(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム
(51)【国際特許分類】
F24F 1/14 20110101AFI20231018BHJP
F24F 1/42 20110101ALI20231018BHJP
F25B 39/04 20060101ALI20231018BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20231018BHJP
F25B 13/00 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
F24F1/14
F24F1/42
F25B39/04 N
F25B1/00 396D
F25B13/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521573
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 CN2021118124
(87)【国際公開番号】W WO2022156237
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110080757.6
(32)【優先日】2021-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523104878
【氏名又は名称】ベイジン ジンカールン エンジニアリング デザイン アンド リサーチ インスティテュート カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジエングオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,チョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ウェイボ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュエンジアン
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジエンフイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジーロン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,フイ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ,リーシュエン
(72)【発明者】
【氏名】マオ,トンチン
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ウェンジー
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,ハイイン
(72)【発明者】
【氏名】ゾン,シエンティン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジュンゾン
【テーマコード(参考)】
3L054
3L092
【Fターム(参考)】
3L054BF09
3L054BG03
3L092AA02
3L092BA26
3L092CA03
(57)【要約】
本出願は放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムを開示している。
順に接続された圧縮機(3)、液体貯蔵器(4)、室内機ユニット(1)及び室外機ユニット(2)を含み、室外機ユニット(2)は放射集熱器(20)を含み、放射集熱器(20)は保護板(200)、吸熱板(201)及び板コア(202)を含み、吸熱板(201)は板コア(202)と保護板(200)との間に位置し、板コア(202)は熱交換媒体の入口端部(204)及び熱交換媒体の出口端部(205)を含み、吸熱板(201)は吸収された熱を、板コア(202)内で循環して流通している熱交換媒体に伝達する。吸熱板(201)は熱を収集した後、熱を板コア(202)内で流通している熱交換媒体に伝達し、熱が付けられた熱交換媒体は、圧縮機(3)によって圧縮された後、室内機ユニット(1)に入って熱交換を行っており、相応的な波長の光及び温度差を備えると、放射集熱器(20)は光放射又は温度差放射の方式で熱を収集する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に接続された圧縮機、液体貯蔵器、室内機ユニット及び室外機ユニットを含む放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムであって、前記室外機ユニットは放射集熱器を含み、前記放射集熱器は保護板、吸熱板及び板コアを含み、前記吸熱板は前記板コアと前記保護板との間に位置し、前記板コアは熱交換媒体の入口端部及び熱交換媒体の出口端部を含み、前記吸熱板は吸収された熱を、板コア内に循環して流通している熱交換媒体に伝達することを特徴とする放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項2】
