(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ゲームのプレイに関連するアクティビティを検証するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/75 20140101AFI20231019BHJP
A63F 13/85 20140101ALI20231019BHJP
A63F 13/87 20140101ALI20231019BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20231019BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231019BHJP
【FI】
A63F13/75
A63F13/85
A63F13/87
A63F13/55
A63F13/79
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521744
(86)(22)【出願日】2021-09-14
(85)【翻訳文提出日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 US2021050299
(87)【国際公開番号】W WO2022076136
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518187455
【氏名又は名称】ソニー・インタラクティブエンタテインメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ルディ、オルガ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、カトリーン
(72)【発明者】
【氏名】シェルドン、ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】ミチガミ、ミホ
(57)【要約】
【解決手段】ゲームのプレイに関連する行為を検証するための方法が説明される。この方法は、アビューズ的であるとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領することと、第1のプレーヤのプレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される第1のプレーヤの行為の記録にアクセスすることとを含む。この方法は、人工知能モデルによって、第1のプレーヤの行為を分析して、その行為がアビューズ的であるかどうかを判定することをさらに含む。第1のプレーヤの行為がアビューズ的であるかどうかを分析する動作は、第1のプレーヤのプレーヤ評が正確であるかどうかを判定するように実行される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームのプレイに関連する行為を検証する方法であって、
アビューズ的であるとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領することと、
前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される前記第1のプレーヤの前記行為の記録にアクセスすることと、
前記行為がアビューズ的であるかどうかを判定するように、人工知能モデルによって、前記第1のプレーヤの前記行為を分析することであって、前記第1のプレーヤの前記行為がアビューズ的であるかどうかの前記分析することが、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であるかどうかを判定するように実行される、前記分析することと、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記人工知能モデルによる前記分析することに基づいて、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることを確認することと、
前記第1のプレーヤに、前記プレーヤ評へのアピールをする機会を提供することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レビュー担当者のレビュー担当者アカウントに前記アピールを提供することと、
前記レビュー担当者アカウントを介して返報を受け取ることと、
前記返報を、前記レビュー担当者アカウントから、前記第1のプレーヤの前記ユーザアカウントに提示することと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記人工知能モデルによる前記分析することに基づいて、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることを否定することと、
前記ユーザアカウントを介して、前記プレーヤ評が不正確であることを示すことと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記人工知能モデルによる前記分析することに基づいて、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることを否定することと、
前記プレーヤ評が正確であることを否定すると、前記第1のプレーヤのプロフィールにおけるアビューズ行為の報告数をデクリメントすることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記行為が、前記ゲームの前記プレイ中に行われるチャット中に発生する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記行為は、第1の仮想キャラクタが第2のプレーヤによって前記ユーザアカウントを介して制御される挙動を含み、前記第1の仮想キャラクタは、前記第1のプレーヤによって制御される第2の仮想キャラクタに対する行動を行うように制御され、前記行動は、前記第2の仮想キャラクタが前記ゲームに勝つ可能性を減らすために行われ、前記第1の仮想キャラクタ及び前記第2の仮想キャラクタは、1つのチームに属している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プレーヤ評が受領される前の時間から、前記所定の期間の終わりまで、前記行為が記録され、前記所定の期間が、前記プレーヤ評が受領される時間を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記行為は、否定的行動の各事例が前記第1のプレーヤによって行われた回数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記分析することは、前記ユーザアカウントが割り当てられた第2のプレーヤの行為に基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ゲームのプレイに関連する行為を検証する方法であって、
称賛に値するとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領することと、
前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される前記第1のプレーヤの前記行為の記録にアクセスすることと、
前記行為が称賛に値するかどうかを判定するように、人工知能モデルによって、前記第1のプレーヤの前記行為を分析することであって、前記第1のプレーヤの前記行為が称賛に値するかどうかの前記分析することが、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が称賛に値するものであることを確認するように実行される、前記分析することと、
を含む、前記方法。
【請求項12】
前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることを確認することであって、前記確認することが、前記人工知能モデルによる前記分析することに基づく、前記確認することと、
前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることの前記確認することをした際に、前記第1のプレーヤのユーザアカウントに報酬を提供することと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記人工知能モデルによる前記分析することに基づいて、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることを否定することと、
前記ユーザアカウントを介して、前記プレーヤ評が不正確であることを示すことと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記行為が、前記ゲームの前記プレイ中に行われるチャット中に発生する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記行為は、第1の仮想キャラクタが第2のプレーヤによって前記ユーザアカウントを介して制御される挙動を含み、前記第1の仮想キャラクタは、前記第1のプレーヤによって制御される第2の仮想キャラクタに対する行動を行うように制御され、前記行動は、前記第2の仮想キャラクタが前記ゲームに勝つ可能性を増やすために行われ、前記第1の仮想キャラクタ及び前記第2の仮想キャラクタは、1つのチームに属している、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記プレーヤ評が受領される前の時間から、前記所定の期間の終わりまで、前記行為が記録され、前記所定の期間が、前記プレーヤ評が受領される時間を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記分析することは、前記所定の期間内に前記第1のプレーヤによって行われた肯定的行動の回数に基づいて実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記分析することは、前記ユーザアカウントが割り当てられた第2のプレーヤの行為に基づいて実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
ゲームのプレイに関連する行為を検証するサーバシステムであって、
プロセッサであって、
アビューズ的であるとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領することと、
前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される前記第1のプレーヤの前記行為の記録にアクセスすることと、
前記行為がアビューズ的であるかどうかを判定するように、人工知能モデルを使用して、前記第1のプレーヤの前記行為を分析することであって、前記分析が、前記プレーヤの前記プレーヤ評が正確であるかどうかを判定するように実行される、前記分析することと、
を行うように構成された前記プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリデバイスと、
を備える、前記サーバシステム。
【請求項20】
前記プロセッサは、
前記人工知能モデルによる前記分析に基づいて、前記第1のプレーヤの前記プレーヤ評が正確であることを確認することと、
前記第1のプレーヤに、前記プレーヤ評へのアピールをする機会を提供することと、
を行うように構成される、請求項19に記載のサーバシステム。
【請求項21】
前記プロセッサは、
レビュー担当者のレビュー担当者アカウントに前記アピールを提供することと、
前記レビュー担当者アカウントを介して返報を受け取ることと、
前記返報を、前記レビュー担当者アカウントから、前記第1のプレーヤの前記ユーザアカウントに提示することと、
を行うように構成される、請求項20に記載のサーバシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームのプレイに関連するアクティビティを検証するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチプレーヤゲームでは、複数のゲームプレーヤが存在する。各プレーヤは、ゲームコンソールを所有しており、ゲームコンソールを介してサーバからネットワークベースのゲームにアクセスする。また、各プレーヤは、ゲームをプレイするためにハンドヘルドコントローラを所有する。例えば、Fortnite(商標)というゲームでは、第1の仮想キャラクタが、第1のハンドヘルドコントローラを介して、第1のゲーマによって制御され、第2の仮想キャラクタが、第2のハンドヘルドコントローラを介して、第2のゲーマによって制御される。第1の仮想キャラクタは、第2の仮想キャラクタと対戦することができ、したがって、第2の仮想キャラクタを敗退させようとする。同様に、第2の仮想キャラクタは、第1の仮想キャラクタを敗退させようとする。第1の仮想キャラクタと第2の仮想キャラクタの両者が同じチームにいる場合には、両者はマルチプレーヤゲームで勝利するために互いに助け合う。ただし、マルチプレーヤゲームのプレイ中に、ゲーマ間でアビューズが起こる可能性がある。
【0003】
こうした背景のもと、本発明の実施形態が生じる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、ゲームのプレイに関連するアクティビティを検証するためのシステム及び方法を提供する。
【0005】
実施形態では、ゲームのプレイに関連する行為を検証するための方法が説明される。この方法は、アビューズ的であるとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領することと、第1のプレーヤのプレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される第1のプレーヤの行為の記録にアクセスすることとを含む。この方法は、人工知能モデルによって、第1のプレーヤの行為を分析して、その行為がアビューズ的であるかどうかを判定することをさらに含む。第1のプレーヤの行為がアビューズ的であるかどうかを分析する動作は、第1のプレーヤのプレーヤ評が正確であるかどうかを判定するように実行される。
【0006】
一実施形態では、ゲームのプレイに関連する行為を検証するための方法が説明される。この方法は、称賛に値するとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領することと、第1のプレーヤのプレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される第1のプレーヤの行動の記録にアクセスすることとを含む。この方法は、人工知能モデルによって、第1のプレーヤの行為を分析して、その行為が称賛に値するかどうかを判定することをさらに含む。第1のプレーヤの行為が称賛に値するかどうかを分析する動作は、第1のプレーヤのプレーヤ評が称賛に値するものであることを確認するように実行される。
【0007】
実施形態では、ゲームのプレイに関連する行動を検証するためのサーバシステムが説明される。本サーバシステムは、プロセッサを含む。プロセッサは、アビューズ的であるとして、ユーザアカウントから第1のプレーヤのプレーヤ評を受領するように構成される。プロセッサはさらに、第1のプレーヤのプレーヤ評を受領したことに応答して、所定の期間保存される第1のプレーヤの行為の記録にアクセスするように構成される。プロセッサは、人工知能モデルを使用して、第1のプレーヤの行為を分析して、その行為がアビューズ的であるかどうかを判定するように構成される。分析は、プレーヤのプレーヤ評が正確かどうかを判定するように実行される。サーバシステムは、プロセッサに結合されたメモリデバイスを含む。
【0008】
本明細書で説明するシステム及び方法のいくつかの利点には、プレーヤのアビューズ行為を判定することが含まれる。プレーヤによるアビューズ行為の報告を受け取ると、システム及び方法は、人工知能(AI)モデルを適用してアビューズ行為を確認する。アビューズ行為が確認されると、システム及び方法は、プレーヤに対して適切な措置を講じることを促進する。一方、アビューズ行為が確認できないと判定すると、システム及び方法は、プレーヤに対して何のアクションも実行しない。
【0009】
また、本明細書に記載のシステム及び方法の追加の利点には、プレーヤの称賛に値する行為を判定することが含まれる。称賛に値する行為の報告を受け取ることに応答して、本明細書に記載のシステム及び方法は、AIモデルを適用して称賛に値する行為を確認する。称賛に値する行為を確認すると、システム及び方法は、プレーヤに賞賛を与えることができる。一方、称賛に値する行為が確認できないと判定すると、システム及び方法は、プレーヤに対するアクションを実行しない。さらに、アビューズ行為または称賛に値する行為の存在をAIモデルが判定するので、ゲーム開発者がゲームのプレイ中に大量のデータを確認して、プレーヤがアビューズ的または称賛に値するものであるかどうかを決定するのにかかる時間が短縮される。
【0010】
本明細書に記載のシステム及び方法の追加の利点には、ネットワークトラフィックの制御が含まれる。各ネットワークの帯域幅には制限がある。アビューズ行為または不適切行為のメッセージなどにより、制限された帯域幅が不適切に使用されたならば、帯域幅が無駄になる。本システム及び方法は、アビューズ行為がプレーヤによって実行されているかどうかを判定し、プレーヤに対して適切な措置を講じて、アビューズ行為の可能性をさらに減らす。これにより、ネットワークトラフィックが制御され、ネットワーク帯域幅が増加する。ネットワーク帯域幅が無駄になることがなくなる。
【0011】
本開示の他の態様は、本開示に記載の実施形態の原理を例として示す下記の発明を実施するための形態を、添付図面と併せて読むと明らかになろう。
【0012】
本開示の様々な実施形態は、添付図面と併せて、以下の記載を参照することによって、最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】プレーヤによるアビューズ行為を判定する方法、及びプレーヤによる称賛に値する振る舞いを判定する方法の実施形態のフローチャートである。
【
図1B】
図1Aの方法を説明するためのシステムの実施形態の図である。
【
図2A】クライアントデバイスの表示画面に表示される仮想シーンである。
【
図2B】第1の仮想キャラクタが、第1の仮想キャラクタと同じチームにいる第2の仮想キャラクタを撃つことを説明するための、クライアントデバイスの表示画面に表示される仮想シーンの実施形態である。
【
図2C】第1の仮想キャラクタが、どのチームにも属さないソロの第3の仮想キャラクタを助けることを説明するための、クライアントデバイスの表示画面に表示される仮想シーンの実施形態である。
【
図3A】人工知能(AI)モデルの訓練を説明するためのシステムの実施形態の図である。
【
図3B】複数のプロフィールファクタへの重みの適用を説明する図である。
【
図4A】プロセッサシステムと複数のクライアントデバイスとの間のルータ及びモデムならびにコンピュータネットワークを介した通信を説明するシステムの実施形態の図である。
【
図4B】プロセッサシステムをゲームコンソール内に実装できることを説明するシステムの実施形態の図である。
【
図4C】コンピュータネットワークとスマートフォンとの間にルータ及びモデムを使用せず、コンピュータネットワークを介したスマートフォンとプロセッサシステムとの間の通信を示すシステムの実施形態の図である。
【
図6】本開示の実施態様による、クライアントデバイスにクラウドビデオゲームをストリーミングするために実行される様々な動作を概念的に示すフロー図である。
【
図7】クライアントデバイスのディスプレイデバイスとインタフェースすることに対応しており、コンピュータネットワークを介してゲームホスティングシステムと通信することができるゲームコンソールの実施形態のブロック図である。
【
図8】ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の構成要素を示す図である。
【
図9】情報サービスプロバイダ(INSP)アーキテクチャの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ゲームのプレイに関連するアクティビティを検証するためのシステム及び方法が説明される。本開示の様々な実施形態は、これらの特定の詳細の一部または全てが無くても実施されることに留意されたい。他の例では、本開示の様々な実施形態を不必要に分かりにくくしないように、周知のプロセス動作については詳述していない。
【0015】
図1Aは、プレーヤによるアビューズ行為を判定する方法100、及びプレーヤによる称賛に値する振る舞いを判定する方法100の実施形態のフローチャートである。
図1Aは、
図1Bのシステム150を参照して説明される。方法100は、サーバシステム152によって、またはコンピューティングデバイスによって、またはそれらの組み合わせによって実行される。コンピューティングデバイスの例としては、ゲームコンソール、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、スマートテレビ、及びスマートフォンがある。コンピューティングデバイスは、クライアントデバイスの例である。サーバシステム152の例には、クラウドシステムが含まれる。例えば、サーバシステム152は、1つ以上のノードなどの1つ以上のサーバを含み、各サーバは、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のメモリデバイスを含む。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のメモリデバイスに結合される。この例では、サーバシステム152によって実行されるものとして本明細書に記載されている機能は、サーバシステム152の1つ以上のプロセッサによって実行される。サーバシステム152の1つ以上のプロセッサは、プロセッサシステム159の一部であり、サーバシステム152の1つ以上のメモリデバイスは、メモリシステム160の一部である。
【0016】
方法100では、プレーヤ1によるゲームのプレイの動作102中に、プレーヤ2がプレーヤ1によるアビューズを報告する。プレーヤ1によるアビューズは、プレーヤ1のプレーヤ評の一例である。アビューズは、方法100の動作104において、サーバシステム152に報告される。ゲームの例には、ビデオゲーム、仮想現実(VR)ゲーム、及び拡張現実(AR)ゲームが含まれる。ビデオゲームは、シングルプレーヤゲームまたはマルチプレーヤゲームであり得る。プレーヤ1は、サーバシステム152によってプレーヤ1に割り当てられたユーザアカウント1を介してゲームにアクセスする。同様に、プレーヤ2は、サーバシステム152によってプレーヤ2に割り当てられたユーザアカウント2を介してゲームにアクセスする。ゲームをプレイする動作102は、プレーヤ1がユーザアカウント1にアクセスして、サーバシステム152からゲームにアクセスする際に発生する。ゲームは、ゲームコードまたはゲームプログラムがサーバシステム152によって実行されるとアクセスされる。また、ゲームをプレイする動作102は、プレーヤ2がユーザアカウント2にアクセスして、サーバシステム152からゲームにアクセスする際に発生する。
【0017】
