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特表2023-544645光学的作用トリガを備える能動的植込み型医療機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】光学的作用トリガを備える能動的植込み型医療機器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
A61N1/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527312
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2020081568
(87)【国際公開番号】W WO2022100811
(87)【国際公開日】2022-05-19
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】517285068
【氏名又は名称】シナジア メディカル
【氏名又は名称原語表記】Synergia Medical
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ドゲット,パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ボトキン,ヨアン
(72)【発明者】
【氏名】ガルニエ,ジェローム
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB12
4C053JJ01
4C053JJ18
4C053JJ40
(57)【要約】
本発明は、患者の体外に位置する外部トリガユニット(11)によってトリガされる、患者の体内に植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)(1)による作用を開始するための部品キットに関し、部品キットは、(A)350~2200nmの間に含まれる波長を有する光開始信号(10)を発するように構成された1つ又は複数の光源(12L)を備える外部エミッタ(12)を備える外部トリガユニット(11)と、(B)外部トリガユニット(11)から光開始信号(10)を受信すると、AIMD(1)による作用を開始するように構成された作用トリガを含む内部容積を画定する封入ユニット(1e)を備えるAIMD(1)とを備える。作用トリガは、透明壁部分(1t)に面する1つ又は複数の光検出器(2pv)を備え、光開始信号(10)を電気信号に変換するように構成された光学的作用トリガ(2)であり、電気信号はAIMDによる作用を開始する働きをする。
【選択図】図2(a)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体外に位置する外部トリガユニット(11)によってトリガされる、患者の体内に植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)(1)による作用を開始するための部品キットであって、
(A)患者の体内に植え込まれるように構成された前記AIMD(1)であって、壁(1w)によって封入ユニットの外側から密封式に分離された内部容積を画定する前記封入ユニット(1e)を備え、前記内部容積は、前記外部トリガユニット(11)から開始信号(10)を受信すると、前記AIMD(1)による作用を開始するように構成された作用トリガを備え、前記作用トリガは、前記内部容積内に留置され、前記AIMDの動作を制御するように構成された植え込まれた制御論理(3)に電気的に結合される、前記AIMD(1)と、
(B)前記作用トリガに対して前記開始信号を発するように構成された外部エミッタ(12)を備える前記外部トリガユニット(11)と
を備える部品キットにおいて、
- 前記外部エミッタ(12)が、350~2200nmの間、好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長を有する光開始信号の形態で前記開始信号(10)を発するように構成された1つ又は複数の光源(12L)を備えること、
- 前記封入ユニットの前記壁が、前記光開始信号に対して透明な透明壁部分(1t)を備えること、及び
- 前記作用トリガは、前記透明壁部分(1t)に面する1つ又は複数の光検出器(2pv)を備え、前記光開始信号(10)を電気信号に変換するように構成された光学的作用トリガ(2)であり、前記電気信号は前記AIMDによる作用を開始する働きをすること、
を特徴とする部品キット。
【請求項2】
請求項1に記載の部品キットにおいて、前記作用が、前記内部容積内に留置された植え込まれた通信ユニット(5)を、外部通信ユニット(15)と通信するように構成された状態に作動することを含むことを特徴とする部品キット。
【請求項3】
請求項2に記載の部品キットにおいて、前記植え込まれた通信ユニット(5)と前記外部通信ユニット(15)が、
- 好ましくは1MHz~2.5GHzの間の周波数帯のRF通信、より好ましくはBluetooth通信若しくはwifi通信、又は、
- 好ましくは350~2200nmの間、より好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長範囲の光通信、
のうちの1つによって通信するように構成されることを特徴とする部品キット。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の部品キットにおいて、前記光学的作用トリガが、単一の光検出器(2pv)、又は直列に配置された複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器を備え、前記AIMD(1)による作用の開始に必要な、予め定められたトリガ電圧と同等かそれを超える電圧を生成するために、前記開始信号(10)はすべての光検出器を作動しなければならないことを特徴とする部品キット。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の部品キットにおいて、前記光学的作用トリガが、単一の光検出器(2pv)、又は並列に配置された複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器を備え、前記AIMDによる作用の開始に必要な、対応する予め定められたトリガ電流と同等かそれを超える電流を生成するために、前記開始信号(10)は、1つ又は複数の光検出器、好ましくはすべての光検出器を作動しなければならないことを特徴とする部品キット。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の部品キットにおいて、前記光学的作用トリガ(2)が、論理信号を生成するように、及び前記論理信号を前記植え込まれた制御論理(3)に送信するように構成され、前記論理信号は、前記1つ又は複数の光検出器(2pv)によって生成される電圧又は電流に依存し、前記植え込まれた制御論理(3)は、前記論理信号を解読するように、及び前記作用を開始するか否かを決定するように構成されることを特徴とする部品キット。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の部品キットにおいて、前記AIMDによる作用を開始するために、前記開始信号(10)は、波長、強度、周波数、ON信号の予め定められた数と持続時間のON/OFFシーケンス、又は波長のシーケンス、又は周波数のシーケンスの中から選択された1つ又は複数のパラメータの予め定められた値を有する必要があることを特徴とする部品キット。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の部品キットにおいて、
- 前記AIMDが、前記内部容積内に留置され、前記植え込まれた制御論理(3)に結合された植え込まれたパルス発生器(IPG)(7)を備える神経刺激装置であり、前記制御論理は前記IPGの動作を制御するように構成され、
