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特表2023-544989倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉および倉庫システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉および倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
B65G1/00 511B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519559
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 CN2021118867
(87)【国際公開番号】W WO2022068603
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】202011059499.5
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520167863
【氏名又は名称】ハイ ロボティクス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAI ROBOTICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 201,301,401,Building B,Anluo Technology Industrial Park,Nanchang Community,Xixiang Street,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】彭逸凡
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022JJ12
3F022LL06
3F022LL38
3F022MM52
3F022NN55
(57)【要約】
本開示により倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉及倉庫システムを提供する。前記方法は、安全扉の開扉要求信号を取得して、安全扉に対応する対象エリアを特定するステップと、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップと、安全扉の状態を開放状態に制御するステップと、を含む。ユーザが入る対象エリア内の安全性が確保され、また、安全扉に対応する対象エリア内の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御し、非対象エリア内の荷物運搬ツールは正常作動が保持されるので、すべての荷物運搬ツールを一時停止処理する従来技術に比べ、倉庫効率が向上し、荷物運搬ツールの起動と停止の繰り返しによるハードウェアの損耗が低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全扉の開扉要求信号を取得して、前記安全扉に対応する対象エリアを特定するステップと、
前記対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップと、
前記安全扉の状態を開放状態に制御するステップと、を含み、
前記対象エリアは倉庫システムの複数のエリアのうちの一部のエリアである、
倉庫システム制御方法。
【請求項2】
前記対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する前記ステップは、
前記第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信して、前記第1の荷物運搬ツールに作動を停止させるステップと、
前記第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、前記第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップと、を含む、
請求項1に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項3】
前記第1の荷物運搬ツールの状態を検出する前記ステップの後に、さらに、
作動状態である前記第1の荷物運搬ツールが存在する場合、前記対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起するための第1の注意情報をプッシュ通知するステップを含む、
請求項2に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項4】
前記対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する前記ステップの前に、さらに、
前記第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定するステップと、
前記第1の荷物運搬ツールが存在しない場合、前記安全扉の状態を開放状態に制御するステップと、を含む、
請求項2に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項5】
前記安全扉に対応する対象エリアを特定した後に、さらに、
前記第1の荷物運搬ツールを前記倉庫システム内の前記対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするステップを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項6】
前記第1の荷物運搬ツールを前記倉庫システム内の前記対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングする前記ステップは、
前記第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するステップ、および/または、前記第1の荷物運搬ツールを制御して第2のタスクを実行させるステップを含み、
前記第1のタスクの対象ラックは前記対象エリアにあり、前記第2のタスクの対象ラックは前記倉庫システム内の前記対象エリア以外の他のエリアにある、
請求項5に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項7】
前記倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して、前記対象エリアへの進入を禁止するステップをさらに含み、
前記第2の荷物運搬ツールは、前記対象エリア以外の他のエリア内の荷物運搬ツールである、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項8】
前記倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して、前記対象エリアへの進入を禁止するステップは、
前記第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するステップ、および/または、前記第1のタスクを前記第2の荷物運搬ツールに割り当てることを停止するステップを含み、
前記第1のタスクの対象ラックは前記対象エリア内に存在する、
請求項7に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項9】
前記安全扉は複数の対象エリアに対応し、前記安全扉に対応する対象エリアを特定した後に、さらに、
ユーザがいる場所の位置情報を取得して、前記位置情報が示す対象エリアを特定するステップを含み、
前記対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する前記ステップは、
前記位置情報が示す対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項10】
ユーザがいる場所の位置情報を取得する前記ステップは、
前記ユーザの、測位識別機能を備えたタグを検出するステップと、
前記タグを解析して前記ユーザがいる場所の位置情報を取得するステップと、を含む、
請求項9に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項11】
前記対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認した後に、さらに、
前記対象エリア内の安全標識を表示するステップを含み、
前記安全標識は前記対象エリアが安全エリアであることを示すために用いられる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項12】
前記安全標識は床面標識である、
請求項11に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項13】
ユーザに対して、前記対象エリアが安全エリアであると前記ユーザに知らせるための第2の注意情報を送信するステップをさらに含む、
請求項11に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項14】
前記安全扉の状態が閉鎖状態である、および/または、前記対象エリア内にユーザが存在しない、と確認した場合、
前記第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すステップをさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項15】
前記第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻す前記ステップは、
前記第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにするステップ、および/または、前記第1の荷物運搬ツールに前記第1のタスクを割り当てるステップを含み、
前記第1のタスクの対象ラックは前記対象エリアに存在する、
請求項14に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項16】
前記第1の荷物運搬ツールは、ロボットまたはフォークリフトである、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項17】
安全扉の開扉要求信号を取得して、前記安全扉に対応する対象エリアを特定するための取得モジュールと、
前記対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するための確認モジュールと、
前記安全扉の状態を開放状態に制御するための制御モジュールと、を含む、
