(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】エアロゾル送達装置用のタバコ不含基材の作製方法
(51)【国際特許分類】
A24B 15/16 20200101AFI20231018BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231018BHJP
【FI】
A24B15/16
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521329
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 IB2021059134
(87)【国際公開番号】W WO2022074566
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ジョン-ポール
(72)【発明者】
【氏名】モンサルード,ルイス・アール
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン,アンドリーズ・ドン
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン,サディアス
【テーマコード(参考)】
4B043
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB26
4B043BC04
4B043BC11
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
(57)【要約】
本開示は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含有するエアロゾル生成コンポーネントを提供する。基材は、固形タバコ材料を実質的に含まず、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤と、少なくとも1つの結合剤とを含む。基材の最終形態は、エアロゾル送達装置用のエアロゾル生成コンポーネントに使用されるように構成され得る。そのような装置は、電気的に生成された熱、又は可燃性点火源を利用してエアロゾル形成材料を加熱し、エアロゾルの形態の吸入可能な物質を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントであって、前記基材が、
前記基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、前記1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤と、
アルギン酸塩、海藻親水コロイド、カラギーナン、寒天、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、及びその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤と
をさらに含み、
前記基材が、固形タバコ材料を実質的に含まない、エアロゾル生成コンポーネント。
【請求項2】
前記基材が、前記基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約70%の前記1つ以上の充填剤を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項3】
前記基材が、前記基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約75%の前記1つ以上の充填剤を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項4】
前記基材が、前記基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約55%の炭酸カルシウムを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項5】
前記基材が、前記基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約60%の炭酸カルシウムを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項6】
前記基材が、米デンプン及び米粉を実質的に含まない、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項7】
前記基材が、木材繊維を実質的に含まない、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項8】
天然若しくは修飾デンプン、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース、及びその組合せからなる群から選択される充填剤をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項9】
前記少なくとも1つの結合剤が、アルギン酸塩、海藻親水コロイド、カラギーナン、寒天、及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項10】
前記少なくとも1つの結合剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース、及びその組合せからなる群から選択されるヒドロキシアルキルセルロースエーテルである、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項11】
前記少なくとも1つの結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項12】
前記少なくとも1つの結合剤が、HPCとHPMCとの組合せである、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項13】
HPC対HPMCの重量比が、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、約2:1~約4:1、又は約3:1である、請求項12に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項14】
前記少なくとも1つのエアロゾル形成材料が、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、カンナビノイド、テルペン、糖アルコール、又はそのいずれかの組合せを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項15】
前記少なくとも1つのエアロゾル形成材料が、多価アルコールを含む、請求項14に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項16】
前記多価アルコールが、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリアセチン、及びその組合せからなる群から選択される、請求項15に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項17】
前記基材が、前記基材及びエアロゾル形成材料の総重量に基づいて、約15~約55重量%の充填量で前記少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項18】
前記基材が、香味料、活性成分、タバコ抽出物、又はその組合せをさらに担持する、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項19】
前記活性成分が、ニコチン成分を含む、請求項18に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項20】
前記基材が、微粒子形態、細断形態、フィルム形態、紙加工シート形態、流延シート形態、ビーズ形態、粒状ロッド形態、又は押出物形態である、請求項1に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項21】
前記基材が、略円筒形状に形成され、前記基材が、任意に、前記略円筒形状を貫通するオリフィスとその外面の1つ以上の溝との少なくとも1つを含む、請求項20に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項22】
少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントであって、前記基材が、
前記基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤と、
少なくとも1つの結合剤であって、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との組合せを含む結合剤と
を含み、
前記基材が固形タバコ材料を実質的に含まない、エアロゾル生成コンポーネント。
【請求項23】
HPC対HPMCの重量比が、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、又は約2:1~約4:1、又は約3:1である、請求項22に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項24】
前記1つ以上の充填剤が、天然若しくは修飾デンプン、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース、又はその組合せを含む、請求項22に記載のエアロゾル生成コンポーネント。
【請求項25】
エアロゾル送達装置であって、
請求項1~24のいずれか一項に記載のエアロゾル生成コンポーネントと、
前記1つ以上のエアロゾル形成材料を担持する基材を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源と、
前記エアロゾル生成コンポーネントから前記エアロゾル送達装置の吸い口端まで延在するエアロゾル経路と
を含む、エアロゾル送達装置。
【請求項26】
前記熱源が、電力加熱要素又は可燃性点火源のいずれかを含む、請求項25に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項27】
前記熱源が、炭素系材料を含む可燃性点火源である、請求項26に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項28】
前記熱源が電力加熱要素である、請求項26に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項29】
前記加熱要素に電気的に接続された電源をさらに含む、請求項28に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項30】
前記電源によって前記加熱要素に伝達される電力を制御するように構成されたコントローラをさらに含む、請求項29に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人間が消費するためのエアロゾルの形態で吸入可能な物質を提供するために、一般に著しく燃焼させることなく、電気的に生成された熱、又は可燃性点火源を利用してエアロゾル形成材料を加熱する喫煙品などのエアロゾル生成コンポーネント、エアロゾル送達装置及びエアロゾル送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼させることに基づく喫煙製品の改良品又は代替品として、多くの喫煙品が長年にわたって提案されてきた。いくつかの例示的な代替品には、固体燃料若しくは液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達する装置、又はそのような熱源を提供するために化学反応が使用される装置が含まれている。追加の例示的な代替品は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号に記載されているように、タバコ及び/又は他のエアロゾル生成基材材料を加熱するために電気エネルギーを使用する。
【0003】
喫煙品の改良品又は代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼及び熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻又はパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化若しくは加熱するか、又はタバコを著しく燃焼させることなく紙巻タバコ、葉巻若しくはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器及び薬用吸入器が提案されている。例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号並びにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号及びSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置及び発熱源を参照されたい。
【0004】
タバコ、タバコ由来材料又は他の植物由来材料を電気加熱することによって喫煙の味及び感覚を生み出す物品は、一貫性のない性能特性を抱えてきた。例えば、いくつかの物品は、香味若しくは他の吸入可能な材料の一貫性のない放出、基材へのエアロゾル形成材料の不十分な充填量、又は不十分な感覚特性の存在を抱えてきた。したがって、紙巻タバコ、葉巻又はパイプの喫煙感覚を提供することができ、基材材料を燃焼させることなく、有利な性能特性を伴ってそうする喫煙品を提供することが望ましい場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9078473号明細書
【特許文献2】米国特許第7726320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、人間が消費するためのエアロゾルの形態で吸入可能な物質を提供するために、電気的に生成された熱、又は可燃性点火源を利用してエアロゾル送達装置用のタバコ不含HNB基材などの基材を加熱するエアロゾル生成コンポーネント及びエアロゾル送達装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、一態様では、本開示は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントであって、基材が、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤と、アルギン酸塩、海藻親水コロイド、カラギーナン、寒天、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル及びその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤少なくとも1つの結合剤とを含み、基材が、固形タバコ材料を実質的に含まない、エアロゾル生成コンポーネントを提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約70%の1つ以上の充填剤を含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約75%の1つ以上の充填剤を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約55%の炭酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約60%の炭酸カルシウムを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、基材は、米デンプン及び米粉を実質的に含まない。
【0011】
いくつかの実施形態では、基材は、木材繊維を実質的に含まない。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、天然若しくは修飾デンプン、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース又はその組合せをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、アルギン酸塩、海藻親水コロイド、カラギーナン、寒天及びその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース及びその組合せからなる群から選択されるヒドロキシアルキルセルロースエーテルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、HPCとHPMCとの組合せを含む。いくつかの実施形態では、HPC対HPMCの重量比は、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、約2:1~約4:1、又は約3:1である。
【0014】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエアロゾル形成材料は、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、カンナビノイド、テルペン、糖アルコール又はそのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのエアロゾル形成材料は、多価アルコールを含む。いくつかの実施形態では、多価アルコールは、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリアセチン及びその組合せからなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態では、基材は、基材及びエアロゾル形成材料の総重量に基づいて、約15~約55重量%の充填量で少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する。
【0016】
いくつかの実施形態では、基材は、香味料、活性成分又はその組合せをさらに担持する。いくつかの実施形態では、活性成分は、ニコチン成分を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、基材は、微粒子形態、細断形態、フィルム形態、紙加工シート形態(paper process sheet form)、流延シート形態、ビーズ形態、粒状ロッド形態又は押出物形態である。いくつかの実施形態では、基材は、略円筒形状に形成され、基材は、任意に、略円筒形状を貫通するオリフィスと、その外面の1つ以上の溝との少なくとも1つを含む。
【0018】
別の態様では、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントであって、基材が、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤と、少なくとも1つの結合剤であって、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との組合せを含む結合剤とを含み、基材が、固形タバコ材料を実質的に含まない、エアロゾル生成コンポーネントが提供される。
【0019】
いくつかの実施形態では、HPC対HPMCの重量比は、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、又は約2:1~約4:1、又は約3:1である。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、天然若しくは修飾デンプン、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース又はその組合せを含む。
【0021】
さらに別の態様では、本明細書に開示されるエアロゾル生成コンポーネントと、1つ以上のエアロゾル形成材料を担持する基材を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源と、エアロゾル生成コンポーネントからエアロゾル送達装置の吸い口端まで延在するエアロゾル経路とを含むエアロゾル送達装置が提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、熱源は、電力加熱要素又は可燃性点火源のいずれかを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、熱源は、炭素系材料を含む可燃性点火源である。
【0024】
いくつかの実施形態では、熱源は電力加熱要素である。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、加熱要素に電気的に接続された電源をさらに含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置は、電源によって加熱要素に伝達される電力を制御するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0025】
