(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】リサイクル対応の蓋材フィルム
(51)【国際特許分類】
B65D 65/40 20060101AFI20231018BHJP
B65D 65/02 20060101ALI20231018BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
B65D65/40 D
B65D65/02
B32B27/32 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520546
(86)(22)【出願日】2020-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 US2020054694
(87)【国際公開番号】W WO2022075988
(87)【国際公開日】2022-04-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522475557
【氏名又は名称】アムコア・フレキシブルズ・ノース・アメリカ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AMCOR FLEXIBLES NORTH AMERICA,INC.
【住所又は居所原語表記】2301 Industrial Drive,Neenah,WI 54956 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・シャパラン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・エトリッジ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルマー・ウッツ
(72)【発明者】
【氏名】ロイ・クリストファーソン
【テーマコード(参考)】
3E086
4F100
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA15
3E086BB05
3E086BB51
3E086BB85
3E086CA01
3E086CA27
4F100AA17B
4F100AA20C
4F100AB01B
4F100AK07A
4F100AK07C
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4F100EC18
4F100GB18
4F100JD01B
4F100JL12C
4F100JL16
4F100YY00
(57)【要約】
外側フィルムと、バリア層と、シール層とを有する蓋材フィルムとしての使用に適した積層ポリプロピレン系フィルム。蓋材フィルムは、材料がポリプロピレンのリサイクルプロセスで効率的に処理できるように、高レベルのポリオレフィン系ポリマー及びポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する。有利なことに、フィルムは、滅菌及び低温殺菌処理に適切に耐え、高品質の包装製品を生成するために必要な特性を保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ポリプロピレン系フィルムと、
バリア層と、
シール層と、
を含む蓋材フィルムであって、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、蓋材フィルム。
【請求項2】
前記外側ポリプロピレン系フィルムが配向しており、前記外側ポリプロピレン系フィルムがホモポリマーポリプロピレンを含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項3】
前記バリア層が金属を含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項4】
前記バリア層が無機酸化物を含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項5】
少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項6】
前記蓋材フィルムが、少なくとも90重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項7】
前記シール層が剥離可能なシール層である、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項8】
前記シール層がポリプロピレン系ポリマーを含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項9】
内側ポリプロピレン系フィルムをさらに含み、前記内側ポリプロピレン系フィルムが配向している、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項10】
外側ポリプロピレン系フィルムと、
内側ポリプロピレン系フィルムと、
無機酸化物を含むバリア層と、
シール層と、
を含む、蓋材フィルムであって、
前記内側ポリプロピレン系フィルムが配向しており、
前記外側ポリプロピレン系フィルムが配向しており、ホモポリマーポリプロピレンを含み、
少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有し、滅菌に耐えるのに有効である、蓋材フィルム。
【請求項11】
請求項1に記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記製品が滅菌処理を受けたものである、包装。
【請求項12】
請求項1に記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記製品が低温殺菌処理を受けたものである、包装。
【請求項13】
請求項1に記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記蓋材フィルムが滅菌処理を受けたものである、包装。
【請求項14】
請求項1に記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記蓋材フィルムが低温殺菌処理を受けたものである、包装。
【請求項15】
前記ヒートシールが手で剥離可能である、請求項11に記載の包装。
【請求項16】
前記第2の包装構成要素の前記表面がポリプロピレン系ポリマーを含む、請求項11に記載の包装。
【請求項17】
前記包装が、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項11に記載の包装。
【請求項18】
前記包装が、少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項11に記載の包装。
【請求項19】
前記包装が、少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項17に記載の包装。
【請求項20】
23℃及び50%RHの条件でASTM F1927に従って測定したときに、前記蓋材フィルムが3.0cc/m
2day未満の酸素透過値を有する、請求項11に記載の包装。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルム構造、特には蓋材フィルム及びそれから製造される包装された製品に関する。本明細書に記載の蓋材フィルムは、ポリオレフィンベースの流れでリサイクル可能であることができる。
