(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-25
(54)【発明の名称】振動センサ
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20231018BHJP
【FI】
H04R1/00 327
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521923
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2021129148
(87)【国際公開番号】W WO2022142737
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/140180
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110445739.3
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/107978
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521080118
【氏名又は名称】シェンツェン・ショックス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 文俊
(72)【発明者】
【氏名】袁 永▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】黄 雨佳
(72)【発明者】
【氏名】周 文兵
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲風▼云
(72)【発明者】
【氏名】▲齊▼ 心
(57)【要約】
本願に係る振動センサは、音響キャビティを形成するハウジング、及び音響キャビティ内に位置し、音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、振動ユニットは、音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、ハウジングの振動に応答して第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、質量素子の音響トランスデューサから離れる側の面積は、質量素子の音響トランスデューサに近接する側の面積より小さく、弾性素子は、質量素子の側壁に周着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、前記質量素子の前記音響トランスデューサから離れる側の面積は、前記質量素子の前記音響トランスデューサに近接する側の面積より小さく、前記弾性素子は、前記質量素子の側壁に周着される、振動センサ。
【請求項2】
前記質量素子は、第1の質量素子及び第2の質量素子を含み、前記第2の質量素子は、前記音響トランスデューサに近接し、前記第1の質量素子は、前記第2の質量素子の前記音響トランスデューサから離れる側に位置し、前記第1の質量素子の前記質量素子の振動方向に垂直な断面の面積は、前記第2の質量素子の前記質量素子の振動方向に垂直な断面の面積より小さい、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項3】
前記第1の質量素子は、前記第2の質量素子の中部領域に位置し、前記第1の質量素子の側壁と前記第2の質量素子の側壁との間には、一定の間隔がある、請求項2に記載の振動センサ。
【請求項4】
前記一定の間隔の範囲は、10um~500umである、請求項3に記載の振動センサ。
【請求項5】
前記弾性素子は、第1の弾性部と、第2の弾性部とを含み、前記第1の弾性部の両端は、それぞれ前記第1の質量素子の側壁と前記第2の弾性部に接続され、前記第2の弾性部は、前記音響トランスデューサに向かって延在し、かつ前記音響トランスデューサに接続される、請求項3に記載の振動センサ。
【請求項6】
前記第1の弾性部は、前記第1の質量素子の側壁に接続される第1の側面と、前記第2の質量素子の前記第2の音響キャビティに露出している表面に接続される第2の側面とを含む、請求項5に記載の振動センサ。
【請求項7】
前記第2の質量素子の側壁は、前記第2の弾性部に接続される、請求項6に記載の振動センサ。
【請求項8】
前記音響トランスデューサは、基板を含み、前記第2の弾性部は、基板に向かって延在し、かつ前記基板に接続され、前記基板、前記第2の質量素子及び前記第2の弾性部は、前記第1の音響キャビティを形成する、請求項5に記載の振動センサ。
【請求項9】
前記質量素子の振動方向に沿って、前記第1の質量素子の厚さは、50um~1000umであり、前記第2の質量素子の厚さは、10um~150umである、請求項2に記載の振動センサ。
【請求項10】
前記質量素子の振動方向に沿って、前記第1の質量素子の厚さは、前記第2の質量素子の厚さより大きい、請求項9に記載の振動センサ。
【請求項11】
前記質量素子の振動方向に沿った断面において、前記質量素子の前記音響トランスデューサから離れる側の縁部と前記質量素子の前記音響トランスデューサに近接する側の縁部とを結ぶ線分と、前記質量素子の振動方向とは、範囲が10°~80°の夾角をなす、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項12】
前記質量素子は、前記第1の音響キャビティと前記第2の音響キャビティとを連通する第1の孔部を含む、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項13】
前記第1の孔部の半径は、1um~50umである、請求項12に記載の振動センサ。
【請求項14】
前記ハウジングは、第3の孔部を含み、前記第2の音響キャビティは、前記第3の孔部により外部と連通する、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項15】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着される弾性素子とを含み、前記弾性素子と前記ハウジングとの間にストッパーがある、振動センサ。
【請求項16】
前記質量素子の振動方向に沿って、前記ストッパーの高さは、100um~1000umである、請求項15に記載の振動センサ。
【請求項17】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着される弾性素子とを含み、前記質量素子は、前記質量素子の振動方向に沿った側部に位置する凹溝を含む、振動センサ。
【請求項18】
前記質量素子は、前記第1の音響キャビティと前記第2の音響キャビティとを連通し、前記凹溝に位置する第1の孔部を含む、請求項17に記載の振動センサ。
【請求項19】
前記第1の孔部の半径は、1um~50umである、請求項18に記載の振動センサ。
【請求項20】
前記凹溝のサイズは、前記第1の孔部のサイズより大きい、請求項19に記載の振動センサ。
【請求項21】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着され、かつ前記ハウジングまで延在する弾性素子と含む、振動センサ。
【請求項22】
前記質量素子の振動方向に沿って、前記弾性素子の厚さは、前記質量素子の厚さより大きい、請求項21に記載の振動センサ。
【請求項23】
前記質量素子又は前記ハウジングには、半径が1um~50umの孔部が形成される、請求項21に記載の振動センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権情報)
本願は、2020年12月28日に出願された出願番号PCT/CN2020/140180の国際出願、2021年4月23日に出願された出願番号202110445739.3の中国出願及び2021年7月22日に出願された出願番号PCT/CN2021/107978の国際出願の優先権を主張するものであり、そのすべての内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、音響の技術分野に関し、特に振動センサに関する。
【背景技術】
【0003】
振動センサは、振動信号を電気信号に変換するエネルギー変換デバイスである。現在、振動センサを骨伝導マイクロホンとして使用することができ、振動センサは、人が話すときに皮膚を介して伝達された振動信号を検出することができ、それにより音声信号を検出し、同時に外部ノイズの干渉を受けない。現在、振動センサにおける振動アセンブリの構造が安定しないため、振動センサの製造中の製品歩留まりが高くなく、振動センサの動作中の感度が低いという問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、構造安定性が高く、感度が高い振動センサを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一実施例に係る振動センサは、音響キャビティを形成するハウジング、及び音響キャビティ内に位置し、音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、振動ユニットは、音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、ハウジングの振動に応答して第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、質量素子の音響トランスデューサから離れる側の面積は、質量素子の音響トランスデューサに近接する側の面積より小さく、弾性素子は、質量素子の側壁に周着される。
【0006】
いくつかの実施例では、質量素子は、第1の質量素子及び第2の質量素子を含み、第2の質量素子は、音響トランスデューサに近接し、第1の質量素子は、第2の質量素子の音響トランスデューサから離れる側に位置し、第1の質量素子の質量素子の振動方向に垂直な断面の面積は、第2の質量素子の質量素子の振動方向に垂直な断面の面積より小さい。
【0007】
いくつかの実施例では、第1の質量素子は、第2の質量素子の中部領域に位置し、第1の質量素子の側壁と第2の質量素子の側壁との間には、一定の間隔がある。
【0008】
いくつかの実施例では、一定の間隔の範囲は、10um~500umである。
【0009】
いくつかの実施例では、弾性素子は、第1の弾性部と、第2の弾性部とを含み、第1の弾性部の両端は、それぞれ第1の質量素子の側壁と第2の弾性部に接続され、第2の弾性部は、音響トランスデューサに向かって延在し、かつ音響トランスデューサに接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、第1の弾性部は、第1の質量素子の側壁に接続される第1の側面と、第2の質量素子の第2の音響キャビティに露出している表面に接続される第2の側面とを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、第2の質量素子の側壁は、第2の弾性部に接続される。
【0012】
いくつかの実施例では、音響トランスデューサは、基板を含み、第2の弾性部は、基板に向かって延在し、かつ基板に接続され、基板、第2の質量素子及び第2の弾性部は、第1の音響キャビティを形成する。
【0013】
いくつかの実施例では、質量素子の振動方向に沿って、第1の質量素子の厚さは、50um~1000umであり、第2の質量素子の厚さは、10um~150umである。
【0014】
いくつかの実施例では、質量素子の振動方向に沿って、第1の質量素子の厚さは、第2の質量素子の厚さより大きい。
【0015】
いくつかの実施例では、質量素子の振動方向に沿った断面において、質量素子の音響トランスデューサから離れる側の縁部と質量素子の音響トランスデューサに近接する側の縁部とを結ぶ線分と、質量素子の振動方向とは、範囲が10°~80°の夾角をなす。
【0016】
いくつかの実施例では、質量素子は、第1の音響キャビティと第2の音響キャビティとを連通する第1の孔部を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、第1の孔部の半径は、1um~50umである。
【0018】
いくつかの実施例では、ハウジングは、第3の孔部を含み、第2の音響キャビティは、第3の孔部により外部と連通する。
【0019】
本願の一実施例に係る振動センサは、音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着される弾性素子とを含み、前記振動センサは、前記弾性部材と前記ハウジングとの間に位置するストッパーをさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例では、質量素子の振動方向に沿って、ストッパーの高さは、100um~1000umである。