本開示は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0026】
実施形態1:少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントであって、基材が、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤と、アルギン酸塩、海藻親水コロイド、カラギーナン、寒天、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル及びその組合せからなる群から選択される少なくとも1つの結合剤少なくとも1つの結合剤とを含み、基材が、固形タバコ材料を実質的に含まない、エアロゾル生成コンポーネント。
【0027】
実施形態2:基材が、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約70%の1つ以上の充填剤を含む、実施形態1のエアロゾル生成コンポーネント。
【0028】
実施形態3:基材が、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約75%の1つ以上の充填剤を含む、実施形態1又は2のエアロゾル生成コンポーネント。
【0029】
実施形態4:基材が、基材の総乾燥重量に基づいて、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約55%の炭酸カルシウムを含む、実施形態1~3のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0030】
実施形態5:基材が、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約60%の炭酸カルシウムを含む、実施形態1~4のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0031】
実施形態6:基材が、米デンプンを実質的に含まない、実施形態1~5のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0032】
実施形態7:基材が、木材繊維を実質的に含まない、実施形態1~6のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0033】
実施形態8:1つ以上の充填剤が、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース又はその組合せをさらに含む、実施形態1~7のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0034】
実施形態9:少なくとも1つの結合剤が、アルギン酸塩、海藻親水コロイド、カラギーナン、寒天及びその組合せからなる群から選択される、実施形態1~8のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0035】
実施形態10:少なくとも1つの結合剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース及びその組合せからなる群から選択されるヒドロキシアルキルセルロースエーテルである、実施形態1~9のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント
実施形態11:少なくとも1つの結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びその組合せからなる群から選択される、実施形態1~10のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0036】
実施形態12:少なくとも1つの結合剤が、HPCとHPMCとの組合せを含む、実施形態1~11のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0037】
実施形態13:HPC対HPMCの重量比が、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、約2:1~約4:1、又は約3:1である、実施形態1~12のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0038】
実施形態14:少なくとも1つのエアロゾル形成材料が、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、カンナビノイド、テルペン、糖アルコール又はそのいずれかの組合せを含む、実施形態1~13のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0039】
実施形態15:少なくとも1つのエアロゾル形成材料が、多価アルコールを含む、実施形態1~14のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0040】
実施形態16:多価アルコールが、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリアセチン及びその組合せからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0041】
実施形態17:基材が、基材及びエアロゾル形成材料の総重量に基づいて、約15~約55重量%の充填量で少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する、実施形態1~16のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0042】
実施形態18:基材が、香味料、活性成分又はその組合せをさらに担持する、実施形態1~17のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0043】
実施形態19:活性成分が、ニコチン成分を含む、実施形態1~18のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0044】
実施形態20:基材が、微粒子形態、細断形態、フィルム形態、紙加工シート形態、流延シート形態、ビーズ形態、粒状ロッド形態又は押出物形態である、実施形態1~19のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0045】
実施形態21:基材が、略円筒形状に形成され、基材が、任意に、略円筒形状を貫通するオリフィスと、その外面の1つ以上の溝と少なくとも1つを含む、実施形態1~20のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0046】
実施形態22:少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントであって、基材が、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤と、少なくとも1つの結合剤であって、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との組合せを含む結合剤とを含み、基材が、固形タバコ材料を実質的に含まない、エアロゾル生成コンポーネント。
【0047】
実施形態23:HPC対HPMCの重量比が、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、又は約2:1~約4:1、又は約3:1である、実施形態22のエアロゾル生成コンポーネント。
【0048】
実施形態24:1つ以上の充填剤が、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース又はその組合せを含む、実施形態22~23のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネント。
【0049】
実施形態25:実施形態1~24のいずれか1つのエアロゾル生成コンポーネントと、1つ以上のエアロゾル形成材料を担持する基材を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源と、エアロゾル生成コンポーネントからエアロゾル送達装置の吸い口端まで延在するエアロゾル経路とを含むエアロゾル送達装置。
【0050】
実施形態26:熱源が、電力加熱要素又は可燃性点火源のいずれかを含む、実施形態25のエアロゾル送達装置。
【0051】
実施形態27:熱源が、炭素系材料を含む可燃性点火源である、実施形態25のエアロゾル送達装置。
【0052】
実施形態28:熱源が電力加熱要素である、実施形態25~27のいずれか1つのエアロゾル送達装置。
【0053】
実施形態29:加熱要素に電気的に接続された電源をさらに含む、実施形態25~28のいずれか1つのエアロゾル送達装置。
【0054】
実施形態30:電源によって加熱要素に伝達される電力を制御するように構成されたコントローラをさらに含む、実施形態25~29のいずれか1つのエアロゾル送達装置。
【0055】
本開示のこれら並びに他の特徴、態様及び利点は、以下に簡単に説明する添付の図面とともに、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、並びに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ又はそれ以上の特徴又は要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴又は要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0056】
本開示の態様は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。図面は例示にすぎず、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、制御本体とエアロゾル生成コンポーネントとを含むエアロゾル送達装置の斜視図を示し、ここでエアロゾル生成コンポーネントと制御本体とは互いに連結されている。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、
図1のエアロゾル送達装置の斜視図を示し、ここでエアロゾル生成コンポーネントと制御本体とは互いに分離されている。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル生成コンポーネントの斜視概略図を示す。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル生成コンポーネントの基材部分の概略断面図を示す。
【
図5A】エアロゾル生成コンポーネントの基材部分の斜視図を示し、ここで基材は、略円筒形状(
図5A~
図5C)に押し出されているか、又は平坦シート(
図5D)として流延されているか若しくは押し出されている。
【
図5B】エアロゾル生成コンポーネントの基材部分の斜視図を示し、ここで基材は、略円筒形状(
図5A~
図5C)に押し出されているか、又は平坦シート(
図5D)として流延されているか若しくは押し出されている。
【
図5C】エアロゾル生成コンポーネントの基材部分の斜視図を示し、ここで基材は、略円筒形状(
図5A~
図5C)に押し出されているか、又は平坦シート(
図5D)として流延されているか若しくは押し出されている。
【
図5D】エアロゾル生成コンポーネントの基材部分の斜視図を示し、ここで基材は、略円筒形状(
図5A~
図5C)に押し出されているか、又は平坦シート(
図5D)として流延されているか若しくは押し出されている。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル生成コンポーネントの斜視図を示す。
【
図7】本開示の一実施形態による、外側ラップが取り外された状態の
図6のエアロゾル生成コンポーネントの斜視図を示す。
【
図8】本開示の1つ以上の実施形態による、エアロゾル生成コンポーネントのエアロゾル形成特性の棒グラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的及び完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量基準」への言及は、乾燥成分(すなわち、水を除く全成分)に基づく重量を指す。パーセントへの言及は、別段の指示がない限り、重量パーセントを意味することが意図される。
【0059】
以下に説明するように、本開示の例示的な実施形態は、固形タバコ材料を実質的に含まず、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材を含むエアロゾル生成コンポーネントに関する。一実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤と、少なくとも1つの結合剤とを含む。別の実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤と、少なくとも1つの結合剤であって、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)との組合せを含む結合剤とを含む。
【0060】
本開示のさらなる例示的な実施形態は、本明細書に開示されるエアロゾル生成コンポーネントと、基材部分に担持されたエアロゾル形成材料を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源と、エアロゾル生成コンポーネントからエアロゾル送達装置の吸い口端まで延在するエアロゾル経路とを含むエアロゾル送達装置に関する。
【0061】
エアロゾル生成コンポーネント及びエアロゾル送達装置
本開示によるエアロゾル生成コンポーネントのいくつかの実施形態は、電気エネルギーを使用して材料を加熱して、吸入可能な物質を形成する(例えば、電気加熱タバコ製品)。本開示によるエアロゾル生成コンポーネントの他の実施形態は、(一般に、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して、吸入可能な物質を形成するために点火可能な熱源を使用する(例えば、炭素加熱タバコ製品)。材料は、典型的には、材料を著しく燃焼させることなく加熱される。そのようなシステムの構成要素は、手持ち式装置と見なすのに十分にコンパクトな物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼又は熱分解の副産物から生じるという意味では、特定の例示的なエアロゾル送達装置の構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらのシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発又は気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、典型的には、タバコ及び/又はタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0062】
特定の例示的なエアロゾル送達装置のエアロゾル生成コンポーネントは、そのいかなる構成要素も実質的に燃焼させることなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻又はパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入及び呼気の形式、味又は香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のいくつかの例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置のユーザは、喫煙者が従来型の喫煙品を使用するのと同じように、その構成要素を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0063】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」又は「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル生成コンポーネントに関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴及び方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書で提供される説明は、従来の喫煙品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ、及び本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴及び方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として説明され、様々な他の製品及び方法で具体化及び使用され得ることを理解されたい。
【0064】
本開示のエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル生成コンポーネントはまた、蒸気生成物品又は薬剤送達物品として特徴付けられ得る。したがって、そのような物品又は装置は、吸入可能な形態又は状態で、1つ以上の物質(例えば、香味及び/又は医薬活性成分)を提供するように適合され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。又は、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子又は液滴の懸濁液)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、視認可能であるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかにかかわりなく、人間の吸入に適した形態又は種類の蒸気、気体及びエアロゾルを含むことを意味する。吸入可能な物質の物理的形態は、本発明の装置の性質によって必ずしも限定されないが、媒体の性質、及び吸入可能な物質が蒸気状態又はエアロゾル状態で存在するかどうかに関して吸入可能な物質自体に応じて決まり得る。いくつかの実施形態では、用語「蒸気」及び「エアロゾル」は交換可能であり得る。したがって、簡単にするために、本開示の態様を説明するために使用される用語「蒸気」及び「エアロゾル」は、別段の指定がない限り交換可能であると理解される。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示のエアロゾル送達装置は、電源(例えば、電気的な動力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、動力源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整及び停止するための手段、例えば、個別に、又はマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、熱源(例えば、電気抵抗加熱要素又は他の構成要素及び/又は誘導コイル又は他の関連する構成要素及び/又は1つ以上の輻射加熱要素)、及び十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる基材部分を含むエアロゾル生成コンポーネントのいくつかの組合せを含み得る。上記の構成要素のうちの1つ以上を物理的に組み合わせることが可能であることに留意されたい。例えば、ある特定の実施形態では、ヒータトレースが電源によって電力供給され、抵抗加熱要素として使用され得るように、導電性インクを使用して、本明細書に記載の基材材料(例えば、セルロース系フィルム)の表面に導電性ヒータトレースを印刷することができる。導電性インクの例には、グラフェンインク、並びに様々な金属を含有するインク、例えば、銀、金、パラジウム、白金及び合金又はその他の組合せ(例えば、銀-パラジウムインク又は銀-白金インク)を含むインクが含まれ、これらは、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷又は他の適切な印刷方法などの工程を使用して表面に印刷され得る。
【0066】
