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特表2023-544872遠位先端ロケータを有するガイドシース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】遠位先端ロケータを有するガイドシース
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20231018BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20231018BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20231018BHJP
   A61M 39/06 20060101ALI20231018BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M25/092 510
A61B18/12
A61M39/06 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521870
(86)(22)【出願日】2021-10-03
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 IB2021059071
(87)【国際公開番号】W WO2022079538
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/090,442
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/246,623
(32)【優先日】2021-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/484,729
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハイスミス・デビー
(72)【発明者】
【氏名】スアレス・ポール
(72)【発明者】
【氏名】トラン・ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス-ハンプトン・タラ
(72)【発明者】
【氏名】リ・イライジャ
【テーマコード(参考)】
4C066
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066FF01
4C066QQ48
4C066QQ52
4C066QQ53
4C066QQ54
4C066QQ82
4C160KK47
4C267AA01
4C267AA15
4C267AA28
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB33
4C267BB52
4C267BB62
4C267BB63
4C267CC19
4C267EE01
(57)【要約】
ガイドシースは、止血弁と、診断用カテーテル又は治療用カテーテルを患者に導入して導くことができる中心管腔と、を有する。止血弁はまた、その近位端上に導電性要素又は近接感知要素を含み、導電性要素又は近接感知要素は、ガイドシースの中心管腔を通って患者の心臓の中へ通過させることができる診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の第2の導電性要素又は近接感知要素と相互作用する。2つの導電性要素間又は近接感知要素間の相互作用は、患者を照射する必要なく、患者の心臓内の診断用カテーテル又は治療用カテーテルの遠位端の場所を特定することを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドシースアセンブリであって、
長手方向軸線に沿って延在する管腔を画定する細長いシャフトと、
前記シャフトの近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
前記制御ハンドルの近位端上の止血弁と、
前記制御ハンドル及び前記止血弁のうちの少なくとも1つの上に配置された、少なくとも1つの第1の導電性要素であって、前記少なくとも1つの第1の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテル上の少なくとも1つの第2の導電性要素と相互作用して電気回路を完成させるように構成されている、少なくとも1つの第1の導電性要素と、を含み、
前記止血弁は、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルを前記管腔内に導入するために、前記管腔に接続されている、制御ハンドルと、を備える、ガイドシースアセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1の導電性要素は、前記止血弁の近位端上に位置し、前記少なくとも1つの第2の導電性要素は、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上に位置する、請求項1に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項3】
前記回路は、前記電気回路の完成時に視覚的インジケータ又は聴覚的インジケータを提供するように構成することができる、請求項1に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項4】
前記視覚的インジケータ又は聴覚的インジケータは、前記ガイドシースアセンブリと相互作用するように構成されたシステムに提供することができる、請求項3に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項5】
前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、拡張器、経中隔針、マッピングカテーテル、及び/又はアブレーションカテーテルのうちの1つを含む、請求項1に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項6】
前記止血弁は、
弁本体であって、前記長手方向軸線に沿って前記弁本体の近位部分から遠位部分まで延在する、弁本体と、
器具が前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記器具の所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記弁本体の前記近位部分に近接して配置されたセンサと、を更に含む、請求項1に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項7】
システムであって、
診断用カテーテル又は治療用カテーテルと、
ガイドシースアセンブリであって、
管腔を画定し、長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフトと、
前記シャフトの近位にある制御ハンドルであって、
前記長手方向軸線を中心として回転するように構成された制御ノブと、
前記制御ノブの回転に応答して前記長手方向軸線を中心として回転するように構成された中空回転式シャフトと、
前記制御ハンドルの近位端上にあり、前記管腔に結合された止血弁と、
前記制御ハンドル及び前記止血弁のうちの少なくとも1つの上に配置された少なくとも1つの第1の近接感知要素であって、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテル上に配置された第2の近接感知要素と相互作用するように構成されており、その結果、前記第1の近接感知要素が前記第2の近接感知要素と相互作用するときに、信号が生成される、少なくとも1つの第1の近接感知要素と、を含む、制御ハンドルと、を含む、ガイドシースアセンブリと、を備える、システム。
【請求項8】
前記第1の近接感知要素は、前記止血弁の近位端上に位置し、前記第2の近接感知要素は、前記管腔に挿入されるように構成された拡張器の近位端上に位置する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の近接感知要素及び前記第2の近接感知要素は、光センサ、光学センサ、磁場センサ、及び物理的に相互作用する要素を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の近接感知要素は、突起部を含み、前記第2の近接感知要素は、前記突起部を受容するように構成されており、前記第1の近接感知要素及び前記第2の近接感知要素の係合又は近接近は、視覚的インジケータ及び/又は聴覚的インジケータを提供する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記止血弁は、
弁本体と、
診断用カテーテル又は治療用カテーテルが前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルの所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記弁本体上に配置されたセンサと、を更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
ガイドシースアセンブリのための止血弁であって、前記止血弁は、
長手方向軸線に沿って延在する弁本体であって、前記弁本体の一部分を通って延在する管腔を画定する、弁本体と、
前記管腔と連通する分岐導管と、
前記弁本体の近位部分と遠位部分とを分離するために前記管腔に挿入されたシールであって、前記遠位部分は、前記分岐導管と連通している、シールと、
器具が前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記器具の所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記弁本体の前記近位部分に近接して配置されたセンサと、を備える、止血弁。
【請求項13】
前記センサは、導電性センサ、光センサ、光学センサ、磁場センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項12に記載の止血弁。
【請求項14】
ガイドシースアセンブリであって、
長手方向軸線に沿って延在する管腔を画定する細長いシャフトと、
前記シャフトの近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
止血弁と、
器具が前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記器具の所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記止血弁に近接して配置されたセンサと、を含む、制御ハンドルと、を備え、
前記止血弁は、
長手方向軸線に沿って延在する弁本体であって、前記弁本体の一部分を通って延在する管腔を画定する、弁本体と、
前記管腔と連通する分岐導管と、
前記弁本体の近位部分と遠位部分とを分離するために前記管腔に挿入されたシールであって、前記遠位部分は、前記分岐導管と連通している、シールと、を備える、ガイドシースアセンブリ。
【請求項15】
前記センサは、導電性センサ、光センサ、光学センサ、磁場センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、請求項14に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項16】