【0021】
本願の一実施例に係る振動センサは、音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、前記振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、前記質量素子は、前記質量素子の振動方向に沿った側部に位置する凹溝を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記質量素子は、前記第1の音響キャビティと前記第2の音響キャビティとを連通し、前記凹溝に位置する第1の孔部を含む。
【0023】
いくつかの実施例では、前記第1の孔部の半径は、1um~50umである。
【0024】
いくつかの実施例では、前記凹溝のサイズは、前記第1の孔部のサイズより大きい。
【0025】
本願の一実施例に係る振動センサは、音響キャビティを形成するハウジング、及び音響キャビティ内に位置し、音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、振動ユニットは、音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、ハウジングの振動に応答して第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、振動ユニットは、質量素子と、質量素子の側壁に周着され、かつハウジングまで延在する弾性素子と、を含む。
【0026】
いくつかの実施例では、質量素子の振動方向に沿って、弾性素子の厚さは、質量素子の厚さより大きい。
【0027】
いくつかの実施例では、質量素子又はハウジングには、半径が1um~50umの孔部が形成される。
【0028】
本願は、例示的な実施例の方式でさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例では、同じ符号は同じ構造を示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサの例示的なブロック図である。
【
図2A】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの例示的な構造図である。
【
図2B】本願のいくつかの実施例に係る質量素子の概略構成図である。
【
図3】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略構成図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略構成図である。
【
図5】本願のいくつかの実施例に係る質量素子の概略構成図である。
【
図6A】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略構成図である。
【
図6B】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略構成図である。
【
図6C】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略構成図である。
【
図6D】本願のいくつかの実施例に係る振動ユニットの概略構成図である。
【
図7】本願のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図8】本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサの概略構成図である。
【
図9】本願のいくつかの実施例に係る振動レシーバーの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、単に本明細書のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本明細書を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ番号は、同じ構造又は操作を示す。
【0031】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」が、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別する方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0032】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される「第1の」、「第2の」及び類似する用語は、いかなる順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するものに過ぎない。同様に、「1個」又は「1つ」などの類似する用語は、数を制限するものではなく、少なくとも1つ存在することを示す。特に説明しない限り、「前部」、「後部」、「下部」及び/又は「状部」などの類似する用語は、1つの位置又は1つの空間方向に限定されるものではなく、説明を容易にするためのものに過ぎない。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は設備は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0033】
本明細書の実施例では、振動センサが説明される。いくつかの実施例では、振動センサは、振動レシーバー及び音響トランスデューサを含んでもよい。いくつかの実施例では、振動レシーバーは、音響キャビティを形成することができるハウジング、及び音響キャビティ内に位置し、音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切ることができる振動ユニットを含んでもよい。音響トランスデューサは、第1の音響キャビティと音響的に連通してもよい。ハウジングは、外部振動信号(例えば、ユーザーが話すときに骨格、皮膚などの振動により発生した信号)に基づいて振動を発生されるように構成されてもよい。振動ユニットは、音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、ハウジングの振動に応答して第1の音響キャビティ内の音圧を変更してもよい。
【0034】
いくつかの実施例では、振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含んでもよい。質量素子の音響トランスデューサから離れる側の面積は、質量素子の音響トランスデューサに近接する側の面積より小さい。厚さが同じであるという条件で、本明細書の実施例における質量素子と弾性素子との接触面積は、柱状(例えば、円柱状又は角柱状)の質量素子と弾性素子との接触面積と比較して増加し、弾性素子が質量素子に周着される場合、弾性素子と質量素子との接続面積が増大し、さらに弾性素子と質量素子との間の接続強度を向上させ、振動アセンブリの構造の安定性を向上させる。さらに、弾性素子と質量素子との間の接続強度を向上させ、第1の音響キャビティの密封性を向上させることにより、弾性素子と質量素子との接続箇所に隙間が発生し、第1の音響キャビティの気体が第2の音響キャビティに漏れるという状況の発生を効果的に防止し、さらにハウジングの振動に応答する第1の音響キャビティの音圧の変化をより敏感にすることができるので、振動センサの感度を向上させる。
【0035】
図1は、本明細書のいくつかの実施例に係る振動センサ100の例示的なブロック図である。
図1に示すように、振動センサ100は、振動レシーバー110及び音響トランスデューサ120を含んでもよい。いくつかの実施例では、振動レシーバー110と音響トランスデューサ120とは、物理的な方式で接続されてもよい。本明細書における物理的な接続は、溶接、係止、接着又は一体成形など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施例では、振動センサ100は、骨伝導マイクロホンとして使用されてもよい。骨伝導マイクロホンとして使用される場合、振動センサ100は、ユーザーが話すときに発生した骨格、皮膚などの組織の振動信号を受信し、かつ該振動信号を音声情報を含む電気信号に変換することができる。空気中の音声(又は振動)をほとんど収集しないため、振動センサ100は、ある程度で周囲環境のノイズ(例えば、周囲の他人の発話音声、車両が走行するノイズ)の影響を受けず、ノイジーな環境で使用してユーザーが話すときの音声信号を収集することに適する。単なる例示として、ノイジーな環境は、ノイジーなレストラン、会場、大通り、道路付近、火災現場などの場合を含んでもよい。いくつかの実施例では、振動センサ100は、イヤホン(例えば、空気伝導イヤホン及び骨伝導イヤホン)、助聴器、補聴器、メガネ、ヘルメット、拡張現実(AR)装置、仮想現実(VR)装置など、又はそれらの任意の組み合わせに適用されてもよい。例えば、振動センサ100は、骨伝導マイクロホンとしてイヤホンに適用されてもよい。
【0037】
振動レシーバー110は、振動信号を受信し、かつ伝達するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、振動レシーバー110は、ハウジング及び振動ユニットを含む。ハウジングは、内部が中空の構造であってもよく、振動センサ100の一部の部材(例えば、振動ユニット)は、ハウジング内に位置してもよい。例えば、ハウジングは、音響キャビティを形成することができ、振動ユニットは、音響キャビティ内に位置してもよい。いくつかの実施例では、振動ユニットは、音響キャビティ内に位置し、ハウジングにより形成された音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切ることができる。音響キャビティは、音響トランスデューサ120と音響的に連通してもよい。音響的な連通は、音圧、音波又は振動信号を伝達可能な連通形態であってもよい。
【0038】
音響トランスデューサ120は、第1の音響キャビティの音圧の変化に基づいて、音声情報を含む電気信号を発生させることができる。いくつかの実施例では、振動信号は、振動レシーバー110により受信され、かつ第1の音響キャビティの内部の気圧を変化させることができ、音響トランスデューサ120は、第1の音響キャビティの内部の気圧の変化に基づいて、電気信号を発生させることができる。いくつかの実施例では、振動センサ100が動作している場合、ハウジングは、外部振動信号(例えば、ユーザーが話すときに骨格、皮膚などの振動により発生した信号)に基づいて振動を発生させることができる。振動ユニットは、ハウジングの振動に応答して振動し、かつ該振動を第1の音響キャビティにより音響トランスデューサ120に伝達することができる。例えば、振動ユニットの振動は、第1の音響キャビティの体積を変化させ、さらに第1の音響キャビティ内の気圧を変化させ、キャビティ内の気圧の変化をキャビティ内の音圧の変化に変換することができる。音響トランスデューサ120は、第1の音響キャビティの音圧の変化を検出し、これに基づいて電気信号を発生させることができる。例えば、音響トランスデューサ120は、振動膜を含んでもよく、第1の音響キャビティ内の音圧が変化して振動膜に作用すると、振動膜が振動(又は変形)し、これにより、音響トランスデューサ120は、振動膜の振動を電気信号に変換する。振動センサ100に関する詳細な説明については、
図2A~
図10の詳細な説明を参照してもよい。
【0039】
なお、上記振動センサ100及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ100に対して様々な修正及び変更を行うことができる。いくつかの実施例では、振動センサ100は、例えば、音響トランスデューサ120に電気エネルギーを提供する電源などの他の部材をさらに含んでもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0040】
図2Aは、本願のいくつかの実施例に係る振動センサ200の例示的な構造図である。
図2Aに示すように、振動センサ200は、振動レシーバー210及び音響トランスデューサ220を含んでもよく、振動レシーバー210は、ハウジング211及び振動ユニット212を含んでもよい。
【0041】
