(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】携帯刺激システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61N 2/12 20060101AFI20231018BHJP
A61N 2/08 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A61N2/12
A61N2/08 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519863
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 US2021071668
(87)【国際公開番号】W WO2022073024
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522170652
【氏名又は名称】ウェイブ・ニューロサイエンス、インク.
【氏名又は名称原語表記】Wave Neuroscience Inc.
【住所又は居所原語表記】1601 Dove St., #205 Newport Beach,CA 92660 UNITED STATES
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス,ジェームズ・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】リング,アレグザンダー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,エリク
(72)【発明者】
【氏名】ウォルク,アルフレッド・ジェニングス
(72)【発明者】
【氏名】ビゴレン,スペンサー
(72)【発明者】
【氏名】メイスン,エドワード・ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C106
【Fターム(参考)】
4C106AA06
4C106BB12
4C106BB22
4C106CC15
(57)【要約】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、刺激エネルギーをユーザに投与する方法を含む。刺激エネルギーは、電気、磁気、ライト、音、または振動エネルギーの任意の組み合わせであってもよい。刺激エネルギーは、ある周波数で適用され得る。例示的な実施形態は、刺激エネルギーを制御し、および/または本明細書に説明されるシステムに関する情報を提供するためのインターフェース、命令、または制御の任意の組み合わせを含み得る。例えば、モバイルデバイスは、刺激エネルギーを投与するための頭部装着可能なデバイスと無線で通信することができるハンドヘルドコントローラとして使用することができる。頭部装着可能なデバイスの例示的な実施形態は、ユーザの電気的活動を検出するための電極も含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの頭部の近くに配置されるように構成された頭部装着デバイス、
使用中にユーザの頭部にエネルギーを提供するように構成された少なくとも1つの刺激源
を含む、ユーザに刺激エネルギーを投与するためのシステム。
【請求項2】
頭部装着デバイスは、ユーザの頭部の一部にフィットするように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの刺激源が、第1の磁石、第2の磁石、および第3の磁石を含み、第1の磁石、第2の磁石、および第3の磁石のそれぞれは、第1の磁石、第2の磁石、および第3の磁石のそれぞれの対称軸の周りを回転するように構成された円筒状の磁石である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第1の磁石は頭部装着デバイスの前部に配置され、第3の磁石は頭部装着デバイスの上部に配置され、第2の磁石は第1の磁石と第3の磁石との間に配置される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
第1の磁石、第2の磁石、および第3の磁石の回転速度を制御するために、頭部装着デバイスと通信するコントローラをさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
頭部装着デバイスは、頭部装着デバイスをユーザの頭部に固定するために頭部装着デバイスの下端部の周りに配置されたバンドを含み、使用中にユーザの頭部に対する頭部装着デバイスの相対位置を維持するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
バンドは、使用中にユーザの頭部にしたがうように可撓性である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
頭部装着デバイスは、少なくとも1つの刺激源を囲むための剛性ハウジングを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
使用中にユーザの脳から電気信号を受信するための1つ以上の電極をさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
頭部装着デバイスが1つ以上のくぼみを含み、1つ以上のくぼみのそれぞれが、1つ以上の電極のうちの1つを受けるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
第1の電極は、第1の磁石と第2の磁石との間に配置され、第2および第3の電極は、第1の磁石から離れて第3の磁石の反対側に配置される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
患者の頭部の近くにエネルギー源を有する頭部装着デバイスを提供すること、
エネルギー源で患者の頭部にエネルギーを提供すること
を含む、ユーザに刺激を投与する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2021年9月30日に出願された米国仮特許出願第63/085,562号に対する優先権を主張し、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)および経頭蓋交流電流刺激(tACS)は、精神障害の症状を改善し、脳機能を修正するために使用されてきた。rTMSは、人の頭部の近くに配置された磁場発生器からの高エネルギーの磁気パルスを使用して、磁気パルスが脳内の所望の治療領域に影響を与えるようにする。tACSは、頭皮に送達される電流パルスを使用する。伝統的に、rTMSまたはtACSパルスは固定周波数で短時間の持続期間に生成される。例えば、典型的なrTMSシステムは、10Hzで5秒の持続期間のパルスを生成することができる。一定期間にわたって生成される一連のパルスは、パルス列と呼ばれる。rTMS治療セッションは、複数のパルス列で構成され得、各パルス列の間に休止期間がある。典型的な休止期間は55秒であり得るため、毎分5秒のrTMSパルスが生成される。
【0003】
エネルギー刺激の例は;例えば;米国特許第8,456,408号;第8,475,354号;第8,480,554号;第8,585,568号;第8,870,737号;第8,926,490号;第9,015,057号;第9,308,385号;第9,649,502号;第9,962,555号;第10,342,986号;第10,350,427号;第10,398,906号;第10,420,482号;および第10,420,953号;および米国公開第2016/0045756号;第2017/0296837号;第2018/0104504号;および第2018/0229049号に見出すことができ、これらのそれぞれは引用によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,456,408号明細書
【特許文献2】米国特許第8,475,354号明細書
【特許文献3】米国特許第8,480,554号明細書
【特許文献4】米国特許第8,585,568号明細書
【特許文献5】米国特許第8,870,737号明細書
【特許文献6】米国特許第8,926,490号明細書
【特許文献7】米国特許第9,015,057号明細書
【特許文献8】米国特許第9,308,385号明細書
【特許文献9】米国特許第9,649,502号明細書
【特許文献10】米国特許第9,962,555号明細書
【特許文献11】米国特許第10,342,986号明細書
【特許文献12】米国特許第10,350,427号明細書
【特許文献13】米国特許第10,398,906号明細書
【特許文献14】米国特許第10,420,482号明細書
【特許文献15】米国特許第10,420,953号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2016/0045756号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2017/0296837号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2018/0104504号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2018/0229049号明細書
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】ユーザによって使用される本発明の実施形態による例示的なシステムの図である。
【
図2】本明細書に説明される実施形態による頭部装着デバイス(HMD)の例示的な斜視図である。
【
図3】本明細書に説明される実施形態による頭部装着デバイス(HMD)の例示的な斜視図である。
【
図4】本明細書に説明される実施形態による頭部装着デバイス(HMD)の例示的な斜視図である。
【
図5】内部構成要素を見ることができるように外部部分が取り除かれた例示的な頭部装着デバイスの図である。
【
図6】本明細書に説明される実施形態による例示的なシステムの図である。
【
図7A】本明細書に説明される実施形態による、例示的なユーザおよび代表的な配置の図である。
【
図7B】本明細書に説明される実施形態による、例示的なユーザおよび代表的な配置の図である。
【
図7C】本明細書に説明される実施形態による、例示的なユーザおよび代表的な配置の図である。
【
図8】本明細書に説明される実施形態によるHMDの一部の例示的な構成要素図である。
【
図9】本明細書に説明される実施形態による、例示的なユーザおよび代表的な配置の図である。
【
図10】本明細書に説明される実施形態による例示的なシステムの図である。
【
図11】本明細書に説明される実施形態による例示的な波形およびウェーブレットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく、例として説明するものである。この説明は、当業者が本発明を作成および使用することを明確に可能にし、本発明を遂行する最良のモードであると現在考えられているものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適応、変形、代替および使用を説明する。図面は、本発明の例示的な実施形態の図的および概略的な表現であり、本発明を限定するものではなく、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことを理解されたい。