様々な実施形態では、いくつかの実施形態ではハウジングと呼ばれることがある外側本体又はシェル内に、いくつかのこれらの構成要素を設けてもよい。外側本体又はシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な大きさ及び形状を画定し得る外側本体の形式又は構成は変更可能である。他の構成も可能であるが、いくつかの実施形態では、紙巻タバコ若しくは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成されてもよいか、又は細長いハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成され得る。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり、従来の紙巻タバコ又は葉巻の形状に類似し得る細長いシェル又は本体を含み得る。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング又は本体内に収容される。他の実施形態では、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを含み得る。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池及び/又は充電式スーパーキャパシタなどの蓄電池、並びにその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを含む制御本体を一端に有し、使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有エアロゾル生成コンポーネント)を収容する外側本体又はシェルを他端に取り外し可能に連結可能に有してもよい。
【0067】
他の実施形態では、本開示のエアロゾル生成コンポーネントは、一般に、基材材料を加熱するように構成された点火可能な熱源を含んでもよい。基材材料、及び/又は熱源の少なくとも一部は、外側ラップ、又は包装、外包、構成要素、モジュール、部材などで覆われてもよい。筐体の全体的な設計は可変であり、エアロゾル生成コンポーネントの全体の大きさ及び形状を画定する筐体の形式又は構成も可変である。他の構成も可能であるが、いくつかの態様では、これらの実施形態の全体的な設計、大きさ及び/又は形状は、従来の紙巻タバコ又は葉巻のものに似ていることが望ましい場合がある。様々な態様では、熱源は、熱を生成して、例えば、固体又は液体の形態(例えば、ビーズ、シート、細断片、ラップ)の、エアロゾル形成材料と結合された基材材料、タバコ及び/又はタバコ関連材料、例えば、タバコから直接分離された、タバコに自然に見出される材料、又は合成的に調製された材料などを含む基材材料をエアロゾル化することができ得る。
【0068】
本開示のエアロゾル送達装置内の様々な基材材料、エアロゾル生成コンポーネント及び構成要素のさらに具体的な形式、構成及び配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。加えて、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解してもよい。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解してもよい。
【0069】
これに関して、
図1は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100を示す。エアロゾル送達装置100は、制御本体102及びエアロゾル生成コンポーネント104を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104及び制御本体102は、機能する関係で恒久的又は取り外し可能に整列させられ得る。これに関して、
図1は連結構成のエアロゾル送達装置100を示し、
図2は分離構成のエアロゾル送達装置100を示す。様々な機構が制御本体102にエアロゾル生成コンポーネント104を接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、スライド嵌合、磁気係合などをもたらしてもよい。
【0070】
様々な実施形態では、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100は、限定するものではないが、実質的にロッド状又は実質的に管状又は実質的に円筒形として画定され得る全体形状を含む様々な全体形状を有し得る。
図1~
図2の実施形態では、装置100は、実質的に丸い断面を有するが、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)もまた、本開示に包含される。例えば、いくつかの実施形態では、制御本体102又はエアロゾル生成コンポーネント104の一方又は両方(及び/又は任意の副構成要素)は、実質的に長方形の形状、例えば、実質的に長方形の直方体形状(例えば、USBフラッシュドライブと同様)を有し得る。他の実施形態では、制御本体102又はエアロゾル生成コンポーネント104の一方又は両方(及び/又は任意の副構成要素)は、他の手持ち形状を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御本体102は、小さなボックス形状、様々なポッドモッド形状、又はフォブ形状(fob-shape)を有し得る。したがって、物品の物理的形状を説明するそのような言語は、制御本体102及びエアロゾル生成コンポーネント104を含む、その個々の構成要素にも適用され得る。
【0071】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の整列は、様々な実施形態にわたって変化し得る。いくつかの実施形態では、基材部分は、ユーザへのエアロゾル送達を最大にするように熱源に近接して配置されてもよい。ただし、他の構成は除外されない。一般に、熱源は、熱源からの熱が基材部分(並びに、いくつかの実施形態では、同様にユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、活性成分など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、基材部分の十分に近くに配置され得る。熱源が基材部分を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出又は生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)又は放出された(released)への言及が、形成する又は生成する(form or generate)、形成する又は生成する(forming or generating)、形成する又は生成する(forms or generates)及び形成された又は生成された(formed or generated)を含むように交換可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気若しくはエアロゾル又はそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では交換可能に使用される。
【0072】
上記のように、様々な実施形態のエアロゾル送達装置100は、電池及び/又は他の電気的な動力源を組み込んで、熱源の電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流の流れを提供してもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、電源は様々な実施形態をとり得る。電源は、熱源を急速に作動させるのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間にわたる使用を通してエアロゾル送達装置に電力供給することができ得る。いくつかの実施形態では、電源は、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。有用な電源の例には、典型的には充電式のリチウムイオン電池(例えば、充電式二酸化マンガンリチウム電池)が挙げられる。特に、リチウムポリマー電池は、そのような電池は安全性を向上させることができることから使用され得る。また、N50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池など、他の種類の電池が使用されてもよい。さらに、例示的な電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。可能な電源のいくつかの例は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許第9,484,155号及びSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号に記載されている。
【0073】
特定の実施形態では、制御本体102及びエアロゾル生成コンポーネント104の一方又は両方は、使い捨て可能であるか、又は再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体102は、交換式電池又は充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、及びユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル若しくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、若しくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、又は無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104は、使い捨て装置を含んでもよい。制御本体とともに使用するための使い捨て構成要素が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号に開示されている。
【0074】
さらなる実施形態では、電源はまた、コンデンサを含んでもよい。コンデンサは、電池よりも速く放電することができ、吸煙の合間に充電することができるため、電池が、熱源に直接電力供給するために使用される場合よりも低い速度でコンデンサに放電することを可能にする。例えば、電池とは別に、又は電池と組み合わせて、スーパーキャパシタ、例えば、電気二重層コンデンサ(EDLC)が使用されてもよい。スーパーキャパシタは、単独で使用される場合、物品の各使用前に再充電されてもよい。したがって、装置はまた、スーパーキャパシタを補充するために使用の合間に喫煙品に取り付けられ得る充電器構成要素を含んでもよい。
【0075】
本開示のエアロゾル送達装置には、追加の構成要素が利用され得る。例えば、エアロゾル送達装置は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化又は空気流変化のいずれかに敏感な流量センサ(例えば、吸煙作動式スイッチ)を含んでもよい。他の可能な電流作動/作動解除機構が、温度作動式オン/オフスイッチ又は唇圧作動式スイッチを含んでもよい。そのような吸煙作動能力を提供することができる例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが含まれる。代表的な流量センサ、電流調整構成要素、並びにエアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサ及びスイッチを含む他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号、米国特許第4,947,874号及び米国特許第4,947,875号、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号、Nguyenらの米国特許第7,040,314号並びにPanの米国特許第8,205,622号に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許第9,423,152号に記載された制御方式も参照される。
【0076】
別の例では、エアロゾル送達装置は、装置を保持するユーザの第1の身体部分に接触するように構成された第1の導電性表面と、ユーザの第2の身体部分に接触するように構成された、第1の導電性表面から導電的に隔離された第2の導電性表面とを含み得る。したがって、エアロゾル送達装置が第1の導電性表面と第2の導電性表面との間の導電率の変化を検出すると、気化器が作動されて物質を気化し、その結果、ユニットを保持するユーザによって蒸気が吸入され得る。第1の身体部分及び第2の身体部分は、唇、又は手の部分であり得る。2つの導電性表面はまた、個人用気化器ユニットに収容された電池を充電するために使用され得る。2つの導電性表面はまた、メモリに記憶されたデータを出力するために使用され得るコネクタを形成するか、又はコネクタの一部であり得る。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTerryらの米国特許第9,861,773号を参照されたい。
【0077】
さらに、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号は、喫煙品用のインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす装置の吸い口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素が容器に挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内の容器を開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能な動力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号は、喫煙装置を通る引き込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号は、喫煙装置とともに使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にするための喫煙装置用のコンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号は、喫煙装置用の識別システムを開示しており、FlickによるPCT特許出願公開国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0078】
電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素、及び本装置に使用され得る開示材料又は構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号、Morganらの米国特許第5,249,586号、Higginsらの米国特許第5,666,977号、Adamsらの米国特許第6,053,176号、Whiteの米国特許第6,164,287号、Vogesの米国特許第6,196,218号、Felterらの米国特許第6,810,883号、Nicholsの米国特許第6,854,461号、Honの米国特許第7,832,410号、Kobayashiの米国特許第7,513,253号、Hamanoの米国特許第7,896,006号、Shayanの米国特許第6,772,756号、Honの米国特許第8,156,944号及び米国特許第8,375,957号、Thorensらの米国特許第8,794,231号、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号、Monseesらの米国特許第8,915,254号及び米国特許第8,925,555号、DePianoらの米国特許第9,220,302号、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号及び米国特許出願公開第2009/0188490号、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号、HonのPCT特許出願公開国際公開第2010/091593号並びにFooのPCT特許出願公開国際公開第2013/089551号が挙げられ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、Wormらの米国特許出願公開第2017/0099877号は、エアロゾル送達装置及びエアロゾル送達装置用のフォブ形状構成に含まれ得るカプセルを開示しており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
図2を参照すると、図示される実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104は、制御本体102に挿入されるように構成された被加熱端106と、エアロゾルを生成するためにユーザが吸引する吸い口端108とを含む。被加熱端106の少なくとも一部は、基材部分110を含む。いくつかの実施形態では、基材部分110は、それぞれ本明細書で以下にさらに説明されるエアロゾル形成材料を担持する基材を含む。様々な実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104又はその一部は、外部上巻き材料112に包まれ得る。様々な実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104の吸い口端108は、例えば、酢酸セルロース材料又はポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ114を含み得る。フィルタ114は、追加的又は代替的に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRakerらの米国特許第5,025,814号に記載されているようなタバコ含有材料のストランドを含有し得る。様々な実施形態では、フィルタ114は、エアロゾル生成コンポーネント104の吸い口端の構造的完全性を高め、及び/又は所望であれば濾過能力を提供し、及び/又は吸引に対する抵抗を提供してもよい。いくつかの実施形態では、フィルタは、個別のセグメントを含み得る。例えば、いくつかの実施形態は、濾過を提供するセグメント、引き込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却するための空間を提供する中空セグメント、構造的完全性を高めるセグメント、他のフィルタセグメント、及び上記のいずれか1つ又は任意の組合せを含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、外部上巻き112の材料は、紙又は他の繊維状材料、例えば、セルロース材料を含み得る、熱の伝達に抵抗する材料を含み得る。外部上巻き材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれた又は分散された少なくとも1つの充填剤材料を含み得る。様々な実施形態では、充填剤材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、充填剤材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実施形態では、外部上巻きは、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコでは典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。そのような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら及び/又はエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。外部上巻きはまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻タバコのフィルタ要素に典型的に使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル生成コンポーネントの吸い口端108での外部上巻きの過剰な長さは、以下に記載されるように、消費者の口から基材部分110を単に分離するように、若しくはフィルタ材料を配置するための空間を提供するように、又は物品に対する吸引に影響を与えるように、若しくは吸引中に装置を出る蒸気若しくはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるように機能し得る。本開示とともに使用され得る外部上巻き材料の構成に関する追加の説明が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号に見出され得る。
【0081】
図3は、本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル生成コンポーネントの斜視概略図を示す。特に、
図3は、シート形態の基材120の一連の重なり合う層130を含む基材部分110を有するエアロゾル生成コンポーネント104を示す。上記の説明を参照すると、図示される実施形態では、基材シート120は、本明細書に開示されるフィルム又は層を含む。様々な実施形態では、用語「重なり合う層」はまた、個々の層が明らかでない場合がある、束ねられた、しわくちゃの、捲縮された、及び/又は他の方法で集められた層を含み得る。
【0082】
例えば、
図4は、本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル生成コンポーネント104の基材部分110の概略断面図を示す。特に、
