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特表2023-544847がんの治療のためのベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン及びチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン誘導体
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  • 特表-がんの治療のためのベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン及びチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン誘導体 図1
  • 特表-がんの治療のためのベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン及びチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン誘導体 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】がんの治療のためのベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン及びチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 239/70 20060101AFI20231018BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231018BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20231018BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20231018BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20231018BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20231018BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20231018BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231018BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
C07D239/70 CSP
A61P35/00
A61K31/517
C07D413/12
C07D495/04 105
A61K31/519
C07D403/12
A61P43/00 111
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521568
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2021077757
(87)【国際公開番号】W WO2022074143
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】20200850.4
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20213590.1
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21165054.4
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522349982
【氏名又は名称】レドナ・セラピューティクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】バイラー,スベン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシェ,ベランジェール
(72)【発明者】
【氏名】リシャレ,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ライネルト,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ラディメルスキ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】アロイア,アンドレア
【テーマコード(参考)】
4C063
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC31
4C063CC51
4C063CC52
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD31
4C063EE01
4C071AA01
4C071AA08
4C071BB01
4C071BB05
4C071CC02
4C071CC21
4C071EE13
4C071FF05
4C071GG01
4C071HH17
4C071JJ01
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC45
4C086CB29
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA12
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物
【化1】
及びその薬学的に許容される塩(式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、
【化2】
ここで、#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、ここで、R1、X、R2及びR10は、特許請求の範囲に定義されるとおりである)、ならびに新生物疾患、特に、がんを治療するために当該化合物を使用する方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IA)化合物もしくは式(IB)の化合物
【化1】
またはその薬学的に許容される塩(式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、
【化2】
ここで、#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
または、X-R2は、水素であり、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-または-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルであり、
R4は、水素、-NH、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)であり、
環Pは、1~3個のR5によって任意選択により置換された5~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員の飽和もしくは部分不飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C4アルキル、C1-C4アルキレン-R11、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
各R11は、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する4~7員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
各R8は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)、-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)またはC1-C2アルキルであり、
R9は、水素、C1-C4アルキルまたは-C(=O)-C1-C2アルキルである)。
【請求項2】
前記化合物が式(IA)の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記化合物が式(IB)の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子に接続される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Aが基(A1)である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
Aが基(A2)である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
Xが、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではない、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
R1が、水素もしくはC1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、またはR1が、環Pである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
R1が、水素またはC1-C3アルキレン-R3である、請求項1~7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
R3が、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NHまたは-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)である、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
R3が、1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、ここで、R5は、C1-C4アルキルまたはC1-C4アルキレン-R11である、請求項9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
R3が、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
R2が、水素、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環である、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
Aが、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10が、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbが、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1が、-Y-R3であり、
Yが、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3が、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルであり、
R4が、水素、-NHまたは-NH(CH)であり、
環Pが、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環であり、
各R5が、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R11、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
各R11が、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qが、1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリールであり、
各R6が、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHであり、
R2が、水素、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環であり、
各R7が、独立して、ハロゲン -NHまたは-OHであり、
各R8が、独立して、ハロゲン、-NHまたは-CHであり、
R9が、水素または-CHである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Aが、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)であり、
R10が、クロロまたは-NHであり、
Xが、#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、
Xが、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbが、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1が、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり;
R3が、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、オキサゾリジニル-2-オンまたは1つのR5によって置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、
R5が、C1-C2アルキルまたはC1-C2アルキル-R11であり、
R11が、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2が、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、C1-C4アルキル-R7、1つもしくは2つのR8によって置換された6員の飽和炭素環式環(ここで、少なくとも1つのR8は、-NHであり、Xに対してパラ位にある)、またはピペリジン-4-イルであり、
R7が、フルオロ、-NHまたは-OHであり、
各R8が、独立して、フルオロ、-NHまたは-CHである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記化合物が、式(IAa)の化合物または式(IBa)の化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化3】
(式中、
R10は、クロロまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
R1は、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり;
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、オキサゾリジニル-2-オンまたは1つのR5によって置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、
R5は、C1-C2アルキルまたはC1-C2アルキル-R11であり、
R11は、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、C1-C4アルキル-R7、1つもしくは2つのR8によって置換された6員の飽和炭素環式環(ここで、少なくとも1つのR8は、-NHであり、Xに対してパラ位にある)、またはピペリジン-4-イルであり、
R7は、フルオロ、-NHまたは-OHであり、
各R8は、独立して、フルオロ、-NHまたは-CHであり、
nは、0または1である)。
【請求項17】
前記式(IA)の化合物及び前記式(IB)の化合物が、前記オキシム部分のZ異性体である、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化4】
【請求項18】
前記式(IA)の化合物及び前記式(IB)の化合物が、前記オキシム部分のE異性体である、請求項1~16のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化5】
【請求項19】
前記化合物が、以下の化合物のうちの1つから選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
(6E)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-ベンジルオキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
(6Z)-4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
メチル=3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパノアート;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-1-オール;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[2-(1-ピペリジル)エトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[3-(ジエチルアミノ)プロポキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[2-(ジエチルアミノ)エトキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシエタノール;
4-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]ベンゾニトリル;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-プロパ-2-イノキシイミノ-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシアセトニトリル;
エチル=3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパノアート;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-エトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)メトキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(3-ベンジルオキシプロポキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
4-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシブタンニトリル;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(2-ピロリジン-1-イルエトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-イソブトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
メチル=2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシアセタート;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシアセトアミド;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシ-N-メチル-アセトアミド;
5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[2-(ジメチルアミノ)エトキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸;
(6Z)-6-[(trans-4-アミノシクロヘキシル)メトキシイミノ]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセトアミド;
4-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシブタンニトリル;
N-(2-アミノエチル)-2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ-アセトアミド;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5R)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(5R)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-9-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-7-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン;
(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,9-ジアミン;
(6Z)-7-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-トリメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-クロロ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-クロロ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-[-(1R,3S,4R)-4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキソキシ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(2-アミノエトキシイミノ)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(3-アミノプロポキシイミノ)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
3-[(E)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール;
(6Z)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-アリルオキシイミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-6-アリルオキシイミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルオキシ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-イソプロポキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-イソプロポキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-トリメチル-N8-(4-ピペリジル)ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルメチル)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6-[[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]ピロリジン-2-オン;
(4R)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]ピロリジン-2-オン;
(6Z)-8-[(trans-4-アミノシクロヘキシル)メチル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-[(cis-4-アミノシクロヘキシル)メチル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-1-メチル-ピロリジン-2-オン;
(6Z)-10-フルオロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(2R)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オール;
(2S)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オール;
(6Z)-8-ブロモ-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
3-[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシプロパンニトリル;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(Z)-4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
(E)-4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
2-[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシエタノール;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシエタノール;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-ブロモ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-ヒドロキシエチル)オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-カルボニトリル;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヨード-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(6Z)-N8-(cis-4-アミノシクロヘキシル)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヨード-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-ヒドロキシエチル)オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(8-アセチル-4-アミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4-アミン;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(6Z)-8-(cis-4-アミノ-4-メチル-シクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-6-オン=オキシム;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[2-(トリフルオロメトキシ)エトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(2-フェニルエトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(2-フェノキシエトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[3-(3-ピリジル)プロポキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-エトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(3-メチルスルホニルプロポキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
4-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシ-2,2-ジメチル-ブタンニトリル;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)エトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(4-フルオロブトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(4,4,4-トリフルオロブトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(3,3-ジフルオロブトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;及び
(6Z)-8-(cis-4アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン。
【請求項20】
哺乳動物から選択される対象、特に、ヒトにおける新生物疾患、好ましくは、がんの治療に使用するための、請求項1~19のいずれか1項に定義される式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
哺乳動物から選択される対象、特に、ヒトにおける新生物疾患、好ましくは、がんの治療のための医薬の製造における、請求項1~19のいずれか1項に定義される式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項22】
哺乳動物から選択される対象、特に、ヒトにおける新生物疾患、好ましくは、がんを治療する方法であって、請求項1~19のいずれか1項に定義される式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩を治療上許容される量で前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
請求項1~19のいずれか1項に定義される式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、任意選択により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物。
【請求項24】
式(Int-IA)の化合物もしくは式(Int-IB)の化合物
【化6】
またはその塩(式中、A、X、Ra、Rb及びR2は、請求項1~19のいずれか1項に記載の式(IA)の化合物または式(IB)の化合物について定義されるとおりである)。
【請求項25】
式(Int-IIA)の化合物もしくは式(Int-IIB)の化合物
【化7】
またはその塩(式中、A、Ra、Rb及びR1は、請求項1~19のいずれか1項に記載の式(IA)の化合物または式(IB)の化合物について定義されるとおりであり、Eは、ハロゲンまたは-O-L1であり、-O-L1は、脱離基であり、ここで、L1は、トリフリル(トリフルオロメタンスルホニル)などのペルフルオロアルキルスルホニル及びトシル(p-トルエンスルホニル)またはメシル(メタンスルホニル)などのスルホニルから選択される)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDC2様キナーゼ(CLK)ファミリーを標的とする化合物、及びがんなどの新生物疾患の治療におけるその使用に関する。
【0002】
がんなどの疾患では、そのスプライシング機構の構成要素に繰り返し変異が生じることが報告されている。CLKは、CMGCキナーゼグループに属し、CLK1、2、3及び4の4つのファミリーメンバーがある。CLKは、セリン-アルギニンリッチ(SR)ファミリーのスプライシング因子をリン酸化することにより、選択的スプライシング(AS)を調節する重要な役割を果たすことが知られている。真核生物において、転写物の選択的スプライシングは、重要な調節機構であり、それにより、1つの遺伝子から異なる機能を持つ複数のタンパク質アイソフォームを生成することが可能となる。CLKを介したSRタンパク質のリン酸化は、スペックルから拡散性核質分布パターンへの再分布に関与している(Colwill et al.,EMBO J.1996,15(2):265-75)。SRタンパク質リン酸化は、核内移行、スプライソソームの組み立て、そして最終的には正しいスプライシングのために、特に、エクソンインクルージョンを促進するために、厳密に調節される必要がある。CLKの発現レベルは、多くのがんで上昇することが報告されており、CLK低分子阻害薬が前臨床がん動物モデルで有効であることが記載されている(Yoshida T et al.,Cancer Res.2015,75(7):1516-26;Iwai K et al.,EMBO Mol Med.2018 10(6):e8289;Zhu D et al.,Mol Cancer Ther.2018,17(8):1727-1738)。したがって、CLKの標的化は、例えば、スプライシング因子変異癌に対するがん療法の可能性を与えるものであり、異常なスプライシングを脆弱性及び治療機会として活かす説得力のある論拠がある。
【0003】
第1の態様において、本発明は、式(IA)及び式(IB)の化合物
【0004】
【化1】
【0005】
ならびにその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、
【0006】
【化2】
【0007】
ここで、#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
または、X-R2は、水素であり、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-または-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルであり、
R4は、水素、-NH、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)であり、
環Pは、1~3個のR5によって任意選択により置換された5~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員の飽和もしくは部分不飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C4アルキル(例えば、C1-C2アルキル)、C1-C4アルキレン-R11(例えば、C1-C2アルキレン-R11)、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
各R11は、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する4~7員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
各R8は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)、-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)またはC1-C2アルキルであり、
R9は、水素、C1-C4アルキルまたは-C(=O)-C1-C2アルキルである。
【0008】
更なる一態様において、本発明は、哺乳動物から選択される対象、特に、ヒトにおける新生物疾患の治療に使用するための、式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩を提供する。
【0009】
更なる一態様において、本発明は、哺乳動物から選択される対象、特に、ヒトにおける新生物疾患の治療のための医薬の製造における、式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物及びその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0010】
更なる一態様において、本発明は、哺乳動物から選択される対象、特に、ヒトにおける新生物疾患を治療する方法であって、式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩を、例えば、治療上許容される量で、当該対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0011】
