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特表2023-544982熱管理システム及び熱管理システムを備える電気車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】熱管理システム及び熱管理システムを備える電気車両
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20231019BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20231019BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20231019BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20231019BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20231019BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20231019BHJP
   B60L 58/26 20190101ALI20231019BHJP
   B60L 58/27 20190101ALI20231019BHJP
【FI】
B60H1/00 101A
B60H1/22 671
B60H1/22 651A
B60H1/22 611Z
B60K11/02
B60L1/00 L
B60L9/18 J
B60L50/60
B60L58/26
B60L58/27
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518034
(86)(22)【出願日】2021-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 EP2021073471
(87)【国際公開番号】W WO2022078661
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】20202113.5
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523097101
【氏名又は名称】ワイエムイーアール テクノロジー エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グラウブマン、ヨーゼフ
【テーマコード(参考)】
3D038
3L211
5H125
【Fターム(参考)】
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC22
3D038AC23
3L211AA01
3L211AA08
3L211AA11
3L211BA32
3L211BA51
3L211CA19
3L211DA28
3L211DA44
3L211DA50
3L211EA12
3L211EA50
3L211FB06
3L211GA43
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC19
5H125CD08
5H125CD09
5H125EE25
5H125EE51
5H125FF22
5H125FF23
5H125FF24
5H125FF27
(57)【要約】
本発明は、車両コンポーネント(4)を有する電気車両のキャビン(2)及びエネルギー貯蔵システム(3)内の温度を制御するための熱管理システム(1)に関する。本発明は、システム(1)を備える車両にも関する。システム(1)は、エネルギー貯蔵システム(3)を加熱するように配設された熱交換器(5)、キャビン(2)及び熱交換器(5)を加熱するためのヒータ(6)、車両コンポーネント(4)を冷却するために使用された流体を受け取るように、及びヒータ(6)に流体を提供するように配設された第1の弁(7)、第1の弁に入る流体の温度を測定するように配設された温度センサ(8)、ヒータから流体を受け取る、キャビン(2)と流体連通する第1の出口(11b)及び熱交換器(5)と流体連通する第2の出口(11c)を有する第2の弁(11)、及び、温度センサ(8)からの測定温度に基づいて、第1の弁(7)に入る流体中に余剰熱があるかどうかを判定し、流体中に余剰熱があり、エネルギー貯蔵システム(3)及びキャビン(2)のいずれかが加熱される必要があるときにヒータ(6)に流体が提供されるように第1の弁(7)を制御し、キャビン及びエネルギー貯蔵システムの加熱の必要に基づいて、ヒータ(6)からの流体がキャビン(2)に及び/又は熱交換器(5)に分配されるように第2の弁(11)を制御するように構成された制御ユニット(9)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両コンポーネント及び前記車両コンポーネントを冷却するための熱流体を含む冷却ループを有する電気車両のキャビン及びエネルギー貯蔵システム内の温度を制御するための熱管理システムであって、前記熱管理システムは、
- 前記エネルギー貯蔵システムを加熱するように配設された1つの熱交換器、
- 前記キャビンを加熱するように及び前記熱交換器に熱を提供するように配設された1つのヒータ、及び
- 制御ユニットであって、
〇 前記キャビン内の測定温度に関連付けられたデータを受け取り、
〇 前記エネルギー貯蔵システム内の測定温度に関連付けられたデータを受け取り、
〇 前記受け取られたデータに基づいて、前記キャビン又は前記エネルギー貯蔵システムのいずれかが加熱される必要があるかを判定する
ように構成された制御ユニット、及び
前記冷却ループ内に配置されており、前記車両コンポーネントを冷却するために使用された前記熱流体を受け取るように配設された入口、及び前記ヒータと流体連通する出口を有する第1の弁
を備え、前記熱管理システムは、
- 前記第1の弁の前記入口に入る前記熱流体の温度を測定するように配設された温度センサ、ここで、前記温度センサは、前記第1の弁内に又は前記熱流体が前記第1の弁に入る前の通路内に配設されている、
- 前記ヒータから前記熱流体を受け取るように配設された入口、前記キャビンと流体連通する第1の出口、及び前記熱交換器と流体連通する第2の出口を有する第2の弁
を備え、前記制御ユニットは、
〇 前記温度センサから前記熱流体の前記測定温度を受け取り、
〇 前記温度センサからの前記測定温度に基づいて、前記第1の弁の前記入口に入る前記熱流体中に余剰熱があるかを判定し、
〇 前記熱流体中に余剰熱があり、前記エネルギー貯蔵システム及び前記キャビンのいずれかが加熱される必要があるとき、前記ヒータに前記熱流体が提供されるように前記第1の弁の前記出口を制御し、
〇 前記キャビン及び前記エネルギー貯蔵システムの加熱の必要に基づいて、前記ヒータからの前記熱流体が前記キャビンに及び/又は前記熱交換器に分配されるように前記第2の弁を制御する
ように構成されている、熱管理システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記キャビン及び前記エネルギー貯蔵システムのいずれの加熱が優先されるかについての情報に基づいて、前記ヒータからの前記熱流体が前記キャビンに及び/又は前記エネルギー貯蔵システムに分配されるように、前記第2の弁を制御するように構成されている、請求項1に記載の熱管理システム。
【請求項3】
前記第2の弁は、前記第1の出口及び前記第2の出口を同時に部分的に開放することができ、前記ヒータからの前記熱流体を前記キャビン及び前記熱交換器に様々な程度で分配することができるように構成された比例弁である、請求項1又は2に記載の熱管理システム。
【請求項4】
前記冷却ループは、外部パッシブ冷却システムを通過し、前記制御ユニットは、前記熱流体中に余剰熱が無いとき、又は前記エネルギー貯蔵システム及び前記キャビンのいずれも加熱される必要が無い場合、前記熱流体を前記外部パッシブ冷却システムに戻して循環させるように配設されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項5】
前記第1の弁は、前記外部パッシブ冷却システムと流体連通する第2の出口を有し、前記制御ユニットは、前記熱流体中に余剰熱が無いとき、又は前記エネルギー貯蔵システム及び前記キャビンのいずれも加熱される必要が無い場合、前記熱流体が前記外部パッシブ冷却システムに戻して循環されるように前記第1の弁の前記第2の出口を制御するように配設されている、請求項4に記載の熱管理システム。
【請求項6】
前記制御ユニットは、
- 前記受け取られたデータに基づいて、前記キャビンの加熱の実際の必要及び前記エネルギー貯蔵システムの加熱の実際の必要を判定し、
- 前記キャビンの加熱の前記判定された実際の必要に応じて、前記第2の弁の前記第1の出口の開放度を制御し、
前記エネルギー貯蔵システムの加熱の前記判定された実際の必要に応じて、前記第2の弁の第2の出口の開放度を制御する
ように配設されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項7】
前記ヒータに入る前記熱流体の温度を測定するように配設されたヒータ温度センサを備え、前記制御ユニットは、前記ヒータ温度センサから前記測定温度を受け取るように、及び、第1の温度センサからの前記熱流体の前記受け取られた測定温度及び前記ヒータ温度センサからの前記測定温度に基づいて、前記熱流体中に余剰熱があるかどうかを判定するように配設されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項8】
前記ヒータ温度センサは、前記ヒータの内部に又は前記熱流体が前記ヒータに入る前の通路内に配置されている、請求項7に記載の熱管理システム。
【請求項9】
