(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費装置及び電池セルを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/317 20210101AFI20231019BHJP
H01M 50/102 20210101ALI20231019BHJP
H01M 50/148 20210101ALI20231019BHJP
【FI】
H01M50/317 101
H01M50/102
H01M50/148
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523273
(86)(22)【出願日】2021-08-19
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 CN2021113643
(87)【国際公開番号】W WO2023019533
(87)【国際公開日】2023-02-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】蒙 万秋
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲倩▼
(72)【発明者】
【氏名】叶 永煌
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 文忠
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 小▲細▼
(72)【発明者】
【氏名】薛 ▲龍▼▲飛▼
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011KK00
5H011KK01
5H011KK04
5H012BB02
(57)【要約】
本出願は、電池セルを提供し、開口を有するケースと、前記ケースの開口をカバーするカバープレートと、通気膜とを含み、前記カバープレート及び/又は前記ケースは少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔は前記電池セルの内部と外部を連通させ、前記通気膜は前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーする。本出願の電池セルは、電池内部のガスを排出し、ガスがケースの内部に蓄積することを回避し、電極アセンブリの性能を改善し、二次電池の寿命を延ばし、電池セルの安全性能を確保することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケースと、前記ケースの開口をカバーするカバープレートと、通気膜とを含む電池セルであって、
前記カバープレート及び/又は前記ケースは少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔は前記電池セルの内部と外部を連通させ、
前記通気膜は前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーする、ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記少なくとも一つの貫通孔は、前記カバープレート又はケース平面に垂直な方向において、収容セグメントと延伸セグメントを含み、前記収容セグメントの平均孔径は、前記延伸セグメントの平均孔径よりも大きく、前記収容セグメントは、前記延伸セグメントに対して前記電池セルの内部により近く、
バッキング材料をさらに含み、前記バッキング材料の少なくとも一部は、前記収容セグメント内に収容される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記バッキング材料は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜の融点よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記カバープレート及び/又はケースの内部は溝を有し、前記溝は、前記少なくとも一つの貫通孔を取り囲んで設置され、前記通気膜の少なくとも一部は前記溝内に収容される、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記通気膜のエッジから、前記少なくとも一つの貫通孔の前記カバープレート及び/又はケース内部におけるエッジまでの、前記カバープレート又はケース平面に沿う最小距離は、1.5ミリメートル以上である、ことを特徴とする請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
複数の貫通孔を有する場合、前記複数の貫通孔は、前記カバープレート又はケースの平面上において隣り合って配列される、ことを特徴とする請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記通気膜は、熱複合又は接着方式によって、前記カバープレート及び/又は前記ケースの内部に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
電池であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セルを含む、ことを特徴とする電池。
【請求項9】
電力消費装置であって、請求項8に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである、ことを特徴とする電力消費装置。
【請求項10】
電池セルを製造する方法であって、
カバープレート、開口を有するケース、及び通気膜を提供することと、
前記カバープレートで前記ケースの開口をカバーすることと、
前記カバープレート及び/又は前記ケースに、前記電池セルと外部を連通させる少なくとも一つの貫通孔を設置することと、
前記通気膜を前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続し、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーすることとを含む、ことを特徴とする電池セルを製造する方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの貫通孔を、前記カバープレート又はケース平面に垂直な方向において収容セグメントと延伸セグメントを含むように設置し、前記収容セグメントの平均孔径は、前記延伸セグメントの孔径よりも大きく、前記収容セグメントは、前記延伸セグメントに対して前記電池セルの内部により近く、
バッキング材料を提供し、前記バッキング材料の少なくとも一部を前記収容セグメント内に収容する、ことを特徴とする請求項10に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項12】
前記バッキング材料は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜の融点よりも大きい、ことを特徴とする請求項11に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項13】
前記カバープレート及び/又はケースの内部に溝を設置し、前記溝は、前記少なくとも一つの貫通孔を取り囲んで設置され、前記通気膜の少なくとも一部を前記溝内に収容する、ことを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項14】
前記通気膜のエッジから、前記貫通孔の前記カバープレート及び/又はケース内部におけるエッジまでの、前記カバープレート又はケース平面に沿う最小距離を、1.5ミリメートル以上に設定する、ことを特徴とする請求項13に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項15】
複数の貫通孔を有する場合、前記複数の貫通孔を、前記カバープレート及び/又は前記ケースの平面上において隣り合って配列するように設置する、ことを特徴とする請求項14に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項16】
前記通気膜を、熱複合又は接着方式によって、前記カバープレート及び/又は前記ケースの内部に接続する、ことを特徴とする請求項15に記載の電池セルを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電力消費装置、及び前記電池セルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと排出削減は、自動車産業の持続可能な発展のカギであり、電動車両は、その省エネと環境保全の優位性のため、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池、例えばリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高く、環境にやさしいなどの利点のため、携帯電話、ノートパソコンなどの電子機器に幅広く応用されている。近年、環境問題、ガソリン価格問題、エネルギー貯蔵問題などに対応するために、リチウムイオン電池の応用は、すでにハイブリッド車両、汽船、エネルギー貯蔵システムなどに急速に拡大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池は、一般的には複数の電池セルを含み、電池セルは、ケース、ケース内に収容される電極アセンブリと電解質溶液、及びケースに接続されるカバーアセンブリを含み、電極アセンブリは、正極板、負極板、及び正極板と負極板を隔てるセパレータを含む。電解質溶液の漏洩を回避するために、カバーアセンブリは、一般的にはケースをシールする。しかしながら、電極アセンブリの充放電過程においてガスが発生し、ガスが蓄積するにつれて、ケース内部の圧力が継続的に増加し、電池の変形及び電極アセンブリ性能の劣化のリスクを引き起こしやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題に鑑みて、本出願は、電池セル、電池、電力消費装置、及び前記電池セルを製造する方法を提供する。電池内部のガスを排出し、ガスがケースの内部に蓄積することを回避し、電極アセンブリの性能を改善し、二次電池の寿命を延ばし、電池セルの安全性能を確保することができる。