【0007】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、ユーザに刺激を与えるための頭部装着デバイスを含む。刺激デバイスは、1つ以上のエネルギー形態のものであってもよい。例えば、刺激デバイスは、磁気エネルギー、電気エネルギー、振動エネルギー、光エネルギー、超音波、無線周波数、音響、およびそれらの組み合わせであってもよい。例示的な実施形態では、磁気エネルギーは周波数を有する磁場である。例示的な実施形態では、電気エネルギーは、周波数を有する電流である。エネルギー源の周波数は、一定、可変、ランダム、ある持続期間一定、およびそれらの組み合わせであってもよい。例示的な実施形態は、ユーザのEEG帯域の固有周波数に影響を与えるために、特定の周波数または周波数の組み合わせで本明細書に説明されるエネルギーを投与するように構成されたシステムおよび方法を含む。例示的な実施形態では、システムおよび方法は、エネルギー源を選択して、ユーザの固有周波数を所望の帯域に引っ張ることを含む。
【0008】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、携帯デバイスを含むことができる。頭部装着デバイスおよびそれに対するシステムは、頭部装着デバイス、コントローラ、および/またはユーザインターフェースを含み得る。システムは、携帯可能で、異なる場所での使用のために容易に移動されるように構成された形状および重量のものであり得る。システムは、ユーザが自宅で使用できるように構成することができる。システムは、別の人の助けなしにユーザが使用するように構成することができる。
【0009】
図1は、本明細書に説明される実施形態による刺激活動のための例示的なヘッドセットシステムを示す。本明細書に説明されるシステムの例示的な実施形態は、ユーザが装着する頭部装着デバイス(HMD)102を含む。本明細書に説明されるシステムの例示的な実施形態は、システムの使用および/またはHMDを介した刺激の適用を可能にするコントローラ104を含む。
【0010】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、刺激エネルギーをユーザに投与する方法を含む。刺激エネルギーは、電気、磁気、ライト、音、または振動エネルギーの任意の組み合わせであってもよい。本明細書に説明される例示的な実施形態は、直径方向に磁化された3つの回転する円筒形磁石を使用して、ユーザの頭部付近に交番磁場を生成する磁石刺激を含む。磁場周波数は、本明細書に説明されるインターフェース、命令、または制御の任意の組み合わせに基づいて設定または制御することができる。例えば、モバイルデバイスは、HMD102と無線で通信し得るハンドヘルドコントローラ104として使用され得る。HMDおよび/またはコントローラは、互いに直接通信することができ、および/またはローカルおよび/またはリモート通信デバイスを通して通信することができる。ハンドヘルドコントローラとヘッドセットとの間の例示的な通信は、有線および/またはブルートゥースを通してなどの無線であってもよい。例えば、ハンドヘルドコントローラ104は、wifiまたはセルラネットワーク上で通信してリモートサーバと通信することができ、一方、HMDも同様に、wifiまたは他のネットワークインターフェース上で通信して、リモートサーバと同様に通信することができる。したがって、リモートサーバは、ハンドヘルドコントローラとHMDを通した刺激エネルギーの適用との間の仲介として機能し得る。
【0011】
例示的な実施形態では、方法は、HMDを通じてユーザに刺激を適用するセッションを実施することを含む。セッションは、定義された時間の期間続く場合がある。ユーザは、コントローラ、HMD、インディケータ、またはその他のインターフェースの任意の組み合わせによって、残り時間、セッションの終了、セッション終了までの時間、セッション終了までのおおよその期間、セッションの現在のステータス、またはセッションに関するその他の情報の任意の組み合わせを通知され得る。例えば、タイマー、カラーコード、光強度、ライトもしくはタイマーバー、ゲージ、または他の視覚的インディケータを使用して、ユーザがセッションの開始時、セッションの途中、またはセッションの終了に向かっているかどうかを示すことができる。他のインディケータは、ユーザがセッションの終わりに近づいているかどうか、セッションが一時停止されているかどうか、刺激が適用されているかどうか、刺激が適用されていないかどうかなどを示すように構成され得る。
【0012】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、記録システムを含むことができる。記録システムは、ユーザおよび/またはセッションに関する情報を保持することができる。例えば、持続期間、期間、周波数、エネルギー強度、エネルギー源、EEG信号、およびそれらの組み合わせが、セッションごとに記録され得る。例示的な実施形態は、情報を分析、記録、リトリーブ、および/またはユーザに提示するためのプロセッサを含むことができる。例えば、システムは、ユーザの使用レポートを生成するように構成され得る。ユーザのEEGの進展または進行、またはEEGからの属性など、他のレポートも提供され得る。
【0013】
例示的な実施形態では、頭部装着デバイスは、内側部分402および外側部分404を含み得る。例示的な実施形態では、内側部分および外側部分は、互いにフィットするように構成される。内側部分は、取り外し可能であるか、または外側部分に結合されていてもよい。アタッチメントは取り外し可能である。例示的な実施形態では、内側部分は、本明細書に説明されるエネルギー源のうちの1つ以上を収容するように構成され得る。例示的な実施形態では、外側部分は、内側部分を適所に固定し、ユーザにカバーと快適さを提供し、美的魅力、およびそれらの組み合わせを提供するように構成することができる。例示的な実施形態では、カスタマイゼーション、フィット、色、形態、およびそれらの組み合わせを可能にするために、異なる外側部分を互いに交換可能にすることができる。例えば、異なるハット構成を外側部分として使用することができる。例示的な実施形態では、外側部分の材料は、フィット、取り付け、および/または快適さのために選択され得る。
【0014】
システムは頭部装着デバイスを有するものとして示され説明されているが、システムはそのように限定されない。例示的な実施形態は、本明細書に説明される実施形態によるエネルギー刺激デバイスを他の物体に組み込むことができる。例えば、エネルギー刺激デバイスは、車または飛行機のヘッドレストに組み込むことができる。例示的な実施形態は、本明細書に説明される刺激デバイスをリクライニングチェアまたは椅子に組み込むことができる。例示的な実施形態は、刺激デバイスを枕に組み込むことができる。本明細書に説明される実施形態によるエネルギー刺激デバイスを組み込むために、ユーザの頭部の近くに配置される他のデバイスを使用し、利用することもできる。
【0015】
例示的な実施形態では、HMD200は、HMDのサイズを制御および/または調整する機能を含むことができる。例示的な実施形態では、HMDは、周囲約21インチから周囲約25インチの頭部サイズに対応するように調整可能である。例示的な実施形態では、HMDは、約6-3/4から7-3/4のハットサイズに近似することができる。
【0016】
例示的な実施形態では、HMD200は、HMDをユーザの頭部に固定する機能を含むことができる。好ましくは、HMDは、ユーザの頭部に配置され、固定されるように構成される。ユーザの頭部を完全にまたは部分的に前方、後方、および/または左右に傾けるなどのユーザの動きの間、HMDはユーザの頭部に留まることができる。例示的な実施形態では、HMDを固定する機能は、磁石がほぼ同じ位置に留まるように、HMDを頭部に対して所定の位置に保持する。例示的な実施形態では、ユーザの頭部に対するHMDの相対位置の維持は、好ましくは、ユーザが頭部を動かしたとき、および/または前、後ろ、もしくは両側に最大20度、頭部を傾け/回転させたときに、頭部に対して1/4インチ以下の動きである。
【0017】
図2-4に示すように、HMDの例示的な実施形態は、上部202と、HMDの下部を取り囲むバンド204とを含み得る。上部202は、バンドの上の頭部の上部の大部分を覆うことができる。バンド204は、HMDの下端部の周囲にあってもよい。バンドは、ユーザの頭部に快適にしたがう可撓性輪郭を提供することができる。バンド204は、可撓性材料を含んでもよい。バンド204は、織物、織布、不織布、可撓性材料を含む。バンド204は、ユーザの頭部を取り囲むように構成される。バンドは、調整可能なフィット、ユーザの頭部への保持、および/またはユーザの動き中の相対的な動きに対する固定を容易にすることができる。バンドとして説明されているが、バンドは特定の形状構成に限定されることを意図していない。バンドは、HMDの下部の周りに配置されるほぼ細長いストリップであってもよい。バンドは、ユーザの頭部を完全におよび/または部分的に覆うこともできる。
【0018】
例示的な実施形態では、バンド204は、HMDの内径を画定する部分を含むことができる。バンド204は、可変寸法に対応することができる。例えば、バンド204は、1つ以上の方向に弾性および/または伸縮可能であってもよい。したがって、バンドは、変形、屈曲、および/または伸張によって、さまざまな頭部のサイズおよび/または形状を可能にし、対応することができる。図示のように、バンド204は、可変の内径を可能にする調整機能206を含むことができる。
図2に示されるように、調整機能206は、ストラップのそれ自体への重複およびそれらの間の取り付けである。取り付けは、面ファスナー(Velcro(R)など)、スナップ、アパーチャと嵌合する突出部、フックおよびアイ、または当業者に知られている他の締結デバイスを通して行うことができる。
【0019】
例示的な実施形態では、HMDは、開口部208で構成され得る。開口部208は、ストラップ204の調整と連動して、システムの異なる内寸を作ることができる。例示的な実施形態では、開口部208は、髪のための開口部として使用され得る。開口部208は、上部202とバンド204との間にあってもよい。例示的な実施形態では、内側部分402によって頭部へのびったりとしたフィットを提供するために、ユーザの髪をHMDの1つ以上のアパーチャの外に向けることができる。
【0020】
例示的な実施形態では、HMDはユーザインターフェースを有することができる。例示的な実施形態では、ユーザインターフェースは、入力制御、出力インディケータ、出力デバイス、およびそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、HMDは、ボタン、ノブ、スライダ、タッチインターフェース、スマートボタン、およびそれらの組み合わせを含み得る。HMDは、ライト、音、およびそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、
図3に示されるように、HMDは、ユーザインターフェース302を含み得る。例示的な実施形態では、UX302は、出力インディケータ302であってもよい。出力インディケータは、異なる色のライトをユーザに提供するための光源を含むことができる。例示的な実施形態では、UX302はスマートタッチインターフェースである。スマートタッチインターフェースは、タッチおよび/またはモーションを決定するための近接および/または圧力センサーを含み得る。タッチおよび/またはモーションは、本明細書に説明される1つ以上の機能を制御することができる。例えば、タッチ(ボタンを押すなど)を使用して、HMDのオンとオフをすることができる。円をなすスワイプの形態のタッチ(ホイールを回す場合など)は、本明細書に説明される機能(エネルギー源の振幅および/またはエネルギー源の周波数および/またはエネルギー源のモードなどを増加または減少させ得る。例示的な実施形態では、スワイプおよび/またはタッチの組み合わせにより、エネルギー源の選択を変更することができる。HMDの機能を制御するために、タッチおよび/またはモーションの他の組み合わせを使用することもできる。例えば、短いタッチには1つの機能があり、長押しまたはより長いタッチには別の機能制御または効果があり得る。
【0021】
