(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】分配システム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231019BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20231019BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518085
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2021075899
(87)【国際公開番号】W WO2022063760
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベック、デヴィッド
【テーマコード(参考)】
5H301
5L049
【Fターム(参考)】
5H301AA02
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK10
5L049AA04
(57)【要約】
分配システムを動作させる方法について記載されている。分配システムは、複数のキャリアを備え、キャリアは、1つ以上の物品を運ぶように適合される。分配システムの移送面は、キャリアを支持する。制御装置は、駆動手段を制御する。分配システムの初期化中に、制御装置は、移送面上の安全地点のパターンを事前定義し、安全地点上にキャリアが配置されることができる。分配システムの初期化後に、制御装置は、各部分ルートの終端位置が、安全地点のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点のうちの1つへの自由経路を有するように、キャリアの部分ルートを計算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配システムを動作させる方法であって、前記分配システムが、
1つまたは複数の物品を運ぶように適合された複数のキャリアと、
移送面であって、前記移送面が前記キャリアを支持するように適合され、論理位置が前記移送面上に画定される、移送面と、
前記移送面上で前記キャリアを移動させるように適合された駆動手段と、
前記駆動手段を制御するように適合された制御装置と、を備え、
前記方法が、
前記分配システムの初期化中に、前記制御装置が、前記論理位置から前記移送面上の安全地点のパターンを事前定義するステップであって、前記安全地点が、前記安全地点上にキャリアが配置されることができ且つ再び遠ざけられることができるように、前記論理位置を占有するキャリアの動きの範囲を考慮して選択された論理位置である、事前定義するステップと、
前記分配システムの初期化後に、各部分ルートの終端位置が、前記安全地点のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な前記安全地点のうちの1つへの自由経路を有するように、前記制御装置が前記キャリアの部分ルートを計算するステップと、
を含む、分配システムを動作させる方法。
【請求項2】
ハンドオーバ位置が、前記物品をハンドオーバするために前記移送面上に画定され、前記安全地点が、前記ハンドオーバ位置の間に前記安全地点に沿って自由経路が存在するように事前定義される、請求項1に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項3】
前記制御装置が、前記分配システムの初期化中に、移動方向を前記移送面上の直線として、特に互いに垂直な少なくとも2つの方向に画定し、計算されたルートが、これらの移動方向を使用する、請求項2に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項4】
前記移送面が、互いに接続されたタイル要素からなり、前記分配システムの初期化中に、制御システムが、前記タイル要素の各エッジについてのベクトルを作成することによって境界を識別することによって前記移送面のレイアウトをマッピングし、隣接するタイル要素の隣接するベクトルに基づいて全てのベクトルを相殺し、隣接し且つ同じ方向を有する残りのベクトルを組み合わせる、請求項1から3のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項5】
前記分配システムのマッピング中に、隣接する残りのベクトルの方向の変化を識別し、それらのベクトル積を計算し、前記ベクトルの初期方向に応じて内側コーナーまたは外側コーナーを負または正のベクトル積にそれぞれマッピングすることによって、内側コーナーが識別される、請求項4に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項6】
初期化中に、隣接する内側コーナーが決定される、請求項5に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項7】
前記キャリアのルートが、前記キャリアが前記内側コーナーを通過する間に前記内側コーナーまでの距離を維持するように計算される、請求項6に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項8】
隣接する内側コーナー間のマンハッタン距離が決定される、請求項7に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項9】
少なくとも2つ、特に全ての隣接する内側コーナーの間の経路およびマンハッタン距離を示すノードネットワークが生成される、請求項8に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項10】
キャリアの前記部分ルートが、
1.直線を辿り、可能でなければL字型の経路を辿り、可能でなければ、
3.A*アルゴリズムを使用して次の中間目的位置を決定し、可能でなければ、
4.キャリアが現在位置にn秒未満留まっている場合には、近傍の変化を待機し、
4.1.変化が発生した場合には、1..で再開し、
5.キャリアがn秒よりも長く待機した場合には、
5.1.次の安全地点を探索し、この安全地点に到達するためにA*アルゴリズムを使用し、可能でなければ、
5.2.近傍の変化を待機し、変化が発生した場合には、1..で再開し、
nが1から10の数、特に3である、ことを利用して、次の中間目的位置までのその現在位置とその目的位置との間のマンハッタン距離によって決定される、請求項9に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項11】
決定されたルートが、前記キャリアがその中間または最終目的地に到達するまで前記キャリアのために予約される、請求項10に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項12】
各キャリアについて、前記次の中間目的位置が、最終目的位置に到達するまで次々に決定される、請求項11に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項13】
位置決定システムが、前記移送面上の前記キャリアの位置を決定し、コントローラに位置更新メッセージを送信し、前記コントローラが、前記キャリアがその現在の動きで既に通過した予約済み論理フィールドの解放をトリガする、請求項1から12のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項14】
キャリアが、m個の論理位置よりも長く移動することはなく、mが3から50の間、特に10から30の間の整数であり、より具体的には24である、請求項1から13のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明の実施形態は、移送面上を移動するキャリアのためのルートを計算するための分配システムについての方法、分配システム、特にルーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