前記制御ユニットは、前記第1の温度センサからの前記測定温度が前記ヒータ温度センサからの前記測定温度よりも温かいかどうかを判定するように、及び、前記エネルギー貯蔵システム及び前記キャビンのいずれかが加熱されるべきであり、前記第1の温度センサからの前記熱流体の前記測定温度が前記ヒータ温度センサからの前記測定温度よりも温かいとき、前記第1の弁の前記入口に入る前記熱流体が前記ヒータに提供されるように前記第1の弁の前記出口の開放及び閉鎖を制御するように配設されている、請求項7又は8に記載の熱管理システム。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵システムからの入口、前記熱交換器への第1の出口及び外部パッシブ冷却システムへの第2の出口を伴って配設された第3の弁を備え、前記制御ユニットは、
〇 前記エネルギー貯蔵システムを加熱又は冷却するために使用される第3の熱流体が、前記熱交換器又は前記外部パッシブ冷却システムのいずれかに導かれるように、前記第3の弁の前記第1の出口及び前記第2の出口の開放及び閉鎖を制御する
ように配設されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項11】
前記第3の弁に入る前記第3の熱流体の温度を測定するように配設された第2の温度センサを備え、前記制御ユニットは、
〇 前記第2の温度センサから前記第3の熱流体の前記測定温度を受け取り、
〇 前記受け取られた温度に基づいて、前記第3の弁の前記第1の出口及び前記第2の出口の開放及び閉鎖を制御する
ように配設されている、請求項10に記載の熱管理システム。
【請求項12】
1又は複数のポンプを備え、前記制御ユニットは、
〇 前記受け取られたデータ及び前記受け取られた測定温度に基づいて、前記1又は複数のポンプの速度を制御する
ように配設されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項13】
前記熱交換器は、チラーである、請求項1から12のいずれか一項に記載の熱管理システム。
【請求項14】
前記熱管理システムは、第4の弁を備え、前記制御ユニットは、
- 前記第4の弁の開放及び閉鎖を、前記第1の弁の前記第1の出口が開放されているときにはそれが開放され、前記第1の弁の前記第1の出口が閉鎖されているときには閉鎖されるように制御し、
- 前記第1の弁の前記第2の出口の開放及び閉鎖を、前記第1の弁の前記第1の出口が閉鎖されているときにはそれが開放され、前記第1の弁の前記第1の出口が閉鎖されているときには開放されるように制御する
ように配設されている、請求項5に記載の熱管理システム。
【請求項15】
キャビン、エネルギー貯蔵システム、車両コンポーネント、及び前記車両コンポーネントを冷却するための熱流体を含む冷却ループ、及び請求項1から14のいずれか一項に記載の熱管理システムを備える電気車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両コンポーネントを有する電気車両のキャビン及びエネルギー貯蔵システム内の温度を制御するための熱管理システムに関する。本開示は、熱管理システムを備える電気車両にも関する。
【背景技術】
【0002】
電気車両がますます普及している。一方で、それらは化石燃料を回避することにより環境的な理由から好ましく、他方で、それらはほとんどの場合に所有権の総コストが削減される点で好まれる。
【0003】
自動車は、電気車両であり得る車両の唯一のタイプではない。例えば、ボート、トラック、機関車、航空機、及び重量車両もまた、電気車両として利用可能である。
【0004】
電気車両は、通例、動作中にエネルギー貯蔵システムによって電力供給される。ここで、エネルギー貯蔵システムは、電気車両に電力供給するための任意の種類のバッテリ、バッテリパック又は一連のバッテリとして定義される。
【0005】
電気車両の有用性のためには、エネルギー貯蔵システムが長寿命である、すなわち、セルが満足に動作しなくなる前に多数の充電/放電サイクルが可能であることが重要である。エネルギー貯蔵システムを最適な温度範囲に維持することは、寿命の最大化に不可欠である。
【0006】
エネルギー貯蔵システムの寿命を改善することに加えて、エネルギー貯蔵システムを動作中に最適な温度範囲内に維持することによって、エネルギー貯蔵システムが可能な限り多くの電力を供給することが確実になる。
【0007】
エネルギー貯蔵システムを最適な温度に維持するだけでなく、車両の操作者(operator)及び乗員が収容されるキャビン内の温度もまた調節されるべきである。
【0008】
エネルギー貯蔵システム及びキャビン内の温度を管理するための多数のシステムが存在する。例えば、US7789176B2には、熱管理システムが提示されており、これは、駆動モータを冷却するための冷却ループ、熱交換器に冷却を提供するリフリジレーションサブシステム、熱交換器内での伝熱を介して冷却されたクーラントを用いるエネルギー貯蔵冷却サブシステム、及び車両の乗員キャビンのための温度制御を提供するHVACサブシステムを備える。また、HVACサブシステムは、そのクーラントがリフリジレーションサブシステムによって冷却されるように熱交換器に、及び、そのクーラントが冷却ループによって加熱されるように駆動モータを冷却するための冷却ループに連結されている。この解決手段では、駆動モータのための冷却ループ内の熱を、キャビンを加熱するために使用することができ、リフリジレーションサブシステムからの冷温(cold)を、エネルギー貯蔵システム及びキャビンの両方を冷却するために使用することができる。エネルギー貯蔵冷却サブシステムは、エネルギー貯蔵システムが加熱を必要とする場合には、ヒータも有する。
【0009】
電気車両における熱管理の別の重要な側面は、それが車両内の空間を占めるとともに重量を増加させることである。したがって、空間効率の高い、重量最適化された熱管理システムが好ましい。
【0010】
US2016/0107501A1は、伝熱流体を循環させ、車両乗員キャビンの温度制御を提供する乗員キャビン熱制御ループ、伝熱流体を循環させ、車両バッテリパックに熱的に連結されているバッテリ熱制御ループ、及び伝熱流体を循環させ、ドライブトレインコンポーネントに熱的に連結されているドライブトレイン制御ループを備える車両熱管理システムを開示している。乗員キャビン熱制御ループは、キャビンを加熱するためのヒータ及び熱交換器を含む。熱管理システムは、第1の弁アセンブリであって、ここで、第1の弁アセンブリが第1の弁アセンブリの第1のモードで構成されているとき、乗員キャビン熱制御ループは、バッテリ熱制御ループと並列に且つこれとは独立して動作し、第1の弁アセンブリが第1の弁アセンブリの第2のモードで構成されているとき、乗員キャビン熱制御ループは、バッテリ熱制御ループに直列に連結される、第1の弁アセンブリ、及び、第2の弁アセンブリであって、ここで、第2の弁アセンブリが第2の弁アセンブリの第1のモードで構成されているとき、バッテリ熱制御ループは、ドライブトレイン熱制御ループと並列に且つこれとは独立して動作し、第2の弁アセンブリが第2の弁アセンブリの第2のモードで構成されているとき、バッテリ熱制御ループは、ドライブトレイン熱制御ループに直列に連結される、第2の弁アセンブリをさらに備える。乗員キャビン熱制御ループ及びバッテリ熱制御ループが直列に連結される場合、ヒータは、キャビン及びバッテリの両方を加熱し、乗員キャビン熱制御ループ及びバッテリ熱制御ループが並列に連結される場合、ヒータは、キャビンのみを加熱する。
【0011】
電気車両において、加熱及び冷却のための電力は、エネルギー貯蔵システムから来る。したがって、エネルギー貯蔵システムの電力のより多くを、電気車両を作動させるために使用することができるように、熱管理が可能な限りエネルギー効率の高いものであることが不可欠である。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、車両コンポーネント及び車両コンポーネントを冷却するための熱流体(thermal fluid)を含む冷却ループを有する電気車両のキャビン及びエネルギー貯蔵システム内の温度を制御するための改善された熱管理システムを提供することである。
【0013】
この目的は、請求項1に規定された熱管理システムによって達成される。
【0014】
熱管理システムは、
- エネルギー貯蔵システムを加熱するように配設(arranged)された1つの熱交換器、
- キャビンを加熱するように及び熱交換器に熱を提供するように配設された1つのヒータ、
- 冷却ループ内に配置されており、車両コンポーネントを冷却するために使用された熱流体を受け取るように配設された入口及びヒータと流体連通する開放可能且つ閉鎖可能な出口を有する第1の弁、
- 第1の弁の入口に入る熱流体の温度を測定するように配設された第1の温度センサ、ここで、第1の温度センサは、第1の弁内に又は熱流体が第1の弁に入る前の通路内に配設されている、及び
- ヒータからの熱流体を受け取るように配設された入口、キャビンと流体連通する第1の出口、及び熱交換器と流体連通する第2の出口を有する第2の弁、及び
- 制御ユニットであって、
〇 キャビン内の測定温度に関連付けられたデータを受け取り、
〇 エネルギー貯蔵システム内の測定温度に関連付けられたデータを受け取り、
〇 受け取られたデータに基づいて、キャビン又はエネルギー貯蔵システムのいずれかが加熱される必要があるかを判定し、
〇 第1の温度センサから熱流体の測定温度を受け取り、
〇 第1の温度センサからの測定温度に基づいて、第1の弁の入口に入る熱流体中に余剰熱があるかを判定し、
〇 熱流体中に余剰熱があり、エネルギー貯蔵システム及びキャビンのいずれかが加熱される必要があるとき、ヒータに熱流体を提供するように、第1の弁の出口の開放及び閉鎖を制御し、
〇 キャビン及びエネルギー貯蔵システムの加熱の必要に基づいて、ヒータからの熱流体がキャビンに及び/又は熱交換器に分配されるように、第2の弁を制御する
