IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニコベンチャーズ トレーディング リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図1
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図2
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図3
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図4A
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図4B
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図5
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図6
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図7
  • 特表-エアロゾル供給デバイス 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231018BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231018BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550937
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 EP2021078202
(87)【国際公開番号】W WO2022079040
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】2016480.2
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ビュロー, デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】シェリダン, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ロクトマン, ダニエル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC12
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC41
4B162AD06
4B162AD22
(57)【要約】
エアロゾル供給デバイスに関する。このようなデバイスの1つは、ヒータアセンブリを具備する。ヒータアセンブリは、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容された物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、を有する。加熱チャンバの一端には、基部が設けられる。また、物品の少なくとも一部が加熱チャンバに受容された場合に、基部から物品を離隔させるスペーサが設けられる。
【選択図】 図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、
前記加熱チャンバに受容された前記物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、
前記加熱チャンバの一端の基部と、
前記物品の少なくとも前記一部が前記加熱チャンバに受容された場合に、前記基部から前記物品を離隔させるように構成されたスペーサと
を有するヒータアセンブリを備える、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記スペーサが、前記加熱チャンバの中に突出した突起を含む、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記突起が、複数の突起のうちの1つである、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記複数の突起が、前記加熱チャンバの周りに分散配置されている、請求項3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記突起又は各突起が、前記基部から延びている、請求項2~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記突起又は各突起が、前記基部から離隔している、請求項2~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記スペーサが、前記加熱チャンバにおいて肩部を構成している、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記加熱要素が、前記基部から直立している、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記加熱要素が、前記加熱チャンバにおいて突出している、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記加熱チャンバを画定するレセプタクルを備え、
前記基部が、前記レセプタクルの一部を構成している、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
デバイスハウジングを備え、
前記レセプタクルが、前記デバイスハウジングから取り外し可能である、請求項10に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記レセプタクルが、前記基部から直立して前記加熱チャンバを画定する壁を備える、請求項10又は11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記レセプタクルが、空気流を前記加熱チャンバに供給する空気通路を画定している、請求項10~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記空気通路が、前記加熱チャンバへの空気出口を備え、前記空気出口が、前記基部に画定されている、請求項13に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記空気出口が、前記加熱チャンバの軸線に関して非対称である、請求項14に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記空気通路が、前記加熱チャンバへの空気出口を備え、前記空気出口の少なくとも一部が、前記基部と前記スペーサの物品配置面との間に配設されている、請求項13に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記空気出口が、前記レセプタクルの長手方向軸線に対して半径方向に、空気流を前記加熱チャンバに導入するように構成されている、請求項16に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記壁が、外壁及び内壁を含み、前記空気通路が、前記外壁と前記内壁との間に形成されている、請求項13~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
前記空気通路が、閉チャネルである、請求項13~18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
前記加熱要素が、変動磁場の侵入により加熱可能なサセプタを備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
前記ヒータアセンブリが、前記サセプタの周りに延びたインダクタコイルを備え、前記インダクタコイルが、前記変動磁場を生成するように構成されている、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記加熱チャンバの近位端に開口を含み、前記基部が、前記加熱チャンバの遠位端にあり、前記加熱チャンバが、実質的に前記レセプタクルの長さに沿って実質的に均一な断面を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