前記板コアは前記吸熱板に密着するように配置され、
前記板コアの他面にはグラスウールが設けられ、
前記吸熱板は太陽集熱板であることを特徴とする請求項1に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項3】
前記保護板は強化ガラスであり、
前記板コアは蛇状コイルパイプであり、
複数の放射集熱器を直列接続することで集熱モジュールを構成することを特徴とする請求項1に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項4】
前記放射集熱器は、銅管及びフィンからなる熱交換器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項5】
前記室内機ユニットは高層建物に設けられる熱交換媒体循環管路を含み、前記高層建物は複数の室内空間を含み、前記室内空間には室内熱交換器が設けられ、各室内熱交換器の入口端部及び/又は出口端部には第1のスロットル弁が設けられ、各階建物の管路には第2のスロットル弁が設けられることを特徴とする請求項1に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項6】
前記室外機ユニットは、前記放射集熱器と並列接続されるフラッシュ蒸発熱交換器を含み、前記放射集熱器の管路には第1の電磁弁が設けられ、前記フラッシュ蒸発熱交換器の管路には第2の電磁弁が設けられることを特徴とする請求項1に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項7】
前記フラッシュ蒸発熱交換器はハウジング、熱交換手段、水霧化装置、送風機及び熱交換媒体流通管を含み、前記送風機は前記ハウジングの外部に設けられ、ハウジング内に負圧を形成するために用いられ、前記熱交換手段及び前記水霧化装置は前記ハウジング内に設けられ、前記熱交換手段内のコイルパイプは熱交換媒体流通管に接続されることを特徴とする請求項6に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項8】
水霧化装置には水霧化装置を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターに接続され、制御センターは所定の時間、所定の水霧化装置の開度に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある水霧化装置をランダムに選択することを特徴とする請求項7に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項9】
前記熱交換手段は熱交換フィンをさらに含み、コイルパイプは熱交換フィンに穿設され、
水霧化装置は超音波霧化装置及び水槽を含み、超音波霧化装置は水槽内に設けられ、
引出し式で設置された複数の熱交換手段が積層されて熱交換器を構成し、前記ハウジングは密閉ハウジングであり、
圧縮機及び液体貯蔵器は1つのキャビネット内に設けられ、フラッシュ蒸発熱交換器も別のキャビネット内に設けられることを特徴とする請求項7に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【請求項10】
前記セントラルエアコンシステムは第1の四方切換弁及び第2の四方切換弁をさらに含み、前記第1の四方切換弁の4つの接続口は圧縮機の吸気端部、圧縮機の排気端部、室外機ユニット、及び室内機ユニットにそれぞれ接続され、前記第2の四方切換弁の4つの接続口は室外機ユニット、液体貯蔵器の給液口、液体貯蔵器の液体出口、及び室内機ユニットにそれぞれ接続され、
前記液体貯蔵器及び前記第2の四方切換弁の管路には逆止弁が設けられ、前記室外機ユニットと前記第2の四方切換弁との間の管路には第3のスロットル弁が設けられ、
前記セントラルエアコンシステムは、二酸化炭素を単一循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムであることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアコンの分野に関して、特に放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムに関している。
【背景技術】
【0002】
