(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】表示パネル及びその製造方法並びに表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231019BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231019BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20231019BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20231019BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20231019BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20231019BHJP
H10K 71/60 20230101ALI20231019BHJP
H10K 71/20 20230101ALI20231019BHJP
【FI】
G09F9/30 337
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/00 366Z
G09F9/00 338
H05B33/14 Z
H10K59/131
H10K59/123
H10K59/124
H10K71/60
H10K71/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521946
(86)(22)【出願日】2020-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 CN2020120452
(87)【国際公開番号】W WO2022077173
(87)【国際公開日】2022-04-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲ウェイ▼▲ユン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 超
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ ▲躍▼
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107CC43
3K107DD39
3K107DD90
3K107DD95
3K107EE03
3K107FF15
3K107GG13
3K107GG28
3K107HH05
5C094AA15
5C094AA44
5C094AA51
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
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5C094FA04
5C094FB02
5C094FB15
5C094GB10
5C094HA08
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5G435AA17
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5G435HH14
5G435HH20
5G435KK05
5G435KK10
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
本願は表示パネル及びその製造方法並びに表示装置を提供する。表示パネルは、ベース基板と、前記ベース基板の一側に設置された第一の絶縁層であって、かつ前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に、複数の順次交互に設置された凹溝及び突起を有する第一の絶縁層と、前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設置された配線と、を含み、前記配線は、前記第一の絶縁層の突起の頂面の前記ベース基板から離れた側に設置された第一の配線及び前記凹溝の底面に設置された第二の配線を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板の一側に設置された第一の絶縁層であって、かつ前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に、複数の順次交互に設置された、側壁と底面を含む凹溝及び頂面を含む突起を有する第一の絶縁層と、
前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設置された配線と、を含み、前記配線は、前記突起の前記頂面の前記ベース基板から離れた側に設置された第一の配線及び前記凹溝の前記底面に設置された第二の配線を含み、かつ前記第一の配線と前記第二の配線は切り離されて設置されることを特徴とする
表示パネル。
【請求項2】
第一の表示領域及び前記第一の表示領域の外縁に設置された第二の表示領域を含み、前記表示パネルは、
前記ベース基板と前記第一の絶縁層との間に設置され、かつ前記第二の表示領域内に位置する複数の第一の画素回路と、
前記配線の前記ベース基板から離れた側に設置され、かつ前記第一の表示領域内に位置する発光素子と、を含み、前記第一の画素回路が前記発光素子を駆動して発光させるように、前記配線が前記第一の画素回路と前記発光素子を電気的に接続するために用いられることを特徴とする
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記凹溝の前記側壁と前記凹溝の前記底面が位置する平面との間の夾角が65°~90°であり、前記凹溝の深さが100~480ナノメートルであることを特徴とする
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第一の配線と前記第二の配線との間の水平間隔が1.8~2.5ミクロンであることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記凹溝は前記第一の絶縁層を貫通せず、前記底面における前記第一の絶縁層の厚さは20~50ナノメートルであることを特徴とする
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記表示パネルはアンダーディスプレイ機能領域をさらに有し、前記第一の表示領域の前記ベース基板での正投影と前記アンダーディスプレイ機能領域の前記ベース基板での正投影に重複領域があることを特徴とする
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置された第二の絶縁層をさらに含み、かつ前記第二の絶縁層を貫通する貫通孔を有し、かつ前記貫通孔の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第一の配線が前記第二の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置されることを特徴とする
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記貫通孔の側壁と前記第二の絶縁層が位置する平面との間の夾角が鈍角であることを特徴とする
請求項7に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第二の絶縁層の厚さが150~500ナノメートルであることを特徴とする
請求項7に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記第一の絶縁層と前記第二の絶縁層の材料が異なることを特徴とする
請求項7に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第一の絶縁層の材料は窒化ケイ素を含み、前記第二の絶縁層の材料は酸化ケイ素を含むことを特徴とする
請求項10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第一の絶縁層の前記ベース基板に近い表面に設置された第三の絶縁層をさらに含み、前記第一の絶縁層の前記ベース基板での正投影が前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影を覆い、かつ前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影に重複領域があることを特徴とする
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第一の絶縁層の前記ベース基板に近い表面に設置された第四の絶縁層をさらに含み、かつ前記第四の絶縁層の前記ベース基板での正投影が前記凹溝の前記ベース基板での正投影を覆うことを特徴とする