ハウジング211は、内部が中空の構造であってもよく、いくつかの実施例では、ハウジング211は、音響キャビティを有する構造に取り囲むように、音響トランスデューサ220に接続されてもよい。ハウジング211と音響トランスデューサ220との間には、物理的な方式で接続されてもよい。いくつかの実施例では、振動ユニット212は、音響キャビティ内に位置し、振動ユニット212は、音響キャビティを第1の音響キャビティ213と第2の音響キャビティ214に仕切ることができる。いくつかの実施例では、振動ユニット212と音響トランスデューサ220とは、第1の音響キャビティ213を形成することができ、振動ユニット212とハウジング211とは、第2の音響キャビティ214を形成することができる。
【0042】
振動センサ200は、外部振動信号を電気信号に変換することができる。単なる例示として、外部振動信号は、人が話すときの振動信号、皮膚が人体運動又は皮膚に近接する他の装置(例えば、スピーカー)の動作などの原因で発生した振動信号、及び振動センサ200に接触する物体又は空気により発生した振動信号など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。振動センサ200が動作している場合、外部振動信号は、ハウジング211により振動ユニット212に伝達されてもよく、振動ユニット212の質量素子2121は、弾性素子2122によりハウジング211の振動に応答して振動する。質量素子2121の振動は、第1の音響キャビティ213の体積を変化させ、さらに第1の音響キャビティ213内の気圧を変化させ、キャビティ内の気圧の変化をキャビティ内の音圧の変化に変換することができる。音響トランスデューサ220は、第1の音響キャビティ213の音圧の変化を検出し、電気信号に変換することができる。例えば、音響トランスデューサ220は、集音孔2221を含んでもよく、第1の音響キャビティ213内の音圧の変化は、振動膜が振動(又は変形)して電気信号を発生させるように、集音孔2221により音響トランスデューサ220の振動膜に作用してもよい。さらに、音響トランスデューサ220が発生した電気信号は、外部の電子機器に伝達されてもよい。単なる例示として、音響トランスデューサ220は、インタフェース223を含んでもよい。インタフェースは、外部の電子機器の内部素子(例えば、プロセッサ)に有線接続されるか(例えば、電気的に接続される)、又は無線接続されてもよい。音響トランスデューサ220が発生した電気信号は、インタフェースを介して外部の電子機器に有線又は無線の方式で伝達されてもよい。いくつかの実施例では、外部の電子機器は、モバイル装置、ウェアラブル装置、仮想現実装置、拡張現実装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、モバイル装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲーム装置、ナビゲーション装置など、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、ウェアラブル装置は、スマートブレスレット、イヤホン、助聴器、スマートヘルメット、スマートウォッチ、スマート衣類、スマートバックパック、スマートアクセサリなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、仮想現実ヘルメット、仮想現実メガネ、仮想現実パッチ、拡張現実ヘルメット、拡張現実メガネ、拡張現実パッチなど、又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、仮想現実装置及び/又は拡張現実装置は、Google Glass、Oculus Rift、Hololens、Gear VRなどを含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施例では、ハウジング211の形状は、直方体、円柱体、円錐台などの規則的又は不規則的な形状の立体構造であってもよい。いくつかの実施例では、ハウジングの材料は、金属(例えば、銅、ステンレス鋼)、合金、プラスチックなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、ハウジングは、ハウジング内に設置された振動センサ200の部材(例えば、振動ユニット212)をよりよく保護するように、一定の厚さを有することにより十分な強度を保証してもよい。いくつかの実施例では、第1の音響キャビティ213は、音響トランスデューサ220と音響的に連通してもよい。単なる例示として、音響トランスデューサ220は、集音孔2221を含んでもよく、音響トランスデューサ220は、集音孔2221により第1の音響キャビティ213と音響的に連通してもよい。なお、
図2Aに示した単一の集音孔2221の説明は、説明の目的のためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。なお、振動センサ200は、1つ以上の集音孔2221を含んでもよい。例えば、振動センサ200は、アレイのように配置された複数の集音孔を含んでもよく、集音孔は、第1の音響キャビティ213に対応する音響トランスデューサ220の任意の位置に位置してもよい。
【0044】
いくつかの実施例では、振動ユニット212は、質量素子2121及び弾性素子2122を含んでもよい。いくつかの実施例では、質量素子2121と弾性素子2122とは、物理的な方式で接続さてもよく、例えば、接着されてもよい。単なる例示として、弾性素子2122は、質量素子2121に直接接着されるように、一定の粘着性を有する材料であってもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、弾性素子2122が振動センサ200の加工製造過程において性能を維持するように、耐高温の材料であってもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2122が200℃~300℃の環境にある場合、そのヤング率及び剪断弾性率は変化しないか又は小さく変化し(例えば、変化量が5%以内である)、ヤング率は、弾性素子2122が引っ張られるか又は圧縮される場合の変形能力を特徴づけることができ、剪断弾性率は、弾性素子2122が剪断される場合の変形能力を特徴づけることができる。いくつかの実施例では、弾性素子2122は、振動ユニット212がハウジング211の振動に応答して振動することができるように、優れた弾性を有する(すなわち、弾性的に変形しやすい)材料であってもよい。単なる例示として、弾性素子2122の材料は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンシーラントなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。弾性素子2122が優れた弾性を有するように、いくつかの実施例では、弾性素子2122のショア硬度は、50HAより小さくてもよい。好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、45HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、40HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、35HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、30HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、25HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、20HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、15HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、10HAより小さくてもよい。より好ましくは、弾性素子2122のショア硬度は、5HAより小さくてもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、質量素子2121の材料は、密度が一定の密度閾値(例えば、6g/cm3)より大きい材料、例えば、金属であってもよい。単なる例示として、質量素子2121の材料は、鉛、銅、銀、スズ、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼などの金属又は合金又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。同じ質量で、質量素子2121の材料の密度が高ければ高いほど、サイズが小さいため、密度が一定の密度閾値より大きい材料で質量素子2121を製造することにより、振動センサ200のサイズをある程度で小さくすることができる。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料の密度は、振動センサ200の周波数応答曲線の共振ピーク及び感度に大きな影響を与える。同じ体積で、質量素子2121の密度が大きければ大きいほど、その質量が大きく、振動センサ200の共振ピークが低周波数へ移動し、振動信号(例えば、骨導音声)の周波数が低いため、質量素子2121の質量を増加させることにより、振動センサ200の低周波数帯域(例えば、20Hz~6000Hz)での感度を向上させることができる。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料の密度は、6g/cm3より大きい。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料の密度は、7g/cm3より大きい。いくつかの実施例では、質量素子2121の材料の密度は、7~20g/cm3である。好ましくは、質量素子2121の材料の密度は、7~15g/cm3である。より好ましくは、質量素子2121の材料の密度は、7~10g/cm3である。より好ましくは、質量素子2121の材料の密度は、7~8g/cm3である。いくつかの実施例では、質量素子2121と弾性素子2122とは、異なる材料で構成されてもよく、さらに組立(例えば、接着)により振動ユニット212を形成する。いくつかの実施例では、質量素子2121と弾性素子2122とは、同じ材料で構成されてもよく、一体成形により振動ユニット212を形成する。
【0047】
いくつかの実施例では、質量素子2121の振動方向(
図2Aに示すように)に沿った厚さは、60um~1150umであってもよい。好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、70um~900umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、80um~800umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、90um~700umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100um~600umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、110um~500umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、120um~400umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、130um~300umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、140um~200umであってもよい。より好ましくは、質量素子2121の振動方向に沿った厚さは、100um~150umであってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、質量素子2121の周側表面に周着されてもよい。例えば、質量素子2121が柱状の構造(円柱又は角柱)である場合、質量素子2121の周側表面は、柱状の構造の側面である。また例えば、質量素子2121がサイズの異なる2つの柱状の構造(例えば、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212)である場合、質量素子2121の周側表面は、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212の側面に加えて、質量素子2121の振動方向に垂直な方向に、第2の質量素子21212の第1の質量素子21211により覆われない領域をさらに含む。質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる側面と質量素子2121の音響トランスデューサ220に近接する側面とは、振動方向に略垂直であり、それぞれ第2の音響キャビティ214と第1の音響キャビティ213を画定することに用いられる。弾性素子2122が質量素子2121の周側表面に周着されるため、振動ユニット212が振動方向に沿って振動する過程において、質量素子2121の振動量は、弾性素子2122に対する作用力に変換され、弾性素子2122に剪断変形を発生させる。引張変形及び圧縮変形と比較して、剪断変形は、弾性素子2122のバネ係数を低下させ、これにより、振動センサ200の共振周波数を低下させるため、振動ユニット212の振動過程において、質量素子2121の低い周波数範囲内(例えば、20Hz~6000Hz)での振幅を向上させ、振動センサ200の感度を向上させる。いくつかの実施例では、弾性素子2122は、質量素子2121の周側表面に密着して、第1の音響キャビティ213の密封性を保証することができ、それにより第1の音響キャビティ213の気圧の変化が振動ユニット212の振幅のみに関連し、第1の音響キャビティ213の音圧の変化がより明らかで効果的である。
