッジと、
前記薬剤を前記カートリッジから駆動するように構成されているストッパー駆動システムであって、前記ストッパー駆動システムは、ストッパーと、前記ストッパーに結合され、前記ストッパーを移動させるために前記再使用可能なモジュールの第1のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されているインターフェース端と、を備える、ストッパー駆動システムと、
前記カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリであって、前記針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有し、前記作動歯車は、前記再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって直接又は間接的に駆動されるように構成されており、前記伸長構成では、前記作動歯車が前記第2の位置にあり、前記針アセンブリが、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間の流体連通を提供し、前記後退構成では、前記作動歯車が前記第1の位置にあり、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間に流体連通は提供されない、針アセンブリと、を備えており、
前記インターフェース端は、前記カートリッジの上端から延在し、前記軸と同軸であり、前記作動歯車は、前記軸からオフセットした位置で、前記再使用可能なモジュールの前記第2のモータ又は作動装置によって外部から係合されるように配置されている、薬物送達デバイス。
【請求項22】
前記作動歯車は、前記作動歯車と駆動可能に係合する外歯歯車を更に備えており、前記外歯歯車は、前記軸の周りで互いに円周方向に離間して配置された外歯歯車インターフェース特徴を含み、前記外歯歯車の前記外歯歯車インターフェース特徴は、前記再使用可能なモジュールの前記第2のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されている、請求項21に記載の薬物送達デバイス。
【請求項23】
前記外歯歯車がリング形状の本体を有し、前記外歯歯車インターフェース特徴が前記リング形状の本体の円周面に沿って配置され、前記外歯歯車が、前記作動歯車との軸方向の係合のために前記リング形状の本体の軸縁に沿って形成された歯車駆動歯を含む、請求項22に記載の薬物送達デバイス。
【請求項24】
前記作動歯車は、前記作動歯車と駆動可能に係合する外歯歯車を更に含み、前記外歯歯車は、前記軸の周りで互いに円周方向に離間して配置された外歯歯車インターフェース特徴を含み、前記外歯歯車の前記外歯歯車インターフェース特徴は、前記再使用可能なモジュールの前記第2のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されている、請求項21~24のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項25】
前記外歯歯車がリング形状の本体を有し、前記外歯歯車インターフェース特徴が前記リング形状の本体の円周面に沿って配置され、前記外歯歯車が、前記作動歯車との半径方向の係合のために前記リング形状の本体の軸縁に沿って半径方向に形成された歯車駆動歯を含む、請求項24に記載の薬物送達デバイス。
【請求項26】
前記作動歯車は、前記軸に対して垂直な回転軸を有する、請求項21~25のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項27】
前記カートリッジが、前記薬剤を備える流体ハウジングを含む、請求項1又は21に記載の薬物送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カセットを有する薬物送達デバイスに関する。カセットは、伸長可能な針アセンブリを備え得る。
【背景技術】
【0002】
従来の注射装置は、例えば、薬物の注射、バイアルなどの密閉容器からの流体の取り出し、化学計装内での試料採取などにおいて、表面を通り抜けて針を駆動するために使用されることが多い。患者に薬物を注射する例を考えると、医療専門家の立ち会いなしで薬物を投与することが有益な場合がある(例えば、頻繁に服用する場合)。標準的なガラスカートリッジの使用は、スペース効率の高い注射装置を開発する上で課題となり得る。更に、ガラスカートリッジの廃棄は、他の材料と比較するとより多くの環境コストを招き得る。更に、注射装置が使用前にユーザによって適切に組み立てられ、配向されていることを確実にすることが困難な場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、一定量の薬物を保持するように構成されているカートリッジを有するカセットと、伸長可能及び後退可能な針アセンブリとを備える、薬剤を送達するためのデバイス及び方法を提供する。
【0004】
本開示の例示的な実施形態によれば、薬物送達デバイスは、カセットであって、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジと、薬剤をカートリッジから駆動するように構成されているストッパー駆動システムであって、ストッパー駆動システムは、ストッパーを含み、ストッパーが10mm未満移動して1mL量の薬剤を送達するストッパー駆動システムと、カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリであって、針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有し、伸長構成では、作動歯車が第2の位置にあり、針アセンブリが、カートリッジと針アセンブリとの間の流体連通を提供し、後退構成では、作動歯車が第1の位置にあり、カートリッジと針アセンブリとの間に流体連通は提供されない、針アセンブリと、を含むカセットを含む。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、患者に薬剤を送達する方法は、薬物送達デバイスのハウジングをカセットに結合することと、カセットに対してハウジングを配向することと、薬物送達デバイスを患者の皮膚に接して配置することと、薬物送達デバイスの針アセンブリを作動させて、第1の針を患者の皮膚内に伸長させ、第2の針をある量の薬剤を含むポリマーカートリッジの隔壁内に伸長させることと、駆動システムを作動させて、ポリマーカートリッジから針アセンブリを通して患者へ薬剤を駆動することと、針アセンブリ内で第1及び第2の針を後退させることと、を含む。
【0006】
本開示の別の実施形態によれば、薬物送達デバイスは、再使用可能なハウジングと、再使用可能なハウジングに結合されたカセットであって、カセットが2:1~1:1の高さ対直径の比を有するカセットと、カセットによって支持され、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジと、再使用可能なハウジングに対してカセットを配向するように構成されている配向機構とを含む。
【0007】
別の実施形態によれば、再使用可能なモジュールに結合するためのカセットを有する薬物送達デバイスが開示される。カセットは、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジを含む。カートリッジは、中央に位置する軸に沿って近位端と遠位端との間に延在する。ストッパー駆動システムは、薬剤をカートリッジから駆動するように構成されている。ストッパー駆動システムは、ストッパーと、ストッパーに結合され、ストッパーを移動させるために再使用可能なモジュールの第1のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されているインターフェース端とを含む。針アセンブリは、カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能である。針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有する。作動歯車は、再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって直接又は間接的に駆動されるように構成されている。伸長構成では、作動歯車が第2の位置にあり、針アセンブリが、カートリッジと針アセンブリとの間の流体連通を提供する。後退構成では、作動歯車が第1の位置にあり、カートリッジと針アセンブリとの間に流体連通は提供されない。インターフェース端は、カートリッジの上端から延在し、軸と同軸であり、作動歯車は、軸からオフセットした位置で、再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって外部から係合されるように配置される。
【0008】
本開示の上述及び他の特徴及び利点、並びにそれらを実現する様式は、本発明の実施形態の以下の説明を添付図面と併せて参照することによってより明らかになり、本発明自体がより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な薬物送達デバイスの簡略化された断面図である。
【
図2】取り外し可能なカセット及び針アセンブリを備えた別の例示的な薬物デバイスの簡略化された断面図である。
【
図3】取り外し可能な針アセンブリを備えた更に別の例示的な薬物送達デバイスの簡略化された断面図である。
【
図4】更に別の例示的な薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図6】更に別の例示的な薬物送達デバイスの斜視図である。
【
図10】
図8の駆動システムの制御システムの模式図である。
【
図17】駆動部材を除いた
図15及び16の針機構の側面図である。
【
図18】駆動部材を除いた
図15及び16の針機構の側面図である。
【
図23】i針アセンブリの更に別の実施形態の斜視図である。
【
図28】
図23の針アセンブリ内の針機構の側面図であり、
図38の針機構の第1の構成からの動きを示している。
【
図29】
図4のデバイス内の針機構の斜視図である。
【
図30】
図4のデバイス内の針機構の斜視図である。
【
図31】
図4のデバイス内の別の針機構の斜視図である。
【
図32】
図4のデバイス内の別の針機構の斜視図である。
【
図33】
図5のデバイス内の針機構の斜視図である。
【
図34】
図5のデバイス内の針機構の斜視図である。
【
図35】薬物送達デバイスとともに使用するための例示的なワイヤレス通信システムの模式図である。
【0010】
