IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルエス産電株式会社の特許一覧

特表2023-545120ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器
<>
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図1
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図2
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図3
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図4
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図5
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図6
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図7
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図8
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図9
  • 特表-ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/32 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
H01H50/32
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521792
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 KR2021015586
(87)【国際公開番号】W WO2022098021
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0147981
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】シム,ビョンスン
(57)【要約】
ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器を開示する。本発明の実施形態によるラッチ組立体は、フレームと、フレームに回転可能に結合される可動コアと、ラッチ部とを含む。可動コアは、締結部材によりトリップコイル部に回転可能に結合される。フレームには、ラッチ部を回転可能に支持する挿入ホールが形成される。可動コアは、締結部材に沿って回転する。また、ラッチ部は、挿入ホールに沿ってガイドされて回転する。よって、ラッチ組立体の作動信頼性及び耐用年数が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに回転可能に結合される可動コアと、
外部のトリップ電源に通電可能に接続され、前記フレームに結合され、前記可動コアに吸引力を供給するトリップコイル部と、
前記可動コア及び前記トリップコイル部にそれぞれ隣接して位置し、前記フレームに回転可能に結合され、前記可動コアに接離するラッチ部とを含み、
前記フレームの内部には、
円弧状の断面で貫通し、前記ラッチ部が摺動可能に貫通して結合される挿入ホールが形成される、
ラッチ組立体。
【請求項2】
前記フレームは、
前記可動コアが回転可能に結合される第1フレームと、
前記第1フレームと所定の角度をなしてつながり、前記トリップコイル部を下方から支持する第2フレームと、
前記第2フレームにつながり、前記第1フレームに近づく方向とは逆方向に延びる第3フレームと、
前記第3フレームと所定の角度をなしてつながり、前記ラッチ部が回転可能に結合される第4フレームとを含み、
前記第4フレームは、複数備えられ、複数の前記第4フレームは、対向して配置され、
前記挿入ホールは、複数の前記第4フレームのいずれかに形成される、
請求項1に記載のラッチ組立体。
【請求項3】
前記フレームは、
前記第1フレーム及び前記第2フレームにそれぞれ部分的に囲まれる空間である第1空間部を含み、
前記トリップコイル部は、前記第1空間部に収容される、
請求項2に記載のラッチ組立体。
【請求項4】
前記可動コアは、
前記トリップコイル部を挟んで前記第2フレームに対向するように位置し、
前記トリップコイル部に近づく方向及びその逆方向のいずれかの方向に回転可能に前記第1フレームに結合される、
請求項2に記載のラッチ組立体。
【請求項5】
前記可動コアは、
前記トリップコイル部に隣接して位置する第1プレートと、
前記第1プレートにつながり、前記ラッチ部に向かって延設され、前記可動コアの回転により前記ラッチ部と接離する第2プレートと、
前記第1プレートにつながり、前記第1フレームに向かって延設され、前記第1フレームに回転可能に結合される第3プレートとを含み、
前記第1フレームは、
その内部に貫通して形成され、前記第3プレートが挿入される挿入孔を含む、
請求項2に記載のラッチ組立体。
【請求項6】
前記可動コアは、
前記トリップコイル部に隣接して位置し、前記トリップコイル部に近づく方向及びその逆方向に回転する第1プレートを含み、
前記トリップコイル部の内部には、
前記第1プレートに近づく方向及びその逆方向に延びる中空部が貫通して形成され、
前記中空部には、
前記可動コアにより加圧され、形状が変形して復元力を蓄える復帰部材が位置する、
請求項2に記載のラッチ組立体。
【請求項7】
前記復帰部材は、
前記中空部の延設方向に延び、
その延設方向の端部のうち前記第1プレートに面した端部が前記中空部の外側に露出し、前記端部は、前記第1プレートと前記トリップコイル部間に位置する、
請求項6に記載のラッチ組立体。
【請求項8】
前記第1プレートの内部には、貫通孔が形成され、
前記トリップコイル部は、
前記貫通孔及び前記中空部を貫通して結合される締結部材を含む、
請求項6に記載のラッチ組立体。
【請求項9】
前記締結部材は、
前記中空部の延設方向に延び、
その延設方向の端部のうち前記第1プレートに面した端部が前記第1プレートの外側に露出する、
請求項8に記載のラッチ組立体。
【請求項10】
前記締結部材の前記端部と前記第1プレート間の距離は、前記ラッチ部が回転移動する経路の長さ以上の距離である、
請求項9に記載のラッチ組立体。
【請求項11】
前記ラッチ部は、
前記挿入ホールを貫通して結合され、一方向に延び、前記可動コアに接離するラッチピンと、
前記ラッチピンに連結され、複数の前記第4フレームに回転可能に結合される軸部材と、
前記軸部材が貫通して結合され、前記ラッチ部の回転により形状が変形して復元力を蓄える弾性部材とを含む、
請求項2に記載のラッチ組立体。
【請求項12】
前記弾性部材は、コイルばね(coil spring)である、
請求項11に記載のラッチ組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器に関し、より具体的には、作動信頼性及び接触信頼性を向上させる構造のラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁接触器(Contact switch)は、電磁石を利用して電気回路を開閉する装置である。電磁接触器は、複数のコイルを含む。外部の電源は、複数のコイルの少なくとも1つに電流を供給する。
【0003】
電磁接触器は、外部の電源及び負荷にそれぞれ通電可能に接続される。ここで、複数のコイルのいずれかは、投入動作、すなわち電磁接触器が外部の電源及び負荷を通電可能に接続する動作のための磁場を形成する。また、複数のコイルの他のいずれかは、トリップ動作、すなわち電磁接触器が外部の電源及び負荷の通電を解除する動作のための磁場を形成する。
【0004】
ここで、投入状態及びトリップ状態は、電磁接触器に備えられるラッチ組立体により形成される。
【0005】
図1図4には、従来技術によるラッチ組立体1500及びそれを含む電磁接触器1000を示す。
【0006】
図1及び図3には、トリップ状態における従来技術による電磁接触器1000を示す。すなわち、この状態は、外部の電源により電磁接触器1000が投入される前の状態である。
【0007】
外部の電源がコイル1300に供給されると、コイル1300が形成する磁場により可動プレート1400がコイル1300に向かって回転する。
【0008】
よって、可動プレート1400は、ラッチ組立体1500のトリップレバー1550を加圧する。トリップレバー1550は、この加圧によりトリップピン1551を中心に回転する。ここで、可動プレート1400が回転した状態は、トリップピン1551に回転可能に結合されるベアリングにより維持される。
【0009】
上記過程により、従来技術による電磁接触器1000は、外部の電源及び負荷にそれぞれ通電可能に接続される。
【0010】
図2及び図4には、投入状態における従来技術による電磁接触器1000を示す。すなわち、この状態は、外部の電源により電磁接触器1000が外部の電源及び負荷に通電可能に接続された状態である。
【0011】
この状態でトリップコイル1540に電源が供給されると、トリップコイル1540が形成する磁場により可動コア1530がトリップコイル1540に向かって吸引される。よって、トリップレバー1550が投入過程とは逆方向に回転する。
【0012】
ここで、トリップレバー1550は、トリップピン1551が支持ピン1521に接触するまで回転する。
【0013】
トリップレバー1550が回転することにより、可動プレート1400は、ラッチ組立体1500から遠ざかる方向に回転する。
