IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モノリス マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図1
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図2
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図3
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図4
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図5
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図6
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図7
  • 特表-処理のためのシステム及び方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】処理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/05 20170101AFI20231019BHJP
【FI】
C01B32/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520361
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 US2021053371
(87)【国際公開番号】W WO2022076306
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】63/087,783
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520068582
【氏名又は名称】モノリス マテリアルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100203208
【弁理士】
【氏名又は名称】小笠原 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン,ロバート・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ハードマン,ネッド・ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,トーマス・アール.
【テーマコード(参考)】
4G146
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AB01
4G146AC27A
4G146AC27B
4G146AD32
4G146BA31
4G146BB01
4G146BC09
(57)【要約】
炭素質生成物は、本明細書で提供するシステム及び方法を使用して生成され得る。二酸化炭素は隔離され得る。炭素質生成物は、カーボンブラックを含み得る。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比及び少なくとも約97重量%の炭素含有量を有する、炭素質生成物。
【請求項2】
前記炭素質生成物がカーボンブラックである、請求項1に記載の炭素質生成物。
【請求項3】
前記炭素質生成物が固体である、請求項1に記載の炭素質生成物。
【請求項4】
前記炭素質生成物が黒鉛環を含む、請求項1に記載の炭素質生成物。
【請求項5】
約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し、黒鉛環を含む、炭素質生成物。
【請求項6】
前記炭素質生成物がカーボンブラックである、請求項5に記載の炭素質生成物。
【請求項7】
前記炭素質生成物が固体である、請求項5に記載の炭素質生成物。
【請求項8】
炭素質生成物を形成する方法であって、
(a)約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する供給原料及び加熱ガスを供給するステップと、
(b)前記供給原料と前記加熱ガスとを混合して前記炭素質生成物を形成するステップであって、前記炭素質生成物が、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比及び少なくとも約97重量%の炭素含有量を有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記炭素質生成物がカーボンブラックである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記炭素質生成物中の炭素原子が、前記供給原料の前記炭素質生成物への変換中に約1,000℃を超える温度に曝露される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記供給原料の前記変換が、バイオメタン又は添加炭化水素供給原料の前記炭素質生成物への変換を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
投入天然ガス1トンにつき、炭素質生成物及び生産プロセスの他のすべての生成物の二酸化炭素(CO)排出量が、前記炭素質生成物及び他のすべての生成物を生産する現行プロセスと比較して約3トン超低減される、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記炭素質生成物中にCOを隔離することをさらに含み、隔離されたCOの炭素質生成物に対する比が少なくとも約2:1である、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
(b)が実質的に大気酸素なしで行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
(b)が電気加熱を用いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
(b)がプラズマ発生装置を用いて行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
炭素-14の炭素-12に対する調整比を決定する方法であって、
(a)供給原料及び加熱ガスを供給するステップと、
(b)前記供給原料と前記加熱ガスとを混合して炭素質生成物を形成するステップと、
(c)少なくとも1つのコンピュータプロセッサを使用して、前記炭素質生成物中に存在する炭素-14原子の炭素-12原子に対する物理的比及びバイオメタンのデジタル炭素-14クレジットを含む、前記炭素-14の炭素-12に対する調整比を計算するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスを1つの場所に含む、生産プロセス。
【請求項19】
前記1つの場所が、最大で約1マイルの直径を有する場所である、請求項18に記載の生産プロセス。
【請求項20】
前記バイオメタンプロセス、前記プラズマプロセス及び前記アンモニアプロセスが同時に作用する、請求項18に記載の生産プロセス。
【請求項21】
(i)前記バイオメタンプロセスがバイオメタンを生産し、(ii)前記プラズマプロセスが、前記バイオメタンプロセスによって生産された前記バイオメタンを消費して水素を生産し、(iii)前記アンモニアプロセスが、前記プラズマプロセスによって生産された前記水素を消費してアンモニアを生産する、請求項18に記載の生産プロセス。
【請求項22】
前記プラズマプロセスが炭素質生成物をさらに生産する、請求項21に記載の生産プロセス。
【請求項23】
前記バイオメタンプロセス、前記プラズマプロセス及び前記アンモニアプロセスのうちの1つ以上の間で廃熱を共有することをさらに含む、請求項18に記載の生産プロセス。
【請求項24】
再生可能エネルギーを使用して、メタンの熱分解においてプラズマを生成することを含む、処理方法。
【請求項25】
前記再生可能エネルギーが、風力系エネルギー、太陽光系エネルギー、バイオマス燃焼系エネルギー又は地熱エネルギーのうちの1つ以上を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記熱分解が熱分解脱水素化を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
約10mm×10mmサイズ未満のタイヤクラムのローフィードであって、前記タイヤクラムのローフィードがバイオメタン、バイオ燃料及び/又は天然ガスとの同時フィードとしてプラズマプロセスに供給される、ローフィード。
【請求項28】
前記プラズマプロセスがカーボンブラックを生産する、請求項27に記載のタイヤクラムのローフィード。
【請求項29】
1つ以上のタイヤ及びカーボンブラックをメタンに変換することを含む、処理方法。
【請求項30】
前記メタンを使用して炭素質生成物を生産することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
大気酸素を実質的に含まない前記炭素質生成物を生産することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
電気加熱を用いて前記炭素質生成物を生産することをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
プラズマ発生装置を用いて前記炭素質生成物を生産することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記炭素質生成物がカーボンブラックである、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記変換することが、前記1つ以上のタイヤ及び前記カーボンブラックを揮発性有機物又は半揮発性有機物に変換することをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する、ゴム物品。
【請求項37】
約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有するタイヤ。
【請求項38】
生物源に由来する約60体積%以上のメタンを含むバイオメタンのフィードであって、前記バイオメタンのフィードの残りが消化プロセスからの不純物及び/又は1つ以上の同時供給原料を含み、前記バイオメタンのフィードを使用して炭素質生成物が生産される、バイオメタンのフィード。
【請求項39】
前記1つ以上の同時供給原料が、(i)バイオ系、(ii)非バイオ系又は(iii)それらの組合せである、請求項38に記載のバイオメタンのフィード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
炭素質生成物は、様々な化学的プロセスによって生産され得る。このような化学的プロセスに関連する性能、エネルギー供給及び環境性能は、経時的に進化してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本開示は、例えばカーボンブラックなどの炭素質生成物を生産するためのより効率的かつ効果的なプロセスの必要性を認識している。本明細書では、二酸化炭素を隔離する必要性も認識されている。本開示は、例えば、二酸化炭素を炭素質生成物中に隔離するプロセスを提供し得る。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、例えば、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する炭素質生成物を提供する。炭素質生成物は、カーボンブラックであり得る。炭素質生成物中の炭素原子は、炭化水素供給原料の炭素質生成物への変換中に約1,000℃を超える温度に曝露され得る。炭化水素供給原料の変換は、バイオメタン及び/又は添加炭化水素供給原料の炭素質生成物への変換を含み得る。炭素質生成物は、固体であり得る。炭素-14含有量は、バイオメタンのデジタル炭素-14クレジットを確保することによって達成することができ、作製されたままの炭素質生成物中に物理的炭素-14が存在しなくてもよい。
【0004】
本開示は、生産プロセスであって、例えば、投入天然ガス1トン当たり、生産プロセスの炭素質生成物及び他のすべての生成物の二酸化炭素(CO)排出量が、炭素質生成物及び他のすべての生成物を生産する現行プロセスと比較して、約3トン超低減される生産プロセスも提供する。
【0005】
本開示は、例えば、炭素質生成物を生産する生産プロセスであって、生産される炭素質生成物1トン当たり、少なくとも約2.0トンの二酸化炭素(CO)が大気から除去されて炭素質生成物内に隔離され、生産されたままの炭素質生成物が続いてCOからの炭素を含む、生産プロセス方法も提供する。炭素質生成物の製造は、大気から二酸化炭素(CO)を隔離し得て、炭素質生成物はカーボンブラックであり得る。生産プロセスは、実質的に大気酸素を含まない炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。生産プロセスは、電気加熱を用いて炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。生産プロセスは、プラズマ発生装置を用いて炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。
【0006】
本開示はまた、例えば、バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスを1つの場所に含む生産プロセスを提供する。バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスは、同時に作用し得る。バイオメタンプロセスは、バイオメタンを生成し得て、プラズマプロセスは、バイオメタンプロセスによって生産されたバイオメタンを消費して、炭素質生成物及び水素を生産し得て、アンモニアプロセスは、プラズマプロセスによって生産された水素を消費して、アンモニアを生産し得る。生産プロセスは、バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスのうちの1つ以上の間で廃熱を共有することをさらに含み得る。
【0007】
本開示はまた、例えば、メタンの熱分解において風力エネルギー又は他の再生可能エネルギーを使用してプラズマを生成することを含む処理方法を提供する。熱分解は、熱分解脱水素化を含み得る。
【0008】
本開示はまた、例えば、約10mm×10mm未満のサイズのタイヤクラムのローフィードを提供し、タイヤクラムのローフィードは、バイオメタン、バイオ燃料及び/又は天然ガスとの同時フィードとしてプラズマプロセスに供給される。プラズマプロセスは、カーボンブラックを生産し得る。
【0009】
