(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】一方向弁
(51)【国際特許分類】
F16K 15/02 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
F16K15/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511989
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 CN2021124923
(87)【国際公開番号】W WO2022083623
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】202022365716.5
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022365163.3
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022365645.9
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】熊 ▲ユィン▼均
(72)【発明者】
【氏名】兪 舟
(72)【発明者】
【氏名】康 志軍
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA02
3H058BB32
3H058BB40
3H058CB02
3H058CC02
3H058CC08
3H058CC11
3H058CD05
3H058CD21
(57)【要約】
一方向弁(100)である。一方向弁(100)は、弁口(11)を有してハウジング(10)の肉厚とハウジング(10)の外径との比の値が0.08~0.12の間にあるハウジング(10)と、ハウジング(10)内に移動可能に設けられて弁口(11)を開放又は封止する弁芯アセンブリ(20)と、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁口を有するハウジングであって前記ハウジングの肉厚と前記ハウジングの外径との比の値が0.08~0.12の間にあるハウジングと、
前記ハウジング内に移動可能に設けられて、前記弁口を開放又は封止する弁芯アセンブリと、
を含む、一方向弁。
【請求項2】
前記ハウジングの肉厚が1.4mm~2mmの間にある、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項3】
前記ハウジングは、互いに接続された弁座と弁蓋とを含み、前記弁座と前記弁蓋の肉厚はいずれも1.4mm~2mmの間にある、請求項1又は2に記載の一方向弁。
【請求項4】
前記一方向弁は接続パイプを更に含み、前記接続パイプは前記ハウジングの内部と連通され、前記接続パイプの肉厚と前記接続パイプの外径との比の値は0.07~0.21の間にある、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項5】
前記接続パイプの外径は10mm以下である、請求項4に記載の一方向弁。
【請求項6】
前記接続パイプは純銅材質で製造され、前記接続パイプの肉厚は1mm~1.3mmの間にあるか、あるいは、前記接続パイプは鋼材質で製造され、前記接続パイプの肉厚は0.5mm~1mmの間にある、請求項4に記載の一方向弁。
【請求項7】
前記一方向弁は第1の段差構造及び第2の段差構造を更に含み、前記ハウジングは互いに接続された弁蓋と弁座とを含み、前記第1の段差構造は前記弁座の前記弁蓋に向かう一端に位置し、前記第2の段差構造は前記弁蓋の前記弁座に向かう一端に位置し、前記第1の段差構造と前記第2の段差構造とは互いに挿嵌されている、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項8】
前記第1の段差構造は第1の挿嵌セグメントと第1の段差面とを含み、前記第2の段差構造は第2の挿嵌セグメントと第2の段差面とを含み、一部の前記第1の挿嵌セグメントと前記第2の挿嵌セグメントとは互いに重ねられ、前記第1の挿嵌セグメントの内壁と前記第2の挿嵌セグメントの外壁とは互いに接触し、前記第1の挿嵌セグメントは前記第2の段差面に当接されている、請求項7に記載の一方向弁。
【請求項9】
前記第1の挿嵌セグメントの肉厚と前記ハウジングの外径との比の値は0.034以上である、請求項8に記載の一方向弁。
【請求項10】
前記第1の挿嵌セグメントの肉厚は0.6mm以上である、請求項8に記載の一方向弁。
【請求項11】
前記第1の挿嵌セグメントの端壁と前記第2の段差面とは互いに溶接され、前記第1の挿嵌セグメントの端壁と前記第2の段差面との間の溶接ビードの深さと前記第1の挿嵌セグメントの肉厚との比の値は0.5以上である、請求項8に記載の一方向弁。
【請求項12】
前記第1の段差構造は第1の当接セグメントと第1の段差面とを含み、前記第2の段差構造は第2の当接セグメントと第2の段差面とを含み、前記第1の当接セグメントと前記第2の当接セグメントとは互いに当接されている、請求項7に記載の一方向弁。
【請求項13】
前記一方向弁は弁芯座を更に含み、前記ハウジング内には取り付け孔を有し、前記弁芯座と前記ハウジングとは別体に設けられ、前記弁芯座は前記取り付け孔内に挿設され、前記弁口は前記弁芯座に穿設され、
前記弁芯座は押圧装着セグメントとガイドセグメントとを含み、前記押圧装着セグメントの外壁と前記取り付け孔の内壁とはインターフェアランスフィットされ、前記ガイドセグメントの外壁と前記取り付け孔の内壁とはクリアランスフィットされている、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項14】