図4は、基材シート120の一連の重なり合う層130を含む基材部分110を示す。図示される実施形態では、重なり合う層130の少なくとも一部は、その外面の周りを第1のカバー層132によって実質的に囲まれている。様々な実施形態では、第1のカバー層132の組成は変化し得るが、図示される実施形態では、第1のカバー層132は、繊維状材料と、エアロゾル形成材料と、結合剤材料との組合せを含む。可能なエアロゾル形成材料及び結合剤材料に関する本明細書の説明を参照されたい。
【0083】
様々な実施形態では、第1のカバー層132は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるSeymourらの米国特許第5,697,385号に記載されているものなどの流延工程によって構築され得る。
【0084】
図示される実施形態では、重なり合う層130の少なくとも一部、及び第1のカバー層132は、外面の周りを第2のカバー層134によって実質的に囲まれている。第2のカバー層134の組成は変化し得るが、図示される実施形態では、第2のカバー層134は、アルミニウム箔材料などの金属箔材料を含む。他の実施形態では、第2のカバー層は、限定するものではないが、銅材料、スズ材料、金材料、合金材料、セラミック材料若しくは他の熱伝導性非晶質炭素系材料及び/又はその任意の組合せを含む他の材料を含んでもよい。図示される実施形態は、その外面の周りで重なり合う層130、第1のカバー層132及び第2のカバー層134を実質的に囲む第3のカバー層136をさらに含む。図示される実施形態では、第3のカバー層136は、従来の紙巻タバコ包装紙などの紙材料を含む。様々な実施形態では、紙材料は、非木材植物繊維などのラグ繊維を含んでもよく、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら及び/又はエスパルト繊維を含んでもよい。
【0085】
様々な実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104の基材部分110と吸い口端108との間に他の構成要素が存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント104の基材部分110と吸い口端108との間に、エアギャップ;中空管構造;空気を冷却するための相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;及び他の好適な材料のうちの1つ又は任意の組合せが配置されてもよい。可能な相変化材料のいくつかの例には、限定するものではないが、塩、例えば、AgNO3、AlCl3、TaCl3、InCl3、SnCl2、AlI3及びTiI4;金属又は金属合金、例えば、セレン、スズ、インジウム、スズ-亜鉛、インジウム-亜鉛、又はインジウム-ビスマス;並びに有機化合物、例えば、D-マンニトール、コハク酸、p-ニトロ安息香酸、ハイドロキノン及びアジピン酸が挙げられる。他の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPotterらの米国特許第8,430,106号に記載されている。
【0086】
以下でさらに詳細に説明されるように、本開示のエアロゾル生成コンポーネントは、基材材料を加熱してエアロゾルを形成するために導電性及び/又は誘導性熱源とともに使用するように構成される。様々な実施形態では、導電性熱源は、抵抗加熱部材を含む加熱アセンブリを含んでもよい。抵抗加熱部材は、それを通って電流が導かれた際に熱を生成するように構成されてもよい。抵抗加熱部材として有用な導電性材料は、低質量、低密度、及び中程度の抵抗率を有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は、急速に加熱及び冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。部材の急速な加熱は、それに近接するエアロゾル形成材料をほぼ即時に揮発させるため、有益であり得る。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成材料の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成材料が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にし得る。有用な導電性材料は、典型的には、生成されるエアロゾル又は蒸気の香味又は含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される材料(例えば、エアロゾル形成材料及び他の吸入可能な物質材料)と化学的に非反応性である。導電性材料として使用され得るいくつかの例示的で非限定的な材料には、炭素、黒鉛、炭素/黒鉛複合材料、金属、セラミック、例えば、金属炭化物及び非金属炭化物、窒化物、酸化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、合金並びに金属箔が含まれる。特に、耐火材料が有用であり得る。様々な異なる材料を混合して、抵抗率、質量及び熱伝導率の望ましい特性を実現することができる。特定の実施形態では、利用され得る金属には、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルとクロムとの合金(例えば、ニクロム)、及び鋼が含まれる。抵抗加熱をもたらすのに有用であり得る材料が、Countsらの米国特許第5,060,671号、Deeviらの米国特許第5,093,894号、Deeviらの米国特許第5,224,498号、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号、Deeviらの米国特許第5,322,075号、Deeviらの米国特許第5,353,813号、Deeviらの米国特許第5,468,936号、Dasの米国特許第5,498,850号、Dasの米国特許第5,659,656号、Deeviらの米国特許第5,498,855号、Hajaligolの米国特許第5,530,225号、Hajaligolの米国特許第5,665,262号、Dasらの米国特許第5,573,692号及びFleischhauerらの米国特許第5,591,368号に記載されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0087】
様々な実施形態では、加熱部材は、箔、発泡体、メッシュ、中空ボール、ハーフボール、ディスク、螺旋、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、細片、リボン又はシリンダの形態など、様々な形態で設けられてもよい。そのような加熱部材は金属材料を含むことが多く、電流を通すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱部材は、基材部分に近接して、及び/又は基材部分と直接接触して配置され得る。例えば、一実施形態では、加熱部材は、制御本体102内に配置されたシリンダ又は他の加熱装置を含んでもよく、シリンダは、限定するものではないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、炭素(例えば、黒鉛)又はその任意の組合せを含む1つ以上の導電性材料から構築される。様々な実施形態では、加熱部材はまた、これら又は他の導電性材料のいずれかによってコーティングされてもよい。加熱部材は、制御本体102の係合端に近接して配置されてもよく、基材部分110を含むエアロゾル生成コンポーネント104の被加熱端106の一部を実質的に囲むように構成されてもよい。このように、加熱部材は、エアロゾル生成コンポーネント104が制御本体102に挿入された際に、エアロゾル生成コンポーネント104の基材部分110に近接して配置されてもよい。他の例では、エアロゾル生成コンポーネントが制御本体に挿入された際に、加熱部材の少なくとも一部がエアロゾル生成コンポーネントの少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、エアロゾル生成コンポーネントを貫通する1つ以上の突起及び/又はスパイクなど)。いくつかの実施形態では、加熱部材はシリンダを含んでもよいが、他の実施形態では、加熱部材は様々な形態をとってもよく、いくつかの実施形態では、基材部分と直接接触してもよく、及び/又は基材部分を貫通してもよいことに留意されたい。上記のように、本開示のエアロゾル生成コンポーネントはまた、導電性熱源とともに使用するように構成されることに加えて、基材部分を加熱してエアロゾルを形成するために誘導性熱源とともに使用するように構成されてもよい。様々な実施形態では、誘導性熱源は、共振送信機及び共振受信機(例えば、サセプタ)を含み得る共振変圧器を含み得る。いくつかの実施形態では、共振送信機及び共振受信機は、制御本体102内に配置されてもよい。他の実施形態では、共振受信機又はその一部は、エアロゾル生成コンポーネント104内に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、制御本体102は、例えば、箔材料、コイル、シリンダ、又は振動磁場を生成するように構成された他の構造を含み得る共振送信機と、基材部分内に延在するか、又は基材部分によって囲まれた1つ以上の突起を含み得る共振受信機とを含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントは、共振受信機と密接に接触している。
【0088】
他の実施形態では、共振送信機は、エアロゾル生成コンポーネント、特に、エアロゾル生成コンポーネントの基材部分が受容されるキャビティを囲むように構成された螺旋コイルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、螺旋コイルは、装置の外壁と受容キャビティとの間に配置されてもよい。一実施形態では、コイル巻線は、円形断面形状を有し得るが、他の実施形態では、コイル巻線は、限定するものではないが、楕円形、長方形、L字形、T字形、三角形及びその組合せを含む様々な他の断面形状を有し得る。別の実施形態では、ピンが、受容キャビティの一部の中に延在してもよく、ピンは、ピンの周り又は中にコイル構造を含めることなどによって、共振送信機を含んでもよい。様々な実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントは、受容キャビティ内に受容されてもよく、エアロゾル生成コンポーネントの1つ以上の構成要素が、共振受信機として機能してもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネントは、共振受信機を含む。共振送信機及び共振受信機を含む他の可能な共振変圧器構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSebastianらの米国特許出願公開第2019/0124979号に記載されている。
【0089】
本開示の一態様では、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を担持する基材(形成基材部分110)を含むエアロゾル生成コンポーネントが提供される。本明細書で使用される場合、用語「担持する」は、少なくとも1つのエアロゾル形成材料を基材と結合させる任意の方法を指す。例えば、担持するは、基材の中又は上に含浸、吸収、配置、支持されるか、又は他の方法で含まれる少なくとも1つのエアロゾル形成材料を包含する。基材及びエアロゾル形成材料は、本明細書で以下にさらに説明される。
【0090】
基材
基材は、単独で又は組み合わせて、様々な材料を含んでもよい。基材は、典型的には、固形タバコ材料を実質的に含まない。本開示の基材は、例えば、(活性成分としての精製ニコチン以外の)固形タバコ材料を完全に含まない又は実質的に含まないことを特徴とする。例えば、本開示の基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で1%未満、若しくは乾燥重量で0.5%未満、若しくは乾燥重量で0.1%未満の固形タバコ材料、又は乾燥重量で0%の固形タバコ材料を有することを特徴とし得る。「固形タバコ材料」とは、タバコパルプ、繊維、マルメライズされた(marumerized)タバコなどのタバコ材料を意味する。「固形タバコ材料を実質的に含まない」への言及は、液体形態の、又は乾燥粉末タバコ抽出物としてのタバコ抽出物を除外しない。
【0091】
本開示の基材は、一般に、1つ以上の充填剤及び少なくとも1つの結合剤を含む。1つ以上の充填剤及び少なくとも1つの結合剤の各々は、追加の基材成分とともに本明細書で以下にさらに記載される。
【0092】
充填剤
本明細書に開示される基材は、1つ以上の充填剤を含む。1つ以上の充填剤は、デンプン、糖、糖アルコール、木材繊維、無機物、不活性材料などの材料を含み得る。
【0093】
充填剤の量は変化し得る。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤を含む。例えば、いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%又は少なくとも約90%乾燥重量の1つ以上の充填剤を含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%又は約90%乾燥重量の1つ以上の充填剤を含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、約60~約80%乾燥重量の1つ以上の充填剤を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、天然及び修飾デンプンを含むデンプンを含む。本明細書で使用される「デンプン」は、任意の供給源由来の純粋なデンプン、修飾デンプン又はデンプン由来物を指し得る。デンプンは、典型的には粒状形態で、ほとんどすべての緑色植物、並びに様々な種類の植物組織及び器官(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、若枝、果実、穀粒及び茎)に存在する。デンプンは、組成、並びに粒状の形状及び大きさが異なり得る。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは、異なる化学的特性及び物理的特性を有する。ビーズに特定の感覚刺激特性を付与するデンプン材料の能力に基づいて、ビーズに含めるために特定のデンプンを選択することができる。様々な供給源に由来するデンプンを使用することができる。例えば、デンプンの主要な供給源には、穀物粒(例えば、米、コムギ及びトウモロコシ)及び根菜(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が含まれる。デンプンの供給源の他の例には、ドングリ、クズウコン、アラカチャ、バナナ、大麦、豆(例えば、ソラ豆、レンズ豆、リョクトウ、エンドウ豆、ヒヨコ豆)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、サトイモ、片栗、クズ、マランガ、キビ、オート麦、オカ、ポリネシアクズウコン(Polynesian arrowroot)、サゴ、モロコシ、サツマイモ、キノア、ライムギ、タピオカ、タロイモ、タバコ、ヒシの実及びヤマノイモが挙げられる。好適なデンプンには、限定するものではないが、トウモロコシデンプン、米デンプン及び修飾食品デンプンが含まれる。特定のデンプンは、修飾デンプンである。修飾デンプンは、その高い熱特性を変化させるように設計されることが多い1つ以上の構造的修飾を受けている。いくつかのデンプンは、遺伝子改変によって開発されており、「修飾」デンプンであると考えられる。他のデンプンが得られ、続いて修飾される。例えば、修飾デンプンは、塩基の存在下での酸触媒作用若しくは酸化によるエステル化、エーテル化、酸化、解重合(薄化)、漂白、グリコシル基転移及び解重合(例えば、触媒の存在下でのデキストリン化)、架橋、酵素処理、アセチル化、ヒドロキシプロピル化並びに/又は部分加水分解などの化学反応に供されたデンプンであり得る。他のデンプンは、熱処理、例えば、アルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤工程によって修飾される。特定の修飾デンプンには、リン酸化デンプン、グリセロール架橋デンプン、トリメタリン酸ナトリウムによってエステル化されたリン酸架橋デンプン、ホスフェートジスターチホスフェート(phosphate distarch phosphate)、アセチル化リン酸架橋デンプン、無水酢酸によってエステル化された酢酸デンプン、酢酸ビニルによってエステル化された酢酸デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化グリセロール架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化グリセロール架橋デンプン及びオクテニルコハク酸デンプンナトリウムが含まれる。
【0095】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、トウモロコシデンプン、米デンプン若しくは米粉、修飾食品デンプン又はその組合せを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、米デンプン又は米粉である。他の実施形態では、基材は、米デンプン及び米粉を実質的に又は完全に含まない。米デンプン及び米粉を「実質的に含まない」とは、例えば、別のデンプン材料中に天然に存在し得る微量を超えて、米デンプン又は米粉が意図的に加えられていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で0.1%未満、又は乾燥重量で0.01%未満、又は乾燥重量で0.001%未満、又は乾燥重量で0%の米デンプン及び米粉を有することを特徴とし得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は糖を含む。好適な糖には、限定するものではないが、グルコース、デキストロース、フルクトース、マルトース及びラクトースが含まれる。
【0097】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、糖アルコールを含む。好適な糖アルコールには、限定するものではないが、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール、エリスリトール及びキシリトールが含まれる。
【0098】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、微結晶セルロース(「mcc」)などのセルロース材料を含む。mccは、合成若しくは半合成であり得るか、又は完全に天然セルロースから得られてもよい。mccは、AVICEL(R)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(R)グレード101、102、12、20、及びEMOCEL(R)グレード50M及び90Mなど、並びにその混合物からなる群から選択され得る。一実施形態では、基材は、充填剤としてmccを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、木材繊維を含む。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、乾燥重量基準で、約0~約5%の木材繊維又は木材由来繊維、例えば、約0%、約1%、約2%、約3%、約4%又は約5%の木材繊維又は木材由来繊維を含む。他の実施形態では、基材は、木材繊維又は木材パルプを実質的に又は完全に含まない。木材繊維又は木材パルプを「実質的に含まない」とは、例えば、ボタニカル材料又は他の植物材料中に天然に存在し得る微量を超えて、木材繊維又は木材パルプが意図的に加えられていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で0.1%未満、又は乾燥重量で0.01%未満、又は乾燥重量で0.001%未満、又は乾燥重量で0%の木材繊維又は木材パルプを有することを特徴とし得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、無機物又は不活性物質、例えば、限定するものではないが、キトサン、炭素(黒鉛、ダイヤモンド、フラーレン、グラフェン)、石英、花崗岩、珪藻土、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、粘土、甲殻類及び他の海洋性殻類、又はその組合せを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース又はその組合せを含む。
【0102】