本開示は、例えば、1つ以上のタイヤ及びカーボンブラックをメタンに変換することを含む処理方法も提供する。この方法は、メタンを使用して炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。この方法は、実質的に大気酸素を含まない炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。この方法は、電気加熱を用いて炭素質生成物を生成することをさらに含み得る。この方法は、プラズマ発生装置を用いて炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。炭素質生成物は、カーボンブラックであり得る。
【0010】
本開示は、例えば、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有するゴム物品も提供する。
【0011】
本開示はまた、例えば、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有するタイヤも提供する。
【0012】
本開示は、例えば、生物源に由来する約60体積%以上のメタンを含むバイオメタンのフィードであって、バイオメタンの供給原料の残りが消化プロセスからの不純物及び/又は1つ以上の同時供給原料を含み、バイオメタンのフィードが炭素質生成物を生産するために使用される、バイオメタンのフィードも提供する。1つ以上の同時供給原料は、(i)バイオ系、(ii)非バイオ系又は(iii)それらの組合せであり得る。
【0013】
これら及び追加の実施形態は、以下でさらに説明される。
【0014】
本発明の新規特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載されている。本発明の特徴及び利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、及び添付の図面又は図(本明細書の「図(FIG.)」及び「図(FIGs.)」も参照されたい)を参照することによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示による方法の一例の模式図を示す。
図2】本開示によるシステムの一例の模式図を示す。
図3】ファーネスプロセスの模式図及びおおよその説明を示す。
図4】本開示によるプロセスの一例の模式図を示す。
図5】本開示によるプロセスのある利点を模式的に示す。
図6】本開示によるプラズマプロセスの一例の模式図である。
図7】従来のカーボンブラックプロセスの一例の模式図を示す。
図8】従来のアンモニアプロセスの一例の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書に示されている詳細は、一例としてであり、本発明の様々な実施形態の例示的な説明のためのものに過ぎず、本発明の原理及び概念的態様の最も有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されている。これに関して、本発明の基本的な理解に必要なものよりも詳細に本発明の詳細を示す試みはなされておらず、説明によって、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかが当業者に明らかとなる。
【0017】
次に、本発明を、より詳細な実施形態を参照して説明する。しかし、本発明は、異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全となり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0018】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書における本発明の説明で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に別途指摘しない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、その全体が参照により明示的に組み入れられている。
【0019】
別途指摘しない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを表すすべての数字は、すべての事例において「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、逆のことが指摘されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の丸め手法に照らして解釈されるべきである。
【0020】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかしいずれの数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じるある誤差を本質的に含む。本明細書を通じて与えるあらゆる数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示的に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲内に含まれるあらゆるより狭い数値範囲を含む。
【0021】
本発明のさらなる利点は、以下の説明に一部が記載され、その説明から一部が明らかになる、又は本発明の実施によって習得され得る。上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明のどちらも例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明の様々な態様は、個別に、集合的に、又は互いに組合せて認識できることを理解されたい。
【0022】
製造は、より持続可能で環境に優しいプロセスへと絶えず進化し続けている。グリーンプロセスは例えば、温室効果ガス(例えば、例えば既存の又は現行プロセスと比較して、少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、50%、75%、90%、95%又は100%)を削減するプロセスを指し得る。今日、より古い現行の技術に代わる次世代のグリーン技術を用いた生産方法の復興がある。グリーンプロセスによって新しい材料を作製することによってある効果が達成され得るが、既存の製造技術及び既存の製品を、より環境に優しいだけでなくコスト競争力があり、さらに現行の製品と同等又はそれ以上に良好に機能する有用な製品を提供する、より環境に優しい技術に代えることによって、最も強力な効果が感じられ得る。
【0023】
本開示は、例えば、天然ガスのカーボンブラック及び水素への熱分解(例えば熱分解脱水素化)におけるプラズマ技術の使用(本明細書ではまた「プラズマプロセス」)を含む、そのようなシステム及び方法の例を提供する。熱分解(例えば熱分解脱水素化)は、不活性又は無酸素又は実質的に無酸素の雰囲気(例えば無酸素環境又は雰囲気は、例えば本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る)での高温での材料の熱分解を指し得る。熱分解は、例えば約800℃を超える温度を指し得る。カーボンブラック及び水素は、この例では有用な共生成物であり得る。この技術の主要な態様は、より少ないCO、SO及び/又はNO排出であり得る。技術が進化するにつれて、本発明の技術の能力の真の精神は、(例えばプロセスの上流及び/又は下流構成を通じて)最重要となり得る。例えば、プロセスは、CO還元及び/又はCO正味隔離に関して上流及び/又は下流構成を含み得る(例えば最も効率的なプロセスは、CO還元、実際にはCO正味隔離に関する上流及び下流の最適化を伴い得る)。
【0024】
理想的な次世代グリーンプロセスは、工業的に有用で、環境に優しく、長期間にわたって環境において安定な生成物を供給する炭素質生成物の形態へCOを隔離することを伴い得る。得られた炭素質生成物は、複数の製品ライフサイクルを通じて(例えば理想的には)リサイクルされ得る。
【0025】
本開示は、化学変化に影響を及ぼすためのシステム及び方法を提供する。そのような化学変化に影響を及ぼすことは、本開示のシステム及び方法を使用して炭素質生成物(例えばカーボンブラックなどの、例えばカーボン粒子)を作製することを含み得る。本開示のシステム(例えば装置)及び方法、並びに本明細書のシステム及び方法を用いて実施されるプロセスは、二酸化炭素を隔離し得る。本開示のシステム(例えば装置)及び方法、並びに本明細書のシステム及び方法を用いて実施されるプロセスは、例えばカーボンブラック又は炭素含有化合物(本明細書ではまた「炭素質生成物」)の連続生産を可能にし得る。本明細書に記載のシステム及び方法は、例えば連続運転及び高品質の炭素粒子(例えばカーボンブラック)の生成を可能にし得る。プロセスは、炭素含有供給原料を変換することを含み得る。本明細書に記載のシステム及び方法は、炭化水素を急速に加熱して、例えば炭素粒子(例えばカーボンブラック)を形成することを含み得る。例えば、炭化水素は急速に加熱されて、炭素粒子(例えばカーボンブラック)及び水素を形成し得る。水素は、場合によっては大部分の水素を指し得る。例えば、この水素の一部は、メタン(例えば未使用メタン)及び/又は様々な他の炭化水素(例えばエタン、プロパン、エチレン、アセチレン、ベンゼン、トルエン、多環芳香族炭化水素(PAH)、例えばナフタレンなど)も含有し得る。
【0026】
本明細書のプロセスは、電気エネルギー(例えば直流又は交流電源から)によって熱伝達ガス(例えばプラズマガス)を加熱することを含み得る。熱伝達ガスは、電気アークによって加熱され得る。熱伝達ガスは、ジュール加熱(例えば抵抗加熱、誘導加熱、又はそれらの組合せ)によって加熱され得る。熱伝達ガスは、ジュール加熱及び電気アーク(例えばジュール加熱の下流)によって加熱され得る。熱伝達ガスは、熱交換、ジュール加熱、電気アーク又はそれらの任意の組合せによって加熱され得る。熱伝達ガスは、熱交換、ジュール加熱、燃焼又はそれらの任意の組合せによって加熱され得る。このプロセスは、注入された供給原料を加熱された熱伝達ガス(例えばプラズマガス)と混合して、好適な反応条件を達成することをさらに含み得る。炭化水素は、高温ガスと混合されて炭化水素からの水素の除去に影響を及ぼし得る。反応の生成物は冷却され得て、炭素粒子(例えばカーボンブラック)又は炭素含有化合物は他の反応生成物から分離され得る。生産されたままの水素は、反応装置中に再循環され得る。
【0027】
熱伝達ガスは、場合によっては、無酸素環境で加熱され得る。炭素質生成物(例えば炭素粒子)は、場合によっては、無酸素雰囲気中で生産(例えば製造)され得る。無酸素雰囲気は、例えば体積で約5%未満の酸素、(例えば体積で)約3%未満の酸素、又は(例えば体積で)約1%未満の酸素を含み得る。
【0028】
熱伝達ガスは、(体積で)少なくとも約60%から約100%までの水素を含み得て、約30%までの窒素、約30%までのCO、約30%までのCH、約10%までのHCN、約30%までのC、及び約30%までのArをさらに含み得る。例えば、熱伝達ガスは、約60%を超える水素であり得る。さらに、熱伝達ガスは、アントラセン、ナフタレン、コロネン、ピレン、クリセン、フルオレンなどの多環芳香族炭化水素も含み得る。さらに、熱伝達ガスは、存在するベンゼン及びトルエン又は類似の単芳香族炭化水素成分を含み得る。例えば、熱伝達ガスは、約90%以上の水素、並びに約0.2%の窒素、約1.0%のCO、約1.1%のCH、約0.1%のHCN及び約0.1%のCを含み得る。熱伝達ガスは、約80%以上の水素を含み得て、残りは、上述のガス、多環式芳香族炭化水素、単芳香族炭化水素及び他の成分の何らかの混合物を含み得る。酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水素、一酸化炭素、炭化水素(例えばメタン、エタン、不飽和)などの(単独又は2つ以上の混合物で使用される)熱伝達ガスが使用され得る。熱伝達ガスは、約50体積%以上の水素を含み得る。熱伝達ガスは、例えば酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、空気、水素、炭化水素(例えばメタン、エタン)など(単独で又は2つ以上の混合物で使用される)を含み得る。熱伝達ガスは、約70体積%を超えるHを含み得て、ガスHCN、CH、C、C、CO、ベンゼン又は多芳香族炭化水素(例えばナフタレン及び/又はアントラセン)の少なくとも1つ以上を少なくとも約1ppmのレベルで含み得る。多芳香族炭化水素は、例えばナフタレン、アントラセン及び/又はそれらの誘導体を含み得る。多芳香族炭化水素は、例えばメチルナフタレン及び/又はメチルアントラセンを含み得る。熱伝達ガスは、(例えば前述の熱伝達ガスのうち)所与の熱伝達ガスを重量、体積又はモルで、約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上の濃度で(例えば熱伝達ガスの混合物中に)含み得る。代替的又は追加的に、熱伝達ガスは、所与の熱伝達ガスを重量、体積又はモルで、約100%、99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm以下の濃度で(例えば、熱伝達ガスの混合物中に)含み得る。熱伝達ガスは、追加の熱伝達ガスを(例えば熱伝達ガスの混合物中に)同様の又は異なる濃度で含み得る。そのような追加の熱伝達ガスは、例えば、所与の熱伝達ガスとして選択されない前述の熱伝達ガスの中から選択され得る。所与の熱伝達ガス自体が混合物を含み得る。熱伝達ガスは、加熱前、加熱中及び/又は加熱後に、そのような組成物の少なくともサブセットを有し得る。
【0029】