- 前記IPGは、エネルギー導体を介して電極ユニット(50)に結合されたエネルギーパルス源を備え、
- 前記電極ユニット(50)は、電極(50e)を備え、前記電極によって電気的に刺激されるべき患者の組織に結合されるように構成される、
ことを特徴とする部品キット。
【請求項9】
請求項8に記載の部品キットにおいて、
- 前記エネルギーパルス源が光源(7L)であり、
- 前記エネルギー導体が光ファイバ(10)であり、
- 前記電極ユニット(50)が、前記光ファイバ(30)を通して伝播される光エネルギーを、前記電極(50e)に電力を供給するための電流に変換するように構成された光電池を備える、
ことを特徴とする部品キット。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の部品キットにおいて、前記作用が、
- 前記AIMD(1)と前記外部通信ユニット(15)との間の通信を確立すること、及び
- 前記IPG(7)の1つ又は複数のパラメータを修正すること、
のうちの1つ又は複数の間で選択され、前記IPG(7)の1つ又は複数のパラメータには、
o 刺激パルス強度、パルス周波数、及びパルス持続時間、及び/又は
o 1つ又は複数のエネルギーパルスの生成、若しくは
o エネルギーパルスの生成の阻止、
が含まれることを特徴とする部品キット。
【請求項11】
請求項10に記載の部品キットにおいて、前記作用が、
- 前記IPG(7)の前記1つ又は複数のパラメータを修正すること、及び
- 前記1つ又は複数のパラメータが修正されたか否かを外部通信ユニット(15)へ通信すること、
を含むことを特徴とする部品キット。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の部品キットにおいて、
- 前記外部エミッタ(12)が、異なる種類の開始信号(10)を送信するように構成され、
- 前記光学的作用トリガ(2)が、受信した開始信号の種類を前記植え込まれた制御論理に伝達するように構成され、
-前記植え込まれた制御論理(3)が、前記光学的作用トリガ(2)が受信した開始信号の種類に依存して前記AIMDによる予め定められた対応する作用をトリガするように構成される、
ことを特徴とする部品キット。
【請求項13】
請求項12に記載の部品キットにおいて、前記予め定められた対応する作用が、刺激の中断、刺激の開始、又は刺激強度若しくは持続時間の修正のうちの1つを含むことを特徴とする部品キット。
【請求項14】
植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)(1)による作用を開始するための方法であって、
- 請求項1乃至13の何れか1項に記載の部品キットを提供するステップであって、前記透明壁部分(1t)が患者の皮膚(21)に向かって位置する状態で前記AIMDが患者の皮下に植え込まれる、提供するステップと、
- 前記外部トリガユニット(11)の前記1つ又は複数の光源(12L)による光開始信号(10)を前記AIMDに向けて送信するステップと、
- 前記光学的作用トリガ(2)が前記光開始信号(10)を電気信号に変換し、その電気信号を論理信号の形態で前記制御論理(3)に送信することを可能にするステップと、
- 前記制御論理(3)が、
o 前記論理信号に対応する前記光開始信号(10)が作用の開始を可能にするかどうかを評価し、
o 前記光開始信号(10)が作用の開始を可能にする場合、前記光信号(10)に対応する作用を選択し、その作用を実行するように前記AIMDを制御し、
o 前記光開始信号(10)が作用の開始を可能にしない場合、前記電気信号を無視すること、
を可能にするステップと
を含むことを特徴とする方法。
ここで、前記作用は、前記内部容積に収容された植え込まれた通信ユニット(5)と患者の体外に位置する外部通信ユニット(15)との間の通信の確立、及び/又は生理的パラメータの測定の中から選択される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の体内に植え込まれるように構成された能動的植込み型医療機器(AIMD)に関するものである。本発明のAIMDは、AIMD内に密閉されたバッテリからエネルギーを一切消費することなく、外部トリガユニットからの光開始信号を検出するように構成された光学的作用トリガを備えている。AIMDは、光開始信号を分析し、AIMDによる1つ又は複数の予め定められた作用を開始するかどうかを決定するように構成された植え込まれた制御論理を備えている。AIMDが植え込まれたパルス発生器(IPG)を備える神経刺激装置である場合、予め定められた作用は、IPGによって生成されるパルスの1つ又は複数のパラメータを修正することを含むことができる。予め定められた作用は、AIMDと外部通信ユニットとの間の通信を開始すること、又は患者の生理的徴候を測定することを含むことができる。このようにすることで、本発明のAIMDは、RF通信波(例えば、WIFI、Bluetooth)を使用した遠隔ハッキングから保護される。それというのも、通信は、RFによるものさえ、非常に近い範囲(cmのオーダー)でしか機能しない外部トリガユニットと光学的作用トリガとの間の通信によってのみ開始できるからである。何らかのセンシングの開始、特定のソフトウェアルーチンの起動、任意の種類のパラメータの修正など、任意の他の予め定められた作用を設定することができる。
【背景技術】
【0002】
能動的植込み型医療機器(AIMD)は、多くの障害、特に神経障害の治療のために数十年にわたって使用されてきた。能動的植込み型医療機器(AIMD)は、RFIDタグ及びそれに類するもののような(非能動的)植込み型医療機器(IMD)と異なり、組織の刺激、バイタルサインの監視等など、植え込まれた身体と能動的に相互作用するように構成される。一般に、AIMDは、インプラントから、又はインプラントへエネルギーを伝達することが可能である。したがって、AIMDは、一般に、バッテリ又は充電式バッテリなどのエネルギー源を密閉している。
【0003】
AIMDの主要なタイプは、パーキンソン病、てんかん、慢性疼痛、運動障害、その他多くの適用など、多くの障害を診断又は治療するために、神経(例えば、迷走神経)又は筋肉などの組織に電気パルスを供給する神経刺激装置からなる。治療される組織、使用する電極の種類、電極間の距離に依存して、植え込まれた電極間に必要な電圧は、一般に15V±5Vのオーダーである。このような電圧は、一方は治療される組織に直接植え込まれる電極であり、他方は寸法がより大きく封入体に密閉された電気パルス発生器である2つの別々の構成要素で電気刺激インプラントが一般に形成されるような寸法の電気パルス発生器を必要とし、これら構成要素は用途に応じて身体の様々な場所で皮下に植え込み可能である。封入体は、鎖骨下領域、下腹部領域又は臀部領域等に植え込むことができる。封入体は、機械的特性や、生体適合性及び加工容易性などの他の理由から、一般にチタン(合金)で作られている。しかしながら、チタン製の封入体は、RF、可視光線、赤外光線の波長に対して低~無透過性であり、熱や画像アーチファクトを発生するので、MRIには不向きである。いくつかの封入体は、セラミック材料で作られ、可視光や赤外光に対して不透明又は透明である。ポリマーも封入体に対してテストされてきたが、それらは一般に耐久性と湿気に対する耐性に欠ける。
【0004】
図1(a)に示すように、最も単純な形態では、エネルギーパルスを供給するための機器は、封入体のハウジングに留置された植込み型パルス発生器(IPG)と、組織結合ユニットと、電気又は光エネルギーの形態でIPGから組織結合ユニットにエネルギーを伝達するために組織結合ユニットをIPGに結合するエネルギー転送リードとを備える。IPGは、導電性ワイヤによって組織結合ユニットの電極に伝達される電気パルスを生成することができる。代替的に、例えば欧州特許第3113838B1号明細書に記載されているように、IPGは、光ファイバを通してオプトロードに、又は、光エネルギーを電極に供給される電気エネルギーに変換する光電池に伝達される光パルスを生成することができる。エネルギー転送リードという用語は、本明細書では、電気導体(例えば、ワイヤ、テープ)及び光ファイバの両方を定義するために使用される。