更なる一態様において、本発明は、式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩と、任意選択により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む医薬組成物を提供する。
【0012】
単独であるまたはアルコキシなどのより大きな基の一部であるいずれかの各アルキル部分は、直鎖または分枝鎖である。例としては、メチル、エチル、n-プロピル、プロパ-2-イル、n-ブチル、ブタ-2-イル、2-メチル-プロパ-1-イルまたは2-メチル-プロパ-2-イルが挙げられる。
【0013】
単独であるまたはより大きな基の一部であるいずれかの各アルキレン部分は、直鎖または分枝鎖であり、例えば、-CH-、-CH-CH-、-CH(CH)-、-CH-CH-CH-、-CH(CH)-CH-、-CH(CHCH)-または-CHCH(CH)CH-である。
【0014】
単独であるまたはアルケニルオキシなどのより大きな基の一部であるいずれかの各アルケニル部分は、直鎖または分枝鎖である。各部分は、(E)配置または(Z)配置のいずれかであり得る。例としては、ビニル及びアリルが挙げられる。
【0015】
単独であるまたはアルケニルオキシなどのより大きな基の一部であるいずれかの各アルケニレン部分は、直鎖または分枝鎖であり、例えば、-CH-CH=CH-である。各部分は、(E)配置または(Z)配置のいずれかであり得る。
【0016】
単独であるまたはアルキニルオキシなどのより大きな基の一部であるいずれかの各アルキニル部分は、直鎖または分枝鎖であり、好ましくは、C2-C4アルキニルである。例は、エチニル及びプロパルギルである。
【0017】
単独であるまたはより大きな基の一部であるいずれかの各アルキニレン部分は、直鎖または分枝鎖であり、例えば、-CH-C≡C-である。
【0018】
単独であるまたはハロアルコキシなどのより大きな基の一部であるいずれかの各ハロアルキル部分は、同じまたは異なるハロゲン原子のうちの1つ以上によって置換されたアルキル基である。例としては、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル及び2,2,2-トリフルオロ-エチルが挙げられる。ハロアルキル部分は、例えば、1~5個のハロ置換基、または1~3個のハロ置換基を含む。
【0019】
各シクロアルキル部分(炭素環式環部分とも称される)は、飽和または部分不飽和であり得(特に指示のない限り)、単環または二環の形態であってもよく、好ましくは、単環の形態である。単環式シクロアルキル基の例としては、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。二環式シクロアルキル基の一例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルである。
【0020】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。
【0021】
ヘテロアリールは、環員として、窒素、酸素及び硫黄から選択される指定された数のヘテロ原子を含有する芳香環系を指す。ヘテロアリール環は、隣り合う酸素原子、隣り合う硫黄原子、もしくは隣り合う酸素原子及び硫黄原子を環内に、または環を分子の残りの部分に接続する環外の原子とともに含有しない。
【0022】
「複素環式環」という用語は、環員として、窒素、酸素及び硫黄から選択される指定された数のヘテロ原子を更に含有する飽和または部分不飽和炭素環式環(特に指示のない限り)を指す。そのような環は、隣り合う酸素原子、隣り合う硫黄原子、もしくは隣り合う酸素原子及び硫黄原子を環内に、または環を分子の残りの部分に接続する環外の原子とともに含有しない。
【0023】
オキソは、=O基である。部分が「オキソによって置換された」と言われる場合、1つの置換基による置換として数えるものとし、例えば、環Pが1~3個のR5によって置換されてよく、R5がオキソであり得る場合、環Pは、オキソと、更に2つのR5基によって置換され得る。
【0024】
基が任意選択により置換されると言われる場合、それは、非置換であってもよいし、特定数の置換基で置換されてもよい。
【0025】
特定の部分に環の命名が提供される場合、環上に置換基がないものと仮定して記述される。例えば、ピペリジン-1-イルは、ピペリジン部分に存在し得る任意の置換基の性質にかかわらず、結合点に窒素原子が来る。
【0026】
本発明の化合物は、全ての(E)及び(Z)異性体、ならびにその任意の比率の混合物を含む。特に、オキシム部分は、(E)配置または(Z)配置を取り得、以下の異性体が生じる:
【0027】
【化3】
【0028】
(Z)異性体及び(E)異性体はいずれも式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の範囲内に含まれ、Z異性体が好ましい。同様に、cis及びtrans異性体も可能であり、例えば、R2がシクロヘキサ-4-イルアミンである場合、cis及びtransの両方の異性体が式(IA)及び式(IB)の範囲に含まれる。式(IA)の化合物または式(IB)の化合物が1つまたは2つ以上のキラル中心を含有する場合(例えば、Yが分岐アルキレンである場合)は、そのような化合物は、純粋なエナンチオマーまたは純粋なジアステレオ異性体及びその任意の比率の混合物として提供され得、そのような異性体は全て式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の範囲内に含まれる。本発明の化合物はまた、互変異性体の可能性が存在する場合、例えば、飽和環がオキソによって置換される場合、式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の全ての互変異性体を含む。重水素置換ならびに炭素13及び/または炭素14の標識を含む同位体標識化合物もまた、式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の範囲内に含まれる。
【0029】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物はまた、溶媒和、特に、水和されてもよく、これらも式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物に含まれる。溶媒和及び水和が調製プロセス中に起きることもある。本発明の化合物への言及は、当該化合物の薬学的に許容される塩を含む。そのような塩もまた水和物及び溶媒和物として存在し得る。式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の薬理学的に許容される塩の例は、塩酸、硫酸及びリン酸などの薬理学的に許容される鉱酸の塩、またはメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、乳酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸及びサリチル酸などの有機酸の塩である。式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の薬理学的に許容される塩の更なる例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の塩、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムまたはマグネシウム塩など、アンモニウム塩または有機塩基の塩、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、エチレンジアミン、リシン、コリンヒドロキシド、メグルミン、モルホリンまたはアルギニン塩である。
【0030】
置換基の定義及び実施形態の以下の例は、可能な場合、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0031】
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換される。オキシム部分を形成する炭素原子は、単位>C(=N-O-R1)で「C」として描かれる炭素原子である。
【0032】
好ましくは、Aは、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)、及び非置換の基(A2)から選択される。
【0033】
より好ましくは、Aは、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)である。
【0034】
好ましくは、Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子、すなわち、以下に示される式(IAa及びIBa)の化合物の位置に接続される。
【0035】
好ましくは、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子、すなわち、以下に示される式(IAb)の化合物の位置に接続される。
【0036】
各R10は、独立して、ハロゲンまたは-NHである。
【0037】
好ましくは、各R10は、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、より好ましくは、クロロまたは-NHである。
【0038】
R10の具体例は、フルオロ、クロロ及び-NHである。
【0039】
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、または、X-R2は、水素である。
【0040】
Xの具体例は、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-及び-N(CH)-である(R2がハロゲン、例えば、クロロ、ブロモもしくはヨード、または-CNである場合は結合である)。
【0041】
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-または-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成する。
【0042】
好ましくは、Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、すなわち、以下の式(IBa)に示されるような5員縮合炭素環式環を作る。
【0043】
R1は、-Y-R3である。
【0044】
好ましくは、R1は、水素、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、またはR1は、環Pである。「非末端-CH-部分」への言及は、アルキレン部分のいずれの末端でもない-CH-部分を指す(すなわち、オキシム部分に対して近位にある末端-CH-部分でもなく、オキシム部分に対して遠位にある末端-CH-部分でもない)。
【0045】
より好ましくは、R1は、水素またはC1-C6アルキレン-R3である。
【0046】
更により好ましくは、R1は、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり、ここで、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがある。他のより好ましい実施形態において、R1は、C1-C3アルキレン-R3であり得る。
【0047】
R1の具体例は、水素、-CH、-CH(CH)CH、-CHCH(CH)CH、-CHCH=CH、-CHC≡CH、-CHCHCHCN、-CHCHCHN(CHCH)CHCH、-CHCHCHO-ベンジル、-CHCH(CH)OH、-CHCHCHOH、-CHCHNH、-CHCHCHNH、-CHCHC(=O)OCHCH、-CHCHC(=O)OCH、-CHCHN(CHCH)CHCH、-CHCHN(CH)CH、-CHCHOH、-CHCHOCH、-CHCH、-CHCN、-CHCHCN、-CHC(=O)NH、-CHC(=O)NHCH、-CHC(=O)NHCHCHNH、-CHC(=O)OH、-CHC(=O)OCH、4-アミノシクロヘキシル、-CHCH-ピペリジニル(例えば、-CHCH-ピペリジン-1-イル)、-CHCH-ピロリジニル(例えば、-CHCH-ピロリジン-1-イル)、4-シアノベンジル、ベンジル、-CH-3,5-ジメチル-イソオキサゾリル(例えば、-CH-3,5-ジメチル-イソオキサゾール-4-イル)、-CH-4-アミノシクロヘキシル、-CH-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、-CH-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-メチル-オキサゾリジニル-2-オン、例えば、(-CH-N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、-CH-N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、-CH-N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-メチル-ピロリジニル(例えば、-CH-N-メチル-ピロリジン-3-イル)、-CH-N-メチル-ピロリジニル-2-オン(例えば、-CH-N-メチル-ピロリジン-4-イル-2-オン)、-CH-ピロリジニル(例えば、-CH-ピロリジン-3-イル)、-CH-ピロリジニル-2-オン(例えば、-CH-ピロリジン-4-イル-2-オン)、-CHCHOCF、-CHCHCF、-CHCH-フェニル、-CHCHO-フェニル、-CHCHCH-ピリジニル(例えば、-CHCHCH-ピリジン-3-イル)、-CHCHOCHCH、-CHCHCHS(O)CH、-CHCHC(CHCN、-CHCHOCHCF、-CHCHCFCH、-CHCHCHCHF、及び-CHCHCHCFである。
【0048】
一般に、好ましくは、オキシム酸素原子とR1に存在する任意の酸素原子との間には、少なくとも2つの炭素スペーサーユニット(例えば、-CHCH-)がある。
【0049】
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよい。「非末端-CH-部分」への言及は、アルキレン部分のいずれの末端でもない-CH-部分を指す(すなわち、オキシム部分に対して近位にある末端-CH-部分でもなく、オキシム部分に対して遠位にある末端-CH-部分でもない)。
【0050】
好ましくは、Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、より好ましくは、Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがある。他の好ましい実施形態において、Yは、C1-C3アルキレンである。
【0051】
Yの具体例は、結合、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-、-CHCH(CH)CH-、-CHCHC(CH)(CH)-、-CHCHOCH-、-CHCHOCHCH-及び-CHCHCHOCH-である。
【0052】
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルである。
【0053】
好ましくは、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルである。
【0054】
より好ましくは、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、または1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)(例えば、1つのメチルによる置換(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つの-CHCHOHによる置換(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つの-CHCHOCHによる置換(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン))である。
【0055】
好ましくは、Yが結合である場合、R3は水素または環Pである。
【0056】
R3の具体例は、水素、-CN、-OH、-NH、-CH=CH、-C≡CH、-N(CHCH、-N(CH)CH、-OCH、-C(=O)NHCHCHNH、-C(=O)NH、-C(=O)NHCH、-C(=O)OCHCH、-C(=O)OH、-C(=O)OCH、4-アミノ-シクロヘキシル、ピペリジニル(例えば、ピペリジン-1-イル)、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-3-イル)、N-メチルピロリジニル(例えば、N-メチルピロリジン-3-イル)、ピロリジニル-2-オン(例えば、ピロリジン-4-イル-2-オン)、N-メチル-ピロリジニル-2-オン(例えば、N-メチルピロリジン-4-イル-2-オン)、3,5-ジメチル-イソオキサゾリル(例えば、3,5-ジメチル-イソオキサゾール-4-イル)、オキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つのメチルによって置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、4-CN-フェニル、フェニル、-OCF、-CF、-O-フェニル、ピリジニル(例えば、ピリジン-3-イル)、-OCHCH、-S(O)CH、-OCHCF、-CFCH、CHFである。
【0057】
R4は、水素、-NH、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)である。
【0058】
好ましくは、R4は、水素、-NHまたは-NH(CH)である。
【0059】
R4の具体例は、水素及び-NHである。
【0060】
環Pは、1~3個のR5によって任意選択により置換された5~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員の飽和もしくは部分不飽和複素環式環である。
【0061】
好ましくは、環Pは、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環である。
【0062】
より好ましくは、環Pは、1つまたは2つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル、特に、1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、好ましくは、R5は、オキソではない。
【0063】
環Pの具体例は、アミノシクロヘキシル(例えば、4-アミノ-シクロヘキシル)、ピペリジニル(例えば、ピペリジン-1-イル)、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-3-イル、N-メチル-ピロリジン-3-イル)、ピロリジニル-2-オン(例えば、ピロリジン-4-イル-2-オン、N-メチル-ピロリジン-4-イル-2-オン)及びオキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-5-イル-2-オン、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)である。
【0064】
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C4アルキル(例えば、C1-C2アルキル)、C1-C4アルキレン-R11(例えば、C1-C2アルキレン-R11)、-O-C1-C2アルキルまたはオキソである。
【0065】
好ましくは、各R5は、独立して、-NH、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R11またはオキソである。より好ましくは、各R5は、独立して、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R11またはオキソである。好ましくは、部分がR5によって置換される場合、1を超えるR5がオキソであることはない。特に、好ましくは、オキサゾリジニル-2-オン部分は、オキソによって更に置換されない。
【0066】
R5の具体例は、NH、-CH、オキソ、CHCHOH及び-CHCHOCHである。
【0067】
各R11は、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルである。
【0068】
R11の具体例は、-OH及び-OCHである。
【0069】
環Qは、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールである。
【0070】
好ましくは、環Qは、1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリール、例えば、ピリジニル、例えば、ピリジン-3-イルである。
【0071】
環Qの具体例は、フェニル、4-CN-フェニル、3,5-ジメチルイソオキサゾリル(例えば、3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)及びピリジニル(例えば、ピリジン-3-イル)である。
【0072】
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2アルキルである。
【0073】
好ましくは、各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHである。R6の具体例は、-CN及び-CHである。
【0074】
R2は、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する4~7員の飽和複素環式環であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合である。
【0075】
好ましくは、R2は、水素、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された(好ましくは、-NHである少なくとも1つのR8によって置換された)6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環である。
【0076】
より好ましくは、R2は、ブロモ、ヨード、-CH、C1-C4アルキレン-R7であるか、または1つもしくは2つのR8によって置換された6員の飽和炭素環式環(ここで、少なくとも1つのR8は、-NHであり、Xに対してパラ位にある(例えば、4-アミノシクロヘキシル(例えば、cis-4-アミノ-シクロヘキシル及びtrans-4-アミノ-シクロヘキシルから選択される)、4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル(例えば、trans-4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル)、4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル(例えば、cis-4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル)))またはピペリジン-4-イルである。
【0077】
R2の具体例は、水素、-CN、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、-CHCHOH、4-アミノ-シクロヘキシル(例えば、cis-4-アミノ-シクロヘキシル及びtrans-4-アミノ-シクロヘキシルから選択される)、4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル(例えば、trans-4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル)、ピペリジン-4-イルならびに4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル(例えば、cis-4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル)である。
【0078】
-X-R2の具体例は、-O-(4-アミノ-シクロヘキシル)(例えば、-O-(cis-4-アミノ-シクロヘキシル及び-O-(trans-4-アミノ-シクロヘキシル)から選択される)、-C(=CH)-(4-アミノ-シクロヘキシル)(例えば、-C(=CH)-(trans-4-アミノ-シクロヘキシル)、-O-CH、-N(CH)-(4-アミノ-シクロヘキシル)(例えば、-N(CH)-(trans-4-アミノ-シクロヘキシル)、ブロモ、-O-(4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル)(例えば、O-(trans-4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル)、-O-ピペリジン-4-イル、-N(CH)-ピペリジン-4-イル、-CH-(4-アミノ-シクロヘキシル)(例えば、-CH-(trans-4-アミノ-シクロヘキシル)、クロロ、-OH、-CH-ピペリジン-4-イル、-CN、ヨード、-O-CHCHOH、-NH-(4-アミノ-シクロヘキシル)(例えば、-NH-(cis-4-アミノ-シクロヘキシル及び-NH-(trans-4-アミノ-シクロヘキシル)から選択される)、-C(=O)-CHならびに-O-(4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル)(例えば、-O-(cis-4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル)である。
【0079】
各R7は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)である。
【0080】
好ましくは、各R7は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-OH(例えば、ハロゲンまたは-NH)である。
【0081】
より好ましくは、各R7は、独立して、フルオロ、-NHまたは-OH(例えば、フルオロまたは-NH)である。
【0082】
R7の具体例は、-OHである。
【0083】
各R8は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)、-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)またはC1-C2アルキルである。
【0084】
好ましくは、各R8は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-CH(例えば、ハロゲンまたは-NH)であり、好ましくは、少なくとも1つのR8は、-NHである。
【0085】
より好ましくは、各R8は、独立して、フルオロ、-NHまたは-CH(例えば、フルオロまたは-NH)であり、好ましくは、少なくとも1つのR8は、-NHである。
【0086】
R8の具体例は、フルオロ、-NH及びCH(例えば、フルオロ及び-NH)である。
【0087】
R9は、水素、C1-C4アルキルまたは-C(=O)-C1-C2アルキルである。
【0088】
好ましくは、R9は、水素または-CHである。R9の具体例は、水素である。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式(IA)の化合物である。
【0090】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式(IB)の化合物である。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式(IB-1)の化合物である
【0092】
【化4】
【0093】
いくつかの実施形態において、Aは、基(A1)である。
【0094】
いくつかの実施形態において、Aは、基(A2)である。
【0095】
いくつかの実施形態において、Xは、-O-である。
【0096】
いくつかの実施形態において、Xは、-C(=CH)-である。
【0097】
いくつかの実施形態において、Xは、-CH-である。
【0098】
いくつかの実施形態において、Xは、-N(CH)-である。
【0099】
いくつかの実施形態において、Xは、-C(=O)-である。
【0100】
いくつかの実施形態において、Xは、-NH-である。
【0101】
いくつかの実施形態において、Xは結合であり、R2はハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)である。
【0102】
いくつかの実施形態において、Xは結合であり、R2は-CNである。
【0103】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは-O-である。
【0104】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは-C(=CH)-である。
【0105】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは-CH-である。
【0106】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは-N(CH)-である。
【0107】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは-C(=O)-である。
【0108】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは-NH-である。
【0109】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは結合であり、R2は-CNである。
【0110】
いくつかの実施形態において、Aは基(A1)であり、Xは結合であり、R2はハロゲン(例えば、クロロ、ブロモまたはヨード)である。
【0111】
いくつかの実施形態において、Aは基(A2)であり、Xは-O-である。
【0112】
いくつかの実施形態において、Aは基(A2)であり、Xは-C(=CH)-である。
【0113】
いくつかの実施形態において、Aは基(A2)であり、Xは-CH-である。
【0114】
いくつかの実施形態において、Aは基(A2)であり、Xは-N(CH)-である。
【0115】
いくつかの実施形態において、Aは基(A2)であり、Xは結合であり、R2はハロゲンである。
【0116】
いくつかの実施形態において、R1は、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルである。
【0117】
いくつかの実施形態において、R1は、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり、ここで、オキシム酸素原子の間には3個以下の炭素原子スペーサーがあり、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、または1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)(例えば、1つのメチルによる置換(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つの-CHCHOHによる置換(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つの-CHCHOCHによる置換(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)である。
【0118】
いくつかの実施形態において、R1は、水素またはC1-C3アルキレン-R3であり、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、または1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)(例えば、1つのメチルによる置換(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つの-CHCHOHによる置換(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つの-CHCHOCHによる置換(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)である。
【0119】
いくつかの実施形態において、R1は、水素である。
【0120】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)または-S(O)-C1-C4アルキルであり、R4は、本明細書に記載される意味を有する。
【0121】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、または-S(O)-C1-C4アルキルであり、R4は、本明細書に記載される意味を有する。
【0122】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがあり、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NHまたは-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)である。いくつかの実施形態において、R1は、C1-C3アルキレン-R3であり、ここで、R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NHまたは-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)である。
【0123】
いくつかの実施形態において、R1は、C2-C3アルキレン-R3であり、ここで、R3は、-CN、-OHまたは-O-C1-C4アルキルである。
【0124】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、R3は、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qである。
【0125】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、R3は、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qである。
【0126】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがあり、R3は、環Pまたは環Qである。
【0127】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C3アルキレン-R3であり、ここで、R3は、環Pまたは環Qである。
【0128】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C3アルキレン-R3であり、ここで、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがあり、R3は、フェニル、または1つのR5、好ましくは、C1-C4アルキルもしくはC1-C4アルキレン-R11によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、好ましくは、R5は、オキサゾリジニル-2-オンの窒素原子に結合し、R11は、本明細書に記載される意味を有する。
【0129】
いくつかの実施形態において、R1は、C1-C3アルキレン-R3であり、ここで、R3は、フェニル、または1つのR5、好ましくは、C1-C4アルキルもしくはC1-C4アルキレン-R11によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、好ましくは、R5は、オキサゾリジニル-2-オンの窒素原子に結合し、R11は、本明細書に記載される意味を有する。
【0130】
いくつかの実施形態において、R1は、1つのR5によって任意選択により置換された-CH-オキサゾリジニル-2-オンであり、R5は、本明細書に記載される意味を有し、好ましくは、R5は、オキソではない。
【0131】
いくつかの実施形態において、R1は、1つのR5によって任意選択により置換された-CH-オキサゾリジニル-2-オンであり、ここで、R5は、存在する場合、本明細書に記載される意味を有するが、オキソではなく、オキサゾリジニル-2-オン部分の窒素原子に結合する。
【0132】
いくつかの実施形態において、R1は、-CHCHCN、-CHCHOH、-CHCHOCHまたは1つのR5によって任意選択により置換されたCH-オキサゾリジニル-2-オンであり、ここで、R5は、存在する場合、オキサゾリジニル-2-オン部分の窒素原子に結合し、R5は、-CHCHOHまたは-CHCHOCHである。
【0133】