図4に示されるように、内側部分402は、本明細書に説明されるように、エネルギー源を保持、収容、および/または配置するように構成される。内側部分402は、エネルギー源の相対位置が一般的に知られ、維持され得るように、剛性および/または半剛性の形態を有することができる。内側部分402は、エネルギー源を支持し、治療セッション中にエネルギー源をほぼ同じ場所に保持するのに十分なインフラを提供するように構成され得る。
【0022】
例示的な実施形態では、内側部分402は、くぼみおよび/またはアパーチャ404を含んでもよい。これらのくぼみは、エネルギー源のうちの1つ以上のためのインターフェースを配置するために使用され得る。例えば、くぼみは、電極、磁気源、振動源、光源、およびそれらの組み合わせの取り付けを可能にすることができる。例示的な実施形態では、HMD内での異なるエネルギー源の異なる組み合わせの取り付けを可能にするために、複数のくぼみが提供される。本明細書では、エネルギー源の支持および/または取り付けを提供するものとして説明されているが、これは、エネルギーレシーバを含むことも意図している。例えば、電極は、ユーザに電流を提供することによってユーザを刺激するために使用されてもよいし、電極は、ユーザから電気信号を受信し、ユーザからの脳の活動を検出するために使用されてもよい。エネルギー伝送デバイスおよび/またはエネルギー受信デバイスの両方の電極構成は、エネルギー源の理解および範囲内にある。図に示すように、5つのくぼみが提案されており、3つがHMDの前面から背面まで対称の中心軸に沿って配置され、さらに中心軸の両側に1つ配置される。しかし、エネルギー源の場所のさらなる組み合わせを提供するために、くぼみの任意の組み合わせを使用することができる。
【0023】
図5は、本明細書に説明される実施形態によるHMDの例示的な内部図を示す。例示的な実施形態では、システムは、電源508、モータおよび/またはコントローラ504、ならびに1つ以上のエネルギー源506、502を含み得る。図示のように、システムはエネルギー源の組み合わせであってもよい。例えば、システムは、磁気エネルギー源506および電気エネルギー源502を含み得る。磁気エネルギー源は、モータ504に結合された永久磁石506であって、軸を中心に磁石を回転させることができる。電気エネルギー源502は電極であってもよい。システムに電力を供給するためにバッテリ508を使用することができる。
【0024】
例示的な実施形態では、HMDは、異なる織物および/または材料を含んでもよい。例えば、材料をHMDに組み込んで磁気刺激を強化することができる。一例として、導電性を可能にするための材料をHMDに組み込むことができる。材料は、1つ以上のアパーチャからリードを提供するために組み込むことができる。材料は選択されるか、衛生を強化する特性を組み込むことができる。例えば、本明細書に説明されるシステムの微生物抵抗性を改善し、および/またはより容易な洗浄を可能にするために、表面テクスチャを提供することができ、材料を選択することができ、コーティングを提供することができ、または他の組み込みを行うことができる。
【0025】
例示的な実施形態は、モジュール化される1つ以上の構成部品を含むことができる。モジュール構成部品は、システムの残りの部分から取り外し可能である。モジュール構成部品は、容易なメンテナンスのために交換可能である。モジュール構成部品は、異なるユーザ間で互いに交換可能な使用を促進するために使い捨てにすることができる。モジュール構成要素により、サイズ、外観、機能の調整など、ユーザ間のカスタマイズが可能になる場合がある。例えば、異なるモジュール構成要素には異なる機能が含まれ得る(異なるモードの刺激-ライト、聴覚、視覚、磁気、電気、振動など;異なるユーザインターフェース機能;異なるサイズ;異なる美的機能;暖かい環境や寒い環境などのための温度制御を提供するための異なる材料)。
【0026】
再充電可能な電力を提供するために、材料または構成要素を使用することができる。例えば、ソーラーパネルおよび/または可撓性ソーラー材料は、本明細書に説明されるシステム構成要素のいずれかに組み込むことができる。
【0027】
例示的な実施形態では、頭部装着デバイス(HMD)200は、ハウジング402を含み得る。ハウジングは、電子機器、コントローラ、モータ、磁気エネルギー源、電気エネルギー源、および/または振動エネルギー源、ならびにそれらの組み合わせを囲むことができる。ハウジングは、ユーザが内部構成要素にアクセスできないように構成要素を囲んでもよい。内部構成要素は、湿気、汗、汚れ、髪の毛などから保護され得る。ハウジングは、内部構成要素からユーザを保護することもできる。ハウジングはまた、いくつかの構成要素を支持しおよび/または露出させることができる。例えば、ハウジングの外面に電極が支持されて、ユーザとの接触を提供することができる。
【0028】
上述のように、ハウジングは、取り外し可能な電極を支持するために使用するためのアパーチャおよび/またはくぼみを含むことができる。電極は、アパーチャへの摩擦フィット、アパーチャへのねじ込み、磁力を通しての保持、または他の形態の保持機能であってもよい。
図4に示すように、例示的な実施形態は、5つの電極がHMD上で支持されて、ユーザの脳の電気的活動の評価を提供することを可能にする。電極は、ユーザの固有アルファ周波数を決定するために脳から電気信号を受信するように配置することができる。
【0029】
例示的な実施形態では、電極は格納可能であり得る。この場合、制御機構を使用して、電気をユーザの頭部に向けて、および/または頭部から遠ざけるように半径方向に並進させることができる。この場合、電極はユーザの頭部と選択的に接触することができる。電極の格納/伸長により、より多くの接触が可能になり、さまざまなユーザの頭部の形状に使用できる。電極の格納/伸張は、電極の選択的な使用を可能にし、使用されていないときはユーザとの接触を取り除くことができる。
【0030】
本明細書に説明されるシステムの例示的な実施形態は、エネルギー源の投与を制御するためのフィードバックループを可能にすることができる。例えば、電極は、ユーザから電気信号を受信するために使用され得る。受信した電気信号を使用して、電気信号の属性を決定することができる。例示的な実施形態では、リトリーブされた信号が分析されて、ユーザのアルファ波周波数が決定される。次いで、受信したユーザの電気信号を使用して、次の治療セッションのパラメータを設定することができる。例えば、分析されたユーザのアルファ波周波数に基づいて、システムは、エネルギー源の組み合わせを選択して、患者におよび/またはエネルギー源の属性で使用するように構成され得る(その周波数および/または振幅など)。例示的な実施形態では、電極を使用して、治療前、治療中、治療の合間、治療後、およびそれらの任意の組み合わせでユーザから電気信号をリトリーブすることができる。リトリーブされた電気信号を分析して、次の治療セッションの属性を決定し、セッション中に治療を変更し、またはユーザの状態についてユーザにフィードバックを提供することができる。
【0031】
図1に示されるように、システムは、治療セッションに関する情報を受信するため、および/または治療セッションを制御するためのユーザインターフェース104を含み得る。例示的な実施形態では、ユーザインターフェースは、モバイルデバイスにダウンロードされたアプリケーションを含むことができ、モバイルデバイスのプロセッサによって実行されると、本明細書に説明される機能を行うように構成される。ユーザインターフェースは、ユーザのモバイルデバイス上で走らないアプリケーションとして示され説明されているが、説明の実施形態はそれに限定されない。代わりに、リモコン、ボタン、トグルなど、他のユーザインターフェースを使用することもできる。
【0032】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、本明細書に説明されるコントローラの任意の組み合わせを含み得る。例えば、ユーザインターフェース、コントローラ、またはHMDのいずれも、機械的および/または電気的制御インターフェースを含むことができる。例えば、ボタン、スライダ、トグル、スイッチ、回転ホイール、ノブ、および他のユーザ入力デバイスを使用して、動作モード、振幅、周波数、持続期間、およびそれらの任意の組み合わせを制御することができる。他のユーザ入力および出力インターフェースも使用できる。例えば、例示的な実施形態は音声制御を含むことができる。
【0033】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、セッションのステータスに関するステータスをユーザに提供するオプションを含むことができる。例えば、HMD、コントローラ、ユーザインターフェース、または他のシステム構成要素のいずれかのライトの組み合わせを使用して、治療セッション内の時間を示すことができる。色、触覚応答、音、アイコン、色、および/または他の視覚的もしくは感覚的インディケータを含むさまざまなインディケータを使用することができる。
【0034】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、他の感覚強化を含んでもよい。例えば、システムは、リラクゼーションを改善するための視覚的合図を含むことができる。システムは、ユーザの周囲の環境にライトおよび/または形状を投影するために使用できる光投影を含むことができる。他の感覚強化には、聴覚強化が含まれ得る。例えば、システムには、落ち着かせるような音、音楽、ホワイトノイズなどを含めることができる。
【0035】
本明細書に説明されるユーザインターフェースの例示的な実施形態は、ユーザフィードバックを可能にすることができる。ユーザフィードバックは、治療セッションのパラメータを設定するために使用され得る。例えば、ユーザは、治療の有効性について、または治療されている全体的な気分や状態についてフィードバックを提供することができる。システムは、例えば、治療セッションの前、最中、および/または後に、不安レベルまたは全体的な気分を入力するようにユーザに求めることができる。システムは、ユーザのフィードバックを使用して、治療プロトコルを調整することができる。
【0036】
例示的な実施形態は、システムによって受信および/または提供された情報を分析する。システムは、治療セッション、フィードバック条件、ユーザが受信した信号(ユーザの電気的活動を検出するために電極から受信したものなど)に関するレポートを提供するように構成することができる。
【0037】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、ユーザインターフェースが治療セッションを制御することを可能にする。例示的な実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザが治療セッションを購入できるようにすることができる。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースと関わり合って、治療セッションの回数、治療の総量、および/または所与の状態に到達するための所望の標的を示すことができる。その後、システムは、個々の使用セッションまたはブロックセッションに対応する治療セッション時間を購入するように構成され得る。したがって、システムは、セッションを投与する前に、治療セッションの料金が支払われたかどうかを決定することができる。セッションの料金がまだ支払われていない場合、システムは続行する前に支払いを要求し得る。システムは、サードパーティの支払いシステムと相互作用して、ユーザから治療プロトコルシステムへの支払いを可能にし得る。システムは、他の医療情報および/またはプロバイダと相互作用することもできる。例えば、システムは、治療セッションに対する保険支払い要求を開始するために、保険取引所と対話することができる。
【0038】
図6は、本明細書に説明される実施形態による例示的なシステムを示す。図示のように、エネルギー刺激システム600は、頭部装着デバイス(HMD)602を含む。HMD602は、コントローラ604によって制御され得る。コントローラ604は、インターフェースの任意の組み合わせを使用することができる。例えば、コントローラ604は、コントローラ604のハウジングに直接統合されたユーザ入力/出力またはユーザインターフェースを有してもよい。別の例では、コントローラ604は、無線または有線のいずれかで、ユーザ入力/出力またはユーザインターフェースと通信することができる。図示のように、コントローラ604は、例えばBluetoothを通して無線でユーザハンドヘルドインターフェース(スマートフォン)606と通信する。