【0049】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、管状構造であってもよい。それに応じて、管状構造の弾性素子2122内壁の形状は、質量素子2121の周側表面の形状に合わせてもよい。ここで、振動方向に沿った異なる高さで、弾性素子2122の内壁と質量素子2121とは、同じ断面形状を有すると理解することができる。弾性素子2122の内壁は、管状構造の質量素子2121に貼り合わせられる側壁である。例えば、質量素子2121は、階段状であり、弾性素子2122と質量素子2121との接続箇所は、質量素子2121に合わせる階段状である。いくつかの実施例では、質量素子2121の振動方向に垂直な断面の形状は、三角形、四角形、円形、楕円形、扇形、角丸矩形などの規則的又は不規則的な形状であってもよい。本明細書では、弾性素子2122の管状構造の外壁の形状を限定せず、弾性素子2122の外壁は、弾性素子2122の質量素子2121に接続された内壁から離れる側壁であってもよい。例えば、弾性素子2122の管状構造の外壁の形状は、円柱形、楕円柱形、円錐形、角丸矩形柱、矩形柱、多角形柱、不規則的な柱状など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、音響トランスデューサ220に向かって延在し、かつ音響トランスデューサ220に接続されてもよい。例えば、
図2Aに示すように、弾性素子2122の音響トランスデューサ220に向かって延在する一端は、音響トランスデューサ220に接続されてもよい。弾性素子2122と音響トランスデューサ220との間には、物理的な方式で接続されてもよく、例えば、接着されてもよく、溶接されてもよい。いくつかの実施例では、弾性素子2122は、接続部材(
図2Aでは図示せず)を介して音響トランスデューサ220に接続されてもよく、接続部材の一端は、弾性素子2122に接続され、接続部材の他端は、音響トランスデューサ220に接続される。いくつかの実施例では、弾性素子2122とハウジング211との間には、直接接触してもよく、間隔が存在してもよい。例えば、
図2Aに示すように、弾性素子2122とハウジング211との間には、間隔が存在してもよい。弾性素子2122とハウジング211との間の間隔のサイズは、設計者が振動センサ200のサイズに応じて調整することができる。弾性素子2122がハウジング211に直接接触することと比較して、弾性素子2122とハウジング211との間に間隔が存在すると、弾性素子2122の等価剛性を低下させ、弾性素子2122の弾性を向上させることができるため、振動ユニット212の振動過程において、質量素子2121の低い周波数範囲内(例えば、20Hz~6000Hz)での振幅を向上させ、振動センサ200の感度を向上させる。
【0051】
いくつかの実施例では、質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる側の面積は、質量素子2121の音響トランスデューサ220に近接する側の面積より小さい。いくつかの実施例では、質量素子2121の振動方向に垂直な複数の断面の面積は、いずれも異なってもよく、例えば、質量素子2121は、階段状の構造である。弾性素子2122と質量素子2121の周側表面との接続面積を増大させるために、いくつかの実施例では、質量素子2121の振動方向に垂直な複数の断面の面積は、質量素子2121の音響トランスデューサ220から離れる側から質量素子2121の音響トランスデューサ220に近接する側へ徐々に増大する。いくつかの実施例では、質量素子2121の振動方向に垂直な複数の断面の面積は、部分的に同じであってもよく、例えば、質量素子2121の周側は、階段状の構造である。質量素子2121の振動方向に沿った厚さが一定である場合、質量素子2121の振動方向に垂直な複数の断面の面積が異なると、質量素子2121の周側表面の面積を増大させることができ、さらに弾性素子2122と質量素子2121との接続面積を増大させ、弾性素子2122と質量素子2121との間の接続強度を向上させ、第1の音響キャビティの密封性を強化し、ハウジングの振動に応答する第1の音響キャビティの音圧の変化をより顕著にするため、振動センサの感度を向上させる。
【0052】
いくつかの実施例では、質量素子2121の周側表面は、少なくとも1段の階段状の構造であってもよい。
図2Bは、本願のいくつかの実施例に係る質量素子2121の概略構成図である。
図2A及び
図2Bを参照して、質量素子2121は、第1の質量素子21211及び第2の質量素子21212を含んでもよく、第2の質量素子21212は、音響トランスデューサ220に近接し、第1の質量素子21211は、第2の質量素子21212の音響トランスデューサ220から離れる側に位置し、第1の質量素子21211の質量素子2121の振動方向に垂直な断面の面積は、第2の質量素子21212の質量素子2121の振動方向に垂直な断面の面積より小さいため、第1の質量素子21211及び第2の質量素子21212の全体の外縁は、階段状の構造を形成する。単なる例示的な説明として、質量素子2121の周側表面は、第1の質量素子21211の側壁a、第2の質量素子21212の領域b及び側壁cを含んでもよく、側壁a、領域b及び側壁cは、階段状の構造を形成する。階段状の構造により質量素子2121の周側表面の面積を増大させることができ、それに応じて、弾性素子2122と質量素子2121の側壁との接続面積が大きくなり、質量素子2121と弾性素子2122との密着に役立つため、弾性素子2122と質量素子2121との間の密封性を高くし、第1の音響キャビティ213の密封性を保証することに役立つ。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212とは、物理的な方式で接続固定されてもよく、例えば、接着されてもよく(エポキシ接着剤、シリコーンシーラントなどの粘着性を有するコロイドにより接着を実現する)、一体成形されてもよい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の音響トランスデューサ220に近接する側面と第2の質量素子21212の音響トランスデューサ220から離れる側面とは、物理的な方式で接続固定されてもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の音響トランスデューサ220から離れる側面は、その振動方向に垂直であり、第2の質量素子21212の音響トランスデューサ220に近接する側面は、その振動方向に垂直である。いくつかの実施例では、第2の質量素子21212に近接すればするほど、第1の質量素子21211の振動方向に垂直な断面の面積が大きく、音響トランスデューサ220に近接すればするほど、第2の質量素子21212の振動方向に垂直な断面の面積が大きい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211は、第2の質量素子21212と同心的に設置されてもよく、第2の質量素子21212と同心でないように設置されてもよい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211及び/又は第2の質量素子21212の側壁の形状(すなわち、振動方向に垂直な断面)は、円柱形、楕円柱形、台形、角丸矩形柱(
図2Bに示すように)、矩形柱、多角形柱、不規則的な柱状(例えば、複数の段階面を有する柱状)など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212とは、側壁の形状が同じであってもよく、例えば、
図2Bに示すように、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212は、側壁の形状がいずれも角丸矩形柱である。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212とは、側壁の形状が異なってもよく、例えば、第1の質量素子21211の側壁の形状は、円柱形に形成され、第2の質量素子21212の側壁の形状は、角丸矩形柱に形成される。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の材料と第2の質量素子21212の材料とは、同じであってもよく、異なってもよく、単なる例示として、第1の質量素子21211と第2の質量素子21212の材料は、鉛、銅、銀、スズ、ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼などの金属又は合金又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211及び第2の質量素子21212の材料の密度は、6g/cm
3より大きくてもよい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211及び第2の質量素子21212の材料の密度は、7g/cm
3より大きくてもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、第1の質量素子21211は、第1の質量素子21211の側壁と第2の質量素子21212の側壁との間に一定の間隔d(例えば10um~1000um)があるように、第2の質量素子21212の中部領域に位置し、すなわち、第1の質量素子21211の音響トランスデューサ220に近接する側面の縁部と第2の質量素子21212の音響トランスデューサ220から離れる側面の縁部との間に一定の間隔dがある。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の側壁と第2の質量素子21212の側壁との間の間隔dは、どこでも等しくてもよく、例えば、第1の質量素子21211が第2の質量素子21212と同心的に設置される場合、第1の質量素子21211の側壁の形状と第2の質量素子21212の側壁の形状とは、いずれも円柱形の構造であり、第1の質量素子21211の側壁と第2の質量素子21212の側壁との間の間隔dは、どこでも等しい。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の側壁と第2の質量素子21212の側壁との間の間隔dは、等しくない箇所があってもよく、例えば、第1の質量素子21211の側壁の形状が円柱形の構造であり、第2の質量素子21212の側壁の形状が矩形柱である場合、第2の質量素子21212の側壁のエッジと第1の質量素子21211の側壁との間の間隔は、第2の質量素子21212の側壁のエッジと第1の質量素子21211の側壁との間の間隔に等しくない。いくつかの実施例では、一定の間隔dは、10um~500umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、20um~450umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、30um~400umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、40um~350umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、50um~300umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、60um~250umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、70um~200umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、80um~150umであってもよい。