前記基部が、前記加熱チャンバにおいて凝結した液体を収集するように構成されたウェルを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項24】
エアロゾル化可能材料を含む物品の少なくとも一部を受容するレセプタクルであり、
基部と、
前記基部から延びた加熱要素と
を備える、レセプタクルと、
前記物品の部分が加熱チャンバに受容された場合に、前記物品が前記基部の上方のある距離に保持されるように前記物品の前記部分に接触する突起と
を備える、ヒータアセンブリ。
【請求項25】
エアロゾル供給デバイス用のインサートであって、
少なくとも一部が取り外し可能にデバイスハウジングに受容されるように構成されたレセプタクルで、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバを画定する、レセプタクルであり、
前記加熱チャンバの一端の基部と、
前記物品の少なくとも前記一部が前記加熱チャンバに受容された場合に、前記基部から前記物品を離隔させるように構成されたスペーサと
を備える、レセプタクルと、
前記加熱チャンバに受容された前記物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と
を備える、インサート。
【請求項26】
エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、
前記加熱チャンバに受容された前記物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、
前記加熱チャンバの少なくとも一部を画定する壁と、
前記壁に形成されたキャビティと
を有するヒータアセンブリを備えるエアロゾル供給デバイス。
【請求項27】
前記加熱チャンバの一端に基部を備え、前記壁が、前記基部を含み、前記キャビティが、前記基部にある、請求項26に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項28】
前記加熱チャンバを画定する周壁を備え、前記壁が、前記周壁を含み、前記キャビティが、前記周壁にある、請求項26に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項29】
前記キャビティが、前記壁に形成された複数のキャビティのうちの1つである、請求項26~28のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項30】
デバイスハウジングと、少なくとも一部が取り外し可能に前記デバイスハウジングに受容されるように構成されたレセプタクルとを備え、
前記取り外し可能なレセプタクルが、前記加熱チャンバを構成している、請求項26~29のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項31】
前記レセプタクルが、前記壁を含む、請求項30に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項32】
前記物品の少なくとも前記一部が前記加熱チャンバに受容された場合に、前記キャビティから前記物品を離隔させるように構成されたスペーサを備える、請求項26~31のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項33】
エアロゾル供給デバイス用のインサートであって、
少なくとも一部が取り外し可能にデバイスハウジングに受容されるように構成されたレセプタクルで、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバを画定する、レセプタクルであり、
前記加熱チャンバの少なくとも一部を画定する壁と、
前記壁に形成されたキャビティと
を備える、レセプタクルと、
前記加熱チャンバに受容された前記物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と
を備える、インサート。
【請求項34】
エアロゾル化可能材料を含む物品の少なくとも一部を受容する加熱チャンバと、
加熱要素と
を備えるヒータアセンブリであって、
前記加熱チャンバが、基部と、前記加熱チャンバに受容された流体を収集する前記基部の凹部とを有する、ヒータアセンブリ。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス、ヒータアセンブリ、又はインサートと、
エアロゾル生成材料を含み、少なくとも一部が前記ヒータアセンブリ内に受容されるように寸法規定された物品と
を備える、エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル化可能材料を含む物品の少なくとも一部を受容する加熱アセンブリ(「ヒータアセンブリ」ともいう)、並びにエアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成材料を含む物品を備えるエアロゾル供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させて、タバコ煙を生成する。燃焼なしに化合物を放出する製品の創出によって、これらタバコを燃焼させる物品の代替物を提供しようとする試みがなされている。このような製品の例は、材料を燃焼させずに加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。この材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品が考えられ、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容された物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、加熱チャンバの一端の基部と、物品の少なくとも一部が加熱チャンバに受容された場合に、基部から物品を離隔させるように構成されたスペーサと、を有するヒータアセンブリを備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0004】
スペーサは、加熱チャンバの中に突出した突起を含んでいてもよい。突起は、複数の突起のうちの1つであってもよい。
【0005】
複数の突起は、加熱チャンバの周りに分散配置されていてもよい。突起又は各突起は、タブを備えていてもよい。突起又は各突起は、基部から延びていてもよい。突起又は各突起は、基部から離隔していてもよい。
【0006】
スペーサは、段差を含んでいてもよい。スペーサは、加熱チャンバにおいて肩部を構成していてもよい。
【0007】
加熱要素は、基部から直立していてもよい。加熱要素は、加熱チャンバにおいて突出していてもよい。加熱要素は、ブレードであってもよい。
【0008】
このエアロゾル供給デバイスは、加熱チャンバを画定するレセプタクル(受け器)を備えていてもよい。基部は、レセプタクルの一部を構成していてもよい。
【0009】
このエアロゾル供給デバイスは、デバイスハウジングを備えていてもよく、レセプタクルは、デバイスハウジングから取り外し可能であってもよい。
【0010】
レセプタクルは、デバイスハウジングに固定して取り付けられていてもよい。
【0011】
レセプタクルは、基部から直立して加熱チャンバを規定する壁を備えていてもよい。壁は、管状であってもよい。
【0012】
レセプタクルは、空気流を加熱チャンバに供給する空気通路を画定していてもよい。
【0013】
空気通路は、加熱チャンバへの空気出口を備えていてもよい。空気出口は、基部に画定されていてもよい。
【0014】
空気出口は、加熱チャンバの軸線に関して非対称であってもよい。
【0015】
空気出口は、加熱チャンバの軸線からオフセットしていてもよい。
【0016】