一実施形態(実施形態A1)において、化合物は、式(IA)の化合物または式(IB)の化合物であり、式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルであり、
R4は、水素、-NHまたは-NH(CH)であり、
環Pは、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル(例えば、-CH)、-C1-C2アルキル-R11、-O-C1-C2アルキル(例えば、-OCH)またはオキソであり、
各R11は、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHであり、
R2は、水素、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された(好ましくは、-NHである少なくとも1つのR8によって置換された)6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-OH(例えば、ハロゲンまたは-NH)であり、
各R8は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-CH(例えば、ハロゲンまたは-NH)であり、
R9は、水素または-CHである。
【0134】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態A1と組み合わせることができる。
【0135】
一実施形態(実施形態A1-A)において、本発明の化合物は、実施形態A1のように定義される式(IA)の化合物である。
【0136】
一実施形態(実施形態A1-B)において、本発明の化合物は、実施形態A1のように定義される式(IB)の化合物である。
【0137】
一実施形態(実施形態A2)において、化合物は、式(IA)の化合物または式(IB)の化合物であり、式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、
好ましくは、Xは、#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、ここで、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、水素、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、またはR1は、環Pであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環P、-O-環Qまたは-S(O)-C1-C4アルキルであり、
R4は、水素、-NHまたは-NH(CH)であり、
環Pは、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル(例えば、-CH)、-C1-C2アルキル-R11、-O-C1-C2アルキル(例えば、-OCH)またはオキソであり、
環Qは、1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1つもしくは2つのR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHであり、
R2は、水素、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された(好ましくは、-NHである少なくとも1つのR8によって置換された)6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-OH(例えば、ハロゲンまたは-NH)であり、
各R8は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-CH(例えば、ハロゲンまたは-NH)であり、
R9は、水素または-CHである。
【0138】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態A2と組み合わせることができる。
【0139】
一実施形態(実施形態A2-A)において、本発明の化合物は、実施形態A2のように定義される式(IA)の化合物である。
【0140】
一実施形態(実施形態A2-B)において、本発明の化合物は、実施形態A2のように定義される式(IB)の化合物である。
【0141】
一実施形態(実施形態B1)において、化合物は、式(IA)の化合物または式(IB)の化合物であり、式中、
Aは、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)であり、
R10は、クロロまたは-NHであり、
好ましくは、Xは、#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、好ましくは、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがあり、より好ましくは、結合またはC1-C3アルキレンであり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、オキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-3-イル-2-オン、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つのR5によって置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、1つのメチルによる置換(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つの-CHCHOHによる置換(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つの-CHCHOCHによる置換(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン))であり、好ましくは、Yが結合である場合、R3は水素であり、
R5は、C1-C2アルキルまたは-C1-C2アルキル-R11であり、
R11は、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、C1-C4アルキル-R7、1つもしくは2つのR8によって置換された6員の飽和炭素環式環(ここで、少なくとも1つのR8は、-NHであり、Xに対してパラ位にある(例えば、4-アミノ-シクロヘキシル、4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル、4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル))またはピペリジン-4-イルであり、
R7は、フルオロ、-NHまたは-OHであり、
各R8は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-CHである。
【0142】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態B1と組み合わせることができる。
【0143】
一実施形態(実施形態B1-A)において、本発明の化合物は、実施形態B1のように定義される式(IA)の化合物である。
【0144】
一実施形態(実施形態B1-B)において、本発明の化合物は、実施形態B1のように定義される式(IB)の化合物である。
【0145】
一実施形態(実施形態B2)において、化合物は、式(IA)の化合物または式(IB)の化合物であり、式中、
Aは、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)であり、
R10は、クロロまたは-NHであり、
好ましくは、Xは、#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり、好ましくは、オキシム酸素原子とR3との間には3個以下の炭素原子スペーサーがあり、より好ましくは、水素またはC1-C3アルキレン-R3であり、
R3は、水素、-CN、-OH、C1-C4ハロアルキル、-O-C1-C4アルキル、-O-C1-C4ハロアルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)、フェニル、オキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-3-イル-2-オン、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つのR5によって置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、1つのメチルによる置換(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つの-CHCHOHによる置換(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)または1つの-CHCHOCHによる置換(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン))であり、
R5は、C1-C2アルキルまたは-C1-C2アルキル-R11であり、
R11は、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、C1-C4アルキル-R7、1つもしくは2つのR8によって置換された6員の飽和炭素環式環(ここで、少なくとも1つのR8は、-NHであり、Xに対してパラ位にある(例えば、4-アミノ-シクロヘキシル、4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル、4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシル))またはピペリジン-4-イルであり、
R7は、フルオロ、-NHまたは-OHであり、
各R8は、独立して、ハロゲン、-NHまたは-CHである。
【0146】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態B2と組み合わせることができる。
【0147】
一実施形態(実施形態B2-A)において、本発明の化合物は、実施形態B2のように定義される式(IA)の化合物である。
【0148】
一実施形態(実施形態B2-B)において、本発明の化合物は、実施形態B2のように定義される式(IB)の化合物である。
【0149】
一実施形態(実施形態C1)において、化合物は、式(IA)の化合物または式(IB)の化合物であり、式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、非置換であり、
R10は、クロロまたは-NHであり、
好ましくは、Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、好ましくは、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子に接続され、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-、-CHCH(CH)CH-、-CHCHC(CH)(CH)-、-CHCHOCH-、-CHCHOCHCH-または-CHCHCHOCH-であり、
R3は、水素、-CN、-OH、-NH、-CH=CH、-C≡CH、-N(CHCH、-N(CH)CH、-OCH、-C(=O)NHCHCHNH、-C(=O)NH、-C(=O)NHCH、-C(=O)OCHCH、-C(=O)OH、-C(=O)OCH、4-アミノ-シクロヘキシル、ピペリジニル(例えば、ピペリジン-1-イル)、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-3-イル)、ピロリジニル-2-オン(例えば、ピロリジン-4-イル-2-オン)、N-メチルピロリジニル、(例えば、N-メチルピロリジン-3-イル)、N-メチル-ピロリジニル-2-オン(例えば、N-メチルピロリジン-4-イル-2-オン)、3,5-ジメチル-イソオキサゾリル(例えば、3,5-ジメチル-イソオキサゾール-4-イル)、オキサゾリジニル-2-オン(例えば、オキサゾリジン-3-イル-2-オン、オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、1つのメチルによって置換されたオキサゾリジニル-2-オン(例えば、N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、4-CN-フェニル、フェニル、-OCF、-CF、-O-フェニル、ピリジニル(例えば、ピリジン-3-イル)、-OCHCH、-S(O)CH、-OCHCF、-CFCHまたは-CHFであり、
R2は、水素、-CN、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、-CHCHOH、4-アミノ-シクロヘキシル、4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル、ピペリジン-4-イルまたは4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシルである。
【0150】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態C1と組み合わせることができる。
【0151】
一実施形態(実施形態C1-A)において、本発明の化合物は、実施形態C1のように定義される式(IA)の化合物である。
【0152】
一実施形態(実施形態C1-B)において、本発明の化合物は、実施形態C1のように定義される式(IB)の化合物である。
【0153】
一実施形態(実施形態C2)において、化合物は、式(IA)の化合物または式(IB)の化合物であり、式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、非置換であり、
R10は、クロロまたは-NHであり、
好ましくは、Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、好ましくは、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子に接続され、
Xは、-O-、-C(=O)-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、Xが-C(=O)-である場合、R2は水素ではなく、
Ra及びRbは、一緒になって、-CH-CH-CH-CH-架橋部分を形成し、
R1は、水素、-CH、-CH(CH)CH、-CHCH(CH)CH、-CHCH=CH、-CHC≡CH、-CHCHCHCN、-CHCHCHN(CHCH)CHCH、-CHCHCHO-ベンジル、-CHCH(CH)OH、-CHCHCHOH、-CHCHNH、-CHCHCHNH、-CHCHC(=O)OCHCH、-CHCHC(=O)OCH、-CHCHN(CHCH)CHCH、-CHCHN(CH)CH、-CHCHOH、-CHCHOMe、-CHCH、-CHCN、-CHCHCN、-CHC(=O)NH、-CHC(=O)NHCH、-CHC(=O)NHCHCHNH、-CHC(=O)OH、-CHC(=O)OCH、4-アミノシクロヘキシル、-CHCH-ピペリジニル(例えば、-CHCH-ピペリジン-1-イル)、-CHCH-ピロリジニル(例えば、-CHCH-ピロリジン-1-イル)、4-シアノベンジル、ベンジル、-CH-3,5-ジメチル-イソオキサゾリル(例えば、-CH-3,5-ジメチル-イソオキサゾール-4-イル)、-CH-4-アミノシクロヘキシル、-CH-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、-CH-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-メチル-オキサゾリジニル-2-オン、例えば、(-CH-N-メチル-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、-CH-N-(1-ヒドロキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジニル-2-オン(例えば、-CH-N-(1-メトキシエタ-2-イル)-オキサゾリジン-5-イル-2-オン)、-CH-N-メチル-ピロリジニル(例えば、-CH-N-メチル-ピロリジン-3-イル)、-CH-N-メチル-ピロリジニル-2-オン(例えば、-CH-N-メチル-ピロリジン-4-イル-2-オン)、-CH-ピロリジニル(例えば、-CH-ピロリジン-3-イル)、-CH-ピロリジニル-2-オン(例えば、-CH-ピロリジン-4-イル-2-オン)、-CHCHOCF、-CHCHCF、-CHCH-フェニル、-CHCHO-フェニル、-CHCHCH-ピリジニル(例えば、-CHCHCH-ピリジン-3-イル)、-CHCHOCHCH、-CHCHCHS(O)CH、-CHCHC(CHCN、-CHCHOCHCF、-CHCHCFCH、-CHCHCHCHFまたは-CHCHCHCFであり、
R2は、水素、-CN、クロロ、ブロモ、ヨード、-CH、-CHCHOH、4-アミノ-シクロヘキシル、4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシル、ピペリジン-4-イルまたは4-アミノ-4-メチル-シクロヘキシルである。
【0154】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態C2と組み合わせることができる。
【0155】
一実施形態(実施形態C2-A)において、本発明の化合物は、実施形態C2のように定義される式(IA)の化合物である。
【0156】
一実施形態(実施形態C2-B)において、本発明の化合物は、実施形態C2のように定義される式(IB)の化合物である。
【0157】
一実施形態(実施形態D)において、化合物は、式(IAa)の化合物であり、
【0158】
【化5】
【0159】
式中、R1、X、R2及びR10は、式(IA)の化合物について定義されるとおりであり、nは、0、1または2、好ましくは、0または1である。
【0160】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態Dと組み合わせることができる。
【0161】
一実施形態(実施形態D1)において、化合物は、式(IAa)の化合物であり、ここで、R1、X、R2及びR10は、実施形態A1-Aまたは実施形態A2-Aに定義されるとおりであり、nは、0、1または2である。
【0162】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態D1と組み合わせることができる。
【0163】
一実施形態(実施形態D2)において、化合物は、式(IAa)の化合物であり、ここで、R1、X、R2及びR10は、実施形態B1-Aまたは実施形態B2-Aに定義されるとおりであり、nは、0または1である。
【0164】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態D2と組み合わせることができる。
【0165】
一実施形態(実施形態D3)において、化合物は、式(IAa)の化合物であり、ここで、R1、X、R2及びR10は、実施形態C1-Aまたは実施形態C2-Aに定義されるとおりであり、nは、0または1である。
【0166】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態D3と組み合わせることができる。
【0167】
一実施形態(実施形態E)において、化合物は、式(IAb)の化合物であり、
【0168】
【化6】
【0169】
式中、R1、X及びR2は、式(IA)の化合物について定義されるとおりである。
【0170】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態Eと組み合わせることができる。
【0171】
一実施形態(実施形態E1)において、化合物は、式(IAb)の化合物であり、ここで、R1、X及びR2は、実施形態A1-Aまたは実施形態A2-Aに定義されるとおりである。
【0172】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態E1と組み合わせることができる。
【0173】
一実施形態(実施形態E2)において、化合物は、式(IAb)の化合物であり、ここで、R1、X及びR2は、実施形態B1-Aまたは実施形態B2-Aに定義されるとおりである。
【0174】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態E2と組み合わせることができる。
【0175】
一実施形態(実施形態E3)において、化合物は、式(IAb)の化合物であり、ここで、R1及びR2は、実施形態C1-Aまたは実施形態C2-Aに定義されるとおりである。
【0176】
式(IA)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態E3と組み合わせることができる。
【0177】
一実施形態(実施形態F)において、化合物は、式(IBa)の化合物であり、
【0178】
【化7】
【0179】
式中、R1、X、R2及びR10は、式(IB)の化合物のように定義され、nは、0、1または2、好ましくは、0または1である。
【0180】
式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態Fと組み合わせることができる。
【0181】
一実施形態(実施形態F1)において、化合物は、式(IBa)の化合物であり、ここで、R1、X及びR2は、実施形態A1-Bまたは実施形態A2-Bに定義されるとおりであり、nは、0、1または2である。
【0182】
式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態F1と組み合わせることができる。
【0183】
一実施形態(実施形態F2)において、化合物は、式(IBa)の化合物であり、ここで、R1、X、及びR2は、実施形態B1-Bまたは実施形態B2-Bに定義されるとおりであり、nは、0または1である。
【0184】
式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態F2と組み合わせることができる。
【0185】
一実施形態(実施形態F3)において、化合物は、式(IBa)の化合物であり、ここで、R1、X及びR2は、実施形態C1-Bまたは実施形態C2-Bに定義されるとおりであり、nは、0または1である。
【0186】
式(IB)の化合物について与えられる置換基の定義及び実施形態の上の例は、実施可能な場合、任意の組み合わせで実施形態F3と組み合わせることができる。
【0187】
いくつかの実施形態において、本発明は、以下のパラグラフによって記載され得、実施可能な場合、上の置換基の定義及び実施形態のいずれかと任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0188】
パラグラフ1A:式(IA)の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中、
#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、-C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qであり、
R4は、水素、-NH、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)であり、
環Pは、1~3個のR5によって任意選択により置換された5~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員の飽和もしくは部分不飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
環Qは、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、水素、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する4~7員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
各R8は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
R9は、水素、C1-C4アルキルまたは-C(=O)-C1-C2アルキルである)。
【0189】
パラグラフ2A.Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子に接続される、パラグラフ1Aの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0190】
パラグラフ3A.Aが基(A1)である、パラグラフ1Aもしくはパラグラフ2Aの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0191】
パラグラフ4A.Aが基(A2)である、パラグラフ1Aもしくはパラグラフ2Aの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0192】
パラグラフ5A.Xが、-O-、-C(=CH)-または-N(CH)-である、パラグラフ1A~4Aのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0193】
パラグラフ6A.R1が、水素、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、またはR1が、環Pもしくは環Qである、パラグラフ1A~5Aのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0194】
パラグラフ7A.R3が、水素、-CN、-OH、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qである、パラグラフ1A~6Aのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0195】
パラグラフ8A.R2が、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環である、パラグラフ1A~7Aのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0196】
パラグラフ9A.Aが、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10が、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、
R1が、-Y-R3であり、
Yが、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3が、水素、-CN、-OH、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qであり、
R4が、水素、-NHまたは-NH(CH)であり、
環Pが、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環であり、
各R5が、独立して、-NH、-OH、-CN、-CH、-OCHまたはオキソであり、
環Qが、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリールであり、
各R6が、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHであり、
R2が、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であり、
各R7が、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
各R8が、独立して、ハロゲンまたは-NHである、
パラグラフ1Aの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0197】
パラグラフ10A.Aが、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)であり、
R10が、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-または-N(CH)-であり、
R1が、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり;
R3が、水素、-CN、-OH、-O-C1-C4アルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)または1つのメチルによって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、
R2が、-CHまたは4-アミノ-シクロヘキシルである、
パラグラフ1Aの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0198】
パラグラフ11A.前記式(IA)の化合物が、前記オキシム部分のZ異性体である、パラグラフ1A~10Aのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0199】
パラグラフ1B.式(IA)の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、-C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qであり、
R4は、水素、-NH、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)であり、
環Pは、1~3個のR5によって任意選択により置換された5~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員の飽和もしくは部分不飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
環Qは、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、水素、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する4~7員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
各R8は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
R9は、水素、C1-C4アルキルまたは-C(=O)-C1-C2アルキルである)。
【0200】
パラグラフ2B.Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子に接続される、パラグラフ1Bの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0201】
パラグラフ3B.Aが基(A1)である、パラグラフ1Bもしくはパラグラフ2Bの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0202】
パラグラフ4B.Aが基(A2)である、パラグラフ1Bもしくはパラグラフ2Bの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0203】
パラグラフ5B.Xが、-O-、-C(=CH)-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合である、パラグラフ1B~4Bのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0204】
パラグラフ6B.R1が、水素、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、またはR1が、環Pもしくは環Qである、パラグラフ1B~5Bのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0205】
パラグラフ7B.R3が、水素、-CN、-OH、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qである、パラグラフ1B~6Bのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0206】
パラグラフ8B.R2が、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環である、パラグラフ1B~7Bのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0207】
パラグラフ9B.Aが、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10が、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、
R1が、-Y-R3であり、
Yが、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3が、水素、-CN、-OH、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qであり、
R4が、水素、-NHまたは-NH(CH)であり、
環Pが、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環であり、
各R5が、独立して、-NH、-OH、-CN、-CH、-OCHまたはオキソであり、
環Qが、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリールであり、
各R6が、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHであり、
R2が、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であり、
各R7が、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
各R8が、独立して、ハロゲンまたは-NHである、
パラグラフ1Bの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0208】
パラグラフ10B.Aが、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)であり、
R10が、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-または-N(CH)-であり、ここで、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、
R1が、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり;
R3が、水素、-CN、-OH、-O-C1-C4アルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)または1つのメチルによって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、
R2が、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CH、4-アミノ-シクロヘキシルまたは4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシルである、
パラグラフ1Bの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0209】
パラグラフ11B.前記式(IA)の化合物が、前記オキシム部分のZ異性体である、パラグラフ1B~10Bのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0210】
パラグラフ1C.式(IA)の化合物またはその薬学的に許容される塩(式中、
Aは、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、#1は、オキシム部分を形成する炭素原子に結合し、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10は、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
Xは、-O-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、
R1は、-Y-R3であり、
