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特表2023-545048漏洩検知システム並びにその作製方法及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】漏洩検知システム並びにその作製方法及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/18 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G01M3/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521125
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 US2021072229
(87)【国際公開番号】W WO2022099280
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,758
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.JAVA
3.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラキティッチ、ジョーン-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ゴルブ、チャールズ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ドミ、ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ナドー、アダム ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バーネット、エドムンド
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA11
2G067CC18
2G067DD22
2G067EE12
(57)【要約】

回路板材料を含む誘電体基板と、基板と連通する複数の電気回路であって、複数の電気回路は、基板の異なる側に位置する、複数の電気回路と、を含む、漏洩検知センサ。
【選択図】図19A

【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏洩検知センサであって、
回路板材料を含む誘電体基板と、
前記基板と連通する複数の電気回路であって、前記基板の異なる側に位置する、複数の電気回路と、を備える、漏洩検知センサ。
【請求項2】
流体システムであって、
流体を有する流体構成要素と、
前記流体構成要素に動作可能に結合された、少なくとも1つの漏洩検知センサと、を備え、前記漏洩検知センサは、
回路板材料を含む誘電体基板と、
前記基板と連通する複数の電気回路であって、前記基板の異なる側に位置する、複数の電気回路と、を含む、流体システム。
【請求項3】
漏洩検知の方法であって、
少なくとも1つの漏洩検知センサを提供することであって、前記漏洩検知センサは、
回路板材料を含む誘電体基板と、
前記基板と連通する複数の電気回路であって、前記基板の異なる側に位置する、複数の電気回路と、を含む、提供することと、
前記少なくとも1つの漏洩検知センサを、流体漏洩の監視のために流体構成要素に動作可能に結合することと、を含む、方法。
【請求項4】
前記複数の電気回路はそれぞれ、導電性トレースを備え、前記トレースは、前記トレースから延在する複数のピンに接続されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項5】
前記複数の電気回路が電源を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項6】
第1の電気回路が、前記基板の第1の表面に位置し、第2の電気回路が、前記基板の前記第1の表面とは反対側の、前記基板の第2の表面に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項7】
前記漏洩検知センサが、前記複数の電気回路を少なくとも部分的に絶縁する非導電性材料を含むハウジングを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項8】
前記複数の電気回路が、少なくとも1つの蛇行回路を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項9】
前記センサが、流体接触に応答して、測定特性の変化を起こす、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項10】
前記漏洩検知センサが、前記漏洩検知センサを流体構成要素に取り付けるように適合された、取り付け要素を更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項11】
前記流体構成要素が、パイプ、パイプベンド、マニホールド、エルボ、パイプ継手、弁、ポンプ、タンク、フィルタハウジング、圧力容器、液体トラップ、排気ライン、真空凝縮物容器又は調整器のうちの少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項12】
前記センサからの情報をコンパイル及び分析するために、通信デバイスに動作可能に接続された、通信ハブを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項13】
前記通信ハブが、長距離無線ネットワークを介して前記通信デバイスに動作可能に接続されている、請求項12に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項14】
前記漏洩検知センサが、HF、HSO、HNO、NaClO、H、HPO、化学機械平坦化(CMP)流体及びスラリー、HCL、脱イオン水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、炭化水素溶媒又はトルエンのうちの少なくとも1つを含む流体の漏洩を監視するように適合されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【請求項15】
前記複数の回路がそれぞれ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、電子構成要素を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、漏洩検知システム並びにその作製方法及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業的用途及び商業的用途は、例えば、処理工程、マスキング若しくはエッチングなどの製作機能、又は温度制御において使用され得る、流体の使用に関与する。いくつかの流体は、特に有害であり得るか、又は、環境悪影響若しくは生物学的影響を考慮して、特別な注意を必要とし得る。他の流体は、非常に貴重であり得、したがって、漏洩は、ユーザにとっての損失をもたらす。他の流体は、純度要件を有し得、漏洩は、それぞれの流体システムを台無しにする場合がある、外部汚染の危険性がある。
【0003】
多くの産業は、より持続可能かつ経済的な方法で、有害な流体又は貴重な流体の漏洩を効果的かつ正確に監視する、新しい方法を必要としている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態は、例として示されており、添付の図面に限定されることを意図しない。
図1】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムの斜視図を含む。
図2】結合流体構成要素間の流体界面上に配置された、実施形態による、複数の例示的な漏洩検知システムの側面立面図を含む。
図3】一実施形態による、感知素子を含むセンサの概略図を含む。
図4】一実施形態による、感知素子を含むセンサの断面立面図を含む。
図5】別の実施形態による、感知素子を含むセンサの断面立面図を含む。
図6】別の実施形態による、感知素子を含むセンサの断面立面図を含む。
図7】別の実施形態による、感知素子を含むセンサの概略図を含む。
図8】一実施形態による、感知素子センサを含むセンサの断面立面図を含む。
図9】一実施形態による、乾燥状態の感知素子を含む、別のセンサの概略図を含む。
図10】一実施形態による、湿潤状態の図9のセンサの概略図を含む。
図11】一実施形態による、電気回路を有する感知素子を含む、別のセンサの概略図を含む。
図12】一実施形態による、電気回路を有する感知素子を含む、別のセンサの概略図を含む。
図13】一実施形態による、2つの検知素子を有する感知素子を含む、センサの断面立面図を含む。
図14】一実施形態による、複数のセンサが結合された流体導管の斜視図を含み、各センサは、異なる取り付け要素を有する。
図15】一実施形態による、漏洩検知システムの斜視図を含む。
図16】一実施形態による、取り付け要素の斜視図を含む。
図17】一実施形態による、漏洩検知アレイの斜視図を含む。
図18A】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムで使用される基板の底面図を含む。
図18B】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムで使用される基板の底面斜視図を含む。
図18C】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムで使用される基板の側面図を含む。
図19A】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムの上面斜視図を含む。
図19B】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムの側面斜視図を含む。
図19C】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムの側断面図を含む。
図19D】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムの底面図を含む。
図19E】一実施形態による、例示的な漏洩検知システムの側面斜視図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示の理解を補助するために提供される。以下の考察は、教示の特定の実施態様及び実施形態に焦点を当てている。この焦点は、教示を説明するのを助けるために提供されており、教示の範囲又は適用性に関する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、開示される教示に基づいて他の実施形態を使用することができる。
【0006】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含を網羅することを意図している。例えば、特徴のリストを含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるものではないが、明示的に列挙されていない他の特徴、又はそのような方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。更に、矛盾する記載がない限り、「又は」は、包含的なorを指し、排他的なorを指すのではない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)、Bが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)、Bが真である(又は存在する)、及び、AとBとの両方が真である(又は存在する)。
【0007】
また、「1つの(a)」又は「1つの(an)」の使用は、本明細書に記載の要素及び構成要素を説明するために用いられる。これは、単に便宜上、及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、1つ、少なくとも1つ、又は単数形が複数形も含むものとして、又はその逆として理解されるべきである。例えば、単一の物品が本明細書に記載されている場合、単一の物品の代わりに2つ以上の物品を使用することができる。同様に、2つ以上の物品が本明細書に記載されている場合、その2つ以上の物品を単一の物品に置き換えることができる。
