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特表2023-545153対象物品を検査するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】対象物品を検査するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 3/12 20060101AFI20231019BHJP
【FI】
G01V3/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522352
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2021074291
(87)【国際公開番号】W WO2022073703
(87)【国際公開日】2022-04-14
(31)【優先権主張番号】20200259.8
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523128346
【氏名又は名称】センス-テク リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ, スティーブン
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB11
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105HH04
(57)【要約】
対象物品を通して電磁放射線のビームを送信するためのエネルギーソース及び前記対象物品から出てくる前記ビームを受信するための検出器を有するセンシングユニットと、コントローラとを備える感知装置であって、前記検出器が分散構成で配置され、前記センシングユニットが複数のグループを含み、前記コントローラが、単一のグループに第1の活性化信号を送信し、前記次のグループに第2の活性化信号を別の時間に送信し、それに続く信号をさらなるグループに送信し、前記分散構成では、各グループの各検出器が、互いのグループの互いの検出器から離間される距離が、次の連続するグループの最も近い検出器から離間される距離よりも大きい、感知装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物品の検査方法であって
電磁放射線のビームのための複数のビーム軌道を提供するステップであって、前記複数のビーム軌道は、ビーム軌道のグループの区分に分解可能である分散構成で配置され、前記グループの各々は少なくとも1つのビーム軌道を含み、二つ以上のビーム軌道を含むグループ内の前記ビーム軌道間の距離が、前記複数のビーム軌道における前記ビーム軌道間の距離のうちの少なくとも1つよりも大きい所定の値以上である、ステップと、
前記複数のビーム軌道内に前記対象物品を位置決めしつつ、前記グループの前記ビーム軌道に沿って前記電磁放射線のビームを送信させるために前記グループの各々を連続的に起動し、前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの各々からの電磁放射線を感知するステップと、
を含む検査方法。
【請求項2】
位置決めが、前記複数のビーム軌道を横切って前記対象物品を移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの各々から前記感知された電磁放射線の各々と、前記電磁放射線が反射又は通過した前記対象物品の対応する位置との間に対応関係が確立される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記位置と、前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記電磁放射との間の前記対応関係が、画面上のピクセルによる表現に変換される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ビーム軌道の数が全てのグループにおいて同じである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記ビーム軌道のグループのうちの少なくとも1つが、前記他のグループのうちの1つの並進シフトによって生成されうる、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
対象物品を検査するための装置であって、
電磁放射線の複数のビームを複数のビーム軌道に沿って送信する手段であって、前記ビーム軌道は、ビーム軌道のグループの区分に分解可能である分散構成で配置され、前記グループの各々は少なくとも1つのビーム軌道を含み、二つ以上のビーム軌道を含むグループ内の前記ビーム軌道間の距離が、前記複数のビーム軌道における前記ビーム軌道間の距離のうちの少なくとも1つよりも大きい所定の値以上である、手段と、
前記複数のビーム軌道内に前記対象物品を位置決めするための手段と、
前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの各々の電磁放射線を感知するための手段と、
を備える、装置。
【請求項8】
前記位置決め手段が、前記複数のビーム軌道を横切って前記対象物品を移動させるための手段を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ビーム軌道が、前記複数のビーム軌道内で前記対象物品を位置決めするために提供される空間領域において互いに平行である、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記ビーム軌道は、互いに平行である前記領域において、互いに平行な行と列のアレイに並べられ、前記行が、前記対象物品の運動方向に対して横方向に延在し、前記運動方向に沿って等しく離間され、前記ビーム軌道が前記行内で等しく離間される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記行の各々における前記ビーム軌道が、各行内の前記ビーム軌道間の距離を前記行の数で割った値に等しい距離だけ、前記隣接する行の前記ビーム軌道から横方向にオフセットされている