(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】抗菌フェイスマスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20231018BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20231018BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20231018BHJP
A01N 59/20 20060101ALI20231018BHJP
A01N 25/10 20060101ALI20231018BHJP
A01N 37/36 20060101ALI20231018BHJP
D04H 1/425 20120101ALI20231018BHJP
【FI】
A41D13/11 M
A41D13/11 Z
A01P1/00
A01P3/00
A01N59/20 Z
A01N25/10
A01N37/36
D04H1/425
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520156
(86)(22)【出願日】2021-10-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 GB2021052579
(87)【国際公開番号】W WO2022074384
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522339994
【氏名又は名称】ビーエムジー(ブリティッシュ・メディカル・グループ)リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BMG (BRITISH MEDICAL GROUP) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】グロス,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウイルキンソン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ワイト,ポール
【テーマコード(参考)】
3B211
4H011
4L047
【Fターム(参考)】
3B211CD02
3B211CE02
4H011AA02
4H011AA04
4H011BA01
4H011BA06
4H011BB06
4H011BB18
4H011BC06
4H011BC07
4H011BC19
4H011DA07
4H011DF04
4H011DH10
4L047AA08
4L047AA29
4L047CC03
4L047CC12
(57)【要約】
本発明は、抗菌フェイスマスク、抗菌フェイスマスクの使用、及びフェイスマスクの製造プロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性銅塩及び界面活性剤を組み込んだ不織布を含む抗菌フェイスマスクであって、前記界面活性剤は、両性イオン界面活性剤又はアルキル硫酸界面活性剤又はアルキル硫酸塩界面活性剤である抗菌フェイスマスク。
【請求項2】
a)前記両性イオン界面活性剤は、8~16の炭素のアルキル鎖を含み、スルホベタイン型構造又はベタイン型構造を有する、或いは、
b)前記アルキル硫酸又はその塩は、8~16の炭素のアルキル鎖を含む、請求項1に記載のフェイスマスク。
【請求項3】
前記銅塩は、20℃で脱イオン水1リットル当たり少なくとも100gの溶解度を有する、請求項1又は2に記載のフェイスマスク。
【請求項4】
前記銅塩は、硫酸銅である、請求項1~3のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項5】
前記両性イオン界面活性剤は、8~16の炭素のアルキル鎖を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項6】
前記両性イオン界面活性剤は、スルホベタイン型構造、好ましくはラウリルスルホベタインを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項7】
前記両性イオン界面活性剤は、好ましくはトリアルキルグリシンに基づく、ベタイン型構造を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項8】
前記両性イオン界面活性剤は、N,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインである、請求項1~5のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項9】
前記アルキル硫酸又はその塩は、8~16の炭素のアルキル鎖を含み、好ましくは、前記アルキル硫酸は、ドデシル硫酸ナトリウムである、請求項1~4のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項10】
また、有機カルボン酸を組み込む、請求項1~9のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項11】
前記有機カルボン酸は、3~7の炭素を有する、請求項10に記載のフェイスマスク。
【請求項12】
前記有機酸は、プロピオン酸、クエン酸又は乳酸のいずれかである、請求項10に記載のフェイスマスク。
【請求項13】
N
1-(3-アミノプロピル)-N
1-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン又は塩化ジデシルジメチルアンモニウムを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項14】