前記一方向弁は制限構造を更に含み、前記制限構造は前記弁芯座と前記ハウジングとの間に設けられて、前記ハウジングに対する前記弁芯座の軸方向位置を制限する、請求項13に記載の一方向弁。
【請求項15】
前記押圧装着セグメントの外径は前記ガイドセグメントの外径より大きく、前記取り付け孔は互いに接続された第1の孔セグメントと第2の孔セグメントとを含み、前記第1の孔セグメントの内径は前記第2の孔セグメントの内径より大きく、前記押圧装着セグメントは前記第1の孔セグメント内に挿設され、前記ガイドセグメントの外壁と前記第2の孔セグメントの内壁とはクリアランスフィットされ、前記第1の孔セグメントの底壁と前記押圧装着セグメントの前記ガイドセグメントに向かう端壁が互いに当接されて前記制限構造が形成される、請求項14に記載の一方向弁。
【請求項16】
前記弁芯座には密封部が設けられており、前記弁芯アセンブリは前記弁口に対する開弁位置と閉弁位置とを有し、前記弁芯アセンブリが前記閉弁位置に位置するとき、前記弁芯アセンブリと前記密封部とは密封当接される、請求項13に記載の一方向弁。
【請求項17】
前記密封部は環状カムであり、前記環状カムは周方向に沿って前記弁口の外周に設けられている、請求項16に記載の一方向弁。
【請求項18】
前記環状カムの前記弁芯アセンブリに向かう端壁は曲面である、請求項17に記載の一方向弁。
【請求項19】
前記一方向弁は接続パイプを更に含み、前記弁芯座は前記取り付け孔を穿出する取り付けセグメントを含み、前記取り付けセグメントは前記ガイドセグメントに接続され、前記接続パイプは前記取り付けセグメントに嵌合されている、請求項13に記載の一方向弁。
【請求項20】
前記弁芯座、前記接続パイプ並びに前記ハウジングは溶接接続される、請求項19に記載の一方向弁。
【請求項21】
前記弁口の内径は、前記ハウジングから離れる方向に向かって徐々に大きくなる、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項22】
前記ハウジングは板金部材を用いて延伸成形される、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項23】
前記ハウジングは互いに接続された弁座と弁蓋とを含み、前記一方向弁は支持バッフルを更に含み、
前記弁座と前記弁蓋との接続箇所には取り付け溝を有し、
前記支持バッフルは前記取り付け溝内に挿通され、前記弁芯アセンブリは前記支持バッフルに接続され、前記取り付け溝の溝幅は前記支持バッフルの厚さ以上である、請求項1に記載の一方向弁。
【請求項24】
前記取り付け溝の溝幅と前記支持バッフルの厚さとの差は0mm~0.2mmの間にある、請求項23に記載の一方向弁。
【請求項25】
前記一方向弁は支持バッフルを更に含み、前記ハウジングは互いに接続された弁蓋及び弁座を含み、前記弁芯アセンブリは前記支持バッフルに接続され、前記支持バッフルは弁座と弁蓋との間に設けられ、前記弁座と前記支持バッフルとが互いに溶接されており、及び/又は、前記弁蓋と前記支持バッフルとが互いに溶接されている、請求項23に記載の一方向弁。
【請求項26】
前記取り付け溝は前記ハウジングの内壁の周方向に伸びている、請求項23に記載の一方向弁。
【請求項27】
前記ハウジングは互いに接続された弁座と弁蓋とを含み、前記弁座の外面と前記弁蓋の外面とは一致している、請求項1に記載の一方向弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年10月21日に出願された出願番号が202022365163.3であり、発明の名称が「一方向弁」である中国特許出願の優先権、及び2020年10月21日に出願された出願番号が202022365716.5であり、発明の名称が「一方向弁」である中国特許出願の優先権、及び2020年10月21日に出願された出願番号が202022365645.9であり、発明の名称が「一方向弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は一方向弁の技術分野に関し、特に、一方向弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、一方向弁はハウジングと弁芯アセンブリとを含み、ハウジングには弁口が設けられており、弁芯アセンブリはハウジング内に移動可能に設けられ、弁芯アセンブリによって弁口を開放又は封止し、更には弁の開閉を実現することができ、一方向弁は媒体の一方向導通を実現するために用いられる。
【0004】
しかしながら、従来技術において、ハウジングの肉厚が使用要求を満たすことができず、一方向弁が耐圧要求を満たすことができなくなってしまい、一方向弁は、耐圧レベルが不十分、及び安全マージンが足りないという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、従来技術におけるハウジングの肉厚が使用要求を満たすことができず、更には、一方向弁が耐圧要求を満たすことができなくなってしまうという問題を解決するための一方向弁を提供する。
【0006】
一方向弁は、弁口を有するハウジングであってハウジングの肉厚とハウジングの外径との比の値が0.08~0.12の間にあるハウジングと、ハウジング内に移動可能に設けられて弁口を開放又は封止する弁芯アセンブリとを含む。
【0007】
