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特表2023-545145歯磨剤ディスペンサー、このディスペンサーおよび歯をクリーニングするためのJ/U字形状マウスピースのアセンブリ、デンタルクリーナーおよびこのディスペンサーを備えた格納ステーションを含むシステム、このディスペンサーの使用、ならびにこのディスペンサーを使用する方法。
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】歯磨剤ディスペンサー、このディスペンサーおよび歯をクリーニングするためのJ/U字形状マウスピースのアセンブリ、デンタルクリーナーおよびこのディスペンサーを備えた格納ステーションを含むシステム、このディスペンサーの使用、ならびにこのディスペンサーを使用する方法。
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/06 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
A61C19/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521961
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2021078124
(87)【国際公開番号】W WO2022078994
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】2026658
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】519383290
【氏名又は名称】デンタル・ロボティクス・グループ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダイク、ヨッペ ギデオン
(72)【発明者】
【氏名】スナイデル、ティム アントン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デ ワーテル、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ルッチ シカール、サルヴァドール エミリオ
(72)【発明者】
【氏名】ドムホフ、ダーン マールテン
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052MM10
(57)【要約】
本発明は、吐出された歯磨剤で、およびマウスピース上にまたはマウスピース内に提供されたクリーニング要素で複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に、歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーに関する。ディスペンサーは、入口およびマニホールドを有するディスペンサーダクト機構を備える。マニホールドは、歯磨剤を吐出するように構成された複数の出口開口部を備える。ダクトワークは、入口から出口開口部に歯磨剤を通すように構成される。出口開口部は、J字形状またはU字形状の湾曲に沿って分布し、湾曲に向かっておよび/または湾曲に沿って展開し、湾曲は、出口開口部が湾曲に沿った複数の位置に同時に歯磨剤を吐出できる得るように、歯列弓の少なくとも一部と合致し、複数の位置は、複数の出口開口部に対応する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出された歯磨剤で、およびマウスピース上にまたはマウスピース内に提供されたクリーニング要素で複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に、歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーであって、
前記ディスペンサーが、入口およびマニホールドを有するディスペンサーダクト機構を備え、
前記マニホールドが、歯磨剤を吐出するように構成された複数の出口開口部を備え、
前記ディスペンサーダクト機構が、前記入口から前記複数の出口開口部に歯磨剤を通すように構成され、
前記出口開口部が、J字形状またはU字形状の湾曲に沿って分布し、前記湾曲に向かっておよび/または前記湾曲に沿って展開し、前記出口開口部が、前記湾曲に沿った複数の位置に同時に歯磨剤を吐出し得るように、前記湾曲が、大臼歯、小臼歯、犬歯、および側切歯および中切歯などの切歯を含む歯列弓の少なくとも一部と合致し、前記複数の位置が、前記複数の出口開口部に対応し、
前記ディスペンサーが、歯磨剤が前記マウスピース上に吐出された後、前記マウスピースを前記マニホールドから離脱し得るように構成される、歯磨剤ディスペンサー。
【請求項2】
前記出口開口部が、前記湾曲によって画定される平面を挟んで向かい合って配置される、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記出口開口部が、前記湾曲によって画定される前記平面に対して面対称の対で配置される、請求項2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記湾曲がU字形状である、請求項1~3のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記マニホールドが、
-前記U字形状の湾曲を前記U字形状マウスピースに対して、
および/または
-前記U字形状マウスピースを前記U字形状の湾曲に対して、調整するように構成される、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記複数の出口開口部が相互に位置関係を有し、前記マニホールドが、前記複数の出口開口部の相互の位置関係を調整して、前記U字形状の湾曲を前記U字形状マウスピースに適合させるように構成される、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記マウスピースが、中央部分によって接続された二つの脚部を有するU字形状マウスピースであり、
前記マニホールドが、中央部材によって分離された二つの隣接する受け入れベイを有するW字形状の受けドックを備え、
前記ドックが、前記マウスピースの前記脚部が前記受け入れベイ内へと挿入方向に挿入されるときに、前記U字形状マウスピースの前記脚部を前記受け入れベイで受容するように構成され、
各受け入れベイは、外側壁および内側壁を有し、前記内側壁は前記中央部材によって画定され、
前記挿入方向で見ると、前記中央部材の幅が広がり、および、
前記挿入方向で見ると、前記外側壁が互いに対して先細りになる、請求項4~6のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項8】
歯磨剤のための容器と、前記歯磨剤容器から前記入口への歯磨剤の移送のために前記入口に前記歯磨剤容器を接続する供給セクションと、をさらに備える、請求項1~7のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記容器から前記入口への、前記供給セクションを通る前記歯磨剤の移送を制御するように構成される作動機構をさらに備える、請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項10】
前記作動機構が、前記歯磨剤を加圧して前記ダクトワークを通過させるように、さらに構成される、請求項9に記載のディスペンサー。
【請求項11】
前記容器が交換可能な歯磨剤カートリッジである、請求項8~10のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記容器が歯磨剤を含む、請求項8~11のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項13】
前記歯磨剤が、
-フッ化物、
-歯磨剤の用量当たり0.1~0.15グラム、例えば0.1125~0.1275グラム、または約0.125グラムなど、の研磨剤であって、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、シリカおよびヒドロキシアパタイト、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含み得る、研磨剤、
-15~80重量%、例えば、20~40重量%または45~70重量%の水、のうちの一つ以上を含む、請求項12に記載のディスペンサー。
【請求項14】
前記容器が、歯磨剤の複数用量、例えば20~150用量の歯磨剤、を含有するために寸法設定され、また前記作動機構が、前記作動機構の作動時に、所定の一用量の歯磨剤を移送するように構成される、請求項8~13のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項15】
前記容器が、所定の用量または、センサもしくはユーザインターフェースから受信した入力に基づいてコントローラによって決定される用量を吐出するように構成される、請求項14に記載のディスペンサー。
【請求項16】
一用量が0.2~1.25mgのフッ化物、例えば0.20~0.40mgのフッ化物、または0.25~0.375mgのフッ化物、例えば約0.335~0.34mgのフッ化物を含む、請求項14または15に記載のディスペンサー。
【請求項17】
前記フッ化物が、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、およびモノフルオロリン酸塩、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項13または16に記載のディスペンサー。
【請求項18】
吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに備える、請求項1~17のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項19】
前記ディスペンサーが、インジケータおよび少なくとも一つの状態センサであって
-前記容器の充填の程度、
および/または
-前記マウスピースの使用の程度、を感知するように構成された状態センサ、を備え、
前記インジケータが、前記状態センサに接続され、前記センサによって感知された程度を表すか、または前記センサによって感知された程度が所定の値を個々に下回っているときを示す表示信号を生成するように構成される、請求項1~18のうちの一項に記載のディスペンサー。
【請求項20】
請求項1~19のうちの一項に記載のディスペンサー、ならびに前記ディスペンサーによって吐出される歯磨剤で、および前記マウスピース上または前記マウスピース内に提供されるクリーニング要素で、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース、を備えるアセンブリ。
【請求項21】
-前記マウスピース上または前記マウスピース内に提供されるクリーニング要素を用いて、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された前記J字形状またはU字形状マウスピースを含むデンタルクリーナー、および、
-歯のクリーニングに使用されないときに前記J字形状またはU字形状マウスピースを格納するための格納ステーションであって、
-請求項1~20のうちの一項に記載のディスペンサーと、
-ホルダであって、
-格納位置で前記マウスピースが前記J字形状またはU字形状の湾曲に沿って整列し、その結果前記ディスペンサーの前記出口開口部を通して吐出された歯磨剤が、湾曲に沿って分布された位置上で前記マウスピースと係合するように、前記格納位置において前記J字形状またはU字形状マウスピースを保持して、
-歯磨剤が前記マウスピース上に吐出された後、前記マウスピースが前記ホルダから離脱し得るように構成されたホルダと、を備える格納ステーション、を備える、システム。
【請求項22】
前記デンタルクリーナーが、前記マウスピースが取り付けられるハンドルをさらに備え、前記ホルダが、前記ハンドルに取り付けられた前記マウスピースが前記格納位置に保持されるように前記ハンドルを受容するように構成された、ハンドルホルダである、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記デンタルクリーナーが、再充電可能電池を備え、前記格納ステーションが、前記マウスピースが前記格納位置にあるとき前記電池と充電接触するように構成された電池充電器を備える、請求項21または22に記載のシステム。
【請求項24】
前記格納ステーションが、前記マウスピースが前記格納位置にあるときに、前記マウスピースをクリーニングするように構成されたクリーニング装置をさらに含む、請求項21~23のうちの一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記クリーニング装置が、
-クリーニング液用の槽であって、前記ディスペンサーの前記出口開口部が前記槽内に配置され、および前記マウスピースを前記格納位置に受容するように構成された槽と、
-前記槽内にクリーニング液を供給するためのクリーニング液供給部と、を備え、