他の実施形態では、1つ以上の充填剤は、炭酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤を含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約55%の炭酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約60%の炭酸カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で約55%、約56%、約57%、約58%又は約59%~約60%、約61%、約62%又は約63%の炭酸カルシウムを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、1つ以上の充填剤は、炭酸カルシウムに加えて、マルトデキストリン、デキストロース、リン酸カルシウム、ラクトース、糖アルコール、微結晶セルロース、木材繊維及びその組合せをさらに含む。
【0104】
結合剤
本明細書に開示される基材は、少なくとも1つの結合剤を含む。結合剤(又は結合剤の組合せ)は、ある特定の実施形態では、所望の物理的属性及び物理的完全性を基材に提供するのに十分な量で使用され得る。利用される結合剤の量は変化し得るが、典型的には最大約30乾燥重量パーセントであり、ある特定の実施形態は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で少なくとも約0.1%、例えば、乾燥重量で約1~約30%、又は乾燥重量で約1~約10%、又は乾燥重量で約1~約5%の結合剤含有量を特徴とする。
【0105】
典型的な結合剤は、有機若しくは無機又はその組合せであり得る。代表的な結合剤には、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ガム、カラギーナン、プルラン、ゼイン、セルロース誘導体など、及びその組合せが含まれる。いくつかの実装形態では、2つ以上の結合剤材料の組合せ又はブレンドが使用され得る。結合剤材料の他の例は、例えば、各々参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJakobらの米国特許第5,101,839号及びRakerらの米国特許第4,924,887号に記載されている。
【0106】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、アルジネート、デンプン、ガム、プルラン、ゼイン、カラギーナン、セルロース誘導体、ポビドン及びその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、アルギン酸塩、セルロースエーテル及びその組合せからなる群から選択される。
【0107】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、アルジネート、例えば、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム又はアルギン酸ナトリウムである。アルジネート、特に高粘度アルジネートは、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、基材は、乾燥重量基準で、基材の総乾燥重量に基づいて、約1~約35%のアルジネート、例えば、乾燥重量で約1~約20%、又は乾燥重量で約4~約10%のアルジネートを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、ガム、例えば、天然ガムである。本明細書で使用される場合、天然ガムとは、結合特性を有し、増粘剤又はゲル化剤としても有用な天然起源の多糖材料を指す。典型的にはある程度水溶性である、植物由来の代表的な天然ガムには、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガティガム、トラガントガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びその組合せが含まれる。いくつかの実施形態では、結合剤は、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、トラガントガム又はその組合せを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤はカラギーナンである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は寒天である。
【0110】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、1つ以上のセルロース誘導体(例えば、単一のセルロース誘導体、又は例えば、2つ若しくは3つなどのいくつかのセルロース誘導体の組合せ)である。基材中に存在するセルロース誘導体の量は変化し得る。いくつかの実施形態では、基材は、乾燥重量基準で、基材の総乾燥重量に基づいて、約0~約5%の1つ以上のセルロース誘導体、例えば、約0%、約1%、約2%、約3%、約4%又は約5%の1つ以上のセルロース誘導体を含む。基材が複数のセルロース誘導体を含む実施形態では、約0%~約5%という1つ以上のセルロース誘導体の記載された重量基準は、基材の総乾燥重量に基づく、セルロース誘導体の組合せの総乾燥重量を反映することが理解されるべきである。
【0111】
いくつかの実施形態では、セルロース誘導体は、セルロース構造内の1つ以上のヒドロキシル基の水素がアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアリール基によって置換されたセルロースポリマーを意味するセルロースエーテルである。いくつかの実施形態では、セルロース誘導体はヒドロキシアルキルセルロースエーテルである。そのようなセルロース誘導体の非限定的な例には、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)及びヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。好適なセルロースエーテルには、ヒドロキシプロピルセルロース、例えば、Aqualon Co.製のKlucel H;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、DuPont製のMethocel K4MS;ヒドロキシエチルセルロース、例えば、Aqualon Co.製のNatrosol 250 MRCS;メチルセルロース、例えば、DuPont.製のMethocel A4M、K4M及びE15;並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、例えば、Aqualon Co.製のCMC 7HF、CMC 7LF及びCMC 7H4Fが含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びその組合せからなる群から選択されるセルロースエーテルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、HPCとHPMCとの組合せを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、HPCとHPMCとの組合せである。驚くべきことに、いくつかの実施形態では、HPCとHPMCとの組合せは、例えば、中心孔を有する押出基材の所望の形状及び整合性を維持するなど、本開示の基材に所望の特性を提供するのに特に有用であることが分かった。いくつかの実施形態では、HPC対HPMCの重量比は、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、又は約2:1~約4:1、又は約3:1である。
【0112】
いくつかの実施形態では、基材は、カルボキシメチルセルロース(CMC)を実質的に又は完全に含まないことを特徴とし得る。CMCを「実質的に含まない」とは、例えば、別のセルロースエーテル中に天然に存在し得る微量を超えて、CMCが意図的に加えられていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で0.1%未満、又は乾燥重量で0.01%未満、又は乾燥重量で0.001%未満、又は乾燥重量で0%のCMCを有することを特徴とし得る。
【0113】
タバコ由来材料
いくつかの実施形態では、基材は、タバコ抽出物、例えば、エアロゾル形成材料の成分として加えられるか、又は別個に加えられる(例えば、基材調製中、又は形成後に基材に含浸される)水性タバコ抽出物を含む。本明細書で使用される「タバコ抽出物」は、抽出工程でタバコ材料と接触させられる溶媒(例えば、水)によって固体タバコパルプから抽出される、タバコ材料の単離された成分を指す。タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固体材料を提供することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Beesonらの米国特許出願公開第2011/0247640号に記載されている抽出工程を参照されたい。タバコの成分を抽出するための他の例示的な技術は、いずれも参照により本明細書に組み込まれる、Fioreの米国特許第4,144,895号、Osborne,Jr.らの米国特許第4,150,677号、Reidの米国特許第4,267,847号、Wildmanらの米国特許第4,289,147号、Brummerらの米国特許第4,351,346号、Brummerらの米国特許第4,359,059号、Mullerの米国特許第4,506,682号、Keritsisの米国特許第4,589,428号、Sogaらの米国特許第4,605,016号、Pouloseらの米国特許第4,716,911号、Niven,Jr.らの米国特許第4,727,889号、Bernasekらの米国特許第4,887,618号、Clappらの米国特許第4,941,484号、Faggらの米国特許第4,967,771号、Robertsらの米国特許第4,986,286号、Faggらの米国特許第5,005,593号、Grubbsらの米国特許第5,018,540号、Whiteらの米国特許第5,060,669号、Faggの米国特許第5,065,775号、Whiteらの米国特許第5,074,319号、Whiteらの米国特許第5,099,862号、Whiteらの米国特許第5,121,757号、Faggの米国特許第5,131,414号、Munozらの米国特許第5,131,415号、Faggの米国特許第5,148,819号、Kramerの米国特許第5,197,494号、Smithらの米国特許第5,230,354号、Faggの米国特許第5,234,008号、Smithの米国特許第5,243,999号、Raymondらの米国特許第5,301,694号、Gonzalez-Parraらの米国特許第5,318,050号、Teagueの米国特許第5,343,879号、Newtonの米国特許第5,360,022号、Clappらの米国特許第5,435,325号、Brinkleyらの米国特許第5,445,169号、Lauterbachの米国特許第6,131,584号、Kierulffらの米国特許第6,298,859号、Muaらの米国特許第6,772,767号及びThompsonの米国特許第7,337,782号に記載されている。
【0114】
いくつかの実施形態では、基材は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で約1~約5%の量で、水性又は乾燥粉末形態のタバコ抽出物を含む。他の実施形態では、基材は、抽出物を含むタバコ由来材料を実質的に又は完全に含まない。タバコ由来材料を「実質的に含まない」とは、例えば、別のボタニカル材料又は植物由来材料中に天然に存在し得る微量を超えて、タバコ由来材料が意図的に加えられていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の総乾燥重量に基づいて、乾燥重量で0.1%未満、又は乾燥重量で0.01%未満、又は乾燥重量で0.001%未満、又は乾燥重量で0%のタバコ由来材料を有することを特徴とし得る。
【0115】
非タバコボタニカル物質
いくつかの実施形態では、基材は、エアロゾル形成材料の成分として加えられるか、又は別個に加えられる(例えば、基材調製中、又は形成後に基材に含浸される)非タバコボタニカル物質を含む。本明細書で使用される場合、用語「ボタニカル成分」又は「ボタニカル物質」は、その天然形態の植物材料、及び天然植物材料に由来する植物材料、例えば、植物材料又は処理された植物材料(例えば、熱処理、発酵、又は材料の化学的性質を変化させることができる他の処理工程に供された植物材料)由来の抽出物又は単離物を含む任意の植物材料又は真菌由来材料を指す。本開示の目的のために、「ボタニカル材料」は、限定するものではないが、「薬草材料」を含み、「薬草材料」は、持続的な木質組織を発達させず、多くの場合、その医学的特性又は感覚特性について評価される種子産生植物(例えば、茶又は薬湯)を指す。「非タバコ」としてのボタニカル材料への言及は、タバコ材料を除外する(すなわち、ニコチアナ(Nicotiana)種を含まない)ことを意図している。本開示で使用されるボタニカル材料は、限定するものではないが、その混合物を含む、本明細書に記載の化合物及び供給源のいずれかを含み得る。この種の特定のボタニカル材料は、栄養補助食品、機能性食品、「植物化学物質」又は「機能性食品」と呼ばれることがある。
【0116】
ボタニカル材料の非限定的な例には、限定するものではないが、アサイーベリー、アルファルファ、オールスパイス、アナトー種子、アンズ油、バジル、ベルガモット、ワイルドベルガモット、ブラックペッパー、ブルーベリー、ルリジサ種子油、キランソウ、カカオ、ショウブの根、カンナビス/麻、イヌハッカ、カツアーバ、カイエンペッパー、チャーガ、チャービル、シナモン、ダークチョコレート、コーヒー、ジャガイモの皮、ブドウ種子、チョウセンニンジン、イチョウ、オトギリソウ、ノコギリヤシ、緑茶、紅茶、ブラック・コホッシュ、カイエン、カモミール、クローブ、ココアパウダー、クランベリー、タンポポ、グレープフルーツ、ハニーブッシュ、エキナセア、ニンニク、マツヨイグサ、ナツシロギク、ショウガ、ゴールデンシール、サンザシ、ハイビスカスの花、甘茶蔓、キャバ、ラベンダー、甘草、マヨラナ、マリアアザミ、ミント(マント)、ウーロン茶、ビートの根、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、ボレイハッカ、ペパーミント、ムラサキツメクサ、ルイボス(赤又は緑)、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、クラリーセージ、キダチハッカ、スペアミント、スピルリナ、アカニレの樹皮、ソルガム糠ヒ-タニン(sorghum bran hi-tannin)、ソルガム粒ヒ-タニン(sorghum grain hi-tannin)、ウルシ糠(sumac bran)、ヒレハリソウの葉及び根、ゴジベリー、ゴツコラ、タイム、ウコン、ウワウルシ、カノコソウ、ジネンジョの根、ウィンターグリーン、ヤーコンの根、イエロードック(yellow dock)、イエルバマテ、イエルバサンタ、バコパモニエラ、アシュワガンダ、ヤマブシタケ並びにマリアアザミが挙げられる。
【0117】
存在するボタニカル材料の量は変化し得、存在する場合、基材の総乾燥重量に基づいて、一般に、基材の乾燥重量の約30%未満又は約20%未満である。例えば、ボタニカル材料は、基材の総乾燥重量に基づいて、基材の乾燥重量の約0.1%、約0.5%、約1%又は約5%~約10%、約20%又は約30%の量で存在してもよい。
【0118】
活性成分
ある特定の実施形態では、基材は、エアロゾル形成材料の成分として加えられるか、又は別個に加えられる(例えば、基材調製中、又は形成後に基材に含浸される)1つ以上の活性成分を含み得る。本明細書で使用される場合、「活性成分」は、以下のカテゴリーのいずれか、すなわち、API(活性医薬物質)、食品添加物、薬草材料、天然薬剤、及び人間に効果を及ぼし得る天然物質に属する1つ以上の物質を指す。活性成分は、治療的、予防的又は診断的使用に適合した任意の公知の作用物質であり得る。これらには、例えば、治療活性、予防活性又は診断活性を有する合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、無機化合物並びに核酸配列が含まれ得る。活性成分には、限定するものではないが、ニコチン成分、ボタニカル成分(例えば、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、ショウガ、カンナビス、チョウセンニンジン、マカ及び薬湯)、刺激剤(例えば、カフェイン及びガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン)並びに/又は医薬成分、機能性食品成分及び薬用成分(例えば、ビタミン、例えば、B6、B12及びC、並びに/又はカンナビノイド、例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD))が含まれる。成分の特定の割合及び選択は、所望の香味、質感及び他の特性に応じて変化する。例示的な活性成分には、体内の1つ以上の生物学的機能に影響を及ぼすことが知られている任意の成分、例えば、疾患の診断、治癒、緩和、治療若しくは予防に対して薬理学的活性若しくは他の直接的な効果をもたらすか、又は人間若しくは他の動物の身体の構造若しくは任意の機能に影響を及ぼす(例えば、中枢神経系に対する刺激作用を提供し、活性化効果、解熱作用若しくは鎮痛作用、又は他の有用な効果を身体に与える)成分が含まれ得る。
【0119】
存在する活性成分の量は変化し得、存在する場合、一般に、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量の約30%未満又は約20%未満である。例えば、活性成分は、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量の約0.1%、約0.5%、約1%又は約5%~約10%、約20%又は約30%の量で存在してもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、活性成分は、1つ以上の薬草材料を含む。本開示の目的のために、用語「薬草材料」は、持続的な木質組織を発達させず、多くの場合、その医学的特性又は感覚特性について評価される種子産生植物(例えば、茶又は薬湯)を指す。植物材料又はその抽出物としての特定の薬草材料は、従来の薬草医薬品に使用されている。薬草材料又は薬草由来材料の非限定的な例には、麻、ユーカリ、ルイボス、フェンネル、シトラス、クローブ、ラベンダー、ペパーミント、カモミール、バジル、ローズマリー、ショウガ、ウコン、緑茶、真桑、カンナビス、ココア、アシュワガンダ、バオバブ、クロロフィル、コルディセプス、ダミアナ、チョウセンニンジン、ガラナ及びマカが挙げられる。
【0121】
いくつかの実施形態では、活性成分は、1つ以上の刺激剤を含む。本明細書で使用される場合、用語「刺激剤」は、中枢神経系及び/又は身体の活動を増加させる物質、例えば、集中力、認知、活力、気分、覚醒などを高める物質を指す。刺激剤の非限定的な例には、カフェイン、テアクリン、テオブロミン及びテオフィリンが挙げられる。テアクリン(1,3,7,9-テトラメチル尿酸)は、カフェインに構造的に関連し、刺激作用、鎮痛作用及び抗炎症作用を有するプリンアルカロイドである。本刺激剤は、天然、天然由来又は完全合成であり得る。例えば、特定のボタニカル材料(ガラナ、茶、コーヒー、ココアなど)は、例えば、カフェイン又は関連アルカロイドの存在によって刺激作用を有し得、したがって、「天然」刺激剤である。「天然由来」とは、刺激剤(例えば、カフェイン、テアクリン)が、その天然の(例えば、ボタニカル)マトリックスの外側の精製された形態であることを意味する。例えば、カフェインは、ボタニカル供給源(例えば、茶)からの抽出及び精製によって得ることができる。「完全合成」とは、刺激剤が化学合成によって得られたことを意味する。
【0122】
存在する場合、刺激剤、又は刺激剤の組合せ(例えば、カフェイン、テアクリン及びその組合せ)は、典型的には、基材の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約15重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15重量%などの濃度である。
【0123】
ある特定の実施形態では、活性成分は、ニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部の経口吸収を提供するための任意の好適な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、例えば、微結晶セルロース材料に容易に吸着されて微結晶セルロース-ニコチン担体複合体を形成することができる、その遊離塩基形態のニコチンである。例えば、参照により本明細書に組み込まれるHanssonの米国特許公開第2004/0191322号に記載の遊離塩基形態のニコチンの考察を参照されたい。
【0124】
