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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】可変相互接続能力を有する手術ハブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/00 20160101AFI20231018BHJP
   G16H 40/60 20180101ALI20231018BHJP
【FI】
A61B34/00
G16H40/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520168
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 IB2021058913
(87)【国際公開番号】W WO2022070075
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】17/062,530
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】アダムス・シェーン・アール
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
手術ハブは、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを取得し得る。例えば、ハブ接続モードは、事前構成され、動的に更新され、半動的に更新され、周期的に更新され、又は事前設定され得る複数の接続モードから選択され得る。ハブ接続モードは、病院に関連付けられたネットワーク内の装置間接続、及び/又は異なる病院に関連付けられた外部ネットワークとの通信を制御し得る。手術ハブは、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート手術器具に命令情報を提供するかどうかを決定することができる。ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートしないという条件で、手術装置への命令情報のプロビジョニングは無効にされ得る。ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートするという条件で、手術ハブは、命令情報を取得して手術装置に提供することを決定し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術ハブであって、
少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信するように構成された受信機と、
手術データを遠隔サーバに送信するように構成された送信機と、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて前記少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を行うように構成されている、手術ハブ。
【請求項2】
前記送信機が、前記少なくとも1つのスマート手術装置にデータを送信するように更に構成され、前記プロセッサが、
命令情報を送信する決定に基づいて、前記受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、
前記送信機を介して前記少なくとも1つのスマート手術装置に前記取得された命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載の手術ハブ。
【請求項3】
前記命令情報が、
手術機能に対する調整、
優先順位付け情報、
カートリッジ使用推奨、
警告メッセージ、
手術装置使用推奨、又は
手術装置使用命令の少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の手術ハブ。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ハブ接続モードに基づいて、外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定するように更に構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の手術ハブ。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を前記遠隔サーバに送信するかどうかを決定するように更に構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の手術ハブ。
【請求項6】
前記受信機が、前記遠隔サーバからデータを受信するように更に構成され、前記プロセッサが、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、
前記集約分析を検索する決定に基づいて、前記受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、
前記送信機を介して前記集約分析要求を前記遠隔サーバに送信することと、
前記受信機を介して前記遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、
前記集約分析応答に基づいて前記命令情報を生成することと、
前記送信機を介して前記少なくとも1つのスマート装置に前記命令情報を送ることと、を行うように更に構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の手術ハブ。
【請求項7】
前記ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、前記手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の手術ハブ。
【請求項8】
前記ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の手術ハブ。
【請求項9】
ハブ接続を制御する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、
ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を含む、方法。
【請求項10】
命令情報を送信する決定に基づいて、前記受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、
前記取得された命令情報を前記少なくとも1つのスマート手術装置に送信することと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記命令情報が、
手術機能に対する調整、
優先順位付け情報、
カートリッジ使用推奨、
警告メッセージ、
手術装置使用推奨、又は
手術装置使用命令の少なくとも1つを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定することを更に含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを更に含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
遠隔サーバ又は前記遠隔サーバからデータを受信することを更に含み、前記プロセッサは、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、
前記集約分析を検索する決定に基づいて、前記受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、
前記ハブの送信機を介して前記集約分析要求を前記遠隔サーバに送信することと、
前記ハブの受信機を介して前記遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、
前記集約分析応答に基づいて前記命令情報を生成することと、
前記送信機を介して前記命令情報を前記少なくとも1つのスマート装置に送信することと、を行うように更に構成される、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ハブ接続制御パラメータが、利用可能なデータ帯域幅、前記手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
記憶された命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、
少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、
ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を実行する、コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記手術ハブの前記プロセッサによって実行されると、
命令情報を送信する決定に基づいて、前記受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、
前記取得された命令情報を前記少なくとも1つのスマート手術装置に送信することと、を実行する命令を更に含む、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記手術ハブの前記プロセッサによって実行されると、前記ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、請求項17又は18に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記手術ハブの前記プロセッサによって実行されると、前記ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を前記遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、請求項17~19のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記ハブ接続モードは、前記手術ハブが動作し得る複数の接続モードから選択可能であり、前記ハブ接続モードの各々は、ネットワーク内の装置間接続、及び/又は外部ネットワークとの通信を制御するように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記少なくとも1つのスマート手術装置からの前記手術情報は、前記少なくとも1つのスマート手術装置によって実行される外科手術に関連する手術データを含み、任意選択で、前記手術データ及び手術パラメータは、前記外科手術中に前記少なくとも1つの手術装置によって記録され、更に任意選択で、前記手術パラメータは、発射力、閉鎖力、発射進行、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、及び組織圧縮安定性のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、代理人整理番号END9287USNP1、表題「METHOD FOR OPERATING TIERED OPERATION MODES IN A SURGICAL SYSTEM」で同時に出願された出願に関連し、その内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
外科システムは、臨床医(複数可)が、例えば、モニタなどの1つ以上のディスプレイ上で、手術部位及び/又はその1つ以上の部分を見ることを可能にできる撮像システムを組み込んでいることが多い。ディスプレイ(複数可)は、手術現場(surgical theater)に局所的であっても、かつ/又は、遠隔であってもよい。撮像システムは、手術部位を見て、かつ臨床医が見ることができるディスプレイにビューを送信する、カメラを備えたスコープを含むことができる。スコープとしては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、膀胱鏡、食道胃十二指腸鏡、腸鏡、食道十二指腸鏡(胃カメラ)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡、尿管鏡、及び外視鏡が挙げられるが、これらに限定されない。撮像システムは、臨床医(複数可)を認識することができ、かつ/又は臨床医に伝達することができる情報によって制限される場合がある。例えば、三次元空間内の特定の隠れた構造、物理的輪郭、及び/又は寸法は、特定の撮像システムでは手術中に認識できないことがある。追加的に、特定の撮像システムは、手術中に特定の情報を臨床医(複数可)に通信すること、及び/又は伝達することができない場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の様々な実施形態によれば、以下の例が提供される。
実施例1.少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信するように構成された受信機と、手術データを遠隔サーバに送信するように構成された送信機と、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送るべきかどうかを決定し、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を行うように構成されたプロセッサと、を含む、手術ハブ。
【0004】
手術ハブは、特定の構成にかかわらず、異なる接続モードで、様々な装置、遠隔サーバ(複数可)、並びに/又は外部ネットワーク内の装置、サーバ、及びデータベースと通信することができる。通信は、ハブが、これらの装置と通信し、情報を集約し、次いで、遠隔処理サーバ又はデータベースと通信することを可能にする。
【0005】
ハブ接続モードは、事前構成され、動的に更新され、半動的に更新され、周期的に更新され、又は事前設定され得る複数の接続モードから選択され得る。ハブ接続モードは、医療施設、例えば、病院に関連付けられたネットワーク内の装置間接続、及び/又は異なる病院に関連付けられた外部ネットワークとの通信を制御してもよい。ハブ接続モードは、ハブ接続制御パラメータに基づいて決定され得る。
【0006】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、限定はしないが、ハードウェア能力、ファームウェア能力、及び/又はソフトウェア能力などのシステム能力を含み得る。ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、サブスクリプションレベルなどの消費者制御パラメータを含むことができる。ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、階層化されたシステムからの指示を含み得る。階層化システムは、利用可能なデータ帯域幅、電力容量及び使用量、プロセッサ及びメモリ利用率、並びに/又は内部若しくは付属システムに基づいて、手術ハブと装置(複数可)との間の通信、手術ハブと外部サーバ(複数可)などとの間の通信をスケーリングし得る。階層化システムは、手術ハブがその下で動作し得る最大通信能力を決定してもよい。
【0007】
手術ハブは、手術情報が手術ハブを通って遠隔サーバに流れ得る、フロースルー接続モードで動作してもよい。手術ハブは、手術ハブが手術装置(複数可)から手術データを受信し、命令情報などのデータを装置(複数可)に送信し得る双方向モードで動作してもよい。例示的な双方向モードでは、手術ハブは、クラウド内の遠隔サーバ(複数可)に送信する前に、手術装置(複数可)から受信した手術データを集約してもよい。双方向モードは、状況認識及び手術装置(複数可)の制御を可能にし得る。手術ハブは、外部データセットとのデータ集約をサポートするハブ接続モードで動作してもよい。このハブ接続モードでは、手術ハブは、手術データの記録及びアーカイブを容易にすることができ、手術データ及び/又は関連する分析を外部ネットワーク(複数可)と交換することができる。様々な病院又は医療機関からのデータを集約することができる。手術データ、結果、患者情報をコンパイルして、命令情報、手術の推奨、集計分析などを決定することができる。手術ハブは、クラウド内の遠隔サーバ(複数可)又はデータベース(複数可)から集約分析を検索し得る。集約分析は、異なる外科手術について所望の結果を実現する可能性を増加させる。外科医にはベストプラクティス推奨が提供されてもよく、ベストプラクティス推奨は、経時的に複数の場所で行われた複数の外科手術に関連付けられた集約された手術データセットに基づいて生成されてもよい。
【0008】
手術ハブは、ハブ接続モードに基づいて、手術ハブと通信している少なくとも1つの手術器具に命令情報を提供するかどうかを決定してもよい。これにより、手術ハブは、ハブ接続モードの状態に従って少なくとも1つの手術器具に命令情報を提供することに関して選択的な動作を行うことができる。例えば、ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートしないという条件で、手術装置への命令情報のプロビジョニングは無効にされ得る。これは、ハブ接続制御パラメータ(複数可)が、命令情報の指示を提供するための手術器具におけるハードウェア能力の欠如を示す場合であり得、手術ハブは、命令情報を手術器具に提供することを無効にし得る接続モードに切り替わり得る。一方、ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートするという条件で、手術ハブは、命令情報を取得して手術装置に提供することを決定し得る。
【0009】
実施例2.実施例1の手術ハブであって、送信機は、少なくとも1つのスマート手術装置にデータを送信するように更に構成され、プロセッサは、命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得し、取得された命令情報を送信機を介して少なくとも1つのスマート手術装置に送信するように更に構成されている、手術ハブ。
【0010】
実施例2として、ハブ接続モードは、手術装置へのプロビジョニング命令をサポートし得る。したがって、手術装置には、状況認識、履歴情報などを考慮した命令を含み得る命令が提供される。提供される命令情報に応じて、手術装置によって実行される手術活動の結果及び品質が改善され得る。外科医は、警告メッセージ、及び/又は装置、患者、及び手術に関する推奨を提供されてもよい。装置の動作が改善され得る。患者の安全を守ることができる。
【0011】
実施例3.命令情報は、手術機能に対する調整、優先順位付け情報、カートリッジ使用推奨、警告メッセージ、手術装置使用推奨、又は手術装置使用命令の少なくとも1つを含む実施例1又は2に記載の手術ハブ。
【0012】
実施例3として、命令情報が、装置及び/又は外科医に提供されてもよく、それは、外科機能の効率及び/若しくは有効性、並びに/又は動作の安全性及びセキュリティの改善に寄与し得る。
【0013】
実施例4.プロセッサが、ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定するように更に構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ。
【0014】
実施例4として、ハブ接続モードに基づく外部システムとの通信は、条件に適合される。例えば、ハブ接続モードが、サブスクリプションレベル等の消費者制御パラメータを含み得るハブ接続制御パラメータによって決定されるような外部システムへのアクセスをサポートしない条件では、外部システムとの手術ハブの通信は、無効にされ得る。これは、医療施設がハブ接続能力へのサブスクリプションを購入し、サブスクリプションレベル(複数可)がハブ接続を内部装置に制限する場合であり得る。
【0015】
実施例5.プロセッサは、ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定するように更に構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ。
【0016】
手術器具又は手術ハブは、処置が実行されている間に、処置に関連する手術情報を記録することができる。実施例5として、手術ハブは、手術器具から受信した記録された手術情報を、アーカイブ及び/又は分析のために遠隔サーバに送信してもよい。アーカイブされた手術情報は、他の手術ハブ(複数可)から受信された情報、及び/又は他の医療施設に関連付けられた手術情報と集約され得る。集約された情報は、1つ以上の手術器具(複数可)に対する命令情報を生成するためにアクセスされ得る。例えば、手術通信ハブは、スマート手術装置から受信した情報、複数の手術に関連付けられた情報、手術情報、及び複数の患者に関連付けられた対応する結果などの情報を集約することができる。集約された情報は、遠隔データベースに記憶されてもよい。例えば、手術情報は、遠隔サーバにおいて集約されてもよい。
【0017】
実施例6.受信機が、遠隔サーバからデータを受信するように更に構成され、プロセッサが、ハブ接続モードに基づいて、遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、集約分析を検索する決定に基づいて、受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、送信機を介して集約分析要求を遠隔サーバに送信することと、受信機を介して遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、集約分析応答に基づいて命令情報を生成し、送信機を介して少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ。
【0018】
実施例6として、手術ハブは、遠隔サーバから集約分析を検索し、集約分析に基づく手術データ及び/又は推奨における傾向等の命令情報を手術装置に提供することが可能にされる。例えば、遠隔サーバは、手術ハブ(複数可)から受信された情報、及び/又は他の医療施設に関連付けられた手術情報を集約してもよい。集約された情報は、1つ以上の手術器具(複数可)に対する命令情報を生成するためにアクセスされ得る。集約分析は、異なる外科手術について所望の結果を実現する可能性を増加させる。外科医にはベストプラクティス推奨が提供されてもよく、ベストプラクティス推奨は、経時的に複数の場所で実行される複数の外科手術に関連付けられた集約された手術データセットに基づいて生成されてもよい。
【0019】
実施例7.ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、任意の前述の実施例に記載の手術ハブ。
【0020】
実施例7として、ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続モードが、データ帯域幅、電力、並びに/又はプロセッサ及びメモリ利用情報の状態に基づいて、手術ハブと手術器具及び/又は外部サーバとの通信を制御することを可能にする。
【0021】
実施例8.ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施例1~6のいずれか1つに記載の手術ハブ。
【0022】
実施例8として、ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続モードが、サブスクリプションレベル、ユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示に基づいて、手術器具及び/又は外部サーバとの手術ハブの通信を制御又は縮小することを可能にする。例えば、ハブ接続制御パラメータ(複数可)が階層化システムからの指示を含む場合、階層化システムは、例えば、利用可能なデータ帯域幅、電力容量及び使用、プロセッサ及びメモリ利用、並びに/又は内部若しくは付属システムに基づいて、手術ハブと手術器具との間の通信、手術ハブと外部サーバとの間の通信をスケーリングし得る。階層化システムは、手術ハブがその下で動作し得る最大通信能力を決定してもよい。例えば、手術室、手術ハブ、及び/又は医療施設に関連付けられた電力能力が閾値未満であることを検出すると、階層化システムは、手術ハブの接続能力を縮小してもよい。別の例では、利用可能なデータ帯域幅が閾値未満であること、メモリ利用が特定の閾値を上回ること、電力使用量が特定の閾値を上回ること、及び/又は手術ハブの接続能力を縮小することを保証し得る他のシステム条件を検出すると、階層化システムは、手術ハブと少なくとも1つの手術器具との間の通信及び/又は手術ハブと外部サーバとの間の通信を制限又は無効にし得る。例えば、双方向接続モードは、フロースルー接続モードに縮小され得る。外部通信は無効にされ得る。
【0023】
実施例9.ハブ接続を制御するための方法であって、少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を含む、方法。
【0024】
実施例10.命令情報を送信する決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、取得された命令情報を少なくとも1つのスマート手術装置に送信することと、を更に含む、実施例9に記載の方法。
【0025】
実施例11.命令情報は、手術機能の調整、優先順位付け情報、カートリッジ使用推奨、警告メッセージ、手術装置使用推奨、又は手術装置使用命令の少なくとも1つを含む実施例9又は10に記載の方法。
【0026】
実施例12.ハブ接続モードに基づいて、外部システムとの通信を無効にするか否かを決定することを更に含む、実施例9~11のいずれか1つに記載の方法。
【0027】
実施例13.ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを更に含む、実施例9~12のいずれか1つに記載の方法。
【0028】
実施例14.遠隔サーバ又は遠隔サーバからデータを受信することを更に含み、プロセッサは、ハブ接続モードに基づいて、遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、集約分析を検索する決定に基づいて、受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、ハブの送信機を介して集約分析要求を遠隔サーバに送信することと、ハブの受信機を介して遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、集約分析応答に基づいて命令情報を生成することと、送信機を介して少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、実施例9~13のいずれか1つに記載の方法。
【0029】
実施例15.ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~14のいずれか1つに記載の方法。
【0030】
実施例16.ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~14のいずれか1つに記載の方法。実施例9~16の方法は、手術ハブによって行われてもよい。
【0031】
実施例17.コンピュータ可読媒体であって、命令は、実行されると、少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を実行するそこに記憶された命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【0032】
実施例18.手術ハブのプロセッサによって実行されると、命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、取得された命令情報を少なくとも1つのスマート手術装置に送信することとを実行する命令を更に含む、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【0033】