プレーヤ1によるアビューズの例としては、プレーヤ1によるキーボードから離れる(AFK)行為、プレーヤ1によるグリーフィング、プレーヤ1によるスパミング、プレーヤ1によって提供される侮辱的な言葉、プレーヤ1によって行われる軽蔑的なコメント、プレーヤ1によって行われる差別的なコメント、プレーヤ1によって行われる多すぎるコメント、プレーヤ1による相手チームを助けること、またはゲームの他のプレーヤに有害であること、またはプレーヤ1による意図的なフィード、またはプレーヤ1による集団規定違反がある。AFK行為の例示としては、プレーヤ1及びプレーヤ2がゲームをプレイしているときに、プレーヤ1が、プレーヤ2にゲームを勝たせるために、プレーヤ1に割り当てられた仮想キャラクタを制御しないことが挙げられる。プレーヤ1は引き続きゲームを視聴することができるが、仮想キャラクタを制御しない。これは、ゲームのプレイ中の1つ以上のインスタンスで発生する可能性がある。グリーフィングの例示としては、プレーヤ1が、意図しない方法でビデオゲームの機能を使用して、ビデオゲーム内の他のプレーヤを故意に苛立たせ、嫌がらせをすることが挙げられる。この例示では、プレーヤ1が、ビデオゲーム内のチャット機能153を使用して、プレーヤ2に対して侮辱的または軽蔑的なコメントを与える。グリーフィングの別の例示として、プレーヤ1が、プレーヤ1と同じチームのメンバと通信することを拒否して、チームの戦いに参加し、またはチームメイトを助けることを拒否するものがある。チーム戦では、プレーヤ1がチームメイトと共に戦う。さらに例示すると、プレーヤ1は、チャット機能153またはコメント機能154を介して、プレーヤ1と同じチームのプレーヤ2と通信しない。この例示では、プレーヤ1は、チャット機能153またはコメント機能154を介してプレーヤ2によって助けを求められ、プレーヤ1は、チャット機能153またはコメント機能154を介してその要求を拒否する。また、この例示では、プレーヤ1は、チャット機能153またはコメント機能154を使用して、チーム戦を開始させる攻撃的な言葉をプレーヤ2に向ける。グリーフィングのさらに別の例示としては、プレーヤ1は、ゲーム中に同じチームの別のプレーヤを助ける行為を故意に行わない。このように、プレーヤ1の意図的な不作為が見られる。
【0018】
有害であることの例示として、プレーヤ1は、チャット機能153またはコメント機能154を使用して、プレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4に嫌がらせをする。さらに説明すると、プレーヤ1は、プレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4に対して攻撃的な言葉を使用する。あるいは、プレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4に積極的な圧力または脅迫を受けさせる。意図的なフィードの例には、相手チームがゲームに勝つことができるように、プレーヤ1がゲーム内でプレーヤ1によって制御される仮想キャラクタをわざと殺すことが含まれる。
【0019】
サーバシステム152のプロセッサシステム159は、チャットプログラム164を実行して、チャット機能153を生成する。チャットプログラム164は、メモリシステム160内に格納されている。チャットプログラム164の例としては、2プレーヤ間のリアルタイムのビデオ通信を可能にするビデオチャットプログラム、または2プレーヤ間のリアルタイムのオーディオ通信を可能にするオーディオチャットプログラム、または2プレーヤ間のリアルタイムのテキストチャットを可能にするテキストチャットプログラムが挙げられる。プレーヤ1によって行われる多すぎるコメントの例示として、プレーヤ1は、プレーヤ2に関する、またはプレーヤ2によるゲームのプレイについて、テキストメッセージ、またはグラフィックス、またはアニメーションなどのコメントを、事前設定された期間内に事前設定された回数よりも多く投稿する。事前設定回数及び事前設定期間は、メモリシステム160の1つ以上のメモリデバイスに記憶されている。コメントは、ゲーム内のチャット機能153またはコメント機能154を使用して投稿される。プロセッサシステム159は、コメント機能154を生成するためにコメントプログラム166を実行する。コメントプログラム166は、メモリシステム160内に格納されている。例示として、集団規定は、サーバシステム152の1つ以上のメモリデバイス内に格納されている。集団規定は、ゲームのゲーム開発者、またはコンピューティングデバイスを製造するエンティティ、または両方のエンティティによって作成される。集団規定は、サーバシステム152の1つ以上のメモリデバイス内に格納されている。
【0020】
一例を挙げると、プレーヤ2は、ゲーム内のコメント機能154を使用してアビューズを報告する。例示すると、プレーヤ2は、ユーザアカウント2にログインした後に、サーバシステム152からゲームにアクセスする。プレーヤ2は、プレーヤ1がアビューズ的であると判断すると、ゲーム内に表示されているコメントボタンを選択することによって、ゲームのコメント機能154にアクセスする。コメントボタンが選択されると、プレーヤ2がゲームをプレイするために使用するクライアントデバイス2のディスプレイデバイス2に、コメントボックスまたはコメントフィールドが表示される。さらに、コメントボタンが選択されると、ユーザ識別子(ID)フィールドがディスプレイデバイスに表示される。プレーヤ2は、クライアントデバイス2の入力デバイス2を使用して、プレーヤ1のユーザID1をユーザIDフィールドに提供する。ユーザID1は、プレーヤ1がユーザアカウント1にログインしてゲームにアクセスするためのユーザIDである。ユーザID1は、プレーヤ1に固有のものであり、ユーザIDは、ゲームのプレーヤごとに異なる。また、ユーザID1の一意性は、プロセッサシステム159によって決定される。また、プレーヤ2は、入力デバイス2を使用して、プレーヤ1によるアビューズ行為を記述または説明するコメントフィールドのコメントボックスにコメントを提供する。入力デバイス2は、プレーヤ2によって使用されるクライアントデバイス2に関連付けられる。次いでプレーヤ2は、入力デバイス2を使用して提出ボタンを選択し、コメントフィールドまたはコメントボックス内に作成されたコメントを提出する。提出ボタンが選択されると、コメントはクライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信される。サーバシステム152は、クライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介してコメントを受信する。
【0021】
別の例として、プレーヤ2は、クライアントデバイス2の表示画面上のゲーム内に表示されているアビューズ報告ボタンを使用してアビューズを報告する。プレーヤ2は、入力デバイス2を使用してアビューズ報告ボタンを選択する。アビューズ報告ボタンの選択を受信すると、サーバシステム152は、ユーザIDフィールド及びコメントフィールドまたはコメントボックスを表示して、プレーヤ2がユーザID1に関するコメントを提供できるようにする。
【0022】
さらに別の例として、プレーヤ2は、ゲームのアビューズ報告ボタンを使用してアビューズを報告する。プレーヤ2は、入力デバイス2を用いてアビューズ報告ボタンを選択する。サーバシステム152は、ユーザID1及びアビューズ報告ボタンの選択を受信すると、ユーザIDフィールドを表示する。アビューズ報告ボタンを選択し、ユーザIDフィールドにユーザID1を入力すると、ユーザID1の選択及び入力の、ネットワーク信号などのインディケーションが、クライアントデバイス2によって生成され、コンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信される。プロセッサシステム159は、コンピュータネットワーク156を介して、アビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1のインディケーションを受信する。プロセッサシステム159は、ユーザID1と、称賛通報ボタンの選択のインディケーションとを受信すると、プレーヤ1のアビューズ的振る舞いが報告されたと判定する。一例として、プロセッサシステム159は、プレーヤ1のアビューズ的振る舞いが報告されたと判定すると、その報告にアビューズ報告というタイトルを付け、その報告をメモリシステム160に格納する。
【0023】
本明細書で使用される入力デバイスの例には、キーボード、マウス、スタイラス、キーパッド、タッチスクリーン、及びハンドヘルドゲームコントローラが含まれる。ハンドヘルドゲームコントローラの例としては、ユーザなどのプレーヤが両手または片手で保持できるゲームコントローラが挙げられる。例示すると、ゲームコントローラは、Sony Corporation(商標)から入手可能なDualShock(商標)ゲームコントローラである。ハンドヘルドゲームコントローラは、銃の形または棒の形など、様々な形状にすることができる。本明細書で使用されるクライアントデバイスの例には、デスクトップコンピュータ、タブレット、ラップトップコンピュータ、HMD、スマートテレビ、ゲームコンソールとHMDとの組み合わせ、ハンドヘルドコントローラとHMDとの組み合わせ、ならびにゲームコンソール、HMD、及びハンドヘルドコントローラの組み合わせが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、及びそれらの組み合わせが含まれる。例示すると、コンピュータネットワークは、インターネット、イントラネット、またはそれらの組み合わせである。
【0024】
サーバシステム152は、コンピュータネットワーク156を介してユーザアカウント2及びクライアントデバイス2からプレーヤ1のコメント及びユーザID1を受信し、コメントを解析して、コメントがプレーヤ1のアビューズ行為を報告していると判定する。例えば、サーバシステム152は、クライアントデバイス2から受信したユーザID1と、プレーヤ1の予め記憶されていたユーザIDとの比較に基づいて、受信したユーザID1がプレーヤ1に割り当てられていることを識別する。また、サーバシステム152は、コメントと、辞書データベース及び構文データベースに予め記憶されていた単語との比較に基づいて、コメントがプレーヤ1によるアビューズを報告していることを識別する。サーバシステム152は、コメント内の記号列と、記号列間の構文上の関係とを分析して、コメントがプレーヤ1のアビューズ行為を報告していると判定する。アビューズを判定するために、サーバシステム152は、アビューズ、嫌がらせ、破壊的、及び迷惑などの否定的な言葉を識別することができる。また、アビューズを判定するために、サーバシステム152は、「私の壁を破壊した」、または「私を殺した」、または「自分のチームメイトが私を殺した」、または「アビューズしている」などの構文上の関係を探すことができる。別の例として、サーバシステム152は、コンピュータネットワーク156を介してアビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1を受信し、クライアントデバイス2から、ユーザアカウント2を受信する。サーバシステム152は、アビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1の受信の後にコメントが受信されたことをさらに判定し、そのように判定した場合に、サーバシステム152は、コメントがプレーヤ1によるアビューズに関するものであると判定する。この例では、サーバシステム152は、プレーヤ2がプレーヤ1によるアビューズを報告しているかどうかを判定するためにコメントを解析しない。さらに別の例として、サーバシステム152は、コンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス2からアビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1が、1回または2回など、所定の回数を超えて受信されたかどうかを判定する。プレーヤ2がユーザアカウント2にログインした後に、クライアントデバイス2からアビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1が受信される。サーバシステム152は、アビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1が、所定の回数を超えてコンピュータネットワーク156を介して受信されると、プレーヤ1のアビューズ行為が報告されたと判定する。
【0025】
方法100では、プレーヤ1によるゲームのプレイの動作102中に、プレーヤ2は、プレーヤ1の振る舞いを称賛する。この称賛に値する振る舞いは、方法100の動作114で、サーバシステム152に報告される。例えば、プレーヤ2は、プレーヤ1が善良なゲーム民または善良な参加者であると信じており、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いを報告する。プレーヤ1による称賛に値する振る舞いの例には、プレーヤ1による敬意を表するコメント、ゲームのプレイ中にプレーヤ1によって作成された妥当な数のコメント、プレーヤ2及び/または他のプレーヤに対するプレーヤ1からの称賛に値するコメント、ゲームのプレイ中にプレーヤ1がプレーヤ2及び/または他のプレーヤを助けること、もしくはプレーヤ1による集団規定の遵守、またはそれらの組み合わせが挙げられる。敬意を表するコメントの例示として、プレーヤ1が、ゲームのプレイ中にプレーヤ2によって行われたゲームアクションに関して、プレーヤ2に肯定的なフィードバックを提供する。プレーヤ1は、ビデオゲームの機能を使用して、集団規定に従う。この例示では、プレーヤ1は、ビデオゲーム内でチャット機能153またはコメント機能154を使用して、プレーヤ2が行ったゲームアクションに関する建設的なフィードバックをプレーヤ2に提供する。プレーヤ1によって作成された妥当な数のコメントの例示として、プレーヤ1が、プレーヤ2に関する、またはプレーヤ2によるゲームのプレイに関するコメントを、事前設定された期間内に事前設定された回数未満投稿する。妥当な数のコメントは、ゲーム内のチャット機能153またはコメント機能154を使用して投稿される。
【0026】
一例を挙げると、プレーヤ2は、ゲーム内のコメント機能154を用いて、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いを報告する。例示すると、プレーヤ2は、ユーザアカウント2にログインした後に、サーバシステム152からゲームにアクセスする。プレーヤ2は、プレーヤ1が称賛に値する振る舞いを行ったと判断すると、ゲーム内に表示されているコメントボタンを選択することによって、ゲームのコメント機能154にアクセスする。コメントボタンが選択されると、コメントボックスまたはコメントフィールドがクライアントデバイス2のディスプレイデバイス2に表示される。また、コメントボタンが選択されると、ユーザIDフィールドがディスプレイデバイス2に表示される。プレーヤ2は、クライアントデバイス2の入力デバイス2を使用して、プレーヤ1のユーザID1をユーザIDフィールドに提供する。また、プレーヤ2は、入力デバイス2を使用して、プレーヤ1の称賛に値する行為を記述または説明するコメントを提供する。次いでプレーヤ2は、入力デバイス2を使用して提出ボタンを選択し、コメントフィールドまたはコメントボックス内に作成されたコメントを提出する。提出ボタンが選択されると、コメントはクライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信される。サーバシステム152は、クライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介してコメントを受信する。
【0027】
別の例として、プレーヤ2は、ゲームの称賛報告ボタンを用いて、プレーヤ1の称賛すべき振る舞いを報告する。プレーヤ2は、入力デバイス2を用いて称賛報告ボタンを選択する。称賛報告ボタンの選択を受信すると、サーバシステム152は、ユーザIDフィールド及びコメントフィールドまたはコメントボックスを表示して、プレーヤ2がユーザID1に関するコメントを提供できるようにする。
【0028】
さらに別の例として、プレーヤ2は、ゲームの称賛報告ボタンを用いて、その称賛すべき振る舞いを報告する。プレーヤ2は、入力デバイス2を用いて称賛報告ボタンを選択する。サーバシステム152は、称賛報告ボタンの選択を受信すると、ユーザIDフィールドを表示する。称賛報告ボタンを選択し、ユーザIDフィールドにユーザID1を入力すると、選択及び入力の、ネットワーク信号などのインディケーションが、クライアントデバイス2によって生成され、コンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信される。サーバシステム152は、コンピュータネットワーク156を介して、称賛報告ボタンの選択及びユーザID1のインディケーションを受信する。サーバシステム152は、称賛通報ボタンの選択のインディケーションと、ユーザID1とを受信すると、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告されたと判定する。一例として、プロセッサシステム159は、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告されたと判定すると、その報告に称賛に値する報告というタイトルを付け、その報告をメモリシステム160に格納する。
【0029】
サーバシステム152は、コンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス2からプレーヤ1のコメント及びユーザID1を受信し、コメントを解析して、コメントがプレーヤ1の称賛に値する行為を報告していると判定する。例えば、サーバシステム152は、コメントと、辞書データベース及び構文データベースに予め記憶されていた単語との比較に基づいて、コメントがプレーヤ1の称賛に値する振る舞いを報告していることを識別する。サーバシステム152は、コメント内の記号列と、記号列間の構文上の関係とを分析して、コメントがプレーヤ1の称賛に値する行為を報告していると判定する。称賛に値する振る舞いを判定するために、サーバシステム152は、最高、すごい、素晴らしい、及びクールなどの肯定的な言葉を識別することができる。また、称賛に値する行為を判定するために、サーバシステム152は、「素晴らしい動きだ」、または「あなたは私が復活するのを手伝ってくれました」、または「あなたは最高のチームメイトです」もしくは「あなたは最高の友人です」、または「あなたは役に立ちます」もしくは「あなたがいてくれてよかった」などの構文上の関係を探すことができる。別の例として、サーバシステム152は、クライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介して、称賛報告ボタンの選択及びユーザID1を受信する。サーバシステム152は、称賛報告ボタンの選択の受信の後にコメントが受信されたことをさらに判定し、そのように判定した場合に、サーバシステム152は、コメントが称賛に値する振る舞いに関するものであると判定する。この例では、サーバシステム152は、プレーヤ2がプレーヤ1の称賛に値する振る舞いを報告しているかどうかを判定するためにコメントを解析しない。さらに別の例として、サーバシステム152は、コンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス2から称賛報告ボタンの選択及びユーザID1が、あらかじめ記憶された回数を超えて受信されたかどうかを判定する。プレーヤ2がユーザアカウント2にログインした後に、クライアントデバイス2から称賛報告ボタン及びユーザID1が受信される。サーバシステム152は、アビューズ報告ボタンの選択及びユーザID1が、あらかじめ記憶された回数を超えてコンピュータネットワーク156を介して受信されたと判定すると、プレーヤ1の称賛に値する行為が報告されたと判定する。
【0030】
動作104でプレーヤ1のアビューズ的振る舞いが報告されたと判定したことに応答して、サーバシステム152は、動作104で受信した報告に基づいて、プレーヤ1のプレーヤプロフィールに基づいて、かつ所定の期間保存されたか、または1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数中に保存された、以下に説明する入力データ312に基づいて、プレーヤ1の振る舞いを分析する動作106を実行する。一例として、アビューズの報告を受け取ると、サーバシステム152は、ゲームのゲームプレイ中にプレーヤ1の振る舞いに関して保存された入力データ312に基づいて、人工知能(AI)モデルを訓練する。AIモデルの訓練の詳細を以下に示す。
【0031】
一例として、所定の期間は、動作104においてプレーヤ1によるアビューズがサーバシステム152に報告される前の時間から、プレーヤ1によるアビューズが報告された後の時間までの範囲の時間間隔である。例示すると、所定の期間は、プレーヤ1のアビューズ的振る舞いが報告される1週間または1か月前から、プレーヤ1のアビューズ的振る舞いが報告されてから1週間または1か月までの範囲の時間量である。別の例として、所定の期間は、プレーヤ1によるアビューズが報告された時点からプレーヤ1によるアビューズが報告された後の時間までの範囲の時間間隔である。例示すると、所定の期間は、プレーヤ2によって作成されたプレーヤ1に関してのアビューズを報告するコメントがサーバシステム152によって受信された時点から、コメントが受信されてから2週間後までの範囲の時間量である。別の例として、所定の期間は、サーバシステム152がアビューズ報告ボタンの選択のインディケーションを受け取った時点から、インディケーションを受け取ってから2週間後までの範囲の時間量である。
【0032】
また、動作104でアビューズ行為の報告を受信すると、サーバシステム152は、プレーヤプロフィールデータベース158からプレーヤ1のプレーヤプロフィールにアクセスして、プレーヤ1に対してアビューズの事例がプレーヤ3及びプレーヤ4などの別のプレーヤによって報告されているかどうかを判定する。一例として、プレーヤプロフィールには、プレーヤに対するアビューズが報告された回数、プレーヤが受け取った賞賛の回数、プレーヤに関する称賛の報告の回数、プレーヤのサブスクリプションレベル、ゲーム内でプレーヤが蓄積した仮想ポイントの数、プレーヤがアビューズ行為に関与していることをAIモデルが確認した回数、及びプレーヤが称賛に値する行為を取っていることをAIモデルが確認した回数などのプロフィールファクタが含まれる。プレーヤプロフィールは、ゲームのプレイ中のプレーヤの過去の行為のスナップショットを提供する。
【0033】
さらに、動作114においてプレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告されたと判定したことに応答して、サーバシステム152は、動作114において受信した報告、プレーヤ1のプレーヤプロフィール、及び入力データ312に基づいて、プレーヤ1の振る舞いを分析する動作106を実行する。一例として、称賛に値する振る舞いの報告を受信すると、サーバシステム152は、ゲームのゲームプレイ中のプレーヤ1の振る舞いに関して保存された入力データ312に基づいて、AIモデルを訓練する。AIモデルの訓練の詳細を以下に示す。