本出願により提供される一方向弁は、ハウジングの肉厚とハウジングの外径との比の値を0.08~0.12の間に設けることで、ハウジングの肉厚が使用要求を満たすように保証し、よって一方向弁が耐圧要求を満たすようにし、更には、一方向弁の耐圧レベルを向上させ、一方向弁が十分な安全マージンを有するように保証することができる。
【0008】
本出願の一実施例において、ハウジングの肉厚は1.4mm~2mmの間にある。よって、ハウジングの肉厚が使用要求を満たすように保証し、一方向弁が耐圧要求を満たすようにすることができる。
【0009】
本出願の一実施例において、ハウジングは互いに接続された弁座と弁蓋とを含み、弁座及び弁蓋の肉厚はいずれも1.4mm~2mmの間にある。このようにして、弁座と弁蓋自身の強度を同時に保証し、更には弁座と弁蓋が同時に使用要求を満たすようにすることができる。
【0010】
本出願の一実施例において、一方向弁は接続パイプを更に含み、接続パイプはハウジングの内部と連通され、接続パイプの肉厚と接続パイプの外径との比の値は0.07~0.21の間にある。接続パイプを上述の範囲内に設けることで、接続パイプの強度が保証され、接続パイプが使用要求を満たすように保証し、更には一方向弁の耐圧レベルを向上させることができる。
【0011】
本出願の一実施例において、接続パイプの外径は10mm以下である。このようにして、接続パイプの強度が保証され、接続パイプが使用要求を満たすように保証することができる。
【0012】
本出願の一実施例において、接続パイプは純銅材質で製造され、接続パイプの肉厚は1mm~1.3mmの間にあり、あるいは、接続パイプは鋼材質で製造され、接続パイプの肉厚は0.5mm~1mmの間にある。接続パイプの肉厚を上述の範囲内に設けることで、接続パイプの強度が保証され、接続パイプが使用要求を満たすように保証し、更には一方向弁の耐圧レベルを向上させることができる。
【0013】
本出願の一実施例において、一方向弁は第1の段差構造及び第2の段差構造を含み、ハウジングは互いに接続された弁蓋と弁座とを含み、第1の段差構造は弁座の弁蓋に向かう一端に設けられ、第2の段差構造は弁蓋の弁座に向かう一端に設けられ、第1の段差構造と第2の段差構造とは互いに挿嵌されている。弁蓋と弁座を組み立てるとき、第1の段差構造と第2の段差構造によって組み立てをガイドすることができ、組み立て効率を向上させることができる。
【0014】
本出願の一実施例において、第1の段差構造は第1の挿嵌セグメントと第1の段差面とを含み、第2の段差構造は第2の挿嵌セグメントと第2の段差面とを含み、一部の第1の挿嵌セグメントと第2の挿嵌セグメントとは互いに重ねられ、第1の挿嵌セグメントの内壁と第2の挿嵌セグメントの外壁とは互いに密着され、第1の挿嵌セグメントは第2の段差面に当接されている。このようにして、弁蓋と弁座との接触面積を増加させて、溶接強度を強化させることができる。
【0015】
本出願の一実施例において、第1の挿嵌セグメントの肉厚とハウジングの外径との比の値は0.034以上である。このようにして、弁蓋と弁座との接続箇所にて十分な強度を有するように保証し、更には、ハウジングの肉厚が使用要求を満たすように保証し、よって一方向弁が耐圧要求を満たすようにすることができる。
【0016】
本出願の一実施例において、第1の挿嵌セグメントの肉厚は0.6mm以上である。このようにして、弁蓋と弁座との接続箇所にて十分な強度を有するように保証することができる。
【0017】
本出願の一実施例において、第1の挿嵌セグメントの端壁と第2の段差面とは互いに溶接され、第1の挿嵌セグメントの端壁と第2の段差面との間の溶接ビードの深さと第1の挿嵌セグメントの肉厚との比の値は0.5以上である。このようにして弁蓋と弁座との接続の強度を保証することができる。
【0018】
本出願の一実施例において、第1の段差構造は第1の当接セグメントと第1の段差面とを含み、第2の段差構造は第2の当接セグメントと第2の段差面とを含み、第1の当接セグメントと第2の当接セグメントとは互いに当接されている。
【0019】
本出願の一実施例において、一方向弁は弁芯座を更に含み、ハウジング内には取り付け孔を有し、弁芯座とハウジングとは別体に設けられており、弁芯座は取り付け孔内に挿設され、弁口は弁芯座に穿設され、弁芯座は押圧装着セグメントとガイドセグメントとを含み、押圧装着セグメントの外壁と取り付け孔の内壁とはインターフェアランスフィットされ、ガイドセグメントの外壁と取り付け孔の内壁とはクリアランスフィットされている。このように、弁芯座とハウジングとを別体に設けることで、弁芯座を別個に加工することができ、弁芯座の加工精度を保証し、更には、弁芯座の密封性能を保証することができ、且つ弁芯座とハウジングとの同軸度を保証して、ガイドセグメントの外壁と取り付け孔の内壁とをクリアランスフィットさせることができ、ガイドセグメントの外壁と取り付け孔の内壁との間の隙間を溶接材料の充填隙間として用いて、溶接材料をガイドセグメントと取り付け孔との間に充填することが容易になり、更には弁芯座とハウジングとの強固な接続が実現される。
【0020】
本出願の一実施例において、一方向弁は制限構造を更に含み、制限構造は弁芯座とハウジングとの間に設けられて、ハウジングに対する弁芯座の軸方向位置を制限する。よって、弁芯座が取り付け孔内に過度に押圧装着されることを回避する。
【0021】
