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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】流量調節弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/34 20060101AFI20231019BHJP
   F16K 1/38 20060101ALI20231019BHJP
   F16K 1/42 20060101ALI20231019BHJP
   F25B 41/35 20210101ALI20231019BHJP
【FI】
F16K1/34 Z
F16K1/38 Z
F16K1/42 G
F25B41/35
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515099
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021121854
(87)【国際公開番号】W WO2022078219
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】202011086915.0
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】江 超
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA01
3H052CA01
3H052CB01
3H052DA03
3H052EA11
(57)【要約】
流量調節弁は、弁口を有する弁体(10)であって、弁口の内壁は第1テーパ面(11)及び第2テーパ面(12)を有し、第1テーパ面(11)の母線と弁体(10)の径方向平面との間の夾角はbであり、第2テーパ面(12)の母線と弁体(10)の径方向平面との間の夾角はcである弁体(10)と、弁口を開閉するように、弁体(10)内に移動可能に設けられ、且つ面取り(21)を有し、面取り(21)と弁体(10)の径方向平面との間の夾角はaである弁ヘッド(20)と、を含み、b<a<cである。弁体(10)の弁口の内壁は、傾斜角度が異なる第1テーパ面(11)及び第2テーパ面(12)を有し、且つ弁ヘッド(20)の面取り(21)の角度、第1テーパ面(11)及び第2テーパ面(12)の角度がb<a<cの関係を満たしているため、弁口を開閉する過程で、流量特性曲線は折れ線形をなし、これにより一部の場合における使用要件を満たしている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁口を有する弁体(10)であって、前記弁口の内壁は第1テーパ面(11)及び第2テーパ面(12)を有し、前記第1テーパ面(11)の母線と前記弁体(10)の径方向平面との間の夾角はbであり、前記第2テーパ面(12)の母線と前記弁体(10)の径方向平面との間の夾角はcである弁体(10)と、
前記弁口を開閉するように、前記弁体(10)内に移動可能に設けられ、且つ面取り(21)を有し、前記面取り(21)と前記弁体(10)の径方向平面との間の夾角はaである弁ヘッド(20)と、を含み、
b<a<cである、流量調節弁。
【請求項2】
前記弁体(10)は収容室(13)を有し、前記弁口は前記収容室(13)に連通され、前記弁ヘッド(20)は前記収容室(13)内に移動可能に設けられ、前記第1テーパ面(11)は前記第2テーパ面(12)よりも前記収容室(13)に近接している、請求項1に記載の流量調節弁。
【請求項3】
前記弁口が閉じた状態の場合、前記弁ヘッド(20)と前記第2テーパ面(12)との接触面は封止面(14)であり、前記第1テーパ面(11)と前記第2テーパ面(12)との遷移エッジと前記封止面(14)との間の距離はH1であり、前記弁ヘッド(20)と前記封止面(14)との間の距離はH2であり、
前記面取り(21)は前記弁口の軸方向に沿って第1周縁(22)及び第2周縁(23)を有し、前記第1周縁(22)の直径は前記第2周縁(23)の直径よりも小さく、
H2<H1であると、前記弁ヘッド(20)と前記弁口の内壁との最小距離は、前記第2周縁(23)と前記第2テーパ面(12)との間の距離であり、
H2>H1であると、前記弁ヘッド(20)と前記弁口の内壁との最小距離は、前記第1周縁(22)と前記第1テーパ面(11)との間の距離である、請求項2に記載の流量調節弁。
【請求項4】
前記収容室(13)は底面(15)を有し、前記底面(15)は前記第1テーパ面(11)に接続され、前記底面(15)と前記封止面(14)との間の距離はH3であり、
前記弁口が開いた状態の場合、H2<H3である、請求項3に記載の流量調節弁。
【請求項5】
前記弁口が前記開いた状態の場合、H3-H2<H2-H1である、請求項4に記載の流量調節弁。
【請求項6】
前記弁口の内壁は円筒面を更に有し、前記弁口の円筒面は前記第2テーパ面(12)の前記第1テーパ面(11)から離れた側に位置する、請求項2に記載の流量調節弁。
【請求項7】
前記弁ヘッド(20)の外壁面は円筒面である、請求項1に記載の流量調節弁。
【請求項8】
前記弁体(10)の側壁には流通口があり、前記弁口は、開いている場合は前記流通口に連通される、請求項1に記載の流量調節弁。
【請求項9】
前記弁体(10)内に設けられ、且つ内部に弁ヘッド(20)が移動可能に設けられるガイドスリーブ(30)と、