前記器具は、ガイドワイヤ又は診断用カテーテル若しくは治療用カテーテルを含む、請求項14に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項17】
前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、拡張器、経中隔針、マッピングカテーテル、及び/又はアブレーションカテーテルを含む、請求項16に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項18】
前記第1の近接感知要素及び前記第2の近接感知要素は、導電性要素であり、
前記第1の導電性要素は、前記止血弁の近位端上に位置し、外向き又は内向きのうちの一方に突出し、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の少なくとも1つの第2の導電性要素とともに前記回路を完成させ、
前記外向き方向は、前記制御ハンドルの中心管腔から離れており、
前記内向き方向は、前記制御ハンドルの中心管腔に向かっている、請求項1に記載のガイドシースアセンブリ。
【請求項19】
前記止血弁は、少なくとも1つの第1の導電性要素を更に備え、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、少なくとも1つの第2の導電性要素を更に含み、前記少なくとも1つの第1の導電性要素は、前記少なくとも1つの第2の導電性要素と相互作用して電気回路を完成させるように構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項20】
前記止血弁は、第1の導電性要素を更に備え、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、第2の導電性要素を更に含む、請求項12に記載の止血弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気生理学的カテーテル、特に、遠位先端ロケータを有するガイドシースを導くうえで特に好適なガイドシースに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の心臓を含む医療処置では、経中隔左心臓カテーテル法、すなわち、左心房を通したカテーテル法を含む、多くの診断及び治療処置が存在する。経中隔的アプローチは、順行性僧帽弁バルーン弁形成術を行う介入循環器専門医及び左側副伝導路をアブレーションするか又は経カテーテル心房細動治療的戦術を行う心臓電気生理学者の双方のためのアクセスを提供する。これらの戦術は、ガイドシースと組み合わせて使用されることが多い。
【0003】
ガイドシースは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの経路付けを容易にするために使用されることでよく知られている。ヒトの心臓カテーテル法では、多くの場合、カテーテルを大腿静脈を介して心腔に到達させることが必要である。動きに変化を与えるため、ガイドシース(ガイドシースに通されるカテーテルに概ね似ている)は、1本以上のプルワイヤの使用により方向転換可能又は偏向可能とすることで患者の脈管内での操作性を向上させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、偏向特性が向上し、制御ハンドルの偏向機構の動作がより滑らかであるガイドシースが求められている。
【0005】
加えて、これらの処置の間、多くの医師が経中隔穿刺を行うために蛍光透視法を使用する。蛍光透視法を使用する理由は、医師が、拡張器などの診断用カテーテル又は治療用カテーテルの最遠位端が心臓内のどこに位置するかを知る必要があるためである。拡張器の端部は、(例えば、針を用いて)穿刺し、次いで、最初に左心房に横断する、システムの一部分である。放射線被曝のため、蛍光透視法を利用することは理想的ではない。したがって、診断用カテーテル又は治療用カテーテル(例えば、拡張器)の遠位端を経中隔穿刺点に位置付けるための非放射線ベースの方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、放射線を使用せずに診断用カテーテル又は治療用カテーテルの遠位端を位置付けるための方法を提供する。本方法を実行するために、ガイドシースは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルがガイドシースと完全に係合していることの確認を提供するように、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと相互作用するように構成することができる。例えば、限定するものではないが、この確認は、互いに接触すると回路を完成し、接触の視覚的確認又は聴覚的確認を提供する導電性要素又は他の近接感知要素をガイドシース及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルの各々に追加することによって提供することができる。これらの導電性要素又は近接感知要素は、ガイドシース及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位(すなわち、オペレータにより近い)端に位置する。
【0007】
別の実施例は、制御ハンドルの近位端上の止血弁が、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の第2の近接感知要素と相互作用するように構成されている、第1の近接感知要素を有することであり得る。近接感知要素は、電気的感知、光学的感知、物理的感知、及び磁気的感知を使用して互いの近接を検出することができる。
【0008】
例示的なガイドシースアセンブリは、細長いシャフト、及びシャフトの近位にある制御ハンドルを含むことができ、この制御ハンドルは、長手方向軸線を有する。制御ハンドルは、回転式シャフト、ピニオン、並びに第1のシャトル及び第2のシャトルを含むことができる。シャフトは、長手方向軸線を中心として回転するように構成することができる。第1のシャトルは、回転式シャフトの回転に応答して長手方向軸線に沿って一方向に並進運動するように構成することができ、第1のシャトルは、第1の複数の歯を有することができる。ピニオンは、第1の複数の歯と係合し、第1のシャトルの並進運動に応答して長手方向軸線に対してほぼ垂直な軸を中心として回転するように構成することができる。第2のシャトルは、ピニオンと係合する第2の複数の歯を有することができ、ピニオンの回転に応答して長手方向軸線に沿って一方向とは反対の別の方向に並進運動するように構成することができる。ガイドシースアセンブリはまた、シャフトの片側に沿って延在し、少なくとも第1のシャトルの近位方向への並進運動に応答する近位端部分を有することができる第1のプルワイヤと、シャフトの別側に沿って延在し、少なくとも第2のシャトルの近位方向への並進運動に応答する近位端部分を有する第2のプルワイヤと、を有することができる。
【0009】
制御ハンドルはまた、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと相互作用するように構成されている、止血弁及び中心管腔を含むことができる。制御ハンドル及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと制御ハンドルとの係合を示すように構成された導電性要素又は近接感知要素を含むことができる。一例では、導電性要素又は近接導電要素は、止血弁の表面及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上に位置付けることができる。別の実施例では、導電性要素又は近接感知要素は、止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上に位置付けることができる。
【0010】
制御ハンドルは、制御ノブを含むことができ、回転式シャフトは、制御ノブの回転に応答して回転するように構成することができる。
【0011】
回転式シャフトは、第1のシャトルの第1の遠位部分と、第2のシャトルの第2の遠位部分とを受容するように構成された内側通路を有することができる。
【0012】
第1の遠位部分及び第2の遠位部分は、第1のシャトルと第2のシャトルとが長手方向軸線に沿って横方向に互いに対して揃うときに、円筒状の形態を形成するように構成することができる。
【0013】
内側通路の内側表面が螺刻され得、第1の遠位部分の外側表面が螺刻されて内側表面と係合され得る。
【0014】
回転シャフトは、制御ノブと回転可能かつ並進可能に連結することができる。
【0015】
回転シャフトは、シャフトの外側表面に形成された長手方向の隆起部によって制御ノブと回転可能に連結することができる。
【0016】
回転シャフトは、制御ノブの一部分を通じて延在するピンと、回転シャフトに形成されたスロットとによって、制御ノブと回転可能に連結することができる。
【0017】
回転シャフトは、制御ノブとその遠位端において回転可能かつ並進動可能に連結することができる。
【0018】
制御ハンドルは、ニュートラルインジケータを含むことができる。
【0019】
ニュートラルインジケータは、第1のシャトル上の第1の部材と、第2のシャトル上の第2の部材と、を含み、第1の部材及び第2の部材は、解放可能に係合するように構成されている。
【0020】
ニュートラルインジケータは、係脱及び再係合に対して抵抗をもたらすように構成することができる。
【0021】
第1のニュートラルインジケータは、テーパ状突起部を含むことができ、第2のニュートラルインジケータは、テーパ状凹部を含む。
【0022】
診断用カテーテル又は治療用カテーテル上の導電性要素と相互作用する制御ハンドルの止血弁上の導電性要素を含む一例の以下の考察は、説明のためにすぎず、導電性要素の場所を止血弁に限定するものではなく、近接感知要素の使用を排除するものでもない。
【0023】
一例では、制御ハンドル上(例えば、止血弁の表面上、又は止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面上)の外側に面する第1の導電要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上の内側に面する第2の導電要素と相互作用することができる。一例では、制御ハンドル上(例えば、止血弁の表面上、又は止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面上)の内側に面する第1の導電要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上の外向きに突出する要素と相互作用することができる。
【0024】
一例では、止血弁は、制御ハンドルの近位端上に第1の導電性要素を含むことができ、第1の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の第2の導電性要素と回路を完成させる。
【0025】