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記凹溝は前記第一の絶縁層を貫通し、前記第二の配線は前記凹溝において露出した前記第四の絶縁層の表面に設置されることを特徴とする
請求項13に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第四の絶縁層は凹部を有し、前記凹溝の前記ベース基板での正投影と前記凹部の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第二の配線は前記凹部の底面に形成されることを特徴とする
請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
ベース基板を提供することと、
前記ベース基板の一側に第一の初期絶縁層を形成することと、
前記第一の初期絶縁層をエッチングして、複数の順次交互に設置された、側壁と底面を含む凹溝及び頂面を含む突起を有する第一の絶縁層を得ることと、
前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配線を形成し、前記配線は、前記突起の前記頂面の前記ベース基板から離れた側に設置された第一の配線及び前記凹溝の前記底面に設置された第二の配線を含み、かつ前記第一の配線と前記第二の配線は切り離されて設置されることと、を含むことを特徴とする
表示パネルを製造する方法。
【請求項17】
表示パネルは第一の表示領域及び前記第一の表示領域の外縁に設置された第二の表示領域を含み、前記表示パネルを製造する方法は、
前記ベース基板の表面に複数の第一の画素回路を形成し、かつ前記第一の画素回路が前記第二の表示領域内に位置するステップと、
前記第一の画素回路の前記ベース基板から離れた側に前記第一の絶縁層を形成するステップと、
前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に前記配線を堆積して形成するステップと、
前記配線の前記ベース基板から離れた側に発光素子を形成し、かつ前記発光素子が前記第一の表示領域に位置し、前記第一の画素回路が前記発光素子を駆動して発光させるように、前記配線が前記第一の画素回路と前記発光素子を電気的に接続するために用いられるステップと、を含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第一の初期絶縁層をエッチングして前記第一の絶縁層を得るステップは、
前記第一の初期絶縁層の表面に全面フォトレジスト層を形成するステップと、
前記全面フォトレジスト層の所定の領域に露光、現像を行い、開口を有するフォトレジスト層を得るステップと、
エッチングガスにより前記開口に露出した前記第一の初期絶縁層をエッチングして、前記第一の絶縁層を得るステップと、を含み、
前記露光過程での露光量は100~160mJ、現像時間は40~80sである、及び/又は
前記エッチング過程におけるエッチング速度は2500~3500A/minであることを特徴とする
請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
第一の初期絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に第二の初期絶縁層を形成することと、
前記第二の初期絶縁層の表面に前記全面フォトレジスト層を形成することと、
前記全面フォトレジスト層の所定の領域に露光、現像を行い、前記開口を有する前記フォトレジスト層を得ることと、を含み、
前記エッチングガスにより前記開口に露出した前記第二の初期絶縁層及び前記第一の初期絶縁層をエッチングし、貫通孔を有する第二の絶縁層及び前記凹溝を有する前記第一の絶縁層を得、かつ前記貫通孔の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第一の配線が前記第二の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置されることを特徴とする
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の初期絶縁層を形成する前に、
第三の初期絶縁層を予め形成することをさらに含み、
前記第三の初期絶縁層をエッチングして、パターン化された第三の絶縁層を得、前記第一の絶縁層の前記ベース基板での正投影は前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影を覆い、かつ前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影には重複しない領域が存在することを特徴とする
請求項16又は17に記載の方法。
【請求項21】
前記第一の初期絶縁層を形成する前に、第四の初期絶縁層を予め形成し、前記第一の初期絶縁層は前記第四の初期絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に形成されることと、
前記第一の初期絶縁層及び前記第四の初期絶縁層をエッチングして、前記凹溝を有する前記第一の絶縁層及び凹部を有する第四の絶縁層を得ることと、をさらに含み、
前記凹溝が前記第一の絶縁層を貫通し、かつ前記凹溝の前記ベース基板での正投影と前記凹部の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第二の配線が前記凹部の底面に形成されることを特徴とする
請求項16又は17に記載の方法。
【請求項22】
請求項1~15のいずれか1項に記載の表示パネルであって、前記表示パネルは第一の表示領域及び第二の表示領域を有し、
前記表示パネルはアンダーディスプレイ機能領域を有し、前記アンダーディスプレイ機能領域の前記表示パネルにおける正投影と前記第一の表示領域に重複領域があることを特徴とする
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関するものであり、具体的には、表示パネル及びその製造方法並びに表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話などの表示装置の機能はますます多く、表示パネルに対する画面比率などの要求はますます高くなっており、かくして表示パネルにおける配線はますます複雑に、配線数はますます多くなることから、限られたスペース内で如何にしてより多くの配線を配置するかは表示パネルの製造において特に重要である。
【0003】
よって、表示パネルに関する研究はさらに掘り下げる余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は関連技術における技術課題の一つを少なくともある程度解決することを目的とする。このために、本願の目的の一つは、表示パネル上の配線間の間隔が小さく、同じ寸法の範囲内でより合理的により多くの配線を配置することができ、使用需要を満たす表示パネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様において、本願は表示パネルを提供する。本願の実施例によれば、表示パネルは、ベース基板と、前記ベース基板の一側に設置された第一の絶縁層であって、かつ前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に、複数の順次交互に設置された、側壁と底面を含む凹溝及び頂面を含む突起を有する第一の絶縁層と、前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に設置された配線と、を含み、前記配線は、前記突起頂面の前記ベース基板から離れた側に設置された第一の配線及び前記凹溝の前記底面に設置された第二の配線を含み、かつ前記第一の配線と前記第二の配線は切り離されて設置され、即ち第一の配線と第二の配線は接続されていない。これにより、第一の配線と第二の配線は第一の絶縁層の突起の頂面と凹溝の底面にそれぞれ設置され、凹溝の設置によって第一の配線と第二の配線との間が段差の存在により切り離され、第一の配線と第二の配線を同一平面内に設置し(即ち第一の絶縁層に凹溝を設置せず、第一の配線と第二の配線のいずれも、第一の絶縁層の平らな同一面に設置する)、第一の配線と第二の配線との間の水平間隔を大幅に縮小することができ、さらには同じ寸法内でより多くの配線を配置することができる。
【0006】
本願の実施例によれば、表示パネルは、第一の表示領域及び前記第一の表示領域の外縁に設置された第二の表示領域を含み、前記表示パネルは、ベース基板と、前記ベース基板と前記第一の絶縁層との間に設置された第一の画素回路であって、かつ前記第二の表示領域内に位置する複数の第一の画素回路と、前記配線の前記ベース基板から離れた側に設置され、かつ前記第一の表示領域内に位置する発光素子と、を含み、前記第一の画素回路が前記発光素子を駆動して発光させるように、前記配線が前記第一の画素回路と前記発光素子を電気的に接続するために用いられる。