【0039】
図6の例示的な実施形態は、頭部装着デバイスをコントローラから分離しているが、システムはそのように限定されない。例示的な実施形態は、頭部装着デバイスに組み込まれたコントローラ(および/またはバッテリなどのその構成要素)を含む。
【0040】
図6の例示的な実施形態は、ユーザインターフェースからコントローラを分離するが、システムはそのように限定されない。例示的な実施形態は、ユーザインターフェースに組み込まれたコントローラ(および/またはその構成要素)を含む。例えば、タッチスクリーンまたはボタン、ノブ、スライダ、ディスプレイ、ライト、およびそれらの任意の組み合わせなど、他のユーザ入力/出力デバイスをコントローラに組み込むことができる。
【0041】
例示的な実施形態は、重量を軽減し、ユーザの頭部に配置および/または支持されるデバイスのサイズを限定するために、HMDから電子および/または機械的構成要素のいくつかを取り除いてもよい。例えば、バッテリまたは電力は、ヘッドセットハウジングとは別のコントローラハウジング内に提供され得る。他の構成要素は、本明細書で説明されるように、1つ以上の他の電子デバイス(モバイルデバイスおよび/またはリモートサーバなど)と通信するための通信インターフェースを含み得る。他の構成要素は、本明細書で説明されるシステムの部分を制御するためのメモリおよび/またはプロセッサを含み得る。例示的な実施形態は、モータをオンとオフすること、周波数を設定すること、セッション情報を記録すること、ユーザからの信号をリトリーブすること、およびそれらの組み合わせなど、デバイスの主要な機能を制御するソフトウェアを含むことができる。したがって、システムは、プロセッサによって実行されると、本明細書に説明される機能を行うソフトウェア命令を非一時的な機械可読形式で記憶するためのメモリを含むことができる。メモリおよび/またはプロセッサは、コントローラハウジング604内、HMD6-2、ハンドヘルドデバイス606、リモートサーバ(図示せず)、およびそれらの組み合わせにあってもよい。例示的な実施形態では、HMDは、ユーザによってユーザの頭部によって支持、装着され、約3.5ポンド以下である。
【0042】
コントローラ604は、HMD602を動作するためのシステムの機械的および/または電気的構成要素の任意の組み合わせを含み得る。コントローラ604は、例えば、コードを通してHMD602に結合され得る。図示のように、コードは、ユーザがHMDを装着し、テーブル、床、アームチェア、ユーザの膝などの安全な表面にコントローラを配置できるように十分に長くすることができる。例示的な実施形態では、コントローラ604および/またはHMD602は、コード管理システムを含むことができる。コントローラ604またはHMD602の一方または両方は、HMDから離れたコントローラの配置のために必要でないコードの一部をリコイル、巻き取り、または保持するためのインターフェースを含むことができる。例示的な実施形態では、システムは、コードを所望の長さに自動的に格納および/または保持するためのコードロック、伸長、および/または格納システムを含むことができる。
【0043】
例示的な実施形態では、コントローラ604は容易に運搬可能である。したがって、コントローラの重量は3.5ポンド以下になり得る。例示的な実施形態では、コントローラ604は、8インチ立方以下である。例示的な実施形態では、コントローラ604は、約2インチ×3インチ×8インチの寸法に等しいか、またはその寸法内である。
【0044】
例示的な実施形態では、コントローラ604は、ケーブルによってヘッドセットに結合される。ケーブルは、HMD602とコントローラ604との間の電力および/またはデータ伝送を提供し得る。ケーブルの長さは、少なくとも36インチであり得る。ケーブルは、約0.5ポンド未満であり得る。例示的な実施形態では、ケーブルは、HMD602および/またはコントローラ604のいずれかまたは両方から取り外し可能である。
【0045】
例示的な実施形態では、コントローラはHMDに電力を提供することができる。例示的な実施形態では、コントローラは再充電可能なバッテリを含むことができる。したがって、コントローラは電源コードも含むことができる。コントローラは、電源を受信するためにプラグ接続され得る。次いで、コントローラはHMDに電力を供給することができる。例示的な実施形態では、コントローラへの電力がバッテリを再充電することができる。コントローラは、バッテリからコントローラおよび/またはHMDの電子機器に電力を供給し得る。例示的な実施形態では、バッテリからのコントローラおよびHMDへの電力は、コントローラがAC電源からプラグを抜かれない限り動作しない可能性がある。
【0046】
例示的な実施形態では、コントローラ604は、ユーザインターフェース606と通信することができる。例示的な実施形態では、本明細書に説明されるように、ユーザインターフェースは、スマートフォン、電子パッド、タブレット、またはスマートデバイスなどのハンドヘルドモバイルデバイスである。ユーザインターフェースはまた、タッチスクリーン、スマートTV、電子パッド、スマートデバイス、または入力および/もしくは出力機能を有する他のユーザインターフェースなどの他の電子デバイス上に提供されてもよい。例示的な実施形態では、コントローラ604は、ユーザインターフェース606へ、およびユーザインターフェース606から情報を渡すことによって通信することができる。
【0047】
例示的な実施形態では、システムは、ユーザへのインディケータを有するように構成され得る。インディケータは、コントローラ604上にあってもよい。インディケータは、例えば、1つ以上のライト、デジタルディスプレイ、スクリーン、または他のインディケータであってもよい。コントローラには、1つ以上のインディケータがあり得る。インディケータは、HMDがオンまたはオフになっているかどうか、HMDがエネルギー源を放射しているかどうか、HMDが受け入れているエネルギーの形態(電気、磁気、振動など)、無線リンクのステータス(ペアリング、ペアリング解除、ペアリングされたなど)、エネルギー投与セッションのステータス(開始準備完了、開始中、セッション中、セッション終了間近、セッション終了など)、セッションの継続時間または時間(経過時間、残り時間、合計セッション時間、合計使用時間など)、およびそれらの任意の組み合わせを識別することができる。
【0048】
例示的な実施形態では、コントローラは、マイクロプロセッサベースのシステムを含むことができる。コントローラは、タイミング情報をマイクロプロセッサに提供するためのクロックモジュールを含むことができる。コントローラは内部メモリを有し得る。コントローラには、外部メモリ用のポートが含まれ得る。例えば、コントローラは、コントローラに取り外し可能に結合されたフラッシュメモリにアクセスすることができる。
【0049】
例示的な実施形態では、コントローラは、セッションを制御するように構成され得る。例えば、コントローラは、開始、停止、一時停止、周波数の設定、およびそれらの組み合わせを行うように構成することができる。例示的な実施形態では、治療セッションは、指定された持続期間を含む。したがって、コントローラは、セッションが開始した後にユーザの介入やさらなるユーザ入力なしで、指定された持続期間の最後にセッションを自動的に終結または終了できる。
【0050】
例示的な実施形態では、HMD602、コントローラ604、およびユーザインターフェース606の任意の組み合わせを含むシステムは、他の人の支援なしに個人によって動作されるように構成される。
【0051】
図7A-7Cは、本明細書に説明される実施形態による刺激エネルギー発生デバイスの例示的な配置を示す。例示的な実施形態では、HMDは、刺激エネルギー発生デバイスの任意の組み合わせを含むことができる。
【0052】
例示的な実施形態では、刺激エネルギーは、標的周波数で投与され得る。刺激エネルギーは正弦波形であってもよい。例示的な実施形態では、投与される刺激エネルギーは、一定の周波数で適用され得る。投与される刺激エネルギーは、異なる周波数であってもよい。例えば、システムは、測定された周波数(またはその高調波またはサブ高調波)で第1の持続期間の間、刺激周波数を投与し、ユーザによって達成されるべき所望の周波数(またはそれに対する高調波またはサブ高調波)に向けて第2の持続期間の間、標的周波数で投与することができる。周波数の他の組み合わせも使用できる。例えば、ユーザの測定周波数が取得され得る。システムは、ユーザが取得しようとしている標的周波数(ユーザグループの平均周波数または識別された通常の周波数など)でプログラムおよび/または決定することができる。したがって、投与される周波数は、測定周波数から標的周波数に向かう方向へのオフセットを含み得、測定周波数と標的周波数との間の刺激エネルギーがユーザに投与されるようにする。この手順は、周波数を第1の投与周波数から第2の投与周波数に変更することを含み得、第2の投与周波数は第1の投与周波数と標的周波数との間および/または標的周波数に等しい。したがって、手順は、測定された周波数から標的周波数まで増加的に移動する順次の投与周波数を使用することができる。周波数の他の組み合わせが使用されてもよい。1つ以上の刺激源が使用される場合(同じエネルギータイプであるかどうかにかかわらず)、システムは、異なる周波数を同時におよび/または順次に投与することができる。システムはまた、標的周波数の周りで周波数をランダムにホッピングすることなどによって、刺激周波数を投与することもできる。
【0053】
例示的な実施形態は、複数の同じおよび/または異なるエネルギー源を提供することを含み得る。システムおよび方法は、複数のエネルギー源のサブセットからエネルギーを選択的に投与することができる。サブセットは、投与するエネルギーの所望のタイプに依存し得る。サブセットは、エネルギー源の場所および刺激される脳内の標的場所に依存し得る。例示的な実施形態は、最小のリズミカルな活動を示し、したがって刺激を最も必要としている脳の領域を標的とするために、エネルギー源のサブセットを選択的に活性化することができる。例示的な実施形態では、エネルギー源の異なるサブセットを異なる周波数で投与することができる。異なる周波数は、相補的および/または干渉的であり得る。例示的な実施形態では、永久磁石の第1のサブセットを、例えば2Hzで回転させ、別の永久磁石を4Hzで回転させることができる。別の実施形態は、8Hzで回転する第1の磁石と、1kHzで回転する別の磁石とを有することができる。
【0054】
例示的な実施形態では、刺激エネルギー発生デバイスは、変動磁場発生デバイスであってもよい。変動磁場は、1つ以上の回転および/もしくは並進する永久磁場を通して生成され得る。変動磁場は、1つ以上の電気コイルを通して生成することができる。永久磁石は、投与周波数で連続的に回転させることができる。永久磁石は、一定持続期間、投与周波数で回転することができる。例示的な実施形態では、投与される刺激エネルギーは、異なるデューティサイクルで投与され得る。例えば、連続回転の代わりに、永久磁石の実施形態では、永久磁石は、1回の回転で非常に速くスピンし、刺激期間の残りの時間静止したままであってもよい。より具体的には、単なる一例として、刺激周波数は10Hz(100ミリ秒(ms)周期)であってもよい。磁石は極度に速く回転し、1ミリ秒で1回転を終えることができ得る。その後、磁石は回転しないままになるか、ゲインをスピンする前に、残りの99ミリ秒の間停止する。このようにして、回転する磁石は、標準的なrTMSシステムによって生成されたパルス磁場を再現または近似することができる。他の回転構成も使用できる。例えば、磁石は連続的にスピンし得る。磁石は、特定の持続期間の間、所望の周波数または設定された周波数でスピンし、第2の持続期間の間、第2の周波数または掃引周波数で回転することができる。例示的な実施形態では、エネルギー刺激周波数が10Hzである場合、磁石は1kHzでスピンすることができる。次いで、磁石は、100msごとなどの所望の持続期間で、1から5msなどの短い持続期間の間、1kHzを超える速度でスピンすることができる。したがって、磁石は、より遅い周波数のピークに一致するように別の周波数信号で所望の周波数で刺激エネルギーを提供することができる。