【0034】
一例として、所定の期間は、動作114においてプレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告される前の時間から、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告された後の時間までの範囲の時間間隔である。例示すると、所定の期間は、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告される2週間または1か月前から、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告されてから2週間または1か月までの範囲の時間量である。別の例として、所定の期間は、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告された時点からプレーヤ1の称賛に値する振る舞いが報告された後の時間までの範囲の時間間隔である。例示すると、所定の期間は、プレーヤ2によって作成されたプレーヤ1に関しての称賛に値する振る舞いを報告するコメントがサーバシステム152によって受信された時点から、コメントが受信されてから5週間後までの範囲の時間量である。別の例示として、所定の期間は、サーバシステム152が称賛報告ボタンの選択を受け取った時点から、選択を受け取ってから4週間後までの範囲の時間量である。
【0035】
また、動作114で称賛に値する振る舞いの報告を受信すると、サーバシステム152は、プレーヤプロフィールデータベース158からプレーヤ1のプレーヤプロフィールにアクセスして、プレーヤ1に対して称賛に値する振る舞いの事例がプレーヤ3及びプレーヤ4などの別のプレーヤによって報告されているかどうかを判定する。一例として、プレーヤプロフィールには、AIモデルによって判定されたプレーヤ1によるアビューズの事例の数、及びAIモデルによって判定されたプレーヤ1による称賛に値する振る舞いの事例の数などのプロフィールファクタを含む。
【0036】
方法100の動作108及び118では、動作106におけるプレーヤ1の振る舞いの分析に基づいて、アビューズ的振る舞いもしくは称賛に値する振る舞い、またはその欠如などの振る舞いの確認または判定が行われる。動作108は、サーバシステム152によって実行されて、プレーヤ1によるアビューズの報告を確認または否定するか、あるいはプレーヤ1によるアビューズの報告の正確さを確認または否定する。また、動作118は、サーバシステム152によって実行されて、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告を確認または否定するか、あるいはプレーヤ1の称賛に値する行為の報告の正確さを確認または否定する。例えば、サーバシステム152は、動作104で受け取ったプレーヤ1によるアビューズの報告に重みを適用し、動作114で受け取ったプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告に重みを適用し、プレーヤ1に関連付けられたプロフィールファクタに重みを適用して、重み付けファクタを出力し、重み付けファクタ及び入力データ312を適用してAIモデルを訓練し、それによってプレーヤ1によるアビューズ的振る舞いを確認または否定する。AIモデルはまた、動作108で、所定の期間保存されたか、または1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数中に保存された入力データ312に基づいて訓練される。動作108及び118を説明するために、サーバシステム152は、
クライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介して受信したアビューズの報告のインディケーションに重みWn1を適用し、クライアントデバイス2からコンピュータネットワーク156を介して受信した称賛に値する振る舞いの報告のインディケーションに重みWn2を適用し、プロフィールファクタに、重みWn3、Wn4など、重みWnmまで適用して、重み付けファクタを出力し、重み付けファクタ及び入力データ312を適用してAIモデルを訓練し、それによってプレーヤ1によるアビューズの確率を判定する。ここで、Wnmは実数、nは正の整数、mは正の整数である。また、重み付けファクタ及び入力データ312を適用してAIモデルを訓練し、それによってプレーヤ1による称賛に値する振る舞いの確率を判定する。
【0037】
前述の例では、アビューズの報告のインディケーションには、クライアントデバイス2及びユーザアカウント2を介してプレーヤ2によってアビューズが報告された回数または事例が含まれる。例示すると、プレーヤ2がチャット機能153またはコメント機能154を介してアビューズを説明した後に送信ボタンを選択するたびに、サーバシステム152は、プレーヤ1によるアビューズの報告の事例をインクリメントする。この例では、サーバシステム152は、アビューズの報告の事例の総数を計算する。サーバシステム152は、アビューズの報告の事例の総数に重みWn1を乗じて、第1の結果を出力する。この例では、称賛に値する振る舞いのインディケーションには、クライアントデバイス2及びユーザアカウント2を介してプレーヤ2によって称賛に値する振る舞いが報告された回数または事例が含まれる。プレーヤ2がチャット機能153またはコメント機能154を介して称賛に値する振る舞いを説明した後に送信ボタンを選択するたびに、サーバシステム152は、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告の事例をインクリメントする。サーバシステム152は、称賛に値する振る舞いの報告の事例の総数を計算する。サーバシステム152は、称賛に値する振る舞いの報告の事例の総数に重みWn2を乗じて、第2の結果を出力する。
【0038】
また、例を続けると、サーバシステム152は、重みWn3に第1のプロフィールファクタを乗じて第3の結果を出力し、重みWn4に第2のプロフィールファクタを乗じて第4の結果を出力する。サーバシステム152は、第1の結果、第2の結果、第3の結果、及び第4の結果、ならびに入力データ312に基づいてAIモデルを訓練して、訓練の最終結果を出力する。最終結果の例には、プレーヤ1がアビューズ的である50%を超える第1の確率と、プレーヤ1が称賛に値する50%未満である第2の確率との第1の組み合わせが含まれる。最終結果の別の例は、プレーヤ1が称賛に値する50%を超える第3の確率と、プレーヤ1がアビューズ的である50%未満である第4の確率との第2の組み合わせである。最終結果のさらに別の例は、プレーヤ1がアビューズ的である50%に等しい第5の確率と、プレーヤ1が称賛に値する50%に等しい第5の確率との第3の組み合わせである。
【0039】
サーバシステム152は、プレーヤ1がアビューズ的である確率が称賛に値する確率よりも大きいと判定すると、プレーヤ1のアビューズ的振る舞いの存在を確認または判定し、称賛に値する振る舞いの存在を否定する。また、サーバシステム152は、プレーヤ1が称賛に値する振る舞いに関与する確率が、プレーヤ1がアビューズ的振る舞いに関与する確率よりも大きいと判定すると、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いの存在を確認または判定し、アビューズ的振る舞いの存在を否定する。サーバシステム152は、プレーヤ1がアビューズ的振る舞いに関与する確率が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率と同じであると判定した場合、プレーヤ1による称賛に値する振る舞いが存在せず、かつプレーヤ1によるアビューズ的振る舞いが存在しないと判定する。
【0040】
一例としては、全ての重みWn1~Wnmは等しいことに留意されたい。別の例としては、重みWn1~Wnmのそれぞれは互いに異なる。説明のために、プレーヤ1の第2のプロフィールファクタに割り当てられた重みよりも低い重みが、プレーヤ1の第1のプロフィールファクタに割り当てられる。別の例示として、動作104で受信されたプレーヤアビューズの報告には、プレーヤ1のプロフィールファクタに割り当てられた重みよりも低い重みが割り当てられる。さらに別の例として、重みWn1からWnmまでの1つ以上(全てではない)が互いに等しく、Wn1からWnmまでの残りの重みが、互いに異なり、Wn1からWnmまでの重みの1つ以上と異なっている。
【0041】
動作108及び118においてプレーヤ1によるアビューズを確認または判定すると、方法100の動作110において、サーバシステム152は、さらなる措置を講じる。例えば、サーバシステム152は、プレーヤ1によるアビューズのインディケーションを生成し、ユーザアカウント1内での表示のために、コンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス1にその表示を送信する。例示すると、プレーヤ1がユーザアカウント1にログインすると、クライアントデバイス1は、アビューズの報告の通知を表示する。通知には、アビューズを報告したプレーヤ2のユーザID2が含まれる。ユーザID2は、サーバシステム152によってプレーヤ2に割り当てられている。通知には、「あなたはアビューズをしているプレーヤとして報告されました」または「ユーザID2があなたをアビューズをしているプレーヤとして報告しました」などのテキストメッセージが含まれる。別の例示として、アビューズの報告の通知には、ユーザID2が含まれない。
【0042】
別の例として、プレーヤ1によるアビューズのインディケーションに加えて、サーバシステム152は、プレーヤ1に、アビューズの報告へのアピールをする機会を提供する。例示すると、クライアントデバイス1のディスプレイデバイス1にアピールボタンを表示することにより、アピールの機会が提供される。アピールの機会は、予め設定された時間間隔で提供される。例示すると、サーバシステム152は、「この報告に異議を申し立てることができます」などのテキストメッセージを生成し、そのテキストメッセージをコンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス1に送信してユーザアカウント1内に表示する。その後、プレーヤ1は、アビューズの報告に異議を申し立てることが可能である。プレーヤ1は、ゲーム内に表示されるアピールボタンの表示を選択することができる。アピールボタンを表示するためのデータは、サーバシステム152によって生成される。このアピールボタンの選択は、コンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信される。サーバシステム152は、アピールボタンの選択を受け付けると、釈明欄を表示するためのデータを生成し、そのデータをコンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス1に送信する。プレーヤ1は、クライアントデバイス1の入力デバイス1を用いて、釈明欄内に釈明を記入する。釈明の例としては、ゲームのプレイ中に、プレーヤ1のいとこまたは友人、または知人が、プレーヤ1からハンドヘルドコントローラを奪い、アビューズ的になってしまったことが挙げられる。プレーヤ1が釈明を提供した後に提出ボタンを選択すると、釈明に関するデータがクライアントデバイス1からコンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信されて、人間のレビュー担当者に割り当てられたレビュー担当者アカウントに格納される。
【0043】
人間のモデレータなどのレビュー担当者は、管理者クライアントデバイスを使用して、レビュー担当者アカウントを介してサーバシステム152から釈明にアクセスし、釈明をレビューして、釈明に同意するかどうかを決定する。人間のレビュー担当者は、クライアントデバイス1及び2を製造するエンティティ、またはゲームを作成するエンティティ、またはサーバシステム152を管理するエンティティ、またはサーバシステム152を所有するエンティティの従業員であり得る。人間のレビュー担当者は、釈明に同意すると判断すると、コンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に結合されている管理者クライアントデバイスを使用して、プレーヤ1がアビューズしていないことを示す通知、またはアビューズの報告が不正確であることを示す通知、またはプレーヤ1に対して何の措置も講じられないことを示す通知、またはそれらの組み合わせなどの返報を生成し、その返報をレビュー担当者アカウントに提供する。返報は、サーバシステム152のレビュー担当者アカウントからコンピュータネットワーク156を介してユーザアカウント1に送信されて、プレーヤ1によるレビューのためにクライアントデバイス1に表示される。例えば、サーバシステム152は、ユーザアカウント1をキャンセルしない。一方、釈明に同意しないと判断した場合、人間のレビュー担当者は、管理者クライアントデバイスを制御して、プレーヤ1に対してさらなる措置を講じる通知、またはユーザアカウント1を取り消す通知、またはプレーヤ1によるゲームプレイを禁止する通知、またはそれらの組み合わせなどの返信を生成し、その返信をレビュー担当者アカウントに提供する。返信は、サーバシステム152のレビュー担当者アカウントからコンピュータネットワーク156を介してユーザアカウント1に送信される。プレーヤ1は、クライアントデバイス1を使用して、ユーザアカウント1を介して返信にアクセスする。
【0044】
また、一方、動作104でプレーヤ1のアビューズ的振る舞いの報告が受信された場合に、動作108及び118でプレーヤ1によるアビューズが確認されなければ、サーバシステム152は、プレーヤ1によるアビューズがないことを示す動作112を実行する。例えば、サーバシステム152は、アビューズの報告が確認されなかったことをプレーヤ2に示すメッセージを生成し、そのメッセージをコンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス2に送信してユーザアカウント2内に表示する。プレーヤ2がユーザアカウント2にログインしたとき、プレーヤ2は、ディスプレイデバイス2に表示されるメッセージをレビューする。別の例として、アビューズの報告が確認されなかったことをプレーヤ2に示すメッセージを生成することに加えて、サーバシステム152は、動作106、108、及び118をユーザアカウント2に適用して、プレーヤ1をアビューズ的であると報告したプレーヤ2がアビューズ的であるかどうかを判定する。例示すると、プレーヤ2は、他のプレーヤのアビューズを報告することができ、アビューズの報告が、ゲームのプレイ中のプレーヤ2によるアビューズを示すものである。プレーヤ2がアビューズ的であると判定すると、サーバシステム152は、動作110で説明したように、プレーヤ2に対してさらなる措置を講じることができる。一方、プレーヤ2がアビューズ的ではないと判定すると、サーバシステム152はそれ以上の措置を講じない。なお、プレーヤ1によるアビューズの確認がないことは、プレーヤ1によるアビューズの報告が正確であることを否定する一例であることに留意されたい。
【0045】
サーバシステム152は、動作108及び118でプレーヤ1の称賛に値する振る舞いを確認するか、または称賛に値する振る舞いがあったことを判定すると、方法100の動作120において、プレーヤ1に報酬を提供するか、またはプレーヤ1に、称賛に値する振る舞いに関するメッセージを送信するか、またはその組み合わせを提供する。例えば、サーバシステム152は、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いのインディケーションを生成し、ユーザアカウント1内での表示のために、コンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス1にその表示を送信する。例示すると、プレーヤ1がユーザアカウント1にログインすると、クライアントデバイス1は、称賛に値する振る舞いの報告の通知を表示する。この通知には、称賛に値する振る舞いを報告したプレーヤ2のユーザID2が含まれる。通知には、「あなたは称賛に値するプレーヤとして報告されました」または「ユーザID2があなたを称賛に値するプレーヤとして報告しました」などのテキストメッセージが含まれる。別の例示として、称賛に値する振る舞いの報告の通知には、ユーザID2が含まれない。別の例として、称賛に値する振る舞いのインディケーションに加えて、サーバシステム152は、賞賛または仮想ポイントまたは仮想メダルまたはそれらの組み合わせなどを、プレーヤ1に割り当てられたユーザアカウント1に提供する。例示すると、プレーヤ1がユーザアカウント1にログインすると、クライアントデバイス1のディスプレイデバイス1に報酬が表示される。報酬は、サーバシステム152によって強調表示され得る。強調表示の例としては、報酬をボールド形式でレンダリングすること、またはゲームの仮想シーンの背景とは異なる色でレンダリングすること、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0046】
また、一方、動作114でプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告を受けた場合に、動作108及び118でプレーヤ1のアビューズ的振る舞い及び称賛に値する振る舞いが確認できなければ、サーバシステム152は、不作為の動作122を実行する。例えば、サーバシステム152は、報酬の生成とユーザアカウント1への追加をせず、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いに関するメッセージをユーザアカウント1に投稿しない。別の例として、サーバシステム152は、称賛に値する振る舞いの報告が確認されなかったことをプレーヤ2に示すメッセージを生成し、そのメッセージをコンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイス2に送信する。プレーヤ2がユーザアカウント2にログインしたときに、プレーヤ2は、ディスプレイデバイス2に表示されるメッセージをレビューする。なお、プレーヤ1による称賛に値する振る舞いの確認がないことは、プレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告が正確であることを否定する一例であることに留意されたい。
【0047】
一実施形態では、プロセッサシステム159は、報告アクティビティなどのフラグ付けアクティビティに関する情報をプレーヤの間で隠す。例えば、プロセッサシステム159は、プレーヤ間のアビューズの報告数、またはプレーヤ間の称賛に値する振る舞いの報告数、またはそれらの組み合わせを隠す。例示すると、プロセッサシステム159は、プレーヤ1に対するアビューズの報告の数、またはプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告の数、またはそれらの組み合わせを、プレーヤ1のプレーヤプロフィールに含めない。この例示では、プレーヤ2、3、または4は、プレーヤ1のプロフィールにアクセスして、プレーヤ1に対するアビューズの報告の数、またはプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告の数、またはそれらの組み合わせを閲覧することができない。プレーヤ2~4は、対応するユーザアカウント2~4にログインし、プレーヤ1のプレーヤプロフィールにアクセスして、プレーヤ1に対するアビューズの報告数、またはプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告数、またはそれらの組み合わせにアクセスすることができない。プレーヤ2~4が使用するディスプレイデバイス2~4には、プレーヤ1に対するアビューズの報告数、またはプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告数、またはそれらの組み合わせが表示されない。別の例示として、プレーヤ1に対するアビューズの報告数、またはプレーヤ1の称賛に値する振る舞いの報告数、またはそれらの組み合わせは、プロセッサシステム159によって公開情報として利用可能にされない。プレーヤ間でフラグ付けアクティビティを隠すことで、プレーヤ1に対する集団アビューズの可能性が減少する。集団アビューズでは、プレーヤ1がアビューザではない場合でも、多くのプレーヤがプレーヤ1をアビューザとして標的にする。例えば、プレーヤ2などの別のプレーヤがプレーヤ1をアビューズしているものと報告したときに、プレーヤ3及びプレーヤ4などの複数のプレーヤが、プレーヤ1をアビューズしているものと報告する。これが集団アビューズの例である。プレーヤ1のプロフィールに、プレーヤ2から受信したアビューズ行為の報告などのインディケーションが含まれていない場合、プレーヤ3及び4は、クライアントデバイス3及び4でインディケーションにアクセスできず、プレーヤ3及び4によるプレーヤ1に対する負バイアス、例えば、アビューズの報告の機会が減少する。
【0048】
実施形態では、プロセッサシステム159は、プレーヤ1がアビューズ的ではないと判定した場合、プレーヤ1に対するフラグアクティビティに関する情報を隠す。例えば、プレーヤ1によるアビューズの報告が動作108で確認されないことを判定すると、プロセッサシステム159は、プレーヤ1のプレーヤプロフィール内のアビューズの報告の表示を削除することを決定する。例示すると、動作104で、アビューズの報告を受信すると、プロセッサシステム159は、プレーヤ1のプロフィール内で、アビューズの報告数のカウントを1だけインクリメントする。動作104で受信されたアビューズの報告が、動作108で確認されなかったと判定したことに応答して、プロセッサシステム159は、カウントを1だけデクリメントする。これにより、プレーヤ1が、他のプレーヤ(プレーヤ2~4など)によって集団アビューズされる可能性が低くなる。
【0049】
一実施形態では、プロセッサシステム159は、プレーヤ1によるアビューズ行為の報告数をカウントし、プレーヤ1による称賛に値する行為の報告数をカウントするカウンタを含む。実施形態では、プロセッサシステム159は、カウンタに結合されている。カウンタは、プレーヤ1によるアビューズ行為の報告数をカウントして第1のカウントを生成し、プレーヤ1による称賛に値する行為の報告数をカウントして第2のカウントを生成し、第1のカウント及び第2のカウントをプロセッサシステム159に送る。
【0050】
図1Bは、
図1Aの方法100を説明するためのシステム150の実施形態の図である。システム150は、クライアントデバイス1及び2、コンピュータネットワーク156、ならびにサーバシステム152を含む。サーバシステム152は、プロセッサシステム159及びメモリシステム160を含む。本明細書で使用されるプロセッサシステムの例は、互いに結合された1つ以上のプロセッサを含む。本明細書で使用されるプロセッサの例には、サーバブレードのプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、マイクロプロセッサ、及び中央処理装置(CPU)が含まれる。本明細書で使用されるメモリシステムの例は、互いに結合された1つ以上のメモリデバイスを含む。本明細書で使用されるメモリデバイスの例には、読み出し専用メモリデバイス(ROM)及びランダムアクセスメモリデバイス(RAM)が含まれる。例示すると、メモリシステムは、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)である。別の例示として、メモリデバイスは、フラッシュメモリである。