実施例19.手術ハブのプロセッサによって実行されると、ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効化するかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施例17又は18に記載のコンピュータ可読媒体。
【0034】
実施例20.手術ハブのプロセッサによって実行されると、ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された外科情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施例17~19のいずれか1つに記載のコンピュータ可読媒体。実施例17~20のコンピュータ可読媒体上の命令は、手術ハブのプロセッサによって実行されてもよい。
【0035】
実施例9~16による方法、及び実施例17~19に記載されるコンピュータ可読媒体は、実施例1~8の装置に対応する。したがって、実施例1~8に関する上記の議論は、実施例9~20にも当てはまる。
【0036】
実施例21.ハブ接続モードは、手術ハブが動作し得る複数の接続モードから選択可能であり、ハブ接続モードのそれぞれは、ネットワーク内の装置間接続、及び/又は外部ネットワークとの通信を制御するように構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
【0037】
実施例22.任意の前述の実施例の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体であって、少なくとも1つのスマート手術装置からの手術情報は、少なくとも1つのスマート手術装置によって実行される外科手術に関連する手術データを含み、任意選択で、手術データ及び手術パラメータは、外科手術中に少なくとも1つの手術装置によって記録され、更に任意選択で、手術パラメータは、発射力、閉鎖力、発射進行、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、及び組織圧縮安定性のうちの少なくとも1つを含む、手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
【0038】
本発明の更なる実施形態によると、手術ハブは、手術室内、医療施設内、及び/又は医療施設外の種々の装置及びサーバと有線又は無線で接続されてもよい。手術ハブは、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することができる。ハブ接続モードは、事前構成され、動的に更新され、半動的に更新され、周期的に更新され、又は事前設定され得る複数の接続モードから選択され得る。ハブ接続モードは、例えば、病院に関連付けられたネットワーク内の装置間接続、及び/又は異なる病院に関連付けられた外部ネットワークとの通信を制御してもよい。
【0039】
例えば、手術ハブは、接続モードに基づいて、命令情報を取得することを無効にするかどうかを決定し得る。現在の接続モードがフロースルーモードであるという決定に基づいて、手術ハブは、命令情報を取得することを無効にし得る。
【0040】
例えば、手術ハブは、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート手術器具に命令情報を提供するかどうかを決定し得る。ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートしないという条件で、手術装置への命令情報のプロビジョニングは無効にされ得る。ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートするという条件で、手術ハブは、命令情報を取得して手術装置に提供することを決定し得る。
【0041】
例えば、手術ハブは、ハブ接続モードに基づいて、遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定してもよい。現在のハブ接続モードが遠隔データ集約及び分析をサポートするという決定に基づいて、手術ハブは、集約分析要求を生成してもよい。要求は、受信された手術データに基づいて生成されてもよく、遠隔サーバに送信されてもよい。例えば、集約分析要求は、外科手術における特定の工程に関連付けられた発生器データに関する推奨の要求を示すことができる。それに応答して、手術ハブは、遠隔サーバから集約分析応答を受信することができる。例えば、集約分析応答は、推奨及び/又は報告を含み得る。集約分析応答は、特定の外科手術のための発生器のエネルギーモード、特定の外科手術のための発生器の電力出力、及び/又は特定の外科手術のための発生器の電力出力の持続時間のうちの1つ以上を含み得る。集約分析応答は、本明細書で説明されるような命令情報を含み得る。手術ハブは、受信された集約分析応答に基づいて、命令情報を生成し、1つ以上の手術装置(複数可)に送信してもよい。現在のハブ接続モードが遠隔データ集約分析をサポートするという決定に基づいて、手術ハブは、データ集約分析要求を無効にし得る。
【0042】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、限定はしないが、ハードウェア能力、ファームウェア能力、及び/又はソフトウェア能力などのシステム能力を含み得る。ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、サブスクリプションレベルなどの消費者制御パラメータを含むことができる。例えば、医療施設は、ハブ接続能力へのサブスクリプションを購入してもよい。いくつかのサブスクリプションレベル(複数可)は、外部システムから収集された手術データへのハブアクセスを提供し得るが、他のサブスクリプションレベルは、内部装置へのハブ接続を制限し得る。
【0043】
例示的なハブ接続モードでは、手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信してもよく、受信した情報を遠隔サーバ(遠隔処理サーバ及び/又はクラウド内の遠隔データベースなど)に送信してもよい。
【0044】
例示的な接続モードでは、手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信してもよく、受信した情報を遠隔サーバ(遠隔処理サーバ及び/又はクラウド内の遠隔データベースなど)に送信してもよい。手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信し、手術器具(複数可)から受信した情報に基づいて命令情報を取得してもよく、命令情報を1つ以上の手術器具(複数可)に送信してもよい。
【0045】
例示的な接続モードでは、手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信してもよく、受信した情報を遠隔サーバ(遠隔処理サーバ及び/又はクラウド内の遠隔データベースなど)に送信してもよい。手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信し、手術器具(複数可)から受信した情報に基づいて命令情報を取得してもよく、命令情報を1つ以上の手術器具(複数可)に送信してもよい。手術ハブは、種々の手術情報を記録し、アーカイブ及び/又は分析のために手術情報を遠隔サーバに送信してもよい。アーカイブされた手術情報は、他の手術ハブ(複数可)から受信された情報、及び/又は他の医療施設に関連付けられた手術情報と集約され得る。集約された情報は、1つ以上の手術器具(複数可)に対する命令情報を生成するためにアクセスされ得る。一例では、手術通信ハブは、スマート手術装置から受信された情報、複数の手術に関連付けられた情報、手術情報、及び複数の患者に関連付けられた対応する結果などの情報を集約し得る。集約された情報は、遠隔データベースに記憶されてもよい。一例では、手術情報は、遠隔サーバにおいて集約され得る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科手術を実施するために使用される外科システムである。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた手術ハブである。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ以上の手術現場、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置しているモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを備える手術データネットワークを示す。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える手術ハブを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、手術器具又はツールの制御システムの論理図を示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を実施するために起動され得る複数のモータを備える手術器具又はツールを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システムの図を示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、外科手術における各工程で検出されたデータから手術ハブが作成することができる例示的な外科手術及び推論のタイムラインを示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式装置の制御プログラムの更新を適応的に生成するように構成された、コンピュータで実装されたインタラクティブ外科システムのブロック図を示す。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、コントローラ及びモータを有するハンドルと、ハンドルに解放可能に連結されるアダプタと、アダプタに解放可能に連結される装填ユニットとを含む、外科システムを示す。
図15A】本開示の少なくとも1つの態様による、動作モードを決定し、決定されたモードで動作するための例示的なフローを示す。
図15B】本開示の少なくとも1つの態様による、動作モードを変更するためのフローの例を示す。
図16A】例示的なハブ接続モードを示す。
図16B】例示的なハブ接続モードを示す。
図16C】例示的なハブ接続モードを示す。
図17】階層化ハブ通信モード下で動作するための例示的なフローを示す。
図18A】階層化ハブ通信モードの下で動作するための例示的フローを示す。
図18B】階層化ハブ通信モードの下で動作するための例示的フローを示す。
図18C】階層化ハブ通信モードの下で動作するための例示的フローを示す。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、例示的なインタラクティブ外科システムを示す。
図20】RFID NFCチップと共にパッケージ化された例示的な手術用品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本願の出願人は以下の米国特許出願を所有しており、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
●2018年3月29日に出願された米国特許出願第15/940,654号(代理人整理番号END8501USNP)、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAWARENESS」。
●2018年3月29日に出願された米国特許出願第15/940,668号、「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する、代理人整理番号END8501USNP2。
●2018年12月4日に出願された、米国特許出願第16/209,478号(代理人整理番号 END9015USNP1)、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」。
●2018年11月6日に出願された、「ADJUSTMENTS BASED ON AIRBORNE PARTICLE PROPERTIES」と題する米国特許出願第16/182,246号(代理人整理番号第END9016USNP1号)。
●2018年12月4日に出願された、「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願第16/209,385号(代理人整理番号END8495USNP)。
【0048】
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージ装置105に連結された遠隔サーバ113を含み得るクラウド104)とを含み得る。各外科システム102は、遠隔サーバ113を含み得るクラウド104と通信する、少なくとも1つの手術ハブ106を含み得る。一例では、図1に示すように、外科システム102は、可視化システム108と、ロボットシステム110と、手持ち式インテリジェント手術器具112とを含み、これらは、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成されている。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個の手持ち式インテリジェント手術器具112とを含んでもよく、M、N、O及びPは1以上の整数である。
【0049】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示すように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理ユニットと、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイとを含み得る。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS及びEMR用のインターフェースを含み得る。視覚化システム108の様々な構成要素は、米国における「Advanced Imaging Acquisition Module」という見出しの下で説明されている。2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114のオペレータに見えるように滅菌野に配置される。加えて、可視化タワー111が、滅菌野の外に配置される。可視化タワー111は、互いに反対側を向いている第1非滅菌ディスプレイ107、及び第2非滅菌ディスプレイ109を含み得る。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109及び119を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータへの情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上に手術部位のライブ映像を維持しながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットにより、例えば、非滅菌オペレータが、外科手術に関連する診断工程を実行することを可能にすることできる。
【0051】
一態様では、ハブ106は、可視化タワー111にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌野内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台にいる滅菌オペレータが見ることができるようにも構成され得る。一例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることができる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットへの修正の形態であり得る。
【0052】
図2を参照すると、手術器具112は、外科手術において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、手術器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成され得る。例えば、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。可視化タワー111にいる非滅菌オペレータによって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ106によって滅菌野内の手術器具ディスプレイ115に送ることができ、これを手術器具112のオペレータが見ることができる。外科システム102と共に用いるのに好適な例示的手術器具については、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する2018年12月4日出願の米国特許出願第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)で説明されている。
【0053】
図2は、手術室116内の手術台114上に横たわっている患者に対して外科手術を実行するために使用されている外科システム102の例を示す。ロボットシステム110は、外科手術において外科システム102の一部として使用され得る。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(手術用ロボット)と、手術用ロボットハブ122とを含み得る。外科医が外科医のコンソール118を通じて手術部位を見る間、患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開部を通じて、少なくとも1つの着脱可能に連結された手術具117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって取得され、この医療用撮像装置は、撮像装置124を配向するように患者側カート120によって操作することができる。ロボットハブ122を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール118を通じて、外科医に表示することができる。
【0054】
他の種類のロボットシステムを、外科システム102と共に使用するように容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに適したロボットシステム及び手術ツールの様々な例は、2018年12月4日に出願された「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」と題する米国特許出願公開第2019-0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0055】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析法の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」と題する米国特許出願第2019-0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号)に記載されている。
【0056】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ以上の光学構成要素とを含み得る。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0057】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ以上の照明源、及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は手術器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0058】
1つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成され得る。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトルや発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に応答する。
【0059】
不可視スペクトル(例えば、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0060】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性処置において使用するように構成されている。本開示と共に使用するために好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃カメラ)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
撮像装置は、トポグラフィーと下にある構造を区別するために、マルチスペクトル監視を採用してもよい。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、青の受容体では取り込むことができない追加情報を抽出することが可能である。マルチスペクトル撮像の使用は、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)の見出「高度撮像取得モジュール」の下で、より詳細に説明され、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。マルチスペクトル監視は、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ以上を実行するための手術タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。いかなる外科手術においても手術室及び手術機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。上記の滅菌プロセスの一部としては、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、あるいは滅菌野は、外科手術の準備が整った患者の直ぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0062】
ここで図3を参照すると、可視化システム108、ロボットシステム110及び手持ち式インテリジェント手術器具112と通信するハブ106が示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134、及び手術室マッピングモジュール133を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。外科手術中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科手術中に絡まり合うことが多い。外科手術中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式エンクロージャ136は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科手術において使用するための手術ハブを提示する。手術ハブは、ハブエンクロージャと、ハブエンクロージャのドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを手術器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。一態様では、上記の流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブエンクロージャ内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延在している。一態様では、ハブエンクロージャは、流体インターフェースを備える。特定の外科手術は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式エンクロージャ136が様々な発生器を収容して、これらの間のインタラクティブ通信を促進するように構成されているという解決法を提示する。ハブのモジュール式エンクロージャ136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科手術で使用するためのモジュール式手術エンクロージャを提示する。モジュール式手術エンクロージャは、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。上記に加えて、モジュール式手術エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。加えて、モジュール式手術エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。図3を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128との、モジュール式統合を可能にするハブのモジュール式エンクロージャ136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式エンクロージャ136は、モジュール140とモジュール126とモジュール128と間のインタラクティブ通信を更に促進する。発生器モジュール140は、ハブのモジュール式エンクロージャ136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。発生器モジュール140は、単極装置142、双極装置144、及び超音波装置146に接続するように構成することができる。代替的に、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式エンクロージャ136を介して相互作用する一連の単極発生器モジュール、双極発生器モジュール及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式エンクロージャ136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式エンクロージャ136にドッキングされた発生器間のインタラクティブ通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0063】
図4は、医療施設の1つ以上の手術現場、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置するモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えばストレージ装置205に連結された遠隔サーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える手術データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203はまた、ローカルコンピュータシステム210に連結することができ、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供することができる。手術データネットワーク201は、パッシブ、インテリジェント又は切り替え式として構成されてもよい。受動的手術データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント手術データネットワークは、トラフィックが監視対象の手術データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント手術データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0064】