【0055】
例示的な実施形態では、HMDは、交番磁場を生成するために3つの永久磁石を含むことができる。磁石は、8.0Hzから13.0Hzの間などの周波数を有する磁場を生成するように回転される、磁化されたネオジム円筒形磁石であり得る。
図7Aに示すように、HMDの内面は、卵形の一部に近似することができる。
図7Cに見られるように、1つ以上の磁石は、磁石の一部が卵形において、卵形の上に、または卵形に近似するように配置され得る。例示的な実施形態では、卵形は、幅が約5.2から5.3インチで高さが約6から10インチの楕円であってもよい。例示的な実施形態では、幅は約5.5インチであり、高さは約8インチであり得る。図示のように、1つ以上の磁石の表面は卵形の表面上にほぼ配置されている。
【0056】
例示的な実施形態では、磁気刺激は、卵形の約4分の1上の位置から供給され得る。したがって、磁気刺激は、一般に、ユーザの頭部の前方部分に適用され得る。
図7Aに示されるように、第1の磁石702は、ユーザの頭部の前部に配置され得る。位置は、卵形の頂点またはその近くであってもよい。第1の磁気エネルギー刺激デバイスの位置は、ユーザの額の上にあってもよい。磁石706は、追加または代替として、ユーザの頭部の上部に配置されてもよい。位置は、卵形の頂点またはその近くであってもよい。卵形の頂点は、卵形の短軸にあってもよい。磁石704は、単独で、または磁石702および/もしくは磁石706のいずれかと組み合わせて配置されてもよい。磁石704は、磁石702の前方位置と磁石706の上部位置との間に配置され得る。例示的な実施形態では、磁石704は、上部磁石706よりも前方磁石702に近い。例示的な実施形態では、磁石が卵形に沿ってまたは卵形に隣接して配置され、回転測定値がユーザの頭部の上部から出る軸から取られる場合、前方磁石702は、88度から92度におよそ配置され得、中央の磁石704は、約52-56度に配置することができ、上部の磁石は、-2.5から-5度に配置することができる。
【0057】
刺激デバイスの例示的な実施形態は、それらの位置が調整可能であってもよい。例えば、
図7Cの磁気エネルギーデバイスは、卵形の表面の周りで半径方向に調整することができる。図示のように、磁石の表面は、ユーザの頭部に向かって、または頭部から離れて、卵形表面の0から1インチ上または下で、卵形表面の上または下に半径方向に配置され得る。HMDのサイズを制御するために、約0.5インチまたは0.2インチなど、さまざまな調整長さが許容され得る。調整は、摺動機構上のばねと手で締めたロッキングねじを使用して達成されることができる。ねじを緩めると、ばねが磁石を摺動機構上の最も離れた位置に押し込む。ねじは、HMDをユーザの頭部に置く前にロックを解除することができ、磁石が摺動機構上で半径方向に最終位置まで移動できるようにする。ユーザがHMDを頭部に置くと、依然快適にフィットしながら、磁石が可能な限り人の頭部に近づくように調整するために磁石がシフトし得る。次に、ロッキングねじを締めて所定の位置にロックする。代わりに、ロッキングねじが締められていないか、または存在しない可能性があり、磁石がユーザの頭部のHMDのわずかなシフトに対して調整できるようになっている。
【0058】
ユーザがHMDを装着できる調整ねじを含む、磁石を調整し磁石がユーザの頭皮に可能な限り最も近い位置になるまでねじを調整する他の例が存在する。別の例では、磁石はばねを含まない摺動機構上にある。ユーザはHMDを装着してもよく、磁石の位置を手動で上下に摺動させて正しい位置に調整し、磁石を所定の位置にロックする。
【0059】
例示的な実施形態では、卵形の構成は、HMDの内面を画定する。例示的な実施形態では、HMDの内面は、ユーザの頭部に接触するように意図されている。したがって、エネルギー源のうちの1つ以上を、HMDの内面からユーザの頭部から取り除き離すことができる。
図7Bに示されるように、ユーザの頭部に接触するように構成された活性表面と磁石の表面との間の距離は、約1/4インチ以下であり得る。一実施形態では、距離、d、は、1/8インチ以下である。
【0060】
例示的な実施形態では、頭部装着デバイス(HMD)は、ユーザの体/脳の電気信号を記録するための電極を含むことができる。例えば、HMDを通してユーザの頭部に結合するために、3本の電気リードを使用することができる。
図8に示すように、電極はHMDから取り外し可能であってもよい。例示的な実施形態では、電極802は磁性裏打ちを含むことができる。HMDは、1つ以上の電極を支持および配置するための1つ以上のくぼみおよび/またはアパーチャを含むことができる。電極用のアパーチャおよび/またはくぼみは、磁気構成要素を含むことができる。磁気構成要素を備えた電極は、ヘッドセットに引き付けられ、所定の位置に留まり得る。例示的な実施形態では、電極は、取り外し可能、交換可能、および/または使い捨て可能であり得る。例示的な実施形態では、電極は、HMD内に配置され、HMD内の磁石に取り付けられると、EEG増幅器と電気的に接続することができる。
【0061】
本明細書に説明される例示的な実施形態は、ユーザの電気信号を検出することができる。電気エネルギーは、ユーザのEEGであってもよい。他の電気信号も観察され得る。例えば、電極は、EEG帯域内のユーザの電気的活動のユーザの固有周波数を決定するように配置され得る。例示的な実施形態は、本明細書に説明される実施形態によるエネルギー源の投与と同時に、ユーザの電気信号を観測および/または測定することができる。例示的実施形態は、投与エネルギーの存在なしでユーザの測定信号を抽出するために、測定信号に対する投与エネルギーの効果を決定するように構成され得る。例示的な実施形態は、エネルギー源を順次に投与し、エネルギー源の投与前または投与後に、ユーザから測定値を測定または受信するように構成され得る。例示的な実施形態は、ユーザからの測定値を使用して、測定後に投与エネルギーのパラメータを設定することができる。
【0062】
図9は、脳内の電気的活動を測定するための電極が追加されているが、
図7Aに類似している。電気信号を受信するように説明されるが、電極は脳に電気信号を投与するためにも使用できる。例示的な実施形態は、ユーザの脳から電気信号を受信するための電極を含むことができるが、脳に投与する電気信号を生成するために別の組の電極を使用することができる。電極の任意の組み合わせを使用することができ、本開示の範囲内に留まる。
【0063】
例示的な一実施形態では、HMDは、複数の電極902と、複数の磁気エネルギー源904(永久磁石および/またはコイルであろうと)とを含む。電極および磁気エネルギー源は、ユーザの頭部の周りに交互配置で配置することができる。例えば、HMDは、3つの磁気エネルギー源を含むことができる。HMDは、磁気エネルギー源のそれぞれの間に配置された電極を含むことができ、磁気エネルギー源の外側に電極を含むことができる。図示のように、第1の電極は、ユーザの額の上など、ユーザの頭部の前方部分に向かっている場合がある。電極は、ユーザの頭部の後部に向かって配置することができる。例示的な実施形態では、前方電極および後方電極は、ユーザの頭部の上部からほぼ同じ角度だけ回転方向にオフセットしていてもよい。電極は、ユーザの頭部の上部に向かって配置することができる。例えば、前方電極と後方電極との間に中間電極を配置することができる。図示のように、中間電極は、頭部の前部に向かって、または第1の電極に向かって配置され得る。電極は、例えば、約25度から約30度だけ頭部の前部に向かって前方に角度を付けることができる。前方向から、または卵形の長軸から測定すると、第1の電極は約33度、第2の電極は63度、および約147度であり得る。
【0064】
例示的な実施形態では、電極は、ユーザからの電気信号を感知するために使用される。この場合、前方位置にある電極をセンス電極、頭部の上部に向かう電極を参照電極、頭部の後ろに向かう電極を接地電極とすることができる。
【0065】
例示的な実施形態は、電極を使用してユーザの電気信号を測定することを示し、説明する。ユーザの他の生体認証信号および/または測定値を組み合わせてまたは単独で使用することができる。例示的な実施形態では、固有EEG周波数を決定するために測定システムを使用することができる。これは、完全なEEGが生成されていない場合でも達成できる。例示的な実施形態では、システムは、固有周波数によって変調される末梢神経活動を受信および/または記録することができる。例えば、ユーザは特定の周波数でフラッシュを受けることがある。光周波数パルスを変更することができ、システムは入力を受信して、ユーザがフラッシングを区別できず、ライトが途切れないように見えるときを検出または示すように構成される。この点は、固有周波数の約2倍に発生し得る。音響音も同様に、または代わりに使用することができる。例えば、システムは、ビープ音がユーザの知覚に対して一定のトーンになるまで、短いビープ音をより短い間隔で再生することができる。システムは、これがいつ発生するかを示すためにユーザから入力を受信することができる。ユーザのモバイルデバイスなどのユーザインターフェースを使用して、ライトまたは音を投与し、および/またはユーザ入力を受信して、信号がユーザに一定に見えるときを示すことができる。他の生物学的信号は、追加または代替として測定することができる。例えば、心拍数などの生体認証を取ることができる。追加の測定方法およびデバイスの例示的な実施形態は、赤外線/fNIR技術を含み得る。
【0066】
例示的な実施形態では、表面の全部または一部に沿ったHMDの内面は、ユーザの頭部と接触することができる。したがって、例示的な実施形態では、内面は30℃以下であり得る。HMDの構成、材料、温度、およびそれらの組み合わせは、望ましくは、ユーザにとって快適であるか、または少なくとも不快ではない。
【0067】
例示的な実施形態では、本明細書に説明される実施形態による刺激デバイスは、振動エネルギー源を含むことができる。例示的な実施形態では、振動エネルギー源は、回転および/または並進する加重材料からのものであり得る。振動は、永久磁石によって生成されてもよく、および/または別個の構成部品であってもよい。ここには、振動エネルギー源の例示的な実施形態と、それを頭部装着デバイスに組み込む方法が添付されている。これらの機能の任意の組み合わせが、本明細書に説明されるHMDに含まれ得る。
【0068】
例示的な実施形態では、ヘッドセット、コントローラ、および/またはユーザインターフェースは、振動エネルギー源のオンおよび/もしくはオフならびに/または振幅の調整ならびに/または周波数の調整を行う機能を含むことができる。例示的な実施形態では、制御デバイスはノブであってもよい。
【0069】
例示的な実施形態では、本明細書に説明される実施形態による刺激デバイスは、視覚刺激であってもよい。例示的な実施形態では、視覚刺激は有色光源であってもよい。例えば、頭部装着ディスプレイ、コントローラ、および/またはユーザインターフェースは、頭部装着デバイスでの治療中に観察できるライトを含むことができる。
【0070】
例示的な実施形態では、1つ以上のLEDを頭部装着デバイスに配置することができる。例えば、HMDの前部に沿って、HMDは少なくとも3色のLEDを含むことができる。例示的な実施形態では、色は黄色、緑色、および青色であってもよいが、他の色も使用することができる。LEDは、装着者が前を見ているときに、HMDを装着して動作させるとき、ユーザがライトの色を感知できるように配置することができる。
【0071】
