(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】基板キャリア及び基板これを備える基板組立体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/48 20060101AFI20231018BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20231018BHJP
H05K 3/18 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
H01L21/48
H05K3/34 512Z
H05K3/18 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579806
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 US2022042308
(87)【国際公開番号】W WO2023034479
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521560126
【氏名又は名称】アブソリックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Absolics Inc.
【住所又は居所原語表記】3000 SKC Drive,Covington,GA 30014,USA
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジンチョル
【テーマコード(参考)】
5E319
5E343
【Fターム(参考)】
5E319AC04
5E319CD37
5E319GG20
5E343AA23
5E343AA26
5E343FF10
(57)【要約】
基板キャリア及びそれを備える基板組立体を提供する。前記基板キャリアは、収容空間と、前記収容空間に隣接して配置されるガイド部と、前記収容空間及び前記ガイド部の下部に配置される支持部とを備える。前記ガイド部は、上部からみた時に縁部が円形形状または円弧形状のうちのいずれかの1つを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容するように構成される収容空間と、
前記収容空間に隣接して配置されるガイド部と、
支持部、固定部及びその両方から選択されるいずれか1つとを備え、
前記支持部は、前記収容空間及び前記ガイド部の下部に配置され、前記支持部は、前記ガイド部及び前記収容空間に配置される基板を支持するように構成され、
前記固定部は、前記ガイド部の内周面に配置され、前記基板と前記ガイド部を固定するように構成される、ことを特徴とする基板キャリア。
【請求項2】
前記ガイド部は、上部からみた時に縁部が円形形状または円弧形状のうちのいずれかの1つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項3】
前記ガイド部は、4インチ以上の直径を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項4】
前記ガイド部は、100μm~2000μmの厚さを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項5】
前記収容空間は、前記ガイド部よりも低い高さを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項6】
前記支持部は、50μm ~200μmの厚さを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項7】
前記支持部は、紫外線(UV)硬化性接着層を含み、前記固定部は、UV硬化性接着性材料を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の基板キャリア。
【請求項8】
請求項1に記載の基板キャリアと、収容空間に配置される対象基板とを備え、
前記対象基板と前記基板キャリアは、一体形に互いに固定されるように構成される、ことを特徴とする基板組立体。
【請求項9】
前記対象基板は、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの基板である、ことを特徴とする請求項8に記載の基板組立体。
【請求項10】
前記対象基板は、複数のパッケージ基板用ユニットが形成されたアレイを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の基板組立体。
【請求項11】