前記クリーニング装置が、前記槽内に供給されるクリーニング液で前記マウスピースをクリーニングするように構成される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記クリーニング装置が、クリーニング液を有する貯蔵部をさらに備え、前記貯蔵部が、前記貯蔵部から前記槽内にクリーニング液を移送するための前記液体供給部と動作可能に接続されるか、または接続可能である、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記貯蔵部が交換可能なクリーニングカートリッジである、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記液体供給部が、一つ以上のクリーニング液の加圧噴射を前記槽内に導入するように構成され、前記噴射が前記マウスピース上に向けられる、請求項25~27のうちの一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記デンタルクリーナーが、ブラシ毛などのクリーニング要素を、往復運動に供するように構成された駆動システムを提供され、
前記クリーニング装置が、前記マウスピースを前記クリーニング液と接触した状態で前記槽に取り込み、前記駆動システムを動作させて、前記マウスピースがクリーニング液と接触した状態で前記槽内の前記格納位置にあるときに、ブラッシング要素を前記往復運動に供するように構成される、請求項24~28のうちの一項に記載のシステム。
【請求項30】
ユーザの動作に応答して、または前記格納位置に配置された前記マウスピースに応答して、前記吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに備える、請求項21~29のうちの一項に記載のシステム。
【請求項31】
複数の歯位置を同時に包含し、処置するように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピースの複数の位置上に歯磨剤を同時に適用するための、請求項1~19のうちの一項に記載のディスペンサーの使用、または請求項21~30のうちの一項に記載のシステムの使用。
【請求項32】
複数の歯位置を同時に包含し、処置するように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に歯磨剤を適用するための方法であって、請求項1~19のうちの一項に記載されたディスペンサー、または請求項21~30のうちの一項に記載されたシステムを使用して、前記マウスピースの複数の位置上に前記歯磨剤を同時に適用する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスピース上に提供されるクリーニング要素を用いて、複数の歯位置を同時に包含およびクリーニングするためのJ字形状またはU字形状マウスピースの分野に関する。クリーニングは、クリーニング要素としてのブラシ毛を用いたブラッシングでもよい。上部歯位置および/または下部歯位置を包含するために、本発明が関連する分野であるマウスピースは、上部トラフおよび/または下部トラフを画定し、そのトラフは、J字形状個々にU字形状長さ方向を有する。歯位置をクリーニングするために、マウスピースのクリーニング要素がトラフ内側に提供されてもよい。
【0002】
これらのJ字形状またはU字形状マウスピースは、本発明が関連する分野であり、特に歯の毎日のケアに使用され、毎日のケアのために歯磨剤をマウスピース上に適用する必要がある。歯磨剤は通常、練り歯磨剤のチューブから、または液体歯磨剤を含む容器から、泡状物質として開口部を通してマウスピース上に適用される。
【0003】
本発明は、より具体的には、吐出された歯磨剤で、およびマウスピースのトラフになどのマウスピースに提供されたクリーニング要素で、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された、J字形状またはU字形状マウスピース上に歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーを対象とする。
【0004】
本発明によるディスペンサーは、例えば、WO-2018/199760、WO-2020/017963、および未公開のNL特許出願NL-2025996、NL-2025997、およびNL-2025996など、出願人の以前の特許出願から公知のJ字形状またはU字形状マウスピースに使用され得る。
【背景技術】
【0005】
先行技術によれば、歯磨剤は、出口開口部から吐出され(例えば、歯磨剤は練り歯磨剤のチューブから吐出されるペーストであってもよい)、その一方で、マウスピースのJ字形状またはU字形状長さに沿って歯磨剤を分布させるために、出口開口部およびマウスピースは互いに対して移動する。
【0006】
本発明によれば、また一般に、歯磨剤は、歯のある、または歯のない歯位置の毎日のケアのために、歯ブラシなどのデンタルクリーナーと共に使用される薬剤である。歯磨剤は通常、ペースト、粉末、ゲル、液体、または泡状形態で供給される。本発明によれば、歯位置は、入れ歯における、歯に関連する位置であり、そこには(例えば天然または人工の歯、または部分的に天然かつ部分的に人工の歯の形態などで)歯が存在してもよく、存在しなくてもよい。
【0007】
本発明の目的は、吐出された歯磨剤で、およびマウスピースに提供されたクリーニング要素で、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された、J字形状またはU字形状マウスピース上に歯磨剤を吐出するための代替的な歯磨剤ディスペンサーを提供することである。本発明のさらなる目的は、使いやすく、マウスピースから分離された歯磨剤ディスペンサーを提供することである。本発明のまたさらなる目的は、マウスピース上に歯磨剤の良好な分布を提供する歯磨剤ディスペンサーを提供することである。
【0008】
U字形状マウスピースに関連して、加圧スプレーpf洗浄液をユーザの口の標的位置に向ける細管または導管のネットワークをマウスピースに提供することが、US-2013/0260332から知られている。この細管または導管のネットワークは、マウスピースに組み込まれ、マウスピースの内層と外層との間にネットワークをサンドイッチすることによって、マウスピースに永久的に固着/固定される。US-2019/0000559は、個別化された口腔洗浄を提供するために、経口インサートと呼ばれる類似のマウスピースを開示している。マウスピースに統合された流体開口部は、個々のユーザの歯の口腔または歯の構造に基づいて位置付けられ、ユーザの歯全体にカスタマイズされた流体の流れを提供する。マウスピースに統合された流体供給と流体開口部とは、歯をブラッシングするように構成されたマウスピースではうまくいかない、なぜならブラッシング要素と流体供給とを一つのマウスピースに統合するとマウスピースのサイズが増加してしまい、一方でマウスピースの利用可能な空間は口の中で限られているからである。従って、US-2019/0000559は、流体によるデンタルフロス用の第一のマウスピースおよびブラッシング用の別の第二のマウスピースを提供する。
【発明の概要】
【0009】
C1:一つ以上の上述の目的は、本発明の第一の態様によれば、吐出された歯磨剤で、およびマウスピースに提供されたクリーニング要素で、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された、J字形状またはU字形状マウスピース上に歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーを提供することにより達成され、
ディスペンサーが、入口およびマニホールドを有するディスペンサーダクト機構を備え、
マニホールドが、歯磨剤を吐出するように構成された複数の出口開口部を備え、
ディスペンサーダクト機構が、入口から複数の出口開口部に歯磨剤を通すように構成され、
出口開口部が、J字形状またはU字形状の湾曲に沿って分布し、湾曲に向かっておよび/または湾曲に沿って展開し(debouch)、出口開口部が、湾曲に沿った、すなわちマウスピースに沿った複数の位置に同時に歯磨剤を吐出できる得るように、湾曲が、大臼歯、小臼歯、犬歯、および切歯(切歯は、一つまたは二つの側切歯および両方の中切歯を含み得る)を含む歯列弓の少なくとも一部と合致し、複数の位置が、複数の出口開口部に対応し、
ディスペンサーが、歯磨剤がマウスピース上に吐出された後マウスピースがマニホールドから離脱し得るように構成される。
【0010】
本発明によるマニホールドは、別個のマニホールド、すなわち、マウスピースとは別個の部分であるマニホールドである。一方のマウスピース、他方の複数の出口開口部を有するマニホールドは、従って別個の部品であり、言い換えれば、マニホールドおよびその出口開口部はマウスピースに統合されていない。マウスピースがユーザの口の外にある間、歯磨剤がマウスピース上に吐出され、その後、歯磨剤を用いた歯位置のクリーニングのためにマウスピース(マニホールドなし)をユーザの口に挿入するために、マウスピースがマニホールドから離脱される。
【0011】
クリーニング要素は、さらなる実施形態によれば、マウスピースのトラフ内に提供され得る。クリーニング要素は、例えば、一つ以上のブラシ毛、ブラシ毛の房、こすりパッド、および歯および/または一つ以上の歯がない歯茎などの歯位置に、水またはクリーニング液などの液体を噴霧または噴射するための液体ノズルを含み得る。
【0012】
ディスペンサーダクト機構の入口からディスペンサーダクト機構の複数の出口へと通過する歯磨剤を加圧して、ディスペンサーダクト機構の入口からディスペンサーダクト機構の複数の出口への通過を促進してもよい。
【0013】
マウスピースのJ字形状またはU字形状は、ユーザの歯列弓の少なくとも一部に対応する。
【0014】
マウスピースのJ字形状個々にU字形状に合致する、J字形状個々にU字形状の湾曲に沿って分布する別個のマニホールドの出口開口部を複数有することによって、言い換えると、ユーザの歯列弓の少なくとも一部に合致する、J字形状個々にU字形状の湾曲に沿って分布する別個のマニホールドの出口開口部を複数有することによって、歯磨剤は、マウスピースに沿った複数の位置に同時に提供される。吐出中、マウスピースに対する出口の相対的な動きは必要とされない。両方とも、吐出中に互いに対して移動不能(に保持)であってもよい。所定の分布で実施される湾曲に沿った出口の分布は、マウスピースの全ての部分に十分な歯磨剤が提供され得ることを確実にし、それによりクリーニング中、マウスピースによって包含される全ての歯が、歯磨剤で効果的に処置される。
【0015】
C2~3:本発明の第一の態様のさらなる実施形態によると、出口開口部は、湾曲によって画定される平面を挟んで向かい合って配置される。この構成は、上部歯弓(upper dental bow)を処置するための上部トラフと、下部歯弓(lower dental bow)を処置するための下部トラフとを有するマウスピースにおいて、両方のトラフに同時に、歯磨剤が一遍に提供されることを可能にする。この実施形態のさらなる実施形態によれば、出口開口部の第一のセットは、前述の平面の一方の側に配置されてもよく、出口の第二のセットは、前述の平面の他方の側に配置されてもよく、前述の平面に対して横断的に、第一のセットと第二のセットとが、互いに距離を置いてもよい。この実施形態の別のさらなる実施形態によると、出口開口部は、湾曲によって画定される平面に対して面対称の対で配置される。
【0016】
C4:本発明の第一の態様の別のさらなる実施形態によれば、湾曲はU字形状である。この実施形態は、特にU字形状マウスピース上に歯磨剤を効率的に吐出することを可能にする。
【0017】
特にU字形状マウスピースに関連して、歯列弓の寸法は、ユーザによって変化し得ることに留意されたい。小児、思春期早期、思春期中期、思春期後期、若年成人、成人のような年齢が影響するだけでなく、さらに個人差も影響する。これらの寸法の変化のうちの一つは、歯列弓の幅、すなわち、Uの(垂直)脚の間の(水平)距離である。特に歯の発達の段階に依存する別の寸法の変化は、U字形状に沿って見た場合の歯列弓の長さである。思春期中期ごろからのように、歯列弓のサイズ、特にUの幅は、小、中、および大に分割され得るが、より精密化された細分化は可能であり、年代スペクトルの一部またはすべての年齢を含み得る。したがって、マウスピースの幅および長さのような寸法も同様に変化し得る。
【0018】
C5:異なるサイズのU字形状マウスピースを送達できるように、U字形状の湾曲を有するディスペンサーのマニホールドは、本発明の第一の態様のさらなる実施形態によれば、
-U字形状マウスピースに対して、より具体的には、マウスピースの幅および/もしくは長さなどの寸法に対してU字形状の湾曲を、
ならびに/または
-U字形状の湾曲に対してU字形状マウスピースを、調整するように構成され、
U字形状の湾曲は、複数の出口開口部がそれに沿って分布しているU字形状の湾曲である。
【0019】
C6:U字形状の湾曲のU字形状マウスピースへの調整は、本発明の第一の態様のさらなる実施形態によれば、複数の出口開口部の相互の位置関係の調整をして、U字形状マウスピース(の寸法)に対して、(出口開口部がそれに沿って配置される)U字形状の湾曲を適合させることによって、達成され得る。複数の出口開口部の相互の位置関係の調整は、調整にマウスピースの幅の変化を考慮に入れることを、マウスピースの長さの変化を考慮に入れることを、またはマウスピースの幅および長さの変化を考慮に入れることを可能にする。これは、例えば、マウスピースの幅および/または長さなどの寸法を感知するように構成され、感知された寸法に対応する複数の出口開口部の相互の位置決関係を調整するために一つ以上のアクチュエータを制御するコントローラに接続された、一つ以上のセンサを用いて達成されてもよい。これらの一つ以上のセンサは、実際の寸法を感知するように構成されてもよく、またはマウスピースに提供される、マーキング-バーコード、QRコード、カラーもしくはカラーコードなどの物理的マーカー、またはRFID(=無線周波数識別)もしくはPCB(=印刷回路基板)などの可読チップなど-であって、マウスピースの寸法を表すマーキングを感知する、例えば読み取る、ように構成されてもよい。