手術現場に位置するモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術現場に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0065】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、手術データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科手術中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、手術データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの手術装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された手術装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0066】
一態様では、手術データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(複数可)、ネットワークスイッチ(複数可)及びネットワークルータ(複数可)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために使用することができ、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの様々なサービスは、インターネットを介して、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ以上の手術現場内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート手術器具、ロボット及び手術現場内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて多数の計算を実施することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0067】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、手術データネットワークは、手術結果の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供できる。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織のサンプルの画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれ得る。撮像装置と一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像装置によって捕捉された画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを決定することによって、外科手術の結果を改善するために分析されてもよい。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に用いてもよく、標準化された手法を使用することは、手術治療及び外科医の挙動を確認するか、又は手術治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0068】
手術現場装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術現場ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続を提供できる。ネットワークハブ207は、パケットの形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信できる。ネットワークハブ207は、いかなる装置データを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶しなくてよい。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有し得ず、全てのネットワークデータを各接続全体及びクラウド204上の遠隔サーバ213(図4)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなり、ボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0069】
手術現場装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術現場内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置であり得る。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信でき、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0070】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結され得る。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術現場又は異なる医療施設の異なる手術現場に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケットの形態のデータをクラウド204に送信し得、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0071】
一例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術現場内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために用いられてもよい。
【0072】
他の実施例では、手術現場装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。手術現場装置1a~1n/2a~2mは、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができ、そのような規格又はプロトコルとしては、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ニューラジオ(NR)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどのより短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどのより長距離の無線通信専用であってもよい。
【0073】
モジュール式通信ハブ203は、手術現場装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱うことができる。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送できる。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載されるように、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによって、このデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0074】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよいか、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術現場装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となり得る。
【0075】
図5は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、遠隔サーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの手術ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント手術器具、ロボット及び手術現場内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術現場装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図6に示すように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。
【0076】
図5の実施例に示すように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結され得る撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結され得る発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意選択的にディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235及び非接触センサモジュール242に連結され得る。手術現場装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結され得る。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。とりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載されるように、有線又は無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、モジュール式制御タワーに接続された装置から受信されたデータを、画像及び重ね合わせられた画像と共に表示してもよい。
【0077】
図6は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える手術ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えばローカルでの処理、可視化及び撮像を行うためのコンピュータシステム210と、を備え得る。図6に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続されてもよいモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送してもよい。図6に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチの各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含み得る。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続され得る。クラウド204への通信は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0078】
手術ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術現場の寸法を測定し、また超音波非接触測定装置又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術現場のマップを生成できる。超音波ベースの非接触センサモジュールは、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019-0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)の「手術室内の手術ハブの空間認識」という見出しの下で説明されているように超音波のバーストを送信し、それが手術現場の周囲壁から跳ね返るときのエコーを受信することによって、手術現場をスキャンし得、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、センサモジュールは、手術現場のサイズを決定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整するように構成されている。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術現場をスキャンし、手術現場の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して手術現場のサイズを決定し、例えば、Bluetoothペアリング距離限界を調整できる。
【0079】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244と、ネットワークインターフェース245と、を備え得る。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250及び入力/出力インターフェース251に連結され得る。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかであってもよく、それらのアーキテクチャの例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(SCSI)又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及び/又は、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0081】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0082】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられ得る。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0083】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージなどを含み得る。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのような装置が挙げられ得るが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、上記のストレージ体を、独立して、又は他のストレージ媒体との組み合わせで含むことができる。他の記憶媒体としては、コンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない。ディスクストレージのシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0084】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられ得る。ディスクストレージ上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用できる。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0085】
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(複数可)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力できる。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッド、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどのポインティング装置が挙げられ得るが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(複数可)を介し、システムバスを通じてプロセッサに接続する。インターフェースポート(複数可)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力装置(複数可)は、入力装置(複数可)と同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、コンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とし得る出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在し得ることを示すために提供され得る。出力アダプタとしては、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられ得るが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。遠隔コンピュータ(複数可)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供できることに留意されたい。
【0086】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(複数可)などの1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(複数可)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(複数可)と共に、メモリストレージ装置のみが示される。遠隔コンピュータ(複数可)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続され得る。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含し得る。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられ得る。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタルサブスクリプション者回線(DSL)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0087】
様々な態様では、図6のコンピュータシステム210、図5図6の撮像モジュール238、及び/又は可視化システム208、及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令、複数データ(SIMD)、又は複数命令、複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0088】
通信接続部(複数可)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指し得る。例示の明瞭さのため通信接続部はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続部はコンピュータシステム210の外部にもあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられ得る。
【0089】
図7は、本開示の1つ以上の態様による、手術器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は、制御回路を備え得る。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含み得る。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を決定するように構成され得る。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を決定するようにプログラム又は構成することができるプロセッサ462に提供され得る。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
【0090】
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0091】
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0092】
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含み得る。電気モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバを、絶対位置付けシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。絶対位置決めシステムに関する詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0093】
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ得、これが実際のフィードバックの決定に使用される。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスをとる好適な調整された値であり得、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0094】
いくつかの例では、モータ482は、モータドライバ492によって制御されてもよく、手術器具又はツールの発射システムによって用いられ得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。いくつかの例では、モータ482としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ482は、手術器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、手術器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0095】
モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラであり得る。ドライバ492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え得、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調整可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護され得る。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。
【0096】
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路配置を備え得る。絶対位置付けシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供できる。いくつかの例では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表し得る。いくつかの例では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表し得る。いくつかの例では、変位部材は、発射バー又はIビームを表し得、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、手術器具又はツールの任意の可動部材を指すために使用され得る。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結され得る。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学感知システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学感知システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0097】
電気モータ482は、変位部材上の駆動歯の組又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくつかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表し得る。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表し得る。
【0098】
位置センサ472と関連付けられたセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し得、d1は、変位部材に連結されたセンサ素子の1回転した後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ配列は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して連結されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0099】
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1よりも大きい整数である)が、単独で、又はギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を決定できる。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ配列の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0100】
位置センサ472は、例えば、全磁界又は磁界のベクトル成分を測定するかどうかに従って分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含み得る。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられ得る。
【0101】
一態様では、絶対位置付けシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置付けシステムを備え得る。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461とインターフェースされて絶対位置付けシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり得、磁石の上方に位置し得る位置センサ472のエリアに、4つのホール効果素子を含む。また、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられ得る。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられ得る。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送され得る。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供できる。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0102】
絶対位置付けシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(複数可)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(複数可)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ配置を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置付けシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置付けシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置付けシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れ得る。
【0103】