【0014】
一方、トリップレバー1550は、トリップ過程においてトーションスプリング1552を加圧しながら回転する。よって、トリップ動作が完了してトリップコイル1540に供給されていた電流が遮断されると、トリップレバー1550は、トーションスプリング1552の復元力により元の位置に復帰する。
【0015】
しかし、前述したような従来技術による電磁接触器1000には、次のような問題がある。
【0016】
まず、可動コア1530は、第1フレーム1510によりその移動距離が制限される。すなわち、可動コア1530は、第1フレーム1510に形成される孔を貫通して結合されており、第1フレーム1510に必然的に衝突する。
【0017】
よって、その衝撃及び摩擦により、可動コア1530又は第1フレーム1510が物理的に損傷する。
【0018】
また、可動コア1530がトリップコイル1540に吸引される際に、その移動距離も第1フレーム1510により制限される。よって、ラッチ組立体1500が作動する際に、可動コア1530が十分な距離を移動することができなくなる可能性がある。
【0019】
結果として、従来技術による電磁接触器1000は、作動信頼性の保証が困難になり、その耐用年数も減少する可能性がある。
【0020】
特許文献1(2013年3月25日)は、可動コアの電磁力の極性を切り替えるための電磁接触器を開示している。具体的には、コイルに電流を供給する電源供給回路が双方向の電流を選択的に供給することにより、可動コアが形成する電磁力の極性を切り替える構造の電磁接触器を開示している。
【0021】
しかし、上記構造の電磁接触器には、単一のコイルを利用して可動コアを移動させる方法しか提示していないという限界がある。すなわち、前述した先行技術文献は、可動コアの移動による他の構成要素の損傷を防ぐ方法については提示していない。
【0022】
特許文献2(2006年3月22日)は、接触子の保持機構及び自動交換機構を開示している。具体的には、ラッチ機構で保持された接触子を真空吸着力によりフレーム本体内に固定するための吸着固定機構を含む、接触子の保持機構及び自動交換機構を開示している。
【0023】
しかし、このタイプの接触子の保持機構及び自動交換機構には、接触子の位置を保持する方法しか提示していないという限界がある。すなわち、前述した先行技術文献は、接触子の移動による他の構成要素の損傷を防ぐ方法については提示していない。
【0024】
さらに、前述した先行技術文献は、電磁接触器の作動信頼性及び耐用年数を向上させる方法についても提示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2013-0029584号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-0563343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、上記問題を解決する構造のラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器を提供することを目的とする。
【0027】
まず、作動信頼性が向上する構造のラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器を提供することを目的とする。
【0028】
また、耐用年数が向上する構造のラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器を提供することを目的とする。
【0029】
さらに、トリップ状態又は投入状態への切り替えの際に作動する部材の移動が制限されない構造の電磁接触器を提供することを目的とする。
【0030】
さらに、トリップ状態又は投入状態への切り替えが迅速かつ正確に行われる構造のラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器を提供することを目的とする。
【0031】
さらに、製品の小型化が可能な構造のラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するために、本発明は、フレームと、前記フレームに回転可能に結合される可動コアと、外部のトリップ電源に通電可能に接続され、前記フレームに結合され、前記可動コアに吸引力を供給するトリップコイル部と、前記可動コア及び前記トリップコイル部にそれぞれ隣接して位置し、前記フレームに回転可能に結合され、前記可動コアに接離するラッチ部とを含み、前記フレームの内部には、円弧状の断面で貫通し、前記ラッチ部が摺動可能に貫通して結合される挿入ホールが形成されるラッチ組立体を提供する。
【0033】
また、前記ラッチ組立体の前記フレームは、前記可動コアが回転可能に結合される第1フレームと、前記第1フレームと所定の角度をなしてつながり、前記トリップコイル部を下方から支持する第2フレームと、前記第2フレームにつながり、前記第1フレームに近づく方向とは逆方向に延びる第3フレームと、前記第3フレームと所定の角度をなしてつながり、前記ラッチ部が回転可能に結合される第4フレームとを含み、前記第4フレームは、複数備えられ、複数の前記第4フレームは、対向して配置され、前記挿入ホールは、複数の前記第4フレームのいずれかに形成されるようにしてもよい。
【0034】
さらに、前記ラッチ組立体の前記フレームは、前記第1フレーム及び前記第2フレームにそれぞれ部分的に囲まれる空間である第1空間部を含み、前記トリップコイル部は、前記第1空間部に収容されるようにしてもよい。
【0035】
さらに、前記ラッチ組立体の前記可動コアは、前記トリップコイル部を挟んで前記第2フレームに対向するように位置し、前記トリップコイル部に近づく方向及びその逆方向のいずれかの方向に回転可能に前記第1フレームに結合されるようにしてもよい。
【0036】
さらに、前記ラッチ組立体の前記可動コアは、前記トリップコイル部に隣接して位置する第1プレートと、前記第1プレートにつながり、前記ラッチ部に向かって延設され、前記可動コアの回転により前記ラッチ部と接離する第2プレートと、前記第1プレートにつながり、前記第1フレームに向かって延設され、前記第1フレームに回転可能に結合される第3プレートとを含み、前記第1フレームは、その内部に貫通して形成され、前記第3プレートが挿入される挿入孔を含むようにしてもよい。
【0037】
さらに、前記ラッチ組立体の前記可動コアは、前記トリップコイル部に隣接して位置し、前記トリップコイル部に近づく方向及びその逆方向に回転する第1プレートを含み、前記トリップコイル部の内部には、前記第1プレートに近づく方向及びその逆方向に延びる中空部が貫通して形成され、前記中空部には、前記可動コアにより加圧され、形状が変形して復元力を蓄える復帰部材が位置するようにしてもよい。
【0038】
さらに、前記ラッチ組立体の前記復帰部材は、前記中空部の延設方向に延び、その延設方向の端部のうち前記第1プレートに面した端部が前記中空部の外側に露出し、前記端部は、前記第1プレートと前記トリップコイル部間に位置するようにしてもよい。
【0039】
さらに、前記ラッチ組立体の前記第1プレートの内部には、貫通孔が形成され、前記トリップコイル部は、前記貫通孔及び前記中空部を貫通して結合される締結部材を含むようにしてもよい。
【0040】
さらに、前記ラッチ組立体の前記締結部材は、前記中空部の延設方向に延び、その延設方向の端部のうち前記第1プレートに面した端部が前記第1プレートの外側に露出するようにしてもよい。
【0041】
さらに、前記ラッチ組立体の前記締結部材の端部と前記第1プレート間の距離は、前記ラッチ部が回転移動する経路の長さ以上の距離であってもよい。
【0042】
さらに、前記ラッチ組立体の前記ラッチ部は、前記挿入ホールを貫通して結合され、一方向に延び、前記可動コアに接離するラッチピンと、前記ラッチピンに連結され、複数の前記第4フレームに回転可能に結合される軸部材と、前記軸部材が貫通して結合され、前記ラッチ部の回転により形状が変形して復元力を蓄える弾性部材とを含むようにしてもよい。
【0043】
さらに、前記ラッチ組立体の前記弾性部材は、コイルばね(coil spring)であってもよい。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0045】
まず、可動コアの第1プレートには、貫通孔が形成される。可動コアの下側に位置するトリップコイル部の内部には、その高さ方向に延びる中空部が貫通して形成される。貫通孔と中空部には、締結部材が貫通して結合される。ここで、締結部材は、その端部と第1プレート間の距離が可動コアの回転移動する長さ以上の距離となるように、可動コア及びトリップコイル部にそれぞれ結合される。
【0046】
よって、可動コアがトリップコイル部に近づく方向及びその逆方向に移動する際に、可動コアは、締結部材によりガイドされて移動する。すなわち、可動コアが所定の経路に沿って移動し、不要な揺動の発生が防止される。よって、ラッチ組立体及びそれを含む電磁接触器の作動信頼性が向上する。
【0047】
また、ラッチ部は、フレームに回転可能に結合される。フレームを構成する複数の構成要素のうち、ラッチ部が結合される第4フレームの内部には、挿入ホールが形成される。挿入ホールは、ラッチ部が回転する経路に沿って所定の長さだけ延びる円弧状に形成される。
【0048】
よって、ラッチ部の回転は、挿入ホールの延設方向の各端部により制限される。ここで、挿入ホールは、板状に備えられる第4フレームの内部に形成されるので、ビーム(beam)状の部材に比べて剛性が高くなる。その結果、ラッチバーが回転及び衝突を繰り返してもフレームの損傷が防止され、耐用年数が向上する。
【0049】