国際公開第2012158520号パンフレットは、駆動力を提供するためのエネルギー受容器および/またはエネルギー蓄積器を備えた実験室移送システム用の実験室製品移送要素を開示している。実験室製品移送要素は、制御信号を受信するための少なくとも1つの信号受信機と、少なくとも1つの信号受信機から得られた少なくとも1つの制御信号の関数として駆動信号を生成するための制御ユニットと、制御ユニットの駆動信号の関数としての移送経路上で実験室製品移送要素を独立して移動させるための移動装置とを備え、駆動装置は、駆動電力によって駆動され、少なくとも1つのホルダが移送される実験室製品を保持する。さらにまた、移送経路構成について記載されている。
【0003】
国際公開第2013064656号パンフレットは、複数の容器キャリアであって、それぞれが少なくとも1つの磁気活性装置、好ましくは少なくとも1つの永久磁石を備え、試料を含む試料容器を運ぶように適合された複数の容器キャリアを備える実験室試料分配システムを記載している。移送装置は、前記複数の容器キャリアを運ぶように適合された移送面と、前記移送面の下方に固定配置された複数の電磁アクチュエータとを備える。前記電磁アクチュエータは、前記容器キャリアに磁力を加えることによって、前記移送面の上に配置された容器キャリアを移動させるように適合されている。制御装置は、前記電磁アクチュエータを駆動することによって前記移送面の上方での前記容器キャリアの動きを制御するように適合されており、前記制御装置は、3つ以上の容器キャリアが同時に且つ互いに独立して移動可能であるように動きを制御するように適合されている。
【0004】
欧州特許第3385893号明細書は、移送装置の移動および/または様々なワークステーションにおいて実行される動作を制御するためのシステム、方法、および機械実行可能な符号化命令セットを開示している。特に、本開示は、物品の完全におよび/または部分的に自動化された取り扱いのために構成された移送装置の移動を制御し、および/または様々なワークステーションにおいて行われる動作を制御するための方法、システムおよびコンピュータ可読媒体を提供する。
【0005】
「Ma Tao、A.Elssamadisy、N.FlannおよびB.Abbott、「Optimal route re-planning for mobile robots:a massively parallel incremental A* algorithm」、Proceedings of International Conference on Robotics and Automation,Albuquerque,NM,USA,1997,pp.2727-2732 vol.3,doi:10.1109/ROBOT.1997.619372.」は、移動ロボット車両のためのルートを事前計算および維持するためのインクリメンタルA*アルゴリズムの主な利点を開示しており、これは、この手法の完全性および最適性である。しかしながら、複雑さは、モデル化された領域によって制限されるため、広い世界がモデル化されたり、細かい分解能が要求されたりすると、計算負荷が不合理になる。この課題は、各車両から各目標までのルートが維持されなければならないため、複数の車両および複数の目標が関与する場合に悪化する。VLSIに実装するのに適した大規模並列インクリメンタルA*アルゴリズムが開示される。並列アルゴリズムの反復回数は、最適な経路長によって制限され、広い世界に対して大幅な高速化を提供する。実現可能なVLSI設計と組み合わされた経験的研究により、1000×1000の世界での経路計算は、悪い場合に約110mSで行うことができると推定する。
【0006】
欧州特許出願公開第3 537 159号明細書は、実験室試料分配システムを動作させる方法であって、実験室試料分配システムが、-複数の試料容器キャリアであって、実験室試料容器を運ぶように適合されている、複数の試料容器キャリアと、-移送面であって、移送面が試料容器キャリアを支持するように適合されている、移送面と、-複数の駆動要素であって、駆動要素が移送面上で試料容器キャリアを移動させるように適合されている、複数の駆動要素と、を備え、方法が、-a)移送面上の開始から目標まで試料容器キャリアのうちの1つについての移動経路を計画することであって、移送面が複数のノードによって論理的にモデル化されており、ノードが少なくとも1つの時間窓について空いているか、または少なくとも1つの時間窓について予約されており、計画することが、1つの試料容器キャリアの計画された移動が、1つのノードから次のノードを越えて少なくとも1つの次のノードまで停止しないように、ノードのうちの1つの空き時間窓からの到達可能性を分析して、少なくとも1つの次のノードおよび少なくとも1つの少なくとも次のノードの時間窓を解放することと、一連のノードの時間窓を含む計画された移動経路を予約することと、を含む、計画することと、-b)1つの試料容器キャリアが予約された移動経路に沿って移送面上を移動するように、駆動要素のうちの少なくとも1つを制御することによって実行することと、を含む、方法を記載している。
【0007】
米国特許出願公開第2019/152057号明細書は、使用時にグリッドフォーメーションで配置された複数のセルを横断するように構成されたロボット負荷ハンドラを含むロボット負荷ハンドラ調整システムを記載している。負荷ハンドラは、開始セルから目的セルまでの選択された決定されたルートの実行に関連する命令を受信するように構成されている。処理リソースは、移動最適化器をサポートするように構成され、移動最適化器は、複数のセルのうちの複数から目的セルまでのルートのセットの数をそれぞれ決定するために、A*経路探索アルゴリズムを使用して反復的に複数のルートを決定するように構成されている。複数のセルの数は開始セルを含み、移動最適化器は、開始セルに関してルートのセットから目的地セルへの最適なルートを選択するように構成されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、分配システムを動作させる信頼性の高い方法を実現することである。これは、請求項1に記載の方法によって実現される。
【0009】
本発明の第1の態様は、分配システムを動作させる方法であって、分配システムが、いくつかのキャリアを備え、キャリアが、1つ以上の物品を運ぶように適合されている、方法に関する。移送面は、キャリアを支持するように適合されている。
【0010】
駆動手段は、移送面上でキャリアを移動させるように適合され、制御装置が駆動手段を制御する。
【0011】
本方法は、
分配システムの初期化中に、制御装置が、移送面上の安全地点のパターンを事前定義し、安全地点上にキャリアが配置されるステップと、
分配システムの初期化後に、各部分ルートの終端位置が、安全地点のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点のうちの1つへの自由経路を有するように、制御装置がキャリアの部分ルートを計算するステップと、を含む。
【0012】
これは、移送面上のキャリアのブロックを意味するデッドロックの発生を回避または最小化する。安全地点は、キャリアが配置され、再び離れることができる移送面上の位置である。したがって、安全地点は、安全地点ではない移送面上の少なくとも1つの隣接位置を有するため、この安全地点の近傍の全ての安全地点が他のキャリアによって占有されている場合であっても、安全地点上のキャリアは、安全地点から取り外されることができる。
【0013】
安全地点へのこの配置または安全地点の到達可能性は、移送面上のキャリアの渋滞の場合に、キャリアが安全地点に配置され、依然として自由な経路を可能にすることを保証する。
【0014】
一般に、移送面上のキャリアの出発位置から最終目的位置までのルートは、中間目的地までの1つ以上の部分ルートに分割される。
【0015】