【0005】
IPGの他に、神経刺激装置は一般に、以下のものをその封入体内に密閉して備えている:制御論理、外部通信ユニットと通信するための植え込まれた通信ユニットであって、少なくとも指示を受信するように構成されているが、好ましくは双方向に通信するように構成された通信ユニット、及び前述の要素に電力を供給するための植え込まれたバッテリ。IPGは、制御論理に記憶された1つ又は複数の予め定められたプログラムに従って、或いは外部通信ユニットからの指示を受信して、現在実行中の予め定められたプログラムを上書きしてエネルギーパルスを供給するように構成されている。一般に、必ずしも必要ではないが、AIMDと外部ユニットとの間の通信は、無線周波数(RF)波を使用して行われる。このような構成では、植え込まれた通信ユニットは、外部ユニットから対応する開始信号を受信すると、通信セッションを開始する準備ができるように定期的に起動される。この定期的な起動は、緩やかではあるが、エネルギーを消費するものである。封入体で利用可能な唯一のエネルギー源はバッテリであるため、この動作はバッテリの寿命を縮め、充電式バッテリの場合は2回の充電動作間の作動時間を短縮する。さらに、システムへのハッキングやバッテリの電力の消耗を試みようとして、通信のパワーアップや処理を必要とする複数のRF信号を送信することができる悪意のあるハッカーにとって、それは開いたドアとなる。2017年8月、米国食品医薬品局(FDA)は、ハッキングに対する潜在的脆弱性があるとして、約50万台の植込み型ペースメーカーをリコールした。安全機能の場合であっても、作用がトリガされることを許容せず、検証及び通信動作全体がエネルギーを消費し、そのような運動はバッテリの迅速な放電を急速にもたらし、これは充電不可能なユニットを使用している場合はさらに致命的である。
【0006】
AIMDのエネルギー消費を削減することは、再三の必要性である。特に、外部源から受信した信号の処理に関連するエネルギー消費の削減は、継続的な課題である。例えば、Bluetooth低エネルギー技術と呼ばれるBluetoothの特別なバージョンがあり、これは従来のBluetooth(=Bluetooth Basic Rate)と比較して消費電力を大幅に削減する。
【0007】
米国特許第5154172号明細書は、刺激期間中に特定の内部構成要素に印加される電圧を変更し、その期間中はフルパワー動作を可能にし、他の期間ではパワーレベルを下げるAIMDを記載している。AIMDは、所与の期間の無線周波数伝送の適用と連動して、磁石を所与の位置に配置することによりリセットされる。磁石は、AIMDのリセットをトリガするためのトリガの一部である。このシステムにより、患者が起きている限り、又は意識がある限り、第三者が患者に気づかれることなく、植え込まれたAIMDをリセットできないことが保証される。磁石はかさばり、常に持ち歩くには不便であり、銀行カードなどの磁気カードを消去してしまう可能性がある。さらに、どのような磁石でもAIMDのリセットをトリガするために使用できるため、それは安全なキー/ロックシステムを可能にせず、したがって安全性に限界がある。磁石の作用は、AIMDのリセットに限定される。
【0008】
本発明は、外部トリガユニットからのAIMDによる作用の光学的トリガに関連するエネルギー消費を削減するための解決策を提案するものである。それはまた、システムの安全性を高め、AIMDを担持する患者又は医師の承認なしに、誰も作用をトリガできないことを保証する。作用は、AIMDと外部通信ユニットとの間の通信の開始、或いはIPGが生成する電気パルスの1つ又は複数のパラメータを変化させる、又は心拍リズム、血中酸素飽和度、血液張力等などの生理的兆候を測定するなど、予め定められた1つ又は複数の作用のトリガとすることができる。また本発明は、1つ又は複数の予め定められた作用が正常にトリガされたことを確認するフィードバック信号をユーザに提供することができる。さらに、本解決策は、AIMDの植え込まれた通信ユニットとの接触を要求するRF信号を繰り返し送信し、かくして植え込まれたバッテリを消耗させることによって、AIMDの通信手段を遠隔操作でハッキングすることを不可能にする。本発明のこれら及び他の利点は、続けて提示される。
【発明の概要】
【0009】
本発明は添付の独立請求項において定義される。好ましい実施形態は従属請求項において定義される。特に、本発明は、患者の体外に位置する外部トリガユニットによってトリガされる、患者の体内に植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)による作用を開始するための部品キットであって、
(A)患者の体内に植え込まれるように構成されたAIMDであって、壁によって封入ユニットの外側から密封式に分離された内部容積を画定する封入ユニットを備え、内部容積は、外部トリガユニットから開始信号を受信すると、AIMDによる作用を開始するように構成された作用トリガを備え、作用トリガは、内部容積内に留置され、AIMDの動作を制御するように構成された植え込まれた制御論理に電気的に結合される、AIMDと、
(B)作用トリガに対して開始信号を発するように構成された外部エミッタを備える外部トリガユニットとを備え、
- 外部エミッタは、350~2200nmの間、好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長を有する光開始信号の形態で開始信号を発するように構成された1つ又は複数の光源を備え、
- 封入ユニットの壁は、光開始信号に対して透明な透明壁部分を備え、
- 作用トリガは、透明壁部分に面する1つ又は複数の光検出器を備え、光開始信号を電気信号に変換するように構成された光学的作用トリガであり、電気信号はAIMDによる作用を開始する働きをする、
部品キットに関する。
【0010】
作用が、内部容積内に留置された植え込まれた通信ユニットを、外部通信ユニットと通信するように構成された状態に作動することを含み得る。例えば、植え込まれた通信ユニットと外部通信ユニットは、
- 好ましくは1MHz~2.5GHzの間の周波数帯のRF通信、より好ましくはBluetooth通信若しくはwifi通信、又は、
- 好ましくは350~2200nmの間、より好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長範囲の光通信、
のうちの1つによって通信するように構成されることができる。
【0011】
一実施形態において、光学的作用トリガが、単一の光検出器、又は直列に配置された複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器を備え得る。この構成では、AIMDによる作用の開始に必要な、予め定められたトリガ電圧と同等かそれを超える電圧を生成するために、開始信号はすべての光検出器を作動しなければならない。
【0012】
別の実施形態において、光学的作用トリガが、単一の光検出器、又は並列に配置された複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器を備える。この構成では、AIMDによる作用の開始に必要な、対応する予め定められたトリガ電流と同等かそれを超える電流を生成するために、開始信号は、1つ又は複数の光検出器、好ましくはすべての光検出器を作動しなければならない。
【0013】
光学的作用トリガが、論理信号を生成するように、及び論理信号を植え込まれた制御論理に送信するように構成され得る。論理信号は、典型的には、1つ又は複数の光検出器によって生成される電圧又は電流に依存する。植え込まれた制御論理は、論理信号を解読するように、及び作用を開始するか否かを決定するように構成され得る。
【0014】