【0020】
C7:U字形状の湾曲のU字形状マウスピースに対する調整に加えて、またはその代替として、マニホールドは、U字形状マウスピースを、出口開口部がそれに沿って配置されるU字形状の湾曲に対して調整するように構成され得る。マウスピースが、二つの脚部を中央部分で接続したU字形状マウスピースである場合、これは、例えば、マニホールドが、中央部材によって分離された二つの隣接する受け入れベイを有するW字形状の受けドックを備える場合に達成されることができ、ドックは、マウスピースの脚部が受け入れベイ内に挿入方向に挿入されるときに、U字形状マウスピースの脚部を受け入れベイ内に受容するように構成され、各受け入れベイは、外側壁および内側壁を有し、内側壁は中央部材によって画定され、挿入方向から見ると、中央部材の幅が広がり、および挿入方向から見ると、外側壁が互いに対して先細りしている。マウスピースの脚が受け入れベイ内に挿入されると、マウスピースの中央部分が、ドックの中央部材をいわばブリッジする。この実施形態では、出口開口部が沿って配置されるU字形状の湾曲は、W字形状のドックに対して固定されたまたは調整可能な構成を有してもよい。W字形状の受けドックの寸法、より具体的には、受け入れベイおよび中央部材の寸法は、さらなる実施形態によれば、予め設定されてもよく、また、例えばその脚で受け入れベイ内に押し込まれたときに、所定の平均幅寸法のマウスピースが変形しないように選択されてもよい。所定の平均幅寸法を有するマウスピースの脚の自由端は、脚の長さ方向に対して横向きの遊びなしで、受け入れベイにぴったりと嵌合する。受け入れベイで受容されたとき、中央部材は、例えば、しかし必ずしもではないが、所定の平均幅のU字形状マウスピースの脚によって画定される空間に、ぴったりと嵌合し得る。所定の平均幅のマウスピースの幅より小さい幅を有するマウスピースが受けドック内に挿入される場合、中央部材の拡幅は、より小さな幅のマウスピースの脚が、所定の平均幅のマウスピースの幅に適合するように広がることを保証する。所定の平均幅のマウスピースの幅より大きい幅を有するマウスピースが受けドック内に挿入される場合、外側壁の互いに対する先細りは、より大きな幅のマウスピースの脚が、所定の平均幅のマウスピースの幅に適合するようにいわば圧搾されることを保証する。
【0021】
C8:本発明の第一の態様の別のさらなる実施形態によると、ディスペンサーは、歯磨剤のための歯磨剤容器と、歯磨剤容器を入口と接続し、歯磨剤容器から入口への歯磨剤の移送のために構成される供給セクションとをさらに備える。
【0022】
C9~10:歯磨剤容器を備えるディスペンサーのさらなる実施形態によると、本発明の第一の態様によるディスペンサーは、供給セクションを介した容器から入口への歯磨剤の移送を制御するように構成された作動機構をさらに備えてもよい。作動機構は、解放機構と、解放機構に接続された、または解放機構に関連付けられた制御ボタンとを備えてもよい。容器が事前加圧される場合、解放機構は、供給セクション内に配置された弁であってもよく、この弁は、制御ボタンの作動時に開き、加圧された歯磨剤が入口を通過できるようにする。容器が事前加圧されない場合、作動機構は、歯磨剤がダクトワークを通過するように、またはダクトワークを通って移送されるように、歯磨剤を加圧するようさらに構成されてもよい。この目的のために、解放機構は、例えば、容器から入口への移送のために歯磨剤の少なくとも一部を加圧するように構成され得る。歯磨剤を加圧することは、例えば、制御ボタンの作動時に起動される電気的に駆動されるポンプによって、または制御ボタンが押されて所定の距離を移動する場合の、制御ボタンの移動によって駆動される機械的に駆動されるポンプによってでもよい。電気的に駆動されるポンプの場合、制御ボタンは、例えば、センサまたは電気スイッチであってもよい。制御ボタンの移動によって駆動される機械的に駆動されるポンプの場合、例えば、石鹸を吐出するための、あらゆる種類の発泡物質および液体ディスペンサーで使用される機構を考えることができる。前述の電気的に駆動されるポンプ、機械的に駆動されるポンプ、または任意の他のポンプなどのポンプは、供給セクションの一部であってもよい。ポンプに関して、ポンプは、パイプまたはダクトで作用するように構成される場合、吸引側および圧力側を有し、吸引側は容器の側にあり、圧力側はダクトワークの側にあることに留意されたい。さらに、加圧は、例えば、電気的または機械的に駆動されるポンプによって、歯磨剤容器内の圧力を増加させることによっても達成され得ることに留意されたい。
【0023】
C11:歯磨剤容器を備えるディスペンサーの別のさらなる実施形態によると、容器は交換可能な歯磨剤カートリッジである。これにより、空の容器を歯磨剤で満杯の新しい容器と交換することができる。
【0024】
C12:歯磨剤容器を備えるディスペンサーの別のさらなる実施形態によると、容器は歯磨剤を含む。
【0025】
C13:本発明の第一の態様の別のさらなる実施形態によれば、歯磨剤は以下の一つ以上を含み得る:
-フッ化物、
-0.1~0.15グラム、例えば0.1125~0.1375グラム、または約0.125グラムなどの研磨剤であって、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、シリカおよびヒドロキシアパタイト、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含み得る、研磨剤、
-15~80重量%、例えば、20~40重量%または45~70重量%の水。
【0026】
C14~16:歯磨剤容器を備えるディスペンサーの別のさらなる実施形態によれば、容器は、歯磨剤の複数用量、例えば20~150用量の歯磨剤、を含有するために寸法設定され、また作動機構は、作動機構の作動時に、所定の一用量の歯磨剤を移送するように構成される。本発明の第一の態様のこの実施形態のさらなる実施形態によれば、歯磨剤の一用量は、0.2~1.25mgのフッ化物、例えば0.20~0.40mgのフッ化物、または0.25~0.375mgのフッ化物、例えば約0.335~0.34mgのフッ化物を含んでもよい。容器は、例えば、一人につき一週間、一か月、三か月、また一年でも十分な、複数用量を含有するために寸法設定されてもよい。容器は、別のさらなる実施形態によれば、所定の用量または、センサもしくはユーザインターフェースから受信した入力に基づいてコントローラによって決定される用量を吐出するように構成され得る。
【0027】
C17:フッ化物を含む歯磨剤を含むディスペンサーの別のさらなる実施形態によると、フッ化物は、本発明の第一の態様によれば、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、およびモノフルオロリン酸塩、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含み得る。
【0028】
C18:本発明の第一の態様の別のさらなる実施形態によると、ディスペンサーは、吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに備え得る。これは、例えば、マウスピースのサイズを考慮に入れた用量の調整を可能にし得る。小さなマウスピースは、より大きなマウスピースよりも小さな用量を必要とする場合がある。
【0029】
C19:本発明の第一の態様の別のさらなる実施形態によれば、ディスペンサーは、インジケータおよび少なくとも一つの状態センサをさらに備えてもよく、これは容器の充填の程度および/またはマウスピースの使用の程度を感知するように構成され、インジケータは、状態センサと接続され、センサによって感知された程度を表すか、またはセンサによって感知された程度が所定の値を個々に下回っているときを示す表示信号を生成するように構成される。充填の程度を感知するためのセンサおよび関連するインジケータは、歯磨剤容器が空であるか、または空に近いときにユーザに通知できる。使用の程度を感知するためのセンサおよび関連するインジケータは、マウスピースがさらに使用するにはもう古いか、または古くなるときをユーザに通知できる。
【0030】
C20:本発明の第二の態様によれば、本発明は、本発明の第一の態様によるディスペンサーと、ディスペンサーによって吐出される歯磨剤およびマウスピースに提供されるクリーニング要素で、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピースとを備えるアセンブリを提供する。複数の歯位置を包含するために、マウスピースは、クリーニング要素を提供された一つ以上のトラフを備えてもよい。クリーニング要素は、例えば、一つ以上のブラシ毛、ブラシ毛の房、こすりパッド、および歯に、水またはクリーニング液などの液体を噴霧または噴射するための液体ノズルを含み得る。
【0031】
C21:本発明の第三の態様によれば、本発明は、以下を含むシステムを提供する:
-マウスピース上またはマウスピース内に提供されるクリーニング要素を用いて、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された前述のJ字形状またはU字形状マウスピースを含むデンタルクリーナーと、
-歯のクリーニングに使用されないときにJ字形状またはU字形状マウスピースを格納するための格納ステーションであって、
-本発明の第一の態様によるディスペンサー、および
-ホルダであって、
i)格納位置でマウスピースがJ字形状またはU字形状の湾曲に沿って整列し、その結果ディスペンサーの出口開口部を通して吐出された歯磨剤が、湾曲に沿って分布された位置上でマウスピースと係合するように、格納位置においてJ字形状またはU字形状マウスピースを保持するように、およびii)歯磨剤がマウスピース上に吐出された後、前述のマウスピースがホルダから離脱し得るように、構成されたホルダ、を備える、格納ステーション。
【0032】
こうしたシステムは、歯磨剤がマウスピース上に適用される際ユーザがU/J字形状マウスピースをホルダ内に配置することを可能にする。したがって、ユーザは、マウスピースを複数の出口に対して正しい位置に手で保持する必要はなく、これはホルダによって行われる。これは、使用が容易であるだけでなく、歯磨剤をその上に吐出する際に、マウスピースがマニホールド(の出口開口部)に対して常に正しい位置にあることを保証する。さらに、こうしたシステムにより、U/J字形状マウスピースは使用後にホルダに格納され、使用されていないときにホルダに保管され、マニホールド/ホルダから取り出される直前に歯磨剤が提供され、その後、複数の歯位置をクリーニングするためにユーザの口に挿入されることが可能になる。ホルダは、さらなる実施形態によれば、マニホールドが、マウスピースが格納位置にあるときにマウスピースと、例えばマウスピースのブラシ毛と、係合するように、または代替的にマニホールドが、(マニホールドがマウスピースに直接接触することを避けるために)マウスピースから離間し、その出口開口部を、歯位置を包含するよう構成されるマウスピースの面に向けるように、構成されてもよい。
【0033】
C22:本発明の第三の態様のさらなる実施形態によると、デンタルクリーナーは、マウスピースが取り付けられるハンドルをさらに備え、ホルダは、ハンドルに取り付けられたマウスピースが格納位置に保持されるようにハンドルを受容するように構成された、ハンドルホルダである。これにより、デンタルクリーナーは、ハンドルに取り付けられたまま、そのハンドルと共に、格納ステーションに格納することができる。
【0034】
C23:本発明の第三の態様の別のさらなる実施形態によると、デンタルクリーナーは、再充電可能電池を備え、格納ステーションは、マウスピースが格納位置にあるとき電池と充電接触するように構成された電池充電器を備える。これにより、マウスピースが格納位置にあるときに、デンタルクリーナーの電池を充電することができる。これにより、ユーザが歯位置のクリーニングにマウスピースを必要とするときいつも電池が充電されていることを確実にする。
【0035】
C24:本発明の第三の態様の別のさらなる実施形態によると、格納ステーションは、マウスピースが格納位置にあるときにマウスピースをクリーニングするように構成されたクリーニング装置をさらに備える。そこでユーザは、使用後に完全にクリーニングすることなく、マウスピースを格納ステーションに格納してもよく、マウスピースは、次の使用でクリーニングされた状態で利用できるように、格納ステーションによってクリーニングされる。使用後、ユーザは、徹底的なクリーニングを心配することなく、マウスピースを蛇口の水ですすげばよい。また、ユーザが、マウスピースを蛇口の水ですすぐ必要もなく、マウスピースを、使用後直接格納ステーションに配置することができるとも考えられる。こうしたクリーニング装置は、例えば、マウスピースを液体および/もしくはガス噴射で処置するように、ならびに/またはマウスピースを浄化するように構成され得る。マウスピースの浄化は、例えば、マウスピースの滅菌、および/またはマウスピースの消毒、および/またはマウスピースの消毒、および/またはマウスピースの防腐処置を含み得る。浄化は、例えば、UV放射を使用し得る。
【0036】
C25:前述のクリーニング装置を有するシステムの別のさらなる実施形態によると、クリーニング装置は、本発明の第三の態様によれば、