炭化水素供給原料は、式C又はCを有する任意の化学物質を含み得て、式中、nは整数であり、xは、(i)1と2n+2の間、又は(ii)石炭、コールタール、熱分解燃料油などの燃料の場合は1未満であり、yは0とnの間である。炭化水素供給原料としては、例えば単純炭化水素(例えばメタン、エタン、プロパン、ブタンなど)、芳香族原料(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、熱分解燃料油、コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、バイオメタン、バイオ燃料、他の生物由来の炭化水素など)、不飽和炭化水素(例えばエチレン、アセチレン、ブタジエン、スチレンなど)、含酸素炭化水素(例えばエタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、ケトン、エーテル、エステルなど)、又はそれらの任意の組合せが挙げられ得る。これらの例は、製造のために他の成分とさらに組合せる及び/又は混合することができる許容可能な炭化水素供給原料の非限定的な例として提供される。炭化水素供給原料は、供給原料の大部分(例えば約50重量%超)が本質的に炭化水素である供給原料を指し得る。反応性炭化水素供給原料は、少なくとも約70重量%のメタン、エタン、プロパン又はそれらの混合物を含み得る。炭化水素供給原料は、天然ガスを含み得る、又は天然ガスであり得る。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン若しくはそれらの混合物を含み得る、又はメタン、エタン、プロパン若しくはそれらの混合物であり得る。炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセチレン、エチレン、カーボンブラック油、コールタール、粗コールタール、ディーゼル油、ベンゼン及び/又はメチルナフタレンを含み得る。炭化水素は、(例えば追加の)多環式芳香族炭化水素を含み得る。炭化水素供給原料は、1つ以上の単純炭化水素、1つ以上の芳香族供給原料、1つ以上の不飽和炭化水素、1つ以上の含酸素炭化水素、又はそれらの任意の組合せを含み得る。炭化水素供給原料は、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、天然ガス、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン、メチルアントラセン、他の単環式又は多環式芳香族炭化水素、カーボンブラック油、ディーゼル油、熱分解燃料油、コールタール、粗コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、バイオメタン、バイオ燃料、他の生物由来炭化水素、エチレン、アセチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、エタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、1つ以上のケトン、1つ以上のエーテル、1つ以上のエステル、1つ以上のアルデヒド、又はそれらの任意の組合せを含み得る。供給原料は、本明細書に記載の供給原料化合物の1つ以上の誘導体、例えばベンゼン及び/又はその(1又は複数の)誘導体、ナフタレン及び/又はその(1又は複数の)誘導体、アントラセン及び/又はその(1又は複数の)誘導体などを含み得る。炭化水素供給原料(本明細書では「供給原料」とも)は、本明細書の他の箇所に記載したような組成を有し得る。バイオ廃棄物/有機廃棄物、リサイクル/リサイクル可能な製品及び/又は他のそのような材料も供給原料として使用され得る。そのような供給原料は、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように変換又は変形され得る。
【0030】
炭化水素供給原料(本明細書では「供給原料」とも)は、供給原料混合物を含み得る。供給原料は、第1の供給原料(例えばメタン、天然ガス、バイオメタン又はバイオ燃料)及び1つ以上の追加の(例えば第2、第3、第4、第5など)供給原料(例えばエタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、アントラセン、メチルアントラセン、他の単環式又は多環式芳香族炭化水素、カーボンブラック油、ディーゼル油、熱分解燃料油、コールタール、粗コールタール、石炭、重油、油、バイオオイル、バイオディーゼル、他の生物由来炭化水素、エチレン、アセチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、エタノール、メタノール、プロパノール、フェノール、1つ以上のケトン、1つ以上のエーテル、1つ以上のエステル、1つ以上のアルデヒド、又はそれらの任意の組合せ)を含み得る。所与の供給原料(例えば第1の供給原料、第2の供給原料、第3の供給原料、第4の供給原料、第5の供給原料など)は、それ自体混合物(例えば天然ガスなど)を含み得る。供給原料は、第1の供給原料を含まない1つ以上の追加の供給原料のうちの少なくとも1つを含み得る(例えば供給原料は、エタン、エチレン、カーボンブラック油、熱分解燃料油、コールタール、粗コールタール又は重油を含み得る)。供給原料は、第1の供給原料(例えばメタン、天然ガス、バイオメタン又はバイオ燃料)を、重量、体積又はモルで、約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上の濃度で含み得る。代替として、供給原料は、第1の供給原料(例えばメタン、天然ガス、バイオメタン又はバイオ燃料)を、重量、体積又はモルで、約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm未満の濃度で含み得る。いくつかの例では、供給原料は、第1の供給原料(例えばメタン、天然ガス、バイオメタン又はバイオ燃料)を、約25%、50%、75%、95%又は99%以上の濃度で含み得る。供給原料は、様々なレベルの(1又は複数の)追加の供給原料を含んでもよい。例えば、供給原料は、第2の供給原料及び第3の供給原料を含み得る。供給原料は第2の供給原料を、重量、体積又はモルで約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上の濃度で含み得る。代替として、供給原料は第2の供給原料を、重量、体積又はモルで約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm未満の濃度で含み得る。供給原料は、少なくとも第3の供給原料と組合せて第2の供給原料を含み得て、第3の供給原料は、重量、体積又はモルで約1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、0.01%、0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%以上の濃度である。代替として、供給原料は、少なくとも第3の供給原料と組合せて第2の供給原料を含み得て、第3の供給原料は、重量、体積又はモルで約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm未満の濃度である。供給原料は、第2の供給原料を含まない第3の供給原料を含み得る。第2の供給原料は、例えば、第1の供給原料として選択されない前述の第1の供給原料及び前述の1つ以上の追加の供給原料の中から選択され得る。次いで、第3の供給原料は、第1の原料の残り及び1つ以上の追加の原料から好適に選択され得る。供給原料は、他の(例えば第4、第5、第6、第7、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20など)追加の供給原料を(例えば同様の又は異なる濃度で)含み得る。そのような他の追加の供給原料は、例えば、前述の第1の供給原料及び第1の供給原料、第2の供給原料又は第3の供給原料として選択されない1つ以上の追加の供給原料の中から選択され得る。1つ以上の追加(例えば第2、第3、第4、第5など)の供給原料は、場合によっては本明細書で「添加剤」と呼ばれ得る。例えば、供給原料は、バイオメタン又はバイオ燃料及び(例えば1つ以上の追加の供給原料に関連して、例えば、本明細書の他の箇所に記載したような炭化水素供給原料であり得る)1つ以上の添加剤を含む供給原料混合物を含み得る。本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、バイオメタン又はバイオ燃料は、所与のレベルの炭素-14同位体を含み得る。いくつかの例では、1つ以上の添加剤はまた、これらが同様の(例えば同じ)炭素-14対炭素-12比を有し得るので、生物由来又はかつて生物由来であったリサイクル製品であり得る。バイオメタン又はバイオ燃料は、例えばバイオディーゼルなどの生物由来であり得る、又は石油製品由来であり得る(例えば添加剤は、本明細書に記載の炭化水素供給原料のいずれかであり得て、生物由来又はかつて生物由来であったリサイクル製品であり得る)、又はそれらの任意の組合せであり得る、添加剤と組合せられ得る。バイオ燃料は、本開示のプロセス(例えばプラズマプロセス)で使用され得て、さらに生物系であり、例えば、炭素-12原子各1個につき約3*10^-13~約1.40*10^-12個の炭素-14原子を含有する(又は本明細書の他の箇所に記載したように、炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する)、(例えば石油又は化石燃料生成からの(1又は複数の)供給原料を含む)本明細書に記載の任意の供給原料(例えばすべての供給原料)を指し(例えば広範に含み)得る。
【0031】
場合によっては、異なる供給原料が置換又は混合され得る。これは、例えば原料供給の変動性(例えば所与の原料の可用性の低下;並びに/又は天然ガス、及び/若しくは他の供給原料、例えば埋立地/廃棄物ガス、製油所ガス流(例えば製油所オフガス)、石炭床メタンなどの組成の変更)に対応し得る。所与の供給原料が予め決定されている場合、それは別個に提供され得る、又は別の供給原料から変換され得る。そのような供給原料変換は、(例えばバイオ廃棄物/有機廃棄物の変換に関連して、及びリサイクル/リサイクル可能な製品の変換に関連して、例えば、本明細書の他の箇所に記載したように)本明細書に記載のシステム及び方法の一部として提供され得る。本開示のシステム(例えば装置)及び方法、並びに本明細書のシステム及び方法を用いて実施されるプロセスは、1つ以上の異なる供給原料を使用できるように構成され得る。
【0032】
供給原料の少なくとも一部は、別の供給原料からの変換によってさらに変換又は生成され得る。供給原料は、1つ以上のステップ又は段階を介してさらに変換又は生成され得る。例えば、バイオメタンの1つ以上の供給原料が変換されてバイオメタンが生成され得る。バイオメタンの(1又は複数の)供給原料として使用され得る材料の例としては、限定されないが、下水、下水廃棄物、下水汚泥、肥料、(1又は複数の)森林残渣、農業残渣、廃棄作物、(1又は複数の)作物残渣、作物、廃棄食料品、腐敗した食品など(又はそれらの任意の組合せ)が挙げられ得る。例えば、バイオメタンの供給原料は、下水、下水廃棄物又は下水汚泥であり得るのは、そのような材料が消化可能な有機材料に富み、またゼロ値流として容易に利用可能であり得るためである。
【0033】
バイオメタンは、(例えば典型的に)よく理解されている、触媒の添加、廃棄物をメタンに分解するために使用される酵素及び細菌の継続的な改善に加えて、新しい温度管理形態の探索などを介して継続的に進歩している、非常に成熟したプロセスであると(例えばこの時点で)考えられ得る嫌気性消化を介して生産され得る。嫌気性消化のステップは、酵素がより小さい分子を分解及び液化し、さらにより大きいポリマー種を分解する加水分解を含み得る。酸生成は、第1のステップからのモノマーを発酵させて揮発性脂肪酸を形成する第2のステップであり得る。次のステップは、酢酸生成細菌が前のステップからの脂肪酸を酢酸及び水素などのメタン生成に有用な分子に分解するステップであり得る。次のステップは、細菌が前駆体分子をメタン及びカルボン酸に変換する次のステップをとるメタン生成であり得る。これらのプロセスはすべて、例えば溶液のpH及び温度を含む特定の反応条件を必要とし得る。
【0034】
供給原料の変換は、所与の供給原料の純度又は組成を達成するように構成され得る。例えば、所与の純度を達成するために、1つ以上の変換ステップ又は段階が追加され得る。少なくともいくつかの構成では、低純度の供給原料が使用され得る。例えば、低純度バイオメタン又はバイオ燃料は、本開示によるプロセスにおいて(例えば本明細書に記載したようなプラズマプロセスにおいて)(例えばまた)利用され得る。例えば、バイオメタン又はバイオ燃料中に(例えばバイオメタン又はバイオ燃料と共に)少量存在する窒素、酸素、水素、硫化水素、アンモニア及び/又は水を除去する必要がない場合がある。例えば、バイオメタン又はバイオ燃料の約60%は、本質的に炭化水素であり得て、他の不純物はプロセスに著しく影響し得ない。
【0035】
リサイクル可能な製品は、別の製品にリサイクルされ得る任意の最終使用製品を指し得る。例えば、タイヤは、機械的に粉砕されて、アスファルトで使用され得る、また運動場でも又は他の充填材料としても使用され得る小粒子にされ得る。その中の関連部分に関して、参照により本明細書に組み入れられている、Mark,Erman and Roland,「The Science and Technology of Rubber,」4th Ed.のタイヤの説明を参照されたい。
【0036】
供給原料の変換としては、例えば熱分解が挙げられ得る。嫌気性消化が伴ってもよい熱分解の例として、タイヤリサイクリング(又はタイヤリサイクル)が挙げられ得る。タイヤのメタンへの変換は、最初にシュレッダの使用によるタイヤの造粒から開始され得る。シュレッダは、いくつかの反復ステップによって、タイヤのサイズを例えば1mm×1mm未満のサイズの粒子に縮小し得る。この細断された材料は、磁気分離器を通過させて金属成分を除去してもよく、及び/又は代替的に、タイヤのビード及びラジアル成分は、細断前に除去され得る。この有機材料は、本開示によるプロセスにおいて(例えば炭化水素供給原料としてプラズマ技術に直接供給される)炭化水素供給原料として使用され得る、CH(の例えば一部)及び他の揮発性有機物を含むガス状蒸気を提供するために、触媒と組合せて加熱され得る。さらに、タイヤクラムの分解に必要な熱は、例えば炭化水素供給原料の固体炭素質生成物への変換中に発生した熱のより完全な利用が達成され得るように、リサイクル熱によって又はプラズマプロセスからの廃熱として供給され得る。
【0037】
本開示は、変換ステップ又は段階(又はプロセス)の1つ以上の互いとの、及び/又は1つ以上の変換ステップ若しくは変換段階(若しくはプロセス)への/からの1つ以上の材料流(例えばフロー)との熱統合を提供する。1つ以上の変換ステップ又は段階(又はプロセス)の互いとの熱統合は、そのような変換ステップ又は段階(又はプロセス)への/からの1つ以上の材料フローの熱統合を含み得る。例えば、異なる変換ステップ又は段階(又はプロセス)間の廃熱共有が実施され得る(例えば廃熱は、炭素質生成物を生成するプロセスと、1つ以上の他のプロセスとの間で共有され得る)。
【0038】
熱伝達ガスは、例えば約1標準立方メートル/時(Nm/hr)、2Nm/hr、5Nm/hr、10Nm/hr、25Nm/hr、50Nm/hr、75Nm/hr、100Nm/hr、150Nm/hr、200Nm/hr、250Nm/hr、300Nm/hr、350Nm/hr、400Nm/hr、450Nm/hr、500Nm/hr、550Nm/hr、600Nm/hr、650Nm/hr、700Nm/hr、750Nm/hr、800Nm/hr、850Nm/hr、900Nm/hr、950Nm/hr、1,000Nm/hr、2,000Nm/hr、3,000Nm/hr、4,000Nm/hr、5,000Nm/hr、6,000Nm/hr、7,000Nm/hr、8,000Nm/hr、9,000Nm/hr、10,000Nm/hr、12,000Nm/hr、14,000Nm/hr、16,000Nm/hr、18,000Nm/hr、20,000Nm/hr、30,000Nm/hr、40,000Nm/hr、50,000Nm/hr、60,000Nm/hr、70,000Nm/hr、80,000Nm/hr、90,000Nm/hr又は100,000Nm/hr以上の速度でシステムに(例えば、反応装置、例えば本明細書に記載する反応装置102又は212に)供給され得る。代替的又は追加的に、熱伝達ガスは、例えば約100,000Nm/hr、90,000Nm/hr、80,000Nm/hr、70,000Nm/hr、60,000Nm/hr、50,000Nm/hr、40,000Nm/hr、30,000Nm/hr、20,000Nm/hr、18,000Nm/hr、16,000Nm/hr、14,000Nm/hr、12,000Nm/hr、10,000Nm/hr、9,000Nm/hr、8,000Nm/hr、7,000Nm/hr、6,000Nm/hr、5,000Nm/hr、4,000Nm/hr、3,000Nm/hr、2,000Nm/hr、1,000Nm/hr、950Nm/hr、900Nm/hr、850Nm/hr、800Nm/hr、750Nm/hr、700Nm/hr、650Nm/hr、600Nm/hr、550Nm/hr、500Nm/hr、450Nm/hr、400Nm/hr、350Nm/hr、300Nm/hr、250Nm/hr、200Nm/hr、150Nm/hr、100Nm/hr、75Nm/hr、50Nm/hr、25Nm/hr、10Nm/hr、5Nm/hr又は2Nm/hr以下の速度でシステム(例えば反応装置)に供給され得る。熱伝達ガスは、本明細書に記載の1つ以上の供給原料流量と組合せて、そのような速度でシステム(例えば反応装置に)に供給され得る。