空気通路は、加熱チャンバへの空気出口を備えていてもよい。空気出口は、少なくとも一部が、基部とスペーサの物品配置面との間に配設されていてもよい。
【0017】
空気出口は、レセプタクルの長手方向軸線に対して半径方向に、空気流を加熱チャンバに導入するように構成されていてもよい。
【0018】
空気出口は、レセプタクルの長手方向軸線に対して同軸方向に、空気流を加熱チャンバに導入するように構成されていてもよい。
【0019】
壁は、外壁及び内壁を含んでいてもよく、空気通路は、外壁と内壁との間に形成されていてもよい。
【0020】
基部及び外壁は、一体的に形成されていてもよい。基部及び外壁は、カップを構成していてもよい。カップは、流体バリアを構成していてもよい。
【0021】
空気通路は、閉チャネルであってもよい。
【0022】
加熱要素は、変動磁場の侵入により加熱可能なサセプタを備えていてもよい。
【0023】
ヒータアセンブリは、サセプタの周りに延びたインダクタコイルを備えていてもよく、インダクタコイルは、変動磁場を生成するように構成されていてもよい。
【0024】
加熱要素は、加熱チャンバを囲んでいてもよい。
【0025】
加熱要素は、レセプタクルの一部を画定していてもよい。
【0026】
このエアロゾル供給デバイスは、加熱チャンバの近位端に開口を含んでいてもよく、基部は、加熱チャンバの遠位端にあってもよく、加熱チャンバは、実質的にレセプタクルの長さに沿って実質的に均一な断面を有していてもよい。
【0027】
基部は、加熱チャンバにおいて凝結した液体を収集するように構成されたウェルを含んでいてもよい。
【0028】
一態様によれば、エアロゾル化可能材料を含む物品の少なくとも一部を受容するレセプタクルであり、基部と、基部から延びた加熱要素と、を備える、レセプタクルと、物品の上記部分が加熱チャンバに受容された場合に、物品が基部の上方のある距離に保持されるように物品の部分に接触する突起と、を備える加熱アセンブリが提供される。
【0029】
一態様によれば、エアロゾル供給デバイス用のインサートであって、少なくとも一部が取り外し可能にデバイスハウジングに受容されるように構成されたレセプタクルで、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバを画定する、レセプタクルであり、加熱チャンバの一端の基部と、物品の少なくとも一部が加熱チャンバに受容された場合に、基部から物品を離隔させるように構成されたスペーサと、を備える、レセプタクルと、加熱チャンバに受容された物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、を備える、インサートが提供される。
【0030】
一態様によれば、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容された物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、加熱チャンバの少なくとも一部を画定する壁と、壁に形成されたキャビティと、を有するヒータアセンブリを備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0031】
このエアロゾル供給デバイスは、加熱チャンバの一端に基部を備えていてもよく、壁は、基部を含み、キャビティは、基部にある。
【0032】
このエアロゾル供給デバイスは、加熱チャンバを画定する周壁を備えていてもよく、壁は、周壁を含み、キャビティは、周壁にある。
【0033】
キャビティは、壁に形成された複数のキャビティのうちの1つであってもよい。キャビティ又は各キャビティは、加熱要素の周りに分散配置されていてもよい。
【0034】
このエアロゾル供給デバイスは、デバイスハウジングと、少なくとも一部が取り外し可能にデバイスハウジングに受容されるように構成されたレセプタクルと、を備えていてもよく、取り外し可能なレセプタクルは、加熱チャンバを構成する。
【0035】
レセプタクルは、壁を含んでいてもよい。
【0036】
このエアロゾル供給デバイスは、物品の少なくとも一部が加熱チャンバに受容された場合に、キャビティから物品を離隔させるように構成されたスペーサを備えていてもよい。
【0037】
一態様によれば、エアロゾル供給デバイス用のインサートであって、少なくとも一部が取り外し可能にデバイスハウジングに受容されるように構成されたレセプタクルで、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバを画定する、レセプタクルであり、加熱チャンバの少なくとも一部を画定する壁と、壁に形成されたキャビティと、を備える、レセプタクルと、加熱チャンバに受容された物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、を備える、インサートが提供される。
【0038】
加熱要素は、レセプタクルで流体封止されていてもよい。
【0039】
一態様によれば、エアロゾル化可能材料を含む物品の少なくとも一部を受容する加熱チャンバと、加熱要素と、を備える加熱アセンブリであって、加熱チャンバが、基部と、当該加熱チャンバに受容された物品から追い出された流体を収集する基部の凹部と、を有する、加熱アセンブリが提供される。
【0040】
一態様によれば、上述のようなエアロゾル供給デバイス、ヒータアセンブリ、又はインサートと、エアロゾル生成材料を含み、少なくとも一部がヒータアセンブリ内に受容されるように寸法規定された物品と、を備えるエアロゾル供給システムが提供される。
【0041】
一態様によれば、エアロゾル生成材料を含む物品の少なくとも一部を受容するように構成された加熱チャンバと、加熱チャンバに受容された物品の一部を加熱するように構成された加熱要素と、加熱チャンバの一端の基部と、を有するヒータアセンブリを備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0042】
このデバイスは、非燃焼加熱式デバイスとしても知られるタバコ加熱デバイスであってもよい。
【0043】
本発明の別の特徴及び利点については、本発明の好適な実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろうが、これは、添付の図面を参照しつつ、一例として示しているに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】エアロゾル供給デバイスの一例の斜視図である。
図2図1のエアロゾル供給デバイスの前方断面図である。
図3図2の一部の拡大前方断面図である。
図4A】デバイスのその他の部分から分離されたヒータアセンブリの斜視図である。
図4B図4Aのヒータアセンブリの断面図である。
図5図4Aのヒータアセンブリの一部の拡大側方断面図である。
図6】ヒータアセンブリのレセプタクルの斜視断面分解図である。
図7】別のヒータアセンブリの一部の拡大前方断面図である。
図8】消耗品が加熱チャンバに挿入された別のヒータアセンブリの一部の拡大前方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書において使用されるように、用語「エアロゾル生成材料(aerosol generating material)」は、通常はエアロゾルの形態で、加熱時に揮発成分を与える材料を含む。エアロゾル生成材料には、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ派生物、拡張タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数が挙げられる。また、エアロゾル生成材料としては、他の非タバコ製品も挙げられ、製品によっては、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば固体、液体、ゲル、ワックス等の形態であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、材料の組み合わせ又は混合であってもよい。また、エアロゾル生成材料は、「喫煙材」として知られる場合もある。
【0046】