建物のエネルギー消費においてエアコンのエネルギー消費は大きな割合を占有する。毎年の冬、夏は何れも頻繁なエアコン使用時期であり、現在のエネルギーが不足し、エネルギー消費が常に高くて、環境汚染問題が突出している状況で、省エネルギー・排出低減は社会の持続発展の要求である。我々が生活している自然界において、太陽光資源の貯蔵量は非常に豊かであり、これらの再生可能エネルギーを我々の生活・生産に十分に利用することで、エネルギーが不足してエネルギー消費が常に高いという問題を大きく緩和でき、検討及び研究の価値が非常に高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、高層建物において、冷凍作動媒体として、フロンを採用しても、又はアンモニアを採用しても、これらの冷凍媒体の密度が大きく、粘度が大きく、差圧が小さいという特点のため、室内機と室外機との装着落差が小さく、配管の距離が短く、使用範囲を制限し、従来の冷熱エアコンシステム自体から生じた圧力は冷媒を高層建物の部屋に輸送して直接的に冷房及び暖房を行うことができないため、最も安い水媒体を利用してエネルギーを輸送するように協働し、冷熱エアコンシステムから生じた冷熱又は温熱を高層のエアコン部屋に輸送するように協働する必要がある。大電力の水ポンプを配置するため、消費電力が多い。また、従来のフロンエアコン及びアンモニアエアコンは暖房に適用される時、常に、高エネルギー消費の欠陥が存在する。
【0004】
従来技術の不足を克服するために、本発明は、冷房も暖房も可能であり、効率が高く、エネルギー消費が低い放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が提供する放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムの技術案は以下の通り、
順に接続された圧縮機、液体貯蔵器、室内機ユニット及び室外機ユニットを含む放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムであって、室外機ユニットは放射集熱器を含み、放射集熱器は保護板、吸熱板及び板コアを含み、吸熱板は板コアと保護板との間に位置し、板コアは熱交換媒体の入口端部及び熱交換媒体の出口端部を含み、吸熱板は吸収された熱を、板コア内に循環して流通している熱交換媒体に伝達する。
【0006】
好ましくは、板コアは吸熱板に密着するように配置され、板コアの他面にはグラスウールが設けられ、吸熱板は太陽集熱板である。
【0007】
好ましくは、保護板は強化ガラスであり、板コアは蛇状コイルパイプであり、複数の放射集熱器を直列接続することで集熱モジュールを構成する。
【0008】
好ましくは、放射集熱器は、銅管及びフィンからなる熱交換器をさらに含む。
【0009】
好ましくは、室内機ユニットは高層建物に設けられる熱交換媒体循環管路を含み、高層建物は複数の室内空間を含み、室内空間には室内熱交換器が設けられ、各室内熱交換器の入口端部及び/又は出口端部には第1のスロットル弁が設けられ、各階建物の管路には第2のスロットル弁が設けられる。
【0010】
好ましくは、室外機ユニットは、放射集熱器と並列接続されるフラッシュ蒸発熱交換器を含み、放射集熱器の管路には第1の電磁弁が設けられ、フラッシュ蒸発熱交換器の管路には第2の電磁弁が設けられる。
【0011】
好ましくは、前記フラッシュ蒸発熱交換器はハウジング、熱交換手段、水霧化装置、送風機及び熱交換媒体流通管を含み、前記送風機は前記ハウジングの外部に設けられ、ハウジング内に負圧を形成するために用いられ、前記熱交換手段及び前記水霧化装置は前記ハウジング内に設けられ、前記熱交換手段内のコイルパイプは熱交換媒体流通管に接続される。
【0012】
好ましくは、水霧化装置には水霧化装置を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターに接続され、制御センターは所定の時間、所定の水霧化装置の開度に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある水霧化装置をランダムに選択する。
【0013】
好ましくは、前記熱交換手段は熱交換フィンをさらに含み、コイルパイプは熱交換フィンに穿設され、
水霧化装置は超音波霧化装置及び水槽を含み、超音波霧化装置は水槽内に設けられ、
引出し式で設置された複数の熱交換手段が積層されて熱交換器を構成し、ハウジングは密閉ハウジングであり、
圧縮機及び液体貯蔵器は1つのキャビネット内に設けられ、フラッシュ蒸発熱交換器も別のキャビネット内に設けられる。
【0014】
好ましくは、セントラルエアコンシステムは第1の四方切換弁及び第2の四方切換弁をさらに含み、第1の四方切換弁の4つの接続口は圧縮機の吸気端部、圧縮機の排気端部、室外機ユニット、及び室内機ユニットにそれぞれ接続され、第2の四方切換弁の4つの接続口は室外機ユニット、液体貯蔵器の給液口、液体貯蔵器の液体出口、及び室内機ユニットにそれぞれ接続され、
液体貯蔵器及び第2の四方切換弁の管路には逆止弁が設けられ、室外機ユニットと第2の四方切換弁との間の管路には第3のスロットル弁が設けられ、