Yは、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3は、水素、-CN、-OH、-C2-C4アルケニレン-R4、C2-C4アルキニレン-R4、-O-C1-C4アルキレン-R4、-NH、-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-N(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキレン-R4、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、-C(=O)-N(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qであり、
R4は、水素、-NH、-NH(C1-C2アルキル)または-N(C1-C2アルキル)であり、
環Pは、1~3個のR5によって任意選択により置換された5~6員の飽和もしくは部分不飽和炭素環式環であるか、または1~3個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員の飽和もしくは部分不飽和複素環式環であり、
各R5は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル、C1-C2アルキル-R11、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
各R11は、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qは、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5~6員のヘテロアリールであり、
各R6は、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキルまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2は、水素、ハロゲン、-CN、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された4~7員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する4~7員の飽和複素環式環であり、
各R7は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
各R8は、独立して、-OH、ハロゲン、-NH、-NH(C1-C2アルキル)、-N(C1-C2アルキル)または-NH(-C(=O)-C1-C2アルキル)であり、
R9は、水素、C1-C4アルキルまたは-C(=O)-C1-C2アルキルである)。
【0211】
パラグラフ2C.Aが基(A1)である場合、Xは#2に対してパラ位にある炭素原子に接続され、Aが基(A2)である場合、XはS原子に隣接する炭素原子に接続される、パラグラフ1Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0212】
パラグラフ3C.Aが基(A1)である、パラグラフ1Cもしくはパラグラフ2Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0213】
パラグラフ4C.Aが基(A2)である、パラグラフ1Cもしくはパラグラフ2Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0214】
パラグラフ5C.Xが、-O-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合である、パラグラフ1C~4Cのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0215】
パラグラフ6C.R1が、水素、C1-C6アルキレン-R3であり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、またはR1が、環Pもしくは環Qである、パラグラフ1C~5Cのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0216】
パラグラフ7C.R1が、水素またはC1-C3アルキレン-R3である、パラグラフ1C~5Cのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0217】
パラグラフ8C.R3が、水素、-CN、-OH、-O-C1-C4アルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)である、パラグラフ7Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0218】
パラグラフ9C.R3が、1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンである、パラグラフ7Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0219】
パラグラフ10C.R3が、水素、-CN、-OH、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qである、パラグラフ1C~9Cのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0220】
パラグラフ11C.R2が、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環である、パラグラフ1C~10Cのいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0221】
パラグラフ12C.Aが、基(A1)及び基(A2)から選択され、ここで、基(A1)は、1つまたは2つのR10によって任意選択により置換され、基(A2)は、1つのR10によって任意選択により置換され、
各R10が、独立して、フルオロ、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-、-CH-、-NH-または-N(C1-C4アルキル)-であり、R2がハロゲンまたは-CNである場合、Xは結合であり、
R1が、-Y-R3であり、
Yが、結合またはC1-C6アルキレンであり、ここで、1つの非末端-CH-部分は、-O-によって置き換えられてもよく、
R3が、水素、-CN、-OH、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、-O-C1-C4アルキル、-NH、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキレン-R4)、環P、環Q、-O-環Pまたは-O-環Qであり、
R4が、水素、-NHまたは-NH(CH)であり、
環Pが、1~2個のR5によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1~2個のR5によって任意選択により置換されたN及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員の飽和複素環式環であり、
各R5が、独立して、-NH、-OH、-CN、C1-C2アルキル、-C1-C2アルキル-R11、-O-C1-C2アルキルまたはオキソであり、
各R11が、独立して、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
環Qが、1~3個のR6によって任意選択により置換されたフェニルであるか、または1~3個のR6によって任意選択により置換されたN、S及びOから選択される1~2個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロアリールであり、
各R6が、独立して、-NH、-OH、-CN、-CHまたは-OCHであり、
R2が、ハロゲン、1つもしくは2つのR7によって任意選択により置換されたC1-C4アルキルであるか、または1つもしくは2つのR8によって任意選択により置換された6員の飽和炭素環式環であるか、または1つの-N(R9)-部分を環員として含有し、それ以外は炭素原子のみを環員として含有する6員の飽和複素環式環であり、
各R7が、独立して、ハロゲンまたは-NHであり、
各R8が、独立して、ハロゲンまたは-NHである、
パラグラフ1Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0222】
パラグラフ13C.Aが、1つのR10によって任意選択により置換された基(A1)であり、
R10が、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、
R1が、水素またはC1-C6アルキレン-R3であり;
R3が、水素、-CN、-OH、-O-C1-C4アルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)または1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、
R5が、C1-C2アルキルまたは-C1-C2アルキル-R11であり、
R11が、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2が、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CH、4-アミノ-シクロヘキシルまたは4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシルである、
パラグラフ1Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0223】
パラグラフ14C.前記式(IA)の化合物が、式(IAa)の化合物であり、
R10が、クロロまたは-NHであり、
Xが、-O-、-C(=CH)-、-CH-または-N(CH)-であり、R2がハロゲンである場合、Xは結合であり、
R1が、水素またはC1-C3アルキレン-R3であり、
R3が、水素、-CN、-OH、-O-C1-C4アルキル、C2-C4アルキニル、-C(=O)-OH、-C(=O)-O-C1-C4アルキル、-C(=O)-NH、-C(=O)-NH(C1-C4アルキル)または1つのR5によって任意選択により置換されたオキサゾリジニル-2-オンであり、
R5が、C1-C2アルキルまたは-C1-C2アルキル-R11であり、
R11が、ハロゲン、-NH、-OH、-CNまたは-O-C1-C2アルキルであり、
R2が、フルオロ、クロロ、ブロモ、-CH、4-アミノ-シクロヘキシルまたは4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキシルであり、
nが、0または1である、
パラグラフ1Cの化合物またはその薬学的に許容される塩。
【0224】
更なる実施形態において、本発明は、以下の化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する:
(6E)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-ベンジルオキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
(6Z)-4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
メチル=3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパノアート;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-1-オール;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[2-(1-ピペリジル)エトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[3-(ジエチルアミノ)プロポキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[2-(ジエチルアミノ)エトキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシエタノール;
4-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]ベンゾニトリル;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-プロパ-2-イノキシイミノ-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシアセトニトリル;
エチル=3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパノアート;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-エトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[(3,5-ジメチルイソオキサゾール-4-イル)メトキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(3-ベンジルオキシプロポキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
4-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシブタンニトリル;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(2-ピロリジン-1-イルエトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-イソブトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
メチル=2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシアセタート;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシアセトアミド;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシ-N-メチル-アセトアミド;
5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-[2-(ジメチルアミノ)エトキシイミノ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸;
(6Z)-6-[(trans-4-アミノシクロヘキシル)メトキシイミノ]-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセトアミド;
4-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシブタンニトリル;
N-(2-アミノエチル)-2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ-アセトアミド;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5R)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(5R)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-9-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-7-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,7-ジアミン;
(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,9-ジアミン;
(6Z)-7-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-N8-,5,5-トリメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-クロロ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-[-(1R,3S,4R)-4-アミノ-3-フルオロ-シクロヘキソキシ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(2-アミノエトキシイミノ)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-(3-アミノプロポキシイミノ)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
3-[(E)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール;
(6Z)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6-[[(3R)-ピロリジン-3-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-アリルオキシイミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-6-アリルオキシイミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルオキシ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-イソプロポキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6E)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-イソプロポキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-トリメチル-N8-(4-ピペリジル)ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルメチル)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-メトキシ-5,5-ジメチル-6-[[(3S)-1-メチルピロリジン-3-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]ピロリジン-2-オン;
(4R)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]ピロリジン-2-オン;
(6Z)-8-[(trans-4-アミノシクロヘキシル)メチル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-[(cis-4-アミノシクロヘキシル)メチル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-1-メチル-ピロリジン-2-オン;
(6Z)-10-フルオロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(2R)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オール;
(2S)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オール;
(6Z)-8-ブロモ-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
3-[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシプロパンニトリル;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(Z)-4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
(E)-4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム;
2-[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシエタノール;
2-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシエタノール;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-ブロモ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-ヒドロキシエチル)オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-カルボニトリル;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヨード-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(6Z)-N8-(cis-4-アミノシクロヘキシル)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン;
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヨード-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-ヒドロキシエチル)オキサゾリジン-2-オン;
(5S)-5-[[(Z)-(8-アセチル-4-アミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン;
(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-4-アミン;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
3-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-6-イリデン]アミノ]オキシプロパンニトリル;
(6Z)-8-(cis-4-アミノ-4-メチル-シクロヘキソキシ)-6-(2-メトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
4-アミノ-8-(cis-4-ミノシクロヘキソキシ)スピロ[ベンゾ[h]キナゾリン-5,1’-シクロペンタン]-6-オン=オキシム;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[2-(トリフルオロメトキシ)エトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(2-フェニルエトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(2-フェノキシエトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[3-(3-ピリジル)プロポキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(2-エトキシエトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(3-メチルスルホニルプロポキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
4-[(Z)-[4-アミノ-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシ-2,2-ジメチル-ブタンニトリル;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-[2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)エトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(4-フルオロブトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(4,4,4-トリフルオロブトキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-(3,3-ジフルオロブトキシイミノ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン;及び
(6Z)-8-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-6-(3,3,3-トリフルオロプロポキシイミノ)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン。
【0225】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の調製に有用ないくつかの中間体は、新規であり、本発明の更なる態様を形成する。したがって、更なる一態様において、本発明は、式(Int-IA)の化合物
【0226】
【化8】
【0227】
及びその塩を提供し、式中、A、X及びR2は、式(IA)の化合物について定義されるとおりであり、その好ましい定義及び実施形態に定義されるもの(例えば、実施形態A1-A、実施形態A2-A、実施形態B1-A、実施形態B2-A、実施形態C1-A、実施形態C2-A、実施形態D1、実施形態D2、実施形態D3、実施形態E1、実施形態E2、実施形態E3に定義されるもの)を含む。
【0228】
更なる一態様において本発明は、式(Int-IB)の化合物
【0229】
【化9】
【0230】
及びその塩を提供し、式中、A、Ra、Rb、X及びR2は、式(IB)の化合物について定義されるとおりであり、その好ましい定義及び実施形態に定義されるもの(例えば、実施形態A1-B、実施形態A2-B、実施形態B1-B、実施形態B2-B、実施形態C1-B、実施形態C2-B、実施形態F1、実施形態F2、実施形態F3)に定義されるもの)を含む。
【0231】
更なる一態様において、本発明は、式(Int-IIA)の化合物
【0232】
【化10】
【0233】
及びその塩を提供し、式中、A及びR1は、式(IA)の化合物について定義されるとおりであり、その好ましい定義及び実施形態に定義されるもの(例えば、実施形態A1-A、実施形態A2-A、実施形態B1-A、実施形態B2-A、実施形態C1-A、実施形態C2-A、実施形態D1、実施形態D2、実施形態D3、実施形態E1、実施形態E2、実施形態E3に定義されるもの)を含み、Eは、ハロゲン、例えば、クロロ、ブロモもしくはヨード、好ましくは、クロロもしくはブロモ、または-O-L1であり、-O-L1は、脱離基であり、ここで、L1は、トリフリル(トリフルオロメタンスルホニル)などのペルフルオロアルキルスルホニル及びトシル(p-トルエンスルホニル)またはメシル(メタンスルホニル)などのスルホニルから選択される。
【0234】
更なる一態様において、本発明は、式(Int-IIB)の化合物
【0235】
【化11】
【0236】
及びその塩を提供し、式中、A、Ra、Rb及びR1は、式(IB)の化合物について定義されるとおりであり、その好ましい定義及び実施形態に定義されるもの(例えば、実施形態A1-B、実施形態A2-B、実施形態B1-B、実施形態B2-B、実施形態C1-B、実施形態C2-B、実施形態F1、実施形態F2、実施形態F3に定義されるもの)を含み、Eは、ハロゲン、例えば、クロロ、ブロモもしくはヨード、好ましくは、クロロもしくはブロモ、または-O-L1であり、-O-L1は、脱離基であり、ここで、L1は、トリフリル(トリフルオロメタンスルホニル)などのペルフルオロアルキルスルホニル及びトシル(p-トルエンスルホニル)またはメシル(メタンスルホニル)などのスルホニルから選択される。
【0237】
本発明はまた、有効成分として式(IA)の化合物もしくは式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物に関し、本明細書に記載されるように、新生物疾患、特に、がんの治療に特に使用することができる。組成物は、非経口以外の投与用、例えば、鼻、頬側、直腸、肺、膣、舌下、局所、経皮、眼科用、または、特に、経口投与のために、例えば、経口固体剤形の形態、例えば、顆粒剤、ペレット、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠もしくは糖衣錠、発泡錠、硬質及び軟質ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル剤、必要に応じてコーティングされたもの、口腔内崩壊錠、経口液、脂質エマルジョンもしくは脂質懸濁液、または非経口投与用、例えば、静脈内、筋肉内、もしくは皮下、髄腔内、皮内もしくは硬膜外投与用に、哺乳動物、特にヒトに対して、例えば、微粒子もしくはナノ粒子を含有する溶液、脂質エマルジョンもしくは懸濁液の形態に製剤化され得る。組成物は、有効成分を単独で、または、好ましくは、薬学的に許容される担体とともに含み得る。
【0238】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口固体剤形、例えば、顆粒剤、ペレット、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠もしくは糖衣錠、発泡錠、硬質ゼラチンもしくはHPMCカプセル剤または口腔内崩壊錠の生産のために、薬学的に不活性な無機または有機賦形剤とともに加工され得る。充填剤、例えば、ラクトース、セルロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、デンプンまたはその誘導体、結合剤、例えば、セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、またはその誘導体、滑沢剤、例えば、タルカム、ステアリン酸またはその塩、流動化剤、例えば、ヒュームドシリカは、経口固形剤形、例えば、顆粒剤、ペレット、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠もしくは糖衣錠、発泡錠、硬質ゼラチンもしくはHPMCカプセル剤、または口腔内崩壊錠を製剤化及び製造するための賦形剤として使用することができる。軟質ゼラチンカプセル剤に好適な賦形剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオールなどである。
【0239】
経口液、脂質エマルジョンまたは脂質懸濁液の製造に好適な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、ショ糖、転化糖、グルコースなどである。
【0240】
非経口製剤に好適な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油、レシチン、界面活性剤などである。
【0241】
更に、医薬調製物は、防腐剤、可溶化剤(例えば、シクロデキストリン)、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、風味剤、浸透圧を変える塩、緩衝液、マスキング剤または抗酸化剤を含有し得る。また、治療上価値のある他の物質を含有してもよい。
【0242】
投薬量は、広い範囲内で変更することができ、当然のことながら、各特定の場合における個々の要件に合うようにする。一般に、経口投与の場合、一般式(IA)の化合物または式(IB)の化合物の一人あたりの1日用量は、約1~1000mgが適切であり得るが、必要な場合には、下限値または上限値を超えてもよい。
【0243】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物はまた、同じ疾患に対して、好ましくは異なる作用様式を使用して、効果的であるか、または式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物の起こり得る望ましくない副作用を低減もしくは防止する、1つ以上の他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用することもできる。組み合わせパートナーは、そのような治療において、同時に、例えば、単一の医薬製剤に組み込むことによって、または組み合わせパートナーのうちの1つもしくは2つ以上をそれぞれ含有する2つ以上の異なる剤形の投与により連続的に、投与することができる。
【0244】
上記のような本発明による式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、特に、治療上有効な量で投与された場合、がんなどの新生物疾患の治療に特に有用である。いくつかの実施形態において、本発明の化合物によって治療されるがんは、1つ以上のCLK酵素を阻害することによって治療可能であり得る。いくつかの実施形態において、本発明の化合物によって治療されるがんは、異常なスプライシングを阻害することによって治療可能であり得る。がんは、異常なスプライシングによって駆動され得、例えば、がんは、スプライシング因子変異癌であり得る。がんは、がん原性スプライスバリアントに依存し得る。
【0245】
本発明の化合物により治療される増殖障害及び疾患の例は、上皮性新生物、扁平上皮細胞新生物、基底細胞新生物、移行上皮乳頭腫及び移行上皮癌、腺腫及び腺癌、付属器及び皮膚付属器癌新生物、粘液類表皮性新生物、嚢胞性新生物、粘液性及び漿液性新生物、導管、小葉及び髄様新生物、腺房細胞新生物、複合上皮性新生物、特殊な性器新生物、傍神経節腫及びグロムス腫瘍、母斑及び黒色腫、軟部組織腫瘍及び肉腫、線維腫性新生物、粘液腫性新生物、脂肪腫性新生物、筋腫性新生物、複合性混合新生物及び間質性新生物、線維上皮性新生物、滑膜様新生物、中皮性新生物、胚細胞性新生物、トロホブラスト新生物、中腎腫、血管性腫瘍、リンパ管性腫瘍、骨及び軟骨腫性新生物、巨細胞腫瘍、その他の骨腫瘍、歯原性腫瘍、グリオーマ、神経上皮腫性及び神経内分泌的新生物、髄膜腫、神経鞘性腫瘍、顆粒細胞性腫瘍及び胞巣状軟部肉腫、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫及び他のリンパ細網系新生物、血漿細胞腫瘍、肥満細胞腫瘍、免疫増殖性疾患、白血病、その他の骨髄増殖性障害、リンパ増殖障害及び骨髄異形成症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0246】
がんの例としては、罹患した身体の器官及び部位の観点から、乳房、子宮頸部、卵巣、結腸、直腸(結腸及び直腸を含む、すなわち、大腸癌)、肺(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、大細胞肺癌及び中皮腫を含む)、内分泌系、骨、副腎、胸腺、肝臓、胃(胃癌)、腸、膵臓、骨髄、血液悪性腫瘍(リンパ腫、白血病、骨髄腫またはリンパ系悪性腫瘍など)、膀胱、尿路、腎臓、皮膚、甲状腺、脳、頭部、頸部、前立腺及び精巣が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、がんは、乳癌、前立腺癌、子宮頸癌、卵巣癌、胃癌、大腸癌、膵臓癌、肝臓癌、脳癌、神経内分泌的癌、肺癌、腎臓癌、膀胱癌、中皮腫、血液悪性腫瘍、黒色腫及び肉腫からなる群から選択される。
【0247】
本発明の化合物により治療される増殖障害及び疾患の更なる例は、血液悪性腫瘍、例えば、急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄単球性白血病、慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫;固形腫瘍、例えば、粘膜黒色腫、ブドウ膜黒色腫、髄芽腫、肝細胞癌、子宮内膜癌、膀胱癌、皮膚黒色腫、肺腺癌、膵癌、乳癌;スプライシング遺伝子変異によるがん、例えば、スプライシング因子の増幅または融合を伴うがん、発がん性転写因子のシグナル伝達によって駆動されるがん、発がん性スプライスバリアントによって駆動されるがん、スプライシング因子及び/またはスプライシング調節に関与する遺伝子が部分的または完全に欠失したがんである。
【0248】
疾患または障害の治療の文脈で本明細書で使用される「治療」または「治療すること」という用語は、一般的に、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的用途)にかかわらず、何らかの望ましい治療効果、例えば、疾患または障害の進行の阻害が達成される治療及び治療法に関し、進行速度の低下、進行速度の停止、疾患または障害の症状の緩和、疾患または障害の改善、及び疾患または障害の治癒を含む。予防的な措置(すなわち、予防)としての治療も含まれる。例えば、疾患または障害をまだ発症していないが、疾患または障害を発症するリスクのある患者による使用は、「治療」という用語に包含される。例えば、治療は、がんの予防、がん発生の減少、がん症状の緩和などを含む。