エアロゾル生成材料を加熱して当該エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させることにより、通常はエアロゾル生成材料の燃焼(burn又はcombust)なく吸引可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル提供デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」等として記載される場合がある。同様に、通常は液体の形態のエアロゾル生成材料(ニコチンを含む場合もあれば、含まない場合もある)を気化させる、いわゆるeシガレットデバイスが存在する。エアロゾル生成材料は、装置に挿入可能なロッド、カートリッジ、又はカセット等の一部の形態であってもよいし、一部として提供されるようになっていてもよい。
【0047】
エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含む物品を受容して加熱することができる。これに関連して、「物品」は、使用時にエアロゾル生成材料を具備又は含有し、加熱されてエアロゾル生成材料及び任意選択で使用時の他の構成要素を揮発させる構成要素である。ユーザが物品をエアロゾル供給デバイスに挿入した後、当該エアロゾル生成デバイスが加熱されて、ユーザが後で吸引するエアロゾルが生成されるようになっていてもよい。物品は、例えば当該物品を受容するようにサイズ規定されたデバイスの加熱チャンバ内に配置されるように構成された予め定められたサイズであってもよいし、特定のサイズであってもよい。
【0048】
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス100の一例を示している。概略として、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換式物品110(消耗品としても知られる)を加熱して、当該デバイス100のユーザが吸引するエアロゾル又は他の吸引可能媒体を生成するのに用いられるようになっていてもよい。
【0049】
デバイス100は、当該デバイス100の様々な構成要素を囲んで収容する(外カバー108を含む)ハウジング102を備える。デバイス100は、物品110を挿通してヒータアセンブリ200により加熱可能な開口104を一端に有する(図2参照)。使用時、物品110は、ヒータアセンブリ200に全部又は一部が挿入され、ヒータアセンブリ200の1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。
【0050】
また、デバイス100は、ボタン又はスイッチ等、押された場合にデバイス100を動作させるユーザ操作可能な制御要素112を具備していてもよい。例えば、ユーザは、スイッチ112の操作によって、デバイス100をオンするようにしてもよい。
【0051】
デバイス100は、長手方向軸線101を画定する。
【0052】
図2は、図1のデバイス100の模式前方断面図を示している。デバイス100は、外カバー108、第1の端部材106、及び第2の端部材116を備える。デバイス100は、筐体109、電源118、及びヒータアセンブリ200を含むエアロゾル生成アセンブリ111を具備する。デバイス100は、少なくとも1つの電子機器モジュール122をさらに備える。
【0053】
外側カバー108は、デバイスシェルの一部を構成する。第1の端部材106は、デバイス100の一端に配置されており、デバイス100の反対端には第2の端部材116が配置されている。第1及び第2の端部材106、116は、外カバー108を閉じる。第1及び第2の端部材106、116は、ハウジングの一部を構成する。実施形態のデバイス100は、物品110が適所にない場合に、第1の端部材106に対する移動によって開口104を閉鎖し得る蓋(図示せず)を備える。
【0054】
また、デバイス100は、コネクタ/ポート120等、ケーブルを受容して当該デバイス100のバッテリを充電可能な電気的構成要素を備えていてもよい。例えば、コネクタは、USB充電ポート等の充電ポートであってもよい。いくつかの例において、コネクタは、追加又は代替として、デバイス100とコンピュータデバイス等の別のデバイスとの間のデータの転送に用いられるようになっていてもよい。
【0055】
デバイス100は、筐体109を具備する。筐体109は、外カバー108により受容される。エアロゾル生成アセンブリ111は、使用時に物品110の全部又は一部が挿入され得るヒータアセンブリ200を備え、物品110は、ヒータアセンブリ200の1つ又は複数の構成要素により加熱されるようになっていてもよい。エアロゾル生成アセンブリ111及び電源118は、筐体109に搭載されている。筐体109は、一体型(ワンピース型)の構成要素である。
【0056】
一体型の構成要素は、デバイス100の組み立て後、2つ以上の構成要素に分離できないデバイス100の構成要素を表す。一体形成は、構成要素の製造段階で一体型の構成要素として形成される2つ以上の特徴に関する。
【0057】
第1及び第2の端部材106、116は一体的に、デバイス100の端面を少なくとも部分的に画定する。例えば、第2の端部材116の底面は、デバイス100の底面を少なくとも部分的に画定する。また、外カバー108の縁部が端面の一部を画定していてもよい。第1及び第2の端部材116は、外カバー108の開放端を閉じる。第2の端部材116は、筐体109の一端にある。
【0058】
開口104に最も近いデバイス100の端部は、使用時にユーザの口に最も近いため、デバイス100の近位端(又は、口端)として知られていてもよい。使用時、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を操作してエアロゾル生成材料の加熱を開始し、デバイスで生成されたエアロゾルを利用する。これにより、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって、エアロゾルがデバイス100を流れる。
【0059】
開口104から最も遠いデバイスの他端は、使用時にユーザの口から最も遠くなる端部であるため、デバイス100の遠位端として知られていてもよい。デバイスで生成されたエアロゾルをユーザが利用する場合、エアロゾルは、デバイス100の近位端に向かう方向に流れる。デバイス100の特徴に適用される近位及び遠位という用語は、軸線101に沿った近位-遠位方向において、このような特徴の互いの相対的配置を参照することにより説明されるであろう。
【0060】
電源118は、例えば充電式バッテリ又は非充電式バッテリ等のバッテリである。好適なバッテリの例としては、例えばリチウムバッテリ(リチウムイオンバッテリ等)、ニッケルバッテリ(ニッケルカドミウムバッテリ等)、及びアルカリバッテリが挙げられる。バッテリは、エアロゾル生成アセンブリ111に対して電気的に結合され、必要に応じて電力を供給するとともに、制御装置121の制御下でエアロゾル生成材料を加熱する。
【0061】
電源118及びエアロゾル生成アセンブリ111は、軸線方向構成体として、電源118がデバイス100の遠位端に、エアロゾル生成アセンブリ111がデバイス100の近位端に配設されている。他の構成が想定される。
【0062】
電子機器モジュール122は、例えばプリント配線板(PCB)123を備えていてもよい。PCB123は、プロセッサ等の少なくとも1つの制御装置121及びメモリを支持していてもよい。また、PCB123は、デバイス100の様々な電子的構成要素を電気的に一体接続する1つ又は複数の電気的トラックを備えていてもよい。例えば、電力をデバイス100全体に配分可能となるように、バッテリ端子119a、119bがPCB123に対して電気的に接続されていてもよい。また、コネクタ120は、電気的トラックを介して、バッテリ118に対して電気的に結合されていてもよい。
【0063】