【0007】
本願の実施例によれば、前記凹溝の前記側壁と前記凹溝の前記底面が位置する平面との間の夾角が65°~90°であり、前記凹溝の深さが100~480ナノメートルである。
【0008】
本願の実施例によれば、前記第一の配線と前記第二の配線との間の水平間隔が1.8~2.5ミクロンである。
【0009】
本願の実施例によれば、前記凹溝は前記第一の絶縁層を貫通せず、前記底面における前記第一の絶縁層の厚さは20~50ナノメートルである。
【0010】
本願の実施例によれば、前記表示パネルはアンダーディスプレイ機能領域をさらに有し、前記第一の表示領域の前記ベース基板での正投影と前記アンダーディスプレイ機能領域の前記ベース基板で正投影に重複領域がある。
【0011】
本願の実施例によれば、表示パネルは、前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置された第二の絶縁層をさらに含み、かつ前記第二の絶縁層を貫通する貫通孔を有し、かつ前記貫通孔の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第一の配線が前記第二の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置される。
【0012】
本願の実施例によれば、前記貫通孔の側壁と前記第二の絶縁層が位置する平面との間の夾角が鈍角である。
【0013】
本願の実施例によれば、前記第二の絶縁層の厚さが150~500ナノメートルである。
【0014】
本願の実施例によれば、前記第一の絶縁層と前記第二の絶縁層の材料が異なる。
【0015】
本願の実施例によれば、前記第一の絶縁層の材料は窒化ケイ素を含み、前記第二の絶縁層の材料は酸化ケイ素を含む。
【0016】
本願の実施例によれば、表示パネルは、前記第一の絶縁層の前記ベース基板に近い表面に設置された第三の絶縁層をさらに含み、前記第一の絶縁層の前記ベース基板での正投影が前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影を覆い、かつ前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影に重複領域がある。
【0017】
本願の実施例によれば、表示パネルは、前記第一の絶縁層の前記ベース基板に近い表面に設置された第四の絶縁層をさらに含み、かつ前記第四の絶縁層の前記ベース基板での正投影が前記凹溝の前記ベース基板での正投影を覆う。
【0018】
本願の実施例によれば、前記凹溝は前記第一の絶縁層を貫通し、前記第二の配線は前記凹溝において露出した前記第四の絶縁層の表面に設置される。
【0019】
本願の実施例によれば、前記第四の絶縁層は凹部を有し、前記凹溝の前記ベース基板での正投影と前記凹部の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第二の配線は前記凹部の底面に形成される。
【0020】
本願の別の態様において、本願は表示パネルを製造する方法を提供する。本願の実施例によれば、ベース基板を提供することと、前記ベース基板の一側に第一の初期絶縁層を形成することと、前記第一の初期絶縁層をエッチングして、複数の順次交互に設置された、側壁と底面を含む凹溝及び頂面を含む突起を有する第一の絶縁層を得ることと、前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配線を形成し、前記配線は、前記突起の前記頂面の前記ベース基板から離れた側に設置された第一の配線及び前記凹溝の前記底面に設置された第二の配線を含み、かつ前記第一の配線と前記第二の配線は切り離されて設置される。これにより、上記製造方法において、第一の配線と第二の配線は第一の絶縁層の突起の頂面と凹溝内にそれぞれ形成され、凹溝の設置によって第一の配線と第二の配線との間が段差の存在により切り離され、第一の配線と第二の配線を同一平面内に設置し(即ち第一の絶縁層には凹溝を設置せず、第一の配線と第二の配線のいずれも、第一の絶縁層の平らな同一面に設置する)、第一の配線と第二の配線との間の間隔を大幅に縮小することができ、さらには同じ寸法内において、より多くの配線を配置することができる。さらに、上記製造方法は製造プロセスが簡単かつ成熟したものであって、実施及び工業化量産に有利である。
【0021】
本願の実施例によれば、表示パネルは第一の表示領域及び前記第一の表示領域の外縁に設置された第二の表示領域を含み、前記表示パネルを製造する方法は、前記ベース基板の表面に複数の第一の画素回路を形成し、かつ前記第一の画素回路が前記第二の表示領域内に位置するステップと、前記第一の画素回路の前記ベース基板から離れた側に前記第一の絶縁層を形成するステップと、前記第一の絶縁層の前記ベース基板から離れた側に前記配線を形成するステップと、前記配線の前記ベース基板から離れた側に発光素子を形成し、かつ前記発光素子が前記第一の表示領域に位置し、前記第一の画素回路が前記発光素子を駆動して発光させるように、前記配線が前記第一の画素回路と前記発光素子を電気的に接続するために用いられるステップと、を含む。
【0022】
本願の実施例によれば、前記第一の初期絶縁層をエッチングして前記第一の絶縁層を得るステップは、前記第一の初期絶縁層の表面に全面フォトレジスト層を形成するステップと、前記全面フォトレジスト層の所定の領域に露光、現像を行い、開口を有するフォトレジスト層を得るステップと、エッチングガスにより前記開口に露出した前記第一の初期絶縁層をエッチングして、前記第一の絶縁層を得るステップと、を含み、前記露光過程での露光量は100~160mJ、現像時間は40~80sである、及び/又は前記エッチング過程におけるエッチング速度は2500~3500A/minである。
【0023】
本願の実施例によれば、表示パネルを製造する方法は、第一の初期絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に第二の初期絶縁層を形成することと、前記第二の初期絶縁層の表面に前記全面フォトレジスト層を形成することと、前記全面フォトレジスト層の所定の領域に露光、現像を行い、前記開口を有する前記フォトレジスト層を得ることと、を含み、前記エッチングガスにより前記開口に露出した前記第二の初期絶縁層及び前記第一の初期絶縁層をエッチングし、貫通孔を有する第二の絶縁層及び前記凹溝を有する前記第一の絶縁層を得、かつ前記貫通孔の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第一の配線が前記第二の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置される。
【0024】
本願の実施例によれば、前記第一の初期絶縁層を形成する前に、表示パネルを製造する方法は、第三の初期絶縁層を予め形成することをさらに含み、前記第三の初期絶縁層をエッチングして、パターン化された第三の絶縁層を得、前記第一の絶縁層の前記ベース基板での正投影は前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影を覆い、かつ前記第三の絶縁層の前記ベース基板での正投影と前記凹溝の前記ベース基板での正投影には重複しない領域が存在する。
【0025】
本願の実施例によれば、表示パネルを製造する方法は、前記第一の初期絶縁層を形成する前に、第四の初期絶縁層を予め形成し、前記第一の初期絶縁層は前記第四の初期絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に形成されることと、前記第一の初期絶縁層及び前記第四の初期絶縁層をエッチングして、前記凹溝を有する前記第一の絶縁層及び凹部を有する第四の絶縁層を得ることと、をさらに含み、前記凹溝が前記第一の絶縁層を貫通し、かつ前記凹溝の前記ベース基板での正投影と前記凹部の前記ベース基板での正投影に重複領域があり、前記第二の配線が前記凹部の底面に形成される。
【0026】
本願のさらなる態様において、本願は表示装置を提供する。本願の実施例によれば、表示装置は前述の表示パネルを含み、前述の表示パネルは第一の表示領域及び第二の表示領域を有し、前記表示パネルはアンダーディスプレイ機能領域を有し、前記アンダーディスプレイ機能領域の前記表示パネルにおける正投影と前記第一の表示領域に重複領域がある。これにより、当該表示装置は大型のアンダーディスプレイ機能領域を設計することができる。当業者であれば、該表示装置は前述の表示パネルの全ての特徴及び利点を有すると理解することができ、ここでは改めて説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本願の一実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図2】本願の別の実施例における表示パネルの平面模式図である。