ように構成されている制御ユニット
を備える。
【0015】
本発明は、キャビン及びエネルギー貯蔵部を加熱するためにエネルギー貯蔵部から必要とされるエネルギーを削減する。これは、冷却ループ内の熱流体中に余剰熱があり、エネルギー貯蔵システム及びキャビンのいずれかが加熱される必要があるときに、車両コンポーネントを冷却するためのループからの熱流体をヒータに供給するように、及び、キャビン及びエネルギー貯蔵部の加熱の必要に応じて、ヒータからの熱流体をキャビンに及び/又は熱交換器に分配するように、キャビン及びエネルギー貯蔵システムを加熱するのに同じヒータを使用することによって達成される。
【0016】
このシステムは、エネルギー貯蔵システムを加熱するように配設された1つの熱交換器、キャビン温度がユーザ選択温度よりも冷たいときにキャビンを加熱するように、及び、エネルギー貯蔵システムが最低温度よりも冷たいときに熱交換器に熱を提供するように配設された1つのヒータ、車両コンポーネントを冷却するために使用された熱流体を受け取るように配設された第1の弁、受け取られた熱流体の温度を測定するように配設された第1の温度センサ、及び制御ユニットを備える。第1の弁は、ヒータと流体連通する開放可能且つ閉鎖可能な出口を有する。
【0017】
車両コンポーネントは、熱流体を用いた冷却を必要とする電気車両の任意のコンポーネントとすることができる。例えば、車両コンポーネントは、パワートレインの1又は複数のパーツ、任意の種類のeモータ、インバータ、又はDC/DCコンバータとすることができる。
【0018】
「熱流体中に余剰熱があるかを判定すること」という用語は、熱流体中の熱エネルギーが、キャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に寄与するのに十分であるかを判定することを意味する。例えば、これは、熱流体がキャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に寄与するのに十分温かいかを判定することによって行うことができる。代替的には、熱流体の温度及びポンプ速度に基づいて、利用可能な熱パワーを算出することができる。
【0019】
第2の弁は、三方弁、又は同じ機能を有する対応する弁又は弁アセンブリとすることができる。
【0020】
冷却ループ中に余剰熱がある場合、熱流体は、第1の弁の第1の出口を介してヒータに送られる。したがって、ヒータは、同じ温度を達成するために、熱流体を、車両コンポーネントの冷却からの熱流体からの熱を用いない場合よりも少なく加熱するか又は加熱する必要が全く無い。熱流体が十分な熱エネルギーを有する場合、ヒータは、熱流体を加熱する必要が全く無い。それに応じて、キャビン及びエネルギー貯蔵システムを加熱するためにエネルギー貯蔵システムから必要とされる電力は、削減されるか又はさらにはゼロになる。
【0021】
第1の弁の入口における熱流体の温度は、車両コンポーネントを冷却するために使用された熱流体中に余剰熱があるかの指示を与える。熱管理システムは、キャビン及びエネルギー貯蔵システムを加熱するために車両コンポーネントの冷却からの余剰熱を使用することができるように配設されている。キャビンに関して、熱は、キャビン内に配設された、冷却及び加熱ユニット、例えば、加熱、換気、及び空調、HVACユニットに提供される。
【0022】
温度センサからのデータ及びキャビン及びエネルギー貯蔵システム内の測定温度に関連付けられた入力データを使用して、制御ユニットは、車両コンポーネントからの余剰熱をキャビン、エネルギー貯蔵システム、又は両方において使用することができるように、第1の弁を制御することができる。したがって、キャビン及びエネルギー貯蔵システムを加熱するための、エネルギー貯蔵システムからのエネルギーの使用が削減される。それに応じて、エネルギー貯蔵システム内のエネルギーがより長く持続し、エネルギー貯蔵システムを充電することが必要になる頻度が少なくなる。
【0023】
キャビン及びエネルギー貯蔵システムの両方を加熱するために同じヒータが使用される。ヒータの数を最小化することにより、システムの重量が最小化される。さらに、電気車両の動作中、任意のヒータに電力供給するのはエネルギー貯蔵システムである。したがって、熱管理システム内の全ての加熱のために1つのヒータのみが使用されることも利点である。1つのヒータのみを有することによって、コストも削減される。
【0024】
好ましくは、第1の弁からの熱流体は、熱流体の冷却を引き起こし、それにしたがって省エネルギーを低下させ得るいかなる他の熱制御ループ又は熱交換器などのコンポーネントも通過することなく、ヒータに直接送られる。
【0025】
ヒータは、例えば、キャビン温度がユーザ選択温度よりも冷たいときにキャビンを加熱するように、及び、エネルギー貯蔵システムが最低温度よりも冷たいときに熱交換器に熱を提供するように配設されている。
【0026】
制御ユニットは、全ての熱流体をヒータからキャビンに送ること、又は、エネルギー貯蔵システムを加熱するために全ての熱流体をヒータから熱交換器に送ること、又は熱流体の一部をキャビンに及び他の部分は熱交換器に送ることを選択することができる。
【0027】
いくつかの態様によれば、制御ユニットは、キャビン、又はエネルギー貯蔵システム、又はキャビン及びエネルギー貯蔵システムの両方が加熱される必要があるかに基づいて、ヒータからの熱流体がキャビンに、又はエネルギー貯蔵システムに、又はキャビン及びエネルギー貯蔵システムの両方に提供されるように、第2の弁を制御するように配設されている。制御ユニットは、熱流体をヒータからキャビンに、又はエネルギー貯蔵システムを加熱するために熱交換器に、又は両方に送ることを選択することができる。したがって、余剰熱をキャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムに選択的に分配することができる。
【0028】
いつくかの態様によれば、制御ユニットは、キャビン及びエネルギー貯蔵システムのいずれの加熱が優先されるかについての情報、及びキャビンの加熱の前記判定された実際の必要、及びエネルギー貯蔵システムの加熱の前記判定された実際の必要に基づいて、ヒータからの熱流体がキャビンに及び/又はエネルギー貯蔵システムに分配されるように、第2の弁を制御するように構成されている。例えば、キャビンの加熱は、エネルギー貯蔵システムの加熱よりも高い優先順位を有することができ、又は、エネルギー貯蔵システムの加熱は、キャビンの加熱よりも高い優先順位を有することができる。これによって優先順位管理が可能になり、これは有利であり得る。
【0029】
いくつかの態様によれば、第2の弁は、第1及び第2の出口を同時に完全に開放又は部分的に開放することができ、ヒータからの熱流体を、キャビン及び熱交換器に様々な程度で分配することができるように構成された比例弁である。第2の弁からの第1及び第2の出口は、完全に開放又は完全に閉鎖されるのみでなく、部分的に開放されることもできる。第1及び第2の出口は、同時に、同じ又は異なる開放度で部分的に開放することができる。これにより、キャビン及び/又は熱交換器に、それらの加熱の実際の必要に応じて、ヒータからの流体を分配することが可能になる。さらに、優先順位管理を実行すること、及び、キャビン及びエネルギー貯蔵システムのうちの一方を他方よりも加熱できるようにすることが可能である。
【0030】
好ましくは、第2の弁は、第1及び第2の出口の開放及び閉鎖を互いとは独立して制御することができ、開放度を第1及び第2の出口間で変えることができるように構成されている。好ましくは、第2の弁は、プログラム可能な弁である。
【0031】
いくつかの態様によれば、前記冷却ループは、外部パッシブ冷却システムを通過し、前記制御ユニットは、前記熱流体中に余剰熱が無いとき、又は前記エネルギー貯蔵システム及び前記キャビンのいずれも加熱される必要が無い場合、前記熱流体を前記パッシブ冷却システムに戻して循環させるように配設されている。熱流体が、キャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に寄与するのに十分温かくない場合、熱流体は、車両コンポーネントを冷却しながら冷却ループ内を循環し続ける。熱流体は、熱流体中に余剰熱がある、すなわち、熱流体がキャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に寄与するのに十分温かいと制御システムが判定し、エネルギー貯蔵システム及びキャビンのいずれか又は両方が加熱される必要があるときまで、冷却ループ内を繰り返し循環させられる。
【0032】
いくつかの態様によれば、第1の弁は、外部パッシブ冷却システムと流体連通する開放可能且つ閉鎖可能な第2の出口を有し、制御ユニットは、熱流体中に余剰熱が無いときに、又はエネルギー貯蔵システム及びキャビンのいずれも加熱される必要が無い場合に、熱流体をパッシブ冷却システムに戻して循環させるように、第1の弁の第2の出口の開放及び閉鎖を制御するように配設されている。この態様において、第1の弁は、三方弁、又は同じ機能を有する対応する弁又は弁アセンブリとすることができる。
【0033】
いくつかの態様によれば、第1の弁は、第1及び第2の出口を同時に部分的に開放することができ、第1の弁の入口に入る熱流体をパッシブ冷却システムに戻すように及びヒータに様々な程度で分配することができるように構成された比例弁である。したがって、第1の弁の入口に入る流体の一部をヒータに送ることができ、残りの部分はパッシブ冷却システムに戻される。それに応じて、キャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムを加熱するために必要な量の熱のみをヒータに通過させる。
【0034】