【0039】
供給原料(例えば炭化水素)は、例えば毎時約50グラム(g/hr)、100g/hr、250g/hr、500g/hr、750g/hr、毎時1キログラム(kg/hr)、2kg/hr、5kg/hr、10kg/hr、15kg/hr、20kg/hr、25kg/hr、30kg/hr、35kg/hr、40kg/hr、45kg/hr、50kg/hr、55kg/hr、60kg/hr、65kg/hr、70kg/hr、75kg/hr、80kg/hr、85kg/hr、90kg/hr、95kg/hr、100kg/hr、150kg/hr、200kg/hr、250kg/hr、300kg/hr、350kg/hr、400kg/hr、450kg/hr、500kg/hr、600kg/hr、700kg/hr、800kg/hr、900kg/hr、1,000kg/hr、1,100kg/hr、1,200kg/hr、1,300kg/hr、1,400kg/hr、1,500kg/hr、1,600kg/hr、1,700kg/hr、1,800kg/hr、1,900kg/hr、2,000kg/hr、2,100kg/hr、2,200kg/hr、2,300kg/hr、2,400kg/hr、2,500kg/hr、3,000kg/hr、3,500kg/hr、4,000kg/hr、4,500kg/hr、5,000kg/hr、6,000kg/hr、7,000kg/hr、8,000kg/hr、9,000kg/hr又は10,000kg/hr以上の速度でシステムに(例えば反応装置、例えば本明細書に記載する反応装置102又は212に)供給され得る。代替的又は追加的に、供給原料(例えば炭化水素)は、例えば約10,000kg/hr、9,000kg/hr、8,000kg/hr、7,000kg/hr、6,000kg/hr、5,000kg/hr、4,500kg/hr、4,000kg/hr、3,500kg/hr、3,000kg/hr、2,500kg/hr、2,400kg/hr、2,300kg/hr、2,200kg/hr、2,100kg/hr、2,000kg/hr、1,900kg/hr、1,800kg/hr、1,700kg/hr、1,600kg/hr、1,500kg/hr、1,400kg/hr、1,300kg/hr、1,200kg/hr、1,100kg/hr、1,000kg/hr、900kg/hr、800kg/hr、700kg/hr、600kg/hr、500kg/hr、450kg/hr、400kg/hr、350kg/hr、300kg/hr、250kg/hr、200kg/hr、150kg/hr、100kg/hr、95kg/hr、90kg/hr、85kg/hr、80kg/hr、75kg/hr、70kg/hr、65kg/hr、60kg/hr、55kg/hr、50kg/hr、45kg/hr、40kg/hr、35kg/hr、30kg/hr、25kg/hr、20kg/hr、15kg/hr、10kg/hr、5kg/hr、2kg/hr、1kg/hr、750g/hr、500g/hr、250g/hr又は100g/hr以下の速度でシステム(例えば反応装置)に供給され得る。
【0040】
熱伝達ガスは、約1,000℃、1,100℃、1,200℃、1,300℃、1,400℃、1,500℃、1,600℃、1,700℃、1,800℃、1,900℃、2,000℃、2050℃、2,100℃、2,150℃、2,200℃、2,250℃、2,300℃、2,350℃、2,400℃、2,450℃、2,500℃、2,550℃、2,600℃、2,650℃、2,700℃、2,750℃、2,800℃、2,850℃、2,900℃、2,950℃、3,000℃、3,050℃、3,100℃、3,150℃、3,200℃、3,250℃、3,300℃、3,350℃、3,400℃又は3,450℃以上の温度に加熱され得る、及び/又は供給原料はこの温度に供され(例えば曝露され)得る。代替的又は追加的に、熱伝達ガスは、約3,500℃、3,450℃、3,400℃、3,350℃、3,300℃、3,250℃、3,200℃、3,150℃、3,100℃、3,050℃、3,000℃、2,950℃、2,900℃、2,850℃、2,800℃、2,750℃、2,700℃、2,650℃、2,600℃、2,550℃、2,500℃、2,450℃、2,400℃、2,350℃、2,300℃、2,250℃、2,200℃、2,150℃、2,100℃、2050℃、2,000℃、1,900℃、1,800℃、1,700℃、1,600℃、1,500℃、1,400℃、1,300℃、1,200℃又は1,100℃以下の温度に加熱され得る、及び/又は供給原料はこの温度に供され(例えば曝露され)得る。熱伝達ガスは、熱発生装置(例えばプラズマ発生装置)によってそのような温度に加熱され得る。熱伝達ガスは、熱発生装置によってそのような温度に電気的に加熱され得る(例えば熱発生装置は、電気エネルギーによって駆動され得る)。そのような熱発生装置は、好適な電力を有し得る。
【0041】
炭素質生成物中の炭素原子は、例えば炭化水素供給原料の炭素質生成物への変換中に上述の温度に曝露され得る。例えば、炭素質生成物中の炭素原子は、供給原料(例えばバイオメタン及び/又は添加炭化水素供給原料)の炭素質生成物への変換プロセス中に反応温度などの温度に曝露され得る。反応温度は、例えば、入来する熱温度、吸熱反応エネルギー、比熱容量などを考慮して、(例えばすべての)投入(例えば熱及び/又は電気)エネルギーが熱伝達ガスに(例えば水素中に)伝達され、次いで供給原料(例えば天然ガス及び/又はバイオメタン)に伝達されると仮定することによって計算され得る、最終平均温度を指し得る。
【0042】
熱発生装置は、好適な電力で作用し得る。電力は、例えば約0.5キロワット(kW)、1kW、1.5kW、2kW、5kW、10kW、25kW、50kW、75kW、100kW、150kW、200kW、250kW、300kW、350kW、400kW、450kW、500kW、550kW、600kW、650kW、700kW、750kW、800kW、850kW、900kW、950kW、1メガワット(MW)、1.05MW、1.1MW、1.15MW、1.2MW、1.25MW、1.3MW、1.35MW、1.4MW、1.45MW、1.5MW、1.6MW、1.7MW、1.8MW、1.9MW、2MW、2.5MW、3MW、3.5MW、4MW、4.5MW、5MW、5.5MW、6MW、6.5MW、7MW、7.5MW、8MW、8.5MW、9MW、9.5MW、10MW、10.5MW、11MW、11.5MW、12MW、12.5MW、13MW、13.5MW、14MW、14.5MW、15MW、16MW、17MW、18MW、19MW、20MW、25MW、30MW、35MW、40MW、45MW、50MW、55MW、60MW、65MW、70MW、75MW、80MW、85MW、90MW、95MW又は100MW以上であり得る。代替的又は追加的に、電力は、例えば約100MW、95MW、90MW、85MW、80MW、75MW、70MW、65MW、60MW、55MW、50MW、45MW、40MW、35MW、30MW、25MW、20MW、19MW、18MW、17MW、16MW、15MW、14.5MW、14MW、13.5MW、13MW、12.5MW、12MW、11.5MW、11MW、10.5MW、10MW、9.5MW、9MW、8.5MW、8MW、7.5MW、7MW、6.5MW、6MW、5.5MW、5MW、4.5MW、4MW、3.5MW、3MW、2.5MW、2MW、1.9MW、1.8MW、1.7MW、1.6MW、1.5MW、1.45MW、1.4MW、1.35MW、1.3MW、1.25MW、1.2MW、1.15MW、1.1MW、1.05MW、1MW、950kW、900kW、850kW、800kW、750kW、700kW、650kW、600kW、550kW、500kW、450kW、400kW、350kW、300kW、250kW、200kW、150kW、100kW、75kW、50kW、25kW、10kW、5kW、2kW、1.5kW又は1kW以下であり得る。
【0043】
図1は、プロセス100のフローチャートの一例を示す。プロセスは、炭化水素を高温ガス(例えば熱+炭化水素)101に添加することによって開始し得る。プロセスは、ガスを加熱するステップ(例えば熱伝達ガス)、炭化水素を高温ガスに添加するステップ(例えば101)、炉又は反応装置102を通過させるステップ、並びに(例えば反応装置に連結された)熱交換器103、(例えば熱交換器に連結された)フィルタ(例えばメインフィルタ)104、(例えばフィルタに連結された)脱気(例えば脱気チャンバ又は装置)105及びバックエンド106のうちの1つ以上を使用するステップのうちの1つ以上を含み得る。他の構成要素の非限定的な例として、搬送プロセス、プロセスフィルタ、サイクロン、分級機及び/又はハンマーミルが追加され得る(例えば追加されていてもよい)。バックエンド装置106は、例えば(例えば脱気装置に連結された)ペレタイザ、(例えばペレタイザに連結された)バインダ混合タンク及び(例えばペレタイザに連結された)乾燥機のうちの1つ以上を含み得る。反応装置のバックエンドは、構成要素の(1又は複数の)非限定的な例として、ペレタイザ、乾燥機及び/又は袋詰め機を備え得る。より多くの構成要素又はより少ない構成要素が追加又は除去され得る。炭素粒子(例えば黒色)は、分級機、ハンマーミル及び/又は(例えば製品中のグリットの割合が低減されるように)他のサイズ縮小装置も通過され得る。
【0044】
高温ガスは、約2,200℃を超える平均温度の高温ガス流であり得る。高温ガスは、本明細書の他の箇所に記載したような組成を有し得る(例えば高温ガスは、50体積%を超える水素を含み得る)。プロセスは、(例えば50体積%以上の水素を含む)ガスを加熱し、次いで101でこの高温ガスを炭化水素に添加することを含み得る。熱は、反応装置の壁からの潜熱放射熱によって(例えばまた)供給され得る。これは外部から供給されたエネルギーによる壁の加熱によって、又は高温ガスからの壁の加熱によって起こり得る。熱は、高温ガスから炭化水素供給原料に伝達され得る。これは反応装置又は反応域102内の高温ガスに炭化水素供給原料を添加すると直ちに起こり得る。「反応装置」は、装置(例えば反応装置セクション(又は反応チャンバ若しくは反応域)を含むより大型の装置)、又は反応装置セクション(又は反応チャンバ若しくは反応域)を指し得る。炭化水素は、炭素質生成物(例えばカーボンブラックなどの炭素粒子)に完全に変換される前にクラッキング及び分解を開始し得る。反応生成物は製造後に冷却され得る。クエンチを使用して反応生成物が冷却され得る。例えば、大部分の水素ガスを含むクエンチが使用され得る。クエンチは、プロセスの反応装置部に注入され得る。熱交換器を使用してプロセスガスが冷却され得る。熱交換器では、プロセスガスは広い表面積に曝露され、したがって冷却され得るが、生成物流はプロセスを通じて同時に輸送され得る。
【0045】
ガス及び炭素粒子(例えばカーボンブラック粒子)の流出流は、ガスの50%超を通過させるフィルタを(例えば続いて)通過して、実質的にすべての炭素粒子(例えばカーボンブラック粒子)がフィルタ上で回収され得る。炭素粒子(例えばカーボンブラック粒子)の少なくとも約98重量%がフィルタ上で回収され得る。炭素粒子(例えばカーボンブラック)は残留ガスと共に、可燃性ガスの量が(例えば約10重量%未満まで)低減される脱気装置を(例えば続いて)通過し得る。炭素粒子(例えばカーボンブラック粒子)は、結合剤と共に水と(例えば続いて)混合され、次いでペレットに形成され、続いて乾燥機で大部分の水が除去され得る。
【0046】
図2は、システム200の一例を示す。システムは、供給原料(例えば原料ガス、例えばメタン)211が(例えば供給原料ガス入口にて)添加され得る高温ガス(例えばプラズマ)を生成する熱発生装置(例えばプラズマ発生装置)210を含み得る。混合ガスは、炭素質生成物(例えばカーボンブラックなどの炭素粒子)が生成される反応装置212に、続いて熱交換器213に進入し得る。次いで、炭素粒子(例えばカーボンブラック)はフィルタ214で濾過され、ペレタイザ215でペレット化され、乾燥機216で乾燥され得る。他のユニット施設は、例えば図示のフィルタユニットとペレタイザユニットとの間、又は(例えば本明細書の他の箇所に記載したように)所定の通り若しくは適切に他の箇所に存在し得る。それらとしては例えば水素/テールガス除去ユニット、搬送ユニット、プロセスフィルタユニット、分級ユニット、グリットリダクションミルユニット、(例えば乾燥機から排出された蒸気からブラックを濾去し得る)パージフィルタユニット、(例えば他の機器から塵埃を回収し得る)ダストフィルタユニット、粗悪生成物混合ユニットなどが挙げられ得る。
【0047】
注入された炭化水素は、炭化水素に共有結合によって最初に化学的に結合した水素の少なくとも約80モル%が2原子水素として同種原子結合し得るようにクラッキングされ得る。同種原子結合とは、(例えば2原子水素、即ちHのように)同じである2個の原子間にある結合を指し得る。C-Hは、異種原子結合であり得る。炭化水素は、異種原子結合C-Hから同種原子結合H-H及びC-Cになり得る。これはCH又は他の炭化水素供給原料からのHのみを指し得る(例えばプラズマからのHがなお存在し得る)。
【0048】
炭素質生成物(例えば炭素粒子)は、例えば約1%、5%、10%、25%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%又は99.9%以上の収率(例えば供給原料転化率に基づく、注入した全炭化水素に基づく、重量パーセント炭素に基づく、又は生成物炭素のモル対反応物炭素のモルによって測定される収率)で生成され得る。代替的又は追加的に、炭素質生成物(例えば炭素粒子)は、例えば約100%、99.9%、99.5%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、25%又は5%以下の収率(例えば供給原料転化率に基づく、注入した全炭化水素に基づく、重量パーセント炭素に基づく、又は生成物炭素のモル対反応物炭素のモルによって測定される収率)で生成され得る。
【0049】