-クリーニング液用の槽であって、ディスペンサーの出口開口部が槽内に配置され、およびマウスピースを格納位置に受容するように構成された槽と、
-槽内にクリーニング液を供給するためのクリーニング液供給部と、を備え、
クリーニング装置は、槽内に供給されるクリーニング液でマウスピースをクリーニングするように構成される。
【0037】
マウスピースは、クリーニング処置のために槽内に挿入することができる。槽は、例えば、マウスピースの槽への挿入を可能にする頂部開口側を有してもよいが、マウスピースを槽内に挿入し、マウスピースを槽から取り出すための、閉鎖可能または密封可能なアクセス開口部(このアクセス開口部はクリーニング処置中に閉鎖され、任意に密封される)を有する槽を有することも考えられる。クリーニング処置の間、槽は、例えば、大量のクリーニング液で満たされてもよく、および/または槽は、クリーニング液の漏出を防止するエンクロージャとして機能してもよく、例えば、一つ以上の噴射の形態などで圧力を注入されてもよい。クリーニング液は、水道水であってもよく、一例では、クリーニング液供給部は、水道の蛇口に取り付けられ得るホースを備える。クリーニング液は、槽の中身を流し台に出すことによって、槽から排出されてもよい。さらなる実施形態によれば、排出管は、槽に取り付けられ、槽の内部空間と流体連通してもよい。こうした排出管は、例えば、流し台への放出が自由に行える排出端部を備えてもよい。
【0038】
クリーニング装置を有するシステムの別のさらなる実施形態によれば、クリーニング液供給部は、本発明の第三の態様によれば、出口開口部を通して槽にクリーニング液を供給するためのディスペンサーダクト機構またはディスペンサーダクト機構の少なくとも一部を含み得る。クリーニング液を槽に供給するためにディスペンサーダクト機構を使用する場合、ディスペンサーダクト機構は、それを通過するクリーニング液によって同様にクリーニングされる。しかしながら、クリーニング液供給部が、ディスペンサーダクト機構から分離して、代替的にまたは追加的にクリーニング液ダクト機構を含み、そのクリーニング液ダクト機構は、槽内に流れ出る(debouching)独自の出口(すなわち、複数の出口開口部とは異なる出口)を有することも考えられる。
【0039】
C26~27:槽を有する前述のクリーニング装置を有するシステムのさらなる実施形態によれば、クリーニング装置は、本発明の第三の態様のさらなる実施形態によれば、クリーニング液を有する貯蔵部をさらに備えてもよく、貯蔵部は、貯蔵部から槽内にクリーニング液を移送するための液体供給部と動作可能に接続されるか、または接続可能である。この実施形態のさらなる実施形態によると、貯蔵部は、交換可能なクリーニングカートリッジであってもよい。この実施形態の別のさらなる実施形態によると、戻りパイプの形態の排出管は、槽からクリーニング液を排出して貯蔵部へ戻するために、槽および貯蔵部を接続してもよい。戻りパイプを有するこのような実施形態では、貯蔵部には、さらなる実施形態によると、貯蔵部に戻されたクリーニング液から汚れ粒子を除去するために、こし器が提供され得る。
【0040】
C28~29:槽内のマウスピースを、マウスピースから汚れ粒子およびごみを除去するのを助ける機械的クリーニング作用に供するために、液体供給部は、本発明の第三の態様のさらなる実施形態によると、一つ以上のクリーニング液の加圧噴射を槽内に導入するように構成されてもよく、噴射はマウスピース上に向けられる。ブラシ毛などのクリーニング要素を、往復運動に供するように構成された駆動システムを提供されたデンタルクリーナーの場合、代替的にまたは追加的に、クリーニング装置は、マウスピースをクリーニング液と接触した状態で槽に取り込み、駆動システムを動作させて、マウスピースがクリーニング液と接触した状態で槽内の格納位置にあるときに、ブラッシング要素を往復運動に供するように構成され得る。
【0041】
C30:本発明の第三の態様の別のさらなる実施形態によると、システムは、ユーザの動作に応答して、または格納位置に配置された前述のマウスピースに応答して、吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに備え得る。これは、例えば、マウスピースのサイズを考慮に入れた用量の調整を可能にし得る。小さなマウスピースは、より大きなマウスピースよりも小さな用量を必要とする場合がある。
【0042】
C31:本発明の第四の態様によれば、本発明は、本発明の第一の態様によるディスペンサーの使用、またはJ字形状またはU字形状マウスピースの複数の位置上に、前述のマウスピースをユーザの口に挿入する前に、同時に歯磨剤を適用するための、本発明の第三の態様によるシステムの使用を提供し、前述のマウスピースは、同時に複数の歯位置を包含および処置するように構成される。マニホールドはマウスピースから分離した構成要素であり、その結果、歯磨剤をマウスピース上に吐出した後、マウスピースがユーザの口の外にある間に、マウスピースはマニホールドから離脱され、その後ユーザの口に挿入され得る。
【0043】
C32:本発明の第五の態様によれば、本発明は、同時に複数の歯位置を包含および処置するように構成されるJ字形状またはU字形状マウスピース上に、歯磨剤を適用するための方法を提供し、方法は、本発明の第一の態様のうちの一つによるディスペンサー、または本発明の第三の態様によるシステムを使用して、マウスピースの複数の位置上に歯磨剤を同時に適用する。マニホールドはマウスピースから分離した構成要素であり、その結果、歯磨剤をマウスピース上に吐出した後、マウスピースがユーザの口の外にある間に、マウスピースはマニホールドから離脱され、その後ユーザの口に挿入され得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明を、図面を参照してさらに説明する。これらの図面では、
【0045】
図1A図1は、歯列弓の概略を示し、図1Aは、下部歯列弓の歯および上部歯列弓の歯を平面図で示す。
図1B図1Bは、歯位置を有する上部歯列弓の例を示す。
図2図2は、U字形状マウスピースの例を斜視図に示す。
図3図3は、J字形状マウスピースの例を斜視図に示す。
図4図4は、本発明による歯磨剤ディスペンサーの第一の実施形態をごく概略的に斜視図で示す。
図5A図5は、本発明による歯磨剤ディスペンサーの第二の実施形態をごく概略的に斜視図で示し、図5Aは、歯磨剤ディスペンサー自体をごく概略的に示す。
図5B図5Bは、出口開口部が湾曲によって画定される平面を挟んで向かい合って配置されていることをごく概略的に示し、
図5C図5Cは、U字形状マウスピースと共に、図5Aの歯磨剤ディスペンサーをごく概略的に示す。
図6図6は、複数の出口の可能な構成の実施例、ならびにマニホールドおよびマニホールド部の構成の実施例をごく概略的に示す。
図7図7は、複数の出口の可能な構成の実施例、ならびにマニホールドおよびマニホールド部の構成の実施例をごく概略的に示す。
図8図8は、複数の出口の可能な構成の実施例、ならびにマニホールドおよびマニホールド部の構成の実施例をごく概略的に示す。
図9図9は、複数の出口の可能な構成の実施例、ならびにマニホールドおよびマニホールド部の構成の実施例をごく概略的に示す。
図10図10は、複数の出口の可能な構成の実施例、ならびにマニホールドおよびマニホールド部の構成の実施例をごく概略的に示す
図11図11は、本発明による歯磨剤ディスペンサーの第三の実施形態をごく概略的に斜視図で示す。
図12図12は、本発明による歯磨剤ディスペンサーの第四の実施形態をごく概略的に側面図で示す。
図13図13は、本発明によるシステムの第一の実施形態をごく概略的に側面図で示す。
図14図14は、本発明によるシステムの第二の実施形態をごく概略的に側面図で示す。
図15図15は、本発明によるシステムの第二の実施形態をごく概略的に側面図で示す。
図16A図16は、U字形状の湾曲をU字形状マウスピースに対して調整することを可能にするマニホールドの一実施形態をごく概略的に示す。図16Aは、上面図を示し、
図16B図16Bは、調整前の初期状態の横方向の横断面を示し、
図16C図16Cは、図16Bの一つと類似した断面で、調整後の調整状態を示す。
図17A図17は、U字形状マウスピースをU字形状の湾曲に調整できるマニホールドのごく概略的な一実施形態を示し、図17Aはマニホールドの上面図を示す。
図17B図17Bは小さなマウスピースを有する図17Aと同じ図を示す。
図17C図17Cは中型のマウスピースを有する図17Aと同じ図を示す。
図17D図17Dは大きなマウスピースを有する図17Aと同じ図を示す。
図18A図18は、図17のマニホールドのさらなる実施形態をごく概略的に示し、図18Aは、マニホールドの上面図を示し、
図18B図18Bは、図18Aに示す出口開口部が流れ出る方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1Aは、概略的に上部歯列弓1および下部歯列弓2を平面図で示す。各歯列弓は通常、各歯科医師に公知の命名法に従って命名される歯を有する16の歯位置を有する。この命名法を使用して、図1Aは、以下を示す。
-恵歯とも呼ばれる右上第三大臼歯3Uおよび右下第三大臼歯3L、
-右上第二大臼歯4Uおよび右下第二大臼歯4L、
-右上第一大臼歯5Uおよび右下第一大臼歯5L、
-右上第二小臼歯6Uと右下第二小臼歯6L、
-右上第一小臼歯7Uと右下第一小臼歯7L、
-右上犬歯8Uおよび右下犬歯8L、
-右上側切歯9Uおよび右下側切歯9L、
-右上中切歯10Uおよび右下中切歯10L、
-左上中切歯11Uおよび左下中切歯11L、
-左上側切歯12Uおよび左下側切歯12L、
-左上犬歯13Uおよび左下犬歯13L、
-左上第一小臼歯14Uおよび左下第一小臼歯14L、
-左上第二小臼歯15Uおよび左下第二小臼歯15L、
-左上第一大臼歯16Uおよび左下第一大臼歯16L、
-左上第二大臼歯17Uおよび左下第二大臼歯17L、および
-恵歯とも呼ばれる左上第三大臼歯18Uおよび左下第三大臼歯18L。
【0047】
さらに、一般的に使用される命名法によれば、犬歯8U、8L、13U、13L、側切歯9U、9L、12U、12L、および中切歯10U、10L、11U、11Lは図1Aの灰色で示される前歯と呼ばれ、および全ての大臼歯3U、3L、4U、4L、5U、5L、16U、16L、17U、17L、18U、18Lおよび小臼歯6U、6L、7U、7L、14U、14L、15U、15Lは図1Aの白で示される臼歯と呼ばれる。
【0048】
図1Bは、歯位置4~16を有する上部歯列弓1のごく概略的な一部を斜視図に示す。各歯位置は、鉛直の破線で示される。各歯位置は通常、各歯科医師に公知の命名法に従って命名される歯を含む。歯位置7は、例えば、右上第一小臼歯7Uの歯位置である。図1Bでは、左上第二大臼歯の歯位置は示されておらず、また、恵歯、右および左の上第三大臼歯の歯位置も示されていない。
【0049】
図1Bはさらに、x軸X、y軸Y、およびz軸Zを含む、三つの相互に直交する軸のシステムを示す。z軸Zは、歯列弓1、2の輪郭に沿った湾曲した軸である。x軸Xおよびy軸Yは、互いに垂直であり、歯列弓1、2に対して本質的に平坦で垂直なxy平面を画定する。すなわち、z軸上の位置と交差する各xy平面は、その位置で、湾曲したz軸Zに対して垂直である。z軸Zは、湾曲した長さ方向を画定する。z軸Zおよびy軸Yは、z軸に沿って見たとき、湾曲したzy平面を画定し、歯弧の形状に類似した弧形状である。さらに、z軸Zおよびx軸Xは、zx平面を画定し、x軸Xおよびy軸Yは、xy平面を画定する。
【0050】
本文書の範囲で使用されるように、用語「J字形状またはU字形状の長さ方向」および「U字形状の断面」を参照すると、「J字形状またはU字形状の長さ方向」は、図1BのU字形状のz軸Zに関し、「U字形状の断面」は、図1Bのxy平面に関する。
【0051】
図2は、本発明に関して、U字形状マウスピース20の実施例の斜視図を概略的に示す。
【0052】
図2のマウスピース20は、上部歯列弓1を処置するための上部部品21と、下部歯列弓2を処置するための下部部品23とを有する。上部部品21は上部トラフシステム22を有し、これはU字形状の湾曲した長さ軸を有し、図1のz軸Zと本質的に平行である。湾曲した長さ軸を有するこの上部トラフシステム22は、上部歯列弓1の複数の歯位置(または歯)を同時に包含するように構成される。下部部品23は下部トラフシステム24を有し、これもまたU字形状の湾曲した長さ軸を有し、図1のz軸と本質的に平行である。湾曲した長さ軸を有するこの下部トラフシステム24は、下部歯列弓2の複数の歯位置(または歯)を同時に包含するように構成される。図2に示すように、下部および上部トラフシステム21、23は、それぞれ一つの連続的なトラフとして形成され得る。しかしながら、各トラフシステムはまた、不連続なトラフシステムを提供するために、トラフシステムの湾曲した長さ軸に沿って整列され、複数のトラフセクションを含んでもよい。
【0053】
各トラフシステム21、23は、ブラッシング要素25を提供される。これらのブラッシング要素は、本発明によれば、歯をブラッシングするのに好適な任意の種類のものであり得る。図2に示すように、これらのブラッシング要素はブラシ毛であり、トラフの壁からトラフ内に突出する房25で配置される。しかしリブまたは型押しされた表面構造などの他のブラッシング要素も、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内で非常によく考えられる。しかしながら、ブラッシング要素はまた存在しない場合があることにも留意されたい。
【0054】