【背景技術】
【0002】
包装産業では、保存可能期間が長い安全な食品及びヘルスケア製品を形成するために、様々な保存処理が使用されている。一部の処理では、あらゆる微生物及びその芽胞を殺す効果を有する、熱、化学的手段、高圧、照射、又はこれらの組み合わせによって、製品及び/又は包装構成要素が滅菌される。一部の処理では、微生物負荷を減らす効果を有する熱を使用して食品が低温殺菌される。保存処理、例えば滅菌又は低温殺菌は、包装に充填して密封する直前、又は包装に充填して密封した後に行われる。これらの処理の例としては、限定するものではないが、レトルト/オートクレーブ処理、高圧殺菌(HPP)、高温充填、無菌殺菌、及び照射が挙げられる。これらの処理は、包装材料に高温、高圧、又はその他の過酷な環境を課す。
【0003】
これらの過酷な保存処理が組み込まれた用途向けには、特殊なフレキシブル包装フィルムが設計されている。低温殺菌又は滅菌用途に使用されるフレキシブル包装フィルムは、多くの場合、多数の異なる層を有しており、各層は過酷な条件に耐えるための1つ以上の特性に寄与している。例えば、包装フィルムは、高速包装プロセスでうまく機能するために、高い剛性と高い耐熱性を必要とする場合がある。別の例では、包装フィルムは、密封の完全性を失わずに、適切なレベルのガスバリア性を失わずに、又は外観の見栄えが悪くなることなしに、滅菌処理の高温及び圧力変化に耐えるように設計されている。
【0004】
滅菌又は低温殺菌(すなわち保存)された製品用途を目的とした典型的なフレキシブル包装フィルムは、優れた耐熱性、寸法安定性、及び剛性を付与するポリエステルやポリアミド;高いバリア性及び剛性を付与するアルミニウム箔;及び/又は適切なシール特性を付与するポリオレフィンなどの材料の組み合わせを含み得る。残念ながら、この多種多様な材料が単一の包装フィルムで組み合わされる場合には、フィルムをリサイクルしにくくなる。
【0005】
多くの消費者及び消費財包装業者は、リサイクル可能な(すなわちリサイクル対応の)食品包装を使用することを望んでいる。場合によっては、法令順守の目的でリサイクル可能な包装構造が望まれる。しかしながら、追加の相溶化する化学物質が存在しないと、ポリエステル、ポリアミド、及び箔などの材料は、フレキシブル包装の現在のリサイクルの流れではリサイクルできないことがある。さらに、金属を含む構造は、消費者が電子レンジを使用して包装内の製品を加熱することを望む可能性がある用途には一般的には適していない。
【0006】
高性能包装の要求を満たすために優れた機械的特性及び耐熱性を提供しながらもリサイクル可能である高性能フィルムが、継続的に求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、低温殺菌用途又は滅菌用途で蓋として使用することができ、有利にはポリオレフィンリサイクル流でリサイクル可能であるフレキシブル包装フィルムが記載される。高いポリオレフィン含有量の組成を有しているにもかかわらず、蓋材フィルムは、良好な外観、優れたバリア性、及び気密完全性を保持しながらも、高速包装作業でよく機能し、過酷な滅菌/低温殺菌サイクルに耐えることができる特徴を保持する。
【0008】
本明細書の蓋材フィルムは、外側ポリプロピレン系フィルムと、バリア層と、シール層とを含む。蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する。
【0009】
蓋材フィルムは、配向した外側ポリプロピレン系フィルムを有し得る。外側ポリプロピレン系フィルムは、ホモポリマーであるポリプロピレン製であってもよい。
【0010】
蓋材フィルムは、金属を含むバリア層を有し得る。蓋材フィルムは、無機酸化物を含むバリア層を有し得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する。蓋材フィルムは、少なくとも90重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有し得る。
【0012】
蓋材フィルムは、剥離可能なシール層であるシール層を有し得る。蓋材フィルムは、ポリプロピレン系ポリマーを含むシール層を有し得る。
【0013】
蓋材フィルムは、内側ポリプロピレン系フィルムをさらに含むことができ、内側ポリプロピレン系フィルムは配向していてもよい。
【0014】
本明細書で開示される包装は、蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、蓋材フィルムのシール層を第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、蓋材フィルムと第2の包装構成要素との間に密封された製品と、を含む。いくつかの実施形態では、製品は滅菌処理を受けたものである。いくつかの実施形態では、製品は低温殺菌処理を受けたものである。いくつかの実施形態では、蓋材フィルムは滅菌処理を受けたものである。いくつかの実施形態では、蓋材フィルムは、低温殺菌処理を受けたものである。
【0015】
包装は、手で剥がせるヒートシールを含み得る。
【0016】
包装は、ポリプロピレン系ポリマーを含む表面を有する第2の包装構成要素を有し得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、包装は、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを有する総組成を有する。いくつかの実施形態では、包装は、少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを有する総組成を有する。いくつかの実施形態では、包装は、少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを有する総組成を有する。
【0018】
包装は、23℃及び50%RHの条件でASTM F1927に従って測定した場合、3.0cc/m2day未満の酸素透過値を有する蓋材フィルムを含み得る。
【0019】
本開示は、添付の図面と関連付けて本開示の様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮することで、より完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】蓋材フィルムが組み込まれた包装の一実施形態の平面図である。
【
図2】蓋材フィルムの一実施形態の概略側面図である。
【
図3】蓋材フィルムの一実施形態の別の概略側面図である。
【
図4】蓋材フィルムの一実施形態の別の概略側面図である。
【
図5】実施例及びデータの節で説明される実施例及び比較例のフィルムのヒートシール曲線である。
【
図6】実施例及びデータの節で説明される実施例及び比較例のフィルムのヒートシール曲線である。
【
図7】実施例及びデータの節で説明される実施例及び比較例のフィルムのヒートシール曲線である。
【
図8】実施例及びデータの節で説明される実施例及び比較例のフィルムのヒートシール曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面は、いくつかの実施形態を示すが、全ての実施形態ではない。図面で描かれている要素は例示であり、必ずしも縮尺通りではなく、同じ(又は類似の)参照番号は、図面全体を通して同じ(又は類似の)特徴を表す。