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記行方向における、前記グループの各々での前記ビーム軌道間の距離が、各行内の前記ビーム軌道間の距離の2倍以上であり、直交方向における前記距離が、前記行間の距離の2倍以上である、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記送信手段が、各々が電磁放射線のビームを前記ビーム軌道の1つに供給するように構成された複数のエネルギーソース、特に近赤外レーザと、各々が前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの1つからの電磁放射線を検出するように構成された複数のセンサとを含む、請求項7から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記対象物品が前記ビーム軌道を横切る位置にある状態で、前記グループの各々において前記電磁放射線のビームが前記ビーム軌道に沿って送信されるように、前記グループの各々を連続的に起動させる手段を備える、請求項7から13のいずれかに記載の装置、
【請求項15】
前記所定の値が、前記ビーム軌道上の前記ビーム間の干渉を回避するように選択される、請求項1から6のいずれかに記載の方法又は請求項7から13のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、セラミック、複合材料などの材料中の成分又は欠陥を検出する際に使用する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物品の内部構造を調査するための感知装置は広く知られており、多くの異なる用途を有する。一つの用途は、特に、食用に加工される肉に、骨又は軟骨が存在するかをチェックすることである。このような肉製品は、最終消費者を危険にさらす可能性のある小片を含まず、あらゆる種類の法的規制を満たすことが要求される。食用の肉は、工業的規模で高速で処理されるので、骨又は軟骨の小片の存在を効率的かつ迅速に検出することができる感知装置が必要とされている。
【0003】
X線撮像システムは、食品及び人体を含む様々な対象物の内部構造及び特性を調査するために使用されてきた。特に、X線撮像システムは、過去において、食用に加工されている肉中の骨又は軟骨の小片の存在を検出するために使用されてきた。しかし、このアプローチは、ある程度の密度の材料を検出するのにのみ有効である。牛肉又は豚肉などの生の食品では、ドナー動物の骨又は軟骨が十分に発達しており、X線撮像システムによって検出できる密度のレベルに達しているため、これは問題とならない。しかしながら、鶏肉又は他の家禽など肉に関しては、ドナー動物の骨及び軟骨は通常はあまり発達しておらず、従って小片が容易に検出できるほどの十分な密度ではないため、X線撮像システムは効果的ではない。
【0004】
X線撮像システムには、操作者にとって潜在的に危険である、サイズが大きい、高価であるとの現実を有するなど、他にも問題がある。
【0005】
GANらのUS2009/0279773は、対象物品の内部構造を調査するために、電離放射線ではなく電磁放射線のビームの使用を提案している。特に、一つのバージョンでは、近赤外(NIR)レーザが使用される。NIRのソースビームは、対象物品を通って検出器に送信され、検出器はソースビームのそれに到達した部分を検出し、それに応じて検出器信号を生成する。次いで、コントローラは、検出器信号の振幅と、ソースビームの駆動信号と同じである参照信号の振幅との間の差に対応する、差分値を生成する。差分値は、特定の材料の存在を検出するために、任意の適切な方法で使用することができる。GANはまた、対象物品が複数の空間的に離れた位置で同時に検査できるように、線形構成又は平面構成でNIR検出器のアレイを使用することを開示する。理論的には、このような構成は、検出器信号がデジタル化され、差分値に基づいて生成された視覚特性を有するピクセルを含む視覚画像を、表示画面上に表示するように、画像化機能が構成されている場合、対象物品の画像を生成することができる。
【0006】
しかし、鶏肉のようなものの内部構造を調査しようとする場合、これは実際には不可能であることが判明した。NIR光源ビームが材料を通過する際に過剰に散乱し、隣接する検出器に干渉を与えるためである。特に、食用に加工されている鶏肉の平均的な塊を通過するNIR光源レーザビームは、直径が約40mm以上の領域にわたって散乱する。そのため、NIR光源ビームの線形アレイは、干渉を避けるために、互いに少なくとも40mm離れていなければならず、これは、十分なデータを収集するには遠すぎる。対象物品の内部構造が判読可能な画像を生成するのに十分なデータを収集するために、NIR光源ビームのアレイは、約2.5mmの間隔でそこを透過させる必要がある。
【0007】
本発明は、上述の問題のいくつかを克服することを目的とする。これは、請求項1の方法及び請求項1の方法を実施するのに適した請求項7の装置によって達成される、本発明によるものである。
【発明の概要】
【0008】
請求項1に係る対象物品の検査方法は、
電磁放射線のビームのための複数のビーム軌道を提供するステップであって、前記複数のビーム軌道は、ビーム軌道のグループの区分に分解可能である分散構成で配置され、前記グループの各々は少なくとも1つのビーム軌道を含み、二つ以上のビーム軌道を含むグループ内の前記ビーム軌道間の距離が、前記複数のビーム軌道における前記ビーム軌道間の距離のうちの少なくとも1つよりも大きい所定の値以上である、ステップと、
前記複数のビーム軌道内に前記対象物品を位置決めしつつ前記グループの前記ビーム軌道に沿って前記電磁放射線のビームを送信させるために前記グループの各々を連続的に起動し、前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの各々からの電磁放射線を感知するステップと、
を含む。
【0009】
請求項7に係る対象物品の検査装置は、
電磁放射線の複数のビームを複数のビーム軌道に沿って送信する手段であって、前記ビーム軌道は、ビーム軌道のグループの区分に分解可能である分散構成で配置され、前記グループの各々は少なくとも1つのビーム軌道を含み、二つ以上のビーム軌道を含むグループ内の前記ビーム軌道間の距離が、前記複数のビーム軌道における前記ビーム軌道間の距離のうちの少なくとも1つよりも大きい所定の値以上である、手段と、
