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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】睡眠薬剤分配システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/13 20180101AFI20231018BHJP
   A61M 21/02 20060101ALI20231018BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
G16H20/13
A61M21/02 G
A61B5/16 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515605
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2021074627
(87)【国際公開番号】W WO2022053470
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】20195181.1
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】レッメンス パウル マルセル カール
(72)【発明者】
【氏名】ルーフケンス ティミー ロベルトゥス マリア
【テーマコード(参考)】
4C038
5L099
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038PS07
5L099AA25
(57)【要約】
睡眠薬剤分配システムは、ユーザに関連する睡眠情報に基づいてユーザへの睡眠薬剤の放出を制御するためのものである。本システムは、デバイスの保持領域に貯蔵された睡眠薬の制御された用量の放出を可能にする放出機構を持つ電子薬剤分配デバイスを備える。本システムは、ユーザ睡眠パターン情報を受信し、睡眠パターン情報に少なくとも部分的に依存する放出評価を行う処理構成部を備える。所与の事例において、放出評価の結果に応じた用量の睡眠薬が放出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠薬を分配するための薬剤分配システムであって、前記薬剤分配システムは、
制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスと、
前記電子分配デバイスへ動作可能に結合された処理構成部と、を備え、前記処理構成部は、
ローカル又はリモートソースからユーザに関連するユーザ睡眠パターン情報を受信し、前記ユーザ睡眠パターン情報は、経時的に、前記ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性におけるパターンを示し、受信された前記ユーザ睡眠パターン情報は、前記ユーザの睡眠の前記1つ又は複数の特性における履歴パターン及び/又は前記ユーザの見積もられた将来の睡眠パターン情報を表す情報を含み、前記処理構成部は、
受信された前記ユーザ睡眠パターン情報に基づいて将来の睡眠セッションについて前記ユーザの睡眠の前記1つ又は複数の特性の予測値又は尺度を生成し、
放出評価の結果に依存して放出する薬剤の用量を制御し、前記放出評価は、前記予測値又は尺度に少なくとも部分的に基づいている、薬剤分配システム。
【請求項2】
前記処理構成部は、放出事象における前記薬剤へのアクセスをリリースし、各放出事象は、
ユーザ放出要求信号を受信し、
前記放出評価を行い、
前記放出評価の肯定的な結果に応じて、制御された用量の薬剤を放出することを有する、請求項1に記載の薬剤分配システム。
【請求項3】
前記ユーザの睡眠の前記特性は、睡眠の量及び/又は睡眠の質の尺度を含む、請求項1又は2に記載の薬剤分配システム。
【請求項4】
前記ユーザ睡眠パターン情報は、時間尺度にわたる1つ又は複数の睡眠特性における履歴の周期的パターンを示す情報を含み、前記放出評価は、前記周期的パターンの時間の周期内で現在の時点又は位相を推定することに基づいている、請求項1から3のいずれか一項に記載の薬剤分配システム。
【請求項5】
前記放出評価は、前記時間の周期における推定された前記現在の時点又は位相での前記周期的パターンにおける一次又は二次傾向を決定することを有する、請求項4に記載の薬剤分配システム。
【請求項6】
前記処理構成部は、前記ユーザのパーソナライズされた予測睡眠モデルにアクセスするように設けられ、前記予測睡眠モデルは、ユーザ睡眠特性における履歴パターンに基づいて構成されたパラメータを有し、前記受信されたユーザ睡眠パターン情報は、前記予測睡眠モデルから導出された情報である、請求項1から5のいずれか一項に記載の薬剤分配システム。
【請求項7】
前記処理構成部は、それぞれの成功した放出事象の時間をデータストアにログし、前記放出評価は、ログにおける前の放出事象の履歴にさらに基づいている、請求項2から6のいずれか一項に記載の薬剤分配システム。
【請求項8】
前記放出評価は、分配された薬剤の排出半減期にさらに基づき、前記排出半減期及び放出事象の前記ログに基づいて前記ユーザの身体における前記薬剤の残存量を推定することに任意で基づいている、請求項7に記載の薬剤分配システム。
【請求項9】
前記処理構成部は、放出事象に続くユーザの睡眠の1つ又は複数の特性における変化を検出し、検出された前記変化に基づいてユーザ睡眠パターン情報を修正又は更新する、請求項6から8のいずれか一項に記載の薬剤分配システム。
【請求項10】
前記処理構成部は、事前に規定されたオーバーライド信号の受信に応答して引き起こされるオーバーライド機能をさらに備え、前記オーバーライド機能では、前記放出評価は自動制御停止され、前記用量の薬剤の放出は、直接引き起こされる、請求項1から9のいずれか一項に記載の薬剤分配システム。
【請求項11】
前記ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性を決定する際に使用するために、前記ユーザの睡眠追跡情報を取得する睡眠監視構成部をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の薬剤分配システム。
【請求項12】
制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスを使用して睡眠薬の分配を制御するコンピュータ実施方法であって、前記コンピュータ実施方法は、
ユーザに関連するユーザ睡眠パターン情報を得るステップであって、前記ユーザ睡眠パターン情報は、経時的に、前記ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性におけるパターンを示し、受信された前記ユーザ睡眠パターン情報は、前記ユーザの睡眠の前記1つ又は複数の特性における履歴パターン及び/又は前記ユーザの見積もられた将来の睡眠パターン情報を表す情報を含む、ステップと、
受信された前記ユーザ睡眠パターン情報に基づいて将来の睡眠セッションについて前記ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性の予測値又は尺度を生成するステップと、