より好ましくは、一定の間隔dは、90um~100umであってもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さより大きくてもよい。第1の質量素子21211の厚さを増加させることにより、質量素子2121全体の質量を増加させることができるだけでなく、弾性素子2122と第1の質量素子21211の側壁aとの接続面積を増加させて、弾性素子2122と質量素子2121との接続強度を向上させることができる。いくつかの実施例では、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、50um~1000umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、10um~150umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、60um~900umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、20um~130umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、70um~800umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、30um~120umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、80um~700umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、40um~110umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、90um~600umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、50um~100umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、100um~500umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、60um~90umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、200um~400umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、60um~90umであってもよい。より好ましくは、第1の質量素子21211の振動方向に沿った厚さは、300um~350umであってもよく、第2の質量素子21212の振動方向に沿った厚さは、70um~80umであってもよい。
【0056】
なお、質量素子2121は、
図2A及び
図2Bに示すような第1の質量素子21211及び第2の質量素子21212を含む構造に限定されず、第3の質量素子、第4の質量素子又はより多くの質量素子をさらに含んでもよい。質量素子2121が2つ以上の質量素子を含む場合、2つの質量素子の側壁の間ごとに1つの階段状の構造を形成することができる。
【0057】
いくつかの実施例では、弾性素子2122は、第1の弾性部21221及び第2の弾性部21222を含んでもよく、第1の弾性部21221は、第1の質量素子21211の側壁に周着され、第2の弾性部21222は、第2の質量素子21212の側壁に周着され、第1の弾性部21221と第2の弾性部21222とは、物理的な方式で接続されてもよく、例えば、接着されてもよく、溶接されてもよい。いくつかの実施例では、第1の弾性部21221と第2の弾性部21222とは、一体成形構造であってもよい。いくつかの実施例では、第1の弾性部21221は、第1の質量素子21211の側壁に密着し、第2の弾性部21222は、第2の質量素子21212の側壁に密着し、第1の弾性部21221は、第2の弾性部21222に密封接続される。いくつかの実施例では、第1の弾性部21221の両端は、それぞれ第1の質量素子21211の側壁と第2の弾性部21222に接続されてもよい。いくつかの実施例では、第1の弾性部21221の両端は、それぞれ第1の質量素子21211の側壁と第2の弾性部21222に密封接続されてもよい。第1の弾性部21221は、第1の側面21221a及び第2の側面21221bを含んでもよく、第1の側面21221aは、第1の質量素子21211の側壁に接続され、第2の側面21221bは、第2の質量素子21212の第2の音響キャビティ214に露出している表面に接続される。第1の弾性部21221の第2の側面21221bは、第2の質量素子21212の段差面に接続されてもよく、第2の質量素子21212の段差面は、第1の弾性部21221に対して支持作用を有する。第1の弾性部21221の第2の側面21221bは、第2の弾性部21222に接続されてもよい。第2の質量素子21212の側壁は、第2の弾性部21222に接続される。いくつかの実施例では、第2の弾性部21222は、音響トランスデューサ220に向かって延在し、かつ音響トランスデューサ220(例えば、基板222)に接続される。いくつかの実施例では、第2の弾性部21222の両端は、それぞれ第2の質量素子21212の側壁、音響トランスデューサ220に接続されてもよく、第2の質量素子21212の側壁に接続された第2の弾性部21222の一端は、さらに第1の弾性部21221に接続されてもよい。いくつかの実施例では、第1の弾性部21221の第1の側面21221aの形状は、第1の質量素子21211の側壁の形状に合わせ、例えば、第1の質量素子21211の振動方向に垂直な断面の形状は、三角形、四角形、円形、楕円形、扇形、角丸矩形などの規則的又は不規則的な形状であってもよく、第1の質量素子21211の振動方向に沿った各高さで、第1の側面21221aの第1の質量素子21211の振動方向に垂直な断面の形状は、第1の質量素子21211の断面形状と同じである。いくつかの実施例では、第2の弾性部21222の第2の質量素子21212の側壁に近接する側面の形状は、第2の質量素子21212の側壁の形状に合わせ、例えば、第2の質量素子21212の振動方向に垂直な断面の形状は、三角形、四角形、円形、楕円形、扇形、角丸矩形などの規則的又は不規則的な形状であってもよく、振動方向に沿った各高さで、第2の弾性部21222の第2の質量素子21212の側壁に近接する側面の、振動方向に垂直な断面の形状は、第2の質量素子21212の側壁の振動方向に垂直な断面の形状と同じである。本明細書では、第1の弾性部21221の第1の質量素子21211の側壁から離れる側面の形状と、第2の弾性部21222の第2の質量素子21212の側壁から離れる側面の形状とを限定せず、例えば、それらの側面の形状は、円柱形、楕円柱形、円錐形、角丸矩形柱、矩形柱、多角形柱、不規則的な柱状など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の弾性部21221と第2の弾性部21222は、材料が同じであってもよく、異なってもよく、単なる例示として、第1の弾性部21221又は第2の弾性部21222の材料は、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンシーラントなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施例では、質量素子2121は、第1の音響キャビティ213と第2の音響キャビティ214とを連通する第1の孔部21213をさらに含んでもよい。第1の孔部21213は、質量素子2121を貫通し、第1の音響キャビティ213と第2の音響キャビティ214内の気体を流通させるため、振動センサ200の製造過程において(例えば、リフローはんだ付け過程において)温度変化による第1の音響キャビティ213と第2の音響キャビティ214の内部の気圧の変化をバランスさせ、該気圧の変化による振動センサ200の部材の損傷、例えば、割れ、変形などを減少させるか又は防止することができる。
【0059】
いくつかの実施例では、第1の孔部21213は、単孔構造であってもよい。いくつかの実施例では、該単孔の直径は1~50umであってもよい。好ましくは、該単孔の直径は、2~45umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、3~40umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、4~35umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、5~30umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、5~25umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、5~20umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、6~15umであってもよい。より好ましくは、該単孔の直径は、7~10umであってもよい。いくつかの実施例では、第1の孔部21213は、一定の数の微細孔で構成されたアレイであってもよい。単なる例示として、微細孔の数は、2~10個であってもよい。いくつかの実施例では、各微細孔の直径は、0.1~25umであってもよい。好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~20umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~25umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~20umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~15umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~10umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~5umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~4umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~3umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~2umであってもよい。より好ましくは、各微細孔の直径は、0.5~1umであってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、質量素子2121には、第1の孔部21213が設置されなくてもよい。いくつかの実施例では、質量素子2121に第1の孔部21213が設置されない場合、質量素子2121と弾性素子2122との間の接続強度を向上させる(例えば、質量素子2121と弾性素子2122との間の接着剤の接着強度を向上させる)ことで、振動センサ200の部材が第1の音響キャビティ213の内部の気圧の変化により損傷することを回避することができる。
【0061】
いくつかの実施例では、音響トランスデューサ220は、基板222を含んでもよい。基板222は、振動レシーバー210を固定及び/又は支持することができる。いくつかの実施例では、基板222は、音響トランスデューサ220に設置されてもよく、ハウジング211は、音響キャビティに取り囲むように、基板222に物理的な方式で接続される。いくつかの実施例では、弾性素子2122の音響トランスデューサ220に向かって延在する一端は、基板222に接続されてもよく、基板222は、振動ユニット212を固定支持することができる。基板222の設置により、振動レシーバー210を独立した部材として加工、製造、販売することができる。基板222を有する音響トランスデューサ220を、振動レシーバー210に直接物理的に接続(例えば、接着)して振動センサ200を形成することができ、これにより振動センサ200の製造プロセスを簡略化し、振動センサ200の製造プロセスの柔軟性を向上させる。いくつかの実施例では、基板222の厚さは、10um~300umであってもよい。好ましくは、基板222の厚さは、20um~280umであってもよい。より好ましくは、基板222の厚さは、30um~270umであってもよい。より好ましくは、基板222の厚さは、40um~250umであってもよい。より好ましくは、基板222の厚さは、80um~90umであってもよい。いくつかの実施例では、基板222の材料は、金属(例えば、鉄、銅、ステンレス鋼など)、合金、非金属(プラスチック、ゴム、樹脂)など又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、集音孔2221は、基板222に位置してもよく、集音孔2221は、振動方向に沿って基板222を貫通する。第1の音響キャビティ213内の音圧の変化は、集音孔2221により音響トランスデューサ220に作用して電気信号を発生させることができる。