【0022】
要求の厳しい用途で高い性能を提供するように設計された現行のフレキシブル包装フィルムは、多数の異なる材料を含んでいる。構造は、一般に、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、金属及び/又はエチレンビニルアルコールコポリマーを含む層を含む。構造の各層は、いくつかの例として、バリア性、剛性、耐熱性、寸法安定性、耐穿刺性、シール強度、及び視覚的魅力などの特性を提供するように設計されている。滅菌又は低温殺菌された製品包装の難しい機能的要件と、現行の構造における材料の多様性は、より持続可能な包装ソリューション、つまりリサイクル可能な包装ソリューションを提供しようとする際に大きな障害となる。
【0023】
蓋材フィルムの設計は、他のフレキシブル包装形式と比較して、これらの用途の要求が高いため困難になっている。蓋材フィルムを硬い容器(すなわちカップ、トレイ、プレートなど)に貼るために使用されるヒートシール装置は、典型的には蓋側からのみ熱があてられる。さらに、典型的にはより粗いシール面を持つ硬質包装構成要素にヒートシールを形成することは、より困難になる。蓋を包装に貼るプロセスは、高熱、短い滞留時間、及び高圧を使用するプロセスを含む。したがって、蓋は、2枚のフレキシブルフィルムを一体にヒートシールするシール操作と比較して、大幅に高い熱を経験する。典型的なフレキシブルな蓋構造は、損傷、粘着、又は溶融などの劣化の兆候を示すことなしにヒートシールプロセスに耐えられるように高温耐性材料を用いて設計されている。特に、十分な耐熱性を付与するために、ポリエステルやポリアミドなどの材料が蓋材フィルムの外側材料として使用されている。
【0024】
リサイクル可能な構造(すなわちポリオレフィン系材料に基づくもの)に移行する場合、蓋材フィルムは、堅固な密封を達成する前にフィルムが燃焼又は変形を始めるポイントに到達するリスクが高くなる。これを考慮すると、殺菌処理又は低温殺菌処理を利用する製品のための蓋材フィルム構造を開発することは、本発明者らにとって予想外の発見であった。具体的には、1)熱変形の兆候が最小限であるか全く示さず、2)ヒートシール中に損傷を受けないようにバリア層に十分な保護を提供する、十分な耐熱性を示す高レベルのポリオレフィンを含むフィルム構造の外側層を使用できることは、驚くべきことであった。
【0025】
加えて、蓋材フィルムは、保存処理(すなわち低温殺菌又は滅菌)に耐えるのに有効である。保存処理に耐えるのに有効であるためには、蓋材構造は、提供されるバリアが保存処理後に大幅に低減しないように、バリア層に十分な保護を提供する必要がある。具体的には、蓋材フィルムの酸素バリアは、レトルト条件にさらされた後、3.0cc/m2dayを超えてはならない。保存処理に耐えるのに有効な蓋材フィルムのもう1つの特徴は、保存処理の後、蓋が他の包装構成要素に対して良好なヒートシールを維持する(すなわち漏れたり弱くなったりしない)ことである。
【0026】
本明細書で開示される蓋材フィルムは、高レベルのポリオレフィン系材料、具体的には高レベルのポリプロピレン系材料を含むように設計されている。蓋材に一般的に使用される多くの材料(すなわちポリエステル、ポリアミド、アルミニウム箔)がないにも関わらず、この構造は、バリア性、耐熱性、外観、及びシール完全性の適切な特徴を保持している。有利なことに、この構造は、本質的にポリオレフィンではない材料のレベルが低いため、ポリオレフィンベースのメカニカルリサイクルプロセスにおけるリサイクルに適している。
【0027】
特に驚くべきことは、ポリオレフィン材料によって提供される外表面の中程度しかない耐熱性に合わせるのに十分低いヒートシール開始温度をシール層が有するような設計と、流通及び使用中に包装が耐えうる他の激しい扱いと共に滅菌/低温殺菌処理の高温に耐えるのに十分な完全性を有するシール層と、の両方を有する蓋材フィルムの実現である。蓋材フィルムは、より低いシール温度で包装へと成形することができ、優れた外観を維持する。さらに、包装構造は、フィルムが包装へと成形され、製品が充填され、密封され、滅菌/低温殺菌処理を受けた後であっても、優れたバリア性とシール完全性を維持する。
【0028】
1つ以上の実施形態では、本明細書に記載の蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマー、及び少なくとも50重量%のポリプロピレン系ポリマーを含有する。ポリオレフィン系ポリマーではない材料は最小限にされる。1つ以上の実施形態では、非ポリオレフィン系ポリマーは、総蓋材組成の10重量%未満、5重量%未満、さらには1重量%未満など、20重量%未満である。1つ以上の実施形態では、非ポリオレフィン系ポリマーは、総蓋材組成から除外される。蓋材フィルムの外表面は、耐熱性のポリプロピレン系フィルムを有する。蓋材フィルムの内表面は、ポリプロピレン系ポリマーブレンドであるシール層を有する。蓋材フィルムは、通常ポリオレフィン系材料でないバリア層を含む。フィルムは、接着剤、インク、及びコーティングなどの他の材料も有していてもよい。
【0029】
本明細書に記載の蓋材フィルム設計要素を使用して、リサイクル可能な蓋材フィルムを実現することができる。このフィルムは、ポリオレフィン含有量が高いため、ポリオレフィンベースのリサイクルプロセスにおけるリサイクルに適している。このフィルムは、ポリプロピレン含有量が高いため、ポリプロピレンベースのリサイクルプロセスにおけるリサイクルにも適している。具体的には、フィルムは、ポリエステル、ポリアミド、塩素含有ポリマー、及びアルミニウム箔などの材料を低レベルで有していてもよく、或いは有していなくてもよい。本明細書で使用される「アルミニウム箔」は、少なくとも1ミクロン、典型的には5ミクロンを超える厚さを有する金属のウェブである。フィルムは、接着剤層又はインク層に使用されるものなどの非ポリオレフィン系ポリマーを含んでいてもよいが、これらは最小限にされ、通常組成全体の10重量%未満である。フィルムは、バリア材料などの非ポリマー系材料を含んでいてもよいが、これらは最小限にされ、通常組成全体の10重量%未満である。
【0030】
包装
本明細書では、保存処理、例えば滅菌又は低温殺菌包装用途に適した包装フィルム及び蓋材フィルム、並びにそれらから製造された包装が記載される。本明細書において使用される滅菌又は低温殺菌処理は、包装された製品が延長された保存可能期間を有するように、製品及び/又は包装材料の微生物負荷を排除又は低減させるものである。この処理は、包装への充填前、包装への充填中、又は包装に製品を充填してから密封した後に行うことができる。蓋材フィルムは過酷な処理に耐え、バリア性や外観など(これらに限定されない)の優れた性能を維持する。
【0031】
包装は、別の包装構成要素への蓋材フィルムの接続、包装の形成、及び包装の密閉を可能にする少なくとも1つのヒートシールを含む。蓋材フィルム110と、第2の包装構成要素120と、ヒートシール130とを含む包装100の例が
図1に示されている。ヒートシール130は、蓋材フィルム110のシール層を第2の包装構成要素120の表面に接続し、製品は蓋材フィルムと第2の包装構成要素との間に密封される。
【0032】