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、電池セルを提供し、該電池セルは、開口を有するケースと、前記ケースの開口をカバーするカバープレートと、通気膜とを含み、前記カバープレート及び/又は前記ケースは少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔は前記電池セルの内部と外部を連通させ、前記通気膜は前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーする。このように、電池セル内部のガスは通気膜を介して電池セルから排出することができ、それによって電池セルが膨張又は爆発するリスクを低減させ、前記通気膜は、電池セル内部の電解質溶液の漏洩及び外部の液体の電池セルへの進入を阻止することもできる。それとともに、通気膜がカバープレート又はケースの内部に接続されるため、電池セルの内部気圧が増加する時、通気膜44に対して外向きの圧力を与えることによって、通気膜のエッジはカバープレート又はケースとより緊密に接続するようになり、通気膜は、カバープレート又はケースからさらに分離しにくくなる。
【0007】
いくつかの実施例において、前記少なくとも一つの貫通孔は、前記カバープレート又は前記ケース平面に垂直な方向において、収容セグメントと延伸セグメントを含み、前記収容セグメントの平均孔径は、前記延伸セグメントの孔径よりも大きく、前記収容セグメントは、前記延伸セグメントに対して前記電池セルの内部により近く、バッキング材料をさらに含み、前記バッキング材料の少なくとも一部は、前記収容セグメント内に収容される。このように、通気膜が、電池セルの内部気圧の作用で外向きに変形する傾向にある時、貫通孔の内壁は、バッキング材料に追加の支持力を提供することによって、通気膜に対する支持力をさらに増加させ、通気膜がさらに変形しにくくなる。
【0008】
いくつかの実施例において、前記バッキング材料は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜の融点よりも大きい。このように、電池セル内部の、通気膜を介するガスは、バッキング材料から順調に排出することができ、電池セルの安全性能を確保する。そして、電池セルの温度が通気膜の融点に達すると、通気膜は変形して流動し、バッキング材料の融点が通気膜の融点よりも大きいため、通気膜材料に対して支持と固定の役割を果たし、通気膜の流動と変形を低減させることができる。
【0009】
いくつかの実施例において、前記カバープレート及び/又はケースの内部は溝を有し、前記溝は、前記少なくとも一つの貫通孔を取り囲んで設置され、前記通気膜の少なくとも一部は前記溝内に収容される。このように、通気膜が占有する電池セルの内部空間を縮小し、カバープレート又はケース全体的な厚さを減少させるとともに、電池セル内部のガスが、少なくとも一部が溝に収容される通気膜を介して、電池セルの外に排出されるように確保することができる。
【0010】
いくつかの実施例において、前記通気膜のエッジから、前記少なくとも一つの貫通孔の前記カバープレート及び/又はケース内部におけるエッジまでの、前記カバープレート又はケース平面に沿う最小距離は、1.5ミリメートル以上である。このように、通気膜とカバープレート又はケースとは、電池セルの内部気圧が増加した場合で、依然として接続状態を維持できるとともに、通気膜の変形の程度は許容可能な範囲内にあることを確保することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、複数の貫通孔を有する場合、前記複数の貫通孔は、前記カバープレート又はケースの平面において隣り合って配列される。このように、電池セルの排気量の要求を満たすとともに、複数の貫通孔間の間隔部分が通気膜に対してより高い支持役割を果たすようにし、そして前記複数の貫通孔をカバーすることを満たす前提で、可能な限り通気膜の面積を減少することもできる。
【0012】
いくつかの実施例において、前記通気膜は、熱複合又は接着方式によって、前記カバーアセンブリ及び/又は前記ケースの内部に接続される。このように、通気膜とカバープレート又はケースとの接続方式が簡略化され、追加の接続構造の使用が回避されるため、製造プロセスは簡略化され、製造コストは削減される。
【0013】
第2の態様によれば、本出願は、上記実施例における電池セルを含む電池を提供する。
【0014】
第3の態様によれば、本出願は、電力消費装置を提供し、該電力消費装置は、上記実施例における電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0015】
第4の態様によれば、本出願は、電池セルを製造する方法を提供し、該方法は、カバープレート、開口を有するケース、及び通気膜を提供することと、前記カバープレートで前記ケースの開口をカバーすることと、前記カバープレート及び/又は前記ケースに、前記電池セルと外部を連通させる少なくとも一つの貫通孔を設置することと、前記通気膜を前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続し、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーすることとを含む。このように、電池セル内部のガスは通気膜を介して電池セルから排出することができ、それによって電池セルが膨張又は爆発するリスクを低減させ、前記通気膜は、電池セル内部の電解質溶液の漏洩及び外部の液体の電池セルへの進入を阻止することもできる。それとともに、通気膜がカバープレート又はケースの内部に接続されるため、電池セルの内部気圧が増える時、通気膜44に対して外向きの圧力を与えることによって、通気膜のエッジはカバープレート又はケースとより緊密に接続するようになり、通気膜は、カバープレート又はケースからさらに分離しにくくなる。
【0016】
いくつかの実施例において、前記少なくとも一つの貫通孔を、前記カバープレート又は前記ケース平面に垂直な方向において収容セグメントと延伸セグメントを含むように設置し、前記収容セグメントの平均孔径は、前記延伸セグメントの孔径よりも大きく、前記収容セグメントは、前記延伸セグメントに対して前記電池セルの内部により近く、バッキング材料を提供し、前記バッキング材料の少なくとも一部を前記収容セグメント内に収容する。このように、通気膜が、電池セルの内部気圧の作用で外向きに変形する傾向にある時、貫通孔の内壁は、バッキング材料に追加の支持力を提供することによって、通気膜に対する支持力をさらに増加させ、通気膜がさらに変形しにくくなる。
【0017】
いくつかの実施例において、前記バッキング材料は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜の融点よりも大きい。このように、電池セル内部の、通気膜を介するガスは、バッキング材料から順調に排出することができ、電池セルの安全性能を確保する。そして、電池セルの温度が通気膜の融点に達すると、通気膜は変形して流動し、バッキング材料の融点が通気膜の融点よりも大きいため、通気膜材料に対して支持と固定の役割を果たし、通気膜の流動と変形を低減させることができる。
【0018】
いくつかの実施例において、前記カバープレート及び/又はケースの内部に溝を設置し、前記溝は、前記少なくとも一つの貫通孔を取り囲んで設置され、前記通気膜の少なくとも一部を前記溝内に収容する。このように、通気膜が占有する電池セルの内部空間を縮小し、カバープレート又はケース全体的な厚さを減少させるとともに、電池セル内部のガスが、少なくとも一部が溝に収容される通気膜を介して、電池セルの外に排出されるように確保することができる。
【0019】
いくつかの実施例において、前記通気膜のエッジから、前記貫通孔の前記カバープレート及び/又はケース内部におけるエッジまでの、前記カバープレート又はケース平面に沿う最小距離を、1.5ミリメートル以上に設定する。このように、通気膜とカバープレート又はケースとは、電池セルの内部気圧が増加した場合で、依然として接続状態を維持できるとともに、通気膜の変形の程度は許容可能な範囲内であることを確保することができる。
【0020】
いくつかの実施例において、複数の貫通孔を有する場合、前記複数の貫通孔を、前記カバープレート及び/又は前記ケースの平面上において隣り合って配列するように設置する。このように、電池セルの排気量の要求を満たすとともに、複数の貫通孔間の間隔部分が通気膜に対してより高い支持役割を果たすようにし、そして前記複数の貫通孔をカバーすることを満たす前提で、可能な限り通気膜の面積を減少することもできる。
【0021】
いくつかの実施例において、前記通気膜を、熱複合又は接着方式によって、前記カバープレート及び/又は前記ケースの内部に接続する。
【0022】
上記の説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術手段をより明確に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるようにし、本出願の上記及び他の目的、特徴及び利点をより明らかに理解しやすいようにするために、以下、本出願の具体的な実施形態を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の好ましい実施形態の詳細な記述を読むことによって、当業者にとって、様々な他の利点及び有益点が明らかになる。図面は、好ましい実施形態の目的を示すためにのみ用いられ、本出願を制限するものとはみなされない。そして、図面全体において、同じ部品は、同じ図面記号で表されている。図面において、
【0024】
【
図1A】従来技術による電池セルの構造概略図である。
【
図1B】従来技術による電池セルのカバーアセンブリの構造分解図である。
【
図1C】従来技術による電池セルのカバーアセンブリの正面図である。
【
図2】本出願の実施例による車両の構造概略図である。
【
図3】本出願の実施例による電池の分解構造概略図である。
【
図4】本出願の実施例による電池セルの分解構造概略図である。
【
図5】本出願の実施例によるカバープレートの正面図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施例における一つの孔径可変な貫通孔の概略図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施例における一つの孔径可変な貫通孔の概略図である。
【
図10】本発明のいくつかの実施例における一つの孔径可変な貫通孔の概略図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施例における複数の貫通孔の概略図である。
【
図12】本発明のいくつかの実施例における複数の貫通孔の概略図である。
【
図13】本発明のいくつかの実施例における一つの孔径可変な貫通孔の概略図である。