放出評価の結果に応じて前記電子分配デバイスから放出する薬剤の用量を制御するステップと、を有し、前記放出評価は、前記予測値又は尺度に少なくとも部分的に基づいている、コンピュータ実施方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムコードは、プロセッサ又はコンピュータ上で実行可能であり、
前記プロセッサ又はコンピュータが、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスと動作可能に結合されると、
前記コンピュータプログラムコードは、前記プロセッサに、請求項12に記載された方法を行わせる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子睡眠薬剤分配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
催眠薬(睡眠薬又は睡眠錠剤)は不眠症の治療に使用され、処方薬及び市販の睡眠錠剤も含む。医師による処方は、一般的な治療計画に基づく。結果として、催眠薬を使用している人は、薬を慢性的に使い始める。或いは、処方が時折、断続的になされる場合、患者はあまりにも頻繁に、睡眠補助が必要ではない夜に薬品を使用する。これは、薬に対する耐性の増加(使用の慣れによる)、日中の眠気、中毒若しくは離脱の問題など、さまざまな有害な影響につながる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
薬の処方をパーソナライズしないことは、これらの問題を倍加させる。
【0004】
これらの有害な影響は、患者を回復させるためのさらなる治療、例えば、薬を次第に減らすためのカウンセリングを必要とする。
【0005】
上記の問題を少なくとも部分的に軽減する睡眠薬を患者へ投与するための改善された手段が望ましい。
【0006】
W02020/081761A1は、片手で持てる分配器と分配制御器とを備える分配システムを開示している。片手で持てる分配器は、筐体と、筐体内に取り外し可能に配置され、分配される用量形態を含有するカートリッジとを備え、用量形態は原薬(API)を有し、カートリッジは、用量形態を含有するリザーバ内で移動可能な内部ピストンと、リザーバと連通している遠位先端を通るポートとを備え、遠位先端は、ユーザの口へ挿入されるようにサイズ設定且つ構成される。分配制御器は、ユーザの状態を治療する際に、APIの有効性に関する情報に基づいて、分配器によって分配される用量形態のボリュームを調整する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項により規定される。
【0008】
本発明の態様による実施例によれば、睡眠薬を分配するための薬剤分配システムが提供され、本システムは、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスと、分配デバイスへ動作可能に結合された処理構成部とを備える。処理構成部は、ローカル又はリモートソースからユーザに関連する睡眠パターン情報を受信し、放出評価の結果に応じて薬剤用量の放出を制御するように適応され、放出評価は、ユーザ睡眠パターン情報に少なくとも部分的に基づいている。
【0009】
本発明の実施形態は、患者の睡眠習慣に対してパーソナライズされたやり方で患者への睡眠薬の投与を規制することに基づく。システムの処理構成部は、ユーザについて睡眠情報のソースと通信し、これを使用して、個々の場合に応じた用量の睡眠薬剤が所与の機会に必要とされるかどうかを決める。例えば、処理構成部は、ユーザが前の1又は複数の夜に寝苦しかったかどうかをチェックでき、そうである場合は、薬を放出する。逆に、被験者がよく眠っている場合、用量は放出されない。睡眠パターン情報を分析する、より洗練された例については、後に説明する。このように、実質的に、パーソナライズされた薬投与計画が、ユーザの睡眠パターンへ直接合わせて実施でき、これらは、例えば、ユーザの睡眠追跡情報に基づいて実時間で最新の状態に保つことができる。これは、睡眠パターンが臨床的に有益であることを示している場合に投与するだけなので、薬剤の過剰使用を回避することを助けることができる。
【0010】
システムは、ユーザの睡眠パターン情報を受信するための通信インターフェースを備える。例えば、外部のデータストア又はシステムから受信される。或いは、ローカルデータソースから受信されてもよい。
【0011】
処理構成部は、放出事象における薬剤へのアクセスをリリースするように適応され、各放出事象は、ユーザ放出要求信号を(例えば、ユーザインターフェース又はユーザ制御要素から)受信し、放出評価を行い、評価の肯定的な結果に応じて、制御された用量の薬剤を放出することを有する。
【0012】
したがって、放出事象は、第一に、一用量の睡眠薬を探すユーザによって始められる。放出評価は、ユーザの睡眠パターン情報又はそれから導出される情報に少なくとも基づいて、用量が必要とされるどうかをチェックする。
【0013】
制御器は、薬剤の用量を制御するように動作可能であり、又は用量は標準で固定されてもよい。
【0014】
要求信号は、いくつかの例では、携帯用コンピューティングデバイスから受信される。
【0015】
ユーザの睡眠パターン情報は、経時的に、ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性におけるパターンを示している。
【0016】
最も単純な場合では、履歴値の時系列の表現を有する。パターン情報は、時間の関数としての睡眠特性の変動の表現、経時的な傾向の表現、経時的な特性値の曲線を表す関数を含み、及び/又は、ユーザの睡眠特性に関する統計情報(例えば、所与の睡眠特性の平均又はモーダル値)を含む。
【0017】
ユーザの睡眠の特性は、睡眠の量及び/又は睡眠の質の尺度を含む。睡眠の量は、単一の規定された単位時間(例えば、1夜又は丸1日(24時間))における睡眠の持続時間を意味する。睡眠の質は、次に限定されないが、入眠潜時、入眠後の覚醒回数、睡眠中の覚醒の長さ(当分野では入眠後の覚醒(WASO、分単位)として知られる)、睡眠中の動きのレベル、睡眠期間中の異なるレベルの睡眠の相対的持続(例えば、REM、浅い睡眠、深い睡眠など)、総睡眠時間、ベッドでの合計時間及び睡眠効率などの特性に基づくことができる。
【0018】
受信された睡眠パターン情報は、ユーザの睡眠の1つ若しくは複数の特性における履歴パターンを表す情報、及び/又はユーザについて予測された又は見積もられた将来の睡眠パターン情報を含む。予測された将来のパターン情報は、履歴パターン情報に基づいて導出できる。いくつかの例では、処理構成部は、受信された履歴パターン情報から予測された将来の睡眠パターン情報を導出する。他の例では、予測された将来のパターン情報は、処理構成部では入力された睡眠パターン情報として受信される。
【0019】
処理構成部は、受信されたユーザ睡眠パターン情報に基づいて、将来の睡眠セッションについてユーザの睡眠の1つ又は複数の特性の予測値又は尺度を生成するように適応される。これは、例えば、受信された睡眠パターン情報に存在する傾向から補間することに基づいて行われる。将来の睡眠セッションは、一時的に次の(次回の)睡眠セッションを意味する。
【0020】
放出評価の肯定的な結果は、生成された予測値又は尺度に関連する少なくとも1つの放出基準を満たすことを必要とする。例えば、放出基準は、生成された予測値又は尺度が規定された閾値を上回る又は下回ることを含む。