【0008】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図しない。本明細書に記載されていない範囲で、特定の材料及び処理行為に関する多くの詳細は従来通りであり、流体輸送の技術分野における教科書及び他の情報源に見出すことができる。
【0009】
本明細書に記載の実施形態のうちの1つ以上による漏洩検知システムは、概して、少なくとも1つのセンサと、センサに結合された通信デバイスと、流体漏洩の監視のために領域に漏洩検知システムを動作可能に結合するように適合された取り付け要素と、を含み得る。一実施形態では、漏洩検知システムは、流体構成要素上の流体界面に隣接して配置され得る。特定の実施形態によれば、流体構成要素は、例えば、パイプ接合部、パイプ継手、パイプ、パイプベンド、マニホールド、エルボ、弁、ポンプ、調整器、液体トラップ、圧力容器、タンク、フィルタハウジング、排気ライン、真空凝縮物容器、シーム若しくは溶接ライン、ノズル若しくは噴霧器、ねじ付きポート、サンプリング弁、流体入口若しくは流体出口、又は任意の他の同様の接合部などの、流体が流体界面から漏洩し得る接合部を含み得る。別の実施形態では、センサは、乾燥時の第1の状態と、湿潤時の第2の状態とを有する、第1の様相を有し得る。一実施形態では、センサは、センサの動作性を監視するように適合された、第2の様相を有し得る。一実施形態では、センサは、センサのバッテリ寿命の測定値を監視するように適合された、第3の様相を有し得る。一実施形態では、センサは、センサの信号強度を監視するように適合された、第4の様相を有し得る。信号強度は、センサと、通信デバイスとのゲートウェイ通信信号(例えば、通信デバイスがセンサを「聴取する」かどうか)であってもよい。通信デバイスは、状態(第1、第2、第3又は第4)を、無線プロトコル又は有線接続を通して、監視されている領域の状態を、漏洩に応答し得るユーザ又はシステムに通信するように適合された、通信ハブ又は受信デバイスに送信し得る。特定の実施形態では、取り付け要素は、取り外し可能、再使用可能、又はその両方であってもよい。すなわち、取り付け要素は、監視されている流体構成要素、又は流体構成要素の領域若しくは表面と選択的に係合し得、そこから選択的に係合解除され得る。一実施形態では、センサは、基板の異なる側に位置する複数の電気回路に接続された、誘電体基板を有し得る。
【0010】
特定の実施形態によれば、本明細書に記載の漏洩検知システムは、いくつかの異なる技術的専門分野にわたる流体構成要素の漏洩を監視するように、位置決めされ得る。例えば、本明細書に記載の1つ以上の実施形態による漏洩検知システムは、半導体及び超伝導体産業などにおける電子デバイス製作、流体輸送ライン及び流体輸送ポンプなどの医療デバイス、石油ガス産業、飲料水システム及び下水道システムに見られるようなパイプ継手、製作、保守、及び設計における航空宇宙産業、飲食産業、並びに自動車産業において、利用することができる。特定の実施形態では、漏洩検知システムは、流体構成要素ハウジングに取り付けることができる。特定の実施形態では、漏洩検知システムは、HF、HSO、HNO、NaClO、H、HPO、化学機械平坦化(Chemical Mechanical Planarization、CMP)流体及びスラリー、HCL、脱イオン水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、炭化水素溶媒又はトルエンのうちの少なくとも1つを含み得る流体の漏洩を監視するように適合され得る。一部の実施形態では、流体は、半導体製造において使用される流体であってもよい。更に他の実施形態によれば、本明細書に記載の漏洩検知システムは、少ない流体漏洩を迅速かつ正確に検知することによって、漏洩に対する応答時間を短縮することができ、それにより、オペレータは、より大きく成長する機会を得る前に、考えられる漏洩に対処することができる。
【0011】
一実施形態によれば、センサは、特定の流体漏洩をとらえるように適合され得る。例えば、センサは、約0.0001mL~約1mLの流体漏洩をとらえるように適合され得る。いくつかの実施形態では、センサは、少なくとも0.001mL、又は少なくとも0.01mL、又は少なくとも0.05mL、又は少なくとも0.1mLなどの、少なくとも約0.0001mLの流体漏洩をとらえるように適合され得る。
【0012】
図1は、センサ100を含む漏洩検知システム1000の図を含む。図1に示すように、漏洩検知システム1000及び/又はセンサ100は、概して、少なくとも1つの感知素子102及び通信デバイス104を含み得る。感知素子102及び通信デバイス104は、感知素子102及び通信デバイス104を互いに空間的に結合された状態に維持することができる基板106などの、共通支持体に結合され得る。別の実施形態では、以下に説明するように、感知素子102及び通信デバイス104は、互いに結合、又は漏洩検知システム1000の別の物体に結合され得、基板106の取り外しを可能にする。いくつかの実施形態では、任意選択的に、漏洩検知システム1000は、感知素子102を通してより良好に監視するために、流体の成分を溶解する塩パック107を含み得る。いくつかの実施形態では、感知素子102は、以下で更に詳細に説明するように、回路板材料を含む誘電体基板と、基板と連通し、基板の異なる側に位置する、複数の電気回路と、を含み得る。更に、複数の回路はそれぞれ、以下で更に詳細に説明するように、導電性トレースを含み得、トレースは、トレースから延在する複数のピンに接続されている。
【0013】
図2は、結合流体構成要素121間の流体界面114上に配置された、実施形態による、複数の例示的な漏洩検知システム1000の側面立面図を含む。図2に示すように、少なくとも1つの漏洩検知システム1000は、例えば、第1の流体導管116の軸方向端部と第2の流体導管118の軸方向端部との間の流体漏洩を監視するために、軸方向端部間などの流体界面114を持つ表面を有する流体構成要素121に、動作可能に結合され得る。複数の漏洩検知システム1000は、流体構成要素121の表面又は流体界面114上の任意の場所に設置され得る。各漏洩検知システム1000は、流体漏洩について領域108、領域110及び領域112を監視することができる。一実施形態では、領域108、領域110及び領域112はそれぞれ、少なくとも2cm、又は少なくとも3cm、又は少なくとも4cm、又は少なくとも5cm、又は少なくとも10cm、又は少なくとも20cm、又は少なくとも30cm、又は少なくとも40cm、又は少なくとも50cm、又は少なくとも75cm、又は少なくとも100cmなどの、少なくとも1cmであり得る。一実施形態では、領域108、領域110及び領域112は、サイズが等しくてもよく、互いに同じ相対形状を有し得る。別の実施形態では、領域108、領域110及び領域112は、同じ形状又はサイズを有する必要はない。すなわち、領域108は領域110よりも大きくてもよい。あるいは、領域112は略円形であってもよく、一方、領域108は略矩形であってもよい。領域108、領域110及び領域112の形状及びサイズは、例えば、感知素子102のサイズ若しくは感度、感知素子102の相対位置、又は更には、監視されている流体の種類などの、いくつかの要因に依存し得る。例えば、流体導管の下部位置に配置された感知素子102は、流体が流体導管の底部に溜まるか又は集まり得るので、より大きい領域を監視してもよく、一方、流体導管の上部位置に配置された感知素子102は、流体は上部位置に集まる可能性が低くなり得るので、小さい領域のみを監視してもよい。特定の実施形態では、単一の漏洩検知システム1000は、流体導管に沿った垂直方向に最も低い位置に位置決めされ得る。
【0014】
特定の事例では、領域108、領域110及び領域112は、互いの真隣にあるか、又は互いからわずかに離隔されているなど、互いに隣接し得る。すなわち、領域108、領域110、及び領域112は、互いに重なり合わない場合がある。別の事例では、領域108、領域110及び領域112のうちの少なくとも2つは、少なくとも部分的に重なり合い得る。すなわち、少なくとも2つの領域108、領域110及び領域112は、共通領域を共有し得る。例えば、非限定的な実施形態として、領域108及び領域110は、それぞれ10cmであり、領域108と領域110との間で少なくとも2cm重なり合っていてもよい。したがって、(領域108及び領域110によってカバーされる)有効監視領域は、18cmとなる。
【0015】
特定の実施形態によれば、漏洩検知システム1000のうちの少なくとも2つは、特定量だけ重なり合い得る。例えば、漏洩検知システム1000のうちの少なくとも2つは、少なくとも1%、又は少なくとも2%、又は少なくとも3%、又は少なくとも4%、又は少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも25%だけ重なり合うことができる。別の特定の実施形態では、少なくとも2つの漏洩検知システム1000は、99%以下、又は98%以下、又は97%以下、又は96%以下、又は95%以下、又は90%以下、又は75%以下だけ重なり合うことができる。一実施形態では、2つの漏洩検知システム1000は、少なくとも約1%かつ約99%以下だけ重なり合うことができる。領域108、領域110及び領域112のうちの少なくとも2つを重ね合わせることにより、漏洩検知の失敗率を低減することができ、重ね合わせなければ、漏洩検知システム1000のうちの1つが故障した場合に、漏洩検知の失敗が発生し得る。
【0016】
図3は、一実施形態による、感知素子102を含むセンサ100の概略図を含む。図3に示すように、一実施形態では、感知素子102は基板302を含み得る。いくつかの実施形態では、感知素子102は、検知素子304を含み得る。検知素子304は、例えば、接着剤、ねじ付き締結具若しくはねじなし締結具、表面粗さ界面、結合層、機械的締結具、又は別の好適な方法などによって、基板302に取り付けられてもよい。
【0017】
一実施形態では、検知素子304は、流体接触に応答して変化するように適合され得る。一実施形態では、検知素子304は、感知素子102又は漏洩検知システム1000の動作性を監視するように適合され得る。一実施形態では、検知素子304は、流体接触に応答して変化するように適合され得る第1の状態を有する第1の様相と、感知素子102又は漏洩検知システム1000の動作性を監視するように適合され得る第2の様相と、を有し得る。一実施形態では、検知素子304は、電気回路を含み得る。より具体的には、検知素子304は、乾燥状態では開回路を含み得、湿潤状態(すなわち、流体接触時)では閉回路を含み得る。特定の実施形態では、電気回路は、複数の第1のフィンガ又はトレース306及び複数の第2のフィンガ又はトレース308を含むことができ、第1の複数のフィンガ306及び第2の複数のフィンガ308は、互いに電気的に切断されるように、距離Dを有する間隙314によって離隔される。距離Dは、フィンガ306の長さとフィンガ308の長さとの間で均一であってもよく、不均一(例えば、揺れ動く又は変化する)であってもよい。いくつかの実施形態では、センサトレース又はセンサフィンガ306、308間の距離Dは、約0.001mm~約5mmの範囲であってもよい。基板302との流体相互作用は、間隙314を架橋して、電流が流れ得る閉回路を作成し得る。センサトレース306、308はそれぞれ、それぞれのトレース306、308から延在する複数のピン307、309に動作可能に取り付けられ得るか、又は接続され得る。ピン307、309は、当技術分野で一般的に知られているように、電流が流れ得る導電性材料で形成され得る。更に、ピン307、309は、以下で更に詳細に説明するように、トレース306、308から延長可能であってもよい。ピン307、309は、以下に説明及び例示的に示されるように、検知素子のいずれかに適用され得る。検知素子304に電気的にバイアスをかける電源132(以下でより詳細に議論される)は、回路が閉じているときに、通電可能にできる。そのような発生時、検知素子304は、(感知素子102が乾燥していることを示す)第1の状態から、(感知素子102が湿潤していることを示す)第2の状態に切り替わり、通信デバイス104(図1)に、流体漏洩の発生を伝える信号を送信させ得る。そのような動作は、例えば、検知素子304に電気的に結合された適切な素子312によって測定される、電圧、電流又は抵抗の変化によって生じ得る。信号は、デジタル又はアナログであってもよい。
【0018】