本出願の一実施例において、押圧装着セグメントの外径はガイドセグメントの外径より大きく、取り付け孔は互いに接続された第1の孔セグメントと第2の孔セグメントとを含み、第1の孔セグメントの内径は第2の孔セグメントの内径より大きく、押圧装着セグメントは第1の孔セグメント内にインターフェアランス挿設され、ガイドセグメントの外壁と第2の孔セグメントの内壁とはクリアランスフィットされ、第1の孔セグメントの底壁と押圧装着セグメントのガイドセグメントに向かう端壁とが互いに当接されて制限構造が形成される。上述の構造を用いると、弁芯座を取り付け孔内に押圧装着するとき、まず、ガイドセグメントと第2の孔セグメントとのフィットによって組み立てをガイドすることができ、弁芯座が押圧装着セグメントのガイドセグメントに向かう端壁まで移動して第1の孔セグメントの底壁と互いに当接されたとき、弁芯座を現在位置に位置決めすることができ、制限構造を別途に設ける必要がなく、このとき、弁芯座は正確な位置に組み立てられ、最後に、弁芯座とハウジングとを溶接固定すればよく、溶接の際、ガイドセグメントの外壁と第2の孔セグメントの内壁との間の隙間が溶接材料の充填隙間であり、溶接材料がガイドセグメントと取り付け孔との間に充填されることが容易になり、更には弁芯座とハウジングとの強固な接続が実現される。
【0022】
本出願の一実施例において、弁芯座には密封部が設けられており、弁芯アセンブリは弁口に対する開弁位置と閉弁位置とを有し、弁芯アセンブリが閉弁位置に位置するとき、弁芯アセンブリと密封部とは密封当接される。このようにして密封性を強化させることができ、一方向弁が閉状態にあるときに内部漏れが発生しない。
【0023】
本出願の一実施例において、密封部は環状カムであり、環状カムは周方向に沿って弁口の外周に設けられている。弁芯アセンブリが閉弁位置に位置するとき、弁芯アセンブリは環状カムによって弁芯座と互いに接触されて、弁芯アセンブリと弁芯座との密封接続の実現が容易になる。
【0024】
本出願の一実施例において、環状カムの弁芯アセンブリに向かう端壁は曲面である。このようにして、密封性能を強化させることができる。
【0025】
本出願の一実施例において、一方向弁は接続パイプを更に含み、弁芯座は取り付け孔を穿出する取り付けセグメントを含み、取り付けセグメントはガイドセグメントに接続され、接続パイプは取り付けセグメントに嵌合されている。上述の構造を用いると、接続パイプと弁芯座との接触面積を増加させて、接続強度を強化させ、且つ接続パイプに対する接続が容易になり、組み立て効率を向上させることができる。
【0026】
本出願の一実施例において、弁芯座、接続パイプ並びにハウジングは溶接接続される。溶接方式を用いて接続すると、組み立てが容易になり、接続が強固であるという利点を有する。
【0027】
本出願の一実施例において、弁口の内径は、ハウジングから離れる方向に向かって徐々に大きくなる。このようにして、弁口から入り込んだ媒体の弁芯アセンブリへの衝撃力を減少させ、弁芯アセンブリが摩耗されにくく、更には弁芯アセンブリの使用寿命を保証することができる。
【0028】
本出願の一実施例において、ハウジングは、板金部材を用いて延伸成形される。延伸成形は、プロセスが簡単で、加工効率が高く、コストが低い。
【0029】
本出願の一実施例において、ハウジングは互いに接続された弁座と弁蓋とを含み、一方向弁は支持バッフルを更に含み、弁座と弁蓋との接続箇所には取り付け溝を有し、支持バッフルは取り付け溝内に挿通され、弁芯アセンブリは支持バッフルに接続され、取り付け溝の溝幅は支持バッフルの厚さ以上である。このようにして、取り付けが容易で、取り付け効率を向上させる。
【0030】
本出願の一実施例において、取り付け溝の溝幅と支持バッフルの厚さとの差は0mm~0.2mmの間にある。このようにして、支持バッフルを取り付け溝内に挿入することが容易になるだけでなく、支持バッフルの取り付け溝内における安定性を保証することができる。
【0031】
本出願の一実施例において、一方向弁は支持バッフルを更に含み、ハウジングは互いに接続された弁蓋及び弁座を含み、弁芯アセンブリは支持バッフルに接続され、支持バッフルは弁座と弁蓋との間に設けられ、弁座と支持バッフルとが互いに溶接されており、及び/又は、弁蓋と支持バッフルとが互いに溶接されている。このようにして、支持バッフルの強固性を向上させて、支持バッフルがハウジング内で揺れることを回避することができる。
【0032】
本出願の一実施例において、取り付け溝はハウジングの内壁の周方向に伸びている。支持バッフルを取り付け溝に組み立てると、支持バッフルは、ピストンアセンブリに均一な作用力を提供することができ、更には弁開閉効果を保証する。
【0033】
本出願の一実施例において、ハウジングは互いに接続された弁座と弁蓋とを含み、弁座の外面と弁蓋の外面とを一致させて、一方向弁を他の部材に組み立てると、一方向弁の外面が平坦な表面であるため、一方向弁が他の部材と干渉することがない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0035】
【
図1】本出願により提供される実施例1の一方向弁の構造模式図を示している。
【
図2】
図1におけるA箇所の部分拡大図を示している。
【
図3】
図1におけるB箇所の部分拡大図を示している。
【
図4】実施例2の一方向弁の構造模式図を示している。
【
図5】
図4におけるC箇所の部分拡大図を示している。
【
図6】弁芯アセンブリと支持バッフルとを取り外した後の一方向弁の構造模式図を示している。
【0036】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