【0021】
受信された睡眠パターン情報は、時間尺度にわたる1つ又は複数の睡眠特性における履歴の周期的パターンを示す情報を含み、放出評価は、その周期的パターンの時間の周期内で現在の時点又は位相を推定することに基づいている。
【0022】
例えば、睡眠パターン情報は、ユーザが週のうちの1セットの日(例えば、週末)によく眠り、他のセットの日(例えば、平日)は寝苦しい傾向があることを示す。
【0023】
放出要求を受信すると、薬放出は、要求信号が受信されているこの周期の現在の時点に依存する可能性がある。薬は、例えば、所与の特性について規定された閾値を下回る睡眠に関連した周期の一部にある場合に分配され、質若しくは量(又はその逆)について規定された閾値を上回る睡眠に関連した周期の一部にある場合には分配されない。
【0024】
この時間の周期は、受信された睡眠パターンデータからの処理構成部によって識別され、又は周期の指示が受信された睡眠パターン情報の一部として含まれてもよい。
【0025】
例では、周期的パターンは、睡眠特性を時間の関数として表す関数の形態で表される。他の可能性も明らかであろう。
【0026】
放出評価は、時間の周期における推定された上記現在の時点又は位相での周期的パターンにおける一次又は二次傾向を決定することを有する。傾向は、勾配又は導関数を意味する。
【0027】
傾向を決定することは、周期的パターンの導関数を決定することを有する。周期的パターンは、関数又は時系列のデータ値によって表され、これらの場合それぞれ、導関数が分析的又は数値的に計算できる。
【0028】
いくつかの例では、傾向を決定することは、時間の関数としての睡眠特性(睡眠の質又は睡眠の量など)の二次導関数又は傾向が否定的であるかどうかを決定することを有する(現時点に対応する傾向における時点で)。これは、睡眠特性が、周期的パターンによると、すぐに悪化する(値が減少する)ためであることを示すので、予測能力を有する。
【0029】
1つ又は複数の実施形態によれば、処理構成部は、ユーザの(パーソナライズされた)予測睡眠モデルに(ローカル又はリモートソースから)アクセスするように適応され、このモデルはユーザの睡眠特性における履歴パターンに基づいて構成されたパラメータを有し、受信された睡眠パターン情報は、予測睡眠モデルから導出された情報である。このモデルは、例えば、睡眠特性における周期的な傾向を具体化する。
【0030】
1つ又は複数の実施形態によれば、処理構成部は、各成功した放出事象の時間をデータストアにログするように適応される。ログは、データが診断監視において、また後続の放出評価の一部として使用できる薬剤使用を追跡する際に使用できる。
【0031】
例えば、放出評価は、さらに、ログにおける前の放出事象の履歴に基づいている。これは、過剰使用及び慣れを防ぐことを助けることができる。例えば、ユーザは、互いに近すぎで用量を、若しくはある期間(例えば、1週間)にあまりにも多くの用量を服用することが防止され、又は用量が放出される連続した最大許容日数を有してもよい。
【0032】
1つ又は複数の実施形態では、放出評価は、分配された薬剤の排出半減期にさらに基づいている。
【0033】
例えば、排出半減期及び放出事象のログに基づいてユーザの身体における薬剤の残存量を推定することに基づいている。これはさらに、ユーザの薬品への過度の曝露を防止することを助け、このように、慣れ及び/又は耐性の防止を助けることができる。
【0034】
処理構成部は、放出事象に続くユーザの睡眠の1つ又は複数の特性における変化を検出し、検出された変化に基づいて睡眠パターン情報を修正又は更新するようにさらに適応される。
【0035】
例えば、ユーザの予測睡眠モデルのパラメータを更新する場合がある。
【0036】
この特徴は、ユーザの睡眠特性に対する薬剤の効果を決定し、それに応じて睡眠パターン情報を更新することを目的とする。
【0037】
1つ又は複数の実施形態によれば、処理構成部は、事前に規定されたオーバーライド信号の受信に応答して引き起こされるオーバーライド機能をさらに備え、オーバーライド機能では、放出評価が自動制御停止される。例えば、用量の薬剤の放出は、直接引き起こされる。
【0038】
例では、オーバーライド信号は、安全な認証デバイス、例えば、ピンコードエントリデバイスから受信された信号である。
【0039】
1つ又は複数の実施形態によれば、薬剤分配システムは、ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性を決定する際に使用するために、ユーザの睡眠追跡情報を取得するように適応された睡眠監視構成部をさらに備える。
【0040】
睡眠監視構成部は、取得された睡眠追跡情報に基づいて、ユーザに関する睡眠パターン情報を生成する。
【0041】
本発明のさらなる態様による実施例は、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスを使用して睡眠薬の分配を制御するコンピュータ実施方法を提供する。本方法は、ユーザに関連する睡眠パターン情報を得て、放出評価の結果に応じて、分配デバイスからの薬剤用量の放出を制御することを有し、放出評価は、受信されたユーザ睡眠パターン情報に少なくとも部分的に基づいている。
【0042】
1つ又は複数の実施形態では、処理構成部は、それらが単一のユニットを形成するように電子分配デバイスに統合される。
【0043】
本発明のさらなる態様による実施例は、コンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムを提供し、コンピュータプログラムコードは、プロセッサ又はコンピュータ上で実行可能であり、
プロセッサ又はコンピュータが、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスと動作可能に結合されると、
コードは、プロセッサに、上記で概説された、若しくは以下で説明される任意の実施例若しくは実施形態に従って、又は本出願の任意の請求項に従って方法を行わせるように構成される。
【0044】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかであり、これらを参照して説明される。
【0045】
本発明をより良く理解するため、及び本発明がどのように実施されるかをより明確に示すために、単なる例として、添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】一例の薬剤分配システムの構成要素を示す。
図2】薬剤放出事象に対応する一例の処理作業の流れを示す。
図3】睡眠特性における長期の周期的傾向の形態で一例の睡眠パターン情報を示す。
図4】睡眠特性における長期の周期的傾向の形態で一例の睡眠パターン情報を示す。
図5】睡眠特性における長期の周期的傾向の形態で一例の睡眠パターン情報を示す。
図6】睡眠特性における短期の傾向の形態で睡眠パターン情報のさらなる例を示す。
図7】処理構成部が分配デバイスに統合される、1つ又は複数の実施形態によるシステムについて一例のアーキテクチャを示す。
図8】処理構成部が分配デバイスに対して外部にあり、携帯用コンピューティングデバイスに統合されている、1つ又は複数の実施形態によるさらなる例のアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明は、図を参照して説明される。