一実施形態において、AIMDによる作用を開始するために、開始信号は、波長、強度、周波数、ON信号の予め定められた数と持続時間のON/OFFシーケンス、又は波長のシーケンス、又は周波数のシーケンスの中から選択された1つ又は複数のパラメータの予め定められた値を有する必要がある。
【0015】
好ましい実施形態において、AIMDが、内部容積内に留置され、植え込まれた制御論理に結合された植え込まれたパルス発生器(IPG)を備える神経刺激装置であり、制御論理はIPGの動作を制御するように構成される。IPGは、電極を備え、電極によって電気的に刺激されるべき患者の組織に結合されるように構成された電極ユニットにエネルギー導体を介して結合されたエネルギーパルス源を備える。好ましくは、エネルギーパルス源は光源であり、エネルギー導体は光ファイバであり、電極ユニットは、光ファイバを通して伝播される光エネルギーを、電極に電力を供給するための電流に変換するように構成された光電池を備える。
【0016】
上で定義したような神経刺激装置について、作用は、
- AIMDと外部通信ユニットとの間の通信を確立すること、及び
- IPGの1つ又は複数のパラメータを修正すること、
のうちの1つ又は複数とすることができ、IPGの1つ又は複数のパラメータには、
o 刺激パルス強度、パルス周波数、及びパルス持続時間、及び/又は
o 1つ又は複数のエネルギーパルスの生成、若しくは
o エネルギーパルスの生成の阻止、
が含まれる。
【0017】
好ましい実施形態において、外部エミッタは、異なる種類の開始信号を送信するように構成される。光学的作用トリガは、受信した開始信号の種類を植え込まれた制御論理に伝達するように構成され、植え込まれた制御論理は、光学的作用トリガが受信した開始信号の種類に依存してAIMDによる予め定められた対応する作用をトリガするように構成される。予め定められた対応する作用は、刺激の中断、刺激の開始、又は刺激強度若しくは持続時間の修正のうちの1つを含むことができる。
【0018】
本発明はまた、植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)による作用を開始するための方法であって、
- 上で定義したような部品キットを提供するステップであって、透明壁部分が患者の皮膚に向かって位置する状態でAIMDが患者の皮下に植え込まれる、提供するステップと、
- 外部トリガユニットの1つ又は複数の光源による光開始信号をAIMDに向けて送信するステップと、
- 光学的作用トリガが光開始信号を電気信号に変換し、その電気信号を論理信号の形態で制御論理に送信することを可能にするステップと、
- 制御論理が、
o 論理信号に対応する光開始信号が作用の開始を可能にするかどうかを評価し、
o 光開始信号が作用の開始を可能にする場合、光信号に対応する作用を選択し、その作用を実行するようにAIMDを制御し、
o 光開始信号が作用の開始を可能にしない場合、電気信号を無視すること、
を可能にするステップと
を含む方法に関する。
【0019】
ここで、作用は、内部容積に収容された植え込まれた通信ユニットと患者の体外に位置する外部通信ユニットとの間の通信の確立、及び/又は生理的パラメータの測定の中から選択される。
【0020】
本発明の本質をより完全に理解するために、添付図面と併せて読まれる以下の詳細な記載を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a図1(a)は、患者の体内に植え込まれ、封入ユニットと、電極ユニットと、封入ユニットを電極ユニットにエネルギー的に接続するリードとを備える神経刺激装置AIMDに開始信号を送信する外部トリガユニットを示す。
図1b図1(b)は、封入ユニットの内部容積内に含まれる構成要素の一部を示す、本発明による神経刺激装置AIMDの一実施形態を示す。
図2a図2(a)は、植え込まれた通信ユニット及び/又はIPGを制御する制御論理に結合された光学的作用トリガを備える、本発明によるAIMDに開始信号を送信する外部トリガユニットの第1の実施形態を示す。
図2b図2(b)は、IPGを制御する制御論理に結合された光学的作用トリガを備える、本発明によるAIMDに開始信号を送信する外部トリガユニットの第2の実施形態を示す。
図3a図3(a)は、制御論理によって許容できると評価された、したがって作用A0のトリガを可能にするパラメータ(P)によって特徴付けられる開始信号を示す。
図3b図3(b)は、制御論理によって許容できないと評価された、したがって何れかの作用Aのトリガを阻止するパラメータ(P)によって特徴付けられる開始信号を示す。
図3c図3(c)は、次にトリガされる、作用A0とは異なる特定の作用A1に対応する、制御論理によって許容できると評価されたパラメータ(P)によって特徴付けられる開始信号を示す。
図3d図3(d)は、次にトリガされる、作用A0及びA1とは異なる特定の作用A2に対応する、制御論理によって許容できると評価されたパラメータ(P)によって特徴付けられる開始信号を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1(a)及び1(b)に示すように、本発明は、患者の体内に植え込まれるように構成された能動的植込み可能医療機器(AIMD)(1)を含むシステムに関するものである。図1(b)に示すように、AIMDは、壁(1w)によって封入ユニットの外側から密封式に分離された内部容積を画定する少なくとも封入ユニット(1e)を備える。内部容積は、外部トリガユニット(11)から開始信号(10)を受信すると、AIMD(1)による作用を開始するように構成された光学的作用トリガ(2)を備える。このシステムはまた、外部トリガユニット(11)が、開始信号(10)を光学的作用トリガ(2)に発するように構成された外部エミッタ(12)を備えている。外部エミッタ(12)は、350~2200nm、好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長を有する光開始信号の形態で開始信号(10)を発するように構成された1つ又は複数の光源(12L)を備える。
【0023】
光学的作用トリガ(2)は、光開始信号に対して透明である封入ユニット(1e)の透明壁部分(1t)に面する1つ又は複数の光検出器(2pv)を備え、光開始信号を電気信号に変換するように構成されている。AIMDは、光学的作用トリガ(2)に面する透明壁部分(1w)が患者の皮膚(21)に向けられた状態で植え込まれるように構成される。光学的作用トリガは、内部容積に留置され、AIMDの動作を制御するように構成された植え込まれた制御論理(3)に電気的に結合される。こうして変換された電気信号は、任意選択的にさらに処理され、制御論理(3)に送られ、制御論理(3)は、作用、任意選択的にどの作用又は一連の作用をAIMDによって開始できるかどうかを評価する。
【0024】
AIMD(1)
本発明による能動的植込み可能医療機器(AIMD)(1)は、患者の体内に植え込まれるように構成されており、組織を刺激する、バイタルサインを監視するなどして、植え込まれた身体と能動的に相互作用するように構成されている。したがって、本発明のAIMDは、これらの作用を実行するためにエネルギーを消費し、一般に電力源を備えている。電力源は、図1(b)に示すように、充電可能か否かを問わずバッテリ(14)とすることができ、又は磁場(図示せず)への曝露により電流を誘導するように構成されたコイルとすることができる。すべての場合において、エネルギーの節約は植込み可能機器にとって重要な問題である。一度植え込まれると容易にはアクセスできないためである。封入ユニットは、AIMDの機能を制御するようにプログラムされた制御論理(3)を内部容積内に密閉する。それはまた、封入ユニット(1e)の外側及びAIMDが植え込まれた患者の身体の外側に位置する外部通信ユニット(15)と通信するように構成された植込み可能通信ユニット(5)を密閉し得る。
【0025】