いくつかの態様によれば、前記制御ユニットは、前記受け取られたデータに基づいて、前記キャビンの加熱の実際の必要及び前記エネルギー貯蔵システムの加熱の実際の必要を判定し、前記キャビンの加熱の前記判定された実際の必要に応じて、前記第2の弁の前記第1の出口の開放度を制御し、及び前記エネルギー貯蔵システムの加熱の前記判定された実際の必要に応じて、前記第2の弁の第2の出口の開放度を制御するように構成されている。これは、ヒータからの流体中のエネルギーが最適な方法で使用されるので、有利である。別の付加価値は、キャビン又はエネルギー貯蔵システムの加熱需要に、非常に正確に且つ互いから独立して沿うことができることである。
【0035】
いくつかの態様によれば、第2の弁は、ヒータからの入口、キャビンへの第1の出口及び熱交換器への第2の出口を有して配設されており、制御ユニットは、第2の弁を通る熱流体の流量を制御するように配設されている。したがって、制御ユニットは、第2の弁を介して、キャビン及びエネルギー貯蔵システムへの流量を制御する。換言すれば、制御ユニットは、熱流体がキャビンに、エネルギー貯蔵システムに、又は両方に流れることになるかを制御するように、第2の弁を制御する。したがって、キャビン及びエネルギー貯蔵システムのうちの一方のみを加熱すること又は両方を加熱することが可能である。
【0036】
いくつかの態様によれば、システムは、前記ヒータに入る前記熱流体の温度を測定するように配設されたヒータ温度センサを備え、前記制御ユニットは、前記ヒータ温度センサから前記測定温度を受け取るように、及び、前記第1の温度センサからの前記熱流体の前記受け取られた測定温度及び前記ヒータ温度センサからの前記測定温度に基づいて前記熱流体中に余剰熱があるかを判定するように配設されている。ヒータ温度センサは、熱流体の温度を、それがヒータによって加熱される前に測定するように配設されている。ヒータ温度センサは、ヒータ内部に又は熱流体がヒータに入る前の通路内に配置することができる。
【0037】
いくつかの態様によれば、前記制御ユニットは、前記第1の温度センサからの前記測定温度が前記ヒータ温度センサからの前記測定温度よりも温かいかどうかを判定するように、及び、前記エネルギー貯蔵システム及び前記キャビンのいずれかが加熱される必要があり、前記第1の温度センサからの前記熱流体の前記測定温度が前記ヒータ温度センサからの前記測定温度よりも温かいとき、前記第1の弁の前記入口に入る前記熱流体が前記ヒータに提供されるように前記第1の弁の前記出口の開放及び閉鎖を制御するように配設されている。制御ユニットは、第1の温度センサからの熱流体の測定温度がヒータ温度センサからの測定温度よりも温かいとき、熱流体中に余剰熱があると判定するように構成されている。こうして、車両コンポーネントを冷却するために使用された熱流体中に余剰熱があるかを判定する効率的な方法が実現される。第1の温度センサからの熱流体の測定温度がヒータ温度センサからの測定温度よりも温かい場合、車両コンポーネントの冷却からの熱流体は、キャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に有用である。
【0038】
換言すれば、車両コンポーネントの冷却からの熱流体がヒータに入る熱流体よりも温かい場合、車両コンポーネントの冷却からの熱流体は、ヒータに入る熱流体を加熱し、したがって、車両コンポーネントの冷却からの熱流体中に余剰熱がある。
【0039】
いくつかの態様によれば、ヒータ温度センサは、ヒータ内の熱流体の温度を測定するように配設されている。制御ユニットは、第1の温度センサからの熱流体の測定温度がヒータ内の熱流体の測定温度よりも温かい場合、熱流体中に余剰熱があると判定するように配設されている。第1の温度センサからの熱流体の測定温度がヒータ内の熱流体の測定温度よりも温かい場合、車両コンポーネントの冷却からの熱流体は、キャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に有用である。
【0040】
いくつかの態様によれば、熱管理システムは、キャビンがユーザ選択温度よりも温かいときにキャビンを冷却するように、及び、エネルギー貯蔵システムが所定の最大温度よりも温かいときにエネルギー貯蔵システムを冷却するために熱交換器に冷温を提供するように配設された、1つの冷却ユニットを備える。したがって、キャビン及びエネルギー貯蔵システムの両方を冷却するために同じ冷却ユニットが使用される。ヒータ及び冷却ユニットの数を最小化することによって、このユニットの重量が最小化される。電気車両の動作中、ヒータ及び冷却ユニットに電力供給するのがエネルギー貯蔵システムであるので、全ての加熱及び冷却のために、1つのヒータのみ及び1つの冷却ユニットのみが使用されることも利点である。1つの冷却ユニットのみを有することによって、コストも削減される。
【0041】
いくつかの態様によれば、熱管理システムは、エネルギー貯蔵システムからの入口、熱交換器への第1の出口及び外部パッシブ冷却システムへの第2の出口を伴って配設された第3の弁を備え、制御ユニットは、エネルギー貯蔵システムを加熱又は冷却するために使用される第3の熱流体が、熱交換器又は外部パッシブ冷却システムのいずれかに導かれるように、第3の弁の第1の出口及び第2の出口の開放及び閉鎖を制御するように配設されている。
【0042】
エネルギー貯蔵システムを加熱又は冷却する必要が無い場合において、制御ユニットは、熱流体が熱交換器を通過しないように、第3の弁を制御してよい。弁は、流体が熱交換器のみを通過するように制御することもできる。
【0043】
この態様において、第3の弁は、三方弁、又は同じ機能を有する対応する弁又は弁アセンブリとすることができる。
【0044】
いくつかの態様によれば、熱管理システムは、第3の弁に入る熱流体の温度を測定するように配設された第2の温度センサを備える。制御ユニットは、
- 第2の温度センサから第3の熱流体の測定温度を受け取り、
- 受け取られた温度に基づいて、第3の弁の第1の出口及び第2の出口の開放及び閉鎖を制御する
ように配設されている。
【0045】
上記測定温度を、エネルギー貯蔵システム内の測定温度に関連付けられたデータと共に用いることで、エネルギー貯蔵システムが加熱又は冷却を必要としているかがわかる。したがって、制御ユニットは、受け取られたデータに基づいて第3の弁を制御してよい。第2の温度センサは、熱管理システムの外部にあってよいことに留意されたい。
【0046】
いくかの態様によれば、第1の弁は、第2の開放可能且つ閉鎖可能な出口を有し、熱管理システムは、第4の弁を備える。制御ユニットは、
- 第4の弁の開放及び閉鎖を、第1の弁の第1の出口が開放されているときにはそれが開放され、第1の弁の第1の出口が閉鎖されているときには閉鎖されるように制御し、
- 第2の出口の開放及び閉鎖を、第1の弁の第1の出口が閉鎖されているときにはそれが開放され、第1の弁の第1の出口が閉鎖されているときには開放されるように制御する
ように配設されている。
【0047】
これにより、熱流体中に余剰熱が無いときに、又は、キャビン又はエネルギー貯蔵システムがいかなる熱も必要としない場合に、車両コンポーネントを冷却するための熱流体のためのループを有することが可能である。
【0048】
いくつかの態様によれば、熱管理システムは、1又は複数のポンプを備え、ここで、制御ユニットは、
受け取られたデータ及び受け取られた測定温度に基づいて1又は複数のポンプの速度を制御する
ように配設されている。
【0049】
したがって、1又は複数の弁を制御することに加えて、制御ユニットは、1又は複数のポンプを通る熱流体の流量を制御してもよい。したがって、制御ユニットは、システムに対するさらなる制御を有し、また加熱又は冷却するときのファクタとして流量を使用することができる。
【0050】
いくつかの態様によれば、熱交換器はチラーである。チラーは、熱エネルギーを熱流体から別の熱流体に、又は1つの流体から複数の流体に移動させるプレートツープレート熱交換器である。
【0051】
この目的は、請求項14に規定された電気車両によっても達成される。車両は、キャビン、エネルギー貯蔵システム、車両コンポーネント、車両コンポーネント(4)を冷却するための熱流体を含む冷却ループ(14a)、及び本発明による熱管理システムを備える。車両は、例えば、ブルドーザ及び掘削機などの短距離タイプのものであり、これらは、小さなエリア内で仕事を実行するものであり、長距離移動は意図されていない。車両は、人々及び/又は品物の輸送を意図した、自動車、バス及びトラックなどの、長距離タイプのものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
以下、様々な態様の説明によって、また添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
【0053】
図1】例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0054】
図2】温度センサの追加された入力を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0055】
図3】追加の弁の追加された制御を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0056】
図4】追加の弁の追加された制御を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0057】
図5】追加の温度センサの追加された入力を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0058】
図6】追加の弁の追加された制御を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0059】
図7】1又は複数のポンプの追加された制御を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【0060】