例示的な実施形態では、システムは、ユーザにライトを表示するように構成され得る。ライトは、本明細書に説明されるインディケータであってもよい。例示的な実施形態では、ヘッドセットは、治療中にLEDからのライトの色が変化し得るように構成され得る。例えば、3色の場合、最初の色(黄色など)を治療期間の最初の3分の1に使用することができ、色が治療期間の第2の3分の1の間、2番目の色(緑など)に移行し、治療期間の最後の3分の1の間、最終的に3番目の色(青など)に移行することができる。ライトは、使用者の治療を支援するものであり得る。ライトは、治療を実施するためのリラックスしたムートを提供し得る。ライトの周波数は、治療の周波数に合わせてチューンすることができる。例示的な実施形態では、ユーザは、HMD上の制御デバイス、コントローラ、および/またはユーザインターフェースなどを通して色を選択することができる。
【0072】
本明細書に説明されるシステムおよび方法の例示的な実施形態は、一般的なウェルネスデバイスとして使用することができる。例えば、実施形態は、個人の家で使用され、ユーザによって管理され得る携帯デバイスを含み得る。したがって、一般的な健康状態を維持するために使用することができる。例えば、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、リラクゼーション、ストレス管理、精神的鋭敏さ、および睡眠管理のために使用することができる。本明細書に説明される例示的な実施形態は、体内で誘発される低エネルギー場を使用することができる。低エネルギー場は、ニューロンの脱分極を引き起こすことができない場と考えられている。したがって、本明細書に説明される実施形態は、ユーザに対して低リスクと考えられる。
【0073】
本明細書に説明されるシステムおよび方法の例示的な実施形態は、EEG帯域内の新しい周波数でユーザの脳を刺激することによって、ユーザの脳の活動を異なるEEG帯域に移動させることを含み得る。例示的な実施形態では、システムおよび方法を使用して、ユーザの固有周波数を所望のEEG帯域まで徐々に引っ張ることができる。例えば、システムおよび/または方法は、睡眠を改善するために使用され得る。投与されるエネルギーは、EEGのシータ帯域内の固有周波数であり得、ユーザの脳活動の固有周波数をシータ帯域に引き込み、睡眠を改善する。
【0074】
脳の固有周波数での刺激の結果としての脳のニューロン活動に対する機能的変化は、脳全体のニューロン発火がよりリズミカルで、同期的で、コヒーレントなものになるという点で、脳が「チューンされる」ことである。脳の同期性が高まると、人の焦点、集中力、落ち着きが改善され、多数の精神障害の症状も改善され得る。脳がチューンされると、特定のEEG帯域の固有周波数分布の帯域幅周辺のEEGが狭くなる傾向があり、その結果、Qファクターが増加する。Qファクターは、固有周波数を、固有周波数周りの周波数分布の帯域幅で割った比率として定義される。また、脳の固有周波数にはない刺激を与えることで人の脳をデチューンさせることも可能であり、その結果、Qファクターが低下する。例えば、刺激周波数は、脳の固有周波数から1Hzより多く離れている可能性がある。別の例では、刺激周波数は、脳の固有周波数と等しくない値に周期的な間隔でランダムにシフトし得る。
【0075】
刺激の周波数が、固有周波数とは異なるが、固有周波数から約1/2Hz以内の値に設定される場合、刺激エネルギーは、固有周波数を刺激周波数に向かって「引っ張る」傾向がある。したがって、固有周波数を予め指定された標的値に向けて変更することも可能である。
【0076】
刺激のエネルギーは、エネルギーの周波数成分が人の固有周波数に設定されると低下することがあるので、他のより低いエネルギーモダリティを使用しても効果を達成することができる。例えば、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)、経頭蓋交流電流刺激(tACS)、超音波、音、音響、ライト、無線周波数、およびその他のエネルギー形態を使用して、脳に非常に低いエネルギーを提供することができる。tACSは頭皮の電極を使用して、頭蓋骨を通して人の脳に電気パルスを送達し、これらの電気パルスがニューロン発火の脳固有の周波数を標的にしている場合、刺激が非常に低くても、脳の機能に変化をもたらすことができる。
【0077】
一態様では、被験者を治療する方法であって:(a)エネルギー源を、EEGの標的帯域内の事前に選択されたまたは標的固有周波数に向かう、人の特定のEEG帯域の固有周波数、周波数選択性およびリズム性の尺度に影響を与える周波数に調整することと;(b)前記エネルギーを被験者の頭部に適用することとを含む。EEGの標的帯域は、システムおよび方法が、標的帯域内の新しい周波数において脳を刺激することによって、ユーザの活動を異なるEEG帯域に移動させるように構成されるように、ユーザが現在経験している異なる帯域にあり得る。
【0078】
一態様では、被験者を治療する方法であって:(a)特定のEEG帯域の周波数選択性およびリズム性の尺度であるQファクターであって、その帯域の事前に選択されたまたは標的のQファクターに向かう、その人のQファクターに影響を与える周波数においてエネルギー源を調整することと;(b)被験者の頭部に前記エネルギーを適用することとを含む。
【0079】
別の態様では、被験者を治療する方法であって:(a)被験者の特定のEEG帯域内の固有周波数のQファクターを決定することと;(b)ステップ(a)からの固有周波数のQファクターを、健康人集団データベースの固有周波数の平均Qファクターと比較することとを含む。ステップ(a)の固有周波数のQファクターが、健康人集団データベースの固有周波数の平均Qファクターよりも高い場合、被験者の頭部の近くに複数の周波数または単一の事前選択された周波数を有するエネルギーを適用することにより、被験者の固有周波数のQファクターをチューニングダウンすることと;ステップ(a)の固有周波数のQファクターが、健康人集団データベースの固有周波数の平均Qファクターよりも低い場合、事前に選択された周波数で被験者の頭部にエネルギーを適用することにより、被験者の固有周波数のQファクターをチューニングアップすることとを含む。
【0080】
エネルギーは、多くの異なる方法、および/またはデバイス、ならびに/またはそれらの組み合わせによって生成され得る。例えば、エネルギーは、超音波、ライト、無線周波数、音、音響、振動、電気、磁気、またはそれらの組み合わせであってもよい。エネルギーは、変化する信号を含み得る。例示的な実施形態は、ユーザが遭遇する周波数を、投与周波数のサブ高調波または高調波とほぼ等しいなどの関係になるように変更することを含み得る。例えば、目覚まし時計の音、携帯電話またはその他の電話の呼び出し音、タイマー、アラート、通知、およびその他の遭遇する音など、ユーザが遭遇する可能性のある音。遭遇した音は、セッションが終了した後にプロトコルの効果を強化するために使用され得る。
【0081】
例示的な実施形態は、異なる形態の治療を組み合わせることができる。例えば、コイルを通る電流を通して生成される磁気刺激は、回転する磁石を通して生成される磁気刺激と組み合わせることができる。コイルと回転磁石の組み合わせにより、パルス刺激と正弦波刺激を同時におよび/または順次に行うことができる。例示的な実施形態は、共起、共鳴、衝突、または他のパラメータ関係でエネルギー刺激を投与することを含み得る。一例として、tACSはrTMSと組み合わせることができる。異なるエネルギー源からのエネルギーの投与が同期している場合、ユーザへの効果は相加的であり得る。例示的な実施形態は、tDCSを回転磁石と組み合わせることを含み得る。例えば、陽極/興奮性tDCSを使用して、永久磁石の回転によるニューロンの発火を強化することができる一方、陰極tDCSを使用して、静止活動と磁気エネルギー刺激によって生成されるフラックスとの間のコントラストを高めることができる。
【0082】
例示的な実施形態は、本明細書に説明される実施形態によるエネルギーの投与を組み合わせることができる。例示的な実施形態では、磁気エネルギー、電気エネルギー、または振動エネルギーの任意の組み合わせの投与を、ライトまたは音響エネルギーの投与と組み合わせることができる。ライトの波長および/または音楽のテンポは、エネルギー刺激の別の形態の周波数を組み合わせるまたは一致させるように選択され得る。例示的な実施形態は、高調波および/またはサブ高調波を使用して、一致する周波数を作ることができる。例示的な実施形態では、エネルギー刺激の投与は音楽と組み合わされる。音楽のタイポは、投与されたエネルギー源の周波数(磁気または電気周波数など)と同期し得る。音楽のテンポは、EEG帯域におけるユーザの標的固有周波数などの標的投与周波数と同期していてもよい。例示的な実施形態は、治療セッションで自動的に再生する音楽の選択を提供することができる。例示的な実施形態は、ユーザが治療セッション中に再生する音楽オプションを選択できるようにすることができる。システムは、音楽のリズムが別のエネルギー源の投与周波数の高調波と一致するように、および/または標的治療周波数の周波数またはサブ高調波もしくは高調波と一致するように、音楽をより速くまたはより遅く実行できるように、音楽を修正することができる。音楽または他の音を変調して、標的治療周波数でさえずりを作ることができる。音楽の代わりに他の音を使用することもできる。音は、標的投与周波数に従って、またはそれに関連して変調または再生され得る。例えば、雨滴、ホワイトノイズ、または他の反復ノイズを特定の周波数で使用することができ、特定の周波数は標的投与周波数と関係がある。標的周波数でのエネルギー源の投与の間の位相関係は、異なる効果を達成するために、音声信号の変調(さえずり)に対して設定することができる。ライトは、同様の方法で変調され得る。ライトを変調して、所望の周波数で色を変えおよび/または振幅を変えることができる。所望の周波数は、標的投与周波数および/またはそれに対する高調波もしくはサブ高調波であってもよい。例示的な実施形態では、ライトはパルス化され得る。本明細書に説明されるように、本明細書に説明される標的投与周波数、標的周波数、特定の周波数、または他の周波数は、ユーザ内で所望の効果を達成するためにエネルギー源をユーザに投与する際に使用される異なる周波数であり得る。これらの周波数は、ユーザのEEGに関係があり得る。例えば、周波数は、ユーザの固有周波数の、ユーザの測定周波数とほぼ等しい、または所望の方向の高調波またはサブ高調波などのような関係にあってもよい。
【0083】
1つ以上のエネルギー刺激源の投与は、他の活動および/または他の治療の投与またはユーザへの入力と組み合わせて使用することもできる。監視および/または刺激は、活動におけるユーザのパフォーマンスを改善するために使用され得る。監視および/または刺激は、ユーザの活動の保持を改善することができる場合がある。監視および/または刺激は、他の活動または入力のユーザへの効果を改善するために使用され得る。
【0084】
例示的な実施形態では、エネルギー刺激の投与は、行われている活動を支援する活動と組み合わせて使用されてもよい。例えば、ユーザは、認知活動を行いながら、本明細書に説明される実施形態による治療を受けることができる。例示的な認知活動には、任意の学習および/または記憶活動が含まれ得る。本明細書に説明されるエネルギー投与の例示的な実施形態は、集中力、覚醒、注意、保持、およびそれらの組み合わせを改善するために使用され得る。例えば、本明細書で使用される例示的な実施形態は、ユーザが新しい言語についての情報を受信している間に投与されてもよい。ユーザは、新しい言語の保持を改善するために認知機能を改善し得る。本明細書に説明されるエネルギーの投与と組み合わせることができる他の活動には、微細運動技能またはタスクの活動が含まれ得る。エネルギー源の高周波投与は、1つ以上の実施形態で使用することができる。
【0085】