倉庫システム制御装置。
【請求項18】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な指令が記憶され、前記指令は前記少なくとも1つのプロセッサで実行されて、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~16のいずれか1項に記載の倉庫システム制御方法を実行できるようにする、
安全扉。
【請求項19】
荷物運搬ツールと、請求項18に記載の安全扉とを含む、
倉庫システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2020年9月30日に中国専利局に出願された、出願番号202011059499.5、発明の名称「倉庫システム制御方法、装置、安全扉および倉庫システム」の中国専利出願の優先権を主張し、そのすべての内容を援用により本開示に組み入れる。
【0002】
本開示は倉庫システムの技術分野に関し、特に倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉および倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0003】
物流業の急速な発展に伴い、倉庫システムの分野においてはオートメーション化された倉庫システムの普及が進んでおり、人間が搬送を行っていた倉庫の作業ラインの多くが、オートメーション化されたロボットに置き換わっている。現代の倉庫システムにおいては、フルオートメーション化、高効率、高密度が倉庫のオートメーション化の発展目標になっている。倉庫システムは通常、ラックおよび荷物運搬ツールを含む。荷物運搬ツールによる荷物搬送のニーズを満たすため、通常はラックとラックの間に十分なスペースをとることで、荷物運搬ツールが荷物をラックまで運ぶ、またはラックから荷物を取り出すなどの操作を行いやすくする必要がある。
【0004】
従来技術においては、ユーザが倉庫システム内に入り視察またはその他の事項を実施する必要がある場合、通常は倉庫システム内の全ての荷物運搬ツール、すなわちロボットやフォークリフト等に対して一時停止処理を行う。これにより移動中の荷物運搬ツールがユーザを負傷させることを回避して、ユーザの安全が確保される。
【0005】
しかしながら、従来技術においては、ユーザが倉庫システムに入るとき、すべての荷物運搬ツールに一時停止処理を行うため、倉庫効率が低下し、また頻繁に荷物運搬ツールの起動と停止を繰り返すことで、荷物運搬ツールのハードウェアの損耗を招くおそれがある。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、ユーザが倉庫システム内に入るとき、ユーザの安全を保証することを前提に、倉庫効率を高め、かつ荷物運搬ツールの起動と停止の繰り返しによるハードウェアの損耗を低減させる、倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉および倉庫システムを提供する。
【0007】
第1の態様として、本開示の実施例は、安全扉の開扉要求信号を取得して、安全扉に対応する対象エリアを特定するステップと、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップと、安全扉の状態を開放状態に制御するステップと、を含み、対象エリアは倉庫システムの複数のエリアのうちの一部のエリアである、倉庫システム制御方法を提供する。
【0008】
本開示の実施例においては、安全扉の開扉要求信号を取得した場合、安全扉に対応する対象エリアを特定するとともに、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認してから、安全扉を開く。ユーザが入る対象エリア内の安全性が確保され、また、安全扉に対応する対象エリア内の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御し、非対象エリア内の荷物運搬ツールを正常作動に保持するので、すべての荷物運搬ツールを一時停止処理する従来技術に比べ、倉庫効率が向上し、荷物運搬ツールの起動と停止の繰り返しによるハードウェアの損耗が低減される。
【0009】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法の、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップは、第1の荷物運搬ツールが存在する場合、第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信して、第1の荷物運搬ツールに作動を停止させるステップと、第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップを含む。
【0010】
本開示の実施例においては、対象エリア内に荷物運搬ツールが存在する場合、対象エリア内の荷物運搬ツールに制御指令を送信して作動を停止させ、さらに第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認することで、対象エリアの安全性がより確保される。
【0011】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールの状態を検出するステップの後に、さらに、存在する第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態である場合、対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起するための、第1の注意情報をプッシュ通知するステップを含む。
【0012】
本開示の実施例においては、対象エリア内に作動状態の荷物運搬ツールが存在する場合、ユーザに対象エリアが非安全エリアであると注意喚起することで、ユーザに荷物運搬ツールの安全検査を行うよう注意喚起でき、ユーザの安全性がより確保される。
【0013】
選択可能な一実施形態において、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する前に、第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定するステップを含む。
【0014】
本開示の実施例においては、対象エリア内に荷物運搬ツールが存在するか否かを判定することで、対象エリア内に荷物運搬ツールが存在しない場合には安全扉の状態を開放状態に制御することができ、荷物運搬ツールに対するさらなる制御が回避される。
【0015】
選択可能な一実施形態において、安全扉に対応する対象エリアを特定した後に、さらに、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするステップを含む。
【0016】
本開示の実施例においては、対象エリアを特定した後で対象エリア内の荷物運搬ツールを非対象エリアへスケジューリングすることで、荷物運搬ツールの使用効率が高くなり、倉庫効率が一層高くなる。
【0017】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするステップは、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するステップ、および/または、第1の荷物運搬ツールを制御して第2のタスクを実行させるステップを含み、第1のタスクの対象ラックは対象エリアにあり、第2のタスクの対象ラックは倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアにある。
【0018】
選択可能な一実施形態において、本開示で提供する倉庫システム制御方法は、さらに、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して、対象エリアへの進入を禁止するステップを含み、第2の荷物運搬ツールは、対象エリア以外の他のエリア内の荷物運搬ツールである。
【0019】
選択可能な一実施形態において、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して、対象エリアへの進入を禁止するステップは、第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止させるステップ、および/または、第2の荷物運搬ツールへの第1のタスクの割り当てを停止するステップを含み、第1のタスクの対象ラックは対象エリア内に存在する。
【0020】
非対象エリア内の荷物運搬ツールを制御して対象エリアへの進入を禁止することで、対象エリアの安全性がより保証される。
【0021】
選択可能な一実施形態において、安全扉は複数の対象エリアに対応し、安全扉に対応する対象エリアを特定した後に、さらに、ユーザがいる場所の位置情報を取得して、位置情報が示す対象エリアを特定するステップを含み、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップは、位置情報が示す対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップを含む。
【0022】
本開示の実施例においては、安全扉が複数の対象エリアに対応する場合に、ユーザがいる対象エリア内の安全性が確保される。
【0023】
選択可能な一実施形態において、ユーザがいる場所の位置情報を取得するステップは、ユーザの、測位識別機能を備えたタグを検出するステップと、タグを解析してユーザがいる場所の位置情報を取得するステップとを含む。
【0024】
選択可能な一実施形態において、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認した後に、さらに、対象エリア内の安全標識を表示するステップを含み、安全標識は対象エリアが安全エリアであることを示すために用いられる。
【0025】
選択可能な一実施形態において、安全標識は床面標識である。
【0026】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法はさらに、ユーザに対して、対象エリアが安全エリアであるとユーザに知らせるための第2の注意情報を送信するステップを含む。
【0027】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法はさらに、安全扉の状態が閉鎖状態である、および/または、対象エリア内にユーザが存在しない、と確認した場合、第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すステップを含む。