100 一方向弁、10 ハウジング、11 弁口、12 弁座、13 弁蓋、14 取り付け孔、141 第1の孔セグメント、142 第2の孔セグメント、15 取り付け溝、20 弁芯アセンブリ、30 弁芯座、31 押圧装着セグメント、32 ガイドセグメント、33 取り付けセグメント、34 密封部、341 環状カム、40 接続パイプ、41 入口管、42 出口管、50 制限構造、60 支持バッフル、70 第1の段差構造、71 第1の挿嵌セグメント、72 第1の段差面、73 第1の当接セグメント、80 第2の段差構造、81 第2の挿嵌セグメント、82 第2の段差面、83 第2の当接セグメント。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0038】
図7を参照すると、本出願は一方向弁100を提供し、この一方向弁100は冷却システムのパイプラインに取り付けられ、媒体の一方向導通を実現するために用いられる。解釈すべきこととして、本出願の媒体とは、一方向弁に流れ込む媒体を意味し、一方向弁100が冷却システムに適用される場合、媒体は冷媒である。当然ながら、一方向弁100は水搬送パイプラインシステムに適用されてもよく、この場合、媒体は水である。
【0039】
具体的には、一方向弁100はハウジング10と弁芯アセンブリ20とを含み、ハウジング10は弁口11を有し、弁芯アセンブリ20はハウジング10内に移動可能に設けられ、弁芯アセンブリ20を用いて弁口11を開放又は封止し、更には一方向弁100の開閉を制御することができる。
【0040】
ハウジング10は、板金部材を用いて延伸形成され、プロセスが簡単で、コストが低く、並びに加工効率が高いという利点を有する。
【0041】
ハウジング10の肉厚とハウジング10の外径との比の値は0.08~0.12の間にある。ここで、ハウジング10の肉厚とハウジング10の外径との比の値は、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、又は0.08~0.12の間の他の任意の数値であってもよい。
【0042】
本出願により提供される一方向弁100を適用して、ハウジング10の肉厚とハウジング10の外径との比の値を0.08~0.12の間に設けることで、ハウジング10の肉厚が使用要求を満たすように保証し、よって、一方向弁100が耐圧要求を満たすようにし、更には、一方向弁の耐圧レベルを向上させて、一方向弁100が十分な安全マージンを有するように保証することができ、このようにして、一方向弁はCO2システムに適用可能であり、CO2システムの耐高圧の要求を満たすことができる。
【0043】
ハウジング10の肉厚とハウジング10の外径との比の値が0.08より小さいと、ハウジング10の肉厚が小さすぎて使用要求を満たすことができず、ハウジング10の肉厚とハウジング10の外径との比の値が0.12より大きいと、ハウジング10の肉厚が厚すぎて一方向弁100のコストが高すぎてしまうことは理解されるであろう。
【0044】
更には、ハウジング10の肉厚は1.4mm~2mmの間にあり、よって、ハウジング10の肉厚が使用要求を満たすように保証し、一方向弁100が耐圧要求を満たすようにすることができる。ハウジング10の肉厚が1.4mmより小さいと、ハウジング10の肉厚が小さすぎて使用要求を満たすことができない。ハウジング10の肉厚が2mmより大きいと、ハウジング10の肉厚が厚すぎて一方向弁のコストが高すぎてしまう。ここで、ハウジング10の肉厚は、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、又は1.4mm~2mmの間の他の任意の数値であってもよい。
【0045】
図1を参照すると、ハウジング10は互いに接続された弁座12と弁蓋13とを含み、弁芯アセンブリ20は弁座12内に設けられ、弁座12と弁蓋13の肉厚はいずれも1.4mm~2mmの間にあり、このようにして、弁座12と弁蓋13自身の強度を同時に保証し、更には弁座12と弁蓋13が同時に使用要求を満たすようにすることができる。
【0046】
弁座12と弁蓋13は、それぞれ板金部材を用いて延伸形成され、弁座12と弁蓋13は、溶込み溶接の方式を用いて溶接固定される。
【0047】
弁口11の内径はハウジング10から離れる方向に向かって徐々に大きくなり、このようにして、弁口11から入り込んだ媒体の弁芯アセンブリ20への衝撃力を減少させ、弁芯アセンブリ20が摩耗されにくく、更には弁芯アセンブリ20の使用寿命を保証することができる。
【0048】
1及び
図3を参照すると、一方向弁100は弁芯座30を更に含み、ハウジング10は取り付け孔14を有し、弁芯座30は取り付け孔14内に挿設され、弁口11は弁芯座30内に穿設されている。
【0049】
弁芯座30とハウジング10とは別体に設けられている。弁芯座30とハウジング10とを別体に設けることで、弁芯座30を別個に加工することができ、このようにして、弁芯座30の加工精度を保証し、更には弁芯座30の密封性能を保証することができる。
【0050】
具体的には、弁芯座30は押圧装着セグメント31とガイドセグメント32とを含み、押圧装着セグメント31はガイドセグメント32に接続され、押圧装着セグメント31の外壁と取り付け孔14の内壁とはインターフェアランスフィットされ、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁とはクリアランスフィットされ、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁との間の隙間は溶接材料の充填隙間である。
【0051】