対応する参照符号は、いくつかの図の全体を通して対応する部分を示す。本明細書に記載される例証は、本発明の例示的な実施形態を例示し、そのような例証は、いかなる様式においても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な薬物送達デバイス11、12、及び13は、
図1~4及び6に示されている。図示のデバイス11、12、及び13の各々は、患者に薬剤を送達するためにユーザ(例えば、患者、介護者、又は医療専門家)が手動で取り扱うことができる再使用可能なペン型の薬剤注射装置である。カセット100、200は、薬物送達デバイス又は薬物送達カセットと称されることもある。カセット100、200とモータハウジングシステム(再使用可能であってもよい)との組み合わせも、薬物送達デバイスとみなすことができる。特定の実施形態では、ユーザは、用量を選択的に設定し、その後、その設定された用量を患者に注射することができる。デバイス11、12、13、100、及び200は、例示が意図されたものであり、以下で更に説明されている針アセンブリが他の異なるように構成されたデバイスで使用され得るために、限定されるものではない。
【0012】
薬剤は、そのようなデバイス11、12、13、100、及び200によって送達され得る任意の種類であり得る。薬剤は、様々な粘度の流体形態又は任意の他の好適な形態であり得る。薬剤は、限定されるものではないが、インスリン、インスリンリスプロ又はインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、デュラグルチド又はリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、例えば、GIP/GLP-1受容体作動薬、チルゼパチド、レタトルチドなどの上記のいずれかの組み合わせのデュアル薬剤、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、限定されるものではないが、ミリキズマブなどのIL-23抗体類似体又は誘導体、イキセキズマブなどのIL-17抗体類似体又は誘導体を含む治療抗体、ガルカネズマブ又はラスミディタンなどの疼痛関連治療用の治療薬、レプリキズマブなどのアトピー性皮膚炎関連治療用の抗体類似体又は誘導体、ドナネマブ、ソラネズマブ、レムテルネタグなどの神経変性の治療関連の抗体類似体又は誘導体、並びにデバイス11、12、13、100、及び200によって送達することができる任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬を含む。デバイス11、12、13、100、及び200で使用されるような薬剤は、1つ以上の賦形剤とともに処方されてもよい。
【0013】
最初に参照する
図1には、例示的な実施形態である薬物送達デバイス11が示されている。薬物送達デバイス11は、近位端19から遠位端18まで延在し、ハウジング15、第1のモータ22、駆動システム25、薬剤を保持するように構成されたカートリッジ30、及び針アセンブリ50を備える。図示の実施形態では、薬物送達デバイス11は、針アセンブリ50がカートリッジ30内から患者に薬剤を送達できるように、遠位端18が患者の皮膚の近くに配置されるように構成されている。カートリッジ30はまた、カセット又は注射器として説明されてもよく、概して、薬剤を収容し、少なくとも部分的に薬剤を送達するように構成されている。
【0014】
カートリッジ30は、流体ハウジング又はバレル31、プランジャー又はストッパー33、及び隔壁35を更に備える。薬剤は、ストッパー33によって流体ハウジング31内に保持される。第1のモータ22の起動は、駆動システム25を作動させて、ストッパー33を下方に駆動し、薬物を隔壁35に向かって押し、最終的に針アセンブリ50を通過させる。第1のモータ22は、モータコントローラ(図示せず)によって制御されて、駆動システム25に加えられる力及び/又は駆動システム25が作動される速度を調製することができる。
【0015】
針アセンブリ50は、第1の針51と、第2の針53と、第1及び第2の針51、53に結合された針駆動機構55と、針駆動機構55を作動させるように構成された任意選択の第2のモータ57とを更に備える。第2のモータ57の起動は、針駆動機構55を作動させ、第1の針51を遠位端18に向かって駆動し、第2の針53を近位端19に向かって駆動して、第1の針51が少なくとも患者の皮膚を突き刺し、第2の針53が隔壁35を突き刺す伸長構成になる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス11は、第1のモータ22のみを含み、第2のモータ57を含まない。そのような実施形態では、第1のモータ22は、第1のモータ22の起動が針駆動機構55を更に作動させることができるように、針駆動機構55に結合又は連結され得る。そのような実施形態では、第1のモータ22は、クラッチ機構を介して薬物送達デバイス11の異なる態様を作動させることができる。より詳細に後述するように、第1の針51及び第2の針53は、薬剤が、カートリッジ30から、第2の針53を通り、第1の針51を通り、最終的に患者に流れることを可能にするように互いに流体結合される。
【0016】
薬物送達デバイス11は、単一のデバイスとして構成され、使用後に使い捨て可能なようにも構成され得る。図示された実施形態では、カートリッジ30及び針アセンブリ50は、薬物送達デバイス11に固定的に結合されている、及び/又は薬物送達デバイス11の一体部分である。カートリッジ30は、送達される単一の用量の薬剤を含むことができるか、又は複数の用量/注射で送達される薬剤を含むことができる。カートリッジ30が薬剤の複数の用量を含む実施形態では、第1のモータ22は、各用量についてカートリッジ30内の薬剤の一部分のみを押し出すように構成されてもよく、針アセンブリ50は、1つ以上の薬剤を患者に注射するために複数セットの針を含んでもよい
【0017】
ここで参照する
図2には、別の実施形態である薬物送達デバイス12が示されている。薬物送達デバイス12は、
図1の薬物送達デバイス11と同様に機能し、同様の構成要素を含む。ただし、薬物送達デバイス12は、カートリッジ30及び針アセンブリ50が再使用可能又は耐久性のあるハウジング構成要素のハウジング15から取り外し可能であるという点で、薬物送達デバイス11とは異なる。針アセンブリ50及びカートリッジ30は、互いに別個の構成要素であってもよく、又は1つの単独構成要素であってもよい。図示の実施形態では、ハウジング15、第1のモータ22、駆動システム25、及び第2のモータ57は全て再使用可能なハウジングの一部でもよく、カートリッジ30及び針アセンブリ50は使い捨てでもよい。このような実施形態では、ユーザは、複数のカートリッジ30及び針アセンブリ50を一緒に又は別々に挿入、使用、及び除去することができる。薬物送達デバイス11の場合と同様に、薬物送達デバイス12のカートリッジ30は、単一の用量又は複数の用量の薬剤を依然として含み得る。カートリッジ30及び針アセンブリ50は、ねじ切り、バヨネットカプラー、ねじ、リベット、スナップ、ボール戻り止め機構、ばねシステム、ピン、磁石、摩擦嵌合、接着剤、又はその他の好適な結合装置、及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の好適な結合機構によって、薬物送達デバイス12のハウジング15に結合し得る。カートリッジ30及び針アセンブリ50が別個の構成要素である実施形態では、上記のものなどの任意の好適な結合装置を更に使用して、カートリッジ30及び針アセンブリ50を結合することができる。図示された実施形態では、第2のモータ57は、ハウジング15に結合され、針アセンブリ50又はカートリッジ30の一部として示されていないが、代わりに、針アセンブリ50がハウジング15に結合されるときに針アセンブリ50に結合する。他の実施形態では、第2のモータ57は、針アセンブリ50の一部であってもよく、針アセンブリ50を有するハウジング15と結合可能及び分離可能であってもよい。
【0018】
ここで参照する
図3には、薬物送達デバイス13の別の実施形態が示されている。カートリッジ30がハウジング15に固定して結合され、針アセンブリ50がハウジング15に取り外し可能に結合されている点を除いて、薬物送達デバイス13は、
図1の薬物送達デバイス11及び
図2の薬物送達デバイス12と同様である。カートリッジ30及び/又はハウジング15が再使用可能である一方で、針アセンブリ50は使い捨てであり得る。図示された実施形態では、ハウジング15及びカートリッジ30は、異なる数の針アセンブリ50を用いて複数回使用されてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ30は薬剤を再充填可能であってもよい。薬物送達デバイス12に関して前述したように、針アセンブリ50は、任意の好適な結合デバイス又はシステムによってハウジング15に結合され得る。更に、第2のモータ57は、ハウジング15又は針アセンブリ50の一部であってもよい。薬物送達デバイス及びそれらの構成要素の追加の実施形態、構成、及び詳細については、以下で論じる。
【0019】
ここで参照する
図4~5には、
図2の薬物送達デバイスのような薬物送達デバイスの別の実施形態のためのカセット100が示されている。カセット100は、ハウジング115、ストッパー駆動システム120、ハウジング115に結合又は一体形成され得るカートリッジ130、ストッパー133、流体ハウジング131、隔壁135、カセットID175、配向機構180、針アセンブリ400、及び針アセンブリ作動歯車154のうちの1つ以上を含む。カセット100はまた、ハウジング115が結合され得る再使用可能な又は耐久性のあるハウジング(図示せず)を備え得る。再使用可能なハウジングはまた、上述の第1のモータ22及び第2のモータ57などのいくつかのモータ、並びにコントローラ、プロセッサ、メモリ、ユーザインターフェース、及び/又はカセット100と相互作用するように構成された他の機能を備えてもよい。
【0020】
カセット100は、流体ハウジング131内にある量の薬剤を保持し、上述の装置11、12、及び13と同様の方法で薬剤を患者に送達するように構成されている。針アセンブリ作動歯車154の作動により、針アセンブリ400(
