(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】近視の予測、診断、計画、および監視デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 3/103 20060101AFI20231018BHJP
A61B 3/10 20060101ALI20231018BHJP
A61B 3/11 20060101ALI20231018BHJP
A61B 3/08 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A61B3/103
A61B3/10 100
A61B3/11
A61B3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519462
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021052893
(87)【国際公開番号】W WO2022072644
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520501023
【氏名又は名称】アキュセラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】窪田 良
(72)【発明者】
【氏名】ブシェミ, フィリップ エム.
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA03
4C316AA08
4C316AA09
4C316AA13
4C316AA15
4C316AA16
4C316AA26
4C316AA28
4C316AB02
4C316AB04
4C316AB06
4C316AB09
4C316AB11
4C316AB16
4C316AB19
4C316FB21
4C316FC14
4C316FY02
4C316FY05
4C316FY10
(57)【要約】
本開示の実施形態は、近視および近視の進行に関する予測、診断、計画、および監視のためのシステム、装置、および方法を対象とする。いくつかの実施形態において、眼の1つ以上の屈折特性は、眼の複数の網膜場所の各々に関して決定される。複数の場所は、眼の中心窩等の中心領域、または中心窩の外側の周辺領域または黄斑の領域等の非中心窩領域を含み得る。複数の場所に関する眼の屈折特性を測定することは、周辺網膜等、中心窩から離れた場所に関する眼の屈折特性を提供することによって、近視および他の眼の条件を診断することに役立ち得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の相対的屈折特性を測定するための装置であって、前記装置は、
光を放出するように構成された1つ以上の光源と、
前記1つ以上の光源によって放出された前記光を網膜の中心窩場所および前記網膜の非中心窩場所上に投影するように配置された投影光学系と、
前記網膜の前記中心窩場所および前記網膜の前記非中心窩場所上に投影された前記光から複数の画像を発生させるように配置された結像光学系と、
遠心光学系からの前記複数の画像を捕捉するように構成された撮像デバイスと、
前記撮像デバイスに結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記網膜の前記中心窩場所および前記網膜の前記非中心窩場所に関する前記眼の屈折特性を決定するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記眼は、瞳孔を備え、前記網膜の前記中心窩場所への光は、第1の角度において前記瞳孔を通して進行し、前記網膜の前記非中心窩場所への光は、前記第1の角度と異なる第2の角度において前記瞳孔を通して進行し、前記網膜の前記中心窩場所に関する前記眼の前記屈折特性は、前記第1の角度において前記瞳孔を通して前記中心窩場所まで進行する光に対応し、前記網膜の前記非中心窩場所に関する前記眼の前記屈折特性は、前記第2の角度において前記瞳孔を通して進行する光に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記結像光学系は、レンズまたはレンズレットアレイのうちの1つ以上を備え、前記複数の画像は、スリットの複数の画像またはスポットパターンの複数の画像のうちの1つ以上を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記網膜の前記中心窩場所に関する前記眼の前記屈折特性は、第1の球面度数、第1の円柱度数、第1の軸度、第1の等価球面度数、波面マップの第1の係数、または第1の波面マップのうちの1つ以上を備え、前記網膜の前記非中心窩場所に関する前記眼の前記屈折特性は、第2の球面度数、第2の円柱度数、第2の軸度、第2の等価球面度数、第2の波面マップの第2の係数、または第2の波面マップのうちの1つ以上を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記撮像デバイスによって捕捉された前記複数の画像に基づいて前記眼の屈折マップを発生させるための命令を備え、前記屈折マップは、前記網膜の前記中心窩場所に対応する第1の屈折特性と、前記網膜の前記非中心窩場所に対応する第2の屈折特性とを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上の光源および前記投影光学系は、前記1つ以上の光源によって前記眼の中に放出された前記光を第1の求心光路に沿って前記網膜の前記中心窩場所に投影し、第2の求心光路に沿って前記網膜の前記非中心窩場所に投影するように配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記網膜の前記中心窩場所は、前記中心網膜の黄斑内の中心窩を備え、前記網膜の前記非中心窩場所は、前記黄斑の外側の前記網膜の場所を備えている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の求心光路は、前記第1の求心光路の角度から少なくとも10度の角度に配置されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の光源のうちの第1のものからの光が、前記第1の求心光路に沿って投影され、前記1つ以上の光源のうちの第2のものからの光が、前記第2の求心光路に沿って投影される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の光源によって放出された前記光は、第1の波長を備え、前記第2の光源によって放出された前記光は、第2の異なる波長を備えている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の波長および前記第2の波長は、近赤外スペクトル内の波長を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の波長および前記第2の波長は、少なくとも10nm、随意に、少なくとも50nm分離されている、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の求心光路は、前記眼の中心軸に沿って前記眼に入射し、前記第2の求心光路は、前記眼の中心軸に対してある角度で前記眼に入射する、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記結像光学系は、レンズレットアレイを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
レンズレットアレイは、2次元アレイを備えている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記レンズレットアレイは、丸みを帯びたレンズレット、屈折率分布型レンズレット、回折レンズレット、または交差円筒形ロッドのうちの1つ以上の複数のものを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記結像光学系は、前記撮像デバイスと前記患者の眼との間に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記撮像デバイスは、CCDまたはCMOS撮像センサのうちの1つ以上を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記撮像デバイスは、前記光の第1の波長および前記光の第2の波長を別個に捕捉するように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項20】
前記撮像デバイスは、前記光の第1の波長に対して感度が高いピクセルの第1の組と、前記光の第2の波長に対して感度が高いピクセルの第2の組とを備えている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ピクセルの第1の組上に投影された前記光は、前記第1の波長の光を除外するようにフィルタ処理され、前記ピクセルの第2の組上に投影された前記光は、前記第2の波長の光を除外するようにフィルタ処理される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の光源によって放出された前記光は、第1の帯域の波長を備え、前記第2の光源によって放出された前記光は、第2の帯域の波長を備え、第2の帯域波長は、少なくとも部分的に前記第1の帯域の波長と重複する、請求項9に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の光源は、第1の時間において前記第1の帯域の波長を放出するように構成され、前記第2の光源は、前記第1の時間と異なる第2の時間において、前記第2の帯域の波長を放出するように構成されている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記投影光学系と前記結像光学系とは、1つ以上の共通の光学要素を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記画像に基づいて、前記眼の軸長を決定するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記軸長は、前記網膜の前記中心窩場所と前記網膜の前記非中心窩場所との間の軸長における相対的変化を備えている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記網膜の前記中心窩場所と前記網膜の前記非中心窩場所との間の前記眼の前記屈折特性における変化に応答して前記軸長における変化を決定するための命令で構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、OCT測定ビームを用いて前記網膜の前記中心窩場所において測定された軸長と、前記OCTビームを用いて前記網膜の前記非中心窩場所において測定された前記軸長との間の差異に応答して前記軸長における変化を決定するための命令で構成されている、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記中心窩における前記眼の前記軸長、および前記中心窩から最大6度の偏心度の範囲に及ぶ前記眼の前記軸長を決定するようにさらに構成されている、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記1つ以上の光源、前記投影光学系、前記結像光学系、前記撮像デバイス、および前記プロセッサは、OCT測定ビーム、波面測定ビーム、および走査スリット測定ビームから成る群から選択される測定ビームを用いて前記眼の前記屈折特性を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記測定ビームは、前記OCT測定ビームを備え、前記1つ以上の光源は、前記測定ビームの波長を掃引するための掃引源を備え、前記投影光学系は、前記測定ビームを前記網膜上に集中させるための1つ以上の光学系を備え、前記結像光学系は、前記網膜からの遠心光を前記撮像デバイス上に結像するための光学系を備え、前記撮像デバイスは、前記網膜からの光の干渉周波数を測定するための検出器を備え、前記プロセッサは、基準構造から前記網膜の前記中心窩場所および前記網膜の前記非中心窩場所の各々における前記網膜までの距離を測定し、前記中心窩場所および前記非中心窩場所における前記眼の前記軸長を決定するように構成されている、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記基準構造は、前記眼の角膜、前記眼の水晶体、またはOCT測定システムの基準構造のうちの1つ以上を備え、随意に、前記OCT測定システムの前記基準構造は、前記OCT測定システムのミラー、光ファイバ、または結合器のうちの1つ以上を備えている、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記複数の画像は、前記中心窩場所における前記OCT測定ビームのA走査と、前記非中心窩場所における前記OCT測定ビームのA走査とを備えている、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記測定ビームは、前記波面測定ビームを備え、前記投影光学系は、前記測定ビームを前記網膜上に集中させるための1つ以上の光学系を備え、前記結像光学系は、前記網膜からの遠心光を複数のスポットを伴う前記撮像デバイス上に結像するための複数のレンズレットを備え、前記撮像デバイスは、前記検出器アレイ上の前記複数のスポットの各々の場所を測定するためのアレイ検出器を備え、前記プロセッサは、前記中心窩場所および前記非中心窩場所における前記眼の屈折データを測定するように構成されている、請求項30に記載の装置。
【請求項35】
前記測定ビームは、前記走査スリット測定ビームを備え、前記投影光学は、前記測定ビームの走査スリットを前記網膜上に結像するための1つ以上の光学系を備え、前記結像光学系は、前記走査スリットを前記撮像デバイス上に結像するための1つ以上のレンズを備え、前記撮像デバイスは、前記スリットを測定するための検出器を備え、前記プロセッサは、前記中心窩場所および前記非中心窩場所における前記眼の屈折データを決定するように構成されている、請求項30に記載の装置。
【請求項36】
前記眼の遠近調節応答を刺激するための刺激と、前記遠近調節応答を刺激するための前記刺激の両眼離反運動を調節するための1つ以上の光学系とをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記投影光学系は、前記刺激の前記両眼離反運動を調節するように構成されている、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記結像光学系は、前記投影光学系を用いて調節するように構成されている、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記投影光学系と前記結像光学系とは、前記網膜への求心光および前記網膜からの遠心光の共通の光路に沿った1つ以上の共通の光学系を備えている、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