弁芯座30をハウジング10に装着する必要があるとき、まず、弁芯座30をハウジング10における取り付け孔14内に挿設し、挿設する過程で、ガイドセグメント32は弁芯座30に対しガイド作用を果たして、押圧装着セグメント31の外壁と取り付け孔14の内壁とがインターフェアランスフィットされるようにし、このようにして、弁芯座30とハウジング10との同軸度を保証して、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁とがクリアランスフィットされるようにすることができ、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁との間の隙間を溶接材料の充填隙間として用いて、溶接材料がガイドセグメント32と取り付け孔14との間に充填されることが容易になり、更には弁芯座30とハウジング10との強固な接続が実現される。
【0052】
ここで、弁芯座30と取り付け孔14とは、互いにフィットする様々な方式を有する。
【0053】
1つの実施例において、取り付け孔14の内壁は円柱状構造であり、押圧装着セグメント31の外径はガイドセグメント32の外径より大きく、押圧装着セグメント31の外壁と取り付け孔14の内壁とはインターフェアランスフィットされ、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁とはクリアランスフィットされている。
【0054】
別の実施例において、取り付け孔14は段差孔であり、押圧装着セグメント31の外径はガイドセグメント32の外径と同じであり、段差孔のサイズを調整することで、押圧装着セグメント31の外壁と取り付け孔14の内壁とがインターフェアランスフィットされ、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁とがクリアランスフィットされるように保証する。
【0055】
更に別の実施例において、取り付け孔14の内壁は第1の段差構造を有し、押圧装着セグメント31とガイドセグメント32との接続箇所には第2の段差構造が形成され、第1の段差構造と第2の段差構造のサイズを調整することで、押圧装着セグメント31の外壁と取り付け孔14の内壁とがインターフェアランスフィットされ、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁とがクリアランスフィットされるように保証する。
【0056】
具体的には、本実施例において、押圧装着セグメント31の外径はガイドセグメント32の外径より大きく、取り付け孔14は互いに連通された第1の孔セグメント141と第2の孔セグメント142とを含み、第1の孔セグメント141の内径は第2の孔セグメント142の内径より大きく、押圧装着セグメント31は第1の孔セグメント141内にインターフェアランス挿設され、ガイドセグメント32の外壁と第2の孔セグメント142の内壁とはクリアランスフィットされ、第1の孔セグメント141の底壁と押圧装着セグメント31のガイドセグメント32に向かう端壁とは互いに当接されている。
【0057】
上述の構造を用いると、弁芯座30を取り付け孔14内に押圧装着するとき、まず、ガイドセグメント32と第2の孔セグメント142とのフィットによって組み立てをガイドすることができ、弁芯座30が押圧装着セグメント31のガイドセグメント32に向かう端壁まで移動して第1の孔セグメント141の底壁と互いに当接されたとき、弁芯座30を現在位置に位置決めすることができ、このとき、弁芯座30は正確な位置に組み立てられ、最後に、弁芯座30とハウジング10とを溶接固定すればよい。溶接の際、ガイドセグメント32の外壁と第2の孔セグメント142の内壁との間の隙間は溶接材料の充填隙間であり、溶接材料がガイドセグメント32と取り付け孔14との間に充填されることが容易になり、更には弁芯座30とハウジング10との強固な接続が実現される。
【0058】
弁芯座30には密封部34が設けられており、弁芯アセンブリ20は弁口11に対する開弁位置と閉弁位置とを有し、弁芯アセンブリ20が閉弁位置に位置するとき、弁芯アセンブリ20と密封部34とは密封当接される。弁芯座30に密封部34を設けることで、弁芯座30と弁芯アセンブリ20との密封性能を保証することができる。
【0059】
ここで、密封部34は、弁芯座30に加工された密封構造であってもよく、別個に設けられた封止リング等の密封部材であってもよい。
【0060】
本実施例において、密封部34は環状カム341であり、環状カム341は周方向に沿って弁口11の外周に設けられている。弁芯アセンブリ20が閉弁位置に位置するとき、弁芯アセンブリ20は環状カム341によって弁芯座30と互いに接触され、弁芯アセンブリ20と弁芯座30との密封接続の実現が容易になる。また、弁芯座30とハウジング10とが別体に設けられているため、弁芯座30を別個に加工することができ、このようにして、弁芯座30における環状カム341の加工精度を保証し、更には密封性能を保証することができる。
【0061】
具体的には、環状カム341の弁芯アセンブリ20に向かう端壁は曲面であり、このようにして、弁芯アセンブリ20が閉弁位置まで移動したとき、弁芯アセンブリ20が、まず、環状カム341の曲面と互いに接触し、曲面の構造を用いると、密封効果を保証することが容易になる。
【0062】
一方向弁は接続パイプ40を更に含み、接続パイプ40は弁口11と連通され、弁芯座30は取り付け孔14を穿出する取り付けセグメント33を含み、取り付けセグメント33はガイドセグメント32に接続され、接続パイプ40は取り付けセグメント33の外に嵌合されている。上述の構造を用いると、接続パイプ40と弁芯座30との接触面積を増加させて、溶接強度を強化させることができ、接続パイプ40に対する接続が容易になり、組み立て効率を向上させることができる。