ヒートシールは包装を密閉し、製品を汚染から保護し、漏れを防止する。ヒートシールは、積み重ね、輸送中の振動、圧力変動、落下など、流通中の包装のあらゆる激しい扱いに耐える。便利さのために、ヒートシールは、消費者が第2の包装構成要素から蓋材フィルムを剥がすなど手の力で破ることができる。
【0033】
包装は、本明細書に記載の蓋材フィルムと第2の包装構成要素とから全体を構成することができる。第2の包装構成要素は、カップ、トレイ、プレート、又はボウルであってよく、製品を保持するための1つ以上の空洞を有する。包装は、ラベル、吸収材、及び仕切り板などの(ただしこれらに限定されない)他の構成要素も含み得る。本明細書に記載の蓋材フィルムではない包装の任意の構成要素(すなわち第2の包装構成要素)も、高レベルのポリプロピレンポリマーを有し得る。包装のいくつかの実施形態では、第2の包装構成要素は、包装全体(すなわち蓋材フィルム及び他の全ての包装構成要素)がポリプロピレンリサイクルプロセスでリサイクル可能であるように、少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを有する。
【0034】
蓋材フィルムは、優れた完全性を有しながらも手で剥がすことができるヒートシールによって、第2の包装構成要素にシールすることができる。本明細書において使用されるシールは、前記ヒートシールによって取り付けられた2つの物体が手の力で引っ張ることによって分離でき、包装構成要素がヒートシール又はその近くで分離する場合に、「手で剥離可能」である。言い換えると、消費者は、はさみなどの道具を使用することも包装材料を引き裂くこともなしに、包装構成要素を自分の力で分離することによって、蓋材フィルムを取り外すことができる、及び/又は包装の内容物にアクセスすることができる。
【0035】
包装のいくつかの実施形態では、包装のいくつかの構成要素は、ポリオレフィン又はポリプロピレンのリサイクルプロセスではリサイクルできない。その場合、包装の構成要素は、リサイクル及び/又は廃棄の前に分離することができる。包装構成要素の分離は、ヒートシールを手で剥がすことによって行うことができる。
【0036】
蓋材フィルムから形成される包装のいくつかの実施形態では、包装は、少なくとも90重量%のポリオレフィン系材料又は少なくとも80重量%のポリオレフィン系材料を有する。蓋材フィルムから形成される包装のいくつかの実施形態では、包装は、少なくとも90重量%のポリプロピレン系材料又は少なくとも80重量%のポリプロピレン系材料を有する。蓋材フィルムから形成される包装のいくつかの実施形態では、包装は、少なくとも90重量%のポリオレフィン系材料及び少なくとも80重量%のポリプロピレン系材料を有する。
【0037】
包装のいくつかの実施形態では、第2の包装構成要素の表面は、ポリプロピレン系ポリマーを含む。蓋材フィルムのシール層と、蓋材フィルムがシールされる第2の包装構成要素の表面の両方がポリプロピレン系ポリマーを含む場合、高い完全性のヒートシールを形成することができる。
【0038】
蓋材フィルム
本明細書では、包装に適した蓋材フィルム、並びにそれから製造される包装及び保存安定性を有する包装された製品について記述される。本明細書において使用される「蓋材フィルム」は、カップやトレイなどの別の包装構成要素の開口部を覆うために平坦な状態で使用することができるフィルムである。そのカップ又はトレイは、製品で満たされ、蓋材フィルムで密封され、包装された製品の保存可能期間全体を通して密閉されたままである。蓋材フィルムは、1つ又は全ての包装構成要素、製品、又は密封され包装された製品に適用される滅菌又は低温殺菌処理の結果として、激しい条件にさらされることがある。滅菌/低温殺菌処理は過酷であるため、非常に特殊な蓋材フィルムが処理に耐えるように設計されており、優れたバリア、良好な外観、及びシールの完全性が維持される。
【0039】
缶、瓶、及び本明細書に記載の蓋材フィルムやラミネートされたポリプロピレン系フィルムなどのフレキシブルポリマーに基づく包装を含む、様々なタイプの包装材料を滅菌処理において使用することができる。本明細書に記載の蓋材フィルムなどのフレキシブル包装を使用する利点には、軽量化、及び包装の内容物を滅菌が行われる条件にするのに必要なエネルギーの低減が含まれる。蓋材フィルムは、約2.5ミル(63.5ミクロン)から約10ミル(254ミクロン)、又は約3ミル(76.2ミクロン)から約6ミル(152.4ミクロン)の厚さを有することができる。
【0040】
ここで
図2を参照すると、蓋材フィルム10の実施形態は、外側ポリプロピレン系フィルム12と、バリア層14と、シール層16とを含む。外側ポリプロピレン系フィルム12は、蓋材フィルムの1つの主面に位置し、蓋材フィルムは、蓋材フィルムが接続される包装の露出した外表面になる。場合によっては、外側ポリプロピレン系フィルム12は、露出面に塗布されたインク又は別のコーティングを有する。シール層16は、蓋材フィルムの他方の主面上に位置し、蓋材フィルムが包装へと形成されたときに製品接触面になる。シール層16は、ヒートシールがシール層を別の包装構成要素に接続できるように、必然的に表面上にある。バリア層14は、蓋材フィルムの表面の内部に位置している。蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する。蓋材フィルムは、少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する。
【0041】
本明細書で使用される「層」は、フィルムの均一なビルディングブロックである。層は、フィルムの長さ及び幅で連続的であっても非連続的(すなわちパターン化)であってもよい。本明細書で使用される「フィルム」という用語は、x方向及びy方向の寸法(長さ及び幅)と比較してわずかなz方向の寸法(厚さ)を有する単層又は多層のウェブであり、紙片とは異なる。フィルムは、通常、長さ方向と幅方向に広がる、互いに対向する2つの主面を有するとみなされる。フィルムは無制限の数のフィルム及び/又は層から形成することができ、フィルム及び/又は層は一体に結合されて複合物品を形成する。包装フィルムの一部は、層又はフィルムと呼ばれることがある。
【0042】
蓋材フィルムは、少なくとも1種のポリプロピレン系フィルムを含む。本明細書で使用される「ポリプロピレン系フィルム」は、少なくとも50重量%、又は少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む組成を有する。場合によっては、ポリプロピレン系フィルムは本質的に100%のポリプロピレン系ポリマーであってもよい。
【0043】
外側ポリプロピレン系フィルムは配向していてもよい。本明細書において使用される「配向」という用語は、フィルムが材料の融点よりも低い温度に加熱され、少なくとも2倍に延伸されたことを示す。これは、典型的には、ダブルバブル又はトリプルバブルプロセス、テンターフレームプロセス、又は加熱ロールを使用するMDO(縦方向延伸)プロセスによって達成される。典型的なインフレーションフィルム又はキャストフィルムプロセスは、フィルムにある程度の延伸を与えるが、本明細書に記載されているように配向しているとみなすには十分ではない。フィルムは、いずれかの方向に二軸配向又は一軸配向させることができる。外側ポリプロピレン系フィルムは、好ましくは配向後に熱セット(すなわちアニール処理)され、その結果蓋材フィルムの変換中(すなわち印刷又はラミネート)又は蓋材フィルムの使用中(すなわちヒートシール又はレトルト殺菌)に経験する可能性がある高温条件下で寸法的に安定する。外側ポリプロピレン系フィルムは、特定のポリマーを使用して製造することができ、フィルムの耐熱性を最適化する特定の条件を使用して配向させることができる。外側ポリプロピレン系フィルムは、ホモポリマーポリプロピレンを含んでいてもよく、或いはホモポリマーポリプロピレンのみから製造されていてもよい。