一実施形態では、検知素子304は、その長さに沿って1つ以上の非接続セグメントを有する、ワイヤを含み得る。流体に接触すると、非接続セグメントは架橋され、電流が流れ得る閉回路を作成し得る。一実施形態では、非接続セグメントのうちの少なくとも1つは、架橋された場合に、回路を閉じるワイヤの2つのセグメント間の最短距離によって測定される、少なくとも0.01インチ、又は少なくとも0.1インチ、又は更に少なくとも1インチなどの、少なくとも0.001インチの長さを有し得る。別の実施形態では、非接続セグメントの長さは、5インチ以下、又は更に2インチ以下などの、10インチ以下であってもよい。より短い非接続セグメント長さは、回路を閉じるのに必要な時間を減少させることができ、漏洩検知の速度を加速することができる。
【0019】
一実施形態では、漏洩検知素子304は、監視されている流体が導電性である用途に、特に適し得る。すなわち、回路を閉じることは、次に導電性媒体を必要とする、間隙314を架橋することによって行われる。例示的な導電性流体としては、蒸留水、塩水、アルコール、酸、及び液体金属が挙げられる。
【0020】
特定の実施形態では、基板302は、監視されている表面から検知素子304に流体を迅速に移送するように適合された材料を含み得る。例えば、基板302は、ウィッキング材料、又は高い流体移送速度を有する他の好適な材料を含み得る。例示的な材料としては、独立気泡発泡体又は連続気泡発泡体、織布メッシュ又は不織布メッシュ、織物、及びポリマーが挙げられる。高い流体移送速度を有する材料を用いることで、流体界面から検知素子304への流体の移送を加速し、感知時間を短縮し、次に、漏洩検知を加速し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、基板は、非導電性材料を含む誘電体基板であってもよい。非導電性材料は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、エラストマー(ゴム又はシリコーン系エラストマーを含むが、これらに限定されない)、熱硬化性材料、又はこれらの任意の組み合わせなどのポリマーを含み得る。一例では、内側部材4は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンズイミダゾール、それらの誘導体、又はそれらの組合せを、少なくとも部分的に含み得る。特定の例では、非導電性材料は、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせなどのポリマーを含み得る。更なる例では、非導電性材料は、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせなどのポリケトンを含み得る。特定の例では、非導電性材料は、フルオロポリマーを含み得る。例示的なフルオロポリマーは、フッ素化エチレンプロピレン(fluorinated ethylene propylene、FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride、PVDF)、パーフルオロアルコキシ(perfluoroalkoxy、PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデン(tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene, and vinylidene fluoride、THV)のターポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(polychlorotrifluoroethylene、PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ethylene tetrafluoroethylene copolymer、ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ethylene chlorotrifluoroethylene copolymer、ECTFE)、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、PBT)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリイミド(polyimide、PI)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリスルホン、ポリアミド(polyamide、PA)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide、PPS)、ポリウレタン、ポリエステル、液晶ポリマー(liquid crystal polymer、LCP)、それらの任意の組み合わせを含み、又は別の種類であってもよい。一実施形態では、非導電性材料は、チタン酸バリウム、ビスマスストロンチウムカルシウム銅酸化物、酸化ホウ素、窒化ホウ素、陶器、フェライト、二ホウ化マグネシウム、磁器、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭化チタン、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、石器、骨磁器、これらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、セラミックを少なくとも部分的に含むことができ、又は別の種類であってもよい。いくつかの実施形態では、誘電体基板は、以下でより詳細に説明するような、回路板又は回路板材料などであるが、これに限定されない、回路を収容するように適合された非導電性材料であってもよい。回路板材料の例としては、FR-1~FR-6、CEM-1~CEM-5、G-10及びG-11、アルミニウム又は絶縁金属基板(insulated metal substrate、IMS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、RF-35、ポリイミド、アルミナ、並びに可撓性基板Pyralux及びKaptonが挙げられる。
【0021】
一実施形態では、基板302は、設置された様相で測定される、5インチ以下、又は1インチ以下、又は0.75インチ以下、又は0.5インチ以下、又は0.1インチ以下、又は更に0.01インチ以下などの、10インチ以下の厚さを有し得る。別の実施形態では、基板302は、設置された様相で測定される、少なくとも0.001インチの厚さを有し得る。一実施形態では、基板302は、設置された様相で測定される、少なくとも約0.001インチ~約10インチの厚さを有し得る。特定の事例では、基板302は、設置中に変形し得る。すなわち、基板302は、非設置形状から、弾性変形又は塑性変形し得る。そのような変形は、基板302が、漏洩検知システム1000が設置されている表面の輪郭及び起伏に、より良好に適合することを可能にし得る。変形は、例えば、漏洩検知システム1000を表面に固定するのに必要な力によって引き起こされるような、基板の撓み、圧縮又は膨張を通して生じ得る。
【0022】
一実施形態では、設置前に、弛緩様相において、基板302は略平面であってもよい。すなわち、基板302は、平面に沿った任意の位置において、平面から2インチ以下、1.5インチ以下、1インチ以下、0.5インチ以下又は0.25インチ以下だけずれ得る。別の実施形態では、基板302は、平面上に位置決めされたときに、基板302が略平面形状をとるように、十分に可撓性であり得る。
【0023】
別の実施形態では、設置前に、弛緩様相において、基板302は、略弓形の断面を有し得る。例えば、基板302は、少なくとも2インチ、又は少なくとも3インチ、又は少なくとも4インチ、又は少なくとも5インチ、又は少なくとも6インチ、又は少なくとも12インチ、又は少なくとも24インチ、又は更には少なくとも48インチなどの、少なくとも1インチの曲率半径Rを有し得る。一実施形態では、Rは0.001インチ以上であり得る。一実施形態では、Rは、0.001インチ以上かつ48インチ以下であり得る。そのような弓形形状の基板302は、例えば、円形断面を有する流体導管(例えば、パイプ及び管類)との係合に適し得る。基板302の曲率半径は、監視されている流体導管又は表面の形状及びサイズに、最良に適合するように選択され得る。特定の実施形態では、基板302は、弛緩様相において弓形の断面を有し得、十分な荷重条件が発生すると屈曲し得る。このことは、流体導管との基板302の低歪み使用を可能にし得、同時に、流体導管の表面形状及びテクスチャにおけるずれを調整するための屈曲を可能にする。
【0024】
特定の事例では、基板302は、設置厚さTとは異なる初期厚さTを有し得る。Tは、Tより大きくてもよい。例えば、Tは、少なくとも1.01T、又は少なくとも1.05T、又は少なくとも1.1T、又は少なくとも1.2T、又は少なくとも1.3T、又は少なくとも1.4T、又は少なくとも1.5T、又は少なくとも2.0T、又は少なくとも5.0Tであり得る。一実施形態において、Tは、100T以下、又は50T以下、又は25T以下であり得る。一実施形態では、Tは、少なくとも1.01Tであり、かつ約100T以下であり得る。T及びTは、基板302の選択領域、又は基板302の全域にわたって測定される、基板302の絶対厚さ(特定の位置における厚さ)又は平均厚さの大きさであってもよい。
【0025】
基板302は、反対側にある主表面又は側面、すなわち、基板302の厚さによって離隔された、第1の主表面316及び第2の主表面318を画定し得る。検知素子304は、第1の主表面316及び第2の主表面318の一方に沿って配置されてもよい。図示するように、一実施形態では、検知素子304は、主表面316又は主表面318に沿って中央に配置されてもよい。そのような中央位置は、基板302の全ての縁部から検知素子304を等しく変位させることによって、検知素子304との流体相互作用の量及び速度を最大化することができる。このことは、流体が最初に接触する基板302の縁部に関わらず、検知を減少させ得る。あるいは、一実施形態として、検知素子304は、基板302の周辺部分に、すなわち、縁部のうちの1つにより近く配置され得る。そのような位置は、非対称界面を伴う特定の用途を有する漏洩検知システム1000に適し得る。
【0026】
特定の実施形態では、検知素子304は、基板302の表面積の90%未満、又は基板302の表面積の80%未満、又は基板302の表面積の70%未満、又は基板302の表面積の60%未満、又は基板の表面積の50%未満、又は基板の表面積の40%未満、又は基板の表面積の30%未満、又は基板の表面積の20%未満、又は基板の表面積の10%未満、又は基板の表面積の1%未満を占めることができる。別の特定の実施形態では、検知素子304は、基板302の表面積の少なくとも0.001%を占めることができる。別の特定の実施形態では、検知素子304は、基板302の表面積の少なくとも約0.001%、かつ基板302の表面積の90%以下を占めることができる。
【0027】
図4は、一実施形態による、感知素子102を含むセンサ100の断面立面図を含む。図4に示すように、特定の実施形態によれば、検知素子304は、基板302内に少なくとも部分的に埋設され得る。すなわち、検知素子304の少なくとも一部分は、基板302の主表面316と主表面318との間に配置され得る。より特定の実施形態では、第1の複数のフィンガ306又は第2の複数のフィンガ308のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分は、基板302内に埋設され得る。別の実施形態では、第1の複数のフィンガ306又は第2の複数のフィンガ308のうちの少なくとも1つの全てが、基板302内に埋設され得る。更に別の実施形態では、第1の複数のフィンガ306及び第2の複数のフィンガ308の全てが、基板302内に埋設され得る。主表面316と主表面318との間に、検知素子304の少なくとも一部分を配置することにより、間隙314(図3)を架橋して回路を閉じるために、流体が移動する必要がある、主表面316及び主表面318に垂直な方向に測定される距離を短縮することによって、漏洩検知を加速し得る。
【0028】