瞳孔に提供される刺激に応答して、瞳孔のサイズまたは場所のうちの1つ以上を測定するための検出器アレイをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項41】
前記プロセッサは、第1の眼の第1の瞳孔および第2の眼の第2の瞳孔を測定し、前記刺激に応答した前記第1の眼および前記第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成されている、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記検出器アレイは、前記第1の瞳孔からの第1の位置を測定するための第1の位置から移動し、前記第2の瞳孔からの第2の位置を測定するために第2の位置まで移動するように構成されている、請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記刺激に応答して、第1の眼の第1の瞳孔を測定するための第1の検出器アレイと、第2の眼の第2の瞳孔を測定するための第2の検出器アレイとをさらに備え、前記プロセッサは、第1の刺激に応答して前記第1の瞳孔と前記第2の瞳孔との間の第1の距離を測定し、第2の刺激に応答して前記第1の瞳孔と前記第2の瞳孔との間の第2の距離を測定し、前記第1の刺激および前記第2の刺激に応答した前記第1の眼および前記第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成されている、請求項40に記載の装置。
【請求項44】
光源と、前記患者の前記眼および第2の眼に両眼刺激を提供するための刺激光学系とをさらに備え、前記光源および刺激光学系は、近傍物体に対応する前記第1の眼と前記第2の眼との間の視距離および視角において前記両眼刺激を提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項45】
前記プロセッサは、前記中心窩場所および前記非中心窩場所に関する前記眼の前記屈折特性を遠隔サーバに伝送するための命令で構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項46】
前記プロセッサは、前記眼の屈折データのマップを前記遠隔サーバに伝送するように構成されている、請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記眼の前記屈折特性を受信し、記憶し、前記屈折特性を遠隔ユーザに伝送するように構成された遠隔サーバをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項48】
眼の屈折特性を測定する方法であって、前記方法は、
光の第1のスポットを前記眼の網膜の中心窩場所上に投影することと、
前記中心窩場所上の前記光の第1のスポットの第1の画像を捕捉することと、
光の第2のスポットを前記網膜の前記非中心窩場所上に投影することと、
前記非中心窩網膜上の前記光の第2のスポットの第2の画像を捕捉することと、
前記網膜の前記中心窩場所および前記網膜の前記非中心窩場所における前記眼の屈折を決定することと
を含む、方法。
【請求項49】
前記光の第1のスポットを投影すること、前記第1の画像を捕捉すること、前記光の第2のスポットを投影すること、および前記光の第2のスポットを捕捉することは、同時に生じる、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記光の第1のスポットを投影することおよび前記第1の画像を捕捉することは、前記光の第2のスポットを投影することおよび前記光の第2のスポットを捕捉することの前に生じる、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記光の第1のスポットを投影することおよび前記第1の画像を捕捉することは、前記光の第2のスポットを投影することおよび前記光の第2のスポットを捕捉することの後に生じる、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記第1および第2の画像に基づいて前記眼の屈折マップを発生させることをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のスポットの前記第1の画像は、レンズレットアレイによって画像センサ上に投影される前記第1のスポットの複数の画像を含み、前記第2のスポットの第2の画像は、前記レンズレットアレイによって前記画像センサ上に投影される前記第2のスポットの複数の画像を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記第2のスポットを前記網膜の前記中心窩の周りの前記非中心窩網膜の複数の場所まで移動させることと、
複数の第3の画像を捕捉することと
をさらに含み、
前記第3の複数の画像の各々は、前記第2のスポットの前記複数の場所のうちの1つに対応し、前記第1および第2の画像に基づいて前記眼の屈折マップを発生させることは、前記第1、第2、および複数の第3の画像に基づいて前記屈折マップを発生させることをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記光の第1のスポットを投影することは、第1の波長の光を投影することを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記光の第2のスポットを投影することは、前記第1の波長と異なる第2の波長の光を投影することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記画像に基づいて前記眼の軸長を決定することをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
前記中心窩における前記眼の前記軸長、および前記中心窩から最大6度の偏心度の範囲に及ぶ前記眼の前記軸長を決定することをさらに含む、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
患者の眼の遠近調節のための装置であって、前記装置は、
両眼刺激と、
前記両眼刺激に結合された光学系であって、前記光学系は、複数の場所における前記両眼刺激と、前記眼の遠見視力刺激および近見視力刺激に対応する両眼離反運動とを提供するように構成されている、光学系と、
前記眼の遠見視力構成における前記眼の遠見視力軸長を測定するためのOCT測定ビームであって、近見視力構成が、前記眼の近見視力軸長を測定するように構成されている、OCT測定ビームと、
前記OCT測定ビームから前記網膜からの光を受け取るための検出器と、
前記検出器に結合されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記近見視力刺激に対応する量より小さい前記遠見視力軸長と前記近見視力軸長との間の差異に対応する前記眼の遠近調節遅延を決定する、装置。
【請求項60】
患者の眼の屈折マップを発生させる方法であって、前記方法は、
遠見刺激を用いて前記眼の焦点をぼかし、前記眼の遠見視力遠近調節を提供することと、
前記眼の遠見視力遠近調節を用いて前記患者の眼の第1の屈折マップを発生させることと、
近見刺激を用いて前記患者の眼を刺激し、前記眼の近見視力遠近調節を提供することと、
前記眼の近見視力遠近調節を用いて前記患者の眼の第2の屈折マップを発生させることと、
前記患者の眼の前記第1の屈折マップと前記患者の眼の前記第2の屈折マップとを比較することと
を含む、方法。
【請求項61】
前記第1の屈折マップは、網膜の中心窩場所の第1の中心屈折と、前記網膜の複数の非中心窩場所に対応する第1の複数の非中心窩屈折とを備え、前記第2の屈折マップは、前記網膜の前記中心窩場所からの第2の中心窩屈折と、前記網膜の複数の非中心窩場所に対応する第2の複数の非中心窩屈折とを備えている、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記近見刺激の両眼離反運動は、前記遠見刺激の両眼離反運動と少なくとも2ジオプタ(D)異なる、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の屈折マップおよび前記第2の屈折マップに基づいて、前記患者の眼の遠近調節の遅延を決定することをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記遠近調節の遅延は、前記近見刺激の量より小さい前記近見刺激に対する前記眼の遠近調節を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記近見刺激は、単眼刺激を備えている、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記近見刺激は、両眼近見刺激を備えている、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記患者の眼の前記第1の屈折マップを発生させることは、
光の第1のスポットを前記患者の中心網膜上に投影することと、
前記患者の中心網膜上の前記光の第1のスポットの第1の画像を捕捉することと、
光の第2のスポットを前記患者の非中心窩網膜上に投影することと、
前記患者の非中心窩網膜上の前記光の第2のスポットの第2の画像を捕捉することと
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記患者の眼の前記第2の屈折マップを発生させることは、
光の第1のスポットを前記患者の中心窩網膜上に投影することと、
前記患者の中心窩網膜上の前記光の第1のスポットの第1の画像を捕捉することと、
光の第2のスポットを前記患者の非中心窩網膜上に投影することと、
前記患者の非中心窩網膜上の前記光の第2のスポットの第2の画像を捕捉することと
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記比較に基づいて、予測、診断、または治療計画を発生させることをさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記予測は、近視の将来の発症の予測を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記診断は、前記患者の非中心窩網膜の遠近調節の差動遅延を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記非中心窩網の前記遠近調節の差動遅延は、前記中心窩網膜に関する遠近調節の量より小さい前記非中心窩網膜に関する遠近調節の量に対応する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記治療計画は、近視を減少させるための治療において投影された網膜刺激の焦点ぼかしを調節するために、前記第1および第2のマップから導出される、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記装置請求項のいずれか1項に記載のプロセッサ命令を実施することをさらに含む、前記方法請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記方法請求項のいずれか1項に記載の装置であって、前記プロセッサは、前記方法請求項のいずれか1項に記載の方法の1つ以上のステップを実施するように構成されている、装置。
【請求項76】
前記網膜の前記中心窩場所は、前記網膜の中心場所を備え、前記網膜の前記非中心窩場所は、前記網膜の周辺場所または前記中心窩から離れた前記網膜の黄斑場所のうちの1つ以上を備えている、請求項1-75のいずれか1項に記載の方法または装置。
【請求項77】
前記網膜の前記非中心窩場所は、前記中心窩から離れた前記網膜の場所を備えている、請求項1-76のいずれか1項に記載の方法または装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、その開示全体が参照することによって本明細書に組み込まれる2020年9月30日に出願された米国仮特許出願第61/198,154号の35 U.S.C. Section 119(e)(米国特許法第119条(e))のもとでの利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
近眼としても知られている近視は、高い頻度で進行性であり、青年期および成人早期を通して悪化する視覚障害である。それは、より近い距離において、物体を鮮明に見るための能力によって特徴付けられるが、より遠い距離において、物体は、不鮮明な状態になる。本開示に関連する研究は、それが、眼が若干細長く、それによって、物体の画像が網膜に集中させられないことによって生じ得ることを示唆している。近視を患う一部の人において、眼の軸方向寸法または軸が、時間とともに増加し、結果として、近眼を悪化させる。一部の患者における近視の進行が、網膜の前で焦点がぼかされた画像から成る刺激を提供すること(近視焦点ぼかしと称される技法)によって、遅らせられることまたは停止させられることが可能であることが、実証されている。
【0003】
本開示に関連する研究は、網膜の屈折誤差が、近視の進行のある役割を果たし得ること、および近視および近視の進行を予測し、適切な診断および治療を提供することに対する従来のアプローチが、少なくともいくつかの事例では、準理想的であり得ることを示唆する。例えば、いくつかの従来の測定アプローチは、中心視覚の屈折誤差のみを考慮する。このアプローチは、それが、中心窩の外側の網膜エリアの屈折誤差と、中心網膜(例えば、中心窩)と中心窩の外側のエリア(例えば、周辺網膜)との間の屈折誤差の差異とを考慮していないので、準理想的であり得る。例えば、少なくともいくつかの従来の自動屈折器および波面測定システムは、周辺網膜等、中心窩の外側のエリアに関する眼の屈折特性を測定することなく、中心窩に集中させられた光に関する眼の屈折および波面を測定する。波面収差計等のこれらのデバイスのうちのいくつかは、瞳孔の上での眼の波面誤差をマップするが、瞳孔の上でのこのマッピングは、典型的に、中心窩に関するものであり、周辺網膜等、中心窩の外側の網膜の外側領域に関するものではない。
【0004】
上記に照らして、屈折誤差を測定し、治療するための従来のアプローチの前述の限界のうちの少なくともいくつかを改善する改良された方法および装置が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、近視および近視の進行に関する予測、診断、計画、および監視のためのシステム、装置、および方法を対象とする。いくつかの実施形態において、眼の1つ以上の屈折特性は、眼の複数の場所の各々に関して決定される。複数の場所は、中心領域(眼の中心窩等)と、中心窩の外側の場所(中心窩の外側の周辺網膜の領域または黄斑の領域等)とを含み得る。複数の場所に関する眼の屈折特性を測定することは、中心窩の外側の周辺網膜および他の場所等、中心窩から離れた場所に関する眼の屈折特性を提供することによって、近視および他の眼の条件を診断することに役立ち得る。
【0006】