【0044】
外側ポリプロピレン系フィルムは、二軸配向ポリプロピレンなどの配向ポリプロピレンフィルムであってよい。配向ポリプロピレンフィルムは、1つ以上の層を有していてもよく、またつや消しラッカーなどの特殊なコーティングを有していてもよい。配向ポリプロピレンフィルムのいずれの層も、フィルムを可視光に対して不透明にするために、二酸化チタンなどの顔料を含んでいてもよい。フィルムは、空洞形成された二軸配向ポリプロピレンであってもよく、その結果、フィルムは可視光に対して不透明になる。二軸配向ポリプロピレンは、可視光に対して透明であってもよい。いくつかの実施形態では、外側ポリプロピレン系フィルムは、本質的にポリプロピレンを含む二軸配向ポリプロピレンフィルムである。外側ポリプロピレン系フィルムは、限定するものではないが、約12、約20、約25、又は約30ミクロンの厚さを有し得る。
【0045】
外側ポリプロピレン系フィルムとして使用できるフィルムの市販の例としては、Bicor(商標)NND20(ヒートシール不可、片面処理BOPP、Jindal Filmsから入手可能)、PL1(ヒートシール不可、片面処理BOPP、Polibak Plastik Film San.ve Tic.A.S.から入手可能)、及びPPTE_LAM(ヒートシール不可、片面処理、Poligalから入手可能)が挙げられる。
【0046】
本明細書において使用される「外側」という用語は、それが含まれるフィルムの主面の1つに位置するフィルム又は層を表すために使用される。本明細書において使用される「内側」という用語は、それが含まれるフィルムの表面上に位置しないフィルム又は層を表すために使用される。内側のフィルム又は層は、両側で別のフィルム又は層と隣接している。
【0047】
蓋材フィルムのバリア層は、通常、蓋材フィルムと同一の広がりを有し、バリア材料を含む。バリア層は、酸素などの気体の透過を低減する(すなわち酸素バリア材料を含む)。バリア層は、さらに、水分の透過を低減することができる(すなわち水分バリア材料を含む)。バリア層は、典型的には、この層の完全性を保護するための蓋材フィルムの内側層である。バリア材料は、ポリアミド、エチレンビニルアルコールコポリマー、又はポリビニルアルコールコポリマーなど本質的に高分子であってもよい。バリア材料は、アルミニウムの薄い堆積物などの金属であってもよい。バリア層は、AlOxやSiOxなどの透明な無機酸化物コーティングであってもよい。バリア層は多層であってもよく、バリア材料の異なる層を含んでいてもよい。バリア層は、複数のバリア材料のブレンドであってもよい。バリア層は、数か月、さらには1年を超え得る延長された保存可能期間にわたって製品を包装内に保存するために必要な特定のバリアを提供する。
【0048】
バリア層は、外側ポリプロピレン系フィルムの表面上に配置することができる。蓋材フィルムのいくつかの実施形態では、バリア層は、シール層に面する外側ポリプロピレン系フィルムの内表面に配置される。或いは、バリア層は、内側フィルムの表面上に設けられてもよい。
【0049】
バリア層は、包装された製品の保存可能期間の間(すなわち包装が密封されている間)、蓋材フィルムを介した酸素の流入を低減する。いくつかの実施形態では、低温殺菌処理又は滅菌処理にさらされる前に、蓋材フィルムは、2cm3/m2/day未満、1cm3/m2/day未満、0.5cm3/m2/day未満、又は0.1cm3/m2/day未満の平均酸素透過率(OTR)値を有する(1気圧、23℃、50%RHの条件を使用してASTM F1927に準拠して測定)。いくつかの実施形態では、低温殺菌処理又は滅菌処理にさらされた後、蓋材フィルムは、2cm3/m2/day未満、1cm3/m2/day未満、0.5cm3/m2/day未満、又は0.1cm3/m2/day未満である平均OTR値を有する。平均OTR値は、試験装置の最小検出レベルに近いか、それ以下であってもよい。
【0050】
蓋材フィルムのシール層は、ヒートシールの形成を可能にする組成を有し、これにより密封包装を形成する。本明細書で使用される「ヒートシール」又は「ヒートシールする」という用語は、熱と圧力の両方を短時間加えることによる、又は超音波エネルギーシールプロセスによる、2つ以上の表面の接続を指す。本明細書で使用される「ヒートシール」という用語は、ヒートシールによって行われる2つ以上の表面間の接続を指す。ヒートシール及び超音波シールは、包装を形成するためによく知られ一般的に使用されているプロセスであり、当業者に周知である。
【0051】
蓋材フィルムのシール層は、形成されたヒートシールを手で剥がすことができるようにする組成を有する剥離可能なシール層であってもよい。剥離を起こすことができるメカニズムには、接着破壊や凝集破壊を含む様々なメカニズムが存在する。いずれのメカニズムであっても、包装構成要素の剥離及び分離は、蓋材フィルムを別の包装構成要素に接続するヒートシールの位置又はその近傍で生じる。シール層及び/又は蓋材フィルムは、150℃、1秒、30psiのヒートシール条件を使用して、フィルムをそれ自体に(すなわちシール層からシール層に)シールし、ASTM F88(100mm/分でのグリップ分離)によりフィルムを分離する力を測定することによって、手で剥離可能なヒートシールを形成するために試験することができる。分離するための力の最大が20N/15mm未満である場合に、シールは手で剥離可能である。
【0052】
シール層は、必然的に蓋材フィルムの表面に存在するため、シール機能が促進される。ヒートシールの際、シール層は軟化し、外側ポリプロピレン系フィルムの耐熱温度よりも低いシール温度でのヒートシール結合の形成が可能になる。シール層は、外側配向フィルムの耐熱温度よりも低いシール温度で軟化する。シール層は、蓋材フィルムの外表面に過度の収縮や損傷を引き起こさないシール条件(時間、温度、及び圧力)で軟化し、ヒートシールを形成する必要がある。
【0053】
蓋材フィルムは、リサイクルプロセスに受け入れられることができるように、多量のポリオレフィン系ポリマー、具体的にはポリプロピレン系ポリマーを含有することが目標とされる。ポリオレフィンは、低温殺菌又は滅菌された包装フィルム用途に従来使用されている材料(すなわちポリエステル、アルミニウム箔、ポリアミド)と比較して、比較的低い耐熱性を有する。ポリオレフィン含有量が高く、耐熱性が低いことの結果として、包装は、収縮や溶けによる穴あきを避けるために、低温でのヒートシールプロセスを使用して形成する必要がある。本明細書に開示される蓋材フィルムが満たす課題は、低いヒートシール開始温度(HSIT)と、処理と通常の流通及び取り扱いの両方に耐える高いシール強度及びシール靭性(すなわち落下強さ及び破裂強さ)とを有するシール層を組み込むことである。シール層は、食品の安全性に関する政府機関によって指示されているように、使用条件での食品との接触が承認されている材料を含む必要もある。
【0054】
シール層は、低いヒートシール開始温度(HSIT)を有する材料を含むことができる。蓋材フィルムのいくつかの実施形態では、シール層は、135℃以下の溶融温度を有するポリプロピレンコポリマーを含有する。