移送面は、複数の論理位置を含む。「論理位置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、キャリアを支持するように適合されている移送面の任意の位置を指すことができる。移送面の提示は、複数の論理位置または複数の論理位置およびそれらの間の許容される接続を有するグラフとすることができる。移送面は、論理位置のグラフまたは論理位置およびそれらの間の許容される接続のグラフに数学的にマッピングされてもよい。論理位置上のキャリアのルーティング、例えばルートの発見は、グラフを使用して実行されてもよい。これらの論理位置から安全地点が画定されてもよい。論理位置は、ハードウェア要件および/またはソフトウェアによって移送面上で画定されてもよい。論理位置のそれぞれは、ただ1つのキャリアによって占有されるように構成されてもよい。したがって、2つのキャリアが1つの論理位置を共有することはできない。分配システムは、それぞれの計算された部分ルートを介して移送面の上で複数のキャリアを移動させるように構成されてもよく、それぞれのルートは、第1の論理位置から第2の論理位置、すなわちそれぞれの部分ルートの終了位置につながってもよい。しかしながら、論理位置のそれぞれへの各キャリアの部分ルートについて無制限のアクセスの場合、移送面上の複数のキャリアが渋滞を引き起こす場合がある。最悪の場合、キャリアは、ルートが満たされることができないように、互いの動きと干渉するか、または互いの動きをブロックする場合がある。したがって、本発明は、キャリアの部分ルートの終了位置についての境界条件および/または制約、特に、各部分ルートの終了位置が安全地点のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点のうちの1つへの自由経路を有することを提案する。したがって、安全地点として事前定義されていない他の論理位置は、部分ルートの終了位置としてまったく考慮されなくてもよく、または部分ルートを計算するために制御装置によって次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点のうちの1つへの自由経路をキャリアが有する場合にのみ考慮されてもよい。部分ルートを計算するためのこの境界条件および/または制約は、移送面上のキャリアの渋滞の場合、キャリアが安全地点に配置されることを保証することができ、計算されたそれぞれの部分ルートを満たすためのキャリアの移動を依然として可能にする。したがって、渋滞の場合、渋滞は、各安全地点からの自由経路を残す。渋滞は、依然として存在するが、これらの渋滞は、各安全地点からの自由経路を残す。「渋滞」内の占有された安全地点は、移送面上の安全地点のパターンを提示する。トラフィックが減少すると、キャリアが互いにブロックすることなく、渋滞が解消されることができる。ブロッキングは、エンドレスコンピューティングループをもたらす。本発明によれば、渋滞の場合には、安全地点のみが許容される。したがって、前方に全ての安全地点が占有されている場合、安全地点に到達することができないか、または次の移動において到達することができないため、キャリアは移動することができない。
【0016】
上記で概説したように、分配システムの初期化中に、論理位置は、制御装置によって安全地点のパターンおよび他の論理位置に事前定義されてもよい。他の論理位置は、安全地点の周りの通路および/または空きスペースとして画定されてもよい。制御装置は、論理位置の全体から安全地点のパターンを選択するように構成されてもよい。「安全地点」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、前記論理位置を占有するキャリアの動きの範囲を考慮して選択された論理位置を指すことができる。動きの範囲は、キャリアが安全地点に配置されることができ、特に次の部分ルートにおいて再び遠ざけることができることとすることができる。安全地点および安全地点への経路は、キャリアのために予約されることができるが、他のキャリアは、前記安全地点を走行することができる。しかしながら、これらのキャリアは、前記安全地点において停止することができない場合がある。安全地点のパターンは、パターンの全ての安全地点が安全地点からのキャリアの移動によって占有されている場合であっても可能であるように選択されることができる。安全地点のパターンは、安全地点のそれぞれが安全地点ではない移送面上の少なくとも1つの隣接位置を有するように選択されることができる。例えば、安全地点のパターンは、安全地点のそれぞれが安全地点ではない移送面上の少なくとも2つの隣接位置を有するように選択されてもよい。例えば、安全地点のパターンは、安全地点が移送面上の隣接する論理位置ではないように選択されてもよい。例えば、安全地点のパターンは、安全地点ではない少なくとも1つの論理位置によって安全地点が分離されるように選択されてもよい。したがって、安全地点近傍の全ての安全地点が他のキャリアで占有されていた場合であっても、安全地点上のキャリアは、安全地点から取り外されることができる。制御装置は、全てのキャリアが安全地点にのみ停止することができ、通路および/または空きスペースには停止することができない、または次の部分ルート内の安全地点への少なくとも自由経路を有するという境界条件を有する部分ルートを計算するように構成されることができる。制御装置は、キャリアが移動を開始することができる前に、全てのキャリアが全ての移動について安全地点にあるという境界条件を有する部分ルートを計算するように構成されることができる。制御装置は、安全地点が全ての部分経路に対して画定され、到達可能でなければならないという境界条件を有する部分ルートを計算するように構成されてもよく、その結果、高トラフィックの状況では、安全地点のみが占有されることができる。
【0017】
様々なパターンの安全地点が可能であり得る。例えば、安全地点のパターンは、例えば特定の進行方向に対して方向に依存することができる。方向依存安全地点を有することの利点は、2つの隣接する安全位置に配置された2つのキャリアが反対方向を有しないこととすることができる。双方のキャリアのうちの一方は、移動を継続するために他方の周りを移動しなければならない。パターンは、安全地点の複数のクラスタを含むことができる。好ましい移動方向にしたがう移動経路は、安全地点の各クラスタの周りに配置されてもよい。移送面は、複数の移送モジュールを備えてもよい。一定数の安全地点が各移送モジュールに使用されることができる。次の内側コーナーに向かうキャリアの移動方向は、移送モジュールにおいてどの安全地点が使用されることができるかを決定することができる。
【0018】
本方法のさらなる実施形態では、制御装置は、移送面上のトラフィックが所定の密度を超える場合、例えば移送面の50%がキャリアによって覆われている場合、または渋滞の場合、すなわち、経路指定された経路上に自由な安全地点がない場合、キャリアが安全地点において停止するように部分ルートを計算する。
【0019】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、分配システムの初期化において、物品をハンドオーバするためにハンドオーバ位置が移送面上に画定され、安全地点は、ハンドオーバ位置の間に安全地点に沿って自由経路が存在するように事前定義されることである。
【0020】
分配システムを動作させる方法の別の態様は、制御装置が、分配システムの初期化中に、特に互いに垂直な少なくとも2つの方向における移送面上の直線として移動方向を画定し、計算されたルートがこれらの移動方向を使用することである。
【0021】
これは、ルートの計算の自由度を低減し、したがって計算が速くなる。特に、キャリアは、直線上でのみ移動し、特にキャリアが90度の角度分解能でのみ方向を変える場合には停止する。
【0022】
開示された分配を動作させる方法のさらなる態様は、論理位置が移送面上に画定され、安全地点が論理位置であることである。
【0023】
論理位置は、ハードウェア要件またはソフトウェアのみによって移送面上で画定される。前者は、例えば、活性磁気装置を用いてキャリアを押したり引いたりするために移送面の下方に電磁コイルを有する移送システムの場合である。そのため、キャリアが明確に画定されることができる位置は、電磁コイルの上方に配置される。後者は、例えば作業場エリアの床など、任意の移送面上の自動駆動キャリアの場合である。この場合、論理位置は、移送面上の特定の位置においてソフトウェアによって画定されることができる。
【0024】
さらなる実施形態では、各論理位置について、制御装置は、分配システムの初期化中に、各論理位置から次の安全地点、特にルックアップテーブルに記憶されるn個の論理位置を移動する間に到達可能な安全地点までの部分ルートを計算する。Nは、3から60の範囲、特に12から30の範囲、さらに特に24の整数である。
【0025】