絶対位置付けシステムは、単にモータ482がとった前方又は後方への工程の数を計数して装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供できる。
【0104】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成され得る。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、手術器具又はツールの発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含み得る。代替的に、モータ482により引き込まれる電流を測定するために、電流センサ478を用いることができる。発射部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に対応し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0105】
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に加えられる力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成され得た微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備え得る。一態様では、歪みゲージセンサ474は、組織圧縮を示し得る、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は規模を測定することができる。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供され得る。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0106】
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0107】
手術器具又はツールの制御システム470はまた、図5図6に示されるようにモジュール式通信ハブ203と通信するための有線通信回路又は無線通信回路を備えてもよい。
【0108】
図8は、様々な機能を実施するために起動され得る複数のモータを備える手術器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実施することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実施することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実施することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実施することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット手術器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達することができる。
【0109】
特定の例では、手術器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成することができる、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。特定の例では、モータ602によって生成される発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又はIビーム要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。Iビーム要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させることができる。
【0110】
特定の例では、手術器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、エンドエフェクタは、例えば、組織を捕捉する、開放構成から接近構成へと移行することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に移行され得る。
【0111】
特定の例では、手術器具又はツールは、例えば、1つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
【0112】
本明細書に記載されているように、手術器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、手術器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、個別に又は別個に起動させて、1つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。代替的に、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止した状態を維持している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は切刃を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
【0113】
特定の例では、手術器具又はツールは、手術器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット手術器具の複数のモータに対して個々に連結可能かつ分離可能であってもよい。特定の例では、手術器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、手術器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に個別にかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、手術器具又はツールの複数のモータのうちの一方とのインターフェース接続から、手術器具又はツールの複数のモータのうちのもう一方とのインターフェース接続へと選択的に切り替えることができる。
【0114】
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図8に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は移行させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
【0115】
モータ602、603、606a、606bの各々は、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の様式で感知されてもよい。
【0116】
様々な例では、図8に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ以上のHブリッジFETを備え得るモータドライバ626を備えてもよい。モータドライバ626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、本明細書に記載されているように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を決定することができる。
【0117】
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の例では、メモリユニット624のうちの1つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
【0118】
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「電源パック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、手術器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0119】
様々な例では、プロセッサ622は、モータドライバ626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータドライバ626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されるモータを停止及び/又は無効化することができる。「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合した他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的プログラマブル装置であってもよい。これは、内部メモリを有し得るので、逐次的デジタル論理の一例であり得る。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作できる。
【0120】
プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な機能の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0121】
メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な手術器具600のモータの各々を制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、手術器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
【0122】
例えば、センサ630などの1つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警報することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警報することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
【0123】
図9は、本開示の少なくとも1つの態様に係る、状況認識外科システム5100の図を示す。いくつかの例示では、データソース5126は、例えば、モジュール式装置5102(患者及び/又はモジュール式装置自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含み得る)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視装置5124(例えば、血圧(BP)モニタ、及び心電図(EKG)モニタ)を含み得る。手術ハブ5104は、例えば、受信したデータの特定の組み合わせ(複数可)又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、データから外科手術に関するコンテキスト情報を導出するように構成され得る。受信されたデータから推測されるコンテキスト情報は、例えば、実施される外科手術の種類、外科医が実行している外科手術の特定の工程、手術されている組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。受信されたデータから外科手術に関する情報を導出又は推測するための手術ハブ5104のいくつかの態様に係わるこの機能は、「状況認識」と称することもある。一例示では、手術ハブ5104は、受信されたデータから外科手術に関連するコンテキスト情報を導出する手術ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0124】
手術ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信されたデータから、コンテキスト情報を導出するように構成することができる。一例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視装置5124、及び/又はモジュール式装置5102からのデータ)を、外科手術に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含み得る。言い換えると、機械学習システムは、提供された入力から外科手術に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練することができる。例示では、状況認識システムは、外科手術に関する事前に特性評価されたコンテキスト情報を、そのコンテキスト情報に対応する1つ以上の入力(又は、入力の範囲)と関連付けて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ以上の入力によるクエリに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式装置5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。例示では、手術ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ以上のモジュール式装置5102の特定の制御調整、又は一連の制御調整に関連付けられ得る。例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供された際、1つ以上のモジュール式装置5102の1つ以上の制御調整を生成又は検索する、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のそのようなシステムを含み得る。
【0125】
状況認識システムを組み込む手術ハブ5104は、外科システム5100に多くの利点をもたらせ得る。1つの利点は、感知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み得、これは、次に、外科手術の過程中の処理精度、及び/又はデータの使用を改善させる。以前の例に戻ると、状況認識手術ハブ5104は、どの種類の組織が手術されているかを決定することができるので、したがって、手術器具のエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力が検出されると、状況認識手術ハブ5104は、組織種類に合わせて手術器具のモータを正しく加速、あるいは減速させることができる。
【0126】
手術されている組織の種類は、特定の組織間隙測定用の手術用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度と負荷閾値になされる調整に影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、実行されている外科手術が胸部手術であるのか、又は腹部手術であるのかを推測することができ、これにより、手術ハブ5104は、手術用ステープル留め及び切断用器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺であるのか(胸部手術の場合)、又は胃であるのか(腹部手術の場合)を決定することができる。次いで、手術ハブ5104は、手術用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織の種類に合わせて適切に調整することができる。
【0127】
送気処置中に手術されている体腔の種類は、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、手術部位が(外科手術が送気を利用していると決定することによって)圧力下にあるかどうかを決定し、処置種類を決定することができる。一般に、ある処置種類が特定の体腔内で実行されるので、手術ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。かくして、状況認識手術ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方用に一貫した量の排煙を提供し得る。
【0128】
実行されている処置の種類は、超音波手術器具、又は高周波(RF)電気手術器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。例えば、関節鏡処置では、超音波手術器具、又はRF電気手術器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるので、より高いエネルギーレベルを必要とし得る。状況認識手術ハブ5104は、外科手術が関節鏡処置であるかどうかを決定することができる。次いで、手術ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織の種類は、超音波手術器具又はRF電気手術器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識手術ハブ5104は、どの種類の外科手術が実行されているかを決定し、次いで、外科手術について予想される組織形状に従って、超音波手術器具又はRF電気手術器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識手術ハブ5104は、単に処置ごとにではなく、外科手術の過程にわたって、超音波手術器具又はRF電気手術器具のエネルギーレベルを調整するように構成することができる。状況認識手術ハブ5104は、外科手術のどの工程が実行されているか、又は引き続き実行されるかを決定し、次いで、発生器、及び/又は超音波手術器具若しくはRF電気手術器具の制御アルゴリズムを更新して、外科手術の工程に従って予想される組織種類に適切な値までエネルギーレベルを設定することができる。
【0129】
例では、手術ハブ5104が1つのデータソース5126から導き出される結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータを導出することも可能である。状況認識手術ハブ5104は、モジュール式装置5102から受信したデータを、他のデータソース5126から外科手術に関して構築したコンテキスト情報で強化し得る。例えば、状況認識手術ハブ5104は、医療用撮像装置から受信されたビデオ又は画像データに従って、止血が行われたかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まったかどうか)を決定するように構成することができる。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的ではない可能性がある。したがって、一例示では、手術ハブ5104は、生理学的測定(例えば、手術ハブ5104へと通信可能に接続されたBPモニタで感知された血圧)を、(例えば、手術ハブ5104へと通信可能に連結された医療用撮像装置124(図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶着の完全性に関する決定を行うように更に構成することができる。言い換えると、手術ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、可視化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用となり得る。
【0130】
例えば、状況認識手術ハブ5104は、処置の後続の工程で器具の使用が必要とされると決定された場合に、RF電気手術器具が接続されている発生器を積極的に起動させることができる。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行することが完了すると直ぐに器具を使用準備完了にすることができる。
【0131】
状況認識手術ハブ5104は、外科医が見る必要があると予想される手術部位の特徴部(複数可)に従って、外科手術の現工程、又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なるビューや倍率を必要とするかどうかを決定することができる。次いで、手術ハブ5104は、表示されたビュー(例えば、可視化システム108用に医療用撮像装置から供給される)を積極的に変更することができ、これにより、ディスプレイは外科手術にわたって自動的に調整する。
【0132】
状況認識手術ハブ5104は、外科手術のどの工程が実行されているか、又は次に実行されるか、及び特定のデータ又はデータ同士の比較が外科手術の該当工程に必要とされるかどうかを決定することができる。手術ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待つことなく、実行されている外科手術の工程に基づいて、データスクリーンを自動的に呼び出すように構成することができる。
【0133】
エラーは、外科手術のセットアップ中、又は外科手術の過程中にチェックされ得る。例えば、状況認識手術ハブ5104は、手術現場が、実行されるべき外科手術用に適切に又は最適にセットアップされているかどうかを決定することができる。手術ハブ5104は、実行されている外科手術の種類を決定し、対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップ要件を(例えば、メモリから)検索し、次いで、現在の手術現場のレイアウトを、実行されていると手術ハブ5104が決定した外科手術の種類の標準レイアウトと比較するように構成することができる。いくつかの例示では、手術ハブ5104は、処置のための項目リスト、及び/又は手術ハブ5104とペアリングされた装置のリストを、所与の外科手術のための項目及び/又は装置の推奨される又は予想されるマニフェストと比較するように構成され得る。リスト同士に分断が存在する場合、手術ハブ5104は、特定のモジュール式装置5102、患者監視装置5124、及び/又は他の手術用物品が欠落していることを示すアラートを提供するように構成することができる。いくつかの例示では、手術ハブ5104は、例えば、近接センサによってモジュール式装置5102及び患者監視装置5124の相対距離又は相対位置を決定するように構成することができる。手術ハブ5104は、装置の相対位置を、特定の外科手術用に推奨又は予測されるレイアウトと比較することができる。レイアウト同士に分断が存在する場合、手術ハブ5104は、外科手術の現在のレイアウトが推奨レイアウトから逸脱していることを示すアラートを提供するように構成することができる。
【0134】
状況認識手術ハブ5104は、外科医(又は、他の医療従事者)が誤りを犯しているかどうか、又は外科手術の過程中に予想される一連の動作から逸脱しているかどうかを決定することができる。例えば、手術ハブ5104は、実行されている外科手術の種類を決定し、機器使用の工程又は順序の対応リストを(例えば、メモリから)検索し、次いで、外科手術の過程中に実行されている工程又は使用されている機器を、手術ハブ5104が実行されていると決定した外科手術の種類について予想される工程、又は機器と比較するように構成することができる。いくつかの例示では、手術ハブ5104は、外科手術における特定の工程で想定外の動作が実行されているか、又は想定外の装置が利用されていることを示すアラートを提供するように構成することができる。
【0135】
手術器具(及び他のモジュール式装置5102)は、各外科手術の特定の状況に合わせて調整されてもよく(異なる組織タイプへの調整など)、外科手術中の動作を検証してもよい。次の工程、データ、及び表示調整は、処置の特定の状況に従って、手術現場内の手術器具(及び他のモジュール式装置5102)に提供され得る。
【0136】
図10は、外科手術の各工程でデータソース5126から受信されたデータから手術ハブ5104が導出することができる例示的な外科手術及びコンテキスト情報のタイムライン5200を示す。図9に示されるタイムライン5200の以下の説明では、図9も参照されたい。タイムライン5200は、手術現場のセットアップで始まり、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程中に、看護師、外科医及び他の医療従事者がとるであろう一般的な工程を示し得る。状況認識手術ハブ5104は、外科手術の過程全体にわたって、医療関係者が手術ハブ5104とペアリングされたモジュール式装置5102を使用するたびに生成されるデータを含むデータを、データソース5126から受信できる。手術ハブ5104は、ペアリングされたモジュール式装置5102及び他のデータソース5126からこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が行われているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。手術ハブ5104の状況認識システムは、例えば、報告を生成するために処置に関するデータを記録すること、医療関係者によってとられている工程を検証すること、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供すること、コンテキストに基づいてモジュール式装置5102を調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置のFOVを調整する、又は超音波手術器具若しくはRF電気手術器具のエネルギーレベルを変更する)こと、及び本明細書に記載の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
【0137】
この例示的な処置における第1工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから、患者のEMRを検索し得る。EMRにおいて選択された患者データに基づいて、手術ハブ5104は、実施される処置が胸部手術であることを決定する。第2工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンできる。手術ハブ5104は、スキャンされた用品を様々な種類の処置において利用され得る用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせが、胸部処置に一致することを確認する。更に、手術ハブ5104はまた、処置が楔形切除術ではないと決定することができる(入来する用品が、胸部楔形切除術に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸部楔形切除術に対応していないかのいずれかであるため)。第3工程5206で、医療従事者は、手術ハブ5104に通信可能に接続されたスキャナ5128を介して患者バンドをスキャンする。次いで、手術ハブ5104は、スキャンされたデータに基づいて患者の身元を確認することができる。第4工程5208では、医療職員が補助装置をオンにする。利用されている補助機器は、外科手術の種類、及び外科医が使用する技術に従って変動し得るが、この例示的なケースでは、排煙器、送気器及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置5102である補助装置は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置5102の特定の近傍内に位置し得る手術ハブ5104と自動的にペアリングすることができる。次いで、手術ハブ5104は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置5102の種類を検出することによって、外科手術に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、手術ハブ5104は、ペアリングされたモジュール式装置5102のこの特定の組み合わせに基づいて、外科手術がVATS手術であると決定できる。患者のEMRからのデータの組み合わせ、処置に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置5102の種類に基づいて、手術ハブ5104は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。手術ハブ5104が、何の特定の処置が行われているかを知ると、次いで手術ハブ5104は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を検索し、次いで接続されたデータソース5126(例えば、モジュール式装置5102及び患者監視装置5124)からその後受信したデータを相互参照して、外科手術のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。第5工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置5124を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置5124は、手術ハブ5104とペアリングすることができる。手術ハブ5104が患者監視装置5124からデータの受信を開始すると、手術ハブ5104は、例えば、プロセス5207で説明するように、患者が手術現場にいることを確認できる。第6工程5212では、医療関係者は患者において麻酔を誘発できる。手術ハブ5104は、例えば、EKGデータ、血圧データ、人工呼吸器データ又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置5102、及び/又は患者監視装置5124からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推測することができる。第6工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部が開始する。