いくつかの実施形態では、ニコチン成分の少なくとも一部は、塩の形態で使用され得る。ニコチンの塩は、参照により本明細書に組み込まれるCoxらの米国特許第2,033,909号、及びPerfetti,Beitrage Tabakforschung Int.,12:43-54(1983)に記載されている種類の成分及び技術を使用して提供され得る。さらに、ニコチンの塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.及びK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給源から入手可能である。典型的には、ニコチン成分は、ニコチン遊離塩基、ニコチン塩、例えば、塩酸塩、ジヒドロクロリド、モノタータレート、ビタータレート、サルフェート、サリチレート及びニコチン塩化亜鉛からなる群から選択される。
【0125】
いくつかの実施形態では、ニコチンの少なくとも一部は、ニコチンの樹脂複合体の形態であってよく、ここでニコチンは、例えば、ポリメタクリル酸に結合したニコチンであるニコチンポラクリレックス(nicotine polacrilex)などのイオン交換樹脂、例えば、Amberlite IRP64、Purolite C115HMR又はDoshion P551に結合している。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLichtneckertらの米国特許第3,901,248号を参照されたい。別の例は、Carbopol 974Pなどとのニコチン-ポリアクリルカルボマー複合体である。いくつかの実施形態では、ニコチンは、ニコチンポリアクリル複合体の形態で存在し得る。
【0126】
典型的には、ニコチン成分(遊離塩基として計算される)は、存在する場合、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、エアロゾル形成材料を担持する基材の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001%~約10%の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算され、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%又は約0.9重量%~約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%又は約10重量%などの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算され、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、約0.1%w/w~約3重量%、例えば、約0.1%w/w~約2.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、又は約0.1重量%~約1重量%の濃度で存在する。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示の基材は、ニコチン成分を完全に含まないか、又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(例えば、本明細書に開示される任意の実施形態は、ニコチン成分を完全に又は実質的に含まなくてもよい)。「実質的に含まない」とは、例えば、別のボタニカル材料又は薬草材料中に天然に存在し得る微量を超えて、ニコチンが意図的に加えられていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、遊離塩基として計算され、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満、又はさらには0重量%のニコチンを有することを特徴とすることができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、活性成分は、1つ以上のカンナビノイドを含む。いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)又はその組合せを含む。
【0129】
香味料
いくつかの実施形態では、基材は、エアロゾル形成材料の成分として加えられるか、又は別個に加えられる(例えば、基材調製中、又は形成後に基材に含浸される)香味料を含む。本明細書で使用される場合、「香味料」への言及は、エアロゾル化してユーザに送達され得、味及び/又は芳香に関して感覚的経験を与える化合物又は成分を指す。香味料のいくつかの例には、限定するものではないが、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチ並びにライム及びレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、ショウガ、蜂蜜、アニス、セージ、ローズマリー、ハイビスカス、ローズヒップ、イエルバマテ、グアユサ、ハニーブッシュ、ルイボス、イエルバサンタ、バコパモニエラ、イチョウ、アシュワガンダ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草、並びに紙巻タバコ、葉巻及びパイプタバコの香料に従来使用される種類及び特徴の香料及び香味パッケージが挙げられる。また、高果糖コーンシロップなどのシロップが使用され得る。好適であり得る植物由来組成物のいくつかの例が、ともにDubeらの米国特許第9,107,453号及び米国特許出願公開第2012/0152265号に開示されており、これらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そのようなさらなる成分の選択は、喫煙品に望ましい感覚特性、基材材料に対するそれらの親和性、それらの溶解度、及び他の物理化学的特性などの要因に基づいて可変である。本開示は、タバコ及びタバコ関連製品又はタバコ由来製品の当業者に容易に明らかな任意のそのようなさらなる成分を包含することを意図している。その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGutchoのTobacco Flavoring Substances and Methods,Noyes Data Corp.(1972)及びLeffingwellらのTobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。香味料への言及は、上記のような任意の単一の香味料に限定されるべきではなく、実際、1つ以上の香味料の組合せを表す場合があることに留意されたい。追加の香味料、香味剤、添加物及び他の可能な増強成分が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願公開第2019/0082735号に記載されている。
【0130】
存在する香味料の量は変化し得、存在する場合、一般に、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、基材の重量の約30%未満又は約20%未満である。例えば、香味料は、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、基材の重量の約0.1%、約0.5%、約1%又は約5%~約10%、約20%又は約30%の量で存在してもよい。
【0131】
他の成分
いくつかの実施形態では、基材は、燃焼遅延性材料、熱伝導/誘導用の導電性繊維若しくは導電性粒子、又はその任意の組合せをさらに含んでもよい。燃焼遅延性材料の一例は、リン酸アンモニウムである。いくつかの実施形態では、他の難燃性/燃焼遅延性材料及び添加物が、基材内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、黒鉛、カリウム、シリカ、トリポリホスフェート、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール及びポリオールを含んでもよい。他の燃焼遅延性材料、例えば、窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素及び酸化アンチモンが使用されてもよい。基材材料及び/又は他の構成要素(単独で、又は互いに及び/若しくは他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料及び/又は焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、望ましくないガス放出又は溶融型挙動から独立しており、それらに耐性がある。喫煙品にタバコを組み込むための様々な様式及び方法、特に、喫煙品内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙品が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号、Cantrellらの米国特許第7,647,932号、Robinsonらの米国特許第8,079,371号、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号及びCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号に記載されている。
【0132】
基材はまた、誘導による熱伝導又は加熱のための導電性繊維又は導電性粒子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、導電性繊維又は導電性粒子は、実質的に直線状及び平行なパターンで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性繊維又は導電性粒子は、実質的にランダムな配置を有し得る。いくつかの実施形態では、導電性繊維又は導電性粒子は、アルミニウム材料、ステンレス鋼材料、銅材料、炭素材料及び黒鉛材料のうちの1つ以上から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、様々な温度での誘導による加熱を容易にするために、異なるキュリー温度を有する1つ以上の導電性繊維又は導電性粒子が基材材料に含まれてもよい。
【0133】
さらに他の実装形態では、基材材料は、様々な種類の無機繊維(例えば、繊維ガラス、金属ワイヤ/スクリーンなど)及び/又は(有機)合成ポリマーを含んでもよい。様々な実装形態では、これらの「繊維状」材料は、構造化されていなくてもよい(例えば、ランダムに分布している)か、又は構造化されていてもよい(例えば、ワイヤメッシュ)。
【0134】
エアロゾル形成材料
本明細書に開示されるエアロゾル生成コンポーネントは、1つ以上のエアロゾル形成材料を担持する基材を含む。基材によって担持されるエアロゾル形成材料の量は、エアロゾル生成コンポーネントが許容可能な感覚特性及び望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、ある特定の実施形態では、多くの点でタバコの煙の出現に似ている目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料が使用される。エアロゾル生成コンポーネントによって担持されるエアロゾル形成材料(例えば、エアロゾル形成材料を担持する基材)の量は、エアロゾル生成コンポーネントごとに所望される吸煙の数などの要因に依存し得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、基材は、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、又は少なくとも約60重量%の充填量でエアロゾル形成材料を担持する。総エアロゾル形成材料の例示的な範囲には、エアロゾル形成材料を担持する基材の総重量に基づいて、約15重量%~約60重量%、例えば、約15%~約55%、又は約15%~約25%が含まれる。エアロゾル形成材料を基材部分の中又は上に充填する(例えば、含浸する)方法は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるDoolyらの米国特許第9,974,334号並びにCollettらの米国特許出願公開第2015/0313283号及びSebastianらの米国特許出願公開第2018/0279673号に記載されている。
【0136】
前述の実施形態のいずれかでは、本明細書に開示されるエアロゾル生成コンポーネントを形成するために、流延、押出などの前に全量のエアロゾル形成材料を加えてもよい。代替的に、又はこれに加えて、エアロゾル形成材料の一部又は全部を形成後に基材に加えてもよい(例えば、1つ以上のエアロゾル形成材料を基材材料の中又は上に噴霧又は他の方法で配置して、本明細書に開示されるエアロゾル生成コンポーネントを形成してもよい。
【0137】
エアロゾル形成材料は、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、テルペン、糖アルコール、活性成分、タバコ抽出物又はそのいずれかの組合せを含み得る。多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、テルペン、糖アルコール及び活性成分の各々は、本明細書で以下にさらに記載される。
【0138】
水
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、水を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、水を含み、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、テルペン、糖アルコール、活性成分、タバコ抽出物又はそのいずれかの組合せをさらに含む。
【0139】
多価アルコール
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上の多価アルコールを含む。多価アルコールの例には、グリセロール、プロピレングリコール及び他のグリコール、例えば、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールが挙げられる。いくつかの実施形態では、多価アルコールは、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びその組合せからなる群から選択される。
【0140】
いくつかの実施形態では、多価アルコールは、グリセロールとプロピレングリコールとの混合物である。グリセロールとプロピレングリコールとは様々な比で存在し得、いずれかの成分が、意図される用途に応じて優位を占める。いくつかの実施形態では、グリセロールとプロピレングリコールとは、約3:1~約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールとプロピレングリコールとは、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2又は約1:3の重量比で存在する。いくつかの実施形態では、グリセロールとプロピレングリコールとは、約1:1の重量比で存在する。
【0141】
ポリソルベート及びソルビタンエステル
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上のポリソルベートを含む。ポリソルベートの例には、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、Tween 60)及びポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、Tween 80)が挙げられる。使用されるポリソルベートの種類、又は使用されるポリソルベートの組合せは、異なるポリソルベートが分子サイズに起因して異なる属性を提供するため、所望の意図する効果に依存する。例えば、ポリソルベート分子は、ポリソルベート20からポリソルベート80にサイズが増大する。比較的小さいサイズのポリソルベート分子を使用すると、蒸気量は少なくなるが、肺透過が深くなる。これは、ユーザが「煙」(すなわち、蒸気)の大きな上昇流を作り出したくない公共の場にいる際に望ましい場合がある。逆に、タバコの芳香成分を運ぶことができる高密度の蒸気が望まれる場合、比較的大きなポリソルベート分子を使用することができる。ポリソルベートファミリーの化合物を使用することの追加の利点は、ポリソルベートが、それらが存在する混合物の気化熱を低下させることである。
【0142】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上のソルビタンエステルを含む。ソルビタンエステルの例には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート(Span 60)、ソルビタンモノオレエート(Span 20)及びソルビタントリステアレート(Span 65)が挙げられる。
【0143】
脂肪酸、エステル及びワックス
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上の脂肪酸を含む。脂肪酸には、短鎖、長鎖、飽和、不飽和、直鎖又は分岐鎖のカルボン酸が含まれ得る。脂肪酸は、一般に、C4-C28脂肪族カルボン酸を含む。短鎖又は長鎖脂肪酸の非限定的な例には、酪酸、プロピオン酸、吉草酸、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸が挙げられる。
【0144】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上の脂肪酸エステルを含む。脂肪酸エステルの例には、アルキルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが挙げられる。モノグリセリドの例には、モノラウリン及びモノステアリン酸グリセロールが挙げられる。トリグリセリドの例には、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアレート、グリセロールトリブチレート及びグリセロールトリヘキサノエートが挙げられる)。
【0145】
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上のワックスを含む。ワックスの例には、エアロゾル粒子を安定化させるか、嗜好性を改善するか、又は喉の刺激を軽減することが知られているカルナウバ、蜜蝋、キャンデリーラが挙げられる。
【0146】
テルペン
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上のテルペンを含む。本明細書で使用される場合、用語「テルペン」は、イソペンテニルピロリン酸から生合成的に植物によって産生される炭化水素化合物を指す。テルペンの非限定的な例には、リモネン、ピネン、ファルネセン、ミルセン、ゲラニオール、フェンネル及びセンブレンが挙げられる。
【0147】
糖アルコール
いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料は、1つ以上の糖アルコールを含む。糖アルコールの例には、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト及びキシリトールが挙げられる。糖アルコールは、特定の香味化合物、例えば、メントール及び他の揮発性物質に対する香味増強剤としても役立ち、一般に、得られたエアロゾルの口当たり、触感、喉の衝撃、及び他の感覚特性を改善し得る。
【0148】
基材の形態
基材の形態は、変化し得る。いくつかの実施形態では、基材は、微粒子形態、細断形態、フィルム形態、紙加工シート形態(paper process sheet form)、流延シート形態、ビーズ形態、粒状ロッド形態又は押出物形態である。様々な実施形態では、基材の形態は、ゲル、細断片、フィルム、懸濁液、押出物、削り屑、カプセル及び/又は粒子(ペレット、ビーズ、細片、又は様々な大きさの任意の所望の粒子形状を含む)並びにその組合せを含み得る。
【0149】
エアロゾル生成コンポーネントを製造する方法
別の態様では、本明細書に開示される基材を含むエアロゾル生成コンポーネントを製造する方法が提供される。該方法は、一般に、約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤と少なくとも1つの結合剤とを含む基材を作製することを含む。エアロゾル形成材料は、本明細書で以下にさらに説明されるように、開示された調製方法のいずれかによる基材の形成中に加えられてもよいか、基材の形成後に加えられてもよいか、又はその組合せであってよい。本開示の基材は、所望の形態に応じて、流延シート及び粒状押出などの様々な方法及び工程によって調製されてもよく、その各々は本明細書で以下にさらに記載される。
【0150】
流延シート