【0051】
メモリシステム160は、アカウントデータベース162及びプレーヤプロフィールデータベース158を含む。アカウントデータベース162内には、ユーザアカウント1及び2とレビュー担当者アカウントとが格納され、プレーヤプロフィールデータベース158内には、プレーヤ1及び2のプロフィールが格納される。一例として、プレーヤのプレーヤプロフィールには、プレーヤのユーザ名と、ゲームの1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数の間にプレーヤによって時間をかけて蓄積された仮想ポイントの数、及びプレーヤが受け取ったいくつかの報酬などのプロフィールファクタとが含まれる。プレーヤプロフィールには、プレーヤの生年月日、年齢、性別、及び本名など、プレーヤに関する個人情報を含めることができる。
【0052】
プレーヤのユーザアカウントは、プレーヤがサーバシステム152にログイン情報を提供し、ログイン情報がサーバシステム152によって認証されると、プレーヤによってアクセスされる。例えば、プレーヤは、クライアントデバイス上に表示するために、サーバシステム152によって生成されるログイン仮想ページ上でユーザ名及びパスワードを提供する。サーバシステム152は、ログイン情報を受信すると、そのログイン情報を事前に格納されたログイン情報と比較して、受信したログイン情報が本物であるかどうかを判定する。ログイン情報が本物であると判定すると、プレーヤは、プレーヤに割り当てられたユーザアカウントへのアクセス、及びゲームへのアクセスを許可される。一方、ログイン情報が本物ではないと判定したことに応答して、プレーヤは、ユーザアカウントへのアクセス、及びゲームプレイのためのゲームへのアクセスを許可されない。チャット機能153及びコメント機能154などのゲームの各機能は、ユーザアカウントにログインした後にアクセスされ、ユーザアカウントに関連付けられる。
【0053】
本明細書で使用される各クライアントデバイスは、ディスプレイデバイスを含む。本明細書で使用されるディスプレイデバイスの例には、液晶ディスプレイ(LDC)デバイス、発光ダイオード(LED)ディスプレイデバイス、及びプラズマディスプレイデバイスが含まれる。ディスプレイデバイスは、デスクトップコンピュータ、タブレット、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ、及びスマートテレビの一部である場合がある。
【0054】
プレーヤ3は、入力デバイス3及びディスプレイデバイス3を含むクライアントデバイス3を使用する。入力デバイス3は、ディスプレイデバイス3に結合される。また、プレーヤ4は、入力デバイス4及びディスプレイデバイス4を含むクライアントデバイス4を使用する。入力デバイス4は、ディスプレイデバイス4に結合される。
【0055】
図2Aは、クライアントデバイス200の表示画面に表示される仮想シーン202である。クライアントデバイス200は、クライアントデバイス1または2(
図1B)の例である。表示画面の例としては、LCD画面、LED表示画面、及びプラズマ表示画面が挙げられる。仮想シーン202は、プレーヤ1~4によってプレイされるゲームのものである。仮想シーン202には、サーバシステム152(
図1B)によってユーザID1にリンクされた仮想キャラクタ206が表示される。さらに、サーバシステム152によってユーザID2にリンクされた別の仮想キャラクタ208が表示される。また、サーバシステム152によってユーザID3にリンクされた別の仮想キャラクタ210が表示され、サーバシステム152によってユーザID4にリンクされた別の仮想キャラクタ212が表示される。ユーザID3は、サーバシステム152によってプレーヤ3に割り当てられ、ユーザID4は、サーバシステム152によってプレーヤ4に割り当てられる。
【0056】
仮想キャラクタ206は、入力デバイス1(
図1B)を介してプレーヤ1によって制御される。例えば、プレーヤ1は、入力デバイス1を用いてユーザアカウント1にログインし、ゲームにアクセスする。プレーヤ1は、様々な仮想キャラクタの中から仮想キャラクタ206を選択し、入力デバイス1を介して仮想キャラクタ206の動きを制御してゲームをプレイする。例示すると、プレーヤ1は、仮想キャラクタ212を撃つために、クライアントデバイス1のハンドヘルドコントローラ上のボタンを押して、仮想銃を操作する仮想キャラクタ206を制御する。同様に、仮想キャラクタ208は、クライアントデバイス2の入力デバイス2(
図1B)を介してプレーヤ2によって制御され、仮想キャラクタ210は、クライアントデバイス3の入力デバイス3(
図1B)を介してプレーヤ3(
図1B)によって制御され、仮想キャラクタ212は、クライアントデバイス4の入力デバイス4(
図1B)を介してプレーヤ4(
図1B)によって制御される。
【0057】
ゲームのプレイ中、仮想キャラクタ206及び208は仮想車両214の後ろに隠れており、仮想キャラクタ210は仮想岩216の後ろに隠れている。仮想キャラクタ212は、仮想銃を使用して、仮想キャラクタ208を撃つ。同時に、仮想キャラクタ208は、仮想銃を使用して、仮想キャラクタ212を撃ち返す。仮想キャラクタ208が仮想キャラクタ212に向かって撃ち返している間、負傷した仮想キャラクタ206は前腕に仮想包帯を巻いている。
【0058】
仮想キャラクタ206及び208は、ゲーム内で同じチームに属していることに留意されたい。例えば、ゲームをプレイする前に、プレーヤ1は、ディスプレイデバイス1(
図1B)上のゲーム内に表示されたチームAのボタンを選択する。また、プレーヤ2は、ディスプレイデバイス2(
図1B)上のゲーム内に表示された同じチームAボタンを選択する。チームAの選択がクライアントデバイス1及び2からコンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信されると、プレーヤ1及び2の両方は、サーバシステム152によって、ゲームで同じチームAのためにプレイするよう登録される。
【0059】
また、仮想キャラクタ212は、ゲーム内で相手チームBに所属している。例えば、ゲームをプレイする前に、プレーヤ4は、ディスプレイデバイス4(
図1B)上のゲーム内に表示されたチームBのボタンを選択する。チームBの選択がクライアントデバイス4からコンピュータネットワーク156を介してサーバシステム152に送信されると、プレーヤ4は、サーバシステム152によって、ゲームでチームBのためにプレイするよう登録される。
【0060】
仮想キャラクタ210は、ゲーム内でソロである。例えば、ゲームをプレイする前に、プレーヤ3は、ディスプレイデバイス3(
図1B)上のゲーム内に表示されたチームAまたはチームBに所属することを選択しない。プレーヤ3からのチームAまたはチームBの選択を受けることなく、プレーヤ3は、サーバシステム152によって、ゲームでチームA及びチームBのいずれにも所属せずに独立して登録される。
【0061】
図2Bは、仮想キャラクタ206が、仮想キャラクタ206と同じチームにいる仮想キャラクタ208を撃つことを説明するための、クライアントデバイス200の表示画面上に表示される仮想シーン230の実施形態である。例えば、ゲームのプレイ中に、プレーヤ1は、入力デバイス1を使用して仮想キャラクタ206を制御し、それによって仮想キャラクタ206が保持する仮想銃をさらに制御して、仮想キャラクタ208を撃つ。仮想キャラクタ206が同じチームにいる仮想キャラクタ208を狙って発砲することは、プレーヤ1によるアビューズ行為の一例である。
【0062】
図2Cは、仮想キャラクタ206が、どのチームにも属さないソロの仮想キャラクタ210を助けることを説明するための、クライアントデバイス200の表示画面に表示される仮想シーン240の実施形態である。また、仮想シーン240では、仮想キャラクタ206が仮想キャラクタ208を助ける。プレーヤ1は、入力デバイス1を介して仮想キャラクタ206を制御して、仮想車両214の背後の防御的で安全な場所から移動し、仮想キャラクタ212が保持する仮想銃の射線に入るようにする。仮想キャラクタ206は、仮想キャラクタ210の位置に向かって移動するように制御される。仮想キャラクタ206が移動している間に、仮想キャラクタ206は、仮想キャラクタ212を撃って、仮想キャラクタ208がチームBを倒すのを助ける。また、仮想キャラクタ206は、仮想キャラクタ210の位置に到達することに成功して、負傷しており、仮想ヘルスが少ない仮想キャラクタ210を助ける。仮想キャラクタ212への射撃は、ゲームのプレイ中のプレーヤ1による称賛に値する振る舞いの一例である。また、仮想キャラクタ210の救助は、ゲームのプレイ中のプレーヤ1による称賛に値する振る舞いの一例である。
【0063】
図3Aは、AIモデルの訓練を説明するためのシステム300の実施形態の図である。システム300は、クライアントデバイス1及び2、ならびにプロセッサシステム159を含む。プロセッサシステム159は、ゲームエンジン302及び推論訓練エンジン304を含む。例として、本明細書で使用されるエンジンは、ソフトウェアプログラムまたはコンピュータプログラム命令などのコードを含む。別の例として、本明細書で使用されるエンジンは、コードとコードを実行するためのハードウェアとの組み合わせである。例示すると、エンジンは、コードを実行するためのマイクロプロセッサである。さらに別の例として、本明細書で使用されるエンジンは、コードが実装されるハードウェアである。例示すると、エンジンは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブルロジックデバイス(PLD)である。ゲームエンジン302の例には、物理エンジン及びグラフィックエンジンが含まれる。物理エンジンは、物理法則を適用して、クライアントデバイス1及び2の1つ以上から受信した1つ以上の入力信号に基づいて、ゲームの仮想シーン内の各仮想キャラクタの位置と向きとを判定する。グラフィックエンジンは、仮想シーン内の仮想背景及び各仮想キャラクタの色、強度、テクスチャなどのグラフィックを決定する。
【0064】
推論訓練エンジン304は、ゲームエンジン302に結合され、AIモデルを訓練する。推論訓練エンジン304は、AIプロセッサシステム306として示されている。AIプロセッサシステム306は、AIプロセッサ308及びメモリデバイス310を含む。AIプロセッサ308は、メモリデバイス310に結合されている。
【0065】
AIプロセッサ308は、重み付けファクタと、ビデオデータ、グラフィックスデータ、アニメーションデータ、テキストデータ、及びオーディオデータなどの入力データ312とを受信する。例えば、AIプロセッサ308は、プレーヤ1と2、もしくはプレーヤ1と3、もしくはプレーヤ1と4などの2プレーヤ間のチャットのテキストデータ、及び/または2プレーヤ間でなされたコメントを含む入力データ312を受け取る。テキストデータは、プレーヤがチャット機能153またはコメント機能154(
図1B)にアクセスして別のプレーヤと通信するときに生成される。別の例として、AIプロセッサ308は、プレーヤ1とプレーヤ2との間のビデオチャットのビデオデータ及びオーディオデータを含む入力データ312を受け取る。さらに別の例として、AIプロセッサ308は、プレーヤ1とプレーヤ2との間のオーディオチャットのオーディオデータを含む入力データ312を受け取る。さらに別の例として、AIプロセッサ308は、プレーヤ1がアビューズ的であるという報告、またはプレーヤ1が称賛に値するという報告を受け取る。プレーヤ1の行為に関する報告は、プレーヤ2~4などの1人以上の他のプレーヤのユーザアカウントから受け取ることができる。例示すると、プレーヤ1によるアビューズ行為または称賛に値する行為の第1の報告は、ユーザアカウント2を介してプレーヤ2から受け取られる。プレーヤ1によるアビューズ行為または称賛に値する行為の第2の報告は、サーバシステム152によってプレーヤ3に割り当てられたユーザアカウント3を介してプレーヤ3から受け取られる。プレーヤ1によるアビューズ行為または称賛に値する行為の第3の報告は、サーバシステム152によってプレーヤ4に割り当てられたユーザアカウント4を介してプレーヤ4から受け取られる。第1の報告は、動作104または114で受け取られる。第2の報告と第3の報告とは、プロフィールファクタの1つとして保存される。
【0066】
入力データ312の他の例は、ゲームのゲーム状態を含み、このゲーム状態は、クライアントデバイスのハンドヘルドコントローラの1つ以上のボタンなど、クライアントデバイス上の1つ以上のボタンの選択のインディケーションに対応する。プレーヤは、ハンドヘルドコントローラの1つ以上のボタンを選択する。ゲームエンジン302は、コンピュータネットワーク156を介してクライアントデバイスから選択のインディケーションを受信し、そのインディケーションに基づいてゲームのゲーム状態を判定する。例えば、ゲームエンジン302は、プレーヤによってなされた1つ以上のボタンの選択のインディケーションに基づいて、仮想シーン内の仮想キャラクタなどの仮想オブジェクトの位置及び向きを判定する。仮想オブジェクトの例示には、仮想弾丸、仮想武器、仮想犬、仮想銃、仮想車両、仮想ランプ、仮想家、仮想建物、及び仮想シーン内の他の任意の仮想アイテムが含まれる。ゲーム状態は、ゲームエンジン302によってメモリデバイス310に格納される。AIプロセッサ308は、メモリデバイス310からの選択のインディケーションに対応するゲームのゲーム状態にアクセスし、ゲーム状態を識別する。
【0067】
AIプロセッサ308は、ゲーム記録プログラム314を実行して、メモリデバイス310内に入力データ312及び重み付けファクタを記録する。例えば、AIプロセッサ308は、書き込み、重み付けファクタ、及び入力データ312などをメモリデバイス310に格納する。入力データ312は、所定の期間、メモリデバイス310に記憶される。一例として、入力データ312は、動作104(
図1A)におけるアビューズの報告の受信前の時間に開始し、動作108(
図1A)でプレーヤのアビューズが確認されるか、または動作112(
図1A)でアビューズがないと判定された時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に記憶される。別の例として、入力データ312は、動作104(
図1A)におけるアビューズの報告の受信前の時間に開始し、動作110(
図1A)の結果が達成された時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に格納される。動作110の結果は、プレーヤ1がアピールに基づいてアビューズ的であることが判明するというもの、またはアピールに基づいてアビューズ的ではないことが判明するというものであり得る。所定の期間は、動作104におけるアビューズの報告の受信の時間を含む。別の例として、入力データ312は、動作114(
図1A)における称賛に値する行為の報告の受信前の時間に開始し、動作118(
図1A)で称賛に値する行為が確認されるか、または動作120で報酬が提供された時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に記憶される。さらに別の例として、入力データ312は、動作114(
図1A)における称賛に値する行為の報告の受信前の時間に開始し、動作122における措置が講じられない時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に格納される。所定の期間は、動作114における称賛に値する行為の報告の受信の時間を含む。
【0068】
さらに別の例として、入力データ312は、動作104(
図1A)におけるアビューズの報告の受信の時間に開始し、動作108(
図1A)でプレーヤのアビューズが確認されるか、または動作112(
図1A)でアビューズがないと判定された時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に記憶される。別の例として、入力データ312は、動作104(
図1A)におけるアビューズの報告の受信の時間に開始し、動作110(
図1A)の結果が達成された時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に格納される。別の例として、入力データ312は、動作114(
図1A)における称賛に値する行為の報告の受信の時間に開始し、動作118(
図1A)で称賛に値する行為が確認されるか、または動作120で報酬が提供された時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に記憶される。さらに別の例として、入力データ312は、動作114(
図1A)における称賛に値する行為の報告の受信の時間に開始し、動作122における措置が講じられない時間で終了する所定の期間、メモリデバイス310に格納される。所定の期間は、動作114における称賛に値する行為の報告の受信の時間を含む。さらに別の例として、入力データ312は、プレーヤ1~4によってプレイされたゲームの1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数の間、メモリデバイス310に格納される。1つ以上の以前のゲームセッションについて、さらに後述する。
【0069】
また、入力データ312を記録した後、AIプロセッサ308は、プレーヤ1がプレーヤ2に対して行ったチャットまたはコメントと、チャットまたはコメントが行われる前後の事前に設定された時間間隔内に生成されるゲーム状態とを、1対1の対応付けまたはマッピングを確立するなどして関連付ける。事前に設定された時間間隔は、メモリデバイス310に記憶される。例えば、AIプロセッサ308は、プレーヤ1が罵倒的な言葉を使用してプレーヤ2とチャットしている期間中に、仮想キャラクタ208(
図2B)が仮想キャラクタ206によって撃たれていると判定する。入力データ312は、仮想キャラクタ206が仮想キャラクタ208を撃つことを示すゲーム状態を含む。この例では、AIプロセッサ308は、インターネットクロックなどのクロックを使用して、仮想キャラクタ208(
図2B)が、プレーヤ2がプレーヤ1とチャットしている期間中に発砲されていると判定する。別の例として、AIプロセッサ308は、プレーヤ1が称賛に値する言葉を使用してプレーヤ2とチャットしている期間中に、仮想キャラクタ212(
図2C)が仮想キャラクタ206によって撃たれていると判定する。また、この期間中に、プレーヤ1は、仮想キャラクタ206を制御して、仮想キャラクタ210に向かって移動する(
図2C)。この例では、AIプロセッサ308は、入力データ312のゲーム状態とチャット言語との間に1対1の関係を確立する。また、この例では、ゲーム状態は、仮想キャラクタ206が、仮想キャラクタ210に向かって移動しながら、同時に、仮想キャラクタ212を撃つことを示す。この例では、AIプロセッサ308は、クロックを使用して、
プレーヤ1が称賛に値する言語を使用してプレーヤ2とチャットしている期間中に、仮想キャラクタ212(
図2C)が撃たれていると判定する。
【0070】
動作104において、アビューズの報告を受信すると、AIプロセッサ308は、メモリデバイス310から、重み付けファクタ、入力データ312、入力データ312のゲーム状態とチャットまたはコメントとの間の対応関係、またはそれらの組み合わせに、読みだすなどしてアクセスする。同様に、動作114において、称賛に値する振る舞いの報告を受信すると、AIプロセッサ308は、メモリデバイス310から、重み付けファクタ、入力データ312、入力データ312のゲーム状態とチャットまたはコメントとの間の対応関係、それらの組み合わせに、読みだすなどしてアクセスする。
【0071】
AIプロセッサ308は、訓練エンジン316を実行して、重み付けファクタ、または入力データ312、または入力データ312のゲーム状態とチャットまたはコメントとの間の対応関係、またはそれらの2つ以上の組み合わせに基づいて、AIモデル318を訓練する。訓練エンジン316は、特徴抽出器320及び特徴分類器322を含む。特徴抽出器320、特徴分類器322、及びAIモデル318のそれぞれの例は、ASICである。特徴抽出器320、特徴分類器322、及びAIモデル318のそれぞれの別の例は、PLDである。AIモデル318の例は、回路要素のネットワークである。各回路要素には、1つ以上の入力と1つ以上の出力とがある。回路要素の入力は、1つ以上の回路要素の1つ以上の出力に結合される。例示すると、AIモデル318は、ニューラルネットワークまたは機械学習コンピュータネットワークである。特徴分類器322は、特徴抽出器320及びAIモデル318に結合される。
【0072】
特徴抽出器320は、重み付けファクタ、入力データ312、入力データ312のゲーム状態とチャットまたはコメントとの間の対応関係、またはメモリデバイス310に記録されたそれらの組み合わせから特徴を抽出する。例えば、特徴抽出器320は、テキスト認識プログラム、または音素認識コンピュータプログラム、または口形素認識コンピュータプログラム、またはボディーランゲージ認識コンピュータプログラムを適用するか、または含んで、ゲームのプレイ中に、あるプレーヤによって別のプレーヤに向けて伝えられた言葉を認識しまたは判定する。言葉は、チャット機能153またはコメント機能154(
図1B)を使用して伝達され得る。例示すると、特徴抽出器320は、オーディオデータの言葉を識別するために、あるプレーヤによって別のプレーヤに対して使用された言語のオーディオデータを分析または解析する。別の例示として、特徴抽出器320は、2プレーヤ間のビデオチャットの画像を分析または解析して、あるプレーヤが別のプレーヤに対して使用した言葉、または動作、または身振りを識別する。別の例として、特徴抽出器320は、プロフィールファクタにおけるプレーヤ1に関する行為の報告数を識別する。さらに別の例として、特徴抽出器320は、動作104または114(
図1A)において、プレーヤ1の行為に関して受け取った報告が最新のものであることを識別する。例示すると、特徴抽出器320は、インターネットクロックなどのクロックを使用して、第1の報告が受信された第1の日付及び第1の時間、ならびに第2の報告が受信された第2の日付及び第2の時間を判定する。特徴抽出器320は、第2の日付が第1の日付の後であることを判定して、第2の報告が第1の報告の後に受信されたことを判定する。また、第1の日付及び第2の日付の両方が同じである場合、特徴抽出器320は、そのように判定し、さらに、第2の時間が第1の時間の後であると判定して、第2の報告が第1の報告の後に受信されたと判定する。別の例として、特徴抽出器320は、重み付けファクタからの重みWn1~Wnmを識別する。例示すると、特徴抽出器320は、重みWnmが、文字「W」と、その後に続く、重みの量を識別する数字とを有していると判定する。文字「W」は、重みの存在を識別する。
【0073】