【0063】
接続パイプ40の肉厚と接続パイプ40の外径との比の値は0.07~0.21の間にある。接続パイプ40を上述の範囲内に設けることで、接続パイプ40の強度が保証され、接続パイプ40が使用要求を満たすように保証し、更には一方向弁100の耐圧レベルを向上させることができる。
【0064】
接続パイプ40の肉厚と接続パイプ40の外径との比の値が0.07より小さいと、接続パイプ40の肉厚が小さすぎて、使用要求を満たすことができないことは理解されるであろう。接続パイプ40の肉厚と接続パイプ40の外径との比の値が0.21より大きいと、接続パイプ40の肉厚が大きすぎ、コストが高すぎる。ここで、接続パイプ40の肉厚と接続パイプ40の外径との比の値は、0.1、0.15、0.2、又は0.07~0.21の間の他の任意の数値であってもよい。
【0065】
接続パイプ40の外径は10mm以下であり、このようにして、接続パイプ40の強度が保証され、接続パイプ40が使用要求を満たすように保証することができる。ここで、接続パイプ40の外径は、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、又は0~10mmの間の他の任意の数値であってもよい。
【0066】
接続パイプ40は純銅又は鋼材質を用いて製造されてもよい。
【0067】
ここで、接続パイプ40が純銅材質で製造されると、接続パイプ40の肉厚は1mm~1.3mmの間にある。接続パイプ40が鋼材質で製造されると、接続パイプ40の肉厚は0.5mm~1mmの間にある。接続パイプ40の肉厚を上述の範囲内に設けることで、接続パイプ40の強度が保証され、接続パイプ40が使用要求を満たすように保証し、更には一方向弁100の耐圧レベルを向上させることができる。
【0068】
接続パイプ40は入口管41と出口管42とを含み、入口管41と出口管42は、それぞれハウジング10の両端に設けられ、入口管41は弁口11に対応して設けられ且つ弁芯座30に接続され、出口管42は弁蓋13に接続され、入口管41と出口管42の肉厚はいずれも上述の範囲内にある。
【0069】
具体的には、弁芯座30、接続パイプ40並びにハウジング10はろう付けを用いて溶接接続され、このようにして、3つの部材の固定を同時に実現することができ、組み立てステップを簡略化することができ、組み立てを行うことが容易になる。
【0070】
組み立ての際、溶接リングを接続パイプ40に嵌合させて、溶接リングとハウジング10の外壁とが互いに接触するようにし、溶接リングが溶融した後、溶接材料がガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁との間の隙間を通って流れ、溶接材料が凝固すると、3つの部材の溶接固定を完了することができる。
【0071】
一方向弁は制限構造50を更に含み、制限構造50は弁芯座30とハウジング10との間に設けられ、制限構造50を用いてハウジング10に対する弁芯座30の軸方向位置を制限して、弁芯座30が取り付け孔14内に過度に押圧装着されることを回避する。
【0072】
本実施例において、第1の孔セグメント141の底壁と押圧装着セグメント31のガイドセグメント32に向かう端壁が互いに当接されることで、制限構造50が形成され、このようにして、弁芯座30とハウジング10との垂直度を保証することができる。他の実施例において、突起及び凹溝等の構造を別途に設けることで、一緒に制限構造50を形成してもよい。
【0073】
図1及び
図6を参照すると、一方向弁100は支持バッフル60を更に含み、弁座12と弁蓋13との接続箇所には取り付け溝15を有し、支持バッフル60は取り付け溝15内に挿通されて、弁芯アセンブリ20と支持バッフル60とを接続し、弁芯アセンブリ20が弁口11を封止する閉弁位置まで移動するように、支持バッフル60によって弁芯アセンブリ20に作用力を加えることができる。取り付け溝15の溝幅は支持バッフル60の厚さ以上である。
【0074】
支持バッフル60を組み立てるとき、まず、支持バッフル60を取り付け溝15内に挿通させ、その後、弁座12と弁蓋13とを接続し、弁座12と弁蓋13との接続箇所の取り付け溝15が支持バッフル60を収容して、支持バッフル60に対する固定を同期して完了することができ、組み立てが容易であるという利点を有し、組み立て効率を向上させることができる。また、取り付け溝15の溝幅が支持バッフル60の厚さ以上であるため、支持バッフル60を取り付け溝15内に挿入することが容易になる。
【0075】
取り付け溝15の溝幅と支持バッフル60の厚さとの差は0mm~0.2mmの間にあり、このようにして、支持バッフル60を取り付け溝15内に挿入することが容易になるだけでなく、支持バッフル60の取り付け溝15内における安定性を保証することができる。
【0076】
取り付け溝15の溝幅と支持バッフル60の厚さとの差が0mmより小さいと、支持バッフル60を取り付け溝15内に挿入することが不便であることは理解されるであろう。取り付け溝15の溝幅と支持バッフル60の厚さとの差が0.2mmより大きいと、支持バッフル60と取り付け溝15との間の隙間が大きすぎて、支持バッフル60が揺れやすく、支持バッフル60が取り付け溝15内に安定して取り付けられることを保証できず、更には弁開閉効果を保証することができない。
【0077】
取り付け溝15はハウジング10の内壁の周方向に伸びている。支持バッフル60を取り付け溝15に組み立てると、支持バッフル60は弁芯アセンブリ20に均一な作用力を提供して、更には弁開閉効果を保証することができる。
【0078】
