(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】基板処理装置{SUBSTRATE PROCESSING APPARATUS}
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20231018BHJP
C23C 16/507 20060101ALI20231018BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/507
H05H1/46 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520474
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 KR2021010377
(87)【国際公開番号】W WO2022080637
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0131532
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0099590
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519068777
【氏名又は名称】チュソン エンジニアリング カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】サ,スン ヨブ
(72)【発明者】
【氏名】パク,クァン ス
(72)【発明者】
【氏名】ハー,ホ ボエム
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チョル ジュ
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084BB14
2G084BB26
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD25
2G084DD32
2G084DD55
2G084FF16
2G084FF31
2G084FF32
4K030BA29
4K030BB14
4K030EA03
4K030FA04
4K030GA02
4K030JA03
4K030JA04
4K030JA06
4K030JA10
4K030KA23
4K030KA30
4K030KA37
4K030KA46
4K030KA47
5F045AA08
5F045AB01
5F045AB02
5F045AC01
5F045AF02
5F045AF03
5F045CA13
5F045DP04
5F045DP28
5F045EH02
5F045EH11
5F045EJ04
5F045EJ05
5F045EK06
5F045EK13
5F045EM09
5F045EM10
(57)【要約】
本発明の一実施例による基板処理装置は、側壁を備えたチャンバと、前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナと、を含む。前記アンテナは、2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、2つのワンターン単位アンテナそれぞれは、上部面及び下部面を備え、2つのワンターン単位アンテナの上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、2つのワンターン単位アンテナは、並列接続されてRF電源に接続され、前記ワンターン単位アンテナそれぞれの幅方向は、垂直に立てられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁を備えたチャンバと、
前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、
前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、
前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナと、を含み、
前記アンテナは、2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、
2つのワンターン単位アンテナそれぞれは、上部面及び下部面を備え、2つのワンターン単位アンテナの上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、
2つのワンターン単位アンテナは、並列接続されてRF電源に接続され、
前記ワンターン単位アンテナそれぞれの幅方向は、垂直に立てられることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された漏斗状の下部ドームと、
前記下部ドームの下部面に配置された同心円状のランプヒータと、
前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、
前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、
前記同心円状のランプヒータの下部面に配置された反射体と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記ワンターンアンテナは、厚さより大きな幅を有するストリップライン形状であり、
前記厚さtに対する幅Wの比W/tは10以上であることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ワンターン単位アンテナは、
前記ワンターン単位アンテナの中心から半径方向に前記上部面から延長される半径部と、
前記半径部で第1半径を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第1曲線部と、
前記第1曲線部で配置平面を前記上部面から下部面に変更する第1垂直延長部と、
前記第1垂直延長部で前記第1半径を有する円周に沿って時計回りに180度回転する第2曲線部と、
前記第2曲線部に連続的に連結され、前記第1半径から前記第1半径より小さい第2半径に半径を変更し、配置平面を前記下部面から前記上部面に変更し、前記第2半径から前記第1半径に半径を変更する第2垂直延長部と、
前記第2垂直延長部で前記第1半径を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第3曲線部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記アンテナを囲むように配置され、反射体でコーティングされたアンテナハウジングをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記上部ライナの側面を貫通して工程ガスを供給する少なくとも1つの工程ガス供給部と、
前記下部ドームを通じて供給されるパージガスを供給する流路と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記上部ライナは、
前記上部ライナの一側に形成されてガスを排気する第1開口部と、
前記上部ライナの前記第1開口部を対向する他側に基板の通路を提供するように前記上部ライナに配置された第2開口部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記ランプヒータは、複数のリング型ランプヒータを含み、