前記複数のビーム軌道内に前記対象物品を位置決めするための手段と、
前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの各々の電磁放射線を感知するための手段と、
を備える。
【0010】
従って、本発明によれば、感知装置は、複数のビーム軌道のビームに対応する複数の感知ユニットであって、前記ビーム軌道の各々に沿って対象物品上に電磁放射線のビームを送信するためのエネルギーソース、及び前記対象物品を通過又は前記対象物品から反射した前記ビームの一部分を受信するための検出器を有するセンシングユニットと、コントローラとを備えることができ、前記センシングユニットは分散構成で配置され前記ビーム軌道のグループの区分に分解可能であり、前記グループの各々は少なくとも一つのビーム軌道を含み、二つ以上のビーム軌道を含むグループ内の前記ビーム軌道間の距離が、前記複数のビーム軌道における前記ビーム軌道間の距離のうちの少なくとも1つよりも大きい所定の値以上であり、具体的には、前記センシングユニットは第1のグループと第2のグループとを備え、前記コントローラは第1のグループに第1の起動信号を送信して第1の時間に起動し、第2の起動信号を前記第2のグループに送信して別の第2の時間に起動し、前記センシングユニットの前記第1のグループの各ビーム軌道は、前記センシングユニットの第2のグループの最も近いビーム軌道からの距離よりも大きな距離だけ、前記センシングユニットの前記第1のグループのビーム軌道から互いに離間されている。本発明によれば、同じグループ内のビーム軌道間の距離は、特に、複数のビーム軌道間の最小距離よりも大きく、好ましくは二番目に小さい距離よりも大きい。電磁放射の前記ビームは、自由伝播時にそれぞれの軌道の周囲に基本的に集中したままである。
【0011】
したがって、本発明の最もシンプルな形態では、第1のグループのセンシングユニットと第2のグループのセンシングユニットとが散在し、互いに別々の時間に利用される感知装置である。これは、第2のグループからの干渉がないときに第1のグループのセンシングユニットを起動することを可能にし、逆もまた可能である。
【0012】
センシングユニットは、任意の特定の用途に応じて、様々な二次元又は三次元構成で配置できることが理解されよう。例えば、エネルギーソースは、電磁放射線のビームを異なる方向に、例えばレンズ又はプリズムを介して、単一のエネルギーソースの周りに二次元又は三次元に分散された構成で配置された検出器に、伝達することができる単一のエネルギーソースであってもよい。また、感知装置は、検出器が、対象物品によって(又は、対象物品の背後に配置された反射要素によって)反射された電磁放射線のビームを検出するように配置される反射配置で構成され、この検出器は対象物品に対してエネルギーソースと同じ側に設けられてもよい。
【0013】
しかしながら、好ましい構成では、センシングユニットはそれぞれ、それぞれのビーム軌道に沿ったビーム送信方向を有する別個のエネルギーソースを備えることができ、センシングユニットは、少なくとも複数のビーム軌道を横切って移動する対象物品の通過のために提供される空間領域に、ビーム送信方向が互いに平行となる分散構成で、配置することができる。従って、感知装置は、電磁放射線の平行ビームの経路内に配置された対象三次元物品の内部構造を感知するように構成することができ、各センシングユニットは、そのエネルギーソースと検出器との間に配置された材料の性質を感知する。検知ユニットは集団で、全ての平行なエネルギーソースと検出器との間に位置する物質領域の性質を感知する。
【0014】
センシングユニットは、センシングユニットの第1のグループの各ビーム軌道が、センシングユニットの第2のグループの最も近いビーム軌道から離間されるよりも大きい距離で、センシングユニットの第1のグループの他のビーム軌道から離間される、任意の分散構成で配置され得る。この種の既知のセンサ装置では、センシングユニットは一列に配置される。この構成が使用される場合、本発明を達成するために、センシングユニットの第1のグループのセンシングユニットは、センシングユニットの第2のグループのセンシングユニットと単に交互になるであろう。十字形、又は正方形、円又は他の形状の輪郭形状など、第1のグループのセンシングユニット及び第2のグループのセンシングユニットの検出器が、ライン又は輪郭に沿って交互に配置することができる、他の線形構成が可能である。本発明はまた、任意のより複雑な形状又は構成、又はセンシングユニット間の間隔が変化するランダムな分散構造を含むことができるが、それでも依然として、センシングユニットの第1のグループの各センシングユニットは、センシングユニットの第1のグループの他のセンシングユニットからの距離が、センシングユニットの第2のグループの最も近いセンシングユニットからの距離よりも大きい。
【0015】
上記で説明したように、NIR光源ビームは材料を通過するときに散乱し、いくつかの例では、この散乱は、本発明が第1のグループ及び第2のグループのセンシングユニットのみで実行可能である程度に、十分に最小限でありうる。しかしながら、本発明は、食肉用に加工されている肉の内部構造の感知に特に用途を見いだすことができ、その用途では、二つのセンシングユニットのグループだけでは、対象物品の大きさが小さすぎて効果を発揮できないため、より多くのセンシングユニットのグループが必要となることがある。
【0016】
従って、センシングユニットは、第3のグループ及び第4のグループをさらに備えていてもよく、第1、第2、第3、及び第4のグループのセンシングユニットの各々の各検出器は、自身のセンシングユニットのグループの他のセンシングユニットからの距離が、他のグループの各々の最も近いユニットからの距離よりも大きい距離だけ、互いに離間されうる。コントローラは、第3の起動信号を第3のグループのセンシングユニットに送信し、第4の起動信号を第4のグループのセンシングユニットに送信することができ、第1、第2、第3、及び第4の起動信号は、第1、第2、第3、及び第4のグループのセンシングユニットを互いに別々の時間に起動するように構成される。より一般的には、グループ及び関連する起動信号の数は、4以下に限定されない。4より多く、具体的には、前記複数のビーム軌道の、ビーム軌道の総数によって課される理論的限界まで、4を超える任意の偶数が存在しうる。