図8】追加された温度センサ、ポンプ、圧力センサ、及び熱膨張弁の例を伴う例示的な熱管理システムの概略図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明は、開示された実施形態に限定されず、以下の請求項の範囲内で変形及び修正され得る。例えば、ポンプ、温度センサ、及び圧力センサが、熱管理システム内の多くの異なる場所に追加されてよい。ポンプ、温度センサ、及び/又は圧力センサを追加するのに有利であり得る場所のいくつかの例が、以下で説明される。
【0062】
本開示の態様は、添付図面を参照しながら以下でより完全に説明される。しかしながら、本明細書において開示される熱管理システムは、多くの異なる形態で実現でき、本明細書に記載の態様に限定されるものと解釈されるべきでない。図面における同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0063】
本明細書において使用される用語は、単に本開示の特定の態様を説明する目的のものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別途明示されていない限り、複数形も含むことが意図されている。別途規定されていない限り、本明細書において使用される全ての用語(技術及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0064】
図中で点線を用いた構成要素は、キャビン2、エネルギー貯蔵システム3、車両コンポーネント4、及びパッシブ冷却システム25、冷却ユニット10、車両コンポーネント4を冷却するための第1の熱流体を含む第1の冷却ループ14a、キャビン2を冷却するための第2の熱流体を含む第2の冷却ループ14b、及びエネルギー貯蔵システム3を冷却するための第3の熱流体を含む第3の冷却ループ14cなどの、車両の部分を表している。冷却ループ14a~cは、冷却ループ14a~c内の熱流体を冷却するためのパッシブ冷却システム25を通過する。第1及び第3の熱流体は、水及びグリコール、又はオイルを含んでよい。第2の熱流体は、冷媒ガスを含んでよい。冷却ループ14a~cは、点線として示されており、これらの線と関連する矢印は、熱流体の流れ方向を示している。熱流体は、冷却ループ14a~c内の通路において輸送される。通路は、例えば、配管である。
【0065】
実線を用いた構成要素は、熱管理システムに含まれる部分を表している。
【0066】
背景分野のセクションでも述べたように、エネルギー貯蔵システムは、本明細書において、電気車両の電気モータに電力供給するための任意の種類のバッテリパック又は一連のバッテリとして定義される。換言すれば、エネルギー貯蔵システムという用語が本開示において使用されるとき、この用語には、単数のバッテリ又は複数のバッテリが含まれる。電気車両のためのエネルギー貯蔵システムは、通例、直列の複数のバッテリを含む。
【0067】
車両コンポーネントは、熱流体を用いた冷却を必要とする電気車両の任意のコンポーネントである。例えば、車両コンポーネントは、任意の種類のeモータ、インバータ、又はDC/DCコンバータとすることができる。
【0068】
図1は、例示的な熱管理システム1の概略図を示している。熱管理システム1は、車両コンポーネント4を有する電気車両のキャビン2及びエネルギー貯蔵システム3内の温度を制御するためのものである。
【0069】
熱管理システム1は、エネルギー貯蔵システム3を加熱するように配設された1つの熱交換器5、キャビン温度がユーザ選択温度よりも冷たいときにキャビン2を加熱するように、及びエネルギー貯蔵システム3が最低温度よりも冷たいときに熱交換器5に熱を提供するように配設された、1つのヒータ6を備える。キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3の両方を加熱するために、同じヒータ6が使用されることに留意されたい。ヒータは、エネルギー貯蔵システム3によって電力供給されるが、電気車両が外部電源に接続されているときに、例えばそれが充電中であるときに、そのようなものによって電力供給されてもよい。
【0070】
熱交換器5は、熱流体から別の熱流体に、又は1つの流体から複数の流体に熱エネルギーを移動させるように配設されている。熱交換器5は、例えば、チラーである。チラーは、熱流体から別の熱流体に、又は1つの流体から複数の流体に熱エネルギーを移動させるプレートツープレート熱交換器である。ヒータ6は、例えば、高圧ヒータ、低圧レジスタヒータ、PTCタイプヒータ、又はAC電源式ヒータである。それは、ヒートポンプシステムの凝縮部とすることもできる。ヒータ6は、電気車両内に配設されるのに好適な熱流体を加熱するための任意のヒータであってよい。
【0071】
システム1は、冷却ループ14a内で車両コンポーネント4の後に配置された第1の弁7を備える。第1の弁7は、車両コンポーネント4から熱流体を受け取るように配設された入口7aを有し、この熱流体は、車両コンポーネント4を冷却するために使用されたものである。第1の弁7は、ヒータ6と流体連通する開放可能且つ閉鎖可能な第1の出口7bを有する。換言すれば、第1の弁7は、電気車両の車両コンポーネント4を冷却するために使用された熱流体を受け取る。第1の弁7は、熱流体をパッシブ冷却システム25に戻して循環させるように配設された開放可能且つ閉鎖可能な第2の出口7cを有する。好ましくは、第1の弁は、第1及び第2の出口の開放及び閉鎖を互いとは独立して制御することを可能にし、それにより、両方の出口が同時に開放されること、出口のうちの一方が開放され、他方が閉鎖されること、及び、各出口がどれだけ開放されることになるかを制御することが可能であるタイプのものである。したがって、出口のそれぞれを通過する流れの分量のサイズを制御することが可能である。
【0072】
熱流体は、第1の冷却ループ14a内の通路において輸送され、通路は、例えば配管である。第1の冷却ループ14a内の熱流体は、パッシブ冷却システム25を通過し、さらには車両コンポーネントを冷却するために車両コンポーネント4に至る。流体は、車両コンポーネント4を通過し、さらには第1の弁7の入口7aまで流れる。流体は、次に、第1の出口7bを介してヒータ6に送ることができるか、又は、第1の弁7の第2の出口7cを介してパッシブ冷却システム25に戻して循環させることができる。熱流体は、第1の出口7bが開放されている場合、ヒータ6に送られ、そうでなければ、熱流体は、冷却システム25に戻すように送られる。
【0073】
第1の弁7は、1つの入口及び2つの出口を有する弁アセンブリの任意の種類の弁とすることができる。例えば、弁7は、三方弁である。弁7は、制御ユニットからの信号を介して、有線又は無線信号のいずれかを介して、制御できる弁である。同じことが、下で説明される第2及び第3の弁11、12に当てはまる。例えば、第1の弁7は、第1及び第2の出口7b、7cを同時に部分的に開放することができ、第1の弁7の入口7aに入る熱流体をパッシブ冷却システムに戻して及びヒータに様々な程度で分配することができるように構成された比例弁である。したがって、流体の一部のみをヒータ上へと通過させることができ、残りの部分は、パッシブ冷却システムに戻される。
【0074】
熱管理システム1は、熱管理システム1の弁及びポンプなどのコンポーネントを制御するための制御ユニット9を備える。
【0075】
システム1は、第1の弁の入口7aに入る熱流体の温度を測定するために第1の冷却ループ14aに配設された第1の温度センサ8を備える。温度センサ8は、車両コンポーネント4を冷却するために使用された熱流体の温度を測定するように配設されており、この熱流体は、第1の弁7によって受け取られる。第1の温度センサ8は、例えば、第1の弁7内に又は熱流体が第1の弁7に入る前のパイプなどの通路内に配設されている。
【0076】
熱管理システム1は、キャビンを加熱するためにヒータ6からキャビンに、又はエネルギー貯蔵システムを加熱するために熱交換器5に、又はその両方に、熱流体を選択的に通過させるために使用できる第2の弁11を備える。第2の弁11は、ヒータ6から熱流体を受け取るように配設された入口11a、及び、キャビン2に接続されており、それが開放されているときにはヒータ6からキャビン2に熱流体を通過させるように配設された開放可能且つ閉鎖可能な第1の出口11bを有する。第2の弁11は、熱交換器5に接続されており、それが開放されているときにはヒータ6から熱交換器5に熱流体を通過させるように配設された開放可能且つ閉鎖可能な第2の出口11cを有する。制御ユニット9は、弁11を制御するように、したがって、ヒータ6からの熱流体がキャビン2又はエネルギー貯蔵システム3、又は両方を加熱するために使用されるのかを制御するように構成されているか、又は、両者のうちの一方により多くの熱を加えることが可能である。
【0077】
車両は、キャビン2を冷却するための第2の冷却ループ14bを備える。第2の冷却ループ14bは、パッシブ冷却システム25からキャビンに、キャビンから冷却ユニット10を通して、次にパッシブ冷却システム25に戻るように、流体を導く。第2の冷却システムは、熱交換器5を介してエネルギー貯蔵システム3を冷却するためにも使用されてよい。
【0078】