図29参照)を伸長させ、第1の針で隔壁135を突き刺し、第2の針で患者の皮膚などの表面を突き刺す。カセット100はまた、第2の針の伸長前にカセット100内の針アセンブリ400の少なくとも一部分を封止するように構成されている封止材195を備え得る。封止材195は、カセット100内の無菌環境を維持することもできる。伸長されると、針アセンブリ400は、流体ハウジング131と第2の針との間の流体連通を提供する。モータ及び/又はユーザが起動するアクチュエータ(例えば、ボタン、ノブ、プランジャーなど)は、次いで、ストッパー133に、針アセンブリ400を通って流体ハウジング131から薬剤を患者へ送り出させる。次に、針アセンブリ400は、針アセンブリ作動歯車154の逆作動などの作動によって後退することができる。
【0021】
配向機構180は、カセット100の少なくとも一部分を中心軸A1の周りで回転するように配向するように構成されている。例えば、配向機構180は、ハウジング115を、再使用可能なハウジングに対して、又はモータ若しくは作動装置に対して特定の角度配向に配向することができる。図示の実施形態では、配向機構180は半径方向の突起として示されている。モータ又は作動装置を含む再使用可能なハウジング又は他の装置は、配向機構180を受容するための相補的な凹部又はスロットを備える。したがって、ユーザがカセット100を再使用可能なハウジングに結合すると、カセット100は、再使用可能なハウジングに対して特定の配向に制限され得る。所望の配向を達成すると、モータ又は他の作動装置は、針アセンブリ作動歯車154及び/又はストッパー駆動システム120と動作可能に結合可能になり得る。所望の配向により、カセットID読み取りシステムによって読み取り又はスキャンできるように、カセットID175を配置することもできる。更に、配向機構180は、患者の皮膚に接してカセット100を配向し得、及び/又はカセット100の他の任意の構成要素に対して針アセンブリ400を配向し得る。配向機構180は突起として示されているが、配向機構180は、再使用可能なハウジング上の突起とインターフェースするスロットであってもよい。更に、配向機構180は、歯車、傾斜面若しくは曲面、ノブ、複数の突起若しくはスロット、ねじ、又はカセット100を配向するように構成されている任意の他の機構であってもよい。別の実施形態では、再使用可能なハウジングへのカセットの装填は軸方向であるが、再使用可能なハウジングへのカセットの装填が半径方向である他の実施形態がある。
【0022】
ハウジング115、カートリッジ130及び/又は流体ハウジング131などのカセット100の任意の構成要素は、ポリマーから構成され得る。標準的なガラスカートリッジの代わりにポリマーカートリッジを利用することで、カセット100を製造する際により高い柔軟性を提供する。例えば、ポリマーカートリッジは、標準化されたガラスカートリッジとは異なる形状にすることができ、標準的なガラスカートリッジと同じ容積を維持しながら、よりコンパクトな設計を可能にする。
【0023】
更に、ポリマーカートリッジは、ガラスカートリッジと比較して、より容易に製造、廃棄、及び/又はリサイクルすることができる。更に、ポリマーカートリッジは、カセット100の他の構成要素と直接相互作用するか、又は結合するように製造され得る。例えば、カートリッジ130は、一体的な結合特徴を備えて製造され得るか、又は針アセンブリ400と一体的に形成され得るため、追加の結合構成要素(例えば、留め具)を必要とせずに針アセンブリ400と結合し得る。別の例として、上記で論じたように、カートリッジ130は、ハウジング115に結合されるか、又はハウジング115と一体的に形成され得る。
【0024】
ポリマー材料の使用は、標準的なガラスカートリッジを利用するカセットと比較して、カセット100のフォームファクタ又はアスペクト比を減少させることができ、よりコンパクト又は効率的なパッケージ化を可能にすることができる。カセット100は、75mm未満、70mm未満、65mm未満、60mm未満、55mm未満、50mm未満、45mm未満、40mm未満、又はこれらの値の任意の2つを終点として含む任意の範囲の高さを有し得る。カセット100は、50mm未満、45mm未満、40mm未満、35mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、15mm未満、又はこれらの値の任意の2つを終点として含む任意の範囲の直径を有し得る。より具体的には、カセットは、45mm~60mmの高さ、及び25mm~35mmの直径を有し得る。別の言い方をすれば、カセット100は、X:Yの高さ:直径のアスペクト比を有することができ、ここで、X及びYは、各々が独立して、5、4.75、4.5、4.25、4、3.75、2.5、3.25、3、2.75、2.5、2.25、2、1.75、1.5、1、又はこれらの値の任意の2つを終点として含む任意の範囲である。例えば、カセット100は、2:1から1:1までのアスペクト比を有し得る。
【0025】
カセット100及び/又はカートリッジ130のアスペクト比を減少させると、薬剤の送達においてストッパー又はプランジャーが移動しなければならない距離も減少し得る。標準的な1.6mLのガラスカートリッジの内径は約9.25mmで、カートリッジから1mLの薬剤を完全に送達するには、ストッパーが少なくとも14mm移動する必要があり得る。標準的な3.0mLのガラスカートリッジの内径は約9.7mmで、カートリッジから1mLの薬剤を完全に送達するには、ストッパーが少なくとも13mm移動する必要があり得る。あるいは、カセット100のカートリッジ130は、カートリッジ130から薬剤を完全に送達するために、10mm未満、9mm未満、8mm未満、7mm未満、6mm未満、5mm未満、又はこれらの値の任意の2つを終点として含む任意の範囲のストッパー移動距離を必要とし得る。別の言い方をすれば、薬剤を完全に送達するためのストッパー133の移動距離とカートリッジ130の内径との比は、A:Bであってもよく、ここで、A及びBは、独立して、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、又はこれらの値の任意の2つを終点として含む任意の範囲である。例えば、A:Bの比は、1:1~1:3、又はより具体的には1:1.5~1:2.5であってもよい。「完全に送達された」とは、満杯のカートリッジから薬剤が本質的に完全に空になったことを示す。ストッパーの移動長さの減少は、カセット100内又は薬物送達デバイス全体内の可動部品の複雑さを軽減し得る。カセットの容積は、0.5mL、1.0mL、2.0mL、3.0mL、10mLなどの任意の容積の薬剤を提供することができる。
【0026】
図示された実施形態では、カセットID175は、配向機構180上に配置される。カセットID175は、カセット100の構成要素に関するデータを提供する任意の種類の機構又は装置であり得る。例えば、カセットID175は、カセット130内の薬剤の種類に関するデータ(例えば、特定の薬剤、粘度、容量、投与量、注射スケジュールなど)を提供する、チップ、RFIDインジケータ、一意のコード化パターン、及び/又はアンテナを含み得る。カセットID175は、カセット100の配向又は組立に関係するデータ(例えば、デバイスが完全に又は適切に組み立てられているかどうか、デバイスが適切な配向にあるかどうかなどを示す)も提供し得る。カセットID175は、位置センサ、流体レベルセンサ、損傷若しくは故障センサ、バッテリレベルセンサ、及び/又は圧力センサなど、カセット100内のセンサ又は複数のセンサからのデータを提供し得る。
【0027】
ここで参照する
図6~7には、別の実施形態であるカセット200が示されている。カセット200は、動作全体がカセット100と同様であり、同様の構成要素を含む。カセット200は、ハウジング215、ストッパー駆動システム220、カートリッジ230、ストッパー233、流体ハウジング231、隔壁235、カセットID275、針アセンブリ401、及び針アセンブリ作動歯車254を備える。カセット200及びその構成要素は、カセット100の対応する構成要素と同様に機能し、同様の特徴を有する。更に、本明細書におけるカセット100へのあらゆる言及は、カセット200に適用され得る。
【0028】
カセット200はまた、針アセンブリ作動歯車254とインターフェースして針アセンブリ401を作動させるように構成されている外歯歯車280を備える。再使用可能なモジュールからのモータ又はユーザが起動するアクチュエータは、外歯歯車280を回転させることができ、本明細書で更に詳細に説明されるように、この外歯歯車280は、それによって、下側ハウジング410及びカートリッジ230に対して回転し、針アセンブリ作動歯車254を回転させて、針アセンブリ401を作動させることができる。外歯歯車280は、モータ、又は第2のモータ57などの他の作動装置によって駆動される外歯歯車又は他のインターフェース特徴を備えてもよい。カセット200は、再使用可能又は再使用可能なハウジングに結合されたときに、中心軸A1の周りの任意の軸方向位置/回転位置に配向され得るように構成されてもよい。カセット100は、ハウジングに対してカセット100を配向するための配向機構180を備えるが、カセット200は、同様の配向を必要としない場合がある。いくつかの実施形態では、外歯歯車280は、配向機構180と同様の配向機構として機能して、カセット200又はその構成要素を中心軸A1の周りで回転させることができる。クラッチ又は同様の機構を使用して、外歯歯車280の回転によってカセット200の全部又は一部を回転させることができ、クラッチを作動させて外歯歯車280を回転させ、針アセンブリ作動歯車254を回転させることができる。したがって、外歯歯車280は、カセット200の構成要素を、再使用可能なハウジング、モータ、又はカセット200の外部の別の装置に対して配向するために利用され得る。いくつかの実施形態では、カセット200は、任意の他の構成要素に対して配向される必要はなく、任意の軸方向位置で再使用可能なハウジングと組み立てられ、又は結合され得る。
【0029】
カセット200のカセットID275は、特定の角度配向を回避できるように実装することができる。例えば、カセットID275は、カセット200の近位端上の一連の同心リングとして示されている。カセットID275は、循環カセットIDと称され得る。カセットID275はカセットID175と同様に機能するが、位置及びレイアウトが異なる。カセットID275はカセット200の近位端の周りに完全に延在するため、カセットID275は、カセット200がその中心軸A1に沿った任意の回転位置にあるときに読み取られ得る。したがって、カセット200は、カセットID275の読み取りを可能にするための回転配向を必要としない場合がある。更に、カセット200が外歯歯車280によって回転され得る実施形態において、カセットID275は、任意の回転位置から依然として読み取られ得る。
【0030】