エアロゾル生成アセンブリ111は、誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱する様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタ等)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素(例えば、1つ又は複数のインダクタコイル)と、交流等の変動電流を誘導要素に通過させるデバイスとを備えていてもよい。誘導要素の変動電流は、変動磁場を生成する。変動磁場は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入して、サセプタの内側に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対する電気抵抗を有するため、この抵抗に対する渦電流の流れによって、サセプタがジュール加熱により加熱される。また、サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料を含む場合は、サセプタの磁気ヒステリシス損すなわち変動磁場との位置合わせの結果としての磁性材料の磁気双極子の変動配向によっても熱が生成されてもよい。誘導加熱においては、例えば伝導による加熱と比較して、サセプタの内側で熱が生成されるため、急速加熱が可能となる。さらに、誘導ヒータとサセプタとの間の物理的な接触が一切不要なため、構成及び用途の自由度が増す。
【0064】
熱電対150の形態の温度センサがサセプタと熱連通し、電子機器モジュール122に接続されている。図示の実施形態においては、熱電対150とサセプタとの間に伝熱プレート140が配置されることにより、熱電対150とサセプタとの間の熱連通を容易化する。他の例においては、プレート140を省略可能である。
【0065】
熱電対150は、デバイス100の使用時にサセプタの温度をモニタリングして、この情報を電子機器モジュール122に提供する。これにより、電子機器モジュール122及び制御装置121は、デバイス100の使用時の必要に応じてサセプタの温度をモニタリングし、例えば電源118が供給する電力量を調整することによりサセプタの温度を調整することができる。熱電対150としては、白金ロジウム熱電対(すなわち、Bタイプ)等、任意の好適な熱電対が可能である。
【0066】
温度を検知する他のデバイスと比較して、熱電対150は、より堅牢で持続性があり、電力効率に優れた正確な温度測定を容易化し得る。それにも関わらず、本開示の範囲内の他の例において、温度センサとしては、抵抗温度検出器、サーミスタ、赤外線センサ等、その他任意の好適な温度センサが可能である。
【0067】
図3は、ヒータアセンブリ200及びインダクタコイルアセンブリ127を含む断面におけるエアロゾル生成アセンブリ111の一部の拡大図を示している。
【0068】
エアロゾル生成アセンブリ111は、インダクタコイルアセンブリ127及びヒータアセンブリ200を備える。インダクタコイルアセンブリ127は、ヒータアセンブリ200の周りに延びている。インダクタコイルアセンブリ127は、コイル支持部126を備える。インダクタコイルアセンブリ127は、ヒータアセンブリ200に巻き付けられた(すなわち、ヒータアセンブリ200を囲む)インダクタコイル124を含む。インダクタコイル124は、支持部126に画定された溝128に配設されている。溝128は、螺旋状である。溝128が省略され、コイル124がコイル支持部126の外面に巻き付けられていてもよい。インダクタコイルアセンブリ127は、デバイスハウジング102に固定して取り付けられている。コイル支持部126は、デバイスハウジング102の一部を構成していてもよい。
【0069】
ヒータアセンブリ200は、使用時に物品110を加熱する加熱要素210を含む。図3の例示的な実施形態において、加熱要素は、サセプタ構成体210である(本明細書においては、「サセプタ」と称する)。本例のサセプタ210は、ブレード状のサセプタ210である。物品110は、サセプタ210の上又は周りに挿入可能である。ブレード状のサセプタ210は、その軸線方向長さの大部分に沿って一定の矩形断面を有し、自由端でブレード先端212へとテーパ状になっていてもよい。他の例において、軸線方向断面は、サセプタ210の軸線方向長さに沿ってブレード先端212まで変化していてもよい。
【0070】
ブレード状のサセプタ210を図示しているが、本開示の範囲内において、サセプタ210のその他任意の好適な形状又は形態も使用可能であることが理解されるものとする。例えば、サセプタ210としては、(例えば、軸線方向長さに沿った一定の円形断面がピン先端へと先細る)ピン状も可能であるし、(軸線方向長さに沿った一定又は可変断面が先端もテーパ状部も持たない)ロッド状(例えば、円筒ロッド又は正方形ロッド)も可能である。別の例において、サセプタ210は代わりに、物品110/エアロゾル生成材料が受容される管状部材であってもよい。このようなサセプタは、外側サセプタである。このような例において、サセプタは、物品110を受容して加熱可能な加熱チャンバの少なくとも一部を画定する周壁(例えば、環状壁)を画定していてもよい。このような例においては、上述のブレード状の実施形態のように物品110がサセプタを囲む代わりに、サセプタが物品110を囲む。外側サセプタの断面プロファイルは、多様なプロファイル形状にて形成され得ることが理解されよう。
【0071】
また、別の例においては、必要に応じて複数のサセプタ(例えば、2つ以上の別個のサセプタ)が設けられていてもよく、構成が異なっていてもよいし、類似していてもよい(例えば、ピン状、ブレード状、ロッド状、又は管状等)。
【0072】
サセプタ210は、電磁誘導による加熱に適した導電材料により形成されている。本例におけるサセプタは、炭素鋼により形成されている。他の好適な材料(例えば、鉄、ニッケル、又はコバルト等の強磁性材料)も使用可能であることが理解されよう。
【0073】
他の実施形態において、加熱要素として機能する特徴は、誘導加熱に限定され得ない。したがって、加熱要素として機能する特徴は、電気抵抗により加熱可能であってもよい。このため、ヒータアセンブリ200は、装置と電気的につながって、電気エネルギーの流れを加熱要素に通すことで加熱要素を電気的に作動させる電気接点を備えていてもよい。このような実施形態においては、適宜インダクタコイルアセンブリ127を省略可能である。
【0074】
インダクタコイル124は、導電材料により構成されている。本例において、インダクタコイル124は、螺旋状に巻回されてヘリカルインダクタコイル124を提供するリッツ線/ケーブルにより構成されている。リッツ線は、個別に絶縁され、一体的な撚り合わせによって単一のワイヤを構成する複数の個々のワイヤを備える。リッツ線は、導電体の表皮効果損を抑えるように設計されている。例示的なデバイス100において、インダクタコイル124は、円形の断面を有する銅リッツ線により構成されている。他の例において、リッツ線は、矩形等、他の形状の断面を有し得る。インダクタコイル124は、PCB123への接続により、電子機器モジュール122及びスイッチ112を用いて誘導加熱の作動を制御可能である。
【0075】
また、使用するインダクタコイルの数が異なっていてもよい。例えば、図3に示すエアロゾル生成アセンブリ111は、インダクタコイルアセンブリ127が単一のコイル124しか備えていないが、インダクタコイルアセンブリ127は任意数の好適なコイルを特徴とし得ることが理解されるものとする。付加的なコイルの使用により、サセプタ210に対して、異なる加熱特性の異なる加熱ゾーンを提供するようにしてもよい(例えば、サセプタ210の軸線方向長さに沿った異なるエリアに異なる加熱条件を与えること並びに/又は異なる時間若しくは異なる使用例においてサセプタ210に異なる加熱条件を与えることである)。また、付加的なコイルを提供して、エアロゾル生成アセンブリ111に配設可能な付加的なサセプタ(図示せず)における加熱を生成するようにしてもよい。
【0076】
ヒータアセンブリ200は、レセプタクル230を具備する(図4A及び図4Bにおいてより詳しく示す)。レセプタクル230は、使用時に物品110が受容される加熱チャンバ220を画定する。図示の実施形態において、レセプタクル230は、サセプタ210を囲み、サセプタ210と当該レセプタクルとの間に、使用時に物品110を受容して加熱可能な環状空間を与える環状体である。
【0077】