例示的な実施形態は、集中力を必要とする他の認知活動を含むことができる。例えば、EEGまたは脳からのユーザの電気信号活動による監視を使用して、ユーザの焦点または集中を評価することができる。システムは、受信した情報を分析し、ユーザが焦点を失っているか、眠りに落ちているか、または別の認知状態に変化しているかどうかを評価することができる。システムは、その後、ユーザ入力を要求することができ、および/または認知状態を改善、回復、もしくは維持するためのプロトコルを管理することができる。例えば、本明細書で使用される例示的な実施形態は、番をすることを意図されたユーザの認知状態を監視することができる。これには、運転手、兵士、警備員、パイロットなどが含まれ得る。システムは、ユーザの注意が所望のレベルを下回った、および/または設定された状態から離れた、および/または事前定義された状態に入ったときを検出することができる。状態、レベル、または他のパラメータのいずれかを使用して、ユーザが眠りに落ちている場合など、ユーザの焦点が変更および/または減っていることを示すことができる。システムは、例えば、EEGのシータ帯域を監視して、ユーザが眠りに落ちているかどうかを決定することができる。事前定義された条件と比較してパラメータが検出されると、システムはプロトコルを投与することができる。プロトコルは、本明細書に説明される実施形態による、所望の標的周波数での1つ以上のエネルギー源の投与であってもよい。例えば、標的周波数の管理は、ユーザをシータ帯域から離れてアルファ帯域に移動させて、認知的焦点および意識を改善することであり得る。したがって、例示的な実施形態は、帽子、ヘルメット、または、安全帽、パイロットのヘルメットなど、ユーザの状況で使用される他のハードウェアに統合することができる。
【0086】
例示的な実施形態はまた、本明細書に説明される実施形態によるユーザの監視を組み込んで、ユーザの状態を決定し、および/または変化についてユーザの継続的な状態を監視することができる。システムは、状態が変化した場合にユーザにアラートを提供するように構成できる。システムは、本明細書に説明される他の電子デバイスおよび/またはコンピュータなど、システムに接続された1つ以上のシステム構成要素にアラートを提供するように構成され得る。したがって、システムは、システム管理者、マネージャ、またはユーザの状態を知る必要があり得るその他の人に通知を提供し得る。例示的な実施形態は、ユーザの監視を含むことができる。状態の変化が検出されると、ユーザは治療を受けるように指示され得る。その後、ユーザは、治療場所に行き、本明細書に説明される実施形態による治療を投与することができる。
【0087】
例示的な実施形態は、認知活動に限定されず、身体活動も含み得る。例示的な実施形態は、ユーザがワークアウトへの参加または理学療法を受けるなどの身体活動を行う際に、本明細書に説明される実施形態を使用することができる。例示的な実施形態は、リズミカルな運動または身体活動と組み合わせることができる。例示的な実施形態では、活動のペースは、標的周波数の高調波、またはサブ高調波においてであってもよい。標的周波数は、所望の帯域におけるユーザのEEGの固有周波数であってもよい。標的周波数は、ユーザが達成しようとしているEEG帯域の所望の固有周波数であり得る。リズミカルな運動のパフォーマンスは、本明細書に説明される実施形態によるエネルギーの投与の結果を改善するために使用され得る。リズミカルな運動は、本明細書に説明されるように、エネルギー源の投与と同期して行われ得る。
【0088】
例示的な実施形態では、ユーザの生物学的属性または機能は、標的または投与された周波数の周波数、高調波、またはサブ高調波に対応するように調整され得る。ユーザの心拍数を所望の心拍数にもっていくために、運動療法を使用することができる。運動または身体活動の強度を使用して、エネルギー源の投与周波数の高調波であるポイントに心拍数をもっていくことができる。例えば、投与周波数が10Hzの場合、ユーザはサイクリングマシンまたはペダルシステムを使用することができ、それは抵抗を調整し、心拍数を2Hz(120bpm)にもっていき、これは、投与周波数の5次サブ高調波である。
【0089】
例示的な実施形態は、他の治療プロトコルの投与と共に投与および/または使用されてもよい。例えば、ユーザは抗うつ薬を服用している場合がある。SNRIの神経発生特性により、ニューロンが脳内で作られ得る。しかし、形成されたニューロンは、隣接する脳組織との接続が欠如しているため、機能しない可能性がある。本明細書に説明される方法の例示的な実施形態は、患者が抗うつ薬を服用した後、投与周波数でエネルギー源をユーザの脳に投与することであり得る。同期治療は、脳内のニューロン接続の作りおよび強化することを支援し、抗うつ薬の結果を改善し得る。例示的な実施形態は、改善された結果を達成するために、サプリメントの摂取、食物の摂取などを含み得る。本明細書に説明される例示的な実施形態は、脳に影響を与える任意の薬物療法および/または治療法に組み込むか、または使用することができる。例えば、セロトニン、ドーパミン、グルタミン酸などに影響を与える薬物療法。エネルギー刺激の例示的な実施形態をこれらの薬物療法と組み合わせて、薬物療法の投与方法を増幅または相互作用させることができる。例えば、ドーパミン再取り込み阻害剤(DRI)を伴うエネルギー刺激の投与は、ドーパミンのより多くの細胞外濃度(DRIによる)とエネルギー刺激からのドーパミン産生の増加の複合効果により、同じ有効性を持つためにDRIのより低い投与量をもたらし得る。
【0090】
図10は、本明細書に説明されているように、ユーザへのエネルギー刺激を含むことができる例示的なシステムを示している。本明細書に説明されるシステムの例示的な実施形態は、コンピュータ、コンピュータ(複数)、電子デバイス、または電子デバイス(複数)を含むことができる。本明細書で使用されるとき、コンピュータおよび/または電子デバイスという用語は、さまざまなシステムおよびデバイスを含むように広く解釈されることを意図し、パーソナルコンピュータ1002、ラップトップコンピュータ1002、メインフレームコンピュータ、サーバ1003、セットトップボックス、デジタルバーサタイルディスク(DVD)プレーヤ、携帯電話1003、タブレット、スマートウォッチ、スマートディスプレイ、テレビなどを含む。コンピュータは、例えば、プロセッサ、データを記憶するためのメモリ構成要素(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)、その他のストレージデバイス、さまざまな入出力通信デバイスおよび/またはネットワークインターフェース機能用のモジュールなどを含み得る。例えば、システムは、メモリ、プロセッサ、アナログデジタル変換器(A/D)、非一時的な機械可読命令としてメモリ上に記憶され、プロセッサによって実行されて、本明細書に説明されるプロセスを行うことができる複数のソフトウェアルーチンを含む処理ユニットを含むことができる。処理ユニットは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ラップトップ、タブレット、モバイル電子デバイスなどのさまざまな市販のプラットフォームに基づいている場合があり、または、特定用途向け集積回路(ASIC)およびその他のカスタム回路を使用して、本明細書に説明されるプロセスを遂行するカスタムプラットフォームに基づいている場合もある。さらに、処理ユニットは、ユーザがシステムにインターフェースできるようにする1つ以上の入出力(I/O)デバイスに結合されてもよい。ほんの一例として、処理ユニットは、キーボード、タッチスクリーン、マウス、スキャナ、ボタン、または任意の他のデータ入力デバイスを介してユーザ入力を受信することができ、例えば、従来のビデオモニタであり得る表示ユニットを介して、グラフィック表示をユーザに提供し得る。システムはまた、システムの1つ以上の異なる構成要素からのデータを通信するための1つ以上の大エリアネットワーク、および/またはローカルネットワークを含むことができる。したがって、1つ以上の電子デバイスは、ユーザに情報を表示するためのユーザインターフェースおよび/またはユーザから情報を受信するための1つ以上の入力デバイスを入力することができる。システムは、リモートサーバ1003またはデータベース1005への、またはリモートサーバ1003またはデータベース1005からの通信の後、情報を受信および/または表示することができる。
【0091】
図示のように、システムは、メモリ1005に記憶され、リモートサーバなどのコンピュータ1003によってアクセスされるソフトウェアを含むことができる。頭部装着デバイス1004は、携帯電話1003などの電気デバイスを通して、またはネットワークを通してリモートサーバと通信して、ユーザに対する治療プロトコル命令を受信することができる。したがって、システムは、電極からのEEGまたは電気信号などのユーザ情報をリトリーブし、その情報を分析するように構成され得る。情報は、ヘッドセットと通信するコンピュータなどのローカルで分析することができ、および/またはリモートサーバがデータを処理し、治療プロトコルをHMDに戻すためにリモートサーバに通信することができる。
【0092】
本明細書に説明される例示的実施形態は、ユーザのEEGの固有周波数を決定すること、および/または固有周波数(ユーザからの測定値または標的固有周波数のいずれであろうと)に基づいてエネルギー源を投与することを含む。例示的な実施形態では、固有周波数は、FFT(高速フーリエ変換)に基づいて最大エネルギーを決定することによって測定および決定することができる。固有周波数を決定するために他の方法を使用することができる。例えば、システムは、電気信号の曲線フィッティング、ウェーブレット変換、またはユーザの脳からの他の近似もしくは波分析を使用し、固有周波数を決定することができる。例示的な実施形態は、より高い周波数の極大値を決定することを含み得る。例示的な実施形態は、ユーザの脳からの検出または測定された電気信号においてより高い周波数の極大値を探すことによって、固有周波数を決定することができる。例示的な実施形態では、刺激探索を伴う誘発活動を使用することができる。例えば、広帯域刺激を提供することができる。刺激の帯域は、所与の周波数を選択し、帯域の周りで周波数をホッピングし、または、8-9、8-10、9.9.5Hzなどの所定の周波数帯域を設定してから、支配的なリズムではない振動の誘出を観察することによって提供され得る。設定されたパラメータ(1Hz、0.5Hz、1.5Hz、または2Hzなど)または生体認証から導出されたパラメータ(心拍数や呼吸に関連するものなど)またはEEGから導出されたパラメータ(アルファEEG帯域の最大の2-3成分の識別など)を介してより高調波を探索することによって、より高い周波数のものが刺激の実行可能な標的であるかどうかを決定することにより。可能性のある標的周波数を決定するために、EEGの場所に基づくさまざまな重み(nの電圧での前頭リズムは、<nの電圧でより速い後頭リズムよりも選定される可能性が低くなる)が使用され得る。
【0093】
本明細書に説明されるシステムおよび方法の例示的な実施形態は、刺激周波数を決定するためにウェーブレット分析を使用することを含み得る。例示的な実施形態は、連続ウェーブレット変換(CWT)などのウェーブレット分析を使用して、治療プロトコルに寄与するためにEEGおよび/または他の生体認証信号を測定することができる。ウェーブレットを使用する例示的な実施形態は、閉ループフィードバック方法で使用して、システム動作および/または監視内で通知および/または決定を行うこともできる。例示的な実施形態では、ウェーブレットは、信号内の無関係なノイズ/アーティファクトを無視することができる方法として使用することができる。任意の形状のマザーウェーブレットを使用して、本明細書に説明される活動のすべてまたは任意の部分を測定することができる。
【0094】
図11は、本明細書に説明される実施形態による例示的なウェーブレットおよびウェーブレットのEEG波形への適用を示す。
【0095】
EEG振動は、提示において動的であり、周波数、振幅、および発生が変化し、波形形状および重なりは記録において共通である。FFT分析と曲線フィッティングアプローチは、さまざまな形状と周波数の他のウェーブレットと比較して、特定の再発生するEEG波形(「ウェーブレット」または「ウェーブレット(複数)」として知られる)の存在と密度を推定し得る。しかし、時間内にウェーブレットを具体的に探索したり、正確に識別したりすることはない。