【
図3】本願のさらなる実施例における表示パネルの平面レイアウト模式図である。
【
図4】本願のさらなる実施例における表示パネルの平面レイアウト模式図である。
【
図5】本願のさらなる実施例における表示パネルの平面模式図である。
【
図6】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図7】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図8】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図9】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図10】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図11】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図12】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図13】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図14】本願のさらなる実施例における表示パネルの構造模式図である。
【
図15】一例における表示パネルの構造模式図である。
【
図16】本願のさらなる実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
【
図17】本願のさらなる実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
【
図18】本願のさらなる実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
【
図19】本願のさらなる実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
【
図20】本願のさらなる実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
【
図21】本願のさらなる実施例において表示パネルを製造する構造模式図である。
【
図22】本願のさらなる実施例における表示装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例について詳細に説明する。以下に説明する実施例は例示的なものであり、本願を解釈するためにだけ用いられ、本願を限定するものと理解すべきではない。実施例において具体的な技術又は条件について明記していないものは、本分野における文献に記載の技術又は条件に従って、或いは製品の説明書に従って行うものとする。
【0029】
本願の一態様において、
図1に示すように、本願は表示パネルを提供する。本願の実施例によれば、表示パネルは、ベース基板10と、ベース基板10の一側に設置された第一の絶縁層20であって、かつ前記ベース基板10から離れた側に、複数の順次交互に設置された、側壁211と底面212を含む凹溝21及び頂面221(
図1に示すように、側壁がそれぞれ底面及び頂面に接続される)を含む突起22を有する第一の絶縁層20と、前記第一の絶縁層20の前記ベース基板10から離れた側に設置された配線30と、を含み、ここで、前記配線30は、前記第一の絶縁層20の突起22の頂面221のベース基板から離れた側に設置された第一の配線31及び前記凹溝21の底面212に設置された第二の配線32を含み、かつ前記第一の配線31と前記第二の配線32は切り離されて設置され、即ち第一の配線31と第二の配線32は接続されていない。これにより、第一の配線31と第二の配線32は第一の絶縁層20の突起22の頂面221と凹溝21の底面212にそれぞれ設置され、凹溝21の設置によって第一の配線31と第二の配線32との間が段差の存在により切り離され、第一の配線と第二の配線を同一平面内に設置し(即ち第一の絶縁層に凹溝を設置せず、第一の配線と第二の配線のいずれも、第一の絶縁層の平らな同一面に設置し、この時に第一の配線と第二の配線が完全に切り離されることを保証するために、両者の間の間隔は通常3.5~4ミクロンメートルである)、第一の配線31と第二の配線32との間の水平間隔dを大幅に縮小することができ、さらには同じ寸法内でより多くの配線を配置することができる。
【0030】
なお、第一の配線及び第二の配線は製造過程において、同一の堆積ステップにより同時に形成されるため、第一の絶縁層20の突起頂面221と底面212との間の段差により、堆積時に配線が段差の存在により切り離され、さらには突起頂面221と底面212おいて、切り離された第一の配線及び第二の配線がそれぞれ形成される。また、第一の配線31と第二の配線32との間の水平間隔dは、隣接する第一の配線と第二の配線との間の、第一の配線の第二の配線に近い一端と第二の配線の第一の配線に近い一端との間の水平間隔である。
【0031】
さらに、配線30の材質はITO、AZOなどの透明導電材料を含むがこれらに限定されないため、光透過率が好ましく、表示パネルの光透過率の向上に有利である。
【0032】
本願の実施例によれば、
図2に示すように、表示パネルは第一の表示領域bと第一の表示領域bの外縁b1に設置された第二の表示領域aを含み、ここで、上記第二の表示領域aは第一の表示領域bの外縁に設置され、即ち第二の表示領域aが第一の表示領域bの外側に設置される、又は、第二の表示領域aが第一の表示領域bの周辺に設置されることを指す。また、第一の表示領域bの具体的な設置位置についても特別な要求はなく、当業者はアンダーディスプレイ機能領域の実際の設計要件に応じて柔軟に選択することができ、例えば、第二の表示領域は表示パネルの中央であってよく、表示パネルの一つの隅であってもよく、
図2に示すように表示パネルのフレームに近接した中央に位置する位置に位置してもよい。
【0033】
本願の実施例によれば、
図2における(C)及び(D)に示すように、第一の表示領域bのベース基板での正投影とアンダーディスプレイ機能領域eのベース基板での正投影に重複領域がある。いくつかの具体的な実施例において、第一の表示領域bのベース基板での正投影とアンダーディスプレイ機能領域eのベース基板での正投影は重複する。別の実施例において、
図2(C)に示すように、第一の表示領域bのベース基板での正投影はアンダーディスプレイ機能領域eのベース基板での正投影で覆われる。さらなるいくつかの実施例において、
図2(D)に示すように、アンダーディスプレイ機能領域eのベース基板での正投影は第一の表示領域bのベース基板での正投影に覆われる。
【0034】
ここで、アンダーディスプレイ機能領域を設置する縦方向位置に特別な要求はなく、当業者が実際の設計要件に応じて柔軟に選択することができる。いくつかの具体的な実施例において、アンダーディスプレイ機能領域は表示パネルの画面から離れた側に設置されてよい。アンダーディスプレイ機能領域はアンダーディスプレイ機能層構造を設置するために用いることができ、アンダーディスプレイ機能層構造の具体的な構造に特別な要求はなく、当業者は実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、いくつかの具体的な実施例において、アンダーディスプレイ機能領域はアンダーディスプレイカメラであり、本願の上記表示パネルの構造はアンダーディスプレイカメラの高い光透過率に対する要求を満たすことができるだけでなく、大型のアンダーディスプレイカメラの設計要件を実現することができる。
【0035】
さらに、
図3~
図7(
図5は一行の画素のみを示した構造模式図、
図6は
図5におけるm-m’に沿った断面図、
図7は
図5におけるn-n’に沿った断面図である)である。表示パネルは、ベース基板10と、ベース基板10と第一の絶縁層20との間に設置された第一の画素回路11であって、かつ第二の表示領域aに位置する複数の第一の画素回路11と、配線30のベース基板10から離れた側に設置され、かつ前記第一の表示領域bに位置する発光素子40とを含み、ここで、第一の画素回路11が発光素子40を駆動して発光させるように、配線30が第一の画素回路11と発光素子40を電気的に接続するために用いられる。よって、第一の配線31と第二の配線32との間の水平間隔dが小さいため、一定の寸法範囲内の第一の絶縁層の表面に多くの第一の配線31及び第二の配線32を設置することができることから、第一の表示領域bにおいて多くの発光素子40を設置することができ、大型のアンダーディスプレイ機能領域の設計要件を満たす。なお、一本の第一の配線又は一本の第二の配線はそれぞれ一つの第一の画素回路及び一つの発光素子と電気的に接続されている。本願において発光素子の具体的な構造に特別な要求はなく、当業者は実際の設計要件に応じて柔軟に選択することができる。本願の実施例によれば、発光素子は、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、陰極を含んでよい。