前記フェイスマスクは、複合層マスクであり、任意で、前記水溶性銅塩及び界面活性剤は、前記複合層マスクの外層及び/又は内層に組み込まれる、請求項1~13のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項15】
前記不織布は、セルロース系であり、好ましくは、前記不織布は、好ましくは少なくとも50重量%の、セルロース繊維から本質的になる、請求項1~14のいずれか一項に記載のフェイスマスク。
【請求項16】
個人用保護具としての、請求項1~15のいずれか一項に記載のフェイスマスクの使用。
【請求項17】
水溶性銅塩及び界面活性剤の活性配合物は、好ましくは以下:
a)0.25~10重量%/重量、好ましくは0.5~5重量%/重量で銅塩、
b)0.05~5重量%/重量、好ましくは0.1~3重量%/重量で界面活性剤、及び任意で含まれる場合、
c)0.1~5重量%/重量、好ましくは0.2~3重量%/重量で有機酸
の濃度量で、水溶液として不織布に適用される、請求項1~16のいずれか一項に記載のフェイスマスクの作製プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌フェイスマスク、抗菌フェイスマスクの使用、及び抗菌フェイスマスクの製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされた世界的な流行病により、社会的環境と職業的環境の両方で効果的な個人用保護具(PPE)の必要性が強調されてきている。マスクによってもたらされる使用者の保護によって、個人の健康に悪影響を及ぼし、社会に広範な悪影響を与える可能性がある、ウイルスによる感染を防ぐことができる。
【0003】
フェイスマスクは、典型的には、複数の層から構成される。これらの層は、ポリプロピレン、ポリエステル、又はセルロースなどの様々な材料から作成され得る。ろ過部材は、細菌及びウイルスなどの感染因子を捕捉することができるが、それらが急速に死滅しない限り、それらは増殖し、更なる汚染源になる可能性がある。
【0004】
国際公開第2004088029号パンフレットは、ウイルス不活性化のための銅イオンを有するペーパーマスクを開示している。
【0005】
国際公開第2009146412号パンフレットは、銅イオンを含む抗ウイルスマスクを報告している。これらの例は、布地を化学的に活性化して有効成分を結合する必要があることを示している。
【0006】
国際公開第2010138426号パンフレットは、病原体の伝染を減少させるためのマスクを詳述している。それは、ポリプロピレン不織布に限定される。具体的に適用される特許請求された配合は、ポリビニルアルコール、及び非イオン性界面活性剤としてのポリエチレンソルビトールを含む。処理された層は、複合マスク構造内の内側層として特定される。
【0007】
特開2010-024587号公報は、抗ウイルスマスクのための7~20の炭素の有機酸の使用を特許請求している。それは、アニオン界面活性剤の使用を特許請求している。
【0008】
特開2011-042615号公報は、銅イオンを有する特定のメタクリレートポリマーから作製されたマスクの抗ウイルス特性を特許請求している。
【0009】
中国特許出願公開第111206417号明細書は、アルコール溶液からの銅塩の沈着によって作製された抗菌セルロース布地を開示している。
【0010】
国際公開第2011040035号パンフレットは、シラン結合剤の必要性によりマスク布地に結合された低い溶解度のヨウ化銅の粒子を開示している。
【0011】
国際公開第2012130117号パンフレットは、低いpHの親水性層を介して病原体の感染を減少させることを目的としたマスクを特許請求しており、これは有機酸を必要とする。
【0012】
国際公開第2017073675号パンフレットでは、編地から作製された銅イオンを含む抗ウイルスマスクが詳述されている。
【0013】
国際公開第2018074337号パンフレットは、無機微粒子に基づく抗菌マスクを開示している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、PPEマスクを構築するために使用され得る繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、又はセルロース)に堆積するのに適している特定の殺生物剤を特定し、それらの抗菌特性を実証する。特に、本発明は、特定の界面活性剤と共に、特定の殺生物剤を含む抗菌マスクを提供する。
【0015】
本発明は、水溶性銅塩及び両性イオン界面活性剤又はアルキル硫酸界面活性剤を組み込んだ不織の布地又は材料を含む抗菌フェイスマスクを提供する。アルキル硫酸界面活性剤は、アルキル硫酸塩界面活性剤であり得る。「組み込んだ」は、コーティング、含浸、及び染色の概念を含み得る。
【0016】
本発明は更に、フェイスマスク構造に適した布地を所望の配合の水溶液で処理するプロセスを提供する。従って、本発明は、水溶性銅塩及び両性イオン又はアルキル硫酸又は塩界面活性剤の活性配合物を水溶液として不織布に適用するフェイスマスクの作製プロセスを提供する。
【0017】
本発明はまた、個人用保護具(PPE)として、即ち、専ら使用者を感染から保護するためのフェイスマスクの使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
抗菌マスクは、不織布、例えば、メルトブロー又はスパンボンドで形成されたポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、セルロース又はナイロンの少なくとも1つの層を含み、それに対して抗菌配合物が堆積される。好ましくは、マスクは、複合層マスク、即ち多層である。殺生物剤は、水溶性銅塩、又は有機酸、又は両方の組み合わせから選択される。界面活性剤は、両性イオン界面活性剤又はアルキル硫酸界面活性剤又はアルキル硫酸塩界面活性剤から選択される。