前記リング型ランプヒータは、前記下部ドームの斜面に沿って一定の間隔で配置され、
前記リング型ランプヒータは、3つのグループに区分されて、互いに独立的に電力の供給を受けることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記下部ドームの中心軸に沿って配置される第1基板リフタと、
前記第1基板リフタと同軸に配置される第2基板リフタと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記チャンバの下部面と反射体との間に配置されたリング状の断熱部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記下部ドームの内周面に配置された不透明な誘電体材料で形成された下部ライナをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記下部ライナは、前記下部ドームの空間を向かい合う内周面を有し、
前記下部ライナの内周面は、上下方向に沿って前記チャンバの下部領域から上部領域に向かうほど厚くなる傾斜を有することを特徴とする請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成され、前記上部ドームと同じ曲率を有する下部ドームと、
前記下部ドームの下部面に配置されたランプヒータと、
前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、
前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、
前記ランプヒータの下部面に配置された反射体と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記アンテナを囲むように配置され、アンテナハウジングをさらに含み、
前記アンテナハウジングは、別途のヒータによって加熱されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記アンテナハウジングの温度は、摂氏200度ないし摂氏600度であることを特徴とする請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記アンテナハウジングを囲むように離隔して配置されたチャンバハウジングをさらに含み、
前記チャンバハウジングは、冷媒によって冷却されることを特徴とする請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項17】
側壁を備えたチャンバと、前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナと、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドームと、前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を覆い、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、前記下部ドームの下部に配置されたランプヒータと、前記アンテナを覆うように配置され、ヒータによって加熱されるアンテナハウジングと、を含む基板処理装置の動作方法において、
前記アンテナハウジングを前記ヒータによって第1温度に加熱する工程と、
前記基板を前記サセプタのホーム位置で収容し、前記サセプタを上昇させて工程位置に変更する工程と、
前記上部ドームに工程ガスを提供し、前記下部ドームにパージガスを提供し、前記ランプヒータを用いて前記基板を加熱する工程と、
前記アンテナにRF電力を提供して誘導結合プラズマを形成して前記基板にエピタキシャル成長を遂行する工程と、を含むことを特徴とする基板処理装置の動作方法。
【請求項18】
側壁、上部領域、及び下部領域を備えたチャンバと、
前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、
前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、
前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドームと、
前記下部ドームの上部縁の内周面に配置された不透明な誘電体材料で形成された下部ライナと、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項19】
前記下部ドームの下部に配置されたランプヒータをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記下部ライナは、前記下部ドームの空間を向かい合う内周面を有し、
前記下部ライナの内周面は、上下方向に沿って前記チャンバの下部領域から前記上部領域に向かって厚くなる傾斜を有することを特徴とする請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記下部ライナは石英材質で形成されることを特徴とする請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項22】
側壁、上部領域、及び下部領域を備えたチャンバと、
前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、
前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、
前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドームと、
前記チャンバの前記側壁の一側に配置された基板出入口と、
前記チャンバの側壁の他側に配置された排気口と、を含み、
前記排気口の上部面は、前記基板出入口の上部面と同じか低い高さを有することを特徴とする基板処理装置。
【請求項23】
前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、透明な誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、
前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、不透明な誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記上部ライナは、
前記排気口と整列され、前記上部ライナの一側に形成されてガスを排気する第1開口部と、
前記基板出入口と整列され、前記上部ライナの第1開口部に対向する他側に基板の通路を提供するように前記上部ライナに配置された第2開口部と、を含み、
工程進行時、前記サセプタの上部面は、前記排気口及び前記基板出入口の下部面より高いことを特徴とする請求項23に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関するものとして、より詳細には、ランプヒータを用いて高温で速い基板加熱を行って薄膜を蒸着するエピタキシャルプラズマ化学気相蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造において、シリコン単結晶基板の上に基板と同一の結晶構造を有するシリコン単結晶薄膜を蒸着する。前記シリコン単結晶薄膜の成長時に酸化シリコンのような無機絶縁物質を蒸着してパターンして、基板表面の中でシリコンが露出した部分だけで単結晶領域が形成されることを選択的エピタキシャル成長(Selective Epitaxial Growth:SEG)という。