【0036】
また、第一の画素回路の具体的な設置位置に特別な要求はなく、当業者は画素に対する設計要件に応じて柔軟に選択することができる。いくつかの具体的な実施例において、第一の画素回路11は第二の表示領域a全体に分布するものではなく、第二の表示領域aの第一の表示領域bに近い一部領域にのみ設けてよく、
図2における右の図の矩形枠内のように、第一の画素回路は第二の表示領域aにおける矩形枠内にのみ分布する。
【0037】
さらに、
図3、
図4、
図5に示すように、第二の表示領域aは第二の画素回路12をさらに含み、第一の画素回路と第二の画素回路との間の具体的な相対的な設置位置に特別な要求はない。第一の画素回路11は異なる二つの第二の画素回路12の間に設置されてよく、ここで、隣接する二つの第一の画素回路の間に一つ又は複数の第二の画素回路が置かれてよく、つまり同じ行の複数の画素回路において、第一の画素回路11は隣接して設置されなくてもよく、いくつかの実施例では、同じ行の複数の画素回路において、隣接する二つの第一の画素回路11の間に少なくとも一つの第二の画素回路12が設置される。いくつかの具体的な実施例では、同じ行の複数の画素回路において、
図5に示すように、一つの第二の画素回路12おきに一つの第一の画素回路11が設置される。別のいくつかの具体的な実施例では、
図3及び4に示すように、三つの第二の画素回路12おきに一つの第一の画素回路11が設置される。また、いくつかの具体的な実施例において、第一の画素回路11の間に第二の画素回路12を置かなくてもよく、即ち第一の画素回路11は隣接して設置してもよい。
【0038】
ここで、第一の画素回路11の具体的な構造に特別な要求はなく、当業者は実際の状況に応じて柔軟に選択することができる。いくつかの実施例において、第一の画素回路11は7T1C回路(即ち七つのトランジスタ及び一つのコンデンサ)構造であり、例えば駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、蓄積コンデンサ、閾値補償トランジスタ、第一のリセットトランジスタ、第二のリセットトランジスタ、第一発光制御トランジスタ、第二の発光制御トランジスタを含む。第一の画素回路11の縦方向構造にも特別な要求はなく、いくつかの実施例において、第一の画素回路11は活性層、ゲート絶縁層、ゲート、層間誘電体層、ソース電極、ドレイン電極、蓄積コンデンサなどの構造を含む。ここで、いくつかの実施例において、配線30は貫通孔23を介して(
図7及び
図8に示すとおりであり、
図8は
図5におけるk-k’に沿った断面図である)駆動トランジスタにおけるドレイン111と電気的に接続され(
図4に示すとおりである)、第一の画素回路11での対応する画素ユニットには発光素子が設けられず、第一の表示領域における発光素子40の発光を駆動するためにのみ用いられる。第一の表示領域bにおける発光素子は第二の表示領域における第一の画素回路11により駆動されて発光し、第一の表示領域には画素回路を設置する必要がなく、さらには第一の表示領域内の光透過率を大幅に向上させることができ、アンダーディスプレイ機能領域の高い光透過率に対する要件を満たす。
【0039】
図4及び
図8において、
図4における右の図は
図4における破線枠A及び破線枠B部分の拡大図をそれぞれ示し、配線30は貫通孔43を介して発光素子40における陽極41と電気的に接続され、陽極41のベース基板での正投影は画素定義層により画定された開口42のベース基板上での正投影を覆う。いくつかの具体的な実施例において、陽極41は突起部411を有し、配線30は貫通孔43を介してEL発光素子40における陽極41の突起部411と電気的に接続されている。
【0040】
配線30と陽極41を隔絶するために、配線30と陽極41との間に絶縁媒体層を設置することができる。いくつかの実施例において、配線30と発光素子との間に絶縁媒体層50が設置され、陽極43は絶縁媒体層50を貫通する貫通孔43を介して配線30(
図8に示す第二の配線32)と電気的に接続される。
【0041】
本願の実施例によれば、
図6に示すように、凹溝21の側壁211と前記凹溝21の底面212が位置する平面との間の夾角αは65°~90°で、例えば65°、68°、70°、72°、75°、78°、80°、82°、85°、88°、90°であり、凹溝の深さは100~480ナノメートルで、例えば100ナノメートル、120ナノメートル、130ナノメートル、150ナノメートル、180ナノメートル、200ナノメートル、230ナノメートル、250ナノメートル、280ナノメートル、300ナノメートル、320ナノメートル、350ナノメートル、380ナノメートル、400ナノメートル、420ナノメートル、450ナノメートル、480ナノメートルである。これにより、上記夾角と凹溝の深さの限定は、第一の配線と第二の配線が凹溝の突起の頂面221と凹溝の底面212との間の段差により切り離されることをよりよく確保することができる。αが65°より小さい場合、凹溝21の側壁211が比較的緩やかであるため、相対的に第一の配線31と第二の配線32を完全に切り離すのは容易でなく、このような場合、第一の表示領域における一部の発光素子の正常な発光に影響を与える。さらに、αが65°より小さい場合、第一の配線と第二の配線を切り離すことができたとしても、側壁211が比較的緩やかであるため、側壁211の幅が広く、第一の配線と第二の配線との間の水平間隔dを短くすることに不利である。
【0042】
なお、凹溝の深さは突起の頂面と凹溝の底面との間の垂直間隔を指す。
【0043】
さらに、凹溝21は第一の絶縁層20を貫通せず、底面212における第一の絶縁層20の厚さは20~50ナノメートル(例えば20ナノメートル、23ナノメートル、25ナノメートル、28ナノメートル、30ナノメートル、33ナノメートル、35ナノメートル、38ナノメートル、40ナノメートル、43ナノメートル、45ナノメートル、48ナノメートル、50ナノメートルである)である。これにより、突起の頂面と凹溝の底面との間の段差が大きく、第一の配線と第二の配線が堆積して形成される過程において該段差により完全に切り離されることを効果的に確保することができる。
【0044】
本願の実施例によれば、
図1、
図6、
図7に示すように、第一の配線31と第二の配線32との間の水平間隔dは1.8~2.5ミクロンメートルであり、例えば1.8ミクロンメートル、1.9ミクロンメートル、2.0ミクロンメートル、2.1ミクロンメートル、2.2ミクロンメートル、2.3ミクロンメートル、2.4ミクロンメートル、2.5ミクロンメートルである。このことから分かるように、第一の配線と第二の配線との間の水平間隔は比較的小さいことから、一定の寸法範囲内において、より多くの配線を設置することができるため、第一の表示領域がより多くの数の発光素子を有する場合、依然として一定の空間内に複数本の第一の配線と第二の配線を合理的に配置することができ、又は、第一の表示領域bにおいて複数の発光素子40を設置することができ、大型のアンダーディスプレイ機能層の設計要件を満たす。
【0045】
本願の実施例によれば、
図9に示すように、表示パネルは、第一の絶縁層20のベース基板10から離れた表面に設置された第二の絶縁層62と、第二の絶縁層62のベース基板10から離れた表面に設置された第一の配線31とをさらに含み、かつ第二の絶縁層62を貫通する貫通孔621を有し、かつ貫通孔621のベース基板10での正投影S1と凹溝21のベース基板10での正投影S2に重複領域があり、前記第一の配線が前記第二の絶縁層の前記ベース基板から離れた表面に設置される。これにより、第二の絶縁層の設置は第一の配線31と第二の配線32との間の段差をさらに大きくでき、さらには第一の配線31と第二の配線32をより切り離しやすくし、第一の配線31と第二の配線32との間の接続のリスクをさらに低減することができる。さらに、
図9に示すように、貫通孔621のベース基板10での正投影S1と凹溝21のベース基板10での正投影S2は完全に重複する。
【0046】
本願の実施例によれば、貫通孔621の側壁と第二の絶縁層が位置する平面との間の夾角βは鈍角である(即ち、貫通孔621の側壁と第二の絶縁層の底面との間の夾角は鈍角βである)。これにより、エッチングによって得られた第二の絶縁層は逆台形形状を呈することから、第一の配線と第二の配線の切り離しにより有利である。
【0047】