具体的には、取り付け溝15の軸線とハウジング10の軸線とは垂直である。
【0079】
一方向弁100は第1の段差構造70と第2の段差構造80とを更に含み、第1の段差構造70は弁座12の弁蓋13に向かう一端に位置し、第2の段差構造80は弁蓋13の弁座12に向かう一端に位置し、第1の段差構造70と第2の段差構造80とは互いに挿嵌されている。弁蓋13と弁座12を組み立てるとき、第1の段差構造70と第2の段差構造80によって組み立てをガイドし、組み立て効率を向上させることができる。
【0080】
取り付け溝15は第1の段差構造70と第2の段差構造80との間に設けられている。第1の段差構造70と第2の段差構造80のサイズを制御することで、取り付け溝15のサイズに対する制御を実現することができる。
【0081】
第1の段差構造70と第2の段差構造80とのフィットによって一緒に取り付け溝15を形成し、弁座12と弁蓋13とを接続すると同時に、支持バッフル60に対する固定を同期して実現することができ、組み立てを行うことが容易になる。
【0082】
実施例1
図1及び
図2を参照すると、第1の段差構造70は第1の挿嵌セグメント71と第1の段差面72とを含み、第2の段差構造80は第2の挿嵌セグメント81と第2の段差面82とを含み、第1の挿嵌セグメント71の内壁と第2の挿嵌セグメント81の外壁とは互いに密着されている。
【0083】
第1の挿嵌セグメント71の肉厚とハウジング10の外径との比の値が0.034以上であり、このようにして、弁蓋13と弁座12との接続箇所にて十分な強度を有するように保証し、更には、ハウジング10の肉厚が使用要求を満たすように保証し、よって、一方向弁100が耐圧要求を満たすようにすることができる。
【0084】
第2の挿嵌セグメント81の端面と第1の段差面72との間の間隔には取り付け溝15を形成する。一部の第1の挿嵌セグメント71と第2の挿嵌セグメント81とを互いに重ねて、弁座12と弁蓋13とを接続することが容易になる。第2の挿嵌セグメント81の端面と第1の段差面72との間の距離を制御することで、取り付け溝15の溝幅を制御することができる。一部の第1の挿嵌セグメント71は第2の挿嵌セグメント81の外側に架け渡されている。
【0085】
第1の挿嵌セグメント71と第2の段差面82とは互いに溶接され、このようにして、弁座12と弁蓋13との接続並びに支持バッフル60の固定を実現することができる。また、溶接接続の方式を用いると、組み立てが容易になり、接続が強固であるという利点を有する。
図1では、部分拡大
図Aにおける溶接点が示されていないが、
図1におけるハウジング10に対応する部分拡大
図Aの他方の溶接点を参照するとよい。
【0086】
第1の挿嵌セグメント71の肉厚は0.6mm以上であり、このようにして、弁蓋13と弁座12との接続箇所にて十分な強度を有するように保証し、更にはハウジング10の肉厚が使用要求を満たすように保証することができる。
【0087】
本実施例において、第1の挿嵌セグメント71の端壁と第2の段差面82との間の溶接ビードの深さと第1の挿嵌セグメント71の肉厚との比の値は0.5以上である。溶接ビード深さを上述の範囲内に設けることで、弁蓋13と弁座12との接続の強固性を保証し、よって、一方向弁100の耐圧強度を向上させることができる。解釈すべきこととして、第1の挿嵌セグメント71の端壁と第2の段差面82との間の溶接ビードの深さとは、溶接材料がハウジング10の外側壁から第1の挿嵌セグメント71の端壁と第2の段差面82との間の隙間に流れ込む深さを意味する。
【0088】
実施例2
図4及び
図5を参照すると、実施例2と実施例1との相違点は、実施例2において、第1の段差構造70は第1の当接セグメント73と第1の段差面72とを含み、第2の段差構造80は第2の当接セグメント83と第2の段差面82とを含み、第1の当接セグメント73と第2の当接セグメント83とは互いに当接され、第1の段差面72、第1の当接セグメント73、第2の当接セグメント83並びに第2の段差面82は一緒に取り囲んで取り付け溝15を形成することである。上述の構造を用いると、同様に、実施例1における、支持バッフル60に対する組み立てが容易になり、組み立て効率が高いという利点を有する。
【0089】
第1の当接セグメント73、第2の当接セグメント83並びに支持バッフル60は互いに溶接されている。支持バッフル60と弁座12及び弁蓋13とを同時に溶接することで、支持バッフル60の強固性を向上させ、支持バッフル60がハウジング10内で揺れることを回避することができる。
【0090】
本実施例において、第1の当接セグメント73、第2の当接セグメント83並びに支持バッフル60は、溶込み溶接の方式を用いて溶接固定される。
【0091】
本出願において、ハウジング10の肉厚とハウジング10の外径との比の値を0.08~0.12の間にすることで、一方向弁100が高い耐圧要求を満たすようにし、高圧の分野に適用可能である。ハウジング10は板金部材を用いて延伸形成され、プロセスが簡単で、コストが低い。取り付け溝15の幅が支持バッフル60の幅より大きいことで、支持バッフル60の取り付けが容易になる。弁芯座30とハウジング10とを別体に設けることで、弁芯座30を別個に加工することができ、弁芯座30の加工精度を保証し、内部漏れを減少させる。押圧装着セグメント31と取り付け孔14とのインターフェアランスフィットによって、弁芯座30とハウジング10との間の同軸度を保証し、ガイドセグメント32の外壁と取り付け孔14の内壁との間の間を溶接材料の充填隙間として用いることで、弁芯座30とハウジング10との接続の強固性を保証する。
【国際調査報告】