分配システムを動作させる方法の別の態様は、移送面が、互いに接続されたタイル要素からなり、分配システムの初期化中に、制御システムが、タイル要素の各エッジについてのベクトルを作成することによって境界を識別することによって移送面のレイアウトをマッピングし、隣接するタイル要素の隣接するベクトルに基づいて全てのベクトルを相殺し、隣接し且つ同じ方向を有する残りのベクトルを組み合わせることである。したがって、移送面の容易で信頼性の高い境界マッピングが可能であり、タイルの幾何学的形状が変化した場合に容易に繰り返されることができる。
【0026】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、分配システムのマッピング中に、隣接する残りのベクトルの方向の変化を識別し、それらのベクトル積を計算し、ベクトルの初期方向に応じて内側コーナーまたは外側コーナーを負または正のベクトル積にそれぞれマッピングすることによって、内側コーナーが識別されることである。これは、内側コーナーの確実な検出を可能にする。
【0027】
移送面の平面では、論理位置は、隣接する論理位置の数によって特徴付けられることができる。内側論理位置は、4つの方向の移動を可能にする4つの近傍のおよび/または隣接する論理位置を有することができる。「コーナー」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つの移動方向において近傍のおよび/または隣接する論理位置を有することができない論理位置を指すことができる。「内側コーナー」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、1つの移動方向において近傍のおよび/または隣接する論理位置を有することができない論理位置を指すことができる。内側コーナーは、3つの近傍のおよび/または隣接する論理位置を有することができる。「外側コーナー」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、2つの移動方向において近傍のおよび/または隣接する論理位置を有することができない論理位置を指すことができる。外側コーナーは、2つの近傍のおよび/または隣接する論理位置を有することができる。
【0028】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、隣接する内側コーナーが初期化中に決定されることである。
【0029】
コーナーによって広がる長方形が移送面上に全体的に配置されている場合、または換言すれば、長方形が移送面からの部分を含まない場合、2つの内側コーナーは隣接する。
【0030】
分配システムを動作させる方法の別の態様は、キャリアが内側コーナーを通過する間に内側コーナーまでの距離を維持するようにルートが計算されることである。これは、キャリアがコーナーの周りの最短経路上を移動しないことを意味するが、これは、分配方法の全体的なスループットを向上させ、キャリア間の競合、したがってキャリアが互いにブロックする可能性のあるデッドロックを回避する。コーナーでは、キャリアが少なくとも1つの方向の移動の範囲を制限しているため、内側または外側コーナーなどのコーナーは、キャリアの移動の潜在的なボトルネックとなり得る。したがって、内側および外側コーナーの検出は、渋滞を防止するために有利であり得る。本発明は、コーナーを識別し、部分ルートを計算するためにコーナーを考慮することを提案する。例えば、キャリアが内側コーナーを通過しながら内側コーナーまでの距離を維持するように、キャリアのルートが計算されることができる。制御装置は、キャリアが可能な限り内側コーナーの近くに移動しないことを考慮して部分ルートを計算するように構成されることができる。制御装置は、方向変更前のウェイポイントが、開始位置と、内側コーナーに最も近い、システム境界としても示される移送面の外側境界との間の距離を考慮に入れることを考慮して、部分ルートを計算するように構成されることができる。内側コーナーは、移送面の2つの外側境界によって形成されてもよい。開始位置において、キャリアは、外側境界の1つに面することができ、前記外側境界までの第1の距離を有する。制御装置は、前記キャリアの移動中に第1の距離が保存されることを考慮して、内側コーナーの周りの前記キャリアの部分ルートを計算するように構成されることができる。制御装置は、内側コーナーを形成する外側境界からの第1の距離に対応する距離を有する論理位置のみを考慮して、前記内側コーナーの周りの前記キャリアの部分ルートを計算するように構成されることができる。複数のキャリアの場合、これは、移動方向を変更して内側コーナーにおける渋滞を回避する前に、複数のキャリアが内側コーナーの周りに均等に間隔を置いて配置されることを保証することができる。
【0031】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、初期化中に、隣接する内側コーナー間のマンハッタン距離が決定されることである。マンハッタン距離は、直角の軸に沿って測定された2点間の距離である。例えば、点Aが(x1,y1)にあり、点Bが(x2,y2)にある平面では、マンハッタン距離は、|x1-x2|+|y1-y2|とすることができる。
【0032】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、初期化中に、少なくとも2つ、特に全ての隣接する内側コーナーの間の経路およびマンハッタン距離を示すノードネットワークが生成されることである。
【0033】
本方法のさらなる実施形態では、初期化中に、2つの内側コーナーを入力パラメータとして取り、入力された内側コーナー間の経路を中間内側コーナーのリストとして出力し、さらに経路に沿ったマンハッタン距離を出力するルックアップテーブルが作成される。
【0034】
これは、高速で信頼性の高いルート計算を可能にする。2つのルートが同じ距離を有する場合、中間ノードが少ない方が好ましい。
【0035】
分配システムを動作させる方法の別の態様は、キャリアの部分ルートが、
1.直線を辿り、可能でなければL字型の経路を辿り、可能でなければ、
3.A*アルゴリズムを使用して前記次の中間目的位置を決定し、可能でなければ、
4.キャリアが現在位置にn秒未満留まっている場合には、近傍の変化を待機し、
a.変化が発生した場合には、1..で再開し、
b.キャリアがn秒よりも長く待機した場合には、
c.次の安全地点を探索し、この安全地点に到達するためにA*アルゴリズムを使用し、可能でなければ、
d.近傍の変化を待機し、変化が発生した場合には、1..で再開し、
nが1から10の数、特に3である、ことを利用して、次の中間目的位置までのその現在位置とその目的位置との間のマンハッタン距離によって決定される。
【0036】
これは、キャリアの信頼性が高く容易なルーティングを可能にする。
【0037】
目的位置は、キャリアがそのタスクを実行するために最終的に移動しなければならない位置とすることができる。中間位置は、目的位置までのキャリアの途中の位置であってもよい。中間位置については、それが安全地点のうちのいずれか1つであるか、または中間位置からキャリアが次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点のうちの1つへの自由経路を有するという制限が満たされなければならない。中間位置は、部分移動の終点であってもよい。
【0038】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、決定された部分ルートが、キャリアがその中間または最終目的地に到達するまでキャリアのために予約されることである。これは、他のキャリアが予約ルートを使用することができないこと、またはそれぞれのキャリアが移動している間を意味する。
【0039】
これは、本方法が1つのキャリアのルートを計算するために他のキャリアのルートおよび位置を考慮に入れることを可能にする。
【0040】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、各キャリアについて、次の中間目的位置が最終目的位置に到達するまで次々に決定されることである。これは、キャリアの全ルートがより小さい部分ルートに分割されることを意味する。
【0041】