図8を参照すると、ストッパー駆動システム120が示されている。ストッパー駆動システム120は、被動体122、駆動ねじ123、及びインターフェース端121を備える。インターフェース端121は、モータ又は別の作動装置(例えば、ノブ)と相互作用するように構成されている。インターフェース端121の回転は、駆動ねじ123の回転を引き起こす。駆動ねじ123は、駆動ねじ123の回転によって被動体122が中心軸A1に沿って上下に移動するように、被動体122と螺合する。被動体122は、流体ハウジング131内の薬剤と直接接触している場合があり(
図5)、又は薬剤に接触するストッパーと接触している場合がある。ストッパー駆動システム120の作動は、薬剤を流体ハウジング131から押し出す。ストッパー駆動システム120の全ての特徴は、カセット200の駆動システム220にも適用され得る。駆動システム250の他の例示的な実施形態は、PCT公開第WO2019/112886号に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
参照する
図9~10では、第1のモータ22が、第1のモータ22の起動がストッパー駆動システム120を作動させるように、ストッパー駆動システム120に動作可能に結合されている。更に、カセット100は、本明細書に記載の針機構55、390、590のいずれかなどの針機構を作動させるように構成されている第2のモータ57(
図1~3に示す)を任意選択的に備える。カセット100はまた、配向機構180、280が歯車又は別の作動可能な装置である実施形態において、配向機構180を駆動するように構成されている第3のモータ58を任意選択的に備えてもよい。薬物送達デバイスが第2のモータ57を含まない実施形態では、第1のモータ22は、針機構55、390、590を作動させるように構成され得る。薬物送達デバイスが第3のモータ58を含まない実施形態では、第1のモータ22は、配向機構180を作動させるように構成され得る。配向機構180、280が針機構55、390、590も作動させることができる実施形態では、第2のモータ57又は第3のモータ58は、配向機構180、280及び針機構55、390、590の両方を作動させることができる。
【0032】
モータ22、57、及び58の各々は、カセット100の再使用可能なハウジングに結合されてもよく、及び/又はカートリッジ130に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのモータ22、57、及び58が再使用可能なハウジングに結合され、カートリッジ130及び/又はカートリッジ130の構成要素が、少なくとも1つのモータ22、57、58に動作可能に結合されるように、配向機構180は、再使用可能なハウジング及び少なくとも1つのモータ22、57、58に対してカートリッジ130を配向するように構成されている。例えば、配向機構180は、ストッパー駆動システム120がモータ22、57、58に動作可能に結合されるように、カートリッジ130を配向するように構成され得る。配向機構は、針アセンブリ300、400、401、500及び/又は針機構55、390、590がモータ22、57、58に動作可能に結合されるように、再使用可能なハウジング又はモータに対して針アセンブリ300、400、401、500を配向し得る。
【0033】
一実施形態では、カセットユニットを受容するように構成されている再使用可能なハウジングユニットからの着脱のために、使い捨て薬剤カセットユニットが提供される。カセットユニットは、近位端と遠位端との間で中心軸A1に沿って延在するカセットユニット本体を含む。近位端及び遠位端は、中心軸A1に対して垂直に延在する平面によって画定され得る。カセットユニットの近位端を越えて延在しているのは、ストッパー駆動システムのインターフェース端である。インターフェース端は、カセットユニットの本体の外側に露出され、中心軸A1に沿って配置される。ユニット本体は、カセットの近位部分に沿って延在する近位スリーブ部分と、針アセンブリを取り囲む遠位部分とを含む。それらの部分の間には、内部に収容されたカセットが見えるようにする材料で作られた中間部分があってもよい。
【0034】
第1のモータ22及び任意選択の第2のモータ57及び任意選択の第3のモータの各々は、モータコントローラ260によって制御され得る。本明細書で使用する「ロジック」又は「制御ロジック」という用語には、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ハードワイヤードロジック、又はそれらの組み合わせで実行されるソフトウェア及び/又はファームウェアが含まれ得る。したがって、実施形態に従って様々なロジックが任意の適切な方式で実装されてもよく、ここに開示される実施形態に従ったままとなる。コントローラ260は、カセット100に含まれていてもよく、又は外部にあってもよい。コントローラ260は、コントローラ260のメモリ264に格納されたソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサ262(例えば、マイクロプロセッサ)を含み得る。ソフトウェア/ファームウェアコードは、プロセッサ262によって実行されると、コントローラ260に本明細書に記載の制御アルゴリズムの機能を行わせる命令265を含む。コントローラ260は、複数のシステム構成要素から情報を受け取り、その情報(例えば、薬剤データ、患者データ、薬物送達デバイスデータ、針アセンブリデータ)を、第1のモータ22、第2のモータ57、及び/又は第3のモータ58の動作を部分的に制御し得る少なくとも1つの薬物送達制御パラメータを決定する制御アルゴリズムに供給し得る。コントローラ260は、1つ以上の通信リンクを介してカセット100に通信可能に結合するために、1つ以上のインターフェースを含むか、又はそれらに通信可能に結合され得る。例示的なインターフェースは、有線及び無線の信号送信機及び受信機を含む。例示的な通信リンクは、有線通信リンク(例えば、シリアル通信)、例えば、Bluetooth、IEEE802.11、独自の無線プロトコルなどの短距離無線リンクなどの無線通信リンク、及び/又は同様のものなどを含む。「通信リンク」という用語は、少なくとも2つのデバイス間で少なくとも1つの方向に何らかのタイプの情報を通信する能力を指し得る。通信リンクは、持続的通信リンク、断続的通信リンク、アドホック通信リンク及び/又は同様のものであり得る。情報は、通信リンクを介して送信され得る。
【0035】
図10は、メモリ264と、1つ以上のインターフェース268及び相互に通信可能に結合されたプロセッサ262とを含むコントローラ260を示している。メモリ264は、揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができ、取り外し可能、取り外し不能、又はそれらの組み合わせとすることができる。実施形態では、メモリ264は、プロセッサ262に、本明細書で論じられるシステム構成要素の実施形態の態様を実施させ、並びに/又は以下でより詳細に説明される制御ロジックを含む、本明細書で論じられる方法及び手順の実施形態の態様を実行させるための実行可能命令265(例えば、コンピュータコード、機械使用可能命令など)を格納する。メモリ264、プロセッサ262、及びインターフェース268は、1つ以上のバスによって通信可能に結合され得る。データ及び/又は情報は、事前定義されたスケジュールで取得されたときにコントローラ260に提供されてもよく、又はメモリにキューイングされ、要求されたときにコントローラ260に供給されてもよい。
【0036】
コントローラ260のロジックは、第1のモータ22、第2のモータ57、及び/又は第3のモータ58によって提供される作動速度又は作動の力を調整するように構成され得る。例えば、カートリッジ130内の薬剤が粘性である場合、ストッパー133を駆動するために第1のモータ22によって加えられる力を増加させることができる。更なる例では、第1又は第2のモータ22、57の作動速度を調整して、針機構の作動速度を変更するように適合され得る。針機構は、患者の快適さを改善し、刺激を軽減するために、よりゆっくりと作動する場合がある。いくつかの実施形態では、コントローラは、受信した情報/データ(例えば、患者データ、薬剤データ、使用履歴データ、用量データ、薬物送達デバイスデータ、針アセンブリデータ、カートリッジデータ)に基づいて、第1及び/又は第2のモータ22、57の動作パラメータを変更し得る。更に、コントローラ260は、ストッパー駆動システム120及び/又は針機構の動きが一定又は非線形にならないように、作動中にモータ22、57の速度を変更するように構成され得る。例えば、針機構は、針が移動の終わり近くで減速してハードストップを防止するように作動され得る。コントローラ260は、例えば、第2のモータ57の前に第1のモータ22を起動するなど、モータ起動のタイミングを制御し得る。コントローラ260はまた、針アセンブリ内の少なくとも1つの針の位置を示す針位置に基づいてデータを受け取ることができ、位置データに基づいて少なくとも1つの針の速度、力、又は配置を変更することができる。
【0037】
ここで参照する
図11~14には、針アセンブリ300の例示的な実施形態が示されている。図示された針アセンブリ又はその変形のいずれも、カセット100内で使用され得る。更に、開示された針アセンブリは、カセット100とは別個に、例えば、化学試料採取器具において、又は針が使用される他の用途において使用され得る。針アセンブリ300は、アセンブリハウジング310、内部ハウジング312、第1の針330に結合された第1の針支持体320、第2の針350に結合された第2の針支持体340、可動コネクタ360、駆動部材370、及びOリング380を備える。更に、針アセンブリ300は、外部封止材395及び内部封止材396を備える。第1の針支持体320、第1の針330、第2の針支持体340、第2の針350、可動コネクタ360、及び可動コネクタ360はともに、針機構390を構成する。外部封止材395及び内部封止材396は、針アセンブリ300が使用される前に針アセンブリ300内で針機構390を封止し、また針アセンブリ300内の無菌状態を維持するのを助けるように構成されている。いくつかの実施形態では、内部封止材396は含まれなくてもよく、針アセンブリ300とカセット100の残りの部分との間の結合は無菌性を維持することができる。薬物送達デバイス及び針アセンブリ300の態様の説明は、2021年12月14日に出願された「FLUID DELIVERY SYSTEM WITH NEEDLE ASSEMBLY」という名称のPCT公開第WO2022/132675号に記載されている。
【0038】