制御ハンドルの近位端は、外向きに(例えば、止血弁の外面に向かってなど、制御ハンドルの中心管腔から離れるように)、又は内向きに(例えば、制御ハンドルの中心管腔に向かって)突出し、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の少なくとも1つの第2の導電性要素と回路を完成させる、少なくとも1つの第1の導電性要素を含むことができる。少なくとも1つの第2の導電性要素は、外向きに突出する第1の導電性要素(例えば、第2の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から外向き又は内向きに突出して、止血弁の外面上に位置する、外向きに突出する第1の導電性要素と回路を完成させることができる)又は内向きに突出する第1の導電性要素(例えば、第2の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上又はその近位に位置する)と相互作用して、制御ハンドルの中心管腔内に突出する、内向きに突出する第1の導電性要素と回路を完成させるように構成することができる。
【0026】
一例では、制御ハンドル上で止血弁の遠位にある、外側に面する第1の導電要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上の内側に面する第2の導電要素と相互作用することができる。一例では、制御ハンドル上の内側に面する第1の導電要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上の外向きに突出する要素と相互作用することができる。
【0027】
一例では、制御ハンドルは、制御ハンドルの止血弁の遠位にある第1の導電性要素を含むことができ、第1の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の第2の導電性要素と回路を完成させる。
【0028】
制御ハンドルの近位端は、止血弁の遠位にあり、外向きに(例えば、制御ハンドルの中心管腔から離れるように)又は内向きに(例えば、制御ハンドルの中心管腔に向かって)突出し、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の少なくとも1つの第2の導電性要素と回路を完成させる、少なくとも1つの第1の導電性要素を含むことができる。少なくとも1つの第2の導電性要素は、外向きに突出する第1の導電性要素(例えば、第2の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から外向き又は内向きに突出して、止血弁の遠位に位置する、外向きに突出する第1の導電性要素と回路を完成させることができる、又は内向きに突出する第1の導電性要素(例えば、第2の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上又はその近位に位置する)と相互作用して、制御ハンドルの中心管腔内に突出する、内向きに突出する第1の導電性要素と回路を完成させるように構成することができる。
【0029】
一例では、複数の第1の導電性要素は、止血弁の外面上で外向きに、又は制御ハンドルの中心管腔に向かって内向きのいずれかで、制御ハンドルから半径方向に突出し、止血弁の外面上の第1の導電性要素と、又は制御ハンドルの中心管腔に向かって内向きに突出する第1の導電性要素と相互作用するように、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から半径方向外向きに突出する複数の第2の導電性要素と回路を形成するように構成されている。一例では、第1の導電性要素は、止血弁の外面上に存在し、第2の導電性要素は、止血弁の外面を覆うように構成された、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの一部分上に存在する。
【0030】
少なくとも1つの第1の導電性要素及び少なくとも1つの第2の導電性要素は、接点のグループを含むことができるか、又は単一の接点とすることができる。制御ハンドルは、等しく離間され得る(例えば、対称的に離間される)か、又は非対称的に離間され得る、2つ以上の第1の導電性要素を含むことができる。例えば、2つの第1の導電性要素は、180°で、すなわち、制御ハンドルの両側に離間され得るか、又は90°で離間され得る。理論に拘束されることを望むものではないが、接点間の間隔の増加は、例えば、生理食塩水、血液、又は他の流体からの跳ね返りによる、導電性要素の短絡のリスクを低減することが可能である。また、接点を非対称に位置決めすることは、制御ハンドルと診断用カテーテル又は治療用カテーテルとの間の不正確な嵌合を回避するのに役立ち得る(すなわち、1つの可能な嵌合配向のみが存在する)ことが可能であり、任意選択で、他の近接感知要素又は相互作用要素との組み合わせを含む。
【0031】
少なくとも1つの第1の導電性要素及び第2の導電性要素は、これらが相互作用する前に、要素の接触表面から液体を洗浄又は拭き取るための一部分を含むことができる。
【0032】
少なくとも1つの第1の導電性要素は、ピン又はソケットの形態とすることができる。少なくとも1つの第2の導電性要素は、少なくとも1つの第1の導電性要素と相互作用するように選択されたソケット又はピンの形態とすることができる(例えば、第1の導電性要素がピンである場合、第2の導電性要素は、ソケットである)。ピン及び/又はソケットは、ピン及びソケットが完全に相互作用すると、接続されたピン及びソケットが密閉(すなわち、液密)されることを可能にするように、ポリマーでコーティングすることができる。ソケットは、ピンがソケット内に導入されたときに流体がソケットから押し出されることを可能にするための通気孔又は穴を含むことができる。ピン及び/又はソケットの各々は、単一のピン及びソケット対が複数の電気接続を提供することを可能にするために、複数の導電性要素を含むことができる。保護要素は、ピンが曲がるのを防止するために、ピンを少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0033】
本明細書で考察される第1の導電性要素及び第2の導電性要素のいずれも、本明細書で考察される近接感知要素、ニュートラルインジケータ、視覚的インジケータ、及び/又は聴覚的インジケータのいずれかと組み合わせることができる。
【0034】
回路は、回路の完成時に視覚的インジケータ又は聴覚的インジケータを提供するように構成することができる。視覚的インジケータ又は聴覚的インジケータは、ガイドシースアセンブリと相互作用するように構成されるシステムに提供することができる。
【0035】
診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、拡張器、経中隔針、マッピングカテーテル、及び/又はアブレーションカテーテルを含むことができる。
【0036】
別の例のガイドシースアセンブリは、細長いシャフトと、シャフトの近位にある制御ハンドルと、を含むことができる。制御ハンドルは、長手方向軸線を有することができ、長手方向軸線を中心として回転するように構成された制御ノブ、及び制御ノブの回転に応答して長手方向軸線を中心として回転するように構成された中空回転式シャフトを含むことができる。制御ハンドルはまた、回転式シャフトの回転に応答して長手方向軸線に沿って一方向に並進運動するように構成された第1のシャトルであって、第1のシャトルは、第1の複数の歯、第1の複数の歯と係合するピニオンを有することができる、第1のシャトルを含むことができる。ピニオンは、第1のシャトルの並進運動に応答して長手方向軸線に対してほぼ垂直な軸を中心として回転するように構成することができる。制御ハンドルは、ピニオンと係合する第2の複数の歯を有することができる第2のシャトルであって、第2のシャトルは、ピニオンの回転に応答して長手方向軸線に沿って一方向とは反対の別の方向に並進運動するように構成されている、第2のシャトルを含むことができる。ガイドシースアセンブリは、シャフトの片側に沿って延在し、少なくとも第1のシャトルの近位方向への並進運動に応答する近位端部分を有することができる第1のプルワイヤと、シャフトの別側に沿って延在し、少なくとも第2のシャトルの近位方向への並進運動に応答する近位端部分を有することができる第2のプルワイヤと、を更に含むことができる。制御ハンドルはまた、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと相互作用するように構成されている、止血弁及び中心管腔を含むことができる。制御ハンドル及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと制御ハンドルとの係合を示すように構成された導電性要素を含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、医療用ガイドシースシャフトの偏向を制御する際に使用するための制御ハンドルは、制御ハンドルの長手方向軸線を中心として回転するように構成することができる制御ノブと、制御ノブの回転に応答して長手方向軸線を中心として回転するように構成することができる中空回転式シャフトと、を含む。制御ハンドルはまた、回転式シャフトの回転に応答して長手方向軸線に沿って一方向に並進運動するように構成することができる第1のシャトルであって、第1のシャトルは、第1の複数の歯を有することができる、第1のシャトルを含む。制御ハンドルは、第1の複数の歯と係合するピニオンであって、ピニオンは、第1のシャトルの並進運動に応答して長手方向軸線に対してほぼ垂直な軸を中心として回転するように構成することができる、ピニオンを更に含むことができる。制御ハンドルはまた、ピニオンと係合する第2の複数の歯を有することができる第2のシャトルであって、第2のシャトルは、ピニオンの回転に応答して長手方向軸線に沿って一方向とは反対の別の方向に並進運動するように構成することができる、第2のシャトルを含むことができ、第1のシャトル及び第2のシャトルは、それぞれ、ガイドシースシャフトに沿って延在する第1のプルワイヤ及び第2のプルワイヤに作用するように構成することができる。制御ハンドルはまた、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと相互作用するように構成されている、止血弁及び中心管腔を含むことができる。制御ハンドル及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、導電性要素を含むことができ、導電性要素は、これらの要素が互いに接触して回路を完成するときに、診断用カテーテル又は治療用カテーテルと制御ハンドルとの係合を示すように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のシャトル及び第2のシャトルの遠位端は、回転式シャフトの近位部分内に延在することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、回転式シャフトの内側表面は、螺刻することができ、第1のシャトルの外側表面は、回転式シャフトと第1のシャトルとを回転可能に連結するために螺刻することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1のシャトルは、回転式シャフトの回転に直接応答することができ、第2のシャトルは、ピニオンの回転に直接応答することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明のこれらの特徴及び利点、並びに他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考慮することによってより充分な理解がなされるであろう。特定の図面では、ある選択された構造及び機構が、残りの構造及び機構を見やすくするために示されていないということを理解されたい。
図1】本発明の一実施形態による、制御ハンドルを含むガイドシースの平面図である。
図2図1の制御ハンドルの縦断面図である。