最も単純な形態において、AIMDは封入ユニット(1e)のみで構成される。それは、その直接の環境に対して光パルスを発し得る。それはまた、心拍リズム、血中酸素飽和度、動脈圧、温度等を含むがこれらに限定されない、患者の生理的徴候を測定することもできる。図1(a)に示す好ましい実施形態では、AIMDは、内部容積に留置され、植え込まれた制御論理(3)に結合された植え込まれたパルス発生器(IPG)(7)を備える神経刺激装置であり、制御論理(3)はIPGの動作を制御するように構成されている。制御論理は、医師によって主パルスシーケンスでプログラムされることができる。また、AIMDが植え込まれた後、外部及び植え込まれた通信ユニット(5、15)間の通信により、主パルスシーケンスを上書きして代替パルスシーケンスに置き換えることができる。IPGは、電極(50e)を備え、電極によって電気的に刺激されるべき患者の組織に結合されるように構成された電極ユニット(50)にエネルギー導体を介して結合されたエネルギーパルス源を備えている。組織は、筋肉、神経、脳、又は脊髄であり得る。一実施形態において、電極ユニット(50)は、患者の迷走神経に結合され、これはてんかんを治療するために刺激される。電極の代わりに、電極ユニットは、好ましくは可視又はIR波長範囲の電磁波を組織に照射するための、オプトロードを備えることができる。
【0026】
好ましい実施形態において、IPG(7)のエネルギーパルス源は、光源(7L)である。エネルギー導体は光ファイバ(30)であり、電極ユニット(50)は、光ファイバ(30)を介して伝播される光エネルギーを、電極(50e)に電力を供給するための電流に変換するように構成された光電池セルを備える。オプトロードの場合、光ファイバに沿って伝播された光は、オプトロードに直接導入される。
【0027】
植込み後、本発明によるAIMDは、外部トリガユニット(11)からのトリガにより作用を開始することもできなければならない。この作用は、光学的作用トリガ(2)によって受信された光開始信号(10)を制御論理が受信し評価することによってのみ開始することができる。
【0028】
開始されるべき作用は、内部容積に留置された植え込まれた通信ユニット(5)を、患者の体外に位置する外部通信ユニット(15)と通信するように構成された状態へ作動することであり得る。このようにして、指示又は刺激パラメータの変更を、外部通信ユニット(15)から植え込まれた通信ユニット(5)へ、そこから制御論理(3)へ伝達することができる。作用はまた、生理的な兆候やパラメータを測定することも含み得る。植え込まれた通信ユニット(5)は、AIMDのセンサによって測定された生理的パラメータ、又はパルス若しくはパルスシーケンスの発出の確認を含むがこれに限定されない情報を外部通信ユニット(15)に伝達することができる。
【0029】
代替的に、又は追加的に、作用は、刺激パルス強度、パルス周波数、パルス持続時間、1つ又は複数のエネルギーパルスの発生、又はエネルギーパルスの発生の阻止を含むがこれに限定されない、IPG(7)の1つ又は複数のパラメータの修正を含むことができる。植え込まれた通信ユニット(5)は、1つ又は複数のパラメータが修正されたかどうかを外部通信ユニット(15)に伝達することができる。
【0030】
植え込まれた通信ユニット(5)及び外部通信ユニット(15)は、以下のうちの1つによって通信するように構成することができる、
- 好ましくは1MHz~2.5GHzの周波数帯のRF通信、より好ましくはBluetooth通信又はWIFI通信、或いは、
- 好ましくは350~2200nmの間、より好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長範囲の光通信。
【0031】
封入ユニット(1e)の壁(1w)は、光開始信号(10)に対して透明な透明壁部分(1t)を備える。好ましい実施形態において、封入ユニットの壁は、全体的に、光開始信号に対して透明なセラミック材料、例えば、溶融シリカ、ホウケイ酸塩、スピネル、サファイア、又は酸化イットリウム材料で作られ、好ましくは、単一材料は溶融シリカである。このようなセラミック材料で作られる封入ユニットの例は、PCT/EP2019/069087号に記載されている。光学的作用トリガ(2)は透明壁部分(1t)に面していなければならず、透明壁部分は患者の皮膚(21)に面していなければならないが、これは光学的作用トリガが患者の体外に位置する外部トリガユニット(11)から発せられた光開始信号を検出できるようにするためである。
【0032】
光学的作用トリガ、植え込まれた制御論理(3)を含む、封入ユニットの内部容積内に密閉された構成要素は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等などの透明樹脂内に埋め込むことができる。壁(1w)を上記のようにセラミック製とし、内部容積を透明樹脂で満たすことができる、又は樹脂が封入ユニット(1e)の壁(1w)を形成することもできる。
【0033】
光学的作用トリガ(2)は、論理信号を生成するように、及び論理信号を植え込まれた制御論理(3)に送信するように構成され、論理信号は、1つ又は複数の光検出器(2pv)によって生成される電圧又は電流に依存し、植え込まれた制御論理(3)は、論理信号を復号するように、及び作用を開始するか否かを決定するように構成される。
【0034】
外部トリガユニット(11)
図2(a)及び2(b)に示されるように、外部トリガユニット(11)は、光学的作用トリガ(2)に開始信号を発するように構成された外部エミッタ(12)を備える。外部エミッタ(12)は、350~2200nm、好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長を有する光開始信号(10)の形態で光開始信号を発するように構成された1つ又は複数の光源(12L)、好ましくはLEDを備える。外部トリガユニット(11)は、外部エミッタ(12)を密閉する壁(11w)によって画定されたハウジングを備え得る。ハウジングは、光開始信号(10)に対して透明であり且つ1つ又は複数の光源(12L)に面する少なくとも透明壁部分(11t)を備えていなければならない。
【0035】
最も単純な形態では、外部トリガユニットは、外部エミッタ(12)のみから構成される。好ましい実施形態において、外部トリガユニットは、波長、強度、周波数、ON信号の予め定められた数及び持続時間のON/OFFシーケンス、又は波長のシーケンス、又は周波数のシーケンス等のうちの1つ又は複数から選択される1つ又は複数の光開始信号パラメータ(P)の対応する予め定められた値によって特徴付けられる1つ又は複数の予め定められた光開始信号を記憶する制御論理及び/又はメモリも備える。前述の実施形態に代わる、又は付随する、さらに好ましい実施形態において、外部トリガユニットは、外部通信ユニット(15)を備える。
【0036】
図3(a)~3(c)は、時間と共に変化するパラメータ(P)を有する光開始信号の例を示している。一実施形態において、1つ又は複数の光開始信号パラメータの予め定められた値はキーを定め、キーは作用をトリガするためにロックに適合しなければならない。例えば、図3(a)は、パラメータ(P)が第1の時間シーケンスに従って変化することを特徴とする第1の光開始信号を示している。作用の開始が望まれる場合、第1の光開始信号(10)は、光学的作用トリガ(2)に向かって発せられ、これにより電圧と第1の論理信号が発生し、制御論理(3)により分析される。第1の光開始信号(10)に対応する第1の論理信号が有効であると識別された場合、第1の作用(A0)が開始され得る。図3(b)に示されるように、制御論理(3)が、第2の光開始信号に対応する第2の論理信号を有効であると認識しない場合、作用(A)は開始されない。外部トリガユニット(11)は、ユーザ(患者又は医師)が、AIMDによってどの作用を開始させるかを選択することを可能にするユーザインターフェースを有することができる。ユーザインターフェースは、一連のキー又は押しボタンとすることができ、又はスクリーン、好ましくはタッチスクリーンを含むことができる。
【0037】