【
図14A】本発明のいくつかの実施例における複数の貫通孔の配列方式の概略図である。
【
図14B】本発明のいくつかの実施例における複数の貫通孔の配列方式の概略図である。
【
図14C】本発明のいくつかの実施例における複数の貫通孔の配列方式の概略図である。
【
図15】本発明のいくつかの実施例における電池セルを製造する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を結び付けながら本出願の技術案の実施例を詳しく説明する。以下の実施例は、本出願の技術案をより明確に説明するためのものであり、例示に過ぎず、これによって本出願の保護範囲が制限されるものではない。
【0026】
特に定義がない限り、本文に使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためにのみ用いられ、本出願を制限することを意図するものではなく、本出願の明細書と請求の範囲及び上記の図面の説明における用語である「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0027】
本出願の実施例の説明では、用語「第1の」、「第2の」などは、異なる対象を区別する目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は示唆する、又は対象となる技術的特徴の数、特定の順序又は主副関係を暗黙的に示すと理解されない。本出願の実施例の説明では、特に具体的な限定が明確化されない限り、「複数」は二つ以上を意味する。
【0028】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載された該語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0029】
本出願の実施例の説明において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0030】
本出願の実施例の説明において、「複数」という用語は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数のグループ」は、二つ以上のグループ(二つのグループを含む)を指し、「複数枚」は、2枚以上(2枚を含む)を指す。
【0031】
本出願の実施例の説明において、技術用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本出願の実施例の説明の便宜又は説明の簡略化を図るためのものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造及び操作される必要があることを指示又は暗示するものではなく、本出願の実施例を限定するものと理解されるべきでない。
【0032】
本出願の実施例の説明において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語「装着」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、着脱可能に接続されていてもよいし、又は一体化されてもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接的に接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、両素子の内部の連通又は両素子の相互作用関係であってもよい。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願の実施例における具体的な意味を理解することができる。
【0033】
現在、市場情勢の発展の観点から、電池の応用は益々拡大している。電池は、水力、火力、風力、太陽光発電所などのエネルギー貯蔵電源システムに応用されるのみならず、電動自転車、電動バイク、電気自動車などの電動交通ツール、軍事用装備、航空・宇宙飛行などの多くの分野で広く応用されている。電池応用分野の継続的な拡大に伴い、その市場の需要量も絶えず拡大している。
【0034】
単一の電池セルの容量又は電力が小さいため、往々にして複数の電池セルを配列し電池を構成して使用する必要がある。電池の循環使用時間が増加するにつれて、電池セル内部の化学系にはガス生成の現象が発生し、それによって電池セル内部の気圧は継続的に上昇する。そのため、ケース内のガスを排出するために、電池セル上に排気構造を設置する必要がある。電池セルに熱暴走が発生し、電池セル内部の気圧が急激に上昇し、所定温度と圧力に達すると、放圧機構は作動し、電池セル内部の気圧を逃すとともに、一部の熱量を持ち去ることもでき、それによって熱暴走発生の速度を緩める。
【0035】
図1A~
図1Eは、電池セル及びそのカバーアセンブリの構造概略図を示す。
図1Aと
図1Bを参照すると、前記電池セルは、ケース2と、電極アセンブリ3と、カバーアセンブリ1とを含む。カバーアセンブリ1は、カバープレート11と電極端子17を含み、カバープレート11はケース2の開口に固定されることによって、電極アセンブリ3と電解液をケース2の収容キャビティに閉じ込め、電極端子17は、カバープレート11上に設置され、且つ負電極端子と正電極端子を含み、両電極端子17と、対応するタブとの間は、アダプタ片4によって電気的に接続される。カバープレート11に注液孔5が設置され、注液孔5を介して電解液をケース2の収容キャビティに注入する。カバープレート11に防爆孔111が設置され、防爆シート12は、該防爆孔111に覆われる。カバーアセンブリ1は、絶縁プレート16をさらに含み、カバープレート11と電極アセンブリ3とを絶縁させる。
【0036】
図1Bは、電池セルのカバーアセンブリの構造分解図であり、
図1Cは、前記カバーアセンブリの正面図であり、
図1Dは、
図1CのA-A断面図であり、
図1Eは、
図1DのB箇所の拡大図である。
【0037】
図1A~
図1Eに示すように、カバーアセンブリ1は、カバープレート11と、通気膜13と、シール部品14と、リング状金属押さえ片15とを含む。ここで、カバープレート11は通気孔112を有し、前記通気孔112はカバープレート11を貫通し、通気膜13は通気孔112を封止し、通気膜13は、水分阻止と通気の機能を有し、電池セル内のガスを外部へ拡散させることによって、電池セルの内圧の緩和を達成することができ、外部の液体の電池セル内部への進入を阻止することによって、電池セルのシール性を確保することができる。シール部品14は、通気孔112を取り囲んで、通気膜13とカバープレート11との間に設置され、通気膜13とカバープレート11との間の隙間をシールするためのものである。リング状金属押さえ片15は、その厚さ方向を貫通する貫通孔151を有し、それは通気膜13に圧着され、カバープレート11に溶接固定されることによって、通気膜13をカバープレート11に固定する。
【0038】
以上の構造によって、電池セル内部のガスは、通気膜13を介して通気孔112から排出することができ、それによって電池セル内部の圧力を緩和する効果を実現する。
【0039】
発明の発見によると、上記の従来技術案において、通気膜13とカバープレート11は、リング状金属押さえ片15及びシール部品14によって接続され、通気膜13と、リング状金属押さえ片15及びカバープレート11との間の気密性が低い。時間が増えるにつれて、シール部品14は劣化し、内圧が増加し続ける場合、通気膜13は変形し、以上の原因は、いずれもカバープレート11と通気膜13との間の隙間の増大を引き起こす。そして、通気膜13は支持体を有しておらず、使用過程において変形が発生しやすく、これもカバープレート11と通気膜13との間の隙間の増大を引き起こす。他方では、リング状金属押さえ片15とカバープレート11との間に溶接固定が必要とされるため、粒子状物質又は金属屑の脱落によるリスクが存在する。
【0040】
上記の従来技術に存在する欠陥を解消するために、発明者は、鋭意研究を重ねた結果、電池セルを設計し、カバープレートに、通気孔として、電池セルの内部と外部を接続する一つ又は複数の貫通孔を設置し、通気膜を、熱複合又は接着方式によって、前記カバープレートの内部に接続し、且つ上記貫通孔をカバーする。このような通気膜の設置方式によって、通気膜とカバープレートとの接続構造が簡略化され、溶接によるスラグ飛散などのようなリスクが回避される。前記通気孔が複数である場合、複数の通気孔は隣り合って配列されてもよく、通気量を確保すると同時に、通気膜に対する支持力を高め、可能な限り通気膜の面積を減少する。また、通気孔にバッキング材料を収容してもよく、前記バッキング材料の通気力は、通気膜の通気力よりも強く、融点が通気膜の融点よりも高く、それによって通気量を確保すると同時に、通気膜に対する支持力をさらに高める。発明者のさらなる発見によると、熱複合又は接着方式によって通気膜とカバープレートとを結合し、該簡略化した方式によって、カバープレートに単独の接続構造を設置して通気膜を固定する必要はなくなる。そのため、通気孔をカバープレートに設置する以外に、通気孔を、電池セルのケースの任意の位置に設置してもよく、この場合、通気孔とバッキング材料の設置方式、及び通気膜とケースとの接続方式は、上記の、カバープレートに通気孔を設置する方式及び通気膜とカバープレートを接続する方式とは同じであってもよい。
【0041】
本出願の実施例に開示された電池セルは、車両、船舶又は航空機などの電力消費装置に用いられてもよいが、それらに限定されない。本出願に開示された電池セル、電池などを使用して該電力消費装置の電源システムを構成することができ、このように、電池セル内部のガスの排出に役立ち、ガスがケースの内部に蓄積することを回避し、電極アセンブリの性能を改善し、電池セルの寿命を延ばすとともに、電池セルの安全性能を確保する。
【0042】
本出願の実施例は、電池を電源として使用する電力消費装置を提供し、電力消費装置は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動ツール、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙航空機などであってもよいが、これらに限定されない。ここで、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具、電気飛行機玩具などを含んでもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含んでもよい。
【0043】
以下の実施例は、説明しやすいために、本出願の一実施例の電力消費装置が車両200であることを例にして、説明する。
【0044】
図2を参照すると、