図3】ハウジングが取り外された状態の、図1の制御ハンドルの分解図である。
図4】制御ノブを含む、図1の制御ハンドルの遠位部分の縦断面図である。
図5】ハウジングが取り外された状態の、図1の制御ハンドルの斜視図である。
図6A】本発明の一実施形態による、第1の部材と第2の部材とが係合した状態のニュートラルインジケータの平面図である。
図6B】第1の部材と第2の部材とが係脱した状態の、図6Aのニュートラルインジケータの平面図である。
図7A】本発明の態様による、制御ハンドルを備えるシステムの構成要素を示す図である。
図7B】本発明の態様による、代替的な近接感知システムを示す、図7Aの領域7Bの拡大図である。
図8】本発明の態様による、経中隔穿孔を行うための方法を行うために使用されている、本明細書に記載の制御ハンドルを備えるシステムの図である。
図9】完全挿入前の止血弁及び経中隔針の拡大された一例を示す図である。
図10】完全挿入時の止血弁及び経中隔針の拡大された一例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態による、制御ハンドルを含むガイドシースの別の実施形態の断面図である。
図12】止血弁の外面上の外部に面する第1の導電性要素と、止血弁と相互作用する突起部、及び第1の導電性要素と回路を形成するように突起部上に位置決めされた第2の導電性要素を含む診断用カテーテル又は治療用カテーテルと、を有する、制御ハンドルの別の実施形態の上面図である。
図13A】ピン及びソケットの形態の、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の一実施形態を示す図である。
図13B】ピン及びソケットの形態の、第1の導電性要素及び第2の導電性要素の一実施形態を示す図である。図13Aの左パネルは、第1の導電性要素と第2の導電性要素との間の可能な相互作用を示し、第1の導電性要素は、止血弁の外面上のソケットの形態であり、第2の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテルから外向きに突出するピンの形態である。図13Aの右パネルは、この相互作用の概略図を示す。図13Bは、ピンとソケットとが完全に係合したときに相互作用して回路を形成する、ピンとソケットとが複数の導電部分を各々有する、ピンとソケットとの相互作用の概略図を示す。ソケットは、ピンの導入によって液体又は流体がソケットから排出されるための通気孔又は穴を含む。
図14A】止血弁の遠位にある制御ハンドル上に位置する、第1の導電性要素の一実施形態を示す図である。
図14B】止血弁の遠位にある制御ハンドル上に位置する、第1の導電性要素の一実施形態を示す図である。図14Aは、止血弁の遠位にある制御ハンドル上に位置する第1の導電性要素と、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの突起上に位置する第2の導電性要素との間の可能な相互作用を示す。図14Bは、止血弁の遠位にある制御ハンドル上に位置する第1の導電性要素と、診断用カテーテル又は治療用カテーテル上に位置する第2の導電性要素との間の可能な相互作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素集合を、本明細書に記載のその意図された目的に沿って機能させるのに適した寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0043】
本明細書で使用される場合、「構成要素」、「モジュール」、「システム」、「サーバ」、「プロセッサ」、「メモリ」などの用語は、限定はしないが、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアなどの1つ以上のコンピュータ関連ユニットを含むことを意図されている。例えば、構成要素は、プロセッサ、オブジェクト、実行可能、実行スレッド、プログラム、及び/又はコンピュータで実行されるプロセスであり得るが、これらに限定されない。例示として、コンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーション及びコンピューティングデバイスの両方は、構成要素であり得る。1つ以上の構成要素は、プロセス及び/又は実行スレッド内に存在することができ、構成要素は、1つのコンピュータ上にローカライズされ得、かつ/又は2つ以上のコンピュータ間に分散されてもよい。加えて、これらの構成要素は、その上に記憶された様々なデータ構造を有する様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。構成要素は、ローカルシステム、分散システム内の及び/又は信号を介して他のシステムとのインターネットなどのネットワークを介して別の構成要素と相互作用する1つの構成要素からのデータなど1つ以上のデータパケットを有する信号に従ってなど、ローカル及び/又はリモートプロセスを介して通信してもよい。コンピュータ可読媒体は、非一時的であり得る。用語「非一時的コンピュータ可読媒体」としては、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、電子的消去可能プログラマブルROM(electronically erasable programmable ROM、EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(compact disc ROM、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、又はコンピュータ可読命令及び/又はデータを記憶するために使用することができる任意の他の有形の物理媒体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0044】
本明細書で使用される場合、「コンピューティングシステム」という用語は、スタンドアロンの機械若しくは装置、並びに/又は機械、構成要素、モジュール、システム、サーバ、プロセッサ、メモリ、検出器、ユーザインターフェース、コンピューティングデバイスインターフェース、ネットワークインターフェース、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、ファームウェア要素、及び他のコンピュータ関連ユニットの組み合わせを含むことを意図されている。限定ではなく例として、コンピューティングシステムは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、プロセッサ、携帯型電子デバイス、携帯型電子医療機器、静止又は半静止電子医療機器、又は他の電子データ処理装置のうちの1つ以上を含むことができる。
【0045】
本明細書で使用される場合、用語「非一過性コンピュータ可読媒体」としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又はコンピュータ可読情報を記憶するために使用することができる任意の他の有形の物理媒体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0046】
図1を参照すると、本発明の一部の実施形態では、ガイドシースアセンブリ10は、細長い可撓性シース12と、シース12の近位にある制御ハンドル16と、を含む。シース12は、近位部分13と、遠位偏向部分14と、を含む。制御ハンドル16は、例えば偏向部分14を含む、シース12上に支持された1つ以上のリング電極19によって感知される電気信号を送信するための電気コネクタ17に接続されてもよい。また、図1に示されるように、制御ハンドル16に取り付けられるのは、止血弁18であり、止血弁18は、止血弁18並びにガイドシースアセンブリ10(図1及び図2)及び制御ハンドル16(図1及び図2)によって画定される管腔28を通して前進することができる診断用カテーテル又は治療用カテーテル(図7A図7B、及び図8において750として示される)を受容するように適合されている。止血弁18はまた、ガイドシースアセンブリ10の弁キャップ20内へ及び弁キャップを通して流体を提供するための1つ以上の流体源(図示されていない)に接続するために、2方向ストップコック22などのルアーハブで終端するサイドポート21を有する。止血弁18の近位端23はまた、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750と止血弁18との係合を示すために、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の近位端上に位置する別の導電性要素24bと相互作用するように構成されている、導電性要素24aを有する。この係合は、止血弁18の近位端23と診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の近位端との間の回路を完成させる。この係合は、図8に示されるコンピュータシステムに提供される視覚的信号又は聴覚的信号によって示され得る。
【0047】
図12に示されるように、制御ハンドルの近位端は、外向きに(例えば、止血弁の外面に向かってなど、制御ハンドルの中心管腔から離れるように)、又は内向きに(例えば、制御ハンドルの中心管腔に向かって)突出し、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の少なくとも1つの第2の導電性要素24bと回路を完成させる、少なくとも1つの第1の導電性要素24aを含むことができる。少なくとも1つの第2の導電性要素24bは、外向きに突出する第1の導電性要素24a(例えば、第2の導電性要素24bは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から外向き又は内向きに突出して、止血弁の外面上に位置する、外向きに突出する第1の導電性要素24aと回路を完成させることができる)又は内向きに突出する第1の導電性要素24a(例えば、第2の導電性要素24bは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上又はその近位に位置する)と相互作用して、制御ハンドルの中心管腔内に突出する、内向きに突出する第1の導電性要素24aと回路を完成させるように構成することができる。一例では、複数の第1の導電性要素24aは、止血弁の外面上で外向きに、又は制御ハンドルの中心管腔に向かって内向きのいずれかで、制御ハンドルから半径方向に突出し、止血弁の外面上の第1の導電性要素24aと、又は制御ハンドルの中心管腔に向かって内向きに突出する第1の導電性要素24aと相互作用するように、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から半径方向外向きに突出する複数の第2の導電性要素24bと回路を形成するように構成されている。一例では、図12に示されるように、第1の導電性要素24aは、止血弁の外面上に存在し、第2の導電性要素24bは、止血弁の外面を覆うように、又は止血弁の外面と相互作用するように構成された、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの一部分24c上に存在する。
【0048】
少なくとも1つの第1の導電性要素24a及び少なくとも1つの第2の導電性要素24bは、接点のグループを含むことができるか、又は単一の接点とすることができる。制御ハンドルは、等しく離間され得る(例えば、対称的に離間される)か、又は非対称的に離間され得る、2つ以上の第1の導電性要素24aを含むことができる。例えば、2つの第1の導電性要素24aは、180°で、すなわち、制御ハンドルの両側に離間され得るか、又は90°で離間され得る。