また、別の例として、特徴抽出器320は、入力データ312のゲーム状態を識別する。例示すると、特徴抽出器320は、仮想キャラクタ206が仮想キャラクタ208を撃つことをゲーム状態が示すのを識別する。仮想キャラクタ206が仮想キャラクタ206と同じチームの仮想キャラクタ208を撃った場合、仮想キャラクタ208がゲームに勝つ確率などの可能性はゼロに減少する。例示では、ゲーム状態は、クライアントデバイス1のハンドヘルドコントローラの1つ以上のボタンの選択のインディケーションを受信すると生成される。別の例示として、特徴抽出器320は、仮想キャラクタ206が、仮想キャラクタ210に向かって移動しながら、仮想キャラクタ212を撃つことをゲーム状態が示すのを識別する。仮想キャラクタ206が仮想キャラクタ212を撃つと、仮想キャラクタ208がゲームに勝つ可能性が高くなる。この例示では、ゲーム状態は、クライアントデバイス1のハンドヘルドコントローラの1つ以上のボタンの選択のインディケーションを受信すると生成される。さらに別の例示として、特徴抽出器320は、仮想キャラクタ210が仮想怪我から回復するのを助けるために、仮想キャラクタ206が仮想医療キットを提供していることをゲーム状態が示すのを識別する。特徴抽出器320によって抽出される特徴の例としては、チャット中の他のプレーヤに対するプレーヤの言葉、またはゲームの仮想キャラクタによる仮想的行動、またはチャット中もしくはゲームのプレイ中の他のプレーヤに対するプレーヤの表情、またはチャット中もしくはゲームのプレイ中の他のプレーヤに対するプレーヤの身体表現、またはそれらの組み合わせが挙げられる。さらに別の例として、特徴抽出器320は、1人以上の他のプレーヤによるプレーヤ1の報告の数を識別する。例示すると、特徴抽出器320は、プレーヤ2が、プレーヤ1の行為をアビューズ的または称賛に値するものとして識別する第1の報告を提出し、プレーヤ3が、プレーヤ1の行為をアビューズ的または称賛に値するものとして識別する第2の報告を提出したことを識別する。
【0074】
特徴分類器322は、特徴を分類して、重み付けファクタ、入力データ312、入力データ312のゲーム状態とチャットもしくはコメントとの間の対応関係、またはそれらの組み合わせが、アビューズ行為または称賛に値する行為のインディケーションを含むかどうかを判定する。特徴は、出力分類に分類される。例えば、特徴分類器322は、特徴抽出器320によって抽出された特徴から、侮辱的な言葉、または軽蔑的な言葉、または無礼な言葉、または非難などの否定的な言葉を識別して、入力データ312がアビューズ行為を含むことを判定する。別の例として、特徴分類器322は、ビデオチャットまたはブロードキャストを介して、別のプレーヤに対するプレーヤの否定的な顔の表情または否定的な身体表現を識別して、入力データ312がアビューズ行為を含むと判定する。否定的な身体表現のいくつかの例示には、親指を下に向ける表現や、プレーヤが指で作ったルーザ表現が含まれる。否定的な表情の例示には、怒りまたは信頼の欠如を表す表情が含まれる。さらに別の例として、特徴分類器322は、仮想キャラクタが同じチームの別の仮想キャラクタを撃つこと、または相手チームの仮想キャラクタに仮想医療キットを与えることをゲーム状態が示していると判定して、入力データ312がアビューズ行為を含むことを判定する。
【0075】
別の例として、特徴分類器322は、プロフィールファクタにおけるプレーヤ1に関する行為のいくつかの報告が、その報告がアビューズ行為に関するものであることを示していることを識別する。例えば、報告は、プレーヤ1のプロフィールファクタのリストに「アビューズ報告」というタイトルを有する。さらに別の例として、特徴分類器322は、プレーヤ1の行為に関して受け取った報告が、プレーヤ1のアビューズ行為を示していることを識別する。例示すると、特徴分類器322は、報告のタイトルまたは報告の単語を解析して、単語「アビューズ」または「アビューズ的」が報告で使用されていることを判定する。そのように判定すると、特徴分類器322は、報告をプレーヤ1のアビューズ行為に関する報告として分類する。
【0076】
別の例として、特徴分類器322は、特徴抽出器320によって抽出された特徴から、親切な言葉または動機付けの言葉または平和的な言葉または敬意を表する言葉などの肯定的な言葉を識別して、入力データ312が称賛に値する行動を含むと判定する。別の例として、特徴分類器322は、ビデオチャットまたはブロードキャストを介して、別のプレーヤに対するプレーヤの肯定的な顔の表情または肯定的な身体表現を識別して、入力データ312が称賛に値する行為を含むと判定する。肯定的な身体表現のいくつかの例示には、親指を立てる表現や、プレーヤが指で作った勝者の表現が含まれる。肯定的な表情の例示には、尊敬または信頼を表す表情が含まれる。別の例として、特徴分類器322は、仮想キャラクタが相手チームの別の仮想キャラクタを撃つこと、または同じチームの仮想キャラクタに仮想医療キットを与えることをゲーム状態が示していると判定して、入力データ312が称賛に値する行為を含むことを判定する。さらに別の例として、特徴分類器322は、ユーザアカウント2を介してプレーヤ2から受信したプレーヤ1の行為の報告が、プレーヤ1がアビューズ行為に関与していることを示していることを識別する。また、特徴分類器322は、ユーザアカウント3を介してプレーヤ3から受信したプレーヤ1の行為の報告が、プレーヤ1がアビューズ行為に関与していることを示していることを識別する。さらに別の例として、特徴分類器322は、ユーザアカウント2を介してプレーヤ2から受信したプレーヤ1の行為の報告が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与していることを示していることを識別する。また、特徴分類器322は、ユーザアカウント3を介してプレーヤ3から受信したプレーヤ1の行為の報告が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与していることを示していることを識別する。
【0077】
別の例として、特徴分類器322は、プロフィールファクタにおけるプレーヤ1に関する行為のいくつかの報告が、その報告が称賛に値する行為に関するものであることを示していることを識別する。例示すると、報告は、プレーヤ1のプロフィールファクタのリストに「称賛に値する報告」というタイトルを有する。さらに別の例として、特徴分類器322は、プレーヤ1の行為に関して受け取った報告が、プレーヤ1の称賛に値する行為を示していることを識別する。例示すると、特徴分類器322は、報告のタイトルまたは報告の単語を解析して、単語「称賛に値する」または「素晴らしい行為」が報告で使用されていることを判定する。そのように判定すると、特徴分類器322は、報告をプレーヤ1の称賛に値する行為に関する報告として分類する。
【0078】
分類の例には、重み付けファクタ、入力データ312、入力データ312のゲーム状態とチャットまたはコメントとの間の対応関係、またはそれらの組み合わせから識別される、アビューズ的行動または否定的行動などのアビューズ的行為の事例、及び称賛に値する行動または肯定的行動などの称賛に値する行為の事例が含まれる。例示すると、アビューズ的言葉が識別されるか、またはアビューズ的表情が識別されるか、またはアビューズ的身体表現が認識されるか、または仮想キャラクタのアビューズ的行為が判定されるか、またはプレーヤ1がアビューズ行為に関与していることを示す報告が識別されるたびに、アビューズ的行動の事例が生じる。別の例示として、称賛に値する言葉が識別されるか、または称賛に値する表情が識別されるか、または称賛に値する身体表現が認識されるか、または仮想キャラクタの称賛に値する行為が判定されるか、またはプレーヤ1が称賛に値する行為に関与していることを示す報告が識別されるたびに、称賛に値する行動の事例が生じる。別の例として、所定の数のアビューズ的言葉が識別されるか、または事前設定された数のアビューズ的表情が識別されるか、または事前に記憶された数のアビューズ的身体表現が認識されるか、または仮想キャラクタの事前に決められた数のアビューズ行為が判定されるか、またはプレーヤ1がアビューズ行為に関与していることを示す事前設定された数の報告が識別されると、アビューズ的行動の事例が生じる。この例示では、所定の数のアビューズ的言葉、事前設定された数のアビューズ的表情、仮想キャラクタの事前に決められた数のアビューズ行為、事前に決められた数のアビューズ行為、及び事前設定された数のアビューズに関する報告は、メモリデバイス310に保存される。別の例示として、所定の数の称賛に値する言葉が識別されるか、または事前設定された数の称賛に値する表情が識別されるか、または事前に記憶された数の称賛に値する身体表現が認識されるか、または仮想キャラクタの事前に決められた数の称賛に値する行為が判定されるか、またはプレーヤ1が称賛に値する行為に関与していることを示す事前設定された数の報告が識別されると、称賛に値する行動の事例が生じる。この例示では、所定の数の称賛に値する言葉、事前設定された数の称賛に値する表情、仮想キャラクタの事前に決められた数の称賛に値する行為、事前に決められた数の称賛に値する行為、及び事前設定された数の報告は、メモリデバイス310に保存される。
【0079】
AIモデル318は、アビューズ行為の事例及び称賛に値する行為の事例に従って、AIプロセッサ308によって訓練される。例えば、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率、及びプレーヤ1がゲームの次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率を判定する。例示すると、ゲームの1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数の間、または入力データ312がメモリデバイス310(
図3A)内に格納される所定の期間の間に、プレーヤ1が、事前に記憶された数よりも多い数の事例に対してアビューズ行為に関与し、事前に記憶された数よりも少ない数の事例に対して称賛に値する行為に関与したことを判定すると、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率は50%を超え、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率は50%未満であると判定する。
【0080】
その一方で、ゲームの1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数の間、または入力データ312がメモリデバイス310(
図3A)内に格納される所定の期間の間に、プレーヤ1が、事前に記憶された数よりも多い数の事例に対して称賛に値する行為に関与し、事前に記憶された数よりも少ない数の事例に対してアビューズ行為に関与したことを判定すると、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率は50%を超え、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率は50%未満であると判定する。また、ゲームの1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数の間、または入力データ312がメモリデバイス310(
図3A)内に格納される所定の期間の間に、プレーヤ1が、事前に記憶された数に等しい数の事例に対して称賛に値する行為に関与し、事前に記憶された数に等しい数の事例に対してアビューズ行為に関与したことを判定すると、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率は50%に等しく、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率は50%に等しいと判定する。本明細書での使用では、1つ以上の以前のゲームセッションの所定回数分は、次のゲームセッションに先行する。1つ以上の以前のゲームセッションと次のゲームセッションとの間に、他のゲームセッションはない。
【0081】
プレーヤ1の称賛に値する行為及びアビューズ行為の確率を計算するための先行する例示では、アビューズ行為の事例の一部と、称賛に値する行為の事例の一部とが、重みW1m~Wnmに従って重み付けされまたは正規化されていることに留意されたい。例えば、プロフィールファクタ内で、プレーヤ1によるアビューズの報告の事例は、重みW3mによって重み付けされる。また、プロフィールファクタ内で、プレーヤ1の称賛に値する行為の報告の事例は、重みW4mによって重み付けされる。別の例として、動作104(
図1A)で受信されたアビューズの報告の事例は、重みW1mによって重み付けされ、動作114(
図1A)で受信された称賛に値する振る舞いの報告の事例は、重みW2mによって重み付けされる。例示すると、動作104で受信されたアビューズの報告の事例は、1つの事例としてカウントされるが、0.2などの低い重みを有するため、事例は、アビューズの報告の0.2事例に減少する。低い重みは1未満である。別の例示として、動作114で受信された称賛に値する振る舞いの報告の事例は、1つの事例としてカウントされるが、1.2などの高い重みを有するため、事例は1.2事例に増加する。高い重みは1よりも大きい。
【0082】
ゲームセッションの例は、プレーヤが自分のユーザアカウントにログインした後、クライアントデバイスでゲームを開始したときに始まり、ゲームの最終的なゲーム結果が出た時間、またはプレーヤがユーザアカウントからログアウトした時間で終了する期間である。ゲームセッションのもう1つの例は、プレーヤが自分のユーザアカウントにログインした後にクライアントデバイスでゲームを開始したときに始まり、最終的なゲームの結果を伴わないゲームの突然の終結の時間で終了する期間である。ゲームの突然の終結の例示としては、プレーヤがクライアントデバイスの電源を切る、または自分のユーザアカウントからログアウトする、またはプレーヤがゲームの最終結果を達成せずにゲームを終了する、またはクライアントデバイスへの電源が失われたため、もしくはクライアントデバイスとサーバシステム152(
図1B)との間のネットワーク接続が弱いために、ゲームが終了する、などがある。ゲームセッションのさらに別の例は、プレーヤによって制御される仮想キャラクタがゲームのプレイを開始したときに始まり、プレーヤによって制御される仮想キャラクタがゲームに負けるかまたは勝つときに終わる期間である。
【0083】
一実施形態では、動作104(
図1A)において、ユーザアカウント2を介してプレーヤ2から、プレーヤ1がアビューズ行為に関与している旨の報告のインディケーションを受け取ると、または動作114(
図1A)において、ユーザアカウント2を介してプレーヤ2から、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与している旨の報告のインディケーションを受け取ると、AIモデル318は、プレーヤ1がアビューズ行為に関与する確率、及びプレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率に加えて、プレーヤ2がアビューズ行為に関与する確率、及びプレーヤ2が称賛に値する行為に関与する確率を判定することを留意されたい。例えば、プレーヤ1がアビューズ行為に関与していると報告したプレーヤ2が、実際にはアビューズ行為に関与している。この例では、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率よりも大きく、プレーヤ2が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率が、プレーヤ2が称賛に値する行為に関与する確率よりも大きい、と判定する。そのように判定すると、AIモデル318は、プレーヤ2の信頼性が低いと判定し、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率を、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率と比較して低下させる。例示すると、プレーヤ2の信頼性が低いと判定すると、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率と比較して低いと判定する。
【0084】
別の例として、プレーヤ1がアビューズ行為に関与していると報告したプレーヤ2が、実際には称賛に値する行為に関与している。この例では、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率よりも大きく、プレーヤ2が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率が、プレーヤ2がアビューズ行為に関与する確率よりも大きい、と判定する。そのように判定すると、AIモデル318は、プレーヤ2の信頼性が高いと判定し、プレーヤ1が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率が、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与する確率よりも大きいと確認しまたは判定する。
【0085】
さらに別の例として、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与していると報告したプレーヤ2が、実際にはアビューズ行為に関与している。この例では、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率が、プレーヤ1がアビューズ行為に関与する確率よりも大きく、プレーヤ2が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率が、プレーヤ2が称賛に値する行為に関与する確率よりも大きい、と判定する。そのように判定すると、AIモデル318は、プレーヤ2の信頼性が低いと判定し、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率を、プレーヤ1がアビューズ行為に関与する確率と比較して低下させる。
【0086】
さらに別の例として、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与していると報告したプレーヤ2が、実際には称賛に値する行為に関与している。この例では、AIモデル318は、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率が、プレーヤ1がアビューズ行為に関与する確率よりも大きく、プレーヤ2が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率が、プレーヤ2がアビューズ行為に関与する確率よりも大きい、と判定する。そのように判定すると、AIモデル318は、プレーヤ2の信頼性が高いと判定し、プレーヤ1が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率が、プレーヤ1がアビューズ行為に関与する確率よりも大きいと確認しまたは判定する。
【0087】
プレーヤ2が、次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率は、プレーヤ1が、アビューズ行為に関与する確率が判定されるのと同じようにして判定され、プレーヤ2が、次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率は、プレーヤ1が、称賛に値する行為に関与する確率が判定されるのと同じようにして判定される。例えば、プレーヤ2によるアビューズの報告及び/または別のプレーヤから受信したプレーヤ2の称賛に値する行為の報告、ユーザアカウント2のプロフィールファクタ、所定の期間内に、またはプレーヤ2の1つ以上の以前のゲームセッションの所定の回数の間に、ユーザアカウント2から生成されたチャットデータ、所定の期間内に、またはプレーヤ2の1つ以上の以前のゲームセッションの所定の回数の間に、ユーザアカウント2から生成されたコメント、及びプレーヤ2によってプレイされるゲームのゲーム状態が、AIモデル318を訓練するために、AIモデル318に提供される。AIモデル318は、プレーヤ2が次のゲームセッション中にアビューズ行為に関与する確率、及びプレーヤ2が次のゲームセッション中に称賛に値する行為に関与する確率を判定するように訓練される。
【0088】
図3Bは、プロフィールファクタへの重みの適用を説明する図である。重みは、サーバシステム152(
図1B)によってプロフィールファクタに適用される。例えば、プロフィールファクタ1には重み1が乗算され、プロフィールファクタ2には重み2が乗算され、プロフィールファクタNに重みNが乗算されるまで同様に繰り返される。重み1の例は、重みWn2であり、重み2の一例は重みWn3であり、重みNの例は重みWnmである。重みWn2、Wn3、及びWnmについては、
図1Aを参照して上で述べている。
【0089】
サーバシステム152は、プレーヤ1などのプレーヤのプロフィールに基づいて、重み1からNまでの値を決定する。例えば、サーバシステム152は、プレーヤプロフィールデータベース158(
図1B)からプレーヤのプロフィールファクタにアクセスし、プレーヤのプロフィールファクタが所定のしきい値を超えるかどうかを判定する。所定のしきい値は、メモリシステム160(
図1B)内に格納される。例示すると、サーバシステム152は、各ゲームセッション中にプレーヤ1によるキル数が10を超えるかどうか、または各ゲームセッション中にプレーヤ1が同じチームの別のプレーヤを助けた回数が5を超えるかどうか、または各ゲームセッション中にプレーヤ1の射撃精度が60パーセントを超えるかどうか、またはプレーヤ1がAIモデル318によって称賛に値する行為に関与すると判定された事例の数が2を超えるかどうかを判定する。
【0090】
サーバシステム152は、各ゲームセッション中にプレーヤ1によるキル数を有する第1のプロフィールファクタが10よりも大きいと判定すると、第1のプロフィールファクタが第1の所定のしきい値を超えると判定する。また、サーバシステム152は、各ゲームセッション中に、プレーヤ1が同じチームの別のプレーヤを助けた回数を有する第2のプロフィールファクタが5よりも大きいと判定すると、第2のプロフィールファクタが第2の所定のしきい値を超えると判定する。さらに、サーバシステム152は、各ゲームセッション中にプレーヤ1の射撃精度を有する第3のプロフィールファクタが60パーセントを超えると判定すると、第3のプロフィールファクタが第3の所定のしきい値を超えると判定する。サーバシステム152は、AIモデル318によって、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与すると判定された事例の数を有する第4のプロフィールファクタが2よりも大きいと判定すると、第4のプロフィールファクタが第4の所定のしきい値を超えると判定する。
【0091】
その一方で、サーバシステム152は、各ゲームセッション中にプレーヤ1によるキル数を有する第1のプロフィールファクタが10よりも大きくないと判定すると、第1のプロフィールファクタが第1の所定のしきい値を超えないと判定する。また、サーバシステム152は、各ゲームセッション中に、プレーヤ1が同じチームの別のプレーヤを助けた回数を有する第2のプロフィールファクタが5よりも大きくないと判定すると、第2のプロフィールファクタが第2の所定のしきい値を超えないと判定する。さらに、サーバシステム152は、各ゲームセッション中にプレーヤ1の射撃精度を有する第3のプロフィールファクタが60パーセントを超えないと判定すると、第3のプロフィールファクタが第3の所定のしきい値を超えないと判定する。サーバシステム152は、AIモデル318によって、プレーヤ1が称賛に値する行為に関与すると判定された事例の数を有する第4のプロフィールファクタが2よりも大きくないと判定すると、第4のプロフィールファクタが第4の所定のしきい値を超えないと判定する。