図2は、本出願の実施例による車両200の構造概略図である。車両200は、燃料油自動車、ガス自動車、又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車、又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両200の内部に電池201が設置されており、電池201は、車両200の底部又は前部又は後部に設置することができる。電池201は、車両200への給電に使用可能であり、例えば、電池201は、車両200の操作電源とすることができる。車両200は、コントローラ202とモータ203とをさらに含んでもよく、コントローラ202は、電池201がモータ203に給電し、例えば、車両200の始動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いるように制御するためのものである。
【0045】
本出願のいくつかの実施例において、電池201は、車両200の操作電源として用いることができるだけでなく、車両200の駆動電源として、燃料油又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両200に駆動動力を提供することもできる。
【0046】
図3を参照すると、
図3は、本出願の実施例による電池201の構造分解概略図である。電池201は、筐体302と複数の電池モジュール301とを含み、複数の電池モジュール301は、筐体302内に収容される。ここで、筐体302は、複数の電池モジュール301に収容空間を提供するためのものであり、筐体302は、複数種類の構造を採用することができる。いくつかの実施例において、筐体302は、第1の部分3021と第2の部分3022をと含んでもよく、第1の部分3021と第2の部分3022は被せられ、第1の部分3021と第2の部分3022は共同で複数の電池モジュール301を収容するための収容空間を画定する。第2の部分3022は、一端が開口である中空構造であってもよく、第1の部分3021は、板状構造であってもよく、第1の部分3021を第2の部分3022の開口側に被せることによって、第1の部分3021と第2の部分3022は共同で収容空間を画定し、第1の部分3021と第2の部分3022は、いずれも一側が開口した中空構造であってもよく、第1の部分3021の開口側は、第2の部分3022の開口側に被せられる。無論、第1の部分3021と第2の部分3022から形成される筐体302は、様々な形状、例えば、円柱体や直方体などであってもよい。
【0047】
様々な電力需要を満たすために、電池モジュール301は、一つ又は複数の電池セル40を含んでもよい。複数の電池セル40を直列接続、並列接続又は直並列接続して電池モジュール301を構成してから、複数の電池モジュール301を直列接続、並列接続又は直並列接続して電池を構成してもよい。直並列接続は、直列接続と並列接続の組み合わせを指す。例示的に、電池20は、複数の電池セル40を含んでもよく、ここで、複数の電池セル40同士は、直列接続、並列接続又は直並列接続されてもよい。複数の電池セル40は、直接的に筐体内に設置されてもよい。つまり、複数の電池セル40から電池201を直接構成してもよく、電池モジュール301を構成してから、電池モジュール301から電池201を構成してもよい。ここで、各電池セル40は、二次電池又は一次電池であってもよく、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池であってもよいが、それらに限らない。電池セル40は、円柱体、扁平体、直方体又は他の形状などを呈してもよい。
【0048】
図4を参照すると、
図4は、本出願の実施例による電池セル40の分解構造概略図である。電池セル40は、電池を構成する最小単位を指す。
図4に示すように、電池セル40は、カバープレート41、ケース42、電極アセンブリ43及び他の機能的部品を含む。
【0049】
カバープレート41は、ケース42の開口位置に被せることによって電池セル40の内部環境を外部環境から隔離する部品を指す。カバープレート41の形状は、ケース42と嵌合するようにケース42の形状に合わせてもよいが、これに限らない。任意選択的に、カバープレート41は、一定の硬度と強度を有する材質で作製されてもよく、これにより、カバープレート41は、押圧や衝突を受ける時に変形しにくく、電池セル40により高い構造的強度を備えさせ、安全性能を高めることもできる。カバープレート41に、電池セル40内部のガスを排出するための貫通孔411が設置され、防爆孔412は、電池セル40の熱暴走が発生し、内部気圧が急激に上昇する時、電池セル内部のガスを迅速に排出するためのものであり、注液孔413を介して、電解液をケース42の収容キャビティに注入する。カバープレート41に、電極端子などのような機能的部品が設置されてもよい。電極端子は、電池セル40の電気エネルギーを入出力するために、電極アセンブリ43との電気的接続に用いられてもよい。カバープレート41の材質は、種々のもの、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレススチール、アルミニウム合金、プラスチック、又は一定の硬度と強度を有する他の材質などであってもよく、本出願の実施例では特にこれについて限定しない。いくつかの実施例において、カバープレート41の内側に絶縁部材(図示せず)がさらに設置されてもよく、絶縁部材は、短絡のリスクを低減させるように、ケース42内の電気接続部品とカバープレート41との隔離に用いられてもよい。例示的に、絶縁部材は、プラスチック、ゴムなどであってもよい。
【0050】
ケース42は、カバープレート41に合わせて電池セル40の内部環境を形成するためのアセンブリであり、ここで、形成された内部環境は、電極アセンブリ43、電解液及び他の部品を収容するために用いることができる。ケース42とカバープレート41は独立した部品であってもよく、ケース42上に開口を設置し、開口の位置においてカバープレート41を開口に被せることによって電池セル40の内部環境を形成してもよい。これに限らず、カバープレート41とケース42とを一体化にしてもよく、具体的には、カバープレート41とケース42は、他の部品をケースに入れる前に、一つの共通の接続面を形成してもよく、ケース42の内部をパッケージする必要がある時に、カバープレート41をケース42に被せてもよい。ケース42は、様々な形状と寸法、例えば、直方体形状、円柱体形状、六角柱形状などであってもよい。具体的には、ケース42の形状は、電極アセンブリ43の具体的な形状と寸法に基づいて確定されてもよい。ケース42の材質は、種々のもの、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレススチール、アルミニウム合金、プラスチック、一定の硬度と強度を有する他の材質などであってもよく、本出願の実施例ではこれについて特に限定しない。
【0051】
電極アセンブリ43は、電池セル40における、電気化学反応が起こる部品である。ケース42内には、一つ又は複数の電極アセンブリ43が含まれてもよい。電極アセンブリ43は、主に正極板と負極板を捲回又は積層して形成され、一般的には、正極板と負極板との間にセパレータが設けられる。正極板と負極板の活物質を有する部分は電極アセンブリの本体部を構成し、正極板と負極板の活物質を有しない部分は、それぞれタブを構成する。正極タブと負極タブは、共に本体部の一端に位置してもよいし、それぞれ本体部の両端に位置してもよい。電池の充放電過程において、正極活物質と負極活物質は、電解液と反応し、タブは、電極端子に接続されて電流回路を形成する。
【0052】
本出願のいくつかの実施例により、
図4~
図7を参照すると、
図4は、本出願の実施例による電池セル40の分解構造概略図であり、
図5は、前記カバープレートの正面図であり、
図6は、
図5のB-B断面図(完全なカバープレートは図示せず)であり、
図7は、
図6のC箇所の拡大図である。
【0053】
本出願は、電池セル40を提供する。電池セル40は、カバープレート41、ケース42、及び通気膜44を含む。前記ケース42は開口を有し、前記カバープレート41は前記ケース42の開口をカバーする。前記カバープレート41及び/又は前記ケース42上は、少なくとも一つの貫通孔411を有し、前記貫通孔411は、前記電池セルと外部を連通させる。前記通気膜44は前記カバープレート41及び/又は前記ケース42の内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔411をカバーする。
【0054】
図4~
図7において、例示的に少なくとも一つの貫通孔411がカバープレート41に設置されているが、前記少なくとも一つの貫通孔411は、ケース42の各側板又は底板の任意の位置に設置されてもよく、貫通孔411とケース42の設置方式及び位置関係は、
図7に示される貫通孔411とカバープレート41の設置方式及び位置関係と同じである。そして、
図4~
図7において、例示的に貫通孔411は、複数の固定孔径の貫通孔411として示されている。
【0055】
図に示すように、ケース42内に電解液が充填され、少なくとも一つの電極アセンブリ43はケース42内に配置される。当業者であれば理解できるように、前記電池セルは、図面に示されていない他の部品をさらに含む。
【0056】
前記貫通孔411は、カバープレート41又はケース42を貫通する。貫通孔411の数は一つ又は複数であり、貫通孔411の、カバープレート41平面又はケース42平面における最小面積が、電池セルの排気量の要求を満たすことができればよい。前記貫通孔411の孔径は、固定的なものであってもよく、可変なものであってもよい。貫通孔411の孔径が固定孔径で、且つ貫通孔411が一つである場合、貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面における最小面積は、前記貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面における開孔面積である。貫通孔411の孔径が固定孔径で、且つ貫通孔411が複数である場合、貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面における最小面積は、前記複数の貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面における開孔面積の和である。貫通孔411の孔径が可変孔径で、且つ貫通孔411が一つである場合、貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面における最小面積は、前記貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面の内面における開孔面積と、外面上の開孔面積とのうちの小さい方である。貫通孔411の孔径が可変孔径で、且つ貫通孔411が複数である場合、貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面における最小面積は、前記複数の貫通孔411の、カバープレート41又はケース42平面の内面における開孔面積の和と、外面上の開孔面積の和とのうちの小さい方である。