炭素質生成物は、出発炭化水素まで追跡され得る。出発炭化水素(本明細書では「供給原料」とも)は、例えばバイオ燃料で開始したリサイクル源からであり得る、及び/又はバイオメタン若しくはバイオ燃料自体であり得る。バイオメタン又はバイオ燃料は、例えば下水、廃棄有機食品、セルロース系廃棄物などから生成され得る。バイオメタン又はバイオ燃料は、所与の(例えば適切な)レベルの炭素-14同位体(例えば約1.35*10^-12、約3*10^-13超、約1.40*10^-12~約3*10^-13の、又は本明細書の他の箇所に記載したような炭素-14原子の炭素-12原子に対する比)を含み得る。バイオメタン又はバイオ燃料は、炭素-14の適正なレベルでCOを包含するために空気を大気と交換した植物又は他の生物まで追跡され得る。このようにして、炭素質生成物が実質的にゼロの炭素-14を有する他の炭素質生成物とは異なる、存在する炭素-14のレベルを有し得るのは、これらの他の炭素質生成物が、炭素-14(14C)の炭素-12(12C)に対する原子比に関して約10^-20未満のレベルまで炭素-14が枯渇してから久しい化石燃料から作製されているためである。
【0050】
バイオメタンは、再生可能天然ガス(RNG)又は持続可能天然ガス(SNG)とも呼ばれ得る。バイオメタンはメタンを含み得る。バイオメタンは、(例えば約90%以上の濃度で)メタンを含む天然ガスであり得る。バイオメタンは、少なくとも約1.35*10^-12の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る(例えばバイオメタンは、炭素-12と比較して少なくとも約1.35*10^-12:1の量の炭素-14同位体の量を有し得る。
【0051】
炭素-14は、6個のプロトン及び8個の中性子を有する炭素の同位体である。炭素-14の半減期は約5,730年であり、このために炭素-14を任意の有機材料の「年代測定」を行うために使用できる。いずれの生物も、例えば約1.40*10^-12(例えば約1:1.40*10^-12の炭素-12対炭素-14比)の、又は本明細書の他の箇所に記載したような炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。生物中の炭素-14原子の量は、大気中の炭素-14の量を追跡し得て、これは通常の状況下では安定であり得る。炭素-14対炭素-12放射性同位体比は、核活動の存在下で変化し得る(例えば核爆発活動は、大気中の炭素-14の量を潜在的に2倍又は3倍にさえし得る)。
【0052】
炭素-14を測定する主要な技術としては、ガス比例計数、液体シンチレーション計数及び加速器質量分析が挙げられ得る。広く使用されている従来技術は、ガス比例計数であり、その中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている、B.Kromer及びK.Munnichが編集した「Radiocarbon after four decades」184~197頁(そこに引用されている参考文献を含む)などの参考文献によって、この技術についてさらに知ることができる。
【0053】
本開示の供給原料(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したような、単一の供給原料若しくは供給原料の混合物)及び/又は炭素質生成物は、例えば約10^-20、10^-19、10^-18、10^-17、10^-16、10^-15、10^-14、10^-13、2*10^-13、3*10^-13、4*10^-13、5*10^-13、6*10^-13、7*10^-13、8*10^-13、9*10^-13、10^-12、1.1*10^-12、1.2*10^-12、1.3^10^-12、1.35*10^-12又は1.4*10^-12以上の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。代替的又は追加的に、本開示の供給原料(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、単一の供給原料若しくは供給原料の混合物)及び/又は炭素質生成物は、例えば約1.4*10^-12、1.35*10^-12、1.3^10^-12、1.2*10^-12、1.1*10^-12、10^-12、9*10^-13、8*10^-13、7*10^-13、6*10^-13、5*10^-13、4*10^-13、3*10^-13、2*10^-13、10^-13、10^-14、10^-15、10^-16、10^-17、10^-18、10^-19又は10^-20以下の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。本開示の供給原料(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、単一の供給原料若しくは供給原料の混合物)及び/又は炭素質生成物は、例えば約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。本開示の供給原料(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、単一の供給原料若しくは供給原料の混合物)及び/又は炭素質生成物は、例えば約1.35*10^-12の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。本開示の供給原料(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に説明するように、単一の供給原料若しくは供給原料の混合物)及び/又は炭素質生成物は、例えば約1.40*10^-12~約3*10^-13の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。本開示の供給原料(例えば、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、単一の供給原料若しくは供給原料の混合物)及び/又は炭素質生成物は、例えば約10^-20以上の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。
【0054】
本開示によるプロセスは、炭素質生成物を製造し得る。炭素質生成物は、例えば(例えば重量で)約75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%又は95%以上の炭素含有量を有し得る。代替的又は追加的に、炭素質生成物は、例えば(例えば重量で)約99%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%又は80%以下の炭素含有量を有し得る。いくつかの例では、炭素質生成物は、例えば(例えば重量で)約80%又は90%以上の炭素(例えば約90%以上の炭素)を含み得る、又は例えば約(例えば重量で)80%又は90%以上の炭素(例えば約90%以上の炭素)であり得る。この種の生成物の例としては、コークス、ニードルコークス、黒鉛、大環多環式芳香族炭化水素、活性炭、カーボンブラックなど(又はそれらの任意の組合せ)が挙げられ得る。炭素質生成物は、炭素粒子を含み得る。本明細書における炭素粒子の任意の説明は、少なくともいくつかの構成において炭素質生成物に等しく適用され得て、逆もまた同様である。本明細書におけるカーボンブラックの任意の説明は、少なくともいくつかの構成では、1つ以上の他の炭素質生成物に等しく適用することができ、逆もまた同様である。
【0055】
炭素質生成物(例えばカーボンブラック)は、様々な用途に使用され得る。例えば、炭素質生成物はゴム物品に使用され得る。ゴム物品は、エラストマー及び1つ以上の他の成分を含む物品であり得る。例えばゴム物品は、エラストマー並びに(例えば通常)ポリマー-充填剤包含(ポリマー-充填剤混合としても既知)の間に添加される他の成分、例えばカーボンブラック又はシリカなどの充填剤、油、ZnO、過酸化水素又はそれからの反応生成物、硫黄、ベンゼンスルフェンアミド又はチウラム、ステアリン酸又は他の有機酸などの他の(1又は複数の)促進剤、及びその中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている、Mark,Erman and Roland,「The Science and Technology of Rubber,」第4版に列挙されているような他のそのような成分を含み得る。
【0056】
所与の材料の現行プロセスは、この所与の材料又は商品の世界の生産量の約30%超が10年移動平均にわたって生産されるプロセスを指し得る。
【0057】
例えばカーボンブラック産業では、世界の供給量の約90%超がファーネスプロセスによって生産されている。その中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている、Donnet、「Carbon Black」、第2版におけるファーネスブラックプロセスの説明を参照されたい。
【0058】
図7は、従来のカーボンブラックプロセスの一例の模式図を示す。デカント油701は、供給原料として燃焼プロセス700に供給される。プロセスは、カーボンブラック(生成物)702並びにCO、NO及びSO 703を生産する。
【0059】
図3は、ファーネスプロセス300の模式図及びおおよその説明を示す。天然ガス301(例えば約0.2トンの天然ガス)、ファーネスプロセスにおいて一般的な供給原料である)熱分解燃料油(PFO)302(例えば約2トンのPFO)、及び空気(例えば窒素、酸素及び様々な他の成分)303(例えば標準温度及び標準圧力(STP)にて約4トンの空気)は、部分燃焼プロセス304に供給され得る。部分燃焼プロセス320は、N 305(例えば約2トンのN)、CO、SO及びNO 306(例えば約3トンのCO、SO及びNO)並びにカーボンブラック307(例えば約1トンのカーボンブラック)を生産し得る。その中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている、Donnet、「Carbon Black」、第2版の部分燃焼反応装置の説明を参照されたい。
【0060】
水素からアンモニアを生産するための現行プロセスは、ハーバー-ボッシュ法である。アンモニア又はハーバー-ボッシュプロセスに供給するための水素生産のための現行プロセスは、水蒸気メタン改質(SMR)である。SMRは、以下の式:2 HO+CH→CO+4 Hに従って水及びCHの投入を必要とする。反応の進行には700℃を超える高温が必要であるため、これはエネルギー集約的なプロセスである。対照的に、本開示によるプロセス(例えばプラズマ技術プロセス)におけるHの生成では、アンモニアを作製する現行プロセスにおいて、総排出量の1%を超える(例えば世界のCO排出量の1%を超える)世界のCO排出量の非常に大きな原動力である副生成物のCOがない場合がある。
【0061】
図8は、従来のアンモニアプロセスの一例の模式図を示す。空気801、蒸気802及び天然ガス803は供給原料として改質及び合成プロセス800に供給される。このプロセスは、アンモニア(生成物)804及びCO 805を生産する。
【0062】
図4は、本開示によるプロセス400の一例の模式図を示す。供給原料(例えばバイオメタン)401及びエネルギー(例えば再生可能エネルギー)402は、変換プロセス403(例えば本明細書の他の箇所に記載したようなプラズマプロセス)に供給され得る。変換プロセス403(例えば本明細書に記載したようなプラズマプロセス)は、再生可能エネルギーとバイオメタン又はバイオ燃料との組合せを(例えば再生可能エネルギー402とバイオメタン401との組合せとして使用し得る。変換プロセス403(例えば本明細書に記載したようなプラズマプロセス)は、再生可能エネルギー及びバイオメタン又はバイオ燃料と併せて使用され得る(例えば使用のために構成され得る)。この場合の再生可能エネルギーは、例えば風力若しくは太陽光又は任意の他の数の再生可能エネルギー源(又はそれらの任意の組合せ)であり得る。変換プロセス403(例えばプラズマプロセス)は、本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る。(例えば変換プロセス403からの)プロセス400は、例えば炭素質生成物404及び水素(H)405などの1つ以上の生成物(例えば2つ以上の副生成物)を生産し得る。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る。例えば、炭素質生成物はカーボンブラックであり得る。カーボンブラックは、鉄道車両に積載され、直ちに顧客に配送され得る。水素(又は水素リッチ流)は、1つ以上の用途406(例えばジェット燃料)、407(例えばアンモニア)及び408(例えばその他)に供給又は連結され得る。そのような使用の例としては、例えばパイプラインに水素を供給すること、パイプラインに水素を再注入すること、(例えば水素化などの、例えば精製操作に使用される)精製所に水素を供給すること、複合又は単純サイクルガスタービン又は蒸気タービンで(例えば可燃性燃料として)水素を使用すること、(例えばアンモニアを生産するためのハーバー-ボッシュ法において)アンモニアの生産に水素を利用すること、(例えばメタノールへの触媒転化において)メタノールの生産に水素を利用すること、及び/又は(例えば液化によって液体水素を生産するために)水素を液化するこが挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、水素は、水素として販売されて得る、又はさらに処理されて例えばアンモニア407を含む1つ以上の化学物質とされ得る。アンモニアは、例えば農産業における肥料として使用され得る。例えば、アンモニアは、1つ以上の用途409(例えばエネルギー)、410(例えば尿素及び他の化学物質)並びに411(例えば農業)及び/又は他の用途(図示せず)に提供又は連結され得る。
【0063】
例えば、図3及び図4に関連して記載したように、本開示によるプロセス(例えばプラズマ技術)は、バイオメタン及び再生可能エネルギーと併せて使用されて、例えば炭素質生成物(例えばカーボンブラック)及び水素などの1つ以上の生成物(また、複数の生成物を含むいくつかの文脈では「共生成物」)を生産し得る。このプロセスは、実質的にゼロの局所排出物を生産し得る。製造プラント(例えばプロセスに基づいて動作する製造プラント)における局所排出は、実質的にゼロであり得る。したがって、生成される炭素質生成物(例えばカーボンブラック)1トン当たり、少なくとも約2トン(例えば約2トン)のCOが排出されない。バイオメタンは生物に由来するため、(例えばCOからの)炭素はリサイクル可能な生成物として隔離され得る。共生成物水素は、1つの非限定的な例としてアンモニアを生成するために使用され得る、又は本明細書に記載の1つ以上の他の用途に供給又は連結され得る。
【0064】