【0092】
サーバシステム152は、プロフィールファクタが対応する所定のしきい値を超えると判定すると、重み1~Nの対応する1つをプロフィールファクタに割り当て、重みは事前設定されたしきい値よりも大きい。例えば、第1のプロフィールファクタが第1の所定のしきい値を超えるとの判定に応答して、サーバシステム152は、第1の重みを第1のプロフィールファクタに割り当て、第1の重みは事前設定されたしきい値よりも大きい。重み1~Nに割り当てられる事前設定されたしきい値は、メモリシステム160に格納される。その一方で、サーバシステム152は、プロフィールファクタが対応する所定のしきい値を超えないと判定すると、重み1~Nの対応する1つをプロフィールファクタに割り当て、重みは事前設定されたしきい値よりも大きくない。
【0093】
図4Aは、サーバシステム152と複数のクライアントデバイスとの間のルータ及びモデム402ならびにコンピュータネットワーク156を介した通信を説明するシステム400の実施形態の図である。一例として、クライアントデバイス1、またはクライアントデバイス2、またはクライアントデバイス3、またはクライアントデバイス4(
図1B)などの各クライアントデバイスは、ディスプレイデバイス404であり得るディスプレイデバイスを含む。また、この例では、各クライアントデバイスは、ハンドヘルドコントローラ406などのハンドヘルドコントローラを含む。ディスプレイデバイス404は、ディスプレイデバイス1(
図1B)、ディスプレイデバイス2(
図1B)、ディスプレイデバイス3(
図1B)、及びディスプレイデバイス4(
図1B)のいずれかの例である。例示すると、ディスプレイデバイス404は、LCDディスプレイデバイス、またはLEDディスプレイデバイス、またはプラズマディスプレイデバイス、またはヘッドマウントディスプレイデバイスである。ディスプレイデバイス404は、カメラ401及び通信デバイス403を含む。カメラ401は、ディスプレイデバイス404の表示画面410に結合される通信デバイス403に結合される。カメラ401は、画像キャプチャデバイスの例である。カメラ401の例には、カメラ401の前にいるプレーヤの画像を記録するために使用される光学機器が含まれる。カメラ401はまた、プレーヤを取り囲む部屋またはオープンエリアなどの現実世界の環境の画像をキャプチャする。カメラ401の例は、デジタル画像を符号化するデジタルカメラである。
【0094】
ハンドヘルドコントローラ406は、入力デバイス1または入力デバイス2(
図1B)の例である。ディスプレイデバイス404及びハンドヘルドコントローラ406のそれぞれは、プレーヤ1などのプレーヤによって使用される。また、プレーヤ2~4(
図1B)のそれぞれは、ハンドヘルドコントローラ406と同じ構造及び機能を有するハンドヘルドコントローラと、ディスプレイデバイス404と同じ構造及び機能を有するディスプレイデバイスとを使用する。
【0095】
システム400は、ルータ及びモデム402、コンピュータネットワーク156、及びサーバシステム152をさらに含む。システム400はまた、ヘッドフォン408、マイクロフォン409、及びディスプレイデバイス404を含む。表示画面410の例としては、LCD表示画面、LED表示画面、及びプラズマ表示画面が挙げられる。コンピュータネットワーク156の例には、インターネット、またはイントラネット、またはそれらの組み合わせが含まれる。ルータ及びモデム402の例には、ゲートウェイデバイスが含まれる。ルータ及びモデム402の別の例には、ルータデバイス及びモデムデバイスが含まれる。マイクロフォン409の例は、音を電気信号に変換する変換器である。
【0096】
ディスプレイデバイス404は、有線接続または無線接続を介してルータ及びモデム402に結合される。本明細書で使用される有線接続の例には、データをシリアル方式で、またはパラレル方式で、またはユニバーサルシリアルバス(USB)プロトコルを適用することによって転送する転送ケーブルが含まれる。
【0097】
ハンドヘルドコントローラ406は、コントロール412、デジタル信号プロセッサシステム(DSPS)414、及び通信デバイス416を含む。コントロール412は、通信デバイス416に結合されたDSPS414に結合される。コントロール412の例には、ボタン及びジョイスティックが含まれる。本明細書で使用される通信デバイスの例は、通信デバイスとルータ及びモデム402との間で、Wi-Fi(商標)またはBluetooth(商標)などの無線プロトコルを使用して通信を可能にする通信回路を含む。
【0098】
通信デバイス416は、有線接続または無線接続を介してヘッドフォン408に結合される。本明細書で使用される無線接続の例には、Wi-Fi(商標)またはBluetooth(商標)プロトコルなどの無線プロトコルを適用する接続が含まれる。また、通信デバイス416は、無線接続または有線接続を介してマイクロフォン409に結合される。また、通信デバイス416は、無線接続を介してルータ及びモデム402に結合される。無線接続の例には、Wi-Fi(商標)接続及びBluetooth(商標)接続が含まれる。通信デバイス403は、有線接続または無線接続を介してルータ及びモデム402に結合される。ルータ及びモデム402は、プロセッサシステム159に結合されたコンピュータネットワーク156に結合される。
【0099】
ゲームのプレイ中、プロセッサシステム159は、ゲームエンジン302のゲームプログラムを実行して、ゲームの1つ以上のゲーム状態から画像フレームデータを生成し、その画像フレームデータに、インターネットプロトコル(TCP/IP)を介した転送制御プロトコルなどのネットワーク通信プロトコルを適用して、1つ以上のパケットを生成し、そのパケットを、コンピュータネットワーク156を介して、ルータ及びモデム402に送信する。ルータ及びモデム402のモデムは、コンピュータネットワーク156から受信した1つ以上のパケットにネットワーク通信プロトコルを適用して、画像フレームデータを取得または抽出し、その画像フレームデータをルータ及びモデム402のルータに提供する。ルータは、ルータとディスプレイデバイス404との間の有線接続を介して画像フレームデータを表示画面410にルーティングして、1つ以上のパケット内で受信した画像フレームデータに基づいて、ゲームの1つ以上の画像を表示する。
【0100】
ゲームの1つ以上の画像を表示画面410に表示している間、プロセッサシステム159は、方法100(
図1A)の動作104及び114の実行を容易にする。例えば、方法100の実行中に、ハンドヘルドコントローラ406のコントロール412は、プレーヤによって選択または動かされて、DSPS414によって処理される第1のコントローラ入力信号を生成する。第1のコントローラ入力信号は、報告が動作104におけるアビューズに関するものであるか、または動作114(
図1A)における称賛に値する行為に関するものであるかという識別などのインディケーションを含む。
【0101】
また、プロセッサシステム159によるゲームの1つ以上の画像の表示中に、プレーヤは、マイクロフォン409及びチャット機能153またはコメント機能154(
図1B)を使用して、マイクロフォン409によって入力オーディオ信号に変換されるオーディオを提供する。さらに、ゲームの1つ以上の画像の表示中に、ディスプレイデバイス404のカメラ401は、プレーヤの1つ以上の画像をキャプチャして、入力ビデオ信号を出力する。プレーヤの画像は、チャット機能153またはコメント機能154の実行中にキャプチャされる。さらに、ゲームの1つ以上の画像の表示中に、ハンドヘルドコントローラ406のコントロール412は、別のプレーヤとチャットまたは別のプレーヤにコメントを提供するために、プレーヤによって選択または動かされて、第2のコントローラ入力信号を生成する。
【0102】
DSPS414は、第1のコントローラ入力信号、または第2のコントローラ入力信号、または入力オーディオ信号、またはそれらの2つ以上の組み合わせなどの入力信号の測定、またはサンプリング、またはフィルタリング、または増幅、またはそれらの組み合わせなどの処理を行って、入力信号内の情報と同じ情報を有する処理済み入力信号を出力する。例示すると、DSPS414は、プレーヤによって選択されたハンドヘルドコントローラ406のボタンを識別する。別の例示として、DSPS414は、ハンドヘルドコントローラ406のジョイスティックがプレーヤによって動かされたかどうか、またはハンドヘルドコントローラ406のボタンがプレーヤによって選択されたかどうかを識別する。処理済み入力信号は、DSPS414から通信デバイス416に送られる。通信デバイス416は、無線プロトコルを処理済み入力信号に適用して、1つ以上の無線パケットを生成し、その無線パケットをルータ及びモデム402に送る。無線パケットには、処理済み入力信号に含まれる情報と同じ情報が含まれる。
【0103】
また、ディスプレイデバイス404のカメラ401から出力された入力ビデオ信号は、通信デバイス403に送られる。通信デバイス403は、無線プロトコルを入力ビデオ信号に適用して、1つ以上の無線パケットを生成し、その無線パケットをルータ及びモデム402に送る。無線パケットには、入力ビデオ信号内に含まれている情報と同じ情報が含まれている。通信デバイス403とルータ及びモデム402との間で有線接続が使用される場合、通信デバイス403は、シリアル転送プロトコル、またはパラレル転送プロトコル、またはUSBプロトコルなどの有線プロトコルを入力ビデオ信号に適用して、1つ以上の転送ユニットを生成し、その転送ユニットを、有線接続を介してルータ及びモデム402に送る。
【0104】
ルータ及びモデム402のルータは、通信デバイス416から無線パケットを受信し、無線プロトコルを適用して、通信デバイス416から受信した無線パケットから処理済み入力信号を取得しまたは抽出する。また、ルータ及びモデム402のルータは、通信デバイス403から無線パケットを受信し、無線プロトコルを適用して、通信デバイス403から受信した無線パケットから入力ビデオ信号を取得しまたは抽出する。転送ユニットが、通信デバイス403とルータ及びモデム402との間の有線接続を介して受信される場合、ルータ及びモデム402のルータは、有線プロトコルを適用して、通信デバイス403から受信した転送ユニットから入力ビデオ信号を取得しまたは抽出する。
【0105】
ルータ及びモデム604のルータは、処理済み入力信号及び入力ビデオ信号をルータ及びモデム604のモデムに提供する。モデムは、処理済み入力信号及び入力ビデオ信号にネットワーク通信プロトコルを適用して、1つ以上のネットワークパケットを生成する。例えば、モデムは、処理済み入力信号及び入力ビデオ信号が、ゲームエンジン302のゲームプログラムを実行しているプロセッサシステム159に送られるべきであると判定し、プロセッサシステム159のネットワークアドレスを1つ以上のネットワークパケットの中に埋め込む。モデムは、コンピュータネットワーク156を介して、1つ以上のネットワークパケットをプロセッサシステム159に送信する。
【0106】
プロセッサシステム159は、ルータ及びモデム402から受信した1つ以上のネットワークパケットにネットワーク通信プロトコルを適用して、処理済み入力信号及び入力ビデオ信号内の情報を取得または抽出し、その情報を処理して、方法100(
図1A)の動作106、108、110、112、116、118、120、及び122の1つ以上を実行し、それによって1つ以上の出力信号を生成する。出力信号は、画像フレームデータ、またはオーディオデータ、またはそれらの組み合わせを含む。プロセッサシステム159は、ネットワーク通信プロトコルを出力信号に適用して、1つ以上のネットワークパケットを生成する。プロセッサシステム159は、コンピュータネットワーク156を介して、1つ以上のネットワークパケットをルータ及びモデム402に送信する。
【0107】
ルータ及びモデム402のモデムは、コンピュータネットワーク156を介して受信した1つ以上のネットワークパケットにネットワーク通信プロトコルを適用して、出力信号を取得または抽出する。ルータ及びモデム402のルータは、無線プロトコルを第1の出力信号セットに適用して、1つ以上の無線パケットを生成し、その無線パケットをハンドヘルドコントローラ406の通信デバイス416に送信する。ハンドヘルドコントローラ406の通信デバイス416は、ルータ及びモデム402から受信した1つ以上の無線パケットに無線プロトコルを適用して、第1の出力信号セットを取得または抽出し、その第1の出力信号セットをヘッドフォン408に送って、オーディオデータを音としてプレーヤ1に出力する。例えば、通信デバイス416は、有線プロトコルを適用して、オーディオデータを有する1つ以上の転送ユニットを生成し、その1つ以上の転送ユニットを、有線接続を介してヘッドフォン408に送る。別の例として、通信デバイス416は、無線プロトコルをオーディオデータに適用して、1つ以上の無線パケットを生成し、その1つ以上の無線パケットを、無線接続を介してヘッドフォン408に送る。
【0108】
ヘッドフォン408は、転送ユニットまたは無線パケットを処理して、プレーヤに音を出力する。例えば、動作108(
図1A)の判定に従い、ヘッドフォン408は、プレーヤ1によるアビューズ行為が確認されたというメッセージ、または確認されなかったというメッセージを含む音を出力する。別の例として、動作118(
図1A)の判定に従い、ヘッドフォン408は、音を出力し、その音が、プレーヤ1による称賛に値する行為が確認されたというメッセージ、または確認されなかったというメッセージを含む。
【0109】
また、ルータ及びモデム402のルータは、無線プロトコルを適用することによって、第2の出力信号セットを有する1つ以上の無線パケットを生成し、その無線パケットを通信デバイス403に送る。通信デバイス403は、無線プロトコルを適用して、無線パケットから第2の出力信号セットを取得し、その第2の出力信号セットを表示画面410に送る。ルータ及びモデム402とディスプレイデバイス404との間が有線接続の場合、ルータ及びモデム402のルータは、有線プロトコルを適用することによって、第2の出力信号セットを有する1つ以上の転送ユニットを生成し、その転送ユニットを、有線接続を介して通信デバイス403に送る。通信デバイス403は、有線プロトコルを適用して、転送ユニットから第2の出力信号セットを取得し、その第2の出力信号セットを表示画面410に送る。
【0110】
第2の出力信号セットを受け取ると、表示画面410は、第2の出力信号セットの画像フレームデータに従って、1つ以上の画像フレームを表示する。例えば、動作108(
図1A)の判定に従って、表示画面410は、プレーヤ1によるアビューズ行為が確認されたという通知またはメッセージ、あるいは確認されなかったという通知またはメッセージを表示画面410上に表示する。別の例として、動作118(
図1A)の判定に従って、表示画面410は、プレーヤ1による称賛に値する行為が確認されたという通知またはメッセージ、あるいは確認されなかったという通知またはメッセージを表示する。さらに別の例として、表示画面410は、動作120(
図1A)で提供される報酬の値を表示画面410上に表示する。
【0111】
一実施形態では、ディスプレイデバイス404及びハンドヘルドコントローラ406は、スマートフォン、またはタブレット、またはラップトップなどのモバイルデバイス内に統合される。
【0112】
図4Bは、プロセッサシステム159をゲームコンソール452内に実装できることを説明するシステム450の実施形態の図である。システム450は、ディスプレイデバイス404、ハンドヘルドコントローラ406、ヘッドフォン408、マイクロフォン409、ゲームコンソール452、ルータ及びモデム402、コンピュータネットワーク156、及びサーバシステム454を含む。ゲームコンソール452の例は、ビデオゲームコンソール、またはコンピュータ、または中央処理装置(CPU)とグラフィックス処理装置(GPU)との組み合わせである。例示すると、ゲームコンソール452は、Sony PlayStation(商標)またはMicrosoft Xbox(商標)である。ゲームコンソール452は、プロセッサシステム159と、Wi-Fi(商標)通信デバイスまたはBluetooth(商標)通信デバイスなどの通信デバイス456とを含む。一例を挙げると、本明細書で使用されるプロセッサシステムは、1つ以上のCPU及び1つ以上のGPUを含み、1つ以上のCPUは1つ以上のGPUに結合される。
【0113】
サーバシステム454は、サーバシステム454がプロセッサシステム159を除外していることを除いて、サーバシステム152(
図1B)と同じである。サーバシステム454の例は、1つ以上のデータセンタ内に1つ以上のサーバを含む。例示すると、サーバは、ゲームコンソールまたはサーバブレードであり得る。別の例として、サーバシステム454は、1つ以上の仮想マシンを含む。通信デバイス456は、Wi-Fi(商標)接続もしくはBluetooth(商標)接続などの無線接続、または有線接続を介して、ディスプレイデバイス404の通信デバイス403(
図4A)に結合される。さらに、通信デバイス456は、無線接続を介してハンドヘルドコントローラ406の通信デバイス416(
図4A)に結合される。通信デバイス456は、プロセッサシステム159に結合される。プロセッサシステム159は、有線接続を介してルータ及びモデム402に結合される。ルータ及びモデム402は、コンピュータネットワーク156を介してサーバシステム454に結合される。
【0114】
プロセッサシステム159は、サーバシステム454の代わりに、またはサーバシステム454と連携して、ゲームエンジン302のゲームプログラム458を実行して、ディスプレイデバイス404の表示画面410(
図4A)上に仮想シーンを表示する。例えば、ハンドヘルドコントローラ406を介して、プレーヤ1などのプレーヤによって提供されるログイン情報を受信することに応答して、プロセッサシステム159は、コンピュータネットワーク156を介してサーバシステム454に、ログイン情報が有効かどうかを判定する要求を送信する。ハンドヘルドコントローラ406から受信したログイン情報が有効であるというインディケーションを、コンピュータネットワーク156を介して、サーバシステム454から受信すると、プロセッサシステム159は、ハンドヘルドコントローラ406及びゲームコンソール452を介したプレーヤによるゲームのプレイのためにゲームプログラム458を実行する。その一方で、ハンドヘルドコントローラ406から受信したログイン情報が無効であるというインディケーションを、コンピュータネットワーク156を介して、サーバシステム454から受信すると、プロセッサシステム159は、ハンドヘルドコントローラ406及びゲームコンソール452を介したプレーヤによるプレイのためにゲームプログラム458を実行しない。
【0115】
通信デバイス456は、無線接続を介して、ハンドヘルドコントローラ406の通信デバイス416(
図4A)からの処理済み入力信号を有する無線パケットを受信し、その無線パケットに無線プロトコルを適用して、無線パケットから処理済み入力信号を抽出し、その処理済み入力信号をプロセッサシステム159に提供する。通信デバイス456また、ディスプレイデバイス404から入力ビデオ信号を有する無線パケットまたは転送ユニットを受け取り、その無線パケットに無線プロトコルを適用して、無線パケットから入力ビデオ信号を抽出するか、または有線プロトコルを適用して、転送ユニットから入力ビデオ信号を抽出し、入力ビデオ信号をプロセッサシステム159に提供する。無線パケットは、無線接続を介して、ディスプレイデバイス404の通信デバイス403(
図4A)から、通信デバイス456によって受信される。また、転送ユニットは、有線接続を介して、ディスプレイデバイス404の通信デバイス403から、通信デバイス456によって受信される。
【0116】
プロセッサシステム159は、ハンドヘルドコントローラ406から受け取った処理済み入力信号と、ディスプレイデバイス404から受け取った入力ビデオ信号とに基づいて、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットを生成する。プロセッサシステム159は、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットを通信デバイス456に提供する。通信デバイス456は、無線プロトコルを第1の出力信号セットに適用して、1つ以上の無線パケットを生成し、その無線パケットをハンドヘルドコントローラ406の通信デバイス416に送信する。また、通信デバイス456は、無線プロトコルを第2の出力信号セットに適用して、1つ以上の無線パケットを生成し、その無線パケットをディスプレイデバイス404の通信デバイス403に送信する。
【0117】
一実施形態では、サーバシステム152のプロセッサシステム159によって実行されるものとして本明細書で説明される機能のいくつかは、ゲームコンソール452のプロセッサシステム159によって実行され、サーバシステム152のプロセッサシステム159によって実行されるものとして本明細書で説明される残りの機能は、代わりに、サーバシステム454によって実行される。
【0118】
実施形態では、プロセッサシステム159は、有線接続を介して、ディスプレイデバイス404に結合される。第2の出力信号セットは、ディスプレイデバイス404上に1つ以上の画像を表示するために、有線接続を介して、プロセッサシステム159からディスプレイデバイス404に送られる。
【0119】
一実施形態では、ゲームは、ゲームコンソール452に格納され、ネットワーク化されていないゲームである。この実施形態では、ゲームは、シングルプレーヤゲームまたはマルチプレーヤゲームであり、ゲームコンソール452は、サーバシステム454からゲームの任意の部分にアクセスするためにサーバシステム454と通信しない。
【0120】
図4Cは、ルータ及びモデム402を使用せず、コンピュータネットワーク156を介したスマートフォン472とプロセッサシステム159との間の通信を示すシステム470の実施形態の図である。ルータ及びモデム402は、コンピュータネットワーク156とスマートフォン472との間では使用されない。システム470は、スマートフォン472、ヘッドフォン1110、セルラネットワーク474、コンピュータネットワーク156、及びサーバシステム152を含む。スマートフォン472は、クライアントデバイス1~4(
図1B)のいずれかの例である。例えば、スマートフォン472は、ディスプレイデバイス404を含み、ハンドヘルドコントローラ406の上述の機能を実装することができる。
【0121】
スマートフォン472は、第4世代セルラ無線(4G)接続または第5世代セルラ無線(5G)接続などのセルラ無線接続を介して、セルラネットワーク474に結合される。セルラネットワーク474は、サーバシステム152に結合されたコンピュータネットワーク156に結合される。
【0122】