図示するように、一実施形態では、第1の複数のフィンガ306のうちの少なくとも1つは、第2の複数のフィンガ308のうちの少なくとも1つから垂直に(主表面316及び主表面318に垂直な方向に)オフセットされ得る。そのような位置決めは、検知素子304と、監視されている表面との間の距離を更に短縮することによって、検知タイミングを加速し得る。別の実施形態では、第1の複数のフィンガ306及び第2の複数のフィンガ308は、主表面316及び主表面318に対して、同じ相対位置に配置されてもよい。
【0029】
図5は、別の実施形態による、感知素子102を含むセンサ100の断面立面図を示す。図5に示すように、検知素子304は、主表面316及び主表面318の両方の上に、少なくとも部分的に配置されてもよい。例えば、第1の検知素子502は、第1の主表面316上に配置されてもよく、第2の検知素子504は、第2の主表面318上に配置されてもよい。第1の検知システム502を第1の主表面316上に配置し、第2の検知素子504を第2の主表面318上に配置することにより、流体監視のために、表面に検知素子304を可逆的に設置することを可能にし得る。一実施形態では、漏洩検知素子502及び漏洩検知素子504は、単一の電源132を共有することができる。一実施形態では、漏洩検知素子502及び漏洩検知素子504は、それぞれ別個の電源を利用することができる。リチウム電池又は再充電可能電池又は他の電池形態を、電源132の一部として使用することができる。
【0030】
一実施形態によれば、感知素子102を含むセンサ100は、基板302に結合された検知素子304を含み得、感知素子102又は検知素子304は、流体接触に応答して変化する1つ以上の特徴又は測定特性を有するように、適合され得る。これらの実施形態では、検知素子304は、電気回路を含み得る。この実施形態では、基板302は、反対側にある主表面、すなわち、基板302の厚さによって離隔された、第1の主表面316及び第2の主表面318を画定し得る。検知素子304は、第1の主表面316及び第2の主表面318の一方に沿って配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の検知素子(又は、電気回路)502は、第1の主表面316と連通するか、又は第1の主表面316上に配置されてもよく、第2の検知素子(又は電気回路)504は、第2の主表面318と連通するか、又は第2の主表面318上に配置されてもよい。第1の主表面316は、第2の主表面318の反対側にあってもよい。いくつかの実施形態では、検知素子502、504は、基板302の隣り合った表面上に位置してもよい。一実施形態では、漏洩検知素子502及び漏洩検知素子504は、単一の電源132を共有することができる。一実施形態では、漏洩検知素子502及び漏洩検知素子504は、それぞれ別個の電源を利用することができる。リチウム電池又は再充電可能電池又は他の電池形態を、電源132の一部として使用することができる。
【0031】
一実施形態によれば、感知素子102は、単一の電源を共有するか、又は単一の電源に動作可能に接続された複数の基板302に結合された検知素子304を含み得る。具体的には、感知素子は、第1の基板302a及び第2の基板302bを有し得、第1の検知素子502は、第1の基板302aと連通し、第2の検知素子504は、第2の基板302bと連通する。一実施形態では、漏洩検知素子502及び漏洩検知素子504は、単一の電源132を共有することができる。一実施形態では、漏洩検知素子502及び漏洩検知素子504は、それぞれ別個の電源を利用することができる。
【0032】
上記で議論され、以下で更に詳細に議論されるように、検知素子502及び検知素子504はそれぞれ、回路板を含むことができる基板と対になった電気回路を含み得る。
【0033】
図6は、別の実施形態による、感知素子102を含むセンサ100の断面立面図を含む。図6に示すように、一実施形態では、第1の複数のフィンガ306のうちの少なくとも1つが第1の主表面316に隣接し得、第2の複数のフィンガ308のうちの少なくとも1つが第2の主表面318に隣接し得るように、単一の漏洩検知素子304を基板302上に配置することができる。図示するように、第1の複数のフィンガ306及び第2の複数のフィンガ308は、それぞれ第1の主表面316及び第2の主表面318上に配置されてもよい。別の特定の実施形態では、第1の複数のフィンガ306及び第2の複数のフィンガ308のうちの少なくとも1つは、それぞれ第1の主表面316及び第2の主表面318に隣接した基板302内に少なくとも部分的に埋設され得る。
【0034】
再び図4を参照すると、一実施形態では、電源132は、主表面316又は主表面318のうちの1つに隣接して配置され得る。特定の実施形態では、電源132は、主表面316又は主表面318上に配置されてもよい。すなわち、電源132は、主表面316又は主表面318上に載っていてもよい。動作中、反対側の主表面316又は主表面318(すなわち、電源と反対側の主表面)は、監視されている表面上に配置されて、その表面との面一接触を可能にし得る。
【0035】
別の特定の実施形態では、電源132は、部分的に視認可能でありながら基板内に延在するように、基板302内に部分的に埋設され得る。図5及び図6に示すような更に別の実施形態では、電源132は、基板302内に完全に埋設され得る。電気接点は、基板から延在してもよく、検知素子と通信デバイスとの結合を可能にする。
【0036】
図7は、別の実施形態による、感知素子102を含むセンサ100の概略図を含む。図7に示すように、一実施形態では、感知素子102は、乾燥状態では閉回路を画定し、湿潤状態(すなわち、流体接触時)では開回路を画定する、検知素子704を含み得る。検知素子704は、基板702に結合され得る。一実施形態において、基板702は、基板302に関して上述したような特徴のいずれか又は全てを有し得る。例えば、基板702は、設置厚さTとは異なる初期厚さTを有し得る。別の実施形態では、基板702は、基板302とは異なり得る。例えば、以下に説明するように、検知素子704の用途は、曝露時に連続ワイヤ706を破断又は分断し得る、腐食性流体又は有害な流体とともに使用するのに最も適し得る。したがって、腐食性流体又は有害な流体の損傷効果への曝露に耐えるように適合された基板を利用することが望ましい場合がある。本明細書で使用される場合、「ワイヤ」は、長さが厚さよりも大きい、長さ及び厚さを有する導電性部材を指す。例示的なワイヤとしては、円筒状ワイヤ、巻きワイヤ、単線ワイヤ、リボン、バンド、シート、コード、及び他の同様の要素が挙げられる。ワイヤは、導電性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤは、銅を含む金属材料であってもよい。
【0037】
一実施形態では、腐食性流体又は有害な流体と接触すると、基板702が分解又は損傷することが望ましい場合がある。具体的には、基板702は、流体との接触時に分解し、基板を通して検知素子への流体のより迅速な進行を引き起こし得る。
【0038】
特定の事例では、ワイヤ706は、基板702上のワイヤ706の長さによって測定される、全長Lを有してもよく、これは、ワイヤ706が基板702に入る位置708と、基板702から出る位置709との間の直線距離によって測定される、ワイヤ706の有効長Lより長くてもよい。一実施形態では、ワイヤ706は、非直線で基板702を通過することができる。図示するように、ワイヤ706は、90度の角度で相互接続された、複数の直線セグメントを形成することができる。本開示は、90度の角度を有する実施形態に限定されることを意図するものではなく、その代わりに、鋭角及び鈍角の両方での線分の相互接続を更に含む。別の実施形態では、ワイヤ706は、略蛇行形状を有してもよく、又は蛇行回路であってもよい。ワイヤ706は、同心円、同心楕円、Z字形、螺旋、及び基板702上の有効長Lより長い全長Lを有する他の弓形又は直線セグメント化形状を含み得る、他の形状を有してもよい。有効長Lよりも長い全長Lを有するワイヤ706は、流体感度を高め得るか、又は感知時間を短縮さえし得ると考えられる。
【0039】
一実施形態では、検知素子704は、基板702内に少なくとも部分的に埋設された部分を含み得る。図8は、一実施形態による、検知素子704の側断面図を示す。図8に示すように、ワイヤ706は、基板702を通して非直線で延在している。すなわち、ワイヤ706は、90度の角度で相互接続された、複数の直線セグメントで基板を通して延在している。本開示は、90度の角度を有する実施形態に限定されることを意図するものではなく、その代わりに、鋭角及び鈍角の両方での線分の相互接続を更に含む。基板702内の様々な垂直高さにワイヤ706を配置することにより、監視されている表面に対して、検知素子704を可逆的に設置することを可能にし得る。加えて、ワイヤ706は、基板702のより大きな相対体積を占め、これにより、基板702に接触する流体が、ワイヤ706に接触する速度を加速する。
【0040】
一実施形態では、検知素子は、ワイヤ706の代わりに、又はワイヤ706に加えて、2次元マトリックス形状若しくは3次元マトリックス形状、又は準マトリックス形状を有する、導電性構造体を含み得る。特定の事例では、導電性構造体は、検知素子の屈曲を可能にする、低い曲げ弾性率を有し得る。導電性構造体を保護するために、又は監視のために表面に導電性構造体を取り付けることをより容易にするために、例えば、オーバーモールド又は押出成形によって、導電性構造体の周りに材料を位置決めすることができる。
【0041】
特定の実施形態では、基板902の変化する特徴は、基板902の測定特性であってもよい。例えば、図9図10は、流体接触前に見られる、感知素子102を含むセンサ100を示す。図9に示すように、基板902は、初期長さL及び初期幅Wを有する。流体に接触した後、基板902は、図10に示すように、最終的な長さL及び最終的な幅Wを有する、測定特性が変化し得る。一実施形態では、LはLより小さくてもよく、WはWより小さくてもよい。別の実施形態では、LはLより大きくてもよく、WはWより大きくてもよい。基板902の一部にわたって延在するワイヤ906は、基板902の測定特性の変化の検知を可能にし得る。より具体的には、素子912は、ワイヤ906の導電率又は別の好適な特徴を、基板902によってかけられた歪みとともに変化するので、測定することができる。導電率又は他の好適な特徴が変化するとき、検知システム902は、第1の状態(乾燥)から第2の状態(湿潤)に変化し得、したがって、流体漏洩の通知を可能にする。ワイヤ906は、複数のループを含むループ形状を有するものとして示されているが、ワイヤ906はまた、ワイヤ706に関して上述したような任意の形状を有してもよい。
【0042】
一実施形態では、基板902は、流体との接触時に膨張するように適合された、材料から形成されてもよい。例えば、基板902は、繊維材料、織布材料若しくは不織布材料、マトリックス系材料若しくは準マトリックス系材料、又は流体との接触時に膨張して、感知素子902、検知素子904、及び/若しくはセンサ100のうちの少なくとも1つに物理的変化をもたらして、漏洩検知をもたらすように適合された、任意の他の好適な材料を含み得るか、又はこれらを主成分とし得る。
【0043】
ワイヤ906は、少なくとも部分的に基板902内に延在し得る。一実施形態では、ワイヤ906の大部分は、基板902内に埋設され得る。更なる実施形態では、ワイヤ906の全てが、基板902内に埋設され得る。基板902に作用する力が、基板902の主表面上に配置されたワイヤとは対照的に、より容易に埋設ワイヤ606に送信され得るので、ワイヤ906の部分的な埋設又は完全な埋設は、流体漏洩検知の速度を改善し得る。
【0044】
検知素子904及び基板902は、検知素子304及び検知素子704、並びに基板302及び基板702に関して、それぞれ上述した特徴のいずれか又は全てを含み得る。
【0045】
ここで図11図12を参照すると、一実施形態によれば、感知素子102を含むセンサ100は、基板302に結合された検知素子304を含み得、感知素子102又は検知素子904は、流体接触に応答して変化する1つ以上の特徴又は測定特性を有するように適合され得る。
【0046】