【0249】
「治療上有効な量」という用語は、本明細書で使用される場合、所望の治療レジメンに従って投与された場合、妥当な利益/リスク比に見合った、何らかの望ましい治療効果をもたらすのに有効である、化合物、または化合物を含む材料、組成物もしくは剤形の量に関する。
【0250】
「医薬組成物」という用語は、哺乳動物に影響する特定の疾患または状態を予防または治療するために、対象、例えば、哺乳動物またはヒトに投与される少なくとも1つの治療薬剤を任意選択により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とともに含有する固体または液体製剤を指すために本明細書で定義される。
【0251】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性または他の合併症を伴うことなく、妥当な利益/リスク比に見合った、温血動物、例えば、哺乳動物またはヒトの組織との接触に好適な化合物及びその塩、材料、組成物及び/または剤形などの物を指す。
【0252】
式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物は、以下に記載される方法、以下の実験部に記載される方法、または類似の方法によって合成することができる。本明細書に記載されるスキームは、式(IA)の化合物及び式(IB)の化合物を調製するための方法の網羅的な一覧を示すことを意図しておらず、むしろ、熟練の化学者が認識する追加の技術も化合物の合成に使用することができる。
【0253】
最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変動し得るが、そのような条件は、日常的な最適化手順によって決定できることが有機合成分野の当業者には理解される。場合により、以下の反応スキーム及び/または反応ステップを実施する順番は、反応を促進するため、または不要な副生成物の形成を回避するために変えてもよい。加えて、分子の様々な位置に存在する官能基は、提案される試薬及び反応に適合していなければならない。反応条件に適合する置換基に対するそのような制限は、当業者には容易に明白であり、代替方法を使用する必要がある。更に、本明細書で言及される反応のいくつかにおいて、化合物中の反応しやすい任意の基を保護することが必要であるか、または望ましい場合があり、必要に応じて、そのような保護基(PG)が適宜置かれることが想定される。当該技術分野においてよく知られている標準的な実施に従って、従来の保護基が使用され得る(例示として、Greene T.W,Wuts P.G.M,Protective Groups in Organic Synthesis,5th Edition,Publisher:John Wiley & Sons,2014参照)。保護基は、当該技術分野においてよく知られている従来技術を使用して合成の任意の簡便な段階で取り除くことができ、または後続の反応ステップもしくはワークアップ中に取り除くこともできる。
【0254】
以下に概説される一般的な一連の反応において、略号X及び環Aならびに一般的な基Ra、Rb、R1及びR2は、特に指定のない限り、式(IA)及び式(IB)について定義されるとおりである。本明細書で使用される他の略号は、明示的に定義されるか、または実験セクションで定義されるとおりである。
【0255】
本明細書に記載される合成方法に必要な出発材料は、市販されていない場合、科学文献に記載されている手順によって作製することができ、または科学文献に報告されているプロセスを適用して市販化合物から作製することもできる。反応条件及び試薬に関する一般的なガイダンスについては、読者は、例えば、March J.,Smith M.,Advanced Organic Chemistry,7th Edition,Publisher:John Wiley & Sons,2013を更に参照されたい。
【0256】
本発明による化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、及び水和物は、以下に概説されるスキーム1及び2における反応の一般的手順に従って調製することができ、必要であれば、以下がなされる:
-新しい最終生成物を得るための置換基の操作。これらの操作は、当業者によって一般に知られている、還元、酸化、アルキル化、アシル化、置換、遷移金属触媒カップリングを含むカップリング、及び加水分解反応が含まれ得るが、これらに限定されない。
-任意の保護基の除去;
-薬学的に許容される塩の形成;または
-薬学的に許容される溶媒和物もしくは水和物の形成。
【0257】
【化12】
【0258】
式(IIA)、(IIB)及び(IV)の化合物は、民間の供給元から入手することができ、または文献に記載される手順(例えば、Fukuda et al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2018,1;28(20):3333-3337参照)、もしくは当業者によって知られている手順に従って調製される。
【0259】
式(Int-IA)及び式(Int-IB)の化合物は、例えば、水及びアセトン中で、過マンガン酸カリウムを酸化剤として使用して、室温から100℃の間の温度で実施される酸化により、式(IIA)及び式(IIB)の化合物から調製することができる。
【0260】
Xが-O-であり、R2が水素である式(Int-IA)及び式(Int-IB)の化合物は、Xが-O-であり、R2がCHである式(Int-IA)及び式(Int-IB)の化合物から、ジクロロメタンなどの溶媒中で、塩化アルミニウム、三臭化ホウ素または三フッ化ホウ素などのルイス酸の存在下、0から100℃の間の温度で実施される脱メチル化により、調製することができる。
【0261】
式(IA)及び式(IB)の化合物は、式(Int-IA)及び式(Int-IB)の化合物と、E1がO-NHである式(IV)の化合物との縮合反応により、調製することができる。反応は、メタノール、エタノールまたは水などの溶媒中、酢酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基ありまたはなしで、室温から150℃の間の温度で実施される。
【0262】
あるいは、Xが-O-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、Xが-O-であり、R1が水素である式(IA)及び式(IB)の化合物と、E1がハロゲンまたはL1がメタンスルホニル、p-トルエンスルホニルもしくはトリフルオロメタンスルホニル基である脱離基-O-L1である式(IV)の化合物との置換反応により、調製することができる。反応は、一般に、ジクロロメタン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはテトラヒドロフランなどの乾燥非プロトン性溶媒中、炭酸カリウムもしくは炭酸セシウムなどの無機塩基もしくはトリエチルアミンもしくはN,N-ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基ありまたはなしで、-20℃から100℃の間の温度で実施される。メシラート、トシラートまたはトリフラート化合物の形成は、対応するアルコールを、塩化メタンスルホニルまたはメタンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリドまたはトリフルオロメタンスルホン酸無水物のそれぞれと、ピリジン、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなどの乾燥非プロトン性溶媒中で、トリエチルアミンまたは同等物などの塩基の存在下、-30℃~80℃の間で反応させることによって達成することができる。
【0263】
あるいは、Xが-O-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、Xが-O-であり、R2が水素である式(IA)及び式(IB)の化合物とアルコールから、光延カップリング(O.Mitsunobu,Synthesis,Vol.1,pages 1-28,1981に概説されるとおり)により、調製することができる。反応は、アゾジカルボン酸ジエチルまたはジイソプロピル及びトリフェニルホスフィンの存在下、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタンまたはジクロロメタンなどの広範な溶媒中、広範な温度内(例えば、-20℃~60℃)で実施される。また、反応は、ポリマー担持トリフェニルホスフィンを使用して実施されてもよい。
【0264】
あるいは、Xが-O-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、Xが-O-であり、R2が水素である式(IA)及び式(IB)の化合物と、ハライドまたは対応するメシラート、トシラートもしくはトリフラートに前もって変換したアルコールから、置換反応により、先に記載の条件を使用して調製することができる。
【0265】
Xが-NH-または-N(C1-C4アルキル)-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、先に定義した式(Int-IIA)及び式(Int-IIB)の化合物とアミンから、置換反応により、先に記載の条件を使用して調製することができる。
【0266】
式(Int-IIA)及び式(Int-IIB)の化合物は、Xが-O-であり、R2が水素である式(IA)及び式(IB)の化合物から、置換反応により、先に記載の条件を使用して調製することができる。
【0267】
あるいは、Xが-NH-または-N(C1-C4アルキル)-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、先に定義した式(Int-IIA)及び式(Int-IIB)の化合物とアミンから、遷移金属触媒反応カップリングにより、先に記載の条件を使用して調製することができる。典型的な触媒には、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)または同等物が含まれる。反応は、典型的に、0℃~150℃、より一般には80℃~110℃で行われる。通常、反応は、ジ-tert-ブチル-[3,6-ジメトキシ-2-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン、ジ-tert-ブチル-[2,3,4,5-テトラメチル-6-(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)フェニル]ホスファン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、4,5-ビス(ジフェニルホスフェノ)-9,9-ジメチルキサンテンまたは同等物などの配位子、及びナトリウムtert-ブチラート、炭酸セシウム、炭酸カリウムなどの塩基、より一般には炭酸セシウムの存在下、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水及びアセトニトリルなどの多種多様な不活性溶媒、または溶媒混合物中、より一般にはジオキサン中で実施される。遷移金属触媒の反応カップリングでは、特定のパラジウム触媒、配位子、添加剤、溶媒、温度などの要素が多くあるので、多数のプロトコルが特定されている。当業者であれば、過度の実験をすることなく、満足の行くプロトコルを特定することができるであろう。
【0268】
Xが-CH-または-C(=CH)-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、先に定義した式(Int-IIA)及び式(Int-IIB)の化合物とボロン酸から、鈴木反応により、調製することができる。鈴木反応は、有機ボロン酸とハロゲン化アリールもしくはビニルまたはトリフラートとの間のパラジウム触媒クロスカップリングである。典型的な触媒には、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド及び[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)が含まれる。反応は、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びアセトニトリルを含む様々な有機溶媒、水性溶媒ならびに二相条件下で実施することができる。反応は、典型的に、室温から150℃で行われる。フッ化セシウム、フッ化カリウム、水酸化カリウムまたはナトリウムエチラートなどの添加剤は、一般に、カップリングを加速する。ボロン酸の代わりに、トリフルオロホウ酸カリウム及び有機ボランまたはボロン酸エステルが使用されてもよい。鈴木反応では、特定のパラジウム触媒、配位子、添加剤、溶媒、温度などの要素が多くあるが、多数のプロトコルが特定されている。当業者であれば、過度の実験をすることなく、満足の行くプロトコルを特定することができるであろう。
【0269】
あるいは、Xが-CH-または-C(=CH)-である式(IA)及び式(IB)の化合物は、Eがボロン酸である式(Int-IIA)及び式(Int-IIB)の化合物とハロゲンまたはトリフラートから、鈴木反応により、先に記載の条件を使用して調製することができる。Xが結合であり、R2がハロゲンである式(IA)及び式(IB)の化合物は、Xが結合であり、R2がハロゲンである式(Int-I)の化合物から、先に記載の方法を使用して調製することができる。
【0270】
式(IA)及び式(IB)の化合物のオキシムは、2つの異性体が存在し、各異性体は、スキーム1及び2に概説される一般的な反応手順の簡便な段階で単離することができる。
【0271】
熟練の化学者であれば、式(IA)及び式(IB)の化合物を導き出すために、異なる保護基(例えば、R1及びR2に関して)を合成中に提供する必要があり得ることを理解するであろう。
【0272】
本明細書に記載されるスキーム及びプロセスは、式(IA)及び式(IB)の化合物を調製するための方法の網羅的な一覧を示すことを意図しておらず、むしろ、熟練の化学者が認識する追加の技術も化合物の合成に使用することができる。
【0273】
本明細書に記載される本発明の全ての態様及び実施形態は、可能な場合、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0274】
本明細書では、本発明及び本発明が属する技術分野の現状をより完全に記載及び開示するために、多くの刊行物が引用される。これらの参考文献のそれぞれは、それぞれ個々の参考文献が参照により援用されることが具体的かつ個別に示される場合と同様に、その全体が参照により本明細書において本開示に援用される。
【0275】
本発明の特定の実施形態が以下の実施例に記載されるが、これらは、本発明をより詳細に例示するのに役立つものであり、本発明をいかなる形においても本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0276】
図1】MDA-MB468細胞における本発明の化合物によるリン酸化SRSF6(P-SRSF6)の減少を示す代表的なウェスタンブロットを示す。GAPDHは、タンパク質の等量ローディングコントロール及びサンプルの正規化のためにウェスタンブロットでプローブした。ブロットの下の番号は、DMSO対照と比較した100nMでのP-SRSF6シグナルの強度パーセントを示す。
図2】ビヒクルまたは異なる用量及びスケジュールの実施例29で治療した雌のNCGマウスの腫瘍成長及び体重変化を示す。NCGマウス(8~12週齢)の脇腹に、50%Matrigel(商標)中の1×10個のCAL-51ヒトトリプルネガティブ乳癌細胞を皮下接種した。腫瘍が100~150mmの平均体積に達したら、ペアマッチを実施し、動物を治療群(n=8/群)に分け、それぞれの群の治療を開始した。腫瘍体積(mmで表す)は、治療期間の1、3、7、10、14、17及び21日目にノギスを使用して週2回測定した。Aは、各治療群の平均腫瘍体積(±SEM)を示す。試験終了時(21日目)には、実施例29を60mg/kgで週3回及び85mg/kgで週2回で治療した群において、ビヒクル治療群に対して有意な(*P<0.05、一元配置ANOVA)腫瘍体積の減少が観察された。Bは、治療期間の1、2、3、4、5、7、10、14、17及び21日目の平均体重(g、±SEMで表す)。
【発明を実施するための形態】
【0277】
実施例の調製
全ての試薬及び溶媒は、概ね、民間の供給業者から受け取ったままの状態で使用した。
【0278】
反応は、特に指定のない限り、よく乾燥させたガラス器具を用い、アルゴンまたは窒素雰囲気下、無水溶媒で常法的に行われる。
【0279】
蒸発は、減圧下のロータリーエバポレーションによって行い、ワークアップ手順は、濾過による残留固体を除去した後に行われる。
【0280】
温度は全て摂氏度(℃)で記載され、おおよその温度であり、特に記載のない限り、操作は、典型的に18℃~25℃の範囲である室温(rt)で行われる。
【0281】
化合物の精製には、カラムクロマトグラフィー(フラッシュ手順による)が使用される。
【0282】
従来のフラッシュクロマトグラフィーは、多くの場合、自動化システムに代わっている。これにより分離プロセス自体が変わるものではない。当業者であれば、従来のフラッシュクロマトグラフィープロセスを自動化されたプロセスに置き換えることができ、逆もまた同様である。例えば、BuchiまたはIsco(コンビフラッシュ)によって提供されているような典型的な自動化システムを使用することができる。
【0283】
反応混合物は、特に指示のない限り、多くの場合、例えば、水及びアセトニトリルを溶離液の系として使用する分取HPLCによって分離することができる。当業者であれば、各分離に適した条件を見出すことができ、化合物は、精製後、親化合物として、または対応するトリフルオロ酢酸(TFA)塩もしくは該当するギ酸塩の形態で単離される。
【0284】
高温を要する反応は、通常、従来の加熱機器を使用して実施されるが、特に記載のない限り、マイクロ波装置(CEM Explorer)を250Wの電力で使用して実施することもできる。
【0285】
水素化または水素化分解反応は、バルーンの水素ガスを使用して、またはParr装置システムもしくは他の好適な水素化装置を使用して実施することができる。
【0286】
溶液の濃縮及び固体の乾燥は、特に指示のない限り、減圧下で実施される。
【0287】
一般に、反応の経過はTLC、HPLC、またはLC/MSによって追跡し、反応時間は例示の目的にのみ提供され、収率は例示の目的にのみ提供され、必ずしも達成可能な最大値ではない。
【0288】
本発明の最終生成物の構造及び純度は、一般に、NMR分光法、HPLC及び質量分析法によって確認される。
【0289】
プロトンNMRスペクトルは、Bruker 400MHz分光計で記録される。ケミカルシフト(δ)は、内部標準であるMeSiまたは溶媒ピークに対するppmで報告し、NMRカップリング定数(J値)はHertz(Hz)単位である。各ピークは、ブロードシングレット(br)、シングレット(s)、ダブレット(d)、トリプレット(t)、クアドラプレット(q)、ダブルダブレット(dd)、ダブルトリプレット(td)またはマルチプレット(m)として表記される。
【0290】
最終生成物のHPLCは、Dionex MSQ ESIモードに連結したDionex Ultimate 3000機器及び以下の条件を使用して生成される:
移動相A:0.1%ギ酸含有水
移動相B:0.1%ギ酸含有アセトニトリル
カラム:YMC-Triart C18 5μm 100mm×4.6mm
カラム温度:25℃
検出:UV 250nm
注入:10mMのサンプルのDMSO溶液2μL
流速:1.6mL/分
グラジエント 時間(分) %移動相B
0 5
8 95
10 95
10.1 5 平衡
13 5 平衡
【0291】
マススペクトルは、q-Tof Ultima(Waters AGまたはThermo Scientific MSQ Plus)質量分析計を使用し、ポジティブまたはネガティブESIモードで生成される。系は、標準的なLocksprayインターフェースを備える。
【0292】
各中間体は、後続の段階で必要な基準まで精製され、割り当てられた構造が正しいことを確認するために十分に詳細に特性決定される。
【0293】
非キラル相での分析及び分取HPLCは、RP-C18ベースカラムを使用して実施される。
【0294】
以下の略語が使用され得る(標準的な略語及び頭字語の包括的な一覧については、The Journal of Organic Chemistry Guidelines for Authorsを参照することもできる):
AcOH 酢酸
ACN アセトニトリル
Bn ベンジル
BOC tert-ブトキシカルボニル基
BOCO 二炭酸ジ-tert-ブチル
BOP (ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート
t-Brettphos 2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-3,6-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル
t-BuOH tert-ブタノール
t-BuONa ナトリウムtert-ブトキシド
Pin ビス(ピナコラト)ジボロン
CAS Chemical Abstracts Servicesの登録番号がある化合物
CDCl 重水素化クロロホルム
DBU 1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン
DCE 1,2-ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DEAD アゾジカルボン酸ジエチル
Diox 1,4-ジオキサン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d 重水素化ジメチルスルホキシド
O 重水
EA 酢酸エチル
ELSD 蒸発光散乱検出
EtO ジエチルエーテル
EtOH エタノール
Ex. 実施例
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
KOAc 酢酸カリウム
LAH 水素化リチウムアルミニウム
LC/MS 液体クロマトグラフィー連結型質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
Me4tBuXPhos 2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,4,5,6-テトラメチル-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル
MeOH メタノール
MeSi テトラメチルシラン
MS 質量分析法
MSA メタンスルホン酸
MW マイクロ波
NaBHCN シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaBH(OAc) ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド
NaHMDS ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
NCS N-クロロスクシンイミド
NFSI N-フルオロベンゼンスルホンイミド
NMR 核磁気共鳴
Pd/C パラジウム活性炭
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd(OAc) 酢酸パラジウム(II)
PE 石油エーテル
PhCF ベンゾトリフルオリド
PhNTf N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)
PhOK 石炭酸カリウム
TBAI ヨウ化テトラブチルアンモニウム
TBS tert-ブチルジメチルシリル
TEA トリエチルアミン
TES トリエチルシラン
TFA トリフルオロ酢酸
Tf トリフラート
TfOH トリフルオロメタンスルホン酸
THF テトラヒドロフラン
Tol トルエン
Ts トシル(4-トルエンスルホニル)
TsCl 4-トルエンスルホニルクロリド
v/v 体積比
XPhos Diシクロヘキシル[2’,4’,6’-トリス(プロパン-2-イル)[1,1’-ビフェニル]-2-イル]ホスファン
Zn(CN) シアン化亜鉛
【0295】
以下の実施例は、表1に示される式(IA)の化合物及び式(IB)を指す。
【0296】
以下の表に列挙される実施例は、上記の手順を使用して調製することができ、詳細な合成方法については以下に詳述される。左端の欄に使用されている実施例の番号は、それぞれの化合物を識別するために本出願書で使用されている。
【0297】
【表1-1】
【0298】
【表1-2】
【0299】
【表1-3】
【0300】
【表1-4】
【0301】
【表1-5】
【0302】
【表1-6】
【0303】
【表1-7】
【0304】
【表1-8】
【0305】
【表1-9】
【0306】
【表1-10】
【0307】
【表1-11】
【0308】
【表1-12】
【0309】
【表1-13】
【0310】
【表1-14】
【0311】
【表1-15】
【0312】
【表1-16】
【0313】
【表1-17】
【0314】
【表1-18】
【0315】
【表1-19】
【0316】
【表1-20】
【0317】
【表1-21】
【0318】
【表1-22】
【0319】
【表1-23】
【0320】
【表1-24】
【0321】
【表1-25】
【0322】
【表1-26】
【0323】
実施例1の調製:(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0324】
【化13】
【0325】
ステップ1:2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンニトリルの調製:
3-メトキシベンジルマグネシウムクロリド(96.0mL、24.0mmol、THF中0.25M)をTHF(50mL)中のイソプロピリデンマロノニトリル(2.00g、18.5mmol)の攪拌溶液に0℃で滴下した。得られた溶液を室温で3時間攪拌した。次いで、1N HCl水溶液を0℃で加え、得られた混合物を濃縮した。残渣をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;5:1;v:v)によって精製して、2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンジニトリルを黄色の油状物として得た(1.69g、収率38%)。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 7.27 (m, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.79 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.74 (m, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.44 (s, 1H), 2.81 (s, 2H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 229.1 [M+H]
【0326】
ステップ2:1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリルの調製:
トリフルオロメタンスルホン酸(1.04g、6.24mmol)をDCM(6mL)中の2-[2-(3-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル-エチル]プロパンジニトリル(300mg、1.25mmol)の攪拌溶液に0℃で加え、得られた混合物を0℃で2時間攪拌した。飽和NaHCO水溶液を加え、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリルを黄色の固体として得(300mg、収率95%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 7.31 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (m, 1H), 6.74 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.51 (br, 2H), 3.85 (s, 3H), 2.69 (s, 2H), 1.17 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 229.1 [M+H]
【0327】
ステップ3:8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
1-アミノ-6-メトキシ-3,3-ジメチル-4H-ナフタレン-2-カルボニトリル(1.00g、3.94mmol)及びホルムアミド(19mL、473mmol)の懸濁液を180℃で8時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をHOで希釈し、EAで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;1:1;v:v)によって精製して、8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを薄黄色の固体として得た(700mg、収率63%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 8.24 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.86 (m, 1H), 6.79 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.37 (br, 2H), 3.79 (s, 3H), 2.75 (s, 2H), 1.28 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 256.1 [M+H]
【0328】
ステップ4:4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
BBr(4.8mL、4.80mmol、DCM中1M)をDCM(30mL)中の8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(450mg、1.58mmol)の攪拌溶液に-40℃で加えた。得られた溶液を室温で18時間攪拌した。飽和NaHCO水溶液を加え、得られた緑色の固体を濾過により収集し、HOで洗浄し、減圧下60℃で乾燥させて、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(350mg、収率82%)を得た。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 8.21 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.67 (m, 1H), 6.59 (s, 1H), 6.29 (br, 2H), 2.67 (s, 2H), 1.26 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 242.2 [M+H]
【0329】
ステップ5:tert-ブチル=N-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバマートの調製:
PPh(600mg、2.24mmol)をTHF(10mL)中の4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(300mg、1.12mmol)及びtert-ブチル=N-(cis-4-ヒドロキシシクロヘキシル)カルバマート(380mg、1.68mmol)の攪拌溶液に0℃で加え、続いて、DEAD(360mg、2.01mmol)を加えた。懸濁液を45℃で16時間攪拌した。反応物を濃縮し、コンビフラッシュによって精製して、tert-ブチル=N-[trans-4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバマートを白色固体として得た(200mg、収率28%)。
MS m/z (+ESI): 439.3 [M+H]
【0330】
ステップ6:tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマートの調製:
KMnO(362mg、2.28mmol)をアセトン(10mL)及びHO(2mL)中のtert-ブチル=N-[4-[(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシ]シクロヘキシル]カルバマート(250mg、0.45mmol)の攪拌懸濁液に0℃で加え、続いて、MgSO(137mg、1.14mmol)を加えた。得られた懸濁液を45℃で24時間攪拌した。反応混合物をEA及び飽和Na水溶液で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマートを白色固体として得(270mg、収率59%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 453.4 [M+H]
【0331】
ステップ7:tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-6-ヒドロキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマートの調製:
塩酸ヒドロキシルアミン(352mg、4.97mmol)をピリジン(3mL)中のtert-ブチル=N-[4-(4-アミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマート(250mg、0.49mmol)の攪拌溶液に加えた。得られた混合物を115℃で4時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をコンビフラッシュによって精製して、tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-6-ヒドロキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマートをオフホワイトの固体として得た(190mg、収率51%)。
MS m/z (+ESI): 468.3 [M+H]
【0332】
ステップ8:(6Z)-tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマートの調製:
ヨードメタン(50mg、0.35mmol)をDMF(2mL)中のtert-ブチル=N-[4-(4-アミノ-6-ヒドロキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマート(90mg、0.17mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(115mg、0.35mmol)を加え、得られた混合物を1時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、(6Z)-tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマートを白色固体として得た(40mg、収率46%)。
MS m/z (+ESI): 482.3 [M+H]
【0333】
ステップ9:(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
TFA(0.5mL)をDCM(2mL)中の(6Z)-tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマート(40mg、0.08mmol)の攪拌溶液に加えた。3時間後、溶媒を除去し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(28mg、収率93%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.51 (s, 1H), 7.98 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 9.2 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.43 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.08 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.50 (m, 10H).