【0028】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すステップは、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにするステップ、および/または、第1の荷物運搬ツールに第1のタスクを割り当てるステップを含み、第1のタスクの対象ラックは対象エリアに存在する。
【0029】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールはロボットまたはフォークリフトである。
【0030】
以下、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置、安全扉、倉庫システム、コンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータプログラム製品を説明するが、その内容および効果は本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法を参照できるので、再度説明しない。
【0031】
第2の態様として、本開示の実施例は、安全扉の開扉要求信号を取得して、前記安全扉に対応する対象エリアを特定するための取得モジュールと、前記対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するための確認モジュールと、前記安全扉の状態を開放状態に制御するための制御モジュールと、を含み、対象エリアは倉庫システムの複数のエリアのうちの一部のエリアである、倉庫システム制御装置を提供する。
【0032】
選択可能な一実施形態において、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認することは、第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定する判定モジュールを含む。
【0033】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置の確認モジュールはさらに、第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信して、第1の荷物運搬ツールに作動を停止させるためと、第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するために用いられる。
【0034】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置はさらに、存在する第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態である場合、対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起するための第1の注意情報をユーザにプッシュ通知するための、プッシュ通知モジュールを含む。
【0035】
選択可能な一実施形態において、制御モジュールはさらに、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするために用いられる。
【0036】
選択可能な一実施形態において、制御モジュールは、具体的には、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するため、および/または、第1の荷物運搬ツールを制御して第2のタスクを実行させるために用いられ、第1のタスクの対象ラックは対象エリアにあり、第2のタスクの対象ラックは倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアにある。
【0037】
選択可能な一実施形態において、本開示で提供する倉庫システム制御装置の制御モジュールは、さらに、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して、対象エリアへの進入を禁止するために用いられ、第2の荷物運搬ツールは、対象エリア以外の他のエリア内の荷物運搬ツールである。
【0038】
選択可能な一実施形態において、制御モジュールは、具体的には、第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止させるため、および/または、第2の荷物運搬ツールへの第1のタスクの割り当てを停止するために用いられ、第1のタスクの対象ラックは対象エリアに存在する。
【0039】
選択可能な一実施形態において、取得モジュールはさらに、ユーザがいる場所の位置情報を取得して、位置情報が示す対象エリアを特定するために用いられ、確認モジュールは、具体的には、位置情報が示す対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するために用いられる。
【0040】
選択可能な一実施形態において、取得モジュールは、具体的には、ユーザの、測位識別機能を備えたタグを検出するためと、タグを解析してユーザがいる場所の位置情報を取得するために用いられる。
【0041】
選択可能な一実施形態において、本開示で提供する倉庫システム制御装置はさらに、対象エリア内の安全標識を表示するための表示モジュールを含み、安全標識は、対象エリアが安全エリアであることを示すために用いられる。
【0042】
選択可能な一実施形態において、安全標識は床面標識である。
【0043】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置はさらに、ユーザに対し、対象エリアが安全エリアであるとユーザに知らせるための第2の注意情報を送信するための送信モジュールを含む。
【0044】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置の制御モジュールはさらに、安全扉の状態が閉鎖状態であること、および/または、対象エリア内にユーザが存在しないことを確認した場合、第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すために用いられる。
【0045】
選択可能な一実施形態において、制御モジュールは、具体的には、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにするため、および/または、第1の荷物運搬ツールに第1のタスクを割り当てるために用いられ、第1のタスクの対象ラックは対象エリアに存在する。
【0046】
選択可能な一実施形態において,第1の荷物運搬ツールはロボットまたはフォークリフトである。
【0047】
第3の態様として、本開示の実施例は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信可能に接続されたメモリとを含み、メモリには少なくとも1つのプロセッサで実行可能な指令が記憶され、指令は少なくとも1つのプロセッサで実行されて、少なくとも1つのプロセッサが第1の態様または第1の態様の実施形態で提供される倉庫システム制御方法を実行できるようにする、安全扉を提供する。
【0048】
第4の態様として、本開示の実施例は、第3の態様で提供される安全扉と荷物運搬ツールとを含む、倉庫システムを提供する。
【0049】
第5の態様として、本開示の実施例は、コンピュータ指令が記憶され、コンピュータ指令はコンピュータに第1の態様または第1の態様の実施形態で提供される倉庫システム制御方法を実行させるために用いられる、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0050】
第6の態様として、本開示の実施例は、第1の態様または第1の態様の実施形態で提供される倉庫システム制御方法を実現するための実行可能な指令を含む、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0051】
本開示で提供する倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉及倉庫システムは、安全扉の開扉要求信号を取得して、安全扉に対応する対象エリアを特定し、次に対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認し、最後に安全扉の状態を開放状態に制御する。
【0052】
本開示の実施例においては、安全扉の開扉要求信号を取得した場合、安全扉に対応する対象エリアを特定するとともに、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認してから、安全扉を開く。このためユーザが入る対象エリア内の安全性が確保され、また、安全扉に対応する対象エリア内の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御し、非対象エリア内の荷物運搬ツールを正常作動に保持するので、すべての荷物運搬ツールを一時停止処理する従来技術に比べ、倉庫効率が向上し、荷物運搬ツールの起動と停止の繰り返しによるハードウェアの損耗が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本開示の実施例または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明に使用する図面を簡単に紹介する。自明のことではあるが、下記の図面は本開示の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば創意工夫を要さずしてこれらの図面に基づいて他の図面が得られるであろう。
【0054】
図1図1は本開示の実施例で提供する例示的な一応用シーンのアーキテクチャ図である。
図2図2は本開示の一実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。
図3図3は本開示の他の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。
図4図4は本開示の別の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。
図5図5は本開示のまたさらに別の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。
図6図6は本開示の一実施例で提供する倉庫システムの構造模式図である。
図7図7は本開示のまたさらに別の一実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。
図8図8は本開示の一実施例で提供する対象エリアの構造模式図である。
図9図9は本開示の一実施例で提供する倉庫システム制御装置の構造模式図である。
