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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】ユーザインタフェース自動識別
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20231019BHJP
   A61M 16/06 20060101ALI20231019BHJP
   A61M 16/08 20060101ALI20231019BHJP
   A61M 16/00 20060101ALI20231019BHJP
【FI】
G16H20/00
A61M16/06 A
A61M16/06 C
A61M16/08
A61M16/00 305A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521802
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 IB2021059256
(87)【国際公開番号】W WO2022074626
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】63/090,002
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522102697
【氏名又は名称】レズメド センサー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショルディス、レドモンド
(72)【発明者】
【氏名】リオン、グレーム アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】マクマホン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ティロン、ロクサーナ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA22
(57)【要約】
呼吸治療システムの流量生成器によって生成される気流の気流パラメータ(例えば、流量及び気流圧力)は、使用中に測定、処理されて、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を自動的に識別することができる。ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報は、呼吸治療装置の設定を調整し、通知(例えば、呼吸治療装置の設定の予期される調整を伴うことなく検出されたユーザインタフェースにおける変化の通知)を生成し、又は他の方法でユーザ又は他のユーザの呼吸治療を促進するために用いることができる。ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報は、ユーザインタフェース及び/又は導管の特定の特性(例えば、共振周波数、インピーダンスなど)、ユーザインタフェースのパターン(例えば、マスク、鼻マスク又は鼻枕)及び/又は導管のパターン、特定のメーカー、特定のモデル、又は他のそのような識別可能な情報を示すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザインタフェースを通る気流を生成することと、
生成された気流に関連する、前記生成された気流の流量信号及び前記生成された気流の圧力信号のうちの少なくとも1つを含む1つ以上の気流パラメータを測定することと、
測定された1つ以上の気流パラメータに基づいて、前記ユーザインタフェースの特性を識別するために用いることができるユーザインタフェース識別情報を識別することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上の気流パラメータは、前記流量信号及び前記圧力信号の両方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
識別されたユーザインタフェース識別情報に基づいて、前記ユーザインタフェースを通る前記気流の生成の調整を決定することをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースを通る前記気流の生成の調整は、前記1つ以上の気流パラメータにさらに基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
グラフィカルユーザインタフェース上に前記ユーザインタフェース識別情報を提示することをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザインタフェースを通る気流を生成することが、ある速度にある流量生成器ファンに動力を供給することを含み、前記方法は、前記流量生成器ファンの前記速度を決定することをさらに含み、前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記流量生成器ファンの前記速度にさらに基づく、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記1つ以上の気流パラメータを、複数のユーザインタフェースの気流パラメータデータを用いるコーパスでトレーニングされた機械学習モデルに入力として応用することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記機械学習モデルは、再帰型ニューラルネットワークモデルを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記機械学習モデルは、コンボリューショナルニューラルネットワークモデルを含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザインタフェース識別情報は、前記ユーザインタフェースのメーカー、前記ユーザインタフェースのモデル、及び前記ユーザインタフェースのパターンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、フルフェイスインタフェース、鼻インタフェース及び鼻枕インタフェースを含むユーザインタフェースパターンセルから前記ユーザインタフェースのパターンを識別することを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、少なくとも1つの気流パラメータ又は前記少なくとも1つの気流パラメータ及び識別されたユーザインタフェースのパターンの両方に基づいて、前記ユーザインタフェースのメーカー、前記ユーザインタフェースのモデル、又はその両方を識別することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の気流パラメータは、前記ユーザインタフェースがユーザによって着用されていないときに捕捉された第1の流量データと、前記ユーザインタフェースが前記ユーザによって着用されているときに捕捉された第2の流量データとを含む流量信号を含み、前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記第1の流量データ及び前記第2の流量データに基づく、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザインタフェースを通る気流を生成することは、気流を導管に通過させることを含み、前記方法は、前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいて導管識別情報を識別することをさらに含み、前記導管識別情報は、前記導管の特性を識別するために用いることができる、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
識別された導管識別情報に基づいて、前記ユーザインタフェースを通る前記気流の生成の調整を決定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記導管識別情報は、前記導管のメーカー、前記導管のモデル、及び前記導管のパターンのうちの少なくとも1つを含む、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記識別されたユーザインタフェース識別情報を含む確認要求を生成することをさらに含み、前記確認要求は、受信されたときに前記識別されたユーザインタフェース識別情報の確認を要求する、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記ユーザインタフェースに関連する付加データの必要性を決定することと、
前記付加データを要求するプロンプトを生成することと、
前記プロンプトに応答する付加データを受信することと、をさらに含み、
前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、付加データにさらに基づく、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記付加データは、前記ユーザインタフェースを通る前記気流に関連する音声データを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記付加データは、前記ユーザインタフェースの画像に関連する撮像データを含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記付加データは、前記ユーザインタフェースに関する1つ以上の質問に対する1つ以上の応答を含む、請求項18~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
過去の期間に、前記ユーザインタフェースの使用に関連する履歴気流パラメータデータを受信することをさらに含み、前記履歴気流パラメータデータは、履歴流量データ及び履歴圧力データのうちの少なくとも1つを含み、前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記履歴気流パラメータデータにさらに基づく、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記過去の期間は、前記1つ以上の気流パラメータを測定する前に少なくとも24時間の期間を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記履歴気流パラメータデータを使用してベースライン呼吸速度を識別することをさらに含み、前記履歴気流パラメータデータに基づいて前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記ベースライン呼吸速度を使用することを含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
ユーザインタフェース識別情報を識別することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいて1つ以上の特徴を決定することと、
決定された1つ以上の特徴を入力として機械学習モデルに応用することであって、前記機械学習モデルの出力は、前記ユーザインタフェース識別情報を決定するために用いることができることと、を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記1つ以上の気流パラメータに少なくとも部分的に基づいて1つ以上のデータ点を生成することであって、前記1つ以上のデータ点の各々は、圧力値及び対応する流量値を含むことと、
1つ以上のテンプレート曲線にアクセスすることと、
前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との比較を生成することであって、前記1つ以上の特徴は、前記比較を含むことと、を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記比較を生成することは、前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の識別距離を計算することを含み、前記識別距離を計算することは、i)前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の最小距離を計算すること、ii)前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の流量ベースの距離を計算すること、iii)前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の圧力ベースの距離を計算すること、又はiv)i~iiiの任意の組み合わせを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記機械学習モデルは、再帰型ニューラルネットワークである、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記再帰型ニューラルネットワークは、長・短期記憶再帰型ニューラルネットワークである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上の特徴は、前記ユーザインタフェースに関連する共振周波数信号を含み、前記共振周波数信号は、前記ユーザインタフェースに関連する経時的変化の1つ以上の共振周波数を示す、請求項25~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上の特徴を決定することは、ケプストラム分析を前記気流パラメータに応用することによって、前記共振周波数信号を決定することを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上の特徴は、前記ユーザインタフェースに関連する意図しない漏れ信号を含み、前記意図しない漏れ信号は、前記ユーザインタフェースに関連する経時的変化の1つ以上の意図しない漏れを示す、請求項25~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記1つ以上の特徴は、前記ユーザインタフェースに関連する鼻-口呼吸信号を含み、前記鼻-口呼吸信号は、前記ユーザインタフェースに関連する経時的変化の鼻呼吸又は口呼吸を示す、請求項25~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ以上の特徴は、前記ユーザインタフェースに関連する体積呼吸信号を含み、前記体積呼吸信号は、経時的変化の吸気体積及び呼気体積のうちの少なくとも1つを示す、請求項25~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記1つ以上の特徴は、前記ユーザインタフェースに関連する持続呼吸信号を含み、前記持続呼吸信号は、経時的変化の吸気持続時間及び呼気持続時間のうちの少なくとも1つを示す、請求項25~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの高周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてベースライン呼吸速度を識別することと、
前記測定された1つ以上の気流パラメータの前記高周波成分を識別することであって、前記高周波成分は、前記ベースライン呼吸速度よりも高い周波数で生じることと、を含む、請求項25~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの非高周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてベースライン呼吸速度を識別することと、
前記測定された1つ以上の気流パラメータの前記非高周波成分を識別することであって、前記非高周波成分は、前記ベースライン呼吸速度よりも低い周波数で生じることと、を含む、請求項25~36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの中周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてベースライン呼吸速度を識別することと、
前記測定された1つ以上の気流パラメータの中周波成分を識別することであって、前記中周波成分は、前記ベースライン呼吸速度よりも低く、且つ低周波閾値周波数よりも高い周波数で生じることと、を含む、請求項25~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記中周波成分を使用して、前記ユーザインタフェースに関連する意図しない漏れ信号を決定することをさらに含み、前記意図しない漏れ信号は、前記ユーザインタフェースに関連する経時的変化の1つ以上の意図しない漏れを示す、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの低周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの低周波成分を識別することであって、前記低周波成分は、低周波閾値周波数よりも低い周波数で生じる、ことを含む、請求項25~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記低周波成分を使用して、前記ユーザインタフェースに関連するインピーダンス信号を決定することをさらに含み、前記インピーダンス信号は、前記ユーザインタフェースのインピーダンスを示す、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記識別されたユーザインタフェース識別情報に関連する自信度を決定することをさらに含む、請求項1~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータを使用して、呼吸に関連する呼吸形状を識別することと、
識別された呼吸形状をテンプレート呼吸形状と比較することと、を含む、請求項1~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記気流を生成することは、流量生成器を使用して前記気流を生成することを含み、前記方法は、前記流量生成器に関連する流量生成器パラメータを受信することをさらに含み、前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記流量生成器パラメータにさらに基づく、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記流量生成器パラメータは、加湿器存在、加湿器情報、入口フィルタ情報、入口バッフル情報、モータ情報、出口バッフル情報、呼気圧力解放設定、及び中央無呼吸検出情報からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータを使用してスペクトログラムを生成することと、
前記スペクトログラムをディープニューラルネットワークに応用して、前記ユーザインタフェース識別情報を決定することと、を含む、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記気流を生成することは、前記気流の既知の調整を生成し、前記既知の調整を前記気流に戻すことを含み、前記1つ以上の気流パラメータを測定することは、前記既知の調整の前及び後に発生し、前記ユーザインタフェース識別情報を識別することは、前記既知の調整に関連する前記測定された1つ以上の気流パラメータの変化に基づく、請求項1~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記1つ以上の気流パラメータを測定することは、過渡イベント中に発生し、前記過渡イベントは、前記ユーザインタフェースを除去すること、又は前記ユーザインタフェースを着用することを含む、請求項1~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記気流を生成することは、流量生成器を使用して前記気流を生成することを含み、前記方法は、
前記流量生成器に関連する既存のユーザインタフェース識別情報を受信することと、
前記識別されたユーザインタフェース識別情報が前記既存のユーザインタフェース識別情報と異なることを決定することと、
前記識別されたユーザインタフェース識別情報が前記既存のユーザインタフェース識別情報と異なると決定したことに応答して、通知を生成することと、をさらに含む、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記識別されたユーザインタフェース識別情報が前記既存のユーザインタフェース識別情報と異なると決定したことに応答して、前記流量生成器の設定を更新することをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記気流を生成することは、流量生成器を使用して前記気流を生成することを含み、前記方法は、前記流量信号及び前記圧力信号に基づいて流量生成器識別情報を識別することをさらに含む、請求項1~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
呼吸システムの導管を通る気流を生成することと、
前記生成された気流に関連する1つ以上の気流パラメータを測定することであって、前記1つ以上の気流パラメータは、前記生成された気流の流量信号及び前記生成された気流の圧力信号のうちの少なくとも1つを含むことと、
測定された1つ以上の気流パラメータに基づいて導管識別情報を識別することであって、前記導管識別情報は、前記導管の特性を識別するために用いることができることと、を含む、方法。
【請求項53】