特定の実施形態では、図11図12に示すように、感知素子102は電気回路を含み得る。図3に示すように、電気回路は、幾何学的並列櫛形回路設計を形成することができる。図11は、一実施形態による、電気回路を有する別のセンサの概略図を示す。図11に示すように、電気回路は、2本のワイヤ706(AとDとの間)と、706’(BとCとの間)との間に、幾何学的蛇行設計を形成する。図12は、一実施形態による、電気回路を有する、別のセンサの概略図を示す。図12に示すように、電気回路は、2本のワイヤ706(AとDとの間)と、706’(BとCとの間)との間に、幾何学的螺旋設計を形成する。感知素子102は、電気回路の測定特性の直列測定又は並列測定を可能にし得る。測定特性は、感知素子102が通信デバイス104を介して監視及び/又は応答する流体接触に応答して、変化を起こし得る。測定特性は、検知素子304又は回路の抵抗、インピーダンス、静電容量、電流、電圧、又は別の測定特性のうちの少なくとも1つであり得る。いくつかの実施形態では、感知素子102は、電気的に並列に接続された、2つの電気回路を含み得る。いくつかの実施形態では、感知素子102は、電気的に直列に接続された、2つの電気回路を含み得る。上記に示すように、各ワイヤ706、706’は、電気回路を形成するためにそれぞれのピン307、309に接続される導電性トレースであってもよい。いくつかの実施形態では、感知素子102は、導電性トレースをそれぞれが含み得る複数の電気回路を含むことができ、トレースは、トレースから延在する複数のピンに接続されている。言い換えれば、第1の検知素子は、第1のピン及び第2のピンに接続された、第1のトレースを含み得る。第2の検知素子は、第1のピン及び第2のピンに接続された、第1のトレースを含み得る。検知素子は、以下で更に詳細に説明するように、基板の異なる側の漏洩を検知するために、基板の異なる側に位置し得る。いくつかの実施形態では、各検知素子は、それ自体の電源を有し得る。上記に示すように、各検知素子は、電源を共有してもよい。一実施形態では、ピンは、以下に説明するように、取り外し可能又は延長可能であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1の様相において、感知素子102(及び/又は、センサ100)の回路は、乾燥時に第1の状態を有し、湿潤時に第2の状態を有するように、監視され得る。いくつかの実施形態では、第2の様相において、感知素子102(及び/又は、センサ100)は、感知素子102の動作性を監視するように、すなわち、第1の様相において漏洩を検知するセンサの能力を監視するように、適合され得る。いくつかの実施形態では、これら2つの動作を実行するための感知素子102及び漏洩検知システム1000の動作は、以下の通りである:1)回路、第1の検知素子304及び感知素子102の許容可能な動作性を保証するために、AとDとの間の測定特性を測定し、2)回路、第1の検知素子304及び感知素子102の許容可能な動作性を保証するために、BとCとの間の測定特性を測定し、3)回路、第1の検知素子304及び感知素子102の第1の様相(すなわち、センサが乾燥時に第1の状態であり、湿潤時に第2の状態であるかどうか)を検知するために、C及びDが開いた状態で、AとBとの間の測定特性を測定する。これらの工程の順序は変えることができ、連続的に行うことができる。あるいは、これら2つの動作を実行するための感知素子102及び漏洩検知システム1000の動作は、以下の通りである:1)回路、第1の検知素子304及び感知素子102の許容可能な動作性を保証するために、点C及び点Dを短絡させ、3)回路、第1の検知素子304及び感知素子102の第1の様相(すなわち、センサが乾燥時に第1の状態であり、湿潤時に第2の状態であるかどうか)を検知するために、C及びDが開いた状態で、AとBとの間の測定特性を測定する。したがって、漏洩検知システム1000を使用する方法は、1)乾燥時の第1の状態、及び湿潤時の第2の状態を有する第1の様相と、センサの動作性を監視するように適合された第2の様相とを有する感知素子102と、感知素子102に動作可能に接続された通信デバイス104と、流体漏洩の監視のために流体を有する流体構成要素121に、漏洩検知システム1000を取り付けるように適合された、取り付け要素120と、を有する少なくとも1つの漏洩検知システム1000を提供することと、2)流体漏洩の監視のために流体構成要素121に、少なくとも1つの漏洩検知システム1000を取り付けることと、を含み得る。他の実施形態では、センサは、流体に接触した結果として、発光、蛍光、白熱、温度変化、圧力変化、又は流体との接触に応答して任意の他の好適な変化する特徴を生成するように適合された、基板を含むことができることが企図される。検知素子は、基板の変化する状態を検知するように、適宜選択され得る。例えば、検知素子は、光学センサ、熱電対又は圧力変換器を含み得る。流体に接触した結果として、基板の状態(発光、蛍光、白熱、温度又は圧力)が変化すると、検知素子は、漏洩の警告を発信するために、変化した状態を感知し、通信デバイス104への信号を生成することができる。
【0048】
図13は、一実施形態による、2つの検知素子を有する感知素子102感知素子102を含む、センサ100の断面立面図を示す。図13に示すように、一実施形態によれば、感知素子102は、1つ以上の基板1302上に配置された、少なくとも2つの検知素子1304及び検知素子1306を含み得る。特定の実施形態では、検知素子1304及び検知素子1306は、同じ基板1302上に配置され得る。別の特定の実施形態では、検知素子1304及び検知素子1306は、隣接する基板(集合的に「基板」と称される)上に配置されてもよい。検知素子1304及び検知素子1306は、基板1302の同じ又は異なる主表面316又は主表面318上に配置されてもよい。図示するように、別の実施形態によれば、検知素子1304及び検知素子1306はまた、基板1302内に少なくとも部分的に埋設され得る。
【0049】
一実施形態では、検知素子1304及び検知素子1306は、互いに異なり得る。すなわち、少なくとも2つの検知素子1304及び検知素子1306の各々は、基板1302の異なる状態を検知するように、適合され得る。例えば、図示するように、検知素子1304は、上述の検知素子304と同様であってもよく、一方、検知素子1306は、検知素子1104と同様であってもよい。特定の実施形態では、検知素子1304及び検知素子1306は、基板1302上で離隔され得る。このことは、感知素子102の組み立てをより容易にし、破損した検知素子又は不適切な検知素子のより容易な取り外しを可能にし得る。別の実施形態では、検知素子1304及び検知素子1306は、垂直又は水平に重なり合うことができる。垂直又は水平の重なり合いは、センサのサイズを縮小することができ、したがって、センサを設置するのに必要な空間を削減する。
【0050】
いくつかの実施形態では、第3の様相において、感知素子102(又は、センサ100)は、感知素子102及び/又は電源132のバッテリ寿命を測定するために使用されてもよい。上述のように、リチウム電池又は再充電可能電池又は他の電池形態を、電源132の一部として使用することができる。バッテリ寿命は、以下に説明するように、測定され得、ユーザに通信され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、第4の様相において、感知素子102(又は、センサ100)は、通信デバイス104及び/又はセンサ100自体の信号強度を測定するために使用されてもよい。センサ100の信号強度は、以下に説明するように、測定され得、ユーザに通信され得る。
【0052】
上述の検知素子のいずれも、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、別の同様の構成要素、又はそれらの任意の組み合わせなどの、電子構成要素を更に含み得る。そのような電子構成要素は、上述の検知素子のための完全な回路を開発するために必要であり得る。
【0053】
再び図1を参照すると、通信デバイス104は、感知素子102及び/又は通信ハブ105に、動作可能に結合され得る。一実施形態では、通信デバイス104は、漏洩検知感知素子102の4つの様相で、通信ハブ105に信号を送信することができる。一実施形態では、通信デバイス及び/又は通信ハブ105は、センサから受信されたデータを管理し、データを解釈し、及び、漏洩検知システム1000での流体漏洩を監視するフォーマットで、エンドユーザにデータを編成するように適合されたコントローラ又は電子制御ユニット(Electronic Control Unit、ECU)を含み得る。通信デバイス104及び/又は通信ハブ105は、1つ以上のプログラム可能な言語を理解し、分析し、及び/又は実行することができる、コンピュータ又は他の計算デバイスを含むコントローラを含み得る。コントローラ及び/又はコンピュータは、感知素子102(又は、センサ100)によって提供される情報(例えば、漏洩検知、センサの動作性、バッテリ寿命及び信号強度)を処理することが可能な、処理ユニットを含み得る。例えば、感知素子102からの流体漏洩信号は、通信デバイス104の処理ユニットによって、受信され得る。一部の実施形態では、処理ユニットは、Intel(登録商標)Celeron(登録商標)N2807プロセッサを有する、PPC-3060S 6.5”Fanless Panel PCを含み得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、通信デバイス104及び/又は通信ハブ105の処理ユニットは、センサ100の第1の様相又は第2の様相に関するデータを有する信号を、感知ユニット102から受信し得る。更に、通信デバイス104及び/又は通信ハブ105の処理ユニットは、電源132から、第3の様相に関するデータを有する信号を受信し得る。最後に、通信デバイス104及び/又は通信ハブ105の処理ユニットは、通信デバイス104自体の信号強度に関するデータを有する信号を受信し得る。いくつかの実施形態では、通信デバイス104は、マスタ信号を通信ハブ105に送信して、上に列挙された構成要素の各々からのデータ自体、又は4つの様相の各々が、許容可能な読み取り値から許容できない読み取り値への閾値を超えたかどうかの計算の、いずれかを送信することができる。通信ハブ105は、通信デバイス104から提供されたデータから、4つの様相の各々が、許容可能な読み取り値から許容できない読み取り値への閾値を超えたかどうかの計算を算出し得、又は通信デバイス104によって、4つの様相の各々が、許容可能な読み取り値から許容できない読み取り値への閾値を超えたかどうかについてすでに行われた計算の結果をコンパイルし得る。許容できない読み取り値が得られたかどうかの判定は、通信デバイス104及び/又は通信ハブ105内のコントローラによって行われ得る。第1の様相では、例えば、許容可能な読み取り値は第1の状態(乾燥)であり、許容できない読み取り値は第2の状態(湿潤)である。第2の様相では、例えば、許容可能な読み取り値は、センサが健全であることであり、許容できない読み取り値は、センサが異常であることである。第3の様相では、例えば、許容可能な読み取り値は、完全に充電された様相のバッテリの充電の15%を超える寿命を有する場合であり、許容できない読み取り値は、完全に充電された様相のバッテリの充電の15%未満の寿命を有する場合である。第4の様相では、例えば、許容可能な読み取り値は、RSSI値が少なくとも-120dBmの強度を信号が有する場合であり、許容できない読み取り値は、RSSI値が-120dBm未満の強度を信号が有する場合である。これらの値は全て例示的なものであり、本明細書の実施形態に関して企図される閾値を必ずしも限定するものではない。閾値自体及び/又はそれぞれの重大度は、所与の用途のために、必要に応じて修正され得る。データが通信ハブ105に直接送られる場合、次に、通信ハブ105は、閾値を算出し得、以下でより詳細に説明するグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface、「GUI」)に、許容可能な読み取り値又は許容できない読み取り値を送信し得る。一部の実施形態では、閾値は、重大度、検知可能性及び確率の観点から、等級に更に分割され得る。これらの閾値の等級は、これら3つのカテゴリで、10(非常に危険な閾値)~1(最小効果閾値)の数によってランク付けされ得る。これらは、漏洩検知システム1000の用途に基づいて、ユーザによって表示及び/又は修正されてもよい。
【0055】
特定の実施形態では、通信デバイス104は、感知素子102、電源132及び/又は通信ハブ105に、無線で接続され得る。この無線通信は、例えば、ブルートゥース又は別の短距離無線プロトコルによって行われ得る。別の特定の実施形態では、通信デバイス104は、導電性ワイヤによって、感知素子102及び/又は通信ハブ105に接続され得る。導電性ワイヤが、監視されている流体に対して敏感でないことを保証するように、注意を払う必要がある。すなわち、導電性ワイヤは、流体接触時にだめになる材料から構築されるべきではない。あるいは、導電性ワイヤは、ワイヤと、漏洩検知システム1000内の流体移動の疑いがあるチャネルとの間に配置された外側層又はシールド層によって、損傷を与える流体相互作用に対して絶縁され得、又は別様に保護され得る。更なる実施形態では、通信デバイス104は、感知素子102及び/又は通信ハブ105と一体であってもよい。