【0003】
また、大面積基板上に薄膜形態の太陽電池を製作するにおいて、太陽光を受け入れるP層と、電子-正孔対を形成するI層と、前記P層の対向電極の役割をするN層を基本とする。これと同様に、液晶表示装置は、アレイ及びカラフィルタ基板にそれぞれ形成されるアレイ素子とカラフィルタ素子を基本とする。
【0004】
太陽電池及び液晶表示装置用薄膜素子を製作するためには、数回にわたる写真エッチング工程(photolithograpy process)を必要とする。このような写真エッチング工程は、薄膜蒸着工程、感光層塗布工程、露光及び現像工程とエッチング工程を含み、加えて洗浄、合着、切断などの多様な工程を伴う。
【0005】
プラズマ化学気相蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition:以下、PECVDと略称する)法は、RF(Radio Frequence)高電圧をアンテナ又は電極に印加してチャンバ内部で反応ガスをプラズマ状態に励起させた状態で薄膜を形成する。
【0006】
最近ではプラズマ化学気相蒸着法を用いた蒸着工程の進行間に発生する異物や副産物がチャンバ内壁に固着されることを防ぐために、石英で内壁を設計し、チャンバの上部と下部に石英で上部ドームと下部ドームを設計する。
【0007】
このようなプラズマ化学気相蒸着法を用いた蒸着工程は、チャンバ内部の圧力を数mTorrに維持し、基底真空状態では10E-9Torr水準の超高真空状態に維持することを通じて蒸着工程間に発生する異物や副産物の数を最小化することができ、蒸着工程の工程時間を短縮させることができ、生産収率を改善できる長所がある。
【0008】
このようなプラズマ化学気相蒸着法は、上部ドーム上に配置されたアンテナが赤外線によって加熱されてプラズマ安定性を低下させ、アンテナが赤外線反射を通じて薄膜の均一性を低下させる問題を有する。したがって、新しいプラズマソース及び薄膜蒸着方式が求められる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする技術的課題は、外部の赤外線加熱によっても安定的にプラズマを形成できるアンテナ及びアンテナを備えた基板処理装置を提供するものである。
【0010】
本発明の解決しようとする技術的課題は、下部ドーム及び下部ライナへの汚染を減少させた基板処理装置を提供するものである。
【0011】
本発明の解決しようとする技術的課題は、クランプの形状、アンテナハウジングの形状、及び金メッキによる均一な基板加熱による均一性を確保した基板処理装置を提供するものである。
【0012】
本発明の解決しようとする 技術的課題は、均一な赤外線加熱と均一なプラズマを同時に提供する基板処理装置を提供するものである。
【0013】
本発明の解決しようとする技術的課題は、プラズマを形成するアンテナとアンテナを覆うように配置されたアンテナハウジングに埋め込まれた抵抗性ヒータを用いて均一な工程を提供する基板処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施例による基板処理装置は、側壁を備えたチャンバと、前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナと、を含む。前記アンテナは、2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、2つのワンターン単位アンテナそれぞれは、上部面及び下部面を備え、2つのワンターン単位アンテナの上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、2つのワンターン単位アンテナは、並列接続されてRF電源に接続され、前記ワンターン単位アンテナそれぞれの幅方向は、垂直に立てられる。
【0015】
本発明の一実施例において、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された漏斗状の下部ドームと、前記下部ドームの下部面に配置された同心円状のランプヒータと、前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、前記同心円状のランプヒータの下部面に配置された反射体と、をさらに含む。
【0016】
本発明の一実施例において、前記ワンターンアンテナは、厚さより大きな幅を有するストリップライン形状であり、前記厚さtに対する幅Wの比W/tは10以上である。
【0017】
本発明の一実施例において、前記ワンターン単位アンテナは、前記ワンターン単位アンテナの中心から半径方向に前記上部面から延長される半径部と、前記半径部で第1半径を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第1曲線部と、前記第1曲線部で配置平面を前記上部面から下部面に変更する第1垂直延長部と、前記第1垂直延長部で前記第1半径を有する円周に沿って時計回りに180度回転する第2曲線部と、前記第2曲線部に連続的に連結され、前記第1半径から前記第1半径より小さい第2半径に半径を変更し、配置平面を前記下部面から前記上部面に変更し、前記第2半径から前記第1半径に半径を変更する第2垂直延長部と、前記第2垂直延長部で前記第1半径を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第3曲線部と、を含む。
【0018】
本発明の一実施例において、前記アンテナを囲むように配置され、反射体でコーティングされたアンテナハウジングをさらに含む。
【0019】
本発明の一実施例において、前記上部ライナの側面を貫通して工程ガスを供給する少なくとも1つの工程ガス供給部と、前記下部ドームを通じて供給されるパージガスを供給する流路と、をさらに含む。
【0020】
本発明の一実施例において、前記上部ライナは、前記上部ライナの一側に形成されてガスを排気する第1開口部と、前記上部ライナの前記第1開口部を対向する他側に基板の通路を提供するように前記上部ライナに配置された第2開口部と、を含む。
【0021】
本発明の一実施例において、前記ランプヒータは、複数のリング型ランプヒータを含み、前記リング型ランプヒータは、前記下部ドームの斜面に沿って一定の間隔で配置され、前記リング型ランプヒータは、3つのグループに区分されて、互いに独立的に電力の供給を受ける。
【0022】
本発明の一実施例において、前記下部ドームの中心軸に沿って配置される第1基板リフタと、前記第1基板リフタと同軸に配置される第2基板リフタと、をさらに含む。
【0023】
本発明の一実施例において、前記チャンバの下部面と反射体との間に配置されたリング状の断熱部をさらに含む。
【0024】
本発明の一実施例において、前記下部ドームの内周面に配置された不透明な誘電体材料で形成された下部ライナをさらに含む。
【0025】
本発明の一実施例において、前記下部ライナは、前記下部ドームの空間を向かい合う内周面を有し、前記下部ライナの内周面は、上下方向に沿って前記チャンバの下部領域から上部領域に向かうほど厚くなる傾斜を有する。
【0026】