図5は、本開示によるプロセス500のある利点を模式的に示す。例えば、図5は、バイオメタン又は他のバイオ燃料の使用を可能にする変換プロセス(例えばプラズマ技術又はプラズマプロセス)の能力を示す。エネルギー(例えば太陽光)501及び二酸化炭素(CO)502は、植物若しくは樹木又は他の生物が成長してバイオマス503を形成することを可能にし得る。バイオマス503は504で回収され得て、次いで利用されるプロセスにおいて、廃棄食品又は廃棄バイオマスになり得る。この材料は最後には、(例えば本明細書の他の箇所に記載したように)例えば下水又は他のバイオ廃棄物、有機廃棄物又は生物起源廃棄物505になり得る。次いで、バイオ廃棄物(例えば下水)はさらに処理されて、嫌気性消化によってバイオ燃料又はバイオメタン506となり得て、次いで本開示による変換プロセス(例えばプラズマプロセス)507に供給されて、例えばカーボンブラックなどの炭素質生成物508、及び水素(H)509などの1つ以上の生成物を形成し得る。水素509は、本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、1つ以上の用途に供給又は連結され得る。例えば、水素509はアンモニア510に変換され得る。アンモニア510は肥料としてさらに使用されて、植物を成長させてCOを大気からさらに隔離する栽培するプロセスを再開させ得る。炭素質生成物508は、例えばカーボンブラックであり得る。炭素質生成物508(例えばカーボンブラック)が使用されて、第1世代生成物511(例えばカーボンブラックエラストマー又はプラスチック複合材料、例えばカーボンブラック/ゴム512及び/又はカーボンブラック/プラスチック513)が形成され得る。第1世代生成物511(例えば図5に示す生成物の両方のクラス)は、514にて(例えば運動場充填剤515、アスファルト充填剤516及び/又はリサイクルブラックプラスチック517へ)リサイクルされ、生産されたままの炭素質生成物の大気からのCOからの隔離を促進し得る。
【0065】
図5によるグリーン生産プロセスは、COを大気から効果的に隔離する、例えばカーボンブラックなどの炭素質生成物の製造を可能にし得る。例えば、生産されたカーボンブラックなどの炭素質生成物1トンにつき、少なくとも約2.0トンのCOが大気から除去され、(例えば製造されたままの炭素質生成物がここでCO由来の炭素成分を含むように)炭素質生成物内に隔離され得る。
【0066】
引き続き図5を参照すると、例えば生物起源カーボンブラック及び水素を形成するためのプロセスの支配式は、以下の通りであり得る。
【0067】
6 CO+6 HO→C12+6 O(光合成)
12→3 CO+3 CH(嫌気性消化)
3 CH→3 C+6 H(熱分解)
全体
6 CO+6 HO→6 O+3 CO+3 C+6 H
還元式:
CO+2 HO→2 O+C+2 H
図6は、本開示によるプラズマプロセスの一例の模式図である。供給原料601(例えば天然ガス及び/又は本明細書に記載の1つ以上の他の供給原料)601並びにエネルギー(例えば再生可能電力)602は、プロセス(例えば本明細書の他の箇所に記載したようなプラズマプロセス)600に供給され得る。このプロセスは、例えばカーボンブラック(生成物)603及びアンモニア(生成物)604などの1つ以上の生成物を製造し得る。
【0068】
(例えばバイオメタン供給原料を用いる)本開示による方法は、再生可能(例えば太陽)電気を使用した水の電気分解と、それに続く、アンモニアを生成する触媒上での水素と窒素との後続の反応によってアンモニアを生成するプロセスよりも、温室効果ガスを大幅に低減し得る。例えば、興味深いことに、まだ直感的ではないが、バイオメタンを用いたプラズマプロセスは、再生可能電気を用いた水の電気分解と、次いで、アンモニアを生成する触媒上での水素と窒素との後続の反応によってアンモニアを生成するプロセスよりも、温室効果ガスを低減することができる。水素はバイオ燃料から生成又は収集することができるため、本開示によるプロセス(例えばプラズマプロセス)は、COの直接排出を実質的に有さない(例えば有さない)だけでなく、炭素質生成物中に大気からのCOを効果的に隔離することもできる。このことは水素を生成する他のプロセスよりも大きな利点である。1%を超える(例えば1%超の)COの世界の排出量が、アンモニアを生成するハーバー-ボッシュプロセスのための水素生産によるものである。本明細書に記載のプロセス(例えば本明細書に記載のプラズマプロセスのような革新的な技術)並びにバイオメタン及び他のバイオ燃料の使用などの革新的な技術は、温室効果ガスの世界の排出量に有意な影響を及ぼし得る。
【0069】
本開示の態様は、有利に組合され得る。例えば、本明細書に記載の1つ以上のCO還元及び/又は隔離構成は、互いに及び/又は例えば本明細書に記載のプラズマ技術(例えばプラズマプロセス)などの1つ以上の所与の変換プロセスと合せて使用され得る。例えば、本開示によるプロセスは、バイオメタン(例えばバイオメタン若しくはバイオ燃料を少なくとも部分的に含む供給原料を供給する、及び/又はバイオ燃料若しくはバイオメタンプロセスを作用させてそのような供給原料を供給する)、プラズマ技術(例えば本明細書の他の箇所に記載したようなプラズマプロセス)、及びアンモニア技術(例えばアンモニア(変換)プロセスに作用して、プラズマ技術の共生成物をアンモニアに変換する)の組合せを含み得る。そのような組合されたプロセスは、場合により1つの場所で作用され得る。組合されたプロセスの個々の態様/プロセスは、場合により同時に動作され得る。この場合の同時という用語は、実質的に同時であること(例えばすべてのプロセスが同時に行われる必要はない)を指し得る。例えば、例えば下水又は有機廃棄物からのバイオメタンプロセスは、時間の一部を作用させ得るが、様々な他の外部供給源からのバイオメタンの送達によって補給され得る。同様に、ハーバー-ボッシュプロセスに使用される水素の一部は、アンモニア反応装置に供給される前に一時的に貯蔵され得る。実質的にすべてのプロセスが、必ずしも正確に同じ瞬間ではないが、同時に行われ得る。さらに、プロセスを所与の時間に作用させなくてもよいが、例えば所定のプロセス産出物(例えばバイオメタンプロセスが作用していない場合のバイオメタンの送達、又はプラズマプロセスが作用していない場合のアンモニア反応装置での使用のための水素貯蔵など)の貯蔵又は送達によって、実質的に同様の全体構成が実現され得る。
【0070】
本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、本開示によるプロセスは、グリーンプロセスであり得る、又はグリーンプロセスを使用(例えば使用するよう構成)又はグリーンプロセスと連結され得る(例えば図4及び図5を参照されたい)。例えば、バイオ燃料若しくはバイオメタン及び/又はリサイクル可能生成物は、本明細書に記載のプロセスへの投入物として(例えば直接及び/又は間接的に)供給され得る。代替的又は追加的に、グリーンプロセスは、例えばバイオメタン生産などの(例えば得られた又は潜在的な)グリーンプロセスからのクレジットを通じて包含され得る。そのようなグリーンプロセスの得られた炭素質産出物は、デジタル炭素-14クレジットを有し得る。例えば、バイオメタン製造業者は、本明細書の他の箇所で記載した消化プロセスを使用し、次いでバイオメタンをローカルパイプラインに送達し、天然ガスの通常のコストを超える支払いを受け取り得る。バイオメタンのユーザは、バイオメタンの製造業者とバイオメタンのユーザとの間の仲介者として現在機能を果たしているイオメタンの購入者/販売者によって支払われた価格に一致するか、又は支払われた価格を超えるクレジットを支払い得る。バイオメタンの送達手段は、バイオメタンを使用する技術の提供者に供給者を連結するパイプラインであり得る。しかし、バイオメタンの購入者が受け取る個々のメタン分子は、バイオメタンがバイオメタンの実際の生産者によって送達されたかのように、所与の(例えば適正な)量の炭素-14を有し得ない。いくつかの例では、これは最終エンドユーザにバイオメタンを送達する最も効率的な方法であり得て、バイオメタンの遠隔消費者へのバイオメタンの送達における非効率性のために大気中に放出されるCOの量が最も少なくなり得る。バイオ燃料若しくはバイオメタン、又は(例えば本明細書の他の箇所に記載したように)例えば約10^-20以上の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する任意の他の(1又は複数の)供給原料は、本開示によるプロセスに供給される全供給原料の約0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%以上であり得る。代替的又は追加的に、バイオ燃料若しくはバイオメタン、又は(例えば本明細書の他の箇所に記載したように)例えば約10^-20以上の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する任意の他の(1又は複数の)供給原料は例えば、本開示によるプロセスに供給される全供給原料の約100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%又は1%以下であり得る。(例えば炭素-14原子の炭素-12原子に対する比が約10^-20未満である)炭素-14クレジットによって相殺される(1又は複数の)化石燃料生成供給原料は、本開示によるプロセスに供給される全原料及び/又は全非化石燃料生成供給原料の約0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%以上であり得る。代替的又は追加的に、(例えば炭素-14原子の炭素-12原子に対する比が約10^-20未満である)炭素-14クレジットによって相殺される(1又は複数の)化石燃料生成供給原料は、例えば、本開示によるプロセスに供給される全原料及び/又は全非化石燃料生成原料の約100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%又は1%以下であり得る。
【0071】
本明細書の他の箇所でより詳細に記載したように、再生可能エネルギー(例えば(1又は複数の)供給原料を(1又は複数の)生成物へ変換させるための電気)は、本明細書に記載のプロセスへの投入物として供給され得る(例えば図4及び図6を参照されたい)。例えば、風力、太陽光及び/又は他の再生可能エネルギー資源は、プロセス(例えば本明細書に記載したようなプラズマプロセス)に電気を供給し得る。代替的又は追加的に、再生可能エネルギーは、例えばプロセスに供給される(例えば化石燃料によって生成された)電気の再生可能エネルギー証書(REC)によって供給され得て、1RECは1MWhの再生可能エネルギーの環境属性を表す。(例えば(1又は複数の)再生可能エネルギー発生装置からの)再生可能エネルギーは、本開示によるプロセスに供給される総エネルギー(例えば電気)の約0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%以上であり得る。代替的又は追加的に、(例えば(1又は複数の)再生可能エネルギー発生装置からの)再生可能エネルギーは、例えば、本開示によるプロセスに供給される総エネルギー(例えば電気)の約100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%又は1%以下であり得る。RECによって相殺される(例えば(1又は複数の)化石燃料エネルギー発生装置からの)化石燃料エネルギーは、本開示によるプロセスに供給される総エネルギー及び/又は総再生可能エネルギー(例えば再生可能電力)の約0%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%以上であり得る。代替的又は追加的に、RECによって相殺される(例えば(1又は複数の)化石燃料エネルギー発生装置からの)化石燃料エネルギーは、本開示によるプロセスに供給される総エネルギー及び/又は総再生可能エネルギー(例えば再生可能電力)の約100%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%又は1%以下であり得る。
【0072】
炭素質生成物は、炭素-14原子の炭素-12原子に対する比であって、約3*10^-13より大きく(例えば比は、約3*10^-13:1 C14対C12より大きくてよい)、約1.40*10^-12未満である比を有し得る(例えば炭素質生成物は、約1.40*10^-12:1未満の炭素-14原子対炭素-12原子を有し得る)。炭素質生成物は、カーボンブラックであり得る。炭素質生成物中の炭素原子は、バイオメタン及び/又は添加炭化水素供給原料の固体炭素質生成物への変換プロセス中に、(例えば反応温度として)約1,000℃又は約1,500℃を超える温度に曝露され得る。作製されたままの炭素質生成物中に物理的炭素-14は存在しなくてもよいが、炭素質生成物の炭素-14含有量は、バイオメタンのデジタル炭素-14クレジットが確保(例えば購入によって達成)され得る。製造プロセス本開示によるグリーン生産プロセスにおける投入天然ガス1トンにつき、炭素質生成物及び他のすべての生成物のCO排出量が、現行プロセスと比較して約3トンを超えて低減され得る、グリーン生産プロセス。本開示によるグリーン生産プロセスで生産される炭素質生成物1トンにつき、少なくとも約2.0トンのCOが大気から除去され、炭素質生成物内に隔離されて得て、(例えばCOからの)炭素成分は今や、製造されたままの炭素質生成物の一部であり得る。炭素質生成物(例えばカーボンブラック)の製造により、COが効果的に大気から隔離され得る。バイオメタン、プラズマ技術(例えば本明細書に記載したようなプラズマプロセス)及びアンモニア技術(例えば本明細書に記載したアンモニア変換プロセスなどのアンモニアプロセス)の組合せは、(例えば同時に動作又は作用する)1つの場所に供給され得る。風力エネルギー又は他の再生可能エネルギーを使用して、メタンの熱分解脱水素化においてプラズマが生成され得る。約10mm×10mmサイズ未満のタイヤクラムのローフィードは、バイオメタン、バイオ燃料及び/又は天然ガスとの同時フィードとしてプラズマプロセスに供給され得る。タイヤ及びカーボンブラックをメタンに変換する方法が提供され得る。この方法は、メタンを使用して炭素質生成物を生産することをさらに含み得る。炭素質生成物は、カーボンブラックであり得る。ゴム物品は、約3*10^-13~約1.40*10^-12の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る(例えばゴム物品は、炭素-12原子1個につき約3*10^-13~約1.40*10^-12個の炭素-14原子を有し得る)。タイヤは、約3*10^-13~約1.40*10^-12の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る(例えばタイヤは、炭素-12原子1個につき約3*10^-13~約1.40*10^-12個の炭素-14原子を有し得る)。バイオメタンのフィードは、生物源に由来するメタンの約60%以上の含有量を有し得る。体積でのガスの残りは、バイオ系であり得る又はあり得ない消化プロセス又は同時供給原料からの不純物であり得る。
【0073】