制御論理(3)は、それぞれ異なる時間シーケンスによって特徴付けられ、それぞれ異なる作用(A0、A1、A2)に関連付けられる特定の光開始信号(10)に対応する複数の論理信号を記憶することができる。これは図3(a)、3(c)、3(d)に示され、それぞれ第1、第2、第3の時間シーケンスを示し、それぞれ制御論理によって有効として認識され、それぞれ制御論理に予め定められる異なる作用(A0、A1、A2)を開始する。本実施形態において、外部エミッタ(12)は、異なるタイプの光開始信号(10)を送信するように構成されている。光学的作用トリガ(2)は、対応する論理信号を生成し、その論理信号を植え込まれた制御論理(3)へ伝達するように構成されている。植え込まれた制御論理(3)は、光学的作用トリガによって受信された光開始信号に対応する論理信号の種類に応じて、AIMDによる予め定められた対応する作用をトリガするように構成される。対応する作用は、植え込まれた通信ユニット(5)と外部通信ユニット(15)との間の通信を開始することを含み得る。神経刺激装置の場合、予め定められた対応する作用は、刺激を中断すること、刺激を開始すること、又は刺激強度周波数、形状等を含む初期刺激パラメータを所与の時間修正すること(その後、初期刺激パラメータによる刺激への復帰がプログラムされる)、のうちの1つを含むことができる。対応する作用は、患者の生理的徴候を測定することであることができる。好ましくは、この作用は、このように測定された生理的徴候の結果を転送するために、植え込まれた通信ユニット(5)と外部通信ユニット(15)との間の通信を確立することも含む。
【0038】
代替的に、外部エミッタ(12)によって単一の開始信号を発して、植え込まれた通信ユニット(5)と外部通信(15)との間の通信を開始することができ、これは、制御論理(3)によって検証される暗号化信号の交換により開始する。承認されると、通信は、AIMDによってどの作用又は作用のシーケンスが作動されるかを含む情報の伝達により開始することができる。
【0039】
1つ又は複数の光源(12L)は、好ましくはLEDを備える。1つ又は複数の光源(12L)は非常に小さくすることができ、制御論理又はメモリも同様に小さくすることができるので、外部トリガユニット(11)は体積を非常に小さくすることができる。外部トリガユニット(11)は、好ましくは患者によって着用可能であり、好ましくは、手首、首、ベルト、ポケット等に装着されるように、ブレスレット、時計、又はネックレス、スマートフォン等に取り付けられる。図1(a)、及び2(a)、2(b)に示すように、光開始信号(10)は、皮膚(21)及びAIMDの透明壁部分(1t)と患者の皮膚(21)とを隔てる組織内を伝播する必要がある。
【0040】
光学的作用トリガ(2)
図2(a)及び2(b)に示されるように、光学的作用トリガ(2)は、封入ユニット(1e)の内部容積内に密閉され、1つ又は複数の光検出器(2pv)を備え、光検出器(2pv)は、透明壁部分(1t)に面し、光開始信号(10)を、AIMDによる作用を開始する働きをする電気信号に変換するよう構成される。
【0041】
光学的作用トリガは、単一の光検出器(2pv)、又は複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器の何れかを備え得る。第1の実施形態において、複数の光検出器は直列に配置される。光開始信号(10)は、AIMDによる作用を開始するために必要な、予め定められたトリガ電圧と同等かそれを超える電圧を生成するために、全ての光検出器を作動させなければならないことが好ましい。予め定められたトリガ電圧に達しない場合、制御論理(3)は、光開始信号(10)が送信されたことさえ知らされず、作用は開始されない。
【0042】
代替実施形態において、複数の光検出器が並列に配置され、光開始信号(10)は、AIMDによる作用を開始するために必要な、対応する予め定められたトリガ電流と同等かそれを超える電流を生成するために、1つ又は複数の光検出器、好ましくは全ての光検出器を作動しなければならない。この場合も、予め定められたトリガ電流に達しない場合、制御論理(3)は、光開始信号(10)が送信されたことさえ知らされず、作用は開始されない。
【0043】
光パワーを受け取ると、複数の光検出器は電流を発生させる。この電流を制御論理(3)のための有用な論理信号に変換するための電気回路が必要である。一実施形態は、図2(a)、2(b)、及び4(a)の回路であり、直列に配置された複数の光検出器(2pv)と抵抗器(2R)を備える。複数の光検出器によって生成された電流は、選択された値(例えば、100kΩ)の抵抗器(2R)を流れるため、抵抗器と制御論理(3)の入力部に電圧が発生する。この入力部は、例えば図4(a)に示すように、古典的なCMOSインバータとすることができる。このような入力部は、通常、入力電流を消費せず、静的消費もない。
【0044】
光開始信号の検出時に、電圧レベルが予め定められたトリガ電圧よりも上昇すると、論理信号が例えば0から1に移る論理遷移が発生し、制御論理(3)をトリガして光開始信号をチェックする。こうして生成された論理信号は、評価のためにアナログ又はデジタル信号として制御論理(3)に転送することができる。最も単純な形態において、光開始信号(10)は単純な光パルスとすることができ、光学的作用トリガの電圧を上昇勾配に沿って所与の値まで上昇させる。こうして到達した電圧値が十分であれば、論理信号が生成され、所定の作用を開始するために制御論理(3)に送信される。図3(a)~3(d)に示されるより洗練された実施形態において、単一のパルスによって、又はパルスのシーケンスによって形成される光開始信号(10)は、1つ又は複数のパラメータ(P)の特定の値によって特徴付けられる。一実施形態において、光開始信号(10)の値が1つ又は複数のパラメータの要求値を満たす場合にのみ、論理信号が形成され、制御論理(3)に送信される。これにより、作用を開始するためのキーを課すことによって、システムの安全性が実質的に向上する。さらに好ましい実施形態において、単一パルス又はパルスのシーケンスの1つ又は複数のパラメータの所与の値のセットが、開始されるべき特定の作用に関連付けられる。
【0045】
光検出器の数及び技術は、結果として生じる電圧レベルが、例えばデジタル論理信号の場合に0から1への論理遷移を発生させるのに十分であるように選択される。抵抗器(2R)の値は、高電圧と静電容量の迅速な放電という相反する要件を満たすように選択される。これは、あらかじめ定められたトリガ電圧に到達するのに必要な電流が少ないようにできるだけ高い抵抗値と、光パワーがなくなったときに、抵抗器を介した制御論理の入力部の静電容量の容量放電が、高周波での変調信号を可能にするのに十分に速いように十分に低い値との間の妥協を必要とする。高すぎる抵抗値は、特定の条件下では、回路がノイズの捕捉に敏感になりすぎる可能性もあることに留意されたい。
【0046】
図4(b)に示される代替実施形態において、回路は、並列に配置された複数の光検出器(2pv)と抵抗器(2R)とを備える。この構成では、電圧レベルは通常、古典的な論理遷移には十分ではなく、中間電圧比較器(何らかの形で消費する)が、発生した電圧を基準電圧と比較し、制御論理(3)が必要とする論理レベルに沿って対応する電圧レベルを出力する。
【0047】
本発明の主な利点は、光学的作用トリガが、光開始信号(10)を受信するまで、全く電力を消費しないことである。開始信号は、植え込まれたAIMDと外部トリガユニット(11)との間に位置する皮膚(21)及び組織を通って伝播しなければならない光開始信号であるので、近接が必要であり、したがって、患者が知らない間のAIMDシステムのハッキングもバッテリパワーの悪意ある消耗も可能でない。実際、光開始信号(10)が、所望の作用の開始を可能にするのに十分な強度でAIMDの光学的作用トリガ(2)に到達することを確実にするために、外部トリガユニット(11)は、患者の皮膚(21)の近くに、接触さえした状態で保持されなければならない。光学的作用トリガは磁石を使用しないので、MRIに適合性がある、磁気カード(例えば、銀行カード)の消去の危険性がない等の利点がある。それはまた、対応する電気システムにおいて、システムの速度に伴って電力消費が一般に増加する場合に、高速性と低~無電力消費とを兼ね備えている。