前記1つ以上の気流パラメータは、前記流量信号及び前記圧力信号の両方を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
識別された導管識別情報に基づいて、前記導管を通る前記気流の生成の調整を決定することをさらに含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記導管を通る前記気流の生成を決定する前記調整は、前記1つ以上の気流パラメータにさらに基づく、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
グラフィカルユーザインタフェース上に前記導管識別情報を提示することをさらに含む、請求項52~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記導管を通る気流を生成することは、ある速度の流量生成器ファンに動力を供給することを含み、前記方法は、前記流量生成器ファンの前記速度を決定することをさらに含み、前記導管識別情報を識別することは、前記流量生成器ファンの前記速度にさらに基づく、請求項52~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
導管情報を識別することは、前記1つ以上の気流パラメータを入力として、複数の導管の気流パラメータデータを使用するコーパスでトレーニングされた機械学習モデルに応用することを含む、請求項52~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記1つ以上の気流パラメータに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のデータ点を生成することであって、前記1つ以上のデータ点の各々は、圧力値及び対応する流量値を含むことと、
1つ以上のテンプレート曲線にアクセスすることと、
前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との比較を生成することであって、前記1つ以上の特徴は、前記比較を含むことと、を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記比較を生成することは、前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の識別距離を計算することを含み、前記識別距離を計算することは、i)前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の最小距離を計算すること、ii)前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の流量ベースの距離を計算すること、iii)前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の圧力ベースの距離を計算すること、又はiv)i~iiiの任意の組み合わせを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記機械学習モデルは、再帰型ニューラルネットワークを含む、請求項58~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記機械学習モデルは、コンボリューショナルニューラルネットワークモデルを含む、請求項58又は61に記載の方法。
【請求項63】
前記導管識別情報は、前記導管のメーカー、前記導管のモデル、及び前記導管のパターンのうちの少なくとも1つを含む、請求項52~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記導管識別情報を識別することは、導管パターンセルから、長さ、直径、又は材料を含む1つ以上のパラメータによって定義される前記導管パターンを識別することを含む、請求項52~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記導管識別情報を識別することは、少なくとも1つの気流パラメータ又は前記少なくとも1つの気流パラメータ及び識別された前記導管のパターンの両方に基づいて、前記導管のメーカー、前記導管のモデル、又は両方を識別することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記1つ以上の気流パラメータは、前記導管に接続されたユーザインタフェースがユーザによって着用されていないときに捕捉された第1の流量データと、前記導管に接続されたユーザインタフェースが前記ユーザによって着用されているときに捕捉された第2の流量データとを含む流量信号を含み、前記導管識別情報を識別することは、前記第1の流量データ及び前記第2の流量データに基づく、請求項52~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記導管を通る気流を生成することは、気流をユーザインタフェースに通過させることを含み、前記方法は、前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてユーザインタフェース識別情報を識別することをさらに含み、前記ユーザインタフェース識別情報は、前記ユーザインタフェースの特性を識別するために用いることができる、請求項52~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
識別されたユーザインタフェース識別情報に基づいて、前記導管を通る前記気流の生成の調整を決定することをさらに含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ユーザインタフェース識別情報は、前記ユーザインタフェースのメーカー、前記ユーザインタフェースのモデル、及び前記ユーザインタフェースのパターンのうちの少なくとも1つを含む、請求項67又は68に記載の方法。
【請求項70】
識別された導管情報を含む確認要求を生成することをさらに含み、前記確認要求は、受信されたときに前記識別された導管情報の確認を要求する、請求項52~69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
導管に関連する付加データの必要性を決定することと、
前記付加データを要求するプロンプトを生成することと、
前記プロンプトに応答する前記付加データを受信することと、をさらに含み、
導管識別情報を識別することは、付加データにさらに基づく、請求項52~70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記付加データは、前記導管を通る前記気流に関連する音声データを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記付加データは、前記導管の画像に関連する撮像データを含む、請求項71又は72に記載の方法。
【請求項74】
前記付加データは、前記導管に関する1つ以上の質問に対する1つ以上の応答を含む、請求項71~73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
過去の期間に、前記導管の使用に関連する履歴気流パラメータデータを受信することをさらに含み、前記履歴気流パラメータデータは、履歴流量データ及び履歴圧力データのうちの少なくとも1つを含み、前記導管識別情報を識別することは、前記履歴気流パラメータデータにさらに基づく、請求項52~74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記過去の期間は、前記1つ以上の気流パラメータを測定する前に少なくとも24時間の期間を含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記履歴気流パラメータデータを使用してベースライン呼吸速度を識別することをさらに含み、前記履歴気流パラメータデータに基づいて前記導管識別情報を識別することは、前記ベースライン呼吸速度を使用することを含む、請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
導管情報を識別することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいて1つ以上の特徴を決定することと、
決定された1つ以上の特徴を入力として機械学習モデルに応用することであって、前記機械学習モデルの出力は、前記導管情報を決定するために用いることができることと、を含む、請求項52~78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記機械学習モデルは、再帰型ニューラルネットワークである、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記再帰型ニューラルネットワークは、長・短期記憶再帰型ニューラルネットワークである、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記1つ以上の特徴は、前記導管に関連する共振周波数信号を含み、前記共振周波数信号は、前記導管に関連する経時的変化の1つ以上の共振周波数を示す、請求項78~80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記1つ以上の特徴を決定することは、ケプストラム分析を前記気流パラメータに応用することによって、前記共振周波数信号を決定することを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記1つ以上の特徴は、前記導管に関連する意図しない漏れ信号を含み、前記意図しない漏れ信号は、前記導管に関連する経時的変化の1つ以上の意図しない漏れを示す、請求項78~82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記1つ以上の特徴は、前記導管に関連する鼻-口呼吸信号を含み、前記鼻-口呼吸信号は、前記導管に関連する経時的変化の鼻呼吸又は口呼吸を示す、請求項78~83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
前記1つ以上の特徴は、前記導管に関連する体積呼吸信号を含み、前記体積呼吸信号は、経時的変化の吸気体積及び呼気体積のうちの少なくとも1つを示す、請求項78~84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
前記1つ以上の特徴は、前記導管に関連する持続呼吸信号を含み、前記持続呼吸信号は、経時的変化の吸気持続時間及び呼気持続時間のうちの少なくとも1つを示す、請求項78~85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの高周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてベースライン呼吸速度を識別することと、
前記測定された1つ以上の気流パラメータの前記高周波成分を識別することであって、前記高周波成分は、前記ベースライン呼吸速度よりも高い周波数で生じることと、を含む、請求項78~86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの非高周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてベースライン呼吸速度を識別することと、
前記測定された1つ以上の気流パラメータの前記非高周波成分を識別することであって、前記非高周波成分は、前記ベースライン呼吸速度よりも低い周波数で生じることと、を含む、請求項78~87のいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの中周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータに基づいてベースライン呼吸速度を識別することと、
前記測定された1つ以上の気流パラメータの中周波成分を識別することであって、前記中周波成分は、前記ベースライン呼吸速度よりも低く、且つ低周波閾値周波数よりも高い周波数で生じることと、を含む、請求項78~88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記中周波成分を使用して、前記導管に関連する意図しない漏れ信号を決定することをさらに含み、前記意図しない漏れ信号は、前記導管に関連する経時的変化の1つ以上の意図しない漏れを示す、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの低周波成分を使用し、前記1つ以上の特徴を決定することは、前記測定された1つ以上の気流パラメータの低周波成分を識別することであって、前記低周波成分は、低周波閾値周波数よりも低い周波数で生じる、ことを含む、請求項78~90のいずれか1項に記載の方法。
【請求項92】
前記1つ以上の特徴を決定することは、前記低周波成分を使用して、前記導管に関連するインピーダンス信号を決定することをさらに含み、前記インピーダンス信号は、前記導管のインピーダンスを示す、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記導管識別情報を識別することは、前記識別された導管識別情報に関連する自信度を決定することをさらに含む、請求項52~92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記導管識別情報を識別することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータを使用して、呼吸に関連する呼吸形状を識別することと、
識別された呼吸形状をテンプレート呼吸形状と比較することと、を含む、請求項52~93のいずれか1項に記載の方法。
【請求項95】
前記気流を生成することは、流量生成器を使用して前記気流を生成することを含み、前記方法は、前記流量生成器に関連する流量生成器パラメータを受信することをさらに含み、前記導管識別情報を識別することは、前記流量生成器パラメータにさらに基づく、請求項52~94のいずれか1項に記載の方法。
【請求項96】
前記流量生成器パラメータは、加湿器存在、加湿器情報、入口フィルタ情報、入口バッフル情報、モータ情報、出口バッフル情報、呼気圧力解放設定、及び中央無呼吸検出情報からなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記導管識別情報を識別することは、
前記測定された1つ以上の気流パラメータを使用してスペクトログラムを生成することと、
前記スペクトログラムをディープニューラルネットワークに応用して、前記導管識別情報を決定することと、を含む、請求項52~96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記気流を生成することは、前記気流の既知の調整を生成し、前記既知の調整を前記気流に戻すことを含み、前記1つ以上の気流パラメータを測定することは、前記既知の調整の前及び後に発生し、前記導管識別情報を識別することは、前記既知の調整に関連する前記測定された1つ以上の気流パラメータの変化に基づく、請求項52~97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
前記1つ以上の気流パラメータを測定することは、過渡イベント中に発生し、前記過渡イベントは、前記導管に接続された前記ユーザインタフェースを除去すること、又は前記導管に接続された前記ユーザインタフェースを着用することを含む、請求項52~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記気流を生成することは、流量生成器を使用して前記気流を生成することを含み、前記方法は、
前記流量生成器に関連する既存の導管識別情報を受信することと、
前記識別された導管識別情報が前記既存の導管識別情報と異なることを決定することと、
前記識別された導管識別情報が前記既存の導管識別情報と異なると決定したことに応答して、通知を生成することと、をさらに含む、請求項52~99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記識別された導管識別情報が前記既存の導管識別情報と異なると決定したことに応答して、前記流量生成器の設定を更新することをさらに含む、請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記気流を生成することは、流量生成器を使用して前記気流を生成することを含み、前記方法は、前記流量信号及び前記圧力信号に基づいて流量生成器識別情報を識別することをさらに含む、請求項52~101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
ユーザインタフェースを通る気流を生成することと、
生成された気流に関連する圧力データと、前記生成された気流に関連する流量データとを測定することと、
前記圧力データ及び前記流量データに少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のデータ点を生成することであって、前記1つ以上のデータ点は、圧力値及び対応する流量値を含むことと、
1つ以上のテンプレート曲線にアクセスすることと、
前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との比較を生成することと、
前記比較に少なくとも部分的に基づいて、ユーザインタフェース識別情報及び導管識別情報のうちの少なくとも1つを識別することであって、前記ユーザインタフェース識別情報は、前記ユーザインタフェースの特性を識別するために用いることができ、前記導管識別情報は、前記導管の特性を識別するために用いることができることと、を含む、方法。
【請求項104】
前記1つ以上のデータ点を生成することは、
前記ユーザインタフェースの1つ以上の意図しない漏れに関連する1つ以上の期間を識別することと、
識別された1つ以上の期間に関連する前記圧力データ及び前記流量データの両方の1つ以上の部分を排除することと、を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記1つ以上のデータ点を生成することは、
前記ユーザインタフェースの1つ以上の意図しない漏れに関連する1つ以上の期間を識別することと、
識別された1つ以上の期間に関連する前記圧力データ及び前記流量データの両方の1つ以上の部分を調整することと、を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記1つ以上のデータ点を生成することは、
前記ユーザインタフェースがユーザによって着用されていないことに関連する1つ以上の期間を識別することと、
識別された1つ以上の期間に関連する前記圧力データ及び前記流量データの両方の1つ以上の部分を排除することと、を含む、請求項103又は105に記載の方法。
【請求項107】
前記1つ以上のデータ点を生成することは、測定された圧力データ及び測定された流量データから呼吸アーチファクトを除去することを含む、請求項103~106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
呼吸アーチファクトを除去することは、ローパスフィルタを前記測定された圧力データ及び前記測定された流量データに応用することを含む、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記1つ以上のデータ点を生成することは、前記1つ以上のデータ点から外れ値点を除去することを含む、請求項103~108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記外れ値点を除去することは、
前記1つ以上のデータ点の各々の出現頻度を決定することと、
閾値よりも低い相応な出現頻度を有する1つ以上のデータ点の各々を外れ値点として識別することと、を含む、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記1つ以上のテンプレート曲線にアクセスすることは、テンプレート曲線のデータベースから前記1つ以上のテンプレート曲線を選択することを含む、請求項103~110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記比較を生成することは、1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の識別距離を計算することを含む、請求項103~111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記識別距離を計算することは、前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の最小距離を計算することを含む、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記識別距離を計算することは、前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の流量ベースの距離を計算することを含む、請求項112又は113に記載の方法。
【請求項115】