【0056】
通信デバイス104及び/又は通信ハブ105は、無線通信デバイス又は有線通信デバイスであってもよい。すなわち、通信デバイス104は、HTML若しくはHTMLSなどの無線プロトコル、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)を使用して、無線で動作し得、又は、有線インターフェースで動作し得る。通信デバイス104は、感知素子102が流体漏洩を感知すると、感知素子102から入力信号を受信し、通信ハブ又は受信デバイス105に出力信号を送るように、適合され得る。このようにして、通信デバイス104は、感知素子102からの情報をコンパイル及び分析し、本明細書で説明されるように、感知素子102の第1の様相(第1の状態又は第2の状態)又は第2の様相に基づいて、ユーザ又は感知素子102自体にフィードバックすることができる、通信ハブ105に動作可能に接続され得る。
【0057】
一実施形態では、通信デバイス104及び/又は通信ハブ105は、長距離(Long Range、LoRa)プロトコルを使用する無線ネットワークを使用して、少なくとも1つの感知素子102と通信することができる。LoRa無線ネットワークは、LoRaゲートウェイを含み得る。通信デバイス104及び/又は通信ハブ105はまた、クラウドサーバと接続してもよい。通信デバイス104及び/又は通信ハブ105は、それぞれ電源132、及び、任意選択的に、バックアップ電源(図示せず)に接続された、第1のLoRaコントローラ及びLoRa無線モジュールを含むことができる、LoRa感知ノードを含み得る。リチウム電池又は再充電可能電池又は他の電池形態を、バックアップ電源の一部として使用することができる。LoRaゲートウェイは、通信デバイス104及び/又は通信ハブ105のうちの少なくとも1つに含まれ得る。通信デバイス104又は通信ハブ105は、LoRaゲートウェイを介して、通信デバイス104又は通信ハブ105の他方と通信することができる。
【0058】
本発明の態様(感知素子102、通信デバイス104又は通信ハブ105からなる、1つ以上の実施形態など)の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で完全に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータ上で部分的に、及びリモートコンピュータ上で部分的に、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくは広域ネットワーク(Wide Area Network、WAN)を含む、任意の種類のネットワークを通して、ユーザのコンピュータに接続され得、又は、この接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを通して)外部コンピュータへ行われ得る。感知素子102、通信デバイス104又は通信ハブ105のうちの少なくとも1つは、感知素子102からのデータを記録するためのメモリを含むように、ROM又は他の既存の記憶機構を含み得る。
【0059】
一実施形態では、通信デバイス104は連続的に動作し得る。本明細書で使用される場合、「連続的に動作する」とは、通信デバイスから、例えば、通信ハブ又は受信デバイス105への、信号の連続的な又は中断されない送信を指す。一実施形態では、通信デバイス104は、受動的に動作し得る。本明細書で使用される場合、「受動的に動作する」とは、閾値条件(すなわち、流体漏洩)の発生時にのみ、例えば、通信ハブ又は受信デバイス105に信号を送信することを指す。例えば、通信デバイス104は、電源132によって電力供給され得る。一実施形態では、感知素子102が漏洩を感知したときのみ、通信デバイス104は、通信ハブ又は受信デバイス105に信号を送信するために、電力を受け取ることができる。このことは、電源132からの電流引き込みを低減することによって、漏洩検知システム1000の動作可能な寿命を延ばすことができ、したがって、漏洩検知システム1000のより遠隔の位置決めを可能にする。
【0060】
図示するように、一実施形態では、通信デバイス104は、基板106の外面を越えて延在するように、露出され得る。したがって、通信デバイス104は、ユーザが通信デバイス104を調整又は交換することができるように、アクセス可能であり得る。一実施形態では、通信デバイス104は、例えば、完全になど、少なくとも部分的に基板106内に埋設され得る。これにより、有害な流体への曝露から、通信デバイス104が保護され得、さもなければ、有害な流体は、通信デバイス104が基板106の表面上に配置された場合に、通信デバイス104に接触し得る。
【0061】
一実施形態では、通信デバイス104は、基板106から取り外し可能であり得る。別の実施形態では、通信デバイス104は交換可能であり得る。電気的インターフェースは、通信デバイス104の迅速な交換を可能にし得る。例えば、電気的インターフェースは、通信デバイス104上の電気的接続点と一致する電気的接続点を有する、1つ以上のポートからなってもよい。様々な通信デバイス104は、電気接続点の同じ配置を有してもよく、それによって、迅速な交換及び通信デバイス104間の迅速な入れ替えを可能にする。
【0062】
いくつかの実施形態では、漏洩検知システム1000は、以下でより詳細に説明するような、ハウジングを含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、複数の検知素子(すなわち、電気回路)を少なくとも部分的に絶縁する、非導電性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ハウジングは、液体を検知素子に流し込むために、漏斗形状を有してもよい。
【0063】
更に図1を参照すると、漏洩検知システム1000は、漏洩検知システム1000を、流体界面114(図2)に隣接する表面に取り付けるように適合された、取り付け要素120を更に含み得る。
【0064】
一実施形態では、取り付け要素120は、単一本体を含み得る。すなわち、取り付け要素120は、単一の部品から形成され得る。別の実施形態では、取り付け要素120は、多部品構造体を含み得る。例えば、取り付け要素120は、単一の部品を形成し得るように、互いに、又は基板106若しくは基板106上に配置された1つ以上の構成要素に係合可能な少なくとも2つの構成要素を含み得る。
【0065】
一実施形態では、取り付け要素120は、基板106に直接結合され得る。一実施形態では、取り付け要素120は、感知素子102、通信デバイス104、又は何らかの他の好適な中間物体を通して、基板106に間接的に結合され得る。
【0066】
取り付け要素120は、流体漏洩の監視のために、表面に漏洩検知システム1000を解放可能に結合することができる。すなわち、一実施形態では、取り付け要素120は、漏洩検知システム1000から取り外し可能であり得る。このことは、取り付け要素120の交換又は漏洩検知システム1000に対する取り付け要素120の調整を可能にし得る。長期間の使用にわたって(特に、高温又は湿った条件では)、取り付け要素120が劣化又は摩耗する可能性があり、この問題は、取り付け要素120を定期的に交換することによって、大幅に軽減することができる。別の実施形態では、取り付け要素120は、漏洩検知システム1000と一体であってもよい。例えば、取り付け要素120は、基板106、感知素子102、又は通信デバイス104から分離できないように、それらの中に成形、又は別様に製作され得、したがって、設置中又は長期にわたる使用中の偶発的分離を防止する。
【0067】
図1に示すように、一実施形態では、取り付け要素120は、バンド122と、バンド122から延在する係合要素124と、係合要素124を受け入れるように適合された開口部126と、を含み得る。漏洩検知システム1000を流体導管上に設置するために、バンド122は、係合要素124が開口部126と係合することができるまで、流体導管の周りに位置決めされ得る。次に、係合要素124を開口部126に挿入して、流体導管に対して漏洩検知システム1000を保持することができる。より確実な取り付けプロトコルを必要とする用途では、1つ以上の追加の取り付け要素(例えば、取り付け要素128及び取り付け要素130)が、基板106に沿って、又は上述したような別の好適な方式で配備され得る。取り付け要素122、取り付け要素128及び取り付け要素130はそれぞれ、互いに同じ取り付けプロトコル又は類似の取り付けプロトコルを含み得る。例えば、取り付け要素128は、係合要素124と、係合要素124が挿入可能であり得る開口部126と、を含み得る。一実施形態では、取り付け要素122、取り付け要素128及び取り付け要素130は、表面との係合を強化し、基板106にわたって荷重条件を広げるために、漏洩検知システム1000の表面に沿って離隔され得る。
【0068】
図14は、流体導管1400の周りに設置された、バンド122と、係合要素124と、開口部126とを有する、設置された漏洩検知システム1402を示す。一実施形態では、図14に示すように、バンド122は、可撓性であり得るか、又は別様に弾性変形可能であり得る。バンド122は、流体導管の周りで伸びるように適合されてもよく、基板106を流体導管内に引き込むように作用する、内向きの保持力を提供する。例示的な材料としては、織布、不織布及びポリマーが挙げられる。好適なポリマーとしては、例えば、ゴムなどのエラストマーを挙げることができる。一実施形態では、取り付け要素120は、載置時に測定される、無負荷サイズSと、負荷条件下で測定される、負荷サイズSとを有し得、Sは、少なくとも1.01S、又は少なくとも1.1S、又は少なくとも1.5S、又は少なくとも2.0S、又は少なくとも5.0S、又は少なくとも10.0S、又は少なくとも20.0Sであり得る。別の実施形態では、Sは200S以下あり得る。一実施形態では、Sは、少なくとも約1.01Sであり、かつ約200S以下であり得る。無負荷サイズ及び負荷サイズは、それぞれ、無負荷様相及び負荷様相における、取り付け要素120の長さ、すなわち、バンド122の長さであり得る。
【0069】
別の実施形態では、取り付け要素120は、ロープ、コード、紐、又は他の同様のデバイスなどの細長い物体1404を含み得る。細長い物体1404は、流体導管1400の表面の周りに巻かれて、表面に漏洩検知システム1000を固定することができる。取り付け要素120として細長い物体1404を有する、設置された漏洩検知システム1406が図14に示されている。図示するように、細長い物体1404の端部は、結び目で一緒に結ばれてもよい。一実施形態では、漏洩検知システム1000は、複数の細長い物体1404によって、流体導管1400に固定されてもよい。細長い物体1404の長手方向端部は、流体導管に沿った同じ相対的な周方向位置で、一緒に結ばれてもよい。あるいは、長手方向端部は、流体導管の円周の周りに、交互に配列されてもよい。一実施形態では、細長い物体1404は、その長手方向端部に係合機構を有し得る。例えば、細長い物体1404は、細長い物体1404の反対の長手方向端部の接続を可能にする、バックル、ラチェット、小穴、ラチェット式タイシステム、ケーブルタイ、ねじ付き締結具若しくはねじなし締結具、又は任意の他の好適な係合要素で終端し得る。
【0070】
更に別の実施形態では、取り付け要素120は、フック及びループ係合システムを含み得る。細長い物体1404を有する、上述の漏洩検知システム1000と同様に、取り付け要素120は、フック及びループ係合を有する、材料のバンド1408を含み得ることが企図される。バンド1408は、弾性又は非弾性であってもよく、フックを有するバンド1408の第1の部分が、ループを有するバンド1408の第2の部分に結合され得るように、流体導管1400の周りに巻き付けられてもよい。そのような係合は、迅速に取り外し可能であり得、長期の使用にわたって劣化する可能性が低い。取り付け要素120としてフック及びループ係合を有する、設置された漏洩検知システム1410が図14に示されている。更に別の実施形態では、取り付け要素120は、以下で更に詳細に説明するような、クリップを含み得る。