また、上記構成により、ラッチ部の回転移動距離、言い換えればラッチ部の回転角度は、挿入ホールの形状によってのみ制限されるようになる。すなわち、ラッチ組立体には、ラッチ部の回転角度を制限する他の構成要素が備えられない。
【0050】
よって、トリップ状態又は投入状態に切り替えるためのラッチ部の回転が制限されない。
【0051】
また、トリップコイル部には、復帰部材が備えられる。復帰部材は、トリップ状態で可動コアにより加圧され、形状が変形して復元力を蓄える。また、ラッチ部には、弾性部材が備えられる。弾性部材は、トリップ状態でラッチ部の他の構成要素の回転により加圧され、形状が変形して復元力を蓄える。
【0052】
トリップ状態が解除されて投入状態に切り替えられると、復帰部材及び弾性部材は、元の形状に復元し、蓄えていた復元力をそれぞれ可動コア及びラッチ部に供給する。
【0053】
よって、可動コア及びラッチ部が別途の部材によりそれぞれ復帰するので、トリップ状態又は投入状態への切り替えが迅速かつ正確に行われる。
【0054】
また、ラッチ組立体を構成する構成要素は、フレームに結合される。フレームは、互いにつながる第1~第4フレームを含み、単一の部材で構成される。
【0055】
よって、ラッチ組立体の構成要素を収容するフレームの大きさを小型化することができる。さらに、ラッチ組立体を含む電磁接触器の大きさを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】従来技術による電磁接触器を示す斜視図である。
図2】従来技術による電磁接触器が投入された状態を示す斜視図である。
図3】従来技術による電磁接触器に備えられるラッチ組立体を示す斜視図である。
図4】従来技術による電磁接触器に備えられるラッチ組立体が投入された状態を示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態によるラッチ組立体を含むトリップ状態の電磁接触器を示す斜視図である。
図6図5の電磁接触器が投入された状態を示す斜視図である。
図7図5の電磁接触器に備えられるラッチ組立体がトリップされた状態を示す斜視図である。
図8図7のラッチ組立体が投入された状態を示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態によるラッチ組立体が作動する過程を示する模式図である。
図10】本発明の実施形態によるラッチ組立体が作動する過程を示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるラッチ組立体50及びそれを含む電磁接触器1について詳細に説明する。
【0058】
以下の説明においては、本発明の特徴を明確にするために、一部の構成要素についての説明を省略する。
【0059】
1.用語の定義
以下の説明において用いる「通電」とは、2つ以上の部材間で電流などの電気的信号が伝達される状態を意味する。一実施形態において、前記通電状態は、前記2つ以上の部材が接触して形成されるか、別途の導線部材などにより形成される。
【0060】
以下の説明において用いる「投入状態」とは、電磁接触器1が外部の電源又は負荷に通電する状態を意味する。
【0061】
以下の説明において用いる「トリップ状態」とは、電磁接触器1と外部の電源又は負荷との通電が遮断された状態を意味する。
【0062】
以下の説明において用いる「投入電源」とは、後述するコイル30に電流を供給する電源を意味する。すなわち、投入電源は、電磁接触器1を投入状態に作動するために供給される電源である。投入電源は、導線などの任意の部材によりコイル30に通電可能に接続される。
【0063】
以下の説明において用いる「トリップ電源」とは、後述するトリップコイル部300に電流を供給する電源を意味する。すなわち、トリップ電源は、電磁接触器1をトリップ状態に作動するために供給される電源である。トリップ電源は、導線などの任意の部材によりトリップコイル部300に通電可能に接続される。
【0064】
以下の説明において用いる「回転」とは、所定の軸を中心に円弧を描いて移動する状態を意味する。一実施形態において、回転には、旋回が含まれる。
【0065】
以下の説明において用いる「前側」、「後側」、「左側」、「右側」、「上側」及び「下側」については、図5及び図7に示す座標系を参照されたい。
【0066】
2.本発明の実施形態による電磁接触器1の構成についての説明
図5図8に示すように、本発明の実施形態による電磁接触器1は、ハウジング10と、支持棒20と、コイル30と、可動プレート40と、ラッチ組立体50とを含む。
【0067】
本発明の実施形態による電磁接触器1は、外部の電源又は負荷に通電可能に接続される。また、電磁接触器1は、外部の投入電源(図示せず)及びトリップ電源(図示せず)にもそれぞれ通電可能に接続される。
【0068】
投入電源(図示せず)とトリップ電源(図示せず)が選択的に供給されることにより、電磁接触器1は、外部の電源又は負荷に通電するか、通電が遮断される。
【0069】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による電磁接触器1の各構成について詳細に説明するが、ラッチ組立体50については別項で説明する。
【0070】
ハウジング10は、電磁接触器1の外観を形成する。ハウジング10の内部には、空間が形成され、電磁接触器1が機能を実現するための様々な構成要素が実装される。
【0071】
ハウジング10は、絶縁性素材で形成される。外部の電源又は負荷との不要な通電状態が形成されることを防止するためである。一実施形態において、ハウジング10は、合成樹脂などの素材で形成される。
【0072】
ハウジング10の内部に形成される前記空間は、外部の電源又は負荷に通電可能に接続される。前記接続は、導線部材(図示せず)などにより行われる。
【0073】
図示していないが、ハウジング10には、カバー(図示せず)が結合される。カバー(図示せず)は、ハウジング10の一側、すなわち同図に示す実施形態における前側に形成される開口部を覆うようにハウジング10に結合される。よって、ハウジング10の内部の空間に収容される構成要素が外部に任意に露出することが防止される。
【0074】
ハウジング10は、空間部11を含む。
【0075】
空間部11は、ハウジング10の内部に形成される空間の一部と定義される。空間部11には、電磁接触器1に供給される複数の相(phase)の電流を通電させるための装置が収容される。
【0076】
空間部11は、複数形成される。複数の空間部11は、隣接して位置し、隔壁により区画される。同図に示す実施形態において、空間部11は、3つ備えられ、隣接する空間部11間に位置する隔壁により互いに物理的に離隔される。
【0077】
空間部11の数は、電磁接触器1に通電する相の数に応じて決定される。すなわち、同図に示す実施形態による電磁接触器1には、異なる3つの相の電流が通電することが理解されるであろう。
【0078】
支持棒20は、可動プレート40に結合される。支持棒20は、可動プレート40と共に回転する。よって、可動プレート40は、支持棒20を回転軸として、コイル30に近づく方向、又はコイル30から遠ざかる方向に回転移動する。この移動は、コイル30が形成する磁場により行われる。
【0079】
支持棒20は、ハウジング10の幅方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に延設される。支持棒20の延設方向の各端部、すなわち同図に示す実施形態における左右方向の各端部は、ハウジング10の左右方向の各内壁に回転可能に結合される。
【0080】
よって、コイル30に電流が供給されて電磁力が形成されると、可動プレート40及びそれに連結される支持棒20が共に回転する。
【0081】
コイル30は、可動プレート40に吸引力(attractive force)を供給するための電磁場を形成する。コイル30が形成する電磁場により発生する電磁力により、可動プレート40がコイル30に向かって回転移動する。
【0082】
コイル30は、電流が供給されると電磁場を形成するものであれば、いかなる形態で備えられてもよい。
【0083】
コイル30は、外部の投入電源に通電可能に接続される。コイル30が電磁場を形成するための電流は、前記投入電源から供給される。コイル30と投入電源は、導線部材(図示せず)などにより通電可能に接続される。
【0084】
可動プレート40は、コイル30が形成する電磁場及び電磁力によりコイル30に向かって回転する。可動プレート40が移動することにより、ラッチ組立体50も共に作動し、電磁接触器1が外部の電源又は負荷に通電可能に接続される。
【0085】
また、後述するトリップコイル部300に電流が供給されると、可動プレート40は、コイル30に近づく方向とは逆方向に回転する。よって、ラッチ組立体50も共に作動し、電磁接触器1と外部の電源又は負荷間の通電が遮断される。
【0086】
可動プレート40は、電磁場又は電磁力により吸引力が供給されるものであれば、いかなる素材で形成されてもよい。一実施形態において、可動プレート40は、鉄(Fe)などの磁性体素材で形成される。
【0087】
可動プレート40は、支持棒20に結合される。可動プレート40は、支持棒20と共に回転する。
【0088】
同図に示す実施形態において、可動プレート40は、左右方向及び上下方向に延設され、四角形の板状に備えられる。可動プレート40は、コイル30が形成する電磁場及び電磁力により吸引されて回転するものであれば、いかなる形態で備えられてもよい。
【0089】
可動プレート40がコイル30に近づく方向に回転すると、可動プレート40の位置は、後述するラッチベアリング420により維持される。この過程についての詳細な説明は後述する。
【0090】
3.本発明の実施形態によるラッチ組立体50の構成についての説明