セントラルエアコンシステムは、二酸化炭素を単一循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施は以下の技術効果を含み、
本発明の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムによれば、吸熱板は熱を収集した後、熱を板コア内で流通している熱交換媒体に伝達し、熱が付けられた熱交換媒体は、圧縮機によって圧縮された後、室内機ユニットに入って熱交換を行う。任意の物体は何れも電磁波を継続的に放射し、吸収し、発射する機能を具備し、相応的な波長の光を備えると、放射集熱器は光放射又は温度差放射の方式で熱を収集し、本発明のセントラルエアコンシステムは超低温でも、加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施例の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムの模式図である。
【
図2】本発明の実施例の放射集熱器の構造模式図である。
【
図5】フラッシュ蒸発熱交換器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施例及び図面を結合して本発明を詳しく説明し、ここで、記載の実施例は何れかの限定作用を具備していなく、ただ本発明を理解するためのものである。
【0018】
図1を参照して、本実施例が提供する放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムは、順に接続された圧縮機3、液体貯蔵器4、室内機ユニット1及び室外機ユニット2を含み、
図2及び
図4を参照して、室外機ユニット2は放射集熱器20を含み、放射集熱器20は保護板200、吸熱板201及び板コア202を含み、吸熱板201は板コア202と保護板200との間に位置し、板コア202は熱交換媒体の入口端部204及び熱交換媒体の出口端部205を含み、吸熱板201は収集された熱を、板コア202内で循環して流通している熱交換媒体に伝達する。板コア202は吸熱板201に密着するように配置され、保護板200は吸熱板201を保護し、吸熱板201は熱を収集した後、熱を板コア202内で流通している熱交換媒体に直接的に伝達し、圧縮機3によって圧縮された後、熱が付けられた熱交換媒体は室内機ユニット1に入って熱交換を行って、セントラルエアコンの熱交換媒体が直接的に吸熱板と熱交換を行うことを、本実施例の発明点の1つとする。
【0019】
具体的に、保護板200は強化ガラスであり、強化ガラスの透光性が優れる。吸熱板201は太陽集熱板を選択してもよい。板コア202の他面にはグラスウール203が設けられ、グラスウール203は保温作用を有し、熱が付けられた熱交換媒体と外部との熱交換を減少させる。
図4を参照して、板コア202は蛇状コイルパイプであり、蛇状コイルパイプは板コア202と吸熱板201との熱交換面積を増やす。複数の放射集熱器20を直列接続することで、集熱モジュールを構成する。任意の物体は何れも電磁波を継続的に放射し、吸収し、発射する機能を具備し、技術の発展に連れて、好ましい太陽集熱板は、相応的な波長の光を備えると、太陽集熱板は光から放射した熱を収集し、本実施例のセントラルエアコンシステムは超低温でも、暖房できる。好ましくは、放射集熱器は、銅管及びフィンからなる熱交換器をさらに含み、フィンによって空気における熱を収集し、外部空気と熱交換媒体との間には温度差が存在する場合、フィンによって空気熱を収集できる。
【0020】
図1を参照して、室内機ユニット1は高層建物に設けられる熱交換媒体循環管路を含み、高層建物は階層的な構造であり、各階は複数の室内空間を含み、室内空間には、並列接続又は直列接続された室内熱交換器10が設けられ、各室内熱交換器10の入口端部及び/又は出口端部には第1のスロットル弁11が設けられ、各階建物の管路には第2のスロットル弁12が設けられ、第1のスロットル弁11及び第2のスロットル弁12について、電子膨張弁ユニットは好ましく、圧縮機3の吸気圧力及び電子膨張弁の開度を調節することで、エンドの冷凍温度を調節し、温度調節範囲は―25℃~30℃に達することができる。
【0021】
図1を参照して、冷房と暖房との切換を実現するために、セントラルエアコンシステムは第1の四方切換弁5及び第2の四方切換弁6をさらに含み、第1の四方切換弁5の4つの接続口は圧縮機3の吸気端部、圧縮機3の排気端部、室外機ユニット2、及び室内機ユニット1にそれぞれ接続され、第2の四方切換弁6の4つの接続口は室外機ユニット2、液体貯蔵器4の給液口、液体貯蔵器4の液体出口、室内機ユニット1にそれぞれ接続される。