前記対象基板と前記ガイド部は、0.5mm~20mmの間隔を有する、ことを特徴とする請求項8に記載の基板組立体。
【請求項12】
前記間隔の少なくとも一部は、充填材料で充填される、ことを特徴とする請求項11に記載の基板組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)本出願は、2021年9月2日に出願された米国仮特許出願第63/240,023号の優先権を主張し、その開示内容全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板キャリア及びこれを備える基板組立体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ハイエンドパッケージング基板としては、ガラス等のセラミック材料を適用することができ、有機材料を除外することができる。基板上に貫通ビアを形成し、その貫通ビア内に導電材料を適用することにより、素子とマザーボードとの間の配線長を短くし、優れた電気的特性を得ることができることができる。
【0004】
このような基板は、複数のパッケージ基板用ユニットを含むアレイ基板を製造するために実装され、アレイ基板は四角形状のパネル形状となるように製造してもよい。微細かつ複雑な実装を具現化するために、高精度な半導体プロセスの利用が望まれる場合がある。しかし、アレイ基板を四角形状に加工する市販の装置では不十分であり、開発/メンテナンスに相当の時間やコストがかかる場合がある。
【0005】
この四角形状のアレイ基板をシリコン系半導体ウエハの代表的な装置に適用するためには、ウエハと同様の円形状の縁部を有することが好ましい。しかし、四角形状に実装されたアレイ基板のサイズの例では、12インチ等のウエハ形状への加工を行う際に、かなりの面積ロスが発生する可能性がある。それにより、生産性が低下し、量産性が得られない場合がある。
【0006】
従って、材料及びコストの損失の発生を最小限に抑え、四角形の一般的な基板に対するパッケージング工程の生産性を高めることができる様々な要因や構成を検討することが望まれる。
【発明の概要】
【0007】
本概要は、発明の詳細な説明で後述する概念の一部を簡略化して紹介するために提供されるものである。本概要は、請求対象の重要な特徴又は必須の特徴を特定することを意図するものではなく、請求対象の範囲を決定する際の補助として使用することを意図するものでもない。
【0008】
本発明は、基板を収容するように構成される収容空間と、前記収容空間に隣接して配置されるガイド部と、
支持部、固定部及びその両方から選択されるいずれか1つとを備え、前記支持部は、前記収容空間及び前記ガイド部の下部に配置され、前記支持部は、前記ガイド部及び前記収容空間に配置される基板を支持するように構成され、 前記固定部は、前記ガイド部の内周面に配置され、前記基板と前記ガイド部を固定するように構成される、基板キャリアを提供する。
【0009】
前記ガイド部は、上部からみた時に縁部が円形形状または円弧形状のうちのいずれかの1つを含む。
【0010】
前記ガイド部は、4インチ以上の直径を有する.
【0011】
前記ガイド部は、100μm~2000μmの厚さを有する。
【0012】
前記収容空間は、前記ガイド部よりも低い高さを有する。
【0013】
前記支持部は、50μm~200μmの厚さを有する。
【0014】
前記支持部は、紫外線(UV)硬化性接着層を含み、前記固定部は、UV硬化性接着性材料を含む。
【0015】
本発明は、基板キャリアと、収容空間に配置される対象基板とを備え、
前記対象基板と前記基板キャリアは、一体形に互いに固定されるように構成される、ことを特徴とする基板組立体を提供する。
【0016】
前記対象基板は、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの基板である。
【0017】
前記対象基板は、複数のパッケージ基板用ユニットが形成されたアレイを含む。
【0018】
前記対象基板と前記ガイド部は、0.5mm~20mmの間隔を有する。
【0019】
前記対象基板と前記ガイド部は、0.5mm~20mmの間隔を有する。
【0020】
他の特徴および態様は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施例に係る基板キャリアを上方からみた一例を示す図面である。
【
図2】1つ以上の実施例に係る基板キャリアの断面の一例を示す図面である。
【
図3】1つ以上の実施例に係る基板組立体を上方からみた一例を示す図面である。
【
図4】1つ以上の実施例に係る基板組立体の断面の一例を示す図面である。
【
図5】1つ以上の実施例に係る基板組立体の断面の一例を示す図面である。
【