本発明の一実施例において、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成され、前記上部ドームと同じ曲率を有する下部ドームと、前記下部ドームの下部面に配置されたランプヒータと、前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、前記ランプヒータの下部面に配置された反射体と、をさらに含む。
【0027】
本発明の一実施例において、前記アンテナを囲むように配置され、アンテナハウジングをさらに含み、前記アンテナハウジングは、別途のヒータによって加熱される。
【0028】
本発明の一実施例において、前記アンテナハウジングの温度は、摂氏200度ないし摂氏600度である。
【0029】
本発明の一実施例において、前記アンテナハウジングを囲むように離隔して配置されたチャンバハウジングをさらに含み、前記チャンバハウジングは、冷媒によって冷却される。
【0030】
本発明の一実施例による基板処理装置は、側壁を備えたチャンバと、前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナと、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドームと、前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を覆い、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、前記下部ドームの下部に配置されたランプヒータと、前記アンテナを覆うように配置され、ヒータによって加熱されるアンテナハウジングと、を含む。前記基板処理装置の動作方法は、前記アンテナハウジングを前記ヒータによって第1温度に加熱する工程と、前記基板を前記サセプタのホーム位置で収容し、前記サセプタを上昇させて工程位置に変更する工程と、前記上部ドームに工程ガスを提供し、前記下部ドームにパージガスを提供し、前記ランプヒータを用いて前記基板を加熱する工程と、前記アンテナにRF電力を提供して誘導結合プラズマを形成して前記基板にエピタキシャル成長を遂行する工程と、を含む。
【0031】
本発明の一実施例による基板処理装置は、側壁、上部領域、及び下部領域を備えたチャンバと、前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドームと、前記下部ドームの上部縁の内周面に配置された不透明な誘電体材料で形成された下部ライナと、を含む。
【0032】
本発明の一実施例において、前記下部ドームの下部に配置されたランプヒータをさらに含む。
【0033】
本発明の一実施例において、前記下部ライナは、前記下部ドームの空間を向かい合う内周面を有し、前記下部ライナの内周面は、上下方向に沿って前記チャンバの下部領域から前記上部領域に向かって厚くなる傾斜を有する。
【0034】
本発明の一実施例において、前記下部ライナは石英材質で形成される。
【0035】
本発明の一実施例による基板処理装置は、側壁、上部領域、及び下部領域を備えたチャンバと、前記チャンバ内部に基板を装着するサセプタと、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドームと、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドームと、前記チャンバの前記側壁の一側に配置された基板出入口と、前記チャンバの側壁の他側に配置された排気口と、を含み、前記排気口の上部面は、前記基板出入口の上部面と同じか低い高さを有する。
【0036】
本発明の一実施例において、前記チャンバの内側に配置され、前記上部ドームの下側縁を囲み、透明な誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナと、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、不透明な誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナと、をさらに含む。
【0037】
本発明の一実施例において、前記上部ライナは、前記排気口と整列され、前記上部ライナの一側に形成されてガスを排気する第1開口部と、前記基板出入口と整列され、前記上部ライナの第1開口部に対向する他側に基板の通路を提供するように前記上部ライナに配置された第2開口部と、を含み、工程進行時、前記サセプタの上部面は、前記排気口及び前記基板出入口の下部面より高い。
【発明の効果】
【0038】
本発明の一実施例による基板処理装置は、ランプヒータによる高温工程でも安定的にプラズマを形成して選択的エピタキシャル蒸着を行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明は、ランプヒータが発光する赤外線に対して透光性が高く、加熱されず、均一な誘導結合プラズマを形成する誘導結合プラズマ用アンテナを備えたプラズマ化学気相蒸着装置を提供する。
【0040】
シリコン-ゲルマニウム単結晶又はシリコン単結晶を基板上に成長するために、通常摂氏900度水準の高い工程温度が求められる。このような選択的エピタキシャル成長を用いた半導体製造では、既存の平板技術では製作が難しいフィンフェットFETのような3次元構造を有する半導体素子の製作が容易な長所がある。
【0041】
摂氏900度水準の工程温度のためにランプヒータが適用される場合、工程容器内に誘導結合プラズマを形成するアンテナは、ランプヒータによって加熱されて、温度の上昇に伴って抵抗値が増加する。それで、アンテナはオーム加熱(ohmic heating)によってエネルギを消費して効率的な誘導結合プラズマを形成しない。また、アンテナはアンテナハウジングから反射された赤外線に対して影を形成して基板に温度の不均一性を提供する。
【0042】
したがって、ランプヒータによって加熱されず、影を生成しない誘導結合プラズマ用アンテナが求められる。
【0043】
また、アンテナを囲むように配置されたアンテナハウジングは、前記ランプヒータから放射された赤外線の一部を反射させ、残部の前記赤外線はアンテナハウジングで吸収されて加熱して信頼性を減少させる。前記アンテナハウジングで空間的に不均一な温度分布は、空間的に不均一な黒体放射を提供する。したがって、前記アンテナハウジングは、均一な温度で加熱するために別途の抵抗性ヒータを使用し、空間的に均一な黒体放射を提供する。
【0044】
通常の上部ドームと下部ドームを備えた化学気相蒸着装置は、上部ドームに工程ガスを注入し、上部ドームから工程ガスを排気する。したがって、ガスは上部ドーム内で一定の方向性を有して流れて、薄膜均一性が減少する。上部ドームから供給された工程ガスが下部ドームに流入して、下部ドームに異常薄膜を蒸着させる。
【0045】
本発明は、下部ドームにパージガスを供給し、上部ドームに工程ガスを供給することによって、工程ガスが下部ドームに流れることを防いで下部ドームに異常薄膜の蒸着を抑制する。また、均一なプラズマを形成して、基板を回転させずに均一な薄膜を形成する。
【0046】
通常の上部ドームと下部ドームを備えた化学気相蒸着装置は、チャンバの内壁に不要な薄膜の蒸着を防ぐためにライナを使用する。前記ライナは、周期的に交替し又は洗浄する。
【0047】
