特表 2023-544974 流量調節弁

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2023-10-26

(54)【発明の名称】流量調節弁

(51)【国際特許分類】

   F16K 1/42 20060101AFI20231019BHJP

   F25B 41/35 20210101ALI20231019BHJP

【ＦＩ】

F16K1/42 D

F25B41/35

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023515101

(86)(22)【出願日】2021-09-29

(85)【翻訳文提出日】2023-04-13

(86)【国際出願番号】 CN2021121858

(87)【国際公開番号】W WO2022078221

(87)【国際公開日】2022-04-21

(31)【優先権主張番号】202011085908.9

(32)【優先日】2020-10-12

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】515266108

【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司

【氏名又は名称原語表記】Ｚｈｅｊｉａｎｇ ＤｕｎＡｎ Ａｒｔｉｆｉｃｉａｌ Ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔ Ｃｏ．， Ｌｔｄ

【住所又は居所原語表記】Ｄｉａｎｋｏｕ Ｉｎｄｕｓｔｒｙ Ｚｏｎｅ， Ｚｈｕｊｉ， Ｚｈｅｊｉａｎｇ， Ｃｈｉｎａ

(74)【代理人】

【識別番号】100079108

【弁理士】

【氏名又は名称】稲葉 良幸

(74)【代理人】

【識別番号】100109346

【弁理士】

【氏名又は名称】大貫 敏史

(74)【代理人】

【識別番号】100117189

【弁理士】

【氏名又は名称】江口 昭彦

(74)【代理人】

【識別番号】100134120

【弁理士】

【氏名又は名称】内藤 和彦

(74)【代理人】

【識別番号】100108213

【弁理士】

【氏名又は名称】阿部 豊隆

(72)【発明者】

【氏名】▲ザン▼ 少軍

(72)【発明者】

【氏名】陳 勇好

(72)【発明者】

【氏名】徐 冠軍

【テーマコード（参考）】

3H052

【Ｆターム（参考）】

3H052AA01

3H052BA02

3H052CA19

3H052CB01

3H052CB18

3H052CB22

3H052CB33

3H052DA01

3H052EA11

(57)【要約】

流量調節弁は、本体、及び本体に接続される封止座（１１）を含み、封止座（１１）は、弁口を有し、且つ非金属材料からなる弁体構造（１０）と、弁口を開閉するように、本体のチャンバ内に移動可能に設けられる金属材料からなる弁ヘッド（２０）であって、封止座（１１）の硬さが弁ヘッド（２０）の硬さよりも小さい弁ヘッド（２０）と、を含む。
【選択図】 図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

本体、及び前記本体に接続される封止座（１１）を含み、前記封止座（１１）は、弁口を有し、且つ非金属材料からなる弁体構造（１０）と、
前記弁口を開閉するように、前記本体のチャンバ内に移動可能に設けられる金属材料からなる弁ヘッド（２０）であって、前記封止座（１１）の硬さが前記弁ヘッド（２０）の硬さよりも小さい弁ヘッド（２０）と、
を含む、流量調節弁。

【請求項2】

前記封止座（１１）はプラスチックからなる、請求項１に記載の流量調節弁。

【請求項3】

前記本体は、互いに接続された弁座（１２）及び筒体（１３）を含み、前記弁座（１２）と前記筒体（１３）との間には取り付けチャンバがあり、前記封止座（１１）の一部分は前記取り付けチャンバ内に位置する、請求項１に記載の流量調節弁。

【請求項4】

前記弁座（１２）の内側には第１制限段差（１２１）があり、前記封止座（１１）の一端には第２制限段差（１１１）があり、前記第２制限段差（１１１）は前記第１制限段差（１２１）と当接し、前記封止座（１１）の他端は前記筒体（１３）と当接する、請求項３に記載の流量調節弁。

【請求項5】

前記弁座（１２）の外側には第１係合段差（１２２）があり、前記筒体（１３）は第２係合段差（１３１）を有し、前記第２係合段差（１３１）は前記第１係合段差（１２２）に係合される、請求項３に記載の流量調節弁。

【請求項6】

前記筒体（１３）及び前記弁座（１２）はいずれも金属材料であり、前記筒体（１３）と前記弁座（１２）とは溶接固定されて前記封止座（１１）をクランプする、請求項３に記載の流量調節弁。