これは、他のキャリアをより良好に考慮し、それらの最終目的地に向かう全てのキャリアの流れを増加させることを可能にする。
【0042】
分配システムを動作させる方法のさらなる態様は、位置決定システムが、移送面上のキャリアの位置を決定し、コントローラに位置更新メッセージを送信し、コントローラが、キャリアがその現在の動きで既に通過した予約済み論理フィールドの解放をトリガすることである。
【0043】
これは、ルートまたは部分ルート上の予約された論理位置のより高速な解放、したがって本方法の全体的なスループットを増加させる全てのキャリアのより効率的なルーティングを可能にする。
【0044】
分配システムを動作させる方法の別の態様は、キャリアが、m個の論理位置よりも長く移動することはなく、mが3から50の間、特に10から30の間の整数であり、より具体的には24であることである。
【0045】
これは、本方法の全体的なスループットを高めることを可能にする。
【0046】
しかしながら、本明細書に開示される特徴の組み合わせに関連する他の実施形態が実施可能である。
【0047】
要約すると、さらに可能な実施形態を除外することなく、以下の実施形態が想定されることができる:
【0048】
実施形態1.分配システムを動作させる方法であって、分配システムが、
1つまたは複数の物品を運ぶように適合された複数のキャリアと、
キャリアを支持するように適合された移送面と、
移送面上でキャリアを移動させるように適合された駆動手段と、
駆動手段を制御するように適合された制御装置と、を備え、
方法が、
分配システムの初期化中に、制御装置が、移送面上の安全地点のパターンを事前定義し、安全地点上にキャリアが配置されるステップと、
分配システムの初期化後に、各部分ルートの終端位置が、安全地点のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点のうちの1つへの自由経路を有するように、制御装置がキャリアの部分ルートを計算するステップと、を含む、分配システムを動作させる方法。
【0049】
実施形態2.ハンドオーバ位置が、物品をハンドオーバするために移送面上に画定され、安全地点が、ハンドオーバ位置の間に安全地点に沿って自由経路が存在するように事前定義される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0050】
実施形態3.制御装置が、分配システムの初期化中に、移動方向を移送面上の直線として、特に互いに垂直な少なくとも2つの方向に画定し、計算されたルートが、これらの移動方向を使用する、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0051】
実施形態4.論理位置が移送面上に定義され、安全地点が論理位置である、前の実施形態のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【0052】
実施形態5.移送面が、互いに接続されたタイル要素からなり、分配システムの初期化中に、制御システムが、タイル要素の各エッジについてのベクトルを作成することによって境界を識別することによって移送面のレイアウトをマッピングし、隣接するタイル要素の隣接するベクトルに基づいて全てのベクトルを相殺し、隣接し且つ同じ方向を有する残りのベクトルを組み合わせる、前の実施形態のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【0053】
実施形態6.分配システムのマッピング中に、隣接する残りのベクトルの方向の変化を識別し、それらのベクトル積を計算し、ベクトルの初期方向に応じて内側コーナーまたは外側コーナーを負または正のベクトル積にそれぞれマッピングすることによって、内側コーナーが識別される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0054】
実施形態7.初期化中に、隣接する内側コーナーが決定される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0055】
実施形態8.キャリアのルートが、キャリアが内側コーナーを通過する間に内側コーナーまでの距離を維持するように計算される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0056】
実施形態9.隣接する内側コーナー間のマンハッタン距離が決定される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0057】
実施形態10.少なくとも2つ、特に全ての隣接する内側コーナーの間の経路およびマンハッタン距離を示すノードネットワークが生成される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0058】
実施形態11.キャリアの部分ルートが、
1.直線を辿り、可能でなければL字型の経路を辿り、可能でなければ、
3.A*アルゴリズムを使用して次の中間目的位置を決定し、可能でなければ、
4.キャリアが現在位置にn秒未満留まっている場合には、近傍の変化を待機し、
4.1.変化が発生した場合には、1..で再開し、
5.キャリアがn秒よりも長く待機した場合には、
5.1.次の安全地点を探索し、この安全地点に到達するためにA*アルゴリズムを使用し、可能でなければ、
5.2.近傍の変化を待機し、変化が発生した場合には、1..で再開し、
nが1から10の数、特に3である、ことを利用して、次の中間目的位置までのその現在位置とその目的位置との間のマンハッタン距離によって決定される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0059】
実施形態12.決定されたルートが、キャリアがその中間または最終目的地に到達するまでキャリアのために予約される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0060】
実施形態13.各キャリアについて、次の中間目的位置が、最終目的位置に到達するまで次々に決定される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0061】
実施形態14.位置決定システムが、移送面上のキャリアの位置を決定し、コントローラに位置更新メッセージを送信し、コントローラが、キャリアがその現在の動きで既に通過した予約済み論理フィールドの解放をトリガする、前の実施形態のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【0062】
実施形態15.キャリアが、m個の論理位置よりも長く移動することはなく、mが3から50の間、特に10から30の間の整数であり、より具体的には24である、前の実施形態のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【図面の簡単な説明】
【0063】
本発明のさらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、好ましい実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。ここで、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方法で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されることができる。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって限定されない。実施形態は、図に概略的に示されている。ここで、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
【0064】
図では以下のとおりである:
【0065】
【
図2】移送面の可能なレイアウトおよびその境界の決定の概略図を示している。
【
図3】内側コーナーを有する移送面の一部を示している。
【
図4】
図3に示す内側コーナーの経路図を示している。
【
図5】キャリアが内側コーナーの周りをどのように移動するかを概略的に示している。
【
図6】
図2に示す移送面のレイアウトの画定された移動方向を部分的に示している。