【0057】
本例において、カバープレート41の平面は、カバープレート41のある平面を指し、ケース42の平面は、貫通孔411が設置されるケースの四つの側面又は一つの底面を指し、カバープレート41又はケース42平面の内面は、前記カバープレート41又はケース42の、前記電池セル40の内部にある表面を指し、カバープレート41又はケース42平面の外面は、前記カバープレート41又はケース42の、前記電池セル40の外部にある表面を指す。
【0058】
任意選択的に、通気膜44は、通気特性を有する高分子材料(例えば、PP、PE及びPUのうちの一つ又は二つ以上の組み合わせ)で製造され、且つ液体を阻止することができる。通気膜44は前記カバープレート41及び/又はケース42の内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔411をカバーする。
【0059】
以上の設置によって、通気膜44は、電池セル40内部のガスを電池セル40から排出することができ、それにより電池セル40が膨張又は爆発するリスクを低減させ、電池セル40内部の電解質溶液の漏洩、及び外部の液体の電池セル40への進入を阻止することもできる。それとともに、通気膜44をカバープレート41又はケース42の内部に接続することで、電池セル40の内部気圧が増加する時、通気膜44に対して外向きの圧力を与え、それによって通気膜44のエッジはカバープレート41又はケース42とより緊密に接続するようになり、通気膜44は、カバープレート41又はケース42からさらに分離しにくくなる。そして、貫通孔411の数が増加するにつれて、カバープレート41又はケース42上の複数の貫通孔411間の間隔部分412による通気膜44に対する支持力も増加し、それによって通気膜44はさらに変形しにくくなる。
【0060】
図8~
図10は、本発明のいくつかの実施例における一つの孔径可変な貫通孔411の例を示し、
図8~
図10において、貫通孔411は、前記カバープレート41又は前記ケース42平面に垂直な方向において、収容セグメント4112と延伸セグメント4111を含み、前記収容セグメント4112は、前記延伸セグメント4111に対して前記電池セル40の内部により近い。前記収容セグメント4112の平均孔径は、前記延伸セグメント4111の平均孔径よりも大きい。電池セル40はバッキング材料45をさらに含み、バッキング材料45の少なくとも一部は、収容セグメント4112内に収容される。
【0061】
収容セグメント4112から延伸セグメント4111までの空間は、段階的に1段ずつ減少してもよく(
図8と9に示すとおり)、少しずつ徐々に減少してもよい(
図10に示すとおり)。
図8と
図9では、一つの階段のみが例示的に示されているが、より多くの階段の方式として配置されてもよく、そして、収容セグメント4112と延伸セグメント4111は、変化する孔径のみに対して例示的に定義しているが、収容セグメント4112と延伸セグメント4111の間は、明確な境界点を有してもよく(
図8と
図9に示すとおり)、又は明確な境界点を有していなくもよい(
図10に示すとおり)。明確な境界点を有していない場合、貫通孔におけるある箇所を適切に選択して、収容セグメント4112と延伸セグメント4111との境界点としてもよい。
【0062】
貫通孔が
図8と
図9に示すとおりである場合、収容セグメント4112と延伸セグメント4111の孔径はいずれも固定的であり、平均孔径は、収容セグメント4112と延伸セグメント4111の各々の孔径である。貫通孔が
図10に示すとおりである場合、上記境界点から、前記貫通孔411の、電池セル40外部における開口までの区間は、延伸セグメント4111であり、その平均孔径は、該区間の各位置の孔径の平均値であり、上記境界点から、前記貫通孔411の、電池セル40内部における開口までの区間は、収容セグメント4112であり、その平均孔径は、該区間の各位置の孔径の平均値である。これにより、貫通孔411の、電池セル40の内部に近い部分、即ち収容セグメント4112の平均孔径は、電池セル40の外部に近い部分、即ち延伸セグメント4111の平均孔径よりも大きい。理解できるように、複数の貫通孔411を有する場合、各貫通孔411は固定孔径であってもよく、可変孔径であってもよく、又は固定孔径と様々な可変孔径の貫通孔411の組み合わせであってもよい。
【0063】
いくつかの実施例において、貫通孔411にはバッキング材料45がさらに含まれており、本出願の図面では、バッキング材料45は、ドット背景で示されている。
図8に示すように、バッキング材料45は収容セグメント4112のみに充填され、
図9に示すように、バッキング材料45は収容セグメント4112と延伸セグメント4111に充填され、
図10に示すように、バッキング材料45は、孔径が徐々に変化する貫通孔411に充填されている。理解できるように、複数の貫通孔411を有する場合、バッキング材料45は、そのうち一部の貫通孔の一部の空間に充填されてもよく、全ての貫通孔の全ての空間に充填されてもよい。
【0064】
各貫通孔411は固定孔径であってもよく、可変孔径であってもよく、又は固定孔径と様々な可変孔径の貫通孔411の組み合わせであってもよい。
【0065】
上記貫通孔411の設置方式によって、通気膜44が、電池セル40内部気圧の作用で外向きに変形する傾向にある時、
図8~
図10による例示的な形状の貫通孔411の内壁は、バッキング材料45に追加の支持力を提供することによって、通気膜44に対する支持力をさらに増加させ、通気膜44がさらに変形しにくくなる。
【0066】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、前記バッキング材料45は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜44の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜44の融点よりも大きい。
【0067】
バッキング材料45は疎水通気性材料を採用し、通気膜44に対する支持要件を満たす上で、通気膜44を介するガスがバッキング材料45を順調に通過できることを確保し、通気膜44の通気効果を確保することもできるとともに、外部の液体などを阻止して、外部の液体が電池セル40の内部に入って電池セル40に影響を与えることを回避するとともに、電池セル40内部の電解液の漏れを回避することもできる。
【0068】
いくつかの選択的な実施例において、バッキング材料45の融点は通気膜44の融点よりも大きく、任意選択的に、バッキング材料45の融点と、通気膜44の融点との差は、10℃以上である。
【0069】
通気膜44は、電池セルの通気効果を実現する材料であり、通気膜44を透過するガスは、バッキング材料45から電池セル40の外部に順調に排出する必要がある。そのため、前記バッキング材料45の通気量は通気膜44の通気量よりも大きいことが必要とされ、このように、電池セル40内部の、通気膜44を介するガスは、バッキング材料45から順調に排出でき、電池セル40の安全性能を確保することができる。
【0070】
バッキング材料45の融点が通気膜44の融点よりも大きいため、電池セル40の温度が通気膜44の融点に達すると、通気膜44は変形して流動し、バッキング材料45の融点が通気膜44の融点よりも大きいため、この時、バッキング材料45の材料はその融点に達しておらず、通気膜44の材料に対して支持と固定の役割を果たし、通気膜44の流動と変形を減少させることができる。
【0071】
本出願のいくつかの実施例により、
図11~
図13を参照すると、
図11と
図12は、複数の貫通孔411を設置することを例にし、
図13は、一つの貫通孔411を設置することを例にして、カバープレート41又はケース42内部に溝46を設置する概略図を示している。任意選択的に、前記カバープレート41及び/又はケース42の内部は溝46を有し、前記溝46は、前記少なくとも一つの貫通孔411を取り囲んで設置され、前記通気膜44の少なくとも一部は前記溝内に収容される。
【0072】
上記溝46は、前記カバープレート41又はケース42の内部に設置され、前記少なくとも一つの貫通孔411を取り囲み、通気膜44の少なくとも一部をその中に収容するためのものであり、それによって通気膜44は、一部が溝46に収容されると同時に、前記少なくとも一つの貫通孔411をカバーすることができる。
【0073】
溝46を設置することによって、通気膜44が占有する電池セル40の内部空間を縮小し、カバープレート41又はケース42全体的な厚さを減少させるとともに、電池セル40内部のガスが、少なくとも一部が溝46に収容される通気膜を介して、電池セル40の外に排出されるように確保することができる。
【0074】
図7~
図13を参照すると、本出願のいくつかの実施例により、任意選択的に、前記通気膜44のエッジから、前記少なくとも一つの貫通孔411の前記カバープレート41及び/又はケース42内部におけるエッジまでの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離D0は、1.5ミリメートル以上である。
【0075】
貫通孔411が複数である時、前記最小距離D0は、前記複数の貫通孔411のうち前記通気膜44のエッジに最も近い貫通孔411の、カバープレート41又はケース42の内部におけるエッジから、前記通気膜44のエッジまでの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離であり、例えば
図7、
図11、
図12に示すとおりである。貫通孔411が一つである時、前記D0は、該貫通孔411のカバープレート41又はケース42の内部におけるエッジから、前記通気膜44のエッジまでの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離であり、例えば
図8~
図10、
図13に示すとおりである。
【0076】