【請求項7】

前記弁座（１２）に接続される第１弁パイプ（３１）と、
前記筒体（１３）に接続される第２弁パイプ（３２）と、
を更に含む、請求項３に記載の流量調節弁。

【請求項8】

前記弁口の内壁はテーパ面（１１２）を有する、請求項１に記載の流量調節弁。

【請求項9】

前記本体のチャンバ内に設けられ、且つ内部に前記弁ヘッド（２０）が移動可能に設けられるガイドスリーブ（４０）と、
前記弁ヘッド（２０）に駆動接続されて、前記弁ヘッド（２０）を駆動して移動させる駆動部（５０）と、
を更に含む、請求項１に記載の流量調節弁。

【請求項10】

前記流量調節弁は電子膨張弁である、請求項１に記載の流量調節弁。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本出願は流量調節弁の技術分野に関し、具体的には、流量調節弁に関する。

【背景技術】

【0002】

流量調節弁において、弁ヘッドの弁体内での移動によって弁口を開閉する。従来技術では、通常、弁ヘッドの端部の周縁と弁口の内壁とが接触して封止面を形成し、これにより封止が実現されて弁口が閉じる。しかし弁ヘッド及び弁体はいずれも金属構造であり、弁口を閉じると両者は硬質接触するため、接触面積が小さく封止性能に劣る。

【発明の概要】

【0003】

本出願は、流量調節弁の封止性能を向上させる流量調節弁を提供している。

【0004】

上記の目的を実現するために、本出願は、本体、及び本体に接続される封止座を含み、封止座は、弁口を有し、且つ非金属材料からなる弁体構造と、弁口を開閉するように、本体のチャンバ内に移動可能に設けられる金属材料からなる弁ヘッドであって、封止座の硬さが弁ヘッドの硬さよりも小さい弁ヘッドと、を含む、流量調節弁を提供している。

【0005】

この態様を用いると、封止座は硬さが弁ヘッドよりも小さい非金属材料からなり、弁口を閉じるときに弁ヘッドが封止座に接触して封止座を弾性変形させるため、封止座と弁ヘッドとの接触面積が大きく、これにより弁口の封止効果が向上している。

【0006】

更に、封止座はプラスチックからなる。プラスチック材質を用いると、封止座の弾性変形量が大きく、これにより封止効果を向上させることができるとともに製造コストが低くなる。

【0007】

更に、本体は、互いに接続された弁座及び筒体を含み、弁座と筒体との間には取り付けチャンバがあり、封止座の一部は取り付けチャンバ内に位置する。上記の設定により、封止座の配置及び取り付けが容易になる。

【0008】

更に、弁座の内側には第１制限段差があり、封止座の一端には第２制限段差があり、第２制限段差は第１制限段差と当接し、封止座の他端は筒体と当接する。このように第１制限段差と第２制限段差との係合によって、封止座に対して正確な位置決め及び制限を行うことができる。

【0009】

更に、弁座の外側には第１係合段差があり、筒体は第２係合段差を有し、第２係合段差は第１係合段差に係合される。第２係合段差と第１係合段差との係合によって、弁座と筒体との正確な位置決めが実現され、これにより両者の組み立て及び接続が容易になる。

【0010】

更に、筒体及び弁座はいずれも金属材料であり、筒体と弁座とは溶接固定されて封止座をクランプする。具体的には、レーザ溶接を用いることができる。溶接する方式を用いると、接続が堅牢なものとなり信頼性が良い。

【0011】

更に、流量調節弁は、弁座に接続される第１弁パイプと、筒体に接続される第２弁パイプと、を更に含む。第１弁パイプ及び第２弁パイプを介して、流量調節弁と他のパイプラインとの接続を実現することができる。弁口が開いた後に、第１弁パイプは第２弁パイプに連通される。

【0012】

更に、弁口の内壁はテーパ面を有する。テーパ面と弁ヘッドとの協働によって、流量調節が容易になる。

【0013】

更に、流量調節弁は、本体のチャンバ内に設けられ、且つ内部に弁ヘッドが移動可能に設けられるガイドスリーブと、弁ヘッドに駆動接続されて、弁ヘッドを駆動して移動させる駆動部と、を更に含む。ガイドスリーブは弁ヘッドをガイドするためのものである。駆動部は、電磁駆動方式を用いることができる。

【0014】

更に、流量調節弁は電子膨張弁である。

【0015】

本出願の技術態様を適用して、本体、及び本体に接続される封止座を含み、封止座は、弁口を有し、且つ非金属材料からなる弁体構造と、弁口を開閉するように、本体のチャンバ内に移動可能に設けられる金属材料からなる弁ヘッドであって、封止座の硬さが弁ヘッドの硬さよりも小さい弁ヘッドと、を含む、流量調節弁を提供している。この態様を用いると、封止座は硬さが弁ヘッドよりも小さい非金属材料からなり、弁口を閉じるときに弁ヘッドが封止座に接触して封止座を弾性変形させるため、封止座と弁ヘッドとの接触面積が大きく、これにより弁口の封止効果が向上している。