いくつかの実施形態において、眼の相対的屈折特性を測定するための装置は、光を放出するように構成された1つ以上の光源を備えている。投影光学系が、1つ以上の光源によって放出された光を網膜の中心場所および網膜の周辺場所上に投影するように配置される。結像光学系が、網膜の中心窩場所および網膜の周辺場所上に投影された光から複数の画像を発生させるように配置される。撮像デバイスが、遠心光学系からの複数の画像を捕捉するように構成される。プロセッサが、撮像デバイスに結合され、プロセッサは、網膜の中心場所および網膜の周辺場所に関する眼の屈折特性を決定するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態において、眼の屈折特性を測定する方法は、光の第1のスポットを眼の網膜の中心場所上に投影することを含む。中心場所上の光の第1のスポットの第1の画像が、捕捉される。光の第2のスポットが、中心場所から離れた網膜の場所上に投影される。中心窩の外側の周辺網膜または黄斑上等、中心窩の外側における光の第2のスポットの第2の画像が、捕捉される。眼の屈折が、網膜の中心場所、および中心窩の外側の周辺網膜または黄斑等、中心窩から離れた場所において決定される。
【0008】
いくつかの実施形態において、器具によって測定され得る眼の屈折特性は、眼の軸長を含む。眼の軸長は、中心から、および最大+/-6.0度以上の偏心性の範囲にわたって測定され得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、眼の屈折マップを発生させる方法は、遠見刺激を用いて眼の焦点をぼかし、眼の遠見視力遠近調節を提供することと、遠見視力構成における眼の屈折誤差をマップすることと、近見視力刺激を提供し、近見視力遠近調節を提供することと、近見視力構成における眼の屈折誤差をマップすることとを含む。患者の眼の第1の屈折マップが、眼の遠見視力遠近調節を用いて発生させられる。患者の眼は、近見刺激を用いて刺激され、眼の近見視力遠近調節を提供する。患者の眼の第2の屈折マップは、眼の近見視力遠近調節を用いて発生させられる。患者の眼の第1の屈折マップは、患者の眼の第2の屈折マップと比較される。
【0010】
(参照による組み込み)
本明細書において参照および識別される、特許、出願、および刊行物は全て、参照することによってそれらの全体として本明細書に組み込まれ、本願の他所において参照されている場合でも、参照することによって完全に組み込まれると見なされるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の特徴、利点、および原理のより深い理解が、例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明および付随の図面を参照することによって取得されるであろう。
【0012】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による網膜の中心窩場所および非中心窩場所等の網膜の中心場所および非中心場所における眼の屈折誤差をマップするためのシステムの略図を示す。
【0013】
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による
図1のシステムの求心光路の略図を示す。
【0014】
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による
図1のシステムの遠心光路の略図を示す。
【0015】
【
図4A】
図4Aおよび4Bは、いくつかの実施形態による
図1のシステムのセンサ上に投影された光を示す。
【
図4B】
図4Aおよび4Bは、いくつかの実施形態による
図1のシステムのセンサ上に投影された光を示す。
【0016】
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による屈折誤差に対応する結像エリア上のスポットのオフセットを示す。
【0017】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による網膜の中心窩および非中心窩領域等の中心網膜および非中心網膜をマップする方法を示す。
【0018】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による本明細書に説明されるシステムおよび方法を使用して患者を診断する方法を示す。
【0019】
【
図7】
図7は、中心網膜場所、例えば、中心窩、および網膜の非中心場所、例えば、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑場所における眼の屈折誤差をマップするためのシステムを示し、システムは、いくつかの実施形態による刺激と、瞳孔カメラとを備えている。
【0020】
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による両眼刺激を伴う網膜の中心場所および非中心場所における眼の屈折誤差をマップするためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の詳細な説明は、本明細書に開示される実施形態による本開示に説明される発明の特徴および利点のより深い理解を提供する。本詳細な説明は、多くの具体的な実施形態を含むが、これらは、例として提供されるにすぎず、本明細書に開示される発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0022】
ここで開示される方法、デバイス、およびシステムは、波面測定デバイスおよび自動屈折器等の従来技術デバイスへの組み込みのために非常に好適であり、商業的に利用可能な自動屈折器および波面測定システムの1つ以上の構成要素を備え得る。本明細書では、自動屈折器および波面収差計が、具体的に参照されるが、開示されるシステム、装置、および方法は、他のデバイスまたはシステムとの使用またはそれらの中への組み込みのために好適である。当業者は、開示される構成要素または要素のうちの1つ以上が、本明細書に提供される教示に基づいて、自動屈折器および波面収差計または他のシステムまたはデバイスと合体させられ得る方法を容易に理解するであろう。例えば、商業的に利用可能なHartmann-Shack波面システムの1つ以上の構成要素(レンズレットアレイおよび検出器等)が、本開示に従って修正され得る。代替として、または組み合わせにおいて、走査スリット自動屈折器が、本開示に従って修正されることができる。
【0023】
ここで開示されるシステム、方法、および装置は、近視の予測、診断、計画、および監視のために使用されることができるが、ここで開示される方法および装置は、眼および網膜の任意のタイプの屈折誤差を測定するために非常に好適である。眼の屈折誤差の測定が、参照されるが、ここで開示される方法、デバイス、およびシステムは、物体の画像を形成する多くの分野および光学システム(光学顕微鏡検査、天文学、光計測学等)における使用のために非常に好適である。
【0024】
いくつかの実施形態において、システム、方法、および装置は、近視の進行を追跡するために使用されることができるか、または、患者内の近視の逆行が、追跡され得る。例えば、測定デバイスが、治療の前および治療中、患者の眼の軸長を測定するために使用され得る。眼の軸長は、中心的に、および/または、最大+/-6.0度以上の偏心の範囲にわたって測定され得る。例えば、長さは、中心窩において、または中心窩の周囲の最大+/-6.0度の偏心の範囲にわたって測定され得る。代替として、または組み合わせにおいて、軸長は、中心窩から0度~10度以上偏心した範囲内の場所において測定される、例えば、中心窩に対して5度偏心した位置において、および中心窩に対して10度偏心した位置において測定されることができる。軸長は、本明細書に議論されるコンタクトレンズのうちのいずれかを提供する前に測定され、次いで、本明細書に議論されるコンタクトレンズのうちのいずれかを用いた治療中に1回以上測定され得る。測定値を追跡することによって、医療従事者は、治療を修正すること、または終わりにすること等、患者のための治療決定を行うことができる。
【0025】
別様に示されない限り、説明される実施形態は、1つ以上の光源と、1つ以上の光学要素とを備え、1つ以上の光学要素は、患者の網膜上に求心光を投影および伝送し、撮像デバイスと共に網膜からの遠心光を受け取る。1つ以上の光源は、例えば、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、LEDレーザ、燐光LED、または複数のLEDレーザを含み得る。光源は、1つ以上の異なる波長の光を放出し得る。光学要素は、1つ以上のフィルタ、レンズ、ダイクロイックミラー、ビーム分割器、レンズアレイ、レンズレット、マイクロレンズレットおよびマイクロレンズレットアレイ、および部分ミラー(または部分ミラーの組)を含み得る。ミラーは、平坦ミラー、部分ミラー、または凹面ミラーであり得る。レンズは、1つ以上の平坦、凹面形、または凸面形の表面を有し得る。撮像デバイスは、電荷結合素子(CCD)、相補形金属酸化膜半導体センサ(CMOSセンサ)、または他の撮像デバイスであり得る。撮像デバイスは、モノクロ撮像デバイスまたはカラー撮像デバイスであり得、1つ以上のフィルタを含み得る。
【0026】
本明細書に説明される方法を行うための論理が、ミラーの移動等、光源、撮像デバイス、および光学デバイスの動作を制御するように実行可能命令の組を用いてプログラムされたコンピューティングデバイスおよび/またはプロセッサの形態で実装され得る。
【0027】
図1は、網膜116の中心場所および中心場所から離れた網膜の別の場所における眼114の屈折誤差をマップするためのシステム100の略図を示す。中心場所から離れた場所は、例えば、中心窩の外側の黄斑の場所または周辺網膜上の場所を含み得る。中心場所、例えば、中心窩に対する光の屈折誤差、および中心場所の外側の網膜の複数の場所、例えば、中心窩の外側の黄斑または周辺網膜の各々に対する光の対応する屈折誤差が、測定されることができる。システムは、撮像デバイス120およびより多くの光源102、104に結合されたコンピューティングデバイス122を含み得る。システム100は、ビーム分割器106、108、回転ミラー110、およびダイクロイックミラー112等の1つ以上の光学デバイスも含み得る。コンピューティングデバイス122は、光学デバイスのうちの1つ以上に動作可能に結合され得る。例えば、コンピューティングデバイス122は、ミラー110の回転を制御するために、回転ミラー110に結合され得る。いくつかの実施形態において、中心窩、および中心窩から離れた眼の1つ以上の場所の各々における眼の屈折誤差、例えば、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑のエリア等、中心窩以外の網膜のエリアのうちの1つ以上の場所における屈折誤差を測定するために、光源102は、網膜の中心場所、例えば、中心窩に光を投影するように構成され、光源104は、中心窩から離れた網膜の1つ以上の場所、例えば、周辺網膜に光を投影するように構成される。
【0028】
光源102、104は、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、LEDレーザ、燐光LED、または複数のLEDレーザを含み得る。各光源は、1つ以上の波長の光を放出し得る。例えば、いくつかの実施形態において、光源104は、赤色可視光スペクトルの色を放出し得る一方、光源102は、青色光スペクトルの光を放出し得る。いくつかの実施形態において、光源104および光源106は、例えば、800nm~1,000nmの範囲内の近赤外範囲内の異なる波長の光を放出し得る。光源102の波長と光源104の波長とは、少なくとも20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、または100nm異なり得る。光源102、104によって放出される波長の差異は、部分的に各光源によって放出される光の帯域幅およびシステム100の任意のフィルタのフィルタ処理能力のうちの1つ以上によって決定され得る。例えば、光源102、104が、設定値の10nmの範囲内の単色光を放出し、撮像デバイス120上で光をフィルタ処理するために使用されるフィルタが、設定値の20nmの範囲内の光をフィルタ処理するように構成される場合、光源102、104の各々は、互いに少なくとも30nm離れた波長における単色光を放出し得る。
【0029】
光源は、それらが同時または順次的に光を放出するように、コンピューティングデバイス122によって制御され得る。例えば、いくつかの実施形態において、光源102、104は、同じまたは類似した波長の光を放出し、光源は、それらが順次光を放出するように制御され得る。いくつかの実施形態において、光源102、104は、異なる波長の光を放出し、光源は、例えば、それらが同時に光を放出するように制御され得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、光源102、104は、異なる角度に偏光され得る。そのような実施形態において、偏光フィルタが、例えば、光源102、104によって同時に放出され得る同じ波長の光を選択的にフィルタ処理するために使用され得る。光の同時の放出が、参照されるが、このために構成される光源および光学系は、代替として、光を順次放出するように構成されることができる。
【0031】
光源102、104等の1つ以上の光源によって放出された光は、ビーム分割器106、108等の1つ以上のビーム分割器を通して進行するか、または、それらによって反射され得、ビーム分割器106、108は、光源102、104によって放出された光を患者の眼114の網膜116上に伝送する役割を果たし得る。
【0032】
ビーム分割器は、多くの方法において光を分離するように構成されることができ、例えば、偏光ビーム分割器、波長選択性ミラー、または部分反射ミラーのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態において、ビーム分割器は、例えば、ダイクロイックフィルタ、プリズム、格子、または他の手段のうちの1つ以上を用いて光ビームを2つの別個の光波長に分離するように構成される。いくつかの実施形態において、ビーム分割器106は、一緒に接着剤で付けられた2つの三角形のガラスプリズムから形成され得、それによって、2つのプリズム間の界面において、入射光の一部が界面を通して伝送される一方、光の一部が界面から反射される。いくつかの実施形態において、半透ミラーが、ビーム分割器として使用され得る。半透ミラーは、例えば、部分的に透明な反射コーティングが光学基板上に形成されたミラーを備え得る。部分的に透明な反射コーティングは、光の一部がミラー、例えば半透ミラーを通過するが、光の別の部分が半透ミラーによって反射されることを可能にする。いくつかの実施形態において、ダイクロイックビーム分割器等の他のタイプのビーム分割器が、使用され得る。
【0033】