【0017】
従って、この形態では、本発明は、センシングユニットの第1、第2、第3、及び第4のグループのユニットが散在し、クワッド起動シーケンスにおいて互いに別々の時間に利用される感知装置である。これは、他のグループのいずれからも干渉されないときに、各グループのセンシングユニットを同時に起動することを可能にする。これは、センシングユニットのより密度の高いアレイ、特に、実用的な視覚画像を作成可能とするのに十分な検出器信号を生成するのに十分なほど、密度の高いアレイを可能にする。
【0018】
第1、第2、第3、及び第4のグループのセンシングユニットは、第1、第2、第3、及び第4のグループの各ユニットが、他のグループのセンシングユニットの各々の最も近いユニットから離間されるよりも大きい距離だけ、それ自身のグループのユニットから互いに離間される、任意の分散構成で配列され得る。上記で説明したように、この種の既知のセンサ装置では、センシングユニットは一列に配置されており、その場合、本発明を達成するために、センシングユニットの第1、第2、第3、及び第4のグループのユニットは、その繰り返しの順序となるよう構成することができる。
【0019】
しかし、鶏肉に照射されたNIRレーザは、約40mmの領域にわたって散乱する。これは、第1、第2、第3、及び第4のグループのセンサユニットが一列に配置された場合、同じグループのセンサユニット間の干渉を確実に回避するために、センサユニットはその列内で、少なくとも10mm離間されなければならないことを意味する。これは、感知装置の空間解像度を、この用途には低すぎるものにする。この問題を解決する一つの方法は、より多数のセンシングユニットのグループを有することであり、それによって、各グループのセンシングユニット間の距離を長くすることであるが、これは、すべてのセンシングユニットが起動するのに時間がかかることを意味し、それ自体が問題を引き起こす。
【0020】
上記に加えて、センサユニットが互いに近ければ近いほど、対象物品の内部構造に関して収集できるデータの品質が向上し、特に、より良好な視覚画像が生成できる。より近接した感知を達成するための一つの方法は、対象物品が一定速度で感知装置を通過して移動し、したがって、それが通過するときの異なった時点で感知できるとの事実を利用することである。
【0021】
従って、センシングユニットを行と列とを含むアレイに配置することができ、アレイの最上行から最下行に向かう方向において、各行を、各行内のセンシングユニット間の距離を行の数で割ったものと等しい距離だけ、前の行から横方向にオフセットさせることができる。この構成では、従来の単一ラインのセンシングユニットが、対象物品の移動方向に分散された2次元アレイとして再配置されている。特定の実施形態では、行は移動方向に対して横方向に延びる。行の数は、二つ以上、特に三つ以上であってもよい。各行内のセンシングユニットの数は、二つ以上、特に三つ以上であってもよい。
【0022】
各行間の横方向オフセットにより、各列は、ピッチ角で配置された一連のセンシングユニットを備え、従ってそれぞれのセンシングユニットは、次のものから横方向に短い距離しか離れていない。従って、対象物品が、行間の距離の倍数である速度で感知装置を通過する場合、各列の各センシングユニットから収集されたデータは、対象物品の一つの平面を表す単一の線に集めることができ、この場合、センシングユニット間の間隔は狭くなる。
【0023】
特定の実施形態では、アレイの交互列の第1のセットは、それぞれ交互に配置された第1及び第2のグループのセンシングユニット備えることができ、アレイの交互列の第2のセットは、それぞれ交互に配置された第3及び第4のグループのセンシングユニットを備えることができる。これは、時計回りに第1、第3、第4、及び第2のグループのセンシングユニットを含む、4つのセンシングユニットの四角形構成からなるアレイを作る。この構成では、一つのグループのセンシングユニット2の最近傍のものは他のグループに属し、一方、それ自身のグループの最近傍のセンシングユニットは、各行又は列に沿って常に二つ分の間隔で離れている。
【0024】
アレイは、任意の数のセンシングユニットを含むことができることが理解できるであろう。特定の実施形態では、その総数は4で割ることができる。しかしながら、好ましくは、アレイは、8行8列に配置された64個のセンシングユニットを備えることができる。
【0025】
この構成によれば、わずか16cm幅のアレイ内に、64個のセンシングユニットを有することができる。これを達成するために、各行内のセンシングユニットは実質的に20mmの距離だけ離すことができ、行同士も実質的に20mmの距離だけ離すことができる。行間の横方向オフセット(列のピッチ)は、2.5mmとすることができる。したがって、対象物品の平面は、最初に、アレイの最上行によって20mmの間隔で感知され、次いで、次の行に移動し、そこで、次の行によって同様に20mmの間隔で感知されるが、2.5mm横にずれる。これは、2.5mmの間隔の完全な検知ラインが出来上がるまで、下方に向けて8つの行すべてに続けられる。これは、判読可能な画像の形成を可能とする十分なデータを収集するのに、十分に近接した値である。
【0026】
以下で言及するように、センシングユニットの第1、第2、第3、及び第4のグループのクワッド起動シーケンスは、1msで起こりうる。その場合、対象物品の進行方向に垂直な平面が1msで第1の行から第2の行までの20mmを移動するように、対象物品の感知装置を通過する速度を設定することができる。しかしながらこれは高速であり、代わりに、速度は、対象物品の平面が、1msを超えて、例えば、4ms(秒速5メートル)、又は8ms(秒速2.5メートル)で、第1の行から第2の行までの20mmを移動するように設定されてもよい。行間の距離の整数倍である任意の速度を選択することができ、必要なことは、その速度を考慮して、各列の各センシングユニットから収集されたデータを、対象物品の一つの平面を表す単一の線に収集し直すことだけである。例えば、速度が秒速2.5メートルの場合、2番目の行の8回目の検出、3番目の行の16回目の検出、4番目の行の24回目の検出など、対象物品の単一の平面を形成するために、全てを最初の行の1回目の検出と位置合わせする必要がある。