別の態様では、本開示は炭素質生成物を提供する。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載したように、炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。例えば、炭素質生成物は、約3*10^-13を超える比を有し得る。炭素質生成物は、少なくとも約90、91、92、93、94、95、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、99.5、99.9、99.95、99.99パーセント又はそれを超える炭素含有量を有し得る。炭素質生成物は、最大で約99.99、99.95、99.9、99.5、99、98.5、98、97.5、97、96.5、96、95.5、95、94、93、92、91、90又はそれ未満のパーセントの炭素含有量を有し得る。例えば、炭素質生成物は、約97重量%を超える炭素含有量を有することができる。炭素質生成物は、上記の値のいずれか2つで定義される範囲の炭素含有量を有し得る。例えば、炭素質生成物は、約95%~99%の炭素含有量を有することができる。炭素質生成物は、黒鉛環を含み得る。黒鉛環は、多環式芳香環を含み得る。多環式芳香環は、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個又はそれを超える環を含み得る。多環式芳香環は、最大で約15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5個又はそれ未満の環を含み得る。例えば、多環式芳香環は、少なくとも約8個の芳香環を含み得る。黒鉛環は、黒鉛と同様の特性を有し得る。黒鉛環は、天然に産生されたバイオマス中に存在しなくてもよい。例えば、植物系バイオマスは黒鉛環を含まなくてもよい。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載したようなカーボンブラックを含み得る。炭素質生成物は、固体であり得る。例えば、炭素質生成物は、気体状生成物とは対照的に、固体炭素含有生成物であり得る。
【0074】
別の態様では、本開示は、炭素質生成物を形成する方法を提供し得る。供給原料及び加熱ガスが供給され得る。供給原料は、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。供給原料と加熱ガスとが混合されて、炭素質生成物が形成され得る。炭素質生成物は、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有し得る。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載したような炭素含有量を有し得る。例えば、炭素質生成物は、少なくとも約97重量%の炭素含有量を有し得る。炭素質生成物は、黒鉛環を有し得る。供給原料は、本明細書の他の箇所に記載したような炭素-14の炭素-12に対する比を有し得る。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る。例えば、炭素質生成物はカーボンブラックであり得る。
【0075】
炭素質生成物中の炭素原子は、供給原料の炭素質生成物への変換中に、少なくとも約500、750、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,250、2,500、2,750、3,000℃又はそれを超える温度に曝露され得る。炭素質生成物中の炭素原子は、供給原料の炭素質生成物への変換中に、最大で約3,000、2,750、2,500、2,250、2,000、1,750、1,500、1,250、1,000、750、500℃又はそれ未満の温度に曝露され得る。炭素質生成物中の炭素原子は、供給原料の炭素質生成物への変換中に、進行値のいずれか2つによって定義される温度範囲に曝露され得る。例えば、炭素原子は、供給原料を炭素質生成物に変換する間に約1,500~約3,000℃の温度に曝露することができる。
【0076】
供給原料の変換は、バイオメタン、バイオ燃料、未処理の生物学的材料(例えば採取又は収集された生物学的材料)、添加炭化水素供給原料(例えば非再可能炭化水素の添加)など又はそれらの任意の組合せの1つ以上の炭素質生成物への変換を含み得る。例えば、バイオメタン供給原料を炭素質供給原料に直接変換することができる。この例では、炭素質供給原料すべてをバイオメタンから生産することができる。別の例では、バイオメタンと化石燃料由来の天然ガスとの混合物を供給原料として共に使用することができる。この例では、炭素質生成物は、化石燃料由来の天然ガスが存在することによって、合わせた供給原料中に存在する炭素-14の量を低減することができるため、バイオメタンのみから生成された炭素質生成物よりも低い炭素-14対炭素-12比を有し得る。
【0077】
投入天然ガス(例えば化石燃料由来の天然ガス)1トンにつき、炭素質生成物及び生産プロセスの他のすべての生成物(例えば同じ投入天然ガスを使用して作製された他の生成物)の生産に由来する二酸化炭素排出量は、炭素質生成物及び他の生成物を生産する現行プロセスと比較して、少なくとも約0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9、10トン又はそれを超えて低減することができる。投入天然ガス(例えば化石燃料由来の天然ガス)1トンにつき、炭素質生成物及び生産プロセスの他のすべての生成物(例えば同じ投入天然ガスを使用して生成された他の生成物)の生産に由来する二酸化炭素排出量は、炭素質生成物及び他の生成物を生産する現行プロセスと比較して、最大で約10、9、8、7、6、5、5.5、5、4.5、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.5トン又はそれ未満だけ低減することができる。現行プロセスは、本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る。現行プロセスは、例えば炭素質生成物のファーネス生産であり得る。方法は、隔離された二酸化炭素の炭素質生成物に対する比が少なくとも約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10又はそれを超えるように、炭素質生成物内に二酸化炭素を隔離することを含み得る。
【0078】
炭素質生成物を形成するための供給原料と加熱ガスとの混合は、大気酸素、遊離硫黄、金属イオン、大気窒素など又はそれらの任意の組合せが実質的になしで行われ得る。実質的になしは、不純物が最大で約25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4,5%、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01%、50ppm、25ppm、10ppm、5ppm又は1ppm未満の濃度で存在する場合であり得る。炭素質生成物を形成するための供給原料と加熱ガスとの混合は、本明細書の他の箇所に記載したように、電気加熱を用いて行われ得る。炭素質生成物を形成するための供給原料と加熱ガスとの混合は、プラズマ発生装置を用いて行われ得る。例えば、供給原料及び加熱ガスは、電気プラズマ加熱チャンバ内で混合することができる。
【0079】
別の態様では、本開示は、炭素-14の炭素-12に対する調整比を決定する方法を提供する。方法は、供給原料及び加熱ガスを供給することを含み得る。供給原料と加熱ガスとが混合されて、炭素質生成物が形成され得る。少なくとも1つのコンピュータプロセッサを使用して、炭素-14の炭素-12に対する調整比が計算され得る。調整比は、炭素質生成物内に存在する炭素-14の炭素-12原子に対する物理的比と、バイオメタンのデジタル炭素-14クレジットとの組合せを含み得る。
【0080】
供給原料及び加熱ガスは、本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る。バイオメタンに関して上述したが、本開示の方法は、本明細書の他の箇所に記載したような任意の再生可能炭素供給原料と共に使用され得る。調整比の計算は、実施例5でさらに記載され得る。炭素-14の炭素-12に対する調整比は、本明細書の他の箇所に記載した通りであり得る。例えば、調整比は、少なくとも約3*10^-13とすることができる。
【0081】
別の態様では、本開示は生産プロセスを提供する。生産プロセスは、バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスを含み得る。バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスは、1つの場所にあり得る。1つの場所は、最大で約25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.25マイル又はそれ未満の直径を有する場所であり得る。例えば、バイオメタンプロセスは第1の場所に収容することができ、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスは1マイル未満離れた第2の場所に収容することができる。別の例では、バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスはそれぞれ、互いに0.5マイル未満の異なる場所に収容することができる。別の例では、バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスは、単一の設備に併置することができる。バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスは、同時に作用し得る。例えば、各プロセスは、他のプロセスと同時に実行することができる。バイオメタンプロセスによってバイオメタンが生産され得る。プラズマプロセスは、バイオメタンプロセスによって生産されたバイオメタンを消費し、水素、炭素質生成物など又はそれらの任意の組合せを生産し得る。アンモニアプロセスは、プラズマプロセスによって生産された水素を消費し、水素を含むアンモニアを生産することができる。例えば、バイオメタンプロセスは、プラズマプロセスに供給されるバイオメタンを生成することができ、プラズマプロセスは次に、アンモニアプロセスに供給される水素を生産することができる。この例では、3つのプロセスは、各プロセスからのフィードを使用して同時に行われ、他のプロセスを補助することができる。廃熱は、バイオメタンプロセス、プラズマプロセス及びアンモニアプロセスのうちの1つ以上の間で共有され得る。例えば、プラズマプロセスは、バイオメタン及びアンモニアプロセスを加熱するために使用することができる廃熱を生産することができる。廃熱の使用によって、プロセスを個別に実行するよりも、複合生産プロセスの効率を改善することができる。
【0082】
別の態様では、本開示は、タイヤクラムのローフィードを提供する。タイヤクラムのローフィードのタイヤクラムは、最大で約50、40、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1ミリメートル又はそれ未満の寸法を有し得る。例えば、タイヤクラムは、約10ミリメートル×10ミリメートル未満のサイズを有することができる。タイヤクラムのローフィードは、バイオメタン、バイオ燃料、天然ガスなど又はそれらの任意の組合せとの同時フィードとしてプラズマプロセスに供給され得る。
【0083】
プラズマプロセスは、炭素質生成物(例えばカーボンブラック)を生産し得る。例えば、本明細書の他の箇所に記載したようなカーボンブラックを生産するプラズマプロセスは、タイヤクラムとバイオメタンとの同時フィードを使用してカーボンブラックを生産し得る。この例では、タイヤクラムを炭化水素ガスに熱分解することができ、次いで炭化水素ガスが同時フィードと共に使用されてカーボンブラックを形成することができる。このようにして、タイヤクラムをリサイクルして炭素質生成物を生産し、他の廃棄物流からのタイヤクラムを転用することができる。タイヤのリサイクルが困難であるため、プラズマプロセスの供給原料としてタイヤを使用することは、他のタイヤ廃棄プロセスよりも効率、コスト及び環境への影響が改善されることを表す。
【0084】
別の態様では、本開示は、1つ以上のタイヤ及びカーボンブラックをメタンに変換することを含み得る処理方法を提供する。カーボンブラックは、タイヤ内に配合され得る。例えば、カーボンブラックは、タイヤの形成時にタイヤのゴムと混合されて、タイヤの耐摩耗性を向上させることができる。この例では、カーボンブラックは、タイヤと一体であり、ゴムから除去することが困難であり得る。場合によっては、1つ以上のタイヤ及びカーボンブラックを、メタン、揮発性有機物、半揮発性有機物など又はそれらの任意の組合せに変換することができる。揮発性有機物は、変換の温度及び圧力にて気体状になるのに十分な蒸気圧を有する有機(例えば炭素含有)分子であり得る。揮発性有機物の例として、芳香族化合物(例えばベンゼン、トルエン、キシレン、アントラセンなど)、アルカン(例えばエタン、プロパン、ブタン、ヘキサン、オクタンなど)、環状化合物(例えば非芳香族環状炭素含有化合物)などが挙げられるが、これらに限定されない。不揮発性有機物は、変換の温度及び圧力にて固体及び/又は液体のままである有機(例えば炭素含有)分子であり得る。例えば、コークスは処理中に揮発性でなくてもよい。不揮発性有機物は、揮発性有機物に分解し得る。例えば、タイヤ由来の木炭は、処理の熱の下で揮発性有機物に変換することができる。カーボンブラックは、再揮発しなくてもよい。例えば、処理中のカーボンブラックの温度や滞留時間によっては、カーボンブラックがメタンに変換されない場合がある。場合によっては、カーボンブラックを高温(例えば約2,000℃超)で長期間(例えば約30分超)加熱して、カーボンブラックをゆっくりと再揮発させてメタン、揮発性有機物、又はそれらの組合せとすることができる。場合によっては、カーボンブラックはプロセスから回収され、リサイクルされ得る。例えば、タイヤをメタンに変換することができるが、カーボンブラックはメタンに変換されず、代わりにリサイクルされる。
【0085】
変換は、本明細書の他の箇所に記載したようなプラズマプロセスの使用を含み得る。例えば、タイヤ及びカーボンブラックを少なくとも約1,500℃の温度にてプラズマプロセスに供給してメタンを生産することができる。タイヤのゴムは、カーボンブラックよりも容易にメタンに変換され得る。例えば、タイヤ及びカーボンブラックのフィードにより、以前はタイヤ中にあった炭素原子の大部分でメタンを生産することができる。
【0086】
メタンは、本明細書の他の箇所に記載したように供給原料として使用され得る。例えば、メタンを使用して、炭素質生成物(例えばカーボンブラック)を生産することができる。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載したように実質的に大気酸素を含まずに生産され得る。炭素質生成物は、本明細書の他の箇所に記載したように電気加熱(例えばプラズマ発生装置)を用いて生産され得る。
【0087】
別の態様では、本開示は、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有するポリマー物品を提供する。ポリマー物品は、炭素質生成物を含み得る。例えば、ポリマー物品は、カーボンブラックと配合することができる。ゴム物品は、タイヤ、ゴム物品、プラスチック物品など又はそれらの任意の組合せであり得る。例えば、本開示の方法に従って作製された天然ゴム及びカーボンブラックから生成されたタイヤは、約3*10^-13を超える炭素-14原子の炭素-12原子に対する合計比を有することができる。