1つ以上の光源によって放出された光は、回転ミラー110およびダイクロイックミラー112等の1つ以上のミラーによっても反射され得る。ダイクロイックミラー112は、異なる波長の光が光エミッタ102、104によって放出されるシステム100の実装内で使用され得る。ダイクロイックミラー112等のダイクロイックミラーは、特定の波長または帯域の波長の光がミラーから反射されるが、他の波長または帯域の波長の光がミラーを通して伝送されること可能にするために、薄膜干渉を使用する。システム100では、ダイクロイックミラーの特性は、ダイクロイックミラーが光源102、104のうちの第1のものから放出される第1の波長の光を反射するが、ダイクロイックミラーが光源102、104のうちの第2のものから放出される第2の波長の光を伝送するように選択され得る。ダイクロイックミラーは、それが中心網膜(眼の中心窩等)の中に光を伝送するように配置され得る。ダイクロイックミラーは、回転ミラーも備え得る。例えば、いくつかの実施形態において、ダイクロイックミラーは、コンピューティングデバイスが、眼の光軸の周りのダイクロイックミラーの回転を制御し得るように、アクチュエータ、例えば、モータとともにコンピューティングデバイス122に結合され得る。眼の光軸は、一次レンズおよび瞳孔の中心を通過し、患者の眼の中心窩まで延びている軸に対応し得る。ダイクロイックミラー112は、ダイクロイックミラー112が、眼の光軸まわりに180°回転させられるように構成された位置112Aに示される。
【0034】
回転ミラー110は、前面表面または第1の表面ミラーを備え得、反射面は、入射光が光学基板を通過することなく反射面から反射する様式において、光学基板等の基板上にコーティングされている。代替として、いくつかの実施形態において、回転ミラーは、第2の表面ミラーを備え得、反射面は、入射光が反射表面から反射される前に光学基板を通過する様式において、光学基板上にコーティングされている。回転ミラー110は、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑の場所等、中心窩の周りの網膜の非中心部分上に光を反射するように配置され得る。いくつかの実施形態において、ミラー110は、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑の場所等、中心窩から離れた網膜の場所に向かって光を反射するように、眼の光軸まわりに回転する。例えば、回転ミラー110は、位置110Aにおいて示され、回転ミラー110は、眼の光軸まわりに180°回転している。回転ミラー110は、
図2を参照して下記により詳細に説明されるように、中心窩の外側の患者の網膜の複数の場所上に光を投影するために、回転ダイクロイックミラー112との組み合わせおいて稼働し得る。
【0035】
可動ミラーが、参照されているが、いくつかの実施形態において、固定光の異なる場所が、中心場所および非中心場所における眼の屈折特性を測定するために使用される。例えば、いくつかの実施形態において、固定光は、測定システムの光軸と整列させられ、第1の測定のために中心窩を測定し、次いで、光学システムの測定軸まわりにある角度において、測定軸に対する固定光の角度に対応する、非中心場所において網膜を測定する。
【0036】
レンズレットアレイ118は、2次元アレイ等のアレイにおいて配置された複数のレンズレットを備え得る。レンズレットアレイ118の各個々のレンズレットは、レンズアレイ118のうちの他のレンズレットのうちのいずれかの異なる視点から、網膜114から反射された光を集中させ、アレイの各レンズレットは、眼の瞳孔の異なる場所に対応し得る。レンズアレイ118の各個々のレンズレットは、そのそれぞれの視点からの画像を、2次元センサアレイ、例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサアレイ等の撮像デバイス120上の撮像場所上に集中させる。下記により詳細に説明されるように、撮像デバイス上に投影される光の点の場所は、患者の眼の屈折特性に関する情報を提供する。
【0037】
レンズレットアレイ118は、患者の眼114と撮像デバイス120との間に位置付けられ得る。例えば、レンズ等の追加の光学構成要素も、例えば、眼の瞳孔をレンズレットアレイ上に結像するために使用されることができる。
【0038】
レンズレットアレイ118は、多くの方法において構成されることができ、例えば、屈折率分布型(「GRIN」)レンズ、幾何学的に湾曲した球状レンズ、回折光学系、または交差円筒形状ロッドのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態において、レンズレットアレイは、光学基板上に形成された複数のレンズレットを備えている。いくつかの実施形態において、レンズレットアレイ118は、フレームまたは他の構造的デバイスによって2次元アレイ内に一緒に保持される複数の個々のレンズレットを含み得る。レンズレットによって形成される2次元アレイは、個々のレンズレットが、複数の行および列に配置された正方形または長方形アレイに配置され得る。いくつかの実施形態において、2次元アレイは、レンズレットが中心軸まわりに同心円形パターンに配置された円形であり得る。中心軸は、患者の眼の軸に対応し得る。いくつかの実施形態において、アレイは、レンズレットの六角形アレイを含み得る。
【0039】
レンズレットは、回折光学構造、エシェレット、フレネルレンズ、または湾曲外部表面から形成され得る。各マイクロレンズは、あるサイズ、例えば、1μm~1mm、より好ましくは、50μm~200μmの直径または辺長を有し得る。いくつかの実施形態において、レンズレットは、円形、正方形、または他の形状であり得る。いくつかの実施形態において、各マイクロレンズ間のピッチまたは距離は、1μm~1mm、例えば、50μm~200μmであり得る。いくつかの実施形態において、クロムマスク等のマスクが、マイクロレンズレットアレイ118によって形成された画像のコントラストを増加させるために、レンズレット間の基板に適用され得る。
【0040】
撮像デバイス120は、CCD画像センサまたはCMOS画像センサ等の画像センサを含み得る。撮像デバイスは、モノクロ撮像デバイスまたはカラー撮像デバイスであり得、1つ以上のフィルタを含み得る。カラー撮像デバイスは、ベイヤ、RGBW、またはRGBEフィルタアレイ等、デバイスに統合される1つ以上のカラーフィルタまたはフィルタアレイを有し得る。
【0041】
コンピューティングデバイス122は、プロセッサと、メモリと、本明細書に議論される方法を実行するためのメモリ内に記憶された命令とを含み得る。プロセッサは、入力デバイスおよび出力デバイスを含み得、それらは、光源102、104、撮像デバイス120、回転ミラー112等の光学デバイス、レンズレットアレイ118、およびビーム分割器106、108の動作を制御する。
【0042】
図2は、患者の眼の屈折誤差をマップするための
図1のシステム100の求心光路202、204の略図を示す。いくつかの実施形態において、第1の期間中、光源102は、求心光路202に沿って光のビームを放出する。光ビームは、ビーム分割器106を通して求心光路202に沿って進行し、次いで、ビーム分割器108の表面から反射される。ビーム分割器108は、ビーム分割器106を通過する光が、ビーム分割表面から患者の眼の光軸まわりに実質的に平行な方向において反射されるように配置され得る。ビーム分割器108から、光は、求心光路202に沿って続き、ダイクロイックミラー112等のミラーを通過する。そのような実施形態において、ダイクロイックミラーは、光源102によって放出された波長の光が、それを通して伝送されることを可能にする。ミラー112を通過した後、光は、患者の水晶体および角膜を通して求心光路202に沿って進行し続け、患者の網膜116の中心窩上のスポットを照明する。本明細書において議論されるように、ダイクロイックミラー112は、患者の眼の中心軸まわりに、または求心光路202まわりに回転し得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、ダイクロイックミラー112の回転は、光源102から患者の眼の中、および中心窩上への光の伝送に実質的に影響を及ぼさないこともある。
【0043】
いくつかの実施形態において、光源102からの光が、上で議論されるように、ビーム分割器106を通過し、求心光路202に沿ってビーム分割器108から反射され得るが、しかしながら、ダイクロイックミラーに到達すると、光源102からの光は、ダイクロイックミラー112から反射され得る。そのような実施形態において、ダイクロイックミラーは、光源102によって放出された波長の光を反射する。ダイクロイックミラー112から反射された後、光源102からの光は、求心光路204に沿って回転ミラー110まで進行し得る。回転ミラー110は、回転ミラー110から反射された光が、患者の視野の周辺から眼に入射し、中心窩から離れた非中心場所、例えば、中心窩の外側の患者の周辺網膜または黄斑上にスポットを生産するように、眼の中心軸からオフセットされ得る。回転ミラー110は、回転ミラー112から反射された光によって生産されたスポットが、患者の中心窩から、5°~35°、好ましくは、15°~25°の範囲内の角度で、例えば、中心窩に対して約20°の角度でオフセットされるように、眼の中心軸からオフセットされ(または、別様に角度付けられ)得る。いくつかの実施形態において、角度は、測定中、変動し得る。
【0044】
回転ミラー110およびダイクロイックミラー112は、一緒に回転し得る。例えば、ダイクロイックミラーと回転ミラーとは、ダイクロイックミラー112が、回転ミラー110に向かって光を反射する状態で、同じ回転または角速度において同じ軸まわりに回転し得る。いくつかの実施形態において、回転ミラー110とダイクロイックミラー112とは、例えば、5RPM~120RPMの範囲内の率において回転する。いくつかの実施形態において、回転ミラー110は、段階的方式において回転する。例えば、回転ミラー110は、5°回転し、次いで、中心窩の外側の網膜の非中心場所、例えば、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑上に形成されるスポットの測定を可能にするために停止し、次いで、中心窩の外側の非中心場所上、例えば、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑上の新しい位置に形成されるスポットの測定を可能にするために、別の5°回転し得る。回転ミラーは、1度~120°の間隔において回転し得る。例えば、1°、5°、10°、15°、30°、45°、60°、90°、または120°の間隔において回転し得る。このように、さらに、回転ミラー110が、軸まわりに回転するにつれて、ダイクロイックミラー112からの光が、回転ミラー110に向かって反射される。回転ミラー110が、中心軸まわりに回転するにつれて、中心窩の外側の患者の周辺網膜または黄斑上に形成されるスポットの場所も同様に、患者の中心窩まわりに回転する。例えば、求心経路206は、ダイクロイックミラー112が、位置112Aにあり、回転ミラー110が、位置110Aにあり、両方が、180°回転している光の経路を示す。このように、患者の眼の屈折性は、患者の網膜の周りの複数の場所において決定され得る。
【0045】
いくつかの実施形態において、第2の期間中のシステム100の動作の間に、光源104が、求心経路204に沿って光のビームを放出する。光ビームは、求心光路204に沿って進行し、ビーム分割器106から反射され、次いで、ビーム分割器108の表面から反射される。ビーム分割器108は、ビーム分割器106から反射された光が、ビーム分割表面から患者の眼の光軸まわりに実質的に平行な方向において反射されるように配置され得る。ビーム分割器108から、光源104からの光が、ダイクロイックミラー112から反射され得る。そのような実施形態において、ダイクロイックミラーは、光源104によって放出された波長の光を反射する。ダイクロイックミラー112から反射された後、光源102からの光は、求心光路204に沿って回転ミラー110まで進行し続け得る。回転ミラー110は、回転ミラー110から反射された光が、患者の視野の周辺から眼に入射し、患者の網膜の周辺上または患者の黄斑の外側部分上のうちの1つ以上等、中心窩から離れてスポットを生産するように、眼の中心軸からオフセットされ得る。回転ミラー112は、回転ミラー112から反射された光によって生産されたスポットが、患者の中心窩からオフセットされるように、眼の中心軸からオフセットされ(または、別様に角度付けられ)得る。
【0046】
上で議論されるように、回転ミラー110とダイクロイックミラー112とは、一緒に回転し得る。例えば、ダイクロイックミラーと回転ミラーとは、ダイクロイックミラーが、回転ミラー110に向かって光を反射する状態で、同じ回転または角速度において、または同じ段階的方式において、同じ軸まわりに回転し得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、ビーム分割器108から、光が、求心光路204に沿って続き、ダイクロイックミラー112を通過し得る。そのような実施形態において、ダイクロイックミラーは、光源104によって放出された波長の光が、それを通して伝送されることを可能にする。ダイクロイックミラー112を通過した後、光は、患者の水晶体および角膜を通して求心光路202に沿って患者の眼の中に進行し続け、光は、患者の網膜116の中心窩上のスポットを照明する。本明細書において議論されるように、ダイクロイックミラー112は、患者の眼の中心軸まわりに、または求心光路202まわりに回転し得る。しかしながら、ダイクロイックミラーの回転は、光源102から患者の眼の中、および中心窩上への光の伝送に影響を及ぼさないこともある。
【0048】
上で議論される実施形態において、光源102からの光と光源104からの光とは、光源102が、光を放出しているとき、光源104が、光を放出せず、逆もまた同様であるように、異なる時間間隔中、放出される。そのような実施形態において、光源102からの光と光源104からのと光は、同じ波長でないこともある。光源102、104の交互に入れ替わるアクティブ化によって、撮像機120は、中心窩上に形成されるスポットおよび黄斑上に形成されるスポットを別個に撮像することが可能であり得る。そのような実施形態において、ダイクロイックミラー112は、例えば、入射光の一部を求心光路202に沿って伝送するが、入射光の一部を求心経路204に沿って反射する回転プリズムまたは半ミラーと置き換えられ得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、光源102と光源104とは、同じ期間中、例えば、重複する時間において、または実質的に同時に光を放出し得る。そのような実施形態において、ダイクロイックミラー112は、同時に、求心経路202に沿った、第1の波長の光源102、104のうちの第1のものからの光の通過を可能にしながら、求心経路204に沿った第2の波長の光源102、104のうちの第2のものからの光を反射し得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、複数の波長を放出する、単一の光源が、使用され得る。そのような実施形態において、ダイクロイックミラー112は、単一の光源によって放出される波長の第1のものを求心経路202に沿って中心窩上に伝送するが、単一の光源によって放出される波長の第2のものを求心経路204に沿って、中心窩の外側の周辺網膜場所または黄斑場所等、中心窩の外側の網膜の非中心場所上に反射し得る。画像センサ120は、複数の波長を重複する時間において、例えば、同時に測定するために、複数の波長の第1の波長を撮像機の第1のピクセル上に選択的に通すための第1のフィルタと、複数の波長の第2の波長を複数のピクセルの第2のピクセル上に選択的に通すための第2のフィルタとを備え得る。