図2は、本発明に関連して、いわゆるU字形状フルマウスピース20を示す。しかしながら、本発明に関連して、マウスピースはまた、いわゆるU字形状ハーフマウスピース(図示せず)であってもよい。U字形状ハーフマウスピースでは、マウスピース20の上部部品21(または下部部品23)が欠落しており、残りの部分が、歯列弓の一つを処置した後マウスピースを口から取り外し、それを水平軸の周りに旋回してもう一方の歯列弓を処置するためにそれを再び口に挿入することによって、その後上部歯列弓および下部歯列弓を処置するために使用することができる。
【0055】
図3は、本発明に関連して、J字形状マウスピース30を示す。このJ字形状マウスピース30は、U字形状ではなくJ字形状であることを除くと、図2のU字形状マウスピース20と基本的に同じである。J字形状マウスピースは、上部トラフシステム32を有する上部部品31と、下部トラフシステム34を有する下部部品33とを有する。図2と同様に、トラフシステム32および34の両方に、ブラッシング要素25が提供される。図2と同様に、これらのブラッシング要素はまた存在しない場合もある。
【0056】
示されるJ字形状マウスピースは、いわゆるJ字形状フルマウスピースであり、これは、ユーザの上部および下部歯列弓の右側のすべての歯位置、またはユーザの上部および下部歯列弓の左側のすべての歯位置を同時に処置することができる。片側(右または左)を行った後、ユーザはマウスピースを口から取り出し、マウスピースを中心軸19の周りで180度回転させる(図1Aも参照のこと)、そしてもう一方の側(左または右)のためにマウスピースを口の中に戻す。クリーニング動作のために、駆動システム(図示せず)が提供される。この駆動システムは、ブラッシング要素、または上部トラフシステムおよび下部トラフシステムの壁を往復運動させるように構成される。上部下部トラフシステムの壁にブラッシング要素が提供されている場合、これらのブラッシング要素もまた、トラフシステムの壁が往復運動するとき、同様に往復運動する。駆動システムは、先行技術から公知の任意のタイプであってもよい。駆動システムは、例えば、マウスピース20個々に30の、上部部品21、31および下部部品23、33にまたはその内部に配置された一つ以上の圧力チャンバを含み、この一つ以上の圧力チャンバは、交互に加圧および減圧される。このような駆動システムは、出願人のWO-2018/199760、WO-2020/017963などの以前の出願、および未公開のNL特許出願NL-2025996、NL-2025997、およびNL-2025996において詳細に記載されている。しかし、U字形状およびJ字形状の歯ブラシに関連して先行技術から公知の他の駆動システムも使用され得る。
【0057】
第一の態様によれば、本発明は、図2のマウスピース20のようなU字形状マウスピース、または図3のマウスピース30のようなJ字形状マウスピース上に歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーを提供する。
【0058】
図4は、本発明による歯磨剤ディスペンサー40の第一の実施形態をごく概略的に示す。歯磨剤ディスペンサー40は、入口41およびU字形状マニホールド43(図4の灰色で示される)を有するディスペンサーダクト機構41、42、43を含む。マニホールド43は、複数の出口開口部44を含む。複数の出口開口部44は、二つまたは三つの出口開口部44から、25以上など、多数の出口開口部まで、任意の数の出口開口部であってもよい。図4の実施例では、九つの出口開口部44が示されている。これらの出口開口部は、45で概略的に示されているように、歯磨剤を吐出するように構成される。ディスペンサーダクト機構は、入口41とマニホールド43との間に中間パイプ42を随意に備えてもよい。ディスペンサーダクト機構41、42、43が、入口41から複数の出口開口部44に歯磨剤を通すように構成される。出口開口部44は、U字形状の湾曲46に沿って配置され、湾曲46に向かって展開する。U字形状の湾曲46に沿って分布し、湾曲46に向かって展開するため、出口開口部44は、湾曲46に沿った複数の位置に同時に歯磨剤を吐出することができる。こうすることで、ユーザは、マニホールドに沿ってマウスピースを置くだけでよく、上部または下部トラフシステムは、矢印47で示されるように歯磨剤がひとたび入口41に供給されると、歯磨剤をマウスピース全体に分布させるためにマウスピースに沿って移動させる必要のあるディスペンサー出口は一切なしに、歯磨剤45を一遍に提供することがでる。いわゆるU字形状ハーフマウスピースの場合、図4の歯磨剤ディスペンサー40の一つの吐出動作で十分である。図2に示すようないわゆるU字形状フルマウスピース20の場合、図4のディスペンサー40の二つの吐出動作で十分である。吐出動作の間、マウスピース20および歯磨剤ディスペンサー40は、互いに対して反転される必要がある。
【0059】
この実施形態では、ならびにU字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーの他の実施形態では、湾曲は、左(上または下)の大臼歯から右(上または下)の大臼歯まで延在する歯列弓に少なくとも部分的に合致する。U字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーでは、湾曲は、例えば、右第一大臼歯から左第一大臼歯まで延在する歯列弓の部分と合致し得る。U字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーでは、湾曲は、別の実施例によれば、右第二大臼歯から左第二大臼歯まで延在する歯列弓の部分と合致し得る。
【0060】
図5は、本発明による歯磨剤ディスペンサー50の第二の実施形態をごく概略的に示す。図5Aは、歯磨剤ディスペンサー自体をごく概略的に示し、図5Bは、出口開口部が湾曲によって画定される平面を挟んで向かい合って配置されていることをごく概略的に示し、図5Cは、歯磨剤ディスペンサーのマニホールドに配置された図5Aに示すのと同様の歯磨剤ディスペンサーを、例えば図2のマウスピース20のようなU字形状マウスピースと共に、ごく概略的に示す。
【0061】
図5の歯磨剤ディスペンサー50を用いて、図2のマウスピース20のようないわゆるU字形状のフルマウスピース上に、「一気に」歯磨剤を吐出することができる。この目的のために、マウスピース50のマニホールドは、いわば、湾曲に沿って分布し、湾曲に向かって展開する複数の出口開口部44を有する第二のマニホールド部49で延在される。マウスピース50は、マウスピース40に類似して、複数の、例えば、九個の出口開口部44を有する第一のマニホールド部43を有する。入口41へ供給された歯磨剤(矢印47を参照)は、随意の中間パイプ42を通って第一のマニホールド部43へと通過する。第二のマニホールド部49は、入口41にも接続される。図5Aに示すように、これは例えば、第二のマニホールド部49を第一のマニホールド部43を介して入口に接続する、随意の中間パイプ48によってでもよい。しかしながら、入口41と第二のマニホールド部49との間に流体接続を提供する他の様式もまた、考えられる。例えば、中間パイプ42を中間パイプ48に直接接続してもよく、または中間パイプ48が、第二のマニホールド部49と第一のマニホールド部43との間の入口に供給される(矢印47)歯磨剤を分ける仕切りとしての役割を果たすように、中間パイプ48に入口42を設けてもよい。
【0062】
図5Bの概略図を参照すると、矢印は、出口開口部44を通って流れる歯磨剤を示す。第二のマニホールド部49の出口開口部44は、湾曲46によって画定される平面51の上方に配置され、第一のマニホールド部43の出口開口部44は、湾曲46によって画定されるこの平面51の下方に配置される。第二のマニホールド部49の出口開口部44は、湾曲46に向かうはけ口となり、また第一のマニホールド部43の出口開口部44は、湾曲46に向かうはけ口となる。
【0063】
図5Bに見られるように、出口開口部44は、湾曲46によって画定される平面51に対して面対称の対で配置される。同じことが、図5Aに示す出口開口部44に適用される。平面51に対して面対称となった対で配置される出口開口部44は、J/U字形状フルマウスピースの両側共に同じような歯磨剤の分布を得るのに実用的であるが、出口開口部はまた、面対称ではない対で配置されてもよく、または全く対で配置されない場合もある。
【0064】
図5Bは、第二のマニホールド部49の三つの出口開口部44および第一のマニホールド部43の三つの出口開口部44のみを示す。U字形状マウスピースの場合、マニホールド部当たり三つの出口開口部は、出口開口部のほぼ最小数である。歯磨剤のより良い分布は、マニホールド部当たり四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つまたはそれ以上の出口開口部44など、マニホールド部当たりより多くの出口開口部44で得られる。
【0065】
図5Aが示すように、第二のマニホールド部49および第一のマニホールド部43は、互いに距離Hで配置される。第二のマニホールド部49と第一のマニホールド部43との間のマウスピースの挿入を可能にするために、この距離Hは、図2に示されるマウスピースの高さhとほぼ同じか、またはそれよりも大きい。高さhよりも大きい距離Hは、挿入を容易にする。
【0066】
図5Cは、例えば図2のマウスピース20など、第二のマニホールド部49と第一のマニホールド部43との間に挿入されたマウスピースをごく概略的に示す。参照52およびわずかに灰色で示されるように、歯磨剤52は、上部マウスピース部21および下部マウスピース部23上に適用される。この実施例では、歯磨剤は、上部マウスピース部21のスルー(through)システム、および下部マウスピース部23のスルーシステムに適用されている。歯磨剤はまた、トラフシステムの開放側の上部にさらに位置してもよい。歯磨剤がマウスピース上に吐出された後、マウスピースは、矢印53で示される方向に沿ってマニホールド部43、49から離脱され得る。また、マニホールドからマウスピースを解放する他の様式も可能であり、例えば、マニホールド部を矢印53とは反対の方向に離脱する、または一方を他方に対して回転させることによってマニホールド部を折り畳む、またはマニホールド部の一方を他方のマニホールド部およびマウスピースに対してスライドさせて離すなども可能である。
【0067】
図5Cに例示として視覚化されているように、しかしながら本発明の他のすべての実施形態にもまた適用可能であるが、マウスピース上および/またはマウスピース中に吐出された歯磨剤は、処置される歯位置を包含するように構成されるマウスピースの面上に吐出されている。この面は、この実施形態では、長さ方向においてU字形状またはJ字形状であり、かつ少なくとも部分的にU字形状および/またはV字形状の断面を有するトラフの内壁表面であり、U字形状および/またはV字形状の断面は、U字形状/J字形状の長さ方向に対して横切っている。図5Cでさらに視覚化されるように、しかしながらブラシ毛を用いる本発明のすべての実施形態にもまた適用可能であるが、マニホールドの出口は、トラフに提供されるブラシ毛上に、および/またはブラシ毛の間に歯磨剤を吐出するように構成され得る。
【0068】
図6~10は、複数の出口の可能な構成の実施例、ならびにマニホールドおよびマニホールド部の構成の実施例をごく概略的に示す。
【0069】
図6は、例えば図3のマウスピース30などの、J字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサー60のマニホールドをごく概略的に示す。図4のディスペンサーと同様に、ディスペンサー60のマニホールド63は、J字形状マウスピース30の一方の側上に歯磨剤を一度に吐出するための一つの部品のマニホールド部を含むマニホールドであってもよい。しかしながら、図5のディスペンサーと同様に、ディスペンサー60のマニホールド63はまた、J字形状マウスピース30の二つの対向し合う側で同時に歯磨剤を吐出するための二つの協働マニホールド部品の第一のマニホールド部63であってもよい。図6は、マニホールド部63の二つの出口開口部44のみを示す。J字形状マウスピースの場合、マニホールド部当たり二つの出口開口部は、出口開口部のほぼ最小数である。歯磨剤のより良い分布は、マニホールド部当たり三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つまたはそれ以上の出口開口部44など、マニホールド部当たりより多くの出口開口部44で得られる。
【0070】
図7は、i)図4の歯磨剤ディスペンサー40、およびii)図5の歯磨剤ディスペンサー50の変形としてごく概略的に示し、マニホールド43個々にマニホールド部43は、マニホールド部当たり11個の出口開口部44を有する。
【0071】
図8は、図4のマニホールド43または図5のマニホールド部43、49の複数の出口開口部に、どのように歯磨剤が連続的に供給され得るのかをごく概略的に示す。入口41(図示せず)に供給される歯磨剤47は、セラルパイプ(seral pipe)を通して歯磨剤が通過する方向に、互いに対して増加する通路サイズの複数の出口44’、44”、44”’ を有する、ひと続きのパイプ54と呼ばれるパイプ54に通される。この変形は、U字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーに関連して示されているが、この変形は、J字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーにも適用できることは明らかである。
【0072】