【0049】
少なくとも1つの第1の導電性要素24a及び少なくとも第2の導電性要素24bの一方又は両方は、それらが相互作用する前に要素の接触面から液体を洗浄又は拭き取るための一部分を含むことができる。
【0050】
少なくとも1つの第1の導電性要素24aは、ピン又はソケットの形態とすることができる。少なくとも1つの第2の導電性要素24bは、図13Aに示されるように、少なくとも1つの第1の導電性要素24aと相互作用するように選択されたソケット又はピンの形態とすることができる(例えば、第1の導電性要素24aがピンである場合、第2の導電性要素24bは、ソケットである)。ピン及び/又はソケットは、ピン及びソケットが完全に相互作用すると、接続されたピン及びソケットが密閉(すなわち、液密)されることを可能にするように、ポリマーでコーティングすることができる。ソケットは、図13Bに示されるように、ピンがソケット内に導入されたときに流体1303がソケットから押し出されることを可能にするための通気孔又は穴1301を含むことができる。ピン及び/又はソケットの各々は、単一のピン及びソケット対が複数の電気接続を提供することを可能にするために、複数の導電性部分1302を含むことができる。保護要素は、ピンが曲がるのを防止するために、ピンを少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0051】
図14A図14Bに示されるように、第1の導電性要素を止血弁の遠位に位置付けることが可能である。止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面800は、図14Aに示されるように外向きに(例えば、止血弁の外面に向かってなど、制御ハンドルの中心管腔から離れるように)、又は図14Bに示されるように内向きに(例えば、制御ハンドルの中心管腔に向かって)突出し、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の少なくとも1つの第2の導電性要素24bと回路を完成させる、少なくとも1つの第1の導電性要素24aを含むことができる。少なくとも1つの第2の導電性要素24bは、外向きに突出する第1の導電性要素24a(例えば、第2の導電性要素24bは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から外向き又は内向きに突出して、止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面800上に位置する外向きに突出する第1の導電性要素24aと回路を完成させることができる)、又は内向きに突出する第1の導電性要素24a(例えば、第2の導電性要素24bは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面上又はその近位に位置する)と相互作用して、制御ハンドルの中心管腔内に突出する内向きに突出する第1の導電性要素24aと回路を完成させるように構成することができる。一例では、複数の第1の導電性要素24aは、止血弁の外面上で外向きに、又は制御ハンドルの中心内腔に向かって内向きのいずれかで、制御ハンドルの遠位面800から半径方向に突出し、止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面800上の第1の導電性要素24aと、又は制御ハンドルの中心内腔に向かって内向きに突出する、止血弁の遠位にある制御ハンドルの表面800上の第1の導電性要素24aと相互作用するように、診断用カテーテル又は治療用カテーテルの表面から半径方向外向きに突出する複数の第2の導電性要素24bと回路を形成するように構成されている。一例では、図14Aに示されるように、第1の導電性要素24aは、止血弁の止血弁の遠位にある制御ハンドル上の表面800上に存在し、第2の導電性要素24bは、止血弁の遠位にある制御ハンドル上の表面800を覆うか又はそれと相互作用するように構成された診断用カテーテル又は治療用カテーテルの一部分24c上に存在する。
【0052】
本明細書で考察される第1の導電性要素24a及び第2の導電性要素24bのいずれも、本明細書で考察される近接感知要素、ニュートラルインジケータ、視覚的インジケータ、及び/又は聴覚的インジケータのいずれかと組み合わせることができる。
【0053】
本明細書に記載の診断用カテーテル又は治療用カテーテル750は、例えば、限定されるものではないが、拡張器、経中隔針、マッピングカテーテル、及び/又はアブレーションカテーテルを含むことができる。
【0054】
図2及び図3に示されるように、制御ハンドル16は、より幅の狭い遠位部分すなわち軸部25を有する細長いほぼ円筒状の本体24を含み、遠位部の軸部25には、遠位回転制御ノブ26が取り付けられている。本体24は、内部容積Vを画定するように形成された外側シェル半部材を有し、その縁部51同士は長手方向シームに沿って合わされるようになっている。本体の遠位軸部25は、本体24の近位部分の外径D2と比較してより小さい外径D1を有する。制御ノブ26は、使用者が制御ハンドル16の本体24を把持するときに使用者の親指と人差し指とによって回転させられるように構成されている。第1のプルワイヤ30A及び第2のプルワイヤ30Bによるガイドシース12の偏向部分14の偏向を可能とするため、制御ハンドル16は、その内部容積V内に回転式シャフト31、第1のシャトル32A及び第2のシャトル32B、並びにピニオン34を含む。回転式シャフト31は、制御ノブ26に反応して第1のシャトル32Aを駆動して長手方向軸線55に沿って第1の方向に直線的に動かし、ピニオン34が第2のシャトル32Bを第1のシャトル32Aと連結していることにより、第2のシャトル32Bは、第1の方向とは逆の第2の方向に長手方向軸線に沿って直線的に動くようになっている。第1のプルワイヤ30A及び第2のプルワイヤ30Bの各近位端は、第1のシャトル32A及び第2のシャトル32Bにそれぞれ固定、又は少なくとも連結されているため、このような第1のシャトル及び第2のシャトルの連動した逆方向の並進運動は、第1のプルワイヤ及び第2のプルワイヤを作動してガイドシース12の偏向部分14の2方向への偏向を生じさせる。
【0055】
回転式シャフト31は、外径D3を有する主近位部分36、外径D4を有するより短い遠位部分37、及び部分36と部分37との間の段差接続部Jを有する。図に示される実施形態では、直径D3は。直径D4より大きくなっているが、2つの直径がほぼ等しくてもよいか、又は直径D4が直径D3よりも大きくてもよいことは理解されよう。図2により分かりやすく示されるように、回転式シャフト31は、その近位部分36が、制御ハンドル16の本体24及び遠位軸部25の両方を通り、遠位軸部25の遠位端を超えて延在するように制御ハンドル16の本体24に対して配置されており、接続部J及び遠位部分37が本体24の遠位軸部25の遠位にあるために、遠位部分37は、遠位軸部25によって包囲されていない。回転式シャフト31は、その近位端において、本体24の内部容積V内に形成された周方向フランジ40の間に画定された内側周方向スロットと係合する近位外側周方向リップ38によって本体24に連結され、かつ固着されている。
【0056】
図4を参照すると、回転式シャフト31は、内側通路42を有する中空である。通路42は、ガイドシース12の直径よりもほんのわずかに大きい直径を有する遠位入口44と連通している。通路42は螺刻されており、下記に更に詳しく述べるように、ガイドシース12並びにガイドシース12を周方向に包囲するシャトル32A及び32Bの両方を収容するような直径を有する。
【0057】
制御ノブ26は、制御ハンドル16の本体24の遠位軸部25及び回転式シャフト31に取り付けられ、主近位部分46と短い遠位端部分47とを有する。制御ノブ26は、その全長を通じて延在する長手方向の中空内部を有するほぼ円筒状をなしている。中空内部は、主近位部分49、中間部分49’、及び遠位部分49’’を有する。中空内部の主近位部分49は、ガイドシース12とシャトル32A及び32Bとを収容し、その周囲を包囲する、より大きな第1の半径R1とより大きな第1の長さL1とによって規定される。中空内部の遠位部分49’’は、ガイドシース12と回転式シャフト31の遠位部分37とを収容し、その周囲を包囲する、より小さい第2の半径R2(R1>R2)と、より短い第2の長さL2(L1>L2)とによって規定される。中空内部の中間部分49’は、ガイドシース12と回転式シャフト31の接続部Jとを収容し、その周囲を包囲する第3の半径R3(R1>R3>R2)と第3の長さL3(L1>L3)とによって規定される。制御ノブ26の外側表面上には、使用者が制御ノブを操作し、制御ハンドル16の本体24に対して制御ノブを回転させることを容易かつ快適に行えるように摩擦発生カバー60を取り付けてもよい。
【0058】
回転式シャフト31を制御ノブ26に回転可能に連結するために、シャフトの遠位部分の外側表面は、長手方向の隆起部70(図3)を有し、これが制御ノブ26の中空内部49’’を画定する内側表面に形成された対応する長手方向凹部71(図4)に受容され、凹部71と係合するようになっている。制御ノブ26を回転式シャフト31、ひいては本体24に並進動可能に固着するため、シャフト31の外側表面は、回転式シャフト31の長手方向軸線に対して垂直な向きの1つ以上の直線状スロット74を更に有する。各スロット74を、制御ノブ26の遠位端部分47の側面を通じて形成された対応する穴76(図5)と位置合わせすることで、対応するピン77を穴76及びスロット74に挿入して制御ノブ26と回転式シャフト31とを連結してもよい。
【0059】
ガイドシースアセンブリの他の実施形態は、制御ノブ26を用いずに使用者が直接操作できるように露出した部分を有する回転式シャフト31を提供してもよい点は理解されよう。
【0060】
図3及び図5に示されるように、シャトル32A及び32Bは、互いに似た構造を有しており、それぞれがほぼ他方の鏡像となっているという理解でよいが、第1のシャトル32Aは、回転式シャフト31によって駆動され、第2のシャトル32Bは、シャトルの間に配置されるピニオン34を介して第1のシャトル32Aによって駆動される。各シャトル32A及び32Bは、C字状の端部断面を有する遠位部分80A及び80Bを有するそれぞれの細長い本体と、複数の歯92A及び92Bが長手方向にそれぞれ配列されたそれぞれの近位ラック部分90A及び90Bと、を有する。第1のシャトルと第2のシャトルとは互いに対向して配置されてピニオン34と噛合することにより、遠位部分80Aと遠位部分80BCとが、螺刻通路42内に嵌まる外周面と、ガイドシース12が通される通路93を画定する内周面とを有する円筒状の形態を互いに形成することができる。図5に示されるように、各シャトルのラック部分90Aと90Bとは、ピニオン34を間に挟んで互いに対向しており、各ラック部分の歯92A及び92Bが、制御ハンドル16の長手方向軸線55に対して垂直な軸を中心として回転するように取り付けられたピニオン34の歯と噛合できるようになっている。
【0061】