【0051】
図3は、患者の眼の屈折誤差をマップするための
図1のシステムの遠心光路302、304の略図を示す。遠心光路302、304は、それぞれ、求心光路202、204に沿って進行する光で照明された網膜の場所から発生させられる。システム100の動作の間、網膜116の周辺からの光が、遠心経路304に沿って回転ミラー110まで進行し得る。回転ミラー110に入射した光は、ミラー110の反射面からダイクロイックミラー112に向かって反射される。
図3に示される実施形態において、ダイクロイックミラー112は、遠心経路304に沿って進行する波長の光を反射し、遠心経路304に沿って進行する波長光は、遠心経路204に沿って進行する光に類似する波長を含み、遠心経路204に沿って進行する光は、網膜の照明された場所から反射されたもの、または散乱させられたもののうちの1つ以上である。反射された光は、次いで、マイクロレンズレットアレイ118上にビーム分割器108を通過する。ビーム分割器108は、例えば、部分反射ビーム分割器または偏光ビーム分割器を含み得る。いくつかの実施形態において、ビーム分割器108は、偏光ビーム分割器を含み、円形偏光器が、例えば、ビーム分割器108とミラー112との間に位置する。
【0052】
単一の光路として描写されているが、遠心経路304は、複数の光路を含み得る。レーザビーム等の単一の光のビームが、求心光路202、204に沿って進行し、中心窩と、中心窩から離れた網膜の場所とを含む中心場所上にそれぞれのスポットを形成し得るが、求心光路は、中心窩上の場所および中心窩から離れた網膜の場所におけるそれぞれのスポットを起点とする複数の光路を含み得、遠心経路302、304に沿って、マイクロレンズレットアレイ118内の複数のレンズレットの各々まで進行する。レンズレットの各々までの遠心経路は、患者の眼の屈折特性によって影響を及ぼされ得、患者の眼の屈折特性は、患者の水晶体および角膜に対する網膜の相対距離を含み、患者の水晶体および角膜の屈折特性も含む。いくつかの実施形態において、Badal視力測定装置等の追加の光学構成要素が、眼の屈折誤差に関して補正するように、求心光路202、204および遠心光路302、304の共通の光路に沿って導入されることができる。
【0053】
マイクロレンズアレイは、それぞれのスポットの各それぞれの画像を撮像デバイス120上に集中させる。システム100は、正視の眼の場合、画像センサ120上に形成されるスポットの画像が正視の眼に対応する位置(既知の位置等)に位置するが、屈折誤差または他の異常を患う目が正視の眼の対応する位置と比較して画像センサ120上の異なる場所にスポットを生産し得るように、構成され得る。
【0054】
コンピューティングデバイス122(明確化のために
図2および3から省略される)は、画像センサ上のスポットの画像の位置のずれに基づいて、患者の眼の屈折誤差を決定し得る。中心窩上のスポットおよび黄斑の周りの場所等の網膜の周辺上の複数の場所におけるスポットを撮像することによって、異なる網膜場所に関する患者の眼の屈折マップが、決定され得る。いくつかの実施形態において、屈折マップは、網膜の複数の場所の各々に関する球状の光出力を含む。
【0055】
図4Aおよび4Bは、
図1のシステムのセンサ120上に投影された光を示す。
図4Aは、網膜上の求心光ビームの場所の1つの照明のために、マイクロレンズレットアレイ122によってセンサ上に形成される複数のスポット306を伴うセンサ120を示し、例えば、1つの光ビームが、中心窩上の1つの場所または周辺網膜等の中心窩から離れた網膜の場所上を照明する。
図4Aに示されるように、スポット306の各々は、複数の結像エリア402のうちの対応する結像エリア上の場所に形成される。いくつかの実施形態において、スポットの各々は、各対応する結像エリア402の中心と整列させられている。いくつかの実施形態において、これは、患者の眼の結像された部分が、網膜上のその場所に関して正視であること、およびその場所において実質的に平面状の波面を有することを示す。いくつかの実施形態において、センサ120は、列404、406、408、および410等の複数の列と、行412、414、416、および418等の複数の行とを備えている。いくつかの実施形態において、ある領域の場所は、領域の行および列によって定義され、その領域の場所は、瞳孔の場所に対応する。本明細書に説明されるようなマッピングは、各網膜場所に関する瞳孔に関する眼の屈折データをマップするために、網膜の各場所に関する瞳孔に関する眼の屈折誤差をマップするために使用されることができる。
【0056】
図4Cは、屈折誤差に対応する結像エリア上のスポットのオフセットを示す。場所306Aは、結像エリア402の略中心場所306Aを示し、スポット306Bが、正視に対応する場所306Aから離れた場所に形成される。複数の結像エリア402の各々の中心に対する複数のスポット306の場所は、網膜の対応する場所における眼の光学特性を決定するために使用されることができる。例えば、対応するエリア406の中心場所からのスポット306のずれは、眼の屈折誤差、非平坦波面、または収差のうちの1つ以上を示す。複数の結像エリアのそれぞれの中心に形成されるスポット306が、参照されるが、スポットの場所は、変動することができ、コンピューティングデバイスは、複数のエリア402の各々に関するスポット306の場所を識別し、対応するエリア402内のスポット306の場所に応答する、眼の屈折誤差、波面、または収差のうちの1つ以上を決定するように構成されることができる。正視に対応する各結像エリアの中心におけるスポットが参照されるが、いくつかの実施形態において、コンピューティングデバイスは、当業者によって理解されるであろうように、正視に対応するスポットの位置が各エリアの中心から離れるように位置し得るように、システム整列および他の要因に関連してスポットのオフセットに関して補正するように較正されることもできる。
【0057】
いくつかの実施形態において、眼の瞳孔は、レンズレットアレイ上に結像され、複数の結像エリア402の各々は、瞳孔の領域に対応する。スポット306のこれらの場所は、光ビームを用いて照明される網膜の場所に関する屈折データを決定するために使用されることができる。屈折データは、網膜の照明された場所に関する1つ以上の球面度数、円柱度数、軸度、収差、球面収差、コマ収差トレフォイル、波面データ、ゼルニケ係数、または波面マップを含み得る。網膜上の複数の場所の各々に関して、類似のスポットパターンおよび屈折データが、網膜の複数の場所の各々に関する屈折マップを提供するように発生させられることができる。本明細書に説明されるような任意の適切な屈折データが、網膜の複数の場所の各々に関してマップされることができる。例えば、眼の二乗平均平方根(RMS)波面誤差が、本明細書に説明されるような網膜の複数の場所および他の屈折データの各々に関してマップされることができる。
【0058】
図4Aに示される画像センサ120は、複数の結像エリア402、例えば、4×4の正方形アレイにおける16個の結像エリアを含む。そのような実施形態において、対応するマイクロレンズレットアレイは、類似する4×4の正方形アレイにおける16個のマイクロレンズまたはレンズレットを含み得る。各結像エリア402は、複数のピクセルを備え得る。4×4アレイが、参照されるが、任意の適切にサイズを決定されたアレイも、使用されることができ、アレイは、非長方形形状を含み得る。
【0059】
図4Aに示される画像は、単一の光源のみが、特定の期間中に動作させられ、それに応じて、患者の網膜上の単一のスポットのみが、撮像センサ120によって撮像されるシステム100の動作に対応し得る。
【0060】
図4Bに示される画像は、単一の広帯域光源から、または異なる波長を放出する複数の光源から等の波長を含む複数のビームが、特定の期間中に患者の網膜上に投影され、それに応じて、患者の網膜上の2つのスポットが、撮像センサ120によって撮像されるシステム100の動作に対応し得る。この図は、屈折データ、例えば、眼の屈折が、網膜の異なる場所に関していかに変化し得るかも図示する。第1のスポット306は、患者の眼の中心窩上に投影されるスポットの画像に対応し得る一方、第2のスポット310は、患者の眼の中心窩から離れた周辺網膜または黄斑のエリア上等、中心窩から離れて投影されるスポットの画像に対応し得る。
図4Bに示されるように、画像センサ120の列404および410内のスポット310の画像が、それぞれの結像エリアの中心から変位させられており、中心窩上に投影された光に対応するスポット306からも変位させられている。本明細書に説明されるように、領域402の各々は、瞳孔の領域に対応し得る。故に、スポットのこのオフセットは、患者の網膜上のスポットの場所に対応する屈折誤差と、眼の瞳孔の対応する場所に関する対応する波面誤差とが存在することを示す。列406および408において、患者の中心窩上に投影された光からのスポット306が、患者の中心窩から離れた黄斑および周辺網膜の場所等、中心窩から離れた場所における網膜上に投影された光からのスポット310と重複する。スポットの重複は、眼の屈折特性が、センサ120上の列406および408に対応する瞳孔の場所に関する中心窩測定光ビームと非中心窩測定光ビームとに関して類似していることを示す。
【0061】
各網膜場所に関して、瞳孔に関する屈折データが、決定され、それに応じて処理されることができる。例えば、各網膜場所に関して、瞳孔に関する波面マップが、発生させられることができる。代替として、または組み合わせにおいて、屈折データは、網膜場所に関する眼の屈折を発生させるように処理されることができる。いくつかの実施形態において、網膜場所毎の屈折誤差は、網膜場所に関する屈折誤差のマップを発生させるために使用される。マップされる屈折誤差は、網膜にわたる屈球面等価屈折誤差のマップ、網膜にわたる球面度数のマップ、または網膜にわたる円柱度数のマップを含み得る。類似のマップが、網膜にわたる球面収差のマップ、網膜にわたるコマ収差のマップ、または網膜にわたるトレフォイルのマップ等、本明細書に説明されるような他のタイプの屈折データに関して発生させられることができる。いくつかの実施形態において、ゼルニケ係数が、網膜にわたる収差のマップを発生させるために使用される。当業者が理解するであろうように、より低次のゼルニケ係数が、プリズム量、球面度数、および円柱度数に対応し、より高次のゼルニケ係数が、球面収差およびトレフォイル等の収差に対応する。いくつかの実施形態において、網膜にわたるマップが、複数のゼルニケ係数の各々に関して発生させられる。例えば、瞳孔の測定されたエリアに関するゼルニケ係数が、網膜上の第1の測定ビーム場所に関して決定されることができ、ゼルニケ係数が、網膜上の第2の測定場所に関して決定されることができ(網膜上の測定場所の総数まで)、測定された場所に関するゼルニケ係数のマップが、発生させられることができる。このプロセスは、追加のゼルニケ係数に関して繰り返されることができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、スポット306および310は、異なる波長であり得る。異なる波長のスポットを同時に撮像するために、各結像エリア402内の複数のピクセルは、例えば、本明細書に説明されるように、対応するフィルタを有し得る。代替として、異なる場所が、本明細書に説明されるように、順次結像されることもできる。
【0063】
2つ以上の異なる波長を結像するように設計されるセンサでは、アレイは、アレイ内のあらゆる他のピクセルが第1の波長の光を受け取るが、近隣のピクセルが第2の波長の光を受け取るように、交互に入れ替わるフィルタを有し得る。いくつかの実施形態において、システムは、画像センサ120の正面に選択的に設置される、2つ以上のフィルタを含み得る。いくつかの実施形態において、異なる波長の照明および結像が、同時に実施される。代替として、または組み合わせにおいて、第1の波長の光が、第1の期間中に結像され得る一方、第2の波長の光が、第2の期間において結像される。
【0064】
図1-4Cは、Hartman Shack波前面センサのレンズレットアレイ等のレンズレットアレイを備えているシステム100を参照するが、システム100は、レンズレットアレイを伴わない多くの代替方法においても構成されることができる。いくつかの実施形態において、求心光路202、204または206のうちの1つ以上は、掃引源OCT測定ビーム等の光干渉断層撮影(「OCT」)測定ビームの光を含み、遠心光路302、304、306のうちの1つ以上は、本明細書に説明されるように、場所における網膜からのOCT光を含み、OCT測定ビームは、眼の軸長を測定するために使用される。いくつかの実施形態において、光源102または光源104のうちの1つ以上は、対応する求心ビームを発生させるために使用されるOCT光源を備え、光源102または光源104のうちの1つ以上は、本明細書に説明されるように、光を中心窩、および中心窩から離れた網膜の場所に伝送するように構成される。検出器およびレンズレットアレイは、本明細書に説明されるように、複数の場所における眼の屈折誤差をマップするためのコンピューティングデバイス122に結合されたOCT測定構成要素に置き換えられることができ、その構成要素は、本開示の教示に従って、当業者によって理解されるであろう。いくつかの実施形態において、システム100は、走査スリット自動屈折器を備え、走査スリット自動屈折器は、本明細書に説明されるように、中心窩および中心窩から離れた眼の場所に対する眼の屈折を測定するように構成される。例えば、光源102または光源104のうちの1つ以上は、求心光路202、204、206に沿って求心測定ビームを提供するための走査スリット自動屈折器の光源を備え、コンピューティングデバイス122に結合された検出器は、本明細書に説明されるように、複数の網膜場所における眼の屈折誤差をマップするために、求心光路302、304、306に沿って求心光を測定するように構成される。システム100は、当業者によって理解されるであろうように、本明細書に説明されるような眼の屈折データを測定するための好適な光学、機械、および電気構成要素で構成されることができる。
【0065】
図5は、中心窩、および中心窩の外側の黄斑および周辺網膜等、中心窩から離れた網膜の場所をマップする方法500を示す。ステップ502において、中心網膜または中心窩が、照明される。システム100において、コンピューティングデバイス120上のメモリ内に記憶される命令が、第1の光源102をオンにするために、信号が第1の光源102に送信されるようにするために、プロセッサによって実行され得る。第1の光源102から放出された光は、患者の中心網膜または中心窩上にスポットを形成するために、
図1-3に関して上で説明されるように、1つ以上の光学要素を通して投影され得る。
【0066】
ステップ504において、患者の中心網膜または中心窩上に投影されたスポットからの遠心光302が、
図1-3に関して上で説明されるように、マイクロレンズレットアレイ118を含む、1つ以上の光学要素を通して投影される。マイクロレンズ118からの光が、撮像デバイス120等の撮像デバイス上に投影される。コンピューティングデバイス122上のメモリ内に記憶された命令が、プロセッサによって実行され得、プロセッサは、第1の光源の照明中に撮像デバイス122上に投影された画像を撮像デバイス122に記録させるための信号を撮像デバイス122に送信し得る。
【0067】