車両は、エネルギー貯蔵システム3が冷却を必要としているときにそれを冷却するための第3の冷却ループ14cを備える。第3の冷却ループ14cは、パッシブ冷却システム25からエネルギー貯蔵システム3に、エネルギー貯蔵システム3を通して、次に冷却システム25に戻るように、流体を導く。熱管理システムは、第3の熱流体を熱交換器5に導くための第3の弁12を備えてよい。第3の弁12は、1つの入口12a及び第1及び第2の開放可能且つ閉鎖可能な出口12b、12cを含む。第3の弁12は、エネルギー貯蔵システム3から第1の出口12bを介して熱交換器5に、又は第2の出口12cを介してパッシブ冷却システム25に戻すように、熱流体を選択的に通過させるために使用できる。熱交換器5において、第3の弁12の第2の出口12cからの第3の熱流体に加熱及び冷却の両方を行うことができる。第3の熱流体が冷却されるとき、それは、熱交換器5を介して第2の熱流体によって冷却され、第3の熱流体が加熱されるとき、それは、熱交換器5を介してヒータ6からの熱流体によって加熱される。制御ユニット9は、第3の弁12を制御し、したがって、エネルギー貯蔵システム3からの熱流体が熱交換器5に又はパッシブ冷却システム25に送られるかを制御するように構成されている。
【0079】
熱管理システム1は、第1の弁7の第1の出口7bに接続された入口13a及びパッシブ冷却システム25に接続された出口13bを有する第4の弁13をさらに備えてよい。この場合、制御ユニット9は、図6に示されているように、第4の弁13の開放及び閉鎖を、第1の弁7の第1の出口7bが開放されているときにはそれが開放され、第1の弁7の第1の出口7bが閉鎖されているときには閉鎖されるように制御するS10ように、及び、第2の出口7cの開放及び閉鎖を、第1の弁7の第1の出口7bが閉鎖されているときにはそれが開放され、第1の弁7の第1の出口7bが開放されているときには閉鎖されるように制御するS11ように、配設することができる。
【0080】
これにより、熱流体中に余剰熱が無いときに、又は、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3がいかなる熱も必要としない場合に、車両コンポーネント4を冷却するための第1の冷却ループ14a内で第1の熱流体を循環させることが可能である。第1の熱流体は、キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3のいずれかが加熱を必要とし、熱流体中に余剰熱があるときまで、第1の冷却ループ14a内を循環し続ける。
【0081】
制御ユニット9は、
- 第1の温度センサ8から熱流体の測定温度を受け取りS1、
- キャビン2内の測定温度に関連付けられたデータを受け取りS2、
- エネルギー貯蔵システム3内の測定温度に関連付けられたデータを受け取りS3、
- 受け取られたデータに基づいて、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3のいずれかが加熱される必要があるかを判定しS4、
- 第1の温度センサ8からの熱流体の受け取られた測定温度に基づいて、第1の弁7に入る熱流体中に余剰熱があるかを判定しS5、
- 熱流体中に余剰熱があり、エネルギー貯蔵システム3及びキャビン2のいずれかが加熱を必要とするとき、第1の弁7の第1の出口7bを介してヒータ6に熱流体を提供するように、第1の弁7の第1の出口7bの開放及び閉鎖を制御しS6、及び
- キャビン及びエネルギー貯蔵システムの加熱の必要に基づいて、ヒータ6からの熱流体がキャビン2に及び/又は熱交換器5に分配されるように、第2の弁11を制御するS7
ように配設されている。
【0082】
制御ユニットは、第1の弁7に入る熱流体中に余剰熱があるかを判定するように構成されている。これは、様々な方法で行うことができる。熱流体中に余剰熱があるかを判定する1つの単純な方法は、第1の温度センサからの測定温度を所定の限界値(limit value)と比較することである。そのような場合において、第1の弁に入る熱流体は、第1の温度センサからの測定温度が限界値を超えており、エネルギー貯蔵システム及びキャビンのいずれかが加熱される必要があるときには、ヒータに分配され、第1の弁に入る熱流体は、第1の温度センサからの測定温度が限界値未満であるときには、パッシブ冷却システム25に戻すように分配される。
【0083】
別の代替法は、ヒータ6に入る熱流体の温度を測定し、第1の弁7に入る熱流体の測定温度及びヒータに入る熱流体の測定温度の間の差に基づいて、熱流体中に余剰熱があるかを判定することである。
【0084】
さらなる代替法は、第1の弁に入る流体中にどれだけの熱エネルギーがあるかを算出することである。例えば、利用可能な熱エネルギーは、第1の冷却ループ14a内の熱流体の現在の流量(通常、リットル毎分で)及び第1の弁7に入る熱流体の温度に基づいて算出することができる。流体の現在の流量は、第1の冷却ループ14a内のポンプの速度に基づいて判定することができる。
【0085】
エネルギー貯蔵システム及びキャビンの加熱需要は、これらのコンポーネントの仕様及び現在の必要に基づいて知られ、熱流体を加熱するために又はそれを定常状態に維持するためにどれだけの「熱」がヒータを介して追加される必要があるかを算出することが可能である。
【0086】
熱管理システム1は、車両コンポーネント4の冷却からの余剰熱を、キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3を加熱するために使用できるように配設されている。キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3の両方を加熱するために、システム内の同じヒータ6が使用される。温度センサからのデータ及びキャビン2及びエネルギー貯蔵システム3内の測定温度に関連付けられた入力データを使用して、制御ユニット9は、車両コンポーネント4からの余剰熱を、キャビン2、エネルギー貯蔵システム3、又は両方において使用できるように、第1の弁7を制御することができる。
【0087】
制御ユニット9は、例えば、キャビン及びエネルギー貯蔵システムのいずれの加熱が優先されるかについての情報、及びキャビンの加熱の判定された実際の必要、及びエネルギー貯蔵システムの加熱の判定された実際の必要に基づいて、ヒータ6からの熱流体がキャビン2に及び/又はエネルギー貯蔵システム3に分配されるように、第2の弁11を制御するように構成することができる。例えば、キャビンの加熱は、エネルギー貯蔵システムの加熱よりも高い優先順位を有することができ、又は、エネルギー貯蔵システムの加熱は、キャビンの加熱よりも高い優先順位を有することができる。これによって優先順位管理が可能になり、これは有利であり得る。例えば、キャビンは通常5kWのみの冷却性能を必要とし、バッテリは10kWを必要とし、システムは、(バッテリが必要とするので)10kWの1つのヒータを備え、キャビンの加熱を優先させて、この10kWをキャビンのためにのみ使用し、したがってそれを非常に迅速に加熱し、キャビンが所望の温度に加熱された後にバッテリの加熱を開始することが可能である。この加熱の優先順位に関する情報は、例えば、車両のユーザからの優先順位コマンドの形態で制御ユニット9によって受け取ることができ、又は、所定の優先順位選択として制御ユニット9のデータストレージなどで格納することができる。
【0088】
ヒータの数を最小化することによって、このシステムの重量が最小化される。さらに、電気車両の動作中、任意のヒータに電力供給するのはエネルギー貯蔵システム3である。したがって、熱管理システム1内の全ての加熱のために1つのヒータ6のみが使用されることも利点である。1つのヒータ6のみを有することによって、コストも削減される。
【0089】
ステップS1からS6が、図1に示されている。制御ユニット9は、データを処理するための処理回路を含み、且つ、通信回路を含むか又はセンサデータを受け取り及びそれが制御するコンポーネントのための命令を送信するための通信回路に接続されているかのいずれかである。制御ユニット9及び上記コンポーネント、すなわち、任意の弁、ポンプ、圧力センサ及び/又は熱膨張弁の間の通信は、有線又は無線通信を含んでよい。
【0090】
制御ユニット9は、第1のセンサ、キャビン、及びエネルギー貯蔵システム3から受け取られたセンサデータを処理するための、及び、弁7、11、12及び13などの、それが制御するコンポーネントに命令を送信するための処理回路を含む。制御ユニット9は、センサデータを処理し、それが制御するコンポーネントに対する制御信号を生成するための命令を含む、コンピュータプログラムなどのソフトウェアコード部分、及び、ソフトウェアコード部分の命令を実行するための、プロセッサ、メモリ及び入力/出力デバイスなどのハードウェアを含んでよい。
【0091】
キャビン2内の測定温度に関連付けられたデータは、キャビン2内の実際の温度を示すデータ、又は、キャビン2が所望の温度と異なる度数であってよい。例えば、キャビン2が、電気車両の操作者にとって快適である22℃に設定されており、実際の温度が20℃である場合、キャビン2内の測定温度に関連付けられたデータは、20℃であってよい。そのような場合には、制御ユニット9は、所望の温度を測定温度と比較し、より多くの熱が必要であると判定する。これは、キャビン2が所望の温度に達するためにもう2度必要であることを示すように、キャビン2内の測定温度に関連付けられたデータが-2℃であることであってもよい。これは、測定温度に関連付けられたデータが、特定の数字を伴わずに、より多くの熱が必要であることの指示のみを与えることであってもよい。これは、測定温度に関連付けられたデータが、パーセントで与えられることであってもよく、ここで、例えば、0%は、加熱又は冷却が必要とされていないことの指示であり、各パーセントは、変更されるべき所定の度数を表す。
【0092】
エネルギー貯蔵システム3内の測定温度に関連付けられたデータは、対応する形態としてよい。実際の温度が制御ユニット9に送信され、大型バッテリパックの場合には、実際の温度は、エネルギー貯蔵システム3内の異なる場所に配設された複数の温度センサの平均であってよいか、又は、実際の温度との差が送信されるか、又は、エネルギー貯蔵システム3が加熱される必要があるかの指示のみが送信されるかのいずれかである。
【0093】
キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3内の測定温度に関連付けられたデータは、上で説明されたものとは異なる方法で示されてもよい。