本発明において、上部ライナの下側と下部ライナは、下部ドームから供給されるパージガスが上部ドーム方向に注入され、より多くのランプヒータを装着するように傾斜面を有する。サセプタと基板との間隔は狭く維持され、下部ドームから供給されるパージガスは上部ドーム方向に注入されて圧力差を誘発する。サセプタと基板との間の狭い間隔によって、上部ドームに注入される工程ガスは上部ドーム内部にのみ滞留して下部ライナの汚染を防止する。前記下部ライナは、不透明な石英材質で、ヒータランプの赤外線を散乱させて基板の均一な加熱を提供する。
【0048】
本発明において、誘導結合プラズマ用アンテナは、上部ドームから離隔して配置され、アンテナを構成する導線はストリップライン形状であり、ストリップラインは幅方向が垂直に整列される。それで、下部ドーム方向から入射する赤外線は、前記アンテナに最小限に入射する。したがって、アンテナは赤外線による加熱を抑制し、アンテナハウジングから反射された赤外線は影を最小化しながら基板を加熱する。
【0049】
本発明において、アンテナを覆い、電磁遮蔽するアンテナハウジングは、金メッキによってメッキされたため、赤外線を反射させて再び基板に入射させる。また、アンテナハウジングは、ドーム状ではなくシリンダ状として、赤外線反射によるアンテナの再入射加熱を減少させる。
【0050】
本発明において、下部ドームの下部に配置されたランプヒータは、リング型ランプヒータであり、複数個である。リング型ランプヒータは、互いにグループ化されて独立的に電力を制御して基板を均一に加熱する。
【0051】
本発明において、チャンバの排気部に連結されたターボ分子ポンプ(TMP)は、チャンバ内部に基底真空を維持し、工程時にも数トル(Torr)以下の圧力で安定したプラズマを形成する。
【0052】
本発明のプラズマ支援化学気相蒸着は、上部ドームの上部に配置された誘導結合プラズマアンテナの赤外線加熱による性能低下を減少させると共に、アンテナハウジングで反射された赤外線を再び基板に提供して高速で均一な薄膜を基板に形成する。
【0053】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。以下、好ましい実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明の実施例は本発明をより具体的に説明するためであり、実験条件、物質の種類などによって本発明が制限又は限定されないことは、当業界の通常の知識を有する者にとって自明である。本発明は、ここで説明される実施例に限らず、他の形態で具体化することもある。かえって、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全になるように、また当業者に本発明の思想が十分に伝えるように提供されるものである。図面において、構成要素は明確性を期するために誇張されたものである。明細書全体に亘って、同一の構成要素は、同一の参照番号で表される。
【0054】
図1は、本発明の一実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置でホームの位置を説明する概念図である。
【0055】
図2は、
図1のプラズマ化学気相蒸着装置で上昇位置を説明する概念図である。
【0056】
図3は、
図1のプラズマ化学気相蒸着装置を説明する別の方向で切断した概念図である。
【0057】
図4は、
図1のプラズマ化学気相蒸着装置の上部ライナ、下部ライナ、及び下部ドームを説明する切断斜視図である。
【0058】
図5は、
図1のプラズマ化学気相蒸着装置のアンテナを説明する斜視図である。
【0059】
【0060】
図1~
図6に示すように、本発明の一実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置100は、側壁を備えたチャンバ160と、前記チャンバ160内部に基板174を装着するサセプタ172と、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドーム152と、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナ110と、を含む。前記アンテナ110は2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、2つのワンターン単位アンテナそれぞれは上部面及び下部面を備え、2つのワンターン単位アンテナの上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、2つのワンターン単位アンテナは並列接続されてRF電源140に接続され、前記ワンターン単位アンテナのそれぞれの幅方向は垂直に立てられる。
【0061】
チャンバ160は、導電体で形成され、内部空間は円筒形状であり、外部形状は長方体形状である。前記チャンバ160は、冷却水によって冷却される。前記チャンバ160、前記上部ドーム152、及び前記下部ドーム158は、結合して密閉された空間を提供する。前記チャンバ160は、前記チャンバの側面に形成された基板出入口160aと前記基板出入口を対向する側面に形成された排気口160bと、を含む。排気口160bは、高真空ポンプ190に連結する。高真空ポンプ190は、ターボ分子ポンプである。前記高真空ポンプは、低い基底圧力(base pressure)を維持し、工程進行時にも数トール以下の圧力を維持する。前記排気口160bの上部面は、前記基板出入口160aの上部面より同じか低い。
【0062】
例えば、前記排気口160bの上部面は、前記基板出入口160aの上部面が同一である場合、工程進行時にサセプタの上部面は前記排気口160b及び基板出入口の下部面より高い位置に変更される。それで、チャンバ内部の対称性が向上し、工程ガスの流れが改善されて、均一な薄膜蒸着を提供する。
【0063】
サセプタ172は、前記チャンバの側面に形成された基板出入口160aを通じて基板174が引き込まれると、前記基板174を装着する。前記サセプタ172は基板と同一の板状であり、熱伝導性に優れた金属、又は黒鉛材質である。前記サセプタ172は赤外線によって加熱され、熱伝達によって基板174を加熱する。工程進行時、前記サセプタの上部面は前記排気口及び前記基板出入口の下部面より高い。サセプタ172は回転する。
【0064】
第1リフタ184は、前記下部ドーム158の中心軸に沿って延長され、三脚形態の第1リフタ本体と第1リフトピンを含む。第1リフタ184と第2リフタ182は同軸構造である。基板174が前記チャンバ内部に移送された場合、前記第1リフタ184は収納位置又はホーム位置から上昇して前記基板を支持する。次に、前記第1リフタ184は下降してサセプタ172に基板を下げて置く。前記第1リフタ184の材質は石英又は金属である。前記第1リフタ184は駆動軸によって垂直運動する。
【0065】
第2リフタ182は、前記下部ドーム158の中心軸に沿って延長され、三脚形態の第2リフタ本体と第2リフトピンを含む。第2リフタ182は、前記基板が装着されたサセプタ172を上昇させて工程位置又は上昇位置に上昇させる。工程位置は、上部ライナ154から基板の流入のための第2開口部154bの上部面と実質的に同一の平面に配置する。また、前記工程位置は、上部ライナ154でガス排気のための開口部154aの下部面と実質的に同一の平面に配置である。それで、前記サセプタ172と前記上部ライナ154との間隔は、前記工程位置で最小化する。第2リフタ182の材質は石英又は金属である。前記第2リフタ182は駆動軸によって垂直運動する。