本願の実施例によれば、第二の絶縁層の厚さは150~500ナノメートルであり、例えば150ナノメートル、180ナノメートル、200ナノメートル、230ナノメートル、250ナノメートル、280ナノメートル、300ナノメートル、320ナノメートル、350ナノメートル、380ナノメートル、400ナノメートル、420ナノメートル、450ナノメートル、480ナノメートル、500ナノメートルである。これにより、上述の厚さの第二の絶縁層は第一の配線及び第二の配線が堆積して形成される過程において比較的容易に切り離されることを保証できるだけでなく、厚さが厚すぎることにより後続の表示パネルのパッケージに不利になることもない。なお、第二の絶縁層の厚さは、第二の絶縁層のベース基板から離れた表面と第二の絶縁層のベース基板に近い表面との間の間隔の大きさを指す。
【0048】
本願の実施例によれば、第一の絶縁層と第二の絶縁層の材料は異なり、このようにして得られたαとβの角度には差異があり、さらには第一の配線と第二の配線の切り離しにより有利である。いくつかの実施例において、第一の絶縁層及び第二の絶縁層は窒化ケイ素、酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素をそれぞれ含み、上述の材料は良好な絶縁性を有するだけでなく、製造された第一の絶縁層及び第二の絶縁層の性能が好ましく、表示パネルにおける絶縁層に対する各要件をよく満たすことができる。
【0049】
いくつかの具体的な実施例において、第一の絶縁層の材料は窒化ケイ素を含み、第二の絶縁層の材料は酸化ケイ素を含む。これにより、所望の角度の大きさのα及びβを効果的に得ることができる。
【0050】
本願の実施例によれば、
図10に示すように、表示パネルは、第一の絶縁層20のベース基板10に近い表面に設置された第三の絶縁層63をさらに含み、第一の絶縁層20のベース基板10での正投影が第三の絶縁層63のベース基板10での正投影を覆い、かつ第三の絶縁層63のベース基板10での正投影と凹溝21のベース基板10での正投影には重複しない領域が存在する。これにより、第三の絶縁層の設置は、第一の絶縁層20の突起22の頂面221と凹溝21の底面212との間の段差をさらに大きくでき、即ち第一の配線と第二の配線との間の段差が大きくなるため、堆積して配線を形成する際に、第一の配線と第二の配線はより容易に全て完全に切り離すことができる。いくつかの実施例において、
図10(A)に示すように、第三の絶縁層63のベース基板10での正投影は凹溝21のベース基板10での正投影と全く重複しない領域である。別の実施例において、
図10(B)に示すように、第三の絶縁層63のベース基板10での正投影と凹溝21のベース基板10での正投影は重複しない領域もあれば、一部が重複する領域もある。
【0051】
本願の実施例によれば、第三の絶縁層63の厚さは1000~2500ナノメートルであり、例えば1000ナノメートル、1100ナノメートル、1200ナノメートル、1300ナノメートル、1400ナノメートル、1500ナノメートル、1600ナノメートル、1700ナノメートル、1800ナノメートル、1900ナノメートル、2000ナノメートル、2100ナノメートル、2200ナノメートル、2300ナノメートル、2400ナノメートル、2500ナノメートルである。これにより、第一の絶縁層20の突起22の頂面221と凹溝21の底面212との間の段差を効果的に大きくでき、第一の配線と第二の配線がより容易に全て完全に切り離されることを確保し、さらには製品歩留まりを向上させる。なお、第三の絶縁層の厚さは、第三の絶縁層のベース基板から離れた表面と第三の絶縁層のベース基板に近い表面との間の間隔の大きさを指す。
【0052】
本願の実施例によれば、
図11に示すように、表示パネルは、第一の絶縁層20のベース基板10に近い表面に設置された第四の絶縁層64をさらに含み、かつ第四の絶縁層64のベース基板10での正投影が凹溝21のベース基板での正投影を覆う。これにより、依然として第一の配線と第二の配線の切り離しを効果的に実現することができる。
【0053】
本願の実施例によれば、
図12に示すように、凹溝21は第一の絶縁層20を貫通し、第二の配線32は凹溝21において露出した第四の絶縁層64の表面に設置される。これにより、凹溝が第一の絶縁層を貫通するため、第一の配線31と第二の配線32との間の段差をより一層大きくでき、第一の配線と第二の配線が全て完全に切り離されることをよりよく確保し、さらには製品歩留まりを向上させる。
【0054】
本願の実施例によれば、
図13に示すように、第四の絶縁層64は凹部641を有し、凹溝21のベース基板10での正投影と凹部641のベース基板10での正投影に重複領域があり、第二の配線32は凹部641の底面に形成される。これにより、凹部641の設置は、第一の配線31と第二の配線32との間の段差をより一層大きくでき、第一の配線と第二の配線が全て完全に切り離されることをよりよく確保し、さらには製品歩留まりを向上させる。ここで、凹部の深さと第二の配線の厚さとの間に特別な限定関係はなく、当業者は第一の配線と第二の配線との間の段差などの設計要件に応じて柔軟に選択することができ、例えば凹部の深さは第二の配線の厚さよりも大きく、又は凹部の深さは第二の配線の厚さよりも小さく、或いは凹部の深さは第二の配線の厚さに等しい(
図13では凹部の深さが第二の配線の厚さに等しいことのみを例としている)。
【0055】
本願の実施例によれば、第四の絶縁層の最大厚さは1000~2500ナノメートルであり、例えば1000ナノメートル、1100ナノメートル、1200ナノメートル、1300ナノメートル、1400ナノメートル、1500ナノメートル、1600ナノメートル、1700ナノメートル、1800ナノメートル、1900ナノメートル、2000ナノメートル、2100ナノメートル、2200ナノメートル、2300ナノメートル、2400ナノメートル、2500ナノメートルである。なお、第四の絶縁層の最大厚さは、非凹部での第四の絶縁層の厚さが1000~2500ナノメートルであるということである。なお、第四の絶縁層の厚さは、非凹部における第四の絶縁層のベース基板から離れた表面と第四の絶縁層のベース基板に近い表面との間の間隔の大きさを指す。
【0056】
さらに、第三の絶縁層及び第四の絶縁層の材料に特別な要求はなく、良好な絶縁性を有するものであればよく、具体的な材料は当業者が実際の状況に応じて柔軟に選択することができる。いくつかの実施例において、第三の絶縁層及び第四の絶縁層の材料は窒化ケイ素、酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素などの無機材料、及びPRゴムなどの有機材料をそれぞれ含むがこれらに限定されない。
【0057】
本願の実施例によれば、第一の表示領域の寸法が大きく、即ち第一の表示領域により多くの発光素子を有し、一層の第一の絶縁層20の基板から離れた側にのみ設置された第一の配線31と第二の配線32の数が依然として一つずつ全ての第一の表示領域の発光素子と電気的に接続することができない場合は、二層の積層設置された第一の絶縁層20を設置することができ、
図14に示すように、各層の第一の絶縁層20はいずれも凹溝21を有し、各層の第一の絶縁層20の突起の頂面及び凹溝の底面にいずれも第一の配線31及び第二の配線32がそれぞれ設置される。順次類推して、配線の本数がさらに多くなる場合、当業者は三層又はより多くの層の第一の絶縁層を設置することができ、これによりさらに多くの配線を配置することができる。
【0058】
本願の実施例によれば、同じ寸法の第一の表示領域、同じ数の第一の表示領域に対する発光素子、及び同じ本数の第一の配線及び第二の配線であれば、本願の技術手段においてN(Nは1以上の整数である)層の第一の絶縁層20を要するだけで複数本の第一の配線と第二の配線を合理的に配置することができる。しかし、第一の配線と第二の配線を、凹溝のない平らな絶縁層の表面に設置する場合、第一の配線と第二の配線が効果的に切り離されることを確保するために、第一の配線と第二の配線との間の水平間隔は約3.5~4ミクロンメートルであり、このようにすると一層の絶縁層の表面に配置される第一の配線と第二の配線の本数は本願の技術案より少ないため(
図6及び
図15に示すように、同じ寸法の配線配列空間であり、
図6では六本の配線を配置することができるが
図15では四本の配線しか配置することができない)、同じ数の第一の配線と第二の配線を配置しようとする場合、少なくともN+1層を積層設置した絶縁層を設置することができ、複数本の第一の配線と第二の配線をN+1層の絶縁層の表面に分散して設置する(
図15に示すとおり)が、このような技術案は表示パネルの全体の厚さが増し、パッケージDamの高さが増すことになるため、表示パネルのパッケージに不利であり、さらにMASKプロセスを増やし、製造コストが上がる。
【0059】
本願の別の態様において、本願は表示パネルを製造する方法を提供する。本願の実施例によれば、