MS m/z (+ESI): 382.3 [M+H]
【0334】
実施例4の調製:(6Z)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0335】
【化14】
【0336】
ステップ1:4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
KMnO(22.4g、141mmol)をアセトン(150mL)及びHO(30mL)中の8-メトキシ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(4g、14.10mmol)の攪拌溶液に0℃で加え、続いて、MgSO(4.28g、35.3mmol)を加えた。45℃で5時間攪拌した後、反応混合物をEA及び飽和Na水溶液で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;1:1、v:v)によって精製して、4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを白色固体として得た(2.2g、収率57%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.54 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.48 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 1.50 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 270.2 [M+H]
【0337】
ステップ2:4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
BBr(6.84mL、6.84mmol、DCM中1M)をDCM(5mL)中の4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(1.00g、3.34mmol)の攪拌溶液に0℃で加えた。得られた混合物を室温で16時間攪拌し、60℃で更に8時間攪拌した。反応混合物を氷冷水中に注ぎ、飽和NaHCO水溶液を加えてpHを7.5に調整し、その後、EAで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを薄黄色の固体として得(825mg、収率87%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 256.1 [M+H]
【0338】
ステップ3:4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールの調製:
メエトキシアミン塩酸塩(CAS593-56-6、1.82g、21.2mmol)をピリジン(2mL)中の4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(300mg、1.06mmol)の攪拌溶液に加えた。反応懸濁液を150℃で22時間攪拌した。反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オールを薄黄色の固体として得(300mg、収率90%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 285.2 [M+H]
【0339】
ステップ4:(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)=トリフルオロメタンスルホナートの調製:
N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(350mg、0.95mmol)をTHF(5mL)中の4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-オール(300mg、0.95mmol)の攪拌懸濁液に加え、続いて、KCO(400mg、2.85mmol)を加えた。45℃で1時間後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;1:1;v:v)によって精製して、(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)=トリフルオロメタンスルホナートを黄色の固体として得た(300mg、収率65%)。
MS m/z (+ESI): 417.1 [M+H]
【0340】
ステップ5:tert-ブチル=N-[trans-4-[メトキシ(メチル)カルバモイル]シクロヘキシル]カルバマートの調製:
N,O-ジメチル塩酸ヒドロキシルアミン(648mg、6.44mmol)をDMF(20mL)中のBOC-trans-アミノシクロヘキサンカルボン酸(CAS53292-89-0、1.60g、6.44mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、HATU(2.97g、7.73mmol)及びDIPEA(3.36mL、19.33mmol)を加えた。18時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;1:1;v:v)によって精製して、tert-ブチル=N-[trans-4-[メトキシ(メチル)カルバモイル]シクロヘキシル]カルバマートを白色固体として得た(1.53g、収率79%)。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 4.38 (br, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.43 (br, 1H), 3.17 (s, 3H), 2.61 (m, 1H), 2.10 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.62 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.14 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 287.2 [M+H]
【0341】
ステップ6:tert-ブチル=N-(trans-4-アセチルシクロヘキシル)カルバマートの調製:
メチルマグネシウムブロミド(3.30mL、9.90mmol、EtO中3M)をTHF(20mL)中のtert-ブチル=N-[trans-4-[メトキシ(メチル)カルバモイル]シクロヘキシル]カルバマート(1.00g、3.30mmol)の攪拌溶液に-10℃で滴下した。0℃で4時間攪拌した後、飽和NHCl水溶液を加え、得られた混合物をEAで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;3:1;v:v)によって精製して、tert-ブチル=N-(trans-4-アセチルシクロヘキシル)カルバマートを白色固体として得た(650mg、収率73%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 4.38 (br, 1H), 3.39 (br, 1H), 2.28 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.11 (m, 2H), 1.96 (m, 2H), 1.49 - 1.38 (m, 11H), 1.18 - 1.08 (m, 2H).
【0342】
ステップ7:1-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]ビニル=トリフルオロメタンスルホナートの調製:
NaHMDS(0.41mL、0.41mmol、THF中1M)をTHF(5mL)中のtert-ブチル=N-(trans-4-アセチルシクロヘキシル)カルバマート(100mg、0.37mmol)の攪拌溶液に-78℃で加えた。-78℃で1時間攪拌した後、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(149mg、0.41mmol)を0℃で加え、得られた混合物を0℃で3時間攪拌した。飽和NHCl水溶液を加え、混合物をEAで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;5:1;v:v)によって精製して、1-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]ビニル=トリフルオロメタンスルホナートを白色固体として得た(120mg、収率78%)。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 5.10 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.40 (br, 1H), 3.42 (br, 1H), 2.18 - 2.02 (m, 5H), 1.45 (s, 9H), 1.38 - 1.27 (m, 2H), 1.18 - 1.11 (m, 2H).
【0343】
ステップ8:tert-ブチル=N-[trans-4-[1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル]シクロヘキシル]カルバマートの調製:
Pin(284mg、1.08mmol)をトルエン(10mL)中の1-[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]ビニル=トリフルオロメタンスルホナート(300mg、0.72mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、PPh(39mg、0.14mmol)、PdCl(PPh(52mg、0.07mmol)及びPhOK(199mg、1.45mmol)を加えた。50℃で5時間後、反応混合物を室温まで冷却してから、EA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;5:1;v:v)によって精製して、tert-ブチル=N-[trans-4-[1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル]シクロヘキシル]カルバマートを白色固体として得た(180mg、収率64%)。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 5.73 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 5.58 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.38 (br, 1H), 3.40 (br, 1H), 2.04 (m, 3H), 1.75 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 1.38 (m, 2H), 1.27 (s, 12H), 1.15 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 352.3 [M+H]
【0344】
ステップ9:tert-ブチル=2-[trans-4-[1-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)ビニル]シクロヘキシル]アセタートの調製:
tert-ブチル=N-[trans-4-[1-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ビニル]シクロヘキシル]カルバマート(150mg、0.39mmol)を1,4-ジオキサン(2mL)中の(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)=トリフルオロメタンスルホナート(190mg、0.39mmol)の攪拌懸濁液に加え、続いて、Pd(dppf)Cl(57mg、0.08mmol)及びKPO(250mg、1.15mmol)を加えた。100℃で3時間攪拌した後、反応混合物を室温まで冷却してから、EA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=2-[trans-4-[1-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)ビニル]シクロヘキシル]アセタートを黄色の固体として得(150mg、収率64%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 492.3 [M+H]
【0345】
ステップ10:(6Z)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
TFA(2mL)中のtert-ブチル=2-[trans-4-[1-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)ビニル]シクロヘキシル]アセタート(145mg、0.23mmol)の溶液を5分間超音波処理した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、(6Z)-8-[1-(trans-4-アミノシクロヘキシル)ビニル]-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(24mg、収率25%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.42 (s, 1H), 8.11 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.02 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.65 (dd, J = 8.4 Hz, 1.6 Hz, 1H), 5.38 (s, 1H), 5.16 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.01 (m, 1H), 2.50 (m, 1H, DMSOシグナルと重複), 1.98 (m, 2H), 1.87 (m, 2H), 1.50 (s, 6H), 1.37 (m, 2H), 1.30 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 392.4 [M+H]
【0346】
実施例5の調製:2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸:
【0347】
【化15】
【0348】
ステップ1:4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシムの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ7)と同様に、4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(4.00g、13.7mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(9.43g、134mmol)を出発物質として使用して、黄色の固体として調製した(3.7g、収率88%)。
MS m/z (+ESI): 285.2 [M+H]
【0349】
ステップ2:tert-ブチル=2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセタートの調製:
ブロモ酢酸tert-ブチル(141μL、0.95mmol)をDMF(1mL)中の4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム(100mg、0.32mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(316mg、0.95mmol)及びNaI(48mg、0.32mmol)を加えた。16時間攪拌した後、溶媒を除去し、残渣をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセタートを茶色の油状物として得(130mg、収率93%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 399.3 [M+H]
【0350】
ステップ3:2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸の調製:
4N HCl水溶液(3mL)中のtert-ブチル=2-[(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセタート(130mg、0.29mmol)の懸濁液を3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸を白色固体として得た(38mg、収率36%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.48 (s, 1H), 7.99 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.67 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 1.47 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 343.3 [M+H]
【0351】
実施例7の調製:2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセトアミド
【0352】
【化16】
【0353】
NH(HCO)(64mg、0.79mmol)をDMF(2mL)中の2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸(100mg、0.26mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、HATU(206mg、0.52mmol)及びNaHCO(68mg、0.79mmol)を加えた。16時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセトアミドを白色固体として得た(33mg、収率35%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.52 (s, 1H), 8.00 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.47 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 1.48 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 342.3 [M+H]
【0354】
実施例8の調製:N-(2-アミノエチル)-2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ-アセトアミド:
【0355】
【化17】
【0356】
ステップ1:2-[[2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセチル]アミノ]エチル=tert-ブチルカルボナートの調製:
N-BOC-エチレンジアミン(105μL、0.63mmol)をDMF(2mL)中の2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ酢酸(120mg、0.31mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、HATU(247mg、0.63mmol)及びDIPEA(160μL、0.95mmol)を加えた。24時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、EA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、2-[[2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセチル]アミノ]エチル=tert-ブチル=カルボナートを暗褐色の油状物として得(150mg、収率88%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 485.3 [M+H]
【0357】
ステップ2:N-(2-アミノエチル)-2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシ-アセトアミドの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ9)と同様に、2-[[2-[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシアセチル]アミノ]エチル=tert-ブチル=カルボナート(150mg、0.28mmol)を出発物質として使用して、薄茶色の固体として調製した(58mg、収率53%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.44 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.34 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.85 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.48 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 385.3 [M+H]
【0358】
実施例9の調製:(6Z)-6-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0359】
【化18】
【0360】
[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]=4-メチルベンゼンスルホナートの調製:
TsCl(8.50g、44.1mmol)をDCM(20mL)中のBOC-trans-4-アミノヘキサノール(5.00g、22.0mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、TEA(9.32mL、66.2mmol)及びDMAP(275mg、2.21mmol)を加えた。24時間攪拌した後、固体を濾去し、溶液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;1:1;v:v)によって精製して、[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]=4-メチルベンゼンスルホナートを薄黄色の固体として得た(7.5g、収率83%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 7.79 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.71 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 4.34 (m, 1H), 3.20 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 1.73 (m, 4H), 1.46 (m, 2H), 1.35 (s, 9H), 1.18 (m, 2H).
【0361】
実施例9の調製:(6Z)-6-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
表題化合物(6Z)-6-(cis-4-アミノシクロヘキソキシ)イミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを、スキーム1に従って、実施例1(ステップ8及び9)と同様に、[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]=4-メチルベンゼンスルホナート及び4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシムを出発物質として使用して、白色固体として調製した。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.45 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.23 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4 Hz, 1H), 4.25 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.06 (m, 1H), 2.05 (m, 2H), 1.67 (m, 4H),1.50 (s, 6H), 1.44 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 382.3 [M+H]
【0362】
実施例12の調製:(5R)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン:
【0363】
【化19】
【0364】
(5R)-5-(クロロメチル)オキサゾリジン-2-オン(CAS169048-79-7、286mg、1.90mmol)をDMF(2mL)中の4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム(100mg、0.32mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(316mg、0.95mmol)及びTBAI(316mg、0.95mmol)を加えた。70℃で2時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、(5R)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを白色固体として得た(11mg、収率9%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.40 (s, 1H), 8.06 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.25 (m, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.57 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.27 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 1.50及び1.48 (2s, 6H).
MS m/z (+ESI): 384.3 [M+H]
【0365】
実施例36の調製:(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン:
【0366】
【化20】
【0367】
ステップ1:5,5-ジメチル-6,7-ジヒドロベンゾチオフェン-4-オンの調製:
ヨードメタン(5.98mL、95.6mmol)をTHF(50mL)中の6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[b]チオフェン-4-オン(5.00g、31.9mmol)の攪拌溶液に0℃で加え、続いて、tBuONa(9.28g、95.6mmol)を加えた。0℃で1時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、EA及び飽和NHCl水溶液で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、5,5-ジメチル-6,7-ジヒドロベンゾチオフェン-4-オンを茶色の油状物として得た(6.00g、収率94%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 7.38 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 3.04 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.98 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.09 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 181.1 [M+H]
【0368】
ステップ2:5,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-4H-ベンゾチオフェンの調製:
EtO(20mL)中のLAH(390mg、9.99mmol)の懸濁液をアルゴン下0℃でEtO(30mL)中のAlCl(2.69g、20.0mmol)の攪拌溶液に加え、得られた懸濁液を0℃で10分間攪拌した。EtO(10mL)中の5,5-ジメチル-6,7-ジヒドロベンゾチオフェン-4-オン(1g、4.99mmol)の溶液を懸濁液に0℃で滴下した。0℃で30分間攪拌した後、反応混合物をHOで失活させた。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、5,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-4H-ベンゾチオフェンを黄色の油状物として得(850mg、収率92%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 7.07 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.79 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 2.42 (s, 2H), 1.62 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 1.01 (s, 6H).
【0369】
ステップ3:5,5-ジメチル-4,6-ジヒドロベンゾチオフェン-7-オンの調製:
O(160mL)中の硝酸アンモニウムセリウム(IV)(180g、325mmol)の溶液をAcOH(160mL)及びHO(40mL)中の5,5-ジメチル-6,7-ジヒドロ-4H-ベンゾチオフェン(15g、81.19mmol)の攪拌溶液に0℃で滴下した。0℃で3時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;100:1~50:1;v:v)によって精製して、5,5-ジメチル-4,6-ジヒドロベンゾチオフェン-7-オンを暗褐色の油状物として得た(11g、収率68%)。
MS m/z (+ESI): 181.0 [M+H]
【0370】
ステップ4:メチル=5,5-ジメチル-7-オキソ-4,6-ジヒドロベンゾチオフェン-6-カルボキシラートの調製:
NaH(6.59g、165mmol)を炭酸ジメチル(60mL)中の5,5-ジメチル-4,6-ジヒドロベンゾチオフェン-7-オン(11.0g、54.9mmol)の攪拌溶液に分割して加えた。90℃で1時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;20:1;v:v)によって精製して、メチル=5,5-ジメチル-7-オキソ-4,6-ジヒドロベンゾチオフェン-6-カルボキシラートを黄色の油状物として得た(13g、収率89%)。
MS m/z (+ESI): 239.0 [M+H]
【0371】
ステップ5:5,5-ジメチル-3,6-ジヒドロチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-オンの調製:
ホルムアミジン酢酸塩(13.0g、119mmol)中のメチル=5,5-ジメチル-7-オキソ-4,6-ジヒドロベンゾチオフェン-6-カルボキシラート(5.00g、18.9mmol)の混合物を180℃で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、HOで希釈した。得られた懸濁液を濾過し、ケーキをHOで洗浄し、乾燥させて、5,5-ジメチル-3,6-ジヒドロチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-オンを茶色の固体として得(3.1g、収率64%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 12.22 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.67 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 2.74 (s, 2H), 1.32 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 233.1 [M+H]
【0372】
ステップ6:5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミンの調製:
BOP(2.27g、5.04mmol)をACN(10mL)中の5,5-ジメチル-3,6-ジヒドロチエノ[3,2-h]キナゾリン-4-オン(1.00g、3.87mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、DBU(895μL、5.81mmol)を加えた。30分攪拌した後、NHOH溶液(25mL)を加え、得られた溶液を80℃で16時間攪拌した。溶媒を除去し、粗生成物をコンビフラッシュによって精製して、5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミンを黄色の固体として得た(650mg、収率65%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.36 (s, 1H), 7.81 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 2.86 (s, 2H), 1.32 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 232.1 [M+H]
【0373】
ステップ7:(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-8-イル)ボロン酸の調製:
LDA(0.35mL、0.69mmol、ヘキサン/THF中2M)をTHF(12mL)中の5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン(200mg、0.69mmol)の攪拌溶液に-70℃で滴下し、得られた懸濁液を-70℃で1時間攪拌した。イソプロポキシボロン酸ピナコールエステル(CAS61676-62-8、291μL、1.38mmol)を-70℃で滴下した。-70℃で1時間攪拌した後、反応物を飽和NHCl水溶液で失活させ、次いで、濃縮して、(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-8-イル)ボロン酸を黄色の固体として得(160mg、収率59%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 276.1 [M+H]
【0374】
ステップ8:4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-8-オールの調製:
NaBO×4HO(182mg、1.14mmol)をMeOH(10mL)中の(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-8-イル)ボロン酸(150mg、0.38mmol)の攪拌溶液に加えた。1時間後、溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;MeOH:DCM;1:10;v:v)によって精製して、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-8-オールを黄色の固体として得た(70mg、収率59%)。
MS m/z (+ESI): 248.2 [M+H]
【0375】
実施例36の調製:(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミン:
表題化合物(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-チエノ[3,2-h]キナゾリン-4-アミンを、スキーム1に従って、実施例1(ステップ5-9)と同様に、[trans-4-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシル]=4-メチルベンゼンスルホナート、4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-チエノ[3,2-h]キナゾリン-8-オール、塩酸ヒドロキシルアミン及びヨードメタンを出発物質として使用して、黄色の固体として調製した。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.18 (s, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.25 (m, 1H), 3.91 (s, 3H). 3.07 (m, 1H), 2.16 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 1.56 (s, 6H), 1.50 (m, 4H).