様々な電池セル40の内圧条件をシミュレートし、様々な最小距離D0に対してテストを行うことにより、最小距離D0が、1.5ミリメートル以上である時、前記通気膜44とカバープレート41又はケース42とは、依然として接続状態を維持することができ、そして前記通気膜44の変形の程度は許容可能な範囲内である。
【0077】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、複数の貫通孔411を有する場合、前記複数の貫通孔411は、前記カバープレート41又はケース42の平面において隣り合って配列される。
【0078】
図14A-Cは、複数の貫通孔411が隣り合って配列される方式を例示的に示し、理解できるように、複数の貫通孔411の配列方式及び貫通孔411の数は、
図14A-Cの三つの方式に限らず、前記複数の貫通孔411は、他の規則的又は不規則な方式によって隣り合って配列されてもよい。
【0079】
複数の貫通孔411を隣り合って配列することで、電池セル40の排気量の要求を満たすとともに、複数の貫通孔411間の間隔部分412が通気膜44に対してより高い支持役割を果たすようにし、そして前記複数の貫通孔をカバーすることを満たす前提で、可能な限り通気膜44の面積を減少することもできる。
【0080】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、前記通気膜44は、熱複合及び/又は接着方式によって、前記カバープレート41及び/又は前記ケース42の内部に接続される。
【0081】
熱複合の方式によって通気膜44とカバープレート41又はケース42とを接続することで、通気膜44とカバープレート41又はケース42との結合面において、通気膜44の官能基と、カバープレート41、ケース42、又はバッキング材料45の官能基とは、化学結合によって接続され、それによって強い接続力を得る。いくつかの実施例において、通気膜44とカバープレート41又はケース42とを、接着方式によって接続してもよい。
【0082】
上記熱複合又は接着の接続方式によって、通気膜44とカバープレート41又はケースと42の接続方式が簡略化され、追加の接続構造の使用が回避される。そのため、製造プロセスが簡略化され、製造コストが削減される。
【0083】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、本出願は、上記各実施例に記載の電池セル40を含む電池をさらに提供する。
【0084】
前記電池は、一つ又は複数の電池モジュールを含んでもよく、前記複数の電池モジュールは、直列接続、並列接続又は直並列接続する方式によって電池を構成することができる。前記電池モジュールは、一つ又は複数の上記電池セル40をさらに含み、前記複数の電池セルは、直列接続、並列接続又は直並列接続によって上記電池モジュールを構成することができる。又は、前記電池は、直接的に一つ又は複数の上記電池セル40を含んでもよく、前記複数の電池セルは、直列接続、並列接続又は直並列接続によって電池を構成することができる。
【0085】
前記電池は、その中の電池モジュール又は電池セルを包んでシールするためのケースを含んでもよく、電池モジュール又は電池セルを露出させて設置するようにケースを含まなくてもよい。前記ケースは、その中の電池モジュール又は電池セルの形状に適応し、又は前記電池を使用する電力消費装置の配置に適応するように、具体的な需要に応じて各種の形状を選択することができる。
【0086】
前記電池が上記各実施例における電池セル40を含むため、電池セル40内部のガスは、電池セル40からタイムリーに排出することができ、電池セル40が膨張又は爆発するリスクを低減させることによって、前記電池の安全上のリスクをさらに低減させる。
【0087】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、本出願は、上記実施例に記載の電池を含む電力消費装置をさらに提供し、前記電池は、電力消費装置に電気エネルギーを提供するためのものである。
【0088】
前記電力消費装置は、携帯電話、タブレット、ノートパソコン、電動玩具、電動ツール、バッテリ車、電気自動車、汽船、宇宙航空機などであってもよいが、これらに限定されない。ここで、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電気汽船玩具、電気飛行機玩具などを含んでもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙船などを含んでもよい。
【0089】
前記電力消費装置が上記各実施例における電池セル40を含むため、電池セル40内部のガスは、電池セル40からタイムリーに排出することができ、電池セル40が膨張又は爆発するリスクを低減させることによって、前記電力消費装置の安全上のリスクをさらに低減させる。
【0090】
本出願のいくつかの実施例により、任意選択的に、
図15を参照すると、本出願は、電池セルを製造する方法をさらに提供し、具体的には、以下のステップを含む。
【0091】
S1501では、カバープレート、開口を有するケース、及び通気膜を提供する。
【0092】
S1502では、前記カバープレートで前記ケースの開口をカバーする。
【0093】
S1503では、前記カバープレート及び/又は前記ケースに、前記電池セルと外部を連通させる少なくとも一つの貫通孔を設置する。前記貫通孔の設置方式及び具体的な形状は、上記各実施例における定義と同じである。
【0094】
S1504では、前記通気膜を前記カバープレート及び/又はケースの内部に付着し、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーする。
【0095】
前記カバープレート、ケース、通気膜、及び貫通孔の種類、材質、形状、設置方式、並びに各部分間の接続関係は、いずれも上記各実施例における定義と同じである。
【0096】
以上の方法によって製造された電池セルは、電池セル40が膨張又は爆発するリスクを低減させることができ、電池セル40内部の電解質溶液の漏洩、及び外部の液体の電池セル40への進入を阻止することもできる。それとともに、通気膜44をカバープレート41又はケース42の内部に接続することで、電池セル40の内部気圧が増加する時、通気膜44に対して外向きの圧力を与え、それによって通気膜44のエッジはカバープレート41又はケース42とより緊密に接続するようになり、通気膜44は、カバープレート41又はケース42からさらに分離しにくくなる。そして、貫通孔411の数が増加するにつれて、カバープレート41又はケース42上の複数の貫通孔411間の間隔部分412による通気膜44に対する支持力も増加し、それによって通気膜44はさらに変形しにくくなる。
【0097】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、前記少なくとも一つの貫通孔411を、前記カバープレート41又は前記ケース42平面に垂直な方向において収容セグメント4112と延伸セグメント4111を含むように設置し、前記収容セグメント4112の平均孔径は、前記延伸セグメント4111の孔径よりも大きく、前記収容セグメント4112は、前記延伸セグメント411に対して前記電池セル40の内部により近い。バッキング材料45を提供し、前記バッキング材料45の少なくとも一部を前記収容セグメント4112内に収容する。
【0098】
前記貫通孔411、収容セグメント4112、延伸セグメント4111、及びバッキング材料45の形状、設置方式と位置関係は、いずれも以上の各実施例と同じである。
【0099】
上記貫通孔411の設置方式によって、通気膜44が、電池セル40内部気圧の作用で外向きに変形する傾向にある時、
図8~
図10による例示的な形状の貫通孔411の内壁は、バッキング材料45により大きな支持力を提供することによって、通気膜44に対する支持力をさらに増加させ、通気膜44がさらに変形しにくくなる。
【0100】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、前記バッキング材料45は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜44の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜44の融点よりも大きい。
【0101】
バッキング材料45は疎水通気性材料を採用し、通気膜44に対する支持要件を満たす上で、通気膜44を介するガスがバッキング材料45を順調に通過できることを確保し、通気膜44の通気効果を確保することもでき、そして外部の液体などを阻止して、外部の液体が電池セル40の内部に入って電池セル40に影響を与えることを回避するとともに、電池セル40内部の電解液の漏れを回避することもできる。
【0102】
いくつかの選択的な実施例において、バッキング材料45の融点は通気膜44の融点よりも大きく、任意選択的に、バッキング材料45の融点と、通気膜44の融点との差は、10℃以上である。
【0103】
通気膜44は、電池セルの通気効果を実現する材料であり、通気膜44を透過するガスは、バッキング材料45から電池セル40の外部に順調に排出する必要がある。そのため、前記バッキング材料45の通気量は通気膜44の通気量よりも大きいことが必要とされ、このように、電池セル40内部の、通気膜44を介するガスは、バッキング材料45から順調に排出でき、電池セル40の安全性能を確保することができる。
【0104】
バッキング材料45の融点が通気膜44の融点よりも大きいため、電池セル40の温度が通気膜44の融点に達すると、通気膜44は変形して流動し、バッキング材料45の融点が通気膜44の融点よりも大きいため、この時、バッキング材料45の材料はその融点に達しておらず、通気膜44の材料に対して支持と固定の役割を果たし、通気膜44の流動と変形を減少させることができる。
【0105】
本出願のいくつかの実施例により、
図11~
図13を参照すると、
図11と
図12は、複数の貫通孔411を設置することを例にし、
図13は、一つの貫通孔411を設置することを例にして、カバープレート41又はケース42内部に溝46を設置する概略図を示している。任意選択的に、前記カバープレート41及び/又はケース42の内部は溝46を有し、前記溝46は、前記少なくとも一つの貫通孔411を取り囲んで設置され、前記通気膜44の少なくとも一部は前記溝内に収容される。
【0106】
上記溝46は、前記カバープレート41又はケース42の内部に設置され、前記少なくとも一つの貫通孔411を取り囲み、通気膜44の少なくとも一部をその中に収容するためのものであり、それによって通気膜44は、一部が溝46に収容されると同時に、前記少なくとも一つの貫通孔411をカバーすることができる。