【0048】
装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、詳細な説明及び特定の例は、単に例示を目的とし、本発明の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様並びに利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からより良く理解される。図面は単に概略的なものであり、一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。同じ又は類似の部分を示すために、図面を通して同じ参照番号が使用されることにも理解されたい。
【0049】
本発明は、ユーザに関する睡眠情報に基づいてユーザへの睡眠薬剤の放出を制御するための睡眠薬分配システムを提供する。本システムは、デバイスの少なくとも1つの保持領域に貯蔵される睡眠薬の制御された用量の放出を可能にする放出機構を持つ電子薬剤分配デバイスを含む。本システムは、ユーザの睡眠パターン情報を受信し、睡眠パターン情報に少なくとも部分的に依存する放出評価を行う処理構成部を含む。所与の事例で、放出評価の結果に依存した用量の放出が行われる。
【0050】
図1は、睡眠薬を分配するための一例の薬剤分配システム10の構成要素の概略を示し、構成要素の一部又は全部は、説明されるように異なる実施形態に含まれる。
【0051】
本システムは、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイス12を含む。デバイスは、例えば、保持領域からの制御された用量の薬剤の放出を放出トリガ信号で引き起こすことができる放出機構13を備える。
【0052】
本システムは、分配デバイスへ動作可能に結合された処理構成部16をさらに備える。いくつかの例では、これらが単一のユニットによって構成されるように、分配デバイスに統合される。
【0053】
処理構成部16は、ローカル又はリモートソースからユーザに関する睡眠パターン情報を受信するように適応される。図1の例では、本システムは、ユーザの睡眠パターン情報を外部ソース(分配システム10の外側のソースを意味する)から受信するための任意の通信インターフェース14をさらに備える。そのような例では、睡眠パターン情報は、一般に、任意の外部データストアから受信される。或いは、情報はローカルデータストアから受信され、その場合、データを受信するための通信インターフェースは必要とされない。
【0054】
図1の例では、情報は、ユーザ26の睡眠特性を監視し、それに基づいてユーザの睡眠パターン情報を導出するために配置された睡眠監視構成部から受信される。この導出された睡眠パターン情報は、睡眠監視構成部によって構成されるデータストアに格納される。睡眠監視構成部は、例えば、ユーザ26の睡眠追跡データを取得するために使用される睡眠追跡デバイス、例えば、ウェアラブルユニットを備える分散システムである。睡眠パターン情報を取得するために睡眠追跡データを処理する処理構成要素を備え、処理構成要素は、追跡デバイスとは別のユニットに具体化されてもされなくてもよい。例えば、睡眠追跡デバイスと接続するスマートフォンなどの携帯用コンピューティングデバイスに具体化されてもよい。構成部は、睡眠パターン情報を格納するデータストアを備え、このデータストアは、処理構成要素と同じユニットに具体化されてもされなくてもよい。例えば、場合によっては、データはクラウドベースの記憶リソースに格納されてもよい。分配システム10の通信インターフェース14は、睡眠監視構成部のデータストア構成要素と通信する。或いは、睡眠監視構成部の処理構成要素と通信してもよく、これは、格納された睡眠パターンデータへのアクセスを提供するためのハブ又はポータルとして作動し、例えば、スマートフォンは、分配システムへ接続し、スマートフォンがリモートデータストアから回収する格納データを通信する。
【0055】
睡眠監視構成部22は、本発明によって提供される分配システム10の一部として構成されるが、一般に、睡眠監視構成部は、請求されるシステム10が単に通信する別のシステムであることが予想される。
【0056】
通信インターフェース14は、無線通信インターフェースであることが好ましい。1つ又は複数の通信モード又はプロトコル、例えば、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、無線LAN、有線LAN、USB、又は任意の他のフォーマットに従う通信構成要素を備えるチップ又はカードを備える。通信インターフェースは、1つ又は複数のホストウェブアドレスへの接続を介してデータを受信するインターネットベースの接続インターフェースである。
【0057】
処理構成部16は、通信インターフェース14と動作可能に結合される。処理構成部は、放出評価36の結果に応じて薬剤用量の放出を制御するように適応され、放出評価は、ユーザ睡眠パターン情報に少なくとも部分的に基づいている。薬剤用量の放出を制御することは、放出トリガ信号を分配デバイスの放出機構13へ送信することを有する。薬剤用量の制御された放出の選択肢は、後でさらに説明する。
【0058】
本システムは、ユーザ制御信号又はコマンドを受信するためのユーザ入力手段、好ましくは感覚的なユーザ出力手段を備えるユーザインターフェース20を備える。ユーザインターフェースは、薬剤の用量の放出を要求するためにユーザによって使用される。それは、ユーザ作動時に、処理構成部16へのユーザ放出要求信号の送信を引き起こす物理的又はデジタルボタンを備える。
【0059】
一般に、処理構成部は、(離散的な)放出事象において薬剤へのアクセスをリリースするように適応され、各放出事象は、ユーザ放出要求信号を(例えば、ユーザインターフェース20から)受信し、放出評価を行い、評価の肯定的な結果に応じて、制御された用量の薬剤を放出することを有する。
【0060】
放出事象の一例の作業の流れは図2に概略が示される。最初にユーザは、処理構成部16によって受信される放出要求信号32の生成を作動させる。処理構成部は、34で、ユーザについて睡眠情報を、例えば、睡眠監視構成部22から得るが、代わりに任意の他のソースから得てもよい。このステップは、放出要求信号の前に既に行われた。例えば、システム10は、通信モジュールによってユーザについて睡眠パターン情報のローカルキャッシュを連続的に更新する。いずれの事象でも、放出評価36は、睡眠パターンデータが取得された後に行われる。
【0061】
放出評価36に関して、これは、一般に、処理構造部16のローカルデータストア上に格納され、又は処理構造部のプログラミング又は動作において符号化される1つ又は複数のアルゴリズムを備える。放出評価は、行われる薬剤の用量の放出のために満たされなければならない条件を規定する放出基準と関連している。放出基準は、処理構成部において符号化されてもよく、又はローカル若しくはリモートのデータストアに格納されて処理構成部によって回収可能でもよい。放出基準は、事前に決められてもよく、又は調整可能若しくは構成可能でもよい。放出基準は、ユーザ睡眠パターン情報の特性に関連する少なくとも1つの基準を含む。
【0062】