また、図5図8に示すように、本発明の実施形態による電磁接触器1は、ラッチ組立体50を含む。
【0091】
ラッチ組立体50は、コイル30及び可動プレート40と共に、電磁接触器1を投入状態又はトリップ状態に作動する。
【0092】
具体的には、コイル30に電流が供給されると、回転した可動プレート40は、ラッチベアリング420により支持され、回転した位置が維持される。ここで、ラッチベアリング420は、コイル30又は可動プレート40に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における反時計方向に回転する。この過程により、電磁接触器1は、投入状態に作動される。
【0093】
ここで、ラッチベアリング420に連結されるラッチピン410及びトリップレバー440も反時計方向に回転し、弾性部材450を加圧する。
【0094】
コイル30への電流供給が解除され、トリップコイル部300に電流が供給されると、可動コア200は、トリップコイル部300に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における時計方向に回転する。
【0095】
ここで、可動コア200に連結されるトリップレバー440、及びそれに連結されるラッチベアリング420は、反時計方向に回転する。よって、ラッチベアリング420に拘束されていた可動プレート40が解放され、コイル30に近づく方向とは逆方向に回転する。この過程により、電磁接触器1は、トリップ状態に作動される。
【0096】
電磁接触器1が投入状態又はトリップ状態に作動されるには、可動コア200及びラッチ部400がトリップコイル部300に近づく方向及びその逆方向に繰り返し回転しなければならない。
【0097】
本発明の実施形態によるラッチ組立体50は、投入状態及びトリップ状態に繰り返し切り替えられても、各部材の損傷を最小限に抑えることができる。
【0098】
また、本発明の実施形態によるラッチ組立体50は、可動コア200がトリップコイル部300に近づく方向又はその逆方向に移動する際に、可動コア200が正確な位置に移動する。
【0099】
以下、図7及び図8を参照して、本発明の実施形態によるラッチ組立体50について詳細に説明する。
【0100】
同図に示す実施形態において、ラッチ組立体50は、フレーム100と、可動コア200と、トリップコイル部300と、ラッチ部400とを含む。
【0101】
フレーム100は、ラッチ組立体50の骨格を形成する。フレーム100は、ラッチ組立体50の他の構成要素を支持する。また、フレーム100の内部には、空間が形成され、ラッチ組立体50を構成する他の構成要素が収容される。
【0102】
フレーム100は、剛性の高い素材で形成される。一実施形態において、フレーム100は、金属素材で形成される。
【0103】
フレーム100は、一方向に延設される。同図に示す実施形態において、フレーム100は、前後方向の長さが左右方向の長さより長く延設される。
【0104】
フレーム100は、可動コア200及びラッチ部400を回転可能に支持する。また、フレーム100には、トリップコイル部300が結合される。本実施形態において、トリップコイル部300は、フレーム100に固定して結合される。
【0105】
同図に示す実施形態において、フレーム100は、第1フレーム110と、第2フレーム120と、第3フレーム130と、第4フレーム140と、第1空間部150と、第2空間部160とを含む。
【0106】
第1フレーム110は、フレーム100の一側、すなわち同図に示す実施形態における後側を形成する。言い換えれば、第1フレーム110は、フレーム100の各部分のうち最も内側に位置する。
【0107】
同図に示す実施形態において、第1フレーム110は、左右方向及び上下方向に延設され、板状に備えられる。第1フレーム110の一端部、すなわち同図に示す実施形態における下端部は、第2フレーム120につながる。
【0108】
第1フレーム110は、第1空間部150を部分的に囲む。同図に示す実施形態において、第1フレーム110は、第1空間部150の後側を囲む。よって、第1フレーム110は、第1空間部150に収容されるトリップコイル部300を後方から囲む。
【0109】
第1フレーム110は、挿入孔111を含む。
【0110】
挿入孔111には、可動コア200の第3プレート230が貫通して結合される。第3プレート230は、挿入孔111を貫通して結合された状態で、トリップコイル部300に近づく方向及びその逆方向に移動する。
【0111】
すなわち、挿入孔111に挿入される第3プレート230は、可動コア200の回転軸として機能する。
【0112】
挿入孔111は、第1フレーム110の延設方向のいずれか一方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に延設される。言い換えれば、挿入孔111は、左右方向の長さが上下方向の長さより短い貫通孔で形成される。
【0113】
挿入孔111は、第1フレーム110の上端部に隣接して位置する。よって、部分的に挿入孔111を貫通して結合される可動コア200は、トリップコイル部300の上側で回転する。
【0114】
第2フレーム120は、フレーム100の他側、すなわち同図に示す実施形態における下側を形成する。
【0115】
同図に示す実施形態において、第2フレーム120は、前後方向及び左右方向に延設され、板状に備えられる。第2フレーム120の一端部、すなわち同図に示す実施形態における後端部は、第1フレーム110につながる。第2フレーム120の他端部、すなわち同図に示す実施形態における前端部は、第3フレーム130につながる。
【0116】
第2フレーム120は、第1空間部150を部分的に囲む。同図に示す実施形態において、第2フレーム120は、第1空間部150の下側を囲む。よって、第2フレーム120は、第1空間部150に収容されるトリップコイル部300を下方から囲む。
【0117】
第2フレーム120は、トリップコイル部300を下方から支持する。一実施形態において、トリップコイル部300は、第2フレーム120に装着される。
【0118】
第2フレーム120には、厚さ方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に貫通する孔が形成される。前記孔には、トリップコイル部300の締結部材320が貫通して結合される。
【0119】
第3フレーム130は、フレーム100の別の他側、すなわち同図に示す実施形態における前方下側を形成する。
【0120】
同図に示す実施形態において、第3フレーム130は、前後方向及び左右方向に延設され、板状に備えられる。第3フレーム130の一端部、すなわち同図に示す実施形態における後端部は、第2フレーム120につながる。第3フレーム130の両側の他端部、すなわち同図に示す実施形態における左端部及び右端部は、第4フレーム140にそれぞれつながる。
【0121】
第3フレーム130は、第2空間部160を部分的に囲む。同図に示す実施形態において、第3フレーム130は、第2空間部160の下側を囲む。よって、第3フレーム130は、第2空間部160に収容されるラッチ部400を下方から囲む。
【0122】
第4フレーム140は、フレーム100の別の両側の他側、すなわち同図に示す実施形態における前方左側及び前方右側を形成する。
【0123】
同図に示す実施形態において、第4フレーム140は、前後方向及び上下方向に延設され、板状に備えられる。第4フレーム140の一端部、すなわち同図に示す実施形態における下端部は第3フレーム130につながる。
【0124】
第4フレーム140は、複数備えられる。複数の第4フレーム140は、互いに離隔して位置する。同図に示す実施形態において、第4フレーム140は、2つ備えられ、互いに離隔して位置する。2つの第4フレーム140は、第3フレーム130の左端部及び右端部にそれぞれつながる。
【0125】
第4フレーム140は、第2空間部160を部分的に囲む。同図に示す実施形態において、第4フレーム140は、第2空間部160の左側及び右側を囲む。よって、第4フレーム140は、第2空間部160に収容されるラッチ部400を下方から囲む。
【0126】
複数の第4フレーム140のいずれかの第4フレーム140には、ラッチ部400が回転可能に結合される。同図に示す実施形態において、右側に位置する第4フレーム140にラッチ部400が回転可能に結合される。
【0127】
前記いずれかの第4フレーム140には、挿入ホール141及び支持孔(符号なし)がその厚さ方向、すなわち同図に示す実施形態における左右方向に貫通して形成される。ラッチ部400は、挿入ホール141及び支持孔に回転又は摺動可能に結合される。
【0128】
具体的には、挿入ホール141にはラッチ部400のラッチピン410が摺動可能に結合される。すなわち、ラッチピン410は、挿入ホール141を貫通して結合された状態で、可動コア200に近づく方向及びその逆方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に摺動する。
【0129】
後述するように、ラッチ部400は、軸部材460を中心に回転する。よって、挿入ホール141は、上下方向に延設されるが、軸部材460に近づく方向とは逆方向、言い換えればトリップコイル部300に近づく方向に膨らむように丸く形成される。
【0130】
よって、挿入ホール141は、ラッチピン410の移動距離を制限すると共に、ラッチピン410の移動をガイドする。よって、ラッチ部400の回転が安定して行われる。
【0131】
支持孔は、挿入ホール141を挟んでトリップコイル部300に対向するように位置する。すなわち、支持孔は、挿入ホール141よりトリップコイル部300からさらに離隔して位置する。同図に示す実施形態において、支持孔は、挿入ホール141の前側に位置する。