【0027】
しかしながら、さらなる複雑な要因があり、すなわち、センシングユニットは、クワッドシーケンスで起動され、それにより、クワッド発光位相間に存在する位相時間遅延の結果として空間オフセットを引き起こす。しかしながら、この空間オフセットは小さい。この小さなオフセットが、例えば1ms毎にデータが生成されるにつれて、何度もピクセル平均化することと組み合わされると、この小さなオフセットは無視できる誤差となる。
【0028】
感知装置全体としてのサイズ、及び鶏肉とは大きく異なる可能性のある感知される対象物品のサイズに応じて、各行内のセンシングユニットは上記とは別の任意の適切な距離だけ離すことができ、行同士はまた、別の任意の適切な距離だけ離すことができる。同様に、必要に応じて、各行は、前の行から任意の対応する距離だけ、横方向にオフセットすることができる。
【0029】
エネルギーソースの波長は、対象物品を通過後の残りの部分が検出可能となるように、対象物品と相互作用できる電磁スペクトル上の任意のものとすることができる。エネルギーソース自体は、LED又は他の形態のエミッタなど、そのような電磁放射を放出することができる任意のものでありうる。しかしながら、好ましくは、エネルギーソースは、前記対象物品を通過してレーザビームを送信させるための近赤外レーザを含むことができる。近赤外線は、700から2000nmの範囲の波長を有する電磁放射線である。この波長範囲では、ほとんどの材料は電磁放射線に対して比較的透明であり、これは、内部構造の検査を行うことを可能にするのに十分な量がそこを通過することを意味する。
【0030】
エネルギーソースは、様々な方法で起動させることができる。例えば、それらは、スイッチのオンとオフとを切り替えることができ、又は、開閉するシャッターによって起動される常時通電されたソースでありうる。さらに、エネルギーソースは、その強度が漸増減する、及び/又はその周波数を調整する駆動信号によって起動させることができる。
【0031】
しかしながら、好ましくは、コントローラは、近赤外レーザを連続的にオン及びオフする各センシングユニットに、パルス波信号を送信することができる。パルス波信号は、実質的に1msのパルス幅及び実質的に0.25msのピーク振幅幅を有することができる。
【0032】
これに続いて、コントローラは、それぞれパルス波信号と次のパルス波信号との間に0.25msの位相差を持たせて、第1、第2、第3、及び第4のパルス波信号を、それぞれ第1、第2、第3、及び第4のグループのセンシングユニットに、同時に送信することができる。したがって、第1、第2、第3、及び第4のグループのセンシングユニットは、連続する1msのクワッド発光シーケンスで起動される。
【0033】
上述のように、本発明は、食用に加工される肉の内部構造を検出するための、特に鶏肉の骨又は軟骨の小片の存在を検出するための手段を提供することを目的とする。感知装置によって収集されたデータは、任意の適切な又は便宜的な方法で利用することができる。例えば、このデータは、検出器によって収集された生データから骨又は軟骨の小片が特定の対象物品に存在するかどうかを決定できる適切なコンピュータプログラムによって、簡単に処理することができる。これは、検出器によって送られた検出信号を、エネルギーソースに送られた起動信号に対応する参照信号と比較することによって行うことができる。これから、差分が容易に判断でき、決定することができる。その場合、アラーム又はその対象物品を生産ラインから取り出すための機構の起動などの、適切な自動動作を実行することができる。
【0034】
しかしながら、好ましくは、感知装置は、画像化機能と視覚表示画面とを備える画像化デバイスをさらに備えることができる。各検出器は、使用時に検出された電磁放射線に対応する検出信号を、画像化デバイスに送信することができる。視覚表示画面は、複数のピクセルを備えることができ、画像化機能は、センシングユニットから受信された検出信号に従ってピクセルの各々の視覚特性を定めることができる。各ピクセルの視覚特性は、単に白から黒までのグレードであってもよい。したがって、基本的には、検出器によって検出される電磁放射線の量が大きいほど、対応するピクセルは、画像化機能によってより明るくされる。したがって、対象物品中に骨又は軟骨の小片が存在する場合、これらは、暗い物体として視覚表示画面上に表示される。この種の画像技術は公知であり、検出信号を操作して実用的な画像を作成できるようにするために、フィルタや位相調整など、多くの種類の強調機能及び調整可能なパラメータが存在する。このような特徴は公知であるので、ここではさらに詳細な説明は行わない。
【0035】
各検出器は、視覚表示画面がライブアニメーション画像を表示するように、連続ライブ検出信号を画像化デバイスに送信することができる。これは、連続的なクワッド発光シーケンスのスピードの結果として生じる。
【0036】
クワッド起動シーケンス及びアレイの形状に内在する上述の位相問題により、センシングユニットの第1、第2、第3及び第4のグループによって収集され、画像化デバイスに送信されるデータは、対象物品がセンシングユニットのアレイを通過する際の対象物品の異なる領域に関連する。したがって、画像化デバイスは、センシングユニットの第1、第2、第3、及び第4のグループの検出器から送信された検出信号について互いに位相を合わせる位相補償機能を備えることができ、これで判読可能な画像が作成される。
【0037】
好ましい構成では、感知装置は、エネルギーソースが配置できる上部ハウジングと、検出器が配置できる下部ハウジングと、上部ハウジングと下部ハウジングとの間で対象物品を移動させるためのコンベヤベルト装置とを備えることができる。これは、センシング業界において一般的に知られている構成であり、対象物品の連続的な流れが一定の速度で感知装置を通過することができる手段を提供することから、本発明に適用可能である。
【0038】
本発明は、様々な方法で実施することができるが、ここでは、例として一実施形態が添付図面を参照しつつ説明がされる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、本発明に係る感知装置の斜視図である。