【0019】
本発明は、銅イオンの抗菌力を利用して使用者を保護するが、両性イオン界面活性剤又はアルキル硫酸又は塩界面活性剤を含む新規の配合物から有効性が向上する。複合層マスク形態の場合、水溶性銅塩及び両性イオン又はアルキル硫酸又は塩界面活性剤は、複合層マスクの外層又は内層又は両方に組み込まれる。
【0020】
好ましくは、銅塩は、20℃で脱イオン水1リットル当たり少なくとも100gの溶解度を有する。銅塩が硫酸銅である場合も好ましい。
【0021】
好ましくは、両性イオン界面活性剤は、アミンオキシドではない。
【0022】
好ましくは、両性イオン界面活性剤は、電荷分離した両性イオン界面活性剤である、即ち、正電荷と負電荷は、長さが少なくとも1つの炭素原子におけるアルキレン鎖によって分離されている。正電荷と負電荷は、C1~C10アルキレンによって分離されていることができる。
【0023】
適切な両性イオン界面活性剤は、スルホベタイン型構造又はベタイン型構造を有し得る。
【0024】
化学的性質においてベタインは、水素原子を有さない4級アンモニウム又はホスホニウムカチオン(一般的にはオニウムイオン)などの正に帯電したカチオン性官能基と、カチオン部位に隣接していなくてもよいカルボン酸基(又は「スルホベタイン」の場合、スルホン酸基)などの負に帯電した官能基を有する任意の中性化学化合物である。
【0025】
カルボキシル化4級アミンとしても知られるベタイン型構造は、当技術分野で知られている。好ましいベタイン型構造は、一般式:
【化1】
(式中、R
1は、C
6~C
20アルキルであり、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ハロ又はスルホン酸で任意に置換されるC
1~6アルキルから選択され、
nは、1~10の整数である)を有する。
【0026】
好ましくは:
R1は、C8~C16アルキルであり、
R2及びR3は、メチルであり、
nは、1~5の整数であり、任意に1~3である。
【0027】
このようなベタイン型界面活性剤は、当業者に知られており、Empigen BB(N,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインの30%水溶液)などの界面活性剤によって例示される。
【0028】
スルホベタイン型構造は、当技術分野で知られている。好ましいスルホベタイン型構造は、一般式:
【化2】
(式中、R
4は、C
6~C
20アルキルであり、R
5及びR
6は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ハロ又はスルホン酸で任意に置換されるC
1~
6アルキルから選択され、mは、1~10の整数である)を有する。
【0029】
好ましくは:
R4は、C8~C16アルキルであり、
R5及びR6は、メチルであり、
mは1~5の整数であり、任意に1~3である。
【0030】
好ましくは、両性イオン界面活性剤は、8~16の炭素のアルキル鎖を含む。
【0031】
両性イオン界面活性剤が、ベタイン型構造を有し、好ましくは窒素での4級アルキル、即ち、N-4級アルキルグリシンを有する場合も好ましい。
【0032】
両性イオン界面活性剤が、スルホベタイン型構造、好ましくはラウリルスルホベタインを有する場合も好ましい。
【0033】
好ましい両性イオン界面活性剤は、ラウリルスルホベタイン及びN,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインを含む。最も好ましい両性イオン界面活性剤は、N,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインである。
【0034】
或いは、8~16の炭素のアルキル鎖を含むアルキル硫酸界面活性剤又はその塩、好ましくはドデシル硫酸ナトリウムが好ましい。
【0035】
フェイスマスクはまた、好ましくは3~7の炭素を有する有機カルボン酸を組み込むことができる。好ましい酸は、プロピオン酸、クエン酸又は乳酸を含む。或いは、フェイスマスクは、有機酸を含まなくてもよい。
【0036】
また、フェイスマスクは、更なる殺生物剤を組み込み得る。適切な殺生物剤は、Lonzabac12.30(即ち、N1-(3-アミノプロピル)-N1-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン)及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムから選択されることができる。
【0037】
好ましくは、不織布は、セルロース系である。この点で、不織布フェイスマスクは、好ましくは少なくとも50重量%のセルロース繊維を含むことができる、又は本質的にこれからなることができる。
【0038】
フェイスマスクの製造のために、水溶性銅塩及び界面活性剤の活性配合物が、水溶液として不織布に適用されることができる。複合層マスク形態での場合、活性配合物は、複合層マスクの外層又は内層又はその両方に適用される。
【0039】
銅塩は、0.25~10重量%/重量、好ましくは0.5~5重量%/重量の濃度量で活性配合物に存在し得る。界面活性剤は、0.05~5重量%/重量、好ましくは0.1~3重量%の濃度量で存在し得る。含まれる有機酸は、0.1~5重量%/重量、好ましくは0.2~3重量%/重量の濃度量で存在し得る。
【0040】
従って、本発明は、水溶性銅塩及び界面活性剤の活性配合物が、好ましくは以下の濃度量で、水溶液として不織布に適用される、本明細書で定義されるフェイスマスクの作製プロセスを提供する:
a)0.25~10重量%/重量、好ましくは0.5~5重量%/重量で銅塩
b)0.05~5重量%/重量、好ましくは0.1~3重量%/重量で界面活性剤、及び任意で含まれる場合、
c)0.1~5重量%/重量、好ましくは0.2~3重量%/重量で有機酸。
【0041】