前記識別距離を計算することは、前記1つ以上のデータ点と前記1つ以上のテンプレート曲線との間の圧力ベースの距離を計算することを含む、請求項112~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記比較を生成することは、重み付け値を前記1つ以上のデータ点の各々の前記識別距離に応用することを含む、請求項112~115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記重み付け値は、前記1つ以上のデータ点の出現頻度に少なくとも部分的に基づく、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記重み付け値は、前記1つ以上のデータ点の相応な圧力値に少なくとも部分的に基づく、請求項116又は117に記載の方法。
【請求項119】
前記重み付け値は、複数の圧力値範囲の各々の前記1つ以上のデータ点の相応な流量値に少なくとも部分的に基づく、請求項116~118のいずれか1項に記載の方法。
【請求項120】
前記比較を生成することは、前記比較に関連する自信度を決定することを含む、請求項103~119のいずれか1項に記載の方法。
【請求項121】
前記自信度を決定することは、前記1つ以上のデータ点の分散に少なくとも部分的に基づく、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記1つ以上のテンプレート曲線の各々は、i)代表的なユーザインタフェース、ii)代表的な導管、又はiii)代表的なユーザインタフェース-導管組み合わせに関連付けられる、請求項103~121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記1つ以上のテンプレート曲線は、複数のテンプレート曲線を含み、前記複数のテンプレート曲線の各々は、i)一意のユーザインタフェースパターン、ii)一意のユーザインタフェースモデル、iii)一意の導管パターン、iv)一意の導管モデル、又はv)一意のユーザインタフェースと導管の組み合わせに関連付けられる、請求項103~122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
1つ以上のプロセッサを含む制御システムと、
機械可読命令を記憶しているメモリと、を含むシステムであって、
前記制御システムは、前記メモリに結合され、前記メモリ内の機械実行可能命令が前記制御システムの前記1つ以上のプロセッサの少なくとも1つによって実行されるときに、請求項1~123のいずれか1項に記載の方法が実施される、システム。
【請求項125】
ユーザインタフェースを識別するためのシステムであって、請求項1~51又は103~123のいずれか1項に記載の方法を実現するように構成された制御システムを含む、システム。
【請求項126】
呼吸システムの導管を識別するためのシステムであって、請求項52~123のいずれか1項に記載の方法を実現するように構成された制御システムを含む、システム。
【請求項127】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1~123のいずれか1項に記載の方法を実施させる命令を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項128】
前記コンピュータプログラムプロダクトは、非一時的コンピュータ可読媒体である、請求項127に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、呼吸治療装置に関し、より具体的には、呼吸装置のユーザインタフェース及び導管の自動識別に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人は、いびき、無呼吸、呼吸低下、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増加、努力性呼吸、喘息発作、てんかん発作、けいれん又はそれらの任意の組み合わせなど、睡眠中に発生する1つ以上のイベントに関連する睡眠関連呼吸障害に罹患している。これらの人は、加圧空気を輸送して、睡眠セッション中に気道が閉鎖し、又は狭窄になることを防止することを支援する呼吸治療システム(例えば、持続気道陽圧(CPAP)システム)を使用して治療される場合が多い。加圧空気は、マスク、鼻マスク、鼻枕マスクなどのユーザインタフェースを介してユーザに供給される。同じ呼吸装置において、異なるユーザインタフェースを使用することができる。ユーザインタフェースの特性に応じて、呼吸装置は、最適な結果を達成するためにプログラム又は設定される必要がある場合がある。一般的には、呼吸システムをユーザに適合させるために、1回以上の医師の受診が必要となるかもしれない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ユーザインタフェースを通る気流を生成することを含むユーザインタフェースを自動的に識別するための方法が開示される。この方法は、生成された気流に関連する、生成された気流の経時的流量信号及び生成された気流の経時的圧力信号のうちの少なくとも1つを含む1つ以上の気流パラメータを測定することをさらに含む。この方法は、測定された1つ以上の気流パラメータに基づいて、ユーザインタフェースの特性を識別するために用いることができるユーザインタフェース識別情報を識別することをさらに含む。
【0004】
上記の概要は、本開示の各実施形態又はあらゆる態様を示すことを意図していない。本開示の追加特徴及び利益は、下記の詳細な説明及び図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本開示のいくつかの実装形態に係る、睡眠セッション中にユーザに関連する生理学的データを生成するためのシステムの機能ブロック図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実装形態に係る、図1のシステム、ユーザ、及び同床者の斜視図である。
図3図3は、本開示のいくつかの実装形態に係る、気流パラメータを分析して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定するためのプロセスのフローチャートである。
図4図4は、本開示のいくつかの実装形態に係る、ユーザインタフェース識別情報の例示的な流量信号を識別するために用いることができるグラフである。
図5図5は、本開示のいくつかの実装形態に係る、圧力データ及び流量データを分析して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定するためのプロセスのフローチャートである。
図6図6は、本開示のいくつかの実装形態に係る、テンプレート曲線と比較したデータ点の例示的なグラフである。
図7図7は、本開示のいくつかの実装形態に係る、複数のパターンにわたるユーザインタフェースの識別距離の実験データの例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、様々な変形及び代替形態が可能であるが、本開示の具体的な実装形態及び実施形態が図面に例として示されており、本明細書において詳述される。しかしながら、それは、本開示を開示された特定の形態に限定することを意図するものではなく、本開示は、添付の請求項によって定義される本開示の精神及び範囲内にある全ての変更物、均等物及び代替物を網羅するということを理解すべきである。
【0007】
本開示のいくつかの態様及び特徴は、呼吸治療システムのユーザインタフェースの自動検出に関する。流量生成器によって生成された気流の気流パラメータ(例えば、流量及び気流圧力)は、使用中に測定及び処理されて、ユーザインタフェース識別及び/又は導管情報を識別することができる。このユーザインタフェース及び/又は導管識別情報は、呼吸治療装置の設定を調整し、通知(例えば、呼吸治療装置の設定の予期される調整を伴うことなく検出されたユーザインタフェースにおける変化の通知)を生成し、又は他の方法でこのユーザ又は他のユーザの呼吸治療を促進するために用いることができる。ユーザインタフェース識別情報は、ユーザインタフェースの特定の特性(例えば、共振周波数、インピーダンスなど)、ユーザインタフェースのパターン(例えば、マスク、鼻マスク又は鼻枕)、ユーザインタフェースの特定のメーカー、ユーザインタフェースの特定のモデル、又は他のそのような識別可能な情報を示すことができる。
【0008】
呼吸治療装置は、ユーザインタフェース及び/又はそれに取り付けられた導管の知識の利益を享受することができる。ユーザインタフェース及び/又は導管に関する情報は、呼吸治療装置の内部パラメータを設定し、データの正確な報告を保証するために用いることができる。下流システム(例えば、ユーザインタフェース及び/又はユーザインタフェースと呼吸治療装置を接続する導管)の知識を利用して、呼吸治療装置は、ユーザに正しい治療圧力を供給することを保証するために補正を応用することができる。ユーザインタフェース及び/又は導管情報は、ユーザインタフェース及び/又は導管メーカー(例えば、ブランド)、ユーザインタフェース及び/又は導管モデル、ユーザインタフェース及び/又は導管サイズ、ユーザインタフェース通気口の存在及びタイプなどの情報を含み得る。
【0009】
ユーザ又はより可能性の高い医療専門家は、特定のユーザインタフェース及び導管を利用して効率良く動作するように呼吸治療装置を設定することができるが、この設定プロセスが間違いやすい。これに加えて、適切に設定されていても、ユーザインタフェース及び/又は導管は、少し後で閉鎖又は交換される場合があり、又は通常の摩耗によって異なる動作が開始される場合もある。呼吸治療装置が適切なユーザインタフェース及び導管情報に合わせて更新されていない場合、適切な呼吸治療をユーザに提供することができなくなる。したがって、呼吸治療装置に取り付けられたユーザインタフェース及び/又は導管に関する情報を自動的に検出することができる呼吸治療システムが必要とされる。また、本開示のいくつかの態様は、外部センサ又はユーザ又は医療専門家からの入力に依存することなく、ユーザインタフェース及び/又は導管を検出することを可能にする。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、気流パラメータ(例えば、流量及び圧力)を着信データ(例えば、気流パラメータデータ)として時間とともに変化させることに関する。この着信データは、例えば、デジタル信号処理技術によって、機械学習モデルに供給することができる特徴のセットを生成するように処理されてもよい。機械学習モデルの出力は、ユーザインタフェース識別情報であってもよい。このユーザインタフェース識別情報は、特定のユーザインタフェース(例えば、特定のモデルのユーザインタフェース)、ユーザインタフェースの一般的なメーカー、ユーザインタフェースのパターン(例えば、マスク、鼻マスク又は鼻枕)、又はユーザインタフェースの他の特性であってもよい。いくつかの実装形態では、着信データは、流量生成器ファンの速度信号(例えば、毎分回転数)又は流量生成器又は呼吸治療装置の他の特性などの付加の情報を含み得る。
【0011】
着信データから決定されることができる特徴は、実施形態に従って変化することができる。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェースのパターンは、気流パラメータデータから知ることができる。特徴の他の例としては、通気口の存在、通気口の数、通気口のタイプ、意図的な漏れの発生(例えば、通気口流量)、ユーザインタフェースの通常形状、ユーザインタフェースの通常サイズ、呼吸速度、吸入量、吸入持続時間、呼気量、呼気持続時間、過渡イベントの発生、意図しない空気漏れの発生、意図しない空気漏れの分類、ユーザインタフェースが着用されているか否かの提示、周波数成分(例えば、気流パラメータデータの高周波、中間周波数及び/又は低周波成分)などが挙げられる。これらの特徴の任意の組み合わせは、ユーザインタフェース識別情報を識別するために機械学習モデルの入力として使用することができる。
【0012】
例えば、ユーザの口の空気漏れの存在を通じて、使用されるユーザインタフェースがマスクではなく、鼻マスク又は鼻枕であることを示すことができる。別の例では、鼻呼吸及び口呼吸の両方の存在は、マスクが使用されていることを示すことができる。いくつかの実装形態では、気流パラメータのスペクトル成分(通常であっても呼吸のいくつかの段階中であっても、例えば吸入又は呼気中に)を使用して、ユーザインタフェースの異なる形状及びサイズ特徴を示すことができる。別の例では、意図的な通気に対する検出(例えば、ユーザインタフェース内の通気口を介して)は、2つの通気口から意図的な通気が検出され、その後、単一の通気口から意図的な通気が検出された場合など、ユーザインタフェース識別情報を決定するために使用することができ、2つの通気口の位置は、1つの通気口が一時的に閉塞する能力(例えば、ユーザが睡眠中にその一側で寝返るとき)に基づいて決定することができる。別の例では、システムは、測定された流量を所望の流量と比較し、任意の意図しない漏れ(例えば、ユーザインタフェースシールの周囲)を考慮することによって、相対通気口流量を計算することができる。この相対通気口流量は、通気口の流量への寄与を表すことができ、これは、ユーザインタフェース間で異なっていてもよい。例えば、いくつかの通気口は、圧力に応じて変化する流量を示すが、いくつかの通気口は、圧力の変化にかかわらず一定の流量を示す。
【0013】
任意の適切な機械学習モデルを使用することができる。いくつかの実装形態では、ディープニューラルネットワークである機械学習モデルが用いられる。いくつかの実装形態では、ディープニューラルネットワークは、経時的変化気流パラメータデータを有利に分析することができる再帰型ニューラルネットワークである。いくつかの実装形態では、再帰型ニューラルネットワークは、長・短期記憶再帰型ニューラルネットワークである。いくつかの実装形態では、ディープニューラルネットワークは、気流パラメータデータのグラフ表現(例えば、経時的変化流量及び/又は圧力のグラフ、1回以上の呼吸の形状の輪郭、又は気流パラメータデータのスペクトルマップ)を分析する際に特に有用であるコンボリューショナルニューラルネットワークである。
【0014】
いくつかの実装形態では、このシステムは、呼気圧力解放(EPR)機構を使用することができる。EPRは、呼気圧力を自動的に低下させて、ユーザの呼気を促進することができる。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース識別情報の自動識別は、EPRが活性化されているかどうか、及び圧力がどの程度低減するか、及びいつ低下するかなどのEPR情報を使用することができる。いくつかの実装形態では、EPR情報は、気流パラメータから直接決定されてもよい。しかしながら、いくつかの実装形態では、EPR情報は、呼吸治療装置自体の1つ以上の設定から得られる。いくつかの実装形態では、気流パラメータのいくつかの態様がEPRによって変更されることができるので、EPR情報を使用することは、気流パラメータを分析する上で有用でありうる。したがって、EPR情報の知識は、その変更がフィルタリングされ、加重除去、又は他の方法で処理することを可能にして、ユーザインタフェース識別情報の識別を改善することができる。
【0015】
いくつかの実装形態では、気流パラメータ信号に対して前処理を行って、信号対ノイズ比を決定することができ、それによってユーザインタフェース識別情報の適切な識別を得ることができることを保証する。いくつかの実装形態では、信号対ノイズ比は、識別されたユーザインタフェース識別情報の自信度に影響を与えることができる。例えば、信号対ノイズ比が低い場合、自信度は低くてもよい。このような実装形態では、自信度が閾値よりも小さい場合には、さらなる動作をとらないか、ユーザインタフェース識別情報を取得できない通知を提供してもよい。
【0016】
いくつかの実装形態では、呼吸治療装置は、システムを較正するために既知のノイズを引き起こすことができる。いくつかの実装形態では、呼吸治療装置は、気流生成の既知の変化を引き起こして、気流パラメータにおける検出可能なイベントを開始させることができる。いくつかの実装形態では、既存の検出可能なイベントは、気流パラメータに存在している場合がある(例えば、ユーザインタフェースを着脱するなどのユーザベースの動作からの)。これらの検出可能なイベント(呼吸治療装置によって意図的に作成されたものであっても、ユーザ動作によって自然に作成されたものであっても)を使用して、イベントに関連する気流パラメータデータを分析することによって、ユーザインタフェース識別情報の識別を容易にすることができる。イベントに関連する気流パラメータデータは、イベント中に発生した気流パラメータデータ、及びイベントに対するシステムの応答を示すイベントの後に発生した気流パラメータデータを含み得る。
【0017】
検出されたユーザインタフェース識別情報に基づいて様々な動作を行うことができる。いくつかの実装形態では、動作は、設定を調整して、呼吸治療装置の効率を向上させるか、又は呼吸治療装置がユーザに正しい治療圧力を供給することを保証するなど、呼吸治療装置の気流生成を調整することを含み得る。いくつかの実装形態では、動作は、ユーザ又は他の人(例えば、医療専門家又は介護者)に通知を提供することを含み得る。いくつかの実装形態では、動作は、意外な、許可されていない、又は危険なユーザインタフェース(例えば、製品リコールを実施するために)が検出された場合などの呼吸治療装置を自動的に停止することを含み得る。
【0018】
いくつかの実装形態では、呼吸治療装置の設定は、識別されたユーザインタフェースの識別された特性に基づいて動的に調整することができる。一例では、識別された特性は、ユーザインタフェースの2つの通気口のうちの1つが閉塞されていることであってもよい(例えば、ユーザがその一側で、1つの通気口を閉塞している位置で寝ることによって)。このような例では、ユーザインタフェースが2つの通気口を有することを示すユーザインタフェース識別情報がシステムによって自動的に検出されるが、通気口のうちの1つが閉塞されていることも検出された場合、システムは、通気口のうちの1つが閉塞されているにもかかわらず、ユーザが所望の治療を受けるように、呼吸治療装置の設定を動的に更新することができる。そして、システムが少し後で通気口が閉塞されていないことを検出した場合、呼吸治療装置の設定を回復することができる。
【0019】
本開示の様々な態様は、ユーザインタフェースの自動検出及び特定のユーザインタフェースに基づく呼吸治療装置に対する調整などの、ユーザインタフェースを主に参照して説明される。しかしながら、同様の自動検出及び調整は、気流を生成する流量生成器及びユーザインタフェースに気流を輸送する導管などの流体輸送システムの他の要素を参照して行うことができる。流量生成器、導管、及びユーザインタフェースは、流量生成器からユーザ気道までの流体輸送経路を含み得る。いくつかの実装形態では、流体輸送経路内に追加要素を含み得る。本開示の目的で、様々な態様が、ユーザインタフェースの自動検出(例えば、ユーザインタフェース識別情報の識別)を参照し、及び/又は取り付けられたユーザインタフェースの知識(例えば、ユーザインタフェース識別情報を使用して)を用いて説明される場合、同じ態様は、流体輸送経路を構成する任意の単一の要素又は要素の組み合わせを適切に自動的に検出及び利用するために用いることができる。
【0020】
いくつかの実装形態では、自動検出(例えば、ユーザインタフェース及び/又は導管の自動検出)は、呼吸治療装置の使用中に連続して発生する。いくつかの実装形態では、自動検出がしばしば発生する(例えば、1時間に1回、数時間に1回、毎日1回、数日に1回、週に1回、数週間に1回、月に1回、数ヶ月に1回、年に1回、又は数年に1回)。いくつかの実装形態では、自動検出は、睡眠セッションのたびに1回のみ発生するか、又は呼吸治療装置が起動されるたびに1回発生する。いくつかの実装形態では、自動検出は、ユーザインタフェースの自動検出を起動することに関連するボタン又はコントロールを押すことによって、手動にオンした後にのみ発生する。いくつかの実装形態では、自動検出は、流体輸送経路内の1つ以上の構成要素が除去されたか、取り付けられたか、又は交換されたことが検知された場合に発生される。
【0021】
これらの説明例は、本明細書で議論される一般的なテーマを読者に紹介するためのものであり、開示された概念の範囲を限定することは意図していない。以下に示す部分は、図面を参照して様々な追加特徴及び例を説明し、図中の同じ数字は同じ要素を示し、方向説明は説明例を説明するためのものであるが、説明例と同様に、本開示を限定するものではない。本明細書の図示に含まれる要素は、比例しないでプロットされてもよい。
【0022】
図1を参照すると、システム100は、制御システム110、呼吸治療システム120、1つ以上のセンサ130及び外部装置170を含む。本明細書で説明されるように、システム100は、一般的に、呼吸治療をユーザに提供し、システム100において使用されるユーザインタフェース124に関するユーザインタフェース識別情報を自動的に検出するために用いることができる。
【0023】
制御システム110は、1つ以上のプロセッサ112(以下、プロセッサ112と称する)を含む。制御システム110は、一般的に、システム100の様々な構成要素を制御(例えば、作動)し、及び/又はシステム100の構成要素によって取得及び/又は生成されたデータを分析するために使用される。プロセッサ112は、汎用又は特殊用途プロセッサ又はマイクロプロセッサであってもよい。図1には1つのプロセッサ112が示されているが、制御システム110は、単一の筐体内に存在し得るか、互いに離れて位置し得る任意の適切な数のプロセッサ(例えば、1つのプロセッサ、2つのプロセッサ、5つのプロセッサ、10つのプロセッサなど)を含み得る。制御システム110は、例えば、外部装置170の筐体、呼吸システム120の一部(例えば、筐体)、及び/又はセンサ130のうちの1つ以上の筐体に連結すること、及び/又はそれらの内部に位置付けることができる。制御システム110は、(1つのそのような筐体内に)集中させるか、(物理的に区別される2つ以上のそのような筐体内に)分散させることができる。制御システム110を収容する2つ以上の筐体を含むこのような実装形態では、そのような筐体は、互いに近接し、及び/又は離れて位置付けられてもよい。