図16に示すように、表示パネルを製造する方法は以下のステップを含む。
【0060】
S100:ベース基板10を提供する。
【0061】
S200:ベース基板10の一側に第一の初期絶縁層200を形成する。
【0062】
S300:第一の初期絶縁層200をエッチングし、順次交互に設置された、側壁211と底面212を含む複数の凹溝及び頂面211を含む突起を有する第一の絶縁層20を得る。
【0063】
ここで、第一の初期絶縁層をエッチングし、第一の絶縁層20を得るステップは次のステップを含む。
【0064】
S310:第一の初期絶縁層の表面に全面フォトレジスト層70を形成する。
【0065】
S320:全面フォトレジスト層70の所定領域に露光、現像を行い、開口72を有するフォトレジスト層71を得る。
【0066】
S330:エッチングガスにより開口72に露出した第一の初期絶縁層200をエッチングし、第一の絶縁層20を得る。ここで、露光過程での露光量は100~160mJ、現像時間は40~80sである、及び/又はエッチング過程でのエッチング速度は2500~3500A/minである。上記露光量、現像時間及びエッチング速度下で、得られる凹溝21の側壁211と凹溝21の底面212が位置する平面との間の夾角αは65°~90°であり、ここで、凹溝の深さは100~480ナノメートルである。これにより、後続の堆積により形成する第一の配線及び第二の配線が、突起の頂面221と凹溝の底面212との間の段差により切り離されることをよりよく確保することができる。αが65°より小さい場合、凹溝21の側壁211が相対的に緩やかであるため、相対的に第一の配線31と第二の配線32を完全に切り離すのは容易でなく、このような場合、第一の表示領域における一部の発光素子の正常な発光に影響を与える。また、αが65°より小さい場合、第一の配線と第二の配線を切り離すことはできるが、側壁211が比較的緩やかであるため、側壁211の幅が広く、第一の配線と第二の配線との間の間隔dを短くすることに不利である。
【0067】
S400:第一の絶縁層20のベース基板10から離れた側に配線30を形成し、配線30は、第一の絶縁層20の突起22の頂面221に設置された第一の配線31及び凹溝21の底面212に設置された第二の配線32を含む。第一の配線と第二の配線は同じ堆積ステップにより同時に形成され、第一の絶縁層20の突起22の頂面221と凹溝の底面212との間の段差により、堆積時に配線が段差の存在により切り離され、さらには突起22の頂面221と凹溝の底面212において、切り離された第一の配線及び第二の配線がそれぞれ形成される。
【0068】
これにより、上記製造方法において、第一の配線と第二の配線は第一の絶縁層の突起の頂面(又は第一の絶縁層の頂面とも言う)と凹溝内にそれぞれ形成され、凹溝の設置によって第一の配線と第二の配線との間が段差の存在により切り離され、第一の配線と第二の配線を同一平面内に設置し(即ち第一の絶縁層には凹溝を設置せず、第一の配線と第二の配線のいずれも、第一の絶縁層の平らな同一面に設置する)、第一の配線と第二の配線との間の間隔を大幅に縮小することができ、さらには同じ寸法内において、より多くの配線を配置することができる。さらに、上記製造方法は製造プロセスが簡単かつ成熟したものであって、実施及び工業化量産に有利である。
【0069】
本願の実施例によれば、表示パネルは、第一の表示領域b及び第一の表示領域bの外縁に設置された第二の表示領域aを含み、ここで、第一の表示領域bの前記ベース基板10での正投影とアンダーディスプレイ機能領域のベース基板10での正投影に重複領域があり、前記表示パネルを製造する方法は次のものを含む。
【0070】
前記ベース基板10の表面に複数の第一の画素回路11を形成し、かつ第一の画素回路11は第二の表示領域aに位置する。第一の画素回路11のベース基板10から離れた側に第一の絶縁層20を形成する。第一の絶縁層20のベース基板10から離れた表面に配線30を形成する。配線30のベース基板10から離れた側に発光素子40を形成し、かつ発光素子40は第一の表示領域bに位置し、ここで、第一の画素回路11が発光素子40を駆動して発光させるように、配線30が第一の画素回路11と発光素子40を電気的に接続するために用いられ、構造模式図は
図2~
図8を参照されたい。よって、第一の配線31と第二の配線32との間の間隔dが小さいため、一定の寸法範囲内の第一の絶縁層の表面に多くの第一の配線31及び第二の配線32を設置することができることから、第一の表示領域bにおいて多くの発光素子40を設置することができ、大型のアンダーディスプレイ機能層の設計要求を満たす。なお、一本の第一の配線又は一本の第二の配線がそれぞれ一つの第一の画素回路及び一つの発光素子と電気的に接続されている。
【0071】
また、第一の画素回路の具体的な設置位置に特別な要求はなく、当業者は画素に対する設計要件に応じて柔軟に選択することができる。いくつかの具体的な実施例において、第一の画素回路11は第二の表示領域a全体に分布するものではなく、第二の表示領域aの第一の表示領域bに近い一部領域にのみ設けてよく、
図2における右の図の矩形枠内のように、第一の画素回路は第二の表示領域aにおける矩形枠内にのみ分布する。
【0072】
また、
図3、
図4、
図5に示すように、第二の表示領域aは第二の画素回路12をさらに含み、第一の画素回路と第二の画素回路との間の具体的な相対的な設置位置に特別な要求はない。第一の画素回路11は異なる二つの第二の画素回路12の間に設置することができ、そのうち、隣接する二つの第一の画素回路の間に一つ又は複数の第二の画素回路を置くことができ、即ち同じ行の複数の画素回路において、第一の画素回路11は隣接して設置されず、つまり、同じ行の複数の画素回路において隣接する二つの第一の画素回路11の間に少なくとも一つの第二の画素回路12が設置される。いくつかの実施例において、同じ行の複数の画素回路において、
図5に示すように、一つの第二の画素回路12おきに一つの第一の画素回路11が設置される。別の実施例において、
図3及び4に示すように、三つの第二の画素回路12おきに一つの第一の画素回路11が設置される。また、いくつかの具体的な実施例において、第一の画素回路11の間に第二の画素回路12を置かなくてもよく、即ち第一の画素回路11は隣接して設置してもよい。
【0073】
ここで、第一の画素回路11の具体的な構造に特別な要求はなく、当業者は実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、いくつかの実施例において、第一の画素回路11は7T1C回路(即ち七つのトランジスタ及び一つのコンデンサ)構造であり、例えば、駆動トランジスタ、データ書き込みトランジスタ、蓄積コンデンサ、閾値補償トランジスタ、第一のリセットトランジスタ、第二のリセットトランジスタ、第一発光制御トランジスタ、第二の発光制御トランジスタを含む。第一の画素回路11の縦方向構造にも特別な要求はなく、いくつかの実施例において、第一の画素回路11は活性層、ゲート絶縁層、ゲート、層間誘電体層、ソース電極、ドレイン電極、蓄積コンデンサなどの構造を含む。ここで、配線30は貫通孔23を介して(
図7及び
図8に示すとおりであり、
図8は
図5におけるk-k’に沿った断面図である)駆動トランジスタにおけるドレイン111と電気的に接続され(
図4に示すとおりである)、第一の画素回路11での対応する画素ユニットには発光素子が設けられず、第一の表示領域における発光素子40の発光を駆動するためにのみ用いられる。第一の表示領域bにおける発光素子は第二の表示領域における第一の画素回路11により駆動されて発光し、第一の表示領域には画素回路を設置する必要がなく、さらには第一の表示領域内の光透過率を大幅に向上させることができ、アンダーディスプレイ機能層の高い光透過率に対する要求を満たす。
【0074】
図4及び
図8において、
図4における右の図は
図4における破線枠A及び破線枠B部分の拡大図をそれぞれ示し、配線30は、貫通孔43を介して発光素子40における陽極41と電気的に接続され、陽極41のベース基板での正投影が画素定義層により限定された開口42のベース基板での正投影を覆う。いくつかの具体的な実施例において、陽極41は突起部411を有し、配線30は貫通孔43を介して発光素子40における陽極41の突起部411と電気的に接続される。
【0075】
配線30と陽極41を隔絶するために、配線30と陽極41との間に絶縁媒体層50を設置することができる。いくつかの実施例において、配線30と発光素子との間に絶縁媒体層50を設置し、陽極43は絶縁媒体層50を貫通する貫通孔43を介して配線30(
図8に示す第二の配線32)と電気的に接続される。
【0076】
本願の実施例によれば、
図17に示すように、表示パネルを製造する方法は次のステップを含む。
【0077】