ステップ506において、網膜は、中心窩の外側の黄斑の場所または周辺網膜の場所等、中心窩の外側の場所において照明される。システム100において、コンピューティングデバイス120上のメモリ内に記憶された命令が、プロセッサによって実行され得、プロセッサは、第2の光源104をオンにするために、信号が第1の光源102に送信されるようにする。第1の光源104から放出された光は、中心窩の外側の周辺網膜または黄斑の場所等、中心窩から離れた網膜上の第1の場所にスポットを形成するために、
図1-3に関して上で説明されるように、1つ以上の光学要素を通して投影され得る。
【0068】
ステップ508において、中心窩から離れた周辺網膜または黄斑等、中心窩から離れた網膜の場所上に投影されたスポットからの遠心光304が、
図1-3に関して上で説明されるように、マイクロレンズレットアレイ118を含む、1つ以上の光学要素を通して投影される。マイクロレンズ118からの光が、撮像デバイス120等の撮像デバイス上に投影される。コンピューティングデバイス122上のメモリ内に記憶された命令が、プロセッサによって実行され得、プロセッサは、第2の光源の照明中に撮像デバイス122の上に投影された画像が記録されるようにする信号を撮像デバイス122に送信し得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、ステップ506および508の後、コンピューティングデバイスは、患者の眼の中心軸まわりに、所定の距離等の増分量、回転ミラー110に回転させ得る。その後、ステップ506および508が、繰り返され得る。そのような回転は、スポットの場所を患者の眼の周辺網膜または黄斑上の場所等、中心窩から離れた第2の場所に回転させ得る。この順次的な回転、照明、および捕捉が、患者の眼の周囲を撮像するために繰り返され得る。例えば、ステップ506および508は、患者の網膜の周辺の周りの360°の円を撮像するために、15°の増分において24回繰り返され得る。
【0070】
いくつかの実施形態において、ステップ506および508は、患者の中心窩から種々の周辺オフセットにおいて追加的に繰り返され得、例えば、患者の眼は、患者の中心窩から10°のオフセットにおいて360°の円において、次いで、再び、患者の中心窩から20°のオフセットにおいて360°の円において撮像され得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、ステップ502、504、506、508の各々は、実質的に同じ時間に、例えば、重複する時間または実質的に同時に生じ得る。例えば、第1の光源からの第1の波長の光を用いて中心網膜、例えば、中心窩を照明しながら、第2の波長の第2の光源を用いて中心窩から離れた網膜、例えば、周辺網膜または黄斑を同時に照明するとき、カラーまたはフィルタ処理撮像デバイスが、同じ時間に両方の波長を捕捉し得る。いくつかの実施形態において、ステップ502、504、506、508は、
図5に示されるように、順次生じ得る。
【0072】
図5は、いくつかの実施形態による中心網膜、例えば、中心窩、および中心窩から離れた周辺網膜または黄斑の屈折誤差をマップする方法を示すが、当業者は、多くの適合例および変形例を認識するであろう。例えば、ステップのうちのいくつかが、繰り返されることができ、ステップのうちのいくつかが、省略されることができ、ステップが、任意の好適な順序において実施されることもできる。
【0073】
図6は、患者を予測、診断、計画、および監視するために使用され得る方法600を示す。ステップ602において、患者の眼の焦点が、患者に患者の眼の焦点を緩めさせるために、ぼかされる。いくつかの実施形態において、患者の眼の焦点をぼかすことは、眼を遠方点、例えば、光学無限遠に集中させるように、患者にその眼の遠近調節を緩めさせる。眼の焦点がぼかせられた状態で、ステップ604において、患者の屈折誤差が、マップされる。患者の屈折誤差をマップすることは、中心網膜および非中心網膜、例えば、周辺網膜を撮像し、次いで、それらの画像に基づいて、患者の中心網膜、および中心窩から離れた周辺網膜および黄斑等の非中心網膜の屈折マップを決定するために、方法500のステップを行うことを含み得る。
【0074】
ステップ606において、患者の眼が、刺激され得る。例えば、患者の眼は、患者に患者の眼の焦点を合わることを試みさせるために、近見刺激(near stimulus)を用いて刺激され得る。例えば、患者は、彼らに、刺激に適応するようにその眼の焦点を合わせることを試行させるように、2D刺激を用いて刺激され得る。眼が刺激された状態で、ステップ608において、患者の屈折誤差が、マップされる。患者の屈折誤差をマップすることは、刺激中、患者の中心網膜、例えば、中心窩、黄斑、または周辺網膜のうちの1つ以上を撮像し、次いで、それらの画像に基づいて、患者の中心網膜、および中心窩から離れた黄斑および網膜の周辺場所等の非中心場所の屈折マップを決定するために、方法500のステップを行うことを含み得る。
【0075】
ステップ610において、焦点がぼかせられている間に測定された眼の屈折マップが、遠近調節刺激中に測定された眼の屈折マップと比較され得、これらの屈折マップに基づいて、測定、診断、または計画が、行われ得る。例えば、刺激中、子供達は、刺激の完全な2Dに適応することに失敗し得る。代わりに、子供達の遠近調節は、例えば、1D遅延し得る。遠近調節のそのような遅延は、例えば、患者の将来的近視の予測に関連し得る。遅延が、検出された場合、治療が、近視の発症を遅延、防止、また低減させるために患者に処方され得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、患者の眼の屈折マップは、患者の眼の屈折誤差、患者の網膜の形状の異常、または患者の眼の他の条件を診断するために使用され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、患者は、中心窩から離れた周辺網膜および網膜の場所等、網膜の非中心場所と比較して、中心網膜内に遠近調節の異なる遅延を有し得る。遠近調節のそのような遅延の知識は、医師等の医療提供専門家が遠近調節の周辺遅延を矯正するための治療を処方することにつながる。
【0078】
いくつかの実施形態において、屈折マップは、患者の近視の治療および防止を補助するために使用され得る。例えば、患者の網膜上での焦点ぼかし画像の使用は、患者の眼の長さの変化に関連する患者の脈絡膜または強膜のうちの1つ以上の刺激を引き起こし得る。そのような刺激は、近視の発症を減少させること、防止すること、または逆行させることのうちの1つ以上を行い得る。焦点ぼかし画像は、患者の視覚の周辺から患者の眼の中心窩以外の網膜のエリア上に投影され得る。患者の網膜の周辺の周りの患者の眼の屈折特性のマップを使用することによって、医師等の医療従事者は、中心網膜、例えば、中心窩と、中心窩から離れた周辺網膜および黄斑等、中心窩から離れた網膜のエリアとに関連付けられた屈折特性の差異を考慮するために刺激の焦点ぼかしを調節し得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、
図6のステップが、所与の治療に関する患者の進展または進展のないことを監視するために経時的に繰り返され得る。患者の屈折マップの変化(または変化がないこと)に基づいて、医師は、患者の治療を改変し得る。例えば、患者の進展が、予期されるものよりゆっくりとしている場合、医師は、治療の効果を増加させるために、追加的またはより多くの刺激を処方し得る。逆に、患者の治療が、予期されるものより急速に進展している場合、医師は、患者の予期される進展より急速な進展を考慮するために、早期に治療を行うか、患者の刺激を調節し得る。
【0080】
本明細書に説明されるようなシステムは、光を用いて網膜を測定するように多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態において、第1の光源によって放出された光は、第1の帯域の波長を備え、第2の光源によって放出された光は、第2の帯域の波長を備え、第2の帯域波長は、少なくとも部分的に第1の帯域の波長と重複する。いくつかの実施形態において、第1の光源は、第1の時間において第1の帯域の波長を放出するように構成され、第2の光源は、第1の時間と異なる第2の時間において、第2の帯域の波長を放出するように構成される。
【0081】
軸長が、多くの方法において測定されることができる。いくつかの実施形態において、軸長は、網膜の中心場所と網膜の周辺場所との間の軸長における相対的変化を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは、網膜の中心場所と網膜の周辺場所との間の眼の屈折特性における変化に応答して、軸長における変化を決定するための命令で構成される。いくつかの実施形態において、約1mmの軸長における変化は、約3ジオプタ(「D」)の軸長における変化に対応し、屈折特性のこの変化は、軸長における変化を決定するために使用されることができる。例えば、-1Dの屈折における変化は、約1/3mmの軸長における変化に対応する。いくつかの実施形態において、プロセッサは、OCT測定ビームを用いて網膜の中心場所において測定される軸長と、OCTビームを用いて測定される網膜の周辺場所において測定される軸長との間の差異に応答して、軸長における変化を決定するための命令で構成される。
【0082】
図7は、網膜の中心および周辺場所における眼の屈折誤差をマップするためのシステム700を示し、システムは、刺激と、瞳孔カメラとを備えている。システム700は、本明細書に説明されるように、システム100の1つ以上の構成要素を備え得る。いくつかの実施形態において、システム700は、眼に刺激を提供するために、本明細書に説明されるように、コンピューティングデバイス122に結合された刺激105と、ミラーまたはビーム分割器等の反射構成要素109とを備えている。いくつかの実施形態において、システム700は、眼の瞳孔714の場所を測定するためのコンピューティングデバイス122に結合された光学構成要素113と、センサアレイ115とを備えている。いくつかの実施形態において、光学構成要素113およびセンサアレイ115は、本明細書に説明されるように、求心光路および遠心光路に沿って、ミラーまたはビーム分割器等の反射構成要素111と結合される。光学構成要素113は、センサアレイ上に瞳孔の画像を形成するための1つ以上のレンズを備え得る。いくつかの実施形態において、センサアレイ115および光学構成要素113は、瞳孔カメラの構成要素を構成する。
【0083】
いくつかの実施形態において、刺激105は、刺激の近見視力提供または遠見視力提供等のために、眼に提供されるようなジオプトリにおける刺激の両眼離反運動を調節するための1つ以上のレンズを備えている。代替として、または組み合わせにおいて、刺激は、眼の側方位置を刺激からの眼の視距離と一致するように調節するためのレンズまたはプリズムまたはディスプレイ等の1つ以上の構成要素を備え得る。
【0084】
図8は、両眼刺激810を伴う網膜の中心および周辺場所における眼の屈折誤差をマップするためのシステム800を示す。システムは、患者の眼114Aの構成要素を測定するためのシステム700Aと、患者の他眼114Bを測定するためのシステム700Bとを備え得る。システム700Aおよびシステム700Bの各々は、本明細書に説明されるように、システム700の1つ以上の構成要素を備え得る。両眼刺激810の近見視力構成において、眼の通視線821Aは、両眼刺激に向かって方向づけられ、他眼の通視線821Bは、両眼刺激810に方向づけられる。刺激に向かった適切な両眼離反運動を伴う眼では、眼の両眼離反運動角度823Aおよび他眼の両眼離反運動角度823Bは、眼から刺激までの距離、および各眼と刺激との間のオフセット角度に対応する。両眼刺激が、遠見視力構成内にあるとき、例えば、眼114Aおよび他眼114Bからの無限の距離に対応するとき、眼114Aは、通視線820Aに沿って両眼刺激810を視認し、眼114Bは、通視線820Bに沿って両眼刺激810を視認する。
【0085】
いくつかの実施形態において、刺激105の側方場所が、両眼刺激800の側方のオフセット827A、827B、および距離825と一致するように、システム700Aおよびシステム700Bの各々において調節される。いくつかの実施形態において、刺激は、遠見視力に対応するように2メートルまたはそれを上回る距離を置いて位置し(0.5ジオプタ以下の両眼離反運動)、近見視力に対応するように、1メートルまたはそれを下回る距離を空けて位置する(1.0D以上の両眼離反運動)。刺激は、物理オブジェクト、現実画像、または仮想画像のうちの1つ以上を含み得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、システム700Aおよびシステム700Bの各々の瞳孔カメラが、眼の両眼離反運動を決定するために、近見視力構成および遠見視力構成における各眼の瞳孔の位置を測定するように構成される。いくつかの事例では、眼の通視線が、本明細書に説明されるように、患者が、近見視力構成における標的に収束しないこともあり、それは、適切な両眼離反運動を有していないこと、および、それが診断目的および治療計画のために使用され得ることを示し得る。例えば、各眼の瞳孔の位置は、遠見視力構成において測定されることができ、各眼の瞳孔は、近見視力構成において測定されることができる。近見視力構成と遠見視力構成との間の瞳孔のオフセットは、各眼の両眼離反運動角度を測定するために使用されることができる。眼の両眼離反運動角度は、角度823Aおよび823Bと比較されることができる。この比較は、眼の両眼離反運動角度と刺激の角度823Aおよび823Bとに基づいて、眼の両眼離反運動が、刺激の両眼離反運動より遅れるかどうかを決定するために使用されることができる。
【0087】
いくつかの実施形態において、システム700Aまたはシステム700Bの1つ以上の構成要素が、眼114Aおよび他眼114Bの瞳孔間距離(「IPD」)に対応するように調節可能である。例えば、システム114Aまたはシステム114Bのうちの1つ以上は、IPDを調節するために平行移動ステージ上に搭載されることができる。代替として、または組み合わせにおいて、1つ以上の光学構成要素が、IPDを補償するように調節されることができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、刺激に応答して、第1の検出器アレイが、第1の眼の第1の瞳孔を測定するように構成され、第2の検出器アレイが、第2の眼の第2の瞳孔を測定するように構成され、プロセッサは、第1の刺激に応答して、第1の瞳孔と第2の瞳孔との間の第1の距離と、第2の刺激に応答して第1の瞳孔と第2の瞳孔との間の第2の距離とを測定し、第1の刺激および第2の刺激に応答した第1の眼および第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成される。
【0089】
いくつかの実施形態において、光源および刺激光学系は、患者の眼および第2の眼に両眼刺激を提供するためのものであり、光源および刺激光学系は、近傍物体に対応する第1の眼と第2の眼との間の視距離および視角において両眼刺激を提供するように構成される。
【0090】