【0048】
制御論理(3)及び作用開始
光開始信号(10)が光学的作用トリガ(2)によって受信されると、それは評価のためのデジタル信号として制御論理(3)に転送される。例えば、図2(a)及び2(b)に示されるように、1つ又は複数の光検出器(2pv)によって生成された電流は、抵抗器(2R)に負荷をかけ、電圧の増加、及びその後の減少を提供し、これは論理パルスを生成する。評価プロセスの第1段階は、光学的作用トリガ(2)によって受信された光開始信号(10)が作用の開始を可能にするか否かの評価である。制御論理(3)は、受信した信号を、植え込まれたメモリに記憶されているパターンのライブラリと比較する。光開始信号とメモリに記憶されたパターンとの間の一致が生じた場合、制御論理は評価の第2段階を開始することができる。
【0049】
光開始信号(10)に対応する作用が、植え込まれた通信ユニット(5)と外部通信ユニット(15)との間の通信の確立である場合、評価プロセスの第2段階は、当該通信を開始することからなる。外部通信ユニット(15)は、外部トリガユニット(11)の一部とすることができる。しかしながら、外部トリガユニット(11)の寸法をできるだけ小さく保つために、外部通信ユニット(15)は、代わりに、外部トリガユニット(11)から分離されることができる。作用は、生理的パラメータの測定でもあり得る。したがって、第2段階は、そのような測定を実施することを含むことができる。IPG(7)を含む神経刺激装置の場合、光開始信号(10)に対応する作用は、1つ又は複数のエネルギーパルスを生成すること、エネルギーパルスの生成を阻止すること、或いはパルス強度又はパルス持続時間、又はパルス周波数等を含む刺激パラメータを修正することの何れか1つであり得る。この場合、評価プロセスの第2段階は、それに応じてIPGを制御することである。作用は、作用のシーケンスであり得る。例えば、作用のシーケンスは、IPG(7)が特定のパルスを発生させ、その後、植え込まれた通信ユニット(5)がパルスの発生の確認、又はパルスの発生に続いて測定される生理的徴候の値を外部通信ユニット(15)に送信することであり得る。図2(a)は、そこから信号を受信するために光学的作用トリガ(2)に結合された制御論理(3)を示し、信号の評価により、制御論理は、植え込まれた通信ユニット(5)及び/又はIPG(7)を制御することができる。図2(b)の実施形態において、作用はIPG(7)を制御することに関するものである。
【0050】
制御論理(3)がいくつかのタイプの作用を記憶している場合、評価プロセスの第2段階は、光学的作用トリガ(2)によって受信された特定の光開始信号(10)に対応する作用又は作用シーケンスを選択することである。次いで評価プロセスの第3段階は、植え込まれた通信ユニット(5)、生理的パラメータを測定するためのセンサ、又はIPG(7)の何れかをそれに応じて制御すること、又は何れかの他の作用又は作用のシーケンスを実行することである。
【0051】
植え込まれたAIMDによる作用を開始する方法
本発明のシステム又は部品キットは、植え込まれたAIMDによる作用を開始するための方法における使用に適している。この方法は、以下のステップを含んでいる、
- 上で定義したようなAIMD(1)及び外部トリガユニット(11)を提供するステップ、
- 透明壁部分(1t)が患者の皮膚(21)に向かって位置する状態で、患者の皮下に植え込まれたAIMDに向かって、外部トリガユニット(11)の光源(12L)で光開始信号(10)を送信するステップ、
- 光学的作用トリガ(2)が光開始信号を電気信号に変換し、電気信号を論理信号の形態で制御論理(3)に伝達することを可能にするステップ、
- 制御論理(3)が、
o 論理信号に対応する光開始信号(10)が作用の開始を可能にするかどうかを評価し、
o 光開始信号(10)が作用の開始を可能にする場合、光信号(10)に対応する作用を選択し、作用を実施するようにAIMDを制御し、
o 光開始信号(10)が作用の開始を可能にしない場合、電気信号を無視すること、
を可能にするステップ。
【0052】
作用は、以下のうちの何れかのものであることができる、
- 内部容積内に収容された通信ユニット(5)と患者の体外に位置する外部通信ユニット(15)との間の通信を確立すること、
- 心拍リズム、血液張力、血中酸素飽和度等などの生理的パラメータを測定すること、
- 刺激の中断、刺激の開始、或いは刺激強度、持続時間、又は刺激の何れかの他のパラメータの修正のうちの1つを含む、IPGの1つ又は複数のパラメータを修正すること。
- 作用はまた、前述の作用の2つ以上のシーケンスであるか、又はAIMDをリセットする、又は刺激プログラミングを変更するなどの何れかの他の作用を含むことができる。
【0053】
AIMDによる作用を開始するために、外部トリガユニット(11)に取り付けられた光源(12L)とともに光学的作用トリガ(2)を使用することの1つの主な利点は、1つ又は複数の光検出器(2pv)が光開始信号(10)を受信しない限り、光学的作用トリガ(2)はアイドル状態であり、電力を消費しないことである。好ましい実施形態において、光開始信号(10)が送信されると、光学的作用トリガ(2)及び制御論理(3)は、光開始信号の評価プロセスを通じて、外部トリガユニット(11)の1つ又は複数の光源(12L)によって電力を供給されることができ、これは単に光源(12L)を点灯させて、電流を生成する1つ又は複数の光検出器(2pv)を照射することによるものである。最も好ましい実施形態において、1つ又は複数の光源(12L)は、必要な作用を実行するために必要な電力を供給するためにも使用することができる。これは、植え込まれたバッテリ(14)を温存するという点で有利である。これは、作用を実行するために必要な全期間中、外部トリガユニット(11)を患者の皮膚(21)上の適所に維持しなければならないという欠点がある。
【符号の説明】
【0054】
1 AIMD
1e 封入ユニット
1t 封入ユニットの透明壁部分
1w 封入ユニットの壁
2 光学的作用トリガ
2pv 光学的作用トリガ光電池
2R 光学的作用トリガ抵抗器
3 制御論理
5 植え込まれた通信ユニット
7 植込み型パルス発生器(IPG)
7L IPG光源
9w IPG光源に面する窓
10 開始信号
11 外部トリガユニット
11t 外部トリガユニットの透明壁部分
12 外部光回路
12L 外部光源
14 バッテリ
15 外部通信ユニット
21 皮膚
30 光ファイバ
50 電極ユニット
50e 電極
A 予め定められた作用
A0-A2 特定の予め定められた作用
図1(a)】
図1(b)】
図2(a)】
図2(b)】
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図3(d)】
図4(a)】
図4(b)】
【手続補正書】
【提出日】2023-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体外に位置する外部トリガユニット(11)によってトリガされる、患者の体内に植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)(1)による作用を開始するための部品キットであって、
(A)患者の体内に植え込まれるように構成された前記AIMD(1)であって、壁(1w)によって封入ユニットの外側から密封式に分離された内部容積を画定する前記封入ユニット(1e)を備え、前記内部容積は、前記外部トリガユニット(11)から開始信号(10)を受信すると、前記AIMD(1)による作用を開始するように構成された作用トリガを備え、前記作用トリガは、前記内部容積内に留置され、前記AIMDの動作を制御するように構成された植え込まれた制御論理(3)に電気的に結合される、前記AIMD(1)と、
(B)前記作用トリガに対して前記開始信号を発するように構成された外部エミッタ(12)を備える前記外部トリガユニット(11)と