前記弁ヘッド(20)に駆動接続されて、前記弁ヘッド(20)を駆動して移動させる駆動部(40)と、
を更に含む、請求項1に記載の流量調節弁。
【請求項10】
前記流量調節弁は電子膨張弁である、請求項1に記載の流量調節弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は流量調節弁の技術分野に関し、具体的には、流量調節弁に関する。
【背景技術】
【0002】
流量調節弁において、弁ヘッドは、弁口のテーパ面との相対位置を変えることによって流れ面積が変化し、これにより流量調節を実現している。流量特性曲線は、流量調節弁の流量と弁口の開度(即ち、弁ヘッドの移動距離)との関係であり、従来の流量特性曲線は線形関係である。
【0003】
実際の使用過程では、システム、動作条件が異なれば流量調節に対する要求も異なり、場合によっては、流量調節弁が折れ線形の流量特性曲線を有することが望まれるため、従来の線形の流量特性曲線は適用要件を満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、折れ線形の流量特性曲線を有する流量調節弁を提供している。
【0005】
上記の目的を実現するために、本出願は、弁口を有する弁体であって、弁口の内壁は第1テーパ面及び第2テーパ面を有し、第1テーパ面の母線と弁体の径方向平面との間の夾角はbであり、第2テーパ面の母線と弁体の径方向平面との間の夾角はcである弁体と、弁口を開閉するように、弁体内に移動可能に設けられ、且つ面取りを有し、面取りと弁体の径方向平面との間の夾角はaである弁ヘッドと、を含み、b<a<cである、流量調節弁を提供している。
【0006】
この態様を用いると、弁体の弁口の内壁は、傾斜角度が異なる第1テーパ面及び第2テーパ面を有し、且つ弁ヘッドの面取りの角度、第1テーパ面及び第2テーパ面の角度がb<a<cの関係を満たしているため、弁口を開閉する過程で、流量特性曲線は折れ線形をなし、これにより一部の場合における使用要件を満たしている。上記の設定により、弁ヘッドは、弁口を開閉する過程で、弁ヘッド及び外壁と弁口の内壁との間の流れ面積の変化が折れ線形をなし、これにより、流量特性曲線が折れ線形をなす。
【0007】
更に、弁体は収容室を有し、弁口は収容室に連通され、弁ヘッドは収容室内に移動可能に設けられ、第1テーパ面は第2テーパ面よりも収容室に近接している。
【0008】
更に、弁口が閉じた状態の場合、弁ヘッドと第2テーパ面との接触面は封止面であり、第1テーパ面と第2テーパ面との遷移エッジと封止面との間の距離はH1であり、弁ヘッドと封止面との間の距離はH2であり、面取りは弁口の軸方向に沿って第1周縁及び第2周縁を有し、第1周縁の直径は第2周縁の直径よりも小さく、H2<H1であると、弁ヘッドと弁口の内壁との最小距離は第2周縁と第2テーパ面との間の距離であり、H2>H1であると、弁ヘッドと弁口の内壁との最小距離は第1周縁と第1テーパ面との間の距離である。これにより、弁口の曲がり角における乱流による流量の揺らぎ、ひいては開度が大きくなるのに流量が小さいという異常を回避することができる。弁口の曲がり角は、第1テーパ面と第2テーパ面との遷移位置である。
【0009】
更に、収容室は底面を有し、底面は第1テーパ面に接続され、底面と封止面との間の距離はH3であり、弁口が開いた状態の場合、H2<H3である。これにより、流量が常に弁口の第1テーパ面の影響を受けることを確保することができ、流量調節がより正確になる。
【0010】
更に、弁口が開いた状態の場合、H3-H2<H2-H1である。これにより、弁ヘッドの全開位置が第1テーパ面の中央部より上の位置となり、全開時の最大流量要件が確保される。
【0011】
更に、弁口の内壁は円筒面を更に有し、弁口の円筒面は第2テーパ面の第1テーパ面から離れた側に位置する。
【0012】
更に、弁ヘッドの外壁面は円筒面である。円筒面を用いると、弁ヘッドの加工を容易にすることができる。
【0013】
更に、弁体の側壁には流通口があり、弁口は、開いている場合は流通口に連通される。弁口は、閉じている場合は流通口と遮断されて流体が流れなくなる。
【0014】
更に、流量調節弁は、弁体内に設けられ、且つ内部に弁ヘッドが移動可能に設けられるガイドスリーブと、弁ヘッドに駆動接続されて、弁ヘッドを駆動して移動させる駆動部と、を更に含む。ガイドスリーブは弁ヘッドをガイドする役割を果たしており、弁ヘッドを安定して移動させる。駆動部は、弁ヘッドを駆動して往復移動させるためのものである。駆動部は電磁駆動方式を用いることができる。
【0015】
更に、流量調節弁は電子膨張弁である。
【0016】
本出願の技術態様を適用して、弁口を有する弁体であって、弁口の内壁は第1テーパ面及び第2テーパ面を有し、第1テーパ面の母線と弁体の径方向平面との間の夾角はbであり、第2テーパ面の母線と弁体の径方向平面との間の夾角はcである弁体と、弁口を開閉するように、弁体内に移動可能に設けられ、且つ面取りを有し、面取りと弁体の径方向平面との間の夾角はaである弁ヘッドと、を含み、b<a<cである、流量調節弁を提供している。この態様を用いると、弁口の内壁は、傾斜角度が異なる第1テーパ面及び第2テーパ面を有し、且つ弁ヘッドの面取りの角度とテーパ面の角度も異なるため、弁口を開閉する過程で、流量特性曲線は折れ線形をなし、これにより一部の場合における使用要件を満たしている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0018】