【0138】
第7工程5214では、手術されている患者の肺が虚脱され得る(換気が対側肺に切り替えられる間に)。手術ハブ5104は、例えば、患者の肺が虚脱されたことを人工呼吸器データから推測することができる。手術ハブ5104は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は検索することができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると決定することができる。第8工程5216では、医療用撮像装置5108(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始され得る。手術ハブ5104は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信できる。医療用撮像装置データを受信すると、手術ハブ5104は、外科手術の腹腔鏡部分が開始したことを決定することができる。更に、手術ハブ5104は、行われている特定の処置が、肺葉切除術とは対照的に区域切除術であると決定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形切除術は手術ハブ5104によって既に考慮に入れられていないことに留意されたい)。医療用撮像装置124(図2)からのデータを利用して、様々な方法で、患者の解剖学的構造の可視化に対して向けられている医療用撮像装置の角度を決定することによって、利用されている(すなわち、起動されており、手術ハブ5104とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによって、及び利用されている可視化装置の種類を監視することによって、行われている処置の種類に関するコンテキスト情報を決定することができる。例えば、VATS肺葉切除術を実行するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置できるが、他方、VATS区域切除術を実行するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前方の肋間位置に配置する。状況認識システムは、例えば、パターン認識技術又は機械学習技術を使用して、患者の解剖学的構造の可視化に従って、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練することができる。VATS肺葉切除を実行するための例示的な技術は、単一の医用撮像装置を利用することができる。VATSセグメント切除を実行するための例示的な技術は、複数のカメラを利用する。VATS区域切除術を実行するための1つの例示的技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として手術ハブへと通信可能に連結できる)を利用するが、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像装置5108からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、手術ハブ5104は、行われている特定の種類の外科手術、及び/又は特定の種類の外科手術に使用されている技術を決定することができる。
【0139】
第9の工程5218では、外科チームは、処置の切開工程を開始できる。手術ハブ5104は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して結集するプロセスにあると推定することができる。手術ハブ5104は、受信したデータを外科手術の検索された工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると決定することができる。第10の工程5220では、外科チームは、処置の結紮工程に進み得る。手術ハブ5104は、器具が発射されていることを示すデータを手術ステープル留め及び切断器具から受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、手術ハブ5104は、手術ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、検索されたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。第11の工程5222では、処置の区域切除術の部分が行われ得る。手術ハブ5104は、手術ステープル留め及び切断器具からのデータ(そのカートリッジからのデータを含む)に基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又はタイプに対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されるので、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されているステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に利用され、これにより、手術ハブ5104は、処置の区域切除術の部分が行われていると推定することができる。続いて第12の工程5224で、結節切開工程が行われる。手術ハブ5104は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す、発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を行っていると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、これにより手術ハブ5104がこの推定を行うことができる。異なる器具が特定のタスクに対してより良好に適合するので、外科医が、処置中の特定の工程に応じて、手術用ステープル留め/切断器具と手術用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め器具/切断器具及び手術用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実行しているかを示すことができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始できる。
【0140】
第13の工程5226では、患者の麻酔を解き得る。手術ハブ5104は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置5124を除去することであり得る。したがって、手術ハブ5104は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置5124からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、手術ハブ5104と通信可能に連結された各種データソース5126から受信したデータに従って、手術ハブ5104は、所与の外科手術の各工程が発生しているときを決定又は推定することができる。
【0141】
図10に示されるタイムライン5200の第1の工程5202に示されるように、EMRデータベース(複数可)からの患者データを利用して、行われる外科手術の種類を推定することに加えて、患者データはまた、状況認識手術ハブ5104によって利用されて、ペアリングされたモジュール式装置5102の制御調整を生成することができる。
【0142】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。一態様では、このコンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、手術ハブ、手術器具、ロボット装置、及び手術現場又は医療施設を含む様々な外科システムの動作に関するデータを監視及び分析するように構成され得る。コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、クラウドベースの分析システムを含み得る。クラウドベースの分析システムは、外科システムとして記載され得るが、必ずしもそのように限定されるものではなく、一般的にクラウドベースの医療システムであってもよい。図11に示すように、クラウドベースの分析システムは、(器具112と同じ又は類似であってよい)複数の手術器具7012と、(ハブ106と同じ又は類似であってよい)複数の手術ハブ7006と、手術ハブ7006を(クラウド204と同じ又は類似であってよい)クラウド7004に連結するための(ネットワーク201と同じ又は類似であってよい)手術データネットワーク7001と、を含み得る。複数の手術ハブ7006のそれぞれは、1つ以上の手術器具7012に通信可能に連結され得る。ハブ7006はまた、ネットワーク7001を介してコンピュータ実装インタラクティブ外科システムのクラウド7004に通信可能に連結され得る。クラウド7004は、様々な外科システムの動作に基づいて生成されたデータを記憶、操作、及び通信するためのハードウェア及びソフトウェアの遠隔の集中型供給源であり得る。図11に示すように、クラウド7004へのアクセスはネットワーク7001を介して達成され得、このネットワーク7001は、インターネットであってもよく、又は他の好適なコンピュータネットワークであってもよい。クラウド7004に連結され得る手術ハブ7006は、クラウドコンピューティングシステムのクライアント側(すなわち、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。手術器具7012は、本明細書に記載される様々な外科手術又は動作の制御及び実施のために、手術ハブ7006とペアリングされ得る。
【0143】
加えて、手術器具7012は、(これも送受信機を備え得る)対応する手術ハブ7006へのデータ伝送、及び手術ハブ7006からのデータ伝送のための送受信機を備えてもよい。手術器具7012と対応するハブ7006との組み合わせは、医療手術を提供するための医療施設(例えば、病院)内の手術現場などの、特定の位置を示すことができる。例えば、手術ハブ7006のメモリは、位置データを記憶することができる。図11に示すように、クラウド7004は、(遠隔サーバ7013と同じ又は同様であってもよい)中央サーバ7013、ハブアプリケーションサーバ7002、データ分析モジュール7034、及び入出力(「I/O」)インターフェース7006を含む。クラウド7004の中央サーバ7013は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理し、これは、クライアントモジュール7006による要求を監視し、その要求を実行するためのクラウド7004の処理能力を管理することを含む。中央サーバ7013のそれぞれは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ及び磁気ストレージ装置などの不揮発性メモリを含むことができる、好適なメモリ装置7010に連結された1つ以上のプロセッサ7008を備え得る。メモリ装置7010は、実行されると、プロセッサ7008に、クラウドベースのデータ分析、動作、推奨、及び以下で説明するその他の動作のためのデータ分析モジュール7034を実行させる、機械実行可能命令を含み得る。更に、プロセッサ7008は、独立して、又はハブ7006によって独立して実行されるハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール7034を実行することができる。中央サーバ7013はまた、メモリ2210内に存在し得る集約された医療データのデータベース2212を含み得る。
【0144】
ネットワーク7001を介した様々な手術ハブ7006への接続に基づいて、クラウド7004は、様々な手術器具7012及びそれらの対応するハブ7006によって生成された特定のデータからのデータを集約することができる。そのような集約されたデータは、クラウド7004の集約された医療データベース7012内に記憶されてもよい。具体的には、クラウド7004は、有利にも、集約されたデータ上でデータ分析及び動作を実行して、洞察をもたらし、及び/又は個別のハブ7006がそれ自体では達成できない機能を行うことができる。この目的のために、図11に示すように、クラウド7004と手術ハブ7006とは、情報を送受信するために通信可能に連結されている。I/Oインターフェース7006は、ネットワーク7001を介して複数の手術ハブ7006に接続される。このようにして、I/Oインターフェース7006は、手術ハブ7006と集約された医療データデータベース7011との間で情報を転送するように構成することができる。したがって、I/Oインターフェース7006は、クラウドベースの分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にすることができる。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ7006からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介してハブ7006に送信され得る。I/Oインターフェース7006は、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにクラウド7004をハブ7006に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含んでもよい1つ以上の高速データポートを含んでもよい。クラウド7004のハブアプリケーションサーバ7002は、手術ハブ7006によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、かつ供給するように構成され得る。例えば、ハブアプリケーションサーバ7002は、ハブアプリケーションによるハブ7006を介する要求を管理し、集約された医療データのデータベース7011へのアクセスを制御し、負荷分散を実行し得る。データ分析モジュール7034について、図12を参照してより詳細に説明する。
【0145】
本開示に記載される特定のクラウドコンピューティングシステムの構成は、具体的には、手術器具7012、112などの医療用装置を使用して実行される医療手術及び処置のコンテキストにおいて生じる様々な問題に対処するように設計され得る。特に、手術器具7012は、外科手術の成績を改善するための技術を実施するために、クラウド7004と相互作用するように構成されたデジタル手術装置であってよい。様々な手術器具7012及び/又は手術ハブ7006は、臨床医が手術器具7012とクラウド7004との間の相互作用の態様を制御できるように、タッチ制御されたユーザインターフェースを含み得る。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースもまた使用することもできる。
【0146】
図12は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムの機能アーキテクチャを示すブロック図である。クラウドベースの分析システムは、医療分野において特に生じる問題にデータ分析ソリューションを提供するために、クラウド7004のプロセッサ7008によって実行され得る複数のデータ分析モジュール7034を含み得る。図12に示すように、クラウドベースのデータ分析モジュール7034の機能は、手術ハブ7006上でアクセスすることができるハブアプリケーションサーバ7002によってホストされたハブアプリケーション7014を介して支援されてもよい。クラウドプロセッサ7008及びハブアプリケーション7014は、データ分析モジュール7034を実行するために連携して動作してもよい。アプリケーションプログラムインターフェース(API)7016は、ハブアプリケーション7014に対応する一連のプロトコル及びルーチンを規定できる。加えて、API 7016は、アプリケーション7014の動作のために集約された医療データベース7012へのデータの記憶及び検索を管理できる。キャッシュ7018はまた、データを(例えば、一時的に)記憶し、アプリケーション7014によって使用されるデータのより効率的な検索のためにAPI 7016に連結され得る。図12のデータ分析モジュール7034は、リソース最適化7020、データ収集及び集約7022、認可及びセキュリティ7024、制御プログラムの更新7026、患者転帰分析7028、推奨7030、並びにデータ分類及び優先順位付け7032のためのモジュールを含み得る。他の好適なデータ分析モジュールも、いくつかの態様により、クラウド7004によって実装され得る。一態様では、データ分析モジュールは、傾向、転帰、及び他のデータの分析に基づいて特定の推奨に使用され得る。
【0147】
例えば、データ収集及び集約モジュール7022は、顕著な特徴又は構成(例えば、傾向)の識別、冗長データセットの管理、及び手術によってグループ化することができるが、必ずしも実際の外科手術日付及び外科医に一致していないペアリングされたデータセットへのデータの記憶を含む、自己記述型データ(例えば、メタデータ)を生成するために使用され得る。特に、手術器具7012の動作から生成される対のデータセットは、例えば出血又は非出血イベントなどの二項分類を適用することを含み得る。より一般的には、二項分類は、望ましいイベント(例えば、成功した外科手術)又は望ましくないイベント(例えば、誤発射又は誤使用された手術器具7012)のいずれかとして特徴付けられ得る。集約された自己記述型データは、手術ハブ7006の様々なグループ又はサブグループから受信された個々のデータに対応し得る。したがって、データ収集及び集約モジュール7022は、手術ハブ7006から受信した生データに基づいて、集約メタデータ又はその他の編成されたデータを生成することができる。この目的のために、プロセッサ7008は、データ分析モジュール7034を実行するために、ハブアプリケーション7014及び集約された医療データのデータベース7011に動作的に連結することができる。データ収集及び集約モジュール7022は、集約された編成データを集約された医療データのデータベース2212に記憶してよい。
【0148】
リソース最適化モジュール7020は、この集約されたデータを分析して、特定の医療施設又は医療施設のグループに関するリソースの最適な使用を決定するように構成することができる。例えば、リソース最適化モジュール7020は、手術ステープル留め器具7012の対応する予測される要求に基づいて、医療施設のグループに関する手術ステープル留め器具7012の最適な発注点を決定することができる。リソース最適化モジュール7020はまた、リソース使用を改善することができるかどうかを決定するために、様々な医療施設のリソース使用又は他の動作構成を評価することができる。同様に、推奨モジュール7030は、データ収集及び集約モジュール7022から集約された編成データを分析して推奨を提供するように構成することができる。例えば、推奨モジュール7030は、特定の手術器具7012が、例えば、誤り率が予測よりも高いことに基づいて改善されたバージョンにアップグレードされるべきであることを、医療施設(例えば、病院などの医療サービス提供者)に推奨することができる。加えて、推奨モジュール7030及び/又はリソース最適化モジュール7020は、製品再注文点などのより良好なサプライチェーンパラメータを推奨し、異なる手術器具7012、その使用、又は手術結果を改善する処置工程の提案を提供することができる。医療施設は、対応する手術ハブ7006を介してそのような推奨を受信することができる。様々な手術器具7012のパラメータ又は構成に関する、より具体的な推奨もまた提供することができる。ハブ7006及び/又は手術器具7012はそれぞれ、クラウド7004によって提供されるデータ又は推奨を表示する表示画面を有することもできる。
【0149】
患者転帰分析モジュール7028は、手術器具7012の現在使用されている動作パラメータに関連付けられた手術結果を分析することができる。患者転帰分析モジュール7028はまた、他の潜在的な動作パラメータを分析及び評価してもよい。これに関連して、推奨モジュール7030は、より良好な封止又はより少ない出血などの、より良好な手術結果をもたらすことに基づいて、これらの他の潜在的な動作パラメータを使用して推奨することができる。例えば、推奨モジュール7030は、対応するステープル留め手術器具7012に特定のカートリッジを使用するときに関する推奨を手術7006に送信することができる。したがって、クラウドベースの分析システムは、共通変数を制御しながら、収集された大規模な生データを分析し、複数の医療施設にわたって(有利には、集約されたデータに基づいて決定される)集中的推奨を提供するように構成され得る。例えば、クラウドベースの分析システムは、医療行為の種類、患者の種類、患者の数、同様の種類の器具を使用する医療提供者間の地理的類似性に基づくデータを、1つの医療施設が単独で独立して分析することはできない方法で、分析、評価、及び/又は集約することができる。制御プログラム更新モジュール7026は、対応する制御プログラムが更新されたときに、様々な手術器具7012の推奨を実施するように構成することができる。例えば、患者転帰分析モジュール7028は、特定の制御パラメータを成功した(又は失敗した)結果と結び付ける相関関係を識別することができる。そのような相関関係は、更新された制御プログラムが制御プログラム更新モジュール7026を介して手術器具7012に送信されるときに対処され得る。対応するハブ7006を介して送信され得る器具7012への更新は、クラウド7004のデータ収集及び集約モジュール7022によって収集されかつ分析された集約された成績データを組み込んでもよい。加えて、患者転帰分析モジュール7028及び推奨モジュール7030は、集約された成績データに基づいて、器具7012を使用する改善された方法を識別することができる。
【0150】
クラウドベースの分析システムは、クラウド7004によって実装されるセキュリティ機能を含んでもよい。これらのセキュリティ機能は、認可及びセキュリティモジュール7024によって管理され得る。各手術ハブ7006は、ユーザ名、パスワード、及びその他の好適なセキュリティ資格情報などの関連する固有の資格情報を有することができる。これらの資格情報は、メモリ7010に記憶され、許可されたクラウドアクセスレベルに関連付けることができる。例えば、正確な資格情報を提供することに基づいて、手術ハブ7006は、クラウドと所定の範囲まで通信するアクセスを付与され得る(例えば、特定の定義された種類の情報の送信又は受信を行ってよい)。この目的のために、クラウド7004の集約された医療データのデータベース7011は、提供された資格情報の正確さを検証するための認定された資格情報のデータベースを含んでもよい。異なる資格情報は、クラウド7004によって生成されたデータ分析を受信するための所定のアクセスレベルなど、クラウド7004との相互作用のための様々なレベルの許可に関連付けられてよい。更に、セキュリティ目的のために、クラウドは、ハブ7006、器具7012、及び禁止された装置の「ブラックリスト」を含み得るその他の装置のデータベースを維持することができる。具体的には、ブラックリスト上に列挙された手術ハブ7006は、クラウドと相互作用することを許可されなくてもよい一方で、ブラックリスト上に列挙された手術器具7012は、対応するハブ7006への機能的アクセスを有さなくてもよく、かつ/又は対応するハブ7006とペアリングされたときに完全に機能することが防止されてもよい。追加的に又は代替的に、クラウド7004は、不適合性又はその他の指定された基準に基づいて、器具7012にフラグを立ててもよい。このようにして、偽造医療用装置、及びそのような装置の、クラウドベースの分析システム全体での不適切な再使用を識別し、対処することができる。
【0151】
手術器具7012は、無線送受信機を使用して、例えば、対応するハブ7006及びクラウド7004へのアクセスのための認可資格情報を表し得る無線信号を送信してもよい。有線送受信機も、信号を送信するために使用することができる。そのような認可資格情報は、手術器具7012のそれぞれのメモリ装置に記憶することができる。認可及びセキュリティモジュール7024は、認可資格情報が正確であるか又は偽造であるかを決定することができる。認可及びセキュリティモジュール7024はまた、強化されたセキュリティのために、認可資格情報を動的に生成してもよい。資格情報はまた、ハッシュベースの暗号化を使用することなどによって、暗号化することができる。適切な認可を送信すると、手術器具7012は、対応するハブ7006及び最終的にはクラウド7004に信号を送信して、器具7012が医療データを取得し送信する準備ができていることを示すことができる。これに応答して、クラウド7004は、集約された医療データのデータベース7011に記憶するための医療データを受信することが可能な状態に遷移し得る。このデータ伝送準備は、例えば、器具7012上の光インジケータによって示すことができる。クラウド7004はまた、それらの関連する制御プログラムを更新するために、手術器具7012に信号を送信することができる。クラウド7004は、制御プログラムに対するソフトウェアアップデートが適切な手術器具7012にのみ送信されるように、特定の部類の手術器具7012(例えば、電気外科器具)に向けられた信号を送信することができる。更に、クラウド7004は、選択的データ送信及び認可資格情報に基づいてローカル又はグローバルの問題に対処するために、システム全体のソリューションを実装するために使用することができる。例えば、手術器具7012のグループが共通の製造欠陥を有するものとして識別される場合、クラウド7004は、このグループに対応する認可資格情報を変更して、このグループの動作ロックアウトを実施し得る。
【0152】
クラウドベースの分析システムは、改善された実務を決定し、それに応じて変更を推奨する(例えば、推奨モジュール2030を介して)ために、複数の医療施設(例えば、病院のような医療施設)を監視することを可能にし得る。したがって、クラウド7004のプロセッサ7008は、個々の医療施設に関連付けられたデータを分析して、施設を識別し、そのデータをグループの他の医療施設に関連付けられた他のデータと集約することができる。グループは、例えば、同様の動作行為又は地理的位置に基づいて規定し得る。このようにして、クラウド7004は、医療施設グループに幅広い分析及び推奨を提供することができる。クラウドベースの分析システムはまた、強化された状況認識のために使用することもできる。例えば、プロセッサ7008は、(全体的な動作及び/又は様々な医療処置と比較して)特定の施設に対するコスト及び有効性に関する推奨の効果を予測的にモデル化してもよい。その特定の施設に関連するコスト及び有効性はまた、他の施設又は任意のその他の同等の施設の対応するローカル領域と比較することもできる。