【0132】
支持孔は、前記いずれかの第4フレーム140を厚さ方向に貫通して形成される。支持孔には、ラッチ部400の軸部材460が貫通して結合される。軸部材460は、支持孔に挿入された状態で、時計方向又は反時計方向に回転する。
【0133】
第1フレーム110、第2フレーム120及び第3フレーム130、第4フレーム140は、互いに所定の角度をなしてつながる。一実施形態において、第1フレーム110、第2フレーム120及び第3フレーム130、第4フレーム140は、互いにつながる他のフレームに対して垂直に延びる。
【0134】
第1空間部150は、トリップコイル部300を収容する空間である。第1空間部150は、第1フレーム110、第2フレーム120及び可動コア200にそれぞれ部分的に囲まれる空間と定義される。
【0135】
具体的には、第1空間部150の一側、すなわち同図に示す実施形態における後側は、第1フレーム110に囲まれる。第1空間部150の他側、すなわち同図に示す実施形態における下側は、第2フレーム120に囲まれる。第1空間部150の別の他側、すなわち同図に示す実施形態における上側は、可動コア200に囲まれる。
【0136】
すなわち、第1空間部150のさらに別の他側、すなわち同図に示す実施形態における左側、右側及び前側は、開放される。
【0137】
第1空間部150の大きさは、トリップコイル部300の大きさに応じて決定される。
【0138】
第2空間部160は、ラッチ部400を収容する空間である。ラッチ部400は、第2空間部160に収容された状態で、時計方向又は反時計方向に回転する。第2空間部160は、第3フレーム130及び第4フレーム140にそれぞれ部分的に囲まれる空間と定義される。
【0139】
具体的には、第2空間部160の一側、すなわち同図に示す実施形態における下側は、第3フレーム130に囲まれる。第2空間部160の両側の他側、すなわち同図に示す実施形態における左側及び右側は、第4フレーム140に囲まれる。
【0140】
すなわち、第2空間部160の別の他側、すなわち同図に示す実施形態における前側、後側及び上側は、開放される。
【0141】
第2空間部160の大きさは、ラッチ部400の大きさに応じて変更される。
【0142】
可動コア200は、トリップコイル部300が形成する電磁場及び電磁力により、トリップコイル部300に近づく方向又はその逆方向に回転移動する。
【0143】
可動コア200の移動により、電磁接触器1が投入状態又はトリップ状態に作動される。可動コア200の作動は、前述した可動プレート40の作動と共に行われることが理解されるであろう。
【0144】
可動コア200は、フレーム100に回転可能に結合される。可動コア200は、フレーム100に結合された状態で、時計方向又は反時計方向に回転する。
【0145】
可動コア200は、一方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向に延びる。前記方向は、フレーム100の延設方向と同じであることが理解されるであろう。
【0146】
可動コア200は、トリップコイル部300を挟んで第2フレーム120に対向して配置される。前述したように、同図に示す実施形態における第2フレーム120は、トリップコイル部300の下側に位置するので、可動コア200は、トリップコイル部300の上側に位置する。
【0147】
可動コア200は、第1空間部150の別の他側、すなわち同図に示す実施形態における上側を覆うように位置する。
【0148】
可動コア200は、磁性体素材で形成される。トリップコイル部300に電流が供給されると形成される電磁場による電磁力が印加されるからである。一実施形態において、可動コア200は、鉄又は銅(Cu)素材で形成される。
【0149】
可動コア200は、トリップコイル部300に結合される。具体的には、可動コア200は、トリップコイル部300の締結部材320により移動可能に結合される。すなわち、可動コア200の上下方向の移動は、締結部材320によりガイドされる。
【0150】
よって、可動コア200がトリップコイル部300に近づく方向又はその逆方向に移動する際に、可動コア200は、所定の経路に沿って移動する。よって、可動コア200の作動信頼性が向上する。
【0151】
同図に示す実施形態において、可動コア200は、第1プレート210と、第2プレート220と、第3プレート230とを含む。
【0152】
第1プレート210は、トリップコイル部300の上側に位置する。第1プレート210は、第1空間部150を覆うように位置する。
【0153】
第1プレート210は、一方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向及び左右方向に延設される。第1プレート210の延設方向は、第2フレーム120の延設方向と同じであることが理解されるであろう。
【0154】
第1プレート210の内部には、貫通孔211が形成される。
【0155】
貫通孔211は、トリップコイル部300の締結部材320が貫挿される空間である。貫通孔211は、第1プレート210を厚さ方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に貫通して形成される。
【0156】
貫通孔211は、その中心がトリップコイル部300の中空部310の中心と同軸になるように形成される。すなわち、可動コア200がトリップコイル部300に吸引された状態で、貫通孔211と中空部310の各中心は、同じ直線上に位置する。
【0157】
貫通孔211は、その断面積が締結部材320のボルト部321の断面積より大きく形成される。前述したように、可動コア200は、挿入孔111を中心に回転するので、中空部310と貫通孔211の角度が変化することによる公差を確保するためである。
【0158】
同図に示す実施形態において、貫通孔211は、円形の断面を有するように形成される。貫通孔211の形状は、締結部材320が貫通して結合されるものであれば、いかなる形状に形成されてもよい。
【0159】
第1プレート210の一端部、すなわち同図に示す実施形態における前端部は、第2プレート220につながる。第1プレート210の他端部、すなわち同図に示す実施形態における後端部は、第3プレート230につながる。
【0160】
第2プレート220は、可動コア200がトリップコイル部300に向かって回転することにより、ラッチ部400のラッチピン410を加圧する。第2プレート220がラッチピン410を加圧すると、ラッチピン410が第3フレーム130に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における時計方向に回転して下方に移動する。
【0161】
よって、可動プレート40がラッチベアリング420から解放され、電磁接触器1がトリップ状態に作動される。
【0162】
また、可動コア200がトリップコイル部300に近づく方向とは逆方向に回転すると、第2プレート220は、ラッチピン410から離隔する。さらに、ラッチピン410及びそれに連結されるラッチベアリング420は、弾性部材450の復元力により回転し、コイル30により吸引された可動プレート40がラッチベアリング420に拘束される。よって、電磁接触器1が投入状態に作動される。
【0163】
第2プレート220は、可動コア200の回転により、ラッチピン410を加圧するか、ラッチピン410から離隔されるものであれば、いかなる形態で備えられてもよい。
【0164】
同図に示す実施形態において、第2プレート220は、第1プレート210につながる第1部分と、第1部分と所定の角度をなしてラッチピン410に近づく方向に延びる第2部分と、第2部分と所定の角度をなしてつながり、トリップコイル部300に近づく方向とは逆方向に延びる第3部分とを含む。
【0165】
前記第3部分により、ラッチピン410が加圧されるか、加圧が解除されることが理解されるであろう。
【0166】
一実施形態において、第1部分、第2部分、第3部分間の前記所定の角度は、直角である。
【0167】
第3プレート230は、第1フレーム110に回転可能に結合される。具体的には、第1フレーム110に面した第3プレート230の一端部、すなわち同図に示す実施形態における後端部は、第1フレーム110を貫通して形成される挿入孔111に貫挿される。
【0168】
第3プレート230は、第1プレート210につながる。同図に示す実施形態において、第3プレート230は、第1フレーム110に面した第1プレート210の他側、すなわち同図に示す実施形態における後側につながる。
【0169】
一実施形態において、第3プレート230と第1プレート210は、水平につながる。
【0170】
同図に示す実施形態において、第3プレート230は、左右方向の長さが前後方向の長さより長く形成される。第3プレート230の形状は、挿入孔111の形状に応じて変更される。
【0171】
第3プレート230は、挿入孔111に貫挿された状態で、トリップコイル部300に近づく方向及びその逆方向、すなわち同図に示す実施形態における時計方向又は反時計方向に回転する。
【0172】
よって、第3プレート230につながる第1プレート210及び第2プレート220も、トリップコイル部300に近づく方向及びその逆方向に回転する。
【0173】
この移動により、電磁接触器1は、投入状態又はトリップ状態に作動される。
【0174】
トリップコイル部300は、外部のトリップ電源から電流が供給される。トリップコイル部300は、供給された電流により電磁場を形成する。形成される電磁場は、可動コア200をトリップコイル部300に向かって吸引する電磁力を発生させる。
【0175】