図10図10は本開示の実施例で提供する電子機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本開示の実施例の目的、技術スキームおよび利点をより明確にするため、以下、本開示の実施例における図面と組み合わせて本開示の実施例の技術スキームを明確かつ全面的に説明する。もちろん、説明される実施例は本開示の実施例の一部であり、すべてではない。本開示における実施例に基づいて当業者が創意工夫を要さずに得た他のすべての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0056】
本開示の明細書、特許請求の範囲および上記図面における「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等(もしあれば)は、類似した対象を区別するために用いるものであり、必ずしも特定の順番や前後の順序を説明するためのものではない。このように使用されるデータは状況に応じて互換可能であり、それにより、ここで説明する本開示の実施例は、例えば図示したり説明した順序以外の順序で実施することが可能であると理解されたい。
また、「含む」、「備える」、およびそれらの何らかの変形である用語は、排他的でない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップまたは手段を含むプロセス、方法、システム、製品または機器は、明確に列挙されたそれらステップや手段に限らず、明確には列挙されていないステップや手段、あるいはこれらのプロセス、方法、製品または機器に固有の他のステップや手段を含みうる。
【0057】
物流業の急速な発展に伴い、倉庫システム分野においては通常ラックおよび荷物運搬ツールが含まれるようになった。ユーザが倉庫システム内に入り視察またはその他の事項を実施する必要がある場合、従来技術では通常は倉庫システム内の全ての荷物運搬ツール、すなわちロボットやフォークリフト等に対して一時停止処理を行う。これにより移動中の荷物運搬ツールがユーザを負傷させることを回避して、ユーザの安全が確保される。しかしながら、従来技術においては、ユーザが倉庫システムに入るとき、すべての荷物運搬ツールに一時停止処理を行うため、倉庫効率が低く、また頻繁に荷物運搬ツールの起動と停止を繰り返すことで、荷物運搬ツールのハードウェアの損耗を招くおそれがある。
【0058】
本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法、倉庫システム制御装置、安全扉及倉庫システムの発明思想は以下のとおりである。倉庫システムの保管エリアを複数のエリアに区画し、各エリアにそれぞれ対応する安全扉を設ける。安全扉の開扉要求信号を取得した場合、安全扉に対応する対象エリアを特定するとともに、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御する。対象エリア内の安全性を確保できるだけでなく、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御し、非対象エリア内の荷物運搬ツールは正常作動に保持することで、すべての荷物運搬ツールを一時停止処理する従来技術に比べ、倉庫効率が向上し、荷物運搬ツールの起動と停止の繰り返しによるハードウェアの損耗が低減される。
【0059】
以下、本開示の実施例の例示的応用シーンを説明する。
【0060】
本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法は、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置によって実行することができる。本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置は端末機器に集積されてもよいし、または当該倉庫システム制御装置が端末機器自体であってもよい。本開示の実施例では端末機器の具体的なタイプを限定しない。端末機器は、例えば、安全扉、荷物運搬ツール、スマートフォン、パソコン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル機器、車載端末、モニタリング機器、カメラ等でありうる。図1は本開示の実施例で提供する例示的な一応用シーンのアーキテクチャ図である。本開示の実施例は倉庫システムに応用できる。当該倉庫システムは1つまたは複数の保管エリアを含み、各保管エリアが複数のエリアを含みうる。図1を例にとると、倉庫システムは保管エリアを含み、当該保管エリアは8つのエリアを含み、各エリアに対応する安全扉が存在する。例えば、エリア1は安全扉1に対応し、安全扉1を通って直接エリア1に入ることができる。荷物運搬ツールはエリア内を移動して荷物の出し入れを実現する。時間帯によって、各エリア内の荷物運搬ツールの数量は一定ではなく、例えば、存在しなくてもよいし、1つまたは複数でもよい。各エリア間には、異なるエリアを分けるための防護柵またはバーチャルウォールが存在してもよい。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【0061】
図2は本開示の一実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。当該方法は、倉庫システム制御装置によって実行することができる。当該装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの方式で実現できる。以下、端末機器を実行主体として倉庫システム制御方法を説明する。図2に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法は以下のステップを含む。
【0062】
ステップS101で、安全扉の開扉要求信号を取得して、安全扉に対応する対象エリアを特定する。
【0063】
本開示の実施例では、安全扉の制御方式について限定しない。例えば、ユーザは顔識別、指紋識別、パスワード入力、制御ボタンONなどの方式により安全扉の開扉を要求することができる。安全扉はユーザの操作を受信すると、開扉要求信号を生成する。本開示の実施例では、開扉要求信号に含まれる情報について限定しない。開扉要求信号には、例えば安全扉のID、ユーザID等が含まれうる。安全扉の開扉要求信号を取得したあと、安全扉に対応する対象エリアを特定する。安全扉と保管エリア内のエリアとには対応関係があり、選択可能な一実施形態においては、安全扉とエリアとの関連付けリストを構築して、関連付けリストをクエリするという方法により安全扉に対応する対象エリアを特定することができる。なお、対象エリアは倉庫システムの複数のエリアのうちの一部のエリアである。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【0064】
ステップS102で、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する。
【0065】
第1の荷物運搬ツールは対象エリア内の荷物運搬ツールであり、第1の荷物運搬ツールの非作動状態は、シャットダウン状態、待機状態等が含まれうる。非作動状態においては、第1の荷物運搬ツールは移動および荷物取出し/保管動作が実行できないため、第1の荷物運搬ツールが移動することによりユーザにぶつかって負傷させるという状況の発生が回避される。
【0066】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールの状態を確認することは、まず対象エリア内の第1の荷物運搬ツールを特定し、次に第1の荷物運搬ツールの状態を検出するという方法で実現できる。第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態であれば、当該第1の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御して、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であることを保証する。
【0067】
選択可能な一実施形態において、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップは、第1の荷物運搬ツールが存在する場合、第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信して、第1の荷物運搬ツールに作動を停止させるステップと、第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップを含む。
【0068】
端末機器は第1の荷物運搬ツールとデータ通信を行うことができる。本開示の実施例では、端末機器と第1の荷物運搬ツールとが行うデータ通信の具体的実現方法について限定しない。端末機器は第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信することによって、第1の荷物運搬ツールに作動を停止させることができる。なお、作動停止指令は、第1の荷物運搬ツールに作動を一時停止するよう指示するか、第1の荷物運搬ツールに待機状態に入るよう指示するか、または第1の荷物運搬ツールに電源をシャットダウンするよう指示する等のために用いることができるが、本開示の実施例ではこれについて限定しない。
【0069】
本開示の実施例においては、対象エリア内に荷物運搬ツールが存在する場合、対象エリア内の荷物運搬ツールに制御指令を送信して作動を停止させ、さらに第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認することで、対象エリアの安全性がより確保される。
【0070】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールの状態を検出するステップの後に、さらに、存在する第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態である場合、対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起するための、第1の注意情報をプッシュ通知するステップを含む。
【0071】
第1の荷物運搬ツールの状態を検出すると、第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態である場合がありうる。この場合、第1の荷物運搬ツールの故障により、端末機器が第1の荷物運搬ツールとデータ通信を行うことができないか、あるいは第1の荷物運搬ツールが端末機器から送信された作動通知指令を実行できない等の原因で、第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態になってしまっている可能性がある。
【0072】