【図面の簡単な説明】

【0016】

本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。

【0017】

【図1】本出願の実施例によって提供される流量調節弁の構成模式図を示す。

【図2】図１における流量調節弁の部分拡大図を示す。

【図3】図１における一部の構造の斜視図を示す。

【図4】図３の分解図を示す。

【0018】

ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
１０ 弁体構造、１１ 封止座、１１１ 第２制限段差、１１２ テーパ面、１２ 弁座、１２１ 第１制限段差、１２２ 第１係合段差、１３ 筒体、１３１ 第２係合段差、２０ 弁ヘッド、３１ 第１弁パイプ、３２ 第２弁パイプ、４０ ガイドスリーブ、５０ 駆動部。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下に、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様について明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下の少なくとも１つの例示的な実施例についての説明は実際には例示にすぎず、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限とされるものではない。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。

【0020】

図１から図４に示すように、本出願の実施例は、本体、及び本体に接続される封止座１１を含み、封止座１１は、弁口を有し、且つ非金属材料からなる弁体構造１０と、弁口を開閉するように、本体のチャンバ内に移動可能に設けられる金属材料からなる弁ヘッド２０であって、封止座１１の硬さが弁ヘッド２０の硬さよりも小さい弁ヘッド２０と、を含む、流量調節弁を提供している。

【0021】

この態様を用いると、封止座１１は硬さが弁ヘッド２０よりも小さい非金属材料からなり、弁口を閉じるときに弁ヘッド２０が封止座１１に接触して封止座１１を弾性変形させるため、封止座１１と弁ヘッド２０との接触面積が大きく、これにより弁口の封止効果が向上している。

【0022】

本実施例において、封止座１１はプラスチックからなる。プラスチック材質を用いると、封止座１１の弾性変形量が大きく、これにより封止効果を向上させることができるとともに製造コストが低くなる。

【0023】

具体的には、本体は、互いに接続された弁座１２及び筒体１３を含み、弁座１２と筒体１３との間には取り付けチャンバがあり、封止座１１の一部は取り付けチャンバ内に位置する。上記の設定により、封止座１１の配置及び取り付けが容易になる。

【0024】

更に、弁座１２の内側には第１制限段差１２１があり、封止座１１の一端には第２制限段差１１１があり、第２制限段差１１１は第１制限段差１２１と当接し、封止座１１の他端は筒体１３と当接する。このように第１制限段差１２１と第２制限段差１１１との係合によって、封止座１１に対して正確な位置決め及び制限を行うことができる。

【0025】

本実施例において、弁座１２の外側には第１係合段差１２２があり、筒体１３は第２係合段差１３１を有し、第２係合段差１３１は第１係合段差１２２に係合される。第２係合段差１３１と第１係合段差１２２との係合によって、弁座１２と筒体１３との正確な位置決めが実現され、これにより両者の組み立て及び接続が容易になる。

【0026】

本実施例において、筒体１３及び弁座１２はいずれも金属材料であり、筒体１３と弁座１２とは溶接固定されて封止座１１をクランプする。筒体１３と弁座１２とが一体に溶接された後に、封止座１１の周縁は取り付けチャンバ内にクランプされて固定される。具体的には、レーザ溶接を用いることができる。溶接する方式を用いると、接続が堅牢なものとなり封止性能がより良い。

【0027】

本実施例において、流量調節弁は、弁座１２に接続される第１弁パイプ３１と、筒体１３に接続される第２弁パイプ３２と、を更に含む。第１弁パイプ３１及び第２弁パイプ３２を介して、流量調節弁と他のパイプラインとの接続を実現することができる。弁口が開いた後に、第１弁パイプ３１は第２弁パイプ３２に連通される。

【0028】

本実施例において、弁口の内壁はテーパ面１１２を有する。テーパ面１１２と弁ヘッド２０との協働によって、流量調節が容易になる。

【0029】

本実施例において、流量調節弁は、本体のチャンバ内に設けられ、且つ内部に弁ヘッド２０が移動可能に設けられるガイドスリーブ４０と、弁ヘッド２０に駆動接続されて、弁ヘッド２０を駆動して移動させる駆動部５０と、を更に含む。ガイドスリーブ４０は弁ヘッド２０をガイドするためのものである。駆動部５０は、電磁駆動方式を用いることができる。

【0030】

流量調節弁は、電子膨張弁又は他の種類の弁として設けることができる。

【0031】

以上は本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の精神及び原則の範囲内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等はいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【国際調査報告】