放出評価36は、1つ又は複数の放出基準のそれぞれが満たされたかどうかを決定することを有する。これらの1つ又は複数の決定の結果に応じて、放出評価は肯定的な結果を有し、又は否定的な結果を有する。放出評価が肯定的な結果を有する場合、処理構成部16は、電子分配デバイス12によって保持される薬剤の制御された用量の放出を引き起こすように適応される。放出評価が否定的である場合、処理構成部は薬剤の放出を引き起こさない。任意で、感覚的出力が、ユーザに否定的な結果を知らせるために、ユーザインターフェースデバイス20によって42で生成される。理由が、感覚的出力の一部として、例えば、満たされなかった放出基準の指標として与えられる。
【0063】
放出評価の肯定的な結果は、1つ若しくは複数の放出基準のすべてを満たす必要がある、単にサブセットを満たす必要がある、又は基準のいずれかの1つを満たす必要がある。ユーザの睡眠パターンに関する少なくとも(少なくとも1つの)基準を満たさなければならない。放出基準は、満たすことが放出評価の肯定的な結果にとって不可欠であるか否かについて、それぞれ事前にタグ付けされる。
【0064】
放出評価が肯定的な結果を有する場合、放出事象のタイムスタンプ付き記録が、データログ40に格納される。任意で、放出事象において放出された用量もログに格納される。ログは、ローカル又はリモートのデータストアに保持される。ログにおける放出事象の履歴は、後でさらに説明するように、後続の放出評価の一部として使用される。
【0065】
一般に、睡眠パターン情報は、ユーザの睡眠の1つ又は複数の特性における経時的なパターン又は変動に関する。特性は、例えば、睡眠の質及び睡眠の量を含む。睡眠の量は、単一の規定された単位時間(例えば、1夜又は丸1日(24時間))における睡眠の持続時間を意味する。睡眠の質は異なるやり方で規定できるが、一般に、次に限定されないが、入眠潜時、入眠後の覚醒回数、睡眠中の覚醒の長さ(当分野では入眠後の覚醒(WASO、分単位)として知られる)、睡眠中の動きのレベル、睡眠期間中の異なるレベルの睡眠の相対的持続(例えば、REM、浅い睡眠、深い睡眠など)、総睡眠時間、ベッドでの合計時間及び睡眠効率などの特性に基づいて決定可能である。
【0066】
一般に、睡眠パターン情報は、外部の睡眠監視構成部又はシステム22によって編集されることが予想される。睡眠監視構成部は、本発明によって提供されるシステムの一部として構成されてもよく、又は、請求される本システムが単に通信する別のシステムであってもよい。睡眠監視構成部は、そのセッションについて取得された睡眠追跡データに基づいて、所与の睡眠セッションについて睡眠特性を決定する。睡眠監視構成部は、睡眠追跡デバイス又は構成部、例えば、ウェアラブルデバイスを備える。例えば、動きセンサを持つウェアラブルデバイスを使用して、ユーザ睡眠中のユーザの動きデータを取得する。動きデータは、睡眠追跡データである。睡眠監視構成部は、睡眠追跡情報を処理し、睡眠追跡データに基づいて睡眠セッションに関する1つ又は複数の睡眠特性を決定するための、ローカル又はリモートの処理ハードウェアを備える。処理ハードウェアは、睡眠追跡デバイスが動作可能に接続されるモバイルコンピューティングデバイス、例えば、ユーザのスマートフォン上に具体化される。
【0067】
各睡眠セッションの導出された睡眠特性は、睡眠監視構成部によって構成されるデバイスのローカルデータストア、又はクラウドベースのデータストアなどのリモートデータストアのいずれかに記録される。経時的に、ユーザの睡眠特性の履歴データセット又は記録が編集され、異なる睡眠セッションの導出特性が記録され、睡眠セッションの日時に従ってタイムスタンプが付けられる。
【0068】
ユーザについてパーソナライズされた履歴睡眠データセットから、経時的な1つ又は複数の睡眠特性のそれぞれにおけるパターンが識別され、推論され、又は抽出される。これらは、いくつかの例では、経時的な特性における、定期的又は周期的(時間的)変動又は傾向である。他の場合では、パターンは、所与の時間尺度にわたる睡眠特性に関する統計情報、例えば、最小最大値(範囲)、変動性、又は特性のうちの1つ若しくは複数のモーダル若しくは中央値を参照する。パターンは、いくつかの例では、特性における傾向に対応する。
【0069】
異なるパターンは、短期、中期、長期などの異なるクラスの時間尺度にわたって識別可能である。時間尺度のこれらのクラスのそれぞれは、現在の時刻に先行する規定された最小及び/又は最大時間枠に対応する。例えば、非常に短期(例えば、数日)のデータだけを考慮すると、睡眠の質又は量などの睡眠の特性における周期的な変動が可観測値である可能性は低い。しかしながら、睡眠特性の最大/最小値、睡眠特性の範囲、睡眠特性の平均若しくはモーダル値などの統計情報の形態で可観測値のパターンがある。これらの統計的特性は、短期睡眠パターン情報を形成する。また、特性において認識可能な傾向、例えば、ここ数日にわたる睡眠の質の改善、又は睡眠の質の低下があり、これも短期睡眠パターン情報の一部を形成する。
【0070】
中期又は長期的では、睡眠特性の周期的な変動が、例えば、単一の週、月又は年にわたって識別可能である。異なる時間尺度にわたる複数の異なる周期的パターンが互いに重ね合わされ、例えば、睡眠の質の季節変動(例えば、夏の質の悪い睡眠、及び冬の質の良い睡眠)は、その上に、より中期の変動/変化が重ね合わされる(例えば、1週間にわたって、例えば、平日は、ユーザの睡眠の質が悪いが、週末は睡眠の質が良い)。
【0071】
睡眠監視構成部は、ユーザについて編集された履歴睡眠データセットを分析し、異なるクラスの期間にわたる睡眠特性におけるパターンを識別し、このように、ユーザについて、これを指示し、又はこれに基づいて睡眠パターン情報を編集する。
【0072】
睡眠特性の履歴パターンから、推定される将来の睡眠特性の予測又は見積もりが生成される。例えば、睡眠パターンが睡眠パターンの長期(季節)の周期的変動を含む場合、睡眠特性の予測値は、現時点に対応する周期における時点又は位相を識別することに基づいて予測される。加えて又は代わりに、長期パターンを分析して、現時点に対応する1つ又は複数の睡眠特性における推定傾向を識別してもよい。このことから、予測又は見積もりが次の夜(又は他の次回の睡眠セッション)の睡眠特性について行われる。
【0073】
短期の履歴睡眠データが利用可能でさえあれば、導出可能なパターンは、所与の睡眠特性の平均値、モーダル値又は値の範囲にのみ対応する。この情報は、次の睡眠セッションにおける推定睡眠特性に関する予測を生成するために使用される。短期データは、短期傾向を示すパターンを含む。この傾向は、前方に見積もられ、次の睡眠セッションにおける睡眠特性の推定値が、推定できる。
【0074】
一般に、通信インターフェース及び処理構成部で受信された睡眠パターン情報は、(時間尺度の任意の1つ又は複数のクラスにわたって)履歴患者睡眠データにおいて可観測値の履歴パターン情報を表すデータを含み、及び/又は、ある時間枠にわたるユーザの睡眠特性における予測された若しくは見積もられた将来の傾向(若しくは他のパターン)を表す予測睡眠パターン情報を含む。予測睡眠パターン情報は、異なる例において、睡眠監視構成部22によって、又は分配システムの処理構成部16によって生成される。これらの場合のいずれでも、処理構成部は、放出評価36において受信された情報を使用するように適応される。
【0075】