【0096】
ウェーブレット変換(WT)は、形状、大きさ、周波数の両方で波形を定義する方法であり、さまざまな周波数、形状、大きさのウェーブレットにフィットして重なり、したがって、WTの仕様にフィットするウェーブレットの特定の識別のために、時系列の生体認証データに適用できる。WTは、信号内のノイズの除去、および/または特徴の識別と抽出に適用され得る。WTは、「マザーウェーブレット」と呼ばれる複数のベース波形を定義でき、Morlet、Daubechies、Biorthogonal、Orthogonal Cubic Spline、Coiflets、Complex Gaussian、Mexican Hat、およびHaarウェーブレット、加えて、離散および連続ウェーブレットクラスのウェーブレットを含むその他のウェーブレットが含まれるが、これらに限定されない。WTにおけるウェーブレットは、信号内のすべての時点で、信号内で使用可能なウェーブレットの可能な周波数を特定するためにマザーウェーブレットのサイズを調整できるように、さまざまなフィルタリング設定(係数)を適用することができる。
【0097】
図11は、例示的な用途を示す。
図11(a)は、刺激周波数に一致するDaubechiesウェーブレットを使用する例示的なウェーブレット変換を示す。例えば、刺激は10.6Hzで提供され得る。例示的な用途では、EEGは、刺激周波数に一致するDaubechiesウェーブレットを使用してWTで10.6Hzで提供される刺激の後、刺激中、または刺激の間にスキャンされ得る。患者の例示的なEEGが
図11(b)に見られ、これは、
図11(c)-11(d)に再現されている。
図11(c)-11(d)に見られるように、ウェーブレット変換(赤)がEEG信号(黒)と比較されている。WTによって測定された10.6Hzでの対象のウェーブレットの増加は、合計刺激の持続期間を短縮すること、または刺激が次に投与されるときへ影響すること、または刺激の他の特性を含む刺激パラメータに影響を与え得る。より具体的には、
図11(a)-(d)を参照すると、(a)は、対象の波形がEEG信号において探索され得るように、いくつかの係数値を有するDaubechiesウェーブレット(db)を定義する。EEG信号(b)は、対応するウェーブレットがEEG(d)において記されるまでdbWT(c)でスキャンされ、その時点で、刺激を送達するか、または治療パラメータを何らかの方法で調整することができる。
【0098】
例示的なシステムおよび方法は、ウェーブレット変換を使用して、マザーウェーブレットとWTのタイプの任意の組み合わせを使用する特定の時系列で、他のウェーブレット(アルファウェーブレットなど)に関連する1つ以上のタイプのウェーブレット(低速周波数ウェーブレットなど)の発生の変化による、治療および治療パラメータへの調整に対する応答を測定することを含み得る。例示的観察は、より高速ウェーブレット、または異なる周波数のウェーブレットの重なりの違いが後に続く、一連の低速ウェーブレットの変化におけるものであり得る。
【0099】
例示的なシステムおよび方法は、刺激を修正する方法として、刺激後または刺激前に特定のウェーブレットの開始を測定するためにWTを使用することを含むことができる。例には、特定のウェーブレットが発生し、WTによって識別されるまでEEGを記録し、その後、記されたウェーブレットの最中または直後に刺激を開始することが含まれる。EEGまたは生体認証時系列において同じ形状および周波数の2つまたは3つのウェーブレットが発生した後にのみ刺激が発生するように、一連の同じウェーブレットが発生した後に治療を開始することを含む例示的な実施形態。
【0100】
例示的なシステムおよび方法は、一連の刺激に続いてEEGまたは生体認証信号が監視されるように、WTを使用して刺激の構成要素(例えば、時間、周波数、またはそれらの組み合わせなど)を指定することを含み得る。刺激(1つ以上)に続く特定のウェーブレットの存在に基づいて、同じ刺激が繰り返されるか、刺激の一部の構成要素が変更され、次いで変更された刺激に続いて追加のWTが適用される。
【0101】
FT測定および/または曲線フィッティングを使用する本明細書に説明されるシステムおよび方法の例示的な実施形態は、ウェーブレット変換を利用および/または使用することもできる。
【0102】
本明細書に説明されるシステムおよび方法の例示的な実施形態は、機械学習ならびに/またはニューラルネットワークのアルゴリズムおよび技術を使用することができる。機械学習(ML)では、大量のデータの入力を用いてコンピューターアルゴリズムをトレーニングすることを含む。MLの派生物にはニューラルネットワーク(NN)が含まれ、そこでは、大規模なトレーニングセットが与えられたタスクを行うようにアルゴリズムがトレーニングされる。MLおよびNNを使用して予測アルゴリズムをトレーニングし、新しいデータをトレーニング済みアルゴリズムに入力すると、確実性または信頼区間のパーセンテージ内で結論を決定できるようにする。トレーニングデータは、ユーザもしくはすべてのユーザについて収集されたEEGのすべてもしくはいくつかからのEEGおよび/または生体認証感覚データを含み得る。NNアルゴリズムのトレーニングと更新は、データの任意の追加によりいつでも更新できる。NNは、FFT、曲線フィッティング、WT、およびNNに提供されたデータのその他の測定値を含む、供給されたデータの任意の測定値を使用でき、アルゴリズムトレーニングプロセスの一部として測定値を組み込む。NNアルゴリズムをさらに増強するために、既に提供されたデータの新しい分析技術をいつでもNNに供給することができる。トレーニングされたタスクは、例えば、特定の刺激パラメータに敏感なEEGシグネチャの識別であり得、それらのパラメータが刺激の持続期間、刺激の周波数、刺激セッションの合計持続期間、刺激の他の構成要素、およびその任意の組み合わせであるかどうかによらない。
【0103】
一例では、被験者のEEGおよび生体認証データがシステムによって記録され、トレーニングされたNNは、被験者が、セッションに関与する最前部の磁石のみを用いて、より長い期間の刺激に対してより反応することを示し:それに応じて刺激パラメータが調整される。別の例では、30分間の刺激セッションのうち20分間刺激を受ける被験者がNNによって監視され、これは(20分間のセッション中に集められた生体認証データの結果として)追加の刺激が相加的ではない可能性が高いことを示しており、刺激セッションは直ちに停止される。
【0104】
NNは、刺激前、刺激中、または刺激の間に刺激パラメータに影響を与えるために使用され得る。NNは、磁場刺激だけでなく、磁気刺激と、聴覚刺激や視覚刺激を含む他の種類の刺激の統合のための刺激パラメータをシフトするためにも使用できる。例えば、刺激の最初のセッション中に、さまざまな磁石からさまざまな周波数で刺激が送達され、一方、NNはEEGと生体認証データを監視し、十分なデータが集められると、特定の刺激設定が選定されるか、さまざまな刺激に対する生体認証応答に基づいてNNによって影響を受ける。
【0105】
例示的な実施形態では、NNを使用して、予想される治療期間、治療セッションの回数、または治療に関する他の情報についてのフィードバックをユーザに提供することができる。
【0106】
例示的な実施形態では、NNを使用してヘッドセットで被験者を監視し、NNが臨界値が高い信頼度で発現し得ると予測したときに刺激を提供することができる。例えば、ユーザが重機で作業しながらヘッドセットを装着している場合、NNが監視する生体認証データは被験者が眠りに落ちていることを示し、その時点で刺激を送達することができる。
【0107】
本明細書で説明される例示的なシステムおよび方法は、多くの異なる環境での使用に適合され得るモジュール式および/またはモバイルデバイスを含む。例えば、本明細書に説明される実施形態は、薬局または外から利用できる場所で使用され得るキオスクまたは着席式投与ステーションに含まれ得る。したがって、このシステムは、異なるユーザと接触し得る使い捨て部品の洗浄および/または使用を容易にすることができる。例えば、HMDの外層は使い捨て可能であり、単回使用用途のためにエネルギー源をユーザの頭部の所望の場所に保持することを目的とした、丈夫な紙タイプの材料の装着可能で調整可能なバンドを含むことができる。HMDの内部は、消毒剤で簡単にきれいに拭くか、使用の合間にキオスクの消毒コンパートメントに入れることができる。消毒コンパートメントは、アルコール、紫外線、または他の抗菌剤、防腐剤、抗ウイルス洗浄剤もしくは機構を投与することができる。同様に、例示的な実施形態は、ヘッドレストなどのシートに統合することができる。例示的な実施形態は、シートのアップグレード機能として使用することができる。例えば、リクライニングチェアまたは家庭用椅子とともに使用するために、ユーザは、購入した椅子とともに使用するために、本明細書に説明される実施形態によるプラグ接続可能な延長部またはHMDを含むアドオンを購入することができる。航空会社(またはバスや電車などの他の交通形態)も同様に、フライト中またはその他の旅行期間中に使用するための治療セッションの購入を可能にし得る。したがって、HMDは、スタンドアロンデバイスとして使用することも、輸送車両のシートに統合することもできる。
【0108】
本明細書に説明されるシステムの例示的な実施形態は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアに基づくことができる。本発明のいくつかの特定の実施形態を示してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。例えば、電子ハードウェア構成要素によって行われるほとんどの機能は、ソフトウェアエミュレーションによって複製され得る。したがって、それらと同じ機能を達成するために書かれたソフトウェアプログラムは、入出力回路内のハードウェア構成要素の機能をエミュレートすることができる。本発明は、本明細書に説明された特定の実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと理解されるべきである。
【0109】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して十分に説明されてきたが、当業者にはさまざまな変更および修正が明らかになることに留意されたい。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の実施形態の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。具体的には、例示的な構成要素が本明細書に説明されている。これらの構成要素の任意の組み合わせを任意の組み合わせで使用することができる。例えば、任意の構成要素、特徴、ステップ、または部分は、統合、分離、再分割、削除、複製、追加、または任意の組み合わせで使用することができ、本開示の範囲内に留まる。実施形態は単なる例示であり、特徴の例示的な組み合わせを提供するが、それらに限定されない。
【0110】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、用語「含む」および「含んでいる」およびそれらの変形は、特定の特徴、ステップまたは整数が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、または構成要素の存在を排除するように解釈されるべきではない。
【0111】
上記の説明、以下の請求項、または添付の図面に開示された特徴は、それらの特定の形式で、または開示された機能を行うための手段、または開示された結果を達成するための方法もしくはプロセスに関して表現され、必要に応じて、これらの特徴は、個別に、またはそのような特徴の任意の組み合わせで、本発明をその多様な形態で実現するために利用することができる。
【国際調査報告】