図2図2は、図1に示される感知装置の上部ハウジングの底面図である。
図3図3は、図1に示される感知装置の下部ハウジングの平面図である。
図4図4は、第1の動作モードにおける、図1に示される感知装置のセンシングユニットのアレイのエネルギーソースの概略図である。
図5図5は、第2の動作モードにおける、図4に示されるエネルギーソースの概略図である。
図6図6は、第3の動作モードにおける、図4に示されるエネルギーソースの概略図である。
図7図7は、第4の動作モードにおける、図4に示されるエネルギーソースの概略図である
図8図8は、図1に示される感知装置の動作構成要素の概略図である。
図9図9は、図1に示される感知装置のセンシングユニットの第1、第2、第3、及び第4のグループに送信される第1、第2、第3、及び第4のパルス波信号の概略図である。
図10図10は、図1に示される感知装置のセンシングユニットの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図に示されるように、感知装置1は、ビーム軌道に沿って対象物品(図示せず)上に電磁放射線のビームを送信するためのNIRレーザ3の形態のエネルギーソース、及び対象物品から発せられるビームを受信するための検出器4を含む複数のセンシングユニット2と、コンピュータプロセッサ5の形態のコントローラとを備える。以下でさらに説明するように、センシングユニット2は分散構成で配置され、センシングユニット2は第1のグループ6及び第2のグループ7を備え、コントローラ(5)は、第1の起動信号8を第1のグループ6に送信して第1の時間に起動し、第2の起動信号9を第2のグループ7に送信して別の第2の時間に起動する。この分散構成では、センシングユニット2の第1のグループ6の各ビーム軌道は、センシングユニット2の第2のグループ7の最も近いビーム軌道からの距離よりも大きな距離だけ、センシングユニット2の第1のグループ6のビーム起動から互いに離間されている。
【0041】
図1を参照すると、感知装置1は、NIRレーザ3及びコンピュータプロセッサ5が配置された上部ハウジング10と、検出器4が配置された下部ハウジング11とを備える。上部ハウジング10及び下部ハウジング11は、食肉の生産ラインの一部を形成する既存のフレームワーク(図示せず)上に取り付けられるように設計されている。このように取り付けると、各センシングユニット2のNIRレーザ3は、その下にある対応する検出器4と垂直方向に整列するため、ビーム軌道の方向はすべて互いに平行になる。下部ハウジング11は、食肉の生産ラインの一部を形成するコンベヤベルト機構(図示せず)に一体化されるように設計された、コンベヤプラットフォーム12の下に取り付けられる。コンベヤプラットフォーム12には開口13が設けられ、検出器4を露出させる。このため、加工鶏肉の形態の対象物品は、一定速度で上部ハウジング10と下部ハウジング11との間を通過することができる。
【0042】
図2及び図3は、それぞれ、上部ハウジング10及び下部ハウジング11の下面14及び上面15を示す。これは、対向するNIRレーザ3及び検出器4から構成されるセンシングユニット2が、アレイ16に配置されることを示す。実際、感知装置1には、そのようなアレイ16及び16aが二つあり、それぞれが、8つの行17及び8つの列18に配置された64個のセンシングユニット2を備える。
【0043】
ここで図4から7を参照すると、これらは、8つの行17及び8つの列18に配置された64個のセンシングユニット2から構成されるアレイ16における、センシングユニット2の配置を示す。特に、感知装置1には、センシングユニットの第1のグループ6及び第2のグループ7だけでなく、第3のグループ19及び第4のグループ20も存在する。コンピュータプロセッサ5は、第3の起動信号21を第3のグループ19に送り、第4の起動信号22を第4のグループ20に送る。本発明は、このようなグループを二つだけ用いて実施することができるが、好ましい実施形態では四つが使用される。図4から7は、それぞれ発光している第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20のNIRレーザ3を示し、それらの位置を図示している。
【0044】
アレイ16の交互列の第1のセット23は、それぞれ、第1のグループ6及び第2のグループ7が交互となったセンシングユニット2を備え、アレイ16の交互列の第2のセット24は、それぞれ、第3のグループ19及び第4のグループ20が交互となったセンシングユニットを備えることが理解されよう。これにより、時計回りの方向に、第1のグループ6、第3のグループ19、第4のグループ20、及び第2のグループ7のセンシングユニット2を含む4つのセンシングユニット2の16個の四角形構成25から構成されるアレイ16が生成される。この構成では、一つのグループのセンシングユニット2の最近傍は他のグループに属し、一方、それ自身のグループの最近傍のセンシングユニット2は、各行17又は列18に沿って常に二つ分の間隔で離れている。
【0045】
アレイ16の幅は16cmである。各行17内のセンシングユニット2は、20mmの距離Aだけ離間され、行17は、20mmの距離Bだけ離間される。行17間における横方向オフセットCは、2.5mmである。
【0046】
図8を参照すると、コンピュータプロセッサ5は、駆動信号サブプログラム28を有するオペレーティングシステム27を備える。これは、第1、第2、第3、及び第4の起動信号8、9、21、及び22を生成し、それぞれセンシングユニット2の第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20に送信する。
【0047】
これらの起動信号8、9、21、及び22は図9に概略的に示されており、それらが周期Dが1ms、ピーク振幅幅Eが0.25msのパルス波信号であることを示している。これらの4つの信号8、9、21及び22は、それぞれセンシングユニット2の第1、第2、第3及び第4のグループ6、7、19及び20に同時に送られ、それぞれのパルス波信号とその次のパルス波信号との間の位相差は、0.25msである。したがって、第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20のセンシングユニットは、連続する1msのクワッド発光シーケンスで、互いに別々の時間に起動される。