【0055】
シール層は、任意の公知のプロセスによって形成することができる。例えば、シール層は、蓋材フィルムの他の層の上にコーティングされるヒートシールラッカーであってもよい。別の実施形態では、シール層は、ポリマー溶融物を蓋材フィルムの他の層に直接適用する押出プロセスによって形成される。さらに別の実施形態では、シール層は、オフライン共押出プロセス(すなわちキャストフィルム又はインフレーションフィルムプロセス)で形成され、その後ラミネートプロセスを使用して蓋材フィルムの他の層に接着されてもよい。シール層は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の層を含む多層フィルム内に含まれていてもよい。いくつかの実施形態では、シール層は無配向層である。
【0056】
ここで
図3を参照すると、蓋材フィルム20の実施形態は、外側ポリプロピレン系フィルム22と、バリア層24と、シール層26とを含む。シール層26は、共押出された多層フィルム27内にある。外側ポリプロピレン系フィルム22は、蓋材フィルムの1つの主面上に位置することができ、蓋材フィルムから形成することができる包装の露出した外表面になる。シール層26は、蓋材フィルムの他方の主面上に位置し、蓋材フィルムから形成され得る密封包装の製品接触面になる。バリア層24は、蓋材フィルム20の表面の内部に位置する。蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する。蓋材フィルムは、少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有し得る。
【0057】
蓋材フィルム及びそれから作製される任意の包装の構造は、いくつかの異なる要素(外側層、バリア層、シール層など)を含むが、フィルム又は包装の総組成は、リサイクルし易くするために単一の材料タイプ(ポリオレフィン、特にポリプロピレン)を高レベルで有する必要がある。本明細書で使用される「総組成」という用語は、蓋材フィルム構造又は包装全体を表すために使用される。何らかの方法で互いに接続されている材料、層、又は構成要素は、いずれもその物品の総組成の一部である。蓋材フィルムは、高レベルのポリオレフィン系ポリマーを有し得る。蓋材フィルムは、高レベルのポリプロピレン系ポリマーを有し得る。本明細書に記載の蓋材フィルム、及びそれから製造されるいずれの包装も、物品がポリプロピレン系ポリマーを多量に含む場合、ポリプロピレンリサイクルプロセスでリサイクル可能であることができる。混合ポリオレフィンのリサイクルプロセスは、ポリプロピレンではない比較的高レベルのポリオレフィンも受け入れることができるため、物品は、ポリプロピレンではない高レベルのポリオレフィンも含んでいてもよく、そうであってもリサイクルに適している。
【0058】
本明細書で使用される「ポリオレフィン系ポリマー」は、ポリマーの繰り返し主鎖内に少なくとも1つのアルケンモノマー結合を有するホモポリマー又はコポリマーを指す。ポリオレフィン系ポリマーの主な例は、ポリエチレンのホモポリマー及びコポリマー、並びにポリプロピレンのホモポリマー及びコポリマーである。ポリオレフィン系ポリマーの他の例は、エチレンビニルアルコールコポリマー及び環状オレフィンコポリマーである。
【0059】
蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有し得る。言い換えると、蓋材フィルム全体内の全ての材料(ポリマー及び非ポリマー)を考慮して、少なくとも80重量%がポリオレフィン系ポリマーである。蓋材フィルムは、80重量%、82重量%、84重量%、86重量%、88重量%、又は90重量%の最低ポリオレフィン系ポリマー含有量を含む総組成を有し得る。蓋材フィルムは、100重量%、99重量%、98重量%、97重量%、96重量%、又は95重量%の最高ポリオレフィン系ポリマー含有量を含む総組成を有し得る。例えば、蓋材フィルムは、90重量%~99重量%のポリオレフィン系ポリマーを有する総組成を有していてもよく、或いは蓋材フィルムは、82重量%~100重量%のポリオレフィン系ポリマーを有する総組成を有していてもよい。
【0060】
本明細書で使用される「ポリプロピレン系ポリマー」は、ポリマーの繰り返し主鎖内に少なくとも1つのプロピレンモノマー結合を有するホモポリマー又はコポリマーを指す。プロピレン結合は、一般式:[CH2-CH(CH3)]nで表すことができる。そのようなポリプロピレンは、ポリプロピレンインパクトコポリマー、ポリプロピレンランダムコポリマー、若しくはポリプロピレンホモポリマーであってもよく、シンジオタクチック若しくはアイソタクチックであってもよく、及び/又は核形成されていてもいなくてもよい。ポリプロピレン系ポリマーは、プロピレンアルファオレフィンコポリマーであってよい。
【0061】
蓋材フィルムは、少なくとも70重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有し得る。言い換えると、全蓋材フィルム内の全ての材料(ポリマー及び非ポリマー)を考慮すると、少なくとも70重量%がポリプロピレン系ポリマーである。蓋材フィルムは、70重量%、80重量%、85重量%、86重量%、88重量%、又は90重量%の最小ポリプロピレン系ポリマー含有量を含む総組成を有し得る。蓋材フィルムは、100重量%、99重量%、98重量%、97重量%、96重量%、又は95重量%の最大ポリプロピレン系ポリマー含有量を含む総組成を有し得る。例えば、蓋材フィルムは、70重量%~98重量%のポリプロピレン系ポリマーを有する総組成を有することができ、或いは蓋材フィルムは、80重量%~100重量%のポリプロピレン系ポリマーを有する総組成を有し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、蓋材フィルムは、ポリオレフィン系ポリマー以外のポリマーを10重量%未満含む総組成を有する。高いポリオレフィン及びポリプロピレン含有量を有することに加えて、蓋材フィルムは、総組成に対して低レベルの非ポリオレフィン系ポリマーを有し得る。蓋材フィルムに含まれ得る非ポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリアミド、ポリアクリレート、及びポリウレタンが挙げられる。これらのポリマーは、押し出された層内、又は印刷されたインク若しくは接着剤層内に存在し得る。蓋材フィルムは、ポリオレフィン系ポリマー以外のポリマーを9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、又は5重量%未満含む総組成を有し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、蓋材フィルムは、ポリオレフィン系ポリマー以外のポリマーを含まない。言い換えると、蓋材フィルム中に存在し得る非ポリオレフィン系ポリマーは、フィルムの基本特性及び材料特性に影響を及ぼさない。
【0064】
ここで
図4を参照すると、蓋材フィルム30の実施形態は、外側ポリプロピレン系フィルム32、バリア層34、内側ポリプロピレン系フィルム38、及びシール層36を含む。シール層36は、共押出された多層フィルム37内にある。外側ポリプロピレン系フィルム32は、蓋材フィルムの1つの主面上に配置することができ、蓋材フィルムから形成することができる包装の露出した外表面になる。シール層36は、蓋材フィルムの他方の主表面上に位置し、蓋材フィルムから形成され得る包装の製品接触面となる。内側ポリプロピレン系フィルム38及びバリア層34は、蓋材フィルム30の表面の内側に配置される。いくつかの実施形態では、内側ポリプロピレン系フィルム38及びバリア層34の位置は、