【0071】
更に図14を参照すると、一実施形態では、取り付け要素120は、流体導管1400の全周にわたっては延在しないシステムを含み得る。
【0072】
例えば、漏洩検知システム1000は、接着剤付き材料1412によって、流体導管に固定されてもよい。特定の実施形態では、接着剤付き材料1412は、漏洩検知システム1000と一体であってもよい。別の特定の実施形態では、接着剤付き材料1412は、漏洩検知システム1000に取り付けられた別個の要素であってもよい。本明細書で使用される場合、「別個の要素」とは、公称力の印加時に他の物体から分離可能であるか、又は以前に分離可能であった、別個の構成要素を指す。取り付け要素120として接着剤付き材料1412を有する、設置された漏洩検知システム1414が図14に示されている。
【0073】
別の実施形態では、取り付け要素120は、漏洩検知システム1000と流体導管1400との間に配置された固定層(図示せず)を含み得る。固定層は、ペースト、ゲル、パテ、高塑性を有する材料、エポキシ樹脂、液剤、又は、流体導管1400若しくは漏洩検知システム1000の一方又は両方に適用され得る任意の他の物質を含み得る。硬化時に、固定層は、漏洩検知システム1000の取り外しを防止することができる。取り付け要素120として固定層を有する、設置された漏洩検知システム1416が図14に示されている。
【0074】
一実施形態では、固定層は、漏洩検知システム1000の取り外しを可能にするように、弛緩可能であってもよい。例えば、固定層は、特定の温度、特定の圧力、特定の流体相互作用、又は特定の種類の光の導入時に、軟化され得るか、又はその接着特性を失い得る。したがって、ユーザは、漏洩検知システム1000を流体導管1400から選択的に係合解除することができる。
【0075】
更に別の実施形態では、取り付け要素120は、クランプ1418を含み得る。クランプ1418は、漏洩検知システム1000を少なくとも部分的に覆って、又は漏洩検知システム1000を部分的に通って延在し得、システムに対して半径方向内向きの圧縮力を提供する。一実施形態では、クランプ1418は、流体導管1400に対して漏洩検知システム1000を固定するために、互いに結合するように適合された、2つの半体(第1の半体1420及び第2の半体1422)を含み得る。取り付け要素120としてクランプ1418を有する、設置された漏洩検知システム1424が図14に示されている。
【0076】
図15は、一実施形態による、漏洩検知システム1500の斜視図を示す。図15に示すように、一実施形態によれば、取り付け要素120は、感知素子102及び通信デバイス104が配置されている基板を形成することができる。すなわち、一実施形態による漏洩検知システム1500は、取り付け要素120に直接結合された、感知素子102及び通信デバイス104を含むことができる。特定の実施形態では、感知素子102及び通信デバイス104を取り付け要素120と直接結合することにより、前述の漏洩検知システム1000と比較して、漏洩検知システム1500の重量を減らすことができる。加えて、漏洩検知システム1500は、漏洩検知システム1000と比較して、感知素子102を、流体界面114(図2)のより近くに位置決めすることができる。特定の実施形態では、取り付け要素120は、基板302に対して、上述したような高い流体移送速度を有する材料を含み得る。このことは、感知素子102への流体伝動を加速させ、したがって、漏洩の発生から、次いで、漏洩を補正するための措置をとり得るユーザ又はシステムへの通知までの、遅延時間を減少させ得る。
【0077】
図示するように、漏洩検知システム1500は、取り付け要素120の表面に沿って配置されてもよい。別の実施形態では、漏洩検知システム1500は、取り付け要素120に少なくとも部分的に埋設され得る。更に別の実施形態では、漏洩検知システム1500は、感知素子102が見えないように、取り付け要素120に完全に埋設され得る。特定の実施形態では、感知素子102及び通信デバイス104のうちの少なくとも1つは、取り付け要素120を通して少なくとも部分的に視認可能であり得る。
【0078】
図16は、複数の脆弱部分1622を有する取り付け要素1620を示す。図16に示すように、脆弱部分1622は、取り付け要素1620のサイズ変更を可能にし得る。すなわち、脆弱部分は、取り付け要素1620の長さを調整するために、選択的に破断され得る。この点に関して、取り付け要素1620は、使用前に測定される、初期長さと、取り付け前に測定される、動作長さと、を有し得、動作長さは、初期長さ未満など、初期長さ以下であり得る。
【0079】
一実施形態では、取り付け要素は、1つの脆弱部分のみを含み得る。他の実施形態では、取り付け要素は、少なくとも3つの脆弱部分、又は少なくとも4つの脆弱部分、又は少なくとも5つの脆弱部分、又は少なくとも6つの脆弱部分、又は少なくとも7つの脆弱部分、又は少なくとも8つの脆弱部分、又は少なくとも9つの脆弱部分、又は少なくとも10つの脆弱部分などの、少なくとも2つの脆弱部分を含み得る。一実施形態では、取り付け要素は、1000個以下の脆弱部分を含み得る。一実施形態では、取り付け要素は、少なくとも2つの脆弱部分、かつ、1000個以下の脆弱部分を含むことができる。
【0080】
各脆弱部分は、取り付け要素の構造的に脆弱化された部分を含んでもよい。例えば、脆弱部分は、取り付け要素を貫通する1つ以上の開口部によって、画定され得る。開口部は、取り付け要素の厚さを、少なくとも部分的に通って延在し得る。より特定の実施形態では、開口部は、取り付け要素の厚さを完全に通って延在し得る。開口部は、取り付け要素を横断してもよく、例えば、取り付け要素の部分によって間隔を置かれてもよい。脆弱部分は、取り付け要素に対して、横断方向又は略横断方向に十分な力が発生すると、破断し得る。
【0081】
再び図1を参照すると、漏洩検知システム1000は、感知素子102、通信デバイス104、基板106又は取り付け要素120のうちの少なくとも1つに結合された電源132を含むことができる。特定の実施形態では、電源132は、バッテリ又は他の蓄電デバイスを含み得る。より特定の実施形態では、電源132は、例えば、120V電源によって再充電可能であってもよい。電源132は、交換を可能にするために、漏洩検知システム1000から取り外し可能であってもよい。リチウム電池又は再充電可能電池又は他の電池形態を、電源132の一部として使用することができる。
【0082】
一実施形態では、漏洩検知システム1000は、電気コンセントから電力を受け取ることができる。漏洩検知システム1000は、漏洩検知システム1000上の要素から延在し、壁コンセントに挿入されるように適合されたプラグで終端する、導電性ワイヤを含み得る。この点に関して、漏洩検知システム1000は、電流の一定の流れを受け取ることができ、漏洩検知システム1000への電力供給を充電又は監視する必要がなくなる。
【0083】
図17は、ある長さの材料1710上に配置された複数の漏洩検知システム1702を有する漏洩検知アレイ1700を示す。図17に示すように、材料1710は、織布若しくは不織布などの布、フィルム、又は、織物、ポリマー、金属、合金若しくは他の好適な材料から形成された別の好適な基板を含み得る。特定の実施形態では、材料1710は可撓性であり得、漏洩検知アレイ1700が曲がることを可能にする。
【0084】
各漏洩検知システム1702は、前述の漏洩検知システム100、1402、1406、1410、1414、1416、1424、及び1500からの、1つ以上の特徴を含み得る。具体的には、各漏洩検知システム1702は、センサ1704及び通信デバイス1706を含み得る。一実施形態では、漏洩検知システム1702は、互いに同一であってもよい。例えば、漏洩検知システム1702の第1の漏洩検知システム及び第2の漏洩検知システムは、互いに同一であってもよい。別の実施形態では、漏洩検知システム1702は、互いに異なっていてもよい。例えば、漏洩検知システム1702の第1の漏洩検知システムは、漏洩検知システム1702の第3の漏洩検知システムと異なっていてもよい。別の実施形態では、漏洩検知システム1702のうちの少なくとも2つは、本明細書で前述した、異なる漏洩検知システムを含み得る。すなわち、漏洩検知アレイ1700の漏洩検知システム1702は、互いに異なって動作し得る。例えば、漏洩検知アレイ1700の第1の漏洩検知システムは、図4に示されるものと同様であってもよく、漏洩検知アレイ1700の第2の漏洩検知システムは、図11及び図12に示されるものと同様であってもよい。
【0085】
一実施形態では、漏洩検知アレイ1700は、n個の分割可能部に分割可能であり得、ここで、nは、漏洩検知アレイ1700内の漏洩検知システム1702の数である。したがって、例えば、(図17に示すように)4つの漏洩検知システム1702を有する漏洩検知アレイ1700は、4つの分割可能部を含む。特定の事例では、漏洩検知アレイ1700は、少なくとも3つの漏洩検知システム、又は少なくとも4つの漏洩検知システム、又は少なくとも5つの漏洩検知システム、又は少なくとも10個の漏洩検知システム、又は少なくとも20個の漏洩検知システム、又は少なくとも50個の漏洩検知システム、又は少なくとも100個の漏洩検知システムなどの、少なくとも2つの漏洩検知システムを含むことができる。一実施形態では、漏洩検知アレイ1700は、10,000個以下の漏洩検知システム1702を含むことができる。一実施形態では、漏洩検知アレイ1700は、少なくとも2つの漏洩検知システム1702、かつ10,000個以下の漏洩検知システム1702を含むことができる。
【0086】
隣接する漏洩検知システム1702同士の間に配置された脆弱部分1708は、隣接する漏洩検知システム1702及び漏洩検知システム1702の分割をより容易にし得る。すなわち、脆弱部分1708は、漏洩検知アレイ1700から別個の漏洩検知システム1702をユーザが選択的に引き剥がすことを可能にし得る。一実施形態では、脆弱部分1708は、少なくとも2N、又は少なくとも5N、又は少なくとも10N、又は少なくとも100Nの力などの、少なくとも1Nの力が加えられると、破断し得る。別の実施形態では、脆弱部分1708は、1000N以下、又は125N以下などの、10,000N以下の力が加えられると、破断し得る。別の実施形態では、脆弱部分1708は、少なくとも1N、かつ10,000N以下の力が加えられると、破断し得る。
【0087】
漏洩検知システム1702の各々は、漏洩検知アレイ1700の他の漏洩検知システム1702から独立して動作するように適合され得る。すなわち、各漏洩検知システム1702は、自立型及び自給型であってもよく、効果的な動作のために、更なる外部構成要素を必要としない。一実施形態では、漏洩検知システム1702は、互いに独立して動作してもよく、又は、例えば、互いに接続された2つの漏洩検知システム1700など、漏洩検知アレイ1702のより小さいグループで動作してもよい。
【0088】
一実施形態では、漏洩検知システム1702のうちの少なくとも1つは、センサ1704及び通信デバイス1706のうちの少なくとも1つに結合された電源1712を更に含むことができる。特定の実施形態では、電源1712は、隣接する脆弱部分1708の破断時に、自己起動する(すなわち、電流を生成する)ことができる。このことは、少なくとも1つの漏洩検知システム1702が設置される準備ができるまで、電源1712を保存することができる。
【0089】
漏洩検知アレイ1700は、ハウジング内に巻き取り収容され得、ハウジングの開口部を通してアクセス可能であり得ることが企図される。ユーザは、巻かれたものをほどくために、漏洩検知アレイの露出部分をつかむことができる。適切な数の漏洩検知システム1702をほどくと、ユーザは、それぞれの脆弱部分1708を引き裂いて、好適な漏洩検知システム1702を、残りの漏洩検知アレイ1700から分離することができる。
【0090】