【0107】
溝46を設置することによって、通気膜44が占有する電池セル40の内部空間を縮小し、カバープレート41又はケース42全体的な厚さを減少させるとともに、電池セル40内部のガスが、少なくとも一部が溝46に収容される通気膜を介して、電池セル40の外に排出されるように確保することができる。
【0108】
図7~
図13を参照すると、本出願のいくつかの実施例により、任意選択的に、前記通気膜44のエッジから、前記少なくとも一つの貫通孔411の前記カバープレート41及び/又はケース42内部におけるエッジまでの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離D0は、1.5ミリメートル以上であり、及び/又は、前記通気膜44と前記カバープレート41及び/又はケース42との間の剥離力は、1ニュートン/ミリメートル以上である。
【0109】
貫通孔411が複数である時、前記D0は、前記複数の貫通孔411のうち前記通気膜44のエッジに最も近い貫通孔411の、カバープレート41又はケース42の内部におけるエッジから、前記通気膜44のエッジまでの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離であり、例えば
図7、
図11、
図12に示すとおりである。貫通孔411が一つである時、前記D0は、該貫通孔411のカバープレート41又はケース42の内部におけるエッジから、前記通気膜44のエッジまでの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離であり、例えば
図8~
図10、
図13に示すとおりである。
【0110】
様々な電池セル40の内圧条件をシミュレートし、様々なD0に対してテストを行うことにより、最小距離D0が、1.5ミリメートル以上である時、前記通気膜44とカバープレート41又はケース42とは、依然として接続状態を維持することができ、そして前記通気膜44の変形の程度は許容可能な範囲内である。
【0111】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、複数の貫通孔411を有する場合、前記複数の貫通孔411は、前記カバープレート41又はケース42の平面上において隣り合って配列される。
【0112】
図14A-Cは、複数の貫通孔411が隣り合って配列される方式を例示的に示し、理解できるように、複数の貫通孔411の配列方式及び貫通孔411の数は、
図14A-Cの三つの方式に限らず、前記複数の貫通孔411は、他の規則的又は不規則な方式によって隣り合って配列されてもよい。
【0113】
複数の貫通孔411を隣り合って配列することで、電池セル40の排気量の要求を満たすとともに、複数の貫通孔411間の間隔部分412が通気膜44に対してより高い支持役割を果たすようにし、そして前記複数の貫通孔をカバーすることを満たす前提で、可能な限り通気膜44の面積を減少することもできる。
【0114】
本出願のいくつかの実施例によると、任意選択的に、前記通気膜44は、熱複合及び/又は接着方式によって、前記カバープレート41及び/又は前記ケース42の内部に接続される。
【0115】
熱複合の方式によって通気膜44とカバープレート41又はケース42とを接続することで、通気膜44とカバープレート41又はケース42との結合面において、通気膜44の官能基と、カバープレート41、ケース42、又はバッキング材料45の官能基とは、化学結合によって接続され、それによって強い接続力を得る。いくつかの実施例において、通気膜44とカバープレート41又はケース42とを、接着方式によって接続してもよい。
【0116】
上記熱複合又は接着の接続方式によって、通気膜44とカバープレート41又はケースと42の接続方式が簡略化され、追加の接続構造の使用が回避される。そのため、製造プロセスが簡略化され、製造コストが削減される。
【0117】
図4~
図7を参照すると、貫通孔が複数である時の具体的な実施例が例示的に示されている。ここで、電池セル40を提供し、前記電池セル40は、カバープレート41と、ケース42と、電極アセンブリ43と、通気膜44とを含み、前記カバー体41は、複数の貫通孔411と、複数の貫通孔411の間の複数の間隔部分412とを含む。
図6と
図7において、カバー体41及びその複数の間隔部分412は、斜線背景を使用して示され、複数の貫通孔411は、白色背景を使用して示され、通気膜44は、黒色背景を使用して示され、ここで、五つの通気孔411を例示的に示している。
【0118】
ここで、通気膜44は、熱複合及び/又は接着方式によって、前記カバープレート41及び/又は前記ケース42の内部に接続される。熱複合の方式によって通気膜44とカバープレート41又はケース42とを接続することで、通気膜44とカバープレート41又はケース42との結合面において、通気膜44の官能基と、カバープレート41、ケース42、又はバッキング材料45の官能基とは、化学結合によって接続され、それによって強い接続力を得る。いくつかの実施例において、通気膜44とカバープレート41又はケース42とを、接着方式によって接続してもよい。
【0119】
図7を参照すると、前記通気膜44のエッジから前記複数の貫通孔まで、通気膜44のエッジに最も近い貫通孔の、前記カバープレート41及び/又はケース42内部におけるエッジの、前記カバープレート41又はケース42平面に沿う最小距離D0は、1.5ミリメートルであり、前記最小距離D0の設定によって、電池セル40の内部気圧が増加し、通気膜に対して電池セル40の外部に向かう圧力を与える時に、前記通気膜44とカバープレート41又はケース42とは、依然として接続状態を維持でき、そして前記通気膜44の変形の程度は許容可能な範囲内であることを確保する。
【0120】
図13を参照すると、前記貫通孔が一つである時の具体的な実施例が例示的に示されており、
図13では、貫通孔の位置の具体的な構造のみが示されており、貫通孔以外の部分、例えばカバープレート、ケース、電極アセンブリは、他の実施例と同じであってもよい。
【0121】
該実施例において、前記貫通孔411は、延伸セグメント4111と収容セグメント4112に分けられてよい。延伸セグメント4111は、孔径がL11で、高さがH11の円柱体であり、収容セグメント4112は、孔径がL12で、高さがH12の円柱体である。前記収容セグメント4112は、延伸セグメント4111に対して電池セル40の内部により近く、そして収容セグメント4112の直径は、延伸セグメント4111の直径よりも大きい。
【0122】
図13に示される収容セグメント4112と延伸セグメント4111は、二つの同軸の円柱体であり、当業者であれば理解できるように、収容セグメント4112と延伸セグメント4111が円柱体である場合、両者の軸は重なっていてもよいし、重なっていなくてもよく、平行してもよいし、平行しなくてもよく、収容セグメント4112と延伸セグメント4111から構成される貫通孔41が電池セル40の内部と外部を貫通するように確保できればよい。そして、収容セグメント4112と延伸セグメント4111は、他の規則的又は不規則な形状であってもよく、収容セグメント4112と延伸セグメント4111が非固定的孔径を有する場合、収容セグメント4112の平均孔径が延伸セグメント4111の平均孔径より大きいことを確保すればよい。
【0123】
上記貫通孔411の設置方式によって、通気膜44が電池セル40内部気圧の作用で外向きに変形しようとする時、収容セグメント4112から延伸セグメント4111へ段階的に減少する孔径のため、孔壁はバッキング材料45に追加の支持力を提供することができ、それによって通気膜44に対する支持力をさらに増加させ、通気膜44がさらに変形しにくくなる。無論、収容セグメント4112から延伸セグメント4111へ少しずつ徐々に減少する孔径も、上記の追加の支持力を起こすことができる。
【0124】
図13に示すように、収容セグメント4112と延伸セグメント4111にバッキング材料45が充填されており、前記バッキング材料45は、
図13においてドット背景で示され、前記バッキング材料45の材質は、以上の各実施例と同じである。
【0125】
図13に示すように、カバープレート41の内部は溝46をさらに含み、図示される溝46は、高さがH46で、孔径がL46の円柱体である。前記溝46は、貫通孔411を取り囲んで設置され、その中に通気膜44が収容される。当業者であれば理解できるように、前記溝46は、他の規則的又は不規則な形状であってもよく、前記貫通孔を取り囲んで設置され、且つ少なくとも一部が前記通気膜44を収容できればよい。
【0126】
溝46を有するため、通気膜44が占有する電池セル40の内部空間を縮小し、カバープレート41全体的な厚さを減少させるとともに、電池セル40内部のガスが、少なくとも一部が溝46に収容される通気膜を介して、電池セル40の外に排出されるように確保することができる。
【0127】
当業者であれば理解できるように、上記実施例おける、貫通孔411をトップカバー41に設置する具体的な形態は、同様に、貫通孔411をケース42の各側面又は底面に設置する実施形態にも適用できる。
【0128】
最後に説明すべきこととして、上述の各実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではない。前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前述した各実施例に記載の技術案を依然として変更し、又はそのうちの一部又は全部の技術的特徴を同等に置換することが可能であり、これらの変更又は置換は、対応する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させないものであり、本出願の請求の範囲及び明細書の範囲に包含されるべきである。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例で言及される各技術的特徴はいずれも、任意の方法で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術案を含む。
【0129】
具体的な実施形態における図面中の符号は以下のとおりである。
【符号の説明】
【0130】
図1A~1Eにおいて
電池セル100
カバーアセンブリ1
ケース2
モータアセンブリ3
アダプタ片4
注液孔5
カバープレート11
防爆孔111
通気孔112
防爆シート12
通気膜13
シール部品14
リング状金属押さえ片15
貫通孔151
絶縁プレート16
電極端子17
【0131】
図2~15において
車両200
電池201
コントローラ202
モータ203