本開示の実施例においては、対象エリア内に作動状態の荷物運搬ツールが存在する場合、第1の注意情報をプッシュ通知するという方法で、対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起することで、ユーザに荷物運搬ツールの安全検査を行うよう注意喚起できるだけでなく、ユーザの安全性がより確保される。本開示の実施例では、第1の注意情報をプッシュ通知する具体的実現方法について限定しない。選択可能な一実施形態においては、端末機器により注意情報をプッシュ通知して、端末機器のインタフェースに当該注意情報を表示することができる。選択可能な他の実施形態においては、端末機器により第1の注意情報を倉庫システム管理者の通信アドレスにプッシュ通知してもよい。例えば、第1の注意情報を倉庫システム管理者の携帯電話やコンピュータ等の機器にプッシュ通知してもよい。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【0073】
ステップS103で、安全扉の状態を開放状態に制御する。
【0074】
対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認した後、安全扉の状態を開放状態に制御する。例えば、安全扉へ、安全扉を開放するよう指示するための制御信号を送信してもよい。本開示の実施例ではこれについて限定しない。
【0075】
安全扉の状態が開放状態に制御されたとき、ユーザは安全扉を通って対象エリアに入り、対象エリアにおいて視察やその他の操作を行う。ユーザは任務を完了した後、安全扉を通って対象エリアを離れ、安全扉を閉める。上記のシーンに基づいて、選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法はさらに、安全扉の状態が閉鎖状態であること、および/または、対象エリア内にユーザが存在しないことを確認した場合、第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すステップを含む。
【0076】
本開示の実施例では、安全扉の状態の確認方法および対象エリア内にユーザが存在するか否かの確認方法について限定しない。例えば、安全扉の状態情報を検出することにより、安全扉の状態を確認する等の方法でもよいし、また例えば、安全扉の位置に赤外線検出装置を設置して、安全扉から入ったユーザの数と安全扉から出たユーザの数が一致した場合、対象エリア内にユーザが存在しないと確認する等の方法でもよい。本開示の実施例ではこれらのみ例示する。
【0077】
安全扉の状態が閉鎖状態であると確認するか、対象エリア内にユーザが存在しないと確認するか、あるいは安全扉の状態が閉鎖状態でありかつ対象エリア内にユーザが存在しないと確認した場合、第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻す。第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すことは、第1の荷物運搬ツールを制御して継続して作動させること、または第1の荷物運搬ツールを制御して起動させること等が含まれうる。選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールの作動を回復させるステップは、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにするステップ、および/または、第1の荷物運搬ツールに第1のタスクを割り当てるステップを含み、第1のタスクの対象ラックは対象エリアに存在する。
【0078】
第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにすることで、第1の荷物運搬ツールに対象エリア内で第1のタスクを実行させる。あるいは、第1の荷物運搬ツールに第1のタスクを割り当てることで、第1の荷物運搬ツールに対象エリア内で第1のタスクを実行させてもよい。荷物運搬ツールは対象エリア内で荷物の出し入れを行うことができる。
【0079】
本開示の実施例においては、安全扉の開扉要求信号を取得した場合、安全扉に対応する対象エリアを特定するとともに、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認してから、安全扉を開く。ユーザが入る対象エリア内の安全性を確保できるだけでなく、安全扉に対応する対象エリア内の荷物運搬ツールの状態を非作動状態に制御し、非対象エリア内の荷物運搬ツールを正常作動に保持するので、すべての荷物運搬ツールを一時停止処理する従来技術に比べ、倉庫効率が向上し、荷物運搬ツールの起動と停止の繰り返しによるハードウェアの損耗が低減される。
【0080】
上記実施例を基礎として、荷物運搬ツールは作動中、倉庫システムにおける異なるエリア内で移動を行う可能性があるため、ユーザがあるエリアに入る必要があるとき、当該エリア内には荷物運搬ツールが存在しないことがある。これに基づいて、選択可能な一実施形態において、図3は本開示の他の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図であり、図3に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法においては、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップS102の前に、さらに以下のステップを含む。
【0081】
ステップS201で、第1の荷物運搬ツールが存在するか否か判定する。
【0082】
第1の荷物運搬ツールが存在しない場合、ステップS103を実行する。即ち、安全扉の状態を開放状態に制御する。第1の荷物運搬ツールが存在する場合、ステップS102およびステップS103を実行する。
【0083】
対象エリア内に荷物運搬ツールが存在するか否かの判定は、倉庫スペース内の荷物運搬ツールの位置情報を取得してから、荷物運搬ツールの位置情報を利用して、荷物運搬ツールのうち対象エリアに位置する荷物運搬ツールが存在するか否かを確認することによって実現できる。対象エリアに位置する荷物運搬ツールが存在する場合、第1の荷物運搬ツールが存在すると判定し、対象エリアに位置する荷物運搬ツールが存在しない場合、第1の荷物運搬ツールが存在しないと判定する。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【0084】
本開示の実施例においては、対象エリア内に荷物運搬ツールが存在するか否かを判定し、対象エリア内に荷物運搬ツールが存在しない場合には安全扉の状態を開放状態に制御することにより、荷物運搬ツールに対するさらなる制御が回避される。
【0085】
図2および図3に示す実施例を基礎として、選択可能な一実施形態において、図4は本開示の他の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図であり、図4に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法においては、安全扉に対応する対象エリアを特定するステップS101の後に、さらに以下のステップを含む。
【0086】
ステップS301で、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングする。
【0087】
もし対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態をすべて非作動状態に設定すると、倉庫システムの荷物出し入れ効率に影響を与える可能性がある。第1の荷物運搬ツールの利用率をさらに高め、ひいては倉庫システムの荷物出し入れ効率を向上させるため、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリア、すなわち非対象エリアへスケジューリングすることができる。本開示の実施例では、第1の荷物運搬ツールを非対象エリアへスケジューリングする具体的実現方法については限定しない。例えば、第1の荷物運搬ツールを制御して非対象エリアへ移動させるという方法で実現してもよい。
【0088】
選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするステップは、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するステップ、および/または、第1の荷物運搬ツールを制御して第2のタスクを実行させるステップを含む。なお、第1のタスクの対象ラックは対象エリアにあり、第2のタスクの対象ラックは倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアにある。
【0089】
第1の荷物運搬ツールは複数のタスクを実行する必要がある可能性があり、複数のタスクは1つまたは複数の第1のタスク、および1つまたは複数の第2のタスクを含んでいる可能性がある。選択可能な一実施形態において、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止することで、第1の荷物運搬ツールはタスク順序に従って第2のタスクを実行できる。第2のタスクの対象ラックは非対象エリアにあるため、第1の荷物運搬ツールは第2のタスクを実行するために非対象エリアへ移動する。選択可能な他の実施形態においては、第1の荷物運搬ツールに第2のタスクを実行させるよう直接制御することで、第1の荷物運搬ツールが非対象エリアへ移動し、第1の荷物運搬ツールを非対象エリアへスケジューリングすることが実現される。
【0090】
本開示の実施例においては対象エリアを特定した後で対象エリア内の荷物運搬ツールを非対象エリアへスケジューリングすることで、荷物運搬ツールの使用効率が高くなり、倉庫効率が一層向上する。
【0091】
図4に示す実施例を基礎として、さらに、選択可能な一実施形態において、図4に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法はさらに以下のステップを含む。
【0092】
ステップS302で、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して対象エリアへの進入を禁止する。
【0093】
第2の荷物運搬ツールは対象エリア以外の他のエリア内の荷物運搬ツールである。なお、ステップS302の実行順序は図4のステップS301とステップS102との間に限定されない。例えば、ステップS101の後、ステップS102の後、またはステップS103の後等に実行してもよい。本開示の実施例では図4における実行順序を例として説明する。
【0094】