MS m/z (+ESI): 388.3 [M+H]
【0376】
実施例37の調製:(5R)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン:
【0377】
【化21】
【0378】
ステップ1:tert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5R)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマートの調製:
(5R)-5-(クロロメチル)-2-オキサゾリジノン(CAS169048-79-7、73mg、0.49mmol)をDMF(2mL)中のtert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-6-ヒドロキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマート(80mg、0.16mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(162mg、0.49mmol)及びTBAI(6mg、0.016mmol)を加えた。36時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、EA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5R)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマートを薄黄色の油状物として得(100mg、収率54%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 567.3 [M+H]
【0379】
ステップ2:(5R)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例4(ステップ10)と同様に、tert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5R)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマート(100mg、0.09mmol)を出発物質として使用して、白色固体として調製した(12mg、収率23%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm:8.25 (s, 1H), 8.12 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.83 (m, 1H), 4.35 (m, 1H), 4.22 (m, 2H), 3.60 (m, 1H), 3.25 (m, 1H), 3.00 (m, 1H), 2.14 (m, 2H), 1.94 (m, 2H), 1.50 (m, 10H).
MS m/z (+ESI): 467.4 [M+H]+.
【0380】
実施例39の調製:(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0381】
【化22】
【0382】
ステップ1:tert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマートの調製:
NCS(5mg、0.035mmol)をAcOH(0.2mL)中の(6Z)-tert-ブチル=N-[trans-4-(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)オキシシクロヘキシル]カルバマート(20mg、0.029mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、Pd(OAc)(0.5mg、0.002mmol)を加えた。80℃で3時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマートを黄色の固体として得(18mg、収率96%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 8.26 (s, 1H), 7.26 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.64 (s, 2H), 4.39 (m, 1H), 3.30 (m, 1H, 水シグナルと重複), 3.82 (s, 3H), 2.06 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.43 (m, 4H), 1.38 (s, 9H), 1.23 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 516.3, 518.2 [M+H]
【0383】
ステップ2:(6Z)-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ9)と同様に、tert-ブチル=N-[trans-4-[(6Z)-4-アミノ-10-クロロ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマート(26mg、0.04mmol)を出発物質として使用して、白色固体として調製した(10mg、収率52%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.36 (s, 1H), 7.31 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.45 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.07 (m, 1H), 2.12 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.49 (m, 4H), 1.43 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 416.2, 418.2 [M+H]
【0384】
実施例41の調製:(6Z)-9-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0385】
【化23】
【0386】
NCS(3mg、0.22mmol)をAcOH(0.9mL)中の(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(60mg、0.18mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、TFA(0.60mL)を加えた。16時間攪拌した後、反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、(6Z)-9-クロロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(8mg、収率13%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.44 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 1.51 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 333.2, 335.2 [M+H]
【0387】
実施例42の調製:(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,9-ジアミンの調製:
【0388】
【化24】
【0389】
ステップ1:(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-9-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
HNO(0.5mL、11.2mmol)をHSO(0.5mL)中の(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(130mg、0.39mmol)の攪拌溶液に-15℃で加えた。-15℃で30分攪拌した後、飽和KCO水溶液を-15℃でゆっくりと加え、pH7にし、得られた混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-9-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを黄色の固体として得た(30mg、収率20%)。
MS m/z (+ESI): 344.2 [M+H]
【0390】
ステップ2:(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,9-ジアミンの調製:
Na(104mg、0.52mmol)をMeOH(0.3mL)及びHO(0.1mL)中の(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-9-ニトロ-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(25mg、0.06mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、KCO(27mg、0.20mmol)を加えた。2時間攪拌した後、反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物を分取HPLCによって精製して、(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,9-ジアミンを黄色の固体として得た(6mg、収率24%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.22 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 1.49 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 314.2 [M+H]
【0391】
実施例44の調製:(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-triメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン:
【0392】
【化25】
【0393】
ステップ1:(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミンの調製:
(4-アミノ-6Z-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)=トリフルオロメタンスルホナート(150mg、0.31mmol)及びtrans-1,4-ジアミノシクロヘキサン(1.92mL、15.3mmol)の混合物をマイクロ波照射下200℃で30分間攪拌した。反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミンを黄色の半固体として得(120mg、収率87%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 381.3 [M+H]
【0394】
ステップ2:tert-ブチル=N-[trans-4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アミノ]シクロヘキシル]カルバマートの調製:
BOCO(119mg、0.54mmol)を1,4-ジオキサン(1mL)中の(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン(120mg、0.27mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、飽和NaHCO水溶液(0.25mL)を加えた。2時間攪拌した後、反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をコンビフラッシュによって精製して、tert-ブチル=N-[trans-4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アミノ]シクロヘキシル]カルバマートを薄黄色の固体として得た(85mg、収率43%)。
MS m/z (+ESI): 481.3 [M+H]
【0395】
ステップ3:tert-ブチル=N-[trans-4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]-メチル-アミノ]シクロヘキシル]カルバマートの調製:
パラホルムアルデヒド(36mg、0.44mmol)をMeOH(5mL)中のtert-ブチル=N-[trans-4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アミノ]シクロヘキシル]カルバマート(65mg、0.09mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、AcOH(26μL、0.44mmol)及びNaBHCN(29mg、0.44mmol)を加えた。1時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=N-[trans-4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]-メチル-アミノ]シクロヘキシル]カルバマートを黄色の油状物として得(65mg、収率75%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 495.3 [M+H]
【0396】
ステップ4:(6Z)-N8-(trans-4-アミノシクロヘキシル)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-トリメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ9)と同様に、tert-ブチル=N-[trans-4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]-メチル-アミノ]シクロヘキシル]カルバマート(85mg、0.08mmol)を出発物質として使用して、黄色の固体として調製した(6mg、収率17%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.44 (s, 1H), 7.86 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4 Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.71 (m, 1H), 3.04 (m, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.01 (m, 2H), 1.71 (m, 4H), 1.52 (m, 2H), 1.48 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 395.3 [M+H]
【0397】
実施例51の調製:(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン:
【0398】
【化26】
【0399】
ステップ1:(4-アミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホナートの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例4(ステップ4)と同様に、4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(1.7g、6.33mmol)を出発物質として使用して、黄色の固体として調製した(1.7g、収率62%)。
MS m/z (+ESI): 388.0 [M+H]
【0400】
ステップ2:4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
t-Brettphos(0.17g、0.36mmol)をDiox(6mL)中の(4-アミノ-5,5-ジメチル-6-オキソ-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)トリフルオロメタンスルホナート(0.75g、1.75mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、Pd(dba)(0.16g、0.17mmol)、KBr(2.09g、17.4mmol)及びKF(51mg、0.87mmol)を加えた。120℃で16時間後、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;1:1;v:v)によって精製して、4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを黄色の固体として得た(0.25g、収率23%)。
MS m/z (+ESI): 318.1, 320.1 [M+H]
【0401】
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ7)及び実施例12と同様に、4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン、塩酸ヒドロキシルアミン及び(5S)-5-(クロロメチル)オキサゾリジン-2-オン(CAS169048-83-3)を出発物質として使用して、黄色の固体として調製した。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.50 (s, 1H), 8.23 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.88 (dd, J = 8.4 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.84 (m, 1H), 4.27 (m, 2H), 3.57 (m, 1H), 3.25 (m, 1H), 1.51 (s, 3H), 1.50 (s, 3H)
MS m/z (+ESI): 432.1, 434.1 [M+H]
【0402】
実施例52の調製:(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-クロロ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン:
【0403】
【化27】
【0404】
ステップ1:5,5-ジメチル-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
Pin(197mg、0.58mmol)をDiox(18mL)中の(4-アミノ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)=トリフルオロメタンスルホナート(240mg、0.58mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、Pd(dppf)Cl(44mg、0.058mmol)及びKOAc(172mg、1.74mmol)を加えた。90℃で5時間後、反応混合物を室温まで冷却してから、EA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;3:2;v:v)によって精製して、5,5-ジメチル-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを濃緑色の固体として得た(210mg、収率93%)。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm: 8.51 (s, 1H), 8.21 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 5.24 (br, 2H), 2.87 (s, 2H), 1.37 (s, 12H), 1.25 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 352.2 [M+H]
【0405】
ステップ2:8クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
CuCl(52mg、0.38mmol)をt-BuOH(1mL)及びMeOH(4mL)中の5,5-ジメチル-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(0.15g、0.38mmol)の溶液に加えた。90℃で2時間後、固体を濾過により除去し、濾液を濃縮した。粗生成物を分取HPLC(注2)によって精製して、8クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(140mg、収率99%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.61 (s, 1H), 7.87 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 8.4 Hz, 2.0 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 2.89 (s, 2H), 1.29 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 260.1, 262.1 [M+H]
【0406】
(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-クロロ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-メチル-オキサゾリジン-2-オンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ6&7)及び実施例12と同様に、8クロロ-5,5-ジメチル-6H-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン、塩酸ヒドロキシルアミン及び(5S)-5-(クロロメチル)-3-メチル-オキサゾリジン-2-オン(CAS140478-99-5)を出発物質として使用して、黄色の固体として調製した。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.44 (s, 1H), 8.13 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.72 (dd, J = 8.4 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.75 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 4.24 (m, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.28 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 1.50 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 402.2, 404.1 [M+H]
【0407】
実施例69の調製:(6Z)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-トリメチル-N8-(4-ピペリジル)ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン:
【0408】
【化28】
【0409】
ステップ1:N-[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アセトアミドの調製:
アセトアミド(781mg、12.96mmol)をtBuOH(20mL)中の[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]=トリフルオロメタンスルホナート(300mg、0.65mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、KPO(699mg、3.24mmol)、Pd(dba)(121mg、0.13mmol)及びMe4tBuXPhos(127mg、0.26mmol)を加えた。110℃で2時間攪拌した後、反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM:MeOH;10:1;v:v)によって精製して、N-[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アセトアミドを茶色の泡状物として得た(200mg、収率85%)。
MS m/z (+ESI): 326.2 [M+H]
【0410】
ステップ2:(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミンの調製:
NaOH(805mg、19.92mmol)をMeOH(3mL)及びHO(3mL)中のN-[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アセトアミド(180mg、0.50mmol)の攪拌溶液に加えた。50℃で16時間攪拌した後、反応混合物をEA及びブラインで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミンを黄色の半固体として得(170mg、収率72%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 284.1 [M+H]
【0411】
ステップ3:tert-ブチル=4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートの調製:
N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ピペリドン(80mg、0.39mmol)をDCE(5mL)中の(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン(170mg、0.36mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、NaBH(OAc)(236mg、1.08mmol)を加えた。16時間攪拌した後、反応混合物を飽和NHCl水溶液で失活させ、EAで抽出した。合わせた有機層をNaSOを乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;DCM:MeOH;10:1;v:v)によって精製して、tert-ブチル=4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラートを黄色の固体として得た(168mg、収率81%)。
MS m/z (+ESI): 467.2 [M+H]
【0412】
実施例69の調製:(6Z)-6-メトキシイミノ-N8,5,5-トリメチル-N8-(4-ピペリジル)ベンゾ[h]キナゾリン-4,8-ジアミン:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ9)及び44(ステップ3)と同様に、tert-ブチル=4-[[(6Z)-4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシラート及びパラホルムアルデヒドを出発物質として使用して、黄色の固体として調製した(18mg、収率34%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.43 (s, 1H), 7.87 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 9.2 Hz, 2.4 Hz, 1H), 4.13 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.38 (m, 2H), 3.08 (m, 2H), 2.83 (s, 3H), 1.90 (m, 2H), 1.83 (m, 2H), 1.48 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 381.2 [M+H]
【0413】
実施例70の調製:(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルメチル)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0414】
【化29】
【0415】
ステップ1:6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例52(ステップ1)と同様に、(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)=トリフルオロメタンスルホナート(250mg、0.54mmol)を出発物質として使用して、茶色の半固体として調製した(220mg、収率93%)。
MS m/z (+ESI): 395.3 [M+H]
【0416】
ステップ2:tert-ブチル=4-[(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)メチレン]ピペリジン-1-カルボキシラートの調製:
tert-ブチル=4-(ブロモメチレン)ピペリジン-1-カルボキシラート(190mg、0.67mmol)をDiox(3mL)及びHO(0.4mL)中の6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(260mg、0.51mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、Pd(dppf)Cl(38mg、0.05mmol)及びKPO(0.33g、1.54mmol)を加えた。120℃で1時間攪拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣をコンビフラッシュ(ACN:0.1%HCOOH含有HO)によって精製して、tert-ブチル=4-[(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)メチレン]ピペリジン-1-カルボキシラートを暗褐色の固体として得た(250mg、収率84%)。
MS m/z (+ESI): 464.3 [M+H]
【0417】
ステップ3:tert-ブチル=4-[(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラートの調製:
10%パラジウム活性炭(37mg、0.03mmol)をEtOH(5mL)中のtert-ブチル=4-[(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)メチレン]ピペリジン-1-カルボキシラート(200mg、0.34mmol)の攪拌溶液に加えた。水素流下で16時間攪拌した後、触媒を濾過により除去し、溶液を濃縮して、tert-ブチル=4-[(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラートを薄黄色の半固体として得(20mg、収率62%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 466.3 [M+H]
【0418】
ステップ4:(6Z)-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-8-(4-ピペリジルメチル)ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ9)と同様に、tert-ブチル=4-[(4-アミノ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル)メチル]ピペリジン-1-カルボキシラート(190mg、0.20mmol)を出発物質として使用して、白色固体として調製した(15mg、収率19%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.43 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.44 (dd, J = 8.0 Hz, 1.2 Hz, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.24 (m, 2H), 2.81 (m, 2H), 2.63 (m, 2H), 1.83 (m, 1H), 1.74 (m, 2H), 1.49 (s, 6H), 1.32 (m, 2H).
MS m/z (+ESI): 366.2 [M+H]
【0419】
実施例76の調製:(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-1-メチル-ピロリジン-2-オン:
【0420】
【化30】
【0421】
ステップ1:[(3S)-5-オキソピロリジン-3-イル]メチル=4-メチルベンゼンスルホナートの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例9(ステップ1)と同様に、(4S)-4-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-2-オン(900mg、3.91mmol)を使用して、薄黄色の液体として調製した(140mg、収率12%)。
MS m/z (+ESI): 270.2 [M+H]
【0422】
ステップ2:[(3S)-1-メチル-5-オキソ-ピロリジン-3-イル]メチル=4-メチルベンゼンスルホナートの調製:
NaH(35mg、0.87mmol)をTHF(5mL)中の[(3S)-5-オキソピロリジン-3-イル]メチル=4-メチルベンゼンスルホナート(130mg、0.43mmol)の攪拌溶液に0℃で加え、続いて、ヨードメタン(33μL、0.74mmol)を加えた。室温で30分攪拌した後、反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、[(3S)-1-メチル-5-オキソ-ピロリジン-3-イル]メチル=4-メチルベンゼンスルホナートをオフホワイトの半固体として得(120mg、収率88%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 284.1 [M+H]
【0423】
ステップ3:(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-1-メチル-ピロリジン-2-オンの調製:
[(3S)-1-メチル-5-オキソ-ピロリジン-3-イル]メチル=4-メチルベンゼンスルホナート(120mg、0.57mmol)をDMF(5mL)中の4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム(180mg、0.57mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(380mg、1.14mmol)及びNaI(58mg、0.38mmol)を加えた。100℃で20分攪拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、(4S)-4-[[(Z)-(4-アミノ-8-メトキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-1-メチル-ピロリジン-2-オンを白色固体として得た(22mg、収率14%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.55 (s, 1H), 7.97 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.28 (dd, J1 = 8.8 Hz, J2 = 2.4 Hz, 1H), 4.11 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.43 (m, 1H), 3.12 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.37 (m, 1H), 2.08 (m, 1H), 1.50 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 396.3 [M+H]
【0424】
実施例77の調製:(6Z)-10-フルオロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン:
【0425】
【化31】
【0426】
PhCF(1.2mL)中の(6Z)-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミン(20mg、0.06mmol)、NFSI(59mg、0.18mmol)及びPd(dba)(10mg、0.02mmol)の混合物をマイクロ波照射下110℃で1時間攪拌した。反応混合物をDCM及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、(6Z)-10-フルオロ-8-メトキシ-6-メトキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-4-アミンを白色固体として得た(7mg、収率5%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.45 (s, 1H), 7.33 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 14.0 Hz, 2.4 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 1.46 (s, 6H).
MS m/z (+ESI): 317.3 [M+H]
【0427】
実施例78の調製:(2R)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オール:
【0428】
【化32】
【0429】
ステップ1:tert-ブチル=N-[4-[(6Z)-4-アミノ-6-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]イミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマートの調製:
KOH(6mg、0.11mmol)をHO(0.3mL)及びDMSO(0.9mL)中のtert-ブチル=N-[4-[(6Z)-4-アミノ-6-ヒドロキシイミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマート(50mg、0.09mmol)及び(R)-(+)-1,2-エポキシプロパン(9mg、0.14mmol)の攪拌溶液に加えた。48時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル=N-[4-[(6Z)-4-アミノ-6-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]イミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマートを薄黄色の固体として得(55mg、収率92%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
MS m/z (+ESI): 526.4 [M+H]
【0430】
ステップ2:(2R)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オールの調製:
MSA(174mg、1.78mmol)をACN(1.2mL)中のtert-ブチル=N-[4-[(6Z)-4-アミノ-6-[(2R)-2-ヒドロキシプロポキシ]イミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-8-イル]オキシシクロヘキシル]カルバマート(110mg、0.18mmol)の攪拌溶液に加えた。18時間攪拌した後、反応混合物をHOで希釈し、NaHCO水溶液でpH7に調整し、次いで、DCM/MeOH(20:1、v/v)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、(2R)-1-[(Z)-[4-アミノ-8-(trans-4-アミノシクロヘキソキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシプロパン-2-オールを白色固体として得た(23mg、収率28%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.42 (s, 1H), 8.01 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 8.8 Hz, 2.8 Hz, 1H), 4.40 (m, 1H), 3.91 (m, 3H), 3.07 (m, 1H), 2.15 (m, 2H), 1.97 (m, 2H), 1.48 (m, 10H), 1.06 (d, J = 6.0 Hz, 3H).