図9は、図4のマニホールド43または図5のマニホールド部43、49の複数の出口開口部に、どのように歯磨剤が並行して供給され得るのかをごく概略的に示す。入口41に供給される歯磨剤47は、複数の出口の出口44にそれぞれつながる複数の並列パイプ71、72、73、74、75に通される。この変形は、U字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーに関連して示されているが、この変形は、J字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーにも適用できることは明らかである。
【0073】
図10は、図4のマニホールド43または図5のマニホールド部43、49の複数の出口開口部の少なくとも一部が、どのように湾曲46に沿って展開され得るのかをごく概略的に示す。図10では、矢印47は、入口41への歯磨剤の供給を示し、線45、57は、吐出された歯磨剤がマウスピース20上に、およびマウスピース20内に分布していく方向を示す。矢印55は、出口44によって吐出される歯磨剤が、湾曲46(図示せず)に沿った方向に展開することを示す。この実施例では、矢印55によって示される出口44は、湾曲とほぼ平行して展開する。矢印56は、出口44によって吐出される歯磨剤が、湾曲46に向かって展開することを示す。この実施例では、矢印56によって示される出口44は、湾曲に対してほぼ横断的に展開する。矢印56によって示される出口44によって吐出される歯磨剤は、図10の線57によって示されているように、湾曲46に対して横断的に、および湾曲46に沿って分布していく。この変形は、U字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーに関連して示されているが、この変形は、J字形状マウスピース用の歯磨剤ディスペンサーにも適用できることは明らかである。さらに、この変形は、U字形状フルマウスピースに関連して示されているが、この変形は、U字形状ハーフマウスピース(またはJ字形状ハーフマウスピース)にも適用できることは明らかである。
【0074】
図11は、本発明によるさらに拡張されたディスペンサーのさらなる実施形態を示す。マニホールド84は、図5Aに示されたものと基本的に同じである。入口41と第一のマニホールド部43および第二のマニホールド部49との間のダクトワークの部分は、わずかに異なる。しかしながら、ダクトワークのこの部分はまた、図5Aに示されたものと同一であってもよく、または図11もしくは図5Aに示されたものとは異なっていてもよいことに留意されたい。
【0075】
図11では、入口41と第一および第二のマニホールド部との間のダクトワークの部分は、入口41で受容された歯磨剤を左右に吐出する第一の吐出パイプ86と、パイプ86から受容された歯磨剤を第一および第二のマニホールド部43、49の上に吐出する二つの第二の吐出パイプ87とを備える。
【0076】
図11の実施形態は、前述の実施形態に加えて、歯磨剤容器80、および歯磨剤容器80を入口41に接続する供給セクション81をさらに備える。歯磨剤容器80は、歯磨剤85を含有する。さらなる実施形態によると、歯磨剤容器は、交換可能な歯磨剤カートリッジであってもよい。
【0077】
図11に示すように、供給セクション81は、さらなる実施形態によると、作動機構82を備えてもよい。作動機構は、作動機構82の内部に提供される解放機構89に接続された制御ボタン88を備えてもよい。
【0078】
容器80が加圧される場合、解放機構89は単純に、制御ボタンの作動時(矢印A)に開き、加圧された歯磨剤を通過させるようにする弁であってもよい。弁は、制御ボタンの起動によって開状態である限りずっと歯磨剤を通過させるように構成されてもよく、または制御ボタンの各作動時に所定のもしくは事前に選択された用量の歯磨剤を通過させるように構成されてもよい。
【0079】
容器が加圧されない場合、解放機構は、入口41および出口44に供給するために、所定の用量などの歯磨剤を加圧するように構成されたポンプまたは他の加圧装置を備えてもよい。ポンプまたは他の加圧装置は、電気的に駆動されてもよく、または機械的に駆動されてもよい。
【0080】
図12は、図11でごく概略的に示されたものの実現の例を概略的に示す。
【0081】
図12は、手持ち式ユニットの形態の歯磨剤ディスペンサー90を示す。ディスペンサーは、歯磨剤85を有する歯磨剤容器80を備える。ディスペンサーヘッド85は、容器80の上部に提供される。ディスペンサーヘッド85は、
-前述の実施形態のうちの一つの第一のマニホールド部43と対応し得る第一のまたは下部マニホールド部43と、
-前述の実施形態のうちの一つの第二のマニホールド部43と対応し得る第二のまたは上部マニホールド部49と、
図2のマウスピース20などのU字形状フルマウスピースを受容するために、下部マニホールド部43と上部マニホールド部49との間に画定される受け入れベイと、
-下部チャンバ94と、
-上部チャンバ95と、
-供給チャネル96と、
-下部チャンバ94および上部チャンバ95を互いに分離し、垂直方向に往復運動可能なピストン91と、
-下部チャンバ94から容器80内に突出する吸引管97と、
-下部チャンバ94と吸引管97との間に配置され、上向きの流体の通過を可能にし、下向きの流体の通過を防止するように構成される一方向弁92と、
-上部チャンバ95から下部チャンバ94への流体の通過を可能にし、下部チャンバ94から上部チャンバ95への流体の通過を防止するように配置され構成される一方向弁93と、
-戻りばね(図示せず)の力に逆らって下向きに移動可能で、戻りばね(図示せず)によって上向きに移動可能で、ピストン91に取り付けられて、自らの移動の結果としてピストン91を移動させる制御ノブ88と、を備える。
【0082】
制御ノブ85を矢印Aの方向に下向きに押すと、プランジャー91が下向きに移動する。プランジャー91が下向きに移動すると、下部チャンバ94内に存在する流体が加圧される。その理由は、一方向弁92が下部キャンバ94内の流体が逃れるのを妨げるからである。下部チャンバ94内の流体は、下部チャンバ94内に構築された圧力の結果として開く一方向弁93を通して上部チャンバ95に通過することができる。プランジャー91が最下部点に到達したとき、上部チャンバ95は、下部チャンバ94から上部チャンバ95へと通過した一用量の歯磨剤で充填される。制御ノブ88を解放した後、戻りばね(図示せず)は、ノブ88およびプランジャー91を最も上の位置に戻す。これにより下部チャンバ94が加圧下に置かれ、一方向弁92を開き、歯磨剤85を吸引管97を通して下部チャンバ94内に吸引することを可能にする。これにより、下部チャンバ94が歯磨剤で補充され、歯磨剤ディスペンサー90は次の吐出動作の準備ができる。戻りばねによって図12に示される最も上の位置へ制御ノブおよびプランジャーを戻すことはまた、上部チャンバ95内の歯磨剤を加圧して、それが供給チャネル96内に押し込まれ、出口44を通して受け入れベイ内に配置されたマウスピース20上および/またはマウスピース20の中に吐出されるために上部マニホールド部49および下部マニホールド部43内に押し込まれる結果となる。次に、ユーザは、マウスピースを受け入れベイから離脱し、マウスピースを用いて複数の歯位置のクリーニングを開始することができる。
【0083】
図12に関連して上述した容器から入口への流体の移送を制御するための作動機構は、歯磨剤に関しては公知ではないが、石鹸のような流体に関しては公知である。本発明による歯磨剤ディスペンサーにも使用され得る、こうした作動機構の多くの変形があることも知られている。例えば、下部チャンバが、加圧された歯磨剤を供給チャネルに供給するチャンバとなり、上部チャンバが容器から歯磨剤を吸引するチャンバとなるように、機構を構成することが考えられる。これは、下部チャンバを供給チャネル96に接続し、上部チャンバを一方向弁92を介して吸引ダクト97と接続することによって、および一方向弁93を逆転させることによって実現することができる。次に、制御ノブ上で押す動作によって、制御ノブの戻り運動の代わりに吐出が生じる。別の変形では、供給チャネルに接続されたチャンバ内の歯磨剤に空気を添加することによって歯磨剤の発泡を促進することが考えられる。別の変形によると、上部マニホールド部49および/または下部マニホールド部43は、制御ノブが上向きまたは下向きに動くとき、互いに対して動くように構成され得る。これにより、例えば、ベイがマウスピースの容易な挿入のために幅広であり、歯磨剤の吐出中に小さくなるか、または小さいことを可能にする。
【0084】
図12に示すように、マウスピース20は、ハンドル101上に取り付けられ、ハンドル101と共に、歯ブラシなどのデンタルクリーナー100を形成する。
【0085】
図13は、本発明によるシステム200の第一の実施形態を実施例として概略的に示す。システム200は、
図2のマウスピース20などのU字形状マウスピースを有するデンタルクリーナー100と、
- 歯のクリーニングに使用されないときに少なくともマウスピース20またはより完全なデンタルクリーナー100を格納するための格納ステーション220と、を備える。
【0086】
格納ステーションは、本発明の第一の態様による歯磨剤ディスペンサーと、ホルダ215とを備える。この実施形態では、ホルダ215は、例として、格納ステーション220の基部212の凹部216である。ホルダ215は、デンタルクリーナー100が、格納ステーション220に格納されて格納位置にあるとき、マウスピース20が湾曲46に沿って整列され、その結果、歯磨剤が第一のマニホールド部43および第二のマニホールド部49の出口開口部44(図13では見えない)からマウスピース20上および/またはマウスピース20内に吐出されるとき、吐出された歯磨剤が、湾曲に沿って分布し、それぞれの出口開口部44に関連する位置でマウスピースと係合するように構成される。図13のこの実施例では、凹部216は、ハンドル102の自由端103を固有の形態で閉じる様式で受容するハンドルホルダである。この固有の形態で閉じる様式での受容は、自由端103がただ一つの所定の様式で凹部216内にのみ受容されることを確実にし、これは次にマウスピースが湾曲46に沿って整列されることを保証する。固有の形態で閉じる様式での受容は、例えば、基部212から突出する突出部217が受容される放射状のスリットを、自由端103が有するときに達成され得る。
【0087】
システム200のさらなる実施形態によれば、デンタルクリーナー100は、再充電可能電池102を備えてもよく、また、格納ステーション220は、デンタルクリーナーが格納ステーションに格納されるときに、電池102を充電するように構成された電池充電器211を備えてもよい。
【0088】
本発明の第一の態様による歯磨剤ディスペンサーは、格納ステーション内に統合される。歯磨剤容器は、この実施例では、供給セクション205の端部204を受けるためのスパウト202を有する交換可能なカートリッジ201であり、これは基部212から入口41に延在する。
【0089】
図13の実施形態では、供給セクション205は、例として、加圧状態でカートリッジ201からマニホールドのダクトワークの入口41に歯磨剤をポンプ注入するための電気ポンプ206を備える。この電気ポンプは、210を介してポンプ206に接続されたコントローラ208によって制御され得る。コントローラは、ユーザインターフェースからその入力を受信するが、これは、例として、コントローラに接続された209を経由するタッチスクリーン207である。タッチスクリーン207は、ユーザの指の接触を感知するタッチセンサの形態の制御ボタンを有する。タッチスクリーンはまた、吐出される歯磨剤の用量、またはマウスピースのサイズもしくはタイプについて、追加の入力を受信するように構成されてもよい。この追加入力は、吐出される歯磨剤の用量に応じて、より長い時間もしくはより短い時間、および/またはより低いもしくはより高い圧力で、ポンプを動作させるためのコントローラ208によって使用され得る。
【0090】
図14は、本発明によるシステム300の第二の実施形態を実施例として概略的に示す。図13のシステム200に加えて、システム300は、
- 使用後のマウスピース20をクリーニングするためのクリーニング液を有する交換可能なカートリッジ233と、
- 槽240と、
- 槽240にクリーニング液を供給するためのクリーニング液供給部244と、を備える、クリーニング装置を追加的に提供される。
【0091】
図14の実施形態では、ホルダ205は、マウスピースが湾曲(図示せず)と整列した槽内に保持されるように、デンタルクリーナー100のハンドル101を包含するクランプである。
【0092】
システム300では、クリーニング液カートリッジ233から槽240へのクリーニング液供給部244は、マニホールドへの歯磨剤の供給から分離されている。クリーニング液供給部は弁を備え、232を介して弁237に接続されたコントローラ208の制御下で開状態と閉状態との間で操作され得る。クリーニング液供給部は、コントローラ208によって操作される電気ポンプ236をさらに備える。コントローラ208が弁を開状態にするとき、ポンプ236も、クリーニング液を槽内にポンプ注入するように操作される。クリーニング液は、マウスピース20に向けられた噴射が、マウスピースに衝突する噴射に起因する、機械的クリーニング動作とも呼ばれる噴射クリーニング動作にマウスピースを供するように、槽内に注入されてもよい。加えて、または代替的に、槽は、クリーニング液で充填されてもよく、機械的クリーニング動作は、マウスピースのクリーニング要素の駆動システムを操作してマウスピースの部品を振動させることによって、誘発されてもよい。マウスピースのクリーニング中、および/またはマウスピースのクリーニング後、クリーニング液は、コントローラ208によって操作されるポンプ235を提供された戻りパイプ234によって、槽240からクリーニング液貯蔵部へ戻るように排出され得る。