コイル支持部126及び開口104は、レセプタクル230を受容するデバイスハウジング102内のデバイスチャンバ105を画定する。レセプタクル230は、デバイスハウジング102との相互作用によって、ヒータアセンブリ200を適所に固定する。コイル支持部126は、デバイスハウジング102の一部を構成する。実施形態において、デバイスチャンバ105は、コイル支持部126以外の別の特徴により画定される。コイル支持部105は、内壁を構成する。内壁は、カップ状である。
【0078】
レセプタクル230は、使用時に取り外して交換可能となるように、チャンバ105内に取り外し可能に配設される。この特徴は、破損又は故障の場合のレセプタクル230(及び、他のヒータアセンブリ構成部品)の洗浄のほか、レセプタクル230(及び、他のヒータアセンブリ構成部品)の交換を容易化する。
【0079】
図示の例において、レセプタクル230は、チャンバ105の内側に完全に配設されている。他の例において、レセプタクル230がチャンバ105に受容されている場合は、レセプタクル230の一部(例えば、近位端のリップ又はフランジ等)が依然として、デバイスチャンバ105の外側に延びていてもよい。したがって、このような例においては、レセプタクル230がチャンバ105に「部分的に取り外し可能に配設」されていてもよい。本開示は、このようなすべての例を網羅する。
【0080】
図4A及び図4Bは、ヒータアセンブリ200をより詳しく示している。ヒータアセンブリ200は、インサートを構成する。本構成において、インサートは、レセプタクル230及び加熱要素210を備える。実施形態において、インサートは、レセプタクル230を備える。レセプタクル230は、基部233及び壁231を具備する。壁構成体は、基部233から直立している。レセプタクル230の近位端233aには、開口239が画定されている。基部233は、遠位端233bに形成されている。壁231は、外壁及び内壁231a、231bを含む。外壁及び内壁231a、231bは、ヒータアセンブリ200の長手方向軸線201に関して互いに同心である。外壁231aは、外側シェルを構成する。内壁231bは、内側シェルを構成する。図2及び図3に示すように、ヒータアセンブリ200がデバイスハウジングチャンバ205に挿入された場合は、ヒータアセンブリ200の長手方向軸線201がデバイス101の長手方向軸線101と実質的に同軸である。
【0081】
外壁231aは、レセプタクル230の開口端233aから反対の基端233bまで軸線方向に延びている。外壁231aは、基部233自体を画定していてもよく、また、基部233と一体的に形成されていてもよい。或いは、基部233を別個のものとして、外壁231aに取り付けることも可能である。外壁231a及び基部233は、カップを構成する。カップは、流体バリアを構成する。開口端233aは、レセプタクルがデバイスハウジングチャンバ105に挿入された場合にデバイス100の開口104に収まるヒータアセンブリ200の端部であることから、そのように称する。したがって、デバイス100に関して上述した通り、開口端233aをヒータアセンブリ200の近位端(又は、口端)とも称し得る一方、基端233bは、ヒータアセンブリ200の遠位端と称し得る。
【0082】
基部233は、加熱要素210が受容されて(軸線方向に)突出する開口部238を内部に画定する。加熱要素210は、固定フランジ216を構成する加熱要素基部214を画定する。加熱要素基部214は、開口部238に圧入されていてもよい。ただし、レセプタクル230の適所における加熱要素210の固定には、例えば溶接、インサート成形、締まり嵌め、ねじ込み式嵌合等、その他任意の好適な方法が用いられるようになっていてもよい。加熱要素210は、レセプタクル230と流体シールを構成する。シールを配設して、加熱要素210とレセプタクル230との間に流体シールを構成可能である。実施形態において、開口部238は代わりに、ブラインドキャビティ/凹部も可能であるし、レセプタクル230の適所における加熱要素210の取り付けに用いられる固定方法に依っては、完全に省略することができる。
【0083】
図示の実施形態において、加熱要素210は、レセプタクル230自体の一部となって支持されるように、レセプタクル230に固定して取り付けられている。このように、加熱要素210は、レセプタクル230とともにその一部として、デバイスハウジングチャンバ105から取り外し可能である。
【0084】
代替実施形態において、加熱要素210は、レセプタクル230の代わりに、デバイスハウジングチャンバ105内のデバイスハウジング102に固定して代わりに取り付けられていてもよい。このように、レセプタクル230がデバイスハウジングチャンバ105から取り外される一方、加熱要素210は、デバイスハウジングチャンバ105内の適所に固定されたままとなる。
【0085】
上記代替実施形態のいずれかにおいて、加熱要素210は追加として、デバイスハウジング102及び/又はレセプタクル230自体から別々に取り外し可能であってもよい。例えば、加熱要素210は、固定して取り付けられる代わりに、レセプタクル230又はデバイスハウジング102/チャンバ105に対して取り外し可能に固定することも可能である。例えば、ねじ込み式の受容、バヨネット嵌合による受容、又はデバイスハウジング102/チャンバ105の対応するコネクタとの締まり嵌めを成すとともに引き離し可能な加熱要素210のコネクタの使用も可能である。
【0086】
これは、加熱要素210の洗浄及び/又は交換を容易化し得る。この加熱要素210の交換の改良は、加熱要素210が破損又は故障して交換が必要な場合に有用であってもよいが、異なる使用例に対して異なる加熱要素210を交換するためにも有用であってもよい。例えば、特定の使用例又は物品110に対して、異なる形状/種類の加熱要素210が必要となる場合もある。
【0087】
内壁231bは、外壁231aから離隔している。開口端233aから基端233bまでレセプタクル230に沿って、空気路250が画定されている。空気路は、軸線方向に延びている。空気路は、近位端233aに空気入口251を有する。空気路250は、遠位端233bに空気出口252を有する。
【0088】
内壁231bは、近位端233aから基端233bに向かって軸線方向に延びている。内壁231bは、基部233から離隔している。内壁231bは、基部233の軸線方向手前で止まって、当該内壁231bと基部233との間に軸線方向の間隙Gを形成している。図示の例において、軸線方向の間隙Gは、基部233と内壁231bとの間で加熱要素210の周りに環状の間隙を与える。内壁231bと基部233との間の間隙が空気出口251を画定する。実施形態においては、後述の通り、内壁231bが基部233まで延び、内壁231bの基端に開口部及び/又は切り欠きが形成されて、空気出口251を画定している。
【0089】
内壁231bは、近位端233aにおけるテーパ状面235を特徴とする。テーパ状面235は、近位端231bから長手方向軸線201に向かう角度でテーパ状となっている。テーパ状面235は、物品110のヒータアセンブリ200及び加熱チャンバ220への挿入の容易化に役立ち得る。例えば、加熱要素210の周りでの加熱チャンバ220への挿入に際して、物品110の正しい位置合わせを容易化し得る。
【0090】
外壁231a及び内壁231bは、半径方向に離隔している。外壁及び内壁231a、23bは、半径方向に延びたリブ236によって接続されている。リブ236は、外壁231a内の適所に内壁231bを固定する。外壁及び内壁231a、231b間には、壁231a、231bの円周方向に離散的にリブ236が配設されている。図示の例においては、壁231a、231bの円周方向に、このような4つのリブ236が等間隔で存在する。ただし、任意の好適な数及び間隔のリブ236を使用可能である。
【0091】
図示の実施形態において、リブ236は、内壁231bの長さだけ軸線方向に延びている。ただし、リブ236は、壁231a、231b間において、壁231a、231bを互いの適所に同心に保持するために必要な支持を与えるのに十分である任意の好適な軸線方向距離だけ延びていてもよい。
【0092】