図示の実施形態では、針アセンブリ300は、上述の薬剤を送達するために患者の皮膚と相互作用するように構成されている。針アセンブリ300の第1又は遠位の端部392は皮膚に接して配置され、針アセンブリ300の第2又は近位の端部394はカートリッジ130と相互作用する。針アセンブリ300は、カートリッジ130に直接、又は針アセンブリカプラー210を介して結合するように構成されている。第1の端部392及び/又は外部封止材395は、針アセンブリ300を患者の皮膚に接して配置するのを助ける接着剤を含んでもよく、針アセンブリ300をカートリッジ130に固定するための留め具又は接着剤も含んでもよい。
図14に示すように、内部ハウジング312はハウジング310によって支持され、針機構390は内部ハウジング312によって支持される。他の実施形態では、針アセンブリ300は、1つのハウジングのみを備えてもよく、内部ハウジング312は、アセンブリハウジング310と一体であってもよい。
【0039】
図14を参照すると、針機構390は、第1の構成にあるとき、針アセンブリ300内に完全に適合するように構成されている。
図14~18は、第1の構成における針機構390の様々な図を示している。第1の構成では、第1の針330及び第2の針350は、中心軸A1の方向に互いに平行にほぼ整列されている。示されるように、第1の針330及び第2の針350は、軸A1に沿ってほぼ反対方向に向けられる。第1の針330は、針アセンブリ300の第1の端部392に向かって向けられ、第2の針350は、針アセンブリ300の第2の端部394に向かって向けられる。後述するように、第1の針330及び第2の針350は、針アセンブリ300が起動されると、ほぼ軸A1に沿って移動するように構成されている。
【0040】
参照する
図15~18には、針機構390の例示的な実施形態が示されている。第1の針支持体320及び第2の針支持体340は、ほぼ共通の平面に沿って配置され、駆動部材370を介して互いに摺動可能に結合される。第1及び第2の針支持体320、340の第1の側は、駆動部材370と相互作用するように構成され、第1及び第2の針支持体320、340の第2の側は、第1及び第2の針330、350と相互作用して支持するように構成されている。図示の実施形態では、第1及び第2の針支持体320、340は、形状がほぼ長方形であり、
図20に示すように針アセンブリ300内に適合するように構成されている。他の実施形態では、第1及び第2の針支持体320、340は、針330、350の動きに対応し、針アセンブリ300内に適合する任意の形状であってもよい。図示の実施形態では、針機構390はラックアンドピニオン構成を備え、第1の針支持体320及び第2の針支持体340の各々はラックであり、駆動部材370はピニオン歯車を含む。第1の針支持体320は、支持体324、支持係合特徴322、及び針保持器326を備える。針保持器326は、第1の針330の少なくとも一部を針保持器326に挿入することによって第1の針330と結合するように構成され、それによって第1の針330を第1の針支持体320に結合する。同様に、第2の針支持体340は、支持体344、支持係合特徴342、及び針保持器346を備え、第2の針350は、針保持器346を介して第2の針支持体340に結合される。
図16及び18に最もよく示されているように、第1の針支持体320及び第2の針支持体340の一方又は両方は、針を保護し、及び/又は針に更なる強度を提供するように機能し得る針ガード352を更に備え得る。例示的な針ガード352は、内部に延在するボアを有する円筒形のハウジングであり、その中でそれぞれの針330、350が延在する。
【0041】
第1の針330及び第2の針350は、可動コネクタ360を介して互いに流体結合される。可動コネクタ360は、針330及び350の各々に対して移動可能であるように構成されている。可動コネクタ360は、屈曲、湾曲、伸長、又は別様で変形することによって可動とすることができる。したがって、可動コネクタ360は、エラストマー、熱硬化性ポリマー、又はゴムなどの可撓性の材料で構成することができる。例示的な実施形態では、可動コネクタ360はシリコーンで構成される。別の実施形態では、可動コネクタ360は、可撓性の接続部を介して互いに結合された剛性材料から構成され得る。更に別の実施形態では、可動コネクタ360は、比較的剛性の材料で形成することができ、伸縮動作によって移動することができる。
図24の図示の実施形態では、可動コネクタ360は、第1の針330の端部に流体結合された第1の端部362と、第2の針350の端部に流体結合された第2の端部364とを有する可撓性チューブである。可動コネクタ360の可撓性チューブの端部362、364は、針端部330、350又はそれぞれの針保持器326、346に直接結合され得る。以下で更に説明するように、可撓性チューブの端部362、364は、針330、350とともに移動するように構成されている。
【0042】
図19~20に最もよく示されているように、駆動部材370は、駆動係合特徴372と、作動部材374とを備える。Oリング380は、駆動部材370とアセンブリハウジング310との間により良好な封止材を提供するために、又は駆動部材370がアセンブリハウジング310内でより容易に回転できるようにするために、駆動部材370上に提供され得る。駆動係合特徴372は、支持係合特徴322及び342と相互作用するように構成されている(
図17)。図示の例では、駆動係合特徴372並びに支持係合特徴322及び342は、ラックアンドピニオン機構で互いに噛み合うように構成された歯又は突起である。他の実施形態では、針機構390内の係合特徴のいずれかは、突起及び凹部、ねじ及びねじ山、ジッパータイプの特徴、又は任意の他の相補的な係合特徴など、互いに相互作用するように構成されている他の特徴であってもよい。更に、図示の例では、作動部材374は、マイナスドライバーなどの平らな物体の回転によって作動するように構成されている。他の実施形態では、作動部材374は、電気モータ、ねじりばね、又はノブの回転などの人間の相互作用によって作動され得る。例示的な一実施形態では、ストッパー駆動システム120及び駆動部材370の両方が、第1のモータ22及び第2のモータ57などの電気モータによって各々独立して駆動される(
図9)。1つの電気モータが、ストッパー駆動システム120及び駆動部材370の両方の動きを制御することができ、又はそれらはそれらの独自のそれぞれの作動モータを有することができる。
【0043】
ここで参照する
図21~22では、針機構390が、駆動部材370の作動時に第1の針支持体320及び第2の針支持体340の移動を可能にするように構成されている。針機構390は、
図27に示すような使用前及び/又は使用後の第1の後退構成と、
図28に示すような使用中の第2の伸長構成との間で移動可能である。針機構は、使用後に第3の後退構成に戻り、注射が完了したことを患者に示し、アセンブリ内に針を隠し、それによってカセットを廃棄するときに患者が針を見たり針を扱ったりする必要がないようにすることができる。
【0044】
図21の第1の後退構成では、第1の針330及び第2の針350の両方が、アセンブリハウジング310内に完全に軸方向に配置されている。可動コネクタ360は、接近したチューブ端362、364と針330、350との間に圧縮された(例えば、曲がった、又はループになった)状態で配置され、接近したチューブ端362、364は、第1の距離だけ分離されている。駆動部材370がC1方向に回転すると、針機構390が第2の構成になって駆動部材370の回転が停止するまで、第1の針支持体320及び第1の針330がD1方向に駆動され、第2の針支持体340及び第2の針350がD2方向に駆動される。図示の実施形態では、D1及びD2は平面内でほぼ平行であり、互いにほぼ反対である。更に、それらは軸A1にほぼ平行である(
図14参照)。他の実施形態では、D1及びD2は、互いに対して角度を成すことができ、A1とほぼ平行でなくてもよい。
【0045】
第2の伸長構成では、第1の針330は、アセンブリハウジング310を越えて軸方向に伸長し、外部封止材395を通過し、針アセンブリ300が配置されている表面に入る。更に、第2の針350は、アセンブリハウジング310を越えて軸方向に伸長し、内部封止材396及び隔壁135を通過して流体ハウジング131に入る。可動コネクタ360は可動であるため、針機構390の移動中、第1の針330と第2の針350との間の流体連通を維持する。可動コネクタ360は、第2の構成において、離れたチューブ端362、364と針330、350との間に伸長状態で配置され得、ここで、離れたチューブ端362、364は、第1の構成の第1の距離よりも大きい第2の距離だけ分離されている。第2の構成では、第1の針330は、カートリッジ130に流体結合されているため、流体ハウジング131内の薬剤は、第2の針350、可動コネクタ360、及び第1の針330を通って、第1の針330が突き刺した身体又は表面に流れることができる。例示的な実施形態では、ストッパー駆動システム120は、針機構390が第2の構成になった後に起動され、カートリッジ130内の薬剤は、第1の針330によって穿刺された身体又は表面に押し出される。別の実施形態では、針機構390及び/又は内部ハウジング312のいくつかの構成要素は、針機構390が第2の構成に達すると、第1の針支持体320及び第2の針支持体340の移動を物理的に停止する停止特徴を備える。そのような停止特徴は、遮断部材、突起、戻り止め、又は針機構390の一部内の係合部材の不在であり得る。
【0046】
第2の構成から、針機構390は、同様に駆動部材370の逆起動によって第1の構成に戻るように構成されている。
図22に示すように、駆動部材370は、第1の針支持体320を方向D2に駆動し、第2の針支持体340を方向D1に駆動するために、C1とほぼ反対の方向C2に回転され得る。例示的な実施形態では、針機構390は、薬剤がカートリッジ130から針機構390を通って押し出された後、第2の構成から第1の構成に移動される。カセット100が上述の薬剤を患者に送達するために使用されている実施形態では、第1の針330を針アセンブリ300から伸長し、注射後に第1の針330を針アセンブリ300内に後退させることにより、患者は、第1の針330を直接見る又は取り扱う必要なく、薬剤を注射することができる。
【0047】
ここで参照する
図23~24には、針アセンブリ500の別の実施形態が示されている。針アセンブリ500は、ハウジング510、回転アセンブリ514、及び複数の針機構590を備える。各針機構590は、第1の針530に結合された第1の針支持体520、第2の針550に結合された第2の針支持体540、可動コネクタ560、駆動部材570、駆動部材アクチュエータ578、及びOリング580を備える。図示の実施形態では、複数の針機構590が示されているが、