図1】本出願の実施例によって提供される流量調節弁の弁口が開いた状態の構成模式図を示す。
図2図1における流量調節弁の部分拡大図を示す。
図3図1における流量調節弁の弁口が閉じた状態の構成模式図を示す。
図4図1における流量調節弁の一部構造の断面図を示す。
図5図1における流量調節弁の流量特性曲線の模式図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁体、11 第1テーパ面、12 第2テーパ面、13 収容室、14 封止面、15 底面、20 弁ヘッド、21 面取り、22 第1周縁、23 第2周縁、30 ガイドスリーブ、40 駆動部。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様について明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は実際には例示にすぎず、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限とされるものではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。
【0021】
図1から図5に示すように、本出願の実施例は、弁口を有する弁体10であって、弁口の内壁は第1テーパ面11及び第2テーパ面12を有し、第1テーパ面11の母線と弁体10の径方向平面との間の夾角はbであり、第2テーパ面12の母線と弁体10の径方向平面との間の夾角はcである弁体10と、弁口を開閉するように、弁体10内に移動可能に設けられ、且つ面取り21を有し、面取り21と弁体10の径方向平面との間の夾角はaである弁ヘッド20と、を含み、b<a<cである、流量調節弁を提供している。
【0022】
この態様を用いると、弁体10の弁口の内壁は、傾斜角度が異なる第1テーパ面11及び第2テーパ面12を有し、且つ弁ヘッド20の面取り21の角度、第1テーパ面11及び第2テーパ面12の角度がb<a<cの関係を満たしているため、弁口を開閉する過程で、流量特性曲線は折れ線形をなし、これにより一部の場合における使用要件を満たしている。上記の設定により、弁ヘッド20は、弁口を開閉する過程で、弁ヘッド20の外壁と弁口の内壁との間の流れ面積の変化が折れ線形をなし、これにより、図5に示すように、流量特性曲線が折れ線形をなす。
【0023】
本実施例において、弁体10は収容室13を有し、弁口は収容室13に連通され、弁ヘッド20は収容室13内に移動可能に設けられ、第1テーパ面11は第2テーパ面12よりも収容室13に近接している。
【0024】
具体的には、弁口が閉じた状態の場合、弁ヘッド20と第2テーパ面12との接触面は封止面14であり、第1テーパ面11と第2テーパ面12との遷移エッジと封止面14との間の距離はH1であり、弁ヘッド20と封止面14との間の距離はH2であり、面取り21は弁口の軸方向に沿って第1周縁22及び第2周縁23を有し、第1周縁22の直径は第2周縁23の直径よりも小さく、H2<H1であると、弁ヘッド20と弁口の内壁との最小距離は、第2周縁23と第2テーパ面12との間の距離であり、H2>H1であると、弁ヘッド20と弁口の内壁との最小距離は、第1周縁22と第1テーパ面11との間の距離である。これにより、弁口の曲がり角における乱流による流量の揺らぎ、ひいては開度が大きくなるのに流量が小さいという異常を回避することができる。弁口の曲がり角は、第1テーパ面11と第2テーパ面12との遷移位置である。
【0025】
本実施例において、収容室13は底面15を有し、底面15は第1テーパ面11に接続され、底面15と封止面14との間の距離はH3であり、弁口が開いた状態の場合、H2<H3である。これにより、流量が常に弁口の第1テーパ面11の影響を受けることを確保することができ、流量調節がより正確になる。
【0026】
更に、弁口が開いた状態の場合、H3-H2<H2-H1である。これにより、弁ヘッド20の全開位置が第1テーパ面11の中央部より上の位置となり、全開時の最大流量要件が確保される。
【0027】
本実施例において、弁口の内壁は円筒面を更に有し、弁口の円筒面は第2テーパ面12の第1テーパ面11から離れた側に位置する。
【0028】
更に、弁ヘッド20の外壁面は円筒面である。円筒面を用いると、弁ヘッド20の加工を容易にすることができる。
【0029】
本実施例において、弁体10の側壁には流通口があり、弁口は、開いている場合は流通口に連通されて流体の流れが実現される。弁口は、閉じている場合は流通口と遮断されて流体が流れなくなる。
【0030】
本実施例において、流量調節弁は、弁体10内に設けられ、且つ内部に弁ヘッド20が移動可能に設けられるガイドスリーブ30と、弁ヘッド20に駆動接続されて、弁ヘッド20を駆動して移動させる駆動部40と、を更に含む。ガイドスリーブ30は、弁ヘッド20をガイドする役割を果たしており、弁ヘッド20を安定して移動させる。駆動部40は、弁ヘッド20を駆動して往復移動させるためのものである。駆動部40は、電磁駆動方式を用いることができる。
【0031】
具体的には、流量調節弁は電子膨張弁であるが、必要に応じて他の種類の流量調節弁としてもよい。
【0032】
上述したものは本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】