システムは、両眼刺激を用いて眼の両眼離反運動を測定するように、多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態において、刺激は、本明細書に説明されるように、両眼に提供され、システムは、第1の眼を測定するための第1の眼構成から、第2の眼を測定するための第2の構成に変更される。いくつかの実施形態において、眼の屈折特性、例えば、屈折データが、第1の眼と整列させられた本明細書に説明されるような求心ビームおよび遠心ビームを用いて測定され、第1の眼が、測定され、システムは、順次第2の眼の屈折特性を測定するために、回転させられる。いくつかの実施形態において、システムは、眼が測定されている間、眼および他眼に両眼刺激を提供するための光学系と、次いで、第2の眼を測定し、第1の眼に刺激を提供するように調節されるミラーまたは他の構成要素とを備えている。いくつかの実施形態において、システムは、第1の眼の測定のために患者に結合するための鼻ブリッジまたは他の構造を備え、次いで、光学系および測定システムは、第2の眼を測定するために位置変更される。
【0091】
いくつかの実施形態において、検出器アレイは、瞳孔に提供される刺激に応答して、瞳孔のサイズまたは場所のうちの1つ以上を測定するためのものである。いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の眼の第1の瞳孔および第2の眼の第2の瞳孔を測定し、刺激に応答した第1の眼および第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成される。
【0092】
いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の刺激に応答して、第1の瞳孔と第2の瞳孔との間の第1の距離と、第2の刺激に応答して第1の瞳孔と第2の瞳孔との間の第2の距離とを測定し、第1の刺激および第2の刺激に応答した第1の眼および第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成される。
【0093】
いくつかの実施形態において、検出器アレイは、第1の瞳孔からの第1の位置を測定するための第1の位置から移動し、第2の瞳孔からの第2の位置を測定するために第2の位置まで移動するように構成される。
【0094】
システムは、当業者によって理解されるであろうように、遠隔サーバ、例えば、クラウドベースのサーバ等の遠隔のデジタルデバイスを用いて動作するように、多くの方法において構成されることができる。いくつかの実施形態において、プロセッサは、本明細書に説明されるような、眼の屈折特性、例えば、屈折データを遠隔サーバに伝送するための命令で構成される。いくつかの実施形態において、遠隔サーバに伝送されるデータは、本明細書に説明されるように、中心場所および周辺場所に関するデータを含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは、眼の屈折データのマップを遠隔サーバに伝送するように構成される。遠隔サーバは、眼の屈折特性を受信し、記憶し、屈折特性を医療提供専門家または家族の一員等の遠隔ユーザのモバイルコンピューティングデバイスに伝送するように構成される。モバイルコンピューティングデバイスは、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、またはデスクトップコンピュータ等の任意の好適なデバイスを含み得る。本明細書に説明されるような屈折データは、例えば、遠隔ユーザによって、分析、診断、および治療計画のために使用されることができる。
【0095】
本明細書に説明されるように、本明細書に説明および/または図示されるプロセッサまたはコンピューティングデバイスおよびシステムは、広く、本明細書に説明されるモジュール内に含まれるもの等のコンピュータ読み取り可能な命令を実行することが可能である任意のタイプまたは形態のコンピューティングデバイスまたはシステムを表す。それらの最も基本的構成において、これらのコンピューティングデバイスは、各々、少なくとも1つのメモリデバイスと、少なくとも1つの物理的プロセッサとを備え得る。
【0096】
本明細書で使用されるように、用語「メモリ」または「メモリデバイス」は、概して、データおよび/またはコンピュータ読み取り可能な命令を記憶することが可能である任意のタイプまたは形態の揮発性または不揮発性記憶デバイスまたは媒体を表す。一例では、メモリデバイスは、本明細書に説明されるモジュールのうちの1つ以上を記憶、ロード、および/または維持し得る。メモリデバイスの例は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、固体ドライブ(SSD)、光ディスクドライブ、キャッシュ、そのうちの1つ以上の変形例または組み合わせ、または任意の他の好適な記憶メモリを含む。
【0097】
加えて、本明細書で使用されるように、用語「プロセッサ」または「物理的プロセッサ」は、概して、コンピュータ読み取り可能な命令を解釈および/または実行することが可能である任意のタイプまたは形態のハードウェアによって実装される処理ユニットを指す。一例では、物理的プロセッサは、上で説明されるメモリデバイス内に記憶された1つ以上のモジュールにアクセスする、および/またはそれを修正し得る。物理的プロセッサの例は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット(CPU)、ソフトコアプロセッサを実装するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、そのうちの1つ以上の一部、そのうちの1つ以上の変形例または組み合わせ、または任意の他の好適な物理的プロセッサを含む。プロセッサは、例えば、並行プロセッサ、またはサーバ等の遠隔プロセッサ、およびそれらの組み合わせを起動する、分散型プロセッサシステムを含み得る。
【0098】
別個の要素として例証されているが、本明細書に説明および/または例証される方法ステップは、単一のアプリケーションの一部を表し得る。加えて、いくつかの実施形態において、これらのステップのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに、方法ステップ等の1つ以上のタスクを実施させ得る1つ以上のソフトウェアアプリケーションまたはプログラムを表し得るか、またはそれに対応し得る。
【0099】
加えて、本明細書に説明される装置またはデバイスのうちの1つ以上は、データ、物理的デバイス、および/または物理的デバイスの表現を1つの形態から別のものに変換し得る。加えて、または代替として、本明細書に列挙されるモジュールのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイス上で実行するコンピューティングデバイス上でデータを記憶する、および/またはコンピューティングデバイスと別様に相互作用することによって、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、および/または物理的コンピューティングデバイスの任意の他の部分をコンピューティングデバイスの1つの形態からコンピューティングデバイスの別の形態に変換し得る。
【0100】
本明細書において使用されるように、用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、概して、コンピュータ読み取り可能な命令を記憶または搬送することが可能である任意の形態のデバイス、キャリア、または媒体を指す。コンピュータ読み取り可能な媒体の例は、限定ではないが、搬送波等の伝送タイプ媒体、磁気記憶媒体等の非一過性タイプ媒体(例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、およびフロッピー(登録商標)ディスク)、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびBLU-RAY(登録商標)ディスク)、電子記憶媒体(例えば、固体ドライブおよびフラッシュメディア)、および他の分配システムを含む。
【0101】
当業者は、本明細書に開示されるいかなるプロセスまたは方法も、多くの方法において修正され得ることを認識するであろう。本明細書に説明および/または例証されるプロセスパラメータおよびステップのシーケンスは、一例として与えられるにすぎず、所望に応じて変動され得る。例えば、本明細書に例証および/または説明されるステップは、特定の順序において示される、または議論され得るが、これらのステップは、必ずしも例証または議論される順序において実施される必要があるわけではない。
【0102】
本明細書に説明および/または例証される種々の例示的方法はまた、本明細書に説明または例証されるステップのうちの1つ以上を省略する、または開示されるものに加えて、追加のステップを含み得る。さらに、本明細書に開示されるような任意の方法のステップが、本明細書に開示されるような任意の他の方法のうちのいずれか1つ以上のステップと組み合わせられることができる。
【0103】
本明細書に説明されるように、プロセッサは、本明細書に開示される任意の方法の1つ以上のステップを実施するように構成されることができる。代替として、または組み合わせにおいて、プロセッサは、本明細書に開示されるような1つ以上の方法の1つ以上のステップを組み合わせるように構成されることができる。本明細書に開示されるようなプロセッサは、本明細書に開示されるように、任意の方法の任意の1つ以上のステップを実施するための命令で構成されることができる。
【0104】
別様に注記されない限り、本明細書および請求項において使用されるように、用語「~に接続される」および「~に結合される」(およびそれらの派生語)は、直接的接続および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介した)接続の両方を可能にするものとして解釈されるものとする。加えて、本明細書および請求項において使用されるように、用語「a」または「an」は、「~のうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるものとする。最後に、使用し易さのために、本明細書および請求項において使用されるように、用語「~を含む(including)」および「~を有する(having)」(およびそれらの派生語)は、同義的であり、単語「~を備えている(comprising)」と同じ意味を有するものとする。
【0105】
用語「第1」、「第2」、「第3」等が、本明細書では、事象のいかなる特定の順序またはシーケンスに言及することなく、種々の層、要素、構成要素、領域、または区分を説明するために使用され得ることを理解されたい。これらの用語は、1つの層、要素、構成要素、領域、または区分を別の層、要素、構成要素、領域、または区分から区別するために使用されるにすぎない。本明細書において説明されるような第1の層、要素、構成要素、領域、または区分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の層、要素、構成要素、領域、または区分と称され得る。
【0106】
本明細書で使用されるように、用語「または(or)」は、物品を代替として、および組み合わせにおいて、包括的に指すために使用される。
【0107】
本明細書で使用されるように、番号等の文字は、同様の要素を指す。
【0108】
本開示は、以下の付番される付記を含む。
【0109】
付記1.眼の相対的屈折特性を測定するための装置であって、装置は、光を放出するように構成された1つ以上の光源と、1つ以上の光源によって放出された光を網膜の中心窩場所および網膜の非中心窩場所上に投影するように配置された投影光学系と、網膜の中心窩場所および網膜の非中心窩場所上に投影された光から複数の画像を発生させるように配置された結像光学系と、遠心光学系からの複数の画像を捕捉するように構成された撮像デバイスと、撮像デバイスに結合されたプロセッサであって、網膜の中心窩場所および網膜の非中心窩場所に関する眼の屈折特性を決定するように構成されている、プロセッサとを備えている、装置。
【0110】
付記2.眼は、瞳孔を備え、網膜の中心窩場所への光は、第1の角度において瞳孔を通して進行し、網膜の非中心窩場所への光は、第1の角度と異なる第2の角度において瞳孔を通して進行し、網膜の中心窩場所に関する眼の屈折特性は、第1の角度において瞳孔を通して中心窩場所まで進行する光に対応し、網膜の非中心窩場所に関する眼の屈折特性は、第2の角度において瞳孔を通して進行する光に対応する、付記1に記載の装置。
【0111】
付記3.結像光学系は、レンズまたはレンズレットアレイのうちの1つ以上を備え、複数の画像は、スリットの複数の画像またはスポットパターンの複数の画像のうちの1つ以上を備えている、付記1に記載の装置。
【0112】
付記4.網膜の中心窩場所に関する眼の屈折特性は、第1の球面度数、第1の円柱度数、第1の軸度、第1の等価球面度数、波面マップの第1の係数、または第1の波面マップのうちの1つ以上を備え、網膜の非中心窩場所に関する眼の屈折特性は、第2の球面度数、第2の円柱度数、第2の軸度、第2の等価球面度数、第2の波面マップの第2の係数、または第2の波面マップのうちの1つ以上を備えている、付記1に記載の装置。
【0113】
付記5.プロセッサは、撮像デバイスによって捕捉された複数の画像に基づいて眼の屈折マップを発生させるための命令を備え、屈折マップは、網膜の中心窩場所に対応する第1の屈折特性と、網膜の非中心窩場所に対応する第2の屈折特性とを備えている、付記1に記載の装置。
【0114】
付記6.1つ以上の光源および投影光学系は、1つ以上の光源によって眼の中に放出された光を第1の求心光路に沿って網膜の中心窩場所に投影し、第2の求心光路に沿って網膜の非中心窩場所に投影するように配置されている、付記1に記載の装置。
【0115】
付記7.網膜の中心窩場所は、中心網膜の黄斑内の中心窩を備え、網膜の非中心窩場所は、黄斑の外側に網膜の場所を備えている、付記6に記載の装置。
【0116】
付記8.第2の求心光路は、第1の求心光路の角度から少なくとも10度の角度に配置されている、付記7に記載の装置。
【0117】
付記9.1つ以上の光源のうちの第1のものからの光が、第1の求心光路に沿って投影され、1つ以上の光源のうちの第2のものからの光が、第2の求心光路に沿って投影される、付記7に記載の装置。
【0118】
付記10.第1の光源によって放出された光は、第1の波長を備え、第2の光源によって放出された光は、第2の異なる波長を備えている、付記9に記載の装置。
【0119】
付記11.第1の波長および第2の波長は、近赤外スペクトル内の波長を含む、付記10に記載の装置。
【0120】
付記12.第1の波長および第2の波長は、少なくとも10nm、随意に、少なくとも50nm分離されている、付記10に記載の装置。
【0121】
付記13.第1の求心光路は、眼の中心軸に沿って眼に入射し、第2の求心光路は、眼の中心軸に対してある角度で眼に入射する、付記8に記載の装置。
【0122】
付記14.結像光学系は、レンズレットアレイを備えている、付記1に記載の装置。
【0123】
付記15.レンズレットアレイは、2次元アレイを備えている、付記14に記載の装置。
【0124】
付記16.レンズレットアレイは、丸みを帯びたレンズレット、屈折率分布型レンズレット、回折レンズレット、または交差円筒形ロッドのうちの1つ以上の複数のものを備えている、付記1に記載の装置。