【0066】
上部ドーム152は、石英又はサファイアのような透明な誘電体である。前記上部ドーム152は、前記チャンバ160の上部面に形成された凹みに挿入されて結合する。前記上部ドーム152は、真空密閉のために前記チャンバ160と結合する結合部位はワッシャ形状である。前記上部ドーム152は円弧形、楕円形である。前記上部ドーム152は、下部から入射した赤外線を透過させる。アンテナハウジング130から反射された赤外線は、前記上部ドーム152を透過して基板174に入射する。
【0067】
下部ドーム158は、石英又はサファイアのような透明な誘電体である。前記下部ドーム158は、漏斗状の下部ドーム本体158b、前記チャンバの下部面に形成された凹みに結合するワッシャ形状の結合部位158aと下部ドーム本体158bの中心に連結された円筒形状の円筒パイプ158cを含む。下部ドーム158は、前記チャンバの下部面に形成された凹みに挿入されて結合する。前記下部ドームは、真空密閉のために前記チャンバと結合する結合部位158aでワッシャ形状である。前記第1リフタの駆動軸及び第2リフタの駆動軸は、前記円筒パイプ158c内に挿入して配置される。前記下部ドームを通じて供給されるパージガスは、流路を通じて供給される。前記流路は円筒パイプ158cである。前記パージガスはアルゴンのような不活性ガスである。
【0068】
上部ライナ154は、透明な誘電体材料である。前記上部ライナ154は、石英、アルミナ、サファイア、又は窒化アルミニウムである。前記上部ライナ154は、異常薄膜の蒸着を抑制する物質として選択される。前記上部ライナ154は汚染された場合、分解して洗浄する。前記上部ライナ154は全体的にリング状であり、上部面は前記上部ドームの形態を有する曲面である。前記上部ライナ154は、前記上部ライナの一側に形成されてガスを排気する第1開口部154a及び前記上部ライナの第1開口部154aに対向する他側に基板の通路を提供するように上部ライナの側面に形成された第2開口部154bを含む。第1開口部154aは前記排気部と整列され、第2開口部は基板出入口と整列される。前記上部ライナ154の内側面は垂直に延長され、第1開口部154aの下部面からテーパードされたンテーパ部154cに連結される。テーパードされたの内側面は、前記下部ライナ156の内部面と同一の傾斜を有する。前記傾斜面の傾斜角θは約70度である。それで、パージガスは安定的にチャンバの上部領域に供給される。
【0069】
前記上部ライナ154は、前記上部ライナの側面を貫通して工程ガスを供給する少なくとも1つの工程ガス供給部159a、159bを含む。前記工程ガス供給部は、前記上部ライナの側面から突出される。例えば、前記工程ガス供給部は、SiH4のような第1工程ガスを供給する第1工程ガス供給部及び第2工程ガスを供給する第2工程ガス供給部を含む。
【0070】
第1工程ガス供給部159aは、前記SiH4のような第1工程ガスをプラズマに多く露出されるように前記上部ライナの側面からさらに突出される。一方、第2工程ガス供給部159bは、前記H2のような第2工程ガスをプラズマに少なく露出されるように上部ライナの側面から少なく突出される。パージガスは下部ドームからチャンバの上部領域に流入されるので、円周上で均一に供給されて空間的に均一な圧力分布を有する。
【0071】
下部ライナ156は、前記上部ライナと結合する。下部ライナは、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、不透明な誘電体材料で形成されたリング状である。前記上部ライナ154は、前記下部ライナ156上に配置され、整列されて結合する。前記下部ライナ156は、前記下部ドーム158と結合するための傾斜した下部外側面156bと、前記上部ライナと連続的な傾斜を維持するための傾斜した下部内側面156aと、を含む。前記下部ライナ156は不透明な材質の石英である。すなわち、前記下部ライナは前記下部ドームの空間を向かい合う内周面を有し、前記下部ライナの内周面は上下方向に沿って前記チャンバの下部領域から上部領域に向かうほど厚くなる傾斜を有する。前記内周面の傾斜角θは約70度である。傾斜した内周面は最上部に配列されたランプヒータを露出させてより均一な加熱を提供し、入射する赤外線を散乱させて前記チャンバの加熱を抑制する。
【0072】
断熱部162は、前記チャンバ160の下部面と前記反射体160との間に配置され、リング状である。前記断熱部162は、加熱された反射体160から前記チャンバの熱伝達を減少させる。前記断熱部162はセラミック材質である。前記断熱部162の上部面は凹みを備える。前記断熱部の凹みと前記チャンバの下部面の凹みは、前記下部ドームのワッシャ形状の結合部位158aを収容し、真空密閉させる。
【0073】
前記同心円状のランプヒータ166は、複数の同心円状のリング型ランプヒータを含み、電源164に接続する。前記同心円状のリング型ランプヒータは、前記下部ドーム158の傾斜面に沿って一定の間隔で配置され、前記同心円状のランプヒータ166は3つのグループに区分されて、互いに独立的に電力の供給を受ける。前記同心円状のリング型ランプヒータは、反射体160の傾斜面に形成されたリング状の溝に挿入して整列される。例えば、前記同心円状のランプヒータ166はハロゲンランプヒータであり、8つである。下部の3つのランプヒータは第1グループを形成し、中部の2つのランプヒータは第2グループを形成し、上部の3つのランプヒータは第3グループを形成する。前記第1グループは第1電源164aに接続され、前記第2グループは第2電源164bに接続され、前記第3グループは第3電源164cに接続される。第1ないし第3電源164a~164cは、独立的に均一な基板の加熱のために制御される。
【0074】
反射体160は、前記断熱部162の下部面を支持し、前記ランプヒータを装着する。前記ランプヒータ166を装着する傾斜面は、前記下部ドーム158の傾斜面と一定の間隔を維持するようにコーン状である。反射体160は導体で形成され、冷却水によって冷却される。
【0075】
クランプ150は、前記上部ドーム152の縁を覆うように配置される。前記クランプ150は導体で形成され、冷却水によって冷却される。前記クランプ150の下部面は、前記上部ドームのワッシャ形状の結合部位と結合するように凹みを備え、前記上部ドーム152の曲線部の一部を覆うように曲面部150aを含む。前記クランプ150の曲面部150aは、金メッキされて赤外線を反射する。前記クランプ150の内径は、前記上部ライナの内径Dと実質的に同一である。また、前記クランプ150の内径は、アンテナハウジング130の直径と同一である。
【0076】
前記アンテナ110は、2つのワンターン(one-turn)単位アンテナ110a、110bを含む。前記アンテナ110は上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、前記ワンターン単位アンテナは厚さより大きな幅を有するストリップライン形状であり、前記ワンターンアンテナの幅方向は垂直に立てられる。2つのワンターン(one-turn)単位アンテナは、並列接続されてRF電源140に接続される。前記RF電源140はインピーダンスマッチングボックス142及び電力供給線143を通じて前記アンテナ110にRF電力を供給する。前記アンテナは2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、2つのワンターン単位アンテナは上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、2つのワンターン単位アンテナは並列接続されてRF電源に接続され、前記ワンターン単位アンテナの幅方向は垂直に立てられる。