図6】1つ以上の実施例に係る基板組立体の断面の一例を示す図面である。
【
図7】1つ以上の実施例に係る基板組立体の断面の一例を示す図面である。 図面及び詳細な説明において、同一の符号は同一の要素を指す。図面は一定の縮尺ではない場合があり、図面中の要素の相対的な縮尺、比率、及び説明は、明確さ、図示及び便宜のために誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な説明は、読者が本明細書に記載された方法、装置、及び/又はシステムを包括的に理解することを支援するために提供されるものである。しかしながら、本開示を理解すれば、本明細書に記載された方法、装置、及び/又はシステムの様々な変更、修正、及び等価物は明らかになるであろう。例えば、本明細書に記載された動作の順序は単なる例示であり、本明細書に記載されたものに限定されるものではなく、動作が必ず一定の順序で行われる場合を除き、本開示を理解すれば明らかになるように変更してもよい。また、本開示の内容を理解すれば、公知である特徴の説明は、明瞭性及び簡潔性を高めるために省略することができるが、特徴の省略及びそれらの説明も、それらの一般的な知識を認めることを意図したものではないことに留意されたい。
【0023】
本明細書に記載される特徴は、異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本明細書に記載された例は、本開示を理解した後に明らかになる本明細書に記載の方法、装置、及び/又はシステムを実現する多くの可能な方法のいくつかを単に説明するために提供されるものである。
【0024】
本明細書では、「第1」、「第2」及び「第3」等の用語を使用して様々な部材、構成要素、領域、層、又はセクションを説明するが、これらの部材、構成要素、領域、層、又はセクションは限定されない。むしろ、これらの用語は、ある部材、構成要素、領域、層、又はセクションを他の部材、構成要素、領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用される。従って、本明細書に記載された実施例で言及された第1の部材、構成要素、領域、層、又はセクションは、実施例の教示から逸脱することなく、第2の部材、構成要素、領域、層、又はセクションと呼ばれる場合もある。
【0025】
明細書において、層、領域、又は基板等の要素が、別の要素の「上」にあるか、別の要素に「接続」又は「結合」されると記載されている場合、それは直接「上」にあるか、「接続」されるか、又は他の要素に「結合」されるか、又はそれらの間に1つ以上の他の要素が介在している。一方、ある要素が別の要素の「直接上にある」、別の要素に「直接接続される」、又は「直接結合される」と記載されている場合、その間に他の要素が介在することはない。同様に、例えば、「間」、「ちょうど間」、「に隣接する」及び「に直接隣接する」等表現も、前述のように解釈することができる。
【0026】
本明細書で使用される用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、本開示を限定するために使用されるものではない。本明細書で使用される単数形は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図する。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙項目の任意の1つ及び任意の2つ以上の任意の組み合わせを含む。 本明細書で使用される用語「含む」、「備える」、及び「有する」は、記載された特徴、数、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。本明細書において、実施例又は実施形態(例えば、実施例又は実施形態が何を含み得るか、又は実施し得るかに関して)における用語「もよい」は、そのような特徴が含まれるか又は実施される少なくとも1つの実施例又は実施形態が存在することを意味する。ただし、すべての例がこれに限定されるものではない。
【0027】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語を含むすべての用語は、本開示の理解後に一貫して本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈され、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではない。
【0028】
本明細書において、「A上にBが位置する」という意味は、A上に直接接触してBが位置するか、又はそれらの間に別の層が位置しながらA上にBが位置することを意味し、明細書に明確に説明していない限り、Aに直接接触してBが位置することに限定されて解釈されるべきではない。
【0029】
本明細書において、マーカッシュ形式の表現に含まれた「これらの組み合わせ」という用語は、マーカッシュ形式の表現に記載された各構成要素からなる群から選ばれる1つ以上の混合又は組み合わせを意味するものであって、前記各構成要素からなる群から選ばれる1つ以上を含むことを意味する。
【0030】
1つ以上の例において、「A及び/又はB」の記載は、「A、B、又は、A及びB」を意味する。
【0031】
1つ以上の例において、「第1」、「第2」又は「A」、「B」のような用語は、特に説明がない限り、同一の用語を互いに区別するために使用される。
【0032】
1つ以上の例において、単数の表現は、特に説明がなければ、文脈上解釈される単数又は複数を含む意味で解釈される。
【0033】
1つ以上の実施例は、材料及びコストの損失の発生を最小限に抑えることができる基板キャリア及び基板組立体を提供する。実施例は、一般的なウエハの処理装置が四角形形状の基板に適用されるように支援し、パッケージング工程の生産性を向上させることができる。
【0034】
1つ以上の実施例は、基板キャリアにより円形形状のウエハに対する一般的な工程に四角形形状のセラミック基板(例えばガラス)を含む対象基板を適用する方法を提供する。
【0035】
1つ以上の実施例において、基板キャリアは、材料ロス及びコストの発生を最小限に抑えるように実装され、四角形形状のセラミック基板(例えばガラス)を含む対象基板によりパッケージング工程を適用する場合、生産性を向上させることができる。
【0036】
基板キャリア10
図1を参照すると、1つ以上の実施例による基板キャリア10は、基板を収容する収容空間12と、収容空間12の外部に配置されるガイド部11と、支持部13と、固定部14を備えてもよい(
図5)。
【0037】
前記支持部13は、前記ガイド部11及び前記収容空間12に収容される基板を支持し、前記収容空間12及び前記ガイド部11の下部に配置されてもよい。
【0038】
前記固定部14は、ガイド部11の内周面に配置され、前記基板及び前記ガイド部11を固定してもよい。
【0039】
限定されない例では、前記ガイド部11は、上部から見た平面図において、円形形状または円弧形状の縁部を含んで構成されてもよい。
【0040】
前記ガイド部11は、ウエハと同様の円形形状の縁部を有することが好ましい。一例では、前記ガイド部11は、最外郭の縁部の直径が3インチ以上、約6インチ以上、約20インチ以下、約18インチ以下であってもよい。このような直径を有することによって、前記ガイド部11は、収容空間12に対象基板20を配置する時に、対象基板を半導体のWLP(Wafer Level Package)装置に容易に適用することができる。
【0041】
限定されない例では、前記ガイド部11は、約100μm~約2000μm、又は約100μm~1000μmの厚さを有してもよい。収容空間12に配置される対象基板との厚さの差を最小化することは、その後のパッケージング工程に有利であり、それによって不良の発生を最小化することができる。
【0042】
前記ガイド部11は、円周の一部において円弧の一部を切り取ることにより直線形状を有する平坦領域(図示せず)を有してもよい。
【0043】
前記ガイド部11は、円周の一部において中心方向に向かって陥没する切欠部(図示せず)を有してもよい。
【0044】
前記ガイド部11は、例えば、金属、セラミック、プラスチック、ガラス等を含んでもよく、前記ガイド部11として、パッケージング工程において不純物や粒子が発生しない材料で構成することができる。
【0045】
例えば、前記ガイド部11は、プリプレグ、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される基板であってもよい。具体的に、前記基板は、内部に収容空間12を有し、全体として円盤形状を有してもよい。前記ガイド部11は、一体に形成されていてもよく、2つ以上の断片(Fragment)によって全体が形成されていてもよい。
【0046】
前記ガイド部11は、UV光透過性材料が適用されてもよい。例えば、UV光透過性プラスチック板、UV光透過性板ガラス等を適用することができる。前記ガイド部11をUV光透過性材料として適用される場合、作業性を更に向上させることができる。例えば、UV光の照射により接着力が弱まる支持部13は、前記支持部13を離脱して基板組立体を製造するようにし、UV光の照射と支持部13の離脱の作業性を向上させることができる。
【0047】
前記ガイド部11は、収容空間12に対象基板20を配置して対象基板を処理した後に回収し、回収したガイド部11を基板キャリアの製造に複数回再利用してもよい。
【0048】
基板キャリア10を上部からみた平面図(
図1)を参照すると、収容空間12の形状は、少なくとも四辺を有する四角形状であってもよく、対象基板となる四角形状で基板を収容する。更に、前記収容空間は、四角形状の循環曲線として扱われる4つの頂点を有してもよい。
【0049】
前記収容空間12は、
図2に示すように、前記ガイド部の高さよりも低い平均高さを有してもよく、前記収容空間12は、例えば、空の空間であってもよく、前記支持部13を完全に貫通、又は前記支持部13を露出させてもよい。
【0050】
前記収容空間12が上記のように四角形形状である場合、その面積は、約2.5×103mm2 ~2.8×105mm2であってもよい。更に、前記収容空間12の一辺の長さは、約50mm~約520mm、又は約75mm~約450mmであってもよい。
【0051】
前記収容空間12は、
図3、
図4及び
図6に示すように、対象基板20が配置される配置領域と、前記配置領域の外側に別途に設けられるバッファゾーンBとを備えてもよい。前記バッファゾーンBは、収容空間12の配置領域と前記ガイド部11との間の空間又は間隔であり、約0.1mm~約2mmの幅を有してもよく、全体的に一定の幅を有してもよい。前記収容空間12にバッファゾーンBを設けることにより、作業性を向上させ、パッケージング工程における不良率を低下させることができる。
【0052】
前記配置領域は、前記対象基板20の外形と同様の形状を有してもよい。
【0053】
前記バッファゾーンBは、
図5又は
図7に示すように、その少なくとも一部又は全部に固定部14が充填されてもよい。前記固定部14は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、シリコン系樹脂等を含んでもよく、前記バッファゾーンBの少なくとも一部を充填し、前記対象基板20と前記支持部13を固定してもよい。更に、前記固定部14は、UV硬化性アクリレート系化合物、アクリル系コポリマー、光開始剤、熱硬化剤等を含む組成物を硬化させることにより形成されてもよい。1つ以上の実施例において、前記固定部14は、後述する対象基板20の加工後にUV照射処理等の付加処理により接着力を低下させ、ガイド部11からのとの分離を容易に行うことができるようにしてもよい。
【0054】
前記固定部14を設けることにより、対象基板20の加工作業における短絡または欠陥の発生を防止することができ、基板キャリア10と対象基板20との固定又は分離を所望のように容易に行うことができる。
【0055】
前記固定部14は、
図7に例示するように、別途に支持部13を設けることなく、対象基板20に接続し、ガイド部11に前記対象基板20を固定することができる。
【0056】
前記固定部14は、更にフィラーを備えてもよい。前記フィラーは、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリコン、酸化マグネシウム、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されるいずれかを含んでもよい。
【0057】
前記支持部13は、収容空間12に配置される対象基材20を支持するために実装されてもよく、対象基材20が収容空間12に配置されたときに対象基材20と接触してもよく、対象基材20と支持部13との間に配置される接着層を更に備えてもよい。
【0058】
前記支持部13は、約20μm~約200μm、又は約80μm~約180μmの厚さを有してもよい。このような厚さを有することによって、対象基板20の加工工程において切断工程の後に前記支持部13を効果的に除去することができる。
【0059】
前記支持部13は、UV硬化型接着層を備えてもよい。前記支持部13は、支持フィルムと、支持フィルム上のUV硬化型接着層とが配置されたものであってもよい。 前記支持部13は、粘着テープ状のUV硬化型接着層であってもよく、別部材なくUV硬化型接着層で構成されるものであってもよい。
【0060】
一例において、UV硬化型接着層は、UV硬化型アクリレート系化合物、オレフィン系化合物、エステル系化合物、ポリ塩化ビニル系化合物、アクリル系共重合体、光開始剤、熱硬化剤等を含む組成物を硬化させて形成してもよいが、これに限定されない。
【0061】
前記支持部13は、他の接着層を含んでもよい。他の接着層は、アクリル系オリゴマー、イソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤等を含んでもよい。
【0062】
更に、前記支持部13は、支持フィルムとして、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリエチレン系フィルム等を適用してもよい。
【0063】
UV硬化型接着層及び他の接着層の厚さは、約10μm~180μmであってもよいが、対象基板の接着および支持を容易にすることができれば、その厚さはこれに限定されない。
【0064】
前記UV硬化型接着層及び他の接着層は、前記対象基板20との接着力が約300gf/25mm~約3500gf/25mm、又は約1000gf/25mm~約3500gf/25mmであってもよい。このような接着力を有することによって、後述する対象基板20の加工工程において、前記対象基板20と前記支持部13とを容易に固定することができる。
【0065】
前記支持部13がUV硬化型接着層及び他の接着層を備える場合、前記ガイド部11は、ガラス等のUVが十分に透過する材料を含んでもよい。
【0066】
前記支持部13は、現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム、TMAH)等に対する耐性を有してもよく、対象基板20の加工工程において、切断工程の前に保持されてもよい。
【0067】
前記支持部13は、UV照射により接着力が低下するものであってもよい。
【0068】
前記支持部13は、熱により接着力が低下する、いわゆる熱剥離性接着層であってもよい。
【0069】
前記基板キャリア10は、約150℃~ 約200℃の温度で耐熱性を有し、約200℃の温度で1時間保持しても、外観や特性が大きく変化しないものであってもよい。
【0070】
このような基板キャリア10を介して、対象基板、特に四角形形状のガラスを含み、パッケージング基板のための複数のユニットを含むアレイ基板をウエハレベルパッケージング工程に適用することができ、これにより、材料ロスの発生やコストを最小限に抑え、生産性を向上させることができる。
【0071】
基板組立体100
一般的な態様において、1つ以上の実施例に係る基板組立体は、上記の基板キャリア10と、収容空間12に収容される対象基板20とを備える。
【0072】
前記対象基板20は、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される基板であってよい。
【0073】
セラミック基板は、例えば、シリコン系セラミック基板、又はガラス系セラミック基板であってもよい。前記シリコン系セラミック基板は、その一部または全部がシリコン基板、炭化ケイ素基板等からなる基板であってもよい。前記ガラス系セラミック基板は、その一部または全体が石英基板、サファイア基板等からなる基板であってもよい。
【0074】
前記対象基板は、ガラス基板であってもよい。前記ガラス基板は、例えば、アルカリホウケイ酸塩板ガラス、無アルカリホウケイ酸塩板ガラス、無アルカリアルカリ土類ホウケイ酸塩板ガラス等であってもよく、電子部品として適用できる板ガラスであれば、いずれも適用可能である。
【0075】
前記対象基板は、複数のパッケージ基板用ユニットが備えられたアレイ基板であってもよく、ガラスを含んでもよい。前記対象基板に含まれるガラスは、例えば、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス等であってもよい。
【0076】
前記対象基板20は、四角形形状を有してもよく、その面積は、約1.5×105mm2~約4×105mm2であってもよい。更に、前記対象基板の一辺の長さは、約450mm~約550 mmであってもよい。
【0077】
前記対象基板20は、市販のウエハの形態に加工する際にかなりの面積損失を生じる可能性があるため、キャリア基板10に配置された状態でウエハレベルパッケージング工程に適用することができる。
【0078】
前記収容空間12及び前記対象基板20は、その間にバッファゾーンBを備えてもよい。前記バッファゾーンBは、前記対象基板20と前記ガイド部11との間の空間又は間隔として、約0.1mm~約2mmの幅を有してもよく、全体として規則的な幅を有していてもよい。 前記収容空間12は、バッファゾーンBを備えることにより、収容空間12内の対象基板20が不純物で汚染されることを防止し、これにより、パッケージング工程の不良率を低下させることができる。
【0079】
前記バッファゾーンBは、その少なくとも一部又は全体が固定部14で充填されてもよい。固定部14に含まれる構成要素は、前記基板キャリア10と同様であるため、説明を省略する。固定部14を設けることにより、対象基板20の処理工程における短絡や欠陥の発生を防止することができ、前記基板キャリア10と前記対象基板20との固定又は分離を容易にすることができる。
【0080】
前記対象基板20と前記支持部13との間の接着力は、約300gf/25mm~約3500gf/25mm、又は約1000 gf/25 mm~約3500gf/25mmであってもよい。このような接着力を有することにより、後述する前記対象基板20の加工工程において、対象基板20と支持部13を容易に固定することができる。
【0081】
前記支持部13に約400mJ/cm2 のUVを均一に照射した後、前記対象基板20との接着力は、約5gf/25mm~約150gf/25mmであってもよい。
【0082】
前記基板組立体100は、後述する対象基板の処理方法に適用することができ、ウエハレベルパッケージング(WLP)工程にも適用することができる。
【0083】
基板組立体100の基板キャリア10に関する構成等は、上述した基板キャリア説明と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
基板キャリアの製造方法、固定方法、分離方法、
一般的な態様において、実施例による基板キャリアの製造方法は、上方から見て円形形状または円弧形状を含む任意材料を準備するステップと、下部に支持部13を形成するステップとを含む。
【0085】
前記収容空間12及び前記ガイド部11を形成する段階において、任意材料の内部を部分的に貫通加工して予備収容空間12を形成してもよく、残りの領域はガイド部11としてもよい。加工は、例えば、機械的エッチング、レーザ加工等によって行うことができる。
【0086】
前記収容空間12及び前記ガイド部11を形成する段階において、予備収容空間12の貫通部分を、上記の収容空間の形態となるように加工する工程を含んでもよい。
【0087】
前記支持部13を形成するステップにおいて、前記収容空間12の下部及び前記ガイド部11を仕上げる形態の支持部をガイド部11の下部に貼り合わせるように処理を行ってもよい。 一方、別途の金型に原料を塗布し、ガイド部11の下部を塗布層に接触させ、硬化させる処理を行ってもよい。
【0088】
前記固定部14は、前記対象基板20と前記ガイド部11との間に配置されて前記対象基板20と前記ガイド部11を固定し、具体的な充填材料については、上記の通りである。
【0089】
前記固定部14は、例えば、未硬化又は半硬化充填材料が配置された状態で対象基板20を配置するように形成してもよく、追加の硬化または固定工程によって形成してもよい。更に、前記固定部14は、対象基板20とガイド部11とを支持フィルム上に仮配置し、その工程後に固定部を形成し、支持フィルムを除去することによって製造してもよい。
【0090】
前記支持部13の材料は、上記の基板キャリアの説明と同様であるため、説明を省略する。
【0091】
一般的な態様において、一実施例による対象基板20の固定方法は、基板キャリア10及び対象基板20を準備するステップと、基板キャリア10の支持部13又は固定部14により対象基板20を固定して一体に形成された基板組立体を得る組立体形成ステップとを含む。
【0092】
前記基板キャリア10は、対象基板20が収容される収容空間12と、前記収容空間12を囲み、前記対象基板20が実質的に円盤状の外形を有するようにするガイド部11とを備える。
【0093】
前記基板組立体は、収容空間12に配置される対象基板20と、支持部13又は固定部14のうちの少なくとも一方を介して固定される基板キャリア10とを備える。
【0094】
前記支持部13は、UV光硬化性接着体層を備えてもよい。
【0095】
前記固定部14は、前記対象基板20 及び前記ガイド部11の少なくとも一部に接触して前記対象基板20及び前記ガイド部11を固定してもよく、前記対象基板20と前記ガイド部11との間隔は、0.5mm~20mmであってもよい。
【0096】
前記ガイド部11は、プリプレグ、シリコン系セラミック基板、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される基板であってよい。
【0097】
前記対象基板は、ガラス系セラミック基板、ガラス基板、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される基板であってよい。
【0098】
一般的な態様において、一実施例による対象基板の分離方法は、基板組立体を準備する準備ステップと、基板組立体に含まれる支持部13又は固定部14の接着力が低下した基板集合体を準備するために、基板組立体にUV光又は熱を施する処理ステップとを含む。
【0099】
分離方法は、更に、粘着力が低下した基板組立体のガイド部11と対象基板に上下方向にそれぞれ逆方向の力を加えることを含んでもよい。
【0100】
一例において、前記ガイド部11は、UV透過型ガイド部であってもよい。前記処理ステップにおいて、UVは、UV透過性ガイド部を通過して固定部14又は支持部13に伝達されてもよい。
【0101】
前記ガイド部11、前記対象基板20、前記固定部14、前記支持部13等の詳細な説明は、前述した通りであるため、説明を省略する。
【0102】
対象基板の処理方法
一般的な態様において、対象基板20の処理方法は、前述の基板組立体の対象基板20の一面に第1めっき層を形成するステップと、第1めっき層上にレジストパターンを形成し、前記レジストパターンを除く残りの部分に第2めっき層を形成するステップと、前記第2めっき層上に半田を形成し、前記レジストパターン及び前記レジストパターンの下部の第1めっき層を除去するステップとを含んでもよい。
【0103】
前記対象基板20は、パッケージ基板のための複数のユニットを形成するアレイを含んでもよい。
【0104】
前記対象基板20の一面に伝導性パッド及びパッシベーション層を備えてもよく、前記第1めっき層は、前記伝導性パッド及びパッシベーション層上に形成されてもよい。
【0105】
第1めっき層を形成するステップにおいて、前記第1めっき層は、例えば、チタン、クロム、アルミニウム、銅、タングステン、またはこれらの合金を含んでもよい。
【0106】
前記第1めっき層は、例えば、チタンを含む第1層と、前記第1層上に形成され、銅を含む第2層とを備えてもよい。
【0107】
前記第1めっき層の形成は、前記対象基板の一面、又は前記対象基板の伝導性パッド及びパッシベーション層上にスパッタリング工程等によって行われてもよい。
【0108】
前記レジストパターンの形成は、第1めっき層上にフォトレジストを塗布し、パターンが形成されたマスクにより露光、現像及びエッチングする一般的な方法で行われてもよい。
【0109】
前記第2めっき層を形成するステップにおいて、前記第2めっき層は、例えば、銅、ニッケル、またはそれらの合金を含んでもよい。
【0110】
前記第2めっき層の形成は、電気めっきまたは無電解めっきにより行われてもよい。
【0111】
前記第2めっき層に半田を形成する時に、半田は、鉛、錫等を含む半田であってもよく、銀、錫、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ガリウム等を含む鉛フリー半田であってもよい。
【0112】
前記レジストパターンの下部の第1めっき層を除去するステップは、エッチング液による一般的な方法で行ってもよい。前記エッチング液は、フッ酸等を含んでもよい。
【0113】
前記レジストパターンの下部の第1めっき層を除去するステップの後、残りのめっき層およびそれに接続された部品の調整のための所定の熱処理工程を行ってもよい。
【0114】
前記第1めっき層を除去するステップの後、前記半田を半田ボール形状に加工する工程をさらに含んでもよい。
【0115】
第1めっき層を除去するステップの後、対象基板20が複数のパッケージ基板用ユニットを含むアレイを備える場合、パッケージ基板のためにアレイを別々のユニットに切断する切断工程を行ってもよい。また、切断工程後にパッケージ基板ユニットの下部に残っている支持部13を除去するステップを更に行ってもよい。支持部13の除去は、支持部13がUV硬化性接着層を備える場合、UVを均等に照射することによって行ってもよい。
【0116】
前記支持部13を除去するステップの後、除去前前記支持部13に配置されたガイド部11を回収するステップを更に行ってもよい。回収された前記ガイド部は、基板キャリアの製造方法に適用され、複数回に分けて再利用されてもよい。
【0117】
前記対象基板の処理方法は、更に、前記対象基板に多層金属薄膜配線を蒸着するステップと、再配線層を形成するステップとを含んでもよい。
【0118】
本開示は特定の実施例を含むが、本願の開示内容を理解した後、当業者であれば、請求項及びその均等物の精神及び範囲から逸脱することなく、これらの実施例において形態及び詳細における種々の変更を行うことができることは明らかであろう。本明細書に記載された実施例は、説明的な意味でのみ考慮されるべきであり、限定を目的とするものではない。 各実施例における特徴又は態様の説明は、他の実施例における同様の特徴又は態様に適用可能であるとみなされるものとする。記載された技術が異なる順序で実行される場合、及び/又は記載されたシステム、アーキテクチャ、デバイス、又は回路における構成要素が異なる方法で組み合わされる場合、及び/又は他の構成要素又はそれらの同等物で置き換え又は補足される場合、適切な結果が達成される可能性がある。従って、本開示の範囲は、詳細な説明ではなく、特許請求の範囲及びその均等物によって定められ、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内でのすべての変更は、本開示に含まれると解釈されるべきである。
【国際調査報告】