【
図7】移送面のタイル上の安全地点の3つの可能なパターンを示している。
【
図8】キャリアのルートを決定するためのフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0066】
発明の詳細な説明
図1は、特に患者の試験結果を得るための分配システム10、例えば診断実験室の移送システムの概略斜視図を示している。
【0067】
分配システム10は、一般に以下の2つの部品を備える:
【0068】
第1に、ルータソフトウェアによって計算された、所与の計画にしたがってキャリア14の移動を実行する移送システム11。移送システムは、キャリア14の全てのまたは事前定義された位置変化および潜在的な誤差をソフトウェアシステムに通信する。
【0069】
第2に、キャリアの位置および誤差に関するステータス更新を受信し、このステータス更新およびキャリア14を目的地に移送するための新たな要求に基づいて、次の移動のための新たな計画を計算するソフトウェアシステムこれらの計画は、移送システムに送られて実行される。
【0070】
分配システム10は、分配システム10のステーション18、例えば分析装置、前分析ステーションまたは後分析ステーションの間で、物体16、例えば生物学的試料流体および/または消耗品を含むチューブを移送する必要がある。さらに、組織、試薬、廃棄物または使い捨て物などの他の種がステーション18間で移送されることができる。ステーション18はまた、診断実験室のモジュール、例えば、アリコート生成ステーション、遠心分離機、または単一の分析を実行する分析モジュールであってもよい。他の実施形態では、分配システム10は、物体16としての物品を棚および梱包ステーションなどのステーション18間で分配する倉庫の分配システム、あるいは物体16が例えば機械工場において作業ステーション間で移送される必要がある未加工品または半完成品である製造現場であってもよい。さらにまた、必要に応じて、ステーション18内でキャリアを移送するために、ステーション18内で移送面が使用されることもできる。
【0071】
分配システム10は、移送面12と、移送面10上を移動されるかまたはそれ自体移動させ、さらにはホバリングするキャリア14とを備える。キャリア14を移動させるために、分配システム10は、駆動システムを備える。駆動システムは、移送面の下方の電磁コイルおよびキャリア14内の永久磁石によって実現されることができる。次いで、コイルによって生成された磁場は、キャリア14内の永久磁石を押すこと、および/または引っ張ることができ、したがってキャリア14は、移送面12上を摺動またはホバリングする。キャリア14を移送面12上に位置特定するために、光学センサ、磁気センサ、または誘導センサなどのセンサが移送面12に埋め込まれることができる。他の選択肢は、キャリア14を位置特定するための画像分析ソフトウェアを有するカメラシステムであってもよい。
【0072】
センサと、モータと、バッテリ、特に充電式バッテリなどのエネルギー貯蔵部とを備える自走式キャリア14など、他の実施形態における他の駆動システムも可能である。したがって、これらの自走式キャリア14は、移送面12上を自律的に走行することも可能である。この場合、制御装置は、キャリアの一部とすることもでき、またはキャリア14に分散されることもできる。あるいは、格子状に配置された複数のセルを横断することができるロボット式負荷ハンドラが可能である。
【0073】
キャリア14の移動を制御するために、制御システム20は、分配システムの一部である。制御システム20は、例えば、コイルの駆動電流を制御するか、またはキャリア14の位置情報を収集することができる。したがって、制御システム20は、移送システム11、特に駆動システムおよびカメラ21に接続される。
【0074】
図1に示す破線は、論理位置を定義する、それらの交点間のグラフまたは可能な移動経路を表す。この実施形態では、グラフは、長方形のメッシュを形成する。しかしながら、他のモデルもまた、例えば湾曲した移動経路によって可能である。いくつかの駆動システムでは、論理位置は、移送面12上の技術的に可能な開始-停止位置によって与えられる。これは、例えば、移送面12の下方にコイルを有する駆動システムの場合である。他方では、自走式キャリアの場合には、キャリアが移送面12上のあらゆる位置において出発および停止可能であるため、純粋にソフトウェアによって定義される論理位置が可能である。少なくとも論理位置は、2つのキャリア14が互いに隣接して配置されることができるように移送面12上で離れている必要がある。キャリア14は、移送面上の論理位置に沿って移動する。
【0075】
キャリア14は、移送面21上のステーション18間で物体16を移送する。物体は、ステーション18に渡されるか、またはキャリアがステーション18内の同様の移送システムを用いてステーション18内に移動する。移送システム上のステーション18の前の位置は、キャリア14上の物体16をそれぞれのステーション18に移動させなければならない場合、キャリアの最終目的地として定義されることができる。
【0076】
例えば、1つの最終目的位置にある診断実験室としての一実施形態では、生物学的流体を含むチューブは、前分析システムを形成するキャリアに入れられる。さらなる最終目的位置は、分析器などのステーション18に位置することができ、このステーションにおいて、チューブが把持されて分析器に配置され、あるいは流体の一部が最終目的位置においてピペット操作されることができる。
【0077】
ステーション18自体に同一または同様の移送システムを有するステーション18の場合、最終目的位置は、キャリア14がステーション内に移動することができる移送面12上の論理位置であってもよい。
【0078】
移送面12は、移送モジュール24のようなタイルから実現されることができる。
【0079】
ルーティングソフトウェアモジュールは、制御システム20内で実現され、あるいは制御システム20に接続された任意の他の図示されていないコンピューティング装置内で実現されることができる。ルーティングソフトウェアモジュールは、それらの最終目的地またはそれらが行く必要があるステーション18に向かう論理位置に沿ったキャリア14の部分ルートを計算することによって、分配システム10の分配方法を実装する。
【0080】
図1に示す実施形態では、ルーティングソフトウェアモジュールまたは制御装置は、初期化中に安全地点701のパターンを定義する。分配システム10の初期化後、制御装置20は、各部分ルートの終了位置が安全地点701のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な安全地点701のうちの1つへの自由経路を有するように、キャリア14の部分ルートを計算する。終端位置および安全地点は、移送面12上の論理位置である。
【0081】
図2は、レイアウト境界および内側コーナーを識別するための初期化中のレイアウトマッピングの特定の実施形態の例を示している。
【0082】
移送モジュール24から構築された移送面12のレイアウトは、上位階層のソフトウェア層から「config」ファイルによってソフトウェアモジュールに与えられることができる。初期化フェーズでは、ソフトウェアモジュールは、各移送モジュール24の境界の周りの反時計回りの循環において各移送モジュール24に対して4つのベクトル201を作成する。次のステップでは、各ベクトルは、この境界の隣の移送モジュール24の隣接する境界のベクトルに追加される。これは、移送面12の境界全体を有するベクトル以外のそれらの近傍に基づいて全てのベクトルを相殺する。同じ方向を相殺せず、それにしたがう全てのベクトルは、境界ベクトル202を構築するために組み合わされる。
【0083】
方向変更がある場所において、レイアウトのコーナーが識別される。コーナーは、内側および外側コーナーにグループ化されている。隣接する境界ベクトル間のベクトル積は、ソフトウェアモジュールによって計算される。例えば、ベクトル201の選択された反時計回りの回転では、内側コーナー203における境界ベクトル202のベクトル積は負であり、外側コーナー204では正である。
【0084】
欠陥を示すハードウェア信号の変化に起因して発生する移送面12のレイアウトの変化は、新たなレイアウト初期化をもたらし、ソフトウェアモジュールは、レイアウト変化の影響を受けるルートを再計算する。