対象エリアの安全性をより保証するため、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールを非対象エリアへスケジューリングするか、または第1の荷物運搬ツールの状態を非作動状態にする以外に、さらに非対象エリア内の第2の荷物運搬ツールを非対象エリアで活動するよう制御してもよい。本開示の実施例では、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールの対象エリアへの進入を禁止する制御の具体的実現方法については限定しない。例えば、対象エリアと非対象エリアとの境界線を越境不可能にするという方法で、第2の荷物運搬ツールの対象エリアへの移動を防止することができる。選択可能な一実施形態において、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して対象エリアへの進入を禁止するステップは、以下のステップを含む。
【0095】
第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止し、および/または、第1のタスクを第2の荷物運搬ツールに割り当てることを停止する。なお、第1のタスクの対象ラックは対象エリア内に存在する。
【0096】
第2の荷物運搬ツールは複数のタスクを実行する必要がある可能性があり、複数のタスクは1つまたは複数の第1のタスク、および1つまたは複数の第2のタスクを含んでいる可能性がある。選択可能な一実施形態において、第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止することにより、第1の荷物運搬ツールはタスク順序に従って第2のタスクを実行できる。第2のタスクの対象ラックは非対象エリアにあるので、第2の荷物運搬ツールは第2のタスクを実行するために、非対象エリアへ移動する。選択可能な他の実施形態においては、第1のタスクを第2の荷物運搬ツールに割り当てることを停止することで、第2の荷物運搬ツールが非対象エリア内で荷物の出し入れをするように制御する。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【0097】
本開示の実施例においては、非対象エリア内の荷物運搬ツールを制御して対象エリアへの進入を禁止することで、対象エリアの安全性がより保証される。
【0098】
図2~4のいずれかに示す実施例を基礎として、選択可能な一実施形態において、安全扉は複数の対象エリアに対応する。図5は本開示のまたさらに別の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図である。図5に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法において、安全扉に対応する対象エリアを特定するステップS101の後に、さらに以下のステップを含む。
【0099】
ステップS401で、ユーザがいる場所の位置情報を取得し、位置情報が示す対象エリアを特定する。
【0100】
図6は本開示の一実施例で提供する倉庫システムの構造模式図である。説明の便宜上、図6に示すように、倉庫システム内の保管エリアは複数のエリアを含み、ここで安全扉1はエリア1に対応し、安全扉2はエリア2に対応している。各エリア間はバーチャルウォール方式により隔てられていてもよい。例えば、エリア1とエリア2の間はバーチャルウォール(点線部分)で隔てられているが、ユーザはエリア1とエリア2の間を移動でき、例えば、ユーザは安全扉1または安全扉2を通って、エリア1およびエリア2に入ることができる。
【0101】
図6に示す応用シーンでは、ユーザがいる場所の位置情報を検出することにより、ユーザがいる対象エリアを特定することができる。本開示の実施例ではユーザがいる場所の位置情報を取得する具体的実現方式について限定しない。選択可能な一実施形態において、ユーザがいる場所の位置情報を取得するステップは、ユーザの、測位識別機能を備えたタグを検出するステップと、タグを解析してユーザがいる場所の位置情報を取得するステップとを含む。
【0102】
ユーザが安全扉内に入るとき、タグのついた胸プレート、たすき、ステッカー等を身に着けるか、またはタグのついたベスト、帽子等を着用するという方法で、タグを携帯することができる。本実施例ではこれについて限定しない。なお、本開示の実施例ではタグの具体的タイプを限定しないが、例えば、タグは無線周波数識別(Radio Frequency Identification、RFID)、超広帯域(Ultra Wideband、UWB)識別、QRコード(登録商標)識別、画像識別等の方式で識別を行い、ユーザがいる場所の位置情報を特定できる。
【0103】
本開示の実施例においては、ユーザのタグを検出して解析することにより、ユーザがいる場所の位置情報を特定する。ユーザがいる場所の位置情報の精度が高くなるだけでなく、ユーザのタグを検出して識別することにより、ユーザがいる場所の位置情報の取得効率を高めることができ、従来技術における赤外線でユーザの位置情報を検出する方式に比べ、ユーザの位置情報の取得コストを下げることもできる。また、ユーザ毎に異なるタグを用いて区別することができるため、ユーザのタグを検出することで、その後のユーザの管理等にも役立つ。
【0104】
図6に示すように、検出によってユーザがいるエリアはエリア2であると特定される。
【0105】
これに対応し、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップS102は、ステップS402を実行することで実現される。
【0106】
ステップS402で、位置情報が示す対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する。
【0107】
ユーザがいるエリアがエリア2であると特定された後、エリア2を対象エリアに決定するとともに、エリア2内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する。本開示の実施例は、位置情報が示す対象エリア内の荷物運搬ツールの制御方法について限定しない。具体的には、上記実施例の、対象エリアの第1の荷物運搬ツールに対する制御方法を参考にできるため、本開示の実施例では再度説明しない。
【0108】
複数の対象エリアのうち、ユーザがいる対象エリア以外の対象エリア、例えば図6におけるエリア1を、非対象エリアとして処理することができる。具体的には上記実施例における非対象エリアに対する制御方式を参考にできるので、本開示の実施例では再度説明しない。
【0109】
選択可能な一実施形態において、安全扉が複数の対象エリアに対応する場合、当該複数の対象エリアに複数の安全扉が存在する可能性がある。図6に示すように、安全扉1はエリア1およびエリア2に対応し、安全扉2もエリア1およびエリア2に対応している。ユーザが安全扉1からエリア1またはエリア2に入った場合、ユーザの位置情報を検出することによって、ユーザから遠いほうの安全扉を閉じるように決定することができ、同時に、ユーザから最も近い安全扉を開けてユーザが退出しやすいようにしてもよい。例えば、ユーザの現在位置がエリア2にあれば、安全扉1を閉じて、安全扉2を開く。あるいは、ユーザの要求を受信することで、ユーザが開くことを要求した安全扉を開く。本開示の実施例はこれについて限定しない。
【0110】
本開示の実施例において、安全扉が複数の対象エリアに対応する場合に、ユーザがいる対象エリア内の安全性が確保されるだけでなく、さらに、荷物運搬ツールのフレキシビリティおよび荷物運搬ツールの作業効率を高めることもできる。
【0111】
上記のいずれか一つの実施例を基礎として、選択可能な一実施形態において、図7は本開示のまたさらに別の実施例で提供する倉庫システム制御方法のフロー概略図であり、図7に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法では、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップS102の後に、さらに以下のステップを含む。
【0112】
ステップS501で、対象エリア内の安全標識を表示する。安全標識は対象エリアが安全エリアであることを示すために用いられる。
【0113】
本開示の実施例は安全標識の位置について限定しない。選択可能な一実施形態において、安全標識は安全扉の位置に設置してもよいし、照明機器のそばに設置してもよいし、あるいはラックに設置してもよい。本開示の実施例はこれについて限定しない。ユーザが視認しやすいよう、選択可能な一実施形態において、安全標識は床面標識である。
【0114】
図8は本開示の一実施例で提供する対象エリアの構造模式図である。説明の便宜上、図8に示すように、例えば対象エリアがエリア1である場合を例に採ると、対象エリア内には複数のラックが含まれうる。ラックの間には通路が存在してもよく、ユーザは通路位置で活動できる。安全標識は通路位置に設置してもよい。
【0115】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法は、対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップの後に、さらに、ユーザに対し、対象エリアが安全エリアであるとユーザに知らせるための第2の注意情報を送信するステップを含む。
【0116】
本開示の実施例はユーザに第2の注意情報を送信する具体的実現方法について限定しない。例えば、ユーザの端末機器にショートメッセージ、チャット、メール、プッシュメッセージ、音声による注意を送信する等の方法により、対象エリアが安全エリアであるとユーザに知らせてもよい。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【0117】
以下は、本開示の方法実施例を実行するために用いられうる本開示の装置実施例である。本開示の装置実施例において記載されていない詳細については、本開示の方法実施例を参照されたい。
【0118】
図9は本開示の一実施例で提供する倉庫システム制御装置の構造概略図である。当該装置は、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの方式で実現でき、例えば端末機器によって実現できる。図9に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置は、取得モジュール61と、確認モジュール62と、制御モジュール63とを含みうる。
【0119】
取得モジュール61は、安全扉の開扉要求信号を取得して、前記安全扉に対応する対象エリアを特定するために用いられる。対象エリアは倉庫システムの複数のエリアのうちの一部のエリアである。確認モジュール62は、前記対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するために用いられる。制御モジュール63は、前記安全扉の状態を開放状態に制御するために用いられる。