図2及び図3を参照すると、第1のシャトル32Aの遠位部分80Aの外側表面には、外側又は雄ねじ螺刻面85が設けられている。回転式シャフト31の内周面には第1のシャトル32Aの雄ねじ螺刻面85を受容する内側又は雌ねじ螺刻面86が設けられており(図4)、これにより第1のシャトル32Aと回転式シャフト31とが連結され、回転式シャフト31の回転運動が第1のシャトル32Aの並進運動に変換される。これに対して、第2のシャトル32Bの遠位部分80Bの外側表面は滑らかで、回転可能部の雌ねじ螺刻面と噛合する何らの機構も設けられていないため、雄ねじ螺刻面85とは独立して動くことができる。したがって、使用者が制御ノブ26を第1の方向に回転させると、長手方向の隆起部70を介して制御ノブ26と回転可能に連結された回転式シャフト31も回転する。回転式シャフト31は長手方向の隆起部70、及び1つ以上のピン77を介して制御ノブ26に回転可能かつ並進動可能にロックされているため、シャフト31の回転は、第1のシャトル32Aを駆動して長手方向軸線に沿って第1の方向(例えば、近位方向)に並進運動させる。第1のシャトル32Aが並進運動すると、その歯92Aがピニオン34を駆動して第1の方向(例えば、時計回り)に回転させ、ピニオン34は、第2のシャトル32Bを駆動して長手方向軸線55に沿って第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、遠位方向)に並進運動させる。このような構成により、雄ねじ螺刻面85と雌ねじ螺刻面86とが、制御ノブ26の回転運動をシャトル32A及び32Bの直線運動に変換する。第1のプルワイヤ30A及び第2のプルワイヤ30Bの各近位端は第1のシャトル32A及び第2のシャトル32Bにそれぞれ固定、連結されるか、又は他の形で反応するようになっているため、シャトルの直線的かつ逆方向の運動はプルワイヤを作動してガイドシース12の偏向部分14の2方向への偏向を生じさせる。図の実施形態では、プルワイヤ30A及び30Bの各近位端は、シャトル32A及び32Bのラック部分90A及び90Bとそれぞれ連結されている。これにより、一方のプルワイヤがその対応するシャトルによって張力下で近位方向に引かれると、他方のプルワイヤは、遠位方向に移動するその対応するシャトルによって同時に張力から解放される。
【0062】
図2に示されるように、各プルワイヤ30A及び30Bの近位端部分は、各シャトル32A及び32Bの近位ラック部分90A及び90Bに形成された、対応する長手方向の溝88A及び88B内で、シース12の外部に延在している。図5に示されるように、各プルワイヤ30A及び30Bの近位端には例えばハイポチューブのような係止要素89A及び89Bが固着されており、この係止要素がそれぞれのラック部分90A及び90Bの近位端87A及び87Bの近位に位置決めされることにより、シャトル32A及び32Bが近位方向に動かされると、ラック部分が係止要素89A及び89Bをそれぞれ押すか又は他の形でこれに作用してプルワイヤ30A及び30Bを近位方向に引くことができる。シャトル32A及び32Bが遠位方向に動かされると、ラック部分90A及び90Bの近位端は、係止要素89A及び89Bとの接触状態から外れ、プルワイヤ30A及び30Bが張力から解放される。係止要素89A及び89Bは、シースを偏向させるためにラック部分又はシャトルの任意の部分に埋め込むか又は他の形で固定されてもよい点は理解されよう。
【0063】
第1のシャトル32Aと第2のシャトル32Bとは長手方向軸線55に沿って反対方向に動くことから、シャトル同士の互い及び通路42に対する初期の位置決めは、制御ハンドルの組み立て時に行われる。例えば、図2に示されるように、各シャトルが長手方向軸線55に沿って互いに揃うように回転式シャフト31の通路42内に位置決めされると、それぞれのシャトルの遠位端は、通路42に沿ってほぼ中間点に位置決めされるため、各シャトルは、回転式シャフト31内で近位方向又は遠位方向に対応して動くのに充分な空間を有することになる。ほとんど偏向しないほぼニュートラルなガイドシースでは、係止要素89A及び89Bは、各プルワイヤ30A及び30Bに作用する張力が最小又は均一となるように、各シャトルに対して位置決めされてもよい。このような構成では、シャトルは、「ニュートラルな」、すなわち、使用者がガイドシースをそこから2方向に均一に偏向させてもよい初期構成をとる。
【0064】
図5に示されるように、ピニオン34は、シャトルが使用者による制御ノブ26の操作に応答して並進運動する間、シャトルの歯92A及び92Bが係合した状態に保たれるように、シャトル32Aと32Bとの間にかつシャトル32A及び32Bに対して位置決めされている。この点に関して、ラック部分90A及び90Bの長さは、そのような連続的な係合を確実とするうえで充分な長さとなっている。
【0065】
例えば、通路42の長さ、各遠位部分80A及び80Bの長さ、ラック部分90A及び90Bの長さ、ピニオン34の位置、並びにピニオンの数などの1つ以上の因子を変えることにより、異なるシャトルの動き及び偏向特性並びに制限を、必要に応じ又は所望に応じて実現され得る点は理解されよう。
【0066】
図6A及び図6Bを参照すると、各シャトル32A及び32Bの歯92A及び92Bの反対側の、各ラック部分90A及び90Bの外側表面には、ニュートラルインジケータが設けられている。ニュートラルインジケータは、第1のシャトル32Aと第2のシャトル32Bとの間のニュートラル位置、すなわち、プルワイヤ30A及び30Bがニュートラルにあり、それによりガイドシース12が偏向せずにほぼ真っ直ぐであるような相対位置を示すために、互いに解放可能に係合するように構成された第1の部材62Aと第2の部材62Bとを有している。図示した実施形態では、第1のシャトル32Aに形成された第1の、すなわち雄型部材62Aは、第2のシャトル32Bに形成された第2の、すなわち雌型部材62Bに対向したテーパ状突起部63を有しており、第2の部材62Bは、両側の一対の可撓性ガイドレール64を含み、ガイドレール64の固定端65は、第2のシャトル32Bに固着されており、ガイドレール64の自由端66は、シャトル32A及び32Bがニュートラル形態にある場合にその中にテーパ状突起部63が収まるテーパ状凹部67をともに形成するように構成されている。
【0067】
したがって、使用者には、一般的には最初にガイドシース12が偏向していない状態で与えられ、この状態では、図6Aに示されるように、テーパ状突起部63がテーパ状凹部67内に収まった状態で、第1のシャトル32Aと第2のシャトル32Bとが互いに対して揃っている。使用者が図6Bに示されるように制御ノブ26を、第1のシャトル32Aと第2のシャトル32Bとを反対方向に並進運動させるように駆動する一方向に回転させると、テーパ状突起部63がテーパ状凹部67から外れてテーパ状凹部67の外へと動くが、そのためには、使用者は、ガイドレール64を撓ませてその角度が付けられた端部68によって与えられる抵抗に打ち勝つだけの充分な力で制御ノブを回転させなければならない。テーパ状突起部63が、角度が付けられた端部68の一方を乗り越えてこれを通過すると、テーパ状突起部63がテーパ状凹部67からより遠くへと動くのに従ってテーパ状突起部63の運動に対する抵抗が小さくなるように、ガイドレール64が傾斜している。このため、ガイドシース12を偏向させるために制御ノブ26を回転させる際、使用者は、シャトル32A及び32Bが最初にニュートラル形態から動き出す際により大きい、又は最大の抵抗を感じ、その後、シャトル32Aと32Bとが反対方向に並進運動するに従って次第に動かしやすさを感じる。制御ハンドル16は、偏向方向の一定の向きを与えるための視覚的及び/又は触覚的標示を有してもよい。例えば、制御ノブ26の時計回りの回転は、シャフト12を側面に向かって、すなわち側部ポート21の方向に一貫して偏向させ、制御ノブ26の反時計回りの回転は、シャフト12を反対の側面又は方向に向かって偏向させる。
【0068】
逆に、ガイドシース12の偏向を解除する際、使用者は制御ノブ26を反対方向に回転させる。シャトル32Aと32Bとが並進運動して互いに近づき、横方向に再び位置が揃い始めると、テーパ状突起部63とテーパ状凹部67とが互いに近づき、使用者は、テーパ状突起部63がテーパ状凹部67内に収まりうる前に、ガイドレール64の角度が付けられた端部68をテーパ状突起部63が再び乗り越えるように、制御ノブ26を回転させるためにより大きな力を加えることになる。したがって、傾斜したレール64のいずれかによって与えられる増大する抵抗と、角度が付けられた端部68によって与えられるより大きな、又は最大の抵抗は、テーパ状突起部63がテーパ状凹部67に近接したことの触覚的感覚又は指示を使用者に与えるものである。テーパ状突起部63とテーパ状凹部67との係合は、使用者に、テーパ状突起部63によって可撓性ガイドレール64に対して負荷が加えられなくなった時点でガイドレール64がその自然な形態に跳ね返る際に耳に聞こえる「カチッ」という音又は信号を与えることができる。
【0069】
図7A及び図7Bは、本明細書に記載のガイドシースアセンブリ及び制御ハンドルを利用する処置のために構成された例示的なシステム700を示す。この例示的なシステムは、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750、拡張器705、及び患者の心臓、具体的には右心房に入るように構成された経中隔針710を含む。当技術分野で知られているように、ガイドワイヤを利用して、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750、拡張器705、及び経中隔針710を患者の心臓に送達することができる。
【0070】
例示的なシステム700を使用する経中隔穿孔中、経中隔針710は、右心房と左心房との間の中隔内の組織、例えば、卵円窩又は卵円孔を穿刺し、左心房内に出る。
【0071】
システム700は、アブレーション手段及びポンプ770を更に含むことができる。経中隔針710及び/又は拡張器705は、ポンプ770に接続され、アブレーション治療の一部として治療部位に灌注を提供することができる。拡張器705は、経中隔針710を卵円窩に送達し、経中隔針710によって一旦作成された経中隔穿孔を拡張するようにサイズ決定され、成形され、別様に構成することができる。
【0072】
システム700は、ナビゲーションシステム760を更に含むことができ、経中隔針710は、経中隔針710の場所に関する情報をナビゲーションシステム760に提供することができる1つ以上のセンサ(例えば、磁場センサ)を更に含むことができる。ナビゲーションシステム760は、経中隔針710の場所を決定するために、センサ(複数可)からのデータ(例えば、磁場データ)を解釈するように構成することができる。これらのセンサは、一例では、処置中に経中隔針710の遠位端の近くに位置付けられ、次いで典型的には、患者の心臓内に位置付けられる。このシステムは、位置特定の目的に有用であるが、本発明によって強化することができる。
【0073】
図7Bは、第1の近接感知要素240a及び第2の近接感知要素240bを示す。これらの要素240a、240bは、それらが係合されているとき、又は非常に近接近しているときに、ナビゲーションシステム760に信号を送信する。要素240a、240bから生成された信号は、シースの最遠位端、したがって、患者の心臓内のその場所を外挿するために、別のデータ点をナビゲーションシステム760に提供する。例えば、限定するものではないが、第1の近接感知要素240a及び第2の近接感知要素240bは、光学感知システム又は感光システムを含むことができ、近接感知要素のうちの一方は、光信号を生成し、他方の近接感知要素は、要素が係合されているとき、又は非常に近接近しているときに、その光信号を受信し、その後、係合又は近接を示す別の信号をナビゲーションシステム760に送信する。
【0074】