【0063】
なお、上記振動センサ200及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ200に対して様々な修正及び変更を行うことができ、例えば、振動センサ200は、少なくとも1つの第1の孔部21213を含んでもよく、第1の孔部21213は、弾性素子2122を貫通して設置されてもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0064】
弾性素子と質量素子が大きな接続面積を有することを保証し、さらに弾性素子と質量素子との間の接続強度を向上させるために、質量素子の音響トランスデューサから離れる側の面積が質量素子の音響トランスデューサに近接する側の面積より小さいことを満たす質量素子は、さらに他の構造であってもよい。
図3は、本願のいくつかの実施例に係る振動ユニット312の概略構成図である。
図3に示すように、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側の面積は、質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側の面積より大きく、質量素子3121の振動方向(
図3に示すように)に沿った断面において、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側の縁部と質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側の縁部とを繋ぐ側面は、傾斜面であり、弾性素子3122は、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側と質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側とを繋ぐ傾斜面に接続され、弾性素子3122と質量素子3121が大きな接続面積を有することを保証し、さらに弾性素子3122と質量素子3121との間の接続強度を向上させる。
【0065】
いくつかの実施例では、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側と質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側とを繋ぐ側面は、表面が滑らかな傾斜面であってもよい。いくつかの実施例では、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側と質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側とを繋ぐ側面は、複数の凸凹がある傾斜面であってもよく、例えば、傾斜面の表面は、波状又は鋸歯状の構造であってもよい。いくつかの実施例では、質量素子3121の振動方向に沿った断面において、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側の縁部と質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側の縁部とを結ぶ線分と、質量素子3121の振動方向とは、範囲が10°~80°の夾角cをなし、該夾角cの値の範囲を設定することで、夾角cが小さすぎると、弾性素子3122と質量素子3121との間の接続強度の最適化効果が明らかではないことを回避することができ、夾角cが大きすぎると、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側の面積が小さすぎ、質量素子3121の質量が小さすぎることを回避することができる。好ましくは、該夾角cは、20°~70°であってもよい。より好ましくは、該夾角cは、30°~60°であってもよい。より好ましくは、該夾角cは、40°~50°であってもよい。より好ましくは、該夾角cは、42°~48°であってもよい。より好ましくは、該夾角cは、44°~46°であってもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、弾性素子3122は、質量素子3121の音響トランスデューサから離れる側と質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側とを繋ぐ側面に周着される。いくつかの実施例では、弾性素子3122の一端は、質量素子3121の傾斜面に接続され、弾性素子3122の他端は、音響トランスデューサに接続される。質量素子3121の音響トランスデューサに近接する側面、弾性素子3122及び音響トランスデューサの間には、第1の音響キャビティ313が形成される。いくつかの実施例では、弾性素子3122の質量素子3121の傾斜面に接続される端面の形状は、質量素子3121の傾斜面の形状に合わせ、例えば、繋いだ側面の縁部が波状又は鋸歯状の曲線である場合、弾性素子3122の繋いだ側面に接続された端面の外縁も波状又は鋸歯状の曲線である。本明細書では、弾性素子3122の第2の音響キャビティに露出している側面の形状を限定せず、例えば、質量素子3121の振動方向に沿った断面において、弾性素子3122の第2の音響キャビティに露出している側の縁部は、複数の凸凹がある不規則的な曲線であってもよい。
【0067】
いくつかの実施例では、質量素子3121は、質量素子3121を貫通して、第1の音響キャビティ313と第2の音響キャビティ内の気体を流通させる第1の孔部31213をさらに含んでもよい。いくつかの実施例では、第1の孔部31213は、単孔構造であってもよい。いくつかの実施例では、第1の孔部31213は、一定の数の微細孔で構成されたアレイであってもよい。単なる例示として、微細孔の数は、2~10個であってもよい。
【0068】
いくつかの実施例では、基板322は、振動ユニット312を固定及び/又は支持することができる。いくつかの実施例では、基板322が振動ユニット312を固定支持することができるように、弾性素子3122の音響トランスデューサに接続される端部は、基板322に接続されてもよい。いくつかの実施例では、基板322は、第1の音響キャビティ313と音響トランスデューサとを音響的に連通させる集音孔2221を含んでもよい。
【0069】
なお、上記振動ユニット312及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動ユニット312に対して様々な修正及び変更を行うことができ、例えば、振動センサ200は、少なくとも2つの弾性素子を含んでもよく、弾性素子は、弾性素子に接続され、質量素子に近接する弾性素子は、質量素子に接続され、音響トランスデューサに近接する質量素子は、音響トランスデューサに接続される。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0070】
質量素子に第1の孔部を形成する過程において、音響トランスデューサの一部の素子(例えば、基板)を破壊する可能性があり、第1の孔部の形成により音響トランスデューサが破壊されることを防止するために、いくつかの実施例では、質量素子は、1つ以上の第2の孔部(凹溝とも呼ばれる)を含んでもよく、第1の孔部は、第2の孔部と連通する。
図4は、本願のいくつかの実施例に係る振動ユニット412の概略構成図である。
図4に示すように、弾性素子4122の両端は、それぞれ質量素子4121の側壁、音響トランスデューサに物理的な方式で接続され、例えば、接着され、質量素子4121の音響トランスデューサに近接する側面、弾性素子4122及び音響トランスデューサの間には、第1の音響キャビティ413が形成される。
【0071】
質量素子4121に第1の孔部41213を設置する必要がある場合、質量素子4121の振動方向に沿った全体的な厚さが大きいため、第1の孔部41213を加工しにくい。いくつかの実施例では、質量素子4121に第2の孔部41214を設置してもよく、第1の孔部41213は、第2の孔部41214と連通する。いくつかの実施例では、質量素子4121は、1つ以上の第2の孔部41214を含んでもよい。第2の孔部41214の設置により質量素子4121の局所的な構造が薄くなり、薄くなった局所的な構造に第1の孔部41213を形成しやすく、同時に第1の孔部41213の加工作用力を制御しやすく、第1の孔部41213の加工過程において振動センサの他の部材(例えば、基板422、音響トランスデューサ)を損傷させない。いくつかの実施例では、第2の孔部41214は、質量素子4121の振動方向に沿った側部に位置する。例えば、第2の孔部41214は、質量素子4121の基板422に近接する側部又は質量素子4121の基板422から離れる側部に位置してもよい。いくつかの実施例では、第1の孔部41213及び第2の孔部41214は、質量素子4121の振動方向に沿って設置され、第1の孔部41213及び第2の孔部41214は、質量素子4121を貫通する。いくつかの実施例では、第2の孔部41214は、質量素子4121と同心的に設置されてもよく、質量素子4121と同心でないように設置されてもよい。いくつかの実施例では、第1の孔部41213は、第2の孔部41214と同心的に設置されてもよく、第2の孔部41214と同心でないように設置されてもよい。
【0072】
いくつかの実施例では、第2の孔部41214及び/又は第1の孔部41213は、角孔、多角形孔、円孔、不規則的な孔など又はそれらの任意の組み合わせであってもよく、本明細書では、第2の孔部41214、第1の孔部41213の形状を限定しない。いくつかの実施例では、第1の孔部41213と第2の孔部41214は、形状が同じであってもよく、異なってもよい。いくつかの実施例では、第1の孔部41213、第2の孔部41214は、いずれも単孔構造であってもよい。いくつかの実施例では、第2の孔部41214は、単孔構造であってもよく、第1の孔部41213は、一定の数の微細孔で構成されたアレイであってもよい。
【0073】
いくつかの実施例では、第2の孔部41214のサイズは、第1の孔部41213のサイズより大きいため、第2の孔部41214内で第1の孔部41213を加工しやすい。いくつかの実施例では、第2の孔部41214の質量素子4121の振動方向に垂直な断面の面積は、第1の孔部41213の質量素子4121の振動方向に垂直な断面の面積より大きい。第2の孔部41214と第1の孔部41213がいずれも円孔である場合、第2の孔部41214の孔径は、100um~1600umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、1um~50umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、110um~1400umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、2um~45umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、120um~1200umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、3um~40umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、130um~1000umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、4um~35umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、140um~800umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、5um~30umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、160um~600umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、5um~25umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、180um~500umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、5um~20umであってもよい。好ましくは、第2の孔部41214の孔径は、200um~400umであってもよく、第1の孔部41213の孔径は、10um~15umであってもよい。