【0094】
受け取られたデータに基づいて、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3のいずれかが加熱されるべきであるかを判定するS4ことは、上で議論したような、受け取られたデータがどの方法で測定温度を示すかに応じて異なり得る。キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3の実際の温度が受け取られる場合、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3のいずれかが加熱されるべきであるかを判定S4することは、受け取られたデータを、参照リスト又はキャビン2の以前に受け取られた所望の温度と比較することを含んでよい。所望の温度及び実際の温度に差がある場合、判定することは、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3が温かすぎるか又は冷たすぎるかを検出することであってよい。測定温度に関連付けられたデータが、より多くの熱が必要であることの指示のみを与える場合、判定することは、単に、受け取られたデータをチェックすることであってよい。
【0095】
熱流体中に余剰熱があり、エネルギー貯蔵システム3及びキャビン2のいずれかが加熱されるべきであるときに、熱流体が第1の弁7の第1の出口7bを介してヒータ6に提供されるように、第1の弁7の第1の出口7bの開放及び閉鎖を制御するS6ことは、第1の出口7bを開放する命令と共に弁に信号を送信することを含んでよい。これは、車両コンポーネント4からの熱流体が、それをキャビン2又はエネルギー貯蔵システム3を加熱するために使用することができるほど温かい場合に行われる。
【0096】
制御ユニット9は、電気車両と通信し、及び命令を受け取り、電気車両にフィードバックを与え、並びに、電気車両及び熱管理システムの状態、及び熱管理システム1又は使用されているコンポーネントにおける潜在エラーを受信及び送信するようにも配設されてよい。
【0097】
図1図7に示されている部分には、熱管理システム1の一部ではないものがあることに留意されたい。例えば、車両コンポーネント4、及び熱流体を有するその冷却システムは、車両の一部である。また、電気車両内にはパッシブ冷却システム25が存在することが多いが、説明した熱管理システム1の一部ではない。キャビン2及びキャビン2の加熱及び冷却システム、例えばHVACは、車両の一部であり、熱管理システム1に含まれていない。冷却ユニット10は、システムにおいて任意選択のものであり、下で説明される。弁11、12及び13も、システムに関して任意選択のものである。
【0098】
図1では、熱管理システム1を車両内の部分にどのように接続することができるかの例を示している。冷却のための3つの冷却ループ14a~cは、車両のパッシブ冷却システム25を通過している。第1の冷却ループ14aは、電気車両の車両コンポーネント4を冷却するために使用される。熱管理システム1は、熱流体中に余剰熱があるかを判定するために温度センサ8を備える。これは、外部コンポーネントを冷却するために使用された熱流体が、キャビン及びエネルギー貯蔵システムの加熱に寄与するのに十分温かいかを判定することを意味する。そうでない場合、熱流体は、第1の弁7の第2の出口7cを介してパッシブ冷却システム25に戻して循環させることができる。余剰熱がある場合、熱流体を、弁7の第1の出口7bを介してヒータ6に送ることができ、したがって、ヒータは、熱流体を、車両コンポーネントからの熱流体からの熱を用いない場合よりも少なく加熱することができる。この例において、熱管理システム1は、第2の弁11を備え、これは、キャビン、又は熱交換器を介してエネルギー貯蔵システム、又は両方を加熱するために熱流体を使用すべきである場合に制御するために使用することができる。
【0099】
第2の冷却ループ14bは、パッシブ冷却システム25を通過し、冷却ユニット10を介して進み、第2の冷却ループ14b内の第2の熱流体は、キャビン、及び/又は熱交換器5を介してエネルギー貯蔵システムを冷却するために使用される。
【0100】
熱管理システムは、第3の弁12を備えてよい。第3の冷却ループ14cは、エネルギー貯蔵システムを冷却するために使用され、第3の弁12を介して熱交換器5に選択的に接続される。熱交換器において、第3の冷却ループ14cの第3の熱流体に加熱及び冷却の両方を行うことができる。それが冷却されるとき、それは熱交換器を介して第2の熱流体によって冷却され、それが加熱されるとき、それは熱交換器を介してヒータ6からの熱流体によって加熱される。
【0101】
熱管理システムは、ヒータ6に入る熱流体の温度を測定するように配設されたヒータ温度センサ6aを備えてよい。制御ユニット9は、ヒータ温度センサ6aから測定温度を受け取り(S5a)、第1の温度センサ8からの受け取られた測定温度及びヒータ温度センサ6aからの測定温度に基づいて、熱流体中に余剰熱があるかを判定する(S5)ように配設されている。ヒータ温度センサ6aは、熱流体の温度を、それがヒータによって加熱される前に測定するように配設されている。ヒータ温度センサ6aは、図2に示すように、ヒータ温度センサ6aがヒータ6内の熱流体の温度を測定するように、ヒータ6内部に配置することができる。ヒータ温度センサ6aは、別個のコンポーネントとしてヒータ6の外部に配設されてもよい。ヒータ温度センサ6aは、例えば、熱流体がヒータ6に入る前の通路、例えば配管内に配設することができる。ヒータは、ケーシング内に配設されたヒータ素子を含んでよく、ヒータ温度センサ6aは、ヒータ素子と同じケーシング内に配設することができる。
【0102】
代替的な実施形態において、システムは、ヒータを離れる熱流体の温度を測定するように配設された第2のヒータ温度センサを備えてよく、制御ユニットは、第1及び第2のヒータ温度センサからの測定温度に基づいて、熱流体中に余剰熱があるかどうかを判定するように構成されている。第1及び第2のヒータ温度センサは、両方とも、ヒータ素子と同じケーシング内に配設することができる。ヒータの前及び後で温度を測定することが有利であり、なぜなら、それにより、(体積流量がわかっているので)加えられた加熱パワーを逆算することが可能になり、この計算を用いて、ヒータが適切に作動しているかをチェックすることが可能であるからである。
【0103】
出口温度がわかっていることで、それが加熱された後の流体中の温度がわかる。
【0104】
その場合において、熱流体の受け取られた測定温度に基づいて熱流体中に余剰熱があるかを判定するS5ことは、ヒータ温度センサから熱流体の測定温度を受け取りS5a、及び、第1の温度センサ8からの熱流体の測定温度がヒータ6内の熱流体の測定温度よりも温かいかを判定するS5bことを含む。こうして、車両コンポーネントを冷却するために使用された熱流体中に余剰熱があるかを判定する効率的な方法が実現される。第1の温度センサからの熱流体の測定温度がヒータ内の熱流体の測定温度よりも温かい場合、車両コンポーネントの冷却からの熱流体は、キャビン及び/又はエネルギー貯蔵システムの加熱に有用である。換言すれば、車両コンポーネントの冷却からの熱流体がヒータに入る熱流体よりも温かい場合、車両コンポーネントの冷却からの熱流体は、ヒータに入る熱流体を加熱し、したがって、車両コンポーネントの冷却からの熱流体中に余剰熱がある。
【0105】
熱流体の受け取られた測定温度に基づいて、車両コンポーネント4を冷却するために使用された熱流体中に余剰熱があるかを判定するS5ための代替的な方法は、車両コンポーネント4を冷却するために使用された熱流体中の受け取られた測定温度を、第4の温度センサ18において測定された熱流体の温度と比較することであり、これは、図8に関連して下でさらに説明される。
【0106】
熱管理システム1は、キャビン2がユーザ選択温度よりも温かいときにキャビン2を冷却するように、及び、エネルギー貯蔵システム3が所定の最大温度よりも温かいときにエネルギー貯蔵システム3を冷却するために熱交換器5に冷温を提供するように配設された、1つの冷却ユニット10を備えてよい。したがって、キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3の両方を冷却するために同じ冷却ユニット10が使用される。ヒータ及び冷却ユニットの数を最小化することによって、このユニットの重量が最小化される。電気車両の動作中、ヒータ6及び冷却ユニット10に電力供給するのがエネルギー貯蔵システム3であるので、全ての加熱及び冷却のために、1つのヒータ6のみ及び1つの冷却ユニット10のみが使用されることも利点である。1つのヒータ6及び1つの冷却ユニット10のみを有することによって、システムのコストも最小化される。
【0107】
冷却ユニット10は、例えば、圧縮器であり、これは、キャビン内の蒸発器及び上記熱交換器と関連付けて配設された熱膨張弁と共に、2つの冷却機を形成する。そのような場合において、圧縮器10に接続された第2の冷却ループ14bは、熱蒸気の形態で第2の熱流体を輸送するためのものである。冷却ユニット10は、ヒートポンプシステムであってもよい。
【0108】
制御ユニット9は、ヒータ6への電力を、したがって、ヒータ6を通って流れる熱流体がどれだけ加熱されるべきかを制御するように配設されてもよい。この制御は、第1の弁7の制御と同じパラメータ、すなわち、熱流体の温度及びキャビン2及び/又はエネルギー貯蔵システム3の温度に関連付けられたデータに基づいてよい。
【0109】