【0153】
データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、重大性(例えば、データに関連付けられた医療イベントの重篤度、意外さ、不審さ)に基づいてデータを優先順位付けし分類してもよい。この分類及び優先順位付けは、本明細書に記載されるクラウドベースの分析及び動作を改善するために、本明細書に記載の他のデータ分析モジュール7034の機能と併せて使用し得る。例えば、データ分類及び優先順位付けモジュール7032は、データ収集及び集約モジュール7022並びに患者転帰分析モジュール7028によって実行されるデータ分析に対する優先度を割り当てることができる。異なる優先順位レベルは、迅速応答のための上昇、特別な処理、集約された医療データのデータベース7011からの除外、又はその他の好適な応答などの、(緊急性のレベルに対応して)クラウド7004からの特定の応答をもたらすことができる。更に、必要に応じて、クラウド7004は、対応する手術器具7012からの追加データのために、ハブアプリケーションサーバを介して要求(例えば、プッシュメッセージ)を送信することができる。プッシュメッセージは、支持又は追加のデータを要求するために、対応するハブ7006上に表示された通知をもたらすことができる。このプッシュメッセージは、クラウドが有意な不規則性又は外れ値を検出し、クラウドがその不規則性の原因を決定することができない状況で必要とされ得る。中央サーバ7013は、例えば、データが所定の閾値を超えて予測値と異なると決定されたとき、又はセキュリティが含まれていたと見られる場合など、特定の重大な状況において、このプッシュメッセージをトリガするようにプログラムされることができる。
【0154】
説明された様々な機能に関する更なる例示的な詳細を、以下の説明において提供する。様々な説明のそれぞれは、ハードウェア及びソフトウェアの実装の一実施例として図11及び図12に記載されるように、クラウドアーキテクチャを利用してもよい。
【0155】
図13は、本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式装置9050のための制御プログラム更新を適応的に生成するように構成されている、コンピュータ実装適応外科システム9060のブロック図を示す。いくつかの例示では、外科システムは、手術ハブ9000と、手術ハブ9000に通信可能に結合された複数のモジュール式装置9050と、手術ハブ9000に通信可能に結合された分析システム9100とを含んでもよい。単一の手術ハブ9000が示され得るが、外科システム9060は、分析システム9010に通信可能に結合される手術ハブ9000のネットワークを形成するように接続され得る、任意の数の手術ハブ9000を含み得ることに留意されたい。いくつかの例示では、手術ハブ9000は、記憶された命令を実行するためのメモリ9020に結合されたプロセッサ9010と、データが分析システム9100に送信されるデータ中継インターフェース9030とを含み得る。いくつかの例示では、手術ハブ9000は、ユーザからの入力を受信するための入力装置9092(例えば、静電容量タッチスクリーン又はキーボード)と、ユーザに出力を提供するための出力装置9094(例えば、ディスプレイスクリーン)とを有するユーザインターフェース9090を更に含み得る。出力は、ユーザによって入力されたクエリからのデータ、所与の手術において使用するための製品又は製品の混合の提案、及び/又は外科手術の前、間、若しくは後に行われる動作のための命令を含むことができる。手術ハブ9000は更に、モジュール式装置9050を手術ハブ9000に通信可能に結合するためのインターフェース9040を含んでもよい。一態様では、インターフェース9040は、無線通信プロトコルを介してモジュール式装置9050に通信可能に接続可能な送受信機を含んでもよい。モジュール式装置9050は、例えば、手術ステープル留め及び切断器具、電気手術器具、超音波器具、吸入器、人工呼吸器、及び表示画面を含むことができる。いくつかの例示では、手術ハブ9000は更に、EKGモニタ又はBPモニタ等の1つ以上の患者監視装置9052に通信可能に結合されることができる。いくつかの例示では、手術ハブ9000は更に、手術ハブ9000が位置する医療施設のEMRデータベース等の1つ以上のデータベース9054又は外部コンピュータシステムに通信可能に結合されることができる。
【0156】
モジュール式装置9050が手術ハブ9000に接続されると、手術ハブ9000は、モジュール式装置9050から周術期データを感知又は受信し、次いで、受信した周術期データを外科手術結果データと関連付けることができる。周術期データは、外科手術の過程でモジュール式装置9050がどのように制御されたかを示すことができる。処置結果データは、外科手術(又はその工程)からの結果に関連付けられたデータを含み、それは、外科手術(又はその工程)が肯定的又は否定的な結果を有したかどうかを含むことができる。例えば、転帰データは、患者が特定の処置による術後合併症を患っているかどうか、又は特定のステープル又は切開線で漏れ(出血や空気漏れなど)があったかどうかを含むことができる。手術ハブ9000は、外部ソースから(例えば、EMRデータベース9054から)データを受信することによって、結果を(例えば、接続されたモジュール式装置9050のうちの1つを介して)直接検出することによって、又は状況認識システムを通して結果の発生を推測することによって、外科手術結果データを取得することができる。例えば、術後合併症に関するデータをEMRデータベース9054から検索することができ、ステープル又は切開線での漏れに関するデータを状況認識システムによって直接検出又は推測することができる。外科手術結果データは、モジュール式装置9050自体、患者監視装置9052、及び手術ハブ9000が接続されるデータベース9054を含む、種々のデータソースから受信されるデータから、状況認識システムによって推測されることができる。
【0157】
手術ハブ9000は、関連付けられたモジュール式装置9050のデータ及び結果データを、分析システム9100上で処理するために分析システム9100に送信することができる。モジュール式装置9050がどのように制御されるかを示す周術期データと、処置結果データとの両方を送信することによって、分析システム9100は、モジュール式装置9050を制御する異なる様式を、特定の処置タイプのための手術結果と相関させることができる。いくつかの例示では、分析システム9100は、手術ハブ9000からデータを受信するように構成された分析サーバ9070のネットワークを含んでもよい。分析サーバ9070の各々は、メモリと、受信されたデータを分析するためにそこに記憶された命令を実行しているメモリに結合されたプロセッサとを含むことができる。いくつかの例示では、分析サーバ9070は、分散コンピューティングアーキテクチャで接続されてもよく、及び/又はクラウドコンピューティングアーキテクチャを利用してもよい。このペアリングされたデータに基づいて、分析システム9100は、次いで、様々なタイプのモジュール式装置9050のための最適又は好ましい動作パラメータを学習し、現場のモジュール式装置9050の制御プログラムに対する調整を生成し、次いで、モジュール式装置9050の制御プログラムに対する更新を送信(又は「プッシュ」)することができる。
【0158】
手術ハブ9000及びそれに接続可能な種々のモジュール式装置9050を含む、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム9060に関する更なる詳細は、図5~6に関連して説明される。
【0159】
図14は、本開示による外科システム6500を提供し、有線又は無線接続を介してローカルエリアネットワーク6518又はクラウドネットワーク6520を通じてコンソール6522又はポータブル装置6526と通信することができる手術器具6502を含み得る。様々な態様では、コンソール6522及びポータブル装置6526は、任意の適切なコンピューティング装置であり得る。手術器具6502は、ハンドル6504と、アダプタ6508と、装填ユニット6514とを含み得る。アダプタ6508は、ハンドル6504に解放可能に結合し、装填ユニット6514は、アダプタ6508が駆動シャフトから装填ユニット6514に力を伝達するように、アダプタ6508に解放可能に結合する。アダプタ6508又は装填ユニット6514は、装填ユニット6514に及ぼされる力を測定するために、その中に配置される力ゲージ(明示的に図示せず)を含んでもよい。装填ユニット6514は、第1のジョー6532及び第2のジョー6534を含むエンドエフェクタ6530を含み得る。装填ユニット6514は、装填ユニット6514を再装填するために装填ユニット6514が手術部位から除去される必要なく、臨床医が複数の締結具を複数回発射することを可能にする、原位置装填又はマルチ発射装填ユニット(MFLU)であってもよい。
【0160】
第1のジョー6532及び第2のジョー6534は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通して締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成され得る。第1のジョー6532は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成されてもよく、又は交換される前に2回以上発射されてもよい複数の締結具(例えば、ステープル、クリップなど)を含む交換可能な多発射締結具カートリッジを含むように構成されてもよい。第2のジョー6534は、締結具がマルチ発射締結具カートリッジから排出される際に、締結具を変形させるか、又は他の方法で組織の周りに固定するアンビルを含んでもよい。
【0161】
ハンドル6504は、駆動シャフトの回転に影響を及ぼすように駆動シャフトに結合されるモータを含んでもよい。ハンドル6504は、モータを選択的に作動させるための制御インターフェースを含むことができる。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及び任意の他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含んでもよく、これらは、モータを起動するために臨床医によって係合され得る。
【0162】
ハンドル6504の制御インターフェースは、ハンドル6504のコントローラ6528と通信して、モータを選択的に作動させ、駆動シャフトの回転に影響を及ぼすことができる。コントローラ6528は、ハンドル6504内に配置されてもよく、制御インターフェースからの入力、及びアダプタ6508からのアダプタデータ、又は装填ユニット6514からの装填ユニットデータを受信するように構成されている。コントローラ6528は、モータを選択的に起動するために、制御インターフェースからの入力と、アダプタ6508及び/又は装填ユニット6514から受信されたデータとを分析してもよい。ハンドル6504はまた、ハンドル6504の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、器具6502の発射前、発射中、又は発射後に、アダプタ又は装填ユニットデータの部分を表示するように構成されてもよい。
【0163】
アダプタ6508は、その中に配置されるアダプタ識別装置6510を含んでもよく、装填ユニット6514は、その中に配置される装填ユニット識別装置6516を含み得る。アダプタ識別装置6510は、コントローラ6528と通信してもよく、装填ユニット識別装置6516は、コントローラ6528と通信してもよい。装填ユニット識別装置6516は、装填ユニット識別装置6516からコントローラ6528への通信を中継又はパスするアダプタ識別装置6510と通信し得ることが理解されるであろう。
【0164】
アダプタ6508はまた、アダプタ6508又は環境の種々の状態(例えば、アダプタ6508が装填ユニットに接続されている場合、アダプタ6508がハンドルに接続されている場合、駆動シャフトが回転している場合、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ6508内の温度、アダプタ6508の発射回数、発射中のアダプタ6508のピーク力、アダプタ6508に印加される力の総量、アダプタ6508のピーク後退力、発射中のアダプタ6508の休止回数等)を検出するために、その周囲に配置される複数のセンサ6512(1つが示される)を含んでもよい。複数のセンサ6512は、データ信号の形態でアダプタ識別装置6510に入力を提供することができる。複数のセンサ6512のデータ信号は、アダプタ識別装置6510内に記憶されてもよく、又はアダプタ識別装置内に記憶されたアダプタデータを更新するために使用されてもよい。複数のセンサ6512のデータ信号は、アナログ又はデジタルであってもよい。複数のセンサ6512は、発射中に装填ユニット6514に及ぼされる力を測定するための力ゲージを含んでもよい。
【0165】
ハンドル6504及びアダプタ6508は、電気インターフェースを介して、アダプタ識別装置6510及び装填ユニット識別装置6516をコントローラ6528と相互接続するように構成されることができる。電気的インターフェースは、直接電気的インターフェースであってもよい(すなわち、エネルギー及び信号をそれらの間で伝送するために互いに係合する電気接点を含む)。加えて、又は代替として、電気インターフェースは、エネルギー及び信号をそれらの間で無線伝送する(例えば、誘導伝送する)ための非接触電気インターフェースであってもよい。アダプタ識別装置6510及びコントローラ6528は、電気的インターフェースとは別個の無線接続を介して互いに無線通信し得ることも企図される。
【0166】
ハンドル6504は、コントローラ6528からシステム6500の他の構成要素(例えば、LAN 6518、クラウド6520、コンソール6522、又はポータブル装置6526)に器具データを送信するように構成された送信機6506を含んでもよい。送信機6506はまた、システム6500の他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信してもよい。例えば、コントローラ6528は、ハンドル6504に取り付けられた取り付けられたアダプタ(例えば、アダプタ6508)のシリアル番号、アダプタに取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット6514)のシリアル番号、及び装填ユニットに装填された多発射ファスナカートリッジ(例えば、多発射ファスナカートリッジ)のシリアル番号を含む器具データをコンソール6528に送信してもよい。その後、コンソール6522は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタにそれぞれ関連付けられたデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ6528に返信してもよい。コントローラ6528は、ローカル機器ディスプレイ上にメッセージを表示するか、又は送信機6506を介してコンソール6522又はポータブル装置6526にメッセージを送信して、それぞれディスプレイ6524又はポータブル装置スクリーン上にメッセージを表示することができる。
【0167】
図15Aは、動作モードを決定し、決定されたモードで動作するための例示的なフローを示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム及び/又はコンピュータ実装インタラクティブ外科システムの構成要素及び/又はサブシステムは、更新されるように構成されてもよい。そのような更新は、更新前にユーザに利用可能でなかった特徴及び利益の包含を含み得る。これらの更新は、ユーザに機能を導入するのに適したハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェア更新の任意の方法によって確立することができる。例えば、交換可能/スワップ可能(例えば、ホットスワップ可能)なハードウェア構成要素、フラッシュ可能なファームウェア装置、及び更新可能なソフトウェアシステムを使用して、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム及び/又はコンピュータ実装インタラクティブ外科システムの構成要素及び/又はサブシステムを更新することができる。
【0168】
更新は、任意の適切な基準又は基準のセットを条件とすることができる。例えば、更新は、処理能力、帯域幅、解像度など、システムの1つ以上のハードウェア能力を条件とすることができる。例えば、更新は、あるソフトウェアコードの購入など、1つ以上のソフトウェア態様を条件とすることができる。例えば、更新は、購入されたサービス層を条件とすることができる。サービス層は、ユーザがコンピュータ実装インタラクティブ外科システムに関連して使用する資格がある特徴及び/又は特徴のセットを表してもよい。サービス層は、ライセンスコード、eコマースサーバ認証対話、ハードウェア鍵、ユーザ名/パスワードの組み合わせ、生体認証対話、公開/秘密鍵交換対話などによって決定され得る。
【0169】
10704において、システム/装置パラメータが識別され得る。システム/装置パラメータは、更新が条件付けられる任意の要素又は要素のセットであり得る。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、モジュール式装置と手術ハブとの間の通信のある帯域幅を検出してもよい。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムは、特定のサービス層の購入の指示を検出してもよい。
【0170】
10708において、動作モードは、識別されたシステム/装置パラメータに基づいて決定され得る。この決定は、システム/装置パラメータを動作モードにマッピングするプロセスによって行われ得る。プロセスは、手動及び/又は自動プロセスであってもよい。プロセスは、ローカル計算及び/又は遠隔計算の結果であってよい。例えば、クライアント/サーバ対話を使用して、識別されたシステム/装置パラメータに基づいて動作モードを決定することができる。例えば、ローカルソフトウェア及び/又はローカルに埋め込まれたファームウェアが、識別されたシステム/装置パラメータに基づいて動作モードを決定するために使用され得る。例えば、セキュアなマイクロプロセッサなどのハードウェアキーを使用して、識別されたシステム/装置パラメータに基づいて動作モードを決定することができる。
【0171】
10710において、動作は、決定された動作モードに従って進行し得る。例えば、システム又は装置は、デフォルト動作モードで動作するように進み得る。例えば、システム又は装置は、代替動作モードで動作するように進んでもよい。動作モードは、システム又は装置内に既に存在する制御ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって指示され得る。動作モードは、新しくインストール/更新された制御ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアによって指示されてもよい。
【0172】
図15Bは、動作モードを変更するための例示的な機能ブロック図を示す。アップグレード可能な要素10714は、初期化構成要素10716を含み得る。初期化構成要素10716は、動作モードを決定するのに適した任意のハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含み得る。例えば、初期化構成要素10716は、システム又は装置スタートアッププロシージャの一部であり得る。初期化構成要素10716は、アップグレード可能な要素10714の動作モードを決定するための相互作用に関与してもよい。例えば、初期化構成要素10716は、例えば、ユーザ10730、外部リソース10732、及び/又はローカルリソース10718と対話することができる。例えば、初期化構成要素10716は、ユーザ10730からライセンスキーを受信して、動作モードを決定することができる。初期化構成要素10716は、動作モードを決定するために、アップグレード可能な装置10714のシリアル番号を用いて、例えばサーバなどの外部リソース10732に問い合わせてもよい。例えば、初期化構成要素10716は、利用可能な帯域幅の量を決定するためのローカルクエリ及び/又は例えば動作モードを決定するためのハードウェアキーのローカルクエリなど、ローカルリソース10718にクエリを行ってもよい。
【0173】
アップグレード可能な要素10714は、1つ以上の動作構成要素10720、10722、10726、10728及び動作ポインタ10724を含むことができる。初期化構成要素10716は、動作ポインタ10724に指示して、アップグレード可能要素10741の動作を、決定された動作モードに対応する動作構成要素10720、10722、10726、10728に指示することができる。初期化構成要素10716は、アップグレード可能な要素の動作をデフォルト動作構成要素10720に指示するように動作ポインタ10724に指示してもよい。例えば、デフォルト動作構成要素10720は、他の代替動作モードが決定されていないという条件で選択されてもよい。例えば、デフォルト動作構成要素10720は、初期化構成要素の障害及び/又は対話障害の条件で選択されてもよい。初期化構成要素10716は、アップグレード可能要素10714の動作を常駐動作構成要素10722に指示するように動作ポインタ10724に指示してもよい。例えば、特定の機能がアップグレード可能な構成要素10714に存在してもよいが、動作させるためには起動を必要とする。初期化構成要素10716は、新たな動作構成要素10728及び/又は新たにインストールされた動作構成要素10726をインストールするようにアップグレード可能要素10714の動作を指示するように動作ポインタ10724に指示してもよい。例えば、新しいソフトウェア及び/又はファームウェアがダウンロードされてもよい。新しいソフトウェア及び/又はファームウェアは、選択された動作モードによって表される機能を有効にするコードを含むことができる。例えば、新しいハードウェア構成要素をインストールして、選択された動作モードを有効にすることができる。
【0174】
手術ハブは、手術室内、医療施設内、及び/又は医療施設外の種々の装置及びサーバと有線又は無線で接続されてもよい。例えば、図11に示されるように、手術ハブ7006は、手術器具7012、並びにデータ分析モジュール7034、遠隔サーバ(複数可)7013、及び/又はハブアプリケーションサーバ7002と通信することが可能であり得る。手術ハブ7006は、異なる接続モードで様々な装置及びサーバと通信することができ、これについては、図16A図16Cを参照して本明細書でより詳細に説明する。
【0175】
図17は、階層化通信モード下で動作するハブのための例示的フローを示す。16104において、1つ以上のハブ接続制御パラメータが識別され得る。16108において、ハブ接続モードは、識別されたハブ接続制御パラメータ(複数可)に基づいて決定され得る。例えば、図11に示される手術ハブ7006は、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定してもよい。ハブ接続モードは、事前構成され、動的に更新され、半動的に更新され、周期的に更新され、又は事前設定され得る複数の接続モードから選択され得る。ハブ接続モードは、例えば、病院に関連付けられたネットワーク内の装置間接続、及び/又は異なる病院に関連付けられた外部ネットワークとの通信を制御してもよい。
【0176】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、限定はしないが、ハードウェア能力、ファームウェア能力、及び/又はソフトウェア能力などのシステム能力を含み得る。例えば、手術器具が命令情報の表示を提供するハードウェア能力を欠いている場合、手術ハブは、手術器具への命令情報の提供を無効にし得る接続モードに切り替わってもよい。
【0177】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、サブスクリプションレベルなどの消費者制御パラメータを含むことができる。例えば、医療施設は、ハブ接続能力へのサブスクリプションを購入してもよい。いくつかのサブスクリプションレベル(複数可)は、外部システムから収集された手術データへのハブアクセスを提供し得るが、他のサブスクリプションレベルは、内部装置へのハブ接続を制限し得る。
【0178】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、利用可能なデータ帯域幅、電力容量及び使用量、プロセッサ及びメモリ利用率、並びに/又は内部若しくは付属システムを含み得る。
【0179】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、階層化されたシステムからの指示を含み得る。階層化システムは、利用可能なデータ帯域幅、電力容量及び使用量、プロセッサ及びメモリ利用率、並びに/又は内部若しくは付属システムに基づいて、手術ハブ7006と装置(複数可)7012などとの間の通信、手術ハブ7006と外部サーバ(複数可)7013/7002との間の通信などをスケーリングしてもよい。階層化システムは、手術ハブがその下で動作し得る最大通信能力を決定してもよい。例えば、手術室、手術ハブ、及び/又は医療施設に関連付けられた電力能力が閾値未満であることを検出すると、階層化システムは、手術ハブの接続能力を縮小してもよい。例えば、利用可能なデータ帯域幅が閾値未満であること、メモリ利用率が特定の閾値を上回ること、電力使用量が特定の閾値を上回ること、及び/又は手術ハブの接続能力縮小することを保証し得る他のシステム状態を検出すると、階層化システムは、手術ハブと装置との間の通信及び/又は手術ハブと外部サーバ(複数可)との間の通信を制限又は無効にし得る。例えば、(図16Bに示されるような)双方向接続モードは、(図16Aに示されるような)フロースルー接続モードに縮小され得る。外部通信(図16にような)は、無効にされ得る。例では、階層化システムは、手術ハブ内のモジュールであってもよく、又は手術ハブの外部のシステムであってもよい。
【0180】
16110において、手術ハブは、決定されたハブ接続モードに従って、手術室内の装置、内部及び/又は外部ネットワーク(複数可)内のサーバと通信してもよい。
【0181】
例示的なハブ接続モードでは、手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信してもよく、受信した情報を遠隔サーバ(遠隔処理サーバ及び/又はクラウド内の遠隔データベースなど)に送信してもよい。
【0182】
例示的な接続モードでは、手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信してもよく、受信した情報を遠隔サーバ(遠隔処理サーバ及び/又はクラウド内の遠隔データベースなど)に送信してもよい。手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信し、手術器具(複数可)から受信した情報に基づいて命令情報を取得してもよく、命令情報を1つ以上の手術器具(複数可)に送信してもよい。
【0183】
例示的な接続モードでは、手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信してもよく、受信した情報を遠隔サーバ(遠隔処理サーバ及び/又はクラウド内の遠隔データベースなど)に送信してもよい。手術ハブは、手術器具(複数可)から情報を受信し、手術器具(複数可)から受信した情報に基づいて命令情報を取得してもよく、命令情報を1つ以上の手術器具(複数可)に送信してもよい。手術ハブは、種々の手術情報を記録し、アーカイブ及び/又は分析のために手術情報を遠隔サーバに送信してもよい。アーカイブされた手術情報は、他の手術ハブ(複数可)から受信された情報、及び/又は他の医療施設に関連付けられた手術情報と集約され得る。集約された情報は、1つ以上の手術器具(複数可)に対する命令情報を生成するためにアクセスされ得る。一例では、手術通信ハブは、スマート手術装置から受信された情報、複数の手術に関連付けられた情報、手術情報、及び複数の患者に関連付けられた対応する結果などの情報を集約し得る。集約された情報は、遠隔データベースに記憶されてもよい。一例では、手術情報は、遠隔サーバにおいて集約され得る。