図1は暖房モードでの接続模式図であり、暖房モードで、第1の四方切換弁5は圧縮機3の排気端部と室内機ユニット1とを導通させ、室外機ユニット2と圧縮機3の吸気端部とを導通させ、第2の四方切換弁6は室外機ユニット2と液体貯蔵器4とを導通させ、液体貯蔵器4と室内機ユニット1とを導通させ、熱交換媒体の流れ方向は圧縮機3、第1の四方切換弁5、室内機ユニット1、液体貯蔵器4、第2の四方切換弁6、及び室外機ユニット2を順に通過し、暖房を完成する。冷房モードで、第1の四方切換弁5は圧縮機3の排気端部と室外機ユニット2の出口端部とを導通させ、室内機ユニット1の出口端部と圧縮機3の吸気端部とを導通させ、第2の四方切換弁6は室外機ユニット2の出口端部と液体貯蔵器4の入口端部とを導通させ、液体貯蔵器4の出口端部と室内機ユニット1の入口端部とを導通させ、熱交換媒体の流れ方向は圧縮機3、第1の四方切換弁5、室外熱交換器、第2の四方切換弁6、液体貯蔵器4、及び室内熱交換器10を順に通過し、冷房を完成する。具体的に、液体貯蔵器4及び第2の四方切換弁6の管路には逆止弁8が設けられる。逆止弁8は一方向に流通しかできないとともに、圧力調節作用を有し、セントラルエアコンの圧力を常に適用な範囲内に保持し、システムの効率的な運転を確保する。室外機ユニット2と第2の四方切換弁6との間の管路には第3のスロットル弁7が設けられ、電子膨張弁が好ましく、スロットル・降圧作用を有する。
【0022】
室外機ユニット2は、放射集熱器20と並列接続されたフラッシュ蒸発熱交換器21をさらに含み、放射集熱器20の管路には第1の電磁弁206が設けられ、第1の電磁弁206は、熱交換媒体が放射集熱器20を流れるかどうかを制御する。フラッシュ蒸発熱交換器21の管路には第2の電磁弁217が設けられ、第2の電磁弁217は、熱交換媒体がフラッシュ蒸発熱交換器21を流れるかどうかを制御する。夏、運転して冷房を行う時、第2の電磁弁217は開けられ、第1の電磁弁206は閉じられ、フラッシュ蒸発熱交換器21は放熱を行っており、冬、運転して暖房を行う時、第2の電磁弁217は閉じられ、第1の電磁弁206は開けられ、放射集熱器20は暖房を行う。
【0023】
太陽は電磁波の形式でエネルギーを外部に放射して伝達し、本実施例の放射放熱及び放射集熱による冷熱セントラルエアコンシステムによれば、暖房の場合、日当たりがよい時、太陽熱を使用して暖房を行って、環境にやさしく、日当たりがよくない時でも、放射集熱器は熱放射の方式で一部の熱を収集してもよいし、空気エネルギー集熱器によって熱を収集してもよいし、さらに、フラッシュ蒸発熱交換器21を起動させて、熱を取ってもよく、暖房の需求を保証する。放射集熱器又はフラッシュ蒸発熱交換器を使用して、光エネルギーによる放射集熱、温度差による放射集熱、フラッシュ蒸発熱交換器内の霧滴による放射集熱の方式で、セントラルエアコンの暖房効率を大幅に向上させる。冷房時、フラッシュ蒸発熱交換器を使用して熱交換媒体と霧滴との間の放射放熱の方式で室内の熱を奪う。
【0024】
熱交換媒体に対してフロン、アンモニア、二酸化炭素などの媒体を選択してもよく、本実施例において、好ましくは、二酸化炭素媒体をセントラルエアコンの冷房・暖房媒体とし、二酸化炭素を循環作動媒体とすることは、差圧が大きく、流動性がよく、密度が小さく、超臨界相転移という優勢を具備するため、高層建物に適用されることができる。室内の熱交換媒体循環管路は、二酸化炭素を単一循環作動媒体とする単段二酸化炭素循環システムに接続され、単段の意味は、カスケードシステムと違って、二酸化炭素媒体のみで循環を行って、カスケードを必要としない。本実施例のマルチ型セントラルエアコンシステムは二酸化炭素を作動媒体とし、垂直高さでより高いフロアに冷房又は暖房を提供し、平面フロアに適用されると、より遠い距離まで循環でき、より多くの室内機を動作させる。圧縮機3の吸気圧力を制御することで、蒸発温度を制御し、例えば、蒸発温度を6~10°の間に制御し、体感効果がよりよい。伝統のエアコンに対して、本実施例のセントラルエアコンシステムの効率はより高く、より省エネであり、効率は2倍以上向上し、エネルギーを50%以上節約する。
【0025】
具体的に、
図5を参照して、フラッシュ蒸発熱交換器21はハウジング210、熱交換手段211、水霧化装置212、送風機213及び熱交換媒体流通管214を含み、送風機213はハウジング210の外部に設けられ、ハウジング210内に負圧を形成し、熱交換手段211及び複数の独立した水霧化装置212はハウジング210内に設けられ、具体的に、熱交換手段211内のコイルパイプは熱交換媒体流通管214に接続される。熱交換手段211は熱交換フィンをさらに含み、コイルパイプは熱交換フィンに穿設される。水霧化装置212には、水霧化装置212を開け又は閉じるように制御する制御装置が設けられ、制御装置は制御センターに接続される。制御センターは所定の時間(例えば、1秒~200秒)、所定の水霧化装置212の開度(例如水霧化装置212を10%~90%開ける)に基づいて、ランダム関数に従って、開け又は閉じる必要がある水霧化装置212をランダムに選択し、各水霧化装置212の開け又は閉じを何れもランダムにすることで、ハウジング210内の霧化液体を均一にする効果を達成する。