図4に示されている位置から変えられていてもよい。蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有し得る。蓋材フィルムは、少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する。
【0065】
バリア層は、外側ポリプロピレン系フィルムの内側表面に隣接又は接触していてもよい。バリア層は、内側ポリプロピレン系フィルムのいずれかの面に隣接又は接触していてもよい。
【0066】
内側ポリプロピレン系フィルムは配向されていてもよい。フィルムは、いずれかの方向に二軸配向又は一軸配向させることができる。内側ポリプロピレン系フィルムは、好ましくは熱セット(すなわちアニール処理)され、その結果ラミネートの変換中又はラミネートの使用中(すなわちヒートシール又はレトルト殺菌)に経験する可能性のある高温条件下で寸法的に安定する。存在する場合、内側ポリプロピレン系フィルムは、外側ポリプロピレン系フィルムと同じであっても異なっていてもよい。
【0067】
内側ポリプロピレン系フィルムは、二軸配向ポリプロピレンなどの配向ポリプロピレンフィルムであってもよい。配向ポリプロピレンフィルムは、1つ以上の層を有していてもよく、またつや消し仕上げなどの特殊なコーティングを有していてもよい。配向ポリプロピレンフィルムのいずれの層も、フィルムを可視光に対して不透明にするために、二酸化チタンなどの顔料を含んでいてもよい。フィルムは、空洞形成された二軸配向ポリプロピレンであってもよく、その結果、フィルムは可視光に対して不透明になる。二軸配向ポリプロピレンは、可視光に対して透明であってもよい。いくつかの実施形態では、外側ポリプロピレン系フィルムは、本質的にポリプロピレンを含む二軸配向ポリプロピレンフィルムである。
【0068】
内側ポリプロピレン系フィルムを含む実施形態では、内側ポリプロピレン系フィルムは、外側ポリプロピレン系フィルムと同じであっても異なっていてもよい。内側ポリプロピレン系フィルムとして使用できるフィルムの市販の例としては、Bicor(商標)NND20(ヒートシール不可、片面処理BOPP、Jindal Filmsから入手可能)、PL1(ヒートシール不可、片面処理BOPP、Polibak Plastik Film San.ve Tic.A.S.から入手可能)、及びPPTE_LAM(ヒートシール不可、片面処理、Poligalから入手可能)が挙げられる。
【0069】
バリア層は、蓋材フィルムを構築するために使用されるフィルムの1つに適用されるコーティング又は堆積物であってもよい。例えば、
図4に示されている実施形態で示されるバリア層34は、外側ポリプロピレン系フィルム32と内側ポリプロピレン系フィルム38との間に配置された、内側ポリプロピレン系フィルム38上に堆積されたケイ素酸化物系材料であってもよい。或いは、
図4に示されている実施形態で示されるバリア層34は、外側ポリプロピレン系フィルム32と内側ポリプロピレン系フィルム38との間に位置する外側ポリプロピレン系フィルム32上に堆積されたケイ素酸化物材料であってもよい。或いは、バリア層34は、シール層36に面する内側ポリプロピレン系フィルム38の面に堆積されたケイ素酸化物材料であってもよい(この実施形態は図面に示されていない)。
【0070】
蓋材フィルムのいずれの実施形態も、他の材料及び層を含んでいてもよい。例えば、フィルム構造は、押し出された結合層、又は異種材料を結合させることが意図された他の接着剤層のいずれかを含むことができる。フィルムは、構造の任意の位置にインク層を含んでいてもよい。
【0071】
蓋材フィルムのいくつかの実施形態では、外側フィルム、内側フィルム、及びシール層はポリオレフィン系ポリマー以外のポリマーを含まない。
【実施例】
【0072】
実施例及びデータ
合計8枚のフィルムを製造し、試験した。6枚のフィルムは、本明細書に記載のフィルムによる蓋材フィルムであり、これらのフィルムは実施例フィルム1~6と表示した。2枚のフィルムは蓋付きフィルムの比較例であり、これらのフィルムは比較例フィルム1及び2と表示した。実施例フィルム1~6は、リサイクル対応の蓋材フィルムであり、滅菌又は低温殺菌に関連する包装用途に適している。比較例フィルム1及び2は、滅菌又は低温殺菌関連の包装用途における蓋材フィルムとして商業的に使用されていたが、リサイクル対応ではなかった。8枚のフィルム全ての構造を表1に示す。
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
実施例フィルム1及び2のサンプルを、過酸化水素浴に完全に浸漬した。浴を60℃に加熱し、この温度で1時間維持した後、4時間加熱を停止し、浴を室温まで放冷した。フィルムサンプルに視覚的な変化は観察されず、過酸化物滅菌に適していることが示された。
【0077】
実施例フィルム1~6及び別の典型的なリサイクル可能ではない蓋材フィルムである比較例フィルム1の破裂強さ。フィルムは、Lorentzen and Wettre破裂強さ試験機及びISO2758:2014を使用して試験した。各サンプルを3回試験した。平均破裂強さは表2に報告されている。実施例フィルム1~6の破裂強さは、比較例フィルム1よりもかなり大きかった。
【0078】
【0079】
ポリプロピレン/EVOH/ポリプロピレンの構造を有する予備成形された硬質カップに蓋材フィルムをヒートシールする方法を使用して、フィルムのシール性能及び剥離性能を試験した。これらのタイプのカップと蓋の配置は、典型的には、シロップ又は同様の製品と共に果物の断片を包装するために使用される。蓋は、丸いカップの直径に合わせた円形のシールジョーを備えたトレイシーラーによって、様々なシール温度で空のカップにヒートシールした。冷却後、包装を引っ張りクランプで0度~90度(約30度~45度)の角度で蓋を剥がせる引張試験ユニットに取り付けた。蓋が剥がれたときの最大及び平均剥離強さが記録される。最大剥離強さは、典型的には開封の最初の瞬間に発生し、平均剥離強さは、シール全体にわたる剥離の伝播を通して必要な力が考慮される。
図5及び
図6は、110℃~190℃のシール温度範囲にわたる最大剥離強さ曲線と平均剥離強さ曲線をそれぞれ示している。
【0080】
さらに、低温殺菌処理の熱環境を模倣するために、シールされたカップを85℃の水浴に30分間さらすことも行った。水浴から取り出した後、カップを冷却し、その後剥離強さを再度測定した。
図7及び
図8は、110℃~190℃のシール温度範囲における熱処理されたカップの最大及び平均剥離強さ曲線をそれぞれ示している。
【0081】
実施例フィルム及び比較例フィルムの酸素透過性を複数の方法で試験した。試験の結果は表3に報告されている。フィルムの平らなサンプルは、23℃及び50%RHの条件を用いてASTM F1927に従って試験した(平らなサンプルOTR)。フィルムの平らなサンプルを熱処理後に同様に試験した(加熱後の平らなサンプルOTR)。実施例フィルム1~5の熱処理は、85℃で30分間の水浴であった。実施例フィルム6の熱処理は、121℃で30分間のオートクレーブ処理であった。
【0082】