【0184】
図16A図16Cは、手術ハブ7006などの手術ハブが動作し得る例示的なハブ接続モードを示す。図16A図16Cに示すように、手術ハブ15504は、異なる接続モードで、様々な装置15506、クラウド15502内の遠隔サーバ(複数可)、並びに/又は外部ネットワーク15508内の装置、サーバ、及びデータベースと通信することができる。
【0185】
例えば、手術ハブは、手術情報が手術ハブを介して遠隔サーバに流れ得る接続モードで動作することを決定し得る。図16Aに示されるように、手術ハブ15504は、ローカル装置/システム(例えば、手術室内の手術器具及び他の機器)15506と、手術ハブに対してローカル又は遠隔のシステムを含む、他の接続されたシステム15502との間の通信ポータルとして機能し得る。このフロースルー接続モードでは、手術ハブ15504は、異なる装置及びシステム間の通信バスとして機能してもよく、それらが手術ハブを介して通信することを可能にする。
【0186】
手術ハブ15504は、例えば、図13を参照して本明細書で説明されるように、手術室内の1つ以上のスマート手術装置15506から手術情報データを受信してもよい。図13に示されるように、手術ハブ9000は、モジュール式手術装置(複数可)9050から、外科手術室で行われている外科手術に関連付けられた手術データを受信し得る。
【0187】
外科手術中に、外科装置9050は、外科データ及び変数(例えば、外科パラメータ)を追跡及び記録することができる。手術パラメータは、発射力(FTF)、閉鎖力(FTC)、発射進行、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、組織圧縮安定性(クリープ)等を含んでもよい。
【0188】
手術装置9050は、ステープルカートリッジを含むエンドエフェクタを含んでもよい。取り込まれた手術データは、外科手術のステープル留め部分の間に手術ハブの内視鏡を介して撮影されたスナップショットを含んでもよい。手術装置9050は温度センサを備えることができる。取り込まれた手術データは、外科手術の組織シーリング部分の間に温度センサによって検出された少なくとも1つの温度を含み得る。
【0189】
例えば、フロースルー接続モード下で動作しているとき、手術ハブ15504は、受信された情報に対する解釈、制御、又は動作を無効にし得る。手術ハブ15504は、接続モードに基づいて、命令情報を取得することを無効にするかどうかを決定し得る。現在の接続モードがフロースルーモードであるという決定に基づいて、手術ハブ15504は、命令情報を取得することを無効にし得る。
【0190】
例示的なハブ接続モードでは、手術ハブは、受信された手術データに基づいて命令情報を生成することができる。
【0191】
図18Aは、可変ハブ通信モード下で動作するための例示的なフローを示す。図18Aに示されるように、16182において、ハブ接続モードは、本明細書で説明されるように、識別されたハブ接続制御パラメータ(複数可)に基づいて決定され得る。16184において、ハブ接続モードが、ハブが手術装置に命令情報を提供し得ることを示すかどうかが決定され得る。例えば、図9に関して説明されるような手術ハブ5104は、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート手術装置5102に命令情報を提供するかどうかを決定し得る。ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートしないという条件で、16188において、手術装置への命令情報のプロビジョニングは無効にされ得る。ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートするという条件で、16186において、手術ハブは、命令情報を取得して手術装置に提供することを決定し得る。
【0192】
手術ハブは、1つ以上の手術装置から受信された手術データに少なくとも部分的に基づいて、手術装置に対する命令情報を取得し得る。例えば、現在のハブ接続モードが双方向モードであるという決定に基づいて、手術ハブは、手術装置から手術データを受信してもよく、受信された手術データに基づいて手術装置への応答を取得してもよい。現在のハブ接続モードが双方向モードであるという決定に基づいて、手術ハブは、第1の装置から手術データを受信することができ、第1の装置から受信された手術データに基づいて第2の装置への指示を取得することができる。第2の装置への指示は、第1の装置から受信された手術データ及び/又は他の情報を含み得る。
【0193】
図16Bは、例示的な双方向モードを示す。示されるように、手術ハブ15506は、手術装置(複数可)15506から手術データを受信してもよく、命令情報等のデータを装置(複数可)15506に送信してもよい。手術ハブ15506は、クラウド15502内の遠隔サーバ(複数可)に送信する前に、手術装置(複数可)15506から受信された手術データを集約してもよい。
【0194】
一例では、手術ハブによって受信され、遠隔サーバ(複数可)に送信される手術データは、粒子タイプ、粒子サイズ、粒子濃度、粒子速度、及び/又は粒子方向などの、患者の腹腔内の流体中の浮遊粒子の特性を含み得る。受信された手術データに基づいて手術ハブが取得する命令情報は、流体中の浮遊粒子の特性に基づいて手術機能を比例的に増加させること、手術機能に補助手術機能を追加すること、エネルギー装置に提供される電力レベルを調整すること、排煙器のポンプの速度を調整すること、排煙器の濾過システムを通る流路を調整すること、手術室通気口を通して換気を増加させるように手術室通気口を調整すること、アクチュエータの起動の程度を調整すること、及び/又は手術機能を代替手術機能と交換すること等の手術機能に対する調整を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0195】
例では、手術ハブが受信された手術データに基づいて取得する命令情報は、優先順位付け情報(例えば、表示優先順位付け情報)、カートリッジ使用若しくは選択推奨、警告メッセージ、及び/又は手術装置使用命令を含み得るが、これらに限定されない。
【0196】
例えば、現在のハブ接続モードが双方向モードである場合、手術ハブは、命令情報を取得して提供することを決定し得る。例示的な双方向接続モードは、状況認識及び手術装置(複数可)の制御を可能にし得る。手術ハブは、手術データから外科手術の進行を推測することができ、外科手術の推測された進行に基づいて命令情報を取得することができる。手術ハブは、少なくとも1つの画像フレームから抽出されたデータから、手術部位においてモジュール式手術装置のエンドエフェクタによって行われた手術活動を評価することができる。
【0197】
例えば、図9に示すように、手術ハブ5104は、手術ハブ5706に通信可能に結合された装置5102及び他のデータソース(例えば、データベース5122及び患者監視装置5124)から周術期データを受信することができる。手術ハブ5104は、受信されたデータに基づいて、イベントが発生したかどうかを決定し得る。イベントは、例えば、外科手術、外科手術の工程若しくは部分、又は外科手術若しくは外科手術の工程間の休止時間を含み得る。手術ハブ5104は、イベントの時間長、イベントの経過中に利用される手術器具及び/又は他の医療製品、並びにイベントに関連付けられた医療従事者等、特定のイベントに関連付けられたデータを追跡できる。手術ハブ5104は、例えば、本明細書で説明されるような状況認識プロセスを介して、イベントデータを決定し得る。
【0198】
手術ハブ5104は、制御調整情報、優先順位付け情報、警告、表示命令などであるがこれらに限定されない命令情報を装置5102に提供することができる。例えば、手術ハブ5104は、外科手術中に1つ以上のスマート手術装置5102によって検出された周術期データを含み得る手術データを受信してもよい。手術ハブ5104は、周術期データに従って、外科手術に関するコンテキスト情報を決定することができる。手術ハブは、コンテキスト情報に基づいて、1つ以上の手術装置5102に対する制御調整を取得し得る。周術期データは、モジュール式装置に関連付けられた1つ以上のパラメータ及び/又は患者に関連付けられた1つ以上のパラメータを含む。
【0199】
命令データ情報は、関連付けられた優先順位を伴って手術装置に提供される。受信された手術データに基づいて手術ハブが取得する命令情報は、手術室内の臨床医への推奨を含んでもよい。推奨は、手術ハブによって決定され得る優先順位で手術装置に提供され得る。例えば、高い優先度レベルは、マーキング、強調、ハイライト、又は点滅のうちの少なくとも1つと共に通信されてもよい。例えば、手術ハブは、受信された手術データに基づいて手術状態を決定してもよく、手術状態に基づいて推奨の優先レベルを決定してもよい。例えば、手術ハブ5104は、受信した手術データに基づいて手術状態を決定してもよい。手術状態は、外科手術における工程、手術現場で現在使用されている一連の手術装置の識別、手術装置の一部分の位置、手術装置のエンドエフェクタのジョーの位置、総使用手術工程、及び/又は精密使用手術工程を含み得る。
【0200】
手術ハブは、手術状態に基づいて複数の可能な推奨から1つ以上の推奨を選択してもよい。推奨の優先レベルは、予想される手術行為に基づいて調整され得る。予測される手術行為は、手術状態に基づいて、及び/又は手術部位における手術装置の位置に基づいて決定され得る。
【0201】
状況認識プロセスは、2018年3月29日に出願された米国特許出願第15/940,654号(代理人整理番号END8501USNP)、発明の名称「SURGICAL HUB SITUATIONAWARENESS」、2018年12月4日に出願された米国特許出願第16/209,478号(代理人整理番号END9015USNP1)、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」、及び2018年11月6日に出願された米国特許出願第16/182,246号(代理人整理番号END9016USNP1)、発明の名称「ADJUSTMENTS BASED ON AIRBORNE PARTICLE PROPERTIES」により詳細に記載され、本開示はそれぞれの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0202】
外科手術は、異なる場所で異なる外科医によって実施され、他者よりもはるかに少ない経験を有する外科医もいる。所与の外科手術について、所望される結果を実現しようとするために変更され得る多くのパラメータが存在し得る。例えば、発生器によって供給されるエネルギーを利用する所与の外科手術について、外科医は、多くの場合、所望される結果を実現しようとするために、どのエネルギーのモードを利用するか、どのレベルの出力電力を利用するか、エネルギーの印加の持続時間などを決定するために、経験のみに頼る。複数の異なる外科手術に対する所望される結果を実現する可能性を増加させるために、各外科医は、経時的に複数の場所で行われる複数の外科手術と関連付けられた集約された手術データセットに基づいて生成され得た、最善の推薦を提供され得る。
【0203】
図18Bに示されるように、16202において、ハブ接続モードは、本明細書で説明されるように、識別されたハブ接続制御パラメータ(複数可)に基づいて決定され得る。16204において、決定されたハブ接続モードが外部ソースとのデータ集約をサポートするかどうかが決定され得る。例えば、ハブは、ハブ接続モードに基づいて、外部ネットワーク(複数可)に関連付けられたデータとのアーカイブ及び潜在的な集約のために、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定し得る。決定されたハブ接続モードが外部ソースとのデータ集約をサポートする場合、16206において、手術ハブは、記録された手術情報を遠隔サーバに送信することができる。例えば、手術ハブは、特定の接続モードで動作しているとき、外部システム(複数可)への通信を可能にし得る。記録された手術情報を遠隔サーバに送信する決定に基づいて、手術データは、外部ネットワーク(例えば、異なる医療施設、異なる病院等)に関連付けられた外部ハブに送信されてもよい。
【0204】
図16Cは、外部データセットとのデータ集約をサポートする例示的なハブ接続モードを示す。示されるように、手術ハブ15506は、手術装置(複数可)15506から手術データを受信してもよく、命令情報等のデータを装置(複数可)15506に送信してもよい。手術ハブ15504は、手術データの記録及び保管を容易にすることができ、手術データ及び/又は関連する分析を外部ネットワーク(複数可)15508と交換することができる。様々な病院又は医療機関15508からのデータを集約することができる。手術データ、結果、患者情報をコンパイルして、命令情報、手術の推奨、集計分析などを決定することができる。示されるように、手術ハブ15504は、クラウド15502内の遠隔サーバ(複数可)又はデータベース(複数可)から集約分析を検索し得る。集約分析は、手術装置15506に送信するための命令情報を生成するために使用され得る。
【0205】
図18Bに示されるように、手術ハブは、ハブ接続モードに基づいて、外部システムへの通信を無効にするかどうかを決定してもよい。決定されたハブ接続モードが外部ソースとのデータ集約をサポートしない場合、16208において、外部ソースとの集約のために記録された手術情報を送信することは無効にされ得る。例えば、手術ハブは、本明細書に説明されるフロースルー接続モード及び双方向接続モード等のある接続モード下で動作するとき、外部システム(複数可)への通信を無効化し得る。
【0206】
手術データの記録は、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願第16/209,385号(代理人整理番号END8495USNP)により詳細に説明されており、その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。記録された手術データは、本明細書に説明されるような手術イベントデータを含んでもよい。手術イベントデータ、例えば、記録及び/又は集約された手術イベントデータは、外部ネットワークからの手術データとの集約のため、及び更なる分析のために遠隔サーバに送信され得る。
【0207】
集約(例えば、遠隔集約)、要求、及び分析の実施例は、2018年3月29日に出願された代理人整理番号END8501USNP2の「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題された米国特許出願第15/940,668号に詳細に説明され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0208】
外部通信を可能にする接続モードで動作するとき、手術ハブは、遠隔サーバ及び/又は外部システムからの情報を要求し得る。図18Cに示されるように、16302において、ハブ接続モードは、本明細書で説明されるように、識別されたハブ接続制御パラメータ(複数可)に基づいて決定され得る。16304において、ハブは、ハブ接続モードに基づいて遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することができる。現在のハブ接続モードが遠隔データ集約及び分析をサポートするという決定に基づいて、16308において、手術ハブは、集約分析要求を生成してもよい。要求は、受信された手術データに基づいて生成されてもよく、16310において遠隔サーバに送信されてもよい。例えば、集約分析要求は、外科手術における特定の工程に関連付けられた発生器データに関する推奨の要求を示すことができる。それに応答して、手術ハブは、16312において、遠隔サーバから集約分析応答を受信することができる。
【0209】
例えば、集約分析応答は、推奨及び/又は報告を含み得る。集約分析応答は、特定の外科手術のための発生器のエネルギーモード、特定の外科手術のための発生器の電力出力、及び/又は特定の外科手術のための発生器の電力出力の持続時間のうちの1つ以上を含み得る。集約分析応答は、本明細書で説明されるような命令情報を含み得る。16314において、手術ハブは、受信された集約分析応答に基づいて、命令情報を生成し、1つ以上の手術装置(複数可)に送信することができる。図18Cに示されるように、現在のハブ接続モードが遠隔データ集約分析をサポートするという決定に基づいて、手術ハブは、16306において、データ集約分析要求を無効にすることができる。
【0210】
図19は、本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム5700のブロック図を示す。システム5700は、本明細書に記載されているように、手術ハブ5706(及び手術ハブ5706にペアリングされたモジュール式装置)が関連して利用される外科手術に関するデータを検出及び追跡することができるいくつかの手術ハブ5706を含み得る。手術ハブ5706は、手術ハブ5706によって追跡されているデータがネットワーク全体にわたって一緒に集約されるように、ローカルネットワークを形成するように接続され得る。手術ハブ5706のネットワークは、例えば、医療施設と関連付けることができる。手術ハブ5706のネットワークから集約されたデータを分析して、データ傾向又は推奨に関する報告を提供することができる。例えば、第1の医療施設5704aの手術ハブ5706は、第1のローカルデータベース5708aに通信可能に接続され得、第2の医療施設5704bの手術ハブ5706は、第2のローカルデータベース5708bに通信可能に接続されている。第1の医療施設5704aに関連付けられた手術ハブ5706のネットワークは、第2の医療施設5704bに関連付けられた手術ハブ5706のネットワークとは別個とすることができるため、手術ハブ5706の各ネットワークからの集約データは、各医療施設5704a、5704bに個別に対応できる。データベース5708a、5708bに通信可能に接続された手術ハブ5706又は別のコンピュータ端末は、それぞれの医療施設5704a、5704bに関連付けられた集約されたデータに基づいて報告又は推奨を提供するように構成することができる。手術ハブ5706によって追跡されたデータを利用して、例えば、外科手術の特定の発生率が、特定の処置タイプを完了するための平均的なネットワーク内時間から逸脱したかどうかを報告することができる。
【0211】
手術ハブ5706は、追跡されたデータをクラウド5702にアップロードし得、次いで、このクラウドが、クラウド5702に接続された複数の手術ハブ5706、手術ハブ5706のネットワーク、及び/又は医療施設5704a、5704にわたって追跡されたデータを処理及び集約する。手術ハブ5706を利用して、集約データに基づいて報告又は推奨を提供することができる。手術ハブ5706によって追跡されたデータを利用して、例えば、外科手術の特定の発生率が、特定の処置タイプを完了するための平均グローバル時間から逸脱したかどうかを報告することができる。
【0212】
手術ハブ5706は、クラウド5702にアクセスして、ローカルに追跡されたデータを、クラウド5702に通信可能に接続された手術ハブ5706から集約されたグローバルデータと比較するように構成することができる。手術ハブ5706は、追跡されたローカルデータとローカル(すなわち、ネットワーク内)又はグローバルノルムとの比較に基づいて報告又は推奨を提供することができる。手術ハブ5706によって追跡されたデータを利用して、例えば、外科手術の特定の発生率が、特定の処置タイプを完了するための平均的なネットワーク内時間又は平均的なグローバル時間のいずれかから逸脱したかどうかを報告することができる。
【0213】
手術ハブ5706又は手術ハブ5706に対してローカルなコンピュータシステムは、手術ハブ5706によって追跡されたデータをローカルで集約し、追跡されたデータを記憶し、クエリに応答して追跡されたデータに従って、報告及び/又は推奨を生成し得る。手術ハブ5706が医療施設ネットワーク(追加の手術ハブ5706を含み得る)に接続される場合、手術ハブ5706は、追跡されたデータをバルク医療施設データと比較することができる。バルク医療施設データは、EMRデータと、手術ハブ5706のローカルネットワークからの集約データとを含むことができる。クラウド5702(クラウドの遠隔サーバなど)は、手術ハブ5706によって追跡されたデータを集約し、追跡されたデータを記憶し、クエリに応答して追跡されたデータに従って、報告及び/又は推奨を生成し得る。
【0214】
手術ハブ5706は、データの傾向に関する報告を提供することができ、及び/又は行われている外科手術の効率性又は有効性を改善することについての推奨を提供することができる。データの傾向及び推奨は、手術ハブ5706自体によって追跡されたデータ、複数の手術ハブ5706を含むローカル医療施設ネットワークにわたって追跡されたデータ、及び/又はクラウド5702に通信可能に接続された多数の手術ハブ5706にわたって追跡されたデータに基づくことができる。手術ハブ5706によって提供される推奨は、例えば、手術器具/製品組み合わせと患者の転帰及び手術効率性との間の相関に基づいて、特定の外科手術に利用するための特定の手術器具又は製品組み合わせを説明することができる。手術ハブ5706によって提供される報告は、例えば、特定の外科手術がローカル又はグローバルノルムに対して効率的に行われたかどうか、医療施設で行われている特定の種類の外科手術が、グローバルノルムに対して効率的に行われているかどうか、及び特定の外科チームについての特定の外科手術又は外科手術の工程を完了するのにかかった平均時間を説明することができる。
【0215】
手術ハブ5706は、(例えば、状況認識モジュール/システムを介して)手術現場のイベントが発生したときを決定し、次いで、各イベントに費やされた時間の長さを追跡し得る。手術現場のイベントは、手術ハブ5706がその発生を検出又は推定することができるイベントである。手術現場のイベントは、例えば、特定の外科手術、外科手術の工程若しくは部分、又は外科手術間の休止時間を含み得る。手術現場のイベントは、行われている外科手術の種類などのイベント種類に従って分類することができ、個々の処置からのデータを集約して、検索可能なデータセットを形成することができるようにする。手術ハブ5706によって追跡されるデータは、外科手術又は手術ハブ5706の使用に関連するメトリクスを提供するために分析される。
【0216】
手術ハブ5706は、外科手術が行われているかどうかを決定し、次いで、処置と処置のとの間に費やされた時間の長さ(例えば、休止時間)と処置自体で費やされた時間との両方を追跡し得る。手術ハブ5706は、更に、外科手術と外科手術との間又は外科手術中のいずれかに医療従事者(例えば、外科医、看護師、又は用務係)によって行われた個別の工程の各々に費やされた時間を決定し、追跡し得る。手術ハブは、外科手術又は外科手術の異なる工程が行われているときを、状況認識モジュール/システムを介して決定することができ、これは、本明細書で説明されている。
【0217】
近距離通信(NFC)カードは、サプライチェーンを自動化するために使用され得る。図20は、無線周波数識別(RFID)NFCチップと共にパッケージ化された例示的手術用品を示す。示されるように、手術用品16510は、手術装置、縫合糸、生物手術用品などを含み得る。医療関係者は、手術に導入する前に、手術用品16510上のチップ16530をスキャンすることができる。これは、顧客注文のためのサプライチェーンを可能にし得、例えば、クラウド16520を介して、フルケース装置プロファイルを提供し得る。NFCリーダは、例えば、RFIDカード16530を装置又は包装に追加することによって、在庫を追跡するために使用され得る。
【0218】
開示の実施例
実施例1.少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信するように構成された受信機と、手術データを遠隔サーバに送信するように構成された送信機と、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送るべきかどうかを決定し、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を行うように構成されたプロセッサと、を含む、手術ハブ。
【0219】
手術ハブは、特定の構成にかかわらず、異なる接続モードで、様々な装置、遠隔サーバ(複数可)、並びに/又は外部ネットワーク内の装置、サーバ、及びデータベースと通信することができる。通信は、ハブが、これらの装置と通信し、情報を集約し、次いで、遠隔処理サーバ又はデータベースと通信することを可能にする。
【0220】
ハブ接続モードは、事前構成され、動的に更新され、半動的に更新され、周期的に更新され、又は事前設定され得る複数の接続モードから選択され得る。ハブ接続モードは、医療施設、例えば、病院に関連付けられたネットワーク内の装置間接続、及び/又は異なる病院に関連付けられた外部ネットワークとの通信を制御してもよい。ハブ接続モードは、ハブ接続制御パラメータに基づいて決定され得る。
【0221】
ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、限定はしないが、ハードウェア能力、ファームウェア能力、及び/又はソフトウェア能力などのシステム能力を含み得る。ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、サブスクリプションレベルなどの消費者制御パラメータを含むことができる。ハブ接続制御パラメータ(複数可)は、階層化されたシステムからの指示を含み得る。階層化システムは、利用可能なデータ帯域幅、電力容量及び使用量、プロセッサ及びメモリ利用率、並びに/又は内部若しくは付属システムに基づいて、手術ハブと装置(複数可)との間の通信、手術ハブと外部サーバ(複数可)などとの間の通信をスケーリングし得る。階層化システムは、手術ハブがその下で動作し得る最大通信能力を決定してもよい。
【0222】
手術ハブは、手術情報が手術ハブを通って遠隔サーバに流れ得る、フロースルー接続モードで動作してもよい。手術ハブは、手術ハブが手術装置(複数可)から手術データを受信し、命令情報などのデータを装置(複数可)に送信し得る双方向モードで動作してもよい。例示的な双方向モードでは、手術ハブは、クラウド内の遠隔サーバ(複数可)に送信する前に、手術装置(複数可)から受信した手術データを集約してもよい。双方向モードは、状況認識及び手術装置(複数可)の制御を可能にし得る。手術ハブは、外部データセットとのデータ集約をサポートするハブ接続モードで動作してもよい。このハブ接続モードでは、手術ハブは、手術データの記録及びアーカイブを容易にすることができ、手術データ及び/又は関連する分析を外部ネットワーク(複数可)と交換することができる。様々な病院又は医療機関からのデータを集約することができる。手術データ、結果、患者情報をコンパイルして、命令情報、手術の推奨、集計分析などを決定することができる。手術ハブは、クラウド内の遠隔サーバ(複数可)又はデータベース(複数可)から集約分析を検索し得る。集約分析は、異なる外科手術について所望の結果を実現する可能性を増加させる。外科医にはベストプラクティス推奨が提供されてもよく、ベストプラクティス推奨は、経時的に複数の場所で行われた複数の外科手術に関連付けられた集約された手術データセットに基づいて生成されてもよい。
【0223】