を備え、
- 前記外部エミッタ(12)が、350~2200nmの間、好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長を有する光開始信号の形態で前記開始信号(10)を発するように構成された1つ又は複数の光源(12L)を備え、
- 前記封入ユニットの前記壁が、前記光開始信号に対して透明な透明壁部分(1t)を備え、及び
- 前記作用トリガは、前記透明壁部分(1t)に面する1つ又は複数の光検出器(2pv)を備え、前記光開始信号(10)を電気信号に変換するように構成された光学的作用トリガ(2)であり、前記電気信号は前記AIMDによる作用を開始する働きをする、
部品キットにおいて、
前記1つ又は複数の光検出器(2pv)が光開始信号(10)を受信しない限り、前記光学的作用トリガ(2)はアイドル状態であり、電力を消費しないことを特徴とする部品キット。
【請求項2】
請求項1に記載の部品キットにおいて、前記作用が、前記内部容積内に留置された植え込まれた通信ユニット(5)を、外部通信ユニット(15)と通信するように構成された状態に作動することを含むことを特徴とする部品キット。
【請求項3】
請求項2に記載の部品キットにおいて、前記植え込まれた通信ユニット(5)と前記外部通信ユニット(15)が、
- 好ましくは1MHz~2.5GHzの間の周波数帯のRF通信、より好ましくはBluetooth通信若しくはwifi通信、又は、
- 好ましくは350~2200nmの間、より好ましくは400~1500nmの間に含まれる波長範囲の光通信、
のうちの1つによって通信するように構成されることを特徴とする部品キット。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の部品キットにおいて、前記光学的作用トリガが、単一の光検出器(2pv)、又は直列に配置された複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器を備え、前記AIMD(1)による作用の開始に必要な、予め定められたトリガ電圧と同等かそれを超える電圧を生成するために、前記開始信号(10)はすべての光検出器を作動しなければならないことを特徴とする部品キット。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の部品キットにおいて、前記光学的作用トリガが、単一の光検出器(2pv)、又は並列に配置された複数の光検出器、好ましくは少なくとも3つ、より好ましくは少なくとも4つの光検出器を備え、前記AIMDによる作用の開始に必要な、対応する予め定められたトリガ電流と同等かそれを超える電流を生成するために、前記開始信号(10)は、1つ又は複数の光検出器、好ましくはすべての光検出器を作動しなければならないことを特徴とする部品キット。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の部品キットにおいて、前記光学的作用トリガ(2)が、論理信号を生成するように、及び前記論理信号を前記植え込まれた制御論理(3)に送信するように構成され、前記論理信号は、前記1つ又は複数の光検出器(2pv)によって生成される電圧又は電流に依存し、前記植え込まれた制御論理(3)は、前記論理信号を解読するように、及び前記作用を開始するか否かを決定するように構成されることを特徴とする部品キット。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の部品キットにおいて、前記AIMDによる作用を開始するために、前記開始信号(10)は、波長、強度、周波数、ON信号の予め定められた数と持続時間のON/OFFシーケンス、又は波長のシーケンス、又は周波数のシーケンスの中から選択された1つ又は複数のパラメータの予め定められた値を有する必要があることを特徴とする部品キット。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の部品キットにおいて、
- 前記AIMDが、前記内部容積内に留置され、前記植え込まれた制御論理(3)に結合された植え込まれたパルス発生器(IPG)(7)を備える神経刺激装置であり、前記制御論理は前記IPGの動作を制御するように構成され、
- 前記IPGは、エネルギー導体を介して電極ユニット(50)に結合されたエネルギーパルス源を備え、
- 前記電極ユニット(50)は、電極(50e)を備え、前記電極によって電気的に刺激されるべき患者の組織に結合されるように構成される、
ことを特徴とする部品キット。
【請求項9】
請求項8に記載の部品キットにおいて、
- 前記エネルギーパルス源が光源(7L)であり、
- 前記エネルギー導体が光ファイバ(10)であり、
- 前記電極ユニット(50)が、前記光ファイバ(30)を通して伝播される光エネルギーを、前記電極(50e)に電力を供給するための電流に変換するように構成された光電池を備える、
ことを特徴とする部品キット。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の部品キットにおいて、前記作用が、
- 前記AIMD(1)と前記外部通信ユニット(15)との間の通信を確立すること、及び
- 前記IPG(7)の1つ又は複数のパラメータを修正すること、
のうちの1つ又は複数の間で選択され、前記IPG(7)の1つ又は複数のパラメータには、
o 刺激パルス強度、パルス周波数、及びパルス持続時間、及び/又は
o 1つ又は複数のエネルギーパルスの生成、若しくは
o エネルギーパルスの生成の阻止、
が含まれることを特徴とする部品キット。
【請求項11】
請求項10に記載の部品キットにおいて、前記作用が、
- 前記IPG(7)の前記1つ又は複数のパラメータを修正すること、及び
- 前記1つ又は複数のパラメータが修正されたか否かを外部通信ユニット(15)へ通信すること、
を含むことを特徴とする部品キット。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか1項に記載の部品キットにおいて、
- 前記外部エミッタ(12)が、異なる種類の開始信号(10)を送信するように構成され、
- 前記光学的作用トリガ(2)が、開始信号の種類を前記植え込まれた制御論理に伝達するように構成され、
-前記植え込まれた制御論理(3)が、前記光学的作用トリガ(2)が受信した開始信号の種類に依存して前記AIMDによる予め定められた対応する作用をトリガするように構成される、
ことを特徴とする部品キット。
【請求項13】
請求項12に記載の部品キットにおいて、前記予め定められた対応する作用が、刺激の中断、刺激の開始、又は刺激強度若しくは持続時間の修正のうちの1つを含むことを特徴とする部品キット。
【請求項14】
植え込まれた能動的植込み型医療機器(AIMD)(1)による作用を開始するための方法であって、
請求項1乃至13の何れか1項に記載の部品キットを提供するステップと、
- 前記外部トリガユニット(11)の前記1つ又は複数の光源(12L)による光開始信号(10)を前記AIMDに向けて送信するステップと、
- 前記光学的作用トリガ(2)が前記光開始信号(10)を電気信号に変換し、その電気信号を論理信号の形態で前記制御論理(3)に送信することを可能にするステップと、
- 前記制御論理(3)が、
o 前記論理信号に対応する前記光開始信号(10)が作用の開始を可能にするかどうかを評価し、
o 前記光開始信号(10)が作用の開始を可能にする場合、前記光信号(10)に対応する作用を選択し、その作用を実行するように前記AIMDを制御し、
o 前記光開始信号(10)が作用の開始を可能にしない場合、前記電気信号を無視すること、
を可能にするステップとを含み、
ここで、前記作用は、前記内部容積に収容された植え込まれた通信ユニット(5)と患者の体外に位置する外部通信ユニット(15)との間の通信の確立、及び/又は生理的パラメータの測定の中から選択される
ことを特徴とする方法。
【国際調査報告】