電池モジュール301
筐体302
筐体302の第1の部分3021
筐体302の第2の部分3022
電池セル40
カバープレート41
貫通孔411
延伸セグメント4111
収容セグメント4112
隔離部分412
防爆孔412
注液孔413
ケース42
電極アセンブリ43
通気膜44
バッキング材料45
溝46
【手続補正書】
【提出日】2023-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケースと、前記ケースの開口をカバーするカバープレートと、通気膜とを含む電池セルであって、
前記カバープレート及び/又は前記ケースは少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔は前記電池セルの内部と外部を連通させ、
前記通気膜は前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーする
、電池セル。
【請求項2】
前記少なくとも一つの貫通孔は、前記カバープレート又は前記ケース平面に垂直な方向において、収容セグメントと延伸セグメントを含み、前記収容セグメントの平均孔径は、前記延伸セグメントの平均孔径よりも大きく、前記収容セグメントは、前記延伸セグメントに対して前記電池セルの内部により近く、
バッキング材料をさらに含み、前記バッキング材料の少なくとも一部は、前記収容セグメント内に収容される
、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記バッキング材料は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜の融点よりも大きい
、請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記カバープレート及び/又はケースの内部は溝を有し、前記溝は、前記少なくとも一つの貫通孔を取り囲んで設置され、前記通気膜の少なくとも一部は前記溝内に収容される
、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記通気膜のエッジから、前記少なくとも一つの貫通孔の前記カバープレート及び/又はケース内部におけるエッジまでの、前記カバープレート又はケース平面に沿う最小距離は、1.5ミリメートル以上である、請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
複数の貫通孔を有する場合、前記複数の貫通孔は、前記カバープレート又はケースの平面上において隣り合って配列される
、請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記通気膜は、熱複合又は接着方式によって、前記カバープレート及び/又は前記ケースの内部に接続される
、請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
電池であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セルを含む
、電池。
【請求項9】
電力消費装置であって、請求項8に記載の電池を含み、前記電池は、電気エネルギーを提供するためのものである
、電力消費装置。
【請求項10】
電池セルを製造する方法であって、
カバープレート、開口を有するケース、及び通気膜を提供することと、
前記カバープレートで前記ケースの開口をカバーすることと、
前記カバープレート及び/又は前記ケースに、前記電池セルと外部を連通させる少なくとも一つの貫通孔を設置することと、
前記通気膜を前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続し、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーすることとを含む
、電池セルを製造する方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの貫通孔を、前記カバープレート又は前記ケース平面に垂直な方向において収容セグメントと延伸セグメントを含むように設置し、前記収容セグメントの平均孔径は、前記延伸セグメントの孔径よりも大きく、前記収容セグメントは、前記延伸セグメントに対して前記電池セルの内部により近く、
バッキング材料を提供し、前記バッキング材料の少なくとも一部を前記収容セグメント内に収容する
、請求項10に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項12】
前記バッキング材料は、疎水通気性材料であり、その通気量は前記通気膜の通気量よりも大きく、及び/又は、その融点は前記通気膜の融点よりも大きい
、請求項11に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項13】
前記カバープレート及び/又はケースの内部に溝を設置し、前記溝は、前記少なくとも一つの貫通孔を取り囲んで設置され、前記通気膜の少なくとも一部を前記溝内に収容する
、請求項10~12のいずれか一項に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項14】
前記通気膜のエッジから、前記貫通孔の前記カバープレート及び/又はケース内部におけるエッジまでの、前記カバープレート又はケース平面に沿う最小距離を、1.5ミリメートル以上に設定する
、請求項13に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項15】
複数の貫通孔を有する場合、前記複数の貫通孔を、前記カバープレート及び/又は前記ケースの平面上において隣り合って配列するように設置する
、請求項14に記載の電池セルを製造する方法。
【請求項16】
前記通気膜を、熱複合又は接着方式によって、前記カバープレート及び/又は前記ケースの内部に接続する
、請求項15に記載の電池セルを製造する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1の態様によれば、本出願は、電池セルを提供し、該電池セルは、開口を有するケースと、前記ケースの開口をカバーするカバープレートと、通気膜とを含み、前記カバープレート及び/又は前記ケースは少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔は前記電池セルの内部と外部を連通させ、前記通気膜は前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーする。このように、電池セル内部のガスは通気膜を介して電池セルから排出することができ、それによって電池セルが膨張又は爆発するリスクを低減させ、前記通気膜は、電池セル内部の電解質溶液の漏洩及び外部の液体の電池セルへの進入を阻止することもできる。それとともに、通気膜がカバープレート又はケースの内部に接続されるため、電池セルの内部気圧が増加する時、通気膜に対して外向きの圧力を与えることによって、通気膜のエッジはカバープレート又はケースとより緊密に接続するようになり、通気膜は、カバープレート又はケースからさらに分離しにくくなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第4の態様によれば、本出願は、電池セルを製造する方法を提供し、該方法は、カバープレート、開口を有するケース、及び通気膜を提供することと、前記カバープレートで前記ケースの開口をカバーすることと、前記カバープレート及び/又は前記ケースに、前記電池セルと外部を連通させる少なくとも一つの貫通孔を設置することと、前記通気膜を前記カバープレート及び/又はケースの内部に接続し、且つ前記少なくとも一つの貫通孔をカバーすることとを含む。このように、電池セル内部のガスは通気膜を介して電池セルから排出することができ、それによって電池セルが膨張又は爆発するリスクを低減させ、前記通気膜は、電池セル内部の電解質溶液の漏洩及び外部の液体の電池セルへの進入を阻止することもできる。それとともに、通気膜がカバープレート又はケースの内部に接続されるため、電池セルの内部気圧が増える時、通気膜に対して外向きの圧力を与えることによって、通気膜のエッジはカバープレート又はケースとより緊密に接続するようになり、通気膜は、カバープレート又はケースからさらに分離しにくくなる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
本出願は、電池セル40を提供する。電池セル40は、カバープレート41、ケース42、及び通気膜44を含む。前記ケース42は開口を有し、前記カバープレート41は前記ケース42の開口をカバーする。前記カバープレート41及び/又は前記ケース42上は、少なくとも一つの貫通孔411を有し、前記貫通孔411は、前記電池セルと外部を連通させる。前記通気膜44は前記カバープレート41及び/又は前記ケース42の内部に接続され、且つ前記少なくとも一つの貫通孔411をカバーする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
図4~
図7を参照すると、貫通孔が複数である時の具体的な実施例が例示的に示されている。ここで、電池セル40を提供し、前記電池セル40は、カバープレート41と、ケース42と、電極アセンブリ43と、通気膜44とを含み、前記
カバープレート41は、複数の貫通孔411と、複数の貫通孔411の間の複数の間隔部分412とを含む。
図6と
図7において、
カバープレート41及びその複数の間隔部分412は、斜線背景を使用して示され、複数の貫通孔411は、白色背景を使用して示され、通気膜44は、黒色背景を使用して示され、ここで、五つの
貫通孔411を例示的に示している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0126
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0126】
当業者であれば理解できるように、上記実施例おける、貫通孔411をカバープレート41に設置する具体的な形態は、同様に、貫通孔411をケース42の各側面又は底面に設置する実施形態にも適用できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0130】
図1A~1Eにおいて
電池セル100
カバーアセンブリ1
ケース2
電極アセンブリ3
アダプタ片4
注液孔5
カバープレート11
防爆孔111
通気孔112
防爆シート12
通気膜13
シール部品14
リング状金属押さえ片15
貫通孔151
絶縁プレート16
電極端子17
【国際調査報告】