【0024】
記憶装置114は、制御システム110のプロセッサ112が実行可能な機械可読命令を記憶する。記憶装置114は、例えば、ランダムアクセスメモリ装置又はシリアルアクセスメモリ装置、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ装置などの任意の適切なコンピュータ可読記憶装置又は媒体であり得る。図1に1つの記憶装置114が示されているが、システム100は、任意の適切な数の記憶装置114(例えば、1つの記憶装置、2つの記憶装置、5つの記憶装置、10個の記憶装置など)を含み得る。記憶装置114は、呼吸装置122の筐体、外部装置170の筐体、1つ以上のセンサ130の筐体又はそれらの任意の組み合わせに連結され、及び/又はそれらの内部に配置されてもよい。制御システム110と同様に、記憶装置114は、(1つのそのような筐体内に)集中させるか、(物理的に区別される2つ以上のそのような筐体内に)分散させることができる。
【0025】
電子インタフェース119は、データを記憶装置114に記憶し、及び/又は制御システム110のプロセッサ112によって分析できるように、1つ以上のセンサ130からデータ(例えば、生理学的データ、環境データ、気流データ及び/又は音声データ)を受信するように構成される。電子インタフェース119は、有線接続又は無線接続(例えば、RF通信プロトコル、WiFi通信プロトコル、ブルートゥース(登録商標)通信プロトコル、セルラーネットワークなど)を用いて、1つ以上のセンサ130と通信することができる。電子インタフェース119は、アンテナ、受信機(例えば、RF受信機)、送信機(例えば、RF送信機)、トランシーバ、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。電子インタフェース119は、本明細書に記載のプロセッサ112及び記憶装置114と同一又は同様の1つ以上のプロセッサ及び/又は1つ以上の記憶装置をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、電子インタフェース119は、外部装置170に連結又は統合される。他の実施形態では、電子インタフェース119は、制御システム110及び/又は記憶装置114に連結されるか、それらと(例えば、筐体内で)統合される。
【0026】
呼吸システム120(呼吸治療システムとも呼ばれる)は、呼吸圧力治療装置122(ここで、呼吸装置122とも呼ばれる)、ユーザインタフェース124、導管126(チューブ又は空気回路とも呼ばれる)、表示装置128、及び選択可能な加湿タンク129を含み得る。いくつかの実施形態では、制御システム110、記憶装置114、表示装置128、センサ130のうちの1つ以上、及び加湿タンク129は、呼吸装置122の一部である。呼吸圧力治療とは、(例えば、タンクベンチレータや陽陰圧体外式人工呼吸器などの陰圧治療とは異なり、)ユーザの呼吸サイクル全体を通じて大気に対して名目上陽である制御された目標圧力で、ユーザの気道の入口に空気供給を印加することを指す。呼吸システム120は、一般的に、1つ以上の睡眠関連呼吸障害(例えば、閉塞型睡眠時無呼吸、中枢型睡眠時無呼吸、混合型睡眠時無呼吸)に罹患している個人を治療するために使用される。
【0027】
呼吸装置122は、一般的に、ユーザに輸送される加圧空気を生成するために使用される。呼吸装置122は、(例えば、1つ以上の圧縮機又はファンを駆動する1つ以上のモータを使用して)加圧空気を生成するように設計された流量生成器を含み得る。いくつかの実施形態では、呼吸装置122は、ユーザに輸送される連続的な一定の空気圧を生成する。他の実施形態では、呼吸装置122は、2つ以上の所定の圧力(例えば、第1の所定の空気圧及び第2の所定の空気圧)を生成する。さらに別の実施形態では、呼吸装置122は、所定の範囲内の様々な異なる空気圧を生成するように構成される。例えば、呼吸装置122は、少なくとも約6 cm HO、少なくとも約10cm HO、少なくとも約20cm HO、約6cm HO~約10cm HO、約7cmHO~約12cm HOなどで輸送を行うことができる。呼吸装置122は、(周囲圧力に対して)陽圧を維持しながら、例えば、約-20L/分~約150L/分の所定の流量で加圧空気を輸送することもできる。
【0028】
ユーザインタフェース124は、ユーザの顔の一部と係合し、呼吸装置122からユーザの気道に加圧空気を輸送して、睡眠セッション中に気道が狭窄及び/又は閉塞することを防止することを支援する。これにより、睡眠セッション中のユーザの酸素摂取量も増加させることができる。適用される療法に応じて、ユーザインタフェース124は、例えば、ユーザの顔の領域又は一部とシールを形成して、治療を発効させるために周囲圧力と十分に異なる圧力、例えば、周囲圧力に対する約10cm HOの陽圧でのガスの輸送を容易にすることができる。酸素輸送などの他の治療形態において、ユーザインタフェースは、約10cm HOの陽圧でのガス供給の気道への輸送を容易するのに十分なシールを含まないことがある。
【0029】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース124は、ユーザの鼻と口を覆う顔マスクである。別のパターンのユーザインタフェースを使用してもよい。例えば、いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース124は、ユーザの鼻に空気を提供する鼻マスク、又はユーザの鼻孔に空気を直接輸送する鼻枕マスクであり得る。ユーザインタフェース124は、ユーザの一部(例えば顔)にインタフェースを位置付け、及び/又は安定させるための複数のストラップ(例えば面ファスナを含む)と、ユーザインタフェース124とユーザとの間での気密シールを提供するのを支援する形状適合性クッション(例えば、シリコーン、プラスチック、発泡体など)と、を含み得る。ユーザインタフェース124は、管状マスク(「頭頂」チューブ又はマスクとも呼ばれる)であってもよく、任意に、ユーザインタフェースに関連するヘッドマウントデバイスの1つ以上のベルトは、加圧空気をフルフェイスユーザインタフェース又は鼻ユーザインタフェースに輸送するための1つ以上の導管として機能するように構成されてもよく、ユーザインタフェースは、「導管マスク」と呼ばれてもよい。ユーザインタフェース124は、ユーザ210によって吐き出された二酸化炭素及び他のガスを逃がせるようにするための1つ以上の通気孔も含み得る。他の実施形態では、ユーザインタフェース124は、マウスピース(例えば、ユーザの歯に適合するように成形されたナイトガードマウスピース、下顎再配置装置など)を含む。
【0030】
図2に示されるユーザインタフェース124は、マスク形式のユーザインタフェースであるが、他のユーザインタフェースは、呼吸器120の一部として使用されてもよい。異なるモデル、異なるパターン、及び異なるメーカーからのユーザインタフェースは、ユーザの必要性又は所望に応じて、任意の所定の呼吸システム120に結合することができる。異なるユーザインタフェースは、気流をどのように処理及び応答するかに関する異なる特性を有することができる。例えば、異なる形状のユーザインタフェースは、呼吸気流システム120内の異なるインピーダンス及び異なる共振周波数をもたらすことができる。したがって、呼吸装置122(例えば、呼吸装置122のファン又は流量生成器)は、異なるユーザインタフェースのためにユーザ気道への規定又は所望の気流を生成するために、異なる駆動を必要とする場合がある。本明細書で使用されるように、ユーザインタフェースに関して使用される用語「パターン」は、フルフェイスマスク、鼻マスク、鼻枕、マウスピースなどのユーザインタフェースのタイプを説明することが意図されている。本明細書で使用されるように、ユーザインタフェースに関して使用される用語「モデル」及び「メーカー」は、任意の所定のユーザインタフェースのモデル及びメーカー共通の理解を示すことが意図されている。ユーザインタフェースモデルの例としては、レスメド(ResMed)TMのF10フルフェイスマスク、レスメドTMのP10鼻枕マスク、レスメドTMのN20鼻マスクなどが挙げられる。ユーザインタフェースは、複数のメーカーから入手することができる。単一のメーカーは、様々なモデルの複数の異なるユーザインタフェースを作成して配布することができる。モデルのそれぞれは、特定のパターンを有することができる。
【0031】
導管126(空気回路又はチューブとも呼ばれる)により、空気は、呼吸システム120の2つの構成要素、例えば呼吸装置122とユーザインタフェース124との間に流れることができる。いくつかの実施形態では、この導管に吸気及び呼気用の別々の枝管が存在し得る。他の実施形態では、単枝型導管は、吸気及び呼気の両方に使用される。
【0032】
ユーザインタフェースと同様に、異なるパターン、メーカー、及びモデルの導管は、任意の所定の呼吸システム120に用いることができる。いくつかの実装形態では、異なるパターン、メーカー、及び/又はモデルの導管は、導管が気流にどのように応答するかに関する異なる特性を有することができる。したがって、いくつかの実装形態では、導管のパターン、メーカー、及び/又はモデルを理解して、呼吸システム120が適切な設定を使用することを保証することが有利である。
【0033】
呼吸装置122、ユーザインタフェース124、導管126、表示装置128及び加湿タンク129のうちの1つ以上は、1つ以上のセンサ(例えば、圧力センサ、流量センサ、又はより一般的には、本明細書に記載の他のセンサ130のいずれか)を含み得る。これらの1つ以上のセンサは、例えば、呼吸装置122によって供給された加圧空気の空気圧及び/又は流量などの気流パラメータを測定するために用いることができる。
【0034】
表示装置128は、一般的に、呼吸装置122に関する、静止画像、動画像又はその両方を含む画像及び/又は情報を表示するために使用される。例えば、表示装置128は、呼吸装置122の状態に関する情報(例えば、呼吸装置122がオン/オフであるか否か、呼吸装置122によって輸送されている空気の圧力、呼吸装置122によって輸送されている空気の温度など)ユーザインタフェース124に関する情報(例えば、ユーザインタフェース124に関するパターン、メーカー、モデル又は特性)、導管126に関する情報(例えば、導管126に関するパターン、メーカー、モデル又は特性)及び/又は他の情報(例えば、myAirTMスコア)、現在の日付/時刻、ユーザ210の個人情報など)を提供することができる。いくつかの実施形態では、表示装置128は、画像を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を入力インタフェースとして含むヒューマンマシンインタフェース(HMI)として機能する。表示装置128は、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイなどであり得る。入力インタフェースは、例えば、タッチスクリーン又はタッチセンシティブ基板、マウス、キーボード、又は呼吸装置122と対話する人間のユーザによって行われた入力をセンシングするように構成された任意のセンサシステムであり得る。
【0035】
加湿タンク129は、呼吸装置122に結合又は統合され、呼吸装置122から送られた加圧空気を加湿するために用いることができるリザーバを含む。呼吸装置122は、ユーザに提供された加圧空気を加湿するために、加湿タンク129内の水を加熱するヒーターを含み得る。さらに、いくつかの実施形態では、導管126は、ユーザに送られた加圧空気を加熱する(例えば、導管126に結合され及び/又は埋め込まれた)加熱要素も含み得る。
【0036】
呼吸システム120は、例えば、人工呼吸器、又は持続気道陽圧(CPAP)システム、自動気道陽圧(APAP)システム、バイレベル又は可変気道陽圧(BPAP又はVPAP)システム等の気道陽圧(PAP)システム、又はそれらの任意の組み合わせとして用いることができる。CPAPシステムは、(例えば、睡眠医師によって決定された)所定の空気圧をユーザに輸送する。APAPシステムは、例えば、ユーザに関連する呼吸データに基づいて、ユーザに輸送される空気圧を自動的に変化させる。BPAP又はVPAPシステムは、第1の所定圧力(例えば、吸気気道陽圧又はIPAP)及び第1の所定圧力より低い第2の所定圧力(例えば、呼気気道陽圧又はEPAP)を輸送するように構成される。
【0037】
図2を参照すると、いくつかの実施形態に係るシステム100(図1)の一部が示されている。呼吸システム120のユーザ210及び同床者220は、ベッド230に位置付けられ、マットレス232に横たわっている。ユーザインタフェース124(例えば、顔面マスク)は、睡眠セッション中のユーザ210によって着用され得る。ユーザインタフェース124は、導管126を介して呼吸装置122に流体的に連結及び/又は接続される。呼吸装置122はまた、導管126及びユーザインタフェース124を介して加圧空気をユーザ210に輸送して、ユーザ210の喉内の空気圧を上昇させて、睡眠セッション中に気道が閉鎖し、及び/又は狭窄になることを防止することを支援する。呼吸装置122は、図2に示すようにベッド230に直接隣接するナイトテーブル240上、又はより一般的には、ベッド230及び/又はユーザ210に隣接する任意の表面又は構造上に配置することができる。
【0038】
図1に戻り、システム100の1つ以上のセンサ130は、圧力センサ132、流量センサ134、温度センサ136、運動センサ138、マイクロフォン140、スピーカー142、無線周波数(RF)受信機146、RF送信機148、カメラ150、赤外線センサ152、フォトプレチスモグラム(PPG)センサ154、心電図(ECG)センサ156、脳波(EEG)センサ158、容量センサ160、力センサ162、歪みゲージセンサ164、筋電図(EMG)センサ166、酸素センサ168、検体センサ174、水分センサ176、LiDARセンサ178又はそれらの組み合わせを含む。一般的に、1つ以上のセンサ130のそれぞれは、記憶装置114又は1つ以上の他の記憶装置により受信及び記憶されたセンサデータを出力するように構成される。
【0039】
1つ以上のセンサ130は、圧力センサ132、流量センサ134、温度センサ136、運動センサ138、マイクロフォン140、スピーカー142、RF受信機146、RF送信機148、カメラ150、赤外線センサ152、フォトプレチスモグラム(PPG)センサ154、心電図(ECG)センサ156、脳波(EEG)センサ158、容量センサ160、力センサ162、歪みゲージセンサ164、筋電図(EMG)センサ166、酸素センサ168、検体センサ174、水分センサ176及びLidARセンサ178のそれぞれを含むものとして図示及び記載されているが、より一般的には、1つ以上のセンサ130は、本明細書に記載及び/又は図示された各センサの任意の組み合わせ及び任意の個数を含み得る。
【0040】
1つ以上のセンサ130は、例えば、気流データ(例えば、流量及び圧力などの気流パラメータに関するデータ)、生理学的データ、音声データ、画像データ、他のデータ、又はそれらの任意の組み合わせを生成するために用いることができる。気流データは、本明細書でさらに詳細に開示されるように、ユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報を決定するために用いることができる。いくつかの実装形態では、音声データ、画像データ及び/又は他のデータを使用して、ユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報を決定又は容易に決定するために用いることができる。例えば、ユーザインタフェースの特定の形状又は特徴を示す音声データ又は画像データを使用して、気流パラメータを分析することによって縮小した後に、ユーザインタフェース識別情報の決定を容易にすることができる。制御システム110は、センサ130のうちの1つ以上によって生成された生理学的データを使用して、睡眠セッション中にユーザに関連する睡眠-覚醒信号及び1つ以上の睡眠関連パラメータを決定することができる。睡眠-覚醒信号は、覚醒、リラックスした覚醒、微小覚醒、急速眼球運動(REM)段階、第1のノンレム段階(「N1」と称されることが多い)、第2のノンレム段階(「N2」と称されることが多い)、第3のノンレム段階(「N3」と称されることが多い)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、1つ以上の睡眠状態を示すことができる。また、睡眠-覚醒信号には、ユーザが就床する時刻、ユーザが離床した時刻、ユーザが入眠しようとした時刻などを示すために、タイムスタンプを付与することができる。睡眠-覚醒信号は、睡眠セッション中に、例えば、1秒につき1サンプル、30秒につき1サンプル、1分につき1サンプルなど所定のサンプリングレートでセンサ130によって測定することができる。睡眠-覚醒信号に基づいて睡眠セッション中にユーザのために決定できる1つ以上の睡眠関連パラメータとしては、総就寝時間、総睡眠時間、入眠潜時、中途覚醒パラメータ、睡眠効率、断片化指数、又はそれらの任意の組み合わが挙げられる。
【0041】
1つ以上のセンサ130によって生成された生理学的データ及び/又は音声データを使用して、睡眠セッション中のユーザに関連付けられた呼吸信号を決定することができる。呼吸信号は、一般に、睡眠セッション中のユーザの呼吸(respiration/breathing)を示す。呼吸信号は、例えば、呼吸速度、呼吸速度可変性、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、1時間当たりのイベント数、イベントのパターン、呼吸装置122の圧力設定、又はそれらの任意の組み合わせを示すことができる。イベントは、いびき、無呼吸、中枢性無呼吸、閉塞型無呼吸、混合型無呼吸、呼吸低下、マスク漏れ(例えば、ユーザインタフェース124からの漏れ)、下肢静止不能、睡眠障害、窒息、心拍数増加、努力性呼吸、喘息発作、てんかん発作、けいれん又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実装形態では、この呼吸信号は、ユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報の決定を容易にするために用いることができる。
【0042】
圧力センサ132は、記憶装置114に記憶され、及び/又は制御システム110のプロセッサ112によって分析され得る圧力データを出力する(例えば、圧力信号)。いくつかの実施形態では、圧力センサ132は、呼吸システム120のユーザの呼吸(例えば、吸気及び/又は呼気)及び/又は周囲圧力を示すセンサデータを生成する空気圧センサ(例えば、気圧センサ)である。このような実施形態では、圧力センサ132は、呼吸装置122に連結又は統合することができる。圧力センサ132は、例えば、容量センサ、電磁センサ、圧電センサ、歪みゲージセンサ、光学センサ、電位差センサ又はそれらの任意の組み合わせであり得る。一例では、圧力センサ132は、ユーザの血圧を決定するために用いることができる。
【0043】
流量センサ134は、記憶装置114に記憶され、及び/又は制御システム110のプロセッサ112によって分析され得る流量データ(例えば、流量信号)を出力する。いくつかの実施形態では、流量センサ134は、呼吸装置122からの気流量、導管126を通る気流量、ユーザインタフェース124を通る気流量、又はそれらの任意の組み合わせを決定するために用いられる。このような実施形態では、流量センサ134は、呼吸装置122、ユーザインタフェース124又は導管126に連結又は統合することができる。流量センサ134は、例えば、回転流量計(例えば、ホール効果流量計)、タービン流量計、オリフィス流量計、超音波流量計、熱線センサ、渦流センサ、膜センサ、又はそれらの任意の組み合わせなどの質量流量センサであり得る。
【0044】
温度センサ136は、記憶装置114に記憶され、及び/又は制御システム110のプロセッサ112によって分析され得る温度データを出力する。いくつかの実施形態では、温度センサ136は、ユーザ210(図2)の中核体温、ユーザ210の皮膚温度、呼吸装置122から及び/又は導管126を通って流れる空気の温度、ユーザインタフェース124内の温度、周囲温度又はそれらの任意の組み合わせを示す温度データを生成する。温度センサ136は、例えば、熱電対センサ、サーミスタセンサ、シリコンバンドギャップ温度センサもしくは半導体ベースのセンサ、抵抗温度検出器、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0045】
マイクロフォン140は、記憶装置114に記憶され、及び/又は制御システム110のプロセッサ112によって分析され得る音声データを出力する。マイクロフォン140によって生成された音声データは、睡眠セッション中の1つ以上の音(例えば、ユーザ210からの音)として再生可能である。本明細書においてさらに詳細に記載されるように、またマイクロフォン140からの音声データを使用して、睡眠セッション中のユーザが経験したイベントを(例えば、制御システム110を使用して)識別することができる。マイクロフォン140は、呼吸装置122、ユーザインタフェース124、導管126又は外部装置170に連結又は統合することができる。
【0046】