さらに、水で満たしたポリプロピレン製カップの蓋にフィルムを密封し、充填及び密封したカップを熱処理にさらした。実施例フィルム1~5及び比較例2で製造した蓋を有するカップの熱処理は、85℃で30分間の水浴であり、実施例フィルム6で製造した蓋を有するカップの熱処理は、121℃で30分のオートクレーブ処理であった。熱処理後、カップから蓋を剥がし、23℃、0%RHの条件下でASTM F1927(加熱後のカップ形式のOTR)に従って平らなサンプルの酸素透過率について試験した。
【0083】
【0084】
本明細書に記載されており、実施例に示されている蓋材フィルムは、リサイクル対応であり、無菌過酸化物浴中で安定であり、そのような無菌処理に適している。これらの構造を使用すると、同じ用途に使用される典型的なリサイクル不可能な構造と比較して、優れた破裂強さを達成することができる。さらに、リサイクル対応の蓋材フィルム構造は、PP系容器に比較的低温でシールする可能性を提供する。リサイクル性を実現するために、構造は従来の構造からポリオレフィン系構造に変更され、この構造は殺菌や低温殺菌などの熱処理に耐え、良好なバリア性を保持することができる。そのような蓋材フィルムを使用して包装された製品は、現在このような用途に使用されているリサイクル不可能な構造と同様に、製品の長い保存可能期間を維持する。
【0085】
実施形態
A.外側ポリプロピレン系フィルムと、
バリア層と、
シール層と、
を含む蓋材フィルムであって、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、蓋材フィルム。
B.前記外側ポリプロピレン系フィルムが配向している、前述した実施形態に記載の蓋材フィルム。
C.前記外側ポリプロピレン系フィルムがホモポリマーポリプロピレンを含む、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
D.前記バリア層が金属を含む、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
E.前記バリア層が無機酸化物を含む、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
F.少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
G.前記蓋材フィルムが、少なくとも90重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
H.前記シール層が剥離可能なシール層である、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
I.前記シール層がポリプロピレン系ポリマーを含む、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
J.内側ポリプロピレン系フィルムをさらに含み、前記内側ポリプロピレン系フィルムが配向している、前述した実施形態のいずれかに記載の蓋材フィルム。
K.実施形態A~Jのいずれかに記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記製品が滅菌処理を受けたものである、包装。
L.実施形態A~Jのいずれかに記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品と、を含む包装であって、前記製品が低温殺菌処理を受けたものである、包装。
M.実施形態A~Jのいずれかに記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記蓋材フィルムが滅菌処理を受けたものである、包装。
N.実施形態A~Jのいずれかに記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記蓋材フィルムが低温殺菌処理を受けたものである、包装。
O.前記ヒートシールが手で剥離可能である、実施形態K~Nのいずれかに記載の包装。
P.前記第2の包装構成要素の前記表面がポリプロピレン系ポリマーを含む、実施形態K~Nのいずれかに記載の包装。
Q.前記包装が、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、実施形態K~Pのいずれかに記載の包装。
R.前記包装が、少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、実施形態K~Qのいずれかに記載の包装。
S.前記包装が、少なくとも90重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、実施形態K~Rのいずれかに記載の包装。
T.23℃及び50%RHの条件でASTM F1927に従って測定したときに、前記蓋材フィルムが3.0cc/m2day未満の酸素透過値を有する、実施形態K~Sのいずれかに記載の包装。
U.外側ポリプロピレン系フィルムと、
内側ポリプロピレン系フィルムと、
無機酸化物を含むバリア層と、
シール層と、
を含む、蓋材フィルムであって、
前記内側ポリプロピレン系フィルムが配向しており、
前記外側ポリプロピレン系フィルムが配向しており、ホモポリマーポリプロピレンを含み、
少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有し、滅菌に耐えるのに有効である、蓋材フィルム。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側ポリプロピレン系フィルムと、
バリア層と、
シール層と、
を含む蓋材フィルムであって、少なくとも80重量%のポリオレフィン系ポリマーを含む総組成を有する、蓋材フィルム。
【請求項2】
前記外側ポリプロピレン系フィルムが配向しており、前記外側ポリプロピレン系フィルムがホモポリマーポリプロピレンを含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項3】
前記バリア層が金属を含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項4】
前記バリア層が無機酸化物を含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項5】
少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項6】
前記シール層がポリプロピレン系ポリマーを含む、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項7】
内側ポリプロピレン系フィルムをさらに含み、前記内側ポリプロピレン系フィルムが配向している、請求項1に記載の蓋材フィルム。
【請求項8】
請求項1に記載の蓋材フィルムと、第2の包装構成要素と、前記蓋材フィルムの前記シール層を前記第2の包装構成要素の表面に接続するヒートシールと、前記蓋材フィルムと前記第2の包装構成要素との間に密封された製品とを含む包装であって、前記製品が滅菌処理を受けたものである、包装。
【請求項9】
前記ヒートシールが手で剥離可能である、請求項
8に記載の包装。
【請求項10】
前記第2の包装構成要素の前記表面がポリプロピレン系ポリマーを含む、請求項
8に記載の包装。
【請求項11】
前記包装が、少なくとも80重量%のポリプロピレン系ポリマーを含む総組成を有する、請求項
8に記載の包装。
【国際調査報告】