【0125】
付記17.結像光学系は、撮像デバイスと患者の眼との間に配置されている、付記1に記載の装置。
【0126】
付記18.撮像デバイスは、CCDまたはCMOS撮像センサのうちの1つ以上を備えている、付記1に記載の装置。
【0127】
付記19.撮像デバイスは、光の第1の波長および光の第2の波長を別個に捕捉するように構成される、付記10に記載の装置。
【0128】
付記20.撮像デバイスは、光の第1の波長に対して感度が高いピクセルの第1の組と、光の第2の波長に対して感度が高いピクセルの第2の組とを備えている、付記1に記載の装置。
【0129】
付記21.ピクセルの第1の組上に投影された光は、第1の波長の光を除外するようにフィルタ処理され、ピクセルの第2の組上に投影された光は、第2の波長の光を除外するようにフィルタ処理される、付記20に記載の装置。
【0130】
付記22.第1の光源によって放出された光は、第1の帯域の波長を備え、第2の光源によって放出された光は、第2の帯域の波長を備え、第2の帯域波長は、少なくとも部分的に第1の帯域の波長と重複する、付記9に記載の装置。
【0131】
付記23.第1の光源は、第1の時間において第1の帯域の波長を放出するように構成され、第2の光源は、第1の時間と異なる第2の時間において、第2の帯域の波長を放出するように構成される、付記22に記載の装置。
【0132】
付記24.投影光学系および結像光学系は、1つ以上の共通の光学要素を備えている、付記1に記載の装置。
【0133】
付記25.プロセッサは、画像に基づいて、眼の軸長を決定するようにさらに構成されている、付記1に記載の装置。
【0134】
付記26.軸長は、網膜の中心窩場所と網膜の非中心窩場所との間の軸長における相対的変化を備えている、付記25に記載の装置。
【0135】
付記27.プロセッサは、網膜の中心窩場所と網膜の非中心窩場所との間の眼の屈折特性における変化に応答して軸長における変化を決定するための命令で構成される、付記26に記載の装置。
【0136】
付記28.プロセッサは、OCT測定ビームを用いて網膜の中心窩場所において測定された軸長と、OCTビームを用いて網膜の非中心窩場所において測定された軸長との間の差異に応答して軸長における変化を決定するための命令で構成される、付記26に記載の装置。
【0137】
付記29.プロセッサは、中心窩における、および中心窩から最大6度の偏心度の範囲に及ぶ眼の軸長を決定するようにさらに構成されている、付記25に記載の装置。
【0138】
付記30.1つ以上の光源、投影光学系、結像光学系、撮像デバイス、およびプロセッサは、OCT測定ビームと、波面測定ビームと、走査スリット測定ビームとから成る群から選択される測定ビームを用いて眼の屈折特性を決定するように構成されている、
【0139】
付記31.測定ビームは、OCT測定ビームを備え、1つ以上の光源は、測定ビームの波長を掃引するための掃引源を備え、投影光学系は、測定ビームを網膜上に集中させるための1つ以上の光学系を備え、結像光学系は、網膜からの遠心光を撮像デバイス上に結像するための光学系を備え、撮像デバイスは、網膜からの光の干渉周波数を測定するための検出器を備え、プロセッサは、基準構造から網膜の中心窩場所および網膜の非中心窩場所の各々における網膜までの距離を測定し、中心窩場所および非中心窩場所における眼の軸長を決定するように構成されている、付記30に記載の装置。
【0140】
付記32.基準構造は、眼の角膜、眼の水晶体、またはOCT測定システムの基準構造のうちの1つ以上を備え、随意に、OCT測定システムの基準構造は、OCT測定システムのミラー、光ファイバ、または結合器のうちの1つ以上を備えている、付記31に記載の装置。
【0141】
付記33.複数の画像は、中心窩場所におけるOCT測定ビームのA走査と、非中心窩場所におけるOCT測定ビームのA走査とを備えている、付記31に記載の装置。
【0142】
付記34.測定ビームは、波面測定ビームを備え、投影光学系は、測定ビームを網膜上に集中させるための1つ以上の光学系を備え、結像光学系は、網膜からの遠心光を複数のスポットを伴う撮像デバイス上に結像するための複数のレンズレットを備え、撮像デバイスは、検出器アレイ上の複数のスポットの各々の場所を測定するためのアレイ検出器を備え、プロセッサは、中心窩場所および非中心窩場所における眼の屈折データを測定するように構成される、付記30に記載の装置。
【0143】
付記35.測定ビームは、走査スリット測定ビームを含み、投影光学は、測定ビームの走査スリットを網膜上に結像するための1つ以上の光学系を備え、結像光学系は、走査スリットを撮像デバイス上に結像するための1つ以上のレンズを備え、撮像デバイスは、スリットを測定するための検出器を備え、プロセッサは、中心窩場所および非中心窩場所における眼の屈折データを決定するように構成されている、付記30に記載の装置。
【0144】
付記36.眼の遠近調節応答を刺激するための刺激と、遠近調節応答を刺激するように刺激の両眼離反運動を調節するための1つ以上の光学系とをさらに備えている、付記1に記載の装置。
【0145】
付記37.投影光学系は、刺激の両眼離反運動を調節するように構成される、付記36に記載の装置。
【0146】
付記38.結像光学系は、投影光学系を用いて調節するように構成される、付記37に記載の装置。
【0147】
付記39.投影光学系および結像光学系は、網膜への求心光および網膜からの遠心光の共通の光路に沿った1つ以上の共通の光学系を備えている、付記38に記載の装置。
【0148】
付記40.瞳孔に提供される刺激に応答して瞳孔のサイズまたは場所のうちの1つ以上を測定するための検出器アレイをさらに備えている、付記1に記載の装置。
【0149】
付記41.プロセッサは、第1の眼の第1の瞳孔および第2の眼の第2の瞳孔を測定し、刺激に応答した第1の眼および第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成される、付記40に記載の装置。
【0150】
付記42.検出器アレイは、第1の瞳孔からの第1の位置を測定するための第1の位置から移動し、第2の瞳孔からの第2の位置を測定するために第2の位置まで移動するように構成される、付記41に記載の装置。
【0151】
付記43.刺激に応答して、第1の眼の第1の瞳孔を測定するための第1の検出器アレイと、第2の眼の第2の瞳孔を測定するための第2の検出器アレイとをさらに備え、プロセッサは、第1の刺激に応答して、第1の瞳孔と第2の瞳孔との間の第1の距離を測定し、第2の刺激に応答して第1の瞳孔と第2の瞳孔との間の第2の距離とを測定し、第1の刺激および第2の刺激に応答した第1の眼および第2の眼の両眼離反運動を決定するための命令で構成される、付記40に記載の装置。
【0152】
付記44.光源と、患者の眼および第2の眼に両眼刺激を提供するための刺激光学系とをさらに備え、光源および刺激光学系は、近傍物体に対応する第1の眼と第2の眼との間の視距離および視角において両眼刺激を提供するように構成される、付記1に記載の装置。
【0153】
付記45.プロセッサは、中心窩場所および非中心窩場所に関する眼の屈折特性を遠隔サーバに伝送するための命令で構成される、付記1に記載の装置。
【0154】
付記46.プロセッサは、眼の屈折データのマップを遠隔サーバに伝送するように構成される、付記45に記載の装置。
【0155】
付記47.眼の屈折特性を受信し、記憶し、屈折特性を遠隔ユーザに伝送するように構成された遠隔サーバをさらに備えている、付記1に記載の装置。
【0156】
付記48.眼の屈折特性を測定する方法であって、方法は、光の第1のスポットを眼の網膜の中心窩場所上に投影することと、中心窩場所上の光の第1のスポットの第1の画像を捕捉することと、光の第2のスポットを網膜の非中心窩場所上に投影することと、非中心窩網膜上の光の第2のスポットの第2の画像を捕捉することと、網膜の中心窩場所および網膜の非中心窩場所における眼の屈折を決定することとを含む、方法。
【0157】
付記49.光の第1のスポットを投影すること、第1の画像を捕捉すること、光の第2のスポットを投影すること、および光の第2のスポットを捕捉することは、同時に生じる、付記48に記載の方法。
【0158】
付記50.光の第1のスポットを投影することおよび第1の画像を捕捉することは、光の第2のスポットを投影することおよび光の第2のスポットを捕捉することの前に生じる、付記48に記載の方法。
【0159】
付記51.光の第1のスポットを投影することおよび第1の画像を捕捉することは、光の第2のスポットを投影することおよび光の第2のスポットを捕捉することの後に生じる、付記48に記載の方法。
【0160】
付記52.第1および第2の画像に基づいて眼の屈折マップを発生させることをさらに含む、付記48に記載の方法。
【0161】
付記53.第1のスポットの第1の画像は、レンズレットアレイによって画像センサ上に投影される第1のスポットの複数の画像を含み、第2のスポットの第2の画像は、レンズレットアレイによって画像センサ上に投影される第2のスポットの複数の画像を含む、付記48に記載の方法。
【0162】
付記54.第2のスポットを網膜の中心窩の周りの非中心窩網膜の複数の場所まで移動させることと、複数の第3の画像を捕捉することであって、第3の複数の画像の各々は、第2のスポットの複数の場所のうちの1つに対応し、第1および第2の画像に基づいて眼の屈折マップを発生させることは、第1、第2、および複数の第3の画像に基づいて屈折マップを発生させることをさらに含む、こととをさらに含む、付記52に記載の方法。
【0163】
付記55.光の第1のスポットを投影することは、第1の波長の光を投影することを含む、付記48に記載の方法。
【0164】
付記56.光の第2のスポットを投影することは、第1の波長と異なる第2の波長の光を投影することを含む、付記55に記載の方法。
【0165】
付記57.画像に基づいて眼の軸長を決定することをさらに含む、付記48に記載の方法。
【0166】
付記58.中心窩におけるおよび中心窩から最大6度の偏心度の範囲に及ぶ眼の軸長を決定することをさらに含む、付記57に記載の装置。
【0167】
付記59.患者の眼の遠近調節のための装置であって、装置は、両眼刺激と、両眼刺激に結合された光学系であって、光学系は、複数の場所における両眼刺激と、眼の遠見視力刺激および近見視力刺激に対応する両眼離反運動とを提供するように構成されている、光学系と、眼の遠見視力構成における眼の遠見視力軸長を測定するためのOCT測定ビームであって、近見視力構成が、眼の近見視力軸長を測定するように構成されている、OCT測定ビームと、OCT測定ビームから網膜からの光を受け取るための検出器と、検出器に結合されたプロセッサとを備え、プロセッサは、近見視力刺激に対応する量より小さい遠見視力軸長と近見視力軸長との間の差異に対応する眼の遠近調節遅延を決定する、装置。
【0168】
付記60.患者の眼の屈折マップを発生させる方法であって、方法は、遠見刺激を用いて眼の焦点をぼかし、眼の遠見視力遠近調節を提供することと、眼の遠見視力遠近調節を用いて患者の眼の第1の屈折マップを発生させることと、近見刺激を用いて患者の眼を刺激し、眼の近見視力遠近調節を提供することと、眼の近見視力遠近調節を用いて患者の眼の第2の屈折マップを発生させることと、患者の眼の第1の屈折マップと患者の眼の第2の屈折マップとを比較することとを含む、方法。
【0169】
付記61.第1の屈折マップは、網膜の中心窩場所の第1の中心屈折と、網膜の複数の非中心窩場所に対応する第1の複数の非中心窩屈折とを備え、第2の屈折マップは、網膜の中心窩場所からの第2の中心窩屈折と、網膜の複数の非中心窩場所に対応する第2の複数の非中心窩屈折とを備えている、付記60に記載の方法。
【0170】
付記62.近見刺激の両眼離反運動は、遠見刺激の両眼離反運動と少なくとも2ジオプタ(D)異なる、付記60に記載の方法。
【0171】
付記63.第1の屈折マップおよび第2の屈折マップに基づいて、患者の眼の遠近調節の遅延を決定することをさらに含む、付記60に記載の方法。
【0172】
付記64.遠近調節の遅延は、近見刺激の量より小さい近見刺激に対する眼の遠近調節を含む、付記63に記載の方法。
【0173】
付記65.近見刺激は、単眼刺激を含む、付記64に記載の方法。
【0174】
付記66.近見刺激は、両眼近見刺激を含む、付記64に記載の方法。
【0175】
付記67.患者の眼の第1の屈折マップを発生させることは、光の第1のスポットを患者の中心網膜上に投影することと、光の第1のスポットの第1の画像を患者の中心網膜上で捕捉することと、光の第2のスポットを患者の非中心窩網膜上に投影することと、光の第2のスポットの第2の画像を患者の非中心窩網膜上で捕捉することとを含む、付記60に記載の方法。
【0176】
付記68.患者の眼の第2の屈折マップを発生させることは、光の第1のスポットを患者の中心窩網膜上に投影することと、光の第1のスポットの第1の画像を患者の中心窩網膜上で捕捉することと、光の第2のスポットを患者の非中心窩網膜上に投影することと、光の第2のスポットの第2の画像を患者の非中心窩網膜上で捕捉することとを含む、付記60に記載の方法。
【0177】
付記69.比較に基づいて、予測、診断、または治療計画を発生させることをさらに含む、付記60に記載の方法。
【0178】
付記70.予測は、近視の将来の発症の予測を含む、付記69に記載の方法。
【0179】
付記71.診断は、患者の非中心窩網膜の遠近調節の差動遅延を含む、付記69に記載の方法。
【0180】
付記72.非中心窩網の遠近調節の差動遅延は、中心窩網膜に関する遠近調節の量より小さい非中心窩網膜に関する遠近調節の量に対応する、付記71に記載の方法。
【0181】
付記73.治療計画は、近視を減少させるための治療において投影された網膜刺激の焦点ぼかしを調節するために、第1および第2のマップから導出される、付記69に記載の方法。
【0182】
付記74.方法であって、先行付記のいずれか1項に記載のプロセッサ命令を実施することをさらに含む、先行方法付記のいずれか1項に記載の方法。
【0183】
付記75.装置であって、プロセッサは、先行方法付記のいずれか1項に記載の方法の1つ以上のステップを実施するように構成される、先行方法付記のいずれか1項に記載の装置。
【0184】
付記76.網膜の中心窩場所は、網膜の中心場所を備え、網膜の非中心窩場所は、網膜の周辺場所または中心窩から離れた網膜の黄斑場所のうちの1つ以上を備えている、先行付記のいずれか1項に記載の方法または装置。
【0185】
付記77.網膜の非中心窩場所は、中心窩から離れた網膜の場所を備えている、先行付記のいずれか1項に記載の方法または装置。
【0186】
本開示の実施形態は、本明細書に記載されるように示され、説明されており、例として提供されるにすぎない。当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多数の適合、変更、変形例、および代用物を認識するであろう。本明細書に開示される実施形態のいくつかの代替物および組み合わせが、本明細書に開示される本開示および発明の範囲から逸脱することなく、利用され得る。したがって、ここで開示される発明の範囲は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲のみによって定義されるものとする。
【国際調査報告】