図3は、追加の弁の追加された制御を伴う例示的な熱管理システム1の概略図を示している。熱管理システム1は、第2の弁11を備えてよく、これは、ヒータ6からの入口11a、キャビン2への第1の出口11b及び熱交換器5への第2の出口11cを有して配設された三方弁とすることができ、制御ユニット9は、第2の弁11を通る熱流体の流量を制御するように配設されている。したがって、制御ユニット9は、第2の弁11を介して、キャビン2及びエネルギー貯蔵システム3への流量を制御する。換言すれば、制御ユニット9は、第2の弁11を、したがって、熱流体がヒータ6から、キャビン2に、エネルギー貯蔵システム3に、又は両方に流れることになるかを制御する。
【0110】
第2の弁11を制御するために、制御ユニット9は、熱流体中に余剰熱があり、キャビン2が加熱されるべきであるときに、熱流体をキャビン2に提供するように、第2の弁11の第1の出口11bの開放及び閉鎖を制御しS7、熱流体中に余剰熱があり、エネルギー貯蔵システム3が加熱されるべきであるときに、熱流体が熱交換器5に提供されるように、第2の弁11の第2の出口11cの開放及び閉鎖を制御するS8ように配設されてよい。
【0111】
例えば、第2の弁11は、第1及び第2の出口11b、11cを同時に完全に開放又は部分的に開放することができ、ヒータ6からの熱流体を、キャビンに及び熱交換器に様々な程度で分配することができるように構成された比例弁である。第2の弁11は、好ましくは、プログラム可能な弁である。好ましくは、第2の弁は、第1及び第2の出口11b、11cの開放及び閉鎖を、互いとは独立して制御することができ、開放度を第1及び第2の出口間で変えることができるように構成されている。これにより、キャビン及び/又は熱交換器に、それらの加熱の実際の必要に応じて、ヒータからの流体を分配することが可能になる。
【0112】
1つの態様において、制御ユニット9は、
- キャビン内の測定温度に関連付けられた受け取られたデータ及びキャビン内のユーザ選択温度に基づいて、キャビン2の加熱の実際の必要を判定し、
- エネルギー貯蔵システム内の測定温度に関連付けられた受け取られたデータ及び最低温度に基づいて、エネルギー貯蔵システムの加熱の実際の必要を判定し、
- キャビン2の加熱の判定された実際の必要に応じて、第2の弁の第1の出口11bの開放度を制御し、及び
- エネルギー貯蔵システムの加熱の判定された実際の必要に応じて、第2の弁の第2の出口11cの開放度を制御する
ように構成されている。
【0113】
キャビン及びエネルギー貯蔵システムを加熱する必要は、様々な方法で算出することができる。バッテリに関して、特定の時間内でバッテリ温度を1℃だけ上昇させるのに必要とされる加熱パワーは、通常、OEM/バッテリ製造業者から知られる。その値は、周囲温度と共に、加熱の必要の算出のために使用することができる。代替的には、現在のバッテリ温度及び所望のバッテリ温度がわかっており、バッテリの所望の温度を達成するためにただ全速(利用可能な限り多くの電力)で加熱する。キャビンに関して、これは、通常、キャビン内部のクライメートECUによって行われる。これから、%加熱値が受け取られる。加熱需要がわかっているので、計算で100%の値を達成するのが容易である。
【0114】
図4は、追加の弁の追加された制御を伴う例示的な熱管理システム1の概略図を示している。熱管理システム1は、エネルギー貯蔵システム3からの入口12a、熱交換器5への第1の出口12b及び車両のパッシブ冷却システム25への第2の出口12cを伴って配設された、三方弁とすることができる第3の弁12を備えてよく、制御ユニット9は、エネルギー貯蔵システム3を加熱又は冷却するために使用された第2の熱流体が、熱交換器5又はパッシブ冷却システム25のいずれかに導かれるように、第3の弁12の第1の出口12b及び第2の出口12cの開放及び閉鎖を制御するS9ように配設されている。エネルギー貯蔵システム3を加熱又は冷却する必要が無い場合において、制御ユニット9は、熱流体が熱交換器5を通過しない、すなわち、第1の出口12bを閉鎖するように、第3の弁12を制御してよい。この弁は、流体が熱交換器5のみを通過するように制御される、すなわち、第1の出口12bを開放し、第2の出口12cを閉鎖することもできる。
【0115】
図5は、追加の温度センサの追加された入力を伴う例示的な熱管理システム1の概略図を示している。熱管理システム1は、第3の弁12に入る熱流体の温度を測定するように配設された第2の温度センサ20を備えてよい。制御ユニット9は、この場合、第2の温度センサ20から熱流体の測定温度を受け取るS9aように、及び、受け取られた温度に基づいて、第3の弁12の第1の出口12b及び第2の出口12cの開放及び閉鎖を制御するS9bように配設されている。
【0116】
上記測定温度を、エネルギー貯蔵システム3内の測定温度に関連付けられたデータと共に用いることで、エネルギー貯蔵システム3が加熱又は冷却を必要としているかがわかる。したがって、制御ユニット9は、受け取られたデータに基づいて第3の弁12を制御してよい。第2の温度センサ20は、熱管理システム1を備える車両の一部であってよいことに留意されたい。
【0117】
図6は、追加の弁の追加された制御を伴う例示的な熱管理システム1の概略図を示している。第1の弁7は、第2の開放可能且つ閉鎖可能な出口7cを有する。熱管理システム1は、第4の弁13を備える。この場合、制御ユニット9は、第4の弁13の開放及び閉鎖を、第1の弁7の第1の出口7bが開放されているときにはそれが開放され、第1の弁7の第1の出口7bが閉鎖されているときには閉鎖されるように制御するS10ように、及び、第2の出口7cの開放及び閉鎖を、第1の弁7の第1の出口7bが閉鎖されているときにはそれが開放され、第1の弁7の第1の出口7bが閉鎖されているときには開放されるように制御するS11ように、配設されている。
【0118】
これにより、熱流体中に余剰熱が無いときに、又は、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3がいかなる熱も必要としない場合に、車両コンポーネント4を冷却するための熱流体のためのループを有することが可能である。図6に見ることができるように、第1の弁7及び第4の弁13が両方とも閉鎖されている場合、車両コンポーネント4がパッシブ冷却システム25を介して冷却されるループが形成される。両方の弁7、13が開放されているとき、車両コンポーネント4の冷却からの熱流体は、キャビン2又はエネルギー貯蔵システム3又は両方を加熱するために使用される。
【0119】
図7は、1又は複数のポンプ15、16、17の追加された制御を伴う例示的な熱管理システム1の概略図を示している。熱管理システム1は、1又は複数のポンプ15、16、17を備えてよく、制御ユニット9は、この場合、受け取られたデータ及び受け取られた測定温度に基づいて1又は複数のポンプ15、16、17の速度を制御するS12ように配設されている。したがって、1又は複数の弁を制御することに加えて、制御ユニット9は、1又は複数のポンプ15、16、17を通る熱流体の流量を制御してもよい。したがって、制御ユニット9は、システムに対してさらなる制御を有することができ、また加熱又は冷却するときのファクタとして流量を使用することができる。第1のポンプ15、第2のポンプ16、及び第3のポンプ17は、互いから独立してシステムに追加されてよい。
【0120】
また、全ての弁及びポンプの制御は、エネルギー貯蔵システム3の選択温度及び所定の最低温度に基づいてよい。
【0121】
図8は、追加された温度センサ18、19、20、21、ポンプ15、16、17、圧力センサ22、23、及び熱膨張弁24の例を伴う例示的な熱管理システム1の概略図を示している。本開示の目的を達成するためには、請求項1に記載された部分のみが必要である。他の部分は、任意であるか、又は、上でも説明したようにシステムの外部に配設される。
【0122】
圧力センサ22、23は、冷却ループ14が冷媒ガスを輸送している場合の温度を示す。圧力センサ22、23は、システム1を備える車両に配設されてよい。制御ユニットは、例えば、熱膨張弁24及び/又は冷却ユニット10を制御するために、圧力センサからの入力を使用することができる。熱流体が冷媒ガスであるとき、それは、例えば、R134a又はR1234YF又は同様のものである。配管の異なる部分は、グリコールクーラント、水又は冷媒ガスなどの、異なるタイプの熱流体を保持してよいことに留意されたい。一般に、冷却のための熱流体を輸送する通路は、冷媒ガスを含み、加熱のための通路は、熱液体を含む。しかしながら、他の解決手段が可能である。
【0123】
熱膨張弁24は、蒸発器内に放出される冷媒の量を制御し、これは、熱交換器の一部であり、蒸発器を離れる蒸気の過熱を調節するように意図されている。熱膨張弁は、熱交換器に統合されてもよいし、又は、熱膨張弁は、システム1を備える車両に配設されてもよい。熱膨張弁は、圧力制御又は電気制御され得る。それは、電気係合(通常は閉鎖されているか又は通常は開放されている)又は単に圧力係合され得る。
【符号の説明】
【0124】
1. 熱管理システム
2. キャビン
3. エネルギー貯蔵システム
4. 車両コンポーネント
5. 熱交換器
6. ヒータ
a.ヒータ温度センサ
7. 第1の弁
a. 入口
b. 第1の出口
c. 第2の出口
8. 第1の温度センサ
9. 制御ユニット
10. 冷却ユニット
11. 第2の弁
a. 入口
b. 第1の出口
c. 第2の出口
12. 第3の弁
a. 入口
b. 第1の出口
c. 第2の出口
13. 第4の弁
a. 入口
b. 出口
14. 熱流体のための冷却ループ
a.第1の冷却ループ
b. 第2の冷却ループ
c. 第3の冷却ループ
15. 第1のポンプ
16. 第2のポンプ
17. 第3のポンプ
18. 第4の温度センサ
19. 第3の温度センサ
20. 第2の温度センサ
21. 第5の温度センサ
22. 第1の圧力センサ
23. 第2の圧力センサ
24. 熱膨張弁
25. 外部パッシブ冷却システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】