別の例では、第1の近接感知要素240a及び第2の近接感知要素240bは、磁気感知システムを含むことができ、近接感知要素の一方は、磁場を生成し、他方の近接感知要素は、要素が係合されているとき、又は非常に近接近しているときに、その磁場を感知し、その後、係合又は近接を示す信号をナビゲーションシステム760に送信する。別の例では、第1の近接感知要素240a及び第2の近接感知要素240bは、物理的に相互作用するシステムを含むことができ、近接感知要素の一方は、突起部(例えば、舌、歯、シャフト、又はテーパ状突起部)を有し、他方の近接感知要素は、要素が係合されているとき、又は非常に近接近しているときに、その突起部(例えば、溝(複数可)、ピニオン、くぼみ)を受容するように構成されており、その後、係合又は近接を示す信号をナビゲーションシステム760に送信する。
【0075】
図8は、経中隔穿孔を行うための方法を実施するために、本明細書に記載のガイドシースアセンブリ及び/又は制御ハンドルを使用するためのシステム920の図である。システム920は、経中隔穿孔を行うために、患者924の心臓922上の医療処置中に使用することができる。処置は、医療専門家を含む1人以上のオペレータ926が行うことができる。システム920は、心臓922の内腔などの腔の画像を提示するように構成することができ、オペレータ926が腔の特徴を視覚化することを可能にする。システム920は、拡張器750及び/又は経中隔針710の画像を提示するように更に構成することができる。システム920は、図7Aに示されるシステム700の構成要素を更に含む、かつ/又はこれを制御するように構成することができる。
【0076】
システム920は、汎用コンピュータとして実現することができるシステムプロセッサ930によって制御することができる。プロセッサ930は、コンソール940に取り付けることができる。コンソール940は、キーパッドなどの動作制御部942、及びオペレータ926がプロセッサ930と相互作用するために使用することができるマウス又はトラックボールなどのポインティングデバイスを含むことができる。プロセッサ930によって行われた演算の結果は、プロセッサ930に接続されたディスプレイ944上でオペレータに提供することができる。ディスプレイ944は、止血弁18の近位端780に位置する導電性要素24aと、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の近位端790上の導電性要素24bとの係合の表示を含む、オペレータがシステム920を制御することを可能にするグラフィックユーザインターフェースをオペレータに更に提示することができる。オペレータ926は、制御部942を使用して、システム920の動作においてプロセッサ930によって使用されるパラメータの値を入力するように構成することができる。
【0077】
プロセッサ930は、コンピュータソフトウェアを使用してシステム920を動作させる。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを通じて電子形態でプロセッサ930にダウンロードすることができるか、又は代替的若しくは追加的に、磁気的、光学的、又は電子的メモリなどの非一時的で有形なコンピュータ可読媒体上に提供する、かつ/又は記憶することができる。
【0078】
システム920の動作では、オペレータ926は、患者24に診断用カテーテル又は治療用カテーテル960を挿入し、その結果、カテーテルの遠位端は、下大静脈922を介して患者の心臓の左心房916に入る。オペレータ926は、拡張器705及び/又は経中隔針710などの診断用カテーテル又は治療用カテーテル750を、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750を通して左心房716に送達する。プロセッサ730は、遠位端が心臓910内にある間、経中隔針710の遠位端、典型的には遠位端の場所及び配向の両方を追跡するように構成することができる。経中隔針710は、その遠位端に追跡コイル(複数可)を含むことができる。プロセッサ730は、Biosense Webster(Irvine,Calif.)によって製造されるCarto(登録商標)システムによって提供されるような磁気追跡システムを利用することができる。システム920は、送信機からの磁場が経中隔針710の遠位端にある1つ以上の追跡コイルと相互作用するように、患者924の近傍に磁場送信機966を含むことができる。磁場と相互作用するコイルは、プロセッサ930に送信される信号を生成し、プロセッサは、信号を分析して経中隔針710の場所及び配向を決定する。一実施形態では、追跡コイル及び磁気追跡システムを使用して、拡張器705及び経中隔針710の位置を特定することができる、したがって、オペレータ926が必要に応じてそれらを位置決めすることができる。
【0079】
別の実施形態では、オペレータ926は、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750をガイドシースアセンブリ10の止血弁18に挿入することができる。診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の近位端上の導電性要素24aと、止血弁18の近位端上の導電性要素24bとの間の回路の接触及び完成は、拡張器705及び経中隔針710の場所及び配向が、システム920を使用して視覚化されることを可能にするのに役立つ。したがって、オペレータ926が拡張器705及び経中隔針710の位置決めを決定するために患者924を照射する必要はない。
【0080】
図9及び図10は、上記の概念を更に示す。図9は、止血弁18内に部分的に挿入された診断用カテーテル又は治療用カテーテル750及びそのシースアセンブリ10の一例を示す。ここで、導電性要素24aと導電性要素24bとの間の回路は閉鎖されておらず、したがって、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の最近位端の識別表示はない。図10では、止血弁及び診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端780、790における導電性要素24aと導電性要素24bとの間の回路が閉じられ、それにより、マッピング/ナビゲーションシステムに信号を送信して、最遠位端の位置を特定する際に別のデータ点をシステムに知らせる。
【0081】
例示的なカテーテル750は、マッピング/ナビゲーションソフトウェアシステム760において視覚化することができるが、蛍光透視法の使用を必要とする多数の医師が依然として存在する。蛍光透視法を使用する理由は、医師が、カテーテル750の最遠位端が患者の心臓内で重要な構造(例えば、中隔)に対してどこに位置するかを知る必要があるためである。例示的な治療用カテーテル750(例えば、拡張器)の端部は、最初に左心房を穿刺し、次いで左心房内に横断するシステムの一部分である。上記システムは、オペレータが、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の端部が正確にどこにあるかを、ガイドシースアセンブリ10の遠位端からの外挿に基づいて知ることを可能にする。この外挿を行うためにシステム760によって現在知られていないことは、診断用カテーテル又は治療用カテーテルがガイドシースアセンブリ10内に完全に係合されているときである。ガイドシースアセンブリ10の止血弁18及びガイドシースアセンブリ10に接続する診断用カテーテル又は治療用カテーテル750のルアー上に第1の近接感知要素240a及び第2の近接感知要素240b(例えば、導電性要素24a、24b)を含むことによって、ナビゲーションシステム760は、ここで、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750がガイドシースアセンブリ10に完全に係合されたときを認識することができる。マッピングシステム760は、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750とガイドシースアセンブリ10とが接続する止血弁18上のルアーの面において同様の導電性表面を有する診断用カテーテル又は治療用カテーテル750により、これを認識する。シース24b上の導電要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750が完全に係合され、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の端部24b上の導電性部分が回路を完成させるときにのみ完成され得る電気的遮断を有することができる。ガイドシースアセンブリ10と診断用カテーテル又は治療用カテーテル750との間の完全な係合をナビゲーションシステム760に知らせることを可能にする更なる例がある。他の実施例は、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750上にセンサ又は遠位リングを組み込むことと、上述の導電性表面を光センサ若しくは他の光学センサ、磁場センサ、又は同様の近接検出器と置換することと、を含む。
【0082】
図11は、ガイドシースアセンブリ1010の別の実施形態の断面図を示す。このガイドシースアセンブリ1010は、ガイドシースアセンブリ1010が特定の深さまで挿入されたときを検出するために使用することができるセンサ1090を備える。センサ1090は、導電性センサ、光センサ、若しくは他の光学センサ、又は磁場センサとすることができる。ガイドシースアセンブリ1010は、ハブ1014と、ハブ1014の遠位端に取り付けられた管状シース1012と、を有する。ガイドシースアセンブリは、ハブ1014及びシース1012を通って延在する中心管腔1015を通ってシース導入器の長手方向軸線1021に沿って延在するカテーテル管状本体1022の周りのシース1012の密封を提供するための止血弁1016を含む。ハブ1014からの分岐導管1020及び固定用スリーブ1121は、特に、食塩水又は薬剤との連結、及び他の医療処置へのアクセスを可能にするために設けられている。ガイドワイヤ又は診断用カテーテル若しくは治療用カテーテル750はまた、カテーテルとともに使用されることが多いので、ガイドシースアセンブリを通って延在してもよいことが理解される。シース導入器又はアセンブリは、米国特許第5,807,350号及び同第10,194,937号に記載されており、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0083】
ハブの近位に取り付けられているのは、端部キャップ1032及びユーザインターフェース1034を含む解放可能な回転ロックアセンブリ1030である。図11に示される実施形態では、ユーザインターフェースは、ノブ1036を含む。端部キャップ1032は、ハブ1014の近位端に設けられて、止血弁1016を覆って固定する。端部キャップ1032は、ハブ1014の近位円周部分1040とスナップ嵌合する遠位部分1038を有する。端部キャップ1032は、その近位端に、ガイドシースアセンブリ1010の中心管腔1015につながる軸線方向開口部1044を画定するネック部分1042が設けられている。ネック部分1042に取り付けられたノブ1036は、周縁部1050を有するディスクとして成形されており、その外径は、端部キャップ1032の外径とほぼ等しい。ノブ1036は、端部キャップ1032のネック部分1042を受容する中心穴1052を有し、ノブ1036がガイドシースアセンブリ1010の長手方向軸線1021を中心として双方向に回転可能かつ調節可能であることを可能にする。
【0084】