【0074】
図5は、
図4に示した質量素子4121の概略構成図であり、第2の孔部41214は、質量素子4121の音響トランスデューサに近接する側に設置され、第1の孔部41213は、質量素子4121の音響トランスデューサから離れる側に設置され、第2の孔部41214及び第1の孔部41213は、質量素子4121を貫通して設置される。
【0075】
図6Aは、本願のいくつかの実施例に係る振動ユニット412の概略構成図である。
図6Aに示すように、第2の孔部41214は、さらに質量素子4121の音響トランスデューサから離れる側に位置してもよく、第1の孔部41213は、質量素子4121の音響トランスデューサに近接する側に設置され、第2の孔部41214及び第1の孔部41213は、質量素子4121を貫通する。いくつかの実施例では、第1の孔部41213の質量素子4121の振動方向に沿った深さは、第2の孔部41214の質量素子4121の振動方向に沿った深さより大きくてもよく、小さくてもよく、又は等しくてもよい。単なる例示として、
図6Bは、本願のいくつかの実施例に係る振動ユニット412の概略構成図である。
図6Bに示すように、第2の孔部41214は、質量素子4121の音響トランスデューサから離れる側に位置し、第1の孔部41213は、質量素子4121の音響トランスデューサに近接する側に位置し、第2の孔部41214及び第1の孔部41213は、質量素子4121を貫通し、第1の孔部41213の質量素子4121の振動方向に沿った深さは、第2の孔部41214の質量素子4121の振動方向に沿った深さより大きい。
図6Cは、本願のいくつかの実施例に係る振動ユニット412の概略構成図である。
図6Cに示すように、いくつかの実施例では、質量素子4121の音響トランスデューサに近接する側と質量素子4121の音響トランスデューサから離れる側との両方に、いずれも第2の孔部41214が設置され、質量素子4121の両側の第2の孔部41214は、第1の孔部41213により連通する。いくつかの実施例では、振動ユニット412は、積層された複数層の質量素子4121を含んでもよく、複数層の質量素子4121の材料は、同じであってもよく、部分的に同じであってもよく、全く異なってもよく、第1の孔部41213は、一部の質量素子4121を貫通して設置され、第2の孔部41214は、一部の質量素子4121を貫通して設置され、第1の孔部41213は、第2の孔部41214と連通する。単なる例示として、
図6Dは、本願のいくつかの実施例に係る振動ユニット412の概略構成図である。
図6Dに示すように、振動ユニット412は、積層された2層の質量素子4121を含んでもよく、2層の質量素子4121の材料は、異なり、第1の孔部41213は、音響トランスデューサから離れる質量素子4121を貫通して設置され、第2の孔部41214は、音響トランスデューサに近接する質量素子4121を貫通して設置され、第1の孔部41213は、第2の孔部41214と連通する。
【0076】
なお、上記振動ユニット412及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動ユニット412に対して様々な修正及び変更を行うことができ、例えば、第2の孔部41214及び第1の孔部41213は、質量素子4121の側壁を貫通して設置されてもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。なお、
図4~
図6Dに示した第2の孔部41214は、さらに
図2Aに示した振動センサ200に適用されてもよい。また、
図4~
図6Dに示した質量素子4121は、単なる例示であり、それらの具体的な形状及び構造については、
図2A及び
図2Bの内容を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0077】
いくつかの実施例では、加工過程において、弾性素子が半流動状態にあるか、又は高温プロセスにおいて弾性素子が変形する場合、弾性素子のサイズ、特に弾性素子のサイズを制御しにくいため、弾性素子は音響キャビティの大きな空間を占める。いくつかの実施例では、振動センサは、ストッパーをさらに含んでもよく、ストッパーは、弾性素子の高温状態での流動軌跡を制限することで、弾性素子のサイズを制御しやすくするように、弾性素子とハウジングとの間に位置する。
図7は、本願のいくつかの実施例に係る振動センサ500の概略構成図である。
図7に示すように、振動センサ500は、振動レシーバー510、音響トランスデューサ520及びストッパー530を含む。振動レシーバー510は、ハウジング511及び振動ユニット512を含んでもよい。ハウジング511は、音響キャビティを有するパッケージ構造に取り囲むように、音響トランスデューサ520に接続されてもよい。振動ユニット512は、音響キャビティ内に位置してもよい。振動ユニット512は、音響キャビティを第1の音響キャビティ513と第2の音響キャビティ514に仕切ることができる。振動ユニット512は、質量素子5121と弾性素子5122を含んでもよい。弾性素子5122は、質量素子5121の側壁に周着され、かつ音響トランスデューサ520に向かって延在して直接基板522に接続されてもよく、基板522は、音響トランスデューサ520に設置され、振動レシーバー510は、基板522に設置されてもよい。振動センサ500の構造及び部材は、
図2Aにおいて説明された振動センサ200の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には
図2Aにおける説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0078】
いくつかの実施例では、ストッパー530は、弾性素子5122とハウジング511との間に位置し、ストッパー530は、弾性素子5122の外壁に対して制限作用を果たし、振動レシーバー510の製造過程において弾性素子5122の流動を制御することができ、それにより弾性素子5122のサイズ及び形状をよりよく制御する。
【0079】
いくつかの実施例では、ストッパー530は、弾性素子5122の周りに設置されてもよく、弾性素子5122の質量素子5121に近接する側が質量素子5121に物理的に接続され、弾性素子5122のストッパー530に近接する側がストッパー530に物理的に接続される。いくつかの実施例では、ストッパー530は、基板522に物理的に接続されてもよい。いくつかの実施例では、ストッパー530は、ハウジング511に接触しなくてもよく、ハウジング511に接触してもよい。
【0080】
いくつかの実施例では、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、100um~1000umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、110um~900umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、120um~800umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、130um~700umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、140um~600umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、150um~500umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、160um~400umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、170um~300umであってもよい。好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、180um~200umであってもよい。より好ましくは、ストッパー530の質量素子5121の振動方向に沿った高さは、質量素子5121の高さに等しい。本明細書では、ストッパー530の材料及び密度を限定せず、例えば、ストッパー530は、非磁性金属材料を用いてもよい。
【0081】
いくつかの実施例では、ハウジング511には、少なくとも1つの第3の孔部5111が設置されてもよく、第3の孔部5111は、ハウジング511を貫通する。第3の孔部5111の構造は、第1の孔部21213の構造と同じであるか又は類似し、具体的には
図2Aにおける説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。第3の孔部5111は、第2の音響キャビティ514と外部の気体を流通させるため、振動センサ500の製造過程において(例えば、リフローはんだ付け過程において)温度変化による第2の音響キャビティ514の内部の気圧の変化をバランスさせ、該気圧の変化による振動センサ500の部材の損傷、例えば、割れ、変形などを減少させるか又は防止することができる。また、質量素子5121が振動するとき、第3の孔部5111は、第2の音響室キャビティ514の内部の気体による減衰を小さくすることができる。
【0082】
いくつかの実施例では、環境中の空気伝導音声は、振動センサ500の使用性能に影響を与える可能性がある。環境中の空気伝導音声による影響を低減するために、振動センサ500の製造が完了した後、例えば、リフローはんだ付け後に、密封材料によりハウジング511上の第3の孔部5111を密封してもよい。単なる例示として、該密封材料は、エポキシ接着剤、シリコーンシーラントなど又はそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施例では、ハウジング511には、第3の孔部5111が設置されなくてもよい。
【0083】
なお、上記
図7における振動センサ500及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ500に対して様々な修正及び変更を行うことができる。例えば、ハウジング511と音響トランスデューサ520とは、接触してもよく(例えば、物理的に接続され)、間接的に接続されてもよい。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。なお、
図7に示したストッパー530は、さらに
図2A~
図6Dに示した振動センサに適用されてもよい。また、
図7における質量素子5121は、単なる例示であり、その具体的な形状及び構造については、
図2A~
図6D内容を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0084】
図8は、本願のいくつかの実施例に係る振動センサ600の概略構成図である。
図8に示すように、振動センサ600は、振動レシーバー610及び音響トランスデューサ620を含む。振動レシーバー610は、ハウジング611及び振動ユニット612を含んでもよい。ハウジング611は、音響キャビティを有するパッケージ構造に取り囲むように、音響トランスデューサ620に接続されてもよく、振動ユニット612は、音響キャビティ内に位置して、音響キャビティを第1の音響キャビティ613と第2の音響キャビティ614に仕切ることができる。振動ユニット612は、質量素子6121及び弾性素子6122を含んでもよく、質量素子6121は、弾性素子6122によりハウジング611に接続される。振動センサ600の構造及び部材は、
図2Aにおいて説明された振動センサ200の構造及び部材と同じであるか又は類似し、具体的には
図2Aにおける説明を参照してもよく、ここではさらに説明しない。
【0085】
いくつかの実施例では、弾性素子6122は、質量素子6121の外側に嵌着され、弾性素子6122の内側は、質量素子6121に物理的に接続され、弾性素子6122の外側は、ハウジング611に物理的に接続される。いくつかの実施例では、弾性素子6122と基板622とは、質量素子6121の振動方向に一定の間隔を有し、弾性素子6122、質量素子6121、ハウジング611及び基板622は、第1の音響キャビティ613を形成し、弾性素子6122、質量素子6121及びハウジング611は、第2の音響キャビティ614を形成する。第1の音響キャビティ613及び第2の音響キャビティ614を形成する場合、治具(