実際の運転過程で、スプレーヘッドを50%開けるだけで暖房要求を実現できる時、従来のヤリ方は水霧化装置212を全部的に閉じて、このように操作すれば、必然的にハウジング210内の霧化液体の分布が不均一になって、熱交換効果に影響し、水霧化装置212の一部を人工に閉じると、操作が不便であり、本実施例において、制御センターは一定の時間(例えば、30秒)ごとに、水霧化装置212の一部をランダムに閉じる(従来のランダム制御装置を使用してもよい)ことで、各水霧化装置212のランダム的な開け又は閉じの確率が同様であり、ハウジング210内の霧化液体は常に均一状態にある。
【0026】
水霧化装置212は液体を霧化させ、霧化液体は熱交換手段211の周囲に拡散し、液体ミセルは、負圧の作用で、熱交換手段211内の熱交換媒体と放射熱交換を完成した後、送風機213によってハウジング210から抽出される。水霧化装置212に対して、超音波霧化装置は好ましく、超音波霧化装置は水槽内に設けられる。
【0027】
引き出し式に設置された複数の熱交換手段211が積層された後、熱交換器を構成し、装着及びメンテナンスを便利にして、ある熱交換手段211が壊れた場合、壊れた熱交換手段211を取り外してメンテナンス又は交換を行う。好ましくは、ハウジング210は密閉ハウジングであり、送風機213は密閉ハウジング210内に所定の負圧値を形成させ、より効率的な熱交換を実現する。送風機213の排気量はハウジング210内の霧化液体の蒸発量より大きく、ハウジング210内の蒸気を十分に排出して、霧化液体の蒸発効率を向上させる一方、ハウジング210内の負圧環境を保持する。ここで、従来の空気冷却型熱交換器及び蒸発冷却型熱交換器の原理と異なり、本実施例のフラッシュ蒸発熱交換器は負圧条件で、圧力調節装置には外部ガスが混入する以外、外部ガスの混入がなく、高温高湿の条件でも、熱交換に影響していないため、異なる気候条件で正常に使用できる。
【0028】
好ましくは、圧縮機3、制御弁及び液体貯蔵器4は1つのキャビネット内に設けられ、フラッシュ蒸発熱交換器はモジュール化されるように配置され、フラッシュ蒸発熱交換器21も別のキャビネット内に設けられる。
【0029】
本実施例のフラッシュ蒸発熱交換器によれば、二酸化炭素単段循環によってエアコンの冷房要求を満たすことができ、二酸化炭素媒体の循環は100メートル以上の高層建物において完成可能であり、セントラルエアコンの冷凍効率copは4.5より大きい。二酸化炭素のGWPは1であり、ODPは0であり、高環境適合性冷媒に属し、よい安全性及び化学安定性を備え、無毒、不燃、各種の潤滑油に適応し、よい熱物性を備え、単位容積の冷凍量が大きく、運動粘度が低く、優れた流動及び熱伝達特性を具備する。ところが、二酸化炭素の臨界温度が低い(31.1℃)ため、夏の周囲温度で、容易に気体状態に保持され、臨界圧力が高く(7.38MPa)、気体状態にある時の圧力が高いため、システムの運転圧力が高くなって、スロットル損失が大きくなる。二酸化炭素の特性に基づいて、本実施例の技術案を使用して、セントラルエアコン内の圧力を適切な範囲内に保持することを保証する上に、CO2は室外機ユニット2の出口に位置する時、液体状態であることを確保することで、エンド熱交換器内の熱交換効果がよりよくなって、1台のマスタ装置はより多くのエンド熱交換器(100台以上)を動かせることができ、システムの安全且つ正常な運転を保証する。
【0030】
最後、以上の実施例は本発明の保護範囲を限定していなく、ただ本発明の技術案を説明するためのものであり、好適な実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解できるように、本発明の技術案に対して補正又は等価置き換えを行ってもよく、これらの補正又は等価置き換えは本発明の技術案の実質及び範囲から逸脱しない。
【符号の説明】
【0031】
1 ・・・室内機ユニット;
10 ・・・室内熱交換器;
11 ・・・第1のスロットル弁;
12 ・・・第2のスロットル弁;
2 ・・・室外機ユニット;
20 ・・・放射集熱器;
200 ・・・保護板;
201 ・・・吸熱板;
202 ・・・板コア;
203 ・・・グラスウール;
204 ・・・熱交換媒体の入口端部;
205 ・・・熱交換媒体の出口端部;
206 ・・・第1の電磁弁;
21 ・・・フラッシュ蒸発熱交換器;
210 ・・・ハウジング;
211 ・・・熱交換手段;
212 ・・・水霧化装置;
213 ・・・送風機;
214 ・・・熱交換媒体流通管;
217 ・・・第2の電磁弁;
3 ・・・圧縮機;
4 ・・・液体貯蔵器;
5 ・・・第1の四方切換弁;
6 ・・・第2の四方切換弁;
7 ・・・第3のスロットル弁;
8 ・・・逆止弁。
【国際調査報告】