トリップコイル部300は、外部のトリップ電源に通電可能に接続される。この接続は、導線部材(図示せず)などにより行われる。
【0176】
トリップコイル部300は、フレーム100の内部に収容される。具体的には、トリップコイル部300は、フレーム100の内部に形成される第1空間部150に収容される。
【0177】
トリップコイル部300は、フレーム100に結合される。具体的には、トリップコイル部300は、締結部材320により第2フレーム120に結合される。一実施形態において、トリップコイル部300は、第2フレーム120に固定して結合される。
【0178】
トリップコイル部300は、内部に複数のコイル(coil)を含む。すなわち、トリップコイル部300は、複数のコイルと、前記複数のコイルが巻回されるボビン(bobbin)とを含む。
【0179】
同図に示す実施形態において、トリップコイル部300は、円形の断面を有し、上下方向に延設され、内部に中空部310が形成される円筒状である。トリップコイル部300は、外部のトリップ電源に通電可能に接続され、供給された電流を用いて電磁場を形成するものであれば、いかなる形状であってもよい。
【0180】
同図に示す実施形態において、トリップコイル部300は、中空部310と、締結部材320と、復帰部材330とを含む。
【0181】
中空部310は、トリップコイル部300を高さ方向に貫通して形成される。同図に示す実施形態において、中空部310は、円筒状のトリップコイル部300を上下方向に貫通して形成される。
【0182】
中空部310には、締結部材320のボルト部321が貫通して結合される。中空部310に挿入して結合されるボルト部321の一端部は、第1プレート210の上側に位置し、ボルト部321の他端部は、第2フレーム120の下側に位置する。
【0183】
中空部310の内部断面は、その高さに応じて異なる断面となるように形成される。すなわち、中空部310の断面は、可動コア200に面した側、すなわち同図に示す実施形態における上側の広さが、第2フレーム120に面した側、すなわち同図に示す実施形態における下側の広さより広く形成される。
【0184】
中空部310の断面の前記上側には、復帰部材330が収容される。よって、電磁接触器1がトリップ状態に作動される際に、復帰部材330は、可動コア200により加圧される。
【0185】
よって、電磁接触器1が再度投入状態に切り替えられる際に、復帰部材330が供給する復元力により、可動コア200がより効果的にトリップコイル部300から遠ざかる方向に移動する。
【0186】
中空部310は、その中心が第1プレート210を貫通して形成される貫通孔211の中心と同軸になるように形成される。よって、締結部材320が貫通孔211及び中空部310をそれぞれ貫通して結合されると、可動コア200は、所定の経路に沿って回転移動する。
【0187】
よって、電磁接触器1の作動信頼性が向上する。
【0188】
一実施形態において、中空部310を囲むトリップコイル部300の内周面には、ネジ溝が形成される。中空部310を貫通して結合されるボルト部321は、前記ネジ溝に螺合される。
【0189】
同図に示す実施形態において、中空部310の断面は、円形に形成される。中空部310の断面は、締結部材320が貫通して結合されるものであれば、いなかる形状であってもよい。
【0190】
締結部材320は、可動コア200とトリップコイル部300を結合する。よって、可動コア200は、トリップコイル部300との最短距離を調整できるようにトリップコイル部300に結合される。
【0191】
また、締結部材320は、トリップコイル部300とフレーム100を結合する。よって、トリップコイル部300がフレーム100に安定して結合されるので、トリップコイル部300の不要な揺動が防止される。
【0192】
同図に示す実施形態において、締結部材320は、ボルト部321と、ナット部322とを含む。
【0193】
ボルト部321は、フレーム100、可動コア200及びトリップコイル部300を貫通して結合され、フレーム100、可動コア200及びトリップコイル部300を結合する。
【0194】
具体的には、ボルト部321は、上側から下側に向かう方向に、可動コア200、トリップコイル部300及びフレーム100を順次貫通して結合される。ここで、ボルト部321は、貫通孔211、中空部310及び第2フレーム120の前記孔を順次貫通して結合されることが理解されるであろう。
【0195】
ボルト部321は、一方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に延設される。前記延設方向は、中空部310の延設方向と同じであることが理解されるであろう。
【0196】
同図に示す実施形態において、ボルト部321は、円形の断面を有し、上下方向に延設される円柱状である。ボルト部321の外周面には、ネジ山が形成される。ボルト部321の前記外周面には、後述するナット部322がボルト結合される。
【0197】
ボルト部321の形状は、貫通孔211、中空部310及び第2フレーム120の前記孔を順次貫通して結合されるものであれば、いかなる形状であってもよい。
【0198】
ボルト部321の延設方向の各端部のうち可動コア200に隣接する一端部、すなわち同図に示す実施形態における上端部は、第1プレート210の上側に露出する。
【0199】
同図に示す実施形態において、ボルト部321の前記上端部には、ナット部322が組み付けられる。この実施形態において、ナット部322がボルト部321に組み付けられる位置に応じて、可動コア200が回転する距離が決定される。
【0200】
よって、ボルト部321の前記上端部に組み付けられるナット部322と第1プレート210間の最短距離は、ラッチ部400を投入状態又はトリップ状態に切り替えるためにラッチピン410が移動する長さ以上の距離となる。
【0201】
言い換えれば、ナット部322と第1プレート210間の最短距離は、第4フレーム140に形成される挿入ホール141の弦(chord)の長さ以上の距離となるように形成される。
【0202】
したがって、可動コア200の移動がラッチ部400の作動に連動するので、投入状態及びトリップ状態への切り替えが効果的かつ安定して行われる。
【0203】
あるいは、ボルト部321は、ネジ頭(screw head)を有する形態で備えられてもよい。この実施形態においても、ネジ頭と第1プレート210間の最短距離は、前述した条件に応じて形成されることが好ましい。
【0204】
ボルト部321の延設方向の各端部のうち第2フレーム120に隣接する他端部、すなわち同図に示す実施形態における下端部は、第2フレーム120の下側に露出する。
【0205】
同図に示す実施形態において、ボルト部321の前記下端部には、ナット部322が組み付けられる。
【0206】
ナット部322は、ボルト部321に結合され、可動コア200とトリップコイル部300を結合する。また、ナット部322は、ボルト部321に結合され、トリップコイル部300と第2フレーム120を結合する。
【0207】
一実施形態において、ナット部322は、ボルト部321に螺合される。ナット部322の内部には、中空が形成され、ボルト部321が貫通して結合される。ナット部322の前記中空を囲む内周面には、ボルト部321の外周面に形成されるネジ山に螺合するネジ溝が形成される。
【0208】
ナット部322は、複数備えられる。複数のナット部322は、ボルト部321の延設方向の異なる位置でボルト部321に結合される。
【0209】
同図に示す実施形態において、ナット部322は、2つ備えられ、ボルト部321の上端部及び下端部にそれぞれ結合される。
【0210】
ここで、ボルト部321の上端部に結合されるナット部322は、第1プレート210から所定距離だけ離隔して位置する。ナット部322と第1プレート210間の最短距離が決定される基準については前述した通りである。
【0211】
よって、締結部材320は、トリップコイル部300に対して回転可能に可動コア200を結合する。
【0212】
また、ボルト部321の下端部に結合されるナット部322は、第2フレーム120の下面に接触する。
【0213】
よって、締結部材320は、トリップコイル部300をフレーム100に固定して結合する。
【0214】
また、可動コア200は、締結部材320が貫通して結合された状態で、トリップコイル部300に近づく方向又はその逆方向に移動する。よって、可動コア200が所定の経路に沿って回転移動するので、電磁接触器1の作動信頼性が向上する。
【0215】
復帰部材330は、可動コア200がトリップコイル部300に近づく方向とは逆方向に移動するための復元力を供給する。
【0216】
具体的には、電流が供給されてトリップコイル部300が電磁場を形成すると、可動コア200は、発生する電磁力によりトリップコイル部300に向かって移動する。
【0217】
ここで、可動コア200が移動することにより、復帰部材330は、加圧され、形状が変形して復元力を蓄える。
【0218】
トリップコイル部300への電流供給が解除されると、復帰部材330は、元の形状に復元し、可動コア200を加圧する。よって、可動コア200は他の可動手段がなくても元の位置に復帰し、電磁接触器1が投入状態に切り替えられる。
【0219】
復帰部材330は、形状の変形により復元力を蓄え、元の形状への復帰により蓄えていた復元力を他の部材に伝達するものであれば、いかなる形態で備えられてもよい。同図に示す実施形態において、復帰部材330は、内部に中空が形成されるコイルばね(coil spring)の形態で備えられる。
【0220】
復帰部材330は、トリップコイル部300の内部に収容される。具体的には、復帰部材330は、トリップコイル部300の内部に形成される中空部310に挿入して結合される。
【0221】