回転ロックアセンブリ1030は、端部キャップ1032の近位面上に取り付けられた複数のロック部材又はプロング1060を更に含み、これらは、ノブ1036が一方向に回転されたときに、ガイドシースアセンブリ1010を通って延在するカテーテル管状本体1022に接触してこれを握持し、ノブ1036が他方向に回転されたときに、管状本体1022を解放するように適合されている。プロング1060は、互いにほぼ等距離かつ等角の半径方向パターンで配置され、ネック部分1042の近位端からの突出部として形成されたそれぞれのピン1064上に、各々固定的であるが回転可能又は枢動可能に(本明細書では互換的に使用される)取り付けられる。ピン1064は、ガイドシースアセンブリ1010の長手方向軸線1021と平行に延在している。各ピンの近位端は、ピン1064上にプロング1060を保持し、次にハブ1014のネック部分1042上にノブ1036を保持するヘッド1065を有する。
【0085】
開口1078は、ノブ1036の近位面から延在する突起部として形成されたそれぞれのカムアクチュエータ又はピン1080が、ノブ1036の回転運動とプロング1060の各々の回転運動とを連結する際にプロング1060のカム部分と係合することを可能にする。
【0086】
ガイドシースアセンブリ1010はまた、止血弁1016上に導電性要素24a(図示せず)を含むことができ、この導電性要素24aは、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750と止血弁1016との係合を示すために、診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の近位端上に位置する別の導電性要素24bと相互作用するように構成されている。この係合は、止血弁1016と診断用カテーテル又は治療用カテーテル750の近位端との間の回路を完成させる。この係合は、図8に示されるコンピュータシステムに提供される視覚的信号又は聴覚的信号によって示され得る。
【0087】
上記の説明は、現時点における本発明の好ましい実施形態に関連して示したものである。本発明が関連する分野及び技術の当業者であれば、本発明の原理、趣旨、及び範囲を大きく逸脱することなく、記載される構造に改変及び変更を実施し得る点は認識されるであろう。1つの実施形態に開示される任意の特徴又は構成は、必要に応じて又は適宜、他の任意の実施形態の他の特徴に代えて、又はそれに加えて組み込むことができる。当業者には理解されるように、図面は必ずしも縮尺どおりではない。したがって、上記の説明文は、添付図面に記載及び例示される正確な構成のみに関連したものとして読まれるべきではなく、むしろ以下の最も完全で公正な範囲を有するものとされる特許請求の範囲と一致し、かつこれを支持するものとして読まれるべきである。
【0088】
〔実施の態様〕
(1) ガイドシースアセンブリであって、
長手方向軸線に沿って延在する管腔を画定する細長いシャフトと、
前記シャフトの近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
前記制御ハンドルの近位端上の止血弁と、
前記制御ハンドル及び前記止血弁のうちの少なくとも1つの上に配置された、少なくとも1つの第1の導電性要素であって、前記少なくとも1つの第1の導電性要素は、診断用カテーテル又は治療用カテーテル上の少なくとも1つの第2の導電性要素と相互作用して電気回路を完成させるように構成されている、少なくとも1つの第1の導電性要素と、を含み、
前記止血弁は、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルを前記管腔内に導入するために、前記管腔に接続されている、制御ハンドルと、を備える、ガイドシースアセンブリ。
(2) 前記少なくとも1つの第1の導電性要素は、前記止血弁の近位端上に位置し、前記少なくとも1つの第2の導電性要素は、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上に位置する、実施態様1に記載のガイドシースアセンブリ。
(3) 前記回路は、前記電気回路の完成時に視覚的インジケータ又は聴覚的インジケータを提供するように構成することができる、実施態様1に記載のガイドシースアセンブリ。
(4) 前記視覚的インジケータ又は聴覚的インジケータは、前記ガイドシースアセンブリと相互作用するように構成されたシステムに提供することができる、実施態様3に記載のガイドシースアセンブリ。
(5) 前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、拡張器、経中隔針、マッピングカテーテル、及び/又はアブレーションカテーテルのうちの1つを含む、実施態様1に記載のガイドシースアセンブリ。
【0089】
(6) 前記止血弁は、
弁本体であって、前記長手方向軸線に沿って前記弁本体の近位部分から遠位部分まで延在する、弁本体と、
器具が前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記器具の所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記弁本体の前記近位部分に近接して配置されたセンサと、を更に含む、実施態様1に記載のガイドシースアセンブリ。
(7) システムであって、
診断用カテーテル又は治療用カテーテルと、
ガイドシースアセンブリであって、
管腔を画定し、長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフトと、
前記シャフトの近位にある制御ハンドルであって、
前記長手方向軸線を中心として回転するように構成された制御ノブと、
前記制御ノブの回転に応答して前記長手方向軸線を中心として回転するように構成された中空回転式シャフトと、
前記制御ハンドルの近位端上にあり、前記管腔に結合された止血弁と、
前記制御ハンドル及び前記止血弁のうちの少なくとも1つの上に配置された少なくとも1つの第1の近接感知要素であって、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテル上に配置された第2の近接感知要素と相互作用するように構成されており、その結果、前記第1の近接感知要素が前記第2の近接感知要素と相互作用するときに、信号が生成される、少なくとも1つの第1の近接感知要素と、を含む、制御ハンドルと、を含む、ガイドシースアセンブリと、を備える、システム。
(8) 前記第1の近接感知要素は、前記止血弁の近位端上に位置し、前記第2の近接感知要素は、前記管腔に挿入されるように構成された拡張器の近位端上に位置する、実施態様7に記載のシステム。
(9) 前記第1の近接感知要素及び前記第2の近接感知要素は、光センサ、光学センサ、磁場センサ、及び物理的に相互作用する要素を含む、実施態様7に記載のシステム。
(10) 前記第1の近接感知要素は、突起部を含み、前記第2の近接感知要素は、前記突起部を受容するように構成されており、前記第1の近接感知要素及び前記第2の近接感知要素の係合又は近接近は、視覚的インジケータ及び/又は聴覚的インジケータを提供する、実施態様9に記載のシステム。
【0090】
(11) 前記止血弁は、
弁本体と、
診断用カテーテル又は治療用カテーテルが前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルの所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記弁本体上に配置されたセンサと、を更に含む、実施態様6に記載のシステム。
(12) ガイドシースアセンブリのための止血弁であって、前記止血弁は、
長手方向軸線に沿って延在する弁本体であって、前記弁本体の一部分を通って延在する管腔を画定する、弁本体と、
前記管腔と連通する分岐導管と、
前記弁本体の近位部分と遠位部分とを分離するために前記管腔に挿入されたシールであって、前記遠位部分は、前記分岐導管と連通している、シールと、
器具が前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記器具の所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記弁本体の前記近位部分に近接して配置されたセンサと、を備える、止血弁。
(13) 前記センサは、導電性センサ、光センサ、光学センサ、磁場センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、実施態様12に記載の止血弁。
(14) ガイドシースアセンブリであって、
長手方向軸線に沿って延在する管腔を画定する細長いシャフトと、
前記シャフトの近位にある制御ハンドルであって、前記制御ハンドルは、
止血弁と、
器具が前記止血弁に挿入されたときに、前記管腔を通る前記器具の所定の挿入距離の表示が提供されるように、前記止血弁に近接して配置されたセンサと、を含む、制御ハンドルと、を備え、
前記止血弁は、
長手方向軸線に沿って延在する弁本体であって、前記弁本体の一部分を通って延在する管腔を画定する、弁本体と、
前記管腔と連通する分岐導管と、
前記弁本体の近位部分と遠位部分とを分離するために前記管腔に挿入されたシールであって、前記遠位部分は、前記分岐導管と連通している、シールと、を備える、ガイドシースアセンブリ。
(15) 前記センサは、導電性センサ、光センサ、光学センサ、磁場センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されたものである、実施態様14に記載のガイドシースアセンブリ。
【0091】
(16) 前記器具は、ガイドワイヤ又は診断用カテーテル若しくは治療用カテーテルを含む、実施態様14に記載のガイドシースアセンブリ。
(17) 前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、拡張器、経中隔針、マッピングカテーテル、及び/又はアブレーションカテーテルを含む、実施態様16に記載のガイドシースアセンブリ。
(18) 前記第1の近接感知要素及び前記第2の近接感知要素は、導電性要素であり、
前記第1の導電性要素は、前記止血弁の近位端上に位置し、外向き又は内向きのうちの一方に突出し、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルの近位端上の少なくとも1つの第2の導電性要素とともに前記回路を完成させ、
前記外向き方向は、前記制御ハンドルの中心管腔から離れており、
前記内向き方向は、前記制御ハンドルの中心管腔に向かっている、実施態様1に記載のガイドシースアセンブリ。
(19) 前記止血弁は、少なくとも1つの第1の導電性要素を更に備え、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、少なくとも1つの第2の導電性要素を更に含み、前記少なくとも1つの第1の導電性要素は、前記少なくとも1つの第2の導電性要素と相互作用して電気回路を完成させるように構成されている、実施態様7に記載のシステム。
(20) 前記止血弁は、第1の導電性要素を更に備え、前記診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、第2の導電性要素を更に含む、実施態様12に記載の止血弁。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
【図
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
【国際調査報告】