外壁231a、内壁231b、及びリブ236の組み合わせは、近位端233aにスロット234を画定するとともに、レセプタクル230内で軸線方向に延びた通路237を構成する。通路237は、空気路250を画定する。スロット234は、空気入口251を画定する。
【0093】
スロット234及び通路237の数及びサイズは、リブ236のサイズ、間隔、及び数に応じて、必要により変更可能である。さらに、スロット234及び通路237は、近位端233aにおいて画定する必要がない。例えば、リブ236は、レセプタクル230内の任意の好適な軸線方向位置(例えば、基部231bの近傍又は壁231a、231bの軸線方向長さに沿った中間)において存在することが可能である。さらに、スロット234及び通路237は代わりに、内壁及び外壁231a、231b間で軸線方向に延びた単一の(例えば、実質的に環状の)スロット234/通路237を提供することが可能である。
【0094】
図示の実施形態において、通路237は、使用時にデバイス100の外部から加熱チャンバ220及び内部のエアロゾル生成材料への空気流の連通を可能にする空気流通路として用いられる。近位端233aからスロット234及び通路237を介した空気流の流入は、デバイス100の使用時にユーザがこのような領域への空気流を遮断する可能性が低いため好都合である。
【0095】
通路237は、間隙Gにより与えられる環状空間に出るが、これによって使用時、通路237から加熱チャンバ220へと、内部に受容されたエアロゾル生成材料/物品110を通じて空気流を連通可能となる。
【0096】
内壁及び外壁231a、231b間の通路237の存在によって、通路237を通る空気流及び空気流に対する抵抗の制御を改善可能となり得る。例えば、使用時、物品110を通じて連通されるより一貫した空気流及び/又は望ましい空気流抵抗をユーザに提供するため、(例えば、壁231a、231b間及び/又はリブ236から延びる)通路237に配置される空気流修正機構(例えば、空気流収縮器)を使用可能となり得る。
【0097】
ただし、本開示は、通路237が必ずしも空気流通路であることに限定されないことを理解されたい。例えば、デバイス100及び/又はヒータアセンブリ200は、デバイス100の使用に必要な空気流を供給する空気流通路の任意の好適な代替又は追加の構成を提供することが可能である。例えば、デバイスの側面に(1つ又は複数の)空気流通路を設けることが可能であるし、内壁231bと物品110自体との間に画定することが可能である。また、代わりに又は追加として、デバイス100の遠位端から基部233を通って上方に(1つ又は複数の)空気流通路を向かわせることが可能である。
【0098】
レセプタクル230の外壁及び内壁231a、231bの構成は、(例えば、単一壁のレセプタクル230と比較して)加熱要素210とデバイスハウジング102との間に与えられた断熱量の改善を容易化し得る。また、上述の通り、通路237が空気流通路として使用される場合、これは、(例えば、(比較的冷たい外部の)空気流が内壁及び外壁231a、231bから過剰な熱を吸収可能であるため)加熱要素210とデバイスハウジング102との間に与えられた断熱量の別途改善を容易化し得る。ヒータアセンブリ200により与えられる断熱量は、デバイス100にとっての重要な検討事項となり得る。デバイス100がユーザの手の中で熱くなり過ぎたり、他のデバイス構成要素に対して温度が問題となったりすることがないようにする必要があるためである。レセプタクル230に空隙を与えることにより、デバイスハウジングに必要な断熱量の改善を容易化して、デバイスハウジングを小型化することが可能である。
【0099】
上述の通り、レセプタクル230は、使用時に取り外して交換可能となるように、チャンバ105内に取り外し可能に配設される。実施形態において、レセプタクル230は、デバイスハウジング102に固定して取り付けられる。レセプタクル230は、デバイスハウジング102の一部を構成していてもよい。例えば、レセプタクル及びコイル支持部が一体的に形成されていてもよい。レセプタクルがコイル支持部の代わりに用いられるようになっていてもよい。図示の実施形態において、レセプタクル230は、デバイスハウジング102に対する当該レセプタクル230の回転により、レセプタクル230の回転に応じた係合及び係合解除が可能となるように、チャンバ105と相互作用するように構成されている。
【0100】
レセプタクル230及びデバイスハウジング102は、デバイスハウジング102に対するレセプタクル230の回転に応じて係合及び係合解除するように構成された相補係止機構を具備する。
【0101】
本開示の背景において、「係合」は、デバイス100の使用のためにレセプタクル230をデバイスハウジング102の適所に十分に保持する係合に関し、「係合解除」は、このような係合の解除(例えば、デバイスハウジング102の他の構成要素の取り外しもデバイスハウジング102の部品の破壊も必要とすることなく)レセプタクル230をデバイスハウジング102から取り外し可能にする解除に関することが理解されるものとする。レセプタクル230との組み合わせによるツール(図示せず)を使用して、デバイスチャンバ105に対するレセプタクル230の挿入及び取り外しを補助することが可能である。
【0102】
レセプタクル230は、開口239と基部233との間に延びた加熱チャンバ220を画定する。このため、加熱チャンバ220は、近位端233aと遠位端233bとの間で延びている。壁231の内側面253が加熱チャンバ220を画定する。本構成においては、内壁231bが実質的に内側面253を画定する。基部233は、内面254及び外面255を有する。壁231の内側面253及び基部233の内面254が加熱チャンバ220の表面を画定する。基部は、加熱チャンバ220の床部を画定する。加熱チャンバ220は、開口から基部233まで、実質的にレセプタクル230の長さに沿って、実質的に均一な断面を有する。
【0103】
レセプタクルは、スペーサ構造260を有する。スペーサ構造260は、物品110が加熱チャンバ220に受容された場合に、基部233から物品110の端部を離隔させる。物品110が加熱チャンバ220に受容された場合は、物品110の一部が加熱チャンバ220から突出する。実施形態においては、物品110全体が加熱チャンバ220によって受容される。
【0104】
スペーサ構造260は、突起261のアレイを備える。図4Bに示すような本実施形態は3つの突起261を有するが、図中には1つだけ示している。突起の数は異なっていてもよく、1つであってもよいし、複数であってもよいことが理解されよう。(1つ又は複数の)突起261は、スペーサとして作用する。突起261は、基部233から直立している。突起261は、加熱チャンバ220においてある高さを有する。各突起261は、均一な高さを有する。突起261は、物品110の加熱チャンバ220への挿入範囲を制限するストッパとして作用する。突起261は、加熱チャンバ220において延びている。突起261は、物品配置面262を画定する。物品配置面262は、物品110の端部に隣接する。
【0105】
加熱要素210は、基部233から直立している。突起261は、加熱チャンバ220において、加熱要素210の周りに分散配置されている。本実施形態において、突起261は、加熱要素210から離隔している。実施形態において、(1つ又は複数の)突起261は、加熱要素210から延びていてもよい。スペーサ構造260は、加熱要素210を囲んでいてもよい。
【0106】
突起261は、プラットフォームである。突起261は、基部233と物品配置面262の平面との間の空隙265を画定する。空気出口252が空隙265と連通する。物品110が加熱チャンバ220に挿入された場合は、物品110の端部がスペーサ構造260に接する。したがって、スペーサ構造260は、物品110が挿入される範囲を制限するため、基部233と物品110の端部との間に空隙265を形成可能である。空隙は、物品110の端部までの空気流の改善を容易化する。空隙を設けることにより、スペーサ構造260は、物品110の端部にわたる空気流の分布の改善をもたらす。
【0107】