【0088】
別の態様では、本開示は、バイオメタンのフィードを提供する。バイオメタンのフィードは、生物源に由来する約60%以上のメタンを含み得る。バイオメタンのフィードの残りは、消化プロセス及び/又は1つ以上の同時供給原料からの不純物を含み得る。本明細書の他の箇所に記載したように、バイオメタンのフィードを使用して炭素質生成物が生産され得る。炭素質生成物は、消化プロセスからの不純物を含まなくてもよい。例えば、炭素質生成物は、硫黄含有不純物からの硫黄を含まなくてもよい。不純物は、供給原料から除去され得る(例えば炭素質生成物を形成する原料を使用する前に、不純物が原料から濾去され得る)。不純物は、炭素質生成物の形成に対して不活性であり得る。例えば、二酸化炭素不純物は、炭素質生成物の形成に影響を与えないことがある。この例では、二酸化炭素不純物は、次いで反応に関与しない熱に追加の質量を供給することによって、炭素質生成物生産プロセスの効率を低下させることができる。この例では、不活性不純物の除去は、効率を改善し、コストを削減することができる。1つ以上の同時供給原料は、1つ以上のバイオ系同時供給原料、1つ以上の非バイオ系同時供給原料、又はそれらの組合せを含み得る。
【0089】
以下の実施例は、本明細書に記載のあるシステム及び方法を例示するものであり、限定することを意図するものではない。
【0090】
[実施例]
[実施例1]
COは、大気から脱して、例えば植物又は樹木などの生物に引き込まれる。次いで、その植物又は樹木は消化性材料を生産する。環境によって完全に消化される前のある時点で、この材料は嫌気性消化装置などで消化され、得られたバイオメタン又はバイオ燃料は、本開示によるプラズマプロセスに供給される。プラズマプロセスの結果として、以前は大気中にあった炭素は今やカーボンブラックの形態であり、生物圏にあったさらなる水素は今や純粋な水素ガスの形態である。カーボンブラックは販売され得て、水素はそのエネルギー値で販売され得る、又は(例えば本明細書の他の箇所に記載したように)1つ以上の他の用途に供給又は連結され得る。例えば水素は、例えば農業における肥料としての使用を含む様々な用途を有するアンモニアなどの別の化学物質を作製するために使用され得る。
【0091】
[実施例2]
(i)植物又は樹木に大きく由来する、30重量%の、パラゴムノキ(hevea brasiliensis)、即ちゴムノキなどからの天然ゴムを、(ii)30質量%の、本開示に従って生産されたバイオメタン由来又はバイオ燃料由来のカーボンブラックと共に含むタイヤがリサイクルされる。タイヤは、本開示によるカーボンブラックを作製するプロセス(例えばプラズマプロセス)の供給原料として使用されるような方法でリサイクルされる。得られたカーボンブラックは、化石燃料に由来するタイヤの他の成分の希釈により、約8.1*10^-13の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有する。
【0092】
[実施例3]
本実施例は、現行のカーボンブラックのためのファーネスプロセス、並びにアンモニア生産のための水蒸気メタン改質(SMR)及びハーバー-ボッシュ法を上回る、本開示によるプラズマプロセスの利点について記載する。
【0093】
ファーネスプロセス:
生産されたカーボンブラック106万トンに対して、CO 260万トンが大気中に排出される。これはCO 2.45トン/カーボンブラック1トンに相当する。その中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている、Orion Engineered Carbons 2018 Sustainability Reportを参照されたい。
【0094】
SMRアンモニアによるハーバー-ボッシュ:
2010年の1億5730万メートルトンのアンモニアの世界生産量は、同年の4億5100万トンのCO排出量に関連付けられている。これはCO 2.87トン/NH 1トンに相当する。その中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている、C&EN「Industrial ammonia production emits more CO than any other chemical-making reaction.Chemists want to change that」June 15,2019 Volume 97 Issue 24を参照されたい。そうは言っても、ハーバー-ボッシュプロセスの温度及び圧力を達成するために、アンモニア1トンにつきCO 1トンが生成される。これはCO 1.87トン/NH 1トンに相当する。
【0095】
プラズマプロセス:
プラズマプロセスにおける電気に使用される風力エネルギーは、ゼロCOを生成する。バイオメタンからのCHは、再生可能資源を利用しながら炭素の完全な理論的収率が達成される場合、例えばカーボンブラックなどの炭素1トンにつきCO 3.67トンの隔離に相当する。
【0096】
カーボンブラック1トン及びアンモニア1トンの現行プロセスの総CO排出トンは4.32トンである。H 2モルを作製するプラズマプロセスでは、二酸化炭素の排出量は、現行プロセスでは最大5.28トンまで上昇する。バイオメタンの使用により隔離されたCOのトン数も考慮する場合、現行プロセスと本明細書に記載したような再生可能エネルギー及びバイオメタンを利用するプラズマプロセスとの差として、差はCO 5.28トン+3.67トン、即ちCO 8.95トンまで増大する。
【0097】
[実施例4]
本開示によるプラズマプロセスの一例を図6に模式的に示す。このプロセスのCOは実施例3に記載した通りである。
【0098】
従来のカーボンブラックプロセスの一例を図7に模式的に示す。2014年から2018年まで、従来のカーボンブラックプロセスによる米国のカーボンブラック生産は、2.34 TCOe/TCBの平均スコープ1の温室効果ガス排出量に関連付けられている。Notch Carbon Black World Data Book 2019,and Environmental Protection Agency(EPA)Greenhouse Gas Reporting Program(GHGRP)2018 Greenhouse Gas Emissions from Large Facilities website,Facility Level Information on GreenHouse gases Tool(FLIGHT)を参照されたい、そのそれぞれはその中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている。
【0099】
従来のアンモニアプロセスの一例を図8に模式的に示す。2013年から2017年まで、従来のアンモニアプロセスによる米国のアンモニア生産は、2.24 TCOe/TNHの平均スコープ1の温室効果ガス排出量に関連付けられている。U.S.Geological Survey,Mineral Commodity Summaries,February 2019,116頁及びEnvironmental Protection Agency(EPA)Greenhouse Gas Reporting Program(GHGRP)Industrial Profile:Chemicals Sector(non-Fluorinated),September 2019、11頁を参照されたい、そのそれぞれはその中の関連部分に関して参照により本明細書に組み入れられている。
【0100】
[実施例5]
炭素質生成物は、炭素-14の炭素-12原子に対する物理的比が調整比と異なっていても、炭素-14原子の炭素-12原子に対する調整比を有し得る。例えば、炭素質生成物を生成するために使用される供給原料は、異なる供給者から供給される供給原料の組合せであることができる。第1の供給者は、化石燃料経路を介して供給原料を生成することができ、得られた原料は、低い炭素-14原子の炭素-12原子に対する比を有することができる。第2の供給者は、再生可能経路(例えば植物の消化など)を介して供給原料を生成することができ、得られた供給原料は炭素-14の炭素-12原子に対する高い比を有することができる。第1及び第2の供給者は、それぞれの供給原料をパイプラインに供給することができ、パイプラインで供給原料が混合され、得られた混合物は炭素-14の炭素-12原子に対するより低い比(例えば3*10^-13未満)を有する。混合物は、第2の供給原料よりも多くの第1の供給原料を含んでもよく、このことより低い比を生じ得る。
【0101】
再生可能供給原料の供給者は、供給原料の再生可能な性質を示す環境クレジットを提供することができる。例えば、環境クレジットは、供給原料の再生可能な性質に関連するデジタルクレジットであることができる。デジタルクレジットの例としては、証書、非代替性トークン、他のブロックチェーンベースのトークンなどが挙げられるが、これらに限定されない。再生可能供給原料の供給者は、クレジットを交換又は販売することができる。クレジットの受取者は、パイプラインから供給される供給原料が再生可能供給原料と非再生可能供給原料との混合物を含む場合であっても、再生可能供給原料を購入したことを立証することができる。
【0102】
次いで、供給原料を使用して炭素質生成物を生成することができる。炭素質生成物は、再生可能供給原料に見出される比よりも小さい炭素-14原子の炭素-12原子に対するの物理的比を有することができる。炭素-14原子の炭素-12原子に対する調整比を計算するために、物理的比を決定することができ、炭素質生成物の生産者によって購入された任意のクレジットを使用して比を調整することができる。例えば、1.5*10^-13の炭素-14原子の炭素-12原子に対する比で、再生可能供給原料クレジット1トンの同等物を用いて生産者によって生産された、炭素-12原子の炭素-14原子に対する物理的比が5*10^-14である炭素質生成物1トンは、1*10^-13の調整比を有することができる。
【0103】
本開示のシステム及び方法は、米国特許出願第2015/0210856号及び国際公開第2015/116807号(「SYSTEM FOR HIGH TEMPERATURE CHEMICAL PROCESSING」)、米国特許出願第2015/0211378号(「INTEGRATION OF PLASMA AND HYDROGEN PROCESS WITH COMBINED CYCLE POWER PLANT,SIMPLE CYCLE POWER PLANT AND STEAM REFORMERS」)、国際公開第2015/116797号(「INTEGRATION OF PLASMA AND HYDROGEN PROCESS WITH COMBINED CYCLE POWER PLANT AND STEAM REFORMERS」)、米国特許出願第2015/0210857号及び国際公開第2015/116798号(「USE OF FEEDSTOCK IN CARBON BLACK PLASMA PROCESS」)、米国特許出願公開第2015/0210858号及び国際公開第2015/116800号(「PLASMA GAS THROAT ASSEMBLY AND METHOD」)、米国特許出願公開第2015/0218383号及び国際公開第2015/116811号(「PLASMA REACTOR」)、米国特許出願公開第2015/0223314号及び国際公開第2015/116943号(「PLASMA TORCH DESIGN」)、国際公開第2016/126598号(「CARBON BLACK COMBUSTABLE GAS SEPARATION」)、国際公開第2016/126599号(「CARBON BLACK GENERATING SYSTEM」)、国際公開第2016/126600号、(「REGENERATIVE COOLING METHOD AND APPARATUS」)、米国特許出願公開第2017/0034898号及び国際公開第2017/019683号(「DC PLASMA TORCH ELECTRICAL POWER DESIGN METHOD AND APPARATUS」)、米国特許出願公開第2017/0037253号及び国際公開第2017/027385号(「METHOD OF MAKING CARBON BLACK」)、米国特許出願公開第2017/0058128号及び国際公開第2017/034980号(「HIGH TEMPERATURE HEAT INTEGRATION METHOD OF MAKING CARBON BLACK」)、米国特許出願第2017/0066923号及び国際公開第2017/044594号(「CIRCULAR FEW LAYER GRAPHENE」)、米国特許出願公開第20170073522号及び国際公開第2017/048621号(「CARBON BLACK FROM NATURAL GAS」)、国際公開第2017/190045号(「SECONDARY HEAT ADDITION TO PARTICLE PRODUCTION PROCESS AND APPARATUS」)、国際公開第2017/190015号(「TORCH STINGER METHOD AND APPARATUS」)、国際公開第2018/165483号(「SYSTEMS AND METHODS OF MAKING CARBON PARTICLES WITH THERMAL TRANSFER GAS」)、国際公開第2018/195460号(「PARTICLE SYSTEMS AND METHODS」)、国際公開第2019/046322号、(「PARTICLE SYSTEMS AND METHODS」)、国際公開第2019/046320号(「SYSTEMS AND METHODS FOR PARTICLE GENERATION」)、国際公開第2019/046324号(「PARTICLE SYSTEMS AND METHODS」)、国際公開第2019/084200号(「PARTICLE SYSTEMS AND METHODS」)、及び国際公開第2019/195461号(「SYSTEMS AND METHODS FOR PROCESSING」)に記載されている化学処理及び加熱方法、化学処理システム、反応装置及びプラズマトーチなどの、他のシステム及び/又は方法と組合せられ得る、又は他のシステム及び/又は方法によって変更され得て、そのそれぞれは参照により本明細書に全体が組み入れられている。
【0104】
したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に含まれ得るすべての変更及び変形を含むものとする。本発明の他の実施形態は、本明細書の検討及び本明細書に開示される本発明の実施から当業者には明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図され、本発明の真の範囲及び要旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】