【0093】
システム300は、マウスピースが、清浄な状態で、次の使用のために利用可能となるように、使用後に完全にクリーニングされることを可能にする。ユーザが次の使用にマウスピースを使用することを望むとき、ユーザは、槽からマウスピースを取り外す前に、吐出動作のためにユーザインターフェース207を操作する。吐出のためにユーザインターフェース207を操作すると、コントローラが起動して、
-もしまだ閉状態でない場合、弁237を閉状態にし、
-槽のクリーニング液がまだ空でない場合、ポンプ235を動作させることによって槽を空にして、
-その後、弁241を開状態にして、複数の出口を通してマウスピース上またはマウスピース内に歯磨剤を吐出するために、ポンプ239を動作させて歯磨剤カートリッジ201からマニホールドに歯磨剤を移送する。
【0094】
吐出動作の完了後、ユーザは、歯をクリーニングするためにマウスピースを槽から取り出し得る。
【0095】
図15は、本発明によるシステム400の第三の実施形態を実施例として概略的に示す。図15のシステム400および図14のシステム300は、基本的に、システム400では、槽へのクリーニング液の供給が、複数の出口への歯磨剤の供給から分離されていないという点で異なっている。実際には、クリーニング液の供給は、歯磨剤を吐出するためのマニホールドおよびその複数の出口を利用する。使用後にマウスピースをクリーニングする場合、クリーニング液はマニホールドおよびその複数の出口を通って槽の中へと通される。そうすることで、歯磨剤の残りもまたダクトワークから除去され、ダクトワークが汚れたり詰まったりするのを防ぐことができる。これを実現するために、第一の状態と第二の状態との間で切り替えるスイッチ弁243を使用してもよく、第一の状態は歯磨剤カートリッジ201とダクトワークを接続し、第二の状態はクリーニング液カートリッジとダクトワークを接続する。コントローラ208はさらに、スイッチ弁243が第一の状態にあるときに歯磨剤の用量を吐出するためにポンプ242を動作させ、弁243が第二の状態にあるときに、クリーニング液を槽内に供給するように構成される。
【0096】
図16Aは、複数のマニホールドサブ部品43a、43b、43cを有するマニホールド部43の例をごく概略的に示す。これらのマニホールドサブ部品のそれぞれは、一つ以上の出口開口部44を有してもよい。図16Aに示す実施例では、三つのマニホールドサブ部品があり、各マニホールドサブ部品は二つの出口開口部を有する。しかしながら、マニホールド部43はまた、より多いまたはより少ないマニホールドサブ部品を含んでもよく、また各マニホールドサブ部品は、より多いまたはより少ない出口開口部を含んでもよいことが理解されよう。マニホールド部43は、マニホールドのU字形状の湾曲(出口開口部44が沿って配置される)が、U字形状マウスピースに対して調整可能であるか、または調整するように構成される。矢印Dによって示されるように、マニホールド部のマニホールドサブ部品は、この目的のために、U字形状の湾曲によって画定される平面に平行な平面において互いに対して移動可能である。マニホールドサブ部品のこの可動性は、例えば、互いに独立していてもよい。第一のマニホールド部43および第二のマニホールド部49の場合、第二のマニホールド部は、第一のマニホールド部と同一または類似して構成され得る。第二のマニホールド部49は、例えば、第一のマニホールド部43のマニホールドサブ部品の数とは異なる数のマニホールドサブ部品を有してもよく、および/または第二のマニホールド部49のマニホールドサブ部品の出口開口部の数が、第二のマニホールド部43のマニホールドサブ部品の出口開口部の数とは異なる場合がある。
【0097】
図16Bおよび16Cは、上述のさらなる実施形態によると、マニホールドサブ部品を互いに対して移動させて、出口開口部44が沿って配置されるU字形状の湾曲を調整する方法を、例として示す。
【0098】
図16Bおよび16Cは、出口開口部が沿って配置されるU字形状の曲率と一致しない形状を有する(図16Bを参照)U字形状フルマウスピース20を示す。第一のマニホールド43および第二のマニホールド49のマニホールドサブ部分は、マウスピース20に向かって先細である。マウスピース20に対して矢印Cに従ってマウスピースサブ部品を移動させるとき、マニホールドサブ部品の先細りは、マウスピースのトラフの側壁と係合し、その後、出口開口部が沿って配置される湾曲の平面に平行な方向(矢印D)に誘導されて、マウスピースのトラフに対して整列した位置に達する(図16Cを参照)。矢印Dの方向は、図16Bの初期状態のずれに依存する。
【0099】
図17は、U字形状マウスピースを、マニホールド43、またはマニホールド部43およびマニホールド部49の出口開口部44が沿って配置されるU字形状の湾曲に調整するように構成されたマニホールド510を概略的に示す。この調整は、さらなる実施形態によれば、W字形状の受けドック511を備えるマニホールドによって達成され得る。
【0100】
図17Aを参照すると、W字形状の受けドック510は、中央部材514がその間に配置された二つの隣接する受け入れベイ512、513を有する。各受け入れベイは、外側壁515および中央部材514によって画定される内側壁516を有する。挿入方向Kで見ると、中央部材514は幅が広くなるか、または別の言い方をすれば、挿入方向とは反対の方向に見ると、内側壁516は互いに対して先細りしている。さらに、挿入方向で、互いに対する先細りが見られる。マニホールド510は、第一のマニホールド部43および第二のマニホールド部49をさらに備える。図17Aの図では、第一のマニホールド部43は、第二のマニホールド部49の上方に位置し、第二のマニホールド部49をオーバーラップする。
【0101】
図17Bを参照すると、マウスピース20aの脚が、挿入方向Kで、W字形状の受けドック510内に挿入されるときに、相対的に小さいマウスピース20aがW字形状の受けドックによってどのように広げられるかが概略的に示されている。マウスピース20aの脚の内側は、内側壁516に接触し、マウスピース20aの脚を広げる。
【0102】
図17Cを参照すると、マウスピースのいかなる変形もなく、W字形状の受けドックによって中型マウスピース20bがどのように受容されるかが概略的に示されている。マウスピース20bの脚が、W字形状の受けドックに対して正しく整列しない場合、外側壁515および内側壁516は、マウスピース20bの脚が矢印Kの方向に受け入れベイ512、513内に挿入されるときに、ずれの修正をもたらす。相対的に小さいマウスピース20aが挿入時にずれた場合にも、こうしたずれの修正が実施される。図17Dの比較的大きなマウスピースについても同様のことが適用される。
【0103】
図17Dを参照すると、マウスピース20cの脚が、挿入方向Kで、W字形状の受けドック510内に挿入されるときに、相対的に大きなマウスピース20cがW字形状の受けドックによってどのように小さくされるかが概略的に示されている。マウスピース20cの脚の外側は、外側壁515に接触し、マウスピース20cの脚を圧搾する。
【0104】
図18Aは、図17のさらなる変形として、挿入方向Kで見て、異なる長さの脚を有するマウスピースに対処するためにマニホールドがどのように調整できるかを示す。この目的のために、W字形状の受けドック511は、挿入方向Kに移動可能であるように構成される。受けドック511のこの可動性は、例えば、マウスピースの除去後に、受けドックを矢印Kとは反対の方向にその初期位置に戻す戻りばねとしての役割を果たす、一つ以上のばね522によって対抗されてもよい。図18Aに示すように、各受け入れベイ512、513の底部は、矢印Kとは反対の方向に展開する出口開口部44bが提供されてもよい。これは、マウスピースの脚の自由端を指す、図18Bの四つの矢印によってさらに図示される。マニホールド520はまた、マウスピースと係合し、中央出口開口部44cがマウスピースの切歯部分と整列するようにマウスピースのさらなる挿入を防止するように構成された停止部523をさらに備えてもよい。随意に、追加の出口開口部(図示せず)は、固定湾曲または調整可能な湾曲に沿って、中央出口開口部44cと出口開口部44bとの間に配置されてもよい。
【0105】
図17または図18を参照して説明されるような実施形態は、図16を参照して説明されるような実施形態と組み合わせることができる。
【0106】
本発明の実施形態はまた、以下の項のうちの一つ以上に文言として記述され得る:
【0107】
1]吐出された歯磨剤で、およびマウスピース上にまたはマウスピース内に提供されたクリーニング要素で複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に、歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーであって、
ディスペンサーが、入口およびマニホールドを有するディスペンサーダクト機構を備え、
マニホールドが、歯磨剤を吐出するように構成された複数の出口開口部を備え、
ディスペンサーダクト機構が、入口から複数の出口開口部に歯磨剤を通すように構成され、
出口開口部が、J字形状またはU字形状の湾曲に沿って分布し、湾曲に向かっておよび/または湾曲に沿って展開し(debouch)、出口開口部が、湾曲に沿った複数の位置に同時に歯磨剤を吐出できる得るように、湾曲が、大臼歯、小臼歯、犬歯、および切歯-側切歯および中切歯など-を含む歯列弓の少なくとも一部と合致し、複数の位置が、複数の出口開口部に対応する。
【0108】
2]出口開口部が、湾曲によって画定される平面を挟んで向かい合って配置される、項1に記載のディスペンサー。
【0109】
3]出口開口部が、湾曲によって画定される平面に対して面対称の対で配置される、項2に記載のディスペンサー。
【0110】
4]湾曲がU字形状である、項1~3のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0111】
5]マニホールドが、
-U字形状の湾曲をU字形状マウスピースに対して、
および/または
-U字形状マウスピースをU字形状の湾曲に対して、調整するように構成される、項4に記載のディスペンサー。
【0112】
6]複数の出口開口部が相互に位置関係を有し、マニホールドが、複数の出口開口部の相互の位置関係を調整して、U字形状の湾曲をU字形状マウスピースに適合させるように構成される、項5に記載のディスペンサー。
【0113】
7]マウスピースが、中央部分によって接続された二つの脚部を有するU字形状マウスピースであり、
マニホールドが、中央部材によって分離された二つの隣接する受け入れベイを有するW字形状の受けドックを備え、
ドックが、マウスピースの脚部が受け入れベイ内へと挿入方向に挿入されるときに、U字形状マウスピースの脚部を受け入れベイで受容するように構成され、
各受け入れベイが外側壁と内側壁を有し、内側壁は中央部材によって画定され、
挿入方向で見ると、中央部材が広くなり、
挿入方向で見ると、外側壁が互いに対して先細りになる、項4~6のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0114】
8]歯磨剤のための容器と、歯磨剤容器から入口への歯磨剤の移送のために入口に歯磨剤容器を接続する供給セクションと、をさらに備える、項1~7のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0115】
9]容器から入口への、供給セクションを通る歯磨剤の移送を制御するように構成される作動機構をさらに備える、項8に記載のディスペンサー。
【0116】
10]作動機構が、歯磨剤を加圧してダクトワークを通過させるようにさらに構成される、項9に記載のディスペンサー。
【0117】
11]容器が交換可能な歯磨剤カートリッジである、項8~10のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0118】
12]容器が歯磨剤を含む、項8~11のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0119】
13]歯磨剤が、
-フッ化物、
-歯磨剤の用量当たり0.1~0.15グラム、例えば0.1125~0.1275グラム、または約0.125グラムなどの研磨剤であって、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、シリカおよびヒドロキシアパタイト、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含み得る、研磨剤、
-15~80重量%、例えば、20~40重量%または45~70重量%の水、のうちの一つ以上を含む、項12に記載のディスペンサー。
【0120】
14]容器が、歯磨剤の複数用量、例えば20~150用量の歯磨剤、を含有するために寸法設定され、また作動機構は、作動機構の作動時に、所定の一用量の歯磨剤を移送するように構成される、項8~13のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0121】
15]容器が、所定の用量または、センサもしくはユーザインターフェースから受信した入力に基づいてコントローラによって決定される用量を吐出するように構成される、項14に記載のディスペンサー。
【0122】