一例が図3に示されるが、睡眠パターン情報52を、一年の期間にわたるユーザについて睡眠の質における履歴周期的パターンの形態で示す。この時間周期は、受信された睡眠データから処理構成部によって識別されてもよく、又は周期の指示が受信された睡眠パターン情報を形成してもよい。ユーザの睡眠の質は冬に改善して夏にかけて悪化する傾向があることがわかる。
【0076】
放出評価36は、時間周期内の現在の時点又は位相を推定することに基づく。これは図4に示されるが、処理構成部は、現在時刻54(すなわち、放出要求が受信された時刻)に対応する周期における時点を識別した。これに基づいて、処理構成部は、ユーザの現在の睡眠の質が何であるかを、現時点と一致するパターン52の睡眠の質の値として推定し、及び/又はユーザの睡眠の質が将来どのように進行するかを、周期的パターン52がどのように進行するか(すなわち、現時点に対応する時点での周期的パターンの傾向)に基づいて、推定してもよい。
【0077】
例えば、いくつかの場合では、処理構成部16は、受信された睡眠パターン情報52をさらに処理して、見積もられた若しくは予測された将来の傾向、又は1つ若しくは複数の睡眠特性の予測された将来値を導出し、放出評価は、この結果に依存する放出基準、例えば、閾値を含む。加えて又は代わりに、処理構成部は、受信された睡眠パターン情報を(例えば、上で論じたフォーマットの1つで)入力として受信し、メートル法の値が放出評価において直接使用されるような独自の種類のメートル法の値を導出するように構成されるアルゴリズムを備える。
【0078】
例えば、1セットの実施形態では、放出評価36は、受信された睡眠パターン情報に基づいて、次の予定の睡眠セッションについてユーザの睡眠の1つ又は複数の特性(例えば、睡眠の量及び/又は質)の予測値又は尺度を生成する処理構成部16を備える。
【0079】
これは、例えば、受信された睡眠パターン情報52に存在する傾向から前方に補間する又は見積もることに基づいて行われる。
【0080】
例えば、図4を参照して、睡眠パターン情報が、(上で論じたように)時間尺度にわたる1つ又は複数の睡眠特性における履歴の周期的パターンを示す情報を含む場合、それは、その周期的パターンの時間周期内の現在の時点又は位相を決定し、傾向に基づいて前方に補間することに基づく。例えば、図4では、現時点は曲線における谷の底にあり、周期は睡眠の質が改善しようとしていることを示す。このように、処理構成部は、次回の睡眠セッションにおけるユーザの睡眠の質値が、前のセッションの間に睡眠監視構成部によって観測されたものよりもわずかに高くなることを推定する。
【0081】
放出評価の肯定的な結果は、次の睡眠セッションについてユーザの睡眠の1つ又は複数の特性に対する生成された予測値又は尺度が規定された閾値を満たす、例えば、予測される睡眠の質及び/又は量の閾値を下回ることに依存する。次回の夜の予測された睡眠特性の閾値が満たされる場合、薬剤用量が放出される。
【0082】
1つ又は複数の例では、放出評価は、時間周期における上記推定された現在の時点54又は位相での周期的パターン52における一次又は二次傾向を決定することを有する。傾向を決定することは、周期的パターンの導関数を決定することを有する。周期的パターンは関数又はデータ値の時系列によって表され、これらの場合、導関数はそれぞれ分析的又は数値的に計算できる。
【0083】
いくつかの例では、傾向を決定することは、時間の関数としての睡眠特性(睡眠の質又は睡眠の量など)の二次導関数又は傾向が否定的であるかどうかを決定することを有する。これは、睡眠特性が、周期的パターンによれば、すぐに悪化する(値が減少する)ことを示すので、予測能力を有する。
【0084】
これは図5に示されるが、現時点54が、ピークに近づいている睡眠の質の周期的パターン52上の時点に対応することを示す。この時点で、一次傾向は肯定的(正の勾配)であるが、二次傾向(例えば、二次導関数)は、一次の傾きが時間とともに減少しているため否定的である。処理構成部は、現時点が負の二次勾配を持つ周期における時点に対応することを識別し、これを使用して、ユーザの睡眠の質がまもなく低下し始めることを予測する。放出評価では、これは、睡眠薬剤がユーザの睡眠の質の次回の予定される低下を相殺することを助けるので、放出要求の肯定的な結果につながる。
【0085】
図6は、さらなる例を示す。この場合、睡眠パターン情報52は、ユーザの睡眠特性の値における短期傾向の形態をとる。特に、このパターンは、現時点54に先行する1週間の時間尺度にわたる被験者の睡眠の質値の傾向に対応する。このことから、睡眠の質値の負の傾向が、例えば、睡眠監視構成部22によって識別された。或いは、処理構成部は、傾向を導出してもよい。この傾向は前方に見積もられて睡眠の質について予測の将来のパターン情報を提供できる。例えば、傾向に基づいて、処理構成部は、睡眠の質が、最後の睡眠セッションよりも次回の睡眠セッションにおいて低くなることを予測する。これは、放出評価で使用されて、ユーザが次回の睡眠セッションについて用量の睡眠薬を必要とするかどうかを推定する。
【0086】
図6の例は、睡眠の質値のパターンに基づいて線形傾向(例えば、線形回帰による)を決定することを示し、これは一例に過ぎない。さらなる例では、他のタイプの傾向、非線形傾向又は多項式傾向などが加えて又は代わりに導出される。当業者であれば、データからさまざまな異なるタイプの傾向を導出するための標準的な統計技法を認識する。
【0087】
いくつかの例では、履歴パターン情報を使用して、ユーザについてパーソナライズされた予測睡眠モデルを構築でき、このモデルは、ユーザ睡眠特性における履歴パターンに基づいて構成されたパラメータを有する。例えば、予測睡眠モデルは、複数の異なる時間尺度にわたって履歴のユーザ睡眠データにおいて可観測量の複数の異なるパターン又は傾向の編集又は重ね合わせを含み、この組み合わされたパターン情報は、ユーザの睡眠特性が任意の所与の時点で時間とともにどのように進行するかについてのモデルを形成する。いくつかの例では、受信された睡眠パターン情報は、予測睡眠モデルから導出された情報である。予測睡眠モデルは、例えば、睡眠監視構成部22によって生成され、そのデータストアに格納される。
【0088】
上で論じたように、成功した放出事象に続いて、任意で、処理構成部は、放出事象の時間をデータストアにログするように適応されてもよく、又は適応される。データストアは、処理構成部に対してローカル又はリモートである。成功した放出事象は、放出評価の結果が用量の薬剤を放出することであったことを意味する。
【0089】
各放出評価36は、さらに、ログにおける前の放出事象の履歴に基づいてもよい。
【0090】
いくつかの例では、放出評価は、さらに、分配された薬剤の排出半減期に基づいてもよい。この情報は、例えば、ローカルの参照データストアから受信される。例えば、医師は、分配システムを構成するときに、ユーザインターフェースを介してこの情報を入力する。或いは、情報は、リモートソース、例えば、インターネットウェブアドレスから通信インターフェースを介して受信されてもよい。
【0091】
放出評価は、例えば、排出半減期及び放出事象のログに基づいて、ユーザの身体における薬剤の残量を推定することを有する。これは、例えば、前の放出事象のタイミングと、その都度放出される薬剤の投与量と、薬剤の半減期とから決定される。放出評価の肯定的な結果は、身体に残っているこの決定された量の薬剤が事前に規定された最小閾値を下回ることに依存して出される。