スピーカー142は、システム100のユーザ(例えば、図2のユーザ210)に聞こえる音波を出力することができる。スピーカー142は、例えば、目覚まし時計として使用するか、又は(例えば、イベントに応答して)ユーザ210に警告又はメッセージを再生するために用いることができる。いくつかの実施形態では、スピーカー142は、マイクロフォン140によって生成された音声データをユーザに伝えるために用いることができる。スピーカー142は、呼吸装置122、ユーザインタフェース124、導管126又は外部装置170に連結又は統合することができる。
【0047】
マイクロフォン140及びスピーカー142は、独立した装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、マイクロフォン140及びスピーカー142は、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO 2018/050913号に記載されるように、音響センサ141に組み合わせることができる。このような実施形態では、スピーカー142は、所定の間隔で音波を生成又は放出し、マイクロフォン140は、スピーカー142から放出された音波の反射を検出する。スピーカー142によって生成又は放出された音波は、ユーザ210又は同床者220(図2)の睡眠を妨げないように、人間の耳に聞こえない周波数(例えば、20Hz未満又は約18kHz超)を有する。制御システム110は、マイクロフォン140及び/又はスピーカー142からのデータに少なくとも部分的に基づいて、ユーザ210(図2)の位置及び/又は本明細書に記載の睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を決定することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、センサ130は、(i)マイクロフォン140と同じ又は類似し、音響センサ141に統合された第1のマイクロフォンと、(ii)マイクロフォン140と同じ又は類似するが、音響センサ141に統合された第1のマイクロフォンとは独立しかつ別体である第2のマイクロフォンと、を含む。
【0049】
RF送信機148は、所定の周波数及び/又は所定の振幅(例えば、高周波帯域内、低周波帯域内、長波信号、短波信号など)を有する電波を生成及び/又は放射する。RF受信機146は、RF送信機148から放射された電波の反射を検出し、このデータは、制御システム110によって分析されることにより、ユーザ210(図2)の位置及び/又は本明細書に記載の睡眠関連パラメータのうちの1つ以上を決定することができる。RF受信機(RF受信機146及びRF送信機148又は別のRFペアのいずれか)は、制御システム110、呼吸装置122、1つ以上のセンサ130、外部装置170、又はそれらの任意の組み合わせの間での無線通信に使用することもできる。RF受信機146及びRF送信機148は、独立した別体の要素として図1に示されるが、いくつかの実施形態では、RF受信機146及びRF送信機148は、RFセンサ147の一部として組み合わされる。いくつかのこのような実施形態では、RFセンサ147は、制御回路を含む。RF通信の具体的な形式は、WiFi、Bluetooth(登録商標)などであり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、RFセンサ147は、メッシュシステムの一部である。メッシュシステムの一例は、それぞれが移動式/可動式又は固定式であり得るメッシュノード、メッシュルータ及びメッシュゲートウェイを含み得る、WiFiメッシュシステムである。このような実施形態では、WiFiメッシュシステムは、それぞれがRFセンサ147と同一又は類似のRFセンサを含む、WiFiルータ及び/又はWiFiコントローラ、ならびに1つ以上の衛星(例えば、アクセスポイント)を含む。WiFiルータ及び衛星は、WiFi信号を使用して互いに連続的に通信する。WiFiメッシュシステムは、物体又は人の移動が信号を部分的に妨害することによってルータと衛星との間のWiFi信号の変化(例えば、受信された信号強度の差)に基づいて運動データを生成するために用いることができる。この運動データは、運動、呼吸、心拍数、歩行、転倒、挙動など又はそれらの任意の組み合わせを示すことができる。
【0051】
カメラ150は、記憶装置114に記憶できる1つ以上の画像(例えば、静止画像、動画像、熱画像又はそれらの組み合わせ)として再生可能な画像データを出力する。カメラ150からの画像データは、本明細書に記載の1つ以上の睡眠関連パラメータを決定するために制御システム110により用いることができる。例えば、カメラ150からの画像データを使用して、ユーザの位置を識別し、ユーザ210がベッド230(図2)に就床する時刻を決定し、ユーザ210がベッド230から離床する時刻を決定することができる。いくつかの実装形態では、カメラ150からの画像データは、ユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報を決定又は容易に決定するために制御システム110により用いることができる。例えば、気流パラメータの分析によって可能なユーザインタフェース識別情報をいくつかの可能性に縮小した後、画像データ(例えば、ユーザインタフェースの写真を要求することができる)を要求することができ、ユーザインタフェース識別情報を決定又は容易に決定するために用いることができる。
【0052】
赤外線(IR)センサ152は、記憶装置114に記憶できる1つ以上の赤外線画像(例えば、静止画像、動画像、又はその両方)として再生可能な赤外線画像データを出力する。IRセンサ152からの赤外線データは、ユーザ210の温度及び/又はユーザ210の動きを含む、睡眠セッション中の1つ以上の睡眠関連パラメータを決定するのに用いることができる。IRセンサ152はまた、ユーザ210の存在、位置、及び/又は動きを測定する際に、カメラ150と組み合わせて使用することもできる。いくつかの実装形態では、IRセンサ152からの赤外線データは、ユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報を決定又は容易に決定するために用いることができる。IRセンサ152は、例えば、約700nmと約1mmとの間の波長を有する赤外光を検出することができるのに対し、カメラ150は、約380nmと約740nmとの間の波長を有する可視光を検出することができる。
【0053】
PPGセンサ154は、例えば、心拍数、心拍数変動、心周期、呼吸数、吸気振幅、呼気振幅、吸気対呼気比、推定血圧パラメータ、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の睡眠関連パラメータを決定するために使用できる、ユーザ210(図2)に関連する生理学的データを出力する。PPGセンサ154は、ユーザ210によって着用され、ユーザ210が着用する衣類及び/又は布地に埋め込み、ユーザインタフェース124及び/又はその関連するヘッドギア(例えば、ストラップなど)に埋め込み及び/又は連結することができる。
【0054】
ECGセンサ156は、ユーザ210の心臓の電気的活動に関連付けられた生理学的データを出力する。いくつかの実施形態では、ECGセンサ156は、睡眠セッション中にユーザ210の一部の上又はその周囲に配置された1つ以上の電極を含む。ECGセンサ156からの生理学的データを使用して、例えば、本明細書に記載の1つ以上の睡眠関連パラメータを決定することができる。
【0055】
EEGセンサ158は、ユーザ210の脳の電気的活動に関連付けられた生理学的データを出力する。いくつかの実施形態では、EEGセンサ158は、睡眠セッション中のユーザ210の頭皮の上又はその周囲に配置された1つ以上の電極を含む。EEGセンサ158からの生理学的データを使用して、例えば、睡眠セッション中の任意の所与の時間におけるユーザ210の睡眠状態を決定することができる。いくつかの実施形態では、EEGセンサ158は、ユーザインタフェース124及び/又はその関連するヘッドギア(例えば、ストラップなど)に統合することができる。
【0056】
容量センサ160、力センサ162及び歪みゲージセンサ164は、記憶装置114に記憶され、本明細書に記載の1つ以上の睡眠関連パラメータを決定するために制御システム110によって使用され得るデータを出力する。EMGセンサ166は、1つ以上の筋肉により生み出された電気的活動に関連付けられた生理学的データを出力する。酸素センサ168は、(例えば、導管126内又はユーザインタフェース124における)ガスの酸素濃度を示す酸素データを出力する。酸素センサ168は、例えば、超音波酸素センサ、電気酸素センサ、化学酸素センサ、光学酸素センサ、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ130はまた、ガルバニック皮膚反応(GSR)センサ、血流センサ、呼吸センサ、脈拍センサ、血圧計センサ、酸素測定センサ又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0057】
検体センサ174は、ユーザ210の呼気中の検体の存在を検出するために用いることができる。検体センサ174によって出力されたデータは、記憶装置114に記憶し、ユーザ210の息における任意の検体の同一性及び濃度を決定するために制御システム110により用いることができる。いくつかの実施形態では、検体センサ174は、ユーザ210の口の付近に配置されて、ユーザ210の口から吐き出された息中の検体を検出する。例えば、ユーザインタフェース124がユーザ210の鼻及び口を覆う顔面マスクである場合、検体センサ174は、顔面マスク内に配置されてユーザ210の口の呼吸を監視することができる。他の実施形態では、例えば、ユーザインタフェース124が鼻マスク又は鼻枕マスクである場合に、検体センサ174は、ユーザ210の鼻の付近に配置されてユーザの鼻からの呼気中の検体を検出することができる。さらなる他の実施形態では、ユーザインタフェース124が鼻マスク又は鼻枕マスクである場合に、検体センサ174は、ユーザ210の口の付近に配置することができる。この実施形態では、検体センサ174は、ユーザ210の口から不用意に空気が漏れているか否かを検出するために用いることができる。いくつかの実施形態では、検体センサ174は、炭素系化学物質又は炭素系化合物を検出するために用いることができる揮発性有機化合物(VOC)センサである。いくつかの実施形態では、また、検体センサ174は、ユーザ210が鼻又は口で呼吸しているか否かを検出するために用いることができる。例えば、ユーザ210の口の付近又は(ユーザインタフェース124が顔面マスクである実施形態では)顔面マスク内に配置された検体センサ174により出力されたデータにより検体の存在が検出された場合、制御システム110は、ユーザ210が口で呼吸しているという指標としてこのデータを使用することができる。
【0058】
水分センサ176は、記憶装置114に記憶され、制御システム110によって使用され得るデータを出力する。水分センサ176は、ユーザを取り囲む様々な領域(例えば、導管126又はユーザインタフェース124の内部、ユーザ210の顔付近、導管126とユーザインタフェース124との接続部付近、導管126と呼吸装置122との接続部付近など)における水分を検出するために用いることができる。したがって、いくつかの実施形態では、水分センサ176をユーザインタフェース124又は導管126内に配置して、呼吸装置122からの加圧空気の湿度を監視することができる。他の実施形態では、水分センサ176は、水分レベルを監視する必要がある任意の領域付近に配置される。水分センサ176はまた、例えば寝室内の空気の水分、ユーザ210を取り囲む周囲環境を監視するために用いることができる。
【0059】
光検出及び測距(LiDAR)センサ178は、深度感知に用いることができる。このような光学センサ(例えば、レーザセンサ)は、物体を検出し、生活空間などの周囲環境の3次元(3D)マップを作成するために用いることができる。LiDARは、一般的に、パルスレーザを利用して飛行時間を計測する。LiDARは、3Dレーザスキャンとも呼ばれる。このようなセンサの一使用例では、LiDARセンサ178を有する固定又は(スマートフォンなどの)モバイル機器は、センサから5メートル以上離れた領域を測定しマッピングすることができる。LiDARデータは、例えば電磁式RADARセンサによって推定された点群データと融合することができる。LiDARセンサ178はまた、人工知能(AI)を使用して、(RADARに対して高反射性であり得る)ガラス窓など、RADARシステムに問題を引き起こす可能性のある空間内の地物を検出し分類することにより、RADARシステムのジオフェンスを自動的に作成し得る。例えば、LiDARはまた、人の身長に加え、人が座ったとき、倒れたとき等に生じる身長の変化を推定するために用いることができる。LiDARは、環境の3Dメッシュ表現を形成するために用いることができる。さらなる用途では、電波が通過する固体表面(例えば電波透過性材料)には、LiDARがそのような表面で反射し得ることにより、異なるタイプの障害物の分類が可能となる。いくつかの実装形態では、LiDARセンサ178からのLiDARデータは、ユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報を決定又は容易に決定するために用いることができる。
【0060】
図1では別々に示されるが、1つ以上のセンサ130の任意の組み合わせを、呼吸装置122、ユーザインタフェース124、導管126、加湿タンク129、制御システム110、外部装置170又はそれらの任意の組み合わせを含むシステム100の構成要素のうちの任意の1つ以上に統合及び/又は結合することができる。例えば、マイクロフォン140及びスピーカー142は、外部装置170に統合及び/又は結合するとともに、圧力センサ130及び/又は流量センサ132は、呼吸装置122に統合及び/又は結合する。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つは、呼吸装置122、制御システム110、又は外部装置170に連結されず、睡眠セッション中のユーザ210に概ね隣接して配置される(例えば、ユーザ210の一部の上に配置されるか又は接触する、ユーザ210によって着用される、ナイトスタンドに連結されるか又はその上に配置される、マットレスに連結される、天井に連結される、など)。
【0061】
例えば、図2に示すように、センサ130のうちの1つ以上は、ベッド230及びユーザ210に隣接するナイトスタンド240上の第1の位置250Aに配置することができる。又は、センサ130のうちの1つ以上は、マットレス232上及び/又はマットレス232内の第2の位置250B(例えば、センサは、マットレス232に結合及び/又は統合される)に配置することができる。また、センサ130のうちの1つ以上は、ベッド230上の第3の位置250Cに配置することができる(例えば、補助センサ140は、ベッド230のフレーム上のヘッドボード、フットボード又は他の位置に結合及び/又は統合される)。センサ130のうちの1つ以上は、一般にベッド230及び/又はユーザ210に隣接する壁又は天井上の第4の位置250Dに配置することができる。センサ130の1つ以上は、センサ130のうちの1つ以上が呼吸システム120の呼吸装置122のハウジングに結合されるか、及び/又はハウジング上及び/又はハウジング内部に配置されるように、第5の位置250Eに配置することができる。また、センサ130の1つ以上は、ユーザ210に結合及び/又は配置されるように第6の位置250Fに配置することができる(例えば、センサは、睡眠セッション中にユーザ210が着用する布地、衣類に埋め込まるか又は結合される)。より一般的には、センサ130の1つ以上は、1つ以上のセンサ140が1つ以上の睡眠セッション中にユーザ210及び/又は同床者220に関連する生理学的データを生成できるように、ユーザ210に対して任意の適切な位置に配置することができる。
【0062】
図1に戻り、外部装置170は、プロセッサ172と、メモリ174と、表示装置176とを含む。外部装置170は、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータなどのモバイル機器であり得る。プロセッサ172は、制御システム110のプロセッサ112と同じ又は類似する。同様に、メモリ174は、制御システム110の記憶装置114と同じ又は類似する。表示装置176は、一般的に、静止画像、動画像又はその両方を含む画像を表示するために使用される。いくつかの実施形態では、表示装置176は、画像を表示するように構成されたグラフィカルユーザインタフェース(GUI)及び入力インタフェースを含むヒューマンマシンインタフェース(HMI)として機能する。表示装置176は、LEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、LCDディスプレイなどであり得る。入力インタフェースは、例えば、タッチスクリーン又はタッチセンサ式基板、マウス、キーボード、又は外部装置170と対話する人間のユーザによって行われた入力をセンシングするように構成された任意のセンサシステムであり得る。
【0063】
制御システム110及び記憶装置114は、システム100の独立した別体の構成要素として記載され図1に示されるが、いくつかの実施形態では、制御システム110及び/又は記憶装置114は、外部装置170及び/又は呼吸装置122に統合される。代替的に、いくつかの実施形態では、制御システム110又はその一部(例えば、プロセッサ112)は、クラウドに配置し(例えば、サーバに統合され、モノのインターネット(IoT)装置に統合され、クラウドに接続され、エッジクラウド処理を受ける)、1つ以上のサーバ(例えば、リモートサーバ、ローカルサーバなど、又はそれらの任意の組み合わせ)に配置することができる。
【0064】
システム100は、上記構成要素の全てを含むものとして示されるが、ユーザインタフェース識別情報を自動的に決定するためのシステムには、より多くの又はより少ない構成要素を含めることができる。例えば、第1の代替システムは、制御システム110、呼吸システム120、及び1つ以上のセンサ130のうちの少なくとも1つを含む。別の例として、第2の代替システムは、呼吸システム120、1つ以上のセンサ130、及び外部装置170を含む。さらに別の例として、第3の代替システムは、制御システム110及び1つ以上の補助センサ140を含む。したがって、本明細書に示され記載された構成要素の任意の一部を使用し、及び/又は1つ以上の他の構成要素と組み合わせて、睡眠セッションに関連する睡眠関連パラメータを決定するための様々なシステムを形成することができる。
【0065】
図3は、本開示のいくつかの態様に係る気流パラメータを分析して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定するためのプロセス300を示すフローチャートである。プロセス300は、例えば図1のシステム100の制御システム110上で実行されるような任意の適切なシステム上で実行することができる。
【0066】
ブロック302において、ユーザインタフェース(例えば、図1のユーザインタフェース124)を通る気流を生成することができる。気流は、呼吸装置によって生成することができ、又はより具体的には、呼吸装置の流量生成器によって生成することができる。いくつかの実装形態では、流量生成器は、特定の設定又はパラメータのセットで動作することができる。例えば、流量生成器は、ある速度又は速度モードで駆動されるファンを含むことができる。
【0067】
いくつかの実装形態では、ブロック302において気流を生成することは、気流に対する既知の調整(例えば、呼吸治療の通常の動作プロセスの外)を生成し、既知の調整を気流に戻すことが含まれてもよい。調整前、調整中、及び/又は調整後に測定された気流パラメータを使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定することができる。例えば、いくつかの実装形態では、ブロック302において気流を生成することは、気流流量の一時的な増加を引き起こして、測定された気流パラメータの調整及び/又は測定された空気流パラメータの調整に対する応答を検出することによって、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の決定を容易にすることが含まれてもよい。例えば、流量及び/又は圧力に起因する変動を生成することができ、生成された変動に対する応答を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の決定を容易にすることができる。
【0068】
ブロック304において、センサデータを受信することができる。センサデータは、1つ以上のセンサ(例えば、図1の1つ以上のセンサ130)から受信することができる。センサデータを受信することは、ブロック302において生成された気流の気流パラメータ、例えば、流量、圧力、又は流量及び圧力の両方を測定することを含み得る。いくつかの実装形態では、気流の他のパラメータは、ブロック304において測定することができる。気流パラメータを測定することは、経時的変化気流パラメータを測定することによって、経時的変化に該当する気流パラメータを示す信号を生成することを含み得る。例えば、流量信号は、ブロック302から生成された気流の経時的変化流量を示すことができる。別の例では、圧力信号は、ブロック302から生成された気流の経時的変化の圧力を示すことができる。
【0069】