図11に示される実施形態と同様に、単一の針機構590を含む任意の数の針機構590を使用することができる。可動コネクタ560は、上述の可動コネクタ360と共通の様々な特徴を有し得る。
【0048】
回転アセンブリ514は、露出した被動歯車512を含み、ハウジング510と結合するように構成されている。例示的な実施形態では、被動歯車512は、モータによって駆動され、回転アセンブリ514を介してハウジング510を回転させる。他の実施形態では、回転アセンブリ514は被動歯車512を含まなくてもよく、代わりに、によって回転されるグリップ、又はモータ若しくは別の装置によって回転される他の係合特徴など、その回転を容易にする異なるユーザ特徴を有してもよい。更に他の実施形態では、回転アセンブリ514は、針アセンブリ500全体を回転させる代わりに、ハウジング510内の針機構590のみを回転させるように構成され得る。
【0049】
ここで参照する
図25~28では、針アセンブリ500の針機構590が、駆動ねじアセンブリとして構成されている。第1の針支持体520及び第2の針支持体540の各々は、係合特徴522、支持体524、及び針保持器526を備える。第1の針支持体520及び第2の針支持体540は、駆動部材570と係合するように構成されている。第1及び第2の針支持体520、540の各々は、駆動部材570との相互作用に適応するためにほぼ湾曲しており、第1及び第2の針530、550を互いにほぼ近接して配置するように構成されている。他の実施形態では、第1及び第2の針支持体520、540は、第1及び第2の針530、550を互いに中心軸の反対側に配置するように構成され得る。各係合特徴522は、駆動部材570の駆動係合特徴572と相互作用するように構成されている。図示の実施形態では、係合特徴522は、駆動部材570と螺合している。係合特徴522はねじ山として示され、駆動部材570はねじなどのねじ山付きシャフトとして示され、駆動係合特徴572はねじ内のトラフ又はルートである。係合特徴522は、駆動部材570の駆動係合特徴572内に受容されるか、又は別様に相互作用するように構成されている。図示された実施形態では、駆動部材570の駆動係合特徴572は、駆動部材570の回転が第1及び第2の針支持体520、540の反対の軸方向の動きを引き起こすように、駆動部材570の対向する半分に沿って反対に配向されている。駆動歯車578は、駆動部材アクチュエータ578の回転が駆動部材570の回転を引き起こすように、各駆動部材570に結合される。駆動部材570は、駆動部材570に沿った第1の針支持体520及び/又は第2の針支持体540の移動を停止するように構成されている少なくとも1つの停止特徴573も備える。図示の実施形態では、駆動部材570は、駆動部材570の各半分に停止特徴573を備える。
【0050】
ここで
図28を参照すると、針機構590は針機構390と同様に伸長及び後退させることができるが、異なる駆動機構を使用する。より具体的には、針機構590は、
図38に示されるように、使用前及び/又は使用後の第1の後退構成と使用中の第2の伸長構成(図示せず)との間で移動され得る。針アセンブリ500の針機構590内で、駆動部材アクチュエータ578は、駆動部材570に回転可能にロックされており、したがって回転すると、駆動部材570の回転が引き起こされる。第1の針支持体520及び第2の針支持体540上の係合特徴522は、駆動部材570が回転するとき、駆動部材570に沿って反対の軸方向に第1の針支持体520及び第2の針支持体540を移動させるように構成されている。各針機構590は、
図38に示されるように、第1の構成で始まり、駆動部材570を第1の方向に回転させると、第1の針支持体520が方向D1に移動し、第2の針支持体540が方向D2に移動し、それによって針機構590が第2の構成に移動する。部材アクチュエータ578の駆動は、針機構590が第2の構成に達すると、第1の針支持体520及び第2の針支持体540の移動を停止する。次に、駆動部材570は、第1の針支持体520を方向D2に移動させ、第2の針支持体540を方向D1に移動させることによって、針機構590を第2の構成から第1の構成に移動させるために、第2の反対方向に回転することができる。針アセンブリ300に関して論じたように、第1の構成、第2の構成、針、用途などに関係する全ての前述の開示は、針アセンブリ500に適用され得る。針アセンブリ500のようにねじ機構を利用することにより、針アセンブリ500は、針アセンブリ300及び針アセンブリ400のようにラックアンドピニオン機構よりも占有するスペースを少なくすることができる。
【0051】
1つ以上の利点が、本明細書に開示される針機構のいずれかを有するカセットのいずれかによって実現され得、針機構は第1の構成と第2の構成との間で移動可能であり、薬剤リザーバと患者に注射する針との間で流体経路が形成され(第1の構成)、除去され(第2の構成)、すなわち、薬剤リザーバと患者に注射する針との間の流体経路が分離される。この分離の1つの利点は、プランジャーの減圧(わずかな内圧を維持できる)による垂れ下がりがないため、投与量送達の精度が潜在的に改善され得ることである。これにより、結果として、患者による治療部位でのデバイスの保持時間が短縮され、投与量の精度が達成され得る。本明細書に記載の歯車機構及び針支持体の利点の1つ以上は、針の移動を非常に厳密に誘導することである。したがって、そのような厳密に誘導された制御は、小さな隔壁ターゲットをより効果的に当てる、及び/又は針を患者の皮膚からまっすぐに押し出すことができる(近位神経に当たる可能性が低い)。
【0052】
図25に示すように、複数の針アセンブリを使用することができる。複数の針アセンブリの使用に関する追加の詳細、及び異なる軸に沿って配向された2本の針(例えば、垂直針)で操作できる針アセンブリは、上記で組み込まれた米国仮出願第63/126,552号に記載されている。
【0053】
ここで参照する
図29~30では、針機構390とともに使用されるように構成されている針アセンブリ400が示されている。針アセンブリ400は、上述したように針アセンブリ300と同様の機能を備え得る。アセンブリ400は、下部管状体と、下部管状体から軸方向に延在する中間部分とを有し得る。下部管状体は、歯車154が存在する(歯車の面が半径方向外側に面する)半径方向の凹部を画定し得る。歯車154の回転軸は、図に示されるように、中心軸に対して垂直であってもよい。中間部分は、針機構390の周りに囲いを形成する。中間部分は、歯車154からのシャフトが半径方向内配向に中間部分内に延在する半径方向開口部を含み得る。中間部分は、針機構390からの針が選択的に貫通する開口部を含み得る。針アセンブリ作動歯車154は、駆動部材370を作動させ、それによって針機構390を起動させるように構成されている。上述のように、作動歯車154は、再使用可能なハウジング内のモータによって、又はユーザによって手動で作動され得る。
【0054】
ここで参照する
図31~32では、針機構590とともに使用されるように構成されている針アセンブリ402が示されている。針アセンブリ402は、上述の針アセンブリ500と同様の機能を備え得る。針アセンブリ作動歯車155は、駆動部材アクチュエータ578と噛み合って回転するように構成され、それによって、駆動部材570を作動させ、針機構590を作動させる。アセンブリ402は、下部管状体と、下部管状体から軸方向に延在する中間部分とを有し得る。下部管状体は、歯車155のシャフトが存在する凹部(軸方向に面する歯車の面)を画定し得る。中間部分は、針機構590の周りに囲いを形成する。中間部分は、駆動部材570が貫通する第1の軸方向開口部を含み得る。駆動部材アクチュエータ578は、駆動部材570に回転可能に固定され、歯車155と駆動可能に係合される。中間部分は、針機構590からの針がその中で選択的に延在する別の軸方向開口部を含み得る。
【0055】
参照する
図33では、針アセンブリ401が、針アセンブリハウジングを除いて示されている。針アセンブリ401は、針機構390とともに使用されるように構成されている。針アセンブリ401は、上述したように針アセンブリ300と同様の機能を備え得る。針アセンブリ作動歯車254は、駆動部材370を作動させ、それによって針機構390を起動させるように構成されている。歯車254は、外歯歯車280によって駆動可能である。歯車280は、歯車254と軸方向に係合するために、その本体の縁部に沿って形成された歯車駆動歯を有するリング形状に形成され得る。外歯歯車280は、歯車280の外面から延在する少なくとも部分的に円周方向の半径方向リップ285を含むことができ、これは下側部分410の上縁と摺動可能に係合する(
図7に示す通り)。外歯歯車は、モータ又はユーザによって駆動される1つ以上の被動歯又は歯車インターフェース特徴を含み得る。被動歯は、外面に沿って互いに円周方向に間隔を空けて配置され得る。一実施形態では、被動歯は、半径方向リップから離れて延在する軸方向に延在する突起として示されている。歯車インターフェース特徴は、突起の代わりに凹部を含んでもよい。外歯歯車280が、例えば、第2のモータによって駆動されて回転すると、歯車駆動歯が歯車254の歯と駆動可能に係合し、それによって上述のように針を動かす。
【0056】
ここで参照する
図34では、針機構590とともに使用されるように構成されている針アセンブリ403が示されている。針アセンブリ403は、上述したように針アセンブリ500と同様の機能を備え得る。針アセンブリ作動歯車255は、駆動部材アクチュエータ578と噛み合って回転するように構成され、それによって、駆動部材570を作動させ、針機構590を作動させる。歯車255の回転軸は、図に示されるように、中心軸からオフセットされ、平行であってもよい。図に示されるように、歯車578の回転軸は中心軸からオフセットされ平行で、歯車255の回転軸からオフセットされてもよい。歯車255は、外歯歯車281によって駆動可能である。歯車281は、歯車255との半径方向の係合のために、その本体の縁部に沿って半径方向内配向に形成された歯車の歯を有するリング形状に形成されている。一実施形態では、駆動歯又は外歯歯車インターフェース特徴は、歯車280と同様に、軸(図示せず)の周りで互いに円周方向に離間して配置され、外面に沿って軸方向に延在する突起であってもよい。外歯歯車281が、例えば、第2モータによって駆動されて回転すると、歯車駆動歯は、駆動部材アクチュエータ578の歯と駆動可能に係合する歯車255の歯と駆動可能に係合し、それによって上述のように針を動かす。
【0057】
ここで