いくつかの実施形態では、基材は、基材を平坦シートの形態にする流延シート技術を使用して調製される。調製方法は、一般に、基材の総乾燥重量に基づいて基材混合物約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤と、少なくとも1つの結合剤とを製造すること;基材混合物を支持面上に流延すること;基材混合物を固化させて、基材を形成すること;及びエアロゾル生成装置に挿入するように構成された複数の縮小部分に基材を縮小することを含む。例えば、いくつかの実施形態では、任意にエアロゾル形成材料を含む、本明細書に開示される基材成分を一緒にブレンドしてスラリーを形成してもよく、これを表面(例えば、移動ベルトなど)に流延してもよい。次いで、流延されたスラリーは、結果が比較的一定した厚さの流延シートとなるように、1つ以上の乾燥及び/又はドクタリング工程を経てもよい。流延及び製紙技術の他の例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるKeritsisらの米国特許第4,674,519号、Clappらの米国特許第4,941,484号、Youngらの米国特許第4,987,906号、Kiernanらの米国特許第4,972,854号、Youngらの米国特許第5,099,864号、Sohnらの米国特許第5,143,097号、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号、Brinkleyらの米国特許第5,322,076号、Youngらの米国特許第5,339,838号、Litzingerらの米国特許第5,377,698号、Youngの米国特許第5,501,237号及びKumarの米国特許第6,216,706号に記載されている。
【0151】
いくつかの実施形態では、基材は、平坦シート形態である。いくつかの実施形態では、平坦シートは、例えば、
図3に示すように、平坦シート120の一連の重なり合う層130に積層される。いくつかの実施形態では、平坦シートは、束ねられた、しわくちゃの、捲縮された、及び/又は他の方法で集められた層であってよい。いくつかの実施形態では、平坦シートは、エアロゾル送達装置の基材含有セグメントに挿入するための切断されたラグ又は細片にさらに縮小されてもよい。平坦シートはまた、エアロゾル送達装置の基材含有セグメントに挿入するためのロッドになるように集められてもよいか、又は巻かれてもよい。
【0152】
いくつかの流延シートの実施形態では、結合剤は、アルジネートを含む。したがって、特定の実施形態では、該方法は、第1の混合タンク内で水にアルジネート(例えば、アルギン酸ナトリウム又はアルギン酸アンモニウム)を水和させて、水和アルジネート溶液を形成すること;第2の混合タンク内で、グリセロール中で炭酸カルシウムを混合して炭酸カルシウム-グリセロールスラリーを作成すること;炭酸カルシウム-グリセロールスラリーを保持する第2の混合タンクに、水和アルジネート溶液を移送すること;水和アルジネート溶液と炭酸カルシウムスラリーとを混合して、最終スラリーを形成すること;基材混合物を支持面上に流延すること;基材混合物を固化させて、基材を形成すること;及び任意に、エアロゾル生成装置に挿入するように構成された複数の縮小部分に基材を縮小することを含む。
【0153】
混合時間及び混合速度は、特定の用途に合わせて変化させることができる。様々な混合工程は、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーに対して中程度及び/又は可変速度(例えば、約50~500RPM、例えば、約75~150RPM)であり得、約5分~60分、例えば、約15分~45分、又は約30分続くことができる。いくつかの実施形態では、グリセロールは、炭酸カルシウムにゆっくり加えられ、約30分間穏やかに混合される(例えば、約50~150RPMの速度で)。いくつかの実施形態では、グリセロールとプロピレングリコールとは、予備混合され、炭酸カルシウムにゆっくり加えられ、約30分間穏やかに混合される(例えば、約50~150RPMの速度で)。
【0154】
いくつかの実施形態では、アルギン酸ナトリウム溶液を水和させることは、中~高速(例えば、約300~約3500RPM、例えば、1000~2500RPM)で混合しながら、約10分~約60分、例えば、約15分~約45分の時間にわたって行われる。場合によっては、アルジネートを水和させること、及び/又はアルジネート-カルシウム-グリセロール混合物を混合することなどの混合することは、真空下で行われる。いくつかの実施形態では、アルジネートは、水にゆっくり加えられ、高剪断混合タンク内で約30~45分間真空下で水和される。
【0155】
いくつかの実施形態では、該方法は、木材パルプを水和アルジネート溶液に混合することをさらに含む。いくつかの実施形態では、木材パルプは、予備精製木材パルプ(<0%Canadian Freeness測定値)である。
【0156】
いくつかの実施形態では、該方法は、米デンプン又は米粉(例えば、天然又は修飾、例えば、アルファ化された)を炭酸カルシウムに混合することをさらに含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、該方法は、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーにタバコ抽出物粉末及びメントール香味を加えること、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーにニコチンを加えること、又はその両方をさらに含み得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、基材混合物を流延することは、約1~3mmのギャップ開口部に設定された流延ナイフを使用して、基材混合物の最終スラリーを支持面上に流延することを含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、基材溶液を固化させることは、加熱によって流延された基材混合物を乾燥させることを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、基材を縮小することは、基材を細片に切断することを含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、該方法は、支持面から基材を取り除くこと;任意に、形成された基材を乾燥させること;基材をボビンに巻き取ること;及び基材を容器内に封止することをさらに含む。
【0162】
押出
いくつかの実施形態では、基材は、押出技術を使用して調製される。調製方法は、一般に、基材の総乾燥重量に基づいて約60%乾燥重量以上の1つ以上の充填剤であって、炭酸カルシウムが、1つ以上の充填剤の乾燥重量で少なくとも約80%を構成する、充填剤と、少なくとも1つの結合剤とを含む基材混合物を製造すること;及び押出、マルメライズ、球形化又はその組合せのうちの少なくとも1つを介して、任意にエアロゾル形成材料を含む基材混合物から、基材を形成することを含む。粒状押出配合物は、例えば、代替又は追加の結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース又はその組合せなどのセルロース誘導体)がその中で使用され得ることを除いて、流延シート配合物のものと同様であり得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、基材混合物を製造することは、プラウミキサ(plough mixer)内で、グリセロール中で炭酸カルシウムを混合して、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーを作成すること;容器内でカルボキシメチルセルロースを水と混合して、カルボキシメチルセルローススラリーを作成すること;カルボキシメチルセルローススラリーを炭酸カルシウム-グリセロールスラリーに加えること;及びカルボキシメチルセルローススラリーと炭酸カルシウム-グリセロールスラリーとを所定の時間量にわたって混合して、最終的な基材混合物を形成することを含む。いくつかの実施形態では、所定の時間量は、約10~60分の範囲である。
【0164】
いくつかの実施形態では、該方法は、米デンプン又は米粉(例えば、天然又は修飾、例えば、アルファ化された)を炭酸カルシウムに混合することをさらに含む。
【0165】
他の実施形態では、基材混合物を製造することは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルセルロースをグリセリンと混合して、セルロース-グリセリンスラリーを形成すること;セルロース-グリセリンスラリーをプラウミキサ内で炭酸カルシウムに加えること;並びにセルロース-グリセリンスラリーと炭酸カルシウムとを所定の時間量にわたって混合して、最終的な基材混合物を形成することを含む。いくつかの実施形態では、所定の時間量は、約10~60分の範囲である。様々な実施形態では、混合時間(例えば、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーを混合するために)は、約10分~60分、例えば、約15分~45分、又は約20分~30分であり得る。混合速度は、約50RPMから500RPM、例えば、約75RPMから150RPM、又は約100RPMまで変化し得る。カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び/又はヒドロキシプロピルセルロース-グリセロールスラリーを混合するために、混合時間は、10分~60分、例えば、約15分~45分、又は約30分~45分の範囲であり得る。混合速度は、約400RPMから3500RPM、例えば、約1000RPMから2500RPM、又は約1500から2500RPMまで変化し得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、該方法は、米デンプン又は米粉(例えば、天然又は修飾、例えば、アルファ化された)を炭酸カルシウムに混合することをさらに含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、該方法は、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーにタバコ抽出物粉末及びメントール香味を加えること、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーにニコチンを加えること、又はその両方をさらに含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、基材は、記載された方法に従って調製されるが、カルボキシメチルセルロース(CMC)は存在しない。
【0169】
いくつかの実施形態では、円形若しくは卵形のビーズ、又は毛髪状ロッドを製造するために、基材混合物が球形化又はマルメライズに供されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、該方法は、基材混合物を分割すること;基材混合物の一部を押出機に移送して、基材混合物のロッドを形成すること;押し出されたロッドの少なくとも一部をマルメライザに移送して、基材混合物の丸みを帯びたビーズを形成すること;及びロッド、丸みを帯びたビーズ又はその組合せを凝集させる工程をさらに含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、基材は、複数の大きさ及び/又は成形された基材片を提供するために、押出、それに続く切断又はサイジングによって調製され得る。押出配合物は、例えば、さらに別の結合剤、又は結合剤の組合せ(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体の組合せ)がその中で使用され得ることを除いて、粒状押出配合物のものと同様であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの結合剤は、HPCとHPMCとの組合せを含むか、又はHPCとHPMCとの組合せである。驚くべきことに、HPCとHPMCとの組合せは、押出方法では特に有用であり、例えば、中心孔を有する押出基材の所望の形状及び整合性を維持することが分かった。いくつかの実施形態では、HPC対HPMCの重量比は、少なくとも約1:1、例えば、約1:1~約5:1、約2:1~約4:1、又は約3:1である。
【0171】
いくつかの実施形態では、該方法は、基材混合物を押出機に移送すること;押出機に水を導入して、基材混合物の混練、混合及び可塑化を容易にすること;基材混合物を押し出して、成形された基材を形成すること;並びに成形された基材を切断して、様々な大きさ及び形状の複数の基材片を形成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、該方法は、複数の基材片の少なくとも一部を凝集させて、単一基材を形成することをさらに含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、基材は、押出形態を有することができる。いくつかの実施形態では、基材は、略円筒形状に形成される。いくつかの実施形態では、基材は、中央オリフィスを含んでもよい。他の実施形態では、中央オリフィスは存在しない。
図5A~
図5Dは、非限定的な基材押出物の実施形態の斜視概略図を示す。
図5Aを参照すると、略円筒形状の押出形態の基材の非限定的な描写が提供される。いくつかの実施形態では、押出物は、溝付き表面、中央オリフィス又はその両方を有する。
図5Bは、略円筒形状を有し、中央オリフィスを有する押出形態の基材の非限定的な実施形態を示す。
図5Cは、略円筒形状、中央オリフィス及び溝付き表面を有する押出形態の基材の非限定的な実施形態を示す。複数の溝が、押出基材の第1の端部から押出基材の対向する第2の端部まで長手方向に延在する。図示される実施形態では、基材の溝は、幅及び深さが実質的に等しく、基材の円周の周りに実質的に等しく分布しているが、他の実施形態は、わずか2つの溝を含んでもよく、さらに他の実施形態は、わずか1つの溝を含んでもよい。追加の実施形態は、幅及び/又は深さが等しくなくてよく、基材の円周の周りに不均等に離隔され得る複数の溝を含み得る。いくつかの実施形態では、基材は、押し出され得るか又は流延され得るシートの形態である。シートの実施形態の1つの非限定的な例示は、長方形の平坦な実施形態を示す
図5Dに提供されている。
【0173】
基材充填
様々な実施形態では、基材は、基材材料の調製中、基材材料の形成後、又はその両方で基材にエアロゾル形成材料を含浸させることによってエアロゾル形成材料と結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル形成材料の一部(例えば、グリセロール又はプロピレングリコール)は、例えば、シートの作製中に基材を形成するために使用されるスラリーに加えられ、エアロゾル形成材料の第2の部分(例えば、グリセロール又はプロピレングリコール)は、トップドレッシング(例えば、噴霧によって)としてシートに加えられて、エアロゾル形成材料を担持する基材を形成する。他の実施形態では、エアロゾル形成材料の全体が、基材の作製中に基材を形成するために使用されるスラリーに加えられる。いくつかの実施形態では、さらなるエアロゾル形成材料を基材形成スラリーに加えることによって、又は基材へのトップドレッシングとして、さらなるエアロゾル形成材料を基材内又は基材上に含浸させてもよい。当業者には理解されるように、特定の基材材料、形態などに応じて、基材にエアロゾル形成材料を充填するための方法の複数の置換が可能である。したがって、本明細書では任意のそのような改変が企図される。
【0174】
エアロゾル送達装置
本明細書に記載されるように、別の態様では、本明細書に開示されるエアロゾル生成コンポーネントと、基材部分に担持されたエアロゾル形成材料を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源と、エアロゾル生成コンポーネントからエアロゾル送達装置の吸い口端まで延在するエアロゾル経路とを含むエアロゾル送達装置が提供される。
【0175】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント及び制御本体は、一般に、完全な喫煙品又は医薬品送達物品として一緒に提供され得るが、この構成要素は、別個に提供されてもよい。例えば、本開示はまた、再使用可能な喫煙品又は再使用可能な医薬品送達物品とともに使用するための使い捨てユニットを包含する。特定の実施形態では、そのような使い捨てユニット(添付の図に示されるようなエアロゾル生成コンポーネントであり得る)は、再使用可能な喫煙品又は医薬品送達物品と係合するように構成された被加熱端を有する実質的に管状の本体と、消費者に対して吸入可能な物質が通過することを可能にするように構成された反対側の吸い口端と、内部空間を画定する外面及び内面を有する壁とを含み得る。エアロゾル生成コンポーネント(又はカートリッジ)の様々な実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号に記載されている。
【0176】
本明細書に記載されるいくつかの図は、動作関係にある制御本体及びエアロゾル生成コンポーネントを示しているが、制御本体及びエアロゾル生成コンポーネントは、個別の装置として存在し得ることを理解されたい。したがって、組み合わせた構成要素に関して本明細書で他に提供されるいかなる説明も、個別及び別個の構成要素としての制御本体及びエアロゾル生成コンポーネントに適用されるものとして理解されるべきである。
【0177】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載される様々な構成要素を提供するキットを対象とし得る。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル生成コンポーネントを有する制御本体を含み得る。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに含み得る。キットは、1つ以上の電池を有する制御本体をさらに含み得る。キットは、1つ以上のエアロゾル生成コンポーネント及び1つ以上の充電構成要素並びに/又は1つ以上の電池を有する制御本体をさらに含み得る。さらなる実施形態では、キットは、複数のエアロゾル生成コンポーネントを含み得る。キットは、複数のエアロゾル生成コンポーネント及び1つ以上の電池並びに/又は1つ以上の充電構成要素をさらに含み得る。上記の実施形態では、エアロゾル生成コンポーネント又は制御本体は、それらに含まれる加熱部材を備えていてもよい。本発明のキットは、追加のキット構成要素のうちの1つ以上を収容するケース(又は他の梱包、輸送若しくは保管構成要素)をさらに含み得る。ケースは、再使用可能なハードコンテナ又はソフトコンテナであってよい。さらに、ケースは、単なる箱又は他の梱包構造であってよい。
【0178】
図6は、本開示の別の例示的な実施形態によるエアロゾル生成コンポーネントの斜視図を示し、
図7は、外側ラップが取り外された状態の
図6のエアロゾル生成コンポーネントの斜視図を示す。特に、
図6は、外側ラップ202を含むエアロゾル生成コンポーネント200を示し、
図7は、エアロゾル生成コンポーネント200の他の構成要素を露出させるために外側ラップ202が取り外されたエアロゾル生成コンポーネント200を示す。図示される実施形態では、図示される実施形態のエアロゾル生成コンポーネント200は、熱源204、基材部分210、中間構成要素208及びフィルタ212を含む。図示される実施形態では、中間構成要素208及びフィルタ212は、ともにマウスピース214を含む。
【0179】
本開示によるエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル生成コンポーネントは、以下に詳細に説明するように、様々な実施形態をとり得るが、消費者によるエアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル生成コンポーネントの使用の範囲は同様である。エアロゾル送達装置及び/又はエアロゾル生成コンポーネントの使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかである軽微な変更を介して、記載される様々な実施形態に適用可能である。ただし、使用の説明は、本開示の物品の使用を限定することを意図するものではなく、本明細書の開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
【0180】
様々な実施形態では、熱源204は、その点火時に熱を生成するように構成され得る。図示される実施形態では、熱源204は、略円筒形状を有し、可燃性炭素質材料を組み込んだ可燃性燃料要素を含む。他の実施形態では、熱源204は、異なる形状、例えば、三角形、立方体又は六角形の断面を有するプリズム形状を有し得る。炭素質材料は、一般に、高い炭素含量を有する。特定の例示的な炭素質材料は、主に炭素から構成され得、及び/又は典型的には、乾燥重量基準で約60パーセント超、一般に約70パーセント超、多くの場合約80パーセント超、頻繁に約90パーセント超の炭素含量を有し得る。
【0181】