いくつかの実装形態では、ブロック304においてセンサデータを受信することは、音声データ、画像データ、生理学的データなどの他のセンサデータを受信することをさらに含み得る。いくつかの実装形態では、そのような他のセンサデータを受信することは、ブロック314を参照して後述するように、付加データを要求するグラフィカルユーザインタフェースを介して、ユーザへのプロンプトに応答して実行することができる。いくつかの実装形態では、ブロック304においてセンサデータを受信することは、流量生成器ファンのファン速度などの検知された流量生成器情報を受信することをさらに含み得る。
【0070】
いくつかの実装形態では、ブロック304においてセンサデータを受信することは、センサデータがいつ取得されるかに対して、リアルタイム又はほぼリアルタイムで生じることができる。例えば、このような実装形態では、プロセス300は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報(例えば、ユーザインタフェース、ユーザインタフェースの特性、導管、導管の特性、又はそれらの任意の組み合わせを識別する)をリアルタイム又はほぼリアルタイムで自動的に決定するために用いることができる。しかしながら、他の実装形態では、ブロック304においてセンサデータを受信することは、非同期(例えば、センサデータの取得と非同期)であってもよい。このような実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定するために使用されるそのような時間まで、システムによって取得されたセンサデータは、メモリなどに記憶されてもよい。例えば、このような実装形態では、ブロック302において生成された気流は、ユーザが睡眠し、システムを使用するときに発生することができ、このとき、センサデータを取得して記憶することができる。睡眠セッションが終了した後などの少し後の時間に、システムは、ブロック304においてセンサデータを受信し、センサデータを処理し続けて、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定することができる。
【0071】
いくつかの実装形態では、ブロック304においてセンサデータを受信することは、ユーザがユーザインタフェースを着用しているときに第1の組のセンサデータを受信することと、ユーザがユーザインタフェースを着用していないときに第2の組のセンサデータを受信することとを含む。このような実装形態では、このセンサデータ(例えば、第1の組のセンサデータ及び第2の組のセンサデータ)を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することができる。異なるユーザインタフェースは、ユーザインタフェースが着用されている場合とユーザインタフェースが着用されていない場合との間で異なるセンサデータ変化を示すことができるので、このようなデータは、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の識別を容易にする上で有用である。
【0072】
いくつかの実装形態では、オプションのブロック326において、補足的なパラメータを受信、供給して、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別する間に用いることができる。このような補足的なパラメータは、流量生成器パラメータ及びシステムに関連する生理学的データを含み得る。流量生成器パラメータは、流量生成器又は呼吸システムの他の部分に関連する任意のパラメータ又は他の情報を含み得る。流量生成器パラメータの具体例としては、加湿器の存在、加湿器に関する情報(例えば、モデル又は動作特性)、入口フィルタ情報(例えば、タイプ、形状又は他の特性)、入口バッフル情報(例えば、タイプ、形状又は他の特性)、モータ情報(例えば、流量生成器のモータのタイプ、形状又は他の特性)、出口バッフル情報(例えば、タイプ、形状又は他の特性)及び呼気圧力解放設定が挙げられる。システムに関連する生理学的データは、中央無呼吸検出情報などの、システムによって個別に決定された任意の適切な生理学的データであってもよい。
【0073】
ブロック306において、ブロック304から受信されたセンサデータを使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することができる。ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、ユーザインタフェース識別情報を識別すること、導管識別情報を識別すること、又はユーザインタフェース識別情報及び導管識別情報の両方を識別することを含み得る。ユーザインタフェース識別情報を識別することは、特定のユーザインタフェース、ユーザインタフェースのモデル、ユーザインタフェースのメーカー、ユーザインタフェースのパターン、又はユーザインタフェースのいくつかの他の特性を識別することを含み得る。導管識別情報を識別することは、特定の導管、導管のモデル、導管のメーカー、導管のパターン(例えば、導管の形状、導管の直径(例えば、内径12mm、15mm又は19mmの導管)、導管の長さなど)、又は導管のいくつかの他の特性を識別することを含み得る。ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の識別は、異なる技術によって発生することができる。
【0074】
いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、可能なユーザインタフェース及び/又は導管パターンセルからユーザインタフェース及び/又は導管のパターンを識別することを含み得る。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管のパターンの広範な決定は、センサデータから迅速かつ容易に決定することができる。ユーザインタフェース及び/又は導管のパターンを決定した後、センサデータから他の特性をより容易に決定することができる。例えば、ユーザインタフェース及び/又は導管のパターンを決定した後、システムは、ユーザインタフェース及び/又は導管のモデル及び/又はメーカーをより容易に決定することができる。例えば、鼻枕ユーザインタフェースからのセンサデータに、マスクユーザインタフェースからのセンサデータに適用されるアルゴリズム又はモデルとは異なるアルゴリズム又はモデルを応用することができる。しかしながら、いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管のパターンは、先に又は個別に決定される必要はない。
【0075】
いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、ブロック304から受信されたセンサデータなどの機械学習モデルをブロック312において着信データに適用することを含み得る。任意の適切な機械学習モデル又はアルゴリズムを用いることができる。いくつかの実装形態では、ニューラルネットワークモデルとして機械学習モデル(例えば、ディープニューラルネットワーク)を使用することが特に有用であるかもしれない。いくつかの実装形態では、再帰型ニューラルネットワークモデルを使用して、気流パラメータ信号(例えば、流量信号及び圧力信号)などの入力データからユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を効果的に識別することができる。再帰型ニューラルネットワークを使用する場合、再帰型ニューラルネットワークは、長・短期記憶再帰型ニューラルネットワークであってもよい。いくつかの実装形態では、コンボリューショナルニューラルネットワークモデルを使用して、気流パラメータの図(例えば、流量マップ及び圧力マップ)などの入力データからユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を効果的に識別することができる。いくつかの実装形態では、複数のニューラルネットワークの組み合わせを用いることができる。
【0076】
いくつかの実装形態では、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、気流パラメータを使用してスペクトルマップを生成し、ディープニューラルネットワーク(例えば、コンボリューショナルニューラルネットワーク)にそのスペクトルマップを適用することを含み得る。
【0077】
ブロック312において使用される機械学習モデルは、予めトレーニングされてもよい。モデルとともに用いられる入力データの適切な訓練データを用いて機械学習モデルをトレーニングすることができる。例えば、いくつかの実装形態では、流量信号及び圧力信号を受信し、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を生成する機械学習モデルは、流量信号、関連する圧力信号、及び関連するユーザインタフェース及び/又は導管識別情報のデータを含むコーパスを使用してトレーニングすることができる。いくつかの実装形態では、機械学習モデルは、複数の異なるユーザインタフェース及び/又は導管にわたる流量信号データ及び圧力信号データのコーパスを使用してトレーニングされる。適切な如何なる訓練プログラムを用いることができる
【0078】
いくつかの実装形態では、ブロック312において機械学習モデルを応用することは、受信されたデータ(例えば、流量信号及び圧力信号などのセンサデータ)を機械学習モデルに直接提供することを含み得る。例えば、機械学習モデルの入力は、流量信号及び圧力信号を含み得る。しかしながら、いくつかの実装形態では、ブロック312において機械学習モデルを応用することは、受信されたデータから抽出された特徴を提供することを含み得る。このような実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、ブロック310において特徴を決定することを含み得る。特徴は、例えば、アルゴリズム又は機械学習モデルを使用してセンサデータを分析することによって、任意の適切な方法で決定されることができる。
【0079】
いくつかの実装形態では、ブロック310において特徴を決定することは、流量生成器、導管、及びユーザインタフェースを含む流体システムに関連する1つ以上の共振周波数を決定することを含み得る。ケプストラム分析を気流パラメータ(例えば、流量信号及び/又は圧力信号)に応用することを含む、共振周波数の決定は、任意の適切な方法で実行されてもよい。異なるユーザインタフェース及び/又は導管が流体システムにおいて異なる共振周波数を示すことをもたらす異なる特性を有することができるので、流体システムに関連する1つ以上の共振周波数は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するための有用な特徴であってもよい。
【0080】
いくつかの実装形態では、ブロック310において特徴を決定することは、意図しない漏れ信号などの漏れ信号を決定することを含み得る。意図しない漏れ信号は、ユーザインタフェースの使用中に経時的変化の任意の意図しない漏れの存在及び/又は強度のプロンプトであってもよい。意図しない漏れは、ユーザインタフェース及び/又は導管の不十分なシール部分(例えば、ユーザインタフェースとユーザ又は他の場所との間、例えば、ユーザインタフェースと導管との間)を介して発生することができる。意図しない漏れに関連する情報の存在及び/又は他の情報は、ユーザインタフェース及び/又は導管のタイプ又は他のユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を示すことができる。例えば、ユーザインタフェースが除去されたときに生じる意図しない漏れのタイプは、フルフェイスユーザインタフェース及び鼻枕ユーザインタフェースに対して異なってもよい。いくつかの実装形態では、ユーザの睡眠セッションに関連する他の情報、例えば睡眠位置(例えば、仰臥、うつ伏せ、左側又は右側)は、意図しない漏れ信号と共に使用されて、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の決定を容易にすることができる。例えば、いくつかのユーザインタフェース及び/又は導管は、いくつかの睡眠位置において意図しない漏れを示す可能性が高い。別の例として、いくつかのユーザインタフェース及び/又は導管は、ユーザが特定の睡眠位置に入る可能性をより小さくすることができる。例えば、意図しない漏れが検出されないが、ユーザがうつ伏せになっている睡眠位置で寝ていることが検出された場合、特定のユーザインタフェース(例えば、フルフェイスユーザインタフェース)が使用されていないことをユーザに指示することができる。意図しない漏れは、ユーザインタフェース及び/又は導管の1つ以上の通気口を介して空気が意図的に逸れることを含まない。
【0081】
いくつかの実装形態では、漏れ信号を決定することは、意図的な漏れ信号を決定することを含み得る。意図的な漏れ信号は、ユーザインタフェースの使用中に任意の経時的変化の意図的な漏れの存在及び/又は強度のプロンプトであってもよい。意図的な漏れは、呼吸治療の適用中、気流がユーザインタフェース及び/又は導管の1つ以上の通気口を通るか、又は他の方法でユーザインタフェース及び/又は導管から意図的に離れることを含み得る。意図的な漏れに関連する情報の存在及び/又は他の情報は、ユーザインタフェース及び/又は導管のタイプ又は他のユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を示すことができる。いくつかの実装形態では、ユーザの睡眠セッションに関連する他の情報、例えば睡眠位置(例えば、仰臥、うつ伏せ、左側又は右側)は、意図的な漏れ信号と共に使用されて、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の決定を容易にすることができる。例えば、異なるユーザインタフェース(例えば、通気口の位置及び設計、ならびにユーザインタフェースの他の特徴のため)及び/又は導管の場合、いくつかの睡眠位置は、意図的な漏れに異なる影響を与える可能性がある。例えば、トップダウン型又はオーバーヘッド型ユーザインタフェースは、いくつかの睡眠位置で遮断可能な通気口を含み、このようなユーザインタフェースが鼻枕ユーザインタフェースとは異なる意図的な漏れ信号を示させることができる。
【0082】
いくつかの実装形態では、意図的な漏れ信号(例えば、ユーザインタフェースの1つ以上の通気口を通る気流)は、異なる気流パラメータ(例えば、1つ以上の治療圧力下で)で特徴付けられることができる。これらの異なる気流パラメータにおける意図的な漏れ信号の変化は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するために用いることができる。例えば、異なるユーザインタフェース及び/又は導管は、ユーザインタフェース及び/又は導管が気流パラメータの変化(例えば、流量又は治療圧力の変化)にどのように応答するかに関する異なる特性を示すことができる。一例として、特定の導管は、総流量に応じて導管の長さにおいて異なる圧力低下を示すことができ、又は換言すれば、示される圧力低下は、導管を通る総流量の関数である。この関数は、異なる導管において異なってもよく、したがって、導管を他の導管と区別するために用いることができる(例えば、導管のパターン、モデル、及び/又はメーカーを識別するために)特性であってもよい。同様に、気流パラメータの変化に応答して、ユーザインタフェース(例えば、ユーザインタフェースの通気口)に関連する特性応答は、このユーザインタフェースを他のユーザインタフェースから区別するために用いることができる(例えば、ユーザインタフェースのパターン、モデル、及び/又はメーカーを識別するために)。
【0083】
いくつかの実装形態では、ブロック310において特徴を決定することは、鼻-口呼吸信号を決定することを含み得る。鼻-口呼吸信号は、ユーザがその鼻(例えば、鼻呼吸)、その口(例えば、口呼吸)、又はそれらの組み合わせ呼吸を通るかどうかの経時的変化のプロンプトであってもよい。異なるユーザインタフェース及び/又は導管は、鼻呼吸及び/又は口呼吸の存在又は鼻呼吸と口呼吸との間の変化に対して異なる反応を行うことができるので、鼻-口呼吸信号は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するための有用な特徴であってもよい。例えば、呼吸の呼気段階中の流量信号(例えば、流量波形)の特性平坦化は、鼻マスク又は鼻枕パターンのユーザインタフェースの存在を示す口から漏れた空気を示すことができる。
【0084】
いくつかの実装形態では、ブロック310において特徴を決定することは、体積呼吸信号を決定することを含み得る。体積呼吸信号は、吸気体積及び/又は呼気体積の経時的変化のプロンプトであってもよい。いくつかの実装形態では、体積呼吸信号は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するための有用な特徴であってもよい。例えば、吸気体積が呼気体積よりも大きいことを示す体積呼吸信号は、鼻マスク又は鼻枕パターンのユーザインタフェースの存在を示す口から漏れた空気を示すことができる。
【0085】
いくつかの実装形態では、ブロック310において特徴を決定することは、持続呼吸信号を決定することを含み得る。持続時間呼吸信号は、吸入持続時間及び/又は呼気持続時間の経時的変化のプロンプトであってもよい。いくつかの実装形態では、持続呼吸信号は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するための有用な特徴であってもよい。持続呼吸信号は、持続呼吸信号を含む訓練データでトレーニングした機械学習モデルの有用な特徴として機能することができる。
【0086】
いくつかの実装形態では、ブロック310において特徴を決定することは、気流パラメータ(例えば、流量信号及び/又は圧力信号)の周波数成分の1つ以上のパケットを決定することを含み得る。周波数成分のパケットは、閾値周波数以下、又はそれ以上の信号成分を含み得る。周波数成分は、時間領域から周波数領域への変換(例えば、高速フーリエ変換)などの周波数及び強度として表すことができる。周波数成分1つ以上のパケットは、機械学習モデルの入力として使用することができ、又は、1つ以上の信号から望ましくないデータをフィルタリングするために用いることができる。
【0087】
いくつかの実装形態では、周波数成分の1つ以上のパケットを決定することは、高周波閾値周波数以上の成分を含み得る高周波成分を決定することを含む。いくつかの実装形態では、高周波成分は、ベースライン呼吸速度又は他の呼吸速度閾値(例えば、現在のセンサデータ及び/又は履歴センサデータにおいて識別された最大呼吸速度、又はベースライン呼吸速度よりも高いパーセンテージ)よりも高い成分を含む。このような高周波成分は、交流電気と同様の意味で「AC」成分とも呼ばれるため、流量生成器のファンの回転による変動などの急速に発生する影響が含まれてもよい。いくつかの実装形態では、分析信号がユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別した場合、ユーザインタフェース及び/又は導管の特性が往々にして高周波にある信号に影響を与えないので、信号(例えば、流量信号又は圧力信号)から高周波成分を除去するのが望ましい。いくつかの実装形態では、周波数成分の1つ以上のパケットを決定することは、非高周波成分、又は非高周波の全ての周波数成分(例えば、ベースライン呼吸速度以下の全ての周波数成分)を決定することを含み得る。
【0088】
いくつかの実装形態では、周波数成分の1つ以上のパケットを決定することは、低周波数閾値周波数以下の成分を含むことができる低周波成分を決定することを含む。いくつかの実装形態では、低周波成分は、ベースライン呼吸速度又は他の呼吸速度閾値(例えば、現在のセンサデータ及び/又は履歴センサデータにおいて識別された最小呼吸速度、又はそのような呼吸速度よりも低いパーセンテージ)に比べて遅い周波数よりも低い成分を含む。例えば、低周波閾値は、0.5 Hz、0.25 Hz、0.125 Hz、0.0625 Hzなどであってもよい。このような低周波成分は、直流電流と同様の意味で「DC」成分とも呼ばれるので、ユーザインタフェース及び/又は導管の特性(例えば、ユーザインタフェース及び/又は導管の流体インピーダンス)などの緩やかな変化及び/又は定常な状態の影響が含まれてもよい。いくつかの実装形態では、インピーダンス信号は、低周波成分から決定されることができる。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管の特性が低周波で最大の影響を有する傾向があるので、このような低周波成分を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するのが望ましい。
【0089】
いくつかの実装形態では、周波数成分の1つ以上のパケットを決定することは、低周波数閾値周波数(例えば、上述した低周波閾値周波数)と高周波閾値周波数(例えば、ベースライン呼吸速度)との間の成分を含むことができる中周波成分を決定することを含む。このような中周波成分は、ユーザインタフェース及び/又は導管の使用に関連するユーザの影響を含むことができる中周波数で変更された信号が含まれてもよい。例えば、ユーザがユーザインタフェースを使用する場合、ユーザの呼吸及び動き、ならびにこのような呼吸及び動きに対するユーザインタフェース及び/又は導管の応答は、中周波成分が生じるおそれがある。いくつかの実装形態では、中周波成分は、ユーザインタフェース及び/又は導管内の意図しない漏れを示すことができるため、場合によっては、中周波成分から意図しない漏れ信号を決定することができる。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管の特性がこのような中周波数に影響を与える傾向があるので、このような中周波成分を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するのが望ましい。