【0120】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置の確認モジュール62はさらに、第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信して、第1の荷物運搬ツールに作動を停止させるためと、第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するために用いられる。
【0121】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置はさらにプッシュ通知モジュール65を含む。プッシュ通知モジュール65は、作動状態である第1の荷物運搬ツールが存在する場合、対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起するための第1の注意情報を送信するために用いられる。
【0122】
選択可能な一実施形態において,第1の荷物運搬ツールはロボットまたはフォークリフトである。
【0123】
選択可能な一実施形態において、制御モジュール63は、具体的には、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにするため、および/または、第1の荷物運搬ツールに第1のタスクを割り当てるために用いられる。第1のタスクの対象ラックは対象エリアに存在する。
【0124】
本実施例の装置は、上記の図2に示す方法実施例を実行可能である。その技術的原理および技術的効果は上記実施例と類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0125】
図9に示す実施例を基礎として、さらに、本開示で提供する倉庫システム制御装置の他の実施例においては、対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認することは、第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定する判定モジュール64を含む。
【0126】
本実施例の装置は、上記の図3に示す方法実施例を実行可能である。その技術的原理および技術的効果は上記実施例と類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0127】
図9に示す実施例を基礎として、さらに、本開示で提供する倉庫システム制御装置の他の実施例において、制御モジュール63はさらに、第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするために用いられる。
【0128】
選択可能な一実施形態において、制御モジュール63は、具体的には、第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するため、および/または、第1の荷物運搬ツールを制御して第2のタスクを実行させるために用いられる。第1のタスクの対象ラックは対象エリアにあり、第2のタスクの対象ラックは倉庫システム内の対象エリア以外の他のエリアにある。
【0129】
図9に示す実施例を基礎として、さらに、本開示で提供する倉庫システム制御装置の他の実施例において、制御モジュール63はさらに、倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して、対象エリアへの進入を禁止するために用いられる。第2の荷物運搬ツールは、対象エリア以外の他のエリア内の荷物運搬ツールである。
【0130】
選択可能な一実施形態において、制御モジュール63は、具体的には、第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止させるため、および/または、第2の荷物運搬ツールへの第1のタスクの割り当てを停止するために用いられる。第1のタスクの対象ラックは対象エリアに存在する。
【0131】
本実施例の装置は、上記の図4に示す方法実施例を実行可能である。その技術的原理および技術的効果は上記実施例と類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0132】
図9に示す実施例を基礎として、さらに、本開示で提供する倉庫システム制御装置の他の実施例において、取得モジュール61はさらに、ユーザがいる場所の位置情報を取得して、位置情報が示す対象エリアを特定するために用いられる。
【0133】
確認モジュール62は、具体的には、位置情報が示す対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するために用いられる。
【0134】
選択可能な一実施形態において、取得モジュール61は、具体的には、ユーザの、測位識別機能を備えたタグを検出するためと、タグを解析してユーザがいる場所の位置情報を取得するために用いられる。
【0135】
本実施例の装置は、上記の図5に示す方法実施例を実行可能である。その技術的原理および技術的効果は上記実施例と類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0136】
図9に示す実施例を基礎として、さらに、本開示で提供する倉庫システム制御装置の他の実施例において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置はさらに、対象エリア内の安全標識を表示するための表示モジュール66を含む。安全標識は、対象エリアが安全エリアであることを示すために用いられる。
【0137】
選択可能な一実施形態において、安全標識は床面標識である。
【0138】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置はさらに、ユーザに第2の注意情報を送信するための送信モジュール67を含む。第2の注意情報は対象エリアが安全エリアであるとユーザに知らせるために用いられる。
【0139】
選択可能な一実施形態において、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御装置の制御モジュール63はさらに、安全扉の状態が閉鎖状態である場合、および/または、対象エリア内にユーザが存在しない場合、第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すために用いられる。
【0140】
本実施例の装置は、上記の図7に示す方法実施例を実行可能である。その技術的原理および技術的効果は上記実施例と類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0141】
本開示で提供する装置の実施例は概要にすぎず、図9におけるモジュールの区分は、一種の論理機能の区分であり、実際に具現化する場合は別の区分方法もありうる。例えば複数のモジュールを結合したり、あるいは別のシステムに集積したりしてもよい。各モジュール相互間の結合は、インタフェースを介して実現してもよい。これらインタフェースは通常は電気的通信インタフェースであるが、機械式インタフェースまたは他の形式のインタフェースである可能性も排除しない。したがって、分離した部材として説明したモジュールは、物理的に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。一か所に位置していてもよいし、同一または異なる機器の異なる位置に分散されていてもよい。
【0142】
本開示の実施例で提供する倉庫システムは、安全扉と荷物運搬ツールとを含み、図1または図6に示す的倉庫システムを参照可能である。なお、安全扉は上記倉庫システム制御方法を実行するために用いることができる。具体的には、上記方法実施例を参照できるため、その内容と効果は再度説明しない。
【0143】
図10は本開示の実施例で提供する電子機器の構造模式図である。当該電子機器は安全扉でありうる。図10に示すように、当該電子機器は、プロセッサ71と、メモリ72と、送受信機73と、コンピュータプログラムとを含む。送受信機73は他の機器とのデータ伝送に用いられる。コンピュータプログラムはメモリ72に記憶されるとともに、プロセッサ71によって実行されるように構成される。コンピュータプログラムは上記倉庫システム制御方法を実行するための指令を含むが、その内容および効果は方法実施例を参照されたい。
【0144】
また、本開示の実施例はさらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行指令が記憶され、ユーザ機器の少なくとも1つのプロセッサによって当該コンピュータ実行指令が実行されると、ユーザ機器は上記の選択可能な各種の方法を実行する。
【0145】
なお、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体を含み、通信媒体はある場所から別の場所へコンピュータプログラムを伝送するのに適したあらゆる媒体を含む。記憶媒体は汎用または専用コンピュータでアクセスできる使用可能などのような媒体であってもよい。一例としての記憶媒体は、プロセッサに結合されることで、プロセッサが当該記憶媒体から情報を読み取り、かつ当該記憶媒体に情報を書き込むことが可能となる。もちろん、記憶媒体はプロセッサの構成部分であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に配置されてもよい。なお、当該ASICはユーザ機器内に配置することができる。もちろん、プロセッサと記憶媒体は独立したコンポーネントとして通信機器内に存在してもよい。
【0146】
当業者であれば、上記の各方法実施例のすべてまたは一部のステップは、プログラム指令に関わるハードウェアによって達成されうることが理解できよう。上記プログラムは、1つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。当該プログラムが実行されるとき、上記の各方法実施例のステップが実行される。前記の記憶媒体にはROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な各種媒体が含まれる。
【0147】
最後に説明することとして、以上の各実施例は本開示の技術スキームを説明するためだけに用いたもので、限定するものではない。また、前記各実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載した技術スキームはさらに変更したり、一部または全部の技術特徴に対して同等の置換をすることが可能である。ただしこれらの変更または置換は、その技術スキームの本質を本開示の各実施例の技術スキームの範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の安全扉の開扉要求信号を取得して、前記第1の安全扉に対応する第1の対象エリアを特定するステップと、