活性配合物は、0.01~5重量%/重量、好ましくは0.05~0.5重量%/重量の濃度で更なる殺生物剤を更に含み得る。適切な殺生物剤は、Lonzabac12.30(N1-(3-アミノプロピル)-N1-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン)及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムから選択されることができる。
【0042】
界面活性剤は、ポリマー材料の表面エネルギーを大幅に変化させることができ、湿潤と接着を促進する。しかしながら、これには重要な技術的ハードルがある。布地への堆積を可能にするために水溶性銅の提示(presentation)が必要な場合、多くの界面活性剤は不十分である。アニオン界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)は、硫酸銅溶液への溶解度が非常に低く不十分である。ジメチルドデシルアミンN-オキシド又はN,N-ジメチルオレイルN-オキシド(CAS14351-50-9)などのアミンオキシド界面活性剤も容認できず、硫酸銅溶液から沈殿を引き起こす。予想外に、ジメチルドデシルグリシンベタイン(CAS66455-29-6)又はラウリルスルホベタイン(CAS14933-08-5)などの両性イオンベタイン界面活性剤は、沈殿を引き起こさず、不織布のコーティングに適した均一な溶液をもたらすことがわかった。加えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムとはまったく対照的に、構造的に関連するドデシル硫酸ナトリウムはまた、コーティングに許容できる溶液をもたらしたという予想外の発見をした。
【0043】
本明細書において、「アルキル」という用語は、直鎖及び分枝鎖の両方のアルキル基並びにそれらの類似体を含む。「プロピル」などの個々のアルキル基への言及は、直鎖型のみに固有であり、「イソプロピル」などの個々の分岐鎖アルキル基への言及は、分岐鎖型のみに固有である。例えば、「C1~C6アルキル」は、C1~C4アルキル、C1~C3アルキル、プロピル、イソプロピル及びt-ブチルを含む。
【0044】
「アルキレン」基は、2つの他の化学基の間に位置し、それらを結合する働きをするアルキル基である。従って、「C1~C6アルキレン」は、1~6の炭素原子の直鎖飽和二価炭化水素ラジカル又は3~6の炭素原子の分枝鎖飽和二価炭化水素ラジカル、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン、ペンチレンなどを意味する。
【0045】
以下の実施例を参照することにより、ここで本発明を例示するが、決して限定するものではない。
【実施例】
【0046】
実施例1-布地の調製
硫酸銅(0.25g)及びクエン酸(0.10g)を、24.65gの水に溶解し、18×18cm四方の不織のセルロース布地(フェイスマスク構成に適している)を加えた。浴を50℃のオーブンで10分間加熱し、次いで布地を取り出して空気乾燥させた。
【0047】
実施例2-布地の調製
硫酸銅(0.25g)、ドデシル硫酸ナトリウム(0.05g)及びクエン酸(0.10g)を、24.60gの水に溶解し、18×18cm四方の不織のセルロース布地(フェイスマスク構成に適している)を加えた。浴を50℃のオーブンで10分間加熱し、次いで布地を取り出して空気乾燥させた。
【0048】
実施例3-布地の調製
硫酸銅(0.25g)、ラウリルスルホベタイン(CAS14933-08-5)(0.05g)及びクエン酸(0.10g)を24.60gの水に溶解し、18×18cm四方の不織のセルロース布地(フェイスマスク構成に適している)を加えた。浴を50℃のオーブンで10分間加熱し、次いで布地を取り出して空気乾燥させた。
【0049】
実施例4-布地の調製
硫酸銅(0.25g)、Empigen BB(0.10g)及びクエン酸(0.10g)を24.55gの水に溶解し、18×18cm四方の不織のセルロース布地(フェイスマスク構成に適している)を加えた。浴を50℃のオーブンで10分間加熱し、次いで布地を取り出して空気乾燥させた。Empigen BBは、N,N-ジメチル-N-ドデシルグリシンベタインの30%水溶液である。
【0050】
実施例5-上記布地の微生物学的性能
実施例4で調製した試料の4cmディスクに、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(「Staph a」)又は大腸菌(Escherichia coli)(「E coli」)のいずれかの0.1mlの提示を接種した。37℃で1時間後、黄色ブドウ球菌(Staph a)と大腸菌(E coli)の両方で5Logを超える減少が達成された。
【0051】
実施例6-布地の調製
硫酸銅(0.25g)、ドデシル硫酸ナトリウム(0.05g)、クエン酸(0.10g)及びLonzabac12.30(N1-(3-アミノプロピル)-N1-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン)(0.1g)を24.4gの水に溶解し、18×18cm四方の不織のセルロース布地(フェイスマスク構成に適している)を加えた。浴を50℃のオーブンで10分間加熱し、次いで布地を取り出して空気乾燥させた。
【0052】
実施例7-布地の調製
硫酸銅(0.25g)、Empigen BB(0.1g)、及びLonzabac12.30(N1-(3-アミノプロピル)-N1-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン)(0.1g)を24.55gの水に溶解し、18×18cm四方の不織のセルロース布地(フェイスマスク構成に適している)を加えた。浴を50℃のオーブンで10分間加熱し、次いで布地を取り出して空気乾燥させた。
【国際調査報告】