図8では図示せず)により質量素子6121の高さを制御することができ、例えば、質量素子6121を治具に配置し、治具自体の高さにより質量素子6121を持ち上げ、次に質量素子6121とハウジング611を弾性素子6122により接続し、質量素子6121の高さに対する制御を実現し、これにより第1の音響キャビティ613と第2の音響キャビティ614の高さをより安定的に制御することができる。いくつかの実施例では、弾性素子6122の質量素子6121の振動方向に沿った厚さは、質量素子6121の厚さに等しい。いくつかの実施例では、弾性素子6122の質量素子6121の振動方向に沿った厚さは、質量素子6121の厚さより小さいか又は大きい。
【0086】
図9は、本願のいくつかの実施例に係る振動レシーバー610の概略構成図である。
図9に示すように、いくつかの実施例では、弾性素子6122の質量素子6121の振動方向に沿った厚さは、質量素子6121の厚さより大きく、弾性素子6122の質量素子6121の振動方向に沿った両側は、質量素子6121の両側に対して突出してもよく、このように弾性素子6122と質量素子6121との接続面積を増加させ、両者の間の接続強度を向上させることができる。
【0087】
いくつかの実施例では、質量素子6121に孔部630が形成されてもよい。孔部630は、質量素子6121を貫通して第1の音響キャビティ613と第2の音響キャビティ614を連通させるため、振動センサ600の製造過程において(例えば、リフローはんだ付け過程において)温度変化による第1の音響キャビティ613と第2の音響キャビティ614の内部の気圧の変化をバランスさせ、該気圧の変化による振動センサ600の部材の損傷、例えば、割れ、変形などを減少させるか又は防止することができる。いくつかの実施例では、ハウジング611に、孔部630が形成されてもよく、孔部630は、ハウジング611を貫通して第2の音響キャビティ614と外部を連通させることができ、質量素子6121が振動するとき、孔部630は、第2の音響キャビティ614の内部の気体による減衰を小さくすることができる。孔部630の形状及び構造については、本明細書の実施例における他の箇所の第1の孔部、第2の孔部及び第3の孔部に関連する説明、例えば、
図2A及びその関連説明を参照してもよい。
【0088】
なお、上記
図8及び
図9における振動センサ600及びその部材に関する説明は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本明細書の適用範囲を限定するものではない。当業者であれば、本明細書の示唆に基づいて振動センサ600に対して様々な修正及び変更を行うことができる。例えば、ハウジング611と質量素子6121には、いずれも孔部630が設置されないか、又はハウジング611と質量素子6121には、いずれも孔部630が設置される。これらの修正及び変更は、依然として本明細書の範囲内にある。
【0089】
以上は基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例示として提示されているものに過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されるため、本願の例示的な実施例の趣旨及び範囲内にある。
【0090】
また、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」、「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2つ以上の言及は、必ずしもすべてが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0091】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0092】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを搬送するための、ベースバンド上で伝播されるか又は搬送波の一部として伝播される伝播データ信号を含んでもよい。該伝播信号は、電磁気信号、光信号又は適切な組み合わせ形態などの様々な形態を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又は設備に接続されることにより、使用されるプログラムの通信、伝播又は伝送を実現することができる。コンピュータ記憶媒体上のプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RF若しくは類似の媒体、又は上記媒体の任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を介して伝播することができる。
【0093】
本願の各部分の操作に必要なコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Smalltalk、Eiffel、JADE、Emerald、C++、C#、VB.NET、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語、C言語、Visual Basic、Fortran 2003、Perl、COBOL 2002、PHP、ABAPなどの従来の手続き型プログラミング言語、Python、Ruby及びGroovyなどの動的プログラミング言語、又は他のプログラミング言語などを含む1つ以上のプログラミング言語でコーディングしてもよい。該プログラムコードは、完全にユーザーコンピュータ上で実行されてもよく、独立したソフトウェアパッケージとしてユーザーコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザーコンピュータ上で部分的にリモートコンピュータ上で実行されてもよく、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行されてもよい。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)などの任意のネットワーク形態でユーザーコンピュータに接続されてもよく、(例えば、インターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよく、クラウドコンピューティング環境にあってもよく、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)などのサービスとして使用されてもよい。
【0094】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に係る処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明のためのものに過ぎず、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にあるすべての修正及び等価な組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイル装置に説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0095】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない場合がある。
【0096】
いくつかの実施例では、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「実質的」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「実質的」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例では、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例では、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮するとともに、通常の丸め手法を適用すべきである。本願のいくつかの実施例では、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体的な実施例では、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0097】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を有し得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0098】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例示として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0099】
100 振動センサ
110 振動レシーバー
120 音響トランスデューサ
211 ハウジング
212 振動ユニット
213 第1の音響キャビティ
214 第2の音響キャビティ
2121 質量素子
2122 弾性素子
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子及び弾性素子を含み、前記質量素子の前記音響トランスデューサから離れる側の面積は、前記質量素子の前記音響トランスデューサに近接する側の面積より小さく、前記弾性素子は、前記質量素子の側壁に周着される、振動センサ。
【請求項2】
前記質量素子は、第1の質量素子及び第2の質量素子を含み、前記第2の質量素子は、前記音響トランスデューサに近接し、前記第1の質量素子は、前記第2の質量素子の前記音響トランスデューサから離れる側に位置し、前記第1の質量素子の前記質量素子の振動方向に垂直な断面の面積は、前記第2の質量素子の前記質量素子の振動方向に垂直な断面の面積より小さい、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項3】
前記弾性素子は、第1の弾性部と、第2の弾性部とを含み、前記第1の弾性部の両端は、それぞれ前記第1の質量素子の側壁と前記第2の弾性部に接続され、前記第2の弾性部は、前記音響トランスデューサに向かって延在し、かつ前記音響トランスデューサに接続される、請求項
2に記載の振動センサ。
【請求項4】
前記第1の弾性部は、前記第1の質量素子の側壁に接続される第1の側面と、前記第2の質量素子の前記第2の音響キャビティに露出している表面に接続される第2の側面とを含む、請求項
3に記載の振動センサ。
【請求項5】
前記第2の質量素子の側壁は、前記第2の弾性部に接続される、請求項
3又は4に記載の振動センサ。
【請求項6】
前記質量素子の振動方向に沿った断面において、前記質量素子の前記音響トランスデューサから離れる側の縁部と前記質量素子の前記音響トランスデューサに近接する側の縁部とを結ぶ線分と、前記質量素子の振動方向とは、範囲が10°~80°の夾角をなす、請求項1に記載の振動センサ。
【請求項7】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着される弾性素子とを含み、前記弾性素子と前記ハウジングとの間にストッパーがある、振動センサ。
【請求項8】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着される弾性素子とを含み、前記質量素子は、前記質量素子の振動方向に沿った側部に位置する凹溝を含む、振動センサ。
【請求項9】
前記質量素子は、前記第1の音響キャビティと前記第2の音響キャビティとを連通し、前記凹溝に位置する第1の孔部を含む、請求項8に記載の振動センサ。
【請求項10】
音響キャビティを形成するハウジング、及び前記音響キャビティ内に位置し、前記音響キャビティを第1の音響キャビティと第2の音響キャビティに仕切る振動ユニットを含む振動レシーバーと、
前記第1の音響キャビティと音響的に連通する音響トランスデューサと、
を含み、
前記ハウジングは、外部振動信号に基づいて振動を発生させるように構成され、前記振動ユニットは、前記音響トランスデューサに電気信号を発生させるように、前記ハウジングの振動に応答して前記第1の音響キャビティ内の音圧を変更し、
前記振動ユニットは、質量素子と、前記質量素子の側壁に周着され、かつ前記ハウジングまで延在する弾性素子と含む、振動センサ。
【国際調査報告】