【0085】
図3は、内側コーナーA、B、C、D、およびEを有する移送面12を有する別の実施形態の一部を示している。上記で説明したように識別された内側コーナーA、B、C、D、Eの後に、隣接する内側コーナーが定義される。2つの内側コーナーは、それらの間に広がる長方形が移送面12上に完全に存在する場合に隣接する。例えば、内側コーナーAと内側コーナーCとの間に広がる長方形301は、内側コーナーBと内側コーナーDとの間の開放空間内にあり、したがって内側コーナーAと内側コーナーCは、隣接する内側コーナーではない。
【0086】
次のステップでは、ソフトウェアモジュールは、隣接する内側コーナー間の真のヒューリスティック距離、例えばマンハッタン距離を決定する。
【0087】
図4は、
図3に示す内側コーナーの内側コーナー間のノードネットワークを示している。ノードネットワークは、全ての内側コーナー間の経路およびマンハッタン距離を示すソフトウェアモジュールによって生成される。
【0088】
最後に、ソフトウェアモジュールは、全てのノードを互いに接続するノードネットワークを使用してテーブルを生成および記憶し、ノード間の最短距離を列挙する。2つのノードを接続する同じ合計距離を有する複数の経路がある場合、中間ノードの数が最も少ない経路が優先される。
図3のレイアウト部分からのノードネットワークおよびノード距離テーブルが、以下の表1に示されている。
【0089】
【0090】
例えば、内側コーナーAとBとの間のマンハッタン距離は5である。任意の距離単位が使用されることができ、または例えば、キャリアが移動しなければならない論理位置の数も使用されることができる。内側コーナーAおよびCは隣接する内側コーナーではないため、内側コーナーA、DおよびCのマンハッタン距離が使用される。
【0091】
ソフトウェアモジュールは、移送面内の個々の論理位置、例えばキャリア14の最終目的地に到達する方法に関する大まかな計画/方向として、内側コーナーに基づくノードネットワークを使用する。さらに、テーブルは、真の距離ヒューリスティックを決定するために使用される。これは、計算を高速化し、ルーティング中の不要な計算、すなわち、移送面12上のキャリア14のルート/移動を計算することを回避することを可能にする。
【0092】
移送面12内のハードウェア障害または再設計の場合、レイアウトの初期化およびヒューリスティック距離の決定は再実行される。単一の論理位置障害は障害物として扱われることができるため、論理位置はブロックされることができ、再初期化を必要としない。
【0093】
初期化が完了すると、移送面12上の個々のキャリア14のルーティングが可能になる。ルーティング決定は、キャリア14の初期位置およびその最終目的地に基づいて行われる。ソフトウェアモジュールは、各キャリアのルートを次々に個別に決定する。
【0094】
キャリア14のルートは、移送面12の利用可能な、すなわち予約されていない部分、特に自由で予約されていない論理位置の最短距離に基づいて決定される。
【0095】
移送面12上のキャリア14の初期位置をその最終目的地とともに識別すると、
図4に示すようなノードネットワークの初期隣接ノードと目的地隣接ノードとの全ての組み合わせ間の最短経路が、表1などのそれぞれの表を使用して決定される。計算されたルートは、移送面12上のキャリア14の初期位置から移送面12上のその最終目的地までの真のヒューリスティック距離を最小化する。
【0096】
本方法の実施形態では、ソフトウェアモジュールは、移送面の一部、特にキャリア14が移動するそれぞれの論理位置を予約することによって、計算されたルートの部分ルートを定義する。部分ルートが定義されると、キャリア14は、他のキャリアのルート決定を待つ必要なく移動を開始する。中間目的地が現在位置よりも最終目的地までの距離が小さくなるように、部分ルートが算出される。
【0097】
キャリア14の位置更新メッセージは、キャリア14の移動中に移送システム11または駆動システムのファームウェアによって送信され、これは、移送面12の予約部分、特にキャリア14の移動中に既に駆動されている論理フィールドの解放をトリガする。
【0098】
図5に示すように、キャリア14は、可能な限り内側コーナーAの近くに移動しないが、方向変更前のそれらのウェイポイントは、開始位置と内側コーナーAに最も近いシステム境界との間の距離を考慮に入れる。境界により近いキャリア14は、点線の矢印線501に沿って移動する。境界からより遠いキャリア14は、破線の点線502に沿って移動する。どちらも内側コーナーAまでの距離を維持する。これは、移動方向を変更する前に、複数のキャリア14が内側コーナーの周りに均等に離間するように行われる。これは、分配方法のより高い全体的なスループットをもたらす。
【0099】
一実施形態では、ルートは、24個の論理位置の最大移動長を有する直線またはL字型のいずれかの移動から構成される。
【0100】
分配方法のさらなる実施形態では、キャリアの移動は、
図1に示すカメラ21などのセンサによって、または上述したような移送面12内のセンサシステムによってリアルタイムで監視される。別の実施形態では、それぞれの信号は、
・キャリア14がある移送モジュール24から別の移送モジュールに横断するたびに、
・キャリア14が移動方向を変更するたびに、
・部分ルートの後にキャリア14が停止したときの信号によって、の場合のうちの1つ、いくつかまたはそれぞれにおいて制御装置20に送信される。
【0101】
図6に示すさらなる実施形態では、
図2に示す移送面12のレイアウトについて、初期化中に制御装置20によって移送面上に矢印601、602、603、604としての移動方向が画定される。なお、各矢印には符号を付しておらず、必要な全ての矢印を示しているわけではない。移送モジュール624(より太線で強調されている)についてのみ、全ての必要な矢印が存在する。この移送モジュール624について、矢印の各交点は、移送面12上の論理位置を表す。
【0102】
図7に示すような初期化中に、安全地点701が移送面12上に画定される。
図7は、移送モジュール24上の安全地点の異なるパターンを有する3つの移送モジュール24を示している。移送面12を構築する各使用される移送モジュール24は、安全地点701上に同じまたは異なるパターンを有する。
【0103】
実施形態では、安全地点701は、論理位置と一致する。制御装置、したがってソフトウェアモジュールは、キャリアの部分ルートを計算し、その結果、部分ルートは、安全地点において終了するか、または安全地点は、次の部分ルート内で到達されることができる。
【0104】
そのため、キャリアの各部分ルートについて、1つの安全地点が移送面上に予約される。
【0105】
安全地点701の各パターンについて
図7に示すように、移送モジュール上を移動するために安全地点701に沿って自由経路が存在する。
【0106】
さらなる実施形態では、これらの安全地点701は、この部分ルートの定義された移動方向601、602上にある部分ルート計算に使用される。
【0107】
さらなる実施形態では、ハンドオーバ位置は、安全地点701として使用されない。
【0108】
これは、デッドロックを回避することを可能にし、これは、キャリアが互いに移動することができないようにブロックし、部分ルートがもはや計算されることができないことを意味する。
【0109】
さらなる実施形態では、安全地点の周りの自由な動きを可能にするために、少なくとも1つの論理位置が存在する。
【0110】
別の実施形態では、各安全地点は、安全地点ではなく、ハンドオーバ位置間の自由経路を定義する隣接論理位置に接続された少なくとも1つの隣接論理位置を有する。
【0111】
ハンドオーバ位置は、物体16がステーション18にハンドオーバされるか、またはキャリア14がステーション18に出入りすることができる、キャリア14が配置されることができる移送面12上の位置とすることができる。
【0112】
分配方法の別の実施形態では、制御装置は、初期化中に、各移送モジュール24、624に対して一定数の安全地点を画定する。
【0113】
図8は、制御装置および/またはソフトウェアモジュールがキャリア14の次の部分ルートをどのように計算するかのフロー図を示している。1.キャリアの部分ルートは、