スマートフォン472は、4Gまたは5Gプロトコルなどのセルラ通信プロトコルを、処理済み入力信号、または入力ビデオ信号、またはそれらの組み合わせに適用することによって、1つ以上のパケットを生成し、その1つ以上のパケットをセルラネットワーク474に送信する。セルラネットワーク474は、1つ以上のパケットを受信し、セルラ通信プロトコルを適用して、処理済み入力信号、または入力ビデオ信号、またはそれらの組み合わせを取得または抽出し、処理済み入力信号、または入力ビデオ信号、またはそれらの組み合わせにネットワーク通信プロトコルを適用して、1つ以上のネットワークパケットを生成する。セルラネットワーク474によって生成された1つ以上のネットワークパケットは、コンピュータネットワーク156を介して、サーバシステム152に送信される。サーバシステム152は、セルラネットワーク1102から受信した1つ以上のネットワークパケットを、上述のように処理して、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットを生成し、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットを含む1つ以上のネットワークパケットを、コンピュータネットワーク156を介して、セルラネットワーク474に送信する。
【0123】
セルラネットワーク474は、ネットワーク通信プロトコルを、プロセッサシステム159から受信した1つ以上のネットワークパケットに適用して、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットを抽出または取得し、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットにセルラ通信プロトコルを適用して、1つ以上のパケットを生成する。セルラネットワーク1102は、第1の出力信号セット及び第2の出力信号セットを含む1つ以上のパケットをスマートフォン472に送信する。
【0124】
図5は、ヘッドフォン408の実施形態の図である。ヘッドフォン408は、通信デバイス502、デジタル/アナログ(D/A)変換器504、オーディオアンプ506、及びスピーカ508を含む。通信デバイス502の例は、有線プロトコルまたは無線プロトコルを適用する通信回路である。
【0125】
通信デバイス502は、ハンドヘルドコントローラ406の通信デバイス416(
図4A)またはスマートフォン472(
図4C)に結合される。デジタル/アナログ変換器504は、通信デバイス502に結合され、オーディオアンプ506は、デジタル/アナログ変換器504に結合される。また、スピーカ508は、オーディオアンプ506に結合される。
【0126】
通信デバイス502は、通信デバイス416(
図4A)またはスマートフォン472(
図4C)からオーディオデータを有する1つ以上のパケットを受信し、有線プロトコルまたは無線プロトコルなどのプロトコルを適用して、1つ以上のパケットからオーディオデータを抽出または取得する。通信デバイス502は、オーディオデータをデジタル/アナログ変換器504に送る。デジタル/アナログ変換器504は、オーディオデータをデジタル形式からアナログ形式に変換して、アナログオーディオ信号を出力する。デジタル/アナログ変換器504は、オーディオデータに基づいて出力されたアナログオーディオ信号をオーディオアンプ506に送る。オーディオアンプ506は、アナログオーディオ信号の振幅または大きさを増加させるなどの増幅を行って、電気信号である増幅されたオーディオ信号を出力する。スピーカ508は、増幅されたオーディオ信号の電気エネルギーを音エネルギーに変換して、プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤが聞く音を出力する。
【0127】
一実施形態では、スピーカ508の代わりに、複数のスピーカが使用される。
【0128】
図6は、本開示の実施態様による、クライアントデバイスにクラウドビデオゲームをストリーミングするために実行される様々な動作を概念的に示すフロー図である。クライアントデバイスの例としては、ゲームコントローラ、スマートフォン、ゲームコンソール、及びコンピュータが挙げられる。ゲームサーバ602は、ビデオゲームなどのゲームプログラム458(
図4B)を実行し、未加工の(圧縮されていない)ビデオ604及びオーディオ606を生成する。仮想シーン202、230または240(
図2A~
図2C)及び仮想シーンの提示中のオーディオ出力は、ビデオ1004及びオーディオ606の例である。ゲームサーバ602は、サーバシステム152(
図1B)の例である。説明図の参照符号608で示すように、ビデオ604及びオーディオ606はストリーミングの目的でキャプチャされ符号化される。符号化により、ビデオ及びオーディオのストリームが圧縮され、帯域幅の使用量が軽減され、ゲーム体験が最適化される。符号化形式の例には、H.265/MPEG-H、H.264/MPEG-4、H.263/MPEG-4、H.262/MPEG-2、WMV、VP6/7/8/9、等が含まれる。
【0129】
符号化オーディオ610及び符号化ビデオ612は、コンピュータネットワーク156(
図1B)の例であるコンピュータネットワーク620を介して送信するために、参照番号614で示すように、ネットワークパケットにさらにパケット化される。いくつかの実施形態では、ネットワークパケット符号化プロセスは、データ暗号化プロセスも採用することによって、データセキュリティを強化する。図示の実施態様では、オーディオパケット616及びビデオパケット618は、コンピュータネットワーク620を介したトランスポートのために生成される。
【0130】
ゲームサーバ602はさらに、触覚フィードバックデータ622を生成し、触覚フィードバックデータ622もネットワーク送信のためにネットワークパケットにパケット化される。図示の実施態様では、触覚フィードバックパケット624が、コンピュータネットワーク620を介したトランスポートのために生成される。
【0131】
未加工のビデオ及びオーディオと触覚フィードバックデータとを生成する前述の動作が、データセンタのゲームサーバ602で実行され、ビデオ及びオーディオを符号化する動作、及び符号化されたオーディオ/ビデオ及び触覚フィードバックデータのトランスポートのためのパケット化は、データセンタのストリーミングエンジンによって行われる。図示されるように、オーディオ、ビデオ、及び触覚フィードバックのパケットは、コンピュータネットワーク620を介してトランスポートされる。参照番号626に示されるように、オーディオパケット616、ビデオパケット618、及び触覚フィードバックパケット624は、クライアントデバイスによって分解され、例えば、解析されて、符号化されたオーディオ628、符号化されたビデオ630、及び触覚フィードバックデータ622をクライアントデバイスでネットワークパケットから抽出する。データが暗号化されている場合、データの解読も行われる。符号化されたオーディオ628及び符号化されたビデオ630は次に、参照番号634において示されるように、クライアントデバイスによって復号されて、クライアントデバイスのディスプレイデバイス640上でレンダリングするためにクライアント側の未加工オーディオ及びビデオデータを生成する。触覚フィードバックデータ622は、クライアントデバイスのプロセッサによって処理されて、コントローラデバイス624で、または、触覚効果をレンダリングすることができる、例えば、HMD等のインタフェースデバイスで、触覚フィードバック効果を生成する。コントローラデバイス624は、クライアントデバイスのハンドヘルドコントローラの例である。触覚効果の一例は、コントローラデバイス624のバイブレーションまたはランブルである。
【0132】
ビデオゲームはプレーヤ入力に応答し、その結果、プレーヤ入力の送信及び処理について上述したのと同様の手順フローを実行できるが、クライアントデバイスからサーバへの逆方向で実行されることが理解されよう。図示のように、コントローラデバイス624、または別の入力構成要素、例えば、プレーヤ1の身体部分など、またはそれらの組み合わせが、入力データ648を生成する。この入力データ648は、コンピュータネットワーク620を介してデータセンタにトランスポートするために、クライアントデバイスでパケット化される。入力データパケット646は、ゲームサーバ602により解凍及び再構築されて、データセンタ側で入力データ648を規定する。入力データ648がゲームサーバ602に供給され、ゲームサーバ602は、入力データ648を処理して、ゲームのゲーム状態を生成する。
【0133】
オーディオパケット616、ビデオパケット618、及び触覚フィードバックパケット624のコンピュータネットワーク620を介したトランスポート中に、いくつかの実施形態では、コンピュータネットワーク620を介したデータの送信が監視されて、サービス品質が保証される。例えば、参照番号650により示されるように、アップストリーム及びダウンストリームの両方のネットワーク帯域幅を含むコンピュータネットワーク620のネットワーク条件が監視され、ゲームストリーミングは、利用可能な帯域幅の変化に応じて調整される。すなわち、参考番号652により示されるように、ネットワークパケットの符号化及び復号は、現在のネットワーク条件に基づいて制御される。
【0134】
図7は、クライアントデバイスのディスプレイデバイスとインタフェースすることに対応しており、コンピュータネットワーク620(
図6)を介して、サーバシステム152(
図1B)などのゲームホスティングシステムと通信することができるゲームコンソール700の実施形態のブロック図である。ゲームコンソール700は、ゲームコンソール452(
図4B)の例である。ゲームコンソール700は、データセンタ内に配置されているか、あるいはプレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤが居る場所に配置されている。いくつかの実施形態では、ゲームコンソール700を使用して、HMD705上に表示されるゲームを実行する。ゲームコンソール700は、ゲームコンソール700に接続可能な様々な周辺機器を備えている。ゲームコンソール700は、セルプロセッサ728、ダイナミックランダムアクセスメモリ(XDRAM)ユニット726、専用ビデオランダムアクセスメモリ(VRAM)ユニット732を備えるReality Synthesizerグラフィックスプロセッサユニット730、及び入力/出力(I/O)ブリッジ734を有する。ゲームコンソール700はまた、I/Oブリッジ734を通してアクセス可能な、ディスク740aから読み出すためのBlu Ray(登録商標)ディスクリードオンリメモリ(BD-ROM)光ディスクリーダ740と、取り外し可能スロットインハードディスクドライブ(HDD)736とを有する。オプションで、ゲームコンソール700はまた、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカード、及びメモリスティック(登録商標)メモリカードなどを読み出すためのメモリカードリーダ738を含み、メモリカードリーダ738は、I/Oブリッジ734を介して同様にアクセス可能である。I/Oブリッジ734はまた、USB2.0ポート724と、ギガビットイーサネット(登録商標)ポート722と、IEEE802.11b/g無線ネットワーク(Wi-Fi(商標))ポート720と、Bluetooth接続をサポートすることが可能なBluetooth(登録商標)無線リンクポート718とに接続する。
【0135】
動作中、I/Oブリッジ734は、ゲームコントローラから、並びにHMD705からのデータを含む、無線、USB、及びイーサネット(登録商標)のデータ全てを扱う。例えば、プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤが、ゲームエンジン302(
図4B)のゲームプログラム458などのゲームコードの一部の実行によって生成されたゲームをプレイしているとき、I/Oブリッジ734は、ゲームコントローラ642(
図6)または703から、及び/またはHMD705から、Bluetoothリンクを介して、本明細書に記載の入力データまたは入力信号を受信し、入力データをセルプロセッサ728に向け、セルプロセッサ728は、それに応じて、ゲームの現在の状態を更新する。一例として、HMD705内のカメラは、プレーヤ1のジェスチャをキャプチャして、ジェスチャを表す画像を生成する。ゲームコントローラ642は、ハンドヘルドコントローラ406(
図4A)の例である。
【0136】
無線ポート、USBポート、及びイーサネット(登録商標)ポートは、ゲームコントローラ642及び703とHMD705とに加えて、例えば、リモートコントロール704、キーボード706、マウス708、例えば、Sony Playstation Portable(登録商標)エンタテインメントデバイスなどのポータブルエンタテインメントデバイス710、例えば、EyeToy(登録商標)ビデオカメラ712などのビデオカメラ、マイクロフォンヘッドセット714,及びマイクロフォン715などの他の周辺デバイスへの接続性も提供する。ポータブルエンタテインメントデバイス710は、ゲームコントローラの例である。いくつかの実施形態では、このような周辺デバイスは、ゲームコンソール700に無線で接続され、例えば、ポータブルエンタテイメントデバイス710は、Wi-Fi(商標)アドホック接続を介して通信し、マイクロフォンヘッドセット714は、Bluetoothリンクを介して通信する。マイクロフォンヘッドセット714は、ヘッドフォン408(
図4A)の例である。
【0137】
これらのインタフェースの提供は、ゲームコンソール700がまた、デジタルビデオレコーダ(DVR)、セットトップボックス、デジタルカメラ、ポータブルメディアプレーヤ、ボイスオーバインターネットプロトコル(IP)電話、携帯電話、プリンタ、及びスキャナなどの他の周辺デバイスに対応する可能性があることを意味する。
【0138】
さらに、レガシーメモリカードリーダ716は、USBポート724を介してゲームコンソール700に接続され、ゲームコンソール700によって使用される種類のメモリカード748の読み取りを可能にする。ゲームコントローラ642及び703とHMD705とは、Bluetoothリンク718を介してゲームコンソール700と無線で通信するように、またはUSBポート724に接続され、それによってゲームコントローラ642及び703とHMD705とのバッテリを充電するための電力も受け取るように動作可能である。いくつかの実施形態では、ゲームコントローラ642及び703とHMD705とはそれぞれ、メモリ、プロセッサ、メモリカードリーダ、例えば、フラッシュメモリなどの永久メモリ、例えば、照らされた球形部分、発光ダイオード(LED)、もしくは赤外線ライトなどの発光体、超音波通信用のマイクロフォン及びスピーカ、音響チャンバ、デジタルカメラ、内部時計、例えば、ゲームコンソール700に面する球形部分などの認識可能な形状、並びに、例えば、Bluetooth、Wi-Fiなどのプロトコルを使用する無線デバイス等を含む。
【0139】
ゲームコントローラ642は、プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤによって両手で使用するように設計されたコントローラであり、ゲームコントローラ703は、アタッチメントを備えた片手コントローラである。HMD705は、プレーヤの頭の上及び/または目の前にフィットするように設計されている。1つ以上のアナログジョイスティックと従来のコントロールボタンとに加えて、各ゲームコントローラ642及び703は、三次元位置決定の影響を受ける。同様に、HMD705は、3次元位置決定の影響を受ける。その結果、いくつかの実施形態では、ゲームコントローラ642及び703とHMD705とを使用するプレーヤによるジェスチャ及び動きは、従来のボタンまたはジョイスティックのコマンドに加えて、またはそれらの代わりに、ゲームへの入力として変換される。オプションで、Playstation(商標)ポータブルデバイスなどの他の無線対応の周辺デバイスがコントローラとして使用される。Playstation(商標)ポータブルデバイスのケースでは、追加のゲームまたは制御情報、例えば、制御命令またはライフの数などは、デバイスの表示画面上で提示されてもよい。いくつかの実施形態では、ダンスマット(図示せず)、ライトガン(図示せず)、ハンドル及びペダル(図示せず)、または特注コントローラなど、他の代替的または補助的な制御デバイスが使用されてよい。特注コントローラの例には、即答クイズゲーム用の1つまたはいくつかの大型ボタン(同様に図示せず)が含まれる。
【0140】
リモートコントロール704も、Bluetoothリンク718を介してゲームコンソール700と無線で通信するように動作可能である。リモートコントロール704は、Blu Ray(商標)ディスクBD-ROMリーダ740の動作に適した制御、及びディスクコンテンツのナビゲーションに適した制御を含む。
【0141】
Blu Ray(商標)ディスクBD-ROMリーダ740は、従来の記録済みCD及び記録可能なCDと、いわゆるスーパーオーディオCDとに加えて、ゲームコンソール700に対応しているCD-ROMを読み出すように動作可能である。Blu Ray(商標)ディスクBD-ROMリーダ740はまた、従来の記録済みのDVD及び記録可能なDVDに加えて、ゲームコンソール700に対応しているデジタルビデオディスクROM(DVD-ROM)を読み出すように動作可能である。Blu Ray(商標)ディスクBD-ROMリーダ740は、ゲームコンソール700に対応しているBD-ROMと、従来の記録済みのBlu-Rayディスク及び記録可能なBlu-Rayディスクとを読み出すようにさらに動作可能である。
【0142】
ゲームコンソール700は、リアリティシンセサイザグラフィックスユニット730を介して生成または復号されたオーディオ及びビデオを、表示画面744及び1つまたは複数のラウドスピーカ746を有する、例えば、モニタまたはテレビセット等のディスプレイ及びサウンド出力デバイス742にオーディオコネクタ750及びビデオコネクタ752を通して供給するように、または、Bluetooth(登録商標)無線リンクポート718を介してHMD705のディスプレイデバイスにオーディオ及びビデオを供給するように動作可能である。オーディオコネクタ750は、様々な実施形態において、従来のアナログ及びデジタル出力を含み、他方、ビデオコネクタ752は、コンポーネントビデオ、Sビデオ、コンポジットビデオ、及び1つまたは複数の高解像度マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))出力を様々に含む。結果として、ビデオ出力は、位相反転線(PAL)または全国テレビジョン方式委員会(NTSC)などの形式、または、2220p、1080i、もしくは1080pの高解像度であってよい。オーディオ処理、例えば、生成、復号などは、セルプロセッサ708によって行われる。ゲームコンソール700のオペレーティングシステムは、Dolby(登録商標)5.1サラウンドサウンド、Dolby(登録商標)シアターサラウンド(DTS)、及びBlu-Ray(登録商標)ディスクの7.1サラウンドサウンドの復号をサポートする。表示及びサウンド出力デバイス742は、クライアントデバイス1(
図1)のディスプレイデバイス1の例である。
【0143】
いくつかの実施形態では、ビデオカメラ、例えば、ビデオカメラ712等は、単一の電荷結合素子(CCD)、LEDインジケータ、及びハードウェアベースのリアルタイムデータ圧縮及び符号化装置を備え、これにより、圧縮されたビデオデータは、ゲームコンソール700により復号されるために、画像内ベースのMPEG(motion picture expert group)規格などの適切な形式で送信される。ビデオカメラ712のLEDインジケータは、例えば、不利な照明条件などを示すために、ゲームコンソール700からの適切な制御データに応答して点灯するように配置される。ビデオカメラ712のいくつかの実施形態は、USB、BluetoothまたはWi-Fi通信ポートを介してゲームコンソール700に接続する。ビデオカメラの様々な実施形態は、1つ以上の関連付けられたマイクロフォンを含み、またオーディオデータを送信できる。ビデオカメラのいくつかの実施形態では、CCDは、高解像度ビデオキャプチャに適した解像度を有する。使用時、ビデオカメラによってキャプチャされた画像は、ゲーム内に組み込まれる、またはゲーム制御入力として解釈される。別の実施形態では、ビデオカメラは、赤外光を検出するのに適した赤外線カメラである。
【0144】
様々な実施形態では、ゲームコンソール700の通信ポートのうちの1つを介して、例えば、ビデオカメラまたはリモートコントロールなどの周辺デバイスとのデータ通信が正常に行われるように、デバイスドライバなどの適切なソフトウェアが提供される。
【0145】
いくつかの実施形態では、ゲームコンソール700、ゲームコントローラ642(
図6)または703、及びHMD705を含む前述のシステムデバイスは、HMD705がゲームのインタラクティブセッションのビデオを表示及びキャプチャすることを可能にする。システムデバイスは、ゲームのインタラクティブセッションを開始し、インタラクティブセッションは、プレーヤ1などのプレーヤとゲームとの間のインタラクションを規定する。システムデバイスは、さらに、プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤによって操作されるゲームコントローラ642(
図6)または703及び/またはHMD705の初期位置及び向きを決定する。ゲームコンソール700は、プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤとゲームとのインタラクションに基づいて、ゲームの現在の状態を決定する。システムデバイスは、ゲームとのプレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤ
のインタラクティブセッション中、ゲームコントローラ642(
図6)または703及び/またはHMD705の位置及び向きを追跡する。システムデバイスは、ゲームの現在の状態と、HHC及び/またはHMD705の追跡された位置及び向きとに基づいて、インタラクティブセッションの観客ビデオストリームを生成する。いくつかの実施形態において、HHCは、HHCの表示画面上に観客ビデオストリームをレンダリングする。様々な実施形態において、HMD705は、HMD705の表示画面上に観客ビデオストリームをレンダリングする。
【0146】
図8を参照すると、HMD802の構成要素を示す図が示されている。HMD802は、HMD705(
図7)の一例である。HMD802は、プログラム命令を実行するためのプロセッサ800を含む。メモリデバイス802は、記憶目的のために備えられる。メモリデバイス802の例には、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせが含まれる。プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などの任意のプレーヤが見る視覚的インタフェース、例えば、保存データから生成される画像フレームの表示などを提供するディスプレイデバイス804が含まれる。HMD802の電源として、バッテリ806が備えられる。動き検出モジュール808は、磁力計810、加速度計812、及びジャイロスコープ814など、様々な種類の動き検知ハードウェアのいずれかを含む。
【0147】