16]一用量が0.2~1.25mgのフッ化物、例えば0.20~0.40mgのフッ化物、または0.25~0.375mgのフッ化物、例えば約0.335~0.34mgのフッ化物を含む、項14または15に記載のディスペンサー。
【0123】
17]フッ化物が、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、およびモノフルオロリン酸塩、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含む、項13または16に記載のディスペンサー。
【0124】
18]吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに含む、項1~17のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0125】
19]ディスペンサーが、インジケータおよび少なくとも一つの状態センサであって、
-容器の充填の程度、
および/または
-マウスピースの使用の程度、を感知するように構成された状態センサ、を備え、
インジケータが、状態センサに接続され、センサによって感知された程度を表すか、またはセンサによって感知された程度が、所定の値を個々に下回っているときを示す表示信号を生成するように構成される、項1~18のうちの一つに記載のディスペンサー。
【0126】
20]項1~19のうちの一つに記載のディスペンサー、ならびにディスペンサーによって吐出される歯磨剤で、およびマウスピース上またはマウスピース内に提供されるクリーニング要素で、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース、を備えるアセンブリ。
【0127】
21]
-マウスピース上またはマウスピース内に提供されるクリーニング要素を用いて、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された前述のJ字形状またはU字形状マウスピースを含むデンタルクリーナー、および、
-歯のクリーニングに使用されないときにJ字形状またはU字形状マウスピースを格納するための格納ステーションであって、
-項1~20のうちの一つに記載のディスペンサーと、
-ホルダであって、
格納位置でマウスピースがJ字形状またはU字形状の湾曲に沿って整列し、その結果ディスペンサーの出口開口部を通して吐出された歯磨剤が、湾曲に沿って分布された位置上でマウスピースと係合するように、格納位置においてJ字形状またはU字形状マウスピースを保持するように構成されたホルダと、を備える、格納ステーション、を備える、システム。
【0128】
22]デンタルクリーナーが、マウスピースが取り付けられるハンドルをさらに備え、ホルダが、ハンドルに取り付けられたマウスピースが格納位置に保持されるようにハンドルを受容するように構成されたハンドルホルダである、項21に記載のシステム。
【0129】
23]デンタルクリーナーが、再充電可能電池を備え、格納ステーションが、マウスピースが格納位置にあるとき電池と充電接触するように構成された電池充電器を備える、項21または22に記載のシステム。
【0130】
24]格納ステーションが、マウスピースが格納位置にあるときに、マウスピースをクリーニングするように構成されたクリーニング装置をさらに含む、項21~23のうちの一つに記載のシステム。
【0131】
25]クリーニング装置が、
-クリーニング液用の槽であって、ディスペンサーの出口開口部が槽内に配置され、およびマウスピースを格納位置に受容するように構成された槽と、
-槽内にクリーニング液を供給するためのクリーニング液供給部と、を備え、
クリーニング装置が、槽内に供給されるクリーニング液でマウスピースをクリーニングするように構成される、項24に記載のシステム。
【0132】
26]クリーニング装置が、クリーニング液を有する貯蔵部をさらに備え、貯蔵部が、貯蔵部から槽内にクリーニング液を移送するための液体供給部と動作可能に接続されるか、または接続可能である、項25に記載のシステム。
【0133】
27]貯蔵部が交換可能なクリーニングカートリッジである、項26に記載のシステム。
【0134】
28]液体供給部が、一つ以上のクリーニング液の加圧噴射を槽内に導入するように構成され、噴射がマウスピース上に向けられる、項25~27のうちの一つに記載のシステム。
【0135】
29]デンタルクリーナーが、ブラシ毛などのクリーニング要素を、往復運動に供するように構成された駆動システムを提供され、
クリーニング装置が、マウスピースをクリーニング液と接触した状態で槽に取り込み、駆動システムを動作させて、マウスピースがクリーニング液と接触した状態で槽内の格納位置にあるときに、ブラッシング要素を往復運動に供するように構成される、項24~28のうちの一つに記載のシステム。
【0136】
30]ユーザの動作に応答して、または格納位置に配置された前述のマウスピースに応答して、吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに備える、項21~29のうちの一つに記載のシステム。
【0137】
31]複数の歯位置を同時に包含し、処置するように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピースの複数の位置上に歯磨剤を同時に適用するための、項1~19のうちの一つに記載のディスペンサーの使用、または項21~30のうちの一つに記載のシステムの使用。
【0138】
32]複数の歯位置を同時に包含し、処置するように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に歯磨剤を適用するための方法であって、項1~19のうちの一つに記載のディスペンサー、または項21~30のうちの一つに記載のシステムを使用して、マウスピースの複数の位置上に歯磨剤を同時に適用する、方法。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出された歯磨剤で、およびマウスピース上にまたはマウスピース内に提供されたクリーニング要素で複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に、歯磨剤を吐出するための歯磨剤ディスペンサーであって、
前記ディスペンサーが、入口およびマニホールドを有するディスペンサーダクト機構を備え、
前記マニホールドが、歯磨剤を吐出するように構成された複数の出口開口部を備え、
前記ディスペンサーダクト機構が、前記入口から前記複数の出口開口部に歯磨剤を通すように構成され、
前記出口開口部が、J字形状またはU字形状の湾曲に沿って分布し、前記湾曲に向かっておよび/または前記湾曲に沿って展開し、前記出口開口部が、前記湾曲に沿った複数の位置に同時に歯磨剤を吐出し得るように、前記湾曲が、大臼歯、小臼歯、犬歯、および側切歯および中切歯などの切歯を含む歯列弓の少なくとも一部と合致し、前記複数の位置が、前記複数の出口開口部に対応し、
前記ディスペンサーが、歯磨剤が前記マウスピース上に吐出された後、前記マウスピースを前記マニホールドから離脱し得るように構成される、歯磨剤ディスペンサー。
【請求項2】
前記出口開口部が、前記湾曲によって画定される平面を挟んで向かい合って配置され、前記出口開口部が、前記湾曲によって画定される前記平面に対して面対称の対で配置される、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記湾曲がU字形状であり、前記マニホールドが、前記U字形状の湾曲をU字形状マウスピースに対して、および前記U字形状マウスピースを前記U字形状の湾曲に対して、調整するように構成され、前記複数の出口開口部が相互位置関係を有し、前記マニホールドが、前記複数の出口開口部の前記相互位置関係を調整して、前記U字形状の湾曲を前記U字形状マウスピースに適合させるように構成される、請求項1または2に記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記マウスピースが、中央部分によって接続された二つの脚部を有するU字形状マウスピースであり、
前記マニホールドが、中央部材によって分離された二つの隣接する受け入れベイを有するW字形状の受けドックを備え、
前記ドックが、前記マウスピースの前記脚部が前記受け入れベイ内へと挿入方向に挿入されるときに、前記U字形状マウスピースの前記脚部を前記受け入れベイで受容するように構成され、
各受け入れベイは、外側壁および内側壁を有し、前記内側壁は前記中央部材によって画定され、
前記挿入方向で見ると、前記中央部材の幅が広がり、および、
前記挿入方向で見ると、前記外側壁が互いに対して先細りになる、請求項3に記載のディスペンサー。
【請求項5】
歯磨剤のための容器と、前記歯磨剤容器から前記入口への歯磨剤の移送のために前記入口に前記歯磨剤容器を接続する供給セクションと、をさらに備える、請求項1または2に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記容器から前記入口への、前記供給セクションを通る前記歯磨剤の移送を制御するように構成される作動機構をさらに備え、前記作動機構が、前記歯磨剤を加圧してダクトワークを通過させるように、さらに構成される、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記容器が交換可能な歯磨剤カートリッジである、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記容器が歯磨剤を含み、
前記歯磨剤が、
フッ化物、
歯磨剤の用量当たり0.1~0.15グラム、例えば0.1125~0.1275グラム、または約0.125グラムの研磨剤であって、水酸化アルミニウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、シリカおよびヒドロキシアパタイト、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含み得る、研磨剤、
15~80重量%、例えば、20~40重量%または45~70重量%の水、
のうちの一つ以上を含む、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項9】
前記容器が、歯磨剤の複数用量、例えば20~150用量の歯磨剤、を含有するように寸法設定され、作動機構が、前記作動機構の作動時に、所定の一用量の歯磨剤を移送するように構成され、前記容器が、所定の用量または、センサもしくはユーザインターフェースから受信した入力に基づいてコントローラによって決定される用量を吐出するように構成され、一用量が0.2~1.25mgのフッ化物、例えば0.20~0.40mgのフッ化物、または0.25~0.375mgのフッ化物、例えば約0.335~0.34mgのフッ化物を含む、請求項5に記載のディスペンサー。
【請求項10】
前記フッ化物が、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、およびモノフルオロリン酸塩、またはこれらのうちの一つ以上を含む組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項8に記載のディスペンサー。
【請求項11】
吐出される歯磨剤の用量を調整するように構成された用量調整器をさらに備える、請求項1または2に記載のディスペンサー。
【請求項12】
前記ディスペンサーが、インジケータおよび少なくとも一つの状態センサであって、
容器の充填の程度、および/または前記マウスピースの使用の程度を感知するように構成された状態センサ、を備え、
前記インジケータが、前記状態センサに接続され、前記センサによって感知された程度、または前記センサによって感知された程度が所定を個々に下回っているとき、を示す表示信号を生成するように構成される、請求項1又は2に記載のディスペンサー。
【請求項13】
請求項1または2に記載のディスペンサー、および前記ディスペンサーによって吐出される歯磨剤と、前記マウスピース上または前記マウスピース内に提供されるクリーニング要素とで、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース、を備えるアセンブリ。
【請求項14】
前記マウスピース上または前記マウスピース内に提供されるクリーニング要素を用いて、複数の歯位置を同時に包含しクリーニングするように構成された前記J字形状またはU字形状マウスピースを含むデンタルクリーナー、および、
歯のクリーニングに使用されないときに前記J字形状またはU字形状マウスピースを格納するための格納ステーションであって、
請求項1~13のうちの一項に記載のディスペンサーと、
ホルダであって、
格納位置で前記マウスピースが前記J字形状またはU字形状の湾曲に沿って整列し、その結果前記ディスペンサーの前記出口開口部を通して吐出された歯磨剤が、湾曲に沿って分布された位置上で前記マウスピースと係合するように、前記格納位置において前記J字形状またはU字形状マウスピースを保持して、
歯磨剤が前記マウスピース上に吐出された後、前記マウスピースが前記ホルダから離脱し得るように構成されたホルダと、
を備える格納ステーション、
を備える、システム。
【請求項15】
複数の歯位置を同時に包含し、処置するように構成されたJ字形状またはU字形状マウスピース上に歯磨剤を適用するための方法であって、請求項1に記載されたディスペンサー、または請求項14に記載されたシステムを使用して、前記マウスピースの複数の位置上に前記歯磨剤を同時に適用する、方法。
【国際調査報告】