【0092】
例えば、閾値は、新たな用量の放出が、薬剤が身体から大幅に除去されていることに依存するように設定される(例えば、少なくとも80%除去され、例えば、少なくとも90%除去される)
【0093】
いくつかの実施形態では、薬剤半減期及び服用量情報は睡眠パターン情報と組み合わせて使用されて放出評価の結果を決定する。例えば、ある睡眠錠剤が入眠潜時を促進し、半減期が12時間であり、ユーザが夜間に錠剤を服用した場合、次の夕方に、ユーザの身体は、季節モデルが睡眠の質及び量について平均点を上回ることを予測する場合にのみ、入眠を促進するのに十分な活性剤を依然として利用可能としている。この場合、睡眠薬の放出を妨げることができる。そうでなければ、睡眠薬剤の放出が引き起こされる。
【0094】
1つ又は複数の実施形態によれば、処理構成部は、放出事象に続くユーザの睡眠の1つ又は複数の特性の変化を検出し、検出された変化に基づいて睡眠パターン情報を修正又は更新するように適応される。
【0095】
相対的に長い期間にわたる履歴の睡眠パターン情報は、1つ又は複数の用量の放出に応答して検出された睡眠特性の短期の変化に基づいて修正又は調節される。言い換えれば、より長期の(例えば、季節の)パターンは、薬剤が服用され続けるという仮定に基づいて調整できる。これは、経時的な睡眠用量の投与を管理する際に援助できる。
【0096】
例えば、放出事象に続いて、そして次の睡眠セッションが終了した後に、処理構成部は、睡眠の質及び睡眠の量に基づき薬剤用量の効果を(自動的に又は手動入力を使用して)決定する。この評価に基づいて、睡眠パターン情報は更新される。例えば、パーソナライズされた睡眠パターンモデルが更新され、又は周期的パターンデータが更新されてもよい。これは、例えば、モデルへパラメータを追加し、これらのパラメータを使用してモデルの予測を調整するなどの標準的な統計技法を使用して行うことができる。睡眠錠剤の効果について季節パターンを調整する他の方法も可能である。この調整は、薬剤が投与されていない場合でも、継続的に行うことができる。
【0097】
加えて又は代わりに、処理構成部16は、睡眠特性の検出された変化に基づいて、放出評価において使用される放出基準のパラメータ(例えば、閾値)を修正するように適応されてもよい。
【0098】
1つ又は複数の実施形態によると、処理構成部は、事前に規定されたオーバーライド信号の受信に応答して引き起こされるオーバーライド機能を含み、オーバーライド機能では、放出評価が自動制御停止される。用量の薬剤の放出は、オーバーライド信号及びユーザ要求信号の両方の受信に応答して直接引き起こされる。例では、オーバーライド信号は、安全な認証デバイス、例えば、ピンコードエントリデバイス、又は指紋スキャナなどの生体認証デバイスから受信された信号である。これにより、医師などの権限保持者は、処理構成部の制限付き放出機能を自動制御停止できる。別の例として、医師は、放出評価の制限を自動制御停止するために単一の機会でエントリできる一時的なオーバーライドコードをユーザに付与する。別の例として、ある規定された数のオーバーライド事象が、所与の時間枠内で許可され、ユーザが専用のユーザ制御を作動させることによって引き起こされる。さらなる例では、患者又はユーザ(例えば、親戚又は介護者)は、自動制御停止を認可できる権限保持者でもあり得る。
【0099】
1つ又は複数の実施形態によれば、処理構成部は、薬剤漸減援助機能を備え、放出評価において使用される放出基準は、ユーザによる睡眠薬剤の使用量における漸次の減少を強制するように構成された1つ又は複数の基準を備える。これは、放出事象ログのエントリを参照する基準に基づき、所与の単位時間における服用の回数に制限を強制する。その単位時間におけるこのような最大許容服用回数は、ユーザが薬を漸減するか又はより低い摂取レベルまで漸減するように、経時的に漸次、低減するように制御される。漸減させることに関する追加の放出基準は、ユーザ睡眠パターン情報に基づく少なくとも1つの基準へ加えて適用される。したがって、ユーザは、次回の夜の睡眠の質が悪いと予測される可能性があるが、漸減要件は規定された時間枠(例えば、1週間)で最大回数すでに服用したことを意味するため、睡眠薬剤の服用を否定される。
【0100】
実施形態は、薬剤を保持し、制御された用量放出事象において薬剤を放出するように適応された電子分配デバイスを含む。分配デバイスの構造及び構成について、多種多様な異なる選択肢がある。一般に、電子分配デバイスは、規定されたトリガ信号の機構での受信に応答して、貯蔵された薬剤の単回用量を一度に放出することを可能にする放出機構13を備えるべきであり、この用量の放出は、用量が、ユーザが物理的にアクセスできないデバイスの一部(例えば、鍵がかけられたチャンバ内)に位置する位置から、ユーザが物理的にアクセスできるデバイスの一部へ移動されることを意味する。用量は、例えば、単一のカプセル又はタブレットを含む。しかしながら、例えば、作動可能な弁を通して液体薬剤の制御された用量を分配するための構成部などの他の分配構成部も考えられる。
【0101】
1つの非限定的な例を挙げると、分配デバイスは、それぞれが単回用量の薬剤を保持するためのそれぞれの薬剤保持領域を形成する別個のチャンバの環状アレイを備える回転カルーセルを備える。チャンバは、上部を横切って開いているトレイの形態である。カルーセルは、外部筐体内に回転可能な構成で取り付けられる。外部筐体は、カルーセルを覆い、薬剤保持領域へのアクセスを物理的に妨げる屋根部分を備える。チャンバの環状アレイは、上の屋根部分の対応する環状領域上へマッピングされ、この屋根部分は、この環状領域内の1つのロケーションにアクセス窓を備える。アクセス窓は、それぞれの薬剤保持トレイ又はチャンバの上部にわたる開放領域と一致するか、又はそれよりも小さいサイズの、屋根部分を通る開口部を備える。保持領域のうちの1つは、いつでも窓と位置合わせされ、ここで、位置合わせされると、窓を介して領域へアクセスされる。制御された用量の薬剤の放出は、カルーセルの回転位置の割出しを電子的に行って異なる保持チャンバを開放窓へ次第に露出することを有する。
【0102】
窓の代わりに、ドロップゾーンがあってもよく、保持チャンバのドロップゾーンとの位置合わせにより、保持された薬剤の重力による放出が行われ、放出されると、薬剤はユーザがアクセス可能な保持トレイに入る。
【0103】
このデバイスは、回転カルーセルの回転を駆動するための作動機構を備える。この作動機構は、この例における放出機構13を形成し、処理構成部からの放出信号の受信に応答してカルーセルの回転割出しを作動させるように適応される。
【0104】
別の例では、電子分配デバイスは重力柱デザインを備えてよく、このデバイスは、複数の異なる用量の薬剤(例えば、複数のカプセル又は錠剤)を保持するように配置された単一の保持チャンバを備える。チャンバの基部に、一度に単回用量のチャンバの基部を通して制御された滴下を可能にするように作動可能な放出機構が設けられ、ここで、分配トレイが、滴下領域の下に取り付けられ、ユーザへアクセス可能である。放出機構は、例えば、制御可能なトラップドア、又は傾ける機構である。
【0105】
上記は例示のみを目的として提示された例を表し、多種多様な他の好適な例は当業者には明らかであろう。
【0106】
システムのアーキテクチャについて異なる選択肢がある。
【0107】