【0048】
オペレーティングシステム27はまた、起動信号8、9、21、及び22に対応し、検出信号との比較に使用される参照信号を生成し送信する、参照信号サブプログラム29を備える。
【0049】
感知装置1は、オペレーティングシステム31を含む画像化デバイス30をさらに備え、オペレーティングシステム31は、画像化サブプログラム32、位相補償サブプログラム33、及び視覚表示画面34を含む。検出器2は、使用中に検出した電磁放射線に対応する検出信号を、画像化デバイス30に送信する。視覚表示画面34は、複数のピクセルを備え、画像化サブプログラム32は、センシングユニット2から受信された検出信号に従って、各ピクセルの視覚特性を定める。これは、差分を決定するために、検出信号を、参照信号サブプログラム29によって提供される参照信号と比較することによって、既知の方法で行われる。各ピクセルの視覚特性は、単に白から黒までのグレードとすることができる。
【0050】
検出信号と参照信号との間に差がない場合、対応するピクセルは白色にされる。検出信号がゼロである場合、対応するピクセルは黒色にされ、検出信号がこれらの二つの極限値の間の値を有する場合、ピクセルは適切な濃淡さを有するグレーにされる。従って、検出器4によって検出される電磁放射線の量が多いほど、対応するピクセルは、画像化サブプログラム32によって明るくされる。このようにして、対象物品中に骨又は軟骨の小片が存在する場合、これらは、暗い物体として視覚表示画面34上に表示される。この種の画像技術は公知であり、検出信号を操作して実用的な画像を作成できるようにするために、フィルタや位相調整など、多くの種類の強調機能及び調整可能なパラメータが存在する。このような特徴は公知であるので、ここではこれ以上詳細な説明はされない。
【0051】
図8に示される概略図は非常に単純であり、感知装置1の基本的な機能を単に例示するために提供されることが理解されるであろう。実際には、任意の既知のコンピュータプログラミング方法又は構造を使用して、本発明の機能を実施することができ、それは、個々のプログラマならびに使用されるソフトウェア及び/又はハードウェアに依存する。例えば、画像化デバイス30は、コンピュータプロセッサ5と別個のものではなく、一体化されていてもよい。コンピュータサイエンスにおいて知られており、感知装置1に対して、既知の方法のいずれかでその性能を改善するために適用可能な、多くの他のサブプログラム及び機能が存在していてもよい。必要であるのは、本発明の機能が提供され、感知装置1が、ここに記載されるような新規な特徴を実行することのみである。)
【0052】
検出器4は、視覚表示画面33がライブアニメーション画像を表示するように、連続ライブ検出信号を画像化デバイス30に送信する。これは、連続的なクワッド発光シーケンスの結果として生じる。
【0053】
図10は、アレイ16の一つのセンシングユニット2を示す。これは、既知の構造であり、対向するNIRレーザ3と検出器4とを備える。NIRレーザ3は、上部ハウジング10内に形成されたスロット36内に配置されたエネルギー放出ダイオード35を備える。レンズアセンブリ37はダイオード35の上に配置されており、したがって、これが作動されると、NIRレーザビームは、上部チャネル38を通り、ギャップ39を通って、下部ハウジング11に伝達される。NIRレーザビームは、用途に適した波長を有する。この場合、NIRレーザビームは、鶏肉を実質的に通過するが、鶏肉中の骨又は軟骨小片を少なくとも部分的に通過しない波長を有しており、従ってそれらの存在を検出することができる。NIRレーザビームは、検出器4に到達すると、レンズ40を通過し、続いて下側チャネル41を通過して、検出器ダイオード42に至る。検出器ダイオード42は、NIRレーザビームを検出することができ、検出信号を送信することができる既知の種類の検出器である。
【0054】
再び図4を参照すると、NIRレーザビームは、鶏肉片などの対象物品を通過するとき、直径40mm以上の領域43にわたって散乱する可能性がある。したがって、センシングユニット6aの起動によって引き起こされる散乱は、図示されるように、その周囲の8つのセンシングユニットすべてと、それらが同時に起動される場合には干渉を引き起こす。
【0055】
本発明の感知装置1は、使用時に以下のように動作する。感知装置1は、上部ハウジング10と下部ハウジング11との間を、毎秒2.42メートルの一定速度で移動するように配置されるコンベヤベルトを有する食肉生産ラインのフレームワーク(図示せず)に、取り付けられる。食用鶏肉の商品がコンベヤベルト上に配置され、その結果これらは、上部ハウジング10と下部ハウジング11との間をこの一定速度で通過する。
【0056】
コンピュータプロセッサ5は、駆動信号サブプログラム28が、図9に示す位相シーケンスで、センシングユニット2の第1、第2、第3、第4の起動信号8、9、21、22を、センシングユニット2の第1、第2、第3、第4のグループ6、7、19、20に同時に送信するように動作する。その結果、センシングユニット2の第1、第2、第3、第4のグループ6、7、19、20のNIRレーザ3は、図4から図7に示すように、1msのクワッド発光シーケンスで起動される。また、コンピュータプロセッサ5は、参照信号が画像化デバイス30の画像化サブプログラム32に送られるように動作する。
【0057】
センシングユニット2の第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20の検出器4は、それらに到達するNIRレーザビームを検出し、検出信号を画像化デバイス30に送る。続いて画像化サブプログラム32は、差分を決定するために、検出信号を、参照信号サブプログラム29によって提供された参照信号と比較する。続いてそれは、画像を作成するために、視覚表示画面34の各ピクセルの視覚特性を定める。各ピクセルの視覚特性は、白から黒までのグレードである。検出信号と参照信号との間に差がない場合、対応するピクセルは白色にされる。検出信号がゼロである場合、対応するピクセルは黒色にされ、検出信号がこれらの二つの極限値の間の値を有する場合、ピクセルは適切な濃淡を有するグレーにされる。
【0058】