1.直線を辿り、可能でなければ、
2.L字型の経路を辿り、可能でなければ、
3.A*アルゴリズムを使用して前記次の中間目的位置を決定し、可能でなければ、
4.キャリアが現在位置にn秒未満留まっている場合には、近傍の変化を待機し、
変化が発生した場合には、1..で再開し、
キャリアがn秒よりも長く待機した場合には、
5.次の安全地点を探索し、この安全地点に到達するためにA*アルゴリズムを使用し、可能でなければ、
4.近傍の変化を待機し、変化が発生した場合には、1..で再開し、
nが1から10の数、特に3である、ことを利用して、次の中間目的位置までのその現在位置とその目的位置との間のマンハッタン距離によって決定される、前の実施形態に記載の分配システムを動作させる方法。
【0114】
近傍は、キャリア14の位置の周りのk個の論理位置の半径を有する領域として、またはキャリア214が現在配置されている移送モジュール24、624として画定されることができる。Kは、2から50、特に6から40、さらに特に10から25の範囲にある。
【0115】
特に、各部分ルートは、24個以下の論理位置を移動するように計算される。
【0116】
さらなる実施形態では、制御装置20は、mが20秒以上であるm秒を超えて待機するキャリアの待機リストを生成する。特に、このリストは、移送レイアウト全体について生成される。待機リストは、キャリアが待機時間mを超える毎に更新される。そして、キャリア14は、リストの最後に列挙されている。
【0117】
近傍において自由経路または安全地点が再び利用可能になると、リスト上で最も高いこの近傍のキャリア14が次に移動され、このキャリア14の部分ルートが
図8に示すように計算される。
【0118】
優先度の高い物体16を運ぶキャリア14は、常にリストの先頭に設定されるか、または物体16の優先度に応じてリストに配置される。
【0119】
本方法の別の実施形態では、欠陥論理フィールドの隣の論理フィールドは、可能な安全地点701に配置された任意のキャリアから空にされる。可能な安全地点701は消去され、キャリアは、もはやそこで停止することはできないが、依然としてこれらのフィールドを走行することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分配システムを動作させる方法であって、前記分配システムが、
1つまたは複数の物品を運ぶように適合された複数のキャリアと、
移送面であって、前記移送面が前記キャリアを支持するように適合され、論理位置が前記移送面上に画定される、移送面と、
前記移送面上で前記キャリアを移動させるように適合された駆動手段と、
前記駆動手段を制御するように適合された制御装置と、を備え、
前記方法が、
前記分配システムの初期化中に、前記制御装置が、前記論理位置から前記移送面上の安全地点のパターンを事前定義するステップであって、前記安全地点が、前記安全地点上にキャリアが配置されることができ且つ再び遠ざけられることができるように、前記論理位置を占有するキャリアの動きの範囲を考慮して選択された論理位置である、事前定義するステップと、
前記分配システムの初期化後に、各部分ルートの終端位置が、前記安全地点のうちのいずれか1つであるか、または次の部分ルートにおいて到達可能な前記安全地点のうちの1つへの自由経路を有するように、前記制御装置が前記キャリアの部分ルートを計算するステップと、を含
み、前方の全ての前記安全地点が占有されている場合、前記安全地点に到達することができないか、または次の移動において到達することができないため、前記キャリアが移動することができない、分配システムを動作させる方法。
【請求項2】
ハンドオーバ位置が、前記物品をハンドオーバするために前記移送面上に画定され、前記安全地点が、前記ハンドオーバ位置の間に前記安全地点に沿って自由経路が存在するように事前定義される、請求項1に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項3】
前記制御装置が、前記分配システムの初期化中に、移動方向を前記移送面上の直線として、特に互いに垂直な少なくとも2つの方向に画定し、計算されたルートが、これらの移動方向を使用する、請求項2に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項4】
前記移送面が、互いに接続されたタイル要素からなり、前記分配システムの初期化中に、制御システムが、前記タイル要素の各エッジについてのベクトルを作成することによって境界を識別することによって前記移送面のレイアウトをマッピングし、隣接するタイル要素の隣接するベクトルに基づいて全てのベクトルを相殺し、隣接し且つ同じ方向を有する残りのベクトルを組み合わせる、請求項1から3のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項5】
前記分配システムのマッピング中に、隣接する残りのベクトルの方向の変化を識別し、それらのベクトル積を計算し、前記ベクトルの初期方向に応じて内側コーナーまたは外側コーナーを負または正のベクトル積にそれぞれマッピングすることによって、内側コーナーが識別される、請求項4に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項6】
初期化中に、隣接する内側コーナーが決定される、請求項5に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項7】
前記キャリアのルートが、前記キャリアが前記内側コーナーを通過する間に前記内側コーナーまでの距離を維持するように計算される、請求項6に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項8】
隣接する内側コーナー間のマンハッタン距離が決定される、請求項7に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項9】
少なくとも2つ、特に全ての隣接する内側コーナーの間の経路およびマンハッタン距離を示すノードネットワークが生成される、請求項8に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項10】
キャリアの前記部分ルートが、
1.直線を辿り、可能でなければ
、
2.L字型の経路を辿り、可能でなければ、
3.A*アルゴリズムを使用して次の中間目的位置を決定し、可能でなければ、
4.キャリアが現在位置にn秒未満留まっている場合には、近傍の変化を待機し、
4.1.変化が発生した場合には、1..で再開し、
5.キャリアがn秒よりも長く待機した場合には、
5.1.次の安全地点を探索し、この安全地点に到達するためにA*アルゴリズムを使用し、可能でなければ、
5.2.近傍の変化を待機し、変化が発生した場合には、1..で再開し、
nが1から10の数、特に3である、ことを利用して、次の中間目的位置までのその現在位置とその目的位置との間のマンハッタン距離によって決定される、請求項9に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項11】
決定されたルートが、前記キャリアがその中間または最終目的地に到達するまで前記キャリアのために予約される、請求項10に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項12】
各キャリアについて、前記次の中間目的位置が、最終目的位置に到達するまで次々に決定される、請求項11に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項13】
位置決定システムが、前記移送面上の前記キャリアの位置を決定し、コントローラに位置更新メッセージを送信し、前記コントローラが、前記キャリアがその現在の動きで既に通過した予約済み論理フィールドの解放をトリガする、請求項1から12のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【請求項14】
キャリアが、m個の論理位置よりも長く移動することはなく、mが3から50の間、特に10から30の間の整数であり、より具体的には24である、請求項1から13のいずれか一項に記載の分配システムを動作させる方法。
【国際調査報告】