場合によっては、熱源204は、可燃性炭素質材料以外の要素(例えば、本明細書で上述した、粉末タバコ又はタバコ抽出物などのタバコ成分;香味剤;塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸ナトリウムなどの塩;熱安定性黒鉛繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア塩などのアンモニア源;グアーガム、アルギン酸アンモニウム及びアルギン酸ナトリウムなどの結合剤;並びに/又は熱源の温度を低下させるための相変化材料)を組み込んでいてもよい。適用可能な熱源の特定の寸法は変動し得るが、いくつかの実施形態では、熱源204は、約7mm~約20mmの包括的範囲内の長さを有し得、いくつかの実施形態では、約17mm、及び約3mm~約8mmの包括的範囲内の全体径であり得、いくつかの実施形態では、約4.8mm(及びいくつかの実施形態では、約7mm)であり得る。他の実施形態では、熱源は様々な方法で構築され得るが、図示される実施形態では、熱源204は、粉砕又は粉末化された炭素質材料を使用して押し出されるか又は配合され、乾燥重量基準で約0.5g/cm3超、多くの場合約0.7g/cm3超、頻繁に約1g/cm3超の密度を有する。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRiggsらの米国特許第5,551,451号及びBorschkeらの米国特許第7,836,897号に記載されている燃料源構成要素、配合物及び設計の種類を参照されたい。様々な実施形態では、熱源は、例えば、実質的に中実の円筒形状、又は中空円筒(例えば、管)形状を含む様々な形態を有し得るが、図示される実施形態の熱源204は、略円筒形状を有するが、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から押出モノリシック炭素質材料の対向する第2の端部まで長手方向に延在する複数の溝216を有する押出モノリシック炭素質材料を含む。いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置、特に熱源は、熱伝達部品を含んでもよい。様々な実施形態では、熱伝達部品は熱源に近接していてもよく、いくつかの実施形態では、熱伝達部品は熱源内に配置されてもよい。熱伝達部品のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHejaziらの米国特許出願公開第2019/0281891号に記載されている。
【0182】
図示される実施形態では、熱源204の溝216は、幅及び深さが実質的に等しく、熱源204の円周の周りに実質的に等しく分布しているが、他の実施形態は、わずか2つの溝を含んでもよく、さらに他の実施形態は、わずか1つの溝を含んでもよい。さらに他の実施形態は、溝を全く含まなくてもよい。追加の実施形態は、幅及び/又は深さが等しくなくてよく、熱源の円周の周りに不均等に離隔され得る複数の溝を含み得る。さらに他の実施形態では、熱源は、押出モノリシック炭素質材料の第1の端部から、対向するその第2の端部まで長手方向に延在するフルート及び/又はスリットを含み得る。いくつかの実施形態では、熱源は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLobovskyの米国特許第7,615,184号に開示されている種類の発泡工程で形成された発泡炭素モノリスを含み得る。したがって、いくつかの実施形態は、熱源を点火するのにかかる時間の短縮に関して利点を提供し得る。いくつかの他の実施形態では、熱源は、断熱材の層(図示せず)と共押し出しされ、それにより、製造時間及び費用を削減し得る。燃料要素の他の実施形態は、Brooksらの米国特許第4,922,901号に記載されている種類の炭素繊維、又はTakeuchiらの米国特許出願公開第2009/0044818号に開示されているような他の熱源の実施形態を含み、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0183】
一般に、熱源からエアロゾル形成材料への熱の適用によって形成される/揮発するエアロゾル(及びユーザへの送達のために同様に提供される任意の香味料、薬剤など)がマウスピースを介してユーザに送達可能であるように、熱源は、1つ以上のエアロゾル形成材料を担持する基材部分の十分近くに配置される。すなわち、熱源が基材部分を加熱すると、消費者による吸入に適した物理的形態でエアロゾルが形成、放出又は生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)又は放出された(released)への言及が、形成する又は生成する(form or generate)、形成する又は生成する(forming or generating)、形成する又は生成する(forms or generates)及び形成された又は生成された(formed or generated)を含むように交換可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気若しくはエアロゾル又はそれらの混合物の形態で放出される。
【0184】
図6及び
図7に戻って参照すると、外側ラップ202は、熱源204の少なくとも一部を基材部分210、及びマウスピース214の少なくとも一部と係合させるか、又は接合するように設けられてもよい。様々な実施形態では、外側ラップ202は、任意の方法、例えば、接着剤又は止め具を介して巻き付け位置に保持されて、外側ラップ202が巻き付け位置に留まることを可能にするように構成される。そうでなければ、いくつかの他の態様では、外側ラップ202は、所望により取り外し可能であるように構成され得る。例えば、外側ラップ202を巻き付け位置に保持すると、外側ラップ202を熱源204、基材部分210及び/又はマウスピース214から取り外すことができ得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置はまた、外側ラップ202に加えて、基材部分210、及び熱源204の少なくとも一部を囲むように構成されたライナを含んでもよい。他の実施形態では、ライナは、基材部分210の長さの一部のみを囲んでもよいが、いくつかの実施形態では、ライナは、基材部分210の実質的に全長を囲んでもよい。いくつかの実施形態では、外側ラップ材料202は、ライナを含んでもよい。したがって、いくつかの実施形態では、外側ラップ材料202とライナとは、一緒に設けられる(例えば、接着される、融合される、又はその他の方法で積層としてともに接合される)別個の材料であり得る。他の実施形態では、外側ラップ202及びライナは、同じ材料であってよい。いずれの場合も、ライナは、ライナの半径方向外側で、点火された熱源204によって生成された熱の伝導を熱的に調整するように構成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ライナは、金属箔材料、合金材料、セラミック材料若しくは他の熱伝導性非晶質炭素系材料、及び/又はアルミニウム材料から構築され得、いくつかの実施形態では、積層体を含み得る。いくつかの実施形態では、外側ラップ202及び/又はライナの材料に応じて、断熱材の薄い層がライナの半径方向外側に設けられてもよい。したがって、ライナは、いくつかの態様では、有利には、エアロゾル生成コンポーネント200の2つ以上の別個の構成要素(例えば、熱源204、基材部分210、及び/又はマウスピース214の一部など)と係合する方法を提供しながら、それに沿った軸方向の熱伝達を容易にするが、半径方向外側への熱伝導を制限する方法も提供し得る。
【0186】
図6に示すように、外側ラップ202(並びに必要に応じて、ライナ及び基材部分210)はまた、マウスピース214を吸引すると空気が入ることを可能にする、外側ラップを貫通して形成された1つ以上の開口部を含んでもよい。様々な実施形態では、これらの開口部の大きさ及び数は、特定の設計要件に基づいて変化し得る。図示される実施形態では、複数の開口部220が、熱源204に最も近い基材部分210の端部に近接して配置され、複数の別個の冷却開口部221が、マウスピース214のフィルタ212に近接する領域内の外側ラップ202(及びいくつかの実施形態では、ライナ)に形成される。他の実施形態は異なっていてもよいが、図示される実施形態では、開口部220は、エアロゾル生成コンポーネント200の外面の周りに実質的に均等に離隔された複数の開口部を含み、開口部221も、エアロゾル生成コンポーネント200の外面の周りに実質的に均等に離隔された複数の開口部を含む。様々な実施形態では、複数の開口部は、様々な方法で外側ラップ202(及びいくつかの実施形態では、ライナ)を貫通して形成されてもよいが、図示される実施形態では、複数の開口部220及び複数の別個の冷却開口部221は、レーザ穿孔によって形成される。
【0187】
図7に戻って参照すると、図示される実装形態のエアロゾル生成コンポーネント200はまた、中間構成要素208及び少なくとも1つのフィルタ212を含む。様々な実装形態では、中間構成要素208又はフィルタ212は、個別に又は一緒に、エアロゾル生成コンポーネント200のマウスピース214と見なされ得ることに留意されたい。様々な実装形態では、中間構成要素もフィルタも含まれる必要はないが、図示される実装形態では、中間構成要素208は、その長手方向軸に沿って実質的に非可撓性である実質的に剛性の部材を含む。図示される実装形態では、中間構成要素208は、中空管構造を含み、エアロゾル生成コンポーネント200に構造的完全性を付加し、生成されたエアロゾルを冷却するために含まれる。いくつかの実装形態では、中間構成要素208は、エアロゾルを収集するための容器として使用され得る。様々な実装形態では、そのような構成要素は、様々な材料のいずれかから構築され得、1つ以上の接着剤を含み得る。例示的な材料には、限定するものではないが、紙、紙層、板紙、プラスチック、段ボール及び/又は複合材料が含まれる。図示される実装形態では、中間構成要素208は、紙又はプラスチック材料(例えば、エチルビニルアセテート(EVA)、又は他のポリマー材料、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーンなど、又はセラミック(例えば、炭化ケイ素、アルミナなど)、又は他のアセテート繊維など)から構築される中空円筒形要素を含み、フィルタは、ガス透過性材料(例えば、酢酸セルロース若しくは繊維、例えば、紙若しくはレーヨン、又はポリエステル繊維など)から構築された充填ロッド又は円筒形ディスクを含む。
【0188】
上述したように、いくつかの実装形態では、マウスピース214は、マウスピース214に加えられた吸引に応答して、それを通してエアロゾルを受容するように構成されたフィルタ212を含み得る。様々な実装形態では、フィルタ212は、いくつかの態様では、中間構成要素208の第2の端部に近接して半径方向及び/又は長手方向に配置された円形ディスクとして設けられる。このように、マウスピース214を吸引すると、フィルタ212は、エアロゾル生成コンポーネント200の中間構成要素208を通って流れるエアロゾルを受容する。いくつかの実装形態では、フィルタ212は、個別のセグメントを含み得る。例えば、いくつかの実装形態は、濾過を提供するセグメント、引き込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルが冷却するための空間を提供する中空セグメント、構造的完全性を高めるセグメント、他のフィルタセグメント、及び上記のいずれか1つ又は任意の組合せを含み得る。いくつかの実装形態では、フィルタ212は、追加的又は代替的に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRakerらの米国特許第5,025,814号に記載されているようなタバコ含有材料のストランドを含有し得る。
【0189】
様々な実装形態では、中間構成要素208及び/又はフィルタ212の大きさ及び形状は変化してもよく、例えば、中間構成要素208の長さは、約10mm~約30mmの包括的範囲内であってよく、中間構成要素208の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲内であってよく、フィルタ212の長さは、約10mm~約20mmの包括的範囲内であってよく、フィルタ212の直径は、約3mm~約8mmの包括的範囲内であってよい。図示される実装形態では、中間構成要素208は、約20mmの長さと約4.8mm(及びいくつかの実装形態では、約7mm)の直径とを有し、フィルタ212は、約15mmの長さと約4.8mm(又はいくつかの実装形態では、約7mm)の直径とを有する。
【0190】
様々な実装形態では、熱源204の点火は、基材部分210に結合されたエアロゾル形成材料のエアロゾル化をもたらす。ある特定の実施形態では、基材部分210の要素は、著しく熱分解(例えば、炭化、焦げ付き、又は燃焼)せず、エアロゾル化された成分は、フィルタ212を含むエアロゾル生成コンポーネント200を通って、ユーザの口に引き込まれる空気に取り込まれる。様々な実装形態では、マウスピース214(例えば、中間構成要素208及び/又はフィルタ212)は、ユーザによってマウスピース214に加えられた吸引に応答して、生成されたエアロゾルを、それを通して受容するように構成される。いくつかの実装形態では、マウスピース214は、基材部分210に固定的に係合されてもよい。例えば、接着剤、ボンド、溶接などが、マウスピース214を基材部分210に固定的に係合させるのに好適であり得る。一例では、マウスピース214は、基材部分210の端部に超音波溶接及び封止される。
【0191】
上記の説明及び関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更及び他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。
【実施例】
【0192】
本発明の態様は、本発明の特定の態様を説明するために記載され、その限定として解釈されるべきではない以下の実施例によってさらに完全に説明される。
【0193】
[実施例1]流延シート基材の実施形態
表1に示す処方に従って、本開示の流延シート基材の実施形態の一例を調製した。アルギン酸ナトリウムを水にゆっくり加え、高剪断混合タンク内で、30分間真空下で水和させた。別個の混合タンク内で、炭酸カルシウムをグリセロールにゆっくり加え、次いで、30分間穏やかに混合し、スラリーを形成した。次いで、水和アルジネートを炭酸カルシウムスラリータンクに移し、両方を中程度の混合速度及び真空下でさらに30分間混合して、最終スラリーを得た。次いで、1~3mmのギャップ開口部に設定した流延ナイフを使用して、幅22インチのステンレス鋼コンベヤベルト上に最終スラリーを流延した。続いて、複数の加熱ゾーン(例えば、80~100℃の範囲)を含む200フィートの対流トンネル乾燥機を通してフィルムを搬送することによって、流延材料又はフィルムを平坦シートになるように乾燥させた。平坦シートをボビン上に最終的に巻き付け、輸送中の吸湿及びブロッキングを防止するためにポリエチレン袋に真空密封した。その後、ボビンを巻き出し、シートを細片に切断した(例えば、約25~20カット/平方インチ)。
【0194】
[実施例2]流延シート基材の実施形態
表1に示す処方に従って、本開示の流延シート基材の実施形態の別の例を調製した。実施例2は、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーにタバコ抽出物粉末及びメントール香味を加え、次いで、これをさらに30分間混合したことを除いて、実施例1について概説したのと同様の方法で製造した。
【0195】
[実施例3]流延シート基材の実施形態
表1に示す処方に従って、本開示の流延シート基材の実施形態の別の例を調製した。実施例3は、アルギン酸ナトリウムをアルギン酸アンモニウムに置き換え、タバコ抽出物をニコチンに置き換えたことを除いて、実施例2について概説したのと同様の方法で製造した。実施例3には、木材パルプの導入(例えば、平坦シートの引張強度を増大させるために)、及びグリセロールへのプロピレングリコールの添加も含めた。ゼロ濾水度の予め作製された木材パルプを水和アルジネートに加え、30分間混合した後、炭酸カルシウム-グリセロールスラリーに加えた。
【0196】
【0197】
[実施例4]押出基材(粒状ロッド及びビーズ)
表2に示す処方に従って、粒状ロッド又はビーズの形態の本開示の押出基材の実施形態の例を調製した。炭酸カルシウムを秤量し、精密プラウミキサ(B&P Littleford。モデルFM130D)に移し、グリセロールを加え、混合物を100rpmで10分間混合した。ミキサを停止させ、次いで、予め作製されたカルボキシメチルセルロースのスラリーを加え、内容物を100rpmでさらに20分間混合した。ピッチ付きフォークプロペラを使用して容器内でカルボキシメチルセルロースを水と混合することによって、予め作製されたスラリーを調製した。これを30分間行った。炭酸カルシウム-グリセロールスラリーとカルボキシメチルセルローススラリーとを20分間混合した後、精密プラウミキサからの内容物を小分けし、マルチグレイン(multi grain)押出機(Fuji Paudel Co.Ltd.モデルMG-55-1)に移した。2~3mmのドゥームド(doomed)スクリーンダイを通して塊を押し出し、マルチグレイン(毛髪状)形状のロッドを得た。続いて、ロッド(又はその少なくとも一部)を実験用マルメライザ(Fuji Paudal Co.Ltd.モデルQJ-230T-2)に移した。
【0198】
マルメライザの回転ボウルを使用して、ロッドを、丸みを帯びたビーズに再成形した。続いて、ビーズを流動床凝集装置(Flo-Coater、Vector Corporation)に移し、最後に60~70℃の加熱空気を用いて水分10%まで乾燥させた。マルメライザに移さなかった押出ロッドの一部も移し、続いて、流動床凝集装置を使用して乾燥させた。
【0199】
[実施例5]押出基材(粒状ロッド及びビーズ)
表2に示す処方に従って、粒状ロッド又はビーズの形態の本開示の押出基材の実施形態の別の例を調製した。実施例5は、炭酸カルシウムの一部を米デンプン/米粉に置き換えたことを除いて、実施例4について概説したのと同様の方法で製造した。
【0200】
[実施例6]押出基材(粒状ロッド及びビーズ)
表2に示す処方に従って、粒状ロッド又はビーズの形態の本開示の押出基材の実施形態の別の例を調製した。実施例6は、タバコ抽出物及びミント液香料をグリセロールと混合したことを除いて、実施例5と同様の方法で製造した。
【0201】
【0202】
[実施例7]押出基材(様々な形状)
表3に示す処方に従って、様々な形状の本開示の押出基材の実施形態の例を調製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とヒドロキシプロピルセルロース(HPC)とをHobartミキサ内でグリセリンと20分間混合した。次いで、プレミックスをモデルFM 130 D Littleford精密プラウミキサ内の炭酸カルシウムに加え、100rpmで30分間混合した。30分後、プラウミキサ内容物を、ツインスクリューモデルZSK-25 Coperion押出機とインラインでK-Tronホッパーに移した。続いて、ホッパー内容物を11のバレルセクション(80~100℃)から構成された押出機に供給し、75rpmのスクリュー速度で運転した。押出物の第2のバレルに水を供給して、生地の混練、混合及び可塑化を容易にした。
【0203】
形状金型(平坦シート、中実ロッド、中心孔又は内部開口と溝付き縁部とを有するロッド、溝付き外縁部を有するロッド)を使用して、様々な成形押出物を作製した。平坦シートを除いて、他の押出物を金型から出す際に切断し、赤外線トンネル乾燥機(モデルProj 0115、Glenroe Integrated Energy Delivery Systems)を使用して水分約10~12%まで直ちに乾燥させた。
【0204】
[実施例8]押出基材(様々な形状)
表3に示す処方に従って、様々な形状の本開示の押出基材の実施形態の別の例を調製した。実施例8は、炭酸カルシウムの一部を米デンプン/米粉に置き換えたことを除いて、実施例7に概説したのと同様の方法で製造した。
【0205】
[実施例9]押出基材(様々な形状)
表3に示す処方に従って、様々な形状の本開示の押出基材の実施形態の別の例を調製した。実施例9は、タバコ抽出物粉末及びミント香料をグリセリンと混合した後、グリセリンをHobartミキサ内でHPMC及びHPCに加えたことを除いて、実施例8に概説したのと同様の方法で製造した。
【0206】
【0207】
[実施例10]エアロゾル形成特性
平坦流延シート基材の実施形態(実施例1及び2)及び押出基材の実施形態(実施例7;中実ロッド、及び中心孔を有するロッド、それぞれ外面の周りに5つの溝を有する)のエアロゾル形成特性(総粒子状物質;TPM)を、市販の加熱式(HNB)装置で評価し、参照(対照)基材(市販のHNB装置を備える;Eclipse流延シート基材)に関する様々な時点でのTPM値と比較した。対照基材は、タバコを含み、本発明の基材よりも多くのグリセリンを含有する流延シートであった。したがって、理論的には、対照基材の方が多くのエアロゾル形成材料を揮発させることができ、さらに高いTPM値を提供することが予測される。55ml、3秒間の方形波吸煙を使用して、0、60、120及び180秒で、ミリグラム単位のTPMを決定した。驚くべきことに、結果(
図8)から、本発明の基材の方が、低いエアロゾル形成剤(グリセリン)充填量であっても、対照と比較して同様又は大きいTPM値のいずれかを送達したことが実証された。
【国際調査報告】