同時に、位相補償サブプログラム33は、受信した検出信号を判読可能な画像にするために動作する。これは、再ステッチ機能と呼ばれることもある。センシングユニット2の第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20のクワッド起動シーケンスは、1msで発生し、コンベヤベルトは、毎秒2.42メートルで移動している。したがって、コンベヤベルト上を移動する鶏肉片の全体に検出された平面は、64個のセンシングユニット2の全てからの検出データで構成されるが、それらが起動された四つの異なる時点でのものである。特に、最初の行17の第1のグループ6の四つのセンシングユニット2(交互列の第1のセット23にある)は、鶏肉片の特定の平面の内部構造を最初に検出する。
【0059】
同時に、3番目、5番目、及び7番目の行17の、第1のグループ6の4つのセンシングユニット2からなる3つのグループも起動され、それらは、互いに20mm離れた他の3つの平面の内部構造を検出し、これらは鶏肉片と交差している場合もあれば、交差していない場合もある。0.25ms後に、第2番目、第4番目、第6番目及び第8番目の行17の、第2のグループ7の4つのセンシングユニット2からなる4つのグループが起動され、互いに20mm離れている4つの他の平面の内部構造を検出し、これらもやはり鶏肉片と交差している場合も交差していない場合もある。0.25ms後には、第3のグループ19の全てのセンシングユニット2が起動され、0.25ms後には、第4のグループ20の全てのセンシングユニット2が起動され、これにより、8つのさらなる平面の内部構造が検出される。この1msのクワッド発光プロセスは連続的に繰り返され、そのため、鶏肉片が感知装置1を通過するにつれて、データが、鶏肉片の連続する各平面の2.5mmの間隔を置いた領域について、収集される。問題は、判読可能な画像を生成できるように、全てのデータを一緒に再度ステッチすることである。
【0060】
この例では、最初の行17上の第1のグループ6の4つのセンシングユニット2が、鶏肉片の平面の内部構造を検出してから8.25ms後に、その平面は、二番目の行17上の第2のグループ7の4つのセンシングユニット2と位置合わせされており、これは、毎秒2.42メートルの速度であるため、20mmの距離を移動したことを意味する。したがって、鶏肉片の平面が最初の行17の下に来た後、鶏肉片の平面がその地点に到達するまでに、2番目の行17における第2のグループ7の4つのセンシングユニット2が起動されるのは、9回目となる。したがって、これらの特定の検出結果は、鶏肉片のこの平面の検出結果を形成するために、つなぎ合わせられる必要がある。
【0061】
センシングユニット2の第3のグループ19及び第4のグループ20は、交互列の第2のセット24内にあり、同じ処理を実行するが、第1のグループ6及び第2のグループ7とは位相が0.5msずれており、なぜならこれらは、1msクアッド発光シーケンスの第3及び第4のクォーターで起動されるからである。位相補償サブプログラム33はまた、これを考慮に入れ、したがって、視覚表示画面34上のピクセルの各ラインが、感知装置1を通って移動した特定の平面に関連するように、全ての収集されたデータを再ステッチする。感知装置1が二つのアレイ16及び16aを備えるので、視覚表示画面34は、各ラインに128のデータ収集点を含む画像を表示することができる。
【0062】
アレイ16内のセンシングユニット2が分散しているため、各々が作動されると、(図4の43に示されるように)生成される干渉領域は、同じグループのセンシングユニット2のいずれにも到達するには不十分である。したがって、この干渉は、データの収集に影響を与えない。第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20の各々における各センシングユニット2は、その行17内の次のものから常に少なくとも40mm離れているため、クワッド発光シーケンスは、横方向における干渉問題を解決する。センシングユニット2を8つの行17に形成することは、第1、第2、第3、及び第4のグループ6、7、19、及び20の各々における各センシングユニット2は、その列18内の次のものから常に少なくとも40mm離れるため、縦方向における干渉を解決する。2.5mmである行から行への列18のずれ、及び位相補償サブプログラム33によるデータの再ステッチは、検出ユニットのアレイ16が、検出点間の間隔がわずか2.5mmの平面検出を提供することを可能としている。
【0063】
本発明は、請求項1又は7の範囲から逸脱することなく変更することができる。例えば、一つの代替的な実施形態(図示せず)では、感知装置は、検出器が、対象物品によって(又はその背後に配置された反射要素によって)反射された電磁放射線のビームを検出するように配置される反射配置で構成され、検出器は、対象物品に対してエネルギーソースと同じ側に設けられる。
【0064】
他の代替的な実施形態(図示せず)では、エネルギーソースは、開閉するシャッターによって起動される常時通電のエネルギーソース、並びに強度が漸増減する、及び/又はそれらの周波数を調整する駆動信号によって起動される、エネルギーソースを含む、様々な方法で起動される。
【0065】
他の代替的な実施形態(図示せず)では、感知装置によって収集されたデータは、視覚画像を生成するためのデータとして使用されるのではなく、検出器によって収集された生データから特定の対象物品に骨又は軟骨小片が存在するかどうかを決定するために、適切なコンピュータプログラムによって処理される。
【0066】
他の代替的な実施形態(図示せず)では、本発明の感知装置は、他の食品、手荷物、人体などの異なる対象物品の内部構造を調査するように構成され、動作される。これは、用途に適した異なるエネルギーソースの使用を必要とする。
【0067】
このように、本発明は、感知によって引き起こされる干渉面積よりもはるかに小さい間隔で、対象物品の内部構造を検出することができる感知装置を提供する。これは、対象材料によって引き起こされるNIRレーザビームの散乱のために以前は不可能であった、食用に加工された鶏肉における骨又は軟骨の小片の存在を検出するために使用できる、NIRレーザアレイを実現可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】