図18Aは、一実施形態による、例示的な漏洩検知システムで使用される基板の底面図を含む。図18Bは、一実施形態による、例示的な漏洩検知システムで使用される基板の底面図を含む。図18Cは、一実施形態による、例示的な漏洩検知システムで使用される基板の側面図を含む。上記で議論されたように、感知素子102は、基板302及び検知素子304を含み得る。上述したように、検知素子304は、回路板を含み得る基板302と対になった、電気回路を含み得る。いくつかの実施形態では、複数の電気回路の形態である複数の検知素子304は、基板302に結合され得る。いくつかの実施形態では、電気回路は、導電性トレースを含むことができ、トレースは、トレースから延在する複数のピンに接続されている。図示のように、検知素子304は、第1のピン307及び第2のピン309に接続された第1のトレース305を含み得る。基板302の反対側(主表面)の第2の検知素子(図示せず)は、第1のピン及び第2のピンに接続され、第1のトレースを含み得る。いくつかの実施形態では、各検知素子304は、それ自体の電源を有し得る。あるいは、各検知素子304は、電源を共有してもよい。一実施形態では、ピン307、309は、取り外し可能であってもよい。別の実施形態では、図18Cに示すように、導電性ワイヤラップ311が、基板302と対になり得、センサ100のハウジング115外側の漏洩を検知するための、検知素子として機能し得る。導電性ワイヤラップ311は、可撓性であり得、センサ100を設置することが困難である場所における漏洩を検知するために、流体構成要素の上に独自に位置決めされることを可能にする。このようにして、ピン307、309は、回路及び/又はトレースから延長可能であり得る。
【0091】
図19Aは、センサ100を含む例示的な漏洩検知システム1000の上面斜視図を示す。図19Bは、センサ100を含む例示的な漏洩検知システム1000の側面斜視図を含む。図19Cは、センサ100を含む例示的な漏洩検知システム1000の側断面図の図を含む。上述したように、センサ100はハウジング115を含むことができる。図示のように、ハウジング115は、基板を収容することができ、多角形、円形、楕円形の断面を有することができ、又は別の形状であってもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング115は、複数の検知素子(すなわち、電気回路)を少なくとも部分的に絶縁する非導電性材料を含み得る。いくつかの実施形態では、検知素子304の部分は、ハウジング115外側の漏洩を検知するために、ハウジング115を通して位置し得る。例えば、検知素子のピンは、図19Bに示すように、漏洩を検知するために、ハウジング115を通して突出し得る。ハウジング115は、センサ100を上昇位置に設置する、脚部121を更に含み得る。いくつかの実施形態では、図19Aに示すように、ハウジング115は、センサ100の複数の側面上の漏洩を検知するために、液体を検知素子に流し込むための漏斗穴119を含む漏斗形状117を有してもよい。図19Cに最もよく示すように、漏斗形状117は、ハウジング115の上面からの平面から角度αで傾斜し得る。角度αは、少なくとも10°などの、少なくとも20°などの、少なくとも30°などの、少なくとも45°などの、少なくとも60°などの、少なくとも75°などの、又は少なくとも90°などの、少なくとも1°であり得る。流体が漏斗穴119を通って滴下し、検知素子304に接触する場合、上述のように漏洩が検知され得る。図19Dは、センサ100を含む例示的な漏洩検知システム1000の側面図を含む。図19Bは、センサ100を含む例示的な漏洩検知システム1000の底面図を含む。図示のように、センサ100のハウジング115は、多角形形状であってもよい。更に、ハウジング115は、上述のように、取り付け構成要素及び/又は検知構成要素を収容することができる、円筒状構成要素123を含むことができる。
【0092】
本明細書に記載の漏洩検知システム及び漏洩検知アレイは、流体漏洩の監視のために様々な流体構成要素上で使用されてもよい。例示的な流体構成要素は、半導体及び超伝導体産業などにおける電子デバイス製作、流体輸送ライン及び流体輸送ポンプなどの医療デバイス、石油ガス産業、飲料水システム及び下水道に見られるようなパイプ継手、航空宇宙産業、飲食産業並びに自動車産業において見出すことができる。本明細書に示される漏洩検知システムの実施形態は、到達することが困難な場所における漏洩を検知し得、既知の漏洩検知システムに対して使いやすさ及び改善された性能を提供し得、これにより、貴重な流体、腐食性流体、又は純度が制御された流体を節約し得、それぞれの流体システムの性能、生産性及び費用効果を改善する。
【0093】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかを本明細書に記載する。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様及び実施形態が単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0094】
実施形態1:回路板材料を含む誘電体基板と、基板と連通する複数の電気回路と、を備える、漏洩検知センサであって、複数の電気回路は、基板の異なる側に位置する、漏洩検知センサ。
実施形態2:流体を有する流体構成要素と、流体構成要素に動作可能に結合された、少なくとも1つの漏洩検知センサと、を備えた、流体システムであって、漏洩検知センサは、回路板材料を含む誘電体基板と、基板と連通する複数の電気回路とを備え、複数の電気回路は、基板の異なる側に位置する、流体システム。
実施形態3:漏洩検知の方法であって、少なくとも1つの漏洩検知センサを提供することであって、漏洩検知センサは、回路板材料を含む誘電体基板と、基板と連通する複数の電気回路であって、基板の異なる側に位置する、複数の電気回路と、を備える、提供することと、少なくとも1つの漏洩検知センサを、流体漏洩の監視のために流体構成要素に動作可能に結合することと、を含む、方法。
実施形態4:漏洩検知センサであって、第1の誘電体基板と、第1の基板と連通する第1の電気回路と、第1の誘電体基板から分離された第2の誘電体基板と、第2の基板と連通する第2の電気回路であって、第1の電気回路及び第2の電気回路が、単一の電源に動作可能に接続されている、第2の電気回路と、を備える、漏洩検知センサ。
実施形態5:複数の電気回路がそれぞれ、導電性トレースを備え、トレースは、トレースから延在する複数のピンに接続されている、実施形態1~4のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態6:複数の電気回路が電源を備える、実施形態1~5のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態7:第1の電気回路が、基板の第1の表面に位置し、第2の電気回路が、基板の第1の表面とは反対側の、基板の第2の表面に位置する、実施形態1~6のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態8:漏洩検知センサが、複数の電気回路を少なくとも部分的に絶縁する非導電性材料を含むハウジングを更に備える、実施形態1~7のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態9:ハウジングが漏斗形状を有する、実施形態7に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態10:複数の電気回路が、少なくとも1つの蛇行回路を含む、実施形態1~9のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態11:センサが、流体接触に応答して、測定特性の変化を起こす、実施形態1~10のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態12:測定特性が、第1の検知素子の抵抗、インピーダンス、静電容量、電流、又は電圧のうちの少なくとも1つである、実施形態10に記載の漏洩検知センサ、流体システム又、は方法。
実施形態13:測定特性が、センサにおける物理的変化である、実施形態10に記載の漏洩検知センサ、流体システム又、は方法。
実施形態14:漏洩検知センサが、漏洩検知センサを流体構成要素に取り付けるように適合された取り付け要素を更に備える、実施形態1~13のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態15:取り付け要素が、流体漏洩の監視のために流体構成要素に取り外し可能に係合可能である、実施形態14に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態16:取り付け構成要素がクリップを含む、実施形態14に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態17:流体構成要素が、パイプ、パイプベンド、マニホールド、エルボ、パイプ継手、弁、ポンプ、タンク、フィルタハウジング、圧力容器、液体トラップ、排気ライン、真空凝縮物容器又は調整器のうちの少なくとも1つである、実施形態1~16のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態18:センサからの情報をコンパイル及び分析するために、通信デバイスに動作可能に接続された通信ハブを更に備える、実施形態1~17のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態19:通信ハブが、長距離無線ネットワークを介して通信デバイスに動作可能に接続されている、実施形態18に記載の漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態20:漏洩検知センサが、HF、HSO、HNO、NaClO、H、HPO、化学機械平坦化(CMP)流体及びスラリー、HCL、脱イオン水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、炭化水素溶媒又はトルエンのうちの少なくとも1つを含む流体の漏洩を監視するように適合されている、実施形態1~19のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
実施形態21:複数の回路がそれぞれ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、又はそれらの任意の組み合わせを備える電子構成要素を含む、実施形態1~20のいずれかに記載の、漏洩検知センサ、流体システム、又は方法。
【0095】
上述の特徴の全てが必要とされるわけではなく、特定の特徴の一部が必要とされなくてもよく、記載した特徴に加えて1つ以上の特徴が提供されてもよいことに留意されたい。なおも更に、特徴が列挙される順序は、必ずしも特徴が導入される順序ではない。
【0096】
特定の特徴が、明確にするために、別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されており、単一の実施形態において組み合わせて提供され得る。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴は、別個に又は任意の部分的な組み合わせで提供され得る。
【0097】
利益、他の利点、及び問題の解決策は、特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策をもたらすかより顕著にする可能性がある任意の特徴は、請求項のいずれか又は全ての重要な、必要な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0098】
本明細書に記載の実施形態の明細書及び図面は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。明細書及び図面は、本明細書に記載の構造又は方法を使用する装置及びシステムの全ての要素及び特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態が単一の実施形態中に組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明されている様々な特徴が、別々に又は任意の部分的組み合わせで提供されてもよい。更に、範囲に記載された値への言及は、その範囲内の各々の値全てを含む。多くの他の実施形態が、本明細書を読んだ後にのみ当業者に明らかとなってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、又は任意の変更を行うことができるように、他の実施形態を使用し、本開示から導出することができる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的なものとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
【国際調査報告】