前記第1の対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するか、または前記第1の荷物運搬ツールを倉庫システム内の前記第1の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングするステップと、
前記第1の安全扉の状態を開放状態に制御するステップと、を含み、
前記第1の対象エリアは前記倉庫システムの複数のエリアのうちの一部のエリアである、
倉庫システム制御方法。
【請求項2】
前記第1の対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する前記ステップは、
前記第1の荷物運搬ツールに作動停止指令を送信して、前記第1の荷物運搬ツールに作動を停止させるステップと、
前記第1の荷物運搬ツールの状態を検出して、前記第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップと、を含む、
請求項1に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項3】
前記第1の荷物運搬ツールの状態を検出する前記ステップの後に、さらに、
作動状態である前記第1の荷物運搬ツールが存在する場合、前記第1の対象エリアが非安全エリアであるとユーザに注意喚起するための第1の注意情報をプッシュ通知するステップを含む、
請求項2に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項4】
前記第1の対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認する前記ステップの前に、さらに、
前記第1の対象エリアに前記第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定するステップと、
前記第1の荷物運搬ツールが存在しない場合、前記第1の安全扉の状態を開放状態に制御するステップと、を含む、
請求項2に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項5】
前記第1の荷物運搬ツールを前記倉庫システム内の前記第1の対象エリア以外の他のエリアへスケジューリングする前記ステップは、
前記第1の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するステップ、および/または、前記第1の荷物運搬ツールを制御して第2のタスクを実行させるステップを含み、
前記第1のタスクの対象ラックは前記第1の対象エリアにあり、前記第2のタスクの対象ラックは前記倉庫システム内の前記第1の対象エリア以外の他のエリアにある、
請求項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項6】
前記倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して前記第1の対象エリア以外の他のエリア内で活動させ前記第2の荷物運搬ツールの前記第1の対象エリアへの進入を禁止するステップをさらに含み、
前記第2の荷物運搬ツールは、前記第1の対象エリア以外の他のエリア内の荷物運搬ツールである、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項7】
前記倉庫システム内の第2の荷物運搬ツールを制御して前記第1の対象エリア以外の他のエリア内で活動させ前記第2の荷物運搬ツールの前記第1の対象エリアへの進入を禁止するステップは、
前記第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止するステップ、および/または、前記第1のタスクを前記第2の荷物運搬ツールに割り当てることを停止するステップを含み、
前記第1のタスクの対象ラックは前記第1の対象エリア内に存在する、
請求項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項8】
前記安全扉は複数の対象エリアに対応し、前記安全扉に対応する対象エリアを特定した後に、さらに、
ユーザがいる場所の位置情報を取得して、前記位置情報が示すエリアを第2の対象エリアとして特定するステップ
前記第2の対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するステップと、を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項9】
ユーザがいる場所の位置情報を取得する前記ステップは、
前記ユーザの、測位識別機能を備えたタグを検出するステップと、
前記タグを解析して前記ユーザがいる場所の位置情報を取得するステップと、を含む、
請求項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項10】
ユーザがいる場所の位置情報を取得して、前記位置情報が示すエリアを第2の対象エリアとして特定する前記ステップの後に、さらに、
前記第2の対象エリアとは異なる前記第1の対象エリアを非対象エリアに決定するステップを含む、
請求項8に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項11】
前記第2の対象エリアは第2の安全扉に対応し、前記第1の対象エリアを非対象エリアに決定する前記ステップの後に、さらに、
前記位置情報に基づいて、ユーザから遠い安全扉を閉じるとともに、ユーザから最も近い安全扉を開くステップを含む、
請求項10に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項12】
前記第1の対象エリア内の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認した後に、さらに、
前記第1の対象エリア内の安全標識を表示するステップを含み、
前記安全標識は前記第1の対象エリアが安全エリアであることを示すために用いられる、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項13】
前記安全標識は床面標識である、
請求項12に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項14】
前記第1の安全扉の状態が閉鎖状態である、および/または、前記第1の対象エリア内にユーザが存在しない、と確認した場合、
前記第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻すステップをさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項15】
前記第1の荷物運搬ツールの状態を作動状態に戻す前記ステップは、
前記第1の荷物運搬ツールの第1のタスクをオンにするステップ、および/または、前記第1の荷物運搬ツールに前記第1のタスクを割り当てるステップを含み、
前記第1のタスクの対象ラックは前記第1の対象エリアに存在する、
請求項14に記載の倉庫システム制御方法。
【請求項16】
第1の安全扉の開扉要求信号を取得して、前記安全扉に対応する第1の対象エリアを特定するための取得モジュールと、
前記第1の対象エリア内の第1の荷物運搬ツールの状態が非作動状態であると確認するための確認モジュールと、
前記第1の安全扉の状態を開放状態に制御するための制御モジュールと、を含む、
倉庫システム制御装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信可能に接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサで実行可能な指令が記憶され、前記指令は前記少なくとも1つのプロセッサで実行されて、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~15のいずれか1項に記載の倉庫システム制御方法を実行できるようにする、
倉庫システム制御装置
【請求項18】
荷物運搬ツールと、請求項17に記載の倉庫システム制御装置とを含む、
倉庫システム。
【請求項19】
コンピュータに請求項1~15のいずれか一項に記載の倉庫システム制御方法のステップを実行させる、
コンピュータが実行可能なプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
選択可能な一実施形態において、倉庫システム制御装置はさらに、第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定する判定モジュールを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
第1の荷物運搬ツールの状態を検出すると、第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態である場合がありうる。この場合、第1の荷物運搬ツールの故障により、端末機器が第1の荷物運搬ツールとデータ通信を行うことができないか、あるいは第1の荷物運搬ツールが端末機器から送信された作動停止指令を実行できない等の原因で、第1の荷物運搬ツールの状態が作動状態になってしまっている可能性がある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
に示す実施例を基礎として、さらに、選択可能な一実施形態において、図4に示すように、本開示の実施例で提供する倉庫システム制御方法はさらに以下のステップを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
第2の荷物運搬ツールは複数のタスクを実行する必要がある可能性があり、複数のタスクは1つまたは複数の第1のタスク、および1つまたは複数の第2のタスクを含んでいる可能性がある。選択可能な一実施形態において、第2の荷物運搬ツールの第1のタスクを一時停止することにより、第の荷物運搬ツールはタスク順序に従って第2のタスクを実行できる。第2のタスクの対象ラックは非対象エリアにあるので、第2の荷物運搬ツールは第2のタスクを実行するために、非対象エリアへ移動する。選択可能な他の実施形態においては、第1のタスクを第2の荷物運搬ツールに割り当てることを停止することで、第2の荷物運搬ツールが非対象エリア内で荷物の出し入れをするように制御する。本開示の実施例ではこのような例示のみとしたが、これらに限定されない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0125
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0125】
図9に示す実施例を基礎として、さらに、本開示で提供する倉庫システム制御装置の他の実施例においては、第1の荷物運搬ツールが存在するか否かを判定する判定モジュール64をさらに含む。
【国際調査報告】