【0090】
いくつかの実装形態では、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、気流パラメータにおける過渡イベントを識別することを含み得る。過渡イベントは、ユーザインタフェース及び/又は導管の除去及び/又は調整、睡眠時のユーザ位置の変化(例えば、睡眠位置間の移動又はベッド上での移動)、治療圧力の変化(例えば、自動気道陽圧の変化)、又は気流パラメータ信号の過渡をもたらす他のこのような動作を含み得る。過渡自体及び/又は過渡に対する応答は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の識別を容易にするために用いることができる。例えば、異なるユーザインタフェース及び/又は導管は、ユーザインタフェースを着用するか、及び/又は気流パラメータにおいて検出されたような異なる識別可能な方式で導管に接続されるユーザに応答することができる。別の例として、異なるユーザインタフェース及び/又は導管は、ベッド内で位置を変更するユーザに異なるように応答することができる。例えば、他のユーザインタフェースに比べて、より実質的な締結特徴(例えば、ベルト)及び/又はより良いシールを有するユーザインタフェースは、検出された過渡イベント(例えば、ベッド上での検出されたユーザ位置の変化)の前に、期間、及び/又は後に異なるように表現することができる。検出された過渡イベントに関連するこのような差異は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するために有用である。
【0091】
いくつかの実装形態では、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、気流パラメータを使用してユーザ呼吸に関連する呼吸形状を識別することを含み得る。呼吸形状は、入力データ(例えば、コンボリューショナルニューラルネットワークに提供される画像ファイルとして)として機械学習モデルに提供されてもよいし、又はテンプレート呼吸形状と比較してもよい。いくつかの実装形態では、テンプレート呼吸形状上で機械学習モデルをトレーニングすることができる。1つ以上のテンプレート呼吸形状は、呼吸形状の識別可能な特徴を使用して、識別された呼吸形状に基づいてユーザインタフェース及び/又は導管を識別することを容易にすることができるように、複数の異なるユーザインタフェース及び/又は導管のために取得することができる。
【0092】
いくつかの実装形態では、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、ブロック314において付加データを要求して受信することを含み得る。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管セルから正しいユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を選択するために付加データが必要と判断された場合、ブロック314において付加データを要求することができる。例えば、ブロック312において機械学習モデルを応用することが、ユーザインタフェース及び/又は導管のパターン及び/又はメーカーのみを決定することをもたらす場合、システムは、識別されたパターン及び/又はメーカーに一致するユーザインタフェース及び/又は導管セルからユーザインタフェース及び/又は導管のモデルをさらに識別することを容易にするために、付加情報をユーザに要求することができる。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報が閾値レベル未満の自信度で識別された場合、ブロック314において付加データを要求することができる。例えば、ブロック312において機械学習モデルを応用することが、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を比較的低い自信度で識別することをもたらす場合、自信度を向上させる試み、及び/又は識別されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報のみが正しいことをユーザに確認するために付加データを要求することができる。付加データは、呼吸治療システムのユーザ又は別のユーザ(例えば、医療専門家又は介護者)から要求されることができる。
【0093】
いくつかの実装形態では、ブロック314において付加データを要求して受信することは、最も可能なユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を示す確認要求を生成して提示し、最も可能なユーザインタフェース及び/又は導管識別情報が正しい又は正しくないことを示す確認要求に対する応答を受信することを含み得る。
【0094】
いくつかの実装形態では、ブロック314において付加データを要求して受信することは、購入履歴情報の要求を生成して提示することを含み得る。いくつかの実装形態では、購入履歴情報へのアクセスの承認を受信した後、このような購入履歴情報を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することを容易にすることができる。例えば、3つの可能なユーザインタフェースが識別されるが、購入履歴に1つしか存在しない場合、システムは、識別されたユーザインタフェースとしてこのユーザインタフェースを選択することができる。他の実装形態では、購入履歴情報に対する要求に応答して、ユーザインタフェース及び/又は導管の購入履歴に関連する他の情報(例えば、再販パッケージの受領書又は写真)を提供することができる。このような実装形態では、購入履歴情報を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の識別を容易にすることができる。
【0095】
いくつかの実装形態では、ブロック314において付加データを要求して受信することは、付加センサデータの要求を生成して提示し、付加センサデータを受信し、付加センサデータ(ブロック304から受信したセンサデータと同様に)を使用してユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することを含み得る。この付加センサデータは、音声データ(例えば、ユーザインタフェース及び/又は導管を通る空気の音声記録)、撮像データ(例えば、ユーザインタフェース及び/又は導管の写真、ビデオ、赤外線画像、LiDARスキャン、熱画像、又は他の画像)などを含み得る。
【0096】
いくつかの実装形態では、ブロック314において付加データを要求して受信することは、1つ以上の質問を生成し、この質問をユーザに提示し、この質問に対する応答を受信し、この応答を使用してユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することを容易にすることを含み得る。例えば、システムは、「あなたのユーザインタフェースは使用されていますか?」、「昨夜の午後11:00から午後11:30まで、あなたのユーザインタフェースは着用されましたか?」、又は他のこのような質問などの一連の質問をユーザに提示することができる。ユーザは、これらの質問に対する回答を提供することができる。これらの回答に基づいて、プロセス300は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することができる。例えば、ユーザインタフェースが所定の時間内に使用されるかどうかに関する後の質問に対する回答は、ユーザインタフェースを着用していないときに取得されたセンサデータが、ユーザインタフェースを着用しているときに取得されたセンサデータとは異なるように処理又は解釈されることができるので、システムが、センサデータをどのように分析するかを知るのを助けることができる。このような質問に対する応答は、他の方法で用いることができる。
【0097】
いくつかの実装形態では、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、ブロック316において履歴データを受信することを含み得る。受信された履歴データは、前の夜、前の週、又は他の時間からのセンサデータなどのブロック304における以前の例で受信されたセンサデータを含み得る。ブロック316において受信された履歴データは、ブロック304から受信されたセンサデータに関連する同一ユーザが含まれてもよい。履歴データは、流量と圧力、及び他のデータなどの気流パラメータを含み得る。履歴データは、ブロック304から受信されたセンサデータの処理及び/又は分析を容易にするために用いることができる。例えば、履歴データは、ブロック304において受信されたセンサデータと比較して、ベースライン呼吸速度の変化を識別し、及び/又は履歴データから識別されたベースライン呼吸速度に基づいて、受信されたセンサデータを正規化することができるベースライン呼吸速度を識別するために用いることができる。いくつかの実装形態では、履歴データは、以前の睡眠セッション(例えば、前日に開始された睡眠セッション)で受信されたセンサデータを含み得る。いくつかの実装形態では、履歴データは、ブロック304において受信されたセンサデータを取得する前に少なくとも24時間で受信されたセンサデータを含み得る。
【0098】
ブロック306においてユーザインタフェース識別情報を識別することは、ユーザインタフェースの特性を識別するために用いることができる情報をもたらすことができる。いくつかの実装形態では、ユーザインタフェース識別情報は、ユーザインタフェースのパターン、モデル、又はメーカーである。この情報は、ユーザインタフェースの1つ以上の他の特性を識別するために用いることができる。例えば、ユーザインタフェースの特定のモデルは、特定の気流インピーダンスを示すことができる。別の例では、特定のパターンのユーザインタフェース(例えば、鼻枕)は、他のパターンのユーザインタフェース(例えば、マスク)内に異なる又は存在しない共振周波数を示すことができ、これは、ユーザインタフェースを通る気流に影響を与えることができる。特定のユーザインタフェースに対して識別され得る特性の例としては、ユーザインタフェースのパターン、ユーザインタフェースのモデル、ユーザインタフェースのメーカー、ユーザインタフェースの1つ以上の共振周波数、ユーザインタフェースの流体インピーダンス、ユーザインタフェースの流体抵抗、ユーザインタフェースの通気口の存在、数及び/又はパターン、及び/又はユーザインタフェースの他の特徴又は特性が挙げられる。
【0099】
ブロック306において導管識別情報を識別することは、ユーザインタフェースを呼吸治療装置に接続する導管の特性を識別するために利用可能な情報を生成することができる。いくつかの実装形態では、導管識別情報は、導管のパターン、モデル、又はメーカーである。この情報は、導管の1つ以上の他の特性を識別するために用いることができる。例えば、特定のタイプの導管は、気流に対する特定の抵抗を示すことができる。別の例では、特定のパターンの導管(例えば、加熱導管)は、導管を通る気流に影響を与えることができる他のパターンの導管(例えば、非加熱導管)内に異なる又は存在しない共振周波数を示すことができる。特定の導管のために識別され得る特性の例としては、導管のパターン、導管のモデル、導管のメーカー、導管の1つ以上の共振周波数、導管の流体インピーダンス、導管の流体抵抗、及び/又は導管の他の特徴又は特性が挙げられる。
【0100】
いくつかの実装形態では、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することは、識別されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報に関連する自信度を決定することを含み得る。このような自信度は、システムが、識別されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の正確さをどのように決定するかを示す数字又はパーセンテージとして表すことができる。いくつかの実装形態では、1つ以上の自信度閾値を設定して、本明細書に記載されたいくつかの動作がいつ取られるかを決定することができる。例えば、上述したように、ブロック314において、ある閾値未満の自信度は、付加データの要求及び受信を提示することができる。別の例では、ブロック320において気流の生成を調整する前に、以下でさらに詳述するように、ある閾値を上回った自信度が必要とされるかもしれない。
【0101】
いくつかの実装形態では、流量生成器識別情報は、選択的なブロック308において個別に、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定するとともに、又はブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定することに加えて決定されることができる。流量生成器識別情報は、ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報をどのように決定するかと同じ又は同様の方法でブロック308において決定されることができる。例えば、同じ又は異なる機械学習モデルを使用することにより、ブロック304において受信されたセンサデータから流量生成器識別情報を識別することができる。ここに述べるように、ユーザインタフェース及び/又は導管識別をどのように決定するかの説明及び例は、流量生成器識別情報に用いることができることを理解されたい。
【0102】
ブロック308において流量生成器識別情報を識別することは、ユーザインタフェースに気流を供給する流量生成器の特性を識別するために利用可能な情報を生成することができる。いくつかの実装形態では、流量生成器識別情報は、流量生成器のパターン、モデル、又はメーカーである。この情報は、流量生成器の1つ以上の他の特性を識別するために用いることができる。例えば、流量生成器の特定のタイプは、気流パラメータ信号において高周波成分の特定のパターンを表現することができる。特定の流量生成器のために識別され得る特性の例としては、流量生成器のパターン、流量生成器のタイプ、流量生成器のメーカー、流量生成器の1つ以上の共振周波数、及び/又は流量生成器の他の特徴又は特性が挙げられる。ブロック306においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することを参照して上述したように、ブロック308において流量生成器識別情報を識別することは、ブロック310において特徴を決定し、ブロック312において機械学習モデルを応用することと同様に、特徴を決定することと、ブロック314において付加データを要求して受信することと同様に、付加データを要求して受信することと、ブロック316において履歴データを受信することと同様に、履歴データを受信することと、又はそれらの任意の組み合わせとを含み得る。
【0103】
ブロック318において、ブロック306からのユーザインタフェース及び/又は導管識別情報、及び選択的にブロック308からの流量生成器識別情報を利用することができる。この識別情報を使用して、ブロック320において気流の生成を調整すること、ブロック322においてユーザインタフェース及び/又は導管識別を提示すること、及び/又はブロック324において通知を生成することなどの1つ以上の動作を実行するために用いることができる。
【0104】
ブロック320において、ユーザインタフェースを通る気流の生成は、ブロック320からの識別されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報に基づいて調整されてもよい。ブロック320において気流の生成を調整することは、将来の気流がブロック302においてとは異なる方法で生成されるように、呼吸装置の1つ以上の設定を調整することを含み得る。例えば、気流の生成を調整することは、流量生成器のモータを異なる速度又は異なる速度モードで駆動することを含み得る。いくつかの実装形態では、気流パラメータから取得されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報の識別を使用するか、又はユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を使用することに加えて、ブロック320において気流の生成を調整することは、気流パラメータを使用することができる。いくつかの実装形態では、ブロック320において気流の生成を調整することは、識別されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報が既存のユーザインタフェース及び/又は導管識別情報(例えば、システムに記憶されている以前に記憶された又は以前に設定されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報)とは異なることを決定することを含む。
【0105】
ブロック322において、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報をユーザ、介護者、又は他の人に提示することができる。ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を提示することは、伝送を受信したときに、外部装置がユーザインタフェース及び/又は導管識別情報に基づいてグラフィカルユーザインタフェース上で表示を生成するように、外部装置に伝送を送信することを含み得る。例えば、システムは、ブロック306において識別されたようなユーザインタフェース及び/又は導管のモデルを含む伝送を送信することができる。伝送を受信すると、外部装置は、ユーザインタフェース及び/又は導管のモデルを示す表示を生成することができる。いくつかの実装形態では、この表示は、ユーザインタフェース及び/又は導管の正しいモデルをグラフ表示すること、このユーザインタフェースのモデルに基づいてこのユーザインタフェースを着用するための正しい着用命令を示すこと、この導管のモデルに基づいてこの導管を接続するための正しい接続命令を示すこと、又は検出されたユーザインタフェース及び/又は導管が予期されるユユーザインタフェース及び/又は導管とは異なること(例えば、呼吸装置の既存の設定と比較して)をユーザ又は介護者に警告することなどの本質的にメッセージ性のものであってもよい。いくつかの実装形態では、この表示は、他の動作(例えば、気流の生成を調整する)を実装するために使用され、及び/又は機械学習モデルをさらにトレーニングするために使用されることができるユーザからの確認を要求するプロンプトであってもよい。
【0106】
ブロック324において、通知は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報(及び/又は他の識別情報)に基づいて生成されることができる。この通知は、検出されたユーザインタフェース及び/又は導管が予期されるユーザインタフェース及び/又は導管と整列していない通知などの任意の適切な通知であってもよい。例えば、このシステムは、システムと共に使用されるべきユーザインタフェース及び/又は導管(例えば、以前に決定された又は以前に設定されたような)を示すシステム内に記憶された設定(例えば、既存のユユーザインタフェース及び/又は導管識別情報)にアクセスし、この記憶された設定をブロック306において識別されたユーザインタフェース及び/又は導管識別情報と比較することができる。この比較によってユーザインタフェース及び/又は導管が一致しないと判定された場合、通知を生成して、ユーザに通知することができ、それにより、ユーザは、システム上の設定を切り替えること、又はユーザインタフェース及び/又は導管を切り替えることなどの任意の必要な動作をとることができる。
【0107】
プロセス300において、ブロックのある構成で示されているが、その他の場合には、これらのブロックは、付加ブロック及び/又はいくつかのブロックを除去しながら異なる順序で実行されてもよい。
【0108】
図4は、本開示のいくつかの態様に係る、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するために用いることができる例示的な流量信号410を示すグラフ400である。流量信号410は、ユーザが呼吸治療システムを使用するとき、睡眠セッション中の時間(x軸)の関数としての流量(y軸)の表現である。流量信号410は、図1の流量センサ134などの1つ以上のセンサによって取得することができる。
【0109】
流量信号410は、反復呼吸周期402を表す繰り返しモードを示す。ライン404は、公称流量又はゼロ流量を表すことができる。ユーザが呼吸するとき、流量信号410は、ライン404上にある。ユーザが呼気すると、流量信号410は、ライン404よりも低い。したがって、各呼吸期間402内にて、単回呼気は、吸気点406の末端から呼気点408の末端まで延在することができる。同様に、単回吸気は、呼気点408の末端から吸気点406の末端まで延在することができる。したがって、単回吸気の体積は、ライン404と呼気点408及び吸気点406の間の流量信号410との間の面積であってもよい。同様に、単回呼気の体積は、ライン404と吸気点406及び呼気点408の間の流量信号410との間の面積であってもよい。
【0110】