【0077】
RF電流が流れるアンテナは、高電流のために十分な断面積を確保しなければならず、十分な磁束を形成するために閉ループを形成しなければならない。また、十分な磁束又は高いインダクタンスを確保するために複数のターンが求められる。したがって、積層構造が求められる。しかしながら、幅が垂直に立てられたアンテナは、多くの空間を占め、十分な磁束確保に不利であり、通常は使用されない。
【0078】
本発明において、アンテナ110はアンテナ上部又は下部から入射する赤外線を吸収して加熱による抵抗増加を最小化するために垂直に立てられたストリップラインを使用する。アンテナ110は赤外線に対して高い透光性を提供する。
【0079】
また、アンテナは赤外線反射を増加させるために金Au又は銀Agでコーティングされる。また、十分な磁束確保のために、2層構造のアンテナが使用される。ワンターン単位アンテナはRF電力の供給を受ける位置は、上部面に配置されて、容量結合による電力損失を減少させる。前記ストリップラインの縦横比(厚さtに対する幅Wの比)W/tは10以上でる。前記ストリップラインの厚さは数ミリメートルであり、幅は数センチメートルである。立てられたストリップライン構造は空気の流入による流れを妨げないため、円滑な空気冷却を提供する。また、前記アンテナハウジングから反射された赤外線は、アンテナによって影を落とすことを最小化する。
【0080】
前記アンテナ110の下部面は、前記クランプ150の上部面と実質的に同一の平面であり、前記上部ドーム152の最も高い位置より高い。それで、前記アンテナ110は前記上部ドーム152と直接接触しないため、前記上部ドーム152を熱伝達によって直接加熱しない。2つのワンターン単位アンテナ110a、110bは、互いに180度回転して重なるように配置される。ワンターン単位アンテナ110a、110bそれぞれは所定の区間で下部面に配置され、残りの区間で上部面に配置される。
【0081】
ワンターン単位アンテナ110a、110bは、前記ワンターン単位アンテナの中心から半径方向に上部面から延長される半径部112a、112bと、前記半径部で第1半径R1を有する円周に沿って時計回りに90度回転し、前記上部面から延長される第1曲線部113a、113bと、前記第1曲線部で配置平面を前記上部面から下面に変更する第1垂直延長部114a、114bと、前記第1垂直延長部で第1半径R1を有する円周に沿って時計回りに90度回転する第2曲線部115a、115bと、前記第2曲線部に連続的に連結され、前記第1半径から小さい第2半径R2に半径を変更し、配置平面を前記下部面から前記上部面に変更し、前記第2半径から前記第1半径に半径を変更する第2垂直延長部116a、116bと、前記第2垂直延長部から前記第1半径を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第3曲線部117a、117bと、を含む。前記第3曲線部117a、117bは半径方向に延長される接地部に連結される。
【0082】
アンテナハウジング130は前記アンテナ110を囲むように配置され、前記アンテナハウジングの内部面は金Auでコーティングされる。アンテナハウジング130は、前記アンテナから放射された電磁波を遮蔽し、ランプヒータから放射された赤外線を反射する。
【0083】
チャンバハウジング132は、前記クランプ150上に配置され、前記アンテナハウジングを覆うように配置される。前記チャンバハウジング132は、前記アンテナハウジングを囲むように配置される。前記チャンバハウジング132は、前記アンテナハウジング130に空気を注入して排気する流路132aを含む。前記アンテナハウジングに注入された空気は、前記アンテナ及び前記上部ドームを冷却する。
【0084】
図7は、本発明の他の実施例によるアンテナを説明する平面図である。
【0085】
図7に示すように、アンテナ100’は2つのワンターン(one-turn)単位アンテナ110a、110bを含む。前記ワンターン単位アンテナ110a、110bは、前記ワンターン単位アンテナの中心から半径方向に上部面から延長される半径部112a、112bと、前記半径部で第1半径R1を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第1曲線部113a、113bと、前記第1曲線部で配置平面を前記上部面から下面に変更する第1垂直延長部114a、114bと、前記第1垂直延長部で第1半径R1を有する円周に沿って時計回りに90度回転する第2曲線部115a、115bと、前記第2曲線部に連続的に連結され、前記第1半径から前記第1半径より大きい第2半径R2に半径を変更し、配置平面を前記下部面から前記上部面に変更し、前記第2半径から前記第1半径に半径を変更する第2垂直延長部116a、116bと、前記第2垂直延長部で前記第1半径を有する円周に沿って時計回りに90度回転して前記上部面から延長される第3曲線部117a、117bと、を含む。前記第3曲線部117a、117bは半径方向に延長される接地部に連結される。
【0086】
図8は、本発明の他の実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置を示す概念図である。
【0087】
図8に示すように、本発明の一実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置200は、側壁を備えたチャンバ160と、前記チャンバ160内部に基板174を装着するサセプタ172と、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドーム152と、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナ110と、を含む。前記アンテナ110は、2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、2つのワンターン単位アンテナは、上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、2つのワンターン単位アンテナは、並列接続されてRF電源140に接続され、前記ワンターン単位アンテナの幅方向は、垂直に立てられる。
【0088】
下部ドーム258は、前記チャンバの下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成され、前記上部ドーム152のような曲率を有する。ランプヒータは、前記下部ドーム258の下部面に配置される。前記反射体は、前記ランプヒータの下部面に配置される。
【0089】
図9は、本発明の他の実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置を示す概念図である。
【0090】