加速度計は、加速度及び重力誘起反力を測定するデバイスである。単軸及び多軸モデルは、異なる向きにおける加速度の大きさ及び向きを検出するために利用可能である。加速度計は、傾き、振動、及び衝撃を感知するために使用される。一実施形態では、3つの加速度計812は、重力の方向を提供するために使用され、重力の方向は、2つの角度、例えば、世界空間ピッチ及び世界空間ロールなどについての絶対基準を与える。
【0148】
磁力計は、HMD802付近の磁場の強度及び方向を測定する。いくつかの実施形態では、3つの磁力計810は、HMD802内で使用され、世界空間ヨー角度についての絶対基準を保証する。様々な実施形態では、磁力計は、±80マイクロステラの地磁場にわたるように設計される。磁力計は金属の影響を受け、実際のヨーに対して単調なヨー測定を提供する。いくつかの実施形態において、磁場は実世界環境内の金属により歪み、これによりヨー測定に歪みが生じる。様々な実施形態において、この歪みは、他のセンサ、例えば、ジャイロスコープ814、カメラ816等からの情報を使用して較正される。一実施形態では、加速度計812は、HMD802の傾き及び方位角を取得するために磁力計810と共に使用される。
【0149】
ジャイロスコープは、角運動量の原理に基づいて、向きを測定または維持するデバイスである。一実施形態では、ジャイロスコープ814に代わって、3つのジャイロスコープが、慣性感知に基づいて、各軸(x、y、及びz)に対する動きに関する情報を提供する。ジャイロスコープは、高速回転の検出を助ける。しかしながら、ジャイロスコープは、いくつかの実施形態では、絶対基準が存在しないと、時間の経過と共にドリフトする。これは、定期的なジャイロスコープのリセットをトリガし、リセットは、物体の視覚追跡、加速度計、磁力計などに基づく位置/向きの決定など、他の入手可能な情報を使用して行うことができる。
【0150】
カメラ816は、プレーヤ1、プレーヤ2、プレーヤ3、及びプレーヤ4のいずれかを取り巻く実世界環境、例えば、部屋、キャビン、自然環境などの画像及び画像ストリームをキャプチャするために提供される。様々な実施形態では、例えば、プレーヤがHMD802のディスプレイ等を見ているとき、プレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤから離れる方に向いた、背面を向いたカメラ、及び、例えば、プレーヤがHMD802のディスプレイ等を見ているとき、プレーヤの方を向いた、前面を向いたカメラを含む、複数のカメラが、HMD802に含まれる。さらに、いくつかの実施形態では、実世界環境内の物体の深度情報を感知するために、深度カメラ818がHMD802に含まれる。
【0151】
HMD802は、オーディオ出力を提供するためのスピーカ820を含む。また、いくつかの実施形態では、周囲環境からの音、及びプレーヤによって行われた発話などを含む、実世界環境からのオーディオをキャプチャするためのマイクロフォン822が含まれる。HMD802は、プレーヤに触覚フィードバックを提供するための触覚フィードバックモジュール824、例えば、振動デバイスなどを含む。一実施形態では、触覚フィードバックモジュール824は、触覚フィードバックをプレーヤに提供するように、HMD802の動き及び/または振動を引き起こすことが可能である。
【0152】
LED826は、HMD802のステータスの視覚インジケータとして備えられる。例えば、LEDは、バッテリレベル、電源オンなどを示してよい。HMD802がメモリカードからの情報を読み出し、メモリカードに情報を書き込むことを可能にするために、カードリーダ828が備えられる。周辺デバイスの接続、または他のデバイス、例えば、他のポータブルデバイス、コンピュータなどへの接続を可能にするためのインタフェースの一例としてUSBインタフェース830が備えられる。HMD802の様々な実施形態では、様々な種類のインタフェースのいずれかが、HMD802のより高い接続性を可能にするために含まれてよい。
【0153】
無線ネットワーク技術を介してインターネットへの接続を可能にするために、Wi-Fi(商標)モジュール832が含まれる。また、HMD802は、他のデバイスへの無線接続を可能にするために、Bluetooth(商標)モジュール834を含む。いくつかの実施形態では、他のデバイスへの接続のために通信リンク836も含まれる。一実施形態では、通信リンク836は、無線通信のために赤外線伝送を利用する。他の実施形態では、通信リンク836は、他のデバイスとの通信のために、様々な無線または有線の伝送プロトコルのいずれかを利用する。
【0154】
入力ボタン/センサ838は、プレーヤに入力インタフェースを提供するために含まれる。ボタン、タッチパッド、ジョイスティック、トラックボールなど、様々な種類の入力インタフェースのいずれかが含まれる。様々な実施形態では、超音波技術を介して他のデバイスとの通信を容易にするために、超音波通信モジュール840がHMD802に含まれる。
【0155】
バイオセンサ842は、プレーヤからの生理学的データの検出を可能にするために含まれる。一実施形態では、バイオセンサ842は、プレーヤの皮膚を通してプレーヤの生体電気信号を検出するために、1つ以上の乾電極を含む。
【0156】
HMD802の前述の構成要素は、HMD802内に含まれ得る単なる例示的な構成要素として記載した。様々な実施形態では、HMD802は、上記の様々な構成要素の一部を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0157】
図9は、情報サービスプロバイダ(INSP)アーキテクチャの実施形態を示す。INSP902は、地理的に分散し、コンピュータネットワーク906、例えば、LAN、WAN、またはそれらの組み合わせなどを介して接続されたプレーヤ1、またはプレーヤ2、またはプレーヤ3、またはプレーヤ4などのプレーヤに多数の情報サービスを配信する。コンピュータネットワーク906は、コンピュータネットワーク156(
図1B)の例である。WANの例にはインターネットが含まれ、LANの例にはイントラネットが含まれる。ユーザ1などのプレーヤ1は、クライアントデバイス920-1を操作し、ユーザ2などのプレーヤ2は、別のクライアントデバイス920-2を操作し、ユーザ3などのプレーヤ3は、さらに別のクライアントデバイス920-3を操作する。クライアントデバイス920-1は、クライアントデバイス1(
図1B)の例であり、クライアントデバイス920-2はクライアントデバイス2(
図1B)の例であり、クライアントデバイス920-3はクライアントデバイス3(
図1B)の例である。
【0158】
いくつかの実施形態では、各クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3は、中央処理装置(CPU)、ディスプレイ、及び入力/出力(I/O)インタフェースを含む。各クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3の例には、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、ネットブック、タブレット、ゲームシステム、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ゲームコンソール700及びディスプレイデバイス、HMD802(
図8)、ゲームコンソール700及びHMD802、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ならびにスマートテレビなどが含まれる。いくつかの実施形態では、INSP902は、クライアントデバイスのタイプを認識し、使用する通信方法を調整する。
【0159】
いくつかの実施形態では、INSP902は、株価更新などの一種類のサービス、またはブロードキャスト媒体、ニュース、スポーツ、ゲームなどの様々なサービスを提供する。さらに、各INSPによって提供されるサービスは動的である、すなわち、任意の時点でサービスを追加することができる、または取り除くことができる。従って、特定の個人に特定の種類のサービスを提供するINSPは、時間の経過と共に変わり得る。例えば、クライアントデバイス920-1がプレーヤの居住地にあるときは、クライアントデバイス920-1は、クライアントデバイス920-1の近くのINSPによってサービスを提供され、プレーヤが異なる都市に移動すると、クライアントデバイス920-1は、異なるINSPによってサービスを提供される。居住地のINSPは、要求された情報及びデータを新しいINSPに転送し、その結果、情報は、新しい都市までクライアントデバイス920-1「を追いかけて」、データをよりクライアントデバイス920-1に近くし、アクセスを容易にする。様々な実施形態では、クライアントデバイス920-1の情報を管理するマスタINSPと、マスタINSPからの制御下でクライアントデバイス920-1と直接的にインタフェースをとるサーバINSPとの間に、マスタサーバ関係が確立される。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス920-1が世界中を移動すると、あるISPから別のISPにデータが転送され、これにより、クライアントデバイス920-1にサービスを提供するのにより良い位置に存在するINSPが、これらのサービスを届けるINSPとなる。
【0160】
INSP902は、コンピュータネットワーク906を経由して顧客にコンピュータベースのサービスを提供するアプリケーションサービスプロバイダ(ASP)908を含む。ASPモデルを使用して提供されるソフトウェアは、オンデマンドソフトウェアまたはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)とも称されることもある。顧客関係管理などのコンピュータベースのサービスへのアクセスを提供する簡単な形式は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)などの標準プロトコルを使用することによる。アプリケーションソフトウェアは、ベンダのサーバに常駐し、ベンダによって提供される特殊用途クライアントソフトウェア、及び/または他のリモートインタフェース、例えば、シンクライアント等によって、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)等を使用して、ウェブブラウザを通して各クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3によってアクセスされる。
【0161】
広い地理的地域にわたって供給されるサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用する。クラウドコンピューティングとは、動的に拡張縮小可能で多くの場合、仮想化されたリソースがコンピュータネットワーク906を介したサービスとして提供されるコンピューティング様式である。ユーザ1~3は、ユーザをサポートする「クラウド」のテクノロジインフラストラクチャの専門家である必要はない。いくつかの実施形態では、クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、及びサービスとしてのソフトウエア(SaaS)などの異なるサービスに分けられる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ウェブブラウザからアクセスされる共通のビジネスアプリケーションをオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータはサーバ上に記憶される。クラウドという用語は、コンピュータネットワーク図におけるコンピュータネットワーク906の描かれ方に基づいて、例えば、サーバ、ストレージ、及びロジックを使用する、コンピュータネットワーク906のメタファーとして使用され、コンピュータネットワーク906が隠し持つ複雑なインフラストラクチャの抽象的概念である。
【0162】
さらに、INSP902は、本明細書ではゲーム処理サーバとも呼ばれるゲーム処理プロバイダ(GPP)910を含み、ゲーム処理プロバイダ(GPP)910は、シングル及びマルチプレーヤのビデオゲームをプレイするためにクライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3によって使用される。コンピュータネットワーク906上でプレイされるほとんどのビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームは、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3からデータを収集し、他のユーザが操作する他のクライアントにデータを配信する専用サーバアプリケーションを使用する。これは、ピアツーピア構成よりも効率的かつ効果的であるが、サーバアプリケーションをホストする別個のサーバを使用する。いくつかの実施形態では、GPP910は、集中型GPP910にさらに依存することなく情報を交換するクライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3の間の通信を確立する。
【0163】
専用GPPは、クライアントとは独立して実行するサーバである。このようなサーバは、通常、データセンタに配置された専用ハードウェア上で実行し、より多くの帯域幅及び専用処理能力を提供する。専用サーバは、大部分のPCベースのマルチプレーヤゲームのためのゲームサーバをホスティングする方法である。大規模なマルチプレーヤオンラインゲームは、ゲームタイトルを所有するソフトウェア会社が通常ホストする専用サーバ上で実行され、専用サーバがコンテンツを制御及び更新することを可能にする。
【0164】
ブロードキャスト処理サーバ(BPS)912は、本明細書ではブロードキャスト処理プロバイダとも呼ばれ、オーディオまたはビデオ信号を視聴者に配信する。非常に狭い範囲の視聴者へのブロードキャストは、ナローキャスティングと呼ばれることがある。ブロードキャスト配信の最後の区間は、信号がクライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3にどのように到達するかであり、いくつかの実施形態では、信号は、ラジオ局もしくはテレビ局と同様に無線でアンテナ及び受信機に、またはケーブルテレビもしくはケーブルラジオもしくは局を介した「無線ケーブル」を通して配信される。コンピュータネットワーク906はまた、様々な実施形態において、信号及び帯域幅を共有するのを可能にするマルチキャスティングを用いて特に、無線信号またはテレビ信号のいずれかをクライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3にもたらす。歴史的に、ブロードキャストは、いくつかの実施形態では、地理的領域、例えば、全国放送、地域放送などによって区切られている。しかし、高速インターネットの普及により、コンテンツは世界のほぼ全ての国に到達できるので、ブロードキャストは地理によって規定されない。
【0165】
ストレージサービスプロバイダ(SSP)914は、コンピュータストレージ空間及び関連する管理サービスを提供する。SSP914は、定期的なバックアップ及びアーカイブも提供する。ストレージをサービスとして提供することにより、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3は、サービスとしてストレージが使用されない場合と比較して、より多くのストレージを使用する。別の大きな利点は、SSP914がバックアップサービスを含み、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3は、ハードドライブに障害が発生してもデータが失われないことである。さらに、いくつかの実施形態では、複数のSSPは、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3から受信したデータの全体的または部分的なコピーを有し、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3は、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3が配置されている場所やクライアントのタイプに関係なく、効率的な方法でデータにアクセスするのを可能にする。例えば、プレーヤは、家のコンピュータによって個人ファイルにアクセスし、プレーヤが移動している間は携帯電話によって個人ファイルにアクセスする。
【0166】
通信プロバイダ916は、クライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3への接続性を提供する。通信プロバイダ916の一種は、コンピュータネットワーク906へのアクセスを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)である。ISPは、ダイヤルアップ、デジタル加入者線(DSL)、ケーブルモデム、ファイバ、無線、または専用の高速インターコネクトなどのインターネットプロトコルデータグラムの供給に適したデータ伝送技術を使用してクライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3を接続する。通信プロバイダ916は、いくつかの実施形態では、電子メール、インスタントメッセージング、及びショートメッセージサービス(SMS)テキストなどのメッセージングサービスも提供する。通信プロバイダの別の種類は、コンピュータネットワーク906への直接のバックボーンアクセスを提供することによって帯域幅またはネットワークアクセスを販売するネットワークサービスプロバイダ(NSP)である。ネットワークサービスプロバイダの例には、電気通信事業者、データ通信事業者、無線通信プロバイダ、インターネットサービスプロバイダ、高速インターネットアクセスを提供するケーブルテレビ事業者などが含まれる。
【0167】
データ交換918は、INSP602内のいくつかのモジュールを相互接続し、コンピュータネットワーク906を介してこれらのモジュールをクライアントデバイス920-1、920-2、及び920-3に接続する。データ交換918は、様々な実施形態において、INSP902の全てのモジュールが近接している小さい領域をカバーする、または様々なモジュールが地理的に分散しているときには大きな地理的領域をカバーする。例えば、データ交換902は、データセンタのキャビネット内の高速のギガビットイーサネット(登録商標)、または大陸間仮想LANを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、サーバシステム152とクライアントデバイス920-1~920-3との間の通信は、無線技術を使用して促進することができる。このような技術には、例えば、5G無線通信技術が含まれていてもよい。5Gは第5世代のセルラネットワーク技術である。5Gネットワークはデジタルセルラネットワークであり、ここでは、プロバイダがカバーするサービスエリアが、セルと言われる小さい地理的領域に分割される。音及び画像を表すアナログ信号は、電話機でデジタル化され、A/D変換器によって変換され、ビットストリームとして伝送される。セル内の全ての5G無線デバイスは、他のセルで再利用される周波数のプールからトランシーバによって割り当てられた周波数チャネルを介して、セル内のローカルアンテナアレイ及び低電力自動トランシーバ(送信機及び受信機)と無線で通信する。ローカルアンテナは、高帯域幅光ファイバまたは無線バックホール接続によって、電話網及びインターネットに接続される。他のセルネットワークと同様に、あるセルから別のセルに移動するモバイルデバイスは、自動的に新しいセルに転送される。5Gネットワークは単に通信ネットワークのタイプ例であり、本開示の実施形態では、前の世代の無線または有線通信、ならびに5Gの後に来る後の世代の有線または無線技術を用いてもよいことを理解されたい。
【0169】
様々な実施形態において、本明細書に記載されるいくつかの実施形態の1つ以上の特徴は、本明細書に記載される1つ以上の残りの実施形態の1つ以上の特徴と組み合わされることに留意されたい。
【0170】
本開示に記載の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な一般消費者向け電気製品、小型コンピュータ、及びメインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実施され得る。一実施態様では、本開示に記載の実施形態は、有線または無線ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが行われる分散コンピューティング環境で実践される。
【0171】
前述の実施形態を念頭に置いて、一実施態様では、本開示に記載の実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータを伴う様々なコンピュータ実施動作を採用することを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理的操作を要する動作である。本開示に記載の実施形態の一部を形成する、本明細書で説明される動作のうちのいずれも、有用な機械動作である。本開示に記載のいくつかの実施形態はまた、これら動作を実行するためのデバイスまたは装置に関する。装置は、必要な目的のために特別に構築される、または装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムにより選択的に起動または構成される汎用コンピュータである。具体的には、一実施形態において、様々な汎用マシンは、本明細書の教示に従って書かれたコンピュータプログラムと共に使用される、または、必要な動作を行うためにさらに特化した装置を構築するほうがより好都合な場合がある。
【0172】
実施態様において、本開示に記載されているいくつかの実施形態は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具体化される。コンピュータ可読媒体は、後にコンピュータシステムにより読み出されるデータを記憶する任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットワーク接続型ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、記録可能CD(CD-R)、書き換え可能CD(CD-RW)、磁気テープ、光学データストレージデバイス、非光学データストレージデバイスなどが含まれる。一例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶及び実行されるように、ネットワークで結合されたコンピュータシステム上に分散されたコンピュータ可読有形媒体を含む。
【0173】
また、上述の実施形態のいくつかは、ゲーム環境に関して説明しているが、いくつかの実施形態では、ゲームの代わりに、ビデオ会議環境などの他の環境が使用される。
【0174】
方法動作が特定の順序で説明されたが、他のハウスキーピング操作が動作の間に実行されてもよく、または動作が、わずかに異なる時刻に生じるように調整されてもよく、もしくはオーバーレイ動作の処理が所望の手法で実行される限り、処理に関連する様々な間隔で処理動作の発生を可能にするシステム内に分散されてもよいことを理解されたい。
【0175】
本開示に記載の前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の中で修正されてもよい。
【国際調査報告】