図35を参照すると、コンピューティングデバイス700は、本明細書に記載の薬物送達デバイス11、12、13、100のいずれか、例としてカセット100と通信及び/又は動作するために使用され得る。コンピューティングデバイス700は例示的に、スマートフォンのようなモバイル装置を含む。代替としては、限定するものではないが、例えば、ラップトップ、デスクトップ、タブレット又はサーバコンピュータを含む、任意の好適なコンピューティングデバイスが使用されてもよい。
【0058】
プロセッサ700は、コンピューティングデバイス700のメモリ720に格納されたソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサ710を含む。ソフトウェア/ファームウェアコードは、プロセッサ710によって実行されると、デバイス700に本明細書に記載の機能を実行させる命令を含む。少なくとも1つのプロセッサ710は、例示的に、カセット100を起動するように動作する制御ロジック及び/又はアプリケーション715を含む。メモリ720は、プロセッサ710によってアクセス可能である任意の好適なコンピュータ可読媒体である。メモリ720は、単一の記憶装置又は複数の記憶装置であってもよく、プロセッサ710の内部又は外部に位置していてもよく、揮発性及び不揮発性の媒体の両方を含んでもよい。例示的なメモリ720には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気ストレージデバイス、光ディスクストレージ、又はデータを格納するように構成され、かつプロセッサ710によってアクセス可能な任意の他の好適な媒体が含まれる。
【0059】
コンピューティングデバイス700は、プロセッサ710と通信し、ユーザ入力データをシステムに供給し、システムによって生成されたデータ、情報及びプロンプトを受信して、表示するように動作可能なユーザインタ-フェース705を含む。ユーザインターフェース705は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力をシステムに供給するための、少なくとも1つの入力装置を含む。図示された実施形態においては、ユーザインターフェース705は、データを表示しユーザ入力を受信するように動作可能なタッチスクリーンディスプレイを含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)である。タッチスクリーンディスプレイは、ユーザが、提示された情報、メニュー、ボタン及びその他のデータと相互作用して、システムから情報を受信すること、及びシステムにユーザ入力を供給することを可能にする。代替としては、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、マウスポインタ又はその他の好適なユーザ入力装置が提供されてもよい。
【0060】
コンピューティングデバイスは、信号750によってカセット100と通信する。信号750は、無線又は有線信号であり得る。カセット100は、プロセッサ710と同様のプロセッサ760、カセットID770、及び/又は通信デバイス780を備え得る。通信デバイス780は、信号750を通信デバイス740に/から、又はカセット100の他の構成要素に/から信号750を送信又は受信することができる(例えば、カセットID770)。カセットID770は、カセット100の構成要素に関するデータを提供する任意の種類の機構又は装置であり得る。例えば、カセットID770は、カセット100上のチップ又はRFIDインジケータ(
図12)カートリッジ130内の液体又は薬剤の種類に関するデータ(例えば、特定の薬剤、粘度、容量、投与量、注射スケジュールなど)を提供する。針アセンブリ又はモータなどの他の構成要素は、カセット100に関連する他のデータを通信するためのIDを含み得る(例えば、針アセンブリの種類、針の長さ/位置、患者情報、治療履歴情報、モータの種類、モータの特性など)。
【0061】
いくつかの実施形態では、カセット100は、薬剤が患者に送達されたことを示す何らかの表示を提供するインジケータ(図示せず)を備え得る。そのような表示は、投与終了の表示であってもよい。インジケータは、例えば、ライト(例えば、LED)、画面などの視覚的表示、振動、音、信号の送信、別のコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン又は上述したようなコンピュータ)での表示、機械的な視覚インジケータ(例えば、バレルの動きを示すデバイスハウジング内のウィンドウ)、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。インジケータはまた、カセットが挿入されているかどうか、カセットが適切に挿入されているかどうか、デバイスの電力情報(例えば、デバイスのオン/オフ、バッテリーレベル)、患者情報、上記のIDによって提供され得る情報、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されないカセット100の動作に関する任意の他の情報をユーザに表示し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、カセット100は、デバイスに関連する情報を感知するいくつかのセンサ(図示せず)を備え得る。例示的な実施形態では、カセット100は、デバイスが患者の皮膚に接して適切に配置されているかどうかを感知する皮膚センサを備える。いくつかの実施形態では、デバイスが適切に配置されていることを皮膚センサが示さない場合、カセット100は、針アセンブリを作動させず、又は薬剤を送達しなくてもよい。任意選択のセンサの他の例には、薬剤レベルセンサ、圧力センサ、加速度計、力/推力センサ、駆動システム、カートリッジ、ハウジング、及び/又は針アセンブリの要素のための位置センサ、pHセンサ、又はそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。周囲温度、薬剤温度、又は別の構成要素の温度を感知するために温度センサを設けてもよく、具現化され得るが、例えばサーミスタ(例えば、負温度係数(NTC)サーミスタ又は抵抗温度検出器(RTD))、熱電対、又は半導体ベースの温度センサなどであるがこれらに限定されない。
【0063】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるカセットは、ストッパー駆動システム120、220を含まない。代わりに、再使用可能部分のハウジングの駆動システムは、ストッパーと係合するように構成されている。
【0064】
デバイス11、12、13、100、及び200など、本明細書に開示される薬物送達デバイスの構成要素の一部又は全ては、ポリマー又は使い捨て材料から構成され得る。例えば、薬物送達デバイス11、12、13、並びに/又はカセット100及び200の構成要素の一部又は全ては、環状オレフィンポリマーから構成され得る。更に、カセット100の構成要素の一部又は全ては、付加製造、押出、縮小機械加工、鋳造、成形、又は任意の他の好適な製造プロセスによって製造され得る。いくつかの実施形態では、ハウジング、カートリッジ、流体ハウジング、配向機構、駆動システム、及び/又は針アセンブリは、部分的又は全体的にポリマーで構成され得る。ポリマーから特定の構成要素を製造すると、ガラスなどの他の材料と比較して製造公差が改善される場合があり、そのようなデバイス又は構成要素の廃棄の影響も軽減される場合がある。
【0065】
「第1の」、「第2の」、「第3の」などという用語は、本明細書において使用されているか、特許請求の範囲において使用されているかにかかわらず、類似する要素間を区別するために提供され、必ずしも順番又は時系列的順序を説明するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な環境下で入れ替え可能であり(特に明確に開示されていない限り)、本明細書に記載の開示の実施形態は、本明細書に記載又は図示されているもの以外の他の順序及び/又は構成で動作可能であることを理解されたい。
【0066】
本発明は例示的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正され得る。したがって、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、又は適応を網羅することが意図される。更に、本出願は、本発明が関係し、添付の特許請求の範囲の限定の範囲内に入る、当該技術分野で知られている又は慣習的な実施の範囲内に入るものとして、本開示からのそのような逸脱を網羅することを意図する。
【0067】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、本開示に記載されている。
1.薬物送達デバイスであって、カセットであって、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジと、薬剤をカートリッジから駆動するように構成されているストッパー駆動システムであって、ストッパー駆動システムは、ストッパーを備えており、ストッパーが10mm未満移動して1mLの量の薬剤を送達するストッパー駆動システムと、カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリであって、針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有し、伸長構成では、作動歯車が第2の位置にあり、針アセンブリが、カートリッジと針アセンブリとの間の流体連通を提供し、後退構成では、作動歯車が第1の位置にあり、カートリッジと針アセンブリとの間に流体連通は提供されない、針アセンブリと、を備えるカセットを含む薬物送達デバイス。
2.カセットを受容するように構成され、駆動システムを含む再使用可能なハウジングを更に含み、駆動システムは、少なくともストッパー駆動システムに動作可能に結合するように構成される、態様1に記載の薬物送達デバイス。
3.カートリッジが再使用可能なハウジングに結合されたときに、再使用可能なハウジングに対してカートリッジを配向するように構成されている配向機構を更に含む、態様2に記載の薬物送達デバイス。
4.配向機構が突起を含み、再使用可能なハウジングが突起を受容するように構成されているスロットを含む、態様3に記載の薬物送達デバイス。
5.再使用可能なハウジングが、カセットの中心軸の周りの任意の回転位置でカセットを受容するように構成されている、態様2に記載の薬物送達デバイス。
6.ストッパー駆動システムを作動させてカートリッジから薬物を送達するように構成されている第1のモータを更に含む、態様1~5のいずれか一態様に記載の薬物送達デバイス。