様々な特徴は、図3のブロック310において特徴を決定すること参照して説明されるように、流量信号410から抽出されることができる。例えば、流量信号410は、最小流量、最大流量、1つ又は2つの呼吸段階(例えば、吸気及び呼気)の面積、上昇時間(例えば、最小流量からゼロまでの時間及び/又はゼロからピーク流量までの時間)、下降時間(例えば、最大流量からゼロまでの時間及び/又はゼロから最小流量までの時間)、他の特徴間の比(上昇時間と下降時間との比又は吸気面積と呼気面積との比)、流量信号410に存在する歪度、流量信号410の任意の部分の尖度などである。いくつかの実装形態では、流量信号410の一階微分値及び/又は二階微分値を分析することによって、信号の変化レートをより容易に分析するために、流量信号410から特徴を抽出することができる。
【0111】
本明細書で開示されるように、例えば、図3を参照すると、流量信号410は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別するために用いることができる。いくつかの実装形態では、流量信号410からのデータは、機械学習アルゴリズムに直接適用されてもよいし、又は機械学習アルゴリズムの入力として利用可能な特徴を抽出するために使用されてもよい。例えば、流量信号410の一部の図形描画及び/又は流量信号410の一部のスペクトログラムは、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することを容易にするために、コンボリューショナルニューラルネットワークの入力として機能することができる。
【0112】
図5は、本開示のいくつかの実装形態に係る、圧力データ及び流量データを分析して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を決定するためのプロセス500のフローチャートである。プロセス500は、図1のシステム100の制御システム110上で実行されるように、任意の適切なシステム上で実行することができる。いくつかの実装形態では、プロセス500は、図3のブロック306の一部として組み込まれるように、図3のプロセス300の一部として実行することができる。いくつかの実装形態では、プロセス500は、いつもこのような場合であるとは限らないが、リアルタイムで実行することができる。
【0113】
ブロック502において、圧力データと流量データが受信される。圧力データと流量データは、流量生成器によって取得された圧力データ及び流量データ(例えば、それぞれ送風機圧力及び送風機流量)であってもよく、任意の適切な単位(例えば、圧力データに対してcmHO、流量データに対してL/分)で提示されてもよい。いくつかの実装形態では、圧力データ及び/又は流量(例えば、流量)データは、時間依存データストリーム(例えば、圧力信号及び流量信号)として受信されることができる。
【0114】
ブロック504において、圧力データ及び流量データを処理して、1つ以上のデータ点を生成する。各データ点は、所定の時点における圧力値及び対応する流量値を含み得る。生成されたデータ点の数は、進行中の治療コースの持続時間及びサンプリングレートに少なくとも部分的に依存することができる。例えば、サンプリングレートが10 Hzである10分間セッションには、6000個のデータ点を生成することができる。ブロック504において生成された1つ以上のデータ点は、点群であってもよい。必要であれば、このような点群は、二次元のヒストグラム(例えば、X軸上の流量及びY軸上の圧力を有する2Dヒストグラム)上で視覚化することができる。本明細書で使用されるように、用語点群は、データ点のセット(例えば、データ点は、それぞれ所定の時点での圧力値及び対応する流量値を含む)を含み得る。
【0115】
いくつかの実装形態では、ブロック506において、受信された圧力データ及び流量データを処理することは、意図しない漏れ及び/又はユーザインタフェースがユーザによって着用されていないことに関連するデータ(例えば、圧力データ及び流量データ)を識別して除去することを含み得る。意図しない漏れに関連するデータを識別することは、意図しない漏れが生じた1つ以上の持続時間を識別することを含み得る。意図しない漏れに関連するデータを除去することは、任意の圧力データ及び流量データを排除すること、又は意図しない漏れが生じた各識別された持続時間に関連するデータ点を排除することを含み得る。ユーザインタフェースがユーザによって着用されていないことに関連するデータを識別することは、ユーザインタフェースがユーザによって着用されていないと決定された1つ以上の持続時間を識別することを含み得る。ユーザインタフェースがユーザによって着用されていないことに関連するデータを除去することは、任意の圧力データ及び流量データを排除すること、又はユーザインタフェースがユーザによって着用されていないと決定された持続時間に関連するデータ点を排除することを含み得る。
【0116】
いくつかの実装形態では、受信された圧力データ及び流量データを処理することは、ブロック508において呼吸アーチファクトを除去することを含み得る。呼吸アーチファクトを除去することは、受信された圧力データ及び流量データをフィルタリングして、ユーザの呼吸に起因することができる情報又はアーチファクトを除去することを含み得る。いくつかの実装形態では、呼吸アーチファクトを除去することは、ローパスフィルタを、受信された圧力データ及び流量データの各々に応用すること(例えば、フィルタを圧力信号及び流量信号に応用すること)を含み得る。このローパスフィルタは、例えば30秒~1分の持続時間に平均化フィルタを応用することを含み得る。いくつかの実装形態では、呼吸アーチファクトを除去することは、呼吸段階分析に基づいて、受信された圧力データ及び流量データをフィルタリングすることを含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、呼吸アーチファクトは、ユーザ呼吸の遷移段階(例えば、吸気又は呼気時)に関連する全てのデータ点を選択的に除去することによって除去されることができる。したがって、残りのデータ点のみが、ユーザ呼吸の定常な状態段階(例えば、吸気と呼気との間の定常な状態)に関連するデータ点である。いくつかの実装形態では、呼吸アーチファクトを除去することは、意図的な漏れに起因するアーチファクトを除去することを含み得る。本明細書に記載されたもの、及び/又はWO 2021/176426を参照して説明されたように、参照によって本明細書に組み込まれる意図しない漏れ、意図的な漏れ、及び/又は呼吸段階を検出するための任意の適切な技術を使用することができる。
【0117】
いくつかの実装形態では、受信された圧力データ及び流量データを処理することは、ブロック510において外れ値点データ点を除去することを含み得る。外れ値点データ点を除去することは、持続時間内に閾値出現頻度よりも低い出現頻度を有するデータ点を識別し、除去することを含み得る。いくつかの実装形態では、持続時間は、受信された圧力データ及び流量データを受信したセッション(例えば、完全睡眠セッション、呼吸装置がオンになってから収集された全てのデータ、又はユーザインタフェースが呼吸装置に結合されてから収集された全てのデータ)であってもよい。いくつかの実装形態では、プロセス500がリアルタイムで実行される場合のように、持続時間は、過去2分などの以前の持続時間であってもよい。いくつかの実装形態では、持続時間は、圧力データ及び流量データを受信する複数のセッション(例えば、複数の夜にわたる呼吸治療の複数回使用を表す複数の異なるセッション)にわたることができる。いくつかの実装形態では、外れ値点データ点を除去することは、予め設定された数の以前のデータ点において閾値出現頻度よりも低い出現頻度を有するデータ点を識別して除去することを含み得る。セッション持続時間の1%などの任意の適切な閾値出現頻度を使用することができる。
【0118】
いくつかの実装形態では、圧力データ(例えば、圧力信号)及び流量データ(例えば、流量信号)の各々について、ブロック504は、最初に、受信された信号に対してブロック506を実行して、ブロック508に伝達することでフィルタリング後の信号を生成できるプレフィルタリング信号を生成することを含み得る。フィルタリング後の信号は、次いで、データ点のセットを生成するために用いることができ、このデータ点のセットは、ブロック510に伝達して、このデータ点のセットから外れ値点を除去することによって、1つ以上のデータ点のセットを生成することができる。いくつかの実装形態では、ブロック506、508、及び510のうちの1つ以上は、異なる順序で除去又は実行されてもよい。
【0119】
ブロック512において、テンプレート曲線データベースにアクセスする。テンプレート曲線データベースは、ローカル又は遠隔記憶されてもよい(例えば、クラウド上又はリモートサーバ上に)。テンプレート曲線データベースは、圧力データと流量データとの比較に使用される1つ以上のテンプレート曲線のセットであってもよい。いくつかの実装形態では、単一のテンプレート曲線を使用する。いくつかの実装形態では、様々な異なるパターンのユーザインタフェース(例えば、フルフェイス、鼻、鼻枕)に用いられる異なるテンプレート曲線などの複数のテンプレート曲線を使用することができる。
【0120】
各テンプレート曲線は、流体システムの圧力対流量の何らかの関係を示す圧力対流量曲線であってもよい。いくつかの実装形態では、テンプレート曲線は、予測テンプレート曲線であってもよく、このような実装形態では、具体的にテンプレート曲線を生成して、異なるタイプのユーザインタフェース識別情報及び/又は導管識別情報間の高い識別可能性を保証する。例えば、予測テンプレート曲線は、ユーザインタフェースの異なるパターンを区別する際に特に機能することが発見された曲線であってもよい。別の例では、予測テンプレート曲線は、ユーザインタフェースの異なるモデル(例えば、いくつかの常用モデル)を区別する際に特に機能することが発見された曲線であってもよい。
【0121】
しかしながら、いくつかの実装形態では、テンプレート曲線は、異なるユーザインタフェース及び/又は導管からの実際的な、制御された測定に基づくことができる。例えば、異なるパターン、異なるモデル、又は他の差異を有する複数のユーザインタフェースのためにテンプレート曲線のデータベースを生成することができる。このようなデータベースは、制御された実験中に圧力データ及び流量データを取得することによって生成することができる(例えば、ユーザインタフェースを顔モデルに結合し、流量生成器を制御しながら圧力データ及び流量データを測定する)。
【0122】
いくつかの実装形態では、テンプレート曲線データベース内のテンプレート曲線のそれぞれは、一意のユーザインタフェース(例えば、一意のユーザインタフェースパターン及び/又は一意のユーザインタフェースモデル)、一意の導管(例えば、一意の導管パターン及び/又は導管モデル)、又は一意のユーザインタフェースと導管の組み合わせ(例えば、一意のユーザインタフェースパターン及び/又は一意のユーザインタフェースモデルは一意の導管パターン及び/又は一意の導管モデルに組み合わる(例えば、結合される))に関連付けられることができる。
【0123】
ブロック514において、識別距離は、ブロック504からの1つ以上のデータ点及びブロック512におけるテンプレート曲線データベースに少なくとも部分的に基づいて計算され得る。識別距離は、1つ以上のデータ点とテンプレート曲線データベースからの1つ以上のテンプレート曲線との比較である。本明細書でさらに詳述されるように、識別距離は、異なるユーザインタフェースと異なる導管が識別可能な識別距離を生成することができるので、ユーザインタフェース及び/又は導管を識別するための有用な計算であってもよい。いくつかの実装形態では、単一のテンプレート曲線を使用することができ、異なるユーザインタフェース及び/又は導管は、それらの異なる識別距離によって区別されることができる。いくつかの実装形態では、複数の一意のテンプレート曲線を使用することができ、どの一意のテンプレート曲線が最小の識別距離をもたらすかを識別することによって、異なるユーザインタフェース及び/又は導管を区別することができる。
【0124】
いくつかの実装形態では、ブロック514において、必ずしもこのような場合であるとは限らないが、単一のテンプレート曲線を使用して識別距離を計算する。識別距離を計算することは、各データ点のデータ点からテンプレート曲線までの1つ以上の距離を計算することを含み得る。
【0125】
流量ベースの距離(ΔQ)は、所定の圧力レベルにおけるデータ点とテンプレート曲線との間の距離であってもよく、例えばΔQ=Q-Qであり、ここで、Qはデータ点の流量であり、Qはデータ点の圧力値におけるテンプレート曲線の流量である。
【0126】
圧力ベースの距離(ΔP)は、所定の流量におけるデータ点とテンプレート曲線との間の距離であってもよく、例えばΔP=P-Pであり、ここで、Pは、データ点における圧力であり、Pは、データ点の流量におけるテンプレート曲線の圧力(例えば
【数1】

であり、ここで、a、b及びcは定数である)である。
【0127】
曲線(
)までの最小距離を計算することができる。曲線までの最小距離は、圧力と流量のずれを考慮することができる。圧力及び流量値の無次元化は、圧力及び流量が異なる値を有し、最小距離を曲線測定に傾斜させることができるので、先に実行されてもよい。基準圧力値(P)及び基準流量(Q)(例えば、それぞれ10cmHO及び0.5L/s)は、予め設定されてもよい。無次元化流量値は
【数2】

であり、かつ無次元化圧力値は、
【数3】

であってもよい。無次元化曲線は
【数4】

となる。データ点とこの曲線との間の最小距離を計算することができる。
【0128】
いくつかの実装形態では、識別距離は、流量ベースの距離、圧力ベースの距離、曲線までの最小距離、又はそれらの任意の組み合わせに基づくことができる。単一のデータ点を分析するとき、識別距離は、このデータ点の距離(例えば、流量ベースの距離、圧力ベースの距離、曲線までの最小距離、又はそれらの任意の組み合わせ)であってもよい。しかしながら、複数のデータ点が使用される場合、各データ点の距離は、等しい及び/又は重み付けされた方法で識別距離を計算するために用いることができる。
【0129】
いくつかの実装形態では、計算された各データ点の距離は、このデータ点の出現頻度に基づいて重み付け加算することができる。いくつかの実装形態では、計算された各データ点の距離は、例えば、より高い圧力により大きな重みを提供するか、及び/又は既知のシステム挙動であるより信頼性の高い近似のテンプレート曲線の圧力により大きな重みを提供することによって、圧力レベルに基づいて重み付け加算することができる。いくつかの実装形態では、導管の閉塞がテンプレート曲線に対する負流量ずれをもたらすことができるので、計算された各データ点の距離は、所定の圧力タンク(例えば、所定の圧力レベル又は圧力レベル範囲)のより大きな流量のためにより大きな重みを提供するよう、流量に基づいて重み付け加算することができる。いくつかの実装形態では、複数のデータ点を比較することは、上述した技術の任意の適切な組み合わせ及びその変化を含み得る。
【0130】
いくつかの実装形態では、ブロック514において識別距離を計算することは、識別距離に関連する自信度を生成することをさらに含み得る。自信度を生成することは、データ点に関連する分散(例えば、可変性又は分散)の量を計算することを含み得る。自信度は分散された量に少なくとも基づくことができる。例えば、流量及び圧力軸に沿って大きく変化したデータ点を収集した場合、識別距離及びこのようにして得られた識別は、比較的低い自信度を持つ、と仮定して良い。しかしながら、データ点が流量及び圧力軸に沿って小さく変化した場合、識別距離及びこのようにして得られた識別は、比較的高い自信度を持つ、と仮定して良い。
【0131】
ブロック516において、ブロック514において計算された識別距離を使用して、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別することができる。識別距離は、ルックアップテーブルと比較されてもよく、式に適用されてもよく、又は他の方法で分類されて(例えば、予めトレーニングされた機械学習分類器に供給される)、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を生成することができる。ユーザインタフェース識別情報及び導管識別情報は、図3のブロック306において識別されたユーザインタフェース識別情報及び導管識別情報と同様であってもよい。
【0132】
本開示のいくつかの態様及び特徴は、圧力値及び流量値を含むデータ点、及び圧力データと流量データとを比較するためのテンプレート曲線などの圧力データ及び流量データを参照して説明される。しかしながら、インピーダンス(即ち、P/Qとして計算されることができるZ)及び圧力データと流量データのうちの1つの知識を使用して、圧力データ及び流量データの他方を明らかにすることができる。したがって、本明細書で使用されるように、例えば、プロセス500を参照して、圧力データ又は流量データは、インピーダンスデータで置き換えて、適切な同様の実施例を達成することができる。例えば、ブロック502において圧力データと流量データを受信する代わりに、圧力データとインピーダンスデータを受信してもよい。このような例では、識別距離を計算するための任意のテンプレート曲線は、圧力対流量曲線ではなく、圧力対インピーダンス曲線であってもよい。同様に、流量データ及びインピーダンスデータが受信された場合、テンプレート曲線は、流量対インピーダンス曲線であってもよい。
【0133】
プロセス500は、ブロックのある配置で示されているが、他の実装形態では、これらのブロックは、付加ブロック及び/又はいくつかのブロックを除去しながら異なる順序で実行されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、図3のブロック302と同様に、ブロック502において圧力データと流量データを受信する前に、プロセス500は、ユーザインタフェースを通る気流を生成することによって開始される。別の例として、いくつかの実装形態では、図3のブロック318と同様に、ブロック516においてユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を識別した後、プロセス500は、ユーザインタフェース及び/又は導管識別情報を利用することによって継続される。
【0134】
図6は、本開示のいくつかの態様に係る、テンプレート曲線604と比較されるデータ点602を示す例示的なグラフ600である。データ点602は、図5のブロック504において生成された1つ以上のデータ点のいずれかであってもよい。テンプレート曲線604は、図5のブロック512においてアクセスされるテンプレート曲線データベースなどのテンプレート曲線データベースなどの任意の適切なテンプレート曲線であってもよい。
【0135】
流量ベースの距離608は、所定の圧力レベル(例えば、データ点602の圧力レベル616)におけるデータ点602とテンプレート曲線604との間の距離である。所定の圧力レベルにおけるテンプレート流量は、Q614として表されることができる。
【0136】
圧力ベース距離606は、所定の流量(例えば、データ点602の流量618)におけるデータ点602とテンプレート曲線604との間の距離である。所定の流量におけるテンプレート圧力レベルは、P612として表されることができる。
【0137】
曲線610までの最小距離は、データ点602とテンプレート曲線604上のデータ点602に最も近い点との間の距離である。
【0138】
図7は、本開示のいくつかの態様に係る、様々なパターンのユーザインタフェースの識別距離の実験データを示す例示的なグラフ700である。図7の識別距離は、無次元であってもよい。識別距離のシンボルは、いくつかの場合では、識別距離がシンボルなしであってもよいが、データ点がテンプレート曲線の左にあるか、右にあるかを示すことができる(例えば、負識別距離はデータ点がテンプレート曲線の左にあることを示すことができる)。
【0139】
グラフ700のデータは、53人の異なる患者に対して取得されたものであり、各患者は7夜に跨る。患者の各々は、フルフェイスユーザインタフェース、鼻ユーザインタフェース又は鼻枕ユーザインタフェースを使用する。フルフェイスユーザインタフェース、鼻ユーザインタフェース及び鼻枕ユーザインタフェースに関連する結果として得られる識別距離は、互いに容易に区別される。換言すれば、グラフ700は、フルフェイスユーザインタフェース、鼻ユーザインタフェース及び鼻枕ユーザインタフェースの間に良好な分離が存在することを示している。
【0140】
以下の請求項1~128のいずれか1つ以上からの1つ以上の要素、態様、又はステップ又はその任意の部分をその他の請求項1~128のいずれか1つ以上又はその組み合わせからの1つ以上の要素、態様、又はステップ又はその任意の部分と組み合わせることにより、本開示の1つ以上のさらなる実装形態及び/又は請求項を形成することができる。
【0141】
本開示を1つ以上の特定の実施形態又は実装形態を参照して説明したが、当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であることを認識するであろう。これらの実装形態及びその明確な変更はそれぞれ、本開示の精神及び範囲内にあると考えられる。本開示の態様による追加の実装形態は、本明細書に記載の実装形態のいずれかからの任意の数の特徴を組み合わせてもよいことも企図される。
【0142】
〔関連出願の相互参照〕
本願は、2020年10月9日に提出された、「ユーザインタフェース自動識別(AUTOMATIC USER INTERFACE IDENTIFICATION)」と題する米国仮特許出願第63/090,002号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】