スペーサ構造260は、異なる形態であってもよい。例えば、突起261は、1つ又は複数のロッド、リブ、タブ、リップ、及びフックであってもよい。スペーサ構造260は、加熱チャンバ220において肩部を構成していてもよい。このようなスペーサ構造260の1つを図5及び図6に示す。
【0108】
図5は、別のヒータアセンブリ200の一部の側方断面図を示している。図6は、別のヒータアセンブリ200のレセプタクル230の分解図を示している。図5及び図6のヒータアセンブリ200は、上述のヒータアセンブリと大略同じ構成を有するため、詳細な説明を省略する。ヒータアセンブリ200は、レセプタクル230及び加熱要素210を具備する。図5に示すような加熱要素210は、ピン加熱要素であるが、加熱要素の構成は異なっていてもよいことが理解されよう。レセプタクル230は、外壁及び内壁231a、231bを備える。
【0109】
図5の断面は、リブ236を通るため、空気通路237及び空気出口252を省略している。本実施形態において、内壁231bは、遠位端から軸線方向に延びた脚部270を備える。脚部270は、内壁231bに関して円周方向に離隔している。4つの脚部270を示しているが、脚部の数は異なっていてもよい。脚部270は、内壁231bの本体271から突出して、基部233から内壁本体271を離隔させている。脚部270の遠位端272は、基部233に接している。実施形態において、脚部270は、基部233から離隔している。各脚部270からは、内方延伸フランジ273が突出している。内方延伸フランジ273は、突起である。内方延伸フランジ273は、各脚部270の遠位端から突出しているが、フランジ273は各脚部270の遠位端272から離隔していてもよい。フランジ273は、配置タブとして作用する。フランジ273は、スペーサ構造260を構成する。スペーサ構造260は、異なる形態であってもよい。例えば、突起273は、1つ又は複数のロッド、リブ、タブ、リップ、及びフックであってもよい。フランジはそれぞれ、高さを有する。フランジ273は、物品110の端部と加熱チャンバ220の床部との間に形成された空隙265の高さを規定する。各フランジ273は、物品配置面274を画定する。
【0110】
空気出口252は、隣り合う脚部270間に画定される。空気出口252は、半径方向に設けられている。本実施形態においては、突起又は各突起が基部233に隣接することで内壁231bを軸線方向に配置し、突起として作用するフランジ273の高さによって、物品配置面274と基部233との間の距離が規定される。実施形態において、フランジは、基部から離隔している。
【0111】
フランジ273は、外側スペーサを構成する。フランジ273は、肩部として作用する。また、レセプタクル230は、内側スペーサ275を備える。内側スペーサ275は、加熱チャンバ220の床部から直立した内側肩部276を備える。肩部276は、加熱要素210の周りに延びた隆起カラーを備える。肩部276は、物品配置面277を画定する。肩部276は、基部233の内面254から軸線方向にオフセットしている。各実施形態において、スペーサ構造は、加熱チャンバ220の床部から物品の端部を軸線方向にオフセットさせる。
【0112】
スペーサ構造は、加熱チャンバ220の床部からの物品の離隔を容易化する。本構成により、空隙を設けることによって、レセプタクル230を通る空気流を改善可能となる。基部233から物品110の端部を離隔させる構成によって、半径方向に加熱チャンバ220に入る空気の流れが促進される。空気路は、レセプタクル230内でのみ維持される。したがって、これによりデバイス中の凝縮物管理が容易化される。レセプタクル230は、使用時に取り外して交換可能となるように、チャンバ105内に取り外し可能に配設されるが、実施形態においては、デバイスハウジング102において固定して取り付けられる。実施形態において、レセプタクル230は、デバイスハウジング102の一部を構成する。例えば、レセプタクル及びコイル支持部が一体的に形成されてもよい。レセプタクルがコイル支持部の代わりに用いられてもよい。
【0113】
上述の実施形態においては、加熱チャンバによる半径方向の流れの構成にて空気出口を説明した。実施形態においては、空気出口が加熱チャンバによる軸線方向の流れの構成を提供可能であることが理解されよう。このような構成を図7に示す。図7のヒータアセンブリ200は、上述のヒータアセンブリと大略同じ構成を有するため、詳細な説明を省略する。
【0114】
図7の実施形態を参照して、レセプタクル230は、空気路250の一部が内部に延びた基部233を備える。このような構成においては、レセプタクル230が単一壁構成であり、空気路250が外面255と内面254との間で基部233を通って延びている。実施形態においては、空気路250が壁231から基部233に延入した二重壁構成が考えられる。
【0115】
突起として作用するタブ280は、側壁231から突出している。タブ280は、半径方向内方に突出している。タブの数は異なっていてもよく、1つであってもよい。タブ又は各タブの正確な範囲は、異なっていてもよい。タブ280は、基部233から離隔している。
【0116】
空気出口252が基部233の床部と連通する。図には1つの空気出口ポートを示しているが、実施形態においては、空気出口252を構成する多くの空気出口ポートが存在する。空気出口の軸線は、基部233からの全体流の中心により画定される。空気出口252は、加熱チャンバ220の軸線201に関して非対称である。空隙265を設けることにより、空気出口252の非対称構成にも関わらず、物品110の端部から物品110を通る実質的に均一な空気流が与えられる。各実施形態で説明した様々な空気流路は、本明細書に記載の様々なスペーサ構造とともに使用可能であることが理解されよう。
【0117】
ここで図8を参照して、以下、別の実施形態を説明する。図8の実施形態は、上述のヒータアセンブリ、特に、図5及び図6の実施形態と大略同じ構成を有するため、詳細な説明を省略する。
【0118】
ヒータアセンブリ200は、レセプタクル230及び加熱要素210を具備する。図8に示すような加熱要素210は、ブレード加熱要素であるが、加熱要素の構成は異なっていてもよいことが理解されよう。レセプタクル230は、外壁及び内壁231a、231bを備える。加熱要素210は、加熱チャンバ230において直立している。加熱要素220は、基部233から延びている。基部233及び外壁231aは、カップを構成する。
【0119】
基部233は、ウェル290を含む。ウェル290は、加熱チャンバ230において液体を凝結させるように構成されている。ウェル290は、キャビティ291を含む。キャビティ291は、基部233において延びている。キャビティ291の数は、異なっていてもよい。キャビティ291又は各キャビティ291は、加熱チャンバ220の軸線に関してアーチ状に延びている。キャビティ291は、ブラインド凹部である。キャビティは、加熱チャンバ220の床部から延びている。ウェル290は、レセプタクル230の壁231に形成されていてもよい。キャビティ291は、加熱チャンバ220への空気流及び加熱チャンバ220を通る空気流から離れた凹部を画定する。このため、例えば凝縮物をキャビティ291で凝結させることにより、空気流から引き離すことができる。このように、凝縮物のない自由空気路が確保される。
【0120】
加熱チャンバ中の凝縮物をキャビティ291において凝結させることにより、空気路からの凝縮物の隔離を容易化可能であるとともに、凝縮物が蒸発して加熱チャンバ220から追い出される空間を提供可能である。
【0121】
上記実施形態は、本発明の例示的な実例として理解されるものとする。本発明の他の実施形態も考えられる。任意の一実施形態に関して記載の任意の特徴は、単独又は他の記載特徴との組み合わせで使用可能であり、また、実施形態の任意のその他又はその任意の組み合わせの1つ又は複数の特徴との組み合わせで使用可能であることが理解されるものとする。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲に規定の上述していない同等物及び改良も採用可能である。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】