復帰部材330は、中空部310の延設方向と同じ方向、すなわち同図に示す実施形態における上下方向に延設される。
【0222】
復帰部材330は、その延設方向の端部のうち可動コア200に面した一端部、すなわち同図に示す実施形態における上端部がトリップコイル部300の上側に露出する。言い換えれば、復帰部材330の前記上端部は、可動コア200の第1プレート210とトリップコイル部300の上面間に位置する。
【0223】
復帰部材330の断面積は、中空部310の各部分のうち可動コア200に面した一部分、すなわち同図に示す実施形態における上部の断面積以下の面積となるように形成される。また、復帰部材330の断面積は、中空部310の各部分のうち第2フレーム120に面した他の部分、すなわち同図に示す実施形態における下部の断面積より大きな面積となるように形成される。
【0224】
さらに、復帰部材330の断面積は、第1プレート210に形成される貫通孔211の断面積より大きな面積となるように形成される。よって、復帰部材330は、トリップコイル部300に向かって回転移動する第1プレート210により加圧される。
【0225】
よって、復帰部材330は、中空部310の前記一部分に収容され、中空部310の前記他の部分を囲む内周面により支持される。
【0226】
可動コア200の移動により復帰部材330が圧縮され、圧縮された復帰部材330により可動コア200が初期状態に復帰する過程についての詳細な説明は後述する。
【0227】
ラッチ部400は、電磁接触器1が投入状態に作動される際に、移動する可動プレート40を拘束し、可動プレート40の位置を維持する。また、ラッチ部400は、電磁接触器1がトリップ状態に作動される際に、可動コア200の移動に連動して移動し、可動プレート40を解放する。
【0228】
ラッチ部400は、フレーム100に回転可能に結合される。ラッチ部400は、時計方向又は反時計方向に回転する。この回転は、可動コア200及び弾性部材450により行われる。
【0229】
ラッチ部400は、可動コア200及びトリップコイル部300に隣接して位置する。同図に示す実施形態において、ラッチ部400は、可動コア200及びトリップコイル部300の前側に位置する。
【0230】
ラッチ部400は、可動コア200に接離する。具体的には、トリップコイル部300に電流が供給されて可動コア200がトリップコイル部300に向かって移動すると、ラッチ部400は、可動コア200に接触する。
【0231】
トリップコイル部300への電流供給が解除されて可動コア200がトリップコイル部300に近づく方向とは逆方向に移動すると、ラッチ部400は、可動コア200から離隔される。
【0232】
ラッチ部400は、時計方向又は反時計方向に回転する。ここで、ラッチ部400の回転方向は、可動コア200の回転に連動する。すなわち、ラッチ部400は、可動コア200と同じ方向に共に回転する。
【0233】
同図に示す実施形態において、ラッチ部400は、ラッチピン410と、ラッチベアリング420と、連結部材430と、トリップレバー440と、弾性部材450と、軸部材460と、フック470とを含む。
【0234】
ラッチピン410は、可動コア200により加圧されて回転する。また、ラッチピン410は、弾性部材450が供給する復元力により回転する。ラッチピン410が回転することにより、それに連結されるラッチベアリング420も共に回転し、電磁接触器1の投入状態又はトリップ状態が維持される。
【0235】
ラッチピン410は、回転可能にフレーム100に結合される。具体的には、ラッチピン410は、第4フレーム140に形成される挿入ホール141を貫通して結合される。ラッチピン410は、可動コア200及び弾性部材450により、挿入ホール141に沿って時計方向又は反時計方向に移動する。
【0236】
ラッチピン410は、一方向に延びる。同図に示す実施形態において、ラッチピン410は、左右方向に延設される。
【0237】
ラッチピン410の延設方向の各端部のうち挿入ホール141を貫通して結合される一側、すなわち同図に示す実施形態における右端部は、第4フレーム140の外側に露出する。
【0238】
よって、ラッチピン410は、挿入ホール141から任意に離脱することが防止され、挿入ホール141に沿って摺動しながら回転する。
【0239】
ラッチピン410は、可動コア200の第2プレート220に接離する。
【0240】
具体的には、電磁接触器1が投入状態に作動される際に、可動コア200は、復帰部材330の付勢力により上側に位置する。ここで、ラッチピン410が弾性部材450の付勢力により上側に位置する状態が維持される。この状態で、ラッチピン410は、可動コア200から離隔されている。
【0241】
また、電磁接触器1がトリップ状態に作動される際に、可動コア200は、トリップコイル部300が形成する電磁力により下方に移動する。ここで、可動コア200の第2プレート220は、ラッチピン410を下方に加圧しながら移動する。この状態で、ラッチピン410は、可動コア200に接触している。
【0242】
ラッチピン410は、ラッチベアリング420に連結される。具体的には、ラッチピン410は、その延設方向の他端部、すなわち同図に示す実施形態における左端部がラッチベアリング420に連結される。ラッチピン410は、ラッチベアリング420と共に回転移動する。
【0243】
ラッチベアリング420は、ラッチピン410と共に回転し、可動プレート40に結合されるか、又は可動プレート40から分離される。ラッチベアリング420が可動プレート40に結合されると、可動プレート40が移動した位置が維持される。よって、電磁接触器1が投入状態に作動される。
【0244】
可動コア200がトリップコイル部300に近づく方向に移動すると、ラッチベアリング420は、可動プレート40を解放する。よって、可動プレート40は、投入状態以前の位置に復帰し、電磁接触器1がトリップ状態に作動される。
【0245】
また、ラッチベアリング420は、ラッチピン410と連結部材430をリンク結合(link fit)する。ラッチピン410が下方に回転移動すると、ラッチベアリング420は、連結部材430にその移動を伝達する。よって、ラッチピン410の移動は、連結部材430及びそれに連結されるトリップレバー440に伝達される。
【0246】
ラッチベアリング420は、連結部材430に回転可能に結合される。同図に示す実施形態において、ラッチベアリング420は、連結部材430の後端部に回転可能に結合され、連結部材430と共に回転移動する。
【0247】
よって、ラッチピン410及びラッチベアリング420が時計方向又は反時計方向に回転移動する際に、連結部材430は、それ自体により自転するのではなく、他と共に回転移動する。
【0248】
連結部材430は、ラッチピン410の移動をトリップレバー440に伝達する。よって、トリップレバー440の回転は、ラッチピン410の回転移動に連動する。
【0249】
連結部材430は一方向、すなわち同図に示す実施形態における前後方向に延びる。同図に示す実施形態において、連結部材430は、前後方向及び上下方向に延設され、板状に備えられる。
【0250】
連結部材430の一側、すなわち同図に示す実施形態における後端部は、ラッチベアリング420に回転可能に結合される。連結部材430の他側、すなわち同図に示す実施形態における前端部は、トリップレバー440に結合される。
【0251】
連結部材430は、ラッチベアリング420及びトリップレバー440と共に時計方向又は反時計方向に回転する。
【0252】
トリップレバー440は、作業者が手動でラッチ部400を操作するために提供される。トリップレバー440は、ラッチピン410、ラッチベアリング420及び連結部材430と共に時計方向又は反時計方向に回転する。
【0253】
同図に示す実施形態において、トリップレバー440は、左右方向及び上下方向に延設され、板状に形成される。トリップレバー440は、その断面積を最大化する形状に形成される。作業者が指などでラッチ部400を容易に操作できるようにするためである。
【0254】
トリップレバー440は、連結部材430に結合される。トリップレバー440は、連結部材430と共に時計方向又は反時計方向に回転する。
【0255】
トリップレバー440は、軸部材460に結合される。トリップレバー440は、軸部材460と共に回転する。ここで、トリップレバー440が回転することにより、軸部材460が貫通して結合される弾性部材450が圧縮又は引張される。
【0256】
弾性部材450は、可動コア200の回転により回転したラッチ部400が元の位置に復帰するための復元力を供給する。
【0257】
具体的には、図7に示す実施形態において、弾性部材450は、ラッチピン410、ラッチベアリング420、連結部材430及びトリップレバー440の移動により加圧される。よって、弾性部材450は、形状が変形して復元力を蓄える。
【0258】
また、図8に示す実施形態において、ラッチピン410、ラッチベアリング420、連結部材430及びトリップレバー440は、初期状態、すなわち投入状態に位置する。この状態で、弾性部材450は、形状が変形していない。
【0259】
すなわち、同図に示す実施形態において、弾性部材450は、ラッチ部400が時計方向に回転する際に、形状が変形して復元力を蓄え、ラッチ部400が反時計方向に回転する際に、蓄えていた復元力を他の部材に伝達し、元の形状に復元する。
【0260】
弾性部材450は、回転による形状の変形により復元力を蓄え、蓄えていた復元力を他の部材に伝達するものであれば、いかなる形態で備えられてもよい。同図に示す実施形態において、弾性部材450は、トーションスプリング(torsion spring)の形態で備えられる。
【0261】