図9に示すように、本発明の一実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置300は、側壁を備えたチャンバ160と、前記チャンバ160内部に基板174を装着するサセプタ172と、前記チャンバの上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドーム152と、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナ110と、を含む。前記アンテナ110は、2つのワンターン(one-turn)単位アンテナを含み、2つのワンターン単位アンテナそれぞれは、上部面及び下部面を備え、2つのワンターン単位アンテナの上部面及び下部面で互いに重なるように配置され、2つのワンターン単位アンテナは、並列接続されてRF電源140に接続され、前記ワンターン単位アンテナそれぞれの幅方向は、垂直に立てられる。
【0091】
アンテナハウジング330はアンテナ110を囲むように配置され、アンテナハウジングの内部面は金Auでコーティングされる。前記アンテナハウジング330は、金属のように赤外線帯域に対して反射率の高い導電性材質である。具体的には、アンテナハウジング330は、蓋を有する円筒形状のアルミニウムである。
【0092】
前記アンテナハウジング330は、前記クランプ150上に配置され、前記アンテナ110から放射された電磁波を遮蔽し、ランプヒータ166から放射された赤外線を反射し、前記ランプヒータ166の前記赤外線を吸収して比均一に加熱される。前記アンテナハウジング330を空間的に均一に加熱するために、別途のヒータ331が前記アンテナハウジング330を加熱する。前記ヒータ331は、前記アンテナハウジング330に埋め込まれた抵抗性ヒータである。前記抵抗性ヒータは、スパイラル形態でアンテナハウジングの蓋に埋め込まれる。空間的に均一な温度分布のために、半径方向に進行することによってヒータ間隔が減少する。前記均一に加熱されたアンテナハウジング330は、黒体放射を通じて前記基板174を追加的に加熱する。加熱されたアンテナハウジング330は、環境による温度差を提供しないため、工程信頼性を向上させる。
【0093】
前記アンテナハウジング330の温度は、前記ランプヒータ166によって加熱される温度より高い。例えば、前記アンテナハウジング330の温度は、摂氏200度ないし摂氏600度である。
【0094】
前記アンテナ110は、前記加熱されたアンテナハウジング110によって追加的に加熱される。しかしながら、前記アンテナ110は、立てられたストリップ形態で空気の流入による流れを妨げることなく輻射熱を少なく吸収し、円滑な空気の流れによって冷却される。
【0095】
チャンバハウジング332は、クランプ150上に配置され、アンテナハウジング330を覆うように配置される。チャンバハウジング332とアンテナハウジングとの間には空間を有し、前記空間は熱伝達による熱損失を減少させる。前記空間は大気圧であり、前記空間を満たす空気は循環しない。
前記チャンバハウジング332は冷媒が流れる流路333を含み、前記チャンバハウジングは室温に冷却する。前記チャンバハウジング332は蓋を有する円筒形状であり、導電性物質である。
【0096】
空気流路は、前記チャンバハウジング332及び前記アンテナハウジング330を貫通して前記アンテナハウジングによって形成された空間に空気を注入する。前記アンテナハウジング330に注入された空気は、前記アンテナ110を冷却して安定した動作を提供する。
【0097】
図10は、本発明の一実施例による基板処理装置の動作方法を説明する流れ図である。
【0098】
図10に示すように、基板処理装置300は、側壁を備えたチャンバ160と、前記チャンバ160内部に基板174を装着するサセプタ172と、前記チャンバ160の上部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された上部ドーム152と、前記上部ドームの上部に配置されて誘導結合プラズマを形成するアンテナ110と、前記チャンバ160の下部面を覆い、透明な誘電体材料で形成された下部ドーム158と、前記チャンバ160の内側に配置され、前記上部ドーム152の下側縁を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の上部ライナ154と、前記チャンバの内側に配置され、前記下部ドームの上部縁の内周面を囲み、誘電体材料で形成されたリング状の下部ライナ156と、前記下部ドームの下部に配置されたランプヒータ166と、前記アンテナ110を覆うように配置され、ヒータ331によって加熱されるアンテナハウジング330と、を含む。
【0099】
基板処理装置の動作方法は、前記アンテナハウジング330を前記ヒータ331によって第1温度に加熱するS100。前記第1温度は、摂氏200度ないし摂氏600度である。
【0100】
前記基板174を前記サセプタ172のホーム位置で収容し、前記サセプタ172を上昇させて工程位置に変更するS110。工程位置は、上部ライナ154で基板の流入のための第2開口部154bの上部面と実質的に同一の平面に配置される。また、前記工程位置は、上部ライナ154でガス排気のための開口部154aの下部面と実質的に同一の平面に配置される。それで、前記サセプタ172と前記上部ライナ154との間隔は、前記工程位置で最小化する。前記サセプタ172と前記上部ライナ154との間隔は、前記工程位置で最小化される。
【0101】
前記上部ドーム152に工程ガスを提供し、前記下部ドーム158にパージガスを提供し、前記ランプヒータ166を用いて前記基板174を加熱するS120。前記基板174の温度は、摂氏550度ないし摂氏950度である。
【0102】
前記アンテナ110にRF電力を提供することによって、誘導結合プラズマを形成して前記基板にエピタキシャル成長を行うS130。エピタキシャル成長は、シリコン単結晶である。
【0103】
以上、本発明を特定の好ましい実施例に対して図示して説明したが、本発明はこのような実施例に限らず、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が特許請求の範囲で請求する本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で実施できる多様な形態の実施例を全て含む。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【
図1】本発明の一実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置でホームの位置を説明する概念図である。
【
図2】
図1のプラズマ化学気相蒸着装置で上昇位置を説明する概念図である。
【
図3】
図1のプラズマ化学気相蒸着装置を説明する別の方向で切断した概念図である。
【
図4】
図1のプラズマ化学気相蒸着装置の上部ライナ、下部ライナ、及び下部ドームを説明する切断斜視図である。
【
図5】
図1のプラズマ化学気相蒸着装置のアンテナを説明する斜視図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるアンテナを説明する平面図である。
【
図8】本発明の他の実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置を示す概念図である。
【
図9】本発明の他の実施例によるプラズマ化学気相蒸着装置を示す概念図である。
【
図10】本発明の一実施例による基板処理装置の動作方法を説明する流れ図である。
【国際調査報告】