LC-MS m/z (+ESI): 426.3 [M+H]
【0431】
実施例90の調製:(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オン:
【0432】
【化33】
【0433】
ステップ1:(5S)-5-(クロロメチル)-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オンの調製:
1-ブロモ-2-メトキシエタン(596mg、4.20mmol)をDMF(4mL)中の(5S)-5-(クロロメチル)オキサゾリジン-2-オン(500mg、3.50mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(2.33g、7.01mmol)及びNaI(804mg、5.25mmol)を加えた。60℃で18時間攪拌した後、反応混合物を飽和NHCl水溶液で失活させ、EAで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(5S)-5-(クロロメチル)-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オンを黄色の油状物として得(370mg、収率38%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
【0434】
ステップ2:(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オンの調製:
NaI(98mg、0.65mmol)をDMSO(3mL)中の4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム(120mg、0.32mmol)及び(5S)-5-(クロロメチル)-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オン(358mg、1.29mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、KOH(64mg、0.97mmol)を加えた。8時間攪拌した後、反応混合物を分取HPLCによって精製して、(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]-3-(2-メトキシエチル)オキサゾリジン-2-オンを黄色の固体として得た(33mg、収率18%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.30 (s, 1H), 8.13 (m, 2H), 7.77 (dd, J = 8.4 Hz, 2.0 Hz, 1H), 4.76 (m, 1H), 4.24 (m, 2H), 3.67 (t, J = 8.8 Hz, 2H), 3.36 (m, 2H), 3.25 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 1.49 (s, 3H), 1.48 (s, 3H).
MS m/z (+ESI): 490.3, 492.3 [M+H]
【0435】
実施例92の調製:(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-カルボニトリル:
【0436】
【化34】
【0437】
Zn(CN)(75mg、0.62mmol)をDMA(5mL)中の(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン(100mg、0.21mmol)の攪拌懸濁液に加え、続いて、Pd(dba)(19mg、0.02mmol)及びXPhos(10mg、0.02mmol)を加えた。得られた懸濁液をマイクロ波照射下120℃で30分間攪拌した。反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLCによって精製して、(6Z)-4-アミノ-5,5-ジメチル-6-[[(5S)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル]メトキシイミノ]ベンゾ[h]キナゾリン-8-カルボニトリルを白色固体として得た(56mg、収率62%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.48 (s, 1H), 8.40 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.09 (dd, J = 8.4 Hz, 1.6 Hz, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.31 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.27 (m, 1H), 1.51 (s, 6H).
LC-MS m/z (+ESI): 379.3 [M+H]
【0438】
実施例93の調製:(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヨード-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン:
【0439】
【化35】
【0440】
NaI(95mg、0.62mmol)を1,4-ジオキサン(1mL)中の(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン(150mg、0.31mmol)の攪拌懸濁液に加え、続いて、(1R,2R)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(13mg、0.09mmol)及びCuI(12g、0.06mmol)を加えた。得られた懸濁液をマイクロ波照射下120℃で1時間攪拌し、次いで、濾過し、DCMで洗浄し、分取HPLCによって精製して、(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヨード-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを白色固体として得た(62mg、収率40%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.52 (s, 1H), 8.42 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.07(dd, J = 8.4 Hz, 1.6 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.30 (m, 2H), 3.60 (m, 1H), 3.27 (m, 1H), 1.50 (s, 3H), 1.49 (s, 3H).
LC-MS m/z (+ESI): 480.2 [M+H]
【0441】
実施例94の調製:(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン:
【0442】
【化36】
【0443】
ステップ1:4-アミノ-8-ベンジルオキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンの調製:
臭化ベンジル(2.7g、15.67mmol)をDMF(50mL)中の4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(5g、9.79mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、CsCO(9.77g、29.38mmol)を加えた。1時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;PE:EA;2:1、v:v)によって精製して、4-アミノ-8-ベンジルオキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オンを黄色の固体として得た(2.3g、収率61%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm: 8.56 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.56 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.49 (m, 3H), 7.39 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 6.87 (s, 2H), 5.26 (s, 2H), 1.50 (s, 6H).
LC-MS m/z (+ESI): 346.3 [M+H]
【0444】
ステップ2:4-アミノ-8-ベンジルオキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシムの調製:
表題化合物を、スキーム1に従って、実施例1(ステップ7)と同様に、4-アミノ-8-ベンジルオキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン(500mg、1.37mmol)及び塩酸ヒドロキシルアミン(970mg、13.7mmol)を出発物質として使用して、黄色の固体として調製した(450mg、収率82%)。
LC-MS m/z (+ESI): 361.2 [M+H]
【0445】
ステップ3:(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(2-フェニルエチル)ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
(5S)-5-(クロロメチル)オキサゾリジン-2-オン(CAS169048-83-3、1.07g、7.49mmol)をDMSO(20mL)中の4-アミノ-8-ベンジルオキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-オン=オキシム(1g、2.50mmol)の攪拌懸濁液に加え、続いて、KOH(429mg、7.49mmol)及びNaI(756mg、4.99mmol)を加えた。16時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をコンビフラッシュによって精製して、(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(2-フェニルエチル)ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを薄黄色の固体として得た(350mg、収率27%)。
LC-MS m/z (+ESI): 460.2 [M+H]
【0446】
ステップ4:(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
10%パラジウム活性炭(365mg、0.34mmol)をMeOH(15mL)中の(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-5,5-ジメチル-8-(2-フェニルエチル)ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン(350mg、0.69mmol)の攪拌溶液に加えた。水素流下で16時間攪拌した後、触媒を濾過により除去し、溶液を濃縮して、(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを薄黄色の粘稠な油状物として得(280mg、収率99%)、これを更に精製することなく、次のステップに使用した。
LC-MS m/z (+ESI): 370.2 [M+H]
【0447】
ステップ5:(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
(2-ブロモエトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(CAS86864-60-0、589mg、2.39mmol)をDMF(5mL)中の(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン(280mg、0.68mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、KCO(476mg、3.41mmol)を加えた。85℃で3時間攪拌した後、反応混合物をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をコンビフラッシュによって精製して、(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを無色の液体として得た(200mg、収率53%)。
LC-MS m/z (+ESI): 528.4 [M+H]
【0448】
ステップ6:(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンの調製:
ピリジンフッ化水素酸(497mg、3.51mmol)をTHF(10mL)中の(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-[2-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシエトキシ]-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン(195mg、0.35mmol)の攪拌溶液に加え、得られた溶液を10分間超音波処理した。反応混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、(5S)-5-[[(Z)-[4-アミノ-8-(2-ヒドロキシエトキシ)-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン]アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを白色固体として得た(58mg、収率36%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.13 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.55 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.13 (dd, J = 8.8 Hz, 2.4 Hz, 1H), 4.86 (m, 1H), 4.23 (m, 2H), 4.50 (m, 2H), 3.73 (m, 2H), 3.57 (m, 1H), 3.26 (m, 1H), 1.50 (s, 3H), 1.48 (s, 3H).
LC-MS m/z (+ESI): 414.3 [M+H]
【0449】
実施例98の調製:(5S)-5-[[(Z)-(8-アセチル-4-アミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン:
【0450】
【化37】
【0451】
トリブチル(1-エトキシビニル)スズ(CAS97674-02-7、310mg、0.83mmol)をDMF(5mL)中の(5S)-5-[[(Z)-(4-アミノ-8-ブロモ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オン(200mg、0.42mmol)の攪拌溶液に加え、続いて、LiCl(18mg、0.42mmol)及びPd(dppf)Cl(31mg、0.04mmol)を加えた。得られた懸濁液を80℃で16時間攪拌した。溶媒を除去し、残渣をEA及びHOで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をTHF(2mL)中に溶解し、1N HCl水溶液(1mL)を加えた。1時間攪拌した後、溶媒を除去し、残渣を分取HPLCによって精製して、(5S)-5-[[(Z)-(8-アセチル-4-アミノ-5,5-ジメチル-ベンゾ[h]キナゾリン-6-イリデン)アミノ]オキシメチル]オキサゾリジン-2-オンを白色固体として得た(106mg、収率25%)。
H NMR (400 MHz, DMSO-d+DO) δ ppm: 8.61 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.29 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.14 (dd, J = 8.4 Hz, 1.6 Hz, 1H), 4.85 (m, 1H), 4.32 (m, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.52 (s, 3H), 1.51 (s, 3H).
LC-MS m/z (+ESI): 396.3 [M+H]
【0452】
生物学的実施例
CLK3キナーゼアッセイ
CLK3キナーゼ活性は、本質的に、LANCE(登録商標)Ultra技術(PerkinElmer)を供給元が推奨するとおりに使用して測定した。簡潔に述べると、所望の最終濃度の4倍の4%DMSO中の試験サンプル2.5μLを白色の低用量丸底384ウェルプレート(Corning、カタログ番号4512)に分注した。1.33xキナーゼ緩衝液(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号PV3189)中に調製した組み換えヒトCLK3(Thermo Fisher Scientific、カタログ番号PV3826)及び標識したペプチド基質であるULight(商標)-CREBtide(PerkinElmer、カタログ番号TRF0107)を含有する5μLの混合物を加えた。最後に、キナーゼ緩衝液中の4倍ATP溶液2.5μLを加えることによって反応を開始した。プレートを粘着フォイルで密閉し、30℃の暗所で3時間インキュベートした。CLK3、ULight(商標)-CREBtide、及びATPの最終濃度は、それぞれ0.5nM、50nM、及び300μMであった。次いで、5μLの40mM EDTAを加えて反応を終了させた。次いで、LANCE(登録商標)検出緩衝液(PerkinElmer、カタログ番号CR97)で希釈したEu-抗ホスホ-CREB抗体(PerkinElmer、カタログ番号TRF0200)を2nMの最終濃度になるように加え、反応物を室温の暗所で1時間インキュベートした。Synergy 4リーダー(BioTek)を使用し、励起に320/80nmフィルターと、ドナー及びアクセプターの発光にそれぞれ620/10nm及び665/8nmのフィルターとを用いてシグナルを測定した。溶媒対照ウェル(0%阻害)及びATP(100%阻害)を含まないウェルを使用して生データを正規化することにより、相対阻害値を算出した。濃度反応データをシグモイド4パラメーターロジスティックモデルに当てはめることにより、IC50値を算出した。結果を以下の表2に示す。
【0453】
MDA-MB-231増殖アッセイ
MDA-MB-231細胞を、1%ピルビン酸ナトリウム(Sigma、カタログ番号S8636)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(BioConcept、カタログ番号4-01F00H)、及び10%FBS(Sigma、カタログ番号F9665)を添加したL-グルタミン(BioConcept、カタログ番号1-26F03-I)含有DMEM高グルコース(4,5g/L)中で標準的な技術を使用して培養した。細胞を20μLの培地を入れた組織培養用の黒色透明底384ウェルプレート(Greiner Bio-One、カタログ番号781091)に750細胞/ウェルの密度で播種し、処置前にプレートを5%CO、37℃で一晩インキュベートした。実験化合物を所望の最終濃度の200倍になるようにDMSOで連続希釈した。次いで、溶液を培養培地で1:40に希釈し、5μLのアリコートを細胞を含有するウェルに混合した。DMSOの最終濃度は、0.5%であった。プレートを72時間インキュベートし、次いで、細胞数を、本質的に、YO-PRO(商標)-1 Iodide(ThermoFisher Scientific、カタログ番号Y3603)を製造元が推奨するとおりに使用して測定した。簡潔に述べると、5x YO-PRO緩衝液(100mM クエン酸ナトリウム、130mM NaCl、pH4)中のYO-PRO(商標)-1 Iodide 12.5μM溶液を、等量の溶解緩衝液(0.6%NP-40、30mM EDTA、30mM EGTA、0.33x YO-PRO緩衝液)と混合し、12.5μLの混合物を各ウェルに分注した。プレートを室温で30分間暗室でインキュベートした。次いで、Synergy4リーダー(BioTek)で、励起及び発光のそれぞれに485/20nm及び530/25nmのフィルターを使用して蛍光強度シグナルを測定した。DMSO処置した細胞(100%増殖)及び化合物の添加時に評価した細胞から得たシグナル(0%増殖)を使用して生データを正規化することによって、相対増殖値を算出した。濃度反応データをシグモイド4パラメーターロジスティックモデルに当てはめ、最大値は100%に拘束した。GI50値は、増幅を50%まで減少させる化合物濃度として、曲線から算出した。結果を以下の表2に示す:
【0454】
【表2-1】
【0455】
【表2-2】
【0456】
【表2-3】
【0457】
MDA-MB-468細胞におけるホスホ-SRSF6レベルの阻害評価
MDA-MB-468細胞(ATCC、HTB-132)を、10%FBS(Sigmaカタログ番号F9665)、1%ピルビン酸ナトリウム(Sigmaカタログ番号S8636)、1%ペニシリン-ストレプトマイシン(BioConceptカタログ番号4-01F00-H)を添加したDMEM(BioConceptカタログ番号1-26F03)中で培養した。細胞が6ウェルプレート(TPPカタログ番号92006)で70%の密度に達したら、試験化合物ビヒクルDMSOまたは最終濃度100nMの実験化合物のいずれかで2時間処置した。その後、培養培地を取り除き、細胞を、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤(Halt(商標)Protease&Phosphatase阻害剤カクテル100x ThermoScientificカタログ番号1861281)ならびに1mM PMSF(Flukaカタログ番号93482)を含有する溶解緩衝液(20mM Tris HCl pH7.5、150mM NaCl、1mM EGTA、1mM EDTA、1% Triton及び1% NP-40)中にスクレイピングすることによって回収した。清澄化したライセートを、使用するまで、エッペンドルフチューブ中-80℃で保存し、ライセート中のタンパク質濃度をPierce 660nmタンパク質アッセイ試薬(ThermoScientificカタログ番号22660)を使用して決定した。タンパク質20μgを10%ベータメルカプトエタノールを含有する4x Laemmli緩衝液(Bioradカタログ番号161-0747)で希釈し、10%ゲルを使用するSDS-PAGEによって分離し、次いで、trans-Blot(登録商標)Turbo(商標)Systemセミドライブロッティング法(BioRad)によってPVDF膜(trans Blot Turbo transfer Pack BioRadカタログ番号1704156)に移した。一次抗体を、3%BSAウシアルブミンFr.V(Milliporeカタログ番号81-053-3)を含有するTBS-0.1%Tween-20緩衝液中、4℃で一晩インキュベートした。次の一次抗体を使用した:1:5000に希釈したマウス抗ホスホエピトープSRタンパク質クローン1H4(Milliporeカタログ番号MABE50)、及びタンパク質の等量ローディングをコントロールする1:2000に希釈したウサギ抗GAPDHクローン14C10(Cell Signalingカタログ番号2118S)。5%脱脂粉乳(Sigmaカタログ番号M7409)を含有するTBS-0.1%Tween-20緩衝液で1:5000に希釈したHRP結合二次抗体を室温で1時間インキュベートした。次の二次抗体を使用した:ヤギ抗マウス-HRP(Jacksonカタログ番号115-035-146)及びヤギ抗ウサギ-HRP(Jacksonカタログ番号111-035-144)。膜をECL Primeウェスタンブロット検出試薬(Amershamカタログ番号RPN2236)と一緒にインキュベートし、Fusion SOLO S装置(Vilber Lourmat)を使用して、特定のシグナルを検出した。ウェスタンブロットにおけるホスホ-SRSF6(マーカー基準でMW 55kDa)及びGAPDH(MW37kDa)シグナルのピクセル強度をEvolution-Capt画像解析ソフトウエア(v17.01、Vilber Lourmat)を使用して決定した。DMSO対照を使用してホスホ-SRSF6シグナルをベースラインに設定し、各サンプルのホスホ-SRSF6シグナルをそれぞれのGAPDHシグナルによって正規化し、DMSO対照と比較した化合物100nMでのP-SRSF6シグナルの強度パーセントを算出した(図1参照)。
【0458】
本発明のいくつかの実施例をMDA-MB-468細胞におけるホスホ-SRSF6レベルの阻害について試験すると、100nMの濃度で試験した場合、DMSO対照と比較して50%を超える阻害レベルを示した。結果を以下の表3に示す。
【0459】
【表3】
【0460】
マウス異種移植モデル
実施例29の有効性をマウス異種移植モデルで評価した。このために、免疫不全NCGマウス(機能性/成熟T、B、及びNK細胞を欠き、マクロファージ及び樹状細胞の機能が低下している)の脇腹に腫瘍細胞を皮下注射した、CAL-51トリプルネガティブ乳癌異種移植モデルを使用した。CAL-51細胞(DSMZ、#ACC302)は、10%加熱不活性化ウシ胎児血清を添加したダルベッコ改変イーグル培地高グルコース培地中、37℃で培養した。CAL-51細胞が指数関数的に成長したら、回収した。
【0461】
8~12週齢の雌のNCGマウスを試験に使用した(Charles River Laboratories)。マウスの脇腹領域に50%Matrigel(商標)中1×10個のCAL-51細胞を0.1mL/マウスの最終注射量で皮下接種した。腫瘍が100~150mmの平均サイズに達したら、マウスを異なる治療群に分けるためにペアマッチを行った。対照群のマウスには、ビヒクル(5%エタノール;85.5%クエン酸緩衝液50mM pH3;9.5% Tween80)を10mL/kgの適用量で毎日経口投与した。実施例29のギ酸塩は、上記のビヒクルで投与日に新しく製剤化した。実施例29の溶液は、10mL/kgの適用量で、毎日25mg/kg、または週3回60mg/kg、または週2回85mg/kgのいずれかで経口投与した(用量は遊離塩基当量で表す)。
【0462】
腫瘍体積(mmで表す)は、治療期間の1、3、7、10、14、17及び21日目にノギスを使用して二次元的に測定した。図2は、治療期間中の腫瘍成長及び体重変化を示す。結果を平均値±SEMで表す。試験終了時の腫瘍体積を一元配置ANOVA分析によって分析して、治療群とビヒクル群を比較した。有意レベルは、P<0.05に設定した。算出は、GraphPad(商標)Prismバージョン9を使用して実施した。試験終了時(21日目)に、60mg/kgを週3回または85mg/kgを週2回のいずれかで実施例29により治療したマウスの腫瘍体積は、ビヒクル治療動物の腫瘍体積と比較して有意に小さかった。治療期間の21日目でビヒクル治療群と比較すると、腫瘍体積は、25mg/kg、60mg/kg及び85mg/kgの実施例29の群においてそれぞれ41.8%、42.7%及び46.8%小さかった(図2A)。実施例29による治療は、治療期間の1、2、3、4、5、7、10、14、17及び21日目における体重評価によって実証されるように、良好な忍容性であった(図2B)。
図1
図2
【国際調査報告】