手術ハブは、ハブ接続モードに基づいて、手術ハブと通信している少なくとも1つの手術器具に命令情報を提供するかどうかを決定してもよい。これにより、手術ハブは、ハブ接続モードの状態に従って少なくとも1つの手術器具に命令情報を提供することに関して選択的な動作を行うことができる。例えば、ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートしないという条件で、手術装置への命令情報のプロビジョニングは無効にされ得る。これは、ハブ接続制御パラメータ(複数可)が、命令情報の指示を提供するための手術器具におけるハードウェア能力の欠如を示す場合であり得、手術ハブは、命令情報を手術器具に提供することを無効にし得る接続モードに切り替わり得る。一方、ハブ接続モードが手術装置への命令情報のプロビジョニングをサポートするという条件で、手術ハブは、命令情報を取得して手術装置に提供することを決定し得る。
【0224】
実施例2.実施例1の手術ハブであって、送信機は、少なくとも1つのスマート手術装置にデータを送信するように更に構成され、プロセッサは、命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得し、取得された命令情報を送信機を介して少なくとも1つのスマート手術装置に送信するように更に構成されている、手術ハブ。
【0225】
実施例2として、ハブ接続モードは、手術装置へのプロビジョニング命令をサポートし得る。したがって、手術装置には、状況認識、履歴情報などを考慮した命令を含み得る命令が提供される。提供される命令情報に応じて、手術装置によって実行される手術活動の結果及び品質が改善され得る。外科医は、警告メッセージ、及び/又は装置、患者、及び手術に関する推奨を提供されてもよい。装置の動作が改善され得る。患者の安全を守ることができる。
【0226】
実施例3.命令情報は、手術機能に対する調整、優先順位付け情報、カートリッジ使用推奨、警告メッセージ、手術装置使用推奨、又は手術装置使用命令の少なくとも1つを含む実施例1又は2に記載の手術ハブ。
【0227】
実施例3として、命令情報が、装置及び/又は外科医に提供されてもよく、それは、外科機能の効率及び/若しくは有効性、並びに/又は動作の安全性及びセキュリティの改善に寄与し得る。
【0228】
実施例4.プロセッサが、ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定するように更に構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ。
【0229】
実施例4として、ハブ接続モードに基づく外部システムとの通信は、条件に適合される。例えば、ハブ接続モードが、サブスクリプションレベル等の消費者制御パラメータを含み得るハブ接続制御パラメータによって決定されるような外部システムへのアクセスをサポートしない条件では、外部システムとの手術ハブの通信は、無効にされ得る。これは、医療施設がハブ接続能力へのサブスクリプションを購入し、サブスクリプションレベル(複数可)がハブ接続を内部装置に制限する場合であり得る。
【0230】
実施例5.プロセッサは、ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定するように更に構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ。
【0231】
手術器具又は手術ハブは、処置が実行されている間に、処置に関連する手術情報を記録することができる。実施例5として、手術ハブは、手術器具から受信した記録された手術情報を、アーカイブ及び/又は分析のために遠隔サーバに送信してもよい。アーカイブされた手術情報は、他の手術ハブ(複数可)から受信された情報、及び/又は他の医療施設に関連付けられた手術情報と集約され得る。集約された情報は、1つ以上の手術器具(複数可)に対する命令情報を生成するためにアクセスされ得る。例えば、手術通信ハブは、スマート手術装置から受信した情報、複数の手術に関連付けられた情報、手術情報、及び複数の患者に関連付けられた対応する結果などの情報を集約することができる。集約された情報は、遠隔データベースに記憶されてもよい。例えば、手術情報は、遠隔サーバにおいて集約されてもよい。
【0232】
実施例6.受信機が、遠隔サーバからデータを受信するように更に構成され、プロセッサが、ハブ接続モードに基づいて、遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、集約分析を検索する決定に基づいて、受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、送信機を介して集約分析要求を遠隔サーバに送信することと、受信機を介して遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、集約分析応答に基づいて命令情報を生成し、送信機を介して少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ。
【0233】
実施例6として、手術ハブは、遠隔サーバから集約分析を検索し、集約分析に基づく手術データ及び/又は推奨における傾向等の命令情報を手術装置に提供することが可能にされる。例えば、遠隔サーバは、手術ハブから受信された情報、及び/又は他の医療施設に関連付けられた手術情報を集約してもよい。集約された情報は、1つ以上の手術器具(複数可)に対する命令情報を生成するためにアクセスされ得る。集約分析は、異なる外科手術について所望の結果を実現する可能性を増加させる。外科医にはベストプラクティス推奨が提供されてもよく、ベストプラクティス推奨は、経時的に複数の場所で実行される複数の外科手術に関連付けられた集約された手術データセットに基づいて生成されてもよい。
【0234】
実施例7.ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、任意の前述の実施例に記載の手術ハブ。
【0235】
実施例7として、ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続モードが、データ帯域幅、電力、並びに/又はプロセッサ及びメモリ利用情報の状態に基づいて、手術ハブと手術器具及び/又は外部サーバとの通信を制御することを可能にする。
【0236】
実施例8.ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施例1~6のいずれか1つに記載の手術ハブ。
【0237】
実施例8として、ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続モードが、サブスクリプションレベル、ユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示に基づいて、手術器具及び/又は外部サーバとの手術ハブの通信を制御又は縮小することを可能にする。例えば、ハブ接続制御パラメータ(複数可)が階層化システムからの指示を含む場合、階層化システムは、例えば、利用可能なデータ帯域幅、電力容量及び使用、プロセッサ及びメモリ利用、並びに/又は内部若しくは付属システムに基づいて、手術ハブと手術器具との間の通信、手術ハブと外部サーバとの間の通信をスケーリングし得る。階層化システムは、手術ハブがその下で動作し得る最大通信能力を決定してもよい。例えば、手術室、手術ハブ、及び/又は医療施設に関連付けられた電力能力が閾値未満であることを検出すると、階層化システムは、手術ハブの接続能力を縮小してもよい。別の例では、利用可能なデータ帯域幅が閾値未満であること、メモリ利用が特定の閾値を上回ること、電力使用量が特定の閾値を上回ること、及び/又は手術ハブの接続能力を縮小することを保証し得る他のシステム条件を検出すると、階層化システムは、手術ハブと少なくとも1つの手術器具との間の通信及び/又は手術ハブと外部サーバとの間の通信を制限又は無効にし得る。例えば、双方向接続モードは、フロースルー接続モードに縮小され得る。外部通信は無効にされ得る。
【0238】
実施例9.ハブ接続を制御するための方法であって、少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を含む、方法。
【0239】
実施例10.命令情報を送信する決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、取得された命令情報を少なくとも1つのスマート手術装置に送信することと、を更に含む、実施例9に記載の方法。
【0240】
実施例11.命令情報は、手術機能の調整、優先順位付け情報、カートリッジ使用推奨、警告メッセージ、手術装置使用推奨、又は手術装置使用命令の少なくとも1つを含む実施例9又は10に記載の方法。
【0241】
実施例12.ハブ接続モードに基づいて、外部システムとの通信を無効にするか否かを決定することを更に含む、実施例9~11のいずれか1つに記載の方法。
【0242】
実施例13.ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを更に含む、実施例9~12のいずれか1つに記載の方法。
【0243】
実施例14.遠隔サーバ又は遠隔サーバからデータを受信することを更に含み、プロセッサは、ハブ接続モードに基づいて、遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、集約分析を検索する決定に基づいて、受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、ハブの送信機を介して集約分析要求を遠隔サーバに送信することと、ハブの受信機を介して遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、集約分析応答に基づいて命令情報を生成することと、送信機を介して少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、実施例9~13のいずれか1つに記載の方法。
【0244】
実施例15.ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~14のいずれか1つに記載の方法。
【0245】
実施例16.ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施例9~14のいずれか1つに記載の方法。実施例9~16の方法は、手術ハブによって行われてもよい。
【0246】
実施例17.そこに記憶された命令を含むコンピュータ可読媒体であって、命令は、実行されると、少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を実行する、コンピュータ可読媒体。
【0247】
実施例18.手術ハブのプロセッサによって実行されると、命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、取得された命令情報を少なくとも1つのスマート手術装置に送信することとを実行する命令を更に含む、請求項17に記載のコンピュータ可読媒体。
【0248】
実施例19.手術ハブのプロセッサによって実行されると、ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効化するかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施例17又は18に記載のコンピュータ可読媒体。
【0249】
実施例20.手術ハブのプロセッサによって実行されると、ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された外科情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施例17~19のいずれか1つに記載のコンピュータ可読媒体。実施例17~20のコンピュータ可読媒体上の命令は、手術ハブのプロセッサによって実行されてもよい。
【0250】
実施例9~16による方法、及び実施例17~19に記載されるコンピュータ可読媒体は、実施例1~8の装置に対応する。したがって、実施例1~8に関する上記の議論は、実施例9~20にも当てはまる。
【0251】
実施例21.ハブ接続モードは、手術ハブが動作し得る複数の接続モードから選択可能であり、ハブ接続モードのそれぞれは、ネットワーク内の装置間接続、及び/又は外部ネットワークとの通信を制御するように構成されている、任意の前述の実施例の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
【0252】
実施例22.任意の前述の実施例の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体であって、少なくとも1つのスマート手術装置からの手術情報は、少なくとも1つのスマート手術装置によって実行される外科手術に関連する手術データを含み、任意選択で、手術データ及び手術パラメータは、外科手術中に少なくとも1つの手術装置によって記録され、更に任意選択で、手術パラメータは、発射力、閉鎖力、発射進行、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、及び組織圧縮安定性のうちの少なくとも1つを含む、手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
【0253】
本発明による更なる実施形態を以下に提供する。
1.少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信するように構成された受信機と、手術データを遠隔サーバに送信するように構成された送信機と、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送るべきかどうかを決定し、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を行うように構成されたプロセッサと、を含む、手術ハブ。
2.送信機は、少なくとも1つのスマート手術装置にデータを送信するように更に構成され、プロセッサは、命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得し、取得された命令情報を送信機を介して少なくとも1つのスマート手術装置に送信するように更に構成されている、実施形態1に記載の手術ハブ。
3.命令情報は、手術機能に対する調整、優先順位付け情報、カートリッジ使用推奨、警告メッセージ、手術装置使用推奨、又は手術装置使用命令の少なくとも1つを含む実施形態1に記載の方法。
4.プロセッサは、ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定するように更に構成されている、実施形態1に記載の手術ハブ。
5.プロセッサは、ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定するように更に構成されている、実施形態1に記載の手術ハブ。
6.受信機が、遠隔サーバからデータを受信するように更に構成され、プロセッサが、ハブ接続モードに基づいて遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、集約分析を検索する決定に基づいて、受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、送信機を介して集約分析要求を遠隔サーバに送信することと、受信機を介して遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、集約分析応答に基づいて命令情報を生成し、送信機を介して少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、実施形態1に記載の手術ハブ。
7.ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の手術ハブ。
8.ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の手術ハブ。
9.ハブ接続を制御するための方法であって、少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を含む、方法。
10.命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、取得された命令情報を少なくとも1つのスマート手術装置に送信することとを更に含む、実施形態9に記載の方法。
11.命令情報は、手術機能に対する調整、優先順位付け情報、カートリッジ使用推奨、警告メッセージ、手術装置使用推奨、又は手術装置使用命令の少なくとも1つを含む実施形態9に記載の方法。
12.ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定することを更に含む、実施形態9に記載の方法。
13.ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報例を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを更に含む、実施形態9に記載の方法。
14.遠隔サーバからデータを受信することを更に含み、プロセッサが、ハブ接続モードに基づいて遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、集約分析を検索する決定に基づいて、受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、送信機を介して集約分析要求を遠隔サーバに送信することと、受信機を介して遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、集約分析応答に基づいて命令情報を生成することと、送信機を介して少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、実施形態9に記載の方法。
15.ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、実施形態9に記載の方法。
16.ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施形態9に記載の方法。
17.そこに記憶された命令を含むコンピュータ可読媒体であって、実行された場合、少なくとも1つのスマート手術装置から外科手術情報を受信することと、ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、ハブ接続モードに基づいて、少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、決定に基づいて、少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を実行する、コンピュータ可読媒体。
18.実行されると、命令情報を送信するという決定に基づいて、受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、取得された命令情報を少なくとも1つのスマート手術装置に送信することとを実行する命令を更に含む、実施形態17のコンピュータ可読媒体。
19.実行されると、ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施形態17のコンピュータ可読媒体。
20.実行されると、ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを行う命令を更に含む、実施形態17のコンピュータ可読媒体。
【0254】
〔実施の態様〕
(1) 手術ハブであって、
少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信するように構成された受信機と、
手術データを遠隔サーバに送信するように構成された送信機と、
プロセッサと、を備え、前記プロセッサが、
ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて前記少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を行うように構成されている、手術ハブ。
(2) 前記送信機が、前記少なくとも1つのスマート手術装置にデータを送信するように更に構成され、前記プロセッサが、
命令情報を送信する決定に基づいて、前記受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、
前記送信機を介して前記少なくとも1つのスマート手術装置に前記取得された命令情報を送信することと、を行うように更に構成されている、実施態様1に記載の手術ハブ。
(3) 前記命令情報が、
手術機能に対する調整、
優先順位付け情報、
カートリッジ使用推奨、
警告メッセージ、
手術装置使用推奨、又は
手術装置使用命令の少なくとも1つを含む、実施態様1又は2に記載の手術ハブ。
(4) 前記プロセッサは、前記ハブ接続モードに基づいて、外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定するように更に構成されている、実施態様1~3のいずれかに記載の手術ハブ。
(5) 前記プロセッサは、前記ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を前記遠隔サーバに送信するかどうかを決定するように更に構成されている、実施態様1~4のいずれかに記載の手術ハブ。
【0255】
(6) 前記受信機が、前記遠隔サーバからデータを受信するように更に構成され、前記プロセッサが、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、
前記集約分析を検索する決定に基づいて、前記受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、
前記送信機を介して前記集約分析要求を前記遠隔サーバに送信することと、
前記受信機を介して前記遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、
前記集約分析応答に基づいて前記命令情報を生成することと、
前記送信機を介して前記少なくとも1つのスマート装置に前記命令情報を送ることと、を行うように更に構成されている、実施態様1~5のいずれかに記載の手術ハブ。
(7) 前記ハブ接続制御パラメータは、利用可能なデータ帯域幅、前記手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1~6のいずれかに記載の手術ハブ。
(8) 前記ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1~6のいずれかに記載の手術ハブ。
(9) ハブ接続を制御する方法であって、前記方法は、
少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、
ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を含む、方法。
(10) 命令情報を送信する決定に基づいて、前記受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、
前記取得された命令情報を前記少なくとも1つのスマート手術装置に送信することと、を更に含む、実施態様9に記載の方法。
【0256】
(11) 前記命令情報が、
手術機能に対する調整、
優先順位付け情報、
カートリッジ使用推奨、
警告メッセージ、
手術装置使用推奨、又は
手術装置使用命令の少なくとも1つを含む、実施態様9又は10に記載の方法。
(12) 前記ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定することを更に含む、実施態様9~11のいずれかに記載の方法。
(13) 前記ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを更に含む、実施態様9~12のいずれかに記載の方法。
(14) 遠隔サーバ又は前記遠隔サーバからデータを受信することを更に含み、前記プロセッサは、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記遠隔サーバから集約分析を検索するかどうかを決定することと、
前記集約分析を検索する決定に基づいて、前記受信された手術データに基づいて集約分析要求を生成することと、
前記ハブの送信機を介して前記集約分析要求を前記遠隔サーバに送信することと、
前記ハブの受信機を介して前記遠隔サーバから集約分析応答を受信することと、
前記集約分析応答に基づいて前記命令情報を生成することと、
前記送信機を介して前記命令情報を前記少なくとも1つのスマート装置に送信することと、を行うように更に構成される、実施態様9~13のいずれかに記載の方法。
(15) 前記ハブ接続制御パラメータが、利用可能なデータ帯域幅、前記手術ハブに関連付けられた電力容量、手術室に関連付けられた電力容量、医療施設に関連付けられた電力容量、電力使用量、プロセッサ利用情報、又はメモリ利用情報のうちの少なくとも1つを含む、実施態様9~14のいずれかに記載の方法。
【0257】
(16) 前記ハブ接続制御パラメータは、ハブ接続に関連付けられたサブスクリプションレベル、ハブ接続に関連付けられたユーザ選好、又は階層化ソフトウェア制御システムからの指示のうちの少なくとも1つを含む、実施態様9~14のいずれかに記載の方法。
(17) 記憶された命令を備えるコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、
少なくとも1つのスマート手術装置から手術情報を受信することと、
ハブ接続制御パラメータに基づいてハブ接続モードを決定することと、
前記ハブ接続モードに基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置に命令情報を送信するかどうかを決定することと、
前記決定に基づいて、前記少なくとも1つのスマート装置と通信することと、を実行する、コンピュータ可読媒体。
(18) 前記手術ハブの前記プロセッサによって実行されると、
命令情報を送信する決定に基づいて、前記受信された手術情報に基づいて命令情報を取得することと、
前記取得された命令情報を前記少なくとも1つのスマート手術装置に送信することと、を実行する命令を更に含む、実施態様17に記載のコンピュータ可読媒体。
(19) 前記手術ハブの前記プロセッサによって実行されると、前記ハブ接続モードに基づいて外部システムとの通信を無効にするかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施態様17又は18に記載のコンピュータ可読媒体。
(20) 前記手術ハブの前記プロセッサによって実行されると、前記ハブ接続モードに基づいて、処置に関連付けられた記録された手術情報を前記遠隔サーバに送信するかどうかを決定することを実行する命令を更に含む、実施態様17~19のいずれかに記載のコンピュータ可読媒体。
【0258】
(21) 前記ハブ接続モードは、前記手術ハブが動作し得る複数の接続モードから選択可能であり、前記ハブ接続モードの各々は、ネットワーク内の装置間接続、及び/又は外部ネットワークとの通信を制御するように構成される、実施態様1~20のいずれかに記載の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
(22) 前記少なくとも1つのスマート手術装置からの前記手術情報は、前記少なくとも1つのスマート手術装置によって実行される外科手術に関連する手術データを含み、任意選択で、前記手術データ及び手術パラメータは、前記外科手術中に前記少なくとも1つの手術装置によって記録され、更に任意選択で、前記手術パラメータは、発射力、閉鎖力、発射進行、組織間隙、電力レベル、インピーダンス、及び組織圧縮安定性のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1~21のいずれかに記載の手術ハブ、方法、又はコンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
【国際調査報告】