ラッチ部400の回転により弾性部材450が加圧され、弾性部材450が蓄えていた復元力によりラッチ部400が回転する過程についての詳細な説明は後述する。
【0262】
軸部材460は、ラッチ部400の回転軸として機能する。すなわち、ラッチピン410、ラッチベアリング420、連結部材430及びトリップレバー440は、軸部材460を中心軸として回転移動する。
【0263】
軸部材460は、フレーム100に回転可能に結合される。具体的には、軸部材460は、第4フレーム140に形成される挿入ホール141に貫挿される。軸部材460は、挿入ホール141を貫通して結合された状態で、時計方向又は反時計方向に回転する。
【0264】
軸部材460は、連結部材430及びトリップレバー440に結合される。軸部材460は、連結部材430及びトリップレバー440と共に回転する。
【0265】
軸部材460には、弾性部材450が結合される。具体的には、軸部材460は、弾性部材450の内部に形成される中空部を貫通して結合される。
【0266】
同図に示す実施形態において、軸部材460は、円形の断面を有し、左右方向に延設される。軸部材460の形状は、弾性部材450の内部に形成される中空部の形状に応じて変更される。
【0267】
フック470は、ラッチ部400をフレーム100に結合する。フック470により、ラッチ部400とフレーム100が任意に分離されることが防止される。
【0268】
フック470は、フレーム100に脱着可能に結合される。具体的には、フック470は、第4フレーム140に形成される孔を貫通して結合される。
【0269】
同図に示す実施形態において、フック470は、左右方向に延設される。フック470の延設方向の端部のうち前記孔を貫通して結合される一側、すなわち同図に示す実施形態における右端部は、第4フレーム140の外側に露出する。
【0270】
フック470は、前記孔を貫通して結合された状態で回転する。また、フック470の前記端部には、折曲部が形成される。よって、ラッチ部400がフレーム100に結合されてフック470が回転するように操作されると、前記折曲部によりフック470が孔から任意に引き出されることが防止される。
【0271】
よって、ラッチ部400とフレーム100の結合状態が安定して維持される。
【0272】
4.本発明の実施形態によるラッチ組立体50の作動過程についての説明
本発明の実施形態によるラッチ組立体50は、可動コア200が所定の経路に沿って移動する。また、本発明の実施形態によるラッチ組立体50は、電磁接触器1が投入状態又はトリップ状態に作動される際に、他の部材の損傷を防止する。
【0273】
よって、ラッチ組立体50及びそれを含む電磁接触器1の作動信頼性が向上し、その耐用年数も増加する。
【0274】
以下、図9及び図10を参照して、本発明の実施形態によるラッチ組立体50を含む電磁接触器1においてトリップ状態及び投入状態が形成される過程について詳細に説明する。
【0275】
同図に示す実施形態において、理解を助けるために、ラッチ組立体50を除く他の構成要素を省略する。
【0276】
図9には、電磁接触器1がトリップ状態に動作する際のラッチ部400を示す。
【0277】
この状態で、トリップコイル部300にトリップ電源から電流が供給される。よって、トリップコイル部300は、電磁場を形成する。トリップコイル部300が形成する電磁場は、可動コア200を引っ張る力となる吸引力を生成する。
【0278】
よって、可動コア200は、トリップコイル部300に向かって移動する。ここで、可動コア200は、第3プレート230により第1フレーム110に回転可能に結合される。
【0279】
よって、可動コア200は、第3プレート230を回転軸としてトリップコイル部300に近づく方向、すなわち同図に示す実施形態における反時計方向に回転する。
【0280】
この過程で、第1プレート210は、その下側に位置する復帰部材330を加圧しながら回転する。
【0281】
また、第1プレート210の貫通孔211には、締結部材320が貫挿される。よって、第1プレート210は、貫通孔211に締結部材320が挿入された状態を維持して回転する。
【0282】
よって、可動コア200は、左右方向又は前後方向に搖動せず、トリップコイル部300に向かう所定の経路に沿って回転移動する。
【0283】
第1プレート210と共に、第2プレート220も、反時計方向に回転移動する。ここで、第2プレート220は、所定距離だけ回転移動し、その後ラッチピン410を加圧しながら回転移動する。
【0284】
よって、ラッチピン410は、軸部材460を中心に時計方向に回転する。
【0285】
ここで、ラッチピン410は、その端部が挿入ホール141に挿入された状態で回転移動する。よって、ラッチピン410は、挿入ホール141を囲む第4フレーム140の内面によりガイドされて移動する。
【0286】
ラッチピン410が回転することにより、ラッチピン410に連結されるラッチベアリング420、連結部材430、トリップレバー440及び軸部材460も、時計方向に回転する。ここで、弾性部材450は、これらの部材の加圧により、形状が変形して復元力を蓄える。
【0287】
ラッチピン410が回転移動する最大距離は、挿入ホール141の下端部の位置に応じて決定される。すなわち、ラッチピン410は、挿入ホール141の前記下端部に接触するまで時計方向に移動する。
【0288】
このようにして、ラッチ組立体50の作動が完了し、電磁接触器1がトリップ状態に作動される。
【0289】
図10には、電磁接触器1が投入状態に動作する際のラッチ部400を示す。
【0290】
この状態で、コイル30に投入電源から電流が供給される。よって、コイル30は、電磁場を形成する。コイル30が形成する電磁場は、可動プレート40を引っ張る力となる吸引力を生成する。よって、可動プレート40は、コイル30に向かって移動する。
【0291】
また、トリップコイル部300には、電流の供給が遮断される。よって、トリップコイル部300は、可動コア200に吸引力を供給しない。
【0292】
前述したように、トリップ状態において、復帰部材330は、第1プレート210により加圧され、形状が変形して復元力を蓄える。また、弾性部材450は、ラッチ部400の回転により、形状が変形して復元力を蓄える。
【0293】
よって、復帰部材330は、元の形状に変形し、蓄えていた復元力を第1プレート210に伝達する。よって、可動コア200は、第3プレート230を軸として時計方向に回転する。
【0294】
また、弾性部材450も、元の形状に変形し、蓄えていた復元力をラッチ部400に伝達する。よって、ラッチ部400は、軸部材460を軸として反時計方向に回転する。
【0295】
ここで、第1プレート210の貫通孔211には、締結部材320が貫挿される。よって、第1プレート210は、貫通孔211に締結部材320が挿入された状態を維持して回転する。
【0296】
よって、可動コア200は、左右方向又は前後方向に搖動せず、トリップコイル部300に近づく方向とは逆方向の所定の経路に沿って回転移動する。
【0297】
また、ラッチピン410は、その端部が挿入ホール141に挿入された状態で回転移動する。よって、ラッチピン410は、挿入ホール141を囲む第4フレーム140の内面によりガイドされて移動する。
【0298】
ラッチピン410が回転移動する最大距離は、挿入ホール141の上端部の位置に応じて決定される。すなわち、ラッチピン410は、挿入ホール141の前記上端部に接触するまで時計方向に移動する。
【0299】
このようにして、ラッチ組立体50の作動が完了し、電磁接触器1が投入状態に作動される。
【0300】
よって、本発明の実施形態によるラッチ組立体50及びそれを含む電磁接触器1は、可動コア200が所定の経路に沿って移動する。よって、ラッチ組立体50及びそれを含む電磁接触器1の作動信頼性が向上する。
【0301】
さらに、ラッチピン410は、第4フレーム140の内部に形成される挿入ホール141に沿って摺動しながら回転移動する。よって、ラッチピン410と第4フレーム140の不要な衝撃が防止され、ラッチ組立体50及びそれを含む電磁接触器1の耐用年数が向上する。
【0302】
以上、本発明の好ましい実施形態を挙げて説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲で本発明の様々な変更及び変形が可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0303】
1 電磁接触器
10 ハウジング
11 空間部
20 支持棒
30 コイル
40 可動プレート
50 ラッチ組立体(Latch assembly)
100 フレーム
110 第1フレーム
111 挿入孔
120 第2フレーム
130 第3フレーム
140 第4フレーム
141 挿入ホール
150 第1空間部
160 第2空間部
200 可動コア
210 第1プレート
211 貫通孔
220 第2プレート
230 第3プレート
300 トリップコイル部
310 中空部
320 締結部材
321 ボルト部
322 ナット部
330 復帰部材
400 ラッチ部
410 ラッチピン
420 ラッチベアリング
430 連結部材
440 トリップレバー
450 弾性部材
460 軸部材
470 フック
1000 従来技術による電磁接触器
1100 ハウジング
1200 支持棒
1300 コイル
1400 可動プレート
1500 ラッチ組立体
1510 第1フレーム
1520 第2フレーム
1521 支持ピン
1530 可動コア
1540 トリップコイル
1550 トリップレバー
1551 トリップピン
1552 トーションスプリング
1560 弾性部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】