S510:第一の初期絶縁層200のベース基板から離れた表面に第二の初期絶縁層620を形成する。
【0078】
S520:第二の初期絶縁層620の表面に全面フォトレジスト層70を形成する。
【0079】
S530:全面フォトレジスト層70全体の所定領域に露光、現像を行い、開口72を有するフォトレジスト層71を得る。
【0080】
S540:エッチングガスにより開口72に露出した第二の初期絶縁層620及び第一の初期絶縁層200をエッチングし、貫通孔621を有する第二の絶縁層62及び凹溝21を有する第一の絶縁層20を得、かつ貫通孔621のベース基板10での正投影S1と凹溝21のベース基板10での正投影S2に重複領域があり、ここで、前記第一の配線31は前記第二の絶縁層62の前記ベース基板10から離れた表面に設置される。これにより、第二の絶縁層の設置は第一の配線31と第二の配線32との間の段差をさらに大きくし、さらには第一の配線31と第二の配線32をより切り離しやすくし、第一の配線31と第二の配線32との間の接続のリスクをさらに低減することができる。さらに、
図9に示すように、貫通孔621のベース基板10での正投影S1と凹溝21のベース基板10での正投影S2は完全に重複する。
【0081】
さらに、貫通孔621の側壁と第二の絶縁層が位置する平面との間の夾角βは鈍角である。これにより、エッチングして得られた第二の絶縁層は逆台形形状を呈することから、第一の配線と第二の配線の切り離しにより有利である。
【0082】
本願の実施例によれば、
図18に示すように、前記第一の初期絶縁層を形成する前に、表示パネルを製造する方法はさらに次のステップを含む。
【0083】
S610:第三の初期絶縁層630を予め形成し、即ち第一の画素回路11のベース基板10から離れた側に第三の初期絶縁層630を形成する。
【0084】
S620:第三の初期絶縁層630をエッチングし、パターン化された第三の絶縁層63を得る。ここで、第一の絶縁層20のベース基板10での正投影は第三の絶縁層63のベース基板10での正投影を覆い、かつ第三の絶縁層63のベース基板10での正投影と凹溝21のベース基板10での正投影には重複しない領域が存在する。これにより、第三の絶縁層の設置は、第一の絶縁層20の突起22の頂面221と凹溝21の底面212との間の段差をさらに大きくでき、即ち第一の配線と第二の配線との間の段差が大きくなるため、堆積して配線を形成する際に、第一の配線と第二の配線はより容易に全て完全に切り離すことができる。
【0085】
当業者であれば、第一の初期絶縁層は第三の絶縁層を形成した後にだけ形成され、その後に第一の初期絶縁層をエッチングすることにより第一の絶縁層を得ると理解できる。
【0086】
本願の実施例によれば、
図19及び
図20に示すように、表示パネルを製造する方法は、前記第一の初期絶縁層200を形成する前に、第四の初期絶縁層640を予め形成し、第一の初期絶縁層200を第四の初期絶縁層640のベース基板から離れた表面に形成することをさらに含む。これにより、依然として第一の配線と第二の配線の切り離しを効果的に実現することができる。
【0087】
ここで、第一の初期絶縁層をエッチングして、凹溝21を有する第一の絶縁層20を形成する際に、いくつかの実施例において、凹溝21は第一の絶縁層20を貫通せず、
図19に示すように、第二の配線32は凹溝21の底面212に形成される。別の実施例において、
図20に示すように、凹溝21は第一の絶縁層20を貫通し、第二の配線32は凹溝21において露出した第四の絶縁層64の表面に設置され、この時、凹溝は第一の絶縁層を貫通するため、第一の配線31と第二の配線32との間の段差をより一層大きくでき、第一の配線と第二の配線が全て完全に切り離されることをよりよく確保し、さらには製品歩留まりを向上させる。なお、第四の初期絶縁層640をエッチングしてパターン化しない場合、第四の初期絶縁層640は第四の絶縁層64である。
【0088】
本願の実施例によれば、
図21に示すように、表示パネルを製造する方法は、第一の初期絶縁層200及び第四の初期絶縁層640をエッチングし(即ち、さらなるエッチングステップにより第一の初期絶縁層及び第二の初期絶縁層に対するエッチングを同時に完了する)、凹溝21を有する第一の絶縁層20及び凹部641を有する第四の絶縁層64を同時に得、ここで、凹溝21が前記第一の絶縁層20を貫通し、かつ凹溝21のベース基板10での正投影と凹部641のベース基板10での正投影に重複領域があり、第二の配線32は前記凹部641の底面に形成される。これにより、凹部641の設置は、第一の配線31と第二の配線32との間の段差をより一層大きくでき、第一の配線と第二の配線が全て完全に切り離されることをよりよく確保し、さらには製品歩留まりを向上させる。
【0089】
当業者であれば、上記表示パネルを製造する方法は前述の表示パネルを製造するために用いることができ、上記製造方法において、第一の絶縁層、第二の絶縁層、第三の絶縁層、第四の絶縁層、凹溝、凹部、第一の画素回路、発光素子などの構造に対する要件は前述部分で述べたものと一致していると理解でき、ここでは改めて説明しない。
【0090】
本願のさらなる態様において、本願は表示装置を提供する。本願の実施例によれば、
図22に示すように、表示装置は前述の表示パネル100を含み、表示パネル100は第一の表示領域b及び第二の表示領域aを有し、表示パネル100はアンダーディスプレイ機能領域(図示せず)を有し、アンダーディスプレイ機能領域の表示パネル100での正投影と第一の表示領域bに重複領域がある。ここで、アンダーディスプレイ機能領域はアンダーディスプレイ機能層構造200を設置するために用いられ、即ちアンダーディスプレイ機能領域はアンダーディスプレイ機能層構造の横方向被覆領域であり、アンダーディスプレイ機能層構造200は水平方向において表示パネル100上のアンダーディスプレイ機能領域を形成する。これにより、当該表示装置は大型のアンダーディスプレイ機能層を設計することができる。当業者であれば、該表示装置は前述の表示パネルの全ての特徴及び利点を有すると理解することができ、ここでは改めて説明しない。
【0091】
ここで、アンダーディスプレイ機能層構造の具体的な構造に特別な要求はなく、当業者は実際の状況に応じて柔軟に選択することができ、いくつかの具体的な実施例において、アンダーディスプレイ機能層構造はアンダーディスプレイカメラであり、本願の上述の表示パネルの構造はアンダーディスプレイカメラの高い光透過率に対する要求を満たすだけでなく、大型のアンダーディスプレイカメラの設計要件を実現することができる。
【0092】
本願の実施例によれば、上記表示装置の具体的な種類に特別な要求はなく、当業者は実際の需要に応じて柔軟に選択することができ、例えば携帯電話、iPad(登録商標)、ノートパソコンなどの表示装置であってよい。
【0093】
当業者であれば、当該表示装置は前述の表示パネル及びアンダーディスプレイ機能領域のほかに、従来の表示装置に必須の構造及び部材をさらに有し、携帯電話を例として述べれば、前記表示パネル及びアンダーディスプレイ機能層のほかに、電池パックカバー、中枠、タッチパネル、オーディオモジュール、マザーボードなどの必須の構造及び部品をさらに含むと理解できる。
【0094】
本明細書における「第一の」、「第二の」という用語は対象物を説明するためにだけ用いられ、相対的な重要性を示す又は暗示する、或いは示している技術特徴の数を明示又は暗示すると理解することはできない。これにより、「第一の」、「第二の」という限定を有する特徴は、一つ以上の当該特徴を含むということを明示又は暗示することができる。本発明の記載において、特に明確な具体的な限定がない限り「複数」の意味は二つ又は二つ以上である。
【0095】
本明細書の説明における、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示」、「具体的な例」又は「いくつかの例示」などの参考技術用語の記載は、当該実施例又は例示的な記載の具体的な特徴、構造、材料又は特色が本願の少なくとも一つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の概略的な記述は必ずしも同一の実施例又は例示を対象とする必要はない。さらに、説明の具体的な特徴、構造、材料又は特色はいずれか一つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しなければ、当業者は本明細書に記載の異なる実施例又は例示及び異なる実施例又は例示的な特徴を組み合わせることができる。
【0096】
以上、本願の実施例について開示及び説明をしたが、上記実施例は例示的なものであり、本願を限定するものと理解すべきではなく、当業者は本願の範囲内において上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を加えることができる。
【国際調査報告】