7.針アセンブリの作動歯車を作動させるように構成されている第2のモータを更に含む、態様6に記載の薬物送達デバイス。
8.カセットが40mmから60mmの高さ及び20mmから40mmの直径を有する、態様1~7のいずれか一態様に記載の薬物送達デバイス。
9.カートリッジに結合されたカートリッジIDを更に含む、態様1~8のいずれか一態様に記載の薬物送達デバイス。
10.カートリッジIDが少なくとも1つの円形IDを含み、円形IDが円形IDの中心軸に対して複数の回転配向から読み取られるように構成されている、態様9に記載の薬物送達デバイス。
11.カートリッジIDが、RFIDインジケータ、読み取り可能なチップ、及びアンテナのうちの少なくとも1つを含む、態様9に記載の薬物送達デバイス。
12.カートリッジ、並びにストッパー駆動システム及び針アセンブリの少なくとも一部が、ポリマーから構成されている、態様1~11のいずれか一態様に記載の薬物送達デバイス。
13.患者に薬剤を送達する方法であって、薬物送達デバイスのハウジングを、第1の針及び第2の針を備える針アセンブリを有するカセットに結合することであって、針アセンブリは、カートリッジと針アセンブリとの間に流体連通が提供されない後退構成にある、結合することと、カセットに対してハウジングを配向することと、薬物送達デバイスを患者の皮膚に接して配置することと、薬物送達デバイスの針アセンブリを作動させて、第1の針を患者の皮膚内に伸長させ、第2の針をある量の薬剤を含むカートリッジの隔壁内に伸長させることと、駆動システムを作動させて、カートリッジから針アセンブリを通して患者へ、1mLの量の薬剤について10mm未満移動するようにストッパーを駆動することと、針アセンブリ内で第1及び第2の針を後退させ、カートリッジと針アセンブリとの間に流体連通が提供されていない、後退させることと、を含む方法。
14.配向するステップが配向機構によって実施される、態様13に記載の方法。
15.配向機構が、突起、スロット、及び歯車のうちの少なくとも1つを含む、態様14に記載の方法。
16.後退させるステップの後に、ハウジングをカセットから分離するステップを更に含む、態様13~15のいずれか一態様に記載の方法。
17.ハウジング上のカートリッジIDを読み取るステップを更に含む、態様13~17のいずれか一態様に記載の方法。
18.薬物送達デバイスであって、再使用可能なハウジングと、再使用可能なハウジングに結合されたカセットであって、カセットが2:1~1:1の高さ対直径の比を有するカセットと、カセットによって支持され、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジと、再使用可能なハウジングに対してカセットを配向するように構成されている配向機構とを含む薬物送達デバイス。
19.再使用可能なハウジングによって支持された少なくとも1つのモータを更に含み、少なくとも1つのモータをカセットの少なくとも一部と動作可能に結合するために、配向機構がカセットを配向する、態様18に記載の薬物送達デバイス。
20.伸長構成と後退構成との間で移動可能なカセットに直接結合され、少なくとも部分的にカセット内にある針アセンブリを更に備え、伸長構成では、針アセンブリが、ポリマーカートリッジと針アセンブリとの間の流体連通を提供する、態様19に記載の薬物送達デバイス。
21.再使用可能なモジュールに結合するためのカセットを含む薬物送達デバイスであって、カセットは、ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジであって、中央に位置する軸に沿って近位端と遠位端との間に延在するカートリッジと、薬剤をカートリッジから駆動するように構成されているストッパー駆動システムであって、ストッパー駆動システムは、ストッパーと、ストッパーに結合され、ストッパーを移動させるために再使用可能なモジュールの第1のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されているインターフェース端とを含む、ストッパー駆動システムと、カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリであって、針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有し、作動歯車は、再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって直接又は間接的に駆動されるように構成されており、伸長構成では、作動歯車が第2の位置にあり、針アセンブリが、カートリッジと針アセンブリとの間の流体連通を提供し、後退構成では、作動歯車が第1の位置にあり、カートリッジと針アセンブリとの間に流体連通は提供されない、針アセンブリと、を含み、インターフェース端は、カートリッジの上端から延在し、軸と同軸であり、作動歯車は、軸からオフセットした位置で、再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって外部から係合されるように配置される、薬物送達デバイス。
22.作動歯車は、作動歯車と駆動可能に係合する外歯歯車を更に含み、外歯歯車は、軸の周りで互いに円周方向に離間して配置された外歯歯車インターフェース特徴を含み、外歯歯車インターフェース特徴は、再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されている、態様21に記載の薬物送達デバイス。
23.外歯歯車がリング形状の本体を有し、外歯歯車インターフェース特徴がリング形状の本体の円周面に沿って配置され、外歯歯車が、作動歯車との軸方向の係合のためにリング形状の本体の軸縁に沿って形成された歯車駆動歯を含む、態様22に記載の薬物送達デバイス。
24.作動歯車は、作動歯車と駆動可能に係合する外歯歯車を更に含み、外歯歯車は、軸の周りで互いに円周方向に離間して配置された外歯歯車インターフェース特徴を含み、外歯歯車インターフェース特徴は、再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されている、態様21~24のいずれか一態様に記載の薬物送達デバイス。
25.外歯歯車がリング形状の本体を有し、外歯歯車インターフェース特徴がリング形状の本体の円周面に沿って配置され、外歯歯車が、作動歯車との半径方向の係合のためにリング形状の本体の軸縁に沿って半径方向に形成された歯車駆動歯を含む、態様24に記載の薬物送達デバイス。
26.作動歯車は、軸に対して垂直な回転軸を有する、態様21~25のいずれか一態様に記載の薬物送達デバイス。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再使用可能なモジュールに結合するためのカセットを備える薬物送達デバイスであって、前記カセットは、
ある量の薬剤を保持するように構成されているカートリッジであって、中央に位置する軸に沿って近位端と遠位端との間に延在する、カートリッジと、
前記薬剤を前記カートリッジから駆動するように構成されているストッパー駆動システムであって、前記ストッパー駆動システムは、ストッパーと、前記ストッパーに結合され、前記ストッパーを移動させるために前記再使用可能なモジュールの第1のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されているインターフェース端と、を備える、ストッパー駆動システムと、
前記カートリッジに直接結合され、伸長構成と後退構成との間で移動可能な針アセンブリであって、前記針アセンブリは、第1の位置と第2の位置との間で移動可能な作動歯車を有し、前記作動歯車は、前記再使用可能なモジュールの第2のモータ又は作動装置によって直接又は間接的に駆動されるように構成されており、前記伸長構成では、前記作動歯車が前記第2の位置にあり、前記針アセンブリが、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間の流体連通を提供し、前記後退構成では、前記作動歯車が前記第1の位置にあり、前記カートリッジと前記針アセンブリとの間に流体連通は提供されない、針アセンブリと、を備えており、
前記インターフェース端は、前記カートリッジの上端から延在し、前記軸と同軸であり、前記作動歯車は、前記軸からオフセットした位置で、前記再使用可能なモジュールの前記第2のモータ又は作動装置によって外部から係合されるように配置されている、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記作動歯車は、前記作動歯車と駆動可能に係合する外歯歯車を更に備えており、前記外歯歯車は、前記軸の周りで互いに円周方向に離間して配置された外歯歯車インターフェース特徴を含み、前記外歯歯車の前記外歯歯車インターフェース特徴は、前記再使用可能なモジュールの前記第2のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されている、請求項
1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記外歯歯車がリング形状の本体を有し、前記外歯歯車インターフェース特徴が前記リング形状の本体の円周面に沿って配置され、前記外歯歯車が、前記作動歯車との軸方向の係合のために前記リング形状の本体の軸縁に沿って形成された歯車駆動歯を含む、請求項
2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記作動歯車は、前記作動歯車と駆動可能に係合する外歯歯車を更に含み、前記外歯歯車は、
半径方向内向き面に沿って前記軸の周りで互いに円周方向に離間して配置された外歯歯車インターフェース特徴を含み、前記外歯歯車の前記外歯歯車インターフェース特徴は、前記再使用可能なモジュールの前記第2のモータ又は作動装置によって駆動されるように構成されている、請求項
1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記外歯歯車がリング形状の本体を有し、前記外歯歯車インターフェース特徴が前記リング形状の本体の円周面に沿って配置され、前記外歯歯車が、前記作動歯車との半径方向の係合のために前記リング形状の本体の軸縁に沿って半径方向に形成された歯車駆動歯を含む、請求項
4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記作動歯車は、前記軸に対して垂直な回転軸を有する、請求項
1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記カートリッジが、前記薬剤を備える流体ハウジングを含む、請求項
1に記載の薬物送達デバイス。
【国際調査報告】