図7に模式的に示されるように、処理構成部16は、電子分配デバイス12に統合され、それにより、その2つは単一のユニットを形成する。この事例では、分配デバイス自体は分配システム10を形成する。処理構成部16は、感知デバイスの内部(例えば、分配デバイス内のローカルデータストアに格納される)のいずれかのデータソースから、又は睡眠監視構成部22などの外部ソースから(図7に示され、上で論じたように)睡眠パターン情報を受信する。
【0108】
さらなる選択肢では、分配システム10は、処理構成部16が電子分配デバイス12とは異なるユニット又は構造に位置する分散システムであってもよい。一例が図8に示される。この例では、処理構成部16は、携帯用コンピューティングデバイス64のハードウェア内に具体化される。例えば、携帯用コンピューティングデバイス自体のローカル処理構成要素によって提供される場合がある。携帯用コンピューティングデバイスは、例えば、スマートフォン又はタブレットコンピュータである。処理構成部16は、いくつかの例では携帯用コンピューティングデバイス64のネイティブ通信インターフェースである通信インターフェース14へ結合するように設けられる。この処理構成部は、通信インターフェースを介して分配デバイス12へ送信される制御指令、例えば、放出トリガ信号を発行することを介して分配デバイス12からの薬剤用量の放出を制御する。分配デバイスは、制御指令を受信し、それらを放出機構13へ転送して、制御された用量の薬剤の放出を引き起こすように配置されるローカル通信インターフェース62を備える。
【0109】
この例における睡眠パターン情報は、パーソナルコンピューティングデバイス64のローカルデータストアに格納される。或いは、リモートデータストア、例えば、クラウドベースのデータストアに格納され、処理構成部16は、通信インターフェース14を介して睡眠パターン情報を受信するように配置される。
【0110】
任意で、パーソナルコンピューティングデバイスは、睡眠監視構成部の一部を形成してもよい。例えば、図8に示されるように、手首に装着可能な活動追跡器などのユーザ睡眠追跡デバイス72と通信可能に結合又は対にされる。これは、睡眠追跡データを取得し、そこから、携帯用コンピューティングデバイス64のローカルプロセッサが睡眠パターン情報を導出し、この情報は、コンピューティングデバイスに格納するか、又は外部データストアへアップロードする。
【0111】
本発明のさらなる態様による実施例は、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスを使用して睡眠薬の分配を制御するコンピュータ実施方法を提供する。本方法は、ユーザに関連する睡眠パターン情報を得て、放出評価の結果に応じて分配デバイスからの薬剤用量の放出を制御することを有し、放出評価は、受信されたユーザ睡眠パターン情報に少なくとも部分的に基づいている。
【0112】
本発明のさらなる態様による実施例は、コンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムを提供し、コンピュータプログラムコードは、プロセッサ又はコンピュータ上で実行可能であり、
プロセッサ又はコンピュータが、制御された用量の薬剤を分配するように電子的に放出可能である1つ又は複数の薬剤保持領域を備える電子分配デバイスと動作可能に結合されると、
コードは、プロセッサに、上記で概説された若しくは以下で説明される任意の例若しくは実施形態、又は本出願の任意の請求項による方法を行わせるように構成される。
【0113】
上述した本発明の実施形態は、処理構成部を採用する。処理構成部は、一般に、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサを備える。それは、単一の含有デバイス、構造又はユニットに位置し、又は複数の異なるデバイス、構造又はユニット間に分散される。したがって、特定のステップ又はタスクを行うように適応又は構成されている処理構成部への言及は、単独又は組み合わせのいずれかで、複数の処理構成要素のいずれか1つ又は複数によって行われるステップ又はタスクに対応する。当業者であれば、そのような分散処理構成部がどのように実施できるかを理解するであろう。
【0114】
処理構成部の1つ又は複数のプロセッサは、必要とされる様々な機能を行うために、ソフトウェア及び/又はハードウェアで、多数のやり方で実施できる。プロセッサは、通常、必要とされる機能を行うためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされる1つ又は複数のマイクロプロセッサを採用する。プロセッサは、いくつかの機能を行うための専用ハードウェアと、他の機能を行うための1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路との組み合わせとして実施される。
【0115】
本開示の様々な実施形態において採用される回路の例は、次に限定されないが、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASICs)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)が挙げられる。
【0116】
様々な実施において、プロセッサは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリなどの1つ又は複数の記憶媒体と関連付けられる。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は制御器上で実行されると、必要とされる機能を行う1つ又は複数のプログラムで符号化される。様々な記憶媒体は、プロセッサ又は制御器内に固定され、又は転送可能であるので、その上に格納された1つ又は複数のプログラムをプロセッサ内へロードできる。
【0117】
開示された実施形態の変形例は、図面、本開示及び添付の特許請求の範囲を学ぶことから、請求される発明を実施する際、当業者により理解及び実施されることができる。請求項において、「有する」という用語は、それ以外の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数あることを排除するものではない。
【0118】
単一のプロセッサ又は他のユニットが請求項に挙げられるいくつかの項目の機能を果たしてもよい。
【0119】
ある措置が互いに異なる従属請求項に挙げられているという単なる事実は、これらの措置の組み合わせが有利に使用できないことを示してはいない。
【0120】
コンピュータプログラムは、好適な媒体、例えば他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体上に格納/分散されてもよいが、他の形態、例えばインターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介して配布されてもよい。
【0121】
「に適応する」という用語が請求項又は明細書に使用される場合、この「に適応する」という用語は、「ように構成される」という用語と同等であることを意図されることに留意されたい。
